JP5701122B2 - 粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物および粘着シートに関する。
特に、シーズニング期間を効果的に短縮することができるとともに、ヘイズが低く光線透過率が高い粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シートに関する。
従来、アクリル系粘着剤は、主剤としてのアクリル系ポリマー同士を架橋することによって所定の凝集力を得ている。
かかる架橋は、アクリル系ポリマーと、架橋剤との架橋反応によってなされるが、特に、アクリル系ポリマーと、架橋剤との間でウレタン結合を形成させる架橋反応が広く用いられている。
すなわち、架橋剤の有するイソシアネート基と、アクリル系ポリマーが有する水酸基やカルボキシル基との間でウレタン結合を形成させる架橋反応である。
また、かかる架橋反応は、通常、粘着剤組成物を成膜、加熱乾燥させた後、常温常湿環境下での数日から数週間にわたる養生期間(以下、シーズニング期間と称する場合がある。)を経て進行し、粘着剤組成物におけるゲル分率の上昇が停止した時点で終了する。
一方、製品供給の場においては、かかるシーズニング期間を短縮することが求められており、具体的には、5日程度に収めることが要求される。
そこで、かかる架橋反応を促進させるための架橋促進剤を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、特許文献1には、耐熱性基材と、粘着剤層とを有する耐熱再剥離性粘着フィルムであって、粘着剤層は、架橋剤として脂肪族ポリイソシアナートおよびスズ系の架橋促進剤を含有する耐熱再剥離性粘着フィルムが開示されている。
特開2000−44896号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1に記載のスズ系の架橋促進剤は、環境ホルモンとなり得る有機スズ系化合物を含んでおり、人体や環境への影響が問題であった。
また、その他の架橋促進剤として、アミン系化合物も知られているが、アミン系化合物はアクリル系ポリマーに対する相溶性が低い傾向があり、粘着剤組成物のヘイズが高くなったり、光線透過率が低下したりするため、特に、ディスプレイ用光学シートへの適用には問題があった。
したがって、シーズニング期間を効果的に短縮することができるとともに、ヘイズが低く光線透過率が高い粘着剤組成物が求められていた。
そこで、本発明者らは、以上のような事情に鑑み、鋭意努力したところ、所定のアクリル系ポリマーおよびイソシアネート系架橋剤を含む粘着剤組成物に対し、架橋促進剤としての芳香族カルボン酸を所定の割合で配合することにより、上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、シーズニング期間を効果的に短縮することができるとともに、ヘイズが低く光線透過率が高い粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シートを提供することにある。
本発明によれば、下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とする粘着剤組成物が提供され、上述した問題を解決することができる。
(A)1分子中に活性水素基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル重合体
100重量部
(B)イソシアネート系多官能架橋剤 0.01〜30重量部
(C)芳香族カルボン酸 0.1〜30重量部
すなわち、本発明の粘着剤組成物であれば、(C)成分としての芳香族カルボン酸を所定の割合で含むことから、(A)成分および(B)成分間におけるウレタン結合の形成を促進させて、シーズニング期間を効果的に短縮することができる。
また、芳香族カルボン酸であれば、アミン系化合物からなる架橋促進剤と比較して(A)成分との相溶性に優れることから、粘着剤組成物におけるヘイズの増加や光線透過率の低下を効果的に抑制し、ディスプレイ用光学シートにも適用可能な低ヘイズおよび高光線透過率の粘着剤組成物を得ることができる。
さらに、芳香族カルボン酸であれば、有機スズ系化合物からなる架橋促進剤において問題となる人体や環境への影響についても解決することができる。
なお、本発明における「粘着剤組成物」とは、例えば、未架橋の粘着剤組成物であっても、架橋後の粘着剤組成物であっても、上述した組成を有する粘着剤組成物であれば、全て含まれる広い意味である。
但し、架橋後の粘着剤組成物を、特に「粘着剤」と記載する場合がある。
また、本発明の粘着剤組成物を構成するにあたり、(C)成分としての芳香族カルボン酸が、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸およびこれらの酸無水物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
このように構成することにより、シーズニング期間をさらに短縮することができるばかりか、(A)成分に対する芳香族カルボン酸の相溶性をさらに向上させることができ、より低ヘイズおよび高光線透過率の粘着剤組成物を得ることができる。
また、本発明の粘着剤組成物を構成するにあたり、架橋後の粘着剤組成物におけるJIS K 7136:2000に準じて測定されるヘイズ(%)を2%以下の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、ディスプレイ用光学シートに適用した場合であっても、画像の曇りを効果的に抑制することができる。
また、本発明の別の態様は、基材上に、下記成分(A)〜(C)を含む粘着剤組成物から構成された粘着剤層を備えることを特徴とする粘着シートである。
(A)1分子中に活性水素基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル重合体
100重量部
(B)イソシアネート系多官能架橋剤 0.01〜30重量部
(C)芳香族カルボン酸 0.1〜30重量部
すなわち、本発明の粘着シートであれば、所定の粘着剤層を備えることから、短いシーズニング期間で効率的に製造することができる。
また、ヘイズが低く、光線透過率が高いことから、ディスプレイ用光学シートとして用いた場合であっても、高品質な画質を安定的に保持することができる。
