本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から前記遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、前記遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における前記遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。なお、上述した3個の回転リール62は、正面から向かって左側の左回転リール64と、中央の中回転リール66と、この中回転リール66の右側に位置する右回転リール68とから構成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70(図3参照)が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、液晶表示装置である画像表示部84と、ランプ78とを備えている。
なお、回転リール62は、遊技進行を停止している状態(いわゆるフリーズ状態)において通常の回転動作とは全く異なる挙動(逆回転や、一時停止や、正回転や逆回転を繰り返す等)により演出装置70の一種として使用することも可能である。
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記画像表示部84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
前記ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左側から右側に向かって順に、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作(いわゆるベット操作)を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けてもよい。
上述したスタートスイッチ40、ストップスイッチ50、精算スイッチ36及びマックスベットスイッチ34により、遊技者が操作可能な操作手段31(図3参照)を構成している。
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24(図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ91を有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置92(図3参照)とが配置されている。
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御装置110の各状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
なお「有効ライン86」は、当選役が当該ライン上に並んだ場合に入賞等となって遊技者に利益が付与されるラインを意味し、後述する小役等の「入賞」は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組み合わせが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64の中段と、中回転リール66の上段と、右回転リール68の中段とを結んだ折れ線状の1本のみからなるものである。なお、有効ライン86は1本に限定されず、2本以上であっても良い。
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「RS(赤7)」、「BS(青7)」、「WS(白7)」、「BR(バー)」、「RP(リプレイ)」、「BE(ベル)」、「CY(チェリー)」、「W1(スイカ1)」、「W2(スイカ2)」、「W3(スイカ3)」の複数の種々の図柄61が形成されている。なお、図2では、RS(赤7)等の記号で示されているが、実際には、赤色の数値「7」からなりデザイン的に優れた意匠からなるものであり、他の図柄61も同様に優れた意匠からなる。
本実施の形態では、上述した複数の図柄61の組み合わせにより、「特定の役」として、いわゆる「レア役」が予め定められている。このレア役には、特に図示していないが、チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の4種類が規定されている。このレア役に当選することにより、後述するように、通常よりも利益付与の可能性が高い特別状態(AT状態)への移行抽選が実行可能になっている。
本実施の形態では、この図2に示すテーブル(いわゆる図柄配列テーブル)自体をそのままデータとして記憶しているものであるが、必ずしも、そのようなテーブルを記憶することに限定されるものではなく、このような図柄配列テーブルをそのままデータとして記憶せずに停止図柄を記憶して入賞判定を行うようにしてもよい。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、図2の図柄61の図柄番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて各状態を制御するメイン制御装置110と、このメイン制御装置110からの情報(コマンド)や、制御命令を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出の各状態を制御するサブ制御装置300とを備えている。
なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300との間は、メイン制御装置110への不正操作を防止するために、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信により行われ、サブ制御装置300からメイン制御装置110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御装置110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、設定変更スイッチ90、電源スイッチ91の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御装置300は、メイン制御装置110から信号を入力し、画像表示部84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御装置300の出力側には、演出装置70としての画像表示部84、スピーカー72、ランプ78の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御装置110を有するメイン基板と、サブ制御装置300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御装置110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御装置300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御装置110及びサブ制御装置300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
