以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚(第1の投入数)または2枚(第2の投入数)に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、通常状態およびボーナス成立状態については、規定投入数が3枚に設定され、ボーナス状態については、規定投入数が2枚に設定される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、ストップボタンB1〜B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚または2枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段191に、図3に示すような3種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルCが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、ベル(特定小役)、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーが用意されており、内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBにおける打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2は、1回の内部抽選で複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられていることを意味する。
各打順ベルについて図4を参照しながら具体的に説明すると、打順ベルLは、ベルおよび特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルC1は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルC2は、ベル、特殊小役A2、および特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルR1は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Cが重複して当選することを示している。また打順ベルR2は、ベル、特殊小役A2、および特殊小役Cが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、各打順ベルにおいてベルと1種類または2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルと重複して当選する特殊小役の数や組合せが異なっている。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして通常リプレイと特殊リプレイが用意されており、内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBでは、通常リプレイおよび特殊リプレイの少なくとも一方が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルCでは、いずれのリプレイも抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルAでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルBおよび内部抽選テーブルCでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、原則的には、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、ボーナス状態では、例外的に第1リールR1について、ストップボタンB1が押下された時点から75ms以内に停止し、第2リールR2および第3リールR3について、ストップボタンB2,B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲、第1の引き込み範囲)で決定される。またストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0〜1コマの範囲(所定の引き込み範囲より狭い引き込み範囲、第2の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(190ms以内に停止させる場合)、あるいは0コマ〜1コマの範囲内(75ms以内に停止させる場合)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。なおボーナス状態では、第1リールR1については押下検出位置から0コマ〜1コマの範囲内に存在する2コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求め、第2リールR2および第3リールR3については上記と同様に押下検出位置に対応する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順とは異なる順序が不正解打順として扱われる。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、メダルの払出数に応じて優先度を求めるロジック演算を行い、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算を行い、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。なお本実施形態では、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、および打順ベルR2のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、最初のリールを停止させる際にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補が最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補となっており、2番目以降に停止するリールにおいても正解打順である場合にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が高くなり、2番目以降に停止するリールにおいて不正解打順に転じた場合には最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が高くなるようになっている。
そして本実施形態では、図8に示すように、各打順ベルに含まれる複数種類の小役のうち、ベルは、配当が9枚で入賞形態を示す図柄組合せの種類は1種類であり、特殊小役A1および特殊小役A2は、いずれも配当が1枚で入賞形態を示す図柄組合せの種類は各2種類、特殊小役Bおよび特殊小役Cは、いずれも配当が1枚で入賞形態を構成する図柄組合せの種類は各4種類となっている。このためいずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、メダルの払出数が多くなるベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなる特殊小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
例えば、打順ベルLの当選時には、正解打順ではベルの入賞形態を構成する図柄を表示する停止位置の候補の優先度が高くなり、不正解打順では特殊小役Bの入賞形態を構成する図柄を表示する停止位置の候補の優先度が高くなるようにロジック演算が行われる。
また例えば、打順ベルC1や打順ベルC2の当選時には、正解打順ではベルの入賞形態を構成する図柄を表示する停止位置の候補の優先度が高くなり、不正解打順においてストップボタンB1を最初に押下する場合には特殊小役A1や特殊小役A2の入賞形態を構成する停止位置の候補の優先度が高くなり、不正解打順においてストップボタンB2またはストップボタンB3を最初に押下する場合には特殊小役Bの入賞形態を構成する停止位置の候補の優先度が高くなるようにロジック演算が行われる。
なお本実施形態では、ボーナス成立状態における打順ベルC1の当選時に第2リールR2を最初に停止する場合には、図7および図8に示すように、ビッグボーナス(BB)の入賞形態における第2リールR2の表示図柄と打順ベルC1に含まれる特殊小役A1の入賞形態における第2リールR2の表示図柄がともにBAR図柄「BAR」であるため、通常状態における打順ベルC1の当選時よりもBAR図柄「BAR」を有効ライン上に表示させた場合に有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの種類が多くなるが、打順ベルC1の当選時にストップボタンB2を最初に押下して第2リールR2を最初に停止させる場合には、ベル図柄「BL」を有効ライン上に表示させたほうがメダルの払出数が最も多くなるとともに、有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの種類も最も多くなるため、ビッグボーナス(BB)が当選していることがロジック演算の結果に影響を与えることはない。
また例えば、打順ベルR1や打順ベルR2の当選時には、正解打順ではベルの入賞形態を構成する図柄を表示する停止位置の候補の優先度が高くなり、不正解打順においてストップボタンB1を最初に押下する場合には特殊小役A1や特殊小役A2の入賞形態を構成する停止位置の候補の優先度が高くなり、不正解打順においてストップボタンB2またはストップボタンB3を最初に押下する場合には特殊小役Cの入賞形態を構成する停止位置の候補の優先度が高くなるようにロジック演算が行われる。
