JP2001049222A - 硬化型粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シート - Google Patents

硬化型粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シート

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JP2001049222A
JP2001049222A JP11222795A JP22279599A JP2001049222A JP 2001049222 A JP2001049222 A JP 2001049222A JP 11222795 A JP11222795 A JP 11222795A JP 22279599 A JP22279599 A JP 22279599A JP 2001049222 A JP2001049222 A JP 2001049222A
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JP
Japan
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curable adhesive
adhesive composition
adhesive sheet
curable
cationically polymerizable
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JP11222795A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化前は滲み出しによる周囲の汚染や切断加
工時の支障が殆どなく、常温において優れた粘着性や初
期粘着力を有し、且つ、被着体の貼り合わせ前もしくは
貼り合わせ後に光を照射することにより、加熱を要する
ことなく速やかに硬化し、硬化後は優れた接着強度や耐
衝撃性を発現する硬化型粘接着剤組成物、及び、その粘
接着剤組成物を用いた硬化型粘接着シートを提供する。 【解決手段】 ポリエステル系ポリマー100重量部に
対し、カチオン重合性化合物5〜150重量部、ポリエ
ーテルポリオール0〜50重量部、ポリイソシアネート
化合物及び光カチオン重合開始剤が添加されて成り、且
つ、上記ポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化合
物及びポリエーテルポリオール中の合計水酸基(OH)
とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(N
CO)との当量比(NCO/OH)が0.3〜1である
ことを特徴とする硬化型粘接着剤組成物、及び、支持体
の少なくとも片面に上記硬化型粘接着剤組成物が積層さ
れて成ることを特徴とする硬化型粘接着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化型粘接着剤
組成物及びそれを用いた光硬化型粘接着シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】硬化型粘接着シート(含む硬化型粘接着
テープ)は、通常の粘着テープのように常温で貼り合わ
せが出来て、接着後に何らかの方法で硬化(後硬化)さ
せることにより接着剤化し、優れた接着性能を発現する
接着材料である。この硬化型粘接着シートは、通常の液
状接着剤のように接着前に被着体に塗布する必要がな
く、又、貼り直しが出来るので位置決めが容易である等
の利点を有しており、作業性や使い勝手に優れる。
【0003】このような硬化型粘接着シート用の硬化型
粘接着剤組成物として、例えば、特開平7−13855
0号公報では、「常温で液状のエポキシ樹脂、これに相
溶する常温で固形の熱可塑性樹脂、平均粒子径3μm以
下の架橋ゴム粒子及びエポキシ樹脂用潜在性硬化剤から
成るエポキシ樹脂系粘接着剤組成物」が開示されてい
る。
【0004】しかし、上記エポキシ樹脂系粘接着剤組成
物も含め通常の硬化型粘接着剤組成物は、一般的に低分
子量の硬化性樹脂を含有しているため、シート化した時
に、この低分子量成分が経時的に又は圧着時の圧力によ
りシートの切断面から滲み出して周囲を汚染するという
問題点がある。
【0005】この問題点に対応するため、硬化性樹脂の
分子量や粘度を高めて流動性を低下させると、滲み出し
に起因する問題点は低減されるものの、被着体表面への
濡れ性が低下して、密着性や接着力が乏しくなるという
別の問題点が発生する。
【0006】又、低分子量成分を含有する硬化型粘接着
シートは、粘接着剤層が低分子量成分により可塑化され
るため、スリットや打ち抜き加工のような切断加工時に
刃物に粘接着剤層が付着して、シートの品質が低下した
り、切断加工作業に支障を来す等の問題点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、硬化前は滲み出しによる周囲の汚染や切
