以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<機械的構成:図1>
本発明の一実施形態に係る遊技機として、回胴式遊技機を例にとり説明する。図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。
回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が表示された図柄配列帯を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の図柄の組合せによって遊技結果が導出表示する回胴装置210(遊技結果表示手段)を構成している。本実施形態では、回胴視認部3を介して、各々3個程度(計9つ程度)の図柄が視認可能となっている。
<図柄配列帯200:図2>
図2は、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯200を例示したものである。同図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、当選役に対応した図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が複数種類表示されている。本実施形態では、その図柄種として、上弾、下弾、赤7、BAR、リプレイ、ベルA、ベルB、スイカA、スイカB、チェリーなどの複数種類の図柄が設けられている。これらの図柄が回胴の回転方向に計20コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番~19番のコマ番号が割り当てられている。本実施形態の場合、上弾図柄と下弾図柄とは、2つの図柄で一つの有意な模様や絵柄等の意匠を構成するようになっており(たとえば、上弾図柄と下弾図柄とで「砲弾」を模した図柄となる)、各回胴において、上弾図柄と下弾図柄が連続して配置されている。
各回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより、図柄の変動表示および停止表示が実現される。なお、各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、本発明の目的を達成できるものであれば、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。この場合の画像表示装置は、複数種類の図柄(識別情報)の変動表示動作を実行可能に構成され、遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段の一態様として機能する。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、その数は適宜変更することができる。
回胴視認部3には、ここを斜めに横断する形で、入賞ライン3a(本実施形態では、単一の入賞ライン)が定められている。この入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する所定の賭数(ベット(BET)数)が設定されると有効として扱われる。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上において、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せとなった場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを付与しうる役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルが払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものである。
なお、入賞ラインを複数本設ける場合には、単位遊技(1ゲーム)に対するベット数(賭数)に応じて有効として扱われるライン数を変化させることができる。また入賞ライン3aは、本発明の目的を達成できるものであれば、その本数やライン形態は特に限定されない。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は「液晶画面視認部」であり、前扉2の裏側に装着された液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。この液晶表示装置6は、演出を画像により表示する画像表示手段(演出手段の一つ)として働く。
回胴視認部3の下方の段部には、遊技メダルを投入するための「メダル投入口7」、クレジット手段(いわゆる「貯留装置」)にクレジットされた範囲内(最大クレジット枚数:たとえば、50枚)において、1ゲームに対して許容される賭数の上限値(最大ベット数:たとえば、3枚)まで遊技メダルを一度に疑似投入しうる「MAXベットボタン8」、押した回数に応じて上記賭数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる「1ベットボタン9」、クレジット精算を行うための「クレジット精算ボタン10」などが設けられている。またMAXベットボタン8の内部には、MAXベットボタン8の操作が許容状態であるか否かを報知するためのMAXベットLED39(図3参照)が内蔵されている。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、停止ボタン12a、12b、12cを「停止ボタン12」と略称する。
前扉2の裏面側のメダル投入口7に対応する位置には、メダルセレクタが設けられている。このメダルセレクタには、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、投入された遊技メダルをホッパーユニット500側に誘導する受入通路側またはメダル受け皿18側に誘導する返却通路側に誘導する、ブロッカーソレノイド7c(図3参照)による通路切換機構が形成されている。
また回胴視認部3の下部側には、横長状に形成された遊技パネル77が設けられている。この遊技パネル77の内側には、遊技者に対し、現在の遊技進行具合・遊技状況を報知するための各種の表示部が設けられている。
遊技パネル77には、(a)遊技メダルの投入枚数(現在のベット数1~3枚)を報知する「投入枚数表示部(投入枚数表示LED31、32、33:LED31~33全点灯でベット数3枚、LED31~32の2つ点灯でベット数2枚、LED31が1つ点灯でベット数1枚を報知)」、(b)クレジット枚数を表示する「クレジット枚数表示器34(クレジット枚数表示部)」、(c)遊技結果(入賞)に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する「払出枚数表示器35(払出枚数表示部)」、(d)遊技メダルの投入が受付可能状態であるか否かを報知する「メダル投入表示LED36(メダル投入表示部)」、(e)再遊技が作動中(再遊技中)であるか否かを報知する「再遊技作動LED37(再遊技作動表示部)」、(f)始動レバー11の操作が有効(遊技開始可能状態(回胴始動可能状態))であるか否かを報知する「遊技開始表示LED38(遊技開始表示部)」などの表示部が設けられている(図3参照)。
クレジット枚数表示器34や払出枚数表示器35は、7セグメント表示器により現在のクレジット枚数情報や遊技結果に応じた払い出し枚数情報を報知可能に構成されている。また、投入枚数表示LED33、メダル投入表示LED36、再遊技作動LED37、遊技開始表示LED38などは、その内蔵LEDの発光態様(消灯・点灯(点滅)などの発光パターンや発光色など)により、現在の投入枚数、遊技メダルの投入が受付可能か否か、再遊技が作動中であるか否かの遊技状況を報知可能に構成されている。
また操作パネル部14の下方には、色彩や文字や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18の遊技機本体側には、ホッパーユニット500(遊技媒体払出手段:図3参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルをメダル受け皿18側に排出するためのメダル払出口19が開口している。
また回胴視認部3の左右両側には、装飾ランプ13(光演出手段)が設けられている。この装飾ランプ13は、フルカラーLEDやELランプなどの発光手段を内蔵し、その発光態様により、遊技に関する光演出効果を発揮する。また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、スピーカ16(音演出手段)が設けられている。スピーカ16は、遊技に関する音楽や効果音を出力して、遊技に関する音演出効果を発揮する。なお図示はしていないが、遊技機の適所に、遊技者が操作可能な「演出ボタン(手操作手段)」が設けられている。この演出ボタンは、その操作の前後で、特定の演出(遊技者参加型演出に変化をもたらすために利用される。
(演出手段)
本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ13やLED、図柄照射用バックライトLEDなどの光発生手段、演出表示装置、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、または可動体役物などはその代表例である。なお上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグメントによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図3~図4>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図3は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板400(以下、「主制御部400」と称する)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出(実行)制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する不図示の電源基板(電源制御手段)とを中心に構成される。演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400は、CPU(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムや遊技動作制御に必要な種々のデータを格納したROM(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また主制御部400は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込コントローラ回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路(16ビットカウンタ)なども備えている。主制御CPUは、処理状態に応じてサンプリング回路に指示を送ることで、乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得し、その乱数値を内部抽選(役抽選)に利用する。なお、内部抽選用乱数は、狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、クレジット精算ボタン10の操作を検出するクレジット精算スイッチ10aと、始動レバー11の操作を検出する始動スイッチ11aと、各回胴に対応した停止ボタンの操作を検出する停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、ブロッカーソレノイド7cが接続され、主制御部400は、ブロッカーソレノイド7cを制御するための励磁信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、遊技表示基板390が接続されている。この遊技表示基板390には、LED表示器である、投入枚数表示LED31~33、メダル投入表示LED36、再遊技作動LED37、遊技開始表示LED38、MAXベットLED39などが搭載され、また7セグメント表示器である、クレジット枚数表示器34や払出枚数表示器35などが搭載されており、主制御部400は、これら表示器を発光制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して、左回胴5aを回転させるための左回胴駆動モータ211aと、中回胴5bを回転させるための中回胴駆動モータ211bと、右回胴5cを回転させるための右回胴駆動モータ211cとが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して、各回胴の回転位置(基点からの現在位置)や回胴の回転状態を検出するための回胴位置検出センサ212a(左回胴5a用)、212b(中回胴5b用)、212c(右回胴5c用)が接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。主制御部400は、回胴位置検出センサからの検出信号に基づき、各回胴の現在位置や回転状態を把握可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介して、ホッパーユニット500が接続されている。このホッパーユニット500は、遊技メダル払出装置として機能し、メダル排出機構を駆動するためのホッパーモータ510と、ホッパーモータ510の動作を制御する払出制御基板450と、メダル受け皿18に向けて排出される遊技メダルを検出するためのメダル払出センサ520とが設けられている。
主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払出制御基板450に対して払出枚数を指定する「払出制御コマンド」を送信し、払出制御基板450は、当該払出制御コマンドを受信すると、ホッパーモータ510を駆動制御して、指定された枚数分の遊技メダルを1枚ずつ払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御部400に入力される。主制御部400は、メダル払出センサ520からの検出信号に基づいて、払い出し枚数や、遊技メダルの払い出し状態を監視する。
また主制御部400には、払出中継基板350を介して、満杯検知金具600が接続されている。この満杯検知金具600は、ホッパーユニット500から溢れた余剰の遊技メダル貯留する補助タンク(図示せず)の満杯状態(オーバーフロー異常)であるか否かを検出する。主制御部400は、満杯検知金具600からの検出信号に基づき、遊技機内部の遊技メダルが満杯状態である否かを監視する。
また主制御部400には、外部集中端子基板310を介して、パチンコ店の遊技機の稼働状況を統括的に管理するホールコンピュータHCに対し、所定の遊技情報(たとえば、ゲーム開始情報、遊技メダルの投入・払出枚数情報、入賞の発生情報、ボーナス遊技発生情報など)を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴設定基板430が接続されている。この回胴設定基板430には、所定の動作エラーを解除するためのリセットスイッチ、設定値を変更するための設定変更スイッチと、その設定変更スイッチを有効化するための設定キースイッチなどが搭載され、回胴設定基板430は、これらスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。
上記「設定値」とは、遊技者に付与する利益の期待値(所謂、機械割やPAYOUT率(出玉率))を段階別に規定するものであり、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員により適宜設定される。本実施形態では、設定値1~6の順で機械割(出玉率)が高くなるように定められており、設定値が高くなるほど、遊技機で実行される所定の抽選が優遇されるようになっている。たとえば、設定値が高くなるほど、1または複数種類の特定の抽選対象役(たとえば、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーなど)の内部抽選確率(図4A、図4B)が相対的に高確率に設定されて、遊技者に有利に作用するようになっている。したがって、機械割に関し、最低設定値「1」であれば遊技者が最も不利となり、最高設定値「6」であれば遊技者にとり最も有利となる。
また主制御部400には、演出制御部410が接続されている。この演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを中心に構成され、主制御部400には、演出I/F(インターフェース)基板340を介して、演出制御基板420が接続され、この演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。
主制御部400は、処理状態に応じて遊技に関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、ゴト行為を防止するために、主制御部400は演出制御部410(演出制御基板420)に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(演出制御部410:演出制御基板420、液晶制御基板460)
演出制御基板420は、CPU(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、タイマ割込/割込禁止機能などを備える割込みコントローラ回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路(16ビットカウンタ)も備えている。演出制御CPUは、処理状態に応じて、乱数生成回路が示している数値を演出抽選用乱数値として取得し、その乱数値を、演出を選択するための演出抽選に利用する。
また演出制御基板420には、演出ボタンの操作を検出するための演出ボタン用スイッチ(図示せず)が接続され、演出制御基板420は、演出ボタンからの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の決定、液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信、スピーカ16の音制御、装飾ランプ13や各種演出用LEDの発光制御、可動体役物(図示せず)の動作制御などである。
演出制御基板420は、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて、光、音、または可動体役物による演出を現出するために、装飾ランプ13や演出用LEDを含む光表示装置に対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置に対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物を動作させるための可動体役物モータに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御基板420は、これら制御部に対し、演出手段を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また液晶制御基板460は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMと、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力するCPU(液晶制御CPU)と、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納するROM(液晶制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM(液晶制御RAM)と、を中心に構成されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信、液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示演出の現出制御などである。
演出の現出制御については、演出制御基板420(演出制御CPU)が主制御部400から送られてくる所定の演出制御コマンドに基づき、現出すべき演出シナリオを構築し、その演出シナリオに従い、効果音や光演出の発生が必要なタイミングで上記音響発生装置や光表示装置に対し専用の制御信号を送信し、また液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対し送信する。液晶制御基板460は、上記液晶制御コマンドを受けて、液晶表示装置6に対する表示駆動信号を生成して、液晶表示装置6による画像表示演出を現出制御する。上記演出シナリオは、複数種類の演出パターンを含んで構成される広義の意味での演出であり、個々の演出パターンは、演出シナリオを構成する一要素(パーツ演出)として機能する。これにより、演出シナリオに沿った、画像表示演出(演出画像表示)、音演出(音の再生)、光演出(LED・ランプ等の点滅点灯駆動)、可動体演出(役物の動作)が実現され、種々の演出パターンが時系列的に展開されて目的の演出が現出される。
また演出制御基板420は、主制御部400からの、現在の遊技状態(主制御部側で管理される遊技状態)を指定するコマンドや、遊技状態移行を指定するコマンドを受けて、複数種類の演出状態(演出モード)間を移行制御可能な構成となっている。詳しくは、演出制御基板420は、遊技状態に関連した演出モードを管理する演出状態管理手段を有し、演出状態管理手段は、上記特定の演出制御コマンドに含まれる情報から主制御部400側で管理される各種の遊技状態、たとえば、後述の初期遊技、準備ART遊技、本ART遊技、BB内部当選遊技、ボーナス遊技中などを把握し、主制御部側の遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モードのうちから現在の遊技状態に対応した演出モードに移行制御し、遊技状態に関連した適切な演出を現出させるようになっている。
(遊技動作の概要)
次に、遊技動作の概要を説明する。主制御部400は、所定の遊技開始条件の下、始動レバー11の操作を検出したことを契機に役抽選(内部抽選)を実行し、回胴の回転制御を実行する。詳しくは、主制御部400は、メダル投入信号(メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号)に基づき、遊技開始可能となる規定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが投入されたか否かを監視し、当該規定枚数の投入を確認すると、始動スイッチ11aからの操作信号の入力受付を有効化、つまり「遊技開始可能状態」に設定する。この遊技開始可能状態下で、始動スイッチ11aからの操作信号の入力を確認した場合、上記内部抽選用乱数値と図4A~図4Bに示す「役抽選テーブル」とに基づいて、内部抽選を実行する。
主制御部400は、内部抽選処理により、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを決定し、その抽選結果情報を所定の処理が終了するまで主制御RAMの所定領域に格納(設定)する。この抽選結果情報は、原則として、1ゲーム毎にクリアされるようになっている。
(役抽選テーブル:図4A、図4B)
図4Aおよび図4Bに、本実施形態に係る役抽選テーブルを例示する。役抽選テーブルには、各種の遊技状態(後述のRT0~RT3遊技中、BB内部中(BB内部当選中)、BB中(ボーナス遊技中)など)に応じた、複数種類の役抽選テーブルが含まれる。
また役抽選テーブルには、設定値(たとえば、設定値1~6)に応じた役抽選テーブルが設けられている。たとえば、RT0~RT3遊技に対応する役抽選テーブルについて、1または複数種類の特定の抽選対象役(たとえば、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーなど)の抽選確率が設定値に応じて異なり、特定の抽選対象役の抽選確率は、設定値が高くなるほど、遊技者に有利に作用するように定められている。図示では、特定の設定値(たとえば、設定値6)に対応した役抽選テーブルを代表的に示し、他の設定値に対応する役抽選テーブルについては、重複記載を避けるために省略してある。
「役抽選テーブル」には、図示の通り、抽選対象役(役抽選の対象となる役)に対応した当選領域(判定値)を有する抽選領域(抽選領域の大きさは、65536)が定められており、これにより各役の当選確率(判定値/抽選領域の大きさ:内部当選確率)が規定される。この実施形態の場合、抽選対象役として、不当選(ハズレ)を含む43種類の抽選対象役が設けられており(各役についての詳細は後述する)、主制御部400は、役抽選テーブルを参照し、内部抽選乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、いずれの役に当選したのか不当選(ハズレ)であるのかを決定する。また図示の通り、遊技状態(RT0~RT3、BB内部中、BB中)に応じて、特定の抽選対象役種別や特定の抽選対象役の当選確率などが異なっており、遊技状態に応じて抽選対象役を異ならせることにより、遊技内容の豊富化を図っている。
上記の内部抽選処理を終えると、主制御部400は、回胴駆動モータ211a~211cを駆動制御し、各回胴5a~5cを回転始動させ、各回胴を略一定速度で回転させる。これにより、各回胴を回転させる回転動作を実現している。ただし、後述のフリーズ演出(レバー操作時フリーズ)を実行する場合は、所定のフリーズ時間を待って、通常の回転動作を開始させる。
各回胴が略一定速度で回転されると、主制御部400は、停止スイッチ12a’~12c’からの操作信号の入力受付を有効化、つまり「停止操作許容状態」に設定する。この停止操作許容状態下で、停止スイッチ12a’~12c’からの操作信号の入力を確認した場合、そのタイミングで、特定位置(たとえば、図7の下段横ライン上)に存在する図柄番号を停止対象となった回胴に係る「停止操作図柄番号」として取得し、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを停止データを定めた「停止テーブル(図示せず)」から割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。
上述の「停止テーブル」には、最大引き込みコマ数範囲内(本実施形態では最大4コマ)で、上記「停止操作図柄番号」に対する滑りコマ数を定めた停止データが定められており、最大引き込みコマ数範囲内において特定の図柄を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる、所謂「引き込み制御」を実行可能となっている。これにより、当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる、回胴の停止制御(引き込み制御)が実現される。斯様な「引き込み制御」の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯200における図柄に対応した滑りコマ数や引き込み率などを定めれば、当選役の構成要素図柄を停止操作手順(押し順および停止操作タイミング)によらずに有効入賞ライン上に停止可能にしたり(引き込み率100%にする)、停止操作手順によっては、最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能にして、所謂「取りこぼし」を生じさせることができる。
なお、内部抽選によりいずれの役にも当選していない「不当選(ハズレ)」の場合は、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定される。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作手順によらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。
<役構成について:図5A~図5C>
次に図5A~図5Cを参照しながら、本実施形態に係る役構成について説明する。図5A~図5Cは、本実施形態に係る抽選対象役の種類(抽選対象役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)とその役名称、その図柄の組合せを成立させるための停止操作手順、および配当(遊技価値)などの関係を例示したものである。
なお、図5A~図5Cに示す「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。また図中の「押し順」の欄に関する「左」「中」「右」の表記について、「左」は停止操作対象が左回胴5a、「中」は中回胴5b、「右」は右回胴5cを意味し、同欄の「左中右」や「第1停止左」などの表記は、同図の「入賞役種別」の欄に対応した図柄の組合せを成立させるための回胴の停止操作順番(押し順)を示す。たとえば、上記「左中右」の表記は、左回胴5a、中回胴5b、右回胴5cのこの順番で回胴を停止させる押し順を意味し、「第1停止左」の表記は、第1番目の停止操作を左回胴5aとする押し順を意味する。以下、説明の便宜上、必要に応じて、第X番目の停止操作を「第X停止」と略し、「第X番目に停止操作対象とする回胴」を「第X停止左」「第X停止中」「第X停止右」等と略す。ただし、図示の抽選対象役種別の中には、その役が当選した場合、その当選役に対応する図柄の組合せを入賞させる条件として、押し順だけでなく、所定の停止操作タイミングを要する場合もある。
本実施形態では、図5A~図5Cに示す通り、複数種類の抽選対象役(抽選番号1~42)が設けられている。これら抽選対象役は、性能の異なる役種別として、後述の‘ボーナス遊技’への移行契機となる「特別役種」に属するものと、‘所定枚数の遊技メダルの払い出し(払い出し0枚を含む)’を伴う「小役種」に属するものと、‘再遊技’を伴う「リプレイ役種(再遊技役種)」に属するものとに大別される。
なお上記「再遊技」とは、遊技メダル(遊技媒体)等の投入(クレジット手段により、またはその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む)をすることによらずに行うことができる遊技をいう。具体的には、今回のゲームで使用した遊技媒体量(投入枚数)と同一量(同一枚数)を疑似的に付与(自動投入)して、次回のゲーム開始条件を付与する。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。なお、遊技者に付与される遊技価値には、再遊技や遊技メダルの他、遊技状態の移行、遊技状態移行抽選(たとえば、後述のAT抽選)の実行権利なども含まれる。また、遊技価値には、遊技者に有利に作用するものに限らず、遊技者に不利に作用するもの(たとえば、有利な遊技状態よりも利益度合いの低い他の遊技状態への転落移行など)も含まれる。
本実施形態の場合、上記した特別役種には「BB1、BB2」(抽選番号41、42)が設けられており、小役種には「弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通ベルA、共通ベルB、押順ベル種別」(抽選番号23~40)が設けられており、リプレイ役種には「通常リプレイ、移行リプレイ種別、演出リプレイ、チャンスリプレイ」(抽選番号1~22)」などが設けられている(図5A~図5C)。
上記抽選対象役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。詳しくは、内部抽選により当選役が決定された場合、その当選役に対応する1または複数種類の内部当選フラグが成立し、その成立した内部当選フラグに対応する図柄の組合せ(入賞役)が、有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。したがって、当選役によっては、1回の内部抽選で内部当選フラグが複数種類成立して、対応する図柄の組合せ(入賞役)が複数種類存在するものもある。たとえば、後述のRT2移行リプレイ(当選番号1~7)は、その当選により、入賞役として、通常リプレイとRT2移行リプレイの2種類の入賞役の入賞を許容する。斯様な抽選対象役は、1回の内部抽選で通常リプレイAとRT2移行リプレイとに同時当選(重複当選)したことと同義であり、1回の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な「重複役」として扱うことができる。本実施形態では、この「重複役」のように、当選役とその当選役により許容される停止図柄態様(入賞役)とを1対Nに対応させた抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を複数種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。このような重複役としての性質を有するものには、上記移行リプレイ種別(当選番号1~7)の他、後述の演出リプレイ種別(抽選番号16~21)、押順ベル種別(抽選番号29~40)などがある。
なお本明細書中では、当選役に対応して、有効入賞ライン上に停止する図柄の組合せを「入賞役」と称する場合があり、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止(成立)することを「入賞」と称する場合がある。なお「取りこぼし」が発生した場合の特定の停止図柄表示態様(所謂「取りこぼし目」)も入賞役の一態様として扱うことができる。また本明細書中において、「図柄1/図柄2/・・/図柄N」の表記は、「図柄1、図柄2、・・・、または図柄N」の意であり、たとえば、上述の「リプレイ」-「ベルA」-「上弾/チェリー」という表記であれば、「リプレイ」-「ベルA」-「上弾」の図柄の組合せ、または「リプレイ」-「ベルA」-「チェリー」の図柄の組合せを意味する。
(疑似入賞ライン)
ここで本発明の理解を容易なものとするために、先ず図6を参照して、仮想的な入賞ライン(以下、「疑似入賞ライン」と称する)と有効入賞ラインとの関係について説明しておく。
本実施形態の抽選対象役には、当選した場合に、押し順にかかわらず、対応する入賞役の入賞を許容しうる「押順不問役」や、少なくとも押し順に応じて異なる役の入賞を許容しうる「押順規定役」などが含まれ、多種多様な役により遊技性の豊富化を図っている。
このように多種多様な役を設けて遊技性の幅を広げる場合、従来から多くの回胴式遊技機に見られるように、たとえば、図6(A)および(B)に示す「右下りライン」「左下りライン」「上段横ライン」「中段横ライン」および「下段横ライン」の計5本の入賞ラインを有効入賞ラインとして扱う所謂「5ライン機」のように、多数の有効入賞ラインを設けてしまうと、引き込み制御や役の構成要素図柄や図柄配列帯における図柄配置構成などの関係上、遊技機を設計する上で役構成が複雑化して、役の種類を制限せざるを得なくなり、遊技性の自由度が阻害されてしまう。
そこで本実施形態では、有効入賞ラインを少なくし、たとえば図6(A)に示すような「右下りライン」だけの1ラインを有効入賞ラインとして扱う「1ライン機」とし、図6(B)の破線のラインである「左下りライン」「上段横ライン」「中段横ライン」および「下段横ライン」は、仮想的な入賞ライン(以下、「疑似入賞ライン」と称する)とし、一般的な「5ライン機」を模した入賞ラインを形成している。有効入賞ラインと疑似入賞ラインとの関係は、次のようになる。たとえば、図5Aに示す「通常リプレイA」が当選した場合、有効入賞ライン上には「リプレイ」-「ベルA」-「上弾/チェリー」という一見してバラケ目が停止するが、「上段横ライン」上には、「リプレイ」-「リプレイ」-「リプレイ」(リプレイ図柄揃い)という同一図柄の組合せが停止する(上段リプレイ表示)。このように、有効入賞ライン上には、一見して、ハズレのようなバラケ目が停止するようになっているが、疑似入賞ラインの観点から見ると、上段ライン上には‘リプレイ図柄揃い’が成立し、遊技者が認識し易い図柄の組合せが停止するようになっている(見た目上、通常リプレイが入賞したように表示される)。他の役についても同様に、疑似入賞ライン上に、遊技者が認識し易い図柄の組合せ、あるいは特殊な停止目が停止しうるものがある(たとえば、弱スイカ、押順ベルA~B、押順ベル種別など)。ここで混同してはならないのは、上記した「バラケ目」のような図柄の組合せが実際の当選役に対応する図柄の組合せ(真の入賞役)であり、疑似入賞ライン上に停止する図柄の組合せは、有効入賞ライン上に停止する真の入賞役の代替の図柄の組合せとして導出表示される仮想的な入賞役(仮想入賞役)である。このように疑似入賞ラインや有効入賞ラインの役割をうまく利用することにより役構成の自由度が増し、遊技内容の豊富化を図ることができる。
再び図5A~図5Cの説明に戻り、本実施形態に係る役構成(抽選対象役種別、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)および配当などの関係)について説明する。なお以下では、説明の便宜上、「図柄の組合せ」の欄に示すには、有効入賞ライン上に停止する‘真の入賞役’側を表記してある。
(リプレイ役種:抽選番号1~22)
図5Aおよび図5Bを参照して、まずリプレイ役種別(抽選番号1~22)について説明する。本実施形態では、リプレイ役種別として、上記押順不問役に属する「押順不問再遊技役(押し順によらず、特定のリプレイ図柄の入賞を許容するリプレイ役)」と、上記押順規定役に属する「押順規定再遊技役(押し順に応じて、異なるリプレイ図柄の入賞を許容するリプレイ役)」などが設けられている。
(通常リプレイA:抽選番号1)
まず、抽選番号1の「通常リプレイA」について説明する。
図5Aに示すように、通常リプレイAの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイ」-「ベルA」-「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。この通常リプレイAは、上記「押順不問役(押順不問再遊技役)」に属するものであり、対応する図柄の組合せ(通常リプレイ)を入賞させるための停止操作タイミングも必要としない。つまり、通常リプレイAが当選した場合、どのような停止操作手順であっても、上記通常リプレイが入賞し、配当として「再遊技」が付与される。なお、右回胴5cのチェリー図柄については、6番のチェリー図柄以外のチェリー図柄が停止し、前述したように、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止した場合、上段横ライン上には、リプレイ図柄揃いが表示される(上段リプレイ表示)。この点について、通常リプレイの入賞を許容する他の抽選対象役、たとえば、後述のRT2移行リプ種別や演出リプレイ種別などについても同様である。
(移行リプレイ種別:抽選番号2~15)
次に、抽選番号2~15の「移行リプレイ種別」について説明する。これらの移行リプレイ種別は、上記「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属するものであり、その性能の違いにより、抽選番号2~7の「RT2移行リプ種別」、抽選番号8~10の「RT1転落リプ種別」、抽選番号11~15の「RT3昇格リプ種別」に分類される。
なお本実施形態の押順規定役には、所定の押し順の場合には遊技者にとり有利に作用する図柄の組合せ(有利入賞役)が、それとは異なる押し順である場合には遊技者にとり不利に作用しうる図柄の組合せ(不利入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうるように定められているものや(たとえば、移行リプ種別や後述の押順ベル種別等)、押し順に応じて異なる図柄の組合せを入賞させるが、上述した有利入賞役や不利入賞役のように配当の軽重を持たせず、専ら、押し順に応じて異なる図柄の組合せを導出表示させることにより、演出的効果を発揮させるもの(たとえば、後述の演出リプレイ1~5)、などの特色を持たせた役が設けられている。
(RT2移行リプ種別:抽選番号2~7)
