本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
<全体構成>
まず、図1及び図2を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、入賞ラインの一例を示す図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。
図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110〜112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110〜112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。
なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
本実施形態では左リール中段図柄(図柄位置2)、中リール中段図柄(図柄位置5)および右リール中段図柄(図柄位置8)で構成される中段入賞ラインL1の一つの入賞ライン114が設けられている。入賞ライン114とは、図柄表示窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、後述する図7(a)で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことである。図2には、中段入賞ラインL1が示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。本実施形態のスロットマシン100は、1枚賭け遊技又は3枚賭け遊技が可能となっており、メダルが1枚又は3枚ベットされたときに入賞ラインL1が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。以下、本明細書では、「1枚賭け遊技」又は「3枚賭け遊技」と表記した場合、賭け数が確定した遊技(つまり、スタートレバーが操作された遊技)を意味し、単に「1枚賭けした場合」又は「3枚賭けした場合」と表記した場合には、ベット操作を意味する。
なお、入賞ラインの数については1ラインに限定されるものではない。例えば、中段入賞ラインL1のほか、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインの計3ラインを有効な入賞ライン114として設定してもよく、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ライン114として設定してもよい。また、例えば、左リール中段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される屈曲的な入賞ラインとしてもよい。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。
BB中ランプ123は、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。本実施形態では、ボーナス遊技の開始から終了までの間(後述するRT系の遊技状態がRT3(特別遊技状態)にある間)、点灯する。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタン)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。なお、本実施形態の払出枚数表示器127は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作といい、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという場合がある。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためのストップボタン137〜139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とする停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作とする操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
有利ランプ190は、後述するAT系の遊技状態が高ナビ状態のうち所定の有利な状態にある場合に点灯するランプである。遊技者は、有利ランプ190の点灯態様から有利な状態にあることを把握することができる。
補助信号ランプ191は、後述する補助信号(具体的には、AT信号)が出力されている場合に点灯するランプである。
演出ボタン192は、後述するAT高確状態において特典付与演出を実行する場合に操作可能なボタンである。本実施形態では、遊技者が演出ボタン192を操作するタイミングに基づいて所定の特典(具体的には、上乗せのATゲーム数)が付与されるようになっている。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
本実施形態の液晶表示装置(演出画像表示装置)157は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<筐体内部>
図3は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に第1副制御部を構成する第1副制御基板を収納した第1副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。
電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、液晶表示装置157の上部には、演出装置160、及びこの演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272を設けている。液晶表示装置157の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部の回路構成>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、演出ボタン192センサ等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127、BB中ランプ123、有利ランプ190、補助信号ランプ191)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。具体的には、AT(アシストタイム)モードであることを示すAT信号、後述するRT3であることを示すBB信号を出力する。また、主制御部300は、主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163を駆動する駆動回路424が設けられ、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路426が設けられ、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428が接続されている。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428の状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157などの制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM516のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図5を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号19のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号20のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号18のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図6(a)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。なお、本実施形態では、図6(a)に示すように1枚賭け遊技又は3枚賭け遊技が可能であるが、これに限定されず、2枚賭け遊技を可能としてもよい。
スロットマシン100の入賞役には、特別役と、一般役(再遊技役1〜再遊技役7、小役1〜小役4)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役7は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役及び再遊技役1〜再遊技役7への入賞が含まれる。
特別役は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」である。
特別役に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT2)については後述する。なお、本実施形態の特別役内部当選状態(RT2)では、1枚賭け遊技において内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせを揃えられるようになっている。このように本実施形態では、特別役の内部当選を察知した遊技者が所持メダルの消費を抑えられるように、最大賭け数よりも少ない賭け数であっても、特別役に入賞可能である。また、本実施形態とは別に2枚賭け遊技を可能とした場合には、2枚賭け遊技において特別役に入賞可能としてもよい。
主制御部300は、特別役に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると一般遊技状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態(RT3)および一般遊技状態(RT1)については後述する。
「再遊技役(再遊技役1〜再遊技役7)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−ベル−リプレイ(チャンスリプレイ1)」、再遊技役3は「ベル−ベル−リプレイ(チャンスリプレイ2)」、再遊技役4は「スイカ−セブン1−リプレイ(演出リプレイ)」、再遊技役5は「セブン1−セブン1−リプレイ(フェイクリプレイ)」、再遊技役6は「リプレイ−セブン1−リプレイ(こぼしリプレイ1)」、再遊技役7は「リプレイ−ベル−リプレイ(こぼしリプレイ2)」ある。
「小役(小役1〜小役4)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役2が「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」、小役3が「ベル−ベル−ベル(ベル1)」、小役4が「ベル−リプレイ−ベル(ベル2)」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、後述する入賞役の内部抽選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役1(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに係わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6(b)は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、一般遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)を有する。本実施形態では、この3つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御しており、主制御部300が決定したAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は遊技状態を設定するようになっている。AT系の遊技状態については後述する。
図7及び図8は、入賞役の内部抽選処理に用いられる抽選テーブルを示す図である。図7は、3枚賭け遊技で用いられる抽選テーブル、図8は、1枚賭け遊技で用いられる抽選テーブルを示している。横軸はそれぞれの遊技状態(RT系の遊技状態)を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。以後に説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、一般遊技状態(RT1)の3枚賭け遊技において、小役1の抽選値は655であり、小役1の当選確率は655/65536×100≒1%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも一つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。なお、この図に示す内部当選確率は一例であって、この確率に限定されるものではない。
以降、図面を適宜参照しながら、スロットマシン100のRT系の遊技状態について説明する。
<一般遊技状態(RT1)>
一般遊技状態は、RT系の遊技状態の初期状態である。一般遊技状態では、図7及び図8に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
一般遊技状態において内部当選する入賞役には、3枚賭け遊技の場合、特別役、再遊技役1、再遊技役2、再遊技役3、小役1、小役2+小役4、小役3aがあり、1枚賭け遊技の場合、特別役、再遊技役1、小役1+小役2+小役3+小役4がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで、「小役2+小役4」とは、小役2及び小役4が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作内容に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定され、本実施形態では、小役2(チェリー)の図柄組合せを小役4(ベル2)の図柄組合せよりも優先的に入賞ライン上に停止させる。より具体的には、左リール110及び右リール112に対してはベル図柄を停止させ、中リール111に対してはチェリー図柄を引込み可能な範囲内で停止操作が行われた場合にはチェリー図柄、そうでない場合にはリプレイ図柄を停止させる。つまり、中リール111に対して好適なタイミングで停止操作が行われた場合には、小役2(チェリー)が入賞ライン上に表示され、2枚のメダルが払い出され、中リール111に対して好適なタイミングで停止操作が行われない場合には、小役4(ベル2)が入賞ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
「小役3a」に内部当選した場合には、遊技者の操作順序に応じて小役3(ベル1)に対応する図柄組み合わせが入賞ラインに表示されるか否かが決定される(図7及び図8備考欄参照)。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示され、10枚のメダルが払い出される(ベル入賞)。これに対して、正解操作順序に従って停止操作がされなかった場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示されない(ハズレ)。
詳しくは図示していないが、本実施形態では、「小役3a」に内部当選し、正解操作順序に従って停止操作が行われなかった場合、入賞役内部抽選処理において「ハズレ」となった場合の停止態様(以下、ハズレ停止態様という)と同一の停止態様となるようにリール110〜112の停止制御を行うようにしている。これにより、後述する操作ナビの実行頻度の調整が行われたことを遊技者に察知されないようにしており、遊技者に過度のストレスや不快感を与えることがない。
なお、本実施形態では、「小役3a」に内部当選し、正解操作順序に従って停止操作が行われなかった場合、必ずハズレ停止態様となるようにリール110〜112の停止制御を行っているが、ハズレ停止態様となる場合がある(つまり、ハズレ停止態様とならない場合もある)ようにリール110〜112の停止制御を行うようにしてもよい。また、他の役(例えば、小役1(スイカ)や小役2(チェリー)など)に内部当選し、入賞できなかった場合の停止態様をハズレ停止態様となるようにリール110〜112の停止制御を行ってもよい。すなわち、「小役3a」に内部当選し、正解操作順序に従って停止操作が行われなかった場合の停止態様に基づいて、遊技者が「小役3a」に内部当選していることを察知できない仕様となっていればよい。
この「小役3a」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「押し順役」と称する場合がある。
ここで、図9を用いて、「小役3a」の正解の操作順序を詳しく説明する。
「小役3a」は、正確には、「小役3LCR」、「小役3LRC」、「小役3CLR」、「小役3CRL」、「小役3RLC」及び「小役3RCL」の6つに細分化されて設定されており、細分化した「小役3a」のそれぞれに対応させて異なる正解の操作順序を割り当てるようにしている。なお、6つに細分化された「小役3a」のそれぞれに対応付けされた抽選データの範囲は同一である。
例えば、「小役3a」のうち「小役3LCR」に内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作が正解の操作であり、それ以外の停止操作は不正解の操作となる。また、「小役3a」のうち「小役3CRL」に内部当選した場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作が正解の操作である。
