JP2020183502A - 粘着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、優れた易剥離性と耐剥がれ性とを両立した粘着フィルムを提供することである。【解決手段】本発明は、基材(A)の少なくとも一方の面に、直接または他の層を介して粘着剤層(B)を有する粘着テープであって、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4.0N/25mmであり、温度120℃の環境下に30秒静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4.0N/25mmであり、120℃、1Hzにおける損失正接(Tanδ120)が1.0以下であることを特徴とするハードコートフィルムにより、上記課題を解決するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、光学フィルム等の運搬や表面の保護や用途などで好適に使用することができる粘着フィルムに関する。
スマートフォンやタブレット型コンピュータなどの電子端末に搭載された液晶ディスプレイ(LCD)には、偏光板、位相差板などの光学フィルムが構成として組み込まれている。
前記光学フィルムは、様々な加工、組立工程があり、前記工程中に、前記光学フィルムを運搬し、また、表面に傷や汚れ等が付着するのを防止するために、通常は粘着フィルムが貼付される。前記粘着フィルムは液晶ディスプレイの製造工程および光学フィルムの製造、加工工程のみに使用され、光学フィルムを液晶ディスプレイに組み込む際に、光学フィルムから剥離され、取り除かれる。前記の粘着フィルムの使用方法から、前記粘着フィルムは一般的に保護フィルムまたは工程用フィルムと呼ばれることもある。
前記粘着フィルムとしては、アクリル系ポリマーと帯電防止剤および架橋剤を含有する粘着剤を、樹脂フィルムの片面または両面に形成した表面保護フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
近年は前記加工工程中に、100℃〜150℃程度の高温に加熱する加熱工程が設けられることがあり、前記加熱工程時でも光学フィルムを確実に運搬、保護する粘着フィルムが必要になってきている。
しかし、従来の粘着フィルムでは、初期および高温での接着力が不十分である場合が多く、例えばロールtoロールでの運搬であれば、前記加熱工程中において、加工やサポートロール通過時の応力によって、光学フィルムが粘着フィルムから剥がれ、後の工程においてトラブルになることがあった。
また、前記加熱工程後に光学フィルムを粘着フィルムから剥がした際に、光学フィルム表面に粘着剤が残ってしまい、光学フィルムを汚染することがあった。
特開2013−216738公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた易剥離性と耐剥がれ性とを両立した粘着フィルムを提供することである。
本発明は、基材(A)の少なくとも一方の面に、直接または他の層を介して粘着剤層(B)を有する粘着テープであって、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で光学フィルムに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4.0N/25mmであり、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で光学フィルムに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度120℃の環境下に30秒静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4.0N/25mmであり、120℃、1Hzにおける損失正接(Tanδ120)が1.0以下とすることにより、上記課題を解決するものである。
本発明の粘着フィルムは、易剥離性と耐剥がれ性とに優れることから、特に、偏光板、位相差フィルム等の光学フィルムの加工工程における運搬や一時的な保護を目的とした工程用フィルム及び保護フィルムとして使用することができる。
本発明の粘着フィルムとしては、キャリアフィルムや保護フィルムとしての使用の観点から、薄型であるものを使用することが好ましい。具体的には、前記粘着フィルムとしては、その総厚が100μm以下であるものを使用することが好ましく、60μm以下であるものを使用することがさらに好ましい。また、前記粘着フィルムの総厚さの下限は、特に制限はないが、40μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。本発明の粘着フィルムは、前記特定の積層構成をとることによって、優れた易剥離性と耐剥がれ性を両立することができる。
[基材(A)]
本発明の粘着フィルムを構成する基材(A)としては、好ましくは厚さ12μm〜250μmであるものを使用することが好ましく、厚さ25μm〜100μmであるものを使用することがより好ましく、厚さ38μm〜50μmのものを使用することが、優れた易剥離性と耐剥がれ性とを両立するうえでさらに好ましい。
前記基材(A)としては、光学特性に優れた樹脂フィルムを使用することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム(例えば、JSR株式会社製のアートン)、環状オレフィン系ポリマーフィルム(例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオノアフィルム)等を使用することができる。
なかでも、前記基材(A)としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロピレンフィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルムなどを使用することが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することがより好ましく、中でも、120℃での熱収縮率が1.0%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することがより一層優れた易剥離性と耐剥がれ性とを備えた粘着テープを製造するうえで好ましい。なお、前記基材(A)の120℃での熱収縮率は、実施例に記載の方法で測定した値を指す。
また、前記基材(A)としては、粘着剤層(B)との密着性を向上させることを目的として、表面に易接着層を有するものを使用することができる。また、前記基材(A)としては、前記密着性をより一層向上させることを目的として、サンドブラスト法や溶剤処理法等による表面凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理等の酸化処理等が施されたものを使用することができる。
[粘着剤層(B)]
本発明の保護フィルムを構成する粘着剤層(B)は、50μm以下であることが好ましく、1μm〜30μmの範囲であることがより好ましく、5μm〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。前記厚さの粘着剤層(B)を設けることによって、優れた易剥離性と耐熱性とを両立した保護フィルムを得ることができる。
