JP2010254953A - 感熱接着剤組成物および感熱接着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 初期タック性を有し、加熱して剛体の被着体同士を接着した際に、加熱圧着時の接着剤変形が少なく、割裂方向への優れた接着力と好適な耐衝撃性を有する感熱接着シートを提供する。
【解決手段】 ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物からなる接着剤層を有し、前記接着剤層のゲル分率が10〜50%であることを特徴とする感熱接着シートにより、加熱圧着時の接着剤変形を生じにくく、強固な接着性を有し、優れた初期タック性を実現できる。
【選択図】 なし
【解決手段】 ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物からなる接着剤層を有し、前記接着剤層のゲル分率が10〜50%であることを特徴とする感熱接着シートにより、加熱圧着時の接着剤変形を生じにくく、強固な接着性を有し、優れた初期タック性を実現できる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、剛体同士の固定に適した熱接着シートに関する。
近年、携帯電話や携帯情報端末、各種家電製品は小型化・薄型化に伴い、その筐体の強度不足が懸念されており、強度向上のための金属材料と筐体用樹脂材料を接合する構造が取り入れられている。従来、この板状金属材料(板金)と筐体用樹脂材料との接合にはインサート成型が用いられていた。インサート成型は樹脂の成型の際に板状金属材料を一緒に挿入し、一体化させるように樹脂を成型する手法であるが、成型用の型を専用に作ることや、金属材料の寸法精度を通常よりも高める必要などがあり、コスト高となっていた。
現在、インサート成型に代わる工法として、感熱接着剤をシート化した感熱接着シートを使用して板状金属材料と筺体用樹脂材料とを接合する方法が検討されている。
従来、加熱により強固な接着力を有する感熱接着剤組成物として、各種接着剤が提案されており、例えば、製缶時の缶表面へのフィルム固定用途や、ディスプレイ周辺のフレキシブルプリント配線回路(FPC)基板用途などで実用化されており、多くの場合、感熱接着剤をシート化して使用され、フィルム状の被着体の接着固定に広く用いられている。
一方、金属材料と筐体用樹脂材料との接着固定は、剛体同士の接着であるため、感熱接着シートを用いて接合する場合には、感熱接着シートを仮接着し位置決めした際に被着される金属材料や筐体用樹脂材料と接着シートの界面に気泡が入りやすく、また被着体の寸法較差の影響も受けやすいため、フィルム状の被着体を用いた接着固定と比較して、加熱圧着した場合の被着体への感熱接着シートの密着性が著しく低下する傾向があり、前記記載の従来のフィルム状の被着体を接着固定する感熱接着シートでは剛体である被着体同士を接着固定した場合に、十分な接着強度を得ることが困難であった。
また、加熱処理後に強固な接着力を示すことに加えて、作業工程において接着シートの位置あわせを容易にするために、加熱処理前には位置決め性(初期タック性)を有することが求められている。
加熱処理前の初期タック性を有する感熱接着シートとしては、例えばポリエステル系樹脂を使用した感熱接着シートが開示されている(特許文献1参照)。しかし、前記開示されている感熱接着シートを板状金属材料と筐体用樹脂材料との接着固定に用いた場合、加熱圧着しても、感熱接着シートの被着体への十分な接着強度が得られず、また、場合により、接着シートと被着体の界面に気泡が残るなどの問題があった。
一方、加熱圧着した場合の密着性を向上させる方法として、架橋されていないゴム系樹脂を感熱接着剤層の主成分として用いた感熱接着シートがある。この場合、加熱圧着時の流動性をあげることで密着性を向上させることはできるが、加熱圧着時に感熱接着シートの樹脂がはみ出しすぎてしまい、元の状態から著しく変形してしまう場合があった。このような大きな変形は、筐体からの接着剤のはみ出しによる意匠性の低下や、固定を意図していない部品への接着剤の付着を生じるため、除去作業による工程の増加が生じる問題があった。また、接着範囲や接合する厚みの制御が困難となるため、小型電子端末の部品固定等の精密な接合が困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、初期タック性を有し、加熱して剛体の被着体同士を接着した際に、加熱圧着時の接着剤変形が少なく、割裂方向への優れた接着力と好適な耐衝撃性を有する感熱接着シートを提供することにある。
本発明においては、低Tgポリエステルとポリエステルウレタンとエポキシ樹脂を併用した感熱接着剤組成物から形成される接着剤層を有し、当該接着剤層がゲル分率が一定の範囲となるよう架橋剤により架橋された感熱接着シートにより、加熱圧着時の接着剤変形を生じにくく、強固な接着性を有し、優れた初期タック性を実現できる。
すなわち、本発明の感熱接着剤組成物は、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物からなる接着剤層を有し、前記接着剤層のゲル分率が10〜50%である感熱接着シートを提供するものである。
