以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<機械的構成:図1>
本発明の一実施形態に係る遊技機として、回胴式遊技機を例にとり説明する。図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。本実施形態では、回胴視認部3を介して、各々3個程度の図柄が視認可能となっている。
回胴5a、5b、5cには、その外周に複数種類の図柄が表示された図柄配列帯(図示せず)が形成され、各回胴の停止時の図柄の組み合せによって遊技結果が導出表示されるようになっている。これらの回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図2参照)により回転駆動され、これにより、各図柄が変動表示および停止表示される。なお各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個など、遊技性に応じて適宜変更することができる。
上記図柄配列帯の図柄は、役に関する抽選(内部抽選)により当選した役(当選役)に対応した図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)として機能する。本実施形態の図柄には、たとえば、赤7、青7、BAR、ベルA、ベルB、リプレイA、リプレイB、チェリー、スイカなど、複数種類の図柄が含まれる。これらの図柄は、回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
上記の回胴視認部3には、複数本の入賞ライン3aが施されている。図1では、対角線方向の入賞ラインとして、回胴視認部3の左上から右下に斜めに横断する入賞ラインと、左下から右上に斜めに横断する入賞ライン、そして水平方向の直線ラインとして、回胴視認部3の上段部(枠内上段)を水平方向に横断する入賞ライン(枠内上段横ライン)と、中段部(枠内中段)を水平方向に横断する入賞ライン(枠内中段横ライン)と、下段部(枠内下段)を水平方向に横断する入賞ライン(枠内下段横ライン)との計5本の入賞ライン3aが施された、所謂「5ライン機」の構成となっている。しかし、入賞ライン3aは、本発明の目的を達成できるものであれば、その本数や形態は特に限定されず、入賞ライン3aの構成は、図柄配列帯における図柄の配置構成、図柄の種類、役の構成要素図柄、回胴の停止制御形態(後述の引き込み制御)などの関係により、適宜変更することができる。たとえば、計2本の入賞ライン(たとえば、左上から右下に斜めに横断する入賞ラインと、左下から右上に斜めに横断する入賞ライン)が施された「2ライン機」の構成であっても良いし、単一の入賞が施された(たとえば、枠内中段横ライン1本)の「1ライン機」の構成であっても良い。
上記の入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する賭数(ベット(BET)数)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上において、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが当選役に対応する図柄の組合せとなった場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図2参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルの払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。この液晶表示装置6(液晶画面6a)は、遊技に関する演出を画像により表示する。
また回胴視認部3の左右両側には、光の装飾により遊技に関する演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。この装飾ランプ部13はLED(発光手段)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
また回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(クレジット機能):図示せず)にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数(最大賭数:本実施形態では、遊技メダル3枚が最大賭数となっている))まで遊技メダルを一度に疑似投入し得るMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン10などが設けられている。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、これら回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを「回胴回転停止ボタン12」と称する。
なお上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図2参照)が設けられている。また、メダル投入口7の内部には、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a(図2参照)が設けられている。
また操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500(図2参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、遊技に関する音楽や効果音を出力して音演出効果を発揮するスピーカ16が設けられている。
なお図1には示していないが、遊技者が視認し易い位置(たとえば、回胴視認部3近傍の位置(たとえば、符号13に示す矩形状の領域)、または液晶表示装置6による画像表示上の所定の表示領域)に、またはその他、遊技機1の適所に、遊技者が現在の遊技進行具合を把握するための各種の表示部が設けられている。
具体的には、上記表示部として、現在の賭数(遊技メダル投入枚数)を表示する「投入枚数表示部」、クレジット数を表示する「貯留(クレジット)枚数表示部」、回胴回転始動レバー11の操作が有効な状態になったことを報知する「遊技開始表示部」、遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する「払出枚数表示部」、遊技メダルの投入の受付可能状態であるか否かを報知する「メダル投入表示部」、および再遊技が作動中である旨を報知する「再遊技表示部」などの種々の表示部が設けられている。これらの表示部は、主制御部(主制御基板)400(図2参照)により表示制御される。
ここで、本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ部13やLEDなどの光発生手段、演出表示手段、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、または遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。なお、上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。また、遊技に関する演出については、たとえば、現在の遊技状態(演出状態)や、役の当選可能性または当選役種別を報知(示唆)する演出、アシスト報知に係る演出、遊技状態に関連した演出(たとえば、背景表示演出)などの遊技進行に関連する演出を広く包含する。
<制御装置:図2〜図3>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図2は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板(以下、「主制御部」と称する)400(主制御手段)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440(電源制御手段)とを中心に構成される。上記の演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図2において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
なお、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、MAXベットボタン8、1ベットボタン9、または貯留メダル精算ボタン10には、その内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置(基点からの現在位置)や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具600とが接続されている。
ホッパーユニット500には、ホッパーモータ510と、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板(払出制御手段)450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520とが設けられている。
主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)450に送信可能となっている。払出制御基板450は、主制御部400からの払出制御コマンドを受信すると、ホッパーモータ510を駆動制御して、指定された枚数分の遊技メダルの払い出し処理を行うようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御部400に入力される。
また主制御部400には、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)が接続され、主制御部400は、所定の遊技情報(たとえば、遊技メダルの投入枚数や、遊技メダルの払出枚数や、入賞の発生などに関する情報)をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。
この回胴設定基板430には、所定の遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)が設けられ、リセットスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。また回胴設定基板430には、段階的(本実施形態では、設定1〜6の6段階)に出玉率に変化をもたらす「設定値(遊技者が享受可能な利益の期待値を段階的に特定する値)」を変更する設定スイッチ(図示せず)が設けられ、設定スイッチにより設定した設定値を示す信号を主制御部400に送信可能となっている。
上記の「設定値」とは、主として、内部抽選による役の抽選確率(役の当選確率)を段階別(設定1〜6の6段階)に規定するもので、設定値が高くなるほど機械割(所謂、払い出し率(PAYOUT率(設定値1が最低の機械割、設定値6が最高の機械割))が高く、遊技者に有利に作用するようになっている。なお上記設定値は、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員が上記設定スイッチを操作して設定値が変更される。
また主制御部400には、演出I/F基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶制御基板460に対し、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドの送信、スピーカー16の音制御、装飾ランプ13やLEDの発光制御、適所に設けられた可動体役物(図示せず)の動作制御などである。
演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図3を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図3は、図2に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインCPU401cは、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としない遊技機の制御には最適である。またメインCPU401cは、処理を実行するのに必要なデータの読み出し、書き込みが行われる複数種類のレジスタが設けられている。
またメインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、回胴の停止制御用の停止データを記述した「停止テーブル(図示せず)」、内部抽選を行うための内部抽選データを記述した「抽選テーブル(図15〜図18)」、内部抽選結果情報(当選フラグ)を設定するための当選フラグ設定データを記述した「当選フラグ設定テーブル(図示せず)」など、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
またメインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、内部抽選に利用される内部抽選用乱数値、内部抽選結果情報(当選番号(当選役種別)情報や当選フラグ)、遊技状態情報、遊技動作制御に係るタイマなど、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またメインRAM401bには、後述のフリーズ演出抽選に利用される乱数カウンタとして、フリーズ演出抽選用乱数値初期値の生成用カウンタ、フリーズ演出抽選用乱数カウンタなどが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、割込機能(メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込機能や割込禁止機能)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。
CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで本実施形態では、CTC401dを利用して、メインCPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を内部抽選に利用する。マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、所定のゲーム(単位遊技)開始条件の下、取得した内部抽選用乱数値と後述の抽選テーブル(図15〜図18参照)とに基づいて、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを抽選により決定し、その抽選結果情報(当選(内部当選)フラグ)をメインRAM401bの所定領域に設定する。ただし、この当選フラグは、原則として、1ゲームごとにクリアされるようになっている。
また主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての「演出制御コマンド」が、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力され、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御部400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御部410(演出制御基板420)に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部410に送信される。つまり演出制御部410側は、一方向通信における入力としてのみ機能するようになっている。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、内部抽選の実行を条件に行われる。本実施形態では、遊技開始条件となる賭数(本実施形態では、1枚〜3枚の遊技メダルの投入を条件としている)が設定され、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力が確認されたことを条件に、内部抽選が実行される。メインCPU401cは、内部抽選の実行後、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御して各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、各回胴を略一定速度で回転させるように制御する。これにより、各回胴を回転させる回転動作を実現している。なお、後述のフリーズ演出(特殊演出)を発生させる場合は、フリーズ演出による回胴の回転動作(特別回転動作)を実行した後で、上述の回胴の回転始動(通常の回転動作)に入り、各回胴体を略一定速度で回転させるように制御する。
また回胴の停止制御は、回胴の回転中において、回胴回転停止スイッチ12の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作信号の入力を確認した場合、特定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(枠内下段)に相当する位置)に存在する図柄番号を取得してこれを「停止操作図柄番号」とし、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。なおマイクロコンピュータ401は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、上記特定位置に存在する図柄番号を把握している。
上述の「停止テーブル」には、停止操作図柄番号に対応する滑りコマ数を最大引き込みコマ数範囲内で定めた停止データが定められている。この停止テーブルにより、回胴の停止操作タイミング(停止操作図柄番号)に応じて特定の図柄を有効入賞ライン上に引き込んで停止させたり、特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりする、所謂「引き込み制御」を実現している。
この「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役の構成要素図柄を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能となる当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、有効入賞ライン上に存在する当選役の構成要素図柄が存在しない場合は、当該当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込んで、当選役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に成立させるように回胴を停止させる。
このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数を定めれば、当選役に対応する図柄の組合せに関し、回胴の停止操作タイミングにかかわらず有効入賞ライン上に停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(「取りこぼし」の発生を可能にする)にしたりすることができる。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない場合、つまり「ハズレ」の場合には、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定されるようになっている。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。なお、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄番号の図柄が停止したのかについては、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
なお本実施形態の図柄配列帯(図示せず)では、たとえばスイカの図柄、リプレイAの図柄、およびリプレイBの図柄などの特定の図柄種に関しては、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されている。しかし、その他の図柄に関しては、上記引き込み制御下において、必ずしも引き込み率が100%とはなっておらず、上記「取りこぼし」が発生しうるようになっている。しかし各図柄の図柄配置構成、図柄種、および入賞ラインのいずれについても、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されず、適宜変更することができる。
上記停止テーブルには、主として、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれ、たとえば、全回胴の滑りコマ数を一括して定めた全回胴用停止テーブルや、各回胴ごとに滑りコマ数を定めた停止テーブル(たとえば、左回胴用停止テーブル、中回胴用停止テーブル、右回胴用停止テーブル)、また回胴の停止操作タイミング(停止操作図柄番号種別)および回胴の停止操作順番(所謂「押し順」)の少なくともいずれか一方に応じて選択される、といった停止操作手順に応じて選択される停止テーブルや、遊技状態に応じて選択される停止テーブル(たとえば、ボーナス(BB)持越遊技中用の停止テーブル)など、本発明に係る引き込み制御態様を実現するための種々の停止テーブルが含まれる。
本実施形態では、種々の停止テーブルを利用した引き込み制御の下で、当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄(当選役の構成要素図柄)を有効入賞ライン上に停止させたり、また役に当選しても停止操作手順(停止操作タイミングおよび押し順の少なくともいずれか一方)によっては、その図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりすることができるようにしている。これにより、たとえば、単なる「バラケ目(ハズレ目)」や、特定の役を取りこぼした際の取りこぼし目(たとえば、後述のAT役を取りこぼした際の「取りこぼし目(ベルこぼし目)」)や、ボーナス役を取りこぼした際の「リーチ目」、「チャンス目」などの停止表示態様を導出表示可能としている。
なお以下では「押し順」に関して、説明の便宜上、次のように称する場合がある。
「順押し」と称する場合は「左回胴5a(第1番目(最初))→中回胴5b(第2番目)→右回胴5c(第3番目(最終))」の順に、また「逆押し」と称する場合は「右→中→左」の順(順押しとは反対の押し順)に、また「中押し」と称する場合は「中→右→左」または「中→左→右」の順に、また「挟み押し」と称する場合は「左→右→中」または「右→左→中」の順に(本実施形態では、中回胴5bを最終に押す押し順)、回胴の押し順を意味する。また順押し以外の押し順を「変則押し」と称する。以下、押し順を表記する場合、必要に応じて、たとえば、順押しの場合は「左、中、右」、逆押しの場合は「右、中、左」、中押しの場合は「中、右、左」「中、左、右」と略す場合がある。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。
演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460と、スピーカー16や装飾ランプ13などの演出手段とが接続されている。
また図示はしていないが、演出制御基板420の割込端子INTは、コマンド伝送ラインのうち、主制御部400がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
またサブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、演出抽選用乱数値や演出制御部側の遊技状態(演出状態(たとえば、後述のAT遊技))情報など、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
なお図示はしていないが、演出制御基板420には、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、スピーカー16に対する音響制御部と、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部とが設けられている。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像(キャラクタ)ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
演出の現出制御については、マイクロコンピュータ421(サブCPU421c)が主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、今回のゲームで現出すべき演出シナリオを構築し、効果音や光演出の発生が必要なタイミングで、上記音響発生装置や光表示装置に対し専用の制御信号を送信し、また液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対し送信する。上記演出シナリオは、複数種類の演出パターンを含んで構成される広義の意味での演出であり、個々の演出パターンは、演出シナリオを構成する一要素(パーツ演出)としての役割を果たす。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生、または装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動、あるいは液晶表示装置6による画像表示演出が実現され、時系列的に種々の演出パターンが次々に、あるいは複数同時に展開されることにより、目的とする演出(演出シナリオ)が現出されることになる。斯様な演出には、遊技に係る種々の演出態様が含まれ、たとえば、内部抽選結果情報(当選役)を報知(示唆)する演出(予告演出)や、遊技状態を報知する演出(状態報知演出(たとえば、背景表示演出))、役の当選可能性(当選期待度)を報知する期待演出、後述のアシスト報知演出(支援演出)などはその代表例である。
またマイクロコンピュータ421は、主制御部400から送られてくる特定情報を含む演出制御コマンド(たとえば、当選役情報、特定の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した旨、特定の図柄が停止した旨の情報など)を受けて、後述のAT遊技を含む複数種類の演出状態間を移行制御可能な構成となっている。
<当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞となる図柄の組合せ:入賞役種別)、および配当について:図4〜図5、図13>
次に図4〜図5、図13を参照しながら、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、およびその配当(遊技価値)の関係について説明する。
図4〜図5は、当選役に応じた図柄の組合せとその役名称、およびその停止操作手順を例示した図であり、図13は当選役に対応する当選番号(当選役識別情報)を例示した図である。なお、図4〜図5の「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。また図4〜図5には、停止操作手順(押し順と停止操作タイミング)として回胴の停止操作順番である「押し順」のみを示しているが、図示の当選役種の中には、対応する図柄の組合せを成立させる条件として、停止操作タイミングを要するものも含まれる(これについての詳細は追って説明する)。
上記当選役種は、小役系の役種(小役種)に属するものと、特別役種に属するものに大別され、さらに小役種は、一般小役種に属するものとリプレイ(再遊技)役種に属するものに大別される。
本実施形態において、小役種のうち、上記一般小役種に属するものとしては、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、ベル、AT確定役、およびAT1〜AT12などの複数種類の一般小役があり、上記リプレイ役種に属するものとしては、RG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5などの複数種類のリプレイ役がある。なお一般小役種は、所定枚数の遊技媒体(遊技メダル)の払い出しを伴う役であり、リプレイ役は、配当として再遊技を伴う役であり、それぞれ異なる性能を有する役として定められている。また上記特別役種に属するものとしては、BB1およびBB2などの複数種類の特別役がある。この特別役は、特別遊技状態(後述のボーナス遊技)を伴う役(特別遊技状態への移行契機となる役)として定められている。
上記した役(抽選対象役)が内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応する当選フラグが成立し、遊技結果として、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。そして、各回胴が停止した際、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すれば、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。本実施形態では、図4〜図5に示す図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示した場合(遊技結果として導出表示された場合)、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与される。なお本明細書中では、説明の便宜上、特に必要にない限り、遊技者に有利・不利に作用するものを問わず、何らかの遊技価値を伴う特定の図柄の組合せを「入賞役」と称し、この入賞役として扱われる図柄の組合せ(取りこぼした際に出現する取りこぼし目を含む)が有効入賞ライン上に停止することを、特に「入賞」と称する場合がある。また「入賞」と称する場合、主として、入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に実際に停止した場合を指すが、当該「入賞」とは、全回停止前段階において、回胴の停止操作順序により当該図柄の組合せが有効入賞ライン上に将来停止することが確定する場合も含む概念である(たとえば、後述の押順規定役に属する役)。
なお上述した各役は、当選役として決定される場合において、それ自体で単独当選可能な「単独当選役」に属するものと、複数種類の役が重複当選(同時当選)可能なもの、つまり1回(1ゲーム)の内部抽選で複数種類の役に重複当選可能な「重複役」に属するものがある。本実施形態では、たとえば、複数種類の役が重複当選可能なBB重複役1〜6が設けられている(図4〜図5、図13参照)。これらのBB重複役1〜6は、特定の小役種(弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、またはRG_E1〜E2)と、特別役種(BB1またはBB2)とに重複当選可能となっており、上述の「重複役」としての性質を有する役となっている。このような重複役は、基本的には、複数種類の単独当選役が重複当選するものを指すが(たとえば、重複役1は、当選番号1の弱チェリーと当選番号40のBB1とが当選するもので、この場合は、「当選番号1+当選番号40」という重複役となる)、所定の単独当選役が当選した場合、当該当選により複数種類の図柄の組合せ(入賞役)を有効入賞ライン上に停止(入賞)させることを許容する場合、この場合の単独当選役も重複役として捉えることができる。
また本実施形態では、単独当選役と重複役の双方に属する役がある。たとえば、弱チェリーは、単独当選のものと、BB1と重複当選のもの(BB重複役1)とがあるので(図13の弱チェリーの欄、BB重複役1の記載参照)、単独当選役と重複役の双方に属する役といえる(強チェリー、弱スイカ、強スイカ、RG_E1〜E2も同様(図15の重複役2〜6参照)。したがって、弱チェリーが入賞すれば、BB重複役1の当選による弱チェリーが入賞した可能性があり、弱チェリーが入賞した時点でボーナス遊技への期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
本実施形態では、当選役とその当選役により許容される停止図柄態様(入賞役)とを1対Nに対応させた複数種類の抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を多種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。
(一般小役種:弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ)
まず、一般小役種に属する当選番号1〜4、6の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、ベルについて説明する。
