以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<機械的構成:図1>
図1は、本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。
回胴5a、5b、5cには、その外周に複数種類の図柄が表示された図柄配列帯(図示せず)が設けられており、各回胴の停止時の図柄の組み合せによって遊技結果が導出表示されるようになっている。これらの回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図2参照)により回転駆動され、これにより、各図柄が変動表示および停止表示される。なお各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個など、遊技性に応じて適宜変更することができる。
上記図柄配列帯の図柄は、役に関する抽選(内部抽選)により、当選役に対応した図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)として働き、本実施形態の図柄には、たとえば、赤7、青7、BAR、ベルA、ベルB、リプレイA、リプレイB、チェリー、スイカなど、複数種類の図柄が含まれる。これらの図柄は、回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
また回胴視認部3には、複数本の入賞ライン3aが施されている。本実施形態では、各回胴5a、5b、5cの回転方向に、各々3個程度の図柄が視認可能となっており、対角線方向の入賞ラインとして、回胴視認部3の左上から右下に斜めに横断する入賞ラインと、左下から右上に斜めに横断する入賞ライン、さらに水平方向の直線ラインとして、回胴視認部3の上段部(枠内上段)を水平方向に横断する入賞ライン(枠内上段横ライン)と、中段部(枠内中段)を水平方向に横断する入賞ライン(枠内中段横ライン)と、下段部(枠内下段)を水平方向に横断する入賞ライン(枠内下段横ライン)の計5本の入賞ライン3aが施された、所謂「5ライン機」の構成となっている。なお、本発明の目的を達成できるものであれば、入賞ラインの本数やその形態は上記のものに限定されず、図柄配列帯の図柄配置構成、図柄の種類、役の構成要素図柄、回胴の停止制御形態(後述の引き込み制御)などの関係により、適宜変更することができる。たとえば、左上から右下に斜めに横断する入賞ラインと、左下から右上に斜めに横断する入賞ラインとが施された「2ライン機」であっても良いし、枠内中段横ラインのみの「1ライン機」であっても良い。
上記の入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する賭け数(ベット(BET)数)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上に、3つの回胴5a〜5cが停止した際の停止図柄の組合せが当選役に対応する図柄の組合せである場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技媒体などの遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図2参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルの払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。この液晶表示装置6(液晶画面6a)は、演出手段として機能し、遊技に関する演出を画像により表示する。
また回胴視認部3の左右両側には、遊技に関する演出を光の装飾により現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、フルカラーLED(発光手段)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
また回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(クレジット機能):図示せず)にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数(最大賭数:本実施形態では、遊技メダル3枚が最大賭数となっている))まで遊技メダルを一度に疑似投入し得るMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン10などが設けられている。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、これら回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを「回胴回転停止ボタン12」と称する。
なお上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図2参照)が設けられている。また、メダル投入口13の内部には、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(メダル検出センサ7a:図2参照)が設けられている。
また操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500(図2参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、遊技に関する音楽や効果音を出力して音演出効果を発揮するスピーカ16が設けられている。
なお図示はしていないが、遊技者が視認し易い位置(たとえば、回胴視認部3近傍の位置)に、または遊技機1の適所に、現在の賭数(遊技メダル投入枚数)を表示する遊技メダル投入枚数表示部、クレジット数を表示する遊技メダル貯留枚数表示部、回胴回転始動レバー11の操作が有効な状態になったことを報知する遊技開始表示部、遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する遊技メダル払出枚数表示部、遊技メダルの投入の受付可能状態であるか否かを報知する遊技メダル投入表示部、および再遊技が作動中である旨を報知する再遊技表示部などの種々の表示部が設けられている。これらの表示部は、主制御部(主制御基板)400(図2参照)により表示制御される。
ここで、本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ部13やLEDなどの光発生手段、演出表示手段、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、または遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。なお上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図2〜図3>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図2は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板(以下、「主制御部」と称する)400(主制御手段)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440(電源制御手段)とを中心に構成される。上記の演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図2において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360と、が接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、MAXベットボタン8、1ベットボタン9、または貯留メダル精算ボタン10には、その内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具600とが接続されている。
ホッパーユニット500は、遊技メダルの払い出しを行う遊技媒体払出手段として機能するものであり、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520とが設けられている。主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)450に送信可能となっている。払出制御基板450は、主制御部400から払出制御コマンドを受信すると、その内容に基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、指定された枚数分の遊技メダルの払い出し処理を行う。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御部400に入力される。
また主制御部400には、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)が接続され、主制御部400は、所定の遊技情報(たとえば、メダルの投入枚数、メダルの払出枚数、入賞の発生など)をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、段階的(本実施形態では、設定1〜6の6段階)に出玉率に変化をもたらす「設定値(遊技者が享受可能な利益の期待値を段階的に特定する値)」を変更する設定スイッチ(図示せず)が設けられ、設定スイッチにより設定した設定値を示す信号を主制御部400に送信可能となっている。ここで「設定」とは、主として、内部抽選による役の抽選確率(役の当選確率)を段階別(設定1〜6の6段階)に規定するもので、設定値が高くなるほど機械割(所謂、払い出し率(PAYOUT率)が高く、遊技者に有利に作用するようになっている(設定値1が最低の機械割、設定値6が最高の機械割)。なお上記設定値は、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員が上記設定スイッチを操作して設定値が変更される。また回胴設定基板430には、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)が設けられ、リセットスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。
また主制御部400には、演出I/F基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選や液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、装飾ランプ13、LEDの発光制御などである。
演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図3を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図3は図2に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインCPU401cは、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としない遊技機の制御には最適である。またメインCPU401cは、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタを備える。
またメインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータとして、回胴の停止制御用の停止データを記述した停止テーブル(図示せず)、内部抽選を行うための抽選テーブル(図13〜図16)、当選役に対応した当選フラグを設定するための当選フラグ設定テーブル(図示せず)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)などを含むデータが格納されている。
またメインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、当選役を決定するための役の抽選(内部抽選)に利用される内部抽選用乱数値、抽選結果情報(当選番号情報や当選フラグ)、遊技状態情報など、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで、本実施形態では、CTC401dを利用して、CPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路とその乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を役に関する抽選(内部抽選)に利用する。主制御部400(メインCPU401c)は、遊技開始条件となる賭数(本実施形態では、1枚〜3枚の遊技メダルの投入を条件としている)が設定され、回胴回転始動レバー11が操作されると、後述の役の抽選に関する抽選テーブル(図13〜図16参照)を参照して、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを決定し、その抽選結果情報(所謂、「当選(内部当選)フラグ」)を、所定の処理が終了するまでメインRAM401bの当選情報設定領域に格納(記憶)する。この当選フラグは、原則として、1ゲームごとにクリアされるようになっている。
主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御部400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部400に送信される。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、遊技開始条件となる賭数が設定され、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力が確認されたことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づき、遊技開始条件となる規定枚数の遊技メダルが投入されたことを確認した場合、遊技開始条件を成立させる。そして、この遊技開始条件成立中に回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御し、各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、各回胴を略一定速度で回転させるように制御し、各回胴を回転させる回転動作を実現している。
また回胴の停止制御は、回胴の回転中において、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力が確認されたことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認した場合、特定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(枠内下段)に相当する位置)に存在する図柄番号を取得してこれを「停止操作図柄番号」とし、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。上記特定位置に存在する図柄番号は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視することにより把握される。
上述の「停止テーブル」には、上記停止操作図柄番号に対応する滑りコマ数を最大引き込みコマ数範囲内で定めた停止データが定められている。具体的には、回胴の停止操作タイミング(停止操作図柄番号)に応じて特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させたり、特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりする回胴の停止制御用の停止データが定められている。この停止テーブルには、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれ、たとえば、全回胴の滑りコマ数を一括して定めた全回胴用停止テーブルや、各回胴ごとに対応して滑りコマ数を定めた停止テーブル(たとえば、左回胴用停止テーブル、中回胴用停止テーブル、右回胴用停止テーブル)などが含まれる。また上記の停止テーブルには、回胴の停止操作タイミング(停止操作図柄番号種別)および回胴の停止操作順番(押し順)の少なくともいずれか一方に応じて選択される、といった停止操作順序に応じて選択される停止操作手順に係る停止テーブルや、遊技状態に応じて選択される停止テーブル(たとえば、ボーナス(BB)持越遊技中用の停止テーブル)などの停止テーブルも含まれる。斯様な停止テーブルにより、有効入賞ライン上に、当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄(当選役の構成要素図柄)を停止させたり、また役に当選しても停止操作タイミングや押し順により、その図柄を停止させないようにしたり(たとえば、単なる「バラケ目(ハズレ目)」や、後述のAT役を取りこぼした際の「取りこぼし目(ベルこぼし目)」や、ボーナス役を取りこぼした際の「リーチ目」・「チャンス目」などの停止表示態様を導出表示する)、所謂、「引き込み制御」が実現される。
この「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役の構成要素図柄を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能となる当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、有効入賞ライン上に存在する当選役の構成要素図柄が存在しない場合は、当該当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込んで、当選役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に成立させるように回胴を停止させる。このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数を定めれば、当選役に対応する図柄の組合せに関し、回胴の停止操作タイミングにかかわらず有効入賞ライン上に停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(当選役の「取りこぼし」の発生を可能にする)にしたりすることもできる。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない場合、つまり「ハズレ」の場合には、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定されるようになっている。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。なお、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄番号の図柄が停止したのかについては、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
