JPH10110139A - 粘着テープの製造方法 - Google Patents

粘着テープの製造方法

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JPH10110139A
JPH10110139A JP26738996A JP26738996A JPH10110139A JP H10110139 A JPH10110139 A JP H10110139A JP 26738996 A JP26738996 A JP 26738996A JP 26738996 A JP26738996 A JP 26738996A JP H10110139 A JPH10110139 A JP H10110139A
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sensitive adhesive
pressure
adhesive layer
adhesive tape
acrylate
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JP26738996A
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Yoshio Shimoura
由雄 下浦
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間接着強度の優れた複数の粘着剤層からな
る粘着テープを、簡単な設備と簡単な操作によって作製
することのできる粘着テープの製造方法を提供する。 【解決手段】 複数の粘着剤層からなる多層粘着テープ
の製造方法において、複数の粘着剤層を作製する工程、
得られた粘着剤層面にコロナ処理を行う工程及び上記粘
着剤層のコロナ処理面同士を貼り合わせる工程からなる
ことを特徴とする粘着テープの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の粘着剤層か
らなる粘着テープの製造方法に関し、更に詳しくは、各
々の粘着剤層間が強固に接着された粘着テープの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の粘着剤層からなる多層粘着
テープは、例えば、特公昭57−17030号公報に、
ガラスのミクロバブルを含有させたアクリル系粘着剤層
に、ガラスのミクロバブルを含有しないアクリル系粘着
剤層を積層した多層粘着テープが開示されている。ま
た、特公昭61−347608号公報に、クリープコン
プライアンスで規定された柔らかい粘着剤層と、これに
相対的に固い粘着剤層が積層された多層粘着テープが開
示されている。また、両面粘着テープとして、表裏の粘
着特性を異にした2つの粘着剤層を積層した多層両面粘
着テープが知られている。
【0003】しかし、これらの多層粘着テープの製造方
法は、いずれも複数の粘着剤層を単に機械的に貼り合わ
せるだけのものであるので、上記方法で作成された多層
粘着テープは、各粘着剤層間の接着強度が不十分で、層
間破壊が生じ易いものであった。上記各粘着剤層間の接
着強度を高める方法として、特開平1−263182号
公報には、多層アクリル系粘着テープの製造方法に関
し、その粘着剤の重合転化率を40〜99%とし、この
部分重合された粘着剤シートを貼り合わせた後、光硬化
させて多層アクリル系粘着テープを製造する方法が開示
されている。しかしながら、上記粘着剤の重合転化率を
所望の数値に安定して制御することはかなりの困難性を
有するものである。
【0004】一方、特開平7−133467号公報に
は、上記各粘着剤層間をプライマー処理する方法が開示
されているが、上記プライマーの殆どが溶剤型であり、
上記プライマー処理のために揮発溶剤の処理手段を含む
大型の製造プロセスを必要とした。また、上記プライマ
ーが水系のものであったとしても、同様に乾燥手段を必
要とし、複雑で、エネルギー効率の悪い製造プロセスを
必要とするものである。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多
層粘着テープの製造方法における上記従来技術の諸欠点
を除去し、層間接着強度の優れた複数の粘着剤層からな
る粘着テープを、簡単な設備と簡単な操作によって作製
することのできる粘着テープの製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の粘着剤層からなる多層粘着テープの製造方法にお
いて、複数の粘着剤層を作製する工程、得られた粘着剤
層面にコロナ処理を行う工程及び上記粘着剤層のコロナ
処理面同士を貼り合わせる工程からなることを特徴とす
る粘着テープの製造方法をその要旨とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、粘着剤が、アルキ
ル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレー
ト85〜98重量%と該アルキル(メタ)アクリレート
と共重合可能な極性モノマー2〜15重量%からなる共
重合物を主成分とする請求項1記載の粘着テープの製造
