〔第1実施形態〕
図1に示すように、遊技機をなす本実施形態のスロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面から見て左端部に設けられたヒンジを介して前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられている。
筐体内部には、当該スロットマシン1全体を制御する遊技制御装置100や遊技制御装置100からの情報に基づき演出を制御する演出制御装置300が収納されている。また、筐体内部には回転可能なリール6a,6b,6cを有する変動表示装置や、メダル払出装置(ホッパー)が配設されている。メダル払出装置は、メダル投入口15から投入されたメダルを受け入れて貯留するとともに、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、遊技制御装置100からの払出し指令(コマンドやデータ)に従ってメダル払出用モータ63を駆動させ、この入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)又は入賞成立に伴う加算によりクレジットの上限を超えた分のメダルを下皿27に払い出す装置である。
また、筐体内部にはこのメダル払出装置からオーバーフローして流入してくるメダルを貯留したり、流入してきたメダルを当該スロットマシン1が設置される設置島のメダル回収機構へ誘導したりするためのオーバーフロータンクも設けられている。この他に筐体内部には、制御装置やモータ、ランプなどの電子部品に電力を供給する電源装置及び当該スロットマシン1の当選確率を例えば6段階の何れかに設定するための設定装置が設けられている。
前面枠2の上部には、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う画像表示装置3、音による演出を行う上スピーカ4a、LEDによる発光装飾を行う装飾装置46や動作する演出可動体装置47を内蔵した枠演出装置7等が設けられている。画像表示装置3は、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示のほか、履歴情報表示など様々な情報を表示する。そして、画像表示装置3における各種演出表示や履歴情報表示は、演出制御装置300によって制御される。すなわち、画像表示装置3が、ゲームの進行に応じた演出を表示することが可能な演出表示手段をなし、演出制御装置300が、演出表示手段の表示制御を行うことが可能な表示制御手段をなす。
前面枠2の中央部には、後方を視認できないようにするとともに装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル9が配され、前面パネル9の中央部には後方を視認可能な(例えば、透明の)図柄表示窓5が形成されている。なお、前面パネル9を表示装置で構成しても良く、図柄表示窓5の部分に画像を表示しない状態ではリール6を視認可能とし、主に図柄表示窓5の周囲において遊技を演出する画像を表示する。この場合、図柄表示窓5の部分に遊技を演出する画像を表示することも可能である。
この図柄表示窓5(窓部)を透して、筐体内に配設されたリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面には、周方向に沿って並ぶように複数の図柄が配されている。また、各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータ64a,64b,64c(図3参照)が設けられており、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。すなわち、リール用モータ64a,64b,64cが各リール6a,6b,6cを駆動する電気的駆動源をなす。
リール用モータ64によりリール6を回転させることによって、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6が停止している状態では、各リール6a,6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっている。すなわち、図柄表示窓5を透して、ゲームの停止結果を導出表示するためのリール6a,6b,6cの有効表示部を視認可能となっている。よって、リール6a,6b,6cが複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部をなす。
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、所定の有効化可能ラインが設定される。本実施形態では各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切るライン(中段ライン)のみが有効化可能ラインとなっている。そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下「賭操作」という。)によって賭数(ベット数)が所定数(例えば3)となることで有効化可能ラインが有効化されて有効ラインとなり(いわゆる3枚がけ専用)、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様(出目)に基づいて入賞(役)の成立/不成立が判断される。なお、3枚がけ専用ではなく1〜3枚の範囲で任意に賭数を設定可能としてもよい。ただし、その場合には通常遊技状態において賭数が3枚である場合に遊技者に最も有利となる内部当選確率となるように後述する内部抽選を行うものとする。
入賞が成立する場合には、有効ライン上に所定の図柄が3つ並ぶ場合の他、見た目上で他のラインで所定の図柄が3つ並ぶ場合もある。このようなラインとしては、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切るライン(上段ライン)、左リール6a下段−中リール6b中段−右リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右上がりライン)、左リール6a上段−中リール6b中段−右リール6c下段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右下がりライン)、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切るライン(下段ライン)、上記以外の各リール6a,6b,6cの図柄表示窓5に臨む前面部(視認可能な部分)を横切るように位置する仮想的なライン(擬似有効ライン)に見た目上図柄が並ぶようにしても良い。以下、有効化可能ライン(中段ライン)や、入賞時に見た目上図柄が整列可能なライン(上段ライン等)をまとめて図柄停止ライン(図柄整列ライン)と称する。
図柄表示窓5の左方には、演出制御装置300により制御されて遊技媒体に関する情報を表示する第2遊技媒体情報表示部44が設けられている。この第2遊技媒体情報表示部は、第2クレジット数表示部11、第2払出数表示部13、第2獲得枚数表示部12が設けられている。第2クレジット数表示部11は、メダル払出装置により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、第2払出数表示部13は、入賞成立時の払出枚数を表示する。また、第2獲得枚数表示部12は、特別遊技状態の開始からのメダルの累計獲得枚数を表示する。これらの表示部11,12,13は、例えば7セグメントディスプレイで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
図柄表示窓5の下方には、演出制御装置300により制御されて遊技の情報を表示する第2遊技情報表示部40が設けられている。この第2遊技情報表示部40は、第2左表示部40a、第2中表示部40b、第2右表示部40cの3つの7セグメントディスプレイで構成され、内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるためのリール6の停止順序などを報知可能である。
前面パネル9の下方には、遊技者が遊技に関する操作を行うための遊技操作手段が配された遊技構成部30が設けられている。この遊技構成部30は、前方へ突出した段部となっており、上面及び前面に各種の遊技操作手段が配されている。図2に示すように遊技構成部30の上面の左端部近傍には、遊技操作手段の一つをなす1ベットボタン31が設けられている。この1ベットボタン31は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数が1枚入力されるようになっている。
1ベットボタン31の右側には、リプレイ状態やウェイト状態、遊技可能な待機状態などの状態表示を行う遊技状態表示部18が設けられており、ランプの点灯により遊技状態を表示する。遊技状態表示部18には、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示す再遊技表示部18aと、遊技者がスタートレバー21を操作してからリール6が回転するまでに待ち時間があること(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリール6の回転開始を待機している状態であること)を示す待機表示部18bと、スタート操作が可能であることを示す遊技開始表示部18cと、当該スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を促すメダル投入表示部18dが設けられている。
遊技状態表示部18の右側には、遊技操作手段の一つをなすマックスベットボタン17が設けられている。このマックスベットボタン17は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できるが、クレジット数が上限数に満たない場合にはクレジット数を賭数として入力するようになっている。
マックスベットボタン17の右側には、遊技制御装置100により制御されて遊技媒体に関する情報を表示する第1遊技媒体情報表示部32が設けられている。この第1遊技媒体情報表示部32は、第1クレジット数表示部32a、第1払出数表示部32b、第1獲得枚数表示部32cが設けられている。第1クレジット数表示部32aは、メダル払出装置により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、第1払出数表示部32bは、入賞成立時の払出枚数を表示する。また、第1獲得枚数表示部32cは、特別遊技状態の開始からのメダルの累計獲得枚数を表示する。これらの表示部は、例えば7セグメントディスプレイで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
第1遊技媒体情報表示部32の右側には、遊技制御装置100により制御されて内部抽選の結果に関する情報などの遊技の情報を表示する表示手段をなす第1遊技情報表示部33が設けられている。この第1遊技情報表示部33は、第1左表示部33a、第2中表示部33b、第1右表示部33cの3つの7セグメントディスプレイで構成され、内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるためのリール6の停止順序などを報知可能である。第1遊技情報表示部33の右側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン10が設けられている。この演出ボタン10は遊技操作手段の一つをなすものであり、遊技者が操作することによって画像表示装置3における演出表示において遊技者の操作を介入させた演出が行われたり、遊技の履歴情報が表示されたりするようになっている。
演出ボタン10の右側には、メダル投入口15が設けられている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入センサ51a,51b(図3参照)が設けられており、このメダル投入センサ51a,51bによる検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
遊技構成部30の前面の左端部近傍には遊技操作手段の一つをなす精算ボタン20が設けられている。精算ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダルや1ベットボタン31、マックスベットボタン17により賭数として入力されたメダル(賭メダル)又は入賞が成立することにより払い出されクレジットとして記憶されているメダル(貯留メダル)を下皿27に返却させる指令を与える際に用いられる。なお、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルも下皿27に返却される。また、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入口15からメダルが投入された場合もメダルが下皿27に返却される。ただし、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入口15からメダルが投入された場合にクレジットとして受け入れるようにしても良い。精算ボタン20の右側には遊技操作手段の一つをなすスタートレバー21が設けられている。スタートレバー21は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。
スタートレバー21の右側には、遊技操作手段の一つをなすリール停止ボタン24が設けられている。リール停止ボタン24は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、左リール6a、中リール6b及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた、左リール停止ボタン24a、中リール停止ボタン24b及び右リール停止ボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリール停止ボタン24a,24b,24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材等で形成されている。リール停止ボタン24a,24b,24cの内部には、このリール停止ボタン24a,24b,24cの操作により対応するリール6を停止可能な状態であるか否かを、発光態様により報知するためのリール停止ボタンLED66a,66b,66cがそれぞれ設けられている。すなわち、リール停止ボタン24a,24b,24cが、各変動表示部に対応して設けられた停止操作を行うため複数の停止操作部をなし、リール停止ボタンLED66a,66b,66cが停止操作部を発光させることが可能な操作部発光手段をなす。
リール停止ボタン24の右側には、遊技操作手段の一つをなす返却ボタン22が設けられている。返却ボタン22は、メダル投入口15から投入されてメダル流路で詰まったメダルを下皿27に返却させる際に用いられる。返却ボタン22の右側には鍵穴23が設けられている。鍵穴23は、前面枠2を開く際、或いは当該スロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
また、遊技構成部30の下方には、前面枠2の下部領域を構成する下部パネル(化粧パネル)25が設けられている。さらに、下部パネル25の下方であって前面枠2の最下部には、灰皿26、メダルを貯留するための下皿27、メダル払出口28、音声を出力するための下スピーカ4b等が設けられている。なお、各種装置の配置位置は上述したものに限られるものではない。例えば、画像表示装置3の周囲や前面パネル9が設けられた部分又は下部パネル25が設けられた部分に、遊技状態表示部18や第1遊技媒体情報表示部32、第1遊技情報表示部33、第2遊技媒体情報表示部44、第2遊技情報表示部40などを設けても良い。
図3、図4は、スロットマシン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、図1、図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図3に示すように、スロットマシン1は遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である遊技制御装置100を備える。遊技制御装置100は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。
遊技用マイコン111は、CPU(Central Processing Unit)111a、ROM(Read Only Memory)111b、RAM(Random Access Memory)111cを備える。また、内部抽選に用いられる入賞判定用乱数などの各種乱数値を生成する乱数生成回路160、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期のタイマ割込み信号や乱数生成回路160の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータ114などを備えている。
CPU111aは、制御部や演算部を備え、遊技制御装置100の演算処理装置として各種演算処理やデータの入出力、制御信号の生成などを行う。ROM111bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データのほか、内部抽選用の判定値(判定テーブル)等が格納されている。また、ROM111bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブルなどである。停止制御テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるリール6の引き込み停止制御や内部当選していない各種入賞に対応する図柄組合せを有効ラインから外すリールの蹴飛ばし停止制御を行うためのデータ(変化範囲(滑りコマ数)等)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
RAM111cは、スタート操作に基づきCPU111aがサンプリングした内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、内部当選状態のデータ、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ、内部抽選の当選確率値を示すデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU111aの作業領域を提供する。なお、ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、遊技制御装置100の第1入力ポート121には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲート、入出力インタフェースなどを介して、エラー解除SW61、設定ボタンSW60、スタートレバーSW52、精算ボタンSW58、マックスベットボタンSW57、1ベットボタンSW31a、リール停止ボタンSW53(第1リール(左)停止ボタンSW53a、第2リール(中)停止ボタンSW53b、第3リール(右)停止ボタンSW53c)が接続されている。これらのスイッチから出力された各種信号は、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。
また、遊技制御装置100の第2入力ポート122には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲート、入出力インタフェースなどを介して、打止切替SW35、自動精算切替SW36、段階設定キーSW62、満杯検知センサ82、メダル払出センサ59、リールセンサ54(左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54c)が接続されている。これらのスイッチやセンサから出力された各種信号は、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。また、これらのスイッチやセンサから出力された各種信号は遊技制御装置100に設けられたモニタ用LED180に入力され、各種信号の入力に応じて対応するLEDが点灯するようになっている。なお、リールセンサ54については、左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54cのそれぞれの入力に対応するLEDが点灯するようになっている。
また、遊技制御装置100の第3入力ポート123には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲート、入出力インタフェースなどを介して、メダル投入センサ51a、51b、メダル投入不正検出センサ51c、電源遮断信号を生成する電源装置400の制御信号生成部430が接続されている。これらのセンサ等から出力された各種信号は、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、各入力ポート121,122,123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が各入力ポートに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。
また、制御信号生成部430からの電源遮断信号は電源監視回路181にも入力され、電源監視回路181では電源遮断信号の入力に基づき、リセット信号RSTなどの制御信号を生成して遊技用マイコン111に出力する。リセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、各出力ポート131〜139に供給される。また、リセット信号RSTは試射試験装置へ出力するための出力ポート139に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。なお、リセット信号RSTは各入力ポート121,122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に各入力ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
また、遊技制御装置100には、電源装置400の通常電源部410から電力が供給される。通常電源部410は、AC24Vの交流電源から上記DC24V、DC12V、DC5Vの直流電源を生成するコンバータを備え、これらを遊技制御装置100に供給する。また、電源装置400のバックアップ電源部420から遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧が供給され、停電時においてもRAM111cに記憶されたデータが保持されるように構成されている。
ここで、エラー解除SW61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づき当該スロットマシン1をリセットするためのスイッチである。なお、遊技制御装置100は、エラー解除SW61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。
設定ボタンSW60と段階設定キーSW62は、当該スロットマシン1の段階設定値(いわゆる設定)を切り換えるための設定装置に設けられているものである。設定装置に設けられた鍵穴に段階設定キーを差し込んで回すことで段階設定キーSW62がオンとなって設定変更が可能となり、設定装置に設けられた設定ボタンを操作して設定ボタンSW60をオンとするごとに段階設定値が変更されるようになっている。この設定装置により、例えば、1ゲーム毎の内部抽選における各種入賞(役)の当選確率(内部当選確率)が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
スタートレバーSW52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。精算ボタンSW58は、精算ボタン20が操作されたことを検出するためのスイッチである。マックスベットボタンSW57は、マックスベットボタン17が操作されたことを検出するためのスイッチであり、1ベットボタンSW31aは、1ベットボタン31が操作されたことを検出するためのスイッチである。
リール停止ボタンSW53の第1リール(左)停止ボタンSW53a、第2リール(中)停止ボタンSW53b、第3リール(右)停止ボタンSW53cは、それぞれに対応するリール停止ボタン24a,24b,24cが操作されたことを検出するためのスイッチである。打止切替SW35は、特別遊技状態の終了後に遊技を停止する打止モードとするか否かを選択するためのスイッチである。打止モードである場合は特別遊技状態の終了後にエラー解除SW61が操作されなければ遊技が再開できない状態となる。自動精算切替SW36は、特別遊技状態の終了後にクレジットを精算する自動精算を有効とするか否かを選択するためのスイッチである。
満杯検知センサ82は、メダル払出装置のホッパー内のメダルが満杯であることを検出するものである。メダル払出センサ59は、メダル払出装置から払い出されたメダルを検出するものであり、このスイッチからの検出信号を計数することでメダルの払出枚数がカウントされる。リールセンサ54の左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54cは、それぞれに対応するリール6a,6b,6cの回動位相を検出するためのセンサである。
メダル投入センサ51a、51bは、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報に基づいてメダルの投入枚数がカウントされる。また、メダル投入不正検出センサ51cは、メダルを投入したかのように検出させる不正行為を検出するセンサである。メダル投入センサ51a、51bはメダルの流下方向に沿って上流側から並んで配され、メダル投入不正検出センサ51cはメダル投入センサ51aと51bの間に配されている。不正行為がない場合は、メダル投入センサ51aでメダルを検出した後、メダル投入センサ51bで同一のメダルを検出することとなる。また、メダル投入不正検出センサ51cではメダルが流下する瞬間だけ物体の存在を検出する。しかし、メダル投入口15から不正な器具を挿入してメダル投入センサ51a、51bにメダルが通過したかのような検出をさせる不正行為を行う場合は、メダル投入不正検出センサ51cで継続して物体の存在を検出することとなり、これにより不正行為を検出することができる。
また、遊技制御装置100のデータバス140には複数の出力ポートが接続され、当該出力ポートからドライバ等を介してスロットマシンに設けられた各種装置に情報が出力される。遊技用マイコン111は、第1出力ポート131から左リール用モータ64aの動作データ信号を第1ドライバ151に出力し、第1ドライバ151は当該動作データ信号を受けて左リール用モータ64aの駆動信号を生成し、左リール用モータ64aに出力する。また、遊技用マイコン111は、第1出力ポート131から遊技開始表示部18cの表示データ、リール停止ボタン24a,24b,24cの表示データを第2ドライバ152に出力し、第2ドライバ152は当該表示データを受けて遊技開始表示LED67a、リール停止ボタンLED66a,66b,66cの表示信号を生成し、遊技開始表示LED67a、リール停止ボタンLED66a,66b,66cに出力する。
また、遊技用マイコン111は、第2出力ポート132からマックスベットボタン17、ベットライン数表示部(図示略)の表示データを第2ドライバ152に出力し、第2ドライバ152は当該表示データを受けてMAXベットボタンLED17a、ベットライン数表示LED37の表示信号を生成し、MAXベットボタンLED17a、ベットライン数表示LED37に出力する。また、遊技用マイコン111は、第2出力ポート132から中リール用モータ64bの動作データ信号を第3ドライバ153に出力し、第3ドライバ153は当該動作データ信号を受けて中リール用モータ64bの駆動信号を生成し、中リール用モータ64bに出力する。
また、遊技用マイコン111は、第3出力ポート133から右リール用モータ64cの動作データ信号を第4ドライバ154に出力し、第4ドライバ154は当該動作データ信号を受けて右リール用モータ64cの駆動信号を生成し、右リール用モータ64cに出力する。また、遊技用マイコン111は、第3出力ポート133からメダル投入表示部18d、再遊技表示部18aの表示データを第5ドライバ155に出力し、第5ドライバ155は当該表示データを受けてメダル投入表示LED67b、再遊技表示LED67cの表示信号を生成し、メダル投入表示LED67b、再遊技表示LED67cに出力する。
また、遊技用マイコン111は、第4出力ポート134から待機表示部18bの表示データを第6ドライバ156に出力し、第6ドライバ156は当該表示データを受けて待機表示LED67dの表示信号を生成し、待機表示LED67dに出力する。また、遊技用マイコン111は、第4出力ポート134から外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)へ供給する外部情報を第6ドライバ156に出力し、第6ドライバ156は当該外部情報を受けて外部情報信号を生成し、外部信号出力端子170に出力する。
