以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータに軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚または2枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの上段によって構成される有効ラインL1が有効化される。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、通常状態およびボーナス成立状態については、規定投入数が3枚に設定され、ボーナス状態については、規定投入数が2枚に設定される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCD(表示装置330の一態様)が設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(音響装置340の一態様)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタンB0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、ストップボタンB1〜B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚または2枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、内部抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
内部抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段191に、図3に示すような3種類の内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCが記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、正解ベル、不正解ベル1〜不正解ベル6、特殊小役1、特殊小役2が用意されており、小役の当選態様として、図4に示すように、打順ベル1〜打順ベル12が設定されている。これらの小役の当選態様は、図4に示すように、複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して当選態様に応じた複数種類の小役が対応づけられていることを意味している。そして本実施形態の打順ベルにおいては、正解ベルが必ず含まれ、正解ベルと重複して当選する不正解ベルと特殊小役の組合せが互いに異なっている。また本実施形態の遊技機では、小役として、チャンス小役が用意されており、このチャンス小役の当選態様は、図4に示すように、同名の当選態様のみの1種類とされている(チャンス小役については、他の当選役と重複して当選することなく単独で当選する)。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1〜リプレイ5が用意されており、リプレイの当選態様として、図4に示すように、通常リプレイ、打順リプレイが設定されている。これらのリプレイの当選態様は、1回の内部抽選で複数種類のリプレイが重複して当選するように同一の乱数値に対して当選態様に応じた複数種類のリプレイが対応づけられていることを意味する。そして本実施形態の遊技機では、図4に示すように、各リプレイの当選態様において、重複して当選するリプレイの組合せが互いに異なっている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルAでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルBおよび内部抽選テーブルCでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、内部抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者のスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、原則的には、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、ボーナス状態では、例外的に第1リールR1について、ストップボタンB1が押下された時点から75ms以内に停止し、第2リールR2および第3リールR3について、ストップボタンB2,B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(引き込み範囲)で決定される。またストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0〜1コマの範囲(引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(190ms以内に停止させる場合)、あるいは0コマ〜1コマの範囲内(75ms以内に停止させる場合)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図5に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、特殊図柄「SP」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、スイカ図柄C「WMC」、およびスイカ図柄D「WMD」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄(例えば、リプレイ図柄「RP」やベル図柄「BL」)について、押下検出位置に関わらずに、任意の表示位置に表示させることができるようになっている。なお、本実施形態では、前述のように、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合(引き込み範囲が4コマの場合)と、押下検出位置から1コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合(引き込み範囲が1コマの場合)とが存在するが、後者の引き込み範囲は、ボーナス状態において第1リールR1を停止させる際にのみ例外的に用いられるものである。このため、以下では、特別な補足説明をしない限り、引き込み範囲が4コマであるものとして以下の説明を行う。