なおボーナス成立状態における打順ベルR1の当選時に第2リールR2が最初に停止する場合には通常状態とは異なるロジック演算の結果が得られる場合がある。具体的に説明すると、図7および図8に示すように、ビッグボーナス(BB)の入賞形態における第2リールR2の表示図柄と、打順ベルR1に含まれる特殊小役A1の入賞形態における第2リールR2の表示図柄がいずれもBAR図柄「BAR」であるため、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなる停止位置の候補として、BAR図柄「BAR」を有効ライン上に表示する停止位置の候補が含まれる。
より詳細に説明すると、ボーナス成立状態における打順ベルR1の当選時に、ストップボタンB2を最初に押下することによって第2リールR2が最初に停止する場合に、有効ライン上に表示可能な当選役の入賞形態を構成する図柄は、ベル図柄「BL」、赤7図柄A「赤7A」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄A「RPA」、およびリプレイ図柄BAR「RPB」の5種類であるが、ベル図柄「BL」を有効ライン上に表示させた場合に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せは1種類(「BL・BL・BL」)、赤7図柄A「赤7A」を有効ライン上に表示させた場合に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せは1種類(「RPA・赤7A・BAR」)、BAR図柄「BAR」を有効ライン上に表示させた場合に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せは2種類(「WM・BAR・CH」、「RPA・BAR・BAR」)、リプレイ図柄A「RPA」を有効ライン上に表示させた場合に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せは2種類(「赤7A・RPA・BL」、「赤7B・RPA・BL」)、リプレイ図柄B「RPB」を有効ライン上に表示させた場合に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せは2種類(「赤7A・RPB・BL」、「赤7B・RPB・BL」)となり、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなるように優先度を求めるロジック演算を行うと、最も多くの入賞形態を示す図柄組合せを表示可能となる場合は、BAR図柄「BAR」を表示させる場合、リプレイ図柄A「PRA」を表示させる場合、およびリプレイ図柄B「RPB」を表示させる場合の3種類となる。このうち図5に示すBAR図柄「BAR」とリプレイ図柄A「PRA」とリプレイ図柄B「PRB」との位置関係から、BAR図柄「BAR」とリプレイ図柄A「RPA」をいずれも有効ライン上に引き込むことができる場合と、BAR図柄「BAR」とリプレイ図柄B「RPB」をいずれも有効ライン上に引き込むことができる場合とが存在する。この場合に本実施形態では、ロジック演算では、最も優先度の高い停止位置の候補が複数存在することになって、後述する停止制御テーブルによって第2リールR2の停止位置を決定することにより特殊小役Cの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」やリプレイ図柄B「RPB」を有効ライン上に表示させるように停止位置が決定される。ただし、ロジック演算においてリプレイ図柄A「RPA」やリプレイ図柄B「RPB」が有効ライン上に表示される停止位置の候補をBAR図柄「BAR」が有効ライン上に表示される停止位置の候補よりも優先度が高いものとして扱ってもよい。また前述に限らず、ロジック演算においてBAR図柄「BAR」が有効ライン上に表示される停止位置の候補をリプレイ図柄A「RPA」やリプレイ図柄B「RPB」が表示される停止位置の候補よりも優先度が高いものとして扱うようにしたり、停止制御テーブルによってBAR図柄「BAR」が有効ライン上に表示されるように停止位置が決定されるようにしてもよい。
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
そして本実施形態では、図5に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、赤7図柄C「赤7C」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、特にベル図柄「BL」については、第1リールR1〜第3リールR3の外周面において4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にベル図柄「BL」を表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第1リールR1の外周面に対して、リプレイ図柄A「RPA」が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「RPA」を表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第2リールR2および第3リールR3の外周面に配列されているベル図柄「BL」に対して、リプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「RPM」が隣接して配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「PRA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第1リールR1の外周面に配列されているベル図柄「BL」に対して、赤7図柄A「赤7A」あるいは赤7図柄B「赤7B」が隣接して配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」あるいは赤7図柄B「赤7B」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第2リールR2の外周面に配列されているリプレイ図柄A「RPA」やリプレイ図柄B「RPB」に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」が隣接して配列されており、ベル図柄「BL」に対してリプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」を挟んで赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」のいずれかが位置するようになっている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」が4コマ以内の間隔で配列されているとともに、BAR図柄「BAR」が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」やBAR図柄「BAR」を表示させることができるようになっている。
そして内部抽選で打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図6に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして本実施形態では、打順ベルLが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、ベルが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊小役Bが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。また本実施形態では、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、ベルが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、ストップボタンB1が最初に押下される打順1や打順2では、特殊小役A1や特殊小役A2が入賞する場合と、いずれの小役も入賞しない場合とが存在するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、ストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される打順3〜打順6では、特殊小役Bや特殊小役Cが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。なお停止制御テーブルにおいても、正解打順では最も多くのメダルが払い出される停止位置となるように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、不正解打順では有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類が最も多くなる停止位置となるように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
