JP5338342B2 - 造粒組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 融点が30〜100℃である有機化合物、及び式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする造粒組成物。
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
[3] 有機化合物が、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び滑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする[1]又は[2]記載の造粒組成物。
[4] 造粒組成物100重量%に対して、有機化合物を20〜80重量%、及び式(1)で示される化合物を80〜20重量%含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の造粒組成物。
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
[6] 造粒が押出造粒であることを特徴とする[5]記載の製造方法。
ここで、アルキリデン基としては、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などが例示され、シクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが例示される。中でも、メチレン基、エチリデン基又は、ブチリデン基が好ましい。
有機化合物としては、特に、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び滑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
例えばポリ[{6−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}−1,6−ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](融点100〜135℃)などの融点100℃を超える光安定剤などが挙げられる。
造粒する工程における造粒温度は、例えば、前記有機化合物の融点近辺、具体的には、前記有機化合物の中で最も低融点を有する化合物の該融点の±5℃程度が挙げられる。造粒温度の設定方法としては、例えば、造粒機中の前記有機化合物、化合物(1)、及び必要に応じて添加剤などの混合物を混練する際に、剪断力に起因する発熱を利用して設定する方法、例えば、造粒機のジャケット等に熱媒を通して昇温する方法、及び、これらの方法を組み合わせる方法などが例示される。
押出機としては、例えば、ディスクペレッター、スクリュー押出機、単軸押出機、二軸押出機又はこれらを組み合わせた押出機(例えば、単軸ニ軸押出機など)が挙げられる。
特に、二軸押出機、及びディスクペレッターが好ましい。
例えば、球状の造粒組成物であれば、球状の直径が最小の長さである。球状の直径としては、通常、1mm〜6mm程度、好ましくは、1mm〜4mm程度である。
押出造粒法によって、通常、円柱状の造粒組成物が得られ、円柱の高さが円柱の断面の直径よりも大きい場合には円柱の断面径が最小長さになり、円柱の高さが円柱の断面の直径よりも小さい場合には円柱の高さが最小長さになる。この場合、円柱状の造粒組成物の最小長さは、通常、1mm以上であり、好ましくは、1mm〜6mm程度、好ましくは、1mm〜4mm程度である。
ここで、炭化水素溶媒としては、例えば、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、例えば、シクロヘプタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。特に、脂肪族炭化水素溶媒又は脂環式炭化水素溶媒が好ましく、とりわけ、n−ヘキサン及びシクロヘキサンが好ましい。
本発明の造粒組成物は、通常、0.5g/分以上、好ましくは、0.5〜0.7g/分の溶解速度を示す。ここで、溶解速度とは、50.0gのシクロヘキサン入りのビーカーに、造粒組成物3.0gを入れ38mm径ファン型攪拌翼で回転させ、回転数が100rpmになってから溶け終わるまでの時間を求め、この値から、1分あたりに造粒組成物が溶解する重量(g)、すなわち、溶解速度(g/分)を算出することができる。
また、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレンブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体などが挙げられる。
ブタジエン重合体は、例えば溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などの通常の方法で製造することができる。ブタジエン重合体は、樹脂であってもよいし、ゴムであってもよい。ブタジエン重合体がポリブタジエンである場合には、溶液重合法により製造されたポリブタジエンゴムであってもよいし、乳化重合法により製造されたポリブタジエンゴムであってもよい。
化合物(1)としては、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート(以下、化合物(1−1)と記すことがある。融点115℃、住友化学株式会社製)を用いた。
有機化合物としては、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(以下、有機化合物(2)と記すことがある。融点50〜55℃、フェノール系酸化防止剤)を用いた。