まず、抽選番号2~7の「RT2移行リプ」種別について説明する。RT2移行リプ種別には、図5Aに示すように、RT2移行リプ123~RT2移行リプ321の計6種類のRT2移行リプが設けられている。
上記RT2移行リプ123~RT移行リプ321は、「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属し、押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用しうる入賞役(有利入賞役)か、または不利に作用しうる入賞役(不利入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうるように定められている。これらRT2移行リプ123~RT移行リプ321は、主に、有利入賞役または不利入賞役の入賞に関する押し順が異なる点を除き(図5Aの「押し順」欄参照)、その他の内容は実質的に同じであるので、ここでは重複記載を避けるために、抽選番号1の「RT2移行リプ123」を代表的に説明する。
(RT2移行リプ123について)
「RT2移行リプ123」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」-「リプレイ」-「リプレイ」の図柄の組合せ(RT2移行リプレイ:右斜めリプレイ表示)と、(2)通常リプレイAと同様の「リプレイ」-「ベルA」-「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。つまり、RT2移行リプ123が当選役として決定された場合、入賞役として、RT2移行リプレイと通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。換言すれば、RT2移行リプ123は、その当選により、RT2移行リプレイの入賞を許容する役と、通常リプレイの入賞を許容する役(通常リプレイA)とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
次にRT2移行リプ123の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明すれば、次の通りである。
(押し順が「左中右」の場合)
図5Aに示すように、RT2移行リプ123が当選した場合、押し順が「左中右」の場合には、RT2移行リプレイが有効入賞ライン上に停止(入賞)するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。
(押し順が「左中右」以外の場合)
これに対し、押し順が「左中右」以外の押し順である場合には、RT2移行リプレイではなく、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。
なお、RT2移行リプ種別については、図5A「押し順」の欄から分かるように、それぞれに割り当てられた所定の押し順である場合には、「RT2移行リプレイ」が有効入賞ライン上に停止し、その割り当てられた所定の押し順とは異なる押し順の場合には、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止する。また本実施形態の場合、RT2移行リプ種別に係る入賞役を入賞させるためには、押し順だけが関係し、停止操作タイミングを必要としないものとなっている(本実施形態の場合、後述のRT1転落リプ種別、RT3昇格リプ種別についても同様)。またRT移行リプレイを入賞させる押し順については、各RT2移行リプ同士で、互いに異なる押し順が割り当てられている(図5A「押し順」の欄参照)。
(RT2移行リプ123の配当について)
上記「通常リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が入賞した場合、配当として「再遊技」が付与される。ただし、RT2移行リプレイが入賞した場合は、再遊技の他に、「RT1遊技よりも高利益状態のRT2遊技に移行する」といった「遊技状態の移行」という他の遊技価値が追加的に付与されるようになっている。一方、「通常リプレイ」が入賞しても遊技状態の移行は無く、現在のRT遊技が維持される。この点において、RT2移行リプ種別に係るRT2移行リプレイは有利入賞役側の入賞役(通常リプレイよりも遊技価値が高い入賞役)、通常リプレイは不利入賞役側の入賞役(RT2移行リプレイよりも遊技価値が低い入賞役)としての位置付けとなっている。このように、RT2移行リプ123(他のRT2移行リプレイ種別も同様)は、その当選に起因して、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」として働く。なお、各RT遊技の内容や各RT遊技間の移行制御については、図7にて詳述する。
ここで図5A~図5Cでは、同図の「抽選対象役種別」の欄の役名称に付されているアラビア数字は、特定の入賞役を入賞させるための押し順を示しており、基本的には、有利入賞役側を入賞させるための押し順を示している。たとえば「RT2移行リプ123」の場合、「123」のアラビア数字表記部について、「1」の表記は左回胴5a、「2」の表記は中回胴5b、「3」の表記は右回胴5cに対応し、「123」の表記は、「左中右」の押し順を意味している。他の表記も同様に、「132」は‘左中右’を、「213」は‘中左右’を、「231」は‘中右左’を、「312」は‘右左中’を、「321」は‘右中左’を意味する。また、「1XX」の表記は‘第1停止左回胴、残りの回胴の押し順は不問’、「2XX」は‘第1停止中で残りの回胴の押し順は不問’、「3XX」は‘第1停止右回胴、残りの回胴の押し順は不問’を意味する。
(RT1転落リプ種別:抽選番号8~10)
次に、抽選番号8~10の「RT1転落リプ」種別について説明する。
RT1転落リプ種別には、図5Aに示すように、RT1転落リプ1XX~RT移行リプ3XXの計3種類のRT1転落リプが設けられている。RT1転落リプ種別は、上記RT2移行リプ種別と同様に、「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属する。
上記RT1転落リプ1XX~RT移行リプ3XXは、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、重複記載を避けるために、抽選番号9の「RT1転落リプ1XX」を代表的に説明する。なお、上記した「RT2移行リプ種別(RT2移行リプレイ123)」と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるためにその説明は適宜省略する。
(RT1転落リプ1XXについて)
「RT1転落リプ1XX」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」-「ベルA」-「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)と、(2)「リプレイ」-「リプレイ」-「ベルA/ベルB」の図柄の組合せ(転落リプレイ)となっている。つまり、RT1転落リプ1XXが当選役として決定された場合、転落リプレイと通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
RT1転落リプ1XXが当選した場合、図示のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上述した「RT2移行リプ123」と同事象のように、押し順に決定される。具体的には、押し順が「第1停止左」の場合には「通常リプレイ」が、それ以外の押し順の場合には「転落リプレイ」が有効入賞ライン上に停止(入賞)するようになっている。他のRT1転落リプ(転落リプ2XX~RT1転落リプ3XX)についても同様に、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順に応じて決定される。また「通常リプレイ」または「転落リプレイ」を入賞させる押し順については、各RT1転落リプ同士で、互いに異なる押し順が割り当てられている(図5A「押し順」の欄参照)。
(RT1転落リプ1XXの配当について)
上記「通常リプレイ」または「転落リプレイ」が入賞した場合、配当として「再遊技」が付与される。ただし、転落リプレイが入賞した場合は、配当として再遊技の他に、「RT2遊技やRT3遊技からRT1遊技に転落移行される(リプレイ確率は「RT1遊技<RT2遊技、RT3遊技」の関係:図7参照)」といった「遊技状態の移行」という他の遊技価値が追加的に付与される。一方、通常リプレイが入賞しても遊技状態の移行は無く、現在のRT遊技が維持される。この点において、RT1転落リプ種別に係る通常リプレイは有利入賞役側の入賞役(転落リプレイよりも遊技価値が高い入賞役)、転落リプレイは不利入賞役側の入賞役(通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役)としての位置付けとなっている。このように、RT1転落リプ1XXも遊技状態の移行契機となる点で、上記したRT2移行リプ種別と同じく「状態移行契機役」として働く。
(RT3昇格リプ種別:抽選番号11~15)
次に、抽選番号11~15の「RT3昇格リプ」種別について説明する。
このRT3昇格リプ種別には、図5Aに示すように、RT3昇格リプ1XX~RT移行リプ321の計5種類のRT3昇格リプが設けられている。RT昇格リプ種別は、上記RT2移行リプ種別と同様に、「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属する。
また、上記RT3昇格リプ1XX~RT移行リプ321は、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、ここでは重複記載を避けるために、抽選番号11の「RT3昇格リプ1XX」を代表的に説明する。なお、上記した「RT2移行リプ種別(RT2移行リプレイ123)」と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるためにその説明は適宜省略する。
(RT3昇格リプ1XXについて)
「RT3昇格リプ1XX」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「スイカA/スイカB/赤7」-「リプレイ」-「スイカA/スイカB/赤7」の図柄の組合せ(RT3昇格リプレイ(中段リプレイ表示):計9種類)と、(2)「リプレイ」-「リプレイ」-「ベルA/ベルB」の図柄の組合せ(転落リプレイ:計2種類)となっている。つまり、RT3昇格リプ1XXが当選役として決定された場合、RT3昇格リプレイと、転落リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
RT3昇格リプ1XXが当選した場合も、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上述した「RT2移行リプ123」と同事象のように、押し順に決定される。具体的には、押し順が「第1停止左(第1停止が左回胴5a)」の場合には「RT3昇格リプレイ」が、それ以外の押し順の場合には「転落リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。他のRT昇格リプについても同様に、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順に応じて決定される。また、RT3昇格リプレイを入賞させる押し順については、各RT3昇格リプ同士で、互いに異なる押し順が割り当てられている(図5A「押し順」の欄参照)。
(RT3昇格リプ1XXの配当について)
上記「RT3昇格リプレイ」または「転落リプレイ」が入賞した場合、配当として「再遊技」が付与される。ただし、RT3昇格リプレイが入賞した場合は、配当として再遊技の他に、「RT2遊技からRT3遊技に昇格移行される」といった「遊技状態の移行」という他の遊技価値が追加的に付与される。一方、転落リプレイが入賞した場合には、既に説明したように、「RT2遊技やRT3遊技からRT1遊技に転落移行される」といった遊技価値が付与される。この点において、RT3昇格リプ種別に係る‘RT3昇格リプレイ’は有利入賞役側の入賞役、‘転落リプレイ’は不利入賞役側の入賞役としての位置付けとなっている。このように、RT3昇格リプ1XXも、上記したRT2移行リプレイ123と同じく、「状態移行契機役」として働く。
(演出リプレイ:抽選番号16~21)
次に図5Bを参照して、抽選番号16~21の演出リプレイ種別について説明する。
演出リプレイ種別には、図5Bに示すように、演出リプレイ123~演出リプレイ321の計6種類の演出リプレイが設けられている。演出リプレイ種別は、上記移行リプ種別と同じく、「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属する。
(演出用入賞図柄(演出用リプレイ図柄))
ただし「演出リプレイ種別」は、上記した「移行リプレイ種別(RT2移行リプ種別、RT1転落リプ種別およびRT3昇格リプ種別)」とは次の点が大きく異なる。演出リプレイ種別は、移行リプレイ種別と同じく「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属するものであるが、上記「移行リプレイ種別」のように、押し順に応じて、有利入賞役や不利入賞役のように配当の軽重(有利不利)のある入賞役が有効入賞ライン上に停止する訳ではなく、いずれの押し順であっても、配当については、同一の遊技価値(再遊技)を伴う入賞役(リプレイ役)が入賞するようになっている。すなわち、演出リプレイ種別は、有利入賞役や不利入賞役のように配当の軽重を持たず、専ら、押し順に応じて異なる図柄の組合せ(演出用リプレイ図柄(演出用入賞図柄))を導出表示させることにより、演出的効果を発揮させる「演出用リプレイ役(演出役)」として働く。この点、押し順に応じて異なる配当が付与される移行リプレイ種別とは大きく異なる。
上記「演出リプレイ123~演出リプレイ321」は、図示の7リプレイ、7リプフェイク、通常リプレイの入賞に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、ここでは重複記載を避けるために、抽選番号16の「演出リプレイ123」を代表的に説明する。
「演出リプレイ123」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「赤7/リプレイ」-「赤7/ベルA」-「赤7/上弾/チェリー」の図柄の組合せ(7リプレイ)と、(2)「7リプフェイク(7リプ聴牌外れ目)」と、(3)「リプレイ」-「ベルA」-「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。つまり、演出リプレイ123が当選役として決定された場合、7リプレイと、7リプフェイクと、通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
(7リプレイ)
上記「7リプレイ」は、「赤7/リプレイ」-「赤7/ベルA」-「赤7/上弾/チェリー」(7リプレイ)の図柄の組合せとなっているが、押し順が一致し、かつ特定の停止操作タイミングの場合には、「赤7」-「赤7」-「赤7」が有効入賞ライン上に停止し、‘赤7図柄揃い’という特殊な図柄の組合せが停止する。たとえば、演出リプレイ123の場合は、「左中右」の押し順が一致し、赤7図柄を引き込み可能な停止操作タイミングで操作した場合に、7リプレイである‘赤7図柄揃い’が停止する。
一方、回胴を停止操作した際に、押し順は一致したが、赤7図柄を引き込めない停止操作タイミングである場合、左回胴5aには「リプレイ」が停止し、中回胴5bには「ベルA」が停止し、右回胴5cには「上弾/チェリー」が停止するようになっている。すなわち、全回胴において赤7図柄が引き込めない場合は、7リプレイの取りこぼし目として、「通常リプレイ」が入賞するようになっている。なお本実施形態の場合、「7リプレイ」を入賞させる押し順については、各演出リプレイ同士で、互いに異なる押し順が割り当てられている(図5B「押し順」の欄参照)。
上記「7リプレイ」は、‘赤7図柄揃い’というインパクトのある図柄の組合せであるため、特に演出的効果が高い「演出用リプレイ図柄(特別演出用入賞図柄))」として、なお、上記演出用リプレイ図柄による演出的効果については、後述の第1~第6の報知形態(図14A、図16A、図16B、図16D、図17Bなど)にて詳述するが、たとえば、遊技者に対して内部的に秘匿されたARTゲーム数に関する情報を報知する際に利用される。しかし、本実施形態の場合、7リプレイの構成要素図柄の引き込み率が100%未満である点や有効入賞ラインが「1ライン」しかない点などにより、7リプレイを入賞させるためには、それなりの目押し技術を要する。そこで、赤7図柄を疑似入賞ライン上に引き込める場合には、疑似入賞ラインに引き込んで‘赤7図柄揃い’停止させるように、演出リプレイの入賞役を定めてもよい(後述の7リプフェイクに係る「7リプ聴牌外れ目」を疑似入賞ライン上に成立させる場合についても同様)。ただし、「赤7図柄揃い」を疑似入賞ライン上に停止可能に構成する場合は、有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せ(真の入賞役)が、疑似入賞ライン上に成立した「赤7図柄揃い」であると遊技者が誤認しないように、液晶画面6aの所定の表示領域(たとえば、右隅部)に真の入賞役を示す画像を表示することが好ましい(7リプ聴牌ハズレを疑似入賞ライン上に導出する場合についても同様)。
(7リプフェイク)
上記「7リプフェイク」は、7リプレイと同じく、押し順が一致し、かつ特定の停止操作タイミングの場合に入賞するようになっている。演出リプレイ123の場合は、「右左中」の押し順を条件とし、7図柄が引き込み可能な停止操作タイミングで停止操作した場合、第1停止時および第2停止時には、有効入賞ライン上に赤7図柄が引き込まれ(上記で述べた7リプレイの停止制御態様と同様に、疑似入賞ライン上に引き込んでも良い)、停止目が「赤7」-「↓↓(回転中)」-「赤7」の‘7リプレイの聴牌状態’となるが、第3停止時には、赤7図柄揃い(7リプレイ)がいずれのライン上にも成立せずに、7リプレイがハズレとなった停止目、たとえば「赤7」-「チェリー」-「赤7」等のような‘7リプ聴牌外れ目’が停止するようになっている。つまり、7リプフェイクは、「7リプ聴牌外れ目」を導出表示して、7リプレイの入賞期待感を煽るための「フェイク演出用リプレイ図柄(通常演出用入賞図柄)」として働く。なお、押し順は一致したが、停止操作タイミングが一致しない場合、上述した7リプレイと同様に、通常リプレイの構成要素図柄を有効入賞ライン上に引き込むようになっている。
(「7リプレイ」および「7リプフェイク」のいずれの押し順とも一致しない場合)
また演出リプレイが当選した場合に、上記「7リプレイ」および「7リプフェイク」のいずれの押し順とも一致しない場合(演出リプレイ123の場合、7リプレイの「左中右」、「7リプフェイク」「右左中」以外の押し順(図5Bの演出リプレイ123の欄参照))、停止操作タイミングによらず、‘通常リプレイ’が有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(チャンスリプレイ:抽選番号22)
次に、抽選番号22の「チャンスリプレイ」について説明する。
チャンスリプレイの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイ」-「ベルA」-「スイカA/スイカB/赤7」の図柄の組合せ(チャンスリプレイ)となっている。このチャンスリプレイは、「押順不問役(押順不問再遊技役)」に属するものであり、通常リプレイAと同じく、対応する図柄の組合せを入賞させるための停止操作タイミングも必要としない。チャンスリプレイが入賞した場合、配当として「再遊技」が付与される。また、チャンスリプレイは、所定の条件下で、後述のAT抽選(図20)の実行契機となる「AT抽選契機役」として働く。また、チャンスリプレイは、RT3中の場合、全抽選対象役のうち、最も内部当選確率が低い役に変化し、プレミアム的な役として機能するようになっている。
(弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー:抽選番号23~26)
次に図5B、図5Cを参照して、小役種別(抽選番号23~40)について説明する。まず抽選番号23~26の「弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー」、抽選番号27~28の「共通ベルA、共通ベルB」について説明する。
弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーは、共通ベルA、共通ベルBは、それぞれ「押順不問役(押順不問小役)」に属するものであるが、対応する図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングに基づいて決定される。ただし、特定の停止操作タイミングの場合には、図示のいずれの図柄の組合せも入賞せず、「取りこぼし」が生じる。
上記各役の配当については、弱スイカまたは強スイカは「遊技メダル4枚」、弱チェリーまたは強チェリーは「遊技メダル2枚」、共通ベルAまたは共通ベルBは「遊技メダル9枚」となっている。なお、抽選番号23~26の「弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー」は、後述の「AT抽選契機役」として働く。
(押順ベル種別:抽選番号29~40)
次に図5Cを参照して、抽選番号29~40の「押順ベル種別」について説明する。
上記押順ベル種別は「押順規定役(押順規定小役)」に属する抽選対象役であり、所定の押し順の場合には、有利入賞役として上記の共通ベルA、Bと同じ配当9枚の「中段ベル」が停止(入賞)し、その押し順とは異なる押し順である場合には、不利入賞役として配当1枚の「1枚ベル」か、または「1枚ベル」が引き込めないときは、配当が得られない「1枚ベル溢し目」(配当0枚)が停止しうるように定められている。以下、不利入賞役側の「1枚ベル」または「1枚ベル溢し目」を‘ベル溢し目(押順ベル溢し)’と略す。また、押順ベル種別において、中段ベルが停止する押し順を「押し順正解」と称し、ベル溢し目が停止する押し順を「押し順不正解」と称する。
上記した抽選番号29~40の各押順ベルは、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、抽選番号29の「押順ベル123A」を代表的に説明する。
(押順ベル123Aについて)
押順ベル123Aの当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明すれば、次の通りである。
図5Cに示すように、押順ベル123Aが当選した場合、押し順正解である「左中右」の場合には、配当9枚の「中段ベル」が入賞し、それ以外の押し順である「押し順不正解」の場合には「中段ベル」は入賞せず、下記のような図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。
押し順が「押し順不正解」である場合には、中段ベルの取りこぼしが発生し、上記「ベル溢し目」が遊技結果として導出表示されるが、このときには、押し順不正解時の停止操作手順に応じて、図5C(α)に掲げる図柄の組合せを持つ1枚ベルA~Nのうち‘1枚ベルA、1枚ベルB、1枚ベルE、1枚ベルF、または1枚ベルI’(停止番号60、61、65、66、69)のいずれかの「1枚ベル」が停止しうる(図5Cの押順ベル123Aに係る「押し順不正解停止番号」および同図(α)の「押し順不正解種別」の欄参照)。ただし「1枚ベル」を引き込めない停止操作タイミングである場合は、1枚ベルの取りこぼしが発生し「1枚ベル溢し目(配当0枚)」が停止するようになっている。したがって、押順ベル123Aは、その当選により、中段ベルの入賞を許容する役と、1枚ベルAの入賞を許容する役、1枚ベルBの入賞を許容する役、1枚ベルEの入賞を許容する役、1枚ベルFの入賞を許容する役、1枚ベルIの入賞を許容する役に重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
本実施形態では、図示の通り、押順ベルを複数種類設け、各押順ベルについて配当が多い押し順を1つだけ割り当て、それ以外の押し順(押し順不正解)である場合には、配当が最少の遊技メダル1枚か、配当無しとなる入賞役を停止させるように定めてある。各押順ベル(抽選番号29~40)のうち、「押順ベル***A’」(‘*’は図示のアラビア数字)の表記の押順ベルグループA(抽選番号29、31、33、35、37、39)または「押順ベル***B」の表記の押順ベルグループB(抽選番号30、32、34、36、38、40)に着目した場合、少なくとも中段ベルを入賞させる押し順については、各押順ベル同士で、互いに異なる押し順が割り当てられている。これにより、遊技者が恣意的に回胴を停止操作しても、後述のAT遊技中でない限りは、高配当側の中段ベルを高確率で入賞させないようにし、設計上、想定外の利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。なお、上記押順ベル種別は、押し順と停止操作タイミングとに応じて異なる図柄の組合せが停止すると説明したが、本発明はこれに限らず、押し順および/または停止操作タイミングに応じて異なる図柄の組合せを停止させるように構成してもよい。
押し順ベル種別は、後述のAT抽選契機役として働くが、押し順ベルの場合、押し順正解時に限りAT抽選が実行されるようになっている。
(特別役種:BB1、BB2)
次に図5Bを参照して、抽選番号41~42の「BB1、BB2」について説明する。
BB1とBB2は、「特別役種」に属する抽選対象役である。この特別役は、第1種特別役物または第2種特別役物に係る抽選対象役であり、たとえば、特別役に対応する図柄の組合せ(ボーナス役)の入賞により、特定の小役の抽選確率が高確率に変動する遊技状態や、1以上の回胴の引き込みコマ数を1コマ以内(75ms以内に停止)に変動させる遊技状態(CB)への移行契機となる役である。この点で、このような遊技状態への移行契機とはならない小役種やリプレイ役種とは性質を異にする。
BB1、BB2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、それぞれ「ベルA(4番)」-「上弾」-「下弾」の図柄の組合せ(BB1)、「上弾」-「下弾」-「ベルA(0番)」の図柄の組合せ(BB2)となっている。本実施形態の場合、連続する特定の図柄(上弾/下弾図柄)を利用して有意な意匠を呈する停止目が形成されるようになっており、BB1が有効入賞ライン上に停止した場合は、3つの砲弾図柄が一直線上に並んで表示される、といったインパクトのある停止目(砲弾揃い)が導出表示される。しかしBB2が有効入賞ライン上に停止した場合は、BB1の「砲弾揃い」が崩れたような停止目(右回胴5cは「砲弾図柄」が上に1コマずれた「砲弾崩れ目」)が導出表示される。
BB1またはBB2が入賞した場合、次ゲームから遊技者に有利なボーナス遊技に移行される。このボーナス遊技中は、共通ベルB(抽選番号28)の当選確率が高確率に変動し、1ゲーム当りの平均純増枚数が他の遊技状態よりも向上し遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができる(図4A、図4BのBB中の欄参照)。本実施形態では、BB1とBB2とでボーナス遊技の性能が異なり、BB2よりもBB1の方がボーナス遊技の利益度合いが相対的に高く設定されている。たとえば、BB1は第1の規定払出枚数(たとえば、146枚)で終了し、BB2はそれよりも少ない第2の規定払出枚数(たとえば、72枚)以上の遊技メダルの払い出しで終了するようになっている。
(特別役の持ち越しについて)
上記した特別役であるBB1とBB2は、その内部当選フラグ(ボーナス当選フラグ)を次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として定められている。このため、特別役(BB1、BB2)に当選した場合は、当選した特別役に対応する図柄の組合せが入賞するまでの遊技期間(BB内部当選中)、ボーナス当選フラグの成立状態が維持され、この間、すべてのBBは内部抽選対象から除外される。なお、BB内部当選中は、リプレイ役の当選確率が通常遊技よりも高確率に変動した「RT4遊技」に移行する(図7のボーナス内部当選遊技の欄参照)。
一方、特別役種以外の一般役種(小役種とリプレイ役種)は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として定められている。一般役種については、BB内部当選中であっても通常通りに内部抽選が実行され、当選すれば、その内部当選フラグが成立する。このため、ボーナス当選フラグと一般役種の内部当選フラグとが同時に成立する「重複当選状態」が発生するが、この場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかについては、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態の場合、その優先順位は「特別役種(BB)<小役種<リプレイ役種」の順位となっている(小役優先制御)。これにより、特別役種(BB1、BB2)と一般役種とが重複当選中のゲームにおいては、一般役種が優先的に入賞することになる。
以上に説明した抽選対象役、対応する入賞役、配当、およびその種類などに関する役構成については、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。たとえば、特別役種については、1または複数種類であっても良いし、特別役種自体を設けない構成としても良い。また一般役種についても、本発明の目的を達成できるものであれば、その種別や種類数は特に制限されない。
<遊技形態:図7>
次に図7を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)について説明する。
本実施形態に係る回胴式遊技機では、遊技状態として、RT遊技、AT遊技、ボーナス遊技などが設けられている。RT遊技は、抽選対象役を決定する際のベースとなる遊技状態であり(図4A、図4B参照)、このRT遊技に付随してAT遊技を重複的に発生させることで、後述の「準備ART遊技」や「本ART遊技」が実現される。上記RT遊技、AT遊技およびボーナス遊技は、主制御部400側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)となっており、主制御部400は、これら遊技状態を制御する機能部として、RT遊技制御、AT遊技制御手段、ボーナス遊技制御手段を備える。また演出制御部410側では、上記した各種の主制御部側遊技状態に対応する複数種類の演出モード(演出状態)を管理制御する。これら演出モードは、主制御部側遊技状態と整合性を保つ形で管理される。
(RT(リプレイタイム)遊技について)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役種の当選確率(リプレイ確率)が基準の遊技状態の所定確率から変動した再遊技確率変動状態をいう。本実施形態では、RT0遊技~RT4遊技といった複数種類のRT遊技が設けられている。このRT0遊技~RT4遊技については、リプレイ確率が最も低いRT0遊技を上記基準の遊技状態とし、このRT遊技0と比べて、リプレイ確率が高確率に変動するRT遊技1~RT遊技4を上記再遊技確率変動状態として扱う。またRT遊技1~RT遊技4は、リプレイ確率が基準の遊技状態(RT0遊技)よりも高確率となることから「再遊技高確率抽選状態」といえる。本実施形態の場合、各RT遊技のリプレイ確率の関係は、「RT0遊技(低確率RT遊技)<RT1遊技(低確率RT遊技)<RT4遊技(中確率RT遊技(BB内部当選中))<RT2遊技<RT3遊技(超高確率RT遊技)」の関係となっている(図7、図4A参照)。なお、RT0遊技とRT1遊技、RT2遊技とRT3遊技とは、リプレイ確率がほぼ同一となっている。したがって、リプレイ役の出現率の観点からは、RT0遊技とRT1遊技の違い、RT2遊技とRT3遊技の違いを遊技者が察知することが困難なものとなっている。
各RT遊技は、「BB内部当選中(ボーナス持越遊技状態)」に係るRT遊技であるか、非BB内部当選中(一般遊技状態)に係るRT遊技であるかで大別される。本実施形態の場合、一般遊技状態のRT遊技は、RT0遊技~RT3遊技となっており、BB内部当選中のRT遊技は、RT4遊技となっている。なお、BB内部当選中は、非BB内部当選中と同様に一般遊技状態に属する遊技状態であり、この一般遊技状態は、小役種の内部抽選確率を変動させることができない遊技状態として規定されている。
(AT遊技について)
AT遊技とは、液晶表示装置6、装飾ランプ13、スピーカ16などの演出手段(副報知手段)および/または主制御部400により制御される表示手段(たとえば、払出枚数表示器35:主報知手段)を用いて、役の抽選結果に関連する情報が、所定の報知態様(画像表示演出、音演出、光演出、7セグ表示など)により報知されうる「特典遊技状態」である。「役の抽選結果に関連する情報」とは、特定の図柄の組合せ(有利入賞役、不利入賞役、その他、特定の図柄の組合せを含む)の入賞を案内するための停止操作手順情報(押し順情報)であり、この情報を報せる報知態様を「アシスト報知」と称する。
(アシスト報知について)
本実施形態では、既に説明したように、複数種類の押順規定役が設けられている。たとえば、抽選番号29~40の押順ベルでは、押し順に応じて、配当9枚の中段ベルのように、有利に作用しうる図柄の組合せ(有利入賞役)が入賞しうる。しかし非AT遊技中においては、これらの役に当選しても、有利入賞役の入賞を案内する停止操作手順情報(押し順情報)は遊技者に報知されない、あるいは報知されるとしても、それはAT遊技中ではなく、単に当選役に係る予告演出として単発的に報知されるだけである。このため、非AT遊技中は、遊技者が有利入賞役を入賞させるための手掛かりを得ることができず、その入賞が困難な状況下に置かれる。したがって、非AT遊技中は、遊技進行上、AT遊技中よりも遊技者に不利なゲーム展開とされる。
これに対しAT遊技中においては、有利入賞役の入賞を案内する情報が高確率または100%の確率で報知され、その入賞が著しく容易なものとなる。たとえば、抽選番号29の押順ベル123Aが当選した場合、有利入賞役側の‘中段ベル’の入賞を案内する押し順情報(本例の場合、「左中右」の押し順情報)が遊技者に報知される。このとき、遊技者がその報知内容に従い回胴を停止操作すれば、容易に中段ベルを入賞させることができる。したがって、AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。
(アシスト報知態様)
上記アシスト報知は、同じ当選役が決定された場合でも、所定の報知条件に応じて、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に特定の図柄の組合せ(たとえば、有利入賞役)を入賞させる内容とは限らない。たとえば、演出リプレイ種別が当選した場合、特定報知条件下の場合には、「7リプレイ」を対象とするアシスト報知(本告知)を実行するが、特定報知条件下以外の場合には、7リプフェイクまたは通常リプレイを対象とするアシスト報知(嘘告知)を実行するケースが挙げられる。
また、本実施形態に係るアシスト報知は、原則として、停止操作手順情報(押し順情報)を遊技者に提示するだけで、当選役情報を付随して提示しないようになっている。これは、当選役を明示してしまうと、押し順を報知せずとも押し順の割り当てを知る遊技者側に、有利入賞役または不利入賞役の押し順が判明してしまい、遊技者が意図的にアシスト報知を拒否することで想定外の利益を獲得したり、意図しない遊技状態の移行が生じたりして、アシスト報知を発生させる意義が喪失してしまうからである。たとえば、アシスト報知の演出態様として、押し順内容だけが異なるだけで、その演出態様そのものは同一または酷似した態様として扱う。このように、少なくとも当選役情報を秘匿するアシスト報知を「役秘匿アシスト報知」と称する。たとえば、演出リプレイ213が当選した場合と押順ベル213Aが当選した場合とで、図14A(2)に示すような、同一の演出態様を現出させる。この役秘匿アシスト報知の一態様として、当選役が判明しうる情報は報知しないが、特別役種、小役種またはリプレイ役種のように、当選役が属する役区分が判明するような報知態様(役区分アシスト報知)を現出させてもよい。たとえば、今回の当選役がリプレイ種別である場合には「青色」を基調とした文字・画像を用いたアシスト報知を、押順ベルの場合には「黄色」を基調とした文字・画像を用いたアシスト報知を現出させることができる。
勿論、当選役情報を報知することに差支えがない場合には、当選役情報と押し順情報とを重複的に表示させてもよい(役種アシスト報知)。たとえば、「演出リプレイ123」が当選した場合、「777を狙え!」の表示と、押し順「123(左中右の順の意)」の表示とを同時的または重畳的に表示させることができる(後述の図14A参照)。このケースでは、7リプレイが成立する押し順が「左中右」であることを報知しており、間接的に当選役種別が「演出リプレイ123」であることを示唆している。しかし、報知条件次第では、「777を狙え!」という表示はするが、7リプフェイクまたは通常リプレイを対象とするアシスト報知(嘘告知)を実行することもできる(偽の役種アシスト報知:後述の図14B参照)。
また、押順不問役の場合であってもアシスト報知を実行しても良い。たとえば、共通ベルAまたは共通ベルBが当選した場合、所定の押し順を報知してもよい。いずれにしても、アシスト報知が発生すれば、遊技者にとり有利なゲーム展開となり得るので、遊技者は、積極的に、アシスト報知の内容に従うことになる。
(アシスト報知制御について)
主制御部400(AT遊技制御手段)は、少なくとも「非AT遊技(通常報知状態)」と、非AT遊技よりも遊技者に有利に作用しうる「有利報知状態(AT遊技)」とを含む複数種類の報知状態を制御可能に構成されている。上記「AT遊技」には、AT1遊技~AT3遊技を含む複数種類のAT遊技が設けられており、いずれのAT遊技が発生するかにより、アシスト報知の対象とされる当選役やアシスト報知態様(報知内容)が異なる場合がある。本実施形態では、複数種類のAT遊技やRT遊技を実効化することにより、後述の図7に示す種々の遊技状態を実現して遊技の面白みを向上させている。
アシスト報知制御に関し、主制御部400は、AT遊技中である場合には、今回のゲームに係る当選役情報に基づき、アシスト報知を実行可能な情報を演出制御部410に対して送信する。たとえば、非AT遊技中は、各押し順ベル(当選番号27~40)のいずれかが当選した場合は、どの押し順ベルが当選したかを特定不可能な当選役情報(非特定情報)を含む演出制御コマンドを演出制御部410に対して送信する一方、AT遊技中である場合には、各押し順ベルに対応した固有の当選役情報、つまり、どの押し順ベルが当選したかを特定可能な当選役情報(特定可能情報)を含むコマンドを演出制御部410に対して送信する。この場合、演出制御部410は、非特定情報が送られてきた場合は、当選した押し順ベルを特定できないので、正しいアシスト報知(中段ベル入賞手順の報知)を実行することができず、特定可能情報が送られてきた場合、正しいアシスト報知をすることができる。したがって、AT遊技中の場合に限り、正しいアシスト報知を実行することができるようになっている。
アシスト報知を実行する際は、主制御部400は主報知手段を表示制御してアシスト報知(主アシスト報知)を実行させるとともに、上記した特定可能情報を含む演出制御コマンド(アシスト報知コマンド)を演出制御部410に対して送信する。演出制御部410は、AT遊技中にアシスト報知コマンドを受信した場合、そのコマンドの内容を取得し、演出手段を利用して、アシスト報知(副アシスト報知)を現出させる。この副アシスト報知の内容は、主アシスト報知の報知内容を演出的に反映させた内容となっている。
