<1.用語の定義>
本明細書で用いる用語について、以下に説明する。
「可変表示装置」とは、複数の図柄で構成された表示列を備え、表示列の図柄を可変表示させる表示装置のことをいう。表示列がリールで構成される場合には、リールの回転動作によりリール上に配置された図柄を可変表示させる。表示列が液晶表示器等による表示画像で構成される場合には、表示画像の内容を変化させることで表示画像としての図柄を可変表示させる。
「リール窓」とは、可変表示装置の備える表示列を構成する複数の図柄の一部を遊技者に視認可能とするものをいう。
「停止図柄」とは、可変表示装置により表示列の図柄の可変表示を停止した場合において、表示列を構成する複数の図柄のうち、リール窓を通して遊技者に視認可能となった図柄のことをいう。リール窓内に図柄が停止することを「停止表示」という。
「遊技媒体」とは、遊技機に使用されるメダル又は遊技球のことをいう。遊技機に電気的又は磁気的に記憶された遊技媒体の数を示す情報のことを「クレジット」といい、その数を「クレジット数」という。
「ベット」とは、ゲームを開始するために必要な遊技媒体を設定することをいう。ベットされた遊技媒体はゲームの開始とともに消費される。ゲームを開始するために設定された遊技媒体の数のことのことを「ベット数」という。「ベットボタン」とは、ゲームを開始するために必要な遊技媒体を設定するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「スタートレバー」とは、ゲームの開始を指示するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「ゲーム」とは、スタートレバーの操作を契機として可変表示装置が備える表示列の図柄の可変表示を開始したときから、表示列の図柄の可変表示が停止して入賞の判定の結果に基づく処理が終了するまでの一連の過程のことをいう。「1ゲーム」、「1回のゲーム」とは、その一連の過程の1回分のことをいう。
「ストップボタン」とは、可変表示装置が備える表示列の図柄の可変表示の停止を指示するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「内部抽選」とは、ゲームの開始を契機として、予め定められた複数の役から1以上の役の当選または何れの役も当選しないハズレを、抽選により決定することをいう。
「役」とは、所定の特典に対応付けられた図柄組合せパターンのことをいう。役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示した場合に、役に対応する特典が付与される(本明細書では、例えば入賞ライン上に、表示列の左から右にかけて「X」図柄、「Y」図柄、「Z」図柄が停止表示した場合に所定の特典を付与するような役を、「X−Y−Z」役と称する場合がある)。役の「当選」とは、内部抽選の結果として、役の入賞が許容される状態になることをいう。役の「入賞」とは、役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示することをいう。役は、特典の種別に応じてボーナス役、小役、再遊技役に大別される。小役は、入賞に応じてメダルが払出される役である。再遊技役は、入賞に応じて再遊技が付与される役であって、入賞に応じて追加のベットなしに再度のゲームの開始が可能となる。ボーナス役は、入賞に応じてボーナスゲームが作動する役であって、入賞に応じてメダルの払出しに関して有利な状態に移行する。
「ボーナスゲーム」とは、ボーナス役の入賞に応じて移行する遊技状態であって、ボーナスゲームが作動中の遊技状態は、ボーナスゲームが作動していない遊技状態と比較して、メダルの払出しに関して有利な状態である。ボーナスゲームは、遊技規則上における「普通役物」、「第一種特別役物」、「第一種特別役物に係る役物連続作動装置」、「第二種特別役物」、「第二種特別役物に係る役物連続作動装置」等によって実現される。
「入賞ライン」とは、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せのことをいう。ベットに応じて入賞の判定が無効の状態から有効な状態に変化する。
「停止テーブル」とは、ストップボタンが操作された場合に、ストップボタンが操作されたタイミングに応じてリール上の図柄をどのように停止表示させるかを定義したデータテーブルのことをいい、リールの停止制御に利用される。
「役構成テーブル」とは、役に対応する図柄組合せと特典が定義されたデータテーブルのことをいい、入賞の判定処理以降の処理に利用される。
「AT」(「アシストタイム」)とは、特定の役を入賞させるためのストップボタンの操作手順(操作順序又は操作タイミング)が遊技者に報知される遊技状態のことである。報知された通りに遊技者がストップボタンを操作することで特定の役が入賞する。
「AT」(アシストタイム)とは、特定の役を入賞させるためのストップボタンの操作手順(操作順序又は操作タイミング)が遊技者に報知させる機能のことである。ATが作動中か否かを示す報知遊技状態として、ATが作動中の状態(AT作動状態)と、ATが非作動中の状態(AT非作動状態)とを含む。
「RT」(リプレイタイム)とは、内部抽選による再遊技役の抽選態様を変化させる機能のことである。再遊技役の抽選態様に係る状態(RT状態)の種別を、「RT[N]」(Nは整数)のように区別する。RT状態の移行に関連付けられた特定の図柄の組合せを「特図」といい、「RT[N]」への移行に関連付けられた特図のことを、「RT[N]移行特図」という。
「ART」とは、ATとRTの両方の機能を備えていることをいい、AT作動状態かつRT状態が再遊技役を高確率で抽選する状態である場合(ART作動状態)に、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
「設定値」とは、スロットマシンにおける、ベットされるメダル枚数に対する支払われるメダル枚数の割合である払出率の設定内容を示す値であり、予め定められた複数種類の設定値から、任意の設定値をスロットマシンに設定することができる。複数種類の設定値のそれぞれは、内部抽選による役の抽選確率に関連付けられている。
以下に、本発明に係る遊技機を、実施形態としてスロットマシンを例に説明する。
<2.遊技機の構成>
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の概観を示す斜視図である。スロットマシン1は、前面が開口した箱状の本体2と本体2の前面に配置した前面扉3から構成されている。本体2と前面扉3とは片側で蝶番により開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者が遊技を行うためのボタン類を配置した操作部OP、リールユニットRLが備える各リールR1〜R3の図柄を視認するリール窓20や遊技の進行に係る情報を表示するための表示器類を配置したパネル表示部DP、遊技の進行に係る情報を表示するための液晶表示器類や電飾装置を配置した演出表示部TP及び受皿部BPから構成されている。
操作部OPには、操作部OPの上面右側にメダル投入口10を配置し、上面左側にベットボタン11が配置されている。メダル投入口10へのメダルの投入、またはベットボタン11を操作することにより、スロットマシン1に対してベットすることができる。ベットボタン11の下部位置の前面側には、リールユニットRLの各リールR1〜R3の回転の開始を指示するためのスタートレバー12を配置し、その右側には左リールR1の回転の停止を指示するための左ストップボタン13a、中リールR2の回転の停止を指示するための中ストップボタン13b及び右リールR3の回転の停止を指示するための右ストップボタン13cを配置し、遊技を進行させるための基本操作順序となる、ベットボタン11→スタートレバー12→左ストップボタン13a→中ストップボタン13b→右ストップボタン13cという、一連の流れの操作を行い易いようになっている。
スタートレバー12の左側には、貯留装置(後述するRAM105におけるメダルのクレジット数の記憶領域のこと)に記憶されたクレジットを精算してメダル受皿40にメダルを払い出す精算ボタン14を配置する。この精算ボタン14は遊技をやめる場合に使用し、操作の頻度が低いことや遊技中に誤って操作しないよう、上記一連の操作の流れから外れる位置に配置してある。さらに操作部OPには、メダル貸機がスロットマシン1に接続されている場合に使用する貸出ボタン15、メダル貸機に挿入されたプリペイカードや現金を返却する返却ボタン16及びメダル貸機の貸出可能な度数表示が行われる度数表示器17が設けてある。なお、このように、スロットマシン1にメダル貸機が接続されている場合には、スロットマシン1のこれらの貸出ボタン15、返却ボタン16の操作によるメダル貸機の作動及び度数表示器17による度数表示は、メダル貸機の制御によって行われる。
パネル表示部DPには、1つのリールにつき3個の連続した図柄が目視でき、3つのリールで9個分の図柄をのぞむ透明アクリル板からなるリール窓20を設け、さらにリール窓20上には水平の入賞ラインLを有する。このリール窓20の左側には、入賞ラインLに対応した入賞ライン表示器21を設け、メダルを3枚投入すると入賞ラインLに対応した入賞ライン表示器21が点灯するようになっている。なお、入賞ラインLとは、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せを遊技者に分かりやすく表現したリール窓20上の表示のことであるが、本明細書では、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せと同義として扱う。
また、遊技の結果、入賞ラインL上に役に対応する図柄の組み合わせが成立した場合には役の入賞となり、入賞ラインLに対応した入賞ライン表示器21が点滅表示し、遊技者に知らせるようになっている。また、リール窓20の右側には、役が入賞した場合に点灯する表示器や遊技状態に応じて点灯するLEDなどの複数のLEDが配置された遊技ガイド表示器22が設けられている。さらにリール窓20の下側には、後述する兼用表示器23a、特定の遊技状態におけるメダルの獲得枚数の表示を行う獲得枚数表示器23b、及び役が入賞した場合に付与された配当数を表示する配当数表示器23cから構成される遊技価値情報表示部23を有している。
図2は、兼用表示器23aの拡大図を示している。兼用表示器23aは、ドット付きの2桁の7セグメント表示器で構成されている。兼用表示器23aの2桁の7セグメント部分は、貯留装置に蓄えられたクレジット数を表示するクレジット数表示器CRと、後述するメイン制御基板100Aから表示制御基板100Bに対してストップボタン13の操作順序に係る報知の実行を指示する際に、当該操作順序を識別する識別情報を表示する指示モニタNMとで兼用している。また、兼用表示器23aのドット部分は、後述する報知遊技状態である非AT状態(通常区間)やAT状態(有利区間)について、非AT状態(通常区間)中には消灯状態とされ、AT状態(有利区間)中には点灯状態とされる有利状態ランプYLとして利用している。
図1に戻り、演出表示部TPには、遊技の進行状態を画像で表示する液晶表示装置30、遊技の進行状態に応じて色彩や点灯パターンを変化させて表示させる電飾LED31及び遊技の進行状態に応じて変化させるBGMやボタン操作に応じた操作音、ガイド音声を出力するスピーカ32が配置されている。
受皿部BPには、メダル払出装置が駆動されてメダル払出口40aから排出されたメダルを貯めるメダル受皿40を設け、メダル受皿40の左側には灰皿を設けてある。
(2)リールユニットの構成
図3は、スロットマシン1のリールユニットRLの構造を示す説明図である。図3(A)は、リールユニットRL全体の構造を示し、図3(B)は、右リールR3の詳細の構造を示す。
リールR1〜R3は、透明なABS樹脂等からなり、軸部から放射線状に延びた複数のスポーク部と環状の枠からなるリール枠56a〜56cと、そのリール枠56a〜56cの周面に貼り付けられている21個の各種の図柄(図柄番号PN:1〜21)が印刷されたリール帯58a〜58cから構成される。リールR1〜R3は、ステッピングモータ54a〜54cに固定され回転動作するようになっている。リールR1〜R3の回転動作には、504ステップのパルスを供給することで1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用し、所定のパルスを供給することで所定の図柄をリール窓20に表示させることができる。さらにLED(図示せず)を設置したバックライト装置53a〜53cを設け、リール帯58a〜58cの内側から光を照射できるようになっている。このように、リール帯58a〜58cの内側からバックライト装置53a〜53cによって光を照射することで、遊技者にリール帯58a〜58c上の図柄を目立たせることができる。
またスポーク部の一つに検知板57a〜57cを取り付け、リール位置検出センサ55a〜55cによって、リールR1〜R3が1回転するごとに1パルスのリール位置検出信号155a〜155cを出力できるようになっている。このリール位置検出信号155a〜155cを検知してから12ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓の中央の入賞ラインL上に位置するように検知板57a〜57cとリール帯58a〜58cとの位置が設定してある。
リールユニットRLにおいて、リールR1〜R3、リールR1〜R3が固定されたステッピングモータ54a〜54c、バックライト装置53a〜53c及びリール位置検出センサ55a〜55cを、それぞれベース板52a〜52cに固定することで一つのユニット構成としている。また、リールユニットRLは、ベース板52a〜52cをリールユニットRLのケース体50に設けられたガイドレール51a〜51cに沿って挿入してケース体50内に収容するようになっている。
