JP5338342B2 - 造粒組成物及びその製造方法 - Google Patents

造粒組成物及びその製造方法

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Description

本発明は、造粒組成物及びその製造方法等に関する。
ブタジエン系ポリマー組成物の熱安定性を向上させるために、式(I)で表される化合物が特許文献1に記載されている。ところで、ブタジエン系ポリマー組成物は、式(I)で示される化合物を予め炭化水素溶媒に溶解させた後、ブタジエン系ポリマーに混合して製造することが記載されている。
Figure 0005338342
特開平1−168643号公報(特許請求の範囲、第6頁右下欄8〜16行目)
式(I)で示される化合物は、条件によっては炭化水素溶媒に溶解し難い場合があり、当該化合物を炭化水素溶媒に溶解することは、必ずしも常に、容易であると言えるものではなかった。
本発明は、以下の[1]〜[7]記載の発明である。
[1] 融点が30〜100℃である有機化合物、及び式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする造粒組成物。
Figure 0005338342
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
[2] 式(1)で示される化合物が、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートであることを特徴とする[1]記載の造粒組成物。
[3] 有機化合物が、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び滑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする[1]又は[2]記載の造粒組成物。
[4] 造粒組成物100重量%に対して、有機化合物を20〜80重量%、及び式(1)で示される化合物を80〜20重量%含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の造粒組成物。
[5] 融点が30〜100℃である有機化合物及び式(1)で示される化合物を造粒する工程を有することを特徴とする造粒組成物の製造方法。
Figure 0005338342
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
[6] 造粒が押出造粒であることを特徴とする[5]記載の製造方法。
[7] 熱可塑性ポリマー100重量部に、[1]〜[4]のいずれか記載の造粒組成物を0.01〜2重量部混合させることを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物の製造方法。
本発明の造粒組成物は、炭化水素溶媒に迅速に溶解することができる。
実施例5〜12で使用した二軸押出機の断面模式図
本発明の造粒組成物は、式(1)で示される化合物(以下、化合物(1)と記すことがある)を含む。
Figure 0005338342
式(1)中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表す。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、2−エチルヘキシル基などが例示され、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、3−メチルシクロペンチル、4−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロヘキシル基などが例示される。中でも、メチル基、t−ブチル基、又はt−ペンチル基が好ましい。
3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。R3 のアルキル基としては、R1 で例示されたアルキル基などが具体的に例示される。
Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。
ここで、アルキリデン基としては、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などが例示され、シクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが例示される。中でも、メチレン基、エチリデン基又は、ブチリデン基が好ましい。
化合物(1)の融点は、通常、70〜220℃であり、好ましくは、100〜140℃である。
化合物(1)としては、例えば、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−〔1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エチル〕−4−メチルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピル〕−4−メチルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−プロピルフェニル)エチル〕−4−プロピルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)エチル〕−4−イソプロピルフェニル アクリレートなどが挙げられる。とりわけ好ましくは2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレートである。
本発明の造粒組成物は、融点が30〜100℃の有機化合物を含む。好ましくは40〜90℃、とりわけ好ましくは45〜80℃である。30℃以上であると、得られる造粒組成物の形状安定性が優れる傾向があることから好ましい。また、100℃以下であると、造粒時において高温の設備を必要としないことから好ましい。
有機化合物としては、特に、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び滑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
有機化合物の具体的には、例えば、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(融点50〜55℃)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(融点69℃(凝固点))、2,2−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点63℃以上)、トリ−エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点76〜79℃)などのフェノール系酸化防止剤、
例えば、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル(融点40〜42℃)、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル(融点49〜54℃)、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステル(融点65〜67℃)、テトラキス(3−ドデシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリチル エステル(融点約46℃)などの硫黄系酸化防止剤、