本実施形態の図柄配列帯(図示せず)では、たとえばスイカの図柄、リプレイAの図柄、およびリプレイBの図柄などの特定の図柄種に関しては、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されている。しかし、その他の図柄に関しては、上記引き込み制御下において、停止操作手順(押し順および回胴の停止操作タイミングの少なくともいずれか一方。特に、停止操作タイミング)により、上記「取りこぼし」が発生するようになっている。なお、各図柄の図柄配置構成、図柄種、および入賞ラインのいずれについても、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されず、適宜変更することができる。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。サブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出抽選用乱数値や演出制御部側の遊技状態(演出状態)情報など、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また演出制御基板420には、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部とが設けられている。
この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶制御基板460に対し、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
演出制御基板420は、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、現出すべき演出パターンを複数種類の演出パターンの中から抽選によりまたは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を必要なタイミングで上記音響発生装置(図示せず)や光表示装置(図示せず)に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動とが実現される。また演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。このようにして、時系列的に種々の演出パターンが展開されていくことにより、広義の意味での演出シナリオが現出される。詳述すれば、上記「演出シナリオ」は、複数種類の演出パターンを含んで構成されており、個々の当該演出パターンは、演出シナリオを構成する一要素としての「パーツ演出」として働くものである。演出制御基板420は、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、今回のゲームで現出すべき演出パターン(パーツ演出)を決定し、その決定された演出パターンを、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケージュールを決定することにより「演出シナリオ」を構築する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現されることになる。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420から送られてくる液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6に対する画像表示制御である。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
またサブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞となる図柄の組合せ:入賞役種別)、および配当について:図4〜図5、図11>
次に図4〜図5、図11を参照しながら、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、およびその配当(遊技価値)の関係について説明する。図4〜図5は、当選役に応じた図柄の組合せとその役名称、およびその停止操作手順を例示した図であり、図11は当選役に対応する当選番号(当選役識別情報)を例示した図である。なお、図4〜図5の「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。また図4〜図5には、停止操作手順(押し順と停止操作タイミング)として回胴の停止操作順番である「押し順」のみを示しているが、図示の当選役種の中には、対応する図柄の組合せを成立させる条件として、停止操作タイミングを要するものも含まれる(これについての詳細は追って説明する)。
上記当選役種は、小役系の役種(小役種)に属するものと、特別役種に属するものに大別され、さらに小役種は、一般小役種に属するものとリプレイ(再遊技)役種に属するものに大別される。本実施形態において、小役種のうち、上記一般小役種に属するものとしては、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、ベル、AT確定役、およびAT1〜AT12などがあり、またリプレイ役種に属するものとしては、RG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5などがある。また特別役種に属するものとしては、BB1およびBB2などがある。なお詳細は後述するが、本実施形態の特別役種のうち、BB1は他の小役種に属する特定の役(たとえば、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、またはRG_E1〜E2)と重複当選可能な役、つまり1回(1ゲーム)の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な「重複役」として定められており、BB2は、「重複役」またはそれ自体が単独当選可能な「単独当選役」として定められている。また、一般小役種は所定枚数の遊技媒体(遊技メダル)の払い出しを伴う役であり、リプレイ役は、配当として再遊技を伴う役であり、それぞれ異なる性能を有する役として定められている。
上記した役が内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応する当選フラグが成立し、遊技結果として、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。そして、各回胴が停止した際に、図4〜図5の図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止した場合、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与される。本明細書中では、説明の便宜上、特に必要にない限り、遊技者に有利・不利に作用するものを問わず、何らかの遊技価値を伴う特定の図柄の組合せを「入賞役」と称し、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することを、特に「入賞」と称する。
(一般小役種:弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ)
まず、当選番号1〜4、6の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、ベルについて説明する。
図4に示すように、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、またはベルの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、それぞれ、「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄の組合せ(角チェリーまたは中段チェリー:「ANY」とは、図柄種は問わないという意味である)、「スイカ」−「スイカ」−「リプレイA」(弱スイカ)、「スイカ」−「スイカ」−「リプレイB」(強スイカ)、「スイカ」−「スイカ」−「ベルAまたはベルB(ベルA/ベルB)」となっている。これらの小役種が入賞した場合には、配当として、所定枚数の遊技メダル(たとえば、チェリー系は2枚、スイカ系は6枚、ベルは12枚)が払い出されるようになっている。なお、弱チェリーに対応する「角チェリー」とは、左回胴5aの枠内上段または枠内下段の有効入賞ライン上にチェリーの図柄が停止した場合の図柄の組合せを意味し、強チェリーに対応する「中段チェリー」とは、枠内中段の有効入賞ライン上にチェリーの図柄が停止した場合の図柄の組合せを意味する。
また上記の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、またはベルは、その当選により、少なくとも押し順にかかわらず、対応する役の入賞を許容する「押順不問役」となっている。この点、後述のAT1〜AT12や特定のリプレイ役種のように、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なる「押順規定役」とは性質を異にする。
(AT確定役)
次に、当選番号6の「AT確定役」について説明する。
AT確定役の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「スイカ」−「ベルA/ベルB」−「スイカ」(AT確定1)、(2)「BAR」−「BAR」−「青7」(AT確定2)、(3)「BAR」−「BAR」−「赤7」(AT確定2)の図柄の組合せとなっている。したがって、AT確定役は、その当選によりAT確定1〜3に重複当選可能な「重複役」としての性質を有する。このように、一の当選役が複数種類の図柄の組合せの入賞を許容する場合、各図柄の組合せに対応する役に重複当選する「重複役」としても捉えることができる。このような重複役としての性質を有するものには、上記AT確定役の他に、たとえば、後述のAT1〜12や、特定のリプレイ役種がある。本実施形態では、当選役とその当選役により許容され停止図柄態様(入賞役)とを1対Nに対応させた複数種類の抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を多種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。
このAT確定役が入賞した場合、配当として、たとえば所定枚数の遊技メダルが払い出されるようになっている。ただし、特定の遊技状態(本実施形態では、後述のRT0〜RT2遊技)中にAT確定役(AT確定1〜3のいずれか)が入賞した場合、その配当は、遊技メダルの付与と他の遊技状態(本実施形態では、後述のRT3遊技)への移行となっている(遊技状態間の移行に関する詳細は、図6にて後述する)。つまり「AT確定役」は、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「遊技状態移行契機役」としての性質を有する。具体的には、この遊技状態移行契機役とは、当選および入賞の少なくともいずれか一方に起因して、一の遊技状態から他の遊技状態への移行させる、といった機能を有する役である。本実施形態のAT確定役は、配当として、所定枚数の遊技メダルの払い出しと、RT0〜RT2遊技からRT3遊技への移行となっている。この点、単に遊技メダルの払い出しを伴うような小役とは、その性質を異にする。
(AT役1〜12)
次に、当選番号7〜18の「AT1〜AT12」について説明する。
AT1〜AT12は、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なるように定められている役(押順規定役)である。上記AT1〜AT4は第1番目に停止操作された回胴(以下、「第1停止操作回胴」と称する)が左回胴5aである場合に、AT5〜AT8は第1停止操作回胴が中回胴5bである場合に、AT9〜AT12は第1停止操作回胴が右回胴5cである場合に、遊技価値が相対的に高い入賞役が有効入賞ライン上に停止するように定められている(図4の「押し順」の欄参照)。なお、AT1〜AT12は、主として、押し順が異なる点を除き、停止制御に関する内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「AT1」を代表例にとって説明する。
(AT1について)
AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「ベルA/ベルB」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(ベル1)、(2)「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」の図柄の組合せ(ベル2)、(3)「ベルA」−「ベルB」−「ベルB」の図柄の組合せ(ベル5)の計3種類の図柄の組合せとなっている。したがって、AT1は、その当選により、ベル1の入賞を許容する役と、ベル2の入賞を許容する役と、ベル5の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有する。
また上述した、ベル1、ベル2およびベル5のうち、ベル1の配当は、第1の所定枚数の払い出し(第1の所定量の遊技価値:たとえば、遊技メダル12枚の払い出し)となっており、ベル2およびベル5はそれよりも少ない第2の所定枚数の払い出し(第2の所定量の遊技価値:たとえば、遊技メダル6枚の払い出し)の払い出しとなっており(ベル3〜ベル4、ベル6〜ベル9も同様)、ベル1は、ベル2やベル5よりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。これは、少なくとも押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用する遊技価値を伴う入賞役(有利入賞役)、または不利に作用しする遊技価値を伴う入賞役(不利入賞役)が遊技結果として導出表示されうることを意味する(AT2〜AT12についても同様)。
またAT1当選により入賞が許容される上記の3種類の図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上記引き込み制御の下、押し順と回胴の停止操作タイミングとに基づき決定されるようになっている。各回胴5a、5b、5cのいずれが第1〜第3停止操作回胴に該当するか否かは、主制御部400がその機能部を担う「停止操作順番監視手段」により把握される。この停止操作順番監視手段は、各回胴の回転状態および停止状態を監視し、回転中の回胴と停止中の回胴とに基づき、停止操作対象となった回胴が何番目の停止操作であるかを把握する。以下、図4を参照しながら、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(第1停止操作回胴が左回胴5aである場合:押し順一致の場合)
図4に示すように、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には、ベル1が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。ここで、上記引き込み制御下において、ベル1の構成要素図柄のうち、スイカの図柄は、有効入賞ライン上への引き込み率が100%、‘ベルA’および‘ベルB’の図柄は、有効入賞ライン上への引き込み率が合算で100%(たとえば、ベルAおよびベルBの引き込み率がそれぞれ50%)となるように配置されている。たとえば、ベルAおよびベルBのいずれかが有効入賞ライン上に停止することが許容される場合、‘ベルA’が引き込めない場合には、必ず‘ベルB’が、‘ベルB’が引き込めない場合には、必ず‘ベルA’が有効入賞ライン上に引き込まれるようになっている。これにより、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には、ベル1が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(第1停止操作回胴が左回胴5a以外の場合:押し順不一致の場合)
これに対し、第1停止操作回胴が中回胴5bまたは右回胴5cである場合には、ベル2またはベル5のいずれかが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。ここで、ベル2とベル5とは、引き込み制御の関係上、回胴の停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り(特定の停止操作図柄番号である場合に限り)、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。これは、図柄配列帯において、ベル2またはベル5の構成要素図柄を、最大引きコマ数分回胴を移動させても有効入賞ライン上に引き込み不可能とされる停止操作位置が存在するような図柄配置構成を採ることにより実現される。本実施形態では、上述したように、‘ベルA’および‘ベルB’の図柄の引き込み率がそれぞれ50%となっているため、各回胴の停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、ベル2またはベル5を入賞させることができるようになっている。つまり、第1停止操作回胴が左回胴5aでなく、かつ、ベル2またはベル5の構成要素図柄を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合には、ベル1、ベル2、およびベル5のいずれの入賞役も有効入賞ライン上に停止せず、この場合には、入賞役として扱われない図柄の組合せ、すなわち配当を得ることができない図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止し、その結果、AT1に関する「取りこぼし」が発生するようになっている。
この「取りこぼし」が発生し得る回胴の停止操作が行なわれた場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せではないもの、たとえば、2つの回胴の有効入賞ライン上には‘ベルA’または‘ベルB’を、1つの回胴の有効入賞ライン上には‘リプレイA’または‘リプレイB’を停止するように回胴の停止制御が行われ、これが上記取りこぼし発生時の遊技結果(取りこぼし目)として導出表示されるようになっている(AT2〜AT12についても、取りこぼしの際は、AT1と同事象の引き込み制御が行われる)。たとえば、第1停止操作回胴が中回胴5b、第2停止操作回胴が左回胴5aの順で停止操作が行われた後の有効入賞ライン上の図柄の停止表示態様が「ベルA」−「ベルA」−「↓↓(回転中)」である場合において、最終(第3)停止操作回胴の右回胴5cの有効入賞ライン上にベル2が入賞し得る‘ベルA’を引き込み不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合、その‘ベルA’の替わりに‘リプレイA’または‘リプレイB’を引き込んで回胴を停止制御し、「ベルA」−「ベルA」−「リプレイA/リプレイB」という図柄の組合せを遊技結果(取りこぼし目)として導出表示するようになっている。以下、必要に応じて、このATに関する取りこぼし目を「ベルこぼし目」と称する。
