以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として打球発射装置から発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。打球発射装置は、発射モータにより駆動されるものであり、打球操作ハンドル5の回動操作位置に応じて、遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。これにより、遊技者は、遊技領域7において希望する場所を狙って遊技球を発射することが可能である。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口スイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、第2始動入賞口14の内部には第2始動入賞口スイッチ14aが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。第2始動入賞口14は、変動表示手段(可変表示手段)としての第2特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。
ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球がゲート32、および、第2始動入賞口14に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。このような開放制御期間中には、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるように、後述の図20に示すラウンド数示唆演出、および、図21に示す保留連報知演出のような特定の演出が実行可能である。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路871が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域870の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域870内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ15aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定入賞スイッチ15bにより検出される。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出され、その後の遊技球がV判定入賞スイッチ15bにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ15aおよびV判定入賞スイッチ15bにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤6内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
V判定入賞装置87の前面側の一部には、「V」という文字形状で構成されたLEDよるなる発光体であるVランプ875が設けられている。Vランプ875は、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに基本的に白色で発光される。Vランプ875は、たとえば、基本的に白色で発光可能であるが、保留連を報知するときのように、遊技状況に応じた演出により、青色、赤色、および、虹色に発光色が変化可能である。なお、Vランプ875は、遊技者により視認可能な位置であれば、V判定入賞装置87において、前面部に設けられてもよく、内部に設けられてもよい。また、Vランプ875は、V判定入賞装置87とは異なる位置(たとえば、V判定入賞装置87の近傍位置等)に設けられてもよい。
可変入賞球装置15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置15は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
右遊技領域では、可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、大当り可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口13への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口14への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示器8bおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する1つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを点灯し、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを消灯する。
第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態が終了した後は、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち促進報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態中は、開口した大当り可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行なわれる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。なお、時短状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行なわれるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、後述するような、小当りに応じてV判定入賞装置87の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行なわれる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の非特定領域871に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知とが行なわれる。
図2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、大当り可変入賞球装置20が開放することも含まれる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。「電チューサポート制御」は、「電サポ」という略語で一般的に呼ばれており、本実施形態でも「電サポ」という略語を用いる場合がある。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、次のような理由で設定されている。図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球をゲート32に進入させて可変入賞球装置15を開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置15に入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置15へ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口13が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される大当り可変入賞球装置20が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、V判定入賞装置87(可動部872)を開閉するソレノイド22、および、V入賞判定入賞装置87(領域870可動部87)を開閉するソレノイド22、V入賞領域870(開閉部材)を開閉するソレノイド24、および、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、Vランプ875の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム2:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム2は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム2は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、このような変動パターン種別には、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がある演出が実行される変動パターン種別等)と、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がない演出が実行される変動パターン種別等)とが含まれている。このような、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、特定の演出が実行される変動パターンであり、小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが含まれている。しがって、このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが実行されたときには、遊技者の期待感を盛上げることが可能となる。小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、小当りとなるときと、小当りとならないときとの両方で選択可能であり、小当りとなるときの方が、小当りとならないときよりも選択される割合が高くなるように設定される。これにより、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別であっても、小当りとならないときも生じるので、実行される変動パターンの種別から小当りとなることが遊技者に予め認知されてしまうことがないようにすることができる。一方、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別は、たとえば、小当りを経由せずに直接大当りとなることを示唆するような小当りと関連性がない演出がされる変動パターン等であり、小当りとなるときに選択不可能とすることにより、変動パターンの演出と、表示結果との関連性が複雑化しないようにすることができる。なお、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、V判定入賞装置87の開放制御との対応関係に基づいて、特定の変動時間に設定されたものが選択されるように設定されている。このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが、小当りとなるときに実行可能となるようにすれば、変動表示時における遊技者の小当りへの期待感を高めることができる。さらに、大当りを得るために所定期間内にV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる必要があるという、小当り遊技状態特有の遊技に遊技者が容易に対応可能な状態となることにより、遊技者がV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる有利状態を逃がしにくいようにすることが可能となる。
また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、特定の変動時間に限定されないものとしてもよい。また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、小当りに関する所定の示唆演出が実行されるものでなくてもよい。また、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けて設けてもよい。また、変動パターンは、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けず、いずれの変動表示結果となるときにも、選択対象の変動パターンの種類の範囲が同じとなるようにしてもよい。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図5(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダム1)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図5(C),(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図5(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。
図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、第1時短状態(変動表示1回〜5回)、および、第2時短状態(変動表示7回〜11回)のような複数種類の時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
次に、各種大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様を説明する。ここでは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態を代表例として説明する。図6は、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様の一例を表形式で示す図である。
4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、比較的少ない変動表示回数(1回〜5回)に亘り時短状態に制御される第1時短状態のときの第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示については、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していた場合と、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していない場合とを比較すると、図6(A),(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行バランス態様が異なる。
図6(A)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶が1個ある場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。図6(B)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶がない場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。
パチンコ遊技機1においては、第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当り遊技状態に制御されると、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶は、大当り遊技状態中において記憶状態が継続されて大当り遊技状態の終了後まで持ち越され、大当り遊技状態の終了後において、変動表示に用いられる。
図6(A)に示すように、8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶があるときには、優先的に実行させるべき第2特別図柄を変動表示のための第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞がまだされていないので、時短状態においては、まず、1回目の変動表示として、大当り遊技状態の発生前から持ち越された第1特別図柄の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態は、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれるので、その後、図6(A)に示すように、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。
時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間においては、第1特別図柄の保留記憶が存在するときに、その保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が実行される。図6(A)では、時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間において、大当り遊技状態への制御前において存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が1回実行された例が示されている。図6(A)では、時短状態の開始後、2回目に第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が1回実行されたことに基づいて、時短状態の開始後、2回目の変動表示において時短制御が終了した例が示されている。
第2始動入賞口14への始動入賞については、前述のように4個の保留記憶情報が可能である。したがって、第1時短状態の開始後、たとえば第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に実行される電サポ状態での可変入賞球装置15の開放制御状態中において、図6(A)に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。この実施の形態では、第1時短状態の場合は、第2保留記憶情報が溜まりやすいように、変動表示時間がある程度長い変動表示が、1回目の第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて実行される。なお、そのように変動表示時間がある程度長い変動表示は実行しないようにしてもよい。
その後、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に、第2保留記憶情報が記憶されているときには、たとえば図6(A)の3回目〜6回目の第2特別図柄の変動表示欄に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行され、約1/7の当選確率の小当り抽選が第2保留記憶情報個数分だけ実行可能となる。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
一方、図6(B)に示すように、時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶がないときには、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態で、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれ、第1始動入賞口13には遊技球が進入し得ない遊技状態となるので、図6(B)に示すように、1回目の変動表示から第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。この場合においても、図6(A)の保留記憶ありの場合と同様に、図6(B)に示すような最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件は、前述のように、第2特別図柄の変動表示が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が合計5回実行されたときに成立する。
図6(A)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に存在していた第1特別図柄の3個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が3回実行された後、4回目に第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、4回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、終了条件が成立し、第1時短状態の制御が終了される。
図6(B)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に第1特別図柄の保留記憶が存在せず、1回目から第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、1回目の変動表示において第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、時短状態の終了条件が成立し、時短状態の制御が終了される。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されている。これにより、たとえば、図6(A)に示すように、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
また、たとえば、第1時短状態の開始時において最大4個の第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、その4個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行された後、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
このように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されていることにより、第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、第1時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される第1時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(1回)との合計回数に設定されているので、第1時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
また、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最小変動表示回数「1」を「7」に置換え、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最大変動表示回数「5」を「11」に置換えたものである。したがって、図柄4R時短大当り以外の大当り種別でも、8R時短大当りの場合と同様に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数の有無および多少にかかわらず、同じ7回という第2特別図柄の変動表示が実行されるまで、第2時短状態が継続する。これにより、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りについて得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図6に示すように、大当り後の時短(電サポ)回数が比較的少ない回数に設定される場合には、前述したように、大当り遊技状態終了直後の第1保留記憶情報の数によって遊技者に不利となるような時短(電サポ)回数とならないようにすることが好ましい。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7および図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7および図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、はずれ表示結果、大当り種別、小当り種別ごとの大当り表示結果、および小当り表示結果を含む表示結果を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A005(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A305(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が第1時短状態(高ベース状態)であることを指定する第1時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が第2時短状態(高ベース状態)であることを指定する第2時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれについて、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを用いてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドC401(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC402(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC403(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC501(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC502(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC503(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC601(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。コマンドC602(H)は、V判定入賞装置87への入賞球(V入賞球とV入賞球以外の入賞球との両方を含む)を検出したことを指定するV入賞球検出指定コマンドである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
第2特別図柄については、RAM55に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファが設けられている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
第1始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存(記憶)される。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム4)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファに予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(第1保留記憶データでは4、第2保留記憶データでは4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、大当り可変入賞球装置20内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した第1特別図柄の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、小当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターン種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出された第2特別図柄の始動入賞について、S1215で説明したような入賞時演出処理と同様の入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
S51で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(S80)を行なった後、処理を終了する。一方、S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図5(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。
次に、特別図柄ポインタが「第1」を示しているか否かを判定する(S72)。特別図柄ポインタが「第1」のときは、図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルを選択し(S73)、S75に進む。一方、特別図柄ポインタが「第1」を示していない場合(「第2」を示している場合)は、図5(D)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択し(S74)、S75に進む。
S75では、S73またはS74で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定し(S75)、S81に進む。
また、S61で大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータであるか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否か確認する(S76)。S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータでない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS82に進む。一方、S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータである(第2特別図柄の変動表示である)ときは、図5(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して、大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値に一致するか否かを判定することより、小当り判定の処理を行なう(S76)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダム1)の値が図5(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると(S76のY)、第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S77Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S78)。
小当りフラグをセットした後は、図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルを選択し(S79)、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を小当り経由大当りの種別として決定する(S80)。そして、S81に移行する。一方、S77で小当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S77のN)、後述するS82に移行する。
S81では、S75またはS80で決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S81)、S82に進む。たとえば、大当り種別が「図柄15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「01」が設定され、大当り種別が「図柄4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「02」が設定される。一方、大当り種別が「小当り経由16(15)R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファとは別の仮大当り種別バッファに「03」が設定される。大当り種別が小当り経由9(8)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「04」が設定される。大当り種別が小当り経由5(4)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「05」が設定される。これらのうち、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りを示すデータは、小当り遊技状態においてV入賞が生じなければ大当りが発生せずに無効となるデータあり、仮設定される。
S82では、特別図柄の停止図柄を設定する(S78)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当りフラグがセットされている場合には、S80で選択決定した小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」、「5」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S75で選択決定した大当り種別に応じた大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S79)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄15R時短大当りまたは図柄4R時短大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄4R時短大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄15R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、10回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、4R図柄時短大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、4R図柄時短大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(S151)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図14は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S161)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R時短大当りであるか否かを確認する(S163)。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄4R時短大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S171)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