また演出制御部410は、遊技者による回胴の停止操作に応じて、アシスト報知中の演出内容を変化させる。たとえば、アシスト報知内容とは異なる押し順で回胴が停止操作された場合(押し順ミスの場合)、押し順ミスが発生したことを報知する警告演出を現出させる。なお、遊技者がどのような押し順で停止操作を実行したかについては、主制御部400(停止操作順番監視手段)が、停止ボタン12が操作されるごとに、押し順を特定するための「停止順データ」を作成し、当該停止順データ情報を含む「停止コマンド」を演出制御部410に送信する。この停止コマンドには、現在の停止回胴数、停止対象となった回胴および現在の押し順などを特定可能な情報が含まれる。演出制御部410は、停止ボタン12が操作されるごとに送信されてくる「停止コマンド」を受信することにより、現在の押し順や現在の停止操作が第何番目であるかを把握する。以下、説明の便宜のために「アシスト報知」と称する場合は、特に断りのない限り、副アシスト報知を意味するものとして説明する。
(遊技状態について)
次に図7を参照して、本実施形態に係る各種の遊技状態について説明する。図7は、遊技状態の内容と、遊技状態間の移行形態の概要を示す遊技状態遷移図である。ここで本発明の理解を容易なものとするために、先ず、各遊技状態間の移行制御の概要を説明しておく。以下では、説明の便宜のために、アシスト報知許容状態下ではない非AT遊技を「AT0遊技」と称し、遊技者はアシスト報知に従うものとして説明する。
本実施形態では、メインRAMクリア時や設定変更時やボーナス遊技が終了した後に、初期の遊技状態として、「初期遊技(RT0遊技+AT0遊技)」から開始されるようになっている。この初期遊技は、非AT遊技(AT0遊技)となっており、比較的高確率の押順ベル種別(抽選番号27~40)に当選しても、有利入賞役側の‘中段ベル’のアシスト報知(以下、「中段ベルナビ」と略す)が発生せず、ベル溢し目が高確率で入賞しうる(図4B、図5C参照)。ベル溢し目が停止(入賞)した場合、遊技状態の移行が生じて、現在のRT0遊技からRT1遊技に移行され、遊技機全体として捉えた遊技状態が「通常遊技(RT1遊技+AT0遊技)」に移行される。このように、初期遊技からは、比較的短いゲーム数で、通常遊技に移行されるようになっている。また初期遊技では、AT抽選(図20)が実行されるが、AT抽選については後述する。
通常遊技に移行した後は、図示のように、ボーナス遊技を経由しない限り、初期遊技には移行されず、基本的には、通常遊技、準備ART遊技、本ART遊技といったRT1遊技~RT3遊技に関連する遊技状態を循環する遊技ルートを辿る。なお、初期遊技は、通常遊技と同様にAT遊技が発生しない「非AT遊技」に係る遊技状態であることから、初期遊技を通常遊技の一態様として扱ってもよい。また、初期遊技自体を設けなくてよく、この場合、初期遊技への移行ルートを通常遊技への移行ルートに置き換えれば良い。
上記通常遊技において、AT抽選契機役の当選を契機に、後述のAT抽選(図20)が実行される。このAT抽選に当選(AT当選)すると、後述の本ART遊技(疑似ボーナス)への移行成立条件が成立したとして、次ゲームからAT当選状態(AT当選フラグ成立状態)の遊技期間(準備ART移行前遊技)に移行する。このAT当選状態になると、本ART遊技移行へのRT2移行リプレイのアシスト報知およびRT3移行リプレイのアシスト報知の発生を許容する「昇格リプ報知条件」が成立する。したがって、AT当選状態中は、アシスト報知の発生が許容される「有利区間」となる。
上記AT当選状態において、RT2移行リプ種別(抽選番号2~7)に当選すると、RT2移行リプレイの押し順がアシスト報知され(以下、「RT2移行リプレイナビ」と略す)、RT2移行リプレイの入賞を契機に「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」に移行される。リプレイ確率が通常遊技(RT0遊技)よりも高確率に変動する。なお、RT2移行リプ種別は、通常遊技(RT1遊技)の抽選対象役であるため、RT2移行リプアシスト報知は、通常遊技中に限り実行されることになる。
上記準備ART遊技中において、RT3昇格リプ種別(抽選番号11~15)に当選すると、‘RT3昇格リプレイ’のアシスト報知(以下、「RT3昇格リプレイナビ」と略す)が発生し、RT3昇格リプレイの入賞を契機に「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」に移行される。なお、準備ART遊技中に、RT1転落リプ種別(抽選番号8~10)に当選すると、‘通常リプレイ’のアシスト報知(以下、「通常リプレイナビ」と略す)が発生し、RT1遊技への転落移行が回避することができるようになっている。また押順ベル種別(抽選番号27~40)に当選すると「中段ベルナビ」が発生する。これにより、準備ART遊技中は、遊技メダルを極力減らすことなく、「本ART遊技」(疑似ボーナス)に移行可能な遊技状態となっている。
上記本ART遊技中は、準備ART遊技と同じく、RT1転落リプ種別に当選すると「通常リプレイナビ」が発生し、押順ベル種別に当選すると「中段ベルナビ」が発生し、リプレイ確率が準備ART遊技とほぼ同一の遊技状態となっているが、RT1転落リプ種別の当選確率が準備ART遊技よりも低確率となっている。したがって、押し順ミスによるRT1遊技への転落可能性が相対的に低い点で、準備ART遊技よりも遊技者に有利に作用する遊技状態、つまり一般遊技状態のうち、遊技者に最も有利に作用する遊技状態となっている(たとえば、1ゲームあたり純増枚数約2枚)。この本ART遊技は、基本的には、所定の継続ゲーム数(たとえば、100G~1200G)が消化されるまで継続されるようになっている。なお詳細は後述するが、本ART遊技状態が維持されるゲーム数は、遊技者に対して必ずしも明確には報知されず、本ART遊技の継続ゲーム数の実体は秘匿状態下に置かれ、所定の報知条件が成立すると、その残余ゲーム数の少なくとも一部が演出的に示唆または報知されるようになっている。
上記準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)中または本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)中に、遊技者が押し順ミス等によりアシスト報知に従わず、転落契機役(転落リプレイ、ベル溢し目)が入賞してしまうと、現在のRT遊技から「RT1遊技」に転落移行される。ただし、発生中のAT遊技(AT1遊技、AT2遊技)は、転落契機役が入賞したからといって終了されるわけではなく、転落移行した場合には、救済措置として、転落前の遊技状態に復帰する復帰ゲームが実行されるようになっている。この復帰ゲーム中は、RT2移行リプレイナビやRT3昇格リプレイナビが実行されるようになっており、RT1遊技に転落しても転落前の遊技状態に再移行できるようになっている。ただし、本ART遊技に復帰するまでのゲーム数は、ペナルティとして、継続ゲーム数から減算されるようになっている。
各遊技状態について詳細に説明する。ここでは本発明と関連の深い、「通常遊技」、「準備ART遊技」、「本ART遊技」について説明する。
(通常遊技について)
まず「通常遊技(RT0遊技+AT0遊技)」について説明する。
「通常遊技(RT0遊技+AT0遊技)」は、初期遊技と同様にAT遊技が発生しない「非AT遊技」に係る遊技状態であり、初期遊技とリプレイ確率が略同一の遊技状態となっている。この通常遊技は、滞在期間が最も長い遊技状態となっており、遊技者は、主に、この通常遊技において「AT抽選」に当選するか否かに関心を寄せて遊技を楽しむようになっている。AT抽選は、主制御部400側において、特定の抽選対象役(AT抽選契機役)の当選を契機に図20に示す「AT抽選テーブル」を利用して実行される。
(AT抽選テーブル:図20)
図20に本実施形態に係るAT抽選テーブルを示す。AT抽選テーブルには、図示のように、遊技状態と特定の当選役種別(AT抽選契機役)とに応じたAT抽選確率が定められている。なお図中のセル内に示した数値(AT抽選値)は、抽選領域の大きさ(65536)に対する判定値(当選領域)の占有領域数であり、「AT抽選値/抽選領域の大きさ」がAT抽選確率となっている。
本実施形態に係るAT抽選は、現在の遊技状態がAT0遊技の遊技状態および図示の当選役種別の欄に列挙されている「AT抽選契機役」に当選したことを、そのAT抽選の実行条件としている。また本実施形態の場合、AT抽選確率は、後述のフリーズ演出種別(未発生、Sフリーズ、Lフリーズ)に応じた抽選確率が設定されており、AT抽選処理上は、AT抽選契機役に当選した場合、まず後述の図19に示す「フリーズ演出抽選テーブル」に基づくフリーズ演出抽選が実行され、そのフリーズ抽選結果と、AT抽選テーブルとに基づいて、AT抽選が実行されるようになっている。AT抽選確率については、フリーズ演出を伴わないフリーズ演出(未発生(非実行)」の場合よりもフリーズ演出(Sフリーズ、Lフリーズ)を伴う場合の方が高確率でAT抽選に当選するようになっている。なおAT抽選に関し、抽選番号29~40の押順ベル種別については、押し順正解、つまり‘中段ベル’の入賞があった場合に限り、AT抽選が実行されるようになっており、比較的高確率で当選しうる押順ベルについて押し順正解であった場合に限り、AT抽選の機会を与えている。
上記AT抽選は、基本的には、内部抽選確率が低確率な当選役種別ほど、また低確率で発生するフリーズ演出種別ほど、AT抽選が優遇される(高確率でAT抽選に当選する)。ただし、特定のAT抽選契機役(たとえば、強チェリー)には例外を設けてある。
(フリーズ演出について)
次に上記フリーズ演出について説明する。本実施形態では、所定の条件に基づいて、遊技機に係る遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる(たとえば、所定の遊技動作処理を所定のフリーズ時間進行しないようにする)フリーズ状態に制御可能に構成されている。このフリーズ状態は、主として、所定の遊技動作処理を所定時間進行しないようにして、通常よりも遊技進行を遅延させた遅延状態下に制御することにより発生される。このフリーズ状態の期間を利用して現出される演出を「フリーズ演出」と称する。
フリーズ演出には、回胴を利用した「リール演出(フリーズ中メイン側演出)」と、演出手段(たとえば、装飾ランプ、演出用LED、液晶表示装置、スピーカなど)を利用した「フリーズ中演出(フリーズ中サブ側演出)」とが含まれる。
上記「リール演出(回胴演出)」とは、フリーズ状態中における回胴の動的な動きまたは静的な動き、あるいはそれら組合せを利用した演出を意味する。「回胴の動的な動き」とは、フリーズ状態中に、全回胴の少なくとも一部が所定の動作パターンで回転動作を行う「変則回転動作(変則回転)」を意味する。変則回転の代表的なものは、回胴の逆回転、逆方向への寸動、逆方向から順方向に回転して逆方向に戻る折り返し運動、各回胴が時間的にずれて次々と逆方向に回転開始する変則スタート、低速順回転などである。また「回胴の静的な動き」とは、フリーズ状態中に、全回胴が静止状態にいること、つまりフリーズ状態中に静止している「無回転動作」を意味する。なお、全回胴が僅かに振動しているなど、見た目上、静止していると認識しうるような「準静止状態」は、回胴が僅かにでも動いているという点で変則回転動作の一態様として扱っても良いし、疑似的な静止状態として無回転動作の一態様として扱っても良い。
また上記「フリーズ中演出」とは、回胴によるリール演出ではなく、演出手段を利用した演出を意味する。このフリーズ中演出は、通常、リール演出に付随して現出され、音演出、光演出、画像表示演出、および可動体演出のうち少なくとも1の演出を用いて、インパクトのある演出を現出させる。たとえば、衝撃音や、強烈なフラッシュを発生する(閃光演出)や、液晶画面をブラックアウトするブラックアウト演出(たとえば、後述の図15A(3))、可動体役物が特殊なパターンで動作する、などの演出がその代表例である。ただし、フリーズ状態が発生したからといって、必ずしもフリーズ中演出が発生するとは限らない。フリーズ中演出が何ら発生しなくとも、無回転動作や変則回転動作による「リール演出」の発生それ自体が遊技者に違和感を与えるという観点から、リール演出だけの発生で「フリーズ演出」をなすことができる。
本実施形態では、上記フリーズ状態の一例として、「回胴回転開始時フリーズ(レバーオン時フリーズ)」を採用している。この回胴回転開始時フリーズとは、始動レバー11の本来の目的の操作、つまり通常時において回胴を回転始動させる目的で行う始動レバー11操作を検出したことを契機として、遊技進行上の次の段階である操作または処理(回胴の通常回転の開始)を遅延対象として、これを有効化するタイミングを所定のフリーズ時間だけ遅延させ、結果として、遊技の進行を一時的に中断(フリーズ)させる制御である。したがって、フリーズ時間が終了したことが、この回胴回転開始時フリーズの終了契機となる。
本実施形態では「回胴回転開始時フリーズ」を利用し、「Sフリーズ(ショートフリーズ)」、「Lフリーズ(ロングフリーズ)」、「SPフリーズ(スペシャルフリーズ)」「Nフリーズ(ノーマルフリーズ)」といった複数種類のフリーズ演出を発生可能に構成されている。
「Sフリーズ」は、始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間FStにおいて、変則回転動作によるリール演出(変則回転リール演出)を含むフリーズ演出となっている。また「Lフリーズ」は、上述の「Sフリーズ」と同じく、「変則回転リール演出」を含むものであるが、Sフリーズに係るフリーズ時間およびリール演出が異なるものとなっている。たとえば、Sフリーズは「フリーズ時間が1秒、回胴を上下に振動させるリール演出」、Lフリーズは「フリーズ時間が2秒、回胴を1コマ分逆回転するリール演出」などである。
「SPフリーズ」は、始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間SPtにおいて、変則回転動作によるリール演出を含むフリーズ演出となっているが、SフリーズやLフリーズに係るリール演出よりも派手なリール演出が実行されるようになっている。本実施形態の場合、リール演出により「シングル7図柄揃い」を所定のライン上に仮停止させる‘SP1フリーズ’と(たとえば、後述の図16C)、「ダブル7図柄揃い」を所定のライン上に仮停止させる‘SP2フリーズ’(たとえば、後述の図15B)とが含まれる。フリーズ時間SPtについては、SP1フリーズは7秒、SP2フリーズはSP1フリーズよりも長い14秒となっている。
上記「SP1フリーズ」に係るリール演出では、まず、全回胴を所定時間(たとえば、短時間の1秒)だけ静止状態とし(第1段階動作)、その後、変則回転動作として、左回胴と右回胴とを逆方向に、中回胴を通常時と同じ回転方向に回転させる変則回転動作を所定時間行った後(第2段階動作)、各回胴の「7図柄」を‘左回胴→右回胴→中回胴’の順に、所定のライン上(たとえば、中段横ライン上)に仮停止させて、インパクトのある「7図柄揃い」を仮停止表示し、その仮停止状態を所定時間(本実施形態では、フリーズ時間が終了するまで)保持する(第3段階目動作)、といったリール演出態様となっている。端的に言えば、「レバー操作時全回胴静止状態(停止操作受付無効状態)→変則回転(7図柄揃いで仮停止)→フリーズ終了後、通常回転(停止操作受付許容状態)」という流れでリール演出が展開される。
また上記「SP2フリーズ」に係るリール演出では、まず、全回胴を所定時間(たとえば、6秒)だけ静止状態とし(第1段階動作)、その後、SP1フリーズの第2段階動作と同じ変則回転動作を行った後(第2段階動作)、各回胴の「7図柄」を‘左回胴→右回胴→中回胴’の順に、所定の第1ライン及び第2ライン上(右下りラインと左下りラインとにより形成される「X」ライン)上に仮停止させて、「シングル7図柄揃い」よりもインパクトが強い「ダブル7図柄揃い」を仮停止表示し、その仮停止状態を所定時間(本実施形態では、フリーズ時間が終了するまで)、保持する(第3段階目動作)、といったリール演出態様となっている。SP2フリーズは、端的に言えば、「レバー操作時全回胴静止状態(停止操作受付無効状態)→変則回転(ダブル7図柄揃いで仮停止)→フリーズ終了後、通常回転(停止操作受付許容状態)」という流れでリール演出が展開される。
また「Nフリーズ」は、始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間Nt(たとえば、8秒)において、全回胴を静止状態に置く、つまり、変則回転動作によるリール演出を含まないフリーズ演出となっている。なお、いずれのフリーズ演出においても、各フリーズ演出に対応したフリーズ中演出が現出されうる。
(SPフリーズ、Nフリーズの役割)
上述の「SPフリーズ(SP1フリーズ、SP2フリーズ)」と「Nフリーズ」は、後述のフリーズ演出抽選(図19)の対象となるものではなく、AT抽選(図20)に関連するフリーズ演出でもない。この点、フリーズ演出抽選やAT抽選に関連する「Sフリーズ」や「Lフリーズ」とは大きく異なる。詳細は追って説明するが、「SPフリーズ」や「Nフリーズ」は、本ART遊技が開始された後、所定のゲーム数目(フリーズ実行ゲーム)の開始時に発生し、その役割は主に、本ART遊技に関する所定の遊技情報(上乗せゲーム数情報、セット継続/非継続情報、継続セット数情報など)を報知するための演出として利用される。したがって、SPフリーズ、Nフリーズは、予定されたフリーズ実行ゲームにおける内部抽選結果に依存することなく、当該ゲームにおいて強制的に発生されるフリーズ演出となっている。
なお「フリーズ状態」は、回胴の通常回転始動動作を遅延させる「回胴回転開始時フリーズ(レバーオン時フリーズ)」に限らず、本発明の目的を達成できるものであれば、停止ボタン12(停止ボタン12a、12b、および12cの少なくともいずれか一つ)の停止操作後に所定のフリーズ時間だけフリーズ状態とする「停止操作時フリーズ」や、全回胴停止後に所定のフリーズ時間だけフリーズ状態とする「全回胴停止後フリーズ」などを採用してもよい。また、これらのフリーズを1または複数組合せたものを採用してもよい。「停止操作時フリーズ」や「全回胴停止後フリーズ」などを採用する場合には、後述の第2~第6の報知形態に適合しうるフリーズ演出を実行可能に構成すればよい。
(フリーズ演出抽選)
上記したフリーズ演出のうち、SフリーズとLフリーズは、「フリーズ演出抽選」に基づいて、その発生の有無が決定される。上記フリーズ演出抽選は、主制御部400側において、図19に示す「フリーズ演出抽選テーブル」を利用して実行される。
(フリーズ演出抽選テーブル:図19)
図19に本実施形態に係るフリーズ演出抽選テーブルを示す。フリーズ演出抽選による抽選結果は、既に説明したように、AT抽選に利用されるため、フリーズ抽選条件については、図19のフリーズ抽選条件の欄に示す通り、AT抽選条件と同じ遊技状態、同じ当選役種別となっている。主制御部400は、AT抽選契機役が当選した場合、フリーズ演出抽選を実行し、フリーズ演出を発生させない「未発生」とするか、「Sフリーズ」または「Lフリーズ」のいずれのフリーズ演出を発生させるかを、フリーズ演出抽選テーブルを利用した抽選により決定する。そして、フリーズ演出抽選結果と、図20に示す「AT抽選テーブル」とを利用してAT抽選を実行し、その当否を決定するようになっている。また、AT抽選に当選した場合は、後述の図21に示す「ARTゲーム数抽選テーブル」を利用して「ARTゲーム数抽選」を行い、本ART遊技に関する継続ゲーム数を決定する。
フリーズ演出抽選テーブルには、基本的には、内部抽選確率が低確率な当選役種別ほど、フリーズ演出の発生確率が高く、また、SフリーズよりもLフリーズの抽選確率が高く定められている。ただし本実施形態の場合、特定のAT抽選契機役には例外を設けてある(たとえば、強チェリーの欄参照)。図中のセル内に示した数値は、抽選領域の大きさ(65536)に対する判定値(当選領域)の占有領域数であり、「判定値/抽選領域の大きさ」が、フリーズ演出種別(未発生、Sフリーズ、Lフリーズ)に対応した抽選確率となっている。なお、AT抽選契機役の種類やフリーズ演出抽選契機役の種類、AT抽選確率やフリーズ演出の抽選確率については、特に制限されず、遊技性に応じて適宜変更することができる。
(本ART遊技継続ゲーム数の決定(ARTゲーム数抽選))
また本実施形態では、上記AT抽選に当選した場合、当該当選ゲームにて、本ART遊技継続ゲーム数(以下「ARTゲーム数」と称する)も併せて決定されるようになっている。ARTゲーム数は、主制御部400側において、図21に示す「ARTゲーム数抽選テーブル」を利用した‘ARTゲーム数抽選’により決定される。
(ARTゲーム数抽選テーブル:図21)
図21に本実施形態に係るARTゲーム数抽選テーブルを示す。ARTゲーム数抽選テーブルには、図示のように、当選役種別(本例では、AT抽選契機役)ごとに、抽選対象となるARTゲーム数(100G~1200G)とその抽選確率とが定められている。図中のセル内に示した数値(抽選値)は、抽選領域の大きさ(65536)に対する判定値(当選領域)の占有領域数であり、「判定値/抽選領域の大きさ」が、各ゲーム数に対応した抽選確率となっている。本実施形態では最低保障ゲーム数が100Gとなっている。
図21に示す「ARTゲーム数抽選テーブル」では、抽選対象となるゲーム数が「100、200G、300G、・・・1100G、1200G」と100Gごとに区切られたゲーム数(区切りゲーム数)が抽選対象となっているが、これは本実施形態の説明を簡便なものとするための一例として、代表的に示したものであり、勿論、本発明はこれに限られない。たとえば、区切りゲームが、1Gごと、5Gごと、10Gごとなど、任意のゲーム数ごとに区切りゲーム数を抽選対象としてもよく、本発明の目的を達成しうるものであれば、区切りゲーム数のように規則的に並んだゲーム数を抽選対象とするのではなく、ランダムに定めた複数種類のゲーム数を抽選対象としてもよい。また、当選役種別に対応して、抽選対象ゲーム数をどのようなゲーム数とするか、またその抽選確率をどのように定めるかについては、遊技性に応じて適宜定めることができる。
(準備ART移行前遊技)
上記AT抽選に当選した場合、本ART遊技への移行権利を獲得した旨を報知する「疑似ボーナス当選報知演出」が実行される。また既に説明したように、AT抽選に当選すると、AT当選状態となってAT1遊技が発生し、遊技状態が「準備ART移行前遊技(RT1遊技+AT1遊技)」に移行される。この準備ART移行前遊技において、RT2移行リプ種別に当選すると、AT1遊技の作用により、「RT2移行リプレイナビ」が発生し、遊技者がこのアシスト報知に従い停止操作を行えば、RT2移行リプレイが入賞して、RT遊技状態が、現在のRT1遊技からRT2遊技に昇格移行される。これにより、遊技状態(AT遊技状態+RT遊技状態)は、現在の「準備ART移行前遊技(RT1遊技+AT1遊技)」から「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」に移行されることになる。
なお、準備ART移行前遊技中は、押順ベル種別(抽選番号27~40)に当選すると「中段ベルナビ」も発生する。これにより、AT当選状態が発生してからRT2移行リプ種別を入賞させるまでの期間は、遊技メダルを極力減らすことなく「準備ART遊技」に移行可能となっている。しかし「RT2移行リプレイナビ」が発生した際に、遊技者が故意にRT2移行リプレイの入賞を回避させ、通常リプレイを入賞させることでゲームを意図的に延長させつつ、押順ベル種別の当選、つまり「中段ベルナビ」を待ち、中段ベルを獲得して利益を増やしていく、といった技術介入要素が生まれる恐れがある。そこで、ここでのアシスト報知は、押し順を報知するだけで、その当選役情報までは報知しない「役秘匿アシスト報知」を現出させ、押順ベル種別が当選したのか、RT2移行リプ種別が当選したのかを秘匿するようになっている。またRT1遊技下ではハズレ確率が高く設定されているため、ハズレ確率と上記役秘匿アシスト報知とが相まって、遊技者が故意にアシスト報知に従わない場合、単位ゲーム当りの遊技メダルの純増枚数がマイナスに傾くようになっている。これにより、上述の技術介入要素が無意味なものとなるようにしている。なお、準備ART移行前遊技中において、アシスト報知に従わない押し順が実行された場合(アシスト時押順操作ミス)、終了条件を満たしたとして、AT1遊技を強制的に終了させてもよい。この終了条件としては、たとえば、今回のAT1遊技中において、アシスト報知に従わなかった回数が所定回数に達した場合(たとえば、合計3回の押し順ミス)や、アシスト報知に所定回数連続して従わなかった場合(たとえば、3回連続ミス)などが挙げられる。上述のような終了条件は、上記準備ART移行前遊技だけでなく、AT遊技を伴う他の遊技状態(たとえば、準備ART遊技や本ART遊技)においても適用することができる。
(第1昇格通常遊技)
上記のように「AT1遊技」は、AT抽選に当選したことを条件に発生し、AT抽選に当選しない限りは、「RT2移行リプレイナビ」は実行されない。したがって、AT抽選に当選するまでの遊技状態は、基本的には、「通常遊技(RT1遊技+AT0遊技)」に滞在することになる。しかし通常遊技中であっても、RT2移行リプ種別が当選した際に遊技者の恣意的な停止操作により、RT2移行リプレイが入賞して、RT1遊技からRT2遊技に昇格移行される場合がある。ただしこの場合は、「AT抽選非当選時」に昇格移行したとして、AT遊技が発生せずに(「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」とはならずに)、遊技状態は「RT2遊技+AT0遊技」という「第1昇格通常遊技」とされる。この「第1昇格通常遊技」は、RT2遊技下であるため、「転落リプレイ」の入賞を許容するRT3昇格リプ種別やRT1転落リプ種別、また「ベル溢し目」の入賞を許容する押順ベル種別の多くの役が抽選対象とされ、これらのいずれかの役が高確率で当選するようになっている(図4A、図4B参照)。またこれらの役に当選しても、転落リプレイやベル溢し目を回避する押し順は報知されない。したがって、比較的短いゲーム数で通常遊技に再移行されるようになっている。
(第2昇格通常遊技)
また稀なケースであるが、第1昇格通常遊技中にRT3昇格リプ種別(抽選番号11~15)が当選した際に遊技者の恣意的な停止操作により、RT3昇格リプレイが入賞して、RT2遊技からRT3遊技に昇格移行される場合がある。しかしこの場合も、「AT抽選非当選時」に昇格移行したとして、AT遊技が発生せずに(後述の「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」とはならずに)、遊技状態は「RT3遊技+AT0遊技」という「第2昇格通常遊技」とされる。この第2昇格通常遊技はRT3遊技下であるため、RT2遊技下のような、RT1転落リプ種別やRT3昇格リプ種別が抽選対象役とはならないが、ベル溢し目の入賞を許容する押順ベル種別は抽選対象役となっており、当該押順ベル種別が比較的高確率で当選するようになっている(図4A、図4B参照)。しかし、押順ベル種別が当選しても「ベル溢し目」を回避する押し順が報知されない。したがって、第2昇格通常遊技に移行しても、比較的短いゲーム数で、通常遊技に再移行されるようになっている。
このように、遊技状態が上記第1昇格通常遊技または第2昇格通常遊技となっても、AT抽選非当選状態であれば、RT1遊技に容易に転落移行させて通常遊技に戻るようにしている。これにより、RT2遊技やRT3遊技のような高確率RT遊技が長いゲーム数にわたって継続することを防止し、遊技機の設計上、想定外の利益が遊技者に付与されることを防止している。
また上述の第1および第2昇格通常遊技に移行しても、AT抽選契機役に当選すれば、AT抽選は実行されるようになっている。特に本実施形態の場合、AT抽選契機役は、RT1~3遊技で共通の抽選対象役として定められているため、特段、遊技者に対して不利益に作用するペナルティは設けていない。なお、第1および第2昇格通常遊技の滞在期間は短期間であることを利用し、これら遊技状態を所謂「AT抽選高確率当選ゾーン」として作用させることができる。たとえば、RT3遊技に係る第2昇格通常遊技中であれば、他のRT遊技では内部抽選対象外の演出リプレイ種別を「AT抽選契機役」として加え、通常遊技よりもAT抽選を優遇してもよい。これにより遊技性の幅が広がり、遊技の面白みを向上させることができる。また、「AT抽選高確率当選ゾーン」とは逆に、第1および第2昇格通常遊技においてAT抽選を実行しない構成としてもよいし、通常遊技よりもAT抽選確率が相対的に低確率となるように構成しても良い。
(準備ART遊技)
次に、「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」について説明する。
上記したように、準備ART移行前遊技においてRT2移行リプレイが入賞した場合、「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」に移行される。この準備ART遊技中は、AT1遊技の作用により、RT3昇格リプ種別が当選すると「RT3昇格リプレイナビ」が、RT1転落リプ種別が当選すると「通常リプレイナビ」が、押順ベル種別が当選すると「中段ベルナビ」が発生する。そして、RT3昇格リプレイが入賞した場合には、RT遊技状態がRT2遊技からRT3遊技に昇格移行されるとともに、AT遊技状態がAT1遊技からAT2遊技に昇格移行され、遊技状態は、準備ART遊技から「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」に移行される。また準備ART遊技中のアシスト報知については、上記準備ART移行前遊技とケースと同じように、「役秘匿アシスト報知」を現出させる。このため、遊技者がアシスト報知に従わない場合、転落リプレイが入賞し不利益を被る可能性があり(RT1遊技に転落移行しうる)、遊技者は積極的にアシスト報知に従うことになる。
(本ART遊技について)
次に、「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」について説明する。
この本ART遊技中は、AT2遊技の作用により、RT1転落リプ種別が当選すると‘通常リプレイナビ’が、押順ベル種別が当選すると‘中段ベルナビ’が発生し、RT1遊技への転落移行を回避しつつ、本ART遊技を継続させることができるようになっている。また詳細は後述するが、演出リプレイ種別が当選した場合、所定の報知条件の下で、7リプレイを入賞させるアシスト報知(以下、7リプレイを入賞させるためのアシスト報知を「7リプナビ」と略す)が発生する。
(ARTゲーム数について)
本実施形態に係るARTゲーム数は、既に説明したように、AT抽選に当選した場合に実行される「ARTゲーム数抽選(図21)」を経て、本ART遊技の継続ゲーム数が抽選により決定されるようになっている。このARTゲーム数は、本ART遊技の継続ゲーム数として設定されるものであるが、ARTゲーム数抽選により決定された後は、所謂「上乗せ」等によりそのゲーム数が変動することがなく、「原則として‘固定的なゲーム数’」となっている。
ここで、上記「原則として固定的なゲーム数である」と称する理由は、回胴式遊技機に関する法的要請により、アシスト報知の発生が許容化状態下となる「有利期間(指示機能に係る性能を有することができる区間)」が、指示機能の作動、RT中、内部中および役物等の作動中等のいかなる状態によらず、所定回数(1500回)の遊技の結果が得られた場合(1500ゲームを終了した場合)、当該有利区間を終了(初期化処理)させなければならないからである。なお、有利期間中に特別役(BB1、BB2)当選した場合、BB入賞までのゲーム数は待機区間であるとして有利区間にカウントしないが、ボーナス遊技中のゲーム数は有利区間としてカウントされる。
本実施形態の場合、上記した「有利区間」は、AT当選ゲームの次ゲームからカウントが開始される。すなわち、通常遊技中のAT当選状態である「準備ART移行前遊技」から「本ART遊技」に移行するまでに要したゲーム数が、この有利区間としてカウントされる。具体的には、今回のゲームでAT抽選に当選した場合、次ゲームから準備ART移行前遊技となるが、この準備ART移行前遊技中から準備ART遊技中への移行に10ゲーム要し、準備ART遊技中から本ART遊技への移行に15ゲーム要したとすれば、計25ゲームが有利区間としてカウントされることになる。よって、ARTゲーム数抽選(図21)で決定されたARTゲーム数がたとえ「1500ゲーム」として決定された場合であっても、有利区間の消化ゲーム数に応じて、実際のART遊技のゲーム数が変動(減少)しうる。上述のケースであれば、実際のART遊技のゲーム数は1475ゲーム(ARTゲーム抽選により決定されたゲーム数1500ゲーム-有利区間消化ゲーム数25ゲーム=1475ゲーム)となる。
本ART遊技中において、有利区間移行後に上限の‘1500ゲーム’に達した場合は、たとえ、抽選により決定されたARTゲーム数が残存していたとしても強制的に有利区間が終了される。つまり、AT遊技(AT2遊技)が強制的に終了されて、現在の本ART遊技から「第2昇格通常遊技(RT3+AT0遊技)」に移行されることになる。この第2昇格通常遊技においては、アシスト報知が発生しないため、いずれは、転落移行契機役(RT1転落リプレイまたはベル溢し目)が入賞して、遊技状態が「通常遊技(RT1+AT0遊技)」に移行されることになる。以下、この有利区間が強制終了することとなるゲーム数(1500ゲーム)を「規制ゲーム数」と略す。
ところで、AT当選時に併せて抽選された「ARTゲーム数」を有利区間のゲーム数としてカウントしてもよいが、そうすると、たとえば、今回抽選されたARTゲーム数が「100G」であり、本ART遊技に移行するまでに「25G」要してしまったケースでは、本ART遊技開始時に係るARTゲーム数が「75G」からのスタートとなってしまう。すなわち、本ART遊技移行までに要するゲーム数が多くなればなるほど、当該ARTゲーム数がさらに減少し、極めて稀なケースではあるが、折角、AT抽選に当選しても本ART遊技に移行せずに終了してしまうケースもありうる。いずれにしても、AT抽選に当選する度に、決定されたARTゲーム数よりも少ないゲーム数から開始されたり、また、ARTゲーム数が毎回変動したりするのでは、遊技者の遊技意欲の低下や遊技機に対する不信感を招来する。したがって、法的要請を満たしつつ、できるだけ決定されたARTゲーム数を遊技者に付与可能な遊技機を提供することが好ましいといえる。具体的には、ARTゲーム数抽選により最大ARTゲーム数が選択された場合であっても、規制ゲーム数(1500G)に達することなく、そのゲーム数をできるだけ消化できるようにする。
そこで本実施形態では、ARTゲーム数抽選で抽選される最大ゲーム数を、少なくとも上記規制ゲーム数未満に定めることとしている。具体的には、AT当選の次ゲームから本ART遊技に移行するまでに要するゲーム数Nが、規制ゲーム数X、最大ゲーム数Yとした場合、規制ゲーム数Xと最大ゲーム数Yと差(本例では、規制ゲーム数X(1500G)-最大ゲーム数Y(1200G)=300G)を超えることないように、昇格リプレイ(RT2移行リプ種別、RT3移行リプ種別)の抽選確率を定めている。詳しくは、昇格リプレイの抽選確率として、RT2移行リプ種別(RT1遊技→RT2遊技への昇格リプレイ)の当選確率を「6594/65536(約1/9.9)」とし、RT3移行リプ種別(RT2遊技→RT3遊技への昇格リプレイ)の当選確率を「13355/65536(約1/4.9)」として、AT当選後、概ね150ゲーム(ゲーム数N)以内に、ほぼ100%で本ART遊技に移行されるようになっている。つまり、AT当選後の次ゲームから本ART遊技に移行するまでのゲーム数が、300ゲーム(ゲーム数差M)を超えてしまうケースは、ほぼ皆無なものとなっている。
また本実施形態では、規制ゲームに関する法的要請を満たしつつ、本ART遊技を制御するために、有利区間の消化ゲーム数をカウントする「有利区間カウンタ」と、残余ARTゲーム数をカウントする「残余ARTゲーム数カウンタ」と、本ART遊技中の消化ゲーム数をカウントする「消化ゲーム数カウンタ」などが設けられている。
「有利区間カウンタ」については、AT当選ゲームにおいて規制ゲーム数の「1500ゲーム」を設定し、他方、「残余ARTゲーム数カウンタ」については、本ART遊技移行を契機に(本実施形態の場合、準備ART遊技中のRT3昇格リプレイの入賞を契機に)、ARTゲーム数抽選で決定されたARTゲーム数をデフォルトのゲーム数として設定する。前者の「有利区間カウンタ」の値については、AT当選ゲームの次ゲームから1ゲーム消化する毎に1減算し、後者の「残余ARTゲーム数カウンタ」については、本ART遊技を1ゲーム消化する毎に1減算し(本実施形態の場合、RT3昇格リプレイ入賞のゲーム後、1ゲームを消化する毎に1減算)、「有利区間カウンタ」および「残余ARTゲーム数カウンタ」の少なくともいずれか一方がゼロになったゲームでAT遊技に係る機能をリセットし、本ART遊技を強制的に終了させる。このようにすれば、ARTゲーム数が有利区間と独立してカウントされるので、双方のゲーム数が管理可能となり、たとえば有利区間中の消化ゲーム数または本ART遊技中の消化ゲーム数に応じた演出を(たとえば、フリーズ演出、アシスト報知、後述する第1~第6の報知形態に係る各種演出など)、各カウンタに基づいて比較的簡易な制御で現出制御することが可能になる。
なお本実施形態に係る回胴式遊技機では、ARTゲーム数抽選により決定される最大ARTゲーム数が規制ゲーム数未満(1200G)の構成としているが、遊技性等に応じて、当該最大ARTゲーム数を規制ゲーム数の1500Gとしてもよいのは勿論のことである。
(ARTゲーム数報知態様について)
本実施形態では、上記したように、ARTゲーム数が上乗せにより変動しない「固定的なゲーム数」となっている。このような「固定的なゲーム数」とする場合は、従来のような上乗せゲーム数抽選等によりゲーム数が変動することがないため、法的要請を満たすことが容易になるという利点がある。しかし、その一方で、ARTゲーム数が固定的である場合、無闇に残余ARTゲーム数を報知してしまうと、従来のような上乗せゲーム抽選によるゲーム数の変動が無いために、本ART遊技が単なる消化遊技の様相を呈してしまい、折角の本ART遊技が単調化してしまう恐れがある。したがって、ARTゲーム数を如何にして報知するかが、遊技の面白みを向上させる重要な要素となる。
そこで本実施形態では、本ART遊技開始時において、ARTゲーム数(本ARTゲーム抽選により決定されたゲーム数)を秘匿状態下に置き、本ART遊技が何ゲームまで継続するかを遊技者に悟られないようにして、本ART遊技の継続期待感を遊技者に与えつつ、所定の報知条件を満たした場合には、残りのARTゲーム数(残余ARTゲーム数)に関する情報を示唆または暗示、あるいは報知(開示)可能な構成となっている。つまり、所定の報知条件を満たした場合、秘匿状態中の真の残余ARTゲーム数(内部的な残余ARTゲーム数)の一部または全部を報知(開示)可能な構成となっている(秘匿ゲーム数報知制御手段)。これにより、ゲーム数が固定的でありながらも残余ARTゲーム数の推測要素を遊技者に与えるようにして、本ART遊技の面白みを向上させている。
以下、図8A~図28を参照して、本発明に係るARTゲーム数の報知形態1~6(第1の実施形態~第6の実施形態)について詳細に説明する。なお図8A~図13に示す各報知形態に係る具体例では、各報知形態の理解を容易なものとするために、通常遊技(RT1+AT0遊技)にAT抽選に当選し(図示の「ART当選」の囲み枠)、本ART遊技に突入したケースを例にとり説明する。
また、説明を簡便なものとするために、通常遊技(AT当選ゲーム)から本ART遊技に突入するまでに要したゲーム数(ART到達前消化ゲーム数)は無視し、「ARTゲーム数抽選」で決定されたARTゲーム数が、そのまま本ART遊技開始時のゲーム数であるものとして説明する。換言すれば、AT抽選で当選したゲームの次ゲームから、本ART遊技が開始されたケースである。また、本ART遊技開始時には、所定の残余ARTゲーム数が公開報知されるようになっている。この本ART遊技開始時に公開される残余ARTゲーム数は、本ART遊技が最低限保障される継続ゲーム数であり、ARTゲーム数抽選対象ゲーム数のうち、最少ゲーム数の100Gとなっている。
[第1の報知形態(第1の実施形態)]
(A-1.上乗せ報知タイプ:図8A~図8C、図14A~図14B)
