JP2017119057A - 回胴式遊技機 - Google Patents

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拓也 三木
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Abstract

【課題】斬新なフリーズ演出を発生可能な回胴式遊技機を提供する。【解決手段】複数種類の役を対象に抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段と、当選役に対応する図柄の組合せが遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段とを備え、所定の決定条件が成立したゲームを基点ゲームとし、当該基点ゲームから所定ゲーム数後に、疑似停止動作を含む回胴演出を現出させるフリーズ演出を実行可能に構成された回胴式遊技機において、前記フリーズ演出の前記実行ゲームよりも前の特定のゲームにおいて実際に導出表示された図柄の組合せを、前記疑似停止動作を利用して再現するように構成した。【選択図】図39

Description

本発明は、回胴式遊技機に係る遊技動作制御処理に関する。
一般に回胴式遊技機は、遊技者による始動レバーの開始操作を契機に、役に関する抽選(内部抽選)を行うとともに、種々の図柄が施された複数の回胴を回転させ、遊技者による停止ボタンの停止操作を契機に、回転中の回胴を停止させて、内部抽選に対応した図柄の組合せを遊技結果として導出表示し、遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与するように構成されている。
この種の回胴式遊技機では、内部抽選による抽選結果に基づいてフリーズ抽選を行い、これに当選した場合には、当該当選ゲームにおいて、たとえば、始動レバー操作に起因して、回胴装置の各回胴を一定時間だけ不回転状態に置くフリーズ状態に制御するフリーズ演出を発生させ、そのフリーズ演出を利用して、内部抽選結果情報を遊技者に報知するものが知られている(たとえば、下記特許文献1)。
特開2009−285173
しかし上記従来の回胴式遊技機では、フリーズ演出の発生が、今回のゲームの内部抽選結果に依存してしまい、またフリーズ演出において、専ら、今回のゲームの内部抽選結果情報を報知するに止まり、フリーズ演出の自由度に乏しく、面白みに欠けていた。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、フリーズ演出の面白みを向上させうる回胴式遊技機を提供することを目的とする
本発明の上記目的は、下記の手段により達成される。
(1)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段と、
前記始動手段の操作を契機に、複数種類の役を対象に抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段と、
前記停止手段の操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御する遅延状態制御手段と、
所定の決定条件が成立したゲームを基点ゲームとして決定し、その基点ゲームから少なくとも1ゲーム先を前記遅延状態制御手段による前記遅延状態が実行される実行ゲームとして決定する遅延状態実行ゲーム決定手段と、
前記実行ゲームに係る遅延状態中において回胴の回転動作を制御し、回胴の疑似停止動作を含む回胴演出を現出させる回胴演出制御手段と、
前記停止制御手段により前記遊技結果として導出表示された図柄の組合せを特定可能な停止図柄情報を記憶する停止図柄情報記憶手段と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記回胴演出制御手段は、
前記実行ゲームよりも前の特定のゲームにおいて記憶された前記停止図柄情報に基づき、当該特定のゲームにおいて実際に前記遊技結果として導出表示された図柄の組合せを、前記疑似停止動作を利用して再現する、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
本発明によれば、フリーズ演出の面白みを向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の図柄配列帯を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置の概要を示す制御ブロック図である。 図3に示す主制御基板および演出制御基板の回路構成の概要を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の役抽選テーブルを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機における役構成(抽選対象役、入賞役、配当等)の説明に供する図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の入賞ライン一例を示す図である。 有効入賞ライン、疑似入賞ライン上に成立する図柄の組合せの説明に供する説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の遊技状態(主制御部側遊技状態)間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機のフリーズ待機モード中の遊技状態の移行状態の概要を示す状態遷移図である。 本発明の第1の実施形態に係る回胴式遊技機の主制御部側遊技状態、演出制御部側遊技状態、遊技機全体から捉えた遊技状態(遊技モード)の説明に供する説明図である。 遊技動作制御プログラムに従い主制御部側が行う主制御側メイン処理を示すフローチャートである。 図11中の回胴演出管理処理を示すフローチャートである。 図12中の通常モード中回胴演出設定処理を示すフローチャートである。 図12中のフリーズ待機モード中回胴演出設定処理を示すフローチャートである。 図11中の回胴回転開始設定処理を示すフローチャートである。 図11中の回胴停止処理を示すフローチャートである。 図16中の回胴演出モード移行設定処理を示すフローチャートである。 図17中のフリーズ待機モード管理処理を示すフローチャートである。 遊技動作制御プログラムに従い主制御部側が行う主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 遊技動作制御プログラムに従い演出制御部側が行う演出制御側メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御部側が行うコマンド受信割込み処理を示すフローチャートである。 演出制御部側が行う演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図20中の受信コマンド解析処理における遊技開始時演出処理を示すフローチャートである。 図23中の通常演出モード中演出管理処理を示すフローチャートである。 図23中の移行リプレイアシスト報知モード中演出管理処理を示すフローチャートである。 図23中のフリーズ待機モード中演出管理処理を示すフローチャートである。 図26中の告知ゲーム終了時演出処理を示すフローチャートの前半部である。 図26中の告知ゲーム終了時演出処理を示すフローチャートの後半部である。 図20中の受信コマンド解析処理における全回胴停止時演出処理を示すフローチャートである。 図28中のフリーズ待機モード中演出移行管理処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るAT抽選テーブルを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る偽フリーズ待機モード抽選テーブルを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るフリーズ演出抽選テーブルを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るフリーズ待機モード移行用のモード移行テーブルを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る回胴式遊技機のフリーズ待機モード中の遊技状態の移行状態の概要を示す状態遷移図である。 本発明の第2の実施形態に係るAT高確モード移行抽選テーブルを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る回胴式遊技機のAT高確モード中AT抽選テーブルを示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る回胴式遊技機の主制御部側遊技状態、演出制御部側遊技状態の説明に供する説明図である。 第9の実施形態に係る遊技データ(再現フリーズ用図柄データ)の記憶例を示す図である。 再現フリーズ演出の説明に供する説明図である。 第10の実施形態に係る遊技データ(再現フリーズ用当選役データ)の記憶例を示す図である。 本発明の第15の実施形態に係る回胴式遊技機の図柄配列帯を示す図である。 本発明の第15の実施形態に係る回胴式遊技機における役構成(抽選対象役、入賞役、抽選確率、配当等)の説明に供する図である。 本発明の第15の実施形態に係る特定の停止目(リーチ目、チャンス目)の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
<機械的構成:図1>
本発明の一実施形態に係る遊技機として、回胴式遊技機を例にとり説明する。図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。
本実施形態では、回胴視認部3を介して、各々3個程度(計9つ程度)の図柄が視認可能となっている。また各回胴5a、5b、5cには、回胴視認部3に表示される各図柄を回胴の内側から照射する図柄照射用バックライトLED(図柄照射手段:図示せず)が形成されている。この図柄照射用バックライトLEDは、回胴視認部3に表示される各図柄が遊技者から視認し易くする機能の他、遊技に関する演出を現出するための演出手段としても機能し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
<図柄配列帯200:図2>
図2は、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯200を例示したものである。同図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、役に関する内部抽選により当選した役(当選役)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が表示されている。本実施形態の場合、その図柄種として、赤7(符号31)、青7(符号32)、BAR(符号33)、リプレイ(符号34)、ベル(符号35)、スイカ1(符号36)、スイカ2(符号37)、チェリー1(符号38)、チェリー2(符号39)、ブランク図柄(符号40)などの複数種類の図柄が設けられている。これらの図柄が回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
各回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより、各図柄が変動表示および停止表示されるようになっている。なお各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、本発明の目的を達成できるものであれば、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴(画像を利用し、図柄の変動表示動作を行う演出的な回胴)であっても良い。この場合、画像表示装置は、複数種類の図柄(識別情報)の変動表示動作を実行可能に構成され、遊技結果を導出表示する手段(遊技結果表示手段の一態様)として働く。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、その数は適宜変更することができる。
回胴視認部3には、ここを横断する形で、入賞ライン(入賞ライン3a:本実施形態では、単一の入賞ライン)が定められている。この入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する所定の賭数(ベット(BET)数)が設定されると有効として扱われる。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上において、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せとなった場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを付与しうる役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルが払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
なお、入賞ラインが複数本ある場合は、単位遊技(1ゲーム)に対するベット数に応じて有効として扱われるライン数を変化させることができる。また入賞ライン3aは、本発明の目的を達成できるものであれば、その本数やライン形態は特に限定されない。入賞ライン3aの構成は、図柄配列帯200おける図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せ、回胴の停止制御形態(後述の引き込み制御)などの関係により、適宜変更することができる。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は「液晶画面視認部」であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。この液晶表示装置6(液晶画面6a)には、遊技に関する演出が画像により表示される。
また回胴視認部3の左右両側には、光の装飾により遊技に関する演出を現出する光演出装飾部(装飾ランプ13)が設けられている。この装飾ランプ13は発光手段(たとえば、LEDやELランプや無電極ランプ)を内蔵し、その発光態様(発光色の種類や発光パターン(点滅、点灯、消灯)など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。この光演出装飾部は、発光手段を露出してその発光態様を直接視認させる装飾形態や、発光手段の前側(遊技者側)に文字列やキャラクタなどの絵柄が表示(印刷)された透光性素材を配置し、その絵柄を演出的に表示させる装飾形態とすることができる。
また回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(クレジット手段:遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを所定の上限数(最大クレジット枚数:たとえば、50枚)まで貯留して、その貯留数(クレジット枚数)を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(主制御部400(図3参照)がその機能部を担う))にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)の上限値(最大賭数:たとえば、遊技メダル3枚)まで遊技メダルを一度に疑似投入しうるMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うためのクレジット精算ボタン10などが設けられている。MAXベットボタン8の内部には、MAXベットボタン8の操作が許容状態であることを報知するためのMAXベットLED84(図3参照)が内蔵されている。
なお図示していないが、遊技者が操作可能に構成され、その操作の前後で演出手段による演出に変化をもたらす際に利用される「演出用ボタン(演出用操作手段)」が遊技機の適所に設けられている。この演出用操作手段としては、たとえば、ボタン式、ジョグダイヤル式、非接触型センサを利用したタッチセンサ式、または液晶表示装置を利用したタッチパネル式などが挙げられるが、いずれの場合にも遊技者による操作が行われた場合に、演出に何らかの変化を与える(その操作の前後で演出に変化をもたらす)ために利用可能なものであれば特に制限されない。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、これら回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを「回胴回転停止ボタン12」と略称する。
なお上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、クレジット精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、および上記演出用ボタンのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(演出用ボタンスイッチ(図示せず)、MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、クレジット精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。
また、前扉2の裏面側のメダル投入口7に対応する位置には、メダル投入口7に投入された遊技メダルが正規か否かを選別して、正規の遊技メダルをホッパーユニット500側に導くメダルセレクタ(図示せず)が設けられている。このメダルセレクタには、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a(図3参照)が設けられ、また、投入された遊技メダルを、遊技機内部において、ホッパーユニット500(図3参照)に受け入れるためのメダル受入通路側と、メダル受け皿18側に誘導するためのメダル返却通路側とを切り換え可能に構成されたブロッカーソレノイド7c(図3参照)による通路切換機構が設けられている。
また操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールしたり、他機種と識別したりするための色彩や文字や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18の遊技機本体側には、ホッパーユニット500(遊技媒体払出手段:図3参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルをメダル受け皿18側に排出するためのメダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、音楽や効果音を出力して、遊技に関する音演出効果を発揮するスピーカ16が設けられている。このスピーカ16の数や形成位置は特に限定されず、遊技機の適所に設けることができる。
また回胴視認部3の下部側には、横長状に形成された遊技パネル77が設けられている。この遊技パネル77の内側には、遊技者に対し、現在の遊技進行具合・遊技状況を報知するための各種の表示部(図3参照)が設けられている。
具体的には、(イ)クレジット枚数を表示する「クレジット枚数表示部(クレジット枚数表示器86)」、(ロ)遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する「払出枚数表示部(払出枚数表示器87)」、(ハ)回胴回転始動レバー11の操作が有効(遊技開始可能状態(回胴始動可能状態))であるか否かを報知する「遊技開始表示部(遊技開始表示LED81)」、(ニ)遊技メダルの投入が受付可能状態であるか否かを報知する「メダル投入表示部(メダル投入表示LED82)」、(ホ)再遊技が作動中(再遊技中)であるか否かを報知する「再遊技作動表示部(再遊技作動LED83)」、および(ヘ)遊技メダルの投入枚数(現在の賭数)を表示する「投入枚数表示部(投入枚数表示LED85)」などの種々の表示部が設けられている。
これら表示部は、主制御部400により表示制御され、たとえば上記クレジット枚数表示部や払出枚数表示部は、7セグメント表示器により現在のクレジット枚数情報や遊技結果に応じた払い出し枚数情報を報知可能に構成されており、また上記遊技開始表示部、メダル投入表示部、再遊技作動表示部、投入枚数表示部などは、その内蔵LEDの発光態様(消灯・点灯(点滅)、発光色など)により、現在の遊技進行具合・遊技状況を報知可能に構成されている。
なお図示はしていないが、遊技機1の適所には、三次元的・二次元的動作による視覚的演出効果を発揮する可動体役物が配設されている。斯様な可動体役物には、たとえば、液晶表示装置6を全部または一部を覆うよう出現する「シャッター式役物」や、液晶表示装置6の上部から下部に落下するように見せる「落下式役物」など、種々の可動体役物が挙げられる。上記可動体役物は、たとえば、特定の演出期間中において所定の動作態様で動作し、遊技に関連する情報(たとえば、抽選結果に関連する情報(内部抽選結果やフリーズ演出抽選結果やAT抽選結果に関連する情報など))を報知可能に構成されている。
ここで、本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ13やLED、図柄照射用バックライトLEDなどの光発生手段、演出表示装置、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、または可動体役物などはその代表例である。なお、上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグメントによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図3〜図4>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図3は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板400(以下、「主制御部400」と称する)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出(実行)制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する不図示の電源基板(電源制御手段)とを中心に構成される。上記の演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、クレジット精算ボタン10の操作を検出するクレジット精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、ブロッカーソレノイド7cが接続され、ブロッカーソレノイド7cに対してソレノイド制御用の励磁信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、遊技表示基板390が接続されている。この遊技表示基板390には、遊技開始表示LED81と、メダル投入表示LED82と、再遊技作動LED83と、MAXベットLED84(MAXベットボタン8内蔵LED)と、投入枚数表示LED85とが搭載され、主制御部400はこれら表示部を制御する発光制御信号を送信可能となっている。さらに遊技表示基板390には、クレジット枚数表示器86と払出枚数表示器87とが搭載されており、主制御部400はこれら7セグメント表示器を制御する発光制御信号を送信可能となっている。
なお図示はしていないが、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、1ベットボタン9、および/またはクレジット精算ボタン10には、その内部にLEDが設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置(基点からの現在位置)や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500と、満杯検知金具600とが接続されている。この満杯検知金具600は、ホッパーユニット500から溢れた余剰の遊技メダル貯留するための補助タンク(図示せず)の満杯状態を監視するためのセンサであり、主制御部400は、満杯検知金具600からの検出信号に基づき、遊技機内部に貯留された遊技メダルが満杯状態であるか否かを監視する。
ホッパーユニット500は、図示はしていないが、投入された遊技メダルを貯留するホッパータンク(メダルホッパー)と、ホッパータンクを支持する本体部とを中心に構成される。この本体部には、ホッパーモータ510により駆動制御され、上記ホッパータンクに貯留された遊技メダルを捕捉し、本体部からメダル受け皿18に向けて排出するためのメダル排出機構(図示せず)と、メダル排出機構により排出される遊技メダルを検出するためのメダル払出センサ520などが設けられている。またホッパーユニット500には、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板(払出制御手段)450が設けられている。
主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払出制御基板450に対して払い出し枚数を指定する「払出制御コマンド」を送信可能となっている。払出制御基板450は、上記払出制御コマンドを受信すると、ホッパーモータ510を駆動制御してホッパータンクに貯留された遊技メダルを1枚ずつ払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出される。主制御部400は、メダル払出センサ520の検出信号に基づいて、遊技メダルの払い出し状態やその払い出し枚数を監視する。
また主制御部400には、外部集中端子基板310が接続され、この外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)に対し、所定の遊技情報(たとえば、遊技メダルの投入枚数(IN枚数)、遊技メダルの払出枚数(OUT枚数)、入賞の発生、ボーナス遊技の発生などに関する種々の情報)を送信可能となっている。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。
この回胴設定基板430には、図示はしていないが、所定の遊技動作エラー(たとえば、補助タンクの満杯状態に関する満杯エラーや、遊技メダルの払い出しに関するエラー)を解除するための「リセットスイッチ」や、設定値を変更する際に操作する「設定変更スイッチ(設定キースイッチ、設定スイッチ)」などが配設されている。回胴設定基板430は、これらスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。
上記「設定値」とは、主に、遊技者の獲得利益を左右しうる内部抽選による役の抽選確率(図5参照)、フリーズ演出抽選確率(図33参照)、ATモード移行に関する抽選確率(図31、図36参照)などの抽選確率を段階別(たとえば、設定1〜6の6段階)に規定し、遊技者が享受可能な利益の期待値を段階的に特定する値であり、設定値が高くなるほど機械割(出玉率)が高くなり(設定値1が最低の機械割、設定値6が最高の機械割)、遊技者に有利に作用するようになっている。この設定値は、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員が上記設定スイッチを操作して設定値が変更される。
上記「設定値」の変更は、まず、遊技機への電源OFF状態において設定キースイッチをON状態(設定変更モード移行側)としてから遊技機の電源をON状態すると、現在の設定値が図示しない「設定値表示器」に表示され、設定値(1〜6段階)の変更操作が可能な設定変更モードに移行される。この設定変更モードにおいて、上記設定スイッチが操作されると、設定値表示器の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→・・・」のように1〜6の範囲で循環するように切り替え、目的の設定値となった場合に、回胴回転始動レバー11がON操作されると、その設定値が確定される。確定されたこの設定値情報は、メインRAM401b(図4参照)の設定値情報記憶領域に格納され、主制御部400において管理される。そして、設定キースイッチをOFF状態に操作すると、設定変更モードが終了し、遊技の進行が可能な状態に移行されるようになっている。なお、上記設定変更モードに関する処理(設定モード変更処理)は、後述の初期設定処理(図11のステップS11)中において実行される。
また主制御部400には、演出I/F基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、演出手段に対する演出の現出制御である。具体的には、主制御部400からの演出制御コマンドの受信に関するコマンド受信処理、受信した演出制御コマンドに基づく演出決定に関する演出決定処理、決定した演出に関連した液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対して送信する送信処理、その他、スピーカ16の音制御や装飾ランプ13やLEDの発光制御、遊技機の適所に設けられた可動体役物(図示せず)の動作制御に関する制御処理などである。
上記した演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信に関するコマンド受信処理、液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示演出の現出制御に関する表示制御処理などである。
次に図4を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図4は、図4に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態では、Z80システム相当品)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインCPU401cは、たとえば、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUであり、処理を実行するのに必要なデータの読み出し、書き込みが行われる複数種類のレジスタを備えている。
メインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、たとえば、回胴の停止制御用の停止データを定めた「停止テーブル(図示せず)」、内部抽選(役抽選)用の抽選データ(抽選確率データ)を定めた「役抽選テーブル(図5)」、内部抽選結果情報(たとえば、内部当選フラグ)用の設定データを定めた「当選フラグ設定テーブル(図示せず)」、フリーズ演出抽選用の抽選データを定めた「フリーズ演出抽選テーブル(後述の図33)」など、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
メインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、内部抽選に利用される内部抽選用乱数値、内部抽選結果情報(内部当選フラグ、当選役情報(当選番号情報)など)、遊技状態情報、フリーズ演出種別情報、遊技結果情報(停止図柄(入賞役)情報)、遊技動作制御に係る各種の遊技動作用タイマ、賭数設定情報(遊技メダル投入枚数)、クレジット枚数情報、払出枚数情報など、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またメインRAM401bは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として機能し、特定の抽選(たとえば、後述のフリーズ演出抽選:図13のステップS133)に利用される乱数カウンタとして働く。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、割込機能(メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込機能や割込禁止機能)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。
CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで本実施形態では、CTC401dを利用して、メインCPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得し、その乱数値を内部抽選に利用する。マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、所定の遊技開始条件の下(遊技開始条件となる賭数が設定された場合)、回胴回転始動レバー11が操作されると、上記内部抽選用乱数値と後述の役抽選テーブル(図5)とに基づいて、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを抽選(内部抽選)により決定し、その抽選結果情報を所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定領域に格納(設定)する。この抽選結果情報は、原則として、1ゲームごとにクリアされる。
(役抽選テーブル:図5)
図5に、本実施形態に係る役抽選テーブルの概要を示す。本実施形態では、各遊技状態(後述のRT0遊技、RT1遊技、ボーナス遊技など)に対応した役抽選テーブルが設けられている。これら役抽選テーブルは、設定値(たとえば、設定値1〜6)ごとに対応した役抽選テーブルが設けられている。ここでは、設定値6に対応した役抽選テーブルを代表例として示し、他の設定値に関しては重複記載を避けるために省略する。
上記役抽選テーブルには、図示のように、内部抽選の対象となる役(抽選対象役:図示の「当選役種別」の欄参照)に対応した当選領域(判定値)を有する抽選領域(本実施形態の抽選領域の大きさは、65536となっている)が定められており、これにより各役の当選確率(判定値/抽選領域(65536))が規定される。本実施形態の場合、内部抽選の対象となる役として、不当選(ハズレ)を含み、17種類の抽選対象役が設けられている(各役については後述する)。主制御部400(メインCPU401c)は、図5に示す「役抽選テーブル」を参照し、内部抽選乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、いずれの役に当選したのか、不当選(ハズレ)であるのかを決定する。
また本実施形態では、遊技状態に応じて、特定の抽選対象役や、特定の抽選対象役の当選確率が異なるようになっている。たとえば、ボーナス遊技中に利用される抽選テーブル(図示の「ボーナス遊技中」の欄参照)では、後述のAT1〜4の当選確率が通常遊技よりも高く設定されており、ボーナス遊技中においては、AT1〜4のいずれかがほぼ毎ゲーム当選する、といった「特別遊技状態」とされる。またRT0遊技中とRT1遊技中とでは、リプレイ役種(たとえば、当選番号13〜16)の当選確率やハズレ確率が異なり、RT0遊技中よりもRT1遊技中の方がリプレイ役種の当選確率が高確率とされ、ハズレは低確率とされる。また、RT0遊技中においては、RT1遊技中で抽選対象役となる特定のリプレイ役種別(当選番号13〜16)が抽選対象から除外されている。
なお詳細は後述するが、RT1遊技は、特別役種のCBBが内部当選中の遊技状態(以下、「BB内部当選遊技」と称する)であり、RT0遊技は、CBBが内部当選中ではない遊技状態(以下、「非BB内部当選遊技」と称する)となっている。
図4の説明に戻り、主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての「演出制御コマンド」が、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板420に送信される。つまり演出制御部410側は、一方向通信における入力としてのみ機能するようになっている。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が、演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するためである。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、遊技開始条件の下、回胴回転始動レバー11の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づく規定枚数(遊技開始可能となる投入枚数)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力の受付を有効(遊技開始可能状態)にする。そして、この遊技開始可能状態の下、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御し、各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、その後、各回胴を略一定速度で回転させる。これにより、各回胴を回転させる回転動作を実現している。
なお、本実施形態では、遊技メダル3枚が1ゲームに対しての最大賭数(MAXベット)となっており、上記遊技開始条件となる規定枚数も遊技メダル3枚となっている。ただし、最大賭数は、遊技状態に応じて変化させることができる。たとえば、通常遊技中では最大賭数を遊技メダル3枚とし、ボーナス遊技中では最大賭数を遊技メダル2枚とすることができる。また上記規定枚数は、1枚または2枚でも良く、遊技性に応じて適宜定めることができる。
回胴の停止制御は、回胴の回転中において、回胴回転停止ボタン12の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認した場合、特定位置(たとえば、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(枠内下段)に相当する位置)に存在する図柄番号を取得してこれを「停止操作図柄番号」とし、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。なおマイクロコンピュータ401は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、上記特定位置に存在する図柄番号を把握している。これにより、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄番号の図柄が停止したのかについて、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。また回胴が実際に停止する前段階であっても、滑りコマ数と停止操作図柄番号とに基づき、有効入賞ライン上の停止図柄を事前に把握することもできる。
上述の「停止テーブル」には、停止操作図柄番号に対応する滑りコマ数を最大引き込みコマ数範囲内(たとえば、4コマ)で定めた停止データが定められている。この停止テーブルには、主として、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれる。たとえば、全回胴の滑りコマ数を一括して定めた全回胴用停止テーブルや、各回胴ごとに滑りコマ数を定めた停止テーブル(たとえば、左回胴用停止テーブル、中回胴用停止テーブル、右回胴用停止テーブル)や、回胴の停止操作手順(停止操作タイミング(目押し))および回胴の停止操作順番(押し順)の少なくともいずれか一方)に応じて選択される停止操作順用停止テーブルなど、ハズレや当選役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させるための停止テーブルが含まれる。斯様な停止テーブルにより、最大引き込みコマ数範囲内において、特定の図柄(たとえば、当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄(当選役の構成要素図柄))を有効入賞ライン上に停止させたり、特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりする、所謂「引き込み制御」が実現される。
この「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役の構成要素図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄)を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能な当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、有効入賞ライン上に当選役の構成要素図柄が存在しない場合であっても、当該当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込まれ、当選役に対応する図柄を有効入賞ライン上に成立させるように回胴の停止位置が制御される。
このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数などを定めれば、当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄(構成要素図柄)を、停止操作手順(停止操作タイミングおよび押し順の少なくともいずれか一方)によらず有効入賞ライン上に停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、また役に当選しても停止操作手順によっては、たとえ最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(所謂「取りこぼし」の発生を可能にする)にしたりすることができる。これにより、たとえば、特定の当選役を取りこぼした際、遊技結果として、特定の停止表示態様(所謂、取りこぼし目、リーチ目、チャンス目など)を導出可能としている。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない「不当選」、つまり「ハズレ」の場合には、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定されるようになっている。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作手順にかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。
なお本実施形態の図柄配列帯200(図2参照)では、各回胴における1または複数種類の特定の図柄種(たとえば、リプレイ図柄34、ベル図柄35)に関しては、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されており、その他の図柄に関しては、必ずしも引き込み率が100%とはなっていない。また、一の回胴と他の回胴とで、特定の図柄に関しての引き込み率が異なる。これにより、特定の当選役について、対応する図柄の組合せを停止操作手順によらず100%引き込み可能としたり、停止操作手順に応じて「取りこぼし」を発生させたりすることを可能にしている。なお図柄配列帯200に関し、どのような図柄種をどのような引き込み率に定めるかは、当選役に対応する図柄の組合せや各回胴における図柄配置構成や有効入賞ラインなどの関係により、適宜定めることができる。また上記押し順については、主制御部400がその機能部を担う「停止操作順番監視手段」により監視される。この停止操作順番監視手段は、各回胴の回転状態および停止状態を監視し、回転中の回胴と停止中の回胴とに基づき、停止操作対象となった回胴が何番目の停止操作であるか(押し順)を監視し、押し順を把握する。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。
演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460と、スピーカ16や装飾ランプ13や可動体役物(図示せず)などの各種の演出手段とが接続されている。
上記サブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、演出抽選用乱数値や演出制御部側の遊技状態(演出状態)情報など、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またサブRAM421bは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として機能し、特定の抽選(たとえば、後述の偽フリーズ待機モード抽選(図32))に利用される乱数カウンタとして利用することができる。
またカウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、特定の抽選(たとえば、後述のAT抽選(図31、図36))に利用される。
また演出制御基板420には、上記演出用ボタン(図示せず)が接続され、その操作検出信号を受信可能となっている。
なお図示はしていないが、演出制御基板420には、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて光、音、および可動体役物についての演出処理を行うため、装飾ランプ13や演出用LED(たとえば、図柄照射用バックライトLED)を含む光表示装置に対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置に対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物を動作させるための可動体役物モータに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御基板420は、これら制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御基板420には、可動体役物に対する位置検出スイッチが接続され、その検出信号を受信可能となっている。演出制御基板420は、上記位置検出スイッチからの検出信号に基づき、可動体役物の原点位置(初期位置)から現在の位置を把握し、可動体役物の動作制御を実行し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像(キャラクタ)ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
演出の現出制御については、マイクロコンピュータ421(サブCPU421c)が、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、今回のゲームで現出すべき演出シナリオ(演出内容)を構築する。そして、この演出シナリオに基づき、効果音や光演出の発生が必要なタイミングで、上記音響発生装置や光表示装置に対して専用の制御信号(音制御信号、光制御信号)を送信し、また液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対し送信する。上記演出シナリオは、1または複数種類の演出パターンを含んで構成される広義の意味での演出であり、複数種類の演出パターンからなる演出シナリオの場合、個々の演出パターンは、その演出シナリオを構成する一要素(パーツ演出)としての役割を果たす。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生、または装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動、あるいは液晶表示装置6による画像表示演出が実現され、時系列的に種々の演出パターンが次々に、あるいは複数同時に展開されることにより、目的とする演出が現出されることになる。斯様な演出には、遊技に係る種々の演出態様が含まれ、内部抽選結果情報に関する情報を報知しうる役報知演出、遊技状態(遊技モード)に関連する情報を報知しうる状態報知演出、後述のアシスト報知演出などはその代表例である。
またマイクロコンピュータ421は、主制御部400から送られてくる特定情報(たとえば、当選役情報、特定の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した旨の情報など)を含む演出制御コマンドを受けて、これに基づいて複数種類の演出状態間(たとえば、非AT遊技とAT遊技間)を移行制御可能な構成となっている。
また図示はしていないが、演出制御基板420の割込端子INTは、コマンド伝送ラインのうち、主制御部400がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞となる図柄の組合せ:入賞役種別)、および配当について:図6>
次に図6を参照しながら、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、およびその配当(遊技価値)の関係について説明する。図6は、当選役に応じた図柄の組合せとその役名称、その図柄の組合せを成立させるための停止操作手順、および配当を例示したものである。
なお、図6の「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける成立ライン(有効入賞ラインまたは後述の疑似入賞ライン)上の停止図柄を示す。また図中の「押し順の欄に関する「左」「中」「右」の表記について、「左」は停止操作対象が左回胴5a、「中」は中回胴5b、「右」は右回胴5cを意味する。また、同欄の「順押し」や「中右左」などの表記は、同図の「入賞役種別」の欄に対応した図柄の組合せを成立させる回胴の停止操作順番(押し順)を示す。たとえば、上記「中右左」の表記は、この順に回胴を停止させることを意味し、具体的には、第1番目の停止操作が中回胴5b、第2番目の停止操作が右回胴5c、第3番目の停止操作が左回胴5aの意である。また「左」の表記は、第1番目の停止操作を左回胴5aとする押し順の意であり、「中」の表記は、第1番目の停止操作を中回胴5bとする押し順の意であり、「右」は第1番目の停止操作を右回胴5cとする押し順の意である。また同欄の「左/中」の表記は、第1番目の停止操作が「左回胴5a」または「中回胴5b」とする押し順の意である。以下、説明の便宜上、必要に応じて、第X番目の停止操作を「第X停止操作」と略し、「第X番目に停止操作対象となった回胴」を「第X停止操作回胴」と略す。ただし、図示の当選役種別の中には、当選役に対応する図柄の組合せを成立させる条件として、押し順だけでなく、最大滑りコマ数の関係上、さらに停止操作タイミング(目押し)を要する場合もある。
本実施形態では、図示のように、複数種類の抽選対象役が設けられている。これら抽選対象役は、「特別役種」に属するものと、「一般役種」に属するものとに大別され、さらに「一般役種」は、‘小役種’に属するものと‘リプレイ(再遊技)役種’に属するものとに大別される。上記「特別役種」は、後述の‘ボーナス遊技’への移行契機となる役種別であり、上記「小役種」は、‘遊技メダルの払い出し(払い出し0枚を含む)’を伴う役種別であり、「リプレイ役種」は、‘再遊技’を伴う役種別であり、それぞれ異なる性能を有する役として定められている。
なお上記「再遊技」とは、遊技メダル(遊技媒体)を投入することなく(貯留手段により、またはその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む)、次回のゲーム開始条件を再付与するものであり、具体的には、今回のゲームで使用した遊技媒体量(賭数設定のために投入した遊技メダル枚数)と同一量(同一の枚数)を疑似的に付与(自動投入)して、次回のゲームを開始可能とするものである。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。なお、遊技者に付与される遊技価値には、上述の再遊技や遊技メダルの他、たとえば、遊技状態の移行やその移行に関連する所定の抽選(たとえば、後述のフリーズ演出抽選(図33)、AT抽選(図31、図36)、偽フリーズ待機モード移行抽選(図32)など)の実行権利の付与なども含まれる。また斯様な遊技価値は、遊技者に有利に作用するものに限らず、遊技者に不利に作用するものも含まれる。
本実施形態では、上記特別役種に属するものとして「CBB(当選番号17)」が設けられている。また上記小役種に属するものとして「弱チェリー(当選番号2)」、「強チェリー(当選番号3)」、「弱スイカ(当選番号4)」、「強スイカ(当選番号5)」、「CAベル1(当選番号6)、「AT1〜4(当選番号9〜11)」が設けられている。また上記リプレイ役種に属するものとして「CAベル2(当選番号7)」、「通常リプレイA(当選番号12)」、「移行リプレイA〜B(当選番号13〜14)」、「特殊リプレイA〜B(当選番号15〜16)」などが設けられている。
上記抽選対象役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。詳述すれば、内部抽選により当選役が決定された場合、その当選役に対応する内部当選フラグが成立し(当選役に対応する1または複数種類の条件装置が作動する)、その成立した内部当選フラグに対応する図柄の組合せが、有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。そして、各回胴が停止した際、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すれば、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。
なお本明細書中では、内部抽選により当選役が決定された場合、遊技結果として導出表示される図柄の組合せ(特に、有効入賞ライン上への停止が許容される図柄の組合せ)を「入賞役」と称する場合があり、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止(成立)することを「入賞(遊技価値が付与されるか否かは問わない)」と称する場合がある。また、当選役に係る入賞役(配当がある入賞役)を取りこぼしが発生した場合に遊技結果として導出表示される特定の停止表示態様(取りこぼし目)も、遊技結果として導出表示される図柄の組合せの一態様であることから、取りこぼし目も入賞役の一つとして扱うことができる。
<役構成>
次に図6を参照して役構成について説明する。
ここで先ず、本発明の理解を容易なものとするために、仮想的な入賞ライン(以下、「疑似入賞ライン」と称する)について説明しておく。
(疑似入賞ライン)
本実施形態では、上記したように、複数種類の抽選対象役が設けられている。これら抽選対象役には、その当選により、少なくとも押し順にかかわらず、対応する役の入賞を許容する「押順不問役(たとえば、後述の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CAベル1〜2)」や、その当選により、少なくとも押し順に応じて異なる役の入賞を許容する「押順規定役(たとえば、後述のAT1〜4、通常リプレイA、移行リプレイA〜B、特殊リプレイA〜B)」が含まれ、これら多種多様な役により、遊技性を豊富にすることができるようになっている。
このような抽選対象役を多数設けて遊技性の幅を広げる場合、多数の有効入賞ラインを設ける、たとえば、従来の多くの回胴式遊技機に見られるように、図7A(A)に示す中段横ラインと、さらに、図7A(B)の破線に示すように、回胴視認部3を横および斜めに横断する形の計4本(図正面から見て、回胴視認部3を右斜め下がりに対角線上に横断する「右下りライン」と、右斜め上がりに対角線上に横断する「右上りライン」と、回胴視認部3を水平方向に横断する上段横ラインと下段横ラインとの4本)の合計5本の入賞ラインが施された所謂「5ライン機」のように、多くの有効入賞ラインを設けてしまうと、引き込み制御、役の構成要素図柄、およびその図柄に関する図柄配列帯200における図柄配置構成などの関係上、遊技機を設計する上で役構成が複雑化してしまい、抽選対象役の種類やこれに対応する入賞役の種類を制限せざるを得なくなり、遊技性の自由度が阻害されてしまう。
そこで本実施形態では、従来よりも入賞ライン数を少なくしたもの、たとえば、図7(A)に示すような単一の有効入賞ラインを持つ「1ライン機」としている。ここで、上記「1ライン機」のように入賞ラインを少なくした場合、入賞役の種類を豊富にするために、有効入賞ライン上には、一見して「ハズレ目」が如く「バラケ目」を停止させ、これを入賞役として扱うことが必要な場合が生じうる。
このため本実施形態では、遊技者に対して役が成立したことを容易に認識させるべく、有効入賞ラインとは別に、一般的な「5ライン機」を模した仮想的な入賞ラインである「疑似入賞ライン(図7A(B)の破線のライン)を形成して、この疑似入賞ライン上に、遊技者が入賞したと認識し易い特定の図柄の組合せを停止させることで、当選役に対応した入賞が発生したことを遊技者に知得させることができるようになっている。
これについて図7A〜図7Bを参照して具体的に説明する。図7Bは、AT4が当選した場合の有効入賞ライン上と疑似入賞ライン上とに停止する図柄の組合せを例示した図である。なお詳細は後述するが、AT4は、押し順に応じて、配当12枚が得られる‘12枚AT役’か、またはそれよりも遊技価値が低い配当1枚が得られる‘1枚AT役’が入賞する、といった押順規定役に属するものである。
図7B(イ)に、押し順が「左右中」であった場合の全回胴停止時の停止図柄の組合せを、図7B(ロ)に、それ以外の押し順であった場合の全回胴停止時の停止図柄の組合せを示す。
図7Bを参照して、AT4が当選した場合において、押し順が「左右中」であった場合、有効入賞ラインである‘中段横ライン’上には「スイカ1」−「ブランク」−「リプレイ」という、一見して、ハズレのようなバラケ目が停止し(図7B(イ)参照)、それ以外の押し順であった場合も「リプレイ」−「ベル」−「BAR」という、一見して、ハズレのようなバラケ目が停止するようになっている(図7B(ロ)参照)。しかし、疑似入賞ラインの観点から見ると、押し順が「左右中」であった場合には、遊技者が入賞したと認識し易い図柄の組合せとして、疑似入賞ラインである‘下段横ライン’上に「ベル」−「ベル」−「ベル」(ベル揃い:12枚AT役)を停止させ、これを12枚AT役入賞時の停止図柄の組合せとして導出表示し、他方、それ以外の押し順であった場合には、疑似入賞ラインである‘右下りライン’上に「ベル」−「ベル」−「チェリー2」(ベルこぼし目:1枚AT役)を停止させ、これを1枚AT役入賞時の停止図柄の組合せとして導出表示しうるようになっている(図6のAT4の「成立ライン」の欄参照)。ここで混同してはならないのは、上記した「バラケ目」のような図柄の組合せがAT4当選により有効入賞ライン上に停止することが許容される図柄の組合せであり、これが実際のAT4に対応する図柄の組合せ(入賞役(真の入賞役))として定められている点である。したがって、疑似入賞ライン上に停止する図柄の組合せは、有効入賞ライン上に停止する真の入賞役の代替の図柄の組合せとして導出表示される仮想的な入賞役(仮想入賞役)となっている。
このように、有効入賞ライン上には、一見して、バラケ目のような図柄の組合せを停止させるが、疑似入賞ライン上には、特定の図柄の組合せを停止させるようにし(遊技者が認識し易い図柄の組合せが好ましい)、これにより、遊技者が入賞の発生を把握し易いようになっている。また疑似入賞ライン上には、一見して同じ性能を有する図柄の組合せが停止した場合であっても、実際の有効入賞ライン上に停止する入賞役を異ならせることができる。このように疑似入賞ラインや有効入賞ラインの役割をうまく利用することにより、役のバリエーションを多彩なものとし、遊技内容の豊富化を図ることができるようになっている。
再び図6に戻り、本実施形態に係る役構成(当選役種別、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別))について説明する。なお以下では、説明の便宜上、図6の「図柄の組合せ」の欄に示す図柄の組合せ(真の入賞役または仮想入賞役)を、当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)として説明する。また図示の「成立ライン」の欄については、その当選役に対応する図柄の組合せが停止しうる入賞ライン(中段(中段横ライン)、上段(上段横ライン)、下段(下段横ライン)、右下り(右下りライン)、右上り(右上りライン))を表記してある。