なお、本実施形態では小役3aに内部当選した場合、正解の操作順序で停止操作が行われた場合には、小役3(ベル1)に入賞して10枚のメダル払出とする一方、不正解の操作順序で停止操作が行われた場合には、ハズレとして0枚のメダルの払出としたが、これに限定されない。例えば、不正解の操作順序で停止操作が行われた場合、正解の操作順序で停止操作が行われた場合よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出してもよい。また、不正解の操作順序で停止操作が行われた場合、停止操作の状況に応じて複数の選択肢を設けたメダルの払い出しを行ってもよい。例えば、(1)第1停止操作は正解であるが第2停止操作が不正解の場合は1枚、(2)第1停止操作が不正解の場合には各リール110〜112のそれぞれの操作タイミングに応じて1枚又は0枚としてもよい。
また、本実施形態の入賞役の内部抽選処理では、1回の処理で小役3aの種別、つまり正解操作順序を決定したが、この方法に限定されない。例えば、2回の抽選処理により正解操作順序を決定してもよい。すなわち、入賞役の内部抽選処理において小役3aに内部当選した場合、さらに正解操作順序に関する抽選を行って、正解操作順序を決定するようにしてもよい。
なお、ここで説明した「小役3a」、「小役2+小役4」については、以降説明する遊技状態でも同様である。
ここで、一般遊技状態(RT1)及び後述する特別役内部当選状態(RT2)における1枚賭け遊技では「小役3a」に内部当選しない(図8参照)。本実施形態では、詳しくは後述するが、ATモードの3枚賭け遊技において「小役3a」に内部当選した場合に操作ナビ(詳細は後述する)が実行され、正解の操作順序が報知される。したがって、押し順役の当選、操作ナビの実行という観点から見て、一般遊技状態(RT1)及び後述する特別役内部当選状態(RT2)における1枚賭けは遊技者にとって不利な遊技である。なお、これとは別に、一般遊技状態(RT1)及び後述する特別役内部当選状態(RT2)における1枚賭け遊技において「小役3a」に内部当選するようにしてもよい。しかしながらこの場合においても、ATモードの1枚賭け遊技において「小役3a」に内部当選しても操作ナビは実行されない。
また、一般遊技状態(RT1)及び後述する特別役内部当選状態(RT2)における1枚賭け遊技では、「小役1」、「小役2+小役4」に内部当選しない(図8参照)。本実施形態では、詳しくは後述するが、「小役1」又は「小役2+小役4」の内部当選は、AT権利の付与に関連している。したがって、AT権利の付与という観点から見て、一般遊技状態(RT1)及び特別役内部当選状態(RT2)における1枚賭け遊技は遊技者にとって不利な遊技である。
図6(b)には一般遊技状態(RT1)において、特別役に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT2)に移行することが示されている。さらに、特別役(BB1、BB2)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT3)に移行することが示されている。
なお、本実施形態では、押し順役としての小役3aは単独役であったが、他の小役と同時に当選する重複役としてもよい。正解の操作順序に従った第1〜第3停止操作を行った場合に、小役3に入賞する点は同一である。
例えば、「小役3(ベル1、10枚)+小役A(1枚)+小役B(1枚)」として設定し、(1)正解の停止操作(正解の操作順序)を行った場合には、小役3に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示され、(2)不正解の停止操作をした場合(第1停止操作は正解)には、小役Aに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示され、(3)不正解の停止操作をした場合(第1停止操作が不正解)であって、小役Bの図柄の引込範囲内で停止操作を行った場合には、小役Bに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示され、(4)不正解の停止操作をした場合(第1停止操作が不正解)であって、小役Bの図柄の引込範囲外で停止操作を行った場合には、こぼし目(0枚)が有効ライン上に表示されるようにしてもよい。
<特別役内部当選状態(RT2)>
特別役内部当選状態(RT2)は、特別役に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図7及び図8に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、3枚賭けの場合、再遊技役1、小役1、小役2+小役4、小役3aがあり、1枚賭けの場合、再遊技役1、小役1+小役2+小役3+小役4がある。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
図6(b)には、特別役内部当選状態(RT2)において、特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、後述する特別遊技状態(RT3)に移行することが示されている。なお、上述したように、1枚賭け遊技において内部当選した特別役に入賞し、後述する特別遊技状態(RT3)に移行することは可能である。
<特別遊技状態(RT3)>
特別遊技状態(RT3)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。特別遊技状態では、図7に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。本実施形態の特別遊技状態(RT3)は、3枚賭け専用の遊技となっている。特別遊技状態において内部当選する入賞役は、再遊技役1+再遊技役4+再遊技役6+再遊技役7、再遊技役1+再遊技役5+再遊技役6、小役3bである。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
「小役3b」に内部当選した場合には、操作順序に係わらず「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示され、10枚のメダルが払出される。(図7及び図8備考欄参照)。同様に、「小役1+小役2+小役3+小役4」に内部当選した場合には、操作順序に係わらず「ベル図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示され、1枚のメダルが払出される。(図7及び図8備考欄参照)。
ここで、「再遊技役1+再遊技役4+再遊技役6+再遊技役7」とは、再遊技役1、再遊技役4、再遊技役6及び再遊技役7が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作内容に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、(1)第1停止リールを右リール112とする逆押しの操作をした場合、再遊技役4>再遊技役6>再遊技役7の優先順位に基づいて図柄組合せが入賞ライン上に表示される(図7備考欄参照)。一方、(2)第1停止リールを右リール112とする逆押しの操作をしなかった場合、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せが入賞ライン上に表示される(図7備考欄参照)。
また、「再遊技役1+再遊技役5+再遊技役6」とは、再遊技役1、再遊技役5及び再遊技役6が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作内容に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、(1)第1停止リールを右リール112とする逆押しの操作をした場合、再遊技役5>再遊技役6の優先順位に基づいて図柄組合せが入賞ライン上に表示される(図7備考欄参照)。一方、(2)第1停止リールを右リール112とする逆押しの操作をしなかった場合、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せが入賞ライン上に表示される(図7備考欄参照)。
図6(b)には、特別遊技状態(RT3)において、規定枚数が払い出された場合に一般遊技状態(RT1)に移行することが示されている。具体的には、特別役に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、200枚を超えるメダルの払出しが行われると一般遊技状態(RT1)に移行する。
なお、本実施形態では、特別遊技状態が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
また、本実施形態のRT系の遊技状態は、一般遊技状態(RT1)と、特別役内部当選状態(RT2と、)特別遊技状態(RT3)と、で構成されたが、これに限定されない。例えば、一般遊技状態(RT1)を、再遊技役の内部当選確率が低い再遊技低確率状態と、再遊技役の内部当選確率が高い再遊技高確率状態と、で構成されるようにしてもよい。
<AT系の遊技状態の遷移>
次に、図11(a)を用いて、AT系の遊技状態について説明する。図11(a)は、スロットマシン100の主制御部300のAT系の遊技状態の遷移図である。
AT系の遊技状態は、図11(a)に示すように、低ナビ状態と高ナビ状態に大別される。低ナビ状態とは、AT権利付与の確率が低い状態、高ナビ状態とは、低ナビ状態よりもAT権利付与の確率が高い状態をいう。なお、低ナビ状態をAT権利の付与がない状態としてもよい。
高ナビ状態には、ATモードとチャンスモードが存在する。本実施形態では、ATモードにおいて、操作ナビを実行可能である。操作ナビとは、押し順役(具体的には、小役3a)に内部当選した場合に、正解の操作順序を報知する演出をいう。すなわち、操作ナビとは、メダル獲得のための停止操作の内容を報知する演出をいう。広義には、操作ナビを、遊技者にとって有利な情報(例えば、有利な遊技状態に移行したり、有利な遊技状態を維持したりするための停止操作の内容など)を報知する演出としてもよい。
なお、押し順役(小役3a)に内部当選した場合に、押し順不問の役(例えば、再遊技役1、小役3b等)に内部当選した場合に、演出として操作順序を報知してもよく、この場合は、上述した操作ナビとは異なり、演出用の疑似操作順序を報知する演出のため、ATモード以外において当該疑似操作順序を報知する演出を行ってもよい。
ここで、図9及び図10を用いて、操作ナビについて説明する。本実施形態では、払出枚数表示器127及び演出画像表示装置157を用いて操作ナビを実行する。図9は、本実施形態の押し順役の正解操作順序を示す表示データを示しており、図10は、表示データと払出枚数表示器127の点灯態様を対応付けた図である。
例えば、表示データ01は、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作を示唆するデータ、表示データ02は、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを中リール111とする停止操作を示唆するデータ、表示データ03は、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作を示唆するデータ、表示データ04は、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作を示唆するデータ、表示データ05は、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを中リール112とする停止操作を示唆するデータ、表示データ06は、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを左リール110とする停止操作を示唆するデータである。
したがって、ATモードにおいて「小役3a」の小役3CLRに内部当選した場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作が正解なので、第1停止操作が中、第2停止操作が左、第3停止操作が右であることを示唆する表示データ03が選択され、払出枚数表示器127には、表示データ03に対応する点灯態様が表示される(図10参照)とともに、演出画像表示装置157には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112であることを示唆する画像(例えば、「213」の文字)が表示される(図示せず)。
なお、高ナビ状態は、低ナビ状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。ここで、有利とは、具体的には、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合、いわゆる払出率(出玉率)における有利度をいう。
本実施形態では、図11(a)に示すように、通常モード(低ナビ状態)において高ナビ状態移行抽選に当選した場合、高ナビ状態のチャンスモードに移行する。そして、高ナビ状態のチャンスモードにおいて、所定の条件を充足してAT権利が付与された場合、高ナビ状態のATモードに移行する。本実施形態では、ATモードへの移行が決定した場合、ATモードのゲーム数(以下、ATゲーム数という)が所定数(例えば、1セットの100ゲーム+α。αはATモードへの移行が決定したときの抽選によりゲーム数が決定される)付与される。本実施形態では、ATモードにおいて操作ナビが実行されるようになっている。また、通常モード(低ナビ状態)において特別役に内部当選した場合には、直接、AT権利が付与されるので、上述したルートとは別に、ATモードへの移行が決定する。
高ナビ状態は、(1)高ナビ状態のゲーム数(以下、高ナビ状態ゲーム数という。本実施形態では、1000ゲーム)をすべて消化した場合、若しくは高ナビ状態におけるメダルの獲得数が所定数(本実施形態では、2000枚)以上に到達した場合(以下、高ナビ状態終了条件を充足した場合という)、又は(2)付与されたAT権利、及びATゲーム数をすべて消化し、かつ後述するST状態においてAT権が付与されることなくST状態のゲーム数(以下、STゲーム数という。本実施形態では、30ゲーム)をすべて消化した場合(以下、ATモード終了条件を充足した場合という)に終了し、通常モードに移行する。すなわち、本実施形態では、高ナビ状態終了条件を充足していなくても、ATモード終了条件を充足した場合には、ATモードを終了するだけでなく、高ナビ状態も終了するようにしている。
図11(b)は、AT系の各遊技状態における演出状態を示す図である。AT系の遊技状態は、図11(b)に示すように、さらに細分化されて管理されており、これを演出状態と呼ぶ。
詳しくは、通常モードの演出状態は、通常状態A、及び通常BB状態を備えている。通常状態Aは、RT系の遊技状態がRT1又はRT2にある場合の演出状態であり、通常BB状態は、RT系の遊技状態がRT3にある場合の演出状態である。なお、通常状態Aにおいて高ナビ状態移行抽選に当選した場合には、後述する通常状態Bに移行し、通常BB状態において高ナビ状態移行抽選に当選した場合には、後述する非AT中BB状態に移行する。
チャンスモードの演出状態は、通常状態B、前兆状態、対決状態、チャンスゾーン状態(以下、CZ状態と略す)、非AT中BB状態、及びST状態を備えている。
通常状態Bでは、入賞役内部抽選の結果に基づいて、前兆・対決移行抽選を実行する。前兆・対決移行抽選は、具体的には、前兆状態のあり/なし、対決状態のあり/なし、前兆状態のゲーム数(以下、前兆ゲーム数という)、対決状態のゲーム数(以下、対決ゲーム数という)、対決状態ありの場合には対決結果(勝ち/負け)を抽選で決定する。例えば、前兆状態あり、対決状態なしの場合には、前兆ゲーム数が設定される。また、前兆状態あり、対決状態ありの場合には、前兆ゲーム数、対決ゲーム数、及び対決結果が決定される。次遊技以降は、このシナリオに沿って遊技状態が進行する。そして、前兆状態、対決状態に設定されたゲーム数をすべて消化した場合(対決結果が勝ちを除く)には通常状態Bに移行する。
本実施形態では、対決状態において実行される対決演出において主人公キャラが勝ちとなった場合、AT権利が付与され、ATモードのAT通常状態に移行する。一方、対決状態において実行される対決演出において主人公キャラが負けとなった場合には、通常状態Bに移行する。なお、前兆・対決移行抽選において、対決結果(負け)が決定されていても、対決状態における入賞役内部抽選の結果に基づいて対決結果(勝ち)となり、最終的にAT権利が付与される場合もある。
非AT中BB状態は、特別役に入賞してRT系の遊技状態がRT3にある場合の演出状態である。非AT中BB状態では、AT権利の付与抽選が行われる。
CZ状態は、(1)高ナビ状態において600ゲーム(以下、天井ゲーム数ともいう)を消化した場合、(2)非AT中BB状態においてRT3が終了し、かつ非AT中BB状態においてAT権利を付与されなかった場合に開始される演出状態である。CZ状態では、入賞役内部抽選の結果に基づいて、前兆・対決移行抽選を実行する。CZ状態の前兆・対決移行抽選は、具体的には、前兆状態の設定はなく、対決状態のあり/なし、対決ゲーム数、対決結果(勝ち/負け)を抽選で決定する。そして、次遊技以降は、このシナリオに沿って対決状態に移行する。なお、CZ状態における前兆・対決移行抽選は、(1)高ナビ状態のゲーム数が天井ゲーム数未満では、通常状態Bにおける前兆・対決移行抽選よりも対決ありに当選しやすくなっており、(2)高ナビ状態のゲーム数が天井ゲーム数以上699ゲーム以下では、対決結果(勝ち)が高確率で当選しやすくなっており、(3)高ナビ状態のゲーム数が700ゲームに到達した場合には、対決結果(勝ち)が100%で当選するようになっている。なお、非AT中BB状態を終了した後に開始されたCZ状態は、50ゲームを消化すると通常状態Bに移行する。
ST状態は、後述するAT通常状態が終了した場合に開始される演出状態であり、固定期間の30ゲームが設定される。ST状態では、毎遊技、AT権利の付与抽選をチャンスモードにおける他の状態よりも遊技者に有利な条件にて実行し、AT権利の付与抽選に当選した場合には、AT通常状態に移行する。一方、30ゲームのST状態においてAT権利の付与抽選に当選しなかった場合には、低ナビ状態の通常状態Aに移行する。つまり、ST状態は、ATモードへの引き戻しゾーンと言える。