断加工時の支障が殆どなく、常温において優れた粘着性
や初期粘着力を有し、且つ、被着体の貼り合わせ前もし
くは貼り合わせ後に光を照射することにより、加熱を要
することなく速やかに硬化し、硬化後は優れた接着強度
や耐衝撃性を発現する硬化型粘接着剤組成物、及び、そ
の粘接着剤組成物を用いた硬化型粘接着シートを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よる硬化型粘接着剤組成物は、ポリエステル系ポリマー
100重量部に対し、カチオン重合性化合物5〜150
重量部、ポリエーテルポリオール0〜50重量部、ポリ
イソシアネート化合物及び光カチオン重合開始剤が添加
されて成り、且つ、上記ポリエステル系ポリマー、カチ
オン重合性化合物及びポリエーテルポリオール中の合計
水酸基(OH)とポリイソシアネート化合物中のイソシ
アネート基(NCO)との当量比(NCO/OH)が
0.3〜1であることを特徴とする。
【0009】又、請求項2に記載の発明による硬化型粘
接着シートは、支持体の少なくとも片面に上記請求項1
に記載の硬化型粘接着剤組成物が積層されて成ることを
特徴とする。
【0010】以下、本明細書中において「硬化型粘接着
剤組成物」、「硬化型粘接着シート」をそれぞれ単に
「粘接着剤組成物」、「粘接着シート」と略記する。
【0011】本発明で用いられるポリエステル系ポリマ
ーとは、一般的にジオールとジカルボン酸との縮合重合
によって生成するポリマーの総称であり、ジオールとジ
カルボン酸との種類や組合せを変えることにより種々の
特性を有するポリマーが得られる。
【0012】ポリエステル系ポリマーの具体例として
は、例えば、東洋紡績社製の商品名「バイロン」シリー
ズや「バイロナール」シリーズ、ユニチカ社製の商品名
「エリーテル」シリーズ、大日本インキ化学工業社製の
商品名「スピノドール」シリーズ、武田薬品工業社製の
商品名「タケラック」シリーズ、クラレ社製の商品名
「クラボール」シリーズ等が挙げられる。上記ポリエス
テル系ポリマーは、単独で用いられても良いし、2種類
以上が併用されても良い。
【0013】ポリエステル系ポリマーは、分子内にエス
テル基を有し分子末端に水酸基やカルボキシル基を有す
るので極性が高く、例えばPVCやPET、PEN、A
BS、ポリカーボネート、金属等の高極性材料に対する
接着性に優れる。
【0014】上記ポリエステル系ポリマーのガラス転移
温度(Tg)は、接着温度によっても選択の幅があり、
特に限定されるものではないが、一般的には100℃以
下が好ましく、より好ましくは50℃以下である。Tg
が100℃を超えると、ポリエステル系ポリマーが硬質
化して、粘接着剤組成物の粘着性が低下したり、高温で
接着する必要が生じて作業性が低下することがある。
【0015】本発明で用いられるカチオン重合性化合物
とは、カチオン重合により高分子量化して粘接着剤組成
物を硬化させ得る化合物であり、例えば、分子内にエポ
キシ基、脂環式エポキシ基、ビニルエーテル基、水酸
基、エチレンイミン基、エピスルフィド基等を有する化
合物が挙げられる。上記カチオン重合性化合物は、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0016】上記カチオン重合性化合物のうち、カチオ
ン重合性に優れるエポキシ基や脂環式エポキシ基を有す
るエポキシ系化合物あるいはビニルエーテル基を有する
ビニルエーテル系化合物が好適に用いられ、なかでも硬
化物の弾性率が高いためより優れた接着力や耐熱性を発
揮し得るエポキシ系化合物が特に好適に用いられる。
【0017】上記エポキシ系化合物は、例えば油化シェ
ルエポキシ社、旭電化工業社、ダイセル化学工業社等か
らエポキシ樹脂として市販されており、又、上記ビニル
エーテル系化合物は、例えば商品名「ラピキュア」シリ
ーズとしてISP社から市販されている。
【0018】これらのカチオン重合性化合物は、後述す
る光カチオン重合開始剤によりカチオン重合し、高度な
架橋構造を構築するので、粘接着剤組成物の硬化物の弾
性率を高め、接着力や耐熱性を著しく向上させる機能を
発揮する。
【0019】上記カチオン重合性化合物は、特に限定さ
れるものではないが、数平均分子量が5000以下の常
温で液状であることが好ましく、より好ましくは300
0以下である。カチオン重合性化合物の数平均分子量が
5000を超えると、前記ポリエステル系ポリマーとの
相溶性が低下して粘接着剤組成物が相分離を起こした
り、被着体表面への濡れ性が低下して密着性や接着力が
低下することがある。
【0020】本発明においては、前記ポリエステル系ポ
リマー100重量部に対し、上記カチオン重合性化合物
5〜150重量部が添加されていることが必要である。
ポリエステル系ポリマー100重量部に対するカチオン
重合性化合物の添加量が5重量部未満であると、硬化物