図4に示すように、これら一般小役種の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、図4に示すように、弱チェリーまたは強チェリーは「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄の組合せ(「ANY」とは、図柄種は問わないという意味である)、弱スイカは「スイカ」−「スイカ」−「リプレイA」(弱スイカ)、強スイカは「スイカ」−「スイカ」−「リプレイB」(強スイカ)、ベルは「スイカ」−「スイカ」−「ベルAまたはベルB(ベルA/ベルB)」となっている。なお、図示の弱チェリー(角チェリー)とは、たとえば、左回胴5aの枠内上段または枠内下段の有効入賞ライン上にチェリーの図柄が停止した場合の図柄の組合せを意味し、強チェリー(中段チェリー)とは、枠内中段の有効入賞ライン上にチェリーの図柄が停止した場合の図柄の組合せを意味し、各々、役構成が異なるものとして扱われる。これら小役が入賞した場合、配当として、所定枚数の遊技メダル(たとえば、チェリー役種(弱チェリーまたは強チェリー)は2枚、スイカ役種(弱スイカ、強スイカ)は6枚、ベルは12枚)が払い出されるようになっている。
また上記の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、ベルは、その当選により、少なくとも押し順によらず、対応する役の入賞を許容する「押順不問役」として規定されている。この点、後述のAT1〜AT12や特定のリプレイ役種のように、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なりうる「押順規定役」とは性質を異にする。
(AT確定役)
次に、当選番号5の「AT確定役」について説明する。
AT確定役の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「BAR」−「BAR」−「青7」(AT確定1)、(2)「BAR」−「BAR」−「赤7」(AT確定2)の図柄の組合せ、図示はしていないが(3)後述の特定の図柄の組合せ(AT確定チャンス目)となっている。AT確定役は、抽選対象役としては単独当選役であるが、その当選により、AT確定1と、AT確定2と、AT確定チャンス目の複数種類の役の入賞を許容する点で、重複役としての性質を有するものといえる。
上記AT確定役は、上記「押順不問役」に属し、上記AT確定役の当選により入賞が許容される上記の2種類の図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、引き込み制御の下、各回胴の停止操作タイミングに基づき決定されるようになっている。ここで本実施形態の図柄配列帯には、引き込み制御の関係上、AT確定1またはAT確定2の構成要素図柄のうち、BAR、青7、および赤7の図柄は、有効入賞ライン上への引き込み率が100%未満に配置されている。このため、BAR、青7、または赤7を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで操作された場合(AT確定1またはAT確定2入賞への目押しに失敗した場合)、AT確定1またはAT確定2の取りこぼし目(AT確定チャンス目)として、特定の図柄の組合せが必ず有効入賞ライン上に停止(入賞)する、つまりAT確定役当選により、AT確定役1〜2、およびAT確定チャンス目のいずれかが100%引き込まれて必ず入賞する。
このAT確定1〜2が入賞した場合、詳細は後述するが、配当として特定の遊技価値が付与され、この遊技価値は、全役種別のうち、最高レベルの遊技価値(たとえば、特別役種を除く全役種のうち最も高い遊技価値)となっている。また本実施形態では、上記AT確定チャンス目が入賞した場合もAT確定1〜2と同様の遊技価値が付与されるようになっている。これは、遊技者が目押しに失敗したとしても、AT確定役に係る上述の特定の遊技価値が得られない、という不利益が生じないようにするためである。これにより、遊技技術の巧拙によらず、遊技者が平等にAT確定役による利益を享受することができるので、遊技初心者も安心して遊技に興じることができる。
本実施形態では、AT確定役が特定の遊技状態(たとえば、後述のRT1遊技)中に入賞した場合、その配当は、現在の遊技状態(RT1遊技)から他の遊技状態(本実施形態では、RT1遊技よりも遊技者に有利に作用する後述のRT2遊技)への移行となっている。またAT確定役の入賞により、後述のAT遊技が発生するようになっている(RT遊技、AT遊技、および遊技状態間の移行に関する詳細は、図6にて詳述する)。なお、配当として、上述の遊技状態の移行に加えて、当選ゲームにおいて所定枚数の遊技メダル(配当0枚でも良い)または再遊技を付与することもできる。
上記AT確定役は、遊技者に有利に作用し得る遊技状態への昇格契機役として働く。この昇格契機役とは、その当選および入賞の少なくとも一方に起因して、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」の一態様である。
なお上記AT確定役は、複数種類設けても良い。また重複役として機能するものではなく、たとえば、AT確定役として機能するAT確定1〜2、AT確定チャンス目がそれぞれ単独当選するものであっても良い。またAT確定役当選により入賞が許容される入賞役を単一としても良い。またAT確定役は、押順不問役ではなく、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なる「押順規定役」として定めても良い。
また上記ではAT確定役当選により入賞が許容される複数種類の入賞役(AT確定1〜2とAT確定チャンス目)の全部を100%引き込み可能な役(引き込み率100%の役)として説明したが本発明はこれに限らず、その一部または全部を、停止操作手順に応じて取りこぼしを発生させるようにすることで、本来得られるべき遊技価値が得られない入賞役(引き込み率100%未満の役)が存在するような役構成であっても良い(他の役についても同様)。この場合、遊技技術の巧拙に応じて獲得利益が異なり、遊技者の技術介入性が増し、遊技の面白みを向上させることができる。
(AT役1〜12)
次に、当選番号7〜18の「AT1〜AT12」について説明する。
AT1〜AT12は、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なる「押順規定役」として定められている。詳細は後述するが、AT1〜AT4は第1番目に停止操作された回胴((以下、第X番目の停止操作を「第X停止操作」と称し、「第X番目に停止操作対象となった回胴」を「第X停止操作回胴」と称する)が左回胴5aである場合に、AT5〜AT8は第1停止操作回胴が中回胴5bである場合に、AT9〜AT12は第1停止操作回胴が右回胴5cである場合に、遊技価値が相対的に高い入賞役が有効入賞ライン上に停止し(入賞)、それ以外の回胴を第1停止操作として選択した場合には、当該役よりも遊技価値が低い入賞役が有効入賞ライン上に停止するように定められている。なお、AT1〜AT12は、主として、押し順が異なる点を除き、停止制御に関する内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「AT1」を代表例にとって説明する。
(AT1について)
AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、図4に示すように、(1)「ベルA/ベルB」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(ベル1)、(2)「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」の図柄の組合せ(ベル2)、(3)「ベルA」−「ベルB」−「ベルB」の図柄の組合せ(ベル5)の計3種類の図柄の組合せとなっている。したがって、AT1は、その当選により、ベル1の入賞を許容する役と、ベル2の入賞を許容する役と、ベル5の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有する。
また上述した、ベル1、ベル2およびベル5のうち、ベル1の配当は、第1の所定枚数(第1の遊技価値:たとえば、遊技メダル12枚)の払い出しとなっており、ベル2およびベル5はそれよりも少ない第2の所定枚数(第2の遊技価値:たとえば、遊技メダル3枚)の払い出しとなっており(ベル3〜ベル4、ベル6〜ベル9も同様)、ベル1は、ベル2またはベル5よりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。これは、ATが少なくとも押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値を伴う入賞役(有利入賞役)、または不利に作用し得る遊技価値を伴う入賞役(不利入賞役)が遊技結果として導出表示され得ることを意味する(AT2〜AT12についても同様)。
上記AT1当選により入賞が許容される上記の3種類の図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、引き込み制御の下、押し順と回胴の停止操作タイミングとに基づき決定されるようになっている。各回胴5a、5b、5cのいずれが第1〜第3停止操作回胴に該当するか否か、つまり押し順は、主制御部400がその機能部を担う「停止操作順番監視手段」により把握される。この停止操作順番監視手段は、各回胴の回転状態および停止状態を監視し、回転中の回胴と停止中の回胴とに基づき、停止操作対象となった回胴が何番目の停止操作であるか(押し順)を把握する。以下、図4を参照しながら、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(第1停止操作回胴が左回胴5aである場合:押し順一致(押し順正解)の場合)
図4に示すように、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には(ATに関する押し順正解の場合)、ベル1が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。ここで本実施形態の図柄配列帯には、引き込み制御の関係上、ベル1の構成要素図柄のうち、スイカの図柄は、有効入賞ライン上への引き込み率が100%に配置されており、ベルAおよびベルBの図柄は、有効入賞ライン上への引き込み率が合算(合算引き込み率)で100%(たとえば、ベルAの引き込み率が約33%(1/3)、ベルBの引き込み率が約67%(2/3))となるように配置されている。これにより、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には、ベル1(「ベルA/ベルB」−「スイカ」−「スイカ」)が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。
なお「合算引き込み率100%」とは、たとえば、複数種類の図柄(ここでは、当選役(AT1)に係る入賞役の構成要素図柄として、ベルAおよびベルB)のいずれかが有効入賞ライン上に停止することが許容される場合、一の図柄(たとえば、ベルA)が引き込めない場合には、その替わりに、必ず他の図柄(たとえば、ベルB)が有効入賞ライン上に引き込まれる、といった引き込み制御態様であり、当該許容される複数種類の図柄のうち、いずれかの図柄が必ず有効入賞ライン上に停止可能な構成を意味する。したがって、複数種類の図柄(ベルAおよびベルB)の少なくとも1つの図柄だけが有効入賞ライン上に停止することが許容される場合には、その許容される図柄を有効入賞ライン上に引き込めないタイミングで回胴を停止操作してしまうと、当該許容される図柄が引き込まれずに取りこぼしが発生することになる。たとえば、停止対象となった回胴について、ベルAだけ引き込み可能としている場合は、その引き込み率は「引き込み可能停止操作範囲コマ数/全図柄のコマ数21コマ」となり、本実施形態では、ベルAの引き込み可能停止操作範囲コマ数を7コマ分用意し、ベルAの引き込み率が約33%(1/3)としている。
(第1停止操作回胴が左回胴5a以外の場合:押し順不一致(押し順不正解)の場合)
これに対し、第1停止操作回胴が中回胴5bまたは右回胴5cである場合には(ATに関する押し順不正解の場合)、ベル2またはベル5のいずれかが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。ここで、ベル2とベル5とは、引き込み制御の関係上、回胴の停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り(特定の停止操作図柄番号である場合に限り)、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。これは、図柄配列帯において、ベル2またはベル5の構成要素図柄を、最大引きコマ数分回胴を移動させても有効入賞ライン上に引き込み不可能とされる停止操作位置が存在するような図柄配置構成を採ることにより実現される。
本実施形態では、上述したように、ベル2またはベル5の構成要素図柄である‘ベルA’と‘ベルB’の引き込み率が、約33%と約67%となっているため、第1停止操作回胴が左回胴5aでなく、かつ、ベル2またはベル5の構成要素図柄を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合は、ベル1、ベル2、およびベル5のいずれの入賞役も有効入賞ライン上に停止せず、この場合には、入賞役として扱われない図柄の組合せ、すなわち配当を得ることができない図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止し、その結果、AT1に関する「取りこぼし」が発生するようになっている。
この「取りこぼし」が発生し得る回胴の停止操作が行なわれた場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せではないもの、たとえば、2つの回胴の有効入賞ライン上には‘ベルA’または‘ベルB’を、1つの回胴の有効入賞ライン上には‘リプレイA’または‘リプレイB’を停止するように回胴の停止制御が行われ、これを上記取りこぼし発生時の遊技結果(取りこぼし目)として導出表示されるようになっている(AT2〜AT12についても、取りこぼしの際は、AT1と同事象の引き込み制御が行われる)。具体的には、たとえば、第1停止操作回胴が中回胴5b、第2停止操作回胴が左回胴5aの順で停止操作が行われた後の有効入賞ライン上の図柄の停止表示態様が「ベルA」−「ベルA」−「↓↓(回転中)」である場合において、最終(第3)停止操作回胴の右回胴5cの有効入賞ライン上にベル2が入賞し得る‘ベルA’を引き込み不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合、その‘ベルA’の替わりに‘リプレイA’または‘リプレイB’を引き込んで回胴を停止制御し、「ベルA」−「ベルA」−「リプレイA/リプレイB」という特定の図柄の組合せを遊技結果(取りこぼし目)として導出表示するようになっている。この取りこぼし目は、有利入賞役よりも遊技価値が低い(本実施形態では、配当が得られない)という点で、上記不利入賞役の一態様として扱うことができる。以下、必要に応じて、このようなATに関する取りこぼし目を「ベルこぼし目」と称する。
なお、AT2〜AT12に関しても、図4に示すように、第1停止操作回胴が特定の回胴である場合は‘ベル1(有利入賞役)’が有効入賞ライン上に停止し、その他の押し順の場合は、停止操作タイミングに応じて、同図に示す図柄の組合せ(配当を得られる図柄の組合せ:不利入賞役)か、または、配当を得ることのできない図柄の組合せとなる「取りこぼし」が発生しうるといった、上述したAT1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。しかし上記のような引き込み制御に限定されず、ATに関し、第1停止操作回胴が特定の回胴でない場合(押し順不正解の場合)、取りこぼしを発生させず、不利入賞役(たとえば、AT1の場合はベル2またはベル5)を必ず入賞させる構成としても良い。この場合、有利入賞役を取りこぼした場合(たとえば、AT1に係るベル1を取りこぼした場合)、不利入賞役(ベル2またはベル5)を上記「ベルこぼし目」として定めることができる。またAT1〜AT12に関し、押し順正解の場合に入賞となる有利入賞役が同一の入賞役(ベル1)として定められているが、それぞれ異なる入賞役であっても良いし、一部を異なる入賞役としても良い。
(リプレイ役種:RG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5)
次に、当選番号20〜35のリプレイ役種について説明する。
リプレイ役は、再遊技の作動に係る役である。この「再遊技」とは、遊技媒体を投入することなく(貯留装置(クレジット機能)により、またはその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む)、次回のゲーム開始条件を再付与するものであり、具体的には、今回のゲームで投入(BET)した遊技媒体量(遊技メダル枚数)と同一量(同一の枚数)を疑似的に付与(自動投入)して、次回のゲームを開始可能とする遊技である。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
本実施形態では、当選役として決定された場合、再遊技を伴う1種類の図柄の組合せの入賞を許容するRG_Aと、再遊技を伴う複数種類の図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役(RG_E1、RG_E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、RG_D1〜D5)が設けられている。なお、回胴の引き込み制御に関して、上記AT1〜AT12と実質的に同じ点は重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(RG_A)
まず、当選番号19の「RG_A」について説明する。
RG_Aの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。なお、RG_Aは、「押順不問役」に属し、停止操作タイミングも要しない、つまり、RG_Aが当選した場合、どのような停止操作手順であっても、通常リプレイの入賞となる。
(RG_E1、RG_E2)
次に、当選番号20〜21のRG_E1〜E2について説明する。
RG_E1またはRG_E2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「リプレイA」−「スイカ」−「リプレイA」の図柄の組合せ(CAリプレイ)となっている。
RG_E1およびRG_E2は、回胴の停止操作手順が第1停止操作回胴が左回胴5aである場合、その停止操作タイミングによらず、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止する。しかし、RG_E1は第1停止操作回胴が右回胴5cである場合、またRG_E2は第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には、停止操作タイミングにかかわらず、「CAリプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。この点、押し順だけでなく停止操作タイミングも関係するAT1〜AT12とは異なる。なおRG_E1またはRG_E2が当選した場合、「CAリプレイ」は、第1停止操作回胴が左回胴5a以外の右回胴5cまたは中回胴5bとする押し順だけであるので、その押し順選択率は「1/2」となっている。
このように、RG_E1またはRG_E2が当選した場合、引き込み制御の関係上、「通常リプレイ」または「CAリプレイ」が有効入賞ライン上に停止され、いずれのリプレイが有効入賞ライン上に停止するか否かは、そのときの押し順だけで決定されるようになっている。したがって、このRG_E1〜E2も、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なる「押順規定役」としての性質を有する。なお、後述のRG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5に関しても同様に、いずれのリプレイが有効入賞ライン上に停止するか否かは、そのときの押し順だけで決定され、これらのリプレイ役種別も上記「押順規定役」に属する。
また上記RG_E1〜E2は、BB2と重複当選可能な重複役として定められており(重複役5、6:図15参照)、特定の遊技状態中(たとえば、RT3遊技中)では、単独当選役としても定められている(図18参照)。またRG_E1〜E2が当選したゲームにおいて、第1停止操作回胴が左回胴5a以外の押し順の場合、上記「CAリプレイ」が出現するようになっている。本実施形態では、後述の引き込み優先順位により、特別役(BB)よりもリプレイ役の方を優先的に有効入賞ライン上に引き込むようになっている。そこで、RG_E1〜E2とBB2とが同時当選した当該ゲームでは、遊技者に対し、第1停止操作回胴が左回胴5a以外の押し順で回胴を停止操作する旨を報知し(アシスト報知(支援演出))、CAリプレイを成立させて、BBの当選可能性(本実施形態では、BB2との重複当選)を示唆するといったBB当選期待感を与える特別な演出(期待度演出)を発生させることができるようになっている。
また上記RG_E1〜E2が単独で当選した場合、遊技状態に応じてその配当が異なる。具体的には、後述のRT3遊技中においては、再遊技の付与と、遊技者に有利に作用するゲーム数(後述のART遊技の継続ゲーム数)上乗せ抽選などの実行権利を付与するものとなっており、その他のRT遊技中においては、再遊技の付与だけとなっている。このように、遊技状態に応じて、付与される遊技価値が異なるように定めた役を「遊技価値変動役」と称する。このような遊技価値変動役には、RG_E1〜E2の他、ATに関する「ベルこぼし目」がある。ベルこぼし目は、後述のRT3遊技中では「転落契機役」として働き、RT0遊技中では、昇格契機役として働くようになっている。
(RG_B1〜B4)
次に、当選番号22〜25のRG_B1〜B4について説明する。
RG_B1〜B4の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「リプレイA」−「リプレイA」−「スイカ」の図柄の組合せ(昇格リプレイ)となっている。
上記RG_B1〜B4についても上述したRG_E1〜E2と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図5に示すように、RG_B1〜B4のそれぞれに割り当てられた所定の押し順(たとえば、第1停止操作回胴が左回胴5a(RG_B1〜B4で共通)、または変則押し4択不正解)である場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止し、それ以外の押し順(変則押し4択正解)の場合には、昇格リプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。なお上記の「変則押し4択」とは、全回胴を停止させる押し順計6通りのうち、第1停止操作回胴が特定の回胴(ここでは、左回胴5a)以外の押し順2通り(「左、中、右」「左、右、中」の押し順)を除いた残りの4通りの押し順を意味する。以下では、上記昇格リプレイが入賞となる押し順を「変則押し4択正解」と称し、それ以外の押し順(通常リプレイが入賞となる押し順)を「変則押し4択不正解」と称しする。
RG_B1〜B4は、それぞれ異なる「変則押し4択正解」が割り当てられている。たとえば、RG_B1の場合、変則押し4択のうち、変則押し4択正解となる押し順は「中→右→左」の1通り、RG_B2の場合はそれとは異なる押し順「中→左→右」の1通りといった具合である。したがって、RG_B1〜B4が当選した場合は、変則押し4択のうち、1通りの押し順が「変則押し4択正解」となるので、その押し順選択率は「1/4(4択)」となっている。、RG_B1〜B4のいずれに当選したかが不明な場合、遊技者は、昇格リプレイを1/4の確率で入賞させることができる。これは押順規定役に関し、特定の役(入賞役)を入賞させるために1または複数種類の押し順を割り当てることで、押し順選択率を変化させることができることを意味する。
ここで、上記「通常リプレイ」が入賞した場合、遊技状態にかかわらず、その配当は再遊技となる。他方、上記「昇格リプレイ」が入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(後述のRT1遊技)中において昇格リプレイが入賞した場合、その配当は、再遊技が付与されるとともに、現在の遊技状態(RT1遊技)から、それよりも遊技者に有利に作用し得る(相対的に高い利益状態となる)他の遊技状態(当該RT1遊技よりも遊技者に有利に作用する後述のRT2遊技)への移行(昇格移行)となっている。上記昇格リプレイは、上述の昇格移行を伴うという点で、専ら、遊技者に有利に作用する遊技状態に移行させる「昇格契機役(状態移行契機役の一態様)」として働く。この点、昇格リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。
つまり、RG_B1〜B4は、上記したAT1〜AT12と同様に、少なくとも押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値を伴う入賞役(ここでは、昇格リプレイ)、または不利に作用し得る遊技価値がを伴う入賞役(ここでは、通常リプレイ)が遊技結果として導出表示させ得る役となっている(後述のRG_C1〜C5、RG_D1〜D5も同様)。
(RG_C1〜C5)
次に、当選番号26〜30のRG_C1〜C5について説明する。
RG_C1〜C5の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイB」の図柄の組合せ(転落リプレイ)となっている。
上記RG_C1〜C5についても上述したRG_E1〜E2と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図5に示すように、RG_C1〜C5のそれぞれに割り当てられた所定の押し順(押し順正解)である場合には、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止し、当該所定の押し順とは異なる押し順(押し順不正解)の場合には、「転落リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。なお通常リプレイまたは転落リプレイが入賞しうる押し順の振り分けは、遊技性に応じて適宜定めることができる。
ここで、転落リプレイが入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(後述のRT2遊技)中において転落リプレイが入賞した場合、その配当は、再遊技が付与されるとともに、現在の遊技状態(RT2遊技)から、それよりも遊技者に不利に作用し得る(相対的に低い利益状態となる)他の遊技状態(当該RT2遊技よりも遊技者に不利に作用するRT1遊技)への移行(転落移行)となっている。上記転落リプレイは、上述の転落移行を伴うという点で、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役としての位置付けとなっている。つまり、転落リプレイは、上記した昇格リプレイとは反対に、専ら、遊技者に不利に作用する遊技状態に移行させる「転落契機役(状態移行契機役の一態様)」として働く。この点において、上記転落リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役(不利入賞役)としての位置付けとなっている。
(RG_D1〜D5)
次に、当選番号31〜35のRG_D1〜D5について説明する。
RG_D1〜D3の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(赤7リプレイ(特殊リプレイ1))、(3)「スイカ」−「リプレイB」−「リプレイB」の図柄の組合せ(特殊リプレイ3)となっている。またRG_D4〜D5の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「青7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(青7リプレイ(特殊リプレイ2))、(3)「リプレイB」−「リプレイB」−「スイカ」の図柄の組合せ(特殊リプレイ4)となっている。
なお図示では、RG_D1〜D3に関し、「スイカ」−「リプレイB」−「リプレイB」の図柄の組合せ(特殊リプレイ3)の1種類を表記しているが、これらの構成要素図柄は、正確には、引き込み制御の関係上、各回胴において‘赤7’を有効入賞ライン上に引き込めなかった場合に‘赤7’の替わりに停止する図柄である。つまり上記特殊リプレイ3は、1種類の図柄の組合せで構成されているのではなく、「スイカ/赤7」−「リプレイB/赤7」−「リプレイB/赤7」の図柄の組合せのうち、「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(赤7リプレイ:特殊リプレイ1)を除いた計7種類の図柄の組合せとなっている。
またRG_D4〜D5も同様に、図示では「リプレイB」−「リプレイB」−「スイカ」の図柄の組合せ(特殊リプレイ4)の1種類を表記しているが、これらの構成要素図柄は、正確には、引き込み制御の関係上、各回胴において‘青7’を有効入賞ライン上に引き込めなかった場合に‘青7’の替わりに停止する図柄である。つまり特殊リプレイ4は、1種類の図柄の組合せで構成されているのではなく、「リプレイB/青7」−「リプレイB/青7」−「スイカ/青7」の図柄の組合せのうち、「青7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(青7リプレイ:特殊リプレイ2)を除いた計7種類の図柄の組合せとなっている。
上記RG_D1〜D5についても上述したRG_E1〜E2と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図5に示すように、RG_D1〜D5のそれぞれに割り当てられた所定の押し順(RG_D1〜D5に関する押し順正解)である場合には、特殊リプレイが有効入賞ライン上に停止し、当該所定の押し順とは異なる押し順(RG_D1〜D5に関する押し順不正解)の場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。たとえば、RG_D1〜D3のいずれかが当選した場合、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には「特殊リプレイ1」または「特殊リプレイ3」が、それ以外の回胴を第1停止操作に選択した場合(第1停止操作回胴が左回胴5aまたは中回胴5bである場合)には「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。
ただし、上記特殊リプレイが入賞となる上記「押し順正解」の押し順で停止操作した場合、回胴の停止操作タイミングにより、入賞する特殊リプレイの種類が異なるようになっている。たとえば、RG_D1〜D3が当選した場合、押し順正解時は特殊リプレイとして、赤7リプレイ(特殊リプレイ1)か、または特殊リプレイ3のいずれかが有効入賞ライン上に停止されうるが、本実施形態では、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが特定の停止操作タイミングである場合には「赤7リプレイ(特殊リプレイ1)」を、当該特定のタイミングでない場合には「特殊リプレイ3」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させるようになっている。またRG_D4〜D5が当選した場合についても同様に、停止操作タイミングに応じて「青7リプレイ(特殊リプレイ2)」か、または「特殊リプレイ4」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させるようになっている。
なお、RG_D1〜D5において、通常リプレイまたは特殊リプレイが入賞しうる押し順の振り分けは、遊技性に応じて適宜定めることができる。
ここで、上記特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜4)が入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(後述のRT2遊技)中において特殊リプレイが入賞した場合、その配当は、再遊技が付与されるとともに、現在の遊技状態(RT2遊技)から、それよりも遊技者に有利に作用し得る他の遊技状態(当該RT2遊技よりも遊技者に有利に作用する後述のRT3遊技)への移行(昇格移行)への移行(転落移行)となっている。上記特殊リプレイは、上述の昇格移行を伴うという点で、昇格リプレイと同じく、遊技者に有利に作用する遊技状態への「昇格契機役」として働く。この点、特殊リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。