前記粘着剤層(B)を構成する粘着剤組成物は、通常の粘着フィルムに使用される粘着剤組成物を用いることができる。当該粘着剤組成物としては、例えば(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられるが、(メタ)アクリレート単独又は(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体からなるアクリル系共重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤組成物を好ましく使用できる。
アクリル系共重合体としては、炭素数1〜12の(メタ)アクリレートモノマーを主たるモノマー成分とするアクリル系共重合体を好ましく使用でき、炭素数1〜12の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のモノマーがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでも、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が4〜9の直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリレートが更に好ましい。中でも、炭素数が4〜9の直鎖または分岐構造を有するアクリレートが更に好ましい。
アクリル系共重合体中の炭素数1〜12の(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の80〜98.5質量%であることが好ましく、90〜98.5質量%であることがより好ましい。
また、本発明に使用するアクリル系共重合体は高極性モノマーを共重合してもよく、高極性モノマーとしては、水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが好ましい。
また、アミド基を有するモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、等が挙げられる。
その他の高極性ビニルモノマーとして、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の末端アルコキシ変性(メタ)アクリレートがあげられる。
高極性ビニルモノマーの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の0.2〜15質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、4〜8質量%であることが更に好ましい。当該範囲で含有することにより、粘着剤の凝集力や保持力、接着性を好適な範囲に調整しやすい。
粘着剤層(B)としては、(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとの共重合体からなるアクリル系共重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤を使用できる。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができるが、粘着剤の耐水性から溶液重合法や塊状重合法が好ましい。重合の開始方法は、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。
上記アクリル系共重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、50万以上であることが好ましく、50〜150万であることがより一層優れた易剥離性と耐剥がれ性を発現するうえで好ましい。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.5質量%(THF溶液)
サンプル注入量:100μL
溶離液:THF
流速:1.0mL/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
本発明で使用することのできる粘着剤としては、より一層優れたピール接着力を備えた粘着シートを得るうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。
また、前記粘着剤としては、より一層優れた凝集力を備えた粘着剤層を形成するうえで、架橋剤を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、予め製造した前記アクリル系共重合体またはその溶液と、混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
前記架橋剤は、粘着剤層のトルエンに対するゲル分率が40質量%〜95質量%となる量を選択し使用することがより好ましく、ゲル分率が50質量%〜90質量%となる量を選択し使用することが、優れた易剥離性と耐剥がれ性とを両立した粘着フィルムを得るうえでさらに好ましい。なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定した値を指す。
離型ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚さが10μmになるように、前記粘着剤を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層を形成した。
前記粘着剤層を縦50mm及び横50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。
上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させた。
前記浸漬後、前記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出した。前記不溶成分を110℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。
前記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤層(B)は、120℃における損失正接(Tanδ120)の値が、1.0以下であるが、好ましくは1.2以下であり、より好ましくは0.05以上0.8以下であり、さらに好ましくは0.2以上0.6以下であることが、優れた易剥離性と耐剥がれ性とを両立した粘着フィルムを得るうえでさらに好ましい。なお、120℃における損失正接(Tanδ120)は、実施例に記載の方法で測定した値を指す。
前記粘着剤としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン、ビーズ、金属、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料、染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記粘着剤としては、その良好な塗工作業性等を維持するうえで溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等を使用できる。また、水系粘着剤組成物とする場合には、水又は、水を主体とする水性溶媒を使用できる。