の凝集力が十分に向上しないため、接着力や耐熱性が不
十分となり、逆に150重量部を超えると、硬化物の弾
性率が高くなり過ぎて、耐衝撃性が低下したり、低温時
に脆くなる。
【0021】本発明で用いられるポリエーテルポリオー
ルとは、分子中に2個以上の水酸基を有するポリエーテ
ル化合物であり、例えば、旭電化工業社製の商品名「ポ
リエーテル」シリーズ等が挙げられる。
【0022】これらのポリエーテルポリオールは、耐加
水分解性や可撓性に優れると共に、分子中に水酸基を有
しているので適度な極性があり、前記ポリエステル系ポ
リマーとの相溶性が良好である。
【0023】上記ポリエーテルポリオールは、特に限定
されるものではないが、数平均分子量が10000以下
であることが好ましく、より好ましくは7000以下で
ある。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100
00を超えると、前記ポリエステル系ポリマーとの相溶
性が低下して相分離を起こすことがある。相分離が著し
いとポリエーテルポリオールが接着界面にブリードして
接着力が低下したり、架橋構造が不均一になり接着力や
耐熱性のばらつきが大きくなることがある。
【0024】本発明においては、前記ポリエステル系ポ
リマー100重量部に対し、上記ポリエーテルポリオー
ル0〜50重量部が添加される。ポリエステル系ポリマ
ー100重量部に対するポリエーテルポリオールの添加
量が50重量部を超えると、後述するポリイソシアネー
ト化合物との反応により高分子量化し過ぎて、粘着性が
低下したり、生成するウレタン結合により後述する光カ
チオン重合開始剤の発生する活性カチオンが捕捉され、
カチオン重合反応が阻害されて、硬化物のゲル分率が十
分に高くならず接着力や耐熱性が不十分となることがあ
る。
【0025】本発明で用いられるポリイソシアネート化
合物とは、一般的にイソシアネート系架橋剤として用い
られている、分子中に2個以上のイソシアネート基を有
する化合物であり、例えば、日本ポリウレタン工業社製
の商品名「コロネート」シリーズ、武田薬品工業社製の
商品名「タケネート」シリーズ、住友バイエルウレタン
社製の商品名「デスモジュール」シリーズ等が市販され
ている。
【0026】上記ポリイソシアネート化合物は、前記ポ
リエステル系ポリマー、カチオン重合性化合物及びポリ
エーテルポリオール中に含有される水酸基と付加反応し
て、これらが含有している低分子量成分を捕捉すると共
に、ポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化合物及
びポリエーテルポリオールを部分的に高分子量化する機
能を発揮する。
【0027】その結果、低分子量成分に起因する前記滲
み出しによる周囲汚染や粘接着シートの品質低下、切断
加工時の支障発生等の諸問題が解消されると共に、分子
の絡み合いや生成するウレタン結合の極性に基づく水素
結合により粘接着剤組成物及びその硬化物の凝集力が向
上し、接着力や耐熱性もより向上するという効果を得る
ことが出来る。
【0028】本発明においては、前記ポリエステル系ポ
リマー、カチオン重合性化合物及びポリエーテルポリオ
ール中の合計水酸基(OH)と上記ポリイソシアネート
化合物中のイソシアネート基(NCO)との当量比(N
CO/OH)が0.3〜1であることが必要である。
【0029】上記NCO/OHが0.3未満であると、
ポリイソシアネート化合物を添加することによる上記効
果を十分に得られないことがあり、逆に上記NCO/O
Hが1を超えると、未反応の残存イソシアネート基が空
気中の水分と反応して硬質の尿素結合を形成するため、
粘接着剤組成物が硬くなり、粘着性や初期粘着力が乏し
くなることがある。
【0030】本発明で用いられる光カチオン重合開始剤
とは、光を照射することにより活性化され、光カチオン
重合開始物質を発生して、比較的低エネルギーで前記カ
チオン重合性化合物を光カチオン重合させ得るものであ
れば良く、例えば、イオン性光酸発生型の光カチオン重
合開始剤であっても良いし、非イオン性光酸発生型の光
カチオン重合開始剤であっても良い。
【0031】イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始
剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハ
ロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類
や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノ
ール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げら
れる。
【0032】上記イオン性光酸発生型の光カチオン重合
開始剤の具体例としては、例えば、旭電化工業社製の商
品名「オプトマーSP−150」や「オプトマーSP−