(小役種:弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ)
図6を参照して、まず小役種に属する当選番号2〜4の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカについて説明する。
図6に示すように、各小役の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、弱チェリーの場合は右下りライン(疑似入賞ライン)上に「チェリー1」−「リプレイ」−「リプレイ」(弱チェリー)となっており、強チェリー場合は中段横ライン(有効入賞ライン)上に「チェリー1」−「リプレイ」−「スイカ1/スイカ2」(強チェリー)となっており、弱スイカの場合は中段横ライン上に「スイカ1/スイカ2」−「スイカ2」−「スイカ1」(中段スイカ揃い)となっており、強スイカの場合は右下りライン(疑似入賞ライン)上に「スイカ1/スイカ2」−「スイカ2」−「スイカ1」(斜めスイカ揃い)となっている。
上記した弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、または強スイカに対応する図柄の組合せが入賞した場合、配当として、所定枚数の遊技メダルが払い出されるようになっている(図6の配当の欄参照)。ただし本実施形態の場合、図柄配置構成の関係上、入賞の発生には所定の停止操作タイミングを要するようになっている。具体的には、回胴の停止操作タイミングが所定の操作タイミングである場合に限り、該当する成立ライン上に、当選役に対応する図柄の組合せが停止するようになっている。これは、左回胴5aにおけるチェリー1図柄や、各回胴におけるスイカ1図柄やスイカ2図柄の引き込み率が100%未満となるように配置されているためである(図2参照)。なお、いずれの役を引き込み率100%とするか、または引き込み率100%未満とするかは、役構成や図柄配置構成などにより適宜定めることができる。なお、これらの役の取りこぼしが発生した場合、停止操作タイミングに応じて、特定の取りこぼし目またはハズレと同様のバラケ目(ハズレであるか取りこぼしであるかの判別が不可能な図柄の組合せ(ハズレ目))が遊技結果として導出されうる。また取りこぼし目を、一の当選役と他の当選役とで共通のものとすることができる。たとえば「弱スイカと強スイカ」のように、入賞役を構成する図柄に共通した図柄を含むものである場合、取りこぼしが発生した場合、共通の取りこぼし目を停止させ、弱スイカまたは強スイカが当選したことは分かるが、いずれのスイカ役が当選したかまでは、不明確となるように構成することができる。
また上記した弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、または強スイカは、少なくとも押し順によらず、対応する入賞役の入賞を許容する役(押順不問役)となっている。この点、後述のAT1〜4や特定のリプレイ役種のように、その当選により、少なくとも押し順に応じて異なる入賞役の入賞を許容する「押順規定役」とは性質を異にする。なお、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、または強スイカを、上記「押順規定役」として定めても良い。たとえば、弱スイカが当選した場合、所定の押し順の場合に限り「中段スイカ揃い」の停止を許容し、当該所定の押し順以外の押し順である場合には他の図柄の組合せ(たとえば、配当0枚となる停止目(取りこぼし目、またはハズレと同様のバラケ目))の停止を許容するように構成することができる。
また本実施形態では、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、および強スイカは、その当選に起因して(契機として)、後述のAT遊技(ATモード)への移行抽選契機となる「AT抽選契機役」としても働く(図31参照)。
(小役種:CAベル1)
次に、小役種に属する当選番号6の「CAベル1」について説明する。
図6に示すように、CAベル1の各当選により入賞が許容される図柄の組合せは、中段横ライン上に「ベル」−「ベル」−「ベル」(CAベル)となっている。
このCAベル1も、上記した弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、または強スイカと同様に「押順不問役」に属する。本実施形態では、各回胴において、ベル図柄が引き込み率100%となるように配置されているため、CAベル1が当選した場合、どのような停止操作手順であっても、CAベルの入賞が発生するようになっている。
上記CAベル1に対応する図柄の組合せ(CAベル)が入賞した場合、配当として、所定枚数の遊技メダル(たとえば、12枚)が払い出されるようになっている。またCAベル1は、上記「AT抽選契機役」としても働く。なお、CAベル1は、その当選確率が他の小役種と比べて低確率に設定されていることから(図5の判定値の欄参照)、「低確率の内部抽選対象役に当選した」という特典として、後述のAT抽選が優遇されるようになっている(図31、図33参照)。
(小役種:AT1〜4)
次に、当選番号9〜11の「AT1〜AT4」について説明する。
このAT1〜AT4は、少なくとも押し順に応じて異なる図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうる「押順規定役(ここでは、小役種に属する押順規定役(押順規定小役))」として規定されている。つまり、有効入賞ライン上に停止させるための特定の図柄の組合せについて、所定の押し順が割り当てられている。具体的には、このAT1〜AT4は、所定の押し順の場合には遊技者に有利に作用しうる入賞役(有利入賞役)が、それとは異なる押し順である場合には遊技者に不利に作用しうる入賞役(不利入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうるように定められている。AT1〜AT4は、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「AT1」を代表的に説明する。
(AT1について)
図6に示すように、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)中段横ライン(有効入賞ライン)上に「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せ(12枚AT役(ベル揃い))、(2)右下りライン上に「ベル」−「ベル」−「スイカ1」の図柄の組合せ(1枚AT役(ベルこぼし目))の計2種類の図柄の組合せとなっている。つまり、AT1が当選役として決定された場合、上記の12枚AT役と1枚AT役とが入賞許容状態に置かれることになる。
換言すれば、AT1は、その当選により、12枚AT役の入賞を許容する役と、1枚AT役の入賞を許容する役とに重複当選可能な役、つまり一回の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。本実施形態では、この「重複役」のように、当選役とその当選役により許容される停止図柄態様(入賞役)とを1対Nに対応させた抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を複数種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。このような重複役としての性質を有するものには、AT1〜4の他、後述の特定のリプレイ役種(後述の移行リプレイA〜B、特殊リプレイA〜B)がある。
上記「12枚AT役」は、「1枚AT役」よりも遊技価値が相対的に高い入賞役となっている。具体的には、12枚AT役が入賞した場合には、遊技メダル12枚(第1の所定枚数(第1の遊技価値))の払い出しとなっており、1枚AT役が入賞した場合には、それよりも少ない遊技メダル1枚(第2の所定枚数(第2の遊技価値))の払い出しとなっている。これは、AT1が、少なくとも押し順に応じて、有利入賞役か、または不利入賞役が遊技結果として導出表示されうることを意味する。
なおAT2〜AT4に関しても、AT1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。このAT2〜AT4について、上記「12枚AT役」に相当する入賞役は、AT2は上段ライン上のベル揃い、AT3は中段横ライン(有効入賞ライン)上のベル揃い、AT4は下段ライン上のベル揃いとなっており、上記「1枚AT役」に相当する入賞役は、AT2は右下りライン上のベルこぼし目、AT3は右上りライン上のベルこぼし目、AT4は右下ライン上のベルこぼし目となっている。
次にAT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(順押しの場合)
図6に示すように、順押し(左回胴5a→中回胴5b→右回胴5cの順番で停止する停止操作手順)の場合には、12枚AT役が中段横ライン上に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。
(順押し以外の場合の場合)
これに対し、順押し以外の押し順である場合には、12枚AT役ではなく、1枚AT役が右下りライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。
(AT1に係る12枚AT役の取りこぼしについて)
本実施形態では、AT1が当選役として決定された場合において、上記の順押し以外の押し順である場合には、12枚AT役の取りこぼしが発生し、その取りこぼし目として、替わりに、1枚AT役が遊技結果として導出表示されうるようになっている。
なお本実施形態では、上記「12枚AT役」は、押し順さえ一致すれば回胴の停止操作タイミングによらず、その図柄の組合せが該当する成立ライン上に停止するようになっている。これに対し、12枚AT役を取りこぼした際の「1枚AT役」は、回胴の停止操作タイミングが所定の停止操作タイミングでなければ、該当する成立ライン上には停止しないようになっている。これは、左回胴5aおよび中回胴5bのベル図柄の引き込み率が100%で配置されているものの、右回胴5cにおけるスイカ1図柄の引き込み率が100%未満となるように配置されているためである(図2参照)。AT2〜4も同様に、1枚AT役については、回胴の停止操作タイミングが所定の停止操作タイミングでなければ、該当する成立ライン上には停止しないようになっている(右回胴5cにおけるスイカ1図柄、チェリー図柄1、またはチェリー図柄2の引き込み率が100%未満となるように配置されているため)。このようにすることで、高確率で内部当選しうるAT2〜AT4が当選しても、「1枚AT役」を頻繁に入賞させることはできないようにし、想定外の利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。
また本実施形態では、各AT(AT1〜AT4)に係る有利入賞役や不利入賞役については、各AT同士で同じ図柄の組合せとしても良いし、各ATでそれぞれ異なる図柄の組合せとしても良いし、各ATの一部同士で同じ図柄の組合せとしても良い。また入賞となる成立ラインも適宜定めることができる。
(リプレイ役種:CAベル2、通常リプレイA、移行リプレイA〜B、特殊リプレイA〜B)
次に、リプレイ役種に属する当選番号7のCAベル2、当選番号12の通常リプレイA、当選番号13〜14の移行リプレイA〜B、および当選番号15〜16の特殊リプレイA〜Bについて説明する。本実施形態では、再遊技を伴う入賞役として1種類の図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役種(たとえば、CAベル2)と、複数種類の図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役種(たとえば、通常リプレイA、移行リプレイA〜B、特殊リプレイA〜B)とを含む複数種類のリプレイ役種別が設けられている。
(通常リプレイA)
まず、当選番号12の通常リプレイAについて説明する。
図6に示すように、通常リプレイAの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、右下りライン上に「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ1)となっている。この通常リプレイAは「押順不問役」に属し、これに対応する図柄の組合せ(通常リプレイ1)を入賞させるための停止操作タイミングを必要としない。つまり、通常リプレイAが当選した場合、どのような停止操作手順であっても、通常リプレイ1の入賞が発生し、配当として「再遊技」が付与される。
(CAベル2)
次に、当選番号7のCAベル2について説明する。
図6に示すように、CAベル2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、中段横ライン(有効入賞ライン)上に「ベル」−「ベル」−「リプレイ」の図柄の組合せ(CAリプ)となっている。このCAベル2は「押順不問役」に属し、これに対応する図柄の組合せ(CAリプ)を入賞させるための停止操作タイミングを必要としない。この点、上述の通常リプレイAと同じである。
上記CAベル2に対応する図柄の組合せ(CAリプ)が入賞した場合には、配当として、「再遊技」が付与される。またCAベル2は上記「AT抽選契機役」としても働き、CAベル1と同様に、その当選確率が他の小役種と比べて低確率に設定されていることから(図5の判定値の欄参照)、「低確率の内部抽選対象役に当選した」という特典として、AT抽選が優遇されるようになっている(図31、図33参照)。
(移行リプレイA、B)
次に、当選番号13〜14の移行リプレイA〜Bについて説明する。
図6に示すように、移行リプレイAの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)右下りライン上に「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ1)、(2)中段横ライン上に「スイカ1/スイカ2」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(移行リプレイ1)、および(3)中段横ライン上に「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(移行リプレイ3)の計3種類の図柄の組合せとなっている。この移行リプレイAは、その当選により、通常リプレイ1の入賞を許容する役と、移行リプレイ1の入賞を許容する役と、移行リプレイ3の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
また、移行リプレイBの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)右下りライン上に「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ1)、(2)中段横ライン上に「スイカ1/スイカ2」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(移行リプレイ2)、および(3)中段横ライン上に「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(移行リプレイ3)の計3種類の図柄の組合せとなっている。この移行リプレイBは、その当選により、通常リプレイ1の入賞を許容する役と、移行リプレイ2の入賞を許容する役と、移行リプレイ3の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。なお本実施形態の場合、移行リプレイAに係る移行リプレイ1と、移行リプレイBに係る移行リプレイ2は、同じ図柄の組合せとなっており、外見は同じ入賞役構成であるが、説明の便宜上、同じ入賞役名称とはせずに異なる入賞役名称としている。
上記移行リプレイA〜Bは「押順規定役(リプレイ役種に属する押順規定役(押順規定再遊技役))」として定められており、停止制御については、上述したAT1〜4と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、少なくとも押し順により決定される。たとえば、移行リプレイAが当選した場合、押し順が「順押し」の場合には、‘通常リプレイ1’が右下りライン上に停止し、「右左中」または「中右左」の場合には‘移行リプレイ1’が中段横ライン上に停止し、その他の押し順の場合には‘移行リプレイ3’が中段横ライン上に停止するようになっている(図6の移行リプレイ1の「押し順」の欄参照)。なお本実施形態では、移行リプレイA〜Bに係る入賞役の入賞には、押し順だけが関係し、停止操作タイミングを必要としない。
また移行リプレイA〜Bに対応する図柄の組合せ(通常リプレイ1、移行リプレイ1〜3)が入賞した場合には、配当として、少なくとも「再遊技」が付与される。ただし、移行リプレイ1〜3が入賞した場合、再遊技の他、遊技価値として、高利益状態(たとえば、ATモード)への移行期待感を煽る、後述の「フリーズ待機モード」移行権利が付与されるようになっている(これについての詳細は後述する)。移行リプレイ1〜3は、再遊技だけでなく、遊技モード移行という他の遊技価値(本実施形態では、上記フリーズ待機モード移行権利のように、遊技者に対し、実質的に不利に作用しない遊技価値)が追加的に付与されうる。この点で、移行リプレイ1〜3は「有利入賞役」側に属する入賞役、通常リプレイ1は「不利入賞役」側に属する入賞役といえる。
なお詳細は後述するが、移行リプレイA、Bが当選した場合、所定の条件の下(後述のAT抽選結果に起因して)、遊技モード移行権利が付与されるようになっている。移行リプレイA、Bは、その当選に起因して、一の遊技モードから他の遊技モードへの移行契機となる「状態移行契機役」として働く。本実施形態の場合、移行リプレイA、Bに係る移行リプレイ1〜3の入賞を契機に、フリーズ待機モードに移行されうる。また移行リプレイA、Bは、最終的にAT遊技(ATモード)への移行(発生)契機となりうる抽選対象役であることから(後述の図8、図9参照)、「AT遊技移行契機役」としての役割も担う。この「AT遊技移行契機役」は、遊技状態の移行契機となる点で、上記「状態移行契機役」に属するものといえる。
(特殊リプレイA、B)
次に、当選番号15〜16の特殊リプレイA〜Bについて説明する。
図6に示すように、特殊リプレイAの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ2)と、(2)「青7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(特殊リプレイ1(青7リプレイ))の計2種類の図柄の組合せとなっている。この特殊リプレイAは、その当選により、通常リプレイ2の入賞を許容する役と、特殊リプレイ1の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
また、特殊リプレイBの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ2)と、(2)「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(特殊リプレイ2(赤7リプレイ))の計2種類の図柄の組合せとなっている。この特殊リプレイBは、その当選により、通常リプレイ2の入賞を許容する役と、特殊リプレイ2の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
上記特殊リプレイA〜Bは「押順規定役」として定められており、停止制御については、上述したAT1〜4と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、たとえば、特殊リプレイAが当選した場合、第1停止操作回胴が「左回胴5aまたは中回胴5b」である場合には‘通常リプレイ2’が中段横ライン上に停止し、第1停止操作回胴が「右回胴5c」である場合には‘特殊リプレイ1’が中段横ライン上に停止するようになっている(図6の特殊リプレイ1の「押し順」の欄参照)。
また特殊リプレイA〜Bに対応する図柄の組合せ(通常リプレイ2、特殊リプレイ1〜2)が入賞した場合には、配当として、少なくとも「再遊技」が付与される。ただし、特殊リプレイ1〜2が入賞した場合、再遊技の他、後述のAT遊技への移行権利が付与されうるようになっている。特殊リプレイ1〜2は、再遊技だけでなく、AT遊技への移行権利という他の遊技価値(本実施形態では、遊技者に不利に作用しない遊技価値)が追加的に付与されうる。この点で、特殊リプレイ1〜2は、有利入賞役側に属する入賞役、通常リプレイ2は不利入賞役側に属する入賞役といえる。
なお詳細は後述するが、特殊リプレイ1〜2が入賞したとしても必ずしもAT遊技へ移行されるわけではなく、所定の条件の下(後述のAT抽選当選を条件)でその移行がなされるようになっている。この点、特殊リプレイA、Bは、その当選に起因して(本実施形態では、特殊リプレイの入賞に起因して)、AT遊技(ATモード)への移行契機となる「AT遊技移行契機役」として働く。
ここで、図示の特殊リプレイ種別(特殊リプレイ1〜2)については、その一例を示したものである。特殊リプレイについては、その構成要素図柄である「赤7図柄」や「青7図柄」が引き込み率100%未満となっており(図2参照)、図示の特殊リプレイを入賞させるには、所定の停止操作タイミングを要することになる。したがって、赤7図柄や青7図柄を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで各回胴が停止操作された場合には、特殊リプレイの取りこぼしが発生する。本実施形態では、特殊リプレイを取りこぼした場合、その取りこぼし目として、再遊技を伴う特定の図柄の組合せ(特定リプレイ(図示せず))を、所定の成立ライン上に停止させるようになっている(たとえば、必ず中段横ライン上に停止させる)。そして、特定リプレイが所定の成立ライン上に停止した場合は、特殊リプレイと同等の遊技価値(再遊技+AT移行)を付与するようになっている。
(特別役種:CBB)
次に、当選番号17のCBBについて説明する。このCBBは「特別役種」に属し、「押順不問役」として規定されている。
上記特別役種は、対応する図柄の組合せ(ボーナス役)の入賞を契機に、一般役種の抽選確率が変動する遊技状態や、特殊な引き込み制御となる遊技状態(たとえば、特定の図柄の引き込みコマ数が変動する遊技状態(所謂「チャレンジボーナス(CB)、または「チャレンジタイム(CT)」)といった特別遊技状態(ボーナス遊技)への移行契機となる役であり、この点で、このような遊技状態への移行契機とはならない「一般役種」とは性質を異にする。
図6に示すように、CBBの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「青7」−「チェリー2」−「ブランク」(CBB1(ボーナス役))の図柄の組合せとなっている。このCBBは「押順不問役」であるが、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。このため、ボーナス役の構成要素図柄(青7図柄、チェリー2図柄、およびブランク:図2参照)を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで回胴が停止操作された場合、CBBの取りこぼしが発生する。
このCBB1(ボーナス役)が入賞した場合、次回のゲームから、特定の小役種(たとえば、AT1〜4)の当選確率が高確率に変動する「ボーナス遊技(特別遊技状態)」が発生するようになっている。しかし本実施形態の場合、ボーナス遊技中においては、遊技開始条件となる規定枚数を遊技メダル3枚とし、また後述のアシスト報知もされない。このため、AT1〜4に係る12枚AT役の獲得が困難となり、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数(純増枚数)が、概ねゼロまたはマイナスとなるようになっている。また、このボーナス遊技は、規定枚数(たとえば、22枚)以上の遊技メダルの払い出しを条件に終了される。
本実施形態のボーナス遊技は、遊技者に有利に作用するものではなく、遊技者に不利に作用しうる(1ゲーム当りの期待純増枚数がマイナス)ものとなっている。これは、他の役構成やAT遊技などの関係上、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象としたパチンコ店に設置するような遊技機を対象として規定される、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく「型式試験」による検定を通過させ、かつ、遊技設計上の所望の遊技性を確保するためである。勿論、後述の第15の実施形態のように、遊技性に応じて、遊技者に有利に作用する(1ゲーム当りの期待純増枚数がプラス)ボーナス遊技としても良い。
(CBBの持ち越しについて)
上記した特別役である「CBB」は、その内部当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として規定されている。このため、CBBに当選した場合は、CBBに対応する図柄の組合せ(CBB1)が入賞するまでの遊技期間、当該CBBに係る内部当選フラグ(ボーナス当選フラグ)の成立状態が維持され、この間、CBBは内部抽選対象から除外される(図5のCBBの「RT1遊技」の欄参照)。つまり、特別役のような持越役の内部当選フラグの成立状態下(BB内部当選遊技)では、持越役は内部抽選対象から除外される。したがって、BB内部当選遊技中は、ボーナス当選フラグが新たに成立したり、重複して成立したりすることがないようになっている。
一方、CBB(特別役種)以外の抽選対象役、つまり一般役種は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として規定されている。BB内部当選遊技中の一般役種(一般小役種、リプレイ役種)については、通常通りに、これらを対象とした内部抽選が行われる(図6の「RT0遊技」および「RT1遊技」の一般役種(当選番号2〜16)の欄参照)。このため、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生しうる。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「特別役種(CBB)<小役種<リプレイ役種」の順位(リプレイ役種が最優先順位)で引き込み制御が行われるようなっている(小役優先制御)。これにより、CBBと他の一般役種とが重複当選中のゲームにおいては、この引き込み優先順位の下で回胴の停止制御が行われる。たとえば、通常リプレイAとCBBが重複当選状態であれば、通常リプレイAに係る入賞役(通常リプレイ1)を優先的に入賞させる引き込み制御が行われる。
なお本実施形態では、CBBが他の一般役種と重複当選しない単独当選役として定められているが本発明はこれに限らず、特別役種と特定の一般役種とが重複当選可能な「重複BB役」を1または複数種類設けることができる(たとえば、後述の第15の実施形態に係る図43参照)。たとえば、CBBと強チェリー(当選番号3)とが重複当選する「重複BB役(CBB+強チェリー)」を設けることができる。この重複BB役が当選役として決定された場合には、当選役に対応する図柄の組合せとして、CBB1(CBB対応の図柄の組合せ)と強チェリー(強チェリー対応の図柄の組合せ)とが入賞許容状態に置かれることになる。この場合、当選ゲームでは、上記引き込み優先順位に基づいて、いずれの入賞役を優先的に有効入賞ライン上に引き込むのかが決定される。本実施形態では、小役優先制御となっているので、当該当選ゲームでは、先ず、強チェリー対応の図柄の組合せが優先的に入賞しうる引き込み制御が行われる。
以上に説明した抽選対象役、対応する入賞役、配当、およびその種類などに関する役構成については、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。たとえば、特別役種については、1種類であっても良いし、複数種類あっても良いし、特別役種自体を設けない構成としても良い。また一般役種についても、本発明の目的を達成できるものであれば、その種別や種類数は特に制限されない。また「押順規定役」に属する抽選対象役については、特定の入賞役(有利入賞役または不利入賞役など)を入賞させるための停止操作手順の割り当て、またその割り当てによる入賞役の入賞率は、本発明の目的を達成可能なものであれば特に制限されない。
<遊技形態:図8〜図9>
次に、各遊技状態およびこれら遊技状態間の移行制御に着目しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)の概要を説明する。
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板)400側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される付加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)には、主として、RT遊技(本実施形態では、RT0遊技とRT1遊技)とボーナス遊技とが含まれ、演出制御部410側で制御される遊技状態(演出制御部側遊技状態(演出状態))にはAT(アシストタイム)遊技が含まれる。また、主制御部側遊技状態には、後述のフリーズ待機モードに関連する複数種類の遊技状態が含まれ、RT遊技と合わせて管理される。
(RT(リプレイタイム)遊技について)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役の当選確率が基底の遊技状態の所定確率から変動した再遊技確率変動状態をいう。本実施形態ではRT0遊技とRT1遊技といった複数種類のRT遊技を設け、これら複数種類のRT遊技を実効化することにより、遊技性の自由度を向上させている。
各RT遊技は、「BB内部当選遊技(BB内部当選状態)」に係るRT遊技であるか、「非BB内部当選遊技」に係るRT遊技であるかで大別される。本実施形態では、上記基底の遊技状態として、リプレイ役種の当選確率(リプレイ確率)が低確率である「非BB内部当選遊技(RT0遊技)」を基準としており、したがって、これよりも高確率に変動する「BB内部当選遊技(RT1遊技)」が上記「再遊技確率変動状態」に相当することになる。このBB内部当選遊技は、リプレイ確率が非BB内部当選遊技よりも高確率に変動することから「再遊技高確率抽選状態」ともいえる。なお、BB内部当選遊技は、非BB内部当選遊技と同様に、一般遊技状態の一態様である。この一般遊技状態は、小役種の内部抽選確率を変動させることができない遊技状態として規定される(図6のRT0遊技、RT1遊技の欄参照)。
(AT遊技について)
AT遊技とは、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部400側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)とは異なり、主に、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態(演出制御部側遊技状態(演出状態))である。
上記AT遊技は、演出制御部410がその機能部を担う「演出状態管理手段」によりその発生および終了が管理制御される。この演出状態管理手段は、通常演出状態(非AT遊技)およびAT遊技を含む複数種類の演出状態を統括的に管理可能に構成される。上記演出状態管理手段は、当選役に関する情報を報知する報知状態として、通常報知状態(非AT遊技)と、当該通常報知状態よりも遊技者に有利に作用しうる有利報知状態(AT遊技)とを含む複数種類の報知状態を管理制御する「報知状態管理制御手段」として働く。
(アシスト報知)
本実施形態では、既に説明したように、複数種類の押順規定役が設けられている。たとえば、当選番号8〜11のAT役(AT1〜4)では、押し順に応じて、12枚AT役のように、有利に作用しうる図柄の組合せ(有利入賞役)が入賞しうる。しかし非AT遊技(通常演出状態)中においては、これらの役に当選しても、有利入賞役の入賞を案内する情報(停止操作手順情報(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方に関する情報)は遊技者に報知されない、あるいは報知されるとしても、その報知確率が低確率となっている。このため、非AT遊技中は、有利入賞役の入賞させるための手掛かりを得られず、その入賞が困難なものとされる。したがって、非AT遊技中は、遊技進行上、AT遊技中よりも遊技者に不利なゲーム展開とされる。
これに対しAT遊技中においては、有利入賞役の入賞を案内する情報が高確率で報知されるため、その入賞が著しく容易になる。たとえば、当選番号9のAT4が当選した場合、有利入賞役側の‘12枚AT役’の入賞を案内する押し順情報(「左右中」の押し順)が遊技者に報知され、遊技者がその報知内容に従い回胴を停止操作すれば、容易に12枚AT役を入賞させることができる。これによりAT遊技中は、1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益(ベース値)が非AT遊技中よりも向上した遊技状態になる。したがって、AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。
このように、当選役に関する情報として、特定の図柄の組合せ(有利入賞役、不利入賞役、その他、特定の図柄の組合せを含む)の入賞させる押し順に関する情報(停止操作手順情報情報)を報知可能な演出態様を「アシスト報知(支援演出)」と称する。
(アシスト報知態様について)
なお上記アシスト報知は、同じ当選役が決定された場合でも、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に特定の図柄の組合せ(たとえば、有利入賞役側)を入賞させる報知内容とは限らない。たとえば、押順規定役が当選した場合、有利入賞役を入賞させる押し順の一部を不明(秘匿状態)にしたり、有利入賞役を入賞させる押し順(真のアシスト報知:本告知)とは異なる押し順を報知したり(偽のアシスト報知:偽告知)、複数種類の押し順を重複的に報知したりすることができる(たとえば、有利入賞役側を入賞させる押し順と不利入賞役側を入賞させる押し順とを重複して報知する)。
(秘匿アシスト報知(選択的アシスト報知))
たとえば、AT1が当選したケースであれば、「12枚AT役」が入賞となる押し順は「左中右(順押し)」である。この場合、「左中右(順押し)」の一部を秘匿する報知内容として、第1停止操作回胴に左回胴5aを選択指示する旨を報知し、第2停止操作以降に選択する回胴については報知しない、といった報知内容が挙げられる。このようなアシスト報知が発生した場合、遊技者は、12枚AT役を入賞させる押し順として「左中右(順押し)」と「左中右」のいずれか(2択)を山勘(恣意的)で選択することになり、このケースであれば、アシスト報知による12枚AT役の入賞率を1/2の確率(入賞率50%)に低下させることができる。また、第1停止操作回胴に中回胴5b以外のいずれかの回胴を選択指示する旨がアシスト報知された場合(たとえば、「第1番目に中回胴以外を押せ!」)、遊技者は、12枚AT役を入賞させる押し順として選択できるのは、左中右(順押し)」「左中右」「右中左」、および「右左中」」の計4通りの押し順のうちからいずれかを山勘で選択することになり、このケースであれば、12枚AT役の入賞率を1/4の確率(入賞率25%)にまで低下させることができる。上述のように、押し順の一部を不明にすれば、特定の図柄の組合せを入賞させる押し順が択一的なものとなり、特定の図柄の組合せの入賞率を100%未満とすることができるようになる。
また本告知と偽告知とを重複的に報知する場合、偽告知の押し順が1つであれば、入賞率が1/2となり、それ以上であれば、さらに入賞率を低下させることができる。たとえば、AT1が当選したケースであれば、「左中右(本告知:正解押し順)」と「左右左(偽告知:不正解押し順)」の計2通りの押し順のうちからいずれかを遊技者に選択させる報知内容とすれば、「2択ナビ」となり、12枚AT役の入賞率を50%に低下させることができる。また、「左中右(本告知)」と、「左右中(偽告知)」、「右中左(偽告知)」の計3通りの押し順を遊技者に選択させる報知内容とすれば、3択(3択ナビ)となり、12枚AT役の入賞率を1/3(約33%)にまで低下させることができる。このような択一的なアシスト報知の場合も、特定の図柄の組合せの入賞率を100%未満とすることができる。
上記した押し順の一部を秘匿状態とする「秘匿アシスト報知」や「択一的なアシスト報知」では、押順規定役に係る特定の図柄の組合せの入賞率を変化させることができる。このようなアシスト報知態様を「選択的アシスト報知」と称する。この選択的アシスト報知も上記「偽アシスト報知(偽告知)」の一態様として捉えることができる。
上記のような選択的アシスト報知が発生すれば、遊技者自身の恣意的な停止操作により、ゲーム展開が有利・不利に作用しうることになるので、回胴の停止操作時において遊技者に対し緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。また、上記のようなアシスト報知の発生(現出)確率が異なる複数種類のAT遊技を設けることで、性質の異なる遊技状態(たとえば、出玉率・ベース値が異なる遊技状態)を作り出すことができる。たとえば、第1のAT遊技では、本告知の発生率100%、第2のAT遊技では本告知の発生率50%、選択的アシスト報知の発生率50%、といったように複数種類のAT遊技を発生させることができる。これにより、遊技性(ゲーム性)を多様化することができ、遊技の面白みを向上させることができる。なお上記選択的アシスト報知や偽告知は、アシスト報知態様によりベース値を変化させたい場合に利用することができる。また「偽告知」は、特定の押し順が実行されてしまうことにより、ゲーム進行上、予定しない遊技モードの移行が生じてしまうなどの不都合が生じることを回避するためにも利用することができる。
また、アシスト報知は、原則として、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないようになっている。これは、当選役種別を明示してしまうと、押し順を報知せずとも、役構成によっては、押し順の割り当てを知る遊技者側に、有利入賞役または不利入賞役の押し順が判明してしまい、アシスト報知を発生させる意義が喪失してしまうからである。たとえば、AT1〜4は、12枚AT役が入賞する押し順がそれぞれ異なるように割り当てられているため、当選役種別を明示してしまうと、その割り当てを知る遊技者側(特に、遊技上級者)に、12枚AT役が入賞となる押し順が判明してしまい、アシスト報知を発生させる意義が喪失するからである。
(押順不問役のアシスト報知)
またアシスト報知は、上記したように、基本的には、押順規定役に係る特定の図柄の組合せの入賞を案内するものであるが、押順不問役についても発生させることができる。たとえば、停止操作タイミングにより、取りこぼしが発生しうる場合、その取りこぼしの発生しない停止操作タイミングを遊技者に報知することができる。
また当選役に係る入賞役の一部または全部が同一の図柄の組合せを持つ抽選対象役同士の場合、たとえば、押順不問役であるCAベル1は、比較的高確率で当選するAT1やAT3が当選した場合と同じく、中段ライン上に「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せが停止する。この場合、「CAベル1」の当選を秘匿するために、特定の押し順をアシスト報知して、AT1やAT3(押順規定役)が当選したように装う場合もある(偽装アシスト報知)。このような秘匿報知は、押順不問役が当選したときに、押順規定役が当選した場合のアシスト報知態様と実質的同一の報知態様(同一または酷似する報知態様)を現出することで、アシスト報知が発生したときに、当選役種別または入賞役種別を秘匿する場合に利用することができる。このようなアシスト報知を「偽装アシスト報知」と称する。偽装アシスト報知は、他の抽選対象役が当選した場合のアシスト報知態様と実質的同一の報知態様(同一または酷似する報知態様)を現出して、実際の当選役を秘匿可能とするアシスト報知態様だけを指し、押順不問役が当選した場合に押順規定役かの如く装うだけでなく、一の押順規定役が当選した場合に他の押順規定役が当選したかのように装う報知態様も含む意味である。
以上に説明したアシスト報知は、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知制御手段」により現出制御される。
(遊技モード(遊技状態)について)
次に図8〜図10を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機における各遊技モードの内容と、各遊技モード間の移行制御形態とについて詳細に説明する。図8は、遊技モード間の移行の概要を示す状態遷移図、図9はフリーズ待機モードにおける遊技状態間の移行の概要を示す状態遷移図、図10は主制御部側遊技状態、演出制御部側遊技状態、および遊技機全体から捉えた遊技状態(遊技モード)の説明に供する説明図である。
説明の便宜のために、まず主制御部遊技状態で管理される「RT0遊技」と「RT1遊技」に着目して、RT遊技間の移行について説明しておく。
主制御部側遊技状態にはRT0遊技とRT1遊技とが含まれ、本実施形態では、初期の遊技状態(初期遊技モード)として、リプレイ確率が低確率状態の「RT0遊技」から開始されるようになっている。この「初期の遊技状態」とは、メインRAMがクリアされた場合に開始される遊技状態となっている。そして、このRT0遊技中にCBBに当選し、その当選ゲームで‘CBB’に対応する図柄の組合せ(CBB1)を入賞させることができなかった場合、次回のゲームから、リプレイ確率が高確率に変動した「RT1遊技」に移行されるようになっている。このRT1遊技中においてCBB1(ボーナス役)が入賞した場合には、そのボーナス遊技が終了した後、所定の移行条件に基づいて、再度、RT0遊技に移行されるようになっている。なお、RT1遊技からRT0遊技への移行条件としては、たとえば、ボーナス遊技終了後のRT1遊技において所定のゲーム数(0ゲームであっても良い)を消化したことを条件としても良いし、また、特定の図柄の組合せ(たとえば、AT2〜4に関する不利入賞役(ベルこぼし目(1枚AT役))が入賞した場合など)を条件としても良い。
上記RT0遊技は、リプレイ役の当選確率が低く、かつ非AT遊技に設定されており、他の遊技状態よりも遊技者に不利に作用する遊技状態(遊技者に付与される利益が低い遊技状態)となっている。なお上記RT0遊技中は、リプレイ役種のうち、CAベル2と通常リプレイAとが内部抽選対象役となっており、移行リプレイや特殊リプレイは内部抽選対象から除外されている。
ここで図6を参照して、RT1遊技中はRT0遊技中と比し、リプレイ確率(合算確率)が高確率に変動し(リプレイ確率について、RT0遊技中は約1/7.29、RT1遊技中は約1/2.92となる)、ハズレ(不当選)確率は極めて低確率に変動するようになっている(ハズレ確率について、RT0遊技中は約1/532.8、RT1遊技中は1/65536となる)。なお、小役種の当選確率(合算確率)は、RT1遊技およびRT0遊技ともに変動はなく、比較的高確率の当選確率(約1/1.52)となっている。またRT0遊技のCBBの当選確率は比較的高確率(約1/4.92)となっており、RT0遊技の開始から比較的短期間でCBBに当選(概ね21ゲーム程度内で約99%の確率で当選)するようになっている。
本実施形態では、上述したように、初期の遊技状態(初期遊技モード)である「RT0遊技」において‘CBB’に当選し、その当選ゲームでCBBに対応する図柄の組合せ(CBB1)を入賞させることができなかった場合、次回ゲームからRT1遊技に移行されるが、このRT1遊技下では、一般役種が極めて高確率で当選するため、「小役優先制御」の働きにより、極めて低確率の「ハズレ」が当選しない限り、CBB1を入賞させることができないようになっている(一般役種の合算当選確率は「65535/65536」、ハズレは「1/65536」:図6参照)。
特に本実施形態では、CBBに当選しても、これを知らせる演出は現出されず、またハズレに当選してもこれを知らせる演出は現出されないようになっている。このため、CBBが内部当選しても遊技者はそれを知る術がなく、また各回胴におけるCBBに対応するCBB1の構成要素図柄は、図柄配列帯200の図柄配置構成の関係上、取りこぼしとなる停止操作範囲が比較的広く(図2参照)、運よく「ハズレ」が抽選されたとしてもCBB1の入賞チャンスは当該ゲームしかない。したがって、実際にCBB1を入賞させることは極めて困難であり、RT1遊技中におけるCBB1の入賞率は、遊技者が仮に一日中パチンコホールで遊技に興じていても(たとえば、7〜8000ゲーム程度)、実質的に不可能な入賞率であるといえる。したがって一旦RT1遊技に移行した場合には、CBBに関する上述した事象により、RAMクリアされない限り極めて稀にしかRT0遊技には再移行されない。つまり実質的にRT1遊技からRT0遊技に再移行されることがない遊技性と等価的なものとなっている。
このようにCBBの入賞率を定める理由は、他の役構成やAT遊技などの関係上、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象としたパチンコ店に設置するような遊技機を対象として規定される、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく「型式試験」による検定を通過させ、かつ、遊技設計上の所望の遊技性を確保するためである。
以上に説明したように、本実施形態では、リプレイ確率が大きく異なる「RT0遊技」と「RT1遊技」とを設けているが、一旦RT1遊技に移行した後は、再度、RT0遊技に移行することは、確率上、極めて稀なものとなっている。これにより、CBBが内部当選中であるにもかかわらず、表面上は通常の遊技状態であるかのように振舞うようになっている。つまり、RT1遊技が、最も滞在期間が長い遊技状態となるように構成されている。したがって以下で説明する「遊技モード」に関し、主制御部側遊技状態(メインモード)については、RT1遊技に関連する遊技状態に着目しながら説明し、RT0遊技およびボーナス遊技に関連する遊技状態について説明は適宜省略する。
(各遊技状態の内容と各遊技状態間の移行形態について)
次に、各遊技モードの内容と各遊技モード間の移行制御形態について説明する。以下では、「通常モード(通常モード1〜3)」から「ATモード(疑似ボーナス)」に至るまで遊技ルートを中心的に説明しながら、各遊技モードの内容や遊技モード間の移行条件について詳細に説明する。
先ず本発明の理解を容易なものとするために、図8〜図10を参照しながら、各遊技モードの内容と、遊技モード間の移行の概要を説明しておく。
(主制御部側遊技状態種別)
まず図10(イ)を参照して、本実施形態の主制御部側遊技状態(メインモード)には、‘初期の遊技状態’に関連する「初期遊技モード(メインモード判定データ:F0H)」と、「通常遊技モード(メインモード判定データ:FFH)」と、後述の‘フリーズ待機モード’に関連する「当選告知用フリーズ遊技モード(メインモード判定データ:12H)」、「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(メインモード判定データ:22H)」、および「押順ミス用非フリーズ遊技モード(メインモード判定データ:32H)」、といった複数種類の主制御部側遊技状態が設けられている(ボーナス遊技中については図示を省略)。これら主制御部側遊技状態におけるRT遊技種別は、初期遊技モードはRT0遊技、その他(ボーナス遊技を除く)はRT1遊技中となっている。なお図示の「メインモード判定データ(以下、「メインデータ」と略す)」とは、主制御部側遊技状態(メインモード)を識別するためのデータである。
(演出制御部側遊技状態種別)
また図10(ロ)を参照して、演出制御部側遊技状態(演出モード)には、‘初期の遊技状態’に関連する「初期演出モード(演出モード判定データ:F0H)」と、上記‘通常遊技モード’に関連する「通常演出モード(演出モード判定データ:FFH)」・「移行リプレイ1アシスト報知モード(演出モード判定データ:53H)」・「移行リプレイ2アシスト報知モード(演出モード判定データ:63H)」と、後述の‘フリーズ待機モード’に関連する「当選告知用フリーズ演出モード(演出モード判定データ:12H)・「ハズレ告知用フリーズモード(演出モード判定データ:22H)」・「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(演出モード判定データ:33H)」・「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(演出モード判定データ:43H)」と、‘前兆ATモード(フリーズ待機モードとATモード間の前兆遊技)’に関連する「前兆AT遊技(演出モード判定データ:0CH)」と、‘ATモード(疑似ボーナス)’に関連する「AT遊技(演出モード判定データ:0AH)」、といった複数種類の演出モードが設けられている(ボーナス遊技中については図示を省略)。なお、図示の「演出モード判定データ(以下、「演出データ」と略す)」とは、演出制御部側遊技状態(演出モード)を識別するためのデータである。
(遊技機全体から捉えた遊技状態(遊技モード)種別)
上記した各種の主制御部側遊技状態と、各種の演出制御部側遊技状態との組合せにより、つまり遊技機全体から捉えた遊技状態(以下、「遊技モード」と称する)として、図10(ハ)に示す複数種類の「遊技モード」を作り出している。本実施形態では、「初期モード」と、「通常モード1〜3」と、フリーズ待機モードに関連する「当選告知用フリーズモード」・「ハズレ告知用フリーズモード」・「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」・「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」と、「前兆ATモード」と、「ATモード」とを含む複数種類の遊技モードを実現している。
図8を参照して、上記した遊技モード間の移行についての概要を説明すれば、次のようになる。
本実施形態では、まず遊技モードが「初期モード」または「通常モード1」である場合、所定の抽選条件の下でAT抽選が実行され、そのAT抽選結果に基づき、現在の遊技モードから「通常モード2」または「通常モード3」に移行されうるようになっている。
上記通常モード2に移行された場合、通常モード2中において、移行リプレイAに当選を契機に、当該当選ゲームにおいて、「移行リプレイ1」のアシスト報知が発生する。他方、上記通常モード3に移行された場合、通常モード3中において、移行リプレイBの当選を契機に、当該当選ゲームにおいて、「移行リプレイ2」のアシスト報知が発生する。このとき、遊技者がそのアシスト報知に従う押し順(ここでは、移行リプレイA当選の場合には移行リプレイ1の押し順、移行リプレイB当選の場合には移行リプレイ2の押し順)を実行することにより、遊技モード間の移行が生じて、現在の遊技モードから「フリーズ待機モード」に移行される。なお、アシスト報知の内容に従わず、移行リプレイAまたは移行リプレイBに係る移行リプレイ3が入賞した場合にも「フリーズ待機モード」に移行されるようになっている。
詳細は追って説明するが、上記「フリーズ待機モード」とは、ATモードへの移行期待感(AT抽選当選期待感)を煽ること、およびATモード移行告知(AT抽選による抽選結果告知)を、その主目的とする遊技モードである。このフリーズ待機モードは、所定のゲーム数(たとえば、8ゲーム)継続され、その最終ゲーム目(本実施形態の場合、8ゲーム目)において、AT抽選の抽選結果(当否結果)が必ず報知されるようになっている。
なお上記「フリーズ待機モード」には、AT抽選に当選だけでなく、AT抽選に非当選(ハズレ)となった場合にも移行される場合があり、「ハズレ」の場合は、原則、AT抽選の非当選が報知される「偽(ガセ)のフリーズ待機モード」に移行されることになる。つまり、上記「フリーズ待機モード」には、AT抽選当選を報知するための「真のフリーズ待機モード(AT抽選当選時に係るフリーズ待機モード:後述の‘当選告知用フリーズモード’と‘押順ミス用非フリーズモード1(当選中)’)」と、AT抽選非当選を報知するための「偽(ガセ)のフリーズ待機モード(AT抽選非当選(ハズレ)時に係るフリーズ待機モード:後述の‘ハズレ告知用フリーズモード’と‘押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)’)」とが含まれる。
そして上記「フリーズ待機モード」が終了したとき、AT抽選に当選していれば、ATモード移行条件が成立したとして、それ以後のゲームにおいて、特殊リプレイAまたは特殊リプレイBのいずれかの当選を契機に、特殊リプレイ1または特殊リプレイ2を入賞させるためのアシスト報知が発生し、遊技者がそのアシスト報知に従い、所定の押し順(特殊リプレイ1または特殊リプレイ2を入賞させる押し順)を実行することにより、遊技モード間の移行が生じて、現在の遊技モードから「ATモード」に移行されるようになっている。本実施形態では、上記特殊リプレイ1(青7リプレイ)または特殊リプレイ2(赤7リプレイ)のアシスト報知が発生する遊技モードとして「前兆ATモード」を設けている。
上記「前兆ATモード」は、フリーズ待機モード終了後、ATモード移行前に介在する前兆遊技であり、フリーズ待機モード終了後は、この「前兆ATモード」に突入する。
上記「前兆ATモード」中は、特殊リプレイA、Bを対象とした特殊リプレイ1、2のアシスト報知の他、AT1〜4のうちの一部のAT役を対象とした12枚AT役(有利入賞役側)のアシスト報知(たとえば、AT1を対象とした12枚AT役のアシスト報知)が実行されるようになっている。この点、後述のATモードのように、AT1〜4のすべてのAT役について12枚AT役のアシスト報知が実行される「AT遊技」とは異なる。このようなアシスト報知が発生するAT遊技の一態様を「特殊AT遊技」と称する。
上記した「特殊AT遊技」は、ATモードに係るAT遊技のようにAT1〜4当選時に12枚AT役のアシスト報知を発生させない点で、AT遊技よりも相対的に利益状態が低いAT遊技となっている。つまり、前兆ATモード中は、通常モード1よりも相対的に利益状態(たとえば、1ゲーム当りの平均的利益状態)が高く、ATモードよりも相対的に利益状態の低い中間的な利益状態である「中間ベースモード」として作用させることができる。これにより、遊技者の遊技メダルを通常モードよりも減らすことなく、特殊リプレイA〜Bの当選を待つことができるようになっている。ただし、特殊リプレイA〜Bの当選を待つ間、1ゲーム当りの平均純増枚数がプラスにならないに構成することが好ましい。これは、特殊AT遊技(前兆ATモード)中の平均純増枚数がプラスになるようにしてしまうと、特殊リプレイ1、2の入賞を意図的に外して前兆ATモード中のゲーム数を伸ばすことで、遊技者が毎ゲーム利益を獲得することができてしまう、といった技術介入が可能となり、パチンコホール側に著しい不利益を及ぼしてしまうからである。なお、特殊AT遊技中は、AT1〜4当選を契機に、所定の抽選により、アシスト報知を発生させるか否かを決定し、アシスト報知発生率を調整することにより、1ゲーム当りの平均純増枚数がプラスにならないように定めることができる。
本実施形態では、上記「前兆ATモード」の作用により、「青7リプレイ」や「赤7リプレイ」の入賞を容易にし、その入賞を契機に後述の「ATモード」が発生するようになっている。したがって、前兆ATモードは、高ベースモードである「ATモード」への移行確定を告知する遊技モードとしての位置付けとなっている。また「青7リプレイ」や「赤7リプレイ」は、従来から利用されるボーナス図柄と同じような図柄の組合せであるので、利益状態の高い遊技モードへの移行を報知する図柄の組合せとして有用である。
なお、AT抽選に非当選の場合には、ATモード移行条件不成立として、特殊リプレイA、Bが当選してもアシスト報知は発生せず、仮に特殊リプレイ1、2が入賞してもATモードには移行されない(AT遊技は発生しない)。AT抽選に非当選の場合には、遊技モードが「通常モード1」に移行され、ATモードには移行されないようになっている。
上記「ATモード」は、AT遊技の作用により、通常モードよりも遊技者に有利に作用する遊技モード(高ベースモード)となっている。このATモード中では、AT1〜4(当選番号8〜11)のいずれかに当選した場合、その当選役に割り当てられた有利入賞役(12枚AT役)を入賞させるための押し順情報がアシスト報知(以下、必要に応じて、12枚AT役に関するアシスト報知を「ベルナビ」とも称する)されるようになっている。ATモードは、このベルナビにより、AT1〜4に係る12枚AT役を容易に獲得することができるので、ベルナビが発生しない、または一部のベルナビが発生しうる他の遊技モード(たとえば、通常モード1〜3、前兆ATモード)よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。
(各遊技モードの内容と、遊技モード間の移行について:図8〜図10)
次に図8〜図10を参照して、各遊技モードの内容と遊技モード間の移行とについて詳細に説明する。
本実施形態に係る回胴式遊技機では、既に説明したように、上記した「初期モード(RT0遊技)」においてCBBに当選し、当該当選ゲームでそのCBBに対応する図柄の組合せ(CBB1)を入賞させることができなかった場合、次回ゲームからRT1遊技の「通常モード1」に移行される。
上記「通常モード1」は、メインモードが「通常遊技モード(FFH)」、演出モードが「通常演出モード(FFH)」となっている(図10(ハ)の通常モード1の欄参照)。ここで「通常演出モード(FFH)」中は‘非AT遊技’となっており、本実施形態の場合、押順規定役(AT1〜4、移行リプレイA〜B、特殊リプレイA〜B)に当選しても有利入賞役を対象としたアシスト報知は実行されない。ただし、遊技モードの移行を伴わない「AT1〜4」については、抽選により有利入賞役の「12枚AT役」を入賞させるための押し順情報をアシスト報知しても良い。
(通常モード1から、通常モード2または通常モード3の移行について)
上記「通常モード1」中においては、特定の抽選対象役に当選した場合、「AT抽選(図31参照)」が実行される。
このAT抽選に当選した場合、「移行リプレイ1アシスト報知状態」が発生する。具体的には、演出モードが「通常演出モード(FFH)」から「移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)」に移行され、遊技モードが「通常モード2」に移行される。なお、メインモードは通常遊技モード(FFH)のまま移行されない(図10(ハ)参照)。
この通常モード2中では、移行リプレイAに当選した場合、遊技モードを移行させるための特定の押し順(ここでは、移行リプレイ1に関する押し順)がアシスト報知される。つまり、上記移行リプレイ1アシスト報知モードは、AT遊技の一態様であり、移行リプレイBが当選した場合に移行リプレイ2の入賞に関する押し順がアシスト報知される、といった演出モードとなっている。
そして、遊技者がその報知内容に従い、回胴を停止操作することにより、現在の通常モード1から「真のフリーズ待機モード(当選告知用フリーズモード)」に移行される。ただし、アシスト報知の内容に従わず、たとえば、移行リプレイAに係る移行リプレイ3が入賞した場合にも「真のフリーズ待機モード(押順ミス用非フリーズモード1(当選中))」に移行されるようになっている(押し順ミスにより、通常リプレイ1が入賞した場合についての詳細は、追って説明する)。AT抽選に当選した場合は、この真のフリーズ待機モードを経由して「ATモード」に移行されることになる。つまり、AT抽選に当選した場合、ATモード移行権利を獲得したとして、「通常モード1」→「通常モード2」→「フリーズ待機モード(AT当選中)」の順に複数段階的に遊技モードが昇格的に移行していき、最終的に、高ベースモードである「ATモード」に移行されるようになっている。