さらに、有機スズ系化合物において問題となる人体や環境への影響についても、特に考慮することなく使用および処分等をすることができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、基材が、ディスプレイ用光学フィルムであることが好ましい。
このように構成することにより、高品質な画質を安定的に保持することができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、基材が剥離フィルムであるとともに、粘着剤層における当該剥離フィルムの反対面に対し、別の剥離フィルムを積層してなることが好ましい。
このように構成することにより、粘着シートの取り扱い性を向上させることができる。
図1(a)〜(d)は、粘着剤組成物等の使用態様、および粘着シートの製造方法を説明するために供する図である。 図2は、粘着シートの態様を説明するために供する別の図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とする粘着剤組成物である。
(A)1分子中に活性水素基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル重合体
100重量部
(B)イソシアネート系多官能架橋剤 0.01〜30重量部
(C)芳香族カルボン酸 0.1〜30重量部
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
1.(A)成分:(メタ)アクリル酸エステル重合体
(1)種類
(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル重合体は、1分子中に活性水素基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル重合体であることを特徴とする。
より具体的には、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル重合体を、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)と、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)とを含む単量体成分に由来した共重合体とすることが好ましい。
この理由は、このような(A)成分であれば、単量体成分(a)および(b)を好適な配合範囲で共重合させることができることから、(B)成分としての架橋剤により、(A)成分を好適な範囲で架橋させて、粘着特性を所望の範囲に調節することができるためである。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのいずれをも意味する。
さらに、単量体成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)と言った場合、分子内にアルキル基を有し、かつ、水酸基やカルボキシル基等の官能基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルを意味する。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)としては、そのアルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましい。
この理由は、かかるアルキル基の炭素数が12よりも大きな値となると、側鎖同士が配向・結晶化することにより、得られる粘着剤組成物の粘着性が失われる場合があるためである。一方、かかるアルキル基の炭素数が小さいと、貯蔵弾性率が大きくなり過ぎて、耐久性が不十分になる場合がある。
また、このようなアルキル基の炭素数が1〜12の範囲内の値である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の一種単独または二種以上の組み合わせからなる単量体が挙げられる。
なお、貯蔵弾性率をより好適な範囲に調節しやすいことから、(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数を2〜10の範囲内の値とすることとがより好ましく、3〜8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体を構成する主成分であるため、通常、(メタ)アクリル酸エステル重合体を構成する全単量体の80〜99.99重量%の範囲内の値であることが好ましく、90〜99.9重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、95〜99.8重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのうち、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシル、あるいはいずれか一方を含むことが、特に好ましい。
この理由は、これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルであれば、粘着剤組成物の粘着性を効果的に向上させることができるためである。
また、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の分子内に水酸基を有する(メタ)アクリレート;アミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の分子内に第1〜第2級アミノ基を有する(メタ)アクリレート;2−(メチルチオ)エチルメタクリレート等の分子内にチオール基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
また、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)は、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル重合体を構成する全単量体の0.01〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)の含有量が0.01重量%未満の値となると、十分な架橋点を確保することが困難になる場合があるためである。一方、分子内に活性水素基を有するビニル化合物の含有量が20重量%を超えた値となると、耐久性が低下する場合があるためである。