メイン制御装置110は、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、状態制御手段150、移行抽選手段160、払出制御手段170、送信手段180の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段は、メイン制御装置110に限定されるものではなく、サブ制御装置300が有してもよいものである。その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110へのデータの直接的な送信は、不正操作防止のため行われていないので、そのような送信が必要な場合は、サブ制御装置300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を演出装置70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順序で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御装置300からの情報がメイン制御装置110へ伝達される。
また、メイン制御装置110とサブ制御装置300とに対する各手段の配置(振り分け、区切り)は、上述したものに限定されるものではなく、種々の配置(振り分け、区切り)にすることができる。例えば、リールユニット60及びホッパーユニット24もサブ制御装置300で制御するようにして、メイン制御装置110には、遊技の勝ち負けを決定する機能を有する役抽選手段120や、役抽選の乱数抽出の判断処理を行う部分のみ残して、当該決定に基づく遊技進行や演出進行を行う他の全ての手段を、サブ制御装置300に配置するようなことも可能となる。
以上の構成をもって、メイン制御装置110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、主に遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御装置110は、主として遊技を制御するためのものであって、主に遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを直接投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを内部投入(間接投入)し賭け数として設定する方法とがある。
規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間(4.1秒)が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技(BB)中も上記規定数が3に設定されているが、これに限定されることなく、ボーナス遊技状態中のみ規定数2に設定してもよい。
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技や演出の状態の移行を伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に当選した役に対応する予め定められた図柄61の組み合わせが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
本実施の形態に係る遊技機10では、メイン制御装置110の状態として、通常に(一般的に)行われる通常遊技状態と、この通常遊技状態において、ボーナス移行役の当選を契機に移行するボーナス内部中状態(具体的にはBB当選中状態。なお、ボーナス内部中状態において、ボーナス移行役に係るボーナス移行図柄を有効ライン86上に停止させることができなかった場合はボーナス内部中状態は次の遊技に維持される)と、このボーナス内部中状態(BB当選中状態)においてボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、通常遊技状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス遊技状態(いわゆるビッグボーナス(BB))とが設けられている(図6参照)。
このボーナス遊技状態(BB)は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。
なお、ボーナス移行役(ビッグボーナス(BB)の移行役)は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である。その他の役は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。
なお、ここで、ビッグボーナス(BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置))は、ビッグボーナス遊技状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数(具体的には200枚)を超えたときに終了する。
本実施の形態では、ボーナス遊技状態は、主にメイン制御装置110により制御され、小役に当選する抽選確率、いわゆる当選確率が通常遊技状態よりも高確率になっていることで小役の入賞を容易にしているものである。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組み合わせが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
役抽選手段120は、メイン制御装置110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常遊技状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御装置110のROM上に記憶している。役抽選手段120は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段120による役抽選処理は、後述するステップ111(図10参照)において行われる。
本実施の形態に係る遊技機10では、ハズレを含む各役の種類を区分するために、ハズレを含む各役のそれぞれに対して当選番号(図示せず)が予め付されている。役抽選手段120は、役抽選の結果に基づいて、各役に対応する当選番号を決定しているものである。
役抽選手段120の役抽選に用いる当選確率は、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ90を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つを選択することで前記当選確率の変更が可能となる。本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、設定値の数値が高くなるほど、当選確率が遊技者に原則として有利になり得るように規定されている。
リール制御手段130は、メイン制御装置110が備える手段であり、各回転リール62の回転を開始させるための開始制御手段(図示せず)と、各回転リール62の回転を停止させるための停止制御を行う停止制御手段(図示せず)とを備えている。
リール制御手段130の開始制御手段は、遊技者によるスタートスイッチ40の操作により、全回転リール62の回転を開始させ、予め定めた所定の回転速度に到達した状態で、当該回転速度を維持するように設定されている。