また本実施形態の場合、AT抽選に非当選(ハズレ)となった場合であっても、後述の「偽フリーズ待機モード抽選(図32参照)」に当選した場合には、「移行リプレイ2アシスト報知状態」が発生するようになっている。具体的には、演出モードが‘通常演出モード(FFH)’から‘移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)’に移行され、遊技モードが「通常モード3」に移行される。なお、メインモードは、通常遊技モードのまま移行されない(図10(ハ)参照)。
この通常モード3中では、移行リプレイBに当選した場合、遊技モードを移行させるための特定の押し順(ここでは、移行リプレイ2に関する押し順)がアシスト報知される。つまり、上記移行リプレイ2アシスト報知状態は、AT遊技の一態様であり、移行リプレイBが当選した場合に移行リプレイ2の入賞に関する押し順がアシスト報知される、といった演出モードとなっている。
そして、遊技者がそのアシスト報知内容に従い回胴を停止操作することにより、AT抽選に当選した場合と同じく「フリーズ待機モード」に移行されるようになっている。ただし、この場合において、通常モード3から移行されるフリーズ待機モードは、AT抽選に当選した場合の「真のフリーズ待機モード」ではなく、「偽(ガセ)のフリーズ待機モード(ハズレ告知用フリーズモード)」である。
なおアシスト報知の内容に従わず、移行リプレイBに係る移行リプレイ3が入賞した場合には同じく「偽のフリーズ待機モード(押順ミス用非フリーズモード2(非当選中))」に移行されるようになっている(押し順ミスにより、通常リプレイ1が入賞した場合についての詳細は、追って説明する)。つまり、AT抽選に非当選(ハズレ)であって、偽フリーズ待機モード抽選(図32)に当選した場合には、遊技モードが「通常モード1」→「通常モード3」→「フリーズ待機モード」の順に複数段階的に昇格移行していくが、ATモード移行権利を獲得できなかったとして、最終的には「ATモード」に移行されずに、「通常モード1」に再移行されるようになっている。
このように本実施形態では、AT抽選当選に係る「真のフリーズ待機モード」と、AT抽選非当選に係る「偽のフリーズ待機モード」とを設けることにより、ATモード移行前に介在する「フリーズ待機モード」において、遊技者のAT当選期待感を大いに煽ることができるようになっている。
(通常モード2、3に係る演出態様(状態報知演出態様)について)
なお、通常モード2(移行リプレイ1アシスト報知状態)、または通常モード3(移行リプレイ2アシスト報知状態)中は、フリーズ待機モードへの移行確定状態である旨を報知する専用の演出態様(フリーズ待機モード前兆中演出:たとえば、背景演出が専用の演出画像に変化する)が現出されるようになっている。また、移行リプレイ1、2のアシスト報知発生時は、遊技者がこれに従うように特に注目させるために、移行リプレイ1、2のアシスト報知発生時には、インパクトのある専用の報知演出態様(特殊アシスト報知演出:たとえば、爆発音を発生させたり、所定のLEDを虹色発色したり、液晶表示画面に専用の報知演出画像を現出させる)が現出されるようになっている。
また本実施形態では、移行リプレイA、Bに関し、「当選告知用フリーズモード(12H)」および「ハズレ告知用フリーズモード(22H)」に移行させるための、正しい押し順の割り当てを複数(2種類)設けている(図6の移行リプレイA、Bの欄参照)。この押し順については、AT抽選の結果に基づき、いずれの押し順が報知されるかが抽選(押し順抽選)により決定されるようになっている。具体的には、「当選告知用フリーズモード(12H)」への移行契機となる「移行リプレイA」当選時は、移行リプレイ1が入賞する複数種類の押し順(「右左中」および「中右左」の2種類)のうち、「右左中」の押し順を指示するアシスト報知の方が相対的に高確率で発生するようになっており(たとえば、「右左中」は60/100、「中右左」は40/100の確率で発生)、これに対し、「ハズレ告知用フリーズモード(22H)」への移行契機となる「移行リプレイB」当選時は、移行リプレイ2が入賞する複数種類の押し順(「右左中」および「中右左」の2種類)のうち、「中右中」の押し順を指示するアシスト報知の方が相対的に高確率で発生するようになっている(たとえば、「中右中」は60/100、「右左中」は40/100の確率で発生)。これにより、いずれの押し順を指示するアシスト報知が発生するかにより、AT抽選の当否の推測要素を遊技者に与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
以下、特に必要のない限り、「移行リプレイ1アシスト報知状態」または「移行リプレイ2アシスト報知状態」を‘フリーズ待機モード前兆AT遊技’と称し、「移行リプレイ1に関するアシスト報知」または「移行リプレイ2に関するアシスト報知」を‘フリーズ待機モード移行アシスト報知’を称する。
(AT抽選テーブル:図31)
上記AT抽選は、演出制御部410側において、図31に示す「AT抽選テーブル(疑似ボーナス抽選テーブル)」に基づいて実行される。この「AT抽選テーブル」は、図示のように、演出モードが、初期演出モード(F0H)、通常演出モード(FFH)、および後述のフリーズ待機モードに係る特定の遊技モード(ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)または押順ミス用非フリーズモード(非当選中)(43H))中である場合に利用され、「真のフリーズ待機モード」への移行抽選確率、換言すれば、「ATモード」への移行抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が、特定の当選役(AT抽選契機役)種別とフリーズ演出種別(フリーズ未発生、フリーズ1〜3)とに関連付けて定められている。たとえば、通常ゲーム1中において、今回のゲームで‘強スイカ(当選番号5)’に当選し、かつフリーズ演出種別が‘未発生’(図示の未発生)であれば、「8192/65536」の確率でAT抽選当選となる。これにより、遊技モードは、現在の通常モード1から通常モード2に移行されることになる。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ(65536)に対する判定値(当選領域)の占有領域数である。
また本実施形態に係るAT抽選テーブルでは、図示のように、フリーズ演出が発生する場合には(後述のフリーズ演出抽選(図33)によりフリーズ演出1〜3のいずれかが抽選された場合)、フリーズ演出が未発生の場合よりも、AT抽選の当選確率が相対的に高く定められている。これは、フリーズ演出が発生した場合に、遊技者にAT抽選当選への期待感を高めるためである。また基本的には、内部抽選確率が低確率な抽選対象役ほど、また低確率なフリーズ演出種別ほど、AT抽選が優遇されるようになっている。
また本実施形態のAT抽選契機役には、図示のように、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CAベル1〜2などの複数種類の抽選対象役が含まれる。これらの抽選対象役は、AT遊技の発生に関係する抽選対象役である点で、AT遊技への移行契機役(AT遊技移行契機役)として作用する。AT遊技移行契機役は、遊技状態(ここでは、演出モード)の移行契機となる点で、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」に属する。
(偽フリーズ待機モード抽選テーブル:図32)
上記AT抽選に非当選(ハズレ)となった場合、偽フリーズ待機モード抽選が実行されるようになっている。偽フリーズ待機モード抽選は、演出制御部410側において、図32に示す「偽フリーズ待機モード抽選テーブル」に基づいて実行される。この「偽フリーズ待機モード抽選テーブル」は、図示ように、演出モードが、初期演出モード(F0H)または通常演出モード(FFH)中である場合に利用され、「偽のフリーズ待機モード」への移行抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(100))が、当選役種別とフリーズ演出種別(フリーズ未発生、フリーズ1〜3)とに関連付けて定められている。たとえば、通常ゲーム1中において、今回のゲームで‘強スイカ(当選番号5)’に当選し、かつフリーズ演出種別が‘未発生’(図示の未発生)場合においてAT抽選にハズレとなったとき、図示の偽フリーズ待機モード抽選テーブルに基づく偽フリーズ待機モード抽選が実行され、このケースでは、‘50/100’の確率で、偽フリーズ待機モード抽選当選となる。これにより、遊技モードは、現在の通常モード1から通常モード3に移行されることになる。
また本実施形態に係る偽フリーズ待機モード抽選テーブルでは、フリーズ演出が発生する場合には、フリーズ演出が未発生の場合よりも、偽フリーズ待機モードへの移行確率が相対的に高く定められている。これは、AT抽選(図31)が、フリーズ演出が発生する場合はフリーズ演出が未発生の場合よりもAT抽選の当選確率が相対的に高く定められているからであり、フリーズ演出が発生した場合は、フリーズ待機モード(ここでは、偽の偽フリーズ待機モード)を移行させるようにして、遊技者のAT抽選当選期待感を煽るためである。
なお、上記のAT抽選や偽フリーズ待機モード抽選に関し、その実行契機となる抽選対象役(AT抽選契機役)や、その抽選確率には特に制限はなく、遊技性に応じて適宜変更することができる。
またフリーズ待機モードの前兆遊技となる「通常モード2、3(フリーズ待機モード前兆AT遊技)」の発生条件は、必ずしもAT抽選によるものではなく、たとえば、ゲーム数解除条件が成立した場合にも発生可能とすることができる。このゲーム数解除条件は、特定の遊技状態の終了後(たとえば、ATモード終了後や初期モードから通常モード1に移行後など)、所定のゲーム数を消化(所謂「天井ゲーム数」に到達)したことを条件に発生させることができる。上記ゲーム数解除条件が成立した場合、AT抽選に当選とみなし、フリーズ待機モード前兆AT遊技を発生させることができる。なお上記ゲーム数解除条件が成立した場合に、AT抽選を実行しても良い。
またその他の発生条件として、たとえば、AT抽選契機役の当選累積回数(たとえば、強チェリーなら通算5回、弱チェリーなら通算10回など)や、AT抽選契機役の連続当選(たとえば2ゲーム連続で強チェリーや強スイカに当選など)などを、その条件とすることができる。また、AT抽選契機役とならない特定の一般役種(たとえば、AT1〜4の一部または全部)の当選累積回数や連続当選を条件としても良い。なお、上述した条件のうち、1または複数種類の条件を採用するかは自由である。
ただし本実施形態では、通常モード1において回胴の停止操作する際に「変則押し」を実行した場合、アシスト報知未発生時に「変則押し」をした場合、遊技者に不利に作用する「ペナルティ」が発生するようになっている。上記「変則押し」とは、第1停止操作回胴を左回胴5aとする押し順以外の押し順、つまり「左押し」以外の押し順である。
詳細は後述するが、このペナルティが発生すると、その遊技期間は、遊技者に不利なゲームが展開され、たとえば、AT抽選を無効化する(AT抽選が実行されない、またはAT抽選自体は実行されるが、仮に、当選したとしても、その当選を無効(ハズレ)として処理される)、あるいはアシスト報知が所定ゲーム数制限される、ATモードの継続ゲーム数が減少される、などのペナルティが発生するようになっている。
斯様な「ペナルティ」を設けることにより、遊技者に対して、正規手順を守らせて、積極的にアシスト報知に従わせるようになっている。これは、ゲーム進行上、意図しない利益が遊技者に付与されたり、遊技モードが移行してしまうことを防止するためである。
(フリーズ演出について:図33)
次に、上記フリーズ演出について説明する。
本実施形態では、所定の条件に基づいて、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させるフリーズ状態(遅延状態)に制御可能に構成されている。たとえば、回胴回転始動レバー11が操作された後に実行される主制御部400側の1または複数種類の特定の遊技処理について、これを所定時間実行しないように制御する遅延状態下に置き(たとえば、図12のステップS108参照)、以って、本来の遊技進行を遅延させるように制御するものが挙げられる。
上記フリーズ状態の代表的なものには、回胴回転始動レバー11が操作された後、全回胴が通常回転動作に入る前に、その通常回転動作の実行処理を中断し、回胴の停止操作の受付を所定期間無効状態化し、本来の回胴の停止操作を受付けないようにして、遊技進行を遅延状態下に置くフリーズ状態が挙げられる。そして、このフリーズ(遅延状態)期間を利用して、たとえば、回胴5a,5b,5cの回転動作を、通常とは異なる回転動作態様に制御する回胴演出(フリーズ中メイン側演出)を実行したり、演出制御部410側で制御される演出手段(装飾ランプ13やスピーカ16や液晶表示装置6などの演出手段)を利用した演出(フリーズ中サブ側演出)を実行する。特に、フリーズ発生を契機として、「フリーズ発生時演出」が現出される。この「フリーズ発生時演出」は、フリーズの発生に伴い現出されるフリーズ開始時に係る演出態様であり、基本的には、このフリーズ発生時演出により、フリーズ状態の発生が報知される。また上記フリーズ発生時演出は、主としてフリーズ期間中の全部または一部を通じて現出される主要な演出態様として働く。
上記「回胴演出」とは、フリーズ状態(フリーズ)中における回胴の動的な動き、または静的な動き、あるいはその組合せによる回胴の回転動作による演出を意味する。「回胴の動的な動き」とは、通常回転(順方向に通常速度回転するもの)とは異なった動きをする「変則回転(変則回転動作)」である。変則回転の代表的なものは、回胴の逆回転、逆方向への寸動、左右または上下に震える運動、逆方向から順方向に回転して逆方向に戻る折り返し運動、各回胴が時間的にずれて次々と逆方向に回転開始する変則スタート動作、通常回転速度よりも低速または高速で回転する変則スピード動作など、である。また「回胴の静的な動き」とは全回胴が静止状態にいること、つまりフリーズ状態中に、実質的に静止していることを意味する。なお、この静止状態は、全回胴が完全に静止した「完全静止状態」だけでなく、実際には僅かに回胴が動いているが、見た目上、静止状態となっているかのように振舞う「見た目上の静止状態」を含む。なお、回胴演出は、種々の動作態様を組合せることができる。たとえば、一の回胴は動的な動きをさせ、他の回胴を静的な動きをさせるなど(たとえば、左回胴と右回胴は変則回転、中回胴は無回転)、動的な動きと静的な動きとを組合せた回胴演出を実行させることもできる。
フリーズ中の演出は「フリーズ演出」と称され、このフリーズ演出は、専ら、上記した回胴演出のように、主制御部400側で制御される各回胴5a,5b,5cの動作態様を利用した「フリーズ中メイン側演出」と、演出制御部410側で制御される演出手段を利用した「フリーズ中サブ側演出」とが連携した演出態様となっている。なお、フリーズ状態が発生したからといって、必ずしも、回胴演出(フリーズ中メイン側演出)や演出手段による演出(フリーズ中サブ側演出)が伴うとは限らず、フリーズ状態の発生それ自体が遊技者に違和感を与えるという観点から、これら演出が何ら発生しなくとも、フリーズ状態の発生それ自体が「フリーズ演出」をなす、といった演出態様も含むことができる。
本実施形態では、フリーズ状態の一例として、回胴回転始動レバー11の本来の目的の操作、つまり通常時において回胴を回転始動させる目的で行う回胴回転始動レバー11操作を検出したことを契機として、遊技進行上の次の段階である操作または処理(回胴の通常回転の開始)を遅延対象として、これを有効化するタイミングを所定時間(フリーズ時間)だけ遅延させ、回胴の通常回転動作の開始をそのフリーズ時間分遅延させる、といった、次のようなフリーズ演出(レバー操作時フリーズ演出:フリーズ1〜3)を発生可能に構成されている(図33、図12、図15参照)。
たとえば「フリーズ1」は、回胴回転始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間(たとえば、6秒)だけ回胴を無回転状態とし、通常回転動作を遅延させる回胴演出(無回転回胴演出)含むフリーズ演出種別となっている。
また「フリーズ2」は、回胴回転始動レバー11の操作後の所定のフリーズ時間(たとえば、6秒)において、「変則回転」による回胴演出(変則回転回胴演出)を含むフリーズ演出種別となっている。
また「フリーズ3」は、上述のフリーズ2と同じく、回胴回転始動レバー11の操作後の所定のフリーズ時間(たとえば、6秒)において、「変則回転」による回胴演出を実行し、一旦全回胴を仮停止状態(たとえば、見かけ上、完全停止状態ではない状態)とした後、所定の可動体役物が所定期間動作(たとえば、10秒)する、といったステップアップ的なフリーズ演出種別となっている。この「フリーズ3」は、回胴回転始動レバー11の操作後の所定のフリーズ時間(たとえば、6秒間)における回胴演出は、フリーズ2と同一の回胴演出が実行され、またフリーズ中サブ側演出も同じ演出が実行され、フリーズ演出の途中までは、見かけ上、「フリーズ2」と「フリーズ3」のどちらのフリーズ演出が発生したのかを遊技者から秘匿されるようになっている。これにより、フリーズ2が発生したとしても、フリーズ3が発生するかもしれないという期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
なお「フリーズ状態」については、たとえば、(イ)1ベットボタン9操作またはMAXベットボタン8操作による遊技メダル賭数設定動作(遊技メダル投入処理動作)、(ロ)回胴回転始動レバー11操作による回胴の回転始動動作(回胴の回転開始動作に係る処理)、(ハ)回胴回転停止ボタン12操作(回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cの少なくともいずれか一つ)による回胴の回転停止動作(回胴の停止制御に係る処理動作)、(ニ)遊技メダルの払い出し動作(遊技メダルの払い出し動作に係る処理動作)、(ホ)再遊技作動(再遊技を付与するための再遊技作動に係る処理動作)、などの遊技進行(遊技動作処理)のうち少なくとも一部を通常の遊技進行よりも遅延させる状態を「フリーズ状態」として扱うことができる。
(フリーズ演出抽選)
上記した各フリーズ演出(フリーズ演出1〜3)は、フリーズ演出抽選に基づいて、その発生が決定される。このフリーズ演出抽選は、主制御部400側において、図33に示す「フリーズ演出抽選テーブル」に基づいて実行される。
(フリーズ演出抽選テーブル:図33)
本実施形態に係るフリーズ演出抽選テーブルは、図示のように、主制御部側遊技状態(メインモード)が「通常遊技モード(FFH)」中である場合に利用され、他の遊技モードでは利用されないようになっている。フリーズ演出抽選テーブルには、フリーズ1〜3の抽選確率が、特定の当選役(フリーズ演出抽選契機役)種別とフリーズ演出種別(フリーズ1〜3)とに関連付けて定められている。たとえば、当選役が弱チェリー(当選番号2)の場合、フリーズ1が抽選確率「10/256」で選択され、フリーズ2が抽選確率「6/256」で選択され、フリーズ3が抽選確率「2/256」で選択される。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ256に対する判定値(当選領域)の占有領域数である。
上記フリーズ演出抽選に関し、その実行契機となる抽選対象役(フリーズ演出抽選契機役)およびその抽選確率、フリーズ演出抽選契機役に対し、いずれのフリーズ演出種別が抽選対象となるかについては特に制限はなく、本発明の目的を達成できるものであれば、自由に定めることができる。また、いずれのフリーズ演出が発生した場合に図31のAT抽選が優遇されるかについても、ゲーム性などを考慮して適宜定めることができる。
(フリーズ待機モードについて)
次に図9を参照しながら、フリーズ待機モードについて詳細に説明する。図9は、フリーズ待機モードの説明に供する説明図である。
本実施形態に係るフリーズ待機モードは、規定ゲーム数(本実施形態では、8ゲーム)継続する「ゲーム数限定(遊技期間限定)の遊技モード」となっており、フリーズ待機モード終了となる最終ゲーム目(8ゲーム目)において、AT抽選による抽選結果が報知されるようになっている。
このフリーズ待機モードの最大の特徴は、フリーズ演出(フリーズ状態)の発生(実行)タイミングが予定されている点である。上記フリーズ待機モードでは、特定のフリーズ演出(フリーズ状態)が発生するゲーム数(実行ゲーム)が予定され、その実行ゲームの到来を契機にフリーズ演出を発生させ、フリーズ演出を利用して、それよりも前のゲームで実行されたAT抽選による抽選結果を報知する、といった遊技モードとなっている。具体的には、フリーズ待機モードへの移行を決定付ける特定の条件(フリーズ予定条件)が成立したゲームを基点ゲームとし、その基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先(少なくとも2ゲーム先)にフリーズ演出の実行(発生)ゲームを予定して、そのフリーズ演出態様により、フリーズ待機モード移行前のゲームで実行されたAT抽選による抽選結果が報知されるようになっている。ここでは、フリーズ待機モードの移行が確定するゲーム(図9のW101、L101の欄参照)を基点ゲームとし、この基点ゲームがフリーズ待機モード0ゲーム目としている。したがって、実際にフリーズ待機モードが開始されるゲームは基点ゲームの次ゲームとなる(図9のW101、L101、W102、M101、L102の欄参照)。また、上述の「基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先(少なくとも2ゲーム先)にフリーズ演出の実行(発生)ゲームを予定」するとは、上記基点ゲームの次ゲーム、つまりフリーズ待機モード1ゲーム目を排除する意である。
このことは、内部抽選による抽選結果に依存しないフリーズ演出を発生可能な遊技状態を作り出し、その演出態様を利用して、特定の遊技情報を遊技者に報知できることを意味する。本実施形態では、主制御部400側の制御だけでフリーズ演出の発生を制御するのではなく、演出制御部410側の演出制御(アシスト報知制御)とうまく連携させることで、将来実行されるゲームにおいて、フリーズ演出の発生(実行)を予定させることができるようになっている。
本実施形態では、フリーズ待機モードの最終ゲーム(8ゲーム目)に、インパクトのある特殊なフリーズ演出(たとえば、フリーズ待機モード専用のフリーズ演出)の発生が予定され、この最終ゲームにおいて実行されるフリーズ演出態様を利用して、AT抽選による抽選結果、つまり、「ATモード」に移行するか否かについての情報が報知されるようになっている。したがって、最終ゲームに近づくにつれて、遊技者のATモード移行に関する緊張感や期待感が高まり、フリーズ演出が実行される最終ゲームが、遊技者が最も関心を寄せるゲーム数目とされる。
また、フリーズ待機モードにおける途中のゲーム間(1〜7ゲーム間)においては、遊技者のAT当選期待感を煽るための種々の「煽り演出」が現出されるようになっている。本実施形態では、AT抽選の当否状態(AT抽選結果)に基づいて、AT抽選当選可能性がある旨を示唆する演出(当選期待度に関連する演出)を実行可能に構成されている。たとえば、AT抽選当選中の場合にはAT抽選非当選中の場合よりも、特定の演出の現出率が相対的に高まるようになっている。AT抽選の当否結果に応じて、現出しうる特定の演出の現出率を異ならせることで、遊技者にAT抽選結果を推測する推測要素を与え、フリーズ待機モードの面白みを向上させることができる。
また、フリーズ待機モードの残余ゲーム数に基づく演出も実行可能に構成されている。たとえば、残余ゲーム数に関する情報を液晶表示装置6に表示したり(たとえば、最終ゲーム目までの残余ゲーム数をカウントダウン表示する)、残余ゲーム数に応じた種々の「煽り演出」を現出させたりすることができるようになっている。残余ゲームに基づく演出を現出させることで、最終ゲーム目が近づいていることを強調または報知することができる。これにより、遊技者のATモード移行に関する緊張感や期待感を高めて、フリーズ待機モードの面白みを向上させることができる。
また、残余ゲーム数に基づいて、上述した当選期待度に関連する特定の演出の現出率を変動させることができる。具体的には、残余ゲーム数が減少していくに従い、特定の演出の現出率を相対的に高まるように構成することができる。たとえば、1〜3ゲーム間を前半区間、4〜5ゲームを中盤区間、5〜7ゲームを後半区間とした場合、特定の演出の現出率の関係を「前半区間<中盤区間<後半区間」とすることができる。また1〜4ゲーム間を前半区間、5〜7ゲームを後半区間として「前半区間<後半区間」とすることができる。このようにすれば、最終ゲーム目が近づくにつれて、特定の演出が出現し易くなるので、遊技者は、特定の演出の現出に期待を寄せながら、緊張感や期待感を持ってゲームを楽しく消化していくことができる。
(フリーズ待機モードに係る遊技モードについて)
本実施形態の上記フリーズ待機モードには、遊技モードとして、「当選告知用フリーズモード」、「ハズレ告知用フリーズモード」、「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」、および「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」などの複数種類の遊技モードが定められている(図9および図10(ハ)参照)。これらのうち、いずれの遊技モードに移行するかは、AT抽選結果と移行リプレイA〜Bの当選時における押し順に応じて、その移行先が決定されるようになっている。以下、上記の各遊技モードの内容、その移行形態に着目しながら、フリーズ待機モード中の遊技形態を詳細に説明する。
先ず本発明の理解を容易なものにするために、上記の各フリーズ待機モードの概要を説明しておく。
(当選告知用フリーズモード)
上記「当選告知用フリーズモード」とは、フリーズ待機モードの最終ゲーム目において、AT抽選結果が「当選」であった旨を報知するための遊技モードである(図9のW103参照)。ATモードには、原則として、この「当選告知用フリーズモード」を経由して移行されることになる。
(ハズレ告知用フリーズモード)
上記「ハズレ告知用フリーズモード」とは、フリーズ待機モードの最終ゲーム目において、AT抽選結果が「非当選(ハズレ)」であった旨を報知するための遊技モードである。最終ゲーム目に「ハズレ告知用フリーズモード」に滞在していた場合、ATモードに移行されずに、通常モード1に移行される(図8、図9のL103参照)。
(押順ミス用非フリーズモード1(当選中):AT当選時)
上記「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」とは、AT抽選に当選して「通常モード2」に移行したが、通常モード2中の移行リプレイAの当選を契機に発生する「移行リプレイ1のアシスト報知」が発生したゲームにおいて、遊技者の押し順ミスにより、アシスト報知内容に従わない押し順を実行してしまい、本来入賞させるべき「移行リプレイ1」が入賞せずに「移行リプレイ3」が入賞した場合に移行される遊技モードである(図9のW101、M101参照)。この「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」に移行した場合、フリーズ待機モードの最終ゲーム目において「当選告知用フリーズモード」と同じくAT抽選結果が「当選」であった旨を報知されるが、当該最終ゲーム目においてフリーズ演出は発生されない。
(押順ミス用非フリーズモード2(非当選中):AT抽選非当選時)
上記「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」とは、AT抽選にハズレとなり、偽フリーズ待機モード抽選に当選して「通常モード3」に移行したが、通常モード3中の移行リプレイBの当選を契機に発生する「移行リプレイ2に関するアシスト報知」が発生したゲームにおいて、遊技者の押し順ミスにより、アシスト報知内容に従わない押し順を実行して、本来入賞させるべき「移行リプレイ2」が入賞せずに「移行リプレイ3」が入賞した場合に移行される遊技モードである(図9のL101、M101参照)。この「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」に移行した場合、フリーズ待機モードの最終ゲーム目において「ハズレ告知用フリーズモード」と同じくAT抽選結果が「非当選(ハズレ)」であった旨を報知されるが、当該最終ゲーム目においてフリーズ演出は発生されない。
(通常モード2中の移行リプレイAに係る通常リプレイ1入賞について)
なお、通常モード2は、既に説明したように「フリーズ待機モード前兆中演出」が現出され、通常時は出現しない「特殊アシスト報知演出」が発生する。このため、遊技者が通常モード2中におけるアシスト報知発生時に、斯様な演出を見過ごし、通常時と同じく「順押し」を実行してしまい「通常リプレイ1」が入賞してしまうケースは、非常に稀であると考えられる。したがって、制御負担の軽減の観点から、このようなレアケースに対処することなく、特殊アシスト報知演出中に「通常リプレイ1」が入賞した場合には、通常モード1中の通常リプレイ1入賞と同じく遊技モードの移行を生じさせないようにし(図17、図34参照)、フリーズ待機モード移行のために、再度、移行リプレイAの当選を待つように構成しても良い。しかしこの場合には、移行リプレイAの再当選を待つことになるため、フリーズ待機モードの移行が先延ばしになってしまい、これに伴いATモード移行も先延ばしとなり、結果、ゲーム数が嵩むだけで、遊技者に不利なゲーム展開となりうる。そこで、通常モード2中に移行リプレイ1のアシスト報知が発生した当該ゲームにおいて、どのような押し順であっても「フリーズ待機モード」に移行させるべく、次のような構成することが好ましい。
通常モード2中の移行リプレイ1のアシスト報知発生時に、遊技者が押し順ミスをして「通常リプレイ1」が入賞した場合、メインモードは移行しないが、演出モードは「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)」に移行させ、演出上は「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)」を装うようにする。
この場合、主制御部400側では「通常遊技モード(FFH)」として遊技処理を行うことになるが、演出モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)」であるため、遊技モード自体は、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(メインモード「FFH」+演出モード「33H」)」となる。つまり、演出制御部410側の制御により、メインモードが本来の遊技モードに移行しなかったとしても、演出処理により、フリーズ待機モードに係る演出モードに移行させる。これにより、演出上は、「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)」と同じ演出モードであることから、最終ゲーム目において、AT抽選結果が「当選」であった旨を報知することができ、また遊技者に不利益を与えることもないので、特に問題は生じないと考えられる。
なお、この疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」中においては、最終ゲームである8ゲームが到来する前に、移行リプレイAが当選した場合、移行リプレイ1のアシスト報知を発生させて、再度、メインモードを本来のモードに移行させる機会を遊技者に与える、といったことはしていない。具体的には、最終ゲームである「8ゲーム目」が到来する前に移行リプレイAが当選した場合に、移行リプレイ1のアシスト報知を発生させる(最終ゲームの8ゲーム目は、AT抽選結果を報知する告知演出(抽選結果報知演出)を現出する関係上、移行リプレイAに当選しても移行リプレイ1のアシスト報知をする意味がないため)、といったことはしていない。その理由は次の通りである。
本実施形態の場合、フリーズ状態の実行制御については、主制御部400側がその機能部を担っており、演出制御部410側はフリーズ状態の制御それ自体には一切関与しておらず、演出手段による演出制御だけを司る制御部となっている。また主制御部400側においては、演出制御部410側が管理する演出モードやAT抽選による抽選結果や今回のゲームでどのようなアシスト報知が発生したかなどについて、これを知ることができない。これは、既に説明したように、外部からのゴト行為を防止するため、演出制御部410側は一方向通信における入力としてのみ機能するようになっており、演出制御部410側から何らかの情報を主制御部400側には送信不可能な構成となっているためである。このため、主制御部400側では、現在の演出モードについては把握しておらず、単に、図10(イ)に示すメインモード種別を管理しているだけである。つまり、主制御部400側は、現在の遊技モードが、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」および「通常モード1〜3」のいずれであっても通常遊技モード(FFH)として遊技処理を行うことになる。
したがって、主制御部400側では、現在の遊技モードが疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」の場合は「通常遊技モード(FFH)」として遊技処理を行うことになるため、この遊技モード中に移行リプレイ1が入賞してしまうと、それが、通常モード1〜3中の移行リプレイ1の入賞であるのか、それとも、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」中の移行リプレイ1の入賞であるのかについて判別することができず、移行リプレイ1が入賞したゲームを基点ゲームとして、フリーズ状態の発生を予定してしまうからである。このため、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」中においては、演出制御部410側の制御により、移行リプレイA当選時には、通常リプレイ1をアシスト報知し(通常リプナビ:嘘告知)、メインモードの移行を制限させるようにしている。
なお、後述する主制御側AT管理形態(第7の実施形態)の場合には、演出制御部410側が担うAT遊技に関する機能部(AT抽選、AT遊技の実行制御、AT抽選結果に基づく演出モードの移行制御(AT遊技を伴うATモードやフリーズ待機モードに係る演出モードの移行制御)、アシスト報知の実行制御など)の一部または全部を、主制御部400側が担うことができるようになっている。つまり上記主制御側AT管理形態の場合は、主制御部400側がAT抽選を実行し、そのAT抽選結果を把握し、また当選役に対応したアシスト報知の実行を管理して、メインモードの制御だけでなく、演出モードも直接的に制御することができるようになる。このため、たとえば、通常モード2中の移行リプレイ1のアシスト報知発生ゲームで、遊技者が押し順ミスをして「通常リプレイ1」が入賞してしまうケース(上記した、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」に移行されてしまうケース)では、主制御部400側において、当該アシスト報知を実行したこと、およびその際に「通常リプレイ1」が入賞したことに基づいて、メインモードを「押順ミス用非フリーズモード(32H)」に移行させることできる。このとき、その情報を演出制御コマンドにて演出制御部410側に送信して、演出制御部410側が演出モードを「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(33H)」に移行させるように構成する。これにより、遊技モードを、‘疑似的な「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(メインモード「FFH」+演出モード「33H」)’ではなく、本来の正しい遊技モードの‘押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(メインモード「32H」+演出モード「33H」)’に移行させることができるようになる。
このように主制御側AT管理形態を採用した場合は、主制御部400側がメインモードと演出モードとを直接的に把握することができる構成が前提となるので、上記した遊技モードの不整合が生じることがない、といった利点がある。ただし、その反面、主制御部400側の制御負担が増す(たとえば、メインROMのプログラム容量やメインRAMの記憶領域を圧迫する)可能性があるので、主制御側AT管理形態を採用するか、主制御部400側が演出モードを管理しない構成(演出制御側AT管理形態)とするかは、適宜決定することができる(後述する第2〜第14実施形態も同様)。なお、本明細書中では、主に、演出制御側AT管理形態について説明するが、本発明の目的を達成できるものであれば、主制御側AT管理形態を採用しても良いことは勿論のことである。
(通常モード3中の移行リプレイBに係る通常リプレイ1入賞について)
通常モード3中の通常リプレイ1入賞についても、上述した「通常モード2中の移行リプレイAに係る通常リプレイ1入賞」と同事象のように、非常に稀なケースであるが、このケースについても、上述した通常モード2の場合と同じ理由から、通常モード3中に移行リプレイ2のアシスト報知が発生した当該ゲームにおいて、どのような押し順であっても「フリーズ待機モード」に移行させることが好ましい。
したがって、通常モード3中の移行リプレイ2のアシスト報知発生時に、押し順ミスをして「通常リプレイ1」が入賞してしまった場合、演出モードを「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」に移行させ、演出上は「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」を装うようにする。この場合、主制御部400側では「通常遊技モード(FFH)」として遊技処理を行うことになるが、演出モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」であるため、遊技モード自体は、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(メインモード「FFH」+演出モード「43H」)」となる。これにより、演出上は、「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」と同じ演出態様が展開されることから、最終ゲーム目において、フリーズ待機モード中のAT抽選に当選していなければAT抽選結果が「非当選(ハズレ)」である旨を、フリーズ待機モード中のAT抽選に当選していれば「当選」である旨を正しく報知することができ、遊技者に不利益を与えることもないので、特に問題は生じないと考えられる。
なお本実施形態に係る通常モード3中は、AT抽選が制限(禁止)されており、再抽選によりAT当選となることもない。これは、フリーズ待機モードは、主として、それ以前に実行されたAT抽選の抽選結果を報知するための遊技モードである点、つまりフリーズ待機モード前にAT抽選を行い、その結果がフリーズ待機モード中に報知される、といった関係上、一旦AT抽選が実行され、フリーズ待機モードに移行すると決定された後は、フリーズ待機モードの意義を持たせるために、通常モード3中のAT抽選を制限している。なおフリーズ待機モード中は、AT抽選自体を制限しても良いし、またAT抽選は実行するが、AT抽選結果(たとえば、AT抽選に当選した場合)は無効扱いとしても良い。しかし本発明はこれに限らず、詳細は後述するが、通常モード3中にAT抽選を実行可能な構成にしても良い。この場合、通常モード3中にAT抽選に当選したときは、通常モード2に移行させる構成とすれば良い。ただし遊技者側に対しては、通常モード2または通常モード3のいずれに移行されたかを演出上から秘匿することが好ましい。これは、現在の遊技モードが通常モード3中であることを遊技者側に把握されてしまうと、フリーズ待機モード移行前に、AT抽選結果がハズレである旨が判明してしまうからである。
(通常モード2中の「移行リプレイ2」の入賞、通常モード3中の「移行リプレイ1」の入賞について)
なお、これも非常に稀なケースであるが、通常モード2中に「移行リプレイ2」が入賞してしまうケース、または通常モード3中に「移行リプレイ1」が入賞してしまうケースもありうる。具体的には、たとえば、通常モード2中に、移行リプレイBが当選したとき、遊技者が不注意などにより、たまたま移行リプレイ2が入賞してしまうケースである。
このようなレアケースが発生すると、主制御部400側では、現在の演出モード自体は把握していないため、現在の遊技モードが通常モード1〜3のいずれかであっても「通常遊技モード(FFH)」として遊技処理を行うことになる。これは、既に説明したように、外部からのゴト行為を防止するため、演出制御部410側は一方向通信における入力としてのみ機能し、演出制御部410側から何らかの情報を主制御部400側には送信不可能な構成とされている。このため主制御部400側では、現在の演出モードについては把握しておらず、単に、図10(イ)に示すメインモード種別を管理しているだけである。
したがって、通常モード2中に「移行リプレイ2」が入賞してしまうと、主制御部400側は「移行リプレイB当選による移行リプレイ2の入賞である」として処理し、メインモードを「ハズレ告知用フリーズ遊技モード」に移行させてしまう(図34参照)。また通常モード3中に「移行リプレイ1」が入賞してしまうと、主制御部400側は「移行リプレイA当選による移行リプレイ1の入賞である」と処理し、メインモードを「当選告知用フリーズ遊技モード」に移行させてしまう(図34参照)。これにより、AT抽選結果と矛盾したフリーズ待機モードに移行されてしまう、といった不都合が生じる。
そこで本実施形態では、このようなレアケースが発生した場合の対処法として、演出制御部410側で管理される演出モードが、通常モード2に係る「移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)」中に‘移行リプレイ2’が入賞してしまった場合は、演出モードを「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(演出モード:33H)」に移行させ、通常モード3に係る「移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)」中に‘移行リプレイ1’が入賞してしまった場合は、演出モードを「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(演出モード:43H)」に移行させる。つまり、本来入賞させるべき入賞役が入賞せずにメインモードが正しく移行制御されなかった場合であっても、演出制御部410側がAT抽選結果に対応した演出モードを管理することにより、最終ゲーム目において、AT抽選結果を正しく報知し、さらにATモードの移行も正しく行うことができる。ただし、このケースでは、メインモードに不整合が生じているので、本来のAT抽選結果に対応した回胴演出とは矛盾した回胴演出が実行されうることになるが、このようなケースは、非常にレアケースである点、回胴演出自体に矛盾が生じたとしても、演出上は、正しい情報が報知される点、演出制御部410側で本ケースに対応した演出を現出可能に構成することができる点、AT抽選結果に応じた利益が付与され、遊技者に対して不測の不利益を与えることがない点、制御負担を無闇に増大させることがない点(特に主制御部400側の制御に負担をかけることなく、演出制御部410側の演出制御により対処可能である点(パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部400が該当する)に装着されるROMのプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係)等の要請により、主制御部400側のプログラム削減等は重要な意義を有する)などから、特に問題は生じないと考えられる。なお、後述の主制御AT管理形態の場合、メインモードに不整合が生じることを防止することができるので、上述した問題点(本来のAT抽選結果に対応した回胴演出とは矛盾した回胴演出が実行される)が生じることを防止することができる。
なお本実施形態では、通常時に正規手順の順押しを守らずに変則押しを実行したり、アシスト報知の内容に従わない押し順を実行したりした場合、その旨を遊技者に警告報知する押し順ミス報知演出(通常押し順ミス報知演出:たとえば、第1停止操作時に警告音を発生させる)が実行されるようになっている。特に、フリーズ待機モード移行アシスト報知発生時の押し順ミスにより、遊技モードが「押順ミス用非フリーズモード」に移行されるときには、その旨を遊技者に知らせるべく、上述の通常押し順ミス報知演出とは異なる、専用の報知演出(警告報知演出)が実行されるようになっている。これにより、遊技者に対し、遊技モードが「押順ミス用非フリーズモード」に移行される旨を知らせることができるようになっている。
また本実施形態では、移行リプレイAに係る入賞役(通常リプレイ1、移行リプレイ1、移行リプレイ3)と、移行リプレイBに係る入賞役(通常リプレイ1、移行リプレイ2、移行リプレイ3)とが同一の図柄の組合せとなっている(図6参照)。また上記フリーズ待機モード移行アシスト報知の内容は、当選役種別を秘匿し、押し順内容が報知されるだけとなっている。つまり、「当選告知用フリーズモード」と「ハズレ告知用フリーズモード」とに関する移行契機入賞役が同じ図柄の組合せで構成されており、「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」と「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」とに関する移行契機入賞役が同じ図柄の組合せで構成されており、これにより、演出上からも成立した入賞役からも「当選告知用フリーズモード」と「ハズレ告知用フリーズモード」とのいずれの遊技モード移行されたのか、または「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」と「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」とのいずれの遊技モード移行されたのかを秘匿し、移行先の遊技モードを遊技者側に悟らせないようにしている。これにより、フリーズ待機モードの最終ゲーム目(8ゲーム目)までAT抽選結果を不明確して、その途中の遊技期間(1〜7ゲーム間)において遊技者のAT当選期待感を大いに煽ることができるようになっている。
(フリーズ待機モード中の遊技モードの遷移状態について)
再び図9を参照して、フリーズ待機モード中の遊技モードの遷移状態について詳細に説明する。フリーズ待機モードへの移行は、既に説明したように、まず通常モード1中におけるAT抽選を契機として、通常モード2または通常モード3(フリーズ待機モード前兆AT遊技)に移行される(図9のA101→W101、またはA101→L101参照)。そして、通常モード2中の移行リプレイAの当選、通常モード3中の移行リプレイBの当選を契機とするアシスト報知(フリーズ待機モード移行アシスト報知)の内容に従い、所定の押し順がなされた場合に移行されうる(図9のW102、M101、L102参照)。
また上述したように、フリーズ待機モードには、遊技モードが「通常モード2」から移行される移行ルートと、「通常モード3」から移行される移行ルートとが存在する。そして、いずれの通常モードから移行されたかに応じて、フリーズ待機モード中に滞在しうる遊技モードが異なる。以下、通常モード2から移行される移行ルートと、通常モード3から移行される移行ルートとに分けて説明する。なお以下では、説明の便宜のために、上記フリーズ待機モード移行アシスト報知が発生したゲーム以外では、押し順ミスがないものとして説明する。
(通常モード2から移行される移行ルート)
先ず、通常モード2からフリーズ待機モードに移行された場合の遊技モードの遷移状態について説明する。図9を参照して、通常モード2からの移行ルートには、下記の(イ)第1の遊技ルートと、(ロ)第2の遊技ルートとがある。
(第1の遊技ルート(移行リプレイ1が入賞した場合:正しい押し順の場合)
(イ)「通常モード2(W101)」→(移行リプレイ1入賞:正しい押し順の場合)→「当選告知用フリーズモード(W102:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→「当選告知用フリーズモード(W103:告知演出の8ゲーム目)」、フリーズ演出を伴うATモード移行当選(AT抽選当選)告知(後述の告知用フリーズ演出が発生する)。
(第2の遊技ルート(移行リプレイ1が入賞しなかった場合:押し順ミスの場合)
(ロ)「通常モード2(W101)」→(移行リプレイ3入賞:押し順ミスの場合)→「押順ミス用非フリーズモード1(M101:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→「押順ミス用非フリーズモード1(W104:告知演出の8ゲーム目)」、フリーズ演出を伴わないATモード移行当選(AT抽選当選)告知(告知用フリーズ演出は発生しない(告知用非フリーズ演出が発生する))。
上記第1の遊技ルートは、移行リプレイ1の押し順が正しく実行された場合(移行リプレイ1入賞時)の遊技ルートであり、上記第2の遊技ルートは、移行リプレイ1の押し順をミスした場合(移行リプレイ3入賞時)の遊技ルートとなっている。いずれの遊技ルートもAT抽選に当選した場合に辿る遊技ルートであり、通常モード2から移行されうる「当選告知用フリーズモード」および「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」は、「真のフリーズ待機モード」である。
したがって、上記第1の遊技ルートおよび第2の遊技ルートのいずれも、フリーズ待機モードの最終ゲームの8ゲーム目において、ATモード移行される旨(AT抽選当選である旨)が報知されるようになっている(図9のW103、W104参照)。
(第1の遊技ルートにおける最終ゲームの告知演出について)
第1の遊技ルートの「当選告知用フリーズモード」滞在時は、最終ゲームの8ゲーム目において、フリーズ1〜3とは異なる告知専用のフリーズ演出(以下、「告知用フリーズ演出」と称する)が発生し、このフリーズ演出を利用して、ATモード移行を祝福するインパクトのある「祝福演出(フリーズ有り祝福演出)」が現出されるようになっている。
本実施形態に係る告知用フリーズ演出は、変則回転動作を伴う回胴演出を含むフリーズ演出態様となっており、たとえば、回胴回転始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間(たとえば、30秒)において、所定の図柄の組合せ(たとえば、「BAR」−「BAR」−「BAR」:BAR図柄揃い)を、所定の成立ライン(たとえば、中段横ライン)上に仮停止させたり、それ以外のバラケ目を仮停止させたりするように回転動作を繰り返し行い、BAR揃いが停止するか否かの期待感を煽るような変則回転動作を行い、フリーズ時間の終盤(たとえば、25秒後)に、「BAR揃い」を中段横ラインに仮停止させる。そして、BAR揃いの仮停止状態を所定時間(残りの5秒間)保持し、回胴演出側では、これを以って、AT抽選に当選した旨(ATモード移行権利を獲得した旨)が報知されるようになっている。またこの回胴演出に伴い、演出手段によるフリーズ中サブ側演出も発生させ、特に、「BAR揃い」の仮停止状態中は、たとえば、液晶画面上に「ボーナス確定!!」などを表示し、派手な光演出や音演出を利用したインパクトのあるフリーズ中サブ側演出が現出される。なお、告知用フリーズ演出の演出態様は、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。そして、フリーズ時間が経過した後は、通常の遊技進行の通りに、通常回転動作が開始され、本来の回胴の停止操作が許容されることとなる。
(第2の遊技ルートにおける最終ゲーム目の告知演出について)
一方、第2の遊技ルートの「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」滞在時は、最終ゲームの8ゲーム目に「当選告知用フリーズモード」のようなフリーズ演出は発生しないが、所定のタイミング(たとえば、遊技メダル投入を契機として、または、回胴回転始動レバー11の操作を契機として、または、回胴回転停止ボタン12の停止操作を契機として、あるいは、全回胴停止を契機として)にて、演出手段によるフリーズ中サブ側演出を利用し、たとえば、液晶画面上に「ボーナス確定!!」などを表示し、派手な光演出や音演出を利用したインパクトのある「祝福演出(フリーズ無し祝福演出)」が現出され、これを以って、AT抽選に当選した旨が報知されるようになっている。
なお、メインモードに関し、AT抽選に当選である場合の上記「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」と、AT抽選に非当選である場合の「押順ミス用非フリーズモード2(非選中)」とは、メインモードが同じ「32H」として管理されているが、演出モードは「AT抽選当選中(演出モード‘33H’)」と「AT抽選非当選中(演出モード‘43H’)」といった異なる演出モードとして管理されている(図9のM101、図10(ハ)参照)。これにより、押し順ミスにより、押順ミス用非フリーズモード1〜2のいずれかに移行されたとしても、演出制御部410側がAT抽選結果に対応した演出モードを管理しているので、最終ゲーム目において、AT抽選結果を正しく報知することができるようになっている。これにより、フリーズ待機モードにおけるAT抽選結果の報知に矛盾が生じないようにして、遊技者が遊技機に対して不信感を抱くことを防止することができる。
なお、上記第1の遊技ルートおよび第2の遊技ルートに係るフリーズ待機モード中では、AT抽選当選が確定しているため、AT抽選は実行されない、あるいはAT抽選が実行されても、当選確定状態が保持されるようになっている。
(通常モード3から移行される移行ルート)
次に、通常モード3からフリーズ待機モードに移行された場合の遊技モードの遷移状態について説明する。通常モード3からの移行ルートには、下記の(ハ)第3の遊技ルートと、(ニ)第4の遊技ルートとがある。
(第3の遊技ルート(移行リプレイ2が入賞した場合:正しい押し順の場合)
(ハ)「通常モード3(L101)」→(移行リプレイ2入賞:正しい押し順の場合)→「ハズレ告知用フリーズモード(L102:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→「ハズレ告知用フリーズモード(L103:告知演出の8ゲーム目)」、フリーズ演出を伴うATモード移行非当選(AT抽選非当選)告知(告知用フリーズ演出が発生する)。
(第4の遊技ルート(移行リプレイ2が入賞しなかった場合(移行リプレイ3が入賞した場合):押し順ミスの場合)
(ニ)「通常モード3(W101)」→(移行リプレイ3入賞:押し順ミスの場合)→「押順ミス用非フリーズモード2(M101:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→「押順ミス用非フリーズモード2(L104:告知演出の8ゲーム目)」、フリーズ演出を伴わないATモード移行当選(AT抽選当選)告知(告知用フリーズ演出は発生しない(告知用非フリーズ演出が発生する))。
上記第3の遊技ルートは、移行リプレイ2の押し順が正しく実行された場合(移行リプレイ2入賞時)の遊技ルートであり、上記第4の遊技ルートは、移行リプレイ2の押し順をミスした場合(移行リプレイ3入賞時)の遊技ルートである。いずれの遊技ルートもAT抽選に非当選(ハズレ)した場合に辿る遊技ルートであり、通常モード3から移行されうる「ハズレ告知用フリーズモード」および「押順ミス用非フリーズモード2」は、「偽のフリーズ待機モード」である。
したがって、上記第3の遊技ルートおよび第4の遊技ルートのいずれも、フリーズ待機モードの最終ゲームの8ゲーム目において、AT抽選非当選である旨(ATモード移行とはならない旨)が報知されるようになっている(図9のL103、L104参照)。
(第3の遊技ルートにおける最終ゲームの告知演出について)
第3の遊技ルートの「ハズレ告知用フリーズモード」滞在時は、第1の遊技ルートの「当選告知用フリーズモード」と同じように、最終ゲームの8ゲーム目において、告知用フリーズ演出が発生し、このフリーズ演出を利用して、AT抽選に非当選である旨(ATモード移行とはならない旨)を報知する「残念演出(フリーズ有り残念演出)」が現出されるようになっている。
上記「ハズレ告知用フリーズモード」による告知用フリーズ演出は、上記のような「残念演出」を現出させる関係上、「当選告知用フリーズモード」による告知用フリーズ演出とは異なるフものとなっている。ただし本実施形態では、遊技者のATモード移行期待感を大いに煽るべく、「ハズレ告知用フリーズモード」による特別フリーズ演出と「当選告知用フリーズモード」による告知用フリーズ演出とを一部を同じ演出態様、たとえば、フリーズ時間の終盤まで同じ演出態様としている。具体的には、「当選告知用フリーズモード」による告知用フリーズ演出では、既に説明したように、フリーズ時間の終盤(たとえば、25秒後)に、BAR揃いを中段横ラインに仮停止させるという回胴演出を行い、これを以ってATモード移行を報知するが、これに対し、「ハズレ告知用フリーズモード」による告知用フリーズ演出では、フリーズ時間の終盤(たとえば、25秒後)にBAR揃いを中段横ラインに仮停止させるように見せかけて、BAR揃いの崩れ目(たとえば、「BAR」−「BAR」−「チェリー2」など)を仮停止させ、回胴演出側では、これを以って、AT抽選に非当選である旨(ATモード移行権利を獲得できなかった旨)を報知するようになっている。またこの回胴演出に伴い、演出手段によるフリーズ中サブ側演出も発生させ、BAR揃いの崩れ目の仮停止状態中に、たとえば、液晶画面上に「残念・・。」などを表示し、AT抽選に非当選である旨を報知するようになっている。
(第4の遊技ルートにおける最終ゲーム目の告知演出について)
一方、第4の遊技ルートの「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」滞在時は、最終ゲームの8ゲーム目に「ハズレ告知用フリーズモード」のようなフリーズ演出は発生しないが、既に説明した「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」のケースと同じく、所定のタイミング(たとえば、遊技メダル投入を契機として、または、回胴回転始動レバー11の操作を契機として、または、回胴回転停止ボタン12の停止操作を契機として、あるいは、全回胴停止を契機として)にて、演出手段によるフリーズ中サブ側演出により、たとえば、液晶画面上に、「残念・・・」などを表示して、AT抽選に非当選である旨を報知する「残念演出(フリーズ無し残念演出)」が現出されるようになっている。
(偽のフリーズ待機モード中のAT抽選について)
上記第3の遊技ルートおよび第4の遊技ルートに係るフリーズ待機モード(偽のフリーズ待機モード)は、AT抽選に非当選の場合の遊技ルートであり、最終的に、AT抽選が非当選である旨が報知される遊技ルートとなっている。
ところで上記フリーズ待機モード中において、AT抽選を一切実行しない構成としても良いが、そうすると、フリーズ待機モードが「最終ゲームおいてAT抽選結果を報知するだけ」といった遊技モードになり、単なる消化遊技の様相を呈することにも成り兼ねない。そこで本実施形態では、上記「偽のフリーズ待機モード」中においてもAT抽選が実行されるようにし、偽のフリーズ待機モード滞在中であってもATモード移行へのチャンスを遊技者に与えることができるようになっている。このようなAT抽選の再抽選チャンスの付与は、AT抽選にハズレとなった場合でもATモードへの移行チャンスを残し、遊技者のATモード移行期待感を大いに煽る点で、遊技が単調にならず好適である。この場合、フリーズ待機モードは、それ以前に実行されたAT抽選の抽選結果を報知するための遊技モードとしての役割と、AT再抽選によるAT移行期待感を煽る遊技モードとしての役割を持たせることができる。