また、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)の活性水素基は、水酸基、第1〜第2級アミノ基またはチオール基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。
この理由は、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)を、かかる構成とすることにより、(A)成分がカルボキシル基を有しないことになり、(A)成分と、後述する(C)成分としての架橋促進剤との機能分離が明確になり、粘着力等の粘着剤特性をより安定化させることができるためである。
(2)重量平均分子量
また、(A)成分である所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量を20万〜200万の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる重量平均分子量が20万未満の値となると、粘着剤組成物の耐久性が不十分となる場合があるためである。一方、かかる重量平均分子量が200万を超えた値となると、粘度増大等による加工適性の低下を抑制することが困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分である所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量を30万〜150万の範囲内の値とすることがより好ましく、50万〜120万の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグララフィー(GPC)法により測定することができる。
以上、所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体について説明してきたが、本発明における(A)成分としての所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体は、一種単独で用いてもよいし、単量体成分の組成や重量平均分子量の異なる二種以上を併用してもよい。
さらにまた、共重合形態についても特に制限されるものではなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
2.(B)成分:イソシアネート系多官能架橋剤
(1)種類
また、本発明の粘着剤組成物は、(B)成分として、(A)成分を架橋するためのイソシアネート系多官能架橋剤を含むことを特徴とする。
この理由は、イソシアネート系多官能架橋剤であれば、(A)成分としての1分子中に活性水素基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル重合体同士を、当該活性水素基を架橋点として素早く架橋反応させて、粘着剤特性を所望の範囲に容易に調節することができるためである。
また、イソシアネート系多官能架橋剤としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジシソシアネート(TMDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリメチロールプロパン(TMP)アダクトTDI、TMPアダクトHDI、TMPアダクトIPDI、TMPアダクトXDI等が挙げられる。
(2)配合量
また、(B)成分としてのイソシアネート系多官能架橋剤の配合量を、(A)成分としての所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、イソシアネート系多官能架橋剤の配合量が0.01重量部未満の値となると、(A)成分同士を十分に架橋させることが困難となって、十分な粘着力や貯蔵弾性率を得ることが困難になる場合があるためである。一方、イソシアネート系多官能架橋剤の配合量が30重量部を超えた値となると、(A)成分同士の架橋が過剰になって、逆に粘着力が低下し易くなる場合があるためである。
したがって、(B)成分としてのイソシアネート系多官能架橋剤の配合量を、(A)成分としての所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
3.(C)成分:芳香族カルボン酸
本発明の粘着剤組成物は、(C)成分として芳香族カルボン酸を含むことを特徴とする。
この理由は、(C)成分としての芳香族カルボン酸を含むことにより、(A)成分および(B)成分間におけるウレタン結合の形成を促進させて、シーズニング期間を効果的に短縮することができるためである。
また、芳香族カルボン酸であれば、アミン系化合物からなる架橋促進剤と比較して(A)成分との相溶性に優れることから、粘着剤組成物におけるヘイズの増加や光線透過率の低下を効果的に抑制し、ディスプレイ用光学シートにも適用可能な低ヘイズおよび高光線透過率の粘着剤組成物を得ることができるためである。
さらに、芳香族カルボン酸であれば、有機スズ系化合物からなる一般的な架橋促進剤において問題となる人体や環境への悪影響についても排除することができる。
(1)種類
芳香族カルボン酸の種類としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸およびこれらの酸無水物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
この理由は、これらの芳香族カルボン酸であれば、シーズニング期間をさらに短縮することができるばかりか、(A)成分に対する芳香族カルボン酸の相溶性をさらに向上させることができ、より低ヘイズおよび高光線透過率の粘着剤組成物を得ることができるためである。
また、芳香族カルボン酸と組み合わせて、脂肪族カルボン酸を、(A)成分との相溶性が高く低ヘイズおよび高光線透過率の粘着剤組成物を得ることができる限りにおいて使用しても良いが、脂肪族カルボン酸は、低分子量のものでは粘着剤組成物の耐久性の低下が起こりやすく、高分子量のものでは極性が低くなり(A)成分との相溶性が低下するため、極少量の配合に止めることが好ましい。