リール制御手段130の停止制御手段は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置(ストップスイッチ50の停止操作タイミング)とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、停止制御手段は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順序)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ50の停止操作順序通りに回転リール62の回転を停止させるが、本実施の形態では、所定の停止操作順序が所定の条件として必要でないときには、左回転リール64を第1番目に停止操作する第1停止操作にしない場合には、所定のペナルティを与えるようにして、左回転リール64を第1停止操作にするように設定されている。もちろん、このような第1停止操作のペナルティを設けずに停止操作順序を自由に設定してもよい。
遊技結果判定手段140は、メイン制御装置110が有する手段であり、全ての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、遊技結果判定手段140による処理は、後述するステップ117(図10参照)において行われる。
状態制御手段150は、メイン制御装置110が有する手段であり、図6に示す通常遊技状態や、ボーナス遊技状態等の各状態を制御するためのものである。状態制御手段150には、図4に示すように、大別すると、次の手段を備える(図4参照)。なお、次の(1)〜(4)については後述する。
(1)通常遊技状態制御手段500
(2)ボーナス内部中状態制御手段510
(3)ボーナス遊技状態制御手段520
(4)特別状態制御手段530
なお、状態制御手段150の各手段は、上述した(1)〜(4)の手段に限定されない。
移行抽選手段160は、通常遊技から特別遊技への移行を所定の抽選確率(移行抽選確率)を用いた抽選(移行抽選)で決定するためのものである。移行抽選手段160には、図5に示すように、大別すると、通常移行抽選手段600と、特別移行抽選手段610と、移行抽選確率記憶手段620と、切換手段630と、遊技数カウンタ640との5つを有する(図5参照)。なお、次の(1)〜(5)については後述する。
(1)通常移行抽選手段600
(2)特別移行抽選手段610
(3)移行抽選確率記憶手段620
(4)切換手段630
(5)遊技数カウンタ640
なお、移行抽選手段160の各手段は、上述した(1)〜(5)の手段に限定されない。
払出制御手段170は、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段170は、遊技結果判定手段140の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。なお、払出制御手段170による処理は、後述するステップ117(図10参照)において行われる。
送信手段180は、サブ制御装置300へ信号を送信するためのものである。
サブ制御装置300は、受信手段310及び演出実行制御手段320の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、演出実行制御手段320は、サブ制御装置300ではなく、メイン制御装置110が有してもよい。
以上の構成をもって、サブ制御装置300は、演出の有無、態様を決定等し、遊技の状態に応じた演出を制御する手段として機能することとなる。
サブ制御装置300は、所定の演出を実行することが決定された場合に演出を実行するためのものである。
具体的には、サブ制御装置300は、ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、画像表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
受信手段310は、送信手段180からの信号を受信するものである。
演出実行制御手段320は、画像表示部84により行われる表示演出や、スピーカー72により発生させる音による演出や、ランプ78を点灯や点滅させることにより発生させる発光による演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段320は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出と、通常遊技状態、ボーナス遊技状態等の各遊技状態に応じた演出と、所定役の停止操作順序の演出とを行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段320は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
図4に示すように、状態制御手段150は、通常遊技状態制御手段500と、ボーナス内部中状態制御手段510と、ボーナス遊技状態制御手段520と、特別状態制御手段530とを備えている。
通常遊技状態制御手段500は、通常遊技状態の遊技の進行を制御するものである。
ボーナス内部中状態制御手段510は、ボーナス内部中状態の遊技の進行を制御するものである。ボーナス内部中状態制御手段510は、通常遊技状態において役抽選手段120による役抽選の結果、ボーナス移行役に当選すると移行する状態であって、未だボーナス移行役の当選図柄を有効ライン86上に停止表示させて、ボーナス遊技状態に移行していない状態である。このボーナス内部中状態において、ボーナス遊技状態への移行に対応した図柄を有効ライン86上に停止表示させることができると、当該ボーナス内部中状態からボーナス遊技状態へ移行する。
ボーナス遊技状態制御手段520は、ボーナス遊技状態の遊技の進行を制御するものである。
ボーナス遊技状態では、ボーナス遊技状態用として用いられる抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。このボーナス遊技状態用の抽選テーブルは、通常遊技状態に用いられる抽選テーブルと比較すると、小役の当選確率が高く設定されている。このため、通常遊技状態では遊技数を消化するとメダルは減少していくのに対して、ボーナス遊技状態ではメダルが増加することになり、遊技者にとっては有利な状態となる。
ボーナス遊技状態には、BB(ビッグボーナス)状態と、RB(レギュラーボーナス)状態とがある。ボーナス遊技状態制御手段520には、BB状態を制御するBB状態制御手段521と、RB状態を制御するRB状態制御手段522とが設けられている。
BB状態や、RB状態は、当該状態を終了させるための所定の終了条件(具体的には、各状態において、予め定められた所定枚数を超える払い出し)が成立することにより終了する。BB状態や、RB状態が終了すると、通常遊技状態へ移行することになる。なお、終了条件は、上述した所定枚数の払出が成立することに限定されるものではなく、予め定めた所定の遊技回数が成立すること等に設定してもよい。
特別状態制御手段530は、特別状態としてのAT状態を制御するためのものである。特別状態制御手段530は、AT状態におけるストップスイッチ50の操作手順を報知させる演出等を演出実行制御手段320を介して実行させる。
本実施の形態に係る遊技機10では、通常の状態である通常演出状態中において、後述する通常移行抽選手段600による通常移行抽選や、特別移行抽選手段610による特別移行抽選に当選することで移行可能となり、通常演出状態よりも多くの特典(利益)を付与可能な特別状態としてのアシストタイム(AT)状態を備えている。