なお、外部信号出力端子170に出力される制御信号としては、例えば、スタートレバー21の操作時に出力される賭数を示す信号(遊技メダル投入信号)、メダルの払い出し時に出力される払い出されたメダル数を示す信号(遊技メダル払出信号)、スーパービッグボーナス状態中であることを示す信号(SBB信号)、ビッグボーナス状態中であることを示す信号(BB信号)、レギュラーボーナス状態中であることを示す信号(RB信号)、リプレイタイム状態中であることを示す信号(RT信号)、前面枠2が開放された時又は設定変更時に出力される信号(セキュリティ信号)等がある。
また、遊技用マイコン111は、第5出力ポート135からメダルの流路を切り替えるメダルセレクタに設けられたセレクタソレノイド68の動作データ信号を第5ドライバ155に出力し、第5ドライバ155は当該動作データ信号を受けてセレクタソレノイド68の駆動信号を生成し、セレクタソレノイド68に出力する。また、遊技用マイコン111は、第5出力ポート135から第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32のデジット線のオン/オフ駆動データを第7ドライバ157に出力し、第7ドライバ157は当該駆動データを受けてデジット線のオン/オフ駆動信号を生成し、第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32に出力する。
また、遊技用マイコン111は、第6出力ポート136から第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32のセグメント線のオン/オフ駆動データを第8ドライバ158に出力し、第8ドライバ158は当該駆動データを受けてセグメント線のオン/オフ駆動信号を生成し、第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32に出力する。これにより第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32がダイナミック駆動方式で制御されることとなる。また、遊技用マイコン111は、第6出力ポート136からメダル払出装置のメダル払出用モータ63の動作データ信号を第9ドライバ159に出力し、第9ドライバ159は当該動作データ信号を受けてメダル払出用モータ63の駆動信号を生成し、メダル払出用モータ63に出力する。
また、遊技用マイコン111は、第7出力ポート137及び第8出力ポート138から演出制御装置300へパラレル通信でデータを送信する。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。また、シリアル通信で演出制御装置300へデータを送信するようにしても良い。また、遊技制御装置100には、認定機関の試射試験装置500へ遊技に関する信号などを出力する第9出力ポート139が実装可能に構成されている。この第9出力ポート139は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのスロットマシンの遊技制御装置100には実装されない部品である。さらに、遊技用マイコン111は、外部の検査装置600へ各スロットマシンの識別コードやプログラムなどの情報を送信可能となっている。遊技用マイコン111と検査装置600との間ではシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるためポートは設けられていない。
遊技制御装置100は、例えば、CPU111aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば、+1)し、スタートレバーSW52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。また、遊技制御装置100は、内部抽選結果と、リール停止ボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a,64b,64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a,6b,6cを停止させる。なお、乱数発生器により発生された乱数をサンプリングするようにしても良い。
さらに、遊技制御装置100は、内部当選した入賞(役)に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引き込み停止制御を行う。また、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。なお、遊技制御装置100による引き込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能とする(遅延させる)時間値の最大値は定められており、本実施形態のように1リールにつき21コマの場合は、停止操作が行われた位置から最大で5コマの変化範囲内で引き込んだり蹴飛ばしたりすることが可能である。
また、変化範囲は各リール6の各々で異なる範囲に設定することが可能である。例えば、左リール6aについては5コマ、中リール6bについては3コマ、右リールについては1コマとすることも可能である。さらに、遊技の状況に応じて異なる範囲とすることが可能である。例えば、他のリール6が変動しているか否かや停止している状態に応じて、全リール6又は特定のリール6の変化範囲を5コマより少ない範囲とすることが可能である。また、内部抽選で当選した役に応じて変化範囲を決定することも可能であり、変化範囲を決定するための別途の抽選により変化範囲を決定することも可能である。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って画像表示装置(液晶表示装置)3への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ4a,4bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグタイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、画像表示装置3の映像と前面枠2に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で画像表示装置3へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して画像表示装置3に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、前面枠2に設けられた上スピーカ4a及び下スピーカ4bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ4a及び下スピーカ4bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されたコマンドなどの各種情報等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
ここで、遊技制御装置100から供給される遊技に関する情報には、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数とを伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、特別遊技状態、ART状態等)を示す遊技状態情報、変動表示中のリール6に対応するリール停止ボタン24が操作されたことを示すリール停止情報等が含まれる。
また、演出制御装置300には、リール6を内側から照らすバックライトを含む回胴装飾装置45を駆動制御する回胴LED制御回路332、前面枠2に設けられているLEDを有する装飾装置46を駆動制御する装飾LED制御回路333、前面枠2に設けられている演出可動体装置47(例えば画像表示装置3における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する演出可動体制御回路334、7セグメントディスプレイからなる第2遊技情報表示部40や第2遊技媒体情報表示部44の表示を制御するセグメントLED制御回路335が設けられている。ランプやLED、モータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠2に設けられた演出ボタン10に内蔵されている演出ボタンSW10a、前面枠2に設けられた演出可動体装置47のモータの初期位置等を検出する演出可動体SW47a、前面枠2の開放状態を検出するドアセンサ65のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ338の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC24V、液晶パネルからなる画像表示装置3、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300にはスロットマシン1の各所を冷却する冷却FAN48が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN48が駆動するようにされている。
ここで、本実施形態のスロットマシン1における遊技の進行について簡単に説明する。スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、まずメダルをメダル投入口15から投入するか1ベットボタン31やマックスベットボタン17を操作して、賭数を入力する(賭入力)。賭入力が行われると、有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置100において内部抽選処理がなされて入賞(役)の当選/非当選が決定されるとともに、リール6a,6b,6cの変動が開始される。すなわち、遊技制御装置100が、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段をなす。
所定時間経過後、停止操作が有効となったリール停止ボタン24a,24b,24cの操作に基づいてリール6a,6b,6cの回転が停止され、図柄表示窓5に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応するメダルが払い出される。以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの情報に基づき画像表示装置3に小役入賞の予告表示や、特別入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示する制御を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段をなす。
図5(a)には、スロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cにおける図柄の配列の一例を示した。図5(a)に示すように各リール6には、「黒7」、「白7」、「BAR」、「ベル」、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」「リプレイ」、「ブランク」の識別可能な8種類の図柄が所定の順序で配置されている。なお、「黒7」、「白7」、「BAR」以外の図柄については文字にて示したが、実際には対応する図柄で表示されている。また、スイカAとスイカBはそれぞれ異なるスイカの図柄とされており、いずれであるかを識別可能である。
図5(b)には、本実施形態のスロットマシン1における入賞(役)の種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容を示した。本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞としてスーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、ビッグボーナス入賞(BB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が定められている。各特別入賞の当選フラグ(内部抽選に当選したときにセットされるフラグ)は区別して扱われる。なお、特別入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞を成立させることができる。
特別入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚であるが、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞が成立した場合は、それぞれに対応した特別遊技状態であるSBB状態、BB状態又はRB状態が発生する。この特別遊技状態では、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行され、当該特別遊技状態で遊技者が獲得したメダル数から遊技者が使用したメダル数を減算した差枚数が規定数を超えることにより当該特別遊技状態が終了するようになっている。なお、特別遊技状態においては、差枚数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1では、小役入賞としてスイカ入賞、ベル1入賞、ベル2入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞が定められている。スイカ入賞は、スイカAとスイカBの一方のみで構成されている場合でも成立し、混在している場合でも成立する。また、2つのチェリー図柄と1つのリプレイ図柄とから構成されるリプレイ入賞は、並び順を問わない。すなわち、チェリー、チェリー、リプレイでも成立し、チェリー、リプレイ、チェリーでも成立し、リプレイ、チェリー、チェリーでも成立する。
これらの小役入賞のうちリプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞以外の役は、成立することで役に応じた枚数のメダルが払い出される。またリプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞が成立した場合はメダルの払い出しは0枚であるが、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。また、スイカ入賞とチェリー入賞にはそれぞれ強弱の2種類があり、それぞれ別の役である。
上記の入賞は、図6(a)に示す有効ライン(中段ライン)をに図柄が停止することで成立する。また、見た目上は図6(b)に示すように上段、下段、右上がり及び右下がりラインの図柄停止ラインに図5(b)の図柄組み合わせが停止した場合でも成立する。この場合、有効ラインである中段ライン上には図5(b)に示す図柄組み合わせとは別の図柄組み合わせが整列しているが、この中段ライン上に停止した図柄組み合わせが入賞となる図柄組み合わせとして予め設定されているために入賞が成立したと判定されることとなる。
また、スイカ入賞、チェリー入賞、ベル1入賞、ベル2入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞には、リール6を所定の停止順序(リール停止ボタン24の操作順(押し順))で停止しなければ成立しない特定役がある。通常遊技状態では左、中、右の停止順序(順押し)で遊技を進行するようにされており、順押し以外の特定役に当選している場合に停止順序が報知されないため、内部抽選の結果が順押しでない特定役の当選である場合はこれを成立させることが困難である。特定遊技状態では停止順序が報知されるため、順押し以外の特定役を成立させることが容易となる。
小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。すなわち、停止操作のタイミングにより、小役入賞の種類によっては図柄配列の関係上により設定された変化範囲で引き込み停止制御を行ったとしても当該小役入賞を成立させることができない場合や、押し順があっていないことによって当該小役入賞を成立させることができない場合がある小役入賞があり、このような小役入賞に内部当選して当該小役入賞を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。ここでは、スイカ入賞及びチェリー入賞が、図柄配列の関係上により設定された変化範囲で引き込み停止制御を行ったとしても当該小役入賞を成立させることができない場合がある。さらに、これらの入賞には、所定の停止順序でなければ成立しない場合がある。また、小役入賞が複合して成立することもあるが、1ゲームでの最大払出枚数は15枚とされている。
本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、特別入賞と所定の小役入賞とが重複して内部当選可能となっている。また、特別入賞に内部当選したゲーム以降のゲームであって当選フラグが持ち越されているゲームで小役入賞に当選した場合に、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、小役入賞>特別入賞とされている。すなわち、特別入賞の当選フラグが持ち越されていても、小役入賞に内部当選している場合は当該小役入賞の成立が優先され、当該小役入賞が成立するように引き込み停止制御がなされる。
また、同一ゲームにおいて小役入賞が重複して内部当選可能となっている。ここではチェリー入賞とリプレイ入賞とが重複して当選可能となっている。いずれの入賞が成立するかは停止操作のタイミングによって決まるが、チェリー入賞とリプレイ入賞とが重複して当選している場合には、必ずいずれかの入賞が成立するようになっている。チェリー入賞は3枚役であり、リプレイ入賞は3枚のメダルの投入なく次のゲームを実行できるものであって、これらは同等の賞価値を遊技者に付与するものである。これにより、目押しに不慣れな遊技者が被る不利益が少なくなるようにしている。
遊技制御装置100における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が所定の有効ライン上に導出可能とされる。一方、何れの入賞にも内部当選しない場合にははずれ(純はずれ)となり、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に形成されない。
なお、有効化可能ラインを図6(a)に示すように中段ラインのみとしたが、図6(b)に示すように上段、中段、下段、右上がり及び右下がりラインを有効化可能ラインとしても良い。また、図6(c)、(d)に示すように、直線ではないラインを有効化可能ラインとしても良い。また、賭数には無関係に(賭数が1または2であっても)すべてのラインを有効としても良いし、賭数に応じて所定の有効化可能ラインを有効化し、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞(役)の成立/不成立を判断するようにしても良い。例えば、図6(c)、(d)の例で、賭数1又は2では点線のラインのみを有効ラインとし、賭数3では点線のライン加え実線のラインを有効ラインとしても良い。
図7には、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図を示した。本実施形態のスロットマシン1における遊技状態には、大きく分けて通常遊技状態ST10と、特別入賞が成立することにより移行する特別遊技状態ST20と、特定の移行条件が成立することにより移行する特定遊技状態ST30とがある。特定遊技状態ST30は、通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利な状態である。例えば、一定数のゲームの実行によって通常遊技状態ST10よりも獲得する遊技媒体の数が多く通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利な状態である。
通常遊技状態ST10には、ART権利の獲得抽選における当選確率(ART権利獲得の確率)が低確率の低確率状態ST11と、低確率状態ST11よりも確率が高い高確率状態ST12とがある。低確率状態ST11で特殊リプレイ入賞1が成立すると高確率状態ST12に移行する。また、高確率状態ST12で所定ゲーム数を消化すると低確率状態ST11に移行する。また、通常遊技状態ST10で、特殊リプレイ2入賞が成立すると、特定遊技状態(ART状態)ST30に移行する。
通常遊技状態ST10で、特別入賞であるSBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。特別遊技状態ST20は、通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利な状態である。例えば、一定数のゲームの実行によって通常遊技状態ST10よりも獲得する遊技媒体の数が多く通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利な状態である。具体的には、SBB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立するとSBB状態ST21に移行する。SBB状態ST21は差枚数が200枚を超えると終了する。BB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立するとBB状態ST22に移行する。BB状態ST22は差枚数が100枚を超えると終了する。RB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立するとRB状態ST23に移行する。RB状態ST23は差枚数が50枚を超えると終了する。
特別遊技状態ST20でそれぞれの終了条件が成立した場合、当該特別遊技状態ST20において移行条件が成立していれば特定遊技状態ST30に移行し、移行条件が成立していなければ通常遊技状態ST10に移行する。移行条件の成立とは、特別遊技状態中に特殊リプレイ2入賞が成立した場合や、特定遊技状態ST30の差枚数に猶予がある場合である。
特定遊技状態(ART状態)ST30では、通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞(通常リプレイ入賞)の内部当選確率が高確率となる(RT状態)とともに、停止順序を報知することで成立小役の導出がアシストされる(AT状態)。特定遊技状態ST30では、1つのART権利に対して1セットの特定遊技状態ST30を実行可能である。この1セットは、当該特定遊技状態で遊技者が獲得したメダル数から遊技者が使用したメダル数を減算した差枚数が所定数(例えば200枚)を超えることにより終了する。また、所定の上乗せ条件が成立することにより特定遊技状態ST30が終了する差枚数が上乗せされる。この特定遊技状態ST30で特別入賞であるSBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。また、特定遊技状態ST30で差枚数が所定数に達すると通常遊技状態ST10に移行する。
なお、RT状態とAT状態はいずれも遊技制御装置100で制御されるようになっているが、RT状態を遊技制御装置100が制御し、AT状態を演出制御装置300が制御するようにしても良い。また、特定遊技状態ST30ではRT状態とAT状態の一方のみが設定される状態もあり得るが、この状態も通常遊技状態ST10よりは遊技者にとって有利な状態である。すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、予め定めた移行役の入賞が成立したことに基づき、遊技状態を通常遊技状態と該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態とに切り替えることが可能な遊技状態切替手段をなす。
次に、第1遊技情報表示部33について説明する。図8(a)に示すように第1遊技情報表示部33は、第1左表示部33a、第1中表示部33b、第1右表示部33cの3つの7セグメントディスプレイで構成され、内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるためのリール6の停止順序などを報知可能である。なお、以下の説明では図中において網掛けで示す発光部が点灯し、白抜きで示す発光部が消灯しているものとする。なお、第2遊技情報表示部40についても同様の表示を行うようになっており、第2左表示部40aでは第1左表示部33aに対応した表示を実行可能であり、第2中表示部40bでは第1中表示部33bに対応した表示を実行可能であり、第2右表示部40cでは第1右表示部33cに対応した表示を実行可能である。
図8(b)に示すように各表示部は、左右のそれぞれには縦方向に延在するように配された発光部e,f及びb,cが上下に2つ並び、中央には左右の発光部の端部を結ぶように横方向に延在するように配された発光部a,g,dが上中下に3つ配されることで、7つの発光部が8の字型に配されている。なお、発光部hはあってもなくても良い。また、ここでは7つの発光体を8の字型に配した7セグメントディスプレイとしたが、液晶表示装置などの表示装置において7セグメントディスプレイを模して7つの発光部を8の字型に配した表示を行うようにしても良い。
第1左表示部33aは、内部当選した役を成立させるために必要な停止順序を報知するものである。図8(c)に示すように、この第1左表示部33aにおける表示では、左の発光部e,fを左リール6aに対応付け、中央の発光部a,g,dを中リール6bに対応付け、右の発光部b,cを右リール6cに対応付け、一の表示部において停止順序の順に点灯する発光部が上から並ぶように発光させることで停止順序を報知するようにしている。例えば、停止順序が左、中、右の順である場合には、発光部f,g,cを点灯させることで、上から順に点灯している発光部を追うことで停止順序を把握できるようにしている。また、停止順序を報知しない非報知の場合や、停止順序に関係なく役が成立する停止順序なしの場合は、発光部a〜fを点灯させて「0」の表示を行う。また、何らかの異常が発生した場合には、発光部a,d〜fを点灯させて「E」の表示を行う。
第1中表示部33b、第1右表示部33cは、役の種類を報知するものである。第1中表示部33bでは図8(d)に示すように内部当選した役の種類に応じて発光部を点灯させ、第1右表示部33cでは図8(e)に示すように内部当選した役の強弱又はベル1入賞とベル2入賞の区別に応じて発光部を点灯させる。例えば、図8(a)の表示態様では、第1左表示部33aにより停止順序が左中右の順であることが報知され、第1中表示部33bにより役の種類がチェリー入賞であることが報知され、第1右表示部33cにより役の種類が強チェリー入賞であることが報知されている。また、第1中表示部33bや第1右表示部33cの表示では、リール6で図柄として使用している「7」の表示を用いないようにして、遊技者が役の種類を誤って把握することを防止している。ただし、「7」の表示を特別入賞の何れかに内部当選している旨を報知するものとして使用しても良い。以上のように、第1遊技情報表示部33において8の字型に配した7つの発光部の点灯態様により内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるための所定の停止順序を報知可能である。また、第2遊技情報表示部40でも同様の報知が可能である。
なお、第1左表示部33aにおいて停止順序の報知として最初に停止させる第1停止順序のみを報知する場合は、図9(a)に示すように第1停止順序に対応する発光部を発光させることで報知するようにしても良い。例えば、第1停止順序が左リール6aである場合は発光部e,fを点灯させる。また、特定遊技状態中にはリプレイ入賞とベル入賞が頻発するので、図9(b)に示すように第1左表示部33aにおいて停止順序の報知に加えて発光部hの点灯の有無によりリプレイ入賞とベル入賞を報知するようにしても良い。例えば、停止順序が左、中、右でありリプレイ入賞に内部当選している場合は、発光部c,f,g,hを点灯させる。停止順序が左、中、右でありベル入賞に内部当選している場合は、発光部c,f,gを点灯させる。
このように発光部hを用いて役を報知する場合には、第1中表示部33b及び第1右表示部33cでの表示は行わないようにしても良い。また、リプレイ入賞とベル入賞以外の役に内部当選している場合は発光部hを点滅させるようにしても良い。また、発光部がフルカラーで発光可能であるものとした場合には、発光色により役を報知するようにしても良い。また、リプレイ入賞とベル入賞以外の役に内部当選している場合にのみ第1中表示部33b及び第1右表示部33cでの表示を行うようにしても良い。
また、図9(c)に示すように第1左表示部33aを複数のLEDをマトリクス状に配した表示器で構成しても良い。他の7セグメントディスプレイを用いた表示部についても同様である。また、図9(d)に示すように第1右表示部33cを備えずに、第1左表示部33aと第1中表示部33bのみで役を報知するようにしても良い。この場合、役の強弱については報知しないが、発光部hの点灯の有無により報知するようにしても良い。