例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン ジホスフォナイト(融点75〜90℃)、ビス[2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール]リン酸 エチルエステル(融点89〜92℃)などのリン系酸化防止剤、例えば、セバシン酸 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル(融点81〜86℃)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル メタクリレート(融点58℃)などのヒンダードアミン系酸化防止剤、
例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクチロキシ ベンゾフェノン(融点45℃以上)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチル フェノール(融点77℃以上)、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル−]−5−(オクチロキシ)フェノール(融点87〜89℃)などの紫外線吸収剤、
例えば、グリセリン・モノステアレート(融点65〜70℃)、グリセリン・モノカプレート(融点46℃)、グリセリン・モノラウレート(融点57℃)、クエン酸脂肪酸・モノグリセライド(融点59℃)などの帯電防止剤、
例えば、オレイン酸アミド(融点 約72〜77℃)、エルカ酸アミド(融点79〜81℃)、プロピレングリコール・モノステアレート(融点42〜48℃)、ステアリルステアレート(融点53〜59℃)、ソルビタンステアレート(融点52〜58℃)などの滑剤などが挙げられる。
本発明に用いられる有機化合物としては、特に、オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、モノステアリン酸グリセロール、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル、及び、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステルが好ましく、とりわけ、オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートが好ましい。
本発明の造粒組成物は、造粒組成物100重量%に対して、該有機化合物を15〜85重量%含有することが好ましく、より好ましくは20〜80重量%、とりわけ好ましくは25〜75重量%である。また、式(1)で示される化合物を85〜15重量%含有することが好ましく、より好ましくは80〜20重量%、とりわけ好ましくは75〜25重量%である。
本発明の造粒組成物は、化合物(1)及び前記有機化合物以外の添加剤、すなわち、融点が30℃未満又は融点が100℃を超える添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン(融点110〜130℃)、テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸}ペンタエリスリチル エステル(融点:110〜130℃)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(融点240〜245℃)、トリス(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(融点218〜223℃)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)−トリオン(融点159〜162℃)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)(融点128℃以上)、4,4’−ブチリデンビス (6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(融点209℃以上)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(融点160℃以上)などの融点が100℃を越えるフェノール系酸化防止剤、
例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点127℃)、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点137℃)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(融点192℃)などの融点が100℃を越える紫外線吸収剤、
例えばポリ[{6−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}−1,6−ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](融点100〜135℃)などの融点100℃を超える光安定剤などが挙げられる。
融点が30℃未満又は融点が100℃を超える、造核剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、顔料、可塑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの中和剤、結着剤なども本発明の造粒組成物に含有されていてもよい。
本発明の造粒組成物における化合物(1)及び前記有機化合物以外の添加剤の含有量は、通常、本発明の造粒組成物100重量%に対して、60重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
本発明の造粒組成物の製造方法とは、融点が30〜100℃である有機化合物及び式(1)で示される化合物を造粒する工程を有する製造方法であり、造粒する方法としては、例えば、ペレットミル、ローラーコンパクター(ターボ工業社製)などの造粒機を用いる圧縮造粒法、例えば、ハイスピードミキサー(深江パウテック社製)、連続攪拌造粒機(大川原製作所製)などの造粒機を用いる攪拌造粒法、押出造粒法及びこれらの方法を組合わせた造粒法が挙げられる。
造粒する工程における造粒温度は、例えば、前記有機化合物の融点近辺、具体的には、前記有機化合物の中で最も低融点を有する化合物の該融点の±5℃程度が挙げられる。造粒温度の設定方法としては、例えば、造粒機中の前記有機化合物、化合物(1)、及び必要に応じて添加剤などの混合物を混練する際に、剪断力に起因する発熱を利用して設定する方法、例えば、造粒機のジャケット等に熱媒を通して昇温する方法、及び、これらの方法を組み合わせる方法などが例示される。
造粒法としては、押出造粒法が造粒組成物を安定的に製造できる傾向があることから好ましい。以下、押出造粒法について、さらに詳しく説明する。押出造粒法としては、化合物(1)、前記有機化合物、及び必要に応じて添加剤などを押出機により造粒して造粒組成物を得る方法などが例示される。