AT状態とは、ストップスイッチ50の停止操作順序や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストが可能な状態である。
AT状態を制御するのは、メイン制御装置110の特別状態制御手段530であるが、これに限定されるものではなく、サブ制御装置300で制御するようにしてもよく、また、部分的に一部の手段を他の制御装置で制御し、両方の制御装置に跨がって制御するようにしてもよいものである。
上記アシストタイム(AT)状態は、通常演出状態よりも遊技者に利益となる特典(利益)を付与する可能性が高い特別状態となるように形成されている。
図5に示すように、移行抽選手段160は、通常移行抽選手段600と、特別移行抽選手段610と、移行抽選確率記憶手段620と、切換手段630と、遊技数カウンタ640とを備えている。
通常移行抽選手段600は、通常遊技(通常演出状態)中、役抽選の結果、特定の役としてのレア役(具体的には、特に図示していないが、チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の4種類)に当選することを契機として、通常の移行抽選(通常移行抽選)を行うためのものである。なお、この「通常遊技(通常演出状態)」とは、遊技状態が通常遊技状態中であって、且つ、演出状態が通常演出状態であることを意味し、以下、同様の意味として用いる。この通常移行抽選は、後述する特別移行抽選とは異なり、後述するような所定の遊技区間には全く影響されることなく、役抽選の結果、レア役に当選すれば、いつでも何回でも実行されるAT状態への移行抽選である。
特別移行抽選手段610は、役抽選の結果、所定の遊技区間毎に当該遊技区間中における特定の役(具体的には、「レア役」)の最初の当選となったことを契機として、特別な移行抽選(特別移行抽選)を行うためのものである。
この特別移行抽選の「移行抽選」は、特別遊技としてのAT状態へ移行するための抽選である。
この特別移行抽選は、通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に行われる、いわゆる周期抽選に相当するものである。周期抽選が所定の遊技区間における所定の遊技回数のタイミングで行われるものであるのに対して、特別移行抽選は、「所定の遊技区間」ごとに当該遊技区間中におけるレア役の最初の当選を契機として、周期抽選としての移行抽選が行われるものである。すなわち、遊技区間において、チェリー役、スイカ役、チャンス目役及び強チェリー役(図示せず)の4種類の役のうち、いずれかの役に最初に当選したことを契機として、特別移行抽選が行われる。
特別移行抽選手段610は、後述する遊技数カウンタ640がカウントする遊技数カウンタの数値に応じた特別テーブル値(図8参照)に基づく、抽選データ(図9参照)としての当選確率により特別移行抽選を実施する。
なお、役抽選においてレア役に当選して特別移行抽選又は通常移行抽選のいずれかに当選した場合、後述する遊技数カウンタ640により遊技数カウンタの数値は初期値0にリセットされ、AT状態終了後、通常演出状態に移行した通常遊技から遊技回数のカウントが開始される。このため、遊技回数は1回目からカウントされることになり、遊技回数(1回〜99回)における後述する特別テーブル値は0に設定され、当該遊技回数範囲では特別テーブル値0に相当する当選確率で特別移行抽選が実施されることになる。
ここで、通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に当該遊技区間中における特定の役(いわゆるレア役)の最初の当選となった場合は、この特別移行抽選手段610の特別移行抽選と、通常移行抽選手段600の通常移行抽選との両方が実行される。具体的には、通常遊技中の後述する遊技回数100回〜199回の遊技区間において、レア役に最初に当選したのが、例えば遊技回数121回目である場合には、当該121回目の遊技では、通常移行抽選と、特別移行抽選との両方の抽選(いわゆるダブル抽選)が実施されるものである。
なお、本実施の形態では、特別移行抽選手段610は、上述したように「通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に特定の役(レア役)の最初の当選となったことを契機」とし、「遊技区間中のレア役の最初の当選」を条件としているが、この条件の代わりに「遊技区間中のレア役の最初の入賞(役抽選で当選し、且つ、この当選した図柄61の組み合わせを有効ライン86上に停止させること)」を条件にしてもよい。この「入賞」を条件とすることにより、遊技者が目押しで揃えることが必要となり、遊技者にしてみれば達成感のあるものにすることができる。
移行抽選確率記憶手段620は、通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に決定された特別移行抽選の移行抽選確率(特別移行抽選確率)を複数個、記憶するためのものである(図8、図9参照)。図8に示す各遊技区間と、図9に示す特別移行抽選確率とは、「特別テーブル値」(0、1、2、3、4)を介して互いに対応している(関連付けされている)。
移行抽選確率記憶手段620は、図8及び図9に示されるテーブルのデータを記憶しているものであって、図8に示される各遊技区間の特別テーブル値のデータと、図9に示される各特別テーブル値の抽選データとを記憶しているものである。
ここで、「所定の遊技区間」は、本実施の形態では、図8に示すように、通常遊技(通常演出状態)中における遊技回数1回〜99回、100回〜199回、200回〜499回、500回〜699回、700回〜999回、1000回〜1199回、1200回の各区間を意味する。もちろん、このような数値に限定されるものではなく、複数の遊技区間であれば、他の遊技回数による遊技区間でもよいものである。
ここで「特別移行抽選の移行抽選確率(特別移行抽選確率)」とは、図9に示すように、256分の0、256分の16、256分の32、256分の64、256分の256の各当選確率を意味する。
この「通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に決定された特別移行抽選の移行抽選確率(特別移行抽選確率)」は、通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に決定されている特別テーブル値(図8参照)を介して、図9に示される特別テーブル値の欄の抽選データにより、各遊技区間の特別移行抽選確率が設定されていることになる。
結果として、移行抽選確率記憶手段620は、図8及び図9のデータを記憶していることにより、各遊技区間の特別移行抽選確率を得ている。この特別移行抽選確率は、以下に示すようになる。