また、複数のLEDを任意の形状(円形、直線形、その他の形状)に配置した表示装置や、液晶表示装置などの表示装置において任意の形状(円形、直線形、その他の形状)で複数の発光部を配した表示により停止順序や当選役を報知するようにしても良い。この場合、遊技者が一見して停止順序や当選役を把握できるように表示しても良いし、遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示しても良い。遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示するとは、例えば、一の停止順序や当選役に対して複数の発光態様を割り当て、このうちから任意に一つを選択して表示することが挙げられる。さらに、数字やアルファベットの形状ではない発光態様も使用することでより識別が困難となる。また、停止順序と当選役の組み合わせに対して発光態様を割り当てるようにしても良いし、さらに一の組み合わせに対して複数の発光態様を割り当て、このうちから任意に一つを選択して表示するようにしても良い。
また、遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示する場合に、特定遊技状態のように遊技者に対して停止順序や当選役を認識させたい場合には、画像表示装置3で停止順序や当選役を報知することで実現可能である。また、特定遊技状態のように遊技者に対して停止順序や当選役を認識させたい場合には遊技者が一見して停止順序や当選役を把握できるように表示し、それ以外の場合には遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示しても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段により制御され、内部抽選の結果に関する情報を表示可能な表示手段(第1遊技情報表示部33)を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、表示手段における複数の発光部の点灯態様により所定の停止順序を報知可能であることとなる。したがって、遊技制御手段により停止順序を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、複数の発光部の点灯態様により停止順序を報知可能であるので、単純な表示により報知を行うことができ、表示手段の構成を単純化できるとともに制御の負担が増大することを防止できる。ここで、表示手段には、7つの発光体を8の字型に配した7セグメントディスプレイの他、液晶表示装置などの表示装置において7セグメントディスプレイを模して7つの発光部を8の字型に配した表示やその他の配置で複数の発光部を配した表示を行うもの、複数のLEDをマトリクス状に配したもの、複数のLEDを任意の形状に配置したものなども含まれる。
また、複数のリール6の数は3であり左右方向に並ぶように配設され、表示手段においては、左右のそれぞれには縦方向に延在するように配された発光部が上下に2つ並び、中央には左右の発光部の端部を結ぶように横方向に延在するように配された発光部が上中下に3つ配されることで、7つの発光部が8の字型に配され、遊技制御手段は、表示手段における左の発光部を左リール6aに対応付け、中央の発光部を中リール6bに対応付け、右の発光部を右リール6cに対応付け、一の表示手段において所定の停止順序の順に点灯する発光部が上から並ぶように発光させることで所定の停止順序を報知するようにしたこととなる。したがって、一つの8の字型に配した7つの発光部の点灯態様のみで停止順序を報知可能となり、表示手段の構成を単純化できるとともに制御の負担が増大することを防止できる。
また、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、停止操作部を含む遊技者が遊技に関する操作を行うための遊技操作手段が配された遊技構成部30と、遊技制御手段により制御されて内部抽選の結果を表示可能であり遊技構成部30に備えられた表示手段(第1遊技情報表示部33)と、を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、所定の停止順序を表示手段において報知可能であることとなる。したがって、遊技制御手段により停止順序を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、表示手段は、停止操作部を含む遊技者が遊技に関する操作を行うための遊技操作手段が配された遊技構成部30に備えられているので、遊技中に遊技者が表示を確認しやすくなる。
また、表示手段は、遊技構成部30における上方を向いた上面に備えられ、遊技構成部30における上面には、遊技状態を表示する遊技状態表示部18と、遊技媒体の払出数を表示する払出数表示部32bと、が備えられていることとなる。したがって、遊技中に遊技者が遊技に必要な情報と併せて停止順序を確認しやすくなる。
図10、図11には遊技の進行の一例を示した。図10(a)は前回のゲームが終了して今回のゲームを開始する前の状態である。この例では遊技状態が特定遊技状態(ART状態)ST30であり、画像表示装置3では特定遊技状態中の演出が行われている。また、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40は、すべての発光部が消灯して表示を行っていない状態とされ、各リール停止ボタン24a,24b,24cのリール停止ボタンLED66a,66b,66cも全て消灯して停止操作ができないことを示している。
また、この状態ではクレジット数が3以上となっており、図10(b)に示すようにマックスベットボタン17を押下することでクレジットから賭数の上限数(ここでは3枚)が入力される。その後、図10(c)に示すようにスタートレバー21を押下するとゲームが開始される。ゲームの開始に伴い遊技制御装置100では内部抽選が行われるとともに、その結果が演出制御装置300に送信される。また、遊技制御装置100はリール6の回転を開始し、第1遊技情報表示部33で内部抽選に関する情報を表示する。ここでは、内部抽選の結果として、第1左表示部33aで停止順序が中、左、右であることが報知され、第1中表示部33b、第1右表示部33cで役の種類がベル1入賞であることが報知されている。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの情報に基づき第2遊技情報表示部40で内部抽選に関する情報を表示する。ここでは、内部抽選の結果として、第2左表示部40aで停止順序が中、左、右であることが報知され、第2中表示部40b、第2右表示部40cで役の種類がベル1入賞であることが報知されている。すなわち、第1遊技情報表示部33と第2遊技情報表示部40の表示は同期した状態となっている。また、演出制御装置300は、画像表示装置3において停止順序の報知を行う。なお、役の種類の報知も併せて行うようにしても良い。
そして、図10(d)に示すようにリール6が定速回転となり停止操作が可能となると、各リール停止ボタン24a,24b,24cのリール停止ボタンLED66a,66b,66cが点灯して停止操作が可能であることが示される。報知された停止順序に従って遊技者が第1停止操作として中リール停止ボタン24bを操作すると、図11(a)に示すように中リール6bが停止する。このとき遊技制御装置100は、内部当選しているベル1入賞が成立するように有効ライン上にベル図柄が停止するように制御する。また、中リール停止ボタン24bの操作に伴い中リール停止ボタンLED66bが消灯し、画像表示装置3では1番目の停止順序の報知が終了する。
さらに、報知された停止順序に従って遊技者が第2停止操作として左リール停止ボタン24aを操作すると、図11(b)に示すように左リール6aが停止する。このとき遊技制御装置100は、内部当選しているベル1入賞が成立するように有効ライン上にベル図柄が停止するように制御する。伴い左リール停止ボタンLED66aが消灯し、画像表示装置3では2番目の停止順序の報知が終了する。
そして、報知された停止順序に従って遊技者が第3停止操作として右リール停止ボタン24cを操作すると、図11(c)に示すように右リール6cが停止する。このとき遊技制御装置100は、内部当選しているベル1入賞が成立するように有効ライン上にベル図柄が停止するように制御する。これによりベル1入賞が成立し、当該入賞の成立に伴うメダルの払い出し又はクレジット数への加算が行われる。また、右リール停止ボタン24cの操作に伴い右リール停止ボタン24cの右リール停止ボタンLED66cが消灯する。さらに、画像表示装置3では停止順序の報知を終了し、ベル1入賞の成立に伴い、当該入賞の成立に伴う払出枚数の報知が行われる。
入賞に伴う払い出しが終了するとゲームが終了し、図11(d)に示すように第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示が終了する。また、画像表示装置3では払出枚数の報知が終了して特定遊技状態中の演出が行われる。なお、入賞が成立しなかった場合は、すべてのリール6が停止した時点でゲームが終了し、図11(d)に示す状態となる。
次に、遊技制御装置100による処理について説明する。
〔メイン処理〕
図12にはメイン処理を示した。このメイン処理はで、スロットマシン1の電源が投入されて遊技制御装置100の電源が投入されることで、CPU111aがROM111bに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
メイン処理では、まず、電源投入時の処理を行うための一時スタックエリアのアドレス(ここでは先頭アドレス)を指定する一時スタックポインタを設定し(ステップS1)、割込みベクタを設定する。(ステップS2)。本実施形態のCPU111aでは割込みモードが2に固定されているので割込みモードの設定をここでは行わないが、CPUによっては割込みモードの設定を行う。
次に、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動し(ステップS3)、RAMアクセスを許可して(ステップS4)、CPUの初期設定を行う(ステップS5)。CPUの初期設定としては、WDTを使用しない設定や、CS(チップセレクト)の属性設定(メモリマップドI/Oで制御を行う)などがある。なお、必要に応じて設定項目は変化する。
続いて、RAM全領域のチェックサムを算出する(ステップS6)。本実施形態のRAM111cは512バイトであり、先頭から1バイトずつXOR(排他的論理和)を取っていく。なお、この時点では一時スタックエリアの値は0であるので無視できる。そして、算出した結果とサムチェック定数が一致するかを判定する(ステップS7)。なお、電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報が維持されていれば算出結果とサムチェック定数が一致するようになっている。
算出した結果とサムチェック定数が一致しない場合(ステップS7;N)は、RAM初期化の先頭アドレス1を設定する(ステップS8)。先頭アドレス1はRAM111cの先頭アドレスである。この場合は電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報と現在の情報とが一致しない場合であるので、RAM初期化の先頭アドレスとしてRAM111cの先頭アドレスを指定し、RAM111cの全領域が初期化されるようにする。
その後、段階設定キーSWがオンであるかを判定する(ステップS9)。段階設定キーSWがオンである場合とは、鍵穴に段階設定キーを差し込んで回した状態であり、段階設定値の変更や確認が可能な状態である。段階設定キーSWがオンである場合(ステップS9;Y)はステップS14に移行する。また、オンでない場合(ステップS9;N)は、チェックサムエラー表示のセグメント出力データを準備し(ステップS10)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
ステップS10では、払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データとして、チェックサムエラーが発生したことを示す「1」と表示するためのデータの設定を行う。なお、復帰不可能エラー処理(ステップS30)において払出数表示部32bの上位桁用セグメント出力データとしてエラーの発生を示す「E」と表示するためのデータの設定が行われるようになっている。なお、エラー表示は第1遊技情報表示部33に表示するようにしても良い。
一方、算出した結果とサムチェック定数が一致した場合(ステップS7;Y)、すなわち電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報と現在の情報とが一致する場合は、段階設定値の変更中であるかを判定し(ステップS11)、変更中である場合(ステップS11;Y)は、電源復帰処理に移行する。また、段階設定値の変更中でない場合(ステップS11;N)は、段階設定キーSWがオンであるかを判定し(ステップS12)、オンでない場合(ステップS12;N)は、電源復帰処理に移行する。また、段階設定キーSWがオンである場合(ステップS12;Y)は、RAM初期化の先頭アドレス2を設定する(ステップS13)。先頭アドレス2は段階設定値と図柄抽選用乱数が格納される領域を除く最先のアドレスであり、これらの領域以外の領域が初期化される。
その後、スタックポインタを設定し(ステップS14)、RAMチェック初期化処理を行う(ステップS15)。RAMチェック初期化処理(ステップS15)では、ステップS8又はS13で設定されたアドレス以降の領域について1バイトずつデータを書き込むことと読み出すことを行い、正常に読み書きできた場合には当該領域を0クリアする処理を行う。なお、正常に読み書きができない領域があった場合は復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
次に、段階設定値を変更するための段階設定値変更処理を行い(ステップS16)、RAM初期化の先頭アドレス2を設定し(ステップS17)、RAMチェック初期化処理を行う(ステップS18)。ステップS17、S18の処理は、ステップS13、S15の処理と同じ処理である。
続いて、自動精算と打止モードの設定を行う自動精算打止モード設定処理を行う(ステップS19)。この処理では、打止切替SW35の操作による選択に基づき、特別遊技状態の終了後に遊技を停止する打止モードとするか否かを設定する処理や、自動精算切替SW36の操作による選択に基づき、特別遊技状態の終了後にクレジットを精算する自動精算を有効とするか否かを設定する処理を行う。そして、設定された段階設定値に対応するコマンド番号(段階設定値)を準備し(ステップS20)、コマンド設定処理を行い(ステップS21)、メインループ処理に移行する。これにより設定された段階設定値の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。
〔復帰不可能エラー処理〕
図13には上述のメイン処理や後述の各処理等に示した復帰不可能エラー処理(ステップS30)を示した。この復帰不可能エラー処理では、まず、割込みを禁止し(ステップS31)、コマンドポート(第7出力ポート137、第8出力ポート138)と試験信号ポート(第9出力ポート139)を除く全ポートをクリアして(ステップS32)、RAMアクセスを禁止する(ステップS33)。
次に、払出数表示部32bの下位桁用デジット出力データを設定し(ステップS34)、払出数表示部32bの上位桁用デジット出力データを設定して(ステップS35)、払出数表示部32bの上位桁用セグメント出力データ(「E」と表示するデータ)を設定する(ステップS36)。なお、払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データは復帰不可能エラー処理の呼び出し元で発生したエラーに応じたデータが設定される。
そして、デジットオフデータをデジット出力ポート(第5出力ポート135)に出力し(ステップS37)、上位桁用セグメント出力データをセグメント出力ポート(第6出力ポート136)に出力する(ステップS38)。さらに、上位桁用デジット出力データをデジット出力ポートに出力し(ステップS39)、所定時間待機するためのウェイト処理を行う(ステップS40)。
続いて、デジットオフデータをデジット出力ポートに出力し(ステップS41)、下位桁用セグメント出力データをセグメント出力ポートに出力する(ステップS42)。さらに、下位桁用デジット出力データをデジット出力ポートに出力し(ステップS43)、所定時間待機するためのウェイト処理を行い(ステップS44)、ステップS37に戻る。このステップS37〜S44の処理を電源が遮断されるまで継続する。すなわち、エラー表示のみを行い、遊技制御には復帰できない状態となる。
〔電源復帰処理〕
図14にはメイン処理に示した電源復帰処理(ステップS50)を示した。この電源復帰処理では、まず、電源復帰処理中フラグをセットし(ステップS51)、段階設定値が最大設定値(ここでは6)以下であるかを判定する(ステップS52)。段階設定値が最大設定値以下でない場合(ステップS52;N)は、段階設定値範囲外エラーのセグメント出力データ(払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データ)を準備し(ステップS66)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。また、段階設定値が最大設定値以下である場合(ステップS52;Y)は、自動精算打止モード設定処理(ステップS53)を行う。この処理はステップS19の処理と同じ処理である。
その後、現在の遊技状態に応じたコマンド番号(遊技状態)を準備し(ステップS54)、コマンド設定処理(ステップS55)を行う。これにより現在の遊技状態の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。そして、設定された段階設定値に対応するコマンド番号(段階設定値)を準備し(ステップS56)、コマンド設定処理を行う(ステップS57)。これにより設定された段階設定値の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。
次に、電源遮断前はエラー発生中であるかを判定する(ステップS58)。ここで言うエラーとは復帰不可能エラー処理に移行するようなエラーではなく、メダルの不足によるメダル払出エラーなどの復帰可能なエラーである。電源遮断前はエラー発生中である場合(ステップS58;Y)は、エラーに応じたコマンド番号(エラー発生)を準備し(ステップS59)、コマンド設定処理を行い(ステップS60)、ステップS62に移行する。これによりエラーの情報が演出制御装置300に送信されることとなる。また、電源遮断前はエラー発生中でない場合(ステップS58;N)は、電源遮断前の状態に戻るための復帰処理を行い(ステップS61)、ステップS62に移行する。
その後、RAM111cの未使用エリア及び電源投入時の一時スタックエリアをクリアし(ステップS62)、リール位置検出済みフラグをクリアして(ステップS63)、電源復帰処理中フラグをクリアする(ステップS64)。そして、スタックポインタ退避領域の値をスタックポインタにロードして(ステップS65)、後述するメインループ処理における電源遮断前の処理に戻る。
〔メインループ処理〕
図15にはメイン処理に示したメインループ処理(ステップS80)を示した。このメインループ処理では、まず、SBB状態ST21又はSBB状態ST22の終了時に設定されるBB終了フラグをクリアし(ステップS81)、RB状態ST23の終了時に設定されるRB終了フラグをクリアする(ステップS82)。次に、ベットライン数表示LEDのオフデータを設定する(ステップS83)。
そして、特定遊技状態ST30(ART状態)の開始設定を行うARTセット処理を行い(ステップS84)、割込みを許可して(ステップS85)、遊技初期処理を行う(ステップS86)。遊技初期処理(ステップS86)では、例えばリプレイ入賞の成立に基づく再遊技の作動開始フラグや特別入賞の成立に伴う特別遊技状態の作動開始フラグをクリアし、遊技状態を演出制御装置300に送信する処理を行う。また、遊技が行われていない状態で所定時間が経過することに伴い所定のLEDを消灯するために当該所定時間を計時する自動消灯タイマに初期値(例えば30秒)をセットする。
次に、メダルの投入の可否に関する処理を行うメダル投入初期処理を行う(ステップS87)。メダル投入初期処理(ステップS87)では、今回のゲームが前回のゲームでリプレイ入賞が成立することに基づき行われる再遊技である場合には自動的に前回の賭数と同じ賭数を設定するとともにメダル投入口15から投入されたメダルが下皿27に返却されるようにセレクタソレノイド68の状態を設定する。また、今回のゲームが再遊技以外である場合は、メダル投入口15から投入されたメダルを受け入れるようにセレクタソレノイド68の状態を設定する。
その後、獲得枚数表示部32cでの表示を設定する表示設定処理(ステップS88)を行い、メダル投入済みフラグをクリアする(ステップS89)。そして、段階設定値の変更が行われた場合に設定装置の表示部に段階設定値を表示する段階設定値表示処理(ステップS90)を行い、自動消灯時間タイマが0(タイムアップ)であればベットライン数表示LEDのオフデータを設定する(ステップS91)。
次に、メダル投入管理処理を行う(ステップS92)。この処理では、メダル投入口15からのメダル投入による賭数の設定やクレジットへの追加、1ベットボタン31やマックスベットボタン17の操作によるクレジットからの賭数の設定、精算ボタン20の操作によるクレジットの精算、満杯検知センサ82からの信号に基づくメダル払出装置の満杯エラーの監視、これらの情報の演出制御装置300への送信などを行う。その後、メダル払出センサ59からの信号に基づきメダル払い出しの異常の監視や、異常の発生や終了を演出制御装置300に送信するメダル払出センサエラー処理を行い(ステップS93)、遊技状態に応じた最大賭数(特別遊技状態以外では3)と現在の賭数とを比較するメダル投入枚数チェック処理を行い(ステップS94)、メダル投入枚数(賭数)が0であるかを判定する(ステップS95)。
そして、メダル投入枚数(賭数)が0である場合(ステップS95;Y)は、ステップS89に戻る。また、メダル投入枚数(賭数)が0でない場合(ステップS95;N)は、メダル投入済みフラグをセットし(ステップS96)、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大値であるかを判定する(ステップS97)。メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大値でない場合(ステップS97;N)は、ステップS92に戻る。また、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大値である場合(ステップS97;Y)は、遊技開始表示LEDのオンデータを設定し(ステップS98)、スタートレバーSWがオンになったかを判定する(ステップS99)。
スタートレバーSWがオンになっていない場合(ステップS99;N)は、ステップS92に戻る。また、スタートレバーSWがオンになった場合(ステップS99;Y)は、メダル投入終了処理を行う(ステップS100)。メダル投入終了処理では、メダル投入表示LED67bを消灯し、メダル投入信号出力データをセットし、メダル投入口15から投入されたメダルが下皿27に返却されるようにセレクタソレノイド68の状態を設定する。また、スタートレバーSWがオンになったことを示す情報を演出制御装置300に送信する。
次に、内部抽選を行う役抽選処理を行い(ステップS101)、ボーナス当選時処理を行う(ステップS102)。ボーナス当選時処理では、内部抽選の結果が特別入賞の当選であった場合に、RT状態の実行中であるか否かを示すRT判別用フラグなどをバックアップしてRTを終了させる処理を行う。これにより、ボーナス入賞の成立が容易となるとともに、特別遊技状態の終了後にART状態を再開可能となる。なお、ボーナス入賞に内部当選している状態でもRT状態を継続するようにしても良い。この場合、ボーナス入賞の成立を可能とする機会を設けるために、ART状態であっても小役入賞に当選しないはずれ結果となる場合を所定の割合で設けておくようにする。
そして、内部抽選の結果に応じた演出を選択するとともに演出制御装置300に期待演出情報として送信する演出選択処理を行い(ステップS103)、リール6の回転の開始に関する処理などを行うリール回転開始処理を行う(ステップS104)。その後、リール停止ボタンLED1〜3のオフデータを設定し(ステップS105)、内部抽選に用いる役抽選用乱数を更新しながらタイマ割込み処理の実行を待つ割込み待ち処理を行う(ステップS106)。
次に、リール用モータの動作異常を監視し、異常であればモータの再起動を行うリール用モータエラー検出処理を行い(ステップS107)、回っているリール6があるかをリールセンサ54により確認するとともに、リール6が定速回転になったかをチェックするリール定速チェック処理を行う(ステップS108)。その後、リール停止ボタンの受付がOKであるかを判定する(ステップS109)。リール停止ボタンの受付がOKである状態とは、リール用モータの動作異常がなく、リール6が定速回転に達した場合である。リール停止ボタンの受付がOKでない場合(ステップS109;N)は、ステップS105に戻る。また、リール停止ボタンの受付がOKである場合(ステップS109;Y)は、停止ボタンチェック処理を行う(ステップS110)。
停止ボタンチェック処理(ステップS110)では、リール停止ボタン24の操作の検出や、一定時間以上停止操作がなかった場合に自動的にリール6の回転を停止する自動停止の設定を行う。なお、AT状態では自動停止の設定を行わないようにしても良いし、役を成立させるのに必要な停止順序でリール6を停止させるようにしても良い。そして、再度リール停止ボタンの受付がOKであるかを判定し(ステップS111)、リール停止ボタンの受付がOKでない場合(ステップS111;N)は、ステップS105に戻る。また、リール停止ボタンの受付がOKである場合(ステップS111;Y)は、リール停止要求があるかを判定する(ステップS112)。
リール停止要求とは、回転しているリール6に対応するリール停止ボタン24の操作があることや自動停止の設定が行われたことである。リール停止要求がない場合(ステップS112;N)は、ステップS114に移行する。また、リール停止要求がある場合(ステップS112;Y)は、リール6を停止させる図柄制御処理を行い(ステップS113)、全リールが停止したかをチェックする全リール停止処理を行う(ステップS114)。
全リールが停止していない場合(ステップS115;N)は、ステップS106に移行する。また、全リールが停止した場合(ステップS115;Y)は、メダル払出センサ59からの信号に基づきメダル払い出しの異常の監視や異常の発生や終了を演出制御装置300に送信するメダル払出センサエラー処理を行う(ステップS116)。
次に、有効ライン上に停止した図柄組合せ態様と、内部抽選で当選した役を成立させるために必要な図柄組合せ態様である入賞期待図柄と、が一致しているか、すなわち役の入賞が成立したかを判定する処理などを行う入賞判定処理を行う(ステップS117)。この処理では、役の入賞が成立した場合には成立した役の入賞に対応する払い出しの設定、リプレイ入賞の成立に伴う再遊技の設定、成立した役の入賞に応じた遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態)の設定、この処理で判定や設定された情報を演出制御装置300に送信する処理なども行う。
そして、成立した役に対応するメダルの払い出し又はクレジットへの加算処理や、これらの情報を演出制御装置300に送信する処理などを行うメダル払出処理を行い(ステップS118)、遊技者にとって有利な特定遊技状態や特別遊技状態における差枚数の管理、特定遊技状態や特別遊技状態の終了の設定、各種フラグの設定及びクリア処理などを行う有利区間管理処理を行う(ステップS119)。さらに、精算ボタン20が押下された場合にクレジットや入力された賭数に対応するメダルを精算する処理や、自動精算が有効である場合に特別遊技状態の終了に伴いクレジットを精算する処理、精算があったことを演出制御装置300に送信する処理、ゲームが終了したことを演出制御装置300に送信する処理などを行う遊技終了処理を行う(ステップS120)。
その後、未使用エリア及び電源投入時の一時スタックエリアをクリアし(ステップS121)、割込みを禁止して(ステップS122)、スタックエリアをクリアする(ステップS123)。さらに、BB、RB終了フラグの状態に対応する領域をクリアする(ステップS124)。ゲームの終了に伴い情報をクリアする領域には、ゲームの終了に伴い毎回クリアする領域と、SBB状態、BB状態、RB状態など役物連続作動装置が作動する状態の終了時にのみ対応する状態の終了に応じてクリアする領域があり、この処理では、BB、RB終了フラグの状態に応じて必要な領域をクリアする。
そして、SBB状態、BB状態又はRB状態の終了タイミングであるかを判定し(ステップS125)、SBB状態、BB状態又はRB状態の終了タイミングである場合(ステップS125;Y)は、ステップS81に戻る。また、SBB状態、BB状態又はRB状態の終了タイミングでない場合(ステップS125;N)は、ステップS84に戻る。
〔役抽選処理〕