方法をその要旨とするものである。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の粘着剤層のコロナ処理度が水の接触角で80〜10
5度であることを特徴とする粘着テープの製造方法をそ
の要旨とするものである。
【0009】請求項1記載の発明において用いられる粘
着剤は、粘着テープとしての必要強度を有するものであ
れば特に限定されるものでなく、例えば、天然ゴム系、
合成ゴム系の粘着剤や塩化ビニル系樹脂組成物、アクリ
ル系樹脂組成物等の樹脂系粘着剤等であってもよい。上
記粘着剤から粘着剤層を形成する際に、充填剤や紙、
布、不織布等の補強材を粘着剤層に埋設もしくは積層し
て粘着剤層が補強されていてもよい。
【0010】また、請求項2記載の発明において用いら
れる粘着剤は、アルキル基の炭素数が2〜14のアルキ
ル(メタ)アクリレート85〜98重量%とこのアルキ
ル(メタ)アクリレートと共重合可能な極性モノマー2
〜15重量%からなる共重合物を主成分とする粘着剤で
ある。上記アルキル基の炭素数が2〜14のアルキル
(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イ
ソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート等を挙げることができる。これらは単独、また
は組み合わせて用いることができる。
【0011】上記アルキル(メタ)アクリレートと共重
合可能な極性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基
含有モノマーまたはその無水物、(メタ)アクリロニト
リル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の窒素含
有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラク
タム変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン
(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)
アクリレート等の水酸基含有モノマー、アクロレイン、
ジアセトンアクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリ
レート、ビニルメチルケトン等のカルボニル基含有モノ
マー等が挙げられる。これらの極性モノマーは単独、ま
たは組み合わせて用いることができる。
【0012】上記アルキル(メタ)アクリレートと極性
モノマーからなる共重合物のアルキル(メタ)アクリレ
ートと極性モノマー含有量は、アルキル(メタ)アクリ
レート85〜98重量%、好ましくは70〜95重量%
に対し、極性モノマー2〜15重量%に限定される。上
記アルキル(メタ)アクリレートの含有量が85重量%
未満では、得られる粘着剤層の凝集力が強くなり過ぎ、
感圧粘着力が低下する。また、98重量%を超えると、
凝集力が低くなり過ぎ、高い剪断強度が得られない。ま
た、上記極性モノマーの含有量が15重量%を超える
と、得られる粘着剤層のガラス転移点温度が高くなり、
常温での粘着性が低下する。また、2重量%未満では、
得られる粘着剤層の凝集力が低くなり過ぎ、接着強度が
低下する。
【0013】上記アルキル(メタ)アクリレートと極性
モノマーに、上記両モノマーと共重合可能な第3成分と
して、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチ
レン、イソボロニル(メタ)アクリレート等のモノマー
を共重合させてもよい。上記第3成分のモノマーの含有
量は、30重量%以下とするのがよく、30重量%を超
えると、得られる粘着剤層の凝集力が強くなり過ぎ、感
圧粘着力が低下する場合がある。
【0014】更に、粘着剤層の耐熱性を上げるために、
架橋剤を加えるのが好ましい。この架橋剤として、分子
内に不飽和二重結合を2個以上有する架橋性モノマーが
用いられる。該架橋性モノマーとしては、例えば、アリ
ル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げら
れる。
【0015】上記架橋性モノマーの含有量は、好ましく
は0.01〜1重量%、より好ましくは0.02〜0.
8重量%である。上記含有量が0.01重量%未満で
は、架橋効果が十分に発現せず、必要な耐熱性が得られ
ない場合があり、また、1重量%を超えると、架橋密度
が高くなり過ぎ、感圧粘着力が低下する場合がある。
【0016】請求項2記載の発明における上記モノマー
群には、光重合開始剤を配合して、光重合性組成物を調
製し、光硬化性の接着剤として用いられるのが好まし
い。上記光重合開始剤としては、4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ケトン〔メルク社製、商品名;ダロキュアー295
9、〕、α−ヒドロキシ−α、α′−ジメチル−アセト
フェノン(メルク社製、商品名;ダロキュアー117