図8A~図8C、図14A~図14Bを参照して、本実施形態に係るARTゲーム数の第1の報知形態(第1の実施形態)の「上乗せ報知タイプ」について詳細に説明する。
この上乗せ報知タイプは、端的に言えば、従来から知られている、上乗せゲーム数抽選等により決定された上乗せゲーム数をARTゲーム数に対して加算する「上乗せ抽選機能」を備えた回胴式遊技機(「上乗せ抽選」について、たとえば、特開2015-213581(図29等)参照)を、疑似的に再現するものとなっている。この点で、本例を「上乗せ報知タイプ」と称している。
(A-2.上乗せ報知タイプの概要)
上記「上乗せ報知タイプ」の理解を容易なものとするために、先ずその概要を説明しておく。
本実施形態に係る上乗せ報知タイプでは、本ART遊技開始時に、保障ゲーム数の100Gは公開するが、内部的な真のARTゲーム数(ARTゲーム抽選によるゲーム数)は秘匿状態として遊技者に報知しない。なお本例の場合は、ART到達前消化ゲーム数を無視しているため、本ARTゲーム数抽選により決定されたARTゲーム数が真のARTゲーム数として扱う(後述の第2~第6の報知形態についても同様)。
しかし特定の報知条件が成立した場合、その秘匿中の残余ARTゲームの一部または全部が報知(開示)される。具体的には、本ART遊技中の特定のゲーム数目に特定役(上乗せ報知契機役)が当選した場合、上乗せ抽選により上乗せされたかのような「疑似的な上乗せ演出(以下「疑似上乗せ演出」と称する(後述の図14A(3)参照))」を現出させ、遊技者に対して明らかとされている、現在開示中の残余ARTゲーム数(演出表示上の残余ARTゲーム数(後述する「残余ゲーム数報知演出6cの値(図14A参照)」)に対して、演出的に、所定のゲーム数が上乗せされたかの如く振る舞い、遊技者に明らかとされていない、現在秘匿中の残余ARTゲームの一部または全部を報知可能な構成となっている。この「上乗せ報知契機役」は、従来の「上乗せ抽選機能」を備えた回胴式遊技機における上乗せ抽選契機役を模した疑似的な上乗せ抽選契機役として働くものである。上乗せ報知契機役としては、たとえば、演出リプレイ種別(当選番号16~21)、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーなどを利用することができる。なお、上乗せ報知契機役の当選が疑似上乗せ演出の実行条件としている関係上、他の役よりも高確率で当選する「演出リプレイ種別」を採用することが好ましい。また「演出リプレイ種別」は、押し順に応じて演出的効果が高い「赤7図柄揃い」というインパクトのある図柄の組合せや、通常リプレイを表示可能とする押順規定役として定められており、本告知・嘘告知により、演出リプレイの当選を秘匿したり報知したりすることができるので、上乗せ報知契機役として好適な抽選対象役であるといえる。
ここで「上乗せ報知タイプ」の特徴的な点は、疑似上乗せ演出が発生されるゲームが何ゲーム目であるかということが予定されている点である。具体的には、本ART遊技開始時(AT抽選当選時であってもよい(後述の各報知形態についても同様))において、本ART遊技中の何ゲーム目(1または複数のゲーム数目)に、どのような役に当選した場合に如何なる上乗せゲーム数を報知するかという「疑似上乗せ演出(後述のガセの疑似上乗せ演出を含んでもよい)」に関する、本ART遊技中の‘演出シナリオ’が決定される。すなわち、本実施形態に係る本ART遊技は、ARTゲーム数が固定的であるという「出来合いのレース型(出来レース型)」となっているとともに、演出的にも「出来レース型」となっている。
なお、疑似上乗せ演出の現出回数についてはARTゲーム数を考慮し、1または複数回定めることができるが、ARTゲーム数が相対的に多いゲーム数ほど、疑似上乗せ演出を複数回実行させることが好ましい。これは、ARTゲーム数が比較的長い遊技期間である場合に(たとえば、500G以上)、1回の疑似上乗せ演出で内部的な真のARTゲーム数を全て報知してしまうよりも、複数回に分けて上乗せ報知していく方が、本ART遊技中の演出が単調化せず、また遊技者の継続期待感を盛り上げる上で好ましいからである。
上述の演出シナリオの決定については、本ART遊技開始時のゲーム数(本例の場合、ARTゲーム数抽選により決定されたARTゲーム数)が、たとえば「500G」である場合、本ART遊技開始時(AT抽選当選時であってもよい)に、演出シナリオとして、1または複数の特定のゲーム数目に「疑似上乗せ演出」を実行すると決定する。たとえば「99G目、150G目、299G目及び399G目」に上乗せ報知契機役(たとえば、演出リプレイ種別)が当選したことを条件に「疑似上乗せ演出」を実行すると決定する(たとえば、後述の図14A参照)。この疑似上乗せ演出の実行が予定される「実行予定ゲーム」を、以下「上乗せ報知ゲーム」と称する。
なお、この演出シナリオには、同一のARTゲーム数であっても、疑似上乗せ演出の発生ゲームが様々(ランダム的)なケースとなるように、多数の演出シナリオが用意されており、いずれかの演出シナリオが抽選などにより選択的に決定される。重複記載を避けるためにその他の例についての説明は省略するが、上述の例はあくまでも演出シナリオの一例を示したものであり、疑似上乗せ演出が発生するゲームが異なる多数の演出シナリオが用意されている。
また上乗せ報知ゲームが何ゲーム目であるか、上乗せゲームの発生回数などを考慮して「各疑似上乗せ演出において、如何なる上乗せゲーム数(疑似上乗せゲーム数)を報知するか」という演出内容についても決定し、上述の演出シナリオに組み込む。ただし「疑似上乗せ演出」が複数回実行される場合には、当該複数回に分けて真のARTゲーム数が報知されるように決定する。たとえば、真のARTゲーム数が500Gの場合に、「疑似上乗せ演出」を‘99G目、150G目、299G目および399G目’において4回実行させる場合は、その4回の上乗せゲーム数報知によって、初期報知の100G(保障ゲーム数)を除く「400G」を超えないように、疑似的な上乗せゲーム数(疑似上乗せゲーム数)を報知するように決定する。一例として、たとえば、保障ゲーム終了直前の99G目の疑似上乗せ演出では「100G」、150G目の疑似上乗せ演出では「100G」、299G目での疑似上乗せ演出では「100G」、399G目の疑似上乗せ演出では「100G」の疑似上乗せゲーム数を報知すると決定する(合計400Gの上乗せを報知)。上記299G目、399G目は、区切りゲーム直前のゲーム数目となっている。
本実施形態の場合、上乗せ報知ゲーム(たとえば、99G目)において、上乗せ報知契機役(たとえば、演出リプレイ種別)が当選したことを条件に、疑似上乗せ演出を発生させるようになっている。つまり、上乗せ報知ゲームが到来した場合、当該ゲームの当選役に応じて、疑似上乗せ演出が発生するか否かが決定される。なお本実施形態では、上乗せ報知契機役として、演出リプレイ種別を採用している。
上乗せ報知ゲームにおいて演出リプレイ種別(上乗せ報知契機役)が当選した場合、疑似上乗せ演出として、まず‘7リプナビ(本告知)’を発生させ、遊技者に対して、インパクトのある「赤7図柄揃い(7リプレイ)」の停止を促すとともに、赤7図柄揃いが導出表示された場合には、液晶画面6aに、疑似的に上乗せがあった旨(疑似上乗せゲーム数)を報知する(後述の図14A(3)参照)。なお、遊技者が目押しに失敗して、7リプレイが導出表示されなかった場合であっても、疑似的に上乗せがあった旨が現出される。ただし、上乗せ報知ゲーム以外では、演出リプレイ種別に当選しても本告知である‘7リプナビ’を発生させずに、嘘告知である‘通常リプナビ(通常リプレイのアシスト報知)’をして、「赤7図柄揃い(7リプレイ)」が導出されてしまうことを回避するようになっている(後述の図14A(2)参照)。すなわち、嘘告知により、上乗せ報知契機役の当選を秘匿するようになっている。これにより、闇雲に「赤7図柄揃い(7リプレイ)」が発生してしまうことを防止し、また疑似上乗せ演出(上乗せ報知)の発生期待感を、遊技者に過度に与えてしまうことを防止することができる(後述の他の報知形態において、演出リプレイを採用する場合も同様)。
(A-2-1.上乗せ報知ゲームで上乗せ報知契機役が非当選であった場合について)
しかし上記「上乗せ報知ゲーム」において、必ずしも、上乗せ報知契機役である演出リプレイ種別が当選するとは限らない。そこで本実施形態では、上乗せ報知ゲームにおいて上乗せ報知契機役が当選しなかった場合、「次ゲーム以降の特定ゲーム目」にて、疑似上乗せ演出を強制的に発生させるようになっている。詳細は後述するが、予定されたゲーム数目(上乗せ報知ゲーム)で疑似上乗せ演出が実行できない事象が発生した場合には、演出表示上の残余ARTゲーム数(後述する「残余ゲーム数報知演出6cの値(図14A(1)参照)」)が少なくとも「ゼロ」以前のゲームで、強制的に「疑似上乗せ演出」を発生させるようになっている。このことは、たとえ、上乗せ報知ゲームにて上乗せ報知契機役が当選せず、疑似上乗せ演出が発生しない場合であっても、その演出表示上の残余ARTゲーム数(残余ゲーム数報知演出6cの値)がゼロとなるゲームまで、疑似上乗せ演出の発生可能性が残ることを意味する。これにより、遊技者に継続期待感や緊張感を与えて遊技の面白みに深みを持たせている。なお、上述した疑似上乗せ演出が実行できない事象が発生した場合に関する事項は、後述する他の報知形態(特に第4の報知形態(複合型報知タイプ))において、上乗せ報知契機役の当選により疑似上乗せ演出を現出させる場合も同様である。
上記演出シナリオに従い、初回の上乗せ報知ゲームである99G目で上乗せ「100G」が報知されれば、この時点で、残り1Gに加え、上乗せ100Gが報知されたことにより、少なくともあと101G(残り1G+上乗せ100G)の継続(少なくとも200ゲーム(保障ゲーム数100G+上乗せ100G)までの継続)が保障される。これにより遊技者は、本ART遊技がさらに継続可能であることを知ることができる。その後、2回目の150G目で上乗せ「150G」、3回目の299G目で上乗せ「100G」、4回目の399G目で上乗せ「100G」が報知されていき、399G目の時点で、少なくともあと101Gの継続(少なくとも500ゲームまでの継続)が保障、つまり、少なくともARTゲーム数が500G保障されることになる。その後、何ら疑似上乗せ演出が発生しなければ、今回のARTゲーム数が500Gであったことが報知され、本ART遊技が500G消化されたことを以って終了される。これにより、遊技者は、今回のARTゲーム数が500Gであったことを知得する。
以上のように本実施形態では、ARTゲーム数に関する疑似上乗せ演出(疑似上乗せ報知)が特定のゲーム数目で現出され、秘匿されたARTゲーム数の少なくとも一部が明るみにされる。秘匿されたARTゲーム数のすべて明るみになると、それ以上は、疑似上乗せ報知を発生させない。また本実施形態では、演出的効果の高い「演出リプレイ」を上乗せ報知契機役として採用することで、インパクトのある疑似上乗せ報知を可能としている。特に、演出リプレイが当選したゲームが、上乗せ報知ゲーム以外のゲームである場合には「嘘告知」をして通常リプレイ当選を装うようにして、闇雲に「赤7図柄揃い」が導出表示されることを回避し、遊技者に対して、疑似上乗せ報知が発生期待感を過度に与えないようになっている。
なお本実施形態では、ART到達前消化ゲーム数は無視するものとして説明しているので、ART到達前消化ゲーム数は考慮されていないが、正確には、ART到達前消化ゲーム数も規制ゲーム数としてカウントされ、ART到達前消化ゲーム数も上乗せ限界値を定めるにあたり考慮される。つまり、上乗せ範囲(上乗せ限界値)NRは「規制ゲーム数(1500G)-ART到達前消化ゲーム数X(変動ゲーム数)-保障ゲーム数Y(本例の場合、固定の100G)=上乗せ範囲NR」となり、ART到達前消化ゲーム数Xの値により、上乗せ範囲や実際の本ART遊技の継続ゲーム数は変動することになる。後述の第2~第6の報知形態も同様に、ART到達前消化ゲーム数Xの値により、実際の本ART遊技の継続ゲーム数等は変動しうる。
(A-3.上乗せ報知タイプの具体例:図8A~図8C、図14A、図14B)
図8A~図8C、図14A、図14Bを用いて、上記上乗せ報知タイプの具体例について説明する。図8A~図8Cは、上乗せ報知タイプの一例として、本ARTゲーム数抽選により500G(具体例1)、300G(具体例2)、100G(具体例3)が決定されたケースを代表的に示したものである。また図14A、図14Bは、本ART遊技中に展開される演出態様の一例を示したもので、「疑似上乗せ演出」の説明に供する説明図である。
(具体例1:500Gのケース)
まず図8A、図14A、図14Bを用いて、ARTゲーム数が「500G」であった場合(具体例1)について説明する。
この具体例1では、上記「A-2.上乗せ報知タイプの概要」で説明したように、ARTゲーム数を「500G」、上乗せ報知契機役として演出リプレイ種別、上乗せ報知ゲーム(疑似上乗せ演出の発生ゲーム)として「99G目、150G目、299G目および399G目」の計4回(複数の上乗せゲーム数)が予定される演出シナリオのケースを例示したものである。ただし本例の場合、299G目で演出リプレイに当選せず(上乗せ報知ゲームにて、疑似上乗せ演出が実行できない事象が発生したケース)、区切りゲーム数目となる300G目にて、疑似上乗せ演出が生起するケースを示している。この「区切りゲーム数目」とは、本ARTゲーム抽選による抽選対象ゲーム数が100Gごとであることを考慮し、本例の場合、この100Gごとを‘区切りゲーム数目’と称している。
(0G目:本ART開始ゲーム)
本ART遊技が開始されると、まず本ART遊技開始時の演出態様として、光演出や音演出とともに、液晶画面6aには、現在の遊技状態を報知する「遊技状態報知演出6y」、現在の獲得枚数(たとえば、本ART遊技中の純増枚数)を報知する「獲得枚数報知演出6b」、残余ARTゲーム数の少なくとも一部を報知する「残余ゲーム数報知演出6c(内部的なARTゲーム数(真のARTゲーム数)が、現在表示中のゲーム数分が少なくとも残存していることを報知する演出)」、本ART遊技中の消化ゲーム数を報知する「消化ゲーム数報知演出6d」、本ART遊技中専用の演出態様としてストーリー性を有する「ストーリー演出(キャラクタ演出)6e」などの演出が表示される。これらの演出のうち「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」の表示値は、遊技進行状況に応じてその表示内容が変化しうる。また、「キャラクタ演出6e」や「背景演出(図示せず)」も遊技進行状況に応じてその演出内容が変化しうる。具体的には、当選役種別に応じて演出内容が変化したり、消化ゲーム数に応じて演出態様が変化するようになっている。キャラクタ演出6eや背景演出などは、たとえば、特定の小役当選(たとえば、弱/強チェリーや弱/強スイカ)やボーナス(BB1、BB2)当選を示唆する予告演出(役種別報知演出)として利用され、遊技状況に応じて、様々なキャラクタが登場する。
本例の場合、図14A(1)示すように、遊技状態報知演出6yとして遊技状態が本ART遊技中である旨を示す「第二種接近遭遇中」の情報画像、獲得枚数報知演出6bとして現在の獲得枚数がゼロの「0枚GET」の情報画像、残余ゲーム数報知演出6cとして残余ARTゲーム数が少なくとも100G存在する旨を示す「100(ここでは、保障ゲーム100Gが公開ゲーム数として表示)」の情報画像、消化ゲーム数報知演出6dには0G消化を示す「0」の情報画像、本ART開始時のキャラクタ演出6eとして、地球外知的生命体と思しき飛行物体(円盤)が上空を飛来している様を表現したキャラクタ画像(円盤アップ画像)が表示されている。
ここで本発明に関係の深い、上記「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」などの演出制御について説明しておく。これらの演出は、演出制御部410が有する下記の機能部により制御される。
演出制御部410は「獲得枚数報知演出6b」を現出制御する「獲得枚数演出制御手段」を備える。獲得枚数演出制御手段は、主制御部400からの所定の演出制御コマンド(たとえば、払い出し枚数1枚ごとに送信される払出コマンドや、内部抽選結果情報を含む遊技開始情報コマンド)により送られてくる、遊技メダルの払い出し情報(再遊技による自動投入情報を含む)や内部抽選結果情報(当選役情報)に基づき、現在の獲得枚数をカウントし、獲得枚数報知演出6bの表示値を制御する。
また演出制御部410は、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドのうち、ARTゲーム数抽選で決定されたARTゲーム数を特定可能な「ARTゲーム数コマンド」、残余ARTゲーム数(残余ARTゲーム数カウンタ情報)を特定可能な「残余ARTゲーム数コマンド」、消化ゲーム数(消化ゲーム数カウンタ情報)を特定可能な「消化ゲーム数コマンド」、内部抽選結果情報を含む遊技開始情報を特定可能な「遊技開始情報コマンド」、などのコマンドに含まれる情報を利用して、残余ARTゲーム数を管理可能な「サブ側残余ARTゲーム数カウンタ」と、消化ゲーム数を管理可能な「サブ側消化ゲーム数カウンタ」とを備えている。
また演出制御部410は「残余ゲーム数報知演出6c」を現出制御する「残余ゲーム数報知制御手段」を備える。残余ゲーム数報知制御手段は、上記サブ側残余ARTゲーム数カウンタ値に基づき、残余ゲーム数報知演出6cの表示値を制御する。なお、残余ゲーム数報知制御手段は、ARTゲーム数抽選より決定されたARTゲーム数を秘匿し、本ART遊技に制御された開始ゲームにおいて保障ゲーム数分のゲーム数を、本ART遊技の公開ゲーム数(保障ゲームの100G)として報知する「公開ゲーム数報知制御手段」が含まれる。
また演出制御部410は「消化ゲーム数報知演出6d」を現出制御する「消化ゲーム数報知制御手段」を備える。消化ゲーム数報知制御手段は、上記サブ側消化ゲーム数カウンタに基づき、消化ゲーム数報知演出6dの表示値を制御する。なお、上記した「サブ側残余ARTゲーム数カウンタ」や「サブ側消化ゲーム数カウンタ」は、残余ゲーム数報知演出6cや消化ゲーム数報知演出6dの表示制御に限らず、残余ARTゲーム数情報や消化ゲーム数情報を必要とする、他の演出を現出する際にも利用される。
(98G目:上乗せ報知ゲーム直前)
その後、97G消化し(図示略)、遊技進行は図14A(2)の98G目(上乗せ報知ゲーム1G前)に進む。98G目では、図示の通り、獲得枚数報知演出6bとして、現在の獲得枚数が100枚であることを示す「197枚GET」の情報画像、残余ゲーム数報知演出6cとして、残余ARTゲームが少なくとも「2G」存在する旨を示す「2」の情報画像、消化ゲーム数報知演出6dとして、現在の消化ゲーム数が98Gである旨を示す「98」の情報画像などが表示されている。またキャラクタ演出6eには、本ART遊技中のストーリー演出の一環として、円盤から奇怪な光線が放射されている様を表現したキャラクタ画像が表示されている。本ゲームのキャラクタ演出6eは、上乗せ報知ゲームや区切りゲームが近づいていることを示唆する予兆演出(報知ゲーム予兆演出)となっており、たとえば、上乗せ報知ゲーム(99G目)の1または複数ゲーム前(たとえば、3ゲーム前の96G目)から現出され、この予兆演出は96G~98Gの複数ゲームに跨って実行されうる。また、この予兆演出は、必ずしも上乗せ報知ゲームを対象として現出させるのではなく、上乗せ報知ゲームとは無関係のゲーム数目を対象としたり、後述する「ガセの疑似上乗せ演出」に係る報知ゲーム(ガセ用の上乗せ報知ゲーム)を対象としてもよく、この場合には、予兆演出の内容により、疑似上乗せ演出が発生するか否かの期待度を示唆することができる。斯様な予兆演出については、後述する第2~第6の報知形態に係る報知ゲームを対象として適用することができる。
また、この98G目では、所定の押し順をアシストするアシスト報知6fが現出されている。図示のアシスト報知6fは、当選役種別を秘匿する役秘匿アシスト報知であり、演出リプレイ種別のうち「演出リプレイ213」当選したケースを例示している。ただし、98G目は上乗せ報知ゲームではないため、アシスト報知6fは、7リプレイが成立する押し順「213(中右左)」(本告知)ではなく、7リプレイが成立しない押し順として、通常リプレイ(たとえば、「312(中右左の順)」(嘘告知))が成立する押し順が報知される(嘘告知として、7リプフェイクが成立する押し順でもよい)。
(99G目:上乗せ報知ゲーム(1回目))
遊技進行は図14A(3)に移り、上乗せ報知ゲームとなる99G目では、演出リプレイ種別のうち「演出リプレイ123」に当選して、「疑似上乗せ演出」が現出されるケースを示している。以下に、この疑似上乗せ演出の内容とその演出制御について説明する。
本ART遊技中の演出態様については、主制御部400は、まず本ART遊技開始時またはAT抽選当選時に、ARTゲーム数に関する情報を含む演出制御コマンド(本ART遊技開始時コマンド)を作成し、演出制御部410に送る。演出制御部410は、本ART遊技開始時コマンドに含まれるARTゲーム数情報に基づき、1または複数の上乗せ報知ゲームを決定し(何G目に疑似上乗せ演出を実行するかを決定)、決定された上乗せ報知ゲームにおける疑似上乗せ演出(上乗せゲーム数報知演出6h:図14A(3b))において、ARTゲーム数を超えない範囲において如何なる疑似上乗せゲーム数を報知するかに関する演出シナリオを決定する。この演出シナリオは、ARTゲーム数に応じて用意された複数種類の演出シナリオのうちから選択的に決定してもよいし、上乗せ報知ゲームを所定の抽選により決定し、その決定された上乗せ報知ゲームに係る疑似上乗せ演出の演出内容(疑似上乗せゲーム数など)を決定可能な構成としてもよい。このように本ART遊技中の演出態様については、主制御部400と演出制御部410とがうまく連携した演出系により、本ART遊技中の種々の演出(たとえば、アシスト報知や疑似上乗せ演出など)を実現する。
なお上記のように、演出制御部410が主導的に演出シナリオを決定するのではなく、主制御部400が主導的に演出シナリオを決定してもよい。詳しくは、主制御部400が本ART遊技中の基本的な演出シナリオ(たとえば、ARTゲーム数に基づき、1または複数の上乗せ報知ゲームを何G目にするか)を決定し、この基本演出シナリオ情報を特定可能な演出制御コマンド(本ART遊技開始時コマンド)を作成し、演出制御部410に送る。これにより、本ART遊技中の演出に関して基本的な情報が演出制御部410に送られる。演出制御部410は、本ART遊技開始時コマンドに含まれる情報に基づき、1まはた複数の上乗せ報知ゲームに係る疑似上乗せ演出において、如何なる疑似上乗せゲーム数を報知するかを決定する。
「疑似上乗せ演出」の現出制御は次の通りである。ゲーム遊技開始条件(賭数の設定)の下、主制御部400が遊技者による始動レバー11の操作を検出したこと契機に、内部抽選を行い、内部抽選結果(当選役種別)を特定可能な演出制御コマンド(遊技情報コマンド)を作成し、演出制御部410に送る。演出制御部410は、今回のゲームの当選役が上乗せ報知契機役であり、かつ今回のゲームが上乗せ報知ゲームである場合には、疑似上乗せ演出を現出させる。
(疑似上乗せ演出態様:図14A(3))
本例の場合、上乗せ報知契機役が演出リプレイ種別であるので、上乗せ報知ゲームで演出リプレイ種別のいずれかに当選した場合は、アシスト報知として、当選した演出リプレイに応じた「7リプナビ(本告知)」を現出させる。演出リプレイ種別を上乗せ報知契機役とする理由は、7リプレイが‘赤7図柄揃い’というインパクトのある図柄の組合せであり、演出的効果が高く、上乗せ報知を行う際の入賞役として適しているからである。図示の例では、99G目の報知ゲームにおいて「演出リプレイ123」が当選しケースを示しており、このアシスト報知6gは、「777を狙え!!」の表示および押し順「123(左中右)」を同時的に表示する上記「役種アシスト報知(真の役種アシスト報知)」に属するものとなっている。
上記「アシスト報知6g」に従い、遊技者が停止ボタン12を停止操作した場合(全回胴停止時)、回胴側の有効入賞ライン上の「赤7図柄揃い(7リプレイ)」が導出表示され(図示せず)、液晶画面6aには、「上乗せゲーム数報知演出6h(第1結果報知演出)」が現出され、疑似的な上乗せゲーム数が報知される。この「上乗せゲーム数報知演出6h」は、現在の残余ARTゲーム数に対して所定のゲーム数が上乗せされたかのように見せる演出態様(疑似上乗せ報知)となっており、たとえば、図14A(3b)に示すように、液晶画面6aの中央部に大きく「+100GET!」が表示される。
そして、上乗せゲーム数報知演出6hにより上乗せゲーム数が報知されると、残余ゲーム数報知演出6cには、現在表示上の残余ARTゲームに対して今回報知された疑似上乗せゲーム数「100G」が加算された値に変更(更新)表示される。図示の例では、現在の残余ARTゲーム「1G」に疑似上乗せゲーム数「100G」を加算した「101」の表示に変更される。これにより遊技者は、少なくとも、本ART遊技があと101G継続可能であること(トータル継続数200Gが保障されること)を知ることができる。なお、遊技者が目押しに失敗して、7リプレイが導出表示されなかった場合であっても、上記「上乗せゲーム数報知演出6h」が現出される。また「赤7図柄揃い」を疑似入賞ライン上(たとえば、上、中、または下段横ライン上)に停止表示可能に構成する場合には、有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せ(真の入賞役)が「7リプレイ」であると遊技者が誤認しないように、液晶画面6aの所定の表示領域(たとえば、右隅部)に真の入賞役を示す画像を表示することが好ましい。
(150G目:上乗せ報知ゲーム(2回目))
その後、150G目においても、上述した99G目の疑似上乗せ演出と実質的に同様の演出内容の疑似上乗せ演出が現出され(図8Aの150G目の囲み枠参照)、本ART遊技が少なくとも101G継続可能であること(トータル継続数300Gが保障されること)が報知される。この150G目の疑似上乗せ演出は、上記した「99G目」と同様に、‘表示上の残余ARTゲーム数(残余ゲーム数報知演出6cの値)が少なくとも1ゲーム(0<N)ある旨が表示されている状態’で実行されるケースを示している。
(299G目~300G目:上乗せ報知ゲーム(3回目))
遊技進行はさらに進み、図示の299G目では、3回目の上乗せ報知ゲームとなっているが、ここでは、上乗せ報知ゲームであるにもかかわらず、演出リプレイ種別が当選しなかったケース(上乗せ報知ゲームにて、疑似上乗せ演出が実行できない事象が発生したケース)を示している。この場合、演出制御部410は、疑似上乗せ演出が発生しなかったことに基づき、次ゲーム以降の特定のゲームで疑似上乗せ演出(上乗せゲーム数報知6h)を強制的に発生させる。本例の場合は、次ゲームの300G目に、疑似上乗せ演出を強制的に発生させる。つまり、300G目は、どのような役に当選しても、疑似上乗せ演出が強制的に現出されることになる。なお、この300G目は、表示上の残余ARTゲーム数N(残余ゲーム数報知演出6cの値)が、丁度「ゼロ(N=0)」となった場合に、内部抽選結果によらず、強制的に疑似上乗せゲーム報知6hが実行されるケースとなっている。
表示上の残余ARTゲーム数N(残余ゲーム数報知演出6cの値)がゼロ(N=0)となった場合に「疑似上乗せ演出(疑似上乗せゲーム数報知)」を強制的に発生させる理由は、表示上の残余ARTゲーム数(残余ゲーム数報知演出6cの値)が「ゼロ」となった以降も本ART遊技を継続させてしまうと、演出表示に矛盾が生じて、遊技者の混乱を招いてしまうからである。そこで本実施形態では、上乗せ報知ゲームで疑似上乗せ演出が実行できない事象が発生した場合、表示上の残余ARTゲーム数「ゼロ」となったゲームで、強制的に疑似上乗せ演出を発生させるようにし、内部的な残余ARTゲーム数と、演出表示上の残余ARTゲーム数との整合性を図っている。勿論、上記した99G目や150G目のように、表示上の残余ARTゲーム数Nが「ゼロ」になる前に(0<N)、疑似上乗せ演出を実行してもよく、内部的な残余ARTゲーム数と、演出表示上の残余ARTゲーム数との整合性が保たれるように上乗せゲーム数を報知していくのであれば、その報知態様は特に制限されない。この整合性を保つ点については、後述する他の報知形態(特に、後述の第4の報知形態(複合型報知タイプ))についても同様である。
また、遊技者の緊張感を持続させつつ、衝撃的に疑似上乗せゲームを報知する、という観点から、次のような構成としてもよい。
(A)たとえば、300G目において「疑似上乗せ演出」を発生させずに、一旦、本ART遊技が終了した旨を示す「本ART終了演出(図14B(5)参照)」を現出させ、演出上、本ART遊技が終了したかのように装う。そして、301G目を開始する際の賭数設定(MAXベットボタン8または1ベットボタン9操作時)または賭数設定後の始動レバー11の操作を契機に、疑似上乗せ演出(疑似上乗せゲーム数報知)を発生させて、疑似上乗せゲーム数を報知する、といった「復活演出」を現出可能に構成してもよい。
(B)また、上乗せ報知ゲームである299G目において、後述の「ガセの疑似上乗せ演出(図14B(4))」を発生させ、上乗せゲームが無かったかのように見せかけて(本来報知すべき疑似上乗せゲーム数を一旦秘匿状態とする)、演出上、本ART遊技が終了したかのように装い、その後、上記「復活演出」を現出させる構成としてもよい。
(C)また、上乗せ報知ゲーム(299G目)において、演出リプレイ種別が当選して7リプナビ(本告知)が発生したが、7リプレイの目押しに失敗した場合(この場合は、7リプフェイクまたは通常リプレイが入賞する)、全回胴停止を契機に、突発的に「上乗せゲーム数報知(上乗せゲーム数報知演出6h)」を現出させる構成としてもよい。
(D)また、上乗せ報知ゲーム(299G目)において、演出リプレイ種別が当選しても、抽選により本告知をするか嘘告知をするかを決定し(たとえば、本告知90%、嘘告知10%の抽選確率)、嘘告知をすると決定された場合には、全回胴停止を契機に、突発的に「上乗せゲーム数報知(上乗せゲーム数報知演出6h)」を現出させる構成としてもよい。
いずれにしても、今回のゲームで疑似上乗せ演出(真の疑似上乗せ演出)が発生しなかった場合には、遊技者は、次ゲーム以降において、疑似上乗せ演出の発生に期待を寄せながら遊技を進めることになる。本例の場合、疑似上乗せ演出が現出しなければ、本ARTゲーム抽選対象である300G目で終了する可能性がありうるため、この300G目は、遊技者にとって、本ART遊技が継続するか否かの緊張感が飛躍的に高まるゲーム数目とされる。
(399G目:上乗せ報知ゲーム(4回目))
次いで、399G目では、上述した99G目や150G目などの疑似上乗せ演出と同様に、疑似上乗せ演出が現出され(図8Aの399G目の囲み枠参照)、本ART遊技が少なくとも101G継続可能であること(トータル継続数500Gが保障されること)が報知される。
(499G目:ガセの疑似上乗せ演出発生)
次いで、499G目では、演出リプレイに当選したが「疑似上乗せ演出」ではなく、「ガセ(偽)の疑似上乗せ演出」が現出されるケースを示している。
(ガセの疑似上乗せ演出態様:図14B)
上記「ガセの疑似上乗せ演出」について、図14Bを用いて説明する。「ガセの疑似上乗せ演出」は、遊技者の上乗せ期待感を煽る演出であり、上乗せを示す演出結果(結果報知演出)以外は「真の疑似上乗せ演出(図14A(3))」と同一または酷似するものとして、真の疑似上乗せ演出を装うことができるようになっている。たとえば、演出リプレイ種別が当選した場合に「777を狙え!!」の表示および「嘘告知用のアシスト報知」を現出し、演出結果として、上乗せゲーム数がゼロである旨を報知(ガセ報知)する。
図14Bの例は、演出リプレイ種別のうち「演出リプレイ123」に当選したケースを示している。図示の例では、アシスト報知6gとして、「777を狙え!!」の表示をするが、押し順については、7リプフェイク(7リプ聴牌ハズレ目)を成立させる押し順(7リプフェイクナビ)を表示したものとなっている(図14B(4a)参照)。したがって、遊技者がアシスト報知の内容に従い回胴を停止操作しても「赤7図柄揃い」がどのラインにも成立せずに、全回胴停止時に、上乗せゲーム数がゼロである旨を報知する「上乗せゲーム数報知演出6j(第2結果報知演出)」が現出される。たとえば、図14B(4b)に示すように、液晶画面6aの中央部に大きく「残念」の文字が表示される。
「ガセの疑似上乗せ演出」の現出制御については、本例のように、上乗せ報知ゲームに係る演出の一つとして、本ART遊技開始する際の演出シナリオに組み込んでもよいが、下記のように構成して、当該演出シナリオに組み込まない構成としてもよい。
たとえば、真の上乗せ報知ゲームとは別に「ガセ用の上乗せ報知ゲーム」を独立して決定し、真の上乗せ報知ゲームに係る演出シナリオとは別に、ガセ用の上乗せ報知ゲームに係る「ガセ用の演出シナリオ」を設定してもよい。具体的には、真の疑似上乗せ演出を発生させる上乗せ報知ゲーム以外の任意の1または複数のゲームにおいて(本例の場合、99G目、150G目、299G目以外のゲーム)、ガセの疑似上乗せ演出を現出させるか否かを、「ガセ用の疑似上乗せ演出抽選」などにより選択的に決定可能に構成する。この場合、本ART開始時の演出シナリオには、ガセ用の上乗せゲームが含まれず、真の上乗せ報知ゲームと真の疑似上乗せ演出の内容だけを決定しておき、それ以外のゲームにおいて「ガセの疑似上乗せ演出抽選」を実行し、これに当選した場合に、ガセの疑似上乗せ演出を現出可能に構成することができる。ガセ用の疑似上乗せ演出抽選では、たとえば、当選役に応じて、ガセの疑似上乗せ演出の現出確率を異ならせることができる。
上記「ガセの疑似上乗せ演出抽選」の機能部は、演出制御部410が有してもよいし、主制御部400が有してもよい。主制御部400が上乗せ演出抽選の機能部を有する場合には、上乗せ演出抽選結果情報(当落結果情報)を含む演出制御コマンドを演出制御部410に対して送信可能な構成とし、演出制御部410が上乗せ演出抽選結果情報に基づき、ガセの疑似上乗せ演出を現出制御可能な構成とすればよい。なお、後述の第3の報知形態(ストック報知タイプ)に係るガセの疑似ストック獲得演出の制御処理内容(ガセ用のストック報知ゲームの決定、ガセの疑似ストック獲得演出に係る演出シナリオの決定等)についても、上述のガセの疑似上乗せ演出と実質的に同じ制御処理内容とすることができる(ガセの疑似上乗せ演出をガセの疑似ストック獲得演出と読み替え)。
上記「ガセの疑似上乗せ演出」は、1回だけでなく、複数回現出させてもよい。なお本例では、演出リプレイ種別に当選した場合に、ガセの疑似上乗せ演出を現出させる例について説明したが、演出リプレイ以外の当選役(ハズレを含む)であっても、ガセの疑似上乗せ演出を現出させてもよい。この場合には、遊技者の上乗せ期待感を煽るべく、後述の「継続期待演出」を現出させて、内部的に上乗せゲームが残存しているかを期待させつつ、真の疑似上乗せ演出またはガセの疑似上乗せ演出を現出させることが好ましい。
(500G目:本ART終了ゲーム)
図14Bの説明に戻り、次ゲームの500G目では、疑似上乗せ演出が発生することなく、今回の本ART遊技が終了されることになる。この500G目には、本ART遊技が終了される旨を報知する演出として、同図(5)示す「本ART終了演出6z」が現出される。本ART終了演出6zでは、たとえば、図示のように「終了」の情報画像や最終的に獲得した遊技メダルの枚数などが報知される。
(具体例2:300Gのケース)
次に図8Bを参照して、ARTゲーム数が「300G」であった場合(具体例2)ついて説明する。なお上記した具体例1の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
具体例2は、疑似上乗せ演出が1回だけ予定される演出シナリオのケースを例示したものである。この点、疑似上乗せ演出が複数回実行される上記した具体例1とは異なる。
具体例2の場合、上乗せ報知ゲームとなる80G目に、演出リプレイ種別に当選して「疑似上乗せ演出」が現出されるが、1回の「疑似上乗せ演出」により、秘匿中の全ARTゲーム数に相当する「200G」の上乗せゲーム数が報知される。したがって、ここで報知される上乗せゲーム数の「200G」は、今回のARTゲーム数と保障ゲーム数とのゲーム差である「200G」と一致するものとなっている。本例のように、本ART遊技を通じて、1回の「疑似上乗せ演出」により、秘匿された残余ARTゲーム数のすべてを報知する疑似上乗せ演出態様を「一発上乗せ報知演出」と称する。
この一発上乗せ報知演出により、上乗せゲーム数「200G」が報知された場合、残余ゲーム数報知演出6cには、現在表示上の残余ARTゲーム「20」に疑似上乗せゲーム数「200G」を加算した「220」に変更表示されることになる。これにより遊技者は、少なくとも、本ART遊技があと220G継続可能であること(トータル継続数300Gが保障されること)を知ることができる。しかし本例の場合はARTゲーム数が300Gであるため、その後に、疑似上乗せ演出が何ら発生することなく(図8Bの「100G目~300G目」の囲み枠参照)、300G目において上記「本ART終了演出」が現出され、当該300G目の終了を以って今回の本ART遊技が終了されることになる。
(具体例3:100Gのケース)
次に図8Cを参照して、ARTゲーム数が「100G」であった場合(具体例3)ついて説明する。具体例3は、保障ゲームの「100G」で終了するケースを示している。具体例3の場合、上乗せゲームに関する演出(疑似上乗せ演出やガセの疑似上乗せ演出)を何ら発生することなく、本ART終了ゲームとなる100G目が到来することになる。そして、100G目には、上記「本ART終了演出」が現出されて、今回の本ART遊技が終了されることが報知される。なお、100G目が消化されるまでに(1~100G目)、ガセの疑似上乗せ演出を現出させてもよい。
(上乗せ報知タイプの変形例1)
なお上記「上乗せ報知タイプ」において、特定役(期待演出契機役:たとえば、1または複数の特定の小役(弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、または強チェリー(当選番号23~26)など))に当選した場合に、残余ARTゲーム数に関する遊技情報を報知する「継続期待演出」を現出可能に構成してもよい。たとえば、内部的な残余ARTゲーム数に応じて、特定のキャラクタ画像やオブジェクト画像などを現出させることができる。より詳しくは、残余ARTゲーム数が所定ゲーム数以上である場合、継続期待演出を現出させることができる。これにより、遊技者に対して、残余ARTゲーム数または今回のARTゲーム数の推測要素を与えることができる。なお継続期待演出を現出させる場合は、所定の抽選(たとえば、10%で現出)により決定することが好ましい。また複数の期待演出契機役を設ける場合には、各期待演出契機役に応じた現出確率を定めることが好ましい(たとえば、弱チェリーの場合は20%、強チェリーの場合は50%など)。
また、第1継続期待演出と第2継続期待演出とを含む複数の継続期待演出を設け、残余ARTゲーム数が第1ゲーム数以上である場合(たとえば、200G以上)には第2継続期待演出よりも第1続期待演出の方を高確率で現出させ、第1ゲーム数よりも多い第2ゲーム数以上である場合(たとえば、500G以上)の場合には、第1継続期待演出よりも第2続期待演出の方を高確率で現出させることができる。
上記「継続期待演出」の報知タイミングは、始動レバー11の操作を契機としてもよいし、全回胴が停止して遊技結果が導出されたことを契機としてもよい。また、特定役(期待演出契機役)が目押し操作により取りこぼしをする可能性がある場合、取りこぼしが発生しなかった場合に、継続期待演出を現出させるように構成してもよい。
なお、期待演出契機役は、1種類であってもよいし複数種類であってもよい。また、継続期待演出は、所定の抽選により現出させてもよく、複数種類の期待演出契機役を設ける場合には、当選確率が低い役ほど、高確率で継続期待演出を現出させるように構成することが好ましい。