ATモードは、図11(b)に示すように、AT通常状態、AT高確状態、AT中BB状態、及びリミット状態を備えている。リミット状態以外のATモードでは、AT上乗せの権利を付与するか否かを決定するAT上乗せ抽選を実行する。AT上乗せ抽選に当選した場合には、上乗せのATゲーム数や上乗せのセット数(例えば、1セット100ゲーム)が付与される。詳しくは、ATモードの入賞役内部抽選処理において小役1、小役2+小役4、再遊技役2、又は再遊技役3に内部当選した場合、上乗せのATゲーム数や上乗せのセット数が付与される。
AT通常状態は、チャンスモードでAT権利を付与された場合に移行する演出状態である。本実施形態では、AT通常状態においてAT高確状態移行抽選に当選した場合、AT高確状態に移行する。
AT高確状態は、AT通常状態よりもAT上乗せ抽選に当選しやすい演出状態である。AT高確状態は、1セット6ゲームの特化ゾーンを5回実行する。つまり、AT高確状態は、合計30ゲームの演出状態である。詳しくは後述するが、本実施形態の特化ゾーンでは、上記AT上乗せ権利の付与の条件に加えて、遊技者が演出ボタン192を操作する特典付与演出が実行されるようになっており、特典付与演出の結果に基づいて上乗せのATゲーム数がさらに付与されるようになっている。AT高確状態を終了した後はAT通常状態に移行する。
なお、本実施形態のAT高確状態は、特典付与演出の結果に基づいて上乗せのATゲーム数がさらに付与されるので、AT高確状態はAT通常状態よりも有利となっている。しかしながら、ATゲーム数の上乗せという観点において他の方法によりAT高確状態をAT通常状態よりも有利としてもよい。例えば、AT高確状態では、所定の役に内部当選したときの上乗せのATゲーム数を付与する抽選の当選確率を、AT通常状態よりも高く設定してもよい。また、AT高確状態では、上記所定の役の対象をAT通常状態よりも広範に設定してもよい。また、AT高確状態においてのみ上乗せのATゲーム数を付与し、その他のATモードでは上乗せのATゲーム数を付与しないようにしてもよい。
AT中BB状態は、ATモードにおいて特別役に入賞し、RT系の遊技状態がRT3に移行した場合に開始される演出状態であり、RT3が終了した場合に終了する。AT中BB状態においてRT3が終了した場合には、AT通常状態が開始される。
リミット状態は、高ナビ状態の残り20ゲーム以下、又は高ナビ状態の獲得枚数が1800枚以上に達した場合の高ナビ状態における演出状態である。本実施形態では、リミット状態になると、高ナビ状態の終了を示唆するエンディング演出が実行される。以下、高ナビ状態において残り20ゲーム以下となる条件をリミット状態開始条件1、高ナビ状態の獲得枚数が1800枚以上に達する条件をリミット状態開始条件2ともいう。
<スロットマシンの動作>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図12に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理(詳しくは後述)を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。また、スタートレバー135の操作があった場合、スタートレバー135の操作を示すスタート操作コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。
ステップS104では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得し、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これと取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。また、ステップS105では、選択されたリール停止データに関する情報を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS106では、スタートレバー操作に基づいてAT系の遊技状態の制御に関する演出制御処理A(詳しくは後述)を実行する。
ステップS107では、演出用処理を実行する。演出用処理では、例えば、主制御部300が実行する演出の制御を行う。具体的には、リール110〜112を用いたリール演出やリミット状態以外の遊技状態において実行されるフリーズ演出の制御を行う。また、AT高確状態の6ゲーム目におけるフリーズ演出の制御及び演出ボタン192が操作された場合の制御を行う。演出ボタン192が操作された場合には、演出ボタン192が操作されたことを示す演出ボタンコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。これにより、第1副制御部400は、演出ボタン192の操作に基づく特典付与演出の制御が可能となる。
ステップS108では、外部出力信号メイン処理Aを実行する。外部出力信号メイン処理Aでは、AT信号を出力開始する条件が成立した場合には、AT信号を出力し、補助信号ランプ191の点灯を開始する。また、有利ランプ190の点灯条件が成立した場合には、有利ランプ190の点灯を開始する。
ステップS109では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS110では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS111へ進む。なお、このステップS110では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS111では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば小役3(ベル)に入賞したと判定される。また、このステップS111では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS112では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS113では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、RT系の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の充足により、遊技状態を移行させる。また、現在のRT系の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
ステップS114では、AT系の遊技状態の制御に関する演出制御処理B(詳しくは後述)を実行する。
ステップS115では、外部出力信号メイン処理Bを実行する。外部出力信号メイン処理Bでは、ST状態において引き戻し、つまり、ST状態においてAT権利の付与抽選に当選した場合には、AT信号の出力を停止し、補助信号ランプ191を消灯する。また、外部出力信号メイン処理Bでは、特別役に入賞し、RT3を開始した場合、BB信号を出力する。
ステップS116では、高ナビ状態の終了に関する高ナビ状態終了処理(詳しくは後述)を実行する。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図13のステップS2006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図13を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS2001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS2002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS2003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS2004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS2005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS2006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS2007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。例えば、本実施形態では、補助信号としてAT信号を情報入力回路652に出力する。
ステップS2008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS2003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ336、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。例えば、本実施形態では、有利ランプ190、補助信号ランプ191の点灯制御を行う。
ステップS2009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS2011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS2010に進む。
ステップS2010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS2001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図12に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS2011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図12に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<賭け数設定・スタート操作受付処理>
次に、図14(a)を用いて、賭け数設定・スタート操作受付処理について説明する。図14(a)は、図12のステップS102の賭け数設定・スタート操作受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、スタートレバー操作の前のメダル投入可能な状態において、低ナビ状態から高ナビ状態への移行や高ナビ状態の更新に関する高ナビ状態更新処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS202では、その他の賭け数設定・スタート操作受付処理を実行する。すなわち、賭け数を設定し、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。
なお、本実施形態の賭け数設定に関しては、上述したように、(1)RT1及びRT2では、1枚賭け遊技又は3枚賭け遊技が可能であり、(2)RT3では3枚賭け遊技のみが可能となっている。すなわち、2枚賭け遊技は不可とされている。
<高ナビ状態更新処理>
次に、図14(b)を用いて、高ナビ状態更新処理について説明する。図14(b)は、図14(a)のステップS201の高ナビ状態更新処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、高ナビ状態カウンタ>0であるか否かを判定する。高ナビ状態カウンタは、高ナビ状態ゲーム数をカウントするカウンタであり、低ナビ状態から高ナビ状態への移行が決定したゲームで初期値1000が設定される。その後、高ナビ状態カウンタの値は、高ナビ状態のゲーム進行に従って減算され、高ナビ状態カウンタの値が0となった場合に高ナビ状態は終了し、低ナビ状態に移行する。高ナビ状態カウンタ>0である場合には、ステップS302に進み、そうでない場合には、高ナビ状態更新処理を終了する。
ステップS302では、高ナビ状態カウンタの値を1減算する。
ステップS303では、高ナビ状態フラグがオフであるか否かを判定する。高ナビ状態フラグは、AT系の遊技状態が高ナビ状態であるか否かを示すフラグであり、オンの場合には高ナビ状態を示し、オフの場合には低ナビ状態を示す。高ナビ状態フラグがオフの場合には、ステップS304に進み、そうでない場合には、高ナビ状態更新処理を終了する。
ステップS304では、高ナビ状態フラグをオンにする。本実施形態では、低ナビ状態から高ナビ状態への移行が決まったゲームにおいて高ナビ状態カウンタに1000がセットされ(後述する図16(b)のステップS703参照)、その次ゲームのスタートレバー操作時に高ナビ状態に移行するようになっている。
なお、高ナビ状態更新処理は、処理禁止フラグ(詳しくは後述するが、賭け数に応じて処理禁止フラグの値が異なる)の設定に関係なく、毎遊技実行される処理である。したがって、高ナビ状態カウンタの値は、賭け数に関係なく高ナビ状態において毎遊技更新される。
また、本実施形態では、高ナビ状態カウンタの値を減算していく方法により、高ナビ状態のゲーム数消化を管理していたが、これに限定されず、高ナビ状態カウンタの値を初期値0から加算していくことにより高ナビ状態のゲーム数消化を管理するようにしてもよい。
<演出状態制御処理A>
次に、図15(a)を用いて演出状態制御処理Aについて説明する。図15(a)は、図12のステップS106の演出状態制御処理Aの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS401では、毎遊技共通処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS402では、処理禁止フラグがオフであるか否かを判定する。処理禁止フラグは、高ナビ状態関連処理を実行するか否かを示すフラグであり、処理禁止フラグがオフの場合には、高ナビ状態関連処理を実行可能とし、処理禁止フラグがオンの場合には、高ナビ状態関連処理を実行不可とする。処理禁止フラグは、ステップS401の毎遊技共通処理(後述する図15(b)参照)において設定される。
高ナビ状態関連処理とは、例えば、(1)高ナビ状態関連抽選、(2)AT権利更新処理(3)操作ナビ関連処理などが含まれる。高ナビ状態関連抽選とは、具体的には、(1)低ナビ状態における高ナビ状態移行抽選(例えば、図15のS404の低ナビ状態処理A、図16(b)の高ナビ状態移行処理など)、(2)高ナビ状態におけるAT権利が付与されるAT初当たり抽選又はAT権利が上乗せされるAT上乗せ抽選(例えば、図15のS405の高ナビ状態処理A、図17の高ナビ状態処理Aの各演出状態処理)を示し、AT権利更新処理とは、遊技者が獲得しているATに関する権利(現在のATゲーム数、AT権利など)の更新処理(例えば、図15のS405の高ナビ状態処理A、図18(a)のLMT関連処理A、図18(b)のAT通常状態処理A、図21のS1307の高ナビ状態処理B、図24のS1413のAT通常処理Bなど)を意味する。また、操作ナビ関連処理とは、払出枚数表示器127及び演出画像表示装置157を用いた操作ナビの実行処理(例えば、図15のS405の高ナビ状態処理A、図17のS822の操作ナビ設定処理、図20の操作ナビ情報設定処理など)を意味する。
ステップS402において処理禁止フラグがオフである場合には、ステップS403に進み、そうでない場合、つまり処理禁止フラグがオンである場合には、ステップS406に進む。
ステップS403では、高ナビ状態フラグがオフであるか否かを判定する。高ナビ状態フラグがオフである場合には、ステップS404に進み、高ナビ状態フラグがオフでない、つまりオンである場合には、ステップS405に進む。
ステップS404では、低ナビ状態にあるので、低ナビ状態処理A(詳しくは後述)を実行する。
ステップS405では、高ナビ状態にあるので、高ナビ状態処理A(詳しくは後述)を実行する。
ステップS406では、その他の演出状態制御処理Aを実行する。
なお、ステップS404の低ナビ状態処理A、及びステップS405の高ナビ状態処理Aは、処理禁止フラグがオフの場合にだけ実行され、処理禁止フラグがオンの場合には実行されない。つまり、低ナビ状態処理A及高ナビ状態処理Aは、高ナビ状態関連処理に含まれる。
<毎遊技共通処理>
次に、図15(b)を用いて毎遊技共通処理について説明する。図15(b)は、図15(a)のステップS401の毎遊技共通処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS501では、高ナビ状態関連処理を実行するための条件を充足しているか否かを判定する。高ナビ状態関連処理を実行するための条件を充足している場合には、ステップS502に進み、そうでない場合には、ステップS503に進む。
ここで、高ナビ状態関連処理を実行するための条件を充足している場合とは、本実施形態の場合、RT系の遊技状態がRT1又はRT3において3枚賭け遊技が行われた場合を意味する。したがって、1枚賭けが行われた遊技は、高ナビ状態関連処理を実行するための条件を充足しない。
また、本実施形態では、(A)RT2(特別役内部当選状態)において高ナビ状態が終了した場合、AT系の遊技状態が高ナビ状態終了後の低ナビ状態にあり、かつRT系の遊技状態がRT2(特別役内部当選状態)又はRT3(特別遊技状態)にあるとき、(B)RT3(特別遊技状態)において高ナビ状態が終了した場合、AT系の遊技状態が高ナビ状態終了後の低ナビ状態にあり、かつRT系の遊技状態がRT3(特別遊技状態)にあるときも、高ナビ状態関連処理を実行するための条件を充足しない。
ステップS502では、処理禁止フラグをオフにする。例えば、RT1(一般遊技状態)又はRT3(特別遊技状態)において3枚賭け遊技をした場合、処理禁止フラグはオフになる。
ステップS503では、処理禁止フラグをオンにする。例えば、1枚賭け遊技をした場合、又は上記(A)若しくは(B)の場合、処理禁止フラグはオンになる。
ステップS504では、その他の毎遊技共通処理を実行する。
なお、本実施形態において、1枚賭け遊技で高ナビ状態関連処理(高ナビ状態関連抽選、AT権利更新処理、操作ナビ)を実行しないのは、以下の理由による。本実施形態では、上述したように、RT2(特別役内部当選状態)の1枚賭け遊技において内部当選した特別役の図柄組合せを揃えることができる仕様となっているので、この仕様による弊害(具体的には、1枚賭けによるRT3への遊技状態移行、及びRT3移行によるAT権利付与の攻略的要素となってしまうという弊害)を未然に防止するためである。また、本実施形態の1枚賭け遊技は、図7及び図8に示したように、抽選データの観点からも不利となっているので、ATモードにおいて誤って1枚賭けをしてしまった遊技者にさらなる不利益を与えないようにするため、ATモードの1枚賭け遊技ではAT権利更新処理(例えば、AT権利数やAT状態の残りゲーム数を減算する処理)をしないようにしている。