図4(A)は、リール帯58a〜58cに印刷された図柄の配置を示す説明図である。各リールR1〜R3にはそれぞれ21個の図柄を等間隔で配置して印刷されている。504ステップのパルスを供給することで1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用しているので、21個の図柄を配置すると図柄の間隔は24ステップとなる。また、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから12ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓の中央の入賞ラインL上に位置するようにしてあるので、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから36ステップ進めれば図柄番号PN=2が入賞ラインL上に位置し、60ステップ進めれば図柄番号PN=3が入賞ラインL上に位置し、492ステップ進めれば図柄番号PN=21が入賞ラインL上に位置することになる。492ステップより先に進めると、再びリール位置検出信号155a〜155cが検知される。これにより、リール位置検出信号155a〜155cが検知されたタイミングを基点にして、進めるステップ数により所定の図柄を入賞ラインL上に位置させることができる。
図4(B)は、スロットマシン1の入賞ラインLを示す説明図である。スロットマシン1は1つの入賞ラインLを備えている。入賞ラインLは、リール窓20内における各リールの中段の図柄位置により形成される。スロットマシン1は、入賞ラインL上に役に対応する図柄組合せが停止表示したと判定された場合に、役が入賞したと判定される。
(3)設定変更装置の構成
図示は省略するが、スロットマシン1の本体2の内部には、設定変更キー受容部と、設定表示器と、設定変更ボタンとを含んで構成される設定変更ユニット70を備えている。設定変更キー受容部は、専用の設定変更キーの挿入を受け付ける受付部である。設定変更キーを設定変更キー受容部に挿入し、所定位置まで回転させた状態でスロットマシン1の電源を投入することで、スロットマシン1は設定変更モードとして起動する。
設定変更モードでは、スロットマシン1に設定されている現在の設定値が設定表示器に表示される。このとき、設定変更ボタンが押下されると、1〜6の範囲で循環的に設定値が1つずつ変化する。スタートレバー12が操作されると、そのときに設定表示器に表示されている設定値が、スロットマシン1に設定される設定値として確定される。
設定変更モードにおいて確定された設定値は、スロットマシン1の電源を再投入することで有効化される。このような手順により、予め定められたスロットマシン1の払出率に係る複数種類の設定を、選択的に利用することができる。
<3.スロットマシンの電気的構成>
図5は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、遊技の主たる制御を行うメイン制御基板100A、液晶表示器に対して表示制御を行い画像表示する表示制御基板100B、パネル表示部DP又は演出表示部TPのLED類や音の演出の制御を行う電飾制御基板100Cを備えている。メイン制御基板100Aは、CPU(central processing unit)101、クロック発生回路a102、クロック発生回路b103、ROM(read−only memory)104、RAM(random−access memory)105、データ送出回路106、入出力ポート107から構成されている。なお、CPU101としてROMやRAMを内蔵しているものを採用することができる。その場合には、外付けのROM104、RAM105を備えなくてもよい。
CPU101は、ROM104に格納されたプログラムを、クロック発生回路a102で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU101は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路a102の周期とは異なるクロック発生回路b103で発生されられたINTR信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR信号のタイミングは、例えば、2ミリ秒である。CPU101はプログラムの実行に応じて、フラグ類やカウンタ類などの各種の遊技情報をRAM105に保存する。外部から供給される電源が遮断した場合でも、RAM105は電池により記憶情報が保持されており、その後電源が復帰した場合には、電源断発生の直前の状態から再開する。CPU101は、入出力ポート107を介して各種ボタン、センサの状態を読み取り、各種モータ、LEDを駆動する。
ベット操作指示信号111a〜111c、開始操作指示信号112、停止操作指示信号113a〜113c及び精算操作指示信号114は、それぞれ操作部OPに設けられたベットボタン11、スタートレバー12、ストップボタン13a〜13c、精算ボタン14ボタンが遊技者に操作されたことに応じて出力される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に入力されることで検知される。
表示制御信号123a〜123cは、それぞれパネル表示部DPに設けられた兼用表示器23a、獲得枚数表示器23b、配当数表示器23cに表示するための表示信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。リール位置検出信号155a〜155cのそれぞれは、リールユニットRLのそれぞれのリールに対応し、リールが1回転するたびに1回検出する信号であり入出力ポート107を介してCPU101に入力される。リール駆動信号154a〜154cのそれぞれは、リールユニットRLのそれぞれのリールR1〜R3を駆動するステッピングモータ駆動信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
メダル投入信号160は、メダル投入口10から通ずる前面扉3の内部に設けられたメダル検出装置に設けられたメダル投入センサが、投入されたメダルを検出した場合に出力される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に入力される。また、メダルブロック信号161はメダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動する信号であり入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。メダル払出信号162は、メダル払出装置のメダル放出部に設けられたメダル払出センサが、メダル払出装置により払い出されたメダルを検出した場合に出力される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、払出駆動信号163はメダル払出装置に設けられたモータを駆動する信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
設定信号170は、設定変更ユニット70を構成する設定変更キー受容部が、専用の設定変更キーの挿入を受け付けて所定位置まで回転された状態であることを検出した場合に出力される設定変更キーON情報と、設定変更ユニット70を構成する設定変更ボタンが押下されたことを検出した場合に出力される設定変更ボタン押下情報とを含んだ信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に入力される。また、設定信号170は、設定変更ユニット70を構成する設定表示器に設定値を表示するための表示信号を含み、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
CPU101は、データ送出回路106を介して表示制御基板100B及び電飾制御基板100Cへ各種コマンドを出力する。電飾制御基板100Cは、メイン制御基板100Aより各種コマンドを受信し、入賞ライン表示器21、遊技ガイド表示器22、電飾LED31による電飾装置の点灯制御、リールユニットRLに設けられたバックライト装置53a〜53cの点灯制御及びBGMなどのサウンドをスピーカ32から出力する。
表示制御基板100Bは、CPU(central processing unit)191、クロック発生回路c192、クロック発生回路d193、ROM(read−only memory)194、RAM(random−access memory)195、データ入力回路196及びグラフィックLSIとその周辺回路からなる表示回路197を備えている。このCPU191は、ROM194に格納されたプログラムを、クロック発生回路c192で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU191は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路c192の周期とは異なるクロック発生回路b193で発生されられたINTR1信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR1信号のタイミングは、例えば、2ミリ秒とする。CPU191のストローブ信号は、プログラムの実行に応じて、フラグ類やカウンタ類などの各種の遊技情報をRAM195に保存する。また、メイン制御基板100Aのデーっさあああさささタ送出回路からのデータ送出タイミングに同期して送出されるストローブ信号に基づいてINTR2信号を発生させ、このINTR2信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。
<4.ゲーム基本処理>
スロットマシン1における1回のゲームに係る処理の流れを、図6を用いて説明する。
(1)メダル受付処理
スロットマシン1は、メダル投入口10へメダルが投入されると、投入されたメダルを受け付けてスロットマシン1の内部に取り込むか、投入されたメダルを受け付けずにメダル受皿40に返却する(Sa601)。
具体的には、ベット数が3かつクレジット数が50未満の場合にメダル投入口10へメダルが投入されると、CPU101は、投入されたメダルをスロットマシン1の内部に取り込むとともに、投入されたメダルの枚数だけクレジット数を加算する。また、ベット数が3かつクレジット数が50の場合にメダル投入口10へメダルが投入されると、CPU101は、メダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動して、投入されたメダルをメダル受皿40に返却する。
(2)ベット処理
スロットマシン1は、メダル投入口10へのメダルの投入、ベットボタン11の操作、または再遊技役の入賞に応じて、ゲームの開始に必要なベット数を設定する(Sa602)。
具体的には、ベット数が3未満の場合にメダル投入口10にメダルが投入されると、CPU101は、投入されたメダルの枚数だけベット数を加算する。また、ベット数が3未満の場合にベットボタン11が操作されると、CPU101は、クレジット数を減算してベット数を加算する。また、再遊技役が入賞した場合には、CPU101は、そのゲームでベットされていたベット数を、クレジット数の減算なしに再びベットする自動ベット処理を実行する。
(3)レバー受付処理
スロットマシン1は、3枚のメダルがベットされている状態でスタートレバー12の操作を受け付けた場合にゲームを開始させる(Sa603)。具体的には、ベット数が3に設定された状態でスタートレバー12が操作されると、CPU101は、後述する内部抽選処理以降の遊技処理を実行する。一方で、ベット数が3未満に設定された状態でスタートレバー12が操作された場合には、CPU101は、内部抽選処理以降の遊技処理を実行しない。
(4)内部抽選処理
スロットマシン1は、ゲームの開始にともない、予め定められた複数の役から1以上の役の当選または何れの役も当選しないハズレを、抽選により決定する(Sa604)。内部抽選処理の詳細については後述する。
(5)リール回転処理
スロットマシン1は、内部抽選処理の実行とともに、リールR上に配置された図柄を可変表示させるためにリールR1〜R3のそれぞれを回転動作させる(Sa605)。具体的には、CPU101は、ステッピングモータ54a〜54cのそれぞれに対して継続的にパルスを供給することで、リールR1〜R3のそれぞれを回転させる。リール回転処理の詳細については後述する。
(6)リール停止処理
スロットマシン1は、リールRの回転中にストップボタン13が操作されるとリールRの回転動作を停止させる(Sa606)。リールRの回転中にストップボタン13が操作されると、CPU101は、操作されたストップボタン13に対応するリールRが固定されたステッピングモータ54に所定のパルスを供給することで、対応するリールRの回転動作を停止させる。リール停止処理の詳細については後述する。
(7)図柄判定処理
スロットマシン1は、リールR1〜R3の全てが停止した後に、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを判定する(Sa607)。リールR1〜R3の全てが停止した後に、CPU101は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、予め定められた所定の図柄組合せであるか否かを判定する。図柄判定処理の詳細については後述する。
(8)特典付与処理
スロットマシン1は、図柄判定処理によって、特典の付与に係る役に入賞したと判定された場合に、役に対応する特典を付与する処理を実行する(Sa608)。特典付与処理の詳細については後述する。
(9)状態移行処理
スロットマシン1は、遊技状態の移行に係る遊技結果が得られた等の場合に、遊技状態の移行に係る処理を実行する(Sa609)。状態移行処理の詳細については後述する。
<5.内部抽選処理>
スロットマシン1における内部抽選処理の詳細について説明する。内部抽選処理は、予め定められた複数の役から、1以上の役の当選または何れの役も当選しないハズレを抽選により決定するための処理であり、図7に示す内部抽選テーブルを用いて実行される。内部抽選テーブルでは、1以上の役を含んで構成される抽選対象と、当該抽選対象の抽選確率を示す抽選値との対応関係が、後述するRT状態の種別ごとに定義されている。