本発明の感熱接着剤組成物を接着剤層として使用した感熱接着シートは、加熱前に位置決めのための適度な初期タック性を有し、加熱して剛体の被着体同士を接着した際にも加熱圧着時の接着剤変形が少なく、高い接着性を有する感熱接着シートを形成できる。
このような接着シートによれば、剛体同士の接着固定、例えば携帯電話の筐体に用いられる板状金属材料と樹脂材料の接着固定などに好適に使用できる。
[感熱接着剤組成物]
本発明に使用する感熱接着剤組成物は、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物である。
本発明に使用する感熱接着剤組成物は、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物である。
本発明の感熱接着剤組成物は、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルを使用することで初期タック性を付与しやすくなり、ポリエステルとポリエステルウレタンを併用することで、加熱圧着した際にも加熱圧着時の接着剤変形が少なく、また加熱圧着後に接着剤層の割れなどが生じにくい接着剤層を形成できる。また、エポキシ樹脂を併用することで、本発明の感熱接着剤組成物により接着された剛体同士を引き剥がす接着強度を高めることができる。
[ポリエステル]
本発明に使用するポリエステルは、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルであれば、特に制限されず、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合物であるポリエステルやこれを変性したポリエステルを通常使用できる。
本発明に使用するポリエステルは、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルであれば、特に制限されず、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合物であるポリエステルやこれを変性したポリエステルを通常使用できる。
本発明の熱接着剤組成物においては、一種のポリエステルを使用しても、複数のポリエステルを混合しても良いが、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルを含有する必要があり、−40〜0℃のポリエステルを含有することが特に好ましい。ガラス転移温度が当該範囲のポリエステルを使用することにより、加熱圧着時の接着剤変形が少なく、優れた初期タック性を有する接着剤層の形成が容易となる。
また、ポリエステルの数平均分子量としては、8,000〜40,000であることが好ましい。数平均分子量が当該範囲のポリエステルを含有することで、好適な接着性を得やすくなる。また、15,000〜30,000であることがより好ましい。含有量を上記範囲内とすると、接着剤を好適な粘度範囲で取り扱うことができ、また、加熱圧着時の接着剤変形が少ない。
ポリエステルに使用する多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダイマー酸類など、あるいはこれらの酸無水物などが挙げられ、これらのカルボン酸は通常単独でまたは2種以上混合して用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール等が挙げられる。また、カルボン酸基を含む多価アルコールを多価アルコールとして用いてもよく、特に代表的なものとしてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸などが挙げられる。さらに、多価アルコールをε−カプロラクトンなどのカプロラクトン化合物により変性することで、ポリエステルのガラス転移温度を低温化できるため好ましい。
多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応は、公知慣用の種々の合成法に従って得られるものであって、その一例を挙げると、多価カルボン酸と多価アルコールとを、一緒に加えて、縮合(エステル化)する合成法が一般的である。
また、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応では、三価以上のカルボン酸あるいはアルコールを使用すれば、得られる縮合物に分岐構造を付与することもできる。
本発明の熱接着剤組成物中の上記ポリエステルの含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の35〜80質量%であることが好ましく、50〜65質量%であることがより好ましい。
[ポリエステルウレタン]
本発明に使用するポリエステルウレタンは、式(1)を充足できるものであれば、特に制限されないが、水酸基含有ポリエステルに、ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリエステルウレタンを好適使用できる。
本発明に使用するポリエステルウレタンは、式(1)を充足できるものであれば、特に制限されないが、水酸基含有ポリエステルに、ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリエステルウレタンを好適使用できる。
