JP5332126B2 - 感熱接着剤組成物および感熱接着シート - Google Patents

感熱接着剤組成物および感熱接着シート Download PDF

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Description

本発明は、加熱により被着対象と接着する感熱接着シートおよび感熱接着シートの接着剤層を形成する感熱接着剤組成物に関する。
従来より加熱により強固な接着力を有する感熱接着剤として、各種接着剤が提案されており、例えば、製缶時の缶表面へのフィルム固定用途や、ディスプレイ周辺のフレキシブルプリント配線回路(FPC)基板用途などで実用化されている。これら用途に使用される感熱接着剤には、加熱処理後に強固な接着力を示すことに加え、作業工程において接着シートの位置あわせを容易にするために、加熱処理前には位置決め性(初期タック性)を有することが求められる。
加熱処理前の初期タック性を有する感熱接着剤としては、例えば、主剤としてスチレン・ブタジエン系ゴムを使用した感熱接着剤が開示されている(特許文献1参照)。しかし、ゴム系樹脂は一般に分子量が高いため、組成物とした際に粘度が高くなる。このため使用時に被着対象等に塗付する際や、シート状に塗布・成型することが難しく、工程上不利となる。特に携帯電子機器等の小型化の求められている用途に適用する場合に接着剤層を薄層化する際に均一な層形成が困難となる場合があった。
これに対し、ゴム系樹脂を含まない感熱接着剤としては、例えば、低Tgポリエステルと高Tgポリエステルとを樹脂成分として含有する接着剤組成物が開示されている(特許文献2参照)。しかし、当該組成物は加熱圧着した際に接着剤が原型保持せず変形やはみ出しをして(型崩れ)、不要部の接着、汚染、外観不良となるため、例えばFPC基板用途への適用には更なる改善が必要であった。
また、ゴム系樹脂を含まないものとして、低分子量成分の少ないポリエステル・ポリウレタンとエポキシ樹脂とを主成分とする感熱性の接着剤組成物が開示されている(特許文献3参照)。当該組成物は、低分子量成分の少ないポリエステル・ポリウレタンを用いることにより、ポットライフが長く、好適な接着性や耐熱性を有することが開示されているが、当該組成物を感熱接着シートに適用すると、初期タック性が低く、感熱接着シートの位置決め性などの作業工程上不利があった。
特開平11−246827号公報 特開2006−037037号公報 特開平11−116930号公報
本発明が解決しようとする課題は、初期タック性を有し、加熱した際にも型崩れを生じにくい感熱接着剤および感熱接着シートを提供することにある。
本発明においては、ポリエステルとポリエステルウレタンとを併用して、ガラス転移温度を低温側へ調整した感熱接着剤組成物により、加熱した際にも型崩れを生じにくく、優れた初期タック性を実現できる。
すなわち、本発明は一種以上のポリエステルと一種以上のポリエステルウレタンとを含有する感熱接着剤組成物であって、前記ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、
−50<[(WPE PE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
である感熱接着剤組成物を提供するものである。
本発明の感熱接着剤組成物を接着剤層として使用した感熱接着シートは、加熱前に位置決めのための適度な粘着性(初期タック性)を有するため、感熱接着シートの位置あわせ作業が容易であり、加熱圧着工程においてもずれが生じにくい。また、加熱圧着時に型崩れを生じにくく、耐熱性に優れた感熱接着シートを形成できる。
このような接着シートによれば、微細な位置あわせが重要となる用途、例えば、小型電子機器のFPC基板や、小型電子機器の画像表示モジュールなどに好適に適用できる。
[感熱接着剤組成物]
本発明の感熱接着剤組成物は、一種以上のポリエステルと一種以上のポリエステルウレタンとを含有する感熱接着剤組成物であって、前記ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、式(1)を充足する組成物である。
−50<[(WPE PE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
本発明の感熱接着剤組成物は、ポリエステルとポリエステルウレタンを併用することで、加熱圧着した際にも型崩れを生じにくく、また加熱圧着後に接着剤層の割れなどが生じにくい接着剤層を形成できる。さらに、式(1)を充足するようにポリエステルとポリエステルウレタンを配合することで、これら特性と初期タック性を好適に兼備できる。
上記ポリエステルの平均ガラス転移温度TPEは、感熱接着剤中に含有するポリエステルが一種の場合には、当該ポリエステルのガラス転移温度であり、複数種のポリエステルを含有する場合には、含有するポリエステルのガラス転移温度の平均温度を表す。ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度TPEUも同様である。
本発明の感熱接着剤組成物においては、TPE<TPEU、及び、WPE>WPEUとなるよう配合することで、初期タック性と耐型崩れ性の調整が容易であるため好ましい。
[ポリエステル]
本発明に使用するポリエステルは、式(1)を充足できるものであれば、特に制限されず、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合物であるポリエステルやこれを変性したポリエステルを通常使用できる。
本発明の熱接着剤組成物においては、一種のポリエステルを使用しても、複数のポリエステルを混合しても良いが、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルを含有することが好ましく、−40〜−10℃のポリエステルを含有することが特に好ましい。ガラス転移温度が当該範囲のポリエステルを使用することにより、耐型崩れ性が低下することなく、優れた初期タック性を有する接着剤層の形成が容易となる。
また、ポリエステルの数平均分子量としては、8,000〜30,000であることが好ましい。数平均分子量が当該範囲のポリエステルを含有することで、好適な接着性を得やすくなる。また、15,000〜25,000であることがより好ましい。含有量を上記範囲内とすると、接着剤を好適な粘度範囲で取り扱うことができ、また、耐型崩れ性に優れる。
