JP2008111046A - 異種部材接合用粘着シートおよび積層体 - Google Patents
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Abstract
着剤(B)とを80〜95:20〜5の重量比で含有すると共に、硬化剤αを含有する第
一粘着剤層と、アクリル系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)とを0〜20:100〜80の重量比で含有すると共に、硬化剤βを含有する第二粘着剤層とを有する二層積層体であり、モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(A)を形成するモノマーの平均分子量
〔Mw(A)〕と、モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(B)を形成するモノマーの平
均分子量〔Mw(B)〕とが、次式(1)で表される関係を有し、
該第一粘着剤層に含有される硬化剤αは、常温では該第一粘着剤層の副成分であるアクリル系粘着剤(B)と反応して有効な架橋構造を実質的に形成することがなく、かつ該第
一粘着剤層と第二粘着剤層とが積層された際に、該第一粘着剤層に含有される硬化剤αの少なくとも一部が該第二粘着剤層のアクリル系粘着剤(A)と反応して有効な架橋構造を
形成し、上記第一粘着剤層と第二粘着剤層との合計のヘイズ値が2%以下であることを特徴としている。
【効果】本発明によれば、被着体を適正な強度で接合でき、しかもこの異種部材接合用シートは光学的特性に優れる。
【選択図】なし
Description
に合わせて調整しているために、接着剤層間の接着強度が必ずしも充分であるとは言い切れない。従って被着体との間で剥離などが発生しない場合であっても接着剤層間で剥離が生ずるといった事態が生ずることがある。
されている。
するものであり、被着体に対して最適な粘着剤を配置して被着体を貼り合わせるという技術が開示されている。
ように配慮されているが、こうした処理には高額な処理装置が必要になるとともに、こうした処理によって層の表面の状態が変化して、この積層テープの光学低特性、特にヘイズ、全光線透過率などが変動することが多く、例えば引用文献2,3に記載されている方法で製造された接合用のシートは必ずしも光学的な用途に向いているとはいえない面がある。
また、本発明は、異種部材を接合して製造した積層体が優れた光学低特性を有する異種部材接合用シート、および、この接合用シートを用いて形成された積層体を提供することを目的としている。
アクリル系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)とを0〜20:100〜80の重量比で含有すると共に、硬化剤βを含有する第二粘着剤層とを有する二層積層体であり、
該アクリル系粘着剤(A)の有する官能基と、アクリル系粘着剤(B)の有する官能基とは異なっており、
モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(A)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(A)〕と、モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(B)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(B)〕とが、次式(1)で表される関係を有し、
一粘着剤層と第二粘着剤層とが積層された際に、該第一粘着剤層に含有される硬化剤αの少なくとも一部が該第二粘着剤層のアクリル系粘着剤(A)と反応して有効な架橋構造を
形成し、
上記第一粘着剤層と第二粘着剤層との合計のヘイズ値が2%以下であることを特徴としている。
二被接合部材とを、異種部材接合用粘着シートを介して接合してなることを特徴としている。
層に配合される硬化剤の反応性を考慮することにより、層全体として共通の成分単位を有する樹脂組成物のように作用して、第一層と第2層との間に明確な境界は形成される、全
体が一層の粘着剤層であってしかも表裏面の粘着強度が異なる粘着剤層のようになる。
さらに、本発明の異種部材接合用シートは、ヘイズが低く、全光線透過率が高いので、光透過性などの光学的特性に優れた被着体を用いることにより、光学機材の光学的部材に使用する部品の製造に好適に使用することができる。
本発明の異種部材接合用シートは、図1に示すように、第一粘着剤層および第二粘着剤層からなる異なる組成の二種類の粘着剤層が積層された構成を有する。
アクリル系粘着剤(B)と硬化剤αとを含有しており、この第一粘着剤層を構成するアク
リル系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)との比率は、重量比で80〜95:20〜5の範囲内にあり、さらに85〜95:15〜5の範囲内にあることが好ましい。