以上に説明したリプレイ役種のうち、本実施形態では、RG_B1〜B4はRT1遊技、RG_C1〜C5とRG_D1〜D5はRT2遊技における抽選対象役、RG_AとRG_E1〜E2は各RT遊技(RT0遊技〜RT5遊技)における抽選対象役として定められている(後述の図15、図16〜18参照)。なお本実施形態では、これらのリプレイ役種は、特定の遊技状態下の抽選対象役として規定されているが、本発明はこれに限られない。上記リプレイ役種(たとえば、RG_B1〜B4)が一の遊技状態(たとえば、RT1遊技)と他の遊技状態(たとえば、RT0遊技)とにおける抽選対象役としても良い。この場合、遊技状態に応じて、その遊技価値を変動させる上記遊技価値変動役として機能させることもできる(たとえば、RG_B1〜B4において、RT0遊技中に当選した場合には、その配当を再遊技の付与だけとする)。
(ボーナス役(特別役))
次に、当選番号40〜41のBB1、BB2について説明する。
BB1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは「赤7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(BB1)となっており、BB2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは「青7」−「青7」−「赤7」の図柄の組合せ(BB2)となっている。このBB1とBB2は「押順不問役」であるが、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。このため、BB1またはBB2を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで回胴が停止操作された場合、BB1またはBB2の取りこぼしが発生するようになっている。以下では、説明の便宜上、特に必要の無い限り、BB1またはBB2を「BB」と称し、BB1またはBB2に対応する図柄の組合せ(「赤7」−「青7」−「青7」または「青7」−「青7」−「赤7」)を「ボーナス役」と称する場合がある。
上記ボーナス役が入賞した場合、次回のゲームから、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナス遊技)に移行される。このボーナス遊技中においては、ベルの当選確率が著しく高まり、ほぼ毎ゲーム、ベルが当選する(後述の図16、図19参照)。このため、ボーナス遊技が発生すると、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が他の遊技状態よりも増加し、遊技者は短いゲーム期間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。本実施形態では、BB1とBB2とでボーナス遊技の性能が異なり、たとえばBB1は第1の規定枚数(たとえば、248枚)、BB2はそれよりも多い第2の規定枚数(たとえば、412枚)以上の遊技メダルの払い出しで終了するようになっている。
なお、ベルが当選しなかった場合は、チャンス目が当選し(図13の当選番号36)、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止する。このチャンス目は、ハズレと同様に配当を付与しないように定めても良いが、チャンス目当選を契機に、遊技者に有利に作用する遊技価値を付与するようにしても良い。たとえば、チャンス目当選を契機に特定のアシスト報知の実行権利を貯留し(アシスト報知ストック機能)、ボーナス遊技が終了した後、所定の放出条件の下、そのストックを放出可能に構成することができる。具体的には、RT1遊技に移行するまで昇格リプレイの入賞を案内するアシスト報知を貯留状態にし、RT1遊技に移行した後、RG_B1〜B4のいずれかの当選を契機に、その貯留状態を解除(ストックした権利を放出)して、昇格リプレイ入賞へのアシスト報知を実行可能に構成することができる。これにより、チャンス目が成立すれば、昇格リプレイのアシスト報知が約束されて、この場合は、RT1遊技からRT遊技2への昇格移行が約束される、といった遊技者に有利な利益状態を付与することができるようになり、ボーナス遊技をより面白みのあるものとすることができる。このようなアシスト報知の貯留状態の管理(アシスト報知発生権利の貯留および解除制御)に関しては、演出制御部410がその機能部を担う「ストック管理手段」により管理制御することができる。
<BBの持ち越しについて>
上記した特別役であるBB(BB1およびBB2)は、その当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として設定されている。このため、上記BB1またはBB2に当選した場合においては、当選したBBに対応するボーナス役が入賞するまでの遊技期間、当該BBに係る当選フラグ(ボーナス当選フラグ)の成立状態が維持され、この間、すべてのBBは抽選対象から除外される、換言すれば、ボーナス当選フラグが新たに成立、または重複して成立することはないようになっている。このボーナス当選フラグが持ち越されている状態を「ボーナス持越遊技」または「BB内部当選中」と称する。一方、BB(特別役種)以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として設定されている。なお上記ボーナス持越遊技中においても、通常通りに各役の抽選が行われる。このため、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生し得る。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、リプレイ役種、小役種、および特別役種に関し、いずれの当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)を停止させるかを、「ボーナス役<小役<リプレイ役(最優先)」の順位で優先的に引き込み制御が行われるように定めてある(小役優先制御)。これにより、上述のBBとの重複当選中のゲームの場合には、この引き込み優先順位の下で回胴の停止制御が行われるようになっている。
なお、以上に説明した抽選対象役は、本発明の目的を達成できる構成であれば、特に制限されない。たとえば、小役種や特別役種は、単一であっても良いし、複数種類あっても良い。また特定のリプレイ役種、たとえば、RG_B1〜B4は4種類であると説明したが、単一であっても良いし、複数種類あっても良い。
また、役構成(当選役およびこれに対応する入賞役に関する構成)についても、本発明の目的を達成できるものであれば、特に制限されない。たとえば、押順規定役に属する抽選対象役に係る特定の入賞役(たとえば、有利入賞役や不利入賞役)を入賞させるための停止操作手順の割り当てや、その割り当てによる入賞率(たとえば、有利入賞役や不利入賞役を入賞させるための押し順の選択率)は、本発明の目的を達成可能なものであれば適宜変更することができる。たとえば、本実施形態では、RG_B1〜B4に係る昇格リプレイの入賞手順(変則押し4択正解となる押し順)は4択となっており、これにより、その入賞率は1/4となるように定めているが、本発明はこれに制限されない。たとえば、RG_B1〜B4に係る昇格リプレイの入賞手順を2択〜6択にしても良く、この場合、その入賞率は1/2〜1/6とすることができる(他の押順規定役に属する抽選対象役についても同様)。
<遊技形態:図6>
次に、各遊技状態およびこれら遊技状態の移行制御に着目しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)の概要を説明する。
<遊技状態>
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板)400側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される追加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(主制御側遊技状態)には、通常遊技とボーナス遊技の他にRT遊技があり、演出制御部410側で制御される遊技状態(演出制御側遊技状態(演出状態))にはAT(アシストタイム)遊技がある。
(RT(リプレイタイム)遊技)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役の当選確率が通常遊技よりも上昇する再遊技高確率抽選状態である。本実施形態では複数種類のRT遊技が設けられており、これら複数種類のRT遊技を実効化することにより、遊技の面白みを向上させている。これらのRT遊技間の移行制御は、特定の役の当選または入賞を契機に行われるようになっている。
先ず本発明の理解を容易なものとするために、各RT遊技のリプレイ役の当選確率に着目しながら、各RT遊技の違いを説明しておく。ここでは、リプレイ役の当選確率が最も低い「RT0遊技」を通常遊技として扱う。
本実施形態では、上記RT0遊技よりもリプレイ役の当選確率が高い、複数種類のRT遊技のRT1遊技〜RT5遊技が設けられており、それぞれ異なるリプレイ役の当選確率が定められている。具体的には、RT0遊技を基準として、「RT0遊技(通常遊技)<RT1遊技<RT4遊技<RT5遊技<RT2遊技<RT3遊技」となっている。特に、RT0遊技とRT1遊技とはリプレイ役の当選確率が略同一、またRT4遊技は、リプレイ役の当選確率がRT0遊技およびRT1遊技の少なくともいずれか一方と略同一となっており、リプレイ役の出現率の観点からは、これらRT遊技の違いを遊技者が察知することは困難なものとなっている。
上記各RT遊技は、ボーナス持越遊技状態(BB内部当選状態)に係るRT遊技であるか、ボーナス非持越遊技状態(一般遊技状態)に係るRT遊技であるかで大別される。具体的には、一般遊技状態のRT遊技は、RT0遊技〜RT3遊技となっており、ボーナス持越遊技状態のRT遊技は、RT4遊技(BB1内部当選中のRT遊技)とRT5遊技(BB2内部当選中のRT遊技)となっている。また、リプレイ役種には、特定のRT遊技中に限り、抽選対象役となるものがある。なお、BB内部当選状態は、一般遊技状態の一態様である。上記一般遊技状態は、ボーナス遊技のように一般小役種の確率を上昇させることができない遊技状態として規定される遊技状態となっている。
(AT遊技)
AT遊技とは、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部400側で制御される遊技状態(通常遊技やRT遊技やボーナス遊技)とは異なり、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態(演出状態)である。このAT遊技は、演出制御部410がその機能部を担う「演出状態管理手段」によりその発生および終了が管理制御され、演出状態管理手段は、通常の演出状態(非AT遊技:通常演出状態)およびAT遊技を含む複数種類の演出状態を統括的に管理している。詳しくは、上記演出状態管理手段は、当選役に関する情報を報知する報知状態として、通常報知状態(たとえば、非AT遊技)と、当該通常報知状態よりも遊技者に有利に作用し得る有利報知状態(たとえば、AT遊技)とを含む複数種類の報知状態を管理制御する報知状態管理制御手段として機能する。
本実施形態では、既に説明したように、複数種類の押順規定役が設けられている。しかし非AT遊技中においては、これらの役に当選しても、遊技者に有利に作用する図柄の組合せ(有利入賞役)の入賞を案内するための情報は遊技者に報知されない。したがって上記非AT遊技中は、AT遊技中よりも遊技者に不利なゲーム展開がなされることになる。
これに対しAT遊技中においては、押順規定役が決定された場合、遊技者に有利に作用する図柄の組合せの入賞を案内するための情報が報知されるようになっている。このような報知演出を「アシスト報知」と称する。たとえばAT1〜AT12のいずれかに当選した場合、配当が相対的に高い‘ベル1’を入賞させるために、第1停止操作に選択すべき回胴情報、つまり、ベル1入賞に向けての押し順が遊技者に報知される。これにより、遊技者がそのアシスト報知の内容に従い回胴を停止操作すれば、容易にベル1を入賞させることができる。したがって上記AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開がなされることになる。
なおAT遊技は、主として、所定の条件が成立するまで1または複数ゲーム間継続して発生するようになっており、このゲーム期間では、特定の当選役に係るアシスト報知が、非AT遊技中よりも高確率で、または100%で発生する、といった特別な演出状態を指す。これによりAT遊技中は、1ゲームあたりに獲得し得る平均的利益が非AT遊技中よりも向上した遊技状態になる。本実施形態では、後述のAT遊技1またはAT遊技2がこれに該当する。勿論、非AT遊技中にも、アシスト報知が発生する場合があるが、この場合は、主として、今回のゲーム限りのアシスト報知となり、AT遊技中のアシスト報知とはその性質を異にする。
なお上記アシスト報知は、同じ当選役が決定された場合でも、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に有利に作用する図柄の組合せを確実に入賞させる(100%入賞させる)内容とは限らない。たとえば、RG_B1〜B4が当選した場合、「変則押し4択正解」とする押し順だけを報知するのではなく、「変則押し4択不正解」となる押し順と「変則押し4択不正解」となる押し順とを重複して報知することができる。この場合、正解となる押し順と不正解となる押し順の計2通りの押し順を遊技者に提示すれば、遊技者はどちらかの押し順(このケースでは2択となる)に従うようになり、アシスト報知による昇格リプレイの入賞率(正解率)を50%に低下させることができる(このようなアシスト報知を「選択的アシスト報知」と称する)。このようにすれば、回胴の停止操作時において、遊技者の恣意的な停止操作により、他の遊技状態に移行するか否かが決定されるので、遊技者に対し緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。また、AT遊技種別および当選役種別の少なくとも一方に応じて、上記選択的アシスト報知が現出される確率を異ならせることにより、性質の異なるゲーム性を創出することができる。
また本実施形態のアシスト報知演出の内容は、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役の種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないものを含むことができる。これは、当選役種別そのものを報知してしまうと、押し順を報知せずとも、役構成によっては、遊技者に有利に作用する図柄の組合せの入賞手順が判明してしまうと不都合が生じうるからである。たとえば、RG_B1〜B4には、それぞれ異なる‘変則押し4択正解’の押し順が割り当てられているため、上記選択的アシスト報知をするケースでは、当選役種別を明示してしまうと、その割り当てを知る遊技者側に「変則押し4択正解」となる押し順が判明してしまい、当該選択的アシスト報知の意義が無意味に帰してしまうからである。つまり、RG_B1〜B4のいずれかが当選した場合、押し順報知の演出態様としては、押し順に関する表示(報知)内容だけが異なるだけで、押し順報知演出そのものは同一または酷似した演出態様を現出させることが好ましい。これにより、たとえば「第1番目に左回胴5aを停止せよ」という押し順が報知された時点では、遊技者は、どのような役に当選したのかということまでは知ることができない、またはその判別が困難となるようになっている。いずれにしても、アシスト報知がなされれば、遊技者にとり有利なゲーム展開となり得るので、遊技者は、積極的に、そのアシスト報知の内容に従うことになる。
以上に説明したアシスト報知は、当選役を示唆する予告演出の一態様として機能し、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知演出制御手段」により制御される。アシスト報知演出制御手段は、現在の演出状態(非AT遊技、AT遊技種別)と当選役の種別とに基づき、現出すべきアシスト報知を選択し、所定の演出手段に対してこれを現出させる。
次に図6を参照して、各遊技状態の内容と各遊技状態間の移行制御について説明する。図6は、遊技状態間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。
(RT0遊技(通常遊技)について)
既に説明したように、主制御側遊技状態にはRT0遊技〜RT5遊技が含まれ、本実施形態では、初期の遊技状態として「RT0遊技」から開始されるようになっている。この「初期の遊技状態」とは、遊技機への電源が投入された場合、設定が変更された場合、メインRAMがクリアされた場合、上記ボーナス遊技終了した場合などを条件に移行(開始)される遊技状態である。
このRT0遊技は、全RT遊技中、リプレイ役の当選確率が最も低く設定されており、後述のRT遊技1〜5よりも遊技者に不利に作用する遊技状態となっている。主制御側遊技状態に着目すれば、基本的な遊技遷移として、上記RT0遊技からRT1遊技に移行した後、RT1遊技〜RT3遊技を循環するような遊技遷移状態を辿るようになっている。また、RT2遊技に移行した場合にはAT1遊技が、RT3遊技に移行した場合にはAT2遊技が発生するようになっている。すなわち、遊技者に不利な遊技状態から、段階的に状態移行させることにより、その不利な遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態に昇格移行させていき、その有利な遊技状態が終了すると、再び、遊技者に不利な遊技状態に転落移行させる、といった遊技性となっている。
なお上記RT0遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_Aが単独当選し(図17のRT0中抽選テーブル参照)、RG_E1〜E2がBB1またはBB2と重複当選可能な遊技状態となっている(図15のRTZ(RT0遊技〜RT5遊技兼用)抽選テーブル参照)。また上記RT0遊技中は、後述のAT遊技移行に関する抽選(AT抽選:図29、図30によるAT抽選)も行っている。なお、AT抽選(ここでは、後述の準備ART遊技への移行契機となる抽選)は、RT1遊技中にのみ行っても良い。
(RT1遊技(低確率RT遊技)について)
次に、RT1遊技について説明する。
上記RT1遊技には、上記RT0遊技中に、特定の図柄の組合せ(入賞役)が入賞した場合に移行される。本実施形態では、AT1〜12のいずれかに当選し、当該当選したATの取りこぼしが発生した場合(ATの取りこぼし目(ベルこぼし目)が遊技結果として導出された場合)に移行される。上記RT1遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_B1〜B4の4種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図17参照)。
このRT1遊技中においては、RG_B1〜B4のいずれかに当選した場合、所定の昇格リプレイ報知条件の下、昇格リプレイに係るアシスト報知が行われる。この昇格リプレイのアシスト報知が発生するか否かで、AT遊技の発生を伴う後述の「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」に移行できるか否かが定まり、遊技者の利益が大きく左右されることになる。
本実施形態では、上記昇格リプレイのアシスト報知の発生権利に係る所定のAT抽選(昇格リプレイ報知抽選)を行い、当該抽選に当選した場合、昇格リプレイに係るアシスト報知の発生権利を得たとして、昇格リプレイ報知条件を成立させる。そして、その報知条件成立の下で、RG_B1〜B4の当選を契機に、昇格リプレイのアシスト報知を発生させるようになっている。
(RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル:図29)
具体的には、図29に示す「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」に基づき、演出制御部410側において、昇格リプレイ報知抽選が行われるようになっている。この「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」には、当選役種別とフリーズ演出種別(フリーズ演出種別の詳細は後述する)に応じた抽選確率(AT当選値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。たとえば、今回のゲームで弱チェリーに当選し、かつフリーズ演出が未発生であれば、2/128の確率で昇格リプレイ報知抽選に当選し、昇格リプレイ報知条件が成立するようになっている。特に、AT確定役に当選した場合か、またはフリーズ4が発生した場合、100%(128/128)の確率で昇格リプレイ報知条件が成立する。本実施形態では、役の当選確率および/またはフリーズ演出の発生確率に着目して、基本的には、当該当選確率や発生確率が相対的に低いものほど、昇格リプレイ報知抽選による当選確率が高くなるように定めてある(各役の当選確率については図19〜図21を、フリーズ演出の発生確率については図22を参照)。なお、昇格リプレイ報知抽選の当選確率は、特に制限はなく自由に定めることができる。また、一部の特定の役、たとえば、略同一の当選確率の役である「強チェリーと強スイカ」、または「弱チェリーと弱スイカ」の場合、役の当選確率の高低とは関係なく、当選確率を同じ確率としても良いし、相対的に当選確率が低い方の役を高確率としても良いし、特定のフリーズ演出種別に対応する当選確率を同じ確率に定としても良い(たとえば、強チェリーおよび強スイカのフリーズ1のAT当選値参照)。また、AT確定役またはフリーズ4が発生した場合のように、100%(128/128)で昇格リプレイ報知条件が成立させる場合は、抽選テーブルを利用する必要性に乏しいことから、抽選テーブルを参照せずに、昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。
図29に示すように、昇格リプレイ報知抽選契機として作用する役には、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、およびAT確定役が含まれ、また後述のフリーズ演出のフリーズ演出抽選契機として作用する役(フリーズ演出抽選契機役)には、小役種に属するものとして、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、およびAT確定役が、特別役種に属するものとしてBB(単独当選)が含まれる。これらの役は、昇格リプレイ報知条件成立の契機となりうる役、換言すれば、AT遊技を伴う遊技状態(本実施形態では、後述の準備ART遊技)への移行契機となる役として機能する点で、状態移行契機役の一態様といえる。特に、状態移行契機役のうち、上述のAT遊技(本実施形態では、後述のAT1遊技〜AT3遊技)への移行契機役となる役を「AT遊技移行契機役(特別抽選契機役に相当)」と称する。なお、昇格リプレイ報知抽選やフリーズ演出抽選においては、当選確率が比較的高い、ハズレやAT役(AT1〜AT12)は除外されている(図22参照)。
ここで、上記昇格リプレイ報知条件成立後、RG_B1〜B4のいずれかに当選により昇格リプレイに係るアシスト報知が発生するまでの遊技期間は、当該アシスト報知が実際に発生することはないがその発生が予定されているといった点で、AT遊技の一態様(昇格リプレイ前兆AT遊技)として扱うことができる。つまり、昇格リプレイ報知条件が成立後は、演出制御側遊技状態に変化があるだけで主制御側遊技状態はRT1遊技のままとなっている。したがって、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT1遊技+昇格リプレイ前兆AT遊技」となる。この点から、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、およびAT確定役は、昇格リプレイ前兆AT遊技への移行契機役として機能する点で、AT遊技移行契機役の一態様といえる。
(α.報知条件成立後前兆ゲーム期間有り遊技状態)
なお、昇格リプレイ報知抽選に当選し、昇格リプレイ報知条件を成立後、RG_B1〜B4の当選した場合、当該当選ゲーム中で昇格リプレイのアシスト報知を発生させても良いが、次のような形態としても良い。
昇格リプレイ報知抽選に当選した場合、昇格リプレイに係るアシスト報知の発生権利を得たとして、昇格リプレイ報知条件成立までのゲーム数、つまり昇格リプレイ報知の発生を許容するまでのゲーム数(前兆ゲーム数)を決定し、この前兆ゲーム数が消化された後に、昇格リプレイ報知条件を成立させる(上記昇格リプレイ前兆AT遊技に移行)。そして、その報知条件成立下で、RG_B1〜B4の当選した場合、昇格リプレイのアシスト報知を発生させることができる。
なお、上述の前兆ゲーム数は、複数種類のゲーム数(たとえば、1〜24ゲーム)のうちから、前兆ゲーム数抽選(たとえば、昇格リプレイ報知抽選とともに実行される所定の抽選)により決定しても良いし、固定的なゲーム数(たとえば、前兆ゲーム数=10ゲーム)としても良い。
(2段階AT抽選:昇格チャンスゾーン(特殊演出状態)について)
上記では、図29に示す「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」に基づくリプレイ昇格抽選を行い、これに当選すれば昇格リプレイ報知条件が成立するといった実施形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、上記実施形態に替え、または、当該実施形態と組合せた形態として、次に述べるようなAT抽選を経ることにより昇格リプレイ報知条件を成立させ、これにより、後述の準備ART遊技が移行しうる形態(以下「2段階形態」と称する)とすることができる。
この2段階形態では、第1の段階として、所定の移行条件の下、1または複数ゲーム(たとえば、20ゲーム)間に跨って、昇格リプレイ報知条件が成立可能な特殊な遊技状態(以下、「昇格チャンスゾーン(有利遊技期間)」と称する)に移行させ、第2の段階として、この昇格チャンスゾーン中に昇格リプレイ報知条件の成立チャンスを付与し、昇格リプレイ報知条件の発生権利を獲得させる、という2段階的なAT抽選を辿る形態となっている。
斯様な構成では、昇格チャンスゾーンに移行しない限りは、昇格リプレイ報知条件の成立チャンスが無いもの、つまり昇格リプレイ報知抽選を実行しない、といった形態とすることができる。または、非昇格チャンスゾーン以外は昇格リプレイ報知条件の成立チャンスはあるが、その確率を昇格チャンスゾーン中よりも低確率とする、といった形態とすることができる。したがって、遊技者は、第1に、上記昇格チャンスゾーンに移行するか否か、第2に、昇格チャンスゾーン中に昇格リプレイ報知条件を成立させられるか否かに関心を寄せながら、遊技に興じるようになる。なお、上記昇格チャンスゾーンの実体は、演出制御部410側で管理される演出状態の一態様である。つまり、昇格チャンスゾーンに移行しても演出制御側遊技状態に変化があるだけで、主制御側遊技状態はRT1遊技のままとなっており、遊技機全体として捉えた遊技状態は「特殊演出状態+RT1遊技」となる。
上記昇格チャンスゾーンには、特定の役(たとえば、1または複数種類の特定の小役:弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、またはAT確定役など)の当選を契機に(特定の役に対応する入賞役が入賞を契機としても良い)および/または後述のフリーズ演出発生を契機に、所定の移行抽選(昇格チャンスゾーン移行抽選)を行い、これに当選した場合に移行されるようになっている。
(RT0、RT1中昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル:図30(ロ))
具体的には、たとえば、図30(ロ)に示す「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル」に基づき、演出制御部410側において、上記昇格チャンスゾーンへの移行抽選を行う。この「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル」は、上記「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」と基本構成は同じである。
たとえば、今回のゲームで弱チェリーに当選し、かつフリーズ演出が未発生であれば、4/128の確率で昇格チャンスゾーンに移行されるようになっている(図30(ロ)の弱チェリーの欄参照)。特に、AT確定役に当選した場合か、またはフリーズ4が発生した場合には、100%(128/128)で昇格チャンスゾーンに移行される(図30(ロ)のAT確定役、フリーズ4の欄参照)。したがって、この2段階形態において、昇格チャンスゾーンへの移行契機役(昇格チャンスゾーン移行契機役)は、昇格リプレイ報知条件の成立に寄与する遊技状態への移行契機となる点で、上記AT遊技移行契機役の一態様といえる。
なお昇格チャンスゾーンへの移行確率は、当選役種別および/または後述のフリーズ演出種別に関連付け、その確率を自由に定めることができる。また一部の特定の役、たとえば、ほぼ同じ当選確率の役である強チェリーと強スイカの場合、役の当選確率の高低とは関係なく、移行確率を同じ確率に定めても良いし、相対的に当選確率が低い方の役を高確率としても良い。また、フリーズ演出種別を考慮せず、特定役種別(弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、およびAT確定役)に当選した場合に、図示の「フリーズ演出種別の未発生に対応のAT当選値」に基づいて、昇格チャンスゾーンに移行させても良い。また、AT確定役やフリーズ4の場合は、昇格チャンスゾーンの継続ゲーム数を他の当選役種別よりも相対的に多い継続ゲーム数としても良いし、有限ゲーム数ではなく、無限ゲーム数にしても良い。無限ゲーム数の場合は、後述の「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」により昇格リプレイ報知抽選に当選するまで昇格チャンスゾーンが継続されることになり、実質的に、昇格リプレイ報知条件成立が約束されることになる。
(昇格チャンスゾーンの作用)
上記した昇格チャンスゾーンは、次のような機能を有する。
(β.昇格リプレイ報知条件高確率成立遊技状態)
昇格チャンスゾーンに移行すると、図30(ハ)に示す「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」に基づき、演出制御部410側において、昇格リプレイ報知抽選が行われるようになっている。
(RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル:図30(ハ))
この「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」には、図29の「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」と同じく、当選役種別とフリーズ演出種別に応じた当選確率(AT当選値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。上記「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」では、上記「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」よりもAT当選値の振り分けが相対的に高い値なっている点や、ハズレやリプレイ役種でも昇格リプレイ報知抽選が行われる点が異なる。したがって、たとえば、非昇格チャンスゾーンでは、図29に示す「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」に基づき昇格リプレイ報知抽選を行い、昇格チャンスゾーンに移行した場合は、図30(ハ)に示す「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」に基づき昇格リプレイ報知抽選を行うといった実施形態にすることで、昇格チャンスゾーンの存在意義が際立つことになり、遊技の面白みを向上させることができる。また、非昇格チャンスゾーンでは、昇格リプレイ報知抽選を行わない実施形態としても、同様に昇格チャンスゾーンの存在意義が際立つことになる。