図15は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口の開放動作を開始させる(S411)。次に、CPU56は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する(S412)。次に、CPU56は、小当りの開放状態におけるV入賞領域870への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(S413)。具体的に、S413では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S413)。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(S430)。次に、後述するS435でV入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(S431)。V判定入賞個数カウンタは、図15のS413により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S441に進む。一方、S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、図13のS140でセットされた小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S432)。
S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、S441に進む。一方S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開閉させるための処理を行なう(S433)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S434)。S434でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(S435)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S436)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出されたことを認識することができ、V入賞個数を認識することが可能となる。次に、ソレノイドを駆動することにより開閉部材を動作させ、V入賞領域870のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させ(S437)、S439に進む。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の1個目がV入賞すると、V入賞領域870のV入賞口が閉鎖状態にされ、その後に、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、すべて入賞球領域に誘導され、V判定入賞スイッチ15bにより検出される。
一方、S434でオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、V判定入賞スイッチ15bがオン状態となっているか否かを判定する(S438)。S438でオン状態となっているときはS439に進み、S438でオン状態となっていないときは処理を終了する。
S439では、図15のS413により「10」にセットされたV判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行ない(S439)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S440)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出された後、判定入賞装置87内に進入したV入賞球が検出されたことを認識することができ、判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
次に、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S437)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、S434で判定されたV入賞の検出に応じて、V入賞フラグをセットし(S438)、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S436)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が検出されたことを認識することができる。小当り遊技状態においては、複数個の遊技球がV判定入賞装置87内部のV入賞領域870に進入可能となるため、小当り遊技状態における1個目のV入賞球が検出されるとS438によりV入賞フラグがセットされるので、2個目以降のV入賞球が検出されても、重ねてS438,S439が実行されないように制御される。
S431でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S441)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S443)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図17は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグ(図14の大当り終了処理でセットされる第1時短フラグ、第2時短フラグ)を一旦リセットする(S451)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、大当り開始4指定コマンド、または大当り開始5指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回、8回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S460)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500,S501の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。また、演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示と並列的に表示可能な態様で、普通図柄の変動表示に対応する(同期した)演出も実行される。
打球促進演出処理(S500):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各種演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を確認し、遊技状態に応じた打球促進演出を実行する。打球促進演出とは、遊技領域7における第1経路(左打ち経路)および第2経路(右打ち経路)のうち、少なくともいずれか一方への遊技球の打込みを促進させる報知をする演出である。具体的に、打球促進演出には、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする右打ち促進報知演出が含まれるが、打球促進演出には、当該右打ち促進報知演出と、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする左打ち促進報知の演出とを含むようにしてもよい。
右打ち促進報知の演出は、たとえば、演出表示装置の特定の表示領域において、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示することにより行なわれる。
この実施形態では、遊技球の打込みとして左打ちを基本としており、打球促進演出として、左打ち促進報知を実行せず、右打ち促進報知を実行している状態に基づいて、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込み(右打ち)を促進させ、逆に、右打ち促進報知を実行していない状態に基づいて、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込み(左打ち)を促進させる演出制御例を説明する。
なお、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。また、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と、右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。
先読み処理(S501):遊技制御用マイクロコンピュータ560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは図柄大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図21参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S808):小当りが発生したときに、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を所定時間(たとえば、1秒間)行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S809):小当りにおいて、V判定入賞装置87の開放中における各種の演出制御を行なう。そして、V判定入賞装置87が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。また、小当り遊技状態において、V入賞スイッチ87aにより遊技球のV入賞が検出され、V入賞が発生したことが判定されたときには、V入賞が発生したことを報知するV入賞演出制御をする。小当り遊技状態においてV入賞が発生したときには、大当り遊技状態に移行させるために、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新する。一方、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技状態に移行させないので、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。また、演出制御プロセス処理では、S500により、演出制御プロセスの実行状況を確認し、遊技制御状態に応じて、打球促進演出が実行される。
パチンコ遊技機1では、打球促進演出として、高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知を含む複数種類の打球促進演出を実行可能である。高ベース状態右打ち促進報知は、高ベース状態において、右打ちをしてゲート32および可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。小当り右打ち促進報知は、小当り遊技状態において、右打ちをしてV判定入賞装置87(V入賞領域)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。大当り右打ち促進報知は、大当り遊技状態において、右打ちをして大当り可変入賞球装置20(大入賞口)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。
高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する同じ画像を用いて実行してもよい。つまり、右打ち促進報知が、高ベース状態での促進報知と、小当りでの促進報知と、大当りでの促進報知とのいずれの種類に該当するかを特定不可能な状態で表示するものでもよい。右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する画像として、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する等、異なる画像を用いて実行してもよい。この実施形態では、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する例を説明する。また、打球促進演出の種類に応じて、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。たとえば、遊技者にとっての有利度により、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。一例として、小当り右打ち促進報知については小型の画像を用いて促進報知をし、高ベース状態右打ち促進報知については中型の画像を用いて促進報知をし、大当り右打ち促進報知については大型の画像を用いて促進報知をするようにしてもよい。なお、高ベース状態右打ち促進報知については、大当り右打ち促進報知と同様に、大型の画像を用いて促進報知をしてもよい。
次に、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、演出表示装置9で表示される大当り遊技状態中の演出の一例として、Vコンボ演出(VCOMBO演出)を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(出球)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分けて段階的に報知する演出である。
図20は、ラウンド示唆演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図20では、ラウンド示唆演出の一例が時間経過に応じて示され、ラウンド示唆演出と関係が少ない画像は省略されている。ラウンド示唆演出は、小当り遊技状態においてV入賞の発生により大当りとなることが決定されたときにおいて、演出表示装置9の表示画像により、当該小当り終了経由で実行される大当り遊技状態でのラウンド数を示唆する演出である。
図20(A)〜(E)には、ラウンド示唆演出の一例が示されている。小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87が開放状態に制御され、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可能となる。そのような状態でV入賞が発生すると、図20(A)に示すように、演出表示装置9において、V字形状のV入賞画像94が表示される。これにより、入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。V入賞画像94の表示は、V判定入賞装置87が閉鎖状態に制御されるまで継続される。
図20(A)〜(E)に示すように、V入賞の発生に応じてV入賞画像94が表示されたときには、オーラ(aura)を模したオーラ画像95(95A〜95E)が、V入賞画像94の周囲にまとわりつくエフェクト画像的な表示態様で表示される。オーラ画像は、図20(A)〜(E)に示すように、オーラ画像白95A、オーラ画像青95B、オーラ画像緑95C、オーラ画像赤95D、または、オーラ画像虹95Eという複数種類の色から選択された色で表示される。図中においては、括弧付の色文字によりオーラ画像95の色が示されている(色文字は、実際には表示されないが、表示されてもよい)。オーラ画像95の色は、図20(A)〜(E)のように、小当り遊技中において白→青→緑→赤→虹というような所定の複数段階で変化表示可能である。このようなオーラ画像95の色は、V判定入賞装置87への入賞個数に応じて段階的に変化可能となる演出が行なわれる。
オーラ画像95の色は、小当り遊技中において、最初に表示された色が変化しない場合もあり、変化する場合もある。オーラ画像95は、大当り遊技状態でのラウンド数の期待度を色に示唆することが可能である。ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められている。これにより、遊技者は、オーラ画像95の色により、大当り遊技状態でのラウンド数の多さの期待度を認識することが可能となる。たとえば、オーラ画像赤95Dが表示されたときの方が、オーラ画像青95Bが表示されたときよりもラウンド数が多くなる可能性が大きいということを遊技者は認識することができる。
図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
図21は、保留連報知演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図22は、保留連報知演出のタイミングチャートである。図21および図22を用いて、特別演出としての保留連報知演出を説明する。図21では、(A)〜(D)に保留連報知演出の一例が時間経過に応じて示されている。図22では、小当り遊技状態の開始時からV入賞に基づく大当り遊技状態の開始当初までの期間の演出制御タイミングが示されている。
保留連とは、大当りが発生したときに存在している保留記憶情報において、将来的に大当りとなる保留記憶情報があり、当該大当りの大当り遊技状態の終了後に、大当り発生前に存在していた当該保留記憶情報の範囲内で次の大当りが発生するというような、大当り発生時に存在していた保留記憶情報の範囲内で次の大当りが連続的に発生する保留記憶情報範囲内での連続な大当り(保留内連荘)をいう。小当りは、V入賞の発生に基づいて小当り経由大当りとなるので、小当りの保留記憶情報は、将来的に大当りとなる保留記憶情報である。
この実施の形態における保留連は、時短状態(高ベース状態)で大当りとなったときにおける第2保留記憶情報の保留記憶情報内を対象として判断する。第2保留記憶情報が存在すると、第1保留記憶情報よりも第2保留記憶情報が優先して変動表示に用いられるため、時短状態(高ベース状態)では、第2保留記憶情報の保留記憶情報内に小当りまたは図柄大当りの保留記憶情報があれば、連続的な大当りが発生し得るので、これらの保留記憶情報が保留連の記憶情報と判断される。
図22に示すように小当り遊技状態が開始された後、図19の開放中処理(S809)の演出の実行中において、V入賞が発生すると、図21(A)および図22に示すように、演出表示装置9で、V字形状のV入賞画像94が比較的短い所定期間に亘り表示される。これにより、V入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。保留連演出が実行されるときには、小当り遊技状態および大当り遊技状態に亘り次のような演出が実行される。
小当り遊技状態中において、V入賞発生後に所定時間が経過すると、図21(B)および図22に示すように、演出表示装置9の画面全体が黒色に変化(暗転)して何も表示されていないように見せるブラックアウト表示が、図19の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)により、基本的演出として実行される小当り中の開放中演出および小当り終了時の終了演出の代わりに、小当り遊技状態の終了時まで継続して実行される(保留連報知演出の第1処理)。ブラックアウト表示としては、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる視認困難演出、または、遊技者に驚きを与えるための演出であればよく、たとえば、表示画面全体を黒一色の画像に暗転するのではなく、通常表示されている演出画像(演出図柄、キャラクタ、および、背景画像等の演出画像)の前面側に半透明の黒色等の所定色の画像を重ねて表示することにより、表示画面全体の画像の明度を低下させて画像を全体的に暗くする演出や遊技者に特別感を与える演出が行なわれるようにしてもよい。
そして、当該小当り遊技状態の終了後においては、図19の大当り表示処理(S804)により、基本的演出として実行される大当り開始時のファンファーレ演出(大当り開始を報知する演出であり図中に破線で示す)の代わりに、図21(C)または(D)および図22に示すような保留連報知が実行される(保留連報知演出の第2処理)。具体的に、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が3つある場合には、図21(C)のように「+3BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が4つある場合には、図21(D)のように「+4BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。また、図示を省略するが、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が2つある場合には、「+2BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。このように、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。
このように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
このような保留連報知は、図22に示すように、大当り遊技の第1ラウンドの開始前までというような、大当り遊技状態の演出開始当初の特定期間経過まで実行される。保留連報知が実行された後は、図19のラウンド中処理(S805)により、たとえば、図21(E)および図22に示すように、大当り遊技状態の第1ラウンドの演出が開始される。このように、保留連報知演出は、小当り遊技状態と大当り遊技状態とに跨って実行される。
保留連報知演出が実行されるときにブラックアウト表示が実行されるのは、次のような理由によるものである。保留連報知演出が実行される場合、図20に示すラウンド数示唆演出が実行されない。前述した減速構造のV判定入賞装置87を用いる場合には、V判定入賞装置87上の通路を遊技球がゆっくりと流下するため、小当りでV判定入賞装置87の開放状態中において、合計10回の開放回のうち、どの時点でV入賞が発生するか、および、どの時点で開放状態の終了条件である上限個数の10個目の遊技球がV判定入賞装置87内に進入するかについて小当り発生ごとにばらつきが生じる。これにより、小当り遊技状態が終了するタイミングには、小当り発生ごとにばらつきが生じる。図20に示すラウンド数示唆演出のように、V判定入賞装置87内への遊技球の進入個数に応じて演出が不定期に変化する演出を実行する場合には、遊技者に違和感を与えるような演出とはならない。しかし、小当り遊技状態が開始してから小当り遊技状態が終了するまでの期間中の演出表示として、たとえば一定期間経過後にエンディングを迎えるような、時間経過に応じて演出内容が変化する物語性がある演出等を実行すると仮定した場合には、小当り発生ごとに、小当り終了時の演出状態が異なることになる等、遊技者に違和感を与える演出となってしまうおそれがあり、小当り発生ごとに小当り終了時の演出状態を均一化する調整をすることが困難となる。そこで、遊技者に違和感を与えないような小当り遊技の演出を実行するために、演出内容が変化しないブラックアウト表示による演出が実行される。つまり、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。これにより、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
なお、図21の保留連報知演出では、V入賞報知を短時間実行した後にブラックアウト表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、V入賞報知をせずにブラックアウト表示を実行するようにしてもよい。また、保留連報知演出を実行する場合において、ブラックアウト表示を実行せずに、たとえば、所定の静止画像または短期間の繰返し動作を実行する動画像等のその他の画像を表示してもよい。また、ブラックアウト表示期間は固定期間としてもよい。保留連報知演出は、小当り遊技状態の終了後における大当りのラウンド演出中に至るまで実行してもよい。保留連報知演出ラを大当りのラウンド演出中に至るまで実行する場合に、ブラックアウト表示期間を固定時間にするときは、V入賞時から固定期間のブラックアウト表示が実行されるので、期間のブラックアウト表示期間を固定期間としてもよく、大当りのラウンド演出中における至るまで、ブラックアウト表示の終了時が不定になるようにしてもよい。また、保留連報知演出は、V入賞時に実行してもよく、V入賞後のV判定入賞装置87の開放期間中に実行してもよい。
図23は、ラウンド数示唆演出の演出態様を選択するときに用いられるデータテーブルを示す説明図である。図23(A)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる複数種類の演出パターンを記憶したVオーラ色変化演出パターンテーブルが示されている。図23(B)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出パターンを選択するために用いられるVオーラ色変化演出パターン選択テーブルが示されている。
図23(A)では、第1パターン〜第8パターンの演出パターンが示されている各演出パターンには、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等)のそれぞれに対応してV入賞オーラ画像95の色が設定されている。たとえば、第6パターンでは、1〜2個目のときは白色、3〜6個目のときは青色、7〜8個目のときは緑色、9〜10個のときは赤色となるように、データが設定されている。V判定入賞装置87への入賞個数は、V入賞スイッチ87aおよびV判定入賞スイッチ15aにより検出された遊技球の合計値である。なお、V判定入賞装置87への入賞個数は、V判定排出スイッチ15bにより検出された遊技球の値を用いてもよい。
ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められているため、各演出パターンでは、入賞個数が増えるにしたがって白→青→緑→赤という順番にしたがって色が変化し得るような色変化パターンが設定されている。虹色は、青色、緑色、赤色のような他の色を含む色である。このように、入賞個数が増えるにしたがってラウンド数の多さの期待度が高い色に変化する演出パターンにより、小当り遊技状態でのV判定入賞装置87の開放中において、遊技者の期待感を高めることができ、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるようにすることができる。
第8パターンは、他の演出パターンと異なり、1〜10個目のすべてについて虹色が設定されており、色が変化せず虹色に固定される演出パターンである。これは、虹色は、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する特別な色として用いられるためである。なお、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する演出パターンとしては、たとえば、白→青→緑→赤→虹という順番にしたがって色が変化し得る演出パターンを用いてもよい。
図23(B)では、小当り経由大当りの種別と、図23(A)の第1パターン〜第8パターンとの対応関係が示されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてVコンボ演出パターン選択用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、対応する第1パターン〜第8パターンのそれぞれに割振られている。
図23(B)では、「白<青<緑<赤<虹」という、ラウンド数の多さの期待度の大小関係に対応して、「小当り経由5(4)R時短大当り<小当り経由9(8)R時短大当り<小当り経由16(15)R時短大当り」という対応関係で、最終的な10個目の色についてのラウンド数期待度が大きい演出パターンの選択率が高くなるようにデータが設定されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当りのときのみ、第8パターンが選択可能に設定されている。これにより、第8パターン(1個目〜10個目すべてが虹色)でラウンド数示唆演出が実行されたときには、小当り経由16(15)R時短大当りとなることが確定したことを遊技者に示唆することが可能となる。なお、小当り経由16(15)R時短大当り以外の大当りについても、第8パターンが選択可能となるようにしてもよい。
図24は、保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。保留連報知演出有無決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図24の保留連報知演出有無決定テーブルでは、図柄15R時短大当り、および、小当り経由16(15)R時短大当りの合計保留連個数が0個〜4個のそれぞれであるときについて、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留連報知有無決定用の乱数SR2(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行有(実行する)」と「実行無(実行しない)」とに割振られている。
このように、保留連報知演出は、大入賞口が15回開放する大当りとなり得る保留記憶情報と対象として実行可能である。なお、保留連報知演出は、その他の種別の大当りとなり得る保留記憶情報を対象として実行可能としてもよい。保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報が0個または1個であるときは、「実行有」が決定されず、「実行なし」のみが決定されるように、データが設定されている。
また、保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報の合計が2個以上の複数個のときに「実行有」が決定可能となるようにデータが設定されており、対象となる保留記憶情報の個数が多くなる程、「実行有」が決定される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
さらに、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、保留連報知演出の実行対象として、図柄15R時短大当り、および、16(15)R時短大当りというようなラウンド数が比較的多い大当りとなり得る保留記憶情報を用いたので、保留連報知演出が実行されると、遊技者は自然と大入賞口が15回開放するという最も遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる期待度が高くなるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留連報知演出およびラウンド数示唆演出について実行の有無の決定および演出種類の選択をする保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を説明する。図25は、保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を示すフローチャートである。
図25の保留連・ラウンド数示唆演出選択処理は、演出図柄変動開始処理(図19のS801)において各種演出を設定する処理に含まれる。保留連・ラウンド数示唆演出選択処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が小当り表示結果であるか否かを今回の変動に際して受信した表示結果指定コマンドに基づいて判定(表示結果を特定可能な変動パターンコマンドに基づいて判定してもよい)する(S851)。受信した表示結果指定コマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に小当り表示結果を指定するコマンドが格納されているか否かにより、小当り表示結果であるか否かを判定する。
S851により小当り表示結果ではないときは、処理を終了する。一方、S851により小当り表示結果であるときは、図19の先読み処理(S501)で記憶された現在の第2保留記憶情報(第2始動入賞口14への第2始動入賞に基づく保留記憶情報)を取得する(S852)。そして、取得した第2保留記憶情報に基づき、保留連報知演出の対象となる図柄大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報の有無を確認する(S853)とともに、保留連報知演出の対象となる小当りとなる(小当り経由16(15)R時短大当りとなり得る)保留記憶情報の有無を確認する(S854)。次に、SR2を抽出し、S853,S854での確認情報に基づき、保留連報知演出有無決定テーブルを用いて、現在の第2保留記憶情報内の保留記憶情報に基づいて保留連報知演出を実行するか否か(実行の有無)を決定する(S855)。
この実施形態では、前述のように、小当り遊技状態に制御されたときに、右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に制御されるので、小当りとなる保留記憶情報についても、大当りとなる保留記憶情報とともに、保留連となる保留記憶情報として判定される。
S855により保留連報知演出を実行する決定がされたときは、今回の変動表示に対応して保留連報知演出を実行するときに用いるためのデータである保留連報知演出情報(たとえば、報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を所定の演出データ記憶領域に記憶し(S857)、処理を終了する。
一方、S855により保留連報知演出を実行しない決定がされたときは、ラウンド示唆演出(オーラ画像の色変化演出)を実行することを決定する(S858)。次に、S851で確認した表示結果指定コマンドに基づいて小当り経由大当りの種別を確認するとともに、SR3を抽出し、図23(B)のVオーラ色変化演出パターン選択テーブルを用いて、実行するラウンド示唆演出の演出パターンを選択決定する(S859)。そして、決定された演出パターンでラウンド示唆演出を実行するときに用いるためのデータとして、図23(A)のでVオーラ色変化演出パターンテーブルに記憶された演出パターンデータを記憶する等、ラウンド数示唆演出情報(たとえば、ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の有無等)を特定の演出データ記憶領域に記憶し(S860)、処理を終了する。
変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行することが決定されたときには、S857で記憶されたデータに基づいて、保留連報知演出が実行される。一方、変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行しないことが決定されたときには、S860で記憶されたデータに基づいて、ラウンド数示唆演出が実行される。保留連報知演出を備えていないパチンコ遊技機の場合には、S855の後にS858を実行すればよい。
なお、保留連報知演出を実行するときにも、ラウンド数示唆演出を実行してもよい。また、ラウンド数示唆演出は、保留連報知演出を実行しないときに必ず実行するのではなく、保留連報知演出を実行しないときに、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定してもよい。また、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定し、ラウンド数示唆演出を実行することが決定されたときは、保留連報知演出を実行しないようにしてもよい。このように、保留連報知演出とラウンド数示唆演出とは、どちらかを優先して実行してもよく、どちらかを優先せずに両方を実行可能としてもよい。
次に、前述のラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出処理を説明する。図26は、ラウンド数示唆演出処理を示すフローチャートである。図26のラウンド数示唆演出処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
ラウンド数示唆演出処理では、まず図25のS860で記憶されたラウンド数示唆演出情報(ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の実行の有無等)を取得する(S840)。次に、S840により取得したラウンド数示唆演出の実行の有無に関する情報に基づいて、ラウンド数示唆演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S841)。S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球が検出されたときに出力されるV特定入賞球検出指定コマンドの受信時であるか否かを確認する(S842)。