(2)配合量
また、(C)成分としての芳香族カルボン酸の配合量を、(A)成分としての所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、芳香族カルボン酸の配合量が0.1重量部未満の値となると、(A)成分同士の架橋、すなわち、(A)成分および(B)成分間におけるウレタン結合の形成を十分に促進させることが困難になって、シーズニング期間の短縮に寄与することができない場合があるためである。一方、芳香族カルボン酸の配合量が30重量部を超えた値となると、粘着剤組成物を架橋反応させた際に、芳香族カルボン酸が析出し、ヘイズの増加や光線透過率の低下といった不具合をもたらす場合があるためである。
したがって、(C)成分としての芳香族カルボン酸の配合量を、(A)成分としての所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、1〜25重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、3〜20重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.光硬化性成分
また、本発明の粘着剤組成物は、光硬化性成分を含んでもよい。
すなわち、粘着剤組成物の貯蔵弾性率を増加させる等の目的で、例えば、多官能(メタ)アクリレート系モノマー等の光硬化性成分を所定量含んでもよい。
具体的には、光硬化性成分の配合量を、(A)成分としての所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜3重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、光硬化性成分を所定量含む場合、それに対応させて、所定量の光重合開始剤を配合することが好ましい。
5.希釈溶剤
本発明の粘着剤組成物において、各成分の分散性を改善したり、剥離フィルム等に粘着剤組成物を塗布する際に、適切な粘度に調整したりする観点から、希釈溶剤を使用することができる。
かかる希釈溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が好ましく、希釈溶剤を加えた際の粘着剤組成物の濃度は、5〜50重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
6.添加剤
また、粘着剤組成物には、上述した成分以外の添加剤として、例えば、近赤外線吸収色素、防錆剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない限りで添加することができる。
なお、防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、リン系化合物、亜硝酸塩系化合物等が挙げられる。
また、近赤外線吸収色素としては、例えば、金属錯体系化合物、シアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロメテン系化合物、スクアリリウム系化合物、イモニウム系化合物等が挙げられる。
また、これらの添加剤を加える場合には、添加剤の種類にもよるが、その含有を、所定の(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
7.粘着剤組成物のヘイズ
また、架橋後の粘着剤組成物(粘着剤)におけるJIS K 7136:2000に準じて測定されるヘイズ(%)を2%以下の値とすることが好ましく、1%以下の値とすることがより好ましい。
この理由は、架橋後の粘着剤組成物におけるヘイズをかかる範囲内の値とすることにより、ディスプレイ用光学シートに適用した場合であっても、画像の曇りを効果的に抑制することができるためである。
すなわち、架橋後の粘着剤組成物におけるヘイズが2%を超えた値となると、画像の曇りが過度に強くなって、ディスプレイ用光学シートに適用した場合に、良好な視認性を確保することが困難になる場合があるためである。
8.粘着剤組成物の全光線透過率
また、架橋後の粘着剤組成物(粘着剤)におけるJIS K 7361−1:1997に準じて測定される全光線透過率(%)を30%以上の値とすることが好ましく、50%以上の値とすることがより好ましい。
この理由は、架橋後の粘着剤組成物における全光線透過率をかかる範囲内の値とすることにより、ディスプレイ用光学シートに適用した場合であっても、画像の視認性を安定的に確保することができるためである。
すなわち、架橋後の粘着剤組成物における全光線透過率が30%未満の値となると、画像の視認性が得られなくなる場合があるためである。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、基材上に、下記成分(A)〜(C)を含む粘着剤組成物から構成された粘着剤層を備えることを特徴とする粘着シートである。
(A)1分子中に活性水素基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル重合体
100重量部
(B)イソシアネート系多官能架橋剤 0.01〜30重量部
(C)芳香族カルボン酸 0.1〜30重量部
すなわち、本発明の粘着シートであれば、所定の粘着剤層を備えることから、短いシーズニング期間で効率的に製造することができる。
また、ヘイズが低く、光線透過率が高いことから、ディスプレイ用光学シートとして用いた場合であっても、高品質な画質を安定的に保持することができる。
さらに、有機スズ系化合物において問題となる人体や環境への影響についても、特に考慮することなく使用および処分等をすることができる。
以下、本発明の第2の実施形態を、第1の実施形態と異なる点を中心に、図1および2を参照しつつ、具体的に説明する。
1.粘着剤層
粘着剤組成物は、下記工程(1)〜(3)を経て、所定特性を有する粘着剤層として構成することができる。
(1)(A)〜(C)成分を含む所定の粘着剤組成物を準備する工程
(2)粘着剤組成物を、剥離フィルムに対して塗布して、塗布層を形成する工程
(3)粘着剤組成物を架橋させて、塗布層を粘着剤層とする工程
以下、粘着剤層を構成するに至る工程につき、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
(1)工程(1)(粘着剤組成物の準備工程)
