以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下、「遊技機1」と略す)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、押しボタン式の演出ボタン13と、上方向を指し示すボタン75a、右方向を指し示すボタン75b、下方向を指し示すボタン75c、左方向を指し示すボタン75dから構成され、上下左右方向に操作可能な十字形の方向キー75(第2の操作手段)とが設けられている。演出ボタン13または方向キー75は、遊技者が操作可能な操作手段として機能し、特定の予告演出(たとえば、いわゆる「遊技者参加型演出」など)における所定の操作有効受付期間(ボタン有効期間)中に操作入力の受付が有効化され、この有効期間中に所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされると、その操作の前後で演出に変化をもたらすことができるようになっている。なお、演出ボタン13には、その内部に内蔵ランプ(ボタンLED13b)が設けられており、ボタンLED13bの発光態様の違いにより、操作受付有効期間(たとえば、所定色で点灯または点滅中)と、操作受付無効期間(たとえば、消灯中)とが報知可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。この発射装置32は、毎分100発程度の遊技球を発射可能なものを採用している。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46が設けられている。また、遊技機の適所、たとえば、ガラス扉6の前枠周縁に周方向や後述のセンター飾り体48の内部には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(演出用LED)が複数設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、所定の表示領域(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の3つの装飾図柄(図5参照))の変動表示動作(変動表示および停止表示)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられている。センター飾り体48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り体48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えており、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間に遊技球が通過可能な遊動領域が形成されており、発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と、下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置:第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置:第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動表示および停止表示)による‘特別図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに‘装飾図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。なお、特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣に、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1、特別図柄2、普通図柄の各作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)と高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下、「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。本実施形態に係る普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行される。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。
また普通図柄表示装置39aに隣接して、右打ち表示装置39bが設けられている。この右打ち表示装置39bは、LEDの点灯・消灯状態の組合せにより、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利であるのか、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利であるのかを報知する。たとえば、LEDの発光状態が、点灯した状態であれば右打ち有利、消灯状態であれば左打ち有利であることが報知される。
また、右打ち表示装置39bに隣接して2個のLED(ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39cが設けられている。このラウンド数表示装置39cは、複数個のLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り体48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口を開放または拡大可能にする‘始動口開閉手段’を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り体48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として左右一対の可動翼片(可動部材)47を備え、この可動翼片47が開閉動作を行うことで、第2の特別図柄始動口である下始動口35を開放または拡大可能となっている。
また、普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また、普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37(第3の特別図柄始動口:第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていないが、これに限らず、両流下経路に形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうるが、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
(特定条件下における右打ち有利の構成)
本実施形態の遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、普通図柄始動口37に遊技球は入賞し易いが、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされる。しかし、この可動翼片47は、後述の「電サポ有り状態」を伴う遊技状態(たとえば、時短状態や確変状態)になると、少なくとも通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。したがって、この電サポ有り状態の場合には、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」ではなく、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。すなわち、「左打ち」か「右打ち」のいずれの打ち方をすれば遊技者にとり有利な状況になるかについては、遊技状態に応じて変化し、後述の電サポ無し状態下(たとえば、通常状態や潜確状態)では「左打ち」が、電サポ有り状態下(たとえば、時短状態や確変状態)では「右打ち」が有利とされる。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する検出手段として機能する。なお、上記した各入賞口(入賞手段)については、遊技性に応じて、その個数、形状、形成位置などを適宜変更することができる。また、各入賞手段について、左流下経路3bまたは右流下経路3cを流下する遊技球を、入賞困難または入賞不可能、あるいは入賞可能とするかについても遊技性に応じて適宜変更することができる。
各入賞口に遊技球が入賞した場合、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数が、遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。たとえば、上始動口34は3個、下始動口35は1個、普通図柄始動口37は0個(賞球なし))、大入賞口50は15個、一般入賞口43は6個が払い出される。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技領域3a内には、遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本実施形態では、センター飾り体48内の右上側に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物)90が配設されている。第1の可動体役物である時計型役物80は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動可能に形成された短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、数字セクター「I」から「XII」が個々に独立して異なった色で発光できる構成となっている。また第2の可動体役物である花型役物90は、花心の周りに複数枚の花弁からなる花冠を配し、更にその外側周囲に萼を配して花被を二重にし、以て花の形とした花型部91(第1可動体91)を、スイング動作が可能なアーム92(第2可動体92)の先端に取り付けた花型役物90として構成されている。花型部91は、花心を中心軸として複数枚の花弁が回動可能に構成されている。花型役物90は、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図2に実線で示す)で静止しており、所定の動作条件が成立すると、アーム92が傾倒動作して、当該アーム92と共に花型部91が液晶画面を覆う位置(図2に破線で示す)まで移動する。そして、図2に破線で示す演出位置まで移動すると、花型部91がアーム先端部において回転すると共に、半透明の花心および花弁部分が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色しうる。花型役物90は、その動作を終了すると、破線の演出位置から実線の原点位置に戻る。花型部91は、花弁の回動動作として、高速回転、低速回転、逆回転などの複数種類の動作パターンが可能であり、アーム92は、破線部まで傾倒する全開傾動動作の他、所定の傾動角度まで傾動する準傾動動作やアームがガタガタと振動する振動動作、寸動動作など複数種類の動作パターンが可能である。上記の時計型役物80(時計針82)や花型役物90(第1可動体91、第2可動体92)は、その動作態様により、予告演出に利用される他、後述の設定示唆演出を現出する際にも利用される。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係る遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係る遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下、「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下、「演出制御部24」と称する)と、遊技球払出装置19による賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源から遊技機の各基板に対して必要な電源(バックアップ電源を含む)を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2-1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。主制御部20は、大当り抽選を実行する抽選手段(第1の抽選手段、第2の抽選手段)、当り遊技を実行制御する当り遊技制御手段(大当り遊技制御手段)、各遊技状態を制御する遊技状態制御手段、少なくとも抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを選択(抽選により決定)する変動パターンを決定手段、特別図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段などを含み、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込みなどの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知し、システムリセット信号を出力してCPUをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、あらかじめ設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路なども備えている。なお、少なくとも主制御部(主制御基板)20と払出制御基板29は、不図示の電源基板から受ける電圧降下信号を受けることによって、電源遮断に先立ち、必要なバックアップ処理の実行を開始し、電源遮断前の遊技動作を電源復帰後に再開できるようになっている(バックアップ機能)。この遊技機1では少なくとも数日は、RAMの各記憶内容を保持することが可能となっている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ちなどのゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口センサ34a、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、これらセンサからの検出信号に基づき、いずれの入賞口に遊技球が入賞(入球)したのかを把握する。
また主制御部20には、アウト口49および各入賞口を通じて遊技機から排出される遊技球(いわゆる、アウト球)を検出するOUT監視スイッチ49aが接続され、主制御部20は、OUT監視スイッチ49aからの検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、OUT監視スイッチ49aからの検出信号に基づき、アウト球数を計数する計数手段を備えている。アウト球数は、遊技者が発射装置32から遊技球を発射し続ければ、始動口34、35に入賞したか否かによらず、つまり、図柄変動表示ゲームが実行されるか否かによらず、増加していく。本実施形態に係る発射装置32の発射性能は、毎分100発であるから、たとえば、本日の累計アウト球数が30000発であれば、遊技機1が通じて300分稼働していたという稼動情報(累計アウト球数(個)/発射性能(毎分100発)。したがって、アウト球数(累計アウト球数)は、特定値で規定される遊技実績情報の一つであるといえる。なお、このアウト球数情報は、後述のベース値(遊技実績情報の一つ)の算出に利用される。
また主制御部20には、遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ(たとえば、振動センサ、電波センサ、磁気センサ:不図示)が接続され、主制御部20は、不正検出センサからの検出信号に基づき、遊技機に対する不正行為を監視可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと、特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、主制御部20は、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cと、右打ち表示装置39bと、ラウンド数表示装置39cとが接続され、主制御部20はこれらに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部端子基板21が接続され、主制御部20は、この枠用外部端子基板21を介して、所定の遊技情報を含む信号(外端信号)を遊技機の外部に出力可能となっている。この枠用外部端子基板21は、遊技機外部に設けられた、いわゆる「データカウンタDT」や「ホールコンピュータHC」に接続可能に構成となっており、枠用外部端子基板21から出力された外端信号は、「ホールコンピュータHC」に送られる。主制御部20は、上記外端信号として、たとえば、当り遊技開始情報、始動口への入賞情報(特別図柄の変動開始情報)、賞球数情報、セキュリティ情報(たとえば、不正行為、RAMクリア、設定変更などの発生情報)などを含む1または複数の外端信号を出力可能となっている。上記「ホールコンピュータHC」とは、枠用外部端子基板21から出力される外端信号に基づき、遊技機の遊技情報を監視・収集し、パチンコホールに設置された遊技機の稼働状況を統括的に管理する遊技店専用の管理コンピュータである。
また主制御部20は、一般財団法人「保安通信協会(保通協)」で実施される型式試験(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく遊技機の型式に関する検定に係る試験)に対応して、遊技動作をリアルタイムに特定する型式試験信号を枠用外部端子基板21から出力可能となっている。なお、型式試験に適合した遊技機をパチンコホールに設置する際には、その適合した制御プログラムの変更は一切認められていない。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、主制御部20は賞球の払い出しの必要がある場合に、払出制御基板29に対して、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。
この払出制御基板29には、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19が接続されている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への状態信号の送信などである。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bなどが設けられており、払出制御基板29は、これらセンサからの各検出信号を受信可能となっている。また遊技球払出装置19には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ19cが設けられており、払出制御基板29は、払出モータ19cを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また払出制御基板29には、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態(上受け皿9が満杯状態であるか否か)を検出する満杯検出センサ60と、前枠2および/または前面操作パネル7の開放状態を検出する扉開放センサ61とが接続されている。本実施形態に係る扉開放センサ61は、扉開放検出手段として機能し、たとえば、前枠2が外枠4に対して前側に開放したときにON状態(開放状態検出)、閉鎖したときにOFF状態(閉鎖状態検出)となるように構成されている。
払出制御基板29は、上記満杯検出センサ60、扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bなどの各種センサからの検出信号に基づいて、満杯状態を示す「球詰り信号」、前枠2・前面操作パネル7が開放されていることを示す「扉開放信号」、遊技球払出装置19からの遊技球の供給不足を示す「補給切れ信号」、賞球の払出不足や賞球数に異常が発生したこと示す「計数エラー信号」、払い出し動作が完了したことを示す「払出完了信号」などの様々な状態信号を、主制御部20に対して送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2・前面操作パネル7が開放状態であるか否か(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態であるか否か(球詰りエラー)などを監視する。
また払出制御基板29には発射制御基板(発射制御部)28が接続され、発射制御基板28に対し発射制御信号(発射許可信号ES)を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
また主制御部20には、RAM203の所定領域を初期化するためのRAMクリアスイッチ98と、設定値の変更操作が可能な“設定変更許容状態”に切り替えるための設定キースイッチ94と、その設定変更許容状態において、設定値を変更するための設定変更スイッチ95と、設定変更スイッチ95により選択された設定値を確定させるための設定変更完了スイッチ96(RAMクリアスイッチ98で代用してもよい)とが接続され、主制御部20はこれらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。本実施形態の場合、RAMクリアスイッチ98、設定変更スイッチ95、および設定変更完了スイッチ96は、いずれも操作者が操作可能な押しボタン式スイッチとなっており、設定キースイッチ94は、設定鍵を挿入してON/OFF操作を行うことにより、設定変更許容状態(ON)と設定変更禁止状態(OFF)とに切り替え可能なキースイッチとなっている。なお、これらのスイッチ98、94、95、96は、不正行為(不正RAMクリア、不正設定変更など)の防止の観点から、遊技機内部の適所に形成されており、前枠2を開放しない限り、遊技機外部からのON/OFF操作が不可能となっている。
また主制御部20には、設定値に関する情報を表示する設定表示器97(設定表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態に係る設定表示器97は、1個の7セグメント表示器から構成されており、遊技者から視認不可能な遊技機内部の適所、たとえば、主制御基板20、払出制御基板28、発射制御基板29、中継基板(各種表示装置やスイッチ類などと制御基板との接続を中継する中継用基板:図示せず)、または演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24上などに装着される。遊技機内部の適所に設けることができる。
(設定値について)
上記「設定値」とは、段階的に出玉率(所謂、機械割(PAYOUT率))に変化をもたらすものであり、本実施形態では、設定1~6の6段階の設定値が設けられている。この「設定値」は、少なくとも大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を設定1~6の段階別(6段階)に規定するもので、設定値が高くなるほど、大当りの抽選確率(大当り当選確率)が高く設定され、遊技者に有利に作用するようになっている。たとえば、低確率時において、設定1で1/410、設定2で1/390、設定3で1/370、設定4で1/350、設定5で1/330、設定6で1/320などである。すなわち、設定値が高くなるほど、大当りに当選し易くなり(機械割が高くなる)、遊技者に有利に作用することになる。このように、設定値とは、主として、機械割に影響する事象を段階別に規定する値であり、大当りなどの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味する。斯様な「設定値」は、専ら、パチンコホール(遊技店)の営業戦略に基づき決定される。なお、大当り抽選確率が高確率状態の場合には(後述の特別図柄確変機能が作動する場合)、その確率が、10倍を超えない値まで上昇し、かつ設定値ごとに、その上昇率(比率)が異なるものでない(上昇率は一律)ようになっている。上記の例で言えば、低確率時の大当り抽選確率が設定1~6=1/410~1/320、上昇率が10倍とした場合、高確率時の大当り抽選確率は、設定1~6=1/41~1/32となる。
なお、大当りを複数種類設けている場合には、設定値に応じて、1または複数種類の大当りの当選確率を変化させることができる。たとえば、大当り1~4という4種類の大当りがある場合、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1~4のすべての当選確率を高くなるように構成してもよいし、一部の大当りである大当り1~3の当選確率だけを高くなるように構成してもよいし(この場合、大当り4については全設定値で共通の当選確率となる)、特定の大当りのみ(たとえば、大当り1のみ)の当選確率だけを高くなるように構成してもよい(この場合、大当り2~4については全設定値で共通の当選確率となる)。また、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1~4の合算当選確率を高くなるように構成してもよい。また、条件装置の作動契機とならない小当り種別の当選確率を、前述の大当りのケースと同様に、設定値に応じて変化させてもよい。
(設定値の変更操作について)
本実施形態では、電源投入時に、少なくとも設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98とがON状態の場合に設定変更許容状態に制御され、それ以外のスイッチ操作にて、電源を投入した場合には、設定変更禁止状態に制御されるようになっている。この設定変更許容状態中において、設定変更スイッチ95をON操作すると、設定表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように1~6の範囲で循環するように切り替え表示される。そして希望する設定値が表示された際に、設定変更完了スイッチ96をON操作すると(設定確定操作)、現在の表示値が今回の設定値として確定され、その設定値データがRAM203の所定領域(設定値格納領域)に記憶される。そして、設定キースイッチ94が現在のON状態からOFF状態に操作すると、設定変更許容状態が終了され、以後、確定された設定値の下で遊技が開始されることになる。本実施形態の主制御部20は、所定の操作手段の操作に基づいて、遊技者に対する有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択する設定値選択手段と、設定値選択手段により選択された設定値を設定する設定値設定手段とを備えている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報や、エラー情報などの各種遊技処理情報を、演出制御コマンドにより、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、外部からのゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(性能表示器99について)
また主制御部20には、所定期間(特定遊技期間)の遊技結果に係る情報(以下、「性能情報」と称する)を表示(報知)する性能表示器99(情報表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態の性能表示器99は、複数個の7セグメントLEDからなり、具体的には、表示部と回路部がユニット化された7セグメントLED(7セグ表示器99a~99d)を4個横に並べ、これをたとえば、主制御基板20上に搭載して、4桁の数字を表示可能な表示器を構成する。また各7セグメントLEDには、7セグメント数字の下にデシマルポイントDP(ドット)を有している。上記「性能情報」は、主に、パチンコホール店や関係各庁が確認・調査等のために利用する情報であり、たとえば、遊技くぎの不正調整やゴト行為などにより出玉性能に異常が生じていないか、遊技機本来の出玉性能(設計上の出玉性能)が正当に発揮されているかなどを調査するための情報、換言すれば「遊技実績に関する情報」である。したがって、性能情報自体については、後述の予告演出や設定示唆演出などとは異なり、遊技者が遊技に興じる際の遊技進行それ自体には直接的に関係の無い情報である。このため性能表示器99は、遊技者に視認可能な箇所に設置するのではなく、遊技機内部の視認し易い箇所、たとえば、制御基板上またはこれを保護する基板ケース上などに搭載される。また、性能表示器99の4つのセグ99a~99dのうち、少なくとも1つのセグを設定表示器97として兼用してもよい。
本実施形態では、上記「性能情報」として、通常状態(大当り抽選確率が低確率(通常確率)、かつ後述の電サポ無し状態)中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の累計アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出されるベース値)を採用し、これを性能表示器99により所定態様にて表示する。なお、ベース値は、小数点第1位を四捨五入した値が性能表示器99に表示されるようになっている。ただし、単に永続的に計測してベース値(性能情報)を表示するのではなく、計測中のアウト球数が所定の規定個数(たとえば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了し、その計測終了時点のベース値を、履歴情報として、RAM203に格納し(今回のベース値を記憶する)、再度、新たなベース値の計測を開始する。なお、計測終了契機となる上述の「規定個数(60000個)」とは、本実施形態の場合、通常時アウト個数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)で計測される累計アウト球数(全状態アウト個数)を採用しており、この「全状態アウト個数」もリアルタイムに計測される。
(2-2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源LSI)、RTC機能部(Real Time Clock)、演出抽選乱数用のカウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。また、RTC機能部は、時を刻む時計ICであり、現在の時刻(「現在が何時何分何秒である」)という実時間上の時間情報および/または日付(月、日、曜日)に関する暦情報を提供する時計手段として働く。
演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、演出手段である液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、各種の演出用LED(装飾ランプ45、ボタンLED13b、その他の演出用LED)の発光制御、および各種の可動体役物80、90の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体役物による可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45、ボタンLED13b、62aなどの各種の演出用LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物を動作させるための可動体役物モータ80c、90cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御部24は、これらの制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これを可動体役物エラーとして報知する。
また演出制御部24には、演出ボタン13の操作を検出する演出ボタンスイッチ13aと、方向キー75(75a~75d)の操作を検出する方向キースイッチ75a’~75d’とが接続され、演出制御部24は、演出ボタン13や方向キー75からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる情報に基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、液晶表示装置36による演出画像の表示(画像表示演出)、スピーカ46からの音の再生(音演出)、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄の変動表示動作や予告演出や保留表示など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。また演出制御部24は、所定の操作受付有効期間中において、演出ボタンスイッチ13aや方向キースイッチ75a’~75d’からの操作検出信号に基づき、演出ボタン13および/または方向キー75に対してどのような操作が行われたか(たとえば、押圧、長押し、連打など)を識別可能な構成となっており(操作識別手段)、その操作態様に応じた演出を現出制御可能な構成となっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3-1.図柄変動表示ゲーム)
(3-1-1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、大当り抽選結果が「小当り」の場合には所定の「小当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜のために、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」を単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」を「特別図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選の結果)が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示態様)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bによる大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数(最大入賞数):たとえば、10個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件(ラウンド遊技終了条件)を満した場合に大入賞口が閉鎖される(閉鎖条件の成立)、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大10ラウンド)繰り返される。なお、大当り抽選の対象となる当り種別についての詳細は、図4などを用いて後述する。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当り開始インターバル時間を利用してオープニング演出が行われ、大当り開始インターバル時間が経過した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数(最大ラウンド数)を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数が終了すると、大当り終了インターバル時間を利用してエンディング演出が行われ、大当り終了インターバル時間の経過を以て、大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング期間(大当り開始インターバル時間)、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技期間、およびエンディング期間(大当り終了インターバル時間)の各遊技期間から構成される。なお、大当り遊技の内容についての詳細は後述する。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い(大当り、小当りまたはハズレが1種類の場合は、図柄抽選を行う必要がないため、図柄抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果や、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を、演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(たとえば、後述のリーチ演出種別や、疑似連演出とその回数)の発生を指定する情報を含むことができる。詳しくは、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出(後述のNリーチ1~2、弱SPリーチ~強リーチ種別などの指定を含む)の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定しリーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’など、複数種類の変動パターンが含まれる。また、リーチ変動パターンや疑似連有り変動パターンについては、その予告演出の演出時間を確保する関係上、基本的には、通常変動パターンの変動時間よりも長時間の変動時間が定められているが、短時間のものもある。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)などを決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出や装飾図柄の変動表示演出を現出制御する。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45などの演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3-1-2.普通図柄変動表示ゲーム)
また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間(可動翼片47により下始動口35が開状態となる作動時間)が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。
(3-1-3.作動保留球)
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中に、各始動口34~35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち始動口センサ34a~35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また各図柄の最大保留記憶数の全部または一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。なお以下では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄の各作動保留球をそれぞれ、特図1作動保留球、特図2作動保留球、普図作動保留球とも称する。