化合物(1−1)4260g及び有機化合物(2)2130gを混合した後、得られた混合物をディスクペレッター(ダルトン社製、F−5型)に投入した。回転式ローラーの回転数132rpmで運転すると、材料温度が46〜49℃まで昇温し、ローラー下のディスクダイより押出されその直後にカッティングされた略円柱状の造粒組成物a(断面径:3mm、高さ:2〜6mm)を6300g得た。得られた造粒組成物aを下記硬度測定方法によって測定したところ、1.86kgの硬度を示した。
木屋製作所製1600硬度計を用いた。該硬度計の試料台に、得られた造粒組成物を載せ、ハンドルを回して加圧アタッチメントを徐々に安定剤に下ろし、加圧した。造粒組成物が圧砕した時の加圧アタッチメントの目盛を読み取った。同様の試験を10回繰り返して測定し、その平均値を造粒組成物の硬度とした。
50.0gのシクロヘキサン入りのビーカー(容量:100ml、外径:55mm、高
さ:70mm、PYREX IWAKI製)に造粒組成物a 3.0gを入れ、38mm径ファン型攪拌翼を回転数100rpmで回転させ、溶け終わるまで、5.78分であった。溶解速度(1分あたり溶解する安定剤の重量)は0.519g/分であった。
化合物(1−1)3000g及び有機化合物(2)3000gを用いる以外は実施例1と同様にして略円柱状の造粒組成物bを得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を実施例1とともに表1に示した。
化合物(1−1)1350g及び有機化合物(2)5400gを用いる以外は実施例1と同様にして略円柱状の造粒組成物cを得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
化合物(1−1)5720g及び有機化合物(2)を1430gを用いる以外は実施例1と同様にして略円柱状の造粒組成物dを得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
図1で示された二軸押出機(ナカタニ社製、30mmφ)に2000gの化合物(1−1)、1000gの有機化合物(2)の混合物を投入した。シリンダー部のヒーター温度はそれぞれ、C1:40℃、C2:43℃、C3:43℃、C4:43℃、A:49℃、D:49℃に設定し(それぞれの位置は図1に示した)、スクリュー回転40rpmにて押出し、得られたストランドを室温冷却後、カッティングし、略円柱状の造粒組成物e(断面径:3mm、高さ:3〜6mm)を3000g得た。硬度及び溶解速度は実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
実施例5記載の方法で温度条件をそれぞれC1:35℃,C2:40℃,C3:40℃,C4:40℃,A:47℃,D:47℃に設定する以外は実施例5と同様にして略円柱状の造粒組成物fを得た。結果を表1に示した。
化合物(1−1)1000gと有機化合物(2)500gとを10Lのヘンシェルミキサーに投入し、攪拌羽根の回転数2400回転で30秒間混合し、混合物を1500g得た。溶解速度を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示した。
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS、MFR=5(230℃、21.2N(2.16kg・f))1500gと、実施例1で調製された造粒組成物a 7.5gをドライブレンドし、ナカタニ社製30mmφ二軸押出機にホッパーより投入した。押出温度(C1〜C4):180℃、スクリュー回転数50rpmで熱可塑性ポリマー組成物の円柱状のペレットを製造した。
造粒組成物b,c,d,e又はfを用いる以外は実施例7と同様にして熱可塑性ポリマー組成物を製造することができた。
アダプター部の混合物最高温度測定位置
(B) 吐出口
(C) 加熱混合部
(C1)〜(C4) シリンダー部の設定温度位置
(D) ダイス部
ダイス部の設定温度位置
(E) スクリューシリンダー
(H) 原料投入部
Claims (5)
- 融点が30〜100℃であるフェノール系酸化防止剤、及び、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートを含有することを特徴とする造粒組成物。
- 造粒組成物100重量%に対して、融点が30〜100℃であるフェノール系酸化防止剤を20〜80重量%、及び2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートを80〜20重量%含有することを特徴とする請求項1記載の造粒組成物。
- 融点が30〜100℃であるフェノール系酸化防止剤及び2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート又は2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートを造粒する工程を有することを特徴とする造粒組成物の製造方法。
- 造粒が押出造粒であることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
- 熱可塑性ポリマー100重量部に、請求項1又は2記載の造粒組成物を0.01〜2重量部混合させることを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物の製造方法。
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