ポリエステルに使用する多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダイマー酸類など、あるいはこれらの酸無水物などが挙げられ、これらのカルボン酸は通常単独でまたは2種以上混合して用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール等が挙げられる。また、カルボン酸基を含む多価アルコールを多価アルコールとして用いてもよく、特に代表的なものとしてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸などが挙げられる。さらに、多価アルコールをε−カプロラクトンなどのカプロラクトン化合物により変性することで、ポリエステルのガラス転移温度を低温化できるため好ましい。
多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応は、公知慣用の種々の合成法に従って得られるものであって、その一例を挙げると、多価カルボン酸と多価アルコールとを、一緒に加えて、縮合(エステル化)する合成法が一般的である。
また、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応では、三価以上のカルボン酸あるいはアルコールを使用すれば、得られる縮合物に分岐構造を付与することもできる。
本発明の熱接着剤組成物中の上記ポリエステルの含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の35〜80質量%であることが好ましく、50〜65質量%であることがより好ましい。
[ポリエステルウレタン]
本発明に使用するポリエステルウレタンは、式(1)を充足できるものであれば、特に制限されないが、水酸基含有ポリエステルに、ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリエステルウレタンを好適使用できる。
本発明の感熱接着剤組成物においては、一種のポリエステルウレタンを使用しても、複数のポリエステルウレタンを混合しても良いが、数平均分子量が15,000〜100,000であるポリエステルウレタンを使用することが好ましい。
また、上記ポリエステルウレタンとして、ガラス転移温度が低温のポリエステルウレタンを使用する場合には、ガラス転移温度が好ましくは−30〜80℃、より好ましくは25〜50℃のポリエステルウレタンを使用することで、初期タック性と耐型崩れ性を兼備しやすくなる。
ポリエステルウレタンに使用する水酸基含有ポリエステルは、上記ポリエステルと同様に、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合により得られるポリエステルを使用できる。水酸基含有ポリエステルは、数平均分子量が4,000〜20,000の範囲にあることが好ましく、また、水酸基価が3〜50mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。
水酸基含有ポリエステルに反応させるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できる。脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートが代表例として挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートが代表例として挙げられる。
また、上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、ヌレート、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も使用することができる。
本発明の感熱接着剤組成物中の上記ポリエステルウレタンの含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の5〜40質量%であることが好ましい。
また、ポリエステル100質量部に対するポリエステルウレタンの配合量は5〜60質量部であることが好ましい。
[エポキシ樹脂]
本発明の感熱接着剤組成物は、加熱後の接着力を高くできるため、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。当該エポキシ樹脂としては、数平均分子量が350〜3000の範囲内、より好ましくは500〜2000の範囲内にあるものが好適に使用される。分子量を上記下限以上とすることで、感熱接着剤層が型崩れしにくくなり、また、上記上限以下とすることで、良好な相溶性を確保しやすく、該接着剤組成物の好適な貯蔵安定性とできる。
エポキシ樹脂としては、接着性、耐熱性などの観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好適に使用できる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代表的なものとしてエピコート828,エピコート1001,エピコート1004,エピコート1007(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、エピクロン850,エピクロン1050,エピクロン1055,エピクロン4050(大日本インキ化学工業株式会社製)などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてエピコート180(ジャパンエポキシレジン株式会社製),エピクロンN−665(大日本インキ化学工業株式会社製),エポトートYDCN−701,エポトート−702(東都化成株式会社製)などのクレゾールノボラックエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂を含有する場合には、当該エポキシ樹脂の含有量が、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが特に好ましい。含有量を上記下限以上とすると、接着力が低下しにくく、また上記上限以下とすることで、シート化した際に形状を維持しにやすく、耐型崩れ性にも優れる。