3、)、メトキシアセトフェノン、2、2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー社製、商
品名;イルガキュア651)、2−ヒドロキシ−2−シ
クロヘキシルアセトフェノン(チバガイギー社製、商品
名;イルガキュア184)等のアセトフェノン系、ベン
ジルジメチルケタール等のケタール系の他、ハロゲン化
ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナー
ト等が挙げられる。
【0017】これらの光重合開始剤の含有量は、一般に
0.01〜5重量%であり、好ましくは、0.05〜3
重量%である。該光重合開始剤の含有量が0.01重量
%に満たない場合は、重合転化率が低下し、モノマー臭
の強いシートしか得られない場合があり、また5重量%
を超えるとラジカル発生量が多くなり、その結果分子量
が低下して必要な凝集力が得られない場合がある。
【0018】光重合性組成物には、必要に応じて粘着性
付与樹脂を配合することができる。具体的には、ロジン
系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン
フェノール系樹脂、C5〜C9系の石油樹脂、クロマン
樹脂、或いはこれらの水素添加物等を、単独で、或いは
組み合わせて使用することができる。但し、後述する重
合反応の際に、重合速度が低下したり、分子量が低下し
たりする場合があるので、このときには、連鎖移動剤を
添加したり、前述の極性基を有するモノマーの使用量を
適宜調整する必要がある。
【0019】また、接着力を高めるため、必要に応じて
ガラスのミクロバルーン、シラスバルーン、フライアッ
シュバルーン等の無機系中空微粒子、ポリメチルメタク
リレート、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合
体、ポリスチレン、フェノール樹脂等からなる有機中空
微粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、合成雲母等の無
機系微粒子、ポリエチルメタクリレート、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機微粒子等を
配合することができる。
【0020】これらの充填剤の粒子径は、1μm未満で
は、得られる粘着剤層に高い剥離強度が得られず、15
0μmを超えると、高い剪断強度が得られないので、1
〜150μmの範囲のものが好適に用いられる。該充填
剤の含有量は、上記アクリル系共重合体100重量部に
対し、0.5〜175重量部とするのが好ましく、比重
が比較的小さい中空微粒子の場合、好ましくは0.7〜
10重量部、比重が1前後の中空微粒子や有機微粒子の
場合は、10〜60重量部であり、比重が2以上である
ような粒子の場合は、70〜150重量部とするのがよ
い。これらの充填剤は体積分率において、10〜50体
積%の範囲になるよう配合するのがよく、上記体積分率
が10体積%未満では、得られる粘着剤層に高い接着強
度が得られないし、50体積%を超えると、高い剪断強
度が得られない。
【0021】得られる粘着剤層の表面平滑性を阻害しな
いように、上記充填剤を均一に分散させる必要がある
が、そのため上記光重合性組成物を増粘し、チキソ性を
付与することが好ましい。得られる粘着剤層の厚さが1
00μm以下の場合は、粘度が1000cps、チキソ
性指数(TI値)が1.5程度でも塗工することができ
るが、それ以上の厚さの粘着剤層を製造する場合には、
より高粘度にするのがよい。その手段としては、アクリ
ルゴム、ニトリルゴム、スチレン−イソプレン−スチレ
ン(SIS)ブロック共重合ゴム等のエラストマー、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン等
の合成樹脂を溶解してもよいし、平均粒径が5μm以下
のシリカやアルミナ等を混合してもよい。
【0022】また、無機物を添加する場合は、疎水化処
理されたものの方がより一次粒子まで分散することがで
きる。また、上記のような添加物を使用せず、光重合性
組成物の一部を予め部分重合することいにより、上記光
重合性組成物の粘度を上げることもできる。この場合、
もし前記する不飽和二重結合を2以上有するモノマーを
使用する場合は、該モノマーを光重合性組成物に添加す
る以前に部分重合し、塗工時にスジ等の不良発生原因と
なるミクロゲル生成を防ぐべきである。上記部分重合さ
れるモノマーは、全モノマーの1.5〜60重量%の範
囲に抑えるべきである。上記部分重合されるモノマー量
が1.5重量%未満では、必要な粘度が得られないし、
60重量%を超えると塗工性が悪くなる。
【0023】本発明において、粘着テープを構成する複
数の粘着剤層を作成する工程は、離型処理されたポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムや紙等の離型
性フィルム上に溶剤型粘着剤を塗工して作成されてもよ
いが、請求項2記載の光重合開始剤を溶解させた光重合
性組成物を用いて、上記PETフィルムや紙等の離型性
フィルム上にアルキル(メタ)アクリレートとこのアル