(3-2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動機能(確変機能)」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、320分の1)から高確率(たとえば、32分の1)に変動させて、通常状態よりも有利な「高確率状態(大当り高確率状態)」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の2)から高確率(たとえば、255分の255)に変動させて、通常状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮機能(時短機能)」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから停止表示(確定表示)される迄の平均時間)を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。この特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、30秒から1秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
さらにまた、本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。この開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間)を通常状態よりも延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。開放延長状態下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常状態よりも単位時間あたりの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。したがって、開放延長機能が作動すると、下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高まり、開放延長機能が作動しない(非作動)状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になるこの点で、上記開放延長状態は、「電チューサポート状態」とも称される。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、少なくとも特別図柄確変機能が作動し、開放延長機能が作動しない遊技状態(本実施形態では、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態)を「潜確状態」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態(通常確率)’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常状態と同じ遊技状態下に置かれる。
上記した各遊技状態に関し、電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。本実施形態の場合、電チューサポート状態有りの確変状態や時短状態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が同時に作動するため、普電開放遊技の発生が容易になり、可動翼片47の作動率が著しく向上する遊技状態とされる。
遊技状態を定める上記各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況については、主制御部20側において、これらの機能に対応したフラグのON/OFF状態により、その作動(5AH)/未作動(00H)が管理される。また、現在の遊技状態が如何なる遊技状態であるかについては、「遊技状態番号YJ」という識別子を用いて管理される。たとえば、遊技状態番号YJが「00H」の場合は‘通常状態’、「01H」の場合は‘時短状態’、「02H」の場合は‘潜確状態’、「03H」の場合は‘確変状態’を指定する。なお、当該各機能の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」とも称する。なお、遊技状態に移行が生じる場合、主制御部20側から、移行先の遊技状態を特定可能な情報を含む「遊技状態指定コマンド」が演出制御部24に対して送信されるようになっている。
<4.演出について>
(4-1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記演出モードには、「通常状態」に係る「通常演出モード」、「確変状態」に係る「確変演出モード」、「時短状態」に係る「時短演出モード」、「当り遊技状態(当り遊技中)」に係る「当り中演出モード」といった、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。また、時短演出モードについては、時短Aと時短Bとで共通の時短演出モードとしてもよいし、時短A演出モードと時短B演出モードとしてもよい(時短A中と時短B中とで、少なくとも一部の演出が異なる)としてもよい。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24は、主制御部20(CPU201)から送られてくる演出制御コマンドのうち、遊技状態に関する情報を含むコマンド、具体的には、現在の遊技状態を指定したり、遊技状態の移行を指定したりする特定の演出制御コマンドに含まれる情報に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、一の演出モードから他の演出モードへの移行を制御し、遊技状態に関連した演出モードを管理する。上記特定の演出制御コマンドには、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、客待ち中コマンド、当り遊技中に送信される所定の演出制御コマンド(大当り開始コマンド、大当り終了コマンド)などがある。
また各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示(以下、「背景演出」とも称する)が、たとえば「通常演出モード」下では季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出)、「時短演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出)、「確変演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出)など、遊技状態に関連する背景表示にそれぞれ切り替え制御される。したがって、現在、如何なる遊技状態に滞在しているか認識可能となっている。なお、同じ演出モードであっても異なる背景表示とすることができる。
(4-2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(本実施形態では、「変動パターン指定コマンド」および/または「装飾図柄指定コマンド」に含まれる情報)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている(予告演出制御手段)。斯様な予告演出には、当り種別に当選したか否かの期待度(周知の「当選期待度」)および/または所定の事象の発生(たとえば、当確、特定の当りの当確、特定の予告演出の発生など)を示唆(予告)可能なものが含まれ、その多くは、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働くものである。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出(リーチ変動パターンに係る演出態様)」の他、「疑似連演出」や「遊技者参加型演出」などがあり、これらの演出に付随して複合的(同時的、重複的)または単独的に発生する種々の予告演出が含まれる。以下、これら演出態様について説明する。
(4-2-1.リーチ演出)
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様をいい、具体的には、リーチ状態を経由してゲーム結果を導出表示しうる演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、当り当選を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様(いわゆる「聴牌状態」)を指す。大当り当選の場合には、主に、このリーチ状態を経由して、最終結果が導出表示される。勿論、リーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が当り図柄(たとえば、当り図柄の「777」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。リーチ演出は、このようなリーチ状態の表示を伴うものであり、リーチ演出が現出(出現)すれば、通常変動よりも当選期待度が相対的に高まることになる。本実施形態の場合、ゲーム結果が当りとなる場合には、今回の図柄変動表示ゲームにて、何かしらのリーチ演出が現出されるようになっている。そこで、リーチ演出発生前段階において、リーチ演出の発生可能性(発生確定を含む)を予告(示唆)する様々な予告演出が設けられている。ただし、予告演出は、必ずしもリーチ演出の発生可能性を予告するものだけでなく、リーチ演出以外の他の予告演出(たとえば、後述の疑似連や遊技者参加型演出や設定示唆演出など)の発生可能性を示唆するものや、リーチ演出中に複合的に発生するものもある。斯様な予告演出は、大当り抽選結果に関連して、1の図柄変動表示ゲーム中(1変動中)に、1または複数種類の予告演出が複合的に発生する場合があり、予告演出が複合発生することで、より明確な当り当選期待度が示されるようになっている。たとえば、当選期待度が高い予告演出が複数種類発生すれば(重複的(同時的)に発生する場合や、異なるタイミングで発生する場合を含む)、当選期待度がより高まることになる。このような予告演出やリーチ演出が織り成すゲーム中の予告演出により、遊技の面白みを向上させることができる。
リーチ演出には、当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、Nリーチ(ノーマルリーチ)が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘SPリーチ(スーパーリーチ)’という。この「SPリーチ」の多くは、遊技者の当選期待感を煽るべく、Nリーチよりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持ち、通常、Nリーチを経由して実行される。本実施形態のNリーチには「Nリーチ1~2」などの複数種類のNリーチを含み、またSPリーチには「弱SPリーチ、中SPリーチ、強SPリーチ」などの複数種類のSPリーチが含まれる。なお、同種間の当選期待度の関係については、「Nリーチ1<Nリーチ2」、「弱SPリーチ<中SPリーチ<強SPリーチ」という関係を持たせてあり、異種間では、「Nリーチ1<Nリーチ2<弱SPリーチ<中SPリーチ<強SPリーチ」という関係を持たせてある。なお、実際の大当り当選期待度は、他の予告演出が現出するか否かに応じて変化する。このため、たとえば、弱SPリーチが出現した場合であっても、当選期待度の高い予告演出が絡めば、中SPリーチと同等もしくはそれ以上の当選期待度となりうる。またSPリーチには、一のSPリーチから他のSPリーチに発展する発展型SPリーチ(SPSPリーチ)が含まれる。この“SPSPリーチ”は、SPリーチの中でも当選期待度が最も高い強SPリーチ種別に属するが、SPSPリーチは、単なる強SPリーチよりも高い当選期待度を持つ。このSPSPリーチ種別には、SPリーチと同様に、弱・中・強という当選期待度が異なる種別を設けてもよいし、1種類であってもよい。また、SPSPリーチには、SPリーチを経由せずに、いきなりSPSPリーチに発展する「直撃型SPSPリーチ」がある。この直撃型SPSPリーチは、SPリーチを経由するより通常のSPSPリーチよりも当選期待度が相対的に高くなるように定められている。なお、リーチ状態を伴わず装飾図柄が突発的に当り図柄で停止表示する「突発揃い(突発揃い)」のような、プレミアム的な予告演出態様(特殊変動パターン)もあるが、このような突発揃いも、本明細書中では、リーチ演出の一態様として扱う。突発当りには、上述のようにリーチ状態を伴わずにいきなり当り図柄となるものや、Nリーチは経由するが、SPリーチやSPSPリーチなどの上位のリーチを経ずしてそのまま当り図柄で停止表示する演出態様が含まれる。
(4-2-2.疑似連演出(疑似連))
「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(いわゆる「疑似変動」)を伴う演出態様をいう。この「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返す変動表示態様をいう。すなわち、疑似連は、装飾図柄の仮停止状態を1または複数回挟むことにより、1回の図柄変動表示ゲーム中に、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているように表現する演出態様である。この仮停止状態中は、たとえば、装飾図柄が完全停止ではなく小刻みに装飾図柄が上下(又は左右)方に変動表示するものがその代表例である。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されうる後述の「先読み予告演出」とは異なる。斯様な「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率が定められており、たとえば、疑似変動回数が相対的に多いほど、当選期待度の高い予告演出(たとえば、SPリーチ)の発生期待度が高まるようになっている。
したがって「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合には、主として、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、たとえば、リーチ演出の発生可能性がある旨や、特定のリーチ種別の発生可能性がある旨の予告として、1または複数回の疑似変動を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由して、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。なお、SPSPリーチのような発展型リーチ演出の場合には、最終発展先のSPSPリーチに至る前段階で、疑似連を発生させることができる。たとえば、「疑似連A→Nリーチ+疑似連B(疑似連BをSPリーチ発展煽り演出として利用)→SPリーチ+疑似連C(疑似連CをSPSPリーチ発展煽り演出として利用)→SPSPリーチ(最終結果報知)」などの演出内容などである。
(4-2-3.遊技者参加型演出)
「遊技者参加型演出」とは、いわゆる「ボタン予告演出」に属する演出態様であり、操作手段(演出ボタン13および/または方向キー75)に対して所定の操作がなされた場合、その操作内容に基づき、演出の内容が変化し得る予告演出態様である。遊技者参加型演出では、所定のボタン有効期間中になると、操作手段に対して所定の操作を指示する「操作指示演出」が現出され、そのボタン有効期間中に、遊技者が操作手段を操作すると、操作内容に基づき、現出中の演出が他の演出(操作時演出)に変化する。この操作前後の演出態様(演出内容)に応じて、当選期待度を予告可能となっている。たとえば、ボタン操作に応じて、特定のオブジェクト表示やキャラクタ表示が変化する、または特殊な効果音や光演出が発生する、あるいは、物語風の演出シナリオが進行する(いわゆる、会話演出における会話の内容が進行するなど)がその代表例である。また、遊技者にとって現在の変動中演出で示唆される内容よりも利益の高い内容の当り種別(ここでは確変図柄)へ昇格するか否かについての「昇格演出」も、遊技者参加型演出である(後述の図22と図23の昇格演出、図24の図柄決定演出、図25の図柄決定演出、時短回数決定演出などを参照)。また当り遊技中にも、遊技者参加型演出が現出されうる(後述のミニゲーム、着替演出、楽曲選択演出など)。
(4-2-5.先読み予告演出)
「先読み予告演出」とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、主に、保留表示態様や時系列的に先に実行される図柄変動表示ゲーム中の演出を利用して、当該作動保留球に関する当選期待度を事前に報知しうる演出態様である。
図5を用いて、上記先読み予告演出を含め、本実施形態に係る液晶表示装置の画面表示の概要について説明する。図5は、本実施形態に係る液晶表示装置36の画面表示の説明に供する説明図である。
液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別柄1作動保留球の個数を表示する保留表示領域76と、特図2作動保留球の個数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関して、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1~d1(特別図柄1側に対応)、a2~d2(特別図柄2側に対応)が設けられている。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
作動保留球が発生した場合、演出制御コマンドとして、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含む現存の作動保留球数)とを特定可能な「保留加算コマンド」が演出制御部24に対して送信される(後述の図20のステップS323参照)。
上記先読み判定情報とは、具体的には、主制御部20において、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や、変動開始時の変動パターンを先読み判定した際に得られる先読み変動パターンに関する遊技情報をいう。したがって、この先読み判定情報には、少なくとも変動開始時の当落抽選結果の先読み判定結果(先読み当落結果)情報が含まれ、その他、図柄抽選結果の先読み判定結果(先読み図柄結果)情報や、変動開始時の変動パターンに関する先読み判定結果(先読み変動パターン)情報も含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御部24に送るかについては、報知する予告内容をどのようなものにするかに応じて適宜定めることができる。たとえば、作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。たとえば、変動開始時に「Nリーチ1」を指定する変動パターンのケースであれば、先読み変動パターンにより指定される内容は「Nリーチ1」というリーチの種類そのものではなく、その骨子である「Nリーチ種(Nリーチ1またはNリーチ2)」である旨を指定することができる。
演出制御部24が保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、保留加算コマンドに含まれる情報に基づいて、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行い、これに当選した場合、先読み予告の演出シナリオが決定され、そのシナリオに従い、当選期待度に応じた先読み予告演出を現出させる。上記先読み予告抽選の当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっている。よって、先読み予告演出が発生するか否かにより、当り種別への当選期待度が示される。
この実施形態では、先読み予告抽選に当選した場合に、保留表示部a1~d1、a2~d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、D柄、虹色の特殊な保留色や色彩の保留表示(特別保留表示態様)に変化する「保留表示変化系」の先読み予告演出(保留変化予告)が行われる。図5では、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、D柄、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味し、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコン(当確保留予告)となっている。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働くが、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1~d1、a2~d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(特別保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を現出制御する先読み予告制御手段として働く。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行し(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御(シフト表示)が行われるが、上記した特別保留表示は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。またゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77での保留表示態様と同じ表示態様が維持され、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告表示態様が当該ゲーム中においても遊技者に報知される。
また図5に示す液晶画面内の右下隅の小さいな表示領域には、装飾図柄や予告演出などのメイン演出とは別のサブ的な演出(サブ演出)の表示領域として、特別図柄や普通図柄の変動表示動作に関するサブ表示領域79が設けている。このサブ表示領域79には、特別図柄1、特別図柄2、普通図柄に係る作動保留個数と、その変動表示状態とについての識別情報が、図示の6つの区画領域にそれぞれ表示される。第2保留個数表示領域(図示の左側の縦3つの区画領域(左上段、左中段、左下段表示領域))には、上段から、特図1作動保留球数(上段表示領域)、特図2作動保留球数(中段表示領域)、普図作動保留球数(下段表示領域)が表示される。
また、第2保留個数表示領域に隣接する右側の3つの縦3つの区画領域には、上段から、特図1第4図柄表示領域(右上段表示領域)、特図2第4図柄表示領域(右中段表示領域)、普図装飾図柄表示領域(右下段表示領域)となっている。特図1第4図柄と特図2第4図柄の表示領域には、装飾図柄とは別の演出的な図柄として、数字、絵柄、キャラクタなどの演出図柄が表示され、この演出図柄は、特図1または特図2の「ミニ図柄」(第4図柄)とも称する。このミニ図柄(第4図柄)は、装飾図柄と同じく、特図の変動表示状態、すなわち、変動表示中と停止表示中(大当りとハズレの別を含む)を識別可能に表示する。具体的には、特図が変動中のときは、ミニ図柄も所定の表示態様にて変動表示され、特図が停止表示したときは、ミニ図柄も大当り抽選結果(少なくとも当落抽選結果)を反映させた所定の表示態様で停止表示される。たとえば、大当りの場合には「○」が、ハズレの場合には「×」が表示される。また、ミニ図柄の表示を、装飾図柄に関連する表示態様としてもよい。たとえば、装飾図柄が「777」(大当り図柄)や「753」(ハズレ図柄)で停止表示した場合は、ミニ図柄も「777」や「753」で停止表示させることができる。勿論、装飾停止図柄と同一の表示態様でなくてもよく、何かしら関連のある表示態様としてもよい。なお、ミニ図柄は、装飾図柄が予告演出との関係上で非表示となる場合にも、その表示が維持されるようになっており、装飾図柄の代用図柄としても利用され、図柄変動表示ゲーム中であるか否かが、ミニ図柄によっても報知可能となっている。
また、普通装飾図柄表示領域には、普通図柄表示装置39aにおける普図の変動表示状態が、演出的な図柄(普通装飾図柄)により表示される。たとえば、普図が変動表示中の場合には、○印が点滅表示され、補助当りの場合には「●(赤丸)」が、ハズレの場合には「○(青丸)」が表示されるようになっている。
(4-2-6.設定示唆演出)
また本実施形態では、上記「設定値」に関する情報を示唆する演出態様(設定示唆演出)を現出可能となっている。たとえば下記(ア)~(シ)のような設定示唆演出である。
(ア)低設定域(設定1~3、1~2、2~3など)を示唆する「低設定示唆演出」。
(サ)高設定域(設定4~6、4~5、5~6など)を示唆する「高設定示唆演出」。
(キ)偶数設定(設定2、4、6)を示唆する「偶数設定示唆演出」。
(ユ)奇数設定(設定1、3、5)を示唆する「奇数設定示唆演出」。
(メ)特定の設定値(設定1~6のいずれでもよい)を確定的に報知する「特定設定確定演出」。たとえば「設定N」を確定的に報知する「設定N確定演出」。ただし、無闇に内部的な設定値を確定的に報知するのは、好ましくない。その理由は、設定1や設定2確定などのように、低設定領域を確定的に示唆するものは、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうからである。そこで、高設定領域の設定4~6のいずれかを確定的に報知させることが好ましい。特に、設定5確定や設定6確定などの高設定が確定する特定設定確定演出が出現すれば、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
(ミ)特定の設定値(設定1~6のいずれでもよい)でないことを確定的に報知する「特定設定否定演出」。
(シ)特定範囲の設定値を示唆する「特定範囲示唆演出」。たとえば、設定3~5(α≦設定値≦β)を示唆、設定4以上(α≦設定値)を示唆、「設定1、3、5、6」の複数の特定値を示唆するなどがある。また、設定値に応じて出現率を異ならせて、たとえば設定1では出にくい、設定4ではそこそこ出る、設定6では出やすいなどのように、或る設定値の可能性が高い/低いを示唆することが可能である。
このような設定示唆演出は、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、たとえば、予告演出と複合的または単独的に現出させる(たとえば、設定値に応じたアイテムやキャラクタを出現させるなど)ことができる。また、設定値に応じて特定の予告演出の出現率を定めることで、その予告演出自身を「設定示唆演出」として機能させることができる。たとえば、特定のSPリーチ、特定の疑似連回数、特定の遊技者参加型演出、特定の先読み予告演出などの出現率を、設定値に応じて異ならせることにより、その予告演出自体を設定示唆演出として機能させることで、設定値の推測要素を遊技者に与えることができる。また、設定示唆演出は、図柄変動表示ゲーム中に限らず、大当り遊技中や、遊技開始待ち中の「デモ開始待ち演出」や「客待ち演出」などにも現出させることが可能である。上記デモ開始待ち演出とは、作動保留球がゼロになった後、客待ち演出開始までのゲーム待機中状態であり、客待ち演出とは、作動保留球がゼロになった後、所定時間経過後(たとえば180秒)に現出されるデモ画面などである。
<4-3.演出手段>
遊技機1における各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、遊技者の体に振動を与える加振装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物は、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置(画像表示手段)と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出(画像表示演出)を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<5.当りについて>
次に図4を参照して、本実施形態に係る遊技機の「当り」について説明する。
(5-1.当り種別について)
本実施形態の遊技機1では、大当り抽選対象の当りの種別として、複数種類の当り種別が設けられている。当り種別には様々な種類があるが、ここでは代表的に、「5R時短A大当り」、「5R時短B大当り」、「10R確変大当り」、「5R確変大当り」、「2R確変大当り」などの複数種類の当り種別を扱う。これらの当りは、条件装置の作動契機となる「大当り種別」に属する当り(大当り)であり、条件装置の作動契機とはならない「小当り種別」に属する当り(小当り)とは異なる。ここで「条件装置」とは、その作動が、ラウンド遊技を行うための役物連続作動装置(特別電動役物を連続作動させる装置)の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合(役物連続作動装置が作動中に大入賞口に入賞したものを除く)に作動するものをいう。また、役物連続作動装置の作動は、電サポ有り状態や確率変動を生起させるための条件となっている。
なお本実施形態では、条件装置の作動契機とならない小当り種別に属する当り(小当り)を扱っていないが、当り種別に小当りを設けてもよい。なお、小当りに当選した場合には、条件装置が作動しないため、役物連続作動装置が作動しない。すなわち、大当りのようなラウンド遊技は実行されないが、大当りによるラウンド遊技と同一または酷似あるいは全く異なる動作態様で大入賞口の開閉動作を制御し「疑似的なラウンド遊技」を実行することが可能である。また小当りは、大入賞口を開放する当りの一つであるが、条件装置の作動しないため役物連続作動装置が作動せず、内部遊技状態の移行制御も行われない。斯様な小当りは、大当りと同様に、大入賞口の開閉動作を伴う当り遊技(特別遊技状態)への移行契機(発生契機)となる当選種別であるという点で、単なる「ハズレ」とは性質を異にする。
(5-2.当り遊技について)
「5R時短A大当り」、「5R時短B大当り」、「10R確変大当り」、「5R確変大当り」、「2R確変大当り」について、「5R」、「10R」、「2R」の冠表記は、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す。本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29800ms’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、10個)に達する可能性が十分にある時間幅として定めたものである。なお、特定の大当りについて(たとえば、2R系の大当りなど)、上記最大開放時間を上述の長開放時間よりも短い「短開放時間」(たとえば、百ms~1800ms程度)とすることができる。また、特定の大当りの場合、1または複数の特定のラウンド遊技における最大開放時間を短開放時間とすることができる。
(大当り遊技の内容)
大当り遊技の具体的内容は、次のようになる。大当り遊技が開始されると、大当り開始インターバル時間(以下「開始INT」と称する)が開始される。この「開始INT」は、図柄変動表示ゲームが終了した後、特別変動入賞装置52が作動するまでのインターバル区間であって、オープニング演出(以下「OP演出」と称する)が行われる区間を定めた時間幅(1回目のラウンド遊技が行われる前の初回演出時間)を指す。開始INT中は、1または複数の演出(演出シナリオ)が展開される(後述の終了INTも同様)。上記開始INTが経過すると、初回のラウンド遊技が開始され、以後、最大ラウンド数に達するまでラウンド遊技が繰り返し実行される。
ここで、大当り遊技の開始タイミングについて詳述しておく。本実施形態に係る特別図柄変動表示ゲームは、特別図柄の変動時間が経過して大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が特別図柄表示装置38a、38bに停止表示された後、所定の確定表示時間(たとえば、500ms)が経過すると、特別図柄変動表示ゲームが終了される。この「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(確定表示時間)である。また、特別図柄の変動時間の経過時には、主制御部20から演出制御部24に対して「変動停止コマンド」が送信される。この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させるなどの装飾図柄変動表示ゲームの終了に係る演出処理を行う。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。そして、図柄変動表示ゲームが終了した後、つまり、確定表示期間(確定表示時間)が経過した後、上記当該図柄変動表示ゲームのゲーム結果が「大当り」である場合には、大当り遊技が開始され、開始INT時間の経過時間がカウントされ、開始INT時間が経過すると、初回(1R目)のラウンド遊技が開始される。また、大当り遊技開始(開始INTの開始)を契機に、主制御部20から「大当り開始コマンド」が演出制御部24に対して送信される。この「大当り開始コマンド」には、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれる。演出制御部24が大当り開始コマンドを受信すると、大当り遊技が開始されたことを把握して、大当り遊技中に展開される一連の当り中演出(大当り種別ごとに対応する当り中演出シナリオを決定し、以後、大当り遊技の進行状況に応じた演出(OP演出、ラウンド中演出、ラウンド間演出、ED演出など)を現出制御する。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後は、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たした場合に、開放された大入賞口が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了される。このとき、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達していなければ(現在のR数≠最大R数)、所定のインターバル時間(以下「R間INT」と称する)が開始され、このR間INTが経過すると、次のラウンド遊技が開始される。またラウンド遊技の開始を契機に、主制御部20から演出制御部24に対して「大入賞口開放コマンド」が送信される。この「大入賞口開放コマンド」には、ラウンド遊技開始情報と現在のラウンド数情報とが含まれる。演出制御部24が大入賞口開放コマンドを受信すると、ラウンド遊技が開始されたことを把握し、ラウンド数に対応するラウンド中演出を現出させる。また、ラウンド遊技が終了を契機に、主制御部20から演出制御部24に対して「ラウンド間インターバルコマンド」が送信される。この「ラウンド間インターバルコマンド」には、ラウンド遊技終了情報(R間INT開始情報)と今回終了したラウンド数情報とが含まれる。演出制御部24がラウンド間インターバルコマンドを受信すると、今回のラウンド遊技が終了したことを把握し、ラウンド数に対応するラウンド間演出を現出制御する。
上記「R間INT」は、少なくとも「残存球排出時間」を含んで構成される。本実施形態の場合、この「残存球排出時間(たとえば、2980ms)」と、残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間(たとえば、20ms)」とからなる(本実施形態では、R間INTが3000msとなっている)。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間であり、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでのインターバル区間を定めた時間幅を指す。この開放前インターバル時間中に大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は不正行為による不正入賞とみなし、その入賞は無効なものとして扱われるようになっている。開放前インターバル時間の存在により、大入賞口センサ52aが長時間ON状態となるなどの検出状態(大入賞口に対する不正行為)を検知して、大入賞口に対する不正行為を効果的に防止することができるようになっている。
そして、最終ラウンド(最大ラウンド目)のラウンド遊技が終了すると、最終ラウンドに係るR間INTを挟んで、大当り終了インターバル時間(以下「終了INT」と称する)が開始される。この「終了INT」は、最終ラウンドに係るR間INTが経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出(以下「ED演出」と称する)が行われる区間を定めた時間幅を指す。この終了INTの経過を以て、一連の大当り遊技が終了されることになる。また、終了INTの開始を契機に、主制御部20から演出制御部24に対して「大当り終了コマンド」が送信される。この「大当り終了コマンド」には、最終ラウンド終了情報と大当り遊技終了後の遊技状態(移行先遊技状態)を特定可能な情報とが含まれる。演出制御部24が大当り終了コマンドを受信すると、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了されたことを把握し、ED演出を現出制御する他、大当り遊技の終了後の演出モードを、移行先遊技状態に対応した演出モードに移行制御する。このように演出制御部24側では、大当り遊技中に送られてくる各種コマンド(大当り開始コマンド、大入賞口開放コマンド、ラウンド間インターバルコマンド、大当り終了コマンドなど)により、大当り遊技の進行状況を把握し、適切な演出を現出させることができるようになっている。