図16にはメインループ処理に示した役抽選処理(ステップS101)を示した。この役抽選処理では、まず、遊技状態に応じた最大賭数(特別遊技状態以外では3)と現在の賭数とを比較するメダル投入枚数チェック処理を行い(ステップS141)、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大投入枚数であるかを判定する(ステップS142)。メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大投入枚数でない場合(ステップS142;N)は、抽選時のメダルエラーのセグメント出力データ(払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データ)を準備し(ステップS168)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
また、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大投入枚数である場合(ステップS142;Y)は、有効ライン数を算出し(ステップS143)、段階設定値が最大設定値(ここでは6)以下であるかを判定する段階設定値チェック処理を行う(ステップS144)。なお、段階設定値チェック処理(ステップS144)において段階設定値が最大設定値以下ではない場合には、復帰不可能エラー処理に移行する。
次に、遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態)に対応する抽選テーブルアドレスを設定し(ステップS145)、役抽選用乱数をロードする(ステップS146)。そして、抽選役数を取得してループカウンタとしてセットし(ステップS147)、段階設定値に対応する抽選データテーブルのアドレスを算出する(ステップS148)。さらに、当否を判定する役の抽選データを取得して(ステップS149)、乱数値から抽選データを減算した値を新たな乱数値とし(ステップS150)、当該乱数値が0未満であるかを判定する(ステップS151)。
当該乱数値が0未満でない場合(ステップS151;N)、すなわち、現在の判定対象の役に当選していない場合は、抽選テーブルアドレスを次の抽選役に対応するアドレスに更新し(ステップS152)、ループカウンタを−1更新して(ステップS153)、ループカウンタの値が0であるかを判定する(ステップS154)。そして、ループカウンタの値が0でない場合(ステップS154;N)は、ステップS148に戻る。また、ループカウンタの値が0である場合(ステップS154;Y)は、当選フラグ1,2としてはずれを設定し(ステップS155)、押し順情報1,2として押し順なし情報を設定して(ステップS156)、ステップS159に移行する。
なお、当選フラグ1は、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞以外に内部当選した場合の情報であり、内部当選したゲームで役の入賞が成立しなかった場合には当該内部当選は消滅する。また、当選フラグ2は、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選した場合の情報であり、内部当選したゲームで役の入賞が成立しなかった場合は次ゲーム以降に当該内部当選が持ち越される。また、押し順情報1は当選フラグ1の役の入賞を成立させるための停止順序の情報であり、押し順情報2は当選フラグ2の役の入賞を成立させるための停止順序の情報である。
一方、当該乱数値が0未満である場合(ステップS151;Y)、すなわち、現在の判定対象の役に当選した場合は、当選役に該当する当選フラグ1,2を取得し(ステップS157)、当選役に該当する押し順情報1,2を取得する(ステップS158)。そして、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選したが役の入賞が成立しなかった場合に当該入賞の当選を持ち越した状態である持越当選があるかを判定し(ステップS159)、持越当選がない場合(ステップS159;N)は、ステップS162に移行する。また、持越当選がある場合(ステップS159;Y)は、当選フラグ2を当選フラグ2領域の値に差し替え(ステップS160)、押し順情報2を押し順情報2領域の値に差し替える(ステップS161)。
そして、当選フラグ1の値を当選フラグ1領域にセーブするとともに、当選フラグ2の値を当選フラグ2領域にセーブし(ステップS162)、当選フラグ2の値を持越当選中フラグ領域にセーブする(ステップS163)。さらに、押し順情報1の値を押し順情報1領域にセーブするとともに、押し順情報2の値を押し順情報2領域にセーブし(ステップS164)、外部信号出力端子170や試射試験装置500に出力する信号を設定する条件装置信号出力処理を行い(ステップS165)、役抽選処理を終了する。
図17には、抽選データテーブルの一例を示した。役抽選用乱数は0〜65535の範囲の値を取るものであり、取得した役抽選用乱数値に基づき当選役が決定される。この抽選データテーブルは、通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態の遊技状態ごとに、さらに段階設定値ごとに設けられており、遊技状態及び段階設定値に対応した抽選データテーブルが使用される。各抽選データテーブルにおいては、役抽選用乱数値が0である場合には停止順序に関係なく成立するリプレイ入賞に必ず当選するようにされている。これにより、後述するように乱数生成回路116等の異常が発生した場合でも遊技者と遊技店の双方が損害を被ることがないようにすることができる。
図18には、乱数生成回路160のブロック図を示した。乱数生成回路(乱数生成手段)160は、乱数生成回路全体を制御する乱数制御回路161、レジスタ群(162〜168)を備えている。
乱数制御回路(更新制御手段)161は、遊技制御の実行過程において用いる役抽選用乱数の生成のための演算処理やレジスタへのデータのリード、ライト制御等を行うもので、カウンタ方式または生成多項式等を用いて一様性乱数を生成する数学的手法(例えば、M系列法あるいは合同法等)を利用して乱数を生成する。また、乱数制御回路161には、リセット割込み制御回路115からの割込み信号、クロックジェネレータ114からの信号が入力可能となっている。クロックジェネレータ114は、発振回路113からのクロックCLKを分周する分周回路や、分周回路により生成されたクロックに基づいてCPUコア111aの動作クロックCTCを生成するCTC(カウンタ・タイマ・サーキット)回路等を備えている。
なお、特に限定されるものではないが、乱数生成回路160は、クロックジェネレータ114内のCTC(Counter/Timer Circuit)回路および該CTC回路からの信号の入力とCPUコア111aによる乱数更新用のラッチトリガ回路へのデータ設定によっても乱数の更新処理が行なえるように構成されている。また、乱数生成回路160は、カウンタ方式すなわちカウンタ値を−1ずつ更新することで乱数を生成するモードと、M系列乱数を生成するモードのいずれかを選択できるように構成されている。
乱数生成回路160のレジスタ群は、CPUバス116を介してCPUコア111aによって乱数の初期値が設定される乱数初期値設定レジスタ162と、乱数回路起動レジスタ163および乱数カウンタ164を備える。乱数回路起動レジスタ163にCPUコア111aによって所定の値が設定されると、乱数制御回路161が乱数生成の制御を開始するように構成されている。また、乱数カウンタ164はバイナリカウンタからなり、その計数範囲を8ビット(FFh)から16ビット(FFFFh)の範囲で選択することができるように構成されている。複数種類の乱数が必要な場合は、複数の乱数カウンタ164を設けるとともに、乱数初期値設定レジスタ162には乱数カウンタ毎に異なる初期値を設定するように構成することができる。
さらに、乱数生成回路160は、乱数カウンタ164の値を取り込んで保持する乱数ラッチレジスタ166と、この乱数ラッチレジスタ166へ乱数カウンタ164の値をラッチさせるトリガ信号を生成する乱数ラッチレジスタトリガ回路165を備える。乱数ラッチレジスタトリガ回路165は、レジスタによって構成され(以下、これをラッチトリガレジスタと称する)、CPUコア111aが書き込みを行うことにより上記トリガ信号を生成させることができる。
乱数ラッチレジスタ166は、CPUコア111aが乱数ラッチレジスタトリガ回路165に所定の値を設定した場合にラッチトリガ信号が生成され、乱数ラッチレジスタ166に乱数カウンタ164の値がラッチされるようになっている。ここでは、ゲームを開始可能な状態でCPUコア111aにスタートレバーSW52からの信号が入力されることに基づき、CPUコア111aが乱数ラッチレジスタトリガ回路165に所定の値を設定し、ラッチが行われるようにしている。なお、分周回路で分周されたクロックの立ち上がりによって乱数カウンタ164を更新させる一方、クロックの反転信号すなわち位相が180°異なるクロックをラッチタイミング信号とすることによって、乱数カウンタ164の値が変化するタイミングでカウンタ値のラッチ動作がなされないようにしている。
さらに、上記乱数生成回路160は、CPUコア111aに対して乱数生成回路160の内部の状態を知らせるための乱数ステータスレジスタ167と、乱数生成回路160を初期化させる乱数回路初期化レジスタ168を備える。乱数ステータスレジスタ167には、乱数ラッチレジスタ166へのカウンタ値のラッチを許可または禁止するラッチ許可フラグ(ラッチフラグと呼ぶ)が設けられており、このフラグをセットすることによってカウンタ値のラッチを許可し、フラグをクリアすることによってラッチを禁止できる。
なお、乱数ステータスレジスタ167は、乱数制御回路161によって書き換えが行われ、CPUコア111aはリードのみ可能でライトは行えないようになっている。これにより、プログラムを書き換えてCPUによって不正な乱数値を取得させるような不正行為を防止することができる。
図19には、乱数制御回路161による乱数ラッチレジスタ166へのカウンタ値の保持制御(ラッチ制御)手順であるカウンタ値取得処理を示した。この制御では、先ずラッチトリガ信号が入力されているかを判定し(ステップS351)、ラッチトリガ信号が入力されている場合(ステップS351;Y)には、乱数ステータスレジスタ167のラッチ許可フラグがセットされているか判定する(ステップS352)。
ラッチトリガ信号の入力がない場合(ステップS351;N)あるいはラッチ許可フラグがセットされていない場合(ステップS352;N)には、カウンタ値取得処理を終了する。また、ステップS352でラッチ許可フラグがセットされている場合(ステップS352;Y)は、乱数カウンタ164よりカウンタの値を読み出し(ステップS353)、乱数ラッチレジスタ166に格納する(ステップS354)。続いて、乱数ステータスレジスタ167のラッチ許可フラグを禁止状態にして(ステップS355)、カウンタ値取得処理を終了する。
図20には、乱数制御回路161によるラッチデータ読込み時の制御手順であるラッチデータ読み込み時処理を示した。この処理では、先ずCPUコア111aによる乱数ラッチレジスタ166のデータ読込みがあったか否かを判定し(ステップS361)、データ(カウンタ値)の読込みがあった場合(ステップS361;Y)には、当該乱数ラッチレジスタ166に規定値(ここでは0)を設定し(ステップS362)、乱数ステータスレジスタ167のラッチ許可フラグを許可状態にセットして(ステップS363)、ラッチデータ読み込み時処理を終了する。
乱数ラッチレジスタ166のデータを読み込んでから規定値を設定してラッチ許可フラグを許可状態にセットすることにより、回路の故障等何らかの不具合で乱数ラッチレジスタ166へのカウンタ値のラッチが行われなくなった場合にも、取得済みのカウンタ値を重複して取得するおそれがなくなる。
ここでは規定値として0を設定しているが、図17に示したようにこの値は停止順序に関係なく成立するリプレイ入賞に対応する値である。これにより、直前に乱数ラッチレジスタに保持されていた値が大当りに相当するものであった場合に、続けて大当りが発生するのを防止することができる。また、何らかの不具合で乱数ラッチレジスタ166へのカウンタ値のラッチが行われなくなった場合にはリプレイ入賞が連続して成立するようになることから異常を察知できる。また、リプレイ入賞であるので遊技者と遊技店のいずれも損害を被ることがない。
また、電源投入時(停電復旧時でも良い)であってメイン処理前に乱数制御回路によって、乱数ラッチレジスタ166に規定値(ここでは0)を設定するようにしている。これにより、断線等によってクロック信号を乱数回路が受信できずに電源投入から乱数カウンタ164の値が更新されない場合や、回路の故障等何らかの不具合で電源投入から乱数ラッチレジスタ166へのカウンタ値のラッチが行われない場合でもリプレイ入賞が成立するのみであるので遊技者と遊技店のいずれも損害を被ることがない。また、電源投入からリプレイ入賞が連続するので、遊技店の開店から早期に異常を発見可能となる。なお、段階設定値の変更後や、RAMクリア操作が行われた場合、電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報と現在の情報とが一致しない場合などに行われるRAM111cの初期化の処理で乱数ラッチレジスタ166に規定値を設定するようにしても良い。
上記乱数制御回路161による乱数ラッチレジスタへのカウンタ値のラッチは、CPUコア111aが乱数ラッチレジスタトリガ回路165に所定の値を設定した場合行われる。一方、スタートレバーSW52からの信号が遊技用マイクロコンピュータ111に入力されると、CPUコア111aは、そのプログラム処理によって所定タイミングで乱数ラッチレジスタ166のデータ(カウンタ値)を役抽選用乱数値として読み込む。そして、カウンタの値が乱数ラッチレジスタ166にラッチされてからCPUコア111aにより読み込まれるまでは、乱数ステータスレジスタ167のラッチ許可フラグがラッチ禁止状態にされる。
そのため、上記のような制御を行うことによって、仮に乱数ラッチレジスタトリガ回路165にノイズがのってラッチトリガ信号が生成されたとしても、誤って乱数カウンタ164のカウンタ値が乱数ラッチレジスタ166にラッチされる(上書きされる)ことはなく、CPUコア111aが誤ったカウンタ値(乱数値)を読み込むこともない。なお、CPUコア111aにより読み込まれたデータ(乱数)は、遊技用マイコン111内のRAM111cの所定の領域に格納される。
なお、リプレイ入賞が連続して成立する回数を計数し、所定回数以上連続して成立した場合には報知を行うようにしても良い。また、リプレイ入賞が連続して成立する回数を表示するようにしても良い。また、乱数ラッチレジスタ166に設定する規定値のみに対応するリプレイ入賞を設定し、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40においてこのリプレイ入賞のみに対応した表示を行うようにしても良い。このようにすれば乱数ラッチレジスタ166に規定値が設定され続けていることを確認可能となる。
また、乱数ラッチレジスタ166に設定する規定値に対応する役をリプレイ入賞としたが、停止順序に関係なく成立してゲームでの賭数と同数のメダルを付与する同数役としても良い。本実施形態では3枚掛け専用機であるのでゲームでの賭数は3であることから、払い出しが3枚のベル2入賞やチェリー入賞が同数役に相当する。ただし、チェリー入賞は目押しが必要であり不成立となる可能性があるので、乱数ラッチレジスタ166に設定する規定値に対応する役はベル2入賞のほうが好ましい。また、1から3枚のいずれの賭数でもゲームが可能な遊技機の場合は、停止順序に関係なく成立して賭数と同数のメダルを付与する役を同数役として設けるようにする。
また、乱数ラッチレジスタ166に設定する規定値に対応する役を、同数役とリプレイ入賞に重複して当選する役としても良い。本実施形態では、チェリー入賞とリプレイ入賞との重複当選となるようにしても良い。いずれの入賞が成立するかは停止操作のタイミングによって決まるが、チェリー入賞とリプレイ入賞とが重複して当選している場合には、必ずいずれかの入賞が成立する。チェリー入賞は3枚役であり、リプレイ入賞は3枚のメダルの投入なく次のゲームを実行できるものであって、これらは賭数と同等の賞価値を遊技者に付与するものである。
また、電源投入時(停電復旧時でも良い)であってメイン処理前に乱数制御回路によって、乱数ラッチレジスタ166に規定値(ここでは0)を設定するとしたが、電源投入時以外でも乱数ラッチレジスタ166に規定値(ここでは0)を設定するようにしても良い。また、遊技中に発生した停電からの復旧であって復旧する時点が、スタートレバーSWがオンとされてから保持値を用いた役の抽選が終了するまでの期間である場合には、保持値を規定値にせずに維持するようにしても良い。これにより、抽選結果が破棄されてしまうことを防止できる。
また、乱数初期値設定レジスタ162に設定する乱数の初期値を、遊技者が保有する遊技価値の数を変化させずに次のゲームを開始可能な役(リプレイや3枚役等)に対応する値としても良い。これにより、乱数カウンタ164において初期値の設定から更新が行われない異常が発生して内部抽選用の乱数として同じ値が取得され続ける状況となった場合でも遊技者と遊技店のいずれも損害を被ることがないようにすることができる。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、開始条件の成立に伴い役の内部抽選を行い、複数のリール6の変動表示を伴うゲームを実行可能な制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24a,24b,24c)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立し、当該役に対応する遊技媒体を付与する遊技機(スロットマシン1)において、制御手段は、所定の周期のクロック信号に基づいて計数動作をするカウンタ手段(乱数カウンタ164)と、開始条件の成立に伴いカウンタ手段が計数したカウンタ値を取り込んで保持値として保持するカウンタ値保持手段(乱数ラッチレジスタ166)と、カウンタ値保持手段に保持されている保持値を取得して役の当選を判定する判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、電源投入時におけるカウンタ値保持手段に保持される保持値を、遊技者が保有する遊技価値の数を変化させずに次のゲームを開始可能な役である所定役の当選と判定手段により判定される値に設定可能であることとなる。したがって、カウンタ値の取り込み等に異常が発生した場合でも遊技者と遊技店のいずれも損害を受けることがないようにすることができ、異常発生時の不都合を防止できる。
また、内部抽選で当選する役には、遊技媒体を投入することなく再度のゲームの実行を可能とする役である再遊技役を含み、制御手段は、所定役を再遊技役とするようにしたこととなる。したがって、カウンタ値の取り込み等に異常が発生した場合でも遊技者と遊技店のいずれも損害を受けることがないようにすることができ、異常発生時の不都合を防止できる。
また、内部抽選で当選する役には、当該内部抽選を行うゲームでの賭数と同じ数の遊技媒体を付与する役である同数役を含み、制御手段は、所定役を同数役とするようにしたこととなる。したがって、カウンタ値の取り込み等に異常が発生した場合でも遊技者と遊技店のいずれも損害を受けることがないようにすることができ、異常発生時の不都合を防止できる。
また、制御手段は、判定手段による判定が終了した後、次の開始条件が成立するまでに、カウンタ値保持手段に保持される保持値を、遊技者が保有する遊技価値の数を変化させずに次のゲームを開始可能な役である所定役の当選と判定手段により判定される値に変更するようにしたこととなる。したがって、カウンタ値の取り込み等に異常が発生した場合でも遊技者と遊技店のいずれも損害を受けることがないようにすることができ、異常発生時の不都合を防止できる。
〔リール回転開始処理〕
図21にはメインループ処理に示したリール回転開始処理(ステップS104)を示した。このリール回転開始処理では、まず、入賞期待図柄設定テーブルを準備し(ステップS171)、有効ライン情報セット処理を行う(ステップS172)。入賞期待図柄とは、内部抽選で当選した役の入賞を成立させるために必要な図柄組合せ態様であり、有効ライン情報セット処理(ステップS172)では、遊技状態に応じて有効ライン毎に揃って良い図柄の情報を設定する。リール6の停止時にはこの情報を参照して停止させる図柄を設定する。
次に、停止優先図柄設定テーブルを準備し(ステップS173)、有効ライン情報設定処理を行う(ステップS174)。特別入賞に当選している場合に特別入賞以外の役に当選している場合は、成立させる入賞の優先順位を設定する必要があり、この優先順位は小役入賞、特別入賞の順に低くなっている(小役入賞>特別入賞)。有効ライン情報設定処理(ステップS174)では、当選している役の種類に応じて有効ライン毎に揃って良い図柄組合せ態様の情報を設定する。リール6の停止時にはこの情報を参照して停止させる図柄を設定する。
次に、タイマ割込み処理の実行を待つ割込み待ち処理を行い(ステップS175)、待機表示LEDのオンデータを設定して(ステップS176)、前ゲームの開始後、次ゲームの開始が可能となるまでの所定の時間(例えば4.1秒)を管理する最小遊技間隔時間タイマが0(タイムアップ)であるかを判定する(ステップS177)。そして、最小遊技間隔時間タイマが0でない場合(ステップS177;N)は、ステップS175に戻る。また、最小遊技間隔時間タイマが0である場合(ステップS177;Y)は、待機表示LEDのオフデータを設定し(ステップS178)、リール回転開始に対応したコマンド番号を準備し(ステップS179)、コマンド設定処理を行う(ステップS180)。これによりリール6の回転開始が演出制御装置300に送信されることとなる。なお、このコマンドには特定遊技状態ST30や特別遊技状態ST20の終了にかかわる現在の差枚数に関する情報や、有利区間で実行したゲーム数の情報などを含んでも良い。
その後、当選フラグ1,2の情報や押し順情報1,2の情報に対応したコマンド番号を準備し(ステップS181)、コマンド設定処理を行う(ステップS182)。これにより当選役や押し順の情報(当選役報知コマンド)が演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300ではこの情報に基づき第2遊技情報表示部40の表示や演出の設定を行う。次に、リール用モータ64a,64b,64cを起動するリール用モータ起動処理を行い(ステップS183)、全リール用モータの起動が終了したかを判定する(ステップS184)。全リール用モータの起動が終了していない場合(ステップS184;N)は、ステップS183に戻る。また、全リール用モータの起動が終了した場合(ステップS184;Y)は、リール回転中フラグをセットし(ステップS185)、リール回転開始処理を終了する。
〔図柄制御処理〕
図22にはメインループ処理に示した図柄制御処理(ステップS113)を示した。この図柄制御処理では、まず、割込みを禁止し(ステップS201)、停止対象となるリールのモータ制御領域のアドレスを設定する(ステップS202)。次に、押下図柄番号として現図柄番号をロードし(ステップS203)、ステップカウンタは即止め可能範囲内であるかを判定する(ステップS204)。そして、ステップカウンタが即止め可能範囲内である場合(ステップS204;Y)は、ステップS206に移行する。また、ステップカウンタが即止め可能範囲内でない場合(ステップS204;N)は、押下図柄番号を−1更新し(ステップS205)、割込みを許可する(ステップS206)。
各リール6のそれぞれには21個の図柄が配されており、各リール6のそれぞれにおいてリール6の回転方向に沿って順に0〜20の図柄番号が付されている(図5(a)参照)。また、ステップカウンタは各図柄についてその位置をより詳細に定義するものであり、各図柄についてリール6の回転方向に沿って順に0〜21の値が付された領域が均等に割り振られている。そして、図柄表示窓5における中段の最上部の位置を基準位置とし、この基準位置にある図柄及び当該図柄のステップカウンタの値に基づき様々な処理を行うようになっている。なお、中段に図柄が正しく停止している場合、基準位置における当該図柄のステップカウンタの値は0〜3の範囲である。
上記の処理では、ステップS201で割込みを禁止することでステップカウンタの値が変化しないようにし、ステップS203では停止操作又は自動停止によるリール停止要求があった時点で基準位置にある図柄の図柄番号である現図柄番号を押下図柄番号とする。そして、ステップS204では、リール停止要求があった時点で基準位置にある図柄のステップカウンタの値が所定の範囲(ここでは7〜21)である場合は、当該図柄が中段の位置に入ってくる途中の状態であるので当該図柄を中段の位置に停止可能と判定する。すなわち、リール停止要求の時点で中段の位置に存在する図柄を中段の位置に停止する即止めが可能な状態である。よって、この場合はステップS203で設定した通り、現図柄番号を押下図柄番号とする。しかし、リール停止要求があった時点で基準位置にある図柄のステップカウンタの値が所定の範囲でない(ここでは0〜6)である場合は、すでにその図柄が中段の位置に入っており停止処理を行っても停止させることが間に合わない。そこで、ステップS205では押下図柄番号を次に中段の位置に入ってくる図柄に変更するようにしている。
このように押下図柄番号を決定した後、割込みを許可し(ステップS206)、内部当選の結果に対応するように停止させる図柄を決定する処理を行う。停止させる図柄は押下図柄番号から変化範囲として定められた範囲(最大で5コマ)で設定可能である。すなわち(押下図柄番号)−(変化範囲の値)までの範囲内で設定可能である。まず、処理対象のリールと当選役の情報から引き込みコマ数テーブル選択処理を行い(ステップS207)、停止対象となるリールの図柄配置データテーブルを設定する(ステップS208)。さらに、押下図柄番号に対応するデータアドレスを算出し(ステップS209)、停止対象となるリールの有効ライン検索データインデックステーブルを設定する(ステップS210)。
次に、押下図柄番号から設定された変化範囲において優先的に停止させる図柄の情報である停止優先図柄位置情報を0クリアし(ステップS211)、押下図柄番号から設定された変化範囲において停止を禁止する図柄の情報である停止禁止図柄位置情報を0クリアする(ステップS212)、そして、停止禁止図柄位置情報を設定する図柄蹴飛ばし処理を行い(ステップS213)、停止優先図柄位置情報を設定する図柄引き込み処理を行う(ステップS214)。
続いて、所定時間に亘り停止操作が行われなかった場合にリール6を自動的に停止させるための図柄自動停止処理を行う(ステップS215)。この処理は自動停止によるリール停止要求があった場合に行われる処理であり、自動停止する場合の押下図柄番号を決定するための処理である。そして、この自動停止時に適切な停止位置があるかを判定し(ステップS216)、適切な停止位置がない場合(ステップS216;N)は、ステップS205に戻る。また、適切な停止位置がある場合(ステップS216;Y)は、ステップS217に移行する。なお、遊技者の停止操作によるリール停止要求の場合は常に適切な停止位置がある(ステップS216;Y)としてステップS217に移行する。
次に、停止位置セット処理を行い(ステップS217)、停止図柄セット処理を行う(ステップS218)。これらの処理では、上述の処理で設定された引き込みコマ数、停止優先図柄位置情報、停止禁止図柄位置情報等に基づき停止する図柄を算出し、対象のモータに対する停止要求(減速)を設定する処理や演出制御装置300にリール6の停止や停止図柄(リール6の停止位置)の情報を送信する処理を行う。
その後、停止対象となるリールの停止フラグをセットし(ステップS219)、停止リール数を+1更新する(ステップS220)。そして、当選フラグ1,2の情報や押し順情報1,2の情報に対応したコマンド番号を準備し(ステップS221)、コマンド設定処理を行い(ステップS222)、図柄制御処理を終了する。これにより停止操作を行った場合にも当選役や押し順の情報(当選役報知コマンド)が演出制御装置300に送信されることとなる。このように停止操作毎に当選役と押し順の情報が演出制御装置300に送信されることで、これ以前にコマンドの取りこぼしがあった場合でも演出制御装置300で当選役や押し順を把握できるようになる。また、この情報に基づいて第2遊技情報表示部40の表示を行うことも可能である。
図23には、引き込みコマ数テーブル選択処理(ステップS207)において決定されることとなる、停止操作が行われた位置から停止させるまでにリール6を回転可能な範囲である変化範囲の設定値を示した。
図23(a)には、内部抽選の結果がチェリー入賞やスイカ入賞以外の結果である場合の変化範囲の設定値を示した。この場合は遊技状態により異なっており、通常遊技状態ST10又は特別遊技状態ST20である場合には、左リール6a及び中リール6bの変化範囲として5コマが設定され、右リール6cの変化範囲として4コマが設定される。これらの遊技状態では順押しで遊技を進行するようにされており、第3停止リールとなる右リール6cの変化範囲が他のリールよりも少なくなっている。また、遊技状態が特定遊技状態ST30である場合は、いずれのリール6でも変化範囲として5個コマが設定される。特定遊技状態ST30では順押し以外の停止順序が指示されることもあるため、全てのリール6で同じ変化範囲としている。