なお、AT2〜AT12に関しても、図示のように、第1停止操作回胴が特定の回胴である場合は‘ベル1’が有効入賞ライン上に停止し、その他の押し順の場合は、停止操作タイミングに応じて、同図に示す図柄の組合せ(配当を得られる図柄の組合せ)、または、配当を得ることのできない図柄の組合せとなる「取りこぼし」が発生しうるといった、上述したAT1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。
(リプレイ役種:RG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5)
次に、リプレイ役種について説明する。リプレイ役は、その配当として、今回のゲームで投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を疑似的に付与して次回のゲームを開始可能とする「再遊技」が付与されるものである。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。本実施形態では、単一の再遊技を伴う図柄の組合せの入賞を許容するRG_Aと、複数種類の再遊技を伴う図柄の組合せの入賞を許容する、RG_E1、RG_E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、RG_D1〜D5などが設けられている。なお、回胴の引き込み制御に関し、上記AT1〜AT12と実質的に同じ点は重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
(RG_A)
まず、当選番号19の「RG_A」について説明する。
RG_Aの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。なお、RG_Aは、「押順不問役」に属し、停止操作タイミングも要しない、つまり、RG_Aが当選した場合、どのような停止操作手順であっても、通常リプレイの入賞となる。
(RG_E1、RG_E2)
次に、当選番号20〜21のRG_E1〜E2について説明する。
RG_E1またはRG_E2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、「リプレイA」−「スイカ」−「リプレイA」の図柄の組合せ(CAリプレイ)となっている。
図5に示すように、RG_E1およびRG_E2ともに、回胴の停止操作手順が「順押し」である場合、その停止操作タイミングにかかわらず、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止する。しかし、RG_E1は「逆押し」である場合、またRG_E2は「中押し」である場合には、停止操作タイミングにかかわらず、「CAリプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。この点、押し順だけでなく停止操作タイミングも関係するAT1〜AT12とは異なる。ここで「順押し」とは、「左回胴5a(1番目)→中回胴5b(2番目)→右回胴5c(3番目)」の順に(以下、押し順を表記する場合、単に、「左、中、右」と略す)、「逆押し」とは「右→中→左」の順(順押しとは反対の押し順)に、「中押し」とは「中→右→左」または「中→左→右」の順に、回胴を停止操作する押し順を意味する。
つまり、RG_E1またはRG_E2が当選した場合、引き込み制御の関係上、「通常リプレイ」または「CAリプレイ」が有効入賞ライン上に停止され、いずれのリプレイが有効入賞ライン上に停止するか否かは、そのときの押し順だけで決定される。したがって、このRG_E1〜E2も、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なる「押順規定役」に属するものといえる。なお、後述のRG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5に関しても同様に、いずれのリプレイが有効入賞ライン上に停止するか否かは、そのときの押し順だけで決定されるようになっている。
また上記RG_E1〜E2は、BB2と同時当選可能な重複役として定められており(図16参照)、特定の遊技状態中(たとえば、RT3遊技中)では、単独当選役としても定められている(図13参照)。またRG_E1〜E2が当選したゲームにおいて、「順押し」以外の押し順で回胴の停止操作を行った場合、上記「CAリプレイ」が出現するようになっている。本実施形態では、後述の引き込み優先順位により、BBよりもリプレイ役の方が優先的に有効入賞ライン上に引き込む引き込み制御が行われる。そこで、RG_E1〜E2とBB2とが同時当選した当該ゲームでは、遊技者に対し、順押し以外の押し順で回胴を停止操作する旨を報知し(アシスト報知(支援演出))、CAリプレイを成立させて、BBの当選可能性(本実施形態では、BB2との重複当選)を示唆するといったBB当選期待感を与える特別な演出(期待度演出)を発生させるようになっている。
また上記RG_E1〜E2が単独で当選した場合、遊技状態に応じてその配当が異なる。具体的には、後述のRT3遊技中においては、再遊技の付与と、遊技者に有利に作用するゲーム数(後述のART遊技の継続ゲーム数)上乗せ抽選などの実行権利を付与するものとなっており、その他のRT遊技中においては、再遊技の付与だけとなっている。このように、遊技状態に応じてその配当(遊技価値)が異なるように定めた役を「遊技価値変動役」と称する。
(RG_B1〜B4)
次に、当選番号22〜25のRG_B1〜B4について説明する。
RG_B1〜B4の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、「リプレイA」−「リプレイA」−「スイカ」の図柄の組合せ(昇格リプレイ)となっている。
上記RG_B1〜B4についても上述したRG_E1〜E2と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図5に示すように、RG_B1〜B4のそれぞれに割り当てられた所定の押し順(第1停止操作回胴が左回胴5a、または変則押し4択不正解)である場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止し、それ以外の押し順(変則押し4択正解)の場合には、昇格リプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。なお上記の「変則押し4択」とは、既に説明した「順押し」や「逆押し」などの押し順の一態様をいう。本実施形態では、全回胴を停止させるための押し順は計6通りあるが、上記「変則押し4択」は、そのうち、第1停止操作回胴が左回胴5a以外の押し順2通りを除いた残りの4通りの押し順を意味する。ここでは、上記昇格リプレイを入賞させるための押し順を「変則押し4択正解」と称し、それ以外の押し順(通常リプレイが入賞する押し順)を「変則押し4択不正解」と称している。
RG_B1〜B4に関しては、上記昇格リプレイを入賞させるために、上記変則押し4択に係る4通りの押し順のうち、いずれか1つの押し順が割り当てられており、それぞれ異なる押し順が定められている。つまり、RG_B1〜B4に関する「変則押し4択正解」の手順は、それぞれ「1/4(4択)」となる。たとえば、RG_B1の場合、変則押し4択のうち、変則押し4択正解となる押し順は「中→右→左」の1通り、RG_B2の場合はそれとは異なる押し順「中→左→右」の1通りといった具合である。
ここで、上記「通常リプレイ」が入賞した場合には、遊技状態にかかわらず、その配当は再遊技となる。他方、上記「昇格リプレイ」に関しては、後述のRT1遊技中において昇格リプレイが入賞した場合、再遊技が付与されるとともに、当該RT1遊技が終了され、次回ゲームから、RT遊技1よりも遊技者に有利に作用する(相対的に高い利益状態を付与しうる)RT遊技に昇格移行されるようになっている(各RT遊技の内容およびその移行に関しての詳細は後述する)。つまり、昇格リプレイは、専ら、遊技者に有利に作用する遊技状態への遊技状態移行契機役(昇格契機役)として働く。この点において、上記昇格リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役(遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される役)としての位置付けとなっている。このように、RG_B1〜B4は、上記AT1〜AT12と同様に、少なくとも押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役(ここでは、昇格リプレイ)、または不利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役(ここでは、通常リプレイ)が遊技結果として導出表示させることを許容する役となっている(後述のRG_C1〜C5、RG_D1〜D5も同様)。
(RG_C1〜C5)
次に、当選番号26〜30のRG_C1〜C5について説明する。
RG_C1〜C5の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイB」の図柄の組合せ(転落リプレイ)となっている。
上記RG_C1〜C5についても上述したRG_E1〜E2と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図5に示すように、RG_C1〜C5のそれぞれに割り当てられた所定の押し順(押し順正解:たとえば、RG_C1は順押し、RG_C2は逆押しなど)である場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止し、割り当てられた所定の押し順とは異なる押し順(押し順不正解)の場合には、転落リプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。なおRG_C1〜C5に係る上記転落リプレイを入賞させる押し順(押し順不正解)は、それぞれ異なるように定められている。
ここで、転落リプレイに関しては、後述のRT2遊技中において入賞した場合、再遊技が付与されるとともに、当該RT2遊技が終了され、次回ゲームからは、RT2遊技よりも遊技者に不利に作用する(相対的に低い利益状態となる)RT1遊技に転落移行されるようになっている。つまり、転落リプレイは、上記した「昇格リプレイ」とは反対に、専ら、遊技者に不利に作用する遊技状態への遊技状態移行契機役(転落契機役)として働く。この点において、上記転落リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役(遊技者にとって不利に作用し得る遊技価値が付与される役)としての位置付けとなっている。
(RG_D1〜D5)
次に、当選番号31〜35のRG_D1〜D5について説明する。
RG_D1〜D3の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(赤7リプレイ(特殊リプレイ1))、「スイカ」−「リプレイB」−「リプレイB」の図柄の組合せ(特殊リプレイ3)となっており、RG_D4〜D5の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、「青7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(青7リプレイ(特殊リプレイ2))、「リプレイB」−「リプレイB」−「スイカ」の図柄の組合せ(特殊リプレイ3)となっている。
上記RG_D1〜D5についても上述したRG_E1〜E2と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図5に示すように、RG_D1〜D5のそれぞれに割り当てられた所定の押し順(押し順正解:たとえば、RG_D1は順押し、RG_D2は逆押しなど)である場合には、特殊リプレイが有効入賞ライン上に停止し、割り当てられた所定の押し順とは異なる押し順(押し順不正解)の場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。たとえば、RG_D1〜D3のいずれかが当選した場合、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には「特殊リプレイ1」または「特殊リプレイ3」が、第1停止操作回胴が左回胴5aまたは中回胴である場合には「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。ただし、特殊リプレイに関しては、上記した「押し順正解」の場合であっても停止操作タイミングにより、入賞となる特殊リプレイの種類が異なるようになっている。たとえば、RG_D1〜D3が当選したケースでは、押し順正解時は、赤7リプレイ(特殊リプレイ1)、または特殊リプレイ3のいずれかが有効入賞ライン上に停止されるが、引き込み制御の関係上、特殊リプレイについては、停止操作タイミングが一致した場合には「赤7リプレイ(特殊リプレイ1)」を、停止操作タイミングが一致しなかった場合には「特殊リプレイ3」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させるようになっている。同様に、RG_D4〜D5が当選したケースでは、特殊リプレイについては、停止操作タイミングが一致した場合には「青7リプレイ(特殊リプレイ2)」を、停止操作タイミングが一致しなかった場合には「特殊リプレイ4」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させるようになっている。
ここで、上記特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜4)に関しては、後述のRT2遊技中において入賞した場合、再遊技が付与されるとともに、当該RT2遊技が終了され、次回ゲームからは、RT遊技2よりも遊技者に有利に作用する、後述のRT3遊技に昇格移行されるようになっている。この特殊リプレイは、昇格リプレイと同じく、遊技者に有利に作用する遊技価値を伴う点において、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役(遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される役)としての位置付けとなっている。なお、特殊リプレイ1〜特殊リプレイ4による遊技価値は、いずれも同じもの(再遊技+RT3遊技への移行)となっており、たとえ、遊技者が目押しに失敗したとしても不利益が生じないようになっている。
以上に説明したリプレイ役種のうち、本実施形態では、RG_B1〜B4はRT1遊技、RG_C1〜C5とRG_D1〜D5はRT2遊技における抽選対象役、RG_AとRG_E1〜E2は各RT遊技(RT0遊技〜RT5遊技)における抽選対象役として定められている(後述の図13、図15〜16参照)。なお本実施形態では、これらのリプレイ役種は、特定の遊技状態下の抽選対象役として規定されているが、これに限られない。上記リプレイ役種(たとえば、RG_B1〜B4)が一の遊技状態(たとえば、RT1遊技)と他の遊技状態(たとえば、RT0遊技)とにおける抽選対象役としても良く、この場合、遊技状態に応じて、その遊技価値を変動させる上記遊技価値変動役として機能させることもできる(たとえば、RG_B1〜B4において、RT0遊技中に当選した場合には、その配当を再遊技の付与だけとする)。
(ボーナス役(特別役))
次に、当選番号40〜41のBB1、BB2について説明する。
BB1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは「赤7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(BB1)、BB2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは「青7」−「青7」−「赤7」の図柄の組合せ(BB2)となっている。このBB1、BB2は「押順不問役」となっているが、BB1とBB2とは、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。このため、BB1またはBB2を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで回胴が停止操作された場合、BB1またはBB2の取りこぼしが発生するようになっている。以下では、説明の便宜上、特に必要の無い限り、BB1またはBB2を「BB」と称し、BB1またはBB2に対応する図柄の組合せ(「赤7」−「青7」−「青7」または「青7」−「青7」−「赤7」)を「ボーナス役」と称する場合がある。
上記ボーナス役が入賞した場合、次回のゲームから、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナス遊技)に移行される。このボーナス遊技中においては、ベルの当選確率が著しく高まり、ほぼ毎ゲーム、ベルが当選する(後述の図14、図17参照)。このため、ボーナス遊技が発生すると、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が他の遊技状態よりも増加し、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。本実施形態では、BB1とBB2とでボーナス遊技の性能が異なり、BB1は第1の規定枚数(たとえば、248枚)、BB2はそれよりも多い第2の規定枚数(たとえば、412枚)以上の遊技メダルの払い出しで終了するようになっている。
なお、ベルが当選しなかった場合は、チャンス目が当選し(図11の当選番号36)、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止する。このチャンス目には、ハズレと同様に配当は付与されないが、ボーナス遊技中にチャンス目に当選した場合、遊技者に有利に作用する特別な配当を定めても良い。たとえば、ボーナス遊技終了後、特定のアシスト報知の実行権利を貯留(アシスト報知ストック機能)するようにしても良く、具体的には、RT1遊技中において昇格リプレイの入賞を案内するアシスト報知をストックし、RT1遊技に移行した際、RG_B1〜B4のいずれかの当選を契機に、そのストックを放出し、昇格リプレイ入賞へのアシスト報知演出を実行可能に構成することができる。これにより、チャンス目が成立すれば、RT1遊技からRT遊技への昇格移行が約束される、といった遊技者に有利な利益状態を付与することができるようになる。このストックの管理(貯留・放出制御)に関しては、演出制御部410がその機能部を担う「ストック管理手段」により管理制御される。