S842でコマンドの受信時ではないときは、処理を終了する。一方、S842でコマンドの受信時ではあるときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球を計数する計数手段としての入賞個数カウンタを+1加算更新する(S843)。そして、S840で取得したラウンド数示唆演出の演出パターンに基づき、更新後の入賞個数カウンタで計数された個数に対応する色でオーラ画像95を表示する(S843)。S843において個数に対応する色でオーラ画像95が表示されることにより、V判定入賞装置87に進入した遊技球の個数に応じてオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行されることとなる。V入賞画像94は、小当り演出の開放中処理(S809)においてV入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、表示が開始されるものであり、V入賞が発生すると、直後にV特定入賞球検出指定コマンドを受信することとなるので、S843により、V入賞画像94に対応するオーラ画像95が、S844により決められた色でV入賞発生直後から表示されることとなる。これにより、図20(A)〜(E)のようにオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行される。
次に、前述の保留連報知演出を小当り遊技中に実行する保留連報知演出の第1処理を説明する。図27は、保留連報知演出第1処理を示すフローチャートである。図27の保留連報知演出第1処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第1処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S861)。次に、S861により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S862)。S862で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S862で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87のV入賞領域870へのV入賞球がV入賞スイッチ87aで検出されたときに送信されるV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるか否かを判定する(S863)。
S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時ではないときは、処理を終了する。一方、S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるときは、S861により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、小当り演出の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)が終了するまで実行するブラックアウト表示を開始し(S864)、処理を終了する。これにより、図21(B)のようなブラックアウト表示が小当り遊技の終了時まで実行される。
次に、前述の保留連報知演出を大当り表示中に実行する保留連報知演出の第2処理を説明する。図28は、保留連報知演出第2処理を示すフローチャートである。図28の保留連報知演出第2処理は、大当り演出の大当り表示処理(図19のS804)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第2処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S871)。次に、S871により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S872)。S872で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S872で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、S871により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、保留連報知態様として、+2BONUS(対象保留連個数2個の場合)、+3BONUS(対象保留連個数3個の場合)、+4BONUS(対象保留連個数4個の場合)のいずれかを選択する(S873)。そして、S873で選択された保留連報知態様で、大当り表示演出期間中という所定期間に亘り実行する保留連報知の実行が開始される。れにより、たとえば、図21(C),(D)のような保留連報知が実行される。
[V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]
次に、V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例を説明する。図21では、「+3BONUS」というように文字情報により保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、図20に示すような色変化が可能なオーラ画像95を用いて保留連報知演出をするようにしてもよい。
オーラ画像95を用いた保留連報知演出としては、V入賞画像94に付随して表示されるオーラ画像95を、たとえば、V判定入賞装置87に進入した遊技球が増えることに応じて、図20のようにオーラ画像95の色を変化させ、前述のような保留連報知として、オーラ画像95の色を虹色等の特定の色とする演出をするようにしてもよい。このような保留連報知演出は、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示するような所定演出の演出態様を特定態様に変化可能とすることにより、保留連報知演出を実行すればよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶情報に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
[保留連報知演出の演出態様変化の変形例]
次に、保留連報知演出を実行するときにおいて、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なる例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報については、図柄大当りとなる保留記憶情報のみが存在する第1保留連種別の場合と、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り(小当り経由大当り)となる保留記憶情報の両方が存在する第2保留連種別の場合と、小当り(小当り経由大当り)のみが存在する第3保留連種別の場合とがあり得る。このような複数種類の保留連種別は、いずれも保留連と呼ばれるが、保留連報知演出として、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる演出態様で保留連報知を実行するようにしてもよい。たとえば、第1保留連種別の場合は、「+3ボーナス」というような片仮名で保留連報知をし、第2保留連種別の場合は、「+3BONUS」というような英文字で保留連報知をし、第3保留連種別の場合は、「+3ぼーなす」というような平仮名で保留連報知をしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる色で保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なるキャラクタ画像を表示すること(保留連数に付随する表示でもよく、キャラクタ画像単独表示でもよい)により、保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、「+3ボーナス」というような演出態様、「+3BONUS」というような演出態様、および、「+3ぼーなす」というような複数種類の演出態様のうちから、演出態様を抽選により選択決定してもよい。その場合には、第1保留連種別〜第3保留連種別の保留連種別ごとに、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにしてもよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
[保留連報知演出の制限制御をする変形例]
次に、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と小当り(小当り経由の大当り)となる保留記憶情報が複数ある場合に保留連報知演出を実行するときに、保留連報知演出が実行された大当り遊技状態が終了して、保留連報知対象となった大当りが実行され、その大当り遊技状態においても、保留連報知演出が実行されると、その保留連報知演出が、前回の大当り遊技状態において報知対象とされた保留連の保留記憶情報を対象として継続して実行されているのか、新たに生じた保留記憶情報に基づく保留連の保留記憶情報を対象として新たに実行されているのかを遊技者が区別しにくくなり、不明確な演出となってしまう。
そこで、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する演出制御を実行すればよい。保留連報知演出が実行された後に、報知連報知の対象とされたすべての保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、保留連制限フラグをセットして、新たに保留記憶情報を確認して保留連報知を実行するための処理を実行しないように、演出制御処理の実行を制限すればよい。このようにすれば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
なお、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例としては、つぎのような演出を実行してもよい。
たとえば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連の数をアイコン画像等によるストック画像の個数で特定可能に表示し、保留連報知演出の対象となった大当り遊技状態が消化されるごとに、アイコン画像を減らしていく演出をしてもよい。さらに、新たに発生した保留記憶情報に基づいて保留連報知をするときには、このようなアイコン画像を増やす演出をしてもよい。このように保留連の報知対象数が遊技者に認識可能となるように可視化することにより、遊技者が理解しやすい保留連報知演出を実行することが可能となる。また、このような演出を実行すれば、単に保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限するよりも、保留連報知演出が遊技者に認識される頻度が高くなり、面白みがある演出を実行することができる。
[保留連報知演出の実行タイミングの変形例]
次に、前述したような保留連報知演出をVコンボ演出(VCOMBO演出)時に実行する例を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(付与価値)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分けて段階的に報知する演出である。
図29は、Vコンボ演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図29では、Vコンボ演出の一例が時間経過に応じて示され、Vコンボ演出と関係が少ない画像は省略されている。Vコンボ演出は、第1キャラクタ演出、第2キャラクタ演出、第3キャラクタ演出、および第4キャラクタ演出という複数種類の演出のうちから選択されたキャラクタ演出により実行可能である。第1キャラクタ演出〜第4キャラクタ演出のそれぞれでは、異なるキャラクタ画像が表示され、表示されるキャラクタ画像の種類により異なる演出態様のVコンボ演出が実行される。
図29(A)〜(G)には、第1キャラクタ演出が選択されて実行されるときのVコンボ演出の一例が示されている。図29(H)〜(J)には、第2キャラクタ演出が選択されて実行されるときのVコンボ演出の一例が示されている。図29(K),(L)には、第3キャラクタ演出が選択されて実行されるときのVコンボ演出の一例が示されている。図29(M),(N)には、第4キャラクタ演出が選択されて実行されるときのVコンボ演出の一例が示されている。
大当り遊技状態において、Vコンボ演出を実行するか否かは、演出制御用マイクロコンピュータ100により抽選によって決定される。その抽選によりVコンボ演出を実行する決定がされたときに実行するVコンボ演出としては、演出制御用マイクロコンピュータ100により、第1キャラクタ演出〜第4キャラクタ演出という複数種類のキャラクタ演出のうちから1種類のキャラクタ演出が抽選によって選択決定される。
Vコンボ演出は、たとえば大当り遊技状態中における所定のラウンド間(たとえば、第4ラウンドと第5ラウンドとの間)に設けられた演出期間において実行される。Vコンボ演出が実行されるときには、図29(A)のように「VCOMBO」という文字画像が表示されることにより、Vコンボ演出が実行されることを報知するVコンボ報知が行なわれる。
この変形例では、9(8)R時短大当りについて約1000個の賞球払出数が予定されており、16(15)R時短大当りについて約2000個の賞球払出数が予定されている。両大当りについては、たとえば第4ラウンドと第5ラウンドとの間にVコンボ演出が実行される。その場合のVコンボ演出は、それまでのラウンドで払出数として予定されていた500個の賞球の払出しが消化されているので、その後の残り賞球払出数に基づき、追加賞球払出数を段階的に報知する演出態様での演出等が実行される。
第1キャラクタ演出が実行されるときには、図29(B)に示すように第1キャラクタ9Aが選択表示されVコンボ演出の実行が開始される。第2キャラクタ演出が実行されるときには、図29(H)に示すように第2キャラクタ9Bが選択表示されVコンボ演出の実行が開始される。第1キャラクタ演出が実行されるときには、図29(K)に示すように第3キャラクタ9Cが選択表示されVコンボ演出の実行が開始される。第4キャラクタ演出が実行されるときには、図29(L)に示すように第4キャラクタ9Dが選択表示されVコンボ演出の実行が開始される。
第1キャラクタ演出では、次のように追加賞球数を表示するVコンボ演出が実行される。第1キャラクタ演出では、第1キャラクタ9Aの表示に加えて、図29(B),(F)のようなスティックコントローラ122を模したスティック画像122Aが表示されるとともに「引いて!」という文字画像99Aおよび操作方向を示す矢印画像99Eが表示されることにより、スティックコントローラ122の操作を促進するための操作促進表示が行なわれる。その操作促進表示は、所定の操作有効期間内に実行される。操作有効期間内に、傾倒方向センサユニット123によりスティックコントローラ122を引く操作が検出されると、その検出に応じて、図29(C)の「+100」または図29(G)の「+400」のような加算表示態様で賞球追加数画像96が表示される。このように、第1キャラクタ演出では、遊技者の動作に応じて追加賞球数を複数段階で段階的に報知するVコンボ演出が実行される。
第1キャラクタ演出では、演出の終了時において、図29(G)に示すように、大当り遊技状態においてVコンボ演出が実行されるまでのラウンド(第1〜第4ラウンド)において払出された賞球数の設定値(ラウンド数×1ラウンドの賞球設定数)と、Vコンボ演出により表示された追加賞球数の積算値との合計値を示す「合計1000」のような合計賞球数画像98が表示される。このような合計賞球数画像98が示す数値により、大当り遊技状態において払出される予定の賞球数の合計値が事前に報知される。
このようなVコンボ演出が実行されるときにおいては、図29(D)に示す操作促進表示がされたことに対応して、操作有効期間内に、傾倒方向センサユニット123によりスティックコントローラ122が操作されたことが検出されると、その検出に応じて、図29(E)の「V×2」のような保留連報知画像97が表示される保留連報知演出が実行される場合がある。保留連報知画像97では、「V」が大当り(保留連)を意味し、「×2」が大当りの回数(保留連数)を意味する。Vコンボ演出を実行するときに、保留連報知画像97において複数回の保留連に制御することを報知可能であることにより、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
第2キャラクタ演出では、次のように追加賞球数を表示するVコンボ演出が実行される。第2キャラクタ演出では、第2キャラクタ9Bの表示に加えて、図29(H)のようなスティック画像122Aが表示されるとともに「押続けて!」という文字画像99Bおよび操作方向を示す矢印画像99Fが表示されることにより、スティックコントローラ122の操作を促進するための操作促進表示が行なわれる。操作促進表示が行なわれるときには、追加賞球数が確定せずに変動している態様を模した追加賞球数変動画像96Aが表示される。操作促進表示は、所定の操作有効期間内に実行される。操作有効期間内に、傾倒方向センサユニット123によりスティックコントローラ122を押す操作が継続して検出されると、その検出に応じて、所定時間経過ごとに追加賞球数変動画像96Aが一旦停止し、図29(I)の「+100、+100」のような加算表示態様で賞球追加数画像96が表示されていく。図29(I)に示すように、追加賞球数変動画像96Aは、一旦停止するごとに位置を変更して表示されていく。
その後、図29(I)のようなスティック画像122Aが表示されるとともに「引いて!」という文字画像99Aおよび操作方向を示す矢印画像99Eが表示されることにより、スティックコントローラ122の操作を促進するための操作促進表示が行なわれる。その操作促進表示は、所定の操作有効期間内に実行される。操作有効期間内に、傾倒方向センサユニット123によりスティックコントローラ122を引く操作が検出されると、その検出に応じ、図29(J)の「+300」のような加算表示態様で賞球追加数画像96が表示されるとともに、「合計1000」のような合計賞球数画像98が表示され、さらに第2キャラクタ演出が終了する。
このような第2キャラクタ演出によるVコンボ演出が実行されるときにおいては、図29(J)に示すように、スティックコントローラ122の操作が検出されたことに応じ、「V×2」のような保留連報知画像97が表示される保留連報知演出が実行される場合がある。
第3キャラクタ演出では次のように追加賞球数を表示するVコンボ演出が実行される。第3キャラクタ演出では、第3キャラクタ9Cの表示に加えて、図29(K)のようなスティック画像122Aが表示されるとともに「一撃引いて!」という文字画像99Cおよび操作方向を示す矢印画像99Eが表示されることにより、スティックコントローラ122の操作を促進するための操作促進表示が行なわれる。その操作促進表示は、所定の操作有効期間内に実行される。操作有効期間内に、傾倒方向センサユニット123によりスティックコントローラ122を引く操作が検出されると、その検出に応じて、図29(L)の「+1000」のような加算表示態様で賞球追加数画像96が表示されるとともに、「合計1000」のような合計賞球数画像98が表示され、さらに、第3キャラクタ演出が終了する。
このような第3キャラクタ演出によるVコンボ演出が実行されるときにおいては、図29(L)に示すように、スティックコントローラ122の操作が検出されたことに応じて、「V×2」のような保留連報知画像97が表示される保留連報知演出が実行される場合がある。
第4キャラクタ演出では次のように追加賞球数を表示するVコンボ演出が実行される。第4キャラクタ演出では、図29(M)に示すように、第4キャラクタ9Dが表示された後、スティックコントローラ122の操作を要さずに、図29(N)に示すように、「+1000」のような加算表示態様で賞球追加数画像96が表示されるとともに、「合計1000」のような合計賞球数画像98が表示され、さらに、第4キャラクタ演出が終了する。
このような第4キャラクタ演出によるVコンボ演出が実行されるときにおいては、図29(N)に示すように、スティックコントローラ122の操作が検出されたことに応じて、「V×2」のような保留連報知画像97が表示される保留連報知演出が実行される場合がある。
図29に示す第1キャラクタ演出〜第4キャラクタ演出によるVコンボ演出では、大当り遊技状態で払出される予定の賞球数の合計値が事前に報知されることにより、賞球数に対する遊技者の期待感をより一層高めることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、これらのVコンボ演出では、追加賞球数が段階的に報知されることにより、賞球数に対する遊技者の期待感を高めることができる。これにより、遊技の興趣をより一層向上させることができる。さらに、これらのVコンボ演出では、大当り遊技状態において保留連報知演出が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、保留連報知演出が実行されることにより、当該大当り遊技状態終了後の遊技に対する遊技者の期待感を高めることができる。これにより、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときには、後述するように、Vコンボ演出を実行するときと、実行しないときとがある。Vコンボ演出を実行しないときにおいて、Vコンボ演出を実行期間に対応して実行演出としては、Vコンボ演出の画像をする代わりに、所定の大当り中映像が表示される。また、所定の大当り中映像は、Vコンボ演出を実行するときにおいて、Vコンボ演出を実行したいときに表示するようにしてもよい。その場合の所定の大当り中映像は、Vコンボ演出を実行するときと、実行しないときとで同じ映像を表示してもよく、異なる映像を表示してもよい。また、所定の大当り中映像は、総賞球数が異なる大当りの種別により異なるようにしてもよい。
次に、小当り遊技状態においてVランプ875の発光色をV入賞個数に応じて変化させることにより保留連を報知するVランプ保留連報知演出について説明する。
図30は、Vランプ保留連報知演出を説明する演出説明図である。図30(A)には、Vランプ保留連報知演出におけるVランプ875の演出パターン(Vランプ演出パターン)が示されている。図30(B)には、Vランプ保留連報知演出におけるVランプ演出パターンを選択決定するために用いられるVランプ演出選択テーブルが示されている。Vランプ演出選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されている。
図30(A)に示すように、Vランプ演出パターンは、第1Vランプ演出パターン〜第3Vランプ演出パターンのような複数種類の演出パターンのうちから選択される。第1Vランプ演出パターンは、小当り遊技状態においてV入賞領域870に入賞した入賞球(V入賞球)の個数が0〜5個のときに白色発光し、V入賞球の個数が6個以上のときに青色発光する演出パターンである。第2Vランプ演出パターンは、小当り遊技状態においてV入賞球の個数が0〜5個のときに白色発光し、V入賞球の個数が6〜7個のときに青色発光し、V入賞球の個数が8個以上のときに赤色発光する演出パターンである。第3Vランプ演出パターンは、小当り遊技状態においてV入賞球の個数が0〜5個のときに白色発光し、V入賞球の個数が6〜7個のときに青色発光し、V入賞球の個数が8〜9個のときに赤色発光し、V入賞球の個数が10個以上のときに虹色発光する演出パターンである。
図30(B)のVランプ演出選択テーブルは、Vランプ保留連報知演出を実行するときに、実行するVランプ演出パターンの選択をするための抽選に用いられる。図30(B)では、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのVランプ演出選択用の乱数SR4(0〜129の数値範囲)の合計130個の数値が、第1〜第3Vランプ演出パターンのそれぞれに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4の値の個数が示されている。
Vランプ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって「第1Vランプ演出パターン<第2Vランプ演出パターン<第3Vランプ演出パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
小当り遊技状態において、保留連がないときには、V入賞の検出に応じたVランプ875の発光色が白色に固定にされた態様でVランプ875が発光される。一方、小当り遊技状態において、保留があるときのVランプ演出では、小当り遊技状態におけるV入賞球の個数に応じて、Vランプ875の発光色が白色から青色等に変化すれば、保留連があることが報知されるので、V判定入賞装置87に進入した遊技球数に応じて多彩なタイミングで先読み報知がされるため、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、保留連がないときにもVランプ演出を実行可能とし、Vランプ演出選択テーブルでは、保留連無の場合に、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって「第1Vランプ演出パターン>第2Vランプ演出パターン>第3Vランプ演出パターン」という大小関係となるようにデータが設定され、保留連有の場合に、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって「第1Vランプ演出パターン<第2Vランプ演出パターン<第3Vランプ演出パターン」という大小関係となるようにデータを設定してもよい。このようにすれば、保留連無の場合には、第1Vランプ演出パターンが最も選択される割合が高く、かつ、第3Vランプ演出パターンが最も選択される割合が低くなり、逆に、保留連無の場合には、第3Vランプ演出パターンが最も選択される割合が高く、かつ、第1Vランプ演出パターンが最も選択される割合が低くなる。これにより、小当り遊技状態でのV入賞球数に応じて実行されるVランプ保留連報知演出において実行されるVランプ演出パターンの種類により、遊技者の保留連に対する期待度を高めることができる。
次に、保留連報知演出の実行の有無の決定に用いられる保留連報知演出実行有無決定テーブルと、保留報知演出を実行するときの保留報知演出の種類の選択に用いられる保留報知演出種類選択テーブルとを説明する。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されている。
図31は、保留連報知演出実行有無決定テーブルおよび保留報知演出種類選択テーブルを示す説明図である。図31(A)に保留連報知演出実行有無決定テーブルが示され、図31(B)に保留報知演出種類選択テーブルが示されている。
図31(A)の保留連報知演出実行有無決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留連報知実行有無決定用の乱数SR5(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行する」と「実行しない」とに割振られている。SR5については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5の値の個数が示されている。保留連報知演出実行有無決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、「実行する>実行しない」という大小関係の割合となるようにデータが設定されている。なお、その割合の大小関係は逆の割合であってもよい。
図31(B)の保留報知演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留報知演出種類選択用の乱数SR6(0〜119の数値範囲)の合計120個の数値が、図29のようにVコンボ演出で実行する演出種類と、図30のようにVランプ演出で実行する演出種類と、Vコンボ演出+Vランプ演出の両方で実行する演出種類という、複数種類の演出種類に割振られている。これにより、保留報知演出が実行される場合には、Vコンボ演出のみで実行される場合と、Vランプ演出のみで実行される場合と、Vコンボ演出およびVランプ演出の両方で実行される場合とがある。SR6については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR6値の個数が示されている。保留報知演出種類選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、各演出種類の選択割合が同じとなるようにデータが設定されている。なお、各演出種類の選択割合は、異なる割合であってもよい。
図31(B)の保留報知演出種類選択テーブルを用いて保留報知演出の種類を選択することは、保留連報知演出の実行タイミングを選択することでもある。その理由は、Vランプ演出が小当り遊技状態中のタイミングで実行され、Vコンボ演出が小当り遊技状態後の大当り遊技状態中のタイミングで実行されるからである。
図31(B)に示すように、先読み報知のタイミングとして、Vランプ演出を実行するタイミングのようにV判定入賞装置87に遊技球が進入可能な状態の終了時のタイミングと、Vコンボ演出を実行するタイミングとのうち、少なくとも一方のタイミングが読み報知のタイミングとして決定されることにより、多彩なタイミングで先読み報知がされるので、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
次に、Vコンボ演出の種類の選択に用いられるVコンボ演出種類選択テーブルを説明する。図32は、Vコンボ演出種類選択テーブルを示す説明図である。Vコンボ演出種類選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されている。
図32のVコンボ演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR7(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、保留連数0〜4という保留連数別に、前述の第1キャラクタ演出〜第4キャラクタ演出のそれぞれに割振られている。SR7については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR7の値の個数が示されている。
図32のVコンボ演出種類選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR7の値によって、Vコンボ演出種類選択時における保留連数に応じて選択割合が異なるように、第1キャラクタ演出〜第4キャラクタ演出の選択割合が設定されている。
保留連数が0個のときは、「第1キャラクタ演出>第2キャラクタ演出>第3キャラクタ演出>第4キャラクタ演出」という選択割合の大小関係となるようにデータが設定されている。保留連数が1〜3個のときは、「第4キャラクタ演出<第1キャラクタ演出<第2キャラクタ演出<第3キャラクタ演出」という選択割合の大小関係となるようにデータが設定されている。そして、保留連数が多くなる程、このような選択割合の大小関係の差が広がるように(たとえば、保留数が多くなる程第3キャラクタ演出の選択割合が高くなる等)データが設定されている。保留連数が4個のときは、「第1キャラクタ演出<第2キャラクタ演出<第3キャラクタ演出<第4キャラクタ演出」という選択割合の大小関係となるようにデータが設定されている。第4キャラクタ演出は、保留連数が4個のときにのみ選択されるが、保留連数が0〜3個のときにも選択可能となるようにしてもよい。
このようなVコンボ演出種類選択テーブルのデータ設定により、Vコンボ演出の種類に応じて、保留連があるかないかの期待度が異なる。これにより、いずれのVコンボ演出種類でVコンボ演出がされるかに注目させることができ、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、保留連の回数に応じて異なる選択割合で複数種類のVコンボ演出からいずれかが選択されることにより、Vコンボ演出の報知態様により大当り遊技状態に制御される期待度が異なるので、いずれの報知態様でVコンボ演出がされるかに注目させることができる。
次に、図29に示す第1キャラクタ演出〜第4キャラクタ演出におけるVコンボ演出の演出パターンについて説明する。ここでは、第1キャラクタ演出を代表例としてVコンボ演出の演出パターンを説明する。
図33は、第1キャラクタ演出におけるVコンボ演出の演出パターンを選択するために用いるVコンボ演出パターン選択テーブルを示す図である。図33(A)には、保留連報知演出の実行非選択時に用いられるVコンボ演出パターン選択テーブルが示され、図33(B)には、保留連報知演出の実行選択時に用いられるVコンボ演出パターン選択テーブルが示されている。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されている。
図33(A),(B)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてVコンボ演出パターン選択用の乱数SR8(0〜109の数値範囲)の合計110個の数値が、第1Vコンボ演出パターン〜第4Vコンボ演出パターンのそれぞれに割振られている。SR8については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR7の値の個数が示されている。
図33(A)のVコンボ演出パターン選択テーブルは、保留連報知演出を実行しない決定がされたときに用いられる。図33(B)のVコンボ演出パターン選択テーブルは、保留連報知演出を実行する決定がされたときに用いられる。
図33(A)のVコンボ演出パターン選択テーブルTについて説明する。以下の説明において、第1操作時〜第4操作時は、Vコンボ演出における1回目の操作演出時〜4回目の操作演出時を示している。図33(A)において、第1Vコンボ演出パターンは、第1操作時および第2操作時にそれぞれ「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第3操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+300」、16(15)R時短大当りでは「+1300」)が表示される演出態様である。
図33(A)において、第2Vコンボ演出パターンは、第1操作時〜第3操作時にそれぞれ「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第4操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+200」、16(15)R時短大当りでは「+1200」)の賞球追加数画像96が表示される演出態様である。図33(A)において、第3Vコンボ演出パターンは、第1操作時に「+200」、第2,第3操作時にそれぞれ「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第4操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+100」、16(15)R時短大当りでは「+1100」)の賞球追加数画像96が表示される演出態様である。図33(A)において、第4Vコンボ演出パターンは、第1操作時に「+200」、第2操作時に「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第3操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+200」、16(15)R時短大当りでは「+1200」)の賞球追加数画像96が表示される演出態様である。