またリール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。なおボーナス状態では、第1リールR1については押下検出位置から0コマ〜1コマの範囲内に存在する2コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求め、第2リールR2および第3リールR3については上記と同様に押下検出位置に対応する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、打順ベル1〜打順ベル12のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる順序が不正解打順として扱われ、本実施形態ではいずれの打順ベルにおいてもストップボタンB1を最初に押下する順序(打順1,2)が不正解打順となっている。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、メダルの払出数に応じて優先度を求めるロジック演算を行い、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算を行い、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。なお本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、最初のリールを停止させる際にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補が最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補となっており、2番目以降に停止するリールにおいても正解打順である場合には引き続きメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が高くなり、2番目以降に停止するリールにおいて不正解打順に転じた場合には最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が高くなるようになっている。
そして本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、メダルの払出数が最も多くなる正解ベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順であってストップボタンB1が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が最も多くなる不正解ベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順であってストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が最も多くなる特殊小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と押下検出位置から停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
そして内部抽選で打順ベル1〜打順ベル12のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図6に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして本実施形態では、打順ベル1〜打順ベル6のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、正解ベルが入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンB1が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、不正解ベルが入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合(取りこぼし)とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊小役1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また本実施形態では、打順ベル7〜打順ベル12のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、正解ベルが入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンB1が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、不正解ベルが入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合(取りこぼし)とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊小役2が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。このように本実施形態では、打順ベルの当選時に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順では最も多くのメダルが払い出されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順では有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数が最も多くなるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なお本実施形態では、正解ベルが入賞する場合に、図7(A)に示すように、各リールの中段の表示位置からなる無効ライン(入賞判定の対象とはならないライン)にベル図柄「BL」が揃って表示され、いずれかの不正解ベルが入賞する場合に、図7(B)に示すように、各リールの下段の表示位置からなる無効ラインにベル図柄「BL」が揃って表示されるようになっている。
また内部抽選でチャンス小役が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図6に示すように、ストップボタンB1〜B3の押下順序に関わらず、チャンス小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、本実施形態では、チャンス小役に対応する図柄(図12参照)が必ずしも引き込み範囲内には存在しない構成となっているので(図5参照)、内部抽選でチャンス小役が当選した場合、チャンス小役に対応する図柄が引き込み範囲内に存在する場合はチャンス小役が入賞し、チャンス小役に対応する図柄が引き込み範囲内に存在しない場合はチャンス小役を入賞させることができず取りこぼしとなる。
また内部抽選で通常リプレイが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図6に示すように、ストップボタンB1〜B3の押下順序に関わらず、リプレイ1またはリプレイ5が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また内部抽選で打順リプレイが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図6に示すように、ストップボタンB2を最初に押下する打順3,4とストップボタンB3を最初に押下する打順5,6が特定打順に設定されており、ストップボタンB1を最初に押下する打順1,2は非特定打順として扱われる。そして本実施形態では、打順リプレイが当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、特定打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(A)や図8(B)に示すようなシングル7揃いの停止態様を伴うリプレイ2またはリプレイ3の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図9〜図12に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ1〜リプレイ5、チャンス小役、正解ベル、不正解ベル1〜不正解ベル6、特殊小役1、特殊小役2の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態では、正解ベルについて、図5に示すように、第1リールにおいて正解ベルの入賞形態を構成するスイカ図柄A「WMA」と第2リールR2および第3リールR3において正解ベルの入賞形態を構成するリプレイ図柄「RP」が、押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