アクリル系粘着剤(B)と硬化剤βとを含有しており、この第二粘着剤層を構成するアク
リル系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)との比率は、重量比で0〜20:100〜80の範囲内にあり、さらに5〜15:95〜85の範囲内にあることが好ましい。
(B)との配合比率を上記のように設定することにより、積層体である接合シートの各面
に対して被接着体に対して適正な粘着力を発現させることができる。
との間に有機溶媒が浸入することがない。さらに、このようにアクリル系粘着剤(A)と
アクリル系粘着剤(B)とが、共通の成分単位を有し、第一粘着剤層を形成するアクリル
系粘着剤(A)と第二粘着剤層を形成するアクリル粘着剤(B)とが、共通の成分単位を有する粘着剤であることにより、第一粘着剤層と第二粘着剤層との接合状態が良好になり、あたかも同一組成の粘着剤を成分組成を変化させて単一の層を形成したようになり、第一粘着剤層と第二粘着剤層との間で層間剥離などが発生することがない。さらにアクリル系粘着剤Aとアクリル系粘着剤Bとで異なる官能基を用いることで、架橋剤種の選択により各層の架橋度、つまり粘着物性の調整を行うことができる。
着剤(B)について、モル基準で測定したアクリル系粘着剤(A)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(A)〕びと、モル基準で測定したアクリル系粘着剤(B)を形成するモノ
マーの平均分子量〔Mw(B)〕とは、次式(1)で表される関係を有している。さらに、こ
の関係が次式(1-1)で表されることが好ましい。
着剤(B)を形成するモノマーのモル基準平均分子量を有する単量体を用いることにより
、全光線透過率が高く、ヘイズの低い接合用シートを得ることができる。
クリル系粘着剤を製造する際のモノマーの仕込み量を各モノマーの分子量で割って、各モノマーの仕込みモル数を求め、得られた仕込みモル数を足し合わせて仕込みモノマーの全体のモル数を求める。こうして得られた全体のモル数で、仕込みモノマー原料の重量を割ることによりモル基準のモノマーの平均分子量〔Mw(A)〕および〔Mw(B)〕を求めるこ
とができる。
ず、従って、第一粘着剤層には、有効な架橋構造は形成されない。このような硬化剤αとしては、常温(20〜35℃)でほとんど反応性を有していない、加熱架橋性のエポキシ系架橋剤を挙げることができ、その分子中に2以上、好ましくは3以上のエポキシ基を有
する。具体的にはビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリ
コールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、および、1,3-ビス(N,N'-ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等を挙げること
ができる。このようなエポキシ硬化剤は、上述のように第一粘着剤層を塗布する際の温度(通常は20〜35℃の常温)においては、エポキシ基が開いて架橋構造が形成されることはなく、従って、第一粘着剤層が塗工された後、第二粘着剤層が積層される前の段階では硬化剤αであるエポキシ系硬化剤の反応により架橋構造が形成されることはない。
二粘着剤層に含まれることもあるアクリル系粘着剤(B) と反応して堅牢な架橋構造を形成する。特に第一粘着剤層と第二粘着剤層との界面においてこのような堅牢な架橋構造が形成されることにより、第一粘着剤層と第二粘着剤層との界面が存在しなくなり、第一粘着剤層と第二粘着剤層との間で層間剥離が生ずることがなくなる。しかも、第一粘着剤層と第二粘着剤層とが、共通の成分単位を有するアクリル系粘着剤を使用して形成すると、第一粘着剤と第二粘着剤との界面は極めてあいまいになり、本発明の異種部材接合用シートを用いて接合した積層体を例えばトルエンのような侵入が高い有機溶媒に浸漬しても、第一粘着剤層と第二粘着剤層との界面に有機溶媒が浸入した痕跡も残らないのが一般的である。
はある程度の反応性は有するが、常温では、第二粘着剤層を形成する主成分であるアクリル系粘着剤(B)との反応性は低く、第二粘着剤層を塗工した直後には有効は架橋構造は
ほとんど形成されない。
成は、第二粘着剤層だけにとどまらず、第一粘着剤層に少量含有されるアクリル系粘着剤(B)とも反応して層間を超えて架橋構造を形成する。
(B)は、通常は(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有(メタ)ア
