以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<機械的構成:図1>
本発明の一実施形態に係る遊技機として、回胴式遊技機を例にとり説明する。図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。本実施形態では、回胴視認部3を介して、各々3個程度(計9つ程度)の図柄が視認可能となっている。また各回胴5a、5b、5cには、回胴視認部3に表示される各図柄を回胴の内側から照射する図柄照射用バックライトLED(バックライト手段:図示せず)が形成されている。この図柄照射用バックライトLEDは、回胴視認部3に表示される各図柄が遊技者から視認し易くする機能の他、遊技に関する演出を現出するための演出手段としても機能し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
<図柄配列帯200:図2>
図2は、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯200を例示したものである。同図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、内部抽選により当選した役(当選役)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が表示されている。本実施形態の図柄種には、図示のように、赤7図柄、白7図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、プラム図柄、チェリー図柄、ブランク1、ブランク2の計10種類の図柄が設けられている。これら図柄が回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
各回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図4参照)により回転駆動され、これにより、各図柄が変動表示および停止表示されるようになっている。なお各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、その数は適宜変更することができる。
回胴視認部3には、複数本の入賞ライン3aが施されている。入賞ライン3aは、図3に示すように、回胴視認部3の上段部(枠内上段)部および中段部(枠内中段)を水平方向に横断する2つの入賞ライン(上段横ライン、中段横ライン)と、回胴視認部3を斜めに横断する2つの入賞ライン(右下りライン、左下りライン)の計4本の入賞ラインとなっている。なお、入賞ライン3aは、本発明の目的を達成できるものであれば、その本数や形態は特に限定されず、図柄配列帯200における図柄の配置構成、図柄の種類、役に対応する図柄の組合せ(役構成)、回胴の停止制御形態(後述の引き込み制御)などの関係により、適宜変更することができる。
これらの入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する賭け数(ベット数)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上において、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せとなった場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図4参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルが払い出されるようになっている。この遊技メダルは、遊技者が遊技を実行する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。この液晶表示装置6(液晶画面6a)は、遊技に関する演出を画像により表示する。
また回胴視認部3の左右両側には、光の装飾により遊技に関する演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。この装飾ランプ部13はLED(発光手段)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
また回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(クレジット手段:遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数(クレジット枚数)を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(主制御部400(図3参照)がその機能部を担う))にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)の上限値(最大賭数:本実施形態では遊技メダル3枚が最大賭数となっている)まで遊技メダルを一度に疑似投入しうるMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うためのクレジット精算ボタン10などが設けられている。またMAXベットボタン8の内部には、MAXベットボタン8の操作が許容状態であることを報知するためのMAXベットLED84(図3参照)が内蔵されている。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、これら回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを「回胴回転停止ボタン12」と称する。
なお上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、クレジット精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、クレジット精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図4参照)が設けられている。
また、前扉2の裏面側のメダル投入口7に対応する位置には、メダル投入口7に投入された遊技メダルが正規か否かを選別して、正規の遊技メダルをホッパーユニット500側に導くメダルセレクタ(図示せず)が設けられている。このメダルセレクタには、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a(図4参照)が設けられ、また、投入された遊技メダルを、遊技機内部において、ホッパーユニット500(図4参照)に受け入れるためのメダル受入通路側と、メダル受け皿18側に誘導するためのメダル返却通路側とを切り換え可能に構成されたブロッカーソレノイド7c(図4参照)による通路切換機構が設けられている。
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500(図4参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するためのメダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、音楽や効果音を出力して、遊技に関する音演出効果を発揮するスピーカ16が設けられている。
なお図示はしていないが、遊技者が視認し易い位置(たとえば、回胴視認部3近傍の位置(たとえば、符号13に示す矩形状の領域)、または液晶表示装置6による画像表示上の所定の表示領域)に、あるいは遊技機1の適所に、現在の遊技進行具合・遊技状況を報知しうる各種の表示部が設けられている。
具体的には、(A)クレジット枚数を表示する「クレジット枚数表示部(クレジット枚数表示器86)」、(B)遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する「払出枚数表示部(払出枚数表示器87)」、(C)回胴回転始動レバー11の操作が有効(遊技開始可能状態(回胴始動可能状態))であるか否かを報知する「遊技開始表示部(遊技開始表示LED81)」、(D)遊技メダルの投入が受付可能であるか否かを報知する「メダル投入表示部(メダル投入表示LED82)」、(E)再遊技が作動中であるか否かを報知する「再遊技作動表示部(再遊技作動LED83)」、および(F)遊技メダルの投入枚数(現在の賭数)を表示する「投入枚数表示部(投入枚数表示LED85)」などの種々の表示部が設けられている。これら表示部は、主制御部(主制御基板)400(図4参照)により表示制御され、たとえば上記クレジット枚数表示部や払出枚数表示部は、7セグメント表示器により現在のクレジット枚数情報や遊技結果に応じた払い出し枚数情報を報知可能に構成され、また上記遊技開始表示部、メダル投入表示部、再遊技作動表示部、投入枚数表示部などは、その内蔵LEDの発光態様(消灯・点灯(点滅)、発光色など)により、遊技状況を報知可能に構成されている。
ここで、本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ部13やLEDなどの光発生手段、演出表示手段、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、または遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。なお、上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグメントによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図4〜図5>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図4は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板400(以下、「主制御部400」と称する)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する不図示の電源基板(電源制御手段)とを中心に構成される。演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図4において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、クレジット精算ボタン10の操作を検出するクレジット精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、ブロッカーソレノイド7cが接続され、ブロッカーソレノイド7cに対してソレノイド制御用の励磁信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、遊技表示基板390が接続されている。この遊技表示基板390には、遊技開始表示LED81と、メダル投入表示LED82と、再遊技作動LED83と、MAXベットLED84(MAXベットボタン8内蔵LED)と、投入枚数表示LED85とが搭載され、主制御部400はこれら表示部を制御する発光制御信号を送信可能となっている。さらに遊技表示基板390には、クレジット枚数表示器86と払出枚数表示器87とが搭載されており、主制御部400はこれら7セグメント表示器を制御する発光制御信号を送信可能となっている。
なお図示はしていないが、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、1ベットボタン9、および/またはクレジット精算ボタン10には、その内部にLEDが設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置(基点からの現在位置)や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介して、ホッパーユニット500と、ホッパーユニット500から溢れた余剰の遊技メダル貯留するための補助タンク(図示せず)の満杯状態を監視する満杯検知金具600とが接続されている。
ホッパーユニット500には、ホッパーモータ510と、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板(払出制御手段)450と、ホッパーユニット500から排出される遊技メダルを検出するためのメダル払出センサ520とが設けられている。
主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する「払出制御コマンド」を払出制御基板(払出制御部)450に送信可能となっている。払出制御基板450は、主制御部400からの払出制御コマンドを受信すると、ホッパーモータ510を駆動制御して、指定された枚数分の遊技メダルの払い出し処理を行うようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御部400に入力される。
また主制御部400には、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)が接続され、主制御部400は、所定の遊技情報(たとえば、遊技メダルの投入枚数や、遊技メダルの払出枚数や、入賞の発生などに関する情報)をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。
この回胴設定基板430には、所定の遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)が設けられ、リセットスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。また回胴設定基板430には、段階的に出玉率(機械割(PAYOUT率))に変化をもたらす「設定値」を変更する設定スイッチ(図示せず)が設けられ、設定スイッチにより設定した設定値を示す信号を主制御部400に送信可能となっている。上記「設定値」とは、主として、内部抽選による役の抽選確率(役の当選確率)を段階別(たとえば、設定1〜6の6段階)に規定するもので、設定値が高くなるほど機械割が高くなり(設定値1が最低の機械割、設定値6が最高の機械割)、遊技者に有利に作用するようになっている。なお上記設定値は、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員が上記設定スイッチを操作して設定値が変更される。
また主制御部400には、演出I/F基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶制御基板460に対し、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドの送信、スピーカ16の音制御、装飾ランプ13やLEDの発光制御、適所に設けられた可動体役物(図示せず)の動作制御などである。
演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図5を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図5は、図4に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインCPU401cは、たとえば、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUであり、処理を実行するのに必要なデータの読み出し、書き込みが行われる複数種類のレジスタを備えている。
メインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、回胴の停止制御用の停止データを記述した「停止テーブル(図示せず)」、内部抽選を行うための内部抽選データを記述した「役抽選テーブル(図24)」、内部抽選結果情報(当選フラグ)を設定するための当選フラグ設定データを記述した「当選フラグ設定テーブル(図示せず)」など、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
メインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、内部抽選に利用される内部抽選用乱数値、内部抽選結果情報、遊技状態情報、遊技動作制御に係る各種タイマ、賭数設定情報(遊技メダル投入枚数)、クレジット枚数、払出枚数など、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またメインRAM401bは、特定の抽選(たとえば、後述のフリーズ演出抽選:図9のステップS103)に利用される乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、割込機能(メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込機能や割込禁止機能)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。
CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで本実施形態では、CTC401dを利用して、メインCPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を内部抽選に利用する。マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、所定の遊技開始条件の下(遊技開始条件となる賭数が設定された場合)、回胴回転始動レバー11が操作されると、上記内部抽選用乱数値と後述の役抽選テーブル(図24)とに基づいて、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを抽選(内部抽選)により決定し、その抽選結果情報(たとえば、当選番号情報や当選(内部当選)フラグ)を所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定領域に格納(設定)する。この抽選結果情報は、原則として、1ゲームごとにクリアされるようになっている。
(役抽選テーブル:図24)
図24に、本実施形態に係る役抽選テーブルの概要を示す。図示では、各遊技状態(図6のRT0遊技(通常遊技(低確率RT遊技))、RT1遊技(中確率RT遊技)、RT2遊技(高確率RT遊技)、RT3遊技(不図示)、ボーナス遊技)に対応した役抽選テーブルの一例を示してある。
上記役抽選テーブルには、図示のように、内部抽選の対象となる役(抽選対象役:図示の「当選役種別」の欄参照)に対応した当選領域(判定値の欄参照)を有する抽選領域が定められており、これにより各役の当選確率(判定値/抽選領域(65536))が規定される。本実施形態の内部抽選の対象となる役(図示の「当選役種別」の欄参照)は、ハズレを除き、計33種類設けられており(各役についての詳細は後述する)、メインCPU401cは、役抽選テーブルを参照し、内部抽選乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、いずれの役に当選したのか不当選(ハズレ)であるのかを決定する。
また本実施形態では、図示のように、遊技状態に応じて、特定の抽選対象役の当選確率(たとえば、当選番号22の通常リプレイ)や特定の抽選対象役種の合算当選確率(たとえば、リプレイ役種の合算当選確率)が異なるようになっている。また、遊技状態に応じて、抽選対象役が異なるようになっている。たとえば、RT0遊技中は、RT1遊技中で抽選対象役となる「リプレイB1〜B3(当選番号26〜28)、リプレイC1〜C3(当選番号29〜31)、CAリプレイ1〜2(当選番号32〜33)」が内部抽選対象から除外され、他方、RT1遊技中は、RT0遊技中で抽選対象役となる「リプレイA1〜A3(当選番号23〜25)」が内部抽選対象から除外されている。
なお詳細は後述するが、不図示のRT3遊技は、特別役種のBBが内部当選中の遊技状態(BB内部当選中(ボーナス持越遊技))であり、RT0遊技〜RT2遊技は、BBが非内部当選中の遊技状態(非BB内部当選遊技)となっている。
図5の説明に戻り、主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての「演出制御コマンド」が、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御基板420に送信される。つまり演出制御部410側は、一方向通信における入力としてのみ機能するようになっている。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、遊技開始条件の下、回胴回転始動レバー11の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づく規定枚数(遊技開始可能となる投入枚数)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力の受付を有効(遊技開始可能状態)にする。そして、この遊技開始可能状態の下、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御し、各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、その後、各回胴を略一定速度で回転させる。これにより、各回胴を回転させる回転動作を実現している。なお、本実施形態では、遊技メダル3枚が1ゲームに対しての最大賭数(MAXベット)となっており、上記遊技開始条件となる規定枚数も遊技メダル3枚となっている。ただし、最大賭数は、遊技状態に応じて変化させることができる。たとえば、通常遊技中では最大賭数を遊技メダル3枚とし、ボーナス遊技中では最大賭数を遊技メダル2枚とすることができる。また上記規定枚数は、1枚または2枚でも良く、特に制限されない。
回胴の停止制御は、回胴の回転中において、回胴回転停止ボタン12の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認した場合、特定位置(たとえば、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(枠内下段)に相当する位置)に存在する図柄番号を取得してこれを「停止操作図柄番号」とし、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。なおマイクロコンピュータ401は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、上記特定位置に存在する図柄番号を把握している。これにより、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄番号の図柄が停止したのかについて、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。また回胴が実際に停止する前段階であっても、滑りコマ数と停止操作図柄番号とに基づき、有効入賞ライン上の停止図柄を事前に把握することもできる。
上述の「停止テーブル」には、停止操作図柄番号に対応する滑りコマ数を最大引き込みコマ数範囲内(たとえば、4コマ)で定めた停止データが定められている。この停止テーブルには、主として、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれる。たとえば、全回胴の滑りコマ数を一括して定めた全回胴用停止テーブルや、各回胴ごとに滑りコマ数を定めた停止テーブル(たとえば、左回胴用停止テーブル、中回胴用停止テーブル、右回胴用停止テーブル)や、回胴の停止操作手順(停止操作タイミングおよび回胴の停止操作順番(押し順)の少なくともいずれか一方)に応じて選択される停止操作順用停止テーブルなど、ハズレや当選役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させるための停止テーブルが含まれる。斯様な停止テーブルにより、最大引き込みコマ数範囲内において、特定の図柄(たとえば、当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄(当選役の構成要素図柄))を有効入賞ライン上に停止させたり、特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりする、所謂「引き込み制御」が実現される。
この「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役の構成要素図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄)を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能な当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、有効入賞ライン上に当選役の構成要素図柄が存在しない場合であっても、当該当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込まれ、当選役に対応する図柄を有効入賞ライン上に成立させるように回胴の停止位置が制御される。
このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数などを定めれば、当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄を停止操作手順(停止操作タイミングおよび押し順の少なくともいずれか一方)によらず有効入賞ライン上に停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、また役に当選しても停止操作手順によっては、たとえ最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(所謂「取りこぼし」の発生を可能にする)にしたりすることができる。これにより、たとえば、特定の役を取りこぼした際の取りこぼし目(たとえば、後述のベル1を取りこぼした際の「取りこぼし目(ベルこぼし目)」)や、ボーナス役を取りこぼした際の「リーチ目」など、遊技結果として、特定の停止表示態様を導出可能としている。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない場合、つまり「ハズレ」の場合には、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定されるようになっている。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。
なお本実施形態の図柄配列帯200(図2参照)では、特定の図柄種(たとえば、ベル図柄)に関しては、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されており、その他の図柄に関しては、必ずしも引き込み率が100%とはなっていない。また、一の回胴と他の回胴とで、特定の図柄に関しての引き込み率が異なる場合がある。これにより、特定の当選役に対し、その対応する図柄の組合せを停止操作手順によらず100%引き込み可能としたり、停止操作手順によっては「取りこぼし」を発生させたりすることを可能にしている。なお、どのような図柄種をどのような引き込み率に定めるかは、後述の当選役に対応する図柄の組合せ(図25A〜図25B参照)や各図柄の図柄配置構成や有効入賞ラインなどの関係により、適宜変更することができる。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。
演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460と、スピーカ16や装飾ランプ13などの各種演出手段とが接続されている。
上記サブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、演出抽選用乱数値や演出制御部側遊技状態(演出状態)情報など、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。
またカウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミングで)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
なお図示はしていないが、演出制御基板420には、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、スピーカ16に対する音響制御部と、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部とが設けられている。
液晶制御基板460(図4参照)は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像(キャラクタ)ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
演出の現出制御については、マイクロコンピュータ421(サブCPU421c)が主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、今回のゲームで現出すべき演出シナリオを構築し、効果音や光演出の発生が必要なタイミングで、上記音響発生装置や光表示装置に対し専用の制御信号を送信し、また液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対し送信する。上記演出シナリオは、複数種類の演出パターンを含んで構成される広義の意味での演出であり、個々の演出パターンは、演出シナリオを構成する一要素(パーツ演出)としての役割を果たす。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生、または装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動、あるいは液晶表示装置6による画像表示演出が実現され、時系列的に種々の演出パターンが次々に、あるいは複数同時に展開されることにより、目的とする演出(演出シナリオ)が現出されることになる。斯様な演出には、遊技に係る種々の演出態様が含まれ、たとえば、内部抽選結果情報(当選役)を報知(示唆)する演出(予告演出)や、遊技状態を報知する演出(状態報知演出(たとえば、背景表示演出))、役の当選可能性(当選期待度)を報知する期待演出、後述のアシスト報知演出(支援演出)などはその代表例である。
またマイクロコンピュータ421は、主制御部400から送られてくる特定情報を含む演出制御コマンド(たとえば、当選役情報、特定の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した旨、特定の図柄が停止した旨の情報など)を受けて、後述のAT遊技を含む複数種類の演出状態間を移行制御可能な構成となっている。
また図示はしていないが、演出制御基板420の割込端子INTは、コマンド伝送ラインのうち、主制御部400がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞となる図柄の組合せ:入賞役種別)、および配当(遊技価値)について:図25A〜図25B>
次に図25A〜図25Bを参照しながら、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、およびその配当(遊技価値)の関係について説明する。図25A〜図25Bは、本実施形態に係る役構成の説明に供する図であり、当選役に応じた図柄の組合せとその役名称を例示したものである。
なお、図示の「図柄の組合せ」の欄における「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。また図示の「押し順」の欄は、同図の「図柄の組合せ」欄に示す図柄の組合せを成立させるための停止操作順番を示す(以下、必要に応じて、第X番目の停止操作を「第X停止操作」と称し、「第X番目に停止操作対象となった回胴」を「第X停止操作回胴」と略す。また図示の「左」は停止操作対象が左回胴5a、「中」は中回胴5b、「右」は右回胴5cを意味する)。ただし、図示の当選役種別の中には、当選役に対応する図柄の組合せを成立させる条件として、押し順だけでなく、さらに停止操作タイミングを要するものが含まれている。以下、図25A〜図25Bを参照しながら、本実施形態に係る役構成について詳細に説明する。
本実施形態では、図示のように、複数種類の抽選対象役が設けられている。これら抽選対象役は、「特別役種」に属するものと、「一般役種」に属するものとに大別され、さらに「一般役種」は、‘小役種’に属するものと‘リプレイ(再遊技)役種’に属するものとに大別される。上記「特別役種」は、後述の‘ボーナス遊技’への移行契機役となる役種別であり、上記「小役種」は、‘遊技メダルの払い出し(払い出し0枚を含む)’を伴う役種別であり、「リプレイ役種」は、‘再遊技’を伴う役種別であり、それぞれ異なる性能を有する役として定められている。
なお上記「再遊技」とは、遊技メダル(遊技媒体)を投入することなく(貯留手段により、またはその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む)、次回のゲーム開始条件を再付与するものであり、具体的には、今回のゲームで使用した遊技媒体量(賭数設定のために投入した遊技メダル枚数)と同一量(同一の枚数)を疑似的に付与(自動投入)して、次回のゲームを開始可能とするものである。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。この遊技価値には、遊技において、遊技者に有利に作用するものに限らず、遊技者に不利に作用するものも含むことができる。斯様な遊技価値には、上述の再遊技や遊技メダルの他、たとえば、遊技状態の昇格移行・転落移行といった遊技状態の移行やその移行に関連する所定の抽選(たとえば、後述のAT抽選(図27)や、後述の上乗せゲーム数抽選(図28〜図30))による上乗せゲーム数などがある。
本実施形態では、上記特別役種に属するものとして「赤7BB」、「白7BB」が設けられており、また上記小役種に属するものとして「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「AT1〜4」、「特殊AT1〜6」が、上記リプレイ役種に属するものとして「通常リプレイ」、「リプレイA1〜A3」、「リプレイB1〜B3」、「リプレイC1〜C3」、「CAリプレイ1〜2」などが設けられている。
上記抽選対象役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応する当選フラグが成立し、遊技結果として、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。そして、各回胴が停止した際、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すれば、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。また、複数本の有効入賞ラインに跨って当選役に対応した図柄の組合せが停止した場合は、重複入賞となり、たとえば、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う小役の場合は、成立した有効入賞ライン分の配当が得られるようになっている(たとえば、後述の弱チェリー参照)。
なお本明細書中では、内部抽選により当選役が決定された場合、遊技結果として導出表示される図柄の組合せ(特に、有効入賞ライン上への停止が許容される図柄の組合せ)を「入賞役」と称する場合があり、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止(成立)することを「入賞(遊技価値が付与されるか否かは問わない)」と称する場合がある。また、所謂「取りこぼし」が発生した場合に遊技結果として導出表示される特定の停止表示態様(取りこぼし目)も、遊技結果として導出表示される図柄の組合せの一態様であることから、この取りこぼし目も入賞役として扱うことができる。
<役構成>
次に図25A〜図25Bを参照して役構成について説明する。
(小役種:弱スイカ、強スイカ)
まず当選番号8の弱スイカと、当選番号9の強スイカについて説明する。これらの役は、その当選により、少なくとも押し順によらず、対応する役の入賞を許容する「押順不問役」として規定されている。この点で、後述のAT1〜AT4や特定のリプレイ役種のように、少なくとも押し順に応じて異なる入賞役(少なくとも押し順に応じてハズレ目が遊技結果として導出される場合を含む)が入賞しうる「押順規定役」とは性質を異にする。
図25Aに示すように、弱スイカと強スイカは、その当選により入賞が許容される図柄の組合せがともに「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」(スイカ揃い)となっている。ただし、このスイカ揃いは、弱スイカが当選した場合と強スイカが当選した場合とで、停止操作タイミングに応じて、スイカ揃いが成立する有効入賞ラインが異なるようになっている。たとえば、強スイカが当選した場合は、特定の停止操作タイミングにより右下りライン上に停止可能であるが、弱スイカが当選した場合は停止不可能となっている。これにより、遊技者が目押し操作を慎重に行うことにより、当選役が弱スイカであるか強スイカであるのかの判別ができるようになっている。
上記弱スイカまたは強スイカ(スイカ揃い)が入賞した場合、配当として、所定枚数(たとえば、6枚)の遊技メダルが払い出されるようになっている。
(小役種:弱チェリー、強チェリー)
次に、当選番号10の弱チェリーと、当選番号11の強チェリーについて説明する。
弱チェリーおよび強チェリーは「押順不問役」として規定されており、その当選により入賞が許容される図柄の組合せは、弱チェリーは「チェリー(下段)」−「ANY」−「ANY(「ANY」とは、図柄種は問わないという意味である)」の図柄の組合せ(弱チェリー)、強チェリーは「チェリー(中段)」−「ANY」−「ANY」(強チェリー)の図柄の組合せとなっている。なお、図示の弱チェリーにおける「チェリー(非中段)」の表記は、中段横ライン以外の有効入賞ライン(上段横ライン、左下りライン、または右下りライン)上の停止図柄がチェリー図柄であること意味し、強チェリーにおける「チェリー(中段)」の表記は、中段横ラインの有効入賞ライン上の停止図柄がチェリー図柄であること意味する。
上記弱チェリー、または強チェリーが入賞した場合、配当として、所定枚数(たとえば、2枚)の遊技メダルが払い出されるようになっている。ただし弱チェリーが入賞した場合は、有効入賞ライン2本に跨る重複入賞となり、入賞ライン数2本分の遊技メダル(たとえば、4枚(2枚+2枚))の払い出しとなる。
なお、上記した弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、または強チェリーは、遊技価値として、遊技メダルの払い出しの他、別の遊技価値を付与しうる場合がある。たとえば、後述の、遊技者に有利に作用する「AT抽選(図27)」や、本ART遊技の継続ゲーム数を上乗せする「上乗せゲーム数抽選(図28〜図30)」の実行権利の付与などである。
(小役種:AT1〜4)
次に、当選番号12〜15の「AT1〜AT4」について説明する。
このAT1〜AT4は、少なくとも押し順に応じて異なる図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうる「押順規定役」として規定されている。つまり、有効入賞ライン上に停止させるための特定の図柄の組合せについて、所定の押し順が割り当てられている。なお詳細は追って説明するが、AT1〜AT4は、所定の押し順の場合には遊技者に有利に作用する入賞役(有利入賞役)が、それとは異なる押し順である場合には遊技者に不利に作用しうる入賞役(不利入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうるように定められている。AT1〜AT4は、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「AT1」を代表的に説明する。
(AT1について)
図示のように、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「ベル」−「ベル(中段)」−「ベル」の図柄の組合せ(ベル1)、(2)「ベル(上段)」−「ベル(上段)」−「ベル(上段)」の図柄の組合せ(ベル2)の計2種類の図柄の組合せとなっている。つまり、AT1が当選役として決定された場合、上記のベル1とベル2とが入賞許容状態に置かれることになる。
詳述するに、AT1が当選役として決定された場合、ベル1とベル2とが入賞許容状態に置かれることは、換言すれば、AT1は、その当選により、ベル1の入賞を許容する役と、ベル2の入賞を許容する役とに重複当選可能な役、つまり一回の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。本実施形態では、この「重複役」のように、当選役とその当選役により許容される停止図柄態様(入賞役)とを1対Nに対応させた抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を複数種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。このような重複役としての性質を有するものには、AT1〜4の他、後述の重複BB1〜重複BB5、特殊AT1〜特殊AT6、特定のリプレイ役種(たとえば、リプレイA1〜A3)などがある。
なお、図示のベル1における「ベル(中段)」の表記は、中段横ラインの有効入賞ライン上の停止図柄がベル図柄であること意味し、ベル2における「ベル(上段)」の表記は、上段横ラインの有効入賞ライン上の停止図柄がベル図柄であること意味する。本実施形態の場合は、「ベル1」は上段横ライン以外の有効入賞ライン上にベル図柄揃いが成立し、ベル2は上段横ライン上にベル図柄揃いが成立するようになっている。このように、ベル図柄揃いが成立する入賞ラインを異ならせることにより、ベル1が入賞したのか、そうでないかの見分けがし易いようにしている。
上記「ベル1」は、ベル2よりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。具体的には、たとえば、ベル1が入賞した場合には、遊技メダル12枚(第1の所定枚数(第1の遊技価値))の払い出し、ベル2が入賞した場合には、それよりも少ない遊技メダル4枚(第2の所定枚数(第2の遊技価値))の払い出しとなっている。これは、AT1が、少なくとも押し順に応じて、遊技者に有利に作用する入賞役(有利入賞役)か、または遊技者に不利に作用する入賞役(不利入賞役)が遊技結果として導出表示されうることを意味する(AT2〜AT4についても同様)。
なお、各回胴5a、5b、5cのいずれが第1〜第3停止に該当するか否か、つまり押し順の把握は、主制御部400がその機能部を担う「停止操作順番監視手段」により監視される。この停止操作順番監視手段は、各回胴の回転状態および停止状態を監視し、回転中の回胴と停止中の回胴とに基づき、停止操作対象となった回胴が何番目の停止操作であるか(押し順)を把握する。
次にAT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(順押し(押し順正解)の場合)
図49に示すように、順押し(左回胴5a→中回胴5b→右回胴5cの順番で停止する停止操作手順)の場合には(押し順正解の場合)、ベル1が有効入賞ライン上(本実施形態では、上段横ライン上以外の有効入賞ライン上)に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。
(順押し以外の場合(押し順不正解)の場合)
これに対し、順押し以外の押し順である場合には(押し順不正解の場合)、ベル2が有効入賞ライン上(本実施形態では、上段横ライン上)に停止するように回胴の停止制御が行われる。
(AT1に係るベル1取りこぼしについて)
本実施形態では、AT1が当選役として決定された場合において、上記の押し順不正解である場合には、ベル1(払い出し12枚)の取りこぼしが発生し、替わりに、ベル2(払い出し4枚)が遊技結果として導出表示されるようになっている。
ここで、ベル1の取りこぼしが発生した場合には、上段横ラインにベル2が停止するが、このとき、中段横ライン上には、必ず「リプレイ」−「スイカ/ブランク2」−「赤7/白7/BAR/プラム/ブランク2」(以下、この図柄の組合せを「ベルこぼし目」と略称する)の計10種類の図柄の組合せのいずれかが同時に停止するようになっている(図2参照)。つまり、ベル1を取りこぼすと、ベル2とベルこぼし目との重複入賞が発生する構成となっている。またこのベルこぼし目は、一見して、バラケ目のような図柄の組合せとなっている。この「ベル取りこぼし目」も当選役に対応する図柄の組合せであることから、AT1は、その当選により、ベル1と、ベル2と、ベル取りこぼし目と、に重複当選する重複役といえる。
このベルこぼし目が入賞した場合、配当として、遊技メダル0枚の払い出しと、特定の遊技状態(たとえば、後述のRT2遊技)中であれば、現在の遊技状態(RT2遊技)から、それよりも遊技者に不利に作用する他の遊技状態(後述のRT0遊技)に移行(転落移行)されるようになっている(RT遊技、AT遊技、および遊技状態間の移行に関する詳細は、図6にて詳述する)。
上記ベルこぼし目は、上述の転落移行を伴うという点で、専ら、遊技者に不利に作用する遊技状態への移行契機となる「転落契機役」として働き、ATに係る不利入賞役として捉えることができる。このように、遊技メダルの払い出しを伴う小役(ここでは、ベル1)と、バラケ目(同一または類似する図柄種同士による組合せではない出目)の組合せのような転落契機役(ここでは、ベルこぼし目)とを重複入賞が発生させる構成とすることにより、遊技者に「ベル1」を注目させ、転落契機役に入賞したことを秘匿させることができるので、遊技者に転落契機を明確に悟らせないことができるようになる。本実施形態では、ATに係る押し順不正解となる場合には、遊技結果として、ベル2とベルこぼし目とが導出表示されることから、ベル2とベルこぼし目とを等価的なものとして扱うことができる。
AT2〜AT4に関しても、AT1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。具体的には、所定の押し順である場合(押し順正解)は‘ベル1(有利入賞役)’が有効入賞ライン上に停止し、その他の押し順の場合(押し順不正解)は、‘ベル2(第1の不利入賞役)’と‘ベルこぼし目(第2の不利入賞役)’とが重複入賞する、といった上述したAT1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。しかし上記のような引き込み制御に限定されず、ATに関して、押し順不正解の場合には、不利入賞役(たとえば、ベル2)の引き込み率100%未満(停止操作タイミングに応じてベル2の取りこぼしを発生させる)とし、ベル2を取りこぼした場合、その取りこぼし目として「ベルこぼし目」を遊技結果として導出表示させる構成としても良い。この場合、押し順不正解であっても、停止操作タイミングに応じて、ベルこぼし目の入賞が回避され転落移行しない(たとえば、特定(特定範囲)の停止操作タイミングであれば、その入賞を回避しうる構成)、といった遊技性を創出でき、遊技者の技術介入性が増して遊技に面白みを与えることができる。
また本実施形態では、各AT(AT1〜AT4)について、有利入賞役が同一の入賞役(ベル1)として定められているものとして説明したが、これに限らず、それぞれ異なる入賞役であっても良いし、各ATの一部同士で同じ入賞役、他のAT同士でそれとは異なる入賞役としても良い。また不利入賞役(ベル2)についても、同様に、各ATでそれぞれ異なる入賞役であっても良いし、各ATの一部同士で同じ入賞役、他のAT同士でそれとは異なる入賞役としても良い。
(小役種:特殊AT1〜6)
次に、当選番号16〜21の「特殊AT1〜特殊AT6」について説明する。
特殊AT1〜6は「押順規定役」に属し、押し順に応じて、対応する特殊小役(特殊小役1〜6)、またはベル1が入賞するようになっている。なお、特殊AT1〜6のそれぞれは、主として、対応する特殊小役(特殊小役1〜6)またはベル1を入賞させるための押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「特殊AT1」を代表的に説明する。また、回胴の停止制御の説明に関しては、上記AT1〜AT4と実質的に同じ点は重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
(特殊AT1について)
図示のように、特殊AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「ベル」−「ベル(中段)」−「プラム」(特殊小役1)、(2)「ベル」−「ベル(中段)」−「ベル」の図柄の組合せ(ベル1)となっている。つまり、特殊AT1が当選役として決定された場合、上記の特殊小役1とベル1とが入賞許容状態に置かれることになる。したがって、特殊AT1は、特殊小役1とベル1とに重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
上記特殊AT1が当選した場合、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、少なくとも押し順に基づき決定されるようになっている。ただし第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には、所定の停止操作タイミングである場合に限り「特殊小役1」が有効入賞ライン上に停止し、第1停止操作回胴が中回胴5b以外である場合には停止操作タイミングによらず「ベル1」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。
詳述するに、特殊小役1の構成要素図柄である「プラム図柄」については、引き込み制御の関係上、有効入賞ライン上への引き込み率が100%未満に配置されている(各回胴において、プラム図柄は1つ配置:図2の図柄配列帯200参照)。このため、特殊AT1の場合、右回胴5cのプラム図柄を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで操作された場合(たとえば、目押しに失敗した場合)、特殊小役1の取りこぼし目として、不図示の特定の図柄の組合せ(以下、「ATチャンス目」と称する)が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。つまり特殊AT1の当選した場合、特殊小役1、ベル1、およびATチャンス目のいずれかが100%引き込まれる。このATチャンス目も当選役に対応する図柄の組合せである点に着目すれば、特殊AT1は、その当選により、特殊小役1と、ベル1と、ATチャンス目とに重複当選する重複役といえる。なお、他の特殊小役2〜5も上述した特殊小役1と同事象の引き込み制御が行われるようになっており、各特殊小役2〜5に対応する特殊小役(特殊小役2〜6)、ベル1、およびATチャンス目が100%引き込まれるようになっている。また、ATチャンス目は、「ベル1」としても良い。この場合、特殊小役1を取りこぼした場合、特殊小役1の替わりに、ベル1が入賞することになる。
(特殊ATの配当について)
この特殊AT1は、遊技価値として、遊技メダルの払い出しの他、特定の遊技価値が付与されうる。この遊技価値は、上記した他の小役種(弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、AT1〜4)の比し、相対的に高い遊技価値が付与されうるようになっており、全役種別のうち、最高レベルの遊技価値(たとえば、特別役種を除く全役種のうち最も高い遊技価値)が付与される場合がある。この点で、特殊ATは、プレミアム的な役としての位置付けとなっている。
本実施形態では、特殊AT1に係る特定の遊技価値として、ART遊技の継続ゲーム数を上乗せする「上乗せゲーム数抽選」の実行権利の付与や、後述の昇格契機役の入賞手順を案内するアシスト報知(支援演出)の実行権利の付与などが付与されうる(後述の昇格リプレイ報知の権利付与や、後述の本ART遊技継続ゲーム数の上乗せ権利が付与されうる(これについての詳細は後述する)。また他の遊技価値として、当選ゲームにおいて所定枚数の遊技メダルが付与され、たとえば、特殊小役1(特殊小役2〜6も同様)とATチャンス目は15枚の払い出し、ベル1は12枚の払い出しを伴う。したがって、特殊AT1は、少なくとも押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用する入賞役、またはそれよりも不利に作用する入賞役が遊技結果として導出表示されうる役となっている。なお、特殊AT2〜6も、上述の特殊AT1と実質的に同じ遊技価値が付与されるようになっている。
(リプレイ役種:通常リプレイ、リプレイA1〜リプレイC3、CAリプレイ1〜2)
次に図25Bを参照して、当選番号22〜33のリプレイ役種について説明する。
本実施形態では、再遊技を伴う1種類の図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役種(たとえば、通常リプレイ)と、再遊技を伴う複数種類の図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役種(たとえば、リプレイA1〜C3)とを含む複数種類のリプレイ役種別が設けられている。
(リプレイ役種:通常リプレイ)