次に、図33(B)のVコンボ演出パターン選択テーブルについて説明する。図33(B)において、第1Vコンボ演出パターンは、第1操作時に「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第2操作時に図29(E)のような保留連報知画像97が報知される。その場合の保留連数は、保留記憶情報の確認において認識された数が表示される。そして第3操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+400」、16(15)R時短大当りでは「+1400」)の賞球追加数画像96が表示される演出態様である。
図33(B)において、第2Vコンボ演出パターンは、第1操作時に「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第2操作時に図29(E)のような保留連報知画像97が報知される。その場合の保留連数は、保留記憶情報の確認において認識された数が表示される。そして、第3操作時に「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第4操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+300」、16(15)R時短大当りでは「+1300」)の賞球追加数画像96が表示される演出態様である。
図33(B)において、第3Vコンボ演出パターンは、第1操作時に「+200」、第2操作時に「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第3操作時に図29(E)のような保留連報知画像97が報知される。その場合の保留連数は、保留記憶情報の確認において認識された数が表示される。そして、第4操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+200」、16(15)R時短大当りでは「+1200」)の賞球追加数画像96が表示される演出態様である。
図33(B)において、第4Vコンボ演出パターンは、第1操作時に「+200」、第2操作時に「+100」の賞球追加数画像96が表示され、第3操作時に大当り種類別の賞球予定個数の残個数(9(8)R時短大当りでは「+200」、16(15)R時短大当りでは「+1200」)の賞球追加数画像96が表示される。そして、第4操作時に、図29(E)のような保留連報知画像97が報知される。
図33(B)の第1Vコンボ演出パターン〜第4Vコンボ演出パターンのそれぞれで実行可能な保留連報知画像97の表示においては、記憶された保留連数が「×1」、「×2」、「×3」、「×4」のように表示されるる。これにより、保留連数が明確に視認可能となる。
図33(B)の保留連報知選択時第1キャラクタ演出のVコンボパターン選択テーブルで、保留連報知演出の実行タイミングが第2操作時〜第4操作時のような複数のタイミングのいずれかで実行されるように設定されていることにより、多彩なタイミングで先読み報知がされるので、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
図33に示すように、第1キャラクタ演出のVコンボ演出では、操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数画像96により賞球追加数を報知する演出と、保留連報知画像97により保留連数を報知する演出との一方が実行可能である。なお、Vコンボ演出においては、操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数画像96と保留連報知画像97との両方を表示する演出(たとえば、これらの画像を同時に表示する演出)を実行してもよい。すなわち、Vコンボ演出においては、操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数画像96と保留連報知画像97との少なくとも一方を表示可能とすればよい。
このように、Vコンボ演出において、操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数を報知する演出と、保留連数を報知する演出との少なくも一方を実行可能とすることにより、遊技者による動作に基づく技術介入により賞球追加数の報知と保留連数の報知との少なくとも一方が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、第2キャラクタ演出のVコンボ演出の演出パターンについても、同様に、保留連報知演出の実行非選択時と保留連報知演出の実行選択時とに分けてVコンボ演出パターン選択テーブルが設けられ、操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数を報知する演出と、保留連数を報知する演出との少なくも一方が実行可能とされればよい。また、第3キャラクタ演出のVコンボ演出の演出パターンについても、同様に、保留連報知演出の実行非選択時と保留連報知演出の実行選択時とに分けてVコンボ演出パターン選択テーブルが設けられ、操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数を報知する演出と、保留連数を報知する演出との少なくも一方が実行可能とされればよい。
第4キャラクタ演出のVコンボ演出の演出パターンについては、図29に示すように、操作演出が実行されないが、第1の演出タイミングにおいて操作演出なしで所定の賞球追加数を報知し、その後の第2の演出タイミングにおいて操作演出を実行し、その操作演出時の操作の検出に基づいて、賞球追加数を報知する演出と、保留連数を報知する演出との少なくも一方が実行可能とされるようにしてもよい。
以上に説明した[保留連報知演出の実行タイミングの変形例]の構成は、次のような構成として表現することが可能である。
(1) 変動表示を行ない、遊技者に所定の価値(入賞口の開放等)を付与する有利状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
未だ開始されていない変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、保留記憶バッファ等)と、
未だ開始されていない変動表示について前記有利状態に制御されるか否かを判定する先読み判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)と、
前記有利状態において、付与する価値を段階的に報知する付与価値報知を実行可能な付与価値報知実行手段とを備え、
前記付与価値報知実行手段は、前記付与価値報知(図29(A)〜(G)の第1Vコンボ演出等のVコンボ演出等)を実行するときに、前記先読み判定手段による判定結果に基づいて、該付与価値報知を実行する前記有利状態の終了後に前記有利状態に制御されること(保留連があること)を報知する先読み報知(保留連報知演出等)を実行可能である(図29(E),(J),(L),(N)、演出制御用マイクロコンピュータ100等)。
このような構成によれば、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
遊技者による動作(スティックコントローラ122の操作等)を検出可能な動作検出手段(傾倒方向センサユニット123等)をさらに備え、
前記付与価値報知実行手段は、前記付与価値報知を実行するときに、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記付与価値報知と前記先読み報知との少なくとも一方を実行可能である(図29(A)〜(G)のVコンボ演出および保留連報知演出、図33等)。
このような構成によれば、遊技者による動作に基づく技術介入により付与価値報知と前記先読み報知との少なくとも一方が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(3) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記付与価値報知実行手段は、前記付与価値報知を実行するときに、前記先読み判定手段によって、該価値付与報知を実行する前記有利状態の終了後に複数回の有利状態に制御されると判定されているときは、前記先読み報知において複数回の前記有利状態に制御することを報知可能である(図29(E)の保留連報知演出時の保留連報知画像97で「V×2」のような複数回の保留連数を報知可能等)。
このような構成によれば、付与価値報知を実行するときに、先読み報知において複数回の有利状態に制御することを報知可能であることにより、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(4) 前記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記付与価値報知実行手段は、
前記付与価値報知を、複数種類の報知態様(図32の第1〜第4キャラクタ演出等)から選択された報知態様で実行可能(図32のVコンボ演出種類選択テーブルで選択可能等)であり、
前記付与価値報知を実行するときに、前記先読み判定手段によって、該価値付与報知を実行する前記有利状態の終了後に複数回の有利状態に制御されると判定されているときは、前記有利状態に制御される回数に応じて異なる選択割合で、前記複数種類の報知態様からいずれかの報知態様が選択される(図32のVコンボ演出種類選択テーブルで保留連数に応じて選択割合が異なるようにデータが設定されている等)。
このような構成によれば、先読み判定手段によって複数回の有利状態に制御されると判定されているときに、有利状態に制御される回数に応じて異なる選択割合で複数種類の報知態様からいずれかの報知態様が選択されることにより、報知態様により有利状態に制御される期待度が異なるので、いずれの報知態様で付与価値報知がされるかに注目させることができる。これにより、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(5) 前記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記付与価値報知実行手段は、前記付与価値報知を実行するときに、前記先読み報知を複数のタイミングのうちの少なくともいずれかのタイミングで実行可能である(図33(B)の保留連報知選択時第1キャラクタ演出のVコンボパターン選択テーブルで、保留連報知演出の実行タイミングが第1操作時〜第4操作時のような複数のタイミングのいずれかで実行されるように設定されている。)。
このような構成によれば、付与価値報知を実行するときに、先読み報知が複数のタイミングのうちの少なくともいずれかのタイミングで実行されることにより、多彩なタイミングで先読み報知がされるので、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(6) 前記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
第1変動表示(第1特別図柄の変動表示)を行ない表示結果を導出表示する第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8a等)と、
第2変動表示(第2特別図柄の変動表示)を行ない表示結果を導出表示する第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b等)と、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のいずれかにおける表示結果が特定表示結果(大当り表示結果等)となったときに、特定状態(大当り遊技状態)に制御する特定状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)と、
少なくとも前記第2変動表示手段における表示結果が所定表示結果(小当り表示結果等)となったときに、所定状態(小当り遊技状態)に制御する所定状態制御手段とをさらに備え、
前記有利状態には、前記特定状態と前記所定状態とを含み、
前記所定状態において、遊技媒体(遊技球)が入賞可能となる可変入賞手段(V判定入賞装置87等)と、
前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(V入賞領域870等)とをさらに備え、
前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したときにも、前記特定状態に制御し、
前記保留記憶手段は、
未だ開始されていない前記第1変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する第1保留記憶手段(第1保留記憶バッファ等)と、
未だ開始されていない前記第2変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する第2保留記憶手段(第1保留記憶バッファ等)とを含み、
前記付与価値報知実行手段は、前記第2変動表示の表示結果が所定表示結果(小当り表示結果)となったときにおいて(小当り遊技状態において)前記可変入賞手段に進入した遊技媒体数に応じて前記先読み報知(図30(A),(B)のVランプ演出パターンでVランプ875の発光色をV入賞個数に応じて変化させる保留連報知演出等)を実行可能である。
このような構成によれば、付与価値報知を実行するときに、可変入賞手段に進入した遊技媒体数に応じて多彩なタイミングで先読み報知がされるので、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(7) 前記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
第1変動表示(第1特別図柄の変動表示)を行ない表示結果を導出表示する第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8a等)と、
第2変動表示(第2特別図柄の変動表示)を行ない表示結果を導出表示する第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b等)と、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のいずれかにおける表示結果が特定表示結果となったときに、特定状態に制御する特定状態制御手段と、
少なくとも前記第2変動表示手段における表示結果が所定表示結果(小当り表示結果)となったときに、所定状態に制御する所定状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)とをさらに備え、
前記有利状態には前記特定状態と前記所定状態とを含み、
前記所定状態において、遊技媒体が入賞可能となる可変入賞手段(V判定入賞装置87等)と、
前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体(遊技球)が進入可能な特定領域とをさらに備え、
前記所定状態において前記特定領域(V入賞領域870等)に遊技媒体が進入したときにも、前記特定状態に制御し、
前記保留記憶手段は、
未だ開始されていない前記第1変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する第1保留記憶手段(第1保留記憶バッファ等)と、
未だ開始されていない前記第2変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する第2保留記憶手段(第1保留記憶バッファ等)とを含み、
前記付与価値報知実行手段による実行される前記先読み報知のタイミング(Vコンボ演出時のタイミング、Vランプ演出時のタイミング、Vコンボ演出時およびVランプ演出時の両方のタイミング)を決定する報知タイミング決定手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)をさらに備え、
前記報知タイミング決定手段は、前記第2変動表示の表示結果が前記所定表示結果となったときにおいて前記可変入賞手段に遊技媒体が進入可能な状態の終了時のタイミング(小当り開放中処理〜小当り終了演出処理時までのVランプ演出時のタイミング)と、前記有利状態において前記付与価値報知を実行するときのタイミング(大当り表示処理中のVコンボ演出時のタイミング)とのうち、少なくとも一方のタイミングを、前記先読み報知のタイミングとして決定する(図31(B)の保留連報知演出種類選択テーブル、図22のS855)。
このような構成によれば、先読み報知のタイミングとして、可変入賞手段に遊技媒体が進入可能な状態の終了時のタイミングと、有利状態において前記付与価値報知を実行するときのタイミングとのうち、少なくとも一方のタイミングが読み報知のタイミングとして決定されることにより、多彩なタイミングで先読み報知がされるので、演出の面白みをさらに向上させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(3) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
(4) 図23のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(5) [V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]に示したように、保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶除法に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(6) 図21のように、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報と小当りとなると判定された保留記憶情報との合計が複数以上記憶されていると判定されたときに保留報知演出が実行されるので、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(8) 図21のように、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
(9) 保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(10) 図24のように、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
(11) 保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(12) 図21のように、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(13) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(14) 小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
(15) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なるときに、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(16) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(17) [保留連報知演出の制限制御をする変形例]に示すように、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出の演出パターンを実行するための抽選による各種選択決定は、小当りとなる変動表示の変動開始時に実行してもよく、その小当り遊技状態となった時点で実行してもよい。
(2) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出として、予め決定された演出パターンにしたがって遊技球の進入ごとにV入賞オーラ画像95の演出態様を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、遊技球の進入検出ごとに、V入賞オーラ画像95の演出態様(たとえば、色)を変化させるか否かを抽選により決定し、その抽選結果に基づき、V入賞オーラ画像95の演出態様を変化させるようにしてもよい。その場合には、遊技球の進入検出ごとに、色変化させるか否かの判定と、変化させる色の選択決定とを実行してもよく、遊技球の進入検出ごとに、色変化を必ずさせるものとし、変化させる色の選択決定をするようにしてもよい。
(3) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95が虹色となったときに、16(15)R時短大当りとなることが確定する例を示した。しかし、これに限らず、16(15)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。また、5(4)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。
(4) 前述した実施形態では、所定演出としてのラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化し得る演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、ラウンド数示唆演出としては、V入賞画像94が「v」字から「W」字に変化する演出を実行してもよい。その場合においては、V入賞オーラ画像95の色が前述した場合と同様に変化するようにしてもよい。
(5) 前述した実施形態では、有利状態として説明した大当り遊技状態は、可変入賞手段を複数回開放させる大当り遊技状態の一例が代表例として挙げられる。
(6) 前述した実施形態では、ラウンド示唆演出として、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を一例として示したが、これに限らず、V入賞画像94に付随しない画像としてV入賞オーラ画像を表示し(たとえば、V入賞画像94から離れた位置でオーラ状のエフェクト画像を表示する等)、その色を変化させる演出をしてもよい。また、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を実行するか否かは所定の抽選により、実行するか否かを決定し、実行しない場合があってもよい。
(7) 前述した実施形態では、保留連報知として、「+3BONUS」のように、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数との合計を特定可能な表示をする例を示した。しかし、これに限らず、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数とのそれぞれが個別に特定可能となるような表示をしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出を実行するときの演出パターンとして、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けていないが、これに限らず、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けてもよい。たとえば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の色は、10個目の色と同じ色とする等の演出データを設けてもよい。このようにすれば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超えた場合についても、違和感を生じさせることなく、ラウンド数示唆演出を実行することができる。
(9) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報の内容を先読みして、「図柄大当り」となる保留記憶情報と「小当り」となる保留記憶情報とのいずれかがある場合に、保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「小当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とのそれぞれについて、同様の演出態様の保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とで異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(11) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内にある「図柄大当り」の数と「小当り」の数との合計数にかかわらず、同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、当該合計数に応じて異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(12) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」のみがある場合と、「小当り」のみがある場合と、「図柄大当りおよび小当りの両方がある場合」とで同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、これらの場合に応じて異なる種類の演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(13) 保留連報知演出を実行するための第2保留記憶情報の先読みは、小当りまたは大当りとなる変動表示の開始時に実行してもよく、小当り遊技状態中に実行してもよく、大当り遊技状態中に実行してよい。
(14) 前述した保留連報知演出として実行されるVランプ演出は、保留連数を報知可能な演出でなくてもよく、保留連数を報知可能な演出であってもよい。保留連数を報知可能な演出とする場合には、Vランプ演出において、保留連数とランプの発光色との関係を予め定めておき、その関係に基づいて、ランプ発光色により保留連数を報知可能としてもよい。
(15) 「小当り経由の大当り」については、小当りと判定されたときに大当りの種類を選択決定するのではなく、V入賞が発生したときに、大当りのラウンド数等の制御パターンを複数種類の制御パターンから選択するようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態に示した可変入賞球装置15、V判定入賞装置87、および、大当り可変入賞球装置20等の構造物の配置は、一例であり、次のような、異なる配置を採用してもよい。たとえば、大当り可変入賞球装置20は、右遊技領域に設けてもよい。また、大当り可変入賞球装置20の内部にV入賞領域を設け、その大当り可変入賞球装置20が、大当り用の可変入賞球装置と、小当り用の可変入賞球装置とを1つの可変入賞球装置で兼用するようにしてもよい。
(17) 前述した実施形態では、V判定入賞装置87のV入賞領域に遊技球が入賞したときに、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20のみが開放する例を示したが、これに限らず、その大当り遊技状態において、V判定入賞装置87も所定の開放態様で開放されるようにしてもよく、V判定入賞装置87のみが所定の開放態様で開放されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施形態では、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、必ずV判定入賞装置87が開放される例を示したが、これに限らず、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、特定の抽選に基づいて開放状態とするか否かを決定し、開放状態とする抽選結果となったときに、V判定入賞装置87を開放するようにしてもよい。
(19) 前述した実施形態では、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87内のV入賞領域に遊技球が入賞したら大当り遊技状態に制御される例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態と同様の動作が実行される大当り遊技状態の制御により、このような遊技状態の動作を実行させるようにしてもよい。たとえば、第1ラウンドでV判定入賞装置87を開放し、第2ラウンド以降のラウンドで大当り可変入賞球装置20を開放するような開放パターンの大当り遊技制御を実行可能とする。大当り判定によりこのような大当り遊技制御を実行することが決定された場合には、このような大当り遊技状態が開始され、当該大当り遊技状態の第1ラウンドの制御として、V判定入賞装置87を開放させることにより小当り遊技状態と見せ、第1ラウンドで遊技球がV入賞領域870にV入賞したときに、当該大当り遊技状態を継続させることにより、大当り可変入賞球装置20を開放させる第2ラウンド以降のラウンド制御を実行させて大当り遊技状態と見せる。一方、当該大当り遊技状態の第1ラウンドで、V判定入賞装置87において遊技球がV入賞領域870に入賞しないときには、当該大当り遊技状態として、第2ラウンド以降に継続させずに、第1ラウンドで終了させる制御を実行する。
(20) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(21) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(22) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(23) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、スティックコントローラ122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能な傾倒方向センサユニット123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、プッシュボタン120の操作を検出可能なプッシュセンサ124等のその他の検出手段を用いてもよく、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、所定状態において遊技媒体が進入可能となる可変入賞手段と(V判定入賞装置87等)、前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(V入賞領域870等)と、変動表示結果に基づいて、有利状態(図柄大当り等)に制御する第1状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図10のS305〜S307等)と、変動表示結果に基づいて、前記所定状態に制御して前記可変入賞手段内の前記特定領域に遊技媒体が進入(V入賞等)可能な状態(小当り状態等)とし、当該所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて前記有利状態(小当り経由大当り等)に制御する第2状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図10のS308〜S310,図10のS305〜S307等)と、前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、所定演出(図20のラウンド数示唆演出としてV入賞オーラ画像95を表示する演出等)を実行可能な所定演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図26のS842〜S844等)とを備え、前記所定状態は、所定期間(0.1秒×10回の開放および1秒間の閉鎖を繰返す期間等)が経過したこと、または、前記可変入賞手段に所定数(10個等)の遊技媒体が進入したことに基づいて終了し、前記所定演出手段は、前記特定領域に遊技媒体が進入した後、前記可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて、前記所定演出の演出態様を変化させ(図24のように、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等等)に応じて、図20のラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化する等)、さらに、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、を備え、前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能である(例えば、図58及び図60に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、特定領域に遊技媒体が進入した後、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて所定演出の演出態様が変化させられるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
なお、所定演出は、画像表示に代えて、あるいは画像表示に加えて、可動演出体を可動させたり、装飾発光手段を発光させることによって行うようにしてもよい。つまり、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて可動演出体の可動態様(可動範囲や可動速度等)を変化させたり、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて装飾発光手段の発光態様(発光色や点滅速度等)を変化させたりすることにより、所定演出の演出態様を変化させるようにしてもよい。特に、可動演出体や装飾発光手段による所定演出を画像表示に加えて行うようにすれば、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、画像表示による所定演出を行う場合において、所定演出を行う表示装置と促進表示や復旧表示を行う表示装置は同一の表示装置であってもよいし、別個の表示装置であってもよい。なお、所定演出と促進表示や復旧表示を同一の表示装置で行う場合には、表示手段は所定演出手段に含まれることになる。また、変動表示について、所定演出を行う表示装置や、促進表示や復旧表示を行う表示装置と同一の表示装置で変動表示を行うようにしてもよいし、別個の表示装置で変動表示を行うようにしてもよい。
さらに、演出により遊技の興趣を向上させることができ、また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる遊技機の形態の一例として、遊技媒体(例えば、遊技球)を使用した遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、を備え、前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能である(例えば、図58及び図60に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。尚、以下の形態例においては、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図34は、この実施例におけるパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。尚、遊技盤902の前面は、遊技機用枠(台枠)903に、開閉可能に設けられたガラス扉枠903aによって覆われている。尚、これらガラス扉枠903aは、遊技場の係員が、開放鍵を開放錠Kに挿入して解鍵することで開放可能となり、一般の遊技者等はガラス扉枠903aを開放することはできないようになっている。