工程(1)は、(A)〜(C)成分を含む所定の粘着剤組成物を準備する工程である。
より具体的には、例えば、(A)成分を所望により希釈溶剤で希釈し、撹拌下、(B)成分および(C)成分を添加して、均一な混合液とすることが好ましい。
続いて、得られた混合液に対し、所望によりその他の添加剤を添加した後、均一になるまで撹拌しつつ、所望の粘度になるように、必要に応じて希釈溶剤をさらに加えることにより、粘着剤組成物の溶液を得ることが好ましい。
なお、各成分の詳細および配合割合等は第1の実施形態で記載した通りであるので省略する。
(2)工程(2)(粘着剤組成物の塗布工程)
工程(2)は、図1(a)に示すように、粘着剤組成物を、剥離フィルム2に対して塗布して塗布層1を形成する工程である。
剥離フィルム2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムや、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムに対し、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アルキッド樹脂等の剥離剤を塗布して、剥離層を設けたものが挙げられる。
なお、かかる剥離フィルム2の厚さは、通常、20〜150μmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、剥離フィルム2上に粘着剤組成物を塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いて、溶剤を加えた粘着剤組成物を塗布して塗布層1(塗膜)を形成した後、乾燥させることが好ましい。
このとき、塗布層1の厚さを、乾燥時基準において、1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、塗布層1の厚さが薄すぎると、十分な粘着特性が得られない場合があり、逆に、厚すぎると、残留溶剤が問題となる場合があるためである。
また、乾燥条件としては、通常、50〜150℃で、10秒〜10分の範囲内とすることが好ましい。
(3)工程(3)(塗布層の架橋工程)
工程(3)は、粘着剤組成物の塗布層1を架橋させて、塗布層1を粘着剤層10とする工程である。
すなわち、図1(b)に示すように、剥離フィルム2上で乾燥させた状態の塗布層1の表面に対し、ディスプレイ用光学フィルム基材等の基材101を積層させた状態で架橋させて、粘着剤層10とすることが好ましい。
あるいは、剥離フィルム2上に塗布した粘着剤組成物の塗布層1を、先に架橋させ、粘着剤層とした後、ディスプレイ用光学フィルム基材等の基材101に対して積層させてもよい。
また、図2に示すように、剥離フィルム2に対して粘着剤組成物を塗布して乾燥させ、塗布層1を形成した後、さらに別の剥離フィルム2を、塗布層1上に積層させ、架橋することにより、2つの剥離フィルム2の剥離層側が、それぞれ粘着剤層10と接するようにして挟持された粘着シート100bも好ましい。
また、かかる態様の粘着シート100bは、剥離フィルム2に対して粘着剤組成物の塗布層1を形成して、乾燥および架橋させた後に、さらに別の剥離フィルム2を、粘着剤層10となった粘着剤組成物上に積層させることで、2つの剥離フィルム2に挟持された粘着シートとしてもよい。
また、粘着シート100bは、2つの剥離フィルム2のうちの一方における剥離力が、他の一方における剥離力と異なることが好ましい。
この理由は、剥離力が異なることにより、得られた粘着シート100bを使用するに際し、粘着剤層10を傷つけることなく、一方の剥離フィルム2を剥がすことができるためである。
また、かかる態様の粘着シート100bは、一方の剥離フィルム2を剥離して、現れた粘着剤層10を、基材101に対して密着させて貼合することにより、粘着シート100aを得ることができる。
このとき、所望により、粘着剤層10面あるいは基材101面を、コロナ処理、プラズマ処理およびケン化処理等の表面処理を行うことができる。
かかる態様は、粘着剤層10の製造と、かかる粘着剤層10の使用とが、別の場所で行われる等の理由により、粘着剤層10のみを輸送しなければならない場合等に必要とされる。
なお、粘着剤組成物の塗布層1における架橋は、上述した乾燥工程と、シーズニング工程と、を通して行われる。
かかるシーズニング工程の条件としては、粘着剤組成物の塗布層1や基材101にダメージを与えることなく、かつ、粘着剤組成物の塗布層1を均一に架橋する観点から、20〜50℃とすることが好ましく、23〜30℃とすることがより好ましい。
また、湿度としては、30〜75%RHとすることが好ましく、45〜65%RHとすることがより好ましい。
さらに、期間としては、2〜5日とすることが好ましく、3〜4日とすることがより好ましい。
2.基材
本発明においては、基材101が、ディスプレイ用光学フィルム基材であるとともに、当該ディスプレイ用光学基材フィルムの少なくとも一方に、上述した粘着剤層10を備えることが好ましい。
図1に示すように、本発明の粘着シート100における基材101としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、液晶ポリマー、シクロオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、脂環式構造含有重合体、芳香族系重合体等の光学フィルム基材が好ましく挙げられる。
また、用途の面から説明すれば、偏光板、偏光層保護フィルム、視野角拡大フィルム、防眩フィルム、位相差板等、液晶ディスプレイ等に用いられるディスプレイ用光学フィルム基材が挙げられる。
例えば、本発明によれば、基材101を偏光板とした場合であっても、光漏れの発生を効果的に抑制できるという利点を得ることができる。
また、本発明によれば、偏光子等へも良好に密着できることから、偏光板の原料であるヨウ素含有のポリビニルアルコール樹脂を延伸して作製された偏光子自体も、本発明の粘着剤シート100における基材101となり得る。さらに、偏光子の片面が、トリアセチルセルロースやポリエチレンテレフタレート等の保護フィルムで覆われた偏光子等も同様に対象となる。