すなわち、通常遊技(通常演出状態)における遊技回数1回〜99回の遊技区間では特別テーブル値0を介することにより当選確率は256分の0に設定されている。特別移行抽選確率は0%となり、この遊技区間では、AT移行抽選に当選することはない。すなわち、特別テーブル値が0のときは、レア役の当選の際、特別移行抽選と、通常移行抽選とのダブル抽選を行っているが、特別移行抽選で当選することはなく、通常移行抽選でのみ当選する可能性があることになる。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数100回〜199回の遊技区間では特別テーブル値1を介することにより当選確率は256分の16に設定されている。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数200回〜299回の遊技区間では特別テーブル値2を介することにより当選確率は256分の32に設定されている。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数300回〜499回の遊技区間では特別テーブル値3を介することにより当選確率は256分の64に設定されている。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数500回〜699回の遊技区間では特別テーブル値1を介することにより当選確率は256分の16に設定されている。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数700回〜999回の遊技区間では特別テーブル値2を介することにより当選確率は256分の32に設定されている。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数1000回〜1199回の遊技区間では特別テーブル値3を介することにより当選確率は256分の64に設定されている。
通常遊技(通常演出状態)における遊技回数1200回の遊技区間(遊技回数1200回目のみ)では特別テーブル値4を介することにより当選確率は256分の256に設定されている。
ここで、他の遊技区間が、当該遊技区間の最初の「特定の役」としての「レア役」の当選を特別移行抽選の条件としているのに対して、遊技回数1200回目のみの遊技区間だけは、1200回目の遊技区間の最初の「特定の役」として、「全ての役(ハズレを含む)」の当選を特別移行抽選の条件としている。これにより、この遊技区間、すなわち、遊技回数が1200回目では、特別移行抽選の条件を必ず満足することになり、当選確率256分の256の抽選が行われ、必ずAT移行抽選に当選することになる。
なお、遊技回数1200回目で必ず、特別移行抽選を行うのではなく、遊技回数1200回目以降の最初の「特定の役」としての「レア役」の当選時に特別テーブル値4を用いて特別移行抽選を行ってもよい。
切換手段630は、特別移行抽選手段610の特別移行抽選確率を通常遊技(通常演出状態)中の所定の遊技区間毎に移行抽選確率記憶手段620に記憶した特別移行抽選確率に基づいて切り換えるためのものである。
具体的には、例えば、切換手段630は、通常遊技(通常演出状態)中の遊技区間として遊技回数1回〜99回において、特別テーブル値0を介して、特別移行抽選確率の当選確率256分の0が設定されているのに対して、遊技回数100回〜199回において、実際には遊技回数100回目に到達したときに特別テーブル値1を介して、特別移行抽選確率の当選確率256分の16に切り換えるものである。
また、例えば、切換手段630は、通常遊技(通常演出状態)中の遊技区間として遊技回数100回〜199回において、特別テーブル値1を介して、特別移行抽選確率の当選確率256分の16が設定されているのに対して、遊技回数200回〜299回において、実際には遊技回数200回目に到達したときに特別テーブル値2を介して、特別移行抽選確率の当選確率256分の32に切り換えるものである。
切換手段630は、役抽選の結果、所定の遊技区間において特定の役(いわゆるレア役)に当選せず、且つ、当該所定の遊技区間における特別移行抽選確率より次の遊技区間における特別移行抽選確率が低くなることが決定されている場合には、特別移行抽選確率を切り換えずに、現在のままの特別移行抽選確率を維持するように形成されている。
具体的に説明すると、遊技区間として遊技回数300回〜499回において、特別テーブル値として3が設定され、特別移行抽選確率は256分の64に設定されている(図8、図9参照)。当該遊技区間(遊技回数300回〜499回)において、役抽選の結果、レア役に1回も当選しなかったとする。この場合、当該遊技区間において1回も特別移行抽選が行われていないことになる。この次の遊技区間(遊技回数500回〜699回)における特別移行抽選確率が特別テーブル値1であることにより256分の16となって、現在の特別移行抽選確率256分の64よりも低くなることが決定されている。この場合には、切換手段630は、現在の特別移行抽選確率(256分の64)を次の特別移行抽選確率(256分の16)に切り換えずに、遊技区間(遊技回数500回〜699回)において現在のままの特別移行抽選確率(256分の64)をそのまま維持する。
なお、ここで、当該遊技区間(遊技回数300回〜499回)において、1回でもレア役に当選して、特別移行抽選が行われ、特別移行抽選に外れた(非当選)場合は、特別移行抽選の機会は1回は与えられたことになり、当初の予定通り、次の遊技区間の特別移行抽選確率は特別テーブル値1が設定されるものである。また、ここで、特別移行抽選に当選した場合は、遊技数カウンタ640のカウンタは初期値0にリセットされるため、AT状態終了後の通常遊技(通常演出状態)からカウンタは遊技回数1回目の遊技区間の遊技が開始され、特別テーブル値0が設定されることになる。
さらに、この特別移行抽選確率(256分の64)が維持された状態で当該遊技区間(遊技回数500回〜699回)において、役抽選の結果、レア役に1回も当選しなかったとする。この次の遊技区間(遊技回数700回〜999回)における特別移行抽選確率が特別テーブル値2であることにより256分の32となって、現在の特別移行抽選確率256分の64よりも低くなることが決定されている。この場合にも、切換手段630は、現在の特別移行抽選確率(256分の64)を次の特別移行抽選確率(256分の32)に切り換えずに、現在のままの特別移行抽選確率(256分の64)をそのまま維持することになる。
さらに、この特別移行抽選確率(256分の64)が維持された状態で当該遊技区間(遊技回数700回〜999回)において、役抽選の結果、レア役に1回も当選しなかったとする。この次の遊技区間(遊技回数1000回〜1199回)における特別移行抽選確率が特別テーブル値3であることにより256分の64となって、現在の特別移行抽選確率256分の64と同一である(低くならない)ことが決定されている。この場合には、切換手段630は、現在の特別移行抽選確率(256分の64)を次の特別移行抽選確率(256分の64)に数値は同一だが形式的に切り換える。なお、この場合のように特別移行抽選確率が同一の場合には、特別移行抽選確率を同一の数値に切り換えても実質的には同一であるため、切り換えを実施しないように設定してもよい。
さらに、この状態で当該遊技区間(遊技回数1000回〜1199回)において、役抽選の結果、レア役に1回も当選しなかったとする。この次の遊技区間(遊技回数1200回目)における特別移行抽選確率が特別テーブル値4であることにより256分の256となって、現在の特別移行抽選確率256分の64より高い(低くならない)ことが決定されている。この場合には、切換手段630は、現在の特別移行抽選確率(256分の64)を次の特別移行抽選確率(256分の256)に切り換える。
遊技数カウンタ640は、通常遊技(通常演出状態)の遊技回数を1回の通常遊技(通常演出状態)の結果毎に1加算する。この遊技数カウンタ640は、初期値は0に設定されている。遊技数カウンタ640は、特別移行抽選又は通常移行抽選のいずれかでAT移行に当選した場合は、カウンタの数値を初期値0にリセットする。遊技数カウンタ640は、カウンタの数値が1200に到達すると、100%の確率で必ず特別移行抽選に当選するので次の遊技でのカウンタの数値は、初期値0にリセットされる。すなわち、遊技数カウンタ640のカウンタの数値の最大値は、1200に設定されていることになる。