なお、最大ラウンド数や最大開放時間については適宜定めることができる。いずれにしても、大当り遊技中の利益状態(出玉数(1回の大当り遊技中の平均的な出玉数))については、最大ラウンド数が相対的に多いほど高くなり、大入賞口の最大開放時間が相対的に長時間になるほど高くなる。本実施形態の場合、大当り遊技中の出玉数だけに着目した場合は、その有利度(利益度合)は「2R確変大当り<5R時短A大当り、5R時短B大当り、5R確変大当り<10R確変大当り」の関係となるが、実際には、後述の当り遊技終了後に移行される遊技状態や図柄抽選率などの種々の要素を考慮して、上記有利度を定めることが好ましい(これについては、後述する)。また、当り種別に応じて上記開始INTおよび/または終了INTの時間幅が異なる場合がある。また、同じ当り種別であっても、当選時の遊技状態に応じて上記開始INTおよび/または終了INTが異なる場合がある(後述の図6~図12、図15~図18などを参照)。また本発明では、当り種別によらずR間INT(3000ms)が同一のものを扱っているが、当り種別の少なくとも一部において異なるR間INTとしてもよい(たとえば、2R確変大当りだけR間INTが2750msとするなど)。また、当り種別の少なくとも一部において1または複数の特定のラウンド数目と他のラウンド数目でR間INTを異ならせてもよい(たとえば、10R確変大当りにおいて、5R目だけ2500msとしたり、5~6R目で2500mとしたりするなど)。
(5-3.当り遊技後の移行先遊技状態について)
次に図4を参照して、当り遊技終了後に移行される遊技状態について説明する。図4の当選時の遊技状態の欄には、当り種別に応じて、当選時の遊技状態と、その当り遊技に移行される遊技状態との関係を示してある。本実施形態では、大当りに当選した場合は、その大当り種別と当選時の遊技状態とに応じて、大当り遊技終了後の遊技状態が決定されるようになっている。
「2R確変大当り」、「5R確変大当り」、「10R確変大当り」は当選した場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態(確変)」に移行される。これらの大当りは、確変状態の移行契機となる点で、「確変大当り」と称する。この「確変状態」に移行された場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が、所定の規定回数が終了するまで継続され、その規定回数内で大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない小当りを除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、次回ゲームから通常状態に移行されるようになっている。本実施形態の場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数として、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数))がカウントされる(後述の時短状態についても同様)。
本実施形態では、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態(確変状態や潜確状態)に移行された後、大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる「STタイプ(回数切り確変機)」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の規定回数を「ST回数」と称する。
本実施形態では、上記ST回数として“65536回”が設定される。このST回数は、大当り当選確率(たとえば、高確率中の大当り確率は、設定1~6で1/41~1/32)との関係上、ほぼ確実に、次回大当りが当選するまで確変状態(高確率状態)を継続させることが可能な回数となっている。なお、次回大当りに当選するまで、確変状態を100%継続させる構成(たとえば、ST回数を無限回数とする、あるいはST回数自体を設けない)としてもよい(一般確変タイプ)。また、確変状態の継続率を適度な連荘率(たとえば、確変大当りの図柄抽選率65%)とするために、ST回数を適宜な値(たとえば、ST回数=33回~35回など)に設定してもよい。
また、「5R時短A大当り」または「5R時短B大当り」に当選した場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「時短状態(時短)」に移行される。これらの大当りは、時短状態の移行契機となる点で、「時短大当り」と称する。「時短状態」に移行された場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が、所定の規定回数(以下、「時短回数」と称する)が終了するまで継続され、その時短回数内で大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない小当りを除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、次回ゲームから通常状態に移行されるようになっている。
本実施形態では、5R時短A大当りの場合には「時短A」に移行され、5R時短B大当りの場合には「時短B」に移行される。この「時短A」と「時短B」とは、いずれも「時短状態(時短)」に属するものであるが、それぞれ時短状態の終了条件が異なるものとなっており、「時短A」に移行された場合には時短回数100回が、「時短B」に移行された場合には時短回数50回が設定される。なお、いずれの時短回数を定めるかは適宜決定することができる。また、大当りには、大当り遊技後に確変状態に移行させた後、所定のST回数(たとえば、50回)が終了した場合に、高確率状態だけを終了させて(特図確変機能をOFF)、遊技状態を「低確率状態+電サポ有り状態」、すなわち「時短状態(たとえば、時短回数50回)」に移行させる特殊な大当りを設けることができる(準STタイプ)。この大当りは、「ST回数50回+時短回数50回」を付与する大当りであるが、先ず確変状態に移行させる点で、確変大当りに属するものとして扱う。
<6.出玉性能に関する制限>
ところで近年では、射幸心を煽ることを適度に抑制するため、法的要請により、遊技機の出玉性能について規制が設けられている。たとえば、上記型式試験に係る短期試験(1時間)による出玉率(セーフ球/アウト球)が、上限出玉率「300%(旧基準)」から「220%(新基準)」に制限される(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則 別表第4 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格 ロ(ハ)など)。この規制は出玉性能、特に連荘時の出玉性能に大きく影響し、これを遵守すると出玉の「時速」が従来の2/3程度の出玉性能までダウンしうる。詳しくは、発射時間が1時間であれば、アウト球は6000発(発射装置32の発射性能100発/分×60分=6000発)であり、旧基準であれば、上限出玉率「300%」であるからセーフ球は1時間あたり18000発(6000発×300%=18000発/h)まで許容されることになる。ところが、新基準では上限出玉率が「220%」に制限されるため、セーフ球の上限が1時間あたり13200発(6000発×220%=13200発/h)までダウンする。特に時短状態中や確変状態中では、高ベース状態下(電サポ有り状態下)となるため、大当りが過度に連荘してしまうと、上限出玉率220%(13200発)を簡単に超えてしまい、型式試験で不適合となってしまう。たとえば、電サポ有り状態下のベース値が70(BA70)である場合、普電開放遊技によるセーフ球は、1時間で4200発(BA70×100発/分×60分=4200発)となる。したがって、旧基準であれば、「18000発-4200発」の“13800発分”を大当り遊技により払い出すことが可能であるが、新基準では「13200発-4200発」の“9000発分”しか払い出すことができなくなる。そこで上記規制の下で、出玉感をなるべく損なうことなく、型式試験を通過(適合)し易くしうるように、大当りに係る出玉性能をコントロールする工夫が求められる。
出玉が短期間で大きく増加するのは大当り中である。よって、型式試験に通過させるためには、大当り中の無駄球を多くして出玉速度を低下させる、具体的には、大入賞口閉鎖期間(開始INT、R間INT、および終了INTの少なくとも1つのINT)を従来よりも長期間すれば、大当りが連荘しても、ベース値の上昇幅を抑えられ法的規制値を超え難くなり、型式試験の適合率が高まる。しかし、闇雲にINTの期間を長期間、たとえば、開始INTなどのインターバル時間を従来よりも何倍もの時間尺としてしまうと、折角の大当りであるにもかかわらず、遊技者が間延び感(たとえば、退屈感や倦怠感や不快感)を受け、ストレスを感じたり、遊技そのものに対する不信感を与えてしまう。したがって、下記(1)(2)のような点を考慮する必要がある。
(1)大当り遊技期間を闇雲に長時間とするのではなく、出玉性能への影響や出玉速度による出玉感への影響を考慮して、各大当りの有利度の関係(有利度が相対的に高い大当りと、有利度が相対的に低い大当りとの関係)を考慮した適切な大当り遊技期間を定めることが重要である。
(2)また大当り遊技期間を従来よりも延長する場合、遊技者の間延び感が生起しないように、大当り遊技中に係る演出に工夫を凝らすことが重要である。
このような課題に鑑みて、本発明では、型式試験に適合し易くするとともに、大当り遊技期間が単調化しないようにする遊技機を提供することを目的とする。たとえば、型式試験に適合率を高めるとともに、大当り遊技期間を長時間としても、遊技者の退屈感や間延び感が生じてしまうことを防止しうる遊技機を提供する。
<7.具体例1~具体例5>
図6~図21を用いて、第1の実施形態に係る大当り遊技期間および大当り遊技中の演出(当り中演出)ついて詳述する。図6~図21は、第1の実施形態に係る具体例1~5の説明に用いる図である。以下、第1の実施形態の具体例1~5を「本例1、本例2・・本例5」の如く略す。
(具体例1:図6~図12)
まず図6~図12を参照して、具体例1(本例1)について説明する。図6は、本例1の大当り種別、各INTの時間尺、各大当り間の有利度の関係を示したものであり、図7~図12は、本例1の各大当りについて、その大当り遊技期間および当り中演出の説明に用いる説明図である。
図6(A)は、本例1の大当り種別を示したものである。本例1では、図6(A)に示す通り、特図1側の大当り種別として「5R時短A大当り(時短回数100回)」と「5R確変大当り」とを設け、特図2側の大当り種別として「5R時短A大当り(時短回数100回)」と「10R確変大当り」とを設けたものとなっている。図6(B)は、本例1に係る大当り種別について、各インターバル時間の纏めたINT表である。図示のINT表には、各大当りが当選した際の当選時の遊技状態ごとの開始INT、R間INT、および終了INTの各インターバル時間を合計した「総INT」を示してある。また「区分名称」の欄は、説明の便宜のために付けた各大当りの識別名を示し(後述の図13A~図13D参照)、冠記載の「α、β」は、それぞれ特図1側、特図2側を示し、「N、S、F」の表記は、それぞれ、通常中の当選、時短中の当選、確変中の当選を示す。
先ず図6~図12を用いて、具体例1に係る各大当りに係る大当り遊技の内容について詳細に説明する。以下、説明の便宜のために、特図1側の「5R時短A大当り」を「特図1側5R時短A」、特図1側の「5R確変大当り」を「特図1側5R確変」、特図2側の「5R時短A大当り」を「特図2側5R時短A」、特図2側の「10R確変大当り」を「特図2側10R確変」と略す。また、必要に応じて、通常状態を「通常」、時短状態を「時短」、確変状態を「確変」と略す。
(「初当り」、「連荘中の当り」について)
先ず本発明の理解を容易なものとするために、連荘中の当りと初当りとについて説明しておく。「初当り」とは、一般的には、連荘契機(電サポ有り状態移行契機または潜確移行契機)となる大当り、換言すれば、通常状態中に当選した大当りのことをいう。本実施形態の場合、通常状態中(電サポ無し状態中)は左打ち有利のため、遊技者が正しく遊技していれば、通常は上始動口34に入賞して、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1が実行されていく。したがって「初当り」と称する場合は、基本的には、特図1側の大当り(「特図1側5R時短A」または「特図1側5R確変」)である。しかし、遊技者が正しく遊技していても、通常状態中に特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2が実行され、特図2側の大当り(「特図2側5R時短A」または「特図2側10R確変」)が当選するという“イレギュラー当選(第1のイレギュラー当選)”がありうる。たとえば、時短状態中は電サポ有り状態下に置かれ、多くの遊技球が下始動口35に入賞して特図2作動保留球が頻繁に発生する。このため、時短状態の終了時(時短Aの場合は図柄変動100回転目の終了時)には、特図2作動保留球が残存している場合が多い。この場合、その残存している特図2作動保留球が、時短状態後の通常状態中にて消化されていくことになる。このため、特図2側の大当りが通常状態中に当選する上記「イレギュラー当選」が発生しうる。この場合の「初当り」は、特図2側の「特図2側5R時短A」または「特図2側10R確変」のいずれかとなるが、このケースはイレギュラーなケースとなるため、例外的なものとして、初当りから除外して扱ってもよい。また、イレギュラー当選には、下記のケースもある。
通常状態中に、遊技者が不注意により或いは故意に右打ちをした場合に、偶々、普電開放遊技が実行されて下始動口35に遊技球が入賞してしまい、特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2が実行されて、特図2側の大当りが当選するケースである(第2のイレギュラー当選)。この場合も「初当り」は、特図2側の大当り「特図2側5R時短A」または「特図2側10R確変」のいずれかとなるイレギュラーなケースとなる。本明細書中で「初当り」と称する場合は、原則として、特図1側の大当り(本例1の場合は「特図1側5R時短A」または「特図1側5R確変」)として説明する。
また「連荘中の当り」と称する場合は、時短状態中または確変状態中などの電サポ有り状態(高ベース状態)に当選した大当りを意味する。本実施形態の場合、電サポ有り状態中は右打ち有利のため、遊技者が正しく遊技していれば、通常は下始動口35に入賞して、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム2が実行されていく。したがって「連荘中の当り」と称する場合は、基本的には、特図2側の大当り(本例1の場合は「特図2側5R時短A」または「特図2側10R確変」)である。しかし、初当りによる大当り遊技終了直後、つまり時短状態または確変状態に移行した直後は、特図1作動保留球は残存している可能性はあるが、特図2作動保留球は「ゼロ」の可能性が極めて高い。したがって、電サポ有り状態中(時短状態中または確変状態中)となっても、特図2作動保留球が発生するまでは、残存している特図1作動保留球が消化されて、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1が実行されていく。このため、電サポ有り状態中に特図1側の大当りが当選するという“イレギュラー当選(第3のイレギュラー当選)”がありうる。また、電サポ有り状態中に、遊技者が不注意により或いは故意に左打ちをした場合も、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1が実行されうるため、同様のイレギュラー当選(第3のイレギュラー当選)がありうる。ただし本明細書中では、電サポ有り状態中に生じる特図1側のイレギュラー当選については、特に必要のない限り「連荘中の当り」から除外して扱う。したがって本実施形態の場合、連荘中の当りの対象(連荘対象大当り)となるのは、専ら、特図2側の大当りとなる。
連荘中の当り回数、いわゆる「連荘回数」については、初当りを含めた当選回数をカウントする。たとえば、初当りが特図1側5R時短Aであり、その大当り遊技後の時短状態中に、特図2側5R時短Aに当選したケースでは、連荘回数を「2回(初当り+時短中当選1回)」としてカウントする。なお、初当りを除く回数を「連荘回数」としてカウントしてもよい。この場合は、時短状態中または確変状態中に当選した大当りだけが、連荘回数のカウント対象とされる。
(7-1.特図1側「5R時短A大当り」について:図6、図7)
図6および図7を参照して、まず「特図1側5R時短A」に当選した場合の大当り遊技について説明する。
「特図1側5R時短A」に係る大当り遊技期間は、図7に示すように、OP区間1~OP区間4を含む“計15000ms”の開始INTと、ラウンド遊技に係る最大開放時間を29800msとする1R~5Rのラウンド遊技期間と、各ラウンド遊技後の3000msのR間INT(計15000ms)と、ED区間1~ED区間8を含む“計43000ms”の終了INTとを含んで構成される。
「特図1側5R時短A」に当選した場合の大当り遊技期間は、当選時の遊技状態(本例の場合、通常中、時短中、または確変中)によらず同じものとなっており、通常中、時短中、および確変中のいずれで当選した場合にも、各遊技区間のインターバル時間(開始INT、R間INT、終了INT)と、その合計インターバル時間(総INT)に変化はない。具体的には図6(B)に示す通り、
・開始INT「15000ms」+R間INT「15000ms」+終了INT「43000ms」=総INT「73000ms」となっている。
なお、本実施形態(第1の実施形態(本例1~本例5))では、主として、終了INTを長時間(たとえば、40秒~100秒程度)とする構成を扱っている。開始INTを長時間(たとえば、40~100秒程度)とする構成については、第2の実施形態に係る図22~図25(各実施例1~4)を用いて後述する。
(7-1-1.特図1側5R時短Aに係る当り中演出について)
次に、特図1側5R時短Aの大当り遊技期間に係る当り中演出について説明する。この当り中演出は、主に、大当り開始時の開始INTを利用したOP演出、ラウンド遊技中を利用した「ラウンド中演出」、R間INTを利用した「ラウンド間演出」、終了INTを利用したED演出から構成される。なお、主制御部20側では、各インターバル期間を制御し、演出制御部24側では、当り中演出の各期間(各OP区間、各ラウンド中演出・ラウンド終了演出区間、各ED演出)で現出すべき演出を制御する(第2の実施形態についても同様)。
本例1の当り中演出では、OP演出~ED演出の全部または一部を通じて、物語的な関連性を有した「ストーリー形式」の物語風演出が展開されるようになっている。本実施形態では、この物語風演出として、自艦(主人公キャラクタ)と敵艦(敵キャラクタ)とが海戦を繰り広げる様を表現した「バトル演出(海戦演出)」を採用している。このバトル演出(海戦演出)では、最終的な演出結果が導出表示されるまで、今回当選した大当りが、演出上、秘匿されるようになっており、バトル演出で展開される演出内容により、如何なる大当りに当選したのかを推測するための推測要素を与えて遊技者を楽しませることができるようになっている。本例1の場合は、今回当選した大当りが、特図1側5R時短Aの当選か、特図1側5R確変の当選かを秘匿可能となっている。このため、特図1側5R時短A当選時の図柄変動表示ゲームと、特図1側5R確変当選時の図柄変動表示ゲームの双方で、共通の装飾図柄の組合せ(共通の装飾停止図柄)、たとえば、“222、444、666、888などの偶数図柄揃い(以下「チャンス図柄」と称する)”で、装飾図柄が停止表示し、いずれの大当りが当選したのかについて、当該図柄変動表示ゲームでは報知しない。したがって、「チャンス図柄」が停止表示した場合には、上記バトル演出の演出結果が導出表示されるまでは、今回当選した大当りが「特図1側5R時短A」であるか「特図1側5R確変」であるかが、演出上から秘匿される。ただし、特図1側5R確変に当選した場合は「チャンス図柄」が100%停止表示するわけではなく、所定の確率で「チャンス図柄」または「確変図柄」が停止表示されうる。この「確変図柄」は、確変大当りを確定的に報知するものであり、たとえば、111、333、555、777などの奇数図柄揃いである。1~9のいずれの図柄揃いを最終的に停止させるかは、当選した大当り種別に基づき、所定の抽選(装飾停止図柄抽選)により決定されるようになっている。
(特図1側5R時短Aに係るOP区間1~OP区間3)
特図1側5R時短Aに係る開始INTは、上述したように、OP区間が4つに分かれており、各OP区間に対応した演出(OP演出)が現出される。たとえば、下記のような演出である。
OP区間1:当選を祝福する「祝福演出」。
OP区間2:バトル演出(海戦演出)の開始を示す「タイトル演出」。
OP区間3:自艦と敵艦とが対峙する「対峙演出」。
OP区間4:右打ちを促す「右打ち示唆演出」(発射誘導報知演出)。ここでは、1R目のラウンド遊技がもうすぐ開始されることを遊技者に報知するべく、右打ちを指示する発射誘導報知を行う。
なお、これらのOP演出は、主に、画像表示演出、音演出、光演出を用いて現出され、可動体役物が動作するような派手な演出(たとえば、後述の特図2側10R確変当選時(図11、図12)のような「ド派手な演出」)は現出されない。
(特図1側5R時短Aに係るラウンド遊技区間、R間INT区間)
ラウンド遊技中とR間INT中では、海戦演出が現出される。海戦演出の演出シナリオには、その演出内容がそれぞれ異なる複数種類の海戦演出シナリオA~Cが用意されている。いずれの演出シナリオが選択されるかは、今回当選した大当り種別に基づき決定される。具体的には、海戦演出シナリオA、B、Cの選択率が、特図1側5R時短Aの場合には、たとえば45%、30%、25%、特図1側5R確変の場合には、たとえば、20%、35%、45%)となっている。したがって、特図1側5R時短Aの場合には、シナリオAが選択され易く、特図1側5R確変の場合には、シナリオCが選択され易い、すなわち、海戦演出シナリオA~Cのいずれが現出されるかに応じて、5R確変大当りの当選期待度が異なるようになっている。遊技者は、海戦演出シナリオA~Cのいずれが現出されるかにより、今回当選した大当り種別を推測しながら、大当り遊技を楽しむことができるようになっている。
(特図1側5R時短Aに係るED区間1~ED区間8)
特図1側5R時短Aに係る終了INTは、ED区間が8つに分かれており、各ED区間に対応した演出(ED演出)が現出される。たとえば、下記のような演出である。
ED区間1~ED区間2:上記海戦演出の結果演出前の煽りを行う「最終決戦演出」。ここでは、自艦(主人公キャラクタ)と敵艦(敵キャラクタ)のいずれが勝利するかを煽る演出(海戦演出シナリオに応じた演出)が展開される。
ED区間3~4:上記海戦演出の結果を報知する「結果演出」。結果演出では、特図1側5R時短Aに当選した場合には「敗北演出」、特図1側5R確変に当選した場合には「勝利演出」が現出される。ここでは、特図1側5R時短Aが当選した場合を扱っているので、海戦演出の演出結果として、敵艦の攻撃により自艦が大破炎上して、主人公キャラクタ側が「敗北」してしまった旨を報知する「敗北演出」が現出される。この「敗北演出」により、今回の大当りが「特図1側5R時短A」であったことを遊技者が知ることになる。なお、「勝利演出」についての詳細は後述する。
ED区間5:海戦演出の終了を報知する「バトル演出終了演出」。ここでは、たとえば「敗北・・」の文字が表示される。これにより、一連の海戦演出が終了される。
ED区間6:「移行先遊技状態示唆演出」。ここでは、大当り遊技後の遊技状態が、時短状態に移行される旨(演出モードに着目すれば、時短演出モードに移行される旨)を報知する演出(時短演出モード移行示唆演出)が現出される。なお、上記「移行先遊技状態示唆演出」(時短状態移行に係る移行先遊技状態示唆演出、後述の確変状態移行に係る移行先遊技状態示唆演出)は、終了INTのどの区間で実行してもよいが、本実施形態のように、バトル演出を実行する場合には、少なくとも上記結果演出の後、移行先遊技状態示唆演出を現出させることが好ましい。上記結果演出の前に移行先遊技状態示唆演出を現出してしまうと、結果演出の意義が没してしまうからである。
ED区間7:「注意喚起演出」。ここでは、のめり込み防止やカードの取り忘れなどの注意を促す情報を報知するための演出が現出される。なお、少なくとも「注意喚起演出」を実行する大当りについて、上述の「移行先遊技状態示唆演出」と「注意喚起演出」とを重複して現出させる、つまり、これらの演出を同じ演出区間で重複的(同時的)に現出させてもよい。
ED区間8:「時短移行待機画面」。ここでは、時短演出モード中の図柄変動表示ゲーム開始待ちの待機画面が表示される。そして、終了INTが経過すると、特図1側時短A大当りに係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-2.特図1側「5R確変大当り」について:図6、図8)
次に図6および図8を参照して、「特図1側5R確変」に当選した場合の大当り遊技について説明する。なお、上記特図1側5R時短A大当りと実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
特図1側5R確変に当選した場合、既に説明したように、その当選時の図柄変動表示ゲームにて、装飾図柄がチャンス図柄または確変図柄が停止表示されうる。装飾図柄がチャンス図柄で停止した場合には、図8(イ)に示す大当り遊技となり、装飾図柄が確変図柄で停止した場合には、図8(ロ)に示す大当り遊技となる。図示の通り、いずれの場合も、開始INT、ラウンド遊技(最大開放時間)、R間INT、および終了INTの時間幅は変化はなく、当り中演出の演出内容だけが異なる。以下、装飾図柄がチャンス図柄で停止した場合(図8(イ))と、確変図柄で停止した場合(図8(ロ))とに分けて説明する。
(7-2-1.チャンス図柄停止時に係る大当り遊技期間:図8(イ))
図8(イ)を参照して、チャンス図柄停止時に係る大当り遊技期間は、OP区間1~OP区間4を含む“計15000ms”の開始INTと、1R~5Rのラウンド遊技期間(最大開放時間29800ms)と、各ラウンド遊技後の3000msのR間INT(計15000ms)と、ED区間1~ED区間9を含む“計48000ms”の終了INTとを含んで構成される。
このチャンス図柄時大当り遊技期間は、当選時の遊技状態によらず同じものとなっており、通常中、時短中、および確変中のいずれで当選した場合にも、各遊技区間のインターバル時間とその総インターバル時間に変化はない。具体的には図6(B)に示す通り、
・開始INT「15000ms」+R間INT「15000ms」+終了INT「48000ms」=総INT「78000ms」となっている。
図6(B)からも分かる通り、特図1側5R確変に当選した場合の開始INT、ラウンド遊技期間、およびR間INTの時間幅は、「特図1側5R時短A」の場合と同じであり、終了INTの時間幅だけが異なるものとなっている。具体的には、特図1側5R確変の終了INTは、特図1側5R時短Aの終了INT(43000ms)よりも5000msだけ長い。
(7-2-1A.チャンス図柄停止時に係る各遊技期間に係る演出について)
次に、チャンス図柄停止時に係る当り中演出について説明する。チャンス図柄で停止した場合には、上記特図1側5R時短Aと同じく、海戦演出が現出され、今回当選した大当り種別を秘匿して、海戦演出の演出結果が導出されるまで、確変大当りの期待感を煽る演出内容となっている。チャンス図柄で停止した場合に展開される当り中演出は、基本的には、既に説明した特図1側5R時短Aの場合と同じであり、終了INTの演出内容(特に、海戦演出の結果演出)が異なるだけである。なおチャンス図柄停止時に係る当り中演出の場合には、既に説明したように、海戦演出シナリオAが選択され難く、シナリオCが選択され易いため、海戦演出シナリオCが現出された場合には、確変大当りの当選期待感が高まる。以下では重複記載を避けるために、特図1側5R時短Aと異なる終了INTの演出内容に着目して説明する。
(チャンス図柄停止時に係るED区間1~ED区間9)
チャンス図柄停止時に係る終了INTは、図示の通り、ED区間が9つに分かれており、各ED区間に対応した演出(ED演出)が現出される。たとえば、下記のような演出である。
ED区間1~2:上記海戦演出の結果演出前の煽りを行う「最終決戦演出」。ここでは、特図1側5R時短Aの場合とは異なり、自艦(主人公キャラクタ)と敵艦(敵キャラクタ)とのいずれが勝利するかを煽る演出(海戦演出シナリオに応じた演出)が展開される。このED区間3までの演出内容は、特図1側5R時短Aと実質的に同じである。
ED区間3~4:上記海戦演出の結果を示す「結果演出」。ここでは、特図1側5R確変が当選した場合を扱っているので、海戦演出の演出結果として、自艦の攻撃により敵艦が轟沈して、主人公キャラクタ側が「勝利」した旨を報知する「勝利演出」が現出される。この「勝利演出」により、今回の大当りが特図1側5R確変であったことを遊技者が知ることになる。なお、結果演出として、特図1側5R時短Aと同じ「敗北演出」を一旦現出させ、その後、主人公キャラクタ側が「勝利」する「復活演出」が現出される場合がある。この復活演出では、味方の援軍が登場して敵艦を撃破して逆転勝利する演出内容となっている。この復活演出は、所定の確率で現出され、たとえば、特図1側5R時短Aの場合に選択され易い“海戦演出シナリオA”の場合に最も現出され易くなっている。したがって、海戦演出シナリオAが現出され、さらに結果演出にて「敗北演出」が現出された場合、つまり、特図1側5R時短A当選が濃厚な状態となっても、復活演出現出の期待度が高いため、特図1側5R確変への当選期待感が持続されるようになっている。
ED区間5:海戦演出の終了を報知する「バトル演出終了演出」。ここでは、たとえば「勝利!!」の文字が表示される。一連の海戦演出は、これにより終了される。
ED区間6:「移行先遊技状態示唆演出」。ここでは、確変状態に移行される旨(演出モードに着目すれば、確変演出モードに移行される旨)を報知する演出(確変演出モード移行示唆演出)が現出される。
ED区間7:「注意喚起演出」。ここでは、のめり込み防止やカードの取り忘れなどの注意を促す演出が現出される。
ED区間8:「メーカーロゴ演出」。ここでは、メーカーのロゴが表示されるなど、宣伝広告的な演出が現出される。このメーカーロゴ演出は、特図1側5R時短Aの当選時には、現出されない。
ED区間9:「確変移行待機画面」。ここでは、確変演出モード中の図柄変動表示ゲーム開始待ちの待機画面が表示される。
以上により終了INTが経過すると、特図1側5R確変(チャンス図柄停止時)に係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-2-2.確変図柄停止時に係る大当り遊技期間;図8(ロ))
次に、確変図柄停止時に係る大当り遊技期間について説明する。確変図柄停止時に係る大当り遊技期間は、図8(ロ)に示す通り、開始INTはOP区間1~OP区間3から構成される点だけが異なり、その他の点は、チャンス図柄停止時に係る大当り遊技期間と同じである。ただし、当り中演出は、大きく異なる。
(7-2-1B.確変図柄停止時に係る各遊技期間に係る演出について)
確変図柄停止時に係る当り中演出では、当選時の図柄変動表示ゲームにて、既に確変図柄で停止表示されるため、特図1側5R確変の当選は確定的に報知されている。したがって、ここでは、当選した大当り種別を秘匿しうる海戦演出ではなく、特図1側5R確変の当選を祝福する「5R確変当選時用祝福演出」(OP区間1~OP区間3)が現出されるようになっている。
(確変図柄停止時に係るOP区間1~OP区間3)
開始INTは、上述したように、OP区間が3つに分かれており、たとえば、下記のような演出が現出される。
OP区間1:確変当選を祝福する「祝福演出」。ここでは、たとえば、「確変大当り!」などが表示される。
OP区間2:BGMを選択可能な「楽曲選択演出」。ここでは、複数種類のBGM1~BGM3のうちから、遊技者が好みのBGMを選択させるための楽曲選択演出が現出される。この楽曲選択演出は、方向キー75などの操作手段を遊技者参加型演出の一態様である。具体的には、遊技者が方向キー75を操作することにより、液晶画面に表示されるBGM種が選択可能となっており、選択可能期間が過ぎると、選択したBGM種が自動的に決定されるようになっている。なお、選択可能期間は、OP区間2の演出時間幅の6000msとなっている。
OP区間3:決定した楽曲(BGM名)を報知する「楽曲決定演出」と、「右打ち示唆演出」とが現出される。
(確変図柄停止時に係るラウンド遊技区間、R間INT区間)
ラウンド遊技中とR間INT中では、上記楽曲選択演出にて遊技者が決定したBGMが演奏されるとともに、海戦演出で登場するキャラクタ(軍艦や兵器など)の説明・紹介などを表示する「キャラクタ紹介演出」が現出される。
(確変図柄停止時に係るED区間1~ED区間9)
確変図柄停止時に係る終了INTは、図示の通り、ED区間が9つに分かれており、各ED区間に対応した演出(ED演出)が現出される。たとえば下記のような演出である。
ED区間1:「選択演出開始演出」。ここでは、下記のED区間2~4において、選択演出(後述のキャラクタ選択演出、第1アイテム選択演出、第2アイテム選択演出)を開始する旨が表示される。ここでは、ED演出中に、演出内容が異なる複数種類の選択演出(複数種類の遊技者参加型演出)が現出されるようになっており、遊技者が好みの自艦(主人公キャラクタ)を選択させ、次いで、選択した自艦に装備させる火砲(アイテム)を選択させて、遊技者が好みの軍艦にデコレーションすることができるようになっている(着替演出)。このように、遊技者が好みのキャラクタを選択することができるだけでなく、着せ替え用アイテム(装飾用アイテム)も選択することができるようにすることで、遊技者を楽しませることができるようになっている。特に、特図1側5R確変大当りは、特図1側5R時短Aの終了INT(43000ms)よりも5000msほど長くなっているため、選択演出を複数種類実行することで、その延長された分の間延び感を防止することができる。この選択演出は、特図1側5R時短Aに係る当り中演出や上記チャンス図柄停止時に係る当り中演出では現出されない演出であり、上記楽曲選択演出と同じく、遊技者参加型演出の一態様である。
ED区間2:自艦(主人公キャラクタ)を選択可能な「キャラクタ選択演出」。ここでは、確変演出モード中で登場させる自艦を、複数種類の軍艦1~4のうちから、遊技者が好みの軍艦を選択させるための選択演出が現出される。ここで選択されたキャラクタは、図柄変動表示ゲーム中の背景表示演出や予告演出などに登場させる主人公キャラクタとして利用される。
ED区間3:主砲(第1アイテム)を選択する「第1アイテム選択演出」。ここでは、自艦に装備させる第1火砲として、複数種類の主砲1~8のうちから、遊技者が好みの主砲種を選択させるための選択演出が現出される。
ED区間4:副砲(第2アイテム)を選択する「第2アイテム選択演出」。ここでは、自艦に装備させる第2火砲として、複数種類の副砲1~8のうちから、遊技者が好みの武器を選択させるための選択演出が現出される。上述のED区間3~4で選択された火砲(アイテム)により、自艦がデコレーションされる。
ED区間5:「選択演出終了演出」。ここでは、上述のED区間2~4でデコレーションされた自艦が表示される。これにより、一連の選択演出が終了される。
ED区間6:上記「移行先遊技状態示唆演出」。ここでは、確変状態に移行される旨を報知する演出(確変演出モード移行示唆演出)が現出される。
ED区間6:上記「注意喚起演出」が現出される。
ED区間7:上記「メーカーロゴ演出」が現出される。
ED区間8:上記「確変移行待機画面」が現出される。
以上により終了INTが経過すると、特図1側5R確変(確変図柄停止時)に係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-3.特図2側「5R時短A大当り」について:図6、図9)
次に図9を参照して、「特図2側5R時短A」に当選した場合の大当り遊技について説明する。なお、上記特図1側5R時短A大当りまたは特図1側5R確変大当りと実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
「特図2側5R時短A」に係る大当り遊技期間は、図9(イ)(ロ)に示すように、OP区間1~OP区間3(連荘回数<10回の場合)またはOP区間1(連荘回数≦10回の場合)を含む“計15000ms”の開始INTと、1R~5Rのラウンド遊技期間(最大開放時間29800ms)と、各ラウンド遊技後の3000msのR間INT(計15000ms)と、ED区間1~ED区間2を含む“計7500ms”の終了INTとを含んで構成される。特図2側5R時短Aに係る終了INT(7500ms)は、他の大当りと比較して最短の時間幅となっている。
この大当り遊技期間は、当選時の遊技状態によらず同じものとなっており、通常中、時短中、および確変中のいずれで当選した場合にも、各遊技区間のインターバル時間とその総インターバル時間に変化はない。具体的には図6(B)に示す通り、
・開始INT「15000ms」+R間INT「15000ms」+終了INT「7500ms」=総INT「37500ms」となっている。
ただし、特図2側5R時短Aに当選した場合、所定の条件を満たすか否かに応じて、当り中演出が異なるようになっている。具体的には、連荘回数に応じて当り中演出が異なるようになっている。この実施形態の場合、各INTの時間幅それ自体は、連荘回数によらずいずれも同じであるが、図9(イ)に示す連荘回数が10回未満の場合は通常の当り中演出(時短中当選パターンA:通常当り中演出)、図9(ロ)に示す連荘回数が10回以上の場合は特別な当り中演出(時短中当選パターンB:SP当り中演出)が現出される。つまり、連荘回数が規定回数(本例では10回)以上の場合には、遊技者を祝福する意味合いで、特典として、SP当り中演出を現出させるようになっている。
なお本例1では、確変大当り(たとえば、特図2側10R確変)に当選した場合にも連荘回数に応じて、SP当り中演出を現出させるが(これについての詳細は後述する)、この確変大当りに当選した場合のSP当り中演出は、時短大当りに当選した場合とは異なる演出が現出されるようになっている。その理由は、次に述べる通りである。時短大当りの場合は時短状態(低確率)に移行されるため、今回の時短大当りで連荘状態が途切れてしまう可能性が大いにありうる。しかし確変大当りの場合には、確変状態(高確率)に移行されるため、連荘状態の継続がほぼ約束されている。そこで、時短大当りの場合は、連荘状態が途切れてしまうことを考慮した「第1SP当り中演出」(時短中当選パターンB)を、確変大当りの場合は、連荘状態の継続を考慮した「第2SP当り中演出」(後述の確変中当選パターン4(図12(ロ)参照)を現出させるようになっている。
以下に、特図2側5R時短Aに当選した場合において、連荘回数が10回未満の場合(時短中当選パターンA)と、連荘回数が10回以上の場合(時短中当選パターンB)とに分けて、当り中演出について説明する。
(7-3-1A.時短中当選パターンA(連荘回数が10回未満)に係る当り中演出について)