まず、当選番号22の「通常リプレイ」について説明する。
通常リプレイの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。この通常リプレイは「押順不問役」に属し、停止操作タイミングも要しない構成となっている。つまり、通常リプレイが当選した場合、どのような停止操作手順であっても、通常リプレイの入賞となる。通常リプレイが入賞した場合、遊技状態にかかわらず、その配当は再遊技となる。
(リプレイ役種:リプレイA1〜A3)
次に、当選番号23〜25のリプレイA1〜A3について説明する。
リプレイA1〜A3は「押順規定役」に属し、押し順に応じて、通常リプレイまたは昇格リプレイが入賞するようになっている。なお、リプレイA1〜A3は、主として、これらリプレイ役を入賞させるための押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「リプレイA1」を代表的に説明する。
(リプレイA1について)
図示のように、リプレイA1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(3)「リプレイ」−「リプレイ」−「スイカ/チェリー」の図柄の組合せ(昇格リプレイ)の計2種類の図柄の組合せとなっている。つまり、リプレイA1が当選役として決定された場合、上記の通常リプレイと昇格リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。したがって、リプレイA1は、これらリプレイ役に重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
本実施形態では、リプレイA1が当選した場合、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングによらず、そのときの押し順だけで決定されるようになっている。具体的には、リプレイA1に割り当てられた押し順に関し、所定の押し順(逆押し(右→中→左):押し順正解)である場合には、昇格リプレイが有効入賞ライン上に停止し、当該所定の押し順とは異なる押し順(逆押し以外の押し順:押し順不正解)である場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止する。この点、停止操作タイミングをも要する上記特殊ATとは異なる。
(リプレイA1に係る通常リプレイおよび昇格リプレイの配当について)
次に、リプレイA1の当選により入賞しうる各リプレイ役の配当について説明する。
リプレイA1の当選により上記「通常リプレイ」が入賞した場合、遊技状態にかかわらず、その配当は再遊技となる。
他方、上記「昇格リプレイ」が入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(たとえば、後述のRT0遊技)中において昇格リプレイが入賞した場合、その配当は、再遊技が付与されるとともに、現在の遊技状態(ここでは、RT0遊技)から、それよりも遊技者に有利に作用しうる(相対的に高い利益状態となる)他の遊技状態(RT1遊技)に移行(昇格移行)されるようになっている。上記昇格リプレイは、上述の昇格移行を伴うという点で、専ら、遊技者に有利に作用する遊技状態への移行契機となる「昇格契機役」として働く。この点、昇格リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。この「昇格契機役」は、その当選および入賞の少なくともいずれか一方に起因して、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」の一態様である。なお、このような状態移行契機役としての性質を持つものとして、他には、後述の「転落契機役」がある。これらの状態移行契機役は、当選役または入賞役のいずれもその機能を担うことができる。換言すれば、抽選対象役の当選を契機として遊技状態を移行させても良いし、当選役に対応する特定の図柄の組合せが入賞したことを契機に遊技状態を移行させても良く、適宜定めることができる。
このように、リプレイA1は、上記したAT1〜4や特殊AT1〜6と同様に、少なくとも押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用する入賞役、またはそれよりも不利に作用する入賞役が遊技結果として導出表示されうる役となっている(リプレイA2〜A3、後述のリプレイB1〜B3、リプレイC1〜C3、CAリプレイについても同様)。
なお以下では、リプレイA1〜A3に関し、説明の便宜上、上記特殊リプレイが入賞となる押し順を「押し順正解」と称し、それ以外の押し順(通常リプレイが入賞となる押し順)を「押し順不正解」と称する場合がある。
(リプレイ役種:リプレイB1〜B3)
次に、当選番号26〜28のリプレイB1〜B3について説明する。なお、回胴の停止制御(引き込み制御)の詳細に関しては、上記リプレイA1〜A3と実質的に同じ点は重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。また後述のリプレイC1〜C3、CAリプレイ1〜2についても同様に適宜省略して説明する。
リプレイB1〜B3は「押順規定役」に属し、押し順に応じて、通常リプレイ、転落リプレイ、および特殊リプレイのいずれかのリプレイ役が入賞するようになっている。なお、リプレイB1〜B3は、主として、これらリプレイ役を入賞させるための押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「リプレイB1」を代表的に説明する。
(リプレイB1について)
図示のように、リプレイB1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「スイカ/ブランク2」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(転落リプレイ)、(3)「赤7/リプレイ」−「赤7/リプレイ」−「白7/ベル」の図柄の組合せ(特殊リプレイ)の計8種類の図柄の組合せとなっている。つまり、リプレイB1が当選役として決定された場合、上記の通常リプレイ、転落リプレイ、および特殊リプレイが入賞許容状態に置かれることになる。したがって、リプレイB1は、これらリプレイ役に重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
このリプレイB1〜B3についても上述したリプレイA種別と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、リプレイB1に割り当てられた押し順に関し、図示のように、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には「通常リプレイ」が、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には「転落リプレイ」が、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には「特殊リプレイ」が有効入賞ライン上に停止(入賞)するようになっている。
ただし、上記特殊リプレイが入賞となる押し順である場合(ここでは、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合)である場合、回胴の停止操作タイミングに応じて、入賞する特殊リプレイの種類が異なるようになっている。本実施形態では、引き込み制御の関係上、各回胴において停止操作タイミングが特定の停止操作タイミングである場合には「赤7」−「赤7」−「白7」(7揃いリプレイ)を有効入賞ライン上に引き込んで停止させ、当該特定のタイミングでない場合には、その他の特殊リプレイ(「赤7/リプレイ」−「赤7/リプレイ」−「白7/ベル」の図柄の組合せのうち7揃いリプレイを除く7種類のいずれか)を有効入賞ライン上に引き込んで停止させるようになっている。換言すれば、特殊リプレイの構成要素図柄の「リプレイ」または「ベル」は、引き込み制御の関係上、各回胴において‘赤7図柄’または‘白7図柄’を有効入賞ライン上に引き込めなかった場合、その図柄の替わりに停止する図柄種となっている。
(リプレイB1に係る通常リプレイ、転落リプレイ、および特殊リプレイの配当について)
次に、リプレイB1の当選により入賞しうる各リプレイ役の配当について説明する。
リプレイB1の当選により上記「通常リプレイ」が入賞した場合、遊技状態にかかわらず、その配当は再遊技となる。
他方、上記「特殊リプレイ」が入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(たとえば、後述のRT1遊技)中において特殊リプレイが入賞した場合、再遊技が付与されるとともに、現在の遊技状態(ここでは、RT1遊技)から、それよりも遊技者に有利に作用しうる(相対的に高い利益状態となる)他の遊技状態(後述のRT2遊技)に移行(昇格移行)されるようになっている。上記特殊リプレイは、上述の昇格移行を伴うという点で、専ら、遊技者に有利に作用する遊技状態への移行契機となる「昇格契機役」として働く。この点、特殊リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役(有利入賞役)としての位置付けとなっている。
上記「特殊リプレイ」に対して、転落リプレイが入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(たとえば、RT1遊技またはRT2遊技)中において転落リプレイが入賞した場合、再遊技が付与されるとともに、現在の遊技状態(ここでは、RT1遊技またはRT2遊技)から、それよりも遊技者に不利に作用しうる(相対的に低い利益状態となる)他の遊技状態(RT0遊技)に移行(転落移行)されるようになっている。つまり、転落リプレイは、上記した特殊リプレイとは反対に、専ら、遊技者に不利に作用する遊技状態への移行契機となる「転落契機役」として働く。この点において、上記転落リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役(不利入賞役)としての位置付けとなっている。
このように、リプレイB1は、AT1〜AT4やリプレイA1〜A3と同様に、少なくとも押し順に応じて、有利入賞役(ここでは、特殊リプレイ)または不利入賞役(ここでは、転落リプレイまたは通常リプレイ)が遊技結果として導出表示されうる役となっている。
なお、リプレイB1が当選した場合には、たとえば、遊技者に有利に作用する「特殊リプレイ」は、第1停止操作回胴が右回胴5cとする押し順だけであるので、その押し順選択率は「1/3」となっている。つまり、リプレイB1が当選したか否かが不明な場合、特殊リプレイであれば、遊技者は、1/3の確率で入賞させることができる。これは押順規定役に関し、特定の役(入賞役)を入賞させるために、1または複数種類の押し順を割り当てることで、その入賞率を変化させることができることを意味する。
なお以下では、リプレイB1〜B3に関し、説明の便宜上、上記特殊リプレイが入賞となる押し順を「押し順正解」と称し、それ以外の押し順(通常リプレイまたは転落リプレイが入賞となる押し順)を「押し順不正解」と称する場合がある。
(リプレイ役種:リプレイC1〜C3)
次に、当選番号29〜31のリプレイC1〜C3について説明する。
リプレイC1〜C3は「押順規定役」に属し、押し順に応じて、通常リプレイおよび転落リプレイのいずれかのリプレイ役が入賞するようになっている。なお、リプレイC1〜C3は、主として、これらリプレイ役を入賞させるための押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「リプレイC1」を代表的に説明する。
(リプレイC1について)
図示のように、リプレイC1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「スイカ/ブランク2」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(転落リプレイ)の計2種類と種類の図柄の組合せとなっている。つまり、リプレイC1が当選役として決定された場合、上記の通常リプレイおよび転落リプレイが入賞許容状態に置かれることになる。したがって、リプレイC1は、これらリプレイ役に重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
このリプレイC1についても上述したリプレイA種別やリプレイB種別と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、リプレイC1に割り当てられた押し順に関し、図示のように、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には「通常リプレイ」が、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には「転落リプレイ」が有効入賞ライン上に停止(入賞)するようになっている。なお、リプレイC1〜C3については、通常リプレイが有利入賞役として、転落リプレイが不利入賞役として働くことになる。
なお以下では、リプレイC1〜C3に関し、説明の便宜上、上記通常リプレイが入賞となる押し順を「押し順正解」と称し、それ以外の押し順(転落リプレイが入賞となる押し順)を「押し順不正解」と称する場合がある。
(リプレイ役種:CAリプレイ1〜2)
次に、当選番号32〜33のCAリプレイ1〜2について説明する。
CAリプレイ1〜2は「押順規定役」に属し、押し順に応じて、通常リプレイおよびチャンスリプレイのいずれかのリプレイ役が入賞するようになっている。なお、CAリプレイ1〜2は、主として、これらリプレイ役を入賞させるための押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、「CAリプレイ1」を代表的に説明する。
(CAリプレイ1について)
図示のように、CAリプレイ1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(通常リプレイ)と、(2)「BAR/ベル」−「BAR/リプレイ」−「BAR/ベル」(チャンスリプレイ1)の計9種類の図柄の組合せとなっている。つまり、リプレイCAリプレイ1が当選役として決定された場合、上記の通常リプレイおよびチャンスリプレイ1が入賞許容状態に置かれることになる。したがって、リプレイC1は、これらリプレイ役に重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
このCAリプレイ1についても上述したリプレイA種別やリプレイB種別と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、CAリプレイ1に割り当てられた押し順に関し、図示のように、逆押しし(右→中→左:押し順正解)である場合には「通常リプレイ」が、逆押し以外(押し順不正解)である場合には「チャンスリプレイ1」が有効入賞ライン上に停止(入賞)するようになっている。上記CAリプレイについては、チャンスリプレイ1〜2が有利入賞役、通常リプレイが不利入賞役として働く。
ここで上記チャンスリプレイが入賞となる押し順である場合(ここでは、「逆押し」である場合)、回胴の停止操作タイミングに応じて、入賞するチャンスリプレイの種類が異なるようになっている。本実施形態では、引き込み制御の関係上、各回胴において停止操作タイミングが特定の停止操作タイミングである場合には「BAR」−「BAR」−「BAR」(BARリプレイ)を有効入賞ライン上に引き込んで停止させ、当該特定のタイミングでない場合には、その他のチャンスリプレイ(「BAR/ベル」−「BAR/リプレイ」−「BAR/ベル」の図柄の組合せうちBARリプレイを除く7種類のいずれか)を有効入賞ライン上に引き込んで停止させるようになっている。換言すれば、チャンスリプレイの構成要素図柄の「リプレイ」または「ベル」は、引き込み制御の関係上、各回胴において‘BAR図柄’を有効入賞ライン上に引き込めなかった場合、その‘BAR図柄’の替わりに停止する図柄種である。
(チャンスリプレイによる配当について)
上記チャンスリプレイが入賞した場合、次のような特定の遊技価値が付与される。本実施形態では、特定の遊技状態(後述のRT1遊技またはRT2遊技)中においてチャンスリプレイが入賞した場合、その配当は、再遊技が付与されるとともに、遊技者に有利に作用する特別な遊技価値を付与(たとえば、後述の上乗せ特化ゾーンへの移行権利の付与)するようになっている(詳細は後述する)。
(特別役種:単独BB1〜BB2、重複BB1〜BB5)
次に図25Aを参照しながら、当選番号1〜7のBB役種別について説明する。本実施形態では、単独BB1〜BB2と、重複BB1〜BB5が設けられている。なお、BB1とBB2は、正確には図25Aに示す「単独BB1」と「単独BB2」を意味するが、重複BBとの混同が生じない限り、略称の「BB1」、「BB2」を用いる。
(特別役種:単独BB1、BB2)
まず、当選番号1〜2のBB1、BB2について説明する。
BB1とBB2は、遊技者に有利な特別遊技状態への移行契機役となる「特別役種」であり、一般役種(小役種やリプレイ役種)とはその性質を異にする。この特別役は、たとえば、特別役に対応する図柄の組合せ(ボーナス役)の入賞を契機に、小役種の抽選確率が変動(たとえば、高確率に変動)する遊技状態や、特殊な引き込み制御となる遊技状態(たとえば、特定の図柄の引き込みコマ数が変動する遊技状態(所謂「チャレンジボーナス(CB)、「チャレンジタイム(CT)」)といった特別遊技状態(所謂「ボーナス遊技」)への移行契機となる役であり、この点で、入賞を契機にこのような遊技状態に移行しない小役種とは異なる。
BB1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(赤7BB)となっており、BB2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは「白7」−「白7」−「白7」の図柄の組合せ(白7BB)となっている。このBB1とBB2は「押順不問役」であるが、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。このため、BB1またはBB2を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで回胴が停止操作された場合、BB1またはBB2の取りこぼしが発生する。以下では、説明の便宜上、特に必要の無い限り、BB1またはBB2を「BB」と称し、BB1またはBB2に対応する図柄の組合せ(赤7BB、白7BB)を「ボーナス役」と称する場合がある。
(ボーナス遊技)
上記ボーナス役が入賞した場合、次回のゲームから、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナス遊技)に移行される。このボーナス遊技中においては、特定の一般役種の当選確率が高まり(図24の役抽選テーブル参照)、ボーナス遊技が発生すると、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が他の遊技状態よりも増加して遊技者は短いゲーム期間で多くの遊技メダルを獲得することができるようになっている。本実施形態では、BB1(赤7BB)とBB2(白7BB)とでボーナス遊技の性能が異なり、赤7BBによるボーナス遊技の方が白7BBによるボーナス遊技よりも遊技者に有利なボーナス遊技となっている。たとえば、白7BBの場合には第1の規定枚数(たとえば、109枚))以上の遊技メダルの払い出し、赤7BBの場合にはそれよりも多い第2の規定枚数(たとえば、241枚)以上の遊技メダルの払い出しで、ボーナス遊技が終了するようになっている。
<BBの持ち越しについて>
上記した特別役であるBB(BB1およびBB2)は、その当選フラグ(ボーナス当選フラグ)を次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として設定されている。このため、上記BB1またはBB2に当選した場合においては、当選したBBに対応するボーナス役が入賞するまでの遊技期間、当該BBに係る当選フラグの成立状態が維持され、この間、すべてのBBは抽選対象から除外される。
つまり、ボーナス当選フラグ中において、ボーナス当選フラグが新たに成立したり、または重複して成立したりすることがないようになっている。このボーナス当選フラグが持ち越されている状態を「ボーナス持越遊技」または「BB内部当選中」と称する。
一方、BB(特別役種)以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として設定されている。ボーナス持越遊技中においては、一般役種(小役種、リプレイ役種)については、通常通りに、これらを対象とした内部抽選が行われる。このため、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生し得る。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、リプレイ役種、小役種、および特別役種に関し、いずれの当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)を停止させるかを、「ボーナス役<小役<リプレイ役(最優先)」の順位で優先的に引き込み制御が行われるように定めてある(小役優先制御)。これにより、上述のBBとの重複当選中のゲームの場合には、この引き込み優先順位の下で回胴の停止制御が行われるようになっている。
(特別役種:重複BB1〜BB5)
次に、当選番号3〜7の重複BB1〜BB5(重複BB種別)について説明する。なお、なお、上記単独BB1とBB2と実質的に同じ点は重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
重複BB1〜BB5は、特定の小役種と単独BB1またはBB2とが重複当選可能な「重複役」としての性質を有する役となっており、具体的には、これらの重複BB1〜BB5は、特定の小役種(本実施形態では、強チェリー、弱スイカ、または強スイカ)と、特別役種(単独BB1または単独BB2)とに重複当選可能となっており、たとえば、重複BB1は、当選番号9の弱スイカと当選番号1のBB1とが重複当選するようになっており(この場合は、「当選番号9+当選番号1」という重複役となる)、重複BB1が当選役として決定された場合には、この弱スイカに対応する図柄の組合せ(弱スイカ)とBB1に対応する図柄の組合せ(赤7BB)とが入賞許容状態に置かれることになる。
この場合、重複BB1が当選したゲームでは、上記引き込み優先順位に基づいて、いずれの役を優先的に有効入賞ライン上に引き込むかが決定される。本実施形態では、小役優先制御となっているので、当該ゲームでは、先ず弱スイカが優先的に入賞しうるように引き込み制御が行われるようになっている。なお、他の重複BB2〜重複BB5についても同事象の引き込み制御が行われる。斯様な重複BB役を抽選対象役として設けることにより、BBと重複当選可能な小役が入賞すれば、その小役が入賞した時点でボーナス遊技への期待感を遊技者に与えることができる。
なお、以上に説明した抽選対象役、対応する入賞役、配当、およびその種類などに関する役構成については、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。たとえば、特別役種(BB重複役を含む)については、単一であっても良いし、複数種類あっても良いし、特別役種自体を設けない構成としても良い。また小役種についても(小役種、またはリプレイ役種)、本発明の目的を達成できるものであれば、その種別や種類数は特に制限されない。
また「押順規定役」に属する抽選対象役については、特定の入賞役を入賞させるための停止操作手順の割り当て(たとえば、有利入賞役・不利入賞役を入賞させるために、どのような押し順を割り当てるかについて)や、その割り当てによる入賞率(たとえば、有利入賞役や不利入賞役を入賞させるための押し順選択率)は、本発明の目的を達成可能なものであれば特に制限されない。たとえば、本実施形態では、リプレイB1〜B3は、対応するリプレイ役の入賞率がそれぞれ1/3となるように定めているが、これに限らず、押し順を2択〜6択にして、その入賞率を1/2〜1/6となるようにしても良い(他の押順規定役に属する抽選対象役についても同様)。また、所定の押し順により必ずしも特定の入賞役が入賞するのではなく、停止操作タイミングと押し順とに基づいて入賞させるようにしても良い。たとえば、押し順と停止操作タイミングが一致した場合には有利入賞役が入賞し、押し順が一致しても停止操作タイミングが一致しない場合には不利入賞役または何ら遊技価値を有しないハズレ目が停止するような構成とすることができる。
<遊技形態:図6〜図7>
次に図6〜図7を参照しながら、各遊技状態およびこれら遊技状態の移行制御に着目しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)の概要を説明する。
<遊技状態>
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板)400側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される付加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)には、一般遊技(本実施形態では、RT0遊技(通常遊技)〜RT3遊技)とボーナス遊技とが含まれ、演出制御部410側で制御される遊技状態(演出制御部側遊技状態(演出状態))にはAT(アシストタイム)遊技が含まれる。
(RT(リプレイタイム)遊技)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役の当選確率が基底の遊技状態の所定確率から変動した「再遊技確率変動状態」をいう。本実施形態では、基底の遊技状態として、最もリプレイ確率(ここでは、リプレイ役種の合算当選確率)が低確率であるRT0遊技を基準とし、このRT0遊技よりもリプレイ役の当選確率が高い「再遊技高確率抽選状態」として、複数種類のRT遊技(RT1遊技〜RT3遊技)が設けられている。具体的には、RT0遊技を基準として、リプレイ役の当選確率が「RT0遊技(通常遊技:低確率RT遊技)<RT3遊技(ボーナス持越遊技状態(BB内部当選状態))<RT1遊技(中確率RT遊技)<RT2遊技(高確率RT遊技)」の関係となっている(図6、図24参照)。なお上記RT3遊技とRT0遊技とは、リプレイ役の当選確率がRT0遊技と略同一となっており、リプレイ役の出現率の観点からは、これらRT遊技の違いを遊技者が察知することが困難なものとなっている。
上記各RT遊技は、ボーナス持越遊技状態(BB内部当選状態)に係るRT遊技であるか、ボーナス非持越遊技状態(一般遊技状態)に係るRT遊技であるかで大別される。具体的には、一般遊技状態のRT遊技は、RT0遊技〜RT2遊技となっており、ボーナス持越遊技状態のRT遊技は、RT3遊技となっている。また、上記各RT遊技間の移行制御は、特定の役の当選または入賞を契機に行われ、これら複数種類のRT遊技を実効化することにより、遊技の面白みを向上させている。本明細書では、リプレイ役の当選確率が最も低い「RT0遊技」を‘通常遊技’として扱う。
(AT遊技)
AT遊技とは、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部400側で制御される遊技状態(RT遊技やボーナス遊技など)とは異なり、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態(演出状態)である。このAT遊技は、演出制御部410がその機能部を担う「演出状態管理手段」によりその発生および終了が管理制御される。この演出状態管理手段は、通常状態(非AT遊技(通常報知状態))やAT遊技を含む複数種類の演出状態を統括的に管理している。なお、上記演出状態管理手段は、当選役に関する情報を報知する報知状態として、通常報知状態(非AT遊技)と、当該通常報知状態よりも遊技者に有利に作用しうる有利報知状態(AT遊技:本実施形態では、AT1遊技〜AT3遊)とを含む複数種類の報知状態を管理制御する「報知状態管理制御手段」として働く。
本実施形態では、既に説明したように、複数種類の押順規定役が設けられている。たとえば、AT1〜4では、押し順に応じて、有利に作用しうる図柄の組合せ(有利入賞役)が入賞しうる。しかし、非AT遊技(通常演出状態)中においては、これらの役に当選しても、有利入賞役の入賞を案内する情報(停止操作手順情報(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方に関する情報)は遊技者に報知されない、あるいは報知されるとしても、その報知確率が低確率となっている。このため、非AT遊技中は、有利入賞役の入賞させるための手掛かりを得られず、その入賞が困難なものとされる。したがって、非AT遊技中は、遊技進行上、AT遊技中よりも遊技者に不利なゲーム展開とされる。
これに対しAT遊技中においては、上記のような押順規定役に係る有利入賞役の入賞を案内する情報が高確率で報知されるため、その入賞が著しく容易なものとなる。たとえば、たとえばAT1〜AT4のいずれかに当選した場合、有利入賞役である‘ベル1’の入賞を案内する押し順情報が遊技者に報知される。これにより、遊技者がその報知内容に従い回胴を停止操作すれば、容易にベル1を入賞させることができる。したがって、AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。これによりAT遊技中は、1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益(所謂「PAYOUT率」または「ベース値」)が非AT遊技中よりも向上した遊技状態になる。このような、特定の図柄の組合せ(有利入賞役、不利入賞役、その他、特定の図柄の組合せを含む)の入賞を案内するための情報(停止操作手順情報(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方に関する情報))を報知可能な演出態様を「アシスト報知」と称する。
なお上記アシスト報知は、同じ当選役が決定された場合でも、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に有利に作用する図柄の組合せを確実に入賞させる(100%入賞させる)内容とは限らない。たとえば、押順規定役が当選した場合、「正解の押し順」だけを報知するのではなく、「不正解の押し順」と「正解の押し順」となる押し順とを重複して報知することができる(このようなアシスト報知を「選択的アシスト報知」と称する)。たとえば、押順リプレイ1が当選した場合、昇格リプレイを入賞させるための押し順と通常リプレイを入賞させる押し順の計2通りの押し順を遊技者に提示すれば、遊技者はどちらかの押し順(このケースでは2択となる)に従うようになり、アシスト報知による昇格リプレイの入賞率(正解率)を50%に低下させることができる。このようにすれば、回胴の停止操作時において、遊技者の恣意的な停止操作により、他の遊技状態に移行するか否かが決定されるので、遊技者に対し緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。また、AT遊技種別および当選役種別の少なくとも一方に応じて、上記選択的アシスト報知が現出される確率を異ならせることにより、性質の異なるゲーム性を創出することができる。その結果、遊技性を多様化することができ、遊技の面白みを向上させることができる。
また本実施形態のアシスト報知演出の内容は、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役の種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないものを含むことができる。これは、当選役種別そのものを報知してしまうと、押し順を報知せずとも、役構成によっては、遊技者に有利に作用する図柄の組合せの入賞手順が判明してしまうと不都合が生じうるからである。
また、アシスト報知は、原則として、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないようになっている。これは、当選役種別を明示してしまうと、押し順を報知せずとも、役構成によっては、押し順の割り当てを知る遊技者側に、有利入賞役または不利入賞役の押し順が判明してしまい、アシスト報知を発生させる意義が喪失してしまうからである。たとえば、リプレイB1〜B3は同じリプレイ役種であるが、それぞれ異なる‘押し順不正解’となる押し順が割り当てられているため、当選役種別を明示してしまうと、その割り当てを知る遊技者側に「押し順正解」となる押し順が判明してしまい、アシスト報知を発生させる意義が喪失する。
そこで、アシスト報知の演出態様としては、当選役自体が判明する情報を報知するのではなく、押し順に関する表示(報知)内容だけが異なるだけで、演出態様そのものは同一または酷似した演出態様を現出させる、または当選役自体が判明する情報を報知するのではなく、同じ系統のグループに属する当選役種別に関する情報と、押し順情報とを報知することができる。たとえば、AT1〜4のATグループであれば黄色を基調とした押し順を指定する文字・画像などを現出し、リプレイ役グループであれば青色を基調とした押し順を指定する文字・画像などを現出させることができる。また、上述のようにグループ種別を報知せずに押し順情報だけを報知することができる。これにより、押し順が報知された時点では、遊技者は、当選役そのものは明確に知ることができないが、アシスト報知がなされれば、遊技者にとり有利なゲーム展開となりうるため、遊技者は、積極的に、そのアシスト報知の内容に従うことになる。
(押順不問役のアシスト報知)
またアシスト報知は、上記したように、基本的には、押順規定役に係る特定の図柄の組合せの入賞を案内するものであるが、押順不問役についても発生させることができる。たとえば、停止操作タイミングにより、取りこぼしが発生しうる場合、その取りこぼしの発生しない停止操作タイミングを遊技者に報知することができる。
以上に説明したアシスト報知は、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知演出制御手段」により制御される。本実施形態のAT遊技には、複数種類のAT遊技(AT遊技1とAT遊技2)が設けられており、アシスト報知演出制御手段は、押し順報知演出選択テーブル(図示せず)に基づいて、現出すべきアシスト報知を決定するようになっている。この押し順報知演出選択テーブルには、現出すべきアシスト報知がAT遊技種別と当選役種別とに関連付けて定められている。
次に図6〜図7を参照して、各遊技状態の内容と各遊技状態間の移行制御について説明する。図6〜図7は、遊技状態間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。
(RT0遊技(通常遊技:低中確率RT遊技)について:図6の左上枠)
既に説明したように、主制御部側遊技状態にはRT0遊技〜RT3遊技が含まれ、本実施形態では、初期の遊技状態として「RT0遊技(通常遊技状態)」(図6の左上枠)から開始されるようになっている。この「初期の遊技状態」とは、遊技機への電源が投入された場合、設定が変更された場合、メインRAMがクリアされた場合、上記ボーナス遊技終了した場合などを条件に移行(開始)される遊技状態である。
このRT0遊技は、全RT遊技中、リプレイ役の当選確率が最も低く設定されており、他のRT遊技よりも遊技者に不利に作用する遊技状態(遊技者に付与される利益が低い遊技状態)となっている。また上記RT0遊技中は、後述のAT遊技移行に関するAT抽選(昇格リプレイ報知抽選:図27)も行っている。なお上記RT0遊技中は、リプレイ役種のうち、リプレイA1〜A3が当選可能な遊技状態となっている。
主制御部側遊技状態に着目すれば、基本的な遊技状態の遷移としては、初期の遊技状態であるRT0遊技から、「RT0遊技→RT1遊技→RT2遊技→RT0遊技」(図6の左上枠→左中枠→左下枠→左上枠)、といったRT0遊技〜RT2遊技を循環するような遊技遷移状態を辿るようになっている。
また上記主制御部側遊技状態と演出制御部側遊技状態に着目すれば、RT0遊技(通常遊技(RT0遊技+非AT遊技))からRT1遊技に移行した場合、AT1遊技(図7の右上枠)が発生して遊技機全体として捉えた遊技状態が「RT1遊技+AT1遊技(準備ART遊技)」となる。この準備ART遊技から、RT2遊技に移行した場合、AT2遊技(図7の右下枠)が発生して遊技機全体として捉えた遊技状態が「RT2遊技+AT2遊技(本ART遊技:疑似ボーナス遊技)」となる。したがって、遊技機全体として捉えた遊技状態に着目すれば、「通常遊技→準備ART遊技→本ART遊技→通常遊技」といった通常遊技〜本ART遊技を循環するような遊技遷移状態を辿るようになっている。本実施形態では、「通常遊技<準備ART遊技<本ART遊技(疑似ボーナス)」の関係で遊技者に付与される利益が相対的に高まるようになっている。
また、上記本ART遊技中に所定の条件を満たすと、遊技者に有利に作用する「上乗せ特化ゾーン(RT2遊技+AT3遊技)」に移行され、本ART遊技の継続条件が有利となる(本実施形態では本ART遊技の継続ゲーム数が増加し易い有利な遊技状態となる)。
ここで本発明の理解を容易なものとするために、先に、遊技状態間の移行について簡単に説明しておく。
図7を参照して、上記通常遊技(RT0遊技+非AT遊技)において、後述の昇格リプレイ報知抽選(AT抽選:図27)に当選すると、昇格リプレイを入賞させるためのアシスト報知の発生が許容される昇格リプレイ報知条件が成立する。この昇格リプレイ報知条件成立下において、リプレイA1〜A3のいずれかに当選すると、昇格リプレイを入賞させるための押し順がアシスト報知され、昇格リプレイの入賞により、準備ART遊技(RT1遊技+AT1遊技)に移行される。この準備ART遊技中では、リプレイB1〜B3に当選すると特殊リプレイに係るアシスト報知が発生し、リプレイC1〜C3に当選すると通常リプレイに係るアシスト報知が発生する。またAT1〜AT4に当選するとベル1(有利入賞役)に係るアシスト報知が発生する。これにより、準備ART遊技中は、遊技メダルを極力減らすことなく本ART遊技に移行可能な遊技状態となっている。
上記準備ART遊技中において、リプレイB1〜B3のいずれかに当選すると、特殊リプレイを入賞させるための押し順がアシスト報知され、昇格リプレイの入賞により、本ART遊技(疑似ボーナス:RT2遊技+AT2遊技)に移行される。この本ART遊技は継続ゲーム数(たとえば、40ゲーム)が消化されるまで継続され、本ART遊技中では、リプレイB1〜B3に当選すると通常リプレイに係るアシスト報知が発生し、AT1〜AT4に当選するとベル1(有利入賞役)に係るアシスト報知が発生する。また本ART遊技中にCAリプレイ1〜2に当選すると、上乗せ特化ゾーン(RT2遊技+AT3遊技)に移行される場合があり、この上乗せ特化ゾーン中は、本ART遊技の継続ゲーム数を上乗せする上乗せゲーム数抽選(後述の図30参照)が優遇されるようになっている。なお、準備ART遊技、本ART遊技、上乗せ特化ゾーン中に転落契機役が入賞すると、少なくとも主制御部遊技状態が、低確率RT遊技である「RT0遊技」に転落移行される。
遊技状態遷移は、端的に言えば、所定の昇格移行条件が成立すると、現在の遊技状態よりも相対的に遊技者に有利に作用する遊技状態へと昇格移行され、所定の転落条件が成立すると、その有利な遊技状態から、遊技者に不利な遊技状態へと移行されるようになっている。
(フリーズ演出について)
ここで説明の便宜のため、本実施形態に係るフリーズ演出について先に説明しておく。
本実施形態では、所定の条件に基づいて、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させるフリーズ状態(遅延状態)に制御可能に構成されている。このフリーズ状態は、主として、所定の遊技動作処理を所定時間進行しないようにして、通常よりも遊技進行を遅延状態下に制御することにより発生される。一般的に、フリーズ状態を利用して現出される演出態様を「フリーズ演出」を称する。たとえば、回胴演出(フリーズ中メイン側演出)と、これに付随して現出される演出手段による演出(フリーズ中サブ側演出)とが連携して、またはそれぞれ単独的(独立的)に現出される演出態様となっており、どのようなフリーズ演出を現出させるかについては、少なくとも内部抽選結果(当選役)に基づいて決定されるようになっている。
上記のフリーズ中メイン側演出の「回胴演出」とは、フリーズ(遅延)中における回胴の動的な動きまたは静的な動き、またはその組合せによる演出(回胴演出)を意味する。「回胴の動的な動き」とは、通常回転(順方向に通常速度回転する)とは異なった動きをする「変則回転」である。変則回転の代表的なものは、回胴の逆回転、逆方向への寸動、左右または上下に震える運動、逆方向から順方向に回転して逆方向に戻る折り返し運動、各回胴が時間的にずれて次々と逆方向に回転開始する変則スタート、特定の図柄揃いで仮停止状態となり、それから回胴が再回転する疑似回転、低速順回転など、である。また「回胴の静的な動き」とは全回胴が静止状態にいること、つまりフリーズ(遅延)中に静止していることを意味する。なお、静止状態は、全回胴が完全に静止した静止状態だけでなく、見た目上、静止していると遊技者に認識しうる状態を含む。このように回胴演出には、回胴を「変則回転」させるものと、回胴を「無回転」のままとするものとがある。
本実施形態のフリーズ状態は、1ゲーム中に存在するフリーズ発生可能時期(たとえば、回胴回転始動レバー11操作時、回胴回転停止ボタン12(12a、12b、12c)操作時、全回胴停止時などに起因する1または複数の発生可能時期)において、フリーズ状態が発生するように構成されている。
このフリーズ発生可能時期は、1ゲーム中に複数存在する場合がある(たとえば、後述のフリーズA4、B4、C4、E1〜E3(図35A参照))。これらのフリーズ発生可能時期においてフリーズが発生する場合、それらの時期は、フリーズ演出を開始させるトリガーポイント(基本トリガーポイント)となりうる。この基本トリガーポイントの到来を契機に発生しうる演出を「フリーズ発生時演出」と称する。この「フリーズ発生時演出」は、基本トリガーポイントの到来を契機に発生しうる点で、フリーズの発生に伴い現出されるフリーズ開始時に係る演出態様であり(たとえば、図23A参照)、基本的には、このフリーズ発生時演出により、フリーズの発生が報知される。また上記フリーズ発生時演出は、主としてフリーズ期間中の全部または一部を通じて現出される主要な演出態様(たとえば、図37、図38、後述の「バトル演出」参照)として働く。
(フリーズ中操作時演出(操作時演出))
また上記「フリーズ状態」は、遊技の進行を所定期間(フリーズ時間)遅延状態とする関係上、そのフリーズ時間が経過するまでは、遊技進行を進めようとする操作手段の操作(通常の遊技進行のための操作手段の操作)は「無効扱い(操作無効化状態)」となる。具体的には、たとえば、全回胴停止前にフリーズが発生した場合、回胴回転停止ボタン12を操作しても、その停止対象となった回胴の停止制御は実行されず、回胴は回転したままとなる。つまり、遊技者にとっては、回胴回転停止ボタン12の操作が効かない、といった遊技状況下に置かれることになる。その後、フリーズ状態が解除されると、本来の回胴の停止操作が許容状態下に置かれる。つまり、遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作すれば、その停止対象となった回胴を停止させることができるようになる。
しかし本実施形態では、上記フリーズ状態下であっても、操作手段からの検出信号(操作検出信号)自体は受け付けて、操作手段が発せられる検出信号を利用して、フリーズ演出に変化をもたらすことができるように構成されている。具体的には、フリーズ中(フリーズ演出)において、操作手段が操作されたことに基づき、特定の演出を現出可能に構成されている。この操作手段の操作に起因して現出される演出を「フリーズ中操作時演出(操作時演出)」と称する。したがって、フリーズ中操作時演出は、フリーズ発生時演出の一環として発生する(上記フリーズ発生時演出と重複して発生する)場合もあるし、フリーズ発生時演出が実行されない場合には単独的に発生する場合もある。つまり、フリーズ演出(フリーズ演出シナリオ)には、基本トリガーポイントの到来を契機に現出しうる「フリーズ発生時演出」と、これとは異なる1または複数のトリガーポイントの到来(操作手段の操作(トリガー操作))を契機に現出しうる「フリーズ中操作時演出(操作時演出)」とが含まれる。なお、フリーズ中操作時演出は、メイン側フリーズ中演出やサブ側フリーズ中演出のいずれであっても良く、これらを重複的または単独的に発生させることができる。
フリーズ中操作時演出の現出制御について詳細に説明する。本実施形態の場合、フリーズ状態下であっても、操作手段(たとえば、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12(12a〜12c)、1ベットボタン9、またはMAXベットボタン8など)が操作されたか否については、これらからの検出信号を受信可能な主制御部400が把握可能な構成となっており、主制御部400は、フリーズ中に上記操作手段が操作されことを確認すると、演出制御コマンドとして、たとえば、図36に示す「操作コマンド(フリーズ中操作コマンド1〜10)」を発生させる(フリーズ中操作コマンドの詳細については後述する)。たとえば、フリーズ中に回胴回転停止ボタン12が操作された場合、遊技結果を導出表示するための回胴の停止制御は行われないが、その検出信号に対応した操作コマンドが発生し、これが主制御部400側から演出制御部410側に送信可能となっている。なお、このケースでは、回胴回転停止ボタン12の操作に対応した「フリーズ中操作コマンド1〜6(図36参照)」が発生される。
演出制御部410側においては、上記の「フリーズ中操作コマンド」を利用して、フリーズ中おいて、上記「フリーズ中操作時演出)を現出可能となっている。本実施形態では、このフリーズ中操作コマンドが発生されることを利用し、操作手段が操作されたか否かに応じて、フリーズ演出の内容に変化をもたらすことができるようになっている。これにより、フリーズ中において、たとえば、操作手段を利用して、遊技者が参加可能な「遊技者参加型のゲーム演出(遊技者参加型演出)」を実現することができる。
上記のような「遊技者参加型演出」では、遊技者自らがゲーム演出に参加してそのゲーム内容を楽しむことができる点で、演出効果に優れる。具体的には、遊技者がゲーム演出に参加することにより、そのゲーム演出結果が遊技結果自体に影響を及ぼしているような感覚を与えるたり、また、そのゲーム演出結果により、今回の遊技結果や現在の遊技状態に関連する情報(たとえば、当選役に関する情報や、AT抽選(後述の図27参照)の当否情報、上乗せ抽選(後述の図28〜図30参照)に関する当否情報・ゲーム数情報などの所定の遊技情報)を報知させることができる。
このようなフリーズ中における「遊技者参加型演出」は、単に、自動的にフリーズ演出が進行していくような「遊技者不参加型」のフリーズ演出よりも演出効果に優れ、操作手段によりフリーズ演出の内容に変化を与えることができるので、フリーズ演出の自由度が広がり、そのバリエーションを豊富なものとすることができる。
また「遊技者参加型演出」には、遊技者が意識的にゲーム演出に参加するような演出態様だけでなく、次のように、遊技者が無意識のうちに参加しているような演出態様とすることができる。これについて、たとえば、後述のフリーズA2やフリーズF7などのように、第1停止操作後にフリーズが発生する場合(本例では、第1停止操作を契機にフリーズが発生:図35A、図35B参照)代表的に説明する。
フリーズA2やフリーズF7が発生する遊技状況下の場合、遊技者にとっては、普段のように回胴を停止操作しているにもかかわらず(通常は、第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作という一連の操作をテンポ良く行える)、フリーズにより(ここでは、第1停止操作後にフリーズ)第2停止操作が効かなくなり(停止操作による本来の回胴の停止制御は無効化状態とされているため)、次の回胴を停止させることができない。このため遊技者は、第2停止操作ができないことについて「回胴回転停止ボタン12の異常により停止操作時の反応が悪いのか?」あるいは「しっかりと回胴回転停止ボタン12を操作していなかったのではないか?」と思考し、回胴回転停止ボタン12を再操作することが予想される。このような遊技者の心理を利用し、停止操作が効かないという違和感を与えつつ、そのフリーズ中において回胴回転停止ボタン12(他の操作手段でも良い)が操作されたことをトリガー(付随トリガー)タイミングとして、インパクトのあるフリーズ中操作時演出(たとえば、通常の予告演出態様とは異なる演出態様:インパクト演出)を現出させる。
この場合、フリーズ発生時には、上記フリーズ発生時演出を発生させずに、フリーズが発生したことを秘匿状態とするようにすることで、遊技者を無意識にゲーム演出に参加させ、フリーズ中操作時演出が突発的に発生した感覚を与えることができる。このようなフリーズ中操作時演出は、遊技者の意表を突く形で現出されるので、インパクトある演出を採用すれば、遊技者が受ける衝撃度はかなり高いものになると考えられる。またこの場合、フリーズ演出発生前段階においても(本例では、ゲーム開始時〜第1停止操作前段階)、フリーズ発生を遊技者に秘匿することが遊技者の意表を突く上でより好ましいといえる。たとえば、ハズレ時や他の抽選対象役に当選したときのように装う演出を現出させ、フリーズの発生を秘匿状態にしておくことが好ましい。
上記のように本実施形態に係るフリーズ演出は、1または複数の操作手段を利用して、その操作の前後でフリーズ中に展開される演出内容に何らかの影響を与える(操作の前後で演出に変化をもたらす)ことができるようになっている。特に、上述したような、遊技者の意表を突く形で現出されるフリーズ中操作時演出は、衝撃度が高く、これを再体験したいと欲する遊技者が増えるものと考えられ、遊技機に対するリピート率(稼働率)を向上させる上でも演出効果に優れたフリーズ演出といえる。なお、操作手段による演出の変化は、フリーズ演出中における所定の操作受付有効期間内に操作手段(演出現出対象に係る操作手段)が操作された場合に生起させることができる。
(フリーズ演出種別について:図34、図35A〜図35B)
次に、図34、図35A〜図35Bを参照しながら、本実施形態に係る各種フリーズ演出について説明する。
図35Aおよび図35Bは、フリーズ演出種別(フリーズA1〜E3、フリーズF1〜F5、F7〜F9、フリーズG1〜G2)と、それぞれのフリーズ演出の内容(主に回胴演出側の内容)、および内部的にそのフリーズ演出種別を識別する際に利用される「フリーズ演出フラグ種別(01H〜1AH、1CH〜1DH(「H」は16進数を意味する)」との対応関係を示したものである。このフリーズ演出フラグは、後述の図8のリール抽選演出処理(ステップS17)中で設定され、目的のフリーズ演出を発生させる際に利用される。またフリーズ演出フラグに関する情報は、フリーズ中サブ側演出(演出手段による演出)の演出態様(演出内容)を決定する際にも利用される。フリーズ中サブ側演出は、基本的には、フリーズ演出フラグ種別と当選役種別とに基づいて、その演出態様を決定することができる。したがって、同じフリーズ演出種別であっても当選役が異なれば、異なるフリーズ中サブ側演出が発生されうる。
本実施形態におけるフリーズ演出の種類には、フリーズ発生となるタイミング(基本トリガーポイント)が何処であるかの違いによって、「回胴回転開始時フリーズ演出(レバーオン時フリーズ演出)」と、「遊技結果導出前フリーズ演出(全回胴停止前フリーズ演出)」と、「遊技結果導出後フリーズ演出(全回胴停止後フリーズ演出)」とがある。これらのフリーズ演出は、単位遊技(1ゲーム)中で単独的に、または複数連係した形で生起する。1ゲーム中にフリーズを発生させる基本トリガーポイントが幾つ存在するかは、フリーズ種別(図35A、図35Bのフリーズ演出種別)ごとに定められている。
なおフリーズ演出に係る「フリーズ状態」は、当該フリーズ演出シナリオに従ったフリーズ発生可能時期(基本トリガーポイント)で、回胴回転始動レバー11や回胴回転停止ボタン12の操作をした際に発生する。したがって、これらのフリーズ演出シナリオに従ったフリーズのうちで回胴回転始動レバー11を操作した際に発生するフリーズ(演出シナリオ中の最初のフリーズ)は、回胴回転始動レバー11を操作した際に発生するフリーズと同じになる。
このフリーズ演出シナリオには、フリーズが所定のトリガーポイントで1回生起するシナリオ(単独トリガー用シナリオ)と、フリーズが異なる複数のトリガーポイントにおいて生起するシナリオ(複数トリガー用シナリオ)とがある。このうち後者の複数トリガー用シナリオには、二種類がある。その一つは、当該シナリオに従って同種のフリーズが連係されるものであり、たとえば図35AのフリーズA4・B4・C4のように、全回胴停止前フリーズが複数種類(第1停止操作時と第2停止操作時)のトリガーポイントにわたり生起するもの、つまり連係が定められたフリーズ(以下「同種連係シナリオフリーズ」と称する)を生起させるものである。他の一つは、当該シナリオに従って異種のフリーズが連係されるものであり、たとえば図35AのフリーズE1〜E3のように、全回胴停止前フリーズ(第1停止操作時および第2停止操作時またはその一方)と全回胴停止後フリーズ(第3停止操作時)の双方が生起するように連係が定められたフリーズ(以下「異種連係シナリオフリーズ」と称する)を生起させるものである。