<BBの持ち越しについて>
上記した特別役であるBB(BB1およびBB2)は、その当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として設定されている。このため、上記BB1またはBB2に当選した場合においては、当選したBBに対応するボーナス役が入賞するまでの遊技期間、当該BBに係る当選フラグ(ボーナス当選フラグ)の成立状態が維持され、この間、すべてのBBは抽選対象から除外される、換言すれば、ボーナス当選フラグが新たに成立、または重複して成立することはないようになっている。このボーナス当選フラグが持ち越されている状態を「ボーナス持越遊技」または「BB内部当選中」と称する。一方、BB(特別役種)以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として設定されている。なお上記ボーナス持越遊技中においても、通常通りに各役の抽選が行われる。このため、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生し得る。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、リプレイ役種、小役種、および特別役種に関し、いずれの当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)を停止させるかを、「ボーナス役<小役<リプレイ役(最優先)」の順位で優先的に引き込み制御が行われるように定めてある(小役優先制御)。これにより、上述のBBとの重複当選中のゲームの場合には、この引き込み優先順位の下で回胴の停止制御が行われるようになっている。
<遊技形態:図6>
次に、各遊技状態およびこれら遊技状態の移行制御に着目しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)の概要を説明する。
<遊技状態>
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板)400側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される追加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(以下、必要に応じて「主制御側遊技状態」と称する)には、通常遊技とボーナス遊技の他にRT遊技があり、演出制御部410側で制御される遊技状態(以下、必要に応じて「演出制御側遊技状態」と称する)にはAT(アシストタイム)遊技がある。
(RT(リプレイタイム)遊技)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役の当選確率が通常遊技よりも上昇する再遊技高確率抽選状態である。本実施形態では複数種類のRT遊技が設けられており、リプレイ役の当選確率が最も低い「RT0遊技」を通常遊技とし扱う。これらのRT遊技間の移行制御は、特定の役の当選または入賞を契機に行われるようになっている。
先ず本発明の理解を容易なものとするために、各RT遊技のリプレイ役の当選確率に着目しながら、各RT遊技の違いを説明しておく。本実施形態では、上記RT0遊技よりもリプレイ役の当選確率が高い、複数種類のRT遊技のRT1遊技〜RT5遊技が設けられており、それぞれ異なるリプレイ役の当選確率が定められている。具体的には、RT0遊技を基準として、「RT0遊技(通常遊技)<RT1遊技<RT4遊技<RT5遊技<RT2遊技<RT3遊技」となっている。特に、RT0遊技とRT1遊技とはリプレイ役の当選確率が略同一、またRT4遊技は、リプレイ役の当選確率がRT0遊技およびRT1遊技の少なくともいずれか一方と略同一となっており、リプレイ役の出現率の観点からは、これらRT遊技の違いを遊技者が察知することは困難なものとなっている。
上記各RT遊技は、ボーナス持越遊技状態(BB内部当選状態)に係るRT遊技であるか、ボーナス非持越遊技状態(一般遊技状態)に係るRT遊技であるかで大別される。具体的には、一般遊技状態のRT遊技は、RT0遊技〜RT3遊技となっており、ボーナス持越遊技状態のRT遊技は、RT4遊技(BB1内部当選中のRT遊技)とRT5遊技(BB2内部当選中のRT遊技)となっている。
(AT遊技)
AT遊技とは、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部(主制御部400)側で制御される遊技状態(通常遊技やRT遊技やボーナス遊技)とは異なり、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態である。このAT遊技は演出制御部410がその機能部を担う「演出状態管理手段」によりその発生および終了が管理制御され、通常の演出状態(非AT遊技)およびAT遊技を含む複数種類の演出状態を統括的に管理している。
本実施形態では、既に説明したように、遊技結果として導出表示される図柄の組合せが押し順および停止操作タイミングの少なくとも一方に応じて異なるように定めた複数種類の役が設けられている。しかし非AT遊技中においては、これらの役に当選しても、遊技者に有利な図柄の組合せの入賞を案内するための情報は遊技者に報知されない。したがって上記非AT遊技中は、遊技者に不利なゲーム展開がなされることになる。
これに対しAT遊技中においては、特定の当選役(たとえば、停止操作手順に応じて、遊技者に有利または不利に作用する図柄の組合せの入賞を許容する当選役)が決定された場合、遊技者に有利に作用する図柄の組合せの入賞を案内するための情報が報知(アシスト報知)されるようになっている。たとえばAT1〜AT12のいずれかに当選した場合、配当が相対的に高い‘ベル1’を入賞させるために、第1停止操作に選択すべき回胴が遊技者に報知される。これにより、遊技者がその押し順に従い回胴を停止操作すれば、容易にベル1を入賞させることができる。したがって、上記AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。なお、ここでいう「AT遊技」とは、主として、複数ゲーム間継続して発生するものを指し、このゲーム間では、1または複数種類の特定の当選役を対象とするアシスト報知が、非AT遊技中よりも高確率で、または100%で現出される、といった特別な演出状態を指す。これにより上記AT遊技中は、遊技者が1ゲームあたりに獲得し得る平均的利益が非AT遊技中よりも向上した遊技状態になる。本実施形態では、後述のRT2遊技またはRT3遊技中において発生するAT遊技1またはAT遊技2がこれに該当する。
なお上記アシスト報知は、当選役を示唆する予告演出の一態様として機能し、現在の演出状態と当選役の種別とに基づき、所定の演出手段に対し、現出すべきアシスト報知演出が現出されるようになっている。このアシスト報知演出は、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知演出制御手段」により制御される。
また上記アシスト報知は、同じ当選役が決定された場合でも、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に有利に作用する図柄の組合せを確実に入賞させる(100%入賞となる)内容とは限らない。たとえば、RG_B1〜B4が当選した場合、「変則押し4択正解」とする押し順だけを報知するのではなく、「変則押し4択不正解」となる押し順と「変則押し4択不正解」となる押し順とを重複して報知する場合がある。この場合、「変則押し4択正解」の押し順と「変則押し4択不正解」の押し順1通りの計2通りの押し順を遊技者に提示すれば、アシスト報知による昇格リプレイの入賞確率(正解率)を50%に低下させることができる(このようなアシスト報知を「選択的アシスト報知」と称する)。このようにすれば、回胴の停止操作時において、遊技者の恣意的な停止操作により、他の遊技状態に移行するか否かが決定されるので、遊技者に対し緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。
また本実施形態のアシスト報知演出の内容は、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役の種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないものを含むことができる。これは、当選役種別を報知してしまうと、押し順を報知せずとも、遊技者に有利に作用する図柄の組合せの入賞手順が判明してしまうと不都合が生じる場合があるからである。たとえば、RG_B1〜B4には、それぞれ異なる変則押し4択正解の押し順(1通りの押し順)が割り当てられているため、上記選択的アシスト報知をするケースでは、当選役種別を明示してしまうと、変則押し4択正解となる押し順が判明してしまい、当該選択的アシスト報知の意義が無意味になるからである。いずれにしても、アシスト報知がなされれば、遊技者にとり有利なゲーム展開となり得るので、遊技者は、積極的に、そのアシスト報知の内容に従うことになる。
次に図6を参照して、各遊技状態の内容と各遊技状態間の移行制御について説明する。図6は、遊技状態間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。
(RT0遊技(通常遊技)について)
本実施形態では、初期の遊技状態として、遊技機への電源投入後や、設定を変更した後や、上記ボーナス遊技終了した後に、遊技状態が「RT0遊技」から開始されるようになっている。このRT0遊技は、全RT遊技中、最もリプレイ役の当選確率が低く設定されており、後述のRT遊技1〜5よりも遊技者に不利に作用する遊技状態となっている。本実施形態では、基本的な遊技遷移として、図示のように、上記RT0遊技からRT1遊技に移行した後は、RT1遊技〜RT3遊技を循環するような遊技遷移状態を辿るようになっている。なお上記RT0遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_Aが単独当選し(図15のRT0中抽選テーブル参照)、RG_E1〜E2がBB1またはBB2と重複当選可能な遊技状態となっている(図13のRTZ抽選テーブル参照)。なお後述の上記RT1〜RT3遊技中も同様に、RG_E1〜E2がBB1またはBB2と重複当選する遊技状態となっている。
(RT1遊技(低確率RT遊技)について)
次に、RT1遊技について説明する。
上記RT1遊技には、上記RT0遊技中に、AT1〜12のいずれかに当選し、当該当選したATの取りこぼしが発生した場合(ATの取りこぼし目(ベルこぼし目)が遊技結果として導出された場合)に移行される。上記RT1遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_B1〜B4の4種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図15参照)。
このRT1遊技中においては、RG_B1〜B4のいずれかに当選した場合、所定の報知条件の下、昇格リプレイに係るアシスト報知が行われる。このアシスト報知は、RG_B1〜B4のいずれかに当選して、所定の報知抽選(昇格リプレイ報知抽選)に当選したことを条件に行われ、基本的には、その当選確率は低く定められている。たとえば、RG_B1〜B4の合算当選確率は、約1/7(本実施形態では、8964/65536:図17参照)であるが、実際に昇格リプレイに関するアシスト報知が行われるのは、低確率の1/200程度となっている。
なお、上記のような報知抽選を経るといった形態ではなく、特定の役(たとえば、チェリーやスイカなど)に当選した場合に、1または複数ゲームに亘り、昇格リプレイのアシスト報知を実行するAT遊技(昇格用AT遊技:昇格チャンスゾーン)を発生させるように構成しても良い。昇格チャンスゾーン滞在中は、RG_B1〜B4の当選に起因して昇格リプレイのアシスト報知がなされうることから、遊技者は、RG_B1〜B4の当選に大きく期待を寄せつつ遊技に興じることになり、遊技の面白みを向上させることができる。なお、昇格チャンスゾーン中における昇格リプレイのアシスト報知は、100%実行されるものであっても良いし、所定の抽選により実行されるものであっても良い。また上記昇格チャンスゾーンの発生条件として、(A)特定の役(たとえば、強チェリー)に当選したことを条件の他、(B)特定の当選役の当選を契機に所定の発生抽選を行い、当該発生抽選に当選したことを条件に、または(C)RT1遊技が所定のゲーム数(RT0遊技からの所定のゲーム数であっても良い)を消化したことを昇格チャンスゾーンの発生条件にすることができる。また、これらの条件を組合せても良い。
(RT2遊技(中確率RT遊技)について)
次に、RT2遊技について説明する。
上記RT2遊技には、上記RT1遊技中に昇格リプレイが入賞したことを条件に移行される。なお、このRT2遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5の10種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図15のRT2中抽選テーブル参照)。
上記RT2遊技は、後述のRT3遊技(一般遊技状態中、遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与する)遊技状態)に移行可能な遊技状態(準備遊技状態)であり、ここで、RG_D1〜D5に係る特殊リプレイを入賞させるか否かで、遊技者の利益は大きく左右されるようになっている。また上記RT2遊技は、RG_C1〜C5に係る転落リプレイが入賞した場合、またはAT1〜AT12の取りこぼしが発生した場合(ベルこぼし目が遊技結果として導出表示された場合)にRT1遊技に転落移行されるようになっている。
そこで上記RT2遊技中においては、RG_C1〜C5、RG_D1〜D5、およびAT1〜AT12に係るアシスト報知を実行する「AT1遊技」を発生させるようになっている。AT1遊技が発生すると、RG_C1〜C5のいずれかに当選した場合には、転落リプレイの入賞を回避可能とする押し順(通常リプレイを入賞させる押し順)が、RG_D1〜D5のいずれかに当選した場合には、特殊リプレイを入賞可能とする押し順(通常リプレイを回避させる押し順)が、AT1〜AT12のいずれかに当選した場合には、ベル1を入賞可能とする押し順(取りこぼしを回避する押し順)がアシスト報知される。換言すれば、RT2遊技に移行した場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT2遊技+AT1遊技(以下、「準備ART遊技」と称する)」となる。
なお上記AT1遊技は、RT2遊技が終了されない限り継続するものであっても良いし、所定のゲーム数(たとえば、30ゲーム間)継続するものであっても良い。AT1遊技が所定のゲーム数継続されるとした場合、当該ゲーム数が消化されるまではRT3遊技へ移行を容易なものとする「昇格チャンスゾーン」を作り出すことができる。この場合、上述の所定のゲーム数が消化されて昇格チャンスゾーンが終了すると、AT1遊技が終了し、遊技機全体として捉えた遊技状態が「準備ART遊技(AT1遊技+RT2遊技)」から、「RT2遊技」となる。このため、AT1遊技によるアシスト報知、つまり、転落リプレイの回避手順またはATの取りこぼしの回避手順が報知されず、いずれRT1遊技に転落してしまうことになる。このように、RT3遊技への移行が容易になる昇格チャンスゾーンを作り出すことで、遊技者に緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。
ここで、RG_D1〜D5のうち、RG_D1〜D3は特殊リプレイ1(赤7リプレイ)と特殊リプレイ3(特殊リプレイ1を取りこぼした場合)の入賞を、RG_D4〜D5は特殊リプレイ2(青7リプレイ)と特殊リプレイ4(特殊リプレイ2を取りこぼした場合)の入賞を許容するリプレイ役種となっている。本実施形態では、特殊リプレイ1〜4のいずれが入賞してもRT3遊技に移行されるようになっているが、特殊リプレイ1、3と、特殊リプレイ2、4とのいずれの特殊リプレイが入賞するかにより、後述のAT2遊技の性能が異なるようになっている。詳細は後述するが、具体的には、青7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ3)の方が、赤7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ4)よりも遊技者にとり有利なゲーム展開とされるようになっている。
なお、上記RG_D1〜D5のいずれかの当選を条件に、その当選役を対象とした特殊リプレイのアシスト報知を行うように構成しても良いが、次のように構成しても良い。たとえば、RT1遊技において昇格リプレイの入賞を契機に、「赤7リプレイ(特殊リプレイ1)」のアシスト報知するか、「青7リプレイ(特殊リプレイ2)」のアシスト報知するかを所定の報知抽選(以下、「特殊リプレイ種別報知抽選」と称する)により決定し、抽選により決定された特殊リプレイ種別の入賞を許容するRG_D1〜D5の当選を条件に、その特殊リプレイのアシスト報知を行っても良い。特殊リプレイ種別報知抽選では、赤7リプレイ(特殊リプレイ2)のアシスト報知と青7リプレイ(特殊リプレイ1)のアシスト報知とは同じ抽選確率であっても良いし、異なっていても良い。
また上記特殊リプレイ種別報知抽選を設けた場合、青7リプレイのアシスト報知を現出させることが予定されている場合において、所定の秘匿解除条件が成立するまで、特殊リプレイ種別報知抽選の結果を一時的に秘匿状態としても良い。たとえば、青7リプレイのアシスト報知を現出させることが予定されている場合において、赤7リプレイのアシスト報知を一旦現出させておいて、所定の秘匿解除条件の下、本来の青7リプレイのアシスト報知を現出させるように構成することもできる。このような秘匿状態を設けた場合、次のような効果を奏することができる。
青7リプレイのアシスト報知を現出させることが予定されている場合において、たとえば、RG_C1〜C5が当選した場合、演出上は、赤リプレイのアシスト報知のように装っているが、その実体は通常リプレイの入賞手順(転落リプレイ回避手順)を報知(欺瞞アシスト報知)し、遊技者がこれに従い回胴を停止操作していく段階、たとえば、第1〜第3停止操作がなされたこと、または遊技結果として通常リプレイが導出されたことを秘匿解除条件とし、当該秘匿解除条件が成立した場合、青7リプレイに当選した旨、すなわち、特殊リプレイ種別報知抽選の抽選結果が「青7リプレイ」のアシスト報知に決定された旨を報知する。このような昇格的な演出を現出させるようにすれば、あたかも赤7リプレイ当選から青7リプレイ当選に昇格したかの如く振舞う昇格的な演出(昇格演出)を現出させることができ、意外性のある遊技性となり、遊技の面白みを増すことができる。斯様な昇格演出は、1または複数ゲーム間の秘匿状態を経てから現出されうる点で、RG_C1〜C5が当選したそのゲーム中で、演出上は、赤7リプレイに当選したことを報知しながら、アシスト報知の実体的内容は、青7リプレイの入賞手順である、というような、1ゲーム中に行われる「ガセの演出からの昇格的な演出」とは異なる。