また内部抽選で通常リプレイと特殊リプレイが重複して当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜B3が特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)で押下された場合には特殊リプレイが入賞し、特定打順以外の順序でストップボタンB1〜B3が押下された場合には通常リプレイが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図7および図8に示すように、ビッグボーナス(BB)、通常リプレイ、特殊リプレイ、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図8におけるチェリーの入賞形態における「ANY」はいずれの図柄でもよいことを示している。
そして本実施形態では、特殊小役A1や特殊小役A2に対して、それぞれ2種類の入賞形態を示す図柄組合せが設定されており、特殊小役Bや特殊小役Cに対して、それぞれ4種類の入賞形態を示す図柄組合せが設定されており、いずれもベルの入賞形態を示す図柄組合せの種類よりも多くなっており、ベルの入賞形態と特殊小役Bの入賞形態とは、第2リールR2について共通の図柄が割り当てられており、ベルの入賞形態と特殊小役Cの入賞形態とは、第3リールR3について共通の図柄が割り当てられている。
またベルについては、図5に示すように、各リールにおいてベルの入賞形態を構成するベル図柄「BL」が、押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
また特殊小役A1については、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役A1の入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」と第3リールR3において特殊小役A1の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第2リールR2において特殊小役A1の入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」およびBAR図柄「BAR」が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンB2を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。
また特殊小役A2については、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役A1の入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」と第3リールR3において特殊小役A1の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第2リールR2において特殊小役A2の入賞形態を構成する赤7図柄B「赤7B」および赤7図柄C「赤7C」が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンB2を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。
また特殊小役Bについては、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役Bの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」および赤7図柄B「赤7B」と、第2リールR2において特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、第3リールR3において特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
また特殊小役Cについては、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役Cの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」および赤7図柄B「赤7B」と、第2リールR2において特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」と、第3リールR3において特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役(ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリー)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイ(通常リプレイ、特殊リプレイ)が入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお本実施形態では、1回の遊技でのメダルの払出数に上限(例えば、9枚)が設けられており、払出数の合計が上限を超える場合には、上限に相当する数を遊技におけるメダルの払出数として決定する。
なお本実施形態では、図8に示すように、小役の配当が規定投入数によって決定され、規定投入数が3枚である場合にはベルの配当が規定投入数よりも高く設定されているがベル以外の小役の配当は規定投入数よりも低く設定されており、規定投入数が2枚である場合にはベルを含む全ての小役の配当が規定投入数と同数に設定されている。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図9に示すように、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/3.8に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。そしてボーナス成立状態において参照される内部抽選テーブルBでは、図3に示すように、内部抽選でハズレ(不当選)が発生することがなく小役あるいはリプレイが必ず当選するようになっている。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、全ての乱数値に対してハズレが対応づけられた内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われるが、内部抽選の結果に関わらずに全ての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、第1リールR1については図柄の引き込み範囲が0コマ〜1コマに設定され、第2リールR2と第3リールR3については図柄の引き込み範囲が0コマ〜4コマに設定されてリールを停止させる制御が行われる。
またボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、50枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
演出制御手段180(特典遊技実行手段)は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、AT準備状態およびAT状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)に設定する制御を行う。
具体的に説明すると、演出制御手段180は、通常状態、あるいはボーナス成立状態において、内部抽選でチェリーが当選したことを契機としてAT抽選(所定の演出抽選)を行う。AT抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、図10に示すように、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、AT抽選で取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。そして演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて演出状態をAT準備状態に設定し、AT準備状態において特殊リプレイが当選したことに基づいて演出状態をAT状態に設定する。なおAT抽選の契機としてチェリーの当選以外の契機(例えば、通常状態におけるビッグボーナス(BB)の当選など)を別途設けるようにしてもよい。
また演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ197(第1のカウンタ)に抽選結果に応じた値を設定する処理を行う。特に本実施形態では、AT抽選の結果が当選である場合には、例えば、50回分の遊技に相当する値として「50」がAT終了判定カウンタ197に設定される。なおAT抽選の当選時にAT終了判定カウンタ197に設定される値は、上記の例に限らず任意に設定することができる。