まず図9(イ)に示すに上記「時短中当選パターンA」について説明する。
(時短中当選パターンAに係るOP区間1~OP区間3)
連荘回数が10回未満の場合、図9(イ)に示すように、開始INTのOP区間が3つに分かれており、たとえば、下記のような演出が現出される。
OP区間1:当選を報知する「祝福演出」。ここでは、「通常の祝福演出」(特図2側5R時短Aに当選、かつ連荘回数10回未満用の祝福演出)が現出される。
OP区間2:「楽曲選択演出」。ここでは、図8(ロ)で説明した「確変図柄停止時の特図1側5R確変」の場合と同じく、BGMを選択させるための楽曲選択演出が現出される。なお、BGM種については、連荘回数に応じて新しいBGM(新曲)が追加されていき、BGM種の選択肢の幅が広がるようになっている。たとえば、連荘回数2回~7回目までは、新しいBGMが1曲ずつ追加されていき、連荘回数8回~9回は追加無し、連荘回数10回目以上で、スペシャルBGMが追加されるようになっている(後述の「特図2側10R確変」当選時の場合も同様)。
OP区間3:上記「楽曲決定演出」と「右打ち示唆演出」とが現出される。
なお、これらのOP演出は、主に、画像表示演出、音演出、光演出を用いて現出され、可動体役物が動作するような派手な演出は現出されない。
(時短中当選パターンAに係るラウンド遊技区間、R間INT区間)
ラウンド遊技中とR間INT中では、上記楽曲選択演出にて遊技者が決定したBGMが演奏されるとともに、上記「確変図柄停止時の特図1側5R確変」の場合と同じく、「キャラクタ紹介演出」が現出される。ただしここでの「キャラクタ紹介演出」は、特図2側5R時短A用の「キャラクタ紹介演出」となっている。
(時短中当選パターンAに係るED区間1~ED区間2)
特図2側5R時短Aに係る終了INTは、図示の通り、ED区間が2つに分かれており、通常当り中演出の場合には、たとえば、下記のようなED演出が現出される。
ED区間1:上記「移行先遊技状態示唆演出」。ここでは、特図1側時短Aの場合と同じく、時短状態に移行される旨が報知される。ただし、特図1側5R時短A当選時の移行先遊技状態示唆演出(初当り時用)とは異なり、連荘中用(時短・確変状態中の特図2側5R時短A当選時用)の移行先遊技状態示唆演出が現出される。
ED区間2:上記「時短移行待機画面」。ここでは、特図1側時短Aの場合と同じく、時短演出モード中の図柄変動表示ゲーム開始待ちの待機画面が表示される。
以上により終了INTが経過すると、特図2側5R時短Aに係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-3-1B.時短中当選パターンB(連荘回数が10回以上)に係る当り中演出について)
次に、図9(ロ)に示す上記「時短中当選パターンB」(第1SP当り中演出)について説明する。
(時短中当選パターンBに係るOP区間1)
連荘回数が10回以上の場合、図9(ロ)に示すように、開始INTのOP区間が1つとなっており、たとえば、下記のような演出が現出される。
OP区間1:「第1スペシャルタイトル演出」。ここでは、当り中演出の一環として、第1SP当り中演出の開始を示す特定のタイトルが表示される。
(時短中当選パターンBに係るラウンド遊技区間、R間INT区間)
ラウンド遊技中とR間INT中では、たとえば、第1SP当り中演出用のムービーなどが表示される。
(時短中当選パターンBに係るED区間1~ED区間2)
時短中当選パターンBに係る終了INTは、図示の通り、ED区間が2つに分かれており、第1SP当り中演出の場合には、たとえば、下記のようなED演出が現出される。
ED区間1:「第1スペシャル終了演出」。ここでは、当り中演出の一環として、第1SP当り中演出の終了を報知する第1スペシャル終了演出が現出される。この第1スペシャル終了演出は、特図2側時短A当選時のみに現出される演出、すなわち、実質的には、大当り遊技後の遊技状態が時短状態に移行されることを報知する演出である。この点で、このスペシャル終了演出は、時短状態に移行される旨を報知する「移行先遊技状態示唆演出」として働く。また、第1スペシャル終了演出では、特典として、設定示唆演出も重複的に現出されるようになっている。
ED区間2:「時短移行待機画面」(時短中当選パターンAと同様)。
以上により終了INTが経過すると、特図2側5R時短Aに係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-4.特図2側「10R確変大当り」について:図6、図10~図12)
次に図6、図10~図12を参照して、「特図2側10R確変」に当選した場合の大当り遊技について説明する。この特図2側10R確変に係る大当り遊技期間は、他の大当りとは異なり、当選時の遊技状態に応じて異なる。以下に、図10~図12を用いて、時短中(連荘中の当選)、確変中(連荘中の当選)、通常中(上記第1のイレギュラー当選)の大当り遊技について、順次説明していく。
(7-4A.時短中に特図2側10R確変に当選した場合の大当り遊技期間:図11)
先ず、図11を参照して、時短中に特図2側10R確変に当選(以下、「時短中特図2側10R確変当選」とも略す)した場合について説明する。
時短中特図2側10R確変当選の場合は、図11に示すように、OP区間1~OP区間3を含む“計23000ms”の開始INTと、1R~10Rのラウンド遊技期間(最大開放時間29800ms)と、各ラウンド遊技後の3000msのR間INT(計30000ms)と、ED区間1~ED区間8(後述の時短中当選パターン1の場合)またはED区間1~ED区間4(後述の時短中当選パターン2の場合)を含む“計45500ms”の終了INTとを含んで構成される。具体的には図6(B)に示す通り、
・開始INT「23000ms」+R間INT「30000ms」+終了INT「45500ms」=総INT「98500ms」となっている。
図6(B)からも分かる通り、特図2側10R確変が当選時の開始INTは、他の大当りの開始INT(15000ms)よりも8000ms長くなっている。本例1では、特図2側10R確変が最高利益(最高出玉)を与える大当り(最高有利度大当り)となっており、ベース値の上昇幅が他の大当りよりも高くなるため、なるべく総INTを長時間とすることが好ましいからである。
(7-4A-1.時短中特図2側10R確変当選時の当り中演出について)
時短中特図2側10R確変当選に係る当り中演出は、所定の条件を満たすか否かに応じて、その演出態様が異なるようになっている。本例1では、初当りが時短大当り(たとえば、特図1側5R時短A)または上記チャンス図柄停止時の特図1側5R確変場合には、初当り時が確変図柄停止時の特図1側5R確変の場合のような上記「着替演出」が実行されない。そこで、時短中特図2側10R確変が当選した場合において、前回以前の大当り時の際に上記「着替演出」が実行されていない場合には、当該当選時の終了INT中にこの「着替演出」を実行させるようになっている。この場合の当り中演出は、図示の「時短中当選パターン1に係る当り中演出」(着替演出用当り中演出種別)が選択される。一方、既に上記「着替演出」が実行されている場合には、図示の「時短中当選パターン2に係る当り中演出」(非着替演出用当り中演出種別)が選択される。
(7-4A-2A.時短中当選パターン1に係る当り中演出について)
上記時短中当選パターン1に係る当り中演出について説明する。
(時短中当選パターン1に係るOP区間1~OP区間3)
時短中当選パターン1に係る当り中演出の場合、図示のように、開始INTのOP区間が3つに分かれており、たとえば、下記のような演出が現出される。
OP区間1:当選を祝福する「祝福演出」。ここでは、最高有利度の特図2側10R確変に当選したことを報知するべく、「超大当り!」などの画像表示演出と専用の光演出(たとえば、演出用LEDを虹色に発色させる)と専用の音演出(たとえば、衝撃音や落雷音を発する)とともに、可動体役物(花型役物90と時計型役物80)を専用の動作パターンで動作させるといった「ド派手な演出」(特別祝福演出)が現出される。この「ド派手な演出」を行う理由は次の通りである。既に説明したように、特図2側10R確変当選時の開始INTは、他の大当りよりも8000ms延長されている。したがって、演出的な工夫が何らなければ、その延長期間がある分、遊技者の退屈感や間延び感を生起させてしまう。そこで本実施形態では、可動体役物を利用した「ド派手な演出」を現出させて、「有利度の高い大当りに当選した」という事実を報知(祝福)し、遊技者に対して高揚感や優越感を与えることで、退屈感や間延び感を生じさせないようにしている。
(ド派手な演出の具体的演出例)
なお、上記「ド派手な演出」は、有利度が低い特図1側5R時短Aにおいても現出される「祝福演出」と同じカテゴリーに属する演出態様であるが、特図1側5R時短Aと異なる点は、上記したように用いる演出手段の種類数が異なるケース、具体的には、特図1側5R時短Aの祝福演出(通常祝福演出)では、液晶表示装置36による画像表示演出、スピーカ46による音演出、装飾ランプ45(演出用LED)による光演出の3種類の演出手段を用いているが、特図2側10R確変のド派手な演出(特別祝福演出)では、さらに可動体役物による可動体演出を加えて、賑やかし(派手さ度合)が強い演出を現出させる。つまり、演出手段の種類数を相対的に多くして、演出の派手さ度合を高めることを以って「ド派手な演出」を実現するケースである。
また他の手法として、用いる演出手段の種類数は同じであるが、少なくとも1つの演出手段による演出時間幅および/または演出態様を異ならせることにより、ド派手な演出を実現することができる。たとえば、装飾ランプ45(光演出)を用いる場合、通常祝福演出を実行する場合は、装飾ランプ45(その他の演出用LEDを含む)の一部(第1発光部(第1発光領域))を利用して所定の演出を行い、ド派手な演出を実行する場合には、装飾ランプ45全体(第1発光部よりも使用LED数(使用領域)を多い第2発光部(第2発光領域))を利用して所定の演出を行う。すなわち、発光領域の大小の違い、発光領域の大小および発光態様の違いにより、光演出に関する派手さ度合に軽重を付けてド派手な演出を実現させてもよい。たとえば、通常祝福演出の場合は、閃光無し、かつ虹色以外の地味な光演出を実行する一方、ド派手な演出の場合は、閃光有り、虹色に発色する派手な光演出を実行することができる。また(P)音演出の場合は、利用するスピーカ46の数および/または音量の大小などにより、音演出に関する派手さ度合に軽重を付ける、(Q)画像表示演出の場合は、たとえば、特殊な描画(画像)処理や特殊な画像を重複的に表示したりするいわゆる「エフェクト(強調表示処理)」の有無や、フラッシュ表示(閃光表示)の有無などにより派手さ度合に軽重を付ける、(S)可動体演出の場合は、その動作範囲の大小(動作パターンの違い)や動作する役物数の多寡などにより派手さ度合に軽重を付けることにより、ド派手な演出を実現させてもよい。(T)また、「ド派手な演出」とするには、画像表示演出を主とした二次元的な演出態様にとどめるのでなく、花型役物90、時計型役物80、対遊技者刺激源役物(加圧装置、風圧装置、または加振装置:図示せず)などの1または複数の可動体役物を用いた三次元的な演出態様を加えて派手さ度合を高め、遊技者の高揚感や優越感を煽ることが好適である。
また、次に述べる構成とすることで、延長期間に係る退屈感や間延び感が生じないようにすることができる。上記図8にて説明した「今回当選した大当りを一旦秘匿する構成」と同じように、たとえば、特図2側5R時短A当選時の図柄変動表示ゲームと、特図2側10R確変当選時の図柄変動表示ゲームとで、共通の装飾図柄の組合せを停止表示可能として、図柄変動表示ゲームの終了時点では、今回当選した大当り種別を演出上から一旦秘匿する(時短中の当選に限らず、通常中または確変中の当選でもよい)。そして、特図2側5R時短A当選時と特図2側10R時確変当選時の双方において、いずれの大当りに当選したかの緊張感を煽るための煽り演出を現出させる区間とし、延長期間(8000ms)の間を持たせるための演出区間(煽り演出区間)として利用する。この場合、特図2側5R時短Aに当選した場合には、煽り演出区間中において、特図2側5R時短Aの当選を報知する一方、特図2側10R確変に当選した場合には、当該煽り演出区間の後、特図2側5R時短A当選時には現出されることの無い上記「ド派手な演出」を現出する。詳しくは、特図2側5R時短Aに当選した場合には、OP区間1の6000msを煽り演出区間とし、特図2側10R確変に当選した場合には、OP区間1の14000msの、6000ms分を煽り演出区間に割り当て、残りの8000msをド派手な演出区間に割り当てる。この場合、OP区間1の14000msの全体を利用して単に「ド派手な演出」を行うよりも、「煽り演出からのド派手演出」という演出が展開されるため、緊張感を煽るだけでなく、高揚感を与える演出区間として作用させることができる。これにより、比較的長時間となる開始INTで、遊技者が退屈感や間延び感が生じてしまうことを、一層効果的に防止することができる。
OP区間2:「楽曲選択演出」が現出される。ここでは、上記した図8(イ)(確変図柄停止時の特図1側5R確変のケース)や、図9(イ)(特図2側5R時短Aに当選し、かつ連荘回数10回未満のケース)と同じく、楽曲選択演出が現出される。
OP区間3:上記「楽曲決定演出」と「右打ち示唆演出」とが現出される。
(時短中当選パターン1に係るラウンド遊技区間、R間INT区間)
ラウンド遊技中とR間INT中では、上記楽曲選択演出にて遊技者が決定したBGMが演奏されるとともに、当該BGMに応じた演出(楽曲依存演出)が現出される。ここでの演出は、上記「キャラクタ紹介演出」とは異なり、決定したBGMに対応した専用演出(たとえば、歴史的な海戦の映像など)が現出される。
(時短中当選パターン1に係るED区間1~ED区間8)
時短中当選パターン1に係る終了INTは、図示の通り、ED区間が8つに分かれており、ここでは、上記図8(ロ)で説明した「確変図柄停止時に係るED区間1~ED区間9」(上記「7-2-2A.確変図柄停止時に係る各遊技期間に係る演出について」参照)と、一部同一のED演出が現出されるようになっている。具体的には、
ED区間1:連荘中に獲得した遊技球数(獲得球数)を報知する「獲得球数報知演出」。ここでの獲得球数については、連荘中の大当り遊技中に払い出された賞球数がカウントされる。
ED区間2~ED区間6:ED区間2~ED区間6では、上記「選択演出開始演出」、上記「キャラクタ選択演出」、上記「第1アイテム選択演出」、上記「第2アイテム選択演出」、上記「選択演出終了演出」の一連の着替演出が現出される。
ED区間7:上記「移行先遊技状態示唆演出」が現出される。
ED区間8:上記「確変移行待機画面」が現出される。
なお、時短中当選パターン1では、図8(ロ)に示す「確変図柄停止時に係るED区間1~ED区間9」とは異なり、「注意喚起演出」および「メーカーロゴ演出」は現出されない。これは、大当りにするごとに、遊技とは無関係の情報を何度も表示すると、遊技者が煩わしく感じてしまうからである(後述の時短中当選パターン2も同様)。
以上により終了INTが経過すると、特図2側10R確変(時短中当選時)に係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-4A-2B.時短中当選パターン2に係る当り中演出について)
次に同図を参照して、上記時短中当選パターン2に係る当り中演出について説明する。なお、時短中当選パターン2に係る当り中演出のうち、OP区間1~OP区間3、ラウンド遊技区間、R間INT区間に係る演出は、上述した時短中当選パターン1と同じであるため、重複記載を避けるためにその説明は省略する。
(時短中当選パターン2に係るED区間1~ED区間4)
時短中当選パターン2における終了INTは、図示の通り、ED区間が4つに分かれている。時短中当選パターン2における終了INTは、上記時短中当選パターン1と一部異なり、下記のようなED演出が現出される。具体的には、
ED区間1:上記「獲得球数報知演出」。ただし、時短中当選パターン1とは異なる背景表示が現出される。
ED区間2:遊技者参加型の「ミニゲーム演出」。ここでは、時短中当選パターン1(ED区間2~ED区間6)とは異なる遊技者参加型演出として、いわゆる「ミニゲーム」が現出される。このミニゲームは、たとえば、潜水艦(主人公キャラクタ)と敵艦隊(敵キャラクタ)との間で水雷戦を行う様を表現したゲーム内容(魚雷戦ゲーム)となっており、潜水艦から魚雷を発射して敵艦に命中させると、ポイントが入り、規定ポイントに達すると、特典として、設定示唆演出が現出されるようになっている。魚雷の発射や敵艦に照準を合わせる際は、演出ボタン13(魚雷発射ボタン)や方向キー75(照準合わせ用ボタン)を利用する。この魚雷戦ゲームでは、たとえば魚雷を5本発射し、魚雷が敵艦に命中するごとに100P、敵艦を撃沈するごとに200P(命中100P+撃沈100P)を獲得することができ(最高で1000P獲得(敵艦5隻撃沈)することができる)、ポイントが700P以上獲得で設定示唆演出が現出される。ただし、命中および撃沈するか否かは、魚雷を発射するごとに、魚雷戦ゲームに係る所定の演出抽選により決定される。したがって、遊技者がこの魚雷戦ゲームに積極的に参加しない場合には、ポイントの獲得可能性が低下して設定示唆演出が現出されない可能性が高まり、一切参加しない場合には、設定示唆演出の現出可能性はゼロとなる。設定示唆演出は、設定推測要素を与えるものであり、遊技者の利益を左右しうる重要な情報源であるため、遊技者は積極的に、魚雷戦ゲーム(後述の「航空戦ゲーム」も同様)に参加することになる。その結果、長時間となるインターバル時間を消化していく際にも、遊技者が退屈感や間延び感を生じてしまうことを効果的に防止することができる。
なお、今回のミニゲーム(上記魚雷戦ゲーム、後述の航空戦ゲーム)で規定ポイントを達成できなかった場合、次回の大当り(時短中特図2側10R確変当選)によるミニゲームでは、再度、ゼロポイント(0P)から開始される。ただし、今回のミニゲームで規定ポイントを達成できなかった場合に、次回の大当り(特図2側10R確変当選)によるミニゲームでポイントを加算して、その総ポイント数が規定ポイントに達した場合に、設定示唆演出を現出するように構成してもよい。また、ミニゲームの内容は特に制限はないが、たとえば「ゲームに参加すれば設定示唆演出が現出されうる」という具合に、ゲームに参加すれば遊技者に有益な「特定情報」が報知されるなど、遊技者の参加意欲を向上させるような遊技者参加型演出とすることことが好ましい。この特定情報としては、設定示唆情報の他、たとえば、出玉獲得球数ランキング(たとえば、上位5位までを表示)、連荘回数ランキング(ランキングではなく、過去の連荘回数情報でもよい)、大当り当選履歴などに関する情報が挙げられる。大当り当選履歴は、前回の大当り当選(電源投入時は、初回の大当り当選まで)から今回の大当り当選までの回転数(いわゆる、大当り間の「ハマリ回数」)を含む情報であり、設定推測要素に役立つ情報なりうる(遊技者は、実践上の大当り確率と、理論上(設計値上)の大当り確率とを比較して設定値の推測をすることができる)。また、連荘回数ランキングも大当り抽選確率が高確率ほど、連荘回数が相対的に高くなるため、大当り当選履歴と同様に、設定推測要素に役立つ情報なりうる。詳述すれば、本実施形態では設定値によらず確変投入率は一律65%、つまり確変中の連荘率は設定値によらず同一であるが、時短状態中の引き戻しについては、大当り当選確率が高確率ほど引き戻し率(時短中連荘率)が高くなる。たとえば、低確率時が、設定1~6で1/410~1/320である場合、時短100回中の引き戻し率は、設定1~6で、約21.7%~約26.9%となる。したがって高設定ほど連荘回数が多くなるため、連荘回数は、設定推測要素に役立つ情報なりうる。また、出玉獲得球数ランキング、連荘回数ランキング、または大当り当選履歴などは、本日(電源投入時から電源遮断時まで)のみの情報だけを表示してもよいし、前日または複数日前の情報を引き継いで表示してもよいし、複数日間(たとえば、1週間)の履歴を表示してもよい。特に、大当り当選履歴や連荘回数を、少なくとも前日(たとえば、前日~1週間前など)の履歴情報を表示可能とした場合、遊技者側にとっては、パチンコホールの営業戦略を推測する要素ともなり、本日の設定推測に役立つ情報となりうる。
ED区間3~ED区間4では、時短中当選パターン1と同様に、上記「移行先遊技状態示唆演出」と上記「確変移行待機画面」とが現出される。
以上により終了INTが経過すると、特図2側10R確変(時短中当選時)に係る一連の大当り遊技が終了されることとなる。
(7-4B.確変中に特図2側10R確変に当選した場合の大当り遊技期間:図12)
次に図12を参照して、確変中に特図2側10R確変に当選(以下、「確変中特図2側10R確変当選」とも略す)した場合について説明する。なお、図11で説明した時短中特図2側10R確変当選時の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
確変中特図2側10R確変当選の場合は、図12(イ)(ロ)に示すように、“計23000ms”の開始INTと、1R~10Rのラウンド遊技期間(最大開放時間29800ms)と、各ラウンド遊技後の3000msのR間INT(計30000ms)と、“計45500ms”の終了INTとを含んで構成される。なお詳細は後述するが、所定の条件を満たすか否かに応じて、開始INTのOP区間と、終了INTに係るED区間とは、図12(イ)および(ロ)に示す確変中当選パターン1~4に分岐する。
確変中特図2側10R確変当選時の大当り遊技期間の構成は、既に説明した時短中特図2側10R確変当選時と同じく、図6(B)に示す通り、
・開始INT「23000ms」+R間INT「30000ms」+終了INT「45500ms」=総INT「98500ms」となっている。
(7-4B-1.確変中特図2側10R確変当選時の当り中演出について)
確変中特図2側10R確変当選に係る当り中演出は、上記時短中特図2側10R確変当選時と同じく、所定の条件を満たすか否かに応じて、その演出態様が異なるようになっている。具体的には、確変中特図2側10R確変当選時も時短中特図2側10R確変当選時と同様に、前回以前の大当り時の際に上記「着替演出」が実行されているか否かに応じて、当り中演出シナリオを分岐させる。
詳しくは、所定の実行条件に応じて、着替演出用当り中演出種別の確変中当選パターン1を実行させるか、非着替演出用当り中演出種別の確変中当選パターン2~4を実行させるかを決定する。なお、確変中当選パターン2~4(非着替演出用当り中演出種別)は、連荘回数に応じて決定されるが、上記「着替演出」が実行されていない場合には、連荘回数によらず、上記着替演出用当り中演出種別の確変中当選パターン1が優先的に実行されるようになっている。このように、確変中の当選時の場合は、上記「着替演出」が実行されているか否かだけによらず、連荘回数に応じても当り中演出が異なり、当り中演出のバリエーションが豊富なものとしてある。これにより、他の大当りよりも長時間にわたる大当り遊技が単調化せず、楽しく消化できるようになっている。以下に、確変中当選パターン1~4の当り中演出について説明する。
(7-4B-1A.確変中当選パターン1に係る当り中演出について)
確変中当選パターン1に係る当り中演出は、時短中当選パターン1に係る当り中演出と同じである。
(7-4B-1B.確変中当選パターン2に係る当り中演出について)
確変中当選パターン2に係る当り中演出は、時短中当選パターン2に係る当り中演出と同じである。ただし、この確変中当選パターン2に係る当り中演出は、連荘回数が2回目~5回目(所定の規定回数未満)の場合に選択される。本例1では、着替演出用当り中演出種別(時短中当選パターン1または確変中当選パターン1)が優先して選択されるため、確変中当選パターン2に係る当り中演出が選択されるケースは、少なくとも連荘回数2以上の場合となる。
(7-4B-1C.確変中当選パターン3に係る当り中演出について)
確変中当選パターン3に係る当り中演出は、連荘回数が6回目~9回目(所定の規定回数未満)の場合に選択される。確変中当選パターン3に係る当り中演出は、終了INTにおける演出(ED演出)が上記時短中当選パターン2とは異なり、その他の点は同じである。具体的には、時短中当選パターン2のミニゲーム(魚雷戦ゲーム)とは異なる内容のミニゲームを現出させるが、ミニゲーム自体の機能は同じである。
確変中当選パターン3におけるミニゲームでは、たとえば、自機(主人公キャラクタ)と敵機(敵キャラクタ)との間で、航空戦を行う様を表現したゲーム内容(航空戦ゲーム)となっており、敵機を撃墜させると、ポイントが入り、規定ポイントに達すると、特典として、設定示唆演出が現出されるようになっている。機関銃の発射や敵機に照準を合わせる際は、演出ボタン13(機銃発射ボタン)や方向キー75(照準合わせ用ボタン)を利用する。この航空戦ゲームでは、たとえば機銃を5回発射し、機銃が敵機に命中して撃墜すると200Pを獲得することができ(最高で1000P獲得(敵機5機撃墜)することができる)、800P以上獲得で設定示唆演出が現出されるようになっている。この航空戦ゲームも上記魚雷戦ゲームと同じく、遊技者が積極的に参加しない場合には、設定示唆演出が現出されない可能性があり、一切参加しない場合には、設定示唆演出の現出可能性はゼロとなる。また、撃墜するか否かは、魚雷戦ゲームと同じく、所定の演出抽選により決定される。
(遊技者参加型演出の変形例)
また、ミニゲームのような遊技者参加型演出で上記特定情報(たとえば、設定示唆情報、出玉獲得球数ランキング、連荘回数ランキング、および大当り当選履歴のうち少なくともいずれか1つに関する情報)を報知する報知条件として、たとえば下記の(A1)~(A5)の条件を定めることができる。(A1)特図2側の確変大当り当選時にのみで行う、(A2)特図2側の確変大当りの連荘時(少なくとも2連荘)で行う、(A3)特図1の確変当たり時のみ行う、(A4)特図2側の確変大当り当選時(または特図2側の確変大当りの連荘時)および/または特図1側の確変大当り当選時で行う、(A5)時短状態中の大当り当選時(いわゆる、大当りの引き戻し時)で行う、などのように上記報知条件を定めるることができる。このように、当りの種類によって遊技者参加型演出内容を異ならせることにより、遊技の面白みを向上させることができる。
なお、ED区間1、ED区間3、ED区間4では、時短中当選パターン1と同様に、それぞれ、上記「獲得球数報知演出」、上記「移行先遊技状態示唆演出」、上記「確変移行待機画面」が現出される。
(7-4B-1D.確変中当選パターン4に係る当り中演出について)
確変中当選パターン4に係る当り中演出は、連荘回数が10回(連荘回数が所定の規定回数目)に到達した場合に選択される。この確変中当選パターン4に係る当り中演出は、上記した「第2SP当り中演出」(第2特別当り中演出)であり、連荘回数が規定回数に達した場合に、特典として現出される特別な当り中演出である。なお、極めて稀なケースであるが、「着替演出」が実行されない大当り、具体的には、特図1側5R時短A、チャンス図柄停止時の特図1側5R確変、または特図2側5R時短Aの当選にだけで、たとえば連荘回数9回を獲得し、10回目の大当りで(連荘回数=10)、特図2側10R確変に当選した場合には、確変中当選パターン4に係る当り中演出が選択されずに、上記確変中当選パターン1(着替演出用当り中演出種別)が優先して選択される。この場合、連荘状態中の次回以降の大当りが、特図2側10R確変である場合に限り、確変中当選パターン4が選択されるようになっている。本実施形態では、第1の実行条件である着替演出用当り中演出種別に係る大当りが、今回の連荘中に当選していない限り、特図2側10R確変に当選して連荘回数が規定回数(連荘回数=10回)に到達したとしても、確変中当選パターン4(第2スペシャルED演出)が実行されないようになっている。以下、確変中当選パターン4に係る当り中演出について説明する。
(確変中当選パターン4(第2SP当り中演出)に係るOP区間1)
確変中当選パターン4に係る当り中演出では、図12(ロ)に示すように、開始INTのOP区間が2つとなっており、たとえば、下記のような演出が現出される。
OP区間1:確変当選を祝福する「祝福演出」。ここでは、時短中当選パターン1に係るOP区間1と同じく、ド派手な演出が現出される。なお、演出態様については、時短中当選パターン1のものと同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
OP区間2:「第2スペシャルタイトル演出」。ここでは、第2SP当り中演出の開始を示す特定のタイトルが表示される。
OP区間3:上記「右打ち示唆演出」。
(確変中当選パターン4に係るラウンド遊技区間、R間INT区間)
ラウンド遊技中とR間INT中では、たとえば、第2SP当り中演出用のムービーなどが表示される。
(確変中当選パターン4に係るED区間1~ED区間3)
確変中当選パターン4に係る終了INTは、図示の通り、ED区間が3つに分かれており、通常当り中演出の場合には、たとえば、下記のようなED演出が現出される。
ED区間1:ここでは、ラウンド遊技区間やR間INT区間で現出されているムービーが、このED区間1に食い込む形で現出される。なお、ED区間1では、ムービーとともに、獲得球数報知演出も重複的に現出される。
ED区間2:「第2スペシャル終了演出」。ここでは、第2SP当り中演出の一環として、第2SP当り中演出の終了を報知する第2スペシャル終了演出が現出される。この第2スペシャル終了演出は、特図2側10R確変当選時のみに現出される演出、すなわち、実質的には、大当り遊技後の遊技状態が確変状態に移行されることを報知する演出である。この点で、このスペシャル終了演出は、確変状態に移行される旨を報知する「移行先遊技状態示唆演出」として働く。また、第2スペシャル終了演出では、特典として、設定示唆演出も重複的に現出されるようになっている。
ED区間3:上記「確変移行待機画面」が現出される。そして、終了INTが経過すると、一連の大当り遊技が終了されることとなる。
なお、確変中当選パターン4が1度選択された場合は、次回以降は、連荘回数10回を達成するごとに選択される。また本実施形態では、「着替演出用当り中演出種別」に係る大当りに当選していない限り、上記確変中当選パターン4(第2スペシャルED演出)が実行されないと説明したが、着替演出用当り中演出種別が連荘中に当選したか否かによらず、連荘回数が規定回数(10回)に達した場合に、当該確変中当選パターン4を実行してもよい。
上記した確変中当選パターン4に係る当り中演出(第2SP当り中演出)は、通常では中々達成することのできない連荘回数を達成した際に現出される特典的意味合いが強い当り中演出、つまり、プレミア的な当り中演出としての位置付けとなっている。このため、この演出が現出される場合には、遊技者は達成感や優越感を味わうことができるとともに、遊技者にとっては感慨深い演出態様である。したがって、特に遊技者参加型演出を介在しなくとも、遊技者は退屈感や間延び感を受けることが少ないというメリットがある。このようなプレミア的な当り中演出は、当り中演出の豊富化、退屈感や間延び感の軽減に寄与する点で、好ましい演出態様と言える。
(7-4C.通常中に特図2側10R確変に当選した場合の大当り遊技期間:図10)
次に図10を参照して、通常中に特図2側10R確変に当選(以下、「通常中特図2側10R確変当選」とも略す)した場合(イレギュラー当選)について説明する。なお、図11~図12の時短中または確変中特図2側10R確変当選時の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
通常中特図2側10R確変当選の場合は、図10に示すように、OP区間1~OP区間3を含む“計23000ms”の開始INTと、1R~10Rのラウンド遊技期間(最大開放時間29800ms)と、各ラウンド遊技後の3000msのR間INT(計30000ms)と、ED区間1~ED区間9を含む“計50500ms”の終了INTとを含んで構成される。
この通常中特図2側10R確変当選の場合は、図11に示す時短中特図2側10R確変当選の「時短中当選パターン1」と終了INTの時間幅が異なる以外は、同じである。具体的には、終了INTが、通常中特図2側10R確変当選の方が5000msだけ長時間となっており、図6(B)に示す通り、
・開始INT「23000ms」+R間INT「30000ms」+終了INT「50500ms」=総INT「103500ms」となっている。
(7-4C-1A.通常中特図2側10R確変当選時の当り中演出について)
通常中特図2側10R確変当選に係る当り中演出について、開始INT、ラウンド遊技、R間INT、終了INTのED区間1~ED区間7に係る演出は上記時短中特図2側10R確変当選時の「時短中当選パターン1」と同じであり、ED区間8で「注意喚起演出」を現出し、その後のED区間9で「確変移行待機画面」を現出する点が異なるだけである。
特図2側10R確変の通常中当選時は、他の遊技状態中(時短中または確変中)の当選時とは異なり、大当り遊技期間が相対的に長時間(5000ms長い)とする理由は、次に述べる通りである。特図2側10R確変の通常中当選は、既に説明したように、遊技者が正しく遊技をしていても稀に生起しうるイレギュラーな当選である(上記「第1のイレギュラー当選」参照)。この当選は「初当り」となるが、通常起こる初当り、つまり、「特図1側5R時短A」当選や「特図1側5R確変」当選よりも、有利度が高い初当りとなる。したがって、何ら対策を採らない場合には、ベース値(大当り遊技後の移行先の確変状態中)が上昇し法的要請に合致し難くなりうる。その対策として、通常中特図2側10R確変当選時は、インターバル時間の延長が必須であるが、無闇に延長時間を長くしてしまうと、間延び感を与えてしまうため好ましくない。そこで本例1では、イレギュラー対策として、正規の初当り時(特図1側5R時短Aまたは特図1側5R確変の当選時)と同じ演出(本例では、上記「注意喚起演出」)を介在させることで、間延び感を防止するとともに、ベース値を下げる工夫をしている。なお、ベース値の変動幅に特に影響がない場合には、時短中または確変中当選時に係る大当り遊技期間の時間幅と同一(各INTを同一時間幅とする)としてもよい。具体的には、通常中当選時に係る終了INTを時短中または確変中当選時に係る終了INTと同じ時間(45500ms)としてもよいし、時短中または確変中当選時に係る終了INTを、通常中当選時に係る終了INT同じ時間(50500ms)としてもよい。この場合、後述する図13A~図13Dに示す延長率は、通常中、時短中、および確変中当選時(β2N、β2S、β2Fの対応欄)で同じ値となる。なお、後述の図16に示す具体例3の特図2側5R確変大当り、図18に示す具体例4、5の特図2側2R確変大当りと特図2側5R確変大当りも、通常中の当選(イレギュラー当選)の場合には、本例1の通常中特図2側10R確変と同様に、終了INTが5000msだけ延長された時間となっているが、これらの大当りについても、ベース値の変動幅に特に影響がない場合には、時短中または確変中当選時に係る大当り遊技期間の時間幅と同一とすることができる。
<8.各大当りの大当り遊技期間(インターバル時間)の関係性について>
以上、本発明の一実施形態として、具体例1に係る大当り遊技期間とその当り中演出について説明した。しかし本実施形態は、闇雲に、大当り遊技期間を定めているのではない。以下に、上述した図6、図7~図12に加え、図13A~図13Dおよび図14を用いて、大当り同士間の関係性を踏まえながら、各大当りの大当り遊技期間について、詳細に説明する。
(8-1.各大当りを比較した際の有利度について:図6(C))
まず図6の(C)を参照して、大当り同士を比較した際の有利度の関係について説明する。この有利度は、後述の延長率(図13A~図13D)に関連する事項である。
本実施形態の場合、各大当りを比較した際の有利度の高低を次のように定めている。たとえば、5R時短A大当り(時短回数100回)と5R時短B大当り(時短回数50回)とを比較した場合、いずれも最大ラウンド数と大入賞口の最大開放時間が同じであるため、大当り遊技中の利益状態だけに着目した場合には、双方同等の有利度を持つ大当りといえる。しかし、移行先の遊技状態種別を含めて着目した場合には、時短回数が相対的に多い“5R時短A大当り”の方が、遊技者にとり有利度の高い大当りとなる。また本実施形態の場合、確変大当りに係るST回数は有限であるが、そのST回数は“65536回”という次回の大当り当選がほぼ100%で約束される。したがって、次回大当りまで確変が継続するという、いわゆる「無限ST状態」と実質的に同価値である。確変大当りが上記「無限ST状態」を付与するものである場合に有利度の高低関係を扱う際には、まず、移行先の遊技状態種別を優先的に考慮し、次いで、出玉数を考慮するものとする(遊技状態種別優先決定方法)。たとえば、5R時短A大当りと5R確変大当りとを比較した場合は、確変状態に移行される5R確変大当りの方が有利度の高い大当りとなる。この場合、図6(A)に示す大当り種別の有利度の関係は、「5R時短B大当り<5R時短A大当り<2R確変大当り<5R確変大当り<10R確変大当り」となる。ただし、5R時短A大当りと2R確変大当りのように、一方の最大ラウンド数が他方の最大ラウンド数の半分未満となるような大当り同士を比較する場合には、出玉数を大きな差が付く場合があり、移行先の遊技状態種別を優先的に考慮すると不都合が生じる場合もある。このような大当りを含む場合には、出玉数を優先的に考慮してもよい(出玉数優先決定方法)。この場合、図6(A)に示す大当り種別の有利度の関係は、「2R確変大当り<5R時短B大当り<5R時短A大当り<5R確変大当り<10R確変大当り」となる。
このように、移行先の遊技状態が異なる大当り同士を比較する場合には、通常状態、時短状態(時短回数が相対的に多い方が有利)、潜確状態(ST回数が相対的に多い方が有利度高)、確変状態(ST回数が相対的に多い方が有利)のこの順に、有利度が相対的に高い大当りとして扱う。このルールに従い、図6(A)に示す具体例1の大当り種別について、各大当り同士の有利度を纏めると、図6(C)に示す通りであり、「特図1側5R時短A大当り=特図2側5R時短A大当り<特図1側5R確変大当り<特図2側10R確変大当り」の関係となる。
ただし、ST回数が上記「無限ST状態」として扱えない場合、大当り抽選確率との関係上、必ずしも次回大当りが約束された状態でないST回数を付与する大当りの場合(たとえば、ST回数が30回など)上述のように移行先の遊技状態種別を優先して考慮するのではなく、その大当りの当選に起因する連荘率(たとえば、図柄抽選率、ST中連荘率、または時短中連荘率など)を算出して、連荘率が“大”である方を“有利度が高い大当り”として扱うことができる。詳述すれば、たとえば仮に、低確率状態(通常状態または時短状態)の大当り確率(低確率状態)が「1/100」、高確率状態の大当り確率が「1/20」とする遊技機であって、ST回数10回を付与する5R確変大当り(ST終了後、通常状態に移行すると仮定する)と、時短回数100回を付与する5R時短大当りとが設けられている遊技機を考える。この例において、有利度を決定する際に、“移行先の遊技状態種別”を優先すれば、確変移行契機の「5R確変大当り(ST10回)」の方が有利度の高い大当りとなる。しかし、連荘率を考慮した場合には、5R確変大当り(ST5回)のST中連荘率は約40.1%であり、5R時短大当り(時短100回)の時短中連荘率は約63.4%であり、後者の5R時短大当り(時短100回)の方が、連荘率が高く、遊技者にとって利益度合が高い大当りとなる。よって、前者の「5R確変大当り(ST10回)」よりも「5R時短大当り(時短100回)」の方が、相対的に有利度が高い大当りとなる。