なお、処理禁止フラグがオンの場合には、高ナビ状態関連抽選を実行しないので、高ナビ状態関連抽選の結果を示すコマンドも第1副制御部400に送信されることはない。したがって、処理禁止フラグがオンの場合、高ナビ状態関連抽選の結果に係わる演出が実行されることはない。
<低ナビ状態処理A>
次に、図16(a)を用いて低ナビ状態処理Aについて説明する。図16(a)は、図15(a)のステップS404の低ナビ状態処理Aの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS601では、高ナビ状態に移行するか否かを決定する高ナビ状態移行処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS602では、その他の低ナビ状態処理Aを実行する。
<高ナビ状態移行処理>
次に、図16(b)を用いて高ナビ状態移行処理について説明する。図16(b)は、図16(a)のステップS601の高ナビ状態移行処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS701では、高ナビ状態移行抽選を実行する。高ナビ状態移行抽選とは、低ナビ状態において高ナビ状態に移行するか否かを決定する抽選であり、本実施形態では、入賞役内部抽選処理においてハズレ以外の役(特別役を含む)に内部当選した場合に当選するようになっている。すなわち、ハズレ以外の役に内部当選した場合、高ナビ状態に移行する。
ステップS702では、高ナビ状態移行抽選において当選したか否かを判定する。高ナビ状態移行抽選において当選した場合には、ステップS703に進み、そうでない場合には、高ナビ状態移行処理を終了する。
ステップS703では、高ナビ状態カウンタに初期値1000をセットする。
ステップS704では、AT中差枚カウンタに仮想差枚数を設定する。ここで、AT中差枚カウンタとは、ATモードにおいて差枚数をカウントするカウンタであり、RAM308の所定領域に設けられている。差枚数とは、メダル払出数からメダル投入数を減算した数値である。差枚数は、後述するMYと異なり、プラスの数値及びマイナスの数値の両方を取り得る。本実施形態のAT中差枚カウンタには、ATモードの10ゲーム間の差枚数が集計され記憶されるようになっている。
図29(a)は、本実施形態のAT中差枚カウンタの内容を模式的に示す図である。本実施形態のAT中差枚カウンタは、1つの更新領域(以下、更新領域0ともいう)と、10の集計対象領域(以下、集計対象領域1〜10ともいう)と、を備えている。本実施形態では、ATモードの毎ゲームにおいて差枚数を計算して起点ゲームからの10ゲーム間の差枚数を集計更新している。更新領域0には、この集計更新された差枚数が毎ゲーム格納される。そして、起点ゲームから10ゲームが経過すると、更新領域0に格納されていた差枚数を集計対象領域1、集計対象領域1に格納されていた差枚数を集計対象領域2、集計対象領域2に格納されていた差枚数を集計対象領域3、…というように更新領域0及び集計対象領域1〜10に格納されていた値を順次移動して再格納するとともに集計対象領域10に格納されていた差枚数は破棄されるようになっている。次いで、また新たな起点ゲームからの10ゲーム間の差枚数を集計更新して更新領域0に格納するようにしている。このように、集計対象領域1〜10は、直近100ゲーム間の差枚数を、10ゲームごとの差枚数を10個に分けて記憶する領域となっている。
AT中差枚カウンタのクリアに関しては、後述する高ナビ状態終了処理(図26)、AT中差枚カウンタの更新に関しては、AT中差枚カウンタ更新処理(図22)において詳しく説明するが、簡単に説明すると、高ナビ状態が終了したゲームにおいて、図29(b)下段に示すように、更新領域0及び集計対象領域1〜10は、初期化されてゼロクリアされる。なお、低ナビ状態においては、AT中差枚カウンタは、図29(b)のままであり、更新領域0及び集計対象領域1〜10は0のままである。
ステップS704では、AT中差枚カウンタは、図29(b)下段に示した状態から図29(c)に示した状態になる。つまり、集計対象領域1〜10のそれぞれに仮想差枚数が設定される。仮想差枚数とは、ATモード10ゲーム間における平均的な差枚数である。本実施形態では、ATモードの1ゲームあたりの平均純増枚数が3枚に設定されているので、仮想差枚数は30となる。なお、仮想差枚数を設定する意義については後述する。
ステップS705では、その他の高ナビ状態移行処理を実行する。
なお、本実施形態では、ステップS704に示したように、高ナビ状態への移行が決定したときにAT中差枚カウンタの集計対象領域1〜10に仮想差枚数を設定したが、設定タイミングはこれに限定されない。AT中差枚カウンタの集計対象領域1〜10の値は、ATモードにおいて用いられるので(詳しくは後述)、ATモードに移行するまでのタイミングであればいずれのときでもよい。
<高ナビ状態処理A>
次に、図17を用いて高ナビ状態処理Aについて説明する。図17は、図15(a)のステップS405の高ナビ状態処理Aの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS801では、リミット状態の設定に関するLMT関連処理(詳しくは後述する)を実行する。
ステップS802では、演出状態が通常状態Bであるか否かを判定する。演出状態が通常状態Bである場合には、ステップS803に進み、そうでない場合には、ステップS804に進む。
ステップS803では、通常状態B処理Aを実行する。通常状態B処理Aでは、入賞役内部抽選の結果に基づき、前兆・対決移行抽選を行い、前兆・対決移行抽選の結果に従って次ゲーム以降の演出状態及びゲーム数を決定する。具体的には、前兆状態及び対決状態のあり/なし、前兆状態及び対決状態のゲーム数、対決状態の結果を決定する。
ステップS804では、演出状態が前兆状態であるか否かを判定する。演出状態が前兆状態である場合には、ステップS805に進み、そうでない場合には、ステップS806に進む。
ステップS805では、前兆状態処理Aを実行する。
ステップS806では、演出状態が対決状態であるか否かを判定する。演出状態が対決状態である場合には、ステップS807に進み、そうでない場合には、ステップS808に進む。
ステップS807では、対決状態処理Aを実行する。対決状態処理Aでは、前兆・対決移行抽選の結果に従って対決結果を設定する。しかしながら、前兆・対決移行抽選において対決結果が負けであっても、対決状態における入賞役内部抽選の結果に基づいて対決が勝ちとなる場合がある。
ステップS808では、演出状態がCZ状態であるか否かを判定する。演出状態がCZ状態である場合には、ステップS809に進み、そうでない場合には、ステップS812に進む。
ステップS809では、CZ状態処理Aを実行する。CZ状態処理Aでは、前兆・対決移行抽選を実行する。なお、CZ状態における前兆・対決移行抽選では、前兆状態が設定されることはない。すなわち、対決状態のゲーム数、及び対決結果が決定される。なお、CZ状態における前兆・対決移行抽選は、高ナビ状態ゲーム数が天井ゲーム数未満の場合、通常状態Bにおける前兆・対決移行抽選よりも前兆状態なしが決定される確率が高く、高ナビ状態ゲーム数が天井ゲーム数以上700ゲーム未満の場合には、超高確率で対決結果勝ちに当選しやすく、高ナビ状態ゲーム数が700ゲームに到達した場合には、対決結果は100%の確率で勝ちとなる。
ステップS812では、演出状態がAT通常状態であるか否かを判定する。演出状態がAT通常状態である場合には、ステップS813に進み、そうでない場合には、ステップS814に進む。
ステップS813では、AT通常状態処理A(詳しくは後述する)を実行する。
なお、ATモードに移行した場合のAT通常状態の開始ゲームにおいては、スタートレバー操作に基づいて疑似遊技を実行してATモードが開始されたことを遊技者に報知する。ここで、疑似遊技とは、本遊技のリール回転開始前に実行される遊技であり、本遊技に対する期待感を向上させる遊技である。具体的には、スタートレバー操作に基づいてリール110〜112を回転させ、セブン1図柄を狙わせる報知演出を実行するとともに、停止操作に基づいて「セブン1図柄−セブン1図柄−セブン1図柄」が有効ライン上に疑似停止する疑似遊技を実行する。疑似停止とは、リール110〜112が完全には静止してない状態をいい、リールが微振動している状態をいう。
また、本実施形態では、疑似遊技を実行することによりATモードが開始されたことを報知したが、リール演出を実行することによりATモードが開始されたことを報知してもよい。具体的には、スタートレバー操作に基づいてリール110〜112を回転させ、「セブン1図柄−セブン1図柄−セブン1図柄」を有効ライン上に停止させるリール演出を実行してもよい。
ステップS814では、演出状態がAT高確状態であるか否かを判定する。演出状態がAT高確状態である場合には、ステップS815に進み、そうでない場合には、ステップS816に進む。
ステップS815では、AT高確状態処理Aを実行する。
ステップS816では、演出状態がST状態であるか否かを判定する。演出状態がST状態である場合には、ステップS817に進み、そうでない場合には、ステップS818に進む。
ステップS817では、ST状態処理Aを実行する。ST状態処理Aでは、AT権利の付与抽選を実行する。AT権利の付与抽選に当選した場合には、AT権利が付与される。具体的には、小役1に内部当選した場合、AT権利が付与される。AT権利が付与された場合には、当該ゲームにおいてAT権利付与を知らせる確定告知を実行するため、確定告知に関するコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。また、ST状態処理Aでは、ST状態の移行時には、STカウンタに初期値(具体的には30)を設定し、STカウンタの減算を行う。ここで、STカウンタは、ST状態のゲーム数をカウントするカウンタである。
なお、本実施形態では、小役1に内部当選した場合にAT権利を付与したが、他の小役や再遊技役に内部当選した場合にAT権利を付与するようにしてもよく、また、他の小役や再遊技役に内部当選した場合にAT権利を付与する抽選を行い、この抽選に当選した場合にAT権利を付与するようにしてもよい。
ステップS818では、演出状態が非AT中BB状態であるか否かを判定する。演出状態が非AT中BB状態である場合には、ステップS819に進み、そうでない場合には、ステップS820に進む。
ステップS819では、非ATBB状態処理Aを実行する。非AT中BB状態処理Aでは、AT初当たり抽選を実行する。AT初当たり抽選に当選した場合には、AT権利が付与される。
ステップS820では、演出状態がAT中BB状態であるか否かを判定する。演出状態がAT中BB状態である場合には、ステップS821に進み、そうでない場合には、ステップS822に進む。
ステップS821では、AT中BB状態処理Aを実行する。AT中BB状態処理Aでは、AT上乗せ抽選を実行する。AT上乗せに当選した場合には、AT権利が上乗せされる。
ステップS822では、操作ナビの設定に関する操作ナビ情報設定処理(詳しくは後述)を実行する。
<LMT関連処理A>
次に、図18(a)を用いてLMT関連処理Aについて説明する。図18(a)は、図17のステップS801のLMT関連処理Aの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS901では、演出状態がリミット状態でないか否かを判定する。演出状態がリミット状態でない場合には、ステップS902に進み、演出状態がリミット状態である場合には、ステップS907に進む。
ステップS902では、高ナビ状態カウンタが19以下であるか否かを判定する。これは、高ナビ状態がラスト20ゲームに到達したか否かを判定するものであり、本実施形態の場合、リミット状態に移行するための残ゲーム値は19である。高ナビ状態カウンタが19以下である場合には、高ナビ状態がラスト20ゲームに到達したので、ステップS904に進み、そうでない場合には、ステップS903に進む。
ステップS903では、MYカウンタの値が1800以上であるか否かを判定する。MYカウンタは、高ナビ状態におけるメダルの獲得数をカウントするカウンタである。MYカウンタの更新方法に関しては、後述するMYカウンタ更新処理(図21のステップS1302)において詳しく説明する。本実施形態の場合、リミット状態に移行するための獲得メダル数は1800である。MYカウンタの値が1800以上である場合には、高ナビ状態におけるメダルの獲得枚数が1800以上となったので、ステップS904に進み、そうでない場合には、LMT関連処理Aを終了する。
ステップS904では、LMTカウンタに初期値を設定する。LMTカウンタは、リミット状態の残りゲーム数をカウントするカウンタであり、初期値は19である。すなわち、高ナビ状態カウンタの値が19以下、または差枚数カウンタの値が1800以上のいずれであっても、リミット状態の残りゲーム数は20ゲームとなる。
ステップS905では、フリーズ情報をセットする。本実施形態では、高ナビ状態のLMT状態でない状態においてラスト20ゲームとなったときに、エンディング演出が開始されることを示すフリーズ演出を実行するので、フリーズ演出に関するフリーズ情報をセットするものである。また、このフリーズ情報を含んだフリーズ演出コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、まず、演出画像表示装置157を用いたフリーズ演出が実行され、次いで、演出画像表示装置157を用いたエンディング演出が実行される。すなわち、リミット状態に移行し、エンディング演出を実行中の場合には、再度、フリーズ情報をセットして、フリーズ演出を実行することはない。
ステップS906では、演出状態をリミット状態に設定する。
一方、ステップS907では、演出状態がリミット状態にあるので、LMTカウンタの値を1減算する。
なお、1枚賭け遊技は、処理禁止フラグがオンの遊技であるから、このLMT関連処理Aは実行されない。つまり、1枚賭け遊技ではLMTカウンタの値は更新されない。
<AT通常状態処理A>
次に、図18(b)を用いAT通常状態処理Aについて説明する。図18(b)は、図17のステップS813のAT通常状態処理Aの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1001では、ATカウンタの値を1減算する。ATカウンタは、ATゲーム数をカウントするカウンタであり、ATモードに移行したゲームにおいて初期値(例えば、50など)が設定される。その後、ATカウンタの値は、ATモードのゲーム進行に従って減算され、ATカウンタの値が0、かつ残ATセット数が0の場合にATモードは終了し、低ナビ状態に移行する。
ステップS1002では、高ナビ状態カウンタの値がAT残ゲーム数以上であるか否かを判定する。本実施形態では、高ナビ状態カウンタの値がAT残ゲーム数以上にないとAT通常状態からAT高確状態に移行するAT高確状態移行関連処理を実行しないようにしている。AT高確状態に移行し、AT権利を上乗せされる確率が高くなったとしても、高ナビ状態カウンタの値がAT残ゲーム数未満では、付与されたAT権利を消化することができないからである。高ナビ状態カウンタの値がAT残ゲーム数以上である場合には、ステップS1003に進み、そうでない場合には、ステップS1004に進む。
ステップS1003では、AT高確状態移行関連処理(詳しくは後述)を実行する。AT高確状態移行関連処理では、AT高確状態移行抽選を実行し、AT高確状態移行抽選に当選した場合には、AT高確状態に移行すべく、AT高確状態に関するフラグやカウンタをセットする。本実施形態の場合、AT高確状態移行抽選は、第1AT高確状態移行抽選と、第2AT高確状態移行抽選と、を有する。第1AT高確状態移行抽選、又は第2AT高確状態移行抽選のいずれかに当選すれば、AT高確状態に移行する。
ステップS1004では、その他のAT状態処理Aを実行する。例えば、AT上乗せ抽選処理や当該ゲームに入賞役内部抽選処理の結果に応じた演出設定を行う。また、ATモードに移行した最初のゲームにおいて、ゲーム間カウンタ、集計間隔カウンタ、及びAT中差枚レベルに初期値を設定する。
ここで、ゲーム間カウンタとは、AT中差枚カウンタの各領域、つまり更新領域0、及び集計対象領域1〜10に格納される差枚数の集計期間をカウントするカウンタである。本実施形態では、10ゲーム間の差枚数が格納されるようになっているので、ゲーム間カウンタには10が初期設定され、ゲームの進行とともに減算される。ゲーム間カウンタは、RAM308の所定領域に設けられている。
集計間隔カウンタとは、後述するAT中差枚レベルを算出するための集計期間をカウントするカウンタである。本実施形態では、50ゲーム間の差枚数を用いて差枚レベルを算出するようにしているので、集計間隔カウンタには50が初期設定され、ゲームの進行とともに減算される。集計間隔カウンタは、RAM308の所定領域に設けられている。
AT中差枚レベル(以下、単に差枚レベルと略す)は、集計期間における差枚数を段階的に分類した程度を示しており、ATモード中の純増枚数を調整する調整値でもある。図32(a)は、本実施形態の差枚レベルを説明する表である。本実施形態の差枚レベルは4段階に分類されており、例えば、50ゲーム間の差枚数が0〜149枚の場合には、差枚レベルは0、50ゲーム間の差枚数が150〜199枚の場合には、差枚レベルは1、50ゲーム間の差枚数が200〜249枚の場合には、差枚レベルは2、50ゲーム間の差枚数が250枚以上の場合には、差枚レベルは3に設定される。
本実施形態では、差枚レベルに0が初期設定される。ここで、差枚レベル0の場合には、ATモード中の平均純増枚数が1ゲームあたり3.5枚となるようにATモード中の遊技制御を行う。ATモード中の遊技制御とは、具体的には、操作ナビの実行有無の制御である。本実施形態の場合、ATモードにおいて押し順役(小役3a)に内部当選した場合に操作ナビを確実に実行し、操作ナビの操作順序に従った停止操作をした場合、1ゲームあたりの平均純増枚数は3.5枚となるようになっている。つまり、ATモードの開始時には、押し順役(小役3a)に内部当選した場合には必ず操作ナビが実行されるようになっている。