また上記のような継続期待演出は、後述の第2~第6の報知形態の場合にも適用することができる。たとえば、後述の第2の報知形態(セット報知タイプ)の場合には、残余セット数情報が継続期待演出よる報知対象となりうるので、残余ARTゲーム数または残余セット数(報知ゲーム残余回数)に関する情報を対象に、上記継続期待演出を現出させることができる。また第1継続期待演出と第2継続期待演出とを含む複数の継続期待演出を設ける場合は、残余セット数が第1セット数以上である場合(たとえば、2セット以上)には第2継続期待演出よりも第1続期待演出の方を高確率で現出させ、第1セット数よりも多い第2セット数以上である場合(たとえば、5セット以上)の場合には、第1継続期待演出よりも第2続期待演出の方を高確率で現出させることができる。残余セット数に関しては、現在の消化ゲーム数や演出シナリオの内容などに基づいて、残りのセット数が幾つ存在するのかを算出可能に構成すればよい。また後述の第3の報知形態(ストック報知タイプ)の場合には、上述の第2の報知形態に係る残余セット数に替えて、残余ストック数情報が継続期待演出よる報知対象となりうるので、同様に、残余ARTゲーム数または残余ストック数(ストック報知ゲーム残余回数)に関する情報を対象に、上記継続期待演出を現出させることができる。他の第3~第6の報知形態についても同様に、残余セット数や残余ARTゲーム数に基づき、上述の継続期待演出を現出可能に構成することができる。
(上乗せ報知タイプの変形例2)
また本実施形態では、疑似上乗せ演出(疑似上乗せ報知)の現出条件として、上乗せ報知契機役の当選を条件であるものとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、上乗せゲーム(本例の場合、99G目、150G目、299G目および399G目)の実行を契機に、内部抽選結果によらずに疑似上乗せ演出を現出させる構成としてもよい。
詳しくは、(イ)上乗せ報知ゲームにおいて、演出リプレイ種別が当選した場合には、「役種アシスト報知」により(「777を狙え!!」と7リプナビ(本告知)とを発生させる)、「赤7図柄揃い」の停止を遊技者に促し、全回胴停止を契機にインパクトのある「赤7図柄揃い」を導出表示させて、祝福演出的に疑似上乗せゲームを報知し(図14B(3)の「上乗せゲーム数報知演出6h」参照)、上乗せ報知ゲーム以外は、「赤7図柄揃い」が闇雲に導出表示されないために‘嘘告知’をする。
一方、(ロ)押順ベル種別が当選した場合には、上述の演出リプレイが当選したケースとは異なり「役秘匿アシスト報知」または「役区分アシスト報知」により、通常通り、「中段ベルナビ(押し順正解)」を発生させ(特に「ベルを狙え!!」という演出は現出させない)、全回胴停止を契機に疑似上乗せ演出(上乗せ報知)を現出させる(図示略)。(ハ)また押し順不問役のうち、「弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通ベルAまたは共通ベルB」(抽選番号23~28)のいずれかが当選した場合には、通常通り、今回当選した役種別を報知する「役種別報知演出」を現出し、全回胴停止を契機に疑似上乗せ演出を現出させる(図示略)。(ニ)またハズレ(当選番号0)や通常リプレイ(当選番号1)の場合、役種別報知演出やアシスト報知が何ら発生しない背景表示だけを現出し、全回胴停止を契機に疑似上乗せ演出を現出させる(図示略)。つまり、演出リプレイ以外の役が当選した場合には、本ART遊技中の通常のゲーム(非上乗せ報知ゲーム)と上乗せ報知ゲーム(ガセ用の上乗せ報知ゲームを含む)とで、上乗せ報知に係る演出態様以外の演出は同じものとなっている。
すなわち、上乗せ報知ゲームにおいて演出リプレイ種別が当選した場合には、インパクトのある「7図柄揃い」を導出させて祝福演出的に上乗せ報知を実行する。一方、それ以外の当選役の場合には、突発的に、上乗せ報知を実行して、遊技者に対して、衝撃的に上乗せを報知することができる。ただし上述の(ロ)(ハ)(ニ)の場合において、上乗せ報知ゲームまたはそれ以外の非上乗せ報知ゲームの開始を契機に、「チャンス!(期待度高)」「チャンスかも?!(期待度低)」等を表示する、といった上乗せ報知を期待させる「上乗せ期待演出」を現出させてもよい。この場合、遊技者の上乗せ期待感を煽るべく、非上乗せ報知ゲームよりも上乗せ報知ゲームの方が、その期待演出の現出確率を相対的に高く設定することが好ましい。
第1の実施形態の好ましい形態についてまとめると、次のようになる。なお、括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない(後述の第2~第6の実施形態に係る好ましい形態についても同様)。
(1)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(主制御部400、図4A、図4B)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(停止ボタン12)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(主制御部400、図5A~図5C)と、
所定の有利開始条件に基づき、通常遊技よりも有利な特典遊技(たとえば、本ART遊技)に制御する特典遊技制御手段(図8A~図8C)と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記特典遊技の継続ゲーム数として、所定の保障ゲーム数から所定の上限ゲーム数の範囲内において定められた複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数を決定する特典遊技ゲーム数決定手段(主制御部400、図21)と、
前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数を秘匿し、前記特典遊技に制御された開始ゲームにおいて前記保障ゲーム数分のゲーム数を前記特典遊技の公開ゲーム数として報知する公開ゲーム数報知制御手段(本ART開始時における残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:たとえば、図14A(1))と、
前記特典遊技中の消化ゲーム数に応じて、前記公開ゲーム数に対する残余ゲーム数を、前記特典遊技の残余ゲームとして報知する残余ゲーム数報知制御手段(本ART遊技中の残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:たとえば、図14A、図14B等))と、
前記秘匿されたゲーム数に関する情報を報知する秘匿ゲーム数報知制御手段(疑似上乗せ報知演出を制御する機能部:たとえば、図14A(3))と、を備え、
前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、所定の報知条件に基づき、疑似的な上乗せゲーム数を報知するための疑似上乗せ報知を制御する疑似上乗せ報知制御手段(結果報知演出6hを制御する機能部:たとえば、図14A(3))を備え、
前記疑似上乗せ報知制御手段は、前記疑似上乗せ報知を複数回実行する場合、その複数回の疑似上乗せ報知による疑似的な上乗せゲーム数の合計ゲーム数が、前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数と前記保障ゲーム数とのゲーム数差と一致するように、当該疑似上乗せ報知を実行可能に構成され、
前記残余ゲーム数報知制御手段は、前記疑似上乗せ報知が実行された場合、現在の残余ゲームに対して疑似的な上乗せゲーム数を加算したゲーム数を、新たな残余ゲームとして報知する上乗せ時報知制御手段(上乗せゲーム数報知時の残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:たとえば、図14A(3b))を備え、
前記特典遊技制御手段は、前記上限ゲーム数が消化された場合に、必ず前記特典遊技を終了させる(図8A~図8C、図14B)、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)前記疑似上乗せ報知には、1回の疑似上乗せ報知で前記ゲーム数差のすべてを報知する特別の疑似上乗せ報知(一発上乗せ報知:図8Bの80G目)が含まれる、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
(3)前記疑似上乗せ報知制御手段は、前記残余ゲーム数がゼロとなるまでに前記疑似上乗せ報知を実行する(残余ゲーム数報知演出6c(表示値)がゼロとなるまでに、疑似上乗せ演出を実行する:たとえば、図8Aの99G目、150G目等では、当該表示値Nが0<Nのときに実行、300G目では、当該表示値Nが丁度ゼロ(N=0)のときに実行)、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機。
(4)前記疑似上乗せ報知制御手段は、前記特典遊技中の何ゲーム目に前記疑似上乗せ報知を実行するかについての実行予定ゲームを抽選により決定する実行予定ゲーム決定手段をさらに備える(たとえば、ARTゲーム数に基づき、複数の上乗せ報知ゲームを対象に抽選を実行する抽選部)、
ことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
(5)前記疑似上乗せ報知制御手段は、前記実行予定ゲームで前記役抽選手段により特定の当選役が決定された場合に前記疑似上乗せ報知を実行する(たとえば、図8Aの99G目、150G目、399G目、図14A(3))、
ことを特徴とする上記(4)に記載の回胴式遊技機。
(6)前記疑似上乗せ報知制御手段は、前記実行予定ゲームで前記役抽選手段により特定の当選役が決定されなかった場合、当該実行予定ゲーム以降のゲームにおいて前記疑似上乗せ報知を実行する(たとえば、図8Aの299G目~300G目)、
ことを特徴とする上記(5)に記載の回胴式遊技機。
(7)前記疑似上乗せ報知制御手段は、前記実行予定ゲームにおける前記役抽選手段による抽選結果によらずに前記疑似上乗せ報知を実行する(上乗せ報知タイプ変形例2)、
ことを特徴とする上記(4)に記載の回胴式遊技機。
また本実施形態は、後述の第6の報知形態に係る「非シナリオ型上乗せ報知タイプ」の構成を適用することができる(後述の第6の報知形態に係る変形例2参照(図13、図22~図28等)。この場合、下記の構成(通常上乗せ報知形態)とすることができる。
(8)所定の抽選条件に基づき、所定の上乗せゲーム数を上乗せ抽選により決定する上乗せ抽選手段と、
前記上乗せ抽選により決定した上乗せゲーム数を、真の残余ゲーム(内部的な残余ARTゲーム数)に対して上乗せする上乗せ手段と、をさらに備え、
前記上乗せ抽選手段は、前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数が前記上限ゲーム数未満である場合に、前記上乗せ抽選を実行可能に構成された、
ことを特徴とする上記(1)~(7)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
なお上述の(8)の構成(通常上乗せ報知形態)は、後述の第2~第5の実施形態にも適用することができる。また上記「特典遊技」は、通常遊技(RT0遊技(RT1遊技でもよい)+AT0遊技)よりも遊技者に有利な遊技状態であり、その消化ゲーム数が所定の上限ゲーム数に達した場合に、必ず終了される遊技状態であればよい。特典遊技としては、たとえば、少なくともアシスト報知の発生が許容される許容化状態を伴う遊技状態(有利区間中の遊技状態)、少なくともAT遊技を伴う遊技状態)、少なくとも再遊技確率変動状態を伴う遊技状態、ボーナス遊技、少なくとも「AT抽選確率」および/または「フリーズ演出抽選確率」が通常遊技よりも相対的に高まる‘高確遊技’を伴う遊技状態などを採用することができる(後述の第2~第6の実施形態も同様)。
[第2の報知形態(第2の実施形態)]
(B-1.セット報知タイプ:図9A~図9C、図15A~図15C)
次に図9A~図9C、図15A~図15Cを参照して、本発明に係る第2の報知形態(第2の実施形態)の「セット報知タイプ」について詳細に説明する。
(B-2.セット報知タイプの概要)
この「セット報知タイプ」は、上記した「疑似上乗せ報知タイプ」とは異なり、複数ゲーム数(本例では、100G)を1セット単位とし、そのセットが1または複数セット、疑似的に継続させていくことにより、本ART遊技を疑似的に継続させていく、という「セット報知タイプ」となっている。たとえば、保障ゲームが100Gであり、1セットが100Gであれば、1セットだけ継続の場合、「保障ゲーム100G(1セット目)+1セット分100G(2セット目)」のトータル200Gが本ART遊技の継続ゲーム数となる。
この「セット報知タイプ」の理解を容易なものとするために、先ずその概要を説明しておく。なおここでは、上記した「疑似上乗せ報知タイプ」の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明し、実質的に同じ構成要素には同じ符号を付してある。
本実施形態に係るセット報知タイプでは、上記「疑似上乗せ報知タイプ」と同じく、本ART遊技開始時に、初期のゲーム数として、保障ゲーム数の100Gは報知するが、「真のARTゲーム数(本ARTゲーム数抽選により決定されたゲーム数)」は秘匿状態として遊技者に報知しない。しかし、上記「疑似上乗せ報知タイプ」とは次の点が異なる。
「セット報知タイプ」の場合、特定のゲーム数目において、内部抽選結果とは無関係に、さらに1セット(100G)が継続するか否かを報知する「セット継続予告演出」を現出させ、本ART遊技の継続の有無を報知する構成となっている。本実施形態の場合、セット継続予告演出として、通常遊技やボーナス遊技では発生しない特別なフリーズ演出(SPフリーズやNフリーズ)を採用し、本ART遊技の継続の有無を衝撃的に報知するようになっている。
上記「セット報知タイプ」の特徴的な点は、上記「セット継続予告演出」が発生されるゲームが何ゲーム目であるかということが予定されている点である。具体的には、本ART遊技開始時に(AT抽選当選時であってもよい)、本ART遊技中の何ゲーム目にセット継続予告演出(SPフリーズまたはNフリーズ)を実行するかなど(たとえば、何ゲーム目と何ゲーム目に実行するかなど)、セット継続予告演出に関する演出シナリオが決定される。すなわち、この「セット報知タイプ」も、上記「疑似上乗せ報知タイプ」と同じく、「出来レース型」の演出シナリオとなっている。
たとえば、本ART遊技開始時のゲーム数(本例の場合、本ARTゲーム数抽選により決定されたARTゲーム数)が「500G」である場合、フリーズに関する演出シナリオ(リール演出シナリオ)として、1セットが100G単位と固定的であることを考慮し、
の100Gごとに到来する1セット終了ゲームである「100G目、200G目、300G目及び400G目」にセット継続報知用の‘SPフリーズ(本例では、ダブル7図柄揃い用のSP2フリーズ)’を発生させ、セット終了となる500G目にセット非継続報知用の‘Nフリーズ’を発生させると決定する。つまり、本ART遊技開始時に(AT当選時であってもよい)、今回のARTゲーム数に基づき、セット継続報知用の「SP2フリーズ」の発生が予定されるゲームと、セット非継続報知用の「Nフリーズ」の発生が予定されるゲームと、を決定する。上述したリール演出シナリオは、フリーズを制御する主制御部400側で決定される(他の報知形態についても同様)。
上記「セット継続報知用のSP2フリーズ」では、回胴側のリール演出(フリーズ中メイン側演出)と、演出手段側のフリーズ中演出(フリーズ中サブ側演出:後述のセット継続予告演出)とが連携して、1セット継続が報知される(後述の図15A、図15B参照)。一方、上記「セット非継続報知用のNフリーズ」では、回胴側のリール演出と、演出手段側のフリーズ中演出(後述のセット非継続報知演出)とが連携して、今回のゲーム終了を以って、セット継続終了(本ART遊技終了)が報知される(後述の図15C参照)。つまり、本実施形態に係るセット報知タイプでは、本ART遊技継続時にはSP2フリーズが発生してセット継続が報知され、本ART遊技終了時(ARTゲーム数の最終ゲーム目)には、SP2フリーズではなく、Nフリーズが発生して、セット非継続が報知され、本ART遊技の終了が報知されるようになっている。
上記のように、継続/非継続報知用フリーズ(セット継続報知用のSPフリーズ及びセット非継続報知用のNフリーズ)が発生するゲームは1セット終了ゲーム目、具体的には、100G目、200G目、300G目、400G目、・・・、1000G目、1100G目、1200G目と固定的なゲーム数目となる。したがって、演出シナリオには、ARTゲーム数に応じて、継続/非継続報知用フリーズの発生するゲームがそれぞれ異なる、という複数の演出シナリオが用意されているというものではなく、ARTゲーム数とフリーズ発生ゲームとが1対1に対応した演出シナリオが用意されている。以下、このセット継続/セット非継続に係る「フリーズ演出」の発生が予定されるゲームを、「報知ゲーム」と称して説明する。
このように、セット報知タイプの場合、報知ゲームで「1セット継続」が報知されていくことで、少なくとも、あと「1セット(100G)」の継続が保障され、報知ゲームにて、「セット非継続」が報知されれば、そのセット目のゲーム終了を以って本ART遊技が終了されることになる。上記「セット報知タイプ」の醍醐味は、1セット終了ゲーム(100Gごと)がセット継続か否かが判明する報知ゲームに有り、当該ゲームが遊技者の緊張感が最高潮に達するゲームとなる。遊技者は、1セットの終了ゲームが到来するごとに、フリーズ演出による演出結果(セット継続か否か)に一喜一憂し、本ART遊技を楽しむことができるようになっている。
(B-3.セット報知タイプの具体例:図9A~図9C)
次に図9A~図9C、図15A~図15Cを参照して、上記セット報知タイプの具体例について説明する。図9A~図9Cは、セット報知タイプの一例として、本ARTゲーム数抽選により500G(具体例4)、300G(具体例5)、100G(具体例6)が決定されたケースを代表的に示したものである。また図15A~図15Cは、本ART遊技中に展開される演出態様の一例を示したもので、SP2フリーズに係るリール演出(フリーズ中メイン側演出)およびフリーズ中演出(フリーズ中サブ側演出)の説明に供する説明図である。
(具体例4:500Gのケース)
まず図9Aおよび図15A~図15Cを参照して、ARTゲーム数が「500G」であった場合(具体例4)について説明する。
図9Aの具体例4では、ARTゲーム数を「500G」とし、SP2フリーズの発生ゲームをセット終了ゲームの「100G目、200G目、300G目および400G目」の計4回(複数回)とし、Nフリーズの発生を「500G目」とする演出シナリオのケースを例示したものである。
(0G目:本ART遊技開始)
図9Aおよび図15Aを参照して、本ART遊技が開始されると、まず本ART遊技開始時の(0G目)演出態様として、光演出や音演出とともに、液晶画面6aには、図15A(1)示すように、「遊技状態報知演出6y」、「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「ストーリー演出(キャラクタ演出)6e」、「背景演出(図示せず)」などの演出が表示される。「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「キャラクタ演出6e」、「背景演出」は、疑似上乗せ報知タイプで説明したものと同様に、遊技進行状況に応じてその演出内容が変化しうる。
また上記各演出の他、セット報知タイプ特有の演出として、現在、何セット目であるか(継続セット数)を報知する「セット数報知演出6r」が表示される。セット数報知演出6rは、セット数が継続していく度にその表示内容が変化しうる。図15A(1)の例では、右下隅部近傍の表示領域に、セット数報知演出6rとして、現在のセット数が1セット目である旨を示す「遭遇1」の情報画像が表示されている。この情報画像は、セット数が継続するごとに値が変化し、たとえば、2セット目には「遭遇2」、3セット目には「遭遇3」、・・・、7セット目には「遭遇7」、7セット目以降は、大連荘中であることを示す「エイリアンアブダクション中」という特別表示に変化するようになっている。また、最大セット数の12セット目は「インプラント済み」という祝福的な表示に変化するようになっている。
(99G目:報知ゲーム(1回目)直前)
その後、98G消化し(図示略)、遊技進行は図15A(2)の99G目(報知ゲーム1G前)に進む。99G目では、図示の通り、獲得枚数報知演出6bとして「197枚GET」の情報画像、残余ゲーム数報知演出6cとして、残余ARTゲームが少なくとも「1G」存在する旨を示す「1」の情報画像、消化ゲーム数報知演出6dとして、本ART遊技を99G消化したことを示す「99」の情報画像が表示されている。
また当該ゲームのキャラクタ演出6e(図15A(2a))は、報知ゲームが近づいていることを示唆する予兆演出(報知ゲーム予兆演出)となっており、たとえば、報知ゲーム(99G目)の1または複数ゲーム前(たとえば、3ゲーム前の96G目)から現出され、この予兆演出は96G~98Gの複数ゲームに跨って実行されうる。また、この予兆演出は、必ずしも報知ゲームを対象として現出させるのではなく、報知ゲームとは無関係のゲーム数目を対象としたり、セット非継続報知に係る報知ゲーム(セット非継続報知用のNフリーズの報知ゲーム)を対象としてもよく、この場合には、予兆演出の内容により、セット継続報知(SP2フリーズ)が発生するか否かの期待度を示唆することができる。
また、この99G目では、所定の押し順をアシストするアシスト報知6fが現出されている。図示のアシスト報知6fは、当選役種別を秘匿する役秘匿アシスト報知であり、演出リプレイ種別のうち「演出リプレイ213」当選したケースを例示している。なお、セット報知タイプでは、内部抽選結果によらず、予定された報知ゲームでSP2フリーズを発生させるように演出シナリオが定められているため、演出リプレイ種別が当選した場合に本告知をしても嘘告知をしてもどちらのアシスト報知でも構わないが、「赤7図柄揃い」が闇雲に導出表示されないために、嘘告知をすることが好ましい。またセット報知タイプでは、疑似上乗せ報知タイプのように、上乗せ報知するという形態ではないため、上乗せ報知契機役として働くような、演出リプレイ種別自体を設けなくてもよい。
(100G目:1セット目終了ゲーム(報知ゲーム))
遊技進行は図15A(3)に移り、報知ゲームとなる100G目では、始動レバー11の操作を契機に、セット継続報知用の「SP2フリーズ」が発生し、本ART遊技がさらに1セット継続されること(トータル継続数200Gが保障されること)が報知される。ここで、本ART遊技中のフリーズ演出(SPフリーズ、Nフリーズ)の実行制御について説明しておく。
本実施形態に係るセット報知タイプの演出態様(本ART遊技中の演出態様)については、主制御部400は、まず本ART遊技開始時に(AT抽選当選時であってもよい)、今回のARTゲーム数に基づき、本ART遊技中の基本的な演出シナリオ(リール演出シナリオ)を決定し(たとえば、今回のARTゲーム数に基づき、何ゲーム目にSPフリーズを実行するか、何ゲーム目にNフリーズを実行するか等を決定する)、そのリール演出シナリオの内容を特定可能な「リール演出シナリオコマンド」と、今回のARTゲーム数を特定可能な「ARTゲーム数コマンド」とを作成して、これらのコマンドを演出制御部410に送る。これにより、本ART遊技中の演出に関して基本的な情報が演出制御部410に送られる。演出制御部410は、各コマンドに含まれる情報に基づき、後述するフリーズ中演出として、「セット継続予告演出(セット継続/セット非継続報知演出)」の内容を決定する。
SPフリーズに係る演出(リール演出及びフリーズ中演出)の現出制御は次の通りである。主制御部400は、ゲーム遊技開始条件の下、遊技者による始動レバー11の操作を検出したこと契機に、内部抽選を行い、今回のゲームが報知ゲームであるか否かを判定する。今回のゲームがSPフリーズの報知ゲームである場合には、主制御部400は、演出制御コマンドとして、フリーズ種別を特定可能な「フリーズコマンド(ここでは、SPフリーズを指定するコマンド)」を演出制御部410に送信するとともに、所定のフリーズ時間SPtにわたり、SPフリーズに係るリール演出(フリーズ中メイン側演出)を実行制御する。演出制御部410は、上述のフリーズコマンドに含まれる情報に基づき、フリーズ中演出(フリーズ中サブ側演出)として、SP2フリーズに係る「セット継続予告演出」を現出制御する。SP2フリーズの場合には、セット継続予告演出の演出結果として、セット継続を報知する「セット継続報知演出」を現出させるようになっている(後述の図15B(3e)参照)。
またNフリーズの制御についても、上述したSPフリーズと実質的に同じ処理内容であり、今回のゲームがNフリーズの報知ゲームである場合には、所定のフリーズ時間Ntにわたり、Nフリーズに係るリール演出を実行制御するとともに、演出制御コマンドとして、フリーズ種別を特定可能な「フリーズコマンド(ここでは、Nフリーズを指定するコマンド)」を演出制御部410に送信する。演出制御部410は、上述のフリーズコマンドに含まれる情報に基づき、フリーズ中演出(サブ側フリーズ中演出)として、Nフリーズに係る「セット継続予告演出」を現出制御する。Nフリーズの場合には、セット継続予告演出の演出結果として、非継続を報知する「セット非継続報知演出」を現出させるようになっている(後述の図15C(4c)参照)。
ただし、報知ゲームにて、押順ベルなどの押順規定役に当選した場合には、セット継続/セット非継続報知演出と重複的(同時的)に、またはフリーズ終了後、必要なアシスト報知を現出させる。
(SP2フリーズ中の演出態様(セット継続報知):図15A(3)、図15B)
次に図15A、図15Bを用いて、SP2フリーズ中のフリーズ演出態様について説明する。図15A(3)、図15Bに、SP2フリーズに係るセット継続予告演出(リール演出およびフリーズ中演出)の一例を示す。
本例の場合、1セット終了ゲームにおいて、セット継続時には「SP2フリーズ」が発生するようになっており、このSP2フリーズ中のセット継続予告演出により、セット継続が報知されるようになっている。具体的には、SP2フリーズが開始されると、まずSP2フリーズの全回胴静止状態中のリール演出時間(6秒)を利用し、図15A(3a)に示す遊技者参加型の「ボタン予告演出6p」と、図15A(3b)に示す「ブラックアウト演出」とを時系列的に現出させる。具体的には、フリーズ状態の開始とともに、まず液晶画面6aの中央部に、演出ボタン操作を促す「押せ!」の文字とともに、演出ボタンを模した‘ボタン画像’を含む「ボタン予告演出6p」を所定時間(たとえば、4秒)現出する。このボタン予告演出6pは、セット継続予告演出の一環として現出されるものであり、セット継続予告演出の演出結果がセット継続報知演出であるか否か、つまり本ART遊技がこのセットで終了するか否かについての期待感を煽るための期待演出として働く。なお、ボタン予告演出6pの演出態様の違いを利用して、SP2フリーズであるかNフリーズであるかの期待度、換言すれば、セット継続報知がなされるか否か(セット継続か否か)の期待度を示唆してもよい。たとえば、ボタン予告演出6pの配色パターンの違い(ボタン画像のPUSHの文字が青色なら低期待度、赤色なら高期待度など)や、ボタン予告演出6pがアニメーション画像である場合には、そのアニメーションの違いなどにより、期待度を報知してもよい。
そして、ボタン予告演出6pの現出中(操作有効期間内)に、遊技者が演出ボタンを押下(操作)した場合、図15A(3b)に示す「ブラックアウト演出」が現出される。ここでの「ブラックアウト演出」は、表示画面を全体的に‘ブラックアウト状態(暗転表示)’にすることで、演出結果に対する遊技者の期待感・緊張感を煽る演出態様となっている。なお、操作有効期間内に演出ボタンの操作がなかった場合であっても、ボタン予告演出6pの演出時間(4秒)が経過した場合は、ブラックアウト演出が現出されるようになっている。また、遊技者が演出ボタンを操作しない場合は、ブラックアウト演出中に継続確定報知演出(たとえば、稲妻音などの特殊音が発生する)が発生せず、遊技者が演出ボタンを操作した場合に限り、継続確定報知演出が発生するようになっている。したがって、遊技者が、セット継続予告演出の演出結果(ここでは、セット継続報知演出)を事前に知りたい場合には、演出ボタンを操作することが推奨され、最後まで緊張感を味わいたい場合には、演出ボタンを操作せずに、ブラックアウト演出の終了を待つことが推奨される。
そして上記全回胴静止状態中の演出時間(6秒)が経過すると上記「ブラックアウト演出」が終了される。次いで、変則回転動作によるリール演出と、当該リール演出に伴うフリーズ中演出とを利用し、セット継続報知演出の結果演出を現出させる。
具体的には、各回胴の変則回転動作を開始し、図15B(3c)示すように、右下りラインと左下りラインとにより形成される「X」ライン上に各回胴の「7図柄」を仮停止させて、インパクトのある「ダブル赤7図柄揃い」を導出表示し、この仮停止状態を所定時間保持する。「ダブル赤7図柄揃い」の仮停止状態は、フリーズ時間SPtが終了するまで保持される。また変則回転動作中および「ダブル赤7図柄揃い」の仮停止表示に伴い、フリーズ中演出として、音演出による衝撃音と光演出による閃光演出とともに、図15B(3d)に示すように、液晶画面6aの中央部に大きく、ダブル赤7図柄揃い成立を報知する「7揃い報知画像6k」が表示される(7揃い報知演出6k)。
その後、「7揃い報知画像6k」が消えて、図15B(3e)示すように、液晶画面6aの中央部に大きく、「継続確定」の情報画像6mが表示され(結果報知演出6m)、残余ゲーム数報知演出6cの表示値が現在表示上の残余ARTゲームに対して今回報知された1セット分のゲーム数「100G」が加算された値に変更(更新)表示される。本例の場合、現在表示上の残余ARTゲーム「0G」に対して、1セット分の「100G」を加算した「100」の表示に変更される。これにより遊技者は、少なくとも、本ART遊技があと100G継続可能であること(トータル継続数200Gが保障されること)を知ることができる。そしてフリーズ時間SPtが終了すると、各回胴が通常回転動作に制御されて、停止ボタン12の停止操作が許容される(図15B(3f))。
すなわち本例の場合、セット継続予告演出の演出結果(セット継続報知)は、リール演出による「ダブル赤7図柄揃い」、リール演出に伴う「7揃い報知画像6k」および「結果報知演出6m」の一連の演出態様により、1セット継続が報知されるようになっている。
(200G目~400G目:2セット目~4セット目終了ゲーム)
再び図9Aを参照して、200G目、300G目および400G目においても、上述した100G目と同様に「SP2フリーズ」がそれぞれ発生し(図9Aの200G目の囲み枠等参照)、本ART遊技がさらに1セット継続されること(トータル継続数300G、400G、500Gが保障されること)が報知される。
(500G目:本ART遊技終了ゲーム(5セット目終了ゲーム))
遊技進行はさらに進み、5セット目の終了となる500G目では、SP2フリーズが発生することなく、図15C(4d)に示す「本ART終了演出6z」が現出され、本ART遊技が5セット(保障ゲームの1セット+4セットのトータル継続数500G)を以って、今回の本ART遊技が終了されることになる。
(Nフリーズ中の演出態様(セット非継続報知):図15C)
本例の場合、本ART遊技の最終(終了)ゲーム(セット継続終了ゲーム)となる500G目に「Nフリーズ」が発生するようになっており、このNフリーズ中のセット継続予告演出により、セット非継続が報知されるようになっている。Nフリーズは、セット非継続を報知するという点で、ガセのセット継続報知として働く。
図15Cを用いて、Nフリーズに係るセット継続予告演出について説明する。図15Cに、Nフリーズに係るセット継続予告演出(リール演出およびフリーズ中演出)の一例を示す。
Nフリーズは、既に説明したように、始動レバー11の操作を契機に、所定のフリーズ時間Ntにわたり全回胴を静止状態に置く「回胴回転開始時フリーズ」となっている。これを利用し、セット終了時に係るNフリーズでは、図15C(4a)(4b)に示すように、SP2フリーズにおける変則回転動作前の全回胴静止状態中の演出態様(ボタン予告演出6pおよびブラックアウト演出)と同一または酷似するフリーズ中演出を現出させ、演出上、SP2フリーズが発生したかのように装うようになっている。これにより、Nフリーズが発生しても、その演出結果(図15C(4c)の結果報知演出6n)が導出されるまで、SP2フリーズが発生したかのように装うことが可能となり、遊技者のセット継続期待感を大いに煽ることができるようになっている。
ただし「Nフリーズ」の場合、ブラックアウト演出後は、図15C(4c)示す「結果報知演出」が現出されるようになっている。この「結果報知演出6n」は、SP2フリーズに係る結果報知演出6m(継続報知)とは異なり、セット継続が終了である旨が報知される演出態様(非継続報知)となっている。たとえば図示のように、液晶画面6aの中央部に大きく、「継続失敗」の情報画像6nが表示される(結果報知演出6n)。遊技者は、この結果報知演出6nにより、今回のゲームで本ART遊技終了を知ることになる。
そして、フリーズ時間Ntが終了すると、各回胴が通常回転動作に制御されて停止ボタン12の停止操作が許容され、500G目の終了を以って、本ART遊技が終了される。なお、通常回転動作以降は、図15C(4d)に示す「本ART終了演出6z」などが現出され、本ART遊技が終了したことが報知される。本例の場合、「終了」の情報画像、最終的に獲得した遊技メダルの枚数、最終的に消化したセット回数(図示の例は、5セット)などが報知される。
(セット報知タイプの変形例1)
なお、本ART遊技の最終ゲーム(セット継続終了ゲーム)で、Nフリーズを発生させなくてもよい。具体的には、100G目、200G目、300G目および400G目でSP2フリーズを発生させセット継続を報知し、500G目では、フリーズ自体を発生させずに、本ART終了演出を現出し、当該演出によりセット非継続を報知し、本ART遊技の終了を報知する、という構成である。この「Nフリーズを発生させない報知形態(以下、「Nフリーズ無し報知形態」と称する)」を採用する場合、SP2フリーズについては、遊技者参加型のボタン予告演出6pを現出させないフリーズ演出態様とすることが好ましい。これは、SP2フリーズが発生した時点でセット継続確定が判明するので、そのような状況下で、あえて遊技者に対して演出ボタン操作を促すような遊技者参加型演出を現出させると、かえって遊技者にとって煩わしさを与えてしまうからである。したがって、「Nフリーズ無し報知形態」におけるSPフリーズとしては、たとえば、始動レバー11の操作を契機に、回胴の変則回転動作を開始させ(ブラックアウト演出とともに開始させてもよいし、ブラックアウト演出終了後(所定時間(たとえば、2秒)にわたる全回胴静止状態後)に開始させてもよい)、「ダブル赤7図柄揃い」、「7揃い報知演出6k」および「結果報知演出6m」の一連の演出態様を現出させるように構成する。
本実施形態の場合、SPフリーズが「回胴回転開始時フリーズ(レバーオン時フリーズ)」であるため、「Nフリーズ無し報知形態」を採用する場合には、始動レバー11の操作を契機に、セット継続の場合には派手な演出(SP2フリーズ)が現出され、セット非継続の場合にはフリーズが発生せずに淡々とゲームが開始される、という状況を作り出すことができる。よって、セット終了となるゲームでは、始動レバー11の操作時にセット継続かセット非継続かが直ちに判明するので、当該ゲームを開始する際の始動レバー11を操作するそのときが、遊技者の継続期待感や緊張感が最高潮に達する瞬間とすることができる。以下、上述した「Nフリーズ無し報知形態」におけるSP2フリーズを「即報知SP2フリーズ」と称する。
(具体例5:300Gのケース)
次に図9Bを参照して、ARTゲーム数が「300G」であった場合(具体例5)ついて説明する。なお上記した具体例4の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
図9Bの具体例5は、SPフリーズの発生が、1セットが終了する遊技期間の途中(セット途中ゲーム:本例では、1~99G目の間の特定のゲーム数目)に予定される演出シナリオのケースを例示したものである。この点、1セット終了ゲームでSPフリーズ実行される上記した具体例4とは異なる。
具体例5は、演出シナリオとして、ARTゲーム数を「300G」とし、SPフリーズの発生ゲームを「1セット目終了途中の80G目、2セット目の終了ゲームの200G目」とし、Nフリーズが発生する報知ゲームを300G目としたケースである。本例のように、1セット終了前に突発的にSPフリーズを発生させることで、インパクトのあるセット継続報知が可能になる。
(セット報知タイプの変形例2)
なお本具体例5のように、1セットが終了する遊技期間の途中でセット継続の報知を行う場合、さらにインパクトの強いセット継続報知を行うためには、上記「即報知SP2フリーズ」を採用することが好ましい。具体的には、下記(α)(β)の構成とすることができる。
(α)セット途中ゲーム(本例では80G目)およびセット終了ゲーム(本例では200G目)に「即報知SP2フリーズ」を発生させてセット継続を報知する。
(β)80G目に「即報知SP2フリーズ」を発生させてセット継続を報知し、セット終了の200G目で「SPフリーズ」を発生させてセット継続を報知する(異種SPフリーズ混合報知形態)。
上記(α)および(β)において、本ART遊技の最終ゲーム(本例では300G)にて「Nフリーズ」を発生させてセット非継続を報知してもよいし、Nフリーズ無し報知形態によりセット非継続を報知(Nフリーズを発生させずに本ART終了演出等によりセット非継続を報知)してもよい。
(具体例6:100Gのケース)
次に図9Cを参照して、ARTゲーム数が保障ゲームの「100G」であった場合(具体例3)ついて説明する。図9Cの具体例6は、1セット目(100Gの保障ゲーム)で終了するケースを示している。本例の場合、セット継続の有無に係るフリーズ演出が発生することなく、1セット目の終了ゲーム(100G目)を以って、本ART遊技が終了される。ただし図示のように、1セット目の終了ゲームとなる100G目で、Nフリーズを発生させてセット非継続を報知してもよいし、Nフリーズ無し報知形態によりセット非継続を報知してもよい。
第2の実施形態の好ましい形態についてまとめると、次のようになる。なお、第1の実施形態と実質的に同じ構成要素については適宜省略する。
(1)遊技結果表示手段と、始動手段と、役抽選手段と、停止手段と、停止制御手段と、特典遊技を制御する特典遊技制御手段(図9A~図9C)とを備え、遊技結果に応じた遊技価値を付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記特典遊技の継続ゲーム数として、所定の保障ゲーム数から所定の上限ゲーム数の範囲内において、所定のゲーム数ごとに区切られた複数種類の区切りゲーム数のうちからいずれかのゲーム数を決定する特典遊技ゲーム数決定手段(主制御部400、図21)と、
前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数を秘匿し、所定の報知条件に基づき、当該秘匿されたゲーム数に関する情報を報知する秘匿ゲーム数報知制御手段(セット継続予告演出を制御する機能部:たとえば、図15A(3)、図15C(4))と、を備え、
前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数に基づき、前記区切りゲーム数を1セット単位とするセットゲームを継続させるか否かに関する情報を報知可能に構成され、当該セットゲームが継続される場合には、所定ゲーム目において、前記特典遊技が少なくとも1セット分継続可能である旨を確定的に報知するセット継続報知を実行するセット継続報知制御手段(結果報知演出6m(セット継続報知)を制御する機能部:たとえば、図15B(3e))を備え、
前記特典遊技制御手段は、前記上限ゲーム数が消化された場合に、必ず前記特典遊技を終了させる(図9A~図9C、図15B)、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)前記セット継続報知制御手段は、前記所定ゲーム目として、今回のセットゲームが終了となる終了ゲーム(たとえば、図9Aの100G目、200G目、300G目、400G目の区切りゲーム数目)に前記セット継続報知を実行する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