具体的には、AT抽選結果が非当選の場合に移行される「ハズレ告知用フリーズモード」中か、または「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」中においてAT抽選が実行されるようになっており、このモード中にAT抽選に当選すると、内部的にはAT当選状態となる(後述の図26のステップS757参照)。このAT当選状態(待機モード中ATフラグON状態)において、フリーズ待機モードが終了する8ゲーム手前の7ゲーム目までに、移行リプレイAに当選すると、移行リプレイ1のアシスト報知が発生するようになっている。
このとき、移行リプレイ1が入賞すれば、遊技モードが昇格移行され、「ハズレ告知用フリーズモード」中である場合に限り、「当選告知用フリーズモード」に昇格移行されるようになっている(後述の図30のステップ852〜S854参照)。なお、最終ゲームの8ゲーム目は、上記告知用フリーズ演出を現出する関係上、昇格移行する意味が無く、移行リプレイAに当選しても移行リプレイ1のアシスト報知は実行しないで(このときは、通常リプナビ(嘘告知)を実行する)告知演出が現出されるようになっている(後述の図26のステップS751(=0)→S760の処理ルート参照)。
ここで上記「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」中に「当選告知用フリーズモード」に昇格移行されない理由は次の通りである。
本実施形態では、「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」と「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」とは、演出モードに関して異なる演出モード(「33H」と「43H」)として管理されている(図10(ロ)および(ハ)参照)。しかしメインモードに関しては、同じ「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」として管理されている(図10(イ)および(ハ)参照)。
また既に説明したように、主制御部400側は、演出制御部410側が管理する演出モードやAT抽選による抽選結果や今回のゲームでどのようなアシスト報知が発生したかなどについて、これを知ることができない。つまり主制御部400側は、現在の遊技モードが「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」であるか、「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」であるかは分からず、移行リプレイ1が入賞した場合、それがAT抽選当選に基づき入賞したものであるのか、それとも遊技者の不注意や恣意的による押し順によって入賞したものなのかを知ることができない。このため、主制御部400側では、メインモードが「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」である場合、メインモードの移行は生じさせないようになっている(図34、図18参照)。ただし、演出制御部410側においては、AT抽選結果を把握しているので、最終ゲーム目が「押順ミス用フリーズ演出モード2(43H)」ある場合、AT抽選に当選していれば祝福演出を現出し、AT抽選に非当選であれば残念演出を現出する(図28のステップS781、S782参照)。
一方、メインモードが「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」である場合、移行リプレイ1が入賞したときは、主制御部400側では「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」に昇格移行させ(図18のステップS435参照)、演出制御部410側ではこれに伴い、「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」に昇格移行させ(図30のステップS854参照)、遊技モードを「当選告知用フリーズモード」に移行させる(図10(ハ)参照)。以上により、AT抽選結果を正しく報知することができるようになっている。
なお、AT当選状態において、フリーズ待機モードが終了する8ゲーム目までに、移行リプレイAに当選しなかった場合には、現在の遊技モードである「ハズレ告知用フリーズモード」か、または「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」が継続したまま、最終ゲームが到来することになる。この場合は、演出制御部410側がAT当選状態を把握しているので、最終ゲーム目において、AT抽選結果を正しく報知し、ATモードの移行も正しく行うことができるようになっている。たとえば、AT当選状態の「ハズレ告知用フリーズモード」の場合には、告知用フリーズ演出において、一旦AT抽選に非当選である旨が報知されるが(たとえば、フリーズ有り残念演出)、その後の所定のタイミング(たとえば、回胴回転始動レバー11の操作を契機として、または回胴回転停止ボタン12の停止操作を契機として、または全回胴停止を契機として、あるいは、次回ゲームの賭数設定(遊技メダル投入)を契機として)、演出手段を利用した「復活演出(フリーズ無し復活演出)」が現出され、これを以って、AT抽選に当選した旨が報知されるようになっている(後述の図27のステップS774(YES)→S776の処理ルート参照)。また「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」についても同様に、演出手段を利用した「復活演出(フリーズ無し復活演出)」が現出され、これを以って、AT抽選に当選した旨が報知されるようになっている(後述の図28のステップS780(YES)→S782の処理ルート参照)。
(フリーズ待機モード中のフリーズ演出抽選について)
なお本実施形態に係るフリーズ待機モード中は、フリーズ演出抽選が実行されないようになっている(図33のフリーズ抽選条件のメインモードの欄参照)。これにより、フリーズ待機モード中は、フリーズ演出が発生しない分、AT抽選の当選確率が通常モード1よりも相対的に低確率とされる(AT抽選時は、図31のAT抽選テーブルの「未発生」の欄が参照される)。これは、フリーズ待機モードは、主として、それ以前に実行されたAT抽選の抽選結果を報知するための遊技モードである点、8ゲーム目に告知用のフリーズ演出を発生させる関係上、その道中で他のフリーズ演出を発生させると、告知時のフリーズ演出のインパクトに欠けてしまう恐れがある点、8ゲーム間という比較的短期間においてAT当選期待感を煽る遊技モードである点などから、フリーズ待機モードでは、フリーズ演出の発生を制限してAT抽選確率を低下させるようにし、極力、フリーズ待機モード移行前になされたAT抽選の抽選結果に従う告知演出が予定されたゲーム数目(最終の8ゲーム目)に現出させるためである。
なお、押し順ミスにより遊技モードに不整合が生じている場合、たとえば、既に説明した、通常モード2中の移行リプレイAに係る通常リプレイ1入賞した場合や、通常モード3中の移行リプレイBに係る通常リプレイ1が入賞した場合は、メインモードが「通常遊技モード(FFH)」として遊技処理を行うことになり、フリーズ演出が発生しうるケースもあるので、演出モードが「フリーズ待機モード」に係る演出モードである場合は、「フリーズ演出未発生」としてAT抽選を処理して、AT抽選の当選確率を変動させることが好ましい。
勿論、フリーズ待機モード中も通常遊技モード(FFH)と同じく、図33に示す「フリーズ演出抽選テーブル」に基づくフリーズ演出抽選を実行して、そのフリーズ抽選結果と図31のAT抽選テーブルとに基づくAT抽選を実行しても良い。
また、通常モードとは異なるAT抽選確率が定められた「フリーズ待機モード中専用のAT抽選テーブル(フリーズ待機モード中AT抽選テーブル)」を設け、これに基づき、AT抽選を実行しても良い。たとえば、通常モードよりも相対的に低確率となるフリーズ待機モード中AT抽選テーブルを設けた場合には、上述したフリーズ演出が実行されない場合と同じく、フリーズ待機モードを、主に、それ以前に実行されたAT抽選の抽選結果を報知するための遊技モードとしての意義を持たせることができる。他方、通常モードよりも相対的に高確率となるフリーズ待機モード中AT抽選テーブルを設けた場合には、フリーズ待機モード中の8ゲーム間が、AT抽選確率が高確率に変動する「AT高確モード」とすることができる。この「AT高確モード」というAT抽選確率変動チャンスの付与は、遊技者のATモードの移行期待感を大いに煽る点で、遊技が単調にならず好適である。この場合、フリーズ待機モードは、それ以前に実行されたAT抽選の抽選結果を報知するための遊技モードとしての役割と、ATモードへの期待度が通常モードよりも高い遊技モードとしての役割を持たせることができる。
また本実施形態では、フリーズ待機モード終了後、前兆ATモードを経て、ATモードに移行すると説明したが、本発明はこれに限られない。フリーズ待機モード終了後、特殊リプレイ1〜2の入賞を待つことなく、直ちに、ATモードに移行させて(たとえば、フリーズ待機モード終了ゲームの次回ゲームからATモードに移行させる)、スムーズな遊技進行が可能な構成としても良い。この場合、ATモードへの移行契機となる「ATモード移行契機役(ここでは、特殊リプレイA〜B(特殊リプレイ1〜2))」として働く抽選対象役は、必要ない。
またフリーズ待機モード中は、AT1〜4の一部を対象(たとえば、AT2〜3)に12枚AT役をアシスト報知する上記「特殊AT遊技」を発生させるようにしても良い。これにより、フリーズ待機モード中は、通常モード1よりも相対的に利益状態(たとえば、1ゲーム当りの平均的利益状態)が高く、ATモードよりも相対的に利益状態の低い中間的な利益状態である「中間ベースモード」として作用させることができる。その結果、利益状態が異なる複数種類の遊技モードを実現することができるので、遊技性の自由度が増し、遊技の面白みを向上させることができる。なお、フリーズ待機モード中に、ATモードと同様のAT遊技を発生させても良い。これにより、ATモードよりも継続ゲーム数は少ないが、1ゲーム当りの利益状態が、ATモードと同じ利益状態とすることができる。この場合、フリーズ待機モードを「AT抽選に係る抽選結果告知モード」および「高ベースモード」として機能させることができるので、遊技性の自由度が増し、遊技の面白みを向上させることができる。
またフリーズ待機モード中は、アシスト報知未発生時の変則押しに対して、ペナルティを与えることにより、想定外の遊技モードの移行を極力防止している。具体的には、メインモードに移行が生じうる移行リプレイ1〜3の入賞を回避するために、アシスト報知身発生時は順押しを、アシスト報知発生時はその内容に従うことを守らせるようにしている。なお、移行リプレイA〜Bおよび特殊リプレイA〜Bのいずれかが当選した場合には、遊技モードを移行させないように、または特定のリプレイが導出表示されることで(たとえば、赤7リプレイ(特殊リプレイ1)や青7リプレイ(特殊リプレイ2))、遊技者に特定の遊技価値が付与されるものと勘違いしてしまうことを防止するために、不利入賞役側の通常リプレイ1を対象とするアシスト報知(通常リプナビ:嘘告知)を実行することが好ましい。
また本実施形態では、通常モード2または通常モード中において、フリーズ待機モード移行が決定付けられるゲーム(移行リプレイA、B当選ゲーム)で、遊技者が押し順をミスをし、通常モード2または通常モード3のいずれの遊技モードであっても、メインモードを同じ「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」に移行させる制御を行うようになっているが、その理由は次の通りである。
本実施形態では、通常モード2中または通常モード3中において、「移行リプレイ1」または「移行リプレイ2」の入賞を契機に、演出により遊技進行を盛り上げるべく、フリーズ演出の発生が予定される「当選告知用フリーズモード」または「ハズレ告知用フリーズモード」が設定されるようになっているが、メインモード(主制御部側遊技状態)に関しては、通常モード2または通常モード3は、通常モード1と同じ「通常遊技モード(FFH)」として管理されている。
また既に説明したように、フリーズ状態の実行制御については、主制御部400側がその機能部を担っており、演出制御部410側はフリーズ状態の制御それ自体には一切関与しておらず、演出手段による演出制御だけを司る制御部となっている。また主制御部400側においては、演出制御部410側が管理する演出モードやAT抽選による抽選結果や今回のゲームでどのようなアシスト報知が発生したかなどについて、これを知ることができない。したがって、主制御部400側では、現在の遊技モードが、通常モード1〜3のいずれかであっても通常遊技モード(FFH)として遊技処理を行うことになる。
また通常の遊技進行においては、ペナルティの関係上、通常時は正規手順である順押しを実行し、また遊技者がアシスト報知に従うことを前提としてゲームが進行していくものと仮定しているので、主制御部400側が通常モード1〜3のいずれに滞在中であるか把握していなくとも、通常遊技モード(FFH)中に移行リプレイAが当選して、これにより許容される「移行リプレイ1」が入賞した場合には、メインモードを「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」に移行させ、他方、移行リプレイBが当選し、これにより許容される「移行リプレイ2」が入賞した場合には、メインモードを「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」に移行させる、といった制御を行うようにしても、ゲーム進行上、特に問題が生じることはない。
また移行リプレイA、Bに関しては、不意のメインモードの移行を極力防止するために、「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」および「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」に移行させるための押し順(正しいフリーズ待機モードへの移行を決定付ける「正規条件」が成立するための正しい押し順)の割り当てを少なくし(ここでは、押し順6通りのうち2種類の押し順が割り当てられている:図6の移行リプレイA、Bの欄参照)、通常時(たとえば、通常モード1中)は、当選役を明示する情報やアシスト報知内容を秘匿することで、遊技者が押し順ミスをした場合や恣意的な停止操作が実行されない限り、フリーズ演出の発生が予定される遊技モードに移行されないようになっている。
しかし、通常モード2または通常モード3中にように、アシスト報知(ここでは、上記フリーズ待機モード移行アシスト報知)の発生が許容される遊技モードの場合は、上述した通常時の遊技進行とは事情が異なる。アシスト報知中は、通常時とは異なり、変則押しが許容されることから、遊技者の不注意による押し順ミスの発生確率も高まる。このため、アシスト報知中に押し順ミスをして、本来入賞させるべき「移行リプレイ1」または「移行リプレイ2」が入賞せずに「移行リプレイ3」が入賞してしまう場合もありうる。この場合、主制御部400側では、現在の演出モードについては把握してはいないので、通常モード1〜3のいずれのモード中における「移行リプレイ3」の入賞であるかまでは把握することができず、本来移行させるべき遊技モードを「当選告知用フリーズモード」または「ハズレ告知用フリーズモード」に移行させることができない、といった問題が生じる。
そこで本実施形態では、このようなケースの場合には、通常モード2または通常モード3のいずれの遊技モードであっても、メインモードを同じ「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」に移行させる制御を行い、AT抽選結果の報知およびATモードの発生については、演出制御部410側の演出制御(演出モードの管理制御)に委ねて、フリーズ演出を発生させなくともAT抽選結果を正しく報知することができるようになっている。これにより、フリーズ待機モードにおけるAT抽選結果の報知に矛盾が生じないようにして、遊技者が遊技機に対して不信感を抱くことがないようになっている。本実施形態では、移行リプレイに関する押し順ミスにより、本来移行すべき遊技モードの「当選告知用フリーズモード」または「ハズレ告知用フリーズモード」で無かったとしても、フリーズ待機モードの最終ゲーム目において、演出制御部410側が管理する演出情報(演出モード種別やAT抽選結果情報など)などにより、正しいAT抽選結果を必ず報知させることができるようにしている。
このように本実施形態では、押し順ミスにより移行リプレイ1、2が入賞せずにフリーズ演出の実行を予定できなかった場合であっても、それ以後のゲームにおいて、再度、移行リプレイ1、2が入賞を待つこと無く、フリーズ演出の実行が予定される本来の予定ゲーム数目(フリーズ発生ゲーム)にて、フリーズ演出が発生したならば報知されるはずであった本来の遊技情報と同じ内容を報知することができるようになっている。これにより、遊技情報を報知するためのゲーム数が無闇に嵩んでしまい、ゲーム進行に遅延が生じてしまうことがなく、遊技者が満足しうる遊技機を提供することができる。また本実施形態では、基本的には(遊技者がアシスト報知に従う場合)、AT抽選結果に対応したフリーズ待機モード(本来のフリーズ待機モード)に移行されるが、遊技者の不注意などによる押し順ミスがあった場合、本来のフリーズ待機モードには移行しないが、AT抽選結果を正しく報知する他のフリーズ待機モード(押順ミス用非フリーズモード)に移行させるようになっている。これにより、AT抽選結果に即したフリーズ待機モードと、それに係る演出を現出させることができるので、演出を多様化させて遊技の面白みを向上させるとともに、遊技者に不信感を与えることのない遊技機を提供することができる。
以上に説明した第1の実施形態は、次のように構成することができる。なお、括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の操作を契機に、複数種類の役を対象に抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11のS16(内部抽選処理)、図5(役抽選テーブル))と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11のS19(回胴停止処理))と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御する遅延状態制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図11のS18(回胴回転開始設定処理)、図33)と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって
所定の抽選条件に基づき、遊技者に対する特典付与(たとえば、ATモード移行)に関する付与抽選(AT抽選)を実行する利益付与抽選手段と、
前記利益付与抽選手段による付与抽選結果に基づき、特定条件を成立させる(たとえば、フリーズ待機モード移行確定条件の成立。本実施形態の場合、移行リプレイA、Bの当選したゲームでの移行リプレイ1、2に関するアシスト報知の実行が特定条件の成立となっている)特定条件成立手段と、
前記特定条件が成立したゲーム(たとえば、移行リプレイ1、2のアシスト報知の実行ゲーム)を基点ゲームとし、その基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先を(たとえば、基点ゲーム後から8ゲーム目)、付与抽選結果(たとえば、AT抽選結果)に関する情報を報知する抽選結果報知演出が実行される報知演出実行ゲームとして決定する(たとえば、AT抽選結果を報知する告知演出を実行するゲームを、基点ゲームから8ゲーム先に決定する)報知演出実行ゲーム決定手段と、を備え、
前記特定条件が成立した後、第1の条件が成立した場合には(たとえば、通常モード2中の移行リプレイAに係る移行リプレイ1の入賞)、前記報知演出実行ゲームにおいて、遅延状態(フリーズ状態)に伴って抽選結果報知演出を実行し(たとえば、当選告知用フリーズ演出(たとえば、フリーズ有り祝福演出)、ハズレ告知用フリーズ演出(たとえば、フリーズ有り残念演出)など)、
前記特定条件が成立した後、第2の条件が成立した場合には(たとえば、通常モード2中の移行リプレイA、Bに係る通常リプレイ1または移行リプレイ3の入賞)、前記報知演出実行ゲームにおいて、遅延状態を伴わずに前記抽選結果報知演出(たとえば、当選告知用フリーズ無し演出(たとえば、フリーズ無し祝福演出)、ハズレ告知用フリーズ無し演出(たとえば、フリーズ無し残念演出)など)を実行する構成とすることができる。
より具体的に説明すれば、利益状態(たとえば、ATモード)移行の可否に関連する利益付与抽選結果に基づき(たとえば、AT抽選結果に基づき)、フリーズ待機モードへの移行を決定付けるための特定の条件が成立した場合(たとえば、移行リプレイAに係る移行リプレイ1のアシスト報知の実行、または移行リプレイBに係る移行リプレイ2のアシスト報知の実行の決定など)、その成立ゲームを「基点ゲーム」とし、その基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先に、AT抽選結果情報を報知する抽選結果報知演出を実行(現出)するための「実行ゲーム」を決定する。
そして、第1の条件が成立した場合には(たとえば、通常モード2中の移行リプレイ1の入賞、または通常モード3中の移行リプレイ2の入賞などの場合)、上記実行ゲーム中に、抽選結果報知演出として、「遅延状態(フリーズ状態)を伴う報知演出(たとえば、フリーズ有り祝福演出、またはフリーズ有り残念演出)」を実行(現出)する。これにより、利益状態に移行するか否かに関する情報(たとえば、AT抽選の抽選結果(ATモード移行の可否)に関する情報)が実行ゲームにおいて報知される。特に本実施形態では、実行ゲーム(ここでは、フリーズ待機モードの最終ゲーム目)を予定(決定)した後は、その予定がキャンセルされることなく(後述の図14、図17、図18参照)、最終ゲーム目において、フリーズ状態を伴う報知演出が実行され、この報知演出により、AT抽選結果が報知されるようになっている。
一方、上記第1の条件とは異なる第2の条件が成立した場合には(たとえば、通常モード2中の通常リプレイ1または移行リプレイ3の入賞や、通常モード3中の通常リプレイ1または移行リプレイ1の入賞などの場合)、上記実行ゲーム中に、抽選結果報知演出として、フリーズ状態には制御せず「遅延状態(フリーズ状態)を伴わない報知演出(たとえば、フリーズ無し祝福演出、またはフリーズ無し残念演出)」を実行する。これにより、利益状態に移行するか否かに関する情報(たとえば、AT抽選の抽選結果(ATモード移行の可否)に関する情報)が報知される。特に本実施形態では、実行ゲーム(フリーズ待機モードの最終ゲーム目)を決定した後は、その予定がキャンセルされることなく、最終ゲーム目において、フリーズ状態を伴わない上記の報知演出が実行され、この報知演出により、AT抽選結果が報知されるようになっている。
(ATモードについて:図8)
次に、図8を参照して、ATモードについて説明する。
ATモードには、少なくともAT抽選当選を条件とし、本実施形態では、基本的には、図9に示す上記フリーズ待機モードの「当選告知用フリーズモード(W103)」または「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(W104)」を経由して移行されるようになっている。また既に説明したように、内部的にAT当選状態であれば、例外的に「ハズレ告知用フリーズモード(L103)」または「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(L104)」からも移行されうる。
本実施形態では、上記「フリーズ待機モード」が終了したとき、AT抽選に当選していれば、ATモード移行条件が成立したとして、それ以後のゲームにおいて、特殊リプレイAまたは特殊リプレイBのいずれかの当選を契機に、特殊リプレイ1または特殊リプレイ2を入賞させるアシスト報知が発生し、特殊リプレイ1または特殊リプレイ2を入賞させることにより、AT遊技(演出モード「0AH」:図10(イ)参照)を伴う「ATモード」に移行される。AT遊技が発生すると、遊技機全体として捉えた遊技状態は「ATモード(RT1遊技+AT遊技)」となる。なお、AT抽選に非当選の場合には、ATモード移行条件不成立として、上記「フリーズ待機モード」が終了した後、「通常モード1」に移行され、特殊リプレイAまたは特殊リプレイBのいずれかに当選してもアシスト報知は発生せず、ATモードには移行されないようになっている。
「ATモード」は、AT遊技の作用により、AT1〜4(当選番号8〜11)のいずれかに当選した場合、上記「ベルナビ」が発生し、AT1〜4に係る12枚AT役を容易に獲得することができる。このため、ATモードでは、1ゲーム当りの純増枚数が、ベルナビが発生しない「通常モード」や「フリーズ待機モード」よりも多く獲得することができ、遊技者に有利なゲーム展開となる。
またATモード中は、AT遊技の作用により、移行リプレイA〜Bおよび特殊リプレイA〜Bのいずれかが当選した場合には、遊技モードを移行させないように、または特定のリプレイが導出表示されることで(たとえば、赤7リプレイ(特殊リプレイ1)や青7リプレイ(特殊リプレイ2))、遊技者に特定の遊技価値が付与されるものと勘違いしてしまうことを防止するために、不利入賞役側の通常リプレイ1を対象としたアシスト報知が実行される(通常リプナビ:嘘告知)。
(ATモードの継続ゲーム数について)
ATモードの継続ゲーム数は、ATモード移行を契機に(たとえば、特殊リプレイの入賞を契機に)、ATモード継続ゲーム数として、たとえば「40ゲーム」が設定される。この40ゲームは、ATモード継続ゲーム数の初期値、つまり、AT遊技の継続ゲーム数である。なお、このATモード継続ゲーム数は、演出制御部410側で管理される。ただし、後述の主制御部側AT管理形態を採用する場合は、ATモード継続ゲーム数は、主制御部400側でその機能部を担うことができる。
(ATモード継続ゲーム数の上乗せについて)
本実施形態では、ATモード継続ゲーム数に対し、ゲーム数を上乗せしうる「上乗せ抽選」が行われるようになっている。
この上乗せ抽選では、所定の条件の下、複数種類のゲーム数(たとえば、10ゲーム、20ゲーム、30ゲームなど)のうちからいずれかのゲーム数が抽選により決定され、その決定されたゲーム数(上乗せゲーム数)が、現在のATモード継続ゲーム数に対して上乗せされる。これによりATモード(AT遊技)のゲーム期間が延長されて遊技者にさらなる利益をもたらすことになる。この上乗せ抽選は、演出制御部410側にて、「上乗せ抽選テーブル(図示せず)」に基づいて実行される。
なお、上記上乗せ抽選の実行契機となる「上乗せ抽選契機役」は、特に制限されない。たとえば、フリーズ演出抽選契機役(図33参照)と同一のものを採用しても良いし、その他、ハズレやリプレイ役種を採用しても良い。また、上乗せ抽選契機役は、1または複数種類設けることができる。またフリーズ演出抽選契機役種別に対応して、どのような上乗せゲーム数が選択されるか、また、どのような確率で上乗せするかを関連付けることは自由である。
また上乗せ抽選契機役として、フリーズ演出抽選契機役が含まれる場合、上乗せ抽選契機役の当選時にフリーズ演出が発生する場合がある。これに着目して、その当選役とその当選役により発生するフリーズ演出種別(未発生を含むことができる)とに対応した上乗せゲーム数を定めても良い。たとえば、CAベル1(当選番号6)が当選した場合、フリーズ1〜フリーズ3が発生される場合がある。この場合、フリーズ1〜3に対応した上乗せゲーム数を定めることができる。また、フリーズが発生する場合に100%上乗せしても良いし、所定の抽選確率を以って上乗せを決定しても良い。
(ATモード継続ゲーム数が終了した場合について)
本実施形態では、ATモード継続ゲーム数が終了した場合、所定の継続抽選(たとえば、50%で継続)を行い、この継続抽選に当選した場合に、再度、1セットの40ゲームを設定し、AT遊技を継続させることができるようになっている。つまり、この継続抽選に当選し続ける限りは、ATモードが継続されることになる。継続抽選にハズレとなった場合は、ATモードが終了される。具体的には、AT遊技が終了して、「ATモード」から、非AT遊技である「通常モード1」に移行される。なお、上記継続抽選を行うタイミングは、ATモード継続ゲーム数終了前であれば、そのタイミングは特に制限されない。たとえば、ATモード継続ゲーム数が終了となる最終ゲーム目の開始時またはその終了時に行っても良い。また継続率は50%に限らず、複数種類の継続率(50%、75%、90%)を設け、所定の継続率抽選により決定しても良い。この継続率抽選は、ATモードの移行が確定するAT抽選に当選したことを条件に、ATモード移行前段階の所定のタイミングで実行するように構成すれば良い。
なお本実施形態では、一種類のAT遊技が発生する上記ATモードが設けられているが、複数種類のAT遊技を発生させ、上記ベース値が異なる複数種類のATモードを設けることができる。この場合、既に説明した「選択的アシスト報知」を利用して、たとえば、第1のAT遊技では、本告知(12枚AT役のアシスト報知)の発生率100%、第2のAT遊技では本告知の発生率50%、選択的アシスト報知の発生率50%、といったように複数種類のAT遊技を利用して複数種類のATモードを発生させことができる。この場合、いずれのATモードに移行するかは、たとえば、AT抽選当選を契機に、またはフリーズ待機モード終了を契機に、あるいは特殊リプレイA〜B当選(特殊リプレイ1〜2入賞であっても良い)を契機に、所定の抽選により決定することができる。
また本実施形態では、RT遊技として、RT0遊技とRT1遊技とを設けているが、別のRT3遊技を設けることができる。このRT3遊技は、RT1遊技よりもリプレイ役種の当選確率が相対的に高確率となるRT遊技として定めることができる。そしてATモードを「RT1遊技+AT遊技」ではなく、「RT3遊技+AT遊技」といった、フリーズ待機モードや通常モードよりもリプレイ確率が高確率に変動し、かつAT遊技が伴う、といったART遊技としても良い。この場合、前兆ATモード中に特殊リプレイが入賞したことを契機に、メインモードをフリーズ待機モードに係るRT1遊技(12H、22H、32Hなど)からRT3遊技に移行させ、演出モードを前兆AT遊技(0CH)からAT遊技(0AH)に移行させることができる。なお、前兆ATモードを設けなくても良い。この場合は、フリーズ待機モード終了後、次ゲームからATモードに移行させることができる。
(不正規手順によるペナルティ)
本実施形態では、多くの抽選対象役およびその役構成、複数種類の遊技状態を実効化することにより遊技性を向上させている一方で、遊技機に求められる機械割や射幸性などを考慮し、遊技進行上に関する罰則として、遊技者が正規の遊技手順を実行しない場合には、所定のペナルティを与えるようになっている。ペナルティを科す理由は、次の通りである。
パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(たとえば、別表第5 回胴式遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格)により、機械割や射幸性が厳しく制限されている。そのため、遊技方法を遊技者に守らせて、想定外の出玉(たとえば、遊技者により意図的に多くの出玉を得られてしまうような状態)を抑制しつつも、遊技者が満足する遊技性を作り出すため、遊技進行に関する所定のペナルティを科すようにしている。
本実施形態では、遊技者の利益を左右する役として、複数種類の押順規定役を設けてある。この押順規定役のうち、特にAT1〜AT4について着目する。
本実施形態の場合、AT1の当選確率よりもAT2〜AT4の当選確率の方が7倍弱も高確率に定められており(AT1の当選確率は「1950/65536」、AT2〜AT4は、それぞれ「13200/65536」:図5参照)、AT遊技が発生すれば、有利入賞役側の「ベル揃い」に係るアシスト報知を行い、これを高確率で入賞させることができるようになっている。このような遊技性を持つ関係上、遊技者の自由な停止操作を許容すると、設計者が想定する範囲を超えて出玉率やベース値が変化してしまう場合がある。したがって仮に、遊技者の自由な停止操作を許容するとすれば、遊技者がゲームを実行する際、「順押し(左回胴5aを第1停止操作対象とした場合)」を実行するよりも「変則押し(左回胴5a以外を第1停止操作対象とした場合)」を実行した方が、遊技メダルを極力減らすことなく「AT抽選契機役」の当選を待つことができてしまい、遊技性のバランスが大きく崩れてしまう。
そこで、遊技上の正規手順でない回胴の停止操作が行われた場合(ペナルティ付与条件が成立した場合)、遊技者に対して不利に作用する「ペナルティ」を発生させるようになっている。本実施形態では、AT2〜AT4のベル揃い(12枚AT役)が入賞する押し順に着目し、アシスト報知未発生時またはAT遊技未発生の遊技状態中において「順押し(左中右)以外の押し順(変則押し)」をした場合に、正規手順ではない「不正規手順」が実行されたとして、所定のペナルティを発生させ、遊技者に不利なゲーム展開を強いるようにしている。これにより遊技者は、遊技機に定められた正規手順(ペナルティが科されない遊技手順)を守りながら遊技に興じるようになり、遊技者の恣意的な停止操作により、遊技性のバランスが崩れてしまうことを防止することができるようになっている。
上記ペナルティの内容としては、遊技者に有利に作用する遊技価値の付与を無効化したり、本来付与される遊技価値よりも低い遊技価値を付与したりすることができる。たとえば、AT抽選契機役に当選してもAT抽選を無効化する(具体的には、AT抽選自体を実行しない、またはAT抽選は実行するがこれに当選しても「ハズレ」として処理する)といった「AT抽選無効化ペナルティ」、ペナルティ状態が解除されるまでは(たとえば、AT抽選に当選後、ペナルティが付与された場合)移行リプレイA〜Bや特殊リプレイA〜Bのいずれかに当選してもアシスト報知を実行しないといった「アシスト報知制限ペナルティ」、不正規手順を実行した当該ゲームでAT抽選に当選したが、その後のATモードに移行した際の‘ATモード継続ゲーム数’を本来の継続ゲーム数よりも少ないゲーム数(たとえば、半分の20ゲーム)とするといった「ATモード継続減少ペナルティ」などのペナルティが挙げられる。このペナルティを付与する期間(ペナルティ期間)としては、ペナルティ発生契機となった当該ゲーム限りの「1ゲーム限りのペナルティ」であっても良いし、所定のゲーム数が消化されるまでの「複数ゲーム間のペナルティ」であっても良く、ペナルティの内容に応じて適宜定めることができる。なお、いずれのペナルティを科すかは、適宜定めることができる。またペナルティ期間中に再度、不正規手順で操作を行った場合(ペナルティ期間中に複数回、不正規手順が実行された場合)、ペナルティ期間を延長することができる。
(ペナルティの除外対象について)
以上に説明したペナルティは、遊技性の関係上とはいえ、遊技者に不利なゲーム展開を強いるものである。したがって、ペナルティを付与すべき条件を満たした場合にも、一律にペナルティを科してしまうと、遊技者に酷に過ぎる場合もあり、その結果、遊技者の遊技意欲を低下させてしまったり、遊技機に対する不信感を抱いたりするという問題が生じうる。そこで、本来ならばペナルティを付与すべき場合であっても、例外的にペナルティそれ自体を科さないようにした「ペナルティの除外対象」を定めることができる。以下に、この「ペナルティ除外対象」について説明する。
本実施形態では、「CAベル1〜2」など当選確率が低い、所謂「レア役」に当選した場合には、他の役よりも相対的に高い遊技価値が付与されるようになっている。具体的には、図31のAT抽選テーブルに示すように、AT抽選が優遇されるようになっている。このような高い遊技価値を付与しうる抽選対象役(高遊技価値付与契機役)への当選は、遊技者が遊技を進行する上での重要な関心事の一つであるといえる。したがって、たとえば「CAベル1」が、ペナルティ付与条件(たとえば、不正規手順実行ゲーム)が成立した当該ゲームにおいて当選した場合や、ペナルティ期間中に当選した場合に、当該当選による遊技価値の獲得権利を一切無効化にしてしまうと、折角のCAベル1当選が無に帰すことになり、これは、遊技者にとって酷に過ぎる。またこのような事態は、遊技者の遊技意欲を低下させ、遊技機に対する不信感を招く恐れがある。
上記問題点に鑑み、ペナルティに係る救済機能として、AT抽選当選可能性(AT移行期待度)が相対的に高い「CAベル1〜2」のような高い遊技価値を付与しうる抽選対象役を、ペナルティ対象として除外することができる。たとえば、ペナルティ付与条件が成立した当該ゲーム、またはペナルティ期間中であっても、CAベル1当選によるAT抽選権利を無効化せず、これを有効として扱うようにする。
なお上述では、「CAベル1〜2」のような高い遊技価値を付与しうる抽選対象役をペナルティ対象外として説明したが、本発明はこれに限られない。上記問題点に関連して、フリーズ演出種別を考慮して、ペナルティの除外対象を定めることができる。その理由は次の通りである。
フリーズ演出は、通常時の遊技進行に係る演出とは異なり、遊技進行を一時的に中断する、といった遅延期間を伴う特異な演出態様であり、主として、高い利益が付与されうることを遊技者に報知する予告演出(高期待度演出の一態様)として利用される。したがって、フリーズ演出が発生すると、遊技者は、何らかの利益獲得に対する多大な期待感を寄せることになる。そのため、上記フリーズの発生が決定された場合には、これをペナルティ対象から除外とすることが好ましい。ただし、フリーズ演出種別のすべてをペナルティ対象外とするのではなく、特定のフリーズ演出種別、たとえば、AT抽選による当選期待度が相対的に高い特定のフリーズ演出種別(たとえば、フリーズ3)の発生を伴う場合、これをペナルティ対象外とすることができる。
このペナルティの実行制御は、ペナルティ管理手段により管理制御される。この「ペナルティ管理手段」は、回胴を停止するための停止手段の停止操作を監視し、ペナルティ状態を制御する。具体的には、ペナルティ管理手段は、ペナルティ付与条件が成立した場合、ペナルティを付与するペナルティ付与手段、ペナルティ期間を設定するペナルティ状態設定手段、ペナルティ解除条件が成立した場合、ペナルティ期間を解除するペナルティ解除手段を含むことができる。またペナルティの除外対象を定めている場合には、ペナルティ除外対象であるか否かを判定するペナルティ除外対象判定手段を含むことができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図11〜図19>
図11〜図19を参照して、遊技動作を統括的に司る主制御部400側の処理内容について説明する。
(1.主制御側メイン処理:図11)
図11は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部(主制御基板)400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、図示しない「電源基板」から各基板に電源が供給されるとともに、電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図11に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が実行され、それ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S26の処理が実行される。
図11おいて、主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS11)。この初期設定処理では、たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモードに設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定したり、遊技機に何らかの異常動作を確認したりする。異常が確認された場合には所定のエラー処理を実行する。
また図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコホール店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、メインRAMの全領域がゼロクリアされる。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなり、遊技状態(遊技モード)などは初期状態(初期モード)から開始される。本実施形態では、RAMクリアされた場合、初期遊技モードのRT0遊技から開始され、演出モードも初期演出モードに設定され、これにより、遊技モードが初期モードから開始されるようになっている。この初期設定処理は、所定の移行条件に基づき、初期の遊技モード(遊技状態)に移行制御する初期遊技モード移行制御手段として働く。
また初期設定処理では、設定キースイッチがON側に操作されている場合、既に説明した設定変更モードに関する設定変更モード処理が実行される。この設定変更モード処理では、設定値確定操作である回胴回転始動レバー11(回胴回転始動スイッチ11a)と、設定値変更操作である設定スイッチのいずれかのON操作の検出待ちの状態となる。
設定変更モード処理において、設定スイッチを操作したことが検出されると、現在の設定値に1を加算することにより設定値を更新し、その設定値を設定表示器に表示する。そして希望する設定値となったところで回胴回転始動レバー11(回胴回転始動スイッチ11a)をON操作すると設定値が確定され、その変更後の設定値をRAM401bの設定値領域に格納し、設定表示器に確定表示した後、設定キースイッチがOFF側に操作されるまで待機する。そして、設定キースイッチがOFF側に操作されたことを検出すると、設定変更モード処理は終了となり、設定表示器に対する設定値表示をクリアする。これにより設定変更モード処理を終了する。その後、ステップS12のRAM初期化処理に移行することとなる。なお、設定値情報は、特定の演出制御コマンド(設定値情報コマンド)により演出制御部410側に送信され、設定値に対応したAT抽選テーブル(図30)が選択されることになる。設定変更モード中は、たとえば、液晶表示装置6の表示画面に「設定変更中」の画像が表示され、設定変更モードが終了すると、「設定変更中」の表示を終了させる。
上記設定変更モード処理は、所定の設定操作手段(設定キースイッチ、設定スイッチ)の操作に基づいて、複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択することで遊技に係る有利度(遊技者に対する遊技進行上の有利度合)を設定する「設定値選択手段」として機能する。ここで、設定値とは、出玉率の規定する値、内部抽選により入賞の発生を許容する旨が決定される確率を規定する値(複数種類の役のうち少なくとも1つの役の内部抽選確率を規定する値)、または内部抽選対象役の抽選確率やAT抽選確率など、遊技者に作用する利益状態などの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味し、本実施形態では、この設定値が複数段階の設定値1〜6の複数種類の設定値を設け、各設定値に応じて、遊技に係る有利度が規定されることになる。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次いで、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、メインRAM401bのモードデータ格納領域からメインモード判定データを取得し、これに対応する遊技状態フラグ(メインモードを識別するフラグ)を設定する。この遊技状態フラグは、メインモード判定データ値(図10(イ)参照)が相当する。この遊技状態フラグにより、今回のゲームの遊技状態(メインモード)が指定される。
次いで、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始可能となる規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合には遊技開始条件を成立させて、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値(数値範囲:0〜65535)を取得する(ステップS15)。
次いで、取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と、現在の遊技モードに対応した抽選テーブル(図5)とに基づく内部抽選を行い、その内部抽選結果情報(内部当選フラグ、当選番号情報)を設定する。またここでは、演出制御コマンドとして「遊技開始情報コマンド」をセットする。この遊技開始情報コマンドには、内部抽選結果情報として、少なくとも当選役種別を特定可能な情報が含まれ、その他、遊技状態情報を含むことができる。この「遊技開始情報コマンド」に含まれる情報は、演出制御部410側において、今回のゲーム中の演出の決定や、AT抽選などに利用される。なお、演出制御コマンドは、後述の図19の主制御部側タイマ割込処理中のコマンド出力処理(ステップS45)において、主制御部400から演出制御部410へと送信されるようになっている。なお、後述の主制御側AT管理形態(後述の第7の実施形態)では、AT抽選に関する抽選テーブル(たとえば、図31、図32、図36、図37など)を主制御部400側に設け、上記内部抽選結果情報や後述のフリーズ演出抽選処理に基づき、AT抽選を実行したり、そのAT抽選結果に基づき、フリーズ待機モードやATモードやAT高確モード(後述の第2の実施形態)に移行させたりすることができる。また、主制御側AT管理形態(第7の実施形態)では、主制御部400側が演出モードを直接的に管理することができるので、たとえば、上記内部抽選結果情報(または後述の入賞役情報(停止図柄情報))と現在の遊技モードとに基づき、アシスト報知の実行制御を行うことができる。
次いで、回胴演出管理処理を行う(ステップS17)。この回胴演出管理処理では、フリーズ演出種別(フリーズ1〜3)に関する抽選処理や、その動作設定処理を行う。なお、回胴演出管理処理の詳細については図12にて後述する。
次いで、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS18)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始する際に必要なデータ、たとえば、回胴演出に係る回胴回転動作や通常の回転動作を実現するために必要なデータ(回胴の回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211c用の制御データ))を設定したり、遊技開始ウェイトタイマ(4.1秒)をセットしたりする。また、前回のゲームで設定された遊技開始ウェイトタイマの経過後を確認した場合、演出制御コマンドとして、回胴始動を示す「回転開始コマンド」をセットする。そして、回胴の回転始動(通常の回転動作)を行い、これにより各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。なお、回胴回転開始設定処理の詳細については図15にて後述する。
その後、回胴が回転始動されて全回胴が概ね一定速度になると、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの停止操作を有効とする、停止操作許容状態となる。この停止操作許容状態において、回胴回転停止ボタン12a、12b、または12cが操作された場合、停止操作対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS19)。この回胴停止処理では、回胴の停止制御に係る処理の他、回胴の押し順を監視して、全回胴停止前フリーズ演出(ここでは、フリーズ2〜3)や全回胴停止後フリーズ(フリーズ4)の発生について管理制御する。なお、回胴停止処理の詳細については図16にて後述する。
全回胴の停止が確認されると、続いて、入賞判定処理を行う(ステップS20)。この入賞判定処理では、後述の停止図柄情報(入賞ラインデータ)に基づいて、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したか否か、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞の発生を確認した場合は、その停止した図柄の組合せに対応して、払い出すべき遊技メダル枚数を指定するデータ(払出枚数情報を指定する払出枚数データ)を作成し設定する処理を行う。
またここでは、全回胴の停止時に係る演出制御コマンドとして、「入賞情報コマンド(全回胴停止コマンド)」をセットする。この入賞情報コマンドには、全回胴停止時の停止図柄情報として、少なくとも有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せを特定可能な全回胴停止時の停止図柄情報(遊技結果情報」が含まれ、さらに、疑似入賞ライン上の停止図柄情報や現在の遊技状態(メインモード)情報や入賞ライン情報などを含むことができる。斯様な入賞情報コマンドにより、演出制御部410側が今回の遊技結果(有効入賞ラインおよび疑似入賞ライン上に、如何なる図柄の組合せが停止したか(停止図柄種別))を把握することができるようになっている。上記「入賞情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、全回胴停止時(遊技結果導出時)に係る演出(たとえば、入賞演出)の現出や、遊技結果に基づく演出状態の移行制御など、全回胴の停止時に要する演出制御処理を行う。
さらにここでは、ボーナス遊技中の払出枚数を管理するため「ボーナス遊技中払出枚数カウンタ」に対して、今回の払出枚数分の遊技メダル枚数が加算し、ボーナス中獲得枚数情報コマンドをセットするボーナス遊技中獲得枚数加算処理を行う。上記ボーナス中獲得枚数情報コマンドには、今回の払い出し枚数情報と現在のボーナス遊技中払出枚数カウンタ情報が含まれる。上記「ボーナス中獲得枚数情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、現在のボーナス遊技中の獲得枚数(払い出し枚数)を把握し、たとえば、液晶画面に、ボーナス遊技中における現在の払い出し枚数に関する情報を報知する画像表示演出を現出させるための演出制御処理を行う。
次いで、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。このメダル払出枚数監視処理では、ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。またここでは、払い出しに関する演出制御コマンドとして、「払出コマンド」をセットする。この「払出コマンド」は、遊技メダルが払い出された旨を指定するものであり、払い出しが1枚あるごとに演出制御部410側に送信されるようになっている。上記払出コマンドは、演出制御部410側において、払い出し時の払出演出(たとえば、メダル払出音)を現出する際に利用される。
次いで、再遊技RT設定処理を行う(ステップS22)。この再遊技RT設定処理では、リプレイが有効入賞ライン上に停止した場合に、再遊技の作動に必要な設定処理を行う。本処理により再遊技作動が指定された場合、次回ゲーム開始時における遊技メダル投入処理(ステップS14)おいて、今回要した遊技メダルと同じ枚数分の遊技メダルが自動投入され、次回ゲームを遊技メダルの投入なしに開始可能とされる。
またここでは、所定のRT移行条件に基づいて、一のRT遊技から他のRT遊技への移行制御処理を行う。本実施形態では、RT0遊技(非BB内部当選遊技)とRT1遊技(BB内部当選遊技)間の移行制御に要する処理を行う。具体的には、RT0遊技中にCBBが当選した場合、RT0遊技からRT1遊技に移行制御し、CBBによるボーナス遊技終了後の所定ゲーム数(たとえば、5ゲーム)消化により、RT0遊技に移行制御する。
次いで、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS23)。ボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技中の払い出し枚数を監視し、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。ボーナス遊技中の払い出し枚数は、上記ボーナス遊技中払出枚数カウンタにより管理される。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、ボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、次に、CBB1(ボーナス役)が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS24)。ボーナス役が停止していない場合(ステップS24:NO)、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13以降の処理を順次行う。
一方、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS26)。このボーナス遊技作動開始処理では、次回ゲームからボーナス遊技を開始するために必要な設定処理を行う。具体的には、ボーナス遊技開始前の所定の待機時間を設定し、ボーナス役入賞時の演出の現出するための演出時間の設定処理、上記ボーナス遊技中払出枚数カウンタのクリア処理、およびボーナス当選フラグのクリア処理などである。このボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13以降の処理を順次行う。
(1−2.回胴演出管理処理(ステップS17):図12)
図12を参照して、図11のステップS17の回胴演出管理処理の詳細について説明する。図12は、図11の回胴演出管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、主制御部400は、まずステップS15の乱数取得処理で抽選された当選役情報を取得し(ステップS101)、続いて、遊技状態フラグを取得する(ステップS102)。
次いで、通常モード中回胴演出設定処理を行う(ステップS103)。この通常モード中回胴演出設定処理では、通常遊技モードにおける回胴演出に必要な設定処理を行う。なお、通常モード中回胴演出設定処理の詳細は、図13にて後述する。
次いで、フリーズ待機モード回胴演出設定処理を行う(ステップS104)。このフリーズ待機モード回胴演出設定処理では、フリーズ待機モード中の回胴演出に必要な設定処理を行う。なお、フリーズ待機モード回胴演出設定処理の詳細は、図14にて後述する。
次いで、「フリーズ演出フラグ」種別に応じた「フリーズコマンド」をセットする(ステップS105)。上記フリーズ演出フラグは、今回のゲームで発生させるフリーズ演出種別を識別(指定)するためフラグであり、後述の通常モード中回胴演出設定処理(ステップS103)またはフリーズ待機モード回胴演出設定処理(ステップS104)においてセットされる。
また上記フリーズコマンドは、フリーズ演出種別情報(ハズレ扱いとなる‘フリーズ未発生’情報を含む)を含むものであり、このフリーズコマンドが演出制御部410側に送信されることで、どのようなフリーズ演出が発生するのか、それともフリーズ演出が未発生であるのかが、演出制御部410側において把握される。演出制御部410側では、上記内部抽選処理(図8のステップS16)における遊技開始情報コマンドと、このフリーズコマンドとに含まれる情報に基づき、現在の遊技状態(主制御部側遊技状態)、当選役情報、およびフリーズ演出種別(フリーズ未発生を含む)などを把握して、今回のゲームに係る演出制御処理を行う(たとえば、今回のゲームに係る演出シナリオの設定、AT抽選の実行、アシスト報知制御、演出モードの移行処理などの演出制御処理:図23〜図28参照)。
次いで、フリーズ演出フラグ種別を判定する(ステップS106)。ここでは、フリーズ演出フラグが、変則回転を伴う回胴演出種別(フリーズ2〜3)に対応するフリーズ演出フラグであるか、変則回転動作を伴わない無回転回胴演出種別(フリーズ1)に対応するフリーズ演出フラグであるかを判定する。
今回のフリーズ演出フラグが変則回転を伴う回胴演出種別を指定するものである場合(ステップS106:=変則回転種別)、回胴演出管理処理を抜けて、図11の回胴回転開始設定処理(ステップS18)に進む。なお、変則回転動作を伴う回胴演出種別については、後述の回胴回転開始設定処理(ステップS18)中で、その発生に必要な設定処理が行われるようになっている(後述の図15参照)。
一方、今回のフリーズ演出フラグが変則回転を伴う回胴演出種別でない場合、つまり無回転演出フラグ種別(ここでは、フリーズ1)である場合(ステップS106:≠変則回転種別)、無回転回胴演出フラグ種別に対応したフリーズタイマをセットする(ステップS107)。ここでは、フリーズ演出フラグ種別とフリーズ時間とが関連付けて定められた「フリーズ時間設定テーブル(図示せず)」を参照し、今回のフリーズ演出フラグに対応したフリーズ時間(フリーズ1対応の6秒)をフリーズタイマに設定する。この「フリーズタイマ」は、遊技機1の遊技動作制御に係るタイマ管理領域(メインRAM203)の一つであり、後述のステップS108のフリーズ演出中回胴演出管理処理で監視される。なお、本実施形態では、無回転回胴演出として、「フリーズ1」の1種類しか設けられていないが、無回転回胴演出を複数種類設ける場合は、それぞれに対応したフリーズ時間がセットされる。
そして、フリーズタイマ時間の経過を待つためのフリーズ演出中回胴演出管理処理(指定数割込待機処理)を行う(ステップS108)。フリーズ1は回胴の回転動作のない「無回転回胴演出」であるので、ここでフリーズタイマが経過するまで待つ。そして、フリーズタイマが経過したならば「フリーズ終了コマンド」をセットする。このフリーズ終了コマンドは、フリーズ状態の終了を指定するコマンドであり、フリーズ終了コマンドが主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、フリーズ演出が終了したことを把握し、たとえば、現出中のフリーズ中サブ側演出を終了させる。これにより、回胴演出抽選処理を抜けて、図11の回胴回転開始処理(ステップS18)に進む。
(1−2−1.通常モード中回胴演出設定処理:図13)
次に図13を参照して、図12の通常モード中回胴演出設定処理(ステップS103)ついて説明する。図13は、図12の通常モード中回胴演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。この通常モード中回胴演出設定処理では、通常モードに係るメインモード(通常遊技モード(FFH))中のフリーズ演出に関する設定処理が行われる。
図13において、主制御部400は、まず現在のメインモードを判定し(ステップS131)、モード別に処理を分岐させる。ここでは、メインモードが「通常遊技モード(FFH)」であるか否かを判定する。
メインモードが「通常遊技モード(FFH)」でない場合(ステップ131:≠FFH)、何もせずに、そのまま通常モード中回胴演出設定処理を抜けて、図12のフリーズ待機モード回胴演出設定処理(ステップS104)に進む。
一方、メインモードが「通常遊技モード(FFH)」である場合(ステップ131:=FFH)、次いで、今回の当選役がフリーズ演出抽選対象役(図33参照)であるか否かを判定する(ステップS132)。フリーズ演出抽選対象役でない場合(ステップS132:NO)、ステップS103のフリーズ演出抽選処理は行わずに、ステップS104の処理に進む。
一方、当選役がフリーズ演出抽選対象役である場合(ステップS132:YES)、フリーズ演出抽選処理を行う(ステップS133)。ここでは、図33のフリーズ演出抽選テーブルに基づき、今回のゲームで発生させるフリーズ演出種別を抽選により決定する。