CPU101は、スタートレバー12の操作を受け付けると、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲から1つの乱数値を取得する。次に、取得した乱数値を、内部抽選テーブルで定義された複数の抽選値と順次に比較しながら、該当する抽選値を特定する。より具体的には、CPU101は、乱数発生器から取得した乱数値と、内部抽選テーブルにおける1番目の抽選値とを比較する。比較した結果、乱数値が抽選値未満の場合には、1番目の抽選値に対応付けられた役の当選を決定する。乱数値が抽選値以上の場合には、乱数値と、1番目の抽選値に2番目の抽選値を加算した値とを比較する。比較した結果、乱数値が1番目と2番目の抽選値の合計未満の場合には、2番目の抽選値に対応付けられた役の当選を決定する。
このように、乱数値が、1番目からN番目までの抽選値の合計値未満となるまで繰り返したときのN番目の抽選値に対応付けられた役を、当選する役として決定する。例えば、RT状態がRT0である場合において、CPU101は、乱数発生器から取得した乱数値が3077である場合、乱数値は1番目の抽選値(300)以上であるので、この値に2番目の抽選値(2500)を加える。乱数値(3077)は、1番目と2番目の抽選値の合計値(2800)以上であるので、これに3番目の抽選値(500)を加算する。乱数値(3077)は、1番目〜3番目の抽選値の合計値(3300)未満であるので、3番目の抽選値(500)に対応付けられた「スイカ1」役の当選を決定する。
スロットマシン1における役構成テーブルの構成を図8に示す。役構成テーブルでは、予め定義されている複数の役のそれぞれについて、対応する図柄組合せと、役が入賞した場合に付与する配当との対応関係が定義されている。
以上のように、内部抽選処理では、内部抽選テーブルを利用して、乱数発生器から取得した乱数値に該当する抽選値を特定し、特定した抽選値に対応する役の当選を決定する。なお、本明細書では、内部抽選処理により抽選される対象である1以上の役のグループを、内部抽選テーブルで定義された複数の抽選値のそれぞれと対応付けて、抽選対象Nのように称する場合がある。
なお、スロットマシン1は、内部抽選処理における再遊技役の抽選態様の異なる複数のRT状態を備えている。再遊技役の抽選態様とは、具体的には内部抽選処理により当選が決定される再遊技役の種類や各再遊技役の当選確率のことであり、RT状態の種別に応じてこれらが変化することをいう。
RT状態がRT0である場合、内部抽選処理における再遊技役に係る抽選対象は、抽選対象9のみである。RT状態がRT1である場合、内部抽選処理における再遊技役に係る抽選対象は、抽選対象9〜12のみである。RT状態がRT2である場合、内部抽選処理における再遊技役に係る抽選対象は、抽選対象9、及び抽選対象13〜18のみである。内部抽選処理における再遊技役に係る抽選対象は、抽選対象9、及び抽選対象19〜21のみである。
スロットマシン1では、RT状態がRT0、RT1、RT2、RT3のそれぞれである場合における、再遊技役の抽選確率を示す再遊技役に係る各抽選対象の抽選値の合計値は、それぞれ8978、8978、8978、18235である。従って、RT状態がRT3である場合において、再遊技役の抽選確率は最も高確率となる。
<6.リール回転処理>
スロットマシン1におけるリール回転処理の詳細について説明する。上述したように、スロットマシン1は、ステッピングモータ54にパルスを供給することでリールRを回転動作させる。
(1)ウェイト処理
スロットマシン1は、リールRの回転動作の開始に先だって、各ゲーム間における最小遊技時間を確保するためのウェイト処理を実行する。リール回転処理におけるウェイト処理に係る処理の流れを、図9を用いて説明する。
まず、スロットマシン1は、インターバルタイマの値が最小遊技時間を経過しているか否かを判断する(Sa901)。具体的には、CPU101は、RAM105に記憶されたインターバルタイマの値が、最小遊技時間を超えているか否かを判断する。スロットマシン1において、最小遊技時間は4.1秒に予め設定されている。CPU101は、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えていると判断した場合には処理を先に進め(Sa901:YES)、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えていないと判断した場合には、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えるまで処理を待機する(Sa901:NO)。これが、スロットマシン1における、各ゲーム間における最小遊技時間を担保するためのウェイト処理である。
CPU101は、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えていると判断した場合には、インターバルタイマの値を0にリセットするとともに(Sa902)、インターバルタイマの計時を開始する(Sa903)。CPU101は、インターバルタイマをリセットして計時を開始させた後に、ウェイト処理を終了して以降の処理を実行する。
以上のように、スロットマシン1では、3枚のメダルがベットされている状態でスタートレバー12の操作を受け付けた後に実行されるウェイト処理により、各ゲーム間の間隔が最小遊技時間である4.1秒以上となるよう制御される。
リールRが回転動作を開始してからストップボタン13が操作されるまでの間は、リールRは回転動作が継続されるが、この間にもインターバルタイマは計時される。従って、リールRが回転動作を開始してからストップボタン13が操作されるまでの期間が長いほど、次回のゲームにおけるウェイト処理での待機時間は短くなり、リールRが回転動作を開始してからストップボタン13が操作されるまでの期間が短いほど、次回のゲームにおけるウェイト処理での待機時間は長くなる。このように、リールRが回転動作を開始してから、遊技者によりストップボタン13が操作されるまでの期間に応じて、次回のゲームにおけるウェイト処理での待機時間は変化する。
(2)リール回転動作に係る処理
スロットマシン1は、上述したウェイト処理の後に、ステッピングモータ54にパルスを供給することでリールRを回転動作させる。メイン制御基板100A(CPU101)は、各リールRに供給したパルスのステップ数をそれぞれRAM105に保持しており、各リールRにパルスを供給するたびにステップ数をそれぞれ加算して更新する。また、CPU101は、リール位置検出センサ55から出力されるリール位置検出信号155が入力されると、対応するリールRについてのステップ数を0にリセットする。
このように、CPU101は、リール位置検出信号155が入力された時点で、リールの回転位置が基準回転位置にあると判断できるので、基準回転位置から供給したステップ数を管理することで、現在のリールの回転位置を常に把握することができる。
図10を用いて、スロットマシン1のリール回転処理における基本処理に係る処理の流れを説明する。なお、本処理は、上述したCPU101で実行される割込みプログラム内で実行される処理であり、リールRの回転動作が開始されてから、周期的に発生する割込みのたびに実行される。また、本処理は1つのリールRに対して実行される処理であり、複数のリールRが回転動作している場合は、回転動作する各リールRに対してそれぞれ実行される。
リール回転処理において、CPU101は、回転動作の対象であるリールRに対応するステッピングモータ54に対して、パルス(ステッピングモータ駆動信号としてのリール駆動信号154)を供給する(Sa1001)。これにより、リールRが1ステップだけ回転動作する。CPU101は、ステッピングモータ54に対してパルスを供給したことに応じて、ステップ数に1を加算する(Sa1002)。これにより、CPU101は、ステッピングモータ54に供給した累積のパルス数を把握することができる。
次に、CPU101は、リール位置検出信号155が入力されているか否かを判定する(Sa1003)。リール位置検出信号155が入力されていない場合は(Sa1003:NO)、現在のステップ数が504を超えているか否かを判定する(Sa1004)。現在のステップ数が504を超えていない場合は、そのまま処理を終了する(Sa1004:NO)。
一方で、リール位置検出信号155が入力されている場合は(Sa1003:YES)、現在のステップ数が504より少ないか否かを判定する(Sa1005)。現在のステップ数が504より少なくない場合は(Sa1005:NO)、ステップ数を0にリセットする(Sa1006)。これにより、CPU101は、リールRの回転位置が基準回転位置に到達した時点からステッピングモータ54に供給した累積のパルス数を把握することができる。
これに対して、現在のステップ数が504より少ない場合には(Sa1005:YES)、CPU101は、リールRの回転動作が異常状態にあると判断し、所定のエラー処理を実行する(Sa1007)。これは、リールRの回転位置が基準回転位置に到達した時点から1周分を回転動作させるために必要な504パルスをステッピングモータ54に供給するよりも前に、リールRの回転位置が基準回転位置に到達してしまったことを意味する。つまり、何らかの理由によりリールが脱調してしまい、CPU101が把握しているリールRの回転位置と、実際のリールRの回転位置とのズレが発生していることを意味する。
また、現在のステップ数が504を超えているか否かを判定した際に(Sa1004)、現在のステップ数が504を超えている場合(Sa1004:YES)も、CPU101は、リールRの回転動作が異常状態にあると判断し、所定のエラー処理を実行する(Sa1007)。これは、リールRの回転位置が基準回転位置に到達した時点から1周分を回転動作させるために必要な504パルスよりも多くのパルスをステッピングモータ54に供給しているにも関わらず、リールRの回転位置が基準回転位置に到達していないことを意味する。つまり、上述したケースと同様に、何らかの理由によりリールが脱調してしまい、CPU101が把握しているリールRの回転位置と、実際のリールRの回転位置とのズレが発生していることを意味する。
このように、スロットマシン1のリール回転処理において、CPU101は、現在のリールの回転位置を常に把握しながら、リールRの回転動作を制御している。また、論理上の回転位置と、実際の回転位置との差異に基づいて、リールRが脱調したことを正確に判断することができる。
<7.リール停止処理>
スロットマシン1におけるリール停止処理の詳細について説明する。
スロットマシン1におけるリール停止処理は、リールRの回転中にストップボタン13の操作を受け付けた場合に、対応するリールRを停止させる処理である。このとき、ストップボタン13に対する操作がなされた時点から、最大4図柄分のリールの回転量の範囲内において、内部抽選処理により当選が決定された役に応じた図柄組合せを入賞ライン上に引き込んで各リールRを停止させる。また、4図柄分のリールの回転量の範囲内において当該図柄組合せを入賞ライン上に引き込めない場合であっても、内部抽選処理により当選が決定されていない役に応じた図柄組合せを入賞ライン上に停止表示させないように、各リールRを停止させる。
(1)停止リンクデータと停止データ
図11は、スロットマシン1におけるリール停止処理で用いられる停止リンクデータの構成を示している。停止リンクデータは、内部抽選処理における抽選結果(抽選対象)ごとに、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)に応じて各リールRに適用される停止データの種別が定義されている。なお、図11では、スロットマシン1における内部抽選処理による抽選結果である抽選対象1〜21のうち、抽選対象3、5、6、9、及び10についてのデータ構成について示しており、他の抽選対象については内容について図示を省略している。
リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)は、左→中→右、左→右→中、中→右→左、中→左→右、右→左→中、右→中→左の6通り存在する。スロットマシン1は、停止リンクデータを用いてリール停止処理を実行することで、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)に応じてリールRの停止態様が異なるように、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)に応じた停止データを予め定義しておくことができる。
図12は、スロットマシン1におけるリール停止処理で用いられる停止データの構成を示している。スロットマシン1は、各リールRごとに1以上の停止データを備えている。各停止データは、ストップボタン13が操作されたタイミングで入賞ラインL上に位置する図柄の図柄番号PNと、ストップボタン13が操作された場合に、当該操作のタイミングからリールRが停止するまでに継続させるリールRの回転移動の移動量を図柄数として示す滑りコマ数との対応関係が定義されている。
スロットマシン1は、上述した停止リンクデータを用いたリール停止処理を実行することで、内部抽選処理の抽選結果(抽選対象)と、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)及びリールRの停止結果とに基づいて特定されるリールRごとの停止データに基づいて、リールRの回転動作が停止される。
(2)単独当選時の停止制御
スロットマシン1における、単独当選時の停止制御について説明する。なお、単独当選とは、内部抽選処理の抽選結果として、単一の役の当選が決定されることをいう。
(2−1)押し順共通小役に係る停止制御(取りこぼしなし)
単独当選時における、押し順共通役に係る停止制御(取りこぼしなし)について説明する。「押し順共通」とは、ストップボタン13の操作順序(リールRの停止順序)によらず、各リールRに適用される停止データが同一である停止制御のことをいう。また、「取りこぼしなし」とは、ストップボタン13を操作するタイミングによらず、対応するリールRにおいて、内部抽選処理により当選が決定された役に応じた図柄組合せの構成図柄を入賞ラインL上に引き込む停止制御のことをいう。
