以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として打球発射装置から発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。打球発射装置は、発射モータにより駆動されるものであり、打球操作ハンドル5の回動操作位置に応じて、遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。これにより、遊技者は、遊技領域7において希望する場所を狙って遊技球を発射することが可能である。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口スイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、第2始動入賞口14の内部には第2始動入賞口スイッチ14aが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。第2始動入賞口14は、変動表示手段(可変表示手段)としての第2特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。
ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球がゲート32、および、第2始動入賞口14に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。このような開放制御期間中には、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるように、後述の図20に示すラウンド数示唆演出、および、図21に示す保留連報知演出のような特定の演出が実行可能である。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路871が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域870の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域870内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ15aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定入賞スイッチ15bにより検出される。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出され、その後の遊技球がV判定入賞スイッチ15bにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ15aおよびV判定入賞スイッチ15bにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤6内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
V判定入賞装置87の前面側の一部には、「V」という文字形状で構成されたLEDよるなる発光体であるVランプ875が設けられている。Vランプ875は、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに基本的に白色で発光される。Vランプ875は、たとえば、基本的に白色で発光可能であるが、保留連を報知するときのように、遊技状況に応じた演出により、青色、赤色、および、虹色に発光色が変化可能である。なお、Vランプ875は、遊技者により視認可能な位置であれば、V判定入賞装置87において、前面部に設けられてもよく、内部に設けられてもよい。また、Vランプ875は、V判定入賞装置87とは異なる位置(たとえば、V判定入賞装置87の近傍位置等)に設けられてもよい。
可変入賞球装置15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置15は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
右遊技領域では、可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、大当り可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口13への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口14への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示器8bおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する1つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを点灯し、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを消灯する。
第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態が終了した後は、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち促進報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態中は、開口した大当り可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行なわれる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。なお、時短状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行なわれるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、後述するような、小当りに応じてV判定入賞装置87の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行なわれる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の不図示の非特定領域に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知とが行なわれる。
図2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、上述したように小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、大当り可変入賞球装置20が開放することも含まれる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。「電チューサポート制御」は、「電サポ」という略語で一般的に呼ばれており、本実施形態でも「電サポ」という略語を用いる場合がある。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、次のような理由で設定されている。図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球をゲート32に進入させて可変入賞球装置15を開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置15に入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置15へ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口13が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される大当り可変入賞球装置20が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、V判定入賞装置87(可動部872)を開閉するソレノイド22、および、V入賞判定入賞装置87(領域870可動部87)を開閉するソレノイド22、V入賞領域870(開閉部材)を開閉するソレノイド24、および、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。払出制御基板37は、球払出装置97を制御することで、出玉の払出を制御する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、Vランプ875の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム2:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム1は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、このような変動パターン種別には、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がある演出が実行される変動パターン種別等)と、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がない演出が実行される変動パターン種別等)とが含まれている。このような、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、特定の演出が実行される変動パターンであり、小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが含まれている。しがって、このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが実行されたときには、遊技者の期待感を盛上げることが可能となる。小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、小当りとなるときと、小当りとならないときとの両方で選択可能であり、小当りとなるときの方が、小当りとならないときよりも選択される割合が高くなるように設定される。これにより、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別であっても、小当りとならないときも生じるので、実行される変動パターンの種別から小当りとなることが遊技者に予め認知されてしまうことがないようにすることができる。一方、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別は、たとえば、小当りを経由せずに直接大当りとなることを示唆するような小当りと関連性がない演出がされる変動パターン等であり、小当りとなるときに選択不可能とすることにより、変動パターンの演出と、表示結果との関連性が複雑化しないようにすることができる。なお、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、V判定入賞装置87の開放制御との対応関係に基づいて、特定の変動時間に設定されたものが選択されるように設定されている。このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが、小当りとなるときに実行可能となるようにすれば、変動表示時における遊技者の小当りへの期待感を高めることができる。さらに、大当りを得るために所定期間内にV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる必要があるという、小当り遊技状態特有の遊技に遊技者が容易に対応可能な状態となることにより、遊技者がV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる有利状態を逃がしにくいようにすることが可能となる。
また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、特定の変動時間に限定されないものとしてもよい。また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、小当りに関する所定の示唆演出が実行されるものでなくてもよい。また、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けて設けてもよい。また、変動パターンは、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けず、いずれの変動表示結果となるときにも、選択対象の変動パターンの種類の範囲が同じとなるようにしてもよい。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図5(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダムR)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図5(C),(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図5(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。
図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、第1時短状態(変動表示1回〜5回)、および、第2時短状態(変動表示7回〜11回)のような複数種類の時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
次に、各種大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様を説明する。ここでは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態を代表例として説明する。図6は、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様の一例を表形式で示す図である。
4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、比較的少ない変動表示回数(1回〜5回)に亘り時短状態に制御される第1時短状態のときの第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示については、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していた場合と、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していない場合とを比較すると、図6(A),(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行バランス態様が異なる。
図6(A)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶が1個ある場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。図6(B)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶がない場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。
パチンコ遊技機1においては、第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当り遊技状態に制御されると、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶は、大当り遊技状態中において記憶状態が継続されて大当り遊技状態の終了後まで持ち越され、大当り遊技状態の終了後において、変動表示に用いられる。
図6(A)に示すように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶があるときには、優先的に実行させるべき第2特別図柄を変動表示のための第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞がまだされていないので、時短状態においては、まず、1回目の変動表示として、大当り遊技状態の発生前から持ち越された第1特別図柄の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態は、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれるので、その後、図6(A)に示すように、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。
時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間においては、第1特別図柄の保留記憶が存在するときに、その保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が実行される。図6(A)では、時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間において、大当り遊技状態への制御前において存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が1回実行された例が示されている。図6(A)では、時短状態の開始後、2回目に第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が1回実行されたことに基づいて、時短状態の開始後、2回目の変動表示において時短制御が終了した例が示されている。
第2始動入賞口14への始動入賞については、前述のように4個の保留記憶情報が可能である。したがって、第1時短状態の開始後、たとえば第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に実行される電サポ状態での可変入賞球装置15の開放制御状態中において、図6(A)に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。この実施の形態では、第1時短状態の場合は、第2保留記憶情報が溜まりやすいように、変動表示時間がある程度長い変動表示が、1回目の第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて実行される。なお、そのように変動表示時間がある程度長い変動表示は実行しないようにしてもよい。
その後、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に、第2保留記憶情報が記憶されているときには、たとえば図6(A)の3回目〜6回目の第2特別図柄の変動表示欄に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行され、約1/7の当選確率の小当り抽選が第2保留記憶情報個数分だけ実行可能となる。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
一方、図6(B)に示すように、時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶がないときには、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態で、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれ、第1始動入賞口13には遊技球が進入し得ない遊技状態となるので、図6(B)に示すように、1回目の変動表示から第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。この場合においても、図6(A)の保留記憶ありの場合と同様に、図6(B)に示すような最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件は、前述のように、第2特別図柄の変動表示が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が合計5回実行されたときに成立する。
図6(A)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が1回実行された後、2回目に第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、2回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、終了条件が成立し、第1時短状態の制御が終了される。
図6(B)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に第1特別図柄の保留記憶が存在せず、1回目から第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、1回目の変動表示において第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、時短状態の終了条件が成立し、時短状態の制御が終了される。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されている。これにより、たとえば、図6(A)に示すように、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
また、たとえば、第1時短状態の開始時において最大4個の第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、その4個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行された後、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
このように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されていることにより、第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、第1時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される第1時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(1回)との合計回数に設定されているので、第1時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
また、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最小変動表示回数「1」を「7」に置換え、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最大変動表示回数「5」を「11」に置換えたものである。したがって、図柄4R時短大当り以外の大当り種別でも、8R時短大当りの場合と同様に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数の有無および多少にかかわらず、同じ7回という第2特別図柄の変動表示が実行されるまで、第2時短状態が継続する。これにより、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りについて得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図6に示すように、大当り後の時短(電サポ)回数が比較的少ない回数に設定される場合には、前述したように、大当り遊技状態終了直後の第1保留記憶情報の数によって遊技者に不利となるような時短(電サポ)回数とならないようにすることが好ましい。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7および図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7および図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、はずれ表示結果、大当り種別、小当り種別ごとの大当り表示結果、および小当り表示結果を含む表示結果を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A005(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A305(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が第1時短状態(高ベース状態)であることを指定する第1時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が第2時短状態(高ベース状態)であることを指定する第2時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれについて、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを用いてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドC401(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC402(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC403(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC501(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC502(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC503(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC601(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。コマンドC602(H)は、V判定入賞装置87への入賞球(V入賞球とV入賞球以外の入賞球との両方を含む)を検出したことを指定するV入賞球検出指定コマンドである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第2特別図柄については、RAM55に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファが設けられている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存(記憶)される。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファに予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(第1保留記憶データでは4、第2保留記憶データでは4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合があることがあることは上述した通りである。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがない場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、大当り可変入賞球装置20内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した第1特別図柄の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、小当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターン種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出された第2特別図柄の始動入賞について、S1215で説明したような入賞時演出処理と同様の入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
S51で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(S80)を行なった後、処理を終了する。一方、S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図5(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。
次に、特別図柄ポインタが「第1」を示しているか否かを判定する(S72)。特別図柄ポインタが「第1」のときは、図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルを選択し(S73)、S75に進む。一方、特別図柄ポインタが「第1」を示していない場合(「第2」を示している場合)は、図5(D)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択し(S74)、S75に進む。
S75では、S73またはS74で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定し(S75)、S81に進む。
また、S61で大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータであるか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否か確認する(S76)。S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータでない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS82に進む。一方、S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータである(第2特別図柄の変動表示である)ときは、図5(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して、大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値に一致するか否かを判定することにより、小当り判定の処理を行なう(S76)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダム1)の値が図5(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると(S76のY)、第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S77Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S78)。
小当りフラグをセットした後は、図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルを選択し(S79)、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を小当り経由大当りの種別として決定する(S80)。そして、S81に移行する。一方、S77で小当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S77のN)、後述するS82に移行する。
S81では、S75またはS80で決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S81)、S82に進む。たとえば、大当り種別が「図柄15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「01」が設定され、大当り種別が「図柄4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「02」が設定される。一方、大当り種別が「小当り経由16(15)R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファとは別の仮大当り種別バッファに「03」が設定される。大当り種別が小当り経由9(8)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「04」が設定される。大当り種別が小当り経由5(4)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「05」が設定される。これらのうち、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りを示すデータは、小当り遊技状態においてV入賞が生じなければ大当りが発生せずに無効となるデータあり、仮設定される。
S82では、特別図柄の停止図柄を設定する(S78)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当りフラグがセットされている場合には、S80で選択決定した小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」、「5」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S75で選択決定した大当り種別に応じた大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S79)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄15R時短大当りまたは図柄4R時短大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄4R時短大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄15R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、10回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、4R図柄時短大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、4R図柄時短大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(S151)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図14は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S161)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R時短大当りであるか否かを確認する(S163)。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄4R時短大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S171)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
図15は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口の開放動作を開始させる(S411)。次に、CPU56は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する(S412)。次に、CPU56は、小当りの開放状態におけるV入賞領域870への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(S413)。具体的に、S413では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S413)。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(S430)。次に、後述するS435でV入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(S431)。V判定入賞個数カウンタは、図15のS413により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S441に進む。一方、S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、図13のS140でセットされた小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S432)。
S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、S441に進む。一方S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開閉させるための処理を行なう(S433)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S434)。S434でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(S435)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S436)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出されたことを認識することができ、V入賞個数を認識することが可能となる。次に、ソレノイドを駆動することにより開閉部材を動作させ、V入賞領域870のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させ(S437)、S439に進む。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の1個目がV入賞すると、V入賞領域870のV入賞口が閉鎖状態にされ、その後に、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、すべて入賞球領域に誘導され、V判定入賞スイッチ15bにより検出される。
一方、S434でオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、V判定入賞スイッチ15bがオン状態となっているか否かを判定する(S438)。S438でオン状態となっているときはS439に進み、S438でオン状態となっていないときは処理を終了する。
S439では、図15のS413により「10」にセットされたV判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行ない(S439)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S440)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出された後、判定入賞装置87内に進入したV入賞球が検出されたことを認識することができ、判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
S431でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S441)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S443)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図17は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグ(図14の大当り終了処理でセットされる第1時短フラグ、第2時短フラグ)を一旦リセットする(S451)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、大当り開始4指定コマンド、または大当り開始5指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回、8回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S457)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500,S501の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。また、演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示と並列的に表示可能な態様で、普通図柄の変動表示に対応する(同期した)演出も実行される。
打球促進演出処理(S500):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各種演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を確認し、遊技状態に応じた打球促進演出を実行する。打球促進演出とは、遊技領域7における第1経路(左打ち経路)および第2経路(右打ち経路)のうち、少なくともいずれか一方への遊技球の打込みを促進させる報知をする演出である。具体的に、打球促進演出には、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする右打ち促進報知演出が含まれるが、打球促進演出には、当該右打ち促進報知演出と、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする左打ち促進報知の演出とを含むようにしてもよい。
右打ち促進報知の演出は、たとえば、演出表示装置の特定の表示領域において、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示することにより行なわれる。
この実施形態では、遊技球の打込みとして左打ちを基本としており、打球促進演出として、左打ち促進報知を実行せず、右打ち促進報知を実行している状態に基づいて、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込み(右打ち)を促進させ、逆に、右打ち促進報知を実行していない状態に基づいて、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込み(左打ち)を促進させる演出制御例を説明する。
なお、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。また、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と、右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。
先読み処理(S501):遊技制御用マイクロコンピュータ560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは図柄大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図21参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S808):小当りが発生したときに、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を所定時間(たとえば、1秒間)行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S809):小当りにおいて、V判定入賞装置87の開放中における各種の演出制御を行なう。そして、V判定入賞装置87が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。また、小当り遊技状態において、V入賞スイッチ87aにより遊技球のV入賞が検出され、V入賞が発生したことが判定されたときには、V入賞が発生したことを報知するV入賞演出制御をする。小当り遊技状態においてV入賞が発生したときには、大当り遊技状態に移行させるために、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新する。一方、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技状態に移行させないので、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。また、演出制御プロセス処理では、S500により、演出制御プロセスの実行状況を確認し、遊技制御状態に応じて、打球促進演出が実行される。
パチンコ遊技機1では、打球促進演出として、高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知を含む複数種類の打球促進演出を実行可能である。高ベース状態右打ち促進報知は、高ベース状態において、右打ちをしてゲート32および可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。小当り右打ち促進報知は、小当り遊技状態において、右打ちをしてV判定入賞装置87(V入賞領域)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。大当り右打ち促進報知は、大当り遊技状態において、右打ちをして大当り可変入賞球装置20(大入賞口)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。
高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する同じ画像を用いて実行してもよい。つまり、右打ち促進報知が、高ベース状態での促進報知と、小当りでの促進報知と、大当りでの促進報知とのいずれの種類に該当するかを特定不可能な状態で表示するものでもよい。右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する画像として、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する等、異なる画像を用いて実行してもよい。この実施形態では、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する例を説明する。また、打球促進演出の種類に応じて、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。たとえば、遊技者にとっての有利度により、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。一例として、小当り右打ち促進報知については小型の画像を用いて促進報知をし、高ベース状態右打ち促進報知については中型の画像を用いて促進報知をし、大当り右打ち促進報知については大型の画像を用いて促進報知をするようにしてもよい。なお、高ベース状態右打ち促進報知については、大当り右打ち促進報知と同様に、大型の画像を用いて促進報知をしてもよい。
次に、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、演出表示装置9で表示される大当り遊技状態中の演出の一例として、Vコンボ演出(VCOMBO演出)を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(出球)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分けて段階的に報知する演出である。
図20は、ラウンド示唆演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図20では、ラウンド示唆演出の一例が時間経過に応じて示され、ラウンド示唆演出と関係が少ない画像は省略されている。ラウンド示唆演出は、小当り遊技状態においてV入賞の発生により大当りとなることが決定されたときにおいて、演出表示装置9の表示画像により、当該小当り終了経由で実行される大当り遊技状態でのラウンド数を示唆する演出である。
図20(A)〜(E)には、ラウンド示唆演出の一例が示されている。小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87が開放状態に制御され、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可能となる。そのような状態でV入賞が発生すると、図20(A)に示すように、演出表示装置9において、V字形状のV入賞画像94が表示される。これにより、入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。V入賞画像94の表示は、V判定入賞装置87が閉鎖状態に制御されるまで継続される。
図20(A)〜(E)に示すように、V入賞の発生に応じてV入賞画像94が表示されたときには、オーラ(aura)を模したオーラ画像95(95A〜95E)が、V入賞画像94の周囲にまとわりつくエフェクト画像的な表示態様で表示される。オーラ画像は、図20(A)〜(E)に示すように、オーラ画像白95A、オーラ画像青95B、オーラ画像緑95C、オーラ画像赤95D、または、オーラ画像虹95Eという複数種類の色から選択された色で表示される。図中においては、括弧付の色文字によりオーラ画像95の色が示されている(色文字は、実際には表示されないが、表示されてもよい)。オーラ画像95の色は、図20(A)〜(E)のように、小当り遊技中において白→青→緑→赤→虹というような所定の複数段階で変化表示可能である。このようなオーラ画像95の色は、V判定入賞装置87への入賞個数に応じて段階的に変化可能となる演出が行なわれる。
オーラ画像95の色は、小当り遊技中において、最初に表示された色が変化しない場合もあり、変化する場合もある。オーラ画像95は、大当り遊技状態でのラウンド数の期待度を色に示唆することが可能である。ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められている。これにより、遊技者は、オーラ画像95の色により、大当り遊技状態でのラウンド数の多さの期待度を認識することが可能となる。たとえば、オーラ画像赤95Dが表示されたときの方が、オーラ画像青95Bが表示されたときよりもラウンド数が多くなる可能性が大きいということを遊技者は認識することができる。
図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
図21は、保留連報知演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図22は、保留連報知演出のタイミングチャートである。図21および図22を用いて、特別演出としての保留連報知演出を説明する。図21では、(A)〜(D)に保留連報知演出の一例が時間経過に応じて示されている。図22では、小当り遊技状態の開始時からV入賞に基づく大当り遊技状態の開始当初までの期間の演出制御タイミングが示されている。
保留連とは、大当りが発生したときに存在している保留記憶情報において、将来的に大当りとなる保留記憶情報があり、当該大当りの大当り遊技状態の終了後に、大当り発生前に存在していた当該保留記憶情報の範囲内で次の大当りが発生するというような、大当り発生時に存在していた保留記憶情報の範囲内で次の大当りが連続的に発生する保留記憶情報範囲内での連続な大当り(保留内連荘)をいう。小当りは、V入賞の発生に基づいて小当り経由大当りとなるので、小当りの保留記憶情報は、将来的に大当りとなる保留記憶情報である。
この実施の形態における保留連は、時短状態(高ベース状態)で大当りとなったときにおける第2保留記憶情報の保留記憶情報内を対象として判断する。第2保留記憶情報が存在すると、第1保留記憶情報よりも第2保留記憶情報が優先して変動表示に用いられるため、時短状態(高ベース状態)では、第2保留記憶情報の保留記憶情報内に小当りまたは図柄大当りの保留記憶情報があれば、連続的な大当りが発生し得るので、これらの保留記憶情報が保留連の記憶情報と判断される。
図22に示すように小当り遊技状態が開始された後、図19の開放中処理(S809)の演出の実行中において、V入賞が発生すると、図21(A)および図22に示すように、演出表示装置9で、V字形状のV入賞画像94が比較的短い所定期間に亘り表示される。これにより、V入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。保留連演出が実行されるときには、小当り遊技状態および大当り遊技状態に亘り次のような演出が実行される。
小当り遊技状態中において、V入賞発生後に所定時間が経過すると、図21(B)および図22に示すように、演出表示装置9の画面全体が黒色に変化(暗転)して何も表示されていないように見せるブラックアウト表示が、図19の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)により、基本的演出として実行される小当り中の開放中演出および小当り終了時の終了演出の代わりに、小当り遊技状態の終了時まで継続して実行される(保留連報知演出の第1処理)。ブラックアウト表示としては、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる視認困難演出、または、遊技者に驚きを与えるための演出であればよく、たとえば、表示画面全体を黒一色の画像に暗転するのではなく、通常表示されている演出画像(演出図柄、キャラクタ、および、背景画像等の演出画像)の前面側に半透明の黒色等の所定色の画像を重ねて表示することにより、表示画面全体の画像の明度を低下させて画像を全体的に暗くする演出や遊技者に特別感を与える演出が行なわれるようにしてもよい。
そして、当該小当り遊技状態の終了後においては、図19の大当り表示処理(S804)により、基本的演出として実行される大当り開始時のファンファーレ演出(大当り開始を報知する演出であり図中に破線で示す)の代わりに、図21(C)または(D)および図22に示すような保留連報知が実行される(保留連報知演出の第2処理)。具体的に、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が3つある場合には、図21(C)のように「+3BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が4つある場合には、図21(D)のように「+4BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。また、図示を省略するが、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が2つある場合には、「+2BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。このように、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。
このように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
このような保留連報知は、図22に示すように、大当り遊技の第1ラウンドの開始前までというような、大当り遊技状態の演出開始当初の特定期間経過まで実行される。保留連報知が実行された後は、図19のラウンド中処理(S805)により、たとえば、図21(E)および図22に示すように、大当り遊技状態の第1ラウンドの演出が開始される。このように、保留連報知演出は、小当り遊技状態と大当り遊技状態とに跨って実行される。
保留連報知演出が実行されるときにブラックアウト表示が実行されるのは、次のような理由によるものである。保留連報知演出が実行される場合、図20に示すラウンド数示唆演出が実行されない。前述した減速構造のV判定入賞装置87を用いる場合には、V判定入賞装置87上の通路を遊技球がゆっくりと流下するため、小当りでV判定入賞装置87の開放状態中において、合計10回の開放回のうち、どの時点でV入賞が発生するか、および、どの時点で開放状態の終了条件である上限個数の10個目の遊技球がV判定入賞装置87内に進入するかについて小当り発生ごとにばらつきが生じる。これにより、小当り遊技状態が終了するタイミングには、小当り発生ごとにばらつきが生じる。図20に示すラウンド数示唆演出のように、V判定入賞装置87内への遊技球の進入個数に応じて演出が不定期に変化する演出を実行する場合には、遊技者に違和感を与えるような演出とはならない。しかし、小当り遊技状態が開始してから小当り遊技状態が終了するまでの期間中の演出表示として、たとえば一定期間経過後にエンディングを迎えるような、時間経過に応じて演出内容が変化する物語性がある演出等を実行すると仮定した場合には、小当り発生ごとに、小当り終了時の演出状態が異なることになる等、遊技者に違和感を与える演出となってしまうおそれがあり、小当り発生ごとに小当り終了時の演出状態を均一化する調整をすることが困難となる。そこで、遊技者に違和感を与えないような小当り遊技の演出を実行するために、演出内容が変化しないブラックアウト表示による演出が実行される。つまり、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することにより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。これにより、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
なお、図21の保留連報知演出では、V入賞報知を短時間実行した後にブラックアウト表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、V入賞報知をせずにブラックアウト表示を実行するようにしてもよい。また、保留連報知演出を実行する場合において、ブラックアウト表示を実行せずに、たとえば、所定の静止画像または短期間の繰返し動作を実行する動画像等のその他の画像を表示してもよい。また、ブラックアウト表示期間は固定期間としてもよい。保留連報知演出は、小当り遊技状態の終了後における大当りのラウンド演出中に至るまで実行してもよい。保留連報知演出ラを大当りのラウンド演出中に至るまで実行する場合に、ブラックアウト表示期間を固定時間にするときは、V入賞時から固定期間のブラックアウト表示が実行されるので、期間のブラックアウト表示期間を固定期間としてもよく、大当りのラウンド演出中における至るまで、ブラックアウト表示の終了時が不定になるようにしてもよい。また、保留連報知演出は、V入賞時に実行してもよく、V入賞後のV判定入賞装置87の開放期間中に実行してもよい。
図23は、ラウンド数示唆演出の演出態様を選択するときに用いられるデータテーブルを示す説明図である。図23(A)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる複数種類の演出パターンを記憶したVオーラ色変化演出パターンテーブルが示されている。図23(B)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出パターンを選択するために用いられるVオーラ色変化演出パターン選択テーブルが示されている。
図23(A)では、第1パターン〜第8パターンの演出パターンが示されている各演出パターンには、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等)のそれぞれに対応してV入賞オーラ画像95の色が設定されている。たとえば、第6パターンでは、1〜2個目のときは白色、3〜6個目のときは青色、7〜8個目のときは緑色、9〜10個のときは赤色となるように、データが設定されている。V判定入賞装置87への入賞個数は、V入賞スイッチ87aおよびV判定入賞スイッチ15aにより検出された遊技球の合計値である。なお、V判定入賞装置87への入賞個数は、V判定排出スイッチ15bにより検出された遊技球の値を用いてもよい。
ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められているため、各演出パターンでは、入賞個数が増えるにしたがって白→青→緑→赤という順番にしたがって色が変化し得るような色変化パターンが設定されている。虹色は、青色、緑色、赤色のような他の色を含む色である。このように、入賞個数が増えるにしたがってラウンド数の多さの期待度が高い色に変化する演出パターンにより、小当り遊技状態でのV判定入賞装置87の開放中において、遊技者の期待感を高めることができ、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるようにすることができる。
第8パターンは、他の演出パターンと異なり、1〜10個目のすべてについて虹色が設定されており、色が変化せず虹色に固定される演出パターンである。これは、虹色は、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する特別な色として用いられるためである。なお、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する演出パターンとしては、たとえば、白→青→緑→赤→虹という順番にしたがって色が変化し得る演出パターンを用いてもよい。
図23(B)では、小当り経由大当りの種別と、図23(A)の第1パターン〜第8パターンとの対応関係が示されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてVコンボ演出パターン選択用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、対応する第1パターン〜第8パターンのそれぞれに割振られている。
図23(B)では、「白<青<緑<赤<虹」という、ラウンド数の多さの期待度の大小関係に対応して、「小当り経由5(4)R時短大当り<小当り経由9(8)R時短大当り<小当り経由16(15)R時短大当り」という対応関係で、最終的な10個目の色についてのラウンド数期待度が大きい演出パターンの選択率が高くなるようにデータが設定されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当りのときのみ、第8パターンが選択可能に設定されている。これにより、第8パターン(1個目〜10個目すべてが虹色)でラウンド数示唆演出が実行されたときには、小当り経由16(15)R時短大当りとなることが確定したことを遊技者に示唆することが可能となる。なお、小当り経由16(15)R時短大当り以外の大当りについても、第8パターンが選択可能となるようにしてもよい。
図24は、保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。保留連報知演出有無決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図24の保留連報知演出有無決定テーブルでは、図柄15R時短大当り、および、小当り経由16(15)R時短大当りの合計保留連個数が0個〜4個のそれぞれであるときについて、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留連報知有無決定用の乱数SR2(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行有(実行する)」と「実行無(実行しない)」とに割振られている。
このように、保留連報知演出は、大入賞口が15回開放する大当りとなり得る保留記憶情報と対象として実行可能である。なお、保留連報知演出は、その他の種別の大当りとなり得る保留記憶情報を対象として実行可能としてもよい。保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報が0個または1個であるときは、「実行有」が決定されず、「実行なし」のみが決定されるように、データが設定されている。
また、保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報の合計が2個以上の複数個のときに「実行有」が決定可能となるようにデータが設定されており、対象となる保留記憶情報の個数が多くなる程、「実行有」が決定される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
さらに、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、保留連報知演出の実行対象として、図柄15R時短大当り、および、16(15)R時短大当りというようなラウンド数が比較的多い大当りとなり得る保留記憶情報を用いたので、保留連報知演出が実行されると、遊技者は自然と大入賞口が15回開放するという最も遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる期待度が高くなるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留連報知演出およびラウンド数示唆演出について実行の有無の決定および演出種類の選択をする保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を説明する。図25は、保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を示すフローチャートである。
図25の保留連・ラウンド数示唆演出選択処理は、演出図柄変動開始処理(図19のS801)において各種演出を設定する処理に含まれる。保留連・ラウンド数示唆演出選択処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が小当り表示結果であるか否かを今回の変動に際して受信した表示結果指定コマンドに基づいて判定(表示結果を特定可能な変動パターンコマンドに基づいて判定してもよい)する(S851)。受信した表示結果指定コマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に小当り表示結果を指定するコマンドが格納されているか否かにより、小当り表示結果であるか否かを判定する。
S851により小当り表示結果ではないときは、処理を終了する。一方、S851により小当り表示結果であるときは、図19の先読み処理(S501)で記憶された現在の第2保留記憶情報(第2始動入賞口14への第2始動入賞に基づく保留記憶情報)を取得する(S852)。そして、取得した第2保留記憶情報に基づき、保留連報知演出の対象となる図柄大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報の有無を確認する(S853)とともに、保留連報知演出の対象となる小当りとなる(小当り経由16(15)R時短大当りとなり得る)保留記憶情報の有無を確認する(S854)。次に、SR2を抽出し、S853,S854での確認情報に基づき、保留連報知演出有無決定テーブルを用いて、現在の第2保留記憶情報内の保留記憶情報に基づいて保留連報知演出を実行するか否か(実行の有無)を決定する(S855)。
この実施形態では、前述のように、小当り遊技状態に制御されたときに、右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に制御されるので、小当りとなる保留記憶情報についても、大当りとなる保留記憶情報とともに、保留連となる保留記憶情報として判定される。
S855により保留連報知演出を実行する決定がされたときは、今回の変動表示に対応して保留連報知演出を実行するときに用いるためのデータである保留連報知演出情報(たとえば、報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を所定の演出データ記憶領域に記憶し(S857)、処理を終了する。
一方、S855により保留連報知演出を実行しない決定がされたときは、ラウンド示唆演出(オーラ画像の色変化演出)を実行することを決定する(S858)。次に、S851で確認した表示結果指定コマンドに基づいて小当り経由大当りの種別を確認するとともに、SR3を抽出し、図23(B)のVオーラ色変化演出パターン選択テーブルを用いて、実行するラウンド示唆演出の演出パターンを選択決定する(S859)。そして、決定された演出パターンでラウンド示唆演出を実行するときに用いるためのデータとして、図23(A)のでVオーラ色変化演出パターンテーブルに記憶された演出パターンデータを記憶する等、ラウンド数示唆演出情報(たとえば、ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の有無等)を特定の演出データ記憶領域に記憶し(S860)、処理を終了する。
変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行することが決定されたときには、S857で記憶されたデータに基づいて、保留連報知演出が実行される。一方、変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行しないことが決定されたときには、S860で記憶されたデータに基づいて、ラウンド数示唆演出が実行される。保留連報知演出を備えていないパチンコ遊技機の場合には、S855の後にS858を実行すればよい。
なお、保留連報知演出を実行するときにも、ラウンド数示唆演出を実行してもよい。また、ラウンド数示唆演出は、保留連報知演出を実行しないときに必ず実行するのではなく、保留連報知演出を実行しないときに、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定してもよい。また、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定し、ラウンド数示唆演出を実行することが決定されたときは、保留連報知演出を実行しないようにしてもよい。このように、保留連報知演出とラウンド数示唆演出とは、どちらかを優先して実行してもよく、どちらかを優先せずに両方を実行可能としてもよい。
次に、前述のラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出処理を説明する。図26は、ラウンド数示唆演出処理を示すフローチャートである。図26のラウンド数示唆演出処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
ラウンド数示唆演出処理では、まず図25のS860で記憶されたラウンド数示唆演出情報(ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の実行の有無等)を取得する(S840)。次に、S840により取得したラウンド数示唆演出の実行の有無に関する情報に基づいて、ラウンド数示唆演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S841)。S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球が検出されたときに出力されるV特定入賞球検出指定コマンドの受信時であるか否かを確認する(S842)。
S842でコマンドの受信時ではないときは、処理を終了する。一方、S842でコマンドの受信時ではあるときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球を計数する計数手段としての入賞個数カウンタを+1加算更新する(S843)。そして、S840で取得したラウンド数示唆演出の演出パターンに基づき、更新後の入賞個数カウンタで計数された個数に対応する色でオーラ画像95を表示する(S843)。S843において個数に対応する色でオーラ画像95が表示されることにより、V判定入賞装置87に進入した遊技球の個数に応じてオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行されることとなる。V入賞画像94は、小当り演出の開放中処理(S809)においてV入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、表示が開始されるものであり、V入賞が発生すると、直後にV特定入賞球検出指定コマンドを受信することとなるので、S843により、V入賞画像94に対応するオーラ画像95が、S844により決められた色でV入賞発生直後から表示されることとなる。これにより、図20(A)〜(E)のようにオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行される。
次に、前述の保留連報知演出を小当り遊技中に実行する保留連報知演出の第1処理を説明する。図27は、保留連報知演出第1処理を示すフローチャートである。図27の保留連報知演出第1処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第1処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S861)。次に、S861により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S862)。S862で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S862で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87のV入賞領域870へのV入賞球がV入賞スイッチ87aで検出されたときに送信されるV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるか否かを判定する(S863)。
S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時ではないときは、処理を終了する。一方、S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるときは、S861により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、小当り演出の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)が終了するまで実行するブラックアウト表示を開始し(S864)、処理を終了する。これにより、図21(B)のようなブラックアウト表示が小当り遊技の終了時まで実行される。
次に、前述の保留連報知演出を大当り表示中に実行する保留連報知演出の第2処理を説明する。図28は、保留連報知演出第2処理を示すフローチャートである。図28の保留連報知演出第2処理は、大当り演出の大当り表示処理(図19のS804)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第2処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S871)。次に、S871により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S872)。S872で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S872で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、S871により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、保留連報知態様として、+2BONUS(対象保留連個数2個の場合)、+3BONUS(対象保留連個数3個の場合)、+4BONUS(対象保留連個数4個の場合)のいずれかを選択する(S873)。そして、S873で選択された保留連報知態様で、大当り表示演出期間中という所定期間に亘り実行する保留連報知の実行が開始される。れにより、たとえば、図21(C),(D)のような保留連報知が実行される。
[V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]
次に、V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例を説明する。図21では、「+3BONUS」というように文字情報により保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、図20に示すような色変化が可能なオーラ画像95を用いて保留連報知演出をするようにしてもよい。
オーラ画像95を用いた保留連報知演出としては、V入賞画像94に付随して表示されるオーラ画像95を、たとえば、V判定入賞装置87に進入した遊技球が増えることに応じて、図20のようにオーラ画像95の色を変化させ、前述のような保留連報知として、オーラ画像95の色を虹色等の特定の色とする演出をするようにしてもよい。このような保留連報知演出は、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示するような所定演出の演出態様を特定態様に変化可能とすることにより、保留連報知演出を実行すればよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶情報に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
[保留連報知演出の演出態様変化の変形例]
次に、保留連報知演出を実行するときにおいて、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なる例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報については、図柄大当りとなる保留記憶情報のみが存在する第1保留連種別の場合と、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り(小当り経由大当り)となる保留記憶情報の両方が存在する第2保留連種別の場合と、小当り(小当り経由大当り)のみが存在する第3保留連種別の場合とがあり得る。このような複数種類の保留連種別は、いずれも保留連と呼ばれるが、保留連報知演出として、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる演出態様で保留連報知を実行するようにしてもよい。たとえば、第1保留連種別の場合は、「+3ボーナス」というような片仮名で保留連報知をし、第2保留連種別の場合は、「+3BONUS」というような英文字で保留連報知をし、第3保留連種別の場合は、「+3ぼーなす」というような平仮名で保留連報知をしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる色で保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なるキャラクタ画像を表示すること(保留連数に付随する表示でもよく、キャラクタ画像単独表示でもよい)により、保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、「+3ボーナス」というような演出態様、「+3BONUS」というような演出態様、および、「+3ぼーなす」というような複数種類の演出態様のうちから、演出態様を抽選により選択決定してもよい。その場合には、第1保留連種別〜第3保留連種別の保留連種別ごとに、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにしてもよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
[保留連報知演出の制限制御をする変形例]
次に、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と小当り(小当り経由の大当り)となる保留記憶情報が複数ある場合に保留連報知演出を実行するときに、保留連報知演出が実行された大当り遊技状態が終了して、保留連報知対象となった大当りが実行され、その大当り遊技状態においても、保留連報知演出が実行されると、その保留連報知演出が、前回の大当り遊技状態において報知対象とされた保留連の保留記憶情報を対象として継続して実行されているのか、新たに生じた保留記憶情報に基づく保留連の保留記憶情報を対象として新たに実行されているのかを遊技者が区別しにくくなり、不明確な演出となってしまう。