したがって、仮に、図6(A)に示す総ての確変大当りがST10回を付与する大当りであるとすれば、有利度の関係は、「5R時短B大当り(連荘率約39.5%)<2R確変大当り(連荘率約40.1%)<5R確変大当り(連荘率約40.1%)<10R確変大当り(連荘率約40.1%)<5R時短A大当り(連荘率約63.4%)」の順に、有利度が高い大当りとして扱うことができる。端的に言えば、ST回数が上記無限ST状態として扱うことができない場合には、大当り同士間の「連荘率」を最優先で考慮し、次いで「移行先の遊技状態種別」を考慮し、最後に「大当り中の出玉数」を考慮するという方法で、有利度の高低を決定することが好ましい。
また、遊技状態に応じて、特図1側と特図2側のとちらの大当りが、大当り抽選の対象となるのか、という点も考慮して有利度を決定することができる。本実施形態の場合、特図1側の大当りは、専ら「左打ち時」、すなわち「電サポ無し状態中(通常状態中)」に抽選対象となりうる大当り(上記「初当り」対象の大当り)であり、特図2側の大当りは、専ら「右打ち時」、すなわち「電サポ有り状態中(時短状態中、確変状態中)」に抽選対象となりうる大当り(上記「連荘中」対象の大当り)である。この場合、特図2側の大当りは、ベース値が高い状態での当選となる点を考慮して、特図2側の大当りは、特図1側の大当りよりも相対的に有利度が高い大当りとして扱うことができる。たとえば、特図1側の5R確変大当りと、特図2側の5R確変大当りとがあり(ST回数は同一とする)、これらの大当りを比較した場合、双方は同価値の大当りであるが、連荘中(電サポ有り状態中)の対象大当りであるか否かに着目した場合には、特図2側の5R確変大当りの方が、相対的に有利度が高い大当りとして扱うことができる。なお、特図種別それ自体は、連荘率や移行先の遊技状態に直接的な関係性がないので、最終的に考慮する事項、つまり、連荘率、移行先の遊技状態種別、および大当り中の出玉数が同じの大当り同士で、有利度が決定できない場合に考慮する事項とする。なお、連荘中の当りを重視する場合には、特図種別を少なくとも最終的な考慮事項としないことが好ましい。たとえば、特図種別を最優先で考慮した場合(特図2側を優先する場合)、本例1の有利度の関係は「特図1側5R時短A大当り<特図1側5R確変大当り<特図2側5R確変大当り<特図2側10R確変大当り」となる。
また、図柄抽選率を、有利度を決定する際の事項として考慮してもよい。なお、図柄抽選率を考慮する場合は、上述のように、連荘中の当りの対象となるか否かを考慮して決定することができる。たとえば、図柄抽選率が、特図1側5R時短A大当りが35%、特図1側5R確変大当りが65%、特図2側5R時短A大当りが35%、特図2側5R確変大当りが50%、特図2側10R確変大当りが15%である場合、図柄抽選率を最優先に考慮した場合の有利度の関係は「特図2側10R確変大当り(15%)<特図1側5R時短A大当り、特図2側5R時短A大当り(35%)<特図2側5R確変大当り(50%)<特図1側5R確変大当り(65%)」となる。しかし特図種別を最優先に考慮した場合(特図2側を優先する場合)の有利度の関係は「特図1側5R時短A大当り(35%)<特図1側5R確変大当り(65%)<特図2側10R確変大当り(15%)<特図2側5R時短A大当り(35%)<特図1側5R確変大当り(65%)」となる。
勿論、上述したような決定方法に限定されず、各大当りが当選した場合の獲得利益の期待値(期待利益)の大小関係を総合的に考慮して有利度の高低を決定することができる。また、特図1側と特図2側とで、異なる決定方法を採用してもよい。たとえば、特図1側は、連荘数、移行先の遊技状態種別、および出玉数のいずれかを最優先考慮事項とするが、特図2側は、図柄抽選率、連荘数、移行先の遊技状態種別、および出玉数のいずれかを最優先考慮事項とする、などである。また、本実施形態では、小当りを扱っていないが、小当りによる当り遊技(小当り遊技)は、法的要請により、大入賞口50の開放が一回行われる場合にあっては当該開放の時間が、開放が複数回繰り返される場合にあっては当該開放の時間の合計が1.8秒を超えない時間と定められている。このため、小当り遊技中は出玉が相対的に少なく、また遊技状態の移行制御も行われないことから、小当りを大当りと同列に扱う場合(大当り種別に小当りを含めて考える場合)、全大当り中、最も利益が低い大当りとなる。ただし、2R系大当りのように最大ラウンド数が少なく、かつ極短開放時間(たとえば、100ms)の場合には、小当りの方が有利度が高いものとして扱ってもよい。本明細書中において、有利度が高い(相対的に高い)または低い(相対的に低い)など称する場合は、上記有利度の各決定方法により定められるすべてのケースを含む概念である。
(8-2.延長率について:図13A~図13D)
図13A~図13Dに示す「延長率」について説明する。この「延長率」とは、第1の大当り(基準大当り)に係るインターバル時間(開始INT、R間INT、終了INT、または総INT)に対する第2の大当り(比較対象大当り)に係るインターバル時間の割合(比率)を示したもので、端的に言えば、基準大当りに対する比較対象大当りの間延び度合(延長度合)を示す指標として利用される値であり、従来には無い新規な指標である。本例の場合、延長率を百分率で表現しているが、適宜、分数、比、少数などの値で表現してもよい。
この延長率は、単に間延び度合の利用だけにとどまらず、大当り同士を比較した際の様々な事象、たとえば、大当り遊技期間の延長/短縮時間幅、大当り遊技中の利益率(大当り遊技中の獲得球数、その獲得球数の差)、ベース値の変動具合、遊技者が受ける不快度合、打ち込み数に関連する特定事象(たとえば、死に球比率、死に球数の差)、大当りの消化効率(大当り遊技の消化時間の差)などを考察する上で、利用可能な新規な指標となるものである。特に「延長率」は、型式試験に通過し易い設計値は如何なるものなのか、大当り遊技期間がどの程度であれば遊技者に対して不満感を与えることがないのか、それには基準の大当りのインターバル時間(以下「基準INT」とも称する)に対して、比較対象とする大当りのインターバル時間(以下「比較対象INT」とも称する)をどのように定めれば設計上好適であるかなどの、種々の事情を考察する上での指標として利用可能な点に、斬新性がある。
図13A~図13Dに示す延長率は、行方向欄に記載した大当りを「基準大当り」側とし、列方向欄に記載大当りを「比較対象大当り」側として、基準INTに対する比較対象INTの割合、すなわち、「比較対象INT÷基準INT」で算出した値を百分率で示してある。たとえば、基準大当りを「通常中特図2側5R時短A」(図13Bの上欄行方向に示すβ1N)とし、比較対象大当りを「通常中特図1側5R時短A」(図13Bの左欄列方向に示すα1N)とした場合の総INTの延長率、すなわち、通常中特図2側5R時短Aに対する通常中特図1側5R時短Aの総INTの延長率(α1Nの総INT÷β1Nの総INT=延長率ER)は、195%(73000ms÷37500ms≒195%)となる。図13A~図13Dには、本例1の各大当りについて、その開始INT、R間INT、終了INT、および総INT同士を比較した際の延長率を示してある。
この指標(延長率)に基づき、たとえば、「通常中特図1側5R時短A」における大当り遊技期間中の無駄球比率を算出すれば(INT期間の打ち込みは、すべて死に球(無駄球)とする)、「通常中特図2側5R時短A」の約95%増しであることが分かる。また、基準とする「通常中特図2側5R時短A」で発生する無駄球数(基準無駄球数)さえ判明していれば(発射装置の性能(毎秒約1.67発)×総INT37500ms(基準INT)=約62.6球(基準無駄球数))、比較対象の「時短中特図1側5R時短A」の死に球数は、単に延長率を乗算した値、つまり「約62.6球(基準死に球数)×延長率195%≒122球」と、非常に簡易な計算で算出可能である。死に球数の大小は、ベース値の変動幅などの参考値として利用することも可能であるため、一目で分かり易い「延長率」は、設計上の指標として大いに役立つ。
(8-2-1:具体例1に係る各大当り間の延長率について)
図13A~図13Dに示す延長率について、下記(A)~(H)のような特徴的関係を規定している。その目的は、出玉感を極力損なうことなく型式試験に適合させ易くするため、また無闇な間延びを極力防止するためである。以下では、本発明と関係の深い特徴的要素について述べる。なお、本明細書中では、説明の便宜のために「相対的に有利度が高い大当り」側を「高有利度大当り」、「相対的に有利度が低い大当り」側を「低有利度大当り」と略す場合がある。
(8-2-1A:同じ特別図柄の大当り同士の関係について)
(A)特図1側の大当りのうち、高有利度大当りの方が、総INTが長い(換言すれば、低有利度大当りの方が、総INTが短い)。つまり、低有利度大当りに対する高有利度大当りの総INTの延長率ERは「100%<延長率ER」の関係である。本例1の場合、特図1側5R時短Aと特図1側5R確変とを比較した場合の有利度は、「特図1側5R確変」側が“高有利度大当り”、それよりも有利度が低い「特図1側5R時短A」側が“低有利度大当り”である。そして、特図1側5R時短A(有利度低)に対する特図1側5R確変(有利度高)の総INTの延長率は、図13Aに示す通り、107%(逆の場合は94%)となっている。この点については、図13Aの左欄列方向(特図1側大当りの欄)の「α2N」「α2S」「α2F」と上欄行方向の「α1N」「α1S」「α1F」の欄の交差欄の総INTの欄(107%)、または左欄列方向「α1N」「α1S」「α1F」と上欄行方向の「α2N」「α2S」「α2F」の交差欄の総INTの欄(94%)を参照。なお以下では、図13A~図13D示す通りであるため、参照欄についての説明は省略する。
(B)特図2側の大当りも同様に、高有利度大当りの方が、総INTが長い(換言すれば、低有利度大当りの方が、総INTが短い)。つまり、低有利度大当りに対する高有利度大当りの総INTの延長率ERは「100%<延長率ER」の関係である。本例1の場合、特図2側5R時短Aと特図2側10R確変とを比較した場合、有利度は「特図2側10R確変」の方が高い。そして、特図2側5R時短A(有利度低)に対する特図2側10R確変(有利度高)の総INTの延長率ERは、図13Dに示す通り、263%(時短中、確変中)、276%(通常中(イレギュラー))となっている。
(C-1)次に、「総INT」以外のインターバル時間に着目した場合、特図2側の大当りのうち、高有利度大当りの方が、開始INTおよび終了INTが長い。本例1の場合、特図2側5R時短Aよりも特図2側10R確変の方が、開始INTが8000ms長く、終了INTが38000ms(イレギュラー当選の場合は、43000ms)長い。延長率に着目すれば、特図2側5R時短A(有利度低)に対する特図2側10R確変(有利度高)の開始INTの延長率ER1(153%)と、終了INTの延長率ER2(時短中・確変中当選時607%、通常中当選時673%)については、「1<ER1<ER2」の関係となっている。
(C-2)ここで、延長率ERの大小に着目する。終了INTの延長率ER2は、開始INTの延長率ER1よりも大である。したがって、延長率が相対的に大きい終了INTは、開始INTよりも、当然、間延び度合が強くなる。そのため、延長率が大となるインターバル時間に対しては、演出に何らかの工夫をしなければ、遊技者が退屈感・間延び感を受けやすい。一方、延長率小の開始INT側は間延び度合が小さく、上述した延長率大の終了INT側よりも遊技者が退屈感・間延び感を受けにくい。
そこで本例1の場合は、延長率「大」側の終了INT中は、遊技者を楽しませるべく、上記着替演出またはミニゲーム(たとえば、上記魚雷戦ゲームや航空戦ゲーム)などの特別な遊技者参加型演出を現出させる。特に、ミニゲームは、遊技に関する情報を報知する(本例の場合は、設定示唆演出の現出)という特典を付与するものとなっており、遊技者の間延び感の解消に大いに寄与する演出態様といえる。一方、延長率「小」側の開始INT中は、前述のような特別な遊技者参加型演出を現出せずに、上記「ド派手な演出」や単純な遊技者参加型演出(たとえば、上記楽曲選択演出)の現出を以って間延びを解消させるようになっている。
ただし、上記延長率の値だけで判断するのではなく、基準INTを考慮した上で、延長率を指標とすることも重要である。詳述するに、「基準INT」が仮に“数十~百ミリセコンドオーダー”程度の場合、たとえば「800ms」であるケースでは、比較対象INTの延長率ERが大き目の「600%~700%」であったとしても、その時間幅は、4800ms~5600ms程度である。この程度の時間幅であれば、遊技者参加型演出やド派手な演出を現出させる必要はない。却って演出時間幅と演出内容とのバランスが崩れてしまうからである。
(実験値から見た延長率と演出との関係について)
ここで、演出時間幅と演出内容とのバランスについて、実験結果(アンケート調査結果)を示す。図14は、遊技初心者~上級者100人(自社内)を対象に、インターバル時間がどの程度の時間になると、最も間延び感(たとえば、退屈感や倦怠感や不快感を含む)を受けるかというアンケート結果である。このアンケートでは、実際に、調査用に実験的な遊技機を用意した。この実験用遊技機では、開始INTを8秒、ラウンド数10R、R間INT3秒、終了INTの時間幅を60秒とし、調査対象者が終了INT中に間延び感(たとえば、「演出が早く終わらないのか」、「演出が長い」など)を受けたときに、その秒数を記録するというアンケート方式とした。また、終了INT中のED演出には、遊技者参加型演出を用いずに所定のムービー映像を表示するといった「非遊技者参加型演出」を用いたケース(図14(イ))と、ミニゲームを現出する「遊技者参加型演出」を用いたケース(図14(ロ))の2種類のアンケートを実施した。図示の棒グラフの縦軸は人数、横軸は終了INTの時間幅を示し、ここでは、アンケート結果を分かり易くするために、4000msごとのグラフとしてある。たとえば、図14(イ)の12000msのグラフであれば、「12000ms~16000ms未満」の間で、間延び感を受けたと記録した遊技者が「2人」存在したことを示す。なお、初見よりも2回目以降の方が間延び感を受けやすいと考えられるため、図示のアンケートでは、実験を最低2回実施して、各調査対象者が記録した秒数の平均値をグラフ化したものである。
これらのアンケート結果によれば、図14(イ)に示す非遊技者参加型演出のケースでは、インターバル時間が、概ね24秒以上になると、間延び感を受ける遊技者が指数関数的に増加し、38秒以上がピーク値を示している。特に、28秒以上になると、間延び感を受ける遊技者が非常に多い。すなわち、概ね24秒~40秒程度になると、多くの遊技者(このアンケート調査では全体の80%程度)が間延び感を受けるという結果を得た。一方、図14(ロ)に示す遊技者参加型演出のケースでは、遊技者がミニゲームに積極的に参加することで、特に24秒~40秒程度では、間延び感が大幅に軽減されている。調査対象者の80%以上は、50秒程度(図示では48秒未満)であれば、間延び感を受けないという結果を得た。これらのアンケート結果から考察すれば、非遊技者参加型演出の場合は、30秒程度(図示では、28秒以上)のINTを設ける場合には、遊技者が間延び感を受けないように何らかの対策(演出上の対策)が必要になると考えられる。本例1の場合は、たとえば最短の終了INTである特図2側5R時短Aの7500msを基準に見た場合、延長率ERが凡そ「300%~350%≦ER」程度の終了INTを持つ大当りに対して、ミニゲームや着替演出などの遊技者参加型演出を現出させることが好ましいといえる。図13A~図13Dの延長率を参照すれば、特図1側5R時短A、特図1側5R確変、特図2側10R確変などが遊技者参加型演出の現出対象大当りであることが分かる。なお、上記着替演出は、ミニゲームとは異なり、遊技に関する情報を報知するというもので無いため、ミニゲームよりも延長率ERが相対的に小さい(INTが相対的に短時間)場合にも用いることができる。上記ミニゲームは、終了INTが相対的に長い「特図1側5R確変(終了INT=45500ms)」または「特図2側10R確変(終了INT=48000ms)」の場合に、上記着替演出は、それよりも相対的に短い終了INTの特図1側5R時短A(終了INT=43000ms)の場合に用いることが好ましい。
また、開始INT中に現出される楽曲選択演出のような単純な遊技者参加型演出は、延長率ERがさらに小さい場合(たとえば「150%<ER<300%~350%」程度)に好適であり、本例1の場合には、既に説明した通り、開始INT中(インターバル時間15秒~20秒程度)の演出として採用している。ただし、インターバル時間が、概ね20秒以下の場合には、遊技者があまり間延び感を受けない時間幅として考えられるため、遊技者参加型演出を現出させなくてもよい。また、上記「ド派手な演出」と遊技者参加型演出とを組合せは、間延び感を解消する上で有効な手段である。本例1の場合、既に説明したように、特図2側10R確変(開始INTが相対的に長時間の大当り)を対象に、上記「ド派手な演出」と、上記「楽曲選択演出(単純な遊技者参加型演出)」とを現出させている。
このように、遊技者参加型演出やド派手な演出を、どの大当りに対して設けるのか否かを決定する際の指標として、この「延長率」を有効的に活用することができる。いずれにしても、INT中に如何なる演出を用意すればよいか、間延び度合は如何様であるか、などの種々の事象を考察する上で、延長率ERは重要な指標となりうる。
(8-2-1B.異なる特図間の大当り同士の関係について)
次に、異なる特図間の大当りの関係について説明する。特図1側の大当り種別(α1N~α2F)と、特図2側の大当り種別(β1N~β2F)については、下記の関係を持たせてある。
(D)特図2側の最高有利度大当り(β2N~β2F)は、特図1側のいずれの大当り(α1N~α2F)よりも総INTが長い。たとえば、「特図1側5R時短A」または「特図1側5R確変」に対する「特図2側10R確変」の総INTの延長率ERは、いずれも「100%<延長率ER」である。なお、本例1に係る特図2側10R確変(最高有利度大当り)は、他の大当りよりもラウンド数が多い分、総R間INTが長いが(5R分の15000msだけ長い)、仮に、同じ最大ラウンド数であってもその総INTが長くなるようになっている(最大5R換算とした場合に、総INTが83500ms(98500ms-15000ms)となっている)。特図2側10R確変が連荘状態中(大当り間で電サポ有り状態中が連続する場合)当選した場合には、ベース値の上昇幅が他の大当りよりも高くなるため、なるべく総INTを長時間とすることが好ましい。そこで、特図2側10R確変の総INTについては、最大5R換算とした場合にも、他の大当りよりも総INTが長時間となるように定めてある。
(E)特図2側の最低有利度大当り(β1N~β1F)は、少なくとも特図1側の最高有利度大当り(α2N~α2F)よりも総INTが短い。本例1に係る特図2側5R時短Aは、全大当り中、総INTが短くなっており、特図1側の最低有利度大当り(α1N~α1F)よりも総INTが短い。たとえば、「特図1側5R確変」に対する「特図2側5R時間A」の総INTの延長率ERは、「延長率ER<100%」である。このように、特図2側の有利度が低い大当りの場合(特に、最低有利度大当りの場合)に総INTが相対的に短時間となるようにするのは、連荘中の当り遊技の消化スピードを出来るだけ上げて、出玉感(出玉スピード感)を損なわないようにするためである。本例1では、特図2側5R時短A(最低有利度大当り)については、総INTを全大当りうち最短となるようにする一方、特図2側10R確変(最高有利度大当り)には、総INTを全大当りうち最長となるようにして、ベース値の変動幅の緩急を抑えつつ、出玉感を損なわないような工夫がなされている。
(F)特図1側の一の大当り(α1N~α1Fまたはα2N~α2F)に対する特図2側の最高有利度大当りの総INTの延長率を「ERα」とし、特図2側の大当りのうち、低有利度大当り(β1N~β1F)に対する最高有利度大当り(β2N~β2F)の総INTの延長率を「ERβ」とした場合、「延長率ERα<延長率ERβ」の関係を満たす。たとえば、特図1側5R時短Aに対する特図2側10R確変大当りの総INTの延長率ERαは、図13Cに示す通り、約135%(通常当選時、約142%)、特図2側5R時短Aに対する特図2側10R確変大当りの総INTの延長率ERβは、図13Dに示す通り約263%(通常当選時、約276%)である。
(G)なお、図示はしていないが、図示しない大当り種別を設けた場合、たとえば「特図2側10R確変」の替りに、「特図2側5R確変」を設けた場合、特図1側5R確変と有利度については同等となるが、特図2側は右打ち時に当選する大当り、すなわち、主に、電サポ有り状態中(連荘中)の当選対象となりうる大当り種別であるため、有利度の関係を考慮する際に上記した「特図種別」を考慮事項とし、有利度の関係を「特図1側5R確<特図2側5R確変」することが好適である。このように、図示しない大当り種別を設けた場合は、既に説明した上記「8-1.各大当りを比較した際の有利度の高低について」に従い、適宜、各大当りの有利度を考慮して、上記(A)~(F)で述べた延長率の関係を適用することができる。
(H)また、図13A~図13Dにおいて、開始INT、R間INT、終了INT、総INTの区間を対象として延長率を示したが、本発明はこれに限らず、次のような区間を対象としてとしてもよい。たとえば、開始INTの各OP区間の少なくとも1つの区間、各ラウンドのR間INT区間の少なくとも1つの区間、または各終了INTの各ED区間の少なくとも1つの区間である。具体的には、OP区間1同士を比較した際の延長率(第1の大当りのOP区間1に対する第2の大当りのOP区間1の延長率)などである。たとえば、特図1側5R時短AのOP区間1は6000ms(図7参照)、図特図2側10R確変大当りのOP区間1は14000msであるので(図10~図12参照)、特図1側5R時短AのOP区間1に対する特図2側10R確変大当りのOP区間1の延長率は「延長率ER=約233%」となる。このように、INT期間を細分化した期間、換言すれば、特定の演出区間を対象とした延長率を算出し、その値を間延び度合の指標として利用することができる。
(8-3:具体例2のケースに係る延長率について:図15)
次に、図15に示す本例2(具体例2)のケースに係る延長率について説明する。この本例2が本例1(図6)と異なる点は、特図2側5R時短A(時短回数100回)が特図2側5R時短B(時短回数50回)に置き換わっている点である(図15(A)参照)。
また、インターバル時間については、図15(B)に示す通り、置き換えた特図2側5R時短Bを含め、他の大当りも本例1(図6)と同じであり、したがって、延長率の値自体も同じである。
ただし、各大当り間の有利度については、図15(C)に示す通り、特図1側5R時短Bは特図2側5R時短Aよりも有利度が相対的に低い大当りのため、a13(下付き数字は行列を示す)が「△→○」に変化、a31が「△→×」の関係に変化している。
この本例2(図15)についても、実質的には上記した本例1(図6)で説明した内容と同様である(上記「8-2-1:具体例1に係る各大当り間の延長率について」、図13A~図13Dを参照)。
以上に説明した本例1および本例2(後述の本例3~本例5も含む)は、本発明の好ましい実施形態を代表的に例示したものであり、本発明は、上記(A)~(H)の少なくともいずれか1つの構成を含むことができる。また本発明の技術的思想は、各INTに関する記載、図13A~図13Dに示される延長率(上記(G)、(H)に係る延長率を含む)から導出可能な技術的思想のすべてが含まれる。
<9.連荘状態中の総INTについて>
(9-1.具体例3:図16、図17)
上記では、大当り遊技期間、延長率、および当り中演出などに着目して、各大当りの関係性について説明した。ここでは、本例3(具体例3)として、大当りが連荘した場合における経過時間(総INT)に着目して、各大当りの関係性について説明する。
図16を参照して、本例3の大当り種別は、図16(A)に示す通り、図6(A)に示す上記本例1の特図2側の大当り種別に、新たに「5R確変大当り」を追加したものとなっている。また各INTは、図16(B)に示す通りである。また、本例3に係る各大当りの有利度の関係は、上記具体例1と同様のルール(遊技状態種別優先決定方法)に従い、「5R時短B大当り<5R時短A大当り<5R確変大当り<10R確変大当り」として扱う(図示せず)。したがって、新たに設けられた「特図2側5R確変」は、特図2側5R時短Aよりも有利度が高く、特図2側10R確変大当りよりも有利度が低い「中有利度大当り」の位置付けである。
先ず、本例3の特図2側5R確変に係る当り中演出について説明しておく。開始INT中のOP演出については、既に説明した「特図1側5R時短の時短中当選パターンA」と同じく「祝福演出」(ここでは、特図2側5R確変当選である旨を報知する演出であり、通常の祝福演出(非ド派手の演出)に属する)、「楽曲選択演出」、「楽曲決定演出」、「右打ち示唆演出」が順次現出される。ラウンド遊技中とR間INT中の演出については、特図2側5R確変用の「キャラクタ紹介演出」が現出される。また、終了INT中のED演出については、「獲得球数報知演出」、「移行先遊技状態示唆演出」、「確変移行待機画面」が順次現出される。なお、特図2側5R確変に係る終了INTは、特図2側5R時短Aに係る終了INTよりも長時間になっているが(図16(B)参照)、その演出時間幅は、獲得球数報知演出の演出時間に割り当てられている。
図17は、連荘状態に大きく影響する「確変大当り」に着目し、確変大当りの連荘状態(確変状態が連続的に継続した場合)のモデルケース(パターン1~4:連荘パターン)を示したものである。ここでは、主に、連荘中において抽選対象となる大当り(連荘対象大当り)となる「特図2側の確変大当り」に着目している。その理由は、電サポ有り状態中に連荘が生起した場合、ベース値の上昇に最も影響する大当り種別だからである。
図示の各パターン1~4は、合計消化ランド数が30ラウンドに達したときの連荘ケースを示したものである。具体的には、パターン1は、特図2側5R確変が6連荘したケース、パターン2は、特図2側5R確変が4連荘および特図2側10R確変が1回当選したケース、パターン3は、特図2側5R確変が2連荘および特図2側10R確変が2連荘したケース、パターン4は、特図2側10R確変が3連荘したケースを示している。なお、いずれのパターンも当選した順番は順不同である。
ここで、1回の大当りの総INTに着目し、低有利度側の特図2側5R確変について、総INTに対する1R(単位ラウンド)あたりのINT時間「Runt」(総INT÷最大ラウンド数)は「8000ms」(INT時間/1R)、高有利度側の特図2側10R確変は「9850ms」である。すなわち上記「Runt」は、その時間幅が「低有利度大当り<高有利度大当り」となる関係を持たせてある。また、合計消化ラウンド数のうち、各大当りが占める消化ラウンド数“Rdig”をそれぞれ算出し、その値に各大当りの“Runt”を乗算した結果の総和(Σ(Runt×Rdig))を算出すれば、合計消化ラウンドに要する「合計INT時間」が算出される。たとえば、パターン1における15R消化に要する合計INT時間は、次のように算出できる。合計消化ラウンド15Rのうち、特図2側5R確変による消化ラウンドは15R分を占める(特図2側5R確変×3回)。よって合計INT時間は、「8000ms×15R=12000ms」となる。パターン3であれば、合計消化ラウンド15Rのうち、特図2側5R確変が10R分を占め、特図2側10R確変が5R分を占めるため(特図2側5R確変×2回+特図2側10R確変×1/2回)、合計INT時間は、「8000ms×10R+9850ms×5R=129250ms」となる。なお、各パターンについて、5R~30R消化までに要する合計INT時間は、図示の通りである。
すなわち、有利度が異なる大当り(本例3の場合、最大ラウンド数に応じた有利度)がN種類ある場合、各大当りの1R(単位ラウンド)あたりのINT時間を「Runt1、Runt2、・・・、Runt(K-1)、RuntK」(K=1~N)とし、各大当りが占める消化ラウンド数をそれぞれ「Rdig1、Rdig2、・・・、Rdig(K-1)、RdigK」(K=1~N)とした場合、連荘時の合計消化ラウンド数「Rtal」の消化に要する“合計INT時間(Σ(RuntK×RdigK):K=1~N)”は、合計消化ラウンド数(Rtal)のうち、高有利度大当りによる消化ラウンド数が相対的に多いほど、合計INT時間が長時間となり(大当り遊技の消化スピードが遅くなる)、逆に言えば、低有利度大当りによる消化ラウンド数が相対的に多いほど短時間となる(大当り遊技の消化スピードが速くなる)という特徴を有する。
たとえば、特図2側5R確変(有利度低)と特図2側10R確変(有利度高)の最大ラウンド数の最小公倍数に相当する10R(Rtal=10R)に着目すれば、「特図2側5R確変」を2連荘させて10R分消化ときの大当り遊技の消化スピード(出玉獲得スピード)よりも、特図2側10R確変を1回当選させて10R分消化ときの大当り遊技の消化スピードの方が、大当り遊技の消化スピードが遅くなる。特に連荘率は有限であり、たとえば本例3の場合、確変突入率65%(130/200)、その平均連荘数は約3~4回(時短中の連荘込み)程度である。遊技機を設計する場合、出玉感(遊技機の面白み)と型式試験の適合のし易さ(法的要請)という双方の観点から、次の点が重要となる。
(Α)低有利度大当り(ここでは、特図2側5R確変)が連荘した場合には出玉は少なくベース値の上昇幅が小さいため、出玉獲得スピードを向上させて、遊技者に対して出玉感を与える点が重要となる。(Β)一方、高有利度大当り(ここでは、特図2側10R確変)が連荘した場合には出玉が多く出玉感はあるが、ベース値の急上昇を抑えて型式試験に適合し易くする点が重要となる。付言すれば、たとえば「Rtal=30R」(初当りは除く)を獲得するためには、特図2側5R確変であれば6連荘を要するが、特図2側10R確変を3連荘で到達する。すなわち、Rtalが相対的に多くなるほど低有利度大当りを大連荘させなければならないという関係にあるため、連荘率が有限であることを考慮すれば、稀に発生する低有利度大当り側の大連荘に重きを置くよりも、高有利度大当り側の連荘に重きを置いて、出玉獲得スピードを考慮することが重要である。
このような点に鑑み、本例3では、少なくとも特図2側の大当り(連荘中対象の大当り)については、有利度が高くなるに従い、「Runt」が相対的に長時間となるように定めるている。これにより、低有利度大当りの場合は出玉は少ないが出玉獲得スピードが向上して出玉感が増し、他方、高有利度大当りの場合は多くの出玉を獲得できるが、出玉獲得スピードを遅くベース値の上昇幅を抑える(型式試験に適合し易くなる)、というバランスのよい遊技機を提供することができる(後述の本例4も同様)。上記「Runt」は、上記延長率「ER」と同様に、大当り遊技に関する種々の事象を考察する際に役立つ指標として利用可能である。
図17に示すパターン1~4であれば、図示の通り、パターン1、2、3、4の順に、特図2側10R確変による消化ラウンド数が相対的に多くなっている。したがって、合計INT時間の長短は、「パターン1(最短)<パターン2<パターン3<パターン4(最長)」の関係となる(たとえば、図17に示す10R、20R、30R消化時の合計INT時間の欄参照)。
なお、本例3では、確変大当りの連荘パターンを示しているが、時短大当りが介在する場合(特図2側5R時短Aの当選が介在する場合)も、合計INT時間の長短の関係は同じである。詳述すれば、各大当りの有利度の関係は、既に説明したように「特図2側5R時短A<特図2側5R確変<特図2側10R確変」であり、特図2側5R時短Aの上記「Runt」は「7500ms」(37500ms(総INT)÷5R(最大ラウンド数))となっている。つまり、特図2側の大当りのうち、最低有利度の特図2側5R時短AのRuntが最短時間として定められている。したがってこの場合も、相対的に有利度が高い大当りによる消化ラウンド数が多いほど合計INT時間が長くなるという関係は同じである。
(9-2.具体例4:図18、図19)
次に図18~図19を参照して、上記した本例3の変形例(具体例4)について説明する。なお、上記具体例3の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
図18を参照して、本例4(具体例4)の大当り種別は、図18(A)に示す通り、上記した本例3(図16(A))の特図2側の大当り種別に「2R確変大当り」を追加したものとなっている。また各INTは、図18(B)に示す通りである。
ここで本例4に係る各大当りの有利度の関係は、上記「Runt」を扱う場合と、上記「延長率ER」を扱う場合とで異なる。「Runt」を扱う場合には、特に特図2側の大当りの関係に着目して、上記具体例3と同様のルール(遊技状態種別優先決定方法)に従い、「特図2側5R時短A大当り<特図2側2R確変大当り<特図2側5R確変大当り<特図2側10R確変大当り」として扱う。その理由は、上記INT時間「Runt」を扱う場合、連荘対象大当りとなる特図2側の確変大当り、つまりベース値の上昇に最も影響する大当り種別に着目すべきだからである。一方、上記「延長率ER」を扱う場合には、上記出玉数優先決定方法に従い、各大当りの有利度の関係を「2R確変大当り<5R時短A大当り<5R確変大当り<10R確変大当り」として扱う。このように、異なる指標(INT時間Runtや延長率ER)を扱う場合には、有利度の決定方法を適切な方法を採用し、各指標を有効活用することが好適である。
先ず、本例4の特図2側2R確変に係る当り中演出について説明しておく。特図2側2R確変は、2ラウンドという少ないラウンド遊技が実行される大当りのため、開始INTおよび終了INTは、全大当り中で最短となっている。そのため、特図2側2R確変では、当り中演出の演出量が最も少なくなっており、OP演出は、特図2側2R確変の当選を報知する「通常の祝福演出」と「右打ち示唆演出」とが順次現出され、ラウンド遊技中とR間INT中の演出については、特図2側2R確変用の所定のムービー演出が現出される。また、ED演出については、「移行先遊技状態示唆演出」と「確変移行待機画面」とが順次現出される(獲得球数報知演出は現出しない)。
図19は、本例4に関し、確変大当りの連荘状態のモデルケース(パターン1~5)を示したものである。図示の各パターン1~5は、合計消化ランド数が20ラウンドに達したときの連荘ケースを示したものである。具体的には、パターン1は、特図2側2R確変が10連荘したケース、パターン2は、特図2側2R確変が5連荘および特図2側5R確変が2連荘したケース、パターン3は、特図2側2R確変が5連荘および特図2側10R確変が1回当選したケース、パターン4は、特図2側5R確変が2連荘および特図2側10R確変が1回当選したケース、パターン5は、特図2側10R確変が2連荘したケースを示している。なお、いずれのパターンも当選した順番は順不同である。
本例4の場合、特図2側の各大当りの「Runt」は、下記のようになる。
特図2側5R時短AのRunt=7500ms(37500ms÷5)、
特図2側2R確変のRunt=9500ms(19000ms÷2)、
特図2側5R確変のRunt=9600ms(48000ms÷5)、
特図2側10R確変のRunt=9850ms(98500ms÷10)。
上記のように、特図2側の各大当りにおける「Runt」の関係は、「特図2側5R時短A(最低有利度)<特図2側2R確変<特図2側5R確変<特図2側10R確変(最高有利度)」となっている。この具体例4の場合も上記具体例3と同じく、合計消化ラウンド数(Rtal)のうち、相対的に有利度が高い大当りによる消化ラウンド数が多いほど合計INT時間が長くなる。図19に示すパターン1~5であれば、図示の通り、パターン1、2、3、4、5の順に、相対的に有利度が高い大当りによる消化ラウンド数の割合が多くなっており、合計INT時間の長短の関係は、「パターン1(最短)<パターン2<パターン3<パターン4<パターン5(最長)」となる(たとえば、図19に示す10R、20R消化時の合計INT時間の欄参照)。なお、時短大当りが介在する場合(特図2側5R時短Aの当選が介在する場合)も、合計INT時間の長短の関係は同じである。
(9-3.具体例5:図20、図21)
次に図20および図21を参照して、具体例5(本例5)について説明する。本例5は、上記した本例4の連荘パターンについて、大当り当選時の図柄変動表示ゲーム実行期間、つまり、変動パターンに係る変動時間を含めて考慮したケースを例示したものである。なお、本例5について、本例4の内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図20(A)は、特図2側の確変大当り(2R確変、5R確変、10R確変)当選時の変動パターンに係る変動時間の一例を示したものであり、図20(B)は、これら変動パターンの選択率の一例を示したものである。なお、図20(A)の変動パターンは、代表的に、最短変動時間と最長変動時間に係る変動パターンを示してあるが正確には、様々な変動時間を定めた複数種類の変動パターンが設けられている。また、平均変動時間については、同図(B)に示す選択率に基づき算出した平均の変動時間である。
図21は、図19(上記本例4)に示す連荘パターン(パターン1~5)のそれぞれについて、変動時間を考慮した場合の合計経過時間を示したものである。ここでいう「合計経過時間」とは、或る大当りが当選したときの「大当り当選時の図柄変動表示ゲームの実行期間(変動時間)+その大当り遊技に係る総INT時間」を当該大当りの“経過時間Pt”として、連荘に係るすべての大当りに係る経過時間Ptを合計した値である。たとえば、パターン2の場合(図19参照)、特図2側2R確変が5連と特図2側5R確変が2連したケースであるので、たとえば、当選時の変動パターンがすべて最短変動時間を持つものであった場合には、合計経過時間は下記のように算出される。
(ζ)特図2側2R確変の当選に係る合計経過時間は、
経過時間Pt1「最短変動時間20000ms+19000ms(確変中)」×5連=195000ms(総変動時間100000ms、総INT95000ms)