また演出制御手段180は終了条件判定手段181を含み、終了条件判定手段181は、AT終了判定カウンタ197の記憶値に基づいてAT状態の終了条件を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。特に本実施形態では、終了条件判定手段181が、AT状態での遊技(アシストタイム遊技)が行われる毎にAT終了判定カウンタ197の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。なお本実施形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値のデクリメント更新は、AT準備状態において特殊リプレイが当選した遊技の次回の遊技から開始される。ただしAT終了判定カウンタ197の記憶値のデクリメント更新は、AT抽選に当選した遊技の次回の遊技から開始されるようにしてもよい。そして終了条件判定手段181は、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、AT状態の終了条件が成立したものと判断してAT状態を終了させる。なお本実施形態では、AT状態においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、AT終了判定カウンタ197の更新中断条件が成立したと判断され、この場合には、演出状態をAT準備状態に移行させ、AT終了判定カウンタ197の記憶値に関するデクリメント更新を中断し、ボーナス状態の終了後に遊技状態が再びボーナス成立状態に移行したことを契機に演出状態をAT状態に復帰させるとともに、AT終了判定カウンタ197のデクリメント更新を再開させて未消化分の遊技を行わせる。なおAT状態においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達していなくてもAT状態を終了させ、ビッグボーナス(BB)の入賞に伴ってAT終了判定カウンタ197の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットするようにしてもよい。
また演出制御手段180は、目標値決定手段182と、上乗せ手段183とを含み、これらの手段によってAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行っている。なお本実施形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せが行われた場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対して上乗せが行われたことと、AT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せされた値に相当する遊技回数が演出を通じて遊技者に報知される。
具体的に説明すると、目標値決定手段182は、AT状態が開始されることに基づいて目標値を決定する。本実施形態において目標値とは、上乗せ手段183によって行われる第1上乗せ抽選に当選した場合に、AT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せされる値であるとともに、内部上乗せカウンタ198(第2のカウンタ)に蓄積した値をAT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せするか否かを判断するための指標となる値である。なお内部上乗せカウンタ198は、AT状態において所定条件が成立する毎に上乗せ手段183によって決定された加算値を累計して記憶するカウンタである。
そして目標値決定手段182は、AT準備状態において特殊リプレイが当選したことに基づいて、グループ抽選および目標値抽選の2種類の抽選を行って目標値を決定する。
グループ抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されているグループ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて目標値抽選のグループを選択する。本実施形態では、図11に示すように、6種類のグループ抽選テーブルA〜グループ抽選テーブルFが用意され、各グループ抽選テーブルでは、0〜32767までの乱数値に対してグループ1〜グループ6のいずれかが対応づけられており、グループ1<グループ2<グループ3<グループ4<グループ5<グループ6の順に高い目標値が選ばれやすい目標値抽選が行われる。そして目標値決定手段182は、内部上乗せカウンタ198の記憶値を参照して、グループ抽選で参照するグループ抽選テーブルを決定し、内部上乗せカウンタ198の記憶値が50以下である場合には、グループ1〜グループ6の全てが選択対象のグループ抽選テーブルAが参照され、内部上乗せカウンタ198の記憶値が51以上100以下である場合には、グループ2〜グループ6が選択対象のグループ抽選テーブルBが参照され、内部上乗せカウンタ198の記憶値が101以上150以下である場合には、グループ3〜グループ6が選択対象のグループ抽選テーブルCが参照され、内部上乗せカウンタ198の記憶値が151以上200以下である場合には、グループ4〜グループ6が選択対象のグループ抽選テーブルDが参照され、内部上乗せカウンタ198の記憶値が201以上250以下である場合には、グループ5およびグループ6が選択対象のグループ抽選テーブルEが参照され、内部上乗せカウンタ198の記憶値が251以上である場合には、グループ6のみが選択対象のグループ抽選テーブルFが参照される。
なお本実施形態では、グループ抽選で選択されたグループに対応する演出をAT状態で実行することにより目標値の期待値を示唆する。例えば、グループ1に対応する演出1、グループ2に対応する演出2、グループ3に対応する演出3、グループ4に対応する演出4、グループ5に対応する演出5、グループ6に対応する演出6を用意しておき、演出1であれば目標値として「50」が選ばれる可能性を高いことを示唆することができ、また、演出6であれば目標値として「300」が選ばれる可能性を高いことを示唆することができる。
またグループ抽選の結果に基づいて行われる目標値抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている目標値抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて目標値を選択する。本実施形態では、図12に示すように、6種類の目標値抽選テーブルA〜目標値抽選テーブルFが用意され、各目標値抽選テーブルでは、0〜32767までの乱数値に対して目標値として、50、100、150、200、250、あるいは300のいずれかが対応づけられており、テーブルに応じて選択率の高い目標値が異なっている。そして目標値決定手段182は、グループ抽選でグループ1が選択された場合には、目標値として50の選択率が高い目標値抽選テーブルAを参照し、グループ抽選でグループ2が選択された場合には、目標値として100の選択率が高い目標値抽選テーブルBを参照し、グループ抽選でグループ3が選択された場合には、目標値として150の選択率が高い目標値抽選テーブルCを参照し、グループ抽選でグループ4が選択された場合には、目標値として200の選択率が高い目標値抽選テーブルDを参照し、グループ抽選でグループ5が選択された場合には、目標値として250の選択率が高い目標値抽選テーブルEを参照し、グループ抽選でグループ6が選択された場合には、目標値として300の選択率が高い目標値抽選テーブルFを参照して目標値抽選を行う。このように本実施形態では、内部上乗せカウンタ198の記憶値が高いほどグループ抽選で順位の高いグループが選ばれやすくなっており、順位の高いグループほど目標値抽選で高い目標値が選ばれやすくなっているため、結果として内部上乗せカウンタ198の記憶値が高いほど、高い目標値が選ばれやすくなっている。
そして上乗せ手段183は、AT状態での遊技において内部抽選でチェリーが当選したことに基づいて第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選を行い、第1上乗せ抽選の結果によってAT終了判定カウンタ197の更新を行い、第2上乗せ抽選の結果によって内部上乗せカウンタ198の更新を行う。
まず第1上乗せ抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている上乗せ抽選テーブルAと比較して、比較結果に応じて第1上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルAでは、図10に示すように、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルAおいて当選に対応付けられている場合に、第1上乗せ抽選に当選したと判定される。
また第2上乗せ抽選は、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている上乗せ抽選テーブルBと比較して、比較結果に応じた加算値を選択する。上乗せ抽選テーブルBでは、図10に示すように、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、10、20、30、50、100のいずれかの値、あるいはハズレが対応付けられており、取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルBにおいていずれかの値に対応付けられている場合には、その値を加算値として選択する。なお第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選とでは共通の乱数値を使用してもよいし、各上乗せ抽選のために個別に取得された乱数値を使用するようにしてもよい。また本実施形態では、上乗せ抽選テーブルBにおいてハズレが設定されているが、ハズレがないようにして第2上乗せ抽選では必ず加算値が選択されるようにしてもよい。
そして上乗せ手段183は、AT状態において第1上乗せ抽選に当選した場合には、目標値をAT終了判定カウンタ197の記憶値に加算する上乗せを行い、目標値決定手段182は、第1上乗せ抽選に当選した遊技における第2上乗せ抽選の結果を反映した内部上乗せカウンタ198の記憶値に基づいてグループ抽選と目標値抽選を行うことによって、当該記憶値以上となる目標値が高確率で選択されるように目標値を新たに決定する。