[粘着フィルム]
本発明の粘着フィルムは、例えば前記基材の少なくとも一方の面に、アプリケーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる。また、前記粘着フィルムは、予め離型ライナーの表面にナイフコーターやロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層を形成し、次いで、前記粘着剤層を基材の少なくとも一方の面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
前記離型ライナーとしては、特に限定はされないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されているものが挙げられる。
なかでも、厚さ10〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙や、ポリエステルフィルムの片面または両面に、シリコーン系剥離処理が施されている剥離ライナーが好ましい。
前記粘着剤層を乾燥させる方法としては、例えば、50℃〜140℃で30秒〜10分間乾燥させる方法が挙げられる。また、前記乾燥後、硬化反応を促進する点から、30℃〜50℃の範囲で更にエージングを行っても良い。
本発明の粘着フィルムは、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で光学フィルムに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4.0N/25mmであるが、好ましくは0.7N/25mm〜2.5N/25mmの範囲であり、さらに好ましくは0.9N/25mm〜1.7N/25mmの範囲である。また、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で光学フィルムに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度120℃の環境下に30秒静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4.0N/25mmであるが、好ましくは0.7N/25mm〜2.5N/25mmの範囲であり、さらに好ましくは0.9N/25mm〜1.7N/25mmの範囲であることが、優れた易剥離性と耐剥がれ性を得るうえで好ましい。なお、前記粘着フィルムの180°引き剥がし接着力、120℃環境投入後の180°引き剥がし接着力は、実施例に記載の方法で測定した値を指す。
本発明の粘着フィルムは、好適な易剥離性と耐剥がれ性を有することから、各種用途に適用できる。なかでも、本発明の粘着フィルムは、光学フィルムに対して好適に適用できる。特に、本発明の粘着フィルムは、好適な易剥離性と耐剥がれ性を有することから、光学フィルムの加工工程におけるキャリアフィルム、保護フィルムとして好適に適用でき、光学フィルム表面の傷つきを防止しつつ、高温環境下でも浮き剥がれなく光学フィルムを運搬することができる。
光学フィルムとしては、例えば、偏光板や位相差板、高光透過率のフィルム等が挙げられる。偏光板としては、通常、偏光子の両面、または片面に偏光子保護層を積層した一般的なものを使用することができる。
偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を用いて得られるものを使用することができる。前記ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をけん化することによって製造することができる。また、偏光子は、例えば、製膜したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させることによって製造することができる。
偏光板は、前記で得た偏光子の両面に、接着剤層を介して、トリアセチルセルロースフィルム等の偏光子保護層を積層することによって製造することができる。
前記二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料を用いることができる。二色性色素でポリビニルアルコール系樹脂フィルムを染色するには、これらの色素を含有する水溶液に前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することでできる。二色性色素にヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。
前記偏光子保護層としては、特に限定はされないが、ディスプレイ材料として使用することを想定したうえで、透明性に優れる樹脂を用いて得られるものを使用することが好ましい。
前記偏光子保護層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。
また、前記偏光子層の両面に偏光子保護層を形成する場合、それぞれの面に異なる樹脂から構成される偏光子保護層を形成することが可能である。例えば、前記偏光子層の片面にトリアセチルセルロースフィルムからなる偏光子保護層を形成し、もう一方の面に、シクロオレフィン系樹脂フィルムからなる偏光子保護層を形成することができる。
また、前記偏光子保護層の両面にハードコート層を形成してもよい。前記ハードコート層の形成に使用される樹脂としては、特に限定はされないが、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂等の紫外線硬化型樹脂が挙げられる。
前記偏光板としては、50μm〜200μmの厚さを有するものを使用することが、情報表示装置や携帯電子端末の軽量化及び薄型化に貢献できるため好ましい。
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明する。
[調整例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート65質量部、メチルアクリレート28質量部、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート7質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に酢酸エチルを加えて均一に混合し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量57万のアクリル共重合体(A−1)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(A−1)に、ゲル分率が60%になるようトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(DIC株式会社製「バーノックD−40」、以下、「D−40」と略記する。)を配合し、粘着剤組成物(P−1)を得た。
[調整例2]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート82質量部、メチルアクリレート14質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート4質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に酢酸エチルを加えて均一に混合し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量88万のアクリル共重合体(A−2)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(A−2)に、ゲル分率が81%になるようD−40を配合し、粘着剤組成物(P−2)を得た。