上記構成の昇格チャンスゾーンは、昇格リプレイ報知条件が通常の演出状態(非昇格チャンスゾーン)よりも高確率で成立可能となる遊技者に有利な遊技状態として機能し、昇格リプレイ報知条件成立後、RG_B1〜B4のいずれかに当選により昇格リプレイに係るアシスト報知が発生するまでの遊技期間は、当該アシスト報知が実際に発生することはないがその発生が予定されているといった点で、AT遊技の一態様(昇格リプレイ前兆AT遊技)として扱うことができる。
なお、上記昇格チャンスゾーンへの移行条件としては、上述のように(A)特定の役に当選を契機とする他、たとえば(B)RT0遊技中またはRT1遊技中に、所定のゲーム数を消化したこと(所謂、「天井ゲーム数」に到達)を、また(C)RT0遊技開始の場合は、RT0遊技からの所定のゲーム数を消化したことを、その発生条件とすることができる。また上述の(A)〜(C)の2つの条件を合わせ持っていても良い。
また上記昇格チャンスゾーンは、上記した移行条件が成立したゲームで直ちに発生(移行)させても良いが、1または複数ゲームが消化された後に発生させることができる。特に天井ゲーム数が設けられている場合、天井ゲーム到達前の所定遊技期間(たとえば、天井ゲーム数の手前、数十ゲーム程度:天井到達前兆期間)において、昇格チャンスゾーン移行可能性がある旨を報知する前兆演出を現出させることができる。
また、上述の天井到達前兆期間や、昇格チャンスゾーン移行抽選により‘ハズレ’となった場合(昇格チャンスゾーンの発生が予定されていない場合)、その発生を期待させるような「ガセ」の期待演出を現出させても良い。これにより、遊技者に対し、昇格チャンスゾーンの到来を事前に察知したり推測要素を与えたりすることができるので、遊技者が昇格チャンスゾーンの到来を楽しみにしながら遊技に興じることができる。
また上記「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」に基づくことなく、RG_B1〜B4のいずれかに当選すれば、昇格リプレイ報知条件が成立したものとして、昇格リプレイのアシスト報知が100%実行されるものとしても良い。また、上記「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」に基づくことなく、RG_B1〜B4のいずれかに当選した場合、所定の抽選により昇格リプレイのアシスト報知を実行しても良く、この場合、昇格リプレイの報知確率は特に制限されない。たとえば、昇格チャンスゾーンが有限の継続ゲーム数の場合、その継続ゲーム数とRG_B1〜B4の合算当選確率(本実施形態では、8964/65536(約1/7):図19参照)とに着目して定めたり(たとえば、継続ゲーム数が7ゲームとした場合、合算当選確率が1/7であることから、昇格リプレイのアシスト報知の発生確率は約66%となる)、RG_B1〜B4ごとに異なる当選確率を定めたりすることができる。
上記した昇格チャンスゾーンでは、遊技者が昇格リプレイ報知条件成立に大きな期待を寄せながら遊技に興じることになり、遊技の面白みを向上させることができる。また昇格チャンスゾーン滞在中は、その旨を報知する専用の演出を現出させて、昇格チャンスゾーン中である旨を遊技者に知得させ、昇格リプレイ報知条件成立への期待感を煽ることが好ましい。
(昇格リプレイ報知条件について)
以上では昇格リプレイ報知抽選に当選した場合に昇格リプレイ報知条件が成立する形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、上記昇格リプレイ報知抽選に替えて、また別個に、昇格リプレイ報知条件が成立する条件を次のように定めても良い。
たとえば、特定の遊技期間(たとえば、昇格チャンスゾーン)中、特定の役の当選回数が所定の回数(たとえば、3回)当選したことを条件としても良い。なお、特定の役の種類およびその種類数は、適宜設定することができる。たとえば、特定のリプレイ役種(たとえば、RT1遊技中であれば、RG_B1〜B4)の当選回数や、AT1〜AT12の当選回数とすることができる。
また、上記昇格チャンスゾーン中の複数種類の特定の役のうちいずれかの役に当選または入賞したことを契機に、当該役に対応した所定のポイント数(たとえば、弱チェリーなら50P、強チェリーなら200P)を累積し、そのポイントが所定のポイント数(たとえば、1000P)に達したことを条件としても良い。なお、上記報知ポイント数は、所定のポイント付与抽選により複数種類のポイント数(たとえば、50P、100P、200P、500P)からいずれかのポイント数を決定することができる。この場合、特定の役種別に応じて、抽選されるポイント数の当選確率を定めることができる。たとえば、当選確率が相対的に低い役ほど、相対的に高いポイント数が抽選されるようにすることができる。
以上に説明した「報知条件成立後前兆ゲーム期間有り遊技状態」と上記昇格チャンスゾーンとを設けた構成とすることができる。たとえば、昇格チャンスゾーン以外の遊技期間は、昇格リプレイ報知条件成立後前兆ゲーム期間有り遊技状態として機能させ、昇格チャンスゾーン滞在中は、当該報知条件成立後前兆ゲーム期間有り遊技状態よりも相対的に高確率で、昇格リプレイに係るアシスト報知の発生させるようにすることができる。
(特殊役(AT確定役)当選について)
本実施形態では、RT0遊技またはRT1遊技中において、AT確定役の当選または入賞を契機に(AT確定役当選により許容される入賞役が入賞したことを契機に)、昇格リプレイ報知条件が成立し(強制成立)、昇格リプレイのアシスト報知の発生が確定して、後述のRT2遊技(準備ART遊技)への移行が確定的となり、さらなる特典として、特殊リプレイ報知条件が成立し、特殊リプレイのアシスト報知の発生も確定し、後述のRT3遊技(本ART遊技)への移行も確定的となるようになっている。このため、AT確定役が当選した場合、その旨を報知する演出(直撃演出)が現出され、RT3遊技への移行が確定した旨を遊技者に知らせて、高揚感を煽るようになっている。以下では、このAT確定役入賞により本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)に至る遊技ルートを「ART直撃ルート」と称する。
(RT2遊技(中確率RT遊技)について)
次に、RT2遊技について説明する。
RT2遊技には、RT1遊技中に上記した昇格リプレイが入賞した場合に移行される。なお、このRT2遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5の10種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図17のRT2中抽選テーブル参照)。
上記RT2遊技は、後述のRT3遊技(一般遊技状態中、遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与する)遊技状態)に移行可能な遊技状態(準備遊技状態)であり、ここで、RG_D1〜D5に係る特殊リプレイを入賞させるか否かで、遊技者の利益が大きく左右されるようになっている。また上記RT2遊技は、RG_C1〜C5に係る転落リプレイが入賞した場合、またはAT1〜AT12の取りこぼし(ベルこぼし目)が発生した場合に上記RT1遊技に転落移行されるようになっている。なお上記ベルこぼし目は、RT3遊技中では「転落契機役」として働き、RT0遊技中では「昇格契機役」として働くようになっている。
そこでRT2遊技中においては、RG_C1〜C5、RG_D1〜D5、およびAT1〜AT12に係るアシスト報知を実行する「AT1遊技」を発生させるようになっている。換言すれば、RT2遊技に移行した場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT2遊技+AT1遊技(以下、「準備ART遊技」と称する)」となる。
このAT1遊技が発生すると、RG_C1〜C5のいずれかに当選した場合に、転落リプレイの入賞を回避可能とする押し順(通常リプレイを入賞させる押し順)が、RG_D1〜D5のいずれかに当選した場合には、特殊リプレイを入賞可能とする押し順(通常リプレイを回避させる押し順)が、AT1〜AT12のいずれかに当選した場合には、ベル1を入賞可能とする押し順(取りこぼしを回避する押し順)がアシスト報知されるようになっている。ただし、このAT1遊技は、RT1遊技において、昇格リプレイのアシスト報知発生時に昇格リプレイが入賞した場合に発生するようになっており(正規ルートによるAT1遊技発生)、昇格リプレイのアシスト報知未発生時に昇格リプレイが入賞した場合は発生しないようになっている。これにより、昇格リプレイのアシスト報知未発生時に、遊技者が意図的に、あるいは偶然に昇格リプレイが入賞してRT2遊技に移行してしまっても、短期間でRT遊技1へ転落移行させるようにし、想定していない利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。なおこの場合は、変則押しによる昇格リプレイ入賞となるので、後述のペナルティが科されることになる。
なお上記AT1遊技は、RT2遊技が終了されない限り継続するものであっても良い。この場合は、遊技者がアシスト報知に従う限り、実質的に特殊リプレイを100%入賞させることが可能となり、後述のRT3遊技への移行が約束される。
また上記AT1遊技は、所定のゲーム数(たとえば、20ゲーム間)継続するものであっても良い。AT1遊技が所定のゲーム数継続されるとした場合、当該所定のゲーム数が消化されるまでの期間を、RT3遊技への移行を容易なものとする「昇格チャンスゾーン(ここでは、RT3遊技移行に係る昇格チャンスゾーン)」として捉えることができる。この昇格チャンスゾーン滞在中は、遊技者は、RG_D1〜D5の当選に大きく期待を寄せつつ遊技に興じることになり、遊技の面白みを向上させることができる。しかし、上述の所定のゲーム数内でRG_D1〜D5に当選せず、特殊リプレイを入賞することができなかった場合、昇格チャンスゾーンが終了、つまりAT1遊技が終了し、遊技機全体として捉えた遊技状態が「準備ART遊技(AT1遊技+RT2遊技)」から、単なる「RT2遊技(通常演出状態+RT2遊技)」となる。このため、AT1遊技によるアシスト報知、つまり、転落リプレイの回避手順またはATの取りこぼしの回避手順が報知されず、いずれRT1遊技に転落してしまうことになる。このように、RT3遊技への移行が容易になる昇格チャンスゾーンを作り出すことで、遊技者に緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。
また、正規ルートによりAT1遊技が発生していた場合、遊技者の誤停止操作により転落リプレイが入賞してRT1遊技に転落移行した場合であっても、その転落先のRT遊技1中において、RG_B1〜B4のいずれかに当選した場合、直ちに昇格リプレイのアシスト報知を行い、RT2遊技に容易に昇格移行させる、といった救済機能を設けても良い。
ここで本実施形態では、特殊リプレイ1〜4のどの特殊リプレイが入賞しても、少なくともRT3遊技への移行が保障されるようになっている。これは、遊技者が目押しに失敗したとしても思わぬ不利益が生じないようにするためである。
ただし、RG_D1〜D3に係る特殊リプレイ(特殊リプレイ1および特殊リプレイ3)と、RG_D4〜D5に係る特殊リプレイ(特殊リプレイ2および特殊リプレイ4)とのいずれの特殊リプレイが入賞するかにより、後述のAT2遊技の性能が異なるようになっている。詳細は後述するが、具体的には、青7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は、特殊リプレイ4入賞時)の方が、赤7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ3入賞時)よりも遊技者にとり有利なゲーム展開とされるようになっている。
なお、RT2遊技中において上記RG_D1〜D5のいずれかに当選した場合、その当選役を対象とした特殊リプレイのアシスト報知を行うように構成しても良いが、次のように構成しても良い。
たとえば、RT1遊技において昇格リプレイの入賞を契機に、「赤7リプレイ(特殊リプレイ1)」のアシスト報知するか、「青7リプレイ(特殊リプレイ2)」のアシスト報知するかを所定の報知抽選(以下、「特殊リプレイ種別報知抽選」と称する)により、事前決定し、RT遊技2に移行した際には、その決定された特殊リプレイの入賞を許容するRG_D1〜D5の当選を条件に、当該決定された特殊リプレイのアシスト報知を行っても良い。上記特殊リプレイ種別報知抽選では、赤7リプレイ(特殊リプレイ2)のアシスト報知と青7リプレイ(特殊リプレイ1)のアシスト報知との発生確率とが同じ確率であっても良いし、異なっていても良い。
また上記特殊リプレイ種別報知抽選を設けた場合、青7リプレイのアシスト報知を現出させることが予定されている場合において、所定の秘匿解除条件が成立するまで、特殊リプレイ種別報知抽選の結果を一時的に秘匿状態としても良い。たとえば、赤7リプレイのアシスト報知を一旦現出させておいて、所定の秘匿解除条件の下、本来の青7リプレイのアシスト報知を現出させるように構成することもできる。このような秘匿状態を設けた場合、次のような作用効果を奏することができる。
青7リプレイのアシスト報知を現出させることが予定されている場合において、たとえば、RG_C1〜C5が当選した場合、演出上は、赤リプレイのアシスト報知のように装っているが、その実体は通常リプレイの入賞手順(転落リプレイ回避手順)を報知(欺瞞アシスト報知)し、遊技者がこれに従い回胴を停止操作していく段階、たとえば、第1〜第3停止操作がなされたこと、または遊技結果として通常リプレイが導出されたことを秘匿解除条件とし、当該秘匿解除条件が成立した場合、青7リプレイに当選した旨、すなわち、特殊リプレイ種別報知抽選の抽選結果が「青7リプレイ」のアシスト報知に決定された旨を報知し、その後、RG_D1〜D5のいずれかの当選を条件、たとえば、当該当選ゲームで実際の青7リプレイのアシスト報知を発生させる。すなわち、1または複数ゲーム間の秘匿状態を経てから、予定されていた青7リプレイのアシスト報知が現出されることになる。
このような昇格的な演出を現出させるようにすれば、あたかも赤7リプレイ当選から青7リプレイ当選に昇格したかの如く振舞う昇格的な演出(昇格演出)を現出させることができるので、意外性のある遊技性となり、遊技の面白みを増すことができる。斯様な昇格演出は、上述したように、実際にRG_D1〜D5が当選して青7リプレイが入賞しうる当該ゲームで現出されるのではなく、他の役(ここでは、RG_C1〜C5)が当選に起因する所定の秘匿解除条件が成立したことに基づいて、現出されうる点で、RG_D1〜D5が当選した当該ゲーム中において、演出上は、赤7リプレイに当選したことをガセ報知しながら、アシスト報知の実体的内容は青7リプレイの入賞手順である、というような、単なる1ゲーム中に行われる「ガセの演出からの昇格的な演出」とはその演出態様が全く異なるものである。
なお上述の秘匿解除条件以外には、たとえば、特殊リプレイ種別報知抽選実行後、(1)所定のゲーム数(たとえば、5ゲーム)が経過した場合、(2)アシスト報知対象となる当選役(RG_D1〜D5)が所定回数(たとえば、2回)当選した場合、(3)アシスト報知対象となる当選役以外の特定の当選役(たとえば、RG_C1〜C5やAT1〜12)が所定回数(たとえば、2回)当選した場合など、種々の秘匿解除条件を定めることができる。この場合でも、同様の効果を奏することができる。
なお、ART直撃ルートの場合、つまりAT確定役の入賞を経てRT遊技2に移行した場合、またはRT2遊技中にAT確定役に入賞した場合は、青7リプレイのアシスト報知の発生が確定し、これによりRT遊技3への移行が確定的とされるようになっている。具体的には、ART直撃ルートでは、RG_D1〜D3のいずれかに当選した場合には、通常リプレイの入賞手順を報知して赤7リプレイの入賞を回避させつつ、RG_D4〜D5のいずれかに当選した場合には、青7リプレイのアシスト報知の発生をさせ、青7リプレイ(取りこぼした場合は特殊リプレイ4)を入賞させるようになっている。これにより、AT確定役が当選した場合、遊技者がアシスト報知に従う限り、確実に、青7リプレイによる利益を獲得することができるようになっている。
(RT3遊技(高確率RT遊技)について)
次に、RT3遊技について説明する。
上記RT3遊技には、RT2遊技中に特殊リプレイが入賞した場合に移行される。このRT3遊技中では、リプレイ役種のうち、RG_A、およびRG_E1〜E2の3種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図18のRT3中抽選テーブル参照)。
上記RT3遊技は、一般遊技状態中、リプレイ役種の当選確率が最も高くなっており、この点で、一般遊技状態中では遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与しうる)遊技状態となっている。ただし、AT1〜AT12に係る取りこぼし(ベルこぼし目)が発生した場合、RT1遊技に転落移行されるようになっている。そこで本実施形態では、上記RT3遊技中においては、AT1〜AT12に係るアシスト報知を実行する「AT2遊技」を発生させるようになっている。換言すれば、RT3遊技に移行した場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT3遊技+AT2遊技(以下、「本ART遊技」と称する)」となる。このAT2遊技が発生すると、AT1〜AT12のいずれかに当選した場合、ATの取りこぼしを回避させるべく、ベル1がアシスト報知される。
(本ART遊技中の継続ゲーム数について)
本実施形態では、上記準備ART遊技中の特殊リプレイの入賞を契機として、本ART遊技継続ゲーム数を決定する。本ART遊技継続ゲーム数は、複数種類のゲーム数(たとえば、30ゲーム、40ゲーム、70ゲーム、および90ゲーム)のうちからいずれかのゲーム数が抽選により決定される。この本ART遊技継続ゲーム数は、入賞した特殊リプレイの種類により抽選されるゲーム数の抽選確率が異なり、特殊リプレイ1(赤7リプレイ)および特殊リプレイ3(赤7リプレイの取りこぼし目)の場合は、相対的に少ないゲーム数(たとえば、30ゲーム、40ゲーム:ショート継続ゲーム数)が高確率で抽選され、特殊リプレイ2(青7リプレイ)および特殊リプレイ4(青7リプレイの取りこぼし目)の場合は、相対的に多いゲーム数(たとえば、70ゲーム、90ゲーム:ロング継続ゲーム数)の方が高確率で抽選されるようになっている。これにより、青7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ3)は、相対的に多いゲーム数が選択されうるので、赤7リプレイ入賞時(取りこぼしの場合は特殊リプレイ4)よりも遊技者にとり有利なゲーム展開とされるようになっている。なお、本ART遊技継続ゲーム数は、上述のように、抽選により選択されるものではなく、入賞となった特殊リプレイに応じて、固定的なゲーム数(たとえば、赤7リプレイは30ゲーム、青7リプレイはそれよりも多い70ゲームなど)であっても良い。
なおART直撃ルートを経て本ART遊技へ移行された場合、本ART遊技継続ゲーム数を、RG_D1〜D5当選による特殊リプレイが入賞した場合よりも多いゲーム数(たとえば、プレミアム的に付与される継続ゲーム数の100ゲーム)となっている。ただし、準備ART遊技中にAT確定役が当選した場合は、更なる特典として、本ART遊技継続ゲーム数を上述のプレミアム継続ゲーム数(100ゲーム)よりも多い継続ゲーム数(たとえば、150ゲーム)が付与される。
上記した本ART遊技継続ゲーム数の実体は、RT3遊技の継続ゲーム数ではなく、AT遊技2の継続ゲーム数であるといえる。詳述するに、AT2遊技中はAT1〜AT12のいずれかが当選した場合には「ベル1」のアシスト報知が行われ、これにより、ATの取りこぼしを回避させつつ、ベル1を入賞させることができるようになっている。
しかし、上記本ART遊技継続ゲーム数が終了してAT2遊技が終了すると、遊技機全体から捉えた遊技状態としては「RT3遊技」だけが発生している状態となる。このため、AT1〜12のいずれかが当選した場合であっても、ベル1の入賞手順が報知されず、遊技者はATの取りこぼしを回避するための手掛かりがなくなる。またAT(AT1〜AT12)は他の役に比べて相対的に高確率で当選することから、AT2遊技が終了した後は、比較的短期間でATの取りこぼしが発生しうる。したがって、AT2遊技が終了した後は、RT3遊技の継続が困難となり、いずれRT3遊技が終了して、遊技機全体から捉えた遊技状態としてはRT1遊技に転落移行されることになる。したがって、AT2遊技の継続ゲーム数を、実質的に上記本ART遊技の継続ゲーム数と捉えることができる。この点、上記準備ARTについても、この本ART遊技と同じく、AT遊技が継続ゲーム数で管理される場合は、実質的に、AT1遊技の継続ゲーム数を、準備ART遊技の継続ゲーム数と捉えることができる。このように本実施形態では、AT遊技の終了に起因してRT遊技が終了されることになるので、以下では特に必要のない限り、AT遊技継続ゲーム数とART継続ゲーム数とを等価的なものとして扱う。
上記本ART遊技に突入すると、AT1〜AT12当選時のベル1のアシスト報知が行われ、リプレイ確率も全RT遊技中最も高くなることから、上記準備ART遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。この本ART遊技は、ボーナス遊技と同じく、多量の遊技メダルを獲得可能な遊技状態となっており、このことから、本ART遊技は疑似的なボーナス遊技(疑似ボーナス遊技)としてとしての役割を果たすものといえる。このような観点から、上記特殊リプレイ1〜4は、疑似ボーナス遊技への移行契機となる状態移行契機役、つまり、疑似的なボーナス役(疑似ボーナス役)として扱うことができる。なお上記特殊リプレイは、アシスト報知の有無により、入賞が容易または確定的(入賞容易状態)になったり、入賞が困難または不確定(入賞困難状態)になったりする。これは、特殊リプレイ(疑似ボーナス役)に関する入賞許容状態が、主制御部400側による遊技動作制御により管理されているのではなく、専ら、演出制御部410側の演出動作制御により管理されていることを意味する。具体的には、たとえ、主制御部400側の内部抽選によりRG_D1〜D5が当選しても必ずしも特殊リプレイ(疑似ボーナス役)を入賞させることが容易になるわけではなく、演出制御部410側のアシスト報知制御により、その入賞率が大きく左右される。このような点から、演出制御部410側のアシスト報知制御は、主制御部400側の内部抽選と等価的な役割を果たすものといえる。
なお本ART遊技は、本ART遊技継続ゲーム数が終了した場合に、所定の継続率で継続させ、この継続時には、本ART遊技継続ゲーム数として、所定のゲーム数(たとえば、30ゲーム)を新たに追加しても良い。また本ART遊技突入時(特殊リプレイ当選時または入賞時)に決定された初回の継続ゲーム数を上述の継続時のゲーム数を追加しても良い。また、本ART遊技継続ゲーム数は、複数種類の継続ゲーム数のうちから抽選する形態として説明したが本発明はこれに限らず、規定の継続ゲーム数(たとえば、40ゲーム)を1セットとして、これを所定の継続率で継続させても良い。上記継続率は、単一の継続率(たとえば、50%)を定めても良いし、複数種類の継続率(たとえば、50%、65%、75%、85%のうちからいずれかの継続率)を定めても良い。継続率が複数種類ある場合、その抽選契機は、本ART遊技突入が予定された場合の後(たとえば、昇格リプレイに係るアシスト報知条件成立後や、特殊リプレイに係るアシスト報知条件成立後)本ART遊技に突入する前段階の所定のタイミング(たとえば、、昇格リプレイに係るアシスト報知条件成立を契機、また、特殊リプレイに係るアシスト報知条件成立を契機、あるいは、特殊リプレイ当選または入賞を契機など)で決定することができる。
(本ART遊技中の上乗せ抽選)
また本ART遊技中において、特定の役の当選を契機に(入賞を契機としても良い)、本ART遊技継続ゲーム数(正確には、AT遊技2の継続ゲーム数)を増加させる「上乗せ抽選」が行われるようになっている。この上乗せ抽選では、複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数が抽選により決定され、決定されたゲーム数が基本的な継続ゲーム数(上記本ART遊技移行時に決定される継続ゲーム数)に対して上乗せされる。これにより本ART遊技のゲーム期間が延長されて遊技者にさらなる利益をもたらすことになる。
本実施形態では、上乗せ抽選が実行されるルートが複数ある。第1のルートは、上乗せ抽選契機となる特定の役(上乗せ抽選契機として作用する上乗せ抽選契機役)に当選した場合である。この上乗せ抽選契機役は複数種類設けられており、たとえば、AT1〜AT12うちのAT5〜AT12、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、およびAT確定役などの複数種類の小役種が対象となっている。また後述のフリーズ演出が発生した場合も上乗せ抽選契機となる。
本実施形態では、上乗せゲーム数として、たとえば、5ゲーム、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、および100ゲーム(プレミアム上乗せゲーム数)の複数種類のゲーム数が用意されており、当選確率が低い特定の役ほど、相対的に多い上乗せゲーム数が抽選されるようになっている(当選確率については、図19〜図20参照)。なお、当選確率が極めて低いAT確定役が当選した場合、特典として、プレミアム上乗せゲーム数の100ゲームが選択されるようになっている。またフリーズ演出種別に着目すれば、フリーズ1、2、3および4の順(発生率はフリーズ1が最も高い:図22参照)に相対的に多い上乗せゲーム数が抽選されるようになっている。
第2に、RT3遊技中において抽選対象となるリプレイ役種のうち、低確率のRG_E1〜E2(各195/65536:図19参照)のいずれかが当選した場合である。この第2のルートでは、RG_E1〜E2のいずれかに当選した場合、その当選役に対応した「CAリプレイ」のアシスト報知が行われ、CAリプレイの入賞機会を遊技者に与える。そして、遊技者がそのアシスト報知の内容に従い、CAリプレイを入賞させた場合、「上乗せ特化モード(AT3遊技)」に移行させる。この上乗せ特化モードは、AT遊技の一態様である。
本実施形態では、主制御部400側からCAリプレイが入賞した旨の情報(入賞情報コマンド)を受けた場合、演出制御部410は、演出状態を現在の‘AT2遊技’から「上乗せ特化ゾーン」である‘AT遊技3’に移行させる。換言すれば、「上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)」に移行した場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT3遊技+AT3遊技」となる。この上乗せ特化ゾーンは、遊技者に有利に作用する遊技状態であり、本ART遊技の継続ゲーム数を増加させる点で、遊技者が最も関心を寄せる遊技状態となっている。
上記上乗せ特化ゾーンは、所定ゲーム数(たとえば、20ゲーム)継続し、このゲーム期間中に、特定の役に当選した場合(入賞した場合であっても良い)、上乗せ抽選が行われる。ここでの特定の役(上乗せ抽選契機役)は、第1のルートの場合と同じ役種別としている。しかし第1のルートの場合と第2のルートの場合とで、異なる上乗せ抽選契機役を定めても良い。
またCAリプレイ入賞により、RT遊技も他のRT遊技に移行させても良いし、図示しない他のRT遊技(上乗せ特化ゾーン用RT遊技)に移行させても良い。この上乗せ特化ゾーン用RT遊技におけるリプレイ役種の合算当選確率は、RT3遊技と異なる確率に定めることができ、抽選対象役(たとえば、リプレイ役種)もRT3遊技と異なる役を定めることができる。
上記上乗せ特化ゾーンでは、上乗せゲーム数が第1のルートよりも相対的に多いゲーム数が上乗せされるようになっており、たとえば、倍の上乗せゲーム数(10ゲーム、20ゲーム、60ゲーム、100ゲーム、および300ゲーム(プレミアムゲーム数)の複数種類のゲーム数が用意されている。なお、上乗せ抽選契機役による上乗せ抽選確率は、第1のルートと同じであっても良いし、特化ゾーンの特性を生かすため、上乗せ抽選確率を第1のルートよりも高確率としても良い。
なお、上乗せゲーム数は抽選により固定的なゲーム数(たとえば、10ゲーム)を上乗せしても良い。この場合、上乗せできるか否かに面白みを持たせるためには、当選確率が低い特定の役ほど、上乗せ抽選による当選確率が相対的に高くなるように定めることが好ましい。また、上乗せ抽選によらずに100%固定的なゲーム数を上乗せしても良い。この場合、役種別を問わず、その当選または入賞を条件に上乗せしても良いが、上乗せできるか否かに面白みを持たせるためには、当選確率が相対的に低い特定の役(たとえば、強チェリー、強スイカ、AT確定役など)の当選または入賞を条件に上乗せすることが好ましい。
また、CAリプレイのアシスト報知は、RG_E1〜E2のいずれかが当選した場合に必ず発生させるものであっても良いし、所定の上乗せ役報知抽選により発生させるようにしても良い。この上乗せ役報知抽選による場合、RG_E1と、RG_E2とで、異なる抽選確率としても良い。また上乗せ抽選の実行は、RG_E1〜E2が当選した場合に限らず、1または複数種類の特定の役の当選または入賞を条件に実行しても良い。また、RG_E1またはRG_E2が入賞しても必ずしも上乗せ特化ゾーンに移行させなくても良く、RG_E1またはRG_E2が入賞し、かつ所定の移行抽選に当選した場合に上乗せ特化ゾーンに移行させても良い。
またCAリプレイは上乗せ特化ゾーンへの状態移行契機役として機能するため、当該上乗せ特化ゾーン中に当選した場合、再度、アシスト報知をする必要はない。無闇にCAリプレイのアシスト報知をすると、遊技者に何らかの高い遊技価値が付与されると期待感を抱いてしまう場合がある。したがって、上乗せ特化ゾーン中にCAリプレイが当選した場合、通常リプレイのアシスト報知(嘘告知)を行うようになっている。
以上に説明した、昇格契機役(昇格リプレイや特殊リプレイ)に関するアシスト報知条件成立状態や、上乗せ抽選特化ゾーン、といった遊技者に有利に作用する「有利報知状態」の移行契機として作用する役種別については、本発明の効果を奏することができるものであれば特に制限されない。
なお上述の「有利報知状態」とは、AT遊技、昇格チャンスゾーン、または昇格契機役に係るアシスト報知条件成立状態(たとえば、昇格リプレイ前兆AT遊技)、上乗せ特化ゾーンなどを広く包含する概念であり、上記AT遊技移行契機役は、その有利報知状態への移行(発生)契機(有利報知状態移行契機に相当)として作用する抽選対象役および/または入賞役(特別抽選契機役に相当)を指す。すなわち、遊技状態の移行が複数の遊技状態に跨る場合であっても、最終的に有利報知状態への移行となるきっかけを作る役であれば、これを上記AT遊技移行契機役と捉えることができる。この「遊技状態の移行が複数の遊技状態に跨る場合」とは、たとえば、昇格チャンスゾーンをのように、必ずしも有利報知状態に移行できるとは限らないが、アシスト報知条件成立状態が許容され(またはアシスト報知条件の成立確率が高確率となり)、このような遊技状態を経由して、AT遊技に移行される場合が該当する。したがって、上記昇格チャンスゾーン移行契機役もAT遊技移行契機役の概念に含むことができる。
(フリーズ演出について:図22)
次に、フリーズ演出について説明する。
本実施形態では、所定のフリーズ開始条件に基づいて、遊技の進行を所定期間(フリーズ時間)に亘り一時的に停止状態とするフリーズ演出を発生可能に構成されている。本実施形態に係るフリーズ演出は、回胴回転始動レバー11の操作後、所定のタイミングで回胴の停止操作の受付を一時的に無効化にして所定期間(フリーズ時間)遊技の進行を遅延させる遅延状態下に置き、その遅延状態中を利用して、通常とは異なる遊技動作(たとえば、通常時の回胴の回転動作とは異なる動作態様)を発生させ、遊技者に意外性を与える演出として用いられる。なお、上記フリーズ演出は、回胴回転始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間に亘り発生し、その後、回胴が通常の回転始動動作に入るようになっているが(後述の図10のステップS156〜S158、または図11のステップS172〜S174参照)、本発明はこれに限られない。たとえば、回胴回転停止ボタン12の停止操作を契機に、または遊技結果が導出表示されたことを契機に、遊技の進行を所定期間(フリーズ時間)に亘り一時的に停止状態としたフリーズ演出を発生させることができる。つまり、回胴回転始動レバー11の操作から遊技結果が導出表示されるまでの任意のタイミングで発生させるように構成しても良い。上記遊技結果が導出表示されたことを契機とする場合、遊技結果の導出後、遊技メダルの払い出し処理の進行を一時的に停止状態(遅延状態)とし、その遅延状態中を利用して、回胴の動作および/または演出手段を利用したフリーズ演出を発生させることができる。