また上乗せ手段183は、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達した遊技において、目標値と内部上乗せカウンタ198の記憶値とに基づいて、AT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せを行うか否かを判定する。すなわち本実施形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達するまでに第1上乗せ抽選によるAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せが行われなかった場合であっても、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せの機会が与えられるようになっている。なお上乗せ手段183が、AT終了判定カウンタ197の記憶値が所定値(例えば、5)に達した遊技において、目標値と内部上乗せカウンタ198の記憶値とに基づいて、AT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せを行うか否かを判定するようにしてもよい。またAT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達する前に、目標値と内部上乗せカウンタ198の記憶値とに基づいて、AT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せを行うか否かを判定する場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値が所定値(例えば、5)に達してからしきい値(例えば、0)に達するまでの遊技では第2上乗せ抽選の実行は許可するが第1上乗せ抽選の実行を禁止するようにしてもよいし、第1上乗せ抽選および第2上乗せ抽選の双方の実行を禁止するようにしてもよい。
そして上乗せ手段183は、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達した遊技における内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値以上である場合には、目標値をAT終了判定カウンタ197の記憶値に加算する上乗せを行う。このとき上乗せ手段183は、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行ったことに基づいて、内部上乗せカウンタ198の記憶値から目標値を減算し、目標値決定手段182は、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せに伴って減算された内部上乗せカウンタ198の記憶値に基づいてグループ抽選と目標値抽選を行うことによって、当該記憶値以上となる目標値が高確率で選択されるように目標値を新たに決定する。
一方、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達した遊技における内部上乗せカウンタ198の記憶値が初期値(例えば、0)とは異なるが目標値未満である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行わないことを決定する。そして本実施形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達したことに基づいてAT状態が終了した後も内部上乗せカウンタ198の記憶値が保持されるようになっており、持ち越された内部上乗せカウンタ198の記憶値は、次回のAT状態でのAT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せを行う際に利用される。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態あるいはAT状態である場合に、打順ベルが当選すると、ストップボタンの押下順序を報知してベルの入賞を補助する第1入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第1入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお本実施形態では、第1入賞補助演出で報知された正解打順に沿ってストップボタンを押下すると必ずベルが入賞して9枚のメダルを獲得することができるようになっているため、遊技者が手持ちのメダルを増やすことができる。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態である場合に、通常リプレイと特殊リプレイが重複して当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して特殊リプレイの入賞を補助する第2入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第2入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、特殊リプレイを入賞させることができる特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、特殊リプレイを入賞させることができる特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)を報知するランプを点灯させたり、特殊リプレイを入賞させることができる特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお本実施形態では、演出状態がAT準備状態である場合に特殊リプレイの当選に基づいて演出状態がAT状態に移行してAT終了判定カウンタ197の更新を開始するようになっているため、遊技者が第2入賞補助演出に従ってストップボタンを押下していれば、特殊リプレイが入賞することによって遊技回数のカウントが開始されることを認識できるようになっている。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態やAT状態ではない遊技において、第2リールR2や第3リールR3が最初に停止する場合に遊技者にとって不利益となるペナルティを発生させるペナルティ処理を行う。ペナルティ処理としては、例えば、一定の遊技回数を消化するまでAT抽選の実行を禁止する処理や、一定の遊技回数を消化するまでAT抽選の結果を破棄する処理や、AT抽選に当選しても一定の遊技回数を消化するまでAT状態への移行を保留する処理などを行うことができる。すなわち本実施の形態では、AT状態ではない場合に、ストップボタンB2やストップボタンB3を最初に押下すると、一定の遊技回数を消化するまでAT状態への移行の機会を失ったり、AT状態への移行が遅れたりするというペナルティが発生するようになっている。
また演出制御手段180は、入賞補助演出が行われた場合に、遊技者が入賞補助演出に沿わない停止操作を行った場合にも遊技者に取って不利益となるペナルティを発生させるようにしてもよい。ペナルティ処理としては、例えば、一定の遊技回数を消化するまで入賞補助演出の実行を禁止する処理や、AT準備状態やAT状態を終了させる処理や、一定の遊技回数を消化するまで上乗せ手段183によるAT終了判定カウンタ197や内部上乗せカウンタ198の記憶値の上乗せを禁止する処理や、目標値を現在の目標値よりも低い値に変更する処理や、内部上乗せカウンタ198の記憶値を減算または初期値へリセットする処理などを行うことができる。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、アシストタイム状態(AT状態)における所定時点での内部上乗せカウンタ198の記憶値と予め決定しておいた目標値との関係に基づいて、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うか否かを決定し、上乗せを行った場合には、内部上乗せカウンタ198の記憶値を減算してから、内部上乗せカウンタ198の記憶値に基づいて、新たな目標値を決定する手法を採用している。以下では、図13〜図16のフローチャートを参照しながら本実施の形態の手法を具体的に説明する。
図13は、内部抽選でのチェリーの当選によって演出状態がAT準備状態に移行するまでの処理を示すフローチャートである。
まず演出状態がAT準備状態やAT状態ではない遊技において内部抽選でチェリーに当選すると(ステップS100でY)、AT抽選を行う(ステップS101)。本実施の形態では、AT抽選に当選すると(ステップS102でY)、演出状態をAT準備状態に移行させるともに、AT終了判定カウンタ197にAT状態の終了条件となる50回の遊技回数に相当する値である「50」を設定する(ステップS103)。
図14は、演出状態がAT準備状態からAT状態に移行するまでの処理を示すフローチャートである。
まずAT準備状態の遊技において内部抽選で特殊リプレイが当選すると(ステップS200でY)、グループ抽選を行う(ステップS201)。グループ抽選では、グループ抽選テーブルA〜グループ抽選テーブルFのうち内部上乗せカウンタ198の記憶値に応じたグループ抽選テーブルを参照してグループ1〜グループ6のいずれかを選択する。特に本実施の形態では、内部上乗せカウンタ198の記憶値が50以下である場合には、グループ抽選テーブルAを参照し、内部上乗せカウンタ198の記憶値が51以上100以下である場合には、グループ抽選テーブルBを参照し、内部上乗せカウンタ198の記憶値が101以上150以下である場合には、グループ抽選テーブルCを参照し、内部上乗せカウンタ198の記憶値が151以上200以下である場合には、グループ抽選テーブルDを参照し、内部上乗せカウンタ198の記憶値が201以上250以下である場合には、グループ抽選テーブルEを参照し、内部上乗せカウンタ198の記憶値が251以上である場合には、グループ抽選テーブルFを参照する。