なお、上記の同種連係シナリオフリーズおよび異種連係シナリオフリーズは、両者とも、これらのシナリオに包含されるフリーズが遊技の進行を一時的に中断(遅延)させる、という静的動作を内容とするものであるが、これに加え、フリーズ状態中に変則回転を発動させるという動的動作を内容とするものを複合させた演出シナリオにすることも可能であり(たとえば、図35AのフリーズC2・C3・C4など)、そのように構成した場合、それは変則回転付きの「特殊フリーズ」として分類し得る。
以下に、トリガータイミング(フリーズ発生時期)で区分されるフリーズ演出種別の詳細(図34)と、フリーズ演出種別の詳細(図35A、図35B)について説明する。
(トリガー区分:図34)
図34は、フリーズ演出シナリオ中における個々のトリガータイミング(フリーズ発生時期)の違いに着目して、フリーズ演出種別をトリガー区分α〜δにより分け、その区分α〜δに従って演出内容を整理した一覧表である。フリーズ状態の発生は、サブ側フリーズ中演出を発生させるトリガーの一つとなるものであり、フリーズ演出が発生していることを前提条件としないことから、基本的な「トリガーポイント(TP)」と称することができる。サブ側フリーズ中演出を発生させるトリガーの他の一つは、フリーズ演出中に行った操作手段の操作がフリーズ中操作時演出を発生させるトリガーとなる場合であり、これはフリーズ演出が発生していることを前提条件とすることから「付随的なトリガー」となる。
(回胴回転開始時フリーズ:トリガー区分α)
トリガー区分αの「回胴回転開始時フリーズ(レバーオン時フリーズ)」は、回胴回転始動レバー11の本来目的の操作、つまり通常時において回胴を回転始動させる目的で行う操作を検出したことをトリガータイミングとし、遊技進行上の次の段階である操作または処理(回胴の通常回転の開始)を遅延対象として、これを有効化するタイミングを所定のフリーズ時間(FT1)だけ遅延させ、結果として、遊技の進行を一時的に中断(フリーズ)させる制御である。したがって、フリーズ時間(FT1)が終了したことが、この回胴回転開始時フリーズの終了契機となる。
もっとも、フリーズ期間中は、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12、MAXベットボタン8、1ベットボタン9などの操作手段について、その遊技の進行を目的とする操作機能が有効となる時期が遅延されて、これらが操作されても本来の遊技機能が働かない状態(無効操作)となるので、この状態を操作手段系の演出(操作手段演出)と捉えることも可能である。つまり、遊技進行の次の段階(レバーオンに続く次の段階)である「回胴の通常回転開始を目的とする操作手段の操作」を無効扱い(レバー操作しても開始できない状態)にするフリーズ中の演出として捉えることができる。
ただしフリーズ期間であっても、操作手段が操作されると、その操作がされた旨の操作コマンドが操作の都度発生されうる。したがって、演出制御部410はこれをトリガーとして、つまりこの操作コマンドを受け取ることで、回胴回転開始時フリーズ中において、既に発生しているフリーズ中サブ側演出(たとえば、フリーズ発生時演出)に、フリーズ中操作時演出を現出させることで、当該フリーズ中サブ側演出に変化を与えることが可能である。
また、必要に応じ、フリーズ中メイン側演出を発生させるため、遊技の進行以外を目的とする操作手段の操作を有効化する(操作信号のON信号および/またはOFF信号を有効に受け付ける)ことができる。たとえば回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12、MAXベットボタン8、1ベットボタン9などの「操作手段」を操作して、フリーズ中操作時演出として、フリーズ中の回胴に変則回転を行わせる場合に、操作手段の本来目的外での当該操作を、回胴演出(変則回転)の実行契機として関連付けることは自由である。
次にフリーズ中にメイン側に発生する回胴演出には、既に説明したように、回胴を「変則回転」させるものと、回胴を「無回転」のままとするものとがある。「変則回転」による回胴演出は、たとえば、フリーズ期間中に、つまり全回胴が通常回転する前(一定速度への立ち上がり段階に入る前)までの間に、回胴を全体または個別に、一斉にまたは順次にまたはバラバラ(開始時期が不等間隔の変則スタート)に逆回転などの通常とは異なる回転を生起させるものであり、たとえば1/nコマ〜複数コマのステップ移動を回胴にさせると言った「変則回転」を行わせ、必要に応じ特定の役の入賞を示す図柄の組合せを現出させる演出である。この「変則回転」による回胴演出は、フリーズ中に回胴が変則回転することで、上記の第1回胴停止操作の無効作用と相まって、通常とは異なるインパクトを遊技者に与えるものである。この実施形態では、1/4コマだけ逆転させてから所定秒数だけ停止する演出あるいは更に所定秒数だけ逆回転する、というロック演出を現出させる。この変則回転を伴うレバーオン時フリーズとして、図35Aに示すフリーズA1、B1、C1がある。
また「無回転」による回胴演出(不回転回胴演出)は、フリーズ時間中の全期間(たとえばフリーズD1の場合は30秒)に渡り回胴を無回転の状態に維持するもので、上記の通常回転開始操作の無効作用と相まって、通常とは異なるインパクトを遊技者に与えるものである。この無回転を伴うものとして、図35Aに示すフリーズD1がある。
演出制御部410側においては、上記レバーオン時フリーズ中に、フリーズ中サブ側演出を行うことができる。すなわち演出制御部410は、主制御部400側から送信される、フリーズ演出フラグ種別に応じた「フリーズ種別コマンド」(たとえば、後述の図9のステップS105、図12のステップS436等)を受信したことに基づき、今回のフリーズ中サブ側演出(フリーズ発生時演出シナリオ(フリーズ中操作時演出を含む場合は、これについての演出シナリオを含む))を決定(設定)する(後述のトリガー区分β、γ等も同様)。たとえば、レバーオン時フリーズが発生した場合、オープニング演出として、たとえば画面をブラックアウトするなど、背景を通常と異なる色とし、また必要に応じて役物を作動させ、さらにインパクトのある画像演出や音(音響・音声)演出や光演出を現出させる。その後、設定された演出シナリオに従い、回胴演出の進行に合せた画像演出や音(音響・音声)演出や光演出やフリーズ中操作時演出を現出させる。なお上記フリーズ中、回胴回転停止ボタン12に内蔵のLEDは本来の停止操作(停止制御動作)が不能であることを示す赤色を表示させる。また、このトリガー区分αのフリーズ期間中、演出制御部410側においてはフリーズ中操作時演出を現出させることができる。
(遊技結果導出前(全回胴停止前)フリーズ:トリガー区分β)
トリガー区分β、γの「遊技結果導出前フリーズ(全回胴停止前フリーズ)」は、全回胴が順方向に通常回転した後であって、全回胴が停止して遊技結果が導出される前に発生されることがあるフリーズ演出である。
この「遊技結果導出前フリーズ」は、回胴回転停止ボタン12の本来目的の操作、つまり通常回転時において第1回胴または第2回胴を停止させる目的で行う操作を検出したことを開始契機とし、遊技進行上の次の段階である第2回胴または第3回胴を停止させる操作(停止ボタンの本来目的操作)を有効化するタイミングを所定のフリーズ時間(FT2、FT3)だけ遅延させ、結果として、遊技の進行を一時的に中断(フリーズ)させる制御である。したがって、ここでの所定のフリーズ時間(たとえば、図34のFT2、FT3)が終了したことが、この遊技結果導出前フリーズの終了契機となる。
トリガー区分βの「遊技結果導出前フリーズ」は、停止ボタン内蔵のLEDが操作無効の「赤色」から操作許容の「青色」に変化した停止ボタンのうちで、1番目の停止操作に係る停止ボタン(たとえば左回胴回転停止ボタン)についての本来目的操作を検出したことで開始され、遊技進行上の次の段階である第2停止操作を有効化するタイミングを遅延させ、その遅延時間であるフリーズ時間(FT2)が経過したことで終了となる。また、回胴演出として、多くの場合は「無回転」による回胴演出が行われ(たとえば、図35AのフリーズA2・B2・D2など)、まれなケースとして「変則回転」による回胴演出が行われる(図34のフリーズC2)。
このトリガー区分βのフリーズ期間中は、遊技進行の次の段階(第1停止操作に続く次の段階)である「第2停止ボタンの操作」が無効(押しても効かない状態)になる。ただし操作した場合、その操作コマンドは発生される。このトリガー区分βのフリーズ期間中において、フリーズ中操作コマンド(後述の図14のステップS502、図16のステップS512、図36参照)を受信した場合において、設定した演出シナリオにフリーズ中操作時演出が組み込まれている場合は、これに基づくフリーズ中操作時演出を現出させることができる。
(遊技結果導出前(全回胴停止前)フリーズ:トリガー区分γ)
トリガー区分γの「遊技結果導出前(全回胴停止前)フリーズ」は、操作無効の「赤色」から操作許容の「青色」に変化した停止ボタンのうちで、2番目の停止操作に係る停止ボタン(たとえば中回胴回転停止ボタン)の本来目的操作を検出したことで開始され、遊技進行上の次の段階である第3停止操作を有効化するタイミングを遅延させ、その遅延時間であるフリーズ時間(FT3)が経過したことで終了となる。また、回胴演出として、多くの場合は「無回転」による回胴演出が行われ(たとえば図35AのフリーズA3、B3、D3)、また、まれなケースとして「変則回転」による回胴演出も行われる(たとえば図35AのC3・C4)。
このトリガー区分γのフリーズ期間中は、遊技進行の次の段階(第2停止操作に続く次の段階)である「第3停止ボタンの操作」が無効(押しても効かない状態)になる。ただし操作した場合、その操作コマンドは発生される。このトリガー区分γのフリーズ期間中において、フリーズ中操作コマンド(後述の図14のステップS502、図36)を受信した場合において、設定した演出シナリオにフリーズ中操作時演出が組み込まれている場合は、これに基づくフリーズ中操作時演出を現出させることができる。
(遊技結果導出後(全回胴停止後)フリーズ:トリガー区分δ)
トリガー区分δの「遊技結果導出後フリーズ」は、「赤色」から「青色」に変化した残りの停止ボタン、つまり3番目の停止操作に係る停止ボタン(たとえば右回胴回転停止ボタン)の本来目的操作を検出したことで開始され、遊技進行上の次の段階である払い出し処理(入賞判定処理)を有効化するタイミングを遅延させ、その遅延時間であるフリーズ時間(FT4)が経過したことで終了となる。また、回胴演出としては、無回転(回転が停止している状態)による回胴演出が行われる(たとえば、図34AのフリーズA5、B5、D5、図34BのF1〜F5・F9・G1〜G2など)。
このトリガー区分δのフリーズ期間中においても、操作手段の操作による操作コマンドは発生されうる。このトリガー区分βのフリーズ期間中において、フリーズ中操作コマンド(後述の図16のステップS512、図36)を受信した場合において、設定した演出シナリオにフリーズ中操作時演出が組み込まれている場合は、これに基づくフリーズ中操作時演出を現出させることができる。
(操作コマンド種別:図36)
回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12、MAXベットボタン8、1ベットボタン9などの操作手段を1回操作(1往復)させた場合、操作検出信号が発せられる。たとえば、回胴回転始動レバー11を1回操作(1往復)させると、そのスイッチが作用して、操作検出信号が出力される。主制御部側は、この操作検出信号の立ち上がりと立ち下がりとから、操作コマンドに利用可能なトリガーパルスを計2回取り出し得る。1個目は、回胴回転始動レバー11を原位置から他位置に移動させた際(押し下げた際)に、操作検出信号パルスの前縁(前端エッジ)で作成される信号(以下「ON信号」と称する)である。2個目は、回胴回転始動レバー11を他位置から原位置に移動させた際(押し戻した際)に、操作検出信号パルスの後縁(後端エッジ)で作成される信号(以下「OFF信号」と称する)である。主制御部400側は、このON信号またはOFF信号のいずれかを利用して、上記操作コマンドを送信することとなる。
図36は、上記操作手段の操作に基づいて主制御部から出力される操作コマンドの種類(コマンド種別)と、そのコマンドに含まれる情報、送信時期、どの様な演出の現出に利用されるかについて、内容を一覧にまとめたものである。
図36中の「フリーズ種別コマンド」は回胴回転始動レバー11の操作を契機に発せられるもので、フリーズ種別(フリーズ演出種別)を特定可能な情報(ハズレであるフリーズ未発生情報も含む)が含まれる。このフリーズ種別コマンドによりフリーズ発生時の演出(フリーズ演出中演出シナリオ(たとえば、図37の時刻t0〜t9全体のシナリオ)が定まることから、フリーズ種別コマンドの作成には、通常はスイッチのON信号が利用される。
「フリーズコマンド」は、フリーズコマンドはフリーズ演出のトリガータイミングとなるフリーズ発生を契機に発せられる。なお、フリーズコマンドはフリーズ演出フラグ種別に応じた送信タイミングがあり、それぞれフリーズ開始指示情報を含む。フリーズコマンドはフリーズ発生時に送信され、フリーズ演出(メイン側およびサブ側)の開始契機として利用されるものであり、フリーズ種別コマンドのように全体のシナリオを決定するものではないので、回胴回転始動レバーの操作時のON信号またはOFF信号のいずれかに基づいて作成される。
「フリーズ終了コマンド」は、フリーズタイマにより管理されるフリーズ時間の終了時に送信されるもので、フリーズ演出が終了した旨の情報を含み、フリーズ演出中演出(フリーズ中サブ側演出)の終了契機に利用される。
「フリーズ中操作コマンド」は回胴回転停止ボタン12、MAXベットボタン8、回胴回転始動レバー11などの操作手段を操作した際に発せられるもので、フリーズ中操作コマンド1〜10の種別がある。
このうち「フリーズ中操作コマンド1」は左回胴停止ボタン12aが操作されたときのON信号時に発生されるコマンドであり、「フリーズ中操作コマンド2」は左回胴停止ボタン12aが操作されたときのOFF信号時に発生されるコマンドである。「フリーズ中操作コマンド3」は中回胴停止ボタン12bが操作されたときのON信号時に発生されるコマンドであり、「フリーズ中操作コマンド4」は中回胴停止ボタン12bが操作されたときのOFF信号時に発生されるコマンドである。「フリーズ中操作コマンド5」は右回胴停止ボタン12cが操作されたときのON信号時に発生されるコマンドであり、「フリーズ中操作コマンド6」は右回胴停止ボタン12cが操作されたときのOFF信号時に発生されるコマンドである。「フリーズ中操作コマンド7」はMAXベットボタン8が操作されたときのON信号時に発生されるコマンドであり、「フリーズ中操作コマンド8」はMAXベットボタン8が操作されたときのOFF信号時に発生されるコマンドである。「フリーズ中操作コマンド9」は回胴回転始動レバー11が操作されたときのON信号時に発生されるコマンドであり、「フリーズ中操作コマンド10」は回胴回転始動レバー11が操作されたときのOFF信号時に発生されるコマンドである。
上記したフリーズ中操作コマンド1〜10のうちのいずれかが、フリーズ中操作時演出を現出させるトリガー(付随トリガー)となりうる。
ここでON信号(ON操作信号)だけでなくOFF信号(OFF操作信号)も必要とするケースについて説明する。たとえば、遊技者が回胴回転始動レバー11を押し下げた状態をしばらく保持し、それから回胴回転始動レバー11を釈放する場合は、ON信号とOFF信号の間に時間差が生まれる。また回胴回転停止ボタン12やMAXベットボタン8などの他の操作手段の場合も、押下時のON信号と、釈放時のOFF信号との間に時間差が生まれる。したがって、フリーズ中操作コマンドについても、ON操作コマンドとOFF操作コマンドの間に時間差が生まれることになる。本実施形態では、このON操作とOFF操作、またはその時間差を利用して、異なる種類のフリーズ中操作時演出を発生させることが可能である。
これについて、説明の便宜のために、たとえば、後述のフリーズA2やフリーズF7などのように、第1停止操作後にフリーズが発生する場合を代表例にとり説明する。
遊技者が第1停止操作として左回胴停止ボタン12aを操作した場合、フリーズが発生する。なお、ここでのフリーズの発生は、そのON信号ではなくOFF信号でフリーズを発生させることが好ましい。その理由としては、フリーズの発生自体は主制御部400側で制御されるので、レアケースではあるが、仮にフリーズの発生を左回胴停止ボタン12aのON信号を契機に発生させるとすれば、ボタン押下状態(ON操作状態)が保持されてしまうと、左回胴停止ボタン12aを釈放(OFF状態)しない限り、その後のフリーズ中操作時演出を発生させることができず(回胴演出のために利用する操作信号や、フリーズ中操作コマンドの発生が阻害される)、フリーズ時間だけが経過してしまいフリーズが終了してしまう、といった不都合があるからである。このため、フリーズ種別やフリーズ演出のシナリオによって、フリーズの発生契機をON信号としたりOFF信号としたりすることができる。たとえば、フリーズ中操作時演出を実行しないフリーズ種別の場合にはON信号、フリーズ中操作時演出を実行させるフリーズ演出種別の場合にはOFF信号をフリーズ発生契機とすることができる。なお本実施形態の場合、説明の便宜上、フリーズの発生契機は所定の操作手段が操作された場合に生起するON信号で発生するものとして説明する。
再び説明に戻り、このフリーズ中(フリーズ演出中)の全部または一部の期間(所定の操作受付有効期間)において、たとえば、中回胴停止ボタン12bの初回のON操作およびOFF操作、および2回目のON操作を契機にフリーズ中操作時演出が発生させるケースを説明すれば、フリーズ中操作時演出として、たとえば、最初に中回胴停止ボタン12bがON操作されことを契機に、そのON操作コマンド(このケースでは「フリーズ中操作コマンド3(図36参照)」が発生)に対応した「フリーズ中操作時演出(フリーズ中サブ側演出)」を現出する。その後、初回の中回胴停止ボタン12bを釈放した瞬間に発生するOFF信号を契機に「回胴演出(フリーズ中メイン側演出)」を開始し、これに伴い発生するOFF操作コマンド(このケースでは「フリーズ中操作コマンド4(図36参照)」が発生)により、初回OFF操作コマンドに対応した「フリーズ中操作時演出(フリーズ中サブ側演出)」を現出させる。その後、再度(2回目)、中回胴停止ボタン12bがON操作を契機に、その操作コマンドに基づくフリーズ中操作時演出「フリーズ中操作時演出(フリーズ中サブ側演出)」を現出させる、といったように、1つのフリーズ期間中に、操作手段を押下時(ON操作時)および/またはその釈放時(OFF操作時)を契機に、これに対応したフリーズ中操作時演出を実行させることが可能である。
また「フリーズ中操作時演出」を利用して、所定の遊技情報を報知することができる。所定の遊技情報としては、たとえば、当選役に関する情報や、AT抽選(後述の図27参照)の当否情報や、上乗せ抽選(後述の図28〜図30参照)結果情報にや上乗せゲーム数、現在の遊技状態(現在の主制御部側状態や演出制御部側遊技状態)などに関する、種々の遊技情報が挙げられる。このように、フリーズ中操作時演出を利用して遊技者が知得したいと考える「遊技情報」を報知するようにすれば、操作手段の押下時またはその釈放時に、今回のゲーム結果について、遊技者に対し期待感や緊張感を煽ることができるようになり、遊技興趣を向上させることができる。
またON−OFF操作がなされる時間幅(ON状態継続時間)に基づいて、フリーズ中操作時演出を現出可能に構成することができる。具体的には、たとえば、操作受付有効期間内において、中回胴停止ボタン12bのON操作からOFF操作がなされているON状態継続時間が、所定時間(たとえば、3秒)未満の場合にはフリーズ中操作時演出は現出せず、当該所定時間以上の場合には(いわゆる「長押し」の場合)、フリーズ中操作時演出を現出させることができる。また、中回胴停止ボタン12bのON状態継続時間が、3秒未満の場合には第1のフリーズ中操作時演出を、3秒以上であれば、他のフリーズ中操作時演出を現出させる、といったように、ON状態継続時間に対応して、異なるフリーズ中操作時演出を現出させることもできる。
このON状態継続時間は、主制御部400側であれば、操作手段に対応するON信号受信からOFF信号受信までの時間をカウントすることにより把握することができる。また演出制御部410側であれば、操作手段に対応するON操作コマンド受信からOFF操作コマンド受信までの時間をカウントすることにより把握することができる。したがって、ON状態継続時間に基づいて、フリーズ中メイン側演出およびフリーズ中サブ側演出のいずれも現出させることができる。
また操作手段のON操作またはOFF操作が所定回数(操作回数)なされたことに基づいて、フリーズ中操作時演出を現出することができる。たとえば、所定時間(カウント有効時間)内に中回胴停止ボタン12bのON操作(またはOFF操作)を5回確認した場合に、フリーズ中操作時演出を現出させることができる。操作手段の操作回数については、主制御部400側であれば、操作手段に対応するON信号またはOFF受信の受信回数をカウントすることにより、その回数を把握することができる。また演出制御部410側であれば、操作手段に対応するON操作コマンドまたはOFF操作コマンド受信回数をカウントすることにより、その回数を把握することができる。
また上記した操作回数に応じて、異なるフリーズ中操作時演出を現出させることができる。たとえば、中回胴停止ボタン12bのOFF操作回数が5回目のときに、上記したように、所定の遊技情報を報知しうる特定のフリーズ中操作時演出を現出させる場合、4回目の中回胴停止ボタン12bの操作時において、「次の停止ボタンを釈放する瞬間に気合を入れろ!」などのように、次回(5回目)の操作時において、所定の遊技情報を報知しうるフリーズ中操作時演出が現出されることを予告報知するフリーズ中操作時演出を現出すれば、遊技者は積極的に中回胴停止ボタン12bを操作して、5回目の中回胴停止ボタン12bを釈放する瞬間について、如何なる情報が提供されるかについての期待感や緊張感を楽しむことができる。
また、フリーズ中操作時演出を現出する場合、複数種類のフリーズ中操作時演出のうちからいずれかを抽選により選択する構成としても良い。たとえば、当選役種別、AT抽選(後述の図27参照)の当否、上乗せ抽選(後述の図28〜図30参照)に関する当否、および/または上乗せゲーム数の大小などに関連した複数種類のフリーズ中操作時演出を設け、これらのうちからいずれかを抽選により決定し、その決定したフリーズ中操作時演出を現出させることができる。この場合、上述の当選役種別、AT抽選(後述の図27参照)の当否、上乗せ抽選(後述の図28〜図30参照)に関する当否、上乗せゲーム数の大小に応じて、各フリーズ中操作時演出の選択率を異ならせることにより、それらに関する情報や期待度を、フリーズ中操作時演出を利用して報知することができる。たとえば、装飾ランプの色が青色、黄色、および赤色の光演出のそれぞれ対応した複数種類のフリーズ中操作時演出を設け、青色、黄色、および赤色のこの順にAT抽選の当選期待度が高くなるように定めた場合、その選択率を期待度に応じて異ならせることで、期待度に関連したフリーズ中操作時演出を現出させることができる。これにより、遊技者は、積極的に操作手段を操作して、フリーズ中操作時演出により如何なる情報が提供されるかについての期待感や緊張感を楽しむことができる。
なおフリーズ操作時演出は、一のフリーズ操作時演出と他のフリーズ操作時演出とを重複的に発生させることができる。具体的には、ON操作時に係るフリーズ操作時演出の現出中に、OFF操作時に係るフリーズ操作時演出を重複して現出させたり、今回の操作手段の操作に係るフリーズ操作時演出の現出中に、次回の操作手段の操作に係るフリーズ操作時演出を重複して現出させたりすることができる。
たとえば、回胴回転停止ボタン12のON操作時に回胴演出が現出され、その回胴演出中に回胴回転停止ボタン12のOFF操作された場合、実行中の回胴演出と重複して、音演出(たとえば、稲妻音)や光演出(たとえば、閃光演出)などのサブ側フリーズ中演出を現出させることができる。また、最初の回胴回転停止ボタン12のON操作時(OFF操作時であっても良い)に回胴演出が現出され、その回胴演出中に、2回目の回胴回転停止ボタン12のON操作(OFF操作時であっても良い)された場合、実行中の回胴演出と重複して、フリーズ操作時演出として、音演出や光演出や可動体役物などを利用した演出を現出させることができる。この場合、種々のフリーズ操作時演出が重複的に次々に展開されていくので、インパクトのある演出態様を実現することができる。
なお、フリーズ中操作時演出を現出させる条件として、上記「操作受付有効期間」を設けても良い。この操作受付有効期間については、フリーズ演出種別に応じて適宜定めることができる。これは、フリーズ演出種別に応じてフリーズ時間が異なるためであり、有効な演出時間幅を確保する必要性があることに起因する。端的にいえば、フリーズ中(フリーズ演出中)において、所定の操作手段が操作された場合、所定の条件の下でフリーズ中操作時演出を現出させることができる。たとえば、特定の操作手段(たとえば、中回胴停止ボタン12b)が所定の操作受付有効期間内に操作され、かつそのOFF操作コマンドを受信した場合、「フリーズ中操作時演出の実行条件が成立した」として、これに対応する「フリーズ中操作時演出(ここでは、フリーズ中サブ側演出)」を現出させる。つまり、操作受付有効期間内に中回胴停止ボタン12bが操作された場合であっても、ON操作コマンドによってフリーズ中操作時演出は現出せず、操作受付有効期間内にOFF操作コマンドを演出制御部410側が受けたことを条件に(フリーズ中操作時演出の実行条件の成立)、フリーズ中操作時演出を現出させる。
上記した「フリーズ中操作時演出の実行条件」について、どのような操作手段を利用するか、その操作信号(ON・OFF信号)やフリーズ中操作コマンドをどのようなものを利用するか、またON/OFF操作の操作回数をどのように定めるか、またON状態継続時間をどのような時間幅とするか、フリーズ中において操作受付有効期間を何処に設けるか、操作受付有効期間を時間幅は幾つとするか、といった種々の実行条件については、フリーズ演出種別(本実施形態の場合、図35Aおよび図35Bに例示したフリーズ演出種別)に応じて適宜定めることができる。また、フリーズ中操作時演出の実行されるトリガータイミングを幾つ設けるかも適宜定めることができる。これは、フリーズ演出種別に応じてフリーズ時間やその演出シナリオが異なるためであり、有効な演出時間幅を確保する必要性があることに起因する。したがって、フリーズ演出シナリオ(演出内容)や、ゲーム性などに応じて、如何なるフリーズ演出種別に、如何なる実行条件を関連付けるかは、自由である。
また、フリーズ中に複数種類のフリーズ操作時演出を現出させる場合、各フリーズ操作時演出同士が何らかの関連性を有した演出態様とすることが好ましい。ストーリー仕立ての演出(たとえば、物語風演出、バトル演出、ステップアップ演出など)がその代表例である。たとえば、初回のフリーズ操作時演出が「主人公キャラが橋に爆弾を仕掛ける」内容であり、2回目のフリーズ操作時演出が「その爆弾を爆破する」内容であり、3回目(最終回目)のフリーズ操作時演出の内容が「爆破対象の橋が崩壊する」または「爆破に失敗して崩壊できなかった」内容、といったストーリー仕立ての演出シナリオである。特に、一連のフリーズ操作時演出の演出結果として(たとえば、最終回目のフリーズ操作時演出の内容として)、遊技者が知得したいと考える上記の「遊技情報」を報知するようにすれば、遊技者は、ストーリー仕立ての演出を楽しみながら、その結果について、期待感や緊張感を持つことができるので、フリーズ演出の面白みをより一層増すことができる。上記の例でいえば、たとえば、AT抽選に関し、「爆破対象の橋が崩壊する」内容であればAT抽選当選、「爆破に失敗して崩壊できなかった」内容であれば、AT抽選非当選、といった情報をフリーズ操作時演出により報知することができる。
以上のように本実施形態では、フリーズ中において、操作手段のON/OFF操作に基づく演出を現出させることができる。つまり、操作手段のON操作時だけでなく、OFF操作時についてもフリーズ操作時演出を発生させるタイミングを設けることができる。たとえば、上記したように、ON操作時やOFF操作時の、ON信号、OFF信号、ON操作コマンド、またはOFF操作コマンドなどを受信したことに基づいて「フリーズ中操作時演出」を現出することができる。またON操作・OFF操作の操作回数に基づいて、またはON−OFF操作がなされるON状態継続時間に基づいても「フリーズ中操作時演出」を現出することができる。これにより、フリーズ中操作時演出の現出タイミングおよびその種類の自由度が広がり、フリーズ演出を多彩なものとすることができる。
(フリーズ演出種別の詳細:図35A〜図35B)
次に、本実施形態に係るフリーズ演出種別の詳細について説明する。
(回胴回転開始時フリーズ演出:フリーズA1・B1・C1・D1(01H〜04H))
このフリーズA1・B1・C1・D1は、回胴回転始動レバー11の操作時に発生する「回胴回転開始時フリーズ演出(レバーオン時フリーズ)」に属し、フリーズ演出フラグ「01H」〜「04H」が対応付けられている。この回胴回転開始時フリーズは、回胴回転始動レバー11の操作をトリガーポイントとし、ここで操作が行われたことをトリガータイミングとして発生するものである。正確には、このフリーズは、フリーズ演出抽選(後述の図8のリール抽選演出処理(ステップS17))に当選したことを契機として発生し、次の遊技操作段階である回胴回転停止ボタン12の停止操作(第1停止操作)が有効となる作用時点が所定のフリーズ時間(遅延時間)だけ遅れるものである。したがって、そのフリーズ時間中(フリーズ状態期間中)に、回胴回転始動レバー11を操作しても、回胴の通常回転を開始させることができないという遊技進行の中断(通常の回転始動無効状態)を伴って発生する。
このうち「フリーズA1」と「フリーズB1」は、回胴の通常回転開始が遅延されているフリーズ中に、回胴演出として、回胴を1/4コマ逆回転させて所定秒数(約2秒または約5秒)だけ停止させる、という変則回転を行わせるフリーズ演出である。また「フリーズC1」は、回胴の通常回転開始が遅延されているフリーズ中に、回胴演出として、回胴に1/4コマ逆回転、約5秒停止、逆回転約10秒、という変則回転を行わせるようにしたフリーズ演出である。また「フリーズD1」は、回胴の通常回転開始が遅延されているフリーズ中に、回胴演出として、回胴を無回転状態に置くものであり、詳しくは、回胴回転始動レバー11操作時から30秒間という長い時間に渡り、回胴回転停止ボタン12について遊技の進行目的操作(第1停止操作)を無効とするロングフリーズであり、当選確率が非常に低いプレミアムフリーズ演出の一つである。
しかし、レバーオン時フリーズには、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの遊技進行目的操作(通常回転開始操作)が効かないという操作手段演出が発生している状態下で、上記以外の他の変則回転をフリーズ中の回胴演出として行わせることもできる。たとえば、左、中、右の回胴を所定時間だけ同時にゆっくりと逆回転させる回胴演出や、左、中、右の回胴が異なるタイミングで逆回転し始める回胴演出や、左、中、右の1つまたは2つの回胴が他の回胴と異なる方向に回転する回胴演出や、左、中、右の回胴が上下に1コマ内で揺動して停止する回胴演出などである。また、所定のフリーズ時間内で、疑似的に、回胴回転始動レバー11の操作やMAXベットボタン8の操作などを1または複数回受け付けて、その都度、上記変則回転を行わせる、という回胴演出に係る「遊技者参加型演出」を採用することもできる。勿論、レバーオン時フリーズに限らず、後述の他のフリーズ演出においても、上述した回胴演出に係る「遊技者参加型演出」を採用することができる。
なお、上記した「回胴演出に係る遊技者参加型演出」については、回胴演出を制御する主制御部400側に接続された操作手段により実行可能であり、演出制御部410側にのみ接続される演出用ボタン(不図示)の操作では実行不可能となる。その理由は次の通りである。
演出用ボタンが操作されたか否かに関する操作情報については、演出制御部410側から主制御部400側に送信することができず、これにより主制御部400側は、当該演出用ボタンが操作されたか否かについて把握することができない。これは、既に説明したように、外部からのゴト行為を防止するため、演出制御部410側は一方向通信における入力としてのみ機能するようになっており、演出制御部410側から何らかの情報を主制御部400側には送信不可能な構成とされているためである。したがって、上記演出用ボタンの操作に起因して、主制御部400側で制御される回胴演出に変化を与えることはできない。したがって、回胴演出に変化を与えることができるのは、主制御部400側によりその操作を直接的に検出可能な特定の操作手段(たとえば、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12(12a〜12c)、1ベットボタン9、またはMAXベットボタン8など:図4参照)に限られる。
(全回胴回転停止前フリーズ演出(05H〜0CH):フリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3)
このフリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3は、全ての回胴が回転停止される前(第1停止操作後〜第2停止操作後)に発生する「遊技結果導出前フリーズ演出(全回胴回転停止前フリーズ演出)」に属し、フリーズ演出フラグ「05H」〜「0CH」が対応付けられている。これらの全回胴回転停止前フリーズ演出は、回胴回転停止ボタン12を第1停止操作または第2停止操作した後の当該フリーズ期間(フリーズ時間)中である限り、回胴回転停止ボタン12を第2停止操作または第3停止操作しても、回転している対応する回胴を停止させることができない、という遊技進行の中断(停止操作無効)を伴って発生する。
(フリーズA2・B2・C2・D2)
このうち「フリーズA2・B2・C2・D2」は、通常回転が開始されて回転停止可能状態に入った回胴5a、5b、5cのうちの一つ(たとえば左回胴5a)を停止(第1停止)させる第1停止操作をトリガーポイントとし、ここで操作が行われたことをトリガータイミングとして発生するものである(第1停止操作後フリーズ演出)。なお、第1停止操作をトリガータイミングとしてフリーズが発生することは、フリーズ演出抽選(後述の図8のリール抽選演出処理(ステップS17))でフリーズA2・B2・C2・D2に当選した時点で予め定まっている。
上記の「フリーズA2」は、回転停止可能な回胴5a、5b、5cのうちの一つ(たとえば、左回胴5a)を停止させる第1停止操作をしたことをトリガータイミングとして発生し、その第1停止操作後から所定のフリーズ期間(ここでは5秒間)だけ、遊技進行の次の段階である「残りの回転中の回胴(中回胴5bまたは右回胴5c)を止める操作(第2停止操作)」が効かなくなる、というフリーズ演出(ショートフリーズ)である。
「フリーズB2」は、回胴回転開始後に回転停止可能な回胴5a、5b、5cのうちの一つ(たとえば左回胴5a)を停止させる第1停止操作をしたことをトリガータイミングとして発生し、その第1停止操作後から上記フリーズA2の2倍の所定のフリーズ期間(ここでは10秒間)については、残りの回転中の回胴のうちの一つ(中回胴5bまたは右回胴5c)を止める第2停止操作が効かなくなる、というフリーズ演出(ミドルフリーズ)である。
「フリーズC2」は、回転停止可能な回胴5a、5b、5cのうちの一つ(たとえば、左回胴5a)を停止させる第1停止操作をしたことをトリガータイミングとして発生し、その第1停止操作後から上記フリーズA2の2倍の所定のフリーズ期間(ここでは10秒間)だけ、当該第1停止操作に続く遊技進行の次の段階である「残りの回転中の回胴のうちの一つ(中回胴5bまたは右回胴5c)を止める第2停止操作」が効かなくなるとともに、このフリーズ中の回胴演出として、フリーズ中に当該残りの回胴(中回胴5bおよび右回胴5c)の双方またはその一方が特殊な変則回転をする、というフリーズ演出(特殊フリーズ)である。ここにいう「特殊な変則回転」とは、たとえば第1停止操作により左回胴5aが停止すると同時に、他の未停止操作の回転中の回胴(中回胴5bおよび右回胴5cの双方または一方)が、突然ゆっくりとした動きに切り替わる(通常の回転速度よりも低速に回転する)、高速回転(通常の回転速度よりも高速に回転する)に切り替わる、一旦回転を停止した後にプルプル震える(振動)、またはバウンド的な動きをするなどである。しかし場合により、ここでの「特殊な変則回転」として、一旦停止後にフリーズA1、B1、C1で述べたような1/4コマの逆回転や完全な逆回転などの変則回転をさせても良い。
「フリーズD2」は、回転停止可能な回胴5a、5b、5cのうちの一つ(ここでは左回胴5a)を停止させる第1停止操作をしたことをトリガータイミングとして発生し、その第1停止操作後から上記フリーズA2の3倍という長い所定のフリーズ期間(ここでは30秒間)に渡り、当該第1停止操作に続く遊技進行の次の段階である「残りの回転中の回胴のうちの一つ(中回胴5bまたは右回胴5c)を止める第2停止操作」が効かなくなる、というフリーズ演出(ロングフリーズ)であり、当選確率が非常に低いプレミアムフリーズ演出の一つである。
(フリーズA3・B3・C3・D3)
次に「フリーズA3・B3・C3・D3」は、第1停止操作後において回転を続けている残りの2つの回胴(ここでは中回胴5bと右回胴5c)のうちの一つ(たとえば中回胴5b)を停止させる第2停止操作をトリガーポイントとし、ここで操作が行われたことをトリガータイミングとして発生するものである(第2停止操作後フリーズ演出)。なお、第2停止操作をトリガータイミングとしてフリーズが発生することは、フリーズ演出抽選(後述の図8のリール抽選演出処理(ステップS17))でフリーズA3・B3・C3・D3に当選した時点で予め定まっている。
このうち「フリーズA3」は、第1停止操作後に回転停止可能な残りの2つの回胴のうちの一つ(ここでは中回胴5b)を停止させる第2停止操作をトリガータイミングとして発生し、その第2停止操作後から所定のフリーズ期間(ここでは5秒間)だけ、遊技進行の次の段階である「残りの回転中の回胴(右回胴5c)を止める操作(第3停止操作)」が効かなくなる、というフリーズ演出(ショートフリーズ)である。
「フリーズB3」は、第1停止操作後に回転停止可能な残りの2つの回胴のうちの一つ(ここでは中回胴5b)を停止させる第2停止操作をトリガータイミングとして発生し、その第2停止操作後から上記フリーズA3の2倍の所定のフリーズ期間(ここでは10秒間)だけ、残りの回転中の回胴(右回胴5c)を止める第3停止操作が効かなくなる、というフリーズ演出(ミドルフリーズ)である。
「フリーズC3」は、第1停止操作後に回転停止可能な回胴の一つ(たとえば中回胴5b)を第2停止操作したことをトリガータイミングとして発生し、その第2停止操作後から上記フリーズA2の2倍の所定のフリーズ期間(ここでは10秒間)だけ、遊技進行の次の段階である「残りの回転中の回胴(右回胴5c)を止める第3停止操作」が効かなくなるとともに、このフリーズ中の回胴演出として、フリーズ中に当該残りの回胴(右回胴5c)が特殊な変則回転(フリーズC3で述べたような特殊な変則回転)をする、というフリーズ演出(特殊フリーズ)である。
また「フリーズD3」は、第1停止操作後に回転停止可能な回胴の一つ(たとえば中回胴5b)を停止させる第2停止操作をしたことをトリガータイミングとして発生し、その第2停止操作後から上記フリーズA2の3倍という長い所定のフリーズ期間(ここでは30秒間)に渡り、遊技進行の次の段階である「残りの回転中の回胴(右回胴5c)を止める第3停止操作」が効かなくなる、というフリーズ演出(ロングフリーズ)であり、当選確率が非常に低いプレミアムフリーズ演出の一つである。
(フリーズA4・B4・C4)
この「フリーズA4・B4・C4」のシナリオは、全回胴が通常回転を開始した後、遊技結果が導出される前までの間に、フリーズが発生するトリガータイミングを複数有するものである。具体的には、全ての回胴が回転停止される前の第1停止操作時を第1のフリーズ発生のトリガータイミングとし、第2停止操作時を第2のフリーズ発生のトリガータイミングとしている(第1および第2停止操作後フリーズ演出)。なお、第1停止操作と第2停止操作をトリガータイミングとしてフリーズが発生することは、フリーズ演出抽選(後述の図8のリール抽選演出処理(ステップS17))でフリーズA4・B4・C4に当選した時点で予め定まっている。
「フリーズA4・B4・C4」は、フリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3と同じく、全ての回胴が回転停止される前にフリーズが発生するので「遊技結果導出前フリーズ演出(全回胴回転停止前フリーズ演出)」に属し、フリーズ演出フラグ「0DH」〜「0FH」が対応付けられている。この点でフリーズA4・B4・C4はフリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3と同じになる。しかし、フリーズA4・B4・C4のシナリオは、フリーズ発生のトリガータイミングを1ゲーム中に複数含む点で、1ゲーム中にフリーズ発生のトリガータイミングを1つしか含まないフリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3のシナリオと相違する。このフリーズA4・B4・C4は、第1停止操作して発生させた第1フリーズ中、回胴回転停止ボタン12を第2停止操作または第3停止操作しても、回転している対応する回胴を停止させることができない、という遊技進行の中断(停止操作無効)を伴って発生する。
「フリーズA4・B4・C4」は、単位遊技中にフリーズが回胴の停止操作ごとに続けて起こるフリーズ演出(連係フリーズ演出)である。具体的には、上記の第1停止操作後のフリーズに続けて、第2停止操作後のフリーズが生起するフリーズ演出である。この連係フリーズ演出の場合、第1フリーズは、回転停止可能な回胴の一つ(たとえば左回胴5a)を停止させる第1停止操作をトリガータイミングとして発生し、また第2フリーズは、残りの回胴のうち回転停止可能な回胴の一つ(たとえば中回胴5b)を停止させる第2停止操作をトリガータイミングとして発生する。
このように「フリーズA4・B4・C4」の場合、第1停止操作後と第2停止操作後にフリーズが発生することは、演出シナリオにより予定された事象に過ぎず、たとえば第2停止操作をした際に改めてフリーズ演出抽選を行うことはしない。しかし、回胴回転始動レバー11操作時のフリーズ演出抽選の後、他のフリーズ演出抽選を経由することで、第2停止操作後にフリーズを発生可能に構成しても良い。
「フリーズA4」は、上記フリーズA2(第1停止操作後5秒フリーズ)と上記フリーズA3(第2停止操作後5秒フリーズ)が続けて生起する連係フリーズ演出である。
「フリーズB4」は、上記フリーズA2(第1停止操作後5秒フリーズ)と上記フリーズB3(第2停止操作後10秒フリーズ)が続けて生起する連係フリーズ演出である。
「フリーズC4」は、上記フリーズC2(第1停止操作後10秒フリーズ)とフリーズC3(第2停止操作後10秒フリーズ+他のリール(最後の回胴)の特殊変則回転)が続けて生起する連係フリーズ演出であり、特殊変則回転付きの「特殊フリーズ」としても分類される。
(全回胴回転停止後フリーズ演出(10H〜12H):フリーズA5・B5・D5)
「フリーズA5・B5・D5」は、遊技結果が導出された後、つまり第3停止操作が行われたことを、フリーズ発生のトリガータイミングとするものである。なお、第3停止操作をトリガータイミングとしてフリーズが発生することは、フリーズ演出抽選(後述の図8のリール抽選演出処理(ステップS17))でフリーズA5、B5、D5に当選した時点で予め定まっている。
このフリーズA5・B5・D5は、第1停止操作〜第3停止操作がなされて全回胴が回転停止した後において発生する「遊技結果導出後フリーズ演出(全回胴回転停止後フリーズ演出)」に属し、フリーズ演出フラグ「10H」〜「12H」が対応付けられている。これらの全回胴回転停止後フリーズ演出では、回胴回転停止ボタンを第3停止操作した後、所定のフリーズ期間が経過して当該フリーズ演出が終了するまで、遊技価値の付与(たとえば、遊技メダルの払い出し処理。本実施形態では、入賞判定処理(図8のステップS20))が行われず、その付与時期が遅れる、という遊技進行の中断(フリーズ)が起こり、このフリーズ中は遊技進行を進めようとする操作手段の操作は無効となる。
このうち「フリーズA5」は、回転停止可能な最後の回胴を停止させる第3停止操作(全回胴停止)をトリガータイミングとして発生し、その第3停止操作後(全回胴回転停止後)から所定のフリーズ期間(ここでは5秒間)だけ、遊技進行の次の段階の遊技処理が先延ばしされる、具体的には、通常時よりも遊技メダルの払い出し処理が先延ばしされる、というフリーズ演出である。
「フリーズB5」は、全回胴回転停止後(第3停止操作後)から10秒間、通常時よりも遊技メダルの払い出しが先延ばしされるフリーズ演出である。
「フリーズD5」は、全回胴回転停止後(第3停止操作後)から30秒間、通常時よりも遊技メダルの払い出しが先延ばしされるフリーズ演出であり、当選確率が非常に低いプレミアムフリーズ演出の一つである。
(連係フリーズ演出(13H〜15H):フリーズE1〜E3)
「フリーズE1〜E3」は、全回胴回転停止前フリーズ演出に続けて異種の全回胴回転停止後フリーズ演出が起こることがシナリオにより決定(連係)されている連係フリーズ演出であり、フリーズ演出フラグ「13H」〜「15H」が対応付けられている。
具体的には、第1停止操作後の第1フリーズおよび第2停止操作後の第2フリーズに続けて、第3停止操作後の第3フリーズが起こる連係フリーズ演出である。この連係フリーズ演出の場合、第1停止操作(たとえば左回胴5aの停止操作)をトリガータイミングとして第1フリーズが発生し、第2停止操作(たとえば中回胴5bの停止操作)をトリガータイミングとして第2フリーズが発生し、第3停止操作(たとえば右回胴5cの停止操作)をトリガータイミングとして第3フリーズが発生する。これらはフリーズ演出シナリオの途中で予定された事象に過ぎず、第1停止操作や第2停止操作や第3停止操作をした場合に、その時点で改めてフリーズ演出抽選を行うことはしない。しかし、回胴回転始動レバー11操作時のフリーズ演出抽選の後、他のフリーズ演出抽選を経由することで、第2停止操作後にフリーズを発生可能に構成しても良い。
「フリーズE1〜E3」は、全回胴回転停止前フリーズ演出と全回胴回転停止後フリーズ演出を通じ、発生契機として予定された計3つのトリガーポイントの総てで、つまり第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作の全ての操作時点で、それぞれフリーズ演出が発生するという点で、非常にインパクトのある特別なフリーズ演出(SPフリーズ演出)となっている。このSPフリーズ演出の下では、第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作の各停止操作が為されるたびに遊技進行の中断がなされ、第1停止操作後の遊技進行の中断(第2停止操作無効)、第2停止操作後の遊技進行の中断(第3停止操作無効)、第3停止操作後の遊技進行の中断(払い出しの実行遅延)が発生する。
このうち「フリーズE1」は、第1停止操作後5秒フリーズ+第1停止操作後5秒フリーズ+全回胴停止後(第3停止操作後)5秒フリーズを伴うフリーズ演出であり、つまり計3回発生するフリーズ時間が総て同じ5秒であるフリーズ演出である。
また「フリーズE2」は、第1停止操作後5秒フリーズ+第1停止操作後5秒フリーズ+全回胴停止後(第3停止操作後)20秒フリーズを伴うフリーズ演出であり、つまり計3回発生するフリーズ時間が総て同じ5秒ではなく、1種類だけ20秒という異なるフリーズ時間が混ざっているフリーズ演出である。
また「フリーズE3」は、第1停止操作後5秒フリーズ+第1停止操作後10秒フリーズ+全回胴停止後(第3停止操作後)20秒フリーズを伴うフリーズ演出であり、つまり計3回発生するフリーズ時間が総て異なっているフリーズ演出である。
(フリーズF1〜F5、F7〜F9(フリーズF区分):図35B)
次に、フリーズF1〜F5(16H〜1AH)、フリーズF7〜F9(1CH〜1EH)、フリーズG1・G2(1FH〜20H)について説明する。なお以下では重複記載を避けるために、上記した「フリーズA1〜E3」と実質的に同じ内容は適宜省略して説明する。
(フリーズF1〜F5・F9)
「フリーズF1〜F5、F9」は、フリーズA5・B5・D5のような「全回胴回転停止後フリーズ演出」に属し、フリーズ演出フラグ「16H」〜「1AH」、「1EH」が対応付けられている。上記フリーズF1〜F5は、それぞれ同じフリーズ期間(ここでは60秒間)となっているが、フリーズ演出態様(演出内容)はそれぞれ異なるものが現出される(これについては後述する)。ただしフリーズF1〜F5は、それぞれフリーズ時間が異なっていても良く、またフリーズF1〜F5の一部(たとえば、フリーズF1、フリーズF3、およびフリーズF5)が同一のフリーズ時間であっても良い。
また「フリーズF9」は、全回胴回転停止後(第3停止操作後)から60秒間、通常時よりも遊技メダルの払い出しが先延ばしされるフリーズ演出であり、プレミアムフリーズ演出の一つである。
(フリーズF7・F8)
「フリーズF7・F8」は、フリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3のように、全ての回胴が回転停止される前(第1停止操作後〜第2停止操作後)に発生する「遊技結果導出前フリーズ演出(全回胴回転停止前フリーズ演出)」に属し、フリーズ演出フラグ「1CH」〜「1DH」が対応付けられている。
上記「フリーズF7」は、フリーズA2・B2・C2・D2のような「第1停止操作後フリーズ演出」に属し、上記「フリーズF8」は、フリーズA3・B3・C3・D3のような「第2停止操作後フリーズ演出」に属し、それぞれフリーズ時間は8秒となっている。
(フリーズG1・G2(フリーズG区分):図35B)
「フリーズG1・G2」は、フリーズA5・B5・D5のような「全回胴回転停止後フリーズ演出」に属し、フリーズ演出フラグ「1FH」、「20H」が対応付けられている。フリーズG1はフリーズ時間が8秒、フリーズG2はフリーズ時間が5秒となっている。
上記した各フリーズ演出については、通常の遊技の進行を図るための回胴回転始動レバー11操作時(始動レバー操作時)、第1回胴回転停止ボタン操作時(第1停止操作時)、第2回胴回転停止ボタン操作時(第2停止操作時)、第3回胴回転停止ボタン操作時(第3停止操作時)、全回胴停止時などといった操作時点に、1ゲーム中に存在するフリーズ状態の発生可能時期(基本トリガーポイント)が1対1で対応付けられている。そして、これらのフリーズ発生可能時期の各々についてフリーズを発生させるか否かを定めたフリーズ演出シナリオによって、上記フリーズ演出が構成される。ただし、フリーズ中サブ側演出の演出シナリオついては、回胴回転始動レバーを操作して単位遊技を開始してから、遊技結果が出て、次の単位遊技を開始すべく回胴回転始動レバー11を操作するまでの期間(レバーON−ON区間)において、1または複数の演出発生可能時期(付随トリガーポイント)が存在しうる。
なお、フリーズ中メイン側演出(回胴演出)について、フリーズ演出種別A1、B1、C1、D1・F7のフリーズ演出の場合、回胴回転始動レバー操作時(フリーズ有り)、第1回胴回転停止ボタン操作時(フリーズなし)、第2回胴回転停止ボタン操作時(フリーズなし)、第3回胴回転停止ボタン操作時(フリーズなし)の組合せによる演出シナリオとなる。この各フリーズ発生可能時期を、始動レバー操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時として略記すると、始動レバー操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時について、フリーズの発生が「有り、なし、なし、なし」という組合せを利用したものとなる。
また、フリーズ演出種別A2、B2、C2、D2・F8のフリーズ演出の場合は、始動レバー操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時について、フリーズの発生が「なし、有り、なし、なし」という組合せの演出シナリオとなり、また、フリーズ演出種別A3、B3、C3、D3のフリーズ演出の場合は、フリーズの発生が「なし、なし、有り、なし」という組合せを利用したものとなる。
また、フリーズ演出種別A4、B4、C4のフリーズ演出の場合は、始動レバー操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時について、フリーズの発生が「なし、有り、有り、なし」という組合せの演出シナリオとなり、また、フリーズ演出種別A5、B5、D5・F1〜F5・F9・G1〜G2のフリーズ演出の場合は、フリーズの発生が「なし、なし、なし、有り」という組合せを利用したものとなる。
また、フリーズ演出種別E1〜E3のフリーズ演出の場合、始動レバー操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時について、フリーズの発生が「なし、有り、有り、有り」という組合せを利用したものとなる。
(押順不問フリーズ演出と押順規定フリーズ演出)