同様にして、差枚レベル1の場合には、ATモード中の平均純増枚数が1ゲームあたり3枚、差枚レベル2の場合には、ATモード中の平均純増枚数が1ゲームあたり2.5枚、差枚レベル3の場合には、ATモード中の平均純増枚数が1ゲームあたり2枚となるようにATモード中の遊技制御、つまり操作ナビの実行頻度の調整を行う。
このように差枚レベル1〜3の場合、ATモードにおいて押し順役(小役3a)に内部当選しても操作ナビを実行しない場合がある。本実施形態の場合、差枚レベルの値が大きくなるほどATモード中の平均純増枚数が少なくなる、つまり操作ナビの実行頻度は低くなるようにしている。すなわち、スロットマシン100は、操作ナビの実行頻度に基づいてATモード中の差枚数を調整する機能を有しており、ATモードの純増枚数が多めの状態においては操作ナビの実行頻度を下げる一方、ATモードの純増枚数が少なめの状態においては操作ナビの実行頻度を上げるようにして、ATモードにおける純増枚数が略一定になるように調整している。
図32(b)は、AT通常状態において操作ナビの実行頻度を調整する操作ナビ抽選テーブルの内容を模式的に示す図である。本実施形態では、AT通常状態において小役3aに内部当選した場合、図32(b)に示した操作ナビ抽選テーブルを用いた抽選に基づいて操作ナビを実行するか否かを決定する。
例えば、差枚レベル0の場合には、256/256、つまり100%の確率で操作ナビを実行する。差枚レベル1の場合には、220/256、差枚レベル2の場合には、181/256、差枚レベル2の場合には、148/256の確率で操作ナビを実行する。本実施形態の操作ナビ抽選テーブルは、差枚レベルの値が大きいほど当選確率が低くなっている。この結果、差枚レベルの値が大きいほど平均純増枚数は減少することになる。
なお、AT高確状態では、差枚レベルに関係なく1ゲームあたりの純増枚数が0枚となるように操作ナビの実行頻度を調整する。つまり、AT高確状態は、上乗せのATゲーム数付与という観点では、AT通常状態よりも有利であるが、純増枚数という観点では、AT通常状態よりも不利な状態となっている。遊技者の興味は特典付与に向いているので、操作ナビの実行頻度の低さに対する不満を解消できる場合がある。
また、リミット状態においては、差枚レベルに関係なく1ゲームあたりの純増枚数が3.5枚となるように操作ナビの実行頻度を調整する。リミット状態は、ATモード(高ナビ状態)の終盤にあたるため、ATモード(高ナビ状態)の終盤において遊技者の遊技意欲をさらに向上させるためである。この結果、リミット状態の終了後、低ナビ状態に移行しても遊技者は遊技を継続する場合がある。
このように本実施形態のAT通常状態では、遊技媒体の獲得状況に基づいて遊技媒体の付与調整を行っており、所定の期間におけるATモード中の差枚数が多くなると、平均純増枚数が少なくなるように、所定の期間におけるATモード中の差枚数が少ないと平均純増枚数が多くなるように、操作ナビの実行頻度を調整している。
本実施形態では、ATモードに移行した最初のゲームにおいて、差枚レベル0が初期設定される。つまり、ATモードの開始時には、押し順役(小役3a)に内部当選した場合、必ず操作ナビは実行される。この結果、ATモードに移行した序盤は、ATモードに移行した喜びに見合う出玉を提供するため、遊技者の喜びを倍増させることができる。なお、差枚レベルは、RAM308の所定領域に設けられている。
なお、1枚賭け遊技は、処理禁止フラグがオンの遊技であるから、このAT通常状態処理Aは実行されない。つまり、1枚賭け遊技ではATカウンタの値は更新されない。
<AT高確状態移行関連処理>
次に、図19を用いてAT高確状態移行関連処理について説明する。図19は、図18(b)のステップS1003のAT高確状態移行関連処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1101では、第1AT高確状態移行抽選を実行する。図31(a)は、第1AT高確状態移行抽選に用いるAT高確移行抽選テーブル1の内容を模式的に示す図である。第1AT高確状態移行抽選では、図31(a)に示すように、設定及び入賞役内部抽選処理の結果に基づいて当選を決定する。本実施形態では、入賞役内部抽選処理において、再遊技役2、再遊技役3、又は小役1、小役2+小役4のいずれかに内部当選した場合、AT高確状態に移行する可能性がある。例えば、設定1において再遊技役2に内部当選した場合には、8/256の確率で当選する。
ステップS1102では、第1AT高確状態移行抽選に当選したか否かを判定する。第1AT高確状態移行抽選に当選した場合には、ステップS1106に進み、第1AT高確状態移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、RAM308の所定領域に記憶されている差枚レベル(図32(a)参照)を取得する。
ステップS1104では、取得した差枚レベルに基づいて第2AT高確状態移行抽選を実行する。すなわち、第2AT高確状態移行抽選は、第1AT高確状態移行抽選に当選しなかった場合に実行される抽選である。図31(b)は、第2AT高確状態移行抽選に用いるAT高確移行抽選テーブル2の内容を模式的に示す図である。第2AT高確状態移行抽選では、図31(b)に示すように、設定及び差枚レベルに基づいて当選を決定する。例えば、設定5においてレベル2の場合には、32/256の確率で当選する。本実施形態のAT高確移行抽選テーブル2は、差枚レベルの値が大きいほど当選確率が高くなっており、AT高確状態に移行しやすくなっている。
ステップS1105では、第2AT高確状態移行抽選に当選したか否かを判定する。第2AT高確状態移行抽選に当選した場合には、ステップS1106に進み、第2AT高確状態移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS1107に進む。
ステップS1106では、第1AT高確状態移行抽選又は第2AT高確状態移行抽選のいずれかに当選したので、演出状態をAT高確状態に設定する。
ステップS1107では、その他のAT高確状態移行関連処理を実行する。
なお、ステップS1104では、50ゲーム間の差枚数から判定された差枚レベルを用いた第2AT高確状態移行抽選を実行したが、第2AT高確状態移行抽選に用いる差枚レベルは、50ゲーム間の差枚数に限定されない。例えば、50ゲームより多いゲーム数、例えば、100ゲーム間の差枚数に基づいて差枚レベルを算出し、算出した差枚レベルに基づいて第2AT高確状態移行抽選を実行してもよい。第2AT高確状態移行抽選の結果は、メダル払出に直結するため、より慎重に処理するためである。差枚レベルの判定に関しては、後述する図23のAT中差枚レベル判定処理で説明するが、本実施形態のAT中差枚カウンタ(図29参照)は、予め定められたゲーム間の差枚数レベルの判定だけなく、種々のゲーム間の差枚数レベルの判定を容易に行える構成となっている。
<操作ナビ情報設定処理>
次に、図20を用いて操作ナビ情報設定処理について説明する。図20は、図17のステップS822の操作ナビ情報設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1201では、演出状態がATモードに対応する演出状態であるか否かを判定する。ここで、ATモードに対応する演出状態とは、具体的に、AT通常状態、AT高確状態、AT中BB状態、リミット状態をいう。しかしながら、RT3においては押し順役の小役3aに内部当選することはないので(図7参照)、本実施形態のATモードに対応する演出状態とは、AT通常状態、AT高確状態、及びリミット状態を示す。演出状態がATモードに対応する演出状態である場合には、ステップS1202に進み、そうでない場合には、ステップS1203に進む。
ステップS1202では、入賞役内部抽選処理において押し順役に内部当選したか否かを判定する。押し順役とは、具体的には、条件装置における「小役3a」の内部当選を意味する。押し順役に内部当選した場合には、ステップS11203に進み、そうでない場合には、操作ナビ情報設定処理を終了する。
ステップS1203では、RAM308の所定領域に記憶されている差枚レベルを取得する。
ステップS1204では、取得した差枚レベルを用いて操作ナビを実行するか否かを決定する操作ナビ抽選を実行する。詳しくは、AT通常状態及びリミット状態の場合には、図32(b)に示した操作ナビ抽選テーブルを用いて操作ナビ抽選を実行する。差枚レベルの値が大きいほど当選確率が低くなっている。AT高確状態の場合には、差枚レベルに係わらず純増0枚となるように操作ナビ抽選を実行する。
ステップS1205では、操作ナビ抽選に当選したか否かを判定する。操作ナビ抽選に当選した場合には、ステップS1207に進み、操作ナビ抽選に当選しなかった場合には、ステップS1206に進む。
ステップS1206では、演出状態がリミット状態であるか否かを判定する。演出状態がリミット状態である場合には、ステップS1207に進み、そうでない場合には、ステップS1208に進む。
ステップS1207では、操作ナビの報知内容に関する情報(操作ナビ情報)に正解の押順を設定する。この結果、払出枚数表示器127を用いた操作ナビが実行される(図10参照)。すなわち、本実施形態では、(1)操作ナビ抽選に当選した場合、又は(2)操作ナビ抽選に非当選であったが、演出状態がリミット状態の場合、操作ナビを実行する。このように本実施形態では、リミット状態において押し順役の小役3aに内部当選した場合には、必ず操作ナビは実行される。つまり、リミット状態は、実質的には、図32(b)に示した操作ナビ抽選テーブルによる操作ナビ抽選の結果とは全く関係がなく、差枚レベル3.5であり、純増枚数は3.5枚となるように調整される。気持ちよくATモードを終了させるためである。
ステップS1207では、その他の操作ナビ情報設定処理を実行する。例えば、正解の押順を示す操作ナビ情報を含んだ操作ナビコマンドを第1副制御部400に送信する準備をする。この結果、演出画像表示装置157を用いた操作ナビが実行される。
なお、1枚賭け遊技は、処理禁止フラグがオンの遊技であるから、この操作ナビ情報設定処理は実行されない。つまり、1枚賭け遊技では、払出枚数表示器127を用いた操作ナビも実行されないし、また、操作ナビコマンドが第1副制御部400に送信されることもないので、演出画像表示装置157を用いた操作ナビも実行されない。
なお、本実施形態では、ATモード中の平均純増枚数を、操作ナビの実行頻度、つまり操作ナビを実行するか、しないかに基づいて調整したが、この方法に限定されない。例えば、押し順役に内部当選した場合、必ず操作ナビを実行するようにしてもよい。しかしながら、第1停止操作から第3停止操作までの全操作内容を報知する場合と、第1停止操作のみの一部の操作内容を報知する場合と、に分け平均純増枚数を調整するようにしてもよい。また、第1停止操作から第3停止操作までの全操作内容を報知する場合、第1停止操作のみの一部の操作内容を報知する場合、操作ナビを実行しない場合の3つに分けて平均純増枚数を調整するようにしてもよい。また、一部の操作内容を報知する場合としては、第1停止操作の操作内容を報知せず、押し順役に当選した旨を報知(例えば、「???」などの報知)し、第1停止操作が正解の操作順序の第1停止操作と一致した場合に、第2停止操作の操作内容を報知するようにしてもよい。
<演出状態制御処理B>
次に、図21を用いて演出状態制御処理Bについて説明する。図21は、図12のステップS114の演出状態制御処理Bの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1301では、高ナビ状態フラグがオンであるか否かを判定する。高ナビ状態フラグがオンである場合には、ステップS1302に進み、そうでない場合には、ステップS1311に進む。
ステップS1302では、高ナビ状態にあるので、MYカウンタの値を更新するMYカウンタ更新処理を実行する。具体的には、MYカウンタ更新処理では、当該ゲームのメダル付与処理において(1)払出枚数>投入枚数の場合には、加算値=払出枚数−投入枚数とし、MYカウンタの値に加算値を加算する一方、(2)払出枚数≦投入枚数の場合には、減算値=投入枚数−払出枚数とし、MYカウンタの値から減算値を減算する。なお、更新の結果、MYカウンタの値<0の場合にはMYカウンタの値を0とする。すなわち、MYカウンタの値はマイナスとなることがない。
ステップS1303では、AT中差枚カウンタ更新処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS1304では、AT中差枚レベル判定処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS1305では、処理禁止フラグがオフであるか否かを判定する。処理禁止フラグがオフである場合には、ステップS1306に進み、そうでない場合には、演出状態制御処理Bを終了する。
ステップS1306では、高ナビ状態フラグがオンであるか否かを判定する。高ナビ状態フラグがオンの場合には、ステップS1307に進み、高ナビ状態フラグがオンでない、つまり高ナビ状態フラグがオフである場合には、演出状態制御処理Bを終了する。
ステップS1307では、高ナビ状態にあるので、高ナビ状態処理B(詳しくは後述)を実行する。
なお、演出状態制御処理Bは、処理禁止フラグの値に関係なく、毎遊技実行される処理であるから、MYカウンタの値は、賭け数に関係なく高ナビ状態において毎遊技更新される。一方、ステップS1307の高ナビ状態処理Bは、処理禁止フラグがオフの場合にだけ実行され、処理禁止フラグがオンの場合には実行されない。つまり、高ナビ状態処理Bは、高ナビ状態関連処理に含まれる。
<AT中差枚カウンタ更新処理>
次に、図22を用いてAT中差枚カウンタ更新処理について説明する。図22は、図21のステップS1303のAT中差枚カウンタ更新処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1801では、演出状態がATモードに対応する演出状態であるか否かを判定する。演出状態がATモードに対応する演出状態である場合には、ステップS1802に進み、そうでない場合には、AT中差枚カウンタ更新処理を終了する。
ステップS1802では、AT中差枚カウンタの値を更新する。例えば、当該ゲームにおいてメダル投入数が3、メダル払出数が10の場合であって、AT中差枚カウンタの更新領域0に30が記憶されていた場合、更新領域0の30に当該ゲームの差枚数7(=10−3)を加算した37を新たなAT中差枚カウンタの更新領域0の値として格納する。
ステップS1803では、ゲーム間カウンタの値を1減算する。
ステップS1804では、減算されたゲーム間カウンタの値が0であるか否かを判定する。ゲーム間カウンタの値が0の場合には、ステップS1805に進み、そうでない場合には、AT中差枚カウンタ更新処理を終了する。
ステップS1805では、起点ゲームから10ゲームが経過したので、AT中差枚カウンタの集計対象領域1〜10の値をシフトし、次いで、ステップS1806では、AT中差枚カウンタの更新領域0を初期化する。
ここで、図29を用いてステップS1805〜S1806の処理(以下、差枚数シフト処理という)を具体的に説明する。例えば、今回の起点ゲームをATモードの開始ゲームとし、ATモード開始から10ゲーム経過した場合と想定すると、図29(d)に示すように、更新領域0に格納されていた値42は、集計対象領域1に移動し、集計対象領域1に格納されていた30は、集計対象領域2に移動し、集計対象領域2に格納されていた30は、集計対象領域3に移動し、というように、各集計対象領域の値は右隣の集計対象領域に移動するとともに集計対象領域10に格納されていた30を破棄する。次いで、更新領域0に格納されていた値42は初期化されて、初期値0が更新領域0に格納される。
このように本実施形態のAT中差枚カウンタの集計対象領域1〜10は、直近の10ゲーム、つまり最も新しい集計単位期間の差枚数は集計対象領域1、最も古い集計単位期間の差枚数は集計対象領域10、領域の番号が大きくなるに従って古い集計単位期間となっているので、差枚数シフト処理が行われると、集計対象領域10に格納されていた差枚数は破棄される。
なお、図30(a)は、ATモード開始から50ゲーム経過した場合の差枚数シフト処理の概要を説明する図、図30(b)は、ATモード開始から100ゲーム経過した場合の差枚数シフト処理の概要を説明する図である。
ステップS1807では、ゲーム間カウンタに初期値10を設定する。
なお、本実施形態では、AT中差枚カウンタ更新処理をATモードにおいて実行したが、高ナビ状態においても実行してもよい。つまり、AT中差枚カウンタ(更新領域0)の更新を高ナビ状態から実行してもよい。
<AT中差枚レベル判定処理>
次に、図23を用いてAT中差枚カウンタ更新処理について説明する。図23は、図21のステップS1304のAT中差枚レベル判定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1901では、演出状態がATモードに対応する演出状態であるか否かを判定する。演出状態がATモードに対応する演出状態である場合には、ステップS1902に進み、そうでない場合には、AT中差枚レベル判定処理を終了する。
ステップS1902では、集計間隔カウンタの値を1減算する。
ステップS1903では、減算された集計間隔カウンタの値が0か否かを判定する。集計間隔カウンタの値が0の場合には、ステップS1904に進み、そうでない場合には、AT中差枚レベル判定処理を終了する。
ステップS1904では、前回の差枚レベルの判定から50ゲームが経過したので、当該50ゲーム間の差枚数を集計する。
ここで、図30を用いて、本実施形態の当該50ゲーム間の差枚数の集計方法を説明する。本実施形態では、50ゲーム間の差枚数を集計するので、直近の50ゲーム、つまり集計対象領域1〜5に格納されている差枚数を集計すればよい。例えば、図30(a)の場合、移動後の集計対象領域1の29、集計対象領域2の21、集計対象領域3の28、集計対象領域4の33、及び集計対象領域5の42を加算すればよい。この場合、直近50ゲーム間の差枚数は153枚となる。