押出機としては、例えば、ディスクペレッター、スクリュー押出機、単軸押出機、二軸押出機又はこれらを組み合わせた押出機(例えば、単軸ニ軸押出機など)が挙げられる。
特に、二軸押出機、及びディスクペレッターが好ましい。
造粒組成物の大きさとしては、通常、造粒組成物の最小長さが少なくとも1mmである。ここで、最小長さとは、造粒組成物の重心を通り造粒組成物の端と端とを結ぶ直線の長さであって、この長さの最小値を意味する。
例えば、球状の造粒組成物であれば、球状の直径が最小の長さである。球状の直径としては、通常、1mm〜6mm程度、好ましくは、1mm〜4mm程度である。
押出造粒法によって、通常、円柱状の造粒組成物が得られ、円柱の高さが円柱の断面の直径よりも大きい場合には円柱の断面径が最小長さになり、円柱の高さが円柱の断面の直径よりも小さい場合には円柱の高さが最小長さになる。この場合、円柱状の造粒組成物の最小長さは、通常、1mm以上であり、好ましくは、1mm〜6mm程度、好ましくは、1mm〜4mm程度である。
本発明の造粒組成物は、熱可塑性ポリマーの熱安定性を向上させることから、安定剤として用いることができる。
本発明の造粒組成物は、炭化水素溶媒に迅速に溶解させることができる。
ここで、炭化水素溶媒としては、例えば、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、例えば、シクロヘプタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。特に、脂肪族炭化水素溶媒又は脂環式炭化水素溶媒が好ましく、とりわけ、n−ヘキサン及びシクロヘキサンが好ましい。
本発明の造粒組成物は、通常、0.5g/分以上、好ましくは、0.5〜0.7g/分の溶解速度を示す。ここで、溶解速度とは、50.0gのシクロヘキサン入りのビーカーに、造粒組成物3.0gを入れ38mm径ファン型攪拌翼で回転させ、回転数が100rpmになってから溶け終わるまでの時間を求め、この値から、1分あたりに造粒組成物が溶解する重量(g)、すなわち、溶解速度(g/分)を算出することができる。
本発明の造粒組成物は硬度に優れ、特に、木屋式硬度計測定において、1.0kg以上、好ましくは1.5kg以上を示す。また、3.0kg以下を示す造粒組成物は、熱可塑性ポリマーへの分散性が優れる傾向があることから好ましい。
本発明の造粒組成物は、通常、炭化水素溶媒に溶解した後、熱可塑性ポリマーに配合されるが、造粒組成物を炭化水素溶媒に溶解することなく、熱可塑性ポリマーに混練するなどして配合してもよい。本発明の造粒組成物を熱可塑性ポリマーに配合する際の化合物(1)及び有機化合物(2)の分散性は、一般的には、化合物(1)及び有機化合物(2)を別々に熱可塑性ポリマーに配合する場合の分散性と略同等である。
本発明の組成物に用いられる熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン[例えば、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂(高密度ポリエチレン(HD−PE)、低密度ポリエチレン(LD−PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体など)、環状ポリオレフィン、メチルペンテンポリマー]、ポリスチレン類[ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、アクリロニトリル−スチレン共重合体、特殊アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体など]、塩素化樹脂(例えば、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン)、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸など)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂、ジアリルフタレートプレポリマー、シリコーン樹脂、ポリイソプレン、ブタジエン重合体などが挙げられる。特に、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリスチレン類、ブタジエン重合体が好ましく、とりわけ、プロピレン系樹脂又はブタジエン重合体が好ましい。
ここで、プロピレン系樹脂とは、プロピレンに由来する構造単位を含有するポリオレフィンを意味し、具体的には、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体などが挙げられる。
本発明において熱可塑性ポリマーとしてプロピレン系樹脂を用いる場合、プロピレン系樹脂としては1種類で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
α−オレフィンとしては、通常、炭素原子数4〜12のα−オレフィンであり、たとえば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられ、さらに好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、たとえば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体などが挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体などが挙げられる。
プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体における主にプロピレンからなる共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分などが挙げられ、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分などが挙げられる。なお、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分におけるエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量は、通常、0.01〜20重量%である。
また、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレンブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体などが挙げられる。
また本発明において熱可塑性ポリマーとしてプロピレン系樹脂を用いる場合、好ましくは、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。さらに好ましくは、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。
本発明におけるブタジエン重合体とは、ブタジエンに由来する構造単位を含有する重合体又は該重合体の水素添加物である。かかるブタジエン重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)などのスチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエンの単独重合体であるポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などが挙げられる。