本実施形態では、上記遅延状態期間を利用して、回胴の回転動作を通常動作とは異なる特別動作態様に制御して、その動作態様により、たとえば、当選役種別や、当選役が属する種別(小役種(一般小役種リプレイ役種)または特別役種)や、遊技状態の移行可能性がある旨(たとえば、一の主制御側遊技状態から他の主制御側遊技状態への移行可能性がある旨、または一の演出状態から他の演出状態への移行可能性がある旨)や、上乗せゲーム数などを示唆(暗示)または確定的に報知する期待(予告)演出として機能する「フリーズ演出」を発生可能に構成されている。以下では、フリーズ演出に係る回胴の回転動作を「変則回転動作」と称する。
(フリーズ演出抽選テーブル:図22)
上記フリーズ演出態様には、図22に示すように、フリーズ1〜フリーズ4の複数種類のフリーズ演出が設けられており、少なくとも内部抽選結果(本実施形態では、遊技状態および内部抽選結果)に基づき、いずれのフリーズ演出を発生させる否かが抽選(フリーズ演出抽選)されるようになっている。
(フリーズ演出抽選契機役について)
本実施形態では、フリーズ演出抽選契機役として、一般小役種のうち、ATを除き、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、およびAT確定役が、特別役種としてBB2(単独当選)が定められている。
上記フリーズ1〜フリーズ4は、回胴回転始動レバー11の操作(正確には、回胴回転始動レバー11の操作を契機に実行される内部抽選の後)から回胴回転停止ボタン12が有効化されるまでに発生し、それぞれ変則回転動作態様が異なるように制御される。これらフリーズ1〜4の発生により、たとえば、特定の役の当選可能性がある旨を報知し、これにより、遊技者に有利に作用するチャンスが到来した旨、具体的には、アシスト報知条件成立のチャンスや、昇格チャンスゾーンへの移行チャンスや、上乗せ抽選の実行チャンスなどが到来したことを報知し、フリーズ演出の違いにより、その期待度が異なるようになっている。
本実施形態のフリーズ演出に係る変則回転動作態様については、「フリーズ1」では、回胴の回転始動時の回転動作として、まず全回胴が1/4コマ分、通常回転方向に回転後、約2秒程度(第1の遅延期間)回胴を仮停止状態(疑似的な停止状態)とし、その後、通常の回転動作に制御される。なお、通常の回転動作に制御された後、回胴回転停止ボタン12が有効化され、回胴の停止動作が許容される(フリーズ2〜4も同様)。
また「フリーズ2」では、回胴の回転始動時の回転動作として、まず全回胴が1/4コマ分、通常方向とは逆方向に回転後、約5秒程度(第2の遅延期間)回胴を仮停止状態とし、その後、通常の回転動作態様に制御される。
また「フリーズ3」では、回胴の回転始動時の回転動作として、全回胴が1/4コマ分、通常方向とは逆方向に回転後、約5秒程度(第3の遅延期間(再始動前遅延期間))回胴を仮停止状態とし、さらにその仮停止位置から約10秒程度(第4の遅延期間(再始動後遅延時間))、通常方向とは逆方向に回転させる、といった一旦仮停止状態後に再始動する(仮停止状態は、少なくとも1回)再始動回転動作が行われた後、通常の回転動作態様に制御される。
また「フリーズ4」では、回胴の回転始動時の回転動作として、回胴回転始動レバー11の操作後、回胴が始動せずに約30秒程度(第5の遅延期間)停止状態(不回転状態)とし、その後、通常の回転動作態様に制御される。なおフリーズ4は、実際に回胴の回転動作を伴うフリーズ1〜3とは異なり、遅延期間が経過するまで、回胴は停止状態を保持したままとなっている。
特に、フリーズ4は、遅延期間が他のフリーズよりも長期間となっており、遊技者に与えるインパクトが強く、特に最高レベルの遊技価値を伴う役が当選した場合に高確率で選択されうるフリーズ演出となっている。したがって、フリーズ4が発生した場合、遊技者は、高利益が得られるという大きな期待感を持って遊技に興じるようになる。
上記フリーズ1〜4が発生した場合、そのフリーズ演出発生中において、演出制御部410は、演出手段に対して「フリーズ演出中演出」を現出制御可能に構成されている。このフリーズ演出中演出は、フリーズ1〜4に応じて異なる演出態様となっており、たとえば、フリーズ4では、他のフリーズ1〜3よりも派手な演出(祝福演出)が現出される。
また、フリーズ演出中における変則回転動作態様に特に制限はない。たとえば、フリーズ1〜4では、複数の回胴のうち、少なくとも1つの回胴を変則回転動作に係る回胴としても良い。またフリーズ1〜3では、仮停止位置で回胴が振動したり、今回の当選役、または今回の当選役ではなく、フリーズ演出の対象となる他の役に対応する図柄の組合せで仮停止する(偽装仮停止:たとえば、BB2単独当選時のフリーズ演出であるが、BB2と重複当選の可能性ある役(たとえば、強チェリー)に対応する図柄の組合せで仮停止する)、といった「演出のための停止状態」を行うことができる。またフリーズ4では、単に、回胴回転始動レバー11の操作後、単に、不回胴状態とするのではなく、フリーズ1〜3のような変則回転動作を伴っても良く、たとえば、BBやAT確定役を含む特殊な図柄の組合せを所定期間仮停止表示した後、通常の回転動作に制御する、といったものでも良い。
(ペナルティについて)
本実施形態では、多くの抽選対象役およびその役構成、複数種類の遊技状態を実効化することにより遊技性を向上させている一方、遊技機に求められる機械割や射幸性などを考慮し、遊技進行上に関する罰則として、所定のペナルティを発生可能に構成している。ペナルティを科す理由は、次の通りである。
パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(たとえば、別表第5 回胴式遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格)により、機械割や射幸性が厳しく制限されている。そのため、遊技方法を遊技者に守らせて、想定外の出玉(たとえば、遊技者により意図的に多くの出玉を得られてしまうような状態)を抑制しつつも、遊技者が満足する遊技性を作り出すため、遊技進行に関する所定のペナルティを科すようにしている。
本実施形態では遊技者の利益を左右する役として、RG_B1〜B4の昇格リプレイや、RG_C1〜C5の転落リプレイや、RG_D1〜D5の特殊リプレイなどを設けてある。たとえば、RG_B1〜B4の昇格リプレイについては、変則押し4択正解の手順(第1停止操作回胴が特定の回胴(ここでは、左回胴5a)以外の押し順2通り(「左、中、右」「左、右、中」の押し順)を除いた残りの4通りの押し順のいずれか)が割り当てられているので、仮に、何らペナルティを科さずに、自由な回胴の停止操作(押し順操作)を許容してしまうと、遊技者が偶然にまたは意図的に変則押し4択正解となる押し順を行う場合がある。この場合、昇格リプレイのアシスト報知が発生していないにもかかわらず、準備ART遊技に昇格移行されてしまうことが発生しうる。
また本実施形態では、AT1〜AT4よりもAT5〜12の方が当選確率が高く定められており(図20参照)、当該当選確率が高いAT5〜12によるベル1の押し順の割り当ての大半が、第1停止操作回胴が左回胴5a以外の押し順に偏りを持たせている。したがって、これを知る遊技者は、中押しや逆押しを対象とする‘変則押し’(第1停止操作回胴が左回胴5a以外の押し順)を毎ゲーム行い、ベル1の配当を意図的に高確率で獲得しながら、第1停止操作回胴を左回胴5とする押し順の場合よりも遊技メダルを減らすことなく、高い遊技価値を付与する役(たとえば、BBや昇格契機役)の当選や、現在の遊技状態よりも相対的に遊技者にとり有利に作用する遊技状態への状態移行を待つ、といった技術介入が容易できてしまう。その結果、想定していた機械割のバランスが崩れてしまう恐れがある。
このように遊技進行上、想定していない事象が発生してしまうことを抑制することが必要となる。そこで、遊技者が所定の遊技方法に従わない場合、遊技者に不利に作用する所定のペナルティを科し、遊技機における遊技方法を遊技者に守らせるようにしている。
上記ペナルティの内容としては、本来ならば得ることができた利益を制限するものであれば良い。たとえば、遊技者に有利に作用する遊技状態(本実施形態では、準備ART遊技または本ART遊技)への移行を制限しうるようなペナルティが挙げられる。
本実施形態では、少なくとも演出状態に応じて、所定のペナルティを科すようになっている。具体的には、たとえば、非AT遊技中での変則押しを実行した場合(非AT遊技中での変則押しを実行し、かつベル1が入賞した場合(ベル1による遊技価値(配当)を得た場合であっても良い)や、何らかのアシスト報知が発生していない状態(非アシスト報知中)での変則押しを実行した場合に、所定のペナルティを科すようにしている。このペナルティの内容としては、たとえば、所定のゲーム数間(ペナルティゲーム数間)、遊技者に不利なゲーム展開がなされるといったものが挙げられる。具体的には、所定のペナルティゲームが消化される期間中(ペナルティ期間中)に特定の役に当選しても、昇格チャンスゾーンの発生やアシスト報知の発生自体を無効とし(たとえば、昇格チャンスゾーン移行抽選や、昇格リプレイ報知抽選などを不実行としたり、その抽選に当選しても無効扱い(ハズレ)としたりする)、アシスト報知が実行されることを制限する、換言すれば、ペナルティ期間中は、AT遊技開始条件(AT遊技への移行条件)が成立することを制限するようになっている。これらの処理は、後述する図26の遊技開始コマンド受信処理中で行われる。
このペナルティが特に効果を発揮するのは、RT1遊技中において、変則押しをした場合である。RT1遊技中においては、変則押しを実行した場合に上述したペナルティ(アシスト報知の制限)を科すことで、正規ルートを辿ることができなくなり、準備ART遊技(RT2遊技+AT遊技1)への移行が妨げられ(昇格リプレイの入賞により、たとえRT2遊技に移行できたとしても、この場合は、AT1遊技が発生しない)、仮に、ペナルティ期間が短期間であっても、遊技者にとり極めて不利なゲーム展開となる。したがって、遊技者は、ペナルティが科されないように、所定の遊技方法(正規手順)を厳守するようになる。本実施形態では、原則として、変則押しによりペナルティが科されるため、通常時(非AT遊技中またはアシスト報知未実行時)は、「第1停止操作回胴を左回胴5aとする押し順」を実行することが正規手順となる。特に、昇格リプレイのアシスト報知が禁止されるとRT2遊技への移行が妨げられるため、正規手順を厳守させるためには効果的である。
本実施形態のように、演出制御部側の制御により遊技者の利益に大きな変化をもたらすような遊技機、詳細には、主制御部側の制御(役抽選手段、停止制御手段)による特定の役(疑似ボーナス役、昇格契機役、転落契機役などのAT遊技移行抽選契機となり得る役)の入賞の容易さまたは困難さを、演出制御部側の制御(演出状態の制御(アシスト報知の現出制御))で変化させることにより、特定の役の入賞を容易なものとして、遊技状態間の移行に係る移行頻度を高めたり、短期間であっても、その役の入賞を著しく困難なものとして当該移行頻度を低めたりする、といった遊技状況を作り出す遊技機においては、主制御部400側が管理しえない演出状態に係る上記のようなペナルティは重要な意義を有する。
なお上記のようなペナルティは、遊技性(役構成やその配当、遊技状態間の移行条件など)に応じて、種々のペナルティを定めることができる。たとえば、上記昇格チャンスゾーンの発生条件として、既に説明したように、所定の天井ゲーム数(777ゲーム)を定めている場合は、ペナルティの内容として、当該天井ゲーム数までのカウントを所定のゲーム数を消化するまで停止(たとえば、ペナルティゲーム数として、10ゲーム消化されるまで、天井ゲーム数のカウント停止)させることができる。つまり、ペナルティゲーム数がペナルティが科される期間となり、当該ペナルティゲーム数分(1回のペナルティに付き10ゲームのペナルティ)、天井ゲーム数が先延ばしされることになる。斯様なペナルティが科されてしまうと、本来ならばRT遊技1に移行した後、天井ゲーム数の「777ゲーム」消化することで上記昇格チャンスゾーンが発生したはずが、10ゲーム延長された「787ゲーム」消化しなければ昇格チャンスゾーンが発生しない、ということになり、遊技者に不利なゲーム展開となる。
以上に説明したように、ペナルティは、遊技性の関係上とはいえ、遊技者に不利なゲーム展開を強いるものである。したがって、正規手順でない場合(不正規手順の場合)に一律にペナルティを科してしまうと、遊技者の遊技意欲を低下させたり、遊技機に対する不信感を与える場合がある。そこで本実施形態では、所定の条件下で、ペナルティを科さないようにしている。以下に、ペナルティが科されない所定の除外事象(ペナルティ除外対象)について説明する。
(ペナルティの除外対象について)
本実施形態では、既に説明したように、AT確定役が当選すれば、本ART遊技(RT遊技3+AT2遊技)への移行が確定的となり、また本ART遊技継続ゲーム数や上乗せ時にも最高レベルの継続ゲーム数が付与されうる。この点で、AT確定役は、他の役(たとえば、昇格移行を伴うRG_B1〜B4やRG_D1〜D5)よりも遊技価値が相対的に高く、最高レベルの遊技価値を伴うプレミアム的な役としての位置付けとなっている。これは、AT確定役が一般小役種のうち最も低い当選確率(4/65536:図19参照)であり、遊技者に特別な特典を付与するという観点からである。
したがって上記AT確定役のような高い遊技価値を伴う役への当選は、遊技者の最大の関心事といえる。したがって、AT確定役がペナルティ期間中に当選した場合に、当該当選によるアシスト報知を禁止してしまうと、AT確定役による遊技価値が無に帰すことになり、これは、遊技者にとって酷に過ぎる。またこのような事態は、遊技者の遊技意欲を著しく低下させ、遊技機に対する不信感を増大させてしまう恐れがある。
そこで本実施形態では、上記問題点に鑑み、救済機能として、AT確定役自体をペナルティ対象として除外し、たとえ、ペナルティ期間中であっても、AT確定役当選によるアシスト報知の発生権利を無効とせず、これを有効として扱うようにしている。上記救済機能は、アシスト報知の現出制御に関わるものであり、演出制御部410がその機能部を担う。
なお上述では、AT確定役をペナルティ対象外として説明したが、本発明はこれに限られない。上記問題点に関連して、フリーズ演出について、これをペナルティの除外対象とすることができる。その理由は次の通りである。
上記フリーズ演出は、通常時の遊技進行に係る演出とは異なり、遊技進行を一時的に中断する、といった遅延期間を伴う異質な演出となっており、主として、高い利益が付与されうる、またはその契機(たとえば、AT遊技への移行契機)となることを報知または暗示する予告演出(高期待度演出)として利用されることから、フリーズ演出が発生した時点で遊技者は利益獲得に対する多大な期待感を寄せることになる。そのため、上記フリーズ演出を伴う場合、これをペナルティ対象外とすることが好ましい。
またフリーズ1〜4のすべてをペナルティ対象外とするのではなく、特定のフリーズ演出種別、たとえば、期待度が相対的に高い「フリーズ3」または「フリーズ4」を伴う場合、これをペナルティ対象外として扱っても良い。この場合は、AT確定役の他、フリーズ3が選択され得る「強チェリー」や「強スイカ」なども(図22参照)、ペナルティ対象外の役となり得る。
なお本実施形態では、ペナルティが科される条件として、AT遊技が発生していない状態(非AT遊技中)での変則押しを実行した場合や、何らかのアシスト報知が発生していない状態(非アシスト報知中)での変則押しを実行した場合としたが、次のような場合はペナルルティを科さなくとも良い。
たとえば、今回のゲームにおいて、どのような押し順をしても、何ら機械割に影響しない状態下で、変則押しをした場合が挙げられる。具体的には、今回のゲームの当選役が、押し順が関係する「押順規定役」ではない場合、つまり「押順不問役」である場合、例外的にペナルティを科さない構成としても良い。押順不問役であれば、押し順に応じて入賞役が異なることがないため、ペナルティを科す必要に乏しく、特に遊技上の不都合も生じないからである。
また、昇格リプレイのアシスト報知条件成立状態のように、アシスト報知自体は発生していないが、アシスト報知が発生することが予定されている場合、これをアシスト報知中として扱い、例外的にペナルティを科さない構成としても良い。これは、正規手順によるアシスト報知条件成立状態後にペナルティが科され、予定されていたアシスト報知が無効化されると、遊技者に酷に過ぎるからである。
ただし、本来ならばペナルティが科されるが、上述のように、例外的にペナルティが科されない状態であったような場合は、遊技者が不正規手順を実行したことを知らせるべく、後述の警告演出を行うことが好ましい。
(特別役(BB)に関するペナルティについて)
なお「BB」は、ボーナス遊技という特別遊技状態に移行させる役であり、このボーナス遊技は、AT遊技のような演出状態の違いにより遊技者に利益をもたらすというものではなく、専ら一般小役種の確率を高めて遊技者に利益をもたらすという遊技状態となっている。このため、BBについては、演出に関するペナルティを科す必要性はなく、これをペナルティの対象とはしていない。
混同してはならないのは、ペナルティを科すことに意義のある役は、主制御部側で管理しえないAT遊技の移行制御(AT遊技に係る継続ゲーム数、上乗せゲーム数の管理制御を含む)に関係する役(本実施形態では、特定の小役種)であるという点である。したがって、次のような性能を有するBBを設けた場合は、ペナルティの対象とすることができる。
たとえば、BB当選によるボーナス遊技中において、押順規定役(たとえば、AT1〜AT12)が高確率で当選する遊技状態とし、さらに当該AT当選に係る有利入賞役(たとえば、ベル1)のアシスト報知の有無により遊技者の利益を左右する、といった、所謂「ツインボーナス」を機能を持つ遊技機とした場合である。たとえば、BB1当選でアシスト報知無しのボーナス遊技(ノーマルボーナス)、BB2当選でアシスト報知有りのボーナス遊技(ハイパーボーナス)といった場合である。この場合のボーナス遊技は、演出制御部410側で制御される、有利入賞役のアシスト報知を伴うAT遊技発生の有無により、遊技者の利益を左右することから、ペナルティ中にBBに当選した場合、アシスト報知の発生を制限するというペナルティを科すことができる。
上述のようなAT遊技を伴うボーナス遊技を設けた場合、フリーズ演出の発生の有無に応じて、ペナルティを科すことができる。本実施形態では、RT1遊技中のBB2の単独当選の場合、フリーズ4が発生するようになっている(図15のBB2の欄、図19のBB2の欄、図22の単独BB2の欄参照)が、変形例として、BB重複役1〜6においても、所定の確率でフリーズ演出が発生するように構成し、ペナルティ中に、BB2に当選してフリーズ演出が発生した場合は、ペナルティを科すことなく、ハイパーボーナスを発生させ、BB2に当選してもフリーズ演出が発生しなかった場合は、ペナルティとして、ノーマルボーナスとすることができる。なお、「BB2に当選してもフリーズ演出が発生しなかった場合」とは、BB重複役2(強チェリー+BB2)またはBB重複役4(強スイカ+BB2)に当選した場合にフリーズ演出抽選にハズレとなった場合である。
(ペナルティ中の警告演出)
本実施形態では、ペナルティが発生した場合、演出手段により、ペナルティ期間中である旨を報知する警告演出を現出するようになっている。たとえば、液晶表示画面6a上に、ペナルティが科された旨を知らせる警告表示を行う(ペナルティ中の警告演出の詳細は図26にて後述する)。この警告演出により、遊技者に対し、ペナルティが科された旨を報知し、以後、正規手順に従うよう促すようになっている。
(準ペナルティについて)
以上では、ペナルティ中にAT確定役やフリーズ演出が発生した場合、所定のペナルティの内容をそのものを科さない例について説明した。しかし本発明はこれに限らず、次のような形態とすることができる。
遊技機の遊技性によっては、ペナルティが科されたときの遊技者に対する負担が異なる。したがって、ペナルティを科したときに、遊技者が「この程度のペナルティは仕方ない」と思える軽度のペナルティを科すことで、遊技者の遊技意欲を低下させたり遊技機に対する不信感をあまり与えることなく、遊技者に正規手順に従うように厳守させることができる場合もある。そこで、所定の除外事象が発生した場合(本実施形態では、AT確定役の当選やフリーズ演出発生など)、ペナルティを完全除外とするのではなく、本来のペナルティは科さないが、それよりも軽度のペナルティを科す(本来のペナルティ内容よりも、遊技者にとり相対的に低いペナルティ内容を科す)といった形態とすることができる。つまり、ペナルティによる遊技者の遊技価値の損失という観点からは、「準ペナルティによる遊技価値の損失<本来のペナルティの遊技価値の損失」となる。
たとえば、代表的に、RT1遊技中におけるペナルティ中において、AT確定役が当選し、ART直撃ルートを辿って、本ART遊技に移行した例をとって説明する。
AT確定役をペナルティ対象から完全除外した場合は、何らペナルティの影響(アシスト報知の制限)を受けずに、その利益すべてを得ることができる。しかし、この形態の場合では、軽度のペナルティとして、たとえば、本ART遊技までの移行は保障するが、プレミアム継続ゲーム数の100ゲームは保障せず、それよりも少ない継続ゲーム数、たとえば、AT確定役よりも相対的に低い遊技価値を伴う青7リプレイ時の継続ゲーム数の70ゲーム(たとえば、青7リプレイ時に選択され易い継続ゲーム数)は保障し、赤リプレイ時の継続ゲームの30ゲーム(たとえば、赤7リプレイ時に選択され易い継続ゲーム数)とはしない、といったペナルティとすることができる。
以上のように本実施形態では、たとえば、AT遊技を伴う準備ART遊技や本ART遊技(上乗せ特化ゾーンを含む)への移行ルートには、AT遊技移行契機役の当選に起因した「昇格契機役に係るアシスト報知条件の成立(前兆AT遊技移行)(たとえば、昇格チャンスゾーンを介した昇格リプレイ報知条件の成立、特殊リプレイ報知条件の成立)」、「天井ゲーム数到達」、「ART直撃ルート」など、といった複数種類のAT遊技移行ルートを定めることができる。すなわち、AT遊技への移行契機(AT遊技移行契機)には、‘複数種類のAT遊技移行契機役のいずれかに当選(または入賞)および/またはフリーズ演出の発生・未発生を契機に’、‘天井ゲーム数到達を契機に’、などといった1または複数種類の移行契機(複数種類の有利報知状態移行契機)を定めることができる。
そして本実施形態では、遊技者に酷にすぎないように、ペナルティ除外対象となる事象を定めている。具体的には、特定の有利報知状態移行契機(たとえば、AT確定役の当選、またはフリーズ演出の発生(特定のフリーズ演出種別(たとえば、フリーズ4))の発生であっても良い)に基づく上記有利報知状態移行は抑制しない一方、それ以外の上記有利報知状態移行契機(たとえば、弱チェリー当選、フリーズ演出未発生(特定のフリーズ演出種別(たとえば、フリーズ4)の未発生であっても良い)に基づく有利報知状態移行を抑制することができるようになっている。
(RT4遊技(内部当選中低確率RT遊技)について)
次に、RT遊技4について説明する。このRT4遊技は、上記RT0遊技〜RT3遊技中にBB1が当選した場合に移行される内部当選状態用のRT遊技となっており、上記した一般遊技状態におけるRT0遊技〜RT3遊技とはその性質を異にする。なお、RT4遊技中は、リプレイ役種のうち、RG_A、およびRG_E1〜E2の3種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっており(図18参照)、またRT4遊技に移行した場合には、BB1が入賞するまで、他の遊技状態には移行されないようになっている。また詳細は後述するが、RT5遊技は、BB2が当選した場合に移行される内部当選状態用のRT遊技となっている。
上記RT4遊技は、既に説明したように、リプレイ役の当選確率がRT0遊技およびRT1遊技の少なくともいずれか一方と略同一となっており(本実施形態では、RT0遊技、RT2遊技中、およびRT4遊技がそれぞれ略同一)、どのRT遊技に滞在しているかを演出上で明示されない限り、その判別が極めて困難なものとなっている。したがって、RT0遊技中またはRT1遊技中にBB1が当選し、たとえRT4遊技に移行したとしても、遊技者がそれを察知することができない。
そこで本実施形態では、RT0〜3遊技のように、特定の役の当選または入賞を契機として、他のRT遊技には移行することのない「RT4遊技」という特殊な遊技状態を設け、このRT4遊技中において、通常では出現することのない特殊な停止表示態様の「リーチ目」を高確率で出現させる。このリーチ目が高確率で出現することにより遊技者に違和感を与え、現在の遊技状態がRT4遊技中である旨、つまりBB1が内部当選中である旨を遊技者に知らせるようにしている。
(リーチ目)
上記した「リーチ目」とは、BBに当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上にボーナス役を引き込むことができない場合(BBの取りこぼしが発生した場合)、BBの当選確定である旨を報知するものとして導出表示される特殊な遊技結果(特殊な図柄停止表示態様)である。
このリーチ目は、BB内部当選中において、特に、今回の内部抽選結果がハズレの場合(他の役とBBとが重複当選状態でない場合)に出現率が高い。これは、BBが他の役との重複当選状態の場合には、後述の「チャンス目」や、当該他の役(取りこぼし目を含む)が優先的に導出されうる関係上、リーチ目の出現率は、上述のハズレの場合よりも低くなる。したがって、BBを取りこぼしたからといって、必ずしもリーチ目が出現するわけではない。
このリーチ目の導出表示は、当選フラグの成立状態と、遊技者による回胴の停止操作手順(停止操作タイミングおよび押し順の少なくともいずれか一方)とに応じて、上記リーチ目をを導出表示させるように回胴を停止制御するための「BB内部当選用停止テーブル」により実現される。なお、このBB内部当選用停止テーブルには、RT4遊技中に利用される第1のBB内部当選用停止テーブルと、後述のRT5遊技中に利用される第2のBB内部当選用停止テーブルとが含まれる。これらは、少なくとも上記リーチ目の出現率(出現度合い)が異なるように構成した停止データが定められており、具体的には、上記RT4遊技中の方が後述するRT5遊技中よりも、リーチ目の出現率が高くなるような停止データを定めている。これは、RT4遊技中ではBB(ここでは、BB1)を取りこぼした際にリーチ目の出現率を高めるといった演出効果に主眼を置き、後述のRT5遊技中では、連続演出の出現率を高めるといった演出効果に主眼を置いているからである。
(BBチャンス目)
次に、上述の「BBチャンス目」ついて説明する。この「BBチャンス目」とは、ボーナスであるBB1またはBB2と重複当選可能な‘強チェリー’または‘弱チェリー’に当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上にいずれの入賞役も引き込むことができずに取りこぼした場合、強チェリーまたは弱チェリーの当選確定を示唆するものとして導出される図柄の停止表示態様である。なお、BBが強スイカまたは弱スイカと重複当選した場合、強スイカまたは弱スイカが優先的に引き込まれ(小役優先制御)、かつその取りこぼしは発生しないので、BBチャンス目は出現しない。この「BBチャンス目」の導出表示は、上記「リーチ目」に関する停止テーブルと同様に、遊技結果として「BBチャンス目」を導出表示させるように回胴を停止制御するための専用の停止テーブルにより実現される。
(RT0遊技〜RT3遊技中のチャンス目出現について)
RT0遊技〜RT3遊技中において、上記「BBチャンス目」が出現した場合には、BBと重複当選する‘強チェリー’や‘弱チェリー’を取りこぼしだけでなく、BBを取りこぼした可能性もある。つまりBBチャンス目が出現した場合には、たとえば、‘BB1+弱チェリー’のBB1重複役か、または‘弱チェリー’の単独当選役のどちらの役に当選したか不明であり、BBの当選確定ではない点で、上記リーチ目が出現した場合と事情が異なる。
他方、RT4遊技中は、BB1の内部当選状態であることを示唆するために、‘強チェリー’や‘弱チェリー’の取りこぼし時であっても、上記BBチャンス目を出現させずに、リーチ目を出現させ、他のRT遊技中よりもリーチ目が出現する度合いを高めるようにしている。またRT4遊技以外の他のRT遊技において、当選役(たとえば、AT役種(AT1〜AT12))を取りこぼした場合、当該当選役の取りこぼし目を遊技結果として導出するようになっているが、RT4遊技中においては、当該取りこぼし目でなく、リーチ目を優先的に遊技結果として導出させ、リーチ目が出現する度合いを高めるようにしている。特に遊技初心者にあっては、リーチ目が如何なる停止表示態様であるかの知識が乏しく、上記のように、通常では出現することのない特殊な出目である「リーチ目」の出現率を高めることは、遊技初心者であっても違和感を受けやすいと考えられるため有用である。
なお「リーチ目」は、複数種類設けても良いし、単一であっても良い。リーチ目を複数種類設ける場合は、上記BB2の取りこぼしの場合に出現するリーチ目と、上記BB1の取りこぼしの場合に出現するリーチ目が一部共通するものであっても良い。
また、後述のRT5遊技においてBB2の取りこぼしの場合に出現するリーチ目と、上記RT4遊技においてBB1の取りこぼしの場合に出現するリーチ目とは異なるものであっても良い。この場合、BB1当選確定目としてのリーチ目と、BB2当選確定目としてのリーチ目とを出現させることができるので、当選した特別役種別をリーチ目の違いにより遊技者に告知することができる、といった効果を奏することができる。
またBB2の取りこぼしの場合に出現するリーチ目とBB1の取りこぼしの場合に出現するリーチ目とが同一なものであっても良い。この場合、BB役種を秘匿することができるので、いずれのBBが当選したかの推測要素を遊技者に与えることができる、といった効果を奏することができる。
(RT5遊技(BB2内部当選中高確率RT遊技)について)
次にRT遊技5について説明する。このRT5遊技は、RT4遊技と同じく内部当選状態用のRT遊技であるが、BB2が当選した場合に移行される点と、リプレイ役の当選確率が上記RT4遊技よりも高確率となる点、および後述の連続演出が現出される度合いが高まる点で、同じBB内部当選遊技状態である上記RT4遊技とは、その性質を異にする。なお、上記RT5遊技中はRT4遊技中と同じく、リプレイ役種のうち、RG_A、およびRG_E1〜E2の3種類のリプレイ役種が単独当選可能な遊技状態となっている(図18参照)。また、RT5遊技中は、BB2が入賞するまで、他の遊技状態には移行されないようになっている。
(連続演出)
上述の「連続演出」とは、連続する複数回のゲームに跨って相互に関連した演出を連続的に現出する特別な演出態様をいい、1ゲーム限りで完結する基本的な演出とは異なる。この連続演出は、複数回のゲームに亘り展開されていく演出の内容、または連続演出の演出結果により、当選役や現在の遊技状態(たとえば、BB内部当選中状態)を示唆または告知する、といった演出態様を広く包含する。なお「相互に関連した演出」とは、代表的には、ストーリー性を有する物語風演出(昔話の「桃太郎」に纏わる話が進行していく様を表現した演出内容)や、敵との対戦を模した対峙演出(対戦の勝敗により結果を導出する、所謂「バトル演出」)などのように、何らかの観念的な関係を有する演出態様である。
上記連続演出は、内部抽選結果に基づき現出されるようになっている。この場合、次のような連続演出の現出条件を定めることができる。たとえば、(1)連続演出発生抽選契機となる特定の役のいずれかに当選した場合、所定の抽選(連続演出発生抽選)を実行し、この抽選に当選した場合、連続演出を現出させることができる。この特定の役は複数種類でも良く、またハズレを除いても良いし、ハズレを含んでも良い。なお、連続演出発生抽選契機となる役が複数種類ある場合、各役に対応する抽選確率は、適宜定めることができる。特に、RT5遊技中では、リプレイ役の抽選確率が高確率となり、また引き込み優先順位の関係から、リプレイに当選した場合には、他の役に当選した場合よりも相対的に高確率(100%で発生させても良い)で連続演出を開始させることが好ましい。
斯様な連続演出の現出制御は、演出制御部410がその機能部を担う「特別演出現出制御手段」により現出制御される。この特別演出現出制御手段は、回胴回転始動レバー12の操作を契機に主制御部400から送られてくる演出制御コマンド(たとえば、後述の「遊技開始コマンド」)を受信したこに基づき、連続演出の現出制御を行うように構成しても良いし、回胴回転停止ボタン12の停止操作を契機に主制御部400から送られてくる演出制御コマンド(たとえば、後述の「停止結果情報コマンド」)を受信したことに基づき、各回胴を停止していく段階(たとえば、リプレイ役当選時の第1停止操作後、リーチ目やチャンス目の導出表示の可能性がある段階など)で連続演出の現出制御を行うように構成しても良い。