例えば、内部抽選処理により抽選対象5が抽選された場合における停止制御について説明する。抽選対象5は、「ベル」役の当選に対応する抽選対象である。スロットマシン1は、この場合、「ベル」役に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に引き込むように、各リールRを停止させる。
停止リンクテーブルにおいて、抽選対象5には、6通りのリールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)の全てにおいて、各リールRに適用される停止データは同一に設定されている。また、各リールRの停止結果(停止位置)に応じて他のリールRに適用される停止データが異なることもない。
具体的には、内部抽選処理により抽選対象5が抽選された場合は、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)、及び各リールRの停止結果(停止位置)によらず、左リールR1に対して停止データL001、中リールR2に対して停止データC001、右リールR3に対して停止データR001の停止データを適用してリール停止処理が実行される。内部抽選処理により抽選対象5が抽選された場合に各リールに適用される停止データを図13(A)に示す。
スロットマシン1では、各リールRにおける各「ベル」図柄は、最大4図柄の間隔で配置されている。このため、各リールRにおいて、ストップボタン13を操作するタイミングによらず、「ベル」図柄を必ず入賞ラインL上に引き込むように停止させるための停止データを定義することができる。
停止データL001、C001、R001のそれぞれは、ストップボタン13を操作するタイミングによらず、「ベル」図柄を必ず入賞ラインL上に引き込むように、対応する各リールRを停止させるための停止データである。
このように、スロットマシン1では、内部抽選処理により抽選対象5が抽選された場合に、各リールRに対して停止データL001、C001、R001を適用することで、ストップボタン13の操作順序、及びタイミングによらず、単独当選している 「ベル」役を取りこぼすことなく確実に入賞させることができる。
(2−2)押し順共通小役に係る停止制御(取りこぼしあり)
次に、単独当選時における、押し順共通役に係る停止制御(取りこぼしあり)について説明する。「取りこぼしあり」とは、ストップボタン13を操作するタイミングに応じて、対応するリールRにおいて、内部抽選処理により当選が決定された役に応じた図柄組合せの構成図柄を入賞ライン上に引き込んで当選役が入賞する場合と、引き込めずに当選役が入賞しない場合とが存在する停止制御のことをいう。
例えば、内部抽選処理により抽選対象3が抽選された場合における停止制御について説明する。抽選対象3は、「スイカ1」役の当選に対応する抽選対象である。スロットマシン1は、「スイカ1」役の当選時には、「スイカ1」役に対応する図柄組合せ「スイカ−スイカ−スイカ」を入賞ラインL上に引き込むように、各リールRを停止させる。
停止リンクテーブルにおいて、抽選対象3には、6通りのリールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)の全てにおいて、各リールRに適用される停止データは同一に設定されている。また、各リールRの停止結果(停止位置)に応じて他のリールRに適用される停止データが異なることもない。
具体的には、内部抽選処理により抽選対象3が抽選された場合は、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)、及び各リールRの停止結果(停止位置)によらず、左リールR1に対して停止データL002、中リールR2に対して停止データC002、右リールR3に対して停止データR002の停止データを適用してリール停止処理が実行される。内部抽選処理により抽選対象3が抽選された場合に各リールに適用される停止データを図13(B)に示す。
スロットマシン1では、各リールRにおける各「スイカ」図柄は、左リールR1で最大7図柄、中リールR2で最大8図柄、右リールR3で最大9図柄の間隔で配置されている。このため、各リールRにおいて、ストップボタン13を操作するタイミングによらず、「ベル」図柄を必ず入賞ラインL上に引き込むように停止させるための停止データを定義することができない。
停止データL002は、左ストップボタン13aを操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めるタイミングである場合には「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込み、左ストップボタン13aを操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めないタイミングである場合には「プラム」図柄を入賞ラインL上に引き込むように、左リールR1を停止させるための停止データである。また、停止データC002及びR002のそれぞれは、ストップボタン13を操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めるタイミングである場合には「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込み、ストップボタン13を操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めないタイミングである場合には「青7」図柄を入賞ラインL上に引き込むように、中リールR2及び右リールR3を停止させるための停止データである。
これらの停止データを適用して各リールRを停止させた結果、入賞ラインL上に引き込まれる図柄組合せは、「スイカ−スイカ−スイカ」、「プラム−青7−青7」、「スイカ−スイカ−青7」、「スイカ−青7−スイカ」、「プラム−スイカ−スイカ」、「スイカ−青7−青7」、「プラム−スイカ−青7」、又は「プラム−青7−スイカ」のいずれかとなる。図柄組合せ「スイカ−スイカ−スイカ」は「スイカ1」役に対応し、他の図柄組合せは、いずれの役にも対応しない。
このように、スロットマシン1では、内部抽選処理により抽選対象3が抽選された場合に、各リールRに対して停止データL002、C002、R002を適用することで、ストップボタン13の操作タイミングに応じて、単独当選している 「スイカ1」役を入賞させる場合と、「スイカ1」役を入賞させずに取りこぼす場合とが存在するが、「スイカ1」役を入賞させない場合であっても、役に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に停止させないように制御される。
(3)同時当選時の停止制御
スロットマシン1における、同時当選時の停止制御について説明する。なお、同時当選とは、内部抽選処理の抽選結果として、複数の役の当選が決定されることをいう。
(3−1)押し順小役に係る停止制御
同時当選時における、押し順小役に係る停止制御について説明する。「押し順小役」とは、ストップボタン13の操作順序(リールRの停止順序)に応じて、各リールRに適用される停止データを異ならせることで、同時当選している複数の小役のうち、ストップボタン13の操作順序(リールRの停止順序)に応じて、異なる小役の構成図柄を入賞ラインL上に引き込むことで、異なる小役を入賞させようとする停止制御のことである。
例えば、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された場合における停止制御について説明する。抽選対象6は、「ベル」役、「制御1」役、「制御2」役、「制御3」役、「制御4」役、及び「制御5」役の当選に対応する抽選対象である。この場合、スロットマシン1は、「ベル」役、「制御1」役、「制御2」役、「制御3」役、「制御4」役、又は「制御5」役のいずれかの小役に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に引き込むように、各リールRを停止させる。
停止リンクテーブルにおいて、抽選対象6には、6通りのリールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)のそれぞれにおいて、各リールRに適用される停止データが異なるように設定されている。
具体的には、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された場合は、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)に応じて、左→中→右、左→右→中の順番の場合には、左リールR1に対して停止データL001、中リールR2に対して停止データC001、右リールR3に対して停止データR001の停止データを適用し、中→右→左、中→左→右、右→中→左の順番の場合には、左リールR1に対して停止データL003、中リールR2に対して停止データC000、右リールR3に対して停止データR000の停止データを適用し、右→左→中の順番の場合には、左リールR1に対して停止データL002、中リールR2に対して停止データC003、右リールR3に対して停止データR000の停止データを適用して、リール停止処理が実行される。
内部抽選処理により抽選対象6が抽選された場合に各リールに適用される停止データを図14に示す。図14(A)は、抽選対象6・押し順:左→中→右/左→右→中、図14(B)は、抽選対象6・押し順:中→右→左/中→左→右/右→中→左、図14(C)は、抽選対象6・押し順:右→左→中の場合に各リールに適用される停止データを示す。
図14(A)で示す停止データ(抽選対象6・押し順:左→中→右/左→右→中)を適用したリール停止処理について説明する。当該リール停止処理では、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合に、原則的に、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役(8枚配当)を構成する「ベル」図柄、他の当選役である「制御1」〜「制御4」役(1枚配当)を構成する「スイカ」図柄、又は「制御5」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。このとき、左リールR1の引き込み可能な範囲内に、これらの図柄が複数存在する場合には、払出し数優先制御の原則に従って、配当(特典としてのメダル枚数)が最も高い「ベル」役を構成する図柄である「ベル」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に引き込んで停止させる。
第1停止として左リールR1において入賞ラインL上に「ベル」図柄が停止した場合、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「ベル」役のみとなる。従って、以降の停止処理(第2停止:中リールR2→第3停止:右リールR3、又は第2停止:右リールR3→第3停止:中リールR2)では、各リールRについて、「ベル」役の構成図柄である「ベル」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に停止に引き込んで停止させる。
上述したように、スロットマシン1では、各リールRにおける各「ベル」図柄は、最大4図柄の間隔で配置されている。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、当該操作のタイミング、及び第2停止以降に操作されるストップボタン13の種類や操作のタイミングに関わらず、各リールRにおいて入賞ラインL上に「ベル」図柄を停止させる。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、必ず「ベル」役が入賞する。
次に、図14(B)で示す停止データ(抽選対象6・押し順:中→右→左/中→左→右/右→中→左)を適用したリール停止処理について説明する。当該リール停止処理では、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合に、原則的に、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、及び「制御4」役を構成する「ベル」図柄(2種類の役の入賞に寄与)、「制御1」〜「制御3」役を構成する「プラム」図柄(3種類の役の入賞に寄与)、又は「制御5」役を構成する「赤7」図柄(1種類の役の入賞に寄与)のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。このとき、中リールR2の引き込み可能な範囲内に、これらの図柄が複数存在する場合には、組合せ数優先制御の原則に従って、最も多くの役の入賞に寄与する図柄(入賞に係る役の図柄組合せ数を最も多くする図柄)である「プラム」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に停止させる。
第1停止として中リールR2において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御1」〜「制御3」役のみとなる。従って、第2停止として右ストップボタン13cが操作された場合、右リールR3において、「制御1」役(1枚配当)を構成する「黒BAR」図柄、「制御2」役(1枚配当)を構成する「チェリー」図柄、又は「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄のうち、「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。この場合、特典としてのメダル枚数、及び入賞に係る役の図柄組合せ数はともに同数であり、優先順位は任意に設定される。
第2停止として右リールR3において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、
抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御3」役のみとなる。従って、第3停止として左ストップボタン13aが操作された場合、左リールR1において、「制御3」役を構成する「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。これにより、「制御3」役が入賞する。このとき、左ストップボタン13aを操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めないタイミングである場合には、「制御3」役を入賞させずに取りこぼすが、当選が決定されていない「リプレイA」役の図柄組合せ「プラム−プラム−プラム」を入賞ラインL上に停止させないよう、左リールR1では「プラム」図柄を停止させない。
第1停止として中リールR2において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、入賞の可能性の残された役は「制御1」〜「制御3」役となるが、第2停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、「制御1」役を構成する図柄、「制御2」役を構成する図柄、及び「制御3」役を構成する図柄は、いずれも「スイカ」図柄となるため、左リールR1では「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。
第2停止として左リールR1において入賞ラインL上に「スイカ」図柄が停止した場合、入賞の可能性の残された役は引き続き「制御1」〜「制御3」役(いずれも1枚配当)であるが、右リールR3において、「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。この場合、特典としてのメダル枚数、及び入賞に係る役の図柄組合せ数はともに同数であり、優先順位は任意に設定される。
第2停止として左リールR1において入賞ラインL上に「スイカ」図柄が停止しなかった場合(左ストップボタン13aが操作された時点で、左リールR1の引き込み範囲内に「スイカ」図柄が存在しなかった場合)には、左リールR1において、「黒BAR」図柄、「白BAR」図柄、又は「赤7」図柄のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。この時点で、抽選対象6に係る当選役のいずれも入賞せずに取りこぼすことが確定される。この場合、第3停止として右リールR3において、「プラム」図柄を入賞ラインL上に停止に引き込んで停止させる。
当該リール停止処理において、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合に、原則的に、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役を構成する「ベル」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御1」役を構成する「黒BAR」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御2」役を構成する「チェリー」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御3」〜「制御5」役を構成する「プラム」図柄(3種類の役の入賞に寄与)のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。このとき、右リールR3の引き込み可能な範囲内に、これらの図柄が複数存在する場合には、組合せ数優先制御の原則に従って、最も多くの役の入賞に寄与する図柄(入賞に係る役の図柄組合せ数を最も多くする図柄)である「プラム」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に停止させる。
第1停止として右リールR3において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御3」〜「制御5」役のみとなる。従って、第2停止として中ストップボタン13bが操作された場合、中リールR2において、「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄、「制御4」役(1枚配当)を構成する「ベル」図柄、又は「制御5」役(1枚配当)を構成する「赤7」図柄のうち、「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。この場合、特典としてのメダル枚数、及び入賞に係る役の図柄組合せ数はともに同数であり、優先順位は任意に設定される。
第2停止として中リールR2において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御3」役のみとなる。従って、第3停止として左ストップボタン13aが操作された場合、左リールR1において、「制御3」役を構成する「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。これにより、「制御3」が入賞する。このとき、左ストップボタン13aを操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めないタイミングである場合には、「制御3」役を入賞させずに取りこぼすが、当選が決定されていない「リプレイA」役の図柄組合せ「プラム−プラム−プラム」を入賞ラインL上に停止させないよう、左リールR1では「プラム」図柄を停止させない。
以上のように、スロットマシン1では、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合、又は、第1停止として右ストップボタン13c、且つ第2停止として中ストップボタン13bが操作された場合には、各ストップボタン13の操作タイミングに応じて、「制御3」役が入賞する場合と、「制御3」役が入賞せずに取りこぼす場合とが存在する。
次に、図14(C)で示す停止データ(抽選対象6・押し順:右→左→中)を適用したリール停止処理について説明する。当該リール停止処理において、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合に、原則的に、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役を構成する「ベル」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御1」役を構成する「黒BAR」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御2」役を構成する「チェリー」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御3」〜「制御5」役を構成する「プラム」図柄(3種類の役の入賞に寄与)のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。このとき、右リールR3の引き込み可能な範囲内に、これらの図柄が複数存在する場合には、組合せ数優先制御の原則に従って、最も多くの役の入賞に寄与する図柄(入賞に係る役の図柄組合せ数を最も多くする図柄)である「プラム」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に停止させる。
第1停止として右リールR3において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御3」〜「制御5」役のみとなる。従って、第2停止として左ストップボタン13aが操作された場合、左リールR1において、「制御3」〜「制御4」役を構成する「スイカ」図柄(2種類の役の入賞に寄与)、又は「制御5」役を構成する「プラム」図柄(1種類の役の入賞に寄与)のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。このとき、左リールR1の引き込み可能な範囲内に、これらの図柄が複数存在する場合には、組合せ数優先制御の原則に従って、最も多くの役の入賞に寄与する図柄(入賞に係る役の図柄組合せ数を最も多くする図柄)である「スイカ」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に停止させる。
第2停止として左リールR1において入賞ラインL上に「スイカ」図柄が停止した場合、
抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御3」〜「制御4」役のみとなる。従って、第3停止として中ストップボタン13bが操作された場合、中リールR2において、「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄、「制御4」役(1枚配当)を構成する「ベル」図柄のうち、「制御3」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。この場合、特典としてのメダル枚数、及び入賞に係る役の図柄組合せ数はともに同数であり、優先順位は任意に設定される。これにより、「制御3」役が入賞する。
第2停止として左ストップボタン13aを操作するタイミングが、「スイカ」図柄を入賞ラインL上に引き込めないタイミングである場合には、左リールR1において、「制御5」役の入賞の可能性を残す「プラム」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。
第2停止として左リールR1において入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した場合、
抽選対象6に係る当選役である「ベル」役、「制御1」〜「制御5」役のうち、入賞の可能性の残された役は「制御5」役のみとなる。従って、第3停止として中ストップボタン13bが操作された場合、中リールR2において、「制御5」役を構成する「赤7」図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。これにより、「制御5」役が入賞する。このとき、中ストップボタン13bを操作するタイミングが、「赤7」図柄を入賞ラインL上に引き込めないタイミングである場合には、中リールR2において、「青7」図柄、「白BAR」図柄、又は「スイカ」図柄のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。
これにより、「制御5」役は入賞せず取りこぼすが、当選が決定されていない「リプレイA」役の図柄組合せ「プラム−プラム−プラム」、「リプレイC」役の図柄組合せ「プラム−ベル−プラム」、「制御6」役の図柄組合せ「プラム−黒BAR−プラム」、又は「制御7」役の図柄組合せ「プラム−チェリー−プラム」のいずれも入賞ラインL上に停止させないよう、中リールR2では、「プラム」図柄、「ベル」図柄、「黒BAR」図柄、「チェリー」図柄、のいずれもを停止させない。
以上のように、スロットマシン1では、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において、第1停止として右ストップボタン13c、且つ第2停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、各ストップボタン13の操作タイミングに応じて、「制御3」又は「制御5」役が入賞する場合と、「制御3」又は「制御5」役のいずれも入賞せずに取りこぼす場合とが存在する。
このように、スロットマシン1では、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「ベル」役(8枚配当)が必ず入賞し、第1停止として中ストップボタン13b又は右ストップボタン13cが操作された場合には「ベル」役(8枚配当)が必ず入賞せず、各ストップボタン13の操作順序及び操作タイミングに応じて、「ベル」役以外の役(1枚配当)が入賞する場合と、入賞せず取りこぼす場合とが存在する。
なお、詳細な説明は省略するが、抽選対象7、8においても、上述した抽選対象6に係る停止制御と同様の仕組みが適用される。内部抽選処理により抽選対象7が抽選された状況においては、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「ベル」役(8枚配当)が必ず入賞し、第1停止として左ストップボタン13a又は右ストップボタン13cが操作された場合には「ベル」役(8枚配当)が必ず入賞せず、各ストップボタン13の操作順序及び操作タイミングに応じて、「ベル」役以外の役(1枚配当)が入賞する場合と、入賞せず取りこぼす場合とが存在する。また、内部抽選処理により抽選対象8が抽選された状況においては、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「ベル」役(8枚配当)が必ず入賞し、第1停止として左ストップボタン13a又は中ストップボタン13bが操作された場合には「ベル」役(8枚配当)が必ず入賞せず、各ストップボタン13の操作順序及び操作タイミングに応じて、「ベル」役以外の役(1枚配当)が入賞する場合と、入賞せず取りこぼす場合とが存在する。
(3−2)押し順リプレイに係る停止制御
同時当選時における、押し順リプレイに係る停止制御について説明する。「押し順リプレイ」とは、ストップボタン13の操作順序(リールRの停止順序)に応じて、各リールRに適用される停止データを異ならせることで、同時当選している複数の再遊技役のうち、ストップボタン13の操作順序(リールRの停止順序)に応じて、異なる再遊技役の構成図柄を入賞ラインL上に引き込むことで、異なる再遊技役を入賞させようとする停止制御のことである。
例えば、内部抽選処理により抽選対象10が抽選された場合における停止制御について説明する。抽選対象10は、「リプレイ2」役、「リプレイA」役、及び「リプレイB」役の当選に対応する抽選対象である。この場合、スロットマシン1は、「リプレイ2」役、「リプレイA」役、又は「リプレイB」役のいずれかの再遊技役に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に引き込むように、各リールRを停止させる。