遊技盤902の所定位置(図34に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。尚、この実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを方形状とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各セグメントを、不規則に配置したものであってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(演出表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア905L,905C,905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置905の表示領域には、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア905Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア905Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
また、演出表示装置905の右上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域9010Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち報知用LED9030が設けられている。尚、この実施例の右打ち報知用LED9030は、LED制御基板9014を介して演出制御用CPU90120によって点灯・消灯制御が実行される。
図34に示す例では、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部に、特図保留記憶数を発光により特定可能に表示するための第1保留表示部9025Aと第2保留表示部9025Bとが設けられている。第1保留表示部9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示部9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
更に、第1保留表示部9025Aの上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯(発光)することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域9010Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち表示部9025Dが設けられている。尚、この実施例の右打ち表示部9025Dは遊技制御用マイクロコンピュータ90100(CPU90103)によって点灯・消灯制御が実行される。
つまり、右打ち表示部9025Dは、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020,第1保留表示部9025A、第2保留表示部9025B、普図保留表示部9025Cと同じく発光により遊技に関する情報を報知可能な発光手段の一部である。また、この実施例における右打ち報知用LED9030及び右打ち表示部9025Dは、共に、左遊技領域9010Lよりも右遊技領域9010Rに近接して配置されている。このため、遊技者は、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態である場合に、視点を移動させることなく右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとを視認することが可能となっている。
演出表示装置905の左右には、一般入賞口9050A,9050Dが設けられているとともに、一般入賞口9050Aの下方の領域には、一般入賞口9050B,9050Cとが設けられている。また、演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図35に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態(図34中実線位置参照)と傾動位置(図34中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図35に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図35に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
また、一般入賞口9050A,9050B,9050C,9050Dを通過(進入)した遊技球は、図35に示す第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dによって検出され、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bが一体化された特別可変入賞球ユニット907が設けられている。
ここで、特別可変入賞球ユニット907の構成について説明する。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機901を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図34に示すように、特別可変入賞球ユニット907は、左部側が第1特別可変入賞球装置907Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置907Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット907の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット907内、特に第2特別可変入賞球装置907B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
第1特別可変入賞球装置907Aは、ソレノイド9082(図35参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉90701を備え、該第1大入賞口扉90701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット907の左部において、上向きに開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉90701は、ソレノイド9082の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置907Aでは、ソレノイド9082がオン状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド9082がオフ状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ9023(図35参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ9023によって検出される。第1カウントスイッチ9023を通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置906Bに誘導され、普通可変入賞球装置906Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
図41に示す第2特別可変入賞球装置907Bは、第1特別可変入賞球装置907Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド9083(図35参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉90711を備え、該第2大入賞口扉90711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置907Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉90711は、ソレノイド9083の駆動によって第2大入賞口を開放する第2状態(開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第1状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置907Bでは、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオン状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオフ状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、図41に示す第2大入賞口内に設置された第2カウントスイッチ9024Aを通過することで、該第2カウントスイッチ9024A内によって検出される。第2カウントスイッチ9024Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
図41に示すように、第2特別可変入賞球装置907B内には、第2大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路90750が形成されている。遊技球流路90750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路90740(図41中実線に沿う領域)と該主経路90740から分岐する分岐路90741(図41中点線に沿う領域)とを有する。主経路90740と分岐路90741との間には後述する逆流防止部材90730が配設されている。また、主経路90740における逆流防止部材90730の上流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第1分岐部90742が設けられており、主経路90740における逆流防止部材90730の下流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第2分岐部90743が設けられている。つまり、主経路90740を流下する遊技球は、第1分岐部90742または第2分岐部90743から分岐路90741側に移動可能とされている。
主経路90740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ9024Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ9024Bを通過することで、該第3カウントスイッチ9024Bによって検出される。第3カウントスイッチ9024Bを通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。また、分岐路90741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ9024Cを通過することで、該第4カウントスイッチ9024Cによって検出される。
尚、この実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉90711が開放している期間において、振動等を印加することよって遊技球の進路が変更されて第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、この実施例のパチンコ遊技機901では、このような場合に遊技を中止するようになっている。
主経路90740における第1分岐部90742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材90721が設けられている。規制部材90721は、ソレノイド9085(図35参照)の駆動によって主経路90740内に突出することで、遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路90740内から退避することで遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
尚、規制部材90721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路90741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路90740に設けられている。このため、規制部材90721が規制状態であるときに主経路90740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材90721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部90743を経由して分岐路90741に向けて流下するように誘導される。
主経路90740と分岐路90741との間には、前後方向を向く枢軸によって逆流防止部材90730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材90730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材90721の平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側から接触したときに主経路90740側から分岐路90741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路90740と分岐路90741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路90740と分岐路90741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。尚、規制部材90721の上方には前方に向けて突出する90リブ801が設けられており、逆流防止部材90730は規制位置において該リブ90801に正面視で反時計回り方向から当接する。
尚、逆流防止部材90730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側から第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側への遊技球の移動が許容される。一方、逆流防止部材90730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路90741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材90730がリブ90801に当接していることによって逆流防止部材90730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持されるため、第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側から第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側への遊技球の移動が確実に規制される。
図34に戻って、遊技盤902の所定位置(図34に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示部9025Cが設けられている。普図保留表示部9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を発光により表示する。尚、通過ゲート9041は、特別可変入賞球ユニット907における第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907B間に設置されている。尚、通過ゲート9041内には、後述するゲートスイッチ9021が内蔵されている。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果LED909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球ユニット907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。
この実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域9010Lと右側の右遊技領域9010Rとに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域9010Lを流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域9010Rを流下するようになっている。
また、左遊技領域9010Lを流下した遊技球は、普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B及び一般入賞口9050A〜9050Cに入賞可能であり、右遊技領域9010Rを流下した遊技球は、普通可変入賞球装置906B、第1特別可変入賞球装置907A、第2特別可変入賞球装置907B及び一般入賞口9050Dに入賞可能、且つ、通過ゲート9041を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bに入賞不能、かつ、通過ゲート9041を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技球が図35に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表示器9020にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図35に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図35に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置907Aの第1大入賞口扉90701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置907Aを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bは遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)となる。
尚、この実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉90711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第3カウントスイッチ9024Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU90103は、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第4カウントスイッチ9024Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU90103は、該遊技球の第4カウントスイッチ9024Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、この実施例では、第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bが第2状態に制御されるようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置907Aが第2状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
尚、この実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器9020による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機901には、例えば図35に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014、ターミナル基板(情報出力基板)9016といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板9011には、図35に示すように、磁石による不正を検知するための磁気センサ9060、電磁波による不正を検知するための電波センサ9070、パチンコ遊技機901に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ9080、遊技盤902の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠903aの開放を検知する扉開放センサ9090、第1大入賞口扉90701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉90711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ9092、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ9093、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ9094等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。尚、図35において球切れセンサ9094は、主基板9011に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081〜9083に伝送する出力回路9011、ターミナル基板9016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路90112が搭載されている。
尚、出力回路90111は、ソレノイド9085を駆動させるためのコントローラ9084にも接続されている。コントローラ9084は、パチンコ遊技機901の起動時に出力回路90111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100から起動信号を受信することでソレノイド9085の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ9084がソレノイド9085を駆動することにより、規制部材90721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED909や右打ち報知用LED9030等の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図36(A)は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図36(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図36(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図36(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図36(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機901においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、図46に示す各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板9012側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理(図59参照)によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア905Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア905Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD100Hは、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
コマンドD200Hは、演出表示装置905に電断復旧画面を表示することを指定する電断復旧指定コマンドである。
コマンドD301Hは、右打ち報知用LED9030の点灯を指定する右打ち報知用LED点灯指定コマンドである。
コマンドD302Hは、右打ち報知用LED9030の消灯を指定する右打ち報知用LED消灯指定コマンドである。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)90106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図37は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図37に示すように、この実施例では、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1´の他、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´、MR4´の初期値決定用の乱数値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1´〜MR5´は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図38は、この実施例における変動パターンを示している。この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、この発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図38に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、この実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3´のみを用いて決定するようにしているが、この発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3´に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、図39などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば図39(A)に示す表示結果判定テーブル、図39(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図39(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図39(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図39(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR1´と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図39(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、50%(100/200)の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU90103は、MR1´の値が図39(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1´が図39(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。尚、図39(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、この実施例では、CPU90103は、図39(A)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、この実施例では、変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
図39(B)、(C)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図39(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図39(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2´)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図39(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
図39(D)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2´)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2´によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
ここで、この実施例における大当り種別について、図39(E)を用いて説明すると、この実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが14回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂連荘状態となる。
尚、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が20回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(20回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が100回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(100回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)はほぼ100%に設定されている。
尚、この実施例では大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
また、図39(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、0〜149までが大当りAに割り当てられており、150〜249までが大当りBに割り当てられており、250〜299までが大当りCに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、50%の割合で大当り遊技終了に時短制御が実行されないようになっている。また、大当り遊技終了後に時短制御が実行される場合においては、時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回よりも高い割合で20回に決定されるようになっている。
一方で、図39(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、大当り遊技終了後は必ず時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている。
また、図39(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、0〜99までが小当りAに割り当てられており、100〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、75%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている一方で、25%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行されないようになっている。
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR3´に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1´−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1´−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1´−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、この実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1´−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における小当りの変動パターンとしてはPC1´−1のみが設けられているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図38に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1´−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図35に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図40に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図40に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155とを備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部90152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部90152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部90153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部90153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部90154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部90154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタには、乱数回路90104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1´〜MR4´を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部90155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部90155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図35に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図35に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、演出表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板9012の側においても、主基板9011と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図35に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(例えば演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技効果LED909の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図35に示す演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S9072、図57参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。図42に示すように、遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、Sa901以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU90103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(Sa901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(Sa902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Sa903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(Sa904)、RAM90102をアクセス可能状態に設定する(Sa905)。なお、割込モード2は、CPU90103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU90103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(Sa906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU90103は、通常の初期化処理(Sa9010〜Sa9012)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、後述する電源断検出処理(図44参照)におけるSd902及びSd903の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Sa907)。