上記RT5遊技では、リプレイ役種の当選確率が他の役よりも高確率である点(図19〜図20参照)と、引き込み優先順位(ボーナス役<小役<リプレイ役(最優先))の性質とを利用し、現在の遊技状態がBB2の内部当選中であることを示唆するべく、上記連続演出が出現する度合いを他の遊技状態よりも高くしている。これはRT5遊技が連続演出を発生しても不都合が少ない特殊な遊技状態に起因する。この点、上記RT4遊技のように、リーチ目を出現しやすくする遊技状態とは大きく異なる。RT5遊技が連続演出を発生しても不都合が少ない特殊な遊技状態である理由は次の通りである。
RT5遊技中は、リプレイ役の当選確率が他の役よりも高確率となっている。このため、BB2とリプレイ役(RG_A、およびRG_E1〜E2のいずれか)との重複当選状態が頻繁に発生し、この重複当選状態においては、引き込み優先順位により、当該リプレイ役が優先的に有効入賞ライン上に引き込まれることになる。またBB2と小役とが重複当選した場合も同様に、上記引き込み優先順位によりBB2よりも当該小役が優先的に引き込まれることになる。したがって、RT5遊技中は、リプレイ役の高確率当選状態と相まって、BB2の入賞がリプレイ役の入賞または小役の入賞により阻害され、BB2の入賞が1または複数ゲーム間、先延ばしにされるといった事象が高確率で発生しうる。このため、上記連続演出を現出させても、連続演出が途切れることが少なくなるものと考えられ、連続演出を最後まで展開させ易いといった利点がある。
なお、本発明の目的を達成可能な遊技性であれば、上記引き込み優先順位に関し「小役<ボーナス役<リプレイ役(最優先)」とするボーナス優先制御としても良い。
以上のように上記RT5遊技中においては、上述の先延ばしにされる事象が発生する度合いが高まることを利用し、RT4遊技中のようにリーチ目の出現率(出現度合い)を高めるといった遊技状態として機能するのではなく、連続演出の出現率を高めるといた遊技状態として機能するようになっている。
またRT5遊技中では、既に説明したように、連続演出の出現率を高めるといった観点から、回胴の停止制御(上記BB内部当選用停止テーブル)に関し、BB2を取りこぼしたときのリーチ目の出現度合いが、RT4遊技中よりも低くなるように構成されている。これにより、RT4遊技中では、リーチ目の出現という回胴の停止表示態様を利用した演出効果を発揮させることができ、他方、RT5遊技中では、連続演出という演出手段を利用した演出効果を発揮させることができるようになっている。これは、従来のように、単に、BBの種類に応じて演出手段による演出態様を異ならせるといったものではなく、当選したBBの種類に応じて、回胴装置と演出手段とを利用した異質な演出効果を発揮させることができることを意味する。
このように本実施形態では、当選したBBの種類に応じて、役割が異なる遊技状態に移行可能に構成し、ボーナス持越遊技中の予告演出(ボーナス当選を示唆する予告演出)を多彩なものとすることができる。その結果、ボーナス持越遊技中における遊技の面白みをより向上させることができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図7〜図20>
図7〜図20を参照して、主要な遊技動作を統括的に司る、主制御部400側の処理内容について説明する。
(1.主制御側メイン処理:図7)
図7は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部(主制御基板)400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、電源基板440から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27の処理が行われる。
図7おいて、まず主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS11)。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、今回のゲームの遊技状態の種別(RT0遊技中〜RT5遊技中、ボーナス遊技中)を確認し、これに対応する遊技状態フラグ(各RT遊技の種別を指定するRT0遊技フラグ〜RT5遊技フラグ、ボーナス遊技中であることを指定するボーナス作動フラグ)を設定する。上記遊技状態フラグにより、今回のゲームの遊技状態が指定される。
次に、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始可能となる規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値(数値範囲:0〜65535)を取得する(ステップS15)。
次に、取得した内部抽選用乱数値に基づく当選種別に関する内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する後述の抽選テーブル(図15〜図18)とに基づく内部抽選を行い、当該内部抽選結果に基づく当選情報(当選フラグ)を設定する。なお、上記内部抽選処理の詳細については図8にて後述する。
次に、リール演出抽選処理を行う(ステップS17)。このリール演出抽選処理では、後述のリール抽選テーブル(図22)参照して、ステップS16の内部抽選結果と現在の遊技状態とに基づくフリーズ演出抽選を行い、当該フリーズ抽選結果に基づき、必要な設定処理を行う。なお、上記リール演出抽選処理の詳細については図10にて後述する。
次に、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS18)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始する際に必要なデータ、たとえば、回胴の回転動作用の制御データ((通常時の回転動作やフリーズ演出による特別回転動作を実現するための回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するデータ)を設定したり、演出制御コマンドとして回胴始動を示す「回転開始コマンド」をセットしたりする。上記回転開始コマンドは、演出制御部410が回胴始動時おける演出(たとえば、回胴始動時の効果音の発生)を現出制御する際に利用される。かくして、各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。なお、遊技進行に伴う処理状態に応じてセットされる各種の演出制御コマンドについては、後述のコマンド出力処理(ステップS45)で演出制御部410(演出制御基板420)側に送信されるようになっている。上記回胴回転開始設定処理の詳細については図11にて後述する。
その後、全回胴が概ね一定速度になると、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作が許容状態になる。この状態で回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合には、停止操作の対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS19)。この回胴停止処理は、各回胴の回転状態および停止状態に基づき、押し順を監視(把握)する上記停止操作順番監視手段として機能する。
上記回胴停止処理では、上記当選情報(当選フラグ)と、必要であれば、回胴の停止操作手順とに基づき、目的とする停止テーブル(図示せず)を選択し、その選択した停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、これに基づく回胴の停止制御を行う。
またここでは、停止制御に係る情報として、回胴の停止操作順番(押し順)を示すデータ(停止操作順(押し順)データ)、既に停止している回胴数(停止回胴数)を示すデータ(たとえば、第1停止操作時の場合、既に停止している回胴数はないので、‘停止回胴体数=0’となる)、停止操作対象となった回胴を示すデータ(停止対象回胴データ)、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間(たとえば、213ms))などがセットされる。
そして回胴が停止した際は、その停止位置に基づき、各回胴において、いずれの入賞ライン上に、如何なる図柄番号の図柄が停止しているかを特定可能なデータ(入賞ラインデータ(図柄停止情報))を作成しセットする。この入賞ラインデータは、各回胴の停止毎に作成され、1ゲーム毎にクリアされる。なお、回胴の停止位置は、実際に回胴が停止した際にも把握することができるが、停止操作図柄番号と滑りコマ数とに基づいて、回胴が完全に停止する前段階で、当該回胴の停止位置を把握することもできる。
またここでは、回胴の停止制御時に係る演出制御コマンドとして、回胴の停止操作時には「停止情報受付コマンド」が、また回胴の停止時には「停止結果情報コマンド」がセットされ、これらコマンドが処理状態に応じて演出制御部410側に送信されるようになっている。
上記「停止情報受付コマンド」には、回胴の停止操作順番(押し順)を示す「停止操作順情報」や、上記停止回胴数を示す「停止回胴数情報」や、停止操作対象となった回胴を示す「停止対象回胴情報」などが含まれる。このコマンドにより、演出制御部410側が押し順を把握することができるようになっている。また「停止結果情報コマンド」には、上記図柄停止情報が含まれる。上記の「停止情報受付コマンド」および/または「停止結果情報コマンド」により、たとえば、ペナルティを科す条件として変則押しであるか否かや、リーチ目やチャンス目が導出表示されるか否かなどを、演出制御部410側が把握することができるようになっている。これにより、演出制御部410は、ペナルティを科したり、リーチ目やチャンス目が遊技結果として導出表示される場合に、所定の演出(たとえば、連続演出)を開始させることができる。
全回胴の停止が確認されると、続いて、入賞判定処理を行う(ステップS20)。この入賞判定処理では、上記図柄停止情報に基づいて、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したかどうか、つまり入賞が発生したか否かを確認する。当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したことが確認されれば、その停止した図柄の組合せに応じて、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。
またここでは、全回胴の停止時に係る演出制御コマンドとして、「入賞情報コマンド(全回胴停止コマンド)」をセットされる。この入賞情報コマンドには、全回胴停止時の停止図柄情報や、入賞ライン情報や、現在の遊技状態情報など、今回の遊技結果を特定可能な情報が含まれる。上記「入賞情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、今回の遊技結果を把握し、全回胴停止時(遊技結果導出時)の演出(たとえば、入賞演出)や、遊技結果に基づく演出状態の移行制御(たとえば、AT遊技の発生や、各種のAT遊技間の移行制御(たとえば、上乗せ特化ゾーンへの移行制御))など、遊技結果に応じた演出制御処理を行う。
次に、メダル払出処理を行う(ステップS21)。このメダル払出処理では、ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。
次に、RT遊技管理処理を行う(ステップS22)。このRT遊技管理処理では、通常遊技とRT遊技(本実施形態では、RT0遊技(通常遊技)〜RT遊技5)間の移行制御処理を行う。具体的には、遊技結果に基づいて、現在のRT遊技から他のRT遊技への「RT遊技移行条件(昇格移行、転落移行に関する条件)」が成立したか否かを判定し、その条件が成立した場合、移行先となる当該他のRT遊技への移行に必要な設定処理を行う。これにより図6に示す遊技状態遷移を実現している。
続いて、リプレイ役が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する(ステップS22)。リプレイが停止した場合(ステップS23:YES)、再遊技を付与するための設定処理(ステップS26)を行った後、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、リプレイが停止していない場合(ステップS23:NO)、次に、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS24)。
ボーナス遊技中である場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS27)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、ボーナス遊技中でない場合(ステップS24:NO)、次に、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する(ステップS25)。
ボーナス役が停止していない場合(ステップS25:NO)、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、ボーナス役が停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS28)。このボーナス遊技開始処理では、ボーナス役入賞によるRT遊技の終了の他、ボーナス遊技の開始に必要な各種の設定処理を行う。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13〜S28の処理を順次行う。
(1−2.内部抽選処理:図8)
次に図8を参照して、図7のステップS16の内部抽選処理の詳細について説明する。図8は、内部抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。
図8において、主制御部400は、まず、遊技状態フラグ生成処理(ステップS13)の遊技状態フラグを取得し、現在の遊技状態を把握する。
次に、ボーナス遊技中であるか否かを判定する(ステップS102)。以下では、説明の便宜上、ボーナス遊技中でない場合の処理ルート(S103〜S107を辿る処理ルート)とボーナス遊技中である場合の処理ルート(S113→S107を辿る処理ルート)とに分けて説明する。
(ボーナス遊技中でない場合(一般遊技状態中)の処理ルート:S103〜S107)
ボーナス遊技中でない場合には(ステップS102:NO)、一般遊技状態用の抽選テーブルDLOTとして、図15のRTZ抽選テーブルを取得し、そのRTZ抽選テーブルに係る抽選回数(当否判定回数)をメインCPU401bのBレジスタに初期設定する(ステップS103)。なお上記抽選回数は、RTZ抽選テーブルにおいて抽選対象となる役(抽選対象役)の種類数に相当する「26回」が設定される。なお、詳細は後述するが、上記RTZ抽選テーブルには、RT0遊技〜RT5遊技において共通して抽選対象となる役が規定されており、各RT遊技に対応した固有の抽選対象役については、後述のステップS106〜S107で利用されるRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル(図16〜図18)により規定されている。このRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルには、抽選確率が異なる抽選対象役(本実施形態では、1または複数種類の特定のリプレイ役種:図15、図17〜図20参照)が規定されており、これにより、各遊技状態ごとのリプレイ役の抽選確率(リプレイ役の合算当選確率)を変動させている。
続いて、上記RTZ抽選テーブルに基づいて、当選役を判定するための抽選判定処理を行う(ステップS104)。
(1−2−1.抽選判定処理(ステップS104):図9)
図9を参照して、図8のステップS104の抽選判定処理の詳細について説明する。図9は、抽選判定処理を示すフローチャートである。なお、後段階の処理におけるステップS107の抽選判定処理の処理内容は、このステップS104の抽選判定処理と実質的に同じ処理手順となっている。
図9において、主制御部400は、まず、現在の遊技状態とステップS103の処理で設定された抽選回数(Bレジスタの値)とで特定される抽選テーブルに基づき、今回の抽選対象役を取得する(ステップS131)。このステップS131の処理における抽選テーブルには、図15のRTZ抽選テーブルが利用される。なお図示はしていないが、RTZ抽選テーブルには、抽選回数で特定される抽選対象役に関する識別子として、抽選対象番号が設定されており、たとえば、上記RTZ抽選テーブルにおいては、最上欄の‘弱チェリー’を抽選対象番号を「1」とし、最下欄のBB2まで抽選対象番号1〜26が順次割り当てられている(図16〜図18の各抽選テーブルについても同様に、抽選対象とする抽選対象役に対応した抽選対象番号が割り当てられている)。
本処理に始めて入った場合、抽選回数には、初期設定値として、ステップS103の処理で設定された「26回」が設定されており、したがって、ここではまず、その抽選回数(Bレジスタの値)で特定される抽選対象役として、当該RTZ抽選テーブルの最上欄の‘弱チェリー(抽選対象番号1)’が抽選対象役として特定される。そして、その弱チェリーを対象に抽選(当否)判定が行われ、当該弱チェリーが非当選であれば、次欄の‘BB重複役1(弱チェリー+BB1)’が抽選対象役として取得され、同じく、このBB重複役1を対象に抽選(当否)判定が行われる、といった具合に、前欄の抽選対象役が非当選であれば順々に、最下段のBB2までの26種類の抽選対象役に対して、当選役であるか否かの抽選(当否)判定が行われることになる(後述するステップS132〜S134)。なお、この抽選判定処理の詳細については、追って説明していく。
ここで、抽選判定処理の内容の理解を容易なものとするために、先ず、各抽選テーブルについて説明しておく。
(抽選テーブルDLOTのデータ構成について:図14)
図14に、RT0遊技〜RT5遊技において共通して利用される「RTZ抽選テーブル(図15)」、各RT遊技(RT0遊技〜RT5遊技)それぞれに対応したRT遊技中用の抽選テーブルの「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル(図17〜図18)」、およびボーナス遊技中に利用される「ボーナス中抽選テーブル(図16)」の基本的構成である「抽選テーブルDLOT」のデータ構成を示す。
この抽選テーブルDLOTには、内部抽選に利用される必要なデータが定められており、上記RTZ抽選テーブル、RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル、ボーナス中抽選テーブルのそれぞれは、抽選テーブルDLOTを単位テーブルとして、抽選対象役の種類数分に対応する抽選テーブルDLOTで構成されている。
本実施形態では、36種類の小役系役種と、2種類の特別役種とを適宜組合せて、計43種類の抽選対象役が設けられている(図15〜図18の抽選テーブル参照)。具体的には、図15に示すように、BB1またはBB2と重複当選可能なBB重複役1〜6の計6種類と、図16〜図18に示すように各RT遊技中およびボーナス遊技中における計36種類の小役系(リプレイ役種を含む)の単独当選役と、計2種類の特別役種(BB1、BB2)のうちBB2の単独当選役とする、計43種類が設けられている。そして、ぞれぞれの抽選テーブル(図15〜図18の抽選テーブル)における抽選対象役の総数は、抽選テーブルDLOTにより特定される判定値JUV(図19〜図20に示す判定値(抽選対象役の当選確率を規定する値)と、ステップS15の処理で取得される内部抽選用乱数値(RAND)とを対比する抽選判定処理の処理回数を意味しており、それぞれの抽選テーブルにおける処理回数分(本実施形態では、図15に示すRTZ抽選テーブルでは処理回数が26回、図17〜図18に示すRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルでは、それぞれの処理回数が1回、4回、10回、3回、3回、3回。図15に示すボーナス中抽選テーブルでは処理回数が2回)のいずれかの抽選判定処理(ステップS104またはステップS107の各抽選判定処理)を経て、当選役が決定される役の「当選状態」となるか、そうでない「ハズレ」となるかが判定される。以上を踏まえ、続いて、図14に抽選テーブルDLOTの構成を詳細に説明する。
抽選テーブルDLOTは、上記の43種類の抽選対象役のそれぞれが図14に示す2バイト長で、抽選判定処理で使用すべき判定値JUVを特定するためのデータが定められている。具体的には、計43種類の抽選対象役のうち、各RT遊技(計5種類のRT0遊技〜RT5遊技)に共通する計26種類の抽選対象役(弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、AT確定役、AT1〜12、重複役1〜6、BB2単独当選役)については、図15の「RTZ抽選テーブル」により判定値JUVが特定され、他方、計17種類のリプレイ役の単独当選役(RG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5)については、各RT遊技に対応して、図17〜図18の「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル」により判定値JUVが特定されるようになっている。
すなわち、図15に示す「RTZ抽選テーブル」では、RT0遊技〜RT5遊技中に共通して抽選対象となる役が規定されているもので、ステップS104の抽選判定処理で利用されるものであり、図17〜図18に示す「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル」では、各RT遊技に対応した固有の抽選対象となる役が規定されているもので、ステップS107の抽選判定処理で利用されるものとなっている。本実施形態では、先ずRT0遊技〜RT5遊技中において共通して抽選対象となる役を対象とする抽選判定処理(ステップS104)を経て、そこで当選役が決定されなかった場合は、次いで、各RT遊技固有の抽選対象となる役を対象とする抽選判定処理(ステップS107)を行い、これにより今回の当選役を決定する、といった処理手順を踏むことにより、それぞれの遊技状態に応じて抽選対象役を一括して規定した抽選テーブルを利用するよりも、闇雲にメモリのプログラム領域を増加してしまうことを抑制してしまうことを回避することができるようになっている。
なお本実施形態では、各RT遊技においてBBの当選確率は変更されないため、BBの抽選に関しては、ボーナス持越遊技中とボーナス非持越遊技中とで、図15に示す「RTZ抽選テーブル」を共通して利用している。
再び図14の抽選テーブルDLOTの説明に戻る。図示のように、抽選テーブルDLOTの各欄(2バイト長)を構成する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)は、小役系役種(小役種およびリプレイ役種)に関する情報を示し、具体的には、その6ビットに基づいて、抽選対象となる小役系役種別(小役種およびリプレイ役種)が特定される。また、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)は、特別役種に関する情報を示し、具体的には、その3ビットに基づいて、抽選対象となる特別役(BB)種別(BB1、BB2)が特定される。ただし本実施形態では、BBの種類数が2種類(BB1、BB2)であるので、3ビットのうち2ビットを利用し(1ビットは未使用)、抽選対象となる特別役種別を特定している(たとえば、ビット情報として、01=BB1、10=BB2(00は、BB非当選(BBハズレ)など))。上述のように抽選テーブルDLOTでは、所定のビット情報により抽選対象役が特定されるようになっており、これを図15のRTZ抽選テーブルに参照して説明すれば、「小役種」の各役の欄は、図14の抽選テーブルDLOTの各欄(2バイト長)を構成する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)に該当し、「特別役種」の各役の欄は、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)に該当する。
なお、BBの単独当選役として規定される‘BB2’については、小役系の抽選対象役を特定する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)が、いずれも「ゼロ」に設定されており、これにより、BB2が単独当選役として規定される。この点は、単独抽選役として規定される小役系に属する抽選対象役についても同様であり、当該抽選対象役については、特別役種別を特定する第二バイトの下位3ビット(D0〜D2)が「ゼロ」に設定されており、これにより、小役系に属する抽選対象役が単独当選役として規定される。
また本実施形態では、BBが2種類であることから、第二バイトの下位3ビットのうち、D2は未使用領域となっている。この未使用領域は、特別役種を増加させた場合に利用可能な領域として保持してあり、これにより、特別役種を増加させるような設計変更があっても抽選テーブルを容易に変更することができるようになっている。この特別役種を特定しうる第二バイトの下位3ビットを最大限利用した場合、最大7種類(1種類はBB非当選を示す情報に利用)まで特別役種を増加させることができる。また、小役系の抽選対象役を特定しうる第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)を最大限利用した場合、63種類(1種類は小役非当選を示す情報に利用(たとえば、下位6ビットがすべてゼロ))の抽選対象役まで容易に増加させることができる。このように本実施形態では、抽選対象とする役の種類、各役の当選確率を変更して、機種変更の際にゲーム性を変更しても、制御プログラムやメモリ構造を共通化できるよう、データ領域として使用可能な最大限のメモリを確保している。そのため、本実施形態の抽選対象となる役の種類や当選確率などを全ての機種において必ずしも使用するとは限らず、設計変更の際、適宜変更することができる。
また本実施形態では、抽選対象役として、BBと特定の小役種(リプレイ役種を含む)とが重複当選可能な複数種類の重複役(BB重複役1〜6)が設けられている。斯様なBB重複役は、小役種を特定する第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)と、特別役種を特定する第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)とで特定される。たとえば、図15のRTZ抽選テーブルの「重複役1」の欄には、その第一バイトの下位6ビット(D5〜D0)により‘弱チェリー’を特定し、その第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)により‘BB1’を特定し、全体として、「弱チェリー+BB1」というBB重複役1を規定している。
ここで、上記抽選テーブルDLOTの第一バイトの上位2ビット(D7、D6)は、「判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKW:図19〜図20参照)」を特定しうる情報(判定テーブル識別情報)を示している。この判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKW)は、その抽選対象役に係る抽選判定処理において利用する判定値JUVを特定するテーブルとなっている。
(判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKW):図19〜図20)
上記各判定テーブルは、回胴設定基板430に設けられた設定スイッチにより設定された「設定値」に対応して、各抽選対象役に係る判定値が同一か否かで大別される。また、上記判定テーブルは、1バイト長の判定値(BYTE判定値)を定めているか、2バイト長の判定値(WORD判定値)を定めているかで、さらに区分されている。なお、判定値JUVは、その役の抽選確率(当選確率)を規定するので、BYTE判定値で抽選される抽選対象役より、WORD判定値で抽選される抽選対象役の方が、一般的には、当選確率が高いことになる。本実施形態では、抽選対象役の抽選確率を多様化し、また制御負担を軽減すべく、1バイト長の判定値を記憶するBYTEテーブルと、2バイト長の判定値を記憶するWORDテーブルとに大別している。
図19〜図20に、上記のように区分された4種類の判定テーブルを示す。図19に、一の抽選対象役に対し、設定値の相違にかかわらず、共通して利用されるBYTE判定値が記憶された「共通BYTE判定テーブル(ALB)」と、設定値の相違にかかわらず、共通して利用されるWORD判定値が記憶された「共通WORD判定テーブル(ALW)」とを示す。また図20に、一の抽選対象役に対し、BYTE判定値が設定値(設定値1〜6)ごとに記憶された「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」と、WORD判定値が設定値(設定値1〜6)ごとに記憶された「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」とを示す。
(判定テーブルの決定について:ステップS132)
これらの判定テーブルは、上述したように、抽選テーブルDLOTの第一バイトの上位2ビット(D7、D6)の判定テーブル識別情報により特定される。ここでは、ステップS104の抽選判定処理で利用される、図15のRTZ抽選テーブルに着目しながら説明する。
図示のRTZ抽選テーブルを参照して、図示の「設定別」の欄は、上記テーブル識別情報の設定別情報(ビットD7)を示し、「サイズ」の欄は上記テーブル識別情報のサイズ情報(ビットD6)を示している(図16のボーナス中抽選テーブル、図17〜図18のRT遊技中用の抽選テーブルについても同様)。具体的には、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報に基づいて、上記4種類の判定テーブルのいずれかが特定可能となっており、「設定別、サイズ」=「0、0」であれば、図19の「共通BYTE判定テーブル(ALB)」が、「設定別、サイズ」=「0、1」であれば、図19の「共通WORD判定テーブル(ALW)」が、「設定別、サイズ」=「1、0」であれば、図20の「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」が、「設定別、サイズ」=「1、1」であれば、図20の「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」が選択されるようになっている。
したがって、たとえば、‘弱チェリー’についての判定テーブルについては、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報が「1、1」で規定されているので、図20の「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」が選択される。また確認的にさらに説明すれば、‘重複役1(弱チェリー+BB1)’についての判定テーブルは、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報が「0、0」で規定されているので、図19の「共通BYTE判定テーブル(ALB)」が選択される。他の役についても同様にして、図19〜図20に示す判定テーブルALB、ALW、RKB、RKWのいずれかが選択されることになる。
斯様な抽選テーブルは、抽選判定処理の判定対象となる役を特定する役情報と、当該抽選判定処理において参照すべき判定テーブルを特定するテーブル識別情報と、当該抽選判定処理で使用すべき判定値の記憶位置を、当該テーブル識別情報で特定された判定テーブル内で特定する位置情報とが対応して記憶されて、上記役情報、上記テーブル識別情報、および上記位置情報は、全体として2バイト長以下で構成されているのが好ましい。
再び図9を参照して、ステップS132(判定値特定情報取得処理)では、RTZ抽選テーブルにおいて、抽選テーブルDLOT(抽選回数(Bレジスタ)により特定されるRTZ抽選テーブルの該当欄)の第一バイトの上位2ビット(D7、D6)の判定テーブル識別情報と、後述のインデックス情報を取得する。
(判定値取得について:ステップS133)
ここで、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの上位5ビット(D7〜D3)は、上記4種類に区分された判定テーブルにおいて、判定値JUVの記憶位置を特定する判定テーブルのインデックス情報(INDEX値)を示している。上記RTZ抽選テーブルでは、図示の「INDEX」の欄が上述のインデックス情報(INDEX値)を示している。