本発明の感熱接着剤組成物においては、一種のポリエステルウレタンを使用しても、複数のポリエステルウレタンを混合しても良いが、数平均分子量が15,000〜100,000であるポリエステルウレタンを使用することが好ましい。
また、上記ポリエステルウレタンとして、ガラス転移温度が低温のポリエステルウレタンを使用する場合には、ガラス転移温度が好ましくは−30〜80℃、より好ましくは−25〜50℃のポリエステルウレタンを使用することで、初期タック性があり加熱圧着時の接着剤変形が少ない。
ポリエステルウレタンに使用する水酸基含有ポリエステルは、上記ポリエステルと同様に、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合により得られるポリエステルを使用できる。水酸基含有ポリエステルは、数平均分子量が4,000〜20,000の範囲にあることが好ましく、また、水酸基価が3〜50mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。
水酸基含有ポリエステルに反応させるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できる。脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートが代表例として挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートが代表例として挙げられる。また、上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、ヌレート、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も使用することができる。
本発明の感熱接着剤組成物中の上記ポリエステルウレタンの含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の5〜40質量%であることが好ましい。
また、ポリエステル100質量部に対するポリエステルウレタンの配合量は5〜60質量部であることが好ましい。
さらに、式(1)を充足するようにポリエステルとポリエステルウレタンを配合することで、高い接着信頼性と初期タック性を兼備し加熱圧着時の接着剤変形が少なくなる。
前記ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、式(1)を充足する組成物である。
−50<[(WPETPE+WPEUTPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
−50<[(WPETPE+WPEUTPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
上記ポリエステルの平均ガラス転移温度TPEは、感熱接着剤中に含有するポリエステルが一種の場合には、当該ポリエステルのガラス転移温度であり、複数種のポリエステルを含有する場合には、含有するポリエステルのガラス転移温度の平均温度を表す。ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度TPEUも同様である。
本発明の感熱接着剤組成物においては、TPE<TPEU、及び、WPE>WPEUとなるよう配合することで、初期タック性と加熱圧着時の接着剤変形を防ぐ効果の調整が容易であるため好ましい。
[エポキシ樹脂]
本発明の感熱接着剤組成物は、加熱後の接着力を高くできるため、エポキシ樹脂を含有し、当該エポキシ樹脂としては、数平均分子量が350〜3000の範囲内のものが使用される。より好ましくは500〜2000の範囲内にあるものが好適に使用される。分子量を上記下限以上とすることで、感熱接着剤層が加熱圧着時の接着剤変形がしにくくなり、上記上限以下とすることで、良好な相溶性を確保しやすく、該接着剤組成物の好適な貯蔵安定性とできる。
本発明の感熱接着剤組成物は、加熱後の接着力を高くできるため、エポキシ樹脂を含有し、当該エポキシ樹脂としては、数平均分子量が350〜3000の範囲内のものが使用される。より好ましくは500〜2000の範囲内にあるものが好適に使用される。分子量を上記下限以上とすることで、感熱接着剤層が加熱圧着時の接着剤変形がしにくくなり、上記上限以下とすることで、良好な相溶性を確保しやすく、該接着剤組成物の好適な貯蔵安定性とできる。
また、当該エポキシ樹脂の含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の10〜60質量%の範囲で使用される。特に、20〜50質量%であることが好ましい。含有量を上記下限以上とすると、接着力が低下しにくく、また上記上限以下とすることで、加熱圧着時の接着剤変形もしにくい。