キル(メタ)アクリレートと共重合可能な極性モノマー
の混合物を所望の厚さに塗工し、紫外線等の活性光線を
照射して重合し、粘着剤層を作成する工程が採られても
よい。
【0024】上記紫外線等の活性光線の照射に用いられ
るランプ類としては、光波長が400μm以下で発光分
布を有するものが用いられる。具体的には、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカル
ランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起
水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。この中
でも、ケミカルランプは、光重合開始剤の活性波長領域
の光を効率よく発光すると共に、光重合開始剤以外の組
成物の光吸収が少ないため、内部まで光が浸透し、厚み
の厚い製品を製造する場合に好ましい。
【0025】上記ランプによる光重合性組成物への光照
射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子で
あり、目的とする製品の性能毎に適宜制御されるのであ
るが、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の光重合
開始剤を配合した場合、光重合開始剤の光分解に有効な
波長領域(通常、365〜420nm)の光照射強度は
0.1〜100mW/cm2 とするのが好ましい。
【0026】この光重合は、空気中の酸素及び光重合性
組成物に溶解する酸素によってその反応を阻害され易
い。このため、光照射は酸素の阻害を消去し得るプロセ
ス的手法を用いて実施されねばならない。その手法とし
ては、表面を剥離処理したPETやテフロン等のシート
によって、塗工された光重合性組成物を覆い、光はこの
シートを介して該組成物へ照射する方法がある。また、
窒素ガス、炭酸ガスのような不活性ガスにより酸素を置
換した光透過性の窓を有するイナートゾーンの中で反応
させてもよい。後者の方法においては、該組成物の重合
転化率が99.7%以上になる程度まで、充分に完結さ
れるためには、この照射雰囲気の酸素濃度は5000p
pm以下とする必要があるが、通常、好適とされる酸素
濃度は300ppm以下である。
【0027】剥離性シート上に塗布された光重合性組成
物が急速に反応する場合、重合熱により塗工された剥離
性シートや、カバー用剥離シートが加熱伸縮され、得ら
れるテープ基材に縦縞等の不良が発生する場合がある。
この場合、光カットフィルターによりランプからの輻射
熱を抑制したり、照射面と反対側のシート背面を冷却板
に擦らせて通過させることにより不良発生防止を図るこ
とができる。
【0028】上記粘着剤層面にコロナ処理を行う工程
は、ポリレチレンフィルム等の不活性な表面の印刷性を
改善する目的等で通常用いられる放電型のコロナ処理機
を用い、該放電電極間に上記粘着剤層を通過させ、放電
コロナを照射して行われる。上記コロナ処理の処理度
は、一般に水の接触角等で測定されるが、水の接触角で
80〜105度になるよう処理されるのが好ましい。上
記処理度が、水の接触角105度を超える場合、複数の
粘着剤層間の接着強度が低下し、また、水の接触角80
度未満にすることは、不必要であり、水の接触角80〜
105度の処理度で複数の粘着剤層間の接着強度が十分
に得られ、これ以上の処理は、エネルギー的に無駄であ
るばかりか、粘着剤層の裏面側にも影響を及ぼし、露出
する粘着面の粘着性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0029】本発明の上記コロナ処理は、粘着剤層の貼
り合わされる両面に施されることが必須の要件であり、
貼り合わされる粘着剤層の片面側のみのコロナ処理で
は、粘着剤層の貼り合わせ界面における接着性が十分に
得られない。
【0030】本発明の粘着剤層のコロナ処理面同士を貼
り合わされる工程は、粘着剤層の貼り合わせ界面に気泡
等が巻き込まれることが少ないものであれば特に限定さ
れるものではないが、例えば、一般に貼合せ用に用いら
れるロール方式のラミネーターが挙げられる。上記粘着
剤層の貼り合わせ界面に気泡等が巻き込まれると、粘着
剤層の密着性が落ち、接着性能を悪化させるので十分に
脱気できるラミネーターを用いることが望まれる。
【0031】上記複数の粘着剤層は、互いに粘着特性を
同じくする必要はなく、各々異なった粘着特性を示すも
のであってもよく、また、その厚さは、得られる粘着テ
ープの用途に応じて適宜設定されるものであるが、一般
に50μm〜5mmである。
【0032】(作用)請求項1〜3記載の発明の粘着テ
ープの製造方法は、複数の粘着剤層の貼り合わされる粘
着剤層両面にコロナ処理が施され、貼り合わされている
ので、上記両粘着剤層界面における接着強度が極めて優
れた多層粘着テープを提供し得るものであり、且つ、電
気化学的に簡単な設備と簡単な操作によって高い生産性
で製造することができる。従って、本発明の粘着テープ
の製造方法によれば、表裏の粘着剤層の粘着特性の異な
る各種粘着テープを広範な用途に供給することができ