また本実施形態では、不正解ベル1〜不正解ベル6に対して、第1リールR1に共通の図柄(リプレイ図柄「RP」)が割り当てられている。また本実施形態では、正解ベルと特殊小役1に対して、第2リールR2に共通の図柄(リプレイ図柄「RP」)が割り当てられている。また本実施形態では、正解ベルと特殊小役2に対して、第3リールR3に共通の図柄(リプレイ図柄「RP」)が割り当てられている。また本実施形態では、特殊小役1と特殊小役2に対して、第1リールR1に共通の図柄(赤7図柄「赤7」とベル図柄「BL」)が割り当てられている。
また不正解ベル1〜不正解ベル6については、図5に示すように、第1リールR1において各不正解ベルの入賞形態を構成するリプレイ図柄「RP」が、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第2リールR2や第3リールR3において各不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンB2,B3を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。
また特殊小役1については、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役1の入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、第2リールR2において特殊小役1の入賞形態を構成するリプレイ図柄「RP」と、第3リールR3において特殊小役1の入賞形態を構成するベル図柄「BL」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
また特殊小役2については、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役2の入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、第2リールR2において特殊小役2の入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、第3リールR3において特殊小役2の入賞形態を構成するリプレイ図柄「RP」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
またチャンス小役については、図5に示すように、第1リールR1においては、チャンス小役の入賞態様を構成するスイカ図柄A「WMA」が、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第2リールR2や第3リールR3においては、スイカ図柄A「WMA」が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンB2,B3を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。なお本実施形態では、1回の遊技でのメダルの払出数に上限(例えば、9枚)が設けられており、払出数の合計が上限を超える場合には、上限に相当する数を遊技におけるメダルの払出数として決定する。
なお本実施形態では、図12に示すように、小役の配当が規定投入数によって決定され、規定投入数が3枚である場合には正解ベル及びチャンス小役の配当が規定投入数よりも高く設定されているが正解ベル及びチャンス小役以外の小役の配当は規定投入数以下に設定されており、規定投入数が2枚である場合には全ての小役の配当が規定投入数と同数以下に設定されている。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図13に示すように、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/3.8に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。そしてボーナス成立状態において参照される内部抽選テーブルBでは、図3に示すように、内部抽選で不当選が発生する確率がきわめて低く、ほぼ毎回の遊技で小役あるいはリプレイが当選するようになっている。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、全ての乱数値に対してハズレが対応づけられた内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われるが、内部抽選の結果に関わらずに全ての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、第1リールR1については図柄の引き込み範囲が0コマ〜1コマに設定され、第2リールR2と第3リールR3については図柄の引き込み範囲が0コマ〜4コマに設定されてリールを停止させる制御が行われる。そしてボーナス状態では、小役の抽選フラグが内部抽選の結果に関わらずに当選状態となる点で、他の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
またボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、10枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
また、本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、図14に示すように、通常演出状態、AT準備状態、AT状態(所定遊技区間)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させる制御を行う。
通常演出状態において演出制御手段180は、所定条件を満たしたこと(内部抽選でチャンス小役が当選したこと)を契機としてAT抽選を行う。AT抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、AT抽選で取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。なお、AT抽選の抽選契機は、チャンス小役が当選したことに限定されず自由に設定できる。
通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出制御手段180は、演出状態をAT準備状態に移行させる。AT準備状態において演出制御手段180は、打順リプレイの当選を待ち、打順リプレイが当選すると、表示装置330や音響装置340を駆動制御することによって、打順3〜6のいずれかでストップボタンB1〜B3を操作して遊技を進行させることを遊技者に対して指示し、この指示を受けて打順3〜6のいずれかでストップボタンB1〜B3が操作されたことに基づいて演出状態をAT状態へと移行させる。なお、打順リプレイが当選し、打順3〜6のいずれかでストップボタンB1〜B3が操作された場合、図6、図8に示すように、シングル7揃いとなる停止制御が優先され、シングル7揃いとすることが可能なタイミングでストップボタンB1〜B3が操作された場合は、シングル7揃いを経てAT状態へと移行し、シングル7揃いとすることが不可能なタイミングでストップボタンが操作された場合は、シングル7揃いを経ることなくAT状態へと移行する。