本実施形態では、直近50ゲーム間の差枚数を集計するので、集計対象領域1〜5に格納されている数値が対象となるが、例えば、直近100ゲーム間の差枚数を集計する場合には、図30(c)に示すように、集計対象領域1〜10に格納されている数値を対象とすればよい。つまり、本実施形態のAT中差枚カウンタを用いた場合、直近10ゲームから100ゲームまでの差枚数を容易に算出することができる。なお、AT中差枚カウンタの各領域に格納される数値の対象集計期間、及びAT中差枚カウンタの各領域の数は、用途に応じて任意に設定可能である。
ステップS1905では、ステップS190で集計された差枚数に基づいて差枚レベルの判定を行う。詳しくは32(a)に示した差枚レベルの判定表に基づいて、差枚レベルの判定を行う。例えば、直近50ゲーム間の差枚数は153枚の場合、差枚レベルは1となる。
ステップS1906では、ステップS1905で判定された差枚レベルをRAM308の所定領域に記憶する。
ステップS1907では、集計間隔カウンタに初期値である50を設定する。
<高ナビ状態処理B>
次に、図24を用いて低ナビ状態処理Bについて説明する。図24は、図21のステップS1307の高ナビ状態処理Bの流れを詳しく示すフローチャートである。なお、ステップS1403、S1405、S1407、S1409、S1413、S1415、S1417、S1419及びS1421の各演出状態の処理Bにおいては、次遊技のための演出状態の更新を行い、演出状態の更新(次遊技の演出状態やゲーム数など)に関するコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS1401では、リミット状態に関連するLMT関連処理B(詳しくは後述)を実行する。
ステップS1402では、演出状態が通常状態Bであるか否かを判定する。演出状態が通常状態Bである場合には、ステップS1403に進み、そうでない場合には、ステップS1404に進む
ステップS1403では、通常状態B処理Bを実行する。通常状態B処理Bでは、例えば、前兆・対決移行抽選において「前兆あり、対決なし」又は「前兆あり、対決あり」の場合には、次遊技の演出状態を「前兆状態」に設定する。また、前兆・対決移行抽選において「前兆なし、対決あり」の場合には、次遊技の演出状態を「対決状態」に設定する。また、高ナビ状態カウンタの値が600に到達した場合には、次遊技の演出状態を「CZ状態」に設定する。
ステップS1404では、演出状態が前兆状態であるか否かを判定する。演出状態が前兆状態である場合には、ステップS1405に進み、そうでない場合には、ステップS1406に進む。
ステップS1405では、前兆状態処理Bを実行する。前兆状態処理Bでは、設定された前兆ゲーム数を消化したか否かを判定し、前兆ゲーム数を消化した場合には、次ゲームの演出状態を設定する。例えば、前兆・対決移行抽選において「前兆あり、対決あり」の場合には、次ゲームの演出状態を「対決状態」に設定し、前兆・対決移行抽選において「前兆あり、対決なし」の場合には、次ゲームの演出状態を「通常状態B」に設定する。
ステップS1406では、演出状態が対決状態であるか否かを判定する。演出状態が対決状態である場合には、ステップS1407に進み、そうでない場合には、ステップS1408に進む。
ステップS1407では、対決状態処理Bを実行する。対決状態処理Bでは、設定された対決ゲーム数を消化したか否かを判定し、対決ゲーム数を消化した場合には、対決結果に基づいて次の演出状態を設定する。例えば、対決結果(勝ち)の場合には、次の演出状態をAT準備状態に設定し、対決結果(負け)の場合には、次の演出状態を通常状態Bに設定する。
ステップS1408では、演出状態がCZ状態であるか否かを判定する。演出状態がCZ状態である場合には、ステップS1409に進み、そうでない場合には、ステップS1412に進む。
ステップS1409では、CZ状態処理Bを実行する。CZ状態処理Bでは、RT3終了後に移行したCZ状態の場合、CZ状態において50ゲームを消化したか否かを判定し、50ゲームを消化した場合には、次遊技の演出状態を通常状態Bに設定する。高ナビ状態ゲーム数が天井ゲーム数以上の場合には、CZ状態は、前兆・対決移行抽選において対決結果が勝ちになるまで継続される。
ステップS1412では、演出状態がAT通常状態であるか否かを判定する。演出状態がAT通常状態である場合には、ステップS1413に進み、そうでない場合には、ステップS1414に進む。
ステップS1413では、AT通常状態処理Bを実行する。AT通常状態処理Bでは、ATカウンタの値が0でAT権利カウンタの値>0の場合には、AT権利カウンタの値を1減算して、1セット50ゲームのAT通常状態を継続する。ここで、AT権利カウンタとは、残りのAT権利の数をカウントするカウンタであり、残りのAT権利の数とは、具体的には、残ATセット数のことである。また、ATカウンタの値が0でAT権利カウンタの値が0の場合には、次遊技の演出状態をST状態に設定する。
ステップS1414では、演出状態がAT高確状態であるか否かを判定する。演出状態がAT高確状態である場合には、ステップS1415に進み、そうでない場合には、ステップS1416に進む。
ステップS1415では、AT高確状態処理Bを実行する。
ステップS1416では、演出状態がST状態であるか否かを判定する。演出状態がST状態である場合には、ステップS1417に進み、そうでない場合には、ステップS1418に進む。
ステップS1417では、ST状態処理B(詳しくは後述)を実行する。
ステップS1418では、演出状態が非AT中BB状態であるか否かを判定する。演出状態が非AT中BB状態である場合には、ステップS1419に進み、そうでない場合には、ステップS1420に進む。
ステップS1420では、非AT中BB状態処理Bを実行する。非AT中BB状態処理Bでは、内部当選した特別役が特別役の場合には、RT3の終了ゲームにおいてAT権利を付与して次遊技の演出状態をAT通常状態に設定する。
ステップS1420では、演出状態がAT中BB状態であるか否かを判定する。演出状態がAT中BB状態である場合には、ステップS1421に進み、そうでない場合には、高ナビ状態処理Bを終了する。
ステップS1421では、AT中BB状態処理Bを実行する。AT中BB状態処理Bでは、RT3(特別遊技状態)を終了する場合、次の演出状態をAT通常状態に設定する。
<LMT関連処理B>
図25(a)は、図24のステップS1401のLMT関連処理Bの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1501では、演出状態がリミット状態にあるか否かを判定する。演出状態がリミット状態にある場合には、ステップS1502に進み、そうでない場合には、LMT関連処理Bを終了する。
ステップS1502では、LMTカウンタの値が0であるか否かを判定する。LMTカウンタが0である場合には、ステップS1503に進み、そうでない場合には、LMT関連処理Bを終了する。
ステップS1503では、高ナビ状態終了待機フラグをオンにする。高ナビ状態終了待機フラグは、高ナビ状態が終了時期にあるか否かを判定するフラグであり、オンの場合には、当該ゲームにおいて高ナビ状態が終了することを意味する。
<ST状態処理B>
次に、図25(b)を用いてST状態処理Bについて説明する。図25(b)は、図24のステップS1417のST状態処理Bの流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1601では、STカウンタの値が0であるか否かを判定する。STカウンタの値が0である場合には、ステップS1602に進み、そうでない場合には、ステップS1604に進む。
ステップS1602では、引き戻しがあるか否かを判定する。引き戻しとは、当該ゲームにおいてAT権利の付与抽選に当選し(具体的には、小役1、小役2+4に当選した場合)、ST状態からAT通常状態に戻ることを意味する。引き戻しがない場合、つまり、ST状態の最終ゲームにおいてAT権利の付与抽選に当選しなかった場合には、ステップS1603に進み、そうでない場合には、ステップS1604に進む。
ステップS1603では、STカウンタの値は0でAT権利の付与抽選に当選しなかったので、高ナビ状態を終了すべく、高ナビ状態カウンタの値に0をセットする。
一方、ステップS1604では、その他のST状態処理Bを行う。例えば、ST状態においてAT権利付与抽選に当選した場合(具体的には、小役1、小役2+4に当選した場合)には、次遊技の演出状態を1セット50ゲームのAT通常状態に設定する。
<高ナビ状態終了処理>
次に、図26を用いて高ナビ状態終了処理について説明する。図26は、図12のステップS116の高ナビ状態終了処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1701では、高ナビ状態フラグがオンであるか否かを判定する。高ナビ状態フラグがオンである場合には、ステップS1702に進み、そうでない場合には、高ナビ状態終了処理を終了する。
ステップS1702では、高ナビ状態終了待機フラグがオンであるか否かを判定する。高ナビ状態終了待機フラグがオンである場合には、ステップS1703に進み、そうでない場合には、ステップS1704に進む。
ステップS1703では、高ナビ状態終了待機フラグをオフにする。ステップS1703の処理の後はステップS1706に進む。
ステップS1704では、高ナビ状態カウンタの値が0であるか否かを判定する。高ナビ状態カウンタの値が0である場合には、ステップS1706に進み、そうでない場合には、ステップS1705に進む。
ステップS1705では、MYカウンタの値が2000以上であるか否かを判定する。MYカウンタの値が2000以上である場合には、ステップS1706に進み、そうでない場合には、高ナビ状態終了処理を終了する。
ステップS1706では、高ナビ状態フラグをオフにする。
ステップS1707では、高ナビ状態カウンタの値をクリアする。
ステップS1708では、MYカウンタの値をクリアする。
ステップS1709では、AT中差枚カウンタの値をクリアする。詳しくは、図29(b)に示すように、AT中差枚カウンタの更新領域0、及び集計対領域1〜10の値をゼロクリアする。
ステップS1710では、AT関連情報をクリアする。具体的には、ATカウンタ、AT権利カウンタの値をクリアする。
ステップS1711では、AT信号をオフに設定する。この結果、主制御部タイマ割込処理のステップS2007の外部出力信号設定処理によってAT信号の出力が停止される。
ステップS1712では、補助信号ランプ191を消灯に設定する。この結果、主制御部タイマ割込処理のステップS2008のデバイス処理によって補助信号ランプ191が消灯される。
ステップS1713では、有利ランプ190を消灯に設定する。この結果、主制御部タイマ割込処理のステップS2008のデバイス処理によって有利ランプ190が消灯される。
ステップS1714では、その他の高ナビ状態終了処理を実行する。例えば、AT系の遊技状態を低ナビ状態に設定する。
ステップS1715では、低ナビ状態を示す遊技状態コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
なお、高ナビ状態終了処理は、処理禁止フラグの値に関係なく、毎遊技実行される処理であるから、賭け数に関係なく高ナビ状態カウンタの値が0になると、AT信号の出力は停止され、補助信号ランプ191及び有利ランプ190も消灯する。
<第1副制御部の処理>
次に、図27を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図27(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図27(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図27(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図27(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理である第1副制御部コマンド処理を実行する。例えば、ATモードの3枚賭け遊技において押し順役に内部当選した場合、操作ナビコマンドの受信に基づいて操作ナビの設定を行う一方、ATモードの1枚賭け遊技においては、押し順役に内部当選しないため、操作ナビコマンドも送信されないので、操作ナビの設定を行うことがない。
ステップS3005では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。例えば、後述するAT中演出においては、賭け数に関係なく獲得枚数の更新は行われる。その結果、ATモードの1枚賭け遊技では、獲得枚数が増加することなく(操作ナビ等が行われないので)、維持又は減少してくことになり、1枚賭けをしていることを遊技者に間接的に気づかせるようにしている。
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中にシャッタ163への命令がある場合には、この命令を駆動回路424に出力する。
ステップS3009では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
次に、図27(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図27(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、図27(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS3202では、ステップS3009で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図28を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図28(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図28(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図28(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図28(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図28(a)のステップS4001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS4001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理や、VRAM536内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS4002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS4003の処理に移行する。
ステップS4003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS4004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS4005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS4004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS4006では、ステップS4005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS4005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS4002へ戻る。
次に、図28(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS4101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図28(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS4201では、図28(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS4002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS4002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS4202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図28(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS4006の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS4301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS4302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS4303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS4303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS4301でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS4304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS4305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS5306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS4306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<AT中差枚カウンタ>
次に、図29及び図30を用いて、上述したAT中差枚カウンタのデータ設定及びデータ更新の流れについて総括する。