エポキシ樹脂としては、接着性、耐熱性などの観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好適に使用できる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代表的なものとしてJER828,JER1001,JER1004,JER1007(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、エピクロン850,エピクロン1050,エピクロン1055,エピクロン4050(DIC株式会社製)などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてJER180(ジャパンエポキシレジン株式会社製),エピクロンN−665(DIC株式会社製),エポトートYDCN−701,エポトート−702(東都化成株式会社製)などのクレゾールノボラックエポキシ樹脂が挙げられる。
特に下記式(i)で表されるエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)であることが相溶性や接着性向上の面から好ましい。
[硬化剤]
本発明の感熱接着剤組成物は水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有するが、当該硬化剤としては、イソシアネート化合物、メラミン樹脂、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物などが上げられるが、特にイソシアネート化合物を好適に使用することが出来る。
本発明の感熱接着剤組成物は水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有するが、当該硬化剤としては、イソシアネート化合物、メラミン樹脂、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物などが上げられるが、特にイソシアネート化合物を好適に使用することが出来る。
本発明に用いられるイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できるが、安全性、耐黄変性の点から脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が好適に使用できる。
脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明に用いられるイソシアネート化合物は上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も含まれる。特にこれらのイソシアネート化合物の中で本発明に用いられるものとしては脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が適しており、この中でヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好意に用いることができる。
イソシアネート化合物の配合量は溶剤を除いた感熱接着剤組成物中の0.1〜10質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量部より少ない場合には、イソシアネート化合物の反応が少なく、接着剤の凝集力が低下する。また、10質量部よりも多い場合には接着剤が過剰に硬化するため、初期タック性が低下する。
[溶剤]
本発明の感熱接着剤組成物に使用される溶剤は特に限定されるものではないが、通常塗料または接着剤に用いられている酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルケチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
本発明の感熱接着剤組成物に使用される溶剤は特に限定されるものではないが、通常塗料または接着剤に用いられている酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルケチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
[添加剤]
本発明の感熱接着剤組成物は、上記成分の他に充填剤、軟化剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与樹脂、繊維類、可視用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料などの着色剤、充填剤などの添加剤を必要に応じて使用することが出来る。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤などを使用することが出来る。
本発明の感熱接着剤組成物は、上記成分の他に充填剤、軟化剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与樹脂、繊維類、可視用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料などの着色剤、充填剤などの添加剤を必要に応じて使用することが出来る。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤などを使用することが出来る。
[感熱接着シート]