図23(b)には、内部抽選の結果がチェリー入賞である場合の変化範囲の設定値を示した。この場合は遊技状態にかかわらず同じ設定値とされるようになっていて、最初に停止操作が行われた第1停止リール及び二番目に停止操作が行われた第2停止リールについては変化範囲として5コマが設定される。
そして、最後に停止操作が行われた第3停止リールについては、すでに停止している2つのリール6の停止態様により設定値が異なる。チェリーがテンパイしている状態、すなわち、一の図柄停止ライン上にチェリーが並んで停止している場合であって当該ライン上にチェリーが停止すればチェリー入賞が成立する状態では、変化範囲として3コマが設定される。また、チェリーがテンパイしていない状態であれば変化範囲として4コマが設定される。
すなわち、チェリー入賞が成立する可能性がある場合は、図23(a)に示す通常遊技状態の場合よりも変化範囲が少なく、遊技者に正確な目押しが要求される。これにより、チェリー入賞の成立に遊技者の技量が反映されるようになり、遊技の興趣を向上することができる。なお、変化範囲を3とすることでリプレイ入賞の成立も可能としている。また、チェリー入賞が成立する可能性がない場合は、図23(a)に示す通常遊技状態の場合と同じ変化範囲とされ、リプレイ入賞の成立を可能としている。
図23(c)には、内部抽選の結果がスイカ入賞である場合の変化範囲の設定値を示した。この場合は遊技状態にかかわらず同じ設定値とされるようになっていて、最初に停止操作が行われた第1停止リール及び二番目に停止操作が行われた第2停止リールについては変化範囲として5コマが設定される。
そして、最後に停止操作が行われた第3停止リールについては、すでに停止している2つのリール6の停止態様により設定値が異なる。スイカAのみでテンパイしている状態、すなわち、有効ラインを含む一の図柄停止ライン上にスイカAが2つ並んで停止している場合であって当該ライン上にスイカA又はBが停止すればスイカ入賞が成立する状態では、変化範囲として5コマが設定される。
また、スイカBを含みテンパイしている状態、すなわち、有効ラインを含む一の図柄停止ライン上にスイカAとスイカBがそれぞれ停止している場合又はスイカBが2つ停止している場合であって当該ライン上にスイカA又はBが停止すればスイカ入賞が成立する状態では、変化範囲として1コマが設定される。また、スイカ入賞がテンパイしていない状態、すなわち、スイカ入賞の成立の可能性がない場合であれば変化範囲として4コマが設定される。
スイカAはスイカBよりも数が少なく、スイカAのみでテンパイさせた遊技者には特典として最終停止での変化範囲に余裕を持たせてスイカ入賞の成立を容易にしている。また、スイカBを含むテンパイの場合は、図23(a)に示す通常遊技状態の場合よりも変化範囲を少なくしてスイカ入賞の成立に遊技者に正確な目押しを要求する。このように、最終停止前の状態により変化範囲を決定することで、それまでの停止操作における遊技者の技量が反映されるようになり、遊技の興趣を向上することができる。また、スイカ入賞が成立する可能性がない場合は、図23(a)に示す通常遊技状態の場合と同じ変化範囲とされ、はずれ結果の図柄組み合わせの導出を容易としている。
なお、チェリー入賞やスイカ入賞には、所定の停止順序でなければ成立しない場合があり、必ずしも右リール6cが第3停止リールとならない場合もある。よって、変化範囲の決定に際しては、各リール6が停止した順序に基づき決定されるようにしている。ここでは最終停止リールである第3停止リールである場合にすでに停止しているリールの状況により変化範囲を異ならせるようにしたが、第1停止リールの停止状況により第2停止リールについての変化範囲を異ならせるようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立する遊技機(スロットマシン1)において、遊技制御手段は、停止操作部の操作があった時点におけるリール6の位置から所定の変化範囲内で当該リール6を停止可能であり、変化範囲を、複数のリール6の各々で異なる範囲に設定可能であることとなる。したがって、リール6毎の停止操作態様に変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技制御手段は、変化範囲を、他のリール6の状態に応じて設定可能であることとなる。したがって、遊技の進行を反映することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技制御手段は、変化範囲を、内部抽選で当選した役に応じて設定可能であることとなる。したがって、役に応じて成立の難易度を変化させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立する遊技機(スロットマシン1)において、内部抽選で当選する役には、複数のリール6を所定の停止順序で停止するとともに、少なくとも一のリール6については所定の停止操作タイミングで停止しなければ入賞が成立しない特定役を含むこととなる。したがって、特定役の成立に遊技者の技量が反映されることとなり、遊技の興趣を向上することができる。
〔タイマ割込み処理〕
図24にはタイマ割込み処理を示した。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的(例えば1.9msecごと)なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になってタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理では、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM111cに移すレジスタ退避の処理(ステップS241)を行い、スタック領域内の戻りアドレスをチェックしてプログラムエリア外であるかを判定する(ステップS242)。戻りアドレスがプログラムエリア外である場合(ステップS242;Y)は、戻りアドレスエラーのセグメント出力データ(払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データ)を準備し(ステップS263)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
戻りアドレスがプログラムエリア外でない場合(ステップS242;N)は、停電の発生を監視し、停電が発生した場合に停電発生時の処理を行う電源遮断処理(ステップS243)を行う。停電発生時の処理としては、例えば、メダルの払い出しの停止、RAM111cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。なお、停電が発生していない場合は電源遮断処理(ステップS243)では処理を行わない。
次に、各種センサなどからの入力の取り込み、すなわち各入力ポートの状態を読み込む入力スイッチ状態処理を行う(ステップS244)。この入力スイッチ状態処理(ステップS244)で取り込まれる入力は、メダル投入センサ51a,51b、メダル投入不正検出センサ51c、スタートレバースイッチ52、リール停止ボタンスイッチ53(第1リール(左)停止ボタンスイッチ53a、第2リール(中)停止ボタンスイッチ53b、第3リール(右)停止ボタンスイッチ53c)、リールセンサ54(左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54c)、マックスベットスイッチ57、1ベットスイッチ31a、精算ボタンスイッチ58、メダル払出センサ59、エラー解除スイッチ61、満杯検知センサ82、打止切替スイッチ35、自動精算切替スイッチ36等や設定装置の段階設定キースイッチ62、設定ボタンスイッチ60等からの入力である。
次に、メダル投入センサ51a,51bやメダル投入不正検出センサ51cからの入力が異常を示す入力であった場合にこれに応じた処理を行ったり、メダル投入エラーコマンドを演出制御装置300に送信したりするセキュリティチェック処理(ステップS245)を行う。
その後、左リール6aの制御として、第1リール制御のワークアドレスを準備して(ステップS246)、リール用モータ制御処理を行う(ステップS247)。次に、中リール6bの制御として、第2リール制御のワークアドレスを準備して(ステップS248)、リール用モータ制御処理を行う(ステップS249)。さらに、右リール6cの制御として、第3リール制御のワークアドレスを準備して(ステップS250)、リール用モータ制御処理を行う(ステップS251)。
そして、割込みカウンタを0〜3の範囲で+1更新し(ステップS252)、更新後の割込みカウンタによるサブルーチンコールを行う(ステップS253)。割込みカウンタの値が「0」の場合は、第1遊技情報表示部33や第1遊技媒体情報表示部32など7セグメントディスプレイで構成された表示部の表示設定を行う7セグメントデータ設定処理を行う(ステップS254)。割込みカウンタの値が「1」の場合は、遊技状態表示部18やベットライン数表示LED37での表示を制御するLED点滅処理(ステップS255)を行う。
割込みカウンタの値が「2」の場合は、満杯検知センサ82からの入力に基づき、メダル払出装置のホッパー内のメダルが満杯であるかを監視する満杯検知センサ監視処理(ステップS256)を行う。次に、メダル払出センサ59からの入力に基づきメダルの払い出しの異常を監視し、異常があった場合は演出制御装置300に払出スイッチエラーコマンドを送信するメダル詰まり監視処理(ステップS257)を行う。さらに、自動停止を行うまでの時間を監視する自動停止監視タイマ、ゲーム間隔を監視する最小遊技間隔時間タイマ、LEDを消灯するまでの時間を監視する自動消灯時間タイマ、各種エラー監視用タイマ、その他遊技用のタイマなどの各種タイマの更新を行うタイマ更新処理(ステップS258)を行う。
割込みカウンタの値が「3」の場合は、ホールコンピュータ等の外部装置に出力する情報を編集する外部情報出力処理(ステップS259)を行う。この処理では、SBB状態である場合に出力されるSBB信号、BB状態である場合に出力されるBB信号、RB状態である場合に出力されるRB信号、メダルの投入があった場合に出力される遊技メダル投入信号、メダルの払い出しがあった場合に出力される遊技メダル払出信号、段階設定キースイッチがオンである場合に出力される段階設定キー信号、特定遊技状態ST30である場合に出力される特定遊技状態信号などの設定が行われる。
割込みカウンタの値に応じた処理を行った後、各種処理でセットされた出力データに基づき、演出制御装置300、第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32、遊技状態表示部18、メダル払出装置、リール用モータ64a、64b、64c、外部信号出力端子170、リール停止ボタンLED66a,66b,66c、ベットライン数表示LED37、セレクタソレノイド68、試射試験装置500、検査装置600等に対して制御信号を出力するデータ出力処理を行う(ステップS260)。そして、レジスタを復帰し(ステップS261)、割込みを許可して(ステップS262)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、特定遊技状態ST30は、通常遊技状態ST10で特殊リプレイ2入賞が成立した場合、特別遊技状態中に特殊リプレイ2入賞が成立して当該特別遊技状態が終了した場合、特別遊技状態の終了時に特定遊技状態ST30の差枚数が所定値に達していない場合に開始され、これらを契機として特定遊技状態信号の出力が開始される(ON状態に変化)。そして、特定遊技状態ST30は差枚数が所定数に達した場合、特別遊技状態ST20に移行した場合に終了し、これを契機として特定遊技状態信号の出力が終了する(OFF状態に変化)。
この特定遊技状態ST30には、通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞(通常リプレイ入賞)の内部当選確率が高確率となるRT状態と、停止順序を報知することで成立小役の導出がアシストされるAT状態と、RT状態とAT状態の両方が発生するART状態と、が含まれている。AT状態のみ又はRT状態のみとなる場合は特定遊技状態ST30の開始、終了の際に発生することがある。また、ART状態において遊技者が報知された停止順序に従わない停止操作を行った場合にはAT状態が終了してRT状態となることがある。この場合はRT状態で再度特殊リプレイ2を成立させることでART状態に復帰する。
特定遊技状態信号は、特定遊技状態ST30の開始条件の成立から終了条件の成立まで出力されるようになっており、例えば遊技者が報知された停止順序に従わない停止操作を行ったことでART状態からRT状態に転落した場合でもON状態が継続される。そして、再度ART状態に復帰した場合でもON状態が継続されたままとなる。すなわち、一の連続する特定遊技状態ST30では特定遊技状態信号のON状態が継続されるようになっている。
これにより、外部装置において特定遊技状態ST30の継続状況を把握しやすくなる。すなわち、ART状態からRT状態又はAT状態に転落した場合に特定遊技状態信号をOFF状態に変化させ、その後ART状態に復帰した場合に特定遊技状態信号をON状態に変化させるとすると、外部装置では新たな特定遊技状態ST30が開始されたと認識してしまうが、本実施形態のようにすることで一の連続する特定遊技状態ST30を正確に把握することが可能となる。
なお、特定遊技状態ST30において特別入賞が成立して特別遊技状態ST20に移行した場合には特別遊技状態ST20の期間においても特定遊技状態信号をON状態のままとしても良い。この場合、特別遊技状態ST20の前後における特定遊技状態ST30は一連の特定遊技状態ST30であるため、特定遊技状態信号をON状態のままとすることで外部装置において一連の特定遊技状態ST30であることを把握可能となる。また、特定遊技状態と特別遊技状態のいずれか一方が実行されている期間である有利区間であることや有利区間の継続期間を外部装置において把握可能となる。
〔7セグメントデータ設定処理〕
図25にはタイマ割込み処理に示した7セグメントデータ設定処理(ステップS254)を示した。この7セグメントデータ設定処理では、まず、第1遊技媒体情報表示部32の第1クレジット数表示部32aでの表示に関する処理として、クレジット数に対応するセグメントデータを設定し(ステップS281)、設定したセグメントデータを第1クレジット数表示部32aのセグメントデータ領域にセーブする(ステップS282)。
次に、第1遊技媒体情報表示部32の第1払出数表示部32bでの表示に関する処理として、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS283)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS284)。リール6の回転中である場合(ステップS284;Y)は、設定したセグメントデータを第1払出数表示部32bのセグメントデータ領域にセーブする(ステップS290)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中でない場合(ステップS284;N)は、段階設定値の変更中であるかを判定する(ステップS285)。段階設定値の変更中である場合(ステップS285;Y)は、ステップS290に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、段階設定値の変更中でない場合(ステップS285;N)は、何らかのエラー発生中であるかを判定する(ステップS286)。
何らかのエラー発生中である場合(ステップS286;Y)は、エラー番号データに対応するセグメントデータを設定し(ステップS289)、ステップS290に移行する。この場合はエラーに対応した表示が設定される。また、何らかのエラー発生中でない場合(ステップS286;N)は、払い出しがある場合に当該払い出しの枚数が設定されるメダル払出枚数カウンタが0であるかを判定する(ステップS287)。
メダル払出枚数カウンタが0である場合(ステップS287;Y)は、ステップS290に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、メダル払出枚数カウンタが0でない場合(ステップS287;N)は、メダル払出枚数カウンタに対応するセグメントデータを設定し(ステップS288)、ステップS290に移行する。この場合は、払出枚数の表示が設定される。
次に、第1遊技情報表示部33での表示に関する処理として、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS291)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS292)。リール6の回転中でない場合(ステップS292;N)は、設定したセグメントデータを第1遊技情報表示部33のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS301)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中である場合(ステップS292;Y)は、AT状態中(特定遊技状態中)であるかを判定し(ステップS293)、AT状態中である場合(ステップS293;Y)はステップS295に移行する。また、AT状態中でない場合(ステップS293;N)は、押し順が順押し(左中右の順)又は押し順なしであるかを判定する(ステップS294)。押し順が順押し又は押し順なしである場合(ステップS294;Y)は、ステップS295に移行する。また、押し順が順押し又は押し順なしでない場合(ステップS294;N)は、設定したセグメントデータを第1遊技情報表示部33のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS301)。この場合は空白表示が設定される。すなわち、AT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにしている。
ステップS295では、当選フラグ1は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS295)。当選フラグ1は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS295;N)は、ステップS297に移行する。また、当選フラグ1は当選なし(はずれ)である場合(ステップS295;Y)は、当選フラグ2は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS296)。そして、当選フラグ2は当選なし(はずれ)である場合(ステップS296;Y)は、ステップS297に移行する。また、当選フラグ2は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS296;N)は、ステップS299に移行する。当選フラグ1は小役入賞の情報であり、当選フラグ2は特別入賞の情報である。小役入賞と特別入賞とに同時当選した場合は、特別入賞よりも小役入賞の方が優先して成立するように制御されるので、第1遊技情報表示部33での表示もこれに応じた表示とする。
ステップS297では、当選フラグ1の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS297)、押し順情報1に対応するセグメントデータを設定し(ステップS298)、ステップS301に移行する。これにより、第1遊技情報表示部33には、小役入賞についての情報が表示される。また、ステップS299では、当選フラグ2の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS299)、押し順情報2に対応するセグメントデータを設定し(ステップS300)、ステップS301に移行する。これにより、第1遊技情報表示部33には、特別入賞についての情報が表示される。
なお、AT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにし、これ以外の場合には空白表示とするとしたが、空白表示に替えてはずれの報知を行うようにしても良い。また、セグメントデータはテーブルから取得しても良いし、プログラムロジックでセットしても良い。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300による処理について説明する。図26に示すメイン処理は、スロットマシン1の電源が投入されて演出制御装置300の電源が投入されることで、CPU311がPROM321に記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。このメイン処理には電源投入時にのみ行われる処理と、繰り返し実行されるループ処理とが含まれている。
まず、電源投入時の処理として、割込みを禁止し(ステップS501)、内蔵RAMを有効に設定して(ステップS502)、CPUの初期設定を行う(ステップS503)。次に、ウォッチドッグタイマをスタートし(ステップS504)、音源LSI314の初期設定を行い(ステップS505)、VDP312の初期設定を行う(ステップS506)。
その後、割込みを許可し(ステップS507)、チェックサム算出処理を行い(ステップS508)、算出したチェックサムがチェックサム領域のバックアップ値と一致するかを判定する(ステップS509)。そして、一致した場合(ステップS509;Y)、すなわち、正しくバックアップされていた場合はステップS511に移行する。また、一致しない場合(ステップS509;N)、すなわち、正しくバックアップされていなかった場合は、バックアップ情報を記憶しているバックアップセクションをクリアして(ステップS510)、ステップS511に移行する。
ステップS511ではランプ制御の領域を初期化し(ステップS511)、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS512)、フレーム同期処理を行う(ステップS513)。フレーム同期処理では、ゲームの管理に関するフレームの同期処理、音声制御に関するフレームの同期処理、サウンドコードの出力処理、LED制御データの出力処理、乱数の更新処理などを行う。
その後ループ処理として、まず、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS514)、割込みを許可し(ステップS515)、フレーム同期処理を行って(ステップS516)、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS517)。次に、演出制御装置300内の各種装置の制御処理を行うゲーム管理メイン処理を行い(ステップS518)、演出態様を設定するランプ&サウンド&画像編集処理を行って(ステップS519)、演出ボタン10の操作に基づく入力信号に基づき対応する処理を行う演出ボタン入力処理(ステップS520)を行い、ステップS514に戻る。
〔ゲーム管理メイン処理〕
図27にはメイン処理に示したゲーム管理メイン処理(ステップS518)を示した。このゲーム管理メイン処理では、まず、演出制御装置300内の各種装置へ送信する制御情報である演出制御コードの配信の遅延(ウェイト時間)を設定し(ステップS531)、前回の演出制御コード設定処理でセーブした演出制御コードを配信し(ステップS522)、演出制御コードを全て配信したかを判定する(ステップS533)。
演出制御コードを全て配信していない場合(ステップS533;N)は、ステップS532に戻る。また、演出制御コードを全て配信した場合(ステップS533;Y)は、遊技制御装置100から受信したコマンドに関する処理を行うコマンド制御処理を行い(ステップS534)、演出制御コードを設定するための演出制御コード設定処理をう(ステップS535)。その後、AT状態(特定遊技状態)に関する演出の制御などを行うAT制御処理を行い、ゲーム管理メイン処理を終了する。
演出制御コードには、音源LSI314を制御するためのサウンドコード、I2Cを制御するためのLED制御データの元になるランプコード、VDP312を制御するための画像コードなどがあり、遊技の進行に応じて演出制御コードを設定して演出制御装置300内の各種装置に送信することで制御を行うようになっている。
〔コマンド制御処理〕
図28にはゲーム管理メイン処理に示したコマンド制御処理(ステップS534)を示した。このコマンド制御処理では、まず、解析コマンドとしてコマンドなしをセットし(ステップS551)、解析用読込インデックスと解析用書込インデックスが一致するかを判定する(ステップS552)。そして、一致する場合(ステップS552;Y)は、ステップS556に移行する。この場合は処理対象のコマンドがない場合である。また、一致しない場合(ステップS552;N)は、解析用読込インデックスに対応する解析バッファから受信コマンドをロードし(ステップS553)、ロードした受信コマンドを解析コマンドとする(ステップS554)。
次に、解析用読込インデックスを0〜127の範囲で+1更新し(ステップS555)、解析コマンドを実行コマンドとしてセーブして(ステップS556)、実行コマンドがコマンドなしであるかを判定する(ステップS557)。実行コマンドがコマンドなしである場合(ステップS557;Y)は、コマンド制御処理を終了する。この場合はステップS552の処理で一致しないと判定された場合である。また、実行コマンドがコマンドなしでない場合(ステップS557;N)は、コマンドに対応した処理を行うコマンド実行処理を行い(ステップS558)、ステップS551に戻る。コマンド実行処理においては、遊技制御装置100から送信された情報に基づき、演出制御装置300内の各種装置へ送信する制御情報である演出制御コードを設定する。これにより、遊技制御装置100から送信された情報に基づく各種装置の動作設定が行われることとなる。
〔段階設定値情報処理〕
図29にはコマンド制御処理におけるコマンド実行処理(ステップS558)において行われる段階設定値情報処理を示した。この段階設定値情報処理では、まず、コマンドとして段階設定値情報を受信したかを判定する(ステップS561)。段階設定値情報は、遊技制御装置100において電源が投入された際や、段階設定値が変更された場合に送信される情報である(ステップS20、S56)。
この段階設定値情報を受信していない場合(ステップS561;N)は、段階設定値情報処理を終了する。また、段階設定値情報を受信した場合(ステップS561;Y)は、段階設定値情報をセーブし(ステップS562)、段階設定値情報に対応した使用可能演出を選択して(ステップS563)、段階設定値情報処理を終了する。
図30には、段階設定値情報に対応して使用可能となる演出とその選択割合を示した。ここで使用可能とされる演出には演出A〜Eの5種類がある。これら演出A〜Eの内容は画像表示装置3で表示する演出(演出のテーマ、個別の演出、背景、キャラクタなどを含む)、音声、特別遊技状態ST20中や特定遊技状態ST30中に流れる楽曲、LEDの発光態様又はこれらの結合のいずれであっても良いが、演出A〜Eのそれぞれを遊技者が識別可能とすることが好ましい。
設定1〜3である場合は必ず演出A〜Eのすべてが使用可能となる。設定4である場合は、80%の割合で演出A〜Eのすべてが使用可能とされ、20%の割合で演出A〜Dのみが選択可能とされる。設定5である場合は、60%の割合で演出A〜Eのすべてが使用可能とされ、20%の割合で演出A〜Dのみが使用可能とされ、20%の割合で演出A及びEのみが使用可能とされる。設定6である場合は、40%の割合で演出A〜Eのすべてが使用可能とされ、20%の割合で演出A〜Dのみが使用可能とされ、20%の割合で演出A及びEのみが使用可能とされ、20%の割合で演出Aのみが使用可能とされる。
このように、段階設定値に応じて使用可能な演出の組み合わせを異ならせることで、実行される演出から遊技者が段階設定値を推測可能となる。例えば、演出Dの割合が高い場合には設定4である可能性が高いことが推測可能である。また、演出Eの割合が高い場合には設定5である可能性が高いことが推測可能である。また、演出Aの割合が高い場合には設定6である可能性が高いことが推測可能である。ここではいずれの演出も段階設定値を確定的に報知するものとはなっていないが、例えば設定6である場合にのみ選択可能な演出を設けるなど、段階設定値を明確に示す演出を設けても良い。
〔演出制御コード設定処理〕
図31にはゲーム管理メイン処理に示した演出制御コード設定処理(ステップS535)を示した。この演出制御コード設定処理では、まず、コマンド実行処理(ステップS558)で設定したサウンドコードをバッファにセーブし(ステップS571)、コマンド実行処理(ステップS558)で設定したランプコードをバッファにセーブする(ステップS572)。
次に、コマンド実行処理(ステップS558)で設定した画像コードをバッファにセーブし(ステップS573)、試験用の信号を出力する図示しないインターフェースボード2の出力制御を行い(ステップS574)、演出制御コード設定処理を終了する。