ここで、上述の「フリーズF1〜F5、F7〜F9、G1〜G2」は、「フリーズA1〜E3」と次の点で大きく異なる。フリーズA1〜E3は、上記フリーズ演出抽選に当選すれば、その抽選結果に対応したフリーズ演出の発生が確定的とされる。しかしフリーズF1〜F5、F7〜F9、G1〜G2は、フリーズ演出契機役が当選したゲームにおいて所定の押し順が実行された場合にフリーズ演出が発生するようになっている。つまり、押し順に応じて、フリーズ演出が発生したり、発生しなかったりする(後述の図33A〜図33E参照)。この点において、「フリーズA1〜E3」と、「フリーズF1〜F5、F7〜F9、G1〜G2」とは大きく異なる。これについて、以下、詳細に説明する。
(フリーズA1〜E3(押順不問フリーズ演出)について)
フリーズA1〜E3については、主制御部400側におけるフリーズ演出抽選(図8のリール抽選演出処理(ステップS17)、その詳細を示す図9のステップS103参照)により、今回のゲームにおいて発生させるフリーズ演出種別が決定され、押し順とは無関係に、その決定されたフリーズ演出種別に定められた所定の発生タイミング(たとえば、回胴回転始動レバー11操作時、第1〜第3停止操作時など)が到来したことを契機にフリーズ演出を発生させるようになっている。この点、後述の「フリーズF1〜F5、F7〜F9、G1〜G2」のように、押し順が発生条件となるフリーズ演出種別とは異なる。このフリーズA1〜E3のように、押し順を発生条件としないフリーズ演出種別を「押順不問フリーズ演出」と称し、押順不問フリーズ演出の発生契機となる役を「押順不問フリーズ契機役」と称する。
(通常フリーズ演出抽選テーブル:図26)
上記フリーズ演出抽選(通常フリーズ演出抽選)は、主制御部400側において、図26に示す「通常フリーズ演出抽選テーブル」に基づいて実行される。
上記通常フリーズ演出抽選テーブルには、現在の遊技状態別(主制御部側遊技状態のRT0遊技、RT1遊技、RT2遊技の別:図6参照)に、当選役種別(特定の当選役種別(図26参照))とフリーズ演出種別とが関連付けて定められており、図中に示した選択割合(抽選確率:判定値/抽選領域の大きさ(128))に応じてフリーズA〜Dが選択される。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ128に対する判定値(当選領域)の占有領域数である。たとえば、現在の遊技状態がRT0遊技であり、今回の当選役が単独BB1の場合、フリーズCが抽選確率「18/128」で選択され、フリーズDが抽選確率「72/128」で選択されるようになっている。
本実施形態の場合、遊技者に付与される価値が高くなる度合に応じて、フリーズA〜Dの順にフリーズ時間が長くなるように分類されている。各フリーズA〜Dの区分に属するものとして、図35Aに示すフリーズ演出種別A1〜A5、B1〜B5、C1〜C4、D1〜D5が存在する。なお、重複記載を避けるために図示はしていないが、フリーズ演出種別は、正確にはこの区分内に存在する複数のフリーズ演出種別のそれぞれを指しており、たとえば「フリーズB」と言った場合、この区分に属するフリーズ演出種別B1〜B5のいずれかが所定の抽選確率を従い選択されるようになっている。なお図35Aでは、利用可能なものとして、さらにフリーズ演出種別E1〜E3も掲げられている。
上記通常フリーズ演出抽選では、基本的には、当選確率が低い役(レアな抽選対象役)ほど、フリーズを契機に遊技者に付与されうる遊技価値に関して優遇されるようになっている。具体的には、通常遊技(RT0遊技)中における、後述のAT抽選(昇格リプレイ報知抽選:図27)や、準備ART遊技(RT1遊技)中における「本ART開始ゲーム数上乗せ抽選(図28)」や、本ART遊技(RT2遊技)中における「本ART継続ゲーム数上乗せ抽選(図29〜図30)」などにおいて、当選確率が低い抽選対象役ほど、これらの抽選が優遇されることとなるフリーズ演出種別の選択確率(抽選確率)が相対的に高くなっている。本実施形態では、原則として、フリーズA、フリーズB、フリーズC、フリーズD、不図示のフリーズEのこの順に、その優遇度合いが高くなる(遊技者に有利に作用する)ように定めてある。
また上述したフリーズの区分には、複数種類のフリーズ演出が属しているが本発明はこれに限らず、各フリーズ区分に属するフリーズ演出が1または複数種類であっても良い。たとえば、フリーズA区分にはA1〜A5の4種、フリーズB区分にはフリーズB1の1種、フリーズC区分にはフリーズC1〜C2の2種、フリーズD区分にはフリーズD1の1種、フリーズE区分にはフリーズE3の1種という具合である。また各フリーズ区分に属するフリーズ演出がそれぞれ1種類であっても良く、どのようなフリーズ区分に、どのようなフリーズ演出を属させるか、またどのようなフリーズ区分を設けるかは、遊技性に応じて適宜設定することができる。
(フリーズF1〜F5、F7〜F9、G1〜G2(押順規定フリーズ演出)について)
次に、フリーズF1〜F5、F7〜F9、G1〜G2について説明する。これらフリーズ演出は、上記した「押順不問フリーズ演出」とは異なり、押し順を発生条件に含むフリーズ演出種別となっている。このようなフリーズ演出を「押順規定フリーズ演出」と称し、押順規定フリーズ演出の発生契機となる役を「押順規定フリーズ契機役」と称する。以下では、説明の便宜上、先ず、特殊AT当選時のフリーズF1〜F5、F7〜F9について説明する。
(特殊AT当選時のフリーズ演出(フリーズF1〜F5、F7〜F9)について:図32A〜図32C、図33A〜図33C)
本実施形態では、特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合、以下に述べる特徴あるフリーズ抽選形態およびそのフリーズ演出の発生形態を採用している。これについて、図32A〜図32C、図33A〜図33Cを参照しながら詳細に説明する。
本発明の理解を容易なものとするために、フリーズF1〜F5、F7〜F9の概要を説明しておく。
本実施形態では、特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合、遊技状態(主制御部側遊技状態)と押し順とに応じて、異なる種類のフリーズ演出を発生させたり、押し順によっては、フリーズ演出を発生させないようになっている(後述の図33A〜図33C参照)。たとえば、RT0遊技中において特殊AT1に当選した場合(たとえば、図33Aまたは図33Bの特殊AT1の欄参照)、押し順が「左→中→右(順押し)」であれば「フリーズF5」が発生し、「中→右→左(挟押し)」であれば「フリーズF2」が発生する、といったように、所定の押し順に対応したフリーズ演出(ここでは、フリーズF1〜F5)が発生する。しかし押し順が「左→右→中(挟押し)」であれば、フリーズ演出が発生しないようになっている(フリーズ演出未発生)。なお、フリーズF7〜F9は、RT2遊技中において発生されるフリーズ演出種別となっており、これについても上述のフリーズF1〜F5の場合と同事象のように、所定の押し順に対応して、フリーズ演出が発生したり、発生しなかったりするようになっている(図33C参照)。
このように、押し順に応じて発生するフリーズ演出種別(フリーズ未発生を含む)が異なるため、遊技者が闇雲に停止操作を行ってしまうと、目的としないフリーズ演出が発生してしまったり、フリーズ演出が未発生になったりしてしまうことになる。
そこで本実施形態では、今回のゲームで発生させるべきフリーズ演出に対応する押し順情報をアシスト報知し(以下、フリーズ演出発生契機となる押し順に関する情報を報知する報知態様を「フリーズ用アシスト報知」と称する)、遊技者に対して、このアシスト報知により指定される押し順通りに停止操作させることにより、フリーズ演出種別(フリーズ未発生を含む)が定まるようになっている。つまり、このフリーズ用アシスト報知の内容が、実質的に、今回のゲームで発生するフリーズ演出種別を指定するものになる。このことは、主制御部400側がフリーズ演出種別を決定するのではなく、専ら演出制御部410側がフリーズ演出種別を決定していることを意味する。この点、フリーズA1〜E3のように、主制御部400側がフリーズ演出種別自体を決定してしまい、押し順とは無関係に発生する「押順不問フリーズ演出」とは大きく異なる。
上記フリーズ用アシスト報知をどのような報知内容のアシスト報知とするかについては、演出制御部410側において、図32A〜図32Cの「特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」による「フリーズ用アシスト報知抽選」により決定される。ここで決定されたアシスト報知の内容が、今回のゲームで発生させるフリーズ演出種別を実質的に指定することになる(後述の図32D〜図32Eのフリーズ演出用アシスト報知抽選テーブルについても同様)。
(特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル:図32A〜図32C)
上記「特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」には、現在の演出状態に応じて利用される、図32Aの「通常中(非AT遊技中)特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」、図32Bの「準備ART遊技中(AT1遊技中)特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」、および図32Cの「本ART・上乗せ特化中(AT2・AT3遊技中)特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」が含まれる。
なお、上記演出状態(演出制御部側遊技状態)については、AT遊技種別(非AT遊技、AT遊技1〜3の別)だけを管理しても良いが、本実施形態では、演出状態をさらに細分化して、次のように管理可能に構成されている。
演出制御部410側では、演出状態について、主制御部400側からの特定の演出制御コマンド(たとえば、主制御部側遊技状態情報を含む遊技情報開始コマンドなど)に基づき、主制御部側遊技状態と整合性を保つ形で、遊技進行上、演出の発生に不具合が生じないように管理されている。すなわち、演出制御部410側では、RT遊技種別とAT遊技種別(非AT遊技)とを管理可能に構成されており、遊技機全体としての遊技状態を把握できるようになっている。
遊技状態についての詳細は図6〜図7にて後述するが、たとえば、現在、主制御部側遊技状態がRT0遊技であり、かつ非AT遊技であれば演出状態を「通常状態(通常中)」として管理し、主制御部側遊技状態がRT0遊技であり、かつ後述の昇格リプレイ報知前兆AT遊技であれば演出状態を「昇格リプレイ報知前兆AT遊技」として管理し、主制御部側遊技状態がRT1遊技であり、かつ演出状態がAT1遊技であれば「準備ART遊技(RT1遊技+AT1遊技)」として管理し、主制御部側遊技状態がRT2遊技であり、かつAT2遊技であれば「本ART遊技(RT2遊技+AT2遊技)」として管理し、主制御部側遊技状態がRT2遊技であり、かつAT3遊技であれば「上乗せ特化ゾーン(RT2遊技+AT3遊技)」として管理される。
なお、遊技者の誤停止操作などにより、準備ART遊技(RT1遊技)中または本ART遊技(RT2遊技)中に転落契機役を入賞させてしまい、RT0遊技に転落移行される場合がある。たとえば、準備ART遊技中に転落した場合であれば「RT0遊技+AT1遊技」という、通常は発生予定のない不整合な遊技状態となる。このような場合も想定し、演出制御部410側では、不整合遊技状態として、「RT0遊技+AT1遊技」を「転落中準備ART遊技」として管理し、「RT0遊技またはRT1遊技+AT2遊技」、「RT0遊技またはRT1遊技+AT3遊技」を「転落中本ART遊技」として管理可能に構成されている。したがって、演出状態が「AT1遊技」の場合には、準備ART遊技または転落中準備ART遊技の場合があり、「AT2遊技」の場合には、本ART遊技または転落中本ART遊技の場合がありうる。
したがって、上記図32Bの「準備ART遊技中(AT1遊技中)特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」は、準備ART遊技中または転落中準備ART遊技中で利用される場合があり、上記図33Cの「本ART・上乗せ特化中(AT2・AT3遊技中)特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」は、本ART遊技中、上乗せ特化ゾーン中、または転落中本ART遊技中で利用される場合がある。
なお本実施形態では、AT遊技3中に転落した場合はAT2遊技に移行され、上乗せ特化ゾーンが強制的に終了するようになっている。ただし以下では、説明の便宜上、特に必要のない限り、不整合遊技状態は発生しないものとして説明し、また、遊技者がアシスト報知内容に従うことを前提に回胴を停止操作するものとして説明する。
上記各特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブルには、当選役種別(ここでは、特殊AT1〜6)と、発生対象とするフリーズ演出種別に対応したフリーズ用アシスト報知種別とが関連付けて定められており、図32A〜図33C中に示した抽選(選択)確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))に応じて、図示のフリーズ用アシスト報知が選択される。
抽選対象となるフリーズ用アシスト報知種別については、通常(非AT遊技)中においては、フリーズF1〜F5に対応するフリーズ用アシスト報知種別が抽選対象とされ(図32A参照)、準備ART遊技(AT1遊技)中においては、フリーズ演出の‘発生無し(未発生)’を含め、フリーズF2、F4、F5に対応するフリーズ用アシスト報知種別が抽選対象とされ(図32B参照)、本ART遊技(AT2遊技)中および上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)中においては、‘発生無し(未発生)’を含め、フリーズF7〜F9に対応するフリーズ用アシスト報知種別が抽選対象とされる(図32C参照)。たとえば、現在の遊技状態が「通常遊技(RT0遊技+非AT遊技)」で当選役が特殊AT1であれば、図32Aの「通常中特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」が参照され、フリーズF1に対応するフリーズ用アシスト報知が抽選確率「32/128」で、フリーズF2に対応するフリーズ用アシスト報知が抽選確率「34/128」で、フリーズF3に対応するフリーズ用アシスト報知が抽選確率「20/128」で、フリーズF4に対応するフリーズ用アシスト報知が抽選確率「20/128」で、フリーズF5に対応するフリーズ用アシスト報知が抽選確率「22/128」で抽選されるようになっている。
(特殊AT用フリーズ演出選択テーブル:図33A〜図33C)
次に、図33A〜図33Cに示す「特殊AT用フリーズ演出選択テーブル」について説明する。この特殊AT用フリーズ演出選択テーブルは、押し順に基づいて、今回のゲームで実際に発生させるフリーズ演出種別を決定するために利用されるものであり、フリーズを実行制御する主制御部400側において利用される(後述の図33D〜図33Eに示すフリーズ演出選択テーブルについても同様)。
上記「特殊AT用フリーズ演出選択テーブル」には、図33A〜図33Cに示すように、現在の遊技状態種別(主制御部側遊技状態のRT0遊技、RT1遊技、RT2遊技の別:図6参照)に応じて利用される「RT0遊技中特殊AT用フリーズ演出選択テーブル」、「RT1遊技中特殊AT用フリーズ演出選択テーブル」、および「RT2遊技中特殊AT用フリーズ演出選択テーブル」が含まれる。なお、演出状態に関する情報(AT遊技種別情報)については、演出制御部410側から主制御部400側に対し、その情報を送信することができないため(不正行為防止による一方向通信のため)、主制御部400側では演出状態について把握することができない。このため主制御部400側では、自身で管理するRT遊技種別に基づいて、上記特殊AT用フリーズ演出選択テーブルを選択するようになっている(図33D〜図33Eのフリーズ演出選択テーブルについても同様)。
上記各特殊AT用フリーズ演出選択テーブルには、当選役種別(ここでは、特殊AT1〜6)ごとに、押し順とフリーズ演出種別とが関連付けて定められており、押し順に対応したフリーズ演出種別が選択されるようになっている。たとえば、現在の遊技状態(主制御部側遊技状態)が「RT0遊技中」で当選役が特殊AT1の場合において、「左中右」の押し順が実行された場合、全回胴回転停止後フリーズ演出である「フリーズF5」が選択される(図33Aの特殊AT1の欄参照)。これにより、全回胴停止後に60秒間のフリーズ状態が発生されるようになっている。
(フリーズF1〜F5、F7〜F9の発生過程について)
次に、図32A〜図32Cおよび図33A〜図33Cを参照して、フリーズF1〜F5、F7〜F9に関するフリーズ演出の発生過程について具体的に説明する。本実施形態では、特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合、演出制御部410側と主制御部400側とが連係した遊技動作制御により、次のようにして、目的のフリーズ演出を発生させるようになっている。
まず、主制御400側における内部抽選により特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合(当選役として決定された場合)、その当選情報が演出制御コマンド(たとえば、後述の図8のステップS16の内部抽選処理中でセットされる「遊技開始情報コマンド」)により主制御部400側から演出制御部410側に送られる。演出制御部410側は、特殊AT1〜6に当選したことを把握すると、現在の演出状態に対応した「特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル(図32A〜図32C)」を参照して、フリーズ用アシスト報知の内容を抽選により決定し、その決定されたアシスト報知を、回胴回転始動レバー11の操作時または回胴始動時などの回胴が停止操作される前段階の所定のタイミングで現出させる。これは、フリーズ演出の発生に押し順が関係するため、回胴が停止操作される前段階でアシスト報知を現出させる必要があるからである。そして、回胴の停止操作が行われた場合、主制御部400側では、現在の主制御部側状態に対応した「特殊AT用フリーズ演出選択テーブル(図33A〜図33C)」を参照し、押し順に対応するフリーズ演出を決定して、決定したフリーズ演出に対応したフリーズ中メイン側演出(回胴演出)を実行制御するとともに、そのフリーズ演出種別情報を演出制御部410側に送信する。演出制御部410側では、そのフリーズ演出種別に対応したフリーズ中サブ側演出を演出手段に対し現出制御する。これにより、フリーズ中メイン側演出(回胴演出)とフリーズ中サブ側演出(演出手段による演出)とによるフリーズ状態中おける演出が実現されるようになっている。
(リプレイB当選時のフリーズ演出(フリーズG1)について:図32D、図33D)
次に、リプレイB1〜B3に当選した場合のフリーズ演出について説明する。本実施形態では、リプレイB1〜B3に当選した場合のフリーズ演出として、フリーズG1またはフリーズG2が発生しうる。ここでは、フリーズG1について説明し、フリーズG2については後述する。また上記特殊ATと実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
本実施形態の場合、準備ART遊技(RT1遊技+AT1遊技)中において、リプレイB1〜B3が当選した場合、「フリーズG1」を発生させるようになっている。リプレイB1〜B3が当選した場合についても、上述した特殊ATの場合と同事象のように、押し順に応じてフリーズ演出を発生させる形態である。具体的には、図32Dに示す「準備ART中(AT1遊技中)リプレイB当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」によりフリーズ用アシスト報知を決定し、図33Dに示す「準備ART中(RT1遊技中)リプレイB用フリーズ演出選択テーブル」により押し順に対応したフリーズ演出種別が決定されるようになっている。
(準備ART中リプレイB当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル:図33D)
上記「準備ART中(AT1遊技中)リプレイB当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」は、演出制御部410側において、演出状態が準備ART遊技(AT1遊技)の場合に参照され、図32A〜図32Cの「特殊AT当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」と同様に、当選役種別(ここでは、リプレイB1〜B3)と、発生対象とするフリーズ演出種別(ここでは、フリーズG1)に対応したフリーズ用アシスト報知種別とが関連付けて定められており、図32D中に示した抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))に応じて、図示のフリーズ用アシスト報知が選択される。
本実施形態の場合、フリーズG1用のフリーズ用アシスト報知が100%で選択される。このフリーズ用アシスト報知により指定される押し順は、リプレイB1〜B3に係る特殊リプレイが入賞する押し順となっている。
ただし本実施形態では、リプレイB1〜B3に係る特殊リプレイの押し順のうち、一部がフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てられており、その押し順がフリーズ用アシスト報知により報知される。具体的には、たとえば、リプレイB1の場合、特殊リプレイ入賞となる押し順は、第1停止操作に「右回胴5c」とする「右中左」と「右左中」との2通りであるが、そのうち、「右中左」をフリーズ演出発生契機となる押し順として割り当てられており(後述の図33DのリプレイB1の欄参照)、この押し順がフリーズ用アシスト報知により報知される。なお、押し順のうちの一部がフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てられている理由については後述する。
(準備ART中(RT1遊技中)リプレイB用フリーズ演出選択テーブル:図33D)
次に、図33Dに示す「準備ART中(RT1遊技中)リプレイB用フリーズ演出選択テーブル」について説明する。このRT1遊技中リプレイA用フリーズ演出選択テーブルは、図32A〜図32Cの「フリーズ演出選択テーブル」と同様に、押し順に基づいて、今回のゲームで実際に発生させるフリーズ演出種別を決定するために利用されるものであり、主制御部400側において利用される。この「準備ART中(RT1遊技中)リプレイB用フリーズ演出選択テーブル」により、RT1遊技中において、リプレイB1〜B3に係る特殊リプレイが入賞となる押し順(ここでは、一部の押し順)である場合にはフリーズG1が選択され、それ以外の押し順である場合には、フリーズ演出が発生されないようになっている。
本実施形態では、準備ART遊技中において、リプレイB1〜B3が当選した場合に、フリーズ用アシスト報知により、本ART遊技(疑似ボーナス)への移行契機役である「特殊リプレイ」を入賞させるようにして「フリーズG1」を発生させる。そして、このフリーズG1は、本ART遊技(疑似ボーナス)移行を告知するための「疑似ボーナス告知演出」として利用されるようになっている。
(特定役当選時(リプレイB1〜B3、AT3〜AT4)フリーズ演出(フリーズG2)について:図32E、図33E)
次に、特定の抽選対象役に当選した場合のフリーズG2の発生について説明する。本実施形態では、後述の「上乗せ特化ゾーン(RT2遊技+AT遊技3)」において、リプレイ、リプレイB1〜B3、AT3〜AT4のいずれかに当選した場合、フリーズG2を発生させるようになっている。この場合も上述した特殊ATの場合と同事象のように、押し順に応じてフリーズ演出を発生させる形態となっている。
(上乗せ特化中AT・リプレイB当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル:図32E)
図32Eの「上乗せ特化中AT・リプレイB当選時フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」は、演出制御部410側において、演出状態が上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)の場合に参照され、図32A〜図32Dのフリーズ演出用アシスト報知抽選テーブルと同様に、当選役種別(ここでは、AT3〜4またはリプレイB1〜B3)と、フリーズ演出種別(ここでは、フリーズG2)に対応したフリーズ用アシスト報知種別とが関連付けて定められており、図32E中に示した抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))に応じて図示のフリーズ用アシスト報知が選択される。
フリーズG2に対応するフリーズ用アシスト報知により指定される押し順は、AT3とAT4については有利入賞役(ベル1)が入賞する押し順となっており、リプレイB1〜B3については特殊リプレイが入賞する押し順となっている。
ただし本実施形態では、AT3とAT4に係る有利入賞役の押し順のうち、一部がフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てられており(後述の図33EのAT3、AT4の欄参照)、またリプレイB1〜B3に係る特殊リプレイの押し順のうち、一部がフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てられており(後述の図33EのリプレイB1〜B3の欄参照)、その押し順がフリーズ用アシスト報知により報知される。なお、押し順のうちの一部がフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てられている理由については追って説明する。
(RT2遊技中AT・リプレイB用フリーズ演出選択テーブル:図33E)
次に、図33Eの「RT2遊技中AT・リプレイB用フリーズ演出選択テーブル」について説明する。このRT2遊技中AT・リプレイB用フリーズ演出選択テーブルは、図33A〜図33Dの「フリーズ演出選択テーブル」と同様に、押し順に基づいて、今回のゲームで実際に発生させるフリーズ演出種別を決定するために利用されるものであり、主制御部400側において利用される。この「RT2遊技中AT・リプレイB用フリーズ演出選択テーブル」により、RT2遊技中において、AT3とAT4については有利入賞役(ベル1)が入賞する押し順(ここでは、一部の押し順)である場合に、またリプレイB1〜B3については特殊リプレイが入賞する押し順(ここでは、一部の押し順)である場合に、フリーズG2が発生され、それ以外の押し順である場合には、フリーズ演出が発生されないようになっている。
本実施形態では、上乗せ特化ゾーン中において、AT3〜4またはリプレイB1〜B3が当選した場合に、フリーズ用アシスト報知によりフリーズG2を発生させる。このフリーズG2は、後述の上乗せ抽選(図33参照)による上乗せゲーム数を告知する「上乗せ告知演出」として利用される。
以上に説明したように本実施形態では、特定の抽選対象役に対してフリーズ演出(フリーズ状態)が発生する押し順を割り当て、演出制御部410側のアシスト報知制御(フリーズ用アシスト報知)により、フリーズ演出の発生をコントロールすることができるようになっている。これにより、次のような特有の効果を奏することができる。
従来の遊技機(たとえば、特開2009−285173号公報記載の回胴式遊技機)では、フリーズ状態の発生が専ら内部抽選に依存するため(内部抽選およびその結果に基づくフリーズ演出抽選にのみ依存するため)、フリーズ状態の発生がまさに偶然の産物となっていた。その結果、遊技機側が所定の遊技情報、たとえば、疑似ボーナスの当否状態(たとえば、本ART遊技または準備ART遊技への移行当否(後述のAT抽選(昇格リプレイ報知抽選:図27)の当否)に関する情報や、疑似ボーナス移行時(本ART遊技や準備ART遊技への移行時)や、上乗せ抽選当選(図29〜図30)時など、遊技者に有利に作用する特定の遊技状態への移行・当選、あるいは特定の遊技価値を付与に関する情報を報知したいタイミングでフリーズ状態を発生させることができず、これに伴い、インパクトのある演出を現出することができない、といった問題があった。
特に、演出制御部410側で管理される演出状況(演出制御部410側で管理される演出状態や演出処理状態)、たとえば、疑似ボーナスの当否状態(たとえば、本ART遊技または準備ART遊技への移行当否(後述のAT抽選(昇格リプレイ報知抽選)の当否)や、昇格リプレイ報知条件成立状態(AT抽選当選状態)、本ART遊技や準備ART遊技への移行時、上乗せ抽選当選などの演出処理状態や演出状態の変化については、不正行為防止の観点からその情報を主制御部400側に知らせることができず、フリーズ状態を制御する主制御部400側では上記のような演出状況を知ることができない。その結果、主制御部400側では、フリーズ状態を発生させるタイミングが専ら主制御部400側の抽選結果だけに依存するしかなく、演出制御部410側で管理される演出状況に対応したフリーズ演出を発生させることができず、フリーズ演出の自由度が制限的なものになっていた。
また従来の遊技機のように、主制御部400側が専らフリーズ状態種別を決定してしまう構成、具体的には、主制御部400側における内部抽選結果とこれに基づくフリーズ演出抽選とによりフリーズ状態種別そのものが決定されて、当該ゲームにおいてこれに起因したフリーズ演出を現出させる、といった構成では、フリーズ状態種別が専ら主制御部400側の抽選結果だけに依存してしまい、フリーズ演出のバリエーションが制限的になっていた。
またパチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則上、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部400に相当する)に装着されるROM(本実施形態では、ROM401aに相当する)のプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(ホ)(第6条関係))、主制御部400側がフリーズ演出全般の制御を司るのではプログラム容量が増大してしまい、これに伴い、制御負担も増加してしまう。
そこで本実施形態では、特定の抽選対象役に対してフリーズ演出が発生する押し順を割り当て、その押し順を実行すれば必ずフリーズ状態(フリーズ演出)が発生するように構成し、演出制御部410側で、当該フリーズ演出を発生させるための押し順情報をアシスト報知することで、演出制御部410側で管理される演出状況(演出処理状態)に応じてフリーズ演出の発生やその種別をコントロールすることができるようになっている。本発明では、主制御部400と演出制御部410とをうまく連携させることにより、内部抽選結果だけに依存することなく、フリーズの発生・未発生を遊技機側が主導的にコントロールすることができるようにし、これにより、上記問題点を解決することができるようになっている。
斯様な構成を有する本発明によれば、たとえば、次のような作用効果を奏することができる。
(A−1)演出制御部410側で管理される特典遊技(たとえば、疑似ボーナス)への移行当選・非当選(疑似ボーナス移行抽選結果)に応じて、フリーズ演出を発生・未発生をコントロールすることができる。本実施形態の場合、準備ART遊技への移行契機役として働く「特殊AT1〜6」のいずれかに当選した場合、演出制御部410側によるアシスト報知制御により、「フリーズF1〜F5」のいずれかを発生させることができる(図32A、図33A参照)。これにより、疑似ボーナス移行抽選当選時には、インパクトのあるフリーズ演出を発生させてその旨を報知し、遊技者を祝福したり、遊技者の高揚感を煽ったりすることができる。
(A−2)また疑似ボーナス(本ART遊技)移行確定時において、フリーズ演出を発生させることができる。本実施形態の場合、既に説明したように、準備ART遊技中(本ART遊技移行前段階の遊技状態:本ART遊技移行準備状態)において、疑似ボーナス(本ART遊技)への移行契機役として働く「リプレイB1〜B3」のいずれかに当選した場合、演出制御部410側によるアシスト報知制御により、「フリーズG1」を発生させることができる(図32D、図33D参照)。これにより、本ART遊技(疑似ボーナス)移行時には、インパクトのあるフリーズ演出(疑似ボーナス移行告知演出)を発生させてその旨を報知し、遊技者を祝福したり、遊技者の高揚感を煽ったりすることができる。
(C)準備ART遊技において、後述の本ART遊技継続ゲーム数(たとえば、40ゲーム)の上乗せ確定時に、フリーズ演出を発生させることができる。本実施形態の場合、準備ART遊技中に「特殊AT1〜6」のいずれかに当選した場合、演出制御部410側によるアシスト報知制御により、「フリーズF2、F4、F5」を発生させることができる(図32B、図33B参照)。
(D)本ART遊技や上乗せ特化ゾーンにおいて、本ART遊技継続ゲーム数の上乗せ確定時に、フリーズ演出を発生させることができる。本実施形態の場合、本ART遊技または上乗せ特化ゾーン中に、特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合には「フリーズF7〜F9」を、上乗せ特化ゾーンにおいてAT3〜AT4またはリプレイB1〜B3のいずれかに当選した場合には「フリーズG2」を、演出制御部410側によるアシスト報知制御により発生させることができる(図32C、図33C、図32E、図33E参照)。これにより、本ART遊技継続ゲーム数の上乗せ確定時に、インパクトのあるフリーズ演出を発生させてその旨を報知し、遊技者を祝福したり、遊技者の高揚感を煽ったりすることができる。
(D)特定の抽選対象役(ここでは、特殊AT1〜6、AT3〜AT4、またはリプレイB1〜B3など)に対しフリーズ演出発生契機となる押し順と、そうでない押し順とを割り当てることにより、フリーズ演出の発生について、次のようにコントロールすることができる。これについて、以下、詳細に説明する。なお説明の便宜上、先にAT3〜AT4について説明する。
(AT3、AT4について)
(D−1)AT3〜AT4について、AT3は押し順が「中左右」の場合に、AT4は「右左中」の場合に、上記フリーズG2が発生するように、その押し順のうちの一部がフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てられている。上述のフリーズG2が発生する押し順は「ベル1(有利入賞役)」が入賞する押し順の一部となっている。
したがって、演出制御部410側によるアシスト報知制御により、同じ入賞役が入賞する場合であっても、フリーズ演出が発生する場合と発生しない場合とを作り出すことができる。またAT3〜4のような押順規定役について、有利入賞役が入賞する場合にフリーズ演出を発生させ、不利入賞役が入賞する場合にはフリーズ演出を発生させない、といったこともできる(図33E参照)。これにより、次のような効果を奏することができる。
本実施形態では、AT3〜AT4について、同種の性能を持つAT1〜AT2と同じように、本ART遊技中においては有利入賞役側のベル1(有利入賞役)が入賞する押し順がアシスト報知され、上乗せ特化ゾーンにおいても同様に、ベル1が入賞する押し順がアシスト報知され、これにより、遊技者に大きな利益を付与しうるようになっている(図6、図7参照)。
ここで、仮に、ベル1を入賞させる押し順すべてをフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てた場合(または、ベル1を入賞させる押し順が1種類しかない場合)、AT3またはAT4が当選すると、ベル1を入賞させる押し順がアシスト報知されるために、AT3またはAT4が当選する度にフリーズ演出が発生してしまうことになる。特にAT3とAT4は、本ART遊技においては、本ART遊技継続ゲーム数に係る上乗せ抽選契機役として機能しないので(図29参照)、何ら特典が何ら付与されない場合にもフリーズ演出が発生してしまうのでは、遊技者に不信感を与えてしまう。また本実施形態のように、不利入賞役側の「ベル2」がRT0遊技へと転落させる転落契機役として作用する入賞役である場合、特典遊技である「本ART遊技」中や「上乗せ特化ゾーン」中において、このベル2の入賞を回避させつつ、有利入賞役側のベル1を入賞させて遊技者の利益を確保する必要が生じる。
そこで本実施形態では、有利入賞役側のベル1が入賞する押し順を複数種類設け、その一部をフリーズ演出発生契機となる押し順に割り当てることで、演出制御部410側のアシスト報知制御により、本ART遊技(RT2遊技+AT2遊技)においては、フリーズG2が発生しない押し順情報をアシスト報知してフリーズ演出契機役としての作用を無効化するようにし(フリーズ演出を発生させない)、上乗せ特化ゾーン(RT2遊技+AT3遊技)においてはフリーズG2を発生させる押し順情報をアシスト報知してフリーズ演出契機役として有効化し(フリーズ演出を発生可能とする)、同じ有利入賞役側のベル1が入賞する場合であってもフリーズ演出が発生する場合と発生しない場合とを作り出ことを可能にして、上記問題点を解決することができるようになっている。また上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ抽選結果に応じて、有利入賞役側のベル1を入賞させつつも、フリーズ演出が発生する場合と発生しない場合とを定めることで、フリーズ演出のバリエーションを向上させ、遊技に面白みを与えることができる。
また、本ART遊技中と上乗せ特化ゾーンの主制御部側遊技状態が同一のRT2遊技となっている。このことは、主制御部側遊技状態が同一の遊技状態(ここでは、RT2遊技)下において、演出制御部410側のアシスト報知制御により、フリーズ演出契機役としての機能を無効化・有効化することができることを意味する。
従来の遊技機では、主制御部400側だけでフリーズ状態(フリーズ演出)の発生の有無を制御しているので、演出制御部410側の演出状況に応じて、フリーズ演出の発生の有無をコントロールすることができない。従来の遊技機において、本実施形態に係るAT3またはAT4の機能を持つフリーズ演出契機役を設けるには、本ART遊技と上乗せ特化ゾーンとで、主制御部側遊技状態を異なる遊技状態として管理させ、AT3またはAT4が当選した場合に本ART遊技ではフリーズ演出を発生させない、上乗せ特化ゾーンでは、たとえば、図29のようなフリーズ演出抽選によりフリーズ演出を発生させるという制御が必要になる。しかしRT遊技種別を増やしてフリーズ演出の発生の有無を制御することは、主制御部400側の制御負担の増大に繋がってしまう。
これに対し本実施形態では、無闇にRT遊技種別を増やすことなく、主制御部側遊技状態が同一の遊技状態下において、フリーズ演出契機役としての機能を無効化・有効化することができる。このように、演出制御部410側がフリーズ演出の発生制御の一端を担うことで、主制御部400側の制御負担が増してしまうことを回避しつつ、フリーズ演出のバリエーションを向上させている。
また本実施形態では、上乗せ特化ゾーンにおいてAT3またはAT4が当選した場合、演出制御部410側のアシスト報知制御により、上乗せ時(特典付与時)にはフリーズG2が発生する押し順が報知され、非上乗せ時(特典非付与時)にはフリーズG2が発生しない押し順が報知されるようになっており(図32E、図33E参照)、同一遊技状態(主制御部側遊技状態と演出制御部側遊技状態とが同一の遊技状態)下において、同じベル1が入賞する場合であっても、フリーズ演出が発生する場合と発生しない場合とを作り出すことができる。このことは、同一遊技状態下において同じ当選役が決定された場合であっても、演出制御部410側のアシスト報知制御(フリーズ用アシスト報知)により、フリーズ演出の発生の有無をコントロールできることを意味する。これにより、フリーズ演出を多彩なものとすることができるようになっている。
(リプレイB1〜B3について)
リプレイB1〜B3については、図32Eおよび図33Eに示すように、同じ有利入賞役側の特殊リプレイが入賞する場合であってもフリーズ演出が発生する場合と発生しない場合とを作り出ことを可能にして、上記したAT3〜AT4と同様の効果を奏することができるようになっている。具体的には、本ART遊技中は、転落リプレイを回避させつつ、通常リプレイを入賞させるための押し順がアシスト報知され、上乗せ特化ゾーンにおいては特殊リプレイを入賞させるための押し順がアシスト報知(フリーズ用アシスト報知)されうるようになっている。これにより、上乗せ抽選契機役として作用しない遊技状態中に「特殊リプレイ」が入賞して遊技者に不信感を与えたり、不必要にフリーズ演出が発生しないようにしたりすることができる。特に「特殊リプレイ」は、準備ART遊技から本ART遊技への移行契機となる昇格契機役として機能することから、上乗せ特化ゾーンのような特殊な遊技状態以外で無闇に出現させてしまうことは、遊技者に対し「何らかの遊技価値が付与されうるのではないか?」という疑念を抱かしてしまうので好ましくない。本実施形態では、このような問題も回避することができるようになっている。
(特殊AT1〜6について)
特殊AT1〜6については、複数種類のフリーズ演出に対してフリーズ演出発生契機となる押し順を複数種類割り当て、各押し順に対して異なるフリーズ演出を発生させることができるようになっている(図32A〜図32C、図33A〜図33C参照)。本実施形態ではこれを利用し、特殊ATに関しては、有利入賞役(特殊小役1〜6)が入賞する押し順に対応するフリーズ演出が発生した場合、後述の上乗せゲーム数抽選(図28〜図30)などの優遇度合いが高くなる(遊技者に有利に作用する)ようになっている。また、特殊AT1〜6の当選確率はほぼ同じ当選確率(同一であっても良い)であるが、一部の特殊AT(たとえば、特殊AT6)については、他の特殊ATが当選した場合よりも、フリーズF5やフリーズF9の選択率が優遇されるようにし、同一または略同一の当選確率の同種の抽選対象役であっても、遊技価値の軽重をつけることができる。これにより、同種類の役のバリエーションの自由度が増し、遊技性を向上させることができる。
(E)上記不整合遊技状態下である場合に(本実施形態の場合、上記「転落中準備ART遊技状態(RT0遊技+AT1遊技)」や、「転落中本ART遊技状態(「RT0遊技+AT2遊技」または「RT1遊技+AT2遊技」など)である場合)、イレギュラーなフリーズ演出が発生することを回避することができる。
主制御部400側では、不正行為防止の観点から、現在、演出制御部410側の演出進行状況を把握することができない。これは、既に説明したように、外部からのゴト行為を防止するため、演出制御部410側は一方向通信における入力としてのみ機能するようになっており、演出制御部410側から何らかの情報を主制御部400側には送信することができないからである。このため主制御部400側ではRT遊技種別だけを管理しており、不整合遊技状態であるか否かを把握することができない。これにより次のような問題が生じうる。
遊技者の誤停止操作により、たとえば、疑似ボーナス中(本実施形態では、本ART遊技中)であったにもかかわらず、高確率RT遊技(ARTに係るRT遊技)から低確率RT遊技(非ART遊技に係るRT遊技)への転落契機役(本実施形態では、転落リプレイやベルこぼし目)が入賞して、低確率RT遊技に転落してしまった場合、(本実施形態では、「転落中本ART遊技(RT0遊技+AT2遊技)」)となった場合に、本来の本ART遊技に復帰させるように遊技者を救済する「救済機能」を設けたものが実用化されている。本実施形態の場合、AT1遊技またはAT2遊技発生中(準備ART中または本ART遊技中)に転落契機役が入賞して「RT0遊技」に転落移行した場合(本実施形態では、AT3遊技中に転落した場合は、演出制御部側遊技状態がAT2遊技に移行される)、その転落先のRT0遊技中において、「昇格リプレイ報知」や「特殊リプレイ報知」を行い、再度、RT1遊技またはRT2遊技に昇格移行させ、準備ART遊技または本ART遊技に復帰移行させる。
この場合について、たとえば、本ART遊技中に転落した場合の復帰遊技ルートとしては、「転落中本ART遊技(RT0遊技+AT2遊技)」中にリプレイA1〜A3当選した場合、昇格リプレイの押し順を報知して、一旦、準備ART遊技に準じた転落状態である「RT1遊技+AT2遊技」に昇格移行させる。そして、この「RT1遊技+AT2遊技」中にリプレイB1〜B3に当選した場合、特殊リプレイの押し順を報知して、本来の本ART遊技(RT2遊技+AT2遊技)に復帰移行させる。
このような復帰遊技ルートを辿る場合、イレギュラーなフリーズ演出が発生してしまうことを回避させることが好ましい。無闇にフリーズが発生してしまうと、遊技者に何らかの特典が付与しうる状況が発生したものと勘違いさせてしまい、好ましくないからである。
そこで本実施形態では、復帰遊技ルートを辿る場合において、不必要なフリーズ演出(不必要な押順規定フリーズ演出)を回避しながら転落状態から現状復帰させるべく、次のようにして、上記問題を解決することができるようになっている。
(復帰中リプレイB種当選時)
復帰遊技ルートを辿る場合において、準備ART遊技に準じた「RT1遊技+AT2遊技」中にリプレイB1〜B3に当選した場合、図33Dに示すフリーズG1に対応する押し順以外の押し順を報知し、フリーズG1を発生させないようにする。これにより、転落状態中にリプレイB1〜B3に当選してもフリーズG1が発生せずに、本来の本ART遊技(RT2遊技+AT2遊技)に復帰させることができる。
(復帰中特殊AT当選時)
また復帰遊技ルートを辿る場合において、「転落中本ART遊技(RT0遊技+AT2遊技)」において特殊ATが当選した場合には、図33Aに示す「未発生」に対応する押し順情報をアシスト報知(復帰用アシスト報知)してフリーズ演出(フリーズF1〜F5)を発生させないようにする。また昇格リプレイ入賞により準備ART遊技に準じた「RT1遊技+AT2遊技」に移行し、その移行先の「RT1遊技+AT2遊技」において特殊ATが当選した場合には、図33Bに示す「フリーズF2、F4、F5」以外に対応する押し順情報をアシスト報知してフリーズ演出を発生させないようにする。これにより、転落状態中に特殊ATに当選しても、フリーズ演出が発生しないようになっている。
(AT3〜AT4当選時)
なお復帰遊技ルートを辿る場合において、AT3〜AT4が当選した場合、本実施形態では、転落状態中における演出制御部側遊技状態は「AT2遊技」下とされるので(本実施形態では、上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)中に転落した場合は、演出制御部側遊技状態がAT2遊技に移行される)、フリーズG2が発生しない押し順がアシスト報知される(図32E)。これにより、転落状態中にAT3〜AT4に当選しても、フリーズ演出が発生しないようになっている。
以上のように復帰遊技ルートを辿る場合は、正規ルートを辿る場合におけるフリーズ演出が発生しない押し順情報をアシスト報知(復帰用アシスト報知)して、不必要なフリーズ演出が発生されないように制御される。これにより、不必要なフリーズ演出を回避しながら転落状態から現状復帰することができる。
なお本実施形態では、フリーズ演出種別として、図35A〜図35Bに示すフリーズ演出種別を例示してあるが本発明はこれに限定されない。「フリーズ状態」については、たとえば、(イ)1ベットボタン9操作またはMAXベットボタン8操作による遊技メダル賭数設定動作(遊技メダル投入処理動作)、(ロ)回胴回転始動レバー11操作による回胴の回転始動動作(回胴の回転開始動作に係る処理)、(ハ)回胴回転停止ボタン12操作(回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cの少なくともいずれか一つ)による回胴の回転停止動作(回胴の停止制御に係る処理動作)、(ニ)遊技メダルの払い出し動作(遊技メダルの払い出し動作に係る処理動作)、(ホ)再遊技作動(リプレイを付与するための再遊技作動に係る処理動作)、などの遊技進行(遊技動作処理)のうち少なくとも一部を遅延させる状態(通常の遊技(ゲーム)進行よりも遅延させる状態)を「フリーズ」として制御することができる。また、このフリーズ状態を利用して現出(実行)される何らかの演出態様(フリーズ中メイン側演出(回胴演出)および/またはフリーズ中サブ側演出(演出手段による演出))を「フリーズ演出」と称する場合がある。なお、フリーズ状態は、その発生により遊技者に対して違和感を与えることができるという点から、フリーズ状態の発生自体を演出として利用する、たとえば、フリーズ状態発生時にフリーズ発生時演出が現出されない、といった形態も上記「フリーズ演出」として扱うことができる。
以上に説明した本実施形態は、次のように構成することができる。
複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図8のS16、役抽選テーブル(図24))と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図8のS19)と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御する遅延状態制御手段(図8のS17、図9〜図16のフリーズに関する処理)と、
遊技に関する演出を実行するための演出手段と、
前記演出手段に対する演出制御手段(演出制御部410)と、
を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記役抽選手段の抽選対象となる役には、
前記停止制御手段により、前記複数の停止手段を操作する押し順が所定の手順である場合には第1の所定量の遊技媒体の付与を伴う第1の図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうる一方、当該押し順が当該所定の手順とは異なる手順である場合には前記第2の所定量の遊技媒体の付与を伴う第2の図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように定められた押順規定役(たとえば、AT3やAT4)が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記役抽選手段により前記押順規定役が前記当選役として決定されたことに基づき、その当選役に対応した前記押し順に関する情報を報知するアシスト報知を前記演出手段に対して実行制御するアシスト報知制御手段(図21のS619)を備え、
前記遅延状態制御手段は、
前記役抽選手段により前記押順規定役が前記当選役として決定された場合において、前記所定の手順である場合には前記遅延状態(たとえば、図33EのフリーズG2)を実行する一方、前記所定の手順と異なる手順である場合には前記遅延状態を実行しないように構成することを特徴とする。
なお、前記第1の所定量の遊技媒体の付与を伴う第1の図柄の組合せとして、たとえば、有利入賞役(ベル1)を採用することができ、前記第2の所定量の遊技媒体の付与を伴う第2の図柄の組合せとして、たとえば、不利入賞役(ベル2(ベル1よりも配当枚数が少すくない))を採用することができる。
また、前記第1の図柄の組合せと前記第2の図柄の組合せとは、同じ図柄の組合せ(たとえば、ベル1)とすることができる。また、前記第1の図柄の組合せと前記第2の図柄の組合せとを同じ図柄の組合せとし、かつ前記第1の所定量と前記第2の所定量とを同一量、換言すれば、同じ性能を有する遊技結果(入賞役(たとえば、ベル1))とすることができる。つまり、同じベル1が揃う場合であっても、ベル1が揃う押し順について、フリーズが発生する押し順とフリーズ未発生となる押し順とを割り当てることができる(図25A、図33E参照)。
また前記押順規定役は、前記所定の押し順である場合において、一の遊技状態(たとえば、RT0遊技、RT1遊技)の場合には前記遅延状態が実行されず、他の遊技状態(たとえば、RT2遊技)の場合には前記遅延状態が実行されるように定めることができる(図33E)。
また前記押順規定役には、第1の押順規定役(たとえば、AT1、AT2などの「フリーズ未発生役」)と第2の押順規定役(たとえば、AT3、AT4などの「押順規定フリーズ契機役」)とが含まれ、
前記遅延状態制御手段は、
前記役抽選手段により前記第1の押順規定役が前記当選役として決定された場合、前記所定の手順および当該所定の手順とは異なる手順のいずれであっても前記遅延状態を実行せず、
前記役抽選手段により前記第2の押順規定役が前記当選役として決定された場合、前記所定の手順である場合には前記遅延状態を実行する一方、前記所定の手順と異なる手順である場合には前記遅延状態を実行しないように構成することができる。この場合、第1の押順規定役と第2の押順規定役とは、前記所定の手順が互いに異なる押し順とすることができる。
また前記押順規定役には第3の押順規定役(たとえば、特殊AT1〜6)を含むことができる。この第3の押順規定役は、前記遅延状態が実行される押し順を、一の遊技状態下と他の遊技状態下とで異なるように定めることができる(図33A、図33B)。また第3の押順規定役は、前記遅延状態が実行されない押し順を、一の遊技状態下と他の遊技状態下とで異なるように定めることができる(図33A〜図33C)。また、第3の押順規定役は、押し順に応じて、異なる遅延状態が実行されるように定めることができる(図33A〜図33C)。また、第3の押順規定役は、同じ押し順(たとえば、特殊AT1の「左中右」)であっても一の遊技状態下と他の遊技状態下とで異なる遅延状態が実行されるように定めることができる(図33A〜図33C:たとえば、フリーズF5、F9の欄参照)。
(フリーズ演出期間について)