AT状態への移行に伴って演出制御手段180は、AT状態の遊技数を制御するための終了判定カウンタ197の値を予め設定された初期値(例えば、100)にセットする。そして、演出制御手段180は、AT状態において、遊技毎にスタートレバーSLに対する遊技開始操作を契機として終了判定カウンタ197の値から1回分の遊技に相当する一定値(例えば、1)を減算し、終了判定カウンタ197の値が「0」となったことに基づいてAT状態を終了させ、演出状態を通常演出状態へと戻す。
AT状態では、打順ベルが内部当選した際に演出制御手段180による打順ベルの入賞の補助が行われる。なお、打順ベルの入賞の補助は、本実施形態においては正解打順(正解ベルを入賞させるためのストップボタンB1〜B3の打順)の報知であり、報知は、例えば、液晶ディスプレイLCDに正解打順を表示することによって行われる。
また、演出制御手段180は、AT状態中に、打順ベル1〜12、通常リプレイ、打順リプレイ、チャンス小役のいずれかが内部当選すると、これを契機に上乗せ抽選(特典付与抽選)を行い、AT状態の遊技数を上乗せ(加算)するか否かを決定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合(上乗せ抽選で上乗せを行うことが決定された場合)、特典としてAT状態の遊技数に対して10ゲームの上乗せを行う例で説明を行う。
上乗せ抽選では、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を後述する上乗せ抽選テーブル(図16参照)と比較して、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、前述した乱数値のそれぞれに対して「0ゲーム(ハズレ)」、または、「10ゲーム(当選)」のいずれかが対応付けされており、上乗せ抽選では、取得した乱数値がこれらのいずれに対応するかが判定される。そして、演出制御手段180は、上乗せ抽選に当選したと判定された場合、終了判定カウンタ197の値に対して「10」を加算することにより、AT状態の遊技数を上乗せする。
このように、AT状態は、打順ベルの入賞の補助や遊技数の上乗せが行われるので、通常演出状態やAT準備状態よりも有利な遊技状態となっている。このため、遊技者はAT状態で多くのメダルを獲得することを期待して遊技を行うが、AT状態中に獲得したメダル数が区切りのよい値である方がよりAT状態での恩恵を感じ易いといった傾向がある。すなわち、499枚のメダルを獲得した場合と、500枚のメダルを獲得した場合とでは、後者の方が達成感も得られ、実際の獲得したメダル数の違い以上の恩恵をAT状態で受けたという印象を遊技者に与えることができる。
このため、演出制御手段180は、AT状態で遊技者に獲得させるメダルが区切りのよい値となるように、基準値を決定し、AT状態中に獲得できるメダルがこの基準値以上となるように上乗せ抽選の抽選確率を調整している。ただし、このような調整があまりにも露骨に行われてしまうと(調整の程度が不自然な程大きいと)、遊技者が自身の意志や力で遊技を行っているといった感覚を得られず、いわゆる「やらせ感」や「消化ゲーム感」を感じてしまい遊技の興趣が低下してしまう。よって、演出制御手段180は、遊技機側の介入を感じさせない自然な範囲で調整が行われるように、調整手法に工夫を施している。
以下、前述した調整を行うための構成について、具体的な説明を行う。演出制御手段180には、基準値決定手段181、予想獲得メダル数算出手段182、上乗せ確率決定手段183が設けられており、演出制御手段180は、これらを制御することにより前述した調整を行う。
基準値決定手段181は、AT状態への移行に伴って作動され、作動に伴って基準値抽選を行う。基準値抽選では、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている基準値抽選テーブル200(図15参照)に基づき、基準値(今回のAT状態で獲得させるメダル数の目標となる値)が決定される。なお、本実施形態では、基準値の候補として、100枚、300枚、500枚、700枚、900枚、1000枚の6種類の候補が用意され、基準値抽選では、これらのいずれかが基準値として決定される。
図15に示すように、基準値抽選テーブル200では、基準値の候補と、各候補が選択される確率(選択率)との対応関係が規定されており、本実施形態では、基準値として100枚が選択される選択率が20%、300枚が選択される選択率が5%、500枚が選択される選択率が30%、700枚が選択される選択率が10%、900枚が選択される選択率が5%、1000枚が選択される選択率が30%に規定されている。そして、基準値抽選では、基準値抽選テーブル200に規定された確率で各候補のいずれかが決定され、決定された候補が今回のAT状態に適用される基準値となる。なお、このようにして決定された基準値を、例えば、液晶ディスプレイLCDに表示するなどして遊技者に報知してもよい。
予想獲得メダル数算出手段182は、AT状態中に所定契機を満たした場合(例えば、AT状態での残り遊技数が20回となった場合など)に作動され、作動に伴って、予想獲得メダル数を算出する。予想獲得メダル数は、今回のAT状態の開始から終了までに獲得できるメダル数を予想した値であり、今回のAT状態の途中経過に基づいて算出される。
具体的には、予想獲得メダル数は、今回のAT状態で既に(開始から現在までに)獲得済みのメダル数(以下、獲得済み数)に、今回のATで今後(現在から終了までに)獲得が期待されるメダル数(以下、獲得予定数)を加算することによって算出される。
なお、獲得済み数は、今回のAT状態で払い出されたメダル数から今回のAT状態で投入したメダル数を減算することによって算出される値、すなわち、今回のAT開始から現在までのメダルの純増数である。なお、このようにして算出されたメダルの純増数を、例えば、液晶ディスプレイLCDに表示するなどして遊技者に報知する。
また、獲得予定数は、前述した獲得済み数を今回のAT状態で実行された遊技数で割った(除算した)値(今回のAT開始から現在までの1遊技あたりの純増数)に、今回のAT状態での残り遊技数をかける(乗算する)ことによって算出される値、すなわち、現在までのペースで今回のAT状態の残りの遊技を行った場合に残りの遊技で獲得が期待されるメダルの純増数である。
例えば、今回のAT状態が現時点では(上乗せが行われない場合)開始から240ゲームで終了するものであり、今回のAT状態において現在までに220ゲームが行われ、この220ゲームが1ゲームにつき3枚のメダルをベット(投入)して行われたものであり、この220ゲームの遊技で1100枚のメダルが払い出された場合、この220ゲームでの純増数、すなわち、獲得済み数は、1100(枚)−220(ゲーム)×3(枚)=440(枚)となる。また、獲得予定数は、440(枚)÷220(ゲーム)×20(残り遊技数)=40(枚)となる。よって、予想獲得メダル数は、440(枚)+40(枚)=480(枚)となる。
予想獲得メダル数算出手段182は、作動に伴って前述のように予測獲得メダル数を算出するとともに、作動後はAT状態が終了するまで、遊技が行われる毎(遊技が開始される毎)に予想獲得メダル数を算出し、AT状態の終了とともに動作を停止する。