[調整例3]
前記アクリル共重合体(A−1)に、ゲル分率が43%になるようトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(DIC株式会社製「バーノックD−40」、以下、「D−40」と略記する。)を配合する以外は、調整例1と同様の方法で粘着剤組成物(P−3)を得た。
[調整例4]
前記アクリル共重合体(A−1)に、ゲル分率が91%になるようトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(DIC株式会社製「バーノックD−40」、以下、「D−40」と略記する。)を配合する以外は、調整例1と同様の方法で粘着剤組成物(P−4)を得た。
[比較調整例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート88質量部、2−メトキシエチルアクリレート8質量部、アクリル酸1質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート3質量部及び、酢酸エチル150質量部を仕込み、 次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に酢酸エチルを加えて均一に混合し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量120万のアクリル共重合体(B−1)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(B−1)に、ゲル分率が89%になるようD−40を配合し、粘着剤組成物(Q−1)を得た。
[比較調整例2]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート93.4質量部、アクリル酸3.5質量部、酢酸ビニル3質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル100質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物100質量部に対し、荒川化学社製「スーパーエステルA100」(不均化ロジンのグリセリンエステル)9.4質量部と、ハリマ化成社製「ハリタックPCJ」(重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)9.4質量部を添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量100万のアクリル共重合体(B−2)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(B−2)に、ゲル分率が51%になるようD−40を配合し、粘着剤組成物(Q−2)を得た。
[比較調整例3]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート95質量部、エチルアクリレート4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1.0質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に酢酸エチルを加えて均一に混合し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量29万のアクリル共重合体(B−3)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(B−3)に、ゲル分率が55%になるようD−40を配合し、粘着剤組成物(Q−3)を得た。
[実施例1]
調整例1で得た粘着剤組成物(P−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ5μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ55μmの粘着フィルム(T−1)を得た。
[実施例2]
調整例1で得た粘着剤組成物(P−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが10μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ10μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ5μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ60μmの粘着フィルム(T−2)を得た。
[実施例3]
調整例2で得た粘着剤組成物(P−2)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが10μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ10μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ5μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ60μmの粘着フィルム(T−3)を得た。
[実施例4]
調整例1で得た粘着剤組成物(P−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.20%)の片面に、前記厚さ5μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ55μmの粘着フィルム(T−4)を得た。
[実施例5]
調整例1で得た粘着剤組成物(P−3)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ5μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ55μmの粘着フィルム(T−5)を得た。
[実施例6]
比較調整例1で得た粘着剤組成物(Q−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ5μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ55μmの粘着フィルム(T−6)を得た。
[比較例1]
比較調整例1で得た粘着剤組成物(Q−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが10μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ10μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ60μmの粘着フィルム(U−1)を得た。
[比較例2]