そこで、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する演出制御を実行すればよい。保留連報知演出が実行された後に、報知連報知の対象とされたすべての保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、保留連制限フラグをセットして、新たに保留記憶情報を確認して保留連報知を実行するための処理を実行しないように、演出制御処理の実行を制限すればよい。このようにすれば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
なお、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例としては、つぎのような演出を実行してもよい。
たとえば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連の数をアイコン画像等によるストック画像の個数で特定可能に表示し、保留連報知演出の対象となった大当り遊技状態が消化されるごとに、アイコン画像を減らしていく演出をしてもよい。さらに、新たに発生した保留記憶情報に基づいて保留連報知をするときには、このようなアイコン画像を増やす演出をしてもよい。このように保留連の報知対象数が遊技者に認識可能となるように可視化することにより、遊技者が理解しやすい保留連報知演出を実行することが可能となる。また、このような演出を実行すれば、単に保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限するよりも、保留連報知演出が遊技者に認識される頻度が高くなり、面白みがある演出を実行することができる。
[保留連報知演出の実行タイミングの変形例]
次に、前述したような保留連報知演出をVコンボ演出(VCOMBO演出)時に実行する例を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(付与価値)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分けて段階的に報知する演出である。
[大当り後の変動表示時における特定演出例]
次に、第1特別図柄の変動表示により生じた図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第2特別図柄の第1回目の変動表示中において、保留記憶情報の数と保留記憶情報の先読み判定結果とに基づいて、保留記憶情報における大当りの先読み演出を行なう特定演出について説明する。
図29は、特定演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図30は、特定演出のタイミングチャートである。図29および図30を用いて、特定演出を説明する。
図29では、特定演出の一例が時間経過に応じて示され、特定演出と関係が少ない画像は省略されている。図30においては、図29の特定演出の演出内容に整合した演出を示すとともに、特定演出の全体的な制御イメージをわかりやすく示すために、4R図柄時短大当りの終了後の1回の変動表示が第2特別図柄による変動表示により実行される例が示されている。また、図30においては、入賞促進演出中に4個の第2保留記憶情報が貯まり、3個目までの第2保留記憶情報の中に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる第2保留記憶情報が含まれていなかったこと(たとえば、4個目の第2保留記憶情報に、図柄大当りまたは小当り経由の大当りが含まれている場合と、4個目の第2保留記憶情報に図柄大当りまたは小当り経由の大当りが含まれていない場合とのいずれか)により、当該変動表示の終了後において、入賞促進演出中に貯まった4個すべての変動表示が順次実行される例が示されている。
図29(A)〜(O)および図30には、特定演出の一例が示されている。図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後には、第2特別図柄が1回変動表示されるまでの期間において、電チューサポート制御が実行されることにより高ベース状態となるので、可変入賞球装置15(電チュー)への入賞が容易化される。したがって、可変入賞球装置15への入賞により第2保留記憶情報が貯まりやすくなる。また、第2保留記憶情報については、小当り経由で大当りとなり得る小当りの当選確率が約1/7という高確率であるので、最大限4個の第2保留記憶情報の内に、小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が比較的高い頻度で含まれ得る。
このような遊技制御の仕組みに対応した演出として、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第2特別図柄の1回目の変動表示中において、第2保留記憶情報を先読みのターゲットとした先読み演出としての特定演出が実行される。
図29(A)のように、特定演出の開始時には、演出表示装置9において、「最終判定開始」というような特定演出の開始を示す特定演出開始画像9Aを表示する特定演出開始演出がされると同時に、所定のムービー画像のような動画像である判定演出動画(図示省略)の表示が開始される。判定演出動画は、たとえば、味方(遊技者の味方)キャラクタと敵キャラクタとが戦いを繰り広げるバトル演出のような一連のストーリー性があるムービー動画が、背景動画像として、特定演出の開始時から終了時までに亘り継続して表示される。特定演出開始演出は、特定演出が実行されることを遊技者が容易に認識可能となるようにするために、第1の所定期間に亘り実行される。
左,中,右の演出図柄91,92,93は、画面右上隅部において縮小された態様で変動表示される小図柄の変動表示態様で変動表示される。図中下向きの矢印は変動表示中であることを示している。
判定開始演出が終了すると、図29(B)のように、演出表示装置9において、「保留を貯めろ!」というような可変入賞球装置15への遊技球の入賞を促進させるための入賞促進画像9Bを表示する入賞促進演出が実行される。入賞促進演出は、可変入賞球装置15への遊技球の入賞を促進させる演出でもあり、第2保留記憶情報を貯めることを促進させる演出でもある。この実施の形態では、第2保留記憶情報を貯めることを促進させるという意味から「保留を貯めろ!」とう入賞促進画像を表示するが、可変入賞球装置15への遊技球の入賞を促進させるという意味から、「電チューに入賞させろ!」というような具体的な入賞箇所を特定した入賞促進画像を表示する入賞促進演出を実行してもよい。
入賞促進演出は、たとえば第2保留記憶情報の数が「0」であるときから最大の「4」となるまでに必要となるような第2の所定期間が最長期間として設定されているが、当該第2の所定期間中であっても、第2保留記憶情報の数が最大の「4」となった時には以降の無駄な遊技球の発射を抑制するためにその時点で終了する。
入賞促進演出の実行開始後は、第2保留記憶情報の数に応じて特定演出の演出態様を変更する変更演出が実行可能である。具体的に、第2保留記憶情報が「0」個のときには図29(C)のように、現在の変動表示(当該変動表示)に対応する左,中,右の演出図柄91,92,93の画像として、「7」の図柄でリーチ態様(7↓7)が形成された演出図柄(以下リーチ図柄という)の画像が画面中央部で表示される。図29(C)〜(G)のように入賞促進画像9Bは、第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)となるまで、縮小された態様で画面左上隅部において表示が継続される。入賞促進画像9Bは、図29(G)のよう第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)となった直後に消去される。
第2保留記憶情報が「0」個の状態で1個目の第2保留記憶情報が生じたときには、図29(D)のように、演出態様を変更する保留1個目変更演出が実行される。保留1個目変更演出では、第2保留記憶数の増加に対応してリーチ図柄が1つ追加され、リーチ図柄が、縮小された態様で画面中央上部から下方に2つ並ぶ態様で表示される演出に演出画像が変更される。図29(D)において、一番上のリーチ図柄が現在の変動中の演出図柄91,92,93を示し、2番目のリーチ図柄が保留1個目に対応する先読み演出図柄94を示している。リーチ図柄が形成された演出図柄の画像は、リーチラインと呼ばれる。このように、1個目の第2保留記憶情報が生じたときには、図29(D)に示すように、リーチライン数を2つ(2ライン)にする演出制御が実行される。このようなリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94を増加表示する演出は、リーチライン増加演出と呼ばれる。
図29(E)に示すように、2個目の第2保留記憶情報が発生して第2保留記憶情報が増加したときには、対応する「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94が、先に表示されていた先読み演出図柄94の下に追加表示されてリーチライン数を増加させる(合計3ライン)ことにより演出態様を変更する保留2個目変更演出が実行される。図29(F)に示すように、3個目の第2保留記憶情報が発生して第2保留記憶情報が増加したときには、対応する「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94が、先に表示されていた先読み演出図柄94の下に追加表示されてリーチライン数を増加させる(合計4ライン)ことにより演出態様を変更する保留3個目変更演出が実行される。図29(G)に示すように、4個目の第2保留記憶情報が発生して第2保留記憶情報が増加したときには、対応する「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94が、先に表示されていた先読み演出図柄94の下に追加表示されてリーチライン数を増加させる(合計5ライン)ことにより演出態様を変更する保留4個目変更演出が実行される。
このように、特定演出では、第2保留記憶情報数の増加に対応して、リーチ図柄よりなる先読み演出図柄94を増加表示することによりリーチライン数を増加させる演出態様の変更をする変更演出が行なわれる。特定演出で第2保留記憶情報数の増加に対応して表示する画像とじて、「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94のリーチライン数を増加表示するのは、次のような演出意図がある。
まず、特定演出が実行される変動表示以外の変動表示において、演出制御用マイクロコンピュータ100により演出図柄についてリーチ表示態様とするときのリーチ図柄は、たとえば「7の図柄>3の図柄>その他の数字図柄」というな関係で、大当りとなる期待度が異なるように選択決定される。したがって、遊技者における大当りへの期待感は、複数種類の中から選択されるリーチ図柄のうち、「7」のリーチ図柄となったときに最も高まる。そこで、特定演出においては、当該変動表示の演出図柄91,92,93および先読み演出図柄94のそれぞれを、リーチ図柄の種類による大当りとなる期待度の高さという観点から、「7」のリーチ図柄により表示するのである。これにより、特定演出において、当該変動表示の演出図柄91,92,93および先読み演出図柄94のそれぞれを遊技者が有利と感じる「7」のリーチ図柄で表示することにより、遊技者における大当りへの期待度を高めることができる。さらに、特定演出において、「7」のリーチ図柄によるリーチライン数が増加する演出により、演出により遊技者における大当りへの期待感をより一層高めることができる。
なお、特定演出におけるリーチライン数増加演出に用いるリーチ図柄としては、「7」以外の図柄を用いてもよい。たとえば、「RUSH」という文字(大当りのラッシュ、小当りのラッシュ、時短状態(電サポ状態)のラッシュ等の遊技者にとって有利な状態を示唆する文字)が示された図柄(通常の変動表示では用いられない特定演出専用図柄)を用いてもよい。
また、「3」のリーチ図柄を用いてもよい。その理由は、次のとおりである。パチンコ遊技機において、一般的に、「7」のリーチ図柄は、大当りとなる期待度の高さ、大当り発生時のラウンド数が最大となる期待度の高さ、および、大当り遊技状態終了後の遊技者にとって有利な状態(時短状態、電サポ状態、確変状態となる遊技機では確変状態等)となる期待度の高さを遊技者が期待する図柄として用いられている。たとえば、演出図柄についてリーチ表示態様とするときのリーチ図柄は、たとえば「7の図柄>3の図柄>その他の数字図柄」というな関係で、大当りとなったときの最大ラウンド数となる期待度が異なるように選択決定されるという設定がされる場合がある。これにより、一般的遊技者は、「7」のリーチ図柄が表示されたときには、大当り発生時のラウンド数が最大ラウンドの大当りとなることについての期待感を持つことが予想される。
大当りとなるときのラウンド数の振分によっては、第1特別図柄の変動表示により発生する大当り種類の振分けや、第2特別図柄の変動表示により発生する大当り種類の振分けが、最大ラウンド数の大当り種類の選択割合が最大ラウンド数以外の大当り種類の選択割合よりも少なく設定されている場合もある。そのような場合には、特定演出において最大ラウンド数の大当りを示唆する意味もある「7」のリーチ図柄に基づいて大当りとなったときに、最大ラウンド数以外のラウンド数の大当り種類が選択される場合もあり得る。「7」のリーチ図柄に基づく大当りとなったにもかかわらず最大ラウンド数以外の大当り種類が選択されたときに、遊技者が「7」のリーチ図柄に基づく大当りが最大ラウンド数となるという感覚を持っていると、遊技者の感覚が、パチンコ遊技機1の演出と整合しなくなる場合も生じる。そのような感覚の不整合を防ぐために、前述した最大ラウンド数となる期待度が「7」よりも小さく、かつ、その他の数字図柄よりも大当り期待度が高い「3」の図柄を、特定演出においてリーチラインを形成するリーチ図柄として用いてもよい。
また、特定演出におけるリーチ図柄によるリーチライン増加演出としては、「7」の図柄、「3」の図柄、それ以外の図柄のうちから、大当りとなる期待度別に予め定められた割合で選択したリーチ図柄によるリーチラインを形成してもよい。その場合には、リーチラインとして表示されたリーチ図柄の種類に応じて、前述したような大当りへの期待度、大当りの最大ラウンド数への期待度が異なるようにする演出をしてもよい。そのようにすれば、リーチラインのリーチ図柄のバリエーションが豊富化するとともに、各第2保留記憶情報等が大当りとなる期待度を遊技者が認識できるので、演出の面白みが向上する。
また、このような特定演出は、図柄4R時短大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時以外に、図柄4R時短大当り遊技状態終了後の1回目の変動表示として第1特別図柄の変動表示が実行される場合に実行してもよい。また、このような特定演出は、図柄4R時短大当り以外の大当りの大当り遊技状態の終了後の所定タイミングの変動表示において実行してもよい。
第2保留記憶情報の数が上限値となるか、または、入賞促進演出が開始してから第2所定期間が経過すると、入賞促進演出が終了し、図29(H)〜(J)に示すような小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるか否かを示唆する示唆演出が実行される。入賞促進演出の実行期間中において第2所定期間が経過する前に第2保留記憶情報の数が上限値となった場合は、示唆演出の実行開始タイミングとなるまで、演出を進行させずに時間の経過を待つ待機期間となる。示唆演出の開始タイミングが、予め固定されたタイミングに設定されているため、入賞促進演出については、このような待機期間が設けられる。待機期間とは、特に専用の演出等を実行する期間ではなく演出の進行を待機する期間である(なお、待機期間中においては第2保留記憶情報が満杯となったことを示す演出等の所定の演出画像を表示してもよい)。示唆演出においては、図29(H)〜(J)のように、当該変動表示および第2保留記憶情報に対応して上下方向に並んだリーチラインにおいて、上から順番に表示結果が導出表示されていく。具体的には、今回の変動(当該変動という)→1個目の保留記憶情報→2個目の保留記憶情報→3個目の保留記憶情報→4個目の保留記憶情報という順番で、リーチライン別に停止図柄の組合せが示されていく。このような停止図柄の組合せは、示唆演出図柄とも呼ばれる。
当該変動表示と、貯められた第2保留記憶情報とのそれぞれについては、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)とならないときに、図29(H),(I)に示すように、対応するリーチ図柄がはずれ図柄の組合せ(「7」図柄が揃わない組合せ)で停止した示唆演出図柄として表示される。図29(J)においては、2個目の第2保留記憶情報が小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるときの表示例が示されている。
当該変動表示と、貯められた第2保留記憶情報とのそれぞれについて、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるときには、たとえば、図29(J)に示すように、対応するリーチ図柄が大当り図柄の組合せ(「7」の図柄が揃った組合せ)で停止し、拡大されて強調される。3つの図柄が揃った図柄組合せは、遊技者にとって有利な状態(大当り等)を連想させるものである。これにより、変動表示中において、当該変動表示と、貯められた第2保留記憶情報とのそれぞれについて、遊技者にとって有利な小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることが示唆される。
このように示唆演出では、現実的な大当りとなる前に遊技者にとって有利な状態を連想させる図柄組合せ画像が表示されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができ、さらに、当該変動表示の変動表示結果が導出表示される前のタイミングから大当りを示唆する図柄組合せ画像が表示されることにより、遊技者を早期のタイミングで安心させ、遊技者の興趣を早期のタイミングから盛り上げることができる。このような示唆演出を行なう示唆演出期間は、リーチライン数に関わらず共通の一定演出期間で実行されるように設定されている。
示唆演出においては、当該変動表示と貯められた第2保留記憶情報とのうち、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるものが複数ある場合には、対応する複数のリーチ図柄のそれぞれが大当り図柄の組合せ(「7」の図柄が揃った組合せ)で停止し、拡大されて強調表示される。
なお、当該変動表示と貯められた第2保留記憶情報とのうち、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるものが複数ある場合には、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるタイミングが早い方(たとえば、2個目の第2保留記憶情報と3個目の第2保留記憶情報とが小当りまたは大当りとなる情報であるときは、2個目の第2保留記憶情報)に対応するもののみを対象として、対応するリーチ図柄が大当り図柄の組合せ(「7」の図柄が揃った組合せ)で停止し、拡大されて強調されるようにしてもよい。
図29(J)に示すような「7」の図柄が揃った大当り図柄の組合せで停止表示された図柄は、対応する当該変動表示または保留記憶情報に基づいて小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)が発生することを予告的に示唆する画像であり、その後、対応する変動表示(当該変動表示または保留記憶情報に基づく変動表示)が実行されて表示結果が導出表示されるまで、遊技者に有利な状態となることを示唆(報知)する画像として継続的に表示される。
示唆演出が実行された後、当該変動表示の終了時には、次のような表示が行なわれる。示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)とならず、第2保留記憶情報に小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれているときには、図29(K)に示すように、大当り図柄の組合せで停止した第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94が示唆演出図柄として画面中央部で表示され、当該変動表示に対応する演出図柄91,92,93の変動表示結果が画面右下隅部で表示される。
また、示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となり、第2保留記憶情報に変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれていないときには、大当り図柄の組合せで停止した当該変動表示に対応する演出図柄91,92,93の変動表示結果が画面中央部で表示される。
また、示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となり、第2保留記憶情報に小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれているときには、大当り図柄の組合せで停止した当該変動表示に対応する演出図柄91,92,93の変動表示結果と、大当り図柄の組合せで停止した第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94の変動表示結果とが画面中央部で表示される。
示唆演出が終了した後の第2保留記憶情報に基づく変動表示においては、主図柄として大当りとなることを報知(表示)しつつ、小図柄としてはずれとなることを表示(報知)する演出が実行されことがある。
示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)とならず、第2保留記憶情報に小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれていないときには、一連の示唆演出の最後において、リーチ図柄がはずれ図柄の組合せとなったリーチラインのはずれ図柄の組合せが、画面中央部で表示される。
示唆演出において大当り図柄の組合せで停止した示唆演出図柄94が複数ある場合は、当該変動表示の終了時において、複数の先読み演出図柄94が大当り図柄の組合せで表示される。なお、示唆演出において大当り図柄の組合せで停止した先読み演出図柄94が複数ある場合は、当該変動表示の終了時において、1つの先読み演出図柄94を代表画像として大当り図柄の組合せで表示してもよい。
当該変動表示がはずれ表示結果となった後は、図29(L)〜(O)のように、特定演出の対象となった第2保留記憶情報について、変動表示が順次実行されていく。図29は、示唆演出において2個目の第2保留記憶情報が小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることが示唆された例であり、その場合は、図29(K)に示す大当り図柄の組合せで停止した第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94が画面中央部で表示された状態が継続され、図29(L)〜(O)のように、各保留記憶情報自体に対応する演出図柄91,92,93の変動表示は、画面右下隅部で縮小された態様(小図柄態様)で実行される。
特定演出において、先読み演出図柄94が大当り図柄の組合せの対象となった第2保留記憶情報(この例では2個目の保留記憶情報)について変動表示が実行されるときには、図29(O)のように、画面右下隅部で変動表示された演出図柄91,92,93の表示結果が大当り表示結果となり、画面中央部で継続的に表示されていた先読み演出図柄94が拡大されて強調される。これにより、特定演出において、示唆演出で示唆された小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となったことを報知する演出が行なわれる。特定演出の開始時から一連のムービー画像として継続的に表示されている判定演出動画は、図29(O)のように、大当り表示が実行されて特定演出が終了するときに、表示が終了される。
このような特定演出が実行されることにより、図29(D)〜(G)のように、特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて変更演出が実行され、特定演出の演出態様が変更されることにより、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
図29(D)〜(G)に示すように、入賞促進演出に起因して保留記憶情報の数が増加することに関連して変更演出が実行されることにより、特定演出における変更演出と保留記憶情報数との関係を遊技者が明確に認識可能となるようにすることができる。また、特定演出において変更演出が実行されずに演出が終了してしまうのを防ぐことができる。
図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、第2保留記憶情報数の増加に応じてリーチライン数を増加させるリーチライン増加演出が実行されることにより、変更演出と第2保留記憶情報の数との関係が視覚的にわかりやすくなるようにすることができる。
図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、保留記憶情報数の増加に応じて同じ「7」図柄のリーチライン数を増加させることにより、リーチ態様の種類に応じて遊技者にとって有利となる期待度を異ならせるというような遊技者にとって有利となる期待度に関する演出パターンを考慮する必要がなくなる等、演出制御の開発設計を容易化することができる。また、リーチ図柄数の増加により、遊技者が一定の期待感を持って特定演出に注目するようになる。
図30に示すように、示唆演出期間は、リーチライン数に関わらず共通の演出期間で実行されるようにすることにより、演出制御の開発設計を容易化することができる。
図29(G),(H)に示すように、入賞促進演出は、第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)に達したときに終了することにより、必要以上の促進演出を抑制することにより演出による遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
図29(A)〜(O)に示すように、判定演出動画のような一連の映像を用いた演出により特定演出を複数の保留記憶情報に対応する変動表示において実行することにより、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出で、リーチ態様の演出図柄91,92,93、および、示唆演出図柄94を停止させる演出としては、所定順番で停止させず、1回で同時に停止させる演出をしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出で、リーチ態様の演出図柄91,92,93、および、示唆演出図柄94を停止させる際に、ボタン画像等の操作手段画像を表示して、「押せ」画像等の操作促進表示をし、遊技者の動作(プッシュボタン120の操作等)に応じて示唆演出図柄94を所定順番で複数回に分けて、または、1回で同時に停止させる演出をしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出で、リーチ態様の演出図柄91,92,93、および、示唆演出図柄94を停止させる際に、ボタン画像等の操作手段画像を表示する場合と表示しない場合とがあり、表示された方が表示されない場合よりも、遊技者にとって有利な状態(たとえば、小当りまたは大当り)となる期待度が高くなるように設定された割合で、操作手段画像を表示し、「押せ」画像等の操作促進表示をした後、遊技者の動作(プッシュボタン120の操作等)に応じて示唆演出図柄94を所定順番で複数回に分けて、または、1回で同時に停止させる演出をしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、図29(B)のような入賞促進演出の開始後、図29(C)〜(G)のような保留記憶情報1つずつに対応した変更演出を実行せずに、第2保留記憶情報の数が最大の「4」となったか、または、第2の所定期間が経過したときに、その間の第2保留記憶情報に対応したリーチ図柄によるリーチラインを纏めて一度に形成する表示(一度にリーチライン数増加させる表示)をする演出を実行するようにしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出において小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることを示唆する演出について、第2保留記憶情報が発生した順番に対応した順番で示唆する例を示した。しかし、これに限らず、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることを示唆する演出を実行する順番は、示唆演出の開始時に、第2保留記憶情報が発生した順番とは関係なく、ランダムに選択決定するようにしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出において単に各リーチラインの変動表示結果を導出表示する演出を実行することにより、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることを示唆したが、そのような変動表示結果だけではなく、たとえば、バトル演出(味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う演出)のような所定の演出とリーチラインの表示結果の導出演出とを組合せて実行してもよい。たとえば、各リーチラインの表示結果を導出表示する前にバトル演出の画像を表示して、味方キャラクタが勝利したときに大当り図柄の組合せとなり、味方キャラクタが敗北したときにはずれ図柄の組合せとなるような演出の組合せをしてもよい。そのような演出の組合せは、節目節目で実行すればよく、たとえば、当該最初のリーチラインと最後のリーチラインとの2回について演出の組合せを実行してもよく、最後のリーチラインのみについて演出の組合せを実行してもよい。また、演出の組合せを実行するタイミングをランダムに選択してもよい。また、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となる期待度が高いときと、期待度が低いときとで、演出の組合せを実行するタイミングを異ならせてもよい。そのような演出の組合せは、実行しないときと、実行するときとがあり、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるときには、100%の確率で実行してもよく、小当りまたは大当りとならないときには実行しないようなものでもよい。また、そのような組合せによる演出が実行されるタイミングが最後のリーチラインに近づく程、小当りまたは大当りとなら期待度が高くなるように実行してもよい。このような各種の組合せによる演出を実行可能とすれば、演出のバリエーションが豊富化され、演出の面白みにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、図29(H)〜(J)のような示唆演出においては、リーチ図柄がはずれ図柄の組合せとなったときには、その図柄の組合せをそれ以降に画面から消去してもよい。
次に、図29および図30に示す特定演出を演出図柄変動中処理(S802)において実行する特定演出第1処理を説明する。図31は、特定演出第1処理を示すフローチャートである。図31の特定演出第1処理は、演出図柄変動中処理(S802)の一部の処理として構成され、実行される。
特定演出第1処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示であるか否かを判定する(S881)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、変動表示時に選択する変動パターンとして、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時に必ず選択する演出パターンとしての特殊演出パターンが設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、図10の変動パターン設定処理(S301)において、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時であるか否かを判定する処理ステップと、当該処理ステップにより図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時である判定されたときに、その回の変動表示の変動パターンとして、前述の特殊変動パターンを選択する処理ステップと、選択した特殊変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する処理ステップとが含まれている。
S881では、前述のような特殊変動パターンを受信したか否かを、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域のデータに基づいて確認することにより、今回実行される変動表示の変動表示結果が図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示であるか否かを判定する。
S881では、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示であるか否かの判定において、ないと判定されたときは処理を終了し、あると判定されたときは現在のタイミングが変動表示の開始時であるか否かを判定する(S882)。S882で変動表示の開始時であると判定されたときには、図29(A)のように、判定開始演出の表示を開始させるとともに判定演出動画の表示を開始させ(S883)、処理を終了する。一方、S882で変動表示の開始時ではないと判定されたときには、判定開始演出の開始時からの時間経過を確認することにより、判定開始演出の終了時であるか否かを判定する(S884)。
S884で判定開始演出の終了時であると判定されたときには、判定開始演出の表示を終了させる(S885)。そして、図29(B)のような入賞促進演出を開始させた後に図29(C)のような「7」図柄でのリーチラインの表示を行なう一連の演出を開始させ(S886)、処理を終了する。なお、特定演出開始時において第2保留記憶情報数が「0」個ではなく、何個かある場合には、最初のリーチラインを表示するときにおいて、その第2保留記憶情報の初期値分の数のリーチラインを表示する。
S884で判定開始演出の終了時ではないと判定されたときには、第2始動入賞指定コマンドの受信時であるか否かを確認することに基づいて、第2始動入賞口14への始動入賞時であるかを判定する(S887)。S887で始動入賞時であると判定されたときには、特定演出中の第2始動入賞口14への始動入賞個数を計数する計数手段としての始動入賞個数カウンタを+1加算更新する(S888)。始動入賞個数カウンタは、特定演出を実行するときにおいて第2始動入賞口14への始動入賞球の個数を計数する計数手段である。始動入賞個数カウンタは、特定演出開始時における第2保留記憶情報数(たとえば、「0」等)を初期値として第、2始動入賞口14への始動入賞球の個数を計数する。次に、S888で更新された始動入賞個数カウンタにより計数された始動入賞個数に応じて、図29(D)〜(G)のような変更演出を実行させ(S889)、処理を終了する。
S887で始動入賞時であると判定されたときには、入賞促進報知演出の終了時であるか否かを判定する(S890)。S890では、始動入賞個数カウンタの値が第2保留記憶情報の上限値(4)になったこと、または、予め定められた促進報知演出の実行期間(前述の第2所定期間)が終了したことの少なくともいずれか一方が成立したときに、入賞促進報知演出の終了時であると判定される。S890により入賞促進報知演出の終了時であると判定されたときは、図29(H)のように、入賞促進報知演出を終了させ(S891)、図19の先読み処理(S501)で記憶された現在の第2保留記憶情報(第2始動入賞口14への第2始動入賞に基づく保留記憶情報)を取得する(S892)。そして、取得した第2保留記憶情報に基づき、図29(H)〜(J)のような示唆演出を開始させる処理を(S893)実行し、処理を終了する。
具体的に、S893では、現在の変動中の演出図柄91,92,93については、受信した表示結果コマンドに基づいて図柄大当り(図柄15R時短大当り)または小当り(小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、小当り経由5(4)R時短大当り)となるか否かを判定し、第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94については、取得した第2保留記憶情報に基づいて、各保留記憶情報が図柄大当り(図柄15R時短大当り)または小当り(小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、小当り経由5(4)R時短大当り)となるか否かを判定する。そして、S893では、このような判定結果に基づいて、演出表示装置9に表示されているリーチ図柄のうち、図柄大当りまたは小当りとなる第2保留記憶情報に対応するものについては、大当り図柄の組合せ(777)を表示し、はずれとなる第2保留記憶情報に対応するものについては、はずれ図柄の組合せ(777以外の組合せ)を表示する演出を、表示されている各リーチ図柄について順番に実行していく演出パターンが決定され、決定された演出が開始される。
なお、示唆演出において、特定のチャンスアップ予告等のリーチラインでの表示結果の導出演出とは別の演出を合わせて実行してもよく、そのような別の演出も実行するときには、S893において、その演出パターンを選択決定し、実行を開始させる。たとえば、小当りまたは大当りとなる期待度に応じて、背景画像色を、青、緑、赤、金等に変化させるチャンスアップ予告(大当り期待度は青<緑<赤<金)を実行するときには、第2保留記憶情報の内容を確認し、所定のチャンスアップ予告データテーブル(小当りまたは大当りの第2保留記憶情報があるか否かに応じて背景画像の選択割合を異ならせたデータテーブル等)に基づいて、背景画像色を選択決定する処理を行なえばよい。
S890により入賞促進報知演出の終了時ではないと判定されたときは、現在実行中の変動表示の終了時であるか否かを確認することにより、示唆演出の終了時であるか否かを判定する(S894)。S894で示唆演出の終了時ではないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S894で示唆演出の終了時であると判定されたときは、示唆演出を終了させ(S895)、特定演出実行フラグをセットし(S896)、処理を終了する。
S896でセットされる特定演出実行フラグは、特定演出の実行中であるか否かを示すフラグであり、次のような目的で設けられる。第1に、図29(K)に示すように、特定演出を実行中に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示の表示結果を表示するときには、図19のS803により特定演出実行フラグがセットされているか否かが確認され、セットされているときには、図29(K)に示すような特定演出の演出態様での変動表示終了時の変動表示結果の表示が実行される。第2に、図29に示した特定演出の演出期間のうち、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示が終了した後、図29(L)〜(O)に示すような第2保留記憶情報に基づく変動表示を実行させるときにおいて、図30に示す特定演出第2処理において、特定演出の実行中であるか否かを確認するために用いられる。
図32は、特定演出第2処理を示すフローチャートである。図32の特定演出第2処理は、演出図柄変動開始処理(S801)の一部の処理として構成され、実行される。
特定演出第2処理では、まず、特定演出が実行中であるか否かを確認するために、特定演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S901)。S901で特定演出実行中フラグがセットされていないときは、処理を終了する。一方、S901で定演出実行中フラグがセットされているときは、たとえば図29(L)〜(O)のような特定演出時の変動態様で変動表示を実行するために必要となる演出データを設定する(S902)。そして、始動入賞個数カウンタを「−1」減算する(S903)。S903で始動入賞個数カウンタを減算することにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示中に貯まった第2保留記憶情報が変動表示により消化されたか否かを確認することが可能となる。
次に、始動入賞個数カウンタが「0」になったか否かを確認する(S904)。始動入賞個数カウンタが「0」になったことは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示中に貯まった保留記憶情報のすべてが消化されたことを示している。S904で始動入賞個数カウンタが「0」になっていないときは、処理を終了する。一方、S904で始動入賞個数カウンタが「0」になっているときは、特定演出実行中フラグをリセットし(S905)、判定演出動画の表示を終了させ(S905)、処理を終了する。これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示中に貯まった保留記憶情報のすべてが消化されたときに、特定演出が終了する。
〔特徴部244F・245Fに関する説明〕
次に、本実施の形態の特徴部244Fおよび245Fについて説明する。特徴部244Fおよび245Fに関しては、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図2に示すような各種大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態(たとえば、図柄15R時短大当りの場合は第2特別図柄変動7回又は第1,第2特別図柄変動合計11回まで継続して実行される時短状態等)中において実行可能な変動表示の残回数(以下、時短残回数ともいう)を表示する表示制御を実行し、その表示制御に関して各種の特徴的な表示制御をする技術を説明する。
特徴部244Fについては、時短状態中において第2保留記憶に基づいて実行される第2変動表示(以下、第2可変表示または第2特別図柄変動ともいう)についての時短残回数の表示がされているときに、第1保留記憶に基づいて実行される第1変動表示(以下、第1可変表示または第1特別図柄変動ともいう)が実行された場合に実行する表示制御として、第1表示制御例と、第2表示制御例とを説明する。
第1表示制御例としては、時短状態中において、第2可変表示についての時短残回数の表示がされているときに第1可変表示が実行された場合に、当該時短残回数の表示を行わないようにする表示制御を説明する。
第2表示制御例としては、時短状態中において、第2可変表示についての時短残回数の表示がされているときに第1可変表示が実行された場合に、第1可変表示が実行された場合に、当該時短残回数の表示を更新しない表示制御を説明する。
図2に示すような各種大当りについては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当り遊技状態の終了後での時短状態中における第1可変表示および第2可変表示の合計回数が第1回数(たとえば11回等)になった第1条件と、当該時短状態中における第2可変表示(第2特別図柄変動)の回数が第1回数よりも少ない第2回数(たとえば7回等)になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる制御を実行する。
特徴部245Fについては、時短状態中における可変表示の残回数の表示について、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときには、時短状態中における可変表示の残回数として第2可変表示の残回数を表示し、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、前記残回数として当該合計回数の残回数を表示する表示制御を説明する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態の終了後での時短状態中に実行可能な特別図柄の可変表示の残回数(時短残回数)を演出表示装置9に表示し、遊技状況に応じて、その残回数の表示制御を実行する。
〔第1表示制御例〕
図33−1は、時短残回数の第1表示制御例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図33−1においては、(A)〜(I)に図柄15R時短大当り(図2参照)の大当り遊技状態の終了後における時短状態での演出態様の一例が示されている。図33−1においては、時短状態中において、(A)〜(H)に示すように演出図柄の変動表示が複数回実行された後、(I)に示すように大当り表示結果が導出表示された制御例が示されている。
一例として、図柄15R時短大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態は、時短状態中における第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数が11回になった第1条件と、当該時短状態中における第2特別図柄変動の回数が7回になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことに基づいて終了する。以下、時短状態中において、時短終了条件の第1条件である第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数の残回数を「合計残回数」と呼び、時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの回数の残回数を「第2特図残回数」と呼ぶ。
図33−1(A)のように、大当り遊技状態が終了すると、「チャンスタイム突入」という文字が示された時短開始表示画像98が表示され、時短状態が開始されることが報知される。図33−1(A)〜(H)のように、時短状態中には、右打ちをすること(第2始動入賞口14への入賞を狙うこと)を指示(促進)する右打ち画像97が画面右上部に表示される。図33−1(B)のように、時短状態の開始時(合計残回数11回、第2特図残回数7回)においては、時短状態の残回数を示す画像として、「残り7回」を示す時短残回数画像96が表示される。「残り7回」を表示する時短残回数画像96は、時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの残回数を示している。
時短状態中においては、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数を表示する。そして、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数を表示する。また、時短状態中において、第1条件が成立するまでの合計残回数と、第2条件が成立するまでの第2特図残回数とが同じであるときには、時短残回数として第2特図残回数を表示する。
なお、第1条件が成立するまでの合計残回数と、第2条件が成立するまでの第2特図残回数とが同じであるときには、時短残回数として合計残回数を表示してもよい。
この例では、第1条件が成立するまでの合計残回数が第2条件が成立するまでの第2特図残回数以上であるときは、時短残回数として第2特図残回数を表示し、第1条件が成立するまでの合計残回数が第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときは、時短残回数として合計残回数を表示する。
具体例を挙げると次のような時短残回数の表示が行なわれる。たとえば、図33−1(B)の「合計残回数11回、第2特図残回数7回」、図33−1(E)の「合計残回数10回、第2特図残回数7回」、図33−1(F),(G)の「合計残回数9回、第2特図残回数6回」のように、合計残回数が第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として、図33−1(B),(E)の「残り7回」、図33−1(F),(G)の「残り6回」のような第2特図残回数を時短残回数画像96で表示する。一方、図33−1(H)の「合計残回数4回、第2特図残回数5回」のように、合計残回数が第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として、図33−1(H)の「残り4回」のような合計残回数を時短残回数画像96で表示する。
時短状態の演出開始時には、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せ(この例では「333」)が演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90で停止表示された状態が初期表示画像として表示され、その後、始動入賞に応じた時短状態の可変表示が実行される。時短状態における第1可変表示(第1特別図柄変動)は、図33−1(B)に示すような演出図柄91,92,93の前回の可変表示結果の図柄が、2〜3秒間に亘り図33−1(C)に示すようにその場で揺れる動作をして、図33−1(D)に示すように直ちに、今回の可変表示結果を導出表示する演出態様で実行される。一方、時短状態における第2可変表示(第2特別図柄変動)は、図33−1(E),(G),(H)に示すように、演出図柄91,92,93が時短パターンのスクロール表示(図中下向き矢印の表示)で4〜5秒間変動動作をして、可変表示結果を導出表示する演出態様で実行される。
なお、時短状態における第1可変表示の平均的な変動時間と、時短状態における第2可変表示の平均的な変動時間とは、異なる時間(第1可変表示>第2可変表示、または、第1可変表示<第2可変表示)となるようにしてもよく、同様の時間(同じ時間)となるようにしてもよい。また、時短状態における第1可変表示は、第2可変表示と同様に時短パターンのスクロール表示をしてもよい。
演出表示装置9においては、演出図柄91,92,93のそれぞれに対応して可変表示(図柄のスクロール表示、図柄の切り替え表示等、どのような可変表示態様でもよい)し、演出図柄91,92,93のそれぞれに対応する表示結果を導出表示する左図柄,中図柄,右図柄の3つの小型の図柄よりなる常時変動小図柄90が表示される。常時変動小図柄90は、特別図柄の変動期間中においては、演出図柄がどのような表示態様で表示されている状態であっても、常に図柄が変動する態様で可変表示される。このような常時変動小図柄90が表示されることにより、たとえば、図33−1(C)に示すように演出図柄表示91,92,93が変動しているかどうか認識しにくい状況であっても、常時変動小図柄90の表示状態によって、可変表示表示中であることが明確に示されるとともに、可変表示結果が明確に示される。図33−1(I)のように、演出図柄91,92,93の可変表示結果が大当り表示結果となったときには、常時変動小図柄90の表示結果も大当り表示結果となり、「大当り!」というような大当り報知画像99が表示される。
図33−1(B)のように、時短状態において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときには、時短残回数画像96を、図33−1(C),(D)のように、その第1可変表示の可変表示期間(変動時間)中に亘り一旦消去(図中一点鎖線で示す部分)した後、図33−1(E)のように、時短残回数画像96を、次の第2可変表示(第2特別図柄変動)の実行開始時に時短残回数の表示を更新しないで再表示することにより、時短残回数の表示を更新しない表示制御が実行される。
図33−1(C),(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、図33−1(C)〜(E)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を消去し、消去した残回数を、当該第1可変表示の終了後に再表示することにより、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であることにより、当該残回数の表示の消去および再表示により当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、前述したように、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数が表示される。そして、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数が表示されるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を状況に応じて的確に表示することができる。
図33−2は、図33−1に示す時短残回数の演出表示を実行するために演出制御マイクロコンピュータ100により実行される処理を示すフローチャートである。図33−2(A)には変動開始時における時短残回数表示に関する制御をする処理(時短残回数表示処理A)が示され、図33−2(B)には変動停止時における時短残回数表示に関する制御をする処理(演出図柄変動停止処理)が示されている。
図33−2(A)の時短残回数表示処理Aは、図19の演出図柄変動開始処理(S801)内において一部の処理として行われる処理である。
まず、今回の変動表示に際して、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示(第1可変表示)の開始時であるか否かを判定する(S911)。S911では、後述するS928によりセットされる第2特図残回数表示フラグがセットされているか否かを確認することにより、時短状態において第2特図残回数が表示されているか否かを判定する。そして、S911では、図7の第1特別図柄変動指定コマンドを受信したか否かを確認することに基づき、第1特別図柄の変動表示の開始時であるか否かを判定する。
S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時でないときは、処理を終了する。一方、S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時であるときは、今回の変動表示中において、時短残回数画像96を、図33−1(C),(D)のように、その第1可変表示の変動表示期間中に亘り一旦消去(図中一点鎖線で示す部分)させる演出を実行するための設定である時短残回数表示消去設定をし(S912)、処理を終了する次に第2可変表示(第2特別図柄変動)の実行開始時までに時短残回数の再表示させない。なお、S912の時短残回数表示消去設定は、時短残回数画像96について、時短残回数画像96を一旦消去させる演出に加え、図33−1(E)のように次に第2可変表示時に再表示させる演出を実行するための設定であってもよい。
このように、時短残回数表示消去設定がされると、図19の演出図柄変動中処理(S802)および演出図柄変動停止処理(S803)において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行される場合に、図33−1(C),(D)のように、時短残回数画像96を消去する演出が実行される。一方、S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時でないと判定されたときは、S912が実行されないので、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第2特別図柄の変動表示時であるとき、および、時短状態において合計残回数が表示されている状態での第1別図柄の変動表示時または第2特別図柄の変動表示時であるときは、図33−1(E)〜(H)のように、時短残回数画像96が表示されることとなる。
図33−2(B)の演出図柄変動停止処理は、図19のS803の演出図柄変動停止処理において、図33−1に示された時短残回数の表示制御を実行可能に構成された処理である。
演出図柄変動停止処理においては、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S921)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S932に移行する。一方、停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90について、予め決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、または、小当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S922)。
次に、停止図柄が大当りとなる図柄であるか否か(すなわち、大当り表示結果を表示したか否か)を確認する(S923)。大当りとなる図柄であるときには、停止図柄表示フラグをセットし(S931)、S932に進む。一方、大当りとなる図柄でないときには、小当りとなる図柄であるか否か(すなわち、小当り表示結果を表示したか否か)を確認する(S923)。小当りとなる図柄であるときには、停止図柄表示フラグをセットし(S931)、S932に進む。一方、小当りとなる図柄でないとき、すなわち、はずれ図柄であるときには、時短終了条件の第1条件である第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数の残回数である「合計残回数」を確認する(S925)。
「合計残回数」は、RAM103に合計残回数計数用の計数領域が設けられ、当該計数領域において、大当り遊技状態が終了したときに、図2に示すような大当りの種類により異なる第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数値が「合計残回数」の初期値としてセットされ、第1特別図柄の変動表示が実行されるときに送信される第1図柄変動指定コマンドと、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに送信される第2図柄変動指定コマンドとのいずれを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信したときも「1」ずつ減算更新する演算がされる。このような「合計残回数」の演算は、たとえば、図18のコマンド解析処理(S704)のように、演出図柄変動停止処理とは別に設けられた処理において実行される。S925では、そのように演算される「合計残回数」のデータを確認することにより、「合計残回数」を確認する。
次に、時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの回数の残回数である「第2特図残回数」を確認する(S926)。「第2特図残回数」は、RAM103に第2特図残回数計数用の計数領域が設けられ、当該計数領域において、大当り遊技状態が終了したときに、図2に示すような大当りの種類により異なる時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの回数の最大値が「第2特図残回数」の初期値としてセットされ、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに送信される第2図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信したときに「1」ずつ減算更新する演算がされる。このような「第2特図残回数」の演算は、たとえば、図18のコマンド解析処理(S704)のように、演出図柄変動停止処理とは別に設けられた処理において実行される。S926では、そのように演算される「第2特図残回数」のデータを確認することにより、「第2特図残回数」を確認する。
次に、時短状態の残回数として、S925で確認した「合計残回数」が、S926で確認した「第2特図残回数」以上であるか否かを確認する(S927)。S927で「合計残回数」が「第2特図残回数」以上であるときは、S926で確認した第2特図残回数を時短残回数画像96で表示し(S928)、S930に進む。これにより、図33−1(B),(F)のように、時短残回数画像96が第2特別図柄変動の残回数である第2特図残回数で表示される。また、S928では、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態であることを示す第2特図残回数表示フラグがセットされる。一方、S927で「合計残回数」が「第2特図残回数」未満であるときは、S925で確認した合計残回数を時短残回数画像96で表示し(S929)、S930に進む。これにより、図33−1(H)のように、時短残回数画像96が第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数の残回数である「合計残回数」で表示される。また、S929では、時短状態において合計残回数が表示されている状態であることを示す合計残回数表示フラグがセットされる。S930では、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S930)、処理を終了する。
また、S921で停止図柄表示フラグがセットされていると判定された場合と、S923で大当りと判定されるか、または、S924で小当りと判定されるかにより、S931で停止図柄表示フラグがセットされた場合とにおいては、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始5指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S932)。
S932で大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合は、停止図柄表示フラグをリセットする(S934)。そして、大当り用のファンファーレ演出等をする大当り表示を実行するための準備設定をする(S934)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新し(S935)、処理を終了する。大当り表示を実行するための準備設定としては、たとえば、大当り種別に対応するファンファーレ演出等の大当り表示を実行するためのプロセステーブルの選択、プロセスタイマのスタート、プロセスデータの内容したがった演出表示装置9等の演出装置の制御の実行開始等を行なう。
一方、S932で大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないと判定された場合は、小当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り開始指定コマンド受信フラグ(第1小当り開始指定コマンド受信フラグ〜第3小当り開始指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S936)。
S936で小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないと判定された場合は、処理を終了する。一方、S936で小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合は、停止図柄表示フラグをリセットする(S937)。そして、小当り用のファンファーレ演出等をする小当り表示を実行するための準備設定をする(S938)。その後、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(S808)に応じた値に更新し(S939)、処理を終了する。小当り表示を実行するための準備設定としては、たとえば、小当り用のファンファーレ演出等の小当り表示を実行するためのプロセステーブルの選択、プロセスタイマのスタート、プロセスデータの内容したがった演出表示装置9等の演出装置の制御の実行開始等を行なう。
このような演出図柄変動停止処理のうち、S924〜S929等の処理が実行されることにより、演出図柄変動停止処理において、図33−1に示したような時短残回数の表示制御を実行することができる。
〔第2表示制御例〕
図33−3は、時短残回数の第2表示制御例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図33−3においては、図33−1と同様に、(A)〜(I)に図柄15R時短大当り(図2参照)の大当り遊技状態の終了後における時短状態での演出態様の一例が示されている。図33−2においては、時短状態中において、(A)〜(H)に示すように演出図柄の変動表示が複数回実行された後、図33−1と同様に、(I)に示すように大当り表示結果が導出表示された制御例が示されている。
図33−3が図33−1と異なるのは、次のような表示制御が実行されることである。時短残回数画像96は、図33−3(B)のように、赤色(図中「(赤)」という文字で時短残回数画像96の色を表現している)で表示されるのが標準色(通常色)である。これに対し、図33−3(B)のように、時短状態において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときには、時短残回数画像96の色を、図33−3(C),(D)のように、その第1可変表示の変動表示期間中に亘り、赤色の標準色から青色の特別色に変更するとともに、時短残回数画像96で表示される時短残回数の表示を更新しない表示制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
図33−3(C),(D)に示すように、時短状態中において時短残回数画像96で第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を更新しない表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、図33−3(B)〜(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、時短残回数画像96の色を変更表示することにより、当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、前述したように、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数が表示される。そして、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数が表示されるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を状況に応じて的確に表示することができる。
図33−4は、図33−3に示す時短残回数の演出表示を実行するために演出制御マイクロコンピュータ100により実行される処理を示すフローチャートである。図33−4(A)には変動開始時における時短回数表示に関する制御をする処理(時短残回数表示処理B)が示され、図33−4(B)には変動停止時における時短回数表示に関する制御をする処理(演出図柄変動停止処理)が示されている。
図33−4(A)の時短残回数表示処理Bは、図33−2(A)の時短残回数表示処理Aと同様に、図19の演出図柄変動開始処理(S801)内において一部の処理として行われる処理である。
図33−4に示した処理が、図33−2に示した処理と異なるのは、図33−4(A)であり、図33−4(B)は、図33−2(B)と同様の処理である。図33−4(A)の時短残回数表示処理Bが、図33−2(A)の時短残回数表示処理Aと異なるのは、S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時であるときは、今回の変動表示中において、図33−3(C),(D)のように、その第1可変表示の変動表示期間中に亘り、時短残回数画像96を赤色の標準色から青色の特別色に変更するとともに、時短残回数画像96で表示される時短残回数の表示を更新しない演出を実行するための設定である時短残回数表示更新制限設定をし(S912A)、処理を終了することである。
このように、時短残回数表示更新制限設定がされると、図19の演出図柄変動中処理(S802)および演出図柄変動停止処理(S803)において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行される場合に、図33−1(C),(D)のように、時短残回数画像96を赤色の標準色から青色の特別色に変更するとともに、時短残回数画像96で表示される時短残回数の表示を更新しない演出が実行される。
図33−4(B)では、図33−2(B)と同様に、S924〜S929等の処理が実行されることにより、演出図柄変動停止処理において、図33−3に示したような時短残回数の表示制御を実行することができる。
なお、図33−1の第1表示制御例および図33−3の第2表示制御例においては、時短状態の演出開始時(チャンスタイム突入時)に、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せ(この例では「333」)が演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90で停止表示された状態が、引き続き、時短状態の演出開始時の初期表示画像として表示され、その後、第1可変表示の実行時には前回の可変表示結果の図柄がその場で揺れる動作をして今回の表示結果を導出表示する例を示した。しかし、これに限らず、時短状態の演出開始時(チャンスタイム突入時)には、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せではなく、常に、例えば「123」というようなはずれ図柄の組合せ(所謂バラケ目等)を表示した後、時短状態での可変表示を実行してもよい。
一般的に、大当り図柄の組合せの状態で演出図柄がその場で揺れる動作をしていると、今回の可変表示結果が大当り図柄の組合せの表示結果として表示されているものと遊技者が誤解する場合がある。そこで、このような誤解を生じさせないためには、時短状態の演出開始時に、はずれ図柄の組合せを表示してから時短状態での可変表示を実行させればよい。このようにすれば、時短状態での1回目に第1可変表示が実行されて表示結果がはずれ表示結果となる場合であっても、はずれ表示結果から別のはずれ表示結果に変化する演出が行なわれ得るので、時短状態の演出開始時の1回目の可変表示として第1可変表示が実行されるときに、その場で揺れる動作をしている例えば「333」の大当り図柄の組合せから急に「334」のはずれ図柄の組合せに変化するときに感じると考えられる違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
また、時短状態の演出開始時(チャンスタイム突入時)に、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せ(この例では「333」)が演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90で停止表示された状態が、引き続き、時短状態の演出開始時の初期表示画像として表示され、その後、当該大当り図柄の組合せがその場で揺れる動作をして、はずれ表示結果となる第1可変表示の実行時であっても、今回の可変表示結果として当該大当り図柄の組合せを維持表示するようにしてもよい。その場合には、演出図柄があくまでも演出用の図柄であるため、例えば、演出図柄が変動表示中であるか否かを示すことが可能な第4図柄等のような演出表示装置9のその他の領域で表示される特定の図柄により、第1可変表示の実行において、揺れる動作をしている演出図柄が変動表示中であること、および、停止している演出図柄がはずれ表示結果と大当り表示結果とのいずれであるかを示すことが可能であればよい。
〔時短残回数更新ロック表示制御例〕
次に、第2表示制御例のように、時短状態中において、第2可変表示についての時短状態の残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合に、当該残回数の表示を更新しない表示制御をする場合において、時短状態の残回数の表示が更新されないことを示唆する所定画像を時短残回数画像96に重畳表示する例として、時短残回数更新ロック表示制御を説明する。
図33−5は、時短残回数更新ロック表示制御例を示す時短残回数画像96の近傍の表示領域の拡大図である。たとえば、図33−3のような第2表示制御例においては、図33−3(C),(D)のように、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときに、時短残回数画像96の残回数の表示が更新されない。図33−5に示すように、時短残回数更新ロック表示制御例では、そのように時短残回数画像96の残回数の表示が更新されないときに、時短状態の残回数の表示が更新されないことを示唆する所定画像として、透明性を有し、時短残回数画像96の周囲を囲んで時短残回数画像96が更新されないことを表示態様で示唆可能なロック画像96Aを、時短残回数画像96に重畳表示する表示制御が行なわれる。そのロック画像96Aの一部には「LOCK」というような残回数の表示が更新されないことを示唆する文字情報が含まれている。なお、「LOCK」というような残回数の表示が更新されないことを示唆する文字情報は、ロック画像96Aに含まれなくてもよい。
このようなロック画像96Aの重畳表示は、たとえば、図33−4(A)のS912Aの時短残回数更新制限表示設定で表示することを設定することにより実行されるようにすればよい。
図33−5に示すように、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときに、時短残回数画像96にロック画像96Aのような、残回数が更新されないことを示唆する所定画像を重畳表示する表示制御がされることにより、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
なお、時短残回数画像96に重畳表示する画像としては、透明性が高い画像であっても、透明性が低い画像であってもよく、時短残回数画像96での残回数表示が、ある程度視認可能なものであればよい。また、時短残回数画像96に重畳表示する画像としては、時短残回数画像96自体が表示されていることを視認可能であるが、残回数の数値が視認不可能な画像であってもよい。また、時短残回数画像96に重畳表示する画像としては、時短残回数画像96を覆うような画像と、時短残回数画像96の一部を覆うような画像とのどちらであってもよい。
〔第1表示制御制限例〕
次に、前述した第1表示制御、すなわち、時短状態中において、第2可変表示についての時短状態の残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合に、当該残回数の表示を行わないようにする表示制御に対して、制限を加える制御としての第1表示制御制限例を説明する。
前述したように、時短状態中において、時短状態における可変表示の残回数を表示するときには、少なくとも、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、残回数として第2可変表示の残回数ではなく、当該合計回数の残回数を表示することを説明した。
したがって、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行された場合に、当該残回数の表示を行わないようにする表示制御をしなくても、遊技者が違和感を感じにくいと考えられる。また、第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数を表示している状態で第1可変表示が実行されるときに残回数の表示を行わないようにする必要性もないと考えられる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態中において、可変表示の時短状態の残回数を表示するときには、少なくとも、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行されても、図33−1(C),(D)のような時短残回数画像96での残回数の消去をしない制御をすることにより、第1表示制御を制限する制御を実行する。
このような第1表示制御制限例では、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2回数の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行された場合であっても、当該残回数の表示を行わないように表示制御をする演出が制限されることにより、遊技状態に応じた残回数の表示がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
〔特定報知例〕
次に、前述した時短状態中に実行される可変表示の残回数の表示制御について共通に実行可能な特定報知例を説明する。特定報知とは、前述のように、第1可変表示と第2可変表示との合計回数による時短状態の終了条件と、第2可変表示の回数による時短状態の終了条件とにより時短状態の終了条件が定められた場合において、第1可変表示の回数が多くなる程、遊技者にとって不利な状況になるため、そのような状況を可能な限り回避するために、時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、第2可変表示の実行を特別に促進させるために演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する報知である。
図33−6は、特定報知例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図33−6においては、時短状態中において、特定回数をたとえば4回と設定し、たとえば3回のような特定回数未満である第1可変表示が実行された場合は、図33−6(A)のように、特定報知が実行されない。一方、短状態中において、たとえば4回のような特定回数の第1可変表示が実行された場合は、図33−6(B)のように、右打ち画像97のうちの一部の右向矢印画像が、図33−6(A)通常時の右打ち画像97の右向矢印画像よりも極めて大きく表示された右打ち強調画像97Aにより、右打ちを強く促進する特定報知が実行される。さらに、特定報知としては、通常の右打ち画像97の表示時に出力される音声とは異なる音声(たとば、音量が大きい音声、警告音のような音声、右打ちをしなければ遊技者に不利な状態となることを示す音声等の特別の音声のそれぞれ、および、組合せ等)が出力される。さらに、特定報知としては、パチンコ遊技機1に設けられた各種のランプ等の発光体の発光態様を、通常の右打ち画像97の発光態様とは異なる発光態様(たとば、光音量が大きい発光、発光色が異なる発光、点滅周期が異なる発光等の特別の発光態様のそれぞれ、および、組合せ等)が実行される。
このような特定報知例によれば、時短状態中における第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、特定報知がされることにより、第1可変表示および第2可変表示の合計回数または第2可変表示により時短状態の終了条件が規定されている遊技において、特定報知により、遊技者に不利益な状態となるのを防ぐことができる。
〔特徴部068SH・069SHに関する説明〕
次に、本実施の形態の特徴部068SHおよび069SHに係る実施形態ついて説明する。特徴部068SHおよび069SHに係る実施形態では、可変入賞球装置15に関する報知について説明される。なお、特徴部068SH・069SHに関する説明においては、保留記憶情報または保留記憶を保留情報とも表現する。保留情報の数を保留個数とも表現する。また、上述した実施形態と同様に、変動表示を可変表示とも表現する。
特徴部068SHは、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が第1数(0〜3個)のときと、当該第1数よりも多い第2数(4個)のときとで、報知態様が異なること特徴とする。また、特徴部069SHは、所定期間において、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数(4個)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行することを特徴とする。
まず、上記特徴部068SH・069SHについて、技術的な背景を説明する。近年の遊技機は、スペックや遊技方法が多様化し、長年遊技機で遊技してきた遊技者にとっても、遊技している遊技機がどのようなスペックや遊技方法であるのか分かりづらいということがある。例えば、遊技機で何かが起こっているようだが、何が起こっているのか分からず、遊技球をどこに発射すればよいのか、また遊技球を発射しても損はないだろうか、などと遊技者が不安に感じることがある。特に、一種二種混合機といわれるような特殊な機種では、こうした傾向が顕著である。