上記のフリーズ演出抽選処理を終えると、次いで、フリーズ演出抽選結果に対応したフリーズ演出フラグをセットする(ステップS134)。このフリーズ演出フラグは、フリーズ演出種別に対応した値、たとえば、フリーズ1〜3に対応した「01H」〜「03H」が設定される。なお、フリーズ演出抽選結果が「ハズレ」の場合、つまり「未発生」との場合には、ハズレに対応したフリーズ演出フラグとして「00H」がセットされるようになっている。これにより、フリーズ演出が未発生、フリーズ1〜3のいずれであるかが識別できるようになっている。
なお、ステップS132の処理において「フリーズ演出抽選契機役」でないと判定された場合(ステップS132:NO)、このステップS134の処理に移行されるが、この場合には、フリーズ演出抽選の抽選結果を「未発生(ハズレ)」として扱い、フリーズ演出フラグにハズレ対応の値の「00H」をセットする。上記フリーズ演出フラグは、1ゲーム毎にクリアされる。
(1−2−2.フリーズ待機モード中回胴演出設定処理:図14)
次に図14を参照して、図12の通常モード中回胴演出設定処理(ステップS104)ついて説明する。図14は、図12のフリーズ待機モード中回胴演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。このフリーズ待機モード中回胴演出設定処理では、メインモードがフリーズ待機モードに係るメインモード(当選告知用フリーズ遊技モード(12H)、ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)、押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H))中のフリーズ演出に関する設定処理が行われる。
図13において、主制御部400は、まず現在のメインモードを判定し(ステップS151)、モード別に処理を分岐させる。ここでは、メインモードが「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」、「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」、および「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」のいずれであるか否かを判定する。
メインモードが上記のいずれのモードでもない場合(ステップS151:≠12H、22H、32H)、そのまま何もせずに、フリーズ待機モード中回胴演出設定処理を抜けて、図12のステップS106の処理に進む。
一方、メインモードが上記のいずれかのモードである場合(ステップS151:=12H、22H、32H)、告知ゲーム数カウンタを1減算する(ステップS152)。この告知ゲーム数カウンタは、フリーズ待機モードの残余ゲーム数を管理するカウンタであり、後述の図11の回胴停止処理(ステップS19)中の回胴演出モード移行設定処理(図16)において、フリーズ待機モードに移行する際に、規定ゲーム数の8ゲームが設定される。
次いで、告知ゲーム数カウンタ値に基づき、「残り告知ゲーム数コマンド」をセットする(ステップS153)。この残り告知ゲーム数コマンドには、フリーズ待機モードの残余ゲーム数情報が含まれる。上記「残り告知ゲーム数コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、現在のフリーズ待機モードの残余ゲーム数を把握し、たとえば、液晶画面に、最終ゲーム目までの残余ゲーム数をカウントダウン表示させるための演出制処理や、残余ゲーム数に応じた演出を現出させるための演出制御処理などを行う。
次いで、告知ゲーム数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS154)。告知ゲーム数カウンタがゼロでない場合(ステップS154:≠0)、フリーズ待機モード中回胴演出設定処理を抜けて、図12のステップS106の処理に進む。
しかし、告知ゲーム数カウンタがゼロである場合(ステップS154:=0)、メインモードが「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」または「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」であるか否かを判定する(ステップS155)。ここでは、告知ゲーム数カウンタがゼロになり、フリーズ待機モード終了時の「告知用フリーズ演出」を発生させる、「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」であるか、または「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」であるかを判定する。
メインモードが、非フリーズモードである「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」である場合には(ステップS155:≠12H、22H)、何もせずにフリーズ待機モード中回胴演出設定処理を抜けて、図12のステップS106の処理に進む。これにより、最終ゲーム目(8ゲーム目)に「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」滞在時には、告知用フリーズ演出が発生されない。
一方、メインモードがフリーズモードである「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」または「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」である場合には(ステップS155:=12H、22H)、ステップS156に進み、告知用フリーズ演出の発生に要する設定処理を行う(告知ゲーム到達時回胴演出設定処理)を行う。
ステップS156の告知ゲーム到達時回胴演出設定処理では、メインモード種別に対応したフリーズ演出フラグがセットされる。具体的には、「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」である場合には、‘当選告知用フリーズ演出フラグ(07H)’をセットし、「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」である場合には‘ハズレ告知用フリーズ演出フラグ(08H)’をセットする。これにより、最終ゲーム目(8ゲーム目)に、告知用フリーズ演出が発生されることになる。
なお、当選告知用フリーズ演出は、変則回転動作を伴う回胴演出種別であるので、後述の回胴回転開始設定処理(ステップS18)中で、その発生に必要な設定処理が行われるようになっている(後述の図15参照)。
(1−3.回胴回転開始設定処理:図15)
次に図15を参照して、図11の回胴回転開始設定処理(ステップS18)ついて説明する。図15は、図11の回胴回転開始設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図15において、主制御部400は、まず、フリーズ演出フラグを取得し(ステップS201)、そのフリーズ演出フラグが、変則回転を伴う回胴演出種別(本実施形態では、フリーズ2〜3、告知用フリーズ演出)に係るものであるか否かを判定し(ステップS202)、変則回転を伴う回胴演出種別の場合(ステップS202:YES)、フリーズ時間において、回胴の変則回転動作を実行させるために要する設定処理を行う(ステップS203〜S205)。一方、フリーズ演出フラグが変則回転を伴う回胴演出種別(変則回転回胴演出)でない場合(ステップS202:NO)、後述のステップS206の処理に進む。
(変則回転動作設定処理:ステップS203〜S205)
レバー操作時フリーズ演出のうち、変則回転を伴う回胴演出種別である場合には、まずステップS203の変則回転動作設定処理に進み、フリーズ演出フラグに応じた変則回転動作用のモータ制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するためのデータ)をセットする(ステップS203)。たとえば、回胴演出として所定コマ数分逆回転させる回胴のモータ制御は、ここで設定されたモータ制御データに基づいて、主制御側タイマ割込制御処理中の回胴回転制御処理(後述の図19のステップS43)で行われる。
次いで、フリーズ演出フラグ種別に応じたフリーズ時間をフリーズタイマにセットする(ステップS204)。
次いで、フリーズタイマ時間の経過を待つためのフリーズ演出中回胴演出管理処理(指定数割込待機処理)を行う(ステップ205)。そして、フリーズタイマが経過したならば、「フリーズ終了コマンド」をセットする。ここでは、フリーズ2〜3や告知用フリーズ演出に係るフリーズ時間が経過するのを待つ。このフリーズ時間中において、フリーズ演出種別に対応した回胴の変則回転動作が実行されることになる。
このように、レバー操作時時フリーズ演出のうちで変則回転を伴う回胴演出種別である場合には、上記ステップS203〜S205の処理を経た後にステップS206の処理に進む。しかし、変則回転を伴わない回胴演出種別である場合には、上記ステップS203〜S205の処理を経ずにステップS206の処理に進む。
(通常回転設定処理:S206〜S210)
ステップS206に進むと、回胴を通常回転させる準備として、遊技開始ウェイトタイマを取得し(ステップS206)、そのタイマ値が0(ゼロ)であるか否かを確認する(ステップS207)。そして遊技開始ウェイトタイマの値がゼロでない場合、当該タイマの値が0になるまで待つ(ステップS207:NO)。この遊技開始ウェイトタイマは通常動作での「1ゲームの遊技時間」を規制するためのタイマであり、次のステップS207の処理で4.1秒が設定される。これにより、1ゲームに要する時間が最短でも4.1秒となるようになっている。
遊技開始ウェイトタイマがゼロである場合(ステップS207:YES)、まず遊技開始ウェイトタイマに、1ゲームに要するべき最低限の時間として上記4.1秒を設定する(ステップS208)。そして、通常回転開始設定処理として、「通常回転動作用の制御データ」をセットし、回胴状態フラグに「01H(全回胴回転中)」をセットする(ステップS209:通常回転開始設定処理)。ここでは通常回転とするための制御データが設定され、フリーズ時間が終了した後は、本処理により全回胴が通常回転を開始し、回胴回転停止ボタン12の第1停止操作が許容される(回胴回転停止ボタンの内蔵LEDが赤色(停止操作無効報知態様)から青色(停止操作可能報知態様)に変化する)ことになる。これにより、レバー操作時フリーズ演出が有る場合と無い場合の回胴回転開始設定処理は実質的に終了となる。
最後に演出制御コマンドとして、回胴始動された旨を指定する「回転開始コマンド」をセットし、これにより回胴回転開始設定処理を抜ける(ステップS210)。なお、ここでの回転開始コマンドは、フリーズ終了コマンドを演出制御部410側に送信する代わりをなすことができる。レバー操作時フリーズ演出の終了を演出制御部410側に知らせる場合、その旨の上記「フリーズ終了コマンド」を用意して送信しても良いが、レバー操作時フリーズの終了直後には必ず回転開始コマンドがセットされ、これが演出制御部410側に送信されるので、わざわざフリーズ終了コマンドを用意して送信することをせず、この回転開始コマンドによりフリーズ終了コマンドを代用させることもできる。
以上により、回胴回転開始処理を抜けて、図11の回胴停止処理(ステップS19)に進む。各回胴5a、5b、5cが回転状態(通常時の回転動作(通常回転動作))に入ることになる。
なお、フリーズ時間を管理する、ステップS205、図12のステップS108の回胴演出管理処理(指定数割込待機処理)中において、遊技者が操作可能な操作手段(回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12、MAXベットボタン8、1ベットボタン9などの操作手段)を利用して、次のような「フリーズ中操作時演出」を実行可能に構成することができる。
(フリーズ中操作時演出(操作時演出))
フリーズ演出(フリーズ状態)は、遊技の進行を所定期間(フリーズ時間)遅延状態とする関係上、そのフリーズ時間が経過するまでは、遊技進行を進めようとする操作手段の操作(通常の遊技進行のための操作手段の操作)は「無効扱い(操作無効化状態)」となる。具体的には、たとえば、レバー操作時フリーズ演出では、回胴回転始動レバー11の操作時にフリーズ状態が発生するが、そのフリーズ時間が経過するまでは、回胴回転始動レバー11を再度操作しても、回胴は始動されずに無回転状態のままとなる。つまり、遊技者にとっては、回胴回転始動レバー11や回胴回転停止ボタン12の操作が効かない、といった遊技状況下に置かれることになる。その後、フリーズ状態が解除されると、通常回転動作が開始され、本来の回胴の停止操作が許容状態下に置かれて、遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作すれば、その停止対象となった回胴を停止させることができるようになる。
しかし本実施形態では、上記フリーズ状態下であっても、遊技者が操作可能な操作手段からの検出信号(操作検出信号)自体は受け付けて、操作手段から発せられる検出信号を利用して、フリーズ演出に変化をもたらすことができるように構成されている。具体的には、フリーズ演出中において、操作手段が操作されたことに基づき、特定の演出を現出可能に構成されている。この操作手段の操作に起因して現出される演出を「フリーズ中操作時演出(操作時演出)」と称する。したがって、フリーズ中操作時演出は、フリーズ演出の一環として発生しうる。なお、フリーズ中操作時演出は、フリーズ中メイン側演出(回胴演出)やフリーズ中サブ側演出のいずれであっても良く、これらを重複的または単独的に発生させることができる。
しかし本実施形態では、上記フリーズ状態下であっても、遊技者が操作可能な操作手段からの検出信号(操作検出信号)自体は受け付けて、操作手段が発せられる検出信号を利用して、フリーズ演出に変化をもたらすことが可能な構成となっている。具体的には、フリーズ中(フリーズ演出)において、操作手段が操作されたことに基づき、特定の演出を現出可能に構成されている。この操作手段の操作に起因して現出される演出を「フリーズ中操作時演出(操作時演出)」と称する。したがって、フリーズ中操作時演出は、フリーズ発生時演出の一環として発生する(フリーズ発生時演出と重複して発生する)場合もあるし、フリーズ発生時演出が実行されない場合には単独的に発生する場合もある。なお、フリーズ中操作時演出は、メイン側フリーズ中演出やサブ側フリーズ中演出のいずれであっても良く、これらを重複的または単独的に発生させることができる。
(操作コマンド)
ところで、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12、MAXベットボタン8、1ベットボタン9などの操作手段を1回操作(1往復)させた場合、操作検出信号が発せられる。たとえば、回胴回転始動レバー11を1回操作(1往復)させると、そのスイッチが作用して、操作検出信号が出力される。主制御部400側は、この操作検出信号の立ち上がりと立ち下がりとから、操作コマンドに利用可能なトリガーパルスを計2回取り出し得る。1個目は、たとえば、回胴回転始動レバー11や回胴回転停止ボタン12などを原位置から他位置に移動させた際(押下した際)に、操作検出信号パルスの前縁(前端エッジ)で作成される信号(以下「ON信号」と称する)である。2個目は、回胴回転始動レバー11や回胴回転停止ボタン12を他位置から原位置に移動させた際(押し戻した際(釈放下際))に、操作検出信号パルスの後縁(後端エッジ)で作成される信号(以下「OFF信号」と称する)である。主制御部400側は、このON信号またはOFF信号のいずれかを利用して、演出制御コマンドとして、操作手段に対応した操作コマンドを送信することができる。
ここで操作コマンドの発生に関し、ON信号(ON操作信号)だけでなくOFF信号(OFF操作信号)も必要とするケースについて説明する。たとえば、遊技者が回胴回転始動レバー11を押し下げた状態をしばらく保持し、それから回胴回転始動レバー11を釈放する場合は、ON信号とOFF信号の間に時間差が生まれる。また回胴回転停止ボタン12やMAXベットボタン8などの他の操作手段の場合も、押下時のON信号と、釈放時のOFF信号との間に時間差が生まれる。したがって上記操作コマンドについても、ON操作コマンドとOFF操作コマンドの間に時間差が生まれることになる。本実施形態では、このON操作とOFF操作、またはその時間差を利用して、異なる種類のフリーズ中操作時演出を発生させることが可能である。つまりフリーズ期間中に、操作手段を押下時(ON操作時)および/またはその釈放時(OFF操作時)を契機に、これに対応したフリーズ中操作時演出を実行させることが可能である。
(フリーズ中操作時演出の現出制御について)
次に、フリーズ中操作時演出の現出制御について説明する。
フリーズ中操作時演出の現出させる場合、フリーズ演出中であっても、操作手段(たとえば、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12(12a〜12c)、1ベットボタン9、またはMAXベットボタン8など)が操作されたか否については、これらからの検出信号を受信可能な主制御部400が把握可能な構成とし、主制御部400は、フリーズ演出中に上記操作手段が操作されことを確認した場合、操作コマンドとして、操作手段に対応した「フリーズ中操作コマンド」を発生させる。たとえば、フリーズ演出中に回胴回転停止ボタン12が操作された場合、遊技結果を導出表示するための回胴の停止制御は行われないが、その検出信号に対応した「フリーズ中操作コマンド」が発生させ、これを主制御部400側から演出制御部410側に送信可能とすることができる。このケースでは、回胴回転停止ボタン12の操作に対応した「フリーズ中操作コマンド」が発生される。
演出制御部410側においては、上記の「フリーズ中操作コマンド」を利用して、上記「フリーズ中操作時演出」を現出させることができる。このようなフリーズ中操作コマンドが発生されることを利用し、操作手段が操作されたか否かに応じて、フリーズ演出の内容に変化をもたらすことができるようになっている。これにより、フリーズ演出中において、たとえば、操作手段を利用して、遊技者が参加可能な「遊技者参加型のゲーム演出(遊技者参加型演出)」を実現することができる。
上記のような「遊技者参加型演出」では、遊技者自らがゲーム演出に参加してそのゲーム内容を楽しむことができる点で、演出効果に優れる。具体的には、遊技者がゲーム演出に参加することにより、そのゲーム演出結果が遊技結果自体に影響を及ぼしているような感覚を与えるたり、また、そのゲーム演出結果により、今回の遊技結果や現在の遊技状態に関連する情報(たとえば、当選役に関する情報やAT抽選の当否に関する情報など)を報知させることができる。
このようなフリーズ中における「遊技者参加型演出」は、単に、自動的にフリーズ演出が進行していくような「遊技者不参加型」のフリーズ演出よりも演出効果に優れ、操作手段によりフリーズ演出の内容に変化を与えることができるので、フリーズ演出の自由度が広がり、そのバリエーションを豊富なものとすることができる。
また「遊技者参加型演出」には、遊技者が意識的にゲーム演出に参加するような演出態様だけでなく、次のように、遊技者が無意識のうちに参加しているような演出態様とすることができる。図示はしていないが、フリーズ演出種別として、たとえば、全ての回胴が回転停止される前(第1停止操作後〜第2停止操作後)に発生する「全回胴回転停止前フリーズ演出(第1停止操作を契機に発生する第1停止操作時フリーズ、第2停止操作を契機に発生する第2停止操作時フリーズ)」を発生可能に構成する。この全回胴回転停止前フリーズ演出は、回胴回転停止ボタン12を第1停止操作または第2停止操作した後の当該フリーズ期間(フリーズ時間)中である限り、回胴回転停止ボタン12を第2停止操作または第3停止操作しても、回転している対応する回胴を停止させることができない、という遊技進行の中断(停止操作無効)を伴って発生する。
上記した全回胴回転停止前フリーズ演出として、たとえば、第1停止操作後にフリーズ状態が発生する遊技状況下の場合、遊技者にとっては、普段のように回胴を停止操作しているにもかかわらず(通常は、第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作という一連の操作をテンポ良く行える)、フリーズにより(ここでは、第1停止操作後にフリーズ)第2停止操作が効かなくなり(停止操作による本来の回胴の停止制御は無効化状態とされているため)、次の回胴を停止させることができない。このため遊技者は、第2停止操作ができないことについて「回胴回転停止ボタン12の異常により停止操作時の反応が悪いのか?」あるいは「しっかりと回胴回転停止ボタン12を操作していなかったのではないか?」と思考し、回胴回転停止ボタン12を再操作することが予想される。このような遊技者の心理を利用し、停止操作が効かないという違和感を与えつつ、そのフリーズ中において回胴回転停止ボタン12(他の操作手段でも良い)が操作されたことをトリガー(付随トリガー)タイミングとして、インパクトのあるフリーズ中操作時演出(たとえば、通常の予告演出態様とは異なる演出態様:インパクト演出)を現出させる。
この場合、フリーズ発生時には、フリーズ発生時演出を発生させずに、フリーズが発生したことを秘匿状態とするようにすることで、遊技者を無意識にゲーム演出に参加させ、フリーズ中操作時演出が突発的に発生した感覚を与えることができる。このようなフリーズ中操作時演出は、遊技者の意表を突く形で現出されるので、インパクトある演出を採用すれば、遊技者が受ける衝撃度はかなり高いものになると考えられる。またこの場合、フリーズ演出発生前段階においても(本例では、ゲーム開始時〜第1停止操作前段階)、フリーズ発生を遊技者に秘匿することが遊技者の意表を突く上でより好ましいといえる。たとえば、ハズレ時や他の抽選対象役に当選したときのように装う演出を現出させ、フリーズの発生を秘匿状態にしておくことが好ましい。
上述のように、フリーズ演出の発生を秘匿するケースでは、「遅延状態により遊技者に違和感を与えるということ」および「フリーズを利用したインパクトのある演出を現出すること」、といったフリーズ演出が元来有する演出効果を最大限生かすことができる。特に、遊技に慣れた遊技者は、普段の遊技中は「第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作という一連の操作」を慣れた手つきでテンポ良く行っており、フリーズ演出の発生には油断していることが多い。したがって、遊技に慣れた遊技者(遊技中級者〜上級者)ほど意表を突かれる度合いが高まり、より驚嘆させることができる。遊技中級者〜上級者を満足させることは、遊技機の稼働率やリピート率を向上させる上で重要であり、上述のような突発的なフリーズ演出の発生は、熟練した遊技者を魅了する上で、有効に働くものと考えられる。上記のフリーズ演出の発生を秘匿する実施形態は、次のように構成することができる。
複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する回胴装置(210)と、
所定の単位遊技開始条件の下、各回胴を回転させるための始動スイッチ(11a)と、
前記始動スイッチの始動操作を契機に、複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11のステップS16、図5の役抽選テーブル)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止スイッチ(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止スイッチの停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11のステップS19)と、
所定の実行条件の下、前記始動スイッチおよび/または前記停止スイッチが操作されたことを契機に、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態(フリーズ状態)を実行制御する遅延状態制御手段(図11のステップS17)と、
前記遅延状態において、遊技に関連する演出(フリーズ演出:フリーズ発生時演出、操作時演出)を実行制御する遅延状態中演出制御手段(演出制御部410)と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記遅延状態には複数種類の遅延状態が含まれ、
前記遅延状態中演出制御手段は、
前記遅延状態中において前記停止スイッチが操作された場合、所定の条件の下でフリーズ中操作時演出(操作時演出)を実行する操作時演出実行制御手段と、
前記遅延状態制御手段による前記遅延状態の開始に基づき、フリーズ発生時演出(遅延状態発生時演出)を実行する遅延状態発生時演出制御手段と、含み、
前記遅延状態発生時演出制御手段は、
前記遅延状態制御手段により特定の遅延状態(たとえば、第1停止操作時フリーズ)が実行される場合、前記遅延状態発生時演出を実行しない、構成である。
なお、フリーズ演出中の操作手段によるフリーズ中サブ側演出は、フリーズ演出中における所定の操作受付有効期間内に操作手段(演出現出対象に係る操作手段)が操作された場合に生起させることができる。なお、フリーズ演出種別に応じてフリーズ時間が異なることから、操作受付有効期間は、フリーズ演出種別に応じた有効な演出時間幅を確保する。
(1−4.回胴停止処理:図16)
次に図16を参照して、図11の回胴停止処理(ステップS19)ついて説明する。図16は、図11の回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、まず主制御部400は、回胴の停止が可能な状態中に回胴回転停止ボタン12の操作があったか否かを判定する(ステップS301)。本実施形態では、主制御部400において、回胴回転始動レバー11が操作されて各回胴が通常回転を開始し、回胴の回転が概ね一定の回転速度まで立ち上がると、各回胴の対応する回胴回転停止ボタン12について停止操作機能が有効に働く状態(停止可能状態)となり、このとき主制御部400の制御の下で、停止ボタンに内蔵の停止ボタンランプが赤色から青色に変更され、停止操作可能であることが遊技者に報知される構成となっている。
回胴停止可能状態の回胴回転停止ボタン12について停止操作があった場合(ステップS301:YES)、続いて、停止準備データをセットする(ステップS302)。この停止準備データには、押し順を特定可能な「停止操作順データ」、既に停止している回胴数(停止回胴数)を特定可能な「停止回胴数データ」(たとえば、第1停止操作時の場合、停止している回胴はないので‘停止回胴数=0’を特定するデータとなる)、停止操作対象となった回胴を特定可能な「停止対象回胴データ」、引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた停止間隔タイマ(たとえば、213ms)などが含まれ、これらが停止準備データとしてセットされる。なお、現在の押し順や第何番目の停止操作であるかについては、上記停止操作順データや、現在の回胴停止数データにより把握することができるようになっている。したがって、本処理は、停止操作順番監視手段として機能する。
次いで、停止ボタン操作時の演出制御コマンドとして「停止入力情報受付コマンド」をセットする(ステップS303)。この停止入力情報受付コマンドには、上記の停止操作順データ、停止回胴数データ、および停止対象回胴データを特定可能な情報が含まれる。
次いで、図柄停止制御処理を行う(ステップS304)。この図柄停止制御処理では、当選役情報(内部当選フラグ)と、停止操作手順(押し順と停止操作タイミング)とに基づいて目的の停止テーブル(不図示)を選択し、その停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、これに基づく回胴の停止制御(引き込み制御)を行う。
また、回胴が停止した際には、その停止位置に基づき、各回胴において、いずれの入賞ライン上に、如何なる図柄番号の図柄が停止しているかを特定可能な「停止図柄情報(入賞ラインデータ)」が作成され、メインRAMの所定領域にセットされる。この停止図柄情報は、各回胴の停止毎に作成されるので、現在の図柄の停止目(たとえば、特定の入賞役の聴牌状態など)を把握することができる。ただし、上記停止図柄情報は、1ゲーム毎にクリアされる。なお、回胴の停止位置は、実際に回胴が停止した際にも把握することができるが、停止操作図柄番号と滑りコマ数とに基づいて、回胴が完全に停止する前段階で、当該回胴の停止位置を把握することもできる。
次いで、回胴停止時の演出制御コマンドとして「停止結果情報コマンド」をセットする(ステップS305)。この「停止結果情報コマンド」には、回胴停止時に作成される上記停止図柄情報が含まれる。演出制御部410側においては、上記「停止結果情報コマンド」や「停止入力情報受付コマンド」により、押し順や、現在の回胴の回転・停止状態や、入賞ライン(有効入賞ラインおよび/または疑似入賞ライン)上の停止図柄を把握することができる。これにより、演出制御部410側では、正規手順でなければ、ペナルティを発生させるためのペナルティ処理を行うことができる。また、回胴の停止操作時に係る演出(たとえば、停止操作時の停止音や、特定の停止目が停止したことを報せる演出(たとえば、聴牌状態時の聴牌音など)を現出するための演出制御処理を行うことができるようになっている。
次いで、停止間隔タイマに設定したタイマ時間(213ms)を監視し(ステップS306)、停止間隔タイマがゼロでない場合、当該タイマがゼロになるまで待つ(ステップS306:NO)。そして、停止間隔タイマがゼロになったならば(ステップS306:YES)、次いで、全回胴が停止したか否か判定する(ステップS307)。
ステップS307判定処理において、今回が第1停止操作後、または第2停止操作後であれば、まだ回転している回胴があるので、その判定はNOとなり、ステップS301に戻り、第3停止操作による全回胴停止を待つことになる。
これらの第1〜第3停止操作を経て、全回胴が停止したならば(ステップS307:YES)、フリーズ待機モードへの移行する場合に要する設定処理を行うための「回胴演出モード移行設定処理」を行う(ステップS308)。なお、回胴演出モード移行設定処理の詳細については図17にて後述する。
次いで、演出制御コマンドとして、「モード情報コマンド」をセットする(ステップS309)。このモード情報コマンドには、現在のメインモード情報が含まれる。上記モード情報コマンドにより、演出制御部410側において、現在のメインモードが把握される。これにより回胴停止処理を抜けて、図11の入賞判定処理(ステップS20)に進む。
(1−4−1.回胴演出モード移行設定処理:図17)
次に図17を参照して、図16の回胴演出モード移行設定処理(ステップS308)ついて説明する。図17は、図16の回胴演出モード移行設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、主制御部400は、まず、メインモードデータを取得し(ステップS401)、メインモードが「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」、「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」、および「押順ミス用非フリーズ遊技モード(32H)」のいずれであるか否かを判定する(ステップS402)。
メインモードが上記のいずれかのモードである場合(ステップS402:≠12H、22H、32H)、フリーズ待機モード中であるとして、フリーズ待機モード管理処理を行う(ステップS409)。なお、フリーズ待機モード管理処理についての詳細は図18にて後述する。
メインモードが上記のいずれのモードでもない場合(ステップS402:≠12H、22H、32H)、フリーズ待機モード中ではないので、ステップS403〜S408の処理を行う。
ステップS403の処理では、今回の当選役がモード(メインモード)移行契機役である、移行リプレイ種別(移行リプレイAまたは移行リプレイB)であるか否かを判定する(ステップS403)。本実施形態では、移行リプレイAまたは移行リプレイBがモード移行契機役に相当し、当選役が移行リプレイAまたは移行リプレイBのいずれかでない場合には(ステップS403:NO)、メインモードの移行は発生しないので、何もせずに回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図16のステップS309の処理に進む。
今回の当選役が移行リプレイ種別である場合(ステップS403:YES)、入賞役がフリーズ待機モード移行契機役である、移行リプレイ1〜3のいずれかであるか否かを判定する(ステップS404)。本実施形態では、移行リプレイ1〜3がフリーズ待機モード移行契機役に相当し、入賞役が移行リプレイ1〜3のいずれかでない場合には(ステップS404:NO)、メインモードの移行は発生しないので、何もせずに回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図16のステップS309の処理に進む。なお、原則として、遊技者は正規手順を踏まえて遊技を進行しているので、移行リプレイ1〜3が入賞するケースは、上記フリーズ待機モード移行アシスト報知が発生した当該ゲームである。
入賞役が移行リプレイ1〜3のいずれかある場合には(ステップS404:YES)、メインモードを移行制御に要する「フリーズ待機モード移行設定処理」を行う(ステップS405)。
このフリーズ待機モード移行設定処理では、図34に示す「モード移行テーブル」に基づいて、移行先のメインモードを決定する。
(モード移行テーブル:図34)
上記モード移行テーブルには、図示のように、現在のメインモードと入賞役種別とが関連づけて定められており、本実施形態の場合、現在のメインモードと当選役種別に係る入賞役種別とに応じて、移行先を指定するメインモード判定データが定められている。ここでは、移行先として、フリーズ待機モードに係るメインモードが決定される。たとえば、現在のメインモードが「通常遊技モード(FFH)」である場合に、移行リプレイAに係る移行リプレイ1が入賞したときは、「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」に移行されるようになっている。
次いで、上記フリーズ待機モード移行設定処理で決定された移行先となるメインモード判定データを、メインRAM401bのモードデータ格納領域に設定する(ステップS406)。これにより、次回ゲームから、新たなメインモード下、つまりフリーズ待機モードに係るメインモード下での遊技処理が行われることになる。
次いで、フリーズ待機モードに移行されたとして、告知ゲーム数カウンタに、フリーズ待機モードの規定ゲーム数「8ゲーム」を設定し(ステップ407)、演出制御コマンドとして、「フリーズ待機モード開始コマンド」をセットする(ステップ408)。このフリーズ待機モード開始コマンドには、フリーズ待機モード移行設定処理で決定された移行先のメインモードを特定可能な情報が含まれる。フリーズ待機モード開始コマンドが主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、フリーズ待機モードに移行した旨およびそのモード種別を把握することができる。本実施形態では、フリーズ待機モード開始コマンドが今回のゲームで送信されるようになっているので、次回のゲームが開始される前に、演出手段を利用して、フリーズ待機モードに移行された旨を報知することも可能である。
以上により、上記回胴演出モード移行設定処理を抜けると、図16のステップS309の処理に進む。
(1−4−2.フリーズ待機モード管理処理:図18)
次に図18を参照して、図17のフリーズ待機モード管理処理(ステップS409)ついて説明する。図18は、図17のフリーズ待機モード管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図18において、主制御部400は、まず告知ゲーム数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS431)。告知ゲーム数カウンタがゼロである場合(ステップS431:=0)、この場合は、今回のゲームにて、フリーズ待機モードが終了となるので、その終了処理として、モードデータに「FFH(通常遊技モード)」を設定する(ステップ436:フリーズ待機モード終了設定処理)。これにより、次回ゲームから通常遊技モード下での遊技処理が行われる。
なお、フリーズ待機モード終了後、AT抽選に当選していれば、最終的に演出制御部410側の演出制御によりAT遊技が発生し、遊技モードが「ATモード(‘通常遊技モード(メインモード:FFH(RT1遊技))’+‘AT遊技(演出モード:A0H)’)」に移行され、非当選であれば、遊技モードが「通常モード1(‘通常遊技モード(メインモード:FFH(RT1遊技))’+‘通常演出モード(演出モード:FFH)’)」に移行されるようになっている。そして、演出制御コマンドとして、フリーズ待機モード終了を指定する「フリーズ待機モード終了コマンド」をセットし(ステップS437)、これにより、フリーズ待機モード管理処理を抜ける。そして、回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図16のステップS309の処理に進む。
告知ゲーム数カウンタがゼロでない場合(ステップS431:≠0)、この場合は、フリーズ待機モードが継続中であるとして、まず、現在のメインモードが、「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」であるか否かを判定する(ステップS432)。
ここで、ステップS432の判定処理において、ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)であるか否かを判定するのは、既に説明したように、遊技モードがハズレ告知用フリーズモードに滞在している場合、AT抽選契機役の当選を契機にAT抽選が実行される場合があり、AT抽選に当選となれば、移行リプレイAの当選を契機に移行リプレイ1のアシスト報知が実行され、このとき、移行リプレイ1の入賞により、当選告知用フリーズモードへと昇格移行されるようになっているためである(ステップS433〜S435、後述の図26のステップS757参照)。
したがって、メインモードが上記「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」でない場合には(ステップS432:≠22H)、「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」、または「押順ミス非フリーズ遊技モード(32H)」に滞在中の場合であるので、そのまま何もせずに、フリーズ待機モード管理処理を抜ける。そして、回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図16のステップS309の処理に進む。
しかし、メインモードが上記「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」である場合には(ステップS432:=22H)、今回の当選役が移行リプレイAであり(ステップS433:YES)、入賞役が移行リプレイ1であれば(ステップS434:YES)、現在の「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(22H)」からの「当選告知用フリーズ遊技モード(12H)」の移行処理として、モードデータに、これに対応する‘12H’を設定し(ステップ435:フリーズ待機モード移行設定処理)、次回ゲームから、メインモードが「当選告知用フリーズモード(12H)」下での遊技処理が行われる。これにより、フリーズ待機モード管理処理を抜ける。そして、回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図16のステップS309の処理に進む。なお、今回の当選役が移行リプレイAでない場合(ステップS433:NO)、または、移行リプレイAが当選しても入賞役が移行リプレイ1でない場合(ステップS434:NO)、昇格移行は生じさせず、フリーズ待機モード管理処理を抜けるようになっている。
(2.主制御側タイマ割込処理:図19)
次に図19を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図19は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図19において、主制御部400は、まずタイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次いで、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次いで、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止操作時の停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御して回転動作を制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次いで、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御部410側(演出制御基板420側)に送信する。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次いで、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次いで、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理では、遊技進行状況に応じて、遊技機に設けられたLEDや7セグメントなどの発光を制御する発光制御信号を出力する。遊技パネル77に形成された各種の表示部の発光態様は、ここで管理制御される。
具体的には、処理状態に応じて作成された発光制御信号データに基づき、遊技開始表示LED81、メダル投入表示LED82再遊技作動LED83、MAXベットLED84、投入枚数表示LED85、停止ボタンランプ(図示せず)、クレジット枚数表示器86、払出枚数表示器87などの発光態様を制御するための発光制御信号を出力する。
なお、上記各表示部の一部または全部が表示する情報を液晶表示装置6による画像表示により現出可能に構成することができる。この場合は、遊技の進行状況に応じて、各表示部に係る情報を特定可能な演出制御コマンドを演出制御部410側に送信可能に構成することで実現できる。このコマンドが主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、当該コマンドに含まれる情報に基づき、液晶表示装置6を表示制御して、当該情報を画像により表示する。
次いで、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)を監視する。
以上のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(ステップS49(レジスタ復帰処理))、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<3.演出制御側の処理:図20〜図30>
次に、図20〜図30を参照して、本実施形態の演出制御部410側における演出制御処理について説明する。演出制御部410側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図20)と、定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図24)とを含んで構成される。なお演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板460のCPUなどを含んだものであるが、主制御部410から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421C)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAM、ROMは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421b、サブROM421aなどで代表させる。
(3−1.演出制御側メイン処理:図20)
図20は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図20に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部410(サブCPU)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS071の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、演出制御部410は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図22のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。演出抽選用乱数は、予告演出や上乗せ抽選など、演出制御部410側による所定の抽選や現出すべき演出を抽選により決定する場合に利用され、抽選態様に対応した複数種類の演出抽選用乱数が含まれる。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、演出制御部410は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。
たとえば、遊技開始情報コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、このコマンドに含まれる内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報や当選番号情報など)と現在の演出制御部遊技状態(演出状態)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成するための演出要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより今回ゲーム中に現出するための演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、遊技者参加型演出の場合は、操作手段の操作に応じて、対応するパーツ演出を変更して、適宜、演出シナリオの構成を変更し再構築する。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、たとえば、演出シナリオに組み込まれたパーツ演出の発生時期が到来すると、スピーカ16用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをサブRAMの指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ13やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、サブRAMの指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図22のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ16から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物(図示せず)を動作させる駆動源用(モータ)の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図22のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップ079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(3−2.コマンド受信割込処理:図21)
次に図21を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図21は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部400から演出制御コマンドを受信した場合、後述の演出制御側タイマ割込処理(図22)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部410(サブCPU)は、図20のメイン処理実行中に主制御部400側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをサブRAMのコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで、演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部400から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(3−3.演出制御側タイマ割込処理:図22)
次に図22を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図22は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図22において、演出制御部410(サブCPU)は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、演出用ボタン(図示せず)からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をサブRAMの所定領域に格納する。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図20の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置6に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ(図示せず)に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<4.受信コマンド解析処理の内容:図23〜図30>
図23、図29に、受信コマンド解析処理(図20のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示す。ここでは、本発明と関連の深い、遊技開始時(回胴回転始動レバー11の操作時)に係る演出制御コマンド(遊技情報開始コマンド、フリーズコマンド、残り告知ゲーム数コマンドなど)や、全回胴停止時に係る演出制御コマンド(たとえば、入賞情報コマンド)を受信した場合を中心に説明し、他の演出制御コマンドを受信した場合の説明は省略する。
(4−1.遊技開始時演出処理:図23)
図23に示す遊技開始時演出処理は、遊技開始時の演出処理であり、遊技開始時に係る演出制御コマンド(たとえば、遊技情報開始コマンドやフリーズコマンドなど)に基づき実行される処理である。演出制御部410は、演出制御コマンドを受信した場合、コマンドに含まれる情報を解析し、演出処理の進行状態に応じて利用する。また必要がある場合には、その情報をサブRAM421bに格納した後、演出処理の進行状態に応じて利用する。ここでは、特に本発明と関連の深い、遊技情報開始コマンドおよびフリーズコマンドに含まれる情報に基づき実行される演出処理に着目して説明する。
図23において、演出制御部410は、まず「遊技情報開始コマンド」の内容を解析して、内部抽選結果情報を取得し(ステップS700)、次いで「フリーズコマンド」の内容を解析して、フリーズ演出種別情報を取得する(ステップS701)。これらの情報は、それぞれサブRAM421bの所定領域に格納される。
次いで、告知ゲーム数管理処理を行う(ステップS702)。この告知ゲーム数管理処理では、後述の移行リプレイアシストモード中管理処理(図25)中で、残余ゲームカウンタに設定される「残余ゲーム数」(後述のステップS743、ステップS746)を管理する。この「残余ゲーム数」とは、フリーズ待機モードの残余ゲーム数であり、このゲーム数は主制御部400側から送られてくる上記「残り告知ゲーム数コマンド(図14のステップS153参照)」により把握することもできるが、演出制御部410側においても独立して管理している。これは、通常モード2、3における押し順ミスや、フリーズ待機モード中における押し順ミスにより、メインモードが意図しないモードに移行したとしても、演出制御部410側の管理により、フリーズ待機モードに係る演出モードの移行や、フリーズ待機モード中に係る演出を正しく現出させるためである。ここでは、残余ゲーム数がゼロであるか否かを確認し、残余ゲーム数がゼロであるならば、何もせずに処理を抜ける。しかし、残余ゲーム数がゼロでないならば、残余ゲーム数から1減算するデクリメント処理を行う(今回のゲームの実行により、残余ゲーム数を1減算する)。これにより、フリーズ待機モードの現在のゲーム数が管理される。なお、この残余ゲーム数情報に関するデータは、サブRAMの所定領域に格納される。
なお本実施形態の場合、主制御部400からの上記「残り告知ゲーム数コマンド」と、演出制御部410側で管理される上記「残余ゲーム数」とにより、残余ゲーム数の整合性をチェックすることができるようになっている。残余ゲーム数が一致しない場合には、所定のエラー処理を実行する。
次いで、現在の演出モード(図10(ロ)参照)を取得し(ステップS703)、演出モードに応じて、「通常演出モード中演出管理処理(ステップS709)」、「移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS710)」、「フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS711)」、「前兆AT遊技中演出管理処理(ステップS712)」、「AT遊技中演出管理処理(ステップS714)」、「その他の遊技開始時の演出管理処理(ステップS713)」を行う。
上記した演出管理処理のうち、本発明と関連の深い、通常演出モード中演出管理処理(ステップS709)、移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS710)、フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS711)については、図24〜図26にて後述する。
上記「前兆AT遊技中演出管理処理(ステップS712)」は、演出モードが‘前兆AT遊技(0CH)’の場合に実行される。ここでは、遊技モードが「前兆ATモード(図10(ハ)参照)」下の演出を現出する際に必要な演出処理として、主に、特殊リプレイA〜BやAT1〜4に関するアシスト報知制御などが実行される。
また「AT遊技中演出管理処理(ステップS714)」は、演出モードが‘AT遊技(A0H)’の場合に実行される。ここでは、遊技モードが「ATモード」下の演出を現出する際に必要な演出処理として、主に、AT役種別(AT1〜4)に関するアシスト報知制御、リプレイ種別(移行リプレイA〜B、特殊リプレイA〜B)に関するアシスト報知制御、上乗せ抽選に関する抽選処理などが実行される(図8の「ATモード」参照)。
また「その他の遊技開始時の演出管理処理(ステップS713)」は、遊技モードが「ボーナス遊技」や「初期モード」下の演出を現出する際に必要な演出処理が実行される。
(4−1−1.通常演出モード中演出管理処理(ステップS709):図24)
まず図24を参照して、通常演出モード中演出管理処理(ステップS709)について説明する。この通常演出モード中演出管理処理は、演出モードが通常演出モード(FFH)の場合に実行される。なお、通常演出モード中演出管理処理が実行される場合のメインモードは、原則、「通常遊技モード(FFH)」となっており、ここでの遊技モードは「通常モード1(図10(ハ)参照)」となっている。なお、後述の「移行リプレイアシストモード中演出移行管理処理(ステップS710)」が実行される場合も同様に、メインモードは「通常遊技モード(FFH)」となっている。
図24において、演出制御部410は、まず今回の当選役がAT抽選契機役(図31参照)であるか否かを判定する(ステップS731)。今回の当選役がAT抽選契機役でない場合(ステップS731:NO)、その当選役に対応した演出データを設定し(ステップS738:当選役対応演出処理)、通常演出モード中演出管理処理を抜ける。
今回の当選役がAT抽選契機役である場合(ステップS731:YES)、AT抽選処理を行う(ステップS732)。ここでは、図31の「AT抽選テーブル」を参照し、当選役と演出抽選用乱数(AT抽選用)とに基づき、AT抽選を行う。
次いで、AT抽選に当選したか否かを判定する(ステップS733)。AT抽選に当選した場合(ステップS733:YES)、移行リプレイ1アシスト報知処理を行う(ステップS739)。この移行リプレイ1アシスト報知処理では、AT抽選当選により、遊技モードを「通常モード2(図10(ハ)参照)」に移行させるために要する演出処理を行う。具体的には、現在の演出モードを、移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)に設定し、後述の当選役対応演出処理(ステップS737)に進む。これにより、遊技モードは「通常モード2」に移行され、遊技者が移行リプレイ1のアシスト報知発生時に、その内容に従うことにより「当選告知用フリーズモード」に移行されることになる。
しかし、AT抽選に非当選の場合(ステップS733:NO)、次いで、偽フリーズ待機モード抽選処理を行う。ここでは、図32の「偽フリーズ待機モード抽選テーブル」を参照し、当選役と演出抽選用乱数(AT抽選用)とに基づき、偽フリーズ待機モード抽選を行う。
次いで、偽フリーズ待機モード抽選に当選したか否かを判定する(ステップS735)。偽フリーズ待機モード抽選に当選した場合(ステップS735:NO)、移行リプレイ2アシスト報知処理を行う(ステップS736)。この移行リプレイ2アシスト報知処理では、偽フリーズ待機モード抽選当選により、遊技モードを「通常モード3」に移行させるために要する演出処理を行う。具体的には、現在の演出モードを、移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)に設定し、後述の当選役対応演出処理(ステップS737)に進む。これにより、遊技モードは「通常モード3」に移行され、遊技者が移行リプレイ2のアシスト報知発生時に、その内容に従うことにより「ハズレ告知用フリーズモード」に移行されることになる。
しかし偽フリーズ待機モード抽選に非当選の場合(ステップS735:NO)、後述の当選役対応演出処理(ステップS737)に進む。この場合、AT抽選に非当選、かつ偽フリーズ待機モード抽選に非当選であるので、フリーズ待機モードには移行されずに、遊技モードは「通常モード1」のままとなる。
ステップS737の処理に進むと、当選役対応演出処理を行う(ステップS737)。この当選役対応演出処理は、既に説明したステップS738の処理内容と実質的に同じである。ただし、フリーズ演出が発生する場合には、当選役とそのフリーズ演出種別とに対応した演出データを設定する。本処理が行われる場合は、当選役がAT抽選契機役の場合であり、本実施形態の場合、フリーズ演出抽選契機役は、AT抽選契機役と同じ抽選対象役を採用しているので、フリーズ演出を伴う場合があるからである。これにより、通常演出モード中演出管理処理を抜ける。
(4−1−2.移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS710):図25)
次に図25を参照して、移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS710)について説明する。図25は、移行リプレイアシストモード中演出管理処理の詳細を示すフローチャートである。この移行リプレイアシストモード中演出管理処理は、演出モードが移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)または移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)の場合に実行される。