クリレート系化合物、水酸基含有(メタ)アクリル系化合物、アルコキシル基含有(メタ)アクリル系化合物、エポキシ基含有(メタ)アクリル系化合物、アミン基含有(メタ)アクリル系化合物、アセトアセチル基含有(メタ)アクリル系化合物、イソシアネート基含有(メタ)アクリル系化合物などの(メタ)アクリル系化合物である。ここで使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、炭素数1〜18のアルキル基を有する化合物を挙げることができるが、特に本発明では、ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。ここでブチルアクリレート(BA)の分子量は128であり、ブチルメタクリレートの分子量の分子量は142であり、メチルアクリレート(MA)の分子量は88であり、メチルメタクリレートの分子量は102である。
る。このような重合開始剤は、通常は単独で使用するが、分子量などの調整などを目的として複数の重合開始剤を使用することもできる。
また、重合開始剤は、全量を一括して添加することもできるし、また、配合する重合開始剤を複数に分割して、重合反応の進行状態を確認しながら分割添加することもできる。
したモノマーの平均分子量(Mw(A))とアクリル系粘着剤(B)を構成するモノマーのモル基準で算定した平均分子量(Mw(B))とが、上述の式(1)または式(1−1)で表され
る関係を有していることが必要である。このようなアクリル系粘着剤(A)とアクリル系
粘着剤(B)との組み合わせの例としては、ブチルアクリレート(BA)80重量部、メチ
ルアクリレート(MA)18重量部、アクリル酸2重量部からなるアクリル系粘着剤(A)
〔Mw(A)=116.0〕と、ブチルアクリレート(BA)20重量部、メトキシエチルアク
リレート(MEA)78重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)2重量部からな
るアクリル系粘着剤(B)〔Mw(B)=130.8〕とを92:8の重量比で加え、さらに硬化剤αとしてエポキシ系硬化剤を加えた第一粘着剤層塗布液を用いて形成された第一粘着剤層;
ドロキシエチルアクリレート(2HEA)2重量部からなるアクリル系粘着剤(B)〔Mw(A)=130.8〕とを8:92の重量比で加え、さらに硬化剤βとしてイソシアネート系硬化剤を加えた第二粘着剤層塗布液を用いて形成された第二粘着剤層;
チルアクリレート(MEA)78重量部および2-ヒドロキシエチルアクリレーと2重量部と
からなるアクリル系粘着剤(B)〔Mw(B)=130.8〕とを92:8の重量比で加え、硬
化剤αとしてエポキシ系硬化剤を加えた第一粘着剤層塗布液を用いて形成された第一粘着剤層;
チルアクリレート(MEA)78重量部および2-ヒドロキシエチルアクリレーと2重量部と
からなるアクリル系粘着剤(B)〔Mw(B)=130.8〕とを18:82の重量比で加え、
硬化剤βとしてイソシアネート系硬化剤を加えた第二粘着剤層塗布液を用いて形成された第二粘着剤層;
本発明の異種部材接合用シートは上述のようなアクリル系粘着剤を用いて、第一粘着剤層と第二粘着剤層とを形成することにより得られる。
すなわち、図1に示すように、中剥離タイプの剥離PET(たとえば、リンテック(株)製、PET3811に第一粘着剤層を形成する塗布液を塗布し、熱風乾燥機で溶剤を除去する。次
いで、こうして塗布された塗布層の表面に軽剥離タイプの剥離PET(たとえば、リンテッ
ク(株)製、PET38GC)を貼り合わせて第一粘着剤層を形成する。
して熱風乾燥機で溶剤を除去する。
上記のようにして形成された第一粘着剤層の表面にある軽剥離タイプのPETを剥離する
とともに、この剥離された第一粘着剤層表面に、第二粘着剤層を貼着して、軽剥離タイプの剥離PET(PET38GC)/第二粘着剤層/第一粘着剤層/中剥離タイプの剥離PET(PET3811)の構成を有する積層体を調製する。
特に本発明の異種部材接合用粘着シートは、第一粘着剤層と第二粘着剤層との粘着特性が異なり、この粘着力は被着体の種類によって大きく変化する。
、ブチルアクリレート(BA)20重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)78重量
部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)2重量部からなるアクリル系粘着剤(B)
とを90:10の重量比で含有され、さらにエポキシ系硬化剤を含有する第一粘着剤層と、ブチルアクリレート(BA)80重量部、メチルアクリレート(MA)18重量部、アクリル酸2重量部からなるアクリル系粘着剤(A)と、ブチルアクリレート(BA)20重量部
、メトキシエチルアクリレート(MEA)78重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)2重量部からなるアクリル系粘着剤(B)とを10:90の重量比で含有し、さらにイソシアネート系硬化剤を含有する第二粘着剤層塗布液とを有する接合用シートでは、第一粘着剤層のPETに対する粘着力は11N/25mmであるのに対して、ポリカーボネート(PC)に対する粘着力は7.8N/25mmである。
の異種部材接合用シートは、第一粘着剤層と第二粘着剤層との組成が異なるために被着体の種類によってが異なる。