遊技者が遊技方法等をよく分からない場合には、遊技者が不利益を被ったり、有利な権利を逃すことがあり得る。そこで、本実施形態では、特徴部068SH、069SHによる報知によって、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。また、遊技者が不安を感じた状態は、興趣の向上を妨げるばかりではなく、その遊技機が持つ本来の特徴を十分に感じることができない。本実施形態によれば、こうした不安を除去できるため、遊技者の興趣を向上することができるとともに、遊技機が持つ特徴を遊技者が理解しやすくなるため、より遊技者の昂揚感を高めることができる。従来の遊技機では、右打ちや左打ちを報知することがあったが、これだけでは具体性に欠けるとともに、遊技球の無駄打ちを防止することができなかった。以下、特徴部068SH・069SHについて詳細な説明する。
図34−1は、特徴部068SHおよび069SHの説明で用いられるパチンコ遊技機068SH100を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機068SH100と図1に示したパチンコ遊技機1との大きく異なる点は、可変表示装置がドラム式のパチンコ遊技機であること、第1特別図柄および第2特別図柄の保留数を示すLEDが設けられていること、右打ち、左打ちを指示するLEDが設けられていることである。
図34−1に示されるように、パチンコ遊技機068SH100の可変表示装置68SH009には、表面に複数種類の識別情報(図柄)が付された回胴(以下、「リール」ともいう)を複数有し、複数の回胴が回転することで複数種類の識別情報が順次更新される複数の表示領域が形成されている。なお、図柄にはブランク図柄も含まれる。可変表示装置には、リール68SH009L、68SH009C、68SH009R(以下、「左リール」、「中リール」、「右リール」、ともいう)が水平方向に並設されており、これらリール68SH009L、68SH009C、68SH009Rに配列された領域のうち連続する3つの領域が透視窓から見えるように配置されている。本実施形態では、図34−1に破線で示される有効ライン68SHL1(上段)、68SHL2(中段)、68SHL3(下段)、68SHL4(右下がり)、68SHL5(右上がり)上に後述する赤7、青7が揃うと、大当りまたは小当りとなる。
また、パチンコ遊技機068SH100には、第1保留記憶表示器68SH001、第2保留記憶表示器68SH002が設けられており、それぞれ4つのLEDで構成される。各LEDは、点灯することで、未だ開始されていない可変表示が保留されていることを示す。図34−1において、白丸は保留されていないことを示し、黒丸は保留されていることを示す。従って、図34−1の場合、第1特別図柄について保留個数は0個であり、第2特別図柄についての保留個数は2個であることが示されている。
パチンコ遊技機068SH100には、打球指示矢印LED68SH005L、68SH005Rが設けられている。パチンコ遊技機068SH100は、左打ちを遊技者に指示する場合には、打球指示矢印LED68SH005Lを点灯し、右打ちを遊技者に指示する場合には、打球指示矢印LED68SH005Rを点灯する。図34−1では、打球指示矢印LED68SH005L、68SH005Rが消灯している態様を白抜き矢印で示し、点灯している態様を黒矢印で示している。従って、図34−1の場合、右打ちが指示されていることが示されている。さらに、パチンコ遊技機068SH100には、盤面ランプ68SH015が設けられている。盤面ランプ68SH015は、遊技盤6の裏面に設けられ、遊技盤6の裏から遊技盤6を照射するランプであり、照射された光は遊技盤6を透過する。盤面ランプ68SH015は、可変入賞球装置15のまわりも照射する。パチンコ遊技機068SH100には、電チューランプ68SH016が設けられている。電チューランプ68SH016は、可変入賞球装置15内に設けられたランプであり、可変入賞球装置15を目立たせるためのランプである。
可変入賞球装置15は、上述したように開状態と、閉状態とに変化する可変入賞球装置としての役物である。具体的に、特徴部068SHおよび069SHに係るパチンコ遊技機068SH100において、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞不可または入賞し難い閉状態と、当該閉状態よりも遊技球が入賞しやすい開状態とに変化可能である。また、可変入賞球装置15には、マーク「M」が目印として設けられている。マーク「M」は、可変入賞球装置15が開状態であることの報知(音声報知:「Mを狙え」)で用いられる。
図34−2は、パチンコ遊技機068SH100における主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図3で示した主基板(遊技制御基板)31と異なる点は、液晶表示装置9が構成から外れ、リールモータ68SH010、リールセンサ68SH012、リールLED68SH014、打球指示矢印LED68SH005L、68SH005R、第1保留記憶表示器68SH001、第2保留記憶表示器68SH002が新たな構成として含まれる。
リールモータ68SH010は、演出制御基板80から出力されるモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)によって制御される。リールモータ68SH010は、左リール、中リール、右リールの各々に対応して設けられている。左リール、中リール、右リールは、リールモータ68SH010によって回転されることで、左リール、中リール、右リールごとに、連続する3つの領域が透視窓に連続的に変化しつつ表示される一方で、左リール、中リール、右リールの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する領域が表示結果として導出表示されるようになっている。
リールセンサ68SH012は、左リール、中リール、右リールの内側に設けられ、左リール、中リール、右リールそれぞれに対して基準位置を検出する。リールLED68SH014は、左リール、中リール、右リールを背面から照射する。リールLED68SH014は、左リール、中リール、右リールの連続する3つの領域に対応する12のLEDからなり、各領域をそれぞれ独立して照射可能とされている。
図34−3は、リールの図柄配列を示す図である。リールには、図柄(識別情報)として、赤7、青7、促進報知図柄、および到達報知図柄が互いに識別可能に所定の順序で描かれている。このうち、赤7、および青7は、1つの領域内に収まる大きさであるが、促進報知図柄、および到達報知図柄は、連続する3つの領域にまたがる大きさである。
図34−4(A)は、パチンコ遊技機068SH100における当り種別表を示す図である。図2に示した種別表との主な違いは、ラウンド数と、図柄大当りにおいて時短なし大当りが設けられたことである。本実施形態では、大当り当り種別として、図柄5R時短あり大当り、図柄5R時短なし大当り、小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。図柄5R時短あり大当り、図柄5R時短なし大当りの判定には、図5(B)で説明した大当り判定値が用いられる。従って、本実施形態における図柄5R時短あり大当り、および図柄5R時短なし大当りの大当り確率は1/199である。小当りの判定も同様に図5(B)で説明した大当り判定値が用いられる。従って、本実施形態における小当り確率は1/7.35である。
本実施形態における小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当りが含まれる。一方、本実施形態における図柄大当りには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄5R時短あり大当り、および、図柄5R時短なし大当りがある。
図柄5R時短あり大当りは、大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。図柄5R時短なし大当りは、大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。小当り経由11(10)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が10回(10R)開放される大当りであり、11ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、10回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄10R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由6(5)R時短あり大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。6ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、5回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄5R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態が終了する条件は、図2で説明した条件と同じである。すなわち、図柄5R時短あり大当り後の時短状態が終了する条件として、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの条件が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、図2で説明した図柄4R時短大当り後の時短状態と同じである。その理由は、図2で説明したものと同じく、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄5R時短なし大当り後は、特殊通常状態に移行する。特殊通常状態とは、演出制御基板80によって行われる演出のみが通常状態と異なる状態である。従って、遊技者に対する有利度は、通常状態と変わらない。また、特殊通常状態は最大30変動継続する。以下の説明において、図柄5R時短あり大当り、小当り経由11(10)R時短大当り、小当り経由6(5)R時短あり大当りの3つの大当りを、時短あり大当りと表現することがある。
図34−4(B)、(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図34−4(B)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図34−4(C)は、第2特別図柄により小当りと判定されたときの小当り経由大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図34−4(B)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄5R時短あり大当り」と「図柄5R時短なし大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図34−4(C)の第2特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄5R時短あり大当り」と「図柄5R時短なし大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。本実施形態の場合、「図柄5R時短あり大当り」と「図柄5R時短なし大当り」は、それぞれ50%で選択される。
図34−4(C)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」と「小当り経由6(5)R時短あり大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、11(10)R時短あり大当りとなるものと、6(5)R時短あり大当りとなるもののそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。本実施形態の場合、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」と「小当り経由6(5)R時短あり大当り」は、それぞれ50%で選択される。
図34−5は、遊技状態の遷移を示す図である。図34−5には、遊技状態として、通常状態、特殊通常状態、大当り(図柄)、大当り(V入賞)、およびチャンスタイムが示されている。まず、通常状態において「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選すると、大当り(図柄)状態に移行する。大当り(図柄)状態において、「図柄5R時短あり大当り」が終了すると、チャンスタイムAに移行する。一方、大当り(図柄)状態において、「図柄5R時短なし大当り」が終了すると、上述した特殊通常状態に移行する。
特殊通常状態において「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選すると、大当り(図柄)状態に移行する。特殊通常状態において、30回の変動表示が終了すると、通常状態に移行する。
チャンスタイムAは、「図柄5R時短あり大当り」終了後、上述した条件である、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの条件のいずれかが満たされるまで継続する状態である。従って、チャンスタイムAでは、第2特別図柄について、1回の時短と、その時短中に最大で4個保留される第2特別図柄の保留情報の4変動とを合わせて、最大で5回の変動が行われる。
チャンスタイムAにおいて、第1特別図柄の保留情報に基づく可変表示よって、「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選した場合には、再び大当り(図柄)状態に移行する。チャンスタイムAにおいて、小当りに当選し、V入賞が発生した場合に大当り(小当り経由)状態に移行する。一方、チャンスタイムAにおいて、小当りに当選しなかった場合、または小当りに当選したが、V入賞が発生しなかった場合は、特殊通常状態に移行する。
大当り(小当り経由)状態において、大当り(図柄)状態において、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」、または「小当り経由6(5)R時短あり大当り」が終了すると、チャンスタイムBに移行する。
チャンスタイムBは、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」、または「小当り経由6(5)R時短あり大当り」の終了後、上述した条件である、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの条件のいずれかが満たされるまで継続する状態である。従って、チャンスタイムBでは、第2特別図柄について、7回の時短と、その時短中に最大で4個保留される第2特別図柄の保留情報の4変動とを合わせて、最大で11回の変動が行われる。
チャンスタイムBにおいて、第1特別図柄の保留情報によって、「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選した場合には、大当り(図柄)状態に移行する。チャンスタイムBにおいて、小当りに当選し、V入賞が発生した場合に再び大当り(小当り経由)状態に移行する。一方、チャンスタイムBにおいて、小当りに当選しなかった場合、または小当りに当選したが、V入賞が発生しなかった場合は、特殊通常状態に移行する。
図34−5に示したように、本実施形態では、有利状態終了後に、可変表示が上限数以上の所定回数(チャンスタイムAの場合最大5回、チャンスタイムBの場合、最大11回)実行されるまでに再度有利状態に制御された場合には、当該有利状態終了後に特別状態(チャンスタイムB)に制御可能である。このような構成によれば、有利状態になるたびに特別状態に制御されるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
図34−6および図34−7は、本実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図34−6および図34−7においては、図7および図8と同様に、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。
図34−6および図34−7では、本実施形態における大当りのラウンド数などに合わせて8C02〜8C05、A001〜A004、A301〜A304、およびC401、C402、C501、C502における名称や内容を図7および図8から変更している。また、図34−7では、本実施形態において特殊通常状態が設けられたことや、作動口の開放や閉鎖を指定するために、D101〜D104の新たなコマンドが設けられている。
図34−8は、本実施形態における変動パターンの一例を示している。本実施形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα又はスーパーリーチXといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図34−8(A)は、第1特別図柄の変動パターンである特図1変動パターンを示している。図34−8(B)は、第2特別図柄の変動パターンである特図2変動パターンを示している。特図1変動パターンのうち、P1A1−2の時短あり大当り終了後・非リーチ(ハズレ)は、図柄5R時短あり大当り、小当り経由図柄11(10)R時短あり大当り、および小当り経由図柄6(5)R時短あり大当りの終了後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄が変動するときの変動パターンである。図34−8(A)に示されるように、P1A1−2の変動時間は、2000ms(2秒)となっている。
また、特図2変動パターンのうち、P2A1−2の時短(ハズレ)は、時短あり大当りの終了後に、最初に実行される第2特別図柄が変動するときの変動パターンである。図34−8(B)に示されるように、P2A1−2の変動時間は、60000ms(60秒)となっている。このように、時短あり大当りの終了後に第1始動入賞の保留情報に基づいて実行される可変表示の実行時間(2秒)は、有利状態終了後に第2始動入賞の保留情報に基づいて実行される可変表示の実行時間(60秒)より短い時間である。なお、時短中であっても、時短あり大当りの終了後に、最初に実行される第2特別図柄が変動するとき以外の変動パターンは、P2A1−2以外の変動パターンとなる。
P2A1−2の60秒という変動時間は、時短状態において、保留個数を4個にさせるための時間でもある。P2A1−2で変動している期間は、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから終了するまでの期間であり、また第2保留記憶バッファにより記憶される保留個数を4個にさせるための所定期間の一例である。一の所定期間において、可変入賞球装置15は、複数回(本実施形態では、3回)に渡って開状態に制御される。すなわち、可変入賞球装置15は、所定期間全体で開状態に制御されない。
本実施形態では、可変入賞球装置15が開状態である場合に、可変入賞球装置15が開状態であることを報知(以下、「開状態報知」ともいう)する。また、本実施形態では、時短あり大当り終了後の所定期間において、可変入賞球装置15への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行する。図34−9(A)は、開状態報知および促進報知の一例を示す図である。本実施形態では、図34−9(A)に示されるように、中リールの促進報知図柄を仮停止させることによって促進報知を実行する。この促進報知は、可変入賞球装置15が開状態でなければ報知されないため、開状態報知でもある。なお、右リールおよび左リールに描かれている矢印は、矢印方向にリールが変動していることを示している。また、中リールは、第1可動体の一例であり、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。このように、報知態様を促進報知図柄の仮停止とすることで、遊技者の興趣を向上できる。
また、本実施形態では、時短あり大当り後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから終了するまでの期間において、第2保留記憶バッファにより記憶された保留個数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数である4個に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行する。図34−9(B)は、到達報知の一例を示す図である。本実施形態では、図34−9(B)に示されるように、右リールの到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。なお、左リールおよび中リールに描かれている矢印は、矢印方向にリールが変動していることを示している。また、右リールは、第2可動体の一例であり、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
上述した図34−9に示されるように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、P2A1−2の60秒という変動時間に移行したときに中リールを停止動作させ、第2保留記憶バッファにより記憶された保留個数が4個に到達したときに右リールを停止動作させる。このような構成によれば、所定期間に移行したことと、第2数に到達したことを可動体によって視覚的に遊技者に報知することができる。
開状態報知および促進報知には、上記リールによる報知の他に、上述した音声報知(「Mを狙え」)がある。音声報知は、所定期間のうち、可変入賞球装置15が開状態のときに行われる。また、開状態報知および促進報知には、可変入賞球装置15を目立たせるために電チューランプ68SH016を点灯させる報知(以下、「促進ランプ報知」ともいう)がある。さらに、開状態報知および促進報知には、盤面ランプ68SH015を消灯する(以下、「盤面消灯」ともいう)ことで、電チューランプ68SH016による光を相対的に明るくすることで、可変入賞球装置15を目立たせる消灯報知もある。
これらの各種報知の実行有無は、第2特別図柄の保留個数によって変化する。さらに、時短あり大当り後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから特定期間(本実施形態では、P2A1−2の変動時間60秒の半分の30秒)が経過したか否かによっても変化する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2保留記憶バッファにより記憶された保留個数が0〜3個のときと、4個のときと、特定期間が経過したか否かで、報知態様が異なる。ここで報知態様が異なるとは、本実施形態の場合は、実行される音声報知、促進ランプ報知、および盤面消灯の組合せが異なることである。また、特定期間は、可変入賞球装置15に始動入賞可能な残り時間が少なくなっていることを遊技者に報知するための期間である。
図34−10は、保留個数と報知態様の関係を示す図である。図34−10には、音声報知、促進ランプ報知、盤面消灯の実行条件が示されている。図34−10において、丸は実行することを示し、バツは実行しないことを示している。音声報知は、保留個数が0〜3個の場合は特定期間が経過したか否かに関わらず実行され、保留個数が4個の場合は実行されない。促進ランプ報知は、所定期間の全期間で実行される。盤面消灯は、保留個数が0〜3個で、かつ特定期間経過後に実行され、保留個数が4個のとき、または特定期間経過前は実行されない。
このように、本実施形態では、保留個数が0〜3個のときと、4個のときとで報知態様が異なる。保留個数が0〜3個のときは、保留個数が4個に達していないため、少なくとも音声報知および促進ランプ報知を行うことにより、遊技者に対して可変入賞球装置15への始動入賞を促すことができる。その結果、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
一方、保留個数が4個に達したときは、これより多く保留個数を増やせないため、促進ランプ報知のみを行うことで、保留個数が0〜3個の場合の報知態様と比較して遊技者にとって認識し難い報知態様としている。これにより、認識しやすい報知から認識し難い報知となったことで、遊技者は保留個数が4個に達したことをより確実に認識でき、保留個数が4個のときに遊技媒体を発射することを意識させないようにできる。この場合、遊技者は例えば打球操作ハンドル5から手を離すことで遊技媒体の発射を停止することができる。その結果、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
さらに、保留個数が0〜3個で特定期間が経過した場合に、音声報知、促進ランプ報知、盤面消灯の全てを行うことで、より強く遊技者に開状態であることや可変入賞球装置15への遊技媒体の入賞を促すことを訴求することができる。その結果、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。このように、本実施形態では、有利状態終了後の所定期間において、可変入賞球装置15への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行し、さらに所定期間において、記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数である4個に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行する。このような構成によれば、促進報知と到達報知とを実行するので、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することができる。具体的には、遊技者は、第2特別図柄での抽選をしっかりと享受することができる。
以上説明した各報知等について、タイミングチャートを用いて説明する。図34−11は、時短中における「音声報知」、「促進ランプ報知」、「盤面ランプ」、「到達演出」、「中リール」、「右リール」の態様を示すタイミングチャートである。このうち、「到達演出」は、保留個数が4個に到達したときに音声による到達報知が行われる演出であるが、後述するように到達報知の報知態様とは異なる特定態様で報知することがある。図34−11は、一例として時短あり大当り後の第1特別図柄の保留個数が0個の場合のタイミングチャートを示している。従って、第2特別図柄の変動前に第1特別図柄の変動は発生しない。また、図34−11に示される例では、特定期間経過前に、保留個数が3つとなり、特定期間経過後に、保留個数が4個となる。
図34−11に示されるように、時短あり大当りが終了し、第2特別図柄の変動表示が開始すると、上述したP2A1−2の変動パターンによって第2特別図柄の変動が開始する。なお、図34−11では、大当り終了後、直ちに変動が開始するように簡略して描かれているが、実際には大当り終了後に普通図柄の表示結果が当りとなり、可変入賞球装置15に始動入賞すると、P2A1−2の変動パターンによって第2特別図柄の変動が開始する。
変動開始時において、音声報知、促進ランプ報知が行われ、盤面ランプ68SH015は点灯しており、中リールは促進報知図柄まで回転して促進報知図柄で仮停止しており、右リールは回転している。その状態のまま、特定期間が満了するまでに保留個数が3個となる。変動開始から特定期間終了までを区間Aとする。特定期間が満了すると、この時点で保留個数が4個に到達していないため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤面ランプ68SH015を消灯する。
その後、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声報知を終了し、盤面ランプ68SH015を点灯し、中リールを回転させる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右リールの到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。到達報知図柄の仮停止は、14秒間に渡って行われる。従って、到達報知図柄が仮停止されてから14秒間経過すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は右リールを回転する。また、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は到達演出を行う。
その後、所定期間が満了すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進ランプ報知を終了し、全てのリールを停止する。次に、図34−11で説明したタイミングチャートでの各種報知等の態様について説明する。
図34−12は、区間A、Bや達成演出における可変表示装置の態様、スピーカ27から出力される音声報知の態様、可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図34−12(A)は、区間Aにおける可変表示装置、音声報知、および可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図34−12(A)に示されるように、可変表示装置では、中リールの促進報知図柄は仮停止され、右リールおよび左リールは回転している。音声報知により「Mを狙え!」がスピーカ27から出力される。また、盤面ランプ68SH015は点灯しているため、可変入賞球装置15の周りは盤面ランプ68SH015によって明るくなっている。
図34−12(B)は、区間Bにおける可変表示装置、音声報知、および可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図34−12(B)に示されるように、可変表示装置では、中リールの促進報知図柄は仮停止され、右リールおよび左リールは回転している。音声報知により「Mを狙え!」がスピーカ27から出力される。従って、可変表示装置および音声報知については、区間Aのときの態様と同じである。異なる点は、盤面ランプ68SH015が消灯することである。盤面ランプ68SH015が消灯することで、可変入賞球装置15の周りは暗くなり、可変入賞球装置15がより認識しやすくなり、遊技者に対して可変入賞球装置15への始動入賞を促すことができる。このように、本実施形態では、所定期間より短い特定期間が経過した場合に、保留情報の数が4個に達していないときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定期間が経過する前の報知態様より認識しやすい報知態様で報知する。このような構成によれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
図34−12(C)、(D)は、保留個数が4個となったときの可変表示装置、音声、および可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図が2つ用いられている理由は、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合は到達報知の報知態様とは異なる特定態様で報知されるためである。具体的には、時短あり大当り後の最初の第2特別図柄の可変表示によって時短大当りに制御される場合(以下、「保留連」ともいう)とそうでない場合とで出力される音声などが異なる。
図34−12(C)、(D)ともに共通する点は、保留個数が4個になると、右リールの到達報知図柄を仮停止させる点である。そして、保留連がない場合は、図34−12(C)に示されるように、到達演出としてスピーカ27から「到達」と報知される。また、盤面ランプ68SH015は、区間Aのときと同じ態様で点灯する。このように、本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。このような構成によれば、報知態様を識別情報の仮停止とすることで興趣を向上できる。
一方、保留連がある場合は、図34−12(D)に示されるように、スピーカ27から「おめでとう」と報知される。また、盤面ランプ68SH015は、区間Aのときとことなり、虹色で点灯する。このように、本実施形態では、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、到達報知の報知態様とは異なる特定態様(「おめでとう」)で報知する。このような構成によれば、促進報知により遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止できるとともに、特定態様によって有利状態に制御されること報知することができるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
このように、本実施形態では、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合には、到達報知の報知態様とは異なる特定態様で報知する。このような構成によれば、促進報知により遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止できるとともに、特定態様によって有利状態に制御されること報知することができるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
図34−11で説明したタイミングチャートは、時短あり大当り後の第1特別図柄の保留個数が0個の場合のタイミングチャートを示していたが、時短あり大当り後に第1特別図柄の保留個数が1個以上で第2特別図柄の保留個数が0個の場合もあり得る。そこで、時短あり大当り後の第1特別図柄の保留個数が1個以上で第2特別図柄の保留個数が0個の場合のタイミングチャートについて説明する。
図34−13は、「音声報知」、「右打ち音声報知」、「促進ランプ報知」、「盤面ランプ」、「到達演出」、「中リール」、「右リール」の態様を示すタイミングチャートである。このうち、新たな「右打ち音声報知」とは、「右打ち!」などの音声を出力し、右打ちを指示する報知である。図34−13に示される例では、特定期間経過前に、保留個数が3個となり、特定期間経過後に、保留個数が4個となる。このように、本実施形態では、有利状態終了後に第1保留記憶バッファに記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行中は、促進報知とは異なる他の促進報知(「右打ち!」)を実行する。このような構成によれば、短い可変表示の時間に応じた他の促進報知を実行することができる。
図34−13に示されるように、時短あり大当りが終了すると、第2特別図柄の保留個数が0個で第1特別図柄の保留個数が1個以上あるため、第1特別図柄の変動表示が開始される。この変動表示の開始とともに、右打ち音声報知が開始される。一方、第1特別図柄の変動中は、音声報知(「Mを狙え」)は行われないが、促進ランプ報知は行われ、盤面ランプ68SH015は点灯している。
このように、本実施形態では、有利状態終了後に第1保留記憶バッファに記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行中は、音声報知による促進報知とは異なる右打ち音声報知を実行する。このような構成によれば、短い可変表示の時間に応じた他の促進報知を実行することができる。
第1特別図柄の変動中に普通図柄の表示結果が当りとなり、可変入賞球装置15に始動入賞すると、第2特別図柄の保留個数が1個となる。第1特別図柄の変動が終了すると、P2A1−2の変動パターンによって保留されていた第2特別図柄の変動が開始する。
変動開始時において、音声報知、促進ランプ報知が行われ、盤面ランプ68SH015は点灯しており、中リールは促進報知図柄まで回転して促進報知図柄で仮停止しており、右リールは回転している。その状態のまま、特定期間が満了するまでに保留個数が3個となる。特定期間が満了すると、この時点で保留個数が4個に到達していないため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤面ランプ68SH015を消灯する。
その後、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声報知を終了し、盤面ランプ68SH015を点灯し、中リールを回転させる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右リールの到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。到達報知図柄が仮停止されてから14秒間経過すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は右リールを回転する。また、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は到達演出を行う。
その後、所定期間が満了すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進ランプ報知を終了し、全てのリールを停止する。
本実施形態では、可変表示装置にリールを用いている。リールは、リールモータ68SH010によって回転するが、回転や停止を短時間内に行うと、リール等の負荷の慣性モーメントによって遅れや進みが生じて、リールモータ68SH010が脱調する可能性がある。そこで、リールの停止動作時間を担保するために、本実施形態では、所定期間の残り時間(特定時間)が15秒以下である場合に、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が、4個に到達したときは、識別情報を仮停止させずに、音声による到達報知を実行する。
これは、到達報知図柄の仮停止が14秒間に渡って行われることから、リールの回転や停止を短時間内で行うこととなるためである。例えば、残り時間が14.5秒で保留個数が4個に到達した場合、14秒間に渡って到達報知図柄を仮停止した後に回転を開始することとなるが、その時点で残り時間は0.5秒である。従って、回転して0.5秒後には停止することとなり、回転や停止が短時間内で行われることとなる。
所定期間の残り時間が15秒以下で保留個数が4個に到達した場合のタイミングチャートについて説明する。
図34−14は、「音声報知」、「促進ランプ報知」、「盤面ランプ」、「到達演出」、「中リール」、「右リール」の態様を示すタイミングチャートである。図34−14に示される例では、特定期間経過前に、保留個数が3個となり、所定期間の残り時間が15秒以下で、保留個数が4個となる。
図34−14に示されるように、時短あり大当りが終了し、第2特別図柄の変動表示が開始すると、上述したP2A1−2の変動パターンによって第2特別図柄の変動が開始する。
変動開始時において、音声報知、促進ランプ報知が行われ、盤面ランプ68SH015は点灯しており、中リールは促進報知図柄まで回転して促進報知図柄で仮停止しており、右リールは回転している。その状態のまま、特定期間が満了するまでに保留個数が3個となる。特定期間が満了すると、この時点で保留個数が4個に到達していないため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤面ランプ68SH015を消灯する。
その後、残り15秒以下で保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声報知を終了し、盤面ランプ68SH015を点灯し、中リールを回転させる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右リールの到達報知図柄を仮停止させずに回転させたままとするが、到達演出は行う。このように、本実施形態では、所定期間の残り時間が特定時間以下である場合に、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数である4個に到達したときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、識別情報を仮停止させずに、音声による到達報知を実行する。このような構成によれば、リールの停止動作時間を担保しつつ、到達報知を行うことができる。
その後、所定期間が満了すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進ランプ報知を終了し、全てのリールを停止する。このような構成によれば、リールの停止動作時間を担保しつつ、到達報知を行うことができる。
次に、以上説明した本実施形態を実現するための処理を、フローチャートを用いて説明する。本実施形態において、主基板31では、図9のタイマ割込処理およびタイマ割込処理内の特別図柄プロセス処理などや、演出制御基板80では、図18の演出制御メイン処理および演出制御プロセス処理などと同様の処理が行われる。以下では、特別図柄停止処理など、本実施形態において行われる処理のうち、上述した処理と異なる処理について、フローチャートを用いて説明する。
図34−15は、本実施形態における特別図柄停止処理を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄5R時短あり大当りまたは図柄5R時短なし大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、さらに特殊状態フラグがセットされているときには、その特殊状態フラグをリセットし(68SH001)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄5R時短なし大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄5R時短あり大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、5回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、5回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述する68SHS005に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、5R図柄時短あり大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、5R図柄時短あり大当りおよび5R図柄時短なし大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(S151)。
68SHS003では、さらに特殊通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(68SHS002)。そして、特殊通常状態であることを示す特殊通常フラグをセットし(68SH003)、特殊通常状態の残り回数を示す特殊通常カウンタに30をセットし(68SH004)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
上述したS142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、特殊通常状態か否かを確認する(68SH005)。68SH005で特殊通常状態ではないときは、上記S152に進む。68SH005で特殊通常状態のときは、特殊状態カウンタを−1減算更新する(68SH006)。68SH007では、特殊通常カウンタが0か否かを確認する(68SH007)。特殊通常カウンタが0ではないときは、S152に進む。特殊通常カウンタが0のときは、特殊通常状態終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(68SHS008)、S152に進む。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図34−16は、本実施形態における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(68SHS101)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(68SHS102)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が5R時短なし大当りであるか否かを確認する(68SHS103)。
終了する大当りの種別が5R時短なし大当りであるときは、特殊通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(68SHS104)。そして、特殊通常状態であることを示す特殊通常フラグをセットし(68SHS105)、特殊通常状態の残り回数を示す特殊通常カウンタに30をセットし(68SHS106)、68SHS107に進む。
68SHS107では、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(68SHS107)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
68SHS103により終了する大当りの種別が図柄5R時短なし大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りか否かを確認する(S163)。終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りおよび図柄5R時短なし大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、上記68SHS107に進む。
これにより、図柄5R時短あり大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄5R時短大当りおよび図柄5R時短なし大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄5R時短あり大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄5R時短大当りおよび図柄5R時短なし大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
次に、可変入賞球装置15を開状態に制御する場合には、開状態に制御することを示す制御情報(作動口開放コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理について説明する。図34−17は、作動口開放コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する時短1回目変動中処理を示すフローチャートである。図34−17の時短1回目変動中処理は、特別図柄変動中処理(図10のS303)に含まれる。
時短1回目変動中処理において、CPU56は、可変入賞球装置15を開状態とする作動口開放タイミングか否かを確認する(68SHS201)。作動口開放タイミングのときは、作動口開放コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(68SHS202)、可変入賞球装置15を開放し(68SHS203)、処理を終了する。
上記68SHS201において作動口開放タイミングではないときは、CPU56は、可変入賞球装置15を閉鎖状態とする作動口閉鎖タイミングか否かを確認する(68SHS204)。作動口閉鎖タイミングのときは、作動口閉鎖コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(68SHS205)、可変入賞球装置15を開放し(68SHS206)、処理を終了する。このように、本実施形態では、一の所定期間において、可変入賞球装置15を複数回に渡って開状態に制御するとともに、開状態に制御する場合には、開状態に制御することを示す制御情報を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
図34−17は、本実施形態における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグを一旦リセットし(S451)、特殊通常フラグをリセットする(68SH304)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、または大当り開始4指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、10回、または、5回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特殊通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(68SHS301)。そして、特殊通常状態であることを示す特殊通常フラグをセットし(68SHS302)、特殊通常状態の残り回数を示す特殊通常カウンタに30をセットし(68SHS303)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S457)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100側の処理について説明する。図34−19は、時短時変動処理を示すフローチャートである。図34−19の時短時変動処理は、演出図柄変動中処理(図19のS802)に含まれる。また、時短時変動処理は、時短あり大当り後の最初の第2特別図柄の可変表示中の処理を示している。
時短時変動処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留4個目が始動入賞したか否かを確認する(68SHS401)。これは、第2保留記憶数指定コマンドによって確認できる。保留4個目が始動入賞したときは、仮停止させておいた中リールの回転を開始する(68SHS402)。次いで、残り時間が特定時間以下か否かを確認する(68SHS403)。残り時間が特定時間以下のときには、68SHS405に進む。残り時間が特定時間以下ではないときは、右リールの到達報知図柄を仮停止させる(68SHS404)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留連があるか否かを確認する(68SHS405)。保留連があるか否かは、コマンドC2XXによって確認できる。保留連があるときには「おめでとう」をスピーカ27から出力し、処理を終了する。保留連がないときには「到達」をスピーカ27から出力し、処理を終了する。
68SHS401において、保留4個目が始動入賞していないときは、特定期間が経過したか否かを確認する(68SHS408)。特定期間が経過したときは、保留個数が4個未満か否かを確認する(68SHS409)。保留個数が4個未満のときは、盤面ランプ68SH015を消灯し(68SHS410)、処理を終了する。
68SHS408において、特定期間が経過していないときは、作動口開放コマンドを受信したか否かを確認する(68SHS411)。作動口開放コマンドを受信していないときは、そのまま処理を終了する。作動口開放コマンドを受信したときは、保留個数が4個未満か否かを確認する(68SHS412)。保留個数が4個未満でないときは、処理を終了する。保留個数が4個未満のときは、音声報知を行い(68SHS413)、処理を終了する。このように、本実施形態では、作動口開放コマンドを受信することにより、可変入賞球装置15が開状態であることを報知する。このような構成によれば、可変入賞装置を制御するCPU56から送信される作動口開放コマンドによって演出制御用マイクロコンピュータ100は確実に報知を行うことができる。
〔特徴部069SHに関する主な効果〕
(1) 有利状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
入賞装置に遊技媒体が入賞したことに基づいて識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示装置(可変表示装置68SH009等)と、
未だ開始されていない可変表示に関する保留情報を記憶する保留記憶手段(第2保留記憶バッファ等)と、
有利状態終了後の所定期間において、前記入賞装置への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行する促進報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記所定期間において、前記保留記憶手段により記憶された保留情報の数が、前記保留記憶手段において記憶可能な保留情報の上限数(4個等)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知(「到達」を出力等)を実行する到達報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
このような構成によれば、促進報知と到達報知とを実行するので、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することができる。
(2) (1)に記載の遊技機であって、
有利状態終了後に、可変表示が前記上限数以上の所定回数(5回、または11回等)実行されるまでに再度有利状態(小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当り等)に制御された場合には、当該有利状態終了後に特別状態(チャンスタイムB等)に制御可能である。
(3)手段1 (1)または(2)に記載の遊技機であって、
前記促進報知手段は、識別情報(促進報知図柄等)を仮停止させることによって促進報知を実行する。
このような構成によれば、報知態様を識別情報の仮停止とすることで興趣を向上できる。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技媒体が入賞することにより、前記可変表示装置における可変表示の開始が可能となる他の入賞装置(第1始動入賞口13等)と、
前記他の入賞装置に遊技媒体が入賞したことにより開始可能となった可変表示のうちで、未だ開始されていない可変表示について保留情報を記憶する他の保留記憶手段(第1保留記憶バッファ等)と、
有利状態終了後に前記他の保留記憶手段に記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行時間(2000ms等)は、有利状態終了後に前記保留記憶手段に記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行時間(60000ms等)より短い時間であり、
前記促進報知手段は、有利状態終了後に前記他の保留記憶手段に記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行中は、前記促進報知とは異なる他の促進報知(「右打ち」を出力等)を実行する。
このような構成によれば、短い可変表示の時間に応じた他の促進報知を実行することができる。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記所定期間は、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから終了するまでの期間である。
(6) (5)に記載の遊技機であって、
有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合(保留連が決定されている場合)には、前記到達報知手段は、前記到達報知の報知態様とは異なる特定態様(「おめでとう」を出力等)で報知する。
このような構成によれば、促進報知により遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止できるとともに、特定態様によって有利状態に制御されること報知することができるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
(7) (5)に記載の遊技機であって、
前記到達報知手段は、前記識別情報(到達報知図柄等)を仮停止させることによって到達報知を実行する。
このような構成によれば、報知態様を識別情報の仮停止とすることで興趣を向上できる。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)と、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)とを組み合わせた遊技機(いわゆる一種二種混合機)について説明したが、第一種の遊技機において適用することとしてもよい。
具体的には、第一種の遊技機には、保留が存在するため、特徴部068SHを適用することで、記憶された保留情報の数が第1数(0〜3個)のときと、当該第1数よりも多い第2数(4個)のときとで、報知態様が異なるようにし、特徴部069SHを適用することで、所定期間において、記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数(4個)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行する。また、本実施形態では、保留情報の上限数を4つずつとしたが、8つなど、他の個数であってもよい。
本実施形態では、到達報知として、「到達」などの音声を出力したが、これに限るものではない。例えば、到達報知は、遊技制御基板がコマンドを送信し、演出制御基板がコマンドを受信したときに出力する微小音であってもよい。
本実施形態では、第1可動体、および第2可動体としてリールを用いたが、これに限るものではない。第1可動体、および第2可動体は役物であってもよい。第1可動体の役物として、例えば所定期間に移行したときに出現する役物を用いてもよく、また第2可動体の役物として、例えば第2数に到達したときに出現する役物を用いてもよい。いずれの場合であっても、可動体を用いて報知することで、報知のバリエーションを増やすことができるので、遊技者の興趣を向上することができる。
本実施形態では、所定期間として1分、特定期間として30秒、特定時間として15秒を用いたが、これに限るものではない。所定期間、特定期間、および特定時間は、機種ごと(例えば可変入賞装置が開状態となる回数や時間等)に適宜定めるようにしてもよい。
本実施形態では、可変表示装置をリールを用いたドラム式としていたが、これに限るものではなく、液晶、有機EL、プロジェクトマッピング等を用いた可変表示装置としてもよい。
本実施形態では、可変入賞球装置15への入賞を促したり、到達報知を行う実施形態について説明したが、遊技媒体が入賞不可または入賞し難い閉状態と、当該閉状態よりも遊技媒体が入賞しやすい開状態とに変化可能な可変入賞装置に限らず、第1始動入賞口13のように、常に入賞が可能な入賞球装置であってもよい。この場合の報知手段は、前記可変入賞装置が開状態である場合に、前記可変入賞装置が開状態であることを報知する報知手段に代えて、入賞装置への入賞を報知する報知手段としてもよい。この場合であっても、遊技者に入賞を促す報知を行うことが可能であり、また遊技者は報知によって明確に入賞球装置を狙えばよいことが認識できるので、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。
本実施形態では、第1数のときと、当該第1数よりも多い第2数のときとで報知態様を異なるようにしたが、保留個数に応じて(例えば段階的に)報知態様を異なるようにしてもよい。すなわち、保留個数が1のときの報知態様、保留個数が2のときの報知態様、保留個数が3のときの報知態様、保留個数が4のときの報知態様が互いに異なっていてもよい。この場合であっても、遊技者に入賞を促す報知を行うことが可能であるので、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。
本実施形態では、音声、ランプ、リールの組み合わせで報知態様を異なるようにしたが、これに限るものではない。例えば、ランプの色を変化させたり、音声を変化させたり、リールの動きを変えるなど、ランプ、音声、リールのそれぞれ単独で報知態様を異なるようにしてもよい。この場合であっても、遊技者に入賞を促す報知を行うことが可能であるので、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。さらに、所定期間における残り時間をデジタル表示またはバーで表示したりするようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、スペックや遊技方法が多様化した遊技機に対応するために、従来の遊技機で行われていた右打ちや左打ちのみの報知では、遊技者が不利益を被ることを防止したり、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが困難であったという課題を解決することができる。これにより、遊技者が不利益を被ることを防止したり、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となるばかりではなく、従来から遊技している遊技者だけではなく、初心者も容易に遊技を楽しむことができるので、遊技人口の増加を促進できるという効果も得られる。
〔特徴部244F・245Fに関する主な効果〕
(1) 図33−1(C),(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(2) 図33−3(C),(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を更新しない表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(3) 図33−1(C)〜(E)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を消去し、消去した残回数を、当該第1可変表示の終了後に再表示することにより、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であることにより、当該残回数の表示の消去および再表示により当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(4) 図33−3(B)〜(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、時短残回数画像96の色を変更表示することにより、当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(5) 図33−5に示すように、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときに、時短残回数画像96にロック画像96Aのような、残回数が更新されないことを示唆する所定画像を重畳表示する表示制御がされることにより、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(6) 時短状態中において、図33−1の(B)〜(G)、図33−2(B)のS927,S928、図33−3の(B)〜(G)、図33−4(B)のS927,S928等に示すように、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数が表示される。そして、時短状態中において、図33−1の(H)、図33−2(B)のS927,S929、図33−2の(H)、図33−4(B)のS927,S929等に示すように、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数が表示されるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を状況に応じて的確に表示することができる。
(7) 〔第1表示制御制限例〕に示すように、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2回数の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行された場合であっても、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが制限されることにより、遊技状態に応じた残回数の表示がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(8) 図33−6に示す〔特定報知例〕のように、時短状態中における第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、特定報知がされることにより、第1可変表示および第2可変表示の合計回数により時短状態の終了条件が規定されている遊技において、特定報知により、遊技者に不利益な状態となるのを防ぐことができる。
(9) 図29等に示す特定演出が実行されることにより、図29(D)〜(G)のように、特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて変更演出が実行され、特定演出の演出態様が変更されることにより、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
〔特徴部244F・245Fに関する主な変形例〕
(1) 前述の第1表示制御例について、時短残回数画像96として第2特図残回数を表示しているときに第1可変表示が実行された場合に、時短残回数の表示を行わないようにする表示制御例としては、(a)時短残回数画像96をキャラクタ画像等の別の画像に変化させることにより、時短残回数の表示を行わないようにする表示制御、または、(b)時短残回数画像96をキャラクタ画像等の他の画像で覆うように隠蔽する表示をすることにより時短残回数の表示を行わないようにする表示制御等のその他の表示制御をしてもよい。
(2) 前述の第2表示制御例について、時短残回数画像96として第2特図残回数を表示しているときに第1可変表示が実行された場合に、時短残回数の表示を更新しない表示制御例としては、(a)時短残回数画像96を一旦キャラクタ画像等の別の画像に変化させて更新していない時短残回数画像96を最表示することにより、時短残回数の表示を更新しない表示制御、(b)時短残回数画像96を一旦減算更新しようとして元の表示に戻すことにより結果的に時短残回数の表示を更新しない表示制御、(c)時短残回数画像96の画像の大きさを変化(例えば極めて小さい画像に変化)させることにより更新しない示唆をして更新しない表示制御、または、(d)時短残回数画像96の画像の近傍に時短残回数を更新しない旨のメッセージを表示させることにより更新しない示唆をして更新しない表示制御等のその他の表示制御をしてもよい。
(3) 前述の第1表示制御例について、時短残回数画像96として第2特図残回数を表示しているときに第1可変表示が実行された場合に、時短残回数の表示を消去する制御としては、(a)時短状態終了の第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えるときには、時短残回数の表示を消去し、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満のときには、時短残回数の表示を消去しないようにする制御、または、(b)時短状態終了の第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えると、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満のときとの両方において、時短残回数の表示を消去する制御を実行してもよい。
(4) 第1表示制御および第2表示制御において、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときには、時短状態中における可変表示の残回数として第2可変表示の残回数を表示し、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、前記残回数として当該合計回数の残回数を表示する表示制御については、次のような表示制御をしてもよい。合計回数の残回数が第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときと、合計回数の残回数が第2条件が成立するまでの第2可変表示未満であるときとで、時短残回数画像96の表示態様を異ならせてもよい。その場合の表示態様を異ならせることには、表示位置を異ならせること、表示色を異ならせること、表示サイズを異ならせること、および、表示形状(フォント等)を異ならせること、現在表示されているが含まれる。
(5) 前述した特定報知例としては、次のような制御を、前述した制御の他に実行してもよく、前述した制御とともに実行してもよい。時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、特別なキャラクタ画像等の特別画像を表示して、遊技者にとって不利な状況になることを報知(示唆)する制御をする。時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、背景画像を変化させる等、演出表示装置9の表示領域の所定範囲以上の広い表示領域の画像を変化させることにより、遊技者にとって不利な状況になることを報知(示唆)する制御をする。時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、遊技者にとって不利な状況になることを示すメッセージを直接的に表示することにより報知をする制御をする。
(6) 時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているか、「第2特図残回数」を表示しているかを特定可能な画像を次のように表示するようにしてもよい。(a)時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているときと、「第2特図残回数」を表示しているときとで、画像色を異ならせてもよい。(b)時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているときと、「第2特図残回数」を表示しているときとで、画像のサイズを異ならせてもよい。(c)時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているときと、「第2特図残回数」を表示しているときとで、画像の形状(文字のフォント、文字の太さ、文字の色等)を異ならせてもよい。(d)時短残回数画像96については、「合計残回数」と「第2特図残回数」とのどちらを表示しているかを示すメッセージを直接的に表示してもよい。
(7) 時短残回数画像96については、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときに加え、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときにも、時短残回数として、第2特図残回数を表示してもよい。
(8) 時短残回数画像96については、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数である合計残回数と、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の回数である第2特図残回数との両方を並列的に表示してもよい。
(9) 〔特定報知例〕については、時短状態中において、たとえば4回というような予め定められた特定回数を設定し、特定回数の第1可変表示が実行された場合に特定報知を実行する例を示した。しかし、これに限らず、特定報知の実行条件として設定される特定回数は、時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数(0〜4個)9を設定し、その保留記憶数分の第1特別図柄の可変表示が実行された後に、さらに第1特別図柄の可変表示が実行されたときに特定報知を実行するようにしてもよい。
(10) 前述した第1表示制御および第2表示制御においては、時短状態において、可変表示の終了時において時短残回数の表示を更新可能とする例を示した。しかし、これに限らず、時短状態において、可変表示の開始時において時短残回数の表示を更新可能とする制御をしてもよい。
[その他の手段構成例1]
前述した実施の形態では、以下のような手段構成が含まれている。
(1) 変動表示(特別図柄、演出図柄の変動表示等)を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り可変入賞球装置20が開放する大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、保留記憶バッファ等)と、
特定演出(図29の特定演出等)を実行可能な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図31のS881〜S896、図32のS901〜S906等)と、
前記特定演出の演出態様を変更する変更演出(図29(D)〜(G)の保留1個目変更演出〜保留4個目変更演出等)を実行可能な変更演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図29(D)〜(G)、図31のS889等)とを備え、
前記特定演出実行手段は、特定変動パターン(図柄4R時短大当り遊技状態終了後1回目の第2特別図柄の変動パターン等)で変動表示が実行されることに応じて前記特定演出を実行可能であり(図30、図31のS881等)、
前記変更演出実行手段は、前記特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて前記変更演出を実行する(図29(D)〜(G)、図31のS889等)。
このような構成によれば、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記特定変動パターンで変動表示が実行されるときに、前記保留記憶手段への保留記憶情報の記憶を促進させる促進演出(図29(B)〜(G)の「保留を貯めろ!」という入賞促進画像9Bを表示する入賞促進演出等)を実行する促進演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図31のS886等)をさらに備え、
前記変更演出実行手段は、保留記憶情報の数が増加することに関連して前記変更演出を実行する(図29(D)〜(G)、図31のS889等)。
このような構成によれば、変更演出と保留記憶情報の数との関係を遊技者が明確に認識可能となるようにすることができる。
(3) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記変更演出実行手段は、前記変更演出を実行するときに、前記特定演出の実行に関連して形成されたリーチ態様のライン数を増加させるリーチライン数増加演出をする(図29(D)〜(G)のように第2保留記憶情報数の増加に応じて先読み演出図柄94によるリーチライン数を増加させるリーチライン増加演出等)。
このような構成によれば、変更演出と保留記憶情報の数との関係が視覚的にわかりやすくなるようにすることができる。
(4) 前記(3)の遊技機において、
前記変更演出実行手段は、前記リーチライン数増加演出において、同じリーチ態様のライン数を増加させる(図29(D)〜(G)のように保留記憶情報数の増加に応じて同じ「7」図柄のリーチライン数を増加させる等)。
このような構成によれば、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(5) 前記(2)または(3)の遊技機において、
前記リーチライン増加演出中に、前記有利状態となるか否かを示唆する示唆演出(図29(H)〜(J)の各保留記憶情報に対応するリーチラインの図柄の表示結果を表示することにより保留連となるか否かを示唆する示唆演出等)を実行する示唆演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図31のS893等)をさらに備え、
前記示唆演出は、リーチ態様のライン数に関わらず共通の演出期間で実行される(図30の示唆演出期間、図31のS893〜S895等)。
このような構成によれば、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(6) 前記(2)の遊技機において、
前記促進演出実行手段は、保留記憶情報の数が所定値に達したときに前記促進演出を終了させる(図29(G),(H)、図31のS890,S891等)。
このような構成によれば、必要以上の促進演出を抑制することにより演出による遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(7) 前記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出実行手段は、一連の映像を用いた演出(図29(A)〜(O)の判定演出動画の演出等)により、前記特定演出を複数の保留記憶情報に対応する変動表示において実行する(図29(A)〜(O)、図31の883、図32のS906等)。
このような構成によれば、一連の映像を用いた演出により遊技の興趣を向上させることができる。
[その他の手段構成例2]
前述した実施の形態では、さらに以下のような手段構成が含まれている。
(1) 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
所定状態において遊技媒体が進入可能となる可変入賞手段と(V判定入賞装置87等)、
前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(V入賞領域870等)と、
変動表示結果に基づいて、有利状態(図柄大当り等)に制御する第1状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図10のS305〜S307等)と、
変動表示結果に基づいて、前記所定状態に制御して前記可変入賞手段内の前記特定領域に遊技媒体が進入(V入賞等)可能な状態(小当り状態等)とし、当該所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて前記有利状態(小当り経由大当り等)に制御する第2状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図10のS308〜S310,図10のS305〜S307等)と、
前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、所定演出(図20のラウンド数示唆演出としてV入賞オーラ画像95を表示する演出等)を実行可能な所定演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図26のS842〜S844等)とを備え、
前記所定状態は、所定期間(0.1秒×10回の開放および1秒間の閉鎖を繰返す期間等)が経過したこと、または、前記可変入賞手段に所定数(10個等)の遊技媒体が進入したことに基づいて終了し、
前記所定演出手段は、前記特定領域に遊技媒体が進入した後、前記可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて、前記所定演出の演出態様を変化させる(図24のように、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等等)に応じて、図20のラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化する等)。
このような構成によれば、特定領域に遊技媒体が進入した後、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて所定演出の演出態様が変化させられるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したときに、前記特定領域に遊技媒体が進入したことを報知する進入報知演出(図20のV入賞報知等)を実行する進入報知演出手段(小当り演出における図19のS808の開放中処理において図20のV入賞画像94を表示する処理等)をさらに備え、
前記所定演出手段は、前記特定演出が実行されたことに関連して前記所定演出を実行する(図20のように、V入賞画像94が表示されたときにV入賞オーラ画像95を表示する等)。
このような構成によれば、所定演出が、特定領域に遊技媒体が進入したことを報知する進入報知演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(3) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記所定演出の演出態様は、前記可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて段階的に変化可能である(図20(A)〜(E)、図23(A)のように、V入賞オーラ画像95が、V判定入賞装置87への入賞個数に応じて、白→青→緑→赤→虹という段階的に色変化可能等)。