また、基材101の厚さとしては特に制約はないが、通常1〜1000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる基材101の厚さが1μm未満となると、機械的強度や取り扱い性が過度に低下したり、均一な厚さに形成することが困難となったりする場合があるためである。一方、かかる基材101の厚さが1000μmを超えると、取り扱い性が過度に低下したり、経済的に不利益となったりする場合があるためである。
したがって、基材101の厚さを5〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜200μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、基材101の塗布層1が形成される面側に表面処理を施してあることも好ましい。
このような表面処理としては、例えば、プライマー処理、コロナ処理、火炎処理などが挙げられるが、特に、プライマー処理であることが好ましい。
この理由は、このようなプライマー層を形成した基材を用いることにより、基材101に対する粘着剤層10の密着性をさらに向上させることができるためである。
なお、このようなプライマー層を構成する材料としては、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースニトレート、およびそれらの組み合わせ)、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
また、プライマー層の厚さについても、特に限定されないが、通常、0.05μm〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、最終的に得られた粘着シート100aを被着体に貼合する方法としては、図1(c)〜(d)に示すように、まず、粘着剤層10に積層してある剥離フィルム2を剥離し、次いで、現れた粘着剤層10の表面を、被着体200に対して密着させることにより貼合することが好ましい。
以下、実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1.粘着剤組成物の調製
下記(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部と、(B)成分としてのキシリレンジイソシアネート系架橋剤(綜研化学(株)製、TD−75)0.13重量部と、(C)成分としての安息香酸(和光純薬工業(株)製)13.8重量部と、メチルエチルケトン103.4重量部とを混合して、粘着剤組成物を調製した。
なお、上述した配合量および表1中の数値は、固形分換算された値を示す。但し、溶剤としてのメチルエチルケトンについてはこの限りでない。
また、使用した架橋剤は、表1中において「TD−75」と表記する。
また、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル重合体は、アクリル酸n−ブチル(BA)79重量部と、メタクリル酸メチル(MMA)20重量部と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)1重量部とを用い、常法である溶液重合法(溶媒:酢酸エチル)に従って重合し、下記(A)成分として示す重量平均分子量80万の(メタ)アクリル酸エステル重合体を得た。
(A)成分:BA/MMA/HEA(79/20/1) Mw=80万
次いで、得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体につき、酢酸エチルを用いてその固形分濃度を調整し、29重量%の(メタ)アクリル酸エステル重合体溶液とした。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(以下、GPC法と略記する。)にて測定した。
すなわち、まず、ポリスチレンを用いて検量線を作成した。以降、重量平均分子量は、ポリスチレン換算値で表す。次いで、(メタ)アクリル酸エステル重合体等の測定対象の濃度が1重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液を準備し、東ソー(株)製、GEL PER MEATION CHROMATOGRAPH HLC−8020(TSKGEL GMHXL、TSKGEL GMHXL、TSKGEL G2000HXLからなる3連カラム)にて40℃、THF溶媒、1ml/分の条件にて重量平均分子量を測定した。そして、ガードカラムとして、東ソー(株)製、TSK GUARD COLUMNを使用した。
2.粘着剤組成物の塗布
次いで、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET38T103−1)の剥離層上に、得られた粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが25μmになるように、ナイフ式塗工機で塗布し、塗布層を形成した。
次いで、塗布層を100℃、1分間の乾燥処理を施した後、塗布層の露出面に対して厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET381031)を貼合し、剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を得た。
3.評価
(1)ゲル分率の評価
(1)−1 ゲル分率の測定
得られた剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造直後から1日間、23℃、50%RHの標準環境下に放置(シーズニング)した。
次いで、放置後の積層体から0.2gの粘着剤組成物を秤量した後、それを溶剤に不溶な#200メッシュで挟み込み、ゲル分率測定用サンプルとした。
次いで、ソックスレー抽出器を用いて、得られたサンプルが常に蒸留後の酢酸エチルに触れる状態を維持しながら、大気圧下で16時間、85℃の条件で加熱還流した。
次いで、還流後に得られたサンプルを、100℃のオーブン中に3時間放置することにより乾燥させた後、乾燥後のサンプルの重量を測定し、下記式(1)に従ってゲル分率(%)を算出し、1日後のゲル分率(%)とした。
また、得られた積層体を製造直後から5日間および21日間、標準環境下に放置(シーズニング)した後においても、同様にソックスレー抽出器を用いてゲル分率(%)を測定し、それぞれ5日後のゲル分率(%)および21日後のゲル分率(%)とした。得られた結果を表2に示す。