したがって、たとえば、‘弱チェリー’についての抽選判定では、判定テーブル識別情報の「設定別、サイズ」のビット情報が「1、1」で規定され、そして、上記インデックス情報の「INDEX値」のビット情報が「0」に規定されているので、図20に示す「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」における、先頭から+0番目の判定値JUVが使用されることになり、現在の設定値が「設定1」であれば判定値JUVとして「612(判定値JUV=612)」が使用されることになる(図20の当選役種別「弱チェリー」の欄参照)。また、たとえば、‘重複役1(弱チェリー+BB1)’についての抽選判定では、上述したように、判定テーブル識別情報の「設定別、サイズ」のビット情報が「0、0」で規定され、そして、上記インデックス情報の「INDEX値」のビット情報が「0」に規定されているので、図19に示す「共通BYTE判定テーブル(ALB)」における、先頭から+0番目の判定値として「1(判定値JUV=1)」が使用される(図19の当選役種別「重複役(6種)」の欄参照)。本実施形態では、インデックス情報「INDEX値」が抽選対象役に応じて、+0番目〜+6番目の範囲を取るので、選択された判定テーブルにおける、先頭から+0番目〜+6番目に対応する判定値JUVが使用されることになる。以上では、抽選テーブルDLOTに関し、図15のRTZ抽選テーブルを代表例にとって説明したが、図15〜図17に示す抽選テーブルについても同じ手法で、上記4種類の判定テーブルALB、ALW、RKB、RKWにおけるインデックス情報により特定される判定値JUVが取得される。
再び図9を参照して、ステップS133(判定値取得処理)では、上述のステップS132の処理で特定される判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKWのいずれか)から、抽選テーブルDLOTの各欄の第二バイトの上位5ビット(D7〜D3)のインデックス情報より特定される判定値JUVを取得する。
(当選役の決定について:ステップS134)
続いて、ステップS133で取得された判定値JUVと、ステップS15の処理で取得された内部抽選用乱数値(RAND)とを対比し、抽選対象役が当選役となるか否かを決定する(ステップS134:当否判定処理)。
ステップS134の当否判定処理では、内部抽選用乱数値(RAND)から抽選対象役ごとに規定された判定値JUVを順次減算していき、内部抽選用乱数値(RAND)の値を更新し(RAND←RAND−JUV)、更新後の内部抽選用乱数値(RAND)が負(RAND<0)であるか否かを判定し、RAND<0となった段階で、その抽選対象役に当選したと判定している。したがって、内部抽選用乱数値(RAND)が、判定値JUVの総加算値であるΣJUVより小さい場合には、必ず何らかの役の当選状態となり、内部(RAND)がΣJUVより大きい場合には、ハズレとなる。
そこで、RAND<0となる場合には(ステップS135:YES)、今回の抽選対象役を当選役として決定し、その当選番号(図13参照)をメインRAM401bの当選番号格納領域に記憶する(ステップS139:当選役情報設定処理)。これにより、ステップS104の抽選判定処理を終えて、図8のステップS105の判定処理に進む。なお、重複役(BB重複役1〜6:抽選対象番号2、4、6、8、24、25)が当選役として決定された場合、当選役を識別する当選番号として、図13に示す、該当する小役系の当選番号と、特別役系に示すBBの当選番号とが記憶される。たとえば、BB重複役1であれば、弱チェリーの当選番号「1」と、特別役種を識別するBB1の当選番号「41」が当選役情報として、RAM401bの所定領域に記憶される。
一方、上述した更新後の内部抽選用乱数値(RAND)の値がRAND≧0となる場合には(ステップS135:NO)、現在の抽選回数(Bレジスタ)を1減算し(抽選回数←抽選回数−1:ステップS136)、減算後の抽選回数がゼロになるまで、ステップS131〜S136の処理を繰り返す(ステップS137:NOの処理ルート)。そして、減算後の抽選回数がゼロになった場合(ステップS137:YES)、抽選対象役情報をクリアし(ステップS138)、ステップS139の当選役情報設定処理に進む。このステップS138の処理を通過する場合は、抽選回数がゼロになるまで、すべての抽選対象役のいずれにも当選しなかった「ハズレ」の場合である。この場合、ステップS139の当選役情報設定処理では、「ハズレ」に当選したものとして当選番号「0」を記憶する。
以上の繰返し処理によって、RAND<0となれば、抽選回数(Bレジスタ)に基づいて当選役を特定し、その当選番号を記憶してステップS104の抽選判定処理を終える。しかし、抽選回数がゼロになるまで、つまり上記RTZ抽選テーブルに規定される計26種類の抽選対象役に対して、最後までRAND<0とならない場合は、これらすべての抽選対象役が非当選(ハズレ)であるとして、ステップS104の抽選判定処理を終える。
再び図8を参照して、上記したステップS104の抽選判定処理の判定結果により当選役が決定された場合には(ステップS105:YES)、後述のステップS108の処理に進む。一方、上記したステップS104の抽選判定処理の判定結果によりハズレとなった場合には(ステップS105:NO)、ステップS106の処理に進む。
上記ステップS106の処理では、現在の遊技状態(現在のRT遊技)に対応した一般遊技状態用の抽選テーブルDLOTとして、図17〜図18に示す「RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル」のいずれかの抽選テーブルを取得し、その抽選テーブルを参照して、抽選回数(当否判定回数)をメインCPU401bのBレジスタに初期設定する(ステップS106)。なお上記抽選回数は、RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルのそれぞれにおいて異なっており、図示のように、各抽選テーブルにおいて抽選対象となる役(抽選対象役)の種類数に相当する抽選回数が設定されることになる。
続いて、上記設定された抽選テーブルDLOT(RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル)に基づいて、当選役を判定するための抽選判定処理を行う(ステップS107)。
(1−2−2.抽選判定処理(ステップS107):図9)
図9を参照して、図8のステップS107の抽選判定処理の詳細について説明する。このステップS107の抽選判定処理の処理内容は、既に説明したステップS104の抽選判定処理と実質的に同じ処理内容となっているので、ここでは重複記載を避けるために、ステップS104の抽選判定処理と同じ処理内容についての詳細は、適宜省略しながら説明していく。
以下に説明するステップS107の抽選判定処理は、各RT遊技に対応した固有の抽選対象役についての抽選判定が行われるものであり、この点で、上記したステップS104の抽選判定処理とは異なる。
図9において、主制御部400は、まず、現在の遊技状態とステップS106の処理で設定された抽選回数(Bレジスタの値)とで特定される抽選テーブルDLOTの抽選役情報に基づき、今回の抽選対象役を取得する(ステップS131)。このステップS131の処理における抽選テーブルDLOTは、現在のRT遊技に応じて選択されたRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルのいずれかが利用される。たとえば、図17に示す「RT2中抽選テーブル」の場合について説明すれば、本処理に始めて入った場合、抽選回数には、初期設定値として、当該RT2中抽選テーブルが規定するリプレイ役種の10種類に相当する「10回」が設定されており(ステップS106参照)、したがって、ここではまず、その抽選回数(Bレジスタの値)で特定される抽選対象役として、当該RT2中抽選テーブルの最上欄の‘RG_C1’が抽選対象役として特定される。なお以下では、説明の便宜上、現在のRT遊技に応じて選択されたRT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブルを、単に「RT中抽選テーブル」と略称する。
次に、ステップS107の抽選判定処理のステップS132(判定値特定情報取得処理)では、抽選テーブルDLOT((抽選回数(Bレジスタ)により特定されるRT中抽選テーブルの該当欄)の第一バイトの上位2ビット(D7、D6)の判定テーブル識別情報と、第二バイトの上位5ビット(D7〜D3)のインデックス情報とを取得する。
次に、ステップS133(判定値取得処理)では、上記判定テーブル識別情報により特定される判定テーブル(ALB、ALW、RKB、RKWのいずれか)から、上記インデックス情報より特定される判定値JUVを取得する。たとえば、図17のRT2抽選テーブルについて説明すれば、‘RG_C1’についての判定テーブルは、判定テーブル識別情報である「設定別、サイズ」のビット情報が「0、1」で規定され、そして、上記インデックス情報の「INDEX値」のビット情報が「2」に規定されているので、図20の「共通WORD判定テーブル(ALW)」における、先頭から+2番目の判定値JUV(判定値JUV=6000)が使用されることになる。なお、他のリプレイ役についても同様にして判定値JUVが取得される。
続いて、ステップS133で取得された判定値JUVと、ステップS15の処理で取得された内部抽選用乱数値(RAND)とを対比し、抽選対象役が当選役となるか否かを決定する(ステップS134:当否判定処理)。ここでは既に説明したように、RAND<0となる場合には(ステップS135:YES)、当選した抽選対象役に対応する当選番号を記憶する(ステップS138)。一方、上述した更新後の内部抽選用乱数値(RAND)の値がRAND≧0となる場合には(ステップS135:NO)、現在の抽選回数(Bレジスタ)を1減算し(抽選回数←抽選回数−1:ステップS136)、減算後の抽選回数がゼロになるまで、ステップS131〜S136の処理を繰り返す(ステップS137:NOの処理ルート)。
かくして、ステップS138の処理を終えると、この抽選判定処理を抜けて、図8のステップS108の処理に進む。
(ボーナス遊技中である場合の処理ルート(S113→S107)
以上、一般遊技状態中である場合における処理ルート(ステップS103〜S107)について説明した。次に、ボーナス遊技中である場合の処理ルートについて説明する。
ボーナス遊技中である場合には(ステップS103:NO)、ボーナス遊技中用の抽選テーブルDLOTとして、図16のボーナス中抽選テーブルを取得し、そのボーナス中抽選テーブルに係る抽選回数(当否判定回数)をメインCPU401bのBレジスタに初期設定する(ステップS113)。なお上記抽選回数は、ボーナス中抽選テーブルにおいて抽選対象となる役(抽選対象役)の種類数に相当する「2回」が設定される。そして、上記ボーナス中抽選テーブルを利用して、上記したステップS107の抽選判定処理を行い、ボーナス遊技中における当選役を決定する。
(ボーナス中抽選テーブルの構成:図16)
上記ボーナス中抽選テーブルは図16に示す通りであり、基本構成は、他の抽選テーブルと同じである。ボーナス遊技中では、BBに当選することがなく、小役(ここでは、ベル)が高確率で当選するようになっているので、図示のボーナス中抽選テーブルを、図14に示す抽選テーブルDLOTを参照して説明すれば、第二バイトの下位3ビット(D2〜D0)のうちビットD0が「0」が設定され、他は未使用領域となる。その他の構成は、他の抽選テーブルの場合と同じであり、第一バイトの上位2ビット(D7〜D6)が、判定テーブルALB、ALW、RKB、RKWのいずれかを規定する判定テーブル識別情報であり、下位6ビット(D5〜D0)が、小役系役種(小役種およびリプレイ役種)を特定している。本実施形態では、図示の通り、ボーナス中抽選テーブルにおける判定テーブル識別情報は、すべて「共通WORD判定テーブル(ALW)」を特定している。また、第二バイトの上位5ビットは、判定テーブル識別情報で特定される「共通WORD判定テーブル(ALW)」における、判定値JUVの記憶位置を特定している。
上記ボーナス中抽選テーブルでは、一般遊技状態で使用される抽選テーブル(RT0中抽選テーブル〜RT5中抽選テーブル)より‘ベル’への当選確率が大幅に高く設定されており、その結果、遊技者が大量のメダルを取得できるよう構成されている。
再び図8を参照して、ステップS108の処理に進むと、上記抽選判定処理の判定結果から得られた当選番号を取得し、当選番号に対応する当選フラグデータ(内部当選フラグ)を設定する(ステップS108)。ここでは、先ず、小役系に属する当選番号(ハズレも含む)に対応する内部当選フラグ(小役当選フラグ)を設定する。なお、「ハズレ」の場合は、当選フラグは成立しない(たとえば、当選フラグデータのビット情報がゼロ)ものとして扱う。
続いて、ボーナス(BB)の内部当選中であるか否かを判定し(ステップS109)、BB内部当選中でない場合には(ステップS109:NO)、上記抽選判定処理の判定結果から得られた当選番号を取得し、BBが当選役として決定されていれば、その当選番号に対応するボーナス当選データ(ボーナス当選フラグ)を設定し(ステップS110)、次いで、内部当選フラグ情報に応じて、回胴回転始動時に必要な設定処理を行う(ステップS111)。一方、BB内部当選中である場合には(ステップS109:YES)、上述のステップS110の処理は行わずに、回胴回転始動時に必要な設定処理を行う(ステップS111)。これにより、BB内部当選中は、ステップS104の抽選判定処理にて、新たなBBが当選と判定されたとしても、その当選のボーナス当選フラグが設定されない、つまり新たなBBの当選が無効とされ、結果的に、BB内部当選中は、BBが内部抽選対象外の役とされるようになっている。
このように本実施形態では、ステップS108〜S110の処理により、BB内部当選中は、BBを内部抽選対象外の役なるように処理し、結果、新たなBB当選に起因するボーナス当選フラグは成立せず、BB1およびBB2が重複当選状態となることはない。
ここで本実施形態以外の処理手法により、BB内部当選中において、BBを内部抽選の対象外の役となるようにする処理内容を考えてみる。たとえば、特開2011−115492公報(特に、段落番号0182、図14)に開示されている処理内容では、BB内部当選中において、BBが当選役として決定された場合に、BBのボーナス当選フラグを一旦設定した後、BB内部当選中であれば、その設定したボーナス当選フラグをクリアし、これによりBBを内部抽選対象外の役となるように処理している。しかしこの場合は、不必要なボーナス当選フラグを一旦設定して、それをクリアするという無駄な処理が介在することになり、プログラム量の増大化を招来し、メモリの記憶領域を無闇に消費してしまう。また、他の処理手法として、たとえば、BBが当選役として決定された場合、BB内部当選中であれば、BBの当選番号情報をクリアして、ステップS108やステップS110のような内部当選フラグを設定する処理において、ボーナス当選フラグを設定させないようにする処理が考えられるが、一旦設定した当選情報をクリアするといった無駄な処理が介在することになり、この場合も、プログラム量やメモリ量の増加を招来し、メモリの記憶領域を無闇に消費してしまう結果となる。
そこで本実施形態では、BB内部当選中においてBBを内部抽選対象外の役とする手法として、上記したステップS108〜S110の処理手順に見られる簡易な制御処理を採用して制御負担を軽減し、メモリの消費を抑制している。
なお本実施形態では、既に説明したが、各RT遊技においてBBの当選確率は変更されないため、BBの抽選に関しては、ボーナス持越遊技中とボーナス非持越遊技(一般遊技状態)中とで、図15に示す「RTZ抽選テーブル」を共通して利用しているが、遊技性によっては、この「RTZ抽選テーブル」を利用するだけで良い場合もある。その一例としては、たとえば、ボーナス持越遊技(BB内部当選状態)中とボーナス非持越遊技(一般遊技状態)中との関係で、特にリプレイ役の抽選確率を変更しない場合や抽選対象となる役を共通利用する場合、または、単一の一般遊技状態を設ける(たとえば、RT0遊技だけ設ける)といった単純な遊技性にした場合などが考えられる。この例では、図8の内部抽選処理において、RTZ抽選テーブルだけが利用されるので、ステップS105〜S107の処理を除く処理手順としたり(ステップS113の処理に関しては、当該処理を終えた後、ステップS104の抽選判定処理に入るように構成すれば良い)、また上述のような処理手順ではなく、ステップS105〜S107の処理はそのまま残存させ、ボーナス持越遊技中(RT4遊技、RT5遊技)において使用しない抽選対象役についての判定値JUVをゼロにすれば(RT4中およびRT5中抽選テーブルに係る抽選対象役についての判定値JUVをゼロにする。なお、これについては後述する)、実質的に、上記RTZ抽選テーブルだけが利用されることになる。このように、ボーナス持越遊技中とボーナス非持越遊技中とで同一の抽選テーブル(ここでは、RTZ抽選テーブル)を利用して抽選判定処理を行う場合であっても、上記したステップS108〜S110の処理手順に影響を及ぼすことなく、上記した効果を奏することができる。
ステップS111の処理を終えると、演出制御コマンドとして「遊技開始コマンド」を作成しセットする(ステップS112)、この遊技開始コマンドには、内部抽選結果に関する情報(内部当選フラグ情報)と、現在の遊技状態に関する情報(RT0遊技〜RT5遊技、ボーナス遊技などの主制御側遊技状態に関する情報)とが含まれる。
上記「遊技開始コマンド」が主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、この遊技開始コマンドに含まれる情報に基づき、回胴始動時の演出として、連続演出(特別演出)や当選役に応じたアシスト報知演出などを現出するために要する演出制御処理を行う。
このようにして、ステップS112の処理を終えると、内部抽選処理を抜けて、図7の回胴回転開始設定処理(ステップS17)に進む。
上記の通り、本実施形態では、多様な単独当選役や重複役を設けているが、新機種を開発する際、旧機種からゲーム性を変更するために、これらの役を増減させたり、各役の当選確率を変更したりする必要がある。このような場合に、従来の構成であれば、ゼロから設計をやり直す必要があり、新機種の完成までに長い月日を要する場合が多い。また、遊技性を多様化するためには、メモリ浪費・制御負担の増大化を回避することは難しい。特にメモリ浪費・制御負担に関する事項について、パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部400が該当する)に装着されるROMのプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラムの削減は重要な意義を有している。この問題点については、たとえば、特開2011−56312号公報(特に、図9〜図11)に開示される発明を代表例にとって説明すれば、この従来技術では、複数種類のRT遊技(非RT1、RT1、およびRT2)を設けることで遊技内容の豊富化を図ることができるようになっているが、内部抽選処理に利用する抽選テーブルについては、これら遊技状態ごとに対応した抽選テーブルが設けられており、メモリの記憶領域を無闇に消費してしまう。また、このように、遊技状態ごとに対応した抽選テーブルを設けるのでは、役種の増減や、各役の当選確率を変更するために、そのデータ構造を変更する必要が生じて、設計をゼロからやり直す事態になりかねない。
上記のような問題点に鑑み、本実施形態では、抽選対象となる役の種類(当選役)を変更してもデータ構造を極力変更する必要が無いように、また、各種の役の当選確率の変更を容易化するために、実質的に使用しない抽選対象役には、抽選判定の判定値をゼロに設定することで、当選役の種別を適宜に増減させた場合に、抽選テーブルのデータ構造の変更を不要にして設計変更を容易にし、またメモリの消費を抑制することができるようになっている。本実施形態で使用しない当選役とは、具体的には、(1)RT0遊技におけるRG_E1〜E2、RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5、(2)RT1におけるRG_A、RG_E1〜E2、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5(3)RT2遊技におけるRG_A、RG_E1〜E2、RG_B1〜B4、(4)RT3遊技、RT4遊技、およびRT5遊技におけるRG_B1〜B4、RG_C1〜C5、およびRG_D1〜D5である。そして、これらの当選役についても、他の当選役と同様の手順で、内部抽選処理を実行するものの、判定値JUVにゼロの記憶位置を指定するようにすれば、事実上、その当選役が存在しないことになる。
これについて簡単な例をとり説明すれば、たとえば、本実施形態のRT2中抽選テーブルから、RG_D4〜D5を使用しない新機種を開発するような場合(青7リプレイ(特殊リプレイ2)、特殊リプレイ4を不要とする新機種の場合)、図19に示す「共通BYTE判定テーブル(ALB)」における、先頭から+5番目の判定値にはゼロ(判定値JUV=0)が記憶されているので(図19の当選役種別「不使用役」の欄参照)、使用しない当選役については、図21に示すように、RT2中抽選テーブルのRG_D4〜D5に対応する判定テーブル識別情報および判定テーブルのインデックス情報(INDEX値)を、当該共通BYTE判定テーブル(ALB)における先頭から+5番目の判定値ゼロ(判定値JUV=0)を特定する情報に変更するだけで良い(図示のように、判定テーブル識別情報「設定別、サイズ」のビット情報を「0、0」、インデックス情報「INDEX値」のビット情報を「5」に定める)。この場合、判定値にはゼロ(判定値JUV=0)が使用されるので、実質的には判定処理(ステップS134〜S135)がスキップされる。なお、ゼロの判定値JUVに基づいて、判定処理(ステップS134〜S135)をスキップするプログラム構成としても良いが、そのような構成ではメモリのプログラム領域を消費するので、そのようなメモリ浪費を避けるために、無駄な判定処理(ステップS134〜S135)を敢えて実行することが好ましい。
このように、使用しない抽選対象役については、その判定値JUVをゼロにするので、図15〜図18に示す抽選テーブルや、図19〜図20の判定テーブルについて、そのデータ構造を変更する必要がなく、設計変更が極めて容易なものとすることができる。また、データ構造を無闇に変更する必要がなくなり、メモリ浪費・制御負担の増大化を回避することができる。
また、役の種類やその機能を変更することで、たとえば、一般遊技状態のRT0遊技〜RT3遊技のいずれかの遊技状態が不必要となった場合には、該当するRT遊技の抽選対象役に係る判定値JUVを総てゼロにするといった簡単な変更により、実質的に、そのRT遊技が存在しないといった遊技性に変更することも可能である。つまり、使用しない抽選対象役についての判定値JUVをゼロにする技術をさらに発展させて、特定の遊技状態の有無も変更しうることが容易に可能となり、設計変更が極めて容易なものとすることができる。このように抽選判定処理に利用される抽選テーブル(判定テーブルを含む広義の抽選テーブル)は、判定値がゼロを含んだ数値で構成され、当選可能性のある抽選対象役の個数を抽選対象役の種類数以下に抑制するとともに、当選可能性のない抽選対象役については、ゼロの判定値を使用するような抽選テーブルを構成することが好ましい。また、複数種類のRT遊技を設ける場合、一のRT遊技では抽選対象役となるが他のRT遊技では抽選対象役から除外される(当選可能性がない)1または複数種類のリプレイ役種が含まれているのが典型例であり、N種類のリプレイ役種を設けるとともに、抽選対象となるリプレイ役ごとに抽選判定処理をN回実行するよう構成され、ゼロの判定値が、当該N回の抽選判定処理の一部において使用されるよう構成されているのが好ましい。
また、本実施形態では、六区分の設定差に関係なく共通して参照される図19の判定テーブル(ALB、ALW)については、必ず、異なる判定値を記憶することで、メモリの浪費を解消している。ただし、当選確率の設計上、同一の判定値を使用する必要も生じるので、そのような場合には、同一のデータを参照するように抽選テーブルDLOTを構成している。端的に言えば、抽選テーブルで特定される単一の判定値が、異なる抽選対象役において共通して利用されるよう構成されている。詳述すれば、たとえば、図19の「共通BYTE判定テーブル(ALB)」の+0番目、+2番目、+3番目の判定値JUV(1、195、91)は、図示の通り、複数種類の抽選対象役(BB重複役1〜6、RT3遊技中のRG_E1〜E2、RT4およびRT5遊技中のRG_E1〜E2)の当否判定処理において、それぞれ共通的に使用することで、メモリの消費を抑制している。また、「共通WORD判定テーブル(ALW)」の+1番目〜3の判定値JUV(2241、6000、2100)についても、複数種類の抽選対象役(RG_B1〜B4、RG_C1〜C5、RG_D1〜D5)の抽選判定処理において、共通的に使用されている。本実施形態では、このように構成することで、判定テーブルの容量を無闇に増加させず、メモリ消費を抑制することができる。
なお、図20の判定テーブル(RKB、RKW)については、複数の設定値(設定1〜6)に対応する遊技性の要請から、判定値の一部が共通するが、この判定テーブルにおいても、複数種類の抽選対象役が、設定値ごとの判定値を共用することで(抽選テーブルで特定される一群の判定値が、異なる抽選対象役において共用される)、メモリの記憶領域を無闇に消費することなく、設計変更を容易なものとすることができる。
なお「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」には、単一の抽選対象役(こおでは、強スイカ)が規定されているが、これに限らず、「設定差有りWORD判定テーブル(RKW)」において1バイト長の判定値である弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、ベル、またはAT1〜4役を、同じく1バイト長の判定値を記憶する「設定差有りBYTE判定テーブル(RKB)」に規定しても良い。
(1−3.リール演出抽選処理(ステップS17):図10)
図10を参照して、図7のステップS17のリール抽選処理の詳細について説明する。
図10において、主制御部400は、まず、当選役情報(ボーナス当選フラグと小役当選フラグ)を取得する(ステップS151)。
次に、取得した当選役情報に基づき、今回の当選役がフリーズ演出抽選対象役であるか否かを判定する(ステップS152)。フリーズ演出抽選対象役でない場合(ステップS152:YES)、ステップS154の処理に進む。
一方、フリーズ演出抽選対象役である場合(ステップS152:YES)、フリーズ演出抽選処理を行う。ここでは、図22のフリーズ演出抽選テーブルを参照し、現在の遊技状態(遊技状態フラグ)と当選役とに基づき、フリーズ1〜4のいずれかを抽選により決定する。図示のフリーズ演出抽選テーブルには、現在の遊技状態および当選役種別と、フリーズ演出種別とが関連付けて定められており、所定の抽選確率を以って、フリーズ1〜4のいずれかをフリーズ演出抽選用乱数値を利用した抽選により決定されるようになっている。ただし、上記昇格チャンスゾーンの発生契機、または上乗せ抽選契機となる特定の遊技状態に着目し、遊技状態が特定の遊技状態(RT1遊技中、RT2遊技中、またはRT3遊技)である場合に、フリーズ演出が発生されるように定められている。
上記のフリーズ演出抽選処理を終えると、次いで、フリーズ演出抽選結果に対応したリール演出フラグをセットする(ステップS154)。この「リール演出フラグ」は、フリーズ演出種別を管理するデータであり、1ゲーム毎にクリアされる。ここでは、ハズレ、フリーズ1〜4にごとに対応したリール演出フラグ(ハズレ=00H、フリーズ1〜4=01H〜04H)がセットされる。なお、ステップS154の処理おいて、フリーズ演出抽選対象役でないと判定された場合(ステップS152:NO)には、フリーズ演出抽選に「ハズレ」として扱い、フリーズ演出フラグに「00H」をセットする。
次に、演出制御コマンドとして、フリーズコマンドをセットする(ステップS155)。このフリーズコマンドには、リール演出フラグ情報が含まれる。上記「フリーズコマンド」が主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、このフリーズコマンドに含まれる情報に基づき、フリーズ演出の発生およびその種別を把握し、フリーズ演出種別に応じたフリーズ演出中演出を現出するための演出制御処理を行う。
次に、フリーズ演出種別がフリーズ4であるか否かを判定する(ステップS156)。フリーズ4でるか否かは、フリーズ演出フラグにより把握される。
フリーズ演出種別がフリーズ4でない場合(ステップS156:NO)、何もしないでリール演出抽選処理を抜ける。しかし、フリーズ演出種別がフリーズ4である場合(ステップS156:YES)、フリーズ4に要する遅延時間(30秒=30000ms)をフリーズタイマにセットする(ステップS157)。上記「フリーズタイマ」とは、遊技機1の遊技動作制御に係るタイマを管理するRAM203のタイマ管理領域の一つである。
ステップS157の処理を終えると、次いで、指定数割込処理を行う(ステップS158)。この指定数割込処理では、フリーズタイマにセットされたタイマ値(30秒)が経過するまでの待機処理を行う。具体的には、1.5msごとに実行されるタイマ割込処理が2万回(1.5×20000=30000ms)実行されることによりフリーズタイマにセットされたタイマ値が経過したか否かが監視される。これは、フリーズ4が、回胴の回転動作を伴うフリーズ1〜3とは異なり、遅延期間の30秒が経過するまで回胴を停止状態(不回転状態)を保持するため、30秒が経過するまでは、後述の回胴回転開始設定処理(ステップS18)に移行しないようになっている。なおフリーズ1〜3の変則回転動作については、後述の回胴回転開始設定処理(ステップS18)中で制御されるようになっている。
そして上記フリーズ4に要する遅延時間(30秒)が経過した場合は、リール演出抽選処理を抜けて、図11の回胴回転開始設定処理(ステップS18)に進む。
(1−4.回胴回転開始設定処理(ステップS18):図11)
図11を参照して、図7のステップS18の回胴回転開始設定処理の詳細について説明する。
図11において、主制御部400は、まず、リール演出フラグを取得し(ステップS171)、リール演出フラグが「00H」または「04H」であるか否か、つまり、フリーズ1〜3を発生させるか否かを判定する(ステップS172)。リール演出フラグが「00H」または「04H」である場合(ステップS172:=00H、04H)、ステップS175の処理に進み、通常時の回転動作に係る制御処理ルート(ステップS175〜S179)に入る。
リール演出フラグが「00H」または「04H」でない場合(ステップS172:≠00H、04H)、変則回転開始設定処理を行う(ステップS173)。この変則回転開始設定処理では、リール演出フラグに基づき、フリーズ演出種別に応じた回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するためのデータ)をセットし、また対応するフリーズタイマ(フリーズ1=2秒、フリーズ2=5秒、フリーズ3=15秒)をセットする。
ステップS174の処理を終えると、次いで、指定数割込処理を行う(ステップS175)。この指定数割込処理では、フリーズタイマにセットされたタイマ値が経過するまでの待機処理を行う。かくして、フリーズ1〜3に対応した変則回転動作が実現されるようになっている。
ステップS176の処理に進むと、遊技開始ウェイトタイマが0であるか否かを判定し、遊技開始ウェイトタイマが0でない場合、当該タイマが0になるまで待つ(ステップS176:NO)。この遊技開始ウェイトタイマは1ゲームの遊技時間を規制するためのタイマであり、後述のステップS177の処理で設定される。これにより、1ゲームに要する時間が最短でも4.1秒となるようになっている。
遊技開始ウェイトタイマが0である場合は(ステップS176:YES)、遊技開始ウェイトタイマに4.1秒をセットする(ステップS177)。
次に、通常回転開始設定処理を行う(ステップS178)。ここでは、通常時の回転動作に必要な設定処理を行い、具体的には、通常時の回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するためのデータ)をセットしたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグを‘全回胴回転中(01H)’にセットしたりする。