[硬化剤]
本発明の感熱接着剤組成物は熱硬化剤を含有するが、当該硬化剤としては、イソシアネート化合物を好適に使用できる。
本発明に用いられるイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できるが、安全性、耐黄変性の点から脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が好適に使用できる。
脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明に用いられるイソシアネート化合物は上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も含まれる。特にこれらのイソシアネート化合物の中で本発明に用いられるものとしては脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が適しており、この中でヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好意に用いることができる。
イソシアネート化合物の配合量は溶剤を除いた感熱接着剤組成物中の0.1〜10質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量部より少ない場合には、イソシアネート化合物の反応が少なく、接着剤の凝集力が低下する。また、10質量部よりも多い場合には接着剤が過剰に硬化するため、初期タック性が低下する。
[溶剤]
本発明の感熱接着剤組成物に使用される溶剤は特に限定されるものではないが、通常塗料または接着剤に用いられている酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルケチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
[添加剤]
本発明の感熱接着剤組成物は、上記成分の他に充填剤、軟化剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与樹脂、繊維類、可視用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料などの着色剤、充填剤などの添加剤を必要に応じて使用することが出来る。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤などを使用することが出来る。
[感熱接着シート]
本発明の感熱接着シートは、上記感熱接着剤組成物から形成される感熱接着剤層のみからなる基材を有さない接着シートであっても、基材表面の少なくとも一方に上記感熱接着剤組成物から形成される接着剤層が積層された接着シートであってもよい。基材を有さない接着シートは、シートの薄型化に適しているため好ましく使用できる。一方、基材を有する接着シートは、シートのコシや厚みの調整を容易に行うことができる。
基材を有する感熱接着シートの場合には、基材の一面に接着剤層を有する片面接着シートであっても、基材の両面に接着剤層を有する両面接着シートであっても良い。いずれの場合においても、基材に積層する接着剤層は、基材表面の全面に積層しても良いし、一部でも良い。
基材を有する感熱接着シートに使用する基材としては、不織布、金属箔、フィルム基材などを適用できる。好ましくは、各種フィルム基材を使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。
また、フィルム基材には、接着剤層との密着性を向上させる目的で、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面処理を施すことができる。
また、基材には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。カチオン系としてアルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン誘導体等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物などを使用することができる。またその他にリチウムイオンなどの金属イオンを混合するイオン伝導型の帯電防止剤も用いることができる。
また、遮光性および光反射性を有する基材を使用しても良い。基材に遮光性を付与するとする場合には、遮光層を、例えば、黒色のインキの塗付により形成することができる。インキ層を黒色にするには、公知慣用の顔料や染料を含有させれば良い。中でもカーボンブラックが特に好ましい。またインキのビヒクルはハロゲンフリータイプであることが好ましい。光反射性を有する基材とする場合には、光反射性の層の基材フィルム上への積層や、基材フィルム自体を光反射性のフィルムとすることにより形成できる。例えば、上記基材フィルムに白色顔料や銀色顔料を分散させて白色樹脂フィルムや銀色樹脂フィルムとしても良いし、白色インキや銀色インキを上記フィルムにコートして印刷フィルムとしても良いし、金属蒸着層を設けて蒸着フィルムとしても良い。コスト・入手しやすさから白色樹脂フィルムが好ましく用いられる。
本発明の感熱接着シートは、厚さが5〜100μm、好ましくは10〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。当該範囲の感熱接着シートを使用することで、接着力を低下させること無く、優れた耐型崩れ性を有することが容易になる。
本発明の感熱接着シートは、一般的に使用されている方法で作成できる。例えば、フィルム基材または離型シート上に接着剤層を形成して製造することができる。具体的には、接着剤の組成物を基材フィルムに直接塗布し乾燥または硬化・重合するか、或いは、いったん離型シート上に塗布し、乾燥し、接着剤層を形成後、同様にして離型シート上に作成した接着剤層又は基材フィルムに貼り合わせる方法などにより製造できる。
本発明の感熱接着シートは高耐熱性、高接着信頼性が必要とされる箇所に利用することが出来る。とくに、FPCの補強板固定用や各種の精密部品固定用として好適に利用することが出来る。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1〜10、比較例1〜3の感熱接着シートの作成にあたり以下の原料を用いた。