次にグループ抽選で選択されたグループに基づいて目標値抽選を行うことにより目標値を決定してから(ステップS202)、演出状態をAT状態に移行させる(ステップS203)。目標値抽選では、目標値抽選テーブルA〜目標値抽選テーブルFのうちグループ抽選で選択されたグループに対応する目標値抽選テーブルを参照して目標値を決定する。特に本実施の形態では、グループ抽選でグループ1が選択された場合には目標値として「50」が選ばれやすい目標値抽選テーブルAを参照し、グループ抽選でグループ2が選択された場合には目標値として「100」が選ばれやすい目標値抽選テーブルBを参照し、グループ抽選でグループ3が選択された場合には目標値として「150」が選ばれやすい目標値抽選テーブルCを参照し、グループ抽選でグループ4が選択された場合には目標値として「200」が選ばれやすい目標値抽選テーブルDを参照し、グループ抽選でグループ5が選択された場合には目標値として「250」が選ばれやすい目標値抽選テーブルEを参照し、グループ抽選でグループ6が選択された場合には目標値として「300」が選ばれやすい目標値抽選テーブルFを参照する。
図15および図16は、AT状態での遊技における処理を示すフローチャートである。
まずAT状態での遊技では、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われる毎にAT終了判定カウンタ197の記憶値から1回分の遊技に相当する一定値「1」が減算される(ステップS300でY、ステップS301)。
そして内部抽選でチェリーが当選した場合には(ステップS302でY)、第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選を行う。このとき第2上乗せ抽選で当選した場合には(ステップS303でY)、内部上乗せカウンタ198の記憶値に第2上乗せ抽選の結果に応じた値を上乗せする(ステップS304)。また第1上乗せ抽選で当選した場合には(ステップS305でY)、目標値をAT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せするとともに(ステップS306)、グループ抽選と目標値抽選を行うことによって新たな目標値を決定する(ステップS307、ステップS308)。なお新たな目標値を決定する際には、グループ抽選においてステップS304の第2上乗せ抽選に基づく上乗せを反映した内部上乗せカウンタ198の記憶値を参照してグループ抽選テーブルが選択され、その結果、目標値抽選では第2上乗せ抽選の結果を反映した内部上乗せカウンタ198の記憶値より高い目標値が選ばれやすくなる。
続いて、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値である「0」に達したか否かをチェックし(ステップS309)、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達している場合には(ステップS309でY)、目標値と内部上乗せカウンタ198の記憶値と関係に基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うか否かを決定する(ステップS310)。このとき目標値が内部上乗せカウンタ198の記憶値以上である場合には(ステップS310でY)、目標値をAT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せするとともに(ステップS311)、内部上乗せカウンタ198の記憶値から目標値を減算し(ステップS312)、その後、グループ抽選と目標値抽選を行うことによって新たな目標値を決定する(ステップS313、ステップS314)。なお新たな目標値を決定する際には、目標値を減算した内部上乗せカウンタ198の記憶値を参照してグループ抽選テーブルが選択され、その結果、目標値抽選では前回の目標値を減算した内部上乗せカウンタ198の記憶値より高い目標値が選ばれやすくなる。一方、目標値が内部上乗せカウンタ198の記憶値に満たない場合には(ステップS310でN)、AT状態を終了させる(ステップS315)。
以上に述べた本実施の形態では、AT状態でAT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達するまで内部的に内部上乗せカウンタ198に上乗せを行って、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達した時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値と目標値との関係に基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うか否かを決定し、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達した時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値と目標値との関係に基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行う場合には目標値が高いほどAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せ量が多くなり、内部上乗せカウンタ198の記憶値から目標値を減算してから、内部上乗せカウンタ198の記憶値に基づいて新たな目標値を決定する。このため本実施の形態によれば、AT状態の終了時期に関わる遊技回数の上乗せが小出しに行われる場合よりも大量の上乗せが行われることが期待できるとともに、所定時点までに累積させた内部上乗せカウンタ198の記憶値が高いほど多くの上乗せの機会を得ることができる遊技仕様を実現することができる。
また本実施の形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達した時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値以上である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に目標値を上乗せするとともに、内部上乗せカウンタ198の記憶値から目標値を減算し、目標値が減算された内部上乗せカウンタ198の記憶値に基づいて目標値を新たに決定する。このため本実施の形態によれば、AT終了判定カウンタ197への上乗せが行われる場合には目標値が高いほど大量の上乗せが期待できる遊技仕様を実現することができる。
また本実施の形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達した時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値未満である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行わないことを決定し、AT状態が終了した後も内部上乗せカウンタ198の記憶値が保持されるようになっている。このため本実施の形態によれば、目標値が高いほどAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せが行われにくいが、上乗せが行われなくてもAT状態において累積した内部上乗せカウンタ198の記憶値が保持されるため、次の上乗せの機会に大量の上乗せを期待できる遊技仕様を実現することができる。
また本実施の形態では、AT状態が開始されてからAT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達するまでに第1上乗せ抽選の当選に伴う上乗せが行われていない場合であっても、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達した時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値と目標値との関係に基づいて、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うか否かを判断するようになっている。このため本実施の形態によれば、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達するまでに第1上乗せ抽選による上乗せが行われない場合の救済として目標値と内部上乗せカウンタ198の記憶値とに基づく上乗せを行うことによって遊技者の遊技意欲の維持を図ることができる。