通常回転開始設定処理を終えると、次いで、演出制御コマンドとして、回胴始動を示す「回転開始コマンド」をセットする。以上の処理を終えると、各回胴5a、5b、5cが回転状態(通常時の回転動作)に入る。これにより、回胴回転開始設定処理を抜けて、図7の回胴停止処理(ステップS19)に進む。
(2.主制御側タイマ割込処理:図12)
次に図12を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図12は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図12において、主制御部400は、まずタイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止操作時の停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御して回転動作を制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。また定期更新処理では、フリーズ演出抽選用乱数の初期値生成用カウンタや演出抽選用乱数カウンタなどを更新して各種のソフト乱数を生成する。たとえば、演出抽選用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、メインRAM401bの演出抽選用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメントなどの発光を制御する発光制御信号を出力する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)を監視する。
以上のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<演出制御側の処理:図23〜図28>
次に、図23〜図28を参照して、本実施形態の演出制御部410側における演出制御処理について説明する。演出制御部410側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図23)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図25)とを含んで構成される。なお演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板25のCPUなどを含んだものであるが、主制御部410から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421C)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAM、ROMは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421b、サブROM421aなどで代表させる。
(演出制御側メイン処理:図23)
図23は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図34に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部410(サブCPU)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物(図示せず)の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS071の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、演出制御部410は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図25のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、演出制御部410は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドには、既に説明した、遊技開始コマンド、フリーズコマンド、回転開始コマンド、停止情報受付コマンド、停止結果情報コマンド、入賞情報コマンドなどがある。
たとえば、遊技開始コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、このコマンドに含まれる情報(内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報)と現在の遊技状態情報)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケージュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカー16用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをサブRAMの指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部13やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、サブRAMの指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図25のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカー16から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物モータ61の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図25のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップ079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(コマンド受信割込処理:図24)
次に図24を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図24は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部400から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図25)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部410(サブCPU)は、図23に示すメイン処理実行中に主制御部400側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをサブRAMのコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部400から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(演出制御側タイマ割込処理:図25)
次に図25を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図25は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図25において、演出制御部410(サブCPU)は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、演出ボタン(図示せず)からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をサブRAMの所定領域に格納する。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図34の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置6に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ(図示せず)に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図26〜図28>
図26〜図28は受信コマンド解析処理(図34のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。ここでは、本発明と関連の深い「遊技開始コマンド」と「入賞情報コマンド」を受信した場合について説明し、他の演出制御コマンドを受信した場合の説明は省略する。
(遊技開始コマンド受信処理:図26)
図26は、図23の受信コマンド解析処理(ステップS073)の一つである遊技開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。この遊技開始コマンド受信処理は、内部抽選処理(ステップS16)中の図8のステップS112でセットされる遊技開始コマンドを受信した場合に行われる。
図26において、まず演出制御部410は、遊技開始コマンドに含まれる、内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報)と現在の遊技状態情報(主制御側遊技状態情報)を取得する(ステップS601)。
次に、現在の演出状態を取得する(ステップS602)。演出制御部410は、狭義には上記報知状態管理制御手段として機能し、広義には、報知状態としての複数種類の演出状態(非AT遊技、AT1遊技〜AT3遊技(上乗せ特化ゾーン)、昇格チャンスゾーン(特殊演出状態)、昇格リプレイ前兆AT遊技、昇格チャンスゾーン前兆期間/ガセ前兆期間に係る演出状態、ボーナス遊技中、BB内部当選中、フリーズ演出中、アシスト報知条件成立状態中などの演出制御側遊技状態)を管理制御する機能部(演出状態管理手段)を有する。この演出状態は、主として、専用の演出を現出させる上で利用され、処理状態に応じて主制御部400側からの特定の演出制御コマンド(たとえば、遊技開始コマンドや入賞情報コマンド)が送られてくる度に、必要に応じて変更(移行制御)される。演出状態は、基本的には、主制御部400側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で管理される。
次に、ペナルティ中であるか否かを判定する(ステップS603)。ペナルティ中であるか否かは、後述の図28のペナルティ監視処理中のS815で設定される「ペナルティフラグ」の設定状態により確認される。
(ペナルティ中でない場合(非ペナルティ中)の処理ルート:S604〜S606)
先ず、ペナルティ中でない場合(非ペナルティ中)の処理内容について説明する。この処理ルートは、上記有利報知状態条件成立手段、有利報知状態移行制御手段として機能し、当該有利報知状態条件成立手は、特定の役が当選役として決定された場合、有利報知状態移行契機を抽選する有利報知状態移行抽選手段と、当該有利報知状態移行契機に当選した場合、前記有利報知状態移行条件を成立させる当選時有利報知状態条件成立手段とを含むことができる。
ペナルティ中でない場合(ステップS603:NO)、フリーズ演出発生時AT管理処理を行う(ステップS604)。このフリーズ演出発生時AT処理では、今回のゲームにおいてフリーズ1〜4のいずれかが発生する場合、フリーズ演出種別に応じた遊技開始時に必要な設定処理を行う。なおフリーズ演出の発生は、「フリーズコマンド(図10のステップS155参照)」により知ることができる。
ここでは、各演出状態に関する遊技開始時に必要な設定処理として、フリーズ演出発生時における各AT遊技間の移行制御処理や、AT遊技に係る継続ゲーム数の管理(カウント)処理や、上乗せ抽選および上乗せ抽選による継続ゲーム数の設定処理などを含むフリーズ演出発生時に必要なAT遊技に係る処理(AT処理)を行う。たとえば、フリーズ演出発生した場合における「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル(図29)」や、「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル(図30(ロ))」や、「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル(図30(ハ))」に基づく、各種の抽選処理を行ったり、フリーズ演出発生に起因してアシスト報知条件を成立させる場合には、その条件成立に必要な設定処理(たとえば、前兆AT遊技への移行設定、上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)への移行設定など)を行ったりする。またAT遊技以外の他の演出状態中におけるフリーズ演出発生時に必要な設定処理もここで行われる。
次に、ステップS604のフリーズ演出発生時AT管理処理を終えると、続いて、特定役当選時AT管理処理を行う(ステップS605)。この特定役当選時AT管理処理では、フリーズ演出未発生時において、特定役当選時に必要な設定処理を行う。たとえば、各AT遊技間の移行制御処理や、AT遊技に係る継続ゲーム数の管理(カウント)処理や、上乗せ抽選および上乗せ抽選による継続ゲーム数の設定処理などを含む、遊技開始時に必要なAT遊技に係る処理や、その他、AT遊技以外の他の演出状態中において特定役当選時に必要な設定処理などが行われる。これらの処理は、基本的には、フリーズ演出発生時AT管理処理と同じ処理内容である。たとえば、フリーズ演出が発生しなかった場合における「RT0、RT1中通常用AT抽選テーブル」や、「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル」や、「RT0、RT1中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル」に基づく、各種の抽選処理を行ったり、その抽選結果に基づきアシスト報知条件を成立させる場合には、その条件成立に必要な設定処理(たとえば、前兆AT遊技への移行設定、上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)への移行設定など)を行ったりする。
なお上記各演出状態に関し、遊技結果が導出表示されたときに必要なAT遊技に関する各種の設定処理は、後述の入賞情報コマンド受信時の処理(入賞情報コマンド受信処理:図27)で行う。
次に、非ペナルティ中の遊技開始コマンド受信時の演出処理を行う(ステップS606)。ここでは、非ペナルティである正常時の処理として、演出状態と当選役とに基づいて、現出すべき正常時の「演出シナリオ(演出パターン)」を作成し、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。上記演出シナリオとしては、たとえば、今回の当選役に基づくフリーズ演出中演出態様、遊技状態(演出状態)に応じた背景表示演出、当選役に対応したアシスト報知に係る演出態様などが挙げられる。これにより、非ペナルティ中における遊技開始時の演出が現出されることになる。
(ペナルティ中である場合(ペナルティ時)の処理ルート:S607〜S609)
次に、ペナルティ中である場合(ペナルティ時)の処理内容について説明する。この処理ルートは、有利報知状態移行条件抑制手段として機能する。そして、有利報知状態移行条件抑制手段は、複数種類の上記有利報知状態移行契機のうち、特定の有利報知状態移行契機(たとえば、AT確定役当選、フリーズ演出発生)に基づく上記有利報知状態移行条件の成立は抑制しない一方、それ以外の上記有利報知状態移行契機に基づく有利報知状態移行条件の成立を抑制するようになっている。
ペナルティ中である場合(ステップS603:YES)、ステップS604やS605の処理内容と同様の処理内容の実行が制限されることのない「ペナルティ除外対象」であるか否かを判定する(ステップS607)。ペナルティ除外対象であるか否かは、現在の演出状態、当選役情報、またはフリーズ演出の発生の有無などに基づき判断される。
ペナルティ除外対象である場合(ステップS607:YES)、ペナルティ除外対象AT管理処理を行う(ステップS608)。このペナルティ除外対象AT管理処理は、有利報知状態移行条件抑制手段と機能し、その内容は、ステップS604のフリーズ演出発生時AT管理処理や、S605の特定役当選時AT管理処理の内容と同様の処理内容である。つまり、ペナルティ除外対象である場合は、ペナルティが科されないものとみなし、非ペナルティ中におけるステップS604のフリーズ演出発生時AT管理処理、またはS605の特定役当選時AT管理処理と同様のAT管理処理が行われるようになっている。上記ペナルティ除外対象については既に説明したが、たとえば、フリーズ演出発生時や、今回の当選役種別がAT確定役である場合などが、ペナルティ除外対象とされる。
なお上記ペナルティ除外対象AT管理処理中において、ペナルティ除外対象に関するAT管理処理が行われたことにより、ペナルティ解除条件が成立したものとみなし、ペナルティフラグをクリア(OFF状態に設定:ペナルティフラグ←00H)するとともに、ペナルティゲーム数をクリアても良い。上記ペナルティゲーム数は、後述のペナルティ設定処理(ステップS815)で設定される。この場合、今回のゲームで、ペナルティが解除状態となり、警告表示が消去されることになる。しかし、ペナルティを科される遊技方法(不正規手順)を実行したことに対して、遊技者に注意喚起するため、所定期間(たとえば、ペナルティゲーム数が消化されるまで)、ペナルティフラグをクリアしなくても良い。
またペナルティ除外対象AT管理処理中では、ペナルティ除外対象である場合に非ペナルティ中におけるステップS604のフリーズ演出発生時AT管理処理、またはS605の特定役当選時AT管理処理と同様のAT管理処理が行われるとして説明したが、これに限らず、「準ペナルティ」を科す場合の処理を行うことができる。
具体的には、たとえば、図29〜図30に示す抽選確率(AT当選値)を相対的に低い確率で抽選するように構成することができる。この場合、たとえば、「RT0、RT1中通常時AT抽選テーブル」とは別の抽選確率を定めた「ペナルティ中用RT0、RT1中のAT抽選テーブル」を設け、「ペナルティ中用RT0、RT1中のAT抽選テーブル」において、当該「RT0、RT1中のAT抽選テーブル」による抽選確率よりも各当選役種別に対応するAT当選値を低い値に定めることができる。ただし、今回の当選役種別がAT確定役やフリーズ4発生時である場合は、ペナルティ除外対象として、準ペナルティを科さずに、非ペナルティ中と同じ処理を行うことができる。
一方、ペナルティ除外対象でない場合(ステップS607:NO)、何もせずに、ステップS609の処理に進む。これにより、ペナルティ中であって、ペナルティ除外対象以外のAT遊技移行契機役に当選した場合は、ステップS609のペナルティ除外対象AT管理処理が行われず、具体的には、図29、図30の抽選テーブルよるAT抽選が行われずに有利報知状態(AT遊技、昇格チャンスゾーンなど)の移行が制限されることになる。なお、ペナルティ除外対象でない場合であっても、図29、図30の抽選テーブルよるAT抽選を行っても良く、この場合は、AT抽選に当選しても、その当選を無効扱いとし、有利報知状態への移行を制限することができる。
ステップS609の処理に進むと、ペナルティ中の遊技開始コマンド受信時の演出処理を行う(ステップS609)。ここでは、遊技開始時のペナルティ中の演出処理として、演出状態と当選役とに基づいて、現出すべきペナルティ中の演出シナリオを作成し、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。これにより、ペナルティ中の遊技開始時に係る演出が現出されることになる。
上記ペナルティ中の遊技開始時に係る演出態様としては、警告表示として、たとえば、液晶画面上にペナルティゲーム数が表示されている場合、遊技開始時に、そのゲーム数をカウントダウン表示させる演出態様が挙げられる。具体的には、たとえば、前回のゲームで「ペナルティ解除ゲーム数まで‘残り5ゲーム’」という警告表示をした場合であれば、今回のゲームでは「ペナルティ解除ゲーム数まで‘残り4ゲーム’」というように、カウントダウン表示を行うことができる。また、ペナルティ中の遊技開始時に係る演出態様、ペナルティ中である旨を報知するために、回胴回転始動レバー11の操作時に、スピーカ16から非ペナルティ中(正常時)とは異なる効果音を発したり、装飾ランプ13を正常時とは異なる発光態様で発光させたりすることができる。なお、図示はしていないが、他のペナルティ中の演出態様として、停止情報受付コマンドを受信した際の演出処理により、回胴を停止操作するごとに警告音を発生可能に構成したり、回転開始コマンドを受信した際の演出処理により、回胴の回転始動時に正常時とは異なる効果音(警告音)を発生可能に構成したりすることができる。
なお、上記したペナルティ除外対象に関するAT管理処理が行われたことにより、今回のゲームでペナルティが解除状態に設定された場合は、このステップS609のペナルティ中の遊技開始コマンド受信時の演出処理において、たとえば、警告表示を消去する演出処理を行うことができる。つまり通常時と同じ演出、具体的には、上記ステップS606の「正常時の遊技開始コマンド受信時の演出処理」に移行させ、当該演出処理を行う構成とすることができる。これに対し、ペナルティフラグが解除状態でない場合、警告演出現出状態が保持され、たとえば、警告表示が消去されずに、ペナルティフラグがクリアされるまで(所定のペナルティ解除条件が成立するまで)、その表示が保持されることになる。
(入賞情報コマンド受信処理:図27〜図28)
図27は、図23の受信コマンド解析処理(ステップS73)の一つである入賞情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。この入賞情報コマンド受信処理は、図7の入賞判定処理(ステップS20)でセットされる入賞情報コマンドを受信した場合に行われる。なお、遊技開始コマンド受信処理で説明した処理内容と同じ処理内容については重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
図27において、まず演出制御部410は、入賞情報コマンドに含まれる、全回胴停止時の停止図柄情報や、入賞ライン情報や、現在の遊技状態情報などの今回の遊技結果に関する情報を取得する(ステップS801)。
次に、現在の演出状態を取得し(ステップS802)、次いで、入賞時AT管理処理を行う(ステップS803)。この入賞時AT管理処理は上記「有利報知状態条件成立手段」として機能し、ここでは演出状態と遊技結果とに基づいて、遊技結果導出時に必要なAT遊技に係るAT処理を行う。ここでは、たとえば、遊技開始時(当選時)ではなく、遊技結果が導出表示された場合において、その遊技結果に応じたAT処理(各AT遊技間の移行制御処理や、AT遊技に係る継続ゲーム数の管理処理や、上乗せ抽選および上乗せゲーム数の設定処理など)を行う場合の処理となる。なお、ペナルティの内容、たとえば、入賞役に応じてAT遊技に関する抽選・移行処理を行う場合は、この入賞時AT管理処理でペナルティの内容が管理され、この場合は、入賞時AT管理処理は、有利報知状態移行条件抑制手段としての機能も含むことができる。
次に、ペナルティ監視処理を行う(ステップS804)。このペナルティ監視処理は「ペナルティ設定手段」として機能し、ここでは、ペナルティを科すか否かに関する判定処理およびその設定処理が行われる。なお、このペナルティ監視処理の詳細は図28にて後述する。
次に、入賞情報コマンド受信時の演出処理を行う(ステップS805)。ここでは、遊技結果導出時の演出処理として、演出状態と遊技結果とに基づいて、現出すべき演出シナリオを作成し、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。これにより、全回胴停止時の演出が現出されることになる。
(ペナルティ監視処理(ステップS804):図28)
図28を参照して、図27のステップS804のペナルティ監視処理の詳細について説明する。
図28において、演出制御部410は、まず、ペナルティを科す条件(ペナルティ条件)を判定する(ステップS811〜S814)。ここでは、その判定として、今回ゲームにおいて、(イ)AT遊技中であるか否か(ステップS811)、(ロ)アシスト報知が実行されたか否か(ステップS812)、(ハ)押し順が変則押しであるか否か(ステップS813)、(ニ)当選役が押順規定役に属する役であるか否か(ステップS814)を判定する。
本実施形態では、図示のように、上記(イ)、(ロ)および(ニ)の判定結果が‘NO’であり、上記(ハ)の判定結果が‘YES’である場合、ペナルティ条件が成立したとして、ペナルティ設定処理を行う(ステップS815)。それ以外では、ペナルティ条件が成立しなかったとして、何もせずにステップS817の処理に進む。ただし、上記(ニ)に該当するステップS814の判定結果が‘NO’である場合、つまり、当選役が押順規定役であった場合に変則押しを実行した場合は、ペナルティは科さないが(ペナルティ設定処理を行わずに)、不正規手順を実行したことを遊技者に警告するべく、後述の警告演出設定処理(ステップS816)を行うようになっている。
上記ペナルティ条件が成立したと判定された場合は、ステップS815の上記ペナルティ設定処理を行う。ここでは、ペナルティフラグをON状態(ペナルティフラグ←05AH)に設定し、たとえば、ペナルティ遊技期間を定める処理として、所定のペナルティゲーム数(たとえば、10ゲーム)をセットする。ペナルティゲーム数は、RAMの所定領域(ペナルティカウント領域)に格納され、後述のペナルティ解除条件管理処理(ステップS818)で利用される。これにより、次回ゲームから所定の遊技期間、ペナルティが科され、ペナルティ状態に応じた処理(図26の遊技開始コマンド受信処理参照)が行われることになる。
上記ペナルティ設定処理を終えると、警告演出設定処理を行う(ステップS816)。この警告演出設定処理では、警告演出を現出するために必要な演出データ(警告演出用演出シナリオデータ)の設定を行う。
この警告演出には、たとえば、(i)不正規手順(本実施形態では、第1停止操作回胴が左回胴5aが正規手順、変則押しが不正規手順となっている)を実行したことを遊技者に警告する第1の警告演出、(ii)ペナルティが科された旨を報知する第2の警告演出、(iii)ペナルティが解除されるまでの遊技期間(たとえば、ペナルティゲーム数)を報知する第3の警告演出(たとえば、「ペナルティ解除ゲーム数まで‘残り5ゲーム’」といった具合に、少なくとも「ペナルティゲーム数表示」を伴う警告演出)などを含むことができる。なお、上述した警告演出のうち、上記第1の警告演出、または第2の警告演出は、必ずしもペナルティが解除されるまで継続して現出しなくとも良い。たとえば、今回のゲームが不正規手順であった場合、ペナルティゲーム数未満のゲーム数が消化されるまで(たとえば、次回のゲームに限り)警告表示をすることができる。これは、ペナルティが解除されるまで継続して警告演出を現出すると、遊技者にとって煩わしい場合もあるからである。ただし、内部的には、ペナルティが解除されるまでは、ペナルティ状態中に設定されている。
また上記警告演出は、遊技者に明確に報知するべく、専ら、画像表示による画像表示演出が利用されるが、警告演出態様に応じて、画像表示演出とともに、あるいは画像表示演出は行うことなく、音演出よる警告音や、光演出による特別な発光態様(警告発光態様)により警告演出を現出可能な構成とすることができる。遊技機に液晶表示装置6が設けられていない機種の場合には、音演出や光演出により、上記警告演出を現出すれば良い。
また本実施形態では、全回胴の停止時に係る演出制御コマンドである「入賞情報コマンド」を受信した際に警告演出設定処理が行われる。したがって、今回のゲームの全回胴停止前には、警告演出設定処理が行われず、遊技者は不正規手順を実行したか否かは当該ゲームで知ることができない。しかし本発明はこれに限らず、不正規手順を実行したゲームにおける全回胴停止前に警告演出を現出可能に構成することができる。この場合、回胴の停止操作時に送信されてくる「停止情報受付コマンド」の受信時に警告演出設定処理を行い、回胴回転停止ボタン12が操作されたときに警告演出(たとえば、ボタン操作時に、警告音や警告発光態様による光演出など)を現出することができる。
上記ステップS816の警告演出設定処理を終えると、次いで、ペナルティ中であるか否かを判定する(ステップS817)。ペナルティ中であるか否かは、ペナルティフラグの設定状態により確認される。
ペナルティ中でない場合(ステップS817:NO)、何もせずに、このペナルティ監視処理を抜けて、図27のS805の入賞情報コマンド受信時の演出処理に進む。
しかし、ペナルティ中である場合(ステップS817:YES)、次いで、ペナルティ解除条件管理処理を行う(ステップS818)。このペナルティ解除条件判定処理では、ペナルティ解除状態を監視する。
具体的には、現在、ペナルティゲーム中であるか否か、つまりペナルティゲーム数を監視し、ペナルティゲーム数がゼロでない場合(ペナルティゲーム数≠0)、今回のゲームでペナルティゲーム数を1消化したとして、ペナルティゲーム数から1減算する(ペナルティゲーム数←ペナルティゲーム数−1)する。
続いて、ステップS819の判定処理では、ステップS818の処理結果に基づいて、ペナルティ解除条件が成立したか否かを判定する(ステップS819)。ここでは、ステップS818の処理において得られた上記減算後のペナルティゲーム数がゼロ(ペナルティゲーム数=0)となったか否かを判定する。
ペナルティゲーム数がゼロでない場合(ステップS819:NO(ペナルティゲーム数≠0))、ペナルティ解除条件未成立として、このペナルティ監視処理を抜けて、図27のS805の入賞情報コマンド受信時の演出処理に進む。しかし、ペナルティゲーム数がゼロである場合(ステップS819:YES(ペナルティゲーム数=0))、ペナルティ解除条件が成立したとして、ステップS820のペナルティ解除処理に進む。
ステップ820ペナルティ解除処理では、ペナルティフラグをクリアする(ペナルティフラグ←00H)。これにより、ペナルティ状態が解除され、次回ゲームから正常時(非ペナルティ中)の演出処理動作が実行されることになる。
なお以上に説明した実施形態は本発明を制限するものではく、本発明の目的を達成できるものであれば、各要素を適宜変更することができる。たとえば、以下のような変更をすることができる。
上記した実施形態では、機械的に駆動される回胴を利用した回胴式遊技機について説明したが本発明はこれに限らず、たとえば、画像表示を利用した演出的な回胴を利用した演出回胴式の遊技機についても適用することができ、本発明の目的を達成しうるものであれば回胴の形態は特に制限されない。また上記した実施形態では、遊技媒体として遊技メダルを利用したものについて説明したが、当該遊技媒体は特にメダルに制限されるされることはなく、たとえば、ぱちんこ遊技機に利用されるような遊技球であっても良いし、電磁気的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)を利用した遊技媒体であっても良い。
また、上記した実施形態では、RT遊技が複数種類設けられているが、どのような種類のRT遊技を設定するかは適宜決定することができる。
また上記した実施形態のように、演出制御部側の制御により遊技者の利益を左右させる遊技機では、一般遊技状態が単一(たとえば、RT0遊技だけ設ける)であっても良く、この場合、複数種類のAT遊技を設け、それぞれを所定の条件に基づいて(たとえば、AT遊技間の移行に係る複数種類の状態移行契機役を設ける)発生させるようにすることで、種々の遊技状態(遊技者に有利に作用する遊技状態と遊技者に不利に作用する遊技状態)を創出することができる。たとえば、非AT遊技中はアシスト報知せず、AT遊技α中はAT1〜4に係るベル1のアシスト報知を行い(非AT遊技中よりも遊技者に有利に作用しうる遊技状態)、AT遊技β中はベル1に係るAT1〜12の全ATをアシスト報知を行う(AT遊技α中よりも遊技者に有利に作用しうる遊技状態)、といった具合により、一般遊技状態が単一であっても演出状態により遊技者に有利・不利な遊技状態を複数種類作り出すことができる。また、抽選対象役には、フリーズ演出抽選契機およびAT遊技移行抽選契機として作用する役(特殊抽選契機役)を含み、またこれに加え、フリーズ演出抽選契機としてのみ作用する役および/またはAT遊技移行抽選契機としてのみ作用する役の少なくともいずれか一方を含むことができる。そして、これら契機役は、遊技性に応じて適宜変更することができる。
以上に説明した本実施形態では、RT遊技(少なくとも1種)および/またはAT遊技(少なくとも1種)の設け、また複数種類の有利報知状態移行契機を設けることで、遊技の面白みを増すことができる。またペナルティ中であっても、複数種類の有利報知状態移行契機のうち、AT確定役当選やフリーズ演出発生時などの特定の有利報知状態移行契機に基づく有利報知状態移行条件の成立は抑制しない一方、それ以外の前記有利報知状態移行契機に基づく有利報知状態移行条件の成立を抑制することで、遊技者に対し、過度なペナルティを科すことなく、遊技者に酷とならないような遊技機を提供することができる。