また本実施形態は、上記「通常上乗せ報知形態」の構成を有する上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機とすることができる。
[第3の報知形態(第3の実施形態)]
(C-1.ストック報知タイプ(ゼロゲーム連荘報知タイプ):図10A~図10C、図16A~図16D)
次に図10A~図10C、図16A~図16Cを参照して、本発明に係る第3の報知形態(第3の実施形態)の「ストック報知タイプ」について詳細に説明する。
(C-2.ストック報知タイプの概要)
この「ストック報知タイプ」は、上記した「セット報知タイプ」と同様に、複数ゲーム数(本例では、100G)を1セット単位とし、そのセットが1または複数セット、疑似的に継続させていくことにより、本ART遊技を疑似的に継続させていくものとなっている。しかし本実施形態の「ストック報知タイプ」と、第2の報知形態の「セット報知タイプ」とは、セット継続の報知の仕方が異なる。以下、詳細に説明する。
この「ストック報知タイプ」の理解を容易なものとするために、先ずその概要を説明しておく。なおここでは、上記した「セット報知タイプ(具体例4~6)」の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明し、また実質的に同じ構成要素には同じ符号を付してある。
「ストック報知タイプ」は、端的に言えば、従来から知られている、所定の抽選に当選すると内部的に特典遊技の実行権利を一旦貯留し、所定の放出条件を満たすとその権利を実効化するいわゆる「ストック機能」を備えた回胴式遊技機を疑似的に再現するものとなっている。この点で、本例を「ストック報知タイプ」と称している。
本実施形態に係るストック報知タイプでは、上記「上乗せ報知タイプ」や「セット報知タイプ」と同じく、本ART遊技開始時に、初期のゲーム数として、保障ゲーム数の100Gは報知するが、「真のARTゲーム数(本ARTゲーム数抽選により決定されたゲーム数)」は秘匿状態として遊技者に報知しない。
しかし特定のゲーム数目が到来した場合には、内部抽選結果とは無関係に、内部的に少なくとも1セット(100G)が上乗せされたかのような「疑似的なストック獲得演出(以下「疑似ストック獲得演出」と称する(後述の図16A(2)、図16B(3)参照))」を現出させ、演出上、現在実行中のセットゲームに対して、さらに1または複数セット分のゲーム数を獲得したかのように振る舞い、これにより、何セット継続するか(セット継続数や本ART継続ゲーム数)を報知可能な構成となっている。このように、上記「疑似ストック獲得演出」の現出回数に応じて、秘匿されたARTゲーム数(秘匿されたセット継続数)が開示されていく、換言すれば、上乗せ報知タイプと同じように、秘匿中の残余ARTゲームの一部または全部が「疑似ストック獲得演出」という専用演出により報知されるようになっている。なお本実施形態の場合、疑似ストック獲得演出には、ストック獲得失敗を報知する後述の「ガセの疑似ストック獲得演出(後述の図16D参照)」も含まれる。
上記「疑似ストック獲得演出」が発生した場合には(少なくとも、あと1セット継続となる場合)、現在の消化中の1セット分のゲーム終了後(本例の場合は、当該終了ゲームの次ゲーム)、獲得したストックが放出されたかのように振る舞う「疑似的なストック放出演出(以下「疑似ストック放出演出」と称する(後述の図16C(5)参照))」が現出され、セット継続確定(次回セットゲームの開始)が報知されるようになっている。本例の場合、疑似ストック放出演出として、「SP1フリーズ」によるフリーズ演出を採用し、派手な演出により、セット継続が報知される。
ここで上記「ストック報知タイプ」の特徴的な点は、上記「疑似ストック獲得演出」が発生されるゲームが予定されている点と、疑似ストック放出演出を発生させるゲームが予定されている点である。具体的には、本ART遊技開始時(AT抽選当選時であってもよい)において、ARTゲーム数に基づき、本ART遊技中の何ゲーム目に「疑似ストック獲得演出(ガセのストック獲得演出を含む)」を実行するか(たとえば、何ゲーム目と何ゲーム目に実行するか)、何ゲーム目にセット継続報知用の「疑似ストック放出演出((SP1フリーズ))」を実行するか、などに関する演出シナリオが決定される。すなわち、この「セット報知タイプ」も、上記「上乗せ報知タイプ」や「セット報知タイプ」と同じく、「出来レース型」の演出シナリオである。
たとえば、本ART遊技開始時のゲーム数(本例では、本ARTゲーム数抽選により決定されたARTゲーム数)が「500G」である場合(後述の図10Aの具体例のケース)、演出シナリオとして、「30G目、80G目、280G目および380G目(計4回)」で「疑似ストック獲得演出」を発生させ、1セット終了時の次ゲームである「101G目、201G目、301G目および401G目(計4回)」で疑似ストック放出演出(SP1フリーズ)を発生させると決定する。なお、この演出シナリオには、同一のARTゲーム数であっても、疑似ストック獲得演出の発生ゲームが様々(ランダム的)なケースとなるように、多数の演出シナリオが用意されており、いずれかの演出シナリオが抽選などにより選択的に決定される。重複記載を避けるためにその他の例についての説明は省略するが、上述の例はあくまでも演出シナリオの一例を示したものであり、疑似ストック獲得演出が発生するゲームが異なる多数の演出シナリオが用意されている。
以下、疑似ストック獲得演出の発生が予定されるゲームを、説明の便宜上、「ストック報知ゲーム」と称し、疑似ストック放出演出の発生が予定されるゲームを「ストック放出ゲーム」と称して説明する。
上記した演出シナリオの具体的な決定処理内容については、第2の実施形態で説明した「セット報知タイプ」の場合と同様に、主制御部400が、本ART遊技開始時に(AT抽選当選時であってもよい)、今回のARTゲーム数に基づき、何ゲーム目に疑似ストック放出演出(SP1フリーズ)を実行するか(ストック放出ゲームを何G目とするか)、という基本的な演出シナリオ(リール演出シナリオ)を決定する。疑似ストック放出演出の実行予定ゲーム(ストック放出ゲーム)は、ARTゲーム数に応じて、固定的なゲーム数目に決定される。このストック放出ゲームは、たとえば、ARTゲーム数が200Gであれば、1セット継続分の101G目に、300Gであれば2セット継続分の101G目と201G目に、400Gであれば3セット継続分の101G目と201G目と301G目に、という具合に決定される。主制御部400は、リール演出シナリオを決定すると、そのリール演出シナリオの内容を特定可能な「リール演出シナリオコマンド」と、今回のARTゲーム数を特定可能な「ARTゲーム数コマンド」とを作成して、これらのコマンドを演出制御部410に送る。
演出制御部410は、本ART遊技開始時コマンドに含まれる情報に基づき、何ゲーム目に疑似ストック獲得演出を実行するか(ストック報知ゲームを何G目とするか)を決定する。ストック報知ゲームは、ARTゲーム数に応じて、1または複数のストック報知ゲームが決定される。そして、決定されたストック報知ゲームに係る疑似ストック獲得演出(後述のストック報知演出6x)において報知する「獲得ストック数(報知ストック数)」を幾つにするかを決定する。これにより、今回の本ART遊技中の一連の演出シナリオが決定される。
上記「報知ストック数」については、たとえば、上述のARTゲーム数が「500G」であれば、合計5セット分(保障ゲーム1セット+4セットの計5セット分(500G分)の継続を報知するべく、獲得ストック数「4個」を報知する必要がある。したがって、たとえば、ストック報知ゲームを4回、つまり疑似ストック獲得演出の発生回数を4回とする場合には、その4回の疑似ストック獲得演出で報知するストック数が合計「4個」となるように、各疑似ストック獲得演出における報知ストック数を決定する。この例では、獲得ストック数合計4個を、4回の疑似ストック獲得演出で報知するので、それぞれの疑似ストック獲得演出で、獲得ストック数「1個」を報知する、と決定すればよい。
また合計「4個」の獲得ストック数を報知する場合において、たとえば、ストック報知ゲームが3回、つまり疑似ストック獲得演出の発生回数が3回とする場合には、その3回で獲得ストック数の合計が4個となるように、各疑似ストック獲得演出による報知ストック数が決定される。たとえば、1回目の疑似ストック獲得演出で2個、2回目および3回目の疑似ストック獲得演出で各1個を報知する。
また疑似ストック獲得演出の発生回数を2回とする場合には、その2回で獲得ストック数の合計が4個となるように、各疑似ストック獲得演出による報知ストック数が決定され(たとえば、1回目および2回目の疑似ストック獲得演出で各2個を報知)、疑似ストック獲得演出が1回だけであれば、その1回で、獲得ストック数4個となるように決定する、といった具合に、ARTゲーム数(セット継続数)と疑似ストック獲得演出の発生回数とに応じて、報知ストック数が決定されるようになっている。なお、1または複数の疑似ストック獲得演出において、如何なる報知ストック数を報知するかは、適宜定めることができる。
(C-2-1.当選役に応じた疑似ストック獲得演出)
また「ストック報知タイプ」の特徴的な点として、ストック報知ゲームにおける当選役に応じて、上記「疑似ストック獲得演出」の演出態様が異なる点である。
詳しくは、(イ)演出リプレイ種別が当選した場合には、「役種アシスト報知」により(「777を狙え!!」と7リプナビ(本告知)とを発生させる)、「赤7図柄揃い」の停止を遊技者に促し、全回胴停止を契機に疑似ストック獲得演出を現出させる(後述の図16A参照)。
一方、(ロ)押順ベル種別が当選した場合には、上述の演出リプレイが当選したケースとは異なり「役秘匿アシスト報知」または「役区分アシスト報知」により、通常通り、「中段ベルナビ(押し順正解)」を発生させ(特に「ベルを狙え!!」という演出は現出させない)、全回胴停止を契機に疑似ストック獲得演出を現出させる(図示略)。(ハ)また押し順不問役のうち「弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通ベルAまたは共通ベルB」(抽選番号23~28)のいずれかが当選した場合には、通常通り、今回当選した役種別を報知する「役種別報知演出」を現出し、全回胴停止を契機に疑似ストック獲得演出を現出させる(図示略)。(ニ)またハズレ(当選番号0)や通常リプレイ(当選番号1)の場合、役種別報知演出やアシスト報知が何ら発生しない背景表示だけを現出し、全回胴停止を契機に疑似ストック獲得演出を現出させる(図示略)。つまり、演出リプレイ種別以外の役が当選した場合には、本ART遊技中の通常のゲーム(非ストック報知ゲーム)とストック報知ゲームとで、現出される演出態様は同じものとなっている。
すなわち、1セットが終了する遊技期間の途中(セット途中ゲーム)の特定のゲームにおいて、演出リプレイ種別が当選したときには、インパクトのある「7図柄揃い」を導出させて祝福演出的にストック獲得を報知する。一方、それ以外の当選役の場合には、突発的に、疑似ストック獲得演出を現出することで、遊技者に対して、衝撃的にストック獲得を報知するようになっている。ただし上述の(ロ)(ハ)(ニ)の場合において、ストック報知ゲームまたはそれ以外の非ストック報知ゲームの開始を契機に、「チャンス!(期待度高)」「チャンスかも?!(期待度低)」等を表示し、疑似ストック獲得演出の発生を期待させる「ストック獲得期待演出」を現出させてもよい。この場合、ストック報知ゲームの場合の方が非ストック報知ゲームよりも現出確率を相対的に高くする。
このように「ストック報知タイプ」の場合、疑似ストック獲得演出による「ストック獲得」が報知されることで、少なくともあと「1セット(100G)」の継続が保障される。疑似ストック獲得演出が発生することなく、今回のセット終了ゲームに到達した場合には、そのセット目のゲーム終了を以って本ART遊技が終了される。上記「ストック報知タイプ」の醍醐味は、疑似ストック獲得演出が何回発生するかにより、セットが判明していく点にあり、遊技者は、疑似ストック獲得演出の発生の有無に一喜一憂し、本ART遊技を楽しむことができるようになっている。
(B-3.ストック報知タイプの具体例:図10A~図10C)
次に図10A~図10C、図16A~図16Dを参照して、上記ストック報知タイプの具体例について説明する。図10A~図10Cは、ストック報知タイプの一例として、本ARTゲーム数抽選により500G(具体例7)、300G(具体例8)、100G(具体例9)が決定されたケースを代表的に示したものである。また図16A~図16Cは、本ART遊技中に展開される演出態様の一例を示したもので、主に、疑似ストック獲得演出やガセの疑似ストック獲得演出、疑似ストック放出演出の説明に供する説明図である。
(具体例7:500Gのケース)
まず図10Aおよび図16A~図16Cを参照して、ARTゲーム数が「500G」であった場合(具体例7)について説明する。
図10Aの具体例7では、ARTゲーム数「500G」、ストック報知ゲーム(疑似ストック獲得演出の発生ゲーム)として「30G目、80G目、280G目および380G目」の計4回(複数回)、ストック放出ゲーム(1セット終了時の次ゲーム)として「101G目、201G目、301G目および401G目」の計4回(複数回)が予定される演出シナリオのケース(保障ゲームの1セット+4セットの計5セット(ART5連、トータル継続数500G))を例示したものである。
(0G目:本ART遊技開始)
図10Aおよび図16Aを参照して、本ART遊技が開始されると、まず本ART遊技開始時の(0G目)演出態様として、光演出や音演出とともに、液晶画面6aには、図16A(1)示すように、「遊技状態報知演出6y」、「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「ストーリー演出(キャラクタ演出)6e」や「背景演出(図示せず)」などの演出が表示される。「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「キャラクタ演出6e」、「セット数報知演出6r」、および「背景演出」などは、上乗せ報知タイプで説明したものと同様に、遊技進行状況に応じてその演出内容が変化しうる。
(30G目:ストック報知ゲーム(1回目))
その後、29G消化し(図示略)、遊技進行は図16A(2)の30G目(ストック報知ゲーム)に進む。30G目では、図示の通り、獲得枚数報知演出6b、残余ゲーム数報知演出6c、消化ゲーム数報知演出6dに、現在の遊技状況を示す情報画像として、それぞれ、「60枚GET」、「70(残余ARTゲームが少なくとも「70G」存在する旨)」、「30(現在の消化ゲーム数)」が表示されている。また、セット数報知演出6rには、1セット目を示す「遭遇1」の情報画像が表示されている。
(疑似ストック獲得演出態様:図16A(2))
この30G目は、疑似ストック獲得演出が現出される「ストック報知ゲーム」となっている。図示の例では、当選役として演出リプレイ種別のうち「演出リプレイ123」に当選し、「7リプナビ(本告知)」のアシスト報知6gが現出したケースを例示している。ここでは、当該報知ゲームにおける当選役が演出リプレイ種別であるので、アシスト報知として、当選した演出リプレイに応じた「7リプナビ(本告知)」を現出させる。ただし、この段階では、ストック獲得失敗を報知する後述の「ガセの疑似ストック獲得演出(後述の図10Bの具体例8、図16D参照)」であるか、それともストック獲得を報知する「真の疑似ストック獲得演出」であるかについて、遊技者に対して不明確となるような演出態様となっており、全回胴が停止するまで、ストック獲得演出の真偽が遊技者に悟られないようになっている。
上記「アシスト報知6g」に従い、遊技者が停止ボタン12を停止操作した場合(全回胴停止時)、回胴側の有効入賞ライン上の「赤7図柄揃い(7リプレイ)」が導出表示され(図16A(2a))、液晶画面6aには、疑似ストック獲得演出の一環として、ストックを疑似的に獲得したかのように見せる「ストック報知演出6x」が現出される。たとえば、図16A(2c)に示すように、液晶画面6aの中央部に大きく「STOCK+1」が表示される。なお、ストック報知演出6xにより報知されるストック数は、1個に限らず、複数個のストック数が報知される場合もある。そして、ストック報知演出6xによりストック獲得が報知されると、「ストック数報知演出6s」が現出される。このストック数報知演出6sは、現在のストック数に関する情報を報知する演出態様となっており、図示の例では、現在のストック数が1個存在することを示している。これにより遊技者は、少なくとも、本ART遊技があと1セット継続すること(トータル継続数200Gが保障されること)を知ることができる。
なお、ストック報知ゲームにおいては、遊技者が目押しに失敗して、当選役の取りこぼしが発生した場合であっても、上記「ストック報知演出6x」が現出され、セット獲得が報知されるようになっている。
(80G目:ストック報知ゲーム(2回目)
遊技進行は図16B(3)に移り、80G目は2回目のストック報知ゲームとなっており、上述した30G目と同様の疑似ストック獲得演出が現出される。図示の例では、30G目と同様に、演出リプレイ123が当選したケースを例示している。今回のストック報知演出6xによりストック獲得が報知されると、ストック数報知演出6sの表示値「1」に対して今回のストック獲得数「1」が加算され、当該表示値が「2」に変更(更新)表示される(図16B(3c))。これにより遊技者は、少なくとも、本ART遊技があと2セット継続すること(トータル継続数300Gが保障されること)を知ることができる。
(100G目:1セット目の終了ゲーム)
遊技進行は図16B(4)に移り、1セット目の終了ゲーム(ART1連目終了ゲーム)となる100G目では、「キャラクタ演出6e」や背景演出により、今回のセットゲームが終了した旨を示す「セット終了演出」が報知される(図16B(4a))。
(101G目:ストック放出ゲーム)
遊技進行は図16C(5)に移り、1セット目の終了ゲームの次ゲームである101G目は、疑似ストック放出演出が現出される「ストック放出ゲーム」となっており、ART2連目の開始ゲームとなっている。ストック放出ゲームでは、始動レバー11の操作を契機に「SP1フリーズ」が発生し、そのフリーズ演出(疑似ストック放出演出)により、本ART遊技がさらに1セット継続されること(トータル継続数200Gが保障されること)が報知される。SP1フリーズの実行制御については、セット報知タイプで説明したSPフリーズに関する処理内容と実質的に同じであるので、重複記載を避けるために省略する。
(SP1フリーズ中の演出態様(疑似ストック放出演出):図16C(5))
次に図16Cを用いて、SP1フリーズ中のフリーズ演出態様(疑似ストック放出演出)について説明する。図16C(5)に、疑似ストック放出演出の一例を示す。この疑似ストック放出演出は、セット継続を報知するという点で、セット報知タイプで説明した図15B(3)の「セット継続予告演出(結果報知演出6m:図15B(3e))」と類似する演出内容となっている。
本例の場合、上記「SP1フリーズ」のリール演出を利用し、変則回転動作によるリール演出と、当該リール演出に伴うフリーズ中演出とを利用し、疑似ストック放出演出を現出させる。具体的には、各回胴の変則回転動作を開始し、図16C(5a)示すように、中段横ライン上に「シングル赤7図柄揃い」を仮停止表示し、この仮停止状態を所定時間保持する。「シングル赤7図柄揃い」の仮停止状態は、フリーズ時間SPtが終了するまで保持される。また変則回転動作中および「シングル赤7図柄揃い」の仮停止表示に伴い、フリーズ中演出として、音演出による衝撃音と光演出による閃光演出とともに、図16C(5b)に示すように、液晶画面6aの中央部に大きく、「継続」の情報画像とともに、2セット目が開始された旨を示す「ART2連目開始」の情報画像が表示される(継続報知演出6t)。またこのとき、残余ゲーム数報知演出6cについては、現在表示上の残余ARTゲームに対して、今回報知された1セット分のゲーム数100Gから今回の1ゲーム分を差し引いた「99G」が加算された値に変更(更新)表示され、消化ゲーム数報知演出6dについては、今回の1ゲームが加算された値に変更表示される。ここでは、残余ゲーム数報知演出6cが現在の残余ARTゲーム「0G」に上述の「99G」を加算した「99」の表示に変更され、消化ゲーム数報知演出6dが今回の1ゲームを加算した「101」の表示に変更される。また、ストック数報知演出6sについては、現在表示上のストック数から1減算した値「1」に変更表示され(ストックが疑似的に1個放出を報知)、セット数報知演出6rについては、現在のセット数が2セット目であることを示す「遭遇2」に変更表示される。そしてフリーズ時間SPtが終了すると、各回胴が通常回転動作に制御されて、停止ボタン12の停止操作が許容される(図16C(5c)、(5d))。
すなわち本例の場合、疑似ストック放出演出の演出結果(セット継続報知)は、リール演出による「シングル赤7図柄揃い」とリール演出に伴う「継続報知演出6t」の一連の演出態様により、1セット継続(ストック放出)が報知されるようになっている。
(102G目~499G目)
次に図10Aを参照して、102G目~499G目の演出シナリオについて説明する。本例は、既に説明したように、ARTゲーム数「500G」、ストック報知ゲームが「30G目、80G目、280G目および380G目」、ストック放出ゲームとして「101G目、201G目、301G目および401G目」の計4回(複数回)が予定される演出シナリオのケースについて説明しているので、102G目~499G目の演出シナリオの展開は次のようになる。
図10Aに示す通り、2セット目が開始されてから終了するまでの間(101G~200G)はストック報知ゲームが存在せず、ストック獲得演出が発生しない。したがって、201G目では、2回目のストック報知ゲーム(80G目)に獲得したストック1個が放出され(疑似ストック放出演出によるセット継続報知の発生)、これにより3セット目(ART3連目)に突入する。このストック放出により、ストック数は「ゼロ」になる。
しかし3セット目の途中の280G目に3回目のストック報知ゲームが到来し、疑似ストック獲得演出が現出されてストック数「1」を獲得したことが報知され、ストック数が「1」になる。
次いで、4セット目(ART4連目)の開始ゲームである301G目には、上記280G目に獲得したストック1個が放出されて、これにより4セット目(ART4連目)に突入する。このストック放出により、ストック数は「ゼロ」になる。
しかし4セット目の途中の380G目に4回目のストック報知ゲームが到来し、疑似ストック獲得演出が現出されてストック数「1」を獲得したことが報知される。
次いで、5セット目(ART5連目)の開始ゲームである501G目には、380G目に獲得したストック1個が放出され、これにより5セット目(ART5連目)に突入する。このストック放出により、ストック数は再度「ゼロ」になる。その後、5セット目終了するまで(401G~500G)ストック報知ゲームが存在せず、ストック獲得演出が発生しない。つまり、5セット目終了時点でストック数が「ゼロ」のままとなり、遊技者は、この事実により、今回の本ART遊技が終了を知ることになる。
したがって、5セット目終了の500G目において「本ART終了演出」が発生し、当該500G目を以って、今回の本ART遊技が終了されることになる。たとえば、後述の図16D(2)に示すように、「終了」の情報画像や最終的に獲得した遊技メダルの枚数や最終的に消化したセット回数(本例の場合は、5セット)が報知される(本ART終了演出6z)。
(具体例8:300Gのケース)
次に図10Bを参照して、ARTゲーム数が「300G」であった場合(具体例8)ついて説明する。なお上記した具体例7の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
図10Bの具体例8では、ARTゲーム数「300G」、ストック報知ゲームとして「99G目、160G目、250G目」の計3回、ストック放出ゲームとして「101G目、201G目」の計2回(保障ゲームの1セット+2セットの計3セット(ART3連、トータル継続数300G))が予定される演出シナリオのケースを例示したものである。
(ガセの疑似ストック獲得演出態様:図10B、図16D)
この具体例8が具体例7と異なる点は、ストック報知ゲームに「ガセ(偽)の疑似ストック獲得演出」が発生するゲーム(ガセ用のストック報知ゲーム)が含まれる点である。本例の場合、99G目と160G目とが「真の疑似ストック獲得演出」の報知ゲーム、250G目が「ガセの疑似ストック獲得演出」の報知ゲームとなっている。この「ガセの疑似ストック獲得演出」は、図16D(1)に示すように、たとえば図16A(2)や図16B(3)のように、演出リプレイ種別が当選した場合に「777を狙え!!」の表示をするが、アシスト報知は「嘘告知用のアシスト報知6g」を現出し、演出結果として、「赤7図柄揃え」を成立させずに獲得ストックがゼロである旨(ストック非獲得報知)を報知するものとなっている(図16D(1b)~(1c))。
なお、ガセの疑似ストック獲得演出は、1回だけでなく複数回現出させてもよい。また本例では、演出リプレイ種別に当選した場合に、ガセの疑似ストック獲得演出を現出させる例について説明したが、演出リプレイ以外の当選役(ハズレを含む)であっても、ガセの疑似ストック獲得演出を現出させてもよい。この場合には、遊技者の継続期待感を煽るべく、上記「ストック獲得期待演出」を現出させて、内部的に上乗せゲームが残存しているかを期待させつつ、ガセの疑似ストック獲得演出を現出させることが好ましい。
本例の場合、2セット目(ART3連目)の開始ゲームである101G目には、99G目に160G目に獲得したストック1個が放出され、これにより2セット目(ART2連目)に突入して、ストック数は「ゼロ」になる。しかし160G目に、再度、疑似ストック獲得演出が現出されてストック数「1」を獲得したことが報知され、ストック数が「1」になる。
そして3セット目(ART3連目)の開始ゲームである201G目には、上記160G目に獲得したストック1個が放出され、これにより3セット目(ART3連目)に突入して、再度、ストック数は「ゼロ」になる。その後(202G~300G)は、真のストック報知ゲームが存在せず、真の疑似ストック獲得演出が発生しないまま遊技が進行し(250G目に「ガセの疑似ストック獲得演出」が発生する)、ストック数が「ゼロ」のまま3セット目終了となる300G目を迎える。
そして、300G目において図16D(2)示す「本ART終了演出6z」が発生し、当該300G目を以って、今回の本ART遊技が終了されることになる。
(ストック報知タイプの変形例1)
なお本実施形態では、ストック報知ゲームに、あらかじめ「ガセ用のストック報知ゲーム」が含まれる例(演出シナリオの作成時に、真のストック報知ゲームとガセ用のストック報知ゲームとが含まれる例)を説明しているが、本発明はこれに限らず、演出シナリオを決定する際に真のストック報知ゲームの予定ゲーム数を決定しておき、ガセ用のストック報知ゲームの予定ゲーム数は、演出シナリオとは別に独立して決定可能な構成としてもよい。詳しくは、真の疑似ストック獲得演出を発生させるストック報知ゲーム以外の任意の1または複数のゲームにおいて(本例の場合、99G目と160G目以外のゲーム)、演出制御部410による所定のガセ抽選などにより決定可能に構成することができる。すなわち、本ART開始時の演出シナリオには、ガセ用のストック報知ゲームが含まれず、真のストック報知ゲームだけを決定しておき、それ以外のゲームにおいて所定のガセ抽選(たとえば、当選役に応じて現出確率を異ならせる)を実行し、これに当選した場合に、ガセの疑似ストック獲得演出を現出可能に構成することができる。
(具体例9:100Gのケース)
次に図10Cを参照して、ARTゲーム数が「100G」であった場合(具体例9)ついて説明する。図10Cの具体例9は、1セット目(100Gの保障ゲーム)で終了するケースを示している。本例の場合、ストック獲得演出が発生することなく、1セット目の終了ゲーム(100G目)を以って、本ART遊技が終了される。ただし、1セット目が終了する前に、ガセの疑似ストック獲得演出を現出させて、遊技者の継続期待感を煽ってもよい。
第3の実施形態の好ましい形態についてまとめると、次のようになる。なお、第2の実施形態と実質的に同じ構成要素については適宜省略する。
(1)遊技結果表示手段と、始動手段と、役抽選手段と、停止手段と、停止制御手段と、特典遊技を制御する特典遊技制御手段(図10A~図10C)とを備え、遊技結果に応じた遊技価値を付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
特典遊技ゲーム数決定手段(主制御部400、図21)と、秘匿ゲーム数報知制御手段(本実施形態の場合は、疑似ストック放出演出を制御する機能部:たとえば、図16C(5))と、を備え、
前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、セット継続報知制御手段(本実施形態の場合、継続報知演出6t(継続報知)を制御する機能部:たとえば、図16C(5))を備え、
前記特典遊技制御手段は、上限ゲーム数が消化された場合に、必ず前記特典遊技を終了させる(図10A~図10C、図16D)、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)前記セット継続報知制御手段は、前記所定ゲーム目として、新たなセットゲームが開始となる開始ゲーム(たとえば、図10Aの101G目、201G目、301G目、401G目(区切りゲームの次ゲーム))に前記セット継続報知を実行する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
(3)前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、前記セット継続報知が実行される旨を確定的に報知するストック報知(疑似ストック獲得演出(ストック報知演出6x(ストック獲得報知))を、前記所定ゲーム目より前の特定ゲーム目(たとえば、図10Aの30G目、80G目、280G目、380G目等)で実行可能なストック報知制御手段(疑似ストック獲得演出を制御する機能部:たとえば、図16A(2)、図16B(3))をさらに備える、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機。
(4)前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、前記特定ゲーム目を何ゲーム目とするかを抽選により決定するストック報知実行ゲーム決定手段(たとえば、ARTゲーム数に基づき、複数のストック報知ゲームを対象に抽選を実行する抽選部)をさらに備える、
ことを特徴とする上記(3)に記載の回胴式遊技機。
また本実施形態は、上記「通常上乗せ報知形態」の構成を有する上記(1)~(4)のいずれかに記載の回胴式遊技機とすることができる。
[第4の報知形態(第4の実施形態)]
(D-1.複合型報知タイプ:図11A、図11B)
次に図11A、図11Bを参照して、本発明に係る第4の報知形態(第4の実施形態)の「複合型報知タイプ」について詳細に説明する。なおここでは、上記した「疑似上乗せ報知タイプ」や「セット報知タイプ」の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明し、実質的に同じ機能を持つ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
(D-2.複合型報知タイプの概要)
この「複合型報知タイプ」は、疑似上乗せゲーム数の上乗せ報知の仕方について、フリーズ演出(リール演出)を利用して行うケース(フリーズ疑似上乗せ演出)と、フリーズ演出を利用せずに、回胴側の遊技結果と演出手段とによる非フリーズ演出により行うケース(非フリーズ疑似上乗せ演出)とが混在するものとなっている。この点で、フリーズによる上乗せ報知が存在しない「疑似上乗せ報知タイプ」とは大きく異なる。ただし、この複合型報知タイプも上記「疑似上乗せ報知タイプ」や「セット報知タイプ」などと同じく、「出来レース型」の演出シナリオとなっている。
また、上記「上乗せ報知」に関する演出態様は、基本的には、図14A(3b)に示す「上乗せゲーム数報知演出6h」と同様の演出内容を含む演出態様となっており、特に、非フリーズ疑似上乗せ演出は、「疑似上乗せ報知タイプ」で説明した「疑似上乗せ演出」と実質的に同じ演出態様となっている。以下では、フリーズ疑似上乗せ演出が発生するゲームを「フリーズ上乗せ報知ゲーム」と称し、非フリーズ疑似上乗せ演出が発生するゲームを単に「上乗せ報知ゲーム」と称する。
(D-3.複合型報知タイプの具体例:図11A、図11B)
次に図11A、図11Bを参照して、上記複合型報知タイプについて詳細に説明する。図11Aは、本ARTゲーム数抽選により1200Gが決定された場合の演出シナリオの一例を代表的に示したものであり、図11Bは、複合型報知タイプの上乗せ報知に係る演出制御の説明に供する説明図である。
複合型報知タイプの理解を容易なものとするために、先ず図11Bを参照して、疑似上乗せ報知の報知制御に関する処理内容について説明しておく。
本実施形態に係る演出シナリオの決定の処理の流れは次の通りである。図11Bを参照して、主制御部400は、AT抽選当選すると、当該当選ゲームにおいて、ARTゲーム数抽選を実行してARTゲーム数を決定し(S101)、次いで、「リール演出シナリオ抽選」を実行する(S102)。
上記「リール演出シナリオ抽選」では、ARTゲーム数抽選で決定されたARTゲーム数に基づき、どのようなフリーズ種別を何ゲーム目に発生させるかといった、フリーズに係る演出シナリオ(リール演出シナリオ)を決定する(S103)。リール演出シナリオには、同一のARTゲーム数であっても、リール演出の発生ゲームが様々なケースとなるように、多数の演出シナリオが用意されており、いずれかの演出シナリオが抽選などにより選択的に決定される。重複記載を避けるためにその他の例についての説明は省略するが、たとえば、図11Aの例はあくまでも演出シナリオの一例であり、同一または異なるARTゲーム数に応じて、フリーズ上乗せ報知ゲームが異なる多数の演出シナリオが用意されている。なお後述の「フリーズ時演出シナリオ」や「非フリーズ時演出シナリオ」についても同様に、上乗せ報知ゲームや疑似上乗せゲーム数が異なる多数の演出シナリオが用意されており、いずれかの演出シナリオが抽選などにより選択的に決定されるようになっている。
(リール演出シナリオ抽選対象のフリーズ種別)
本実施形態では、リール演出シナリオ抽選の抽選対象として、変則回転動作を伴わない「Nフリーズ(全回胴静止フリーズ)」と、変則回転動作を伴う「SPフリーズ(たとえば、SP1フリーズ)」とを含む複数種類のフリーズ種別が定められている。本ART遊技中にフリーズが発生すると、そのフリーズ中演出として、疑似上乗せ演出が発生して、所定の疑似上乗せゲーム数が報知されるようになっている。なお、NフリーズよりもSPフリーズの方が、変則回転動作を伴う派手なフリーズ演出を行うことに着目し、SPフリーズが発生した場合は、Nフリーズが発生した場合よりも相対的に多い上乗せゲーム数が報知されるようになっている。
(リール演出シナリオの代表例)
上記「リール演出シナリオ」には、たとえば、
(α)ARTゲーム数が100Gの場合には、「フリーズを発生させない」という100G用のリール演出シナリオや、
(β)ARTゲーム数が200Gの場合には、「フリーズを発生させない」第1シナリオ、「50~150Gの間でNフリーズ1回行う」第2シナリオ、および「50~100G目の間でSPフリーズを1回行う」第3シナリオなどを含む200G用のリール演出シナリオや、
(γ)300Gの場合には、「フリーズを発生させない」第1シナリオ、「50~100Gの間でNフリーズ1回行う」第2シナリオ、「50~100G目の間でSPフリーズを1回行う」第3シナリオ、および「50~100G目の間でNフリーズ1回、101~150G目の間でSPフリーズを1回行う」第4シナリオ(第1~第3シナリオは、200Gの場合と同様のシナリオ)などを含む300G用のリール演出シナリオ、
など(他のARTゲーム数についての説明は省略する)、ARTゲーム数に応じて、多種多様なリール演出シナリオが定められており、基本的には、ARTゲーム数が多いほど、フリーズの発生回数が多くなる。また上述のシナリオの例では、たとえば、300Gのリール演出シナリオの中には、200Gのリール演出シナリオと1または複数種類の共通のシナリオが含まれており、200Gと300Gとで共通のシナリオが選択可能に構成されている。つまり、一のARTゲーム数と他のARTゲーム数とで、共通のリール演出シナリオが展開される場合がありうる。したがって、たとえば「50~100Gの間でNフリーズ1回行う」というリール演出シナリオが選択されたケースでは、当該Nフリーズの発生だけを以って、ARTゲーム数が200Gか300Gかということを遊技者が見分けることができない。これにより、今回のARTゲーム数を遊技者に悟られないようにし、本ART遊技が単調化したり、単なる消化遊技の様相を呈したりして、遊技者の遊技興趣が低下してしまうこと防止している。
また本実施形態では、フリーズを闇雲に発生させないために、ARTゲーム数に応じてフリーズの最大発生回数が定められている。たとえば、ARTゲーム数が200Gの場合は「Nフリーズの最大発生回数は2回、SPフリーズの最大発生回数1回」と定めており、ARTゲーム数が300Gの場合は「Nフリーズの最大発生回数は2回、SPフリーズの最大発生回数2回」と定めてある。また、各フリーズ種別の最大発生回数に制限を設けるのではなく、フリーズの合計最大発生回数を制限してもよい。たとえば、ARTゲーム数が200Gの場合は「フリーズの合計最大発生回数は3回まで」として、その範囲内であれば、たとえば、「Nフリーズを2回、SPフリーズを1回」としてもよいし、「Nフリーズを1回、SPフリーズを2回」としてもよいし、「SPフリーズを3回」としてもよいし、「Nフリーズを3回」としてもよい。
図11A、図11Bに示す「リール演出シナリオ」の例では、ARTゲーム数1200Gのリール演出シナリオの一例として、たとえば、Nフリーズを510G目(1回のみ)に発生させ、SPフリーズを150G目(1回目)と880G目(2回目)の合計2回発生させるケース(以下、「リール演出シナリオA」称する)を例示してある。
主制御部400は、リール演出シナリオを決定すると、ARTゲーム数を特定可能な「ARTゲーム数コマンド」と、リール演出シナリオを特定可能な「リール演出シナリオコマンド」とを演出制御部410に対して送信する(S104)。
演出制御部410は、ARTゲーム数コマンドとリール演出シナリオコマンドとに含まれる情報に基づき、本ART遊技中に展開される上乗せ報知に関する演出シナリオ(以下、「出玉シナリオ」と称する)を決定する。
「出玉シナリオ」には、フリーズ上乗せ報知ゲームにおいて、如何なる疑似上乗せゲーム数を報知する疑似上乗せ演出を発生させるか、という「フリーズ時演出シナリオ(フリーズ疑似上乗せ演出に係る一連の演出シナリオ)」と、上乗せ報知ゲームにおいて如何なる疑似上乗せゲーム数を報知する「非フリーズ疑似上乗せ演出」を何ゲーム目に発生させるかという「非フリーズ時演出シナリオ(非フリーズ時疑似上乗せ演出に係る一連の演出シナリオ)」の2つのシナリオがあり、演出制御部410は、これらの演出シナリオを決定する。
演出制御部410は、まず今回のリール演出シナリオ(リール演出シナリオA)に基づき、上記「フリーズ時演出シナリオ」を決定する(S112)。本例の場合、フリーズ時演出シナリオの一例として、150G目の1回目のSPフリーズにおいて上乗せ400Gを報知し、510G目のNフリーズにおいて上乗せ100Gを報知し、880G目の2回目のSPフリーズにおいて上乗せ300Gを報知し、フリーズ疑似上乗せ演出による合計疑似上乗せゲーム数800Gである、というシナリオが決定されたケースを示してある(図11BのS112参照)。
次いで、演出制御部410は、「非フリーズ時演出シナリオ」を決定する(S113)。この非フリーズ時演出シナリオは、ARTゲーム数と、上述のフリーズ時演出シナリオとに基づき決定されるようになっている。具体的には、フリーズ時演出シナリオの内容(フリーズ上乗せ報知ゲームが何ゲーム目であるか、その上乗せゲーム数が何ゲームであるか(複数回実行する場合には、合計上乗せゲーム数が何ゲームであるか等)を考慮して、「非フリーズ疑似上乗せ演出」について、上乗せ報知ゲームを何ゲーム目とするか、如何なる疑似上乗せゲーム数を報知するか」という演出内容について決定する。