なお上述の秘匿解除条件以外には、たとえば、特殊リプレイ種別報知抽選実行後、(1)所定のゲーム数(たとえば、5ゲーム)が経過した場合、(2)アシスト報知対象となる当選役が所定回数(たとえば、2回)当選した場合、(3)アシスト報知対象となる当選役以外の特定の当選役(たとえば、AT1〜12)が所定回数(たとえば、2回)当選した場合など、種々の秘匿解除条件を定めることができる。
(RT3遊技(高確率RT遊技)について)
次に、RT3遊技について説明する。
上記RT3遊技には、RT2遊技中に特殊リプレイが入賞した場合、または、RT0〜RT2遊技中にAT確定役が入賞した場合に移行される。このRT3遊技中では、リプレイ役種のうち、RG_A、およびRG_E1〜E2の3種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図16のRT3中抽選テーブル参照)。
上記RT3遊技は、一般遊技状態中、リプレイ役種の当選確率が最も高くなっており、この点で、一般遊技状態中、遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与しうる)遊技状態とされる。ただし、AT1〜AT12に係る取りこぼしが発生した場合(ベルこぼし目が遊技結果として導出された場合)、RT1遊技に転落移行されるようになっている。そこで本実施形態では、上記RT3遊技中においては、AT1〜AT12に係るアシスト報知を実行する「AT2遊技」を発生させるようになっている。AT2遊技が発生すると、AT1〜AT12のいずれかに当選した場合、ATの取りこぼしを回避させるべく、ベル1がアシスト報知される。換言すれば、RT3遊技に移行した場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT3遊技+AT2遊技(以下、「本ART遊技」と称する)」となる。
(本ART遊技中の継続ゲーム数について)
本実施形態では、上記準備ART遊技中の特殊リプレイの入賞を契機として、本ART遊技継続ゲーム数を決定する。本ART遊技継続ゲーム数は、複数種類のゲーム数(たとえば、30ゲーム、40ゲーム、70ゲーム、および100ゲーム)のうちからいずれかのゲーム数が抽選により決定される。この本ART遊技継続ゲーム数は、入賞した特殊リプレイの種類により抽選されるゲーム数の抽選確率が異なり、特殊リプレイ1(赤7リプレイ)および特殊リプレイ3(特殊リプレイ1の取りこぼし目)の場合は、相対的に少ないゲーム数(たとえば、30ゲーム、40ゲーム:ショート継続ゲーム数)が高確率で抽選され、特殊リプレイ2(青7リプレイ)および特殊リプレイ4(特殊リプレイ2の取りこぼし目)の場合は、相対的に多いゲーム数(たとえば、70ゲーム、100ゲーム:ロング継続ゲーム数)の方が高確率で抽選されるようになっている。これにより、青7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ3)は、相対的に多いゲーム数が選択されうるので、赤7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ4)よりも遊技者にとり有利なゲーム展開とされるようになっている。
なお上記本ART遊技継続ゲーム数の実体は、RT3遊技の継続ゲーム数ではなく、AT遊技2の継続ゲーム数であるといえる。詳述するに、AT2遊技中はAT1〜AT12のいずれかが当選した場合には「ベル1」のアシスト報知が行われ、これにより、ATの取りこぼしを回避させつつ、ベル1を入賞させることができるようになっている。
しかし、上記本ART遊技継続ゲーム数が終了してAT2遊技が終了すると、遊技機全体から捉えた遊技状態としては「RT3遊技」だけが発生している状態となる。このため、AT1〜12のいずれかが当選した場合であっても、ベル1の入賞手順が報知されず、遊技者はATの取りこぼしを回避するための手掛かりがなくなる。またATは他の役に比べて高確率で当選することから、AT2遊技が終了した後は、比較的短期間でATの取りこぼしが発生しうる。したがって、AT2遊技が終了した後は、RT3遊技の継続が困難となり、いずれRT3遊技が終了して、遊技機全体から捉えた遊技状態としてはRT1遊技に転落移行されることになる。したがって、AT2遊技の継続ゲーム数を、実質的に上記本ART遊技の継続ゲーム数と捉えることができる。この点、上記準備ARTについても、この本ART遊技と同じく、AT遊技が継続ゲーム数で管理される場合は、実質意的に、AT1遊技の継続ゲーム数を、準備ART遊技の継続ゲーム数と捉えることができる。このように本実施形態では、AT遊技の終了に起因してRT遊技が終了されることになるので、以下では特に必要のない限り、AT遊技継続ゲーム数とART継続ゲーム数とを等価的なものとして扱う。
上記本ART遊技に突入すると、AT1〜AT12当選時のベル1のアシスト報知が行われ、リプレイ確率も全RT遊技中最も高くなることから、上記準備ART遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。この本ART遊技は、ボーナス遊技と同じく、短時間で多量の遊技メダルを獲得可能な遊技状態となっており、このことから、本ART遊技は疑似的なボーナス遊技(疑似ボーナス遊技)としての役割を果たす。この点から、上記特殊リプレイ1〜4は、上述の疑似ボーナス遊技への移行契機となる役として働くことから、疑似的なボーナス役(疑似ボーナス役)といえる。なお上記特殊リプレイは、アシスト報知の有無により、入賞が容易または確定的(入賞容易状態)になったり、入賞が困難または不確定(入賞困難状態)になったりする。これは、特殊リプレイ(疑似ボーナス役)に関する入賞許容状態が、主制御部400側による遊技動作制御により管理されているのではなく、専ら、演出制御部410側の演出動作制御により管理されていることを意味する。具体的には、特殊リプレイのアシスト報知を許容か否かを抽選する上記した「特殊リプレイ種別報知抽選」が、特殊リプレイを入賞容易状態に置くか否かを内部的に決定する働きをするものであり、当該特殊リプレイ種別報知抽選は、役の図柄の組合せを入賞許容状態とするか否かを内部的に決定する主制御部400側の内部抽選と等価的な役割を果たすといえる。
(本ART遊技中の上乗せ抽選)
また本ART遊技中にCAリプレイが入賞した場合、本ART遊技継続ゲーム数(正確には、AT遊技2の継続ゲーム数)を増加させうる「上乗せ抽選」が行われるようになっている。この上乗せ抽選では、複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数が抽選により決定され、決定されたゲーム数が基本的な継続ゲーム数(上記本ART遊技移行時に決定される継続ゲーム数)に対して上乗せされる。これにより本ART遊技のゲーム期間が延長されて遊技者にさらなる利益をもたらすことになる。なお、上乗せゲーム数は固定的なゲーム数(たとえば、10ゲームの上乗せ)であっても良い。このため、本ART遊技中においては、RG_E1〜E2のいずれかが当選した場合、その当選役に対応した「CAリプレイ」のアシスト報知を行い、CAリプレイの入賞機会を遊技者に与えるようになっている。
(RT4遊技(内部当選中低確率RT遊技)について)
次に、RT遊技4について説明する。このRT4遊技は、上記RT0遊技〜RT3遊技中にBB1が当選した場合に移行される内部当選状態用のRT遊技となっており、上記した一般遊技状態におけるRT0遊技〜RT3遊技とはその性質を異にする。なお、RT4遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_A、およびRG_E1〜E2の3種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっており(図16参照)、またRT4遊技に移行した場合には、BB1が入賞するまで、他の遊技状態には移行されないようになっている。
上記RT4遊技は、既に説明したように、リプレイ役の当選確率がRT0遊技およびRT1遊技の少なくともいずれか一方と略同一となっており(本実施形態では、RT0遊技、RT2遊技中、およびRT4遊技がそれぞれ略同一)、どのRT遊技に滞在しているかを演出上で明示されない限り、その判別が極めて困難なものとなっている。したがって、RT0遊技中またはRT1遊技中にBB1が当選し、たとえRT4遊技に移行したとしても、遊技者がそれを察知することができない。
そこで本実施形態では、RT0〜3遊技中のように小役系の入賞に起因して他のRT遊技に移行しないRT4遊技という特殊な遊技状態を設け、このRT4遊技において、通常では出現することのない特殊な停止表示態様である後述の「リーチ目」を高確率で出現させることにより、遊技者に違和感を与え、BB1が内部当選中であることを遊技者に知らせるようにしている。
(リーチ目)
上記「リーチ目」とは、BBに当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン3a上にボーナス役を引き込むことができない場合(BBの取りこぼしが発生した場合)、BBの当選確定を示唆するものとして導出される特殊な図柄の停止表示態様をいう。このリーチ目は、特に、今回の内部抽選結果がハズレの場合(他の役とBBとが重複当選状態でない場合)に出現率が高く、他の役との重複当選状態の場合には、後述のチャンス目や当該他の役の取りこぼし目が導出されうる関係上、その出目が優先されるので、リーチ目の出現率は低くなる。したがって、BBを取りこぼしたからといって、必ずしもリーチ目が出現するわけではない。本実施形態では、当選フラグの成立状態と、遊技者による回胴の停止操作タイミング(停止操作タイミングおよび押し順の少なくともいずれか一方でも良い)とに応じて、BBを取りこぼした際、上記リーチ目を導出表示させるための停止データを定めた所定の停止テーブル(BB内部当選用停止テーブル)が設けられている。なお本実施形態では、RT4遊技およびRT遊技5のぞれぞれに対応した複数種類の停止テーブルが設けられており、これらの停止テーブルには、少なくとも上記リーチ目の出現率(出現度合い)が異なるように構成した停止データが定められている。本実施形態では、RT4遊技中ではBB(ここでは、BB1)を取りこぼした際にリーチ目の出現率を高めるといった観点から、後述のRT5遊技中では、連続演出の出現率を高めるといった観点から、上記RT4遊技中の方が後述するRT5遊技中よりも、リーチ目の出現率が高くなるようにしている。
(BBチャンス目)
次に、上述の「BBチャンス目」ついて説明する。この「BBチャンス目」とは、ボーナスであるBB1またはBB2と重複当選可能な‘強チェリー’または‘弱チェリー’に当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上にいずれの役も引き込むことができずに取りこぼした場合、強チェリーまたは弱チェリーの当選確定を暗示するものとして導出される図柄の停止表示態様である(強スイカ役や弱スイカ役と重複当選の場合は、スイカ役の取りこぼしが発生しないので、BBチャンス目は出現しない)。この「BBチャンス目」についても、上記「リーチ目」に関する停止データと同様に、遊技結果として「BBチャンス目」を導出表示させるように回胴を停止制御する停止データを定めた所定の停止テーブルが設けられている。
RT0遊技〜RT2遊技中において、上記「BBチャンス目」が出現した場合には、BBと重複当選する‘強チェリー’や‘弱チェリー’を取りこぼしだけでなく、BBを取りこぼした可能性もある。つまりBBチャンス目が出現した場合には、たとえば、‘BB1+弱チェリー’の重複役または‘弱チェリー’の単独当選役のどちらの役に当選したか不明であり、BBの当選確定ではない点で、上記リーチ目が出現した場合と事情が異なる。他方、RT4遊技中は、BB1の内部当選状態であることを示唆するために、‘強チェリー’や‘弱チェリー’の取りこぼし時であっても、上記BBチャンス目を出現させずに、リーチ目を出現させ、他のRT0遊技〜RT2遊技中よりもリーチ目が出現する度合いを高めるようになっている。またRT4遊技以外の他のRT遊技において、当選役(たとえば、AT役種(AT1〜AT12))を取りこぼした場合、当該当選役の取りこぼし目を遊技結果として導出するようになっているが、RT4遊技中においては、当該取りこぼし目でなく、リーチ目を優先的に遊技結果として導出させ、リーチ目が出現する度合いを高めるようになっている。特に遊技初心者にあっては、リーチ目が如何なる停止表示態様であるかの知識が乏しく、上記のように「リーチ目」の出現率を高めることは、遊技初心者であっても違和感を受けやすいと考えられるため有用である。
なお、リーチ目は複数種類あっても良いし、単一であっても良い。また後述のRT5遊技においてBB2の取りこぼしの場合に出現するリーチ目と、上記RT4遊技においてBB1の取りこぼしの場合に出現するリーチ目とは異なるものであっても良いし(この場合、BB役種をリーチ目により遊技者に告知することができる)、同一であっても良い(この場合、BB役種を秘匿することができるので、いずれのBBが当選したかの推測要素を遊技者に与えることができる)。またリーチ目を複数種類設けた場合、上記BB2の取りこぼしの場合に出現するリーチ目と、上記BB1の取りこぼしの場合に出現するリーチ目とは一部共通するリーチ目であっても良い。
(RT5遊技(BB2内部当選中高確率RT遊技)について)
次にRT遊技5について説明する。このRT5遊技は、RT4遊技と同じく内部当選状態用のRT遊技であるが、BB2が当選した場合に移行される点と、リプレイ役の当選確率が上記RT4遊技よりも高確率となる点、および後述の連続演出が現出される度合いが高まる点で、同じBB内部当選遊技状態である上記RT4遊技とは、その性質を異にする。なお、上記RT5遊技中はRT4遊技中と同じく、リプレイ役種のうち、RG_A、およびRG_E1〜E2の3種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図16参照)。また、RT5遊技中は、BB2が入賞するまで、他の遊技状態には移行されないようになっている。
(連続演出)
上述の「連続演出」とは、1ゲーム限り発生するといった基本的な演出とは異なる演出であって、所定の演出が、連続する複数回のゲーム(たとえば、2〜5ゲーム間)に亘り連続的に現出される特別な演出態様をいう。この連続演出の演出態様は、特定の遊技状態(たとえば、ボーナス遊技)への移行条件の成立期待感(たとえば、BB内部当選中)を与えるような演出態様を広く包含し、連続演出の演出結果により、その当選期待度または当選確定を報知する演出態様である。上記連続演出は、内部抽選結果に基づき現出される。この場合、次のような現出条件を定めることができる。たとえば、(1)ハズレを含む何らかの役に当選した場合に、所定の抽選(連続演出発生抽選)を経て現出させる。具体的には、当選役に対応して、連続演出発生抽選で当選する確率が定められており、当該連続演出発生抽選で当選した場合に現出させる。特に、RT5遊技中では、リプレイ役の抽選確率が高確率となり、また後述のボーナス役とリプレイ役との優先順位の関係から、リプレイ役に当選した場合には、他の役に当選した場合よりも相対的に高確率(リプレイ役種に当選した場合、100%で発生させても良い)で連続演出を開始させることが好ましい。なお、各役に対応する連続演出発生抽選による抽選確率は、適宜定めることができる。また(2)ハズレを除く、特定の役(たとえば、リプレイ役種やAT役種など)に当選したことを条件に、現出させるものであっても良い。斯様な連続演出の現出制御は、演出制御部410がその機能部を担う「特別演出現出制御手段」により現出制御される。この特別演出現出制御手段は、回胴回転始動レバー12の操作を契機に主制御部400から送られてくる演出制御コマンド(たとえば、内部抽選結果に関する情報(内部当選フラグ情報)と、現在の遊技状態に関する情報とを含む後述の遊技開始コマンド)に基づき、連続演出の現出制御を行うように構成しても良いし、回胴回転停止ボタン12の停止操作を契機に主制御部400から送られてくる演出制御コマンド(たとえば、停止操作手順を含む後述の「停止情報受付コマンド」や停止図柄情報を含む後述の「停止結果情報コマンド」)に基づき、各回胴を停止していく段階(たとえば、リプレイ役当選時の第1停止操作後、リーチ目やチャンス目の導出表示の可能性がある段階など)で連続演出の現出制御を行うように構成しても良い。
なお連続演出は、複数回のゲームに亘って展開されるといった性質上、相互に関連した演出を現出させることが好ましい。たとえば、ストーリー性を有する物語風演出(昔話の「桃太郎」に纏わる話が進行していく様を表現した演出内容)や、敵との対戦を模した対峙演出(対戦の勝敗により結果を導出する、所謂「バトル演出」)などのように、複数回のゲームに亘って、何らかの観念的な関係を有する連続的な演出態様であることが好ましい。
本実施形態のRT5遊技では、リプレイ役の当選確率が他の役よりも高確率となる点(図17〜図18参照)と、リプレイ役が他の役と重複当選した場合にリプレイ役を最優先で引き込み制御を行う上記引き込み優先順位(ボーナス役<小役<リプレイ役(最優先))の性質とを利用し、BB2の内部当選中であることを示唆するべく、上記連続演出が出現する度合いを他の遊技状態よりも高まるようにしている。この点、上記RT4遊技のように、リーチ目を出現しやすくする遊技状態とは大きく異なる。
具体的には、BB2の内部当選中にリプレイ役(RG_A、およびRG_E1〜E2のいずれか)が当選役として決定された場合、BB2と当該リプレイ役とが重複当選状態となり、この場合は、上記引き込み優先順位により当該リプレイ役が優先的に有効入賞ライン上に引き込まれることになる。そしてRT5遊技中は、リプレイ役の当選確率が他の役よりも高確率する。したがって、BB2の入賞がリプレイ役の入賞により阻害され、BB2の入賞が1または複数ゲーム間、先延ばしにされるといった事象が高確率で発生し、上記連続演出を現出させ易いといった利点がある。また本実施形態では、小役種に当選した場合も上記引き込み優先順位によりBB2よりも小役が優先的に引き込まれるので、RT5遊技中は、リプレイ高確率当選状態と相まって、より連続演出を現出させ易い遊技状態となっている。勿論、本発明の目的を達成可能なものであれば、上記引き込み優先順位に関し「小役<ボーナス役<リプレイ役(最優先)」とするボーナス優先制御としても良い。RT5遊技のような、内部当選中専用のRT遊技を設ければ、連続演出が途切れることが少なくなるものと考えられ、連続演出を最後まで展開させることが容易となり、その結果、連続演出による演出結果を導出表示し易くなる。