(1)−2 ゲル分率の変化の評価
また、5日後のゲル分率の値と、21日後のゲル分率の値から、下記式(2)に従って、ゲル分率の変化率(ゲル分率変化率)(%)を算出した。
次いで、得られたゲル分率変化率の値を、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:ゲル分率変化率が5%以下の値である。
○:ゲル分率変化率が5%超かつ10%以下の値である。
△:ゲル分率変化率が10%超かつ30%以下の値である。
×:ゲル分率変化率が30%超えた値である。
(2)粘着力の評価
(2)−1 粘着力の測定
得られた剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体から、一方の剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET381031)を剥離した後、現れた粘着剤組成物の面に対して基材フィルム(東洋紡績(株)製、PET100A4300)を貼合し、粘着力試験用サンプルとした。
次いで、得られた粘着力試験用サンプルから25mm×250mmの試験片を切り出し、剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET38T103−1)を剥離した後、2kgのゴムローラを用いて、現れた粘着剤組成物の面をソーダライムガラスに対して貼合し、ソーダライムガラス/粘着剤組成物/基材フィルムの積層体を得た。
次いで、得られた積層体を製造直後から1日間、23℃、59%RHの標準環境下に放置(シーズニング)した。
次いで、引っ張り試験機(オリエンテック(株)製、テンシロン)を用いて、放置後の積層体から粘着剤組成物/基材フィルムの積層体を、剥離速度300mm/分、剥離角度180°にて剥離し、このとき測定された剥離荷重を1日後の粘着力(N/25mm)とした。
また、ソーダライムガラス/粘着剤組成物/基材フィルムの積層体を製造直後から5日間および21日間、標準環境下に放置(シーズニング)した後においても、同様に引っ張り試験機を用いて粘着力(N/25mm)を測定し、それぞれ5日後の粘着力(N/25mm)および21日後の粘着力(N/25mm)とした。得られた結果を表2に示す。
(2)−2 粘着力の変化の評価
また、5日後の粘着力の値と、21日後の粘着力の値から、下記式(3)に従って、粘着力の変化率(粘着力変化率)(%)を算出した。
次いで、得られた粘着力変化率の値を、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:粘着力変化率が5%以下の値である。
○:粘着力変化率が5%超かつ10%以下の値である。
△:粘着力変化率が10%超かつ30%以下の値である。
×:粘着力変化率が30%超えた値である。
(3)ヘイズの評価
得られた剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造直後から21日間、23℃、50%RHの標準環境下に放置(シーズニング)した。
次いで、放置後の積層体から、一方の剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET381031)を剥離した後、現れた粘着剤組成物の面をソーダライムガラスに貼合し、さらに、もう一方の剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET38T103−1)も剥離し、ヘイズ測定用サンプルとした。
次いで、JIS K7136:2000に準じて、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−2000)を用いて、ヘイズ測定用サンプルのヘイズ(%)を測定した。
なお、ヘイズを測定する際に、ソーダライムガラスでバックグラウンド測定を行った。
次いで、得られたヘイズの値を、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:ヘイズの1%以下の値である。
○:ヘイズの1%超かつ2%以下の値である。
△:ヘイズの2%超かつ3%以下の値である。
×:ヘイズの3%超えた値である。
(4)全光線透過率の評価
得られた剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造直後から21日間、23℃、50%RHの標準環境下に放置(シーズニング)した。
次いで、放置後の積層体から、一方の剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET381031)を剥離した後、現れた粘着剤組成物の面をソーダライムガラスに貼合し、さらに、もう一方の剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET38T103−1)も剥離し、全光線透過率測定用サンプルとした。
次いで、JIS K7361−1:1997に準じて、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−2000)を用いて、全光線透過率測定用サンプルの全光線透過率(%)を測定した。
なお、全光線透過率を測定する際に、ソーダライムガラスでバックグラウンド測定を行った。
次いで、得られた全光線透過率の値を、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:全光線透過率が80%以上の値である。
○:全光線透過率が50%以上かつ80%未満の値である。
△:全光線透過率が30%以上かつ50%未満の値である。
×:全光線透過率が30%未満の値である。
[実施例2]
実施例2では、粘着剤組成物を調製する際に、(C)成分の配合量を3.4重量部としたほかは、実施例1と同様に剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例3では、粘着剤組成物を調製する際に、近赤外線吸収色素(APIコーポレーション(株)製、APE−004)24.1重量部と、防錆剤としての1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(城北化学(株)製)1.7重量部と、紫外線吸収剤(シプロ化成(株)製、SEESORB 107)6.9重量部とをさらに添加したほかは、実施例1と同様に剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