また本実施の形態では、前回の前記目標値が減算された内部上乗せカウンタ198の記憶値以上となる目標値が高確率で選択されるようにグループ抽選と目標値抽選を行うことによって新たな目標値を決定している。このため本実施の形態によれば、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せが行われると、目標値が高くなりやすくなるのでAT状態が継続すればするほど大量の上乗せが期待できる遊技仕様を実現することができる。特に本実施の形態では、第1上乗せ抽選に基づくAT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せが行われる場合には、内部上乗せカウンタ198の記憶値が減算されることなく新たな目標値が設定されるため、次回の上乗せに対して大量の上乗せを期待して遊技を行うことができる。なお本実施の形態では、新たな目標値を設定する際に、前回の目標値が減算された内部上乗せカウンタ198の記憶値よりも高い目標値が高確率で選択されるようにしたが、新たな目標値を設定する際に必ず内部上乗せカウンタ198の記憶値よりも高い目標値が選択されるようにしてもよい。また新たな目標値を設定する際には、前回の目標値よりも高い目標値が高確率で選択されるようにしてもよいし、前回の目標値よりも高い目標値が必ず選択されるようにしてもよいし、前回の目標値よりも低い目標値が高確率で選択されるようにしてもよいし、前回の目標値よりも低い目標値が必ず選択されるようにしてもよい。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記実施形態では、AT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値に満たない場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せを行わない場合について説明をしたが、AT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が初期値(例えば、0)である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せを行わないことを決定し、AT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が初期値とは異なるが目標値未満である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に目標値を上乗せするようにしてもよい。このようにすれば、AT状態の所定時点までに内部上乗せカウンタ198の記憶値に加算値が上乗せされていれば必ずAT終了判定カウンタ197の記憶値への上乗せが保証され、予め定めておいた目標値が高いほど上乗せ量が多い遊技仕様を実現することができる。
またAT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が初期値(例えば、0)である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行わないことを決定し、AT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が初期値とは異なるが目標値未満である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に内部上乗せカウンタ198の記憶値を上乗せするようにしてもよい。このようにすれば、AT状態の所定時点までに内部上乗せカウンタ198の記憶値に加算値が上乗せされていれば、内部的に累積した内部上乗せカウンタ198の記憶値相当の上乗せが保証される遊技仕様を実現することができる。
またAT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達する前に、目標値と、現在の内部上乗せカウンタ198の記憶値との関係に基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うか否かを決定する場合において、内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値未満である場合に第2上乗せ抽選の実行を禁止して、AT状態が終了するまで内部上乗せカウンタ198の記憶値に対する上乗せが行われないようにしてもよい。
またAT状態において第1上乗せ抽選に当選した場合に、即座に第1上乗せ抽選の結果を反映してAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うのではなく、第1上乗せ抽選に当選したことを記憶しておき、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達した時点で第1上乗せ抽選に当選していた場合には第1上乗せ抽選の当選に基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せを行い、第1上乗せ抽選に当選していなかった場合には内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値以上であるか否かを判定してAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行うか否かを決定するようにしてもよい。なおこの場合には、第1上乗せ抽選に当選したことに基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達するまで第1上乗せ抽選の実行を禁止し、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せが行われたことによってAT状態が継続する場合には第1上乗せ抽選の実行が許可されるようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選の2種類の抽選を用いてAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せを行う場合を例にとって説明したが、第1上乗せ抽選を省略した形態での実施も本発明の実施に含めることができる。例えば、AT状態での第2上乗せ抽選の当選によって内部上乗せカウンタ198の記憶値を累積していき、AT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が予め定めた目標値との関係で上乗せの条件を満たしていることに基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せが行われるような遊技仕様としてもよい。
またAT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値と同一であった場合には、上記実施形態の場合と同様にAT終了判定カウンタ197の記憶値に対して目標値を上乗せするが、その後のAT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せは禁止して、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達したことに基づいてAT状態が終了するようにしてもよい。
またAT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せが行われた場合には、内部上乗せカウンタ198の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットされ、AT状態の所定時点において内部上乗せカウンタ198の記憶値が目標値未満である場合には新たな目標値を設定することなくAT状態が終了するようにしてメダルの獲得率が過剰とならないように調整するようにしてもよい。
また上記実施形態ではAT終了判定カウンタ197の記憶値が遊技が行われる毎に減算されることによってAT終了判定カウンタ197の記憶値がAT状態が継続する遊技回数に相当する場合について説明をしたが、AT状態における第1入賞補助演出の実行回数をAT終了判定カウンタ197の記憶値として、打順ベルの当選を契機としてAT終了判定カウンタ197の記憶値が減算されていくような遊技仕様においても上記実施形態の手法を適用することができる。
また上記実施形態ではAT状態が開始されてからチェリーの当選に基づく第1上乗せ抽選や第2上乗せ抽選の実行が許可されるようにしていたが、AT準備状態でチェリーが当選した場合にも、第2上乗せ抽選については実行されるようにしてもよい。ただしAT抽選に当選した時点で目標値を決定している場合、すなわちAT準備状態において既に目標値が決まっている場合には、AT準備状態においてチェリーが当選した場合に第1上乗せ抽選および第2上乗せ抽選の双方を行ってAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せができるようにしてもよい。
また目標値を決定する際に内部上乗せカウンタ198の記憶値が所定値を超えている場合には、内部上乗せカウンタ198の記憶値がAT終了判定カウンタ197の記憶値の上乗せに反映されやすい特殊状態へ移行させるようにしてもよい。例えば、特殊状態では、内部上乗せカウンタ198の記憶値と目標値との関係において上乗せを行うか否かの判定が頻繁に実行されることにより、内部上乗せカウンタ198の記憶値が減算されやすい状況を形成することができる。このようにすれば、内部上乗せカウンタ198の記憶値が過剰に溜まりすぎることを防ぐことができる。なお特殊状態への移行に関しては、内部上乗せカウンタ198の記憶値が所定値を超えていれば無条件に特殊状態へ移行するようにしてもよいし、抽選によって特殊状態へ移行するか否かを決定するようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1上乗せ抽選で当選した場合に、予め定めておいた目標値をAT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せする場合を例に取り説明をしたが、第1上乗せ抽選においてAT終了判定カウンタ197の記憶値に上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せに関する加算値も決定するようにしてもよい。例えば、第1上乗せ抽選の抽選結果として、「10」の上乗せ当選、「20」の上乗せ当選、「30」の上乗せ当選、「50」の上乗せ当選、「100」の上乗せ当選、およびハズレのいずれかに乱数値を対応づけた上乗せ抽選テーブルを用いて第1上乗せ抽選を行って上乗せの当選と加算値を一度の抽選で選択することができるようにすることができる。