ここで、フリーズ発生期間において、そのフリーズ発生期間と、フリーズ演出実行期間とは必ずしも一致せずに、時間的ずれが生じる場合がある。その理由は次の通りである。
本実施形態に係る「フリーズ中メイン側演出(回胴演出)」は、フリーズ中における回胴の動作態様を利用した演出態様であるといった関係上、フリーズ解除後は、通常の遊技進行処理をする上で、回胴演出を終了させなくてはならず、その演出発生対象区間は、回胴回転始動レバー11を操作後から遊技結果が導出表示されて入賞判定処理(図8のステップS20)に移行されるまでの期間がその対象区間とされる(回胴回転開始時フリーズ、全回胴停止前フリーズ、および全回胴停止後フリーズ演出:図35A、図35B参照)。したがって、フリーズ発生期間内に、必ずフリーズ中メイン側演出(回胴演出)の実行期間が含まれることになる。
これに対し、フリーズ中サブ側演出は、回胴の動作態様を利用する演出ではなく、主制御部400側の演出制御コマンドに基づき、演出手段を利用する演出態様であるといった関係上、上記入賞判定処理(図8のステップS20)を終えて、次の単位遊技を開始すべく、メダル投入口からの遊技メダルの投入、またはベットボタン8、9による賭数が設定され、次ゲームの回胴回転始動レバー11が操作されるまで期間においても、今回のフリーズ演出を現出させることができる(たとえば、図37の時刻t8〜t9の期間においてもフリーズ中サブ側演出が現出しうる)。
したがって、フリーズ発生対象区間は1ゲーム相当期間未満であるが、そのフリーズに係るフリーズ演出の演出発生対象区間は「1ゲーム相当期間+次回ゲームによる回胴回転始動レバー11の操作までの所定の演出時間幅」の期間となりうる(たとえば、図37の時刻t0〜t9の期間参照)。
(RT0遊技中の昇格リプレイ報知:図7の左上枠)
再び図6および図7の説明に戻る。上記RT0遊技中(図7の左上枠参照)においては、昇格リプレイの入賞を許容するリプレイA1〜A3に当選した場合、所定の昇格リプレイ報知条件の下、昇格リプレイに係るアシスト報知(以下「昇格リプレイ報知」と略す)が行われる。昇格リプレイは、RT1遊技への移行契機役として機能するものであり、昇格リプレイが入賞するか否かにより、AT1遊技を伴う後述の「準備ART遊技(RT1遊技+AT1遊技)」(図7の右上枠参照)に移行できるか否かが定まり、遊技者の利益が大きく左右されることになる。
ただし本実施形態では、「AT1遊技」の発生については次の条件を付している。AT1遊技は、RT0遊技中において、昇格リプレイ報知発生時に昇格リプレイが入賞した場合に発生するようになっており(「正規ルート」によるAT1遊技発生)、昇格リプレイのアシスト報知未発生時に昇格リプレイが入賞した場合は発生しないようになっている。このため、遊技者が意図的に、あるいは偶然に昇格リプレイが入賞してRT1遊技に移行してしまっても、AT1遊技は発生しないようにし、これにより、遊技機の仕様・設計上、想定外の利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。
本実施形態では、上記昇格リプレイ報知の発生権利に係る所定のAT抽選(昇格リプレイ報知抽選)を行い、当該抽選に当選した場合、昇格リプレイに係るアシスト報知の発生権利を得たとして、昇格リプレイ報知条件を成立させる(昇格リプレイ報知条件成立状態)。そして、その報知条件成立の下で、リプレイA1〜A3の当選を契機に、昇格リプレイのアシスト報知を発生させるようになっている。
(RT0遊技中AT抽選(昇格リプレイ報知抽選)テーブル:図27)
上記の昇格リプレイのアシスト報知に関し、具体的には、演出制御部410側において、図27に示す「RT0遊技中AT抽選テーブル(昇格リプレイ報知抽選テーブル)」に基づき、AT抽選(昇格リプレイ報知抽選)が実行される。この「RT0遊技中AT抽選テーブル」には、特定の当選役種別とフリーズ演出種別(フリーズA〜D)とに応じた昇格リプレイ報知抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。たとえば、今回のゲームで弱チェリーに当選し、かつフリーズ演出が未発生であれば、2/128の確率で昇格リプレイ報知抽選に当選して、昇格リプレイ報知条件が成立するようになっている。
図27を参照して、RT0遊技中のAT抽選(昇格リプレイ報知抽選)は、当選役種別が弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーのいずれであるか、および、フリーズA〜Dのフリーズ演出種別を伴うか否か、たとえば図35Aに示すフリーズ演出種別A1〜A5(フリーズA区分)、B1〜B5(フリーズB区分)、C1〜C4(フリーズC区分)、D1〜D5(フリーズD区分)伴うか否かによって判定値が異なっており、フリーズA〜Dのフリーズ演出種別の発生を伴う場合は、伴わない場合に比べて当選確率が高くなるようになっている。また、フリーズ演出が発生する場合であっても、発生するフリーズ演出種別がフリーズA〜Dのいずれに属するものであるかによって判定値が異なり、フリーズA〜Dの順に当選確率が高くなるようになっている。
当選役種別が「弱スイカ、弱チェリー」の場合はフリーズA、Bのみが発生対象であり、フリーズC、Dは発生しない。「強スイカ、強チェリー」に当選した場合はフリーズC、Dの場合が追加されてフリーズの種別が増え、フリーズA〜Dのいずれのフリーズについても発生する可能性がある。特にフリーズDのフリーズが発生した場合は、当選確率100%とされていて、必ず昇格リプレイ報知抽選に当選する。また「特殊AT」に当選した場合は当選確率100%とされていて(AT抽選当確(ART直撃))、必ず昇格リプレイ報知抽選に当選する。
(RT0遊技中の特殊AT1〜6当選(本ART直撃ルート)とフリーズ発生)
上記特殊AT1〜6が当選した場合、プレミアム的な役に当選したとして、その当選を契機として、フリーズ演出(フリーズF1〜F5)を発生させて(図32A、図33A参照)、本ART遊技開始ゲーム数の上乗せゲーム数(以下、「開始上乗せゲーム数」と略す)が付与されうるようになっている。このフリーズF1〜F5により、昇格リプレイ報知抽選に当選したことに加え、開始上乗せゲーム数の付与権利を獲得したことを報知して、遊技者の期待感・高揚感を煽るようになっている。なお以下では、特殊AT1〜6当選により、RT0遊技(通常遊技)から後述の本ART遊技に至る遊技ルートを「本ART直撃ルート(ART直撃ルート)」と称する場合がある。
具体的には、上記特殊AT1〜6が当選した場合、演出制御部410側において、フリーズ用アシスト報知抽選(図32A)が行われ、フリーズF1〜F5のいずれかに対応するフリーズ用アシスト報知が決定されるとともに、演出制御部410側において、図28(B)に示す「本ART遊技中開始ゲーム数上乗せ抽選テーブル」が参照され、決定されたフリーズ用アシスト報知種別に対応した開始上乗せゲーム数が抽選(開始ゲーム数上乗せ抽選)により決定されるようになっている。そして、主制御部400側において、押し順に応じたフリーズ演出を発生させる(ここでは、フリーズ用アシスト報知に従うことによりフリーズF1〜F5のいずれかが必ず発生する)ようになっている(図33A)。
上記開始上乗せゲーム数が付与されると、初期の本ART遊技開始ゲーム数(40ゲーム)に対して、その上乗せゲーム数が加算され、これにより、本ART遊技開始時には、「40ゲーム+α(上乗せゲーム数)」が本ART遊技の初期の開始ゲーム数(本ART遊技継続ゲーム数の初期値)となる。なお、スイカ役種(弱スイカまたは強スイカ)やチェリー役種(弱チェリーまたは強チェリー)の当選により昇格リプレイ報知抽選(AT抽選)に当選しても、上記開始上乗せゲーム数は付与されないようになっており、この点で、特殊ATは、最高ランクの遊技価値を付与するプレミアム的な役となっている。
フリーズF1〜F5は、この順に、開始上乗せゲーム数が相対的に多いゲーム数が選択されるようになっている。そして、これを報知するべく、フリーズF1〜F5の発生時には、そのフリーズ演出の内容として、開始上乗せゲーム数の獲得期待度や、そのゲーム数を報知するフリーズ演出(高期待度フリーズ演出)が現出されるようになっている。このフリーズF1〜F5に係るフリーズ演出は、昇格リプレイ報知抽選(AT抽選)当選確定とプレミアムゲーム数獲得可能性を報知する「直撃演出」となっている。
(RT0遊技中の特殊AT当選時における本ART遊技開始ゲーム数上乗せ抽選について:図28(B))
上記「開始上乗せゲーム数」は、図28(B)に示す「本ART開始ゲーム数上乗せ抽選テーブル」による「本ART開始ゲーム数上乗せ抽選」により決定される。「本ART開始ゲーム数上乗せ抽選テーブル」には、フリーズ演出種別(フリーズF1〜F5)に応じた上乗せゲーム数(開始上乗せゲーム数)およびその抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。
上記開始上乗せゲーム数の決定は、演出制御部410側(開始上乗せゲーム抽選手段)において、まず図32Aの「フリーズ演出用アシスト報知抽選テーブル」が参照され、当選した特殊AT種別に応じて、今回発生させるフリーズ演出種別(正確には、フリーズ用アシスト報知)が抽選により決定される。次いで、図28(B)に示す「本ART開始ゲーム数上乗せ抽選テーブル」が参照され、その決定されたフリーズ演出種別に基づき、開始上乗せゲーム数(図28(B)の「開始上乗せG数」)が抽選により決定されるようになっている。たとえば、フリーズ演出用アシスト報知抽選によりフリーズF2の発生が指定された場合、64/128の確率で上乗せゲーム数「+20ゲーム」が、64/128の確率で「+40」が選択される(図28(B)のフリーズF2の欄参照)。したがって、今回発生させるフリーズ演出種別が指定された段階で、内部的には、開始上乗せゲーム数があらかじめ決定されている。
上記決定された開始上乗せゲーム数の報知は、フリーズ演出の一環として行う。本実施形態では、フリーズ演出(直撃演出)の一環として、たとえば、上乗せゲーム数が獲得できるか否かの期待感を煽るような演出態様、本実施形態の場合、主人公と敵キャラクタが戦闘を繰り広げる「バトル演出」が現出され、このバトル演出の演出結果として開始上乗せゲーム数が報知される。上記バトル演出として、ここでは、自艦(主人公)と敵艦(敵キャラクタ)とが海戦(戦闘)を繰り広げる艦隊戦を表現した演出態様を採用している。
上記バトル演出の基本的な演出内容(演出シナリオ)は、たとえば、次のような演出シナリオ要素(A)〜(D)から構成されている。(A)バトル演出が開始された旨を報知する「戦闘開始演出」、(B)自艦と敵艦とが海上においてそれぞれ攻撃態勢に入りながら対峙する様子を表現した「対峙演出」、(C)自艦と敵艦とが海戦を繰り広げる「戦闘中演出」、(D)今回のバトル演出の演出結果を報知する「結果演出」として、自艦が敵艦を撃沈する様を表現した「勝利演出」か、または自艦が敵艦から攻撃を受けて大破する様を表現した「敗北演出」、といった各演出シナリオ要素から構成される。バトル演出の進行としては、まず、オープニング演出として上記「戦闘開始演出」が実行され、次いで、「対峙演出」と「戦闘中演出」とが順次実行される。そして、エンディング演出として、「勝利演出」または「敗北演出」が実行される。
上記バトル演出は、全回胴停止時を基本トリガーポイントとして発生する「フリーズ発生時演出」であり、フリーズF1〜F5のそれぞれに対応した演出内容が展開されるようになっている。このバトル演出の演出結果(上記「勝利演出」または「敗北演出」)により、上記開始上乗せゲーム数が報知されるようになっている。なおバトル演出の演出結果として「開始上乗せゲーム数」を報知するのではなく、上乗せゲーム数が加算された本ART開始ゲーム数自体を報知しても良い。
(フリーズF1に係るバトル演出について)
たとえば「フリーズF1」の場合には、バトル演出の演出結果として上記「敗北演出」が現出される。このフリーズF1対応の「敗北演出」は、開始上乗せゲーム数(特典)が得られなかった(上乗せゲーム数がゼロ)ことを報知する演出内容となっている。
(フリーズF2、F4に係るバトル演出について)
また「フリーズF2」と「フリーズF4」の場合には、上記フリーズF1と同じように、「敗北演出」が現出されて、開始上乗せゲーム数が得られなかった旨が一旦報知され、次回ゲームのベット(BET)時に、味方雷撃機が飛来して敵艦を雷撃により撃沈する様を表現した「復活演出」が現出される。つまり、ここでの敗北演出は「偽の演出結果」となっており、所定の条件に基づき(本実施形態では、次回ゲームのベット(BET)時)に、「真の演出結果」である復活演出が現出されるようになっている。この復活演出は、開始上乗せゲーム数を獲得したことを報知しうる演出内容となっている。
上記フリーズF2またはフリーズF4が選択された場合には、演出制御部410側において、所定の上乗せゲーム抽選が行われるようになっている。たとえば、図28(B)のフリーズF2、F4の欄を参照して、フリーズF2の場合には20ゲーム(選択率50%)または40ゲーム(選択率50%)が抽選により選択され、フリーズF4の場合には40ゲーム(選択率37.5%)または60ゲーム(選択率62.5%)が抽選により選択される。いずれのゲーム数が決定されたかについては上記復活演出により、そのゲーム数が報知されるようになっている。これにより、敗北演出の発生時であっても開始上乗せゲーム数の獲得期待感を煽ることができるようになっている。
(フリーズF3、F5に係るバトル演出について)
また「フリーズF3」と「フリーズF5」の場合には、バトル演出の演出結果として上記「勝利演出」が現出されるようになっている。この「勝利演出」は、開始上乗せゲーム数を獲得したことを報知する演出内容となっている。
上記フリーズF3が選択された場合は固定ゲーム数の40ゲームが上乗せされ、フリーズF5が選択された場合は、開始上乗せゲーム数が他のフリーズF1〜F4よりも多いゲーム数(たとえば、100ゲーム)が上乗せされる(図28(B)のフリーズF3、F5の欄参照)。このフリーズF5は、プレミアム的な位置付けであるため、フリーズF5の勝利演出は「フリーズF3」の勝利演出とは異なる演出内容(たとえば、勝利演出として、自艦が旭日旗を掲げながら母港に凱旋帰港して国民に祝福を受ける様子を表現した「凱旋演出(祝福演出)」)が現出されるようになっている。
上記のように、フリーズ演出用アシスト報知に従い、遊技者が回胴を停止操作すれば、そのアシスト報知により指定されるフリーズF1〜F5のいずれかが発生される(図32A、図33A)。このとき、全回胴停止時(第3停止操作時)を基本トリガーポイントとして発生する「バトル演出(フリーズ発生時演出)」は、フリーズF1〜F5のフリーズ演出種別に対応した演出が現出される。要は、フリーズ(全回胴停止後(第3停止操作後)の60秒間)内で発生するフリーズ演出は、そのフリーズする時間幅とそのタイミングとが決まっているので、フリーズF1〜F5の場合は第3停止操作後に60秒のフリーズが発生し、これに対応した時間幅(演出時間幅)を利用したフリーズ演出(バトル演出)が現出されることになる。ただし、フリーズF2とフリーズF4の場合は、60秒のフリーズ時間が終了し、その後の入賞判定処理などを終えて今回のゲームが終了した後、次回ゲームに係る賭数設定許容状態中において、遊技者が賭数設定操作(遊技メダルの投入)を行ったことを契機に(トリガータイミングとして)「復活演出」が現出され、上乗せゲーム数を獲得した旨(ここでは、上乗せゲーム数の報知を含む)が報知されるようになっている。これについて、図37のタイムチャートを参照して説明すれば(ここでは、フリーズF区分についての説明であるので、図37の第1フリーズおよび第2フリーズについての記載は無視する)、第3停止操作を基本トリガータイミングとしてフリーズが発生し(図示のt7)、図示の‘t7〜60秒間’にわたって、フリーズ演出(フリーズ発生時演出)として上記「バトル演出」が発生する。そして、このバトル演出の一環として上記「敗北演出」が現出され、図示のt8(ここでは、賭数設定操作としてMAXベットボタン8の操作がトリガータイミングとなる)において上記「復活演出」が現出されることになる。ただし、この復活演出は、バトル演出における演出態様であるが、フリーズが終了した後に現出される点で、フリーズ中操作時演出とは異なるトリガーを契機とする演出態様である。
(フリーズ中操作時演出の発生について)
なお、上述したフリーズF1〜F5に係るフリーズ演出(バトル演出)において、所定の操作有効期間を設け、この期間中における操作手段の操作を契機に(操作手段の操作をトリガータイミングとして)、「フリーズ中操作時演出」を現出させることができる。なお、フリーズ中操作時演出は、メイン側フリーズ中演出および/またはサブ側フリーズ中演出とすることができる(他のフリーズ種別についても同様)。
これについて、説明の便宜上、上記「戦闘中演出」のシナリオとして、敵艦から対艦攻撃される様を表現した「敵艦攻撃演出」が現出される場合を代表例にとり説明する。
上記「敵艦攻撃演出」中において所定の操作有効期間を設け、この操作有効期間中に所定の操作手段(たとえば、1ベットボタン9やMAXベットボタン8など)が操作された場合、フリーズ中操作時演出として、フリーズ種別に対応した「結果演出」を現出させることができる。具体的には、フリーズF3・F5の場合には、たとえば、自艦がその攻撃を回避する様を表現した「勝利演出」を現出させる。一方、フリーズF1・F2・F4の場合には、自艦がその攻撃を受けてしまう「敗北演出」を現出させる。この場合、上記操作有効期間中において、遊技者が上記操作有効期間であることを認識可能な演出態様、たとえば、「回胴回転始動レバーを叩け!」や「MAXベットボタンを押せ!」などのように、遊技者に対して操作手段の操作を促すような「催促演出」を現出し、遊技者に対し、当該操作手段の操作を促すことが好ましい。この催促演出は、フリーズ中操作時演出を有効に鑑賞させ得る時間長さが確保されることを条件として、所定時間長さにわたり出現させるようになっている。遊技者は、この催促演出が現出している間に操作手段を操作することになる。また、上記操作有効期間内に操作手段を操作しなかった場合は、当該操作有効期間後、操作手段が操作されたとみなして、対応するフリーズ中操作時演出を現出させることができる。
また、フリーズ中操作時演出が「ステップアップ演出」、たとえば、「ステップSU1→ステップSU2→ステップSU3」のように複数段階にわたって変化していくような演出態様を採用することができる。具体的には、操作手段が操作される毎に、異なるフリーズ中操作時演出を現出させることができる。これにより、たとえば上記の「バトル演出」シナリオとして、複数種類のフリーズ中操作演出(ステップSU1〜SU3)が発生可能なフリーズ演出を実現することができる。
このステップアップ演出について、上述の「敵艦攻撃演出」の演出シナリオを例にとり説明すれば、最初(1回目)の操作手段の操作(たとえば、MAXベットボタン8の操作)を契機に、敵艦の攻撃が先制攻撃態勢に入った様を表現した「SU1演出(ステップSU1)」を現出し、そのSU1演出の現出中またはSU1演出の終了後、2回目のMAXベットボタン8の操作を契機に、敵艦が攻撃を開始して魚雷が自艦に対して急激に迫ってくる様を表現した「SU2演出(ステップSU2)」を現出する。そして、3回目のMAXベットボタン8の操作を契機に、自艦がその魚雷を回避する様を表現した「勝利演出」に相当する「SU3演出(ステップSU3)」、または、自艦がその魚雷を受けてしまう「敗北演出」を現出することができる。ここでは、ストーリー仕立てのステップアップ演出が現出され、最終段階のステップSU3において、演出結果が現出される。
このようなフリーズ中操作時演出は、操作手段を操作する度に、演出結果(勝利か敗北)に対する遊技者の緊張感・高揚感を煽ることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
なお各ステップアップ演出(ステップSU1、ステップSU2、またはステップSU3)を現出するタイミング(トリガータイミング)について、いずれの操作手段に係る操作検出信号(ON信号またはOFF信号)または操作コマンド(ON操作コマンドまたはOFF操作コマンド)を採用するかは、演出内容やゲーム性に応じて適宜設定することができる。たとえば、ステップSU1〜2の場合はMAXベットボタン8に係る「フリーズ中操作コマンド9(ONエッジ時)」を、ステップSU3の場合はMAXベットボタン8に係る「フリーズ中操作コマンド10(OFFエッジ時)」を利用して、これに対応したサブ側フリーズ中演出を現出させる、といった構成とすることができる。
また上記の例では、所定の操作手段(たとえば、MAXベットボタン8)が1回操作されるごとに対応する演出(ステップSU1〜SU3)を現出させるようにしているが、これに限らず、各ステップアップ演出が現出される操作手段の操作回数については、適宜定めることができる。たとえば、ステップSU1〜SU2はMAXベットボタン8を1回操作した場合に現出させ、最終段階のステップSU3はMAXベットボタン8を複数回(たとえば、3回)操作した場合に現出させる、といった構成とすることができる。
また、所定の操作手段(たとえば、MAXベットボタン8)を所定時間ON状態とした場合(いわゆる「長押し」をした場合)、対応するステップアップ演出を現出させても良く、そのON状態継続時間は各ステップアップ演出について同一時間であっても良いし、異なる時間であっても良い。
また、いずれの操作手段の操作を契機として、各ステップアップ演出を現出させるかについては、適宜定めることができる。たとえば、ステップSU1はMAXベットボタン8、ステップSU2は回胴回転始動レバー11、ステップSU3は回胴回転停止ボタン12の操作を契機とすることができる。
なお上記では各ステップアップ演出(ステップSU1〜SU3)をフリーズ中操作時演出として現出する形態について説明したが、これに限らず、ステップアップ演出の演出内容に応じて、最初のステップSU1はフリーズ発生時の「フリーズ発生時演出」として現出し、次段階のステップSU2〜SU3は「フリーズ中操作時演出」として現出するように構成しても良い。
また上記フリーズF1〜F5の選択率については、図32Aに示すように、特殊AT1、特殊AT3、および特殊AT5は同一の選択率、特殊AT2および特殊AT4は同一の選択率となっており、特殊AT6は、高期待度フリーズ演出の選択率が他の特殊ATよりも優遇されるように定められている。なお、各特殊ATは略同一の内部抽選確率となっているが、優遇度合いが高い「特殊AT6」については、高い利益が付与されうるという観点から、他の特殊ATよりも相対的に低確率に定めることが好ましい。
なお本実施形態では、遊技者が誤停止操作や、意図的にフリーズ演出用アシスト報知を無視した押し順を実行したとしても、付与される開始上乗せゲーム数は、フリーズ演出用アシスト報知抽選により決定されたフリーズ演出に対応するゲーム数が付与されるようになっており(既に説明したように、フリーズ演出が指定された段階で内部的に開始上乗せゲーム数も決定されているため)、遊技者が意図的に付与される利益を左右することができないようになっている。なお、フリーズ演出用アシスト報知により指定される押し順を厳守させるために、その報知内容とは異なる押し順が実行された場合には、ペナルティとして、開始上乗せゲーム数が‘ゼロ’とする(本来付与される特典を無効化する)、または本来付与される開始上乗せゲーム数よりも少ないゲーム数(たとえば、フリーズF2であれば、たとえば、10ゲーム加算(本来は20ゲームか40ゲームの加算となる))を付与するようにしても良い。この場合、フリーズ演出に替えて、誤った押し順を実行したことを遊技者に警告するための「警告演出」を現出させるように構成することが好ましい。
また上記では開始上乗せゲーム数を、初期の本ART開始ゲーム数(規定継続ゲーム数:ここでは、40ゲーム)に加算される形態を説明したが本発明はこれに限らず、フリーズF1〜F5に対応した固定的なゲーム数を本ART遊技開始ゲーム数としても良い。たとえば、フリーズF1は40ゲーム、フリーズF2は50ゲーム、フリーズF3は70ゲーム、フリーズF4は80ゲーム、フリーズF5は140ゲーム(プレミアム開始ゲーム数)とすることができる。
またフリーズF1〜F5におけるフリーズ演出(バトル演出)に係る「戦闘開始演出」「対峙演出」「戦闘中演出」「勝利演出」「敗北演出」といった各演出シナリオ要素の全部または一部の現出中において、フリーズ中メイン側演出(たとえば、回胴の変則回転動作を伴う回胴演出など)を実行させることができる。斯様な回胴演出に伴い、インパクトのある映像(画像表示演出)や音響(音演出)や光装飾(光演出)によるフリーズ中サブ側演出を重複的に発生させることにより、上記バトル演出をより一層盛り上げて、遊技の面白みを向上させることができる。
なお本実施形態では、上記昇格リプレイ報知抽選に関し、基本的には、役の当選確率および/またはフリーズ演出の発生確率に着目して、当該当選確率や発生確率が相対的に低いものほど、昇格リプレイ報知抽選による当選確率が高くなるように定めてある(フリーズ演出の発生確率については図26を参照)。
また、昇格リプレイ報知抽選やフリーズ演出抽選においては、当選確率が比較的高い、ハズレやAT役(AT1〜AT4)は除外されている(図26の通常フリーズ演出抽選テーブル、図27のRT0遊技中AT抽選(昇格リプレイ報知抽選)テーブル参照)。なお昇格リプレイ報知抽選(AT抽選)の実行対象役(昇格リプレイ報知抽選契機役(AT抽選契機役))の種類や昇格リプレイ報知抽選の当選確率は、本実施形態に例示したものに限らず、遊技性に応じて適宜変更することができる。
また上記昇格リプレイ報知抽選契機役(弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、特殊AT1〜6)は、昇格リプレイ報知抽選による昇格リプレイ報知条件成立契機に係るものであるが、昇格リプレイ報知条件の成立がAT遊技への移行条件とされる点に着目すれば、AT遊技への移行契機役として働くものである。このようなAT遊技への移行契機となりうる役を「AT遊技移行契機役(特典遊技移行契機役)」と称する。AT遊技移行契機役は、他の遊技状態(ここでは、演出制御部側遊技状態)の移行契機となる点で「状態移行契機役」に属するものといえる。
(昇格リプレイ報知前兆AT遊技:図7の左上枠)
上記した昇格リプレイ報知抽選に当選した場合、昇格リプレイ報知条件が成立し、この昇格リプレイ報知条件成立後、リプレイA1〜A3のいずれかの当選した場合、当該当選ゲームで上記昇格リプレイ報知を発生させる。なお、昇格リプレイ報知抽選に当選した場合には、その旨を遊技者に報知する当選演出として、特殊ATの場合は上記直撃演出が、スイカ役種やチェリー役種の場合は直撃演出とは異なる当選演出を発生させる。
ここで、上記昇格リプレイ報知条件成立後、リプレイA1〜A3が当選するまでの遊技期間は、当該アシスト報知の発生が予定されるといった点で「昇格リプレイ報知の前兆遊技(昇格リプレイ報知前兆AT遊技)」といったAT遊技の一態様となっており、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT0遊技+昇格リプレイ報知の前兆遊技(昇格リプレイ報知前兆AT遊技)」となる。
(α.報知条件成立後前兆ゲーム期間有り遊技状態)
なお、上記では、リプレイA1〜A3に当選した当該当選ゲームで昇格リプレイ報知を発生させると説明したが、次のような前兆期間を設けた構成としても良い。
昇格リプレイ報知抽選に当選した場合、昇格リプレイ報知の発生権利を得たとして、その発生権利の実行を一旦保留し、所定の報知解除条件の成立に基づき、昇格リプレイ報知条件を成立させても良い。
たとえば、昇格リプレイ報知の発生を許容するまでの前兆ゲーム数(たとえば、24ゲーム)を設定し、その前兆ゲーム数が消化された後、報知解除条件が成立したとして、昇格リプレイ報知条件を成立(昇格リプレイ前兆AT遊技に移行)させることができる。したがって、昇格リプレイ報知の発生権利が保留されている前兆ゲーム数が消化されるまでの期間は、リプレイA1〜A3に当選しても昇格リプレイ報知は実行されず、前兆ゲーム数が消化され、昇格リプレイ前兆AT遊技移行した後、リプレイA1〜A3に当選した場合に、初めて、昇格リプレイ報知が実行されることになる。この場合、この前兆ゲーム数が消化されるまで昇格リプレイ報知が発生しないので、遊技者は当該前兆ゲーム数を消化するまで遊技を続行するようになり、遊技機の稼働率を高めることができる。なお、この前兆ゲーム数は、複数種類のゲーム数(たとえば、1〜24ゲーム)のうちから、前兆ゲーム数抽選(たとえば、昇格リプレイ報知抽選とともに実行される所定の前兆ゲーム数抽選)により決定しても良いし、固定的なゲーム数(たとえば、24ゲーム)としても良い。
(β.2段階AT抽選:昇格チャンスゾーン(特殊演出状態))
上記では、図27に示す「RT0遊技中AT抽選テーブル」に基づくリプレイ昇格抽選を行い、これに当選すれば昇格リプレイ報知条件が成立するといった形態について説明した。しかし本発明はこれに限定されず、次のような構成(2段階AT抽選形態)としても良い。
この2段階AT抽選形態の概要を説明する。この2段階AT抽選形態では、まず、所定の条件の下、1または複数ゲーム(たとえば、20ゲーム)期間、昇格リプレイ報知条件が成立可能となるチャンスゾーン(昇格チャンスゾーン)に移行させる(第1段階目)。つまり、昇格チャンスゾーン移行前は、昇格リプレイ報知条件の成立が不可能または困難とする遊技状態となっており、昇格チャンスゾーン中は、昇格リプレイ報知条件の成立が
容易になる点で、遊技者に有利な遊技状態となる。次に、この昇格チャンスゾーン中において、昇格リプレイ報知条件の発生権利を、たとえば、所定の抽選により抽選する(第2段階目)。このような複数段階的なAT抽選を経由して、昇格リプレイ報知条件の発生権利を遊技者に獲得させる。
斯様な構成では、上記「昇格チャンスゾーン」に移行しない限りは、昇格リプレイ報知抽選を実行しない、または、昇格リプレイ報知抽選のチャンスはあるが、その当選確率を昇格チャンスゾーン中よりも低確率とする、といった遊技性を作り出すことができる。この場合、昇格チャンスゾーンに突入することが遊技者の利益を大きく左右しうるため、昇格チャンスゾーンの存在意義が際立つことになり、遊技者は、上記昇格チャンスゾーンに移行するか否か、昇格チャンスゾーン中に昇格リプレイ報知条件を成立させられるか否かに多大な関心を寄せながら、遊技に興じるようになり、遊技の面白みを向上させることができる。
なお、上記昇格チャンスゾーンは、演出制御部410側で管理される演出状態の一態様である。つまり、昇格チャンスゾーン移行後は、演出制御部側遊技状態に変化があるだけで主制御部側遊技状態はRT0遊技のままとなっており、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT0遊技+昇格チャンスゾーン」となる。また上記昇格チャンスゾーンへの移行契機としては、特定の抽選対象役の当選、または特定の入賞役の入賞をその契機とすることができる。
(RT0遊技中昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル:図31(イ))
たとえば、演出制御部410側において、たとえば、図31(イ)に示す「昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル」に基づき、上記昇格チャンスゾーンへの移行抽選を行うことができる。この「昇格チャンスゾーン移行抽選テーブル」は、図31の「RT0遊技中AT抽選テーブル」と基本構成は同じである。たとえば、弱チェリーに当選し、かつフリーズ演出が未発生であれば、4/128の確率で昇格チャンスゾーンに移行されるようになっている(図31(イ)の弱チェリーの欄参照)。
なお、上記昇格チャンスゾーンへの移行確率は、昇格リプレイ報知抽選と同様に、役の当選確率および/またはフリーズ演出の発生確率に着目して、その確率を定めることが好ましい。また、当選役種別に応じて、昇格チャンスゾーンの継続ゲーム数を異なるゲーム数としても良い。たとえば、当選確率の低い役(たとえば、特殊AT)の場合、他の当選役よりも昇格チャンスゾーンの継続ゲーム数を相対的に長いゲーム数に設定しても良いし、また、昇格チャンスゾーンの継続ゲーム数を有限ゲーム数ではなく、無限ゲーム数にしても良い。無限ゲーム数の場合は、後述の「昇格チャンスゾーン中AT抽選テーブル」により、昇格リプレイ報知抽選に当選するまで昇格チャンスゾーンが継続されることになり、実質的に、昇格リプレイ報知条件成立が約束されることになる(本ART遊技への移行が確定的となる)。
昇格チャンスゾーンに移行すると、演出制御部410側において、図31(ロ)に示す「昇格チャンスゾーン中AT抽選テーブル(RT0遊技中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル)」に基づき、昇格リプレイ報知抽選が行われるようになっており、昇格リプレイ報知抽選に当選した場合、昇格リプレイ報知前兆AT遊技に移行されることになる。
(RT0遊技中昇格チャンスゾーン用AT抽選テーブル:図31(ロ))
この図31(ロ)の「昇格チャンスゾーン中AT抽選テーブル」には、図27の「RT0遊技中AT抽選テーブル」と同じように、少なくとも当選役種別(ここでは、当選役種別とフリーズ演出種別)に応じた当選確率(AT判定値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。「昇格チャンスゾーン中AT抽選テーブル」は、既に説明した「RT0遊技中AT抽選テーブル」と構成は実質的に同じであるが、昇格リプレイ報知抽選の当選確率が相対的に高い点(AT判定値の欄参照)点や、ハズレやリプレイ役種でも昇格リプレイ報知抽選が行われ、昇格リプレイ報知抽選が優遇されている点が異なる。昇格チャンスゾーンへの移行契機役(昇格チャンスゾーン移行契機役)は、昇格リプレイ報知前兆AT遊技への移行契機となる点で、「AT遊技移行契機役」に属するものといえる。
以上に説明した昇格チャンスゾーンを有した形態では、昇格チャンスゾーンに突入しなければ昇格アシスト報知条件が一切成立しない構成(たとえば、通常遊技中は昇格アシスト報知抽選が実行されない)とすることができる。また、昇格チャンスゾーンと非昇格チャンスゾーン(たとえば、通常遊技中)とで、昇格リプレイ報知条件の成立確率を異ならせることができる。たとえば、非昇格チャンスゾーンでは図27の「RT0遊技中AT抽選テーブル」に基づく昇格リプレイ報知抽選を行い、昇格チャンスゾーンに移行した場合は、図31(ロ)に示す「昇格チャンスゾーン中AT抽選テーブル」に基づき昇格リプレイ報知抽選を行う、といった構成とすることができる。
また「昇格チャンスゾーン」への移行抽選に当選した場合、所定の前兆ゲーム数を消化した後、当該昇格チャンスゾーンを発生させることができる。この場合、この前兆ゲーム数が消化されるまで昇格チャンスゾーンに移行しないので、遊技者は当該前兆ゲーム数を消化するまで遊技を続行するようになり、遊技機の稼働率を高めることができる、といった利点がある。
また、昇格チャンスゾーンへの前兆ゲーム数を設ける場合、昇格チャンスゾーン移行抽選の結果に基づき、昇格チャンスゾーンの移行を期待させるような期待演出を現出可能に構成しても良い。昇格チャンスゾーン移行抽選の結果に応じて、当選の場合には「真の期待演出」を、‘ハズレ’の場合には、その発生を期待させるような「ガセの期待演出」を現出可能に構成しても良い。この場合、たとえば、本物の期待演出とガセの期待演出とで、特定の演出の出現率(たとえば、特定のキャラクタの出現率)を異ならせることで、昇格チャンスゾーンに移行するか否かの推測要素を遊技者に与えることができ、遊技者は、昇格チャンスゾーンの到来に期待感を寄せながら遊技に興じることができる。
また昇格チャンスゾーン滞在中は、その旨を報知する専用の演出を現出させて、昇格チャンスゾーン中である旨を遊技者に知得させるとともに、昇格リプレイ報知抽選契機役(図31(ロ)参照)の当選を契機に、昇格リプレイ報知条件成立への期待感を煽るような演出を現出することが好ましい。
(他の昇格リプレイ報知条件について)
以上では、主として、昇格リプレイ報知抽選に当選した場合、昇格リプレイ報知条件が成立する形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、昇格リプレイ報知条件を下記の1または複数種類の条件を定めても良いし、上記昇格リプレイ報知抽選と組合せて定めても良い。
昇格リプレイ報知条件として、(A)特定の遊技状態(たとえば、通常遊技中(RT0遊技+非AT遊技))中に、所定のゲーム数を消化した場合(所謂「天井ゲーム数」に到達した場合)、昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。たとえば、通常遊技に移行してから1941ゲーム消化後、昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。また、天井ゲーム数は複数種類設けても良く、たとえば、通常遊技移行を条件に実行される所定の天井ゲーム数抽選により、複数種類の天井ゲーム数(たとえば、1941ゲームまたは1208ゲーム)のうちからいずれかを選択することができる。
また(B)特定の抽選対象役の当選回数や特定の入賞役の入賞回数が所定の回数(累積回数)に達した場合、昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。たとえば、特定のリプレイ役(たとえば、リプレイA1)の当選回数や、特定の入賞役(たとえば、ベル1)の入賞回数が所定の回数(たとえば、50回)に達した場合、昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。なお、上述の特定の抽選対象役の種類、その当選回数、または入賞回数は適宜設定することができる。また、当選回数や入賞回数だけでなく、複数ゲームにわたる連続当選回数(たとえば、連続5回当選)や連続入賞回数(たとえば、連続3回入賞)であっても良い。また、特定の遊技期間(たとえば、通常遊技や昇格チャンスゾーンやボーナス遊技など)中において上記の回数が定の回数に達した場合に昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。
また(C)特定の当選役種別に当選した場合、その当選役に対応した所定の報知ポイント数(たとえば、弱チェリーなら50P、強チェリーなら200Pの報知ポイント)を加算(所定のポイント数(たとえば、1000P)からの減算でも良い)して行き、その累積ポイント数が所定のポイント数(たとえば、1000P)に達した場合(所定のポイント数からの減算する場合は、当該ポイントがゼロになった場合)、昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。上記報知ポイント数は、当選役種別に応じて、複数種類のポイント数(たとえば、50P、100P、200P、500P)からいずれかのポイント数を抽選により決定しても良い。この場合、たとえば、当選確率が相対的に低い役ほど、相対的に高いポイント数が抽選されるようにすることができる。また、特定の遊技期間(たとえば、通常遊技や昇格チャンスゾーン)中において上記ポイント数が所定ポイント数に達した場合に昇格リプレイ報知条件を成立させることができる。
(RT1遊技(中確率RT遊技)について:図6の左中枠)
次に、RT1遊技について説明する。
RT1遊技(図6の左中枠)には、RT0遊技中に「昇格リプレイ」が入賞した場合に移行される。
上記RT1遊技は、後述のRT2遊技(一般遊技状態中、遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与しうる)遊技状態)に移行可能な遊技状態(準備遊技状態)となっており、特殊リプレイを入賞させるか否かで、遊技者の利益が大きく左右されるようになっている。
このRT1遊技(図7の右上枠参照)では、リプレイ役種のうち、リプレイA1〜A3が抽選対象役から除外されており、通常リプレイ、リプレイB1〜B3、リプレイC1〜C3が抽選対象役となる。つまり、RT1遊技では、リプレイB1〜B3、リプレイC1〜C3が当選可能な遊技状態となっている。したがって、リプレイB1〜B3が当選した場合は、通常リプレイ、特殊リプレイ、または転落リプレイが入賞する可能性があり、またリプレイC1〜C3が当選した場合は、通常リプレイまたは転落リプレイが入賞する可能性がある。
ただしRT1遊技中に、転落リプレイが入賞してしまうとRT0遊技に転落移行され、遊技者にとり不利な遊技状態に移行されてしまう。一方、特殊リプレイが入賞した場合には、RT2遊技に昇格移行され、遊技者にとり有利な遊技状態に移行される。
(RT1遊技中のアシスト報知(AT1遊技)について:図7の右上枠)
そこで、このRT1遊技に移行した場合には、転落リプレイを回避させ、特殊リプレイを入賞させてRT2遊技に昇格移行させるために、リプレイB1〜B3係るアシスト報知が実行される「AT1遊技」を発生させる。この場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT1遊技+AT1遊技(以下、「準備ART遊技」と称する)」となる。
具体的には、AT1遊技が発生すると、リプレイB1〜B3のいずれかに当選した場合には「特殊リプレイ」を入賞させるための押し順がアシスト報知され、AT1〜4が当選した場合には、ベル1を入賞させるための押し順がアシスト報知される。上記準備ART遊技中では、ベル1の入賞手順も案内されるため、遊技メダルを通常遊技よりも減らすことなく、特殊リプレイのアシスト報知を待つことができるようになっており、リプレイB1〜B3のいずれかに当選すれば、特殊リプレイがアシスト報知され、遊技者がこれに従う限り、後述のRT2遊技(本ART遊技)に、容易に移行することができるようになっている。
(準備ART遊技中のリプレイB1〜B3当選について)
ただし、リプレイB1〜B3の当選時には、既に説明したように、本ART遊技移行への報知演出を行うべく、フリーズG1を発生させるためのフリーズ用アシスト報知が実行される(図32Dおよび図33D参照)。これにより、フリーズを利用した「疑似ボーナス告知演出」を発生させ、遊技者に本ART遊技への移行が確定した旨を報知するようになっている。
(準備ART遊技中の特殊AT1〜6当選について)
また本実施形態では、上記準備ART遊技中(RT1遊技中)に特定役の特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合、RT0遊技中に当選した場合と同じく、押し順に応じたフリーズ演出(ここでは、フリーズF2、F4、およびF5のいずれか)を発生させるようになっている(図32B、図33B参照)。準備ART遊技中おけるフリーズ演出の発生は、非常にレアなケースであるため、プレミアムということで、特殊AT1〜6のいずれの場合もフリーズ発生時には100%の確率で「本ART開始ゲーム数」が上乗せされるようになっている(図28BのフリーズF2、F4、およびF5の欄参照)。したがって、通常遊技中に特殊ATに当選し、さらに準備ART遊技中に特殊ATに当選した場合には、重複して上乗せゲーム数が加算(累積加算)されうる。ただし特殊AT1〜6は、特殊AT種別に応じたフリーズ演出の当選確率(フリーズ用アシスト報知確率)が定められている(図32B参照)。この点は、ART直撃ルートの場合と同様である。なお、これらフリーズF2、F4、F5に係るフリーズ演出態様は、上記した通常遊技における「バトル演出」と同一であっても良いし、準備ART遊技中専用のフリーズ演出態様(開始ゲーム数上乗せ告知用演出)としても良い。
上記の非常にレアなケースである理由として、準備ART遊技中は、比較的高確率でリプレイB1〜B3が当選するので(合算当選確率は約1/4.46:図24参照)、短期間で特殊リプレイの入賞しうる。また準備ART遊技中では、リプレイB1〜B3が当選した場合、特殊リプレイのアシスト報知がなされて、遊技者は転落リプレイ回避のために、このアシスト報知に従うことが要求される。さらにリプレイB1〜B3の合算当選確率はその確率が高確率の約1/4.46であるため、概ね、平均4〜5ゲーム程度で当選し、20ゲーム程度であればほぼ100%近くで当選し、特殊リプレイの入賞となりうる。これに対し、特殊AT1〜6の合算当選確率は約1/874であり、上述の4〜5ゲーム程度間で、この約1/874の当選確率の特殊AT1〜6を引くのはかなりのレアケースであるいえる。
したがって準備ART遊技中に特殊AT1〜6に当選することは、プレミアム度がかなり高いことを考慮し、フリーズF2、F4、F5の発生時には、特別に、100%の確率で、本ART開始ゲーム数が上乗せさせる。なお、ここでの上乗せゲーム数(開始上乗せゲーム数)は、通常遊技中よりも相対的に多い上乗せゲーム数を設定しても良い。たとえば、フリーズF2の場合は60ゲーム、フリーズF4の場合は80ゲーム、フリーズF5の場合は200ゲームという具合である。
また、スーパーレアなケースとして、準備ART遊技中において特殊ATが複数回入賞することもありうる。このような場合は、それぞれ特殊ATに入賞する度に、各フリーズに対応したゲーム数が上乗せされる。またこれに限らず、1回目は図28(B)の開始上乗せゲーム数を付与し、それ以降は、複数回入賞の特典として、フリーズ演出種別を問わず、所定の開始上乗せゲーム数(たとえば、100ゲーム)を付与しても良い。また、複数回入賞の場合は、フリーズ発生不問で、所定の上乗せ開始ゲーム数を上乗せしても良い。
(準備ART遊技中の強スイカ、強チェリー当選について)
また本実施形態では、上記準備ART遊技中(RT1遊技中)に特定役の強スイカまたは強チェリーに当選した場合、主制御部400側において、通常フリーズ演出抽選(図26、後述の図9のステップS103)が行われ、この抽選結果に基づき、フリーズ演出種別(ここでは、フリーズC〜Dおよびフリーズ未発生のいずれか)が決定される。なお、強スイカまたは強チェリーは「押順不問フリーズ契機役」であるので、押し順とは無関係に、上記フリーズ演出抽選により決定されたフリーズ演出が発生することになる。
また、強スイカまたは強チェリーに当選した場合には、上述した特殊ATと同様に、本ART開始ゲーム数が上乗せされるようになっている。ここでの上乗せゲーム数は、演出制御部410側において、図28(A)に示す「準備ART遊技中本ART開始ゲーム数上乗せ抽選テーブル」に基づき決定される。なお、フリーズDの発生は、非常にレアなケースであるため、プレミアムということで、100%の確率で「本ART開始ゲーム数」が上乗せされるようになっている(図28(A)のフリーズDの欄参照)。フリーズCまたはフリーズ未発生の場合は、それぞれ図(A)に示す抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))で、本ART開始ゲーム数上乗せゲーム数が決定される。
なお「AT1遊技」は、既に説明したように、正規ルートを辿った場合、つまりRT0遊技において、昇格リプレイ報知発生時に昇格リプレイが入賞した場合に発生するようになっており(正規ルートによるAT1遊技発生)、昇格リプレイのアシスト報知未発生時に昇格リプレイが入賞した場合は、AT1遊技が発生しないようになっている。これにより、昇格リプレイ報知未発生時に、遊技者が恣意的にあるいは意図的に、昇格リプレイが入賞して「RT1遊技」に移行してしまっても、AT1遊技が発生しない(この場合は、遊技機全体の遊技状態としては「RT1遊技+非AT遊技」となる)。
このため、転落リプレイの入賞を回避することが極めて困難となり、その結果、RT1遊技に移行しても、比較的短期間でRT0遊技へ転落移行するようになっている。これにより、遊技機の仕様・設計上、想定外の利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。しかし、単にAT1遊技を発生しないようにするだけでは、遊技者の恣意的な停止操作により、RT1遊技が長いゲーム期間継続してしまう場合もありうる。たとえば、遊技者が運良く転落リプレイを回避し続けたり、特殊リプレイが入賞してしまったりするケースである。
そこで本実施形態では、このような事象も想定し、たとえば、アシスト報知が発生していない場合に遊技者が変則押し(「第1停止操作回胴を左回胴5aとする押し順」以外の押し順)をした場合、所定のペナルティを科すようにしている(ペナルティの詳細については後述する)。このペナルティは遊技者が遊技進行上、極めて不利に作用するものであり、「変則押し」をしないことが、通常の遊技を行う際の‘正規手順’として規定される。なお、AT1遊技発生中の場合において、遊技者の誤停止操作により転落リプレイが入賞してRT0遊技に転落移行した場合、その転落先のRT0遊技中において、リプレイA1〜A3のいずれかに当選した場合に「昇格リプレイ報知」を行い、再度、RT1遊技に復帰移行させる「救済機能」が設けられている。
(RT2遊技(高確率RT遊技)について:図6の左下枠)
次に、RT2遊技について説明する。
RT2遊技(図6の左下枠)には、RT1遊技中に特殊リプレイが入賞した場合に移行される。RT2遊技は、一般遊技状態中、リプレイ役種の当選確率が最も高くなっており、この点で、少なくとも一般遊技状態中のうちで遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与しうる)遊技状態となっている。
このRT2遊技では、リプレイ役種のうち、通常リプレイ、リプレイB1〜B3、リプレイC1〜C3、CAリプレイ1〜2が抽選対象役に含まれる(図24のRT2遊技の欄参照)。
ただしRT2遊技中に、リプレイB1〜B3またはリプレイC1〜C3に係る転落リプレイが入賞した場合か、またはAT1〜AT4のベル1の取りこぼし目(ベルこぼし目)が発生した場合には、上記RT0遊技に転落移行されるようになっている。
(AT2遊技中によるアシスト報知について:図7の右下枠)
そこで、このRT2遊技中に移行した場合は、転落リプレイおよびベルこぼし目を回避させて、遊技者にとり有利なゲーム進行を実現させるために、リプレイB1〜B3、リプレイC1〜C2、およびAT1〜AT4に係るアシスト報知が実行される「AT2遊技」を発生させる。この場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT2遊技+AT2遊技(本ART遊技:疑似ボーナス)」となる。
具体的には、AT2遊技が発生すると、リプレイB1〜B3またはリプレイC1〜C3のいずれかに当選した場合には「通常リプレイ」を入賞させるための押し順がアシスト報知され、AT1〜4が当選した場合には、ベル1を入賞させるための押し順情報がアシスト報知される。ただしAT2またはAT3に当選した場合は、ベル1を入賞させるための押し順のうち、フリーズG2の発生を回避させるための押し順が報知されるようになっている(図E参照)。これは、AT2とAT3とが、後述の本ART遊技上乗せ抽選に係る上乗せ抽選契機役として機能しないためであり、フリーズ演出契機役としての作用を無効化して不必要なフリーズ演出を発生させないようにするためである。また、リプレイC1〜C2については、所定の報知条件の下で、チャンスリプレイを入賞させるための押し順がアシスト報知され、それ以外では通常リプレイを入賞させるための押し順がアシスト報知される。ただしAT2遊技は、正規ルートにより移行された場合(準備ART遊技において特殊リプレイが入賞した場合)に発生するようになっている。なお、本ART遊技中におけるフリーズ演出についての詳細は後述する。
(本ART遊技中の継続ゲーム数:ART直撃ルートによる継続ゲーム数について)
本ART遊技中の継続ゲーム数については、上記準備ART遊技中の特殊リプレイの入賞を契機に、本ART遊技継続ゲーム数として、たとえば「40ゲーム」が設定される。この40ゲームは、本ART遊技継続ゲーム数の初期値、つまり、本ART開始ゲーム数である。したがって、上記本ART開始ゲーム数が上乗せされている場合には、その上乗せされたゲーム数が、本ART継続ゲーム数として設定される。この本ART遊技継続ゲーム数の実体は、RT2遊技の継続ゲーム数ではなく、AT2遊技の継続ゲーム数であるといえる。
詳述するに、本実施形態では、上記RT2遊技は、転落契機役である「転落リプレイ」または「ベルこぼし目」の入賞した場合に終了するようになっており、上記AT2遊技は、本ART遊技継続ゲーム数がすべて消化された場合に終了するようになっている。また、AT2遊技中においては「転落リプレイ」または「ベルこぼし目」の入賞を回避させるアシスト報知が発生するため、遊技者は、これら転落契機役を回避させつつ、「通常リプレイ」または「ベル1」を入賞させることができるようになっている。
しかし、上記本ART遊技継続ゲーム数が終了してAT2遊技が終了すると、遊技機全体から捉えた遊技状態としては遊技機全体から捉えた遊技状態としては「RT3遊技」だけが発生している状態となる。このため、AT2遊技が終了した後は、転落リプレイまたはベルこぼし目を回避する入賞手順が報知されず、遊技者は、これらの転落契機役を回避するための手掛かりがなくなってしまう。またリプレイB1〜B3、リプレイC1〜C3、AT1〜4は他の役と比べ高確率で当選することから、AT2遊技が終了した後は、比較的短期間で転落リプレイまたはベルこぼし目が入賞して、RT0遊技に転落移行されることになる。したがって、AT2遊技が終了した後は、RT2遊技の継続が困難となり、いずれRT2遊技からRT0遊技に転落移行されることになる。したがって、AT2遊技の継続ゲーム数を、実質的に上記本ART遊技の継続ゲーム数と捉えることができる。この点、上記準備ARTについても、この本ART遊技と同じく、AT1遊技が継続ゲーム数で管理される場合は、実質的に、AT1遊技の継続ゲーム数を、準備ART遊技の継続ゲーム数と捉えることができる。このように本実施形態では、AT遊技の終了に起因してRT遊技が終了されることになるので、以下では特に必要のない限り、AT遊技継続ゲーム数とART継続ゲーム数とを等価的なものとして扱う。