本発明の感熱接着シートは、上記感熱接着剤組成物からなる接着剤層を有するものであり、当該接着剤層のゲル分率が10〜50%、好ましくは15〜40%の感熱接着シートである。ゲル分率を上記範囲上限以下とすることで加熱圧着時の樹脂の密着性が向上し、被着体と感熱接着シートの界面への気泡の残留を抑制し、十分な接着性を得ることができる。ここで言う接着性の例としては、携帯電話の筐体部材に必要な、感熱接着シートに接着された試験片について剛体の被着体同士を割裂方向に引き剥がした場合の接着強度や、前記試験片を落としたり硬いものをぶつけたりする耐衝撃性などがあげられる。また、感熱接着シートのゲル分率を上記範囲下限以上とすることで、加熱圧着時の樹脂の変形を抑えることができる。
本発明の感熱接着シートは、上記感熱接着剤組成物からなる接着剤層を有するものであり、当該接着剤層のゲル分率が10〜50%、好ましくは15〜40%の感熱接着シートである。ゲル分率を上記範囲上限以下とすることで加熱圧着時の樹脂の密着性が向上し、被着体と感熱接着シートの界面への気泡の残留を抑制し、十分な接着性を得ることができる。ここで言う接着性の例としては、携帯電話の筐体部材に必要な、感熱接着シートに接着された試験片について剛体の被着体同士を割裂方向に引き剥がした場合の接着強度や、前記試験片を落としたり硬いものをぶつけたりする耐衝撃性などがあげられる。また、感熱接着シートのゲル分率を上記範囲下限以上とすることで、加熱圧着時の樹脂の変形を抑えることができる。
当該ゲル分率は、感熱接着剤組成物を厚み10〜120μmの任意の厚みにシート化し、前記感熱接着剤組成物からなる感熱接着シートを4cm×5cm程度のサイズでトルエンを用いて溶解したのちに、前記感熱接着シートの溶解液を濾過し、得られた不溶解成分の重量と、溶解する前の感熱接着剤シートの重量との比率から算出できる。
また、粘着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルにおける140℃の弾性率G’と粘性率G’’の比率tanδが0.5〜1.5であることが好ましい。より好ましくはtanδが0.6〜1.0である。200℃の温度に加熱されたプレス板にて厚み0.3〜0.5の金属材料および樹脂材料に挟み込まれた感熱接着シートを数秒間加熱圧着した場合に、感熱接着シートに使用される感熱接着剤組成物の140℃前後の温度に加熱されることから、前期温度におけるtanδが前記範囲にあることで、感熱接着シートを用いて剛体の被着体同士を接着固定する場合に、加熱圧着時の被着体への密着性向上と、樹脂の変形の抑制を高度に両立できる。
本発明の感熱接着シートは、上記感熱接着剤組成物から形成される接着剤層のみからなる基材を有さない接着シートであっても、基材表面の少なくとも一方に上記感熱接着剤組成物から形成される接着剤層が積層された接着シートであってもよい。基材を有さない接着シートは、シートの薄型化に適しているため好ましく使用できる。一方、基材を有する接着シートは、シートのコシや厚みの調整を容易に行うことができる。剛体同士の接合においては、特に基材を有さない感熱接着シートを好ましく使用できる。
基材を有する感熱接着シートの場合には、基材の一面に接着剤層を有する片面接着シートであっても、基材の両面に接着剤層を有する両面接着シートであっても良い。いずれの場合においても、基材に積層する接着剤層は、基材表面の全面に積層しても良いし、一部でも良い。
基材を有する感熱接着シートに使用する基材としては、不織布、金属箔、フィルム基材などを適用できる。好ましくは、各種フィルム基材を使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。
また、フィルム基材には、接着剤層との密着性を向上させる目的で、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面処理を施すことができる。
また、基材には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。カチオン系としてアルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン誘導体等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物などを使用することができる。またその他にリチウムイオンなどの金属イオンを混合するイオン伝導型の帯電防止剤も用いることができる。
また、遮光性および光反射性を有する基材を使用しても良い。基材に遮光性を付与するとする場合には、遮光層を、例えば、黒色のインキの塗付により形成することができる。インキ層を黒色にするには、公知慣用の顔料や染料を含有させれば良い。中でもカーボンブラックが特に好ましい。またインキのビヒクルはハロゲンフリータイプであることが好ましい。光反射性を有する基材とする場合には、光反射性の層の基材フィルム上への積層や、基材フィルム自体を光反射性のフィルムとすることにより形成できる。例えば、上記基材フィルムに白色顔料や銀色顔料を分散させて白色樹脂フィルムや銀色樹脂フィルムとしても良いし、白色インキや銀色インキを上記フィルムにコートして印刷フィルムとしても良いし、金属蒸着層を設けて蒸着フィルムとしても良い。コスト・入手しやすさから白色樹脂フィルムが好ましく用いられる。
本発明の感熱接着シートは、厚さが5〜150μm、好ましくは20〜120μm、より好ましくは30〜100μmである。当該範囲の感熱接着シートを使用することで、接着力を低下させること無く、加熱圧着時の接着剤変形を少なくすることが容易になる。