本例の場合、フリーズ時演疑似上乗せ演出で合計800Gが報知されるので、保障ゲームの100Gを除く残りの300G分を、非フリーズ疑似上乗せ演出により報知されるように、非フリーズ時演出シナリオが決定されるようになっている。ただし、非フリーズ疑似上乗せ演出が複数回実行される場合には、既に説明した「疑似上乗せ報知タイプ」と同様に、当該複数回に分けて、報知すべきARTゲーム数(本例の場合、上述の300G分)が報知されるように決定し、また内部的な残余ARTゲーム数と、演出表示上の残余ARTゲーム数(残余ゲーム数報知演出6cの値)とに不整合が生じないように、報知すべき上乗せゲーム数(疑似上乗せゲーム数)が決定される。本例の場合、非フリーズ疑似上乗せ演出は、上乗せ報知ゲームの内部抽選結果によらずに、現出されるようになっている。しかし本発明はこれに限らず「疑似上乗せ報知タイプ」と同様の報知制御形態を採用することができる。具体的には、所定の上乗せ報知契機役(たとえば、演出リプレイ種別)の当選を契機に、疑似上乗せ演出を現出可能な構成とすることができる。またこの構成の場合、上乗せ報知ゲームで上乗せ報知契機役が非当選であった場合(上乗せ報知ゲームで疑似上乗せ演出が実行できない事象が発生した場合)についても同様に、「疑似上乗せ報知タイプ」と同様の報知制御形態を採用することができる(上記「A-2-1.上乗せ報知ゲームで上乗せ報知契機役が非当選であった場合について」を参照)。
本例の場合、非フリーズ時演出シナリオの一例として、80G目(1回目の上乗せ報知ゲーム)の非フリーズ疑似上乗せ演出で100G、650G目(2回目の上乗せ報知ゲーム)の非フリーズ疑似上乗せ演出で200Gを報知する(非フリーズ疑似上乗せ演出による合計報知ゲーム数300G)、というシナリオが決定されたケースを示してある(図11BのS113参照)。
以上のように、フリーズ時演出シナリオと非フリーズ時演出シナリオとが決定されると、本ART遊技中に展開される一連の「出玉シナリオ」が決定されたことになる。演出制御部410は、出玉シナリオをRAM243の出玉シナリオ格納領域に設定する(S114)。以後、本ART遊技の進行状況に応じて出玉シナリオが参照されて、疑似上乗せ演出などの各種演出が実現される。
本例の出玉シナリオを纏めると、今回の本ART遊技中の疑似上乗せ報知に係る演出態様は、80G目(非フリーズ疑似上乗せ演出による100G上乗せ)、150G目(SPフリーズのフリーズ疑似上乗せ演出による400G上乗せ)、510G目(Nフリーズにのフリーズ疑似上乗せ演出による100G上乗せ)、650G目(非フリーズ疑似上乗せ演出による200G上乗せ)、880G目(SPフリーズによる300G上乗せ)において疑似上乗せ演出を発生させるものであり、内部的なARTゲーム数1200Gが実行される、という本ART遊技となる。
次に図11Aを参照して、上記「出玉シナリオ」に沿って展開される疑似上乗せ演出について説明する。なお「上乗せ報知タイプ」の具体例1~3の内容(図8A~図8C)および「ストック報知タイプ」の具体例7~9(図10A~図10C)と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略し、また、必要に応じて図14A~図16C(上乗せ報知タイプの演出例)を用いて説明する。
(0G目:本ART遊技開始)
本ART遊技が開始されると、まず本ART遊技開始時の(0G目)演出態様として、光演出や音演出とともに、液晶画面6aには、図14A(1)示すように、「遊技状態報知演出6y」、「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「ストーリー演出(キャラクタ演出)6e」、「背景演出(図示せず)」などの演出が表示される。「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「キャラクタ演出6e」、「背景演出」は、疑似上乗せ報知タイプで説明したものと同様に、遊技進行状況に応じてその演出内容が変化しうる。
(80G目:上乗せ報知ゲーム)
上乗せ報知ゲームとなる80G目では、「非フリーズ疑似上乗せ演出」が現出される(図11BのS212)。この演出態様は、図14A(3)に示すものと実質的に同じ演出態様となっている。ここでは、出玉シナリオに従い、疑似上乗せゲーム数として「+100G」が報知される。この上乗せ報知により、少なくともトータル200G(保障ゲーム数100G+今回の上乗せ100G)の継続確定が報知されたことになる。
なお、非フリーズ疑似上乗せ演出は、内部抽選結果によらず現出されるようになっているが、既に述べた「上乗せ報知タイプの変形例2」と同じ内容の構成とすることができる。具体的には(イ)演出リプレイ種別が当選した場合には、図14A(3)に示す第1の報知形態(疑似上乗せ報知タイプ)と同じように、「役種アシスト報知」により(「777を狙え!!」と7リプナビ(本告知)とを発生させる)、全回胴停止を契機にインパクトのある「赤7図柄揃い」を導出表示させて、祝福演出的に疑似上乗せゲームを報知し、上乗せ報知ゲーム以外は、「赤7図柄揃い」が闇雲に導出表示されないために‘嘘告知’をする。また(ロ)押順ベル種別が当選した場合には、上述の演出リプレイが当選したケースとは異なり「役秘匿アシスト報知」または「役区分アシスト報知」により、通常通り、「中段ベルナビ(押し順正解)」を発生させ、全回胴停止を契機に疑似上乗せ演出(上乗せ報知)を現出させる。(ハ)また押し順不問役のうち、「弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通ベルAまたは共通ベルB」(抽選番号23~28)のいずれかが当選した場合には、通常通り、今回当選した役種別を報知する「役種別報知演出」を現出し、全回胴停止を契機に疑似上乗せ演出を現出させる。(ニ)またハズレ(当選番号0)や通常リプレイ(当選番号1)の場合、役種別報知演出やアシスト報知が何ら発生しない背景表示だけを現出し、全回胴停止を契機に疑似上乗せ演出を現出させる。すなわち、演出リプレイ種別が当選した場合には、インパクトのある「7図柄揃い」を導出させて祝福演出的に上乗せ報知を実行する。一方、それ以外の当選役の場合には、突発的に、上乗せ報知を実行して、遊技者に対して、衝撃的に上乗せを報知することができる。ただし上述の(ロ)(ハ)(ニ)の場合において、ゲーム開始を契機に、「チャンス!」などを表示して、疑似上乗せ演出の発生を期待させる「上乗せ期待演出」を現出させてもよい。
(150G目:フリーズ上乗せ報知ゲーム(1回目))
遊技が進行し、上乗せ報知ゲームとなる150G目では、出玉シナリオに従い、「SP1フリーズ(フリーズ疑似上乗せ演出)」が現出される(図11BのS201、S211参照)。このSP1フリーズ中は、まず、始動レバー操作時の全回胴静止状態中にブラックアウト演出を現出し、その後、図16C(5a)に示すように、「シングル7揃い」が仮停止表示されるとともに、図16C(5b)に対応する演出として、図14A(3b)に示す「上乗せゲーム数報知演出6h」が現出される。ここでの上乗せゲーム数報知演出6hでは、大量上乗せ(たとえば、300G以上の上乗せ)である「+400G」が報知される。たとえば、液晶画面6aの中央部に大きく、大量上乗せを示す「+400GGET!Excellent!!」などの祝福的演出表示が現出される。今回の上乗せ報知により、少なくともトータル600G(保障ゲーム数100G+80G目の上乗せ100G+今回の上乗せ400G)の継続確定が報知されたことになる。なお、SPフリーズの制御については既に説明したように、主制御部400がフリーズコマンド(ここでは、SP1フリーズを指定するコマンド)を送信するとともに、所定のフリーズ時間にわたり、フリーズに係るリール演出を実行制御する。演出制御部410は、フリーズコマンドに含まれる情報に基づき、フリーズ中の疑似上乗せ演出(上述したブラックアウト演出、上乗せゲーム数報知演出6hなど)を現出制御する(S201、S211)。
(510G目:フリーズ上乗せ報知ゲーム(2回目))
さらに遊技が進行し、上乗せ報知ゲームとなる510G目では、出玉シナリオに従い、2回目のフリーズ疑似上乗せ演出である「Nフリーズ」が現出される(図11BのS201、S211参照)。このNフリーズは、全回胴静止状態に係るリール演出であるので、これを利用し、まず、始動レバー操作時にブラックアウト演出を現出した後、図14A(3b)に示す「上乗せゲーム数報知演出6h」を現出して「+100G」を報知するようになっている。この上乗せ報知により、少なくともトータル700G(保障ゲーム数100G+80G目の上乗せ100G+150G目の上乗せ400G+今回の上乗せ100G)の継続確定が報知されたことになる。
(650G目:上乗せ報知ゲーム)
さらに遊技が進行し、上乗せ報知ゲームとなる650G目では、出玉シナリオに従い、2回目の「非フリーズ疑似上乗せ演出」が現出される(図11BのS212参照)。当該ゲームの演出態様は、80G目と実質的に同じ演出態様である。ここでは、疑似上乗せゲーム数として「+200G」が報知される。今回の上乗せ報知により、少なくともトータル900G(保障ゲーム数100G+80G目の上乗せ100G+150G目の上乗せ400G+510G目の上乗せ100G+今回の上乗せ200G)の継続確定が報知されたことになる。
(880G目:フリーズ上乗せ報知ゲーム)
さらに遊技が進行し、フリーズ上乗せゲームとなる880G目では、出玉シナリオに従い、3回目のフリーズ疑似上乗せ演出である「SP1フリーズ」が現出される(図11BのS201、S211参照)。当該ゲームの演出態様は、150G目と実質的に同じ演出態様である。ここでは、大量上乗せである「+300G!Excellent!!」が報知される。今回の上乗せ報知により、最大ARTゲーム数となる1200G(保障ゲーム数100G+80G目の上乗せ100G+150G目の上乗せ400G+510G目の上乗せ100G+650G目の上乗せ200G+今回の上乗せ300G)の継続確定が報知されたことになる。
(881G~1200G目:本ART遊技終了ゲーム)
本例の場合、881G目以降は、上乗せ報知ゲームおよびフリーズ上乗せ報知ゲームが存在しない出玉シナリオとなっている。したがって、881G目以降は、何ら、疑似上乗せ演出が発生しない制御下に置かれる。そして、ART終了ゲームとなる1200G目では、たとえば、「終了」の情報画像や最終的に獲得した遊技メダルの枚数などが報知する「本ART終了演出(たとえば、図14B(5a)参照)」が現出され、この1200G目の終了を以って今回の本ART遊技が終了されることになる。
第4の実施形態の好ましい形態についてまとめると、次のようになる。なお、第1の実施形態と実質的に同じ構成要素については適宜省略する。
(1)遊技結果表示手段と、始動手段と、役抽選手段と、停止手段と、停止制御手段と、遊技の進行を制御する主制御手段と、演出を制御する演出制御手段とを備え、遊技結果に応じた遊技価値を付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記主制御手段は、
役抽選手段(主制御部400、図4A、図4B)と、
前記特典遊技の継続ゲーム数として、所定の保障ゲーム数から所定の最大ゲーム数(たとえば100G~1200G)の範囲内において定められた複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数を決定する特典遊技ゲーム数決定手段(図21)と、
前記特典遊技中において、遊技の進行を遅延させるフリーズ状態を実行制御するフリーズ制御手段(主制御部400、SP1フリーズ、Nフリーズ:図11B)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数を秘匿し、前記特典遊技に制御された開始ゲームにおいて前記保障ゲーム数分のゲーム数を前記特典遊技の公開ゲーム数として報知する公開ゲーム数報知制御手段(本ART開始時における残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:たとえば、図14A(1))と、
前記特典遊技中の消化ゲーム数に応じて、前記公開ゲーム数に対する残余ゲーム数を、前記特典遊技の残余ゲームとして報知する残余ゲーム数報知制御手段(本ART遊技中の残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:たとえば、図14A、図14B等))と、
所定の報知条件に基づき、前記秘匿されたゲーム数に関する情報を報知する秘匿ゲーム数報知制御手段(疑似上乗せ報知演出を制御する機能部:たとえば、図14A(3))と、を備え、
前記フリーズ制御手段は、
前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数に基づき、前記フリーズ状態を実行する1または複数の実行回数を決定するフリーズ実行回数決定手段(図11BのS103)と、
前記フリーズ実行回数決定手段による決定結果に基づき、前記特典遊技中の何ゲーム目に前記フリーズ状態を実行するかについてのフリーズ実行予定ゲームを決定するフリーズ実行予定ゲーム決定手段(図11BのS103)と、を備え、
前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、
前記フリーズ実行予定ゲームに係るフリーズ状態中において、疑似的な上乗せゲーム数を報知するためのフリーズ時疑似上乗せ報知を制御するフリーズ時疑似上乗せ報知制御手段(図11BのS112、S114、S211)と、
前記フリーズ実行予定ゲーム以外の1または複数のゲーム目において、疑似的な上乗せゲーム数を報知するための非フリーズ時疑似上乗せ報知を制御する非フリーズ時疑似上乗せ報知制御手段(図11BのS113、S212)と、を備え、
前記フリーズ時疑似上乗せ報知および前記非フリーズ時疑似上乗せ報知において報知される疑似的な上乗せゲーム数の合計ゲーム数が、前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数と前記保障ゲーム数とのゲーム数差と一致するように、疑似的な上乗せゲーム数を決定可能に構成され(図11A)、
前記残余ゲーム数報知制御手段は、前記フリーズ時疑似上乗せ報知または前記非フリーズ時疑似上乗せ報知が実行された場合、現在の残余ゲームに対して疑似的な上乗せゲーム数を加算したゲーム数を、新たな残余ゲームとして報知する上乗せ時報知制御手段(上乗せゲーム数報知時の残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:たとえば、図14A(3b))を備え、
前記特典遊技制御手段は、前記特典遊技ゲーム数決定手段により決定されたゲーム数が消化された場合に、前記特典遊技を終了させる(図11B)、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)前記非フリーズ時疑似上乗せ報知で報知される疑似的な上乗せ報知ゲーム数よりも、前記フリーズ時疑似上乗せ報知で報知される疑似的な上乗せ報知ゲーム数の方が多い(図11A、図11BのS211、S212)、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
(3)前記フリーズ状態には、第1フリーズ状態(Nフリーズ)と第2フリーズ状態(SPフリーズ)とが含まれ、前記第1フリーズ状態に係るフリーズ時疑似上乗せ報知で報知される疑似的な上乗せ報知ゲーム数よりも、前記第2フリーズ状態に係るに係るフリーズ時疑似上乗せ報知で報知される疑似的な上乗せ報知ゲーム数の方が多い(図11BのS112)、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機。
(4)前記非フリーズ時疑似上乗せ報知制御手段は、前記非フリーズ時疑似上乗せ報知の実行予定ゲームを何ゲーム目とするかを決定する非フリーズ実行予定ゲーム決定手段(図11BのS103)をさらに備える、
ことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
(5)前記非フリーズ時疑似上乗せ報知制御手段は、前記非フリーズ時疑似上乗せ報知の実行予定ゲームで前記役抽選手段により特定の当選役(たとえば、演出リプレイ種別のいずれか)が決定された場合に、前記疑似上乗せ報知を実行する(たとえば、図8Aの99G目、150G目、399G目、図14A(3)と同様の構成)、
ことを特徴とする上記(4)に記載の回胴式遊技機。
(6)前記非フリーズ時疑似上乗せ報知制御手段は、前記非フリーズ時疑似上乗せ報知の実行予定ゲームで前記役抽選手段により特定の当選役(たとえば、演出リプレイ種別のいずれか)が決定されなかった場合、当該実行予定ゲーム以降のゲームにおいて前記疑似上乗せ報知を実行する(たとえば、図8Aの299G目~300G目と同様の構成)、
ことを特徴とする上記(5)に記載の回胴式遊技機。
(7)前記非フリーズ時疑似上乗せ報知制御手段は、前記非フリーズ時疑似上乗せ報知の実行予定ゲームにおける前記役抽選手段による抽選結果によらずに、前記疑似上乗せ報知を実行する(図11A~図11B)、
ことを特徴とする上記(4)に記載の回胴式遊技機。
(8)前記特典遊技ゲーム数決定手段は、前記最大ゲーム数として所定の上限ゲーム数(規制ゲーム数の1500G)の範囲内において定められた複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数を決定可能に構成され、前記特典遊技の消化ゲーム数が所定の上限ゲーム数に達した場合に、必ず前記特典遊技を終了させる(図11A)、
ことを特徴とする上記(1)~(7)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
また本実施形態は、上記「通常上乗せ報知形態」の構成を有する上記(8)に記載の回胴式遊技機とすることができる。
[第5の報知形態(第5の実施形態)]
(E-1.ST報知タイプ:図12A~図12C、図17A、図17B)
次に図12A~図12C、図17A、図17Bを参照して、本発明に係る第5の報知形態(第5の実施形態)の「ST報知タイプ」について詳細に説明する。
(E-2.ST報知タイプの概要)
この「ST報知タイプ」は、上記した「疑似上乗せ報知タイプ」等とは異なり、「ST区間(STモード)」という特別な遊技期間中(本例の場合、ST区間を1セット50Gとする)に、‘ST当り報知’が発生すると、新たなST区間が開始される(新たなST区間として50Gが開始される)、といったST区間という遊技期間を疑似的に連荘させることにより、本ART遊技の継続を報知するものとなっている。換言すれば、「1セット50G」という疑似上乗せゲームが1または複数回上乗せされていくことにより、本ART遊技を疑似的に継続させていく構成となっている。本実施形態に係るST報知タイプは、たとえば、高確率AT当選状態(ST区間に相当)にAT抽選に当選すれば、新たなSTが継続していくといった遊技性を持つ回胴式遊技機を疑似的に再現するものとなっている。この点で、本例を「ST報知タイプ」と称している。
「ST報知タイプ」の理解を容易なものとするために、先ずその概要を説明しておく。なおここでは、上記した「疑似上乗せ報知タイプ」の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明し、実質的に同じ構成要素には同じ符号を付してある。また本実施形態に係るST報知タイプについては、図12Aに示す「本ARTゲーム数抽選」抽選対象のARTゲーム数を、保障ゲームの100Gを除き、10G刻みであるものとする。具体的には、100G(保障ゲーム分)、110G、120G、1300G、140G、150G・・・、1150G、1160G、1170G、1180G、1190G、1200Gが抽選対象のARTゲーム数とする。
本実施形態に係るST報知タイプでは、初期ゲームとして最初の50G中は、ST開始前遊技である「疑似当り区間(疑似当り遊技)」となっており(図12Aの本ART遊技開始~疑似当り区間終了のブロック枠参照)、「疑似当り区間」が終了すると、1セット50GのST区間に突入する。つまり、上記「疑似当り区間」と初回のST期間の合計100G分が、上記「上乗せ報知タイプ」や「ストック報知タイプ」などの保障ゲーム数(100G)に相当するものとなっている。勿論、疑似当り区間もST区間も、実体は、本ART遊技であり、演出を異ならせることで、見た目上、異なる遊技状態を装うものとなっている。
ST区間に突入すると、1セット50GとするST区間が開始される。ARTゲーム数が100Gを超えるものである場合には、この50GのST区間中の特定のゲーム数目において、内部抽選結果とは無関係に、さらに1セット分(50G)のST区間の継続を報知する「ST当り演出(ST当り報知)」が現出され、新たなST区間(2連目)の継続が報知されて、次ゲームから新たなST区間(2連目)が開始される(当該報知ゲームから新たなST区間が開始されるようにしてもよい)。たとえば、本ART遊技開始後、70G目(初回のST区間から20G目)にST当り報知が発生した場合は、次ゲームの71G目から、2連目のST区間に突入する(たとえば、図12Aの70G目ST当り報知のブロック枠参照)。さらに、その2連目のST区間中の特定のゲーム数目において、ST当り報知が発生すれば、新たなST区間(3連目)が開始される、といったように、真のARTゲーム数に応じて、ST区間の連荘が1または複数回発生し、これにより、本ART遊技の継続が報知される構成となっている。
すなわち上記ST区間が継続していく場合は、「疑似当り区間(50G固定)→初回ST区間(1連目)(ST当り報知)→ST区間(2連目)(ST当り報知)→ST区間(3連目)(ST当り報知)→ST区間(4連目)(ST当り報知)→・・・」といった遊技遷移となり、ST区間中にST当り演出(ST当り報知)が発生しないまま、そのままST区間50Gを抜けてしまうと、本ART遊技終了となり、ST区間中にST当り演出が発生する限りは、疑似的にST区間がループして本ART遊技が継続していく、という遊技形態となる。しかしこの「ST報知タイプ」も「出来レース型」の演出シナリオとなっており、勿論、ST区間中の如何なるゲーム数目でST当り演出が発生するのかは、演出上、遊技者に悟られないようになっている。したがって「ST報知タイプ」も、既に説明した「疑似上乗せ報知タイプ」や「セット報知タイプ」などと同じく、本ART遊技開始時に、初期のゲーム数として所定の保障ゲーム数は報知するが、「真のARTゲーム数(本ARTゲーム数抽選により決定されたゲーム数)」は秘匿状態として遊技者に報知しない構成となっている。
上記「ST報知タイプ」の特徴的な点は、上記ST当り演出(ST当り報知)が発生されるゲームが何ゲーム目であるかということが予定されている点である。具体的には、本ART遊技開始時(AT抽選当選時にであってもよい)において、本ART遊技中の何ゲーム目にST当り演出を実行するかなど(たとえば、何ゲーム目と何ゲーム目に実行するかなど)、ST当り演出に関する演出シナリオが決定される。
たとえば、本ART遊技開始時のゲーム数が「300G」である場合、演出シナリオとして、「70G目、100G目、140G目、170G目、200G目、220G目、230G目及び250G目」にST当り演出を発生させると決定する。つまり、本ART遊技開始時に(AT当選時であってもよい)、ARTゲーム数に基づき、ST当り演出の発生が予定されるゲームを決定する。なお、この演出シナリオには、同一のARTゲーム数であっても、ST当り演出の発生ゲームが様々なケースとなるように、多数の演出シナリオが用意されており、いずれかの演出シナリオが抽選などにより選択的に決定される。重複記載を避けるためにその他の例についての説明は省略するが、上述の例はあくまでも演出シナリオの一例を示したものであり、ST当り演出が発生するゲームが異なる多数の演出シナリオが用意されている。以下、この「ST当り演出」の発生が予定されるゲームを、「ST当り報知ゲーム」と称して説明する。
このように、ST報知タイプの場合は、ST当り報知ゲームでST当り演出が発生し、「ST区間継続」が報知されることで、少なくとも、あと「1セット(50G)のST区間」の継続が保障され、当該ST区間で何らST当り演出が発生することなく50Gを消化した場合は、今回のST区間の終了を以って、本ART遊技が終了されることになる。
上記「ST報知タイプ」の醍醐味は、ST区間中にST当り演出が発生するのか否かに有り、遊技者はST当り演出の発生に期待感を抱きながら、ST区間の1ゲーム、1ゲームに緊張感を持って遊技に興じるようになり、ST当り演出の発生が無いままST区間の終了が近づくにつれて「本ART遊技が終了してしまうかもしれない」という緊張度合いが増していく、といった面白みのある本ART遊技を提供することができる。
(E-3.ST報知タイプの具体例:図12A~図12C、図17A、図17B)
次に図12A~図12C、図17A、図17Bを参照して、上記ST報知タイプの具体例について説明する。図12A~図12Cは、ST報知タイプの一例として、本ARTゲーム数抽選により300G(具体例11)、200G(具体例12)、100G(具体例13)が決定されたケースを代表的に示したものである。また図17A、図17Bは、本ART遊技中に展開される演出態様の一例を示したもので、ST当り演出の説明に供する説明図である。
(具体例11:500Gのケース)
まず図12Aおよび図17A、図17Bを参照して、ARTゲーム数が「300G」であった場合(具体例11)について説明する。
図12Aの具体例11では、ARTゲーム数「300G」、ST当り報知ゲームとして「70G目、100G目、140G目、170G目、200G目、220G目、230G目及び250G目」の計8回(複数回)、ST9連荘が予定される演出シナリオのケースを例示したものである。
(0G目~50G目:疑似当り)
図12Aおよび図17Aを参照して、本ART遊技が開始されると、まず「疑似当り遊技」が開始される。この疑似当り遊技は50G目継続する。疑似当り遊技開始時(0G目)の演出態様は、他の報知形態と同じく、光演出や音演出とともに、液晶画面6aには、図17A(1)示すように、「遊技状態報知演出6y」、「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「ストーリー演出6e」、「背景演出(図示せず)」などの演出が表示される。「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「キャラクタ演出6e」、「遊技状態報知演出6y」、「背景演出」は、遊技進行状況に応じてその演出内容が変化しうる。
そして疑似当り区間が終了となる50G目では、疑似当り区間の終了およびST区間が開始される旨を示す「疑似当り終了演出」が現出される(図17A(2))。図示では、疑似当り遊技中のストーリー演出の一環として、円盤から奇怪な光線が放射され、その怪光線の中に宇宙人が現れる様を表現したキャラクタ画像が表示されている。またここでは、疑似当り終了演出の一環として、図17A(2a)に示すように、残余ゲーム数報知演出6cの表示値がST専用表示に変更され(たとえば、1セット50Gを示す「ST50」の表示に変更される:残余ゲーム数報知演出6cst)、また「遊技状態報知演出6y」は「第二種接近遭遇中」から「第三種接近遭遇危険」の表示に変更される。
(51G目:ST区間開始ゲーム)
疑似当り区間が終了し、次ゲームの51G目になると、ST区間が開始される。このST区間が開始されると、図17A(3)に示すように、「キャラクタ演出6e」や「遊技状態報知演出6y」などがST区間用の演出態様に変更される。具体的には、図示のように、「遊技状態報知演出6y」は、「第二種接近遭遇中」の表示からST区間中を示す「第三種接近遭遇中」の表示に変更され、「キャラクタ演出6e」として、宇宙人が宇宙語を話しているような会話演出が現出される。
(70G目:ST当り報知ゲーム(1回目))
その後、69G消化し(図示略)、遊技進行は図17B(4)の70G目に進む。本ゲームは「ST当り報知ゲーム」となっている。
本例の70G目では、図示の通り、獲得枚数報知演出6bとして「140枚GET」の情報画像、残余ゲーム数報知演出6cとして、残余STゲーム数が「30G」である旨を示す「30」の情報画像、消化ゲーム数報知演出6dとして、本ART遊技を70G消化したことを示す「70」の情報画像が表示されており、また「遊技状態報知演出6y」は、たとえば「第三種接近遭遇中」から「第四種接近遭遇危険」の表示に変更され(図17B(4a))、ST当り演出の発生期待感を煽る予告演出として利用している。
また本実施形態に係るST報知タイプは、ストック報知タイプと同じように、ST当り報知ゲームにおける当選役に応じて、ST当り演出態様が異なるようになっている。この点についての詳細は、上記「(C-2-1.内部当選役に応じた疑似ストック獲得演出)」で説明した内容と実質的に同じであるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(E-2-1.当選役に応じたST当り演出)
ST当り報知ゲームにおいて、演出リプレイ種別が当選したときには、アシスト報知として、当選した演出リプレイに応じた「7リプナビ(本告知)」を現出させ、インパクトのある「赤7図柄揃い」を導出させて祝福演出的にST当りを報知し、ST当り報知ゲーム以外は、「赤7図柄揃い」が闇雲に導出表示されないために、嘘告知をする。図17B(4a)および(4b)の例では、「演出リプレイ123」が当選したケースを示している。一方、それ以外の当選役の場合には、突発的に、ST当り演出を現出することで、遊技者に対して、衝撃的にST継続を報知するようになっている。ただし、ST当り報知ゲームまたはそれ以外の「非ST当り報知ゲーム」の開始を契機に、「チャンス!(期待度高)」「チャンスかも?!(期待度低)」等を表示し、ST当り演出の発生を期待させる「ST当選報知期待演出」を現出させてもよい(「(C-2-1.内部当選役に応じた疑似ストック獲得演出)(イ)(ロ)(ハ)」の記載内容参照)。この場合、ST当り報知ゲームの場合の方が非ST当り報知ゲームよりも現出確率を相対的に高くする。
(ST当り演出態様(ST当り報知):図17B(4a)~(4c))
次に図17B(4)を用いて、ST当り演出態様について説明する。70G目のST当り報知ゲームでは、「演出リプレイ123」が当選したケースを示している。
ここでは「演出リプレイ123」が当選したケースであるので、まず、今回のゲーム開始を契機に「7リプナビ(アシスト報知6g)」が現出される(図17B(4a))。「アシスト報知6g」に従い、遊技者が停止ボタン12を停止操作した場合(全回胴停止時)、回胴側の有効入賞ライン上の「赤7図柄揃い(7リプレイ)」が導出表示され(図17B(4b))、「ST当り報知演出(結果報知演出)6est」が現出される(図17B(4c))。このST当り報知演出6estにより、新たなST区間が継続する旨が報知される。本例の場合、図示のように、液晶画面6aの中央部に円盤から放射された怪光線により動物が連れ去られる様を表現した「キャラクタ演出6est」が現出され、また「遊技状態報知演出6y」が「第四種接近遭遇危険」から「第四種接近遭遇中」の表示に変更され、「残余ゲーム数報知演出6cst」が1セット50Gを示す「ST50」の表示にリセットされる。これにより、遊技者は、新たなST区間(STモード)の実行権利を獲得し、少なくとも、本ART遊技があと50G継続可能であること(トータル継続数120Gが保障されること)を知ることができる。なお、遊技者が目押しに失敗して、7リプレイが導出表示されなかった場合であっても、上記「ST当り報知演出6est」が現出される。
なお図示はしていないが、遊技者に対してST継続の緊張感を与えるべく、ST当り報知ゲームの1または複数ゲーム前から、当該報知ゲームが近づいていることを示唆する「予兆演出」を現出させることができる(たとえば、既に説明した、疑似上乗せ報知タイプに係る図14A(2a)の「キャラクタ演出6e」参照)。また、この予兆演出は、必ずしもST当り報知ゲームを対象として現出させるのではなく、ST当り報知ゲームとは無関係のゲーム数目を対象としたり、非ST当り報知ゲーム)を対象としてもよく、この場合には、予兆演出の内容により、ST当り演出が発生するか否かの期待度を示唆することができる。
(71G目:2連目のST開始ゲーム:図17B(5))
そして、次ゲームの71G目は、2連目のST区間の開始ゲームとなっている。ここでは、連荘時の演出として「ST連荘報知演出6q」が現出される(図17B(5a))。図示の例では、ST連荘を報知する「Alien abduction Completed」とST連荘回数「ST2連目開始」という祝福演出的な情報画像が表示される。また「遊技状態報知演出6y」が「第四種接近遭遇中」からST区間中を示す「第三種接近遭遇中」の表示に変更される。なお、図示はしていないが、押順規定役が当選した場合には、対応するアシスト報知が現出される。このとき、ST連荘開始演出6qよりも当該アシスト報知の表示優先度を高くしたり、空表示領域に際立つように表示したりして、アシスト報知を遊技者が見逃すことのないように強調表示されるようになっている。
(72G目~250G目:図12A)
72G~250Gの間は、ST当り報知ゲームが「100G目、140G目、170G目、200G目、220G目、230G目及び250G目」に到来する。各ST当り報知ゲームでは、既に説明した「70G目」と同様に、ST当り演出が現出し、ST区間がさらに1セット継続されることが報知される。具体的には、図12Aから分かる通り、100G目のST当り報知により少なくともトータル150G(保障ゲーム100G+ST50G(3連目確定))の継続が保障される。その後は、140G目、170G目、200G目、220G目、230G目及び250G目のST当り報知があり、250G目が最後のST当り報知となっている。
(251G目~300G目(本ART終了ゲーム):図12A)
251G目~300G目の間は、ST当り報知が発生せず、300G目では、ST区間の終了を示す「ST終了演出」が現出され、遊技者は、本ART遊技が終了したことを知ることになる。この300G目を以って、今回のST区間が終了し、今回の本ART遊技が終了される。本例の本ART遊技のトータルゲーム数は、50Gの疑似当り遊技と9連荘250GのST区間とを合算した300Gである。なお、ST終了演出では、たとえば、図14B(5)あるいは図16D(2)に示すような、本ARTゲーム終了した旨や最終的に獲得した遊技メダルの枚数情報の他、ST連荘数(本例の場合は、たとえば「ST9連荘達成!!」という情報画像)などが報知される。
(具体例12:200Gのケース)
次に図12Bを参照して、ARTゲーム数が「200G」であった場合(具体例12)ついて説明する。なお上記した具体例11の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
図12Bの具体例12は、ARTゲーム数200G、当り遊技区間50G、ST当り報知ゲームが「70G目、100G目、140G目、150G目」の4回のケースを示している。本例の場合は、ST報知ゲーム4回目となる150G目が最後のST当り報知となっており、ST5連目のST区間(151G~200G)の終了を以って、今回の本ART遊技が終了される。
(具体例13:100Gのケース)
次に図12Cを参照して、ARTゲーム数が「100G」であった場合(具体例13)ついて説明する。図12Cの具体例13は、ARTゲーム数100Gの保障ゲームで終了するケースを示している。本例の場合、初回のST区間中にST当り報知演出が発生せずに、単発で終了するケースとなっている。
(ST報知タイプの変形例1)
本実施形態に係るST報知タイプでは、疑似的なST区間の連荘によりARTゲーム数を消化していく遊技形態について説明したが、疑似当り区間とST区間とを1セットにした「セット型ST」を採用してもよい。本変形例の場合、1セット目が「疑似当り区間(50G固定)+初回ST区間(50G)」となり、当該初回のST区間中にST当り演出(ST当り報知)が現出されれば、2セット目の「疑似当り区間(50G)+初回ST区間(50G)」が開始される、といった遊技形態である。すなわち遊技の流れは、「疑似当り区間(50G固定)→ST区間(1連目)(ST当り報知)→疑似当り区間(50G固定)→ST区間(2連目)(ST当り報知)→疑似当り区間(50G固定)→ST区間(3連目)(ST当り報知)→疑似当り区間(50G固定)(ST当り報知)→ST区間(4連目)→・・・」といった遊技遷移となり、疑似当り区間とST区間とがループする遊技形態である。
また本実施形態に係るST報知タイプでは、疑似当り区間(保障ゲーム数)を有する構成について説明したが、疑似当り区間を設けずに、ST区間を1または複数回繰り返す(連荘させる)ことにより、ARTゲーム数を消化していく遊技形態であってもよい。初回のST区間は、疑似当り区間と等価的な遊技区間として置き換えられるため、連荘しない場合は、初回のST区間の50G、つまり保障ゲームの終了を以って、本ART遊技が終了されることになる。また疑似当り区間やST区間のゲーム数は、50Gに限らず、適宜定めることができる。
第5の実施形態の好ましい形態についてまとめると、次のようになる。なお、第2の実施形態と実質的に同じ構成要素については適宜省略する。
(1)遊技結果表示手段と、始動手段と、役抽選手段と、停止手段と、停止制御手段と、特典遊技を制御する特典遊技制御手段(図12A~図12C)とを備え、遊技結果に応じた遊技価値を付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
特典遊技ゲーム数決定手段(主制御部400、図21)と、
秘匿ゲーム数報知制御手段(本実施形態の場合は、ST当り演出を制御する機能部:たとえば、図17B(4))と、を備え、
前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、セット継続報知制御手段(本実施形態の場合、ST当り報知演出(結果報知演出6est)を制御する機能部:たとえば、図17B(4))を備え、
前記特典遊技制御手段は、前記上限ゲーム数が消化された場合に、必ず前記特典遊技を終了させる(図12A~図12C)、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)前記所定のゲーム目は、今回のセットゲーム中の特定ゲーム目であり、
前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、前記セット継続報知制御手段により前記特定ゲーム目にて前記セット継続報知が実行された場合、新たなセットゲームが開始されたことを疑似的に報知するセット開始報知(ST連荘報知演出6q)を実行するセット開始報知制御手段(ST連荘報知演出6qを制御する機能部:図17B(5a))をさらに備える、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
(3)前記秘匿ゲーム数報知制御手段は、前記特定ゲーム目を何ゲーム目とするかを抽選により決定する特定ゲーム決定手段をさらに備える(たとえば、ARTゲーム数に基づき、複数のST当り報知ゲームを対象に抽選する抽選部)、
ことを特徴とする上記(2)に記載の回胴式遊技機。
また本実施形態は、上記「通常上乗せ報知形態」の構成を有する上記(1)~(3)のいずれかに記載の回胴式遊技機とすることができる。
[第6の実施形態]
(F-1.非シナリオ型上乗せ報知タイプ:図13、図18、図22~図28)
次に図13、図18、および図22~図2を参照して、本発明に係る第6の報知形態(第6の実施形態)の「非シナリオ型上乗せ報知タイプ」について詳細に説明する。
(F-2.非シナリオ型上乗せ報知タイプの概要)