(η)特図2側5R確変の当選に係る合計経過時間は、
経過時間Pt2「最短変動時間75000ms+48000ms(確変中)」×2連=246000ms(総変動時間150000ms、総INT96000ms)
となり、パターン2の合計経過時間((ζ)+(η))は、
「195000ms+246000ms」=441000ms(図21(A)のパターン2の欄参照)と算出される。
なお、電サポ状態有り中は、作動保留球が高頻度で発生しうるため、作動保留球は常に存在するものとして扱い、作動保留球を保留するために要する時間は無視するものとする。また、ここでは、ハズレ当選時を除外しているが、これは、ベース値が大きく上昇するモデルケースとして、ハズレが介在せずに連続当選した場合を想定したケースを扱っているためである(パターン1、パターン3~5についても同様)。
上記のように算出した総変動時間、合計INT時間、および合計経過時間を纏めた一覧表を図21に示す。図21(A)~(C)のそれぞれは、大当り当選時に、すべて最短変動時間の変動パターンが選択されたケースと、すべて平均変動時間の変動パターンが選択されたケースと、すべて最長変動時間の変動パターンが選択されたケースを示したものである。同図(B)に示す“平均変動時間のケース”は、通常の遊技進行において、最も想定されるモデルケースとなる。
なお同図(D)のパターン6~8は、特図2側の2R確変、5R確変、10R確変の大当りについて、「Rtal=10R(各大当りのラウンド数の最小公倍数に相当するラウンド遊技数)」分を、その大当りだけで消化したケースを想定した、総変動時間、合計INT時間、および合計経過時間を示したものである。
本例5の特徴的部分は、Rtal=N(ラウンド)とした場合、Rtal=Nに達するまでの合計経過時間(連荘時の変動時間+連荘時の合計INT時間(単発も連荘として扱う))が、有利度が相対的に高い大当りが含まれるほど長時間となっている点である。この点については、「Rtal=20R」消化時の図21(A)~(C)、「Rtal=10R」消化時の同図(D)に示す通りである。
本例5によれば、有利度が相対的に高い大当りが多く含まれるほど、合計経過時間が相対的に長時間とすることで型式試験の適合性を高めることができる。逆に、有利度が相対的に低い大当りが多く含まれるほど、合計経過時間が相対的に短時間とすることで連荘時のスピード感を高める、つまり出玉感を損なわないようにすることができる。このように、各大当りの変動パターン(変動時間)とその選択率とを工夫することにより、上記した本例3や本例4と同じ作用効果、すなわち、低有利度大当りの場合は出玉は少ないが出玉獲得スピードが向上して出玉感が増し、他方、高有利度大当りの場合は多くの出玉を獲得できるが、出玉獲得スピードを遅くベース値の上昇幅を抑える(型式試験に適合し易くなる)、というバランスのよい遊技機を提供することができる。
なお、本発明について下記の(K)~(N)のように構成してもよい。
(K)少なくとも最高有利度の大当り(本例では、特図2側10R確変)の合計経過時間が他の大当りよりも長時間となるように構成してもよい。(L)少なくとも最低有利度の大当り(本例では、特図2側2R確変)の合計経過時間が他の大当りよりも短時間となるように構成構成してもよい。(M)変動時間については、本発明の目的を達成しうるものであれば、図20に示す変動時間および/または選択率に限定されず、適宜定めることができる。たとえば、図20では、最短、最長、および平均の変動時間の関係が「特図2側2R確変<特図2側5R確変<特図2側10R確変」となっているがこの関係に限らず、最短、最長、および平均の変動時間のうち、一部が同一であってもよいし、「特図2側5R確変<特図2側2R確変<特図2側10R確変」という具合に、一部の関係が逆転していてもよい。(N)また、一つの指標として、Rtal(合計消化ラウンド数)が、各大当りの最大ラウンド数の最小公倍数を消化するまでの合計経過時間(変動時間を考慮する場合)および/または合計INT時間(変動時間を考慮しない場合)が、相対的に有利度が高い大当りほど長時間(相対的に有利度が低い大当りほど短時間)となるように構成してもよい(本例3の連荘パターンについても同様)。本例5の場合、図21(D)に示すように合計経過時間および/または合計INT時間が「特図2側2R確変(有利度低)<特図2側5R確変<特図2側10R確変(有利度高)」を満たすよう構成することができる。
なお、本実施形態では、連荘対象大当りが特図2側の大当り種別として説明したが、遊技状態に応じて(通常、時短、確変、または潜確に応じて、あるいは電サポの有無に応じて)打ち方(右打ち・左打ち)に応じて有利不利が無い場合、または殆ど有利度に差の無い場合(実質的にどちらの打ち方をしても遊技者にとり不利益が生じない場合)である場合、初当り対象大当りおよび連荘対象大当りは、特図1側・特図2側を区別することなく、全大当りについて有利度合、延長率ER、RUNT、各種INT時間などの値を考慮すればよい。また、遊技状態に応じて打ち方に有利不利は無いが、電サポ無し状態下では特図1側始動口(たとえば、上始動口34)への入賞し特図2側始動口(たとえば、下始動口35)への入賞困難または入賞不可能であるが、電サポ有り状態下では、普電開放遊技により特図2側始動口(下始動口35)に頻繁に入賞が発生するような遊技機の場合には、初当り対象大当りを特図1側の大当り種別、連荘対象大当りを特図2側大当り種別として有利度合、延長率ER、RUNT、各種INT時間などの値を考慮すればよい。
[第2の実施形態]
次に図22~図25を参照して、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
<実施例1~4:図22~図25>
図22~図25は、第2の実施形態に係る実施例1~4の説明に供する説明図である。このうち実施例1(図22A~E)は通常状態において、実施例2(図23A~E)は確変状態において、それぞれ大当り抽選にて、「確変大当りまたは時短大当り」に当選した場合における遊技状態の推移と予告演出の推移とを、時間の経過と共に示したものである。また実施例3(図24A~E)は確変状態において「確変大当り」に当選した場合における遊技状態の推移と予告演出の推移とを、時間の経過と共に示したもの、また実施例4(図25A~E)は確変状態において「時短大当り」に当選した場合における遊技状態の推移と予告演出の推移とを、時間の経過と共に示したものである。
これらの実施例1~4では、「遊技状態」として、通常状態(低確率・電サポ無し状態/特図、普図変動あり)と、確変状態(高確率・電サポ有り状態/特図、普図変動あり)の別を扱っている。また「演出」に関して、演出フロー(図柄変動表示ゲーム中に現出される各種演出の概要:演出シナリオの概要)、液晶演出(画像表示演出)、可動体(可動体演出)、装飾図柄(装飾図柄に係る演出態様)、ミニ図柄(第4図柄に係る演出態様)の項目を(光演出、音演出についての項目は不図示)、また特図に関して、特図セグ(特別図柄表示装置38a、39bの7セグ)の項目を、また、左打ち・右打ちの打ち出し方向に関して、右打ち表示(右打ち示唆演出)、右打ち報知ランプ(右打ち表示装置39bの表示態様)、打ち出し方向(左打ち/右打ち)の項目を設けてある。
<実施例1:図22A~図22E>
図22A~図22Eは、実施例1として、「通常状態」(低確率・電サポ無し/特図と普図の変動あり)下において、大当り抽選にて、「確変大当り(たとえば、5R確変大当り、10R確変大当り)」または「時短大当り(たとえば、時短A大当り、時短B大当り)」に当選した場合における遊技状態の推移と演出系の推移とを、時間の経過と共に示したものである。このうち最初の図22Aは比較用の実施例(以下、「比較例1」と称する)を、残りの図22B~図22Eは第2の実施形態の具体例1~4(以下、本例1、本例2・・本例4の如く略す)を示している。
この実施例1(図22A~図22E)では、大当りの種別として、図4に示す大当り種別(当選種別)のいずれも対象としている。すなわち、図4に示す大当り種別のいずれが当選した場合にも適用できる具体例となっている。実施例1は、通常状態中の当選を扱うため、主に、「初当り」の対象となる「特図1」に係る大当り種別を対象となる。なお、実施例1(図22A~図22E)に関し、図示していない潜確状態への移行契機となる潜確大当り種別にも適用することができ、特に、大当り種別に制限はない(後述の図23~図25の実施例についても同様)。また、実施例1(図22A~図22E)では、代表的にSPSPリーチ種別に係る演出フロー(演出シナリオ)を扱っているが、SPリーチ種別に適用してもよいし、特定のリーチ種別だけに適用してもよく、どのようなリーチ種別に適用するかは適宜定めることができる(後述の図23~図25の実施例についても同様)。
(1)比較例1(図22A)
通常状態において、大当りに当選した場合、比較例1(図22A)では下記に示すように演出フローが進行する。ここでは、大当りに当選した場合について説明しているので、特図に係る変動パターンは、当りリーチ変動パターンを扱う。なお、以下で説明する大当り種別は、特に、特定の大当りに限定せずに説明する。
(a)経過時刻0s~24s(0s≦時刻t<24s):SPリーチ前段階
図22Aを参照して、図柄変動表示ゲームが開始されると(時刻0s)、演出フロー(演出シナリオ)は、「高速変動(高速変動状態で変動表示)」(経過時刻0s~15s)から、リーチ変動(経過時間15s~24s)と変化する。「高速変動」の期間(時刻0s~15s)では、液晶画面には、装飾図柄が高速変動表示を所定時間継続した後、まず左図柄を仮停止表示し、その後、右図柄を仮停止表示して(たとえば、左図柄と右図柄が高速変動状態から低速変動状態へと移行させ、順次、ゆっくり仮停止させる)リーチ状態(たとえば、「8↓8」)を形成する(時刻15s~18s)。そして、リーチ変動の期間(時刻15s~24s)では、左図柄と右図柄とがリーチ状態を維持しながら、中図柄が、たとえば、搖動、拡大縮小、または変形表示などのSPリーチ発展煽り演出を行い(時刻18s~24s)、SPリーチへの発展を煽るようなリーチ演出が現出される。この初期に行われるリーチ変動は「Nリーチ」変動となっており、本実施形態の場合、SPリーチやSPSPリーチには、このNリーチ変動を経由してから移行(実行)されるようになっている。また、リーチ状態が形成される前には、液晶演出(演出表示)として、種々の予告演出(リーチ変動パターンに関連する予告演出)が現出される(時刻0s~18s)。なお、液晶画面における「ミニ図柄」は高速変動状態(変動表示中)にあり、特別図柄表示装置の特別図柄(特図セグ)も変動状態(変動表示中)にあり、液晶画面における「右打ち表示」は非表示であり、「右打ち報知ランプ」は非点灯、つまり、「左打ち」の指示状態を示している。
(b)経過時刻24s~42s(24s≦時刻t<42s):SPリーチ段階
演出フローが「SPリーチ」(時刻24s~42s)に移り、液晶演出として、このSPリーチ中に、たとえば、いわゆる「カットイン予告」(SPリーチ中カットイン予告)など予告演出が発生し、その後、SPSPリーチに発展可能性を示唆する発展演出が現出される。この「カットイン予告」には、当選期待度に応じた複数種類のカットイン予告が設けられており、たとえば、予告表示に用いられる異なるキャラクタA(期待度高)、B(期待度中)、C(期待度低)などがある。当選期待度が高いカットイン予告ほど、大当り当選への期待感、換言すれば、後述するSPSPリーチへの発展期待度が高まる。なお、ハズレの場合には、発展演出にてSPSPリーチに発展せずに、ゲーム結果としてハズレが報知されて、今回の図柄変動表示ゲームが終了となる。また、大当り当選であっても、SPSPリーチに発展することなくSPリーチで終了する演出内容(演出シナリオ)である場合には、発展演出にて大当り当選が報知される。
また、SPリーチ開始時には、リーチ状態にある装飾図柄が他の演出の妨げとならないように、液晶画面の上部右隅部または上部左隅部の退避表示領域(図示の「上右・上左」の表記)などに「退避表示」され、この退避表示領域にて変動状態を表示する。この退避表示領域は、通常の装飾図柄の表示領域よりも小さい表示領域であり、本実施形態の場合、図5に示す1つの装飾図柄の表示領域よりも非常に小さい。たとえば、通常の1つの装飾図柄の表示領域の面積をYとし、退避表示領域の面積をXとした場合、Y/10≦X≦Y/5程度である。なお、本実施形態の場合、「ミニ図柄」は退避表示されることなく、初期位置のまま変動表示を継続させるようになっているが、ミニ図柄についても、その表示位置および/または表示領域の大きさを変えて表示させてもよい。
(c)経過時刻42s~135s(42s≦時刻t<135s):SPSPリーチ(発展型SPリーチ)段階
演出フローは、SPリーチから「SPSPリーチ」(時刻42s~135s)へと移行する。演出的には、上記発展型SPリーチ(SPSPリーチ)に発展する。液晶演出は、SPSPリーチ中になると、SPリーチ中に発生した上記発展演出が3秒間表示された後、「カットイン予告」が一定時間継続してから終了し(時刻45s~57s)、遊技者参加型演出の「当落ボタン演出」(時刻57s~69s)に変わる。この「当落ボタン演出」とは、今回の図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選結果)を報知する演出であり、たとえば、「ボタンを押せ!」の操作指示演出が現出され、この操作指示演出中に遊技者が演出ボタン13を押下または操作有効期間が経過すると、当該ゲーム結果が報知されるといった演出態様である。なお、ここでの「カットイン予告」はSPSPリーチ中カットイン予告となるが、上述したSPリーチ中カットイン予告と同じように、当選期待度に応じた複数種類のカットイン予告が設けられている。たとえば、予告表示に用いられる異なるキャラクタD(期待度高)、E(期待度中)、F(期待度低)などがある。
上記当落ボタン演出が終わると、液晶演出は、次いで「可動体出現エフェクト」(時刻69s~87s)、「レインボーフラッシュ」(時刻87s~105s)、「当選演出」(時刻105s~135s)へと移行して行く。「可動体出現エフェクト」とは、可動体演出が出現するか否かを煽る演出である。ここでは、大当り当選を扱っているため、当落ボタン演出後、後述の可動体出現エフェクト(時刻69s~87s)にて可動体演出が出現するが、ハズレの場合には、可動体演出は出現せず、ハズレ対応の装飾図柄が停止表示されて今回のゲームが終了する。また「レインボーフラッシュ」とは、大当りに当選したことを確定的に報知する派手な演出であり、たとえば、液晶画面が虹色にフラッシュするとともに、図示しない演出用LEDが虹色に発色し、爆発音などの特殊な効果音が発生する。また「当選演出」とは、レインボーフラッシュと同様に大当りに当選したことを確定的に報知する演出であるが、ここでは、装飾図柄が大当りを示す所定の表示態様、たとえば、7図柄揃いなどの装飾図柄の組合せが表示(当選表示)される。ただし、この段階で表示される装飾図柄は仮停止表示状態(たとえば、搖れ変動表示状態)で表示される。最終的な装飾図柄の組合せは、後述の「昇格演出」を経て停止表示(確定表示)される。
「可動体出現エフェクト」が発生する期間は、可動体演出として、たとえば、可動体役物(花型役物)90(第1可動体91(花型部91)と第2可動体92(アーム92))が所定の動作(たとえば、スイング動作)を行っている期間、つまり図22Aの「第1可動体+第2可動体出現」が行われている期間である。また「レインボーフラッシュ」が発生する期間(時刻87s~102s)は、「第1可動体+第2可動体停止」が行われている期間である。この「第1可動体+第2可動体停止」期間では、可動体演出として、たとえば、第2可動体のアーム92が図2に示す破線部の位置で停止した状態を維持しながら、第1可動体の花型部91が回転動作を行い虹色に発色する派手な可動体演出が行われる。なお、この「可動体出現エフェクト」から「レインボーフラッシュ」の期間中(時刻69s~105s)、装飾図柄は液晶画面に表示されずに「非表示」となっている。装飾図柄が表示されるのは、「当選演出」が発生する期間中(少なくとも図柄確定の期間中)となる。また当該期間中、ミニ図柄は非表示とはならずに、そのまま高速変動表示が継続される。
上記の「レインボーフラッシュ」が発生して大当りに当選したことが確定的に遊技者に報知されると、当選演出が発生する(時刻105s~135s)。この当選演出が発生する期間では、可動体演出として、第1可動体91と第2可動体92が初期位置に戻される復動動作が行われ(時刻105s~120s)、液晶画面において、装飾図柄も全図柄が揃って当選表示(大当り当選を示す表示態様)が行われる(時刻105s~135s)。ここでは、装飾図柄の当選表示として、上記チャンス図柄(たとえば、偶数図柄揃い)または確変図柄(たとえば、奇図柄揃い)が仮停止表示状態で表示される。なお、確変図柄(たとえば、奇図柄揃い)が仮停止表示した場合は、後述の昇格演出で、チャンス図柄(偶数図柄)への成り下がりはなく、必ず確変図柄が維持される。
(d)経過時刻135s~159s(135s≦時刻t<159s):昇格演出実行段階
演出フローは、SPSPリーチから「昇格演出」(時刻135s~159s)へと移行し、その後に、「図柄確定」(時刻159s~165s)へと進む。
この「昇格演出」(時刻135s~159s)は、液晶画面にて、装飾図柄が上記チャンス図柄(偶数図柄)から確変図柄(奇数図柄)に昇格するか否かを報知する演出であり、遊技者参加型演出に属する演出となっている。昇格演出では、まず、演出ボタン13の操作の受付が所定時間有効扱いとなるとともに、ボタン操作を促す「ボタン演出」(たとえば、液晶画面にボタン画像を表示)が現出される(時刻135s~144s)。このボタン操作の有効受付期間内に遊技者が演出ボタン13を操作した場合か、または有効受付期間が経過した場合、演出結果として、今回当選した大当りが「確変大当り」である場合には“昇格成功”が報知され、「時短大当り」である場合には“昇格失敗”が報知される(結果報知:時刻144s~150s)。装飾図柄は、結果報知がなされるまで、退避表示を維持、揺れ変動表示、または、低速変動表示をしており、昇格成功の場合は、チャンス図柄から確変図柄(奇数図柄)に変換されて図柄昇格への当選表示をなす(確変図柄昇格:時刻150s~159s)。一方、昇格失敗の場合には、図柄昇格は行われずに、チャンス図柄がそのまま継続表示される。なお、昇格演出では、可動体演出を行わせてもよく、たとえば、昇格成功の場合に、時計型役物80の時計針82を高速回転させながら数字セクターを虹色(昇格成功対応の発光色)に発色させたり、花型役物90の花型部91を高速回転させながら虹色に発色させたりすることができる。また、昇格演出中は、装飾図柄を非表示としてもよく、少なくともミニ図柄が装飾図柄の変動表示動作(ここでは、変動中)に対応した表示状態(高速変動表示)であればよい(他の実施例についても同様)。
また、昇格演出の内容として、時短大当りから確変大当りである旨を昇格報知する演出内容としたが本発明はこれに限定されない。、昇格系の演出については、遊技機に設ける大当り種別に応じて、下記のような演出内容とすることができる。たとえば、
(a)通常状態への移行契機となる通常大当り(第1当り:不図示)と、確変大当りまたは時短大当り(第2当り)との双方の可能性を示唆し、通常大当り(第1当り)から確変大当りまたは時短大当り(第2当り)へと昇格報知する演出。
(b)確変大当りに当選した場合であって、大当り遊技中に獲得し得る遊技球数が相対的に少ない(たとえば、最大ラウンド数の少ない)第2の確変大当りと、大当り遊技中に獲得し得る遊技球数が相対的に多い(最大ラウンド数の多い)第1の確変大当りの双方の可能性を示唆し、大当り遊技中に獲得し得る遊技球数が相対的に少ない第2の確変大当り(最大ラウンド数の少ない大当り)から大当り遊技中に獲得し得る遊技球数が相対的に多い第1の確変大当り(ラウンド数の多い大当り)へと昇格報知する演出。
(c)時短大当りに当選した場合であって、時短回数が相対的に少ない時短大当り(第2の時短大当り)と、時短回数が相対的に多い時短大当り(第1の時短大当り)の双方の可能性のある場合、時短回数が相対的に少ない時短大当り(第2の時短大当り)から時短回数が相対的に多い時短大当り(第1の時短大当り)へと昇格報知する演出。
いずれにしても、昇格報知内容として、有利度が相対的に低い大当りと、有利度が相対的に高い大当りの双方の当選可能性を示唆している場合に、有利度が相対的に高い大当りに当選したことを報知(示唆)する内容とすることができる。
(e)経過時刻159s~165s(159s≦時刻t<165s):図柄確定段階
その後、演出フローが「図柄確定」に進み、特別図柄表示装置による特図(特図セグ)が大当り種別に応じた停止表示態様、たとえば「7」で停止して「当選表示(確定表示)」が行われる。また、装飾図柄は、昇格演出結果に応じた表示態様で確定表示され、ミニ図柄も当選表示される。また、液晶演出として、図柄確定期間中、液晶画面には、装飾図柄が確定表示されるまで仮停止表示するとともに(揺れ変動)、大当り当選を報せる所定の画像表示を含む「確定画面」が表示される。なお、装飾図柄に関する上述の「昇格演出結果に応じた表示態様」とは、チャンス図柄または確変図柄のいずれかの図柄の組合せ、あるいは、これらの図柄の組合せではなく、キャラクタやアイテムや文字表示であってもよい。ただし、少なくともミニ図柄は、特図の大当り当選、あるいは装飾停止図柄(チャンス図柄または確変図柄)などに関連した当選表示がなされている(後述の他の実施例(図22B~図25)についても同様)。
(図柄確定期間中の確定表示期間について)
また、図示では説明の便宜上、「図柄確定」の期間中において、特図が停止表示されると説明しているが、正確には、特別図柄表示装置による特図(特図セグ)は、確定表示期間(確定表示時間)が到来するまで(変動時間が経過するまで)停止表示せず、特図は「変動表示中」である。具体的には、演出フローの「図柄確定」期間中の後半に、確定表示期間として上記確定表示時間(500ms)が設けられており、この確定表示期間が到来すると、特図が停止表示(確定表示)され、これに伴い、液晶画面に表示されている「装飾図柄」や「ミニ図柄」も停止表示(確定表示)される(後述の図22B~図25Dに示す各具体例および各比較例についても同様)。たとえば、本比較例1の場合、時刻0s~時刻164.5sに至るまでは特図変動中の期間であり、時刻164.5sから確定表示期間が到来して確定表示時間(500ms)が計時され、この期間中に特図が停止表示(確定表示)される(「装飾図柄」や「ミニ図柄」もこの段階で確定表示される)。そして、上記確定表示時間(500ms)が経過すると、今回の図柄変動表示ゲームが終了され、ゲーム結果が確定したことになる。
(f)大当り遊技期間
図柄確定後、遊技状態は、大当り遊技に移行し、大当り遊技中は「電サポ無し状態+低確率状態、特図変動表示ゲーム実行不可」の状態に制御される。大当り遊技期間の構成については、既に説明した通りである。なお、図22(図22A~E)では、大当り遊技期間のうち、開始INTの期間(図示の「大当り開始INT」の欄)だけを示している(後述の図23~図25も同様)。また、図22~図25に示す開始INTおよびそのOP演出については、本発明の理解を容易なものとするために、第1の実施形態の具体例1(図6、図7~図12など)を簡略化した内容、あるいは第2の実施形態に沿った内容に適宜変更して説明する。
図22A(比較例1)の場合、大当り遊技期間の開始INT(時刻0s~18s(「15s」の欄の終端の経過時間は18s)では、オープニング演出(OP演出)として、液晶画面において、確定画像が所定時間継続(開始INT中の時刻0s~6s)した後に、液晶画面に、右打ちの所定の発射誘導報知画像とともに、スピーカ46などの音響発生装置による「右打ちしてください」という音声による右打ち指示メッセージが流される(開始INT中の時刻6s以降)。また、開始INTに入った時点から、装飾図柄とミニ図柄が非表示になり、右打ち示唆表示(右打ち示唆演出)がなされ、右打ち報知ランプが点灯する。なお、開始INTは、図柄変動開始から時刻183sの時点(図柄変動表示ゲームの期間(165s)+開始INT(18s)=183s)で終了する。開始INTが終了すると、ラウンド遊技実行期間に移り、ラウンド遊技が最大ラウンド数まで繰り返し実行され、これにより、遊技者は、短時間で多くの遊技球の払い出しを受ける。
本実施形態では、大入賞口50の配置などの関係から、大当り遊技中は「右打ち」が有利であり、右打ちすることが推奨されている。しかし、開始INTは、まだラウンド遊技が開始されていない期間であるから、ここで右打ちを開始しても遊技球は、ほぼ死に球(無駄球)となる(本実施形態の場合は、大入賞口50の下流側に下始動口35や一般入賞口43を有するため、これらの入賞口に稀に入賞する可能性がある)。そこで、できるだけ無駄球の発生を防ぐため、遊技者は、大当りになっても直ぐには打ち出しを開始せず、通常は「右打ちしてください」の音声メッセージが現出するのを確認してから、打ち出しを開始する。そして、当該大当り遊技中のラウンド遊技によって、遊技者は短期間に多くの遊技球を獲得することになる。また、最終のラウンド遊技が終了すると大入賞口が閉鎖されて終了INTが開始されるが、この終了INT中も無駄球の発生を防ぐため、打ち出しを中止する遊技者も現れる。
<型式試験の適合率と大当り中のインターバル期間との関係>
上記の大当り遊技によって獲得球が多いと、短期試験(1時間)などの型式試験の適合率が悪くなる。型式試験(短期試験(1時間)や中期試験(4時間)や長期試験(10時間)など)では、大入賞口の閉鎖期間である各インターバル期間(開始INT、R間INT、終了INT)を含む大当り全期間中にわたり、遊技盤面の右側に位置する大入賞口50に向けて、右打ちを続けることで行われる。これらのインターバル期間は、大入賞口が開いていない期間であるから、これらの期間中に打ち出された遊技球は、殆ど無駄玉となり、出玉を減らす作用、つまり、ベース値を下げる作用をしていることになる。したがって、既に説明したように、大当り遊技中のインターバル期間が長くなると、出玉が減って(大当り中の出玉速度が低下する)、型式試験に適合し易くなる(適合率が向上する)という関係がある。
他方において、実際の遊技では、これらのインターバル期間のうち比較的時間尺の長い開始INTや終了INTにおいては、遊技者が、発射動作を止めて無効球の発生を抑えるいわゆる「止め打ち」を行うと考えられる。そうすると、型式試験に適合した遊技機について遊技者が止め打ち行った分だけ無効球の発生が抑えられる、すなわち、無駄球が発生しなかった分だけ多くの出玉が獲得できるため、遊技者にとっては有益である。ここでは、型式試験の適合率を維持しうるとともに、射幸性(たとえば、出玉感)を高め得る結果となる点が特に注目される。
本実施形態は、上記の型式試験の適合率と大当り中のインターバル期間との関係に着目し、大当り中のインターバル期間の時間尺を長くすることで、ベース値を落として型式試験の適合率を確保するとともに、実際に遊技する際の射幸性をもある程度高く維持するようにする。本実施形態では、特に、初回のラウンド遊技開始前に置かれる「開始INT」に着目し、この開始INTの期間を、今回の大当り当選時の図柄変動表示ゲームが継続しているように見せ掛ける疑似的な変動中演出期間(以下「付加的演出期間」称する)と、これに続く「オープニング演出期間(以下、本実施形態において「OP演出期間」と称する」とで構成する。そして「付加的演出期間」は、演出手段による演出を実行するが大当り遊技期間であることを演出的に秘匿する区間(大当り遊技開始秘匿区間)とし、これに続く「OP演出期間」は、「右打ちしてください」などの音声メッセージを出力させて、大当り遊技期間であることを確定的に報知する演出(大当り報知演出)を実行する区間(大当り遊技確定報知区間)とする。この大当り報知演出は、初回のラウンド遊技が間もなく開始されることを報知する演出(初回のラウンド遊技の開始に関する演出)、換言すれば、大入賞口の開放(開閉制御)が開始されることを報知する演出(大入賞口開閉期間の開始に関する演出)である。
つまり、付加的演出期間では演出手段による所定の演出(疑似的な変動中演出)を実行するが、この段階では未だ大当り遊技期間に突入したことを報知せずに(確定的な報知はしない)、これに続くOP演出期間に至ってから、「右打ちしてください」の音声メッセージなどによる大当り報知演出(実質的な当り中演出)を実行することで、大当り遊技期間中であることを確定的に報知して、遊技者に対して大当り遊技中であることを意識させる。本実施形態によれば、開始INT期間の一部を図柄変動表示ゲーム中であるかのように見せかけることができるため、開始INTを長時間とした場合であっても、射幸性を高め得る(遊技者に間延び感を与えてしまうことを防止しうる)とともに、型式試験の適合率を向上させることができる。この点に本発明の斬新性がある。また、本実施形態は、開始INTを長時間にしようとする点で、遊技性の関係や演出上の関係上、終了INTを長時間とすることが好ましくない場合に好適である。たとえば、「総R間INTまたは終了INT<開始INT」とする場合である。
以下に、本発明の具体例(以下「本例」と称する)を「比較例」と対比しながら、本発明の特徴的部分に着目して説明する。
(2)本例1(図22B)
本例1(図22B)は、通常状態時において、大当りに当選した場合における本発明の具体例である。後述する本例2~4(図22C~図22E)も同様である。なお、比較例1(図22A)で説明した内容(液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどの項目に関する内容など)と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
上記の比較例1(図22A)では、通常状態下で、演出フローが、「高速変動→リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ→昇格演出→図柄確定」となり、大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技期間に係る開始INTが開始されると直ぐに、オープニング(OP演出期間)が開始される、という経過を辿っていた。
しかし、本例1(図22B)では、演出フローとして、「リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ→図柄確定→開始INT内の演出(昇格演出(付加的演出期間中の演出)→OP演出)」という経過を辿るようになっている。本例1は「リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ」までは比較例1(図22A)と同じであるが、本例1(図22B)では、昇格演出が「図柄確定」の後に来ている点、つまり、図22Aの「昇格演出」のところから開始INTが開始している点で、図22Aと相違している。換言すれば、本例1の開始INTは、まず前段階として「付加的演出期間」が置かれ(開始INT中の時刻0s~時刻24s)、ここに上記「昇格演出」が挿入され、その後の後段階として、図22A(比較例)の開始INTに相当する「OP演出」の期間、つまり、演出的に大当り遊技期間中である旨を確定的に報知する「大当り報知演出」を実行する演出区間(時刻24s~34s)が続く、という2段階の演出構成になっている。本例1に係る開始INTは、図22Aに示すように、図柄確定終了時(経過時刻141s)から開始して、経過時刻0s~42s(図柄変動開始時から時刻183s後)で終了している。つまり開始INTの終わる時点は、比較例1と同じとなっている。この開始INTの終わる時点(開始INTの終端)が比較例1と同じであるという点は、図22B~図22E(本例1~4)について、すべて共通である。
詳述すれば、比較例1(図22A)による図柄変動表示ゲーム中の一連の演出シナリオが、本例1の場合は、大当り当選時に係る図柄変動表示ゲーム中に係る第1演出シナリオ(前半部)と、当該図柄変動表示ゲームが終了し、続いて実行される開始INTの少なくとも一部の期間(上記付加的演出期間)中に係る第2演出シナリオ(後半部)との2段階に分割して現出制御される形態となっている。したがって、図柄変動開始から開始INTの付加的演出期間にわたり、図22Aに示す比較例1と同じ演出フローが進行するようになっている。なお、上記第2演出シナリオ中の演出(本例1の場合は、昇格演出)、つまり、付加的演出期間に係る演出は、当り中演出の一部となる(後述の他の具体例(本例2~本例14)についても同様)。よって、本例1の昇格演出は「当り中の昇格演出」であり、図22Aに示す比較例1の昇格演出は、図柄変動表示ゲーム中に現出される「変動中の昇格演出」である。本例1に係る「当り中の昇格演出」を現出する場合には、たとえば、図柄変動表示ゲーム中の図柄確定時に装飾図柄をチャンス図柄で確定表示させた後、開始INT中の昇格演出において、ゲーム結果が確変大当りであれば、その旨を報知する演出(昇格成功演出)を現出させ、時短大当りであれば、その旨を報知する演出(昇格失敗演出)を現出させるという具合に、当り中の昇格演出において、先述した変動中の昇格演出の内容を疑似的に表現するような演出を現出させればよい。図柄変動表示ゲーム中~付加的演出期間における演出の現出制御方法は、本発明の目的を達成できる制御方法であればどのような制御方法であってもよい。たとえば、当り変動パターンが選択され、その変動パターンに係る演出内容(変動パターン指定コマンドに基づく演出シナリオ)を、図柄変動表示ゲームと付加的演出期間で現出させる一連の演出内容として決定し、これを図柄変動表示ゲーム期間と付加的演出期間とに跨る期間において現出させればよい。
なお、当り中の昇格演出では、変動中の昇格演出とは異なる演出であってもよい。変動中の昇格演出は、図柄確定表示前段階で現出される演出という性格上、チャンス図柄から確変図柄に変換されるといった装飾図柄の表示を前提とした“図柄昇格”に着目しているが、当り中の昇格演出では、装飾図柄を非表示としたまま(図22Bの昇格演出の装飾図柄の項目欄参照)、液晶画面に、成功演出として「確変GET!!」、「確変昇格!」、「もう1回!」など、装飾図柄を用いない昇格表示(ボーナス内容昇格)を実行させてもよい。
このように、開始INTに入ってもその開始時点から直ぐには大当りであることを報知する「オープニング演出(大当り報知演出)」を実行せずに、上記付加的演出期間において「昇格演出」を実行させる(図22Bの開始INT中の時刻0s~21sの欄参照)。端的に言えば、開始INTが開始されても、遊技者に対して直ぐには大当り遊技中であることを意識させないようにし、オープニング演出の開始時点まで、遊技者に大当りであることを意識させる時期を遅らせる意識遅延手段として付加的演出期間を設け、この付加的演出期間において、図柄変動表示ゲーム中が継続しているかのように見せかける演出態様(本例1の場合、昇格演出)を現出させる(後述の他の具体例についても同様)。このように開始INTに付加的演出期間が挿入され、開始INTが付加的演出期間とOP演出期間とで構成されている結果、本例1(図22B)では、開始INTの時間長さが、昇格演出(時刻0s~24s)の分だけ、比較例1(図22A)の場合よりも時間軸で前側に長くなっている。この付加的演出期間中は、実際には、大当り遊技期間に突入しているが、遊技者が図柄変動表示ゲーム中であると意識が向いているため、開始INTを比較例1より長時間としても、遊技者は間延び感を感じることなく遊技に興じるようになる。この点について付言すれば、比較例1の場合、大当り当選時の図柄変動表示ゲームの開始から初回のラウンド遊技開始までの期間として「図柄変動表示ゲーム期間(変動時間)の165s+開始INTの18s」の計183秒間となっているが(図22Aの経過時間の欄参照)、この期間を固定的なものと考えた場合、開始INTを延長し、その分、当該図柄変動表示ゲーム期間を短縮すれば、ベース値を下がり、型式試験における遊技機の適合率を高める点では有効である。しかし、図柄変動表示ゲームの期間(変動時間)を削ることは、SPSPリーチなどを現出する際の演出時間を削ることとなり、ゲーム中に係る予告演出の自由度を阻害する結果を招く。また、開始INTを単に長時間とするだけでは、間延び感に関する問題は依然として残る。そこで第1の実施形態のように、単純な遊技者参加型(楽曲選択演出)やド派手な演出を介在させることも考えられるが、このような演出構成は、開始INTが数十秒程度の場合に実効性が高い。しかし本実施形態のように、40秒以上となる開始INTでは、その実効性に乏しく、演出的にさらなる工夫が求められる。通常、遊技者は、大当り遊技期間の開始を知れば、早く出玉を獲得したいという欲求が生まれ、開始INTが長時間になればなるほど、イライラ感が急激に増す傾向があるからである。いずれにしても、闇雲に開始INTを長時間としてしまうのでは、演出と出玉感とのバランスが悪くなり、遊技者の遊技興趣が低下してしまうという問題が生じうる。
このような事情に鑑み、本実施形態では、上記付加的演出期間(大当り遊技開始秘匿期間)を作り、大当り遊技期間に突入しても、今回の図柄変動表示ゲームが演出的に継続しているように見せ掛ける。そして、付加的演出期間を終えた後に上記「大当り報知演出」を現出させ、当該図柄変動表示ゲームが終了したと遊技者が意識したときには、既に開始INTが開始されているという状況を作り出す。このようにすれば、図柄変動表示ゲームの終了した後、短時間で1R目のラウンド遊技が開始されたかのように見せることができる。その結果、出玉感と演出とのバランスが適切なものとすることができる。
斯様な作用効果は、同じ図柄変動時間内(変動時間が同じ変動パターン)において、つまり同じ時間尺の一変動において、その終了時点を後に延ばすことなく、開始INT中の付加的演出期間として特定演出(本例1の場合は、昇格演出)の期間を挿入することで開始INTの開始時点を時間軸上で前側に延ばす、という構成を採用することで得ている。また、この付加的演出期間中は、液晶演出として、遊技者の関心度が非常に高い、利益状態の昇格報知に関する「昇格演出(ボタン演出→結果報知→ボーナス内容昇格)」を現出させている。すなわち、大当り開始INTが長くなった部分である付加的演出期間で、種々の演出が行われる。よって、遊技者の注意はこれらの演出に向くことになり、大当り開始INTの時間尺が延びていることについて意識させたり、遊技上の違和感を与えずに、遊技に興じさせることができる。遊技者が大当り中であると意識するのは、付加的演出期間に続く「OP演出期間」に至り、ここで「右打ちしてください」という音声メッセージなどによる“大当り報知演出”が実行されてからである。たとえば、図22Bに示す本例1の場合、OP演出期間に入って暫くしてから(所定時間経過後)、大当り報知演出が開始される。具体的には、OP演出期間中に、昇格演出による図柄揃い表示(昇格演出後当り図柄報知)が少なくとも時刻24s~30s(24s≦時刻t<30s)まで継続表示された後(昇格演出後当り図柄報知期間)、時刻30sの到来を契機に「右打ちしてください」などの大当り報知演出が開始され、遊技者が大当り中であると意識することになる。したがって、本例の場合、OP演出期間の始期が時刻24sからとなっているが、実質的に、遊技者に大当り期間中であることを認識させる大当り報知演出の開始タイミング(時刻30s)を、OP演出期間の始期として定めてもよい(後述の他の具体例についても同様)。なお、付加的演出期間が終了した後(ここでは、時刻24s)、OP演出期間の到来時に大当り報知演出を開始してもよい。この場合、昇格演出後当り図柄報知と、大当り報知演出が重複的(同時的)に報知することができる。