停止リンクテーブルにおいて、抽選対象10には、6通りのリールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)のそれぞれにおいて、各リールRに適用される停止データが異なるように設定されている。
具体的には、内部抽選処理により抽選対象10が抽選された場合は、リールRの停止順序(ストップボタン13の操作順序)に応じて、左→中→右、左→右→中の順番の場合には、左リールR1に対して停止データL001、中リールR2に対して停止データC000、右リールR3に対して停止データR001の停止データを適用し、中→右→左、中→左→右、右→左→中、右→中→左の順番の場合には、左リールR1に対して停止データL000、中リールR2に対して停止データC000、右リールR3に対して停止データR000の停止データを適用して、リール停止処理が実行される。
内部抽選処理により抽選対象10が抽選された場合に各リールに適用される停止データを図15に示す。図15(A)は、抽選対象10・押し順:左→中→右/左→右→中、図15(B)は、抽選対象10・押し順:中→右→左/中→左→右/右→左→中/右→中→左、の場合に各リールに適用される停止データを示す。
図15(A)で示す停止データ(抽選対象10・押し順:左→中→右/左→右→中)を適用したリール停止処理について説明する。当該リール停止処理では、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合に、原則的に、抽選対象10に係る当選役である「リプレイ2」役(再遊技役)を構成する「ベル」図柄、他の当選役である「リプレイA」役(再遊技役)及び「リプレイB」役(再遊技役)を構成する「プラム」図柄のいずれかを入賞ラインL上に引き込んで停止させる。このとき、左リールR1の引き込み可能な範囲内に、これらの図柄が複数存在する場合であっても、「リプレイ2」役を構成する図柄である「ベル」図柄を、「プラム」図柄に優先して入賞ラインL上に引き込んで停止させる。この状況において、「ベル」図柄 (1種類の役の入賞に寄与)と「プラム」図柄(2種類の役の入賞に寄与)とで、入賞に寄与する役の種類の数は「プラム」図柄の方が多いが、複数の当選役はいずれも再遊技役として等価であるため、任意の図柄を優先して入賞ラインL上に停止させることができる。
第1停止として左リールR1において入賞ラインL上に「ベル」図柄が停止した場合、抽選対象10に係る当選役である「リプレイ2」役、「リプレイA」、及び「リプレイB」役のうち、入賞の可能性の残された役は「リプレイ2」役のみとなる。従って、以降の停止処理(第2停止:中リールR2→第3停止:右リールR3、又は第2停止:右リールR3→第3停止:中リールR2)では、中リールR2では「リプレイ2」役の構成図柄である「プラム」図柄を、右リールR3では「リプレイ2」役の構成図柄である「ベル」図柄を、他の図柄に優先して入賞ラインL上に停止に引き込んで停止させる。
上述したように、スロットマシン1では、各リールRにおける各「ベル」図柄は、最大4図柄の間隔で配置されている。また、同様に「プラム」図柄も最大4図柄の間隔で配置されている。つまり、内部抽選処理により抽選対象10が抽選された状況において第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、当該操作のタイミング、及び第2停止以降に操作されるストップボタン13の種類や操作のタイミングに関わらず、各リールRにおいて入賞ラインL上に図柄組合せ「ベル−プラム−プラム」を停止させる。つまり、内部抽選処理により抽選対象10が抽選された状況において第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、必ず「リプレイ2」役が入賞する。
次に、図15(B)で示す停止データ(抽選対象10・押し順:中→右→左/中→左→右/右→左→中/右→中→左)を適用したリール停止処理について説明する。当該リール停止処理では、抽選対象10に係る当選役である「リプレイ2」役、「リプレイA」役、及び「リプレイB」役のうち、「リプレイA」役の構成図柄を、各リールRについて入賞ラインL上に引き込んで停止させる。上述したように、複数の当選役はいずれも再遊技役として等価であるため、各リールRにおける各当選役の構成図柄のうち、任意の図柄を優先して入賞ラインL上に停止させることができる。
このように、スロットマシン1では、内部抽選処理により抽選対象10が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイ2」役が必ず入賞し、第1停止として中ストップボタン13b又は右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイA」役が必ず入賞する。
なお、詳細な説明は省略するが、抽選対象11、12においても、上述した抽選対象10に係る停止制御と同様の仕組みが適用される。内部抽選処理により抽選対象11が抽選された状況においては、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイ2」役が必ず入賞し、第1停止として左ストップボタン13a又は右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイA」役が必ず入賞する。また、内部抽選処理により抽選対象12が抽選された状況においては、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ2」役が必ず入賞し、第1停止として左ストップボタン13a又は中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイA」役が必ず入賞する。
抽選対象13〜18についても、上述した抽選対象10に係る停止制御と同様の仕組みが適用される。
抽選対象13が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイ3」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞し、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイA」役が入賞する。
抽選対象14が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイ3」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞する。
抽選対象15が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイ3」役が入賞し、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞する。
抽選対象16が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイ3」役が入賞し、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイA」役が入賞する。
抽選対象17が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ3」役が入賞する。
抽選対象18が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞し、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ3」役が入賞する。
抽選対象19〜21についても、上述した抽選対象10に係る停止制御と同様の仕組みが適用される。
抽選対象19が抽選された状況においては、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として中ストップボタン13b、又は右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞する。
抽選対象20が抽選された状況においては、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として左ストップボタン13a、又は右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞する。
抽選対象21が抽選された状況においては、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には「リプレイA」役が入賞し、第1停止として左ストップボタン13a、又は中ストップボタン13bが操作された場合には「リプレイ1」役が入賞する。
<8.図柄判定処理>
スロットマシン1における図柄判定処理の詳細について説明する。CPU101は、リールR1〜R3の全てが停止した後に、図柄判定処理を実行する。
CPU101は、リールR1〜R3の全てが停止した後に、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図8で示される役構成テーブルで定義された図柄組合せのいずれかと一致するか否かを判定する。CPU101は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、役構成テーブルで定義された図柄組合せのいずれかと一致すると判定した場合は、その図柄組合せに対応する役が入賞したと判定する。また、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、役構成テーブルで定義された図柄組合せのいずれにも一致しないと判定した場合には、何れの役にも入賞していないと判定する。
CPU101は、役構成テーブルを用いて役の入賞に係る判定を行うとともに、図16に示す特図構成テーブルを用いて、特図に係る判定を行う。特図構成テーブルでは、特図と、当該特図が停止表示された場合に移行させるRT状態との対応関係が定義されている。CPU101は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、特図構成テーブルで定義された特図のいずれかと一致するか否かを判定する。
スロットマシン1では、特図構成テーブルにおいて、図柄組合せ「プラム−ベル−ベル」(「リプレイ1」役に対応する図柄組合せ)と、移行先のRT状態としてRT1、図柄組合せ「ベル−プラム−ベル」(「リプレイ2」役に対応する図柄組合せ)と、移行先のRT状態としてRT2、図柄組合せ「ベル−ベル−プラム」(「リプレイ3」役に対応する図柄組合せ)と、移行先のRT状態としてRT3が、それぞれ関連付けられている。
また、図柄組合せ「スイカ−プラム−黒BAR」、「スイカ−プラム−チェリー」、「スイカ−プラム−プラム」、「スイカ−ベル−プラム」、「プラム−赤7−プラム」、「プラム−黒BAR−プラム」、及び「プラム−チェリー−プラム」(それぞれ「制御1」役〜「制御7」役に対応する図柄組合せ)と、移行先のRT状態としてRT1が関連付けられている。
また、図柄組合せの内容は省略するが、内部抽選処理により押し順小役(抽選対象6〜8)が抽選された場合における、当該抽選対象に係る複数の小役のいずれも入賞しなかった場合に入賞ラインL上に停止表示される全ての図柄組合せと、移行先のRT状態としてRT1が関連付けられている。
<9.特典付与処理>
スロットマシン1における特典付与処理の詳細について説明する。
CPU101は、図柄判定処理を実行した後に、特典付与処理を実行する。特典付与処理は、図柄判定処理により入賞が判定された役に応じた特典を付与するための処理であり、図8で示した役構成テーブルを用いて実現される。
CPU101は、図柄判定処理により再遊技役に入賞したと判定した場合には、特典付与処理により、自動ベット処理を実行する(図6:Sa608→Sa602)。自動ベット処理では、直前のゲームを開始させるためのベット数と同数のベット数を、RAM105に記憶するベットカウンタに設定する。スロットマシン1においては、「リプレイA」役、「リプレイB」役、「リプレイC」役、「リプレイD」役、「リプレイ1」役、「リプレイ2」役、及び「リプレイ3」役が、再遊技役に該当する。
CPU101は、図柄判定処理により小役に入賞したと判定した場合に、特典付与処理により、入賞した小役に対応する特典として示された枚数のメダルを払出すための処理を実行する。
小役とは、特典としてのメダルの支払いが対応付けられた役であり、スロットマシン1においては、「チェリー1」役、「チェリー2」役、「スイカ1」役、「スイカ2」役、「ベル」役、「制御1」役、「制御2」役、「制御3」役、「制御4」役、「制御5」役、「制御6」役、及び「制御7」役が該当し、それぞれ2枚、2枚、3枚、3枚、8枚、1枚、1枚、1枚、1枚、1枚、1枚、及び1枚のメダルの支払いが対応付けられている。CPU101は、特典付与処理において、入賞したことを判定した小役に対応するメダル枚数に応じた値を、貯留装置に加算する。CPU101は、貯留装置のクレジット数が50枚を超えた分については、メダル払出装置を駆動してメダル受皿40に遊技メダルを払い出す。
<10.状態移行処理>
スロットマシン1は、図柄判定処理により入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、特図構成テーブルで定義された特図のいずれかと一致すると判定した場合は、当該特図に関連付けられた移行先のRT状態に、RT状態を移行させる。
また、スロットマシン1は、後述する報知遊技状態をAT状態に移行させる条件が成立している場合に、報知遊技状態をAT状態に移行させる。具体的には、RAM105に記憶されたAT当選状態を示すフラグ変数が1である(AT当選フラグがONである)と判定した場合に、当該フラグ変数に0を設定するとともに、RAM105に記憶された報知遊技状態を示すフラグ変数に、AT状態を示す情報を設定する。なお、CPU101は、報知遊技状態をAT状態に移行させた場合には、入出力ポート107を介して、有利状態ランプYL(兼用表示器23a)に対して、報知遊技状態に応じた表示制御信号123a(点灯)を入力する。