また、本実施の形態に係る遊技機10では、既に説明したように、上述した役抽選手段120の当選確率を設定変更スイッチ90を遊技ホールの管理者等が操作することにより設定値1〜設定値6のいずれかに設定変更することができる。この遊技数カウンタ640は、この設定値を変更した際に、初期値0にリセットされるように設定されている。もちろん、設定値を変更した際に、遊技数カウンタ640のカウンタをリセットしないようにすることもできる。
図6に示すように、通常遊技状態において、役抽選の結果、ボーナス移行役に当選すると、ボーナス内部中状態へ移行する。このボーナス内部中状態において、ボーナス移行役に係る当選図柄を有効ライン86上に停止させることができて入賞できた場合、ボーナス遊技状態へ移行する。
ボーナス遊技状態において、所定の枚数(200枚)のメダル払い出しが行われて、ボーナス遊技状態が終了すると、通常遊技状態へ移行する。
なお、通常遊技状態において、役抽選の結果、ボーナス移行役に当選して、当選した当該ボーナス移行役に係る当選図柄を有効ライン86上に停止させることができて入賞できた場合は、次の遊技からボーナス遊技状態へ移行することになる。
また、ここで、通常遊技状態では、再遊技役(リプレイ役)の当選確率は、他の状態(ボーナス遊技状態、ボーナス内部中状態)よりも低く設定され、ボーナス遊技状態やボーナス内部中状態では通常遊技状態よりも高く設定されている。
図7に示すように、通常の演出状態である通常演出状態から、ATの前兆となる演出状態である前兆演出状態へ移行可能となり、この前兆演出状態からAT状態へ移行可能となり、AT状態が終了すると、通常演出状態へ戻る。
特別状態としてのAT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、通常演出状態中に特別移行抽選又は通常移行抽選に当選すると、前兆演出状態へ移行し、数回の遊技で前兆演出の後、AT状態へ移行する。特別移行抽選や、通常移行抽選において当選していないにもかかわらず、前兆演出状態へ移行して前兆演出が開始される場合(いわゆるガセ演出)があり、かかる場合は、数回の遊技の後、通常演出状態へ戻る。
なお、特別移行抽選や、通常移行抽選において、当選した後、前兆演出状態へ移行して、更に抽選等によりAT状態へ移行するか否かが抽選により決定されるようにしてもよい。また、通常演出状態における特別移行抽選や通常移行抽選に当選した場合、前兆演出状態を経由せずに直接、AT状態へ移行するようにしてもよい。
また、AT状態は、AT中に遊技者が獲得した(遊技者に払い出された)メダルの枚数が所定の払出枚数に到達することで終了可能なものである。
AT状態は、所定の移行抽選の結果に応じて実施した際に遊技者が獲得したメダルの獲得枚数(払出枚数)が所定の枚数に到達するまで実行可能であるが、この実行可能な所定の枚数は、所定の抽選により上乗せ可能となるようにしてもよい。
また、AT状態の終了条件は、上述したものに限定されるものではなく、遊技回数が所定の遊技回数に到達すること等にしてもよく、また、遊技進行に伴ってポイントを獲得可能であって、そのポイントの合計が所定ポイントに到達すること等の他の条件に設定してもよい。
移行抽選確率記憶手段620により、図8を参照して既に説明したように、各遊技区間の特別テーブル値が記憶されている。
図9を参照して既に説明したように、移行抽選確率記憶手段620により各特別テーブル値の抽選データが記憶されている。
図10に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
ステップ110において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御装置110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ111に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ110に戻る。
なお、このステップ110の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御装置110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数3に達しているか否かの判定が行われる。
ステップ111において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選番号が決定される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。この役抽選処理については後で詳細に説明する。これらの処理が終了すると、次のステップ112に進む。
ステップ112において、リール制御手段130により、リールユニット60における回転リール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ113に進む。
ステップ113において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ114に進む。
ステップ114において、リール制御手段130により、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール62の停止位置を決定する処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定されるものである。そして、次のステップ115に進む。
ステップ115において、リール制御手段130により、決定した停止位置で当該回転リール62の回転停止が行われる。そして、次のステップ116に進む。
ステップ116において、全ての回転リール62が回転を停止したか否かが判定される。そして、全ての回転リール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ117に進み、全ての回転リール62が回転を停止していない、すなわち回転中の回転リール62が残っていると判定された場合、ステップ113に戻る。
ステップ117において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、遊技結果判定手段140及び払出制御手段170により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
図11に示すフローチャートに基づいて、図10のステップ111の役抽選処理について説明する。
先ず、ステップ210において、役抽選手段120により役抽選(内部抽選)が行われる。そして、次のステップ210に進む。
ステップ211において、遊技数カウンタ640により、カウンタに+1が加算される。そして、次のステップ212に進む。
ステップ212において、切換手段630により、遊技数カウンタ640の値が特定の値のいずれかに一致するか否かが判定される。ここで、「特定の値」とは、移行抽選確率記憶手段620に記憶されている図8の各遊技区間の先頭の遊技回数(100回、200回、300回、500回、700回、1000回、1200回)を意味する。そして、遊技数カウンタ640の値がこれらの特定の値のいずれかに一致すると判定された場合、次のステップ213に進み、これらの特定の値のいずれにも一致していないと判定された場合、ステップ216に進む。