貼り直しが行われる。このような異種部部材を接合する際に使用される本発明の異種材接合の量はおおまかに行って10g〜60g/m2程度であり、表示装置における本発明の接合用シートのコストは極めてはわずかである。
に損傷を与えることなく、本発明の接合用シートを剥離できれば、非常に都合がよい。このために本発明の異種部材接合用シートの第一粘着剤層および第二粘着剤層のそれどれの被着体に対する粘着力は、5〜15.0N/25mm 、好ましくは8〜13N/25mmにあること
が望ましい。
共に光透過性がよく、また本発明の異種部材接合用シートもヘイズが低く高い光透過性を有していることから、このような積層体は、光学部材を構成する部材として特に適している。
説明したが、これらの部材以外にも光透過性の良い光学部材を用いることにより同様の作用効果が得られる。
てはポリカーボネート)を配置して、加熱圧着することにより、上記例で示せば、ハードコートPETとポリカーボネートとを、本発明の異種部材接合シートを用いて接合すること
ができる。そして、本発明の異種部材接合用シートは光透過性が高く、ヘイズも低いので、被着体として光透過性が高くヘイズの低い部材を使用することにより、液晶表示装置、PDP、タッチパネル、パッチパネル)のような光学部材で使用する光透過性の接合シート
として好適に使用することができる。従って、上述の異種部材接合用シートを用いた積層体は、光学部材として好適に使用することができる。
〔製造例1〕
<アクリル系粘着剤A-1の調製>
内部の空気を窒素ガスで置換可能な四つ口フラスコに、モノマーとして、ブチルアクリレート(BA:分子量=128)80重量部、メチルアクリレート(MA:分子量=86)1
8重量部、アクリル酸(AA:分子量=72)、反応溶媒としてトルエン125重量部、酢酸エチル125重量部を仕込み、フラスコ内部の空気を窒素ガスで置換した後、65℃まで昇温した。
重合反応開始後2時間を経過した時点で、AIBNを1重量部追加して添加して、さらに4
時間後にAIBNを0.2重量部を追加して添加し、さらに1時間反応を続けた。
得られた粘着剤溶液の不揮発分は24.8重量%であり、得られたアクリル系粘着剤A-1について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、80万であった。
の平均分子量〔MW(A-1)〕は、116.0であった。
〔製造例2〕
<アクリル系粘着剤B-1の調製>
内部の空気を窒素ガスで置換可能な四つ口フラスコに、モノマーとして、ブチルアクリレート(BA:分子量=128)20重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA:分子量=130)78重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA:分子量=184)2重量
部、反応溶媒としてトルエン40重量部、酢酸エチル110重量部を仕込み、フラスコ内部の空気を窒素ガスで置換した後、65℃まで昇温した。
重合反応開始後2時間を経過した時点で、AIBNを1重量部追加して添加して、さらに4
時間後にAIBNを0.2重量部を追加して添加し、さらに1時間反応を続けた。
得られた粘着剤溶液の不揮発分は24.9重量%であり、得られたアクリル系粘着剤B-1について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均
分子量は、75万であった。
〔製造例3〕
<アクリル系粘着剤B-2の調製>
内部の空気を窒素ガスで置換可能な四つ口フラスコに、モノマーとして、メチルアクリレート(MA:分子量=86)20重量部、2-エチルヘキシルアクリレート(2HEA:分
子量=184)78重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA:分子量=184)2
重量部、反応溶媒としてトルエン10重量部、酢酸エチル140重量部を仕込み、フラスコ内部の空気を窒素ガスで置換した後、65℃まで昇温した。
重合反応開始後2時間を経過した時点で、AIBNを1重量部追加して添加して、さらに4
時間後にAIBNを0.2重量部を追加して添加し、さらに1時間反応を続けた。
得られた粘着剤溶液の不揮発分は24.8重量%であり、得られたアクリル系粘着剤B-2について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均
分子量は、60万であった。
上記のようにして得られたアクリル系粘着剤の組成及び物性を表1に示す。
〔製造例4〕
<アクリル系粘着剤A-2の調製>
内部の空気を窒素ガスで置換可能な四つ口フラスコに、モノマーとして、ブチルアクリレート(MA:分子量=128)95重量部、アクリル酸(AA:分子量=72)5重量部、反応溶媒としてトルエン15重量部、酢酸エチル135重量部を仕込み、フラスコ内部の空気を窒素ガスで置換した後、65℃まで昇温した。