比較調整例2で得た粘着剤組成物(Q−2)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが10μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ10μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ60μmの粘着フィルム(U−2)を得た。
[比較例3]
比較調整例3で得た粘着剤組成物(Q−3)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが10μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ5μmの粘着剤層を作製した。
次に、23℃環境下で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(熱収縮率:0.03%)の片面に、前記厚さ10μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ60μmの粘着フィルム(U−3)を得た。
[180°引き剥がし接着力]
以下の方法により、実施例及び比較例の粘着フィルムの180°引き剥がし接着力を測定した。
(1)23℃50%RH下で光学フィルム(材質がトリアセチルセルロースの偏光板、表面にハードコート層有)に2kgローラー一往復で加圧貼付した。
(2)23℃50%RH下で1時間静置後、23℃50%RH下にて引張速度300mm/粉で180度方向に剥がした際の強度を測定した(単位:N/25mm)。
[120℃環境投入後の180°引き剥がし接着力]
以下の方法により、実施例及び比較例の粘着フィルムの120℃環境投入後の180°引き剥がし接着力を測定した。
(1)23℃50%RH下で光学フィルム(材質がトリアセチルセルロースの偏光板、表面にハードコート層有)に2kgローラー一往復で加圧貼付した。
(2)23℃50%RH下で1時間静置後、120℃下で30秒静置し、23℃50%RH下にて引張速度300mm/分で180度方向に剥がした際の強度を測定した(単位:N/25mm)。
[易剥離性]
以下の方法により、実施例及び比較例の粘着フィルムの易剥離性を測定した。
1)外形25mm×50mmの粘着フィルムを、23℃50%RH下で外形30mm×100mmの光学フィルム(材質がトリアセチルセルロースの偏光板、表面にハードコート層有)に2kgローラー一往復で加圧貼付した。
2)23℃50%RH下で1時間静置後、120℃下で30秒静置し、23℃50%RH下にて粘着フィルムを手で引き剥がした際の剥がしやすさ、光学フィルムの状態を評価した。
◎:光学フィルムの変形・破壊なく粘着フィルムを剥がせた。
○:剥離の抵抗があるが、光学フィルムの変形・破壊なく粘着フィルムを剥がせた。
×:剥離できず、光学フィルムが破壊した。
[120℃での耐剥がれ性]
以下の方法により、実施例及び比較例の粘着フィルムの120℃での耐剥がれ性を測定した。
(1)外形50mm×50mmの粘着フィルムの中心に、23℃50%RH下で外形25mm×25mmの光学フィルムを2kgローラー一往復で加圧貼付した。
(2)23℃50%RH下で1時間静置後、120℃下で粘着フィルムの中心に粘着フィルム側から500gのおもりをのせて30秒静置した。その後、おもりを取り除き、23℃50%RH下で光学フィルムの剥がれ具合を確認した。
◎:粘着フィルムから光学フィルムが全く剥がれなかった。
○:光学フィルムの端から1〜2mmほど剥がれが発生した。
△:光学フィルムの端から5〜10mmほど剥がれが発生した。
×:粘着フィルムから、光学フィルムが剥がれ落ちた。
[120℃における損失正接(Tanδ120)の測定法]
前記で得た各粘着剤組成物を、離型ライナーの表面に塗工し、オーブンを用いて85℃で4分間加熱して、厚さ50μmの粘着剤層を作製し、得られた粘着剤層を重ねあわせて厚さ2mmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を直径8mmの大きさの円状に裁断したものを試験片とした。
次に、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用い、同試験機の測定部である平行円盤の間に前記試験片を挟み込み、温度120℃、及び、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)を測定し、前記G’、G”から損失正接(Tanδ120)を算出した。
[120℃での熱収縮率]
外形100mm×100mmに切り出した基材(A)を120℃下で30秒静置し、23℃50%RH下にて外寸を測定し、下記式により、120℃での熱収縮率を求めた。
120℃での熱収縮率=[(100−L)/100]×100 (単位:%)
(Lは120℃下で30秒静置後の外寸で、単位はmm)
[粘着フィルム剥離後の糊残りの確認]
前記の120℃環境投入後の180°引き剥がし接着力測定後に、光学フィルム(材質がトリアセチルセルロースの偏光板、表面にハードコート層有)に粘着フィルムが貼付されていた箇所を目視で確認し、粘着フィルムの粘着剤の残渣が光学フィルム上に残っていないかを確認した。
次に、光学フィルムの粘着フィルムが貼付されていた箇所の水接触角(AN1)を測定し、粘着フィルム貼付前の偏光板の水接触角(AN2)と比較した。
◎:粘着剤の残渣が無く、水接触角の変化も無かった。
○:粘着剤の残渣は無かったが、AN1がAN2に比べて高くなっていた。
×:粘着剤の残渣が光学フィルム上に残っていた。
Figure 2020183502

Claims (5)

  1. 基材(A)の少なくとも一方の面に、直接または他の層を介して粘着剤層(B)を有する粘着テープであって、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で光学フィルムに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4N/25mmであり、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で光学フィルムに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度120℃の環境下に30秒静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が0.5〜4N/25mmであり、120℃、1Hzにおける損失正接(Tanδ120)が1.0以下であることを特徴とする粘着フィルム。
  2. 前記粘着剤層(B)を構成する粘着剤組成物が(メタ)アクリル系粘着剤組成物である請求項1に記載の粘着フィルム。
  3. 前記基材(A)が、0.03〜0.1%の収縮率を持つことを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着フィルム。
  4. 前記粘着剤層(B)ゲル分率が50%〜90%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  5. 偏光板表面の保護用途に使用される請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
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