ステップ213において、遊技数カウンタ640の値に対応した特別テーブル値の取得が行われる。具体的には、遊技数カウンタ640の特定の値が、図8に示す遊技回数(例えば、100回や、200回等)に対応する特別テーブル値(例えば、遊技回数100回のとき特別テーブル値「1」)が取得される。そして、次のステップ214に進む。
ステップ214において、取得した特別テーブル値が現在の特別テーブル値よりも大きいか否かが判定される。取得した特別テーブル値が現在の特別テーブル値より大きいと判定された場合、次のステップ215に進み、大きくないと判定された場合、ステップ216に進む。
ステップ215において、現在の特別テーブル値として、取得した特別テーブル値が設定される。そして、次のステップ216に進む。
ステップ216において、役抽選(内部抽選)において、「特定の役」としてのレア役(具体的には、特に図示していないが、チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の4種類)に当選したか否かが判定される。レア役に当選していると判定された場合、次のステップ217に進み、レア役に当選していないと判定された場合、ステップ220に進む。
なお、ここで、ステップ216において、本実施の形態では、通常移行抽選手段600による通常移行抽選処理が、いわゆるレア役に当選した場合に限って行われているため、レア役に当選していないと判定された場合、ステップ220に進んでいるが、特にこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、通常移行抽選手段600による通常移行抽選処理は、毎回の遊技において実施するようにした場合や、毎回の遊技の役抽選の結果、何れかの役に当選したときに実施するようにしたときは、ステップ216において、レア役に当選していないと判定された場合、ステップ219に進むようにしてもよいものである。これにより、通常移行抽選処理は、毎回の遊技で行うことが可能となるものである。なお、その際、役抽選(内部抽選)の抽選結果に応じて、例えば、レア役に当選している場合はAT状態への移行抽選の当選確率を高く設定し、レア役以外に当選している場合はAT状態への移行抽選の当選確率を低く設定する等の種々のものに設定することが可能である。
ステップ217において、特別移行抽選手段610により、現在の特別テーブル値に応じた特別移行抽選処理が行われる。そして、次のステップ218に進む。
ステップ218において、特別移行抽選手段610により現在の特別テーブル値に0が設定される。そして、次のステップ219に進む。
なお、現在の特別テーブル値に0を設定せず、現在の特別テーブル値を維持してもよい。
ステップ219において、通常移行抽選手段600により、役抽選(内部抽選)の結果に応じた通常移行抽選処理が行われる。当選した役の種類によって、移行抽選の当選確率は種々のものに設定されている。そして、次のステップ220に進む。
ステップ220において、特別移行抽選又は通常移行抽選のいずれかで当選しているか否かが判定される。特別移行抽選又は通常移行抽選のいずれかで当選していると判定された場合、次のステップ221に進み、いずれでも当選していないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ221において、遊技数カウンタ640により、カウンタの値が0に設定される。なお、特に図示していないが、特別移行抽選と通常移行抽選とのいずれかに当選している場合には、数回の演出が実施される前兆演出状態へ移行が設定され、次の遊技から前兆演出状態へ移行可能な状態となる。そして、当該処理が終了する。
上述したような構成を有することで、下記のような作用及び効果を奏する。
本実施の形態によれば、特別移行抽選手段610により、通常遊技(通常演出状態)の所定の遊技区間毎に最初の特定の役としてのレア役の当選を契機として、特別移行抽選が行われる。この特別移行抽選は、従来の周期抽選に相当するものであるが、レア役の当選を契機として実行されるため、レア役の当選を契機として前兆演出が開始されても、何ら不自然な感じを与えることがない。
従来の周期抽選のように、例えば所定の遊技回数経過、例えば100回の遊技回数経過でいずれの役にも当選していない状態で、いきなり移行抽選が行われて、特別遊技としてのAT状態の前兆演出状態や、特別遊技としてのAT状態自体が開始されるようなことがない。これにより、不自然な遊技進行で不信感を発生させることを回避し、自然な遊技進行で信頼感の高い遊技を実行することができる。
本実施の形態では、所定の遊技区間毎に行われる周期抽選のタイミングを、特定の役(レア役)の当選のタイミングとしたことで遊技者から見て周期抽選が行われているように見えないようにすることができる。
本実施の形態によれば、切換手段630により、通常遊技(通常演出状態)の所定の遊技区間が経過する毎に特別移行抽選確率を切り換えることができ、通常遊技(通常演出状態)の遊技回数の経過に伴う遊技進行に伴って特別遊技としてのAT状態への移行可能性を変化させ、単調さを回避して意外性を付与することができる。
ここで、仮に、通常遊技の所定の遊技区間において、特定の役としてのレア役に当選せずに、さらに、次の遊技区間の特別移行抽選確率が現在よりも低くなるような場合に何の調整も無ければ、さらに特別移行抽選の機会が減り、遊技者に不利益な状態が続くことになる。
すなわち、遊技者にとって有利な特別移行抽選確率で、一度も特別移行抽選が行われないまま、所定の遊技区間を超えて、不利な特別移行抽選確率に変更されて次の遊技区間に移行してしまうことになる。
このため、そのような場合には、本実施の形態では、特別移行抽選確率を現在よりも低いものに切り換えずに、現在のままの特別移行抽選確率を維持することで、遊技者に不利益な状態がさらに長期間継続することを回避することができる。
なお、本実施の形態では、切換手段630は、役抽選の結果、所定の遊技区間においてレア役に当選せず、且つ、当該所定の遊技区間における特別移行抽選確率より次の遊技区間における特別移行抽選確率が低くなることが決定されている場合には、特別移行抽選確率を切り換えずに、現在のままの特別移行抽選確率を維持しているが、これに限定されることなく、特別移行抽選確率を同一のものに維持するのではなく、より高い確率の特別移行抽選確率に切り換えるようにしてもよい。
具体的には、例えば、本実施の形態では、遊技回数300回〜499回において、特別テーブル値が3の状態で1回も当該範囲でレア役に当選せずに特別移行抽選が実施されなかった場合は、次の遊技区間では特別テーブル値が1に決定されているため、特別テーブル値を同一の3に維持するものであるが、これをさらに抽選確率が高くなる特別テーブル値(具体的には、4)に切り換えるようにしてもよいものである。このようにすると、特別テーブル値4が100%の確率であるため、それが有利と判断した遊技者は、当該遊技回数300回〜499回において、1回もレア役に当選しないことを望むことになる。
なお、かかる場合には、特別移行抽選確率の切換の条件の一つとしての「レア役の当選」の代わりに「レア役の入賞(当選且つ当選図柄の有効ライン86上への停止表示)」とすることにより、当該遊技区間ではレア役を入賞させないようにするという新たな遊技性を発生させることができる。