重合反応開始後2時間を経過した時点で、AIBNを0.1重量部追加して添加して、さらに4時間後にAIBNを0.2重量部を追加して添加し、さらに1時間反応を続けた。
得られた粘着剤溶液の不揮発分は25.0重量%であり、得られたアクリル系粘着剤A-2について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、85万であった。
の平均分子量〔MW(A-2)〕は、148.4であった。
上記のようにして得られたアクリル系粘着剤の組成及び物性を表1に示す。
〔製造例5〕
<アクリル系粘着剤A-3の調製>
内部の空気を窒素ガスで置換可能な四つ口フラスコに、モノマーとして、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA:分子量=184)93重量部、アクリル酸(AA:分子量=72)7重量部、反応溶媒として酢酸エチル140重量部を仕込み、フラスコ内部の空気を窒素ガスで置換した後、65℃まで昇温した。
重合反応開始後2時間を経過した時点で、AIBNを0.1重量部追加して添加して、さらに4時間後にAIBNを0.2重量部を追加して添加し、さらに1時間反応を続けた。
得られた粘着剤溶液の不揮発分は24.8重量%であり、得られたアクリル系粘着剤B-4について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均
分子量は、80万であった。
の平均分子量〔MW(A-3)〕は、165.9であった。
上記のようにして得られたアクリル系粘着剤の組成及び物性を表1に示す。
上記製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1)92重量%と、製造例2で製造した
アクリル系粘着剤(B-1)8重量部とに、硬化剤αとしてエポキシ系硬化剤(三菱ガス化
学(株)製;商品名:テトラッドX)0.05重量部を加えて第一層塗布液を調製した。
で製造したアクリル系粘着剤(B-1)92重量部とに、イソシアネート系硬化剤(日本ポ
リウレタン(株)製;商品名:コロネートL)1.0重量部と加えて第二層塗布液を調製し
た。
;商品名:PET3811)の表面に、乾燥厚さが15μmになるように塗布し、この塗布面に剥離PET・軽剥離タイプ(リンテック(株)製;商品名:PET38GC)を貼合して第一粘着剤層を形成した。
上記第一粘着剤層の剥離PET軽剥離タイプを剥離して、形成された第一粘着剤層の表面
に、上記の第二粘着剤層の表面が対面するように貼合し、室温で一週間熟成を行った。
には硬化剤βであるイソシアネート系硬化剤とアクリル系粘着剤(B)との反応による架
橋構造は形成されていなかった。
を露出させた後、この第二粘着剤層の表面に106μm厚のハードコートPETのPET面を貼
合し、60mm×60mmの大きさに裁断した。
せ、この第一粘着剤層の表面に、70mm×70mmのポリカーボネートを貼合して、ハードコートPET106μm厚/第二粘着剤層15μm厚/第一粘着剤層15μm厚/ポリカーボネート板の積層体を製造した。
上記のようにして調製した積層体の粘着剤層の組成及び構成を表2に示す。
株)製;商品名HM-150)を用いて、JIS K 7361に準拠して全光線透過光率を測定し、さら
にJIS K 7136に準拠してヘイズを測定した。結果を表3に示す。
厚さが15μmになるように塗布し、その表面に25μm厚PETフィルム(東レ(株)製)を
貼合して試料を調製した。この試料を幅25mmの短冊状に裁断して、被着体(ガラス板、ガラス板に両面粘着テープで貼合したPETフィルム、ポリカーボネート(PC)板)の表面
に貼合し、180℃で20分間保持した後、180度、剥離速度300mm/miniの粘着力を測定した。粘着力の単位はN/25mmである。結果表3に示す。
第一粘着剤層と第二粘着剤層との間にトルエンが浸入した形跡は認められなかった。
〔実施例2〕
実施例1の第一粘着剤層の製造において、製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1
)の使用量を82重量部に変え、製造例2で製造したアクリル系粘着剤(B-1)の使用量
を18重量部に変えた以外は同様にして第一粘着剤層を形成した。
得られた粘着シートの光学特性、粘着力について、実施例1と同様に評価した。結果を表3に記載する。
第一粘着剤層と第二粘着剤層との間にトルエンが浸入した形跡は認められなかった。
〔実施例3〕
実施例1の第一粘着剤層の製造において、製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1
)の代わりに、製造例4で製造したアクリル系粘着剤(A-2)を使用した以外は同様にし
て第一粘着剤層を形成した。
様にして第二粘着剤層を形成した。
得られた粘着シートの光学特性、粘着力について、実施例1と同様に評価した。結果を表3に記載する。