<11.ART>
(1)AT状態
スロットマシン1は、所定の開始条件が成立したことを契機として報知遊技状態を非AT状態からAT状態に移行させ、所定の終了条件が成立したことを契機として報知遊技状態をAT状態から非AT状態に移行させる。AT状態とは、内部抽選処理の結果として特定の抽選対象が抽選された場合に、当該特定の抽選対象に属する特定の役を入賞させるためのストップボタン13の操作手順(操作順序又は操作タイミング)を、少なくとも1回のゲームにおいて遊技者に報知する状態であり、非AT状態とは、当該操作手順を遊技者に報知しない状態のことである。
より具体的には、スロットマシン1におけるAT状態とは、内部抽選処理の結果として抽選対象6〜8が抽選された場合に、各抽選対象に属する配当の異なる複数の小役のうち、最も配当の高い小役である「ベル」役を入賞させるためのストップボタン13の操作順序(抽選対象6の場合には第1停止として左ストップボタン13aを操作すること。抽選対象7の場合には第1停止として中ストップボタン13bを操作すること。抽選対象8の場合には第1停止として右ストップボタン13cを操作すること。)を遊技者に報知する報知遊技状態のことをいう。このとき、報知された操作順序以外の操作順序でストップボタン13が操作された場合には、最も配当の高い小役である「ベル」役は入賞させずに、ストップボタン13の操作のタイミングに応じて配当の最も低い小役である「制御1」役〜「制御7」役のいずれかを入賞させるか、または入賞しないように制御される。
また、AT状態では、内部抽選処理の結果として抽選対象10〜12が抽選された場合に、各抽選対象に属する複数の再遊技役のうち、再遊技役である「リプレイ2」役を入賞させるためのストップボタン13の操作順序(抽選対象10の場合には第1停止として左ストップボタン13aを操作すること。抽選対象11の場合には第1停止として中ストップボタン13bを操作すること。抽選対象12の場合には第1停止として右ストップボタン13cを操作すること。)を遊技者に報知する。このとき、報知された操作順序以外の操作順序でストップボタン13が操作された場合には、「リプレイA」役が入賞するように制御される。
また、AT状態では、内部抽選処理の結果として抽選対象13〜18が抽選された場合に、各抽選対象に属する複数の再遊技役のうち、再遊技役である「リプレイ3」役を入賞させるためのストップボタン13の操作順序(抽選対象13又は14の場合には第1停止として左ストップボタン13aを操作すること。抽選対象15又は16の場合には第1停止として中ストップボタン13bを操作すること。抽選対象17又は18の場合には第1停止として右ストップボタン13cを操作すること。)を遊技者に報知する。このとき、報知された操作順序以外の操作順序でストップボタン13が操作された場合には、再遊技役である「リプレイA」役、又は「リプレイ1」役が入賞するように制御される。
また、AT状態では、内部抽選処理の結果として抽選対象19〜21が抽選された場合に、各抽選対象に属する複数の再遊技役のうち、再遊技役である「リプレイA」役を入賞させるためのストップボタン13の操作順序(抽選対象19の場合には第1停止として左ストップボタン13aを操作すること。抽選対象20の場合には第1停止として中ストップボタン13bを操作すること。抽選対象21の場合には第1停止として右ストップボタン13cを操作すること。)を遊技者に報知する。このとき、報知された操作順序以外の操作順序でストップボタン13が操作された場合には、再遊技役である「リプレイ1」役が入賞するように制御される。
一方で、非AT状態とは、特定の役を入賞させるためのストップボタン13の操作順序を遊技者に報知しない報知遊技状態のことである。また、スロットマシン1は、報知遊技状態が非AT状態である場合には、通常区間中として有利状態ランプYLを消灯状態とし、報知遊技状態がAT状態である場合には、有利区間中として有利状態ランプYLを点灯状態とする。具体的には、CPU101は、入出力ポート107を介して、有利状態ランプYL(兼用表示器23a)に対して、報知遊技状態に応じた表示制御信号123aを入力する。
(2)RT状態
スロットマシン1は、上述したように、再遊技役の抽選確率が相対的に低いRT0〜2のRT状態と、再遊技役の抽選確率が相対的に高いRT3のRT状態とを備え、複数種類のRT状態の間でRT状態を切り替えながら遊技を進行させる。スロットマシン1は、図柄判定処理により、予め定義された特図が入賞ラインL上に停止表示さたことに基づいて、当該特図に関連付けられた移行先のRT状態に、RT状態を移行させる。このように、スロットマシン1は、上述した非AT状態とAT状態とを含んだ報知遊技状態とは独立して、RT状態を切り替えながら遊技を進行させる。
(3)ART状態
スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態となり、且つRT状態が再遊技役の当選確率が相対的に高いRT3となった場合に、遊技者にとって最も有利な状態(ART状態)となる。
上述したように、スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態である場合に、内部抽選処理により抽選対象6〜8が抽選された場合には、リール停止処理により、「ベル」役を入賞させるためのリールRの停止処理に予め関連付けられたストップボタン13の操作順序を遊技者に報知する。これにより、当該ストップボタン13の操作順序が報知されない非AT状態である場合と比較して「ベル」役が入賞する頻度が増加するため、遊技者はより多くのメダルを獲得することが可能となる(報知された通りに遊技者がストップボタン13を操作する限りは、確実に「ベル」役が入賞する)。
また、スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態、かつRT状態がRT1である場合に、内部抽選処理により抽選対象10〜12が抽選された場合には、「リプレイ2」役を入賞させるためのリールRの停止処理に予め関連付けられたストップボタン13の操作順序を遊技者に報知する。「リプレイ2」役に対応する図柄組合せは、RT2移行特図でもあるため、「リプレイ2」役の入賞にともない、RT状態がRT1からRT2に移行する。これにより、当該ストップボタン13の操作順序が報知されない非AT状態である場合と比較して「リプレイ2」役が入賞する頻度が増加するため、RT状態がRT2に移行し易い状態となる(報知された通りに遊技者がストップボタン13を操作する限りは、RT状態は確実にRT2に移行する)。
また、スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態、かつRT状態がRT2である場合に、内部抽選処理により抽選対象13〜18が抽選された場合には、「リプレイ3」役を入賞させるためのリールRの停止処理に予め関連付けられたストップボタン13の操作順序を遊技者に報知する。「リプレイ3」役に対応する図柄組合せは、RT3移行特図でもあるため、「リプレイ3」役の入賞にともない、RT状態がRT2からRT3に移行する。これにより、当該ストップボタン13の操作順序が報知されない非AT状態である場合と比較して「リプレイ3」役が入賞する頻度が増加するため、RT状態がRT3に移行し易い状態となる(報知された通りに遊技者がストップボタン13を操作する限りは、RT状態は確実にRT3に移行する)。
また、スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態、かつRT状態がRT3(ART状態)である場合に、内部抽選処理により抽選対象19〜21が抽選された場合には、「リプレイA」役を入賞させるためのリールRの停止処理に予め関連付けられたストップボタン13の操作順序を遊技者に報知する。抽選対象19〜21に係る当選役のうち「リプレイA」役以外の役に対応する図柄組合せは、RT1移行特図でもあるため、「リプレイA」役の入賞にともない、RT状態がRT3からRT1に移行することを回避することができる。これにより、当該ストップボタン13の操作順序が報知されない非AT状態である場合と比較して「リプレイA」役が入賞する頻度が増加するため、RT状態がRT1に移行難い状態となる(報知された通りに遊技者がストップボタン13を操作する限りは、RT3状態を確実に維持することができる)。
このように、スロットマシン1は、RT状態がRT1である場合に、報知遊技状態がAT状態となると、報知された通りに遊技者がストップボタン13を操作される場合は、RT状態は、RT1からRT2に、RT2からRT3に移行していくとともに、RT状態がRT3となってからは、RT状態はRT3のまま維持されることになる。
スロットマシン1におけるRT状態の変化の流れを図17に示す。初期状態として設定されたRT状態であるRT0において、「リプレイ1」役の入賞、「制御1〜7」役の入賞、又は抽選対象6〜8に係る当選役の取りこぼしに応じてRT1移行特図が停止表示され、RT1移行特図の停止表示に基づいて、RT状態がRT0からRT1に移行する。
また、RT状態がRT1である場合において、「リプレイ2」役の入賞に応じてRT2移行特図が停止表示され、RT2移行特図の停止表示に基づいて、RT状態がRT1からRT2に移行する。
また、RT状態がRT2である場合において、「リプレイ3」役の入賞に応じてRT3移行特図が停止表示され、RT3移行特図の停止表示に基づいて、RT状態がRT2からRT3に移行する。
上述したように、報知遊技状態がAT状態である場合には、RT状態はRT1からRT2に、RT2からRT3に移行し、RT3に移行してからはRT3が維持されるようなストップボタン13の操作順序が遊技者に報知される。
一方で、報知遊技状態が非AT状態である場合には、内部抽選処理により特定の抽選対象が抽選された場合であっても、上述したようなストップボタン13の操作順序が遊技者に報知されないため、偶然に当該操作順序でストップボタン13を操作してRT状態がRT2やRT3に移行する場合があるにしても、いずれは当該操作順序以外の操作順序でストップボタン13が操作されることにより、結果的にRT1への移行に係る特図が停止表示されてRT状態がRT1に移行してしまうため、RT状態としてRT3を維持することができない。
<11−1.ストップボタンの操作順序の報知>
スロットマシン1のAT状態におけるストップボタン13の操作順序の報知に係る処理の流れを、図18を用いて説明する。メイン制御基板100A(CPU101)は、内部抽選処理が実行されると、現在の報知遊技状態がAT状態であるか否かを判定する(Sa1801)。CPU101は、報知遊技状態がAT状態ではないと判定した場合には、そのまま処理を終了する(Sa1801:NO)。一方で、CPU101は、報知遊技状態がAT状態であると判定した場合には(Sa1801:YES)、内部抽選処理の結果に基づいて報知内容を特定する処理を実行する(Sa1802)。次に、特定された報知内容に応じた報知の実行を、データ送出回路106を介して表示制御基板100Bに指示する(Sa1803)。図示は省略するが、表示制御基板100B(CPU191)は、メイン制御基板100A(CPU101)から受け付けた報知の実行に係る指示に従って、特定された報知内容を液晶表示装置30に出力させる。また、このときCPU101は、入出力ポート107を介して、指示モニタNM(兼用表示器23a)に対して、表示制御基板100Bに対して実行を指示した報知内容を識別する識別情報を表示させるための表示制御信号123aを出力する(Sa1804)。
報知内容を特定する処理(Sa1802)は、図19に示す操作順序報知テーブルを用いて実行される。操作順序報知テーブルでは、内部抽選処理による抽選結果(抽選対象)と、液晶表示装置30に表示すべき報知内容との対応関係が定義されている。
操作順序報知テーブルでは、抽選対象6と、第1停止として左ストップボタン13aの操作を促す報知内容、抽選対象7と、第1停止として中ストップボタン13bの操作を促す報知内容、抽選対象8と、第1停止として右ストップボタン13cの操作を促す報知内容が、それぞれ対応付けられている。
また、抽選対象10と、第1停止として左ストップボタン13aの操作を促す報知内容、抽選対象11と、第1停止として中ストップボタン13bの操作を促す報知内容、抽選対象12と、第1停止として右ストップボタン13cの操作を促す報知内容が、それぞれ対応付けられている。
また、抽選対象13、14と、第1停止として左ストップボタン13aの操作を促す報知内容、抽選対象15、16と、第1停止として中ストップボタン13bの操作を促す報知内容、抽選対象17、18と、第1停止として右ストップボタン13cの操作を促す報知内容が、それぞれ対応付けられている。
また、抽選対象19と、第1停止として左ストップボタン13aの操作を促す報知内容、抽選対象20と、第1停止として中ストップボタン13bの操作を促す報知内容、抽選対象21と、第1停止として右ストップボタン13cの操作を促す報知内容が、それぞれ対応付けられている。
なお、その他の抽選対象には、報知を行わないことが対応付けられている。CPU101は、報知内容を特定する処理において、操作順序報知テーブルを参照することで、内部抽選処理による抽選結果に基づいて、液晶表示装置30に出力させるための報知内容を特定する。このように、スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態である場合において、内部抽選処理の結果に応じた報知内容を遊技者に報知する。
<11−2.AT状態の遷移>
スロットマシン1における、非AT状態とAT状態の間での報知遊技状態の移行について説明する。
(1)AT開始条件
スロットマシン1において、報知遊技状態が非AT状態からAT状態に移行するまでの流れについて、図20を用いて説明する。