以上のように上記RT5遊技中においては、上述の先延ばしにされる事象が発生する度合いが高まることを利用し、RT4遊技中のようにリーチ目の出現率(出現度合い)を高めるといった遊技状態として機能するのではなく、連続演出の出現率を高めるといた遊技状態として機能するようになっている。またRT5遊技中では、既に説明したように、連続演出の出現率を高めるといった観点から、回胴の停止制御(上記BB内部当選用停止テーブル)に関し、BB2を取りこぼしたときのリーチ目の出現度合いが、RT4遊技中よりも低くなるように構成されている。これにより、RT4遊技中では、リーチ目の出現という回胴の停止表示態様を利用した演出効果を発揮させることができ、他方、RT5遊技中では、連続演出という演出手段を利用した演出効果を発揮させることができるようになっている。これは、従来のように、単に、BBの種類に応じて演出手段による演出態様を異ならせるといったものではなく、当選したBBの種類に応じて、回胴装置と演出手段とを利用した異質な演出効果を発揮させることができることを意味する。
このように本実施形態では、当選したBBの種類に応じて機能の異なる遊技状態に移行可能に構成することで、ボーナス持越遊技中の予告演出(ボーナス当選を示唆する予告演出)を多彩なものとすることができる。その結果、ボーナス持越遊技中における遊技の面白みをより向上させることができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図7〜図18>
図7〜図18を参照して、主要な遊技動作を統括的に司る、主制御部400側の処理内容について説明する。
(1.主制御側メイン処理:図7)
図7は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部(主制御部)400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部(主制御部)400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、電源基板440から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27の処理が行われる。
図7おいて、まず主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS11)。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、今回のゲームの遊技状態の種別(RT0遊技中〜RT5遊技中、ボーナス遊技中)を確認し、これに対応する遊技状態フラグ(各RT遊技の種別を指定するRT0遊技フラグ〜RT5遊技フラグ、ボーナス遊技中であることを指定するボーナス作動フラグ)を設定する。これにより今回のゲームの遊技状態が確定され、その遊技状態に応じた処理が行われる。
次に、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値(数値範囲:0〜65535)を取得する(ステップS15)。
次に、取得した内部抽選用乱数値に基づく当選種別に関する内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する後述の抽選テーブル(図13〜図16)とに基づく内部抽選を行い、内部抽選結果に基づく当選情報(当選フラグ)を設定する。なお、上記内部抽選処理の詳細については図8にて後述する。
次に、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS17)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始時に必要となるデータ、たとえば、遊技開始ウェイトタイマ(4.1秒)をセットしたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグを‘全回胴回転中’にセットしたりする。その後、回胴の回転始動を行うと共に、演出制御コマンドとして回胴始動を示す「回胴起動コマンド」をセットして、各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。
その後、全回胴が概ね一定速度になると、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作が許容状態になる。この状態で回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合には、停止操作の対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS18)。この回胴停止処理では、上記当選情報(当選フラグ)と回胴の停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)とに基づき、目的とする停止テーブル(図示せず)を選択決定し、決定した停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、これに基づく引き込み制御の下、回胴を停止制御する。
またここでは、回胴の停止制御時に係る演出制御コマンドとして、回胴の停止操作時には「停止情報受付コマンド」が、回胴の停止時には「停止結果情報コマンド」が演出制御部410に送信される。上記「停止情報受付コマンド」には、既に停止している回胴数に関する停止回胴数情報(たとえば、第1停止操作時の場合、既に停止している回胴数はないので「0個」となる)、停止操作対象となった回胴を示す停止対象回胴情報、回胴の停止操作順番(押し順)に関する停止操作順情報などが含まれる。また上記「停止結果情報コマンド」には「入賞ライン情報」が含まれ、この入賞ライン情報には、各回胴の停止毎の図柄停止情報(各回胴において、いずれの入賞ライン上に如何なる図柄番号の図柄が停止したかに関する情報)が含まれる。たとえば、リーチ目やチャンス目が導出表示されるか否かは、停止情報受付コマンドおよび/または停止結果情報コマンドにより、演出制御部410側で把握することができる。これにより、リーチ目やチャンス目が遊技結果として導出表示される場合に、所定の演出(たとえば、連続演出)を開始させることもできる。
全回胴の停止が確認されると、続いて、入賞判定処理を行う(ステップS19)。この入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したかどうか、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の払い出し設定処理を行う。
また、入賞判定処理では、今回の遊技結果に関する情報を含む演出制御コマンドとして、「入賞情報コマンド」をセットし、演出制御部410(演出制御基板420)に送信する。この入賞情報コマンドには、入賞役情報(全回胴停止時の停止図柄情報)、入賞ライン情報、遊技状態情報などの全回胴停止時の停止図柄に関する情報、すなわち、今回の遊技結果を特定しうる情報が含まれる。上記「入賞情報コマンド」が主制御部400から演出制御部410に送信されると、演出制御部410側では、この入賞情報コマンドに含まれる情報に基づき、全回胴の停止時の演出、遊技結果に基づく演出状態(AT遊技)の移行制御(非AT遊技およびAT遊技間の移行制御)、上乗せゲーム数抽選など、遊技結果が導出されたときに要する演出制御処理を行う。
次に、メダル払出処理を行う(ステップS20)。このメダル払出処理では、ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。
次に、RT遊技管理処理を行う(ステップS21)。このRT遊技管理処理では、通常遊技とRT遊技(本実施形態では、RT0遊技(通常遊技)〜RT遊技5)間の移行制御処理を行う。具体的には、遊技結果に基づいて、現在のRT遊技から他のRT遊技への「RT遊技移行条件(昇格移行、転落移行に関する条件)」が成立したか否かを判定し、その条件が成立した場合、移行先となる当該他のRT遊技への移行に必要な設定処理を行う。これにより図6に示す遊技状態遷移を実現している。
続いて、リプレイ役が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する(ステップS22)。リプレイが停止した場合(ステップS22:YES)、再遊技を付与するための設定処理(ステップS25)を行った後、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、リプレイが停止していない場合(ステップS22:NO)、次に、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS23)。
ボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS26)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、ボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、次に、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する(ステップS24)。
ボーナス役が停止していない場合(ステップS24:NO)、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、ボーナス役が停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS27)。このボーナス遊技開始処理では、ボーナス役入賞によるRT遊技の終了の他、ボーナス遊技の開始に必要な各種の設定処理を行う。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
(1−2.内部抽選処理:図8)
次に図8を参照して、図7のステップS16の内部抽選処理の詳細について説明する。図8は、内部抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。
図8において、主制御部400は、まず、遊技状態フラグ生成処理(ステップS13)の遊技状態フラグを取得し、現在の遊技状態を把握する。
次に、ボーナス遊技中であるか否かを判定する(ステップS102)。以下では、説明の便宜上、ボーナス遊技中でない場合の処理ルート(S103〜S107)とボーナス遊技中である場合の処理ルート(S113→S107)とに分けて説明する。
(ボーナス遊技中でない場合(一般遊技状態中)の処理ルート:S103〜S107)
ボーナス遊技中でない場合には(ステップS102:NO)、一般遊技状態用の抽選テーブルDLOTとして、図13のRTZ抽選テーブルを取得し、そのRTZ抽選テーブルに係る抽選回数(当否判定回数)をメインCPU401bのBレジスタに初期設定する(ステップS103)。なお上記抽選回数は、RTZ抽選テーブルにおいて抽選対象となる役(抽選対象役)の種類数に相当する「26回」が設定される。なお、詳細は後述するが、上記RTZ抽選テーブルには、RT0遊技〜RT5遊技において共通して抽選対象となる役が規定されており、各RT遊技に対応した固有の抽選対象役については、後述のステップS106〜S107で利用されるRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル(図14〜図16)により規定されている。このRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルには、抽選確率が異なる抽選対象役(本実施形態では、1または複数種類の特定のリプレイ役種:図13、図15〜図18参照)が規定されており、これにより、各遊技状態ごとのリプレイ役の抽選確率(リプレイ役の合算当選確率)を変動させている。
続いて、上記RTZ抽選テーブルに基づいて、当選役を判定するための抽選判定処理を行う(ステップS104)。
(1−2−1.抽選判定処理(ステップS104):図9)
図9を参照して、図8のステップS104の抽選判定処理の詳細について説明する。図9は、抽選判定処理を示すフローチャートである。なお、後段階の処理におけるステップS107の抽選判定処理の処理内容は、このステップS104の抽選判定処理と実質的に同じ処理手順となっている。
図9において、主制御部400は、まず、現在の遊技状態とステップS103の処理で設定された抽選回数(Bレジスタの値)とで特定される抽選テーブルに基づき、今回の抽選対象役を取得する(ステップS131)。このステップS131の処理における抽選テーブルには、図13のRTZ抽選テーブルが利用される。なお図示はしていないが、RTZ抽選テーブルには、抽選回数で特定される抽選対象役に関する識別子として、抽選対象番号が設定されており、たとえば、上記RTZ抽選テーブルにおいては、最上欄の‘弱チェリー’を抽選対象番号を「1」とし、最下欄のBB2まで抽選対象番号1〜26が順次割り当てられている(図14〜図16の各抽選テーブルについても同様に、抽選対象とする抽選対象役に対応した抽選対象番号が割り当てられている)。
本処理に始めて入った場合、抽選回数には、初期設定値として、ステップS103の処理で設定された「26回」が設定されており、したがって、ここではまず、その抽選回数(Bレジスタの値)で特定される抽選対象役として、当該RTZ抽選テーブルの最上欄の‘弱チェリー(抽選対象番号1)’が抽選対象役として特定される。そして、その弱チェリーを対象に抽選(当否)判定が行われ、当該弱チェリーが非当選であれば、次欄の‘BB重複役1(弱チェリー+BB1)’が抽選対象役として取得され、同じく、このBB重複役1を対象に抽選(当否)判定が行われる、といった具合に、前欄の抽選対象役が非当選であれば順々に、最下段のBB2までの26種類の抽選対象役に対して、当選役であるか否かの抽選(当否)判定が行われることになる(後述するステップS132〜S134)。なお、この抽選判定処理の詳細については、追って説明していく。
ここで、抽選判定処理の内容の理解を容易なものとするために、先ず、各抽選テーブルについて説明しておく。
(抽選テーブルDLOTのデータ構成について:図12)
図12に、RT0遊技〜RT5遊技において共通して利用される「RTZ抽選テーブル(図13)」、各RT遊技(RT0遊技〜RT5遊技)それぞれに対応したRT遊技中用の抽選テーブルの「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル(図15〜図16)」、およびボーナス遊技中に利用される「ボーナス中抽選テーブル(図14)」の基本的構成である「抽選テーブルDLOT」のデータ構成を示す。
この抽選テーブルDLOTには、内部抽選に利用される必要なデータが定められており、上記RTZ抽選テーブル、RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル、ボーナス中抽選テーブルのそれぞれは、抽選テーブルDLOTを単位テーブルとして、抽選対象役の種類数分に対応する抽選テーブルDLOTで構成されている。
本実施形態では、36種類の小役系役種と、2種類の特別役種とを適宜組合せて、計43種類の抽選対象役が設けられている(図13〜図16の抽選テーブル参照)。具体的には、図13に示すように、BB1またはBB2と重複当選可能なBB重複役1〜6の計6種類と、図14〜図16に示すように各RT遊技中およびボーナス遊技中における計36種類の小役系(リプレイ役種を含む)の単独当選役と、計2種類の特別役種(BB1、BB2)のうちBB2の単独当選役とする、計43種類が設けられている。そして、ぞれぞれの抽選テーブル(図13〜図16の抽選テーブル)における抽選対象役の総数は、抽選テーブルDLOTにより特定される判定値JUV(図17〜図18に示す判定値(抽選対象役の当選確率を規定する値)と、ステップS15の処理で取得される内部抽選用乱数値(RAND)とを対比する抽選判定処理の処理回数を意味しており、それぞれの抽選テーブルにおける処理回数分(本実施形態では、図13に示すRTZ抽選テーブルでは処理回数が26回、図15〜図16に示すRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルでは、それぞれの処理回数が1回、4回、10回、3回、3回、3回、図14に示すボーナス中抽選テーブルでは処理回数が2回)のいずれかの抽選判定処理(ステップS104またはステップS107の各抽選判定処理)を経て、当選役が決定される役の「当選状態」となるか、そうでない「ハズレ」となるかが判定される。以上を踏まえ、続いて、図12に抽選テーブルDLOTの構成を詳細に説明する。
抽選テーブルDLOTは、上記の43種類の抽選対象役のそれぞれが図12に示す2バイト長で、抽選判定処理で使用すべき判定値JUVを特定するためのデータが定められている。具体的には、計43種類の抽選対象役のうち、各RT遊技(計5種類のRT0遊技〜RT5遊技)に共通する計26種類の抽選対象役(弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、AT確定役、AT1〜12、重複役1〜6、BB2単独当選役)については、図13の「RTZ抽選テーブル」により判定値JUVが特定され、他方、計17種類のリプレイ役の単独当選役(RG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5)については、各RT遊技に対応して、図15〜図16の「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル」により判定値JUVが特定されるようになっている。
すなわち、図13に示す「RTZ抽選テーブル」では、RT0遊技〜RT5遊技中に共通して抽選対象となる役が規定されているもので、ステップS104の抽選判定処理で利用されるものであり、図15〜図16に示す「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル」では、各RT遊技に対応した固有の抽選対象となる役が規定されているもので、ステップS107の抽選判定処理で利用されるものとなっている。本実施形態では、先ずRT0遊技〜RT5遊技中において共通して抽選対象となる役を対象とする抽選判定処理(ステップS104)を経て、そこで当選役が決定されなかった場合は、次いで、各RT遊技固有の抽選対象となる役を対象とする抽選判定処理(ステップS107)を行い、これにより今回の当選役を決定する、といった処理手順を踏むことにより、それぞれの遊技状態に応じて抽選対象役を一括して規定した抽選テーブルを利用するよりも、闇雲にメモリのプログラム領域を増加してしまうことを抑制してしまうことを回避することができるようになっている。
なお本実施形態では、各RT遊技においてBBの当選確率は変更されないため、BBの抽選に関しては、ボーナス持越遊技中とボーナス非持越遊技中とで、図13に示す「RTZ抽選テーブル」を共通して利用している。