図29(a)に示すように、AT中差枚カウンタは、一次元配列の要素を格納可能な11個の記憶領域を有している。添字(インデックス)0の領域は、更新領域であり、添字1〜10の領域は、集計対象領域である。本実施形態では、直近の所定ゲーム数の差枚数を集計する場合、この集計対象領域である10個の領域に格納された値を用いて差枚数を集計するようにしている。
図29(b)は、高ナビ状態が終了したゲームのAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。高ナビ状態が終了した場合、更新領域0、及び集計対象領域1〜10は、初期化されてゼロクリアされる(図26の高ナビ状態終了処理のステップS1709)。
図29(c)は、図29(b)の後、低ナビ状態から高ナビ状態のチャンスモードに移行したゲームのAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。高ナビ状態のチャンスモードに移行した場合、集計対象領域1〜10には、仮想差枚数30が設定される(図16の高ナビ状態移行処理のステップS704)。
図29(d)は、図29(c)の後、高ナビ状態のATモードに移行し、10ゲームが経過したゲームのAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。ATモードが開始されてから10ゲームが経過した場合、差枚数シフト処理が行われ、更新領域0、及び集計対象領域1〜10に格納された値は、それぞれ添字がインクリメントされた領域に再格納される(図22のAT中差枚カウンタ更新処理のステップS1805、S1806)。また、更新領域0は、ゼロクリアされ、集計対象領域10に格納されていた値は破棄される(図22のAT中差枚カウンタ更新処理のステップS1805、S1806)。
図30(a)は、図29(d)の後、ATモードにおいて50ゲームが経過した場合のAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。ATモードにおいて50ゲームが経過した場合も、図29(d)同様に差枚数シフト処理が行われる(図22のAT中差枚カウンタ更新処理のステップS1805、S1806)。また、差枚数シフト処理後には、AT中差枚レベル判定処理(図23参照)において、直近50ゲーム間である集計対象領域1〜5に格納された差枚数を集計する。なお、ATモードにおいて50ゲームが経過した場合、集計対象領域1〜5には、仮想差枚数ではなく、消化ゲームに対して集計された差枚数が格納されることとなる。
本実施形態では、高ナビ状態に移行するときにAT中差枚カウンタに仮想差枚数を設定したが、上述したように、ATモードに移行した後50ゲームした時点において初めて50ゲーム間の差枚数を集計するようにしているので、この仮想差枚数を用いることはない。しかしながら、差枚数の集計方法は、他の用途も含めて種々想定されているので、そのような場合に仮想差枚数を用いることがある。例えば、ATモードに移行した後、10ゲームごとに直近50ゲーム間の差枚数を集計する方法の場合には、ATモードに移行した当初、仮想差枚数を用いて直近50ゲーム間の差枚数を集計することになる。このように仮想差枚数は、対象となる過去の遊技履歴が実際のデータとして記憶されていない状況において、代わりに用いられる差枚数となっている。仮想差枚数を用いることにより、遊技履歴がない状況であっても、差枚数の集計を行うことができる。
図30(b)は、図30(a)の後、ATモードにおいて100ゲームが経過した場合のAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。ATモードにおいて100ゲームが経過した場合も、図29(d)同様に差枚数シフト処理が行われる(図22のAT中差枚カウンタ更新処理のステップS1805、S1806)。また、差枚数シフト処理後には、AT中差枚レベル判定処理(図23参照)において、直近50ゲーム間である集計対象領域1〜5に格納された差枚数を集計する。なお、ATモードにおいて100ゲームが経過した場合、集計対象領域1〜10には、すべて消化ゲームに対して集計された差枚数が格納されることとなる。
図30(c)は、直近50ゲーム、及び直近100ゲームの差枚数の集計方法を説明する図である。本実施形態では、直近50ゲームの場合、集計対象領域1〜5に格納された値を集計し(図23のAT中差枚レベル判定処理のステップS1904)、直近100ゲームの場合、集計対象領域1〜10に格納された値を集計すればよい。勿論、直近100ゲーム以下であれば、他の直近ゲーム数(10×n:nは1〜10)でも集計は可能である。上述したように、本実施形態では、差枚数シフト処理を実行しているので、常に直近10ゲームの差枚数は集計対象領域1に格納されるようになっている。そのため、直近ゲームの差枚数を集計する場合、常に集計対象領域1を起点として集計することができるので、集計が容易である。つまり、本実施形態のAT中差枚カウンタは、ソフトウェアの設計及び改修が容易であるという特徴を備えている。
なお、本実施形態では、差枚数シフト処理を実行した後、50ゲーム間の差枚数を集計するようにしたが、集計タイミングはこれに限定されない。直近50ゲーム間の差枚数は、集計対象領域1〜5に格納されているので、直近50ゲーム間の差枚数を集計する場合、好適なタイミングにおいて集計対象領域1〜5に格納されている差枚数を集計すればよい。
また、AT中差枚カウンタの更新領域0には、10ゲーム間、つまり連続したゲーム間の差枚数を集計し、格納したが、必ずしも連続したゲーム間でなく、離散的な1又は複数のゲームの差枚数を集計し、格納してもよい。また、集計対象領域に格納された差枚数の集計に関しても、連続した集計対象領域に格納された差枚数を集計するだけでなく、離散的な1又は複数の離散的な集計対象領域に格納された差枚数を集計するようにしてもよい。
また、本実施形態の差枚数シフト処理では、最も古い遊技履歴である集計対象領域10の値を破棄するようにしたが、破棄せず蓄積するようにしてもよい。また、本実施形態の差枚数シフト処理では、差枚数シフト処理の実行タイミングにおいて最も古い遊技履歴を破棄したが、破棄するタイミングもこれに限定されない。例えば、電源投入時、電断時、リセット時などに遊技履歴を破棄するようにしてもよい。なお、破棄とは、データを削除する場合のほか、所定の領域に格納されていたデータの値を他の値に上書きにすることにより更新される場合も含むものである。
<ATモードにおける差枚数の推移>
次に、図33及び図34のタイムチャートを用いて、ATモードの差枚数の推移について具体的に説明する。
ここで、図33及び図34の図中に表記された「低」、「高」は、それぞれ「低ナビ状態」、「高ナビ状態」を示し、「通常A」、「通常B」、「前兆」、「対決」、「AT通常」、「AT高確」、「LMT」は、それぞれ「通常状態A」、「通常状態B」、「前兆状態」、「対決状態」、「AT通常状態」、「AT高確状態」、「リミット状態」を示す。実線ALが実際の消化ゲームに対する差枚数の推移、実線SLがATモード中の1ゲームあたり平均純増枚数3枚で遊技が進行したと仮定した場合の差枚数の推移を示している。
図33は、高ナビ状態におけるメダルの獲得数が2000枚に到達して高ナビ状態終了条件を充足した場合のタイムチャートである。
ATモードに移行した場合、差枚レベルには初期値0が設定されるので(図18(b)のAT通常状態処理AのステップS1004)、ATモードの1〜50ゲームは、差枚レベル0、純増枚数3.5枚で遊技が進行していく。次いで、ATモードにおいて50ゲームが経過した時点において1〜50ゲームの差枚数を集計し、差枚レベルの判定を行うので(図23のAT中差枚レベル判定処理のステップS1904、S1905)、この場合、差枚レベル2が設定される。このようにATモードにおいて50ゲームを消化するたびに当該50ゲーム間の差枚数を集計し、集計した差枚数から差枚レベルの判定を行う。そして、判定した差枚レベルに基づいて次の50ゲーム間の差枚数を調整していく。この結果、図33に示すように、当該50ゲーム間の純増枚数が多くなると、次の50ゲーム間の差枚レベルの値を大きくして純増枚数を減らすようにしている。また、当該50ゲーム間の純増枚数が少なくなると、次の50ゲーム間の差枚レベルの値を小さくして純増枚数を増やすようにしている
なお、AT高確状態では、差枚レベルの値に関係なく純増枚数0となるように調整されている。なお、図33において1回目のAT高確状態への移行は、第1AT高確状態移行抽選で当選した場合(入賞役内部抽選処理の内部当選役に基づいて当選した場合)、2回目のAT高確状態への移行は、第2AT高確状態移行抽選で当選した場合(差枚レベル3に基づいて当選した場合)を示している。また、ATモードの最後の状態であるリミット状態に移行した時点の差枚レベルは3に設定されているが、リミット状態では、差枚レベルに関係なく純増枚数3.5になるように調整されている。
図34は、高ナビ状態ゲーム数が1000ゲームに到達して高ナビ状態終了条件を充足した場合のタイムチャートである。
図33と同様に、ATモードの1〜50ゲームは、差枚レベル0、純増枚数3.5枚で遊技が進行していくとともに、ATモードにおいて50ゲームを消化するたびに当該50ゲーム間の差枚数を集計し、集計した差枚数から差枚レベルの判定を行う。そして、判定した差枚レベルに基づいて次の50ゲーム間の差枚数を調整していく。この結果、図34に示すように、当該50ゲーム間の純増枚数が多くなると、次の50ゲーム間の差枚レベルの値を大きくして純増枚数を減らすようにしている。また、当該50ゲーム間の純増枚数が少なくなると、次の50ゲーム間の差枚レベルの値を小さくして純増枚数を増やすようにしている
なお、AT高確状態では、差枚レベルの値に関係なく純増枚数0となるように調整されている。また、リミット状態では、差枚レベルに関係なく純増枚数3.5になるように調整されている。
<特典付与演出>
図35及び図36を用いて特典付与演出について説明する。図35は、特典付与演出に用いられるポイント仮付与カウンタの概要図であり、図36は、特典付与演出の演出態様を示す図である。
AT高確状態は、1セット6ゲームの特化ゾーンを5回実行する演出状態である。AT高確状態では、まず、特化ゾーンの1〜5ゲームにおいて、入賞役内部抽選処理の結果に対して全役(ハズレも含む)にポイントを仮付与するようにしている。次いで、特化ゾーンの6ゲームにおいて特典付与演出を実行し、遊技者の操作に基づいて仮付与されたポイントの合算値を決定するようにしている。このポイントの合算値が上乗せのATゲーム数となる。
ここで、ポイント仮付与カウンタは、特化ゾーン1〜5ゲームの入賞役内部抽選処理の結果、及びポイントを格納する。ポイント仮付与カウンタは、RAM308の所定領域に設けられている。
図35(a)は、特化ゾーン1ゲーム目の入賞役内部抽選処理前のポイント仮付与カウンタの様子を示している。この状態においては、ポイント仮付与カウンタは初期化されている。
図35(b)は、特化ゾーン1ゲーム目の入賞役内部抽選処理後のポイント仮付与カウンタの様子を示している。この場合、特化ゾーン1ゲーム目の入賞役内部抽選処理において、小役3a(ベル1)に内部当選したので、ポイント仮付与カウンタの記憶領域1には、小役3a(ベル1)を示す情報、ポイント仮付与カウンタの記憶領域6には、小役3a(ベル)に対するポイント10を記憶する。なお、本実施形態では、内部当選した役と付与されるポイント値には関係がなく、ランダムな数値が付与されるが、内部当選した役に対応付けてポイント値を付与してもよい。また、内部当選した役が押し順役の場合、正解の操作順序に対応付けてポイント値を付与してもよい。
図35(c)は、特化ゾーン2ゲーム目の入賞役内部抽選処理前のポイント仮付与カウンタの様子を示している。この状態においては、特化ゾーン1ゲーム目の内部当選役を示す情報、つまりポイント仮付与カウンタの記憶領域1に格納された値は、ポイント仮付与カウンタの記憶領域2にシフトして再格納されるとともにポイント仮付与カウンタの記憶領域1は初期化される。また、特化ゾーン1ゲーム目に付与されたポイント、つまりポイント仮付与カウンタの記憶領域6に格納された値は、ポイント仮付与カウンタの記憶領域7にシフトして再格納されるとともにポイント仮付与カウンタの記憶領域6は初期化される。
図35(d)は、特化ゾーン2ゲーム目の入賞役内部抽選処理後のポイント仮付与カウンタの様子を示している。この場合、特化ゾーン2ゲーム目の入賞役内部抽選処理において、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したので、ポイント仮付与カウンタの記憶領域1には、再遊技役1(通常リプレイ)を示す情報、ポイント仮付与カウンタの記憶領域6には、再遊技役1(通常リプレイ)に対するポイント5を記憶する。
図35(e)は、特化ゾーン3ゲーム目の入賞役内部抽選処理前のポイント仮付与カウンタの様子を示している。この状態においては、特化ゾーン1ゲーム目及び2ゲーム目の内部当選役を示す情報、つまりポイント仮付与カウンタの記憶領域1及び2に格納された値は、ポイント仮付与カウンタの記憶領域2及び3にそれぞれシフトして再格納されるとともにポイント仮付与カウンタの記憶領域1及び2は初期化される。また、特化ゾーン1ゲーム目及び2ゲーム目に付与されたポイント、つまりポイント仮付与カウンタの記憶領域6及び7に格納された値は、ポイント仮付与カウンタの記憶領域7及び8にそれぞれシフトして再格納されるとともにポイント仮付与カウンタの記憶領域6は初期化される。
同様にして、図35(f)は、特化ゾーン3ゲーム目の入賞役内部抽選処理後のポイント仮付与カウンタの様子、図35(g)は、特化ゾーン4ゲーム目の入賞役内部抽選処理前のポイント仮付与カウンタの様子、図35(h)は、特化ゾーン4ゲーム目の入賞役内部抽選処理後のポイント仮付与カウンタの様子、図35(i)は、特化ゾーン5ゲーム目の入賞役内部抽選処理前のポイント仮付与カウンタの様子、図35(j)は、特化ゾーン5ゲーム目の入賞役内部抽選処理後のポイント仮付与カウンタの様子を示している。詳しくは、特化ゾーンの3ゲーム目及び4ゲーム目の内部当選役がハズレで、ポイントはそれぞれ0、特化ゾーンの5ゲーム目の内部当選役が小役3a(ベル1)で、ポイントが5であることを示している。
このように本実施形態のポイント仮付与カウンタは、AT中差枚カウンタと同様に、一次元配列の要素を格納可能な記憶領域を有しており、格納する値を移動させながら直近5ゲームの入賞役内部当選処理における内部当選役、及び付与されたポイントを記憶する。
図36は、図35に示した特化ゾーン5ゲームを消化した後の6ゲーム目の特典付与演出の演出態様を示す図である。
図36(a)及び(b)は、特化ゾーン6ゲーム目のスタートレバー操作後の演出画像表示装置157に表示される演出画像である。画面上には、直近5ゲームのポイント仮付与カウンタの内容を示す情報、つまり直近5ゲームの内部当選役及び付与されたポイントを示す画像d10、演出ボタン192を好適なタイミングで操作することを促す画像d20(例えば、「タイミング良くボタンを押せ」などのメッセージ画像、演出ボタン192の操作を示唆する画像))、及びメータを示す画像d30が表示される。画像d30は、棒状のメーターレベルが左右に動く画像である。本実施形態では、画像d10の1〜5の各領域のポイント値の合算対象領域と画像d30のメーターレベルが対応づけられている。例えば、図36(a)に示すメーターレベルの状態で演出ボタン192が操作されると、ベル図柄及び5ポイントを示す領域1までの合計ポイント、つまり5ポイントが当該特化ゾーンにおいて獲得するポイントとなり、図36(b)に示すメーターレベルの状態で演出ボタン192が操作されると、上記領域1からベル図柄及び10ポイントを示す領域5までの合計ポイント、つまり20ポイント(=5+0+0+5+10)が当該特化ゾーンにおいて獲得するポイントとなる。そして、この合計ポイントの値がそのまま上乗せのATゲーム数となる。
なお、特化ゾーン6ゲーム目のスタートレバー操作前の演出画像表示装置157には、画像d10だけが表示されている。また、詳しくは、スロットマシン100の主制御部300は、特化ゾーン6ゲーム目のスタートレバー操作に基づいて、リール110〜112をフリーズさせるフリーズ演出を実行する。一方、スロットマシン100の第1副制御部400及び第2副制御部500は、このフリーズ演出の実行中に、上記特典付与演出を実行する。
図36(c)は、特化ゾーン6ゲーム目において演出ボタン192が操作された後の演出画像表示装置157に表示される演出画像である。画面上には、引き続き、画像d10及び画像30が表示されるとともに、上乗せされたATゲーム数を示す画像(例えば、「10ゲーム上乗せ」などのメッセージ画像)d40が表示される。図36(c)に示すケースの場合、10ポイント(=5+0+0+5)を獲得したので、上乗せのATゲーム数は10ゲームである。
なお、本実施形態の特典付与演出は、遊技者の演出ボタン192の操作タイミングに応じて該当する合計ポイントの値を付与するようにしたが、この方法に限定されない。例えば、遊技者の演出ボタン192の操作タイミングに係わらず、抽選により算出された合計ポイント(具体的には、直近の5つのポイントのうちどこまで遡って合計するかの抽選)を付与するようにしてもよい。
また、本実施形態の特典付与演出は、演出ボタン192を操作することにより変化するメーターレベルを決定する演出としたが、特典付与演出の演出態様はこれに限定されない。例えば、演出ボタン192の操作に基づいてサイコロを転がし、停止したサイコロの上面の表示(例えば、直近3ゲーム分を加算する表示など)に基づいて合計ポイントを付与するようしてもよいし、演出ボタン192の操作に基づいて、回転している円状の対象物に対して矢などの投射物を当てる射的演出を実行し、投射物が当たった位置の表示(例えば、直近3ゲーム分を加算する表示など)に基づいて合計ポイントを付与するようしてもよい。
なお、本実施形態では、1セット6ゲームの特化ゾーン(今回セットという)が終了すると新たなセット(次回セットという)の特化ゾーンが開始されるが、この次回セットの特化ゾーンにおいて、今回セットで得たポイントを流用して特典付与演出を実行してもよい。例えば、次回セットでは、次回セットで獲得したポイントのほか、前回セットの直近数ゲームで獲得したポイントを加算可能な特典付与演出を実行してもよい。
<演出態様>