ブタジエン重合体は、例えば溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などの通常の方法で製造することができる。ブタジエン重合体は、樹脂であってもよいし、ゴムであってもよい。ブタジエン重合体がポリブタジエンである場合には、溶液重合法により製造されたポリブタジエンゴムであってもよいし、乳化重合法により製造されたポリブタジエンゴムであってもよい。
本発明の造粒組成物は、通常、熱可塑性ポリマー100重量部に対して、本発明の造粒組成物を5重量部以下配合させればよく、具体的には、0.0001重量部以上、5重量部以下、好ましくは0.0005重量部以上、3重量部以下、とりわけ好ましくは、0.01〜2重量部配合させればよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
化合物(1)としては、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート(以下、化合物(1−1)と記すことがある。融点115℃、住友化学株式会社製)を用いた。
有機化合物としては、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(以下、有機化合物(2)と記すことがある。融点50〜55℃、フェノール系酸化防止剤)を用いた。
(実施例1)
化合物(1−1)4260g及び有機化合物(2)2130gを混合した後、得られた混合物をディスクペレッター(ダルトン社製、F−5型)に投入した。回転式ローラーの回転数132rpmで運転すると、材料温度が46〜49℃まで昇温し、ローラー下のディスクダイより押出されその直後にカッティングされた略円柱状の造粒組成物a(断面径:3mm、高さ:2〜6mm)を6300g得た。得られた造粒組成物aを下記硬度測定方法によって測定したところ、1.86kgの硬度を示した。
(造粒組成物の硬度測定方法)
木屋製作所製1600硬度計を用いた。該硬度計の試料台に、得られた造粒組成物を載せ、ハンドルを回して加圧アタッチメントを徐々に安定剤に下ろし、加圧した。造粒組成物が圧砕した時の加圧アタッチメントの目盛を読み取った。同様の試験を10回繰り返して測定し、その平均値を造粒組成物の硬度とした。
(溶解速度の測定方法)
50.0gのシクロヘキサン入りのビーカー(容量:100ml、外径:55mm、高
さ:70mm、PYREX IWAKI製)に造粒組成物a 3.0gを入れ、38mm径ファン型攪拌翼を回転数100rpmで回転させ、溶け終わるまで、5.78分であった。溶解速度(1分あたり溶解する安定剤の重量)は0.519g/分であった。
(実施例2)
化合物(1−1)3000g及び有機化合物(2)3000gを用いる以外は実施例1と同様にして略円柱状の造粒組成物bを得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を実施例1とともに表1に示した。
(実施例3)
化合物(1−1)1350g及び有機化合物(2)5400gを用いる以外は実施例1と同様にして略円柱状の造粒組成物cを得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
(実施例4)
化合物(1−1)5720g及び有機化合物(2)を1430gを用いる以外は実施例1と同様にして略円柱状の造粒組成物dを得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
(実施例5)
図1で示された二軸押出機(ナカタニ社製、30mmφ)に2000gの化合物(1−1)、1000gの有機化合物(2)の混合物を投入した。シリンダー部のヒーター温度はそれぞれ、C1:40℃、C2:43℃、C3:43℃、C4:43℃、A:49℃、D:49℃に設定し(それぞれの位置は図1に示した)、スクリュー回転40rpmにて押出し、得られたストランドを室温冷却後、カッティングし、略円柱状の造粒組成物e(断面径:3mm、高さ:3〜6mm)を3000g得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例5記載の方法で温度条件をそれぞれC1:35℃,C2:40℃,C3:40℃,C4:40℃,A:47℃,D:47℃に設定する以外は実施例5と同様にして略円柱状の造粒組成物fを得た。結果を表1に示した。
(比較例1)
化合物(1−1)1000gと有機化合物(2)500gとを10Lのヘンシェルミキサーに投入し、攪拌羽根の回転数2400回転で30秒間混合し、混合物を1500g得た。溶解速度を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
Figure 0005338342
(実施例7)
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS、MFR=5(230℃、21.2N(2.16kg・f))1500gと、実施例1で調製された造粒組成物a 7.5gをドライブレンドし、ナカタニ社製30mmφ二軸押出機にホッパーより投入した。押出温度(C1〜C4):180℃、スクリュー回転数50rpmで熱可塑性ポリマー組成物の円柱状のペレットを製造した。
(実施例8〜12)
造粒組成物b,c,d,e又はfを用いる以外は実施例7と同様にして熱可塑性ポリマー組成物を製造することができた。
本発明の造粒組成物は、炭化水素溶媒に迅速に溶解することができる。
(A) アダプター部
アダプター部の混合物最高温度測定位置
(B) 吐出口
(C) 加熱混合部
(C1)〜(C4) シリンダー部の設定温度位置
(D) ダイス部
ダイス部の設定温度位置
(E) スクリューシリンダー
(H) 原料投入部

Claims (5)

  1. 融点が30〜100℃であるフェノール系酸化防止剤、及び、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートを含有することを特徴とする造粒組成物。
  2. 造粒組成物100重量%に対して、融点が30〜100℃であるフェノール系酸化防止剤を20〜80重量%、及び2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートを80〜20重量%含有することを特徴とする請求項記載の造粒組成物。
  3. 融点が30〜100℃であるフェノール系酸化防止剤及び2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートを造粒する工程を有することを特徴とする造粒組成物の製造方法。
  4. 造粒が押出造粒であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  5. 熱可塑性ポリマー100重量部に、請求項1又は2記載の造粒組成物を0.01〜2重量部混合させることを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物の製造方法。
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