再び図7の右下枠の説明に戻る。上記本ART遊技に突入すると、AT1〜AT4の当選によりベル1のアシスト報知が行われ、またリプレイ確率が全RT遊技中最も高くなり、さらにまた後述の「上乗せ抽選」機会が付与されることから、上記準備ART遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。この本ART遊技は、ボーナス遊技と同じく、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数(1ゲーム当りの平均純増枚数)が高まることから、疑似的なボーナス遊技(疑似ボーナス遊技)であるといえる。
本実施形態では、本ART遊技の継続ゲーム数が終了した場合は、所定の継続抽選を行い、この継続抽選に当選した場合に、再度、1セットの40ゲームを設定し、本ART遊技を継続させることができるようになっている。なお、上記継続抽選を行うタイミングは本ART遊技の継続ゲーム数終了前であれば、特に制限されない。たとえば、本ART遊技継続ゲーム数が終了となる最終ゲーム目で行っても良いし、ART遊技継続ゲーム数中の途中のゲーム(任意の残余ゲーム数)の開始時または終了時に行っても良い。
また上記継続抽選による継続率は、単一の継続率(たとえば、50%で継続)であっても良いし、複数種類の継続率から抽選しても良い(たとえば、50%、65%、75%、85%のうちからいずれかの継続率を決定する)。継続率が複数種類ある場合には、本ART遊技が開始前段階の所定のタイミングで決定する。たとえば、準備ART遊技中にリプレイB1〜B3が当選したことを、または特殊リプレイが入賞したことを契機に、複数種類の継続率のうちから抽選によりいずれかの継続率を決定することができる。
(本ART継続ゲーム数の上乗せについて)
本実施形態では、本ART遊技継続ゲーム数(本実施形態では、規定継続ゲーム数の40ゲーム)に対し、ゲーム数(正確には、AT2遊技の継続ゲーム数)を上乗せしうる「上乗せ抽選」が行われるようになっている。
この上乗せ抽選では、所定の抽選条件の成立の下、複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数が抽選により決定され、その決定されたゲーム数が現在の本ART継続ゲーム数に対して上乗せされる。これにより本ART遊技のゲーム期間が延長されて遊技者にさらなる利益をもたらすことになる。
本実施形態では、上記上乗せ抽選が実行される遊技状態として、通常の上乗せ抽選状態である「本ART遊技中」と、上乗せ抽選が高確率に変動する「上乗せ特化ゾーン」とが設けられている。
(本ART遊技中上乗せ抽選について)
本ART遊技中における上乗せ抽選は、演出制御部410側(上乗せ抽選手段)において、図29に示す「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル」に基づき実行される。
(本ART遊技中上乗せ抽選テーブル:図29)
上記本ART遊技中上乗せ抽選テーブルには、特定の当選役種別(上乗せ抽選契機役)とフリーズ演出種別(フリーズ未発生を含む)とに応じた上乗せゲーム数(図29の「上乗せG数」)およびその抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。
上記上乗せ抽選契機役には、図示のように、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、特殊AT1〜6などの特定の小役種が含まれる。なお上乗せ抽選契機役については特に制限されない。たとえば、ハズレやリプレイ役種を含めても良い。また、上乗せ抽選契機役は、1または複数種類設けることができる。
また上乗せゲーム数として、複数種類のゲーム数が用意されており、基本的には、当選確率が低い特定の役ほど、相対的に多い上乗せゲーム数が抽選されるようになっている。
また図29から分かるように、本実施形態では、上乗せ抽選契機役がフリーズ演出抽選契機役としても機能する。つまり上乗せ抽選契機役の当選時にフリーズ演出が発生する場合がある。これに着目して、フリーズ演出種別の発生確率が低いものほど、相対的に多い上乗せゲーム数が抽選されるようになっている。
(本ART遊技中の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカによる上乗せ抽選について)
上乗せ抽選契機役のうち、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、または強スイカに当選した場合、主制御部400側において、通常フリーズ演出抽選(図26)が行われ、フリーズ演出種別(ここでは、フリーズA〜Dおよびフリーズ未発生のいずれか)が決定される。そして、演出制御部410側において、図29に示す「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル」が参照され、主制御部400側において決定されたフリーズ演出種別に対応した上乗せゲーム数が抽選(本ART遊技中上乗せ抽選)により決定されるようになっている。なお、既に説明したように、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカは「押順不問フリーズ契機役」であるので、押し順とは無関係に、上記フリーズ演出抽選により決定されたフリーズ演出が発生することになる。
上記本ART開始ゲーム数上乗せ抽選では、フリーズA〜Dのフリーズ演出種別を伴うか否か、つまり図29に示すフリーズ演出種別A(A1〜A5)、B(B1〜B5)、C(C1〜C4)、D(D1〜D5)を伴うか否かによって上乗せゲーム数が異なる。フリーズA〜Dのフリーズ演出種別を伴う場合は、伴わない場合に比べて当選確率と上乗せゲーム数が高くなるようになっている。具体的には、フリーズ未発生、フリーズA、B、C、Dの順に、より多くの上乗せゲーム数が抽選される。なお、強スイカ、強チェリーにおけるフリーズDの発生は、レアなケースであるため、プレミアムということで、100%の確率で、相対的に高いゲーム数が上乗せされるようになっている(図29のフリーズDの欄参照)。
(本ART遊技中の特殊AT1〜6当選による上乗せ抽選について)
また本実施形態では、本ART遊技中に特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合、通常遊技中や準備ART遊技中に当選した場合と同じく、押し順に応じたフリーズ演出(ここでは、フリーズF7〜F9のいずれか)を発生させるようになっている。
ここでは、特殊AT1〜6のいずれかに当選した場合、演出制御部410側において、フリーズ用アシスト報知抽選(図32C)が行われ、フリーズF7〜F9およびフリーズ未発生のいずれかに対応するフリーズ用アシスト報知が決定されるとともに、演出制御部410側において、図29に示す「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル」が参照され、決定されたフリーズ用アシスト報知種別に対応した上乗せゲーム数が抽選(本ART遊技中上乗せ抽選)により決定されるようになっている。また演出制御部410側において、決定されたフリーズ用アシスト報知が現出され、主制御部400側において、押し順に応じたフリーズ演出(フリーズF7〜F8)を発生させるようになっている(図33C参照)。
図32Cの「特殊AT当選時フリーズ用アシスト報知抽選テーブル」に示すように、フリーズF7〜F8に対応するフリーズ用アシスト報知について、特殊AT1、特殊AT3、および特殊AT5は同一の選択率、特殊AT2および特殊AT4は同一の選択率となっており、特殊AT6は、フリーズF8やフリーズF9(高期待度フリーズ演出)の選択率が他の特殊ATよりも優遇されるように定められている。また、図29の「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル」に示すように、特殊AT1、特殊AT3、および特殊AT5の第1特殊AT群と、特殊AT2、特殊AT4、および特殊AT6の第2特殊AT群とで、同じフリーズ演出が発生しても上乗せゲーム数が異なるようになっており、第1特殊AT群よりも第2特殊AT群の方が相対的に高いゲーム数が上乗せされるようになっている。本実施形態では、各特殊ATは略同一の内部抽選確率となっており、入賞役の種類や遊技メダルの払い出しに関して同じ性質を持つ抽選対象役であるが、各特殊ATにより付与される遊技価値に軽重を付けることで、役のバリエーションを広げて、遊技の面白みを向上させている。
ここで、フリーズF7〜F9について、フリーズ用アシスト報知を現出させる際は、特に、特殊ATに当選したことを報知するような予告演出は現出せずに、比較的高確率で当選しうるAT1〜AT4が当選したときと同じような演出態様(アシスト報知態様を含む演出態様)を現出させるようにする。つまり、特殊ATに当選しても、演出上は、AT1〜AT4が当選したときのように振舞い(特殊AT当選時とAT当選時とで、実質的同一(同一または酷似する)演出態様を現出させる)、特殊AT種に当選したのか、それともAT種に当選したのかについての見分けが、不可能または困難とする演出を現出させ、特殊AT当選を秘匿するようにする。このような演出態様にする理由は次の通りである。
本ART遊技中のようにゲーム回数が制限されたゲーム期間中において、フリーズF7〜F9の発生は、まず内部抽選による特殊ATに当選し、さらにフリーズ用アシスト報知抽選による当選を経て、フリーズ用アシスト報知が発生する(図32C参照)。ここで、特殊ATは他の小役種と比較し低確率に設定されている。したがって、フリーズF7〜F9の発生確率は、内部当選確率よりさらに低確率となり、非常にレアなプレミアム的ケースとなる(図24の特殊ATの欄、図32C参照)。このように低確率で発生するフリーズに関し、遊技者の多くは、そのフリーズ発生自体には、あまり期待感を寄せて遊技はしておらず「運が良ければ引くことができるであろう」という程度の認識を持って遊技に興じているのが実情である。
この点に着目し、本実施形態では、特殊ATに当選しフリーズF7〜F9の発生が予定されている場合(フリーズ用アシスト報知抽選によりフリーズF7〜F9用のフリーズ用アシスト報知が決定された場合)において、回胴回転始動レバー11操作時からフリーズ発生までは、あたかもAT1〜AT4が当選したときと同一または酷似した(実質的同一)アシスト報知(アシスト報知を含む演出態様が実質的同一のもの)を現出させて、特殊ATが内部当選したことを秘匿しつつ、基本トリガータイミング(フリーズF7の場合は第1停止操作時、フリーズF8の場合は第2停止操作時、フリーズ9の場合は全回胴停止時(第3停止操作時))による「フリーズ発生時演出」、または付随トリガータイミングによる「フリーズ中操作時演出」により、インパクト演出(たとえば、衝撃音(特殊音演出)や、強烈なフラッシュ(特殊光演出)や、可動体役物(不図示)による激しい動作・落下演出(特殊動作演出)など)を現出させる。
このようにすれば、遊技者が「AT1〜AT4が当選したのだろう」と油断しているときに、インパクトのある演出が現出されるので、遊技者の意表を突くことができる。その結果、遊技者が受ける衝撃度は高いものになると考えられ、優れた演出効果を期待することができる。
特に、フリーズF7やフリーズF8のように、第1停止操作後または第2停止操作後にフリーズが発生した場合、既に説明したように、演出上、フリーズの発生を秘匿状態として遊技者にフリーズの発生を悟られないようにし、停止操作が効かないという違和感を与えつつ、そのフリーズ中において、回胴回転停止ボタン12が操作されたことをトリガー(付随トリガー)タイミングとして、ここで初めて上記のような「インパクト演出」を現出するように構成する。つまり、フリーズ中操作時演出が、上記インパクト演出として働く。このように、フリーズの発生を秘匿しながら突発的に現出される演出は、遊技者の意表を突く形で現出されるので、遊技者が受ける衝撃度はかなり高いものになると考えられる。
上述のフリーズの発生を秘匿するケースでは、「遅延状態により遊技者に違和感を与えるということ」および「フリーズを利用したインパクトのある演出を現出すること」、といったフリーズ演出が元来有する演出効果を最大限生かすことができる。特に、遊技に慣れた遊技者は、普段の遊技中は「第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作という一連の操作」を慣れた手つきでテンポ良く行っており、それ故、AT遊技中などの遊技中はアシスト報知に集中し、フリーズの発生には油断していることが多い。したがって、遊技に慣れた遊技者(遊技中級者〜上級者)ほど意表を突かれる度合いが高まり、より驚嘆させることができる。遊技中級者〜上級者を満足させることは、遊技機の稼働率やリピート率を向上させる上で重要であり、上述のような突発的なフリーズ演出の発生は、熟練した遊技者を魅了する上で、有効に働くものと考えられる。
上述のフリーズF7、F8が発生した場合について、図37のタイムチャートを用いて説明する。ここでは、フリーズF7が発生するケースを代表的に説明する。なおリーズF7は図示の第1フリーズに相当するので(第1停止操作後フリーズ)、図示の第2フリーズは無視する。
このフリーズF7が発生するケースでは、まず遊技者が第1停止操作をすると(たとえば、左回胴停止ボタン12aを操作)、これを基本トリガータイミングとして、図示のt1においてフリーズが発生する。ここでのフリーズ時間は、図示のt1〜8秒間(図示のt1〜t3に相当)となる。このt1〜t3(8秒間)のフリーズ時間中においては、「フリーズ発生時演出」は現出させない(フリーズ発生を秘匿状態とする)。しかし、そのフリーズ時間中の「t2」において遊技者が次の回胴を停止操作するべく、回胴回転停止ボタン12(たとえば、中回胴停止ボタン12bを操作(なお、いずれのボタンであっても良い))の操作を契機に(たとえば、サブ側フリーズ中演出の場合には、中回胴停止ボタン12bを操作した場合は、フリーズ中操作コマンド3または4を発生させ、これを演出制御部410側が受信した場合となる)、上記インパクト演出(フリーズ中操作時演出)を現出する。なお、回胴回転停止ボタン12の受付有効期間は、フリーズ時間中の全期間または一部(図示のコマンド受付有効期間に相当する期間)とすることができる。
(上乗せ特化ゾーン(RT2遊技+AT3遊技)について:図7の左下枠)
次に、上乗せ特化ゾーンについて説明する。この上乗せ特化ゾーンは、‘疑似ボーナス遊技’の一つとして機能し、リプレイ役種の中で最も低確率の「CAリプレイ」に当選した場合のルートであり、その特典として、上乗せ抽選が高確率に変動する遊技状態、換言すれば、本ART遊技よりも相対的に高い上乗せゲーム数が獲得できる、あるいは、上乗せゲーム数の獲得チャンスが高確率に変動する、といった上乗せに特化した遊技状態(上乗せ抽選高確率変動状態)である。なお、「CAリプレイ(チャンスリプレイ)」は、リプレイB1〜B3(特殊リプレイ)と同じく、疑似ボーナスへの移行契機となる‘疑似ボーナス役’として機能する。
(上乗せ特化ゾーンへの移行について)
本実施形態の場合、上乗せ特化ゾーンへの移行は、CAリプレイ1〜2に当選したことを契機に、上記通常ルートよりも相対的に高い上乗せゲーム数が獲得できる、といった上乗せに特化した遊技状態を発生させる。具体的には、CAリプレイ1〜2のいずれかに当選した場合、「チャンスリプレイ」のアシスト報知の機会が与えられ、チャンスリプレイの入賞機会を遊技者に与える。そして、遊技者がそのアシスト報知の内容に従い、チャンスリプレイを入賞させることができた場合、AT3遊技を発生させる。この「上乗せ特化ゾーン」に移行した場合、遊技機全体として捉えた遊技状態は「RT2遊技+AT3遊技」となる(図7の左下枠参照)。ただし本実施形態では、上乗せ特化ゾーンに移行する条件を次のように定めている。
本実施形態では、上乗せ特化ゾーンへの移行条件として、CAリプレイ1〜2の当選に係るフリーズ演出の発生を条件としている。CAリプレイ1〜2の当選が当選した場合、通常フリーズ演出抽選(図26)が行われ、図示のように、内部当選確率の低いCAリプレイ1の方が相対的にフリーズに高確率で当選するようになっている(当選番号32と33参照)。フリーズ演出抽選に当選した場合は、チャンスリプレイを入賞させるためのアシスト報知を発生させ、上乗せ特化ゾーンに移行させる。
本実施形態では、CAリプレイ1〜2のうち、当選確率が低いCAリプレイ1に当選した場合は、その特典として、フリーズ演出抽選に100%(128/128)で当選し、上乗せ特化ゾーンへの移行が約束される。他方、CAリプレイ1よりも当選確率が高いCAリプレイ2が当選した場合は、50%(64/128)の確率でフリーズ演出抽選に当選する。フリーズ演出抽選が‘ハズレ(非当選)’となった場合は次のような演出が現出されるようになっている。
フリーズ演出抽選に「ハズレ」となった場合、「通常リプレイ」を入賞させるためのアシスト報知、つまり不利入賞役側のアシスト報知である‘偽報知’を行う。この偽告知は、たとえば、リプレイB1〜B3が当選した場合における「特殊リプレイ」入賞を回避させ、通常リプレイを入賞させる(「転落リプレイ」の入賞を回避させる)ためのアシスト報知と同事象のアシスト報知となっている。このような「偽のアシスト報知(嘘告知)」をする理由は、次の通りである。
(CAリプレイに関するアシスト報知について)
CAリプレイは、その当選確率が非常に低く(図6の当選番号32、33参照)、プレミアム的な抽選対象役となっている。そこで、CAリプレイが当選した旨を報知しうる演出を現出させ、遊技者の期待感を煽ることも有効と考えられる。しかし、CAリプレイ2の場合、これに当選しても、フリーズ演出抽選によりフリーズ演出(フリーズD)が発生する確率は50%であり(図26の当選番号33参照)、そのような演出により期待感を散々煽られた挙句、結局、上乗せ特化ゾーンに移行できなかった場合、その反動は大きく、遊技者は落胆してしまうことになる。その結果、遊技機に対して不信感や不満感を募らせ、遊技に対する意欲が低下してしまう。またそれにより、遊技機の稼働率の低下を招来する恐れがある。
そこで本実施形態では、フリーズ演出抽選にハズレとなった場合、リプレイB1〜B3やリプレイC1〜C3が当選したときと実質的同一のアシスト報知(ここでは、転落リプレイの入賞を回避させるアシスト報知(偽アシスト報知(偽告知)))を発生させ、これにより、CAリプレイ2に当選したこと秘匿することにより、遊技者に過度な期待感を与えることを抑制し、遊技に対する意欲が低下してしまうことを防止することができるようになっている。
また上乗せ特化ゾーンの発生が予定されている場合(上乗せ特化ゾーン移行抽選(本実施形態では、フリーズ演出抽選(図26)に当選した場合)、遊技者が誤停止操作により通常リプレイが入賞してしまった場合であっても、救済機能として上乗せ特化ゾーンに移行させるようになっている。これは、上乗せ特化ゾーンの移行自体を無効にするのは、遊技者に対し酷に過ぎるからである。しかし、所定のペナルティを与えても良く、たとえば、上乗せゾーンの継続ゲーム数「20ゲーム」をそれよりも少ないゲーム数(たとえば、10ゲーム)とするペナルティを与えても良い。
(AT3遊技中のアシスト報知について:図7の左下枠)
次に「上乗せ特化ゾーン」に移行した場合のAT3遊技について説明する。AT3遊技中は、AT2遊技と同様に、リプレイB1〜B3のいずれかに当選した場合には「通常リプレイ」を入賞させるための押し順がアシスト報知され、AT1〜4が当選した場合には、ベル1を入賞させるための押し順がアシスト報知される。ただしAT3遊技中では、フリーズG2を発生させるべく、所定の報知条件の下、リプレイB1〜B3のいずれかに当選した場合には「特殊リプレイ」を入賞させるための押し順情報(特殊リプレイが入賞となる押し順のうち、特定の押し順)がアシスト報知され、AT3〜AT4に当選した場合には、ベル1を入賞させるための押し順情報(ベル1が入賞となる押し順のうち、特定の押し順)がアシスト報知される(これについての詳細は後述する)。
(上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル(フリーズ種別と上乗せゲーム数):図30)
上乗せ特化ゾーン中の上乗せ抽選は、演出制御部410側の上記「上乗せ抽選手段」がその機能を担い、ここでは、図30に示す「上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル」に基づき、上乗せ抽選を行う。この上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブルには、当選役種別(上乗せ抽選契機役種別)とフリーズ演出種別(フリーズA〜D、フリーズG2、フリーズF7〜F9)とに応じた、上乗せゲーム数およびその上乗せゲーム数の抽選確率(判定値/抽選領域の大きさ(128))が定められている。
図30の「上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル」を参照して、上乗せ特化ゾーンでは、図29の「本ART遊技中上乗せ抽選テーブル」との対比から判るように、上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ抽選契機役は、スイカ役種、チェリー役種、特殊AT種の他、リプレイB1〜B3、CAリプレイ1〜2、AT3〜4、ハズレなどが含まれ、本ART遊技中における上乗せ抽選契機役よりもその種類が多く、本ART遊技中よりも上乗せ機会が相対的に多く得られるようになっている。また上乗せ抽選に当選も本ART遊技中より高確率に変動しており、上乗せ抽選にした場合には、その上乗せゲーム数も相対的に多いゲーム数が獲得できるようになっている。また本ART遊技中と同様に、上乗せ抽選契機役がフリーズ演出抽選契機役としても機能しうるようになっており、上乗せ抽選契機役の当選時にフリーズ演出が発生する場合がある。これに着目して、フリーズ演出種別の発生確率が低いものほど、相対的に多い上乗せゲーム数が抽選されるようになっている。
次に上乗せ特化ゾーン中における上乗せ抽選について説明する。なお、本ART遊技中と実質的同じ内容については重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(上乗せ特化ゾーン中の弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CAリプレイ1〜2による上乗せ抽選について)
上乗せ抽選契機役のうち、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、またはCAリプレイ1〜2に当選した場合、本ART遊技中と同様に、主制御部400側において、通常フリーズ演出抽選(図26)が行われ、フリーズ演出種別(ここでは、フリーズA〜D(A1〜A5、B1〜B5、C1〜C4、D1〜D5)およびフリーズ未発生のいずれか)が決定される。そして、演出制御部410側において、図30に示す「上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル」が参照され、主制御部400側において決定されたフリーズ演出種別に対応した上乗せゲーム数が抽選(上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選)により決定されるようになっている。
(上乗せ特化ゾーン中の特殊AT1〜6当選による上乗せ抽選について:図32C、図33C)
また上乗せ抽選契機役のうち、特殊AT1〜6に当選した場合、本ART遊技中の場合と同様に、演出制御部410側において、フリーズ用アシスト報知抽選(図32C)が行われ、フリーズF7〜F9およびフリーズ未発生のいずれかに対応するフリーズ用アシスト報知が決定されるとともに、演出制御部410側において上記「上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル」が参照され、決定されたフリーズ用アシスト報知種別に対応した上乗せゲーム数が抽選(上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選)により決定されるようになっている。また演出制御部410側において、決定されたフリーズ用アシスト報知が現出され、主制御部400側において、押し順に応じたフリーズ演出(フリーズF7〜F8)を発生させるようになっている(図33C)。
(上乗せ特化ゾーン中のリプレイB1〜B3、AT3〜AT4による上乗せ抽選について:図32E、図33E)
また上乗せ抽選契機役のうち、リプレイB1〜B3、AT3〜AT4に当選した場合、上述した特殊ATの場合と同事象のように、演出制御部410側において、フリーズ用アシスト報知抽選(図32E)が行われ、フリーズG2およびフリーズ未発生のいずれかに対応するフリーズ用アシスト報知が決定されるとともに、演出制御部410側において、図30に示す「上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル」が参照され、決定されたフリーズ用アシスト報知種別に対応した上乗せゲーム数が上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選により決定されるようになっている。また演出制御部410側において、決定されたフリーズ用アシスト報知が現出され、主制御部400側において、押し順に応じたフリーズ演出(フリーズG2)を発生させるようになっている(図33E)。
なお、フリーズ用アシスト報知抽選によりフリーズ未発生に対応するフリーズ用アシスト報知が選択された場合、フリーズG2発生となる押し順以外の押し順がアシスト報知される。
またAT1〜AT4のいずれも実質的同一の演出態様(アシスト報知態様を含む演出態様が実質的同一のもの)を現出させるようにすることが好ましい。つまり、演出上は、AT1〜AT4のいずれのATが当選したのかについての見分けが、不可能または困難とする演出を現出させ、AT3およびAT4当選を秘匿するようにする。このようにすれば、AT3またはAT4が当選した場合、仮にフリーズ未発生に対応するフリーズ用アシスト報知が選択された場合であっても、遊技者はその旨を知ることができないので、遊技者に過度な期待感を与えることなく、AT1またはAT2が当選した場合と同じように遊技を消化させることができる。また、フリーズG2に対応するフリーズ用アシスト報知が選択された場合、演出上は、AT1またはAT2が当選したときと同じように振舞うので、全回胴停止後にフリーズG2が発生した場合、遊技者の意表を突くことができ、既に説明した本ART遊技中の特殊ATが当選してフリーズ(フリーズF7〜F9)が発生する場合と同じような演出効果を期待することができる。
上記したフリーズG2が発生する場合(フリーズ用アシスト報知抽選によりフリーズG2が指定された場合)、図30の「上乗せ特化ゾーン中上乗せ抽選テーブル」に示すように、100%の確率で上乗せゲーム数が上乗せされ、そのフリーズを利用して上乗せゲーム数を獲得したことおよびそのゲーム数を報知する「上乗せ告知演出」が現出される。
ここで、AT3〜AT4同士は所定枚数の遊技媒体の払い出しを伴う点で、またリプレイB1〜B3同士は再遊技を伴う点で同じ性能を持つ内部抽選対象役種別であり、さらに同じ内部抽選確率(図6参照)となっているが、上乗せゲーム数はそれぞれ異なるように定められている。本実施形態では、AT3〜AT4およびリプレイB1〜B3のうち、フリーズG2に対応するフリーズ用アシスト報知に当選し難い役(たとえば、AT4、リプレイB2、またはリプレイB3)が当選した場合(図32E参照)、その特典として、上乗せゲーム数が相対的に多く付与されるように定めてある。これにより、同じ性質を持つ内部抽選対象役同士であっても、遊技価値の軽重を付けることができるので、遊技性を向上させることができる。
なお、上乗せ抽選契機役にリプレイB1〜B3を対象とする理由は、リプレイB1〜B3のいずれかに当選した場合、特殊リプレイを入賞させるための押し順情報をアシスト報知して、本ART遊技中に揃うことのない(遊技者がアシスト報知に従う限り揃うことはない入賞役)「7揃いリプレイ」を揃えさせて、遊技者をより楽しませることができるからである。勿論、上乗せ抽選契機役はこれに限らず、本ART遊技中の場合と同じ役種別を定めても良い。
(上乗せ特化ゾーン終了(継続ゲーム数)について)
上乗せ特化ゾーン継続ゲーム数が終了した後は、AT3遊技が終了してAT2遊技が発生し、結果、図7左下枠に示す上乗せ特化ゾーン(AT3遊技+RT2遊技)から図7右下枠に示す本ART遊技(RT2遊技+AT2遊技)に移行される。ここで、本ART遊技中のCAリプレイに当選した場合の本ART遊技の継続ゲーム数の扱いについて説明する。
本ART遊技中にCAリプレイに当選し上乗せ特化ゾーンに移行した場合には、遊技者に不利益を与えないようにするべく、本ART遊技の実行権利を一旦保留する。詳しくは、CAリプレイ当選を契機に上乗せ特化ゾーンの移行が予定された場合、本ART遊技継続ゲーム数のカウントを一旦停止し、上乗せ特化ゾーンが終了した後、再度、停止時の本ART遊技残余継続ゲーム数から本ART遊技を再開させるようになっている。これは、上乗せ特化ゾーンの継続ゲーム数消化とともに、本ART遊技継続ゲーム数が消化されてしまうことを防ぐためである。これにより、既に獲得した本ART遊技の利益を損なうことなく、上乗せ特化ゾーンの利益を付与して、遊技者に不利益を与えないようになっている。
なお、CAリプレイに係るチャンスリプレイ入賞に起因して移行されることとなる、他のRT遊技(上乗せ特化ゾーン用RT遊技)を設けても良い。この場合、遊技機全体から捉えた遊技状態は「上乗せ特化ゾーン用RT遊技+AT3遊技」とすることができる。また上乗せ特化ゾーン用RT遊技においても、転落契機役である転落リプレイやベルこぼし目が入賞した場合、上乗せ特化ゾーン用RT遊技からRT2遊技に移行(転落)させるように構成することができる。斯様な上乗せ特化ゾーン用RT遊技を設けた場合、上乗せ特化ゾーン継続ゲーム数の終了に伴いAT3遊技が終了し、これにより転落契機役の回避手順が報知されなくなるので、再度、本ART遊技に再移行させることができる。
本実施形態では、上記した昇格契機役(リプレイA1〜A3に係る昇格リプレイ、リプレイB1〜B3に係る特殊リプレイ、CAリプレイ1〜2に係るチャンスリプレイなど)または転落契機役(リプレイB1〜B3、リプレイC1〜C3に係る転落リプレイ、AT1〜4に係るベルこぼし目など)は、演出制御部410側のアシスト報知制御により、入賞が容易または確定的(入賞容易状態)になったり、入賞が困難または不確定(入賞困難状態)になったりする。つまり、演出制御部410側のアシスト報知制御により、その入賞率が大きく左右される。換言すれば、演出制御部410側のアシスト報知制御は、主制御部400側の内部抽選と等価的な役割を担っている。これは、遊技状態の移行制御が主制御部400側による遊技動作制御により管理されているのではなく、専ら、演出制御部410側の演出動作制御により管理されていることを意味する。本実施形態では、演出制御部410側が単に遊技に関連した演出を制御するのではなく、遊技状態間の移行制御を担う主要部としても機能させている。これにより、複数種類の遊技状態間の移行条件を多彩なものとすることができ、遊技性を向上させることができるようになっている。
なお、以上で説明した、昇格契機役(AT遊技移行契機役)に関するアシスト報知条件成立状態や、上乗せ特化ゾーンなどといった遊技者に有利に作用する「有利報知状態」の移行契機として作用する役種別については、本発明の効果を奏することができるものであれば特に制限されない。
上記の「有利報知状態」とは、通常遊技状態または通常の演出状態(通常状態)よりも遊技者に有利に作用しうる演出状態であり、たとえば、AT遊技、昇格チャンスゾーン、または昇格契機役に係るアシスト報知条件成立状態(昇格リプレイ前兆AT遊技)、上乗せ特化ゾーンなどの遊技状態を広く包含する概念である。
また上記昇格契機役(AT遊技移行契機役)は、その有利報知状態への移行(発生)契機として作用する「抽選対象役」や「入賞役」を指す。つまり、当選役として決定された時点で、昇格契機役となりうる抽選対象役は(たとえば、弱スイカ、強スイカ、強チェリー、弱チェリーなど)、その抽選対象役自体が昇格契機役として働くものであり、押順規定役のように、当選役として決定された場合であっても停止操作手順により異なる入賞役が遊技結果として導出され、その入賞役に応じて有利報知状態に移行しうる場合には、この入賞役自体が昇格契機役として働くものとなる。なお、遊技者に不利に作用する遊技状態への移行契機となる「転落契機役」についても同様に、「抽選対象役」や「入賞役」がその役割を担うことができる。
(RT3遊技(BB内部当選中(ボーナス持越遊技中)RT遊技)について)
次に、RT3遊技について説明する。このRT3遊技は、上記RT0遊技〜RT3遊技中にBBが当選した場合に移行されるBB内部当選状態用のRT遊技となっており、BBの持ち越し遊技中であるという点で、上記した一般遊技状態におけるRT0遊技〜RT3遊技とは異なる。なお、RT3遊技中は、RT0遊技と同じリプレイ役種が当選可能な遊技状態となっており、リプレイ役の当選確率がRT0遊技と略同一となっている。またRT3遊技に移行した場合には、BBが入賞するまで、他の遊技状態には移行されないようになっている。
(ART遊技中のBB当選)
準備ART遊技中、本ART遊技中、または上乗せ特化ゾーン中にBB役種に当選した場合、これらART遊技の権利を一旦保留し、そのボーナス遊技終了後に、再度、ART遊技を実行する権利を付与することができる。たとえば、準備ART遊技中にBBに当選した場合は、当該BBによるボーナス遊技終了後、昇格リプレイ報知を実行し、再度、準備ART遊技中に移行させることができる。また本ART遊技中にBBに当選した場合には、本ART遊技継続ゲーム数のカウントを一旦停止し、BB終了後、再度、強制的に昇格リプレイ報知状態とし、これにより準備ART遊技を経由して本ART遊技に移行させるようにし、BB当選時の本ART遊技残余継続ゲーム数から本ART遊技を再開させることができる。
(ペナルティについて)
本実施形態では、多くの抽選対象役およびその役構成、複数種類の遊技状態を実効化することにより遊技性を向上させている一方で、遊技機に求められる機械割や射幸性などを考慮し、遊技進行上に関する罰則として、遊技者が正規の遊技手順を実行しない場合には、所定のペナルティを与えるようになっている。ペナルティを科す理由は、次の通りである。
パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(たとえば、別表第5 回胴式遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格)により、機械割や射幸性が厳しく制限されている。そのため、遊技方法を遊技者に守らせて、想定外の出玉(たとえば、遊技者により意図的に多くの出玉を得られてしまうような状態)を抑制しつつも、遊技者が満足する遊技性を作り出すため、遊技進行に関する所定のペナルティを科すようにしている。
本実施形態では遊技者の利益を左右する役として、所定の状態移行契機役(たとえば、昇格リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイ、チャンスリプレイ、ベルこぼし目)を設けてある。たとえば、リプレイA1〜A3に係る昇格リプレイについては、これが入賞する押し順(押し順正解)が割り当てられているので、仮に、何らペナルティを科さずに、遊技者に自由な回胴の停止操作(押し順操作)を許容してしまうと、遊技者が偶然にまたは意図的に押し順正解となる停止操作手順を行う場合がある。この場合、昇格リプレイのアシスト報知が発生していないにもかかわらず、準備ART遊技に昇格移行されてしまうことが度々発生しうる。
また本実施形態では、AT1の当選確率よりもAT2〜AT4の当選確率の方が6倍弱上昇した確率に定められており(図6の役抽選テーブルのAT1〜AT4の欄参照)、当該当選確率が高いAT2〜AT4によるベル1の押し順の割り当ての大半が、順押し以外の押し順に偏りを持たせている。したがって、これを知る遊技者は、中押しや逆押しを対象とする‘変則押し’(第1停止操作回胴が左回胴5a以外の押し順)を毎ゲーム行い、ベル1の配当を意図的に高確率で獲得しながら、順押しの場合よりも遊技メダルを減らすことなく、BB当選や遊技状態の昇格移行を待つ(たとえば、昇格リプレイ報知成立状態を待つ)、といった技術介入が容易できてしまう。その結果、遊技機の設計上、想定していた機械割のバランスが崩れてしまう恐れがある。
このように遊技進行上、停止操作手順に起因して想定していない事象が発生してしまうことを抑制することが必要となる。そこで、遊技者が所定の遊技方法(以下、「正規手順」と称する)に従わない場合、遊技者に不利に作用するペナルティを科すようにし、これにより遊技機における遊技方法を遊技者に守らせるようにしている。斯様なペナルティの内容については後述するが、正規手順を実行していれば得ることができた本来の利益を制限することができるものであれば良い。
本実施形態では、主として、現在、どのような演出制御部側遊技状態(演出状態)であるかに応じて、または、どのような演出が現出されているかに応じて、所定のペナルティを科すようになっている。ペナルティが科される条件(ペナルティ条件)としては、たとえば、非AT遊技中において「変則押し」を実行した場合や、特定の入賞役が入賞した場合(たとえば、変則押しを実行し、かつベル1が入賞した場合)や、何らかのアシスト報知が発生していない状態(アシスト報知未発生時)に変則押しを実行した場合などが挙げられる。
ペナルティの内容としては、たとえば、所定のペナルティゲーム数(たとえば、10ゲーム)が消化されるまで、遊技者に不利なゲーム展開がなされるものが挙げられる。たとえば、不正規手順を実行した当該ゲームから10ゲーム消化するまで(ペナルティ期間中)に昇格リプレイ報知抽選契機役に当選しても、昇格リプレイ報知抽選や昇格チャンスゾーン移行抽選を不実行とし(その抽選に当選しても無効扱い(ハズレ)としても良い)、昇格チャンスゾーンの発生やアシスト報知の発生自体を無効にして、アシスト報知が実行されることを制限する。また、天井ゲーム数が設けられている場合は、この天井ゲーム数までのカウントを停止する。
このようにして、ペナルティ期間中は、AT遊技開始条件(AT遊技への移行条件)が成立することを制限したり、天井ゲーム数のカウントを停止させ天井ゲーム数が実質的に延長されたりするようになっている。
このペナルティが特に効果を発揮するのは、RT0遊技中において、変則押し(不正規手順)をした場合である。RT0遊技中に、上述のペナルティ(アシスト報知の制限)が科されると、正規ルートを辿ることができなくなる(本実施形態では、既に説明したように、昇格リプレイ報知未発生時に昇格リプレイが入賞してRT1遊技に移行しても、AT1遊技が発生しない)。このようなペナルティは、たとえ短期間であっても、遊技者にとり極めて不利なゲーム展開となるため、遊技者は、ペナルティが科されないように、正規手順を厳守するようになる。特に、昇格リプレイのアシスト報知が禁止されると、結果的に、本ART遊技への移行が妨げられるため、正規手順を厳守させるためには効果的である。本実施形態では、非AT遊技中またはアシスト報知未実行時などにおいて「順押し」の実行が正規手順として規定されている。
上記のようなペナルティは、専ら演出制御部410側の制御(特にアシスト報知の現出制御)により遊技者に付与する利益状態を左右させ、または状態移行契機役に関する入賞率を管理して、遊技状態間の移行状態(移行可能状態や移行不可能状態)を制御しうる遊技機において、重要な意義を有する。
(ペナルティの除外対象について)
以上に説明したペナルティは、遊技性の関係上とはいえ、遊技者に不利なゲーム展開を強いるものである。したがって、正規手順でない場合に一律にペナルティを科してしまうと、遊技者の遊技意欲を低下させたり、遊技機に対する不信感を与えたりする場合がある。そこで本実施形態では、例外的にペナルテルを科さない「ペナルティの除外対象」を定めている。以下に、ペナルティ除外対象について説明する。
(ペナルティの除外対象について)
本実施形態では、既に説明したように、たとえば、特殊AT1〜6のいずれかが当選すれば、本ART遊技への移行が確定的となる(ART直撃ルート)。特殊ATを上記プレミアム的な役としての位置付けしているのは、特殊ATが小役種のうち最も低い当選確率(本実施形態の場合、一般役種の中で最も低い)となっており、そのため、これに当選した場合は、ART直撃という遊技者に特別な特典がされる。
上記特殊ATのような高い遊技価値を伴う役への当選は、遊技者の関心事の一つである。したがって、特殊ATがペナルティ期間中に当選した場合に、当該当選による遊技価値獲得権利を一切無効化にしてしまうと、折角の特殊AT当選が無に帰すことになり、これは、遊技者にとって酷に過ぎる。またこのような事態は、遊技者の遊技意欲を低下させ、遊技機に対する不信感を増大させてしまう恐れがある。
そこで本実施形態では、上記問題点に鑑み、救済機能として、特殊AT自体をペナルティ対象として除外し、たとえ、ペナルティ期間中であっても、特殊AT当選によるアシスト報知の発生権利を無効とせず、これを有効として扱うようにしている。上記救済機能は、アシスト報知の現出制御に関わるものであり、演出制御部410がその機能部を担う。
なお上述では、特殊ATをペナルティ対象外として説明したが、本発明はこれに限られない。上記問題点に関連して、フリーズ演出について、これをペナルティの除外対象とすることができる。その理由は次の通りである。
上記フリーズは、通常時の遊技進行に係る演出とは異なり、遊技進行を一時的に中断する、といった遅延期間を伴う異質な演出となっており、主として、高い利益が付与されうる、またはその契機(たとえば、AT遊技への移行契機)となることを報知または暗示する予告演出(高期待度演出)として利用されることから、フリーズが発生した時点で遊技者は利益獲得に対する多大な期待感を寄せることになる。そのため、上記フリーズの発生を伴う場合、これをペナルティ対象外とすることが好ましい。
またフリーズA〜Dのフリーズ演出種別のすべてをペナルティ対象外とするのではなく、特定のフリーズ演出種別、たとえば、期待度が相対的に高い「フリーズC」または「フリーズD」のフリーズ演出種別の発生を伴う場合(図26参照)、これをペナルティ対象外とすることができる。この場合は、特殊ATの他、フリーズC・Dのフリーズ演出種別が選択され得る「強チェリー」や「強スイカ」なども(図26参照)、ペナルティ対象外の役となり得る。
本実施形態では、ペナルティ条件として、AT遊技が発生していない状態(非AT遊技中)での変則押しを実行した場合、何らかのアシスト報知が発生していない状態(非アシスト報知中)での変則押しを実行した場合としているが、たとえ、ペナルティ条件を満たす押し順を実行してしまったとしても、次のような場合はペナルティを科さなくとも良い。
たとえば、今回のゲームにおいて、どのような押し順をしても、何ら機械割に影響しない状態下で、変則押しをした場合が挙げられる。具体的には、今回のゲームの当選役が、押し順が関係する「押順規定役」ではない場合、つまり「押順不問役」である場合、例外的にペナルティを科さない構成としても良い。押順不問役であれば、押し順に応じて入賞役が異なることがないため、ペナルティを科す必要に乏しく、また遊技者に対し余計な不利益を与えることもなく、遊技上の不都合も特に生じないからである。
また、昇格リプレイのアシスト報知条件成立状態のように、アシスト報知自体は発生していないが、アシスト報知が発生することが予定されている場合、これを「アシスト報知発生中」として扱い、例外的にペナルティを科さないようにすることができる。これは、遊技者が正規手順による遊技中にアシスト報知条件成立状態が成立したにもかかわらず、予定されていたアシスト報知が無効化されると、遊技者に酷に過ぎるからである。
(ペナルティ中の警告演出)
本実施形態では、ペナルティが発生した場合、これを遊技者に報知するべく、演出手段により「警告演出」を現出するようになっている。この「警告演出」の内容は、ペナルティが発生した旨やペナルティ期間中である旨を報知する演出態様である。たとえば、液晶表示画面6a上に、ペナルティが科された旨を知らせる警告表示を行う。この警告演出により、遊技者に対し、ペナルティが科された旨を報知し、以後、正規手順に従うよう促すようになっている。ただし、本来ならばペナルティが科されるが、上述のように、例外的にペナルティが科されない状態であったような場合は、遊技者が不正規手順を実行したことを知らせるべく、「警告演出」を行うことが好ましい。
この警告演出には、たとえば、(i)不正規手順(変則押し)を実行した時点で遊技者に警告する第1の警告演出(たとえば、通常時、左回胴5a以外の回胴を第1停止操作回胴とした場合、停止操作時に警告音を発生させる)、(ii)ペナルティが実際に科された旨を報知する第2の警告演出、(iii)ペナルティ中である旨を報知する第3の警告演出(たとえば、「ペナルティ解除ゲーム数まで‘残り5ゲーム’」のような「ペナルティゲーム数表示」を伴う警告演出)、などを含むことができる。
なお、上述した警告演出のうち、上記警告演出は、必ずしもペナルティが解除されるまで継続して現出しなくとも良い。たとえば、今回のゲームが不正規手順であった場合、当該ゲームに限り、警告演出を現出しても良い。たとえば、第3の警告演出は、ペナルティ解除ゲーム数までが、残り1ゲーム〜数ゲームになった段階で表示を解除しても良い。これは、ペナルティが解除されるまで継続して警告演出を現出すると、遊技者にとって煩わしい場合もあるからである。
また上記警告演出は、遊技者に明確に報知するべく、専ら、画像表示による画像表示演出が利用されるが、警告演出態様に応じて、画像表示演出とともに、あるいは画像表示演出は行うことなく、音演出よる警告音や、光演出による特別な発光態様(警告光)などにより警告演出を現出可能な構成とすることができる。
(特別役(BB)に関するペナルティについて)
なお「BB」は、ボーナス遊技という特別遊技状態に移行させる役であり、このボーナス遊技は、AT遊技のような演出状態の違いにより遊技者に利益をもたらすというものではなく、専ら一般役種の確率を高めて遊技者に利益をもたらすという遊技状態となっている。このため、BBについては、演出に関するペナルティを科す必要性はなく、これをペナルティの対象とはしていない。
ここで混同してはならないのは、ペナルティを科すことに意義のある役は、主制御部40側で管理できないAT遊技の移行・発生(AT遊技に係る継続ゲーム数、上乗せゲーム数の管理制御を含む)に関係する抽選対象役または入賞役であるという点である。したがって、次のような性能を有するBBを設けた場合は、ペナルティの対象とすることができる。
たとえば、BB当選によるボーナス遊技中において、押順規定役(たとえば、AT1〜AT12)が高確率で当選する遊技状態とし、さらに当該AT当選に係る有利入賞役(たとえば、ベル1)のアシスト報知の有無により遊技者の利益を左右する、といった、所謂「ツインボーナス」の機能を持つ遊技機とした場合である。たとえば、BB1当選でアシスト報知無しのボーナス遊技(ノーマルボーナス)、BB2当選でアシスト報知有りのボーナス遊技(ハイパーボーナス)といった場合が挙げられる。この場合のボーナス遊技は、演出制御部410側で制御される、有利入賞役のアシスト報知を伴うAT遊技発生の有無により、遊技者の利益を左右する。この場合、たとえば、ペナルティ中にBB1に当選した場合、アシスト報知の発生を制限し、ハイパーボーナスをノーマルボーナスに転落させる、といったペナルティを科すことができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図8〜図17>
図8〜図16を参照して、主要な遊技動作を統括的に司る主制御部400側の処理内容について説明する。
(1.主制御側メイン処理:図8)
図8は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部(主制御基板)400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、不図示の電源基板から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図8に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS11が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S26が行われる。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が実行され、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27の処理が実行される。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次いで、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、メインRAM401bのモードデータに基づき、今回のゲームの遊技モード(主制御部側遊技状態)を確認し、これに対応する遊技状態フラグ(たとえば、RT遊技種別やボーナス遊技中など主制御部側遊技状態を識別するフラグ)を設定する。上記遊技状態フラグにより、今回のゲームの遊技状態が指定される。
次いで、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始可能となる規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値(数値範囲:0〜65535)を取得する(ステップS15)。
次いで、取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と、現在の遊技状態に対応した抽選テーブル(図24)とに基づく内部抽選を行い、その内部抽選結果に対応した当選役情報(当選フラグ)を設定する。ここでは、演出制御コマンドとして「遊技開始情報コマンド」をセットする。この遊技開始情報コマンドには、少なくとも当選役情報(抽選結果情報)が含まれ、本実施形態では、遊技状態情報および当選役情報が含まれる。遊技開始情報コマンドに含まれる情報は、演出制御部410側において、今回のゲーム中に現出する演出の決定や、疑似ボーナスや上乗せゲーム数に関する抽選(たとえば、図27〜図31)に利用される。なお、演出制御コマンドは、後述の図17の主制御部側タイマ割込処理中のコマンド出力処理において、主制御部400から演出制御部410へと送信されるようになっている。
次いで、リール演出抽選処理を行う(ステップS17)。このリール演出抽選処理では、通常フリーズ演出抽選テーブル(図26)を参照して、ステップS16の内部抽選結果と現在の遊技状態とに基づくフリーズ演出抽選(通常フリーズ演出抽選)を行い、当該フリーズ抽選結果に基づく設定処理を行う。なお、上記リール演出抽選処理の詳細については図9にて後述する。
次いで、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS18)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始する際に必要なデータ、たとえば、回胴演出に係る回胴回転動作や通常の回転動作を実現するために必要なデータ(回胴の回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211c用の制御データ))を設定したり、1ゲームの最短時間を規定するための遊技開始ウェイトタイマ(4.1秒)をセットしたりする。また、遊技開始ウェイトタイマ経過後には、演出制御コマンドとして、回胴始動を示す「回転開始コマンド」をセットする。そして、回胴の回転始動(通常の回転動作)を行い、これにより各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。なお、回胴回転開始設定処理の詳細については図10にて後述する。
その後、回胴が回転始動されて全回胴が概ね一定速度になると、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの停止操作を有効とする、停止操作許容状態となる。この停止操作許容状態において、回胴回転停止ボタン12a、12b、または12cが操作された場合、停止操作対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS19)。この回胴停止処理では、回胴の停止制御に係る処理の他、回胴の押し順を監視して、押順不問フリーズ演出(ここでは、レバーオン時フリーズ演出以外のフリーズ演出)や押順規定フリーズ演出の発生について管理制御する。なお、回胴停止処理の詳細については図11にて後述する。
全回胴の停止が確認されると、続いて、入賞判定処理を行う(ステップS20)。この入賞判定処理では、入賞ラインデータ(図柄停止情報)に基づいて、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したかどうか、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。
またここでは、全回胴の停止時に係る演出制御コマンドとして、「入賞情報コマンド(全回胴停止コマンド)」をセットする。この入賞情報コマンドには、全回胴停止時の停止図柄情報や、入賞ライン情報など、今回の遊技結果を特定しうる各種の遊技情報が含まれる。上記「入賞情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、全回胴停止時(遊技結果導出時)に係る演出(たとえば、入賞演出)の現出や、遊技結果に基づく演出状態の移行制御など、全回胴の停止時に要する演出制御処理を行う。