図25において、演出制御部410は、まず現在の演出モードを判定し(ステップS741)、演出モードが、「移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)」の場合には(ステップS741:=53H)、ステップS742〜S743の処理を行い、「移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)」の場合には(ステップS741:=63H)、ステップS745〜S746の処理を行う。
(移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)の場合)
現在の演出モードが「移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)」の場合、当選役がリプレイAであるか否かを判定する(ステップS742)。
当選役がリプレイAである場合(ステップS742:YES)、「移行リプレイアシスト報知処理(53H)」を行う(ステップS743)。ここでは、移行リプレイ1の入賞に関する押し順をアシスト報知するためのアシスト報知用データを設定する。これにより、今回のゲームにおいて「移行リプレイ1」の押し順がアシスト報知され、遊技者がその内容に従い回胴を停止操作すれば、遊技モードが、現在の「通常モード2」から「当選告知用フリーズモード」に移行されることになる(図9、図17のステップS404〜S408の処理ルート、図34参照)。
また、この「移行リプレイアシスト報知処理(53H)」では、通常モード2中において移行リプレイ1のアシスト報知の実行が決定されたとして、今回のゲームを「基点ゲーム」とし、この基点ゲームから複数ゲーム先に(8ゲーム先)、AT抽選結果を報知するための「告知演出(抽選結果報知演出)」が実行される「実行ゲーム数」を、「残余ゲーム数(残余ゲーム数カウンタ)」に設定する(残余ゲーム数←8G)。
本実施形態の場合、通常モード2中に移行リプレイAの当選した当該ゲームで移行リプレイ1のアシスト報知が実行されるので、実際には、通常モード2中の移行リプレイAの当選がフリーズ待機モード移行確定条件(特定条件)成立となり、このゲームを基点ゲームとして、残余ゲーム数に告知演出の実行が予定されるゲーム数(8ゲーム目)を設定している。このように、通常モード2中に移行リプレイAに当選して移行リプレイ1のアシスト報知を実行が決定された場合、残余ゲーム数に対して実行ゲーム数を設定するのは、当該当選ゲームにおいて、押し順が如何なる場合であっても、再度、移行リプレイ1のアシスト報知の実行(移行リプレイAの再当選)を待つことなく、予定ゲーム数目で告知演出を必ず実行させるためである。また、たとえ遊技者が今回のゲーム(ここでは、通常モード2中の移行リプレイAの当選ゲーム(フリーズ待機モード移行確定条件の成立ゲーム))で押し順ミスをしたとしても、次回ゲームから、AT抽選結果に対応したフリーズ待機モードに係る演出モードに移行させる(後述の図29のステップS809参照)。つまり、遊技者が押し順ミスをしたとしても、AT抽選結果に対応したフリーズ待機モードに速やかに移行させるとともに、その最終ゲーム目(8ゲーム目)に、AT抽選結果を報知することができるようになっている(最終ゲーム目において、AT抽選結果に対応した「告知演出」が現出される)。したがって、遊技者が押し順ミスをしたとしても、再度、移行リプレイAの当選を待つことなく、フリーズ待機モードに移行することができるので、ゲーム進行に遅延が生じてしまうことを防止できる。
このように演出制御部410側においてフリーズ待機モードの残余ゲーム数を管理可能に構成することで、アシスト報知内容とは異なる押し順の実行(押し順ミス)により、メインモードに不具合が生じても、演出モード種別と残余ゲーム数とに基づき、フリーズ待機モードの最終ゲーム目(8ゲーム目)に、AT抽選結果を正しく報知することができるようになっている(後述の図26の告知ゲーム終了時演出処理(ステップS760)参照)、その詳細を示す図27〜図28参照)。
そして、ステップS743の処理を終えると、ステップ744の処理に進み、当選役対応演出処理を行う。この当選役対応演出処理は、既に説明したステップS737の処理内容と実質的に同じであるので、その説明は省略する。
(移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)の場合)
また現在の演出モードが「移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)」の場合(ステップS745:YES)、当選役がリプレイBであるか否かを判定する(ステップS745)。
当選役がリプレイBである場合(ステップS745:YES)、「移行リプレイアシスト報知処理(63H)」を行う(ステップS746)。ここでは、移行リプレイ2の入賞に関する押し順をアシスト報知するためのアシスト報知用データを設定する。これにより、今回のゲームにおいて「移行リプレイ2」の押し順がアシスト報知され、遊技者がその内容に従い回胴を停止操作すれば、遊技モードが、現在の「通常モード3」から「ハズレ告知用フリーズモード」に移行されることになる(図9、図17のステップS404〜S408の処理ルート、図34参照)。
また、この「移行リプレイアシスト報知処理(63H)」では、通常モード3中において移行リプレイ2のアシスト報知の実行が決定されたとして、今回のゲームを基点ゲームとし、この基点ゲームから複数ゲーム先に(8ゲーム先)、AT抽選結果を報知するための「告知演出(抽選結果報知演出)」が実行される「実行ゲーム数」を「残余ゲーム数(残余ゲームカウンタ)」に設定する(残余ゲーム数←8G)。
本実施形態の場合、通常モード3中に移行リプレイBの当選した当該ゲームで移行リプレイ2のアシスト報知が実行されるので、実際には、通常モード2中の移行リプレイBの当選がフリーズ待機モード移行確定条件(特定条件)成立となり、このゲームを基点ゲームとして、残余ゲーム数に告知演出の実行が予定されるゲーム数を設定している。このように、通常モード3中に移行リプレイBに当選して移行リプレイ2のアシスト報知を実行が決定された場合、残余ゲーム数に対して実行ゲーム数を設定するのは、当該当選ゲームにおいて、押し順が如何なる場合であっても、再度、移行リプレイ2のアシスト報知の実行(移行リプレイBの再当選)を待つことなく、予定ゲーム数目で告知演出を必ず実行させるためである。また、たとえ遊技者が今回のゲームで押し順ミスをしたとしても、次回ゲームから、AT抽選結果に対応したフリーズ待機モードに係る演出モードに移行させる。これにより、AT抽選結果に対応したフリーズ待機モードに速やかに移行させるとともに、その最終ゲーム目(8ゲーム目)に、AT抽選結果を報知することができるようになっている。この点、上述した「移行リプレイアシスト報知処理(53H)」(ステップS743)と同じである。
上記のように基点ゲーム決定となる特定条件を満たした場合(たとえば、特定の遊技モードまたは演出モード中に、特定役に当選した場合や、特定の入賞役を入賞させるためのアシスト報知実行が決定された場合)、告知演出(抽選結果報知演出)の基点ゲームを決定し、その基点ゲームから告知演出(抽選結果報知演出)の実行ゲームを複数ゲーム先に決定している。つまり、基点ゲームは、演出制御部410側が所定の条件の成立に基づいて決定することができる。勿論、主制御部400側が演出制御部410と同等の機能部を有する構成(演出モードの管理、アシスト報知の管理、AT抽選の管理可能な構成)とすれば、主制御部400が独自に基本ゲームと告知演出の実行ゲームを決定することもできる。
そして、ステップS746の処理を終えると、ステップ744の処理に進み、当選役対応演出処理を行う。この当選役対応演出処理は、既に説明したステップS7378の処理内容と実質的に同じであるので、その説明は省略する。
(4−1−3.フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS711):図26〜図28)
次に図26を参照して、フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS711)について説明する。図26は、フリーズ待機モード中演出管理処理の詳細を示すフローチャートである。
このフリーズ待機モード中演出管理処理では、演出モードが、フリーズ待機モードに係る演出モード(当選告知用フリーズ演出モード(12H)、ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)、押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(33H)、押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(43H):図9、図10(ロ)参照)中の演出処理が行われる。
図26において、演出制御部410は、まず、残余ゲーム数情報を取得する(ステップS750)。
次いで、残余ゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS751)。残余ゲーム数がゼロである場合(ステップS751:=0)、今回のゲームがフリーズ待機モードの「最終ゲーム目(8ゲーム目)」であるとして、フリーズ待機モードに係る遊技モードに応じた告知演出を現出させるべく、これに要する演出処理を行うための「告知ゲーム数終了時演出処理」を行う(ステップS760)。なお、この告知ゲーム数終了時演出処理についての詳細は図28〜図29にて後述する。
一方、残余ゲーム数がゼロでない場合(ステップS751:≠0)、フリーズ待機モード継続中であるとして、以下に説明するステップS752〜S758、S761、S762が実行される処理ルートに進む。
残余ゲームがゼロでない場合(ステップS751:≠0)、演出制御部410は、まず現在の演出モードを判定する(ステップS752)。現在の演出モードが、AT抽選当選に係る演出モード、具体的には、「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」、または「押順ミス用非フリーズ演出モード1(33H)」である場合(ステップS752:=12H、33H)、このケースは「AT当選状態」であるため、後述のステップS755のAT抽選処理を実行する必要がなく、また遊技モードの移行を生じさせる必要もないため、この状態保持すべく、何もせずに当選役対応演出処理を行う(ステップS761)。この当選役対応演出処理は、既に説明したステップS737の処理内容と実質的に同じであるので、その説明は省略する(後述のステップS758も同様)。これにより、フリーズ待機モード中演出管理処理を抜ける。
一方、現在の演出モードが、AT抽選非当選に係る演出モード、具体的には、「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」、または「押順ミス用非フリーズ演出モード2(43H)」である場合(ステップS752:≠12H、33H)、後述のステップS757で設定される「待機モード中AT当選フラグ」の設定状態、具体的には、ON状態(AT当選状態)であるかOFF状態(AT非当選状態)であるかを判定する(ステップS753)。
「待機モード中AT当選フラグ」がOFF状態である場合(ステップS753:NO)、このケースは「AT非当選状態」であるため、今回の当選役がAT抽選契機役であるか否かを判定し(ステップS754)、AT抽選契機役でない場合には(ステップS754:NO)、何もせずに当選役対応演出処理を行い(ステップS761)、フリーズ待機モード中演出管理処理を抜ける。
一方、AT抽選契機役である場合には(ステップS754:YES)、図31のAT抽選テーブルに基づくAT抽選を実行し(ステップS755:AT抽選処理)、AT抽選に当選したか否かを判定する(ステップS756)。
AT抽選に当選した場合(ステップS756:YES)、フリーズ待機モード中のAT当選状態移行に要する設定処理を行う(ステップS757:フリーズ待機モード中AT当選時設定処理)。ここでは、フリーズ待機モード中おけるAT非当選状態からAT当選状態に要する設定処理を行う。具体的には、「待機モード中AT当選フラグ」をON状態に設定する。この「待機モード中AT当選フラグ」は、後述の告知ゲーム終了時演出処理(図26のステップS760)中において、最終ゲーム目の告知演出を現出する際にも利用される。
またここでは、演出モードが「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」滞在時である場合、移行リプレイ1アシスト報知に関する設定処理を行う。この設定処理は、ステップS755のAT抽選当選により、遊技モードを「当選告知用フリーズモード(図10(ハ)参照)」に移行させるために要する演出データを設定する処理である。具体的には、次回ゲーム〜7ゲーム目までの間に、移行リプレイAが当選した場合、移行リプレイ1の押し順をアシスト報知するために必要な演出処理を行う。これにより、フリーズ待機モードが終了する8ゲーム手前の7ゲーム目までに、移行リプレイAに当選すると、移行リプレイ1の押し順が報知され、このとき、移行リプレイ1が入賞すると遊技モードが遊技モードが「ハズレ告知用フリーズモード」から「当選告知用フリーズモード」に昇格移行されるようになっている(図18のステップS432〜S435、図30のステップS852〜S854参照)。
上記ステップS757のフリーズ待機モード中AT当選時設定処理を終えると、次いで、当選役対応演出処理を行い(ステップS758)、これにより、フリーズ待機モード中演出管理処理を抜ける。
しかしAT抽選に非当選の場合には(ステップS756:NO)、フリーズ待機モード中のAT抽選に非当選であったとして、これに要する設定処理を行う(ステップS762:フリーズ待機モード中AT非当選時設定処理)。ここでは、移行リプレイ2アシスト報知処理を行う。なお本実施形態では、メインモードが「ハズレ告知用フリーズモード(22H)」以外である場合、メインモード自体の移行をないように制御しているが(図18のステップS432〜S435参照)、ここでの移行リプレイ2アシスト報知は、換言すれば、メインモードまたは遊技モード自体の移行を生じさせないようにするアシスト報知が実行される(嘘告知の実行)ことと等価的な意味である。
ここでAT抽選に非当選の場合に、移行リプレイ2の入賞に関する押し順をアシスト報知させる理由は次の通りである。
ステップS755のAT抽選処理において、AT抽選当選となった場合、上述したように、遊技モードを昇格移行させるために、移行リプレイAに当選すると、移行リプレイ1の押し順がアシスト報知されるようになっている。これは、仮に、AT抽選非当選の場合に何らアシスト報知が発生しない構成としてしまうと、移行リプレイ1に係るアシスト報知が発生した時点で、現在の遊技モードがAT抽選非当選に係る遊技モードに滞在していたことが判明し、さらに、AT抽選当選である旨がフリーズ待機モード終了前に判明してしまうことになる。
フリーズ待機モードが、AT抽選当選、つまりATモードへの移行期待感を煽るといった遊技モードであることを踏まえれば、AT抽選結果がフリーズ待機モード終了前に判明してしまうことは、フリーズ待機モードの意義が没却されてしまう。
そこで本実施形態では、AT抽選非当選時においても、移行リプレイ2の入賞に関する押し順をアシスト報知して、移行リプレイ2を入賞させるようにしている。また本実施形態では、既に説明したように、移行リプレイ2は、移行リプレイ1と同じ入賞役構成(図柄の組合せ)となっており、さらにその入賞手順が同じ押し順となっており(図6参照)、遊技者側から見て、いずれの移行リプレイが入賞したのかは識別不可能になっている。これにより、AT抽選結果を遊技者から秘匿して、フリーズ待機モードという遊技モードを際立たせて、遊技に面白みを与えるようになっている。なお、遊技モードが「ハズレ告知用フリーズモード」または「押順ミス用非フリーズ演出モード2」滞在時に移行リプレイ2が入賞しても、メインモードおよび演出モードは移行されないようになっている(後述の図29の停止時フリーズ待機モード中演出管理処理、図18のステップS432〜S435参照)。
また上記事情に鑑み、AT抽選当選に係る演出モードの「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」、または「押順ミス用非フリーズ演出モード1(33H)」滞在時おいても、移行リプレイAまたは移行リプレイBが当選した場合、移行リプレイ1〜3の入賞させる押し順を、あえてアシスト報知するように構成することが好ましい。斯様なアシスト報知は、当選役種別を秘匿するものではないが、現在の遊技モードを秘匿するためのものであり、「偽装アシスト報知」の一態様といえる。
勿論、遊技性の観点から、移行リプレイ1に係るアシスト報知が発生した時点で、AT抽選当選である旨が遊技者に「一発告知」される構成とすることができる。本実施形態の場合、フリーズ待機モードが比較的短期間(最大8ゲーム)である点、またAT抽選が実行されうる最終ゲームまで(1〜8ゲーム目まで)において、AT抽選に当選し、さらに当該AT抽選実行ゲームおよび最終ゲーム目(既に説明したように、最終ゲーム目には移行リプレイAに当選しても移行リプレイ1のアシスト報知はされない)を除く最大7ゲーム間に、移行リプレイAが当選する確率が低確率である点(既に説明したように、フリーズ待機モード中はフリーズ演出の発生が制限されているのでAT抽選の当選確率は低確率に変動しており、また運良く1ゲーム目でAT抽選当選となった場合でも、最終ゲームを除くその後の6ゲーム間に、移行リプレイAが当選する確率(移行リプレイAの当選確率が約1/13.1)は、約37%程度となっている)、遊技者の中には、最終ゲームを待たずに早めにAT抽選結果を知りたいと欲する遊技者も存在する点など考慮して、上述の一発告知を発生可能な構成とし、これにより、幅広い層の遊技者の要求を満たす遊技性を実現させても良い。
(4−1−3A.告知ゲーム数終了時演出処理(ステップS760):図27〜図28)
次に図27〜図28を参照して、告知ゲーム数終了時演出処理(ステップS760)について説明する。図27は告知ゲーム数終了時演出処理の前半を示すフローチャート、図28は同処理の後半を示すフローチャートである。この告知ゲーム数終了時演出処理は、フリーズ待機モードが最終ゲーム目(8ゲーム目)において、遊技モードに応じた「告知演出」を現出させるための演出処理である。
図27〜図28を参照して、演出制御部410は、まず、最終ゲームAT抽選処理を行う(ステップS770)。この最終ゲームAT抽選処理では、最終ゲーム目となる8ゲーム目において、待機モード中AT当選フラグがOFF状態(AT非当選状態)の場合に、AT抽選を実行し、AT抽選に当選した場合には、待機モード中AT当選フラグをON状態(AT当選状態)に設定する。これにより、最終ゲーム目が、AT抽選が実行されない単なる告知演出ゲームとなることを防止し、最終ゲーム目を含めて、遊技者がフリーズ待機モード中にAT抽選の恩恵を受けることができるようになっている。
次いで、演出モードに対応した最終ゲーム目(8ゲーム目)に係る告知演出を現出させるために、現在の演出モードを確認し(ステップS771、S772、S777、S778)、「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」、「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」、「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(33H)」、および「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(43H)」のいずれかに対応した最終ゲーム目における演出シナリオに係る演出データを設定するための演出処理を行う。以下、各演出モードに対応した演出処理について説明していく。
(「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」である場合)
最終ゲーム目において、演出モードが「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」である場合(ステップS771:YES)、フリーズ時当選告知演出処理を行う(ステップS733)。ここでは、遊技モードが「当選告知用フリーズモード(図9のW103参照)」に係る告知用フリーズ演出に対応した演出態様(告知用フリーズ演出時の祝福演出)を現出させるための「当選告知用フリーズ演出データ」を設定する。また、ここでの演出モードは、AT抽選当選状態に係る演出モードであるので、ATモードへの移行条件が成立している。そのため、ATモード移行開始前の設定処理として、「ATモードフラグ」をON状態に設定する。このATモードフラグは、ATモード移行条件が成立したことを指定するフラグであり、後述の図30の「停止時フリーズ待機モード中演出管理処理」中において、その設定状態が確認され利用される。
(「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」である場合)
最終ゲーム目において、演出モードが「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」である場合(ステップS772:YES)、待機モード中AT当選フラグの設定状態を確認する(ステップS780)。
上記待機モード中AT当選フラグの設定状態がON状態(AT当選状態)でない場合には(ステップS774:NO)、「ハズレフリーズ時非当選告知演出処理」を行う(ステップS775)。このハズレフリーズ時非当選告知演出処理では、遊技モードが「ハズレ告知用フリーズモード(図9のL103)」に係る告知用フリーズ演出に対応した演出態様(フリーズ有り残念演出)を現出させるための「ハズレ告知用フリーズ演出データ」を設定する。なお、ここではAT抽選当選状態でないため、上記「ATモードフラグ」はOFF状態に設定される。
一方、待機モード中AT当選フラグの設定状態がON状態である場合には(ステップS774:YES)、「ハズレフリーズ時当選告知演出処理」を行う(ステップS776)。このハズレフリーズ時当選告知演出処理では、遊技モードが「ハズレ告知用フリーズ演出モード(図9のL103参照)」に滞在しているが、フリーズ待機モード中のAT抽選の結果‘AT抽選当選状態’となったために、その最終ゲーム目において、AT抽選に当選した旨を報知させるため、当選告知用の演出態様を現出させるための「ハズレフリーズ時当選告知用演出データ」を設定する。この「ハズレフリーズ時当選告知用演出データ」による演出態様は、たとえば、告知用フリーズ演出中において上記「ハズレ告知用フリーズ演出データ」による「フリーズ有り残念演出」と同じ演出態様が現出し、当該告知用フリーズ演出終了後の所定のタイミング(たとえば、回胴の停止操作時(第1〜第3停止操作を契機)、全回胴停止時(引き込み制御完了を契機)、遊技価値付与中(再遊技作動中や遊技メダル払い出し中の所定のタイミングの到来を契機)次回ゲームの賭数設定時など)で、AT抽選当選を告知する演出(復活演出)が現出される、といった演出態様(フリーズ有り復活演出)となっている。このような「復活演出」は、AT抽選非当選を報知する演出が発生しても、まだAT当選可能性が残されている、といったAT当選期待感を遊技者に与えることができるので、AT抽選非当選のハズレ告知時にも遊技者の緊張感を高め、遊技の面白みを向上させることができる。またここでは、AT当選状態中であるため、ATモード移行開始前の設定処理として、上記「ATモードフラグ」をON状態に設定する。
(「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(33H)」である場合)
最終ゲーム目において、演出モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(33H)」である場合(ステップS777:YES)、非フリーズ時当選告知演出処理を行う(ステップS779)。ここでは、遊技モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード1(図9のW104参照)」に係る演出態様(フリーズ無し祝福演出)を現出させるための「当選告知用演出データ」を設定する。またここでは、AT当選状態中であるため、ATモード移行開始前の設定処理として、上記「ATモードフラグ」をON状態に設定する。
(「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(43H)」である場合)
最終ゲーム目において、演出モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(43H)」である場合(ステップS778:YES)、待機モード中AT当選フラグの設定状態を確認する(ステップS780)
上記待機モード中AT当選フラグがON状態(AT当選状態)でない場合には(ステップS780:NO)、非フリーズ時ハズレ告知演出処理を行う(ステップS781)。この非フリーズ時ハズレ告知演出処理では、遊技モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード2(図9のL104参照)」に係る演出態様(フリーズ無し残念演出)を現出させるための「ハズレ告知用演出データ」を設定する。なお、ここではAT抽選当選状態でないため、上記「ATモードフラグ」はOFF状態に設定される。
一方、待機モード中AT当選フラグの設定状態がON状態である場合には(ステップS780:YES)、非フリーズ時当選告知演出処理を行う(ステップS782)。この非フリーズ時当選告知演出処理では、遊技モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード2」に滞在しているが、フリーズ待機モード中のAT抽選の結果‘AT抽選当選状態’となったために、その最終ゲーム目において、AT抽選に当選した旨を報知させるため、上述したステップS779の処理内容と同様に、当選告知用の演出態様(フリーズ無し祝福演出)を現出させるための「当選告知用演出データ」を設定する。またここでは、AT当選状態中であるため、ATモード移行開始前の設定処理として、上記「ATモードフラグ」をON状態に設定する。
(4−2.全回胴停止時演出処理:図29〜図30)
次に図29を参照して、全回胴停止時演出処理について説明する。図29に示す全回胴停止時演出処理は、全回胴が停止したとき演出処理であり、全回胴停止時に係る演出制御コマンド(たとえば、入賞情報コマンドやモード情報コマンドなど)に基づき実行される処理である。ここでは、特に本発明と関連の深い、入賞情報コマンドに含まれる情報に基づき実行される演出処理に着目して説明する。
図29において、演出制御部410は、まず「入賞情報コマンド」の内容を解析して、これに含まれる遊技結果情報を取得する(ステップS801)。この情報は、サブRAM421bの所定領域に格納される。
次いで、現在の演出モードを取得し(ステップS802)、演出モードに応じて(ステップS803〜S807)、「停止時通常演出モード中演出管理処理(ステップS808)」、「停止時移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS809)」、「停止時フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS810)」、「停止時前兆AT遊技中演出管理処理(ステップS811)」、「停止時AT遊技中演出管理処理(ステップS812)」、「その他の回胴停止時の演出管理処理(ステップS813)」を行う。これらの処理は、主に、各演出モードに応じて、全回胴停止時(遊技結果導出時)に係る演出(たとえば、入賞演出)の現出や、遊技結果に基づく演出状態の移行制御など、全回胴の停止時に要する演出処理を行う。上記した演出管理処理のうち、本発明と関連の深い「停止時フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS810)」については、後述の図30にて後述する。
(停止時移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS809)について)
なお「停止時移行リプレイアシストモード中演出管理処理(ステップS809)」は、演出モードが‘移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)’または‘移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)’の場合に実行される。
この停止時移行リプレイアシストモード中演出管理処理には、(α)移行リプレイ1アシスト報知モード(53H)中の場合において、移行リプレイ1が入賞した場合、演出モードを‘当選告知用フリーズ演出モード(12H)’に移行させる「移行リプレイ1停止時モード移行処理」と、(β)移行リプレイ2アシスト報知モード(63H)中の場合において、移行リプレイ2が入賞した場合、演出モードを‘ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)’に移行させる「移行リプレイ2停止時モード移行処理」とが含まれる。さらに、(γ)押し順ミスによる移行リプレイ3または通常リプレイ1が入賞した場合、演出モードを、AT抽選当選のときは‘押順ミス用フリーズ演出モード1(32H)’に移行させ、AT抽選非当選ときは‘押順ミス用フリーズ演出モード2(43H)’に移行させる「押し順ミス時モード移行処理」が含まれる。
これにより、たとえ遊技者が、移行リプレイA、Bに係るアシスト報知ゲームで押し順ミスをし、メインモードが正規のメインモードに移行されなくとも、次回ゲームから、AT抽選結果に対応したフリーズ待機モードに係る演出モードに移行させることができるようになっている。そして、最終ゲームの8ゲーム目に、AT抽選結果に対応した「告知演出」が現出され、AT抽選結果が遊技者に報知されることになる(図26の告知ゲーム終了時演出処理(ステップS760)参照)。
また「その他の回胴停止時の演出管理処理(ステップS813)」では、ボーナス遊技中や初期モード下における全回胴の停止時の演出処理を行う。
(4−2−1.停止時フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS810):図30)
次に図30を参照して、停止時フリーズ待機モード中演出管理処理(ステップS810)について説明する。図30は、停止時フリーズ待機モード中演出管理処理の詳細を示すフローチャートである。
この停止時フリーズ待機モード中演出管理処理では、演出モードが、フリーズ待機モードに係る演出モード(当選告知用フリーズ演出モード(12H)、ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)、押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(33H)、押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(43H):図9、図10(ロ)参照)中の演出処理が行われる。
図30において、演出制御部410は、まず、残余ゲーム数カウンタから残余ゲーム数を取得し、残余ゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS851)。残余ゲーム数がゼロである場合(ステップS851:=0)、今回のゲームでフリーズ待機モードが終了したとして、フリーズ待機モード終了時演出モード移行設定処理を行う(ステップS856)。
ここでは、ATモードフラグの設定状態を確認し、ATモードフラグがON状態である場合には、遊技モードを「前兆ATモード」に移行させるべく、演出モードを「前兆遊技(0CH)」に設定し、ATモードフラグがON状態でない場合、つまりOFF状態の場合には、遊技モードを「通常モード1」に移行させるべく、演出モードを「通常演出モード(FFH)」に設定する。なお、フリーズ待機モード終了時のメインモードは、通常遊技モード(FFH)に設定されるので(図18のフリーズ待機モード管理処理中のステップS436参照)、本処理において、「前兆ATモード」または「通常モード1」に移行されることになる(図10(ハ)参照)。そして、ステップS855に進み、今回の入賞役に応じて現出すべき演出の演出データを設定する(ステップS855)。これにより、停止時フリーズ待機モード中演出管理処理を抜ける。
しかし残余ゲーム数がゼロでない場合(ステップS852:≠0)、フリーズ待機モードが未だ継続中であるとして、次のステップ852〜S854のフリーズ待機モード中の昇格移行に関する処理を行う。
ステップ852の処理では、入賞役が「移行リプレイ1」であるか否かを判定する(ステップS852)。入賞役が移行リプレイ1である場合(ステップS852:YES)、次いで、待機モード中AT当選フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS853)。
待機モード中AT当選フラグがON状態である場合(ステップS853:YES)、昇格移行に関する「AT当選時移行リプレイ停止時モード別移行処理」を行う(ステップS854)。ここでは、現在の演出モードが「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」である場合、遊技モードを「当選告知用フリーズモード」に移行させるべく、演出モードを「当選告知用フリーズ演出モード(12H)」に設定する。
なお、「ハズレ告知用フリーズ演出モード(演出モード:22H)」に対応のメインモードは「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(メインモード:22H)」であるので、移行リプレイ1入賞時には、メインモードにもモード移行が生じて、「当選告知用フリーズ遊技モード(メインモード:12H)」に移行される(図18のステップS432〜S435参照)。これにより遊技モードが「当選告知用フリーズモード(図10(ハ)参照)」となり、ハズレ告知用フリーズモードから昇格移行されることになる。また現在の演出モードが「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)」以外である場合には、移行リプレイ1が入賞しても演出モードの移行は生じないようになっている。
〔第2の実施形態〕
以上に説明した実施形態(第1の実施形態)では、フリーズ待機モード前に実行されるAT抽選を契機にATモードに移行可能な形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、次のような実施形態(第2の実施形態)とすることができる。以下、図35を参照しながら、この第2の実施形態について説明する。
図35は、第2の実施形態に係る回胴式遊技機のフリーズ待機モード間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。本実施形態では、AT抽選に関し、フリーズ待機モードに入る前にはAT抽選を実行しない、またはフリーズ待機モードに入る前の遊技状態(たとえば、通常モード1)およびフリーズ待機モード中でAT抽選は実行するが、AT抽選によるATモードへの当選確率が、フリーズ待機モードに入る前の遊技状態よりもフリーズ待機モード中の方が高確率で当選する、といった遊技形態となっている。端的に言えば、本実施形態に係るフリーズ待機モードは、少なくとも通常モード1よりもATモードへの移行確率が高確率状態に変動した「AT高確モード」として作用する。したがって、フリーズ待機モードに移行するか否かで、遊技者の利益が大きく左右されうる遊技性を持つ。
なお以下では、説明の便宜上、フリーズ待機モード以外の遊技モード中は、AT抽選が実行されない遊技形態を代表的に説明する。また上記した第1の実施形態と実質的に同じ構成要素についての説明は重複記載を避けるために適宜省略し、第1の実施形態と異なる点を中心的に説明する。
図35を参照して、第2の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、通常モード1において、フリーズ待機モードに移行するための「AT高確モード移行抽選」が実行され(図35のA201の欄参照)、このAT高確モード移行抽選に当選すると、フリーズ待機モードに移行されるようになっている。このAT高確モード移行抽選は、演出制御部410側において、図36に示す「AT高確モード移行抽選テーブル」に基づいて実行される。
上記「AT高確モード移行抽選テーブル」には、演出モードが、初期演出モード(F0H)または通常演出モード(FFH)中である場合に利用され、「フリーズ待機モード」、つまり「AT高確モード」への移行抽選確率が、当選役種別(AT高確モード抽選契機役)とフリーズ演出種別(フリーズ未発生、フリーズ1〜3)に関連付けて定められている。たとえば、通常ゲーム1(通常演出モード:FFH)中において、今回のゲームで‘強スイカ(当選番号5)’に当選し、かつフリーズ演出種別が‘未発生’(図示の未発生)場合、このケースでは、‘64/256’の確率で、AT高確モード移行抽選に「当選」となる。なおAT高確モードには、基本的には、当選確率の低い抽選対象役ほど、当選確率の低いフリーズ演出種別ほど、高確率でAT高確モード移行抽選に当選するようになっている。ただし、強チェリーは、強スイカよりも内部抽選確率は低確率であるが、例外的に、AT高確モードへの当選期待度が相対的に高まるように定められている。
上記AT高確モード移行抽選に当選した場合、演出モードに移行が生じて、現在の「通常モード1」から「通常モード3」に移行される(図35のA201→L201の遊技ルート参照)。本実施形態では、AT高確モード移行抽選に当選するか否かがATモードに移行するための第1の条件となっている。したがって、上記AT高確モード移行抽選に当選するか否かが、遊技者の最大の関心事の一つといえる。
上記AT高確モード移行抽選に当選し、遊技モードが「通常モード3」に移行されると、移行リプレイBの当選を契機に移行リプレイ2のアシスト報知が発生し、遊技者がその内容に従い回胴を停止操作すれば、遊技モードが、フリーズ待機モードに係る「ハズレ告知用フリーズモード(‘メインモード22H’+‘演出モード22H’)」に移行され(図示のL201→L202の遊技ルート参照)、押し順ミスをした場合には「押順ミス用非フリーズモード2(‘メインモード32H’+‘演出モード43H’)」に移行されるようになっている(図示のL201→M201の遊技ルート参照)。
ここで本実施形態では、最初に移行されるフリーズ待機モードが、‘AT抽選非当選状態’に係る「ハズレ告知用フリーズモード」または「押順ミス用非フリーズモード2」に移行されるようになっている。これは、本実施形態の場合、フリーズ待機モード中にATモード移行契機となるAT抽選が実行されうるからである。つまり、フリーズ待機モード中のAT抽選に当選することがATモードに移行するための第2の条件となっている。したがって、上記フリーズ待機モード中のAT抽選に当選するか否かが、遊技者が最も期待を寄せる事象であるといえる。この点、通常モード1中にAT抽選が実行され、そのAT抽選後にフリーズ待機モードに移行しうる第1の実施形態とは性質を異にする。
(フリーズ待機モード(AT高確モード)中のAT抽選)
上記AT抽選は、演出制御部410側において、図37に示す「AT高確モード中AT抽選テーブル」に基づいて実行される。ここでの「AT高確モード中AT抽選テーブル」は、演出モードが、フリーズ待機モードに係る「ハズレ告知用フリーズ演出モード(22H)または押順ミス用非フリーズモード(非当選中)(43H))中である場合に利用され、基本的構成は、図31のAT抽選テーブルと同じであるのでその説明は省略する。
上記した「AT高確モード中AT抽選テーブル」が図31のAT抽選テーブルと異なる点は、図示のように、AT抽選による当選確率が相対的に高確率に定められている点である。たとえば、今回のゲームで‘強スイカ(当選番号5)’に当選し、かつフリーズ演出種別が‘未発生’(図示の未発生)であれば、「12288/65536」の確率でAT抽選当選となり、図31のAT抽選よりも当選確率が高い。また、AT高確モード中AT抽選の抽選契機役の種類は、図31のAT抽選のそれよりも多く設けられている(たとえば、AT1、通常リプレイA、特殊リプレイAなど)。なお、通常モード1中においてもAT抽選を実行するように構成しても良いが、AT高確モードの意義を持たせるためには、少なくとも、通常モード1よりもAT高確モードの方がAT抽選当選確率(ATモード移行確率)を相対的に高くすることが重要である。
本実施形態では、「ハズレ告知用フリーズモード」に移行されたのか、「押順ミス用非フリーズモード2(非当選)」に移行されたのかに応じて、その後の遊技ルートが異なる。以下、「ハズレ告知用フリーズモード」に移行した場合と、「押順ミス用非フリーズモード2」に移行した場合とに分けて説明する。
(通常モード3からハズレ告知用フリーズモードに移行した場合:第5〜第7の遊技ルート)
先ず、「ハズレ告知用フリーズモード」に移行した場合のフリーズ待機モード中の遊技遷移状態について説明する。この「ハズレ告知用フリーズモード」に移行した場合、下記の(ホ)第5の遊技ルートと、(ヘ)第6の遊技ルートと、および(ト)第7の遊技ルートとがある。
(第5の遊技ルート:フリーズ待機モード中にAT抽選に当選した場合)
(ホ)「ハズレ告知用フリーズモード(L202:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→(AT抽選当選、移行リプレイ1入賞(ここでは、移行リプレイA当選時のアシスト報知が条件)による遊技モード移行)→最終ゲーム「当選告知用フリーズモード(W203:告知演出の8ゲーム目)」、「フリーズ有り祝福演出」が発生。
(第6の遊技ルート:フリーズ待機モード中にAT抽選に当選したが、フリーズ待機モード中に遊技モード移行に係る抽選対象役(移行リプレイ1)に当選しなかった場合)
(ヘ)「ハズレ告知用フリーズモード(L202:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→(AT抽選当選、移行リプレイ1非入賞、遊技モード移行無し)→最終ゲーム「ハズレ告知用フリーズモード(W203:告知演出の8ゲーム目)」、「フリーズ有り復活演出」が発生。
(第7の遊技ルート:フリーズ待機モード中にAT抽選に非当選であった場合)
(ト)「ハズレ告知用フリーズモード(L202:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→(AT抽選非当選、遊技モード移行無し)→最終ゲーム「ハズレ告知用フリーズモード(W203:告知演出の8ゲーム目)」、「フリーズ有り残念演出」が発生。
上記第5の遊技ルートは、「ハズレ告知用フリーズモード(L202)」中にAT抽選に当選し、そのAT当選状態において、フリーズ待機モードが終了する最終ゲーム(8ゲーム)手前のゲーム数目(7ゲーム目)までに、移行リプレイAに当選すると移行リプレイ1のアシスト報知が発生する。このとき、移行リプレイ1が入賞すると遊技モードが「ハズレ告知用フリーズモード(L202)」から「当選告知用フリーズモード(W203)」に昇格移行される、といった遊技ルートである。この第5の遊技ルートは、第1の実施形態の「ハズレ告知用フリーズモード(L102)」中に、AT抽選当選状態となり、最終的に「当選告知用フリーズモード(W103)」に昇格移行されるケースと実質的に同じである。なお、第5の遊技ルートに係る最終ゲームの告知態様は、第1の実施形態に係る「当選告知用フリーズモード(W103)」と同じである(第1の実施形態の上記「(ハ)第3の遊技ルート」の記載、図27のS773参照)。
上記第6の遊技ルートは、「ハズレ告知用フリーズモード」中にAT抽選に当選したが、フリーズ待機モードが終了する8ゲーム手前の7ゲーム目までに、移行リプレイAに当選せずに、そのまま最終ゲームまで「ハズレ告知用フリーズモード」に滞在する、といった遊技ルートである。この第6の遊技ルートは、第1の実施形態の「ハズレ告知用フリーズモード(L102)」中に、AT抽選当選状態となったが、昇格移行が生じず、そのまま最終ゲームまで「ハズレ告知用フリーズモード(L103)」に滞在するケースと実質的に同じである。なお、第6の遊技ルートに係る最終ゲームの告知態様は、第1の実施形態に係る「ハズレ告知用フリーズモード(W103)」中の「フリーズ有り復活演出」が現出される場合と同じである(第1の実施形態の上記「(ハ)第3の遊技ルート」の記載、図27のステップS774:YES→S776の処理ルート参照)。
上記第7の遊技ルートは、「ハズレ告知用フリーズモード」中にAT抽選に当選せずに、そのまま最終ゲームまで「ハズレ告知用フリーズモード」に滞在する、といった遊技ルートである。この第7の遊技ルートは、第1の実施形態の「ハズレ告知用フリーズモード(L102)」中に、AT抽選に当選しなかったケースと実質的に同じである(図27のステップS774:NO→S775の処理ルート参照)。なお、第7の遊技ルートに係る最終ゲームの告知態様は、第1の実施形態に係る「ハズレ告知用フリーズモード(W103)」中の「フリーズ有り残念演出」が現出される場合と同じである(第1の実施形態の上記「(ハ)第3の遊技ルート」の記載、図27のステップS774:NO→S776参照)。
(通常モード3から押順ミス用非フリーズモード2(非当選)に移行した場合:第8〜第9の遊技ルート)
次に、「押順ミス用非フリーズモード2(非当選)」に移行した場合のフリーズ待機モード中の遊技遷移状態について説明する。この「押順ミス用非フリーズモード2(非当選)」に移行した場合、下記の(チ)第8の遊技ルートと、(リ)第9の遊技ルートとがある。
(第8の遊技ルート:フリーズ待機モード中にAT抽選に当選した場合)
(チ)「押順ミス用非フリーズモード2(M201:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→(AT抽選当選)→「押順ミス用非フリーズモード1(W204:告知演出の8ゲーム目)」、「フリーズ無し祝福演出」が発生。
(第9の遊技ルート:フリーズ待機モード中にAT抽選に非当選であった場合)
(リ)「押順ミス用非フリーズモード2(M201:煽り演出区間の1〜7ゲーム間)」→(AT抽選非当選)→「押順ミス用非フリーズモード2(L204:告知演出の8ゲーム目)」、「フリーズ無し残念演出」が発生。
上記第8の遊技ルートは、「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(M201)」中にAT抽選に当選し、遊技モードが昇格移行され(演出モードが「33H」に移行)、「押順ミス用非フリーズモード1(M201)」に滞在する、といった遊技ルートである。この第8の遊技ルートは、第1の実施形態の「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(M101)」にAT抽選に当選し、「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(L201)」に昇格移行されるケースと実質的に同じである。なお、第8の遊技ルートに係る最終ゲームの告知態様は、第1の実施形態に係る「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(W104)」中の「フリーズ無し祝福演出」が現出される場合と同じである(図28のステップS778:YES→S782の処理ルート参照)。
上記第9の遊技ルートは、「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(M201)」中にAT抽選に当選せずに、そのまま最終ゲームまで「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(L204)」に滞在する、といった遊技ルートである。この第9の遊技ルートは、第1の実施形態の「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(M101)」中に、AT抽選に当選しなかったケースと実質的に同じである。なお、第9の遊技ルートに係る最終ゲームの告知態様は、第1の実施形態に係る「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(L104)」中の「フリーズ無し残念演出」が現出される場合と同じである(図28のステップS778:NO→S781の処理ルート参照)
(通常モード3中の移行リプレイBに係る通常リプレイ1入賞について)
なお図示はしていないが、通常モード3中の移行リプレイ2のアシスト報知発生時に、遊技者が押し順ミスをして「通常リプレイ1」が入賞した場合、メインモードは移行しないが、演出モードは「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(M201)」に移行させ、演出上は、疑似的な「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」を装うようにする。
この場合、主制御部400側では「通常遊技モード(FFH)」として遊技処理を行うことになるが、演出モードが「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」であるため、遊技モード自体は、疑似的な「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(メインモード「FFH」+演出モード「43H」)」となる。つまり、演出制御部410側の制御により、メインモードが本来の遊技モードに移行しなかったとしても、演出処理により、AT高確モードに移行させる。これにより、演出上は、AT高確モードである「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)」と同じ演出モードとなり、遊技者に不利益を与えることもなく、また最終ゲーム目において、AT抽選結果を報知することができるので、特に問題は生じないと考えられる。この点、第1の実施形態における、通常モード2、3中の移行リプレイ1、2のアシスト報知発生時に、押し順ミスにより通常リプレイ1が入賞した場合と同じである。
本実施形態では、上記のような第5〜第9のいずれかの遊技ルートを辿り、前兆ATモードを介して、ATモードに移行するようになっている。
なお本実施形態(第2の実施形態)では、フリーズ待機モード中に限りAT抽選を実行する形態を説明したが、フリーズ待機モード中以外の他の遊技モード、たとえば、初期モードや通常モード1においてAT抽選が実行されても良い。ただし本実施形態のように、フリーズ待機モードを「AT高確モード」として機能させて他の遊技モードよりもAT当選期待感を与える、といった遊技モードの場合、上述の他の遊技モードでのAT抽選の当選確率は、AT高確モード中におけるAT抽選の当選確率よりも低確率とすることが好ましい。
以上に説明した第2の実施形態は、次のように構成することができる。なお、括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の操作を契機に、複数種類の役を対象に抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11のS16(内部抽選処理)、図5(役抽選テーブル))と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11のS19(回胴停止処理))と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御する遅延状態制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図11のS18(回胴回転開始設定処理)、図33)と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって
所定の抽選条件に基づき、遊技者に対する第1の特典付与(たとえば、AT高確モード)に関する第1の付与抽選(AT高確モード移行抽選)を実行する第1の利益付与抽選手段と、
第1の利益付与抽選手段による付与抽選結果に基づき、第1の特定条件を成立させる(たとえば、AT高確モード(フリーズ待機モード)移行確定条件の成立。本実施形態の場合、AT高確モード抽選に当選し、通常モード3中の移行リプレイBの当選したゲームでの移行リプレイ2のアシスト報知の実行が第1の特定条件が成立となっている)特定条件成立手段と、
前記第1の特定条件が成立した場合、所定の抽選条件に基づき、遊技者に対する第2の特典付与(ATモード移行)に関する第2の付与抽選(AT抽選)を実行する第2の利益付与抽選手段と、
前記第1の特定条件が成立したゲームを基点ゲームとし(たとえば、通常モード3中の移行リプレイ2のアシスト報知の実行ゲーム)、その基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先を(たとえば、基点ゲーム後から8ゲーム目)、前記第2の付与抽選結果に関する情報を報知する抽選結果報知演出が実行される報知演出実行ゲームとして決定する(たとえば、AT抽選結果を報知する告知演出を実行するゲームを、基点ゲームから8ゲーム先に決定する)報知演出実行ゲーム決定手段と、
前記基点ゲーム後に前記第1の特典付与に関連する第1の遊技モード(AT高確モード(フリーズ待機モード))を実行制御する第1の遊技モード制御手段と、
前記第2の付与抽選結果に基づき、前記報知演出実行ゲーム後、前記第2の特典付与に関連する第2の遊技モード(AT抽選に当選した場合には、フリーズ待機モード終了後に、ATモードに移行させる)を実行制御する第2の遊技モード制御手段と、
を備え、
前記第1の特定条件が成立した後、第1の条件が成立した場合には(たとえば、AT抽選に当選し、移行リプレイ1が入賞した場合)、前記報知演出実行ゲームにおいて、前記遅延状態(フリーズ状態)に伴って前記抽選結果報知演出を実行し(たとえば、当選告知用フリーズ演出(たとえば、フリーズ有り祝福演出)、ハズレ告知用フリーズ演出(たとえば、フリーズ有り残念演出)など:図35の最終ゲームの8G目参照)、
前記第1の特定条件が成立した後、第2の条件が成立した場合には(たとえば、AT抽選に当選し、その後に実行されたアシスト報知中に押し順ミスにより移行リプレイ1が入賞しなかった場合、またはAT抽選に非当選の場合)、前記報知演出実行ゲームにおいて、遅延状態を伴わずに抽選結果報知演出(たとえば、当選告知用フリーズ無し演出(たとえば、フリーズ無し祝福演出)、ハズレ告知用フリーズ無し演出(たとえば、フリーズ無し残念演出)など:図35の最終ゲーム8G目参照)を実行可能な構成とすることができる。
〔第3の実施形態〕
上記の第1の実施形態および第2の実施形態では、フリーズ演出の発生が予定されるゲーム(以下、「基点ゲーム」と称する)を、移行リプレイA、Bのような「状態移行契機役」に係る入賞役(移行リプレイ1〜3)の成立(入賞)したゲーム、つまり「基点ゲーム」から少なくとも複数ゲーム先(基点ゲーム後の8ゲーム先)に決定される形態について説明した(図9のW101→W102、W101→M101、L101→L102、図35のL202、M201参照)。しかし本発明はこれに限らず、次のような契機に基づいて、フリーズ待機モードの基点ゲームを決定することができる。これについて、以下、第3の実施形態として説明する。
この第3の実施形態は、「押順規定役(AT1〜4、移行リプレイA、B、または特殊リプレイA、Bなど)」に係る特定の図柄の組合せ(移行契機入賞役)の連続入賞回数が所定回数に達したことを契機として、フリーズ待機モードの基点ゲームを決定可能な実施形態となっている。以下、これについて詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
ここでは、所定の移行条件成立の下(たとえば、第1の実施形態と同じく、AT抽選に当選、または偽フリーズ待機モード抽選に当選した場合)、特定の押順規定役に係る所定の入賞役(移行契機入賞役)が複数回(たとえば、2回)連続入賞した場合、当該ゲームを基点ゲームとして決定し、その基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先を付与抽選結果(たとえば、AT抽選結果)に関する情報を報知するための「抽選結果報知演出」が実行される実行ゲームとして決定する形態について説明する。
第3の実施形態の理解を容易なものとするために、本実施形態に係る基点ゲームの決定の流れを簡単に説明しておく。
本実施形態では、まずAT抽選が実行され、そのAT抽選結果(たとえば、第1の実施形態のAT抽選に当選、または偽フリーズ待機モード抽選に当選)に基づき、移行リプレイ1または移行リプレイ2、アシスト報知許容状態(たとえば、第1の実施形態の通常モード2、または通常モード3に相当)が発生する。このアシスト報知許容状態下では、移行契機入賞役(たとえば、移行リプレイ1または移行リプレイ2))の入賞を許容する押順規定役(たとえば、移行リプレイAまたは移行リプレイB)が当選したことを契機に、その役を入賞させるためのアシスト報知を複数ゲームに亘り連続的に発生させる。
説明の便宜のために、上述のアシスト報知許容状態下を、第1の実施形態の通常モード2であるとすれば、移行リプレイAの「移行リプレイ1」が‘2回連続入賞’した場合には、これを以って、真のフリーズ待機モード(当選告知用フリーズモード)の基点ゲームとして決定する(たとえば、2回連続入賞で次回ゲームから図9のW102に移行する)。一方、通常モード3であるとすれば、移行リプレイBの「移行リプレイ2」が‘2回連続入賞’した場合、これを以って、偽のフリーズ待機モード(ハズレ告知用フリーズモード)の基点ゲームとして決定する(たとえば、2回連続入賞で、次回ゲームから図9のL102に移行する)。この基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先を(たとえば、基点ゲーム後から8ゲーム目)、AT抽選結果に関する情報を報知する抽選結果報知演出を実行するための実行ゲームとして決定される。上記当選告知用フリーズモードでは、実行ゲームにおける抽選結果報知演出として、第1の実施形態と同じように「遅延状態(フリーズ状態)を伴う報知演出(たとえば、フリーズ有り祝福演出、またはフリーズ有り残念演出)」が実行され、上記ハズレ告知用フリーズモードでは、「遅延状態(フリーズ状態)を伴わない報知演出(たとえば、フリーズ無し祝福演出、またはフリーズ無し残念演出)」を実行されることになる。
なお、ここでいう「連続入賞」とは、たとえば、1回目の移行リプレイ1が入賞した後、それ以後のゲームで、再度、移行リプレイAに当選して移行リプレイ1が入賞した場合とする。つまり、1回目の移行リプレイ1が入賞した後、それ以後のゲームで、移行リプレイ1を取りこぼしてしまうと、この「連続入賞」とはならずに、フリーズ待機モードに移行されない。ここで問題となるのは、押し順ミスにより、アシスト報知に従ったならば入賞するはずだった特定の入賞役が入賞しなかった場合である(ここでは、移行リプレイ1または移行リプレイ2を取りこぼして、連続入賞できなかった場合が該当する)。特に、特定の入賞役の連続入賞を条件としてフリーズ待機モードの基点ゲームを決定する構成とした場合、連続入賞できなければ、フリーズ待機モードに移行することができず、再度、特定の入賞役の連続入賞(特定の入賞役の入賞を許容する抽選対象役の当選)を待つことになる。このため、フリーズ待機モードに移行するまでのゲーム数が無闇に嵩んでしまい、ゲーム進行に遅延が生じてしまう。
そこで本実施形態では、仮に押し順ミスをしてしまったとしても、このときは、第1の実施形態と同じように、基点ゲームから複数ゲーム先において、フリーズ状態を伴わない報知演出を実行するための「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)」または「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)」に相当するフリーズ待機モードに移行させるようにする。これにより、内部的にフリーズ待機モードへの移行が決定された場合には、必ず、フリーズ待機モードに移行されて、その最終ゲーム目において、AT抽選の当否結果を必ず報知されることになり、押し順ミスをしてもゲーム数が無闇に嵩むことなく、ゲーム進行に遅延が生じてしまうことを防止することができる。