バックアップデータが格納されている場合、CPU90103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(Sa908)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、Sa908では、算出したチェックサムと、電源断検出処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU90103は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(Sa9041〜Sa9048の処理)を行う。具体的には、ROM90101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM90102内の領域)に設定する(Sa9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。Sa9041およびSa9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、CPU90103は、バックアップデータから電断発生時の遊技状態を特定し(Sa9044)、該特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれか、つまり、この実施例において遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態であるか否かを判定する(Sa9045)。
バックアップデータから特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれかである場合(Sa9045;Y)、CPU90103は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(Sa9046)、右打ち表示部9025Dの点灯を開始する。そして、電断復旧指定コマンドの送信設定を行い(Sa9048)、Sa9015に進む。尚、遊技状態が遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態である場合(Sa9045;N)は、Sa9046及びSa9047の処理を実行せずにSa9048の処理のみを実行してSa9015に進む。尚、Sa9046において送信設定される右打ち報知用LED点灯指定コマンドとSa9048において送信設定される電断復旧指定コマンドとは、後述するコマンド制御処理において演出制御基板9012に対して送信される。
尚、バックアップデータが格納されていない場合(Sa907;N)やパリティチェックの結果が正常でない場合(Sa908;N)場合は、初期化処理を実行する。
初期化処理では、CPU90103は、まず、RAMクリア処理を行う(Sa9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM90102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM90101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(Sa9012)。
Sa9011およびSa9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
Sa9048またはSa9012の実行後、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(Sa9015)。CPU90103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路90104に特図表示結果判定用の乱数値MR1´の値を更新させるための設定を行う。
そして、Sa9016において、CPU90103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU90103は、表示用乱数更新処理(Sa9018)および初期値用乱数更新処理(Sa9019)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(Sa9017)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(Sa9020)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図43のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図43に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、電源断検出処理を実行する(S9010)。そして、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力された検出信号に応じて賞球を払い出すための賞球処理を実行する(S9012)。 その後、所定のメイン側エラー処理(S9015)を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、払出情報などのデータを出力する(S9016)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR1´や乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9017)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S9018)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S9019)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S9020)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部90155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以下、遊技制御用タイマ割込処理における各種処理の内容について説明する。
図44は、この実施例の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。この電源断検出処理では、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd901)。電源断信号の入力が無い場合は電源断検出処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は、バックアップデータを特定し(Sd902)、該特定したバックアップデータをRAM90102に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd903)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd904)、パチンコ遊技機901が電源断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。尚、電源断信号は電源電圧が所定値以下に低下した場合に継続して出力されるので、この実施例における電源断検出処理では、チェックデータの作成後(Sd904の実行後)にループ処理に移行することで、新たなバックアップデータをバックアップデータ格納領域に格納しないようになっている。このため、例えば、新たなバックアプデータの格納中に電源電圧が更に低下することで正常にバックアップデータ格納領域に新たなバックアップデータが格納されなくなってしまうことが防止されている。
図45は、この実施例のメイン側エラー処理(S9015)を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU90103は、まず、演出制御基板9012側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90401)
異常報知中タイマが動作中でない場合(S90401;N)にはS90402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S90401;Y)には、S90420に進んで、異常報知中タイマを−1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90421)。
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90421;N)には、S90402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S90421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S90422)、S90402に進む。
S90402においては、図46に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。この実施例のパチンコ遊技機1では、図46に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機901の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
この実施例では、図46に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
これら各エラー(異常)には、図46に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ9070による電磁波の検出や磁気センサ9060による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、第1カウントスイッチ9023や第2カウントスイッチ9024Aの検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
また、それぞれのエラーには、発生したエラーを解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
また、エラー(異常)には、図46に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
尚、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ9080により異常振動が検出された場合のエラーとしては、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御されるのに対し、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
また、各エラー(異常)には、図46に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板9016からパチンコ遊技機901の外部に出力されるようになっている。尚、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。尚、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(この実施例では4分)に亘り、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
このように、この実施例の異常判定処理においてCPU90103は、主基板9011に接続されている磁気センサ9060、電波センサ9070、振動センサ9080、扉開放センサ9090、第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉センサ9092、満タンセンサ9093、球切れセンサ9094の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024Aの遊技球の検知状態等に基づいて、図46に示す各エラー(異常)を判定する。
そして、S90402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S90403)、異常の発生を判定していない場合(S90403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
一方、異常の発生を判定した場合(S90403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S90404)。
異常報知中フラグがセットされていない場合(S90404;N)には、S90410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S90411に進む。
尚、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S90401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。尚、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
異常報知中フラグがセットされている場合(S90404;Y)には、S90410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S90405)、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S90406)。
S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S90406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S90406;N)には、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S90407)。S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S90407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S90413の処理が実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板9012に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S90407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S90408)。
遊技停止フラグがセットされている場合(S90408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS90402にて判定されても、S90413の処理やS90414の処理が実行されることがないため、演出制御基板9012に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S90408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S90409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。尚、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS90410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
そして、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S90411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S90411;N)には、S90412を経由することなくS90413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S90411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S90412)、S90413に進む。
S90413においては、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板9012に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S90414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS90414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(S9016)において、ターミナル基板9016からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
尚、S90413において送信設定されたエラー指定コマンドは、S9020のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板9012に送信される。そして、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(図59参照)が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。
このように、この実施例のパチンコ遊技機901の主基板9011においては、上記したメイン側エラー処理が実行され、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(図59参照)が実行されることにより、図47に示すように、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なる。
具体的には、例えば、遊技可能な状態において、最初に図46に示す振動検出2エラーの発生が判定された場合には、該振動検出2エラーの発生が、図47(A)に示すように、振動検出2エラーに対応する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウが、所定時間である60秒に亘って演出表示装置905において表示されることにより報知される。
そして、これら振動検出2エラーの報知中において賞球異常エラーの発生が判定された場合には、賞球異常エラーの優先度は「7」であり、実行されている振動検出2エラーの優先度である「11」よりも高いので、実行されている振動検出2エラーを報知する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウに代えて、賞球異常エラーの報知、具体的には、図47(A)に示すように、「係員をお呼びください! E−33 賞球異常エラー 電源を再投入してください」の表示を含むポップアップウインドウが表示されて、賞球異常エラーの発生が報知される。但し、この賞球異常エラーの発生では、遊技停止状態に制御されることはなく、遊技可能な状態が維持される。
そして、賞球異常エラーの報知中において、例えば、賞球異常エラーよりも優先度の高いエラーである「磁石エラー」の発生が判定された場合には、図47(B)に示すように、演出表示装置905の表示全体が黒表示とされることで遊技停止中であることが示されるとともに、演出表示装置905に「遊技停止中 係員をお呼びください! E−02 磁石エラー 電源を再投入してください」の表示が白文字にて表示されることで、「磁石エラー」の発生が報知されるとともに、遊技停止となったエラー(異常)が磁石エラーであることが報知される。
そして、このように遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、該「電波エラー」の発生が判定されても遊技停止フラグがセットされていることによって、該「電波エラー」の判定に対応するエラー指定コマンドが送信されないので、図47(B)に示すように、「電波エラー」の報知が実行されずに、遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」の報知が継続されることで、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーがどのようなエラーであるのかが特定できなくなって、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーである、磁石を使用した不正に対する適切な対応ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
図48は、特別図柄プロセス処理として、図43に示すS9018にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9031の処理のいずれかを選択して実行する。
S9021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、変動表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部90151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部90151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
S9022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、変動表示結果判定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S9023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S9022の特別図柄通常処理やS9023の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S9024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S9024の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部90153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S9024の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S9025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S9026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S9027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉90701用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S9028の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(この実施例では「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りC」に対応するカウント初期値(この実施例では「100」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S9029の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第2大入賞口の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
尚、この実施例では、小当り状態において第2大入賞口の開放回数を「1回」、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であってもよい。
S9030の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ9024Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第2大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S9031の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図49は、特別図柄通常処理として、図48のS9022にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90141の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S90141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90141;N)、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S90142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部90151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1´〜MR3´を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S90144)、S90149に移行する。
一方、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S90141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90145の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S90145の処理は、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S90145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90145;N)、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S90146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部90151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1´〜MR3´を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S90148)、S90149に移行する。
S90149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図39(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1´を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S90150)。
S90150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S90151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S90151;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S90152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファに応じた大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S90153)。このとき、CPU90103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図39(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図39(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2´を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90154)。
S90154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時間単出制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90155)、決定された大当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
一方、S90151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S90151;N)、CPU90103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S90151a)。「小当り」であると判定された場合には(S90151a;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S90151b)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(図39(D)参照)を選択してセットする(S90151c)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR2´を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90151d)。
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90151e)、決定された小当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
S90156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S90151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S90154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S90156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S90157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S90145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S90145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S90158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図50は、特別図柄停止処理として、図48のS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU90103は、S9032の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S90181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器904Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器904Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板9012に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S90182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S90183)、大当りフラグがセットされていない場合(S90183;N)には、S90189aに移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S90183;Y)には、CPU90103は、時短フラグがセットされていれば時短フラグをクリアし(S90184)、演出制御基板9012に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(大当りA)、当り開始2指定コマンド(大当りB)、当り開始3指定コマンド(大当りC)を送信するための設定を行う(S90185)。尚、S90185において設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
更にCPU90103は、演出制御基板9012に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S90186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAの場合には5回、大当りBの場合には10回、大当りCの場合には15回)をセットする(S90188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90189)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S90189aにおいてCPU90103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S90189a)。小当りフラグがセットされていない場合(S90189a;Y)には、S90190に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は(S90189a;Y)、CPU90103は、演出制御基板9012に、記憶されている小当りの種別に応じて当り開始4指定コマンド(小当りA)、当り開始5指定コマンド(小当りB)を送信するための設定を行う(S90189b)。尚、S90189bにおいて設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