次に、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。このメダル払出枚数監視処理では、ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。またここでは、払い出しに関する演出制御コマンドとして、「払出コマンド」をセットする。この「払出コマンド」は、遊技メダルが払い出された旨を指定するものであり、払い出しが1枚あるごとに演出制御部410側に送信されるようになっている。上記払出コマンドは、演出制御部410側において、払い出し時の払出演出(たとえば、メダル払い出し音)を現出する際に利用される。
次に、再遊技RT設定処理を行う(ステップS22)。この再遊技RT設定処理では、リプレイが有効入賞ライン上に停止した場合に、再遊技の作動に必要な設定処理を行う。本処理により再遊技作動が指定された場合、次回ゲーム開始時における遊技メダル投入処理(ステップS14)おいて、今回要した遊技メダルと同じ枚数分の遊技メダルが自動投入され、次回ゲームを遊技メダルの投入なしに開始可能とされる。またここでは、昇格リプレイや特殊リプレイなどの昇格契機役、転落リプレイやベルこぼし目などの転落契機役の入賞に起因するRT遊技間の移行制御に関する設定処理も行われる。
次いで、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS23)。ボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、ボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、次に、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS25)。ボーナス役が停止していない場合(ステップS23:NO)、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13以降の処理を順次行う。
一方、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS25)。このボーナス遊技作動開始処理では、たとえば、ボーナス遊技中の獲得枚数を管理するためのボーナス獲得枚数カウンタやボーナス当選フラグをクリアし、次回のゲームからボーナス遊技に移行させるために必要なボーナス開始前の設定処理を行う。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13以降の処理を順次行う。
<2.リール演出抽選処理(ステップS17):図9>
次に図9を参照して、図8のリール演出抽選処理(ステップS17)ついて説明する。図9は、図8のリール演出抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、主制御基板400は、まずステップS15の乱数取得処理で抽選された当選役情報を取得する(ステップS101)。
次いで、現在の遊技状態を確認し、当該遊技状態に係るフリーズ演出抽選対象役であるか否を判定する(ステップS102)。ここでのフリーズ演出抽選対象役とは、押順不問フリーズ契機役である。
フリーズ演出抽選対象役である場合(ステップS102:YES)、フリーズ演出抽選処理を行う(ステップS103)。ここでは、図26の通常フリーズ演出抽選テーブルを参照し、現在の遊技状態(遊技状態フラグ)と当選役種別とに基づき、押順不問フリーズ演出のフリーズA〜Dのいずれかに属するフリーズ演出種別(正確には、A1〜E3のいずれか)の一つを抽選により決定する。
上記通常フリーズ演出抽選テーブルには、図示はしていないが、現在の遊技状態(RT0遊技〜RT2遊技)および当選役種別と、フリーズ演出種別の大枠(フリーズA〜D)およびそれぞれに属する具体的なフリーズ(フリーズA1〜E3)とが関連付けて定められており、実行すべきフリーズ演出種別をフリーズA〜Dのいずれに属するものとするか、およびフリーズ部分内で具体的にいずれの実行フリーズとするかを、所定の抽選確率を以って、フリーズ演出抽選用乱数値を利用した抽選により決定するようになっている。ただし、上記昇格チャンスゾーンの発生契機、または上乗せ抽選契機となる特定の遊技状態に着目し、遊技状態が特定の遊技状態(RT0〜RT2遊技)である場合に、フリーズ演出が発生されるように定められている。
本実施形態の場合、既に説明したように、上記フリーズ演出種別はフリーズA〜Dに分類されている。すなわちフリーズ演出には、図35Aに示すフリーズA1〜A5、B1〜B5、C1〜C4、D1〜D5などがあり、それらのフリーズ演出の分類先としてフリーズA〜Dの区分がある。本例では、フリーズAの区分にフリーズA1〜A5が属し、フリーズBの区分にフリーズB1〜B5が属し、フリーズCの区分にC1〜C4が属し、そしてフリーズDの区分にD1〜D5が属している。したがって、上記通常フリーズ演出抽選によってフリーズA〜Dの区分が定まれば、その区分に属するいずれかのフリーズ演出が所定の抽選(フリーズ選択抽選)により定まる関係になっている。たとえば、フリーズAが抽選により選択された場合、これに属するフリーズA1〜A5のうちの一つ、たとえばフリーズA1が抽選により選択され、フリーズ演出が発生される。上記フリーズ選択抽選によるフリーズ演出種別の抽選確率は遊技性に応じて適宜定めることができる。なお、フリーズA〜D区分に属するフリーズ演出がそれぞれ単一であれば、フリーズ選択抽選によることなく(フリーズ選択抽選は不必要となる)、通常フリーズ演出抽選によりフリーズ演出が定まることになる。
上記のフリーズ演出抽選処理を終えると、次いで、フリーズ演出抽選結果に対応したフリーズ演出フラグをセットする(ステップS104)。このフリーズ演出フラグは、既に説明したように、今回のゲームで発生させるフリーズ演出種別を識別(指定)するためフラグであり、1ゲーム毎にクリアされる。なお、ステップS104の処理おいて、フリーズ演出抽選対象役でないと判定された場合(ステップS102:NO)には、フリーズ演出抽選に「ハズレ」として扱い、フリーズ演出フラグに「00H」をセットする。したがって、ステップS104の処理では、フリーズ演出抽選(ステップS103)の抽選結果に対応したフリーズ演出フラグか、またはフリーズ未発生(ハズレ)に対応するフリーズ演出フラグ(未発生(ハズレ)=00H)がセットされることになる。
次いで、ステップS104でセットされたフリーズ演出フラグに基づく「フリーズ種別コマンド」をセットする(ステップS105)。このフリーズ種別コマンドは、フリーズ演出種別情報(ハズレであるフリーズ未発生情報も含む)を含むものであり、このフリーズ種別コマンドを演出制御部410側に送信することにより、どのようなフリーズ種が発生するのか、それとも未発生であるのかを演出制御部410側において把握され、演出制御部410が今回のフリーズ演出の演出シナリオ(フリーズ発生時演出シナリオ)を決定する際に利用される。また演出制御部410側では、内部抽選処理でセットされる遊技開始情報コマンドと、このフリーズ種別コマンドとに含まれる情報に基づき、現在の遊技状態(主制御部側遊技状態)、当選役情報、およびフリーズ演出種別(フリーズ未発生を含む)を把握し、各種の抽選(図27〜図31、図32A〜図32Eなど)やアシスト報知制御処理を行う。
次いで、上記フリーズ演出フラグを確認し、レバーオン時フリーズ演出のうちで、変則回転を伴わない無回転の回胴演出(不回転回胴演出)に係るものであるかどうかを判断する(ステップS106)。本実施形態では「フリーズD1」が不回転回胴演出に該当するので、ここでは、フリーズD1であるか否かを判断する。
フリーズ演出種別がフリーズD1でない場合(ステップS106≠04H)、何もしないでリール演出抽選処理を抜ける。
しかし、フリーズ演出種別がフリーズD1である場合(ステップS106=04H)、フリーズD1の発生条件が成立したとして、フリーズコマンド(フリーズD1用)をセットする(ステップS107)。この「フリーズコマンド」は、フリーズ演出の開始を指定コマンドであり、フリーズコマンドが主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、フリーズ発生時演出シナリオに基づくフリーズ演出(サブ側フリーズ中演出)を現出するための演出制御処理を行う。したがって、上記フリーズコマンドは、サブ側フリーズ中演出を発生させるトリガータイミングとして働く。
次いで、フリーズD1に要するフリーズ時間(遅延時間:ここでは、フリーズD1対応の「30000ms(30秒)」)をフリーズタイマにセットする(ステップS108)。上記「フリーズタイマ」とは、フリーズ時間を管理するタイマであり、RAM203のタイマ管理領域の一つである。なお、本実施形態では、不回転回胴演出が1種類であるが、複数種類の不回転回胴演出を設ける場合は、各不回転回胴演出に対応したフリーズ時間がセットされることになる。
そして、当該フリーズタイマ時間の経過を待つための指定数割込待機処理を行う(ステップ108)。フリーズD1は回胴の回転動作のないレバーオン時のフリーズであるので、ここでフリーズタイマが経過するまで待機する。そして、フリーズタイマが経過したならば、「フリーズ終了コマンド」を送信する。このフリーズ終了コマンドは、フリーズ状態の終了を指定するコマンドであり、フリーズ終了コマンドが主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、現出中のフリーズ演出を終了させる。これによりリール演出抽選処理を抜けて、図8の回胴回転開始処理(ステップS18)に進む。なお、不回転回胴演出以外の回胴演出を伴うフリーズ演出種別の場合は、後述の回胴回転開始設定処理(ステップS18)や回胴停止処理(ステップS18)において、その制御を行う。
<3.回胴回転開始設定処理:図10>
次に図10を参照して、図8の回胴回転開始設定処理(ステップS18)ついて説明する。図10は、図8の回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
図10において、主制御部400は、まず、まず上記ステップS104でセットされたフリーズ演出フラグを取得し(ステップS201)、そのフリーズ演出フラグが、レバーオン時フリーズ演出のうちで変則回転を伴うフリーズ演出(1/4コマ逆回転)に係るものであるかどうか、つまりフリーズA1・B1・C1のフリーズ演出フラグ「01H〜03H」(図35A参照)であるか否かを判断し(ステップS202)、変則回転を伴うフリーズ演出に係るものである場合(ステップS202:YES)、変則回転設定処理(S202〜S206)を行う。一方、変則回転を伴うフリーズ演出に係るものでない場合(ステップS202NO)、後述のステップS207の処理に進む。
(変則回転設定処理(回転開始時):S202〜S206)
変則回転を伴うフリーズ演出である場合には、まずステップS203の変則回転開始設定処理に進み、フリーズ演出種別に応じた変則回転動作用のモータ制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するためのデータ)をセットする(ステップS203)。回胴演出として1/4コマ逆回転させる回胴のモータ制御は、ここで設定されたモータ制御データに基づいて、主制御側タイマ割込制御処理中の回胴回転制御処理(後述の図17のステップS43)で行われる。
次いで、フリーズ演出フラグ種別(フリーズA1・B1・C1)に応じたフリーズコマンドをセットし(ステップS204)、フリーズ演出フラグ種別(フリーズA1・B1・C1)に応じたフリーズ時間をフリーズタイマにセットする(ステップS205)。
次いで、今回のフリーズ演出に対応するフリーズタイマ時間が経過するのを待つための指定数割込待機処理を行う(ステップS206)。ここでは、たとえば、フリーズA1の「1/4コマ逆回転とその後の約2秒停止」、フリーズB1の「1/4コマ逆回転とその後の約5秒停止」、フリーズC1の「1/4コマ逆回転とその後の約5秒停止および10秒逆回転」という変則回転のためのフリーズ時間が経過するのを待つことになる。このフリーズ時間中において、上記変則回転が、主制御側タイマ割込制御処理中の回胴回転制御処理(図17のステップS43)で行われる。
このようにステップS202の判断において、フリーズ演出フラグが01H〜03Hのいずれかである場合には、回胴回転開始時フリーズ演出としてフリーズA1・B1・C1のいずれかを行うので、対応する上記ステップS203〜S305の処理を経た後にステップS207に進む。しかし、フリーズ演出フラグが01H〜03Hのいずれでもない場合には、上記ステップS203〜S206の処理を経ずにステップS207に進む。
(通常回転設定処理:S207〜S211)
ステップS207に進むと、回胴を通常回転させる準備として、遊技開始ウェイトタイマを取得し(ステップS207)、そのタイマ値が0であるか否かを確認する(ステップS208)。そして遊技開始ウェイトタイマの値が0でない場合、当該タイマの値が0になるまで待つ(ステップS208:NO)。この遊技開始ウェイトタイマは通常動作での「1ゲームの遊技時間」を規制するためのタイマであり、次のステップS209の処理で4.1秒が設定される。これにより、1ゲームに要する時間が最短でも4.1秒となるようになっている。
遊技開始ウェイトタイマが0である場合には(ステップS208:YES)、まず遊技開始ウェイトタイマに、1ゲームに要するべき最低限の時間として上記4.1秒を設定する(ステップS209)。そして、通常回転開始設定処理として、「通常回転動作用の制御データ」をセットし、回胴状態フラグに「01H(全回胴回転中)」をセットする(ステップS210)。ここでは通常回転とするための制御データが設定され、レバーオン時フリーズ係るフリーズ時間が終了した後は、本処理により全回胴が通常回転を開始し、回胴回転停止ボタン12の第1停止操作が許容される(回胴回転停止ボタンの内蔵LEDが赤色から青色に変化する)ことになる。これによりレバーオン時フリーズが有る場合と無い場合の回胴回転開始設定処理は実質的に終了となる。
最後に演出制御コマンドとして、回胴始動された旨を指定する「回転開始コマンド」をセットし、これにより回胴回転開始設定処理を抜ける(ステップS211)。なお、ここでの回転開始コマンドは、フリーズ終了コマンドを演出制御部410側に送信する代わりをなすものである。回胴回転開始時フリーズ演出の終了を演出制御部410側に知らせる場合、その旨の「フリーズ終了コマンド」を用意して送信してもよいが、フリーズ終了直後には必ず回転開始コマンドがセットされ、これが演出制御部410側に送信されるので、わざわざフリーズ終了コマンドを用意して送信することをせず、この回転開始コマンドによりフリーズ終了コマンドを代用させることができる。以上により、各回胴5a、5b、5cが回転状態(通常時の回転動作)に入ることになる。
<回胴停止処理:図11>
次に図11を参照して、図9の回胴停止処理(ステップS19)ついて説明する。図11は、図9の回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
この回胴停止処理では、当該回胴停止処理のステップS301〜S307を計3回通ることにより、各回胴の回転停止制御処理が順次行われる。また、当選役が押順不問フリーズ契機役である場合については、レバーオン時のフリーズ演出抽選(ステップS103)で当選していたことを条件とし、その当選結果に基づいて、第1停止操作時のフリーズ(トリガー区分β)と、第2停止操作時のフリーズ(トリガー区分γ)と、第3停止操作時のフリーズ(トリガー区分δ)のいずれか1つまたはそのうちの複数または全部のフリーズに係る演出処理が行われる。このうち、全回胴停止前フリーズ演出である「第1停止操作時のフリーズ(トリガー区分β)」と「第2停止操作時のフリーズ(トリガー区分γ)」とについての制御処理は、全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS308)で行われ、第3停止操作時のフリーズ(トリガー区分δ)については、全回胴停止後フリーズ演出処理(ステップS309)で行われる。また連係フリーズ演出(トリガー区分β+γ、トリガー区分β+γ+δ)については、必要な処理が全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS308)と全回胴停止後フリーズ演出処理(ステップS309)とを利用して行われる。また、当選役が押順規定フリーズ契機役である場合については、特定役フリーズ演出管理処理(ステップS307)において押し順が確認され、その押し順に該当するフリーズ演出を発生させるための制御処理が行われる。
図11において、まず主制御部400は、回胴の停止が可能な状態中に回胴回転停止ボタン12の操作があったか否かを判定する(ステップS301)。本実施形態では、主制御部400において、回胴回転始動レバー11が操作されて各回胴が通常回転を開始し、回胴の回転が概ね一定の回転速度まで立ち上がると、各回胴の対応する回胴回転停止ボタン12について停止操作機能が有効に働く状態(停止可能状態)となり、このとき演出制御部の制御の下で、停止ボタンに内蔵の停止ボタンランプが赤色から青色に変わり、停止操作可能であることが遊技者に報知される構成となっている。このため回胴回転停止ボタン12の停止操作は、全回胴が一定速度まで立ち上がって、対応する回胴が停止可能状態にある場合にのみ有効となり、停止可能状態にない場合には、仮に遊技者により回胴回転停止ボタン12が操作されても回胴停止ができない操作(停止操作無効)として扱われる。
回胴停止可能状態の回胴回転停止ボタン12について停止操作があった場合(ステップS301:YES)、停止準備データをセットする(ステップS302)。この停止準備データには、押し順を特定可能な「停止操作順データ」、既に停止している回胴数(停止回胴数)を特定可能な「停止回胴数データ」(たとえば、第1停止操作時の場合、既に停止している回胴数はないので、‘停止回胴数=0’を特定するデータとなる)、停止操作対象となった回胴を特定可能な「停止対象回胴データ」、引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた停止間隔タイマ(たとえば、213ms)などが含まれ、これらが停止準備データとしてセットされる。現在の押し順や第何番目の停止操作であるかについては、上記停止操作順データや、現在の回胴停止数データにより把握することができるようになっている。
次に、停止ボタン操作時の演出制御コマンドとして「停止情報受付コマンド」をセットし、演出制御部に送信する(ステップS303)。この停止情報受付コマンドには、上記の停止操作順データ、停止回胴数データ、および停止対象回胴データに関する情報が含まれる。
次いで、図柄停止制御処理を行う(ステップS304)。この図柄停止制御処理では、当選情報(内部当選フラグ)と、停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)とに基づいて目的の停止テーブル(不図示)を選択し、その停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、これに基づく回胴の停止制御(引き込み制御)を行う。また、回胴が停止した際には、その停止位置に基づき、各回胴において、いずれの入賞ライン上に、如何なる図柄番号の図柄が停止しているかを特定可能な「図柄停止情報(入賞ラインデータ)」が作成され、メインRAMの所定領域にセットされる。この図柄停止情報は、各回胴の停止毎に作成され、1ゲーム毎にクリアされる。なお、回胴の停止位置は、実際に回胴が停止した際にも把握することができるが、停止操作図柄番号と滑りコマ数とに基づいて、回胴が完全に停止する前段階で、当該回胴の停止位置を把握することもできる。
次いで、回胴停止時の演出制御コマンドとして「停止結果情報コマンド」をセットする(ステップS305)。この「停止結果情報コマンド」には、回胴停止時に作成される上記図柄停止情報が含まれる。
なお演出制御部410側においては、上記「停止結果情報コマンド」や「停止入力情報受付コマンド」により、押し順や、現在の回胴の回転・停止状態や、入賞ライン(有効入賞ライン)上の停止図柄を把握し、回胴の停止制御時に係る演出を現出したり、ペナルティを科したりするための演出制御処理を行うようになっている。
次いで、停止間隔タイマに設定したタイマ時間(213ms)を監視し(ステップS306)、停止間隔タイマが0でない場合、当該タイマが0になるまで待つ。そして、停止間隔タイマが0になったならば(ステップS306:YES)、次に、特定役フリーズ演出管理処理を行う(ステップS307)。この特定役フリーズ演出管理処理では、押順規定フリーズ契機役に関するフリーズ演出発生に必要な制御処理を行う。なお、特定役フリーズ演出管理処理についての詳細は、図12にて後述する。
次いで、回胴の停止操作時(第1停止操作または第2停止操作)を発生契機とする全回胴停止前フリーズ演出を行わせるための「全回胴停止前フリーズ演出処理」を行う(ステップS308)。なお、全回胴停止前フリーズ演出処理の詳細については図13にて後述する。
次いで、全回胴が停止したか否か判定する(ステップS309)。第1停止操作後または第2停止操作後においては、まだ回転している回胴があるので、その判定はNOとなり、ステップS301に戻り、第3停止操作による全回胴停止を待つことになる。
これらの第1〜第3停止操作を経て、全回胴が停止したならば(ステップS309:YES)、第3停止操作を発生契機とする全回胴停止後フリーズ演出を行わせるための「全回胴停止後フリーズ演出処理」に入る(ステップS310)。この全回胴停止後フリーズ演出処理の詳細については図15にて後述する。その後、フリーズ演出フラグをクリアする(ステップS311)。これにより回胴停止処理を抜けて、図8の入賞判定処理(ステップS20)に進む。
<特定役フリーズ演出管理処理:図12>
次に図12を参照して、図11の特定役フリーズ演出管理処理(ステップS307)ついて説明する。図12は、図11の特定役フリーズ演出管理処理の詳細を示すフローチャートである。この特定役フリーズ演出管理処理では、押順規定フリーズ契機役についてのフリーズ演出発生開始前処理が行われる。押順規定フリーズ契機役に係るフリーズの発生に関する処理は、後述の全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS308、図13)や、全回胴停止後フリーズ演出処理(ステップS310、図15)にて行われる。
図12において、主制御部400は、まず当選役が押順規定フリーズ契機役(本実施形態では、特殊AT1〜6、リプレイB1〜B3、AT3〜AT4のいずれか)であるか否かを確認する(ステップS431)。
当選役が押順規定フリーズ契機役でない場合(ステップS431:NO)、何もせずに特定役フリーズ演出管理処理を抜ける。
しかし、当選役が押順規定フリーズ契機役である場合には(ステップS431:YES)、ステップS432に進み、現在の遊技状態(主制御部側遊技状態)に対応するフリーズ演出選択テーブル(図33A〜図33E)を取得する(ステップS432)。そして、フリーズ演出選択テーブルを参照し、今回当選した押順規定フリーズ契機役種別と現在の押し順とに基づいて、該当するフリーズ演出を判定する(フリーズ押順判定処理:ステップS433)
該当するフリーズ演出がない場合(ステップS434:NO)、特定役フリーズ演出管理処理を抜ける。
一方、該当するフリーズ演出がある場合(ステップS434:YES)、ステップS433のフリーズ押順判定処理結果に基づくフリーズ演出フラグをセットする(ステップS435)。ここでセットされたフリーズ演出フラグに基づいて、全回胴停止前フリーズ演出のフリーズF7・F8については、全回胴停止前フリーズ演出(ステップS308)において回胴演出(フリーズの発生)が制御され、フリーズF1〜F5・G1・G2については、全回胴停止後フリーズ演出処理において回胴演出(フリーズの発生)が制御されることになる。
次いで、ステップS435でセットされたフリーズ演出フラグに基づく「フリーズ種別コマンド」をセットする(ステップS436)。これにより特定役フリーズ演出管理処理を抜けて、図11の全回胴停止前フリーズ演出(ステップS308)に進む。
<全回胴停止前フリーズ演出処理:図13>
次に図13を参照して、図11の全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS308)ついて説明する。図13は、図11の全回胴停止前フリーズ演出処理の詳細を示すフローチャートである。
この図13の全回胴停止前フリーズ演出処理では、全回胴停止前フリーズ演出についての制御処理を行う。
図13において、主制御部400は、まずフリーズ演出フラグ(正確には非当選の場合をも含めたフリーズ演出フラグ)を取得し(ステップ401)、そのフリーズ演出フラグが、全回胴停止前フリーズ演出フラグ種別に係るものであるか否かを判断する(ステップ402)。つまりフリーズA2・B2・C2・D2、フリーズA3・B3・C3・D3、フリーズA4・B4・C4に係るフリーズ演出フラグ「05H〜0FH」およびフリーズE1〜E3に係るフリーズ演出フラグ「13H〜15H」、フリーズF7・F8に係るフリーズ演出フラグ「1CH〜1DH」(図35Aおよび図35B参照)であるか否かを判断する(ステップ402)。
取得したフリーズ演出フラグが全回胴停止前フリーズ演出フラグ種別(図34のトリガー区分β、γ)に係るものでない場合(ステップ402:NO)、つまりフリーズ演出フラグが「00H」(フリーズ演出なしの通常動作)、「01H〜04H」(回転開始時フリーズ)、「10H〜12H、1EH〜20H」(全回胴停止後フリーズ)の場合は、何もしないでこの処理を抜け、図11のステップS308の判断処理(全回胴停止かどうか判定処理)に進む。
取得したフリーズ演出フラグが全回胴停止前フリーズ演出フラグ種別(図34のトリガー区分β、γ:05H〜0FH、13H〜15H、1CH〜1DH)に係るものである場合は(ステップ402:YES)、ステップ403に進み、そのフリーズ発生対象の停止操作があったか否かを判断する(ステップS403)。判断時期との関係を加味すると、第1停止操作時には「トリガー区分βの全回胴停止前フリーズ演出」に属するものとして、フリーズA2・B2・C2・D2・F8(フリーズ演出フラグ「05H〜08H、1CH」)、フリーズA4・B4・C4(フリーズ演出フラグ「0DH〜0FH」)、フリーズE1〜E3(フリーズ演出フラグ「13H〜15H」)、フリーズF7・F8(フリーズ演出フラグ「1CH〜1DH」)のいずれかに係るものであれば判定結果はYESとなり、また第2停止操作時には「トリガー区分γの全回胴停止前フリーズ演出」に属するものとして、フリーズA3・B3・C3・D3、フリーズA4・B4・C4の第2段階目(第2フリーズ)、フリーズE1〜E3の第2段階目(第2フリーズ)に係るものであれば判定結果はYESとなり、ステップS404に進み、それ以外であれば、何もしないでこの処理を抜け、図11のステップS308の判断処理に進む。なお、フリーズF7・F8が発生する場合、つまりフリーズF7・F8に係るフリーズ演出フラグ「1CH〜1DH」が設定されている場合は、特定役フリーズ演出管理処理(ステップS307)にて既にフリーズ発生となる押し順が判断されているので、実質的にステップS403の判断処理行われた状態となっており、ステップS403が重複的な判断処理となる。したがって、フリーズF7・F8に係るフリーズ演出フラグ「1CH〜1DH」が設定されている場合には、ステップS403の処理を行わずに、そのままステップS406に進んでも良い。
ここで、「フリーズA4・B4・C4」のシナリオは、それぞれ第1停止操作時の第1フリーズ演出(トリガー区分β:第1段階目)と第2停止操作時の第2フリーズ(トリガー区分γ:第2段階目)との複合からなり、また「フリーズE1〜E3」はそれぞれ回胴第1停止時の第1フリーズ(トリガー区分β:第1段階目)と回胴第2停止時の第2フリーズ(トリガー区分γ:第2段階目)と回胴第3停止時の第3フリーズ(トリガー区分δ:第3段階目)との複合(連係)からなるが、このうちトリガー区分β〜δ(第1段階目〜第3段階目)のいずれの部分を処理対象とすべきかについては、現在の押し順や第何番目の停止操作であるかについて特定可能な上記停止操作順データや現在の回胴停止数データにより把握される。したがって、第1停止操作時には、フリーズA4・B4・C4およびフリーズE1〜E3の「第1段階目のトリガー区分βに属する部分」が処理対象となり、第2停止操作時には、フリーズA4・B4・C4およびフリーズE1〜E3の「第2段階目のトリガー区分γに属する部分」が処理対象となる。なおフリーズE1〜E3の第3停止操作時におけるフリーズE1〜E3の「第3段階目のトリガー区分δに属する部分」は、全回胴停止後フリーズ演出処理(図11のステップS310)にて該当処理が行われる。
以下では、全回胴停止前フリーズ演出(図34のトリガー区分β・γを有するフリーズ演出種別)について説明する。
(全回胴停止前フリーズ演出の場合)
フリーズ演出フラグ種別が全回胴停止前フリーズ演出の場合、つまりフリーズ演出フラグがフリーズA2・B2・C2・D2・F7(第1停止操作時フリーズ)、連係フリーズのフリーズA4・B4・C4(特殊回転)(第1および第2停止操作時フリーズ)の第1段階目、連係フリーズのフリーズE1〜E3(第1、第2、および第3停止操作時フリーズ)の第1段階目の場合は、本来目的操作の第1停止操作があったことを契機にフリーズ演出が発生する。また、フリーズA3・B3・C3(特殊回転)(第2停止操作時フリーズ)、フリーズA4・B4・C4(特殊回転)の第2段階目、フリーズE1〜E3の第2段階目の場合は、本来目的操作の第2停止操作があったことを契機にフリーズ演出が発生する。なお、フリーズE1〜E3の第3段階目の場合は、本来目的操作の第3停止操作があったことを契機にフリーズ演出が発生する。ただし、フリーズE1〜E3の第3段階目の場合は、上記したように、第3停止操作後の引き込み制御完了後において実行される後述の「全回胴停止後フリーズ演出処理(図11のステップS310)」中でフリーズの発生が制御されることになる。
そこで、ステップ402の判断が全回胴停止前フリーズ演出であれば、その発生契機となる第1〜第2停止操作(第3停止操作の場合は、全回胴停止後フリーズ演出処理にて行う)が行われたか否かの判断として、たとえば、第1停止操作がなされたか否かを判断し、第1停止操作が確認された場合(ステップ403:YES)、トリガー区分βに属する全回胴停止前フリーズ演出に係るフリーズ状態(フリーズA2・B2・C2・D2・F7、連係フリーズのフリーズA4・B4・C4(特殊回転)の第1段階目、連係フリーズのフリーズE1〜E3)を発生させる設定処理(ステップS404〜S408)が行われる。
また第2停止操作が確認された場合には(ステップ403:YES)、トリガー区分γに属する全回胴停止前フリーズ演出に係るフリーズ状態(フリーズA3・B3・C3(特殊回転)、フリーズA4・B4・C4(特殊回転)の第2段階目、フリーズE1〜E3の第2段階目)を発生させる設定処理(ステップS404〜S408)が行われる。
第1停止操作である場合にステップS403の判断がYESである場合は、次いで、全回胴停止前フリーズ演出種別が特殊変則回転の発生を伴う「フリーズC2」に係るフリーズ演出フラグ「07H」であるか否かを判断する(ステップS404)。また第2停止操作である場合にステップS403の判断がYESである場合は、「フリーズC3、C4」に係るフリーズ演出フラグ「0BH」、「0FH」であるか否か、正確にはフリーズC3、C4の2段階目の部分(第2停止操作時に係る部分:図34、図35A参照)であるか否かを判断することになる。
そこで、ステップS404の判断対象についてトリガー区分βとトリガー区分γの両者をまとめて表現する簡便な記載方法として、「フリーズC2、C3、C4」またはフリーズ演出フラグ「07H、0BH、0FH」の如く、トリガー区分βとトリガー区分γのフリーズ演出種別またはフリーズ演出フラグを単に横並びにする方法で表現することとする。図13のステップS404には、フリーズ演出フラグについて単に「07H、0BH、0FH」を判断対象とするように記載しているが、これは便宜上、第1停止操作時(図12を1回目に通る場合)におけるトリガー区分βの場合と、第2停止操作時(図12を2回目に通る場合)におけるトリガー区分γの場合とをまとめて横並びに記載する、という上記簡便な記載方法によるものである。以下の説明において「07H、0BH、0FH」を判断すると記述した場合も、上記と同じ意味である。
ここで「特殊変則回転」とは、停止対象の回胴(第1回胴または第2回胴)を停止操作した際に、残りの未停止中の回胴(回転中の第2回胴または第3回胴)が突然にゆっくり動くまたはプルプル震える等、それまでの順回転とは明らかに異なる特殊な動きをする回胴演出であり、図35AのフリーズC2、C3、C4の欄には「リール変則回転」と記している。
ステップS404の処理では、今回の停止操作が第1停止操作であり、その判断がYESとなる場合は、第1停止操作があったことが前提であるので、特殊変則回転の発生を伴う「フリーズC2」に係るフリーズ演出フラグ「07H」であるか否かを判断することになる。また特殊変則回転の発生を伴う「フリーズC3、C4」に係るフリーズ演出フラグ「0BH」および「0FH」であるか否かについては、第2停止操作があったことが前提であるので、今回の停止操作が第2停止操作の際にステップS404で判断されることになる。
いずれにせよ、全回胴停止前フリーズ演出フラグ(05H〜0FH、13H〜15H、1CH、1DH)のうちで、フリーズ演出フラグ07H、0BH、0FHに係るフリーズ演出である場合、つまり特殊変則回転を伴うフリーズ演出種別(フリーズC2、C3、C4)である場合には(ステップS404:YES)、ステップS405の「全回胴停止前フリーズ回転設定処理」に進み、フリーズC2、C3、C4のフリーズ演出種別に応じた「特殊変則回転動作用の制御データ」をセットする(ステップS405)。その後、ステップS406へ進む。
ステップS405を経由して来た場合(特殊変則回転を伴うフリーズ演出種別の場合)、続くステップS406では、フリーズ演出フラグ種別(ここでは07H、0BH、0FH)に応じたフリーズ時間をフリーズタイマにセットする(ステップS406)。次いで、フリーズ演出フラグ種別(ここでは07H、0BH、0FH)に応じたフリーズコマンドをセットする(ステップS407)。演出制御部410側では、このフリーズコマンドを受信して、今回のフリーズ中サブ側演出(フリーズ発生時演出)シナリオに基づく演出を現出するための演出制御処理を行う。そして「前フリーズ演出中操作演出処理」(ステップS408)を行った後、この全回胴停止前フリーズ演出処理を抜け、ステップS307に戻る。この前フリーズ演出中操作演出処理の詳細は図14にて後述する。
一方、ステップS404の判断として、特殊変則回転を伴わないフリーズ演出の場合には(ステップS404:NO)、ステップS405の全回胴停止前フリーズ回転設定処理を経ずにステップS406に進む。これは、特殊変則回転を伴わないフリーズ演出の場合、回胴回転停止ボタンを操作(第1停止操作、第2停止操作)しても回胴停止機能が働かないだけで、回胴が通常回転しているフリーズに係るもの、またはここでは扱わない第3停止操作した後のフリーズ(全回胴停止後フリーズ演出)に係るものであるため、特殊変則回転動作用の設定処理は必要としないからである。
特殊変則回転を伴わないフリーズ演出の場合(ステップS405を迂回して来たステップS406)では、フリーズ演出フラグ種別(ここでは07H、0BH、0FH以外)に応じたフリーズ時間をフリーズタイマにセットする。次いで、フリーズ演出フラグ種別に応じたフリーズコマンドをセットする。
演出制御部410側では、このフリーズコマンドを受信して、今回のフリーズ中サブ側演出(フリーズ発生時演出およびフリーズ中操作時演出)の演出シナリオを決定することになる。そして「前フリーズ演出中操作演出処理」(ステップS408)を行い、この全回胴停止前フリーズ演出処理を抜け、ステップS307に戻る。
(前フリーズ演出中操作演出処理:図14前半)
図14は、上記した「前フリーズ演出中操作演出処理(図12のステップS408)」の詳細を示したものである。ここではトリガー区分βに属する全回胴停止前フリーズ演出処理のステップS408にて、図14の前フリーズ演出中操作演出処理が呼び出された場合(第1停止操作時)について説明する。
主制御部400は、まずフリーズ時間内に「フリーズ中操作時演出」の発生対象となる操作が行われたか否かを判断する(ステップS501)。具体的には、フリーズ中操作時演出発生のトリガー手段として作用する回胴回転停止ボタン12や、回胴回転始動レバー11や、MAXベットボタン8や、1ベットボタン9などについて、その操作があったか否かを判断する(ステップS501)。第1停止操作により発生したフリーズ中であれば、その第1停止操作により停止した回胴に係る以外の回胴について遊技進行目的の第2停止操作(遊技進行目的操作は無効であるが操作コマンドは発生する)があったか否かの判断(ステップS403)をなすこととは別に、当該フリーズ中において、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、回胴回転始動レバー11、MAXベットボタン8、1ベットボタン9などの操作手段(手操作スイッチ類)の操作について、その操作があったか否かを判断する。
これらの操作手段のいずれかの操作があった場合は、その操作信号が発生される。これらの操作手段からの操作信号が入力されたか否かは、主制御部側タイマ割込処理のポート入力処理(図17のステップS42)で監視されており、この操作信号入力の監視機能はフリーズ中であっても有効に働いている。したがってフリーズ中(フリーズ演出中)であっても、操作手段の操作があったか否か、つまりフリーズ中操作時演出の発生契機となる対象操作があったか否かについては、フリーズ中操作コマンドにより演出制御部410側が知ることができるようになっている。よって全回胴停止前フリーズ演出中において操作手段の操作があった場合(ステップS501:YES)、フリーズ中であるために回胴の停止(遊技の進行)は実行されないが、「フリーズ中操作コマンド」がセットされ(ステップS502)、これが演出制御部410に対して送信される。
演出制御部410では、フリーズ操作時演出の演出シナリオが組み込まれている場合には、このトリガー区分βのフリーズ中に所定回数目に受信した(たとえば最先に受信した)フリーズ中操作コマンドに基づいて、フリーズ中操作時演出の演出シナリオに従い、フリーズ操作時演出(たとえば、フリーズ中におけるステップアップ演出)を、液晶表示装置6や音響装置や可動体役物等の演出手段により現出させることになる。
本実施形態の場合、演出制御部410側において用意されるフリーズ中操作時演出の演出シナリオとしては、たとえば、特定の抽選対象役やAT遊技移行などの当選期待度がステップSU1〜SU3の順に段階的に高くなるようにした「ステップアップ演出」におけるステップSU1〜SU3のまでの演出(画像や音や光や振動や役物落下など)を現出させる演出シナリオである。本例のフリーズ中操作時演出が組み込まれた演出シナリオには、当選期待度に応じたフリーズ中操作時演出が用意されている。
たとえば通常遊技中において昇格アシスト報知抽選(AT抽選:図27)への当選期待度が「低」のステップSU1の段階を現出させる「SU1シナリオ」と、当選への期待度が「中」のステップSU2の段階まで(SU1→SU2)現出させる「SU2シナリオ」と、当選への期待度が「高」のステップSU3(SU1→SU2→SU3)の段階まで現出させる「SU3シナリオ」とが用意される。また場合により、「SU3シナリオ」中に当選への期待度「激高(当選確定)」の当確演出を用意したり、「SU3シナリオ」のさらに上位段階のステップアップ演出として、当選への期待度が「激高(当選確定)」の「SU4シナリオ」を用意することができる。ここでは、説明の便宜上、フリーズ中操作時演出として、出現すればそれ自体で昇格アシスト報知抽選(AT抽選)の当選期待度が高まる上記ステップアップ演出を代表例にとり説明する。
上記ステップアップ演出の演出シナリオは、リール演出抽選処理中のS105(図9参照)で送信される「フリーズ種別コマンド」を受信した際に(フリーズ発生となる場合)、フリーズ演出に係る演出シナリオ(基本演出シナリオ)が設定され、この基本演出シナリオに、フリーズ中操作時演出の演出シナリオが組み込まれている場合には、操作手段の操作に基づくフリーズ中操作時演出を現出するための演出制御処理を行う。なお、いずれの操作手段に基づくフリーズ中操作コマンドに対して、どのようなフリーズ中操作時演出を現出させるかについては、フリーズ演出種別応じて定めることができる。
たとえば、フリーズ演出に係る演出シナリオが上記「SU3シナリオ」である場合、第1停止操作時におけるフリーズ発生時に、まず所定のフリーズ発生時演出が発生し、そのフリーズ発生時演出中またはその後において、最初に遊技者がフリーズ中操作時演出の現出に係る操作手段を操作した場合、ステップアップ演出の第1段階目「ステップSU1」の演出を現出し、2回目に遊技者がフリーズ中操作時演出の現出に係る操作手段を操作した場合、第2段階目「ステップSU2」の演出を現出し、さらに3回目に遊技者がフリーズ中操作時演出の現出に係る操作手段を操作した場合、最終ステップとなる第3段階目「ステップSU3」の演出を現出させることができる。また、ステップアップの段階現出数に制限はなく、ステップSU4以上のステップアップ演出としても良い。また、ここでは、最初のステップSU1がフリーズ中操作時演出として説明したが、これに限らず、フリーズ発生時演出自体を最初のステップSU1とすることができる。
ここでは、一つのフリーズ状態期間に係るフリーズ演出中において、ステップSU1〜SU3の複数種類の演出を現出するタイミングを設けた例について説明したが、特に複数のフリーズ発生区間を設けた連係フリーズでは、さらに多くの現出タイミングを設けることができるので、フリーズ演出による自由度がさらに広がる。
なお、このステップ演出態様として、たとえば、背景画像が変化する背景変化演出、特定の画像が出現するカットイン演出、特殊効果音、特殊光演出、加振装置による振動演出、風圧装置による風圧演出、可動体役物の動作態様を利用した役物演出、回胴演出などを採用することができる。また、たとえば、初回、2番目、3番目の複数回の操作で順次送信されるフリーズ中操作コマンドを受信した場合、上述した演出態様のいずれかの演出を順次現出させることができる。たとえば、初回は特定画像が表示されるカットイン演出(特殊画像表示演出)、2番目は爆発音(特殊効果音)、3番目は可動体役物による特殊動作演出(役物動作演出)を現出することができる。この場合、当該フリーズ時間内に幾つかの操作有効受付期間を設け、その各受付有効時間内において、操作信号やフリーズ中操作コマンドを有効に受信したものとして扱う構成とすることができる。
また上記ステップアップ演出は、そのシナリオに応じて、フリーズ中操作時演出の発生対象となる操作があった場合、フリーズ中操作時演出としてのSU1〜SU3が現出されうる。遊技者はステップアップ演出(ここでは第1段階目「ステップSU1」)が発生したことそれ自体により、当選期待度が比較的高い状況にあることを知り、更に当選期待度が高まる上位段階目の「SU2」や「SU3」のステップアップ演出(期待度:「中」以上)が生起することに期待するので、遊技者の高揚感を煽ることができる。
なお、他のトリガー区分についても、上述したトリガー区分βの場合と同様に、フリーズ中操作コマンドをトリガーとして、複数種類のフリーズ中操作演出のフリーズ演出を現出させるように構成することができる。たとえば、全回胴停止後フリーズ演出(トリガー区分δ)の場合、既に説明したフリーズF1〜F5のようなバトル演出に関するフリーズ操作時演出を現出させることができる。なお連係フリーズについては、図37〜図38にて後述する。
(フリーズ終了処理:図14後半)
ステップS503の判断において、フリーズタイマの値がゼロになってフリーズ時間が終了したと判断した場合(ステップS503:YES)、ステップS504の「通常回転開始設定処理」に進み、特殊変則回転を伴うフリーズ演出種別である場合には、通常回転動作用の制御データをセットし(ステップS504)、特殊変則回転動作後における通常回転動作に戻すための処理を行う。そしてフリーズ終了コマンドをセットする(ステップS505)。演出制御部410側では、このフリーズ終了コマンドを受信して、今回のフリーズ中サブ側演出を終了させる。なお、この前フリーズ演出中操作演出処理は、フリーズ時間が経過するまで遊技進行処理を遅延させるといった点で、レバーオン時フリーズに係る指定割込数待機処理(ステップS109、S206)に相当する処理となっている。
以上により、前フリーズ演出中操作演出処理を抜け、これにより図13の全回胴停止前フリーズ演出処理を終了し、プログラムは図11のステップS309の判定処理に進む。
<全回胴停止後フリーズ演出処理>
(全回胴停止後フリーズ演出(トリガー区分δに属するフリーズ演出種別):図15)
次に図15を参照して、図11の全回胴停止後フリーズ演出処理(ステップS310)ついて説明する。図15は、図11の全回胴停止後フリーズ演出処理の詳細を示すフローチャートである。
この図15の全回胴停止後フリーズ演出処理では、まずフリーズ演出フラグを取得し(ステップ451)、そのフリーズ演出フラグが「全回胴停止後フリーズ演出フラグ種別(図34のトリガー区分δ)」に係るものであるかどうか、つまり図35AのフリーズA5、B5、D5・F1〜F5・F9・G1・G2に係るフリーズ演出フラグ「10H〜12H、16H〜1AH、1EH〜20H」、フリーズE1〜E3に係るフリーズ演出フラグ「13H〜15H」、フリーズF1〜F5・F9に係るフリーズ演出フラグ「16H〜1AH、1EH」、フリーズG1・G2係るフリーズ演出フラグ「1FH〜20H」であるか否かを判断する(ステップ452)。
フリーズ演出フラグが全回胴停止後フリーズ演出フラグ種別に係るものでない場合(ステップ452:NO)、何もしないでこの処理を抜ける。
フリーズ演出フラグが全回胴停止後フリーズ演出フラグ種別に係るものである場合は(ステップ452:YES)、全回胴停止後フリーズ演出の発生に必要な設定処理を行う(ステップ453〜S454)。
まずフリーズ演出フラグ種別に応じたフリーズ時間をフリーズタイマにセットし(ステップS453)、フリーズ演出フラグ種別に応じたフリーズコマンドをセットする(ステップS454)。そして、後フリーズ演出操作演出中処理(図16)を呼び出して実行した後(ステップS455)、この図15の全回胴停止後フリーズ演出処理を抜けて、図11のステップS311の処理に進む。
(後フリーズ演出中操作演出処理:図16)
図16の後フリーズ演出中操作演出処理は、全回胴停止後フリーズ演出処理(図15)のステップS455において呼び出される処理である。この後フリーズ演出中操作演出処理は、前フリーズ演出中操作演出処理(図13のステップS408、図14参照)に相当する処理である。以下では、前フリーズ演出中操作演出処理と実質的に同じ内容については重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
図16において、主制御部400は、まずフリーズ時間内に「フリーズ中操作時演出」の発生対象となる操作手段による操作が行われたか否かを判断する(ステップS511)。
これらの操作手段のいずれかの操作があった場合(ステップS511:YES)、その操作信号が発生され、その操作手段の操作に対応した「フリーズ中操作コマンド」をセットする(ステップS512)。なお、ここではフリーズ中であるため、後続の入賞判定処理(図8のステップS20)への遊技進行は行われない。
演出制御部410では、フリーズ中操作コマンドに基づいて、フリーズ中操作時演出を、液晶表示装置6や音響装置や役物等の演出手段により現出させることになる。ここで現出されるフリーズ中操作時演出としては、たとえば、既に説明したフリーズF1〜F5のバトル演出中のステップアップ演出等が挙げられる。
フリーズタイマの値がゼロになり全回胴停止後フリーズが終了した場合(ステップS513:YES)、直ちに「フリーズ終了コマンド」をセットする(ステップS514)。
以上により、後フリーズ演出中操作演出処理を抜け、これにより図15の全回胴停止後フリーズ演出処理を終了し、プログラムは図11のステップS311の処理に進む。
このように、フリーズを伴う遊技進行の場合は、フリーズ演出フラグがセットされた後、フリーズ状態を経由して全回胴が停止したことに基づいて、また、フリーズを伴わない遊技進行の場合は全回胴が停止したことに基づいて、図11の回胴停止処理を終えて、次の入賞判定処理(ステップS20)に進むことになる。
<12.主制御側タイマ割込処理:図17>
次に図17を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図17は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図17において、主制御部400は、まずタイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止操作時の停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御して回転動作を制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御部410側(演出制御基板420側)に送信する。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理は、遊技表示制御手段として機能し、ここでは、処理状態に応じて、MAXベットLED84、停止ボタンLED、遊技パネル77に形成された各種の表示部(遊技開始表示LED81、メダル投入表示LED82、再遊技作動LED83、投入枚数表示LED85、クレジット枚数表示器86、払出枚数表示器87)などの発光態様を制御する発光制御信号を出力する。なお、上記各表示部の一部または全部が表示する情報を液晶表示装置6による画像表示により現出可能に構成することができる。この場合は、遊技の進行状況に応じて、各表示部により提供される情報を含む演出制御コマンドを演出制御部410側に送信可能に構成することで実現できる。このコマンドが主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、当該コマンドに含まれる情報に基づき、液晶表示装置6を表示制御して、当該情報を画像により表示する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)を監視する。
以上のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(ステップS49(レジスタ復帰処理))、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<演出制御側の処理:図18〜図23B>
次に、図18〜図23Bを参照して、本実施形態の演出制御部410側における演出制御処理について説明する。演出制御部410側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図18)と、定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図19)とを含んで構成される。なお演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板25のCPUなどを含んだものであるが、主制御部410から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421C)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAM、ROMは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421b、サブROM421aなどで代表させる。
(演出制御側メイン処理:図18)
図18は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図18に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部410(サブCPU)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物(図示せず)の起点復帰処理、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS071の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、演出制御部410は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図24のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、演出制御部410は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドには、既に説明した、遊技開始情報コマンド、フリーズ種別コマンド、フリーズコマンド、フリーズ終了コマンド、フリーズ中操作コマンド、回転開始コマンド、停止情報受付コマンド、停止結果情報コマンド、入賞情報コマンドなどがある。