上乗せ確率決定手段183は、新たな予想獲得メダル数が算出される毎に作動される(すなわち、AT状態での残り遊技数が20回となってからAT状態が終了するまで毎遊技作動される)。そして、上乗せ確率決定手段183は、作動に伴って、上乗せ確率決定処理を行う。上乗せ確率決定処理では、予想獲得メダル数と基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、上乗せ抽選で当選する当選確率(以下、上乗せ確率と称する)が決定される。
前述のように、上乗せ抽選では、上乗せ抽選テーブルが用いられる(すなわち、上乗せ確率は、上乗せ抽選テーブルによって規定されている)。このため、本実施形態では、上乗せ抽選テーブルとして、通常テーブルと、通常テーブルよりも上乗せ確率が高確率に規定された有利テーブルとの2種類を設け、これらのいずれを上乗せ抽選で使用するかを決定することによって、上乗せ確率を決定している。
図16(A)、同図(B)に示すように、通常テーブル及び有利テーブルは、上乗せ抽選の実行契機と各実行契機における上乗せ確率との関係を規定したものであり、本実施形態では、上乗せ抽選の実行契機である当選役毎の(各当選役が当選したときの)上乗せ確率が規定されている。具体的には、通常テーブルでは、図16(A)に示すように、打順ベル1〜12が当選した場合の上乗せ確率が10%、通常リプレイ及び打順リプレイが当選した場合の上乗せ確率が20%、チャンス小役が当選した場合の上乗せ確率が50%に規定されている。また、有利テーブルでは、図16(B)に示すように、打順ベル1〜12が当選した場合の上乗せ確率が20%、通常リプレイ及び打順リプレイが当選した場合の上乗せ確率が33%、チャンス小役が当選した場合の上乗せ確率が50%に規定されている。
このように、通常テーブルよりも有利テーブルの方が、打順ベル1〜12や通常リプレイ及び打順リプレイの上乗せ確率が高く規定されているため、通常テーブルよりも有利テーブルを用いて上乗せ抽選が行われた場合の方がAT状態で行われる遊技数が増加し易い。すなわち、通常テーブルよりも有利テーブルを用いて上乗せ抽選が行われた場合の方が、AT状態で獲得されるメダル数が多くなる確率が高い。よって、通常テーブルよりも有利テーブルを用いて上乗せ抽選が行われた場合の方が、遊技者にとって有利である。
そして、上乗せ確率決定処理では、図17に示すように、予想獲得メダル数と基準値とを比較し、予想獲得メダル数が、基準値より小さく(予想獲得メダル数<基準値)、かつ、基準値から所定範囲(予想獲得メダル数>基準値−所定値)である場合、すなわち、このままのペースで遊技を行ってもAT状態での獲得利益(純増数)が基準値に到達しないが、あと所定値程度(少しだけ)獲得利益が増加すれば基準値に到達する場合、上乗せ確率を高確率とする(有利テーブルを選択する)ことが決定される。
一方、上乗せ確率決定処理では、上述した以外の場合、すなわち、このままのペースで遊技を行えば(有利テーブルを選択しなくても)AT状態での獲得利益が基準値に到達する場合、あるいはAT状態での獲得利益が既に基準値に到達している場合、または、このままのペースで遊技を行ってもAT状態での獲得利益が基準値に到達せず、しかも、所定値を超えて(大幅に)獲得利益が増加しないと獲得利益が基準値に到達しない場合、通常テーブルを選択することが決定される。
なお、所定値は、有利テーブルが用いられれば比較的容易にAT状態中の獲得利益が基準値に到達する程度の値、換言すると、有利テーブルを用いたことでAT状態中の獲得利益が基準値に到達した場合であっても、このような調整(通常テーブルから有利テーブルへと使用するテーブルが変更されること)を遊技者が不自然とは感じない程度の比較的小さな値であれば自由に設定できる。例えば、所定値を20(枚)、基準値を500(枚)とした場合、予想獲得メダル数が、基準値より小さく(予想獲得メダル数<500枚)、かつ、基準値から所定範囲(予想獲得メダル数>500枚−20枚)である場合、すなわち、「予想獲得メダル数が480枚より大きく500枚よりも小さい場合」に、前述の調整が行われる。また、これ以外の場合、すなわち、予想獲得メダル数が480枚以下の場合、または、予想獲得メダル数が500枚以上の場合、前述の調整は行われない。
以上のように、本実施形態の遊技機では、このままのペースで遊技を行ってもAT状態での獲得利益が基準値には到達しない場合(予想獲得メダル数が基準値より小さい場合)に上乗せ確率を高確率にするので、獲得利益が基準値を上回り易くなる。また、このままのペースで遊技を行ってもAT状態での獲得利益が基準値には到達しない場合であっても、大幅な調整を行わないと獲得利益が基準値に到達しない場合(予想獲得メダル数が基準値から所定範囲外である場合)については上乗せ確率を高確率にはしない(遊技者が不自然と感じてしまう大幅な調整は行わない)。これにより、本発明によれば、AT状態で獲得できるメダル数の調整を、遊技者が不自然とは感じない自然な範囲で行うことができる。
さらに、本実施形態の遊技機では、前述のような大幅な調節は行わないので、このような大幅な調整により遊技者の獲得利益が大幅に増加してしまうことによる問題も生じない。すなわち、スロットマシンを設計する際には、ペイアウト率(遊技に投入するメダル枚数と、遊技の結果払い出されるメダルの枚数との比率)が所定の値に収束するように、各種抽選の当選確率などを設定している。このため、前述のような大幅な調整により遊技者の獲得利益が大幅に増加してしまうといった事象が発生し得る場合、この事象も考慮して設計を行わなければならない。つまり、この事象が発生することによりペイアウト率が遊技者に有利となることを考慮して、他の部分でペイアウト率が遊技者に不利となるように設計しなければならない。本実施形態の遊技機では、このような事象を考慮する必要がないので設計が容易であり、また、このような事象を考慮して他の部分においてペイアウト率を遊技者に不利とする必要もない。
また、本実施形態の遊技機では、基準値として決定された値が大きくなるほど、予想獲得メダル数が調整の行われる範囲内に到達するように遊技を行うことが確率上困難となり、調整が行われない確率が高くなる。すなわち、本実施形態の遊技機では、基準値として比較的大きな値が設定されたからといって、有利に遊技を進められるとは限らず、むしろ、調整が行われない確率が高くなるために不利となる(いわゆる、引き損になる)といった新たな遊技性を提供することも可能である。
なお、上記実施形態では、予想獲得メダル数算出手段183を設けて予想獲得メダル数を算出し、予想獲得メダル数と基準値とに基づいて、調整を行うか否か(上乗せ確率を高確率にするか否か)を決定する例で説明をしたが、前述した獲得済み数と、残り遊技数とが判れば、このままのペースでAT状態が終わるまで遊技を続けた場合に予想獲得メダル数が調整を行う範囲となるか否か(すなわち、予想獲得メダル数が基準値より小さく、かつ、基準値から所定範囲であるか否か)については、予想獲得メダル数を算出することなく判明する。このため、予想獲得メダル数算出手段182を設けず(予想獲得メダル数を算出することなく)、獲得済み数と、残り遊技数とに基づいて調整を行うか否かを決定してもよい。
つまり、本発明において調整を行う場合は、予想獲得メダル数が基準値より小さく(予想獲得メダル数<基準値)、かつ、基準値から所定範囲(予想獲得メダル数>基準値−所定値)となる場合、すなわち、「基準値−所定値<予想獲得メダル数<基準値」を満たす場合である。また、「予想獲得メダル数=獲得済み数+獲得予定数」である。