再び図12の抽選テーブルDLOTの説明に戻る。図示のように、抽選テーブルDLOTの各欄(2バイト長)を構成する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)は、小役系役種(小役種およびリプレイ役種)に関する情報を示し、具体的には、その6ビットに基づいて、抽選対象となる小役系役種別(小役種およびリプレイ役種)が特定される。また、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)は、特別役種に関する情報を示し、具体的には、その3ビットに基づいて、抽選対象となる特別役(BB)種別(BB1、BB2)が特定される。ただし本実施形態では、BBの種類数が2種類(BB1、BB2)であるので、3ビットのうち2ビットを利用し(1ビットは未使用)、抽選対象となる特別役種別を特定している(たとえば、ビット情報として、01=BB1、10=BB2(00は、BB非当選(BBハズレ)など))。上述のように抽選テーブルDLOTでは、所定のビット情報により抽選対象役が特定されるようになっており、これを図13のRTZ抽選テーブルに参照して説明すれば、「小役種」の各役の欄は、図12の抽選テーブルDLOTの各欄(2バイト長)を構成する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)に該当し、「特別役種」の各役の欄は、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)に該当する。
なお、BBの単独当選役として規定される‘BB2’については、小役系の抽選対象役を特定する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)が、いずれも「ゼロ」に設定されており、これにより、BB2が単独当選役として規定される。この点は、単独抽選役として規定される小役系に属する抽選対象役についても同様であり、当該抽選対象役については、特別役種別を特定する第二バイトの下位3ビット(D0〜D2)が「ゼロ」に設定されており、これにより、小役系に属する抽選対象役が単独当選役として規定される。
また本実施形態では、BBが2種類であることから、第二バイトの下位3ビットのうち、D2は未使用領域となっている。この未使用領域は、特別役種を増加させた場合に利用可能な領域として保持してあり、これにより、特別役種を増加させるような設計変更があっても抽選テーブルを容易に変更することができるようになっている。この特別役種を特定しうる第二バイトの下位3ビットを最大限利用した場合、最大7種類(1種類はBB非当選を示す情報に利用)まで特別役種を増加させることができる。また、小役系の抽選対象役を特定しうる第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)を最大限利用した場合、63種類(1種類は小役非当選を示す情報に利用(たとえば、下位6ビットがすべてゼロ))の抽選対象役まで容易に増加させることができる。このように本実施形態では、抽選対象とする役の種類、各役の当選確率を変更して、機種変更の際にゲーム性を変更しても、制御プログラムやメモリ構造を共通化できるよう、データ領域として使用可能な最大限のメモリを確保している。そのため、本実施形態の抽選対象となる役の種類や当選確率などを全ての機種において必ずしも使用するとは限らず、設計変更の際、適宜変更することができる。
また本実施形態では、抽選対象役として、BBと特定の小役種(リプレイ役種を含む)とが重複当選可能な複数種類の重複役(BB重複役1〜6)が設けられている。斯様なBB重複役は、小役種を特定する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)と、特別役種を特定する第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)とで特定される。たとえば、図13のRTZ抽選テーブルの「重複役1」の欄には、その第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)により‘弱チェリー’を特定し、その第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)により‘BB1’を特定し、全体として、「弱チェリー+BB1」というBB重複役1を規定している。
ここで、上記抽選テーブルDLOTの第一バイトの上位2ビット(D7、D6)は、「判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKW:図17〜図18参照)」を特定しうる情報(判定テーブル識別情報)を示している。この判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKW)は、その抽選対象役に係る抽選判定処理において利用する判定値JUVを特定するテーブルとなっている。
(判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKW):図17〜図18)
上記各判定テーブルは、回胴設定基板430に設けられた設定スイッチにより設定された「設定値」に対応して、各抽選対象役に係る判定値が同一か否かで大別される。また、上記判定テーブルは、1バイト長の判定値(BYTE判定値)を定めているか、2バイト長の判定値(WORD判定値)を定めているかで、さらに区分されている。なお、判定値JUVは、その役の抽選確率(当選確率)を規定するので、BYTE判定値で抽選される抽選対象役より、WORD判定値で抽選される抽選対象役の方が、一般的には、当選確率が高いことになる。本実施形態では、抽選対象役の抽選確率を多様化し、また制御負担を軽減すべく、1バイト長の判定値を記憶するBYTEテーブルと、2バイト長の判定値を記憶するWORDテーブルとに大別している。
図17〜図18に、上記のように区分された4種類の判定テーブルを示す。図17に、一の抽選対象役に対し、設定値の相違にかかわらず、共通して利用されるBYTE判定値が記憶された「共通BYTE判定テーブル(ALB)」と、設定値の相違にかかわらず、共通して利用されるWORD判定値が記憶された「共通WORD判定テーブル(ALW)」とを示す。また図18に、一の抽選対象役に対し、BYTE判定値が設定値(設定値1〜6)ごとに記憶された「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」と、WORD判定値が設定値(設定値1〜6)ごとに記憶された「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」とを示す。
(判定テーブルの決定について:ステップS132)
これらの判定テーブルは、上述したように、抽選テーブルDLOTの第一バイトの上位2ビット(D7、D6)の判定テーブル識別情報により特定される。ここでは、ステップS104の抽選判定処理で利用される、図13のRTZ抽選テーブルに着目しながら説明する。
図13のRTZ抽選テーブルを参照して、図示の「設定別」の欄は、上記テーブル識別情報の設定別情報(ビットD7)を示し、「サイズ」の欄は上記テーブル識別情報のサイズ情報(ビットD6)を示している(図14のボーナス中抽選テーブル、図15〜図16のRT遊技中用の抽選テーブルについても同様)。具体的には、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報に基づいて、上記4種類の判定テーブルのいずれかが特定可能となっており、「設定別、サイズ」=「0、0」であれば、図17の「共通BYTE判定テーブル(ALB)」が、「設定別、サイズ」=「0、1」であれば、図17の「共通WORD判定テーブル(ALW)」が、「設定別、サイズ」=「1、0」であれば、図18の「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」が、「設定別、サイズ」=「1、1」であれば、図18の「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」が選択されるようになっている。
したがって、たとえば、‘弱チェリー’についての判定テーブルについては、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報が「1、1」で規定されているので、図18の「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」が選択される。また確認的にさらに説明すれば、‘重複役1(弱チェリー+BB1)’についての判定テーブルは、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報が「0、0」で規定されているので、図17の「共通BYTE判定テーブル(ALB)」が選択される。他の役についても同様にして、図17〜図18に示す判定テーブルALB、ALW、RKB、RKWのいずれかが選択されることになる。
斯様な抽選テーブルは、抽選判定処理の判定対象となる役を特定する役情報と、当該抽選判定処理において参照すべき判定テーブルを特定するテーブル識別情報と、当該抽選判定処理で使用すべき判定値の記憶位置を、当該テーブル識別情報で特定された判定テーブル内で特定する位置情報とが対応して記憶されて、上記役情報、上記テーブル識別情報、および上記位置情報は、全体として2バイト長以下で構成されているのが好ましい。
再び図9を参照して、ステップS132(判定値特定情報取得処理)では、RTZ抽選テーブルにおいて、抽選テーブルDLOT(抽選回数(Bレジスタ)により特定されるRTZ抽選テーブルの該当欄)の第一バイトの上位2ビット(D7、D6)の判定テーブル識別情報と、後述のインデックス情報を取得する。
(判定値取得について:ステップS133)
ここで、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの上位5ビット(D7〜D3)は、上記4種類に区分された判定テーブルにおいて、判定値JUVの記憶位置を特定する判定テーブルのインデックス情報(INDEX値)を示している。上記RTZ抽選テーブルでは、図示の「INDEX」の欄が上述のインデックス情報(INDEX値)を示している。
したがって、たとえば、‘弱チェリー’についての抽選判定では、判定テーブル識別情報の「設定別、サイズ」のビット情報が「1、1」で規定され、そして、上記インデックス情報の「INDEX値」のビット情報が「0」に規定されているので、図18に示す「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」における、先頭から+0番目の判定値JUVが使用されることになり、現在の設定値が「設定1」であれば判定値JUVとして「612(判定値JUV=612)」が使用されることになる(図18の当選役種別「弱チェリー」の欄参照)。また、たとえば、‘重複役1(弱チェリー+BB1)’についての抽選判定では、上述したように、判定テーブル識別情報の「設定別、サイズ」のビット情報が「0、0」で規定され、そして、上記インデックス情報の「INDEX値」のビット情報が「0」に規定されているので、図17に示す「共通BYTE判定テーブル(ALB)」における、先頭から+0番目の判定値として「1(判定値JUV=1)」が使用される(図17の当選役種別「重複役(6種)」の欄参照)。本実施形態では、インデックス情報「INDEX値」が抽選対象役に応じて、+0番目〜+6番目の範囲を取るので、選択された判定テーブルにおける、先頭から+0番目〜+6番目に対応する判定値JUVが使用されることになる。以上では、抽選テーブルDLOTに関し、図13のRTZ抽選テーブルを代表例にとって説明したが、図13〜図15に示す抽選テーブルについても同じ手法で、上記4種類の判定テーブルALB、ALW、RKB、RKWにおけるインデックス情報により特定される判定値JUVが取得される。
再び図9を参照して、ステップS133(判定値取得処理)では、上述のステップS132の処理で特定される判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKWのいずれか)から、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの上位5ビット(D7〜D3)のインデックス情報より特定される判定値JUVを取得する。
(当選役の決定について:ステップS134)
続いて、ステップS133で取得された判定値JUVと、ステップS15の処理で取得された内部抽選用乱数値(RAND)とを対比し、抽選対象役が当選役となるか否かを決定する(ステップS134:当否判定処理)。
ステップS134の当否判定処理では、内部抽選用乱数値(RAND)から抽選対象役ごとに規定された判定値JUVを順次減算していき、内部抽選用乱数値(RAND)の値を更新し(RAND←RAND−JUV)、更新後の内部抽選用乱数値(RAND)が負(RAND<0)であるか否かを判定し、RAND<0となった段階で、その抽選対象役に当選したと判定している。したがって、内部抽選用乱数値(RAND)が、判定値JUVの総加算値であるΣJUVより小さい場合には、必ず何らかの役の当選状態となり、内部(RAND)がΣJUVより大きい場合には、ハズレとなる。
そこで、RAND<0となる場合には(ステップS135:YES)、今回の抽選対象役を当選役として決定し、その当選番号(図11参照)をメインRAM401bの当選番号格納領域に記憶する(ステップS139:当選役情報設定処理)。これにより、ステップS104の抽選判定処理を終えて、図8のステップS105の判定処理に進む。なお、重複役(BB重複役1〜6:抽選対象番号2、4、6、8、24、25)が当選役として決定された場合、当選役を識別する当選番号として、図11に示す、該当する小役系の当選番号と、特別役系に示すBBの当選番号とが記憶される。たとえば、BB重複役1であれば、弱チェリーの当選番号「1」と、特別役種を識別するBB1の当選番号「41」が当選役情報として、RAM401bの所定領域に記憶される。
一方、上述した更新後の内部抽選用乱数値(RAND)の値がRAND≧0となる場合には(ステップS135:NO)、現在の抽選回数(Bレジスタ)を1減算し(抽選回数←抽選回数−1:ステップS136)、減算後の抽選回数がゼロになるまで、ステップS131〜S136の処理を繰り返す(ステップS137:NOの処理ルート)。そして、減算後の抽選回数がゼロになった場合(ステップS137:YES)、抽選対象役情報をクリアし(ステップS138)、ステップS139の当選役情報設定処理に進む。このステップS138の処理を通過する場合は、抽選回数がゼロになるまで、すべての抽選対象役のいずれにも当選しなかった「ハズレ」の場合である。この場合、ステップS139の当選役情報設定処理では、「ハズレ」に当選したものとして当選番号「0」を記憶する。
以上の繰返し処理によって、RAND<0となれば、抽選回数(Bレジスタ)に基づいて当選役を特定し、その当選番号を記憶してステップS104の抽選判定処理を終える。しかし、抽選回数がゼロになるまで、つまり上記RTZ抽選テーブルに規定される計26種類の抽選対象役に対して、最後までRAND<0とならない場合は、これらすべての抽選対象役が非当選(ハズレ)であるとして、ステップS104の抽選判定処理を終える。
再び図8を参照して、上記したステップS104の抽選判定処理の判定結果により当選役が決定された場合には(ステップS105:YES)、後述のステップS108の処理に進む。一方、上記したステップS104の抽選判定処理の判定結果によりハズレとなった場合には(ステップS105:NO)、ステップS106の処理に進む。
上記ステップS106の処理では、現在の遊技状態(現在のRT遊技)に対応した一般遊技状態用の抽選テーブルDLOTとして、図15〜図16に示す「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル」のいずれかの抽選テーブルを取得し、その抽選テーブルを参照して、抽選回数(当否判定回数)をメインCPU401bのBレジスタに初期設定する(ステップS106)。なお上記抽選回数は、RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルのそれぞれにおいて異なっており、図示のように、各抽選テーブルにおいて抽選対象となる役(抽選対象役)の種類数に相当する抽選回数が設定されることになる。
続いて、上記設定された抽選テーブルDLOT(RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル)に基づいて、当選役を判定するための抽選判定処理を行う(ステップS107)。
(1−2−3.抽選判定処理(ステップS107):図9)
図9を参照して、図8のステップS107の抽選判定処理の詳細について説明する。このステップS107の抽選判定処理の処理内容は、既に説明したステップS104の抽選判定処理と実質的に同じ処理内容となっているので、ここでは重複記載を避けるために、ステップS104の抽選判定処理と同じ処理内容についての詳細は、適宜省略しながら説明していく。
以下に説明するステップS107の抽選判定処理は、各RT遊技に対応した固有の抽選対象役についての抽選判定が行われるものであり、この点で、上記したステップS104の抽選判定処理とは異なる。
図9において、主制御部400は、まず、現在の遊技状態とステップS106の処理で設定された抽選回数(Bレジスタの値)とで特定される抽選テーブルDLOTの抽選役情報に基づき、今回の抽選対象役を取得する(ステップS131)。このステップS131の処理における抽選テーブルDLOTは、現在のRT遊技に応じて選択されたRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルのいずれかが利用される。たとえば、図15に示す「RT2中抽選テーブル」の場合について説明すれば、本処理に始めて入った場合、抽選回数には、初期設定値として、当該RT2中抽選テーブルが規定するリプレイ役種の10種類に相当する「10回」が設定されており(ステップS106参照)、したがって、ここではまず、その抽選回数(Bレジスタの値)で特定される抽選対象役として、当該RT2中抽選テーブルの最上欄の‘RG_C1’が抽選対象役として特定される。なお以下では、説明の便宜上、現在のRT遊技に応じて選択されたRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルを、単に「RT中抽選テーブル」と略称する。
次に、ステップS107の抽選判定処理のステップS132(判定値特定情報取得処理)では、抽選テーブルDLOT((抽選回数(Bレジスタ)により特定されるRT中抽選テーブルの該当欄)の第一バイトの上位2ビット(D7、D6)の判定テーブル識別情報と、第二バイトの上位5ビット(D7〜D3)のインデックス情報とを取得する。