そして、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90189c)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、小当りの場合には1回)をセットする(S90189d)。また、時短回数カウンタの値を−1し(S90189e)、時短回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(S90189f)。時短回数カウンタの値が0となっている場合は(S90189g;Y)、時短フラグをクリアしてS90189hに進み(S90189g)、時短回数カウンタの値が0となっていない場合は(S90189g;N)、S90189gを実行せずにS90189hに進む。
そして、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S9026)に対応した値である“7”に更新し(S90189h)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S90190においてCPU90103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90190;Y)には、S90198に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S90190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態(時短状態)である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S90191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S90193)、「0」でない場合(S90193;N)にはS90198に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S90194)、時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低ベース状態(通常状態))に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(S90195)。そして、CPU90103は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90196)、右打ち表示部9025Dを消灯してS90198に進む(S90197)。尚、S90196において送信設定された右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することによって演出制御基板9012に対して送信される。
そして、CPU90103は、S90198において、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図51は、大当り開放前処理として、図48のS9026にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU90103は、既に右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を実行したことを示す右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを判定する(S90301)。右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされていない場合(S90301;N)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信設定を行うとともに(S90302)、右打ち表示部を点灯させる(S90303)。そして、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをセットしてS90305に進む(S90304)。尚、S90302において送信設定された右打ち報知用LED点灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することによって演出制御基板9012に対して送信される。尚、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされている場合(S90301;Y)は、S90302〜S90304を実行せずにS90305に進む。
S90305においてCPU90103は、大当り表示時間タイマを−1する。そして、大当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90306)。大当り表示時間タイマがタイマアウトした場合(S90306;Y)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをクリアし(S90307)、開放時間タイマをセットする(S90308)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に応じた値にセットして大当り開放前処理を終了する(S90309)。尚、大当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合(S90306;N)は、S90307〜S90309を実行せずに大当り開放前処理を終了する。
図52は、大当り終了処理として、図48のS9028にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU90103は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90311)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S90311;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置905において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S90312)、大当り終了処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S90311;Y)には、大当り終了表示タイマの値を−1する(S90313)。そして、CPU90103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S90314)。経過していなければ大当り終了処理を終了する。また、大当り終了表示時間を経過していれば(S90314;Y)、CPU90103は、記憶されている大当り種別が大当りAまたは大当りDであるかを判定する(S90315)。
大当り種別が大当りAまたは大当りDである場合(S90315;Y)には、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90316a)、右打ち表示部を消灯してS90319に進む(S90316b)。尚、S90316aにおいて送信設定される右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することで演出制御基板9012に対して送信される。また、大当り種別が大当りB、大当りC、大当りEのいずれかである場合(S90315;N)、CPU90103は、時短フラグをセットし(S90317)、時短回数カウンタに「100」をセットした後(S90318)、S90319に進む。
S90319では、CPU90103は、大当りフラグをクリアし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90320)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板9012に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S90321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S90322)。尚、S90320において送信設定される大当り終了指定コマンドとS90321において送信設定される遊技状態指定コマンドとは、コマンド制御処理(S9020)を実行することで演出制御基板9012に対して送信される。
図53は、小当り開始前処理として、図48のS9029にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU90103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S90201)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90202)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90202;N)、小当り開放前処理を終了する一方、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は(S90202;Y)、第2大入賞口を開放状態とするための開放時間タイマに予め定められている期間(例えば、1秒)に応じた値をセットする(S90203)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S9030)に対応した値である“8”に更新し(S90204)、当該小当り開放前処理を終了する。
図54は、小当り開放中処理として、図48のS9030にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU90103は、先ず開放時間タイマの値を−1する(S90211)。そして、CPU90103は、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90212)。
開放時間タイマがタイマアウトした場合は(S90212;Y)、S90230に進み、開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90212;N)、第2大入賞口の開放タイミングであるか否かを判定する(S90213)。第2大入賞口の開放タイミングである場合は、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を開放状態に制御する(S90214)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドの送信設定を行い(S90215)、S90216に移行する。尚、S90215において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の開放タイミングでない場合は(S90213;N)、S90214及びS90215を経由せずにS90216に進む。
S90216において、CPU90103は、第2大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S90216)。第2大入賞口の閉鎖タイミングである場合は(S90216;Y)、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(S90217)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放後指定コマンドの送信設定を行い(S90218)、S90223に進む。尚、S90218において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の閉鎖タイミングでない場合は(S90216;N)、S90217及びS90218を経由せずにS90223に進む。
S90223において、CPU90103は、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90223)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90223;N)、小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90223;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90224)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90224;Y)、小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90224;N)、V入賞フラグをセットする(S90225)。
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行う(S90227)。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、第2大入賞口が開放状態であれば、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(S90228)、開放時間タイマをクリアする(S90229)。
そして、S90230において、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S9031)に対応した値である“9”に更新し(S90230)、当該小当り開放中処理を終了する。
図55は、小当り終了処理として、図48のS9031にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU90103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90231)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は(S90231;N)、小当りフラグをクリアし(S90232)、演出制御基板9012に対して小当りに応じた当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90233)。尚、当り終了指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。そして、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間に応じた値をセットし(S90234)、小当り終了処理を終了する。
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は(S90231;Y)、小当り終了表示タイマの値を−1する(S90235)。そして、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90236)。小当り終了表示時間が経過していない場合は(S90236;N)、CPU90103は第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90237)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90237;N)、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90237;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90238)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90238;Y)、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90238;N)、V入賞フラグをセットする(S90239)。
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行い(S90241)、小当り終了処理を終了する。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。
また、S90236において小当り終了表示時間が経過した場合は(S90236;Y)、CPU90103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90242)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90242;Y)、CPU90103はV入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S90243、S90244)。そして、CPU90103は、当該V入賞が発生した小当り種別にもとづいて大当り種別を「大当りD」と「大当りE」とから決定する(S90246)。尚、大当り種別は、図39(D)に示すように、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りA」である場合は、大当り種別を「大当りD」に決定し、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りB」である場合は、大当り種別を「大当りE」に決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90247)、決定された大当り種別を記憶してS90248に進む。一例として、大当り種別が「大当りD」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「大当りE」であれば「4」とすればよい。
S90247の実行後、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90248)、小当り終了処理を終了する。
つまり、この実施例では、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
尚、S90242においてV入賞フラグがセットされていない場合は(S90242;N)、CPU90103は、時短フラグがセットされているか否かを判定する(S90249)。時短フラグがセットされている場合はS90253に進み、時短フラグがセットされていない場合は、通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90250)、右打ち報知用LED消灯指定コマンド送信設定を行う(S90251)。尚、遊技状態指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとは、前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、右打ち表示部9025Dを消灯してS90253に進む。
そして、CPU90103は、S90253において特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S9022)に対応した値である“0”に更新し、小当り終了処理を終了する。
以上のように、この実施例では、CPU90103が特別図柄プロセス処理における各処理を実行することで、時短状態や小当り遊技状態、大当り遊技状態中等の打球操作ハンドルの操作により遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態においては右打ち表示部9025Dが点灯し、打球操作ハンドルの操作により遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態においては右打ち表示部9025Dが消灯するようになっている。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。図56は、演出制御基板9012に搭載されている演出制御用CPU90120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S9054)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU90120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM90122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図36参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9055)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S9056)。そして、図59に示すエラー報知処理(S9057)と図60に示す電断復旧画面表示処理(S9059)を実行した後、S9052に移行する。
図57は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S9055)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態である場合に、演出表示装置905での表示や右打ち報知用LED9030の点灯によって遊技者に対して右打ちを行う遊技状態であることを報知する右打ち報知処理(S9071)と、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理(S9072)と、を実行する。
その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9082のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)、小当り表示処理(S9080)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御や大当り遊技演出の表示制御及び音出力制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S9080):変動時間の終了後、演出表示装置905に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S9081)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S9081):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S9082)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S9082):演出表示装置905において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)または大当り表示処理(S9077)に対応した値に更新する。
この実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された後に電力の供給が再開された場合は、演出制御基板9012側のみ動作が不安定となっており、遊技球の発射を含めた遊技自体は続行可能となっている。このため、特に、この実施例のような変動表示を実行して大当り遊技状態に制御可能であるとともに、小当り遊技中に遊技球が特定領域(この実施例では第3カウントスイッチ9024B)を通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御可能なタイプのパチンコ遊技機(所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機)や、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて大当り遊技終了後に確率変動制御が実施されるパチンコ遊技機においては、演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで遊技者に対して遊技球を右遊技領域9010Rに対して打ち出すよう促さなければ、遊技球が特定領域を通過する機会を失ってしまい、遊技者の不利益が発生する。また、遊技場の店員等においても、パチンコ遊技機901において電断復旧画面が表示されている場合には、遊技者に対して電断復旧画面の表示が終了するまで遊技球の発射の停止を促すことがあり、遊技店側としてもパチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際の適切な対応を行うことができない場合が考えられる。このような理由から、この実施例のパチンコ遊技機901においては、以下に示す右打ち報知処理や電断復旧画面表示処理を実行することで、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、遊技者の不利益の発生を低減することができるようになっている。
図58は、この実施例の右打ち報知処理(S9071)を示すフローチャートである。右打ち報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、演出表示装置905において右打ち報知画像を第2態様で表示中であるか否かを判定する(S90701)。尚、右打ち報知画像とは、時短状態や大当り遊技中、小当り遊技中であることを報知するために、演出表示装置905の右上部において右遊技領域9010R側を向くように表示される右向き矢印の画像である。また、この実施例における該右打ち報知画像の表示態様としては、第1態様と前述した第2態様とを演出表示装置905にて表示可能となっており、第2態様は、第1態様よりも大きな右向き矢印の画像を表示する態様である。
右打ち報知画像を第2態様で表示中である場合(S90701;Y)は、S90713に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中または右打ち報知画像を表示していない場合(S90701;N)は、更に、右打ち報知画像を第1態様で表示中であるか否かを判定する(S90702)。右打ち報知画像を第1態様で表示中である場合は(S90702;Y)、S90710に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中でない場合、つまり、右打ち報知画像を表示していない場合(S90702;N)は、S90703に進む。
S90703において演出制御用CPU90120は、電源復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。電源復旧指定コマンドの受信が有る場合(S90703;Y)は、S90707に進み、電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(S90703;N)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90704)。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90704;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90704;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030の点灯を開始する(S90705)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像の表示を第1態様にて開始し(S90706)、右打ち報知処理を終了する。
また、S90707において演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90707;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90707;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030の点灯を開始する(S90708)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像の表示を第2態様にて開始し(S90709)、右打ち報知処理を終了する。
また、S90710において演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が無い場合(S90710;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有る場合(S90710;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030を消灯する(S90711)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部における右打ち報知画像の表示終了し(S90712)、右打ち報知処理を終了する。
また、S90713において演出制御用CPU90120は、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信がある場合(S90713;Y)は、S90711及びS90712の処理(右打ち報知用LED9030の消灯及び右打ち報知画像の表示終了)を実行して右打ち報知処理を終了し、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれのコマンドの受信もない場合(S90713;N)は、S90711及びS90712の処理を実行せずに右打ち報知処理を終了する。
つまり、この実施例では、遊技中に遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御されると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を点灯するとともに、演出表示装置905の右上部に右打ち報知画像を第1態様にて表示する。そして、遊技状態が遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態(通常状態)に制御されると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を消灯するとともに、第1態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
また、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機901への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、右打ち報知用LED9030を点灯するとともに、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面を第2態様にて表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を消灯するとともに、第2態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
また、図43、図50、図52、図55及び図58に示すように、この実施例では、CPU90103が所定時間(例えば2ms)毎に定期的に遊技制御用タイマ割込処理においてコマンド制御処理(S9020)を実行して右打ち報知用LED点灯指定コマンドや右打ち報知用LED消灯指定コマンドを演出制御基板9012に向けて送信することによって、CPU90103が右打ち表示部9025Dを点灯させることに連動して演出制御用CPU90120が右打ち報知用LED9030を点灯させ、CPU90103が右打ち表示部9025Dを消灯させることに連動して演出制御用CPU90120が右打ち報知用LED9030を消灯させていることができる。このため、遊技者は、右打ち表示部9025Dを視認せずとも、右打ち報知用LED9030を視認することによって遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかであるか否かを判別することが可能となっている。
図59は、この実施例のエラー報知処理(S9057)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、エラー報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90501)。
エラー報知中タイマが動作中でない場合、つまり、エラー報知を実行していない場合には、S90502に進む。
一方、エラー報知中タイマが動作中である場合、つまり、エラー報知を実行している場合には、エラー報知中タイマを−1した後(S90510)、該減算後のエラー報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90511)。
エラー報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90511;N)には、S90512とS90513を経由することなくS90502に進む。
一方、エラー報知中タイマがタイマアップした場合(S90511;Y)には、エラー報知中フラグをクリアするとともに(S90512)、実行中のエラー報知を終了して(S90513)、S90502に進む。
S90502では、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。エラー指定コマンド受信フラグは、主基板9011から送信されたコマンドが、エラー指定コマンドであることが前述のコマンド解析処理(S9054)にて特定されたときに、該コマンド解析処理にてセットされる。
エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S90502;N)には、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S90502;Y)には、セットされているエラー指定コマンド受信フラグをクリアし(S90503)、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンド(具体的にはEXTの値)からエラー種別を特定し(S90504)、特定したエラー種別に対して設定されている報知態様、具体的には、演出表示装置905に表示する内容と、遊技効果LED909の点灯態様と、出力する音声等を特定する(S90505)し、該特定した報知態様にてエラー報知を開始する(S90506)。
次いで、S90504にて特定したエラー種別が報知期間の有るエラー、例えば、解除期間(報知期間)として60秒が設定されている振動検出2エラーや、解除期間(報知期間)として300秒が設定されている始動口2異常入賞エラー等であるか否かを判定する。
エラー種別が報知期間の有るエラーである場合(S90507;Y)には、エラー報知中フラグとともにエラー報知中タイマに報知期間に対応する値をセットしてエラー報知中タイマのタイマカウントとを開始して当該エラー報知処理を終了する。これにより、該S90506にて開始されたエラーの報知は、エラー報知中タイマがタイマアップした時点で終了する。
一方、エラー種別が報知期間の有るエラーではない場合(S90507;N)には、エラー報知中フラグだけをセットし、エラー報知中タイマのタイマカウントを開始せずに当該エラー報知処理を終了する。これにより、前述したS90501にてエラー報知中タイマが動作中と判定されることがないので、S90506にて開始されたエラーの報知は、次にエラー指定コマンドを受信するまで報知が継続される。
図60は、この実施例の電断復旧画面表示処理(S9059)を示すフローチャートである。電断復旧画面表示処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、後述する復旧画面表示プロセスタイマの動作中であるか否か、つまり、演出表示装置905において電断復旧画面の表示中であるか否かを判定する(S90611)。復旧画面表示プロセスタイマの動作中である場合(S90611;Y)はS90618に進み、復旧画面表示プロセスタイマの動作中でない場合(S90611;N)は、電断復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90612)。電断復旧指定コマンドの受信が無い場合(S90612;N)は、電断復旧画面表示処理を終了し、電断復旧指定コマンドの受信が有る場合(S90612;Y)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90613)。