る。
【0033】また、請求項2記載の粘着テープの製造方
法は、光重合性組成物を調製し、光硬化性の接着剤とし
て用いて複数の粘着剤層を作成することができるので、
上記粘着剤層界面における接着強度が極めて優れた粘着
テープを、塗工工程において更に省エネルギー化するこ
とができる。
【0034】また、請求項3記載の粘着テープの製造方
法は、複数の粘着剤層の貼り合わされる粘着剤層両面に
施されるコロナ処理の処理度が、水の接触角で測定して
80〜105度に制御されているので、露出する粘着剤
層面の粘着特性に悪影響を及ぼすことなく、貼り合わさ
れる粘着剤層界面における十分な接着強度を付与し得る
ものであり、容易に界面剥離しない粘着テープが得られ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について詳
細に説明する。
【0036】(実施例1)アクリル系粘着剤層Aの作製 2−エチルヘキシルアクリレート700重量部(以下単
に部という)、n−ブチルアクリレート200部、アク
リル酸100部、光重合開始剤(チバガイギー社製、商
品名;イルガキュア651)1部、平均粒子径=20μ
の高密度ポリエチレン微粒子(三井石油化学社製、商品
名;ミペロンXM−220、比重=0.95)300部
及び煙霧シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名;
#200)20部を均一に分散するまで、セパラブルフ
ラスコ中で攪拌混合した後、窒素ガスでパージすること
により、溶存酸素を除去した。この時、上記光重合性組
成物の液粘度をB型粘度計で測定したところ、3000
cpsであった。次に、離型処理の施された厚さ50μ
mのPETフィルム上に、塗工後の厚さが1mmとなる
ようにロールコーターを用いて上記光重合性組成物を塗
工した。その後、塗工された上記光重合性組成物の表面
に、同じPETフィルムをその離型処理面が該塗工面に
接するようにして被覆した。次に、ケミカルランプを用
いて、カバーしたPETフィルム上の照射強度が2mW
/cm2 となるようにランプの高さを調節し、10分間
照射してアクリル系粘着剤層Aを作製した。
【0037】アクリル系粘着剤層Bの作製 2−エチルヘキシルアクリレート500部、n−ブチル
アクリレート450部、アクリル酸50部、n−ドデカ
ンチオール0.2部及び酢酸エチルをセパラブルフラス
コに仕込み、窒素ガス雰囲気下で65℃まで昇温し、2
0分間、その温度に保持した後、アゾビスイソブチロニ
トリル0.3部を酢酸エチル50部に溶解した溶液を滴
下し、8時間反応させた。その後、酢酸エチル1500
部を加えて攪拌混合して、重量平均分子量80万、固形
分30.1重量%、粘度4000cpsのアクリル系ポ
リマー溶液を得た。得られたアクリル系ポリマー溶液の
固形分100部に対して、架橋剤N,N−ヘキサメチレ
ン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)
0.1部を添加混合してアクリル系粘着剤を調製した。
上記アクリル系粘着剤を、離型処理の施された厚さ50
μmのPETフィルム上に、乾燥後の厚さが50μmと
なるようにロールコーターを用いて塗布した。その後、
PETフィルム上の塗膜を110℃の乾燥炉中で5分間
乾燥してアクリル系粘着剤層Bを作製した。得られたア
クリル系粘着剤層Bのゲル分率は80重量%であった。
【0038】上記アクリル系粘着剤層Aの片面のPET
フィルムを剥ぎ取り、コロナ処理機により、露出したア
クリル系粘着剤層A表面をコロナ処理した。上記アクリ
ル系粘着剤層A表面のコロナ処理前の表面とコロナ処理
後の表面のコロナ処理度を、イオン交換水の接触角で測
定したところ、コロナ処理前の接触角106度、コロナ
処理後の接触角92度であった。同様に、アクリル系粘
着剤層Bについても、上記アクリル系粘着剤層Aと同条
件にてコロナ処理を行った。アクリル系粘着剤層Bのコ
ロナ処理度は、コロナ処理前の接触角115度、コロナ
処理後の接触角100度であった。
【0039】次に、上記アクリル系粘着剤層Aのコロナ
処理面と、アクリル系粘着剤層Bのコロナ処理面を重ね
合わせ、ラミネーターを用いてアクリル系粘着剤層A/
アクリル系粘着剤層Bからなる構成の粘着テープを作製
した。 (実施例2)実施例1のアクリル系粘着剤層Aのコロナ
処理面と、アクリル系粘着剤層Bのコロナ処理面を重ね
合わせた粘着テープのアクリル系粘着剤層A側表面に仮
着されているPETフィルムを剥離し、露出したアクリ
ル系粘着剤層A表面を実施例1と同条件でコロナ処理
し、該コロナ処理面と、実施例1のアクリル系粘着剤層
Bのコロナ処理面とを重ね合わせ、ラミネーターを用い
て、アクリル系粘着剤層B/アクリル系粘着剤層A/ア
クリル系粘着剤層Bからなる構成の粘着テープを作製し
た。
【0040】(比較例1)実施例1のアクリル系粘着剤
層Aのコロナ処理面と、コロナ処理していないアクリル
系粘着剤層Bを重ね合わせ、実施例1と同様にしてアク
リル系粘着剤層A/アクリル系粘着剤層Bからなる構成
の粘着テープを作製した。
【0041】(比較例2)実施例1のアクリル系粘着剤