図37にAT中演出、BB中演出、通常中演出の演出態様の一例を示す。詳しくは、図37(a−1)は、低ナビ状態の通常中演出において演出画像表示装置157に表示される画像例、図37(a−2)は、高ナビ状態の通常中演出において演出画像表示装置157に表示される画像例、図37(b)は、BB中演出において演出画像表示装置157に表示される画像例、図37(c)は、AT中演出において演出画像表示装置157に表示される画像例である。なお、エンディング演出の演出態様に関しては後述する。
高ナビ状態の通常中演出では、図37(a−2)に示すように、高ナビ状態に移行してからのゲーム数を示すゲーム数情報d1が表示される。また、BB中演出では、図37(b)に示すように、RT3(特別遊技状態)において獲得したメダル枚数を示す獲得数情報d2が表示される。また、AT中演出では、図37(c)に示すように、ATモードにおいて獲得したメダル枚数を示す獲得数情報d3、ATモードの総ゲーム数と残ゲーム数を示すATゲーム数情報d4が表示される。なお、獲得数情報d3には、ATモードにおいてRT3(特別遊技状態)に移行した場合にはRT3(特別遊技状態)において獲得したメダル枚数、つまりAT中BB状態において獲得したメダル枚数も含まれる。また、図37(c)は、押し順役に内部当選したゲームを示しているため、図37(c)に示すAT中演出では、操作ナビの内容を示す操作ナビ画像d5も表示されている。
なお、図37(b)に示したBB中演出、図37(c)に示したAT中演出では、ゲーム数情報d1を表示しなかったが、高ナビ状態にある場合、BB中演出及びAT中演出において、ゲーム数情報d1を表示するようにしてもよい。この場合、高ナビ状態から低ナビ状態に移行した場合、0ゲームの表示をしてゲーム数情報d1を継続させてもよいが、一旦、ゲーム数情報d1を非表示とし、低ナビ状態から高ナビ状態に移行した場合に再度ゲーム数情報d1を表示させた方が好適である。遊技者に違和感を与えることがないからである。
また、図38にエンディング演出の演出態様の一例を示す。本実施形態のエンディング演出は、2種類存在する。一つは、リミット状態開始条件1を充足した場合(高ナビ状態の残り20ゲーム以下になった場合)に開始されるリミット状態において実行されるエンディング演出A、もう一つは、リミット状態開始条件2を充足した場合(高ナビ状態の獲得枚数が1800枚以上に達した場合)に開始されるリミット状態において実行開始されるエンディング演出Bである。
つまり、本実施形態では、異なるリミット状態開始条件で異なるエンディング演出を提供することができる。なお、エンディング演出Aとエンディング演出Bを同一の演出として実行してもよい。また、複数種類のエンディング演出の中からいずれか1つを抽選で選択するようにしてもよい。その場合、設定値に応じてエンディング演出の選択割合を異ならせてもよい。設定値を推測する楽しみを与えることができる。
図38(a)は、エンディング演出Aにおいて演出画像表示装置157に表示される画像例である。
エンディング演出Aでは、図38(a)に示すように、エンディング演出終了までのゲーム数(リミット状態の残りゲーム数)を示すリミットゲーム数情報d6が表示される。一方、ATゲーム数情報d4は表示されない。遊技者にATモード終了の残念感を与えないためである。なお、図38(a)は、押し順役に内部当選し、操作ナビ画像d5が表示される場合を示している。
図38(b)は、エンディング演出Bにおいて演出画像表示装置157に表示される画像例である。
エンディング演出Bでは、エンディング演出終了までのMY情報を示すリミットゲーム数情報d7、なお、図38(d)は、押し順役に内部当選し、操作ナビ画像d5が表示される場合を示している。
<その他の変形例>
本実施形態のAT中差枚カウンタを用いた差枚数の集計においては、図29及び図30に示したように、更新領域と集計対象領域1〜10を分けて、集計対象領域1〜10を用いて差枚数を集計した。しかしながら、図39(a)に示すように、集計対象領域の一部が更新領域を兼ねるようにしてもよい。
図39(a)に示すAT中差枚カウンタは、一次元配列の要素を格納可能な10個の記憶領域を有している。添字(インデックス)1の領域は、更新領域であるとともに集計対象領域でもある。添字2〜10の領域は、集計対象領域である。本変形例では、直近の所定ゲーム数の差枚数を集計する場合、この集計対象領域である10個の領域に格納された値を用いて差枚数を集計するようにしている。以下、添字1の記憶領域を更新領域・集計対象領域1と表記する。
図39(a−1)は、低ナビ状態から高ナビ状態のチャンスモードに移行したゲームのAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。高ナビ状態のチャンスモードに移行した場合、更新領域・集計対象領域1には、0が設定され、集計対象領域2〜10には、仮想差枚数30が設定される。
図39(a−2)は、図39(a−1)の後、高ナビ状態のATモードに移行し、ATモードが開始されてから10ゲームが経過したときのAT中差枚カウンタの動きを説明する図である。ATモードが開始されてから10ゲームが経過した場合、差枚数シフト処理が行われ、更新領域・集計対象領域1、及び集計対象領域2〜10に格納された値は、それぞれ添字がインクリメントされた領域に再格納される。また、更新領域・集計対象領域1は、ゼロクリアされ、集計対象領域10に格納されていた値は破棄される。
この変形例のAT中差枚カウンタを用いて直近の所定ゲーム数(10×nゲーム:nは1〜10の自然数)を集計する場合、例えば、直近50ゲームの差枚数を集計する場合には、更新・集計対象領域1、集計対象領域2〜5に格納されている値を集計すればよい。
また、上記実施形態では、一旦格納された差枚数を再格納する差枚数シフト処理を実行したが、差枚数シフト処理を実行しなくてもよい。例えば、更新領域は固定領域(例えば、添字0の領域)とし、複数の集計対象領域をリングバッファとし、集計された差枚数を順次循環的に異なる領域に格納するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、高ナビ状態のATモードに移行したときを契機に差枚数の集計を開始したが、差枚数の集計の開始契機はこれに限定されない。例えば、高ナビ状態のチャンスモードに移行したときを契機に差枚数の集計を開始してもよい。そして、この場合、高ナビ状態のチャンスモードに移行したときに、集計対象領域に上述した通常状態Bのベースを考慮した仮想差枚数を設定してもよい。
ここで、チャンスモード(通常状態B)の1ゲームあたりの平均純増枚数について説明する。通常状態Bにおいては、例えば、ベース50、つまり1000円(50枚)で50回遊技できる遊技台とすると、1ゲームあたりの差枚数−1となる。したがって、10ゲーム間の差枚数は−10となるので、仮想差枚数として−10を設定してもよい。
また、ATモードの平均純増枚数、及びチャンスモードの平均純増枚数の双方を考慮した仮想差枚数を設定するようにしてもよい。
図39(b)は、このようなATモードの平均純増枚数だけでなくチャンスモードの平均純増枚数を加味して仮想差枚数を設定する場合のAT中差枚カウンタを説明する図である。例えば、AT1セット50ゲームとし、この1セットのATモードを終了(高ナビ状態も終了)した後に再度、低ナビ状態から高ナビ状態のチャンスモードに移行した場合には、集計対象領域1〜5には、ATモードを考慮した仮想差枚数、集計対象領域6〜10には、チャンスモードを考慮した仮想差枚数を設定してもよい。また、予め仮想差枚数を設定せず、仮想差枚数を用いた集計を行うときに、仮想差枚数を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態の仮想差枚数の値は、ATモードの平均純増枚数に基づいて算出したが、その算出の根拠となる数値は、他のものを用いてもよい。例えば、ベース、機械割(出玉率)、入賞役内部抽選のデータに基づく当選確率を用いて仮想差枚数を算出したもよい。
また、上記実施形態では、集計対象となる遊技履歴として差枚数を用いたが、集計対象となる遊技履歴は、差枚数に限定されない。例えば、MY、特定の役(例えば、小役3など)の入賞回数、ポイント数などの数値データに関する遊技履歴のほか、エラーや監視(例えば、扉開放、設定変更)などの事象に関する遊技履歴でもよい。
また、上記実施形態では、主制御部300が集計対象となる遊技履歴を管理したが、第1副制御部400・第2副制御部500が集計対象となる遊技履歴を管理してもよい。
また、上記実施形態では、遊技履歴として差枚数を用いて、操作ナビの実行頻度を調整したが、遊技履歴に基づく遊技制御は、操作ナビの実行頻度に限定されない。例えば、遊技状態や演出状態の移行、ポイント獲得などのゲーム性に関する制御、不正行為の判定や不正行為に関する報知など不正監視に関する制御としてもよい。
また、上記実施形態では、高ナビ状態が終了するときにAT中差枚カウンタの値をクリアするようにしたが、遊技履歴をクリアするタイミングはこれに限定さない。遊技履歴の内容に基づいて遊技履歴をクリアするタイミングを設定すればよい。例えば、設定変更、電源投入、リセット操作などに基づいて遊技履歴をクリアしてもよい。
また、差枚数シフト処理において各領域に格納されていた値を移動する方法は、特に限定されない。例えば、まず、集計対象領域9の値を集計対象領域10に移動して上書きし(集計対象領域10の値は結果として破棄される)、次いで、集計対象領域8の値を集計対象領域9に移動して上書きし、次いで、集計対象領域7の値を集計対象領域8に移動して上書きする、という順序で各領域の値を更新してもよい。また、例えば、集計対象領域1〜10と同一の構成を有するバッファ領域を備えてもよく、一旦、集計対象領域1〜10の各領域の値をバッファ領域にスワップしてから、バッファ領域の各領域に格納されていた値を移動させて集計対象領域1〜10に戻すようにしてもよい。
[その他の遊技台]
なお、上記実施形態においては、遊技台の一例として、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシン100を示したが、これに限定されるものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、パチンコ機、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール、カジノマシン等に適用可能である。
例えば、パチンコ機は、図40に示すような「所定の遊技領域1002に遊技球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された遊技球を入球可能に構成された始動入賞口1006と、始動入賞口1006に入球した遊技球を検知する検知手段1008と、検知手段1008が遊技球を検知した場合に遊技球を払出す払出手段1012(又は遊技球に相当する対価を付与する付与手段)と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、検知手段1008により遊技球が検出されたことを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」であってもよい。
なお、スロットマシンは、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合、遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。
[実施形態の総括]
以上述べたように、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、図柄)を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール110〜112)と、
遊技を開始させるためのスタート操作を受け付けるスタート操作受付手段(例えば、スタートレバー135、主制御部300、賭け数設定・スタート操作受付手段S102)と、
前記スタート操作の受付に基づいて役の内部当選に関する抽選を行い、抽選結果を導出可能な抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S104)と、
前記スタート操作の受付に基づいて変動表示された前記識別情報を停止させる停止操作を受け付ける停止操作受付手段(例えば、ストップボタン137〜139、主制御部300)と、
前記抽選結果および前記停止操作の内容に基づいて前記識別情報の停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御手段S110)と、
前記可変表示部に導出された表示結果に基づいて遊技媒体を付与可能な遊技媒体付与手段(例えば、主制御部300、入賞判定処理S111、メダル付与処理S112)と、
通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技(例えば、AT遊技)を付与可能な有利遊技付与手段(例えば、主制御部300、演出状態制御処理Aなど)と、
前記有利遊技が付与された場合に、複数の遊技に亘って有利遊技状態(例えば、ATモード)を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、主制御部300、演出状態制御処理Bなど)と、
前記有利遊技状態において前記停止操作受付手段の停止操作を示す情報(例えば、停止操作順序などの操作内容)を報知可能な報知手段(例えば、払出枚数表示器127、演出画像表示部157、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、操作ナビ情報設定処理S822など)と、を備えた遊技台であって、
前記抽選結果には、所定の抽選結果(例えば、小役3aの内部当選)が含まれ、
前記報知手段は、前記有利遊技状態において前記所定の抽選結果が導出された場合に、第一の停止操作を示す情報(例えば、正解の停止操作時順序)を報知可能な手段であり、
前記停止制御手段は、
前記所定の抽選結果が導出された遊技において前記第一の停止操作が受け付けられた場合には、前記可変表示部に第一の表示結果(例えば、有効ライン上に小役3の図柄組合せを表示)を導出し、
前記所定の抽選結果が導出され遊技において前記第一の停止操作とは異なる第二の停止操作(例えば、不正解の停止操作時順序)が受け付けられた場合には、前記可変表示部に前記第一の表示結果とは異なる第二の表示結果(例えば、有効ライン上にハズレの図柄組合せを表示)を導出する手段であり、
前記遊技媒体付与手段は、
前記可変表示部に前記第一の表示結果が導出された場合には、付与する遊技媒体を第一の数(例えば、10枚)とし、
前記可変表示部に前記第二の表示結果が導出された場合には、付与する遊技媒体を前記第一の数よりも少ない第二の数(例えば、0枚、1枚など)とする手段であり、
前記報知手段は、
前記有利遊技状態における前記第一の停止操作を示す情報を報知する割合を、遊技媒体の獲得状況(例えば、過去の複数ゲーム又は前回ゲームにおける差枚数、MY、所定の役の入賞回数など)に応じて段階的に調整可能に構成されている手段である(例えば、図32(a)及び(b)、図33、図34など)、
ことを基本的構成とする。
この基本的構成によれば、有利遊技状態における第一の停止操作を示す情報を報知する割合が遊技媒体の獲得状況に応じて調整可能に構成されているので、有利遊技状態において消化ゲーム数に対する獲得状況に大きな差を生じることを未然に防止することができる。また、第一の停止操作を示す情報を報知する割合を段階的に調整するので、遊技者に違和感を与えることがない。
上記基本的構成において、
予め定めた所定数のゲーム間の前記遊技媒体の獲得状況の範囲と、前記報知する割合と、を対応付けた報知割合情報を備え、
前記報知手段は、
前記報知割合情報に基づいて、前記有利遊技状態における前記第一の停止操作を示す情報を報知する、
ことを第1の好適な構成とする。
この第1の好適な構成によれば、第一の停止操作を示す情報を報知する割合を段階的に調整することが簡単に実行できる。
上記第1の好適な構成において、
前記報知割合情報は、
前記予め定めた所定数のゲーム間の前記遊技媒体の獲得状況が第一の範囲と、前記報知する割合が第一の割合と、を対応付けた第一の情報と、
前記予め定めた所定数のゲーム間の前記遊技媒体の獲得状況が前記第一の範囲の最大値よりも大きな最小値を備える第二の範囲と、前記報知する割合が前記第一の割合より小さい第二の割合と、を対応付けた第二の情報と、
を少なくとも備える、
ことを第2の好適な構成とする。
この第2の好適な構成によれば、第一の停止操作を示す情報を報知する割合を段階的に調整することが簡単に実行できる。
上記基本的構成、上記第1の好適な構成、又は上記第2の好適な構成、において、
前記遊技台は、遊技媒体を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能となるものであり、
前記遊技媒体の獲得状況は、前記遊技媒体の賭数と前記遊技媒体の付与数に基づく、遊技者が獲得している前記遊技媒体の獲得数である、
ことを第3の好適な構成とする。
この第3の好適な構成によれば、有利遊技状態において第一の停止操作を示す情報を報知する割合が、遊技媒体の獲得数に応じて調整可能に構成されているので、有利遊技状態において消化ゲーム数に対する獲得状況に大きな差を生じることを未然に防止することができる。
上記基本的構成、上記第1の好適な構成、又は上記第2の好適な構成、において、
前記遊技媒体の獲得状況は、前記可変表示部に第一の表示結果が導出された回数(例えば、小役3の入賞回数など)である、
ことを第4の好適な構成とする。
この第4の好適な構成によれば、有利遊技状態において第一の停止操作を示す情報を報知する割合が、所定の抽選結果が導出された場合の入賞回数に応じて調整可能に構成されているので、有利遊技状態において消化ゲーム数に対する獲得状況に大きな差を生じることを未然に防止することができる。
上記基本的構成、上記第1の好適な構成、上記第2の好適な構成、上記第3の好適な構成、又は上記第4の好適な構成において、
前記第二の数は、零の数である、
ことを第5の好適な構成とする。
この第5の好適な構成によれば、所定の抽選結果が導出された遊技において正解の停止操作の場合と不正解の停止操作の場合の遊技結果に大きく変化を与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。