次に、ステップS133(判定値取得処理)では、上記判定テーブル識別情報により特定される判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKWのいずれか)から、上記インデックス情報より特定される判定値JUVを取得する。たとえば、図15のRT2抽選テーブルについて説明すれば、‘RG_C1’についての判定テーブルは、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報が「0、1」で規定され、そして、上記インデックス情報の「INDEX値」のビット情報が「2」に規定されているので、図18の「共通WORD判定テーブル(ALW)」における、先頭から+2番目の判定値JUV(判定値JUV=6000)が使用されることになる。なお、他のリプレイ役についても同様にして判定値JUVが取得される。
続いて、ステップS133で取得された判定値JUVと、ステップS15の処理で取得された内部抽選用乱数値(RAND)とを対比し、抽選対象役が当選役となるか否かを決定する(ステップS134:当否判定処理)。ここでは既に説明したように、RAND<0となる場合には(ステップS135:YES)、当選した抽選対象役に対応する当選番号を記憶する(ステップS138)。一方、上述した更新後の内部抽選用乱数値(RAND)の値がRAND≧0となる場合には(ステップS135:NO)、現在の抽選回数(Bレジスタ)を1減算し(抽選回数←抽選回数−1:ステップS136)、減算後の抽選回数がゼロになるまで、ステップS131〜S136の処理を繰り返す(ステップS137:NOの処理ルート)。
かくして、ステップS138の処理を終えると、この抽選判定処理を抜けて、図8のステップS108の処理に進む。
(ボーナス遊技中である場合の処理ルート(S113→S107)
以上、一般遊技状態中である場合における処理ルート(ステップS103〜S107)について説明した。次に、ボーナス遊技中である場合の処理ルートについて説明する。
ボーナス遊技中である場合には(ステップS103:NO)、ボーナス遊技中用の抽選テーブルDLOTとして、図14のボーナス中抽選テーブルを取得し、そのボーナス中抽選テーブルに係る抽選回数(当否判定回数)をメインCPU401bのBレジスタに初期設定する(ステップS113)。なお上記抽選回数は、ボーナス中抽選テーブルにおいて抽選対象となる役(抽選対象役)の種類数に相当する「2回」が設定される。そして、上記ボーナス中抽選テーブルを利用して、上記したステップS107の抽選判定処理を行い、ボーナス遊技中における当選役を決定する。
(ボーナス中抽選テーブルの構成:図14)
上記ボーナス中抽選テーブルは図14に示す通りであり、基本構成は、他の抽選テーブルと同じである。ボーナス遊技中では、BBに当選することがなく、小役(ここでは、ベル)が高確率で当選するようになっているので、図示のボーナス中抽選テーブルを、図12に示す抽選テーブルDLOTを参照して説明すれば、第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)のうちビットD0が「0」が設定され、他は未使用領域となる。その他の構成は、他の抽選テーブルの場合と同じであり、第一バイトの上位2ビット(D7〜D6)が、判定テーブルALB、ALW、RKB、RKWのいずれかを規定する判定テーブル識別情報であり、下位6ビット(D5〜D0)が、小役系役種(小役種およびリプレイ役種)を特定している。本実施形態では、図示の通り、ボーナス中抽選テーブルにおける判定テーブル識別情報は、すべて「共通WORD判定テーブル(ALW)」を特定している。また、第二バイトの上位5ビットは、判定テーブル識別情報で特定される「共通WORD判定テーブル(ALW)」における、判定値JUVの記憶位置を特定している。
上記ボーナス中抽選テーブルでは、一般遊技状態で使用される抽選テーブル(RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル)より‘ベル’への当選確率が大幅に高く設定されており、その結果、遊技者が大量のメダルを取得できるよう構成されている。
再び図8を参照して、ステップS108の処理に進むと、上記抽選判定処理の判定結果から得られた当選番号を取得し、当選番号に対応する当選フラグデータ(内部当選フラグ)を設定する(ステップS108)。ここでは、先ず、小役系に属する当選番号(ハズレも含む)に対応する内部当選フラグ(小役当選フラグ)を設定する。なお、「ハズレ」の場合は、当選フラグは成立しない(たとえば、当選フラグデータのビット情報がゼロ)ものとして扱う。
続いて、ボーナス(BB)の内部当選中であるか否かを判定し(ステップS109)、BB内部当選中でない場合には(ステップS109:NO)、上記抽選判定処理の判定結果から得られた当選番号を取得し、BBが当選役として決定されていれば、その当選番号に対応するボーナス当選データ(ボーナス当選フラグ)を設定し(ステップS110)、次いで、内部当選フラグ情報に応じて、回胴回転始動時に必要な設定処理を行う(ステップS111)。一方、BB内部当選中である場合には(ステップS109:YES)、上述のステップS110の処理は行わずに、回胴回転始動時に必要な設定処理を行う(ステップS111)。これにより、BB内部当選中は、ステップS104の抽選判定処理にて、新たなBBが当選と判定されたとしても、その当選のボーナス当選フラグが設定されない、つまり新たなBBの当選が無効とされ、結果的に、BB内部当選中は、BBが内部抽選対象外の役とされるようになっている。
このように本実施形態では、ステップS108〜S110の処理により、BB内部当選中は、BBを内部抽選対象外の役なるように処理し、結果、新たなBB当選に起因するボーナスフラグは成立せず、BB1およびBB2が重複当選状態となることはない。
ここで本実施形態以外の処理手法により、BB内部当選中において、BBを内部抽選の対象外の役となるようにする処理内容を考えてみる。たとえば、特開2011−115492公報(特に、0182、図14)に開示されている処理内容では、BB内部当選中において、BBが当選役として決定された場合に、BBのボーナス当選フラグを一旦設定した後、BB内部当選中であれば、その設定したボーナス当選フラグをクリアし、これによりBBを内部抽選対象外の役となるように処理している。しかしこの場合は、不必要なボーナス当選フラグを一旦設定して、それをクリアするという無駄な処理が介在することになり、プログラム量の増大化を招来し、メモリの記憶領域を無闇に消費してしまう。また、他の処理手法として、たとえば、BBが当選役として決定された場合、BB内部当選中であれば、BBの当選番号情報をクリアして、ステップS108やステップS110のような内部当選フラグを設定する処理において、ボーナス当選フラグを設定させないようにする処理が考えられるが、一旦設定した当選情報をクリアするといった無駄な処理が介在することになり、この場合も、プログラム量やメモリ量の増加を招来し、メモリの記憶領域を無闇に消費してしまう結果となる。
そこで本実施形態では、BB内部当選中においてBBを内部抽選対象外の役とする手法として、上記したステップS108〜S110の処理手順に見られる簡易な制御処理を採用して制御負担を軽減し、メモリの消費を抑制している。
なお本実施形態では、既に説明したが、各RT遊技においてBBの当選確率は変更されないため、BBの抽選に関しては、ボーナス持越遊技中とボーナス非持越遊技(一般遊技状態)中とで、図13に示す「RTZ抽選テーブル」を共通して利用しているが、遊技性によっては、この「RTZ抽選テーブル」を利用するだけで良い場合もある。その一例としては、たとえば、ボーナス持越遊技(BB内部当選状態)中とボーナス非持越遊技(一般遊技状態)中との関係で、特にリプレイ役の抽選確率を変更しない場合や抽選対象となる役を共通利用する場合、または、単一の一般遊技状態を設ける(たとえば、RT0遊技だけ設ける)といった単純な遊技性にした場合などが考えられる。この例では、図8の内部抽選処理において、RTZ抽選テーブルだけが利用されるので、ステップS105〜S107の処理を除く処理手順としたり(ステップS113の処理に関しては、当該処理を終えた後、ステップS104の抽選判定処理に入るように構成すれば良い)、また上述のような処理手順ではなく、ステップS105〜S107の処理はそのまま残存させ、ボーナス持越遊技中(RT4遊技、RT5遊技)において使用しない抽選対象役についての判定値JUVをゼロにすれば(RT4中およびRT5中抽選テーブルに係る抽選対象役についての判定値JUVをゼロにする。なお、これについては後述する)、実質的に、上記RTZ抽選テーブルだけが利用されることになる。このように、ボーナス持越遊技中とボーナス非持越遊技中とで同一の抽選テーブル(ここでは、RTZ抽選テーブル)を利用して抽選判定処理を行う場合であっても、上記したステップS108〜S110の処理手順に影響を及ぼすことなく、上記した効果を奏することができる。
ステップS111の処理を終えると、演出制御コマンドとして「遊技開始コマンド」を作成し設定する(ステップS112)、この遊技開始コマンドには、内部抽選結果に関する情報(内部当選フラグ情報)と、現在の遊技状態に関する情報(RT0遊技〜RT5遊技、ボーナス遊技などの主制御部側遊技状態に関する情報)とが含まれる。上記「遊技開始コマンド」が主制御部20側から演出制御部24側へと送信されると、演出制御部24側では、この遊技開始コマンドに含まれる情報に基づき、回胴始動時の演出として、連続演出(特別演出)や当選役に応じたアシスト報知演出などを現出するために要する演出制御処理を行う。
このようにして、ステップS112の処理を終えると、内部抽選処理を抜けて、図7の回胴回転開始設定処理(ステップS17)に進む。
上記の通り、本実施形態では、多様な単独当選役や重複役を設けているが、新機種を開発する際、旧機種からゲーム性を変更するために、これらの役を増減させたり、各役の当選確率を変更したりする必要がある。このような場合に、従来の構成であれば、ゼロから設計をやり直す必要があり、新機種の完成までに長い月日を要する場合が多い。また、遊技性を多様化するためには、メモリ浪費・制御負担の増大化を回避することは難しい。特にメモリ浪費・制御負担に関する事項について、パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部40が該当する)に装着されるROMのプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラムの削減は重要な意義を有している。この問題点については、たとえば、特開2011−56312号公報(特に、図9〜図11)に開示される発明を代表例にとって説明すれば、この従来技術では、複数種類のRT遊技(非RT1、RT1、およびRT2)を設けることで遊技内容の豊富化を図ることができるようになっているが、内部抽選処理に利用する抽選テーブルについては、これら遊技状態ごとに対応した抽選テーブルが設けられており、メモリの記憶領域を無闇に消費してしまう。また、このように、遊技状態ごとに対応した抽選テーブルを設けるのでは、役種の増減や、各役の当選確率を変更するために、そのデータ構造を変更する必要が生じて、設計をゼロからやり直す事態になりかねない。
上記のような問題点に鑑み、本実施形態では、抽選対象となる役の種類(当選役)を変更してもデータ構造を極力変更する必要が無いように、また、各種の役の当選確率の変更を容易化するために、実質的に使用しない抽選対象役には、抽選判定の判定値をゼロに設定することで、当選役の種別を適宜に増減させた場合に、抽選テーブルのデータ構造の変更を不要にして設計変更を容易にし、またメモリの消費を抑制することができるようになっている。本実施形態で使用しない当選役とは、具体的には、(1)RT0遊技におけるRG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5、(2)RT1におけるRG_A、RG_E1〜E2、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5(3)RT2遊技におけるRG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、(4)RT3遊技、RT4遊技、およびRT5遊技におけるRG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5である。そして、これらの当選役についても、他の当選役と同様の手順で、内部抽選処理を実行するものの、判定値JUVにゼロの記憶位置を指定するようにすれば、事実上、その当選役が存在しないことになる。
これについて簡単な例をとり説明すれば、たとえば、本実施形態のRT2中抽選テーブルから、RG_D4〜D5を使用しない新機種を開発するような場合(青7リプレイ(特殊リプレイ2)、特殊リプレイ4を不要とする新機種の場合)、図17に示す「共通BYTE判定テーブル(ALB)」における、先頭から+5番目の判定値にはゼロ(判定値JUV=0)が記憶されているので(図17の当選役種別「不使用役」の欄参照)、使用しない当選役については、図19に示すように、RT2中抽選テーブルのRG_D4〜D5に対応する判定テーブル識別情報および判定テーブルのインデックス情報(INDEX値)を、当該共通BYTE判定テーブル(ALB)における先頭から+5番目の判定値ゼロ(判定値JUV=0)を特定する情報に変更するだけで良い(図示のように、判定テーブル識別情報「設定別、サイズ」のビット情報を「0、0」、インデックス情報「INDEX値」のビット情報を「5」に定める)。この場合、判定値にはゼロ(判定値JUV=0)が使用されるので、実質的には判定処理(ステップS134〜S135)がスキップされる。なお、ゼロの判定値JUVに基づいて、判定処理(ステップS134〜S135)をスキップするプログラム構成としても良いが、そのような構成ではメモリのプログラム領域を消費するので、そのようなメモリ浪費を避けるために、無駄な判定処理(ステップS134〜S135)を敢えて実行することが好ましい。
このように、使用しない抽選対象役については、その判定値JUVをゼロにするので、図13〜図16に示す抽選テーブルや、図17〜図18の判定テーブルについて、そのデータ構造を変更する必要がなく、設計変更が極めて容易なものとすることができる。また、データ構造を無闇に変更する必要がなくなり、メモリ浪費・制御負担の増大化を回避することができる。
また、役の種類やその機能を変更することで、たとえば、一般遊技状態のRT0遊技〜RT3遊技のいずれかの遊技状態が不必要となった場合には、該当するRT遊技の抽選対象役に係る判定値JUVを総てゼロにするといった簡単な変更により、実質的に、そのRT遊技が存在しないといった遊技性に変更することも可能である。つまり、使用しない抽選対象役についての判定値JUVをゼロにする技術をさらに発展させて、特定の遊技状態の有無も変更しうることが容易に可能となり、設計変更が極めて容易なものとすることができる。このように抽選判定処理に利用される抽選テーブル(判定テーブルを含む広義の抽選テーブル)は、判定値がゼロを含んだ数値で構成され、当選可能性のある抽選対象役の個数を抽選対象役の種類数以下に抑制するとともに、当選可能性のない抽選対象役については、ゼロの判定値を使用するような抽選テーブルを構成することが好ましい。また、複数種類のRT遊技を設ける場合、一のRT遊技では抽選対象役となるが他のRT遊技では抽選対象役から除外される(当選可能性がない)1または複数種類のリプレイ役種が含まれているのが典型例であり、N種類のリプレイ役種を設けるとともに、抽選対象となるリプレイ役ごとに抽選判定処理をN回実行するよう構成され、ゼロの判定値が、当該N回の抽選判定処理の一部において使用されるよう構成されているのが好ましい。
また、本実施形態では、六区分の設定差に関係なく共通して参照される図17の判定テーブル(ALB、ALW)については、必ず、異なる判定値を記憶することで、メモリの浪費を解消している。ただし、当選確率の設計上、同一の判定値を使用する必要も生じるので、そのような場合には、同一のデータを参照するように抽選テーブルDLOTを構成している。端的に言えば、抽選テーブルで特定される単一の判定値が、異なる抽選対象役において共通して利用されるよう構成されている。詳述すれば、たとえば、図17の「共通BYTE判定テーブル(ALB)」の+0番目、+2番目、+3番目の判定値JUV(1、195、91)は、図示の通り、複数種類の抽選対象役(BB重複役1〜6、RT3遊技中のRG_E1〜E2、RT4およびRT5遊技中のRG_E1〜E2)の当否判定処理において、それぞれ共通的に使用することで、メモリの消費を抑制している。また、「共通WORD判定テーブル(ALW)」の+1番目〜3の判定値JUV(2241、6000、2100)についても、複数種類の抽選対象役(RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、RG_D1〜D5)の抽選判定処理において、共通的に使用されている。本実施形態では、このように構成することで、判定テーブルの容量を無闇に増加させず、メモリ消費を抑制することができる。
なお、図18の判定テーブル(RKB、RKW)については、複数の設定値(設定1〜6)に対応する遊技性の要請から、判定値の一部が共通するが、この判定テーブルにおいても、複数種類の抽選対象役が、設定値ごとの判定値を共用することで(抽選テーブルで特定される一群の判定値が、異なる抽選対象役において共用される)、メモリの記憶領域を無闇に消費することなく、設計変更を容易なものとすることができる。
なお「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」には、単一の抽選対象役(こおでは、強スイカ)が規定されているが、これに限らず、「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」において1バイト長の判定値である弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、ベル、またはAT1〜4役を、同じく1バイト長の判定値を記憶する「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」に規定しても良い。
<2.主制御側タイマ割込処理:図10>
次に図10を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図10は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図10において、主制御部400は、まずタイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメントなどの発光を制御する発光制御信号を出力する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)を監視する。
以上のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。