このような構成によれば、所定演出の演出態様が、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて段階的に変化可能であるので、所定演出の演出態様と可変入賞手段に進入した遊技媒体の数とに遊技者を注目させることができる。
(4) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記有利状態は、有利度が異なる複数種類の有利状態のうちから選択され(図2の複数種類の当り種別等)、
前記所定演出の演出態様は、前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて制御される前記有利状態の有利度に応じて段階的に変化可能である(図23(B)のように、決定された大当りのラウンド数に応じて、V入賞オーラ画像95の色の段階的変化パターンが異なる複数種類の演出パターンの選択割合が異なる等)。
このような構成によれば、所定演出の演出態様が、所定状態において特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて制御される有利状態の有利度に応じて段階的に変化可能であるので、特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて制御される有利状態の有利度を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(5) 前記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、保留記憶バッファ等)と、
未だ開始されていない変動表示について前記有利状態に制御されるか否かを判定する先読み判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS1215,S1225等)とをさらに備え、
前記所定演出手段は、前記保留記憶手段に前記有利状態となる保留記憶情報が含まれていることに基づいて、前記所定演出の演出態様を特定態様に変化可能である([V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]等)。
このような構成によれば、保留記憶手段に有利状態となる保留記憶情報が含まれていることに基づいて、所定演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶手段に有利状態となる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られるその他の効果を説明する。
(1) 図29等に示す特定演出が実行されることにより、図29(D)〜(G)のように、特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて変更演出が実行され、特定演出の演出態様が変更されることにより、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図29(D)〜(G)に示すように、入賞促進演出に起因して保留記憶情報の数が増加することに関連して変更演出が実行されることにより、特定演出における変更演出と保留記憶情報数との関係を遊技者が明確に認識可能となるようにすることができる。
(3) 図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、第2保留記憶情報数の増加に応じてリーチライン数を増加させるリーチライン増加演出が実行されることにより、変更演出と第2保留記憶情報の数との関係が視覚的にわかりやすくなるようにすることができる。
(4) 図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、保留記憶情報数の増加に応じて同じ「7」図柄のリーチライン数を増加させることにより、リーチ態様の種類に応じて遊技者にとって有利となる期待度を異ならせるというような遊技者にとって有利となる期待度に関する演出パターンを考慮する必要がなくなる等、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(5) 図30に示すように、示唆演出期間は、リーチライン数に関わらず共通の演出期間で実行されるようにすることにより、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(6) 図29(G),(H)に示すように、入賞促進演出は、第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)に達したときに終了することにより、必要以上の促進演出を抑制することにより演出による遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(7) 図29(A)〜(O)に示すように、判定演出動画のような一連の映像を用いた演出により特定演出を複数の保留記憶情報に対応する変動表示において実行することにより、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(10) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
(11) 図23のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(12) [V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]に示したように、保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶除法に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(13) 図21のように、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(14) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報と小当りとなると判定された保留記憶情報との合計が複数以上記憶されていると判定されたときに保留報知演出が実行されるので、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(15) 図21のように、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することにより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
(16) 保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(17) 図24のように、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
(18) 保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(19) 図21のように、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(20) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(21) 小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
(22) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なるときに、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(23) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(24) [保留連報知演出の制限制御をする変形例]に示すように、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出の演出パターンを実行するための抽選による各種選択決定は、小当りとなる変動表示の変動開始時に実行してもよく、その小当り遊技状態となった時点で実行してもよい。
(2) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出として、予め決定された演出パターンにしたがって遊技球の進入ごとにV入賞オーラ画像95の演出態様を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、遊技球の進入検出ごとに、V入賞オーラ画像95の演出態様(たとえば、色)を変化させるか否かを抽選により決定し、その抽選結果に基づき、V入賞オーラ画像95の演出態様を変化させるようにしてもよい。その場合には、遊技球の進入検出ごとに、色変化させるか否かの判定と、変化させる色の選択決定とを実行してもよく、遊技球の進入検出ごとに、色変化を必ずさせるものとし、変化させる色の選択決定をするようにしてもよい。
(3) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95が虹色となったときに、16(15)R時短大当りとなることが確定する例を示した。しかし、これに限らず、16(15)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。また、5(4)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。
(4) 前述した実施形態では、所定演出としてのラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化し得る演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、ラウンド数示唆演出としては、V入賞画像94が「v」字から「W」字に変化する演出を実行してもよい。その場合においては、V入賞オーラ画像95の色が前述した場合と同様に変化するようにしてもよい。
(5) 前述した実施形態では、有利状態として説明した大当り遊技状態は、可変入賞手段を複数回開放させる大当り遊技状態の一例が代表例として挙げられる。
(6) 前述した実施形態では、ラウンド示唆演出として、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を一例として示したが、これに限らず、V入賞画像94に付随しない画像としてV入賞オーラ画像を表示し(たとえば、V入賞画像94から離れた位置でオーラ状のエフェクト画像を表示する等)、その色を変化させる演出をしてもよい。また、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を実行するか否かは所定の抽選により、実行するか否かを決定し、実行しない場合があってもよい。
(7) 前述した実施形態では、保留連報知として、「+3BONUS」のように、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数との合計を特定可能な表示をする例を示した。しかし、これに限らず、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数とのそれぞれが個別に特定可能となるような表示をしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出を実行するときの演出パターンとして、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けていないが、これに限らず、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けてもよい。たとえば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の色は、10個目の色と同じ色とする等の演出データを設けてもよい。このようにすれば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超えた場合についても、違和感を生じさせることなく、ラウンド数示唆演出を実行することができる。
(9) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報の内容を先読みして、「図柄大当り」となる保留記憶情報と「小当り」となる保留記憶情報とのいずれかがある場合に、保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「小当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とのそれぞれについて、同様の演出態様の保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とで異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(11) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内にある「図柄大当り」の数と「小当り」の数との合計数にかかわらず、同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、当該合計数に応じて異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(12) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」のみがある場合と、「小当り」のみがある場合と、「図柄大当りおよび小当りの両方がある場合」とで同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、これらの場合に応じて異なる種類の演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(13) 保留連報知演出を実行するための第2保留記憶情報の先読みは、小当りまたは大当りとなる変動表示の開始時に実行してもよく、小当り遊技状態中に実行してもよく、大当り遊技状態中に実行してよい。
(14) 前述した保留連報知演出として実行されるVランプ演出は、保留連数を報知可能な演出でなくてもよく、保留連数を報知可能な演出であってもよい。保留連数を報知可能な演出とする場合には、Vランプ演出において、保留連数とランプの発光色との関係を予め定めておき、その関係に基づいて、ランプ発光色により保留連数を報知可能としてもよい。
(15) 「小当り経由の大当り」については、小当りと判定されたときに大当りの種類を選択決定するのではなく、V入賞が発生したときに、大当りのラウンド数等の制御パターンを複数種類の制御パターンから選択するようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態に示した可変入賞球装置15、V判定入賞装置87、および、大当り可変入賞球装置20等の構造物の配置は、一例であり、次のような、異なる配置を採用してもよい。たとえば、大当り可変入賞球装置20は、右遊技領域に設けてもよい。また、大当り可変入賞球装置20の内部にV入賞領域を設け、その大当り可変入賞球装置20が、大当り用の可変入賞球装置と、小当り用の可変入賞球装置とを1つの可変入賞球装置で兼用するようにしてもよい。
(17) 前述した実施形態では、V判定入賞装置87のV入賞領域に遊技球が入賞したときに、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20のみが開放する例を示したが、これに限らず、その大当り遊技状態において、V判定入賞装置87も所定の開放態様で開放されるようにしてもよく、V判定入賞装置87のみが所定の開放態様で開放されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施形態では、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、必ずV判定入賞装置87が開放される例を示したが、これに限らず、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、特定の抽選に基づいて開放状態とするか否かを決定し、開放状態とする抽選結果となったときに、V判定入賞装置87を開放するようにしてもよい。
(19) 前述した実施形態では、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87内のV入賞領域に遊技球が入賞したら大当り遊技状態に制御される例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態と同様の動作が実行される大当り遊技状態の制御により、このような遊技状態の動作を実行させるようにしてもよい。たとえば、第1ラウンドでV判定入賞装置87を開放し、第2ラウンド以降のラウンドで大当り可変入賞球装置20を開放するような開放パターンの大当り遊技制御を実行可能とする。大当り判定によりこのような大当り遊技制御を実行することが決定された場合には、このような大当り遊技状態が開始され、当該大当り遊技状態の第1ラウンドの制御として、V判定入賞装置87を開放させることにより小当り遊技状態と見せ、第1ラウンドで遊技球がV入賞領域870にV入賞したときに、当該大当り遊技状態を継続させることにより、大当り可変入賞球装置20を開放させる第2ラウンド以降のラウンド制御を実行させて大当り遊技状態と見せる。一方、当該大当り遊技状態の第1ラウンドで、V判定入賞装置87において遊技球がV入賞領域870に入賞しないときには、当該大当り遊技状態として、第2ラウンド以降に継続させずに、第1ラウンドで終了させる制御を実行する。
(20) 遊技者にとって有利な有利状態としては、大当り遊技状態、時短状態、および、高ベース状態等の各種の有利状態が含まれてもよい。大当り判定確率が低確率状態から高確率状態(確変状態)に制御可能な遊技機では、高確率状態も有利状態に含まれる。この実施の形態において、より具体的な有利状態としては、大当り遊技状態において大当り可変入賞球装置20が開放することが該当する。
(21) 特定演出としては、所定条件の成立(第2保留記憶情報数の増加)に応じてリーチライン数を増加(減少表示でもよい)させるものであるが、次のような演出をするものであってもよい。たとえば、所定条件の成立(第2保留記憶情報数の増加)に対応して所定のアイコン画像(たとえば、「RUSH」という遊技者にとって有利な状態を連想させる文字が示された星形の画像)数を増加表示(減少表示でもよい)させるものであってもよい。また、所定条件の成立(第2保留記憶情報の増加)に応じて所定のキャラクタ画像(たとえば、その他の演出では表示されない特別なキャラクタ画像等)数を増加表示(減少表示でもよい)させるものであってもよい。また、所定条件の成立(第2保留記憶情報数の増加)に応じて、第2保留記憶情報数の上限値(4)からカウントダウンする数値画像を表示してもよく、現在の第2保留記憶情報数(たとえば、0等)からの上限値(4)までカウントアップする数値画像を表示してもよい。このように特定演出は、どのような演出態様の演出であってもよい。
(22) 変更演出としては、第2保留記憶情報数の増加に応じて、特定演出の演出態様を変更する演出であれば、どのような演出を用いてもよい。たとえば、前述した各種の演出における演出態様の変更を、第2保留記憶情報数の増加に応じて実行するものであれば、どのような演出であってもよい。
(23) 変更演出は、第2保留記憶情報数に応じてリーチライン数を増加させる演出態様の変更をするものであるが、リーチ図柄は、「7」図柄以外の図柄を用いたリーチ図柄であってもよい。そのようなリーチ図柄としては、通常の変動表示に用いられる図柄列に含まれる図柄以外の図柄、たとえば、「RUSH」という遊技者にとって有利な状態を連想させる文字が示された図柄等の特別な図柄を用いてもよい。
(24) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(25) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(26) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(27) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、スティックコントローラ122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能な傾倒方向センサユニット123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、プッシュボタン120の操作を検出可能なプッシュセンサ124等のその他の検出手段を用いてもよく、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
(28) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明は他にも、有利状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
入賞装置に遊技媒体が入賞したことに基づいて識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示装置(可変表示装置68SH009等)と、
未だ開始されていない可変表示に関する保留情報を記憶する保留記憶手段(第2保留記憶バッファ等)と、
有利状態終了後の所定期間において、前記入賞装置への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行する促進報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記所定期間において、前記保留記憶手段により記憶された保留情報の数が、前記保留記憶手段において記憶可能な保留情報の上限数(4個等)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知(「到達」を出力等)を実行する到達報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図43(D)、(F))。
このような構成によれば、促進報知と到達報知とを実行するので、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することができる。さらに、演出効果を高めることができる。
この場合、保留情報が上限数に到達したタイミングがリーチタイトルの報知タイミングである場合は到達報知を遅らせて実行するようにしてもよい。そうすることでリーチタイトルの報知により注目させることができる。
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図43(D)、(F))遊技機が挙げられる。
以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
まず、パチンコ遊技機901の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機901の構成等)
図35は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図35に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置905は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置905には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置905の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置905の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤902の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられ、第1保留表示器9025Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器9025Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置905の下方には、入賞球装置906Aと、可変入賞球装置906Bとが設けられている。
入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置906B(普通電動役物)は、ソレノイド9081(図36参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置906Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置906Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置906Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤902の所定位置(図35に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口9010が設けられる。この場合には、一般入賞口9010のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置906Aと可変入賞球装置906Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、ソレノイド9082(図36参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口9010に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口9010を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤902の所定位置(図35に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置905の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート9041が設けられている。遊技球が通過ゲート9041を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ90909が設けられている。遊技効果ランプ909は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤902の所定位置(図35では図示略)には、演出に応じて動作する可動体9032が設けられている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)9030が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ9031Aに対する操作は、コントローラセンサユニット9035A(図36参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bに対する操作は、プッシュセンサ9035B(図36参照)により検出される。
パチンコ遊技機901では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機901が備える打球操作ハンドル9030への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート9041を通過すると、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート9041を通過した場合(遊技球が通過ゲート9041を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置906Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機901が、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機901では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置905に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ909の点等/消灯、可動体9032の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機901では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機901が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置905にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機901には、例えば図36に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、中継基板9015などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板9011は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などを有する。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)90101と、RAM(Random Access Memory)90102と、CPU(Central Processing Unit)90103と、乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備える。
CPU90103は、ROM90101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板9011の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM90101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90102がメインメモリとして使用される。RAM90102は、その一部または全部がパチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM90101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM90102に展開して、RAM90102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O90105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板9012に供給する。主基板9011から出力された演出制御コマンドは、中継基板9015により中継され、演出制御基板9012に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板9011における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体9032の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板9012には、演出制御用CPU90120と、ROM90121と、RAM90122と、表示制御部90123と、乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出制御用CPU90120は、ROM90121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部90123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板9012の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM90121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU90120は、コントローラセンサユニット9035Aやプッシュセンサ9035Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部90123に指示することもある。
表示制御部90123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置905に供給することで、演出画像を画像表示装置905に表示させる。表示制御部90123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ909の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板9013に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板9014に供給したりする。また、表示制御部90123は、可動体9032を動作させる信号を当該可動体9032又は当該可動体9032を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板9013は、スピーカ908L、908Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ908L、908Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ908L、908Rから出力させる。
ランプ制御基板9014は、遊技効果ランプ909を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ909を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ909を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部90123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体9032の制御(可動体9032を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU90120が実行するようにしてもよい。
乱数回路90124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU90120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、主基板9011以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機901のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
(主基板9011の主要な動作)
まず、主基板9011における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機901に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理が実行される。図37は、主基板9011におけるCPU90103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図37に示す遊技制御メイン処理では、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS902)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM90102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS903)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS903;Yes)、初期化処理(ステップS908)を実行する。初期化処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU90103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。演出制御用CPU90120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS903;No)、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS904)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機901への電力供給が停止したときには、CPU90103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM90102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM90102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS904では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS904;No)、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS904;Yes)、CPU90103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS905)。ステップS905では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。
RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS905;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップS905;Yes)、CPU90103は、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS906)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU90103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS907)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU90120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU90120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板9012に演出制御コマンドを送信した後には、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9010)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9011)、割込みを許可する(ステップS9012)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図38のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図38に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS9021)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS9022)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS9023)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS9024)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS9025)。CPU90103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS9026)。CPU90103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ9021からの検出信号に基づく(通過ゲート9041に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置906Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器9020を駆動することにより行われ、普図保留表示器9025Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS9027)。CPU90103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS9027のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図39は、特別図柄プロセス処理として、図38に示すステップS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM90102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板9012に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図38に示すステップS9027のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS90110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信するための送信設定が行われる。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM90101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板9011における他の決定、演出制御基板9012における各種の決定についても同じである。演出制御基板9012においては、各種のテーブルがROM90121に格納されている。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板9012の主要な動作)
次に、演出制御基板9012における主要な動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図40のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図40に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS9072)。初期動作制御処理では、可動体9032を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体9032の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS9073)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9073;No)、ステップS9073の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS9073にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS9073;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9074)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9075)。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM90122の所定領域に格納したり、RAM90122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部90123に指示してもよい。
ステップS9075にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS9076)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体9032の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS9076の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS9077)、演出制御基板9012の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS9073の処理に戻る。ステップS9073の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図41は、演出制御プロセス処理として、図40のステップS9076にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS90161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板9011から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS90161の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えばRAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部90123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部90123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部90123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、表示制御部90123を指示することで、ステップS90171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、可動体9032を駆動させること、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板9011から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機901に限定されず、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機901は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機901を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にもこの発明を適用可能である。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機901に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部31AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部31AKについて説明する。図42は、本実施の形態のパチンコ遊技機901における変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。図42(A)に示すように、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに表示結果が「ハズレ」となる非リーチハズレの変動パターンPA1’−1、PA1’−2、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となって表示結果が「ハズレ」となるリーチハズレの変動パターンPA2’−1〜PA2’−6、PA3’−1〜PA3’−4等、表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2’−1〜PB2’−6、PB3’−1〜PB3’−4等が用意されている。
また、図42(B)に示すように、本実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Eといったリーチ演出が実行されるようになっている。この実施の形態では、リーチ演出は、大当り状態に制御されることを示唆する示唆演出とも称される。各リーチが実行されたときの信頼度(大当り信頼度)は、図42(B)の黒色の星の数で表すように、ノーマルリーチ<スーパーリーチE<スーパーリーチD<スーパーリーチC<スーパーリーチB<スーパーリーチAの順番に高くなっている。なお、大当りとなることが確定するリーチを設けてもよい。
この実施の形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して実行されるようになっている。また、スーパーリーチのリーチ演出中に、より信頼度の高いリーチに発展(昇格)する発展演出が実行される場合がある。図42(A)に示す変動パターンPA3’−1〜PA3’−4等、変動パターンPB3’−1〜PB3’−4等が、発展演出が実行されることに対応した変動パターンとなっている。なお、図42(A)では、信頼度が一段階上のスーパーリーチに発展する変動パターンが示されているが、信頼度が二段階以上発展する変動パターンも設けられる。また、発展演出が複数回実行される変動パターンを設けてもよい。
この実施の形態では、信頼度が最も低いノーマルリーチ以外では、リーチ成立後の所定タイミングにおいて、そのリーチのタイトルが報知されるようになっている。図42(B)に示すように、リーチの種類によってタイトルの報知態様が異なっている。具体的には、スーパーリーチの中で最も信頼度の低いスーパーリーチEは、表示のみでリーチのタイトルが報知され、それ以外のスーパーリーチは、表示及び音声によりタイトルが報知される。このように、信頼度の高いリーチの方が信頼度の低いリーチより多くの演出装置によりタイトルの報知が実行されるようになっている。これにより、遊技者の期待感を効果的に煽ることができ演出効果が向上する。なお、タイトルの報知態様は、信頼度によってまたは信頼度によらず任意に変更してもよい。また、同じリーチ演出においても、実際の表示結果等に応じて報知態様を異ならせてもよい。また、リーチの種類によってタイトル文字のフォント(ゴシック体、明朝体等)や書体(行書、楷書等)を異ならせてもよい。
リーチのタイトルの報知(タイトル報知)とは、リーチの名称といったタイトルそのものを示すものに限定されず、リーチ演出で登場するキャラクタの名称、リーチ演出の演出内容等を示すものであってもよい。
(特徴部31AKの演出動作例)
続いて、本実施の形態における演出動作例について説明する。以下の演出動作は、主基板9011から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行することで実行される。図43、図44は、本実施の形態におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図43(A)は、画像表示装置905の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていることを示している。その後、例えば、図43(B)に示すように、「左」及び「右」に7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチ態様となる。その後はリーチの種類に応じて演出が分岐する。
(スーパーリーチA)
スーパーリーチAとなる場合には、図43(C)に示すように、画像表示装置905に味方キャラであるキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出ともいう)の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図43(D)に示すように、画像表示装置905の画面全体にスーパーリーチAのタイトル31AK002(ここでは「SPリーチA」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチA」)が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチAのタイトル31AK002が消去され、図43(E)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK003が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK003とが対決するスーパーリーチAのリーチ演出の後続部分が実行される。キャラクタ同士が対決する演出をバトル演出ともいい、バトル演出において味方キャラが勝利すると大当りとなり、味方キャラが敗北するとハズレとなる。
なお、スーパーリーチ演出中に画像表示装置905にセリフを表示するときに、スピーカ908からセリフに対応する音声が出力されるようにしてもよい。また、セリフは図43(E)に示すように吹き出しに表示することに限定されず、画像表示装置905の下部等に字幕で表示するようにしてもよい。
(スーパーリーチB)
スーパーリーチBとなる場合には、図43(C)に示すように、画像表示装置905にキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチ演出の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図43(F)に示すように、画像表示装置905の画面全体にスーパーリーチBのタイトル31AK005(ここでは「SPリーチB」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチB」)が出力されることで、スーパーリーチBのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチBのタイトル31AK005が消去され、図43(G)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK006が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK006とが対決するスーパーリーチBのリーチ演出の後続部分が実行される。
このように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過したときにリーチのタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、スーパーリーチ演出の導入部分等を遊技者に見せた後にタイトルを報知できるので、タイトル報知の演出効果を高めることができる。
また、スーパーリーチA(図43(C)→(D)→(E)・・・)とスーパーリーチB(図43(C)→(F)→(G)・・・)とでは、タイトルが報知されるまでの導入部分においては、共通の演出態様でスーパーリーチ演出が実行されるようになっている(図43(C))。このようにすることで、スーパーリーチ演出が開始されてからいずれのスーパーリーチとなるか、いずれのタイトルが報知されるかに遊技者を注目させることができる。スーパーリーチAとスーパーリーチBとにおいて、タイトルが報知されるまでの演出態様を完全に共通にすることに限定されず、演出を注視すればいずれのスーパーリーチとなるかを判別できる等、少なくとも一部を共通の演出態様にするようにしてもよい。例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトルに関連する態様でスーパーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆するような演出)を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果が向上し、遊技者が演出に注目するようになる。このように、いずれのスーパーリーチとなるかを特定可能にしてからタイトル報知を実行するようにしてもよい。
(スーパーリーチD)
スーパーリーチDとなる場合には、図43(H)に示すように、画像表示装置905の中央の一部にスーパーリーチDのタイトル31AK007(ここでは「SPリーチD」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「敵を倒せ」)が出力されることで、スーパーリーチDのタイトルが報知される。このように、スーパーリーチDでは、スーパーリーチ演出の開始時にタイトルが報知されるようになっている。また、タイトル31AK007の下には、当該リーチの期待度を示唆する期待度示唆表示31AK008が表示される。期待度は、図43(H)に示すように、黒い星の数で表される。ここで、期待度とは大当りとなる期待度であるが、リーチの大当り信頼度と完全に一致していなくてもよい。
なお、スーパーリーチDの音声による報知は、タイトル名をそのまま報知するのではなく、リーチの内容を報知するようになっている。このように、この実施の形態では、リーチの種類によって音声によるタイトル報知の報知態様を異ならせている。これにより、タイトル報知の報知態様が多彩になり、興趣が向上する。
スーパーリーチDにおいてタイトルが報知された後には、図43(I)に示すように、画像表示装置905にキャラクタ31AK001が表示される。このとき、タイトル31AK007及び期待度示唆表示31AK008は、画像表示装置905の右上部分等に縮小して表示され続ける。このようにすることで、リーチ演出中にも遊技者がリーチの期待度を把握することができる。なお、図43(I)では、図43(C)(スーパーリーチA、スーパーリーチB)と共通の演出内容が示されているが、スーパーリーチD専用のスーパーリーチ演出が実行されてもよい。
その後、図43(J)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK009が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK009とが対決するスーパーリーチDのリーチ演出が実行される。
(スーパーリーチE)
スーパーリーチEとなる場合には、図44(A)に示すように、画像表示装置905の左上の一部にスーパーリーチEのタイトル31AK010(ここでは「SPリーチE」の文字)が表示されることで、スーパーリーチEのタイトルが報知される。なお、スーパーリーチEでは、音声によるタイトルの報知が行われない。また、タイトル31AK010の表示と合わせて、キャラクタ31AK001と敵キャラであるキャラクタ31AK011とが表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK011とが対決するスーパーリーチEのリーチ演出が実行される。このように、スーパーリーチEでは、リーチ演出の進行と合わせてタイトルが報知されるようになっている。スーパーリーチEでは、リーチ演出中にタイトル31AK010が表示され続ける。
大当り信頼度の低いスーパーリーチEのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うことで、遊技者に過度な期待感を与えることを防止できる。これに対して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようになっている(図43(D)、(F)、(H))。このようにすることで、スーパーリーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDといったスーパーリーチ演出においてもリーチの進行を停止せずにタイトル報知を行うようにしてもよい。また、この実施の形態とは逆に、大当り信頼度の高いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うようにしてもよい。大当り信頼度の低いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようにしてもよい。
(タイトルの報知タイミング)
以上のように、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、大当り信頼度の低いスーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっていたが、大当り信頼度の高いリーチの場合にスーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され、大当り信頼度の低いリーチの場合にスーパーリーチ演出後所定期間経過してからタイトルが報知されるようにしてもよい。
(タイトルの表示領域)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、画像表示装置905の画面全体(第1領域)においてタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、画像表示装置905の画面の一部(第2領域)においてタイトルが報知される。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。特に、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも広い表示領域でタイトル報知が実行されるので効果的なタイトル報知が可能になる。なお、画像表示装置905の画面全体におけるタイトル報知とは、画面いっぱいに収まるサイズでタイトルが表示されるものであってもよいし、背景全体をタイトル報知用の背景としてそこにタイトルが表示されるもの(画面全体を使用したタイトル報知)等であってもよい。また、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよいし、スーパーリーチDとスーパーリーチEとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよい。
リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる方法は、この実施の形態の例に限定されず、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を任意に異ならせてもよい。例えば、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも狭い表示領域でタイトル報知が実行されてもよい。また、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる場合において、この実施の形態のように表示面積を異ならせてもよいし、表示させる場所を異ならせてもよい。
(期待度示唆表示)
この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されることで遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。
なお期待度示唆表示は、図43(H)等に示すように、黒い星の数によって示すものに限定されず、メーターやゲージにより期待度を示唆するようにしてもよいし、期待度に対応した数値を表示するようにしてもよい。また、図43(H)等に示すように、黒い星の数によって示す場合において、半個相当(半分)の黒い星を表示可能ようにして、期待度の段階数を増やしてもよい。
(タイトルの表示終了タイミング)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、タイトルが表示された後、タイトルが消去されてスーパーリーチ演出が実行される。これにより、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、リーチ演出に注目させることができる。また、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、タイトルが表示された後、後述の決め演出が実行されるまでタイトルが表示され続ける。これにより、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出中もリーチの種類を把握することができる。また、以上のようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、タイトルの表示終了タイミングは、いずれであっても演出効果の向上を図れるため、任意に変更してもよい。
なお、ここではスーパーリーチCのリーチ演出の演出動作については省略するが、例えば大当り信頼度に応じたタイトル報知や期待度示唆表示が実行されればよい。
(決め演出)
各リーチ演出が実行されてから、表示結果を導出するタイミング(可変表示の終盤)になると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行される。決め演出には、表示結果が「大当り」となることを示す決め演出と、表示結果が「ハズレ」となることを示す決め演出と、が含まれる。この実施の形態では、図44(B)に示すように、画像表示装置905に画像31AK012が表示される決め演出が実行される。その後、表示結果が「大当り」であれば、図44(C)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK013が表示され、図44(D)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、表示結果が「ハズレ」であれば、味方キャラが敗北したことを示す画像が表示され、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出される。
この実施の形態では、リーチ演出中も継続してタイトルを報知する場合でも、決め演出が実行される前にタイトルの報知を終了するようになっている。これにより、決め演出に注目させることができ、また、メリハリのあるタイトル報知を実行できる。
図43、図44に示した演出動作例では、スーパーリーチのリーチ演出中は画像表示装置905の右下部分で飾り図柄を縮小して可変表示を実行するようになっていたが、リーチ演出中の飾り図柄の表示のさせ方は任意でよい。例えば、リーチ演出中は飾り図柄が表示されなくてもよいし、リーチ演出の種類によって表示態様(大きさ、位置、濃淡、数等)を異ならせてもよい。
なお、画像表示装置905に保留表示、アクティブ表示、可変表示中に常駐表示されるキャラクタ、携帯連動関連の表示を表示する場合、スーパーリーチのリーチ演出中はリーチ演出に注目させるために適宜非表示としてもよい。その際に、スーパーリーチEといった低信頼度のリーチ演出中には、これらの表示を表示したままにするようにしてもよい。このようにすることで、低信頼度のリーチ演出により遊技者を過度に期待させてしまうことを防止できるとともに、高信頼度のリーチ演出ではリーチ演出に注目させることができる。
(発展演出)
続いて、発展演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図45(A)に示すように、スーパーリーチDのリーチ演出が実行されている(スーパーリーチDのタイトル報知が実行されている)ときに発展演出が実行される場合、図45(B)に示すように、リーチ演出が中断して画面が裂けるような演出が実行される。その後、スーパーリーチAに発展する場合には、図45(C)に示すように、スーパーリーチAのタイトルが報知され、スーパーリーチAのリーチ演出が実行される。スーパーリーチBに発展する場合には、図45(D)に示すように、スーパーリーチBのタイトルが報知され、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。図45に示すように、発展先のリーチが表示及び音声によりタイトル報知を行うリーチである場合には、表示及び音声によるタイトル報知が改めて実行される。
なお、発展演出は図45(B)に示すような例に限定されず、画面に徐々にヒビが入って割れるような演出であってもよいし、砂嵐(故障したような表示)を表示するようにしてもよい。このような演出とすることで、意外性のある演出を実行できる。なお、画面に徐々にヒビが入るがリーチが発展しない演出といった、ガセの発展演出があってもよい。
(期待度示唆演出)
図43(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図46(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図46(B)に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表示され、図46(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示31AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ908から期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図46(D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。このときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ908から出力される音声(音量、音階、音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図46(F)に示すように、その黒い星が光るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したことがわかりやすくなる。
図46(A)〜(F)に示す例では、黒い星が1つずつ表示されて期待度示唆表示により示される期待度が1段階ずつ上がるようになっていたが、黒い星が2つ以上表示されて期待度が2段階以上上がるようにしてもよい。また、半分の黒い星が表示されて期待度が半段階上がるようにしてもよい。この場合において、表示される星の数(上昇する期待度の段階数)に応じて、異なる音声を出力するようにしてもよいし、同じ音声を出力するようにしてもよい。例えば、半分の黒い星が表示されるときと1つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。2つ半の黒い星が表示されるときと3つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。また、音声を出力しない場合があってもよい。このようにすることで、期待度示唆演出が多彩になり、演出効果が向上する。なお、一度に増加する期待度の段階数によらず、同じ黒い星の画像が表示されて、期待度示唆表示の白い星に収まって、増加する期待度の段階数に応じた黒い星が増加するような演出を実行するようにしてもよい。
(演出モード)
画像表示装置905、スピーカ908、遊技効果ランプ909といった演出装置における演出モードが複数あってもよい。異なる演出モードでは、主基板9011から同じコマンド(例えば変動パターンを指定するコマンド)が送信された場合でも、当該コマンドに基づく演出が異なる演出態様で実行される。各演出モードでは、画像表示装置905に表示される背景、キャラクタ、モチーフ、スピーカ908から出力される音声等が異なっていればよい。演出モードは、可変表示の回数や遊技状態に応じて自動的に変更されるようにしてもよいし、遊技者の操作により変更可能にしてもよい。
図46(G)〜(L)は、演出モードとして通常モード及び特別モードが設けられる場合において、特別モードとなっている場合のタイトル報知及び期待度示唆演出の演出動作例である。通常モードでは、図46(A)〜(F)に示すようタイトル報知及び期待度示唆演出が実行される。特別モードでは、スーパーリーチDの変動パターンに基づくリーチ演出は、スーパーリーチDのリーチ演出とは演出態様の異なるスーパーリーチD2のリーチ演出となる。従って、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合、図46(G)に示すように、スーパーリーチD2のタイトル31AK023が表示される。このとき、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されるが、通常モードとは異なる音声(例えば声色が異なる音声)が出力される。また、スーパーリーチD2における期待度示唆表示31AK024は、星型ではなく菱形となっている。
その後、図46(H)に示すように、期待度示唆表示31AK024の星より大きな黒い菱形31AK025が表示され、図46(I)に示すように、黒い菱形31AK025が移動して期待度示唆表示31AK024の白い菱形の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ908から期待度を示す黒い菱形が増加したことを示す「ポン」という音声が出力される。図46(J)、(K)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。期待度示唆表示31AK024に期待度に対応した数の黒菱形が収まった段階で、図46(L)に示すように、その黒い菱形が光るといったように強調表示される。このように、遊技者の選択や遊技状態等に応じて決定される演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、タイトルの報知態様を異ならせることで演出が多彩になり演出効果が向上する。
図46では、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合の演出動作例を示したが、演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって他のリーチ演出(タイトル報知、期待度示唆演出を含む)の演出態様を異ならせるようにしてもよい。演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、リーチのタイトルを報知するか否かやタイトル報知の実行割合を異ならせてもよい。例えば、所定の演出モードが選択された場合には、リーチのタイトルが報知されないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の好みに応じた演出を実行でき演出効果が向上する。
なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するようにしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。
(発展演出の他の例)
期待度示唆表示の期待度を示す表示を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行する場合において、期待度を示す表示を増加させた後に発展演出を実行するようにしてもよい。この場合において、発展演出後に期待度を示す表示を増加させる場合、増加させる表示については段階的ではなく一度に表示するようにしてもよい。例えば図47(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルが報知され、黒い星を段階的に増加させる演出が完了した後に、図47(B)に示すように、画像表示装置905にボタン画像31AK031が表示される発展演出が実行される。ここで、プッシュボタン9031Bへの操作が検出されると、図47(C)に示すように、スーパーリーチCのタイトル31AK032(ここでは「SPリーチC」の文字)が表示されることで、スーパーリーチCのタイトルが報知される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。また、タイトル31AK032の下には、黒い星の数が3個である期待度示唆表示31AK033が強調表示される。なお、黒い星の数が2個以上増加する場合でも一度に表示される。なお、可動体9032が動作した後に、タイトルや期待度示唆表示が変化する発展演出を実行するようにしてもよい。
(予告演出)
この実施の形態では、予告演出として、タイトルの報知態様(例えばタイトルの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するタイトル予告を実行するようになっている。例えば図48(A)に示すように、スーパーリーチAのタイトル31AK036が黒色で表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知された後、図48(B)に示すようにタイトル31AK036の表示色が赤色に変化するタイトル予告を実行するようになっている。このように、タイトル予告が実行されない場合はタイトルが黒色で表示され、タイトル予告が実行される場合はタイトルが黒色以外の色で表示される。図48に示すタイトル予告では、音声によりリーチのタイトルが報知された後に、タイトルの表示態様(表示色)が変化する場合がある。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。なお、タイトルが黒色以外で表示されるタイミングはこれに限定されず、タイトルの表示開始時から黒色以外で表示されるようにしてもよい。
また、タイトルの表示態様(表示色)が変化するタイトル予告が実行された場合には、タイトルの表示態様が変化した後に、変化後の表示態様に応じた音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。また、音声によるタイトル報知は、タイトルの表示態様(表示色)が変化した後に実行されるようにしてもよい。この場合、変化後のタイトルの表示態様(表示色)に応じた音声が出力するようにしてもよい。
(タイトル報知の実行タイミング)
リーチ中のタイトルの報知は、予告演出や発展演出といった、大当り有利状態に制御される期待度が向上する演出(特定演出)の実行タイミング以外で実行することが好ましい。このようにすることで、一旦タイトルが報知された場合、期待度が向上する演出が実行され得るので、遊技者の期待感を維持することができる。
図49は、予告演出の実行の有無や演出態様を決定するための予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。予告演出決定処理は、演出制御用CPU90120が図41のステップS90171の可変表示開始設定処理内で実行する。予告演出決定処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、主基板9011から送信されるコマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップ31AKS001)。
スーパーリーチの変動パターンである場合には(ステップ31AKS001;Yes)、スーパーリーチのタイトルの表示色(タイトル予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS002)。
ステップ31AKS002では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図50(A)に示す決定割合で、スーパーリーチのタイトルの表示色を決定する。スーパーリーチのタイトルの表示色は、図50(A)に示すように、「黒」、「赤」、「黒」から「赤」に変化するもの、「黒」から「フルーツ柄」に変化するもの、「赤」から「フルーツ柄」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、タイトルの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がタイトルの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。