第一粘着剤層と第二粘着剤層との間にトルエンが浸入した形跡は認められなかった。
〔実施例4〕
実施例1の第一粘着剤層の製造において、製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1
)の代わりに、製造例4で製造したアクリル系粘着剤(A-2)を82重量部使用し、製造
例2で製造したアクリル系粘着剤(B-1)の使用量を18重量部に変えた以外は同様にして
第一粘着剤層を形成した。
、製造例2で製造したアクリル系粘着剤(B-1)の使用量を82重量部にした以外は同様
にして第二粘着剤層を形成した。
得られた粘着シートの光学特性、粘着力について、実施例1と同様に評価した。結果を表3に記載する。
第一粘着剤層と第二粘着剤層との間にトルエンが浸入した形跡は認められなかった。
〔比較例1〕
上記製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1)90重量%と、製造例2で製造した
アクリル系粘着剤(B-1)10重量部とに、硬化剤αとしてエポキシ系硬化剤(三菱ガス
化学(株)製;商品名:テトラッドX)0.05重量部を加えて第一層塗布液を調製した。
3で製造したアクリル系粘着剤(B-2)90重量部とに、イソシアネート系硬化剤(日本
ポリウレタン(株)製;商品名:コロネートL)3.0重量部と加えて第二層塗布液を調製
した。
;商品名:PET3811)の表面に、乾燥厚さが15μmになるように塗布し、この塗布面に剥離PET・軽剥離タイプ(リンテック(株)製;商品名:PET38GC)を貼合して第一粘着剤層を形成した。
μmとなるように塗布して第二粘着剤層を形成した。
上記第一粘着剤層のPET軽剥離タイプを剥離して、形成された第一粘着剤層の表面に、
上記の第二粘着剤層の表面が対面するように貼合し、室温で一週間熟成を行った。
を露出させた後、この第二粘着剤層の表面に106μm厚のハードコートPETのPET面を貼
合し、60mm×60mmの大きさに裁断した。
せ、この第一粘着剤層の表面に、70mm×70mmのポリカーボネートを貼合して、ハードコートPET106μm厚/第二粘着剤層15μm厚/第一粘着剤層15μm厚/ポリカーボネート板の積層体を製造した。
上記のようにして調製した積層体の粘着剤層の組成及び構成を表2に示す。
株)製;商品名HM-150)を用いて、JIS K 7361に準拠して全光線透過光率を測定し、さら
にJIS K 7136に準拠してヘイズを測定した。結果を表3に示す。
厚さが15μmになるように塗布し、その表面に25μm厚(東レ(株)製)を貼合して試料を調製した。この試料を幅25mmの短冊状に裁断して、被着体(ガラス板、ガラス板に両面粘着テープで貼合したPETフィルム、ポリカーボネート(PC)板)の表面に貼合し、1
80℃で20分間保持した後、180度、剥離速度300mm/miniの粘着力を測定した。粘着力の単位はN/25mmである。結果表3に示す。
〔比較例2〕
上記製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1)50重量%と、製造例2で製造した
アクリル系粘着剤(B-1)50重量部とに、硬化剤αとしてエポキシ系硬化剤(三菱ガス
化学(株)製;商品名:テトラッドX)を0.1重量部加えて第一層塗布液を調製した。
2で製造したアクリル系粘着剤(B-2)50重量部とに、硬化剤αとしてエポキシ系硬化
剤(イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン(株)製;商品名:コロネートL)2重量
部と加えて第二層塗布液を調製した。
;商品名:PET3811)の表面に、乾燥厚さが15μmになるように塗布し、この塗布面に剥離PET・軽剥離タイプ(リンテック(株)製;商品名:PET38GC)を貼合して第一粘着剤層を形成した。
μmとなるように塗布して第二粘着剤層を形成した。
上記第一粘着剤層の剥離PET軽剥離タイプを剥離して、形成された第一粘着剤層の表面
に、上記の第二粘着剤層の表面が対面するように貼合し、室温で一週間熟成を行った。
を露出させた後、この第二粘着剤層の表面に106μm厚のハードコートPETのPET面を貼
合し、60mm×60mmの大きさに裁断した。
せ、この第一粘着剤層の表面に、70mm×70mmのポリカーボネートを貼合して、ハードコートPET106μm厚/第二粘着剤層15μm厚/第一粘着剤層15μm厚/ポリカーボネート板の積層体を製造した。
上記のようにして調製した積層体の粘着剤層の組成及び構成を表2に示す。
また、得られた積層体をスライドグラスに貼合し、ヘイズメーター(村上色彩研究所(
株)製;商品名HM-150)を用いて、JIS K 7361に準拠して全光線透過光率を測定し、さら
にJIS K 7136に準拠してヘイズを測定した。結果を表3に示す。