ここで本実施形態に関し、主制御部400と演出制御部410との制御関係を次のように連係させる事が好ましい。以下では、説明の便宜上、重複記載を避けるために、AT抽選に当選した場合における、移行リプレイAに係る‘移行リプレイ1’が2回連続入賞した場合と、フリーズ待機モードへの移行が決定されたが、押し順ミスにより、移行リプレイ1’が0回または1回しか入賞できなかった場合とに着目して説明し、AT抽選に非当選(ハズレ)となった場合における、移行リプレイBに係る‘移行リプレイ2’が連続入賞した場合、および押し順ミスがあった場合については、適宜省略しながら説明する。
まず演出制御部410側におけるAT抽選を契機に、フリーズ待機モード(ここでは、真のフリーズ待機モード、または偽のフリーズ待機モード)に移行させるか否かを決定する。ここではAT抽選に当選したケースを代表的に説明しているので、演出制御部410側によるアシスト報知として、移行リプレイA当選時に「移行リプレイ1」のアシスト報知が実行されることになる。この点、第1の実施形態に係る「通常モード2」滞在時と実質的に同じ制御となっている。
主制御部400側では、移行リプレイ1の入賞回数をカウントし、連続入賞があった場合には、当該ゲームを基点ゲームとし、その基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先(たとえば、8ゲーム先)に、AT抽選結果を報知する報知演出を実行する実行ゲームとして決定する。
具体的には、主制御部400は、特定の入賞役(ここでは、移行リプレイ1)の連続入賞回数カウンタを備え、当該カウンタのカウンタ値に基づいて、現在のメインモードから他のメインモードに移行制御可能となっている。本実施形態の場合、主制御部400側において、移行リプレイ1が連続入賞(ここでは、2回連続入賞)したか否かを「移行リプレイ1用の連続入賞回数カウンタ」により監視し、移行リプレイ1の連続入賞に応じて「当選告知用フリーズ遊技モード(メインモード:12H)」に移行制御可能に構成されている。なお、この「移行リプレイ1連続入賞回数カウンタ」は、連続入賞が無かった場合に「ゼロクリア」される。また本実施形態では、移行リプレイ2の連続入賞を監視するための「移行リプレイ2用の連続入賞回数カウンタ」も備えており、当該カウンタのカウンタ値に基づいて、「ハズレ告知用フリーズ遊技モード(メインモード:22H)」に移行制御可能に構成されている。
(押し順ミスにより連続入賞しなかった場合について)
上述のように、移行リプレイ1、2が連続入賞しない限りは、フリーズの発生を予定しない、つまり押し順ミスにより、移行リプレイ1、2が「0回」または「1回」しか入賞せず連続入賞とならなかった場合、フリーズの発生を予定しない。しかしこの場合には、第1の実施形態と同じように、AT抽選結果の報知については、演出制御部410側の演出制御に委ねて、フリーズ演出を発生させなくともAT抽選結果を正しく報知させることができるようになっている。これについて以下、詳述する。
主制御部400側は、既に説明したように、演出制御部410側が管理する演出モードやAT抽選による抽選結果や今回のゲームでどのようなアシスト報知が発生したかなどについて、これを知ることができない。つまり主制御部400側は、移行リプレイ1、2が入賞した際、フリーズを予定すべき連続入賞回数があったか否かを管理しているだけであり、たとえば、移行リプレイ1が入賞した場合、それがAT抽選当選に基づくアシスト報知発生ゲームで入賞したものであるのか、それとも遊技者の押し順ミスにより入賞したものなのかを知ることができない。
一方、演出制御部410側においては、AT抽選結果、演出モード、アシスト報知種別などに関する演出処理により、これらの実行状態を把握しているので、フリーズ待機モードに移行させる場合には、移行リプレイ1を2回連続入賞させるべく、移行リプレイAの当選時には、移行リプレイ1を対象としたアシスト報知を少なくとも2回実行する。このとき、遊技者が正しくアシスト報知内容に従えば、移行リプレイ1の連続入賞が確定的となる。しかし、遊技者が押し順ミスをして、移行リプレイ1が連続入賞しなかったケースが生じうる。
そこで本実施形態では、アシスト報知を上限回数(ここでは、2回とする)実行し、この上限回数実行しても移行リプレイ1が連続入賞しなかった場合は、AT抽選結果に応じて、第1の実施形態のように、「押順ミス用非フリーズ演出モード1(当選中)(たとえば、第1の実施形態における演出モード:33H)」、または「押順ミス用非フリーズ演出モード2(非当選中)(たとえば、第1の実施形態における演出モード:43H)」)に相当するフリーズ無しのフリーズ待機モードに移行させる。
つまり、演出制御部410側において、アシスト報知が上限回数実行された当該ゲームを基点ゲームとし、この基点ゲームから少なくとも複数ゲーム先に(たとえば、基点ゲーム後の8ゲーム目)、AT抽選結果に関する情報を報せる抽選結果報知演出が実行される実行ゲームとして決定し、これに伴い、演出モードについては、フリーズ待機モードに関連した演出モードへと移行させる。本実施形態では、フリーズ待機モードに移行させることが決定された場合、アシスト報知を発生させるが、このアシスト報知の実行回数を所定の上限回数に制限する。そして、アシスト報知が当該上限回数実行されたゲームを基点ゲームとし、この基点ゲームから複数ゲーム先に、AT抽選結果を報知する報知演出を実行するための実行ゲームを決定する。これにより、第1の実施形態と同じく、遊技者が押し順ミスをしなければ、連続入賞によりフリーズ有りのフリーズ待機モードに移行させ(当選告知用フリーズモード、またはハズレ告知用フリーズモード)、遊技者が押し順ミスをしても、フリーズ無しのフリーズ待機モードに移行させ(押順ミス用非フリーズモード1、2)、いずれの場合も上記実行ゲームにおいて報知演出を実行して、AT抽選結果を必ず報知させることができるようになっている。このように、遊技者が押し順ミスをして本来移行されるべき正しい遊技モードに移行されなくとも、演出制御部410側による演出制御により、AT抽選結果を正しく報知させることができる。
なお、この第3の実施形態では、フリーズ待機モードに関連する基点ゲームを決定する抽選対象役として、移行リプレイA、Bのような「押順規定再遊技役」を代表例にとり説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、AT1〜4のような押順規定小役を採用することができる。たとえば、12枚AT役に係るアシスト報知を所定の上限回数(たとえば、2回)実行し、12枚AT役が連続入賞した場合には、フリーズ演出が発生するフリーズ待機モードに移行させ、押し順ミスをして12枚AT役が連続入賞しなかった場合にはフリーズ無しのフリーズ待機モードに移行させ、いずれの場合も上記実行ゲームにおいて報知演出を実行して、AT抽選結果を必ず報知させる。
なお本実施形態では、AT1〜4に係る12枚AT役の押し順が一種類のため、アシスト報知が発生した場合、遊技内容を良く知る遊技者であれば、アシスト報知演出態様自体が同じ演出態様としても、報知される押し順により当選役種別が判明してしまうことになり、遊技の面白みが低下してしまう。つまり、フリーズ有りのフリーズ待機モードに移行させるために、アシスト報知してしまうと、その押し順からいずれのフリーズ待機モードに移行されるのかが遊技者に悟られてしまい、その結果、フリーズ待機モードの存在意義を損なう恐れがある。このような場合、AT役についても移行リプレイAと移行リプレイBとの関係と同様に、異なるAT役同士で、12枚AT役が入賞する押し順を同じ押し順となるように定めれば良い。また本実施形態では、AT1に係る12枚AT役の押し順が「順押し」と定められており、この押し順は正規手順として定められている。したがって、本実施形態の場合、AT2〜AT4の全部または一部同士で、遊技者に悟られないように、押し順を適宜割り当てるようにすれば良い。
〔第4の実施形態〕
また第4の実施形態として、上記第1〜第3の実施形態に係る基点ゲームを、次のように決定することができる。
この第4の実施形態は、AT抽選結果によりフリーズ待機モードの移行が決定された場合、その決定されたゲーム後、所定のゲーム数(前兆ゲーム数)を消化したことを条件として、基点ゲームを定める形態である。具体的には、AT抽選結果に基づき、フリーズ待機モードに移行することを決定した場合、たとえば、32ゲームの前兆ゲームを消化した後に、押順規定役に係るアシスト報知許容状態(たとえば、通常モード2または通常モード3)に移行させる。そして、既に説明した第1〜第3の実施形態と同じく、移行リプレイA、Bなどのモード移行契機役に関するアシスト報知の実行が決定されたゲームを、基点ゲーム数として決定する。
このように、フリーズ待機モードの移行が決定された場合、前兆ゲーム数を消化することで基点ゲームが決定される構成では、当該前兆ゲーム間において、フリーズ待機モードへの移行期待感を煽る演出(前兆演出)を現出させることができる。また、AT抽選が実行されてもフリーズ待機モードに移行されない場合もあるが(たとえば、偽フリーズ待機モード抽選に非当選となった場合)、この場合にも前兆演出を現出させ、フリーズ待機モードへの移行期待感を煽ることが好ましい。つまり、(A)AT抽選に当選した場合(真のフリーズ待機モードへの移行決定)、または(B)AT抽選に非当選であるが偽フリーズ待機モード抽選に当選した場合(偽のフリーズ待機モードへの移行決定)、あるいは(C)AT抽選に当選せずに偽フリーズ待機モード抽選にも当選しなかった場合のいずれのケースにおいても、前兆ゲーム中の遊技期間において、前兆演出を現出可能な構成とし、フリーズ待機モードへの移行期待感を煽るようにする。この場合、上述の(A)〜(C)のいずれのケースであるかを遊技者に推測要素を与えるため、フリーズ待機モードへの移行期待感が異なる複数種類の前兆演出(低期待度前兆演出、中期待度前兆演出、高期待度前兆演出)を設け、当該(A)〜(C)に応じた選択率で、複数種類の前兆演出のうちからいずれかの前兆演出を選択可能に構成することが好ましい。たとえば、(A)の場合には高期待度前兆演出の選択率を他の前兆演出よりも相対的に高確率とし、(B)の場合には中期待度前兆演出の選択率を他の前兆演出よりも相対的に高確率とし、(C)の場合には低期待度前兆演出の選択率を他の前兆演出よりも相対的に高確率とすることができる。
上記前兆演出を設けることで、AT抽選契機役が当選した場合、遊技者が前兆ゲームを消化するまでの遊技期間は、フリーズ待機モード移行への緊張感や期待感を持ちながら遊技に興じることができる。また遊技者が前兆ゲームを消化するまで遊技を続行する可能性が高まり、遊技機の稼動率も高めることができる。
また上述の(A)〜(C)の場合、前兆演出を所定の抽選(前兆演出抽選)を実行し(前兆演出抽選手段)、その抽選結果に基づき、現出させるように構成することができる(前兆演出実行手段)。この場合、前兆演出抽選に非当選となった場合には通常時の演出を現出させるように構成することができる。しかし、前兆演出抽選に非当選となり前兆演出が現出されない場合であっても、内部的には、フリーズ待機モードへの移行が決定されている場合(上記(A)または(B)の場合)には、前兆ゲーム消化後に、突発的に「フリーズ待機モード前兆中演出」が現出されるので、遊技者の意表を突く、インパクトのある演出とすることができる。また、前兆演出が現出されない場合であっても、AT抽選契機役が当選したことを遊技者が演出や遊技結果などにより知った場合には、前兆演出が現出されなかったからといって、必ずしも、フリーズ待機モードへの移行しないことや、AT抽選が非当選であることが明確とはならないので、遊技者が前兆ゲームを消化するまで遊技を続行する可能性が高まり、遊技機の稼動率も高める、といった利点もある。
なお、上記前兆演出抽選による前兆演出を現出する確率は適宜定めることができる。好ましくは、フリーズ待機モード移行が確定する場合(上記(A)または上記(B)の場合)の方がフリーズ待機モード移行しないよりも相対的に高確率で当選とする。また、上記(A)(真のフリーズ待機モード移行決定)の場合の方が上記(B)(偽のフリーズ待機モード移行決定)の場合よりも相対的に高確率で当選とする。
また上記前兆ゲーム数を複数種類設け(たとえば、8ゲーム、16ゲーム、32ゲームなど)、抽選により、いずれかの前兆ゲーム数を決定するように構成することができる(前兆ゲーム数を複数種類のゲーム数のうちから決定する前兆ゲーム数抽選手段)。このようにしても、前兆ゲームが消化するまでの遊技期間は、緊張感や期待感を持ちながら遊技に興じることができ、また遊技者は、前兆ゲームが消化するまで遊技を続行する可能性が高くなり、遊技機の稼動率を高めることができる。
〔第5の実施形態〕
また、第1〜第4の実施形態を次のような実施形態(第5の実施形態)とすることができる。
上記に説明した第1〜第4の実施形態では、AT抽選を契機にフリーズ待機モードへの移行が定まる形態として説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、下記(D)〜(I)のように構成することができる。
(D)特定の条件が成立した後、所定のゲーム数が消化された場合(天井ゲーム数に到達した場合)、フリーズ待機モードに移行させる。
(E)特定の条件が成立した後、所定のゲーム数が消化されるごとに(天井ゲーム数到達ごとに(周期天井ゲーム数到達ごとに))、フリーズ待機モードに移行させる(所謂「周期天井ゲーム数」有りの構成)。
(F)特定の条件が成立した後、所定のゲーム数が消化された場合(天井ゲーム数に到達した場合)、強制的にAT抽選を実行する(たとえば、天井ゲーム数に到達した当該ゲームにおいて、抽選対象役に対応してAT抽選確率を定めた所定のAT抽選テーブルを利用して、AT抽選を実行する)。
(G)特定の条件が成立した後、所定のゲーム数が消化されるごとに、強制的にAT抽選を実行する(「周期天井ゲーム数」有りの構成)。
(H)特定の条件が成立した後、所定のゲーム数が消化された場合(天井ゲーム数に到達した場合)、強制的にAT高確モードに移行させる(たとえば、天井ゲーム数に到達した当該ゲーム後、AT高確モードに移行させる)。
(I)特定の条件が成立した後、所定のゲーム数が消化されるごとに、強制的にAT高確モードに移行させる(「周期天井ゲーム数」有りの構成)。
ここで上記「特定の条件」とは、天井ゲーム数や周期天井ゲーム数の基点となるゲームを定める条件であり、たとえば、特定の遊技モード(特定のメインモードや特定の演出モードなど)が終了した後(たとえば、ATモード終了ゲーム後や、ボーナス遊技終了ゲーム後、通常モードに移行した後など)や、メイン電源投入後や、RAMクリア後、などが挙げられる。ただし、本発明は、これらの条件に制限されることはない。なお上記(D)〜(I)のうち、1または複数種類を組合せた構成を、第1〜第4の実施形態に適用することができる。斯様な上記(D)〜(I)の条件を設けることにより、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
また上記天井ゲームや周期天井ゲームを設ける構成は、特に、フリーズ待機モードが「AT高確モード」として働く場合(第2の実施形態参照)に好適である。その理由は、所定のゲーム数が消化されるごとに(たとえば、「天井ゲーム」であれば、比較的長いゲーム数(たとえば、1224ゲーム)が消化されるごとに、「周期天井ゲーム」であれば、比較的短いゲーム数(たとえば、256ゲーム)が消化されるごとに)、強制的にAT抽選を実行する構成(上記(G)の場合)とした場合、特定ゲーム数の到達ごとに、AT高確モードというチャンスを到来させることができるようになる。
これにより遊技者は、天井ゲームや周期天井ゲームの到来に期待を寄せながら遊技に興じることができる。また、天井ゲームや周期天井ゲームを設けた構成では、現在のゲーム数が、これら天井ゲーム数到達が近ければ近いほど、遊技者は積極的にゲームを続行するようになり、遊技機の稼動率が向上するため、パチンコホール側にとっても有用である。
〔第6の実施形態〕
また第1の実施形態に係るフリーズ待機モード(以下、「AT非高確モード」と称する)と、第2の実施形態に係るフリーズ待機モードの「AT高確モード」とを実行可能な形態(第6の実施形態)とすることができる。
この第6の実施形態では、AT非高確モード下におけるAT抽選当選時の「真のフリーズモード」とAT抽選非当選時の「偽(ガセ)のフリーズ待機モード」、そして、通常モードよりもAT抽選による当選確率が遊技者に有利に作用する「AT高確モード」、といった遊技者に与える利益状態が異なる複数種類の遊技モードを実行可能な構成とすることができる。このような多様な遊技モードを設けた構成では、遊技性の自由度が増して遊技モードが多様化することができ、遊技の面白みを向上させる点で優れる。
なお上記AT非高確モードとAT高確モードとを実行可能に構成する場合、いずれのモードをどのような条件で発生させるかは、本発明の目的を達成できるものであれば、特に制限されない。またAT非高確モードまたはAT高確モードは、ATモード移行に関するチャンスモードの一種であることから、これらのモードに移行させるか否かは、通常モード中から移行させることが好ましい。具体的には、通常モード中の所定の移行条件に基づいて、AT非高確モードまたはAT高確モードに移行させることができる。本実施形態については、たとえば、下記の(J)〜(L)のような形態とすることができる。
(J)AT非高確モードには、第1の実施形態のように特定の抽選対象役に対応して移行確率を定めた抽選テーブル(たとえば、「AT抽選用テーブル(図31、図32)」)を利用した抽選により、当該モードに移行するか否かを決定し、AT高確モードには、第2の実施形態のように、特定の抽選対象役に対応して移行確率を定めた抽選テーブル(たとえば、「AT高確モード移行抽選テーブル(図36)」)を利用した抽選により、当該モードに移行するか否かを抽選により決定することができる。なおこの場合、AT非高確モードへの抽選契機となる抽選対象役と、AT高確モードへの抽選契機となる抽選対象役とを異なるものとすることができる。たとえば、弱スイカ・強スイカ・弱チェリー・強チェリーは、AT非高確モード移行への移行抽選契機役として、CAベル1〜2は。AT高確モード移行への移行抽選契機役として定めても良い。
(K)また「AT非高確モード」および/または「AT高確モード」への移行を、第5の実施形態のような「天井ゲーム」または「周期天井ゲーム」の到来を契機に、移行させることができる。たとえば、AT非高確モードは、「AT抽選用テーブル(図32、図33)」を利用した抽選により当該モードに移行するか否かを決定するが、AT高確モードには、「天井ゲーム」または「周期天井ゲーム」の到来を契機に強制的に移行させることができる。また「天井ゲーム」または「周期天井ゲーム」の到来を契機にモード移行させる場合、所定の抽選(たとえば、「AT高確モード移行抽選テーブル(図36)」を利用した抽選)によりモード移行を決定しても良い。
(L)AT非高確モードおよびAT高確モードのいずれの遊技モードに移行するかを、所定の抽選(以下、この抽選を「特殊移行抽選」と称する)により決定することができる。この場合、次の(L−1)〜(L−4)のように構成することができる。
(L−1)まず第1段階抽選として、第1の特殊移行抽選を実行し、これに当選した場合には、真のフリーズ待機モードに移行させ、非当選(ハズレ)の場合には、第2段階抽選として、偽のフリーズ待機モードおよびAT高確モードのいずれの遊技モードに移行するか否かを決定することができる。上記第1の特殊移行抽選は、たとえば、図31のAT抽選用テーブルのような抽選テーブル形態を利用することができる。また、第1の特殊移行抽選に非当選(ハズレ)となった場合、たとえば、図32の偽フリーズ待機モード抽選テーブルまたは図36のAT高確モード移行抽選テーブルのような抽選テーブル形態を利用して、第2の特殊移行抽選を実行し、これに当選した場合にはAT高確モードに、非当選の場合には偽のフリーズ待機モードに移行させる、といった具合である。
なお各遊技モードへの移行は、第1の実施形態、第2の実施形態のように、移行リプレイ1や移行リプレイ2に関するアシスト報知を行い、押し順に応じて該当する遊技モードに移行させるように構成すれば良い。また各遊技モードに対する移行確率は、自由に定めることができる(後述の(L−2)〜(L−4)の場合も同様)。
(L−2)また、たとえば、第1の特殊移行抽選に当選であれば「真のフリーズ待機モード」に移行させ、非当選の場合には「AT高確モード」に移行させることができる。この場合、偽のフリーズ待機モードを設けなくても良く、また第2の特殊移行抽選処理を設けなくても良い。
(L−3)また上述の(L−2)の形態において、第1の特殊移行抽選非当選の場合に、第3の特殊移行抽選によりAT高確モードに移行させる構成とすることができる。この場合、第3の特殊移行抽選形態について、当選役によらず、AT高確モードへの移行確率を一律50%と定めても良い。また、「当選役種別」および/または「フリーズ種別」に対応した移行確率を定めても良い。たとえば、弱チェリーが当選役である場合、移行確率を「10%(フリーズ無し)、12.5%(フリーズ1)、15%(フリーズ2)、25%(フリーズ3)」とし、強チェリーが当選役である場合、それよりも相対的に高い移行確率「20%(フリーズ無し)、25%(フリーズ1)、30%(フリーズ2)、50%(フリーズ3)」とすることができる。なお、第3の特殊移行抽選にも非当選であった場合、つまりAT高確モードに移行できなかった場合、偽のフリーズ待機モードに移行させる構成としても良い。
(秘匿演出モードについて)
なお上記した(L(L−1〜L−3))の形態のように、所定の抽選により、AT非高確モードおよびAT高確モードのいずれの遊技モードに移行するかを選択するような構成である場合には、次のような演出態様を実現させる構成とすることが好ましい。
AT非高確モードおよびAT高確モードのいずれの遊技モードに移行したのかを不明確にするような演出態様、つまり、AT非高確モード中を報知(示唆)する「AT非高確モード中演出態様」と、AT高確モード中を報知(示唆)する「AT高確モード中演出態様」とを、同一または類似(実質的同一)のものとし(状態報知演出の同一性を有する演出態様)、いずれの遊技モードに滞在中であるかを、演出上、秘匿状態とすることが好ましい。
たとえば、双方の遊技モード中における背景演出などの画像表示演出を、同じ演出態様とすることが挙げられる。詳述すれば、各遊技モードに係る演出態様、たとえば、遊技モードを示唆する‘背景演出(状態報知演出)’として、通常モード中を報知する背景演出が、晴天の昼間を表現した「昼演出」、AT非高確モード中を報知する背景演出が、真夜中であることを表現した「夜演出」、AT高確モードを報知する背景演出がAT非高確モードの「夜演出」と同一または実質的に同一の演出態様とする、といった具合である。このように演出上から、AT非高確モードとAT高確モードのいずれの遊技モードであるかを、演出上、秘匿状態にすることにより、遊技者は現在の遊技モードを把握できない、あるいは把握することが困難となるので、現在の遊技モードが如何なる遊技モードであるかに期待を寄せながら遊技に興じることができるので、フリーズ待機モードが消化遊技の様相を呈することなく、楽しく遊技を進行することができる。
なお、上述のように、AT非高確モード中とAT高確モード中とで、同一性を有する状態報知演出(背景演出)を現出させる場合、同一演出態様を現出することにより、遊技者側に遊技モードを把握されることを不可能となるように構成しても良いが、いずれかの遊技モード中であるかを遊技者に推測させる推測要素を与えるように構成しても良い。具体的には、AT非高確モード中とAT高確モード中とで、特定の演出(たとえば、特定のキャラクター演出)の現出率を異なるように構成しても良く、たとえば、AT非高確モードよりもAT高確モードの場合の方が、特定の演出の現出率を相対的に高く定めることができる(AT非高確モードの場合には10%の出現率、AT高確モードの場合には15%の出現率など)。また、たとえば、利益状態の高低に着目して、特定の演出の現出率を「偽のフリーズ待機モード≦(または‘<’)AT高確モード≦(または‘<’)真のフリーズ待機モード」のような関係とすることができる。これにより、遊技者は、現在の遊技モードを推測しながら楽しくフリーズ待機モードを消化することができる。
なお、以上に説明した各実施形態のうち、複数種類の実施形態を組合せた構成を採用しても良い。
〔第7の実施形態〕
(主制御側AT管理形態)
また以上に説明した各実施形態では、演出制御部410側がAT遊技実行に関する機能部を備える形態(演出制御部側AT管理形態)について説明した。しかし本発明はこれに限らず、演出制御部410側が担当するAT遊技に関する機能部の全部または一部を、主制御部400側が担当しうるように構成することができる。
主制御側AT管理形態に係る遊技モード種別を図38に示す。主制御側AT管理形態では、図38に示すように、第1〜第6の実施形態で説明した「演出制御部側遊技状態種別(演出モード)」を「主制御部側遊技状態種別(メインモード)」として管理可能な構成となっている。なお、図38では、主制御側AT管理形態の理解を容易なものとするために、主制御部側遊技状態種別(メインモード)を特定可能なメインモード判定データと、)と演出制御部側遊技状態種別(演出モード)を特定可能な演出モード判定データが1対1の対応関係となるように示してある。
主制御側AT管理形態では、AT遊技への移行制御やAT遊技の実行制御などに係る演出制御部410側が担う機能部、たとえば、AT抽選に関する機能部(AT抽選手段)、AT抽選に利用される図31、図32、図36、図37などのAT抽選用の抽選テーブル、AT抽選結果の管理、アシスト報知の実行を制御する機能部(アシスト報知管理手段)、演出モード間の移行制御に関する機能部(演出モード移行手段)などを含む各種の機能の全部または一部を主制御部400側が担当することにより、主制御部400側がAT遊技の実行を制御する実施形態である。AT遊技に関する機能を主制御部400側がすべて担当する場合、演出制御部410はAT遊技の制御は行わずに、単に、主制御部400側からのAT遊技の実行・非実行、アシスト報知の実行・非実行などの指示に従い、AT遊技に関する演出を現出する構成である。したがって、この主制御側AT管理形態の場合、AT遊技や非AT遊技などに関する演出モードについても主制御部400側が直接的に制御することができるようになる。たとえば、メインモードに変更が生じる場合(モード移行条件が成立した場合)、その旨のモード移行情報を演出制御部410側に送信可能に構成する。これにより、演出制御部410側では、図38に示すメインモード判定データと整合性を取る形で演出モード(演出モード判定データ)を管理することができる。
(主制御側AT管理形態に係る各種手段について)
次に、主制御側AT管理形態に係る上記AT抽選手段、アシスト報知管理手段、および演出モード移行手段ついて説明する。
上記AT抽選手段については、内部抽選結果(当選役種別)とAT抽選に利用される図31、図32、図36、図37などのAT抽選用の抽選テーブルとに基づいて、AT抽選を実行する。なおここでは、図31、図32、図36、図37に示す抽選テーブルの演出モードの欄(演出モード判定データの値)が、図38のメイン判定モードの欄の値に置き換えたものとなる。たとえば、図31に示すAT抽選テーブルであれば、演出モード(演出モード判定データ)「F0H」が、メイン判定モード「F0H」に対応し、メイン判定モードが「F0H」のとき(初期モードのとき)、CAベル1またはCAベル2が当選した場合、AT抽選が実行されることになる。
また上記アシスト報知管理手段については、現在の遊技モードと当選役種別とに応じてアシスト報知を実行するか否かを判定する「アシスト報知判定手段」と、アシスト報知判定手段による判定結果を特定可能な情報(アシスト報知を実行するか否かを指定する情報(アシスト報知実行情報))を含む演出制御コマンド(アシスト報知指定コマンド)を演出制御部410側に送信する「コマンド送信手段」とを含んだ構成とすることができる。演出制御部410側では、このアシスト報知指定コマンドに含まれるアシスト報知実行情報と、遊技開始情報コマンドに含まれる当選役情報とに基づいて、目的のアシスト報知演出を現出させることができる。また、演出制御部410は、アシスト報知演出を現出する際、現在の演出モードを考慮し、当該演出モードに対応したアシスト報知演出を現出させることができる。
なお主制御部400は、アシスト報知を実行すると決定した場合、当選役に対応したアシスト報知内容、つまり「押し順」自体を演出制御部410側に指定することができる。具体的には、主制御部400が、現在のメイン判定モードと当選役情報とに基づいて、アシスト報知を実行する否かを判定し、アシスト報知を実行する場合には、当選役情報に基づいて、入賞させる入賞役に対応して報知させるべき押し順を決定し、その決定した押し順に関する情報(押し順指定情報)を、アシスト報知指定コマンドにより演出制御部410側に送信することができる。たとえば、ATモード中(図38のメイン判定モード「0AH」)にAT1に当選した場合、アシスト報知指定コマンドに「12枚AT役」の押し順(順押し:図6参照)を指定する押し順指定情報を含ませることができる。これにより、演出制御部410側は、アシスト報知指定コマンドに含まれる押し順指定情報に基づいて、目的のアシスト報知演出を現出させる。なお、押し順指定情報は、アシスト報知指定コマンドとは別のコマンド(押し順指定コマンド)に含ませて送信しても良い。
また上記演出モード移行手段については、現在の遊技モード、当選役種別、アシスト報知を実行したか否かに関する情報(アシスト報知実行情報)、押し順情報、および入賞役情報(停止図柄情報)などの情報を利用して、メイン判定モードの移行制御を行うモード移行手段と、メイン判定モードが変更された場合、メイン判定モード移行情報を含む演出制御コマンド(遊技モード情報コマンド)を演出制御部410側に送信するコマンド送信手段とを含んだ構成とすることができる。たとえば、図38の「F0H」は初期モードを示し、「通常モード1」には、主制御側AT非管理形態と同じく、初期モードにおいてCBBに当選後に移行させ、このとき、メイン判定モードを通常モード1に対応する「FFH」に変更することができる。モード移行手段は、現在のメイン判定モード情報、AT抽選結果情報、アシスト報知実行情報、当選役情報、および入賞役情報(停止図柄情報)などの必要な情報に基づいて、メイン判定モード間の移行制御を行うことができる。
(主制御側AT管理形態による遊技モード移行制御の例)
次に図9および図38を参照して、主制御側AT管理形態による遊技モード移行制御について説明する。ここでは、代表的に、図9の状態遷移図を参照して、フリーズ待機モードに移行する過程を説明する。
主制御部400は、現在の遊技モード(メイン判定モード)が「通常モード1(FFH)」(本実施形態の場合、通常モード1には、たとえば、初期モードにおいてCBBに当選後、移行させる)中である場合、AT抽選契機役が当選した場合、AT抽選(偽フリーズ待機モード抽選も実行させることができる)を実行し、そのAT抽選結果に基づき、主制御側AT非管理形態の場合と同じように、遊技モードを「通常モード1」から「通常モード2(53H:AT抽選当選の場合)」、または「通常モード3(63H:AT抽選非当選の場合)」に移行させる。そして、「通常モード2」または「通常モード3」中に移行リプレイAまたは移行リプレイBが当選した場合、現在の遊技モードに応じて、移行リプレイ1のアシスト報知か、移行リプレイ2のアシスト報知を演出制御部410に実行させるように指示し、入賞した入賞役に応じて、「当選告知用フリーズモード(12H)」か、または「ハズレ告知用フリーズモード(22H)」に移行させる。
ただし、アシスト報知発生ゲームにおいて遊技者が押し順ミスをし、指示通りの入賞役が入賞しなかったとしても、主制御部400側において、当該ゲームが、「通常モード2」または「通常モード3」のいずれかであるか、移行リプレイAまたは移行リプレイBのいずれの役が当選したか、移行リプレイAまたは移行リプレイBに係るアシスト報知の実行を指定したか否か、および入賞役情報(停止図柄情報)などを把握することができるので、これらの情報を利用して、遊技モードを本来移行すべき「当選告知用フリーズモード(12H)」または「ハズレ告知用フリーズモード(22H)」に移行させることができる。したがって、主制御側AT管理形態の場合は、「押順ミス用非フリーズモード」という遊技モードは不要なものとすることができる。換言すれば、「アシスト報知に従わなかった」場合のペナルティを付与しない構成である。
なお、押し順ミスがあった場合(たとえば、通常リプレイ1や、移行リプレイ3が入賞した場合)、現在の遊技モードに応じて、「押順ミス用非フリーズモード1(当選中)(33H)」か、または「押順ミス用非フリーズモード2(非当選中)(43H)」に移行させ、これら押順ミス用フリーズモードである場合は、最終ゲーム目に、告知用フリーズ演出を発生させないように構成しても良い。この押し順ミスをした場合は、「アシスト報知に従わなかった」という一種のペナルティとして、「告知用フリーズ演出」を発生させない構成、つまり最終ゲーム目の告知用フリーズ演出を遊技者が楽しむことはできないが、AT抽選結果は正しく報知される。
フリーズ待機モードが終了したか否かは、図18のフリーズ待機モード管理処理において、告知ゲーム数カウンタがゼロであるか否かによって把握することができる。したがって、告知ゲーム数カウンタがゼロであれば、メインモード判定データを現在のデータ(ここでは、メインモード判定データがフリーズ待機モードに関連する「12H」、「22H」、「33H」、または「43H」に設定されている)から、前兆ATモード(0CH)に更新する。これにより、フリーズ待機モードの最終ゲームの次ゲームから前兆ATモードに突入させることができる。そして前兆ATモードの残余ゲーム数を主制御部400側で管理可能に構成する(前兆ATモード管理手段)。前兆ATモードの残余ゲーム数がゼロになったならば、メインモード判定データを前兆ATモードからATモード(0AH)に更新する。上記ATモードの継続ゲーム数も主制御部400側で管理する構成とすることで、ATモードの開始および終了を管理することができる。なお、前兆ATモードは設けなくても良い。
ここで、図33に示すフリーズ演出抽選テーブルについては、メイン判定モードが通常モード1である場合をその抽選条件としているが、これに限らず、遊技性に応じて、他の遊技モードにおいても抽選可能に構成することができる。
以上のような「主制御側AT管理形態」では、AT遊技に関して演出制御部410側が担う機能部、たとえば、ATモード移行に関するAT抽選、AT抽選結果の管理、現在の遊技モードに応じたアシスト報知の実行の可否、フリーズ待機モードに係る遊技モードの指定などの機能部を主制御部400側が担当するように構成しているので、第1〜第6の実施形態において演出制御部410側で管理されていた演出モードを、主制御部400側において、直接的に管理することができる。換言すれば、主制御部400側が、移行先の遊技モードを演出制御部410によるアシスト報知などによらずに、直接的に制御することができる。したがって、遊技者が押し順ミスをしたとしても、主制御部400側において、本来移行させるべき遊技モードに正しく移行・滞在させることができるようになる。他方、演出制御部410側は、AT遊技の移行に関する処理やアシスト報知の実行に関する処理は直接には行わないことから、専ら、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、主制御部400側で管理される遊技モードに関連した演出モードを管理したり、遊技モードに対応した演出を現出させたりすることになる。
上記主制御側AT管理形態では、AT遊技の発生を直接的に管理する関係上、演出制御側AT管理形態とは異なり、遊技モードの不整合が生じることがない。したがって、遊技モードに対応しないフリーズ演出が発生することがない、といった利点がある。
なお、後述の第8〜第の実施形態を含め、各実施形態において、上記の主制御部側AT管理形態を採用するか、演出制御部側AT管理形態を採用するか、いずれの管理形態とするかという点については、遊技性に応じて適宜定めることができる。また、AT遊技に関する各種の機能部について、どのような機能部を主制御部400側に設けるか、演出制御部410側に設けるかという点についても、遊技性に応じて適宜定めることができる。
〔第8の実施形態〕
次に、本発明に係る第8の実施形態について説明する。上記第1〜第7の実施形態では、フリーズ待機モード中のように、将来のゲームにおいてフリーズ演出(フリーズ状態)の実行が予定されている場合、その実行ゲームにおいて、その実行ゲーム以前に得られたAT抽選の抽選結果を報せる「告知用フリーズ演出」を発生させる形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、実行ゲームにおいて、「告知用フリーズ演出」とは大きく異なる特殊なフリーズ演出を発生させることができる。
(再現フリーズについて)
この第8の実施形態は、「‘将来のゲームにおいてフリーズ演出の実行が予定されている場合’、その実行ゲーム以前の‘1または複数の特定のゲーム’で得られた‘特定の遊技情報’を、そのフリーズ演出を利用して遊技者に報知する形態」である。したがって、本実施形態も第1の実施形態等に係る告知用フリーズ演出と同じく、過去のゲームで得られた遊技情報を、将来実行されるフリーズ演出で報知する、といった点については同じである。しかし、告知用フリーズでは、報知対象がAT抽選結果情報、換言すれば、特定のゲームで得られた1種類の遊技情報を報知するだけに止まるのに対し、本実施形態に係るフリーズ演出では、報知対象となる遊技情報が複数ゲームに係る遊技情報となりうる点、またフリーズ演出により、その複数ゲームに係る遊技情報を報知可能である点、専ら回胴演出を利用して過去のゲームにおいて遊技結果として導出された停止図柄の組合せや、過去のゲームで当選した当選役に対応した入賞役を再現する点が大きく異なる。以下、本実施形態に係るフリーズ演出を「再現フリーズ演出」とも称する。以下に、この「再現フリーズ演出」について詳述する。なお、第1〜第7実施形態と同じ構成要素については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
ここで、上記した「将来のゲームにおいてフリーズ演出の実行が予定されている場合」とは、フリーズ演出の実行が予定される特定の条件(フリーズ予定条件)が成立したゲームを基点ゲームとした場合、その基点ゲームの少なくとも1ゲーム先に、実行ゲームが予定されている場合を指し、当該実行ゲームにて必ずフリーズ演出が実行される場合、または当該実行ゲームが到来し、さらに所定の実行条件を満たした場合に実行される場合が含まれる。換言すれば、フリーズ演出の実行を決定したゲーム(基点ゲーム)から、所定のゲーム数後に実行される場合、または当該フリーズ演出の実行を決定したゲーム(基点ゲーム)から、所定のゲーム数後の所定の実行条件の成立下で実行される場合が含まれる。また基点ゲームから何ゲーム先に実行するかを抽選(たとえば、1〜32ゲームのうちからいずれかのゲームを抽選に決定する)により決定する場合も含まれる。この点、第1の実施形態等に係る告知用フリーズ演出を発生させる場合とは異なる。
詳述するに、告知用フリーズ演出を発生させる場合、フリーズ待機モードへの移行を決定付ける特定の条件(フリーズ予定条件)が成立したゲームを基点ゲームとして決定し、その基点ゲームから少なくとも「複数ゲーム先」に、フリーズ演出の実行ゲームが予定(決定)される。つまり、基点ゲームの次ゲームは、その実行ゲームから排除されている。また第1の実施形態の場合、基点ゲームで得られた遊技情報は、フリーズ演出による報知対象とはなっておらず、基点ゲームよりも前のゲームで得られたAT抽選結果情報が報知対象となる(図9参照)。これに対し、本実施形態の場合、基点ゲームの次ゲームにフリーズ演出の実行が予定される場合がある。また本実施形態の場合、基点ゲームや実行ゲームで得られる遊技情報が報知対象に含まれる場合がある。また本実施形態のフリーズ予定条件は、第1〜第6の実施形態のように、必ずしも遊技進行上で成立しうる条件でなくても良く、たとえば、遊技機への電源が投入された場合や設定値が変更された場合を、その条件とすることができる。
(特定の遊技情報)
また上記した「特定の遊技情報」とは、実行ゲーム以前の特定のゲーム(「特定のゲーム」についての詳細は後述する)で得られた特定の遊技データに基づく遊技情報であり、具体的には、「‘遊技結果に関する情報(全回胴停止時の停止図柄情報)’および/または‘当選役に関する情報(当選役情報)’」を含む遊技情報である。この遊技情報が、再現フリーズ演出の報知対象とされる。
(A)上記「遊技結果に関する情報」とは、少なくとも特定の入賞ライン(有効入賞ライン上または疑似入賞ライン)上に停止した図柄の組合せを特定可能な情報であり、たとえば、上記「停止図柄情報(入賞ラインデータ)(全回胴停止時の停止図柄情報)」に関する遊技情報である。上記「停止図柄情報(入賞ラインデータ)」は、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を特定可能な遊技データとなっている。
(B)また上記「当選役に関する情報」とは、少なくとも当選役種別を特定可能な情報であり、たとえば、「当選番号情報」や「内部当選フラグ情報」に関する遊技情報である。
(C)また、遊技者が実際に停止操作した停止操作手順情報を含んでも良い。停止操作手順は、たとえば、上記停止操作順データに基づく「押し順情報」である。
本実施形態に係るフリーズ演出(再現フリーズ演出)では、斯様な(A)〜(C)の遊技情報に係る遊技データに基づき、過去のゲームにおいて遊技結果として導出された停止図柄の組合せや、過去のゲームで当選した当選役に対応した入賞役を、回胴演出の疑似的な変動動作により再現(仮停止を含む疑似変動動作)する、という特殊なフリーズ演出(再現フリーズ演出)を実現する。再現フリーズ演出は、このような特性を持つフリーズ演出であるため、フリーズ1〜3のような「レバー操作時フリーズ演出」とすることが好ましい。
(特定のゲーム(記憶対象ゲーム))
また上記「特定のゲーム」とは、上述した「特定の遊技情報」の記憶対象となるゲーム(記憶対象ゲーム)である。この「特定のゲーム」は、主に、特定の条件が成立したゲームであり、たとえば、下記第1〜第8の特定のゲームが挙げられる。
(第1の特定ゲーム)
(1)「特定の抽選対象役が当選したゲーム(特定の当選役が決定されたゲーム)」
上記「特定の抽選対象役」には、たとえば、AT抽選契機役、上乗せ抽選契機役、特別役(ボーナス役)、フリーズ演出抽選契機役、状態移行契機役(たとえば、AT遊技移行契機役)などが含まれ、遊技者に有利に作用しうる抽選対象役(遊技者に有利な遊技価値を付与しうる抽選対象役)が挙げられる。ただし、何ら遊技価値が付与されない不当選(ハズレ)を含んでも良い。なお、特定の抽選対象役の種類は、1種類としても良いし、複数種類としても良く、いずれの抽選対象役を採用するかは、遊技性に応じて適宜定めることができる。
ところで、抽選対象役や入賞役のうちには、一の遊技期間(遊技モード)と他の遊技期間とで遊技者に付与する遊技価値が異なるものがある。たとえば、通常モード中はAT抽選契機役、ATモード中は上乗せ抽選契機役として機能する抽選対象役や、通常モード中ではAT遊技移行契機役として機能し、ATモード中は単なるリプレイ役として機能するものなどがある。このように、遊技モードに応じて遊技価値が異なる抽選対象役がある場合、現在の遊技モードに応じて、当該抽選対象役が当選したゲームを「特定のゲーム(記憶対象ゲーム)」として機能させるか否かを定めることができる(下記の「第2の特定ゲーム」〜「第8の特定ゲーム」についても同様)。具体的には、「特定の抽選対象役が当選したこと」および「特定の遊技モード(特定の遊技期間)であること」が、「特定のゲーム」として機能させる条件とされる。
後述の第9〜第11の実施形態の場合、フリーズ待機モード中に実行される1〜7ゲーム目までが「特定のゲーム(記憶対象ゲーム)」として働き、当該ゲームで得られた遊技結果(停止図柄情報)や当選役種別(当選役情報)などに関する遊技情報が、再現フリーズ演出の報知対象となる‘特定の遊技情報’として働く。つまり、後述の第9〜第11の実施形態の場合、今回のゲームが「フリーズ待機モード中であること」および「フリーズ待機モード中の1〜7ゲーム目であること」の条件を満たした場合、今回のゲームが「特定のゲーム」としての要件を満たし、今回のゲームで得られた遊技情報が記憶され、再現フリーズ演出により当該遊技情報が報知されることになる。
また、フリーズ予定条件の成立が「特定のゲーム(記憶対象ゲーム)」として機能させる条件である場合、基点ゲームから実行ゲームまでが「特定のゲーム」としての監視対象とされうる。このように、「特定のゲーム」として機能させるか否かについては、「所定の条件」を付加することができる(下記の「第2の特定ゲーム」〜「第8の特定ゲーム」についても同様)。
(第2の特定ゲーム)
(2)「特定の入賞役が入賞したゲーム」
この「特定の入賞役」としては、たとえば、遊技者に有利に作用しうる入賞役(遊技者に有利な遊技価値を付与しうる入賞役)が挙げられ、上乗せ抽選契機役に対応する入賞役や、AT抽選契機役に対応する入賞役、12枚AT役などは、その代表例である。なお、「特定の入賞役」は、遊技者に有利に作用しうる入賞役に限らず、不利に作用しうる入賞役であっても良く、遊技性に応じて適宜定めることができる。また「特定の入賞役」は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。また「取りこぼし目」も、ここでの入賞役として扱っても良い。
(第3の特定ゲーム)
(3)「特定の払い出し枚数があったゲーム」
この「特定の払い出し枚数があったゲーム」とは、少なくとも1枚以上の払い出しがあったゲームであり、払い出しの無いゲーム(ハズレや取りこぼし)は除外される。「特定の払い出し枚数」としては、たとえば、所定の払い出し枚数以上(たとえば、最小払出枚数の1枚以上)、所定の払い出し枚数(たとえば、7枚)などが挙げられる。なお、特定の払い出し枚数は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。なお、固有の払い出し枚数を持つ入賞役であれば、その入賞役を特定できる場合がある。このように払い出し枚数から特定のゲームで入賞した入賞役、換言すれば、遊技結果(停止表示態様)を特定することもできる。
(第4の特定ゲーム)
(4)「特定の停止目が停止したゲーム」
この「特定の停止目」とは、入賞役として扱われない特定の停止表示態様であり、たとえば、後述する「リーチ目」や「チャンス目」などである(後述の図44参照)。また「取りこぼし目」も、ここでの停止目として扱っても良い。なお、停止目の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
(第5の特定ゲーム)
(5)「‘設定値’を変更した場合において、電源投入後、所定のゲーム数消化後のゲーム」
ここでの所定のゲーム数は、電源投入後の最初のゲーム(電源投入後の1ゲーム目)からカウントすることが好ましい。また所定のゲーム数は、たとえば、ゾロ目のゲーム数(たとえば、77ゲーム、111ゲームなど)や、順目のゲーム数(たとえば、123ゲーム、234ゲームなど)がその代表例として挙げられるが、特に制限はなく、遊技性に応じて適宜定めることができる。また「所定ゲーム数」は、1種類(たとえば、77ゲーム)であっても良いし、複数種類(たとえば、77ゲームおよび111ゲーム)であっても良い。斯様なゲーム数における遊技情報(たとえば、上記停止図柄情報や当選役情報)を報知対象とすることにより、遊技機の設定値の変更があったことを推測する推測要素を遊技者に与えることができる。このため、遊技者は、報知対象となる特定のゲームにおける遊技情報に関心を寄せることになり、遊技の面白みを向上させることができる。なお、所定のゲーム数は、電源投入後の最初のゲームからカウントされると説明したが、これに限らず、カウント開始ゲームは、特定の遊技期間の1ゲーム目や、特定の遊技期間の終了ゲームあるいはその終了ゲームの次ゲームなど、遊技性に応じて適宜定めることができる。
(第6の特定ゲーム)
(6)「所定の開始ゲームから、設定値に応じて定められた所定のゲーム数消化後のゲーム」
この「設定値に応じて定められた所定のゲーム数」は、たとえば、下記(A)〜(D)のようなゲーム数を定めることができる。(A)設定値1〜6に対応した固有のゲーム数。(B)設定値の一部で共通のゲーム数。たとえば、低設定値の1〜3であれば第1のゲーム数、高設定値の4〜6であれば第2のゲーム数に定める、または、低設定値および高設定値のいずれか一方だけに共通したゲーム数を定める。(C)最高設定の設定値6だけに対応した固有のゲーム数を定める。(D)設定値に関連して定められた抽選確率に応じて、複数種類のゲーム数からいずれかのゲーム数を抽選する。抽選契機は、たとえば、電源投入時や設定変更時が挙げられる。また上記「所定の開始ゲーム」は、たとえば、電源投入後の最初のゲーム(電源投入後の1ゲーム目)、特定の遊技期間の1ゲーム目、特定の遊技期間の終了ゲームまたは、その終了ゲームの次ゲームなどが挙げられ、遊技性に応じて適宜定めることができる。斯様なゲーム数における遊技情報(たとえば、上記停止図柄情報や当選役情報)を報知対象とすることで、遊技機の設定値を推測する推測要素を遊技者に与えることができる。
(第7の特定ゲーム)
(7)「特定の遊技期間(遊技モード)への移行条件が成立したゲーム」
この「特定の遊技期間」には、たとえば、通常モード1〜3、フリーズ待機モード、ATモード、AT高確モード、ボーナス遊技、BB内部当選遊技など、回胴式遊技機において実行される複数種類の遊技モード(遊技状態)が含まれ、どのような遊技期間を「特定の遊技期間」と定めるか、またその種類を1または複数とするかは、遊技性に応じて適宜定めることができる。なお、上記した第1〜第6の特定のゲーム、下記の第8の特定ゲームに係る「特定の遊技期間」も同様に、遊技性に応じて適宜定めることができる。
(第8の特定ゲーム)
(8)「特定の遊技期間(特定の遊技モード)中の全部または一部のゲーム」
ここでの全部または一部のゲームとは、たとえば、フリーズ待機モードを例にとり説明すれば、その全ゲーム(1〜8ゲーム目)や、その期間の連続する特定の2以上のゲーム(たとえば、最終の8ゲーム目を除く1〜7ゲーム間)や、偶数番目または奇数番目のゲーム(たとえば、1、3、5、7ゲーム目)や、ランダムな複数のゲーム(たとえば、1、4、6、7ゲーム目)などが挙げられる。
上述した第1〜第8の特定のゲームのうち、いずれの1または複数種類の特定ゲームを採用するかは、適宜定めることができる。
(フリーズ予定条件について)
なお、再現フリーズ演出の実行が予定される「フリーズ予定条件」については、上記した第1〜第8の特定のゲームに係る遊技情報を報知することが可能な条件であれば、適宜定めることができる。たとえば、特定の遊技期間(遊技モード)中おいて、特定の抽選対象役が当選した当選ゲーム(上記「第1の特定ゲーム」を採用した例に相当する)に係る遊技情報を、その当選ゲームから所定ゲーム数後のゲームで再現フリーズ演出を実行するケースでは、少なくとも、第1の条件として「特定の遊技期間(遊技モード中)であること」、第2の条件として「特定の抽選対象役が当選したこと」がフリーズ予定条件となる。また、特定の遊技期間(遊技モード)中おいて、特定の抽選対象役の当選を契機に、所定の抽選(再現フリーズ実行抽選)を実行し、その抽選結果に基づき、再現フリーズ演出の実行するケースでは、上述の第1の条件と第2の条件に加え、第3の条件として、「再現フリーズ実行抽選に当選したこと」がフリーズ予定条件となる。なお、基点ゲームについては、フリーズ予定条件が成立したゲームを基点ゲームとし、その基点ゲームから所定ゲーム数後のゲームを再現フリーズ演出の実行ゲームとして定めれば良く、その実行ゲームを基点ゲームから何ゲーム後に定めるかは、適宜定めることができる。
このように、フリーズ予定条件は、再現フリーズ演出をどのようなタイミングで実行するか、どのような特定ゲームを採用するかなどを考慮して決定することができ、本発明の目的を達成できるものであれば、どのようなフリーズ予定条件を定めても良い。
(フリーズ待機モードへの適用例:図9)
本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず図9を参照して、フリーズ待機モードに、「再現フリーズ演出」を適用したケースを説明する。以下では、遊技者がアシスト報知に従うことを前提に説明する。
フリーズ待機モードに移行した場合、既に説明したように、AT抽選当選の場合には、最終ゲームの8G目において「当選告知用フリーズモード(W103)」に移行され、AT抽選非当選の場合には、最終ゲーム(8ゲーム目)において「ハズレ告知用フリーズモード(L103)」に移行される。そして、この最終ゲームでは、フリーズ演出(告知用フリーズ演出)を発生させるとともに、AT抽選結果が報知されるが、遊技者側には、最終ゲームの告知フリーズ演出が発生するまでは、内部的な遊技モードおよびAT抽選結果が秘匿されている。
ここで「ハズレ告知用フリーズモード(L103)」に移行するルートにおいてAT抽選が実行される場合、その道中でAT抽選契機役が当選すれば、AT抽選により、ATモードへの移行が期待することができる。このAT抽選契機役には、既に説明したように、複数種類の抽選対象役(本実施形態では、当選番号2〜7の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CAベル1〜2など:図31参照)が設けられているが、これらのうちには、引き込み制御の関係上、入賞役を成立させるために特定の停止操作タイミング(目押し操作)を要する抽選対象役が含まれている場合がある。本実施形態の場合、目押し操作を要する抽選対象役には「弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ」などが該当する(図2参照)。
このような目押しを要する役が当選役として決定された場合、通常、役報知演出で当選役に関する情報を報知し、目押し操作を要することを遊技者に対し報知しうるが、この役報知演出を見逃した場合、あるいは、役報知演出が現出されなかった場合(たとえば、役報知演出が所定の確率で現出される場合)、目押し技術の巧拙によらず、対応する入賞役を取りこぼす可能性が高くなる。特に目押し技術に乏しい遊技者の場合は、役報知演出を見逃さなくとも、対応する入賞役を取りこぼす可能性が高い。このため、遊技者の中には、取りこぼしがなかった場合の入賞役を知りたいと欲する遊技者も多い。また当選役種別に応じて、遊技者に有利に作用しうる遊技価値が付与される期待度が異なるものである場合、具体的には、本実施形態に係るAT抽選契機役のように、当選役種別に応じてAT抽選の当選期待度がそれぞれ異なるように定められている場合(図31参照)、告知用フリーズモード(W103、L103)に至るまでの道中で当選したAT抽選契機役の種類を今一度、確認したいと望む遊技者も多い。特に、設定値ごとに異なるAT抽選確率が設定されている場合、どのようなAT抽選契機役が当選し、AT抽選に当選したのか非当選であるのかを確認して、設定推測要素として利用したい遊技者も多い。
またたとえば、「ATモード」中の場合では、上乗せ抽選によるATモード継続ゲーム数を如何に延ばすかが、遊技者の利益を大きく左右する重要な要素である。したがって、上乗せ抽選契機役の当選や上乗せ抽選の結果が遊技者の大きな関心事と言える。そこで、ATモード中に上乗せ抽選に当選した場合、その当選ゲームで上乗せゲーム数を直ちに報知しても良いが、上乗せゲーム数を当該当選ゲームで報知せずに一旦秘匿状態とし、将来実行されるゲーム(たとえば、ATモードの最終ゲーム)で上乗せゲーム数を報知して、ATゲームがさらに継続することを報知する方が、演出面ではインパクトが強く、また、当選ゲームで上乗せゲーム数が報知されなかったとしても、「内部的には上乗せ抽選に当選しているのかもしれない」という遊技者の期待感を持続させることができる。また、上乗せゲーム数を報知する際、遊技者の中には、どのような上乗せ抽選契機役に当選したときの上乗せゲーム数であるのかを知りしたいと望む遊技者も多く、特に、設定値に応じて、上乗せ抽選契機役種別ごとに上乗せ抽選確率が異なる場合や、上乗せ抽選に当選したときの上乗せゲーム数の多寡の振り分け率が異なる場合には、どのような上乗せ抽選契機役に当選し、如何なる上乗せゲーム数が得られたかを確認して、設定推測要素として利用したい遊技者も多い。
このように、過去に得られた遊技結果に関する情報を、再確認したい、あるいは詳しく知りたいと欲する遊技者が多くいるのが実情である。
そこで本実施形態では、上記事項に鑑み、過去のゲームで得られた遊技情報(たとえば、遊技結果として導出表示される停止図柄の組合せや当選役情報などの遊技情報)を、将来実行されるフリーズ演出を利用して報知可能な構成としている。
再現フリーズ演出により報知対象となる上記「特定の遊技情報」は、具体的には、
(α)「遊技結果に関する情報(停止図柄情報)」、
(β)「当選役に関する情報(当選役情報)」、または
(γ)「遊技結果に関する情報(停止図柄情報)」および「当選役に関する情報(当選役情報)」、
などが挙げられる。
以下では、再現フリーズ演出として、上記の3つの(α)、(β)、(γ)を報知対象する実施形態について説明する。また以下では、上記(α)を報知対象とする実施形態を「第9の実施形態」、(β)を報知対象とする実施形態を「第10の実施形態」、(γ)を報知対象とする実施形態を「第11の実施形態」として説明する。
また説明の便宜のために、第9〜第11の実施形態では、、再現フリーズ演出が実行される「実行ゲーム」として、フリーズ待機モードの最終ゲームの‘8ゲーム目’を採用する。また「特定のゲーム(以下、「記憶対象ゲーム」と称する)」として、フリーズ待機モードの1〜8ゲームのうち「1〜7ゲーム(連続する全7ゲーム)」を採用する(上記「第8の特定ゲーム」の一例)。また、再現フリーズ演出においては、記憶対象ゲームに係る遊技情報だけでなく、AT抽選結果情報をも報知するものとする。
〔第9の実施形態〕
図39〜図40を参照して、第9の実施形態(上記(α)に係る再現フリーズ演出)について詳細に説明する。図39は、再現フリーズ演出により「遊技結果に関する情報」を報知するために要する「遊技データ(以下、「再現フリーズ用図柄データ」と称する)」の記憶例を示したものであり、図40は、本実施形態に係る再現フリーズ演出の説明に供する説明図である。
図39に、再現フリーズ用図柄データとして、遊技結果を特定可能なデータ、具体的には、有効入賞ライン上に停止した停止図柄の組合せを特定可能な「停止図柄情報(全回胴停止時の停止図柄情報)」の記憶例を示す。
なお、図39の「左回胴」「中回胴」「右回胴」の欄は、各回胴の有効入賞ライン上に停止した停止図柄番号(図2参照)を示し、図示の「記憶番号」の欄の番号1〜7は、各ゲーム目の停止図柄情報を示す。なお、詳細は後述するが、たとえば、図39の「7ゲーム目」の欄(全7ゲーム分を記憶した記憶例)を参照すれば、記憶番号が最も小さい「1」番が最新(7ゲーム目)の停止図柄情報に対応し、記憶番号「2」がその前回のゲーム(6ゲーム目)、記憶番号「3」がその前々回のゲーム(5ゲーム目)、・・・、記憶番号「6」が6ゲーム前(2ゲーム目)の停止図柄情報に対応し、記憶番号「7」が最古(1ゲーム目)の停止図柄情報に対応している。
先ず、本実施形態の理解を容易なものとするために、上記「再現フリーズ用図柄データ」の記憶処理の仕方について説明しておく。本実施形態の場合、メインRAMの所定領域に、再現フリーズ用図柄データを記憶するための記憶領域(再現フリーズ用図柄データ記憶領域)が設けられており、この記憶領域には、所定のゲーム数(最大記憶ゲーム数)分の記憶領域が用意されており、図39は、この記憶領域の模式図である。図39の場合、最大7ゲーム分の再現フリーズ用図柄データを記憶可能な例を示してある。なお、記憶可能なゲーム数は、再現フリーズ演出を実現に要するゲーム数分設けられていれば良く、その記憶可能なゲーム数は、特に制限されない。