なお、「フルーツ柄」は、タイトルの文字が太字で表示され文字そのものが「フルーツ柄」であってもよいし、タイトルの表示領域の背景部分が「フルーツ柄」となるものであってもよい。最初から「フルーツ柄」で表示されるパターンがあってもよい。表示色が変化するものについては、図48に示したように、タイトル報知が実行された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。また、スーパーリーチの種類によって、タイトルの表示期間が異なるため、スーパーリーチの種類によって表示色が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。タイトルの表示期間が長いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチE)の場合には、変化するタイミングを複数設けて、変化タイミングをいずれかに決定するようにしてもよい。そして、タイトルの表示期間が短いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチB)の場合には、変化するタイミングの数を1つ又はタイトルの表示期間が長いスーパーリーチよりも少数にしてもよい。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、通常モードでは図50(A)に示す決定割合でタイトルの表示色を決定し、特別モードでは図50(B)に示すような通常モードと異なる割合でタイトルの表示色を決定する。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。このように、演出モードによってタイトル予告の実行態様(表示色や表示色の変化タイミング)を異ならせることで、演出が多彩になり演出効果が向上する。
この実施の形態では、予告演出として、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示態様(例えばセリフの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するセリフ予告を実行するようになっている。
スーパーリーチのタイトルの表示色を決定した後には、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示色(セリフ予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS003)。
ステップ31AKS003では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図50(C)に示す決定割合で、リーチ演出におけるセリフの表示色を決定する。リーチ演出におけるセリフの表示色は、図50(C)に示すように、「白」、「赤」、「白」から「赤」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、セリフの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がセリフの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。なお、表示色が変化するものについては、セリフが表示された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、タイトル予告とセリフ予告とで同じ演出態様(表示色)が含まれる場合、同じ演出態様となった場合には大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の変化タイミングの組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、変化タイミングが同じ場合に変化タイミングが異なる場合より大当り信頼度が高くなるようにしたり、いずれの変化が先かで大当り信頼度を異ならせてもよい。このようにすることで、タイトル予告とセリフ予告とのそれぞれの変化タイミングに注目させることができる。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、特別モードでは通常モードと異なる割合でセリフの表示色を決定するようにしてもよい。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。
なお、セリフ予告に代えてリーチ演出の演出態様の変化によって大当り信頼度を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、その予告演出において、演出態様の変化タイミングを複数設けて、変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なるようにすればよい。
リーチ演出におけるセリフの表示色を決定した後や、スーパーリーチの変動パターンでないと判定された場合(ステップAK31S001;No)、その他の予告演出に実行有無や演出態様を決定する(ステップAK31S004)。その後、31AKS002〜31AKS004における決定結果をRAM90122の所定領域に保存し(ステップAK31S005)、予告演出決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチである場合に、タイトル予告及びセリフ予告を実行可能となっているが、特定のスーパーリーチ(例えば信頼度の低いスーパーリーチ以外)である場合に、タイトル予告及びセリフ予告のうち少なくとも一方を実行可能にしてもよい。また、タイトル予告及びセリフ予告については、図50に示す決定割合で決定されるものとして説明したが、決定割合は任意であり、例えばスーパーリーチの種類に応じて決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで、リーチの種類に応じた予告演出を実行でき、演出効果が向上する。
この実施の形態では、タイトル予告とセリフ予告とでは、実行可能な演出態様の数(表示可能な表示色の数)が異なっている。このようにすることで、演出が多彩になり演出効果が高まる。タイトル予告とセリフ予告とにおいて、実行可能な演出態様の数は任意に変更してもよく、実行可能な演出態様の数や種類が同じであってもよい。このようにすることで、統一感ある予告演出が実行でき、遊技者は大当り信頼度を把握しやすくなる。
(作用演出)
このタイトル予告とセリフ予告との演出態様が変化するときに、演出態様が変化することを示す演出を実行するようにしてもよい。例えば、画像表示装置905に作用演出画像を表示し、その画像がタイトル及びセリフのうち少なくとも1つに作用する作用演出を実行するようにしてもよい。そして、作用演出が実行された後に、タイトルやセリフの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。作用演出の演出態様(作用演出画像等)はタイトル及びセリフにいずれに作用する場合でも共通としてもよい。なお、作用演出が実行されたにも関わらず、タイトルやセリフの演出態様が変化しない場合があってもよい。作用演出を実行する場合には、タイトル予告とセリフ予告に係る決定結果に基づいて、作用演出の実行の有無や実行タイミング、演出態様を決定するようにすればよい。そのような決定はステップAK31S004の処理で実行されればよい。例えば、作用演出の演出態様に応じて、タイトル予告とセリフ予告との少なくとも一方の演出態様が変化する割合(作用演出により演出態様が変化する割合)が異なるようにしてもよいし、タイトル予告とセリフ予告といずれの演出態様が変化するかの割合(いずれに作用するかの割合)が異なるようにしてもよいし、何色に(何段階)変化するかの割合が異なるようにしてもよい。このような作用演出を実行することで、遊技者はいずれ作用演出画像が表示されたときに、タイトルとセリフのいずれに作用するかに注目するようになり演出効果が向上する。なお、複数の演出モードがある場合、演出モードに応じて異なる割合で作用演出の実行有無や演出態様を決定するようにしてもよい。このようにすることで、演出モードに応じた作用演出を実行でき、演出効果が向上する。
このような作用演出の他の例として、リーチ演出の演出内容(例えばキャラクタの動作やバトル演出における演出内容等)に応じて、タイトル及びセリフのいずれかのうち少なくとも1つの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者はリーチ演出の演出内容に注目するようになる。
この発明は、上記特徴部31AKで説明したパチンコ遊技機901に限定されず、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態で説明した特徴部分は、全てが必須構成ではなく、適宜省略可能である。
(サブ液晶)
画像表示装置905とは異なるサブ表示装置として、遊技盤902または遊技機用枠903にサブ液晶が設けられていてもよい。ここではサブ液晶と表現するが、サブ表示装置は、有機ELやドットマトリクスのLEDにより構成されてもよい。サブ液晶装置は、例えば画像表示装置905の近傍等に固定されるものであってもよいし、可動式または収納式であってもよい。サブ液晶においては、予告演出や保留表示の表示といった各種演出を実行する。例えば、サブ液晶においてタイトル報知を実行するようにしてもよい。上記実施の形態のスーパーリーチD及びスーパーリーチEのように、タイトル報知後にも継続してタイトルを表示する場合に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。この場合、画像表示装置905においてタイトルを報知した後に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。このようにすることで、画像表示装置905におけるスーパーリーチ演出を阻害することなくタイトルや期待度示唆表示を表示することができる、タイトルや期待度示唆表示もわかりやすくなる。
上記実施の形態では、示唆演出としてのリーチ演出のタイトルの報知について、この発明を適用した例を説明したが、他の演出に関するタイトル報知(主に文字を表示する報知)にこの発明を適用してもよい。例えば、予告演出(例えば先読み予告演出)として、画像表示装置905における背景画像や演出態様がそれぞれ異なる複数のゾーン(ステージ、演出モード等)に移行させる先読みゾーン演出を実行する場合において、移行したゾーンのタイトル報知にこの発明を適用してもよい。ミッション(「7でリーチをかけろ」、「スティックコントローラを使って敵を全滅させろ」等)を提示し、当該ミッションを達成したときに遊技者に有利な状態となるミッション演出を実行する場合に、ミッションのタイトル報知にこの発明を適用してもよい。
(特徴部31AKの変形例1)
上記実施の形態では、表示結果を導出するタイミングになると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行され、その後、表示結果が示されるようになっていた(図44(B)〜(D))。このような決め演出に代えて、表示結果を導出する前の所定タイミングになると、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作を促す操作演出が実行され、操作有効期間に所定の操作が検出されるとバトル演出の勝敗が表示されたり、表示結果が仮停止される等により、表示結果が示されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の操作に応じて表示結果が示されるため、遊技者の遊技参加意欲を高めることができ、興趣が向上する。
図51、図52は、操作演出が実行され、その操作に応じて表示結果が示される変形例におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図51(A)に示すように、画像表示装置905においてリーチ態様となった後、例えば図51(B)に示すように、味方キャラであるのキャラクタ31AK041と敵キャラであるキャラクタ31AK042とが表示され、図51(C)〜(F)、図52(G)〜(I)に示すように、キャラクタ31AK041とキャラクタ31AK042とが対決するリーチ演出が実行される。
リーチ演出に伴い、図51(C)に示すように、画像表示装置905の右下に小ボタン画像31AK043と小ボタン画像31AK043に重畳する規制線31AK044とが表示される。これにより、プッシュボタン9031Bを使用する操作演出が実行されるが、現状は操作の受付が規制されていることが示唆される。
この変形例では、操作演出が実行されることを示す操作演出画像が複数種類用意されている。そして、いずれの操作演出画像が表示されて操作演出が実行されるかによって大当り信頼度が異なるようになっている。また、リーチ演出中に操作演出が実行されることを示す画像がより信頼度の高い態様に変化する場合があるようになっている。
例えば、図51(D)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が表示され、図51(E)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が喜ぶキャラクタ31AK046に変化するとともに、小ボタン画像31AK043が大ボタン画像31AK047に変化する。
その後、図52(H)に示すように、大砲31AK048が表示され、図52(I)に示すように、大砲31AK048から弾が発射されるエフェクト31AK049が表示され、大ボタン画像31AK047に弾が命中するエフェクト31AK050が表示される。そして、大ボタン画像31AK047がスティック画像31AK051に変化する。
このように、この変形例では、操作演出画像が変化する場合には操作演出画像が変化することを示す作用演出が実行される。なお、作用演出を伴わずに操作演出画像が変化する場合があってもよい。また、作用演出が実行されたにも関わらず操作演出画像が変化しない場合があってもよい。作用演出の種類によって、操作演出画像が変化する割合が異なっていてもよい。
その後、表示結果が導出される所定時間前に、図52(J)に示すように、規制線31AK044が消去され、図52(K)に示すように、スティック画像31AK051が中央部に拡大表示され、スティックコントローラ9031Aを引く操作を促す表示がされる。また、このときスティックコントローラ9031Aへの操作が有効な操作有効期間となる。
ここで、スティックコントローラ9031Aを引く操作が検出されると、図52(L)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK052が表示される。その後、変動時間の終了するタイミングで、図52(M)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、予め定められた操作有効期間内に操作が検出されなかった場合には、自動的に図52(L)に示す画像が表示される。
この変形例では、操作演出画像として、小ボタン画像、大ボタン画像、スティック画像とがあり、小ボタン画像<大ボタン画像<スティック画像の順でこれらの画像を用いた操作演出が実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。信頼度の低い操作演出画像が表示された場合であっても、リーチ演出中に信頼度の高い操作演出画像に変化する場合があるので、演出効果が向上し、また、遊技者の期待感を維持することができる。
なお、図51、図52に示した演出動作例では、リーチのタイトル報知や、期待度示唆表示は省略しているが、図51、図52に示したリーチ演出や操作演出と並行して適宜実行されるようにしてもよい。操作演出や操作演出画像に係る決定(操作演出の有無、表示する操作演出画像、作用演出の有無等)は、図49のステップ31AKS004にて実行されればよい。
(特徴部31AKの変形例2)
大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なうようにしてもよい。例えば、第1示唆表示を行うシャッター演出と、第2示唆表示を行うリーチタイトル演出と、実行するようにしてもよい。シャッター演出では、可変表示開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、リーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。リーチタイトル演出は、上記実施の形態のタイトル予告と同じであってもよいし、別の処理で決定される別の演出であってもよい。
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り信頼度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像、要素E2のメロン画像、要素E3のリンゴ画像、要素E4のスイカ画像、要素E5のイチゴ画像が含まれる。これら要素E1〜E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1〜E5の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E1〜E5の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E1〜E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
可変表示開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示されないときよりも大当り信頼度が高い。また、リーチ演出実行中に、リーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り信頼度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E1〜E5を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り信頼度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り信頼度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、可変表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに遊技効果ランプ909の発光による報知を行なう。共通音および遊技効果ランプ909の発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図53は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図53(a)に示すように、シャッター演出が実行される場合、画像表示装置905において可変表示の開始時にシャッター画像31AK061が表示される。シャッター画像31AK061には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ909の発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図53(b)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。下向きの矢印が左、中、右図柄の可変表示を示している。左図柄および右図柄の可変表示が仮停止すると、図53(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図53(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。可変表示は例えば画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像31AK062が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像31AK062には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像31AK062には、バトル演出を伴うリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ909の発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り信頼度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図53(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による可変表示画面に戻る。図53(f)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図53(a)、(d)に示すように、シャッター画像31AK061およびリーチタイトル画像31AK062のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像31AK061とリーチタイトル画像31AK062とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り信頼度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図53(a)に示すシャッター画像31AK061の表示サイズは、図53(d)に示すリーチタイトル画像31AK062の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像31AK061の表示サイズとリーチタイトル画像31AK062の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図53(a)に示すシャッター画像31AK061と図53(d)に示すリーチタイトル画像31AK062とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
シャッター演出に係る決定(シャッター演出の有無や演出態様)は、図49のステップ31AKS004にて実行されればよい。その際には、図49のステップ31AKS002におけるタイトルの表示色の決定結果に基づいてシャッター演出に係る決定を行うようにしてもよい。例えば、タイトルの表示色がフルーツ柄になるものが決定されている場合は、フルーツ柄のシャッター演出が実行されやすくしてもよい。また、リーチタイトル演出の係る決定もシャッター演出に係る決定と合わせて図49のステップ31AKS004にて実行されるようにしてもよい。
(特徴部121IWに関する説明)
次に、特徴部121IWについて説明する。先ず、図54−1及び図54−2に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠121IW001aと、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902(図35参照)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)121IW003とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠121IW003には、ガラス窓を有するガラス扉枠121IW003aが左側辺を中心として遊技機用枠121IW003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠121IW003aにより遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠121IW003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
また、遊技機用枠121IW003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠121IW003及びガラス扉枠121IW003aを開放することはできないようになっている。
主基板9011は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース121IW201に収納された状態でパチンコ遊技機901の背面に搭載されている。また、主基板9011には、後述する設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キー121IW051と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ121IW052が設けられている。
これら設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板9011とともに基板ケース121IW201内に収容されており、設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052は、基板ケース121IW201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース121IW201の背面右部に形成された開口を介して背面側に露出している。
設定キー121IW051及び設定切替スイッチ52を有する基板ケース121IW201は、パチンコ遊技機901の背面に設けられているため、遊技機用枠903を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機901の正面側からの操作が不可能であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠903を開放することで操作が可能となる。また、設定キー121IW051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、設定キー121IW051は、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、この特徴部121IWでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示したが、一のキーにて兼用されていてもよい。
また、基板ケース121IW201には、表示モニタ121IW029と、該表示モニタ121IW029の表示を切り替えるための表示切替スイッチ121IW030が配置されている。これら表示モニタ121IW029及び表示切替スイッチ121IW030は、主基板9011に接続されているとともに、基板ケース121IW201の左上部に配置されている。つまり、表示モニタ121IW029及び表示切替スイッチ121IW030は、基板ケース121IW201における主基板9011を視認する際の正面に配置されている。主基板9011は、遊技機用枠121IW003を開放していない状態では視認できないので、主基板9011を視認する際の正面とは、遊技機用枠121IW003を開放した状態における遊技盤902の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機901の正面とは異なる。ただし、主基板9011を視認する際の正面とパチンコ遊技機901の正面とが共通するようにしてもよい。
前述したように、本特徴部121IWにおける設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052は、遊技機用枠903を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機901の正面側からは操作が不可能となっているが、該パチンコ遊技機901が設置される遊技島の内側等から設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052が操作される虞がある。そこで本特徴部121IWでは、図54−2及び図54−3に示すように、外枠121IW001aの右端部には、遊技機用枠121IW003の閉鎖時に、設定キー121IW051と設定切替スイッチ52とを含む基板ケース121IW201の右側部を背面側から被覆するセキュリティカバー121IW500Aが取り付けられている。このキュリティーカバー121IW500Aは、前後方向を向く短片121IW500Aaと、該短片121IW500Aaの後端部からパチンコ遊技機901の左側方に向けて伸びる長片121IW500Abと、を備える略L字状の部材であって、透過性を有する板状の合成樹脂材によって構成されている。短片121IW500Aaの上下寸法は、基板ケース121IW201の背板の上下寸法とほぼ同寸とされている。また、セキュリティカバー121IW500Aは、短片121IW500Aaの前端部を介して外枠121IW001aの右端部に固定されている。
尚、図54−2に示すように、長片121IW500Abは、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態において、基板ケース121IW201の右部にパチンコ遊技機901の後方から当接(または近接)することによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052とを含む基板ケース121IW201の右側部をパチンコ遊技機901の背面側から被覆する。このため、設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052は、長片121IW500Abによって操作不能な状態となる。一方で、図54−3に示すように、遊技機用枠121IW003が開放されている状態においては、設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052とは、遊技機用枠121IW003とともに移動して長片121IW500Abから離間することによって長片121IW500Abによる被覆状態が解除されることで操作可能な状態となる。
つまり、本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901は、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態においては、セキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持される一方で、遊技機用枠121IW003が開放されている状態においては、前述したセキュリティカバー121IW500Aによる規制状態が解除され、設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052との操作が許容される許容状態となる。
基板ケース121IW201は、パチンコ遊技機901の背面側に設けられているため、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態において、設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052にアクセスすることは極めて困難であるため、遊技場の店員等が扉キーにより遊技機用枠121IW003を開放しない限り設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052を操作して設定値を変更することはできない。
しかし、パチンコ遊技機901が遊技場の遊技島(図示略)に設置された状態において、遊技機用枠121IW003が閉鎖されていても、例えば、パチンコ遊技機901に隣接する他のパチンコ遊技機との間に設置されるカードユニット等の遊技用装置やスペーサ部材とパチンコ遊技機901との間から針金やセル板等の不正部材を進入させて、パチンコ遊技機901の背面側にある設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052を操作することで設定値が変更されるといった不正行為が行われる可能性があるため、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態においてセキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持されることで、上記不正行為を好適に抑制することができる。
また、遊技機用枠121IW003が閉鎖され、セキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む基板ケース121IW201の背面右側が被覆されている規制状態でも、透過性を有するセキュリティカバー121IW500Aを通して、基板ケース121IW201に収容されている主基板9011等を透視することができるため、主基板9011におけるCPU90103などの電子部品が実装される実装面や封印シール等の状況を容易に確認することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
本特徴部121IWでは、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1’の他、大当り種別判定用の乱数値MR2’、変動パターン判定用の乱数値MR3’、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1’〜MR5は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、図54−4及び図54−5などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば図54−4(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図54−4(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図54−4(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図54−5(A)に示す大当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、図54−6に示すハズレ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン判定テーブル(図示略)などが含まれている。
本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。具体的には、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなる。なお、本特徴部121IWでは、小当りの当選確率については、設定値に関係なく同じである。
(表示結果判定テーブル)
図54−4(A)〜(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR1’と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図54−4(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「2」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図54−4(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図54−4(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU90103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1’の値が図54−4(A)〜(C)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当り種別A〜大当り種別C)とすることを決定する。また、MR1’が図54−4(A)〜(C)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、図54−4(A)〜(C)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本例では、図54−4に示すように、設定値に関係なく、小当りの当選確率が同じである場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当りの当選確率と同様に、1、2、3の順に設定値の値が大きくなるほど小当りの当選確率が高くなるように構成してもよい。また、この場合、小当りの当選確率の設定差が大当りの当選確率の設定差と同じ比率となるようにしてもよい。具体的には、設定値「1」における小当りの当選確率を1/100とするのであれば、設定値「2」における小当りの当選確率が1/93.75となるように設計し、設定値「3」における小当りの当選確率が1/87.5となるように設定してもよい。
また、小当りを設けない遊技機において、本特徴部121IWで示した構成を適用するように構成してもよい。
また、本特徴部121IWでは、CPU90103は、図54−4(A)〜(C)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に有利度が高くなる場合を示しているが、例えば、遊技状態に応じて有利度の順位が変化するように構成してもよい。例えば、高確率/高ベース状態に制御され、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持され、且つ小当り遊技である程度の賞球が得られるように構成された遊技機に適用した場合に、本例では、図54−4に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には1/2の高い確率で小当りが発生し賞球が得られやすい期間となりうるので、特定の遊技状態(この例では、高確率/高ベース状態)では、他の遊技状態とは異なり、逆に大当りが発生しにくい(高確率/高ベース状態が継続しやすい)設定値「1」が最も有利度が高い設定となるようにしてもよい。
また、例えば、確変状態(高確率状態)に制御された後、所定回数(確変終了回数)の変動表示が実行されたことにもとづいて確変状態が終了する遊技機に適用した場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に確変継続率(連荘率)が高くなるように構成してもよい。
尚、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定可能な設定値として1〜3の計3個の設定値を設けているが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
(大当り種別判定テーブル)
図54−5(A)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。なお、本特徴部121IWでは、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合と、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合とで、共通の大当り種別判定テーブルを用いるように構成されているが、異なるテーブルを設けて、いずれの大当り種別に決定されるかの割合が異なるようにしてもよい。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(MR2’)に基づいて、大当りの種別を大当り種別A〜大当り種別Cのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図54−5(A)に示す大当り種別判定テーブルにおいては、設定値ごとに大当り種別判定用の乱数(MR2’)に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。つまり、設定値ごとに大当り種別A〜大当り種別Cのいずれに判定されるかの割合が示されている。なお、後述する図54−6に示すハズレ変動パターン判定テーブルや、図54−7に示す非リーチハズレ変動パターン判定テーブル等についても、実際には乱数に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。
図54−5(A)に示すように、大当り種別判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、大当り種別Cに決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、大当り種別Bに決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、大当り種別Aに決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
ここで、本特徴部121IWにおける大当り種別について、図54−5(B)を用いて説明すると、本特徴部121IWでは、大当り種別毎に、大当り遊技におけるファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間がそれぞれ定められている。
ファンファーレ期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90114の大当り開放前処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大当り図柄が停止表示された後に、大当り遊技状態の開始を報知する演出動作としてのファンファーレ演出が実行される期間である。
インターバル期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90116の大当り開放後処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大入賞口を開放状態とするラウンドが終了した後に、次のラウンドの開始を報知する演出動作としてのインターバル演出が実行される期間である。
エンディング期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90117の大当り終了処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間である。
図54−5(B)に示すように、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間は、大当り種別Aの場合に最も長くなり、次に大当り種別Bの場合に長くなり、大当り種別Cの場合に最も短くなるように設定されている。
上述のように、本特徴部121IWでは、設定値が「1」である場合には、大当り種別Cと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、大当り種別Aと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなる。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
本特徴部121IWでは、大当り遊技中に、設定値を示唆する大当り中示唆演出(詳細については後述する)を実行可能に構成されているが、この大当り中示唆演出をファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間において実行可能である。そのような構成により、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の興趣を高めることができる。また、遊技者の関心を大当り中示唆演出に向けることにより、各期間の長短に気付かれにくくすることができる。
なお、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間においては、設定される期間の長さに関わらず、共通の演出を実行するようにしてもよい。この場合には、遊技者が期間の長短に気付きにくい演出(例えば、静止画像の表示等)が共通して実行されることが望ましい。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が設定され、設定値ごとにいずれの大当り種別と判定されるかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が固定的に設定されているようにしてもよい。また、例えば、予め定められた期間が異なる複数種類のファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間からいずれかを抽選によって決定するようにしてもよい。この場合には、大当り種別A<B<Cの順に、比較的長い期間が設定されたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が選択される割合が高くなるように判定値が設定されたテーブルを用いることで、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにすることができる。
本特徴部121IWでは、大当り種別A〜大当り種別Cのいずれの場合にも、大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御および確変制御は、所定回数(本特徴部121IWでは100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了するが、例えば、大当り種別ごとに時短制御および確変制御の回数が異なるようにしてもよいし、特定の大当り種別の場合には、大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御および時短制御が、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行されるようにしてもよい。このような特定の大当り種別となる場合には、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値毎に大当りとなる割合が異なるように構成されているが、このような構成に加えて、または代えて、設定値毎に確変継続率(連荘率)が異なるようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別A〜大当り種別Cに有利度(例えば、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数など)の違いはなく、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が異なるように構成されているが、例えば、大当り種別ごとに、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数を異ならせ、有利度が異なるようにしてもよい。この場合には、ラウンド中の演出は、大当り種別ごとに異なるようにしてもよいし、大当り種別に関わらず同じようにしてもよい。
尚、本特徴部121IWでは、設定されている設定値に応じて、変動表示結果が大当りとなる場合の大当り種別を大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cから異なる割合で決定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値によっては、大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cのうち、決定され得ない大当り種別が1つまたは複数あってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当り種別を100%の割合で決定すること含まれている。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別に応じてファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り種別によらずにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を一律に決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じた選択確率による抽選処理を行い、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を決定するように構成してもよい。
このように、本特徴部121IWでは、設定されている設定値に応じて変動表示結果が大当りとなった場合の大当り種別の決定割合が異なっているので、遊技興趣を向上できるようになっている。
尚、本特徴部121IWでは、大当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるMR2’を用いて決定しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1’を用いて決定してもよい。
また、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率や小当り確率が高まることや、大当り種別としての大当り種別Cが決定されやすくなること等)形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
例えば、パチンコ遊技機901に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中の特定のラウンドにおいて遊技球が特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、大当り種別に応じて大当り遊技中に遊技球が該カウントスイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。更に、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が1〜3と遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が4である場合)を設けてもよい。
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、上述の例であれば、設定値が1や4の場合は、特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを演出用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が2や3の場合は、特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを遊技用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
(小当り種別判定テーブル)
図54−5(C)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。図54−5(C)に示すように、本特徴部121IWでは、小当り種別として小当り種別A〜Cが設けられている。図54−5(C)に示すように、本特徴部121IWでは、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに関係なく、小当り種別A〜Cの決定割合は同じである。
また、本特徴部121IWでは、小当り種別A〜Cのいずれであるかに関係なく、小当り遊技中の大入賞口の開放期間や開放回数は同じであり、遊技における有利度合いは同じである。
(変動パターン判定テーブル)
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR3’に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される小当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
(ハズレ変動パターン判定テーブル)
図54−6は、ハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間(以下、特別期間ともいう)と、それ以外の期間(以下、非特別期間ともいう)とで、異なるハズレ変動パターン判定テーブルを用いるように構成されている。
具体的には、特別期間においては、図54−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定し、非特別期間においては、図54−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定する。なお、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電源投入時に設定変更が行われたか否かに関わらず、変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としてもよい。また、リアルタイムクロック等を用いて、所定の時間帯(例えば、午前9時から午前11時まで)であれば特別期間としてもよい。また、初回の大当りが発生するまでの期間を特別期間としてもよい。
図54−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、いずれも設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレとなる割合が高く、非リーチハズレとなる割合が低くなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なるため、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。
また、図54−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、図54−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルよりも、ノーマルリーチハズレとなる割合が高く、さらに設定値間のノーマルリーチハズレとなる割合の差が大きくなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、特別期間においては、非特別期間よりもノーマルリーチが実行される頻度の違いが認識しやすくなる(すなわち設定値の示唆を認識しやすくなる)ため、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、例えば、スーパーリーチを伴う変動パターン(またはそのうちの特定の変動パターン)については、設定値の違いに関わらず(または特別期間と非特別期間との違いに関わらず)、同じ割合で決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、設定値に応じて、特定の変動パターン(本例ではノーマルリーチハズレ)のみ実行割合が異なることになり、特定の変動パターンが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。なお、逆に、設定値に応じてスーパーリーチハズレとなる変動パターンの選択割合も異ならせてもよい。
また、図54−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値に応じて、非リーチハズレ以外のときに、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとのいずれとなるかの割合(すなわち、ノーマルリーチハズレ:スーパーリーチハズレのバランス)が異なるように判定値が割り当てられている。具体的には、図54−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が著しく高くなり(本例では、5%ずつ高くなる)、具体的には、図54−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が僅かに高くなる(本例では、0.2%ずつ高くなる)ように構成されている。このような構成により、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとの選択傾向によって設定値が示唆されることになる。また、特別期間と非特別期間とで選択傾向の違いを大きくすることができる。
本特徴部121IWでは、設定値に応じて、異なる割合で設定示唆演出を実行可能であるが、これは、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレ全体の実行割合が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレの実行比率が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレのみ実行割合が異なることを含む概念である。
本特徴部121IWでは、図54−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルのいずれが用いられたときにも、画像表示装置905において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。また、設定値が1〜3のいずれに設定されているときにも、画像表示装置905において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。なお、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間のみ、専用の背景画像が表示されるようにしてもよい。このような構成により、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間の遊技興趣を高めることができる。
なお、本特徴部121IWの例に限らず、例えば、設定値を示唆する特殊変動パターン(例えば、飾り図柄の変動表示の態様が通常とは異なる変動パターンであって、設定値1または2の場合にのみ選択される)を設け、特別期間においてのみ特殊変動パターンが選択され得るようにしてもよい。このような構成によっても、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
(非リーチハズレ変動パターン判定テーブル)
図54−7は、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本特徴部121IWでは、変動時間が異なる複数種類の非リーチハズレ変動パターンが設けられており、変動パターンが非リーチハズレに決定されたときに、さらに非リーチハズレA〜Cのいずれにするかに決定するように構成されている。なお、このような構成に限らず、例えば、図54−6に示すハズレ変動パターン判定テーブルに、非リーチハズレA〜Cが含まれるようにして、非リーチハズレA〜C、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレのいずれかに決定するように構成してもよい。
図54−7に示すように、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、非リーチハズレC(変動時間7秒)に決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、非リーチハズレB(変動時間8秒)に決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、非リーチハズレA(変動時間9秒)に決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」である場合には、非リーチハズレCと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、非リーチハズレAと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなる。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
本特徴部121IWでは、設定値に応じて、変動時間が異なる非リーチハズレA〜Cのいずれとなるかの割合を異ならせることにより、平均変動時間が異なるように構成されているが、例えば、非リーチハズレ以外の変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)も、変動時間が異なるように複数種類設け、設定値に応じて、選択される割合が異なるようにしてもよい。なお、変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)を変動時間が異なるように複数種類設ける場合には、飾り図柄の揺れ表示や高速変動表示の時間等を異ならせるようにして、演出等の見え方には違いがないようにすることが望ましい。
また、本特徴部121IWでは、設定値に応じて、平均変動時間が異なるように構成されているが、このような構成に代えて、または加えて、設定値に応じて、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間が異なるようにしてもよい。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、本特徴部121IWでは、非リーチハズレA〜Cにそれぞれ変動時間が設定され、設定値ごとに非リーチハズレA〜Cのいずれに決定するかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとに各変動パターンの変動時間が固定的に設定され、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定の方が、変動時間が長くなるようにしてもよい。
なお、本特徴部121IWでは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い短縮用の変動パターンが設けられている。例えば、非リーチハズレA(変動時間9秒)よりも変動時間が短い短縮非リーチハズレ(変動時間1.5秒)の変動パターンが設けられている。そして、この短縮用の変動パターンは、例えば、保留記憶数が所定数(例えば3)以上であるときに、用いられるように構成されている。このような構成は、保留記憶数が上限に達している状態、または上限に近い状態であるときに、この状態を解消して、効率的に変動表示を行う(すなわち効率的に遊技を進行する)ことを目的とするものである。ゆえに、保留記憶数が所定数以上であるときに、遊技の進行を遅らせることは不適当であるともいえる。そのため、本特徴部121IWでは、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについては、設定値に関わらず、共通の変動時間となっている。なお、本特徴部121IWの構成に関わらず、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについても、設定値に応じて変動時間を異ならせるようにしてもよい。
(設定変更処理)
次に、本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901の設定値の変更について説明する。図54−8および図54−9は、特徴部121IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。なお、本特徴部121IWにおいて、ステップIWS001〜S002の処理は、図37で示したステップS901〜S902の処理と同様である。
初期設定を行うと、CPU90103は、遊技機への電源供給を開始したときに演出制御手段(具体的には、演出制御用CPU90120)が起動するまでの時間を計測するための演出制御手段起動待ちタイマをセットする(ステップ121IWS003)。この場合、演出制御手段起動待ちタイマには、遊技機への電源供給を開始してから演出制御用CPU90120が起動するまでに十分な時間がセットされる。次いで、CPU90103は、演出制御手段起動待ちタイマの値を1減算し(ステップ121IWS004)、減算後の演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ121IWS005)。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていなければ、ステップ121IWS004に戻り、ステップ121IWS004〜S005の処理を繰り返し実行する。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていれば、ステップ121IWS006に移行する。
ステップ121IWS003〜S005の処理が実行されることによって、演出制御用CPU90120が起動するまで待ってからステップ121IWS006以降の処理が実行され、設定値の変更や確認、RAMの初期化や復旧処理などが実行される。そのため、後述する設定値コマンドや初期化指定コマンド、復旧時のコマンドなど各種のコマンド類が演出制御用CPU90120が起動する前に送信されてしまうような事態を防止することができ、コマンドの取りこぼしが発生することを防止することができる。
次いで、CPU90103は、例えば、RAM90102に工場出荷時の設定のままであることを示す工場出荷時設定フラグ(例えば、このフラグは、後述するRAMクリア処理1,2や復旧処理が実行されてもクリアされないようにし、後述する設定変更処理が実行されたときにクリアされる)がセットされるようにしておき、ステップ121IWS006では、この工場出荷時設定フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、設定値として工場出荷時のままであることを示す値(例えば、「0」や「−」)をセットするようにし、ステップ121IWS006で設定値の値が工場出荷時の値のままであるか否かを確認するようにしてもよい。工場出荷時の設定のままであれば(ステップ121IWS006;No)、ステップIWS010に移行する。
工場出荷時の設定でなければ(ステップ121IWS006;Yes)、すなわち少なくとも既に1回は設定値の変更が行われていれば、CPU90103は、ステップS904と同様の処理により、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップ121IWS007)。具体的には、ステップ121IWS007では、CPU90103は、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップ121IWS007;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップ121IWS007;Yes)、CPU90103は、ステップS905と同様の処理により、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップ121IWS008)。ステップ121IWS008では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップ121IWS008;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップ121IWS008;Yes)、CPU90103は、現在設定値の変更中であることを示す設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS009)。設定変更中フラグがセットされていれば(ステップ121IWS009;No)、すなわち設定値の変更中に電断などが発生して遊技機への電源供給が再開された場合、ステップIWS010に移行する。
ステップ121IWS010では、CPU90103は、RAM異常エラー報知コマンドを演出制御用CPU90120に対して送信する制御を行う(ステップ121IWS010)。なお、CPU90103は、表示モニタ121IW029においてRAM異常エラーであることを示す表示(例えば、「E」の表示)を表示する制御を行うようにしてもよい。
次いで、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS011)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS012)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS013)。クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU90103は、RAMクリア1処理を実行する(ステップ121IWS014)。RAMクリア1処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア1処理では、RAM90102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報はクリアされず保持される。また、RAMクリア1処理では、RAM90102に記憶される設定値の値もクリアされる。そして、ステップ121IWS027に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオフである場合や(ステップ121IWS011のN)、設定キー121IW051がオフである場合(ステップ121IWS012のN)、クリアスイッチからの出力信号がオフである場合(ステップ121IWS013のN)には、ステップ121IWS014には移行せず、ループ処理に移行する。
ステップ121IWS006〜S014の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、バックアップRAMが正常でない場合や(ステップ121IWS007,S008のN)、工場出荷時用の設定のままとなっている場合(ステップ121IWS006のY)、設定変更中に電断などが発生した場合(ステップ121IWS009のY)には、遊技機用枠121IW003が開放された状態で設定キー121IW051がオン操作され且つクリアスイッチがオン操作されたことを条件にRAMクリアされてステップ121IWS027以降の設定値の変更が可能となる。一方で、遊技機用枠121IW003が開放され、設定キー121IW051およびクリアスイッチがオン操作されないかぎり、ループ処理が実行され、設定値の変更を行えず、遊技制御も進行しない。
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップ121IWS009;No)、CPU90103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS015)。
クリアスイッチからの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS016)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS017)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、設定確認処理を開始することを示す設定確認処理開始コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS018)。
演出制御基板9012側では、設定確認処理開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置905において所定の画像を表示したり、スピーカ908L、908Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。なお、この場合、演出制御基板9012側において、プッシュボタン9031Bなど演出用の操作ボタンが押下されることによって、「メンテナンスモード」などと表示してメンテナンスモードに移行するように構成してもよい。「メンテナンスモード」とは、例えば、リアルタイムクロックの日時設定や、各種エラーの発生履歴(いつどのようなエラーが発生したかの記録)、設定変更履歴(いつ設定値を変更したかや変更後の設定値の記録)を確認できるモードである。なお、設定キー121IW051がオフとなり設定確認処理や設定変更処理が終了すると、メンテナンスモードも終了する。
次いで、CPU90103は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を実行する。
設定確認処理を終了すると、CPU90103は、ステップS906と同様の処理により、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS020)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。次いで、CPU90103は、設定確認処理が終了したことを示す設定確認処理終了コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS021)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS016のN)や設定キー121IW051がオンでなかった場合(ステップ121IWS017のN)には、CPU90103は、ステップS906と同様の処理により、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS022)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。また、CPU90103は、ステップS907と同様の処理により、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS023)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU90103は、RAMクリア2処理を実行する(ステップ121IWS024)。RAMクリア2処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア2処理では、RAM90102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域、および設定値を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報、および設定値の情報はクリアされず保持される。
次いで、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS025)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS026)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、設定変更中フラグをセットする(ステップ121IWS027)。
次いで、CPU90103は、設定変更処理を開始することを示す設定変更処理開始コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS028)。演出制御基板9012側では、設定変更処理開始コマンドを受信すると、設定変更中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置905において所定の画像を表示したり、スピーカ908L、908Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。
次いで、CPU90103は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を実行する。
設定変更処理を終了すると、CPU90103は、設定変更中フラグをリセットする(ステップ121IWS030)。また、CPU90103は、設定された設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS031)。また、設定変更処理が終了したことを示す設定変更処理終了コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS032)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS025のN)や設定キー121IW051がオンでなかった場合(ステップ121IWS026のN)には、CPU90103は、ステップS909と同様の処理により、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
なお、本特徴部121IWにおいて、ステップIWS034〜S036の処理は、図37で示したステップS9010〜S9012の処理と同様である。
次に、設定確認処理(ステップ121IWS019)について説明する。図54−10(A)は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を示すフローチャートである。
設定確認処理では、CPU90103は、先ず、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタ121IW029に表示する(ステップ121IWSA01)。
次いで、CPU90103は、設定キー121IW051からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA02)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA03)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA02に移行し、ステップ121IWSA02〜SA03の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠121IW003が開放状態であり且つ設定キー121IW051がオンの間は設定値を表示モニタ121IW029に表示する。
扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、設定確認エラー処理を実行する(ステップ121IWSA04)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSA04では、例えば、CPU90103は、設定確認エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU90120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定確認エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU90103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定確認エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。
設定キー121IW051がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA05)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA05の処理を繰り返し実行する。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ(すなわち、遊技機用枠121IW003が閉鎖状態であれば)、設定確認処理を終了する。
次に、設定変更処理(ステップ121IWS029)について説明する。図54−10(B)は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を示すフローチャートである。
設定変更処理では、CPU90103は、先ず、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタ121IW029に表示する(ステップ121IWSB01)。
次いで、CPU90103は、設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB02)。設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンでなければ、ステップ121IWSB05に移行する。設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンとであれば(ステップ121IWSB02のY)、CPU90103は、表示モニタ121IW029に表示されている設定値を更新表示する(ステップ121IWSB03)。例えば、表示モニタ121IW029に設定値として「1」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「2」に更新表示し、表示モニタ121IW029に設定値として「2」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「3」に更新表示し、表示モニタ121IW029に設定値として「3」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「1」に更新表示すればよい。また、CPU90103は、表示モニタ121IW0029に表示されている設定値(更新後の設定値)をRAM90102のバックアップ領域に記憶(既に記憶されている設定値に対して更新記憶)させる(ステップ121IWSB04)。
次いで、CPU90103は、設定キー121IW051からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB05)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB06)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB02に移行し、ステップ121IWSB02〜SB06の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠121IW003が開放状態であり且つ設定キー121IW051がオンの間はステップ121IWSB02〜SB06の処理が繰り返し実行される。
扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、設定変更エラー処理を実行する(ステップ121IWSB07)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSB07では、例えば、CPU90103は、設定変更エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU90120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定変更エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU90103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定変更エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。なお、この場合、ステップ121IWS027で設定変更中フラグがセットされたままとなっていることから、電源が再投入された後、RAMクリア1処理が実行されて(ステップ121IWS009のY、121IWS014参照)、エラー状態が解除されることになる。
設定キー121IW051がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB08)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB08の処理を繰り返し実行する。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ(すなわち、遊技機用枠121IW003が閉鎖状態であれば)、設定変更処理を終了する。
図54−11は、電源投入時に実行される処理を示す説明図である。本特徴部121IWでは、図54−11に示すように、電源投入時に設定キー121IW051がオンである場合(さらに、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンである場合)には、クリアスイッチがオンであれば、設定変更処理(ステップ121IWS029)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、設定確認処理(ステップ121IWS015〜S017)が実行される。また、電源投入時に設定キー121IW051がオフである場合には、クリアスイッチがオンであれば、初期化処理(ステップS908)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、復旧処理(ステップS906)が実行される。
次に、設定変更処理における表示モニタ121IW029の表示態様について説明する。先ず、図54−12(A)及び図54−12(B)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電断させる)と、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止することによって表示モニタ121IW029での表示が終了する。尚、電源をOFFとするタイミングにおいて大当り遊技中や小当り遊技中等の大入賞口の開放中である場合は、ソレノイド9082への電力の供給が停止することによって大入賞口が閉鎖される。
次に、図54−12(C)に示すように、遊技場の店員等がクリアスイッチを操作しつつ電源を投入すると(遊技制御メイン処理のステップS903でYesの場合)、設定キー121IW051がONとなっていることを条件にCPU90103によって設定変更処理が実行され、表示モニタ121IW029においてRAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示される。
このように表示モニタ121IW029にて設定値が表示されている状態において、図54−12(D)に示すように、CPU90103は、遊技場の店員等による設定切替スイッチ121IW052の操作を検出する毎に表示モニタ121IW029に表示している数値を順次更新(例えば、設定切替スイッチ121IW052が操作される毎に1→2→3→1→・・・のように更新)表示していく。また、表示モニタ121IW029に表示されている設定値をRAM90102のバックアップ領域に格納(更新記憶)する。
次いで、図54−12(E)に示すように、CPU90103は、設定キー121IW051が遊技場の店員等の操作によってOFFとなったことに基づいて、表示モニタ121IW029を点滅表示させることによって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM90102のバックアップ領域に格納されたことを報知する。なお、図示する例では、表示モニタ121IW029を点滅表示させる例を示しているが、消灯させてもよい。
また、RAM90102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場合は、該保留記憶がクリアされる。また、図54−12(A)のタイミング(パチンコ遊技機901の電源がOFFとなったタイミング)にて大入賞口が閉鎖された場合には、設定変更が行われるとRAMクリア処理が実行されて大当りに関する記憶が消去されるため、大入賞口は閉鎖されたままとなる。以降、CPU90103は、設定変更処理を終了し、遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
尚、本特徴部121IWにおける設定変更処理では、表示モニタ121IW029に表示する初期表示として、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理において表示モニタ121IW029に表示する初期表示としては、遊技者にとって最も不利な設定値(本特徴部121IWであれば「1」)、或いは、遊技者にとって最も有利な設定値(本特徴部121IWであれば「3」)を表示するようにしてもよい。
また、図54−12に示す例では、設定値の確認時や変更時に表示モニタ121IW029の4桁の表示のうち1つ目の表示を用いて設定値を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、表示モニタ121IW029の2つ目以降の表示を用いて設定値を表示するように構成してもよい。また、例えば、表示モニタ121IW029において専用の4桁表示を行うことによって設定値を表示するように構成してもよい。この場合、例えば、設定値「1」であれば表示モニタ121IW029において「−S−1」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタ121IW029において「−S−2」の4桁の表示を行ったり、設定値「3」であれば表示モニタ121IW029において「−S−3」の4桁の表示を行ったりしてもよい。また、例えば、例えば、表示モニタ121IW029の4桁の全ての表示に設定値を表示するように構成してもよい。例えば、設定値「1」であれば表示モニタ121IW029において「1111」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタ121IW029において「2222」の4桁の表示を行ったりしてもよい。
(特別図柄通常処理)
次に、本特徴部121IWにおける特別図柄通常処理(ステップS90110)の処理について説明する。図54−13および図54−14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS90110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU90103は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)の値を確認する(ステップ121IWS101)。例えば、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU90103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップ121IWS102)。例えば、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU90103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップ121IWS103)。第2保留記憶数が0であれば、CPU90103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップ121IWS104)。
ステップ121IWS102〜S104の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するように構成してもよい。
次いで、CPU90103は、RAM90102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する(ステップ121IWS105)。具体的には、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU90103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップ121IWS106)。具体的には、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM90102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM90102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU90103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップ121IWS107)。なお、CPU90103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM90102の所定の領域に保存する。
次いで、CPU90103は、RAM90102に設定されている設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS108)。本特徴部では、既に説明したように、ステップ121IWS031の処理が実行されることによって電源投入時に設定変更処理を実行したときに設定値コマンドが送信されるのであるが、電源投入後も、ステップ121IWS108の処理が実行されることによって変動表示を開始するごとに設定値コマンドが送信される。
なお、同じ変動パターンを用いる場合であっても設定値ごとに異なる変動パターンコマンドを送信するように構成すると、変動パターンの総数×設定値の数(本例では3)分の変動パターンコマンドが必要となり、データ容量が増大してしまうおそれがある。そこで、例えば、特定の変動パターンを用いる場合にのみ設定値コマンドを送信するようにし、特定の変動パターンに対応する変動パターンコマンドのみ設定値の数分の変動パターンコマンドを設けるように構成してもよい。この場合、例えば、出力頻度が最も高い通常変動の変動パターンを用いる場合にのみ設定値コマンドを送信するようにし、通常変動の変動パターンに対応する変動パターンコマンドのみ設定値の数分の変動パターンコマンドを設けるようにしてもよい。
また、本例では、電源投入時に送信する設定値コマンド(ステップ121IWS031参照)と変動開始時に送信する設定値コマンド(ステップ121IWS108参照)とで同じ設定値コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、電源投入時用の設定値コマンドと変動開始時用の設定値コマンドとを別々のコマンドとして構成し、電源投入時と変動開始時とで異なる設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、本例では、変動開始時に変動パターンコマンドとは別に設定値コマンドを送信する場合を示しているが、変動パターンコマンドと設定値コマンドとを兼用する演出制御コマンドを送信するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ変動パターンAを指定する変動パターンコマンドであっても、設定値「1」である場合には変動パターンコマンドA−1を送信し、設定値「2」である場合には変動パターンコマンドA−2を送信し、設定値「3」である場合には変動パターンコマンドA−3を送信するように構成してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100側では設定値に関係なく同じ変動パターンコマンド(例えば、変動パターンコマンドA)を出力可能に構成し、演出制御用CPU90120側でいずれの設定値であるかに応じていずれの変動パターンを選択するかやその選択割合を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値1であれば変動パターンA−1を選択または変動パターンA−1を高い割合で選択したり、設定値2であれば変動パターンA−2を選択または変動パターンA−2を高い割合で選択したり、設定値3であれば変動パターンA−3を選択または変動パターンA−3を高い割合で選択したりしてもよい。この場合、例えば、変動パターンA−1〜A−3は、変動時間は同じであるが、擬似連の有無や擬似連回数、リーチの有無や種類が異なるように構成されていればよい。また、この場合、例えば、設定値コマンドを正常に受信できていない場合には、一律に変動パターンA−1を選択するようにしたり、設定値コマンドを正常に受信できていない場合専用の選択割合で変動パターンを選択したりするように構成すればよい。
また、本例では、変動開始時に設定値コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、変動終了時に設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、CPU90103は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御基板9012に送信する制御を行う(ステップ121IWS109)。この場合、CPU90103は、例えば、確変状態である場合には確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行い、時短状態である場合には時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行い、通常状態である場合には通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU90103は、乱数バッファ領域から特図表示結果判定用の乱数値MR1’を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図54−4参照)と乱数値MR1’とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
乱数値MR1’の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップ121IWS110のN)、CPU90103は、小当りの判定の処理を行う(ステップ121IWS111)。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップ121IWS111のY)、CPU90103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップ121IWS112)、ステップ121IWS116に移行する。
なお、乱数値MR1’の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップ121IWS111のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップ121IWS116に移行する。
乱数値MR1’の値がいずれかの大当り判定値に一致した場合には(ステップ121IWS110のY)、CPU90103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップIWS113)。次いで、CPU90103は、大当り種別判定テーブル(図54−5参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数値MR2’の値と一致する値に対応した種別(「大当り種別A」、「大当り種別B」または「大当り種別C」)を大当りの種別に決定する(ステップ121IWS114)。
また、CPU90103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM90102における大当り種別バッファに設定する(ステップ121IWS115)。例えば、大当り種別が「大当り種別A」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「大当り種別B」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「大当り種別C」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU90103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップ121IWS116)。例えば、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、例えば、大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。なお、さらに大当り種別に応じて異なる特別図柄の停止図柄に決定してもよい。また、例えば、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS90111)に対応した値に更新する(ステップ121IWS117)。
(演出モード変更処理)
次に、本特徴部121IWにおける演出制御手段の動作について説明する。図54−15は、特徴部121IWにおける演出制御メイン処理の一部を示すフローチャートである。本特徴部121IWでは、演出制御メイン処理において、演出制御用CPU90120は、ステップS9077の演出制御用乱数更新処理を実行すると、演出モードを変更する演出モード変更処理を実行し(ステップ121IWS201)、その後、ステップS9073の処理に戻る。
本特徴部121IWでは、演出モードA〜演出モードCの3種類の演出モードに制御可能であり、いずれの演出モードに制御されているかに応じて、例えば、画像表示装置905の背景画面が異なり、予告演出やリーチ演出に登場するキャラクタの種類が異なる。ステップ121IWS201の演出モード変更処理では、演出制御用CPU90120は、所定の演出モード変更条件が成立すると、現在の演出モードから異なる演出モードに変更する制御を行う。例えば、演出制御基板9012にリアルタイムクロックが搭載されている場合には、リアルタイムクロックからの日時情報にもとづいて所定の日や時刻となったことにもとづいて演出モードを変更するようにしてもよい。また、例えば、乱数にもとづく抽選処理を実行し、演出モードを変更すると決定したことにもとづいて演出モードを変更するようにしてもよい。
ステップ121IW201では、演出制御用CPU90120は、演出モードを変更すると、例えば、変更後の演出モードに対応したフラグをセットし、変更前の演出モードに対応したフラグをリセットするようにすればよい。例えば、演出モードAに変更した場合には、演出モードAフラグをセットし、変更前の演出モードBフラグまたは演出モードCフラグをリセットするようにすればよい。また、例えば、演出モードBに変更した場合には、演出モードBフラグをセットし、変更前の演出モードAフラグまたは演出モードCフラグをリセットするようにすればよい。また、例えば、演出モードCに変更した場合には、演出モードCフラグをセットし、変更前の演出モードAフラグまたは演出モードBフラグをリセットするようにすればよい。
なお、演出モードの変更の仕方は、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA→・・・のように予め決められた順番で変更していくようにしてもよいし、演出モードA〜Cの中からランダムに変更するようにしてもよい。
(コマンド解析処理)
図54−16〜図54−18は、コマンド解析処理(ステップS9075)の具体例を示すフローチャートである。主基板9011から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップ121IWS301)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップ121IWS302)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップ121IWS303)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが設定値コマンドであれば(ステップ121IWS304)、演出制御用CPU90120は、受信した設定値コマンドで示される設定値を、RAM90122に形成されている設定値格納領域に格納する(ステップ121IWS305)。また、演出制御用CPU90120は、遊技機への電源投入がされてから設定値コマンドを少なくとも1回正常に受信したことを示す設定値コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS306)。
なお、本特徴部121IWでは、演出制御基板9012に搭載されているRAM90122は電源バックアップされていないので、設定値格納領域に格納された設定値および設定値コマンド受信フラグは、遊技機への電源供給が停止されたときにクリアされる。従って、遊技機への電源供給が開始されたときには、RAM90122の設定値格納領域には何も設定値が格納されていない状態であり、設定値コマンド受信フラグもクリアされた状態で処理が開始される。なお、演出制御基板9012側では設定値が格納されていない状態で起動されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、設定確認処理や復旧処理を実行した場合であっても設定値コマンドを送信するように構成し、電源投入時に必ず設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、本特徴部121IWでは、遊技機への電源投入がされて設定変更処理が行われたときに設定値コマンドが送信されるのであるが、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどにより設定値コマンドを正常に受信できなかった場合には、ステップ121IWS305の処理は実行されず、設定値格納領域に設定値は格納されない。しかしながら、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定値コマンドを正常に受信できなくても、変動表示ごとに設定値コマンドが送信されるので、その後受信した設定値コマンドにもとづいてステップ121IWS305の処理が実行され、設定値格納領域に設定値が格納されるようにすることができる。
また、設定値コマンドを受信しても、設定値コマンドに含まれる設定値が異常な値である場合も考えられることから、演出制御用CPU90120側で設定値コマンドを読み出すときに、設定値コマンドに含まれる設定値が正常な値であるか否かを判定するように構成してもよい。例えば、本例では、設定値は「1」〜「3」のいずれかの値に設定されるように構成されているところ、「5」や「10」など設定されず筈のない値が含まれる場合には、設定値コマンドに含まれる設定値が異常であると判定するように構成してもよい。また、例えば、演出制御用CPU90120側で、受信した設定値コマンドで示される設定値を記憶しておくようにし、その後、新たな設定値コマンドを受信したときに、新たに受信した設定値コマンドで示される設定値と前回記憶した設定値とが一致しない場合に不整合が発生したと判定し、異常であると判定するように構成してもよい。そして、設定値コマンドに含まれる設定値が異常な値であると判定した場合にも、やはり設定値コマンドを正常に受信できていないものとして、本特徴部121IWで示した処理方法に従って演出を制限するように構成してもよい。
(初期出目設定)
本特徴部121IWでは、演出制御基板9012側において、コマンド解析処理にて、主基板9011から初期化指定コマンド、復旧時のコマンド、設定変更処理終了コマンドおよび設定確認処理終了コマンドのいずれかを受信すると、画像表示装置905において、所定の初期出目(具体的には、飾り図柄の組み合わせであって、最初の変動表示が開始されるまで画像表示装置905において表示されるもの)を表示する制御を行う(以下、初期出目演出ともいう)。
受信した演出制御コマンドが設定変更処理終了コマンドであれば(ステップ121IWS307)、演出制御用CPU90120は、設定値コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS308)。設定値コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、設定変更処理が実行され、且つ設定値コマンドを正常に受信した場合には)、演出制御用CPU90120は、RAM90122の設定値格納領域に格納されている設定値にもとづいて、初期出目決定テーブルを用いて、偶数の飾り図柄の組み合わせである偶数初期出目(例えば、「246」や「224」など)と、奇数の飾り図柄の組み合わせである奇数初期出目(例えば、「135」や「113」など)と、特殊図柄(例えば、星図柄)を含む飾り図柄の組み合わせである特殊初期出目とのいずれかに決定する(ステップ121IWS309)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
図54−19は、初期出目決定テーブルの一例を示す説明図である。ステップ121IWS309では、図54−19(A)に示す初期出目決定テーブルを用いて、設定値格納領域に格納されている設定値に応じた判定値の割り振りに従って乱数にもとづく抽選処理を行い、初期出目を決定する。図54−19(A)に示す初期出目決定テーブルでは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、奇数初期出目に決定される割合が高くなっている。そのため、遊技開始前の画像表示装置905において、奇数初期出目が表示されていれば、設定変更が行われたこと、および偶数初期出目が表示されている場合と比較して有利な設定値に設定されていることが示唆されることになる。また、図54−19(A)に示すように、設定値「3」である場合にのみ特殊初期出目に決定される場合がある。そのため、遊技開始前の画像表示装置905において、特殊初期出目が表示されていれば、設定変更が行われたこと、および設定値「3」であることが確定することになる。このような構成により、遊技開始前のパチンコ遊技機901の状態に関心を持たせ、遊技店の営業時間のうち早い時間帯から遊技を行う動機を与えることができ、興趣を高めることができる。
設定値コマンド受信フラグがセットされていなければ(すなわち、設定変更処理が実行されたが、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどの理由により設定値コマンドを正常に受信できなかった場合には)、演出制御用CPU90120は、現在の演出モードが演出モードAであるか否かを確認する(ステップ121IWS310)。なお、演出モードAであるか否かは、例えば、演出モードAフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。演出モードAであれば、演出制御用CPU90120は、設定値「1」であるものとして、図54−19(A)に示す初期出目決定テーブルを用いて、初期出目を決定する(ステップ121IWS311)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
ステップ121IWS310〜S311の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードAである場合には、最も不利な設定である設定値「1」であるものとして初期出目が決定される。図54−19(A)に示すように、設定値「1」に対しては、奇数初期出目と決定される割合が最も低く、特殊初期出目と決定される場合はない。そのように構成することによって、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
演出モードAでなければ、演出制御用CPU90120は、現在の演出モードが演出モードCであるか否かを確認する(ステップ121IWS312)。なお、演出モードCであるか否かは、例えば、演出モードCフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。演出モードCであれば、演出制御用CPU90120は、演出モードC用の初期出目決定テーブルを用いて、初期出目を決定する(ステップ121IWS313)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
図54−19(B)は、演出モードC用の初期出目決定テーブルの一例を示す説明図である。図54−19(B)に示すように、演出モードC用の初期出目決定テーブルでは、遊技者にとって最も有利な設定値「3」の場合と比較して、奇数初期出目と決定される割合が低く、特殊初期出目と決定される場合もない。
ステップ121IWS312〜S313の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードCである場合には、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
そして、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において、ステップ121IWS309,S311,S313で決定した初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS314)。
一方、演出モードCでもなかった場合(すなわち、現在の演出モードが演出モードBであった場合)には、演出制御用CPU90120は、初期出目を偶数初期出目に決定し、画像表示装置905において、偶数初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS315)。
ステップ121IWS315の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合には、一律に偶数初期出目を表示することにより、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
なお、演出モードBで設定値コマンドを正常に受信できていなかった場合であっても、低い割合で奇数初期出目図柄を決定可能に構成してもよい。この場合、例えば、図54−19(A)に示す初期出目決定テーブルの設定値「1」よりもさらに全体的に奇数初期出目図柄の決定割合を低く設定したテーブルを用いて、初期出目図柄を決定するように構成してもよい。
なお、本例では、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合に一律に偶数初期出目を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合に、初期出目として「???」の図柄の組み合わせなど、設定値コマンドを正常に受信できなかったとき専用の初期出目を表示するように構成してもよい。そのように何らかの形式で設定値を全く示唆しない図柄の組み合わせを初期出目として表示するものであればよい。
また、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合(または設定値を正常に格納できていない場合)の処理は、本例で示したものにかぎられない。例えば、ステップ121IWS308でNと判定したときに、デフォルトとして設定値「1」を設定値格納領域に格納して初期出目を決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値コマンドを正常に受信できなかったことを示す専用の設定値(例えば、設定値「4」)を設定値格納領域に格納して初期出目を決定するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが初期化指定コマンド、復旧時のコマンドおよび設定確認処理終了コマンドのいずれかであれば(ステップ121IWS316)、すなわち設定変更処理が実行されていない場合には、演出制御用CPU90120は、初期出目を偶数初期出目に決定し、画像表示装置905において、偶数初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS317)。なお、本特徴部121IWでは、設定変更処理が実行されていない場合には、初期出目は偶数初期出目に決定され、奇数初期出目に決定されることがないが、抽選により偶数初期出目と奇数初期出目とのいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、設定値に応じて決定される割合が異なるようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがRAM異常エラー報知コマンドであれば(ステップ121IWS318)、演出制御用CPU90120は、RAMエラー報知を実行する(ステップ121IWS319)。例えば、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において「RAMエラー異常が発生しています」などの文字表示を表示したり、スピーカ908L,8RからRAMエラー異常を示す音声やエラー音を音出力したり、遊技効果ランプ909やLEDを所定のエラーパターンで発光させたりする制御を行う。なお、この場合、RAMエラー異常報知を行う際に、スピーカ908L,908Rから最大音量の音声やエラー音を音出力したり、遊技効果ランプ909やLEDを最大輝度で発光(例えば、フルカラーLEDの場合は白色で発光)させたりすることが望ましい。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンド(変動パターンを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS320)、演出制御用CPU90120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップ121IWS321)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS322)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンド(大当りとするか否かや小当りとするか否か、大当り種別、小当り種別を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS323)、演出制御用CPU90120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップ121IWS324)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンド(飾り図柄の停止図柄を確定表示することを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS325)、演出制御用CPU90120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS326)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS327)、演出制御用CPU90120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS328)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS329)、演出制御用CPU90120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS330)。
受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンド(始動入賞判定処理(ステップS90101参照)で先読み判定された大当りとなるか否かや小当りとなるか否か、大当り種別、小当り種別の判定結果を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS331)、演出制御用CPU90120は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップ121IWS332)。
受信した演出制御コマンドが変動カテゴリコマンド(始動入賞判定処理(ステップS90101参照)で先読み判定された変動カテゴリ(変動パターン種別や変動パターン)の判定結果を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS333)、演出制御用CPU90120は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS334)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップ121IWS335)、演出制御用CPU90120は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS336)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第1保留記憶表示領域において保留表示を1つ増加させ、第1保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS337)。また、演出制御用CPU90120は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップ121IWS338)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップ121IWS339)、演出制御用CPU90120は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS340)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第2保留記憶表示領域において保留表示を1つ増加させ、第2保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS341)。また、演出制御用CPU90120は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップ121IWS342)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ121IWS343)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第1保留記憶表示領域における保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS344)。また、演出制御用CPU90120は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップ121IWS345)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ121IWS346)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第2保留記憶表示領域における保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS347)。また、演出制御用CPU90120は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップ121IWS348)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90120は、受信した演出制御コマンドを格納したり、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットしたりする(ステップ121IWS349)。そして、ステップ121IWS301に移行する。
なお、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更処理が実行されていない場合には、奇数初期出目が表示されないように構成されているが、奇数初期出目が表示され得るようにしてもよい。また、この場合にも、設定値に応じて奇数初期出目に決定される割合が異なるようにしてもよい(すなわち設定値の示唆が行われるようにしてもよい)。
また、例えば、奇数初期出目や偶数初期出目に代えて、または加えて、特定の設定値である可能性を否定する初期出目(例えば、設定値1である可能性が否定され、設定値2または設定値3であることが確定する)や、特定の設定値であることが確定する初期出目などを設け、設定値に応じて表示されるようにしてもよい。例えば、設定値1の場合には、特定の初期出目に決定されないようにすることにより、特定の初期出目が表示されると、設定値1である可能性が否定され、設定値2または設定値3であることが確定することになる。また、例えば、設定値3の場合にのみ、特定の初期出目に決定されるようにすることにより、特定の初期出目が表示されると、設定値3であることが確定することになる。また、初期出目決定時には、抽選によりこれらの初期出目のいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、設定値に応じて決定される割合が異なるようにしてもよい。
(設定示唆演出)
本特徴部121IWでは、設定値を変更可能に構成されるとともに、設定値を示唆する設定示唆演出(設定示唆)として、上述した初期出目演出や上述した変動パターンの決定傾向による設定示唆を実行可能に構成されている。なお、遊技開始前に実行される遊技前示唆演出や遊技中(例えば、飾り図柄の変動表示中)に実行される遊技中示唆演出、大当り中(例えば、大当り遊技中)に実行される大当り中示唆演出を実行可能に構成されてもよい。この場合、本特徴部121IWでは、遊技前示唆演出、遊技中示唆演出および大当り中示唆演出を、それぞれ示唆の信頼度が異なる複数種類の演出態様により実行可能とすればよく、例えば、設定示唆演出の種別ごとに示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、遊技前示唆演出>大当り中示唆演出>遊技中示唆演出の順や、遊技前示唆演出>遊技中示唆演出>大当り中示唆演出の順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよいし、遊技中示唆演出>大当り中示唆演出>遊技前示唆演出の順や、大当り中示唆演出>遊技中示唆演出>遊技前示唆演出の順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。また、各設定示唆演出の実行割合を設定可能に構成してもよい。例えば、遊技機の管理者が、設定示唆演出のうちの一部(例えば、設定変更が行われたことが示唆される遊技前示唆演出や初期出目演出)もしくは全てを実行しない、または実行割合を低くする(もしくは高くする)ように設定変更できるようにしてもよい。例えば、電源投入後に設定画面が表示され、プッシュボタン9031B等の操作手段や、遊技機内部に設けられたスイッチ等の操作手段(管理者のみ操作可能)を操作することにより、設定示唆演出に関する設定を変更できるようにしてもよい。
(特徴部112AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部112AKについて説明する。図54−20は、特徴部112AKにて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS90600)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、ステップS90182の可変表示中演出処理にて、飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに応じて予め定められた一定時間が設定される。
ステップS90600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS90600;No)、主基板9011から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90601)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS90601;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS90602)。
ステップS90602の処理を大当り遊技状態の開始を報知するために予め用意された大当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS90604)。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、大当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS90605)。そして、右打ち指示報知を行う右打ち指示報知処理を行う(ステップ112AKS001)。
特徴部112AKにおけるパチンコ遊技機901の遊技領域には、遊技者にとって右側の右遊技領域に普通可変入賞球装置906Bと通過ゲート9041とが設けられている。したがって、時短制御とともに高開放制御が行われているときには、右遊技領域に向けて遊技球を発射すれば、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい。また、時短制御が行われていることから、速やかに特図ゲームを消化して、可変表示結果が「大当り」となるまでの時間を短縮することができる。このように、時短制御とともに高開放制御が行われる時短状態では、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域となる。また、特徴部112AKにおけるパチンコ遊技機901では、右遊技領域に特別可変入賞球装置907が設けられている。したがって、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、右遊技領域に向けて遊技球を発射すれば、大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、景品として多数の賞球が得られる可能性がある。このように、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域となる。ステップ112AKS001では、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域ことを遊技者に報知する処理を行う。
図54−21は、図54−20のステップ112AKS001にて実行される右打ち指示報知処理の一例を示すフローチャートである。図54−21に示す右打ち指示報知処理において、演出制御用CPU90120は、右打ち指示報知において設定値を示唆する設定示唆演出(設定示唆)を行うか否かを決定する(ステップ112AKS002)。具体的に、ステップ112AKS002の処理では、大当り種別に基づいて、図54−22に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態では、図54−22に示すように、大当り種別A<大当り種別B<大当り種別Cの順に設定示唆が実行される割合が高くなっている。なお、この実施の形態における大当り種別Aと大当り種別Bは、大当り遊技中のラウンド数が16の大当り(16R大当り)であり、大当り種別Cは大当り遊技中のラウンド数が4Rの大当り(4R大当り)となっている。すなわち、特徴部112AKでは、大当り種別Cよりも遊技者にとって有利な大当り種別Aや大当り種別Bの方が、設定示唆が実行される割合が低くなっており、大当り種別Aや大当り種別Bよりも有利度の低い大当り種別Cの方が、設定示唆が実行される割合が高くなっている。そのため、有利度の低い大当り種別Cの大当りに対しても遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。なお、ラウンド数に限られず、例えば、確変大当りよりも非確変大当りの方が、設定示唆が実行される割合が高いなど、一方の大当りよりも有利度の低い大当りの方が、有利度の高い大当りよりも高い割合で設定示唆が行われればよい。さらに、大当り種別に限られず、例えば、可変表示中に設定示唆を行う場合において、遊技状態が通常状態である場合には、通常状態以外(確変状態や時短状態)よりも高い割合で設定示唆が行われればよい。
図54−21に戻り、ステップ112AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ112AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆有りか否かを判定する(ステップ112AKS003)。設定示唆なしの場合、すなわちステップ112AKS002にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ112AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、通常態様の右打ち指示報知、すなわち、設定示唆を行わない右打ち指示報知を実行すると決定する(ステップ112AKS004)。ここで、通常態様の右打ち指示報知は、図54−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001のように「右打ちしてね!」のメッセージを表示することにより行われる。
一方、ステップ112AKS002にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ112AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆を含む右打ち指示報知の実行態様を決定する(ステップ112AKS005)。具体的に、ステップ112AKS005の処理では、設定されている設定値に基づいて、図54−23に示す決定割合に従って、態様1〜態様3のいずれかを、設定示唆を含む右打ち指示報知の実行態様として決定する。この実施の形態における設定示唆を含む右打ち指示報知は、図54−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001と、図54−24(A)〜(C)に示す態様1〜3といった特定態様の右打ち指示報知112AK002とを含んでおり、当該態様1〜3の右打ち指示報知112AK002により設定値がいずれであるかを示唆する演出である。この実施の形態における態様1の右打ち指示報知は、設定値が「1」であることを示唆し、態様2の右打ち指示報知は、設定値が「2」であることを示唆し、態様3の右打ち指示報知は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。なお、設定示唆を含む右打ち指示報知では、図54−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001を行った後に、図54−24(A)〜(C)に示す態様1〜3の右打ち指示報知112AK002を表示する。そのため、通常態様の右打ち指示報知が行われた後に特定態様の右打ち指示報知が行われるかに対する遊技者の注目を集めることができるとともに、いずれの態様の右打ち指示報知が行われるかに対する遊技者の注目を集めることができる。特徴部112AKでは、通常態様の右打ち指示報知と特定態様の右打ち指示報知とを合わせて遊技に関する説明を行う特定報知と呼ぶ。すなわち、特徴部112AKでは、通常態様の右打ち指示報知が行われた後、特定態様の右打ち指示報知が行われる場合と、通常態様の右打ち指示報知が行われた後、特定態様の右打ち指示報知が行われない場合とがあり、特定報知に注目させることができる。図54−24は、当該通常態様の右打ち指示報知と特定態様の右打ち指示報知とを含む特定報知の演出動作例を示している。
図54−23に示すように、特徴部112AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆を含む右打ち指示報知を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる実行態様の特定報知が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。なお、異なる実行態様の特定報知が、異なる実行割合で実行されること、すなわち、実行される特定報知の種類や態様や実行割合が異なることを含めて、単に異なる実行態様により実行されるということがある。また、図54−23に示すように、態様3の右打ち指示報知は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、特定報知として態様3の右打ち指示報知が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、態様1および態様2の右打ち指示報知は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、態様1または態様2の右打ち指示報知が行われた場合と、態様3の右打ち指示報知が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、示唆の信頼度が異なる態様の右打ち指示報知が実行可能であり、演出効果を高めることができる。なお、例えば変動回数が多いほど、示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であったり、遊技場の営業開始時よりも営業終了間際の方が示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であったり、遊技状態に応じて示唆の信頼度が異なるなど、状況に応じて、設定示唆を含む右打ち指示報知による示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、図54−23に示す決定割合とは別に設定された(より示唆の信頼度が高く決定割合が設定された)テーブルを設け、状況に応じて選択するテーブルを変更し、特定報知の実行態様を決定すればよい。これによれば、状況に応じて示唆の信頼度が異なることから、演出効果を高めることができる。
図54−21に戻り、ステップ112AKS004またはステップ112AKS005の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、決定した実行態様の右打ち指示報知を実行し(ステップ112AKS006)、右打ち指示報知処理を終了する。なお、ステップ112AKS006にて設定示唆を含む右打ち指示報知が実行された場合には、図54−24に示す特定報知が実行される。なお、画像表示装置905における画像の表示に加えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力や、遊技効果ランプ909および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知が行われるようにしてもよい。また、一旦行われた右打ち指示報知は、例えば、時短状態が終了したタイミングなど、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域でなくなったタイミングで消去されればよい。
図54−20に戻り、ステップ112AKS001の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、当該特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90601にて大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS90601;No)、小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90608)。小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS90608;No)、特図当り待ち処理を終了して、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで待機する。小当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS90608;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS90609)特図当り待ち処理を終了する。また、ステップS90600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS90600;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90613)、特図当り待ち処理を終了する。
(特徴部112AKの変形例)
上記実施の形態では、図54−24に示すように、通常態様の右打ち指示報知112AK001が「右打ちしてね!」のメッセージを表示するものであり、特定態様の右打ち指示報知112AK002が図54−24(A)〜(C)に示す態様1〜3といった右向きの矢印の画像を態様に応じた柄にて表示する例を示したが、これは一例である。設定示唆を含む右打ち指示報知として、例えば、通常態様の右打ち指示報知として「右打ちしてね!」のメッセージに加えて右向きの矢印の画像を表示し(態様は1態様でよい)、当該矢印の上部にキャラクタ画像を表示することで設定示唆を行うようにしてもよい。具体的に、態様Aの場合にはキャラクタAを表示し、態様Bの場合にはキャラクタBを表示し、態様Cの場合にはキャラクタCを表示するようにしてもよい。また、例えば、示唆の信頼度に応じて特定態様の右打ち指示報知112AK002とするのかキャラクタとするのかが異なっていてもよい。これによれば、信頼度に応じて設定示唆の種類が異なるため演出の幅が広がり演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、右打ち指示報知に設定示唆を含む例を示したが、これは一例である。設定示唆は、遊技に関する説明を行う演出に含まれていればよく、例えば、所定のアイテムやキャラクタを取得してミッションをクリアさせることを遊技者に説明する演出において、上記右打ち指示報知のような特定態様の表示を行うことで設定示唆を行ってもよい。また、例えば、デモ中に再生される動画にて攻略情報(例えばいずれの種類の演出が大当り期待度が高いかなど)を遊技者に説明するような場合に、当該特定態様の表示にて説明を行うことで設定示唆を行ってもよい。
(特徴部112AKに係る手段の説明)
以上の特徴部112AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部112AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
遊技に関する説明を行う特定報知を実行可能な特定報知手段(例えば右打ち指示報知を行う演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記特定報知手段は、設定されている設定値に応じて異なる実行態様により前記特定報知を実行可能である(例えば設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆を含む右打ち指示報知(特定報知)を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段2の遊技機として、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、
前記有利状態は、第1有利状態(例えば大当り種別Cの4R大当りなど)と、前記第1有利状態よりも有利な第2有利状態(例えば大当り種別AやBの16R大当りなど)とを少なくとも含み、
前記特定報知手段は、前記第1有利状態に制御されるときに前記特定報知を実行可能である(例えば大当り種別Aや大当り種別Bよりも有利度の低い大当り種別Cの方が、設定示唆が実行される割合が高くなっているなど)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、有利度の低い第1有利状態に対しても注目させることができ演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段3の遊技機として、
前記特定報知手段は、設定値に関わらず共通の演出(例えば通常態様の右打ち指示報知など)を実行した後、設定値に応じて異なる実行態様により演出が実行されるように前記特定報知を実行可能である(例えば通常態様の右打ち指示報知が行われた後に特定態様の右打ち指示報知が行われるなど)
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、特定報知の実行有無について遊技者の注目を集めることができる。
特徴部112AKに係る手段4の遊技機として、
前記特定報知手段は、前記特定報知として、設定されている設定値を示唆する第1特定報知(例えば態様1または態様2の右打ち指示報知など)と、前記第1特定報知よりも示唆される設定値の信頼度が高い第2特定報知(例えば態様3の右打ち指示報知など)と、を実行可能である、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段5の遊技機として、
前記特定報知手段は、状況に応じて異なる実行態様により前記特定報知を実行可能である(例えば遊技場の営業開始時よりも営業終了間際の方が示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段4の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部113AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部113AKについて説明する。図54−25は、特徴部113AKにて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ113AKS101)。始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップ113AKS101;Yes)、演出制御用CPU90120は、受信した始動入賞時コマンドが、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであるか否かを判定する(ステップ113AKS102)。本実施の形態では、ステップ113AKS102の処理が実行されることによって、低ベース状態では第1始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能となり、高ベース状態では第2始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能になる。
低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであると判定した場合(ステップ113AKS102;Yes)、演出制御用CPU90120は、保留表示の最終段階を決定する(ステップ113AKS103)。演出制御用CPU90120は、例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、ROM90121の所定領域に予め記憶されている図54−26(A)〜(C)に示す保留表示段階決定テーブルのいずれかを、設定されている設定値に応じて参照して、第1保留表示または第2保留表示における最終段階(先読み予告演出を実行した場合に何段階まで変化させるか)を決定する。なお、演出制御用CPU90120は、始動入賞時コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドおよび変動パターン判定結果指定コマンドを参照して、可変表示の可変表示結果および変動パターンを取得すればよい。
次に、保留表示の最終表示段階の決定について具体的に説明する。本実施の形態では、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示の表示態様(形状または色)を段階的に変化させる先読み予告演出(保留予告演出)が実行される。図54−26に示す保留表示段階決定テーブルは、この表示態様の変化(遷移)の最終段階である保留表示の表示態様(「最終表示段階」ともいう)をあらかじめ決定するためのテーブルである。保留表示段階決定テーブルは、図54−26に示すように、可変表示結果(大当り種別および変動パターンを含む)ごとに、最終表示段階を段階1〜段階4までのいずれとするかを決定するための決定割合が割り当てられている。より具体的には、可変表示結果は、「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)/小当り」、「上記以外」に区分され、それぞれに、最終表示段階として用意された「段階1」、「段階2」、「段階3」、「段階4」に異なる決定割合が割り当てられている。
図54−26に示すように、特徴部113AKでは、保留表示の最終段階の表示態様が段階1である「白」<段階2である「青」<段階3である「緑」<段階4である「赤」の順に大当り期待度が高くなっている。なお、段階1である「白」の表示態様は通常態様であり、最終段階の表示態様が「白」に決定された場合には、保留表示の表示態様は変化せず、すなわち先読み予告演出が実行されないことを示している。そのため、段階2〜4の「青」〜「赤」の態様を通常態様と区別するため、特定態様という。また、特徴部113AKでは、図54−26に示すように、設定値がいずれに設定されているかに応じて保留表示の最終段階の表示態様がいずれの態様となるかの割合が異なっている。したがって、設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なるため、演出効果を高めることができる。また、特徴部113AKでは、図54−26に示すように、設定値がいずれに設定されているかに応じて先読み予告演出の実行割合が異なっている(保留表示の表示態様が変化しない割合が異なる)。したがって、設定値に応じて保留表示の表示態様が変化するか否かの割合が異なるため、演出効果を高めることができる。
さらに、図54−26(C)に示すように、設定値が「3」である場合には、最終段階の保留表示の表示態様が「赤」であると、可変表示結果が「大当り」となることが確定するのに対し、設定値が「3」以外の場合には、図54−26(A)および(B)に示すように、最終段階の保留表示の表示態様が「赤」であっても可変表示結果が「ハズレ」となる場合がある。そのため、設定値が「1」または「2」である場合に最終段階の保留表示の表示態様が「赤」である場合、設定値が「3」である場合に最終段階の保留表示の表示態様が「赤」である場合よりも大当り期待度が低くなる。このように、特徴部113AKでは、最終段階の保留表示の表示態様が同じ態様であっても、設定値によって大当り期待度が異なるものとなっている。これによれば、設定値に応じて保留表示の表示態様における大当り期待度が異なり演出効果を高めることができる。
ステップ113AKS103の処理により保留表示の最終段階を決定した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS103で決定した最終表示段階および第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドのいずれかに示される保留記憶数にしたがって、表示段階変化パターンを決定する(ステップ113AKS104)。なお、保留記憶数は、ステップ113AKS102にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数指定コマンドを参照することにより特定すればよい。ステップ113AKS104の処理では、図54−27〜図54−30に示す表示段階変化パターン決定テーブルを参照して、第1保留表示または第2保留表示における表示段階変化パターンを決定する。表示段階変化パターンは、最終段階まで変化させる場合に、何回目のシフトでどの段階に遷移させるかといった変化パターンを示すものある。ステップ113AKS104にて決定された表示段階変化パターンは、第1始動入賞時コマンドバッファ内または、に示す第2始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納される。
図54−27〜図54−30に示す表示段階変化パターン決定テーブルは、上述したように、保留予告演出の予告対象となる保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンを決定するために参照されるテーブルである。表示段階変化パターン決定テーブルは、保留記憶数(保留予告演出の予告対象である保留記憶の保留表示番号)および最終表示段階に応じて区分されている。具体的には、「4」〜「2」の保留数の別、および、「段階1」〜「段階4」の最終表示段階の別に応じて表示段階変化パターン決定テーブルは区分されている。また、保留記憶数(保留数)および最終表示段階により区分された各表示段階変化パターン決定テーブルでは、「大当り(16R)」、「大当り(4R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」といった可変表示結果(大当り種別)ごとに、最終表示段階に応じて設定された表示段階変化パターンに異なる決定割合が割り当てられている。
保留表示は、始動入賞に伴う保留表示開始時に、「段階1」〜「段階4」のいずれかの段階で表示される。また、保留表示は、保留記憶の消化に伴ってシフト表示されるごとに異なる段階に変化可能であり、「段階1」→「段階2」→「段階3」→「段階4」の順に段階的に変化する。また、保留表示は、保留表示番号「1」に対応する保留表示からその段階が変化して表示されることもある(段階1ではなく、当初から段階3の保留表示が行われるなど)。なお、段階の変化にあたり、上位の段階への変化のみ許容され(上位から下位の段階へは変化しない)、例えば、「段階1」→「段階3」のように途中を省略して上位の段階に変化することもある。
図54−27(A)〜図54−28(D)は、保留記憶数(保留数)が「4」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「4」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンが設定されている。
図54−26(A)は、最終表示段階が「段階1」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図361(A)に示すように、最終表示段階が「段階1」である場合、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階1」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−1−01(表示段階変化回数「0」)のみが設定され、可変表示結果ごとに割り当てられる決定割合は一律100%である。
図54−26(B)は、最終表示段階が「段階2」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図361(B)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階2」のまま変化しないPT4−2−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいてが「段階1」から「段階2」に変化するPT4−2−02〜04(表示段階変化回数「1」)が設定されている。
図54−26(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−2−01に割り当てられた決定割合が他の可変表示結果の場合と比較して高い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」および「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−2−02〜04のうち、PT4−2−04に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−2−01に割り当てられた決定割合が最も低い。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンのうち、PT4−2−02に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−2−01に割り当てられた決定割合が最も低い。
このような設定により、保留表示が「段階2」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−2−01が実行される場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示の表示段階が「段階1」から「段階2」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階2」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−2−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階2」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階1」から「段階2」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。
図54−26(C)は、最終表示段階が「段階3」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図54−26(C)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階3」のまま変化しないPT4−3−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階3」に変化するPT4−3−02〜04(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階2」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階2」から「段階3」に変化するPT4−3−05〜07(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化するPT4−3−08〜10(表示段階変化回数「2」)が設定されている。
図54−26(C)に示すように、可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−3−01に割り当てられた決定割合が他の可変表示結果の場合と比較して高く、表示段階の変化回数が「2」のPT4−3−08〜10には決定割合が割り当てられていない。また、可変表示結果が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−3−02〜04とPT4−3−05〜07の各区分において、PT4−3−04とPT4−3−07にそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−02とPT4−3−05にそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、保留表示が「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化する表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−3−08〜10のうち、PT4−3−10に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−08に割り当てられた決定割合が最も低い。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−3−02〜04とPT4−3−05〜07の各区分において、PT4−3−02とPT4−3−05とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−04とPT4−3−07とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、保留表示が「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化する表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−3−08〜10のうち、PT4−3−08に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−10に割り当てられた決定割合が最も低い。すなわち、表示段階変化パターンPT4−3−02〜04、PT4−3−05〜07、PT4−3−08〜10の各区分において、保留番号が「1」のときに「段階3」にはじめて変化する表示段階変化パターンPT4−3−02、PT4−3−05、PT4−3−08にそれぞれ割り当てられた決定割合が、他の表示段階変化パターンと比較して高い。
このような設定により、保留表示の表示色が「段階3」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−3−01が実行される場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示が、「段階1」から「段階3」、または「段階2」から「段階3」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができ、さらに、保留番号が「1」のときに「段階3」にはじめて変化する場合には、可変表示が「大当り(突確)」となる可能性が特に高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階3」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−3−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階3」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階3」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。また、「段階1」から「段階3」へ複数段階一気に変化するパターンほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、複数段階格上げされた効果を発揮する(遊技者にインパクトを与える)ことができ、遊技興趣を向上させることができる。