〔コマンド受信割込み処理〕
図32にはコマンド受信割込み処理を示した。このコマンド受信割込み処理では、まず、INT信号がオンであるかを判定し(ステップS601)、オンである場合(ステップS601;Y)は、コマンドを入力して1回目のコマンドとしてセーブし(ステップS602)、所定のウェイト時間(例えば20us)を設定する(ステップS604)。また、オンでない場合(ステップS601;N)は、0000Hを1回目のコマンドとしてセーブし(ステップS603)、所定のウェイト時間(例えば20us)を設定する(ステップS604)。その後、2回目、3回目の受信処理として同様の処理を行い(ステップS605〜S611)、3回の受信の結果が全て同じ値であるかを判定する(ステップS612)。
3回の受信の結果が全て同じ値でない場合(ステップS612;N)は、受信したコマンドを無効なものとしてコマンド受信割込み処理を終了する。また、3回の受信の結果が全て同じ値である場合(ステップS612;Y)は、受信したコマンドの値が0000H以外であるかを判定する(ステップS613)。そして、受信したコマンドの値が0000H以外でない(ステップS613;N)は、受信したコマンドを無効なものとしてコマンド受信割込み処理を終了する。
また、受信したコマンドの値が0000H以外である(ステップS613;Y)は、受信したコマンドを有効なものとして、受信用書込インデックスに対応する受信コマンドバッファアドレスを算出し(ステップS614)、算出後のアドレスにコマンドをセーブする(ステップS615)。その後、受信用書込インデックスを0〜127の範囲で+1更新し(ステップS616)、タイマカウンタ(ハード)の値を乱数シードとして設定して(ステップS617)、コマンド受信割込み処理を終了する。
〔V−Sync割込み処理〕
図33には、第2遊技情報表示部40や第2遊技媒体情報表示部44などの7セグメントディスプレイや画像表示装置3など、V−Syncに合わせて処理する必要のあるものに関する処理を行うV−Sync割込み処理を示した。このV−Sync割込み処理では、まず、フレーム同期カウンタを+1更新し(ステップS631)、フレーム同期カウンタが2以上であるかを判定する(ステップS632)。
フレーム同期カウンタが2以上でない場合(ステップS632;N)は、ステップS635に移行する。また、フレーム同期カウンタが2以上である場合(ステップS632;Y)は、フレーム同期カウンタに0を設定し(ステップS633)、V−Syncフラグをセットして(ステップS634)、ステップS635に移行する。ステップS635では、受信用コマンドバッファの内容を解析用コマンドバッファにコピーするコマンドコピー処理を行い(ステップS635)、V−Syncフラグがセットされているかを判定する(ステップS636)。
V−Syncフラグがセットされていない場合(ステップS636;N)は、画像データ等の編集を行わずにステップS641に移行する。また、V−Syncフラグがセットされている場合(ステップS636;Y)は、7SEGデータ格納処理を行い(ステップS637)、7SEGデータ編集処理を行う(ステップS638)。7SEGデータは、第2遊技情報表示部40や第2遊技媒体情報表示部44などの7セグメントディスプレイでの表示データであり、7SEGデータ編集処理(ステップS638)では表示データを編集し、7SEGデータ格納処理(ステップS637)では、編集された表示データがセグメントLED制御回路335へ出力されるように設定する処理を行う。
次に、画像データ格納処理を行い(ステップS639)、画像データ編集処理を行い(ステップS640)、音量調節SW338からの入力に基づき音量を設定するボリュームスイッチ入力処理を行って(ステップS641)、V−Sync割込み処理を終了する。画像データは、画像表示装置3のような液晶表示装置での表示データであり、画像データ編集処理(ステップS640)では表示データを編集し、画像データ格納処理(ステップS639)では、編集された表示データがVDP312へ出力されるように設定する処理を行う。
〔7SEGデータ編集処理〕
図34にはV−Sync割込み処理に示した7SEGデータ編集処理(ステップS638)を示した。この7SEGデータ編集処理では、まず、第2遊技媒体情報表示部44の第2クレジット数表示部11での表示に関する処理として、遊技制御装置100から送信された情報に基づくクレジット数に対応するセグメントデータを設定し(ステップS661)、設定したセグメントデータを第2クレジット数表示部11のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS662)。
次に、第2遊技媒体情報表示部44の第2払出数表示部13での表示に関する処理として、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS663)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS664)。リール6の回転中である場合(ステップS664;Y)は、設定したセグメントデータを第2払出数表示部13のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS669)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中でない場合(ステップS664;N)は、段階設定値の変更中であるかを判定する(ステップS665)。段階設定値の変更中である場合(ステップS665;Y)は、ステップS669に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、段階設定値の変更中でない場合(ステップS665;N)は、遊技制御装置100からのメダル払出情報があるかを判定し(ステップS667)、メダル払出情報がない場合(ステップS667;N)は、ステップS669に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、メダル払出情報がある場合(ステップS667;Y)は、メダル払出情報に対応するセグメントデータを設定し(ステップS668)、ステップS669に移行する。この場合は、払出枚数の表示が設定される。なお、第2払出数表示部13で第1払出数表示部32bと同様にエラーに関する表示を行うようにしても良い。次に、第2遊技情報表示部40での表示に関する処理を行う第2遊技状態表示部表示データ編集処理を行い(ステップS670)、7SEGデータ編集処理を終了する。
〔第2遊技状態表示部表示データ編集処理〕
図35には7SEGデータ編集処理に示した第2遊技状態表示部表示データ編集処理(ステップS670)を示した。この第2遊技状態表示部表示データ編集処理では、まず、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS671)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS672)。リール6の回転中でない場合(ステップS672;N)は、設定したセグメントデータを第2遊技情報表示部40のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS682)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中である場合(ステップS672;Y)は、今回のゲームについての当選役・押し順コマンドを受信済みであるかを判定し(ステップS673)、受信していない場合(ステップS673;N)は、ステップS682に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、受信済みである場合(ステップS673;Y)は、AT状態(特定遊技状態)中であるかを判定し(ステップS674)、AT状態中である場合(ステップS674;Y)はステップS676に移行する。また、AT状態中でない場合(ステップS674;N)は、押し順が順押し(左中右の順)又は押し順なしであるかを判定する(ステップS675)。押し順が順押し又は押し順なしである場合(ステップS675;Y)は、ステップS676に移行する。また、押し順が順押し又は押し順なしでない場合(ステップS675;N)は、ステップS682に移行する。この場合は空白表示が設定される。すなわち、AT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにしている。
ステップS676では、遊技制御装置100での当選フラグ1に対応する当選情報1は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS676)。当選情報1は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS676;N)は、ステップS678に移行する。また、当選情報1は当選なし(はずれ)である場合(ステップS676;Y)は、遊技制御装置100での当選フラグ2に対応する当選情報2は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS677)。そして、当選情報2は当選なし(はずれ)である場合(ステップS677;Y)は、ステップS678に移行する。また、当選情報2は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS677;N)は、ステップS680に移行する。当選情報1は小役入賞の情報であり、当選情報2は特別入賞の情報である。小役入賞と特別入賞とに同時当選した場合は、特別入賞よりも小役入賞の方が優先して成立するように制御されるので、第2遊技情報表示部40での表示もこれに応じた表示とする。
ステップS678では、当選情報1の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS678)、遊技制御装置100での押し順情報1に対応した押し順報知情報1に対応するセグメントデータを設定し(ステップS678)、ステップS682に移行する。これにより、第2遊技情報表示部40には、小役入賞についての情報が表示される。また、ステップS680では、当選情報2の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS680)、遊技制御装置100での押し順情報2に対応した押し順報知情報2に対応するセグメントデータを設定し(ステップS681)、ステップS682に移行する。これにより、第2遊技情報表示部40には、特別入賞についての情報が表示される。
次に、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の開始、終了タイミングについて説明する。図36に示すように第1遊技情報表示部33での表示は、スタートレバー操作(t11)よりも後に開始される。ここでは、スタートレバー操作(t11)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始するタイミング(t12)となっている。また、このリール6が回転を開始するタイミング(t12)で演出制御装置300に停止順序や当選役を報知する当選役報知コマンドが送信されるようになっており、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、画像表示装置3や第2遊技情報表示部40での表示を開始する(t13)。
なお、第1遊技情報表示部33では内部抽選の終了後であれば報知を開始可能であり、第2遊技情報表示部40では当選役報知コマンドの受信後であれば報知を開始可能であるので、報知を開始可能となるタイミング以降であればどのタイミングで開始しても良い。ただし、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の開始は、リール6が定速回転となって停止操作が可能となるタイミング(t14)より前であることが好ましい。
また、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の終了は、全リール6の停止タイミングとなっている(t15)。全リールの停止により入賞の成立の有無が確定して報知の必要がなくなるタイミングで報知を終了することで、節電することができるとともに7セグメントディスプレイの劣化を防止することができる。
第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の終了タイミングについては、全リール6の停止タイミング以外でも良い。図37に示すように、例えば、入賞の成立に伴うメダルの払い出しがある場合にはメダル払出が終了するタイミング(t27)としても良い。このようにすることで成立した役と払出枚数を確認することができる。また、メダル払出エラーにより一部又は全部の払い出しが完了していない場合にも、残りの払出枚数を確認することが可能となる。なお、入賞が成立しなかった場合や払い出しのない入賞が成立した場合には、全リールの停止タイミング(t26)としても良いし、全リール6の停止タイミングから所定時間後としても良い。
また、終了タイミングを次ゲームの開始操作としても良い。開始操作としては、メダルの投入や1ベットボタン31やマックスベットボタン17の操作タイミング(t21,t28)や、スタートレバー操作のタイミング(t22)が挙げられる。このようにすることで、役の取りこぼしがあった場合に取りこぼした役を確認するための時間を確保することができる。
また、次ゲームの報知が開始されるタイミングを終了タイミングとしても良い。この場合は表示が切り替わるタイミングとも言える。なおこの場合に、ゲームの終了後に次ゲームが開始されずに所定時間が経過した場合には表示を終了するようにしても良い。また、単に切り替えるだけでは遊技者が認識しにくくなる虞があるので、報知の終了と開始の間に空白表示の期間を設けても良い。また、表示が開始された際に点滅表示を行うようにしても良い。
この他、停止操作が可能となったタイミング(t23)、第1停止操作のタイミング(t24)、第2停止操作のタイミング(t25)としても良い。これらのタイミングで終了するようにすれば、遊技者が推測又は停止操作前の記憶に基づき停止操作を行うこととなり、遊技性を向上することができる。なお、停止順序として第1停止操作を行うリール6のみを報知する2択の場合のみ、第1停止操作のタイミング(t24)で終了するようにしても良い。また、停止操作のタイミングによる取りこぼしのない役の場合のみ第2停止操作のタイミング(t25)で終了するようにしても良い。また、停止順序に従わなかった場合にはその時点で報知を終了するようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段により制御され、内部抽選の結果に関する情報を表示可能な表示手段(第1遊技情報表示部33)を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリールが所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、表示手段における複数の発光部の点灯態様により、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を報知可能であり、所定の報知終了条件が成立することに基づき表示手段における報知を終了するようにしたこととなる。
したがって、遊技制御手段により内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、複数の発光部の点灯態様により停止順序を報知可能であるので、単純な表示により報知を行うことができ、表示手段の構成を単純化できるとともに制御の負担が増大することを防止できる。所定の報知終了条件が成立することに基づき前記表示手段における報知を終了するので、必要な期間だけ報知を行うようにすることができる。ここで、表示手段には、7つの発光体を8の字型に配した7セグメントディスプレイの他、液晶表示装置などの表示装置において7セグメントディスプレイを模して7つの発光部を8の字型に配した表示やその他の配置で複数の発光部を配した表示を行うもの、複数のLEDをマトリクス状に配したもの、複数のLEDを任意の形状に配置したものなども含まれる。
また、報知終了条件は、全てのリール6が停止したことであることとなる。したがって、内部抽選で当選した役について入賞の成立の有無が確定したことに基づき報知を終了できる。
また、報知終了条件は、遊技媒体の払い出しがない場合には全てのリール6が停止したことであり、遊技媒体の払い出しがある場合には当該払い出しの終了であることとなる。したがって、内部抽選の結果と払い出しとの対応を確認することができる。
また、報知終了条件は、全てのリール6が停止した後に所定時間が経過したことであることとなる。したがって、全リール6の停止後に内部抽選の結果を確認することができる。
また、報知対象のゲームの次のゲームの開始操作が行われたことに基づき報知終了条件が成立して表示手段における報知を終了し、当該次のゲームについての報知を開始するようにしたこととなる。したがって、報知対象のゲームの次のゲームの開始操作が行われたことに基づき表示手段における報知を終了し、当該次のゲームについての報知を開始するので、ゲームに対応した報知を行うことができる。
図38には当選役報知コマンドの送信タイミングを示した。当選役や押し順の情報である当選役報知コマンドは、まず、スタートレバー操作(t31)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始するタイミング(t32)で演出制御装置300に送信される。その後、第1停止操作があった際(t33)、第2停止操作があった際(t34)、第3停止操作があった際(t35)にも送信される。このように停止操作毎に当選役と押し順の情報が演出制御装置300に送信されることで、これ以前に当選役報知コマンドの取りこぼしがあった場合でも演出制御装置300で当選役や押し順を把握できるようになる。よって、例えばリール6の回転開始時に当選役報知コマンドの取りこぼしがあった場合に、その後の当選役報知コマンドの受信タイミングから第2遊技情報表示部40での表示を開始することができる。また、複数回コマンドを受信するようにしたことで、複数回のコマンド内容を比較して演出制御装置300においてコマンドの正当性を判定することができる。
図39には当選役報知コマンドの送信態様の別例を示した。この例では、スタートレバー操作(t41)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始するタイミング(t42)で演出制御装置300への当選役報知コマンドの送信が開始され、第1停止操作があるまで(t43)断続的に複数回送信されるようになっている。このようにゲームの開始時に当選役報知コマンドを複数回送信することで、取りこぼしを防止することができる。また、複数回のコマンド内容を比較して演出制御装置300においてコマンドの正当性を判定することができる。
なお、第1停止操作があった際(t43)、第2停止操作があった際(t44)、第3停止操作があった際(t45)にも当選役報知コマンドが送信される。もちろん、リール6が回転を開始するタイミング(t42)から第2停止操作があった際(t44)や第3停止操作があった際(t45)まで当選役報知コマンドを断続的に複数回送信するようにしても良い。すなわち、送信の開始契機から所定時間の経過又は所定回数の送信が完了するまで断続的に当選役報知コマンドを送信するようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段は、内部抽選の結果に関する情報を、ゲームの開始時と、停止操作部の操作時に、当該遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段に送信するようにしたこととなる。
したがって、内部抽選の結果に関する情報を、ゲームの開始時と、停止操作部の操作時に、当該遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段に送信するので、演出制御手段に確実に情報を送信することができ、正常な遊技を実行可能となる。
また、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を、ゲームの開始時と、停止操作部の操作時に、演出制御手段に送信するようにしたこととなる。したがって、演出制御手段に確実に情報を送信することができ、正常な遊技を実行可能となる。
また、演出制御手段により制御されて情報を表示可能な演出表示装置(第2遊技情報表示部40)を備え、演出制御手段は、遊技制御手段からの情報に基づき、内部抽選の結果に関する情報を演出表示装置での表示により報知可能であることとなる。したがって、遊技者に必要な情報を報知することができる。特に、情報の取りこぼしがあったとしても、その後再度送信される情報に基づき報知が可能である。
〔演出ボタン入力処理〕
図40には、図26に示したメイン処理における演出ボタン入力処理(ステップS520)を示した。この演出ボタン入力処理では、まず、演出ボタン10の有効期間中であるかを判定する(ステップS701)。演出ボタン10の有効期間中とは、演出ボタン10の操作に基づき対応した処理を行うことが可能な期間であって、例えば実行中の演出において演出ボタン10の操作を要求している場合や、演出ボタン10の操作に基づく演出の変更を受け付け可能な場合、演出ボタン10の操作に基づき遊技の履歴情報等を表示可能な状態などが含まれる。
演出ボタン10の有効期間中でない場合(ステップS701;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、演出ボタン10の有効期間中である場合(ステップS701;Y)は、演出ボタン10からの入力があるかを判定する(ステップS702)。そして、演出ボタン10からの入力がない場合(ステップS702;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、演出ボタン10からの入力がある場合(ステップS702;Y)は、演出ボタン10の操作に基づく演出の変更が可能な演出変更可能状態であるかを判定する(ステップS703)。
演出変更可能状態でない場合(ステップS703;N)は、演出反映処理を行い(ステップS705)、演出ボタン入力処理を終了する。演出反映処理では、現在の状況に応じて演出ボタン10の操作を反映させる。例えば、実行中の演出において演出ボタン10の操作を要求している場合は、演出ボタン10の操作に応じた演出の変化を設定する。また、演出ボタン10の操作に基づき遊技の履歴情報等を表示可能な状態である場合は、演出ボタン10の操作に基づき履歴情報等の表示を行う。
一方、演出変更可能状態である場合(ステップS703;Y)は、使用可能演出のうちから演出を選択して設定し(ステップS704)、演出ボタン入力処理を終了する。使用可能演出は、図29、図30で説明したように段階設定値に応じて選択される演出の組み合わせであり、この演出の組み合わせの中から一の演出を選択して設定する。このように遊技者の操作によって演出を変更可能とすることで、演出の変更態様により段階設定値を推測可能となる。
ステップS704における演出の選択は、使用可能な演出のうちから遊技者が任意に選択できるようにしても良い。例えば、使用可能演出として演出A〜Dが選択されている場合に、演出A〜Dの選択肢を表示し、演出ボタン10の操作により遊技者が任意の演出を選択できるようにしても良い。
また、ステップS704における演出の選択は、使用可能な演出のうちから抽選によって行うようにしても良い。例えば使用可能演出として演出A〜Dが選択されている場合、演出A〜Dのうちから抽選により一の演出を選択する。この場合、現在設定されている演出を除外して抽選を行うようにしても良い。さらに、各演出の選択割合を異ならせても良く、この選択割合を段階設定値に応じて異ならせるようにすれば、ここからも段階設定値を推測可能となる。すなわち、組み合わせの選択と一の演出の選択との2段階の選択におけるそれぞれの情報から段階設定値を推測可能となる。
また、ステップS704における演出の選択は、使用可能な演出のうちから予め定められた順序に従い行うようにしても良い。予め定められた順序に従い変更する場合としては、例えば使用可能演出として演出A〜Dが選択されている場合にA→B→C→D→A…の順に演出を変更する。この場合、各演出の選択順序を段階設定値に応じて異ならせるようにしても良い。
なお、演出ボタン10の操作に基づく演出の変更が可能な演出変更可能状態の期間は任意に設定可能であり、常に演出変更可能状態としても良いし、一定の解禁条件を満たした場合に演出変更可能状態としても良い。例えば、一定のゲーム数を実行した場合や一定の時間が経過した場合、現実の日時や時刻を管理するRTC338で管理する日時や時刻が所定の日時や時刻となった場合、遊技に関連して獲得可能なポイントが所定値に達した場合などに演出変更可能状態を開始するようにしても良い。また、特定遊技状態ST30が開始された場合や特定遊技状態ST30が所定期間継続した場合、特別遊技状態ST20が開始された場合などに演出変更可能状態を開始するようにしても良い。
さらに、これらの条件の設定を遊技店の開店から短時間で段階設定値が把握されないような設定にすることが好ましい。例えば、電源の投入から5000ゲームの実行又は10時間経過した場合とすることや、時刻が21時になった場合とする。また、電源の投入からの時間が経過するにつれ、段階設定値の推測を容易とするようにしても良い。例えば、使用可能演出の選択割合を段階設定値に応じて異ならせる場合に、電源の投入からの時間が経過するにつれて選択割合を異ならせるようにし、段階設定値が高いほど演出Aの選択割合を徐々に高くするようにしても良い。同様に、特定遊技状態の継続時間が長くなるにつれ、段階設定値の推測を容易とするようにしても良い。
また、演出の選択が行われる場合に、使用可能演出の組み合わせを提示するようにしても良いし、しないようにしても良い。提示する場合に、演出A〜Eのうち使用可能演出であるもののみを提示しても良いし、全てを提示した上で使用可能演出を明示するようにしても良い。使用可能演出の組み合わせを提示することで、遊技者が段階設定値を推測する手がかりとなり遊技の興趣を向上することができる。また、ゲーム中の演出の選択態様により段階設定値を推測可能としたが、ゲームが行われていない客待ち状態中における演出の選択態様により段階設定値を推測可能としても良い。
また、上述した演出変更可能状態の開始条件と同様の条件の成立によって、使用可能演出の組み合わせを再選択するようにしても良い。この場合も図30に示した選択割合で選択を行うようにしても良いし、これとは異なる選択割合で選択を行うようにしても良いが、段階設定値に応じた選択割合とすることが好ましい。
さらに、使用可能演出の再選択時に使用可能演出の選択とは別の選択肢を遊技者に提示し、当該選択肢の選択結果によって使用可能演出の選択割合が異なるようにしても良く、当該選択肢の内容が段階設定値に応じて選択されるようにしても良い。すなわち、第1の選択肢が段階設定値によって内容が異なり、さらに当該第1の選択肢の選択結果に応じて第2の選択肢である使用可能演出の選択割合が異なり、当該使用可能選出の選択割合も段階設定値に応じた選択割合とする。これにより段階設定値に応じて2段階の選択が行われることとなる。この場合に遊技者が第1の選択肢の選択を行わなかった場合には、使用可能演出の選択割合を図30に示した選択割合とするようにしても良い。
また、遊技制御装置100においてリール6の停止操作からの変化範囲を段階設定値に応じた選択割合で選択可能としても良い。そして演出制御装置300では、段階設定値情報ではなく当該変化範囲に基づき使用可能演出を選択又は設定する演出を決定するようにしても良い。また、演出ボタン10を押しボタンのみとしたが、十字キーと押しボタンなど複数種類のボタンを備えても良い。演出ボタン10が動作する(飛び出る、振動するなど)ようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えた遊技機(スロットマシン1)において、遊技制御手段は、内部抽選に用いる確率値を複数種類の確率値から選択して設定可能な設定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、設定手段によって設定された確率値に応じて複数種類の演出のうちから選択可能とする演出の組み合わせを決定可能であることとなる。したがって、演出の組み合わせから段階設定値を推測することも可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン10)を備え、演出制御手段は、選択可能とした演出の組み合わせのうちから、操作手段の操作に応じて実行する一の演出を設定可能とすることとなる。したがって、遊技者の操作に応じて段階設定値を推測することも可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
なお、以上に示した実施形態に限られず、以下のような構成を備えていても良い。例えば、リール6の図柄として複数の図柄のいずれとしても機能するマルチ図柄を配しても良く、特に、スイカ図柄やチェリー図柄など、入賞の成立に目押しが必要な図柄として機能するマルチ図柄を配するようにしても良い。