厚さが15μmになるように塗布し、その表面に25μm厚(東レ(株)製)を貼合して試料を調製した。この試料を幅25mmの短冊状に裁断して、被着体(ガラス板、ガラス板に両面粘着テープで貼合したPETフィルム、ポリカーボネート(PC)板)の表面に貼合し、1
80℃で20分間保持した後、180度、剥離速度300mm/miniの粘着力を測定した。粘着力の単位はN/25mmである。結果表3に示す。
〔比較例3〕
上記製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1)10重量%と、製造例2で製造した
アクリル系粘着剤(B-1)90重量部とに、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤(日本
ポリウレタン(株)製、コロネートL)を1.0重量部を加えて第一層塗布液を調製した。
2で製造したアクリル系粘着剤(B-1)10重量部とに、イソシアネート系硬化剤(日本
ポリウレタン(株)製;商品名:コロネートL)0.05重量部と加えて第二層塗布液を調
製した。
;商品名:PET3811)の表面に、乾燥厚さが15μmになるように塗布し、この塗布面に剥離PET・軽剥離タイプ(リンテック(株)製;商品名:PET38GC)を貼合して第一粘着剤層を形成した。
μmとなるように塗布して第二粘着剤層を形成した。
上記第一粘着剤層の剥離PET軽剥離タイプを剥離して、形成された第一粘着剤層の表面
に、上記の第二粘着剤層の表面が対面するように貼合し、室温で一週間熟成を行った。
を露出させた後、この第二粘着剤層の表面に106μm厚のハードコートPETのPET面を貼
合し、60mm×60mmの大きさに裁断した。
せ、この第一粘着剤層の表面に、70mm×70mmのポリカーボネートを貼合して、ハードコートPET106μm厚/第二粘着剤層15μm厚/第一粘着剤層15μm厚/ポリカーボネ
ート板の積層体を製造した。
していた。
上記のようにして調製した積層体の粘着剤層の組成及び構成を表2に示す。
株)製;商品名HM-150)を用いて、JIS K 7361に準拠して全光線透過光率を測定し、さら
にJIS K 7136に準拠してヘイズを測定した。結果を表3に示す。
厚さが15μmになるように塗布し、その表面に25μm厚のPETフィルム(東レ(株)製)
を貼合して試料を調製した。この試料を幅25mmの短冊状に裁断して、被着体(ガラス板、ガラス板に両面粘着テープで貼合したPETフィルム、ポリカーボネート(PC)板)の表
面に貼合し、180℃で20分間保持した後、180度、剥離速度300mm/miniの粘着力を測定した。粘着力の単位はN/25mmである。結果表3に示す。
〔比較例4〕
実施例1の第一粘着剤層の製造において、製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1
)の代わりに、製造例4で製造したアクリル系粘着剤(A-2)を50重量部使用し、製造
例2で製造したアクリル系粘着剤(B-1)の使用量を50重量部にし、硬化剤αであるエ
ポキシ系硬化剤(三菱ガス化学(株)製、テトラッドX)の使用量を0.1重量部に変えた
以外は同様にして第一粘着剤層を形成した。
硬化剤βであるイソシアネート系硬化剤の使用量を2重量部に変えた以外は同様にして第二粘着剤層を形成し、上記実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
〔比較例5〕
実施例1の第一粘着剤層の製造において、製造例1で製造したアクリル系粘着剤(A-1
)の代わりに、製造例4で製造したアクリル系粘着剤(A-2)を85重量部使用し、製造
例2で製造したアクリル系粘着剤(B-1)の使用量を15重量部にした以外は同様にして
第一粘着剤層を形成した。
同様にして第二粘着剤層を形成し、上記実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
Claims (11)
- アクリル系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)とを80〜95:20〜5の重量比で含有すると共に、硬化剤αを含有する第一粘着剤層と、
アクリル系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)とを0〜20:100〜80の重量比で含有すると共に、硬化剤βを含有する第二粘着剤層とを有する二層積層体であり、
該アクリル系粘着剤(A)の有する官能基と、アクリル系粘着剤(B)の有する官能基とは異なっており、
モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(A)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(A)〕と、モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(B)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(B)〕とが、次式(1)で表される関係を有し、