「非シナリオ型上乗せ報知タイプ」の理解を容易なものとするために、先ずその概要を説明しておく。この「非シナリオ型上乗せ報知タイプ」は、上記「上乗せ抽選機能」を備えた回胴式遊技機(疑似的な上乗せ報知を行うような「疑似上乗せ報知タイプ」ではなく、真の上乗せ抽選機能を備えたタイプ)のように、上乗せ抽選による上乗せゲーム数が加算されていくことにより本ART遊技の継続ゲーム数を増加させていくタイプであるが、最大継続ゲーム数が規制ゲーム数(1500G)を超えることのないように上乗せゲーム数を制御する構成となっている。したがって、上記「非シナリオ型上乗せ報知タイプ」は、遊技者の引き次第で本ART遊技の継続ゲーム数(ARTゲーム数)を伸ばしていくことができるが、最大継続ゲーム数(最大ARTゲーム数)が規制ゲーム数を超えることがないように遊技動作が制御される。この点で、本例を「非シナリオ型上乗せ報知タイプ」と称している。なおここでは、上記した「疑似上乗せ報知タイプ」の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。また本実施形態に係る非シナリオ型上乗せ報知タイプは、図21に示す「ARTゲーム数抽選」は実行されず、初期のARTゲーム数(保障ゲーム数)が50Gからスタートし、当該ARTゲーム数は、後述する上乗せ抽選(図22~図26参照)によりゲーム数が上乗せされていくようものとして扱う。
非シナリオ型上乗せ報知タイプの最大の特徴点は、次の点にある。非シナリオ型上乗せ報知タイプの場合、本ART遊技の最大継続ゲーム数が規制ゲーム(1500G)に制限されてしまうので、本実施形態の上乗せ可能ゲーム数は、規制ゲーム数の1500Gから保障ゲーム数の50G(固定ゲーム)を差し引いた1450Gが上乗せゲーム数の限界値(以下、「上乗せ限界値」と称する)となる。したがって、上乗せゲーム数が1450Gに達していた場合、それ以上の上乗せができない。そのため、上乗せ抽選の実行自体を禁止あるいは制限して、上乗せ抽選を実行しない、あるいは上乗せ抽選は実行するが「上乗せゼロゲーム」が100%当選したとして処理して上乗せを実質的に無効化する。ただし本実施形態の場合、通常遊技から本ART遊技に突入するまでに要したゲーム数は無視するものとして説明しているので、通常遊技(AT当選ゲーム)~本ART遊技が開始されるまでに消化されたゲーム数(ART到達前消化ゲーム数)は考慮されていないが、正確には、ART到達前消化ゲーム数も規制ゲーム数としてカウントされ、ART到達前消化ゲーム数も上乗せ限界値を定めるにあたり考慮されることになる。つまり、上乗せ限界値は、正確には、「規制ゲーム数(1500G)-ART到達前消化ゲーム数X(変動ゲーム数)-保障ゲーム数Y(固定の50G)=上乗せ限界値NR」となり、ART到達前消化ゲーム数Xの値により、上乗せ限界値は変動することになる。
しかし、上乗せが無効化されると、本来であれば、上乗せ抽選契機役に当選して上乗せ抽選の権利を得ているにもかかわらず、上乗せ抽選が禁止/制限(以下単に「禁止」と略す)されてしまう。すなわち、上乗せ抽選契機役の当選が単なる「引き損」となってしまい、遊技者の不満感が増したり、本ART遊技が単なる消化遊技の様相を呈してしまい、遊技者の遊技興趣が低下してしまう。
そこで本実施形態では、現在の上乗せゲーム数の合計値N(総上乗せゲーム数)が上乗せ限界値NRに達するまでは(総上乗せゲーム数N<上乗せ限界値NR)、上乗せ抽選の実行を許容する「上乗せ抽選許可状態」に制御し、総上乗せゲーム数Nが上乗せ限界値NRに達した場合には(総上乗せゲーム数N≧上乗せ限界値NR)、上乗せ抽選の実行を禁止(制限)する「上乗せ抽選禁止状態」に制御する一方(後述の図27、図28、図13の設定示唆演出現出区間)、当該禁止状態中に上乗せ抽選契機役に当選した場合、上記「設定値」に関する情報を報知する「設定示唆演出」を現出可能となっている。
この「設定示唆演出」とは、遊技者に対して設定値の推測要素を与える(設定値を暗示(示唆)する)演出または設定値を確定的に報知する演出を指す。設定値は遊技者の利益を大きく左右する重要な要素である。したがって、高設定の遊技台で遊技に興じることが、遊技者の最大の関心事の一つであるといえる。本実施形態では、設定示唆演出として、低設定(設定1~3)を暗示する「低設定示唆演出」、偶数設定(設定2、4、6)を暗示する「偶数設定示唆演出」、奇数設定(設定1、3、5)を暗示する「奇数設定示唆演出」、高設定(設定4~6)を暗示する「高設定示唆演出」、最高設定値の「設定6」を確定的に報知する「設定6確定演出」などを設け(後述の図28参照)、遊技者に対して設定値の推測要素を与えることにより、単なる「引き損」とはならないようにしている。
(本ART遊技中上乗せ抽選テーブル:図22~図27)
本実施形態に係る上乗せ抽選について説明する。本実施形態の上乗せ抽選は、演出制御部410側(上乗せ抽選手段)において、現在の総上乗せゲーム数に応じた「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル」に基づき実行される。
図22~図27に「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル(以下、「上乗せ抽選テーブル」と略す)」を示す。図22~図26は、それぞれ、総上乗せゲーム数が「0~50G」、総上乗せゲーム数が「51~100G」、図24は、総上乗せゲーム数が「1301~1350G」、図25は、総上乗せゲーム数が「1351~1400G」、図26は、総上乗せゲーム数が「1401~1449G」の場合に参照される上乗せ抽選テーブルを示し、図27は上乗せ限界値に達した場合に参照される「特殊上乗せ抽選テーブル(上乗せ限界値到達用)」を示す。
本実施形態では、総上乗せゲーム数が50G(テーブル変更ゲーム数)に達するごとに、他の上乗せ抽選テーブルへと変更(切替)制御されるようになっている。このようにする理由は、第1に、すべての総上乗せゲーム数に対応した上乗せ抽選テーブルを設けるのは、闇雲に制御負担が増加してしまうという問題を招来する、第2に、テーブル変更ゲーム数を、無闇に広くとってしまうと(たとえば、テーブル変更ゲーム数が500G)、繊細な上乗せゲームの設定ができず、遊技性の自由度を阻害してしまうからである。なお本実施形態では、ART到達前消化ゲーム数)は考慮せず、保障ゲーム数を50Gであるとして説明しているので、本ART遊技の最少継続ゲーム数は50G、上乗せ限界値は、規制ゲーム1500Gの関係上、「1450G」である。したがって、重複記載を避けるために図示はしていないが、図22~図27に示す抽選テーブル以外にも、総上乗せゲーム数が51~100G用、101~150G用、・・・、1251~1300G用、1301G~1350G用などの、総上乗せゲーム数に応じた複数種類の抽選テーブルが設けられている。
図22~図25の上乗せ抽選テーブルには、各図に示す通り、特定の当選役種別(上乗せ抽選契機役種別)に応じた上乗せゲーム数(図示の「上乗せG数」欄)およびその抽選確率が定められている。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ(65536)に対する判定値(当選領域)の占有領域数であり、上乗せ抽選確率は、図示の「判定値/抽選領域の大きさ(65536)」で規定される。なお、図26および図27に示す上乗せ抽選テーブルは、図22~図25示す上乗せ抽選テーブルとは、性格が異なるため、追って説明する。
上記「上乗せ抽選契機役」には、図示の通り、特定の小役と特定の再遊技役とが設けられている。なお、上乗せ抽選契機役については適宜定めることができる。たとえば、小役種および/または再遊技役種で構成してもよいし、ハズレを除いてもよいし、特別役を含ませてもよい。また上乗せ抽選契機役は、1または複数種類設けることができる。以下、説明の便宜上、弱チェリー、弱スイカ、演出リプレイ、ハズレおよび共通ベルAを「弱上乗せ役」、強チェリーおよび強スイカを「強上乗せ役」と称する場合がある。
また抽選対象の上乗せゲーム数として複数種類のゲーム数が用意されている。基本的には、役抽選による当選確率(内部当選確率)が低い役ほど、上乗せ抽選に当選し易く、また相対的に多い上乗せゲーム数が抽選されうるようになっている。本実施形態の場合、強上乗せ役の方が弱上乗せ役よりも上乗せされ易く、またその上乗せゲーム数も相対的に多いゲーム数が上乗せされる。また全役中、内部当選確率が最も低い「チャンスリプレイ」については、大量上乗せが約束される「プレミアム役」となっている。また例外として、たとえば、「弱チェリー」の場合、内部当選確率がレア役のうちでも比較的高い当選確率であるが、極めて低確率で「1000G」という大量上乗せが発生しうる(図22の弱チェリー役の欄参照)。なお、上乗せを発生させる場合、フリーズ演出により上乗せを報知してもよい。またフリーズ種別により、上乗せの多寡を報知可能に構成してもよい。たとえば、NフリーズよりもSPフリーズの方が、変則回転動作を伴う派手なフリーズ演出を行うことに着目し、SPフリーズが発生した場合は、Nフリーズが発生した場合よりも相対的に多い上乗せゲーム数が報知させるように構成してもよい。また、フリーズ演出種別により、上乗せゲーム数の多寡の期待度を報知可能に構成してもよい。たとえば、NフリーズよりもSPフリーズが発生した場合の方が、相対的に多い上乗せゲーム数に当選した期待度を報知し、フリーズ演出中あるいはフリーズ演出終了後の所定の演出にて、上乗せゲーム数を報知することができる。
本実施形態の場合、総上乗せゲームが上乗せ限界値に達するまでは、上乗せ抽選が通常通り実行される。総上乗せゲームが50Gまでは、まず図22の「上乗せ抽選テーブル(0-50G用)」が参照されて、上乗せ抽選が実行され、その後は、総上乗せゲーム数に応じて、各上乗せ抽選テーブルが参照されるようになっている。
なお、演出リプレイによる上乗せ抽選に当選した場合、インパクトのある上乗せ演出を実現するために、本告知を発生させて「赤7図柄揃い」を導出表示させ、上乗せ抽選非当選の場合には嘘告知をすることが好ましい。また上乗せ抽選非当選の場合、ガセの上乗せ演出を現出させて、遊技者の上乗せ期待感を煽るようにしてもよい。
また、上乗せ報知を実行する場合には「上乗せ報知演出」が現出されるが、当該演出態様については、たとえば、図13A(3)に示す「疑似上乗せ演出」と同じように、上乗せゲーム数が報知される演出態様となっている。また、重複記載のため図示は省略するが、「遊技状態報知演出6y」、「獲得枚数報知演出6b」、「残余ゲーム数報知演出6c」、「消化ゲーム数報知演出6d」、「ストーリー演出(キャラクタ演出)6e」などの演出も現出されるようになっている。
ただし本実施形態の場合、疑似的な上乗せ抽選ではなく、実際の上乗せ抽選により上乗せゲーム数を獲得していくタイプであるので、疑似上乗せ演出で報知される「上乗せゲーム数」は、疑似的な上乗せゲーム数ではなく、実際に上乗せされるゲーム数が報知される。また、残余ゲーム数報知演出6cで報知される「残余ARTゲーム数」は、遊技者が実際に上乗せ抽選により獲得した上乗せゲーム数が加算表示される。すなわち、この第6の実施形態は、第1~第5の実施形態のように、秘匿中の残余ARTゲーム数の一部または全部が演出的に報知(開示)される、というものではなく、従来の上乗せ抽選機能付き回胴式遊技機のように、上乗せ抽選で実際に上乗せされた上乗せゲーム数や、内部的な残余ARTゲーム数が報知されることになる。
(非シナリオ上乗せ報知タイプの具体例)
次に図13を参照して、上記非シナリオ上乗せ報知タイプの具体例(具体例14)について説明する。ここでは本実施形態の説明を簡易なものとするために、稀なケースではあるが、たとえば、「5G目」に、強スイカ(抽選番号24)当選による上乗せ「70G」に当選し(総上乗せゲーム70G)、「10G目」にチャンスリプレイ(抽選番号22)当選による上乗せ「1250G」に当選し(総上乗せゲーム1320G)、「15G目」に演出リプレイ(たとえば、演出リプレイ123(抽選番号17))当選による上乗せ「50G」に当選し(総上乗せゲーム1370G)、「30G目」に、再度、演出リプレイ123(抽選番号17)当選による上乗せ「50G」に当選し(総上乗せゲーム1420G)、「40G目」に、強チェリー(当選番号26)が当選したケースを代表例として示している。
(1G目~4G目)
図13に示す具体例14の場合、1G目~4G目までは、上乗せ抽選契機役に当選せず、上乗せ抽選自体が行われない。
(5G目:上乗せ抽選契機役(強スイカ)の当選)
5G目では、上乗せ抽選契機役である「強スイカ(抽選番号24)」に当選し、上乗せ抽選が実行される。5G目における上乗せ抽選では、現在の総上乗せゲーム数は「0G」であるので、図22の「上乗せ抽選テーブル(0-50G用)」が参照される。本例では、5G目で上乗せ「70G」に当選したケースについて説明しているので、次ゲーム(6G目)以降の上乗せ抽選では、総上乗せゲーム数「70G」に対応する、図23の「上乗せ抽選テーブル(51-100G用)」が参照されることになる。
ここで、図23の「上乗せ抽選テーブル(51-100G用)」を参照すれば、抽選対象となる上乗せゲーム数が、図22の「上乗せ抽選テーブル(0-50G用)」とは、異なるゲーム数となっている。特徴的な点は、図22の「上乗せ抽選テーブル(0-50G用)」では最大上乗せゲーム数が1400Gに制限されており、図23の「上乗せ抽選テーブル(51-100G用)」の場合、最大上乗せゲーム数が1350Gに制限されている点(図23および図24の抽選番号22の「チャンスリプレイ」の欄参照)、つまり、総上乗せゲームに応じて、最大上乗せゲーム数が異なる値となっている。これは、規制ゲーム(1500G規制)の関係上、総上乗せゲームが0~50Gまでは最大上乗せゲーム数を1400Gまでに抑え、同様に、総上乗せゲームが51~100Gまでは最大上乗せゲーム数を1350Gまでに抑えるように、上乗せゲーム数の範囲を調整しているからである。詳述すれば、総上乗せゲームが0~50Gの範囲内における最大消化ゲーム数、つまり、本ART遊技の最大継続ゲーム数は「保障ゲーム数50G+総上乗せゲームの最大値50G(上乗せ抽選テーブルが変更される上乗せゲーム数)」の‘100G’となる。本実施形態では、この最大消化ゲーム数となる100G目に上乗せがあった場合、規制ゲーム数である1500Gを超えないように、上乗せゲーム数の最大値を定めてある。すなわち、総上乗せゲームが0~50Gの範囲内の最大上乗せゲームは「1500G-100G」の1400Gとなる。同様に、総上乗せゲームが51~100Gの範囲内ときの最大消化ゲーム数は「保障ゲーム数50G+総上乗せゲームの最大値100G」の150Gとなり、最大上乗せゲームは「1500G-150G」の1350Gとなる。他の上乗せ抽選テーブルも同様にして、図24の「上乗せ抽選テーブル(1301-1350G用)」では、最大上乗せゲーム数を100G、図25の「上乗せ抽選テーブル(1351-1400G用)」では、最大上乗せゲーム数を50Gまでに抑えるように、上乗せ抽選対象となる上乗せゲーム数の範囲が定められている。
本実施形態では、総上乗せゲームの増加に伴い、各上乗せ抽選テーブルにおける最大上乗せゲーム数が、消化ゲーム数と規制ゲーム数とを考慮した値に設定されている。すなわち、上乗せ抽選により決定される上乗せゲーム数に関して、上乗せによる本ART遊技のゲーム数が規制ゲーム数を超えないように、上乗せ抽選対象の上乗せゲーム数を調整可能な構成となっている(図22~図26)。
(10G目:上乗せ抽選契機役(チャンスリプレイ)の当選)
再び説明に戻り、10G目では、上乗せ抽選契機役である「チャンスリプレイ(抽選番号22)」に当選し、上乗せ抽選が実行される。ここでの上乗せ抽選では、現在の総上乗せゲーム数「70G」であることに基づき、図23の「上乗せ抽選テーブル(51-100G用)」が参照される。本例の場合、大量上乗せ「1250G」に当選したケースについて説明しているので、今回のゲームで現在の総上乗せゲームが1320G(5G目の上乗せ「70G」+10G目の上乗せ「1250G」)となる。したがって、次ゲーム(11G目)以降の上乗せ抽選では、総上乗せゲーム数「1320G」に対応する、図24の「上乗せ抽選テーブル(1301-1350G用)」が参照されることになる。
(15G目:上乗せ抽選契機役(演出リプレイ)の当選)
次いで、15G目では、上乗せ抽選契機役である「演出リプレイ(たとえば、演出リプレイ123(抽選番号17))」に当選し、上乗せ抽選が実行される。ここでの上乗せ抽選では、現在の総上乗せゲーム数「1320G」であることに基づき、図24の「上乗せ抽選テーブル(1301-1350G用)」が参照される。また本ゲームでは、演出リプレイ当選であるので、本告知による「7リプナビ」が現出され、遊技者が7リプナビに従う押し順で停止ボタン12を操作すれば、赤7図柄揃いが導出されるとともに、上乗せ報知演出が現出される。本例の場合、上乗せ「50G」に当選したケースについて説明しているので、今回のゲームで現在の総上乗せゲームが1370G(5G目の上乗せ「70G」+10G目の上乗せ「1250G」+15G目の上乗せ「50G」)となる。したがって、次ゲーム(16G目)以降の上乗せ抽選では、総上乗せゲーム数「1370G」に対応する、図25の「上乗せ抽選テーブル(1351-1400G用)」が参照されることになる。
(30G目:上乗せ抽選契機役(演出リプレイ)の当選)
次いで、30G目では、再度、「演出リプレイ123」に当選して、上乗せ抽選が実行される。ここでの上乗せ抽選では、現在の総上乗せゲーム数「1370G」であることに基づき、図25の「上乗せ抽選テーブル(1351-1400G用)」が参照される。本例の場合、上乗せ「50G」に当選したケースについて説明しているので、今回のゲームで現在の総上乗せゲームが1420G(5G目の上乗せ「70G」+10G目の上乗せ「1250G」+15G目の上乗せ「50G」+30G目の上乗せ「50G」)となる。したがって、次ゲーム(31G目)以降の上乗せ抽選では、総上乗せゲーム数「1420G」に対応する、図26の「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」が参照されることになる。
(40G目:上乗せ抽選契機役(強チェリー)の当選)
次いで、40G目では「強チェリー(当選番号26)」して、上乗せ抽選が実行され、
図26の「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」が参照される。この「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」は、上乗せ限界値未満において参照される、最終的な上乗せ抽選テーブルである。
(「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」について:図26)
「上乗せ抽選テーブル(1451-1499G用)」は、他の上乗せ抽選テーブルとは異なり、特殊な構成となっている。本実施形態では、総上乗せゲーム数が1450Gに達した場合、規制ゲーム(1500G)の関係上、これ以上は上乗せすることができない。仮に、いくら上乗せをしたとしても、有利区間の消化ゲーム数が規制ゲームに達した場合は、実行中の本ART遊技が強制的に終了され、通常遊技に移行されるからである。
したがって、本来ならば比較的多い上乗せゲームが獲得できる上乗せ抽選対象役であっても、数十G程度しか上乗せされない可能性が高くなり、このような事態は、遊技者の遊技意欲を減退させる恐れがある。このような事情を考慮し、本実施形態では、総上乗せゲームが1401G~1449Gで上乗せ抽選に当選した場合は、残りの上乗せ可能ゲーム数によらず、上乗せ限界値(本実施形態の場合は1450G)となる上乗せゲーム数を付与するとともに、当該上乗せ限界値への到達を祝福する「到達時祝福演出」が現出されるようになっている。
(到達時祝福演出態様について)
この「到達時祝福演出」には、図26の「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」に示す通り、「MAX表示1」と「MAX表示2」という複数種類の祝福演出が用意されており、抽選によりいずれかの演出が選択されるようになっている。
上記「MAX表示1」は、たとえば、最大上乗せゲームへの到達を祝福する特定のキャラクタ演出6eや特定の背景表示などが現出される。これに対して「MAX表示2」は、「MAX表示1」の演出内容に加え、上記「設定示唆演出」が現出されるようになっている。したがって、「MAX表示2」は、設定示唆演出が現出されるという点で、「MAX表示1」よりも遊技者にとり有利に作用する演出となっている。
上記「MAX表示1」は、図26の判定値の欄に示す通り、主に、上乗せ抽選の当選確率が相対的に低い上乗せ抽選契機役や相対的に少ない上乗せゲーム数が当選し易い上乗せ抽選契機役(たとえば、ハズレ、弱上乗せ役など)の場合に現出され易くなっている。他方、「MAX表示2」は、上乗せ抽選の当選確率が相対的に高い上乗せ抽選契機役や相対的に多い上乗せゲーム数が当選し易い上乗せ抽選契機役(たとえば、チャンスリプレイや強上乗せ役など)の場合に現出され易くなっている。すなわち「MAX表示2」は、上乗せ抽選契機役のうち、特にレア度が高い役を引いた時の‘引き損感’を遊技者に与えないようにするため、遊技者に有利な情報を報せる「設定示唆演出」を付加的に発生させるようになっている。なお、「設定示唆演出」として、どのような演出態様(低設定示唆演出、偶数設定示唆演出、奇数設定示唆演出、高設定示唆演出、設定6確定演出など)を現出させるかについては、後述の図28に示す「設定示唆演出抽選テーブル」とに基づいて決定される。
具体例14の場合、40G目(当該ゲームの総上乗せゲーム「1420G」)に、強チェリー(当選番号26)に当選したケースであるので、図26の「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」の強チェリー(当選番号26)に対応する欄が参照される。強チェリーの場合は、上乗せ限界値到達となる30Gの上乗せゲーム数を付与するとともに、抽選により「MAX表示1」または「MAX表示2」のいずれかの「到達時祝福演出」を現出されることになる。
(到達時祝福演出態様:図18)
図18に、本実施形態の到達時祝福演出を示す。図18は、上記「MAX表示2(設定示唆演出付き到達時祝福演出)」が現出されたケースを示している。
図示の例において、まず上乗せ抽選に当選すると、その当選を報知するキャラクタ演出6e(宇宙人群画像)が現出される(図18(イ))。またここでは、具体例14の40G目について説明しているので、残余ゲーム数報知演出6cとして「1430(「40G目までの総上乗せゲーム数1420+保障ゲーム50G-消化ゲーム数40G」の1430G)」の残余ARTゲーム数の存在を示す情報画像、消化ゲーム数報知演出6dとして40G消化を示す「40」の情報画像などが表示されている。
次いで、上乗せ限界値に到達した旨を報知するキャラクタ演出6meが現出され(図18(ロ))、また残余ゲーム数報知演出6cの表示が上乗せ限界値に到達した旨を示す「MAX」の情報画像に変更表示される。図示の例では、キャラクタ演出6meとして、液晶画面6aに、特定のキャラクタ画像による会話演出が表示されている。このとき、「MAX表示2」の到達時祝福演出の場合には、図示のように、設定示唆演出(宇宙人登場演出(宇宙人画像)77)が現出されるが、「MAX表示1」の場合には、このような設定示唆演出は現出されない。本例では、宇宙人画像77における宇宙人の配色パターンにより、内部的な設定値が示唆(暗示)されるようになっている。たとえば、宇宙人の体の色が白色の場合は「低設定示唆演出」、青色の場合は「偶数設定示唆演出」、黄色の場合は「奇数設定示唆演出」、赤色の場合は「高設定示唆演出」、灰色の場合は「設定6確定演出(プレミアム演出)」などである。
次いで、上記会話演出の台詞が変化し、残余ゲーム数報知演出6cの表示が、上乗せ限界値である1450Gが上乗せされた値、「1460」(ここでは、1450G+保障ゲーム50G-消化ゲーム数40G=1460G)に変更表示され、一連のMAX表示2(到達時祝福演出)が終了される。
(上乗せ限界値に達した以後のゲームについて:図13の設定示唆演出現出区間)
上乗せ限界値である1450Gが上乗せされた以後のゲーム(ここでは、40G目以降)は、上乗せ抽選が実行されないように制御され、ARTゲームに対する上乗せが発生しない遊技状態下(上乗せ抽選禁止状態)に置かれる。しかし、上乗せ抽選禁止状態中に上乗せ抽選契機役に当選した場合、「設定示唆演出抽選」に当選した場合に、設定示唆演出が現出されうるようになっている。本例の場合、図13に示す「設定示唆演出現出区間」が、上乗せ抽選禁止状態中のゲーム区間に相当する。
(特殊上乗せ抽選テーブル(上乗せ限界値到達用):図27)
上記「設定示唆演出抽選」は、図27に示す「特殊上乗せ抽選テーブル(上乗せ限界値到達用)」に基づいて実行される。この「特殊上乗せ抽選テーブル」には、図27に示す通り、上乗せ抽選契機役に応じて「設定示唆演出」の現出(実行)確率が定められている。設定示唆演出の現出確率については、基本的には、役抽選による当選確率(内部当選確率)が低い役ほど当選し易い傾向に定めてある。たとえば、弱チェリーに当選した場合には、6553/65536、チャンスリプレイの場合には、65536/65536の確率(100%)で設定示唆演出が現出される。また本実施形態の場合、ハズレ、演出リプレイおよび共通ベルAは、相対的に低い確率となっている。なお例外として、強上乗せ役のうち、内部当選確率の低い強スイカよりも強チェリーの方が高確率で設定示唆演出が現出されるようになっている。
上記特殊上乗せ抽選テーブルによる「設定示唆演出抽選」に当選した場合、次いで「設定示唆演出種別抽選」を実行し、設定示唆演出種別を決定する。具体的には、「低設定示唆演出」「偶数設定示唆演出」「奇数設定示唆演出」「高設定示唆演出」「設定6確定演出」のうちからいずれの設定示唆演出を現出させるかを抽選により決定する。設定示唆演出種別については、上記した宇宙人画像77における宇宙人の配色パターンにより、内部的な設定値が示唆(暗示)されるようになっている。
(設定示唆演出抽選テーブル:図27)
上記「設定示唆演出種別抽選」は、図27に示す「設定示唆演出抽選テーブル」に基づいて実行される。設定示唆演出抽選テーブルには、設定値1~6のそれぞれに対応する抽選テーブルが設けられており、上乗せ抽選契機役と設定示唆演出種別とが関連付けて定められており、所定の確率でいずれかの設定示唆演出が決定されるようになっている。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ256に対する判定値(当選領域)の占有領域数である。
本実施形態では、設定値1~6の各設定示唆演出抽選テーブルに、次のような特徴を持たせている。強上乗せ役(強スイカ、強チェリーなど)は、弱上乗せ役よりも(弱スイカ、弱チェリーなど)信頼度が高い設定値示唆を行う。つまり、上乗せ抽選の実行が禁止される替わりに、上乗せ抽選に当選し易い役または高上乗せゲーム数に当選し易い役の場合には、現在の設定値を暗示する設定示唆演出が選択され易く、設定推測要素として、信頼度が高い情報を遊技者に与えるようになっている。たとえば、設定1の設定示唆演出抽選テーブルを参照して、現在の設定値が最低設定かつ奇数設定である「設定1」である場合、「低設定示唆演出」が選択される割合に着目すれば、弱いチェリーの60/256、強チェリーの72/256となっており、強チェリーの方が、低設定示唆演出が現出され易くなっている。また「奇数設定示唆演出」が選択される割合に着目すれば、強チェリーの100/256に対し、弱いチェリーは84/256となっており、強チェリーの方が、奇数設定示唆演出が現出され易くなっている。したがって、強チェリー(強上乗せ役)の方が弱チェリー(弱上乗せ役)よりも、現在の設定値の看破要素が強く現れることになり、設定推測に役立つ上乗せ抽選契機役であるといえる。他の設定2~6の各設定示唆演出抽選テーブルについても、上述した強上乗せ役と弱上乗せ役との関係性を持つように定められている。
また、各設定値に係る設定示唆演出抽選テーブルにおいて、上乗せ抽選および上乗せゲーム数が最も優遇される「チャンスリプレイ(プレミアム役)」については、設定示唆演出抽選においても他の上乗せ抽選契機役よりも優遇されており、信頼度が高い設定値示唆、換言すれば、設定看破要素が非常に強い情報が提供されるようになっている。具体的には、チャンスリプレイが当選した場合、現在の設定値が設定1~2であるときは、「低設定示唆演出」が256/256(100%)の割合で選択される。また中間設定での設定3である場合には「低設定示唆演出」が224/256(87.5%)、「奇数設定示唆演出」が32/224(12.5%)、高設定領域となる設定4である場合には「高設定示唆演出」が256/256(100%)、設定5である場合には「奇数設定示唆演出」が32/224(12.5%)、「高設定示唆演出」が224/256(87.5%)、最高設定の設定6である場合には「高設定示唆演出」と「設定6確定演出」とがそれぞれ128/256(50%)の割合で選択されるようになっている。したがって、チャンスリプレイ当選時に「低設定示唆演出」が現出されれば、設定1、2が確定し、「高設定示唆演出」が現出されれば、設定4、5、6のいずれかが確定する。
なお「設定示唆演出」は、上乗せ抽選契機役が当選した当該ゲームの任意のタイミングで現出させることができる。たとえば、ゲーム開始を契機としてもよいし、第1~第3番目のいずれかの停止ボタン12の操作を契機としてもよいし、全回胴停止を契機(遊技結果の導出表示を契機)としてもよいし、遊技メダルの払い出し終了を契機としてもよい。
以上のように、非シナリオ型上乗せ報知タイプでは、図22~図26の特別な上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選機能を備えることにより、法的要請にも対応しつつ、従来の上乗せ抽選機能タイプの遊技性を実現することができる。また、上乗せ限界値に達した以降のゲーム区間において上乗せ抽選契機役に当選した場合には、遊技者に有益な情報を提供しうる「設定示唆演出」を現出させることができる(図27および図28)。これにより、規制ゲームがもたらす「引き損感」を遊技者に与えないようにすることができる。本実施形態によれば、法的要請に対応する、従来の遊技性を踏襲する、規制ゲームがもたらす「引き損感」を与えない、という、斬新性のある遊技機を提供することができる。
(非シナリオ型上乗せ報知タイプの変形例1)
上記で説明した、本実施形態に係る非シナリオ型上乗せ報知タイプは、図21に示す「ARTゲーム数抽選」を実行せずに、初期のARTゲーム数(保障ゲーム数)が固定ゲーム数(50G)からスタートするものと説明した。しかし本発明はこれに限らず、「ARTゲーム数抽選」によって決定されるような、変動的なゲーム数であってもよい。ただし、抽選対象ゲーム数は、規制ゲーム数の範囲内で定められた複数種類のゲーム数を対象とする。この場合、ARTゲーム数抽選により決定されたゲーム数(初期のARTゲーム数)に基づき、上乗せ限界値に応じた上乗せ抽選テーブルを利用すればよい。たとえば、保障ゲーム数が1400Gである場合は、上乗せ限界値は「100G」であるので、総上乗せゲームが0G~50G間は、図25の「上乗せ抽選テーブル(1351-1400G用)」のように、最大上乗せゲーム数を50Gまでに抑えた上乗せ抽選テーブルを利用し、総上乗せゲームが51G目~99G目間は、図26の「上乗せ抽選テーブル(1401-1449G用)」のように、上乗せ限界値となる上乗せゲーム数を付与するとともに、「到達時祝福演出(MAX表示1、2)」を現出させうる上乗せ抽選テーブルを利用することができる。ただし、本変形例においても通常遊技から本ART遊技に突入するまでに要したゲーム数は無視するものとして説明しているので、正確には、上乗せ限界値を定める際には、上記ART到達前消化ゲーム数も含めたものとし、その上乗せ限界値に応じた上乗せ抽選テーブルを選択すればよい。
(非シナリオ型上乗せ報知タイプの変形例2)
なお第6の実施形態に係る上乗せ抽選機能(上乗せ抽選によりARTゲーム数を増加させる形態)は、上記第1~5に係る報知形態にも適用することができる。たとえば、上記第1~5に係る報知形態の場合、ARTゲーム数を、100G(最少ゲーム数:保障ゲーム数)~1200G(最大ゲーム数)の範囲内のうち、あらかじめ定められたゲーム数を抽選対象とし、規制ゲーム数の1500Gまで、ART到達前消化ゲーム数を考慮して、300G分の余裕幅を設けている。
ここで、既に説明したように、ART到達前消化ゲーム数は、最大でも概ね150ゲーム程度とされるので、ARTゲーム数として、最大ゲーム数の1200Gが抽選された場合であっても、規制ゲームに達するまで、150G程度の余裕が残されている。この点に着目し、ARTゲーム数抽選より決定されたARTゲーム数が、規制ゲーム未満である場合、第6の実施形態に係る上乗せ抽選を実行可能に構成してもよい(通常上乗せ報知形態)。たとえば、今回のARTゲーム数が1000Gであり、規制ゲームまで500Gの余裕ゲーム数がある場合には、この500G分を、上乗せ抽選による上乗せが可能な「上乗せ可能ゲーム数」として定めることができる。なお、実際のARTゲーム数は、既に説明したように、ART到達前消化ゲーム数により多少変動するものであるが、少なくとも上乗せ可能ゲーム数がある場合には、そのゲーム数分が上乗せされるまで、上乗せ抽選を実行可能なゲーム区間として定めることができる。具体的には、「規制ゲーム数-ARTゲーム数(保障ゲーム数を含むゲーム数)-ART到達前消化ゲーム数=上乗せ抽選可能ゲーム数>0」の関係を満たす場合に、上乗せ抽選を実行可能に制御し(上乗せ抽選許可状態に制御)、上乗せ可能ゲーム数が上乗せ抽選による上乗せ限界値に達した場合には、上乗せ抽選の実行を禁止する(上乗せ抽選禁止状態に制御)。そして「上乗せ抽選禁止状態」中は、上記「設定示唆演出抽選区間」として機能させることができる。
なお、今回のゲームで上乗せ抽選を実行するか否かは、第1の実施形態の場合は「真/ガセの上乗せ報知ゲーム」、第2の実施形態の場合は「報知ゲーム」、第3の実施形態の場合は「ストック報知ゲーム/ストック放出ゲーム」、第4の実施形態の場合は「フリーズ上乗せ報知ゲーム/上乗せ報知ゲーム」、第5の実施形態の場合は「ST当り報知ゲーム」のゲーム数目を考慮して、上乗せ抽選の実行/非実行を定めればよく、たとえば、各実施形態の特徴的な演出と、上乗せ演出とを重複的に現出させない場合には、当該報知ゲーム以外のゲームで、上乗せ抽選の実行を許容すればよいし、重複的に発生させることでインパクトのある演出を現出させる場合には、当該報知ゲームとは無関係に、上乗せ抽選の実行を許容すればよい。
本変形例に係る「上乗せ抽選許可状態」に制御される期間は、本ART遊技中の全期間としてもよいし、下記(チ)~(ヌ)の特定の遊技期間としてもよい。
(チ)本ART遊技中(ARTゲーム数)の一部の期間を上乗せ抽選許可状態に制御することができる。たとえば、本ART遊技中の消化ゲーム数が所定のゲーム数に達するまでの間、上乗せ抽選許可状態に制御することができる。所定のゲーム数を何ゲームとするかは、特に制限はないが、本ART遊技の継続はARTゲーム数抽選で決定されたゲーム数に制限されるので、当該ゲーム数の範囲内であれば、任意のゲーム数に定めることができる。たとえば、保障ゲームが消化されるまでとしてもよい。
(リ)また消化ゲーム数ではなく、たとえば、保障ゲームまたは少なくとも1つの区切りゲーム間(たとえば、100G間や200G間)を複数の遊技区間に分け、そのうちの少なくとも1つの区間を上乗せ抽選許可状態に制御することができる。たとえば、保障ゲームを前半区間(1~25G目)と後半区間(26G~50G目)とに分け、当該後半区間を上乗せ抽選許可状態に制御することができる。
(ヌ)また特定役に当選したことを条件に、上乗せ抽選許可状態に制御することができる。特定役は特に制限されず、適宜定めることができるが、当選確率の低いチャンスリプレイや、強上乗せ役などであることが好ましい。また上乗せ抽選許可状態の開始ゲームは、特定役が当選した当選ゲームの次ゲームであってもよいし、当該当選ゲームから所定のゲーム数が消化された後のゲームであってもよい。また上乗せ抽選許可状態の終了条件は、所定のゲーム数を消化した場合や、終了契機役(たとえば、弱上乗せ役やハズレ)に当選した場合とすることができる。また上乗せ抽選許可状態の期間を、ARTゲーム数が消化されない特殊区間としてもよい。たとえば、40G目に上乗せ抽選許可状態が開始され、上乗せ抽選許可状態が30G継続して終了した場合は、41G目から本ART遊技を再開させることができる。ただし上乗せ抽選許可状態中であっても、規制ゲーム数に達した場合は、強制的に本ART遊技を終了制御する。
この変形例2の場合、第1~第5の実施形態に係る回胴式遊技機であっても、上乗せ抽選機能を備えることができる。特に上乗せ抽選許可状態中は、遊技者の引き次第で上乗せゲーム数を獲得可能な「上乗せチャンスゾーン」として機能させることができるので、遊技性の豊富化に寄与し、遊技の面白みを向上させることができる。
第6の実施形態の好ましい形態についてまとめると、次のようになる。なお、第1の実施形態と実質的に同じ構成要素については適宜省略する。
(1)遊技結果表示手段と、始動手段と、役抽選手段と、停止手段と、停止制御手段と、特典遊技を制御する特典遊技制御手段(図13)とを備え、遊技結果に応じた遊技価値を付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記特典遊技の初期のゲーム数として、所定の保障ゲーム数(たとえば、50G)を設定する初期ゲーム数設定手段(図13の「ART保障50ゲーム」のブロック枠)と、
前記特典遊技中に、前記特典遊技の残余ゲームを報知制御する残余ゲーム数報知制御手段(残余ゲーム数報知演出6cを制御する機能部:図18(イ))と、
所定の抽選条件に基づき、複数種類の上乗せゲーム数を対象として上乗せ抽選を実行し、当該上乗せ抽選により決定した上乗せゲーム数を、前記残余ゲーム数に対して上乗せする上乗せ制御手段(図22~図26)と、を備え、
前記上乗せ制御手段は、
前記上乗せ抽選により決定される上乗せゲーム数に関し、前記上乗せによる前記特典遊技のゲーム数が所定の上限ゲーム数を超えないように、前記上乗せ抽選の対象に係る上乗せゲーム数を調整する上乗せゲーム数調整手段(図22~図26)と、
前記上乗せゲーム数調整手段により調整された上乗せゲーム数を対象として前記上乗せ抽選を実行する上乗せ抽選手段(図22~図26)と、を備える、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)前記上乗せゲーム数調整手段は、前記上限ゲーム数(たとえば、1500G)と前記保障ゲーム数(たとえば、50G)との差分ゲーム数(1450G)を上乗せ可能な上乗せ限界ゲーム数とし(上乗せ限界値NR)、前記上乗せによる上乗せゲーム数の合計(総上乗せゲーム数)が当該差分ゲーム数を超えないように、前記上乗せ抽選の対象に係る上乗せゲーム数を調整する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
(3)前記初期のゲーム数として、前記保障ゲーム数から前記上限ゲーム数の範囲内において定められた複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数を決定する特典遊技ゲーム数決定手段をさらに備える(変形例1)、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機。
(4)前記特典遊技制御手段は、前記特典遊技の消化ゲーム数が前記上限ゲーム数に達した場合に、必ず前記特典遊技を終了させる、
ことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
(5)遊技者に付与する利益の期待値を段階的に特定する複数の設定値のうちからいずれかを設定する設定値設定手段と、
前記特典遊技のゲーム数が前記上限ゲーム数に達している場合、現在の設定値を示唆する設定値示唆演出を現出制御する設定値示唆演出制御手段と、をさらに備える(図27、図28)、
ことを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
(6)前記設定値示唆演出制御手段は、前記役抽選手段により特定の当選役が決定された場合に、前記設定値示唆演出として、現在の設定値を確定的に報知する確定報知演出(設定6確定演出)を現出させる、ことを特徴とする上記(5)に記載の回胴式遊技機。
上記第1~第6の実施形態によれば、遊技者に対して著しい不利益感を与えることのない回胴式遊技機を提供することができる。