たとえば、遊技開始情報コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、このコマンドに含まれる情報(内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報)と現在の遊技状態(モード)情報)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成するための演出要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより今回ゲーム中に現出するための演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、遊技者参加型演出の場合は、操作手段の操作に応じて、対応するパーツ演出を変更し、演出シナリオの構成を再構築する。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、たとえば、演出シナリオに組み込まれたパーツ演出の発生時期が到来すると、スピーカ16用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをサブRAMの指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部13やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、サブRAMの指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図19のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ16から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、不図示の可動体役物を動作させる駆動源用(モータ)の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図19のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップ079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(コマンド受信割込処理:図20)
次に図20を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図20は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部400から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図19)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部410(サブCPU)は、図18のメイン処理実行中に主制御部400側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをサブRAMのコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部400から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(演出制御側タイマ割込処理:図19)
次に図19を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図19は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理はCTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図19において、演出制御部410(サブCPU)は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、演出ボタン(図示せず)からの操作(ON操作またはOFF操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をサブRAMの所定領域に格納する。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図18の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置6に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ(図示せず)に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図21〜図22>
図21〜図22は受信コマンド解析処理(図18のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。ここでは、本発明と関連の深い、遊技開始時(回胴回転始動レバー11の操作時)に係る演出制御コマンド(遊技情報開始コマンド、フリーズに係るコマンド(フリーズ種別コマンド、フリーズコマンド、フリーズ終了コマンドなど)や、全回胴停止時に係る演出制御コマンド(たとえば、入賞情報コマンド)を受信した場合を中心に説明し、他の演出制御コマンドを受信した場合の説明は省略する。
(演出管理処理:図21)
図21に示す演出管理処理は、図18の受信コマンド解析処理(ステップS073)の一部の処理内容であり、遊技情報開始コマンドやフリーズに係るコマンドなどを受信した場合に実行される。この図18では、重複記載を避けるために説明の便宜上、各コマンドを受信した場合の処理内容を纏めたものを図示し、各コマンドに対応する個別のコマンド受信時の処理については省略する。
図21において、まず演出制御部410は、遊技開始時において受信される遊技情報開始コマンドやフリーズに係るコマンドを解析し、これに含まれる情報を取得する(ステップS611)。なお、上記「遊技情報開始コマンド」には、内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報、当選役情報)や主制御部側遊技状態情報(RT種別情報、ボーナス遊技中情報)が含まれ、また上記「フリーズ種別コマンド」にはフリーズ演出種別情報が含まれ、また上記「フリーズコマンド」にはフリーズ演出開始情報が含まれ、フリーズ終了コマンドにはフリーズ演出終了情報が含まれる。演出制御部410は、これらの情報を演出処理の進行状態に応じて利用する。また必要がある場合には、その情報をサブRAM421bに格納した後、演出処理の進行状態に応じて読み出し利用する。
また今回のゲームにおいて目的とする演出を現出するために、現在の演出状態(演出制御部側遊技状態)に関する情報も処理状態に応じて取得され、利用される。この演出状態情報は、主制御部400側からの特定の演出制御コマンド(たとえば、遊技情報開始コマンドや入賞情報コマンドなど)に基づいて、または演出処理状態(AT遊技移行など)に応じて変更(移行制御)される。また演出状態は、基本的には、主制御部側遊技状態と整合性を保つ形で管理され、現出される演出に不具合が生じないように管理されている。
上記演出状態には、非AT遊技、前兆AT遊技(昇格リプレイ報知前兆AT遊技)、AT1〜AT3遊技、RT遊技種別(場合により不整合遊技状態)など、現在の遊技状態を特定するための各種の演出状態が含まれる。なお本実施形態の場合、演出状態として、油制御部側遊技状態である「RT遊技」種別に関する情報を特定可能に管理することで、遊技機全体としての遊技状態を演出制御部410側が特定可能な構成となっている。
次いで、AT遊技管理処理を行う(ステップS612)。このAT遊技管理処理では、各種のAT遊技の発生(移行)に係る処理が行われる。このAT遊技管理処理には、たとえば、通常中AT抽選(昇格リプレイ報知抽選)テーブル(図27)に基づく「AT抽選処理」や昇格チャンスゾーンに係る抽選(図31)や、AT継続抽選などのAT遊技の発生に関する各種の抽選処理が含まれ、また、各抽選結果に基づくAT遊技の発生に要する必要な設定処理(AT遊技開始設定処理)が含まれる。たとえば、AT抽選に当選の場合には準備ART遊技への移行準備設定として昇格リプレイ報知条件成立状態(AT抽選当選状態)の設定処理や、昇格契機役入賞によるAT遊技開始設定(昇格リプレイ入賞による準備ART遊技(AT1遊技)開始処理、特殊リプレイ入賞による本ART遊技(AT2遊技)開始処理)などが含まれる。
またAT遊技管理処理には、AT遊技の継続状態を監視する処理(AT継続管理処理)が含まれる。AT継続管理処理では、たとえば、AT継続抽選当選によるAT遊技継続時の設定処理や、AT遊技継続ゲーム数(たとえば、本ART継続遊技ゲーム数)を監視(計数)するAT遊技継続ゲーム数管理処理などが含まれる。なお、AT遊技管理処理による結果は、後述のステップS614のAT遊技終了管理処理で利用される。
次に、ペナルティ中AT遊技管理処理を行う(ステップS613)。このペナルティ中AT管理処理では、ペナルティ中(ペナルティ状態)か否かを判定し、ペナルティ中であれば、既に説明した「ペナルティ除外対象」であるか否かを判定する。ペナルティ中で無い場合、またはペナルティ中であってもペナルティ除外対象である場合には、非ペナルティ時の処理として、何もせずに、このペナルティ中AT遊技管理処理を抜けるようになっている。
ペナルティ中である場合には、ペナルティ除外対象でないことを条件に、処理状態に応じて所定のペナルティを科す処理を行う。たとえば、上記AT遊技管理処理(ステップS612)によるAT抽選が実行された場合には、その抽選結果を無効扱いとする無効化処理(当選でもハズレとして処理をする)をし、AT遊技の発生(移行)を制限する。また、AT遊技中であれば、そのAT遊技種別に応じてアシスト報知や上乗せゲーム抽選を制限する。なお本実施形態では、AT抽選結果を無効扱いとしているが、ペナルティ中である場合には(ただし、ペナルティ除外対象でないことを条件に)、AT抽選自体を実行しない構成とすることができる。これによりAT抽選を無効化しても良い。なお、ペナルティ状態(ペナルティ期間)の設定・解除は、後述の図22のペナルティ監視処理中にて行われる。
次いで、AT遊技終了管理処理を行う(ステップS614)。このAT遊技終了管理処理では、ステップS612のAT継続管理処理で管理される情報に基づき、AT遊技終了条件が成立したか否かを判定する。AT遊技終了条件が非成立、つまりAT遊技継続であれば次ゲームもAT遊技を継続させる継続処理を行い、AT遊技終了条件が成立したならば、現在のAT遊技を終了させる終了設定処理を行う。
次いで、通常中(非AT遊技に関連する演出状態(ペナルティ中を含む))であれば(ステップS615:YES)、通常中演出設定処理を行う(ステップS618)。この通常中演出設定処理では、主として、非AT遊技中である通常の演出状態下の演出を現出するために必要な各種の演出処理が行われる。ここでの演出処理には、たとえば、フリーズ発生中に係る演出(サブ側フリーズ中演出)を現出するための演出処理(通常中フリーズ演出処理)、アシスト報知(フリーズ用アシスト報知)を現出するための演出処理(通常中アシスト報知処理)、AT遊技終了に係る演出を現出するための演出処理(通常移行演出処理)、その他、通常の演出状態に係る演出を現出するための各種の演出処理が含まれる。これら処理において現出すべき演出態様については、「演出シナリオ(演出パターン)」を決定し、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。これにより、通常中の遊技に関する演出が現出される。
なお、上記ペナルティ中に係る演出態様としては、警告演出として、たとえば、液晶画面上に、ペナルティ期間を報知する「ペナルティゲーム数(ペナルティ解除条件成立まで表示することができる)」を表示したり、回胴回転始動レバー11の操作および/または回胴回転停止ボタン12の操作に起因して、スピーカ16から非ペナルティ中(正常時)とは異なる効果音や光演出を現出したりすることができる。たとえば、回胴の停止操作時に送信されてくる「停止情報受付コマンド」の受信時の警告演出として、回胴回転停止ボタン12が操作されたときに、正常時とは異なる警告音や警告光などを現出することができる。また、ペナルティが科される状態であったが、これが除外対象として正常時の演出処理が行われて、運よくAT抽選に当選となった場合であっても、遊技者に注意を促すために、上記警告演出を現出することが好ましい。
次いで、AT遊技中であれば(ステップS616:YES)、AT遊技中演出設定処理を行う(ステップS619)。このAT遊技中演出設定処理では、主として、AT遊技中の演出を現出するために必要な各種の演出処理(不整合遊技状態下における演出処理も含む)を行う。ここでの演出処理には、たとえば、フリーズ発生中に係る演出(サブ側フリーズ演出)を現出するための演出処理(AT中フリーズ演出処理)、AT遊技終了(たとえば、上乗せ特化ゾーン(AT3遊技)終了)に係る演出を現出するための演出処理(AT移行演出処理)、各AT遊技に応じたアシスト報知を現出するための演出処理(AT中アシスト報知処理)、アシスト報知(フリーズ用アシスト報知)を現出するための演出処理(フリーズ用アシスト報知処理)、その他、AT遊技中に関連する演出を現出するための各種の演出処理が含まれる。これら処理において現出すべき演出態様についての演出シナリオ(演出パターン)の決定、設定については、上記ステップS616の通常中演出設定処理と処理の仕方は実質的に同じであるので、その説明は省略する。
上記通常中およびAT遊技中に該当しない演出状態である場合には(たとえば、電源投入時、エラー発生時など)、その他の演出処理として、他の演出状態中演出設定処理を行う(ステップS617)。この他の演出状態中演出設定処理も、実質的な処理の仕方は、上記した通常中演出設定処理またはAT遊技中演出設定処理と同じなので、その説明は省略する。これにより、受信コマンド解析処理を抜けて、図18のシナリオ更新処理(ステップS074)に進む。
なお、上記した各処理に関しては、当該処理を行うに必要なコマンドを受信したときに行われる。たとえば、遊技情報開始コマンド、フリーズに係るコマンド、停止入力情報受付コマンド、停止結果情報コマンドなどであれば遊技開始時や回胴の停止制御時に必要な演出処理が、入賞情報コマンドや払出コマンドなどであれば遊技結果が導出表示されたときに必要な演出処理が行われる。
(ペナルティ監視処理:図22)
図22に示すペナルティ監視処理は、図18の受信コマンド解析処理(ステップS073)の一部の処理内容であり、入賞情報コマンドを受信した場合に実行される。図22では、本発明と関係の深い「ペナルティ監視処理」に着目して説明し、入賞情報コマンドを受信した際の他の処理内容については省略する。
本実施形態に係るペナルティ監視処理では、遊技結果が導出された後(全回胴停止後)に送信されてくる「入賞情報コマンド」を受信した場合、ペナルティ条件を満たすか否かを判定し、ペナルティ条件を満たす場合には、次回ゲームからペナルティを科すための処理を行う。
図22において、演出制御部410は、まずペナルティを科す条件(ペナルティ条件)を判定する(ステップS711〜S713)。ここでは、その判定として、今回ゲームにおいて、(イ)アシスト報知が実行されたか否か(ステップS711)、(ロ)押し順が「変則押し」であるか否か(ステップS712)、(ハ)ペナルティ除外対象であるか否か(ステップS713)を判定する。これらの情報は、遊技開始情報コマンド、停止情報受付コマンドに含まれる各種情報と、演出制御部の処理状態などを考慮して把握することができる。
本実施形態では、アシスト報知中でなく(ステップS711:NO)、変則押しを実行した場合において(ステップS712:YES)、ペナルティ除外対象でなければ(ステップS713:NO)、ペナルティ条件が成立したとして、ペナルティ設定処理を行う(ステップS714)。それ以外では、ペナルティ条件が成立しなかったとして、何もせずにステップS715の判定処理に進む。
上記ペナルティ条件が成立したと判定された場合、ペナルティ状態に設定するために必要な設定処理を行う(ステップS714:ペナルティ設定処理)。たとえば、ペナルティ期間を定める処理として、所定のペナルティゲーム数(たとえば、10ゲーム)をセットする。これにより、次回ゲームから所定の遊技期間、ペナルティが科されることになり、ペナルティ状態に応じた処理(図21のステップS612参照)が行われることになる。
上記ステップ714のペナルティ設定処理を終えると、次いで、ペナルティ中であるか否かを判定する(ステップS715)。ペナルティ中でない場合(ステップS715:NO)、受信コマンド解析処理を抜けて、図23のシナリオ更新処理(ステップS074)に進む。
しかし、ペナルティ中である場合(ステップS715:YES)、次いで、ペナルティ解除条件管理処理を行う(ステップS716)。このペナルティ解除条件判定処理では、ペナルティ解除条件が成立したか否かを監視する。たとえば、所定のペナルティゲーム数が消化されたか否かを判定する。具体的には、現在、ペナルティゲーム中であるか否か、つまりペナルティゲーム数を監視し、今回のゲームでペナルティゲーム数を1消化したとして、ペナルティゲーム数から1減算する。
次いで、上記ペナルティ解除条件管理処理の処理結果に基づいて、ペナルティ解除条件が成立したか否かを判定する(ステップS717)。ここでは、ステップS716の減算後のペナルティゲーム数がゼロ(ペナルティゲーム数=0)となったか否かを判定し、ペナルティゲーム数がゼロでない場合には(ステップS717:NO)、ペナルティ解除条件未成立として、受信コマンド解析処理を抜けて、図23のシナリオ更新処理(ステップS074)に進む。
一方、ペナルティゲーム数がゼロである場合には(ステップS717:YES)、ペナルティ解除条件が成立したとして、ステップS718のペナルティ解除処理に進み、ペナルティ状態を解除する。これにより、次回ゲームから正常時(非ペナルティ中)の演出処理が実行されることになる。
(フリーズコマンド受信処理:図23A)
図23Aは、フリーズコマンドを受信した際のフリーズコマンド受信処理を示すフローチャートである。
フリーズコマンドは、回胴回転開始時フリーズ演出が発生する場合は、その回胴回転開始時フリーズの開始時に、図10のステップS204でセットされる。また、全回胴停止前フリーズ演出が発生する場合は、その全回胴停止前フリーズの開始時に、つまり第1停止操作時に発生するフリーズについては第1停止操作時(図11のステップS307の全回胴停止前フリーズ演出処理を1回目に通る際)に図13のステップS407にてセットされ、また、第2停止操作時に発生するフリーズについては、第2停止操作時(図11のステップS307の全回胴停止前フリーズ演出処理を2回目に通る際)に図13のステップS407にてセットされる。また、全回胴停止後フリーズ演出が発生する場合は、その全回胴停止後フリーズの開始時に、つまり第3停止操作時に発生するフリーズについては、第3停止操作時(図11のステップS310の全回胴停止後フリーズ演出処理を通る際)に図15のステップS454にてセットされる。これらのフリーズコマンドは、フリーズの開始を演出制御部410側に報せるものである。
図23Aにおいて、フリーズコマンドを受信した場合、演出制御部410は、フリーズ発生時をトリガーとするフリーズ中サブ側演出(演出制御部側のフリーズ発生時演出)を発生させる(ステップS801)。
回胴回転始動レバーの操作時に定まるフリーズ演出種別が、1回のフリーズ発生を内包する演出シナリオのもの(フリーズ演出フラグ01H〜0CH、10H〜12H)であるならば、フリーズ開始時にステップS105でセットされるフリーズ種別コマンドが存在し、これからフリーズ開始情報が得られるので、このフリーズ種別コマンドをトリガーとしてフリーズ中サブ側演出を発生させることができる。しかし、複数回のフリーズ発生を内包する演出シナリオのもの(フリーズ演出フラグ0DH〜0FH、13H〜15H)である場合、演出制御部410側は、フリーズ種別コマンドだけでは、当該シナリオ中のいずれの時点でフリーズが発生するのかまでは把握することができない。そこで本実施形態では、フリーズの開始時を報せる上記フリーズコマンドを設けている。このフリーズコマンドは、同じフリーズ演出シナリオ中で、回胴回転始動レバーオン時に発生する第1フリーズについても、これに次いで発生する第2、第3のフリーズについても、それぞれセットされ送信されるものであるので、このフリーズコマンドを受信したことに基づいて、つまり当該シナリオ中の各フリーズ発生時をトリガー(基本トリガー)として、フリーズ中サブ側演出(フリーズ発生時演出)を現出させることができる。
(フリーズ中操作コマンド受信処理:図23B)
図23Bは、フリーズ中操作コマンドを受信した際のフリーズ中操作コマンド受信処理を示すフローチャートである。
フリーズ中操作コマンドは、既に発生しているフリーズ期間中にトリガー操作がなされた場合に、セットされて送信される(ステップS502、S512)。
具体的には、たとえば、図34および35Aを参照して、「フリーズB2」の場合、第1停止操作時に発生したフリーズ期間の10秒中に、操作手段による操作(トリガー操作)として第2停止操作(停止できず)がなされた場合に(ここでは、回胴回転停止ボタン12の操作)、セットされて送信される。
また、たとえば「フリーズB3」の場合、第2停止操作時に発生したフリーズ期間の10秒中に、トリガー操作として第3停止操作(停止できず)がなされた場合に(ここでは、回胴回転停止ボタン12の操作)、セットされて送信される。
また、たとえば「フリーズB4」の場合、第1停止操作時に発生したフリーズ期間の10秒中に、トリガー操作として第2停止操作(停止できず)がなされた場合と(ここでは、回胴回転停止ボタン12の操作)、第2停止操作時に発生したフリーズ期間の10秒中に、トリガー操作として第3停止操作(停止できず)がなされた場合に(ここでは、回胴回転停止ボタン12の操作)、それぞれセットされて送信される。
また、たとえば「フリーズB5」の場合、第3停止操作時に発生したフリーズ期間の10秒中に、トリガー操作としてMAXベット操作(無効)がなされた場合に(ここでは、MAXベットボタン8の操作)、セットされて送信される。
本実施形態の場合、フリーズ中にトリガー操作を行わない遊技者が存在する可能性がある。そこでフリーズ中のトリガー操作を促すため、演出制御部410側において、当該フリーズ演出種別のシナリオ中の所定のタイミング、たとえばフリーズ中操作を行った時から当該フリーズ期間が終了するまでの間にステップアップ演出を有効に鑑賞させ得る時間長さが確保されることとなるタイミングにおいて、所定の操作手段(ここでは、回胴回転停止ボタン12やMAXベットボタン8など)を操作することを促す上記「催促演出」を、液晶表示画面に現出させる。遊技者は、この催促演出が現出している間に回胴回転停止ボタン12やMAXベットボタン8を押すことになる。
たとえば「フリーズB2(第1停止操作後に10秒フリーズ:ミドルフリーズ)」の場合、第1停止操作時にフリーズ中サブ側演出としてフリーズ発生時演出(たとえば主人公が地上で敵と戦うバトル演出の第1ステージ)が発生し、その発生したフリーズ発生時演出中にトリガー操作として第2停止操作(停止できず)がなされることで、フリーズ中操作時演出(ステップアップ演出のステップSU1)が発生し、この部分のシナリオがSU1の内容(たとえばバトル中の主人公が服を脱ぐ演出)に差し替えられる。
また、たとえば「フリーズB3(第2停止操作後に10秒フリーズ:ミドルフリーズ)」の場合、第2停止操作時にフリーズ中サブ側演出としてフリーズ発生時演出(たとえば主人公が地上で敵と戦うバトル演出の第1ステージ)が発生し、その発生したフリーズ発生時演出中にトリガー操作として第3停止操作(停止できず)がなされることで、フリーズ中操作時演出(ステップアップ演出SU1)が発生し、この部分のシナリオがSU1の内容(たとえばバトル中の主人公が服を脱ぐ演出)に差し替えられる。
また、たとえば「フリーズB5(第3停止操作後に10秒フリーズ:ミドルフリーズ)」の場合、第3停止操作時にフリーズ中サブ側演出としてフリーズ発生時演出(たとえば主人公が地上で敵と戦うバトル演出の第1ステージ)が発生し、その発生したフリーズ発生時演出中にトリガー操作としてMAXベット操作(無効)がなされることで、フリーズ中操作時演出(ステップアップ演出SU1)が発生し、この部分のシナリオがSU1の内容(たとえばバトル中の主人公が服を脱ぐ演出)に差し替えられる。
また、たとえば「フリーズB4(第1停止操作後に5秒フリーズ+第2停止操作後に10秒フリーズの連係フリーズ演出)」の場合、第1停止操作時にフリーズ中サブ側演出としてフリーズ発生時演出(たとえば主人公が地上で敵と戦うバトル演出の第1ステージ)が発生し、その発生したフリーズ発生時演出中にトリガー操作として第2停止操作(停止できず)がなされることで、フリーズ中操作時演出(ステップアップ演出SU1)が発生し、この部分のシナリオがSU1の内容(たとえばバトル中の主人公が服を脱ぐ演出)に差し替えられる。その後、第2停止操作時にフリーズ発生時演出が発生して、この部分のシナリオが次のステージ(たとえば主人公が海上で敵と戦うバトル演出の第2ステージ)に差し替えられ、その発生したフリーズ発生時演出中にトリガー操作として第3停止操作(停止できず)がなされることで、フリーズ中操作時演出(SU2)が発生し、この部分のシナリオがSU2の内容(たとえばバトル中の主人公が指を鳴らす演出)に差し替えられる。
<具体例1(フリーズB4の場合):図37>
次に、本実施形態に係るフリーズ演出の動作について、フリーズB4を代表例として説明する。図37は、上記した図35AのフリーズB4(第1停止操作後に5秒フリーズ+第2停止操作後に10秒フリーズ)の場合における動作の一例を示したタイミングチャートである。
(回胴回転始動レバー操作時:時刻t0)
所定賭数の遊技メダルが実際にまたは疑似投入されて回胴回転始動レバー11が操作されると(時刻t0)、内部抽選処理(図8のステップS16)が行われ、その当選情報がフリーズ演出抽選対象役であれば、リール演出抽選処理(図8のステップS17)において、フリーズ演出抽選(ステップS103)が行われる。このとき今扱っている図35AのフリーズB4のケースの場合は、対応するフリーズ演出フラグ「0EH」がセットされ、次いで、フリーズ種別コマンド(フリーズB4用)がセットされる(図9のステップS104〜S105)。なお、このフリーズB4は、レバーオン時フリーズの不回転回胴演出ではないケースである(ステップS106:NO)。
上記のフリーズ演出フラグ「0EH」がセットされることで、フリーズ種別コマンドにより、フリーズ演出の演出シナリオ(基本演出シナリオ)を決定する。ここでは、基本演出シナリオとして、回胴回転始動レバー11が操作されたときから全回胴の通常回転の開始・停止を経て入賞に係る処理を終えて(1ゲーム相当期間)、次回ゲーム開始に係る回胴回転始動レバー11が操作されるまでの期間を対象とした、比較的長めの演出シナリオ(シナリオB4)を例にする。
本例では、フリーズB4に当選しているケースを扱っているので「トリガー区分β+γ」に属する全回胴停止前フリーズ演出(第1停止操作後5秒フリーズ+第2停止操作後10秒フリーズ)が起こることが確定し、トリガー区分αに属する回胴回転開始時フリーズ演出やトリガー区分δに属する全回胴停止後フリーズ演出は起きない。
続いて、図10の回胴回転開始設定処理(ステップS18)に入る。図10において、フリーズB4は変則回転を行わないフリーズ演出種別であるので、ステップS202の判断はNOとなり、変則回転開始設定処理やフリーズコマンドのセットやフリーズタイマのセットなど(ステップS203〜S206)は行わず、遊技開始ウェイトタイマが経過するのを待った後に4.1秒がセットされ(ステップS207〜S209)、これにより次回ゲーム開始までに要する時間が最短でも4.1秒となるように制御される。その後、通常回転開始設定処理(ステップS210)が行われて全回胴回転中となる。
(第1停止操作時:時刻t1)
上記に続いて、図11の回胴停止処理(S19)に入り、時刻t1で、回胴停止可能中の停止操作(第1停止操作)が行われると、停止準備データのセット、停止情報受付コマンドのセット、図柄停止制御処理、停止結果情報コマンドのセットなどがなされ(ステップS301〜S305)、停止間隔タイマがゼロになった時点で(ステップS306:YES)、1回目の全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS308)に入る。なお、フリーズB4は押順規定フリーズ契機役でないので、ステップS307の特定役フリーズ演出管理処理は行われない。
図13の全回胴停止前フリーズ演出処理において、ステップS402〜ステップS404の判断を行う。ここでは、フリーズB4(フリーズ演出フラグ種別0EH)のケースを扱っているので、ステップS402の判断(全回胴停止前フリーズ演出であるか否か)はYESとなる。また時刻t1の第1停止操作(第1回胴停止)は第1フリーズの発生を伴うことから、全回胴停止前フリーズ演出対象停止操作であるので、ステップS403の判断もYESとなる。またフリーズB4は変則回転の発生を伴わない遅延のみのフリーズであるので、ステップS404の判断はNOとなり、全回胴停止前フリーズ回転設定処理(ステップS405)の特殊変則回転動作用のデータセットを行わずに、フリーズタイマをフリーズB4用の第1フリーズ時間(5秒)にセットし(ステップS406)、フリーズB4の第1フリーズ用のフリーズコマンドをセットする(ステップS407)。
これにより図37に示すように、時刻t1でフリーズB4の第1フリーズが開始され、第2停止操作の本来機能を受け付けない第1フリーズ期間(5秒)が経過して行く。また演出制御部410側では、上記フリーズB4の第1フリーズ用のフリーズコマンドを受信して、所定の演出手段(スピーカ16、LED、液晶表示装置6、可動体役物(不図示)を利用し、第1フリーズ発生時演出(フリーズ中サブ側演出)として、主人公が地上で敵と戦うバトル演出の第1ステージ(対峙演出)を現出させる(ステップS801、図37参照)。
(第1フリーズ中の第2停止ボタンの押圧操作時:時刻t2)
続いて、前フリーズ演出中操作演出処理に進む(図13のステップS408)。図14に詳細を示す前フリーズ演出中操作演出処理では、フリーズ中にトリガー操作としてサブ側演出発生対象操作があったかどうかをチェックしている(ステップS501:NO→ステップS503:NO)。第2停止ボタンの押圧操作(フリーズ中であるので、第2回胴の回転停止できずの状況)があった場合、ステップS501の判断がYESとなり、該当押圧操作に基づいてフリーズ中操作コマンドをセットする。つまり押圧操作で第2回胴の回転は停止されないが、フリーズ中操作コマンドだけは演出制御部410側に送信される。このように押圧操作が行われる度に、フリーズ中操作コマンドをセットし送信している(ステップS501〜S503の繰り返しループ)。
演出制御部410は、上記第1フリーズが発生した時刻t1からの所定時間を「操作コマンド受け付有効期間」として監視している(図23BのステップS811)。この操作コマンド受け付有効期間は、上記第1フリーズ期間のうちの前半部となっており、ここでは当該第1フリーズが発生した時刻t1から始まり、SU1演出尺を確保しうる時間長を残した所定のタイミングにて終了する時間幅(この例では5秒のうちの前側半分超の3秒)を割り当てている。この操作コマンド受け付有効期間内に発生した操作コマンドであれば、演出制御部410側で有効に受け付けられて、フリーズ中操作時演出を発生させることが可能になる。
上記操作コマンド受け付有効期間内における時刻t2でフリーズ中操作コマンドが発生したとすると、これを受信することで、演出制御部410側がフリーズ中操作時演出を演出手段に発生させる(ステップS812)。ここでは、フリーズ中操作時演出として、バトル中の主人公が音響装置から音声を発すると同時に振り向く動作を液晶表示装置6の画面に現出させる、というステップアップ演出「SU1」を発生させる。つまり、ステージ1の演出シナリオ中において、この時刻t2−t3部分のシナリオが、SU1の内容(バトル中の主人公が振り向く演出)に差し替えられる。
この具体例の場合、演出制御部410側は、上記操作コマンド受け付有効期間内において最初に発生したフリーズ中操作コマンドを受信し、フリーズ中操作時演出を演出手段に発生させた場合、それ以後に受信したフリーズ中操作コマンドについては、たとえ操作コマンド受け付有効期間内のものであっても、これを無効扱いとする(ステップS812)。なお、第2停止操作ボタンの押圧操作がなされなかった場合、第1フリーズ発生時演出であるステージ1の演出が継続して流される(図中の破線はこのことを意味する)。
(第1フリーズ終了:時刻t3)
その後、第1フリーズ期間(5秒)が経過して時刻t3に至る。図14において、フリーズタイマがゼロとなり(ステップS503:YES)、通常回転開始設定処理に進む(ステップS504)。ステップS504は変則回転を通常回転に戻す制御データをセットする処理に係るものであるので、変則回転を行わないフリーズB4の場合は特には処理を行わず、次のステップS505に進み、フリーズ終了コマンドがセットされる。かくして、第1フリーズが終了し、第2停止操作を受付可能な状態に入る。
(第2停止操作時:時刻t4)
図11の回胴停止処理において、第1停止操作の停止対象となった回胴が停止し、まだ全回胴が停止していないので、ステップS309の判断がNOとなり、ステップS301に戻る。時刻t4で第2停止操作が行われると、停止準備データのセット、停止情報受付コマンドのセット、図柄停止制御処理、停止結果情報コマンドのセットなどがなされ(ステップS301〜S305)、停止間隔タイマがゼロになるのを待って(ステップS306:YES)、2回目の全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS307)に入る。
図13の全回胴停止前フリーズ演出処理において、フリーズB4(フリーズ演出フラグ種別0EH:トリガー区分β+γ)のケースを扱っているので、ステップS402の判断(全回胴停止前フリーズ演出であるか否か)がYESとなる。また時刻t4の第2停止操作(第2回胴停止)は第2フリーズの発生を伴うことから、全回胴停止前フリーズ演出対象停止操作であるので、ステップS403の判断もYESとなる。
またフリーズB4は変則回転の発生を伴わない遅延のみのフリーズであるので、ステップS404の判断はNOとなり、全回胴停止前フリーズ回転設定処理(ステップS405)を行わずにステップS406に進む。そして、フリーズタイマをフリーズB4用の第2フリーズ時間(10秒)にセットし(ステップS406)、フリーズB4の第2フリーズ用のフリーズコマンドをセットする(ステップS407)。
これにより図37に示すように、時刻t4でフリーズB4の第2フリーズが開始され、第3停止操作の本来機能を受け付けない第2フリーズ期間(10秒)が経過して行く。また演出制御部410側では、上記フリーズB4の第2フリーズ用のフリーズコマンドを受信して、演出制御部は液晶表示装置や役物などの演出手段に、第2フリーズ発生時演出として、主人公が空中で敵と戦うバトル演出の第2ステージを現出させる(ステップS801、図37参照)。
(第3停止ボタンの押圧操作時:時刻t5)
続いて、図13の前フリーズ演出中操作演出処理に進む(ステップS408)。図14に詳細を示す前フリーズ演出中操作演出処理において、トリガー操作として第3停止ボタンの押圧操作(フリーズ中であるので、第3回胴の回転停止できずの状況)があった場合、ステップS501の判断がYESとなり、該当押圧操作に基づくフリーズ中操作コマンドをセットする。つまり押圧操作で第3回胴の回転は停止されないが、フリーズ中操作コマンドは押圧操作が行われる度に演出制御部410側に送信される(ステップS501〜S503)。
演出制御部410側は、上記第2フリーズが発生した時刻t4からの所定時間を「操作コマンド受け付有効期間」として監視している(図23BのステップS811)。この操作コマンド受け付有効期間は、上記第1フリーズの場合と同様に、第2フリーズ期間(10秒)のうちの前半部であり、ここでは当該第2フリーズが発生した時刻t4から始まり、SU2演出尺を確保しうる時間長を残した所定のタイミングにて終了する時間幅(この例では10秒のうちの前側半分超の6秒)を割り当てている。この受付有効期間内に発生したフリーズ中操作コマンドであれば、演出制御部410側で有効に受け付けられて、フリーズ中操作時演出を発生させる。
上記操作コマンド受け付有効期間内における時刻t5でフリーズ中操作コマンドが発生したとすると、これを受信して、演出制御部410側はフリーズ中操作時演出を演出手段に発生させる(ステップS812)。ここでは、フリーズ中操作時演出として、バトル中の主人公が音声を発すると同時に服を脱ぐステップアップ演出「SU2」を、音響装置および液晶表示装置6により現出させる。つまり、ステージ2の演出シナリオは、この時刻t5−t6部分のシナリオが、SU2のシナリオ(バトル中の主人公が服を脱ぐ演出)に差し替えられる。このSU2は昇格アシスト報知抽選(AT抽選:図27)の当選期待度に応じて演出態様が異なるようになっている。たとえば、主人公が服を脱いだ際、服の裏地が見えるような演出が現出され、その裏地色(たとえば、青色、緑色、赤色、および虹色のこの順に当選期待度が高い)に応じて、昇格アシスト報知抽選(図27におけるAT抽選)の当選期待度が示唆される。
演出制御部410は、上記第2フリーズの操作コマンド受け付有効期間内において最初に発生したフリーズ中操作コマンドを受信し、これに基づいてフリーズ中操作時演出を演出手段に発生させた場合、それ以後に受信したフリーズ中操作コマンドについては、これを無効扱いとする(ステップS812)。なお、第3停止操作ボタンの押圧操作がなされなかった場合、第2フリーズ発生時演出であるステージ2の演出が、MAXベット操作時までまたは回胴回転始動レバー操作時まで、継続して流される(図中の破線はこのことを意味する)。
(第2フリーズ終了:時刻t6)
その後、第2フリーズ期間(10秒)が経過して時刻t6に至る。図14において、フリーズタイマがゼロとなり(ステップS503:YES)、フリーズ終了コマンドがセットされる(ステップS505)。かくして、第2フリーズが終了し、第3停止操作を受付可能な状態に入る。
(第3停止操作時:時刻t7)
まだ全回胴が停止していないので、図11の回胴停止処理のステップS308の判断がNOとなり、ステップS301に戻る。時刻t7で第3停止操作が行われると、停止準備データのセット、停止情報受付コマンドのセット、図柄停止制御処理、停止結果情報コマンドのセットなどがなされ(ステップS301〜S305)、停止間隔タイマがゼロになった時点で(ステップS306:YES)、全回胴が停止することになる。
なお、停止間隔タイマがゼロになると(ステップS306:YES)、3回目の全回胴停止前フリーズ演出処理(ステップS307)に入るが、図13において、ステップS402の判断がYES、ステップS403の判断がNOとなり、何もしないで全回胴停止前フリーズ演出処理を抜けて図11に戻り、ステップS307からステップS308に進む。
図11において、全回胴が停止すると、ステップS308の判断がYESとなり、ステップS309の全回胴停止後フリーズ演出処理(図15)に進む。しかし、フリーズB4は全回胴停止後フリーズ演出ではないので、図15において、ステップS452の判断がNOとなり、何もしないで全回胴停止後フリーズ演出処理を抜けてステップS309に戻り、フリーズ演出フラグをクリアして(ステップS310)、一連の処理を終了する。
<具体例2(フリーズB4の場合):図38>
図38は、上記したフリーズB4の場合における他の動作例を示したタイミングチャートである。具体例1とは、時刻t4以降の動作において大きく異なる。以下では、時刻t4以降の動作に着目して説明する。
(第2停止操作時:時刻t4)
時刻t4で第2停止操作(第2回胴が停止する)が行われると、図38に示すように、時刻t4でフリーズB4の第2フリーズが発生し、第3停止操作の本来機能を受け付けない第2フリーズ期間(10秒)が開始される。演出制御部410側では、フリーズB4の第2フリーズ用のフリーズコマンドを受信して、液晶表示装置や役物などの演出手段に、第2フリーズ発生時演出として、主人公が空中で敵と戦うバトル演出の第2ステージを現出させる(ステップS801、図38参照)。
上記第2フリーズ発生時点から所定の時間だけ、遊技者に対する報知演出として、この表示の後のタイミングで該当操作手段を連打操作すべきを促す「連打催促演出」、たとえば「この後、MAXベットボタンを連打せよ!」の演出を、音声と共に液晶画面に現出させる。図38の例では、第2フリーズ期間(10秒)のうちの前側の2秒間だけが、この報知演出による連打催促期間となっている。この連打催促期間(2秒)については、操作コマンドを受け付けない無効期間ともなっている。
(MAXベットの連打操作:時刻t5)
上記連打催促期間(2秒)に続く所定期間(この例では5秒間)が操作コマンド受付有効期間として働くように定めてある。これは、トリガー操作として、第3停止ボタン、MAXベット、専用の演出ボタン等のいずれかを連打したことにより発生するフリーズ中操作コマンドを、所定回数(たとえば1回または複数回)だけ受け付ける操作コマンド受付有効期間である。図38ではMAXベットを連打した場合を扱っている。操作コマンド受付有効期間中にMAXベットを所定回数(この例では3回)以上連打した場合、所定回数の3回目で発生条件が成立し、フリーズ中操作時演出のSU2(バトル中の主人公が服を脱ぐ演出)が発生するようになっている。
なお、この図38の具体例の場合、フリーズ中操作時演出のSU1が時刻t4の第2停止操作時まで続いているが、第1フリーズ終了時点t3までとしてもよい。またフリーズ中操作時演出のSU2が時刻t9のレバー操作時まで続いているが、時刻t7の第3停止操作時や時刻t8のMAXベット操作時までとしてもよい。また図37の場合と同様に、第1フリーズの終りt3でSU1を終了させてステージ1のシナリオに戻し、また、第2フリーズの終りt6でSU1を終了させてステージ2のシナリオに戻す構成としても良い。
<その他>
上記実施形態では、フリーズ中サブ側演出のうち、フリーズ中操作時演出についてはフリーズ期間中に1つのみを発生させることとしているが、たとえばフリーズ期間が長く十分に演出尺が確保できる場合には、フリーズ期間を複数個の区間に分け、それぞれの区間にコマンド受付有効期間を設定して、その期間中に受けた操作コマンドについて演出を発生させることにより、複数個または複数種類の演出を発生させることもできる。また、効果音(たとえば、音声「イチ」「ニイ」「サン」など)によるフリーズ演出の場合には、映像を見せる場合に比べ演出尺が短くて済むので、フリーズ期間を複数に分けた区間の各々に対してコマンド受付有効期間を設けなくても、1のコマンド受付有効期間内で複数の操作コマンドを受け付けて、それぞれにおいて同一内容の効果音(たとえば、音声「ゴー!」「ゴー!」「ゴー!」)または異なる内容の効果音(たとえば、音声「イチ」「ニイ」「サン」など)を発生させ、これにより複数種の音声による演出を発生させることもできる。
また上記実施形態では図26のフリーズ演出抽選テーブル中に含めていないが、フリーズE1〜E3を扱うこともできる。このフリーズE1〜E3では、1ゲーム中に第1フリーズから第3フリーズまで計3回フリーズが発生するので、フリーズ中操作時演出として、第1フリーズ中にバトル中の主人公が振り返る演出(ステップSU1)を、第2フリーズ中にバトル中の主人公が服を脱ぐ演出(ステップSU2)を、そして第3フリーズ中にバトル中の主人公が指を鳴らす演出(ステップSU3)を出現させることにより、各フリーズにおいて異なる種類のステップアップ演出を現出させることができる。
<実施形態の効果>
一般に、回胴式遊技機は、開始操作を契機として役に関する抽選(内部抽選)を行うと共に、その回胴装置の種々の図柄が施された複数の回胴を回転開始することで単位遊技を開始し、その各回胴の停止時の図柄の組合せに応じた入賞を発生させることで単位遊技(1ゲーム)を終える。この単位遊技中においては、内部抽選により役に当選しても、直ちに入賞が確定したものとはならない。遊技者は、目押し操作を慎重に行なうことによって、回胴装置の遊技結果である表示態様をあらかじめ定められた特別の表示態様とした場合に、始めて、“ビッグボーナスゲーム”や“レギュラーボーナスゲーム”と称されるボーナス遊技やリプレイ(再遊技)役の当選確率が高確率状態となるRT(リプレイタイム)遊技等の遊技者にとって有利な遊技状態に制御される。
さらに近年では、上述した主制御部側で行われる基本的なゲームの他に、副制御部側(演出制御部側)でその発生が制御される‘AT(アシストタイム)遊技’と称される遊技者に有利な特典遊技が付加的に行われるものが知られている。このAT遊技では、配当が異なる複数種の入賞役(小役)のいずれにも入賞しうる小役(抽選役)に当選した場合は、押し順で、高配当となる方の入賞役(小役)をアシスト報知し、また遊技者に有利となる度合に大小または有利不利が付けられた複数種類のリプレイ役(たとえば、昇格契機役、通常リプレイ、転落契機役など)に入賞しうる再遊技役(抽選役)に当選した場合は、押し順で、遊技者に有利となる度合が大きい方のリプレイ役をアシスト報知する。したがって、このAT遊技とRT遊技とが同時に重なってART(アシストリプレイタイム)遊技となったときは、非常に遊技者に有利な遊技状態となる。
この種の回胴式遊技機では、遊技を盛り上げる種々の演出が行われており、このような演出として、遊技の進行を一時停止(遅延)させるフリーズ演出が知られている。このフリーズ演出は、上記のボーナス遊技やART遊技への移行を遊技者に期待させるようなタイミングで実行される。
また、回胴式遊技機において遊技を行う場合、通常、回胴のスタートスイッチ操作(回胴回転始動レバー操作)→第1停止ボタン操作→第2停止ボタン操作→第3停止ボタン操作→ベットボタン操作という順に、一連の操作を行う。従来、この一連の操作における各操作ごとに、動画や音声による演出(演出部側が司る演出)が切り替わるようにした遊技機がある。たとえば、スタートスイッチ操作時に「いくぞー!」、第1停止操作時に「イチ」、第2停止操作に「ニ」、第3停止操作時に「サン」、ベットボタン操作時に「ダー!」の演出を発生するものが知られている。
演出は、主制御部側が司る回胴による演出(フリーズ中メイン側演出)と、副制御部(演出制御部)側が司る動画や音声等による演出(フリーズ中サブ側演出)とに大別される。このうち動画および音声によって行われるフリーズ演出に関して、第3停止操作時に開始されるフリーズ時間(メダル投入無効)を、フリーズ演出の時間よりも長くして、実行されるフリーズ演出が中断されてしまう虞がないようにしたものがある(下記特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1は、回胴のスタートスイッチ、停止操作スイッチなどのトリガーポイントの中から抽選により、フリーズ演出の発生に使用する1のトリガーポイントを決定するものであり、次のような課題がある。
単位遊技中で実際に使用されるトリガーポイントは、抽選により選択された1のトリガーポイントのみであり、抽選から外れた他のトリガーポイントはフリーズ演出の発生に使用されない。このため、単位遊技中で選択的に発生させ得るフリーズ演出の種別は、トリガーの種別が回胴式遊技機に搭載される手操作スイッチの種類数(それほど多くはない)の範囲内に制約される。
そこで、単位遊技中でフリーズ演出の発生に使用するトリガーポイントの数を増加させ、フリーズ演出のステップ数や分岐数を増加させることのできる、単位遊技中で発生させるフリーズ演出のステップ数を柔軟に多くして、より多くの演出分岐が見られるようにしたフリーズ演出の実現方法の提供が望まれる。
また通常の遊技者はテンポよく、回胴のスタートスイッチ操作→第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作という一連の操作を行っている。フリーズ演出が発生した場合でも、フリーズ時間が経過すれば、上記一連の操作の続きが行われる。たとえばスタートスイッチ操作によりフリーズ演出が発生した場合、フリーズ時間(第1停止操作無効)が経過すれば、残りの第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作という一連の操作がテンポよく行われることとなる。この各停止操作を契機として演出を発生させようとすると、操作間インターバル時間が短すぎることになるので、そのインターバル幅に合わせて演出尺まで短くする必要がある。さもなくば、演出が完結しないうちに次の停止操作がなされて、未完の演出が連続または頻発し、演出を発生させることとした意義が薄れるからである。したがって、所定の演出を最後までじっくりと見せることができるフリーズ演出の実現方法の提供が望まれる。
そこで本実施形態では、次のように構成することができる。
複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する回胴装置(210)と、
所定の単位遊技開始条件の下、各回胴を回転させるための始動スイッチ(11a)と、
前記始動スイッチの始動操作を契機に、複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図8のステップS16、役抽選テーブル(図24))と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止スイッチ(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止スイッチの停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図8のステップS19)と、
所定の実行条件の下、前記始動スイッチおよび/または前記停止スイッチが操作されたことを契機に、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態(フリーズ状態)を実行制御する遅延状態制御手段(図8のS17〜S19、図9〜図13、図15)と、
前記遅延状態において、遊技に関連する演出(フリーズ演出:フリーズ発生時演出、操作時演出)を実行制御する遅延状態中演出実行制御手段(図9〜図13、図15、演出制御部410)と、
を備え、遊技結果に応じた入賞を発生可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記遅延状態は、当該遅延状態の発生可能なトリガーポイントとして、始動スイッチ操作および/または各停止スイッチ操作のいずれかを契機とするトリガーポイントを含み、そのうちの1以上の所定のトリガーポイントにおいて遅延状態が発生するように定められており(図8のS17〜S19、図9〜図16、図35A、図35B)、
前記遅延状態中演出実行制御手段は、
前記遅延状態中において、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたことに基づいて、操作時演出を実行制御する操作時演出制御手段(フリーズ操作時演出に係る回胴演出(たとえば、図35A参照)、フリーズ操作時演出に係る演出手段による演出(たとえば、図14のS501〜S502、図16のS511〜S512、図23BのS812))と、
を有することを特徴とする回胴式遊技機。
また前記遅延状態には複数種類の遅延状態が含まれ、
前記遅延状態中演出制御手段は、
前記遅延状態制御手段による前記遅延状態の開始に基づき、遅延状態発生時演出(フリーズ発生時演出)を実行する遅延状態発生時演出制御手段(たとえば、図9〜図16、図35A、図23AのS801)をさらに備え、
前記遅延状態発生時演出制御手段は、
前記遅延状態制御手段により特定の遅延状態が実行される場合、前記遅延状態発生時演出を実行しないように構成することができる。この構成では、特定の遅延状態の場合、演出上からフリーズの発生が秘匿されるので、操作時演出の現出が突発的なものとすることができる。
なお、操作手段には、前記始動スイッチ、各停止スイッチを含み、さらに、クレジット手段に貯留された範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値まで遊技媒体を一度に疑似投入し得るMAXベットボタンや、演出用ボタン(図示せず)を含むことができる。
また前記回胴式遊技機は、
前記遅延状態中に、遊技者が操作可能な操作手段が操作された場合に、その操作情報を含むフリーズ中操作コマンドを送信可能に構成されたコマンド手段(図14の前フリーズ演出中操作演出処理のステップS502、図16の後フリーズ演出中操作演出処理のステップS512、図36)を含み、
前記遅延状態中演出実行制御手段は、前記操作コマンドを所定の条件下で受け付けて、操作時演出(たとえば、バトル演出中における特定演出、ステップアップ演出のステップSU1〜SU3など)を現出制御する操作時演出制御手段(図23Bのフリーズ中操作コマンド受信処理のステップS812)を含むことができる。
また前記操作時演出実行制御手段は、前記操作時演出の実行中またはその実行後に、前記停止スイッチが操作されたことに基づき、前記操作時演出とは異なる操作時演出(たとえば、ステップアップ演出のステップSU2〜SU3など)を実行可能に構成することができる。
また、操作手段のON操作とOFF操作との時間差を利用し、ON操作とOFF操作とで、異なるフリーズ中操作時演出を現出(実行)させることができる。
この実施形態の回胴式遊技機によれば、単位遊技中でフリーズを発生させるトリガータイミングの数を増加させることができ、また、フリーズ演出のステップ数や分岐数を増加させることができる。つまり、単位遊技中で発生させるフリーズのステップ数ないしフリーズ回数を柔軟に多くして、より多くの演出分岐が見られるようにすることができる。また、仮に回胴の第1停止操作と第2停止操作とが続いて行われた場合でも、第1停止操作でフリーズが発生すれば、第2停止操作(停止できず)をトリガーとしてフリーズ中操作時演出が発生し、このフリーズ中操作時演出は、フリーズ中に生起するものであるので、従来より長い演出尺のフリーズ中操作時演出であっても、フリーズ中の時間を利用して最後までじっくりと見せることができる。