このため、予測獲得メダル数をα、基準値をβ、所定値をθとするとともに、AT状態での総遊技数をN、AT状態での残り遊技数をx、獲得済み数をyとすると、本発明において調整を行う場合は、下記[式1]を満たす場合である。
[式1]
β−θ<α<β
ここで、予想獲得メダル数αは、「α=y+{y/(N−x)}x」であるので、上記[式1]にこれを代入すると、上記[式1]は下記[式2]となる。すなわち、本発明において調整を行う場合は、下記[式2]を満たす場合となる。
[式2]
β−θ<y+{y/(N−x)}x<β
そして、基準値β、所定値θ、AT状態の総遊技数Nについては、調整を行うか否かを決定するときには具体的な数値が判明しているので、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yの値次第で上記[式2]を満たすか否かが決まる。よって、調整を行うか否かを決定する際には、このときのAT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとが上記[式2]を満たすか否かを判定し、満たす場合は調整を行うと決定し、満たさない場合は調整を行わないと決定すればよい。こうすることで、予想獲得メダル数を算出することなく、調整を行うか否かを決定できる。
なお、上記[式2]を満たすAT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの値の範囲は、図18においてハッチングで示す領域410である。このため、前述のように、上記[式2]を用いて調整を行うか否かを決定することに代えて、図18に示す領域410を規定したルックアップテーブルを設け、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとをこのルックアップテーブルに照合し、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとが(xとyの交点が)領域410に含まれるか否かを判定し、含まれる場合は調整を行うと決定し、含まれない場合は調整を行わないと決定してもよい。
具体的には、図19に示すように、基準値βが500枚、所定値θが50枚、AT状態の総遊技数Nが240回、AT状態の残り遊技数xが20回、獲得済み数yが440枚の場合、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点(図19の指標「●」)が領域410に含まれる(前記[式2]を満たす)ので、調整を行うと決定すればよい。
また、図20に示すように、基準値βが500枚、所定値θが50枚、AT状態の総遊技数Nが260回、AT状態の残り遊技数xが20回、獲得済み数yが480枚の場合、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点(図20の指標「●」)が領域410に含まれない(前記[式2]を満たさない)ので、調整を行わないと決定すればよい。なお、図20に示すように、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点が領域410の上側にある場合は、このままのペースで遊技を行えば(有利テーブルを選択しなくても)AT状態での獲得利益が基準値に到達する場合である。また、図示は省略するが、「AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点が領域410の上側にある場合」には、今回のAT状態での獲得利益が既に基準値に到達している場合(すなわち、β≦yを満たす場合)も含まれている。このような場合、すなわち、今回のAT状態での獲得利益が既に基準値に到達している場合も当然ながらAT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点が領域410に含まれない(前記[式2]を満たさない)ので、調整を行わないと決定される。
また、図21に示すように、基準値βが500枚、所定値θが50枚、AT状態の総遊技数Nが210回、AT状態の残り遊技数xが20回、獲得済み数yが380枚の場合、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点(図21の指標「●」)が領域410に含まれない(前記[式2]を満たさない)ので、調整を行わないと決定すればよい。なお、図21に示すように、AT状態の残り遊技数xと獲得済み数yとの交点が領域410の下側にある場合は、このままのペースで遊技を行ってもAT状態での獲得利益が基準値に到達せず、しかも、所定値以上(大幅に)獲得利益が増加しないと獲得利益が基準値に到達しない場合である。
このように、予想獲得メダル数算出手段182の代わりにルックアップテーブルを設け、獲得済み数と、残り遊技数とに基づいて調整を行うか否かを決定した場合でも、AT状態で獲得できるメダル数の調整を遊技者が不自然とは感じない範囲で行うことができる。
また、上記実施形態では、AT状態中に所定契機を満たした場合(例えば、AT状態での残り遊技数が20回となった場合)に上乗せ確率決定処理を行い、以降、今回のAT状態が終わるまで毎遊技上乗せ確率決定処理を行う例で説明をしたが、上乗せ抽選確率決定処理の実行契機については自由に設定できる。
例えば、今回のAT状態における初めの上乗せ確率決定処理を行う契機(所定契機)は、残り遊技数が一定の値となった場合に限定されず、例えば、残り遊技数が、今回のAT状態で行なわれる全遊技数の10%や20%になった場合など可変の値であってもよい。また、例えば、AT状態中に獲得したメダルの純増数が一定数(または、一定割合(基準値の50%や70%など))に達した場合に、初めの上乗せ確率決定処理を行ってもよい。
さらに、今回のAT状態における2回目以降の上乗せ確率決定処理を、AT状態が終了するまで毎遊技行う例で説明をしたが、一定数(または一定割合)の遊技毎(例えば、5遊技毎や10遊技毎(または、AT状態で行なわれる全遊技数の1%の遊技が行われる毎やAT状態で行なわれる全遊技数の2%の遊技が行われる毎))に2回目以降の上乗せ確率決定処理を行ってもよい。また、初めの上乗せ確率決定処理を行う契機(所定契機)をAT状態へ移行することとし、以降、AT状態が終了するまで毎遊技(または、一定数(または一定割合)の遊技毎に)上乗せ確率決定処理を行ってもよい。
また、初めの上乗せ確率決定処理を行う契機(所定契機)と、2回目以降の上乗せ確率決定処理を行う契機とを区別せずに、例えば、AT状態において所定の当選役(例えば、打順ベル1〜12、通常リプレイ、打順リプレイ、チャンス小役などの1または予め設定された複数)が当選する毎に上乗せ確率決定処理を行ってもよい。