右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90613;N)は、演出表示装置905において遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(左打ち用電断復旧画面)を表示するための左打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS90616に進み(S90614)、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90613;Y)は、演出表示装置905において遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)を表示するための右打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS90616に進む(S90615)。
そして、S90615において演出制御用CPU90120は、S90614またはS90615において選択した復旧画面表示プロセステーブルの復旧画面表示プロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。尚、S90614またはS90615において選択される復旧画面表示プロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各復旧画面表示プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、復旧画面表示プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1や音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての演出用部品としてのスピーカ908L,908R等)の制御を実行し、電断復旧画面の表示を開始する(S90617)。例えば、演出表示装置905においてS90614またはS90615にて選択した復旧画面表示プロセステーブルに応じた電断復旧画面を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、電断復旧画面表示処理を終了する。
一方、S90618において演出制御用CPU90120は、復旧画面表示プロセスタイマの値を−1する。そして、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90619)。復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトした場合(S90619;Y)は、復旧画面表示プロセスデータの切り替えを行う(S90620)。即ち、復旧画面表示プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を復旧画面表示プロセスタイマに設定することによって復旧画面表示プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90621)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90622)。そして、S90624に進む。
一方、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S90619;N)は、復旧画面表示プロセスタイマに対応する復旧画面表示プロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S90623)、S90624に進む。
そして、S90624において演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。大入賞口開放中指定コマンドの受信が有る場合(S90624;Y)は、演出表示装置905において表示中の電断復旧画面に加えて、演出表示装置905に大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する大入賞口開放中報知画像の表示を開始してS90629に進む。また、大入賞口開放中指定コマンドの受信が無い場合(S90624;N)は、大入賞口開放中報知画像の表示中であるか否かを判定する(S90626)。大入賞口開放中報知画像の表示中でない場合(S90626;N)はS90629に進み、大入賞口開放中報知画像の表示中である場合(S90626;Y)は、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有るか否か、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されたか否かを判定する(S90627)。大入賞口解放後指定コマンドの受信が無い場合(S90627;N)は電断復旧画面表示処理を終了し、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有る場合(S90627;Y)は、大入賞口開放中報知画像の表示を終了してS90630に進む(S90628)。
そして、S90629において演出制御用CPU90120は、図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信が有る場合(S90629;Y)は、復旧画面表示プロセスタイマをクリアし、電断復旧画面の表示を終了して電断復旧画面表示処理を終了する。また、図柄確定コマンドと当り終了指定コマンドとのいずれのコマンドの受信も無い場合(S90629;N)は、S90630を実行せずに電断復旧画面表示処理を終了する。
つまり、この実施例では、演出制御用CPU90120は、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機901への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が通常状態であれば、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動が停止すると、演出制御用CPU90120は、左打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
また、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU90120は、右打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
更に、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中コマンドを受信する、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放されると、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像を表示し、遊技者に対して第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する。このようにこの実施例では、大当り遊技中や小当り遊技中に電断復旧画面の表示中であっても、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像が表示されることによって遊技者に対して遊技球が第1大入賞口または第2大入賞口に遊技球が入賞するように右遊技領域9010Rに向けて遊技球を打ち出すよう促すことができるので、大当り遊技中に第1大入賞口や第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技者が得られる賞球数が少なくなってしまうことや、小当り遊技中に第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過せず、大当り遊技が開始される(大当り遊技状態に制御される)可能性が無くなってしまうこと等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。つまり、この実施例における遊技価値とは、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口に入賞したことにより付与される賞球数と、遊技球が第2大入賞口に入賞した後に第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで大当り遊技状態に制御されることを指す。
尚、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口または第2大入賞口の開放中の期間のみ表示する形態、つまり、第1大入賞口または第2大入賞口の開放が繰り返されることにより大入賞口開放中報知画像の表示と非表示とが繰り返し実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、大当り遊技または小当り遊技が終了するまで、或いは、大当り遊技または小当り遊技において最後の第1大入賞口または第2大入賞口の開放が終了するまで継続して表示してもよい。
また、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知するために、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることの報知は、演出表示装置905での画像の表示に加えて、或いは替えて、スピーカ908L,908Rからの音出力、遊技効果LED909の発光等により実行してもよい。
次に、この実施例における右打ち報知用LED9030の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様について、図61及び図62に基づいて説明する。
先ず、遊技状態が通常状態である場合について説明する。図61(A)に示すように、通常状態は遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030は消灯している。図61(B)に示すように、該通常状態での変動表示の実行中に振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901に再度電力の供給が開始されると、図61(C)に示すように、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面として「復旧中 しばらくおまちください」等のメッセージが表示される。
次に、遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態である場合について説明する。尚、この実施例では、時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態における右打ち報知用LED9030の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様は同一であるので、小当り遊技状態での例を説明する。
図62(A)に示すように、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)は遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030は点灯している。また、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)中は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像が第1態様にて表示されている。
図62(B)に示すように、該小当り遊技で振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901に再度電力の供給が開始されると、図62(C)に示すように、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面として「復旧中 右打ちを続けて下さい」等のメッセージが表示される。
尚、右打ち用電断復旧画面の表示中は、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された時点での遊技状態が小当り遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030が点灯しており、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像が第2態様にて表示されている。そして、右打ち用電断復旧画面の表示中に第2大入賞口(大当り遊技中は第1大入賞口または第2大入賞口)が開放されると、演出表示装置905の下部に大入賞口開放中報知画像として「大入賞口が開いています」等のメッセージが表示される。
尚、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで共通の大入賞口開放中報知置画像を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示してもよい。
また、この実施例では右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで共通の大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示し、第1大入賞口と第2大入賞口のどちらに遊技球を入賞させればよいかを遊技者が認識し易いようにしてもよい。
以上、この実施例におけるパチンコ遊技機901にあっては、時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態においてパチンコ遊技機901の電力供給を停止し、クリアスイッチを操作せずにパチンコ遊技機901に電力の供給を再開した際に、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで、パチンコ遊技機901に電力の供給を再開した際において、遊技球を発射する遊技領域が演出表示装置905に表示されないことにより、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
また、この実施例のパチンコ遊技機901では、右打ち報知用LED9030の点灯態様は、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合と遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合とで同一である一方で、演出表示装置905における右打ち報知画像の表示態様は、遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合の第1態様と、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合の第2態様と、の2種類となっているので、遊技者は、右打ち報知画像の表示態様が第1態様であるか第2態様であるかを確認することで、パチンコ遊技機901が電力の供給が再開された状態であるのか否かを容易に認識することができる。
また、演出制御用CPU90120は、CPU90103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示するので、演出表示装置905での電断復旧画面の表示の開始を指定するための専用コマンドや、演出表示装置905での右打ち報知画像の表示の開始を指定するための専用コマンドを設ける必要が無いので、コマンド数の増加を抑えることができる。更に、この実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合以外のタイミングにおいても右打ち報知用LED点灯指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとによって細かく右打ち報知用LED9030の点灯・消灯と右打ち報知画像の表示開始・表示終了とを連動させることができる。
また、CPU90103は、所定時間(例えば2ms)毎に遊技制御用タイマ割り込み処理を実行するとともに、遊技制御用タイマ割り込み処理においてコマンド制御処理(S9020)を実行し、同一割込のコマンド制御処理において電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドにて演出制御基板9012に対して電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドとを送信するので、演出表示装置905における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とすることができ、これら電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとが異なってしまうことにより、右打ち報知画像が遊技者から見逃されてしまう等の不都合の発生を防ぐことができる。
尚、この実施例では、演出表示装置905における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち報知画像の表示開始タイミングは、電断復旧画面の表示中であれば電断復旧画面の表示開始タイミングと異なっていてもよい。
また、この実施例のパチンコ遊技機901は、遊技球を発射すべき遊技領域が右遊技領域9010RであることをCPU90103による点灯制御と消灯制御とによって報知可能な右打ち表示部9025Dを備え、CPU90103は、右打ち表示部9025Dの点灯制御に伴って演出制御基板9012に対して右打ち報知用LED点灯指定コマンドを送信し、右打ち表示部9025Dの消灯制御に伴って演出制御基板9012に対して右打ち報知用LED消灯指定コマンドを送信するので、右打ち表示部9025Dの点灯状態と演出表示装置905における右打ち報知画像との表示状態とが連動するようになるため、演出表示装置905における右打ち報知画像の表示を適切に実行することができる。
また、この実施例におけるパチンコ遊技機901は、第1大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第1特別可変入賞球装置907Aと、第2大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第2特別可変入賞球装置907Bと、を備え、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて賞球を付与する賞球処理(S9012)を実行可能であるとともに、小当り遊技中に第2大入賞口に入賞した遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことに基づいて遊技状態を大当り遊技状態に制御可能となっている。そして、演出表示装置905では、第1大入賞口や第2大入賞口が開放状態となったことに基づいて大入賞口開放中報知画像を表示するので、パチンコ遊技機901に電力の供給が再開された際に、第1大入賞口や第2大入賞口が遊技球の入賞可能な開放状態となったことを遊技者に認識させることができ、遊技球が発射されないことにより第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞せずに賞球が得られないことや、第3カウントスイッチ9024Bを遊技球が通過しないことにより大当り遊技状態に制御されない等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。
尚、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中が大当り遊技中や小当たり遊技中であれば、大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口や第2大入賞口が解放されるよりも前から演出表示装置5に表示し、遊技者に第1大入賞口や第2大入賞口から開放されることを認識させてもよい。
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中には、第1大入賞口や第2大入賞口が開放されても大入賞口開放中報知画像を表示しないようにしてもよい。
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中に第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった場合(普通可変入賞球装置906Bが通常開放状態から拡大開放状態に変化した場合)は、第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった旨を報知する画像を演出表示装置905に表示してもよい。つまり、この実施例における手段6の「可変入賞装置」とは、この実施例のように第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bでもよいし、第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置906Bであってもよい。
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれか一方のみが開放されたことに基づいて演出表示装置905に表示してもよい。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、演出制御用CPU90120は、電力の供給が再開された際に、CPU90103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置905に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU90120は、電力の供給が再開された際に、CPU90103から遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置5に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示してもよい。このようにすることで、演出表示装置905に右打ち報知画像を表示するための個別のコマンドを設ける必要がなくなり、コマンド数の増加を抑えることができる。
具体的には、変形例1として図63〜図65に基づいて説明する。先ず、図63に示すように、本変形例1における遊技制御メイン処理では、CPU90103は、Sa901〜Sa908及びSa9041〜Sa9044の処理を実行した後、Sa9044の処理において特定した遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(Sa9046a)、Sa9048及びSa9015〜Sa9020の処理を実行する。尚、Sa46aにおいて送信設定された遊技状態指定コマンドはコマンド制御処理(S20)によって演出制御基板9012に対して送信される。
次いで、図64に示すように、演出制御用CPU90120は、S90701〜S90703を実行し、S90703において電断復旧指定コマンドの受信が有ると判定した場合、電源復旧指定コマンドともに受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定する(S90707a)。そして、該特定した遊技状態が通常状態であるか否かを判定し(S90707b)、特定した遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかである場合(S90707b;N)は、S90708及びS90709の処理を実行して右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始する。
尚、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行することで遊技状態が通常状態から大当り遊技状態や等に変化する場合は、S90704a〜S90704cの処理に示すように、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態ではない、つまり、大当り遊技状態であれば、S90705及びS90706を実行して右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始すればよい。そして、S90702において右打ち報知画像を第1態様で表示中であると判定した場合(S90702;Y)は、S90710a〜S90710cの処理に示すように、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態であれば、S90708及びS90709を実行して右打ち報知用LED9030の消灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を終了すればよい。
このように、本変形例1においては、演出表示装置905に右打ち報知画像を表示させるための個別のコマンドを設ける必要が無いことによりコマンド数の増加を抑えつつ、遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドによって細かく演出表示装置905での電断復旧画面と右打ち報知画像との表示を実現することができる。
尚、本変形例1では、CPU90103は、パチンコ遊技機901に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して送信し、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、CPU90103は、パチンコ遊技機901に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた電断復旧指定コマンドを演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して送信し、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した電断復旧指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、大当り遊技中に演出表示装置905において大当り遊技演出の表示を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技演出としては、1の演出だけでなく、複数の演出を実行可能としてもよい。また、大当り遊技演出として複数の演出を実行可能とする場合は、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能としてもよい。
また、このようにプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能なパチンコ遊技機1においては、演出の選択中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に予め定められた1の演出を大当り遊技演出として実行することによって、演出制御用CPU90120の処理の軽減を図れるようにしてもよい。
具体的には、変形例2として図66(A)〜図66(E)に示すように、演出制御用CPU90120は、演出図柄が大当りを示す組み合わせで導出表示した後、大当り遊技の1ラウンド目において、該大当り遊技中に大当り遊技演出としてスピーカ908L,908Rから出力するBGM(楽曲)の選択肢を表示する(図66(B)に示す曲A、曲B、曲Cの選択肢)。
図66(B)に示す画面においては、遊技者等がプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によっていずれか1の選択肢を選択して決定操作を行うことで該図66(B)に示す画像の表示が終了し、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像の表示と、決定された選択肢に応じたBGMがスピーカ908L,908Rから出力される。
一方、未だいずれのBGMを出力するかが決定されていない状態、つまり、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901に電力が再投入されると、前記実施例と同じく演出表示装置905において右打ち用電断復旧画面と右打ち報知用画像を表示する。
そして、第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されて1ラウンド目が終了すると、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像を表示するとともに、図66(B)にて表示した選択肢のうち、1のBGM(本変形例2では曲C)をスピーカ908L,908Rから出力するBGMとして決定し、該決定したBGMのスピーカ908L,908Rからの出力を開始する。
尚、本変形例2では、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開されてから、スピーカ908L,908Rから出力するBGMを一義的に決定する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開されてから、スピーカ908L,908Rから出力するBGMを表示した選択肢の中からランダムに決定してもよい。
また、前記実施例では、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態に制御されたことに基づいて演出表示装置905に右打ち報知画像を表示し、遊技者に対して右遊技領域9010Rに向けて遊技球を打ち出すよう促す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が通常状態、つまり、遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態に制御されている場合、演出制御用CPU90120は、遊技球が右遊技領域9010Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて演出表示装置905での表示やスピーカ908L,908Rでの音出力、遊技効果LED909の発光等により遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう警告報知を行ってもよい。尚、このように、遊技球が右遊技領域9010Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう警告報知なパチンコ遊技機901においては、該警告報知の実行中に変動表示結果として演出図柄が大当りや小当りを示す組み合わせで導出表示された場合、該警告報知を停止するようにしてもよい。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際にCPU90103が電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信することによって演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された際に演出制御用CPU90120にて実行中である処理の少なくとも一部を記憶可能な記憶部を演出制御基板9012上に設け、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際には、CPU90103から電断復旧指定コマンドや右打ち報知用LED点灯指定コマンド等の受信無しに該記憶部に記憶されている内容に基づいて演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示可能としてもよい。
また、前記実施例では、第1大入賞口や第2大入賞口を、右遊技領域9010Rを流下する遊技球のみが入賞可能なように右遊技領域9010Rに設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら第1大入賞口や第2入賞口は、左遊技領域9010Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設けてもよい。尚、このように、第1大入賞口や第2入賞口を、左遊技領域9010Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面とともに、遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう促す左打ち報知画像を表示してもよい。つまり、この発明における「特定経路」とは、遊技領域の左右にかかわらず、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に開放状態である大入賞口が配置されている経路であればよい。
更に、遊技球を打ち出すことが可能な領域であれば、第1大入賞口や第2大入賞口を、演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の上部等の右遊技領域9010Rや左遊技領域9010L以外の領域に設けてもよい。このように、第1大入賞口や第2大入賞口を右遊技領域9010Rや左遊技領域9010L以外の領域に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、演出表示装置905に遊技球を第1大入賞口や第2大入賞口が設けられた位置(例えば、センター飾り枠の上部等)に向けて打ち出すよう促す報知画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとを点灯させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際には、右打ち報知用LED9030を点灯させなくともよい。また、前記実施例における右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dを省略し、演出表示装置905にて特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示を行ってもよい。さらに、前記実施例における右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとによる報知に代えて、スピーカ908L,908R等による音声出力による報知を行ってもよい。
また、前記実施例では、右打ち表示部9025Dの点灯及び消灯をCPU90103が制御し、右打ち報知用LED9030の点灯及び消灯を演出制御用CPU90120が制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち表示部9025Dと右打ち報知用LED9030の点灯及び消灯は、共にCPU90103が制御してもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU90103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機901における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技の終了後に時短制御が実施される(遊技状態が時短状態に制御される)大当り種別を設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技の終了後に変動表示結果が大当りとなる確率が上昇する確率変動制御が実施される大当り種別を設けてもよい。確率変動制御を実施可能なパチンコ遊技機901においては、大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9023Bを通過したことに基づいて、大当り遊技終了後に確率変動制御を実施するようにしてもよい。