一粘着剤層と第二粘着剤層とが積層された際に、該第一粘着剤層に含有される硬化剤αの少なくとも一部が該第二粘着剤層のアクリル系粘着剤(A)と反応して有効な架橋構造を
形成し、
上記第一粘着剤層と第二粘着剤層との合計のヘイズ値が2%以下であることを特徴とする異種部材接合用粘着シート。 - 上記第一粘着剤層と第二粘着剤層との間に、有機溶剤が浸透可能な界面が存在しないことを特徴とする請求項第1項記載の異種部材接合用粘着シート。
- 上記第一粘着剤層がポリカーボネートと5.0N/25mm〜15N/25mmの粘着力で接合可能であり、第二粘着剤層がポリエチレンテレフタレートと5.0N/25mm〜15N/25mmの粘着力で接合化合であることを特徴とする請求項第1項記載の異種接合用シート。
- 上記アクリル系粘着剤(A)が、加熱条件下で、硬化剤βと反応性を有することを特徴
とする請求項第1項記載の異種部材接合用シート。 - 上記アクリル系粘着剤(B)が、加熱条件下で、硬化剤αと反応性を有することを特徴とする請求項第1項記載の異種部材接合用粘着シート。
- 上記アクリル系粘着剤(A)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される少
なくとも一種類の成分単位と、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アミン含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマーおよびイソシアネート基含有モノマーよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のモノマーから誘導される成分単位とを有し、上記アクリル系粘着剤(B)が、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルから誘導される少なくとも一種類の成分単位と、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アミン含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマーおよびイソシアネート基含有モノマーよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のモノマー(ただしアクリル系粘着剤(A)に導入されている官能基とは異なる官能基を
有する。)から誘導される成分単位とを有すると共に、モル基準で測定した該アクリル系粘着剤(A)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(A)〕と、モル基準で測定した該ア
クリル系粘着剤(B)を形成するモノマーの平均分子量〔Mw(B)〕とが、次式(1)で表される関係を有することを特徴とする請求項第1項記載の異種部材接合用粘着シート。
- 上記硬化剤αが、エポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、金属キレート系硬化剤、アミン系硬化剤および水酸基系硬化剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の硬化剤であり、硬化剤βが、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、金属キレート系硬化剤、アミン系硬化剤および水酸基系硬化剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の硬化剤であることを特徴とする請求項第1項記載の異種部材接合用粘着シート。
- 上記第一粘着剤層の厚さが5〜50μmの範囲内にあり、第二粘着剤層の厚さが5〜5
0μmの範囲内にあり、かつ異種部材接合用粘着シートの厚さが10〜100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の異種部材接合用粘着シート。 - 二層構成の異種部材接合用粘着シートの第一粘着剤層との粘着力が5.0〜15N/25mmの範囲内にある第一被接合部材の表面に第一粘着剤層を配置し、該異種部材接合用粘着シートの第二接着剤層との粘着力が5.0〜15N/25mmの範囲内にある第二被接合部材の表面に第二粘着剤層を配置して、加熱保持することにより、第一被接合部材と第二被接合部材とを、異種部材接合用粘着シートを介して接合してなることを特徴とする積層体。
- 上記第一被接合部材が、ポリカーボネートからなる光透過性部材であり、第二被接合部材がポリエチレンテレフタレートからなる光透過性部材であることを特徴とする請求項第9項記載の積層体。
- 上記積層体が、光学部材であることを特徴とする請求項第9項記載の積層体。
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