また本実施形態(図22~図25の実施例)では、次に述べる作用効果も得る。型式試験においては、大当り遊技中に入ると右打ち動作を行うため、本例1の場合は、比較例1と比べて、付加的演出期間である「昇格演出」(時刻0s~24s)の分だけ、実質的に無意味な右打ち期間が長くなる。換言すれば、比較例1よりも上始動口34への入賞の回避期間(以下「入賞回避期間」と称する)が早期に開始されるため、無駄球が増えてベース値を低下する作用をもたらす。その結果、本例1は比較例1よりも無駄打ちが多くなり、出玉速度が低下する。すなわち、ベース値を相対的に低くすることが可能となる。よって、比較例1(図22A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。仮に、ラウンド遊技の開始時点から右打ち動作をしたとしても付加的演出期間の分は、低ベース状態下における打ち出しとなり、いずれにしても出玉速度が低下する。ところで、実際の遊技においては、遊技者の中には、上記付加的演出期間をいち早く察知可能な玄人の遊技者(遊技上級者)もいると考えられる。このような遊技者は、開始INTの間、止め打ちを行って、無駄球の発生をなくすると考えられるので、開始INTが長くなった分だけ出玉の減少が防止され、実践上は、型式試験における出玉性能(出玉率)よりも高い出玉性能を発揮することが可能となる。この点で、遊技者側にとっても利点があり、適度な射幸性を有する遊技機を提供できることとなる。
(本実施形態に係る付加的演出期間の変形例)
なお、付加的演出期間を上記「大当り遊技開始秘匿期間」として作用させるために、液晶演出に属する装飾図柄の表示態様については、次のように構成することが好ましい(後述の他の具体例についても同様)。装飾図柄の変動表示は、図柄確定の期間(第1演出シナリオ)で確定表示とされるが(図示の演出フロー「図柄確定」の欄に対応する装飾図柄の項目(停止表示)参照)、付加的演出期間を上記「大当り遊技開始秘匿期間」として作用させる、換言すれば、今回の図柄変動表示ゲーム終了時と大当り遊技開始時(開始INTの開始時)との切れ目を演出的に分かり難くするためには、その確定表示時間を極めて短時間、たとえば、100ms~500ms程度(少なくとも十ミリセコンドオーダーまたは少なくとも百ミリセコンドーダー)として、装飾図柄の確定表示状態を短時間で終了させることが好ましい。たとえば、特別図柄の確定表示時間を「128ms」と極めて短くし、この極短時間の「128ms」間だけ装飾図柄を停止表示(確定表示)されるとすれば、今回の図柄変動表示ゲーム終了時と大当り遊技開始時との境界の判別が難しくなる。また、確定表示時間を遊技状態に応じて異なる時間幅としてもよい。たとえば、通常状態(電サポ無し状態を伴う遊技状態)の場合には500ms、時短状態または確変状態(電サポ有り状態を伴う遊技状態)の場合には128msとすることができる。また、電サポ有り状態を伴う一の遊技状態(たとえば、時短状態)中と電サポ有り状態を伴う他の遊技状態(たとえば、確変状態)とで異なる時間(たとえば、時短状態は300ms、確変状態は128msなど)としてもよい。
(装飾図柄の図柄確定期間中の確定表示について)
また、装飾図柄の表示に関し、退避表示したまま確定表示をその退避表示領域で行うことができる。その理由は、装飾図柄を大々的に液晶画面に表示してしまうと、確定表示されたことが明白となってしまうからである。この場合、当選演出やその他の演出中の装飾図柄を用いて当り図柄の報知期間に係る液晶演出として、たとえば、装飾図柄の退避表示領域に小さく表示した状態を保持しつつ(通常よりも視認性(識別性)が低い状態を維持)、液晶画面には「大当り!」や「確変昇格に期待!」などの表示を大きく表示するなどの画像表示演出(メイン当選表示演出)を現出させることが好ましい。すなわち、このメイン当選表示演出は、装飾図柄の表示から遊技者の注意を逸らす「注意逸らし演出」として作用し、遊技状態が大当り遊技に突入したことを察知させ難くする効果を奏することができる。より好ましくは、少なくとも「確定表示期間」を含む所定の期間中、たとえば、図22~図25に示す各具体例において、少なくとも「停止表示」を含む期間、または「当選表示」および「停止表示」を含む期間(たとえば、後述の図23Bなど)で装飾図柄を非表示とする、退避表示するタイミングで装飾図柄を非表示とする、所定期間退避表示後から図柄変動表示ゲーム終了まで非表示とすることができる。なお、装飾図柄自体は、非表示としても、ミニ図柄により装飾図柄の表示状態が報知されるようになっている。
(付加的演出期間中の特図、ミニ図柄、右打ち報知ランプなどについて)
付加的演出期間(ここでは、昇格演出の期間)は、既に大当り遊技期間中であるため(図22Bの大当り開始INTの欄参照)、図示の通り、装飾図柄とミニ図柄は非表示となり、特図は当選表示(確定表示期間から継続表示)となり、右打ち報知ランプは点灯となり、打ち出し方向は右打ちとなる(後述の他の具体例についても同様)。ただし、本例1は“通常状態中の当選”であるので、昇格演出(時刻0s~24s)の段階では、液晶画面にて打ち出し方向の「右打ち示唆表示」はまだ行わず、OP演出期間中の所定のタイミング(ここでは、時刻27sのタイミング)を待って「右打ち示唆表示」を開始する。なお、昇格演出の期間においては、可動体演出を行わせてもよいし、ミニ図柄および/または装飾図柄を表示させてもよく、適宜定めることができる(後述の他の具体例についても同様)。
(3)本例2(図22C)
図22Cは、本例2として、通常状態時において、大当りに当選した場合における本発明の他の具体例を示したものである。なお、上記図22Bと実質的に同一の内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する(後述の図22D~図22Eについても同様)。
本例2(図22C)では、通常状態下で、演出フローが、「高速変動→リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ前半→図柄確定→開始INT内の演出(SPSPリーチ後半→昇格演出)」となっている。この演出フローは、「高速変動→リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ前半」までは全く図22A(比較例1)と同じであるが、「図柄確定」後の開始INTに、「SPSPリーチ後半」と「昇格演出」が入り込んでいる点、つまり、図22AのSPSPリーチの途中から開始INTが開始している点で、図22Aと相違する。すなわち、本例2の開始INTは、液晶演出として、第1段階(時刻0s~30s)に「SPSPリーチ後半」が挿入され、第2段階(時刻30s~54s)に「昇格演出」が挿入され、その後に、第3段階として「OP演出期間」(時刻54s~72s:図22Aの開始INTに相当する)が続く、という3段階の演出構成になっている。そして開始INTの終わる時点は、図22A(比較例1)と同じになっている。
この結果、本例2(図22C)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間として、「SPSPリーチの一部(後半)+昇格演出」(時刻0s≦時刻t<30sの期間+時刻30s≦時刻t<54sの期間)の分だけ、図22A(比較例1)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。この付加的演出期間およびこれに続くOP演出期間からなる開始INTの期間中に打ち出した遊技球の多くは無駄球となり、大当り遊技の全期間中で得られる出玉を減少させ、出玉速度(ベース値)を低下させる。本例2の場合は、比較例1と比べて、付加的演出期間である「SPSPリーチ後半+昇格演出」(時刻0s~54s)の分だけ、無意味な右打ち期間(入賞回避期間)が長くなり、無駄打ちが多くなる。よって比較例1(図22A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(時刻0s~54s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。なお、図示では、SPSPリーチ全体が、図柄確定の前後で「SPSPリーチ前半」と「SPSPリーチ後半」で区切られているが、これは、本発明の理解を容易なものとするために便宜上、SPSPリーチの全体の演出内容(演出シナリオ)を前半・後半区切って示したものである。たとえば、SPSPリーチ前半(本例2の場合、時刻42s~111s)が、陸上での機甲戦(戦車戦)を表現した「陸戦演出」のシナリオであり、SPSPリーチ後半(本例2の場合、大当り開始INTの時刻0s~30s)の演出内容が、その機甲戦の勝敗結果を報知するような「決着演出」のシナリオなどである。勿論、前半部と後半部とで、必ずしも前半が陸戦演出、後半が決着演出という様に、演出内容に明確な区切りが有る演出シナリオとは限らない。
(4)本例3(図22D)
図22Dは、本例3として、通常状態時において、大当りに当選した場合における本発明の他の具体例を示したものである。
本例3(図22D)は、通常状態下で、演出フローが、「高速変動→リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ前半→図柄確定→大当り開始INT内の演出(SPSPリーチ前半の途中~後半→昇格演出→オープニング演出)」となっている。したがって、演出フローとしては、「図柄確定」後の大当り開始INTに、付加的演出期間として、「SPSPリーチの前半の途中~後半」と「昇格演出」が入り込んでいる点、つまり、図22AのSPSPリーチの途中から大当り開始INTが開始している点で、図22Aと相違している。換言すれば、本例3の場合も、本例2(図22C)の場合と同じく、大当り開始INTの最初に付加的演出期間における第1段階として「SPSPリーチの一部」が挿入され、第2段階として「昇格演出」が挿入され、その後に、第3段階としてOP演出期間が続く、という3段階になっている。
しかし本例2(図22C)と異なる点として、本例3(図22D)の場合、開始INT内に入り込んでいるSPSPリーチ(開始INT中の時刻0s~48s)の時間尺が、本例2のもの(開始INT中の時刻0s~30s)よりも時間軸上で前側に長くなっており、このSPSPリーチの期間中に、液晶演出として、図示のように、「レインボーフラッシュ」(時刻0s~18s)と「当選演出」(時刻18s~48s)が現出し、また、可動体運動の出現、停止、戻る、のうちの「第1可動体+第2可動体停止」と「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる。詳しくは、本例3では、SPSPリーチ前半(たとえば、上記した陸戦演出の途中)で図柄確定期間となり、SPSPリーチ前半の途中(陸戦演出の途中)から大当り遊技期間(開始INT)に入っている。また、SPSPリーチ装飾図柄が退避表示または非表示とされるため、液晶演出や可動体演出などに注目している遊技者には、いつ大当り遊技が開始されたのかを悟られにくいようにすることができるようになっている。
この本例3(図22D)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間である「SPSPリーチ前半の途中~後半+昇格演出」(時刻0s~72s)の分だけ、図22A(比較例1)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、本例3の場合は、比較例1と比べて、付加的演出期間である「SPSPリーチ後半+昇格演出」(時刻0s~72s)の分だけ、無意味な右打ち期間(入賞回避期間)が長くなり、無駄打ちが多くなる。よって比較例1(図22A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(時刻0s~72s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
(5)本例4(図22E)
図22Eは、本例4として、通常状態時において、大当りに当選した場合における本発明の他の具体例を示したものである。
本例4(図22E)は、通常状態下で、演出フローが、「リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ前半の途中→図柄確定→開始INT内の演出(SPSPリーチの前半の途中~後半→昇格演出→OP演出)」となっている。したがって、演出フローとしては、「図柄確定」後の開始INTに「SPSPリーチ前半の途中~後半」と「昇格演出」が入り込んでいる点、つまり、図22AのSPSPリーチの途中から開始INTが開始している点で、図22Aと相違している。換言すれば、本例4の場合も、本例2(図22C)や本例3(図22D)の場合と同じく、開始INTの付加的演出期間における最初の第1段階として「SPSPリーチの一部」が挿入され、第2段階として「昇格演出」が挿入され、その後に、第3段階としてOP演出期間が続く、という3段階の演出構成になっている。
しかし、本例4の場合、開始INT内に入り込んでいるSPSPリーチ(開始INTの時刻0s~66s)の時間尺が、本例3(図22D)よりも長くなっており、この期間中に、液晶演出として、「可動体出現エフェクト」(時刻0s~18s)、「レインボーフラッシュ」(時刻18s~36s)と「当選演出」(時刻36s~66s)が現出し、また、可動体運動の出現、停止、戻る、のうちの「第1可動体+第2可動体出現」、「第1可動体+第2可動体停止」および「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる。この「可動体出現エフェクト」と「第1可動体+第2可動体出現」は図柄確定の開始時点(時刻69s)から開始される。
本例4(図22E)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間である「SPSPリーチの前半の途中~後半+昇格演出」(時刻0s~90s)の分だけ、図22A(比較例1)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、本例4の場合は、比較例1と比べて、付加的演出期間である「SPSPリーチの一部+昇格演出」(時刻0s~90s)の分だけ、無意味な右打ち期間(入賞回避期間)が長くなり、無駄打ちが多くなる。よって比較例1(図22A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(時刻0s~90s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
上記比較例1および本例1~4のうち、ベース値の低下率の高低の関係は、付加的演出期間の長さに依存する。したがって、ベース値の低下率の高低の関係は「比較例1<本例1<本例2<本例3<本例4」となる。つまり、図22Aの比較例1が最も型式試験における遊技機の適合率が低く、本例4が型式試験における遊技機の適合率が最も高くなる。また、いずれの例も、付加的演出期間中は、開始INTの時間尺が延びていることについて意識させたり、遊技上の違和感を受けることなく、遊技を続行させることができる。また、いずれの例も「右打ち示唆表示」を、OP演出期間中の所定のタイミングで開始するようにしてあるが、初回のラウンド遊技開始前(小当りであれば、大入賞口開放前)であれば、開始INT中の所定のタイミング(たとえば付加的演出期間中の開始~終了中の特定のタイミングなど)で右打ち示唆表示を開始してもよい(開始INT中は、既に当り遊技期間中であるため)。
<実施例2:図23A~図23E>
次に、実施例2(図23A~図23E)について説明する。上記の実施例1は、「通常状態」において「確変大当りまたは時短大当り」に当選した場合についてのケースを説明したが、この実施例2の図23A~図23Eは、「確変状態」において「確変大当りまたは時短大当り」に当選した場合における遊技状態の推移と演出系の推移とを、時間の経過と共に示したものである。確変状態下では、電サポ有り状態にあり、打ち出し方向は「右打ち」となっている。図23A~図23Eのうち、最初の図23Aは比較用の例(比較例2)であり、残りの図23B~図23Eは第2の実施形態の具体例5~8(以下、本例5、本例5・・本例8の如く略す。)である。なお、図22A~図22Eの内容と実質的に同一の内容については、重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
この実施例2(図23A~図23E)で対象となる大当りの種別は、現在「確変状態」にあることを前提にするので、主に、特図2側の大当り(連荘対象大当り)が対象となる。なお、後述の実施例3(図24A~図24D)および実施例4(図25A~図25D)も、実施例2と同じく「確変状態」にあることを前提にするので、主に、特図2側の大当りが対象となる。
(1)比較例2(図23A)
確変状態(高確率・電サポ有り)において大当りに当選した場合、比較例2(図23A)では下記のように演出フローが進行する。
(a)経過時刻0s~24s;Nリーチ変動段階
図23Aを参照して、比較例2の経過時刻0s~24sの期間の演出フローは、図22Aに示す比較例1と同じ演出フローであり、「高速変動→リーチ変動」となっている。この「高速変動→リーチ変動」の期間の液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグは、図22Aに示す比較例1と同じである。しかし、比較例2は確変状態時であるので、液晶画面における右打ち表示は右打ち示唆表示、右打ち報知ランプは点灯、液晶画面における打ち出し方向指示は右打ちを指示している。
(b)経過時刻24s~117s:SPSPリーチ段階
演出フローが「SPSPリーチ」へと移行する(時刻24s~117s)。ここでは、リーチ変動(Nリーチ)からSPリーチなどの上位のリーチを経ることなく直接、SPSPリーチに発展する上記「直撃型SPSPリーチ」を採用した例を示してある。SPリーチを経ずしていきなり「SPSPリーチ」へと移行したことで、当選期待度が大幅に高まることとなる。SPSPリーチ中になると、液晶演出は、少しの間、リーチ表示を継続した後(時刻24s~27s)、「カットイン予告」(時刻24s~39s)→「当落ボタン演出」(時刻39s~51s)→「可動体出現エフェクト」(時刻51s~69s)→「レインボーフラッシュ」(時刻69s~87s)→「当選演出」(時刻87s~117s)へと展開して行く。
「可動体出現エフェクト」(時刻51s~69s)が発生する期間は、可動体演出の「第1可動体+第2可動体出現」が行われている期間、また「レインボーフラッシュ(時刻69s~87s)」が発生する期間は可動体演出の「第1可動体+第2可動体停止」が行われている期間、そして「当選演出(時刻87s~117s)」の一部(時刻87s~102s)が可動体演出の「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる期間である。なお、この可動体出現エフェクトからレインボーフラッシュの期間中では装飾図柄が液晶画面に表示されないが、「当選演出」の期間になると表示される。リーチ状態にあった装飾図柄は、この当選演出の段階から、液晶画面内にてチャンス図柄(確変図柄でもよい)が揃った状態(ただし、仮停止表示状態)で当選表示される。
(c)経過時刻117s~141s:昇格演出段階
演出フローは、SPSPリーチから「昇格演出」(時刻117s~141s)へと移行し、その後に、「図柄確定」(時刻141s~147s)へと進む。「図柄確定」に進むと、特別図柄表示装置による特図が大当り種別に応じた表示態様で停止表示する「当選表示」が行われる。また装飾図柄は、たとえば確変図柄の「777」の表示態様で確定表示される。液晶演出として、液晶画面には当り確定画面が表示され、またミニ図柄も当選表示される。これにより、今回の図柄変動表示ゲームが終了され、ゲーム結果が確定したことになる。なお「図柄確定」の期間(時刻141s~147s)が経過するまでは、遊技状態は、電サポ有り状態のままである。
(e)大当り遊技
図柄確定後、大当り遊技が実行される。この比較例2の場合、図22Aに示す比較例1と同じく、開始INT(時刻0s~18s)は「OP演出」の期間となっており、液晶画面において、確定画像が少し継続(時刻0s~6s)した後に、時刻6sのタイミングから「右打ちしてください」という音声メッセージが流される。
(2)本例5(図23B)
本例5(図23B)は、確変状態時において大当りに当選した場合における本発明の具体例である。後述する本例6~8(図23C~図23E)も同様である。
本例5(図23B)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→SPSPリーチ→図柄確定→開始INT内の演出(昇格演出→OP演出)」となっている。これは、SPリーチを経ずしていきなり「SPSPリーチ」へと移行している点を除き、図22B(本例1)の場合と同じである。
本例5(図23B)は、図23A(比較例2)と比較すると、「リーチ変動→SPSPリーチ」までは全く同じであるが、開始INTに付加的演出期間が挿入されて昇格演出が「図柄確定」後の開始INT内に来ている点、つまり、図23Aの昇格演出のところから(正確には図23Aの昇格演出が開始するところで図柄確定となり、その図柄確定後から)開始INTが開始している点で、図23Aと相違している。換言すれば、本例5(図23B)の開始INTは、前段階(時刻0s~24s)に付加的演出期間として「昇格演出」が挿入され、その後の後段階(時刻24s~42s)として「大当り報知演出」を実行するOP演出期間が続く、という2段階で構成されている。この2段階に構成されている点で、本例5(図23B)は本例2(図22C)と共通する。そして開始INTの終わる時点は、図23A(比較例2)と同じになっている。
本例5(図23B)の開始INTは、「OP演出」の前に「昇格演出」が追加され、開始INTの時間長さが、付加的演出期間である「昇格演出」(開始INT中の時刻0s~24s)の分だけ、図23A(比較例2)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、本例5の場合は、比較例2と比べて、付加的演出期間である「昇格演出」(開始INT中の時刻0s~24s)の分だけ、無意味な右打ち期間(入賞回避期間)が長くなり、無駄打ちが多くなる。よって、図22B~図22Eで説明した事象と同様に、本例3は図23A(比較例2)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まることになる。
確変状態中や時短状態中の図柄変動表示ゲームの期間中は、通常状態中とは異なり、“電サポ有り状態中”である。したがって、この間に打ち出した遊技球は、普電開放遊技が高確率で発生することにより、下始動口35への入賞が頻繁に発生しうるため、ベース値の低下があまり見込めない(たとえば、BA70~90)。しかし大当りに当選した場合に、当選時の図柄変動表示ゲームの期間を短くして、開始INTを長くすれば、電サポ無し状態(低ベース状態)の期間(大当り遊技期間は低ベース状態。上記無意味な右打ち期間に相当)が長くなる、つまり、開始INTを前倒し的に開始させるようにすれば、遊技状態を早期に電サポ無し状態下に置くことができ、連荘状態中におけるベース値を大幅に低下させることができる。したがって、この第2の実施形態の構成(付加的演出期間の導入)による効果が最大限に発揮されうるケースは、この電サポ有り状態中に大当りに当選したケースであるといえる。
図23Bの説明に戻り、本例5(図23B)において、開始INTの昇格演出(時刻0s~24s)の期間、つまり付加的演出期間は、既に大当り遊技期間中であるため、ミニ図柄は非表示、特別図柄表示装置の特図は当選表示となり、右打ち報知ランプは点灯となり、打ち出し方向は右打ちとなる。なお、昇格演出(時刻0s~24s)の段階では、液晶画面にて右打ち示唆表示はまだ行わず、時刻24sのタイミングを待って右打ち示唆表示を開始する。
(3)本例6(図23C)
本例6(図23C)は、確変状態時において大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。なお、以下の図23C~図23Eの説明において、上記図23Bと実質的に同一の内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
本例6(図23C)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→SPSPリーチ前半→図柄確定→開始INT内の演出(SPSPリーチ後半→昇格演出→OP演出)」となっている。これは、SPリーチを経ずしていきなり「SPSPリーチ」へと移行している点を除き、図22C(本例2)の場合と同じである。
本例5(図23B)と比較すると、本例6は、「リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ前半」までは全く図23Aと同じであるが、「図柄確定」後の開始INT内に付加的演出期間として「SPSPリーチ後半」と「昇格演出」が来ている点、つまり、比較例2(図23A)のSPSPリーチの途中から開始INTが開始している点で、図23Aとも図23Bとも相違する。換言すれば、本例6の開始INTは、付加的演出期間における第1段階(時刻0s~30s)として「SPSPリーチ後半」が挿入され、第2段階(時刻30s~54s)として「昇格演出(ボーナス内容昇格)」が挿入され、その後に、第3段階として大当り報知演出が実行されるOP演出期間(図23A(比較例2)の開始INTに相当する期間)が続く、という3段階の演出構成になっている。この3段階に構成されている点で、本例6(図23C)は本例2(図22C)と共通する。そして開始INTの終わる時点は、図23A(比較例2)と同じになっている。開始INT内に、「SPSPリーチ後半」と「昇格演出」が入り込んでいる本例6と、開始INT内に「昇格演出」だけ入り込んでいる本例5(図23B)との関係は、既に説明した本例2(図22C)と本例3(図23D)との関係と同事象である。
この結果、本例6(図23C)では、開始INTの時間長さが、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~54s)の分だけ、図23A(比較例2)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「SPSPリーチの一部(後半)+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~51s)の分だけ、比較例2よりも無駄打ちが多くなる。よって、比較例2(図23A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~51s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
(4)本例7(図23D)
本例7(図23D)は、確変状態時において大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。
本例7(図23D)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→SPSPリーチ前半→図柄確定→開始INT内の演出(SPSPリーチの前半の途中~後半→昇格演出→OP演出)」となっている。したがって、演出フローとしては、「図柄確定」の後に付加的演出期間として「SPSPリーチ前半の途中~後半」と「昇格演出」が来ている点、つまり、本例7の場合、開始INTの最初に付加的演出期間における第1段階として「SPSPリーチの一部」が挿入され、第2段階として「昇格演出」が挿入され、その後に、第3段階として、大当り報知演出が実行される「OP演出期間」が続く、という3段階の演出構成になっている。そして開始INTの終わる時点は、図23A(比較例2)と同じになっている。これらの点で、本例6(図23C)と同じになっている。
しかし、この本例7(図23D)の場合、開始INT期間に入り込んでいるSPSPリーチの時間尺(開始INT中の時刻0s~48s)が、本例6(図23C)のもの(開始INT中の時刻0s~30s)よりも時間軸上で前側に長くなっており、この期間中に、液晶演出として、「レインボーフラッシュ」(開始INT中の時刻0s~18s)と「当選演出」(開始INT中の時刻18s~48s)とが現出され、可動体演出として、「第1可動体+第2可動体停止」と「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる(開始INT中の時刻0s~48s)。
本例7(図23D)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間の「SPSPリーチ後半+昇格演出」(時刻0s~72s)の分だけ、図23A(比較例2)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、「SPSPリーチの前半の途中~後半+昇格演出」(時刻0s~72s)の分だけ、無駄打ちが多くなる。よって、比較例2(図23A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~72s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
(5)本例8(図23E)
本例8(図23E)は、確変状態時において大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。
本例8(図23E)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→SPリーチ→SPSPリーチ前半→図柄確定→開始INT内の演出(SPSPリーチ前半の途中~後半→昇格演出→OP演出)」となっている。したがって、演出フローとしては、「図柄確定」後の開始INT内に付加的演出期間として「SPSPリーチ前半の途中~後半」と「昇格演出」が挿入されている点、つまり、本例8(図23E)の場合、開始INTの最初に付加的演出期間における第1段階として「SPSPリーチの一部」が挿入され、第2段階として「昇格演出」が挿入され、その後に、第3段階として、大当り報知演出が実行される「OP演出」が続く、という3段階になっている点で、図23C、図23Dと同じになっている。そして開始INTの終わる時点は、図23A(比較例2)と同じになっている。
しかし、本例8(図23E)の場合、開始INTに入り込んでいるSPSPリーチの時間尺(開始INT中の時刻0s~66s)が、本例7(図23D)よりも時間軸上で前側に長くなっており、この期間中に、液晶演出として、「可動体出現エフェクト」(開始INT中の時刻0s~18s)、「レインボーフラッシュ」(開始INT中の時刻18s~36s)と「当選演出」(開始INT中の時刻36s~66s)が現出する。また、「第1可動体+第2可動体出現」、「第1可動体+第2可動体停止」および「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる。液晶演出の「可動体出現エフェクト」と、可動体演出の「第1可動体+第2可動体出現」は、図柄確定の時点から開始される。この点で、本例8(図23E)と本例7(図23D)とは異なる。この関係は、既に説明した本例4(図22E)と本例3(図22D)の関係と同事象である。
本例8(図23E)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間の「SPSPリーチ後半+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~90s)の分だけ、図23A(比較例2)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、「SPSPリーチ前半の途中~後半+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~90s)の分だけ、無駄打ちが多くなる。よって、比較例2(図23A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「SPSPリーチ後半+昇格演出」(開始INT中の時刻0s~90s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
上記比較例2および本例5~8のうち、ベース値の低下率の高低の関係は、付加的演出期間の長さに依存する。したがって、ベース値の低下率の高低の関係は「比較例2<本例5<本例6<本例7<本例8」となる。つまり、図23Aの比較例2が最も型式試験における遊技機の適合率が低く、本例8が型式試験における遊技機の適合率が最も高くなる。また、いずれの例も、付加的演出期間中は、開始INTの時間尺が延びていることについて意識させたり、遊技上の違和感を受けることなく、遊技を続行させることができる。また、いずれの例も「右打ち示唆表示」を、OP演出期間中の所定のタイミングで開始するようにしてあるが、初回のラウンド遊技開始前(小当りであれば、大入賞口開放前)であれば、開始INT中の所定のタイミング(たとえば付加的演出期間中の開始~終了中の特定のタイミングなど)で右打ち示唆表示を開始してもよい。
<実施例3:図24A~図24D>
次に図24A~図24Dを用いて、実施例3として、確変状態時において「確変大当
り」に当選した場合について説明する。
上記実施例1、2(本例1~8)では、「通常状態」または「確変状態」において、確変大当りまたは時短大当りのいずれにも当選する可能性があるケースについて説明した。これに対し、この実施例3(図24A~図24D)では、大当りの種別として、確変大当りに当選した場合を扱っている。
図24A~図24Dのうち、最初の図24Aは比較用の具体例(比較例3)であり、残りの図24B~図24Dは第2の実施形態の具体例9~11(以下、本例9、本例10・・本例11の如く略す。)である。この実施例3では、確変状態下で、たとえば、5R確変大当りや10R確変大当りに当選した場合を想定している。
(1)比較例3(図24A)
確変状態において確変大当りに当選した場合、比較例3(図24A)では下記のように演出フローが進行する。
(a)経過時刻0s~24s:当選演出前段階(リーチ変動段階)
図24Aを参照して、図柄変動表示ゲームが開始されると(時刻0s)、演出フロー(演出シナリオ)は、「高速変動」(経過時刻0s~15s)から、リーチ変動(経過時間15s~24s)と変化する。「高速変動」の期間(時刻0s~15s)では、液晶画面には、装飾図柄が高速変動表示を所定時間継続した後、まず左図柄を仮停止表示し、その後、右図柄を仮停止表示して、リーチ状態(たとえば、「8↓8」)を形成する。そして、リーチ変動(Nリーチ変動)の期間(経過時刻15s~24s)では、左図柄と右図柄とがリーチ表示を維持しながら、中図柄が、たとえば、拡大縮小または変形表示などのリーチ変動表示を実行し、SPリーチへの発展を煽るようなリーチ演出が現出される。また、リーチ状態が形成される前には、液晶演出として、種々の予告演出(リーチ変動パターンに関連する予告演出)が現出される。なお、液晶画面における「ミニ図柄」は高速変動状態にあり、特別図柄表示装置の特別図柄(特図セグ)も変動状態にある。また、液晶画面における右打ち表示は右打ち示唆表示、右打ち報知ランプは点灯、つまり、打ち出し方向指示は右打ちを指示中である。
(b)経過時刻24s~36s:当選演出段階
演出フローがリーチ変動から「当選演出」(時刻24s~36s)に移る。比較例3(後述の本例9~11も同様)では、図22(本例1~4)や図23(本例5~8)と比較すると、SPリーチやSPSPリーチなどの上位のリーチを経ずしていきなり「当選演出」へと移行している点で相違している。ここでは、上記「突発当り」を採用した例を示したある。実施例3(図24A~D)に係る「突発当り」は、連荘状態中しか発生しないものとなっており、遊技者の衝撃度を高める効果の他、初当たりの場合と連荘状態中の大当りとの違いを演出上から区別し、遊技に対する興趣を高めることができるという効果をもたらす。
上記「当選演出」中では、当確報知がなされるとともに、液晶演出として、「第1のカットイン予告」が発生する(時刻27s~36s)。具体的には、リーチ状態にあった装飾図柄は、この当選演出(突発当り演出)の段階から、液晶画面内にて偶数図柄および奇数図柄がそれぞれ揃った状態(偶数図柄または奇数図柄のいずれで確定するかはまだ定まっていない状態(仮停止表示状態))で、当選表示される。したがって、特図セグは変動表示を続けており、ミニ図柄は高速変動状態にあり、遊技状態は、電サポ有り状態のままである。なお、第1のカットイン予告は、実施例1、2(図22~図23)で述べた「カットイン予告」とは性質を異にする。ここでの「カットイン予告」は、当選演出に係る「カットイン予告」であるため、当選可能性を示唆するものではなく(既に当確であるため)、今回当選した大当り種別に関する情報を報知する演出、具体的には、確変大当りへの当選期待度を報知する予告演出である。この第1のカットイン予告も複数種類設けられており、たとえば、予告表示に用いられるキャラクタに応じて、確変大当りへの当選期待度(高、中、低)を報知する。ここでは、確変大当り当選を扱っているので、確変大当りへの当選期待度が相対的に高い予告が出現し易い傾向となる。なお、ミニ図柄は高速変動状態にあり、右打ち表示は「右打ち示唆表示」をなしており、右打ち報知ランプは点灯し、打ち出し方向は「右打ち」となっている。
(c)経過時刻36s~126s:「偶数図柄or奇数図柄決定演出」段階
演出フローは、当選演出から、上記「昇格演出」の一種である“偶数図柄or奇数図柄決定演出(以下、「図柄決定演出」と略す)”(時刻36s~126s)へと移行する。図柄決定演出では、昇格演出と同じように、装飾図柄が偶数図柄揃いで停止すれば「時短大当り」であり、奇数図柄揃いで停止すれば「確変大当り」となる。ただし、この実施例3では、「確変大当り」のケースだけを扱っているので、最終的には「確変大当り」の図柄で図柄確定に至る。
この「図柄決定演出」中になると、液晶演出は、第2の「カットイン予告」(時刻42s~51s)→「ボタン演出」(時刻51s~63s)→「可動体出現エフェクト」(時刻63s~78s)→「レインボーフラッシュ」(時刻78s~96s)→「当選演出」(時刻96s~114s)→「確変GET」(時刻114s~126s)へと展開して行く。