本実施の形態によれば、特定の役としてのレア役に当選した場合、所定の遊技区間により実行される特別移行抽選と、遊技区間に関係なく特定の役としてのレア役の当選で通常に実行される通常移行抽選との両方の抽選(ダブルの抽選)を実施することができる。これにより、特別遊技としてのAT状態への移行可能性を増加させ、期待感や楽しみを増加させることができる。
さらに、本実施の形態に係る遊技機10では、遊技ホールに設置した際、遊技ホールの管理者が毎日の営業で特定の遊技機10だけを選んで実施している設定変更が当該遊技機10で実施されたか否か、遊技者に対してばれてしまうことを回避することができるという効果を有する。
以下に具体的に説明する。
本実施の形態に係る遊技機10において、周期抽選の遊技数カウンタ640のカウンタの数値は、設定変更スイッチ90の操作により設定値1〜6を変更することでリセットされる。また、従来の例えば100回の遊技回数毎に周期抽選を実施するような遊技機においても、設定値1〜6の設定を変更することにより同様に遊技数のカウンタはリセットされる。
ここで、従来の例えば100回の遊技回数で周期抽選を実施するような遊技機において、前日の遊技ホールでの稼働で周期抽選が行われた後の遊技回数70回の時点で遊技ホールの閉店時間となって遊技が終了したとする。或いはそのような状態で遊技ホールの閉店時間を迎えるように予め仕込んでおく。通常、遊技ホールでは、前日の閉店時間から本日の開店時間までの間に、特定の台だけをピックアップして設定変更が行われる。
この従来の遊技機において設定変更が行われていない場合、本日の遊技開始から遊技回数30回の遊技で周期抽選が行われることになる。
一方、この従来の遊技機において設定変更が行われている場合、本日の遊技開始から遊技回数30回の遊技で周期抽選は行われず、本日の遊技開始から遊技回数100回の遊技で周期抽選が行われることになる。すなわち、遊技開始から遊技回数30回の遊技で周期抽選が行われるか否かを判断することができれば、この従来の遊技機では設定変更が行われたか否かを遊技者は判別することが可能となる。
それに対して、本実施の形態に係る遊技機10では、所定の遊技回数で周期抽選を行っておらず、その周期抽選に相当する抽選(特別移行抽選)を、所定の遊技区間中に最初にレア役に当選した契機で実施している。上述したような手法により当該遊技機10で設定変更が行われたか否かを判別しようとしても、周期抽選に相当する特別移行抽選は、役抽選の結果でレア役の当選の有無によって左右されるため、上述した従来の遊技機の例のように朝一の遊技開始から30回の遊技で周期抽選が行われるとは限らず、上述したような設定変更の判別は不可能となる。本実施の形態に係る遊技機10では、上述したような設定変更の判別手法をできなくなるようにすることができ、設定変更の有無を解らないようにすることができる。
上述した実施の形態では、切換手段630は、役抽選の結果、所定の遊技区間において特定の役(レア役)に当選せず、且つ、当該所定の遊技区間における特別移行抽選確率より次の遊技区間における特別移行抽選確率が低くなることが決定されている場合には、特別移行抽選確率を切り換えずに、現在のままの特別移行抽選確率を維持していたが特にこれに限定されるものではない。
具体的には、例えば、切換手段630は、役抽選の結果、所定の遊技区間において特定の役に当選しない場合には、該所定の遊技区間における特別移行抽選確率より次の遊技区間における特別移行抽選確率が低くなることが決定されているか否かにかかわらず、現在の特別移行抽選確率を維持し、又は、現在の特別移行抽選確率よりも高い特別移行抽選確率に切り換えるようにしてもよい。
仮に、所定の遊技区間において特定の役に当選しない場合に何の調整も無ければ、さらに遊技者に不利益な状態が続く可能性がある。そのような場合には、現在のままの特別移行抽選確率を維持し、又は、現在の特別移行抽選確率よりも高い特別移行抽選確率に切り換えることで、利益を得る可能性を同等又は同等以上に高めることができ、同様の利益又はより高い利益を得ることが可能となって遊技者に不利益な状態が長期間継続することを回避することができる。
また、ここで、本実施の形態では、図8に示すように、各遊技区間で予め特別テーブル値が決定されていた(固定されていた)が、特にこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、図8に示すような各遊技区間で予め特別テーブル値が決定されているものを有さずに、予め設定された遊技回数(具体的には、例えば、100回、200回、300回、500回、700回、1000回等)に到達すると、複数の特別テーブル値(例えば、1、2、3)の中から抽選により1つの特別テーブル値を決定する特別テーブル値抽選決定手段を有してもよい。
そして、各遊技区間において、レア役に当選したときには、この特別テーブル値抽選決定手段により決定された特別テーブル値に基づく抽選確率(特別移行抽選確率)を用いてAT状態へ移行するための特別移行抽選を行うようにすることができる。なお、その際、特別テーブル値抽選決定手段は、遊技回数が1回〜1199回目までは、特別テーブル値として、1と、2と、3との中から抽選で決定し、遊技回数が1200回目では、特別テーブル値として4が予め設定されているようなものが含まれる。
また、上述した特別テーブル値抽選決定手段の抽選は、上述したような予め設定された遊技回数のタイミングで行っても良いが、特にこれに限定されるものではなく、他の所定のタイミング(契機)で行ってもよいものであって、例えば、特定の役(レア役)に当選した際に行ってもよい。
さらに、この特別テーブル値抽選決定手段により抽選を行う場合、前の区間において一度もレア役を当選させることができなかったときは、下記の(1)〜(4)に示すような所定の調整を行うようにしてもよい。この所定の調整には、(1)特別テーブル値抽選決定手段による抽選を行わずに現在の特別テーブル値をそのまま維持する。(2)特別移行抽選確率が現在よりも高くなるような特別テーブル値の中から抽選で決定する。(3)特別テーブル値抽選決定手段は、全ての特別テーブル値の中から抽選で決定し、その決定した特別テーブル値に基づく特別移行抽選確率が現在よりも低くなるようであれば、現在の特別テーブル値をそのまま維持する。(4)所定のレア役に当選した場合には、全ての特別テーブル値の中から抽選で決定する。なお、これらの(1)〜(4)の中から組み合わせ可能なものの任意の組み合わせにより決定するようにしてもよい。
また、ここで、本実施の形態では、図9に示すように、各特別テーブル値には、1個の抽選確率が規定されている。このため、各遊技区間において、1つの特別テーブル値が決定され、当選したレア役の種類(具体的には、チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の4種類)が何であろうとも一律に1個の抽選確率が規定されることになる。しかし、これに限定されることはなく、各遊技区間で1つの特別テーブル値が決定されても、レア役の種類(チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の4種類)毎に図9に示す抽選確率(特別移行抽選確率)を設けるようにしてもよい。1つの特別テーブル値が決定されると、レア役の種類毎に、抽選確率(特別移行抽選確率)が予め設定されることになる。これにより、レア役の種類毎にATへ移行するための特別移行抽選確率を異なるものに設定することができ、レア役の種類に応じた特徴を発生させることができる。