また、同一のリール6において図柄によって変化範囲が異なるようにしても良い。例えば、リプレイ図柄やベル図柄については5コマの変化範囲とし、スイカ図柄やチェリー図柄については0コマの変化範囲としても良い。
さらに、変化範囲が図23(a)に示した通常の場合よりも少ない変化範囲に設定された場合又は変化範囲が0コマである場合において対象の入賞を成立させることができた場合には、遊技者に対して特典を付与するようにしても良い。特典としては、段階設定値を示唆する情報の提示や、特定遊技状態ST30の実行権利があることの示唆、特別入賞の成立が持ち越されている状態の示唆、高確率状態ST12であることの示唆、特別の演出の実行などが挙げられる。これらの示唆は、画像表示装置3やLED、音声、リール6のバックライトなどにより行う。
また、スイカ入賞やチェリー入賞について2以上の複数の停止順序のいずれであっても成立可能とし、停止順序によって変化範囲を異ならせるようにしても良い。すなわち、停止順序によって成立の難易度を異ならせ、一のゲームにおいて成立可能な一の入賞役であるが成立の難易度が異なる場合があるようにしても良い。例えば、中、右、左の停止順序と、左、右、中の停止順序の何れかであれば一の入賞役を成立可能とし、一方の停止順序であれば変化範囲を5コマとし、他方の停止順序であれば変化範囲を0コマとする。なお、ART状態である場合には、停止順序によらず一の入賞を成立可能であるが所定の停止順序でなければAT状態やRT状態に転落する場合があっても良い。
また、6通りのいずれの停止順序でも一の入賞役を成立可能であるが、このうちの一の停止順序である特定停止順序であれば全てのリールで5コマの変化範囲とし、特定停止順序以外の停止順序であれば変化範囲を5コマより少なく(例えば0コマ)しても良い。例えば、左、中、右の停止順序を特定停止順序とした場合、当該特定停止順序でないことが判明した時点で変化範囲を0コマとする。すなわち、右、中、左の停止順序で停止操作が行われる場合は、最初の右リール6cの停止操作から変化範囲を0コマとして、以降の中リール6b、左リール6aの停止操作においても変化範囲は0コマとする。また、左、右、中の停止順序で停止操作が行われる場合は、最初の左リール6aの停止操作の段階では未だ特定停止順序であるか否かは不明であるので変化範囲は5コマとし、次の右リール6cの操作から変化範囲を0コマとする。
このようにすることで、一の入賞役を特定停止順序でなければ成立させることができない入賞であるかのように扱うことができるとともに、特定停止順序で操作しなかった場合でも遊技者の技量により当該入賞役が成立する可能性を持たせることができ、従来にない遊技性を持たせることができる。また、特定停止順序の全て又は一部を報知しない押し順当てゲームを行う場合に、押し順を当てられた遊技者には入賞役の成立が容易となるという特典を与えることができ、押し順を当てられなかった遊技者でも同一の賞価値を獲得する可能性を持たせることができ、興趣を向上することができるとともに遊技者が大きな不利益を被らないようにすることができる。また、一のゲームにおける特定停止順序は1通りに限られず複数通りあっても良い。
また、スイカ入賞やチェリー入賞のように目押しが必要な入賞役や、所定の停止順序でなければ成立させることができない入賞役、上述のように特定停止順序でなければ入賞が困難となる入賞役に内部当選している場合に、当該入賞を成立させることができなかった場合には、全リール6の停止後にフリーズ状態を発生させてリール6を動作し、成立するはずであった入賞役の図柄組み合わせを示すようにしても良い。このような動作を全ての入賞役について行うようにしても良いし、一部の入賞役についてのみ行うようにしても良く、例えば、チェリー入賞を成立させることができずにリプレイ入賞が成立した場合のように、同一の賞価値が付与された場合にのみ行うようにしても良い。
また、目押しが必要な図柄について、入賞を成立させるための停止操作のタイミングを報知するようにしても良い。この報知は、画像表示装置3での表示やLED、リール6のバックライトの点滅、音声などにより行う。停止操作のタイミングの報知においては、対象の図柄が入賞を成立させるための停止位置に到達した際に報知するようにしても良いし、対象の図柄が入賞を成立させるための停止位置に停止可能な変化範囲内にあることを報知するものであっても良い。当該変化範囲は今回の停止操作を行う際に適用される変化範囲としても良し、適用可能な変化範囲のうち最も狭い範囲(チェリー入賞であれば3コマ、スイカ入賞であれば1コマ)としても良い。また、報知の期間を限定しても良く、例えば、全リール6が定速回転となって停止操作が可能となってからリール6が所定回数の回転をするまでの期間としても良いし、一の停止操作後からリール6が所定回数の回転をするまでの期間に行っても良い。
また、成立した特別入賞又は小役入賞の種類や、特定の図柄が特定の位置にある場合に停止操作をしたか否かなどのリール6の停止操作タイミング、リール6によるゲームとは別途のゲームの結果などに応じて、その後の変化範囲を設定するようにしても良い。例えば、SBB入賞の成立に基づく特別遊技状態ST20の終了後に行われる特定遊技状態ST30では変化範囲を5コマとし、NBB入賞の成立に基づく特別遊技状態ST20の終了後に行われる特定遊技状態ST30では変化範囲を3コマとし、RB入賞の成立に基づく特別遊技状態ST20の終了後に行われる特定遊技状態ST30では変化範囲を0コマとする。
また、上述の実施形態では、スイカ入賞やチェリー入賞について他の入賞とは異なる変化範囲を設定可能としたが、これ以外の入賞役についても個別に変化範囲を設定可能としても良い。例えば特殊リプレイ1入賞や特殊リプレイ2入賞について個別に各リール6の停止操作時の変化範囲を設定可能としても良い。また、同一の入賞役であっても変化範囲が異なる場合があっても良い。例えば、ベル1入賞のうちに各リール6の変化範囲が5コマであるベル1入賞と、各リール6の変化範囲が0コマであるベル1入賞を設けても良い。
また、特殊リプレイ1入賞と特殊リプレイ2入賞のように、入賞役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄の一部が他の入賞役と共通している入賞役について所定の停止順序でなければ成立しないようにする場合に、最初に停止させるリール6が共通の図柄であるリール6となるようにしても良い。例えば、特殊リプレイ1入賞と特殊リプレイ2入賞の場合には中リール6bの図柄は何れもリプレイであるので中リール6bを第1停止リールとするようにする。このようにすることで、何れの入賞であるかが判明するタイミングを遅らせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。特に、入賞役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄の一部が共通する入賞役同士が重複当選するようにすれば、遊技者の技量によって成立する入賞役が変化し、より遊技の興趣を向上させることができる。
また、入賞役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄の一部が他の入賞役と共通している入賞役について、所定の停止順序でなくとも成立を可能とし、所定の停止順序以外の停止順序である場合には変化範囲が少なく成立が困難となるようにしても良い。また、共通の図柄であるリール6については必ず共通の図柄を停止可能な変化範囲を設定し、他のリール6については共通の図柄であるリール6よりも変化範囲を狭くするようにしても良い。例えば、特殊リプレイ1入賞と特殊リプレイ2入賞の場合に、中リール6bについては必ずリプレイを停止可能な変化範囲を設定し、他のリール6については中リール6bよりも変化範囲を狭くするようにしても良い。
また、特定遊技状態ST30の終了条件となる差枚数を増加させる上乗せが可能な小役入賞に内部当選した場合に、当該小役入賞の成立の態様が報知条件を満たすか否かにより上乗せされる差枚数の報知タイミングを異ならせても良い。例えば、特定遊技状態ST30の終了条件となる差枚数を増加させる上乗せが可能な小役入賞に内部当選している場合に、第3停止リールを停止した際の引き込みコマ数が所定コマ数以内(例えば0コマ)である報知条件を満たした場合には、当該小役入賞の成立に伴い即座に上乗せされる差枚数の報知を行い、報知条件を満たしていない場合は次ゲーム以降のタイミングで上乗せされる差枚数の報知を行うようにしても良い。報知条件を満たしていない場合には、当該小役入賞を成立させることができなかった場合の他、成立したが所定の引き込みコマ数よりも多い引き込みにより成立した場合も含まれる。なお、上乗せされる差枚数の報知条件は任意に設定可能である。
さらに、上述のように上乗せされる差枚数の報知が次ゲーム以降のタイミングとされ、当該報知が未だ行われていない場合に、新たに特定遊技状態ST30の終了条件となる差枚数を増加させる上乗せが可能な小役入賞に内部当選した場合であって報知条件を満たした場合には、当該小役入賞の成立に伴い当該小役入賞の成立による上乗せされる差枚数と報知が持ち越された上乗せされる差枚数とを報知するようにしても良い。この場合、当該小役入賞の成立による上乗せされる差枚数と報知が持ち越された上乗せされる差枚数とを区別できるように報知しても良いし、合算して報知しても良い。
また、設定された変化範囲を報知するようにしても良い。報知の態様はどのようなものでも良いが、画像表示装置3や音声、LEDにより変化範囲のコマ数を明確に表示しても良いし、示唆する表示であっても良い。また、事前に変化範囲を報知又は示唆しないが、停止操作時において画像表示装置3や音声、LEDにより変化範囲を報知又は示唆するようにしても良い。例えば、変化範囲が多いほど停止操作時に高い音が出力されるようにしても良い。さらに、変化範囲ではなく停止操作の際に実際に変化させたコマ数(すべり数)を画像表示装置3や音声、LEDにより報知又は示唆するようにしても良い。
また、各リール6について個別に変化範囲を設定したが、一のゲームにおいて使用可能な変化範囲の上限値のみを設定し、この範囲内で各リール6の停止位置を変化可能としても良い。例えば、一のゲームで上限値を10コマに設定した場合に第1停止リールを停止する際に4コマ変化させて停止した場合は残り6コマの変化範囲を使用可能となり、その後の第2停止リールを停止する際に5コマ変化させて停止した場合は、第3停止リールを停止する際には残りの1コマの変化範囲が使用可能となる。
この変化範囲の上限値は、遊技状態や内部当選した役、上限値を決定するための抽選の結果などに応じて設定可能である。また、設定された上限値や残りの変化範囲を報知又は示唆するようにしても良い。また、一のゲームの終了時に当該ゲームについて残りの変化範囲がある場合は、次ゲーム以降に持ち越すことができるようにしても良い。
さらに、図23に示した各リール6での最大変化範囲も同時に適用可能であり、例えば、スイカ入賞においてスイカBを含みテンパイしている場合は、残りの変化範囲が2以上であっても変化範囲は1とする。また逆に、スイカ入賞においてスイカAのみでテンパイしているが残りの変化範囲が4以下である場合には変化範囲は残りの変化範囲の値とする。すなわち、残りの変化範囲と、停止されるリール6に対応する変化範囲と、の何れか少ない方が適用される。
また、図23(b)や(c)では停止順序に応じて変化範囲を設定するようにしたが、図23(a)と同様にリール6の位置で変化範囲を設定するようにしても良い。例えば、左リール6a、中リール6bについては変化範囲を5コマとし、右リール6cについては変化範囲を0コマとする。このようにリール6の位置で変化範囲を設定することで、目押しが必要でかつ所定の停止順序でなければ成立しない入賞役について、選択された停止順序によって成立の難易度が変化することとなり、遊技の興趣を向上することができる。
すなわち、右リール6cが第1停止リールとして選択された場合は、上段、中段及び下段の何れの位置に停止しても良いことから、実質的に3コマの範囲での停止が許容される。また、右リール6cが第2停止リールとして選択された場合は、第1停止リールの停止態様に応じて1〜3コマの何れかの範囲に限定されるため、第1停止リールとして選択される場合よりも難易度が高くなる。そして、右リール6cが第3停止リールとして選択された場合は、第1停止リール及び第2停止リールの停止態様に応じて定められる1コマの範囲に限定されるため、最も難易度が高くなる。
また、入賞役として成立により特定遊技状態ST30が終了することとなる転落リプレイを設け、変化範囲の設定値により当該転落リプレイの成立の容易さを変化させるようにしても良い。例えば、図23(b)や(c)のように遊技状態や他のリール6の停止態様により変化範囲を設定することや、上述のようにリール6の位置で変化範囲を設定するとともに停止順序を指定するようにしても良い。
次に、特定遊技状態及び特別遊技状態の実行態様と演出について説明する。図41には、特定遊技状態及び特別遊技状態の実行態様の一例を示した。図41(a)に示すように、特定遊技状態及び特別遊技状態でない通常遊技状態において特定遊技状態を開始する条件が成立すると特定遊技状態が開始される(t51)。特定遊技状態は差枚数が所定数に達することで終了するようになっており、特定遊技状態を開始する条件が成立することで差枚数が200枚となるまで特定遊技状態を実行可能となる。また、特定の小役入賞などの条件が成立することにより、特定遊技状態の終了条件となる差枚数を増加させる上乗せが可能となっている。
また、特定遊技状態の開始に伴い有利区間が開始される。有利区間は特定遊技状態と特別遊技状態のいずれか一方が実行されている期間である。この有利区間で実行するゲーム数を計数し、当該ゲーム数が所定数(例えば1500ゲーム)に達すると、特定遊技状態や特別遊技状態の実行中であってもこれらを終了して通常遊技状態とするようになっている。
その後、特定遊技状態中にボーナス入賞に内部当選している(t52)。このボーナス入賞の内部当選があっても特定遊技状態は継続し、特定遊技状態の終了条件となる差枚数の計数も継続して行われる。そして、特定遊技状態においてボーナス入賞が成立すると特定遊技状態を中断して特別遊技状態に移行する(t53)。
特別遊技状態は差枚数が規定数に達することで終了するようになっているが(t53)、特別遊技状態の終了条件となる差枚数は、特定遊技状態の終了条件となる差枚数とは別に計数される。すなわち、特別遊技状態中は特定遊技状態の終了条件となる差枚数の計数は中断された状態となる。なお、後述するように、画像表示装置3に表示する差枚数は特定遊技状態と特別遊技状態とで通算して表示されるようになっている。また、特定遊技状態から特別遊技状態への移行があっても有利区間であることには変わりなく、有利区間で実行されたゲーム数の計数は継続して行われる。
特別遊技状態が終了すると、中断されていた特定遊技状態が再開される(t54)。これにより、特定遊技状態の終了条件となる差枚数の計数が再開される。この際、特別遊技状態の開始により中断された時点での差枚数から計数が再開されることとなる。なお、特別遊技状態の実行に伴う上乗せがある場合は当該上乗せにより差枚数が増加する。また、特別遊技状態から特定遊技状態への移行があっても有利区間であることには変わりなく、有利区間で実行されたゲーム数の計数は継続して行われる。
特定遊技状態で遊技が進行し、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達すると、特定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行し、有利区間が終了する(t55)。ここでは、差枚数による特定遊技状態の終了はこれより先のタイミング(t56)であったが、その前に有利区間で実行したゲーム数が所定数に達しており(t55)、この時点で特定遊技状態が終了する。
図41(b)には特定遊技状態の実行中に発生した特別遊技状態の実行中に、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達した場合を示した。まず、特定遊技状態の実行中にボーナス入賞が成立して特別遊技状態が開始されている(t61)。ここでは差枚数による特別遊技状態の終了タイミング(t63)よりも前に有利区間で実行したゲーム数が所定数に達しており(t63)、この時点で特別遊技状態を終了して通常遊技状態に移行し、有利区間が終了する(t62)。また、特別遊技状態の開始により中断され、当該特別遊技状態の終了に伴い再開される予定であった特定遊技状態(t63〜t64)についても実行されないようになる。
なお、図41(b)のように有利区間で実行したゲーム数が所定数に達することで特別遊技状態が終了される可能性がある状況でボーナス入賞に内部当選した場合には、所定のタイミングで特別遊技状態が終了すると通常遊技状態となることを示唆又は報知する演出を行うようにしても良い。
図42には、特定遊技状態及び特別遊技状態での画像表示装置3における演出の一例を示した。特定遊技状態及び特別遊技状態でない通常遊技状態において特定遊技状態を開始する条件が成立して特定遊技状態が開始される際には、図42(a)に示すように特定遊技状態の開始の報知として、特定遊技状態に対応する演出モードである虎モードが開始されることが報知される。特定遊技状態中は、図42(b)に示すように現在の演出モードを示す演出モード表示91が行われるとともに、現在の差枚数(獲得枚数)を示す累積情報表示92が行われる。累積情報表示92では、特定遊技状態での差枚数と特別遊技状態での差枚数を合算して表示するようにしている。すなわち、有利区間での差枚数を表示するようにしている。
図42(b)に示す状態からゲームを開始すると、図42(c)に示すように累積情報表示92では賭数に対応して差枚数が3枚減算される。また、ここではベル入賞に内部当選しており、当該ベル入賞を成立させる停止順序が示される。当該ベル入賞が成立すると、図42(d)に示すように払い出し枚数が表示され、図42(e)に示すように累積情報表示92に加算される。
また、図42(e)、(f)に示すように、スイカ入賞とSBB入賞に重複当選した場合は、スイカ入賞に当選していることを示唆する示唆表示が行われる。当該スイカ入賞が成立すると図42(f)に示すように払い出し枚数が表示され、図42(h)に示すように累積情報表示92に加算される。ここではボーナス入賞に内部当選してボーナスフラグがある状態であるが、ボーナス入賞を成立可能である旨の報知や演出は行われない。このため、遊技者はボーナス入賞を意識せずに特定遊技状態の遊技を進行可能となる。
その後、ボーナスフラグがある状態で遊技が進行して、図42(i)、(j)に示すように結果がはずれとなるゲームが開始されている。結果がはずれであることからボーナス入賞を成立可能となるので、図42(j)に示すようにSBB入賞の成立を狙うように促す表示が行われる。この表示は、小役入賞を成立させる際の停止順序の表示や内部当選した小役入賞の種類の表示と同じ位置で同じ態様で行われるため、遊技者はボーナス入賞を意識せずに特定遊技状態の遊技を進行可能となる。
ここでは遊技者がボーナス入賞成立させることができずにはずれ結果でゲームが終了しており払い出しがないため、図42(k)に示すように払い出し枚数は表示されない。また、ボーナスフラグは次ゲーム移行に持ち越される。そして、ボーナスフラグがある状態で遊技が進行して、図42(l)、(m)に示すように結果がはずれとなるゲームが開始されている。結果がはずれであることからボーナス入賞を成立可能であるため、図42(m)に示すようにSBB入賞の成立を狙うように促す表示が行われる。ここでは遊技者がボーナス入賞を成立させており、特定遊技状態が中断されて特別遊技状態が開始される。
特別遊技状態を開始する際には、図42(n)に示すように現在の演出モードを示す演出モード表示91は、特別遊技状態に対応した演出モードである「超虎モード」の表示に変更される。これ以外は特別な演出表示は行われず、図42(k)に示したようなゲーム終了時の表示と同様の表示が行われる。SBB入賞の成立による払い出し枚数は0枚であるので払い出し枚数の表示は行われない。また、累積情報表示92は特定遊技状態での表示内容が引き継がれ、特定遊技状態での獲得枚数に特別遊技状態での獲得枚数が加算されるようになる。ただし、内部的には特定遊技状態での差枚数の計数は中断し、特別遊技状態での差枚数の計数が開始される。
そして、図42(o)から(r)に示すように、特別遊技状態中でも特定遊技状態と同様の表示態様とされ、特別遊技状態であることを示す特別な演出を行わないようにしている。特別遊技状態が終了して特定遊技状態を再開する際には、図42(s)に示すように現在の演出モードを示す演出モード表示91が、特定遊技状態に対応した演出モードである「虎モード」の表示に変更される。これ以外は特別な演出表示は行われず、図42(k)に示したようなゲーム終了時の表示と同様の表示が行われる。また、累積情報表示92は特別遊技状態での表示内容が引き継がれ、特別遊技状態の終了時での獲得枚数に特定遊技状態での獲得枚数が加算されるようになる。ただし、内部的には特別遊技状態での差枚数の計数は終了し、中断されていた特定遊技状態での差枚数の計数が再開される。
特定遊技状態と特別遊技状態とで移行する際には、特別遊技状態の開始時のゲームの開始を遅延させるファンファーレ時間や終了時のゲームの開始を遅延させるエンディング時間を設けることもなく、特定遊技状態と特別遊技状態との間の移行の際にも特定遊技状態で遊技を進行するのと同じ間隔でゲームを実行可能とされる。また、累積情報表示92は、特定遊技状態と特別遊技状態との間で遊技状態を移行しても引き継いで表示される。なお、演出モード表示91もほぼ同じ態様で引き継がれる。これらの累積値報知部92や演出モード表示91は、特定遊技状態と特別遊技状態との間で引き継いで表示される特定表示をなす。
すなわち、特別遊技状態での演出は、特定遊技状態の演出の要素を残しつつ遊技を進行するようにしている。これにより、特定遊技状態と特別遊技状態を区切りなく実行できるようになり、遊技者に特別遊技状態を意識させないようにすることができ、遊技状態の移行があっても出玉感やスピード感、リズム感などの遊技者の感覚を維持できて遊技の興趣を向上することができる。また、累積情報表示92では特定遊技状態と特別遊技状態での差枚数を合算しており、それぞれを別々に報知する場合に比べて値が大きくなり、遊技者に多量のメダルを獲得した感覚を与えることができる。
その後、特定遊技状態の終了前の所定期間となると、図42(t)、(u)に示すように遊技状態の変化の可能性を示唆する示唆演出が実行される。この示唆演出は、味方キャラクタと敵キャラクタが戦い、味方キャラクタが勝つと遊技者にとって有利な結果として特定遊技状態が継続することが示唆され、味方キャラクタが負けると遊技者にとって不利な結果として特定遊技状態が終了することが示唆されるものである。ここでは特定遊技状態が終了するので、図42(u)に示すように味方キャラクタが負ける演出が行われて特定遊技状態が終了する。特定遊技状態の終了の際には図42(v)に示すように差枚数(獲得枚数)の報知を行った後に、通常遊技状態の演出に移行する。
示唆演出は、差枚数が所定数に到達することにより特定遊技状態が終了する場合だけでなく、図41に示したように有利区間で実行したゲーム数が所定数に達することにより特定遊技状態や特別遊技状態が終了する場合にも実行される。すなわち、有利区間が終了する際に共通して実行される。このように、有利区間が終了することとなる条件に関わらず共通の示唆演出としたことで、遊技者にとっては意図しない終了となる有利区間で実行したゲーム数が所定数に達することによる終了の場合でも違和感なく終了することが可能となる。
また、示唆演出は、通常遊技状態でボーナス入賞に内部当選したことを示唆する際にも用いられる。ただし、特定遊技状態でボーナス入賞に内部当選した場合には当該内部当選を示唆する示唆演出は行わず、特別遊技状態を遊技者に意識させないようにしている。もちろん、有利区間が終了しない場合やボーナス入賞に内部当選していない場合に、いわゆるガセ演出を所定の確率で実行可能である。また、示唆演出の内容はここに示したものに限られない。
なお、ボーナス入賞に対応する図柄を「777」のような特別の図柄組合せではなく、小役入賞として一般的に用いられる図柄を用いた図柄組合せとすれば、ボーナス入賞の成立がわかりにくくなり、より特定遊技状態と特別遊技状態との区切りをなくすことができる。小役入賞として一般的に用いられる図柄とは、ベルやスイカ、チェリーなどが挙げられる。また、ボーナス入賞に対応する図柄組合せを、小役入賞で用いている図柄の組合せとしても同様の効果を得られる。例えば、SBB入賞に対応する図柄組合せを「リプレイ・ベル・ベル」のようにしても良い。また、ボーナス入賞に対応する図柄組合せを目押ししなくとも成立可能な図柄組合せとすれば、遊技者が意識しなくても特別遊技状態を開始でき、より特定遊技状態と特別遊技状態との区切りをなくすことができる。
また、図42(j)等では、特定遊技状態においてボーナス入賞を成立可能なゲームで対応する図柄を指示する表示(ここでは「7を狙え!!」)を行うとしたが、これ以外の表示により図柄を指示するようにしても良い。例えば、リール6の図柄表示窓5に臨む部分を示す画像を用いて有効ラインや擬似有効ライン上にどの図柄を停止させるのかを示す表示を行うようにしても良い。この場合、リール6が図柄表示窓5に臨む部分における図柄を全て表示しても良いし、主要な図柄のみを表示するようにしても良い。例えば、目押しの必要な図柄は表示し、目押しが不要な図柄は表示しないようにしても良い。目押しの必要がない図柄を非表示とすることで見やすくなり理解が容易となる。
また、例えば、図柄が中段ラインに並ぶ停止態様と、右上がりラインに並ぶ停止態様とのいずれかが停止操作のタイミングによって選択される場合のように、停止表示可能な停止態様が複数ある場合には、一部又は全ての停止態様を示す画像を表示するようにしても良い。また、有効ライン上に図柄が揃う場合と、擬似有効ライン上に図柄が揃う場合と、の両方の画像を表示するようにしても良い。
また、累積情報表示92では、特定遊技状態が終了することとなる差枚数の値や、特別遊技状態が終了することとなる差枚数の値については報知しないようにしているが、これらを報知するようにしても良い。また、特定遊技状態において上乗せがあった場合には当該上乗せを報知する上乗せ演出を行うようにし、特定遊技状態において特別遊技状態が発生した場合にも上乗せ演出と同じ演出を行うようにしても良い。上乗せにより特定遊技状態が終了するまでの差枚数が増加して特定遊技状態の期間が延長されるが、特別遊技状態の発生も当該特別遊技状態で獲得可能な差枚数の分だけ特定遊技状態が延長されるものであり、これらを上乗せとして同等に扱うことで特定遊技状態が長期間継続しているように見せることができる。
また、特定遊技状態と特別遊技状態で対応する演出モードを異ならせ、演出モード表示91で異なる表示を行うようにしたが、特定遊技状態と特別遊技状態で同一の演出モードとして、特定遊技状態と特別遊技状態のいずれでも演出モード表示91の表示が同じとなるようにしても良い。すなわち、特定遊技状態と特別遊技状態とで画像表示装置3の表示内容が同じとなるようにしても良い。
また、有利区間を終了する際に特定の図柄組合せをなす終了出目を導出して終了するようにしても良い。有利区間の終了には、例えば、特定遊技状態で差枚数が所定数に達した場合や、特別遊技状態で差枚数が規定数に到達し特定遊技状態に移行しない場合、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達した場合が挙げられる。これらの場合に終了出目を導出して有利区間の終了を遊技者に報知するようにしても良い。特に、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達した場合には不自然なタイミングで有利区間が終了することとなるため、終了出目が導出されてしまうと通常遊技状態へ移行してしまうということを印象付けておくことで違和感なく有利区間を終了できるようになる。また、終了出目に替えて又は終了出目とともに、特定の終了演出を行うようにしても良い。
また、ここでは特定遊技状態と特別遊技状態のいずれも差枚数が終了条件を満たすことにより終了するようにしたが、これ以外の条件により終了するようにしても良い。例えば、特定遊技状態と特別遊技状態のいずれもがそれぞれの遊技状態において実行したゲーム数が終了条件を満たすことにより終了するようにしても良い。特定遊技状態ST30で実行したゲーム数が当該特定遊技状態ST30の終了条件を満たしていない状態(残りゲーム数がある状態)で特別役の入賞が成立して特別遊技状態ST20に移行した場合は、当該特別遊技状態ST20の終了後に特定遊技状態ST30に移行して残りゲーム数を消化するようにする。このようにゲーム数により遊技状態の移行を管理する場合、累積情報表示92には実行したゲーム数を表示する。また、特定遊技状態と特別遊技状態の間で移行する場合は、移行前の遊技状態において累積情報表示92で表示していたゲーム数に引き続いて当該累積情報表示92の更新を行うようにする。
また、有利区間で実行するゲーム数が所定数に達することにより特別遊技状態や特定遊技状態が終了される場合には、累積値報知部92の表示を終了するか、差枚数を明確に示さない特定の表示(例えば「MAX」など)としても良い。この場合には累積値報知部92に表示される差枚数が、特別遊技状態や特定遊技状態の終了条件を満たさずに終了することとなり遊技者が不満を持つ可能性があるため、有利区間で実行するゲーム数が所定数に達することにより特別遊技状態や特定遊技状態が終了されることが明らかな場合には差枚数を明確に示さないようにすることが好ましい。