なお、使用した近赤外線吸収色素、防錆剤および紫外線吸収剤は、表1中においてそれぞれ「APE−004」、「ベントリ」および「SEESORB」と表記する。
[実施例4]
実施例4では、粘着剤組成物を調製する際に、(C)成分の配合量を18重量部としたほかは、実施例1と同様に剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1]
比較例1では、粘着剤組成物を調製する際に、芳香族カルボン酸である(C)成分を加えなかった他は、実施例1と同様に剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例2では、粘着剤組成物を調製する際に、芳香族カルボン酸である(C)成分の代わりに、アミン系架橋促進剤である1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネンー5(サンアプロ(株)製)を用いたほかは、実施例2と同様に剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例3では、粘着剤組成物を調製する際に、(C)成分の配合量を34.5重量部としたほかは、実施例1と同様に剥離フィルム/粘着剤組成物/剥離フィルムの積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
なお、表2より、次の事項がわかる。
実施例1〜4の粘着剤組成物は、ゲル分率変化率が10%以下の値であり、粘着力変化率が10%以下の値であり、ヘイズの値が1%以下の値であり、および全光線透過率50%以上の値であり、いずれも良好であった。
一方、比較例1の粘着剤組成物は、ゲル分率変化率(%)および粘着力変化率(%)の値が大きく、シーズニング期間を5日程度まで短縮することが困難であった。
また、比較例2,3の粘着剤組成物は、ヘイズの値が大きく、ディスプレイ用光学シート用の粘着剤組成物として適さないものであった。
以上、詳述したように、本発明によれば、所定のアクリル系ポリマーおよびイソシアネート系架橋剤を含む粘着剤組成物に対し、架橋促進剤としての芳香族カルボン酸を所定の割合で配合することにより、シーズニング期間を効果的に短縮することができるとともに、ヘイズが低く光線透過率が高い粘着剤組成物を得ることができるようになった。
したがって、本発明の粘着剤組成物等は、液晶ディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネル等に適用される粘着シートの製造効率および品質の向上に、著しく寄与することが期待される。
1:粘着剤組成物の塗布層、2:剥離フィルム、10:粘着剤層、100:粘着シート、101:基材、200:被着体

Claims (6)

  1. ディスプレイ用光学フィルム上に、下記成分(A)〜(C)を含む架橋粘着剤組成物から構成された粘着剤層を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シート(但し、溶融亜鉛メッキ法を含むメッキ法によるメッキ表面に接着する粘着シートを含まない。)
    (A)1分子中に活性水素基を2個以上有し、重量平均分子量が20万〜200万の範囲内の値である(メタ)アクリル酸エステル重合体であって、当該(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)と、分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)とを含む単量体成分に由来した共重合体であり、前記分子内に活性水素基を有するビニル化合物(b)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体を構成する全単量体の0.01〜5重量%の範囲内の値である(メタ)アクリル酸エステル重合体
    100重量部
    (B)イソシアネート系多官能架橋剤 0.01〜30重量部
    (C)芳香族カルボン酸 0.1〜30重量部
  2. 前記(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル重合体を構成する単量体成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)が、アクリル酸n−ブチルおよびメタクリル酸メチルを主成分として含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学シート。
  3. 前記(C)成分としての芳香族カルボン酸が、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸およびこれらの酸無水物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用光学シート。
  4. 前記架橋粘着剤組成物におけるJIS K 7136:2000に準じて測定されるヘイズ(%)を2%以下の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスプレイ用光学シート。
  5. 前記(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が、防請剤として、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、リン系化合物、亜硝酸塩系化合物の少なくとも一つを含むとともに、当該防請剤の配合量を、前記(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスプレイ用光学シート。
  6. 前記架橋粘着剤組成物における5日後のゲル分率の値と、21日後のゲル分率の値と、から算出されるゲル分率変化率の値が10%以下の値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスプレイ用光学シート。
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