本発明の感熱接着シートは、一般的に使用されている方法で作成できる。例えば、フィルム基材または離型シート上に接着剤層を形成して製造することができる。具体的には、接着剤の組成物を基材フィルムに直接塗布し乾燥または硬化・重合するか、或いは、いったん離型シート上に塗布し、乾燥し、接着剤層を形成後、同様にして離型シート上に作成した接着剤層又は基材フィルムに貼り合わせる方法などにより製造できる。
本発明の感熱接着シートは剛体の被着体同士の接着固定用途に特に適しており、接着固定する被着体の材質としては、特に制限無く用いることができる。例えば、樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ABSなどを用いることができる。また、樹脂中に各種添加剤、ビーズ、フレーク、不織布、フィルムなどを混入させることができる。耐熱性確保のため、ガラスフレークを樹脂中に混入させた材料は耐熱性の観点から好適に使用することが出来る。また、金属材料としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム含有合金、アルミニウム含有合金などが使用できる。本発明の感熱接着シートによれば、被着体が同種の材料同士の接着であっても、異種の材料の接着であっても好適に接着固定できる。
本発明の感熱接着シートを使用して被着体を接着固定する際には、各種小型電子端末等の筐体や部品として成型された状態の被着体同士を、感熱接着シートを介して貼り合わせ、感熱接着シートに熱を加えることで好適に接着が可能となる。また、被着体の少なくとも一方が樹脂材料からなる被着体である場合には、当該樹脂材料からなる被着体と接着固定する他方の被着体の接合部位に感熱接着シートを設けた後、当該感熱接着シート上に溶融した樹脂材料を流し込み、樹脂材料からなる被着体の成型と被着体同士の接着とを同時に行うことで、被着体同士を接着固定することも好ましい。
本発明の感熱接着シートは剛体の被着体同士の接着固定用途で、割裂方向の引き剥がしたときの接着強度や、耐衝撃性などについての高い接着信頼性が求められる箇所に利用することができる。特に、携帯電話や携帯情報端末、小型家電製品などの筐体部材固定用や、各種精密部品固定用として好適に利用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1〜6、比較例1〜5の感熱接着シートを以下の方法で作成した。
ポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、レベリング剤を表1に記載の配合比(表1中の配合量の数値は固形分換算した質量部を表す)にて混合し、メチルエチルケトンとトルエンが質量比で1:1である混合溶剤をもちいて、組成物中の固形分量が35%となるように組成物を調製した。この組成物に、表1に記載の配合量にて、イソシアネート化合物を添加し10分攪拌した後、1時間放置し泡抜けさせた。このように作成された感熱接着剤組成物を棒状の金属アプリケータを用いて、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ75μmのPETフィルムの剥離処理面上に乾燥後の厚さが80μmになるように塗工し、100℃の乾燥機に5分間投入し乾燥した後、シリコーン化合物で片面を剥離処理した38μmのPETフィルムを貼り合わせた。その後、40℃で3日間放置し、厚さ80μmの感熱接着シートを得た。
上記にて得られた感熱接着シートにつき、以下の評価方法に基づいて初期タック性、加熱圧着時の接着剤変形、割裂方向の接着強度、耐衝撃性について評価した。得られた結果を表1に示す。
〔初期タック性〕
23℃で2枚の接着シートの接着シート層同士を対向させて貼り合わせたときのタック性を次の基準にしたがって評価した。
23℃で2枚の接着シートの接着シート層同士を対向させて貼り合わせたときのタック性を次の基準にしたがって評価した。
◎:全域に渡って接着層同士が接着しており、接着層同士が剥がれない。
○:部分的に接着層同士が接着しており、接着層同士が剥がれにくい。
×:接着シート同士が容易に剥がれる。
○:部分的に接着層同士が接着しており、接着層同士が剥がれにくい。
×:接着シート同士が容易に剥がれる。
〔加熱圧着時の接着剤変形評価〕
厚さ2mm、幅25mm、長さ約5cmのSUS板を用意し、幅25mm、長さ10mmとした接着シートを、SUS板端部から10mmの隙間を空けて幅を合わせて重ね合せ仮接着したのち、厚さ2mm、幅25mm長さ約5cmのポリカーボネート板を、ポリカーボネート板の端部10cm〜20mmの箇所にSUS板と貼り合せた接着シートがくるように幅を合わせて、またSUS板と互い違いになるようにし、SUS板/接着シート/ポリカーボネート板の構成となるように重ね合せた。この試験片に感熱接着シートに1.5MPaの圧力が均一に掛かるようにしてプレス板表面を210℃にした加熱圧着機を用いて5秒間加熱圧着した。このようにように作成されたSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の積層体について、感熱接着シートの長さ方向の変形度合いを次の基準で評価した。
○:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して2mm未満。
×:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して2mm以上。
厚さ2mm、幅25mm、長さ約5cmのSUS板を用意し、幅25mm、長さ10mmとした接着シートを、SUS板端部から10mmの隙間を空けて幅を合わせて重ね合せ仮接着したのち、厚さ2mm、幅25mm長さ約5cmのポリカーボネート板を、ポリカーボネート板の端部10cm〜20mmの箇所にSUS板と貼り合せた接着シートがくるように幅を合わせて、またSUS板と互い違いになるようにし、SUS板/接着シート/ポリカーボネート板の構成となるように重ね合せた。この試験片に感熱接着シートに1.5MPaの圧力が均一に掛かるようにしてプレス板表面を210℃にした加熱圧着機を用いて5秒間加熱圧着した。このようにように作成されたSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の積層体について、感熱接着シートの長さ方向の変形度合いを次の基準で評価した。
○:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して2mm未満。
×:加熱圧着後の幅が、加熱圧着前と比較して2mm以上。
〔割裂方向の接着強度〕
厚さ2mm、幅25mmm、長さ約5cmのSUS板を用意し、幅25mm、長さ10mmとした接着シートを、SUS板端部から10mmの隙間を空けて幅を合わせて重ね合せ仮接着したのち、厚さ2mm、幅25mm、長さ約5cmのポリカーボネート板を、ポリカーボネート板の端部10cm〜20mmの箇所にSUS板と貼り合せた接着シートがくるように幅を合わせて、またSUS板と互い違いになるようにし、SUS板/接着シート/ポリカーボネート板の構成となるように重ね合せた。この試験片に感熱接着シートに1.5MPaの圧力が均一に掛かるようにしてプレス板表面を210℃にした加熱圧着機を用いて5秒間加熱圧着した。このようにように作成されたSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の積層体について、SUS板をしっかりと固定し、SUS板末端の直上のポリカーボネート板をSUS板に対して垂直方向に50mm/分の速さで引っ張り上げ、そのときの引張り強度の最大値を測定値とした。
厚さ2mm、幅25mmm、長さ約5cmのSUS板を用意し、幅25mm、長さ10mmとした接着シートを、SUS板端部から10mmの隙間を空けて幅を合わせて重ね合せ仮接着したのち、厚さ2mm、幅25mm、長さ約5cmのポリカーボネート板を、ポリカーボネート板の端部10cm〜20mmの箇所にSUS板と貼り合せた接着シートがくるように幅を合わせて、またSUS板と互い違いになるようにし、SUS板/接着シート/ポリカーボネート板の構成となるように重ね合せた。この試験片に感熱接着シートに1.5MPaの圧力が均一に掛かるようにしてプレス板表面を210℃にした加熱圧着機を用いて5秒間加熱圧着した。このようにように作成されたSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の積層体について、SUS板をしっかりと固定し、SUS板末端の直上のポリカーボネート板をSUS板に対して垂直方向に50mm/分の速さで引っ張り上げ、そのときの引張り強度の最大値を測定値とした。
〔耐衝撃性〕
厚さ2mm、幅25mm、長さ10cmのポリカーボネート板を用意し、その中心から1.5mmは離れた箇所に幅25mm、長さ5mmの接着シート2枚を前記ポリカーボネート板に幅を合わせて重ね合せ、接着シート同士の間隔が3cmで平行になるように仮固定した。厚さ0.3mmで1つの辺の長さが5cmの正方形のSUS板を用意し、接着シート2枚が仮固定された前記ポリカーボネート板にSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の構成となるように、またSUS板に対してポリカーボネート板の辺同士水平になり中心を通るように重ね合せた。この試験片に感熱接着シートに1.5MPaの圧力が均一に掛かるようにしてプレス板表面を210℃にした加熱圧着機を用いて5秒間加熱圧着した。
厚さ2mm、幅25mm、長さ10cmのポリカーボネート板を用意し、その中心から1.5mmは離れた箇所に幅25mm、長さ5mmの接着シート2枚を前記ポリカーボネート板に幅を合わせて重ね合せ、接着シート同士の間隔が3cmで平行になるように仮固定した。厚さ0.3mmで1つの辺の長さが5cmの正方形のSUS板を用意し、接着シート2枚が仮固定された前記ポリカーボネート板にSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の構成となるように、またSUS板に対してポリカーボネート板の辺同士水平になり中心を通るように重ね合せた。この試験片に感熱接着シートに1.5MPaの圧力が均一に掛かるようにしてプレス板表面を210℃にした加熱圧着機を用いて5秒間加熱圧着した。