ポリエステルとしてバイロンBX10SS(Mn=21,000、Tg=−18℃、東洋紡績株式会社製)、UE−3410(Mn=25,000、Tg=−32℃、ユニチカ株式会社製)、ポリエステルウレタンとしてバイロンUR1350(Mn=36,000、Tg=43℃、東洋紡績株式会社製)、UR9500(Mn=25,000、Tg=15℃、東洋紡績株式会社製)、UR8200(Mn=25,000、Tg=73℃、東洋紡績株式会社製)、バイロンUR8700(Mn=32,000、Tg=−22℃、東洋紡績株式会社製)、エポキシ樹脂としてエピクロン1055(Mn=900、大日本インキ化学工業株式会社製)、レベリング剤としてポリフローNo.90(共栄社化学株式会社製)、イソシアネート化合物としてバーノックDN980(ヘキサメチレンジイソシアネート型、大日本インキ化学工業株式会社製)
上記記載の実施例1〜10、比較例1〜3の感熱接着シートを作成にあたり以下の方法で塗布・成型した。
上記の原料を固形分に換算して表1のとおりになるようポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、レベリング剤のすべて、または一部をメチルエチルケトンとトルエンが質量比で1:1である混合溶剤をもちいて、組成物中の固形分量が35%となるように調製した。この組成物にイソシアネート化合物を添加し10分攪拌した後、1時間放置し泡抜けさせた。このように作成された感熱接着剤組成物を棒状の金属アプリケータを用いて、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ75μmのPETフィルムの剥離処理面上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、100℃の乾燥機に5分間投入し乾燥した。シリコーン化合物で片面を剥離処理した38μmのPETフィルムを貼り合わせた。その後、40℃で3日間放置し、厚さ50μmの感熱接着シートを得た。
上記にて得られた感熱接着シートにつき、以下の評価方法に基づいて初期タック性、耐型崩れ性、ピール接着力について評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、表中の感熱接着剤組成物の各構成成分の配合量は質量部を示す。また、表中の計算Tgは、ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に
(WPE PE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU
で計算される数値である。
〔初期タック性〕
23℃で2枚の接着シートの接着シート層同士を対向させて貼り合わせたときのタック性を次の基準にしたがって評価した。
◎:全域に渡って接着層同士が接着しており、接着層同士が剥がれない。
○:部分的に接着層同士が接着しており、接着層同士が剥がれにくい。
×:接着シート同士が容易に剥がれる。
〔耐型崩れ性評価〕
厚さ75μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン500H)と厚さ50μmのアルミ箔の間に幅25mm感熱接着シートを仮固定したのち、感熱接着シートに0.3MPaの圧力が均一に掛かるようにして150℃10分加熱圧着した。
このように作成されたポリイミドフィルム−感熱接着シート−アルミ箔の積層体について、感熱接着シートの幅方向の変形度合いを次の基準で評価した。
◎:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して1mm未満。
○:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して1mm以上3mm未満。
×:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して3mm以上。
〔ピール接着力〕
厚さ75μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン500H)と厚さ50μmのアルミ箔の間に幅25mm感熱接着シートを仮固定したのち、感熱接着シートに0.3MPaの圧力が均一に掛かるようにして150℃10分加熱圧着した。
このように作成されたポリイミドフィルム−感熱接着シート−アルミ箔の積層体を幅10mmに切断し、アルミ箔側を180°方向に引張り速度30mm/minで引っ張った際の接着力(ピール接着力)を評価した。
Figure 0005332126
表1より、実施例では初期タック性をもち感熱接着シートの位置決め性などに優れ、加熱圧着による型崩れを生じることなく接着力を発現していることがわかる。

Claims (6)

  1. 一種以上のポリエステルと一種以上のポリエステルウレタンとを含有する感熱接着剤組成物であって、前記ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、
    −50<[(WPEPE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU)]<0
    であり、
    前記ポリエステルのガラス転移温度が−18〜25℃であり、前記ポリエステルウレタンのガラス転移温度が15〜43℃であり、
    ポリエステル100質量部に対するポリエステルウレタンの含有量が11〜22質量部であることを特徴とする感熱接着剤組成物。
  2. 前記ポリエステルの数平均分子量が8000〜30,000である請求項1に記載の感熱接着剤組成物。
  3. 前記ポリエステルウレタンの数平均分子量が15,000〜100,000である請求項1又は2に記載の感熱接着剤組成物。
  4. 数平均分子量が350〜3000のエポキシ樹脂を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感熱接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の感熱接着剤組成物からなる感熱接着剤層を有する感熱接着シート。
  6. 厚さ5〜100μmである請求項5に記載の感熱接着シート。
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