また、特別遊技状態と特定遊技状態とで画像表示装置3での表示を共通のものとするなどして、特別遊技状態での演出は特定遊技状態の演出の要素を残しつつ遊技を進行するようにしたが、これ以外の要素を共通のものとしても良い。例えば、特定遊技状態は押し順を報知しているため、特別遊技状態においても押し順を報知してもよい。しかし、特別遊技状態は押し順不問のベルが当選および導出されるので押し順の報知は不要である。そこで演出として押し順の報知を行う。そして例えば、押し順に従った回数の数に応じて設定示唆演出やポイントの付与を実行しても良い(特別遊技状態終了時に表示される画像が設定値に応じたものになりやすいことや、ポイントで曲が開放される等の特典演出が実行される)。
また、演出に使用する押し順なので演出制御手段300が選択した押し順を報知するものとする。この場合、押し順ベルに当選した場合の押し順報知と異なる表示態様にすることが望ましい。例えば、特定遊技状態における押し順ベル当選時の押し順報知は、押し順画像にベルを連想させる色(黄色)や画像(ベル図柄と同じ画像)を付加することとし、当該入賞が成立した場合には、払出音として第1払出音を出力し、払い出しの際の発光態様として押し順ベルを連想させる色(黄色)で発光するようにする。これに対して特別遊技状態中の演出での押し順報知は、押し順画像にベルを連想させない色(例えば黒色)として画像は付加しない。また、当該入賞が成立した場合には、払出音として第1払出音とは異なる第2払出音を出力し、払い出しの際の発光態様として押し順ベルを連想させない色(白色のみ)で発光にするようにする。これにより、遊技の結果に影響がでない押し順であることを遊技者に知らせることができ、押し順を誤っても著しく不利益にならないことが分かるようになる。
また、AT状態の開始条件とRT状態の開始条件が異なるようにしても良し、AT状態の終了条件とRT状態の終了条件が異なるようにしても良い。例えば、AT状態の終了条件を差枚数が所定数となることとし、RT状態の終了条件をゲームの結果態様として特定の終了出目が導出されることとしても良い。そして、AT状態の終了から終了出目が導出されるまでの期間を特定遊技状態の終了準備状態(RT状態)とし、この終了準備状態を経て通常遊技状態となるようにしてもよい。終了準備状態における演出(主に画面)は通常遊技状態と同じ部分(背景画像)と、特定遊技状態中や終了時に表示される画像(虎モード終了の画像や獲得枚数表示等)を表示させてもよい。すなわち、通常遊技状態の要素と特定遊技状態の要素を混ぜ込んだ表示をするようにしても良い。これにより違和感なく特定遊技状態から通常遊技状態への移行を演出することができる。
また、例えば、AT状態の開始条件をART権利の獲得又はART権利の獲得後に所定条件が成立することとし、RT状態の開始条件をゲームの結果態様として特定の開始出目が導出されることとしても良い。そして、AT状態の開始から開始出目が導出されるまでの期間を特定遊技状態の開始準備状態(AT状態)とし、この開始準備状態を経てART状態となるようにしてもよい。開始準備状態における演出(主に画面)は通常遊技状態と同じ部分(背景画像)と特定遊技状態と同じ部分(押し順の報知等)を表示させてもよい。すなわち、通常遊技状態の要素と特定遊技状態の要素を混ぜ込んだ表示をするようにしても良い。これにより違和感なく特定遊技状態を開始可能となる。
このように、ART状態の他にAT状態やRT状態を取り得る場合、これらはいずれも通常遊技状態ST10よりは遊技者にとって有利な状態であることから、ART状態、AT状態及びRT状態を特定遊技状態ST20すなわち有利区間として扱うことが可能である。また、ART状態、AT状態及びRT状態において上乗せの容易さが異なる複数の状態を設けても良く、これらの状態も有利区間に含まれる。ART状態を特定遊技状態ST30とし、AT状態及びRT状態を特定遊技状態ST30とは別の遊技状態として扱うようにしても良く、この場合もAT状態及びRT状態は有利区間に含まれる。すなわち、有利区間には、特別遊技状態ST20と特定遊技状態ST30を少なくとも含み、他の状態を含んでも良い。
また、有利区間ではない通常区間(通常期間)として通常遊技状態ST10があるが、この通常遊技状態ST10には低確率状態ST11や高確率状態ST12が含まれ、さらに、特定遊技状態ST30への移行の可能性が高いチャンスゾーンやレア役が導出された後の所定期間も含まれる。これらの低確率状態ST11、高確率状態ST12、チャンスゾーン及びレア役が導出された後の所定期間について通常遊技状態ST10とは別の遊技状態として扱うようにしても良く、この場合もこれらの状態は通常区間に含まれるようにする。すなわち、通常区間には、少なくとも通常遊技状態ST1を少なくとも含み、他の状態を含んでも良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24a,24b,24c)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立する遊技機(スロットマシン1)において、役には、所定の停止順序で複数の停止操作部を操作することで入賞が成立する特定役と、入賞の成立により特別遊技状態が発生する特別役と、を含み、制御手段は、遊技状態として、通常遊技状態ST10と、通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利であり、所定条件の成立に基づき移行する特定遊技状態ST30と、通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利であり、特別役の成立に基づき移行する特別遊技状態ST20と、のいずれかの遊技状態を設定し、特定遊技状態ST30での遊技情報を累積し、当該累積結果が終了条件を満たすことに基づき当該特定遊技状態ST30を終了するように構成され、特定遊技状態ST30において特別役が内部当選しても、当該特定遊技状態ST30を継続するとともに当該特定遊技状態ST30での遊技情報の累積を継続するようにしたこととなる。したがって、特定遊技状態と特別遊技状態を区切りなく実行できるようになり、遊技の興趣を向上することができる。なお、累積する遊技情報としては差枚数やゲーム数が挙げられる。
また、遊技に関する情報を表示可能な表示装置(画像表示装置3)を備え、制御手段は、特別遊技状態ST20での遊技情報を累積し、当該累積結果が終了条件を満たすことに基づき当該特別遊技状態ST20を終了するように構成され、表示装置に、特定遊技状態ST30又は特別遊技状態ST20での遊技情報の累積結果に関する情報を表示する累積情報表示92を行うことが可能であり、特定遊技状態ST30において特別役の入賞が成立して特別遊技状態ST20に移行した場合には、当該特定遊技状態ST30において表示されていた累積情報表示92の表示内容に引き続いて当該累積情報表示92の更新を行うようにしたこととなる。したがって、特定遊技状態と特別遊技状態を区切りなく実行できるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技に関する情報を表示可能な表示装置を備え、制御手段は、特別遊技状態ST20での遊技情報を累積し、当該累積結果が終了条件を満たすことに基づき当該特別遊技状態ST20を終了するように構成され、表示装置に、特定遊技状態ST30又は特別遊技状態ST20での遊技情報の累積結果に関する情報を表示する累積情報表示92を行うことが可能であり、特別遊技状態ST20の終了後に特定遊技状態ST30に移行した場合には、特別遊技状態ST20において表示されていた累積情報表示92の表示内容に引き続いて当該累積情報表示92の更新を行うようにしたこととなる。したがって、特定遊技状態と特別遊技状態を区切りなく実行できるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、特定遊技状態ST30において当該特定遊技状態ST30での遊技情報として獲得した遊技媒体の数を累積し、当該累積結果が終了条件を満たすことに基づき当該特定遊技状態ST30を終了し、特別遊技状態ST20において当該特別遊技状態ST20での遊技情報として獲得した遊技媒体の数を累積し、当該累積結果が終了条件を満たすことに基づき当該特別遊技状態ST20を終了するようにしたこととなる。したがって、特別遊技状態と特定遊技状態がいずれも遊技媒体の獲得数により終了条件が判断されるようになり、演出等を共通化できて特定遊技状態と特別遊技状態を区切りなく実行できるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、複数の図柄を変動表示するゲームを実行し、該ゲームの結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な制御を実行する制御手段(遊技制御装置100)を備えた遊技機(スロットマシン1)において、所定の画像を表示装置(画像表示装置3)に表示可能な表示制御手段(演出制御装置300)を備え、制御手段は、遊技状態として少なくとも、通常遊技状態ST10と、該通常遊技状態ST10よりも有利な特定遊技状態ST30と、特別結果となることに応じて移行する特別遊技状態ST20と、を設定可能であり、通常遊技状態ST10を少なくとも含む通常期間と、特別遊技状態ST20及び特定遊技状態ST30を少なくとも含む有利期間(有利区間)との何れかの期間でゲームを実行し、特別遊技状態ST20と特定遊技状態ST30は、所定の終了条件が成立したことによって終了する構成であり、有利期間は、特別遊技状態ST20の終了条件及び特定遊技状態ST30の終了条件と異なる終了条件によって当該有利期間から通常期間へと移行可能であり、通常期間は、複数の移行条件のうちの一の移行条件が成立したことによって当該通常期間から有利期間へと移行可能であり、表示制御手段は、特定遊技状態ST30においてゲームが特別結果となったことに応じて特別遊技状態ST20に移行した場合、特定遊技状態ST30で表示されていた特定表示を引き継いで表示するようにしたこととなる。したがって、特定遊技状態と特別遊技状態を区切りなく実行できるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
図43(a)には、特定遊技状態においてボーナス入賞に内部当選したが(t81)、当該ボーナス入賞が成立する前に有利区間で実行したゲーム数が所定数に達した(t82)場合を示した。
ボーナス入賞の内部当選によりボーナス入賞を成立可能であることを示すボーナスフラグがセットされる(t71)。このボーナスフラグは実行中のゲームでボーナス入賞を成立させることができなくても次ゲームに持ち越されるようになっている。ここでは、このボーナスフラグがセットされたままボーナス入賞を成立させることができず、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達し、予定されていた終了タイミング(t73)よりも前に特定遊技状態が終了している(t72)。この場合、特定遊技状態が終了して有利区間が終了することに伴ってボーナスフラグもクリアされるようになっている。すなわち、内部当選したボーナス入賞を成立させることができないようにされる。
図43(b)には、差枚数による特定遊技状態の終了タイミング(t83)よりも、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達するタイミング(t82)の方が先である状況で上乗せ条件が成立した場合(t81)を示した。この場合、当該上乗せによる差枚数の増加で延長される特定遊技状態の期間(t83〜t84)は実行されないことが明らかである。この場合、差枚数の上乗せを行わないようにしている。これにより、上乗せ分が実行されないことに対する不満感を遊技者に持たせないようにしている。
なお、差枚数による特定遊技状態の終了タイミング(t83)よりも、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達するタイミング(t82)の方が先である状況では、内部的には差枚数の上乗せを行うが上乗せがあったことを遊技者に報知しないようにしても良い。また、上乗せ条件自体が成立しないようにしても良い。例えば上乗せのための抽選を行わないようにすることや、上乗せの抽選において必ず上乗せしないことが選択されるようにする。
これら図43に示したように、ボーナス入賞が成立しなかった場合や上乗せが実行されない場合であっても、過去に成立したボーナス入賞の情報やボーナス入賞と重複当選した小役の情報、ARTに関する情報などを記録する履歴情報には当該ボーナス入賞やボーナス入賞と重複当選した小役の情報、上乗せの情報を記録するようにしても良い。履歴情報としては、当該遊技機における履歴情報である遊技機履歴情報や、遊技者の遊技の履歴情報である遊技者履歴情報があるが、いずれか一方の履歴情報にのみ成立しなかったボーナス入賞やボーナス入賞と重複当選した小役の情報、実行されなかった上乗せの情報を記録するようにしても良いし、両方の履歴情報に記録するようにしても良い。
例えば、成立しなかったボーナス入賞や実行されなかった上乗せについては遊技者がその存在を認識していないので遊技者履歴情報には記録しないようにしても良い。ただし、ボーナス入賞と重複当選した小役の情報については、遊技者履歴情報に記録しても良いし、重複当選ではないものとして記録しても良い。また、遊技機における抽選の結果としては成立しなかったボーナス入賞や実行されなかった上乗せについても当選していたことには変わりないため、遊技機履歴情報としてはすべて記録するようにしても良い。
また、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達することにより行われる図41や図43のような処理は、遊技制御装置100における有利区間管理処理(ステップS119、図15参照)で行われる。この処理において、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達することにより図41や図43に示したような処理が行われる場合に、演出制御装置300にその旨の情報を送信するようにしても良い。
次に、遊技価値の付与に伴う演出について説明する。図44に示すように遊技価値の付与として遊技媒体であるメダルの払い出しが開始されると、音出力手段をなすスピーカ4a,4bから、メダルの払い出しを報知する付与音の出力が開始される(t101)。また、メダルが流路に到達して接触することによる流路接触音は、メダル払出装置から払い出されたメダルが流路に到達する時間(t101〜t102)だけ遅延して発せられる(t102)。さらに、メダルが下皿27に到達して接触することによる下皿接触音は、メダル払出装置から払い出されたメダルが下皿27に到達する時間(t101〜t103)だけ遅延して発せられる(t103)。
この払い出しの途中でメダル払出装置に貯留されているメダルがなくなることや、メダル払出装置内でメダルが詰まるなど、メダル払出用モータ63を駆動しているがメダル払出センサ59で払い出されたメダルを検出できないメダル払出エラーが発生している(t104)。これに伴いメダルの払い出しが中断され、この中断に伴い付与音の出力が停止される(t104)。また、流路接触音の停止(t105)、下皿接触音の停止(t106)は、それぞれメダル払出装置からの到達時間の分だけメダル払い出しの停止から遅延する。さらに、メダル払出エラーの発生に伴い、スピーカ4a,4bからのエラー報知音の出力が開始されるとともに、LEDを備えた装飾装置46においてエラー発光が開始される(t104)。エラー発光は、異常を報知する所定の発光態様である特定発光態様で発光させるものである。
その後、メダル払出エラーが解除されると中断されていたメダルの払い出しが再開される(t107)。また、流路接触音の開始(t108)、下皿接触音の開始(t109)は、それぞれメダル払出装置からの到達時間の分だけメダル払い出しの開始から遅延する。また、エラー報知音はメダル払出エラーの解除にともない出力を停止する。ここで、メダル払出エラーが解除されて払い出しが再開されても付与音は再開されないようになっている。これにより、メダル払出装置の駆動音や流路接触音、下皿接触音が聞き取りやすくなり、遊技機の異常が解消されているかを音によっても確認できるようにしている。
また、エラー報知音はメダル払出エラーの解除にともない出力を停止するが、エラー発光はメダル払出エラーが解除されてもすぐには終了せず、少なくとも下皿接触音の開始(t109)までは実行され、その後に終了するようになっている(t110)。これにより、メダル払出装置の駆動音や流路接触音、下皿接触音に対して注意を払うべきことを示すようになっている。
そして、払い出すべきメダルをすべて払い出すとメダルの払い出しが終了する(t111)。流路接触音の停止(t112)、下皿接触音の停止(t113)は、それぞれメダル払出装置からの到達時間の分だけメダル払い出しの停止から遅延する。
〔払出演出設定処理〕
図45には、演出制御装置300で実行されるメイン処理での各種の演出態様を設定するランプ&サウンド&画像編集処理(ステップS519)において、メダルの払い出しに関する演出を設定するために実行される払出演出設定処理を示した。この払出演出設定処理では、まず、払出中フラグがあるかを判定する(ステップS801)。
払出中フラグは、メダルの払い出しの開始から完了までの期間に設定されるフラグである。この払出中フラグがない場合(ステップS801;N)は、遊技制御装置100がメダルの払い出しを開始する際に送信する払出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS802)。この払出開始コマンドを受信していない場合(ステップS802;N)は、ステップS814に移行する。また、払出開始コマンドを受信した場合(ステップS802;Y)は、払出中フラグをセットし(ステップS803)、付与音の出力を開始する(ステップS804)。
次に、遊技制御装置100がメダルの払い出しを終了する際に送信する付与終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS811)。この払出終了コマンドを受信していない場合(ステップS811;N)は、ステップS814に移行する。また、払出終了コマンドを受信した場合(ステップS811;Y)は、払出中フラグをクリアし(ステップS812)、付与音の出力を停止して(ステップS813)、ステップS814に移行する。
一方、払出中フラグがある場合(ステップS801;Y)は、メダル払出エラーが解除された際に遊技制御装置100から送信される払出エラー解除コマンドを受信したかを判定する(ステップS805)。この払出エラー解除コマンドを受信した場合(ステップS805;Y)は、エラー発光タイマに初期値をセットする。エラー発光タイマは、メダル払出エラーの解除からエラー発光を継続させる時間を計時するものであり、初期値としてメダル払出エラーの解除から下皿接触音が出力されるまでの時間よりも長い時間に対応する値を設定する。さらに、エラー報知音の出力を停止して(ステップS807)、ステップS811に移行する。
また、払出エラー解除コマンドを受信していない場合(ステップS805;N)は、メダル払出エラーが発生された際に遊技制御装置100から送信される払出エラー発生コマンドを受信したかを判定する(ステップS808)。この払出エラー発生コマンドを受信していない場合(ステップS808;N)は、ステップS811に移行する。また、払出エラー発生コマンドを受信した場合(ステップS808;Y)は、エラー発光を開始し(ステップS809)、エラー報知音の出力を開始して(ステップS810)、ステップS813に移行して付与音の出力を停止する。
ステップS814では、エラー発光タイマが0でなければ−1更新し(ステップS814)、エラー発光タイマが0になったかを判定する(ステップS815)。そして、エラー発光タイマが0になっていない場合(ステップS815;N)は、払出演出設定処理を終了する。また、エラー発光タイマが0になった場合(ステップS815;Y)は、エラー発光の終了を設定し(ステップS816)、払出演出設定処理を終了する。
なお、メダル払出エラーの解除の後は付与音を出力しないとしたが、通常の払い出し時に比べて音量を低減させるようにしても良い。また、メダル払出エラーの解除の後は付与音以外の音についても音量を低減又は出力を停止するようにしても良い。これにより、メダル払出装置の駆動音や流路接触音、下皿接触音をより聞きやすくなる。
また、メダルの払い出しには、入賞の成立に基づきメダルが払い出される場合と、クレジットを解除することによりメダルが払い出される場合があるが、いずれの場合も図44のように付与音を制御するようにしても良いし、入賞の成立に基づきメダルが払い出される場合には図44のように付与音を制御し、クレジットの解除に基づきメダルが払い出される場合にはメダル払出エラーの解除に伴い付与音を再開するようにしても良い。クレジットの解除に基づきメダルが払い出される場合には、不正にメダルを払い出させる行為により払い出しが行われる可能性があるため、メダル払出エラーの解除に基づき付与音を再開することでクレジットの解除による払い出しが行われていることを周囲に報知することが可能となる。
また、遊技価値の付与には、メダル等の遊技媒体の払い出しの他にクレジットへの加算もある。このクレジットへの加算の際にも付与音を出力するようにしても良い。また、クレジットへの加算の場合にも異常の発生によりクレジットへの加算を中断しても良く、この場合に付与音を停止するようにしても良い。そして、クレジットへの加算を中断した後に当該中断された加算が再開された場合には、当該加算に伴う付与音を出力しないようにしても良いし、クレジットへの加算の場合には加算の再開に伴い付与音を出力するようにしても良い。
また、クレジットへの加算の場合には、異常が発生した時点で付与音などの付与に関する演出を終了するようにしても良い。クレジットへの加算の場合は付与に関する演出を実行する時点ですでにクレジットへの加算が済んでおり、異常の解消後に演出を再開しなくても不都合は発生しない。
また、流路接触音が発生しやすく又は流路接触音が大きくなるようするために、メダルが払い出される流路の壁部に凹凸部や金属板などの音発生部材を設けるようにしてもよい。設ける位置はメダル払出装置からメダルが流入する部分におけるメダルと流路が最も接触する部分とすることが望ましい(メダルの勢いが一番ある部分に配置)。また、下皿接触音が発生しやすく又は下皿接触音が大きくなるようにするために、下皿27に流入するメダルが接触する可能性のある部分に音発生部材を設けるようにしても良い。例えば、下皿27に流入するメダルが接触する可能性のある部分の全てを金属としてもよいし、流路の出口から飛び出すメダルが最も接触する部分のみを金属としてもよいし、流路の出口の縁を金属の部材で覆う等して、接触音が聞きやすいようにしてもよい(金属でなくても他の部材と異なる材質であればよい)。また、特定遊技状態や特別遊技状態においては、BGMが通常遊技状態よりも大きいので、メダル払出エラーの解除後は、フェードイン(徐々に大きくなる)等して、流路接触音や下皿接触音を聞きやすくしてもよい。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果に応じて遊技価値を付与可能な遊技機(スロットマシン1)において、音を出力可能な音出力手段(スピーカ4a,4b)と、音出力手段を制御する音出力制御手段(演出制御装置300)と、を備え、音出力制御手段は、遊技価値の付与に伴って付与音を音出力手段から出力可能であり、異常の発生により遊技価値の付与を中断した後に当該中断された遊技価値の付与が再開された場合には、当該付与に伴う付与音を出力しないことが可能であることとなる。したがって、メダル払出装置の駆動音や流路接触音、下皿接触音が聞き取りやすくなり、遊技機の異常が解消されているかを音によっても確認できるようにし、異常からの復帰の確認が容易となる。
また、発光による演出を実行可能な発光手段(枠装飾装置46)と、発光手段を制御する発光制御手段(演出制御装置300)と、を備え、発光制御手段は、遊技価値の付与中に付与に関する異常が発生することによって付与が中断する場合、異常を報知する特定発光態様で発光手段を発光させることが可能であり、異常が解消したことに基づき中断していた付与が再開する場合、当該異常の解消から所定期間が経過するまでは特定発光態様での発光を継続するようにしたこととなる。したがって、異常からの復帰の確認を促すことができる。
また、遊技価値に応じた遊技媒体を払い出す払出装置と、払出装置から払い出された前記遊技媒体を受ける皿(下皿27)と、を備え、発光制御手段は、所定期間を、少なくとも異常の解消により払い出しが再開されたことにより払出装置が払い出した遊技媒体が皿に到達するまでの期間とするようにしたこととなる。したがって、異常からの復帰を目視により確認できるまで注意することを促すことができる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定遊技状態において内部当選したボーナス入賞が成立する前に有利区間で実行したゲーム数が所定数に達した場合に、当該ボーナス入賞に対応するボーナスフラグはクリアせずに持ち越すようにしている。
図46には、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達した場合の一例を示した。この例では、有利区間でボーナス入賞に内部当選したが(t121)、ボーナス入賞を成立させることができず、ボーナスフラグがセットされたまま有利区間で実行したゲーム数が所定数に達して予定されていた終了タイミング(t124)よりも前に特定遊技状態が終了している(t123)。この場合でもボーナスフラグは持ち越されるようになっており、有利区間の終了後にボーナス入賞を成立させることが可能である(t126)。
この場合、当該特別遊技状態は通常遊技状態で発生したものであるので、この特別遊技状態の開始により新たな有利区間が開始されることとなる。よって、特別遊技状態の後に特定遊技状態に移行することも可能である。ただし、この例のように有利区間で実行したゲーム数が所定数に達するタイミングを跨いで持ち越されたボーナスフラグに基づく特別遊技状態の場合には、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態に移行できないようにしても良い。
また、特定遊技状態の終了前の所定期間で示唆演出が実行される(t122〜t123)。この示唆演出は特定遊技状態の終了を示唆するものであり、味方キャラクタが負けて遊技者にとって不利な結果を示唆する演出となっている。この例では有利区間で実行したゲーム数が所定数に達することにより特定遊技状態が終了するので、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達するタイミングの所定期間前から示唆演出が開始され、有利区間で実行したゲーム数が所定数に達するゲームまで実行される。
また、ここではボーナスフラグがある状態となっているが、特定遊技状態を終了する示唆演出はボーナスフラグの存在の有無にかかわらず実行され、その内容もボーナスフラグの存在を示唆するものではない。もちろんボーナスフラグが存在することを示唆するようにしても良く、例えば、味方キャラクタが負ける演出ではあるが、ボーナスフラグの存在の有無により内容が異なるようにしても良い。
特定遊技状態が終了すると通常遊技状態となり、演出は通常遊技状態の演出となる(t123)。ここでもボーナスフラグが存在しているが、通常遊技状態に移行したことを示すために通常遊技状態での演出としてボーナスフラグの存在は示唆しない。もちろんボーナスフラグが存在することを示唆するようにしても良い。そして、所定のタイミングとなると、ボーナス入賞の内部当選を示唆する示唆演出が実行される(t125〜t126)。この示唆演出は特別遊技状態の発生を示唆するものであるので、味方キャラクタが勝って遊技者にとって有利な結果であることを示唆する演出となっている。
また、過去に成立したボーナス入賞の情報やボーナス入賞と重複当選した小役の情報、ARTに関する情報などを記録する遊技者履歴情報や遊技機履歴情報に、当該ボーナス入賞やボーナス入賞と重複当選した小役の情報を記録するが、この例のように有利区間で実行したゲーム数が所定数に達するタイミングを跨いで持ち越されたボーナスフラグに基づく特別遊技状態が発生した場合には、記録や閲覧可能とするタイミングを異ならせるようにしても良い。例えば、ボーナス入賞と小役が重複当選したタイミング(t121)では、遊技機履歴情報にボーナス入賞と重複当選した小役の情報を記録するとともに閲覧を可能とする。これに対して遊技者履歴情報ではボーナス入賞と重複当選した小役の情報のみを行い、閲覧は当該ボーナス入賞が成立したタイミング(t126)から可能とするようにしても良い。
なお、本発明は、前記実施の形態に示されるようなスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンに適用可能である。また、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機にも適用可能である。また、上述の実施形態の構成と変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。