また上記実施形態では、第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選とを独立した抽選とした場合について説明をしたが、上乗せ抽選として、第1段階の上乗せ抽選と、第2段階の上乗せ抽選を設けて、第1段階の上乗せ抽選で上乗せの当否だけを決めて、第1段階の上乗せ抽選に当選することによって上乗せが決定された場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値あるいは内部上乗せカウンタ198の記憶値にどのような値を上乗せするかを第2段階の上乗せ抽選で決定するようにしてもよい。例えば、第1段階の上乗せ抽選では乱数値に対して当選あるいはハズレの一方が対応づけられ、第1段階の上乗せ抽選での抽選結果が当選である場合に第2段階の上乗せ抽選に進むようにする。そして第2段階の上乗せ抽選では、AT終了判定カウンタ197の記憶値のみに加算値を上乗せする場合、内部上乗せカウンタ198の記憶値のみに加算値を上乗せする場合、AT終了判定カウンタ197の記憶値および内部上乗せカウンタ198の記憶値の双方に加算値を上乗せする場合の各種の抽選結果と抽選結果に対応する加算値を設定した上乗せ抽選テーブルを参照して第2段階の上乗せ抽選を行い、第2段階の上乗せ抽選によって選択されたカウンタの記憶値に対して、第2段階の上乗せ抽選によって選択された加算値を上乗せするようにしてもよい。
また上記のように第1段階の上乗せ抽選と第2段階の上乗せ抽選を設ける場合に、第1段階の上乗せ抽選でいずれのカウンタに対する上乗せ抽選を行うかを決定し、第2段階の上乗せ抽選によって、第1段階の上乗せ抽選で選択されたカウンタへの上乗せの有無および上乗せ時の加算値を決定するようにしてもよい。例えば、第1段階の上乗せ抽選では、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せ抽選と、内部上乗せカウンタ198の記憶値に対する上乗せ抽選のいずれを行うかを選択し、第1段階の上乗せ抽選で選択された上乗せ抽選を第2段階の上乗せ抽選として実行する。第2段階の上乗せ抽選では、図10に示した上乗せ抽選テーブルBのように上乗せに関する加算値もしくはハズレが乱数値に対応づけられた上乗せ抽選テーブルを参照してカウンタに対する上乗せの有無と上乗せ時の加算値を選択して抽選結果に基づいて上乗せを行うようにしてもよい。
また第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選を行う場合において、第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選との間に優先順位が設けられており、いずれか一方の抽選結果のみが有効なものとして扱われるようにしてもよい。例えば、第1上乗せ抽選のほうが第2上乗せ抽選よりも優先順位が高いものとして、第1上乗せ抽選に当選した場合には第2上乗せ抽選をキャンセルしてAT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せのみを行うようにしたり、第2上乗せ抽選のほうが第1上乗せ抽選よりも優先順位が高いものとして、第2上乗せ抽選に当選した場合には第1上乗せ抽選をキャンセルして内部上乗せカウンタ198の記憶値に対する上乗せのみを行うようにしてもよい。
また上記実施形態では目標値に基づくAT終了判定カウンタ197の記憶値への上乗せが行われた場合に、前回の目標値が減算された内部上乗せカウンタ198の記憶値より高い目標値が高確率で選ばれるように新たな目標値を決定する場合について説明をしたが、前回の前記目標値が減算された内部上乗せカウンタ198の記憶値以下となる目標値が高確率で選ばれるようにグループ抽選と目標値抽選を行って新たな目標値を決定したり、内部上乗せカウンタ198の記憶値以下となる目標値が必ず選ばれるようにグループ抽選と目標値抽選を行って新たな目標値を決定したりしてもよい。このようにすれば、AT終了判定カウンタ197の記憶値に対する上乗せが行われると、新たに決定される目標値が低くなりやすいのでメダルの獲得が過剰にならないようにメダルの獲得率が調整される遊技仕様を実現することができる。
また上記実施形態や上記各種の変形で示した手法は、AT状態での遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ197の記憶値に一定値が加算され、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値に達したことに基づいてAT状態を終了させるか否かを判定する遊技機において、所定条件下でしきい値に対する上乗せを行うことによってAT状態の継続期間をコントロールする遊技仕様においても等しく適用することができる。
例えば、図17に示すように、しきい値を変動させるために記憶手段190にしきい値カウンタ199を設けておき、AT状態で所定時点になるまで内部的に内部上乗せカウンタ198に上乗せを行って、AT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値と目標値との関係に基づいてしきい値カウンタ199の記憶値に対する上乗せを行うか否かを決定する。そしてAT状態の所定時点における内部上乗せカウンタ198の記憶値と目標値との関係に基づいてしきい値カウンタ199の記憶値に対する上乗せを行う場合には目標値が高いほどしきい値カウンタ199の記憶値の上乗せ量が多くなり、しきい値カウンタ199の記憶値に対する上乗せが行われると内部上乗せカウンタ198の記憶値を減算してから、内部上乗せカウンタ198の記憶値に基づいて新たな目標値を決定することができる。
このとき図13に示す内部抽選でのチェリーの当選によって演出状態がAT準備状態に移行するまでの処理は、図18に示すフローチャートに示す処理に変更することができ、ステップS100〜ステップS102までは上記実施形態と同様の処理を行った上で、AT抽選に当選した場合には(ステップS102でY)、演出状態をAT準備状態に移行させるともに、しきい値カウンタ199にAT状態の終了条件となる50回の遊技回数に相当する値である「50」を設定する(ステップS103a)。
また本変形例では、演出状態がAT準備状態からAT状態に移行するまでの処理については上記実施形態の場合と同様に図14に示すフローチャートに沿って処理が行われるが、AT状態に移行してからは、図19および図20に示すフローチャートに沿って処理が進められる。
まずAT状態での遊技では、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われる毎にAT終了判定カウンタ197の記憶値に1回分の遊技に相当する一定値「1」が加算される(ステップS300でY、ステップS301a)。
そして内部抽選でチェリーが当選した場合には(ステップS302でY)、第1上乗せ抽選と第2上乗せ抽選を行う。このとき第2上乗せ抽選で当選した場合には(ステップS303でY)、内部上乗せカウンタ198の記憶値に第2上乗せ抽選の結果に応じた値を上乗せする(ステップS304)。また第1上乗せ抽選で当選した場合には(ステップS305でY)、目標値をしきい値カウンタ199の記憶値に上乗せするとともに(ステップS306a)、グループ抽選と目標値抽選を行うことによって新たな目標値を決定する(ステップS307、ステップS308)。なお新たな目標値を決定する際には、グループ抽選においてステップS304の第2上乗せ抽選に基づく上乗せを反映した内部上乗せカウンタ198の記憶値を参照してグループ抽選テーブルが選択され、その結果、目標値抽選では第2上乗せ抽選の結果を反映した内部上乗せカウンタ198の記憶値より高い目標値が選ばれやすくなる。
続いて、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値カウンタ199の記憶値に達したか否かをチェックし(ステップS309)、AT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値カウンタの記憶値に達している場合には(ステップS309でY)、目標値と内部上乗せカウンタ198の記憶値と関係に基づいてしきい値カウンタ199の記憶値の上乗せを行うか否かを決定する(ステップS310)。このとき目標値が内部上乗せカウンタ198の記憶値以上である場合には(ステップS310でY)、目標値をしきい値カウンタ199の記憶値に上乗せするとともに(ステップS311a)、内部上乗せカウンタ198の記憶値から目標値を減算し(ステップS312)、その後、グループ抽選と目標値抽選を行うことによって新たな目標値を決定する(ステップS313、ステップS314)。なお新たな目標値を決定する際には、目標値を減算した内部上乗せカウンタ198の記憶値を参照してグループ抽選テーブルが選択され、その結果、目標値抽選では前回の目標値を減算した内部上乗せカウンタ198の記憶値より高い目標値が選ばれやすくなる。一方、目標値が内部上乗せカウンタ198の記憶値に満たない場合には(ステップS310でN)、AT状態を終了させる(ステップS315)。
このように本変形によっても、AT状態の終了時期に関わるしきい値の上乗せが小出しに行われる場合よりも大量の上乗せが行われることが期待できるとともに、AT状態の所定時点までに累積させた内部上乗せカウンタ198の記憶値が高いほど多くの上乗せの機会を得ることができる遊技仕様を実現することができる。