第2の「カットイン予告」から「ボタン演出」の期間(時刻42s~63s)中は、液晶画面内にて、たとえば、偶数図柄(低有利度大当り示唆図柄(時短大当り示唆図柄))および奇数図柄(高有利度大当り示唆図柄(確変大当り示唆図柄))が、それぞれ揃った状態でゆっくりと変動表示(たとえば、低速変動表示または上下に揺れ変動表示)されている。具体的には、偶数図柄揃い「666」と奇数図柄揃い「777」が揃った状態で変動表示されている。
上記「第2のカットイン予告」は、上述した「第1のカットイン予告」と同じく、確変大当りへの当選期待度を報知する予告演出となっている。本実施形態では、「第1のカットイン予告」と「第2のカットイン予告」という複数段階で示唆される当選期待度(複合的に示唆される当選期待度)により、確変大当りへの期待度を報知するようになっている。たとえば、「第1のカットイン予告」と「第2のカットイン予告」の報知内容(期待度)の組合せが、「低、低」「低、中」「中、低」「中、中」「高、低」「高、中」「低、高」「中、高」「高、高」の順に、確変大当りへの期待度が相対的に高まるようになっている。したがって、たとえ「第1のカットイン予告」で低期待度示唆の演出内容が出現しても、その後の「第2のカットイン予告」の演出内容が高期待度示唆の演出内容であれば確変大当りへの期待度が大幅に上昇しうる。
そして、偶数図柄および奇数図柄のいずれが確定表示されるかを煽る演出として、遊技者参加型の「ボタン演出」が発生し、遊技者が演出ボタン13を操作した結果の報知として、今回当選した大当り種別が「確変大当り」であった場合には、「当選演出」の段階で、奇数図柄揃い(たとえば、777)が表示され、「時短大当り当選」であった場合には偶数図柄揃い(たとえば、666)が表示される。この実施例3では、「確変大当り」のケースだけを扱っているので、ボタン演出の演出結果は、奇数図柄揃いが表示され、最終的に、確変大当り当選を祝福する「確変GET」が現出される。
また「可動体出現エフェクト」(時刻63s~78s)が発生する期間は、可動体演出の「第1可動体+第2可動体出現」が行われている期間であり、また「レインボーフラッシュ(時刻78s~96s)」が発生する期間は可動体演出の「第1可動体+第2可動体停止」が行われている期間であり、そして「当選演出(時刻96s~114s)」が発生する期間は、可動体演出の「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる期間である。なお、この可動体出現エフェクトからレインボーフラッシュの期間(時刻63s~96s)中、装飾図柄は「非表示」であり、液晶画面に表示されない。しかし、「当選演出(時刻96s~114s)」から「確変GET(時刻114s~126s)」の期間に入ると、「当選表示」として装飾図柄が奇数図柄で揃って表示され、当該期間中は「当選表示(奇数図柄)」がされ続ける。
(d)経過時刻126s~132s:図柄確定段階
その後、演出フローが「図柄確定」(時刻126s~132s)に進み、特別図柄表示装置による特図が大当り種別に応じた表示態様で停止表示する「当選表示」が行われ、これに伴い、装飾図柄やミニ図柄も、当該大当り種別に関連した表示態様で停止表示される。この実施例3では、「確変大当り」のケースだけを扱っているので、最終的には、特図、装飾図柄およびミニ図柄は、確変大当りに対応する図柄が停止表示(当選表示)されることになる。
(e)大当り遊技
図柄確定後、大当り遊技が実行される。この比較例3の場合、図22Aに示す比較例1や図23Aに示す比較例2と同じく、開始INT(時刻0s~18s)は「OP演出」の期間となっており、液晶画面において、確定画像が少し継続(時刻0s~3s)した後に、時刻6sのタイミングから「右打ちしてください」という音声メッセージが流される。
(2)本例9(図24B)
本例9(図24B)は、確変状態時において、確変大当りに当選した場合における本発明の具体例である。後述する本例10、11(図24C~図24D)も同様である。
本例9(図24B)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→当選演出→図柄決定演出前半(図柄決定演出の一部)→図柄確定→開始INT内の演出(図柄決定演出後半→OP演出)」となっている。
また本例9(図24B)の演出フローは、図24A(比較例3)と比較すると、リーチ変動→図柄決定演出前半までは同じであるが、「図柄確定」後の開始INT内に、付加的演出期間として「図柄決定演出後半」が来ている点、つまり、図24Aの図柄決定演出の途中から開始INTが開始している点で、図23Aと相違する。換言すれば、本例9の開始INTは、第1段階(開始INTの時刻0s~30s)として付加的演出期間の「図柄決定演出後半」が挿入され、その後に、第2段階として、大当り報知演出が実行されるOP演出(開始INTの時刻30s~48s)が続く、という2段階の演出構成になっている。この2段階に構成されている点で、本例9(図24B)は本例2(図22C)と共通する。そして開始INTの終わる時点は、図24A(比較例3)と同じになっている。
この結果、本例9(図24B)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間の「図柄決定演出後半」(時刻0s~30s)の分だけ、図24A(比較例3)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「図柄決定演出後半」(時刻0s~30s)の分だけ、比較例3よりも無駄打ちが多くなる。よって、よって、図23B~図23Dで説明した事象と同様に、比較例3(図24A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。
開始INTが長くなった付加的演出期間の部分では、種々の演出が行われ、遊技者の注意はこれらの演出に向くことになる。すなわち、この本例9(図24B)の場合、第1段階の「図柄決定演出後半」(時刻0s~30s)においては、液晶演出として液晶画面に「当選演出」および「確変GET演出」が現出し、当選演出の期間中には、可動体演出として「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる。このため、開始INTの時間尺が延びていることについて意識させたり、遊技上の違和感を受けることなく、遊技を続行させることができる。遊技者が大当り中であると意識するのは、図22B~図22E(本例2~4)や図23B~図23E(本例6~8)などと同じく、付加的演出期間に続くOP演出期間に至り、ここで「右打ちしてください」という音声メッセージによる大当り報知演出が実行されてからである。
本例9(図24B)において、開始INTの「図柄決定演出後半」にかけての期間(時刻0s~30s)においては、装飾図柄は非表示(表示してもよい)、ミニ図柄は非表示(図柄確定時に当選表示になった後に非表示)、特別図柄表示装置の特図は当選表示となり、右打ち報知ランプは点灯維持、打ち出し方向も右打ち維持である。なお、開始INTの「図柄決定演出後半」中で少なくとも当選演出および確変GET演出が行われている間(時刻0s~27s)では、液晶画面にて右打ち示唆表示はまだ行わず、時刻36sのタイミングを待って右打ち示唆表示を開始する。
(3)本例10(図24C)
本例10(図24C)は、確変状態で確変大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。
本例10(図24C)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→図柄決定演出前半の途中→図柄確定→開始INT内の演出(図柄決定演出の前半の途中~後半→OP演出)」となっている。したがって、演出フローとしては、「図柄確定」後の開始INT内に「図柄決定演出の一部」が来ている点、つまり、図24Aの図柄決定演出の途中から開始INTが開始している点で、図24Bと共通している。換言すれば、本例10(図24C)の場合、開始INT内の演出は、第1段階として付加的演出期間の「図柄決定演出の一部」が挿入され、第2段階として、大当り報知演出が実行されるOP演出期間が続く、という2段階の演出構成になっている。この開始INT内の演出が2段階の演出構成になっている点で、本例10(図24C)は、図24Bと同じである。そして開始INTの終わる時点は、図24A(比較例3)と同じになっている。
しかし、本例10(図24C)の場合、開始INT内に入り込んでいる図柄決定演出(開始INT中の時刻0s~63s)の時間尺が、本例9(図24B)よりも時間軸上で前側に長くなっており、この期間中に、液晶演出として、「可動体出現エフェクト」(開始INT中の時刻0s~15s)、「レインボーフラッシュ」(開始INT中の時刻15s~33s)、「当選演出」(開始INT中の時刻33s~51s)および確変GET(開始INT中の時刻51s~60s)が現出する。また、可動体出現エフェクト、レインボーフラッシュ、当選演出に対応して、「第1可動体+第2可動体出現」、「第1可動体+第2可動体停止」および「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる。この「可動体出現エフェクト」と「第1可動体+第2可動体出現」は図柄確定の時点から開始される。開始INT内に「図柄決定演出の前半の途中~後半」が入り込んでいる本例10(図24C)と「図柄決定演出の後半」だけ入り込んでいる本例9(図24B)との関係は、既に説明した本例4(図22E)と本例3(図23D)との関係や、本例8(図23E)と本例7(図23D)との関係と同事象である。
本例10(図24C)では、開始INTの時間長さが、付加的演出期間である「図柄決定演出の前半の途中~後半」(時刻0s~63s)の分だけ、図24A(比較例3)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「図柄決定演出の一部」(時刻0s~63s)の分だけ、比較例3よりも無駄打ちが多くなる。よって、比較例3(図24A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「図柄決定演出後半」(時刻0s~63s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
(4)本例11(図24D)
本例11(図24D)は、確変状態時において、確変大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。
本例11(図24D)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→図柄確定→開始INT内の演出(図柄決定演出→OP演出)」となっている。本例9、10(図24B、図24C)では、図柄決定演出の一部が開始INT内の演出として挿入されていたが、本例11(図24D)の場合は、演出フローとして、「図柄確定」後の開始INT内に付加的演出期間として「図柄決定演出」の全部が挿入されている点、つまり、図24Aの図柄決定演出が開始するところから(正確には図24Aの昇格演出が開始するところで図柄確定となり、その図柄確定後から)開始INTが開始している点で、図24Aと相違している。換言すれば、本例11(図24D)の場合、開始INT内の演出は、第1段階として付加的演出期間の「図柄決定演出」が挿入され、第2段階として、大当り報知演出が実行されるOP演出期間が続く、という2段階になっている。そして開始INTの終わる時点は、図24A(比較例3)と同じになっている。
また、本例11(図24D)の場合、図柄決定演出(開始INTの時刻0s~90s)の時間尺が、本例9(図24B)よりも時間軸上で前側に長くなっており、この図柄決定演出の期間中に、液晶演出として、「カットイン」(開始INTの時刻6s~15s)、「ボタン演出」(開始INTの時刻15s~27s)、「可動体出現エフェクト」(開始INTの時刻27s~42s)、「レインボーフラッシュ」(開始INTの時刻42s~60s)、「当選演出」(開始INTの時刻69s~78s)および「確変GET」(開始INTの時刻78s~90s)が現出する。そして、可動体出現エフェクト、レインボーフラッシュ、当選演出に対応して、「第1可動体+第2可動体出現」、「第1可動体+第2可動体停止」および「第1可動体+第2可動体戻る」が行われる。
本例11(図24D)では、開始INTの時間長さが、図柄決定演出(時刻0s~90s)の分だけ、図24A(比較例3)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「図柄決定演出後半」(時刻0s~63s)の分だけ、比較例3よりも無駄打ちが多くなる。よって、比較例3(図24A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「図柄決定演出後半」(時刻0s~90s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
上記比較例3および本例9~11のうち、ベース値の低下率の高低の関係は、付加的演出期間の長さに依存することが分かる。したがって、ベース値の低下率の高低の関係は「比較例3<本例9<本例10<本例11」となる。つまり、図24Aの比較例3が最も型式試験における遊技機の適合率が低く、本例11が型式試験における遊技機の適合率が最も高くなる。また、いずれの例も、付加的演出期間中は、開始INTの時間尺が延びていることについて意識させたり、遊技上の違和感を受けることなく、遊技を続行させることができる。また、いずれの例も「右打ち示唆表示」を、OP演出期間中の所定のタイミングで開始するようにしてあるが、初回のラウンド遊技開始前(小当りであれば、大入賞口開放前)であれば、開始INT中の所定のタイミング(たとえば付加的演出期間中の開始~終了中の特定のタイミングなど)で右打ち示唆表示を開始してもよい。
<実施例4:図25A~図25D>
次に図25A~図25Dを用いて、実施例4として、確変状態時において「時短大当り」に当選した場合について説明する。
上記実施例3(本例9~11)では、「確変状態」において、確変大当りに当選した場合について説明した。これに対し、実施例4(図25A~図25D)では、大当りの種別として、時短大当りに当選した場合を扱っている。図25A~図25Dのうち、最初の図25Aは比較用の例(比較例4)であり、残りの図25B~図25Dは第2の実施形態の具体例12~14(以下、本例12、本例13・・本例14の如く略す。)である。この実施例4では、確変状態下で、たとえば、5R時短A大当り(時短回数100回)または5R時短B大当り(時短回数50回)に当選した場合を想定している。
(1)比較例4(図25A)
確変状態において時短大当りに当選した場合、比較例4(図25A)では下記のように演出フローが進行する。
(a)経過時刻0s~24s:当選演出前段階(リーチ変動段階)
図25Aを参照して、比較例4の経過時刻0s~24sの期間の演出フローは、図24Aに示す比較例3と同じ演出フローであり、「高速変動→リーチ変動」となっている。したがって「高速変動→リーチ変動」の期間の液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプも、図24Aに示す比較例3と同じである。
(b)経過時刻24s~36s:当選演出段階
演出フローがリーチ変動から「当選演出」(時刻24s~36s)に移る。この当選演出も、図24Aに示す比較例3と同じである。ただし、この実施例4では、時短大当りの当選のケースだけを扱っているので、「第1のカットイン予告」については、確変大当りへの当選期待度が相対的に低い予告が出現し易い傾向となる。
(c)経過時刻36s~78s:図柄決定演出段階
演出フローは、当選演出から、昇格演出の一種である「図柄決定演出」(時刻36s~78s)へと移行する。偶数図柄揃いで停止すれば「時短大当り」であり、奇数図柄揃いで停止すれば「確変大当り」となるが、この実施例4では、時短大当りのケースだけを扱っているので、最終的には時短大当りの「偶数図柄」にて図柄確定に至る。この「図柄決定演出」中になると、液晶演出は、第2の「カットイン予告」(時刻36s~51s)→「ボタン演出」(時刻51s~63s)→「残念演出」(時刻63s~78s)へと展開して行く。
図25Aの例では、確変大当りではなく時短大当りに当選しているとの前提であるので、図24Aの例の「確変GET」とは異なり、演出フローは「残念演出」(時刻63s~75s)となっている。ここでは、装飾図柄の当選表示として、偶数図柄「666」が液晶画面内に仮停止表示される。
(d)経過時刻78s~102s:時短回数決定演出
演出フローは、図柄決定演出から、昇格演出の一種である「時短回数決定演出」(時刻78s~102s)」に移行し、その後に、「図柄確定」(時刻102s~108s)」に進む。
「時短回数決定演出」とは、液晶画面にて、今回当選した大当りが、たとえば、時短回数が相対的に多い「時短5R時短A大当り(時短回数100回)」であるのか、または、時短回数が相対的に少ない「時短5R時短B大当り(時短回数50回)」であるのかを報知する遊技者参加型演出である。時短回数決定演出では、まず、演出ボタン13の操作の受付が所定時間有効扱いとなるとともに、ボタン操作を促す「ボタン演出」が現出される(時刻78s~87s)。この有効受付期間内に遊技者が演出ボタン13を操作した場合か、または有効受付期間が経過した場合、いずれの時短回数であるのかを報知する「回数抽選演出」(時刻87s~96s)が現出され、次いで、「回数確定報知演出」が現出される(時刻96s~102s)。回数抽選演出では、たとえば、ルーレット盤画像が表示され、ボールが赤色ポケットに入れば時短100回、黒色ポケットに入れば時短50回というルーレットゲーム演出が現出され、このゲーム結果に対応して、回数確定報知演出では、「時短100回!おめでとう」(赤色ポケット入の場合)や「残念・・時短50回」(黒色ポケット入の場合)などの時短回数を確定報知する。なお、時短回数決定演出中は、装飾図柄は非表示となっているが、偶数図柄揃いで仮停止表示(揺れ変動表示など)させてもよい。なお、液晶画面における「ミニ図柄」は高速変動状態にあり、特別図柄表示装置の特別図柄(特図セグ)も変動状態にある。また、液晶画面における右打ち表示は右打ち示唆表示、右打ち報知ランプは点灯、つまり、打ち出し方向指示は右打ちを指示中である。
(e)経過時刻102s~108s:図柄確定段階
その後、演出フローが「図柄確定」(時刻102s~108s)に進み、特別図柄表示装置による特図(特図セグ)が大当り種別に応じた停止表示態様、たとえば「4」が停止して「当選表示」が行われる。また装飾図柄は、3個の装飾図柄が、たとえば偶数図柄(チャンス図柄)の「666」の表示態様で確定表示される。また、液晶演出として、液晶画面には当り確定画面が表示され、またミニ図柄も当選表示される。これにより、今回の図柄変動表示ゲームが終了され、ゲーム結果が確定したことになる。
(f)大当り遊技
図柄確定後、大当り遊技が実行される。この比較例4(図25A)における大当り遊技の内容は、比較例1(図22A)と同じである。
(2)本例12(図25B)
本例12(図25B)は、確変状態時において、時短大当りに当選した場合における本発明の具体例である。後述する本例13、14(図25C~図25D)も同様である。
本例12(図25B)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→当選演出→図柄決定演出→図柄確定→開始INT内の演出(時短回数決定演出→OP演出)となっている。」
また本例12(図25B)の演出フローは、図25A(比較例4)と比較すると、リーチ変動→当選演出→図柄決定演出までは同じであるが、「図柄確定」後の開始INT内に付加的演出期間として「時短回数決定演出」が挿入されている点で、図25Aと相違する。すなわち、本例12の開始INTは、第1段階(開始INT中の時刻0s~21s)として付加的演出期間の「時短回数決定演出」が挿入され、その後に、第2段階として、「右打ちしてください」という音声メッセージを含む大当り報知演出が実行されるOP演出(開始INT中の時刻24s~39s)が続く、という2段階の演出構成になっている。開始INTの終わる時点は、図25A(比較例4)と同じになっている。
この結果、本例12(図25B)では、開始INTの時間長さが、「時短回数決定演出」(開始INT中の時刻0s~24s)の分だけ、図25A(比較例4)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「時短回数決定演出」(時刻0s~24s)の分だけ、比較例4よりも無駄打ちが多くなり、出玉速度を低下させる。よって、比較例4(図25A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお「時短回数決定演出」(時刻0s~24s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
(3)本例13(図25C)
本例13(図25C)は、確変状態時において、時短大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。
本例13(図25C)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→当選演出→「図柄決定演出前半」→図柄確定→開始INT内の演出(図柄決定演出後半→時短回数決定演出→OP演出)」となっている。
本例13(図25C)の演出フローは、本例12(図25B)と比較すると、リーチ変動→図柄決定演出までは同じであるが、図柄決定演出が前半と後半に分かれ、「図柄確定」後の開始INT内に「図柄決定演出後半」が来ている点で、図25Aと相違する。すなわち、本例13の開始INTは、付加的演出期間における第1段階(開始INT中の時刻0s~15s)として図柄決定演出後半」が挿入され、その後に、第2段階(開始INT中の時刻15s~39s)として「時短回数決定演出」が挿入され、その後に、第3段階として、大当り報知演出が実行されるOP演出(開始INT中の時刻39s~57s)が続く、という3段階になっている。開始INTの終了時点は、図25A(比較例4)と同じになっている。
この結果、本例13(図25C)では、開始INTの時間長さが、「図柄決定演出後半」(開始INT中の時刻0s~15s)および「時短回数決定演出」(時刻開始INT中の15s~39s)の分だけ、図25A(比較例4)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「図柄決定演出後半」(開始INT中の時刻0s~15s)および「時短回数決定演出」(時刻15s~39s)の分だけ、比較例4よりも無駄打ちが多くなる。よって、比較例4(図25A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「図柄決定演出後半」(開始INT中の時刻0s~15s)および「時短回数決定演出」(開始INT中の時刻15s~39s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
(4)本例14(図25D)
本例14(図25D)は、確変状態時において、時短大当りに当選した場合における本発明の他の具体例である。
本例14(図25D)の演出フローは、「高速変動→リーチ変動→当選演出→図柄確定→開始INT内の演出(図柄決定演出→時短回数決定演出→OP演出)」となっている。上記した本例13(図25C)では、図柄決定演出の一部が開始INT内の演出として挿入されていたが、本例14(図25D)の場合は、演出フローとして、「図柄確定」後の開始INT内に、付加的演出期間の一つとして「図柄決定演出」の全部が挿入されている点、つまり、図25Aの図柄決定演出が開始するところから(正確には図24Aの昇格演出が開始するところで図柄確定となり、その図柄確定後から)開始INTが開始している点で、図25Aと相違している。換言すれば、本例14(図25D)の場合、開始INT内の演出は、付加的演出期間における第1段階(開始INT中の時刻0s~42s)として「図柄決定演出」が挿入され、第2段階(開始INT中の時刻42s~66s)として「時短回数決定演出」が挿入され、その後に、第3段階になって、大当り報知演出が実行されるOP演出期間(開始INT中の時刻66s~84s)が続く、という3段階の演出構成になっている。開始INTの終了時点は、図25A(比較例4)と同じになっている。また、本例14(図25D)では、開始INT内における図柄決定演出(開始INT中の時刻0s~39s)の時間尺が、本例13(図25C)の図柄決定演出後半(開始INT中の時刻0s~15s)よりも時間軸上で前側に長くなっている。
本例14(図25D)では、開始INTの時間長さが、「図柄決定演出」(時刻0s~39s)および「時短回数決定演出」(時刻42s~66s)が存在する分だけ、図25A(比較例4)の場合よりも時間軸上で前側に長くなっている。すなわち、開始INTの「図柄決定演出」(時刻0s~39s)および「時短回数決定演出」(時刻42s~66s)の分だけ、比較例4よりも無駄打ちが多くなる。よって、比較例2(図23A)に比べ、型式試験における遊技機の適合率が高まる。なお、「図柄決定演出」(時刻0s~39s)および「時短回数決定演出」(時刻42s~66s)中に行われる、液晶演出、可動体演出、装飾図柄、ミニ図柄、特図セグ、右打ち表示、右打ち報知ランプなどについては、図示の通りである。
上記比較例4および本例12~14のうち、ベース値の低下率の高低の関係は、付加的演出期間の長さに依存することが分かる。したがって、ベース値の低下率の高低の関係は「比較例4<本例12<本例13<本例14」となる。つまり、図24Aの比較例4が最も型式試験における遊技機の適合率が低く、本例14が型式試験における遊技機の適合率が最も高くなる。また、いずれの例も、付加的演出期間中は、開始INTの時間尺が延びていることについて意識させたり、遊技上の違和感を受けることなく、遊技を続行させることができる。また、いずれの例も「右打ち示唆表示」を、OP演出期間中の所定のタイミングで開始するようにしてあるが、初回のラウンド遊技開始前(小当りであれば、大入賞口開放前)であれば、開始INT中の所定のタイミング(たとえば付加的演出期間中の開始~終了中の特定のタイミングなど)で右打ち示唆表示を開始してもよい。
以上に説明した実施形態の好ましい形態についてまとめると、下記構成A~D(下記(チ)~(レ))のように構成することができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(I)本発明の第1の実施形態に係る構成A
(チ)第1の始動条件が成立したことに基づき(上始動口34への入賞が発生した場合)、第1の大当り種別に属する大当りを対象に抽選を実行する第1の抽選手段(主制御部20の特図1側の大当り抽選手段)と、
第2の始動条件が成立したことに基づき(下始動口35への入賞が発生した場合)、第2の大当り種別に属する大当りを対象に抽選を実行する第2の抽選手段(主制御部20の特図2側の大当り抽選手段)と、
前記第1の抽選手段または前記第2の抽選手段により大当りに当選した場合、大入賞口を開放するラウンド遊技を最大ラウンド数まで繰り返し行う大当り遊技を実行制御する大当り遊技制御手段(主制御部20の当り遊技制御手段)と、
演出を実行可能な複数の演出手段(たとえば、液晶表示装置36、スピーカ46、装飾ランプ45、可動体役物(たとえば、花型役物90、時計型役物80、または対遊技者刺激源役物(風圧装置、加振装置、加圧装置))と、
前記演出手段による演出を実行制御する演出制御手段(演出制御部24)と、を備え、
前記第1の始動条件よりも前記第2の始動条件が成立し易い特典遊技状態(電サポ有り状態を伴う遊技状態:確変状態や時短状態)を実行可能な遊技機Aであって、
少なくとも前記第2の大当り種別に属する大当り(たとえば、連荘対象大当りとなる特図2側大当り種別)には、遊技者に付与される利益の有利度合が異なる複数種類の大当りが含まれ、
前記大当り遊技は、
初回のラウンド遊技が実行される前の開始インターバル期間(開始INT)と、
各ラウンド遊技が終了した後のラウンド間インターバル期間(R間INT)と、
最終回のラウンド遊技に係る前記ラウンド間インターバル期間が終了した後の終了インターバル期間(終了INT)とを含んで構成され、
前記第2の大当り種別に属する複数種類の大当りのうち、
前記有利度合が相対的に高い高有利度大当りに係る第1大当り遊技の開始インターバル期間および終了インターバル期間をそれぞれ、Atime(秒)、Btime(秒)とし、
前記有利度合が相対的に低い低有利度大当りに係る第2大当り遊技の開始インターバル期間および終了インターバル期間をそれぞれ、atime(秒)、btime(秒)とした場合、下記関係式(1)を満たすように定められており、
atime<Atime、かつbtime<Btime ・・・関係式(1)
前記第2大当り遊技に係る開始インターバル期間に対する前記第1大当り遊技に係る開始インターバル期間の割合(Atime/time)を延長率αとし、前記第2大当り遊技に係る終了インターバル期間に対する前記第1大当り遊技に係る終了インターバル期間の割合(Btime/btime)を延長率βとした場合、
延長率の値が相対的に小さい方のインターバル期間中では第1演出態様(地味な演出)を実行し、延長率の値が相対的に大きい方のインターバル期間中では当該第1演出態様とは異なる第2演出態様(派手な演出)を実行するように構成された、
ことを特徴する遊技機。
なお、この(チ)に係る「有利度合」とは、大当り遊技中にのみ付与される利益度合、すなわち、賞球数だけを考慮した有利度合であってもよいし、大当り当選に起因して付与される利益度合、すなわち、状態移行による利益と大当り遊技中に付与される利益とを含めた総合的な利益度合を考慮した利益度合であってもよい。この「状態移行による利益」とは、大当り遊技後に移行される遊技状態に関する種々の事項を考慮した場合の利益であり、具体的には、電サポ有り状態(高ベース状態)の有無、時短回数、高確率状態の有無、ST回数などである。後述の他の構成についても同様である。
(II)本発明の第1の実施形態に係る構成B
(リ)また、開始インターバル期間、ラウンド間インターバル期間、終了インターバル期間を少なくとも含む各インターバル期間の時間幅を合計した総インターバル時間(合計INT時間)について、
前記第2の大当り種別に属する複数種類の大当りのうち、前記有利度合が相対的に高い高有利度大当りに係る前記総インターバル時間をAtime(秒)とし、
前記第1の大当り種別に属する複数種類の大当りのうち、前記総インターバル時間が最長となる大当りに係る前記総インターバル時間をBtime(秒)とした場合、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする遊技機。
Btime<Atime ・・・関係式(1)
(ヌ)また、前記第2の大当り種別に属する複数種類の大当りのうち、前記有利度合が相対的に低い低有利度大当りに係る前記総インターバル時間をCtime(秒)とした場合、下記関係式(2)を満たすことを特徴とする上記(リ)に記載の遊技機。
Ctime<Atime ・・・関係式(2)
(ル)下記関係式(3)を満たすことを特徴とする上記(ヌ)に記載の遊技機。
Ctime<Btime<Atime ・・・関係式(3)
(ヲ)Btimeに対するAtimeの割合を延長率αとし、Ctimeに対するAtimeの割合を延長率βとした場合、下記関係式(4)を満たすことを特徴とする上記(ヌ)または上記(ル)に記載の遊技機。
延長率α<延長率β ・・・関係式(4)
(III)本発明の第1の実施形態に係る構成C
(ワ)上述の遊技機Aであって、前記第2の大当り種別に属する大当りには、
前記最大ラウンド数が第1の最大ラウンド数を定めた第1の大当り遊技の実行契機となる第1の大当りと、当該第1の最大ラウンド数よりもラウンド数が相対的に多い第2の最大ラウンド数を定めた第2の大当り遊技の実行契機となる第2の大当りとが含まれ、
前記大当り遊技は、
初回のラウンド遊技が実行される前の開始インターバル期間と、
各ラウンド遊技が終了した後のラウンド間インターバル期間と、
最終回のラウンド遊技に係るラウンド間インターバル期間が終了した後の終了インターバル期間とを含んで構成され、
前記第1の大当り遊技の各インターバル期間の時間幅を合計した総インターバル時間をAtime(秒)、(たとえば、5R系大当り側)
前記第2の大当り遊技の各インターバル期間の時間幅を合計した総インターバル時間をBtime(秒)、(たとえば、10R系大当り側)
前記第1の最大ラウンド数をAmaxround(たとえば、最大ラウンドが5R)、
前記第2の最大ラウンド数をBmaxround(たとえば、最大ラウンドが10R)、
前記第1の大当り遊技における1ラウンドあたりの総インターバル時間X(Atime/Amaxround)、および
前記第2の大当り遊技における1ラウンドあたりの総インターバル時間Y(Btime/Bmaxround)とした場合、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする遊技機。
X<Y ・・・関係式(1)
(IV)本発明の第2の実施形態に係る構成D
(カ)所定の始動条件が成立したことに基づき、複数種類の当りを対象に抽選を実行する当り抽選手段(主制御部20の大当り抽選手段)と、
図柄の変動表示動作を行い、当該図柄の停止表示態様により前記抽選手段による抽選結果を表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、リーチ演出指定用のリーチ変動パターンを含む複数種類の変動パターンのうちからいずれかを選択する変動パターン決定手段(主制御部20の変動パターン決定手段)と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段(主制御部20の図柄表示制御手段)と、
前記当り抽選手段により当選した当りの種類に基づいて、大入賞口を所定の動作パターンで開閉制御することにより当り遊技を実行制御する当り遊技制御手段(主制御部20の当り遊技制御手段)と、
演出を実行する演出手段と、
前記変動パターンに関連した演出内容に基づいて、演出を実行制御する演出制御手段(演出制御部24)と、を備え、
前記図柄表示手段に特定の図柄表示態様が停止表示された後、前記当り遊技を実行可能に構成された遊技機であって、
前記当り遊技は、開始インターバル期間(大当り種別に応じた開始INT)が経過した後に前記大入賞口が所定の動作パターンで開閉制御される大入賞口開閉期間(初回のラウンド遊技期間)を実行するように構成され、
前記開始インターバル期間に係る演出期間には、前記特定の図柄表示態様が停止表示された後の第1演出期間(付加的演出期間)と、当該第1演出期間が経過した後の第2演出期間(OP演出期間)とが少なくとも含まれ(たとえば、図22~図25に示す具体例(本例)1~14)、
前記演出制御手段は、
前記第1演出期間中では前記大入賞口開閉期間の開始に関する報知演出は実行せず(たとえば、図22Bの大当り開始INT中の時刻0s~24s間(または時刻0s~30s間))、前記第2演出期間の到来を契機に当該報知演出を実行するように構成された(たとえば、図22Bの大当り開始INT中の時刻24s(または時刻30sでもよい)の到来を契機に大当り報知演出を開始する)、
ことを特徴とする遊技機。
なお、この(カ)に係る「報知演出」とは、大入賞口開閉期間の到来を事前報知する演出、たとえば、「右打ちしてください」という音声による右打ち指示メッセージなどである(図22~図25に示す本例1~本例14参照)。
(ヨ)前記リーチ変動パターンに係る演出内容には、特定のリーチ演出(たとえば、図22BのSPSPリーチ)を実行した後に特定演出(たとえば、図22Bの昇格演出)を実行する特定リーチ演出内容が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記特定リーチ演出内容に基づく演出を実行する場合、前記特定のリーチ演出を前記図柄の変動表示期間中に実行し、前記特定演出を前記第1演出期間に実行するように構成された、
ことを特徴とする上記(カ)に記載の遊技機。
(タ)前記変動パターンに係る演出内容には、特定演出の実行を含む特定演出内容が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記特定演出内容に基づく演出を実行する場合、少なくとも前記図柄の変動表示期間から前記第1演出期間に跨って前記特定演出を実行するように構成された、
ことを特徴とする上記(カ)に記載の遊技機。
この(タ)に係る「特定演出」としては、たとえば、図22Bや図23Bなどに示す「昇格演出」、図22C~図22Eや図23C~図23Eに示す「SPSPリーチ後半+昇格演出」、図24Bに示す「図柄決定演出の一部(後半)」、図24Cに示す「図柄決定演出の一部(前半の途中~後半)」、図24Dに示す「図柄決定演出(全体)」、図25Bに示す「時短回数決定演出」、図25Cに示す「図柄決定演出の一部(後半)+時短回数決定演出」、図25に示す「図柄決定演出(全体)+時短回数決定演出」などがある。
(レ)前記複数種類の当りには、第1当りと、当該第1当りよりも遊技者に付与される有利度合が相対的に高い第2当りとが含まれ、
前記演出制御手段は、
前記当り抽選手段で抽選された当りが前記第2当りである場合、前記特定のリーチ演出の演出結果として、前記第1当りに当選したこと示唆する昇格前演出を前記図柄の変動表示期間中に実行し、
前記特定演出として前記第2の当りに当選したことを確定報知する昇格演出を前記第1演出期間中に実行可能に構成された、
ことを特徴とする上記(カ)に記載の遊技機。
この(レ)に係る「昇格前演出」とは、たとえば、昇格演出が実行される前の所定の演出(SPSPリーチ、SPリーチ、リーチ変動、高速変動などに係る演出)である。また、この(レ)に係る「昇格演出」とは、たとえば、図22Bなどに示す昇格演出である。
以上に説明した全ての実施形態(各実施形態で説明した構成、変形例のすべてを含む)の1または複数を組合せた構成としてもよく(たとえば、上記構成A~Dの少なくとも2つの構成を有する形態など、第1の実施形態、第2の実施形態で説明した各種の構成を適宜組合せることができる)、各実施形態において記載した内容は個別の実施形態のみに限定されるものではない。各実施形態に係る1または複数の組合せの構成が、本発明の課題を解決し、本発明の作用効果を奏することができるものであり、いずれも本発明の技術思想に含まれうる。
また以上に説明した各実施形態では、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを利用する遊技機や、電磁気的記録を利用した遊技媒体を利用した遊技機(いわゆる「封入式遊技機(管理式遊技機)」などの遊技機)や、回胴式遊技機などであってもよい。