図54−28(D)は、最終表示段階が「段階4」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図54−28(D)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階4」のまま変化しないPT4−4−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階4」に変化するPT4−4−02〜04(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階2」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階2」から「段階4」に変化するPT4−4−05〜07(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階3」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−08〜10(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階4」に変化するPT4−4−11〜13(表示段階変化回数「2」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階3」、さらに「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−14〜16(表示態様変化回数「2」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」に対応する保留表示において「段階1」から「段階2」、保留表示番号「2」に対応する保留表示において「段階2」から「段階3」、保留表示番号「1」に対応する保留表示においてから「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−17(表示段階変化回数「3」)が設定されている。
図54−28(D)に示すように、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01には、他の可変表示結果の場合と比較して、高い決定割合が割り当てられている。また、可変表示結果が「大当り(16R)」、表示段階の変化回数が「1」の表示態様変化パターンPT4−4−02〜04とPT4−4−05〜07とPT4−4−08〜10の各区分において、PT4−4−04とPT4−4−07とPT4−4−10とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−02とPT4−4−05とPT4−4−08とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−4−11〜13とPT4−4−14〜16の各区分において、PT4−4−13とPT4−4−16とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−11とPT4−4−14とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。さらに、表示段階の変化回数が「3」の表示段階変化パターンPT4−4−17では、変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01よりも決定割合が高く設定されており、さらに、他の可変表示結果の場合と比較して、高い決定割合が割り当てられている。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−4−02〜04とPT4−4−05〜07とPT4−4−08〜10の各区分において、PT4−4−02とPT4−4−05とPT4−4−08とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−04とPT4−4−07とPT4−4−10とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−4−11〜13とPT4−4−14〜16の各区分において、PT4−4−11とPT4−4−14とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−13とPT4−4−16とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。表示段階の変化回数が「3」の表示段階変化パターンPT4−4−17には変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01よりも決定割合が高く設定されている。可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、最終表示態様が「段階4」とはならないため、表示段階変化パターンPT4−4−01〜17には決定割合が割り当てられていない。
このような設定により、保留表示が「段階4」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−4−01が実行される場合には、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高い(「4R」よりも高い)ことを示唆することができる。また、保留表示が「段階4」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。さらに、保留表示の段階が3回変化する場合には、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階4」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−4−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階4」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階4」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。また、「段階1」から「段階4」へ複数段階一気に変化するパターンほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい(例えば、表示段階変化回数が「2」よりも「1」である表示段階変化パターンの方が「大当り(16R)」となる可能性が高く、また、表示段階変化回数が「1」であっても、PT4−4−02〜04が最も「大当り(16R)」となる可能性が高く、次にPT4−4−05〜07が高く、PT4−4−08〜10が最も低いようにしてもよい)。これによれば、複数段階格上げされた効果を発揮する(遊技者にインパクトを与える)ことができ、遊技興趣を向上させることができる。
図54−29(A)〜(D)は、保留数「3」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「3」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンが設定されている。また、図54−30(A)〜(D)は、保留数「2」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「2」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「2」〜「1」に対応する保留表示の表示段階を示す表示段階変化パターンが設定されている。
図54−29(A)〜(D)および図54−30(A)〜(D)に示す表示段階変化パターン決定テーブルにおける決定割合の設定は、上述した図54−27(A)〜図54−28(D)に示す表示段階変化パターン決定テーブルにおける決定割合の設定と同様の特徴を有する。保留表示の最終表示段階に変化するタイミングが早いほど、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆し、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示の変化回数が多いほど、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。
また、この実施の形態では、設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なる例を示したが、この他にも、設定値に応じていずれの表示段階変化パターンとなるかの割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が高いほど、「段階1」→「段階2」→「段階3」→「段階4」の順に段階的に変化するのではなく、「段階1」→「段階3」のように途中を省略して上位の段階に変化する割合が高くなっていたり、設定値が高いほど、最終表示段階に変化するタイミングが早いようにしてもよい。これによれば、最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかだけでなく、変化パターンに対する遊技者の注目を集めることができる。
図54−25に示す保留表示設定処理の説明に戻り、ステップ113AKS102の処理において、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、および、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれでもないと判定した場合(ステップ113AKS102;No)、演出制御用CPU90120は、第1保留表示または第2保留表示の表示態様を、第1段階の表示態様に決定する(ステップ113AKS105)。
ステップ113AKS104またはステップ113AKS105の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS104またはステップ113AKS105の処理にて決定した表示態様にて、画像表示装置905の表示画面の第1保留表示部または第2保留表示部に、第1保留表示または第2保留表示を追加表示させるとともに、入賞音を出力する(ステップ113AKS106)。
ステップ113AKS106の処理を実行した後、またはステップ113AKS101の処理において始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ113AKS101;No)、演出制御用CPU90120は、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ113AKS107)。ステップ113AKS107では、例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグまたは第2変動開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを参照することにより、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定すればよい。変動開始指定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ113AKS107;No)、演出制御用CPU90120は、先読み予告設定処理を終了する。
一方、変動開始指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップ113AKS107;Yes)、演出制御用CPU90120は、第1保留表示や第2保留表示の表示態様が変化することを示唆する(または煽る)作用演出の実行設定を行う作用演出実行設定処理を行う(ステップ113AKS108)。作用演出設定処理には、作用演出を実行するか否かを決定する処理や作用演出を実行するための処理が含まれていればよい。具体的に、可変表示が終了して保留表示がシフトするとき(すなわち新たな可変表示を実行するとき)に、当該保留表示が変化することを示唆する作用演出を実行すればよく、例えば、可変表示が終了して保留表示がシフトするとき(新たな可変表示を実行するとき)に、画像表示装置905において、保留表示に向かって流れ星の演出画像を表示する特定演出が実行されればよい。そして、保留表示の表示態様が変化する場合には、流れ星の演出画像(後述するように、特徴部113AKでは、星型の画像の他、五角形の画像や三角形の画像が設定値に応じて異なる割合で表示される)がその保留表示にぶつかる成功態様の特定演出が実行され、保留表示の表示態様が変化しない場合には、流れ星の演出画像(後述するように、特徴部113AKでは、星型の画像の他、五角形の画像や三角形の画像が設定値に応じて異なる割合で表示される)がその保留表示にぶつからずに、例えば、消滅したり逸れたりする失敗態様の特定演出が実行される。なお、成功態様の特定演出が実行された場合には保留表示の表示態様が変化し、失敗態様の特定演出が実行された場合には保留表示の表示態様が変化しない。なお、ステップ113AKS108における作用演出実行設定処理は、ステップS90171の可変表示開始設定処理にて行われてもよい。
図54−31は、作用演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、特図表示結果が「大当り」または「小当り」である場合には、可変表示の終了後に大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行するので、作用演出を実行しないようにしてもよい。この場合、主基板9011から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定し、「ハズレ」の場合に作用演出実行処理を実行すればよい。また、大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行する前の可変表示中や、大当り遊技状態や小当り遊技状態において作用演出を実行するようにしてもよい。
図54−31に示す当該作用設定処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、保留表示の表示態様がどのように変化するかあるいは維持されるか(保留表示の表示態様変化パターン)に基づいて、図54−32に示す決定割合に従って、作用演出を実行するか否かを判定し、実行する場合における作用演出の態様(作用演出態様として成功態様とするか失敗態様とするか)を合わせて決定する(ステップ113AKS121)。なお、低ベース状態では第1保留表示において先読み予告演出(保留予告演出)が実行可能であり、高ベース状態では第2保留表示において保留予告演出が実行可能である。したがって、ステップ113AKS121では、低ベース状態においては、第1保留表示それぞれに対して作用演出を実行するか否かを判定し、高ベース状態においては、第2保留表示それぞれに対して作用演出を実行するか否かを判定する。なお、この実施の形態では、複数の保留表示に対して作用演出が同時に実行される場合があるようになっている。これに対して作用演出の対象を明確にしたい場合などには、1つの保留表示に対して作用演出を実行するようにしてもよい。この場合、例えば、表示態様が変化する保留表示に対して優先的に作用演出を実行するようにしてもよい。そのようにすることで、一の保留表示に対して失敗態様の作用演出が実行されたにも関わらず、作用演出の対象ではない他の保留表示の表示態様が変化して、演出がかみ合わずに遊技者が戸惑ってしまうことを防止できる。
なお、保留表示の表示態様が変化するタイミングであるかについては、入賞時コマンドバッファに記憶される表示態様変化パターン及びその保留表示番号から特定すればよい。例えば、保留表示番号2に表示態様変化パターンPT4−3−06(図54−27(C)参照)が記憶されている場合には、保留表示の表示態様(表示色)は「青」が維持される(青→青)ことが特定され、保留表示番号4に表示態様変化パターンPT4−4−17(図54−28(D)参照)が記憶されている場合には、保留表示の表示態様(表示色)は「白」から「青」に変化する(白→青)ことが特定される。
図54−32に示すように、保留表示の表示態様(表示色)が維持される場合(例えば、「白→白」等)に作用演出を実行するときには、失敗態様の作用演出を実行することが決定され、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合(例えば、「白→青」等)に作用演出を実行するときには、成功態様の作用演出を実行することが決定される。なお、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合、変化する段階数に応じて作用演出の成功態様の演出態様を変化させてもよい。このようにすることで、作用演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、この他にも、設定されている設定値に応じて作用演出の実行割合が異なるよう、設定値に応じて実行割合が異なるようにしてもよい。
また、図54−32に示すように、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合の方が、変化しない場合よりも作用演出が実行されやすくなっている。例えば、表示態様が「白」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は3%であるのに対して、「白」から「青」に変化する場合には、作用演出の実行割合は30%となっている。また、表示態様が「青」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は5%であるのに対して、「青」から「緑」に変化する場合には、作用演出の実行割合は50%となっている。そして、表示態様が「緑」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は0%であるのに対して、「緑」から「赤」に変化する場合には、作用演出の実行割合は70%となっている。このような設定により、作用演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することを遊技者に示唆することができる。
また、保留表示の表示態様が3段階変化する場合には2段階変化する場合よりも作用演出が実行される割合が高く、保留表示の表示態様が2段階変化する場合には1段階変化する場合よりも作用演出が実行される割合が高くなっている。
この実施の形態では、「白」→「青」→「緑」→「赤」の順に段階的に大当り信頼度が高くなっている。そして、表示態様が「緑」のまま維持される場合には、特定演出は実行されないようになっている。即ち、表示態様が「緑」であるときに作用演出が実行された場合には、必ず「赤」に変化するようになっている。言い換えると、「緑」の表示態様である場合には、失敗態様の特定演出が実行されないようになっている。したがって、保留表示(保留予告演出)の段階が所定段階(ここでは「赤」の一個手前の「緑」)以上である場合には、失敗態様の作用演出が実行されない(成功態様の作用演出をのみ実行可能である)ようにして、遊技者の期待感を損ない、遊技の興趣が低下してしまうことを防止している。
図54−31に戻り、ステップ113AKS121の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS121にて作用演出を実行すると決定したか否か、すなわち、作用演出実行有りか否かを判定する(ステップ113AKS122)。作用演出実行なしの場合(ステップ113AKS122;No)、作用演出実行設定処理を終了する。一方、作用演出実行有りの場合(ステップ113AKS122;Yes)、演出制御用CPU90120は、実行する作用演出の種類として、作用演出にて表示する画像の形状を、設定値に応じて図54−33に示す決定割合にて「五角形」、「三角形」、「星」のいずれかを選択し(ステップ113AKS123)、可変表示が終了して保留表示がシフトするときに、選択された形状の画像を表示する作用演出を実行する設定をしてから作用演出実行設定処理を終了する。なお、この実施の形態における「五角形」の作用演出は、設定値が「1」であることを示唆し、「三角形」の作用演出は、設定値が「2」であることを示唆し、「星」の作用演出は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、作用演出として形状の異なる演出画像が保留表示にぶつかる成功態様と、ぶつからない失敗演出、といったように、作用演出の種類が異なっていても動作は共通する(形状のみ異なる)例を示したが、作用演出の種類に応じて動作(すなわち保留表示に対する作用)が異なっていてもよい。例えば、キャラクタが登場して保留表示に対して作用する種類の作用演出(より具体的には保留表示に対してキャラクタが色を塗る作用を行うなど)や、玉子が孵化するといったように保留表示自体にヒビが入って異なる態様に変化する種類の作用演出など、作用の異なる種類の作用演出が実行されてもよい。
図54−33に示すように、特徴部113AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる形状(異なる種類)により、作用演出を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の作用演出が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図54−33に示すように、「星」の形状の作用演出は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、作用演出として「星」の形状の作用演出が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「五角形」の形状の作用演出および「三角形」の形状の作用演出は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「五角形」の形状の作用演出または「三角形」の形状の作用演出が行われた場合と「星」の形状の作用演出が行われた場合とでは、すなわち、実行される作用演出の種類により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の作用演出が実行可能であり、演出効果を高めることができる。
なお、特徴部113AKでは、成功演出ではなく失敗演出が実行される場合についても、「星」の形状の作用演出が行われるが、成功演出を実行する場合にのみ「星」の形状の作用演出が行われるようにしてもよい。この場合、例えば、実行する作用演出が成功演出であるか失敗演出であるかに応じて参照するテーブルを別々にし、失敗演出の場合には、設定値が「3」であっても「星」の形状の作用演出が実行されないよう決定割合が設定されたテーブルを参照するようにすればよい。
図54−25に戻り、ステップ113AKS108の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップ113AKS109)。受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドではない、すなわち、受信した変動開始指定コマンドが第1変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップ113AKS109;No)、演出制御用CPU90120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納された表示段階変動パターンを参照して、各第1保留表示を各々に対応付けられた表示段階変動パターンに従って変化または維持させ、画像表示装置905の第1保留表示部において、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去するとともに、「2」〜「4」に対応する各第1保留表示の表示位置を1つずつ右方向に移動(シフト)させる(ステップ113AKS110)。ステップ113AKS110では、保留表示の表示態様が変化する前に、ステップ113AKS108にて設定された作用演出が実行される。
ステップ113AKS110の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせ(ステップ113AKS111)、先読み予告設定処理を終了する。
ステップ113AKS109の処理において、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップ113AKS109;Yes)、演出制御用CPU90120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納された表示段階変動パターンを参照して、各第2保留表示を各々に対応付けられた表示段階変動パターンに従って変化または維持させ、画像表示装置905の第2保留表示部において、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去するとともに、「2」〜「4」に対応する各第2保留表示の表示位置を1つずつ左方向に移動(シフト)させる(ステップ113AKS112)。ステップ113AKS112では、保留表示の表示態様が変化する前に、ステップ113AKS108にて設定された作用演出が実行される。
ステップ113AKS112の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせ(ステップ113AKS113)、先読み予告設定処理を終了する。これにより、特徴部113AKにおける先読み予告演出および作用演出が実行される。
図54−34は、作用演出と先読み予告演出が実行された場合における演出動作例を示している。なお、図示する例では、設定値が「3」であるものとする。図54−34(A)に示すように、画像表示装置905の表示画面における飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、可変表示が実行中である。第1保留表示部には、保留表示番号「1」〜「4」に対応する第1保留表示H1〜H4が表示されている。これらの保留表示H1〜H4のうち、保留表示H2は「青」で表示され、保留表示H1、H3、H4は通常態様である「白」で表示されている。なお、保留表示H2は、変動パターンがスーパーリーチA(ハズレ)である保留記憶に基づく保留表示であり、保留表示H4は、変動パターン判定結果がスーパーリーチB(大当り)である保留記憶に基づく保留表示であるものとする。図54−34(A)の第1保留表示H2に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、図54−34(B)に示すように、表示色が「青」の第1保留表示H2に向かって流れ星の演出画像113AK001が飛んで行く特定演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK001が第1保留表示H2にぶつかる前に消滅する失敗態様の特定演出が実行された例を示している。図示するように、図54−34(A)において実行中であった可変表示が終了し、画像表示装置905の表示画面では、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいてハズレ図柄が可変表示結果として導出表示されている。そして、図54−34(C)に示すように、第1保留表示H2は右側にシフトするがその表示色は「青」のままとなり、図54−34(A)および(B)において第1保留表示部に表示されていた保留表示H1に対応する可変表示が開始される。
その後、図54−34(D)に示すように、第1保留表示H4に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、表示色が「白」の第1保留表示H4に向かって流れ星の演出画像113AK002が飛んで行く作用演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK002が第1保留表示H4にぶつかって保留表示の表示態様を変化させる成功態様の作用演出が実行された例を示している。続いて図54−34(E)に示すように、第1保留表示H4は表示態様変化パターンPT4−4−14に従ってその表示色が「白」(段階1)から「緑」(段階3)に変化している。そして、図54−34(F)の第1保留表示H4に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、図54−34(G)に示すように、表示色が「緑」の第1保留表示H4に向かって流れ星の演出画像113AK002が飛んで行く特定演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK002が第1保留表示H4にぶつかって保留表示の表示態様を変化させる成功態様の特定演出が実行された例を示している。そして、図54−34(H)に示すように、第1保留表示H4は右側にシフトして表示色が「赤」に変化している。なお、上述したように、表示色が「緑」である保留表示に対して特定演出が実行された場合には、必ず成功態様の特定演出が実行されて表示色が「赤」に変化するようになっている。したがって、遊技者の期待感を損ない、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(特徴部113AKの変形例)
上記実施の形態では、設定値がいずれに設定されているかに応じて保留表示の最終段階の表示態様がいずれの態様となるかの割合が異なっており、保留表示の表示態様(最終段階の表示態様)により設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)が行われる例を示したが、これは一例である。例えば、最終段階の表示態様が「青」であり、当該保留に対応する可変表示中に行われる演出としてストーリーが展開するスーパーリーチ(ストーリースーパーリーチ)である場合と、バトルを行うスーパーリーチ(バトルスーパーリーチ)である場合と、で示唆内容が異なるようにしてもよい。さらに、ストーリースーパーリーチが行われた場合であっても、当該可変表示に対応する保留表示の最終段階の表示態様が「青」である場合と、「緑」である場合とで示唆内容が異なるようにしてもよい。すなわち、最終段階の保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応する可変表示中における演出との組み合わせにより異なる内容の設定示唆が異なる実行割合で行われてもよい。これによれば、保留表示とその後の変動に行われる演出の組み合わせに対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態における先読み予告演出(保留予告演出)とは別に、例えば、保留表示を、色と種類の異なるキャラクタにて表示し、白キャラAの保留は大当り期待度が低く、白キャラBの保留は大当り期待度が低いものの高設定であることを示唆し、赤キャラAの保留は大当り期待度が高く、赤キャラBの保留は大当り期待度が高く、さらに高設定であることを示唆する、といったように、1つの保留表示にけるキャラの種類および色を複数設け、異ならせこれにより大当り期待度と高設定示唆をそれぞれ報知可能としてもよい。これによれば、大当り期待度の報知と設定示唆とが遊技者に明確に報知されるため、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、保留表示の表示態様を段階的に変化させる先読み予告演出(保留予告演出)が実行される例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を行い、当該アクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい(アクティブ変化演出を実行してもよい)。この場合には、アクティブ表示の表示態様を変化させるか否かを決定し、変化させる場合には、例えばステップ113AKS103の処理において、変化させる最終段階としてアクティブ表示の表示態様を決定し、変化させない場合には、最終段階として保留表示の表示態様を決定すればよい。そして、アクティブ変化演出を実行する場合には、その実行割合や保留表示から順次変化する変化パターン、作用演出の実行割合など、設定値に応じて異なるようにすればよい。また、保留表示の段階で最終段階の表示態様である「赤」となる場合と、保留表示から順次変化してアクティブ表示にて「赤」となる場合とで、例えば、アクティブ表示にて「赤」となる場合の方が、大当り期待度が高いなど、同じ表示態様であっても、保留表示にて表示された場合とアクティブ表示で表示された場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。さらに、設定値に応じて、アクティブ表示にて「赤」となる場合の方が保留表示の段階で最終段階の表示態様である「赤」となる場合よりも大当り期待度が高い場合と、その逆の場合と、があってもよい。
(特徴部113AKに係る手段の説明)
以上の特徴部113AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部113AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
可変表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段(例えばRAM90102の所定領域に保留情報を格納するCPU90103など)と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段(例えば保留表示を表示する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記保留表示手段は、設定されている設定値に応じて、複数の表示態様のうちいずれかの表示態様により前記保留表示を表示可能である(例えば設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なるなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段2の遊技機として、
前記複数の表示態様には、設定されている設定値を示唆する第1態様(例えば特定態様など)と、設定されている設定値を示唆しない第2態様(例えば通常態様など)とを含み、
前記保留表示手段は、設定されている設定値に応じて異なる割合で前記第1態様と前記第2態様のいずれかの表示態様の前記保留表示を表示可能である(例えば設定値がいずれに設定されているかに応じて先読み予告演出の実行割合が異なっているなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段3の遊技機として、
前記保留表示手段は、同一態様の保留表示であっても、設定されている設定値に応じて前記有利度が異なるように前記保留表示を表示可能である(例えば最終段階の保留表示の表示態様が同じ態様であっても、設定値によって大当り期待度が異なるものとなっているなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段4の遊技機として、
前記保留表示手段により表示される保留表示の表示態様と、可変表示中に実行される演出の種類との組み合わせにより設定されている設定値を示唆可能である(例えば最終段階の保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応する可変表示中における演出との組み合わせにより異なる内容の設定示唆が異なる実行割合で行われるなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段5の遊技機として、
所定画像を前記保留表示に作用させることにより前記保留表示の表示態様を変化させる作用演出手段(例えば作用演出を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、
前記作用演出手段は、設定されている設定値に応じて、複数種類の作用演出うちのいずれかの種類の前記作用演出を実行可能である(例えば設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる形状(異なる種類)により、作用演出を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段6の遊技機として、
前記保留表示手段は、前記有利状態に制御される期待度が第1期待度であることを示す第1表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第1期待度であり、かつ設定されている設定値を示唆する第2表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第1期待度よりも高い第2期待度であることを示す第3表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第2期待度であり、かつ設定されている設定値を示唆する第4表示態様と、のいずれかの表示態様により前記保留表示を表示可能である(例えば1つの保留表示におけるキャラの種類および色を複数設け、大当り期待度と高設定示唆をそれぞれ報知するなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段7の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜手段6のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部114AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部114AKについて説明する。図54−35は、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS90521)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS90521;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS90522)。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS90522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90523)。一例として、ステップS90523の処理では、まず、乱数回路90124またはRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS90522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90524)。一例として、ステップS90524の処理では、まず、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS90521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS90521;No)、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これ以外の場合であるかを判定する(ステップS90525)。「小当り」であると判定されたときには(ステップS90525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS90525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS90525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90526)。一例として、ステップS90526の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM90121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置905の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS90523、ステップS90524、ステップS90526、ステップS90527のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、所定演出実行設定処理を行う(ステップ114AKS001)。特徴部114AKにおける所定演出では、例えば2体のキャラクタ(主人公のキャラクタと敵のキャラクタ)がバトルを行うバトル演出(共通演出)が行われ、その演出結果が表示される。また、特徴部114AKにおける所定演出では、共通演出の実行後に設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)が行われることもある。共通演出には、主人公が勝利する成功演出(実行結果が成功となる場合)と主人公が敗北する失敗演出(実行結果が失敗となる場合)とが含まれ(その他、後述するように実行結果が大成功となる場合も含まれる)、成功演出が行われる場合(すなわち共通演出の演出結果として成功の表示が行われる場合)には、失敗演出が行われる場合(すなわち共通演出の演出結果として失敗の表示が行われる場合)よりも高い割合で設定示唆が行われる。ステップ114AKS001における所定演出実行設定処理では、当該共通演出とその演出結果、および設定示唆の実行設定が行われる(すなわち、共通演出と設定示唆を合わせて所定演出という)。共通演出は、成功演出となる場合と失敗演出となる場合とで行われる演出が共通であり、演出結果が異なるものである。なお、この実施の形態では、共通演出としてバトル演出を行う例を示しているが、バトル演出に限られず、例えば、くじ引きをする演出を行い、成功や失敗といった表示結果を表示したり、釣りをする演出を行い、釣れるか否かで成功や失敗を表示するようなものであってもよい。
図54−36は、所定演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図54−36に示す所定演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、共通演出の実行有無を決定する(ステップ114AKS002)。具体的に、ステップ114AKS002の処理では、可変表示結果に基づいて、図54−37に示す決定割合に従って、共通演出の実行有無を決定する。この実施の形態における共通演出は、可変表示中に行われる演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出である。また、例えば、共通演出が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。
ステップ114AKS002の処理に続いて演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS002にて共通演出の実行が「有り」と決定されたか否かを判定する(ステップ114AKS003)。共通演出の実行が「無し」と決定された場合(ステップ114AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま所定演出実行設定処理を終了する。一方、共通演出の実行が「有り」であると判定された場合(ステップ114AKS003;Yes)、共通演出の実行結果を決定する(ステップ114AKS004)。具体的に、ステップ114AKS004の処理では、変動パターン指定コマンドに基づいて変動パターンを特定し、特定した変動パターンに基づいて、図54−38に示す決定割合に従って、共通演出の実行結果を「成功」、「失敗」、「大成功」のいずれかに決定する。なお、図54−38に示すように、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」となる場合には、「失敗」となる場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっている。また、共通演出の実行結果が「大成功」の場合には、スーパーリーチ以上が確定するように、決定割合が割り当てられている。なお、実行結果が「大成功」となる共通演出は、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ決定されるようにしてもよい。
ステップ114AKS004の処理を実行した後、出制御用CPU90120は、実行する共通演出の種類を決定する(ステップ114AKS006)。具体的に、ステップ114AKS006の処理では、ステップ114AKS004で決定した共通演出の実行結果に基づいて、図54−39に示す決定割合に従って、共通演出の種類を「種類A」、「種類B」、「種類C」のいずれかに決定する。この実施の形態における「種類A」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラAであり、「種類B」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラBであり、「種類C」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラCである。なお、このように、バトル演出にて表示されるキャラクタの種類が異なるのではなく、「種類A」の共通演出ではバトル演出が行われ、「種類B」の共通演出では、くじびきを行う演出が行われ、「種類C」の共通演出では、釣りを行う演出が行われるなど、それぞれの演出自体が異なっていてもよい。
図54−39に示すように、特徴部114AKでは、「種類A」、「種類B」、「種類C」のいずれの種類の共通演出が実行されるかに応じて、共通演出の実行結果が「成功」、「失敗」、「大成功」のいずれとなるかの割合が異なるように決定割合が設定されている。具体的に、特徴部114AKでは、実行される共通演出の種類に応じて当該共通演出の実行結果がいずれの結果となるかの割合が異なっており、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合には、「種類C」<「種類B」<「種類A」といった順に、実行される割合が高くなっている。なお、共通演出の実行結果が「大成功」となる割合は、他の実行結果よりも低いことから、例えば、実行結果が「成功」となる割合の最も低い「種類C」の共通演出が実行された場合には、「種類A」または「種類B」の共通演出が実行された場合よりも実行結果が「大成功」となる割合が高くなるようにしてもよい。これによれば、実行結果が「失敗」となる割合の高い「種類C」の共通演出が行われた場合であっても、「大成功」となる可能性が他の種類の共通演出よりも高いため、遊技者に期待感を与えることができる。
図54−36に戻り、ステップ114AKS006の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS004にて決定した共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」であるか否かを判定する(ステップ114AKS007)。共通演出の実行結果が「成功」でも「大成功」でもない場合、すなわち「失敗」である場合(ステップ114AKS007;No)、演出制御用CPU90120は、所定演出実行設定処理を終了する。一方、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」である場合(ステップ114AKS007;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行設定を行う設定示唆実行設定処理を実行してから(ステップ114AKS008)、所定演出実行設定処理を終了する。
図54−40は、図54−36のステップ114AKS008にて実行される設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図54−40に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行有無を決定する(ステップ114AKS111)。具体的に、ステップ114AKS111の処理では、可変表示結果に基づいて、図54−41に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。特徴部114AKにおける設定示唆は、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」である場合に、共通演出の実行結果に合わせて表示され得る演出であり、共通演出の実行結果が「失敗」である場合には実行されない。そのため、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合に、さらなる遊技者の興味を引きつけることができ、演出効果を高めることができる。なお、共通演出の実行結果が「失敗」となる場合であっても、「成功」または「大成功」の場合と比較して低い割合で設定示唆が実行されてもよい。図54−41に示すように、特徴部114AKでは、可変表示結果が「大当り」となる場合、「ハズレ」となる場合よりも設定示唆が行われる割合が高くなっている。したがって、設定示唆によりいずれの設定値の示唆が行われるかといった設定示唆の内容だけでなく、当該設定示唆が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、この実施の形態では、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合に、設定示唆が実行されない場合がある例を示しているが、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合には必ず設定示唆が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、図54−36に示すステップ114AKS007の処理を実行せず、ステップ114AKS008の処理において、図54−41に示す決定割合ではなく、例えば「成功」または「大成功」の場合には「実行有り」に100%、「失敗」の場合には「実行無し」に100%といった決定割合に設定されたテーブルを参照することにより設定示唆の実行有無を決定すればよい。また、この実施の形態では、共通演出の実行設定を行った後に設定示唆の実行設定を行う例を示したが、設定示唆の実行設定を行った後に、共通演出の実行設定を行ってもよい。この場合、例えば、設定示唆を実行する場合には、共通演出として成功演出を実行するよう設定し、設定示唆を実行しない場合には、共通演出として失敗演出を実行するよう設定すればよい。
図54−40に戻り、ステップ114AKS111の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS111にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆の実行が「有り」と決定されたか否かを判定する(ステップ114AKS112)。設定示唆の実行が「無し」であると判定された場合(ステップ114AKS112;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、設定示唆の実行が「有り」であると判定された場合(ステップ114AKS112;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様を決定してから(ステップ114AKS113)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ114AKS113の処理では、共通演出の実行結果が「成功」であるか「大成功」であるかに応じて図54−42(A)または図54−42(B)に示す決定割合に従い、設定示唆態様1〜設定示唆態様3のいずれかの実行態様を、設定値に応じて決定する。この実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、設定値が「1」であることを示唆し、「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値が「2」であることを示唆し、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図54−42に示すように、特徴部114AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる態様により設定示唆を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図54−42に示すように、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」の設定示唆、または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。さらに、図54−42(B)に示すように、共通演出の実行結果が「大成功」の場合には、図54−42(A)に示すように、共通演出の実行結果が「成功」である場合よりも示唆の信頼度が高くなるように、決定割合が割り当てられている。具体的に、共通演出の実行結果が「大成功」であり設定値が「1」の場合には、共通演出の実行結果が「成功」であり設定値が「1」である場合よりも高い割合で「設定示唆態様1」の態様の設定示唆が実行されるように決定割合が設定されている。また、共通演出の実行結果が「大成功」であり設定値が「2」の場合には、共通演出の実行結果が「成功」であり設定値が「2」である場合よりも高い割合で「設定示唆態様2」の態様の設定示唆が実行されるように決定割合が設定されている。すなわち、特徴部114AKでは、共通演出の実行結果が「成功」となったときよりも、「大成功」となったときの方が、示唆される設定値の信頼度が高いこととなる。したがって、共通演出の実行結果により示唆の信頼度が異なるため演出効果を高めることができる。なお、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、共通演出の実行結果がいずれであっても、設定値「3」であることが確定することになるが、この実施の形態では、共通演出の実行結果が「大成功」である場合の方が、「成功」である場合よりも「設定示唆態様3」の設定示唆が行われる割合が高くなっている。そのため、共通演出の実行結果が「大成功」となるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、共通演出の実行結果が「成功」となった場合と、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合とで、例えば、「大成功」となった場合には、「成功」となった場合よりも設定示唆の表示を大きく表示したり、異なる表示色としたり、特殊音を出力するなど、共通演出の実行結果に応じて、同じ「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」でも異なる表示態様としてもよい。また、例えば、共通演出の実行結果が「成功」となった場合と、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合とで、それぞれ設定示唆の信頼度を合わせて表示するようにしてもよく、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合には、共通演出の実行結果が「成功」となった場合よりも信頼度が高いことを示す表示を行うようにしてもよい。
図54−35に戻り、ステップ114AKS001の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、その他の演出実行設定を行う(ステップS90531)。例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ908L、908Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ909などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS90531の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ909に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90532)。このとき、演出制御用CPU90120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。 ステップS90532の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90533)。続いて、画像表示装置905における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90534)。このときには、例えばステップS90532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置905の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90535)、可変表示開始設定処理を終了する。
図54−43は、共通演出と設定示唆(示唆演出)の演出動作例を示す図である。図54−43(A)に示すように可変表示が開始され、共通演出の実行期間となると、図54−43(B)に示すように種類Aの共通演出として、キャラAと敵キャラクタとがバトルを行うバトル演出114AK001が行われる。なお、共通演出実行期間は、図54−35のステップ114AKS001にて設定される。そして、図54−43(C)に示すように、バトル演出が進行し、成功演出となる場合、図54−43(D−1)に示すように、当該共通演出の実行結果としてキャラAが勝利し「成功!!」のメッセージ表示が行われるとともに、設定示唆として「設定3!?」といった示唆表示114AK003が行われる。図示する例では「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた例を示している。一方、失敗演出となる場合には、図54−43(D−2)に示すように、当該共通演出の実行結果としてキャラAが敗北し「失敗!!」のメッセージ表示が行われる。なお、失敗演出が実行される場合には、設定示唆は実行されないことから、図示する例では示唆表示114AK003が行われていない。なお、共通演出の実行結果が「大成功」となる場合には、図54−43(D−1)と同様に、「大成功」であることを示すメッセージ表示が行われればよいが、「成功」の場合とは異なり、例えば「成功」の場合よりも大きく表示するなど、遊技者がより認識しやすい態様で表示されればよい。また、共通演出の実行結果が「大成功」となる場合には、図54−43(D−1)とは異なる態様で、より遊技者に認識しやすい態様で設定示唆が行われてもよい。
(特徴部114AKの変形例)
上記実施の形態では、図54−42に示すように、共通演出の実行結果が「成功」であるか「大成功」であるかに応じて、設定示唆が行われた場合、同じ態様の設定示唆であっても示唆の信頼度が異なる例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、図54−40のステップ114AKS113において、共通演出の種類に応じて、図54−44(A)〜(C)に示す決定割合に従い、設定示唆の実行態様を決定すればよい。図54−44に示す「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」は、上記実施の形態と同様、それぞれ設定値が「1」〜「3」であることを示唆するものとなっている。図54−44に示すように、この変形例では、実行される共通演出の種類が種類Aである場合、種類Bである場合よりも設定示唆が実行されたときに、その信頼度が高くなるように決定割合が設定されている。また、実行される共通演出の種類が種類Bである場合、種類Cである場合よりも設定示唆が実行されたときに、その信頼度が高くなるように決定割合が設定されている。すなわち、種類A>種類B>種類Cといった順に、設定示唆が行われた場合にその信頼度が低くなっている。このように、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるようにすることで、実行される共通演出の種類に対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。
また、この変形例では、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なる例を示したが、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆内容が異なるようにしてもよい。例えば、実行された共通演出の種類が種類Aであれば、設定示唆にて設定値が「1」〜「3」のいずれかであるか、すなわち設定値そのものを示唆し、実行された共通演出の種類が種類Bであれば、設定示唆にて高設定である確率を示唆し(例えば高設定である確率を星の数で示唆するなど)、実行された共通演出の種類が種類Cであれば、設定示唆にて設定値が「1」でないことや奇数の設定値であること、偶数の設定値であること、などを示唆するようにしてもよい。このように、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆内容が異なるようにすることで、様々な設定示唆を視認することができ、演出効果を高めることができる。
(特徴部114AKに係る手段の説明)
以上の特徴部114AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部114AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて異なる割合で示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、共通演出の演出結果が第1結果となった後に前記示唆演出を実行せず、前記共通演出の演出結果が第2結果となった後に前記示唆演出を実行する(例えば共通演出の実行結果が「失敗」である場合には設定示唆を実行せず、「成功」である場合に実行するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段2の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記共通演出の演出結果が第3結果となった場合、前記第2結果となったときよりも示唆される設定値の信頼度が高い態様で前記示唆演出を実行する(例えば共通演出の実行結果が「大成功」となった場合には、「成功」となった場合よりも、設定示唆が行われた場合における示唆の信頼度が高いなど)
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段3の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記共通演出の演出結果がいずれとなるかの割合が異なる(例えば実行される共通演出の種類に応じて、共通演出の実行結果がいずれの結果となるかの割合が異なっているなど)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段4の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記示唆演出が実行された場合に示唆される設定値の信頼度が異なる(例えば実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるなど)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段5の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記示唆演出が実行された場合に示唆される内容が異なる、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部115AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部115AKについて説明する。図54−45は、特徴部115AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部115AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図54−35参照)に代えて、ステップ115AKS001にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ115AKS001における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理であり、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、遊技者が遊技を終了するタイミングとなったなどの所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出である。
図54−46は、図54−45のステップ115AKS001にて行われる設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図54−45に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ115AKS002)。具体的に、ステップ115AKS002の処理では、実行対象の可変表示が、時短状態の終了条件を成立する可変表示であるか、すなわち時短終了回の可変表示であるか否か、に基づいて、図54−47に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。時短終了回とは、大当り遊技状態の終了時に設定された回数の特図ゲームの最終回(例えば、設定された回数が「100」であれば、大当り終了後の100回目の可変表示)のことをいう。そして、ステップ115AKS002において、時短終了回の可変表示であるか否かは、時短状態において可変表示が実行される度にカウントされたカウント値と、大当り終了時に設定された回数とを比較して一致するか否かにより行われればよい(なお、大当り終了時に設定された時短カウント値を、可変表示の終了時に減算していくような場合には、当該時短カウント値が「1」であるか否かにより、時短終了回であるか否かを判定すればよい)。なお、時短終了回の可変表示が終了した場合には、時短状態であることを示す時短フラグと、当該カウント値(大当り終了時に設定された回数も含む)がクリアされることとなる。
図54−47に示すように、特徴部115AKでは、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に、そうでない場合(時短状態ではなく通常状態である場合も含む)よりも高い割合で設定示唆を実行すると決定する。そのため、時短終了回の可変表示に対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。なお、図示する例では、実行対象の可変表示が時短終了回ではない場合(通常状態である場合も含む)についても設定示唆を実行する例を示しているが、時短終了回である場合にのみ設定示唆を実行すると決定してもよい。また、ステップ115AKS002の処理では、時短終了回の可変表示であるか否かに加え、さらに、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより、設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、時短終了回の可変表示であり、可変表示結果が「大当り」である場合>時短終了回の可変表示であり、可変表示結果が「ハズレ」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、可変表示結果が「大当り」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、可変表示結果が「ハズレ」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、時短終了回の可変表示であり、設定値が「3」である場合>時短終了回の可変表示であり、設定値が「2」である場合>時短終了回の可変表示であり、設定値が「1」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「3」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「2」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。すなわち、時短終了回の可変表示であるか否かに加え、設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行してもよい。さらに、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示であるか否かに関わらず、設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行してもよい。
図54−46に戻り、ステップ115AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ115AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち、設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ115AKS003)。設定示唆実行なしの場合(ステップ115AKS003;No)、設定示唆実行設定処理を終了する。一方、設定示唆実行有りの場合(ステップ115AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、実行対象の可変表示が時短状態の終了条件を成立する可変表示であるか、すなわち時短終了回の可変表示であるか否かを判定する(ステップ115AKS004)。時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合(ステップ115AKS004;No)、演出制御用CPU90120は、図54−48(A)に示す通常テーブルを参照用のテーブルとして選択する(ステップ115AKS005)。これに対し、時短終了回の可変表示である場合(ステップ115AKS004;Yes)、演出制御用CPU90120は、図54−48(B)に示す特別テーブルを参照用のテーブルとして選択する(ステップ115AKS005)。
図54−48に示す通常テーブルおよび特別テーブルは、設定示唆の実行態様を決定するため(後述するステップ115AKS007の処理を行うため)に参照されるテーブルであり、当該通常テーブルおよび特別テーブルは、設定示唆の実行態様として「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」のそれぞれに対し、設定されている設定値に応じて決定割合が割り当てられている。この実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、設定値が「1」であることを示唆し、「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値が「2」であることを示唆し、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図54−48(A)に示す通常テーブルでは、図示するように、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「3」である場合にのみ決定されるよう、決定割合が設定されている。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」の設定示唆、または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。これに対し、図54−48(B)に示す特別テーブルでは、図示するように、通常テーブルとは異なり、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「1」〜「3」のいずれであっても決定され得るよう、決定割合が設定されている。したがって、時短終了回の可変表示では、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、設定値が「3」であることを示唆する設定示唆(すなわち高設定であることを示唆する設定示唆)が行われる割合が高い。一方で、時短終了回の可変表示では、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「1」〜「3」のいずれであっても決定され得ることから、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、示唆の信頼度が低くなっている。ここで、時短終了回の可変表示が終了すると、時短状態が終了することとなる。そのため、当該時短終了回の可変表示が終了することにより、有利な状態が終了したとして、遊技者は遊技を終了することが多々ある。特徴部115AKでは、時短終了回の可変表示において、高設定であることを示唆する設定示唆が、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行されることから、遊技者の遊技を継続させることができ、稼働率を向上させることができる。また、示唆の信頼度は低いものの、時短終了回の可変表示では、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、設定値が「3」であることを示唆する設定示唆(すなわち高設定であることを示唆する設定示唆)が行われる割合が高いことから、遊技者は高設定であることを示唆する設定示唆を認識しやすくなり、遊技を継続させることができ、稼働率を向上させることができる。
図54−46に戻り、ステップ115AKS005またはステップ115AKS006の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ115AKS005またはステップ115AKS006にて選択したテーブルに基づいて、設定値に応じて、実行する設定示唆態様を決定し(ステップ115AKS007)、設定示唆実行設定処理を終了する。なお、ステップ115AKS007の処理では、設定示唆の実行態様を決定するとともに、当該設定示唆の実行タイミングなど(設定示唆実行期間も含む)についても決定されればよい。このようにステップ115AKS001における設定示唆実行設定処理が行われ、設定示唆の実行設定が行われると、ステップS90172の可変表示中演出処理において、設定示唆実行期間に設定示唆が実行されることとなる。なお、例えば、図54−48(A)に示す通常テーブルにおける設定示唆態様よりも、図54−48(B)に示す特別テーブルにおける設定示唆態様の方が、すなわち、時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも遊技者にとって認識しやすい態様で設定示唆が行われてもよい。すなわち、通常テーブルに基づいて決定された設定示唆態様1よりも、特別テーブルに基づいて決定された設定示唆態様1の方が、大きく表示されたり、輝度が高かったり、出力される音量が大きいなど、遊技者が認識しやすい態様となっていてもよい。これによれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
図54−49は、特徴部115AKにて実行される設定示唆の演出動作例を示す図である。図54−49(A)に示すように大当り遊技状態の終了時において、時短制御が行われる可変表示の回数が報知される(図示する例では20回)。そして、大当り遊技状態が終了し、可変表示が開始されると、図54−49(B)に示すように設定示唆が行われる。図54−49(B)に示す例では、当該可変表示が時短終了回である20回目の可変表示ではないため、図54−46のステップ115AKS005にて通常テーブルが選択され、当該通常テーブルに基づいて決定された態様の設定示唆が行われる。そして、図54−49(C)に示すように、時短終了回である20回目の可変表示が開始されると、ステップ115AKS006にて特別テーブルが選択され、当該特別テーブルに基づいて決定された態様の設定示唆が行われる。なお、図54−49(B)に示す例では、「設定示唆態様2」の設定示唆が行われ、図54−49(C)に示す例では、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合を示している。また、図示する例では、時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも、設定示唆の表示サイズが大きく、かつ表示枠の態様を異ならせて、遊技者にとって認識しやすい態様で実行された場合について示している。また、上述したように、設定値がいずれであっても、時短終了回では「設定示唆態様3」の設定示唆が行われ得ることから(時短終了回以外よりも高い割合で行われることから)、図54−49(C)に示す例では、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合を示している。このように、時短終了回の可変表示において「設定示唆態様3」の設定示唆、すなわち高設定であることを示唆する設定示唆が行われることで、時短状態の終了に合わせて遊技を終了してしまう、といったことを抑制し、遊技継続を好適に促進することができる。なお、この実施の形態では、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)においても設定示唆が実行され得る例を示したが、時短終了回以外では設定示唆が実行されないようにしてもよい。また、例えば、時短終了回の可変表示に近づくほど設定示唆の実行割合が高くなるようにしてもよい。また、この実施の形態では、図54−47に示すように、時短終了回の可変表示にて設定示唆が実行されない場合がある例を示したが、時短終了回の可変表示では必ず設定示唆が行われるようにしてもよい。また、時短終了回であるか否かに関わらず設定示唆が行われるようにしてもよい。なお、例えば5日間など、数日間に亘る遊技データ(変動回数、大当り回数、払出玉数、連荘割合など)を記憶しておき、当該記憶した遊技データに基づいて、その日に実行する設定示唆の実行態様や実行割合を異ならせてもよい。具体的に、設定されている大当り確率が1/300である場合、5日間の遊技データとして記憶されている大当り確率が1/500であるときには、設定示唆を行う割合を高くしてもよい。また、前日の払出玉数が差玉で10000発以上である場合、低設定であっても、高設定であることを示唆する態様の設定示唆が高い割合で実行されるようにしてもよい。
(特徴部115AKの変形例)
上記実施の形態では、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に、時短終了回以外の可変表示である場合よりも高い割合で設定示唆を実行する例を示したが、これは一例である。特徴部115AKでは、遊技者が遊技を終了してしまうようなタイミング(所定条件が成立するタイミング)において高設定であることを示唆する示唆演出が高い割合で実行されれば、時短終了回の可変表示中のタイミングに限られず、所定条件が成立するタイミングは、任意のタイミングであってもよい。例えば、連続して大当りとなる連荘の終了時のタイミング、遊技者の使用金額が10000円などといった特定金額となったタイミング、予め定められた可変表示回数(例えば確変状態終了後100回など)に達したタイミング、遊技場に設置された所定の遊技機全体で一斉に行われる一斉演出が終了したタイミング、確変潜伏状態を示す背景から通常の背景に切り替わったタイミング、遊技場の閉店1時間前のタイミングなどといったタイマにて設定されたタイミングなど、所定条件が成立するタイミングは、任意のタイミングであってよい。また、当該所定条件が成立するタイミングは、複数タイミングあってもよく、遊技機の管理者が設定可能であればよい。なお、連荘の終了時のタイミングは、例えば、初回の大当りから、時短状態中における大当りを連続した大当り(連荘)とし、当該時短状態の終了時を連荘の終了時のタイミングとして判定すればよい。また、遊技者の使用金額が10000円などといった特定金額となったタイミングについては、例えば、遊技者が貸玉ボタンを20回押したことで特定金額分(この場合は1万円分)となったことを判定すればよい。一斉演出は、例えば、可変表示が行われていない期間であっても、遊技球を発射している期間や発射していない期間において、遊技場に設置された複数のパチンコ遊技機901について、リアルタイムクロック機能(RTC機能)により予め定められた時刻になる毎、また、電源投入から所定時間経過する毎などのように、所定期間毎に一斉に行われる演出である。そして、一斉演出の終了タイミングは、当該RTC機能により予め定められた時刻となってから一斉演出の実行期間経過したことをもって判定すればよい。また、確変潜伏とは、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定困難にするものをいい、例えば確変状態に制御されているか否かに関わらず共通の背景画像を表示することにより、確変状態に制御されているか否かを特定困難にすることをいう。そして、確変潜伏状態を示す背景から通常の背景に切り替わったタイミングは、当該共通の背景画像から、確変が潜伏されていないことを示す通常の背景画像(例えば通常状態中に表示される背景画像)に切り替わったタイミングを判定すればよい。なお、上記実施の形態では、時短終了回の可変表示である場合に設定示唆を行う例を示したが、例えば、時短終了回の可変表示の前後3回の可変表示においても設定示唆を行うようにしてもよい。
(特徴部115AKに係る手段の説明)