また、上記実施形態では、上乗せ確率決定処理において、予想獲得メダル数が基準値を大きく下回っていた場合(不自然な調整を避けるために上乗せ確率を向上させないことが決定された場合)であっても、その後、予想獲得メダル数が調整の範囲内に到達した場合は、調整が行われる例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述のような場合、すなわち、一度は予想獲得メダル数が基準値を大きく下回り、調整が行われなかったにも関わらず通常テーブルを用いた上乗せ抽選で上乗せを獲得するなど調整によらず遊技者が自力で有利な状態を引き寄せた(予想獲得メダル数を調整の範囲内に到達させた)場合にも調整を行うと、調整によらずに遊技者が自力で引き寄せた有利な状態からさらに調整が行われて(上乗せ確率が向上されて)より有利となる確率が向上する。このため、上述のような場合に調整を行うようにすると、遊技者が自力で有利な状態を引き寄せた遊技(調整が行われていない遊技)についても、調整が行われたと誤解され、「やらせ感」や「消化ゲーム感」を感じてしまうといった恐れがある。このため、上述のような場合、すなわち、一度、予想獲得メダル数が基準値を大きく下回り、調整が行われなかった場合、今回のAT状態中は調整を行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、基準値の候補として、100枚、300枚、500枚、700枚、900枚、1000枚の6種類の候補が用意された例で説明をしたが、各候補の具体的な値や、候補の数などは自由に設定できる。ただし、前述のように、本発明では基準値に到達するようにAT状態中に獲得できるメダルの純増数が調整され、AT状態中に獲得したメダルの純増数が区切りのよい値である方が達成感を得られるなどといった事情がある。よって、基準値の候補の具体的な値は、100枚、200枚、300枚など100枚単位で増加した値や、500枚、1000枚、1500枚など500枚単位で増加した値など、区切りのよい値を候補とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、基準値の候補の中から基準値抽選によって基準値を決定する例で説明したが、抽選を行わず予め定められた値を基準値としてもよい。また、複数の候補の中からいずれかを順番に設定してもよい。また、例えば、予想獲得メダル数が第1の基準値(例えば、100枚)を上回る場合には、第2の基準値(例えば、500枚)を目標に遊技を行わせ、予想獲得メダル数が第2の基準値を上回る場合には、第3の基準値(例えば、1000枚)を目標に遊技を行わせるといったように、遊技状態(途中経過など)に応じて目標とする基準値を切り替えてもよい。こうすることで、様々な遊技状態において獲得させるメダル数を区切りのよい値に調整できる。
また、上記実施形態では、通常テーブルと有利テーブルとの組合せを1セットのみ設ける例で説明したが、例えば、遊技機における複数の設定値(例えば、設定1〜設定6)に応じて、通常テーブルと有利テーブルとの組合せを複数セット(例えば、6セット)設けてもよい。この場合、例えば、設定値が大きくなるほど、通常テーブル及び有利テーブルに規定された上乗せ確率を高くするといったことが考えられる。
また、上記実施形態では、上乗せ抽選テーブルとして通常テーブルと有利テーブルとを設ける例で説明したが、これらに加え、通常テーブルよりも上乗せ確率が低く設定された不利テーブルを設けてもよい。この場合、上乗せ確率決定処理において、予想獲得メダル数が基準値をより大きく(予想獲得メダル数>基準値)、かつ、基準値から所定範囲(予想獲得メダル数<基準値+所定値)である場合、上乗せ確率を低確率とすればよい(上乗せ抽選で不利テーブルを用いることを決定すればよい)。こうすることで、AT状態で獲得できるメダル数が基準値を上回るような場合でも、AT状態で獲得できるメダル数の調整を行うことができ、かつ、この調整を自然に行うことができる。
また、上記実施形態では、獲得予定数が、獲得済み数を今回のAT状態で実行された遊技数で割った値に、今回のAT状態の残り遊技数をかけた値である例、すなわち、獲得遊技数が、「このままのペース(獲得済み数のメダルを獲得したペース)で今回のAT状態の残りの遊技を行った場合」に残りの遊技で獲得できるメダルの枚数を示す値である例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。今回のAT状態における遊技機の設計上の1遊技あたりの純増数(期待値)は、遊技機の設計時点で決まっているので、この純増数(設計上の純増数)を用い、獲得予定数として、設計上の純増数に、今回のAT状態の残り遊技数をかけた値を用いてもよい。すなわち、「遊技機の設計通りのペースで今回のAT状態の残りの遊技を行った場合」に残りの遊技で獲得できるメダルの枚数を示す値を、獲得予定数として用いてもよい。
また、上記実施形態では、上乗せ抽選の実行契機が、AT状態中に、打順ベル1〜12、通常リプレイ、打順リプレイ、チャンス小役のいずれかが内部当選したことである例で説明をしたが、上乗せ抽選の実行契機は自由に設定できる。もちろん、上乗せ抽選の実行契機に対応付けされた上乗せ確率(上乗せ抽選に当選する確率)も通常テーブルよりも有利テーブルの方が上乗せ確率が高くなる範囲であれば自由に設定できる。
また、上記実施形態では、上乗せ抽選に当選するとAT状態での遊技数を10回増加させる例、すなわち、上乗せ数が10回である例で説明をしたが、上乗せ数は自由に設定できるので、上乗せ数を9回以下としてもよいし11回以上としてもよい。さらに、複数の上乗せ数を用意し、これらのなかからいずれかの上乗せ数を選択してもよい。この場合、上乗せ抽選では上乗せをするか否か(当選か否か)のみを決定し、上乗せ抽選で当選した場合に、例えば、抽選により上乗せ数をいずれにするかを決定してもよいし、上乗せ抽選において、例えば、「0ゲーム(ハズレ)」、「10ゲーム(当選)」、「50ゲーム(当選)」の中からいずれかを決定するといったように、1回の抽選(上乗せ抽選)により、上乗せを行うか否か、及び、上乗せ数をいずれにするかの両方を決定してもよい。
また、上記実施形態では、基準値に到達させるための調整として上乗せ確率を向上させる例で説明をしたが、調整の内容についてはこれに限定されるものではない。例えば、基準値に到達させるための調整として、上乗せ抽選で当選した際に上乗せされる遊技数が増加するようにしてもよい。この場合、例えば、前述した通常テーブルと有利テーブルとで当選する確率は同一とし、通常テーブルを用いた上乗せ抽選で当選すると10回の上乗せを行い(通常テーブルでは、「0ゲーム(ハズレ)」と「10ゲーム(当選)」とに乱数値が割り当てられ、通常テーブルを用いた上乗せ抽選ではこれらのいずれかを決定し)、有利テーブルを用いた上乗せ抽選で当選すると50回の上乗せを行う(有利テーブルでは、「0ゲーム(ハズレ)」と「50ゲーム(当選)」とに乱数値が割り当てられ、有利テーブルを用いた上乗せ抽選ではこれらのいずれかを決定する)といったことが考えられる。もちろん、基準値に到達させるための調整として、上乗せ抽選の当選確率を向上させることに加え、当選した際に上乗せされる遊技数も増加させてもよい。さらに、調整として、AT状態中に払い出されるメダルの数を上乗せする確率を向上させてもよいし、上乗せするメダル数を向上させてもよいし、上乗せする確率と上乗せするメダル数との両方を向上させてもよい。
また、上記実施形態では、「基準値−所定値<予想獲得メダル数<基準値」となる場合に上乗せ確率を向上させる例で説明したが、「基準値−所定値≦予想獲得メダル数≦基準値、」となる場合や、「基準値−所定値<予想獲得メダル数≦基準値」となる場合や、「基準値−所定値≦予想獲得メダル数<基準値」となる場合に上乗せ確率を向上させてもよい。