層Bのコロナ処理面と、コロナ処理していないアクリル
系粘着剤層Aを重ね合わせ、実施例1と同様にしてアク
リル系粘着剤層A/アクリル系粘着剤層Bからなる構成
の粘着テープを作製した。
【0042】(比較例3)実施例1のコロナ処理してい
ないアクリル系粘着剤層Aと、コロナ処理していないア
クリル系粘着剤層Bを重ね合わせ、実施例1と同様にし
てアクリル系粘着剤層A/アクリル系粘着剤層Bからな
る構成の粘着テープを作製した。
【0043】上記実施例1〜2、比較例1〜3の粘着テ
ープについて、粘着剤層間の接着強度の評価をするため
以下に示す方法で耐熱剥離保持力を測定した。測定結果
は表1に示す。なお、表中、コロナ処理の有無の欄は、
○:処理有、−:処理無で表示した。
【0044】(耐熱剥離保持力の測定方法)得られた粘
着テープから一辺の長さ20mmの正方形の試験片を裁
断し、仮着されている離型処理されたPETフィルムを
剥がし、厚さ50μm、幅20mm、長さ50mmのの
ステンレススチール箔(SUS304、#280研磨)
2枚をその両面に図1に示すように一端を余してサンド
イッチ状に重ね合わせ、2kgローラーを各々の面を一
往復させて貼り合わせた。この状態で80℃に保持され
ているオーブン中に図1に示すように上記フリーになっ
ている一方のステンレススチール箔で懸架し、他方のフ
リーになっているステンレススチール箔に1kgの錘を
負荷して、該錘がステンレススチール箔と共に粘着テー
プから剥離して落下するまでの時間を測定した。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなように、粘着剤層
の貼り合わされる両面が共にコロナ処理されている実施
例1及び実施例2の粘着テープは、300分以上剥離す
ることがなく強固な粘着剤層間の剥離強度を示した。こ
れに対し、粘着剤層の貼り合わされる片面のみがコロナ
処理されている比較例1及び比較例2の粘着テープは、
僅か十数分で粘着剤層間の層間破壊を示して落下し、粘
着剤層の貼り合わされる両面共コロナ処理されていない
比較例3に至っては懸架後、直ぐに粘着剤層間の層間破
壊を示して落下してしまい、いずれも十分な粘着剤層間
の剥離強度を有してないことを表している。
【0047】
【発明の効果】本発明の粘着テープの製造方法は、叙上
のように構成されているので、層間接着強度の優れた複
数の粘着剤層からなる粘着テープを簡単な設備と簡単な
操作によって作製することができる。従って、本発明の
粘着テープの製造方法によれば、表裏の粘着剤層の粘着
特性の異なる各種粘着テープを広範な用途に供給するこ
とができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】得られた粘着テープの耐熱剥離保持力を測定す
る方法の説明図である。
【符号の説明】
1:ステンレススチール箔、2:粘着テープ(試験
片)、3:固定軸、4:錘

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の粘着剤層からなる多層粘着テープ
    の製造方法において、複数の粘着剤層を作製する工程、
    得られた粘着剤層面にコロナ処理を行う工程及び上記粘
    着剤層のコロナ処理面同士を貼り合わせる工程からなる
    ことを特徴とする粘着テープの製造方法。
  2. 【請求項2】 粘着剤が、アルキル基の炭素数が2〜1
    4のアルキル(メタ)アクリレート85〜98重量%
    と、該アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な極
    性モノマー2〜15重量%からなる共重合物を主成分と
    する請求項1記載の粘着テープの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の粘着剤層のコロナ処理度
    が水の接触角で80〜105度であることを特徴とする
    粘着テープの製造方法。
JP26738996A 1996-10-08 1996-10-08 粘着テープの製造方法 Pending JPH10110139A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100344820B1 (ko) * 1999-09-29 2002-07-19 주식회사 하이닉스반도체 코로나 처리를 이용한 본딩 테이프의 제조 방법
JP2008111046A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Soken Chem & Eng Co Ltd 異種部材接合用粘着シートおよび積層体
JP2008266399A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Aica Kogyo Co Ltd 水系接着剤組成物
WO2012147464A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 日東電工株式会社 粘着シート

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