このようにように作成されたSUS板/接着シート/ポリカーボネート板の積層体を、内径80mmの筒の上にSUS板を下向きにし、SUS板が筒に接触しないように設置した。300グラムの金属製の撃芯を前記積層体の中心をポリカーボネート板側から垂直になるように落下させ、積層体中の感熱接着シートが剥離し破壊されていないかを確認した。この際、金属製撃芯の高さは5cmの高さから5回落下させ、剥離が生じていなければ10cmとして同様の試験を行い、それで剥離しなければ15cmの高さ、というように5cmずつ落下高さを上昇させた。剥離が発生した落下高さを測定値とした。
表1における記号は、下記の原料を表す。
[ポリエステル]
PE1:東洋紡績株式会社製「バイロンBX10SS」(Mn=21,000、Tg=−18℃)
PE2:ユニチカ株式会社製「UE−3400」(Mn=25,000、Tg=−20℃)
PE3:ユニチカ株式会社製「UE−3410」(Mn=23,000、Tg=−32℃)
[ポリエステルウレタン]
PEU1:東洋紡績株式会社製「バイロンUR1350」(Mn=36,000、Tg=43℃)
PEU2:東洋紡績株式会社製「バイロンUR3210」(Mn=40,000、Tg=−3℃)
PEU3:東洋紡績株式会社製「バイロンUR8700」(Mn=32,000、Tg=−22℃)
[エポキシ樹脂]
EP1:DIC株式会社製「エピクロン1055」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、Mn=900)
EP2:ジャパンエポキシレジン株式会社製「JER1004」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、Mn=1650)
[イソシアネート化合物]
HMDI:DIC株式会社製「バーノックDN980」(ヘキサメチレンジイソシアネート型)
[ポリエステル]
PE1:東洋紡績株式会社製「バイロンBX10SS」(Mn=21,000、Tg=−18℃)
PE2:ユニチカ株式会社製「UE−3400」(Mn=25,000、Tg=−20℃)
PE3:ユニチカ株式会社製「UE−3410」(Mn=23,000、Tg=−32℃)
[ポリエステルウレタン]
PEU1:東洋紡績株式会社製「バイロンUR1350」(Mn=36,000、Tg=43℃)
PEU2:東洋紡績株式会社製「バイロンUR3210」(Mn=40,000、Tg=−3℃)
PEU3:東洋紡績株式会社製「バイロンUR8700」(Mn=32,000、Tg=−22℃)
[エポキシ樹脂]
EP1:DIC株式会社製「エピクロン1055」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、Mn=900)
EP2:ジャパンエポキシレジン株式会社製「JER1004」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、Mn=1650)
[イソシアネート化合物]
HMDI:DIC株式会社製「バーノックDN980」(ヘキサメチレンジイソシアネート型)
表1より、実施例1〜6の本発明の感熱接着シートは、初期タック性を有し、加熱圧着時の変形が少ないだけでなく、割裂方向の接着強度および耐衝撃性が高く、高い接着信頼性を有するものであった。一方、ゲル分率の高い比較例1〜3の感熱接着シートは、初期タック性を有し、接着剤の変形は生じないものの、割裂方向への接着強度や耐衝撃性が大きく劣るものであった。また、ゲル分率の低い比較例4〜5の感熱接着シートは、感熱接着シートに大きく変形が生じ、耐衝撃性も充分でなかった。
Claims (6)
- ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物からなる接着剤層を有し、前記接着剤層のゲル分率が10〜50%であることを特徴とする感熱接着シート。
- 前記エポキシ樹脂の分子量が350〜3000であり、前記感熱接着剤組成物中のエポキシ樹脂の含有量が10〜60質量%である請求項1に記載の感熱接着シート。
- 前記感熱接着剤組成物に含まれるポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記感熱接着剤組成物に含まれるポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、前記感熱接着剤組成物中に含まれるポリエステルの質量和がWPE、前記感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、
−50<[(WPETPE+WPEUTPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
である請求項1〜3のいずれかに記載の感熱接着シート。 - 前記ポリエステルの数平均分子量が8000〜30,000であり、前記ポリエステルウレタンの数平均分子量が15,000〜100,000である請求項1〜4のいずれかに記載の感熱接着シート。
- 感熱接着剤組成物中の前記ポリエステルの含有量が35〜80質量%であり、ポリエステルウレタンの含有量が5〜40質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の感熱接着シート。
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