また、上記実施形態でも説明したように、所定値は、遊技者が不自然とは感じない程度の比較的小さな値であれば自由に設定できるので、基準値毎に異なる値を所定値として用いてもよい。また、所定値を、基準値の一定割合(例えば、基準値の10%の値)としたり、遊技状態に応じて補正を行ってもよい。遊技状態に応じた補正としては、例えば、基準値の10%を所定値のベース値とし、AT状態での遊技数が100ゲームの場合はベース値をそのまま所定値とし、AT状態での遊技数が90ゲームの場合、100ゲームから減ったマイナス10ゲームに相当する補正を行い(例えば、2ゲーム減る毎にベース値を1ずつ減らした値を所定値とし)、AT状態での遊技数が110ゲームの場合は、100ゲームから増えたプラス10ゲームに相当する補正行う(例えば、3ゲーム増える毎にベース値を2ずつ増やした値を所定値する)などが考えられる。
なお、上記実施形態の遊技機は、AT状態で区切りのよい数のメダルを獲得させるために特典の付与確率を調節するものであるので、現在のAT状態で獲得したメダル数(上記実施形態では、現在のAT状態でのメダルの純増数)を、例えば、液晶ディスプレイに表示するなどして遊技者に報知し、遊技者がAT状態でのメダルの純増数に着目するようにしてもよい。
また、上述のように現在のAT状態でのメダルの純増数を報知することによって、AT状態でのメダルの純増数に着目させる構成(以下、構成A)の他、AT状態でのメダルの払出数を報知することによって、AT状態でのメダルの払出数に着目させる構成(以下、構成B)としてもよい。さらに、AT状態で行われた入賞の補助の回数を報知することによって、AT状態で行われた入賞の補助の回数に着目させる構成(以下、構成C)としてもよい。また、AT状態で行われた遊技数を報知することによって、AT状態で行われた遊技数に着目させる構成(以下、構成D)としてもよい。
また、上記実施形態では、「今回のAT状態が開始されてから現在までのペースでAT状態が終了するまで遊技を行った場合の今回のAT状態でのメダルの純増数の予想値と、今回のAT状態での純増数の基準として設定された値(基準値)とに基づいて特典の付与確率(上乗せ確率)を調整する構成(以下、構成a)」を例に説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、「今回のAT状態が開始されてから現在までのペースでAT状態が終了するまで遊技を行った場合の今回のAT状態でのメダルの払出数の予想値と、今回のAT状態での払出数の基準として設定された値(基準値)とに基づいて特典の付与確率を調整する構成(以下、構成b)」としてもよい。
さらに、「今回のAT状態が開始されてから現在までのペースでAT状態が終了するまで遊技を行った場合の今回のAT状態で行われる入賞の補助回数の予想値と、今回のAT状態で行われる入賞の補助回数の基準として設定された値(基準値)とに基づいて特典の付与確率を調整する構成(以下、構成c)」としてもよい。
また、「今回のAT状態が開始されてから現在までのペースでAT状態が終了するまで遊技を行った場合の今回のAT状態で行われる遊技回数の予想値と、今回のAT状態で行われる遊技回数の基準として設定された値(基準値)とに基づいて特典の付与確率を調整する構成(以下、構成d)」としてもよい。
もちろん、これら構成a〜dは、前述の構成A〜Dと組み合わせることができる。また、組合せパターンも自由である。さらに、複数種類のAT状態を設け、AT状態の種類に応じて、これら構成a〜dと前述の構成A〜Dとの組み合わせパターンを異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、「AT状態の終了条件が遊技数である構成(所定回数の遊技を行うとAT状態が終了する構成)(以下、構成δ)」を例に説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、「AT状態の終了条件が純増数である構成(純増数が所定数に達するとAT状態が終了する構成)(以下、構成α)」としてもよい。また、「AT状態の終了条件が払出数である構成(払出数が所定数に達するとAT状態が終了する構成)(以下、構成β)」としてもよい。さらに、「AT状態の終了条件が入賞の補助回数である構成(所定回数の入賞の補助が行われるとAT状態が終了する構成)(以下、構成γ)」としてもよい。
もちろん、これら構成α〜δは、前述の構成a〜dや構成A〜Dと組み合わせることができる。また、組合せパターンも自由である。さらに、複数種類のAT状態を設け、AT状態の種類に応じて、これら構成α〜δと、前述の構成a〜dや構成A〜Dとの組み合わせパターンを異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、上乗せ抽選テーブルとして、通常テーブルと、有利テーブルとの2種類を設けこれらのいずれかを用いる例、すなわち、特典の付与確率(上乗せ確率)が高いか低いかの2通りである例で説明をしたが、特典の付与確率を3通り以上設けてもよい。
この場合、例えば、上乗せ確率が最も低い通常テーブルと、通常テーブルよりも上乗せ確率が高い第1有利テーブルと、第1有利テーブルよりもさらに上乗せ確率が高い第2有利テーブルとを設ける。そして、上乗せ確率決定処理において、「予想獲得メダル数>基準値」である場合、または、「予想獲得メダル数<基準値−所定値」である場合には、通常テーブルを用いる。また、これ以外の場合のうち、予想獲得メダル数が基準値から遠い場合(例えば、予想獲得メダル数と基準値との差分が、所定値の所定割合(例えば、所定値の半分)以上である場合(または、所定値の所定割合を超える場合))は、第1有利テーブルを用い、予想獲得メダル数が基準値に近い場合(例えば、予想獲得メダル数と基準値との差分が、所定値の所定割合未満である場合(または、所定値の所定割合以下である場合))は、第2有利テーブルを用いるといったことが考えられる。
より具体的には、基準値が500、所定値が20の場合に、「480<予想獲得メダル数<500」を満たさない場合、通常テーブルを用い、「480<予想獲得メダル数≦490」を満たす場合、第1有利テーブルを用い、「490<予想獲得メダル数<500」を満たす場合、第2有利テーブルを用いるといったことが考えられる。もちろん、予想獲得メダル数と第1、第2有利テーブルとの対応関係を前述の例とは逆にしてもよい、すなわち、「480<予想獲得メダル数≦490」を満たす場合、第2有利テーブルを用い、「490<予想獲得メダル数<500」を満たす場合、第1有利テーブルを用いてもよい。
さらに、互いに異なる特典の付与確率(上乗せ確率)が規定された3つ以上のテーブルを設け、予想獲得メダル数と基準値との差分が小さくなるほど(予想獲得メダル数が基準値に近づくほど)、より高い上乗せ確率が規定されたテーブルを用いてもよい。もちろん、予想獲得メダル数と各テーブルとの対応関係を前述の例とは逆にしてもよい、すなわち、予想獲得メダル数と基準値との差分が小さくなるほど(予想獲得メダル数が基準値に近づくほど)、より低い上乗せ確率が規定されたテーブルを用いてもよい。
また、予想獲得メダル数と基準値との差分が所定値の所定割合(例えば、所定値の半分)と一致する場合に、最も高い上乗せ確率が規定されたテーブルを用い、ここから離れるほど(すなわち、予想獲得メダル数と基準値との差分が所定値の所定割合よりも大きくなるほど、または、予想獲得メダル数と基準値との差分が所定値の所定割合よりも小さくなるほど)、より低い上乗せ確率が規定されたテーブルを用いてもよい。もちろん、予想獲得メダル数と各テーブルとの対応関係を前述の例とは逆にしてもよい、すなわち、予想獲得メダル数と基準値との差分が所定値の所定割合と一致する場合に、最も低い上乗せ確率が規定されたテーブルを用い、ここから離れるほど、より高い上乗せ確率が規定されたテーブルを用いてもよい。