まず、CPU101は、現在の状態が非AT状態であるか否かを判定する(Sa2001)。非AT状態ではないと判定した場合は、そのまま処理を終了する(Sa2001:NO)。一方で、CPU101は、現在の状態が非AT状態であると判定した場合には(Sa2001:YES)、報知遊技状態を非AT状態からAT状態へ移行させるか否かを、内部抽選処理の結果に基づいた抽選により決定するAT移行抽選処理を実行する(Sa2002)。
AT移行抽選処理は、図21に示すAT移行抽選テーブルを用いて実行される。AT移行抽選テーブルでは、内部抽選処理の抽選結果(抽選対象)と、AT状態への移行を決定する抽選確率を示す抽選値との対応関係が定義されている。
まず、CPU101は、AT移行抽選テーブルを用いて、内部抽選処理の結果に対応する抽選値を特定する。次に、CPU101は、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲で取得した乱数値と、特定した抽選値とを比較して、乱数値が抽選値よりも小さな値となった場合に、AT当選(AT状態に移行することが決定された)と判定し、乱数値が抽選値以上の値となった場合に、AT不当選(AT状態に移行することが決定されなかった)と判定する。
スロットマシン1におけるAT移行抽選テーブルでは、内部抽選処理による抽選結果(抽選対象)のうち、抽選対象1〜8に対して抽選値が割り当てられており、抽選対象9〜21に対しては抽選値が割り当てられていない。従って、内部抽選処理による抽選結果(抽選対象)が、抽選対象1〜8の場合のみ、AT当選となる可能性がある。
図20に戻り、CPU101は、AT移行抽選処理の結果を判定する(Sa2003)。CPU101は、AT移行抽選処理の結果がAT不当選であると判定した場合は、そのまま処理を終了する(Sa2003:NO)。CPU101は、AT移行抽選処理の結果としてAT当選が決定されたと判定した場合は(Sa2003:YES)、AT当選フラグをONに設定する(Sa2004)。具体的には、RAM105に記憶されたAT当選状態を示すフラグ変数に、1を設定する。
次に、CPU101は、AT状態の残りゲーム数に初期値を設定する。具体的には、RAM105に記憶されたAT状態の残りゲーム数を示すカウンタ変数に30を設定する(Sa2005)。
以上のように、スロットマシン1は、報知遊技状態が非AT状態である場合において、内部抽選処理の結果に基づいてAT状態へ移行させるか否かを抽選により決定するAT移行抽選処理を実行する。そして、AT移行抽選処理によりAT当選が決定された場合には、報知遊技状態をAT状態に移行させるためのフラグ情報を設定する。
(2)AT終了条件
スロットマシン1にのAT状態中の処理の流れを、図22を用いて説明する。まず、CPU101は、報知遊技状態がAT状態であるか否かを判定する(Sa2201)。具体的には、CPU101は、RAM105に記憶された報知遊技状態を示すフラグ変数がAT状態を示す情報であるか否かを判定する。
CPU101は、報知遊技状態がAT状態ではないと判定した場合には、そのまま処理を終了する(Sa2201:NO)。一方で、CPU101は、AT状態であると判定した場合には(Sa2201:YES)、ストップボタン13の操作順序の報知に係る処理を実行する(Sa2202〜Sa2204)。この処理は、図18における処理Sa1802〜Sa1804と同一の処理であるため、説明は省略する。
次に、CPU101は、AT状態の残りゲーム数を減算する。具体的には、RAM105に記憶されたAT状態の残りゲーム数を示すカウンタ変数を1だけ減算する。
次に、CPU101は、AT状態の残りゲーム数が残っているか否かを判定する(Sa2206)。具体的には、RAM105に記憶されたAT状態の残りゲーム数を示すカウンタ変数が0であるか否かを判定する。CPU101は、AT状態の残りゲーム数が0であると判定した場合は(Sa2206:NO)、報知遊技状態を非AT状態に移行させる(Sa2209)。具体的には、RAM105に記憶された報知遊技状態を示すフラグ変数に、非AT状態を示す情報を設定する。最後に、CPU101は、入出力ポート107を介して、有利状態ランプYL(兼用表示器23a)に対して、報知遊技状態に応じた表示制御信号123a(消灯)を入力して、処理を終了する(Sa2210)。
一方で、CPU101は、AT状態の残りゲーム数が0ではないと判定した場合は(Sa2206:YES)、AT上乗せ抽選処理を実行する(Sa2207)。AT上乗せ抽選処理とは、AT状態の残りゲーム数に追加するゲーム数を、抽選により決定する処理である。AT上乗せ抽選処理についての詳細は後述する。
次に、CPU101は、AT上乗せ抽選処理により決定されたゲーム数を、AT状態の残りゲーム数に加算する(Sa2208)。具体的には、RAM105に記憶されたAT状態の残りゲーム数を示すカウンタ変数に、AT上乗せ抽選処理により決定されたゲーム数を加算する。
以上のように、スロットマシン1は、報知遊技状態がAT状態である場合において、AT状態の残りゲーム数だけ、内部抽選処理の結果として特定の抽選対象が抽選された場合に、当該特定の抽選対象に属する特定の役を入賞させるための操作手順が報知され、AT状態の残りゲーム数が0となった場合に、AT状態が終了する。AT状態の残りゲーム数は、AT移行抽選処理によりAT当選が決定されたときに初期値として設定されるゲーム数に加え、AT状態において上乗せ抽選処理により決定されたゲーム数が追加される。
そして、AT状態では、特定の抽選対象が抽選された場合に報知される操作順序の通りにストップボタン13を操作することで、リール停止処理により停止表示される図柄組合せに基づいて、RT状態がRT3に移行するとともにRT3のRT状態が維持される。
そして、AT状態が終了して報知遊技状態が非AT状態に移行すると、内部抽選処理により特定の抽選対象が抽選された場合に、各抽選対象に予め関連付けられた、RT3のRT状態を維持するため(RT1移行特図の停止表示を回避するため)のストップボタン13の操作順序が遊技者に報知されなくなるため、結果的にRT1移行特図が停止表示されることにより、RT状態がR1に移行する。
(3)リミット機能
スロットマシン1は、AT状態において消化したゲーム数が最大消化ATゲーム数として予め定められた1500ゲームに到達したことを条件として、AT状態の残りゲーム数の有無に関わらず、AT状態を強制的に終了させるリミット機能を備えている。
より具体的には、CPU101は、AT状態における各ゲームごとに、RAM105に記憶されたAT状態において消化したゲーム数を示すカウンタ変数を1ずつ加算するとともに、当該カウンタ変数が1500に到達したか否かを判断しており、当該カウンタ変数が1500に到達したと判断した場合には、AT状態の残りゲーム数を0にリセットして報知遊技状態をAT状態から非AT状態に移行させる。なお、リミット機能によりAT状態が終了する場合であっても、その時点でのRT状態は変化しない。
リミット機能の存在により、一連のARTの最中に払い出されるメダルの総量が一定量を超えないように制御される。
(4)ATゲーム数上乗せ
スロットマシン1におけるATゲーム数上乗せについて説明する。上述したように、CPU101は、AT状態において、AT上乗せ抽選処理を実行する。AT上乗せ抽選処理は、第1の抽選処理と第2の抽選処理とで構成される。AT上乗せ抽選処理における第1の抽選処理は、内部抽選処理の抽選結果に基づく抽選確率で第2の抽選処理を実行するか否かを抽選により決定する処理である。
AT上乗せ抽選処理における第1の抽選処理は、図23に示す第1上乗せ抽選テーブルを用いて実行される。第1上乗せ抽選テーブルでは、内部抽選処理の抽選結果(抽選対象)と、第2の抽選処理を実行することを決定する抽選確率を示す抽選値との対応関係が定義されている。本テーブルを用いた抽選処理の内容は、上述したAT移行抽選テーブルを用いた処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
AT上乗せ抽選処理における第2の抽選処理は、リミット到達までの残りゲーム数(最大消化ATゲーム数(1500ゲーム)から、AT状態において消化したゲーム数を示すカウンタ変数の値を減算した値としてのゲーム数のこと)に係る複数の区分ごとに、複数の上乗せゲーム数のそれぞれに関連付けられた抽選確率に基づいて、複数の上乗せゲーム数から1つの上乗せゲーム数を抽選により決定する処理である。AT上乗せ抽選処理における第2の抽選処理は、図24に示す第2上乗せ抽選テーブルを用いて実行される。
第2上乗せ抽選テーブルでは、複数の上乗せゲーム数のそれぞれと、当該上乗せゲーム数が選択される確率との対応関係が定義されており、リミット到達までの残りゲーム数に係る複数の区分ごとに、各上乗せゲーム数に対して異なる確率が設定されている。なお、複数のリミット到達までの残りゲーム数の区分ごとの、抽選により選択される上乗せゲーム数の期待値は、それぞれ90ゲームで同一のゲーム数となっている。
第2上乗せ抽選テーブルでは、リミット到達までの残りゲーム数に係る複数の区分のうち、最も少ない残りゲーム数の区分では、他の区分と比較して、相対的に少ない上乗せゲーム数が選択されるように、各パラメータが定義されている。より具体的には、リミット到達までの残りゲーム数に係る複数の区分のうち、最も少ない残りゲーム数の区分では、抽選対象である複数の上乗せゲーム数のうち、抽選により選択される上乗せゲーム数の期待値である90ゲームに最も近い上乗せゲーム数である100Gが抽選により選択される確率が、最大の確率となっている。また、複数の区分において、リミット到達までの残りゲーム数が少ないほど、抽選により選択される上乗せゲーム数の期待値である90ゲームに最も近い上乗せゲーム数が抽選により選択される確率が高くなるように設定されている。
第2上乗せ抽選テーブルでは、リミット到達までの残りゲーム数が少ないほど、抽選により選択され得る最大の上乗せゲーム数が少なくなるように、各パラメータが定義されている。より具体的には、リミット到達までの残りゲーム数が3000〜2001ゲームの区分においては、抽選により選択され得る最大の上乗せゲーム数は1000ゲームであり、リミット到達までの残りゲーム数が2000〜1001ゲームの区分においては、抽選により選択され得る最大の上乗せゲーム数は500ゲームであり、リミット到達までの残りゲーム数が1000〜1ゲームの区分においては、抽選により選択され得る最大の上乗せゲーム数は100ゲームとなっている。
<12.変形例>
前述の形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された1以上の態様は相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)変形例1
上述の形態においては、第2の抽選処理において、リミット到達までの残りゲーム数を、最大消化ATゲーム数(1500ゲーム)から、AT状態において消化したゲーム数を示すカウンタ変数の値を減算した値としてのゲーム数として算出した。しかし、リミット到達までの残りゲーム数を、最大消化ATゲーム数(1500ゲーム)から、AT状態において消化したゲーム数を示すカウンタ変数の値とAT状態の残りゲーム数を示すカウンタ変数の値との合計値を減算した値としてのゲーム数として算出してもよい。
このようにリミット到達までの残りゲーム数を算出することで、将来的なリミット到達時の残りゲーム数まで加味して、第2の抽選処理により上乗せゲーム数の抽選態様を変化させることができるようになるため、リミット到達に応じてリセットされてしまうゲーム数に対する遊技者の喪失感を、より適切に抑制することができるようになる。
(2)変形例2
上述の形態においては、AT上乗せ抽選処理における第1の抽選処理として、内部抽選処理の抽選結果に基づく抽選確率で第2の抽選処理を実行するか否かを抽選により決定する態様について説明した。この態様において、内部抽選処理において各抽選対象が抽選される確率は、リミット到達までの残りゲーム数の影響を受けないため、結果として第2の抽選処理が実行される確率は常に一定である。しかしながら、リミット到達までの残りゲーム数に応じて、第2の抽選処理が実行される確率を変化させるように構成しても構わない。
より具体的には、リミット到達までの残りゲーム数が少ないほど、第2の抽選処理が実行される確率が低くなるように、AT上乗せ抽選処理における第1の抽選処理を構成してもよい。例えば、第1上乗せ抽選テーブルにおいて、リミット到達までの残りゲーム数に係る複数の区分ごとに、内部抽選処理の抽選結果(抽選対象)に対応する、第2の抽選処理を実行することを決定する抽選確率が異なるようにしてもよい。
このようにAT上乗せ抽選処理における第1の抽選処理を構成することで、リミット到達までの残りゲーム数が少なくなるほどAT上乗せ抽選処理における第2の抽選処理が実行される確率が低くなるため、リミット到達に応じてリセットされてしまうゲーム数に対する遊技者の喪失感を、より適切に抑制することができるようになる。
(3)変形例3
上述の形態においては、AT状態において消化したゲーム数、AT状態の残りゲーム数、及びAT上乗せ抽選処理により決定された上乗せゲーム数に係る情報は、表示制御基板100Bにより液晶表示装置30に出力されることで、遊技者が当該情報を認識することが出来る。ここで、AT上乗せ抽選処理により決定された上乗せゲーム数に係る情報については、当該上乗せゲーム数をそのまま液晶表示装置30に出力させてもよいが、所定の条件に応じて、AT上乗せ抽選処理により決定された上乗せゲーム数とは異なるゲーム数に係る情報を、液晶表示装置30に出力させてもよい。
より具体的には、AT状態において消化したゲーム数とAT状態の残りゲーム数との合計値に、AT上乗せ抽選処理により決定された上乗せゲーム数を加算した値が、最大消化ATゲーム数を超過すると判断した場合に、AT上乗せ抽選処理により決定された上乗せゲーム数よりも少ないゲーム数に係る情報を、液晶表示装置30に出力させてもよい。
さらに、液晶表示装置30に出力させる情報としての上乗せゲーム数を、AT状態において消化したゲーム数とAT状態の残りゲーム数との合計値に、当該上乗せゲーム数を加算した値が、最大消化ATゲーム数を超過する範囲において、最小の上乗せゲーム数として、液晶表示装置30に出力させてもよい。