以上の特徴部115AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部115AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、所定条件が成立した場合に前記示唆演出を実行可能である(例えば実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に設定示唆を実行するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部115AKに係る手段2の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立した場合、前記所定条件が成立していない場合よりも高い割合で、前記示唆演出として、設定されている設定値が、複数種類のうち、遊技者にとって有利度の高い設定値であることを示唆する(例えば時短終了回の可変表示では、高設定であることを示唆する設定示唆を、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行するなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
特徴部115AKに係る手段3の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立していない場合においても前記示唆演出を実行可能であり(例えば時短終了回以外の可変表示にて設定示唆を実行可能であるなど)、
前記所定条件が成立した場合には、前記所定条件が成立していない場合よりも高い割合で前記示唆演出を実行する一方、前記所定条件が成立していない場合に実行される前記示唆演出よりも示唆される設定値の信頼度が低い(例えば時短終了回の可変表示では、高設定であることを示唆する設定示唆を、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行するものの、示唆の信頼度が低いなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
特徴部115AKに係る手段4の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立していない場合においても前記示唆演出を実行可能であり(例えば時短終了回以外の可変表示にて設定示唆を実行可能であるなど)、
前記所定条件が成立した場合には、前記所定条件が成立していない場合よりも、示唆される設定値が認識しやすい態様の前記示唆演出を実行する(例えば時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも遊技者にとって認識しやすい態様で設定示唆が行われるなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部115AKに係る手段5の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部116AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部116AKについて説明する。図54−50は、特徴部116AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部116AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図54−35参照)に代えて、ステップ116AKS001にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ116AKS001における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理である点で、特徴部115AKにおける設定示唆実行設定処理と共通するが、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出であるのに対し、特徴部116AKにおける設定示唆は、特徴部115AKのような所定条件に関わらず実行される演出であり、実行態様に応じて遊技者の認識しやすさが異なる演出である点で相違する。特徴部116AKにおけるステップ116AKS001の設定示唆実行設定処理では、このように、特徴部115AKとは異なる設定示唆の実行設定を行う。
図54−51は、図54−50のステップ116AKS001にて行われる設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図54−51に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ116AKS002)。具体的に、ステップ116AKS002の処理では、可変表示結果に基づいて、図54−52に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態における設定演出は、可変表示中に行われる演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出となっている。また、ステップ116AKS002の処理では、例えば、設定示唆が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が「3」である場合>設定値が「2」である場合>設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。さらに、可変表示結果に加えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「1」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。
図54−51に戻り、ステップ116AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ116AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ116AKS003)。設定実行示唆なしの場合、すなわちステップ116AKS002にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ116AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、ステップ116AKS002にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ116AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し(ステップ116AKS004)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ116AKS004の処理では、設定されている設定値に基づいて、図54−53に示す決定割合に従って、「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」のいずれかを、設定示唆の実行態様として決定する。
この実施の形態における「設定示唆態様1」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出であり、設定値が「1」であることを示唆するものとなっている(図54−54(A)参照)。また「設定示唆態様2」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力する態様の演出であり、設定値が「2」であることを示唆するものとなっている(図54−54(B)参照)。「設定示唆態様3」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であり、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている(図54−54(C)参照)。すなわち、特徴部116AKにおける設定示唆は、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい態様となっている。したがって、実行される設定示唆の態様によって、示唆される内容の認識しやすさが異なるため、演出効果を高めることができる。また、「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出であることから、遊技者のみが認識可能な態様であり、「設定示唆態様3」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であることから、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員なども認識可能な態様である。このように特徴部116AKでは、遊技者のみが認識可能な態様の設定示唆と、遊技者以外も認識可能な態様の設定示唆が行われるため、演出効果を高めることができる。また、低設定値であることを示唆する設定示唆については遊技者のみが認識可能な態様で設定示唆が行われ、高設定値であることを示唆する設定示唆については遊技者以外も認識可能な態様で設定示唆が行われることから、高設定であることが遊技者以外にも認識可能な上、低設定値であることは遊技者以外には認識されないことから、演出効果を高めることができる。なお、例えば、画像表示装置905における表示の大小や色相を異ならせることで認識しやすさを異ならせてもよい。また、役物を動作させる設定示唆があってもよい。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図54−53に示すように、特徴部116AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆が実行されるよう、設定値に応じてそれぞれの実行態様に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる実行態様の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図54−53に示すように、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、特徴部116AKでは、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆は、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも示唆の信頼度が高くなっている。なお、例えば、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に、示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。すなわち、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい例を示したが、これとは別に、設定が「1」であることを示唆する設定示唆であっても、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるのみの態様と、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させ、さらに画像表示装置905にて表示を行う態様など、同じ設定値を示唆する設定示唆であっても、遊技者が認識しやすい態様とそうでない態様とを設け、例えば可変表示結果に応じて異なる決定割合にていずれかの態様を決定するようにしてもよい。
図54−51におけるステップ116AKS004では、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し、これに合わせて実行する設定示唆の実行タイミングなど(設定示唆実行期間も含む)が決定される。特徴部116AKでは、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定する。「設定示唆態様3」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であることから、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員などといった周囲の者も認識可能な態様となっている。そのため、当該「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定することにより、他の遊技者など、当該パチンコ遊技機901の遊技者以外にも高設定であることを示唆する設定示唆が行われたことを、より好適に認識させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
(特徴部116AKの変形例)
上記実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出である例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば、プッシュボタン9031Bを振動させるなど、遊技者のみが認識可能な態様であれば任意の態様であってよい。なお、遊技者のみが認識可能な態様には、遊技者以外が認識不可能な態様の他、遊技者以外が認識困難な態様が含まれる。そのため、例えば、「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30やプッシュボタン9031Bを振動させる態様の演出に限られず、「設定示唆態様1」の設定示唆には、例えば、画像表示装置905において、当該パチンコ遊技機901の隣に設置されたパチンコ遊技機の遊技者から認識困難な態様(小さい表示サイズや、背景色と同色で表示するなど)にてメッセージを表示することや、当該パチンコ遊技機901の隣に設置されたパチンコ遊技機の遊技者が認識困難な程度の音量で音声を出力することなどが含まれる。
また、上記実施の形態では、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定することで、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員などといった周囲の者も、より好適に認識可能にする例を示したが、これは一例である。例えば、これとは反対に、「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも短い期間に設定するようにしてもよい。これによれば、高設定であることが示唆されたことを周囲の者に認識されにくくなるため、当該パチンコ遊技機901の遊技者に特別感を与えることができる。
(特徴部116AKに係る手段の説明)
以上の特徴部116AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部116AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出を実行可能である(例えば「設定示唆態様1」や「設定示唆態様2」の設定示唆よりも「設定示唆態様3」の設定示唆の方が示唆内容を認識しやすいなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段2の遊技機として、
前記複数種類の示唆演出のうち、認識しやすい示唆演出は、認識しにくい示唆演出よりも示唆される前記設定値の信頼度が高い(例えば「設定示唆態様3」の設定示唆は、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも示唆の信頼度が高いなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段3の遊技機として、
前記複数種類の示唆演出のうち、認識しやすい示唆演出は、認識しにくい示唆演出よりも前記設定値を示唆する期間が長い(例えば遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定するなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段4の遊技機として、
認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出は、示唆される前記設定値を遊技者のみが認識可能な示唆演出と(例えば打球操作ハンドル9030を振動させる態様の演出であるなど)、示唆される前記設定値を遊技者以外の者も認識可能な示唆演出とを含む(例えば打球操作ハンドル9030を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であるなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段5の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
また、特開2010−200902号公報に記載の遊技機の問題を解決する特徴部116AKに係る手段Aの遊技機として、
有利状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出を実行可能であり(例えば「設定示唆態様1」や「設定示唆態様2」の設定示唆よりも「設定示唆態様3」の設定示唆の方が示唆内容を認識しやすいなど)、
さらに、
入賞装置に遊技媒体が入賞したことに基づいて識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示装置(可変表示装置68SH009等)と、
未だ開始されていない可変表示に関する保留情報を記憶する保留記憶手段(第2保留記憶バッファ等)と、
有利状態終了後の所定期間において、前記入賞装置への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行する促進報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記所定期間において、前記保留記憶手段により記憶された保留情報の数が、前記保留記憶手段において記憶可能な保留情報の上限数(4個等)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知(「到達」を出力等)を実行する到達報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。また、促進報知と到達報知とを実行するので、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することができる。
なお、有利状態終了後の所定期間において、入賞装置への遊技媒体の入賞を促す促進報知の態様や、所定期間において、保留記憶手段により記憶された保留情報の数が上限数に到達したことを示す到達報知の態様によって設定値を示唆するようにしてもよい。例えば、促進報知の態様や到達報知の態様を複数種類の中から抽選等により選択するとともに、設定されている設定値によって促進報知の各報知態様の選択割合や到達報知の各報知態様の選択割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、特定種類の報知態様による報知が行われやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、設定値の示唆が示唆演出実行手段による示唆演出と促進報知や到達報知の態様とによって行われることとなり、複数の要素で設定値の示唆が行われるので、単一の要素で設定値の示唆が行われる場合に比べ、示唆の機会や示唆の態様が豊富になって遊技の興趣が向上する。
なお、上記した特徴部116AKの手段1の遊技機に適用できる特徴部116AKの手段2〜手段5に記載の遊技機は、上記した特徴部116AKの手段Aの遊技機にも適用することができる。
(特徴部117AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部117AKについて説明する。図54−55は、特徴部117AKにて実行される設定示唆モード設定処理の一例を示すフローチャートである。図54−55に示す設定示唆モード設定処理は、ステップS9076の演出制御プロセス処理(より具体的には図41のステップS90161の処理の後など)にて実行される処理である。特徴部117AKでは、遊技店員などの遊技機の管理者(遊技管理者)による操作により、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行割合や実行タイミング、示唆の方法などが異なる複数のモードからいずれかのモード(設定示唆モード)を選択可能である。すなわち、特徴部117AKでは、設定示唆に関する設定が可能である。具体的に、遊技店員などの遊技管理者により設定示唆モード設定用の設定示唆モードスイッチが押下されると(演出制御基板9012の、当該遊技管理者のみ操作可能な位置(例えばパチンコ遊技機901の裏側など)に設けられていればよい)、演出制御用CPU90120は、続けて行われる遊技管理者の操作にしたがって、設定示唆モードを選択する。図54−55に示す設定示唆モード設定処理は、設定示唆モードスイッチが押下されたことに基づいて、設定示唆モードをいずれかのモードに選択する処理である。なお、パチンコ遊技機901の裏側に設けられた設定示唆モードスイッチが押下された後は、画像表示装置905に当該複数の設定示唆モードが表示され、例えばスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する遊技管理者の操作により、いずれかの設定示唆モードが選択可能となっている。なお、この実施の形態では、設定示唆の実行割合、実行タイミング、示唆方法の組合せが予め設定された設定示唆モードを複数の中から選択する例を示しているが、例えば、設定示唆の実行割合、実行タイミング、示唆方法をそれぞれ個別に選択可能としてもよい。なお、例えば、当該設定示唆モード設定処理は、電源投入後、所定期間内(例えば3秒以内)に実行されるようにしてもよい。この場合、電源投入後所定期間内に設定示唆モードスイッチが押下されることで、いずれかの設定示唆モードが選択可能となればよい。
図54−55に示す設定示唆モード設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆モード設定画面が画像表示装置905に表示中であるか否かを判定する(ステップ117AKS001)。設定示唆モード設定画面は、例えば図54−59(A)に示すように、複数用意された設定示唆モードを一覧表示し、遊技管理者による選択によりいずれかのモードを選択可能とする画面である。設定示唆モード設定画面が表示中でなければ(ステップ117AKS001;No)、主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップ117AKS002)。主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信していなければ(ステップ117AKS002;No)、設定示唆モード設定処理を終了する。
主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信していれば(ステップ117AKS002;Yes)、設定示唆モードをいずれかに選択するための設定示唆モード設定画面を画像表示装置905に表示させる(ステップ117AKS003)。続いて、ステップ117AKS001にて、設定示唆モード設定画面が表示中である場合や(ステップ117AKS001;Yes)、ステップ117AKS003の処理で設定示唆モード設定画面を表示した後には、操作手段により設定示唆モート゛の選択操作がなされたか否かを判定する(ステップ117AKS004)。設定示唆モードの選択操作がなければ(ステップ117AKS004;No)、設定示唆モード設定処理を終了する。
設定示唆モードの選択操作がなされた場合は(ステップ117AKS004;Yes)、例えば、RAM90122に設けられた演出制御用データ保持エリアの設定示唆モード格納領域に、選択された設定示唆モードを特定可能な情報を格納することにより、当該選択された設定示唆モードを記憶する(ステップ117AKS005)。なお、設定示唆モード格納領域には、初期値として、いずれかの設定示唆モードが格納されていればよい。例えば、初期値として「設定示唆モード2」が格納される。ステップ117AKS005の処理の後、設定示唆モード設定処理を終了する。ステップ117AKS005にて、設定示唆モードを格納したときには、画面表示装置5などにおいて、その設定示唆モードを遊技管理者が認識可能に表示するようにしてもよい。
特徴部117AKでは、図54−56に示すように、「設定示唆モード1」〜「設定示唆モード3」といった複数の設定示唆モードがあり、遊技店員など遊技管理者の操作に基づいていずれかの設定示唆モードが選択されることとなる。「設定示唆モード1」は、設定示唆の実行割合が最も高く、設定示唆の実行タイミングとしていつでも実行可能であり、示唆方法として、「音」、「画像」、「ランプ」、「振動」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。「設定示唆モード2」は、設定示唆の実行割合が「設定示唆モード1」よりも低く、後述する「設定示唆モード3」よりも設定示唆の実行割合が高いモードであり、設定示唆の実行タイミングとして変動中や大当り中といったタイミングに実行可能であり、示唆方法として「音」、「画像」、「振動」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。「設定示唆モード3」は、設定示唆の実行割合が最も低く、設定示唆の実行タイミングとして変動中のリーチ演出中や大当り中といったタイミングで実行可能であり、示唆方法として、「音」、「画像」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。すなわち、「設定示唆モード1」>「設定示唆モード2」>「設定示唆モード3」の順に実行割合が低くなり、かつ、実行タイミングも限定され、さらに、示唆方法についても少なくなる。このように、特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理では、設定示唆に関する様々な設定が可能となっている。そのため、設定示唆に関する設定により様々な態様の設定示唆が実行可能となり、演出効果を高めることができる。また、特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理では、遊技店員など遊技管理者による操作に基づいて設定示唆モードを設定可能であることから、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。なお、図示する例の他、例えば、設定値「3」であることが確定する設定示唆など、特定の内容を示唆する設定示唆についての実行割合を高くするか低くするか(実行するか否か設定も含む)の設定が可能であってもよい。
図54−57は、特徴部117AKにて実行される設定示唆パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図54−57に示す設定示唆パターン設定処理は、ステップS90170の可変表示開始待ち処理内にて実行される処理である。特徴部117AKでは、上述したように、遊技店員などの遊技機の管理者(遊技管理者)による操作により、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行割合や実行タイミング、示唆の方法などが異なる複数のモードからいずれかのモード(設定示唆モード)を選択可能である。図54−57に示す設定示唆パターン設定処理では、当該遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた範囲内において、具体的な設定示唆の実行タイミング、示唆方法、画像表示装置905における表示位置(画像表示位置)などの設定示唆のパターン(設定示唆パターン)を、遊技者の操作(スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する操作)に応じて設定する。特徴部117AKにおける設定示唆パターン設定処理では、設定示唆モードに応じた設定示唆パターンを、遊技者の操作に応じて複数の中から選択する処理を実行する。すなわち、特徴部117AKでは、まず、遊技店員などの遊技管理者により設定示唆モードが設定され、その後当該遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた設定示唆パターンが遊技者により設定される。そのため、遊技者は遊技店員など遊技管理者により設定された範囲内において設定示唆パターンを設定可能となることから、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。なお、設定示唆モードおよび設定示唆パターンのいずれも、遊技管理者により設定可能であってよい。また、設定示唆モードおよび設定示唆パターンのいずれも遊技者により設定可能であってもよい。これによれば、遊技者により設定示唆に関する様々な設定が可能となり、演出効果を高めることができる。なお、この実施の形態では、設定示唆の実行タイミング、示唆方法、画像表示位置の組合せが予め設定された設定示唆パターンを複数の中から選択する例を示しているが、例えば、実行タイミング、示唆方法、画像表示位置をそれぞれ個別に選択可能としてもよい。
図54−57に示す設定示唆パターン設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆パターン設定画面が画像表示装置905に表示中であるか否かを判定する(ステップ117AKS101)。設定示唆パターン設定画面は、例えば図54−59(B)に示すように、複数用意された設定示唆パターンを一覧表示し、遊技者による選択によりいずれかの設定示唆パターンを選択可能とする画面である。設定示唆パターン設定画面が表示中でなければ(ステップ117AKS101;No)、主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップ117AKS102)。主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信していなければ(ステップ117AKS102;No)、設定示唆パターン設定処理を終了する。
客待ちデモ指定コマンドは、特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合に主基板9011の側にてデモ表示設定が行われることで送信されるコマンドである。デモ表示設定では、例えば画像表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かが判定され、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了し、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信する処理が行われる。なお、デモ画面表示を開始する契機としては、この例に限定されず、特図ゲームの保留記憶数が「0」になってからの時間を演出制御基板9012の側で計測し、一定期間(例えば30秒など)が経過したらデモ画面表示を開始するための処理を実行するようにしてもよい。また、特図ゲームの保留記憶数が「0」になってからの時間を主基板9011の側で計測し、一定期間が経過したら客待ちデモ指定コマンドを送信して、演出制御基板9012の側でデモ画面表示を行うようにしてもよい。また、演出制御基板9012の側で、変動終了後に所定期間、主基板9011から演出制御コマンドを受信しなかった場合には、遊技者が遊技中でないと判別し、デモ画面表示を開始するようにしてもよい。この他、デモ画面表示を開始する際の制御は、客待ち中にデモ画面を表示できるものであれば任意でよい。
主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信していれば(ステップ117AKS102;Yes)、設定示唆パターン設定画面を表示されるための操作が遊技者から行われたか否か、すなわち、設定示唆パターン設定画面移行操作が行われたか否かを判定する(ステップ117AKS103)。設定示唆パターン設定画面移行操作は、遊技者によるスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作により行われればよい。設定示唆パターン設定画面移行操作が行われていない場合(ステップ117AKS103;No)、演出制御用CPU90120は、設定示唆パターン設定処理を終了する。
一方、設定示唆パターン設定画面移行操作が行われた場合(ステップ117AKS103;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆パターンをいずれかに選択するための設定示唆パターン設定画面を、図54−55に示す設定示唆モード設定処理にて設定された設定示唆モードに応じて画像表示装置905に表示させる(ステップ117AKS104)。具体的に、ステップ117AKS104では、設定された設定示唆モードを設定示唆モード格納領域を確認することにより特定し、当該設定された設定示唆モードに応じて図54−58に示す設定示唆パターンの一覧を、設定示唆パターン設定画面として選択可能に表示する。図示するように、この実施の形態では、設定示唆パターンとしてパターン1〜パターン3といったパターンが用意されており、設定示唆モードに応じて同じパターンであっても内容が異なるものとなっている。また、図示するように、この実施の形態では、設定示唆モードが異なっていても、設定示唆パターンが同一であれば設定示唆の実行タイミングは共通するものとなっている(すなわち、一部の内容については設定示唆モードに関わらず共通である)。そのため、設定示唆の実行タイミングが複雑化して遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。なお、実行タイミングだけでなく、設定示唆モードに関わらず共通の設定示唆パターン(内容が全て共通するパターン4の設定示唆パターンなど)が用意されていてもよい。その他、同じ設定示唆パターンであっても、実行タイミングを含む全ての内容が設定示唆モードに応じて異なるようにしてもよい。図54−59(B)に示す例では、設定示唆モードが設定示唆モード2である場合の例を示しており、図54−58(B)に示すパターン1〜パターン3の内容の設定示唆設定画面が表示された場合の例を示している。図54−57のステップ117AKS104の処理では、このような設定示唆設定画面を表示する。
続いて、ステップ117AKS101にて、設定示唆パターン設定画面が表示中である場合や(ステップ117AKS101;Yes)、ステップ117AKS104の処理で設定示唆モードに対応した設定示唆パターン設定画面を表示した後には、操作手段により設定示唆パターンの選択操作がなされたか否かを判定する(ステップ117AKS105)。設定示唆パターンの選択操作がなければ(ステップ117AKS105;No)、設定示唆パターン設定処理を終了する。
設定示唆パターンの選択操作がなされた場合は(ステップ117AKS105;Yes)、例えば、RAM90122に設けられた演出制御用データ保持エリアの設定示唆パターン格納領域に、選択された設定示唆パターンを特定可能な情報を格納することにより、当該選択された設定示唆パターンを記憶する(ステップ117AKS106)。なお、設定示唆パターン格納領域には、初期値として、いずれかの設定示唆パターンが格納されていればよい。例えば、初期値として「パターン2」が格納される。ステップ117AKS106の処理の後、設定示唆パターン設定処理を終了する。ステップ117AKS106にて、設定示唆パターンを格納したときには、画面表示装置5などにおいて、その設定示唆パターンを遊技者が認識可能に表示するようにしてもよい。
(特徴部117AKの変形例)
上記実施の形態では、図54−57における設定示唆パターン設定処理において、設定された設定示唆モードの範囲内において遊技者が設定示唆に関する具体的な設定を行う例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、あるミッション(課題または指令)を遊技者が認識可能に報知するミッション報知演出が行われてもよく、達成すべきミッションを遊技者により設定可能としてもよい。ミッションを報知する演出動作としては、例えば画像表示装置905の表示画面に達成条件を示す演出画像を表示するものや、遊技者が達成条件を認識できる音声をスピーカ908L、908Rから出力するもの、遊技効果ランプ909や装飾用LEDに含まれる所定のランプやLEDを点灯させて達成条件を報知するもの、遊技領域内または遊技領域外に設けられた演出用役物が備える可動部材を動作させることにより達成条件を報知するもの、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせて達成条件を遊技者に提示できるものであればよい。このミッション報知演出において報知されるミッション(すなわち達成すべきミッション)に、設定示唆の実行というミッションが含まれていてもよく(その他、スーパーリーチAの実行や、擬似連の可変表示演出の実行などといったミッションなど、複数種類のミッションが用意されていればよい)、複数のミッションが表示されるミッション一覧から、遊技者の選択操作により選択されたミッションが、達成すべきミッションとして設定されればよい。
ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されたときには、ミッション達成時演出を実行する。ミッション達成時演出の実行態様(出現可能な所定表示態様)は、遊技者により設定されたミッションの種類に応じた態様であればよく、例えば、達成されたミッションが設定示唆の実行であれば、当該実行された設定示唆の実行態様に応じた態様のミッション達成時演出が実行されればよい。また、ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されないことが確定したときには、ミッション失敗時演出を実行することができればよい。なお、報知されたミッションが達成されないときでも、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることがあってもよい。このように、達成条件として提示されるミッションは、それが達成されたことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることが確定する一方で、ミッションが達成されないときでも可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンによるリーチ演出を実行する可能性があるものであればよい。あるいは、ミッションが達成されたときでも、可変表示結果が「大当り」とならないことや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないことがあるようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」とならないときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないときには、可変表示結果が「大当り」となるときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されるときに比べて、ミッションが報知される可能性を十分に低下させて、ミッションが達成されたときに可変表示結果が「大当り」となることや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されることへの遊技者の期待感を高めるようにすればよい。
(特徴部117AKに係る手段の説明)
以上の特徴部117AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部117AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行するなど)と、を備え、
操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能な実行態様設定手段(例えば設定示唆モード設定処理を実行する演出制御用CPU90120など)と、
を備えることを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段2の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技店員による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば遊技店員などの操作にもとづいて設定示唆モード設定処理を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段3の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技者による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば設定示唆設定処理を実行する演出制御用CPU90120など)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段4の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技店員により設定された範囲内で、遊技者による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた設定示唆パターンが遊技者により設定されるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段5の遊技機として、
所定条件が成立したときに条件達成を報知する条件達成報知を実行可能な条件達成報知実行手段(例えばミッション達成時演出を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、
前記条件達成報知実行手段は、実行された前記示唆演出の種類に応じた態様の前記条件達成報知を実行可能である(例えば達成されたミッションが設定示唆の実行であれば、当該実行された設定示唆の実行態様に応じた態様のミッション達成時演出が実行されるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部118AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部118AKについて説明する。図54−60は、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理とは異なり、ステップ118AKS001における選択演出実行設定処理を実行する。また、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図54−35参照)に代えて、ステップ118AKS002にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ118AKS002における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理である点で、特徴部115AKおよび特徴部116AKにおける設定示唆実行設定処理と共通するが、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出であり、特徴部116AKにおける設定示唆は、特徴部115AKのような所定条件に関わらず実行される演出であり、実行態様に応じて遊技者の認識しやすさが異なる演出である。これに対し、特徴部118AKにおける設定示唆は、ステップ118AKS001にて設定された選択演出の実行中(より具体的には演出設定が行われる前の選択肢が表示されている期間中)に行われる演出であり、当該選択演出に関連する演出である点で相違する。特徴部118AKにおけるステップ118AKS002の設定示唆実行設定処理では、このように、特徴部115AKや特徴部116AKとは異なる設定示唆の実行設定を行う。
図54−61は、図54−60のステップ118AKS001にて行われる選択演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。選択演出は、複数回の変動に亘って遊技者に対して選択肢(質問内容とその選択内容(回答)とを含む)を段階的に表示し、遊技者によるスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作により選択された回答パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に従って、その後に実行される演出の種類を設定する(演出設定を行う)演出である。すなわち、特徴部118AKにおける選択演出では、遊技者による選択肢の選択パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に応じた演出設定を行うため、遊技者の性格や嗜好性に沿った演出設定を行うことが可能である。また、選択演出は、複数の変動に亘って実行されることから(変動中に行われる演出の一貫として行われることから)、選択操作に対する遊技者の参加率を高めることができる。なお、選択演出には、選択肢を段階的に表示する演出の他、演出設定が行われた後の変動において実行される、当該演出設定に応じた態様の演出が含まれる。すなわち、選択演出には、演出設定前における選択肢を段階的に表示する演出に加え、演出設定が行われた後に行われる当該演出設定に応じた態様の演出が含まれる。このように、特徴部118AKの選択演出は、複数の変動に亘って遊技者の性格や嗜好性に沿った演出設定を行うことが可能な演出であり、これにより演出効果を高めることができる。
図54−61に示す選択演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS002)。設定完了フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択が終了して演出設定が完了したことを示すフラグである。設定完了フラグは、最終段階の選択肢に対する選択がなされたことによりオン状態にセットされ、客待ちデモ演出が実行されることによりオフ状態にクリアされる。設定完了フラグは、この他にも、例えば、発射操作が所定期間行われていないことなど、非遊技時間の長さによりクリアされればよい。特徴部118AKでは、設定完了フラグがオフ状態であることを条件に選択肢を表示し、演出設定を行う。
設定完了フラグがオフ状態であれば(ステップ118AKS002;No)、演出制御用CPU90120は、設定中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS003)。設定中フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択中であるか否かを示すフラグである。なお、設定中フラグは、後述するステップ118AKS004にて開始時選択肢(第1段階の選択肢)が表示されたことによりオン状態にセットされ、最終段階の選択肢が表示されたことにより、ステップ118AKS109にてオフ状態にセットされる(合わせて設定完了フラグがオン状態にセットされる)。
設定中フラグがオフである場合(ステップ118AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、客待ち状態から変動状態に移行した際に実行された可変表示(変動)であるとして、開始時選択肢(第1段階の質問内容とその回答)を画像表示装置905に表示する設定を行い(ステップ118AKS004)、選択演出実行設定処理を終了する。一方、設定中フラグがオンである場合(ステップ118AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、選択段階(種類も含む)および選択内容に応じた選択肢(前回表示された質問内容とその選択内容(回答)に応じた選択肢)を表示する選択肢表示設定を行い(ステップ118AKS005)、選択演出実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ118AKS005の処理では、図54−62に示すように、選択段階(種類も含む)と選択内容に応じた選択肢(質問内容とその選択内容(回答)とを含む)を表示する設定を行う。この実施の形態では、表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答)が記憶される。そして、この実施の形態では、図54−62に示すように、前回表示した選択肢の段階(種類も含む)とその選択内容(回答)に応じて(すなわち前回の質問内容とその回答に応じて)、予め表示すべき選択肢のパターンが用意されている。より具体的に、例えば、開始時選択肢にて「Yes」が選択された場合、次の変動の開始時に実行されるステップ118AKS005において、図54−62に示すように、第2段階の選択肢Aが表示されることとなる。また、第2段階の選択肢A(選択肢の段階が第2段階で種類が選択肢A)にて「Yes」が選択された場合には、次の変動において第3段階の選択肢Aが表示される設定が行われ、「No」が選択された場合には、第3段階の選択肢Bが表示される設定が行われる。なお、この実施の形態では、「Yes」または「No」といった態様の答えだけでなく、例えば、第3段階の選択肢Aに示すように「朝」や「夜」といった態様の答えなど、より遊技者の嗜好に沿った回答が可能な態様(具体的態様)が用意されている(図54−62の第3段階の選択肢Dについても同様)。また、図示する例では、回答が2択であるが、例えば、第3段階の選択肢Aに示すように「朝」や「夜」といった態様の回答に加え、さらに「どちらも不得意」といった態様の回答を用意し、3択としてもよい。このように、図54−61のステップ118AKS005では、図54−62に示すパターンに従い、表示した選択肢の段階(種類も含む)とその選択内容(選択結果)に応じて(すなわち前回の質問内容とその回答に応じて)、今回の変動において表示すべき選択肢を表示する設定を行う。なお、この実施の形態では、図54−62に示すように、第3段階を最終段階の選択肢として、第1段階である開始時選択肢から第3段階までの選択肢に対する回答に応じて、設定A〜設定Hの演出設定がそれぞれ行われる例を示している。なお、選択肢の表示段階は第3段階に限られず、より多くの段階を設けてもよいし、設定数においても同様である。また、最終段階にて異なる選択肢が表示される場合であっても、設定される演出設定が同じでとなるパターンがあってもよい。なお、この実施の形態において、設定A〜設定Hといった演出は、遊技者の選択パターンに応じて決定され、実行される演出の内容や背景、出力音量や発光するライトの輝度などがそれぞれ異なっている。具体的に、特徴部118AKでは、遊技者の選択パターンに応じて遊技者のタイプ別に設定A〜設定Hのいずれかに決定する。例えば、選択肢の選択パターンとして、図54−62に示す第2段階の選択肢Bにて「Yes」と選択し、第3段階の選択肢Cにて「Yes」と選択した遊技者については、活発的なタイプの遊技者として「設定E」に決定する。「設定E」では、演出内容としてバトル演出を、背景として原色系の色を使用し、出力音量を他の設定よりも大きくするなど、一般的に、活発的な遊技者が好む傾向の演出設定が行われる。また、例えば、第2段階の図54−62に示す第2段階の選択肢Aにて「Yes」と選択し、第3段階の選択肢Aにて「Yes」と選択した遊技者については、慎重派なタイプの遊技者として「設定A」に決定する。「設定A」では、演出内容として大当り期待度を例えば星の数で表示するなど、遊技者に期待度を認識しやすい態様で報知する演出を実行する。その他、背景や出力音量などについてはその他の演出設定と同様であっても異なっていてもよい。すなわち、遊技者のタイプ別に、当該タイプの遊技者であれば好むであろうと想定される演出内容が、設定A〜設定Hに予め設定されていればよい。なお、例えば、遊技の途中において、決定された演出設定の内容が遊技者の嗜好に合っていない場合には、他の演出設定に変更可能としてもよい。この場合には、変更前の演出設定と変更後の演出設定の内容を記憶しておき、学習により選択肢および演出設定を増加することが可能であってもよい。例えば、図54−62に示す第3段階の選択肢Cにて「Yes」と回答され「設定E」に決定された場合であって、遊技者がバトル演出を好まない割合が高くなったときには、例えば「格闘漫画は好きですか?」などといった選択肢を追加し、この回答に応じて「設定E1」と「設定E2」を追加するようにしてもよい。
一方、設定完了フラグがオン状態である場合(ステップ118AKS002;Yes)、演出制御用CPU90120は、図54−62に示す設定A〜設定Hのいずれかの設定に応じた演出を実行する設定を行い(ステップ118AKS006)、選択演出実行設定処理を終了する。なお、ステップ118AKS004やステップ118AKS005の処理では、選択演出として選択肢を表示する期間およびその回答期間についても設定される(選択演出期間が設定される)。また、ステップ118AKS006では、設定された演出設定に応じた演出を実行する期間が、選択演出期間として設定される。なお、遊技者による操作が行われない場合には、回答期間の終了時に任意の回答が選択されればよい。
図54−60に戻り、ステップ118AKS001の選択演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、設定示唆実行設定処理を実行する(ステップ118AKS002)。図54−63は、特徴部118AKにて実行される設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS002)。特徴部118AKでは、演出設定が行われる前の、選択肢が表示される選択演出の実行中に、設定値を示唆する演出である設定示唆が行われる。そのため、ステップ118AKS002では、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを確認することで、演出設定が既に行われているか否かを判定している。選択完了フラグがオンである場合(ステップ118AKS010;Yes)、すなわち既に演出設定が行われている場合、演出制御用CPU90120は、設定示唆を実行可能な期間ではないとして、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。
一方、選択完了フラグがオフである場合(ステップ118AKS010;No)、演出制御用CPU90120は、設定示唆を実行可能な期間であるとして、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ118AKS011)。具体的に、ステップ118AKS011の処理では、可変表示結果に基づいて、図54−64に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態における設定演出は、選択演出にて選択肢が表示されている期間に実行される演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出となっている。また、ステップ118AKS002の処理では、例えば、設定示唆が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。具体的に、特徴部118AKにおける設定示唆は、選択演出にて選択肢が表示されている期間中に行われる演出であり、選択肢は、第1段階から第3段階(最終段階)まで、すなわち3回の変動に亘って表示される。そのため、例えば、第1段階の選択肢や第2段階の選択肢が表示されるタイミングで設定示唆が行われるよりも最終段階である第3段階の選択肢が表示されるタイミングで設定示唆が行われた方が、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、第1段階の選択肢が表示されるタイミング、すなわち開始時選択肢が表示されるタイミングでは設定示唆が行われないこととなっている(図54−60にて設定中フラグがオンである場合にのみステップ118AKS002の処理が行われればよい)。これにより、最初の選択肢で設定示唆が行われてしまうことで遊技者の選択意欲が減少してしまうことを防止することができる。また、第1段階の選択肢が表示されるタイミングにおいても設定示唆が行われるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第2段階の選択肢が表示されるタイミングと、第3段階の選択肢が表示されるタイミング、といった複数のタイミングにおいて設定示唆を実行可能であるが、いずれか一のタイミングのみ実行可能としてもよい。
また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が「3」である場合>設定値が「2」である場合>設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。さらに、可変表示結果に加えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「1」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。
図54−63に戻り、ステップ118AKS011の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ118AKS011にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ118AKS012)。設定実行示唆なしの場合、すなわちステップ118AKS011にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ118AKS012;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、ステップ118AKS011にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ118AKS012;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し(ステップ118AKS013)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ118AKS013の処理では、設定されている設定値に基づいて、図54−65に示す決定割合に従って、「設定示唆態様1(キャラA)」〜「設定示唆態様3(キャラC)」のいずれかを、設定示唆の実行態様として決定する。
この実施の形態における「設定示唆態様1(キャラA)」は、キャラクタAの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「1」であることを示唆する態様である。「設定示唆態様2(キャラB)」は、キャラクタBの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「2」であることを示唆する態様である。「設定示唆態様3(キャラC)」は、キャラクタBの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「3」であることを示唆する態様となっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図54−65に示すように、特徴部118AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる態様により設定示唆を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図54−65に示すように、「設定示唆態様3(キャラC)」の態様の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3(キャラC)」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1(キャラA)」および「設定示唆態様2(キャラB)」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1(キャラA)」の設定示唆、または「設定示唆態様2(キャラB)」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3(キャラC)」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。
このように、特徴部118AKでは、選択演出の実行設定が行われた後、変動中に選択肢が表示される場合に、設定値に応じて異なる割合で異なるキャラクタ画像を選択肢の表示上に表示する設定示唆の実行設定が行われることとなる。これにより、選択演出における選択肢の表示中に、設定値に応じて異なる割合で、異なる態様の設定示唆を実行することができ、演出効果を高めることができる。なお、設定示唆は、キャラクタ画像に限られず、メッセージ表示やランプの点灯、音声出力など、様々な実行態様により行われてもよい。
図54−66は、特徴部118AKにて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90801)。演出制御用CPU90120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間(変動時間)が経過したと判定すればよい。
ステップS90801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS90801;No)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS90804)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS90804;Yes)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS90805)。
ステップS90805の処理の実行後、または、リーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS90804;No)、演出制御用CPU90120は、選択演出期間であるか否かを判定する(ステップ118AKS101)。当該選択演出期間の始期は、図54−61のステップ118AKS003またはステップ118AKS004の処理にて決定された、選択肢を表示するタイミング(選択肢表示タイミング)または設定内容に応じた演出の実行タイミングであり、当該演出期間の長さは、それぞれの演出に応じてステップS90532の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。
選択演出期間であると判定した場合(ステップ118AKS101;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS102)。設定完了フラグがオフである場合(ステップ118AKS102;No)、続いて設定中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ118AKS103)。設定中フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択中であるか否かを示すフラグである。なお、設定中フラグは、開始時選択肢(第1段階の選択肢)が表示されたことによりオン状態にセットされ、最終段階の選択肢が表示されたことによりオフ状態にセットされる(合わせて設定完了フラグがオン状態にセットされる)。設定中フラグがオフである場合(ステップ118AKS103;No)、演出制御用CPU90120は、客待ち状態から変動状態に移行した際に実行された可変表示(変動)であるとして、開始時選択肢を画像表示装置905に表示するとともに、設定中フラグをオン状態にセットする(ステップ118AKS104)。なお、ステップ118AKS104にて表示された選択肢について、遊技者の選択操作が行われると(選択操作が行われず回答期間が終了した場合も含む)、その内容(表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答))を記憶するとともに、当該選択肢の表示が消去されればよい。
一方、設定中フラグがオンである場合(ステップ118AKS103;Yes)、演出制御用CPU90120は、前回表示された選択肢とその選択内容(回答)に応じた選択肢を表示する(ステップ118AKS105)。例えば、ステップ118AKS105では、前回表示された選択肢が図54−62に示す開始時選択肢であり、その選択内容(回答)が「Yes」である場合、第2段階の選択肢Aの選択肢を表示する。また、前回表示された選択肢が図54−62に示す第2段階の選択肢Aの選択肢であり、その選択内容(回答)として「Yes」が選択された場合には、第3段階の選択肢Aを表示する。図54−66に示すステップ118AKS105の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、設定示唆期間であるか否かを判定する(ステップ118AKS106)。当該設定示唆期間の始期は、図54−63のステップ118AKS011の処理にて決定されていればよく、当該設定示唆期間の長さは、設定示唆の実行態様に応じてステップS90532の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。なお、設定示唆期間の始期についても、設定示唆の実行態様に応じて異なるようにしてもよい。なお、ステップ118AKS105にて表示された選択肢について、遊技者の選択操作が行われると(選択操作が行われず回答期間が終了した場合も含む)、その内容(表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答))を記憶するとともに、当該選択肢の表示が消去されればよい。また、表示された選択肢が最終段階の選択肢である場合には、選択内容に応じた演出設定を記憶する。
設定示唆期間である場合(ステップ118AKS106;Yes)、演出制御用CPU90120は、図54−63のステップ118AKS013にて決定された態様の設定示唆を実行する(ステップ118AKS107)。ステップ118AKS107の処理を実行した後、またはステップ118AKS106にて設定示唆期間ではないと判定した場合(ステップ118AKS106;No)、演出制御用CPU90120は、ステップ118AKS105の処理にて表示した選択肢が最終段階の選択肢であるか否かを判定する(ステップ118AKS108)。表示した選択肢が最終段階の選択肢である場合(ステップ118AKS108;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定中フラグをオフ状態にクリアするとともに、設定完了フラグをオン状態にセットする(ステップ118AKS109)。
ステップ118AKS102にて設定完了フラグがオン状態であると判定した場合(ステップ118AKS102;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定内容に応じた演出制御、すなわち設定A〜設定Hのいずれかの演出設定に応じた演出を実行する制御を行う(ステップ118AKS110)。
ステップ118AKS110、ステップ118AKS104、ステップ118AKS109のいずれかの処理を実行した後、ステップ118AKS101にて選択演出期間でないと判定した場合(ステップ118AKS101;No)、またはステップ118AKS108にて最終段階ではないと判定した場合(ステップ118AKS108;No)、演出制御用CPU90120は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS90808)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS90801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS90801;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS90809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS90809;Yes)、演出制御用CPU90120は、例えば、表示制御部90123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90811)。次に、演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS90812)、可変表示中演出処理を終了する。このようにして、特徴部118AKでは、選択演出や設定示唆が実行される。
図54−67は、選択演出および設定示唆が実行された場合における演出動作例を示している。図示する例では、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が第2段階の選択肢を表示するタイミングで行われる例を示している。客待ち状態から変動状態に移行して変動が開始されると、図54−67(A)に示すように、開始時選択肢に対応する質問内容とその選択内容(回答)とを含む選択肢118AK001を表示する。そして、図54−67(B)に示すように変動が終了する。続いて次の変動が開始され、選択演出期間となると、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図54−67(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示される。なお、図54−67(C−1)に示す例では、設定示唆を実行しないと決定した場合について示している。一方、開始時選択肢にて「No」と判定した場合には、図54−67(C−2)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Bが表示される。なお、図54−67(C−2)に示す例では、設定示唆を実行すると決定した場合について示している。そのため、図54−67(C−2)に示すように、当該選択肢118AK001とともに、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が行われ、キャラクタCの画像が選択肢上に表示される。なお、設定示唆としてのキャラクタ画像が表示される位置については任意の位置であってよい。また、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図54−67(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示されるが、設定示唆を実行すると決定した場合には、図54−67(C−2)と同様に、設定示唆が行われ、設定示唆態様3(キャラC)である場合にはキャラクタCの画像が選択肢上に表示される。
続いて図54−67(C−1)や図54−67(C−2)に示す第2段階の選択肢が表示された後、当該選択肢の選択内容(回答)に応じて、次の変動において最終段階の選択肢が表示され、その選択内容(回答)により、図54−67(D−1)や図54−67(D−2)に示すように、選択内容に応じた演出設定が行われる。図54−67(D−1)に示す例では、演出設定として「設定A」が、図54−67(D−2)に示す例では、演出設定として「設定E」が設定されたことを示している。その後、続けて実行される変動において、当該設定された演出設定に応じた態様の演出が実行される。なお、質問内容とその選択内容(回答)とを含む選択肢上にキャラクタ画像を表示することで設定示唆を行う例を示しているが、例えば、質問内容の上に表示する場合と、選択内容(YesやNo)の上に表示する場合とがあってもよい。また、例えば、キャラクタ画像を表示するのではなく、質問内容の表示色や選択内容の表示色を、通常時とは異なる表示色(例えば緑、青、赤といった3態様のいずれか)とすることにより設定示唆を行うようにしてもよい。
(特徴部118AKの変形例)
上記実施の形態における設定示唆では、キャラクタ画像を選択肢の表示上に表示する例を示したが、これは一例である。例えば、選択演出にて表示される選択肢を、例えば、「午後の予定はキャンセルできますか?」などといったように、図54−62に示す質問内容とは異なる特殊内容の選択肢とすることで設定示唆を行うようにしてもよい。具体的に、図54−60のステップ118AKS002における設定示唆実行設定処理において、設定示唆を実行する場合に、その実行態様として特殊内容の質問内容を複数の中から決定すればよい。そして、図54−60のステップ118AKS001にて選択演出実行設定処理を行った後、ステップ118AKS002にて設定示唆実行設定処理を行い、設定示唆を実行する場合には、ステップ118AKS001にて表示するよう設定した選択肢を、ステップ118AKS002の設定示唆実行設定処理にて決定した態様の設定示唆(決定した質問内容)に変更すればよい。なお、設定示唆態様として、図54−65に示すように3態様の特殊内容が用意されていればよい。すなわち、当該変形例では、設定示唆を、選択演出における選択肢として表示することで実行する。これによれば、特殊な内容の選択肢が表示され得るため、演出効果を高めることができる。
図54−68は、当該変形例における選択演出と設定示唆が実行された場合の演出動作例を示している。図示する例では、図54−67(C−2)に示すように選択肢118AK001とともに、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が行われ、キャラクタCの画像が選択肢上に表示されるのとは異なり、図54−68(C−2)に示すように、設定示唆を実行する場合に特殊内容118AK002が表示される。なお、図示するように、特殊内容を表示する場合には、通常の選択肢(予め設定されたパターンの選択肢であって図54−62に示す内容の選択肢)を表示する場合よりも、表示枠やメッセージ(選択内容も含む)を、太く、大きく、かつ点滅させて表示するように、遊技者に認識しやすい態様で表示する。このように、この変形例における設定示唆では、遊技者が通常の選択肢よりも特殊内容の選択肢を認識しやすい態様で表示する。したがって、演出効果を高めることができる。なお、遊技者が通常の選択肢よりも特殊内容の選択肢を認識しやすい態様であれば、任意の態様であってよい。また、上記実施の形態における設定示唆にて表示されるキャラクタ画像を、例えば点滅させて表示するなど、遊技者がより認識しやすい態様で表示してもよい。すなわち、この変形例では、設定示唆にて表示される画像(例えば特殊内容の選択肢やキャラクタ画像)を、通常の選択肢よりも認識しやすい態様で表示する。これによれば、演出効果を高めることができる。なお、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図54−68(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示されるが、設定示唆を実行すると決定した場合には、図54−68(C−2)と同様に、特殊内容118AK002が表示されればよい。
また、上記変形例では、上記実施の形態における選択演出として演出設定を行うための選択肢として、特殊内容の選択肢を表示する例を示したが、これは一例である。例えば、上記実施の形態のように遊技者が選択を行う選択演出の選択肢としてではなく、例えば、「チャンス」、「スーパーリーチ」、「NEXT」など、のようにスーパーリーチのリーチ演出が行われることを示す選択肢、擬似連の可変表示演出が行われることを示す選択肢など、複数の選択肢がルーレットのように表示され、時間経過とともにいずれかが選択される(操作に関わらず選択される)ルーレット演出における選択肢の一つとして、例えば「設定2」などといった、設定値を示唆する示唆画像が表示されるようにしてもよい。なお、例えば「チャンス」の選択肢が選択された場合にはリーチ状態となりリーチ演出が実行され(ノーマルリーチを含む)、「スーパーリーチ」の選択肢が選択された場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行され、「NEXT」の選択肢が選択された場合には、擬似連の可変表示演出が実行されるなど、選択された選択肢の内容の演出が実行されればよい。すなわち、複数の選択肢の中から時間経過とともにいずれかの選択肢が操作に起因せずに選択されるルーレット演出の選択肢の一つとして示唆画像が表示される。これによれば、ルーレット演出の一貫として設定示唆を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部118AKに係る手段の説明)
以上の特徴部118AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部118AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
複数の選択肢として複数の選択肢画像を表示し、いずれかの前記選択肢画像を選択する選択演出を実行可能な選択演出実行手段(例えば選択演出において選択肢を表示する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記選択演出実行手段によって前記選択演出が実行されるときに、設定されている設定値に応じた示唆画像を表示可能である(例えば変動中に選択肢が表示される場合に、設定値に応じて異なる割合で異なるキャラクタ画像を選択肢の表示上に表示するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段2の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、実行条件が成立した場合、複数回の可変表示に亘って前記選択演出を実行可能であり(例えば客待ち状態から変動状態に移行した際に選択演出を実行するなど)、
前記複数回の可変表示に亘って表示される前記複数の選択肢画像が選択されることで演出態様の設定が可能である(例えば遊技者による選択肢の選択パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に応じた演出設定を行うなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段3の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記複数の選択肢画像に前記示唆画像を含めて表示可能である(例えば選択演出にて表示される選択肢を特殊内容の選択肢とすることで設定示唆を行うなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段4の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記示唆画像を前記複数の選択肢画像よりも遊技者が認識しやすい態様にて表示可能である(例えば設定示唆にて表示される画像(例えば特殊内容の選択肢やキャラクタ画像)を、通常の選択肢よりも認識しやすい態様で表示するなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段5の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記複数の選択肢画像として、前記示唆画像と、選択された場合に実行される所定演出の内容を報知する演出報知画像と、を表示可能であり、いずれかの前記選択肢画像が遊技者の選択操作によらず選択される前記選択演出を実行可能である(例えば、複数の選択肢の中から時間経過とともにいずれかの選択肢が操作に起因せずに選択されるルーレット演出の選択肢の一つとして示唆画像が表示されるなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部31AK、特徴部121IW、および特徴部112AK〜特徴部118AKに関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、特徴部121IWでは、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどの理由により設定値コマンドを正常に受信できなかった場合に不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。この特徴部を当該特徴部112AK〜特徴部118AKにおける設定示唆に適用し、設定値コマンドに限られず、設定示唆の演出時に必要となるコマンドの取りこぼしやデータ化けなどが生じた場合、不利な設定値が設定されているにも関わらず遊技者にとって有利な設定値を示唆する設定示唆の実行を防止するよう、低い設定値であることを示唆する設定示唆を実行すればよい。
また、例えば特徴部117AKにおける設定示唆モードの一例として特徴部118AKにおける演出設定が可能となるモードがあってもよい。そして、例えば、特徴部118AKにおける演出設定の設定A〜設定Hの一例として、例えば特徴部31AK、特徴部112AK〜特徴部116AKのいずれか1つの特徴部、または複数の特徴部の組合せが演出設定として決定されるようにしてもよい。