上記「再現フリーズ用図柄データ」は、遊技結果と特定可能なデータ、つまり、全回胴が停止した際の停止図柄情報に相当するものであるため、その記憶処理は、たとえば、図11の回胴停止処理(ステップS19)中の図柄停止制御処理(図16のステップS304)か、または図11の入賞判定処理(ステップS20)にて行うことが好ましい。たとえば、ステップS304の図柄停止制御処理では、既に説明したように、各回胴の停止毎に、「停止図柄情報(入賞ラインデータ)」が作成され、メインRAMの所定領域に格納されるが、再現フリーズ用図柄データは、各回胴の停止毎の停止図柄情報に基づいて作成し(入賞ラインデータ自体でも良い)、これを再現フリーズ用図柄データ記憶領域に格納するか、あるいは、図柄停止制御処理(ステップS304)または入賞判定処理(ステップS20)において、全回胴の停止時の停止図柄情報に基づいて作成し(全回胴の停止時の停止図柄情報自体でも良い)、これを再現フリーズ用図柄データ記憶領域に格納する。
なお、上記「全回胴が停止したときの停止図柄情報」は、どのような入賞ラインにどのような図柄の組合せが停止したかを特定可能なデータであるので、遊技メダルの払い出しを伴う入賞役であるか否かを特定することができる(図11の入賞判定処理(ステップS20)を参照)。よって、記憶対象ゲームとして、上記「第3の特定ゲーム(特定の払い出し枚数があったゲーム)」を採用する場合にも利用することができる。
(再現フリーズ用図柄データの記憶順序について:図39)
本実施形態の場合、再現フリーズ用図柄データの記憶順序については、図39に示す記憶番号が最も小さい「1」番の記憶領域に、今回のゲームに係る再現フリーズ用図柄データ、つまり、最新の再現フリーズ用図柄データが記憶されるようになっている(同図の「1ゲーム目」参照)。次ゲーム(2ゲーム目)では、前回のゲーム(1ゲーム目)で記憶されたデータを次の記憶番号「2」番の記憶領域に移動させて「1」番の記憶領域に空きを作り、この空き領域となった「1」番の記憶領域に、今回のゲーム(2ゲーム目)にか係る再現フリーズ用図柄データが記憶される(同図の2ゲーム目参照)。したがって、「1」番の記憶領域には、常に最新の再現フリーズ用図柄データが記憶され、「2」番以降の記憶領域には、順次、古い再現フリーズ用図柄データが記憶される(同図の2ゲーム目〜7ゲーム目参照)。なお、上限記憶数である「7」番の記憶領域には、最古の再現フリーズ用図柄データが記憶されるが、この最古のデータは、次に古いデータに上書き(更新記憶)されていくようになっている。
なお、再現フリーズ用図柄データは、今回のゲームが記憶対象ゲームとして機能する特定のゲームである場合に記憶しても良いし、最大記憶ゲーム数(本例では、7ゲーム分)を上限に、ゲームの実行ごと(1ゲーム毎)に記憶しても良い。後者の場合、再現フリーズ演出の実行の際に、必要とする記憶対象ゲームに係る再現フリーズ用図柄データを抽出して利用可能に構成すれば良い。
(再現フリーズ用図柄データの具体例について:図39、図40)
次に図39および図40を参照して、上記1〜7ゲーム間で記憶される再現フリーズ用図柄データの具体例について説明する。図40は、本実施形態に係る再現フリーズ演出の説明に供する説明図である。図40(イ)に、各記憶対象ゲーム(1〜7ゲーム目)において、遊技結果として得られた入賞役種別を示し、図40(ロ)に、再現フリーズ演出により再現される停止表示態様を示し、図40(ハ)に、その停止表示態様に対応する停止図柄番号と、再現フリーズ用図柄データに係る停止図柄情報(図示「←記憶」が指し示す図柄番号(中段横ライン上の図柄番号)を参照)を示す。
図39の1〜7ゲーム分の再現フリーズ用図柄データが記憶された「7ゲーム目」の欄を参照して、本例に係る再現フリーズ用図柄データの具体的内容について説明する。
(1)図示の記憶番号「7」に記憶された再現フリーズ用図柄データ(最古の再現フリーズ用図柄データ)、つまり、フリーズ待機モードの「1ゲーム目」に記憶された再現フリーズ用図柄データは、停止図柄番号「15(ベル)」「6(ベル)」「19(ベル)」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したことを特定するものとなっている。このケースは、「ベル」−「ベル」−「ベル」が有効入賞ライン上に停止し、「12枚AT役」が成立したことを示している(図40の1ゲーム目を参照)。
(2)同図の記憶番号「6」に記憶された再現フリーズ用図柄データ、つまり、フリーズ待機モードの「2ゲーム目」に記憶された再現フリーズ用図柄データは、停止図柄番号「10(スイカ1)」「14(ベル)」「12(ブランク)」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したことを特定するものとなっている。このケースは、「スイカ1」−「ベル」−「ブランク」のいずれの入賞役にも対応しない図柄の組合せが停止し、遊技結果が「ハズレ(不当選)」であったことを示している(図40の2ゲーム目を参照)。
以降、3ゲーム目〜7ゲーム目の再現フリーズ用図柄データの概要は、以下の通りである(図40の3ゲーム目〜7ゲーム目を参照)。
(3)同図の記憶番号「5」に記憶された3ゲーム目の再現フリーズ用図柄データは、「20(ベル)」「1(ベル)」「14(ベル)」であり、これは、12枚AT役が成立したことを示している。
(4)記憶番号「4」に記憶された4ゲーム目の再現フリーズ用図柄データは、「8(赤7)」「13(リプレイ)」「3(スイカ1)」であり、これは、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」が右下りの疑似入賞ライン上に停止し、通常リプレイ1が成立したことを示している、
(5)記憶番号「3」に記憶された5ゲーム目の再現フリーズ用図柄データは、「15(ベル)」「19(スイカ2)」「7(赤7)」であり、「スイカ2」−「スイカ2」−「スイカ2」が右下り疑似入賞ライン上に停止し、強スイカが成立したことを示している。
(6)記憶番号「2」に記憶された6ゲーム目の再現フリーズ用図柄データは、「2(ブランク)」「5(リプレイ)」「6(スイカ2)」であり、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」が右下りの疑似入賞ライン上に停止し、通常リプレイ1が成立したことを示している。
(7)記憶番号「1」に記憶された7ゲーム目の入賞役情報は(最新の入賞役情報)、「4(ベル)」「10(チェリー1)」「12(ブランク)」であり、これは、いずれの入賞役にも対応しない図柄の組合せが停止し、ハズレ(不当選)であることを示している。
(第9の実施形態に係る「再現フリーズ演出」の演出態様について)
次に、本実施形態に係る「再現フリーズ演出」の演出態様について説明する。
フリーズ待機モードの1〜7ゲームを消化すると、最終ゲームの8ゲーム目において、予定されていた「再現フリーズ演出」が実行される。この再現フリーズ演出は、告知用フリーズ演出と同じように、変則回転回胴演出を含むフリーズ演出となっている。本実施形態では、再現フリーズ用図柄データを利用し、再現フリーズ演出中において、各記憶対象ゲーム(1〜7ゲーム目)において遊技者が実際に停止させた停止表示態様を忠実に再現する。斯様な回胴演出は、既に説明したように、主制御部400側で制御される。
ここで、図39および図40を参照しながら、上記した回胴演出による停止表示態様の再現の仕方について説明する。本実施形態では、所定の停止位置で回胴を仮停止状態(疑似停止状態)とする停止動作態様(疑似停止動作)を含む回胴演出を実行可能に構成し、再現フリーズ用図柄データにより特定される図柄の組合せを有効入賞ライン上に仮停止させることを以って、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を再現するようになっている。この回胴演出は、「告知用フリーズ演出」における回胴の回転動作態様が異なるだけで、その制御内容は、告知用フリーズ演出のものと基本的には同じである。
詳述するに、主制御部400は、図15の変則回転動作設定処理(ステップS203)において、今回の再現フリーズ演出において必要となる再現フリーズ用図柄データを取得し、取得したデータに基づき、記憶した図柄番号を有効入賞ライン上に仮停止させるための「再現フリーズ用(仮停止動作用)のモータ制御データ」を作成し設定する。再現フリーズ演出中の回胴演出は、この制御データに基づいて、主制御側タイマ割込制御処理中の回胴回転制御処理(図19のステップS43)において制御される。
本実施形態に係る回胴演出は、たとえば、次のような動作態様である。
再現フリーズ演出(フリーズ状態)の開始を契機に回胴が始動され、まず、所定の動作パターンに基づく仮停止前動作(たとえば、変則回転)が実行される。この疑似停止前動作が終了すると、回胴を仮停止させるための仮停止動作制御を行い、回胴を目的の位置に仮停止させる(完全停止ではない疑似停止状態)。再現される遊技結果は、図40に示すように、再現フリーズ用図柄データにより指定される図柄番号を、有効入賞ライン上に疑似停止(仮停止)させることにより実現される。以上の「仮停止前動作→仮停止動作」という一連の回胴の回転動作態様(再現動作)を経て、遊技者が実際に停止させた停止表示態様が、1ゲーム分再現されることになる。
本実施形態の場合は、7ゲーム分の停止表示態様を再現するので、たとえば、次のように、回胴を制御する。まず再現フリーズ演出(フリーズ状態)の開始を契機に回胴を始動し、所定の動作パターンに基づく仮停止前動作(たとえば、変則回転)を行い、その後、1ゲーム目(最古のゲーム)の再現フリーズ用図柄データにより指定される図柄番号の図柄を、有効入賞ライン上に所定の仮停止時間(たとえば、2秒)、仮停止する(図40(ロ)の1ゲーム目参照)。これにより、1ゲーム目の停止図柄表示態様が再現されることになる。
上記1ゲーム目の仮停止時間が経過したならば、再度、回胴を所定の動作パターンで回転動作させ(仮停止からの再変動動作。2ゲーム目は、たとえば、正回転)、2ゲーム目の再現フリーズ用図柄データにより指定される図柄番号の図柄を有効入賞ライン上に、所定の仮停止時間(たとえば、2秒)、仮停止する(図40(ロ)の2ゲーム目参照)。以後、最新の7ゲーム目のものまで順次繰り返し行い、1〜7ゲーム目において、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を再現する(同図(ロ)の3〜7ゲーム目参照)。
なお、本実施形態では、最古の記憶対象ゲーム(1ゲーム目)から最新の記憶対象ゲーム(7ゲーム目)まで順次再現していく例を説明したが、再現していく順番は自由である。また再現フリーズ演出に係る回胴演出は、仮停止状態を呈することにより、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を再現できるものであれば、特に制限はない。また、回胴の回転速度も適宜定めることができる。また、複数種類の遊技期間(遊技モード)で再現フリーズ演出を実行可能に構成することができる、この場合、遊技期間(遊技モード)に応じて異なる回胴演出を実行させることができる。
(変形例1)
また、再現フリーズ演出中の回胴演出は、記憶対象ゲームが複数ある場合、各記憶対象ゲームに応じた回胴演出とすることができる(後述の第10の実施形態〜第15の実施形態についても同様)。たとえば、最古の1ゲーム目は全回胴を逆回転させて仮停止し、2ゲーム目は全回胴を正回転させて仮停止し、3ゲーム目は左回胴および右回胴を逆回転させ、かつ中回胴を正回転(左右逆回転動作)させて仮停止する、といった具合に、各記憶対象ゲームに応じて、回胴の回転動作を異ならせることができる。また、最後に実行される記憶対象ゲームの回胴演出を、他の回胴演出とは異なる演出態様とすることができる。この場合、今回の回胴演出(仮停止状態)を以って、再現フリーズ演出が終了することを報知することができる。
(変形例2)
また、再現フリーズ用図柄データの内容(停止表示態様種別)に応じた回胴演出とすることができる(後述の第11の実施形態〜第15の実施形態についても同様)。
たとえば、特定の停止図柄情報を指定する再現フリーズ用図柄データである場合と、他の停止図柄情報を指定する再現フリーズ用図柄データである場合とで、異なる回胴演出とすることができる。
また、入賞役を指定する再現フリーズ用図柄データである場合と、そうでない場合(たとえば、ハズレ目)とで、異なる回胴演出とすることができる。
また、少なくとも「第1の入賞役」を指定する再現フリーズ用図柄データと、「第2の入賞役」を指定する再現フリーズ用図柄データとを含む複数種類の再現フリーズ用図柄データである場合、当該「第1の入賞役」である場合と当該「第2の入賞役」場合とで異なる回胴演出とすることができる。
また、再現フリーズ用図柄データが入賞役を指定する停止図柄情報である場合、その入賞役に対応付けられた払い出し枚数に応じて、異なる回胴演出とすることができる。
(変形例3)
(再現フリーズ演出に係るフリーズ中サブ側演出)
また、再現フリーズ演出中のフリーズ中サブ側演出に関し、上記変形例1と同じく、記憶対象ゲームが複数ある場合、各記憶対象ゲームに応じたフリーズ中サブ側演出とすることができる(後述の第10の実施形態〜第15の実施形態についても同様)。
(変形例4)
また、再現フリーズ演出中のフリーズ中サブ側演出に関し、上記変形例2と同じく、再現フリーズ用図柄データ(再現される停止表示態様)の内容に応じたフリーズ中サブ側演出とすることができる(後述の第10の実施形態〜第15の実施形態についても同様)。また、フリーズ中サブ側演出を利用して、記憶対象ゲームにてどのような入賞役が入賞したのかに関する情報も報知することができる。具体的には、図40の1ゲーム目であれば、回胴演出により、12枚AT役の停止表示態様を再現すると共に、液晶表示装置6に「1ゲーム目、12枚AT役入賞!」の画像表示演出を現出可能に構成することができる。
また、再現フリーズ用図柄データで指定される停止表示態様(再現される停止表示態様)が「入賞役扱い」のものである場合、仮停止の際に、対応する入賞音(実際に入賞したときに現出される入賞音)を現出可能に構成しても良い。たとえば、図40の例では、1ゲーム目、3ゲーム目の「12枚AT役」、および5ゲーム目の「強スイカ」の場合には、小役入賞音(第1の効果音)を、4ゲーム目および6ゲーム目の「通常リプレイ1」の場合には、リプレイ入賞音(第2の効果音)を、「ハズレ」の場合には、効果音無しまたはハズレ専用音(第3の効果音)を現出させることができる。
また、再現フリーズ用図柄データで指定される停止表示態様(再現される停止表示態様)が「特定の入賞役」である場合、特殊な効果音を現出させても良い。たとえば、図40の例では、1ゲーム目と3ゲーム目の「12枚AT役」は、単に、遊技メダルの払い出しを伴う入賞役であるが、5ゲーム目の「強スイカ」は、遊技メダルの払い出しの他、AT抽選契機役として機能する入賞役であり(本例のフリーズ待機モードの場合は、AT抽選権利を付与)、「12枚AT役」よりも相対的に遊技価値が高い入賞役としての位置付けとされる。このように、遊技価値が相対的に高い入賞役を再現する際には、通常の入賞音ではなく、特殊な入賞音(たとえば、爆発音(第4の効果音))を現出させることができる。
(特定の遊技モードにおけるフリーズ中サブ側演出)
また、たとえば、ATモード中における上乗せ抽選契機役の当選したことを契機に、再現フリーズ演出の実行を当該当選ゲーム(基点ゲーム)から所定のゲーム数先に予定する場合、当選ゲームを含む実行ゲームの間に上乗せ抽選に当選したとしても、上乗せゲーム数を報知せずに一旦秘匿状態としておき、再現フリーズ演出を以って報知可能に構成することができる。この場合、上乗せ抽選契機役の当選ゲームの停止表示態様(後述の第10の実施形態の場合は、たとえば、当選役に対応した入賞役)を再現しつつ、上乗せ抽選に獲得した上乗せゲーム数を、たとえば、液晶表示装置6によりを報知する。
また図示はしていないが、たとえば、ATモード中に、上乗せ抽選確率および/または上乗せゲーム数が優遇されるといった、従来から知られている所謂「上乗せ特化ゾーン」を設けた場合、この上乗せ特化ゾーン中を記憶対象ゲーム期間としての特定の遊技期間と定める。そして、たとえば、その最終ゲームにおける再現フリーズ演出を予定する。この場合、上乗せ抽選契機役の当選を契機とする上乗せ抽選が実行され、上乗せ抽選に当選したとしても、当該当選ゲームでは上乗せゲーム数を報知せずに一旦秘匿状態としておき、再現フリーズ演出が実行された際には、上乗せ特化ゾーン中に実行されたゲームの停止表示態様(後述の第10の実施形態の場合は当選役に対応した入賞役など)を再現しつつ、上乗せされるゲーム数を、フリーズ中サブ側演出により報知する(たとえば、液晶表示装置6により「上乗せゲーム数」を報知する)、といった構成とすることも可能である。なお、上乗せ特化ゾーンへの移行条件は、適宜定めることができる。たとえば、本実施形態の場合、フリーズ3の発生を条件に移行する、または上乗せ抽選契機役当選を契機に実行される移行抽選に当選した場合に移行される、などが代表例として挙げられる。
このように、回胴演出とフリーズ中サブ側演出とをうまく連携させた再現フリーズ演出の実現は、フリーズ演出のバリエーションを豊富なものとし、演出効果を高めることができる。
(変形例5)
また、記憶対象ゲームにおいて再現フリーズ用図柄データを記憶する際、図11の内部抽選処理(ステップS16)で得られた当選役情報と停止図柄情報(全回胴停止時の停止図柄情報)とを比較参照し、取りこぼしが発生したか否かを判定する機能部(取りこぼし判定手段)を設け、その判定結果情報、具体的には、取りこぼしの発生の有無を特定可能な「取りこぼし情報」を記憶可能に構成する。この場合、取りこぼし情報に基づき、取りこぼしが発生したゲームを再現する際に、取りこぼし時専用の回胴演出(仮停止前の回胴演出)および/またはフリーズ中サブ側演出を現出させることができる。これにより、取りこぼしが発生した記憶対象ゲームであったことを報知することができる。
なお本実施形態では、フリーズ演出が予定される特定の遊技期間(遊技モード)として、フリーズ待機モードを採用した例を説明したが、これはあくまでも一例であり、再現フリーズ演出を実行する上で、どのような特定の遊技期間を採用するか、その種類を1または複数種類とするかどうかは、遊技性やその特定の遊技期間の役割などを考慮して、適宜定めることができる(後述の第10の実施形態〜第13の実施形態についても同様)。
以上に説明した第9の実施形態は、過去のゲームにおける停止図柄情報を記憶することにより、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を忠実に再現できる点で有用である。しかし、第9の実施形態では、停止図柄情報(再現フリーズ用図柄データ)は記憶するが、当選役情報自体は記憶していない。このため、取りこぼしが発生したゲームが再現される場合、当該取りこぼし目が再現されるにとどまり、その取りこぼし目が当選役固有のものでない場合には、どのような当選役を取りこぼしたのかが不明確になる。また、遊技性によっては、当選役に対応した入賞役を再現したり、取りこぼしが発生したか否かにかかわらず、当選役種別を報知したりすることが有用な場合もある。このような事情に鑑み、次に説明する第10の実施形態では、停止図柄情報に替わり、当選役情報を記憶し、再現フリーズ演出にて、過去の当選役に関する情報を報知可能としている。以下、第10の実施形態について詳細に説明する。
〔第10の実施形態〕
図40〜図41を参照して、第10の実施形態(上記(β)に係る再現フリーズ演出)について説明する。なお、第9の実施形態と同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
図41は、再現フリーズ演出により「当選役に関する情報」を報知するために要する「遊技データ(以下、「再現フリーズ用当選役データ」と称する)」の記憶例を示したものである。図示の「記憶番号」の欄の番号1〜7は、各ゲーム目の当選役情報に対応している。詳細は後述するが、図41の記憶例では、記憶番号が最も小さい「1」番が最新の7ゲーム目の当選役情報に対応し、記憶番号「2」がその前回のゲーム(6ゲーム目)、記憶番号「3」がその前々回のゲーム(5ゲーム目)、・・・、記憶番号「6」が6ゲーム前(2ゲーム目)の当選役情報に対応し、記憶番号「7」が最古の当選役情報(1ゲーム目)に対応している。
先ず、本実施形態の理解を容易なものとするために、上記「再現フリーズ用当選役データ」の記憶処理の仕方について説明しておく。本実施形態の場合、メインRAMの所定領域に、再現フリーズ用当選役データを記憶するための記憶領域(再現フリーズ用当選役データ記憶領域)が設けられている。この記憶領域には、所定のゲーム数(最大記憶ゲーム数)分の記憶領域が用意されており、図41は、この記憶領域の模式図である。図41の場合、最大7ゲーム分の再現フリーズ用当選役データを記憶可能な例を示してある。なお、記憶可能なゲーム数は、再現フリーズ演出を実現に要するゲーム数分設けられていれば良く、その記憶可能なゲーム数は、特に制限されない。
上記「再現フリーズ用当選役データ」は、図11の内部抽選処理(ステップS16)で得られる内部抽選結果情報に相当するものであり、内部当選フラグ情報や当選番号情報など、当選役を特定可能な情報が該当する。したがって、その記憶処理は、内部抽選処理(ステップS16)において行うことが好ましい。この内部抽選処理(ステップS16)では、既に説明したように、取得した内部抽選用乱数値と、現在の遊技モードに対応した抽選テーブル(図5)とに基づく内部抽選(役抽選)を行い、その内部抽選結果に対応した当選役情報(たとえば、内部当選フラグや当選番号情報)がメインRAMの所定領域に格納されるが、再現フリーズ用当選役データは、この当選役情報に基づき作成し、再現フリーズ用当選役データ記憶領域に格納するか、内部抽選処理により得られた内部抽選結果を再現フリーズ用当選役データ記憶領域に格納すれば良い。
(再現フリーズ用当選役データの記憶順序について:図41)
本実施形態の場合、再現フリーズ用当選役データの記憶順序については、第9の実施形態の再現フリーズ用図柄データを記憶する仕方と同じである。具体的には、図41に示す記憶番号が最も小さい「1」番の記憶領域に、今回のゲームに係る再現フリーズ用当選役データ(最新の再現フリーズ用当選役データ)が記憶されるようになっている(同図の「1ゲーム目」参照)。次のゲーム(2ゲーム目)では、前回のゲーム(1ゲーム目)で記憶された再現フリーズ用当選役データを次の記憶番号「2」番の記憶領域に移動させて「1」番の記憶領域に空きを作り、この空き領域となった「1」番の記憶領域に、今回のゲーム(2ゲーム目)に係る再現フリーズ用当選役データが記憶される(同図の2ゲーム目参照)。したがって、「1」番の記憶領域には、常に最新の再現フリーズ用当選役データが記憶され、「2」番以降の記憶領域には、順次、古い再現フリーズ用当選役データが記憶される(同図の2ゲーム目〜7ゲーム目参照)。なお、上限記憶数である「7」番の記憶領域には、最古の再現フリーズ用当選役データが記憶されるが、この最古のデータは、次に古いデータに上書き(更新記憶)されていくようになっている。
なお、再現フリーズ用当選役データは、今回のゲームが記憶対象ゲームとして機能する特定のゲームである場合に記憶しても良いし、最大記憶ゲーム数(本例では、7ゲーム分)を上限に、ゲームの実行ごと(1ゲーム毎)に記憶しても良い。後者の場合、再現フリーズ演出の実行の際に、必要とする記憶対象ゲームに係る再現フリーズ用当選役データを抽出して利用可能に構成すれば良い。
(再現フリーズ用図柄データの具体例について:図40、図41)
図41に、1〜7ゲーム間で記憶される再現フリーズ用当選役データを例示する。この例では、1〜7ゲーム間で記憶される再現フリーズ用当選役データが、AT1(1ゲーム目)、ハズレ(2ゲーム目)、AT3(3ゲーム目)、通常リプレイA(4ゲーム目)、強スイカ(5ゲーム目)、通常リプレイA(6ゲーム目)、ハズレ(7ゲーム目)となっている。
(第10の実施形態に係る「再現フリーズ演出」の演出態様について)
次に、本実施形態に係る「再現フリーズ演出」の演出態様について説明する。
フリーズ待機モードの1〜7ゲームを消化すると、最終ゲームの8ゲーム目において、予定されていた「再現フリーズ演出」が実行される。本実施形態では、再現フリーズ用当選役データを利用し、再現フリーズ演出中において、各記憶対象ゲーム(1〜7ゲーム目)における当選役に対応した入賞役、または不当選(ハズレ)に対応したハズレ目を、再現フリーズ演出により再現する。なお、図40(ロ)では、当選役に対応する入賞役を示し、当選役に対応する入賞役が複数種類ある場合には、いずれかの入賞役(たとえば、有利入賞役側の入賞役)を再現対象とした例を示してある。回胴演出による再現の仕方は、第9の実施形態で説明したものと同様であるので、重複記載を避けるために、その説明は省略する。
図40(ロ)に示す1ゲーム目〜7ゲーム目に対応する停止表示態様は、図41に示した各記憶対象ゲームの当選役に対応した入賞役またはハズレ目を例示したものである。具体的には、1ゲーム目は「12枚AT役(AT1当選時の有利入賞役)」、2ゲーム目は「ハズレ」、3ゲーム目は「12枚AT役(AT3当選時の有利入賞役)」、4ゲーム目は「通常リプレイA」、5ゲーム目は「強スイカ」、6ゲーム目は「通常リプレイA」、7ゲーム目は「ハズレ」に対応した各停止表示態様を示してある。
(当選役が押順規定役である場合)
上記「再現フリーズ用当選役データ」は、当選役種別を特定可能である情報である。このため、押し順に応じて複数種類の入賞役の入賞が許容される押順規定役の場合、いずれの入賞役を再現対象とするかという問題があるが、いずれの入賞役を再現対象として定めるかは自由である。好ましくは、有利入賞役側を再現対象とする。ただし、有利入賞役・不利入賞役の区別が付かない場合、たとえば、入賞役自体は異なるが付与される遊技価値が同じである場合や、図柄の組合せが同じ場合などは、再現対象とする入賞役をいずれであっても良い。
なお、再現フリーズ用当選役データに応じた「回胴演出および/またはフリーズ中サブ側演出」を現出可能に構成することができる。たとえば、回胴演出に付随して、フリーズ中サブ側演出を現出し、当選役種別を報知可能な構成しても良い。具体的には、液晶表示装置6の画像表示演出により、当選役種別を報知することができる。
(変形例6)
また、再現フリーズ用当選役データの内容(当選役種別)に応じた回胴演出とすることができる。
たとえば、特定の当選役を指定する再現フリーズ用当選役データである場合と、他の当選役を指定する再現フリーズ用当選役データである場合とで、異なる回胴演出とすることができる(後述の第11の実施形態〜第15の実施形態についても同様)。
また、ハズレを指定する再現フリーズ用当選役データである場合と、そうでない場合とで、異なる回胴演出とすることができる。
また、少なくとも「第1の当選役」を指定する再現フリーズ用当選役データと、「第2の入賞役」を指定する再現フリーズ用当選役データとを含む複数種類の再現フリーズ用当選役データである場合、当該「第1の当選役」である場合と当該「第2の当選役」場合とで異なる回胴演出とすることができる。
(変形例7)
また、「ハズレ」を指定する再現フリーズ用当選役データでない場合、当選役に対応付けられた遊技価値に応じた回胴演出とすることができる。たとえば、遊技価値が払い出し枚数2枚、7枚、12枚で、それぞれ異なる回胴演出とすることができる。なお、押順規定役の場合、有利入賞役側の払い出し枚数を採用することが好ましい。
(変形例8)
(再現フリーズ演出に係るフリーズ中サブ側演出)
また、回胴演出を利用して再現(仮停止状態)する際、再現フリーズ用当選役データに応じたフリーズ中サブ側演出を現出させることができる。具体的には、図40の1ゲーム目(AT1当選)であれば、回胴演出により12枚AT役の停止表示態様を再現すると共に、液晶表示装置6に「1ゲーム目、AT1当選!」の画像表示演出を現出可能に構成することができる。また、再現フリーズ用当選役データで指定される当選役種別に応じて、上記変形例4と同じように、仮停止の際に、対応する入賞音を現出可能に構成しても良い。また、再現フリーズ用当選役データで指定される当選役が「特定の当選役」である場合、上記変形例4と同じように、特殊な効果音を現出させても良い。たとえば、図40の例では、1ゲーム目のAT1と3ゲーム目のAT3は、単に、遊技メダルの払い出しを伴う当選役であるが、5ゲーム目の「強スイカ」は、遊技メダルの払い出しの他、AT抽選契機役として機能する当選役であり(本例のフリーズ待機モードの場合は、AT抽選権利を付与)、AT役よりも相対的に遊技価値が高い入賞役としての位置付けとされる。このように、遊技価値が相対的に高い当選役情報を報知する際には、通常の入賞音ではなく、特殊な入賞音(たとえば、爆発音(第4の効果音))を現出させることができる。
(変形例9)
また本実施形態の場合、再現フリーズ用当選役データを利用することができるため、取りこぼしが発生したゲームでも、取りこぼさなかったら停止されたであろう入賞役を仮想的に再現することができる。ここで、上記変形例5と同じように、取りこぼし判定手段を設け、取りこぼし情報に基づき、取りこぼしが発生したゲームを再現する際には、取りこぼし時専用の回胴演出および/またはフリーズ中サブ側演出を現出させ、取りこぼしが発生した記憶対象ゲームであったことを報知可能に構成しても良い。
この第10の実施形態が第9の実施形態と決定的に異なる点は、記憶対象ゲームの当選役情報を記憶していることにより、当選役の取りこぼしが発生した際であっても、回胴演出を利用して当選役に対応した入賞役を仮停止(仮想的に再現)したり、フリーズ中サブ側演出(たとえば、液晶表示装置6による画像表示演出)により当選役に関する情報を報知したりすることが可能な点である。しかし第10の実施形態は、第9の実施形態のように、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を忠実に再現できない点で、双方の実施形態には、一長一短がある。また第9の実施形態または第10の実施形態のいずれかを採用すれば、メインRAMの記憶容量やプログラム容量を削減できる点で有用ではある。しかし再現フリーズ演出の演出効果を、より向上させるためには、再現フリーズ用図柄データおよび再現フリーズ用当選役データを記憶可能な構成(上記(γ))とすることが好ましい。
〔第11の実施形態〕
次に、第11の実施形態(上記(γ)に係る再現フリーズ演出)について説明する。
本実施形態は、第9の実施形態の再現フリーズ用図柄データを記憶可能な再現フリーズ用図柄データ記憶領域と(図39参照)、第10の実施形態の再現フリーズ用当選役データを記憶可能な再現フリーズ用当選役データ記憶領域と(図41参照)、を備え、再現フリーズ用図柄データまたは再現フリーズ用当選役データに基づいて、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を再現したり、取りこぼしの記憶対象ゲームがあっても、当選役に対応した入賞役を仮想的に再現したりすることができる。この第11の実施形態は、第9および第10の実施形態の双方の利点を生かすことができる点で有用である。
(変形例10)
上記した第9の実施形態〜第11の実施形態においては、全ての記憶対象ゲームに係る遊技情報に基づいて、再現フリーズ演出態様が定まる例について説明したが、その一部の遊技情報に基づいて、再現フリーズ演出を実行しても良い。
たとえば、第9の実施形態の場合、記憶された再現フリーズ用図柄データのうち、ハズレの場合や取りこぼし目に係るフリーズ用図柄情報は除外する、つまり、何らかの入賞役(たとえば、遊技価値が得られる入賞役)に係るフリーズ用図柄情報だけを抽出し、これに基づく再現フリーズ演出を実行しても良い。
また、第10の実施形態の場合、記憶された再現フリーズ用当選役データのうち、ハズレの場合に係るフリーズ用当選役情報は除外する、つまり、不当選を除くフリーズ用図柄当選役情報だけを抽出し、これに基づく再現フリーズ演出を実行しても良い。
また、第11の実施形態の場合、ハズレだけを除外し、取りこぼし目の場合は、当選役に対応した入賞役を仮想的に再現することができる。これは、遊技者の中には、ハズレのように、何ら遊技価値を付与しないものが再現されると煩わしく感じる遊技者もいると考えられるからである。
なお、複数の記憶対象ゲームのうち、一部の記憶対象ゲームにおいて記憶された遊技情報を利用する場合、当該一部の記憶対象ゲーム分の遊技情報を再現するために必要なフリーズ時間を設定可能に構成すれば良い。具体的には、記憶対象ゲームが全7ゲーム分ある場合にはフリーズ時間として「28秒(再現必要時間4秒×7ゲーム分)」を設定し、記憶対象ゲームがその一部の4ゲーム分利用する場合には「16秒(再現必要時間4秒×4ゲーム分)」を設定するように構成する。
また、記憶対象ゲームを制限的なものとする場合、たとえば、「ハズレ」や「取りこぼし」時のゲームを一切排除する場合には、あらかじめ、「ハズレ」や「取りこぼし」時のゲームを、記憶対象ゲームとして扱わずに、当該ゲームの遊技情報は記憶しないように構成することができる。たとえば、記憶対象ゲームとして、上記「第1の特定ゲーム(特定の抽選対象役(不当選を除く特定の抽選対象役)が当選したゲーム)」および上記「第2の特定ゲーム(特定の入賞役が入賞したゲーム(取りこぼしが発生したゲーム))」の一形態を採用すれば良い。また、少なくともハズレを除外するためには、記憶対象ゲームとして、上記「第3の特定ゲーム(特定の払い出し枚数があったゲーム)」を採用することもできる。このように、再現フリーズ演出の再現・報知対象に応じて、除外対象ゲームを決定すれば良い。
〔第12の実施形態〕
以上に説明した第8〜第11の実施形態において、再現フリーズ演出に係る回胴演出は、所定の回転動作パターンに基づく疑似変動表示動作形態の回胴演出であるものとして説明した。この第9〜第11の実施形態の場合は、記憶対象ゲームにおける押し順情報は記憶していないため、回胴演出において回胴を仮停止させる際には、遊技者が実際に回胴を停止操作する際の押し順までは再現されていない。
そこで、この第12の実施形態では、第9〜第11の実施形態において、再現フリーズ用図柄データや再現フリーズ用当選役データの記憶に加え、上記「押し順情報」も記憶可能な構成とし、これにより、再現フリーズ演出中の回胴演出において、遊技者が実際に回胴を停止操作したときの押し順通りに、回胴を仮停止していく、といったことができるようになっている。
具体的には、メインRAMの所定領域に、記憶対象ゲームに係る押し順情報を記憶するための記憶領域(押し順情報記憶領域)が設け、上記停止操作順データ(図11の回胴停止処理(ステップS19)、図16参照)に基づく「押し順情報」を作成し、これを押し順情報記憶領域に格納する。そして、再現フリーズ演出に係る回胴演出において回胴を仮停止する際、押し順情報に基づき、遊技者が実際に回胴を停止操作したときの押し順通りに、回胴を仮停止させていく。特に第9の実施形態の場合は、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を忠実に再現するだけでなく、遊技者が実際に回胴を停止操作した順番をも忠実に再現できる。これにより、遊技の進行過程をも再現することができ、再現性が向上するとともに、再現フリーズ演出を多彩なものとすることができる。また、フリーズ中サブ側演出により、押し順情報を報知しても良い。なお、再現性を高めるべく、仮停止前の回胴演出の回転動作は、通常時の回転と同じ「正回転」動作とすることが好ましい。
〔第13の実施形態〕
また上記した第8〜第12の実施形態おいて、記憶対象ゲームに係る回胴の停止操作タイミングを記憶可能に構成しても良い。回胴の停止操作タイミングについては、たとえば、遊技者が停止操作した際の停止操作図柄番号情報(停止操作位置情報)を記憶可能に構成する。この場合、再現フリーズ演出に係る回胴演出において回胴を仮停止する際(疑似停止動作制御を行う際、または仮停止前動作の一環として)、回胴の回転動作を通常時と同じようにして、停止操作図柄番号情報に基づく引き込み制御を再現可能に構成することができる。また上記「押し順情報」に加え、停止操作図柄番号情報を記憶するようにすれば、特に第9の実施形態の場合、遊技者が実際に停止させた停止表示態様を忠実に再現するだけでなく、遊技者が実際に停止操作したときの押し順と停止操作タイミングも忠実に再現することができる。これにより、記憶対象ゲームに係る遊技進行の過程の再現性が向上し、また再現フリーズ演出を多彩なものとすることができる。再現性の向上は、「過去のゲームの事象を再現する」といった性格を持つ「再現フリーズ演出」の魅力を十分に発揮させることができる上で有用である。
〔第14の実施形態〕
また上記した第8〜第13の実施形態おいて、記憶対象ゲームで他のフリーズ演出(たとえば、フリーズ1〜3)が発生していた場合は、そのフリーズ演出種別を記憶可能に構成し、再現フリーズ演出にて、当該他のフリーズ演出をも再現可能に構成しても良い。遊技モードによっては、再現フリーズ演出が実行される前、つまり基点ゲームから実行ゲームまでの間に、フリーズ演出抽選契機役の当選に起因したフリーズ演出が発生しうる場合がある。たとえば、既に説明したように、ATモード中において、上乗せ抽選契機役としてフリーズ演出抽選契機役が含まれる場合、上乗せ抽選契機役の当選時にフリーズ演出が発生する場合があり、当該フリーズ演出が発生したゲームを記憶対象ゲームとした場合には、再現フリーズ演出において、そのフリーズ演出を再現する回胴演出を実行した上で、回胴を仮停止させても良い。記憶対象ゲームにおいて発生したフリーズ演出をも再現することにより、遊技の進行過程の再現性が向上するとともに、再現フリーズ演出を多彩なものとすることができる。特に、第9、第12、および第13の実施形態に本実施形態を組み合せた構成では、記憶対象ゲームに係る遊技進行の過程の再現性を、より一層高めることができ、斬新性のあるフリーズ演出を実現することができる。
〔第15の実施形態〕
次に図42〜図44を参照して、再現フリーズ演出に係る記憶対象ゲームとして、上記「特定の停止目が停止したゲーム(第4の特定ゲーム)」を採用する実施形態について説明する。
この「特定の停止目」とは、既に説明したように、通常、入賞役として扱われない特殊な停止表示態様であり、たとえば、後述する「リーチ目」や「チャンス目」などである。ここでは、本実施形態の理解を容易なものとするために、主に、ボーナス遊技を獲得することにより遊技者の利益を増やしていくといった遊技性を持つ、所謂「ノーマルタイプ(Aタイプ)」と称される回胴式遊技機に採用するケースを代表的に説明する、なお「ノーマルタイプ」の一例として、ここでは、AT遊技機能を設けず、リプレイ確率が変動しないものとする。また、第8の実施形態〜第13の実施形態と同じ構成要素についての説明は、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
図42に、本実施形態に係る図柄配列帯211を示し、図43に、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、役抽選確率(図5の役抽選テーブルに相当)、およびその配当(遊技価値)の関係を示す。なお、本実施形態に係る有効入賞ラインについては、図7A(A)に示す中段横ラインと、さらに、図7A(B)の破線に示すように、回胴視認部3を横および斜めに横断する形の計4本の合計5本の入賞ラインを有効入賞ラインとする所謂「5ライン機」として説明する。
図43を参照しながら、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、およびその配当(遊技価値)の関係について、簡単に説明しておく。
本実施形態では、図示のように、複数種類の抽選対象役が設けられており、各抽選対象役は、ここでは「押順不問役」として定められている。図示のチェリー1、チェリー2、スイカ1、およびベル1は、小役種に属するものであり、それぞれ、3枚、6枚、10枚、10枚の遊技メダルの払い出しを伴う役として定められている。リプレイ1はリプレイ(再遊技)役に属するものである。また、BB1およびRB1は、特別役種に属するものであり、BB1はボーナス遊技(BB遊技)の実行契機と、RB1はレギュラーボーナス遊技(RB遊技)の実行契機となる役として定められている。
また、BB重複およびRB重複は、重複役に属するものであり、BB重複は、その当選によりBB1とチェリー1とに同時当選可能な役(BB1+チェリー1)、RB重複は、その当選によりRB1とチェリー1とに同時当選可能な役(RB1+チェリー1)として定められている。なお本実施形態では、上記「小役優先制御」を採用し、BB重複またはRB重複が当選した場合、当該当選ゲームでは、先ず、チェリー1対応の図柄の組合せ(「チェリー(中段に停止)−ANY−ANY」(中段チェリー):‘ANY’は図柄種を問わないの意)が優先的に入賞しうる引き込み制御が行われるようになっている。
(BB遊技、RB遊技)
上記BB1が当選し、これに対応する入賞役(図示の「赤7−赤7−赤7」:赤7揃い)が入賞した場合、次回のゲームから、特定の小役種(たとえば、スイカ1、ベル1)の当選確率が高確率に変動する「BB遊技」が発生する。また上記RB1が当選し、これに対応する入賞役(図示の「BAR−BAR−BAR」:BAR揃い)が入賞した場合、次回のゲームから、特定の小役種(たとえば、スイカ1、ベル1)の当選確率が高確率に変動する「RB遊技」が発生するようになっている。またBB遊技中およびRB遊技中では、遊技開始条件となる規定枚数が遊技メダル2枚となり、さらに毎ゲームほぼ小役種が当選し、かつ入賞するようになっており、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができる遊技状態となる。
またBB遊技は、第1の規定枚数(たとえば、312枚)以上の遊技メダルの払い出しを条件に終了され、RB遊技は、第1の規定枚数よりも少ない第2の規定枚数(たとえば、143枚)の遊技メダルが払い出されたことを条件に終了する。したがって、BB1はRB1よりも遊技価値が高い特別役となっており、抽選対象役のうちで最も高い遊技価値を有する役としての位置付けである。
次に図44を参照して、リーチ目とチャンス目について説明する。また図示の符号3a〜3eは、有効入賞ラインである。
(リーチ目:図44(R1)〜(R3))
まず「リーチ目」について説明する。図44(R1)〜(R3)は、「リーチ目」の代表例を示したものである。
「リーチ目」とは、BB1に当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上にBB1に対応する入賞役(赤7揃い)を引き込むことができない場合、つまり、赤7揃い(BB1)の取りこぼしが発生した場合、BB1の当選確定を暗示(示唆)するものとして、または、RB1に当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上にRB1に対応する入賞役(BAR揃い)を引き込むことができない場合、RB1の当選確定を暗示(示唆)するものとして導出される図柄の停止表示態様である。本実施形態では、「赤7揃い」や「BAR揃い」には、目押しを要する図柄配置構成となっており(図42参照)、目押し技術の巧拙により取りこぼし頻度が変化する。ただし、取りこぼした場合であっても、リーチ目が出現せず、ハズレ目または特定の小役を取りこぼしたときと同様の停止目が出現する場合がある。なお、既に説明したように、BB1またはRB1の特別役に当選し、取りこぼしが発生した場合には、その当選フラグは持ち越され、その当選ゲーム以降は「BB(RB)内部当選遊技」となる。
このリーチ目には、BB1を取りこぼした場合にのみ出現(停止表示)するリーチ目(以下、「BB確定リーチ目」と称する)と、RB1を取りこぼした場合にのみ出現するリーチ目(以下、「RB確定リーチ目」と称する)と、BB1を取りこぼした場合と、RB1を取りこぼした場合とで共通して出現するリーチ目(以下、「共通リーチ目」と称する)と、が含まれる。図44(R1)は「BB確定リーチ目」、同図(R2)は「RB確定リーチ目」、同図(R3)は「共通リーチ目」の一例を示したものである。なお、BB確定リーチ目、RB確定リーチ目、共通リーチ目は、1または複数種類設けることができる。
本実施形態では、遊技者による回胴の停止操作タイミングに応じて、上記「リーチ目」か、または後述する「チャンス目」が遊技結果として表示されるように回胴を停止制御する上記停止データが定めてある。
(チャンス目:図44(C1))
次に、「チャンス目」について説明する。図44(C1)は「チャンス目」の代表例を示したものである。
「チャンス目」とは、チェリー役1に当選したが、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上にチェリー1に対応する入賞役(中段チェリー)を引き込むことができない場合に、チェリー役1の当選確定を暗示(示唆)するものとして導出される図柄の停止表示態様である。したがって、このチャンス目は、チェリー1が単独当選した場合と、BB重複またはRB重複に当選した場合とで出現する場合がある。つまり「チャンス目」が出現した場合は、中段チェリーを取りこぼしだけでなく、BB重複またはRB重複に係る中段チェリーを取りこぼした可能性もある。このため、「チャンス目」が出現した場合には、BB1またはRB1もしくはチェリー1のいずれかの役に当選したが、その当選役種別は不明であり、いずれの役にも当選の可能性が含まれる点で、特別役の当確を示唆するリーチ目が出現した場合と事情が異なる。なお、赤7揃いやBAR揃いを取りこぼした場合にもチャンス目が出現するように構成しても良い。また「チャンス目」は、1または複数種類設けることができる。
以上のリーチ目、チャンス目の性質を踏まえ、以下に、再現フリーズ演出を実行するケースについて説明する。なお、説明の便宜のため、BB1またはRB2を「特別役」と称し、BB1またはRB1に対応する入賞役(赤7揃い、BAR揃い)を「ボーナス役」と称する。またBB遊技またはRB遊技を「ボーナス遊技」と称し、重複BBまたはRB重複を「特別重複役」と称する。
(実施例R:リーチ目の出現を契機に、その実行が予定される再現フリーズ演出)
まず、再現フリーズ演出を実行するケースとして、リーチ目の出現を契機とした再現フリーズ演出を実行するケースについて説明する。
上記リーチ目は、特別役(BB、RB)に当選したことを報知するものであり、リーチ目が出現すれば、これを知る遊技者は、特別役に内部当選していることを認識することができる。しかし、遊技機の中には、数百種類以上の多種多様のリーチ目が存在し、ハズレ目のようなバラケ目もリーチ目として定められている機種もある。このような機種では、遊技者がリーチ目であることを見逃してしまう可能性が高くなり、リーチ目を見逃したまま、遊技を辞めてしまう遊技者も多く、折角のボーナス遊技の実行権利を放棄してしまえば、遊技者の損失は大きい。
そこで、この実施例R(後述の実施例R1〜R4)では、再現フリーズ演出の実行条件(フリーズ予定条件)として、リーチ目が出現(停止表示)されることをその条件として定める。つまり、リーチ目が出現したゲームを基点ゲームとして定め、当該基点ゲームから所定のゲーム数後に再現フリーズ演出の実行ゲームを定める。今回のゲームで「リーチ目」が停止したか否かは、全回胴停止時の停止図柄情報(入賞ラインデータ)により判断可能な構成とすることができる(図11の回胴停止処理(ステップS19)中の図柄停止制御処理(図16のステップS304)または図11の入賞判定処理(ステップS20)参照)。また、記憶対象ゲームを基点ゲームから実行ゲームまでの遊技期間とし、記憶対象ゲームをリーチ目が出現したゲームとし、記憶対象を「リーチ目」に係る再現フリーズ用図柄データ、つまり再現対象をリーチ目とする。再現対象をリーチ目とするのは、リーチ目が出現した場合、既に、特別役が内部当選中であることを意味し、当選役種別に関連する遊技情報を再現対象とする必要性に乏しいからである。勿論、再現フリーズ用当選役データを記憶し、これに基づく遊技情報を報知可能に構成しても良い。
ここで、再現フリーズ演出の実行ゲームを、基点ゲームからどの程度先に定めるかに応じて、次のような作用効果を奏することができる。
(実施例R1)
たとえば、リーチ目が出現したゲーム(基点ゲーム)の「次ゲーム」に再現フリーズ演出を実行させる場合には、リーチ目が出現したゲームの次ゲームで再現フリーズ演出が発生しうるので、即告知的なインパクトのあるフリーズ演出として機能させることができる。また再現フリーズ演出では、リーチ目を再現するとともに、フリーズ中サブ側演出により特別役当選も報知されるようになっている。この場合、リーチ目を見逃したとしても、次ゲームにて、特別役の当選を遊技者が認識することができるので、遊技者がリーチ目を見逃したまま、遊技を辞めてしまうことを極力防止することができる。また、リーチ目が出現した基点ゲームが記憶対象ゲームとされるので、再現フリーズ演出により、前ゲームで出現したリーチ目が再現されることになる。このため、遊技者は、特別役の当選とともに、どのようなリーチ目が出現したかも確認することができる。リーチ目を知ることは、遊技者の遊技技術の向上にも繋がるため、遊技者は、再現フリーズ演出をじっくり鑑賞するようになり、優れた演出効果を発揮することができる(後述の実施例R2〜実施例R4も同様)。
ただし、再現フリーズ演出が発生したゲームで目押しに失敗し、さらにボーナス役を取りこぼしてしまった場合、今回のゲームでリーチ目が出現する場合がある。この場合、再度、フリーズ予定条件を満たしたとして、再現フリーズ演出が繰り返し実行させることは、遊技進行を無闇に遅延させることになり、遊技者が煩わしく感じる恐れがある。そこで、一度、再現フリーズ演出を実行した後に、リーチ目が出現したとしても、フリーズ予定条件を未成立として処理する(再度、フリーズ演出を実行させない)ことが好ましい(後述の実施例R2〜実施例Cも同様)。
(実施例R2)
また遊技者の中には、リーチ目の出現を楽しみに遊技に興じている者も多く、自分の知っているリーチ目が出現したことに喜びを感じたり、多くのリーチ目を楽しみたいと欲する遊技者も多く、このような幅広い遊技者の要望を満たすことが好ましい場合もある。
上記事情に鑑み、上記実施例R1のように、リーチ目が出現したゲームの次ゲームに再現フリーズ演出を実行するのではなく、リーチ目が出現したゲーム(基点ゲーム)の「複数ゲーム先」に再現フリーズ演出を実行可能に構成することができる(実施例R2)。この場合、リーチ目の出現回数が複数回になりうるので、再現フリーズ演出が実行された際には、実行ゲームまでに出現した複数種類のリーチ目を堪能させることができる。なお、実行ゲームに至るまでの間に、ボーナス役が入賞した場合、再現フリーズ演出の実行予定をキャンセルし、ボーナス遊技を開始させる。
(実施例R3)
また図44(R1)〜(R3)のように、ボーナス図柄(赤7、BAR)が規則的に並んだリーチ目は、遊技初心者でも比較的覚えやすいリーチ目と考えられる。したがって、このようなリーチ目が出現したときにまで、一々再現フリーズ演出が実行されると、遊技者が煩わしく感じてしまう恐れがある。そこで、複数種類のリーチ目のうち、特定のリーチ目が出現したことを条件に、再現フリーズ演出の実行させることが好ましい。またBB確定リーチ目種別、RB確定リーチ目種別、および共通リーチ目種別のうち、少なくともいずれか1つを、上記「特定のリーチ目」としても良い。なお、再現フリーズ演出というインパクトのあるフリーズ演出の観点からは、遊技者の高揚感が高まる「BB確定リーチ目」を特定のリーチ目とすることが好ましい。
なお、上記実施例R1〜R3では、リーチ目の出現が再現フリーズ演出の実行条件であるとして説明したが、特別役が当選役として決定されたことを条件としても良い。この場合、特別役が当選役として決定されたケーム(基点ゲーム)で、ボーナス役を取りこぼすことなく、入賞となった場合は、再現フリーズ演出の実行予定をキャンセルし、ボーナス遊技を開始させる。なお、上記実施例R3の場合は、特定のリーチ目に関連する特別役が当選役として決定されたことを条件とする。
また上記実施例R1〜R3において、リーチ目が1回の出現したことを再現フリーズ演出の実行条件とするのではなく、リーチ目が複数回出現したことを再現フリーズ演出の実行条件としても良い。
(実施例C:チャンス目の出現を契機に、その実行が予定される再現フリーズ演出)
次に、再現フリーズ演出を実行するケースとして、チャンス目の出現を契機とした再現フリーズ演出を実行するケースについて説明する。
上記チャンス目は、既に説明したように、BB1またはRB1もしくはチェリー1のいずれかの役に当選した場合に出現しうる停止目であり、この点、特別役が当選した場合に出現しうるリーチ目とは異なる。
詳述するに、チャンス目が出現するだけでは、遊技者が「重複特別役」または「チェリー1(当選番号1)」への当選可能性がある、ということが認識できるだけで、当選役種別やその当選期待度が如何なる程度なのか、ということまでは知ることができない。この点に着目し、実施例Cでは、チャンス目の出現を契機に、再現フリーズ演出の実行を少なくとも1ゲーム先に予定し、再現フリーズ演出が実行された際には、その一環として、特別役の当選期待度に応じたフリーズ中サブ側演出を発生させるようにし、これにより、遊技者の当選期待感を煽るようにしている。具体的には、次のような実施形態とすることができる。
図43を参照して、チェリー1と特別重複役(BB重複、RB重複)の抽選確率に着目すれば、チェリー1の方が非常に高い確率で当選するようになっており、またチェリー1は、約1/10程度と、比較的、短期間で当選しうる抽選対象役である。この場合、チェリー1を取りこぼしたときのチャンス目の出現を、再現フリーズ演出の実行条件(フリーズ予定条件)として定めてしまうと、目押しに拙い遊技初心者の場合、高頻度で再現フリーズ演出が発生してしまう。そうすると、フリーズ演出に対する信頼度が低下してしまい、フリーズ演出の本来の魅力が失われる恐れがある。そこで、チャンス目の場合は、当選役種別に応じて、再現フリーズ演出を実行するか否かを抽選(再現フリーズ実行抽選)により決定することが好ましい。
(実施例C1)
具体的には、今回のゲームで、チェリー1または特別重複役が当選役として決定され、かつ、チャンス目が停止されることを条件に、再現フリーズ実行抽選を行い、これに当選した場合にはフリーズ予定条件が成立したとして、当該ゲームを基点ゲームとして、少なくとも1ゲーム先に、再現フリーズ演出の実行ゲームを決定する。なお今回のゲームで「チャンス目」が停止したか否かは、全回胴停止時の停止図柄情報(入賞ラインデータ)により判断可能な構成とすることができる(図11の回胴停止処理(ステップS19)中の図柄停止制御処理(図16のステップS304)または図11の入賞判定処理(ステップS20)参照)。
また上記再現フリーズ実行抽選については、チェリー1の当選確率よりも特別重複役の当選確率の方を高確率に定める。たとえば、チェリー1の場合は5%で当選、特別重複役の場合は40%で当選などである。このようにすれば、チャンス目が出現した後のゲームにおいて、再現フリーズ演出が発生した場合、特別重複役に当選した期待度が高まり、遊技者の特別役への当選期待感を大きく煽ることができる。
なお上記では、チェリー1または特別重複役が当選役として決定され、チャンス目が停止されることを条件に、再現フリーズ実行抽選を行うと説明したが、次のように構成しても良い。たとえば、チェリー1または特別重複役が当選役として決定された場合に再現フリーズ実行抽選を行い、再現フリーズ実行抽選に当選し、かつ、チャンス目が停止した場合には、再現フリーズ演出の実行ゲームを決定し、再現フリーズ実行抽選に当選し、かつ、チャンス目が停止しない場合には、その当選を無効扱いとし、再現フリーズ演出の実行をキャンセルする、といった構成とすることができる。
また重複BBと重複RBとに関する再現フリーズ実行抽選については、遊技価値が相対的に高いBB1が当選する重複BBの当選確率の方を、重複RBの当選確率よりも高確率に定めることが好ましい。たとえば、重複RBの場合は20%で当選し、重複BBの場合はそれよりも高確率の40%で当選とすることが好ましい。
以上に説明した各実施形態では、遊技媒体として遊技メダルを利用したものについて説明したが、遊技媒体は特にメダルに制限されない。たとえば、弾球遊技機に利用されるような遊技球であっても良いし、電磁気的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)を利用した遊技媒体であっても良い。また実物の遊技メダルや遊技球ではなく、電磁気的記録を利用した遊技媒体を用いる場合、所謂「封入式遊技機」の構成とすることができる。
本発明は、フリーズ状態を制御可能な遊技機に有用である。
1 遊技機筐体、
2 前扉、
3 表示窓(回胴視認部)、
3a 入賞ライン、
4 表示窓(液晶画面視認部)、
5a、5b、5c 回胴、
6 液晶表示装置、
6a 表示画面(液晶画面)、
7 メダル投入口、
8 MAXベットボタン、
9 1ベットボタン、
10 クレジット精算ボタン、
11 回胴回転始動レバー、
12a、12b、12c 回胴回転停止ボタン、
13 装飾ランプ、
14 操作パネル部、
15 返却ボタン、
16 スピーカ
17 装飾パネル部、
18 メダル受け皿、
19 メダル払出口、
210 回胴装置、
310 外部集中端子基板、
330 回胴中継基板、
340 演出I/F基板、
340a 入力バッファ回路、
350 払出中継基板、
360 停止スイッチ基板、
370 遊技中継基板、
380 LED基板、
400 主制御基板(主制御部)、
401 マイクロコンピュータ(主制御基板側)、
401a メインROM、
401b メインRAM、
401c メインCPU、
401d CTC、
401e 割り込みコントローラ回路、
402 I/Oポート回路、
403 カウンタ回路、
404 I/F回路、
404a 出力バッファ回路、
405 I/F回路、
406 I/F回路、
407 モータ駆動回路、
408 スイッチ入力回路、
410 演出制御部、
420 演出制御基板、
421 マイクロコンピュータ(演出制御基板側)、
421a サブROM、
421b サブRAM、
421c サブCPU、
421d CTC、
421e 割り込みコントローラ回路、
422 I/Oポート回路、
423 カウンタ回路、
430 回胴設定基板、
440 電源基板、
450 払出制御基板、
460 液晶制御基板、
500 ホッパーユニット、
510 ホッパーモータ、
520 メダル払出センサ。

Claims (1)

  1. 複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段と、
    所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段と、
    前記始動手段の操作を契機に、複数種類の役を対象に抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段と、
    各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段と、
    前記停止手段の操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段と、
    所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御する遅延状態制御手段と、
    所定の決定条件が成立したゲームを基点ゲームとして決定し、その基点ゲームから少なくとも1ゲーム先を前記遅延状態制御手段による前記遅延状態が実行される実行ゲームとして決定する遅延状態実行ゲーム決定手段と、
    前記実行ゲームに係る遅延状態中において回胴の回転動作を制御し、回胴の疑似停止動作を含む回胴演出を現出させる回胴演出制御手段と、
    前記停止制御手段により前記遊技結果として導出表示された図柄の組合せを特定可能な停止図柄情報を記憶する停止図柄情報記憶手段と、を備え、
    前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
    前記回胴演出制御手段は、
    前記実行ゲームよりも前の特定のゲームにおいて記憶された前記停止図柄情報に基づき、当該特定のゲームにおいて実際に前記遊技結果として導出表示された図柄の組合せを、前記疑似停止動作を利用して再現する、
    ことを特徴とする回胴式遊技機。
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