170」、ゼネラルエレクトロニクス社製の商品名「U
VE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1
012」等の市販品が挙げられる。
【0033】又、非イオン性光酸発生型の光カチオン重
合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、
スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン
酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミ
ドスルホナート等が挙げられる。
【0034】上記光カチオン重合開始剤は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。2種
類以上の光カチオン重合開始剤を併用する場合、有効活
性波長の異なる2種類以上の光カチオン重合開始剤を用
いて、多段階硬化をさせても良い。又、例えばベンゾフ
ェノンや9,10−アントラキノン等の光増感剤の1種
もしくは2種以上が併用されても良い。
【0035】上記光カチオン重合開始剤の添加量は、特
に限定されるものではなく、前記カチオン重合性化合物
の反応性や分子量あるいは粘接着剤組成物に付与したい
粘弾性等に応じて適宜設定されれば良い。
【0036】又、本発明においては、光重合開始剤とし
て、上記光カチオン重合開始剤と共に、例えば光ラジカ
ル重合開始剤や光アニオン重合開始剤のような他の光重
合開始剤の1種もしくは2種以上が併用されても良い。
この場合、必ずしも、光ラジカル重合開始剤や光アニオ
ン重合開始剤を活性化する光の波長は、光カチオン重合
開始剤を活性化する光の波長と同等である必要はない。
【0037】上記光カチオン重合開始剤を活性化するた
めの光としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、
X線、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられるが、な
かでも安全性が高くコスト的にも有利な紫外線以上の波
長の光が好適に用いられ、特に好適に用いられるのは取
扱いが容易で簡便であり且つエネルギー量も高い波長2
00〜400nmの紫外線である。
【0038】上記紫外線を発生する光源としては、例え
ば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、ケミカルランプ、キセノンランプ等が挙げられる。
【0039】光カチオン重合開始剤は、上記光を照射さ
れることにより活性カチオンを発生し、前記カチオン重
合性化合物をカチオン重合反応により硬化させる。カチ
オン重合反応は、ラジカル重合反応に見られるような酸
素による重合阻害がなく、一旦発生した活性カチオンは
光遮断後も連鎖的に重合反応を継続させるので、重合反
応速度を制御することにより、光照射後も粘着性を保持
し得る半硬化状態の粘接着剤組成物もしくは粘接着シー
トとすることも出来る。
【0040】この場合、粘着性が保持されている間に被
着体に貼着させることが可能であり、貼着された半硬化
状態の粘接着剤組成物もしくは粘接着シートは経時的に
重合硬化が進行し、最終的には接着剤のような強固な接
着力や耐熱性を発現する。
【0041】従って、光を透過しない不透明な材料の接
着も可能であり、又、加熱を必要とせず常温で重合反応
が進行するため、耐熱性の弱い材料の接着も可能であ
る。
【0042】本発明の粘接着剤組成物には、本発明の課
題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、必須成分であ
るポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化合物、ポ
リエーテルポリオール、ポリイソシアネート化合物及び
光カチオン重合開始剤以外に、粘着性付与剤、充填剤、
増量剤、揺変剤、軟化剤、可塑剤、安定剤、酸化防止
剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、
有機溶剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加
されていても良い。
【0043】本発明の粘接着剤組成物の製造方法は、特
別なものではなく、ホモディスパー、ホモミキサー、万
能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本
ロール等の混合機を用いて、常温又は加温下で、必須成
分であるポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化合
物、ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート化合
物及び光カチオン重合開始剤の各所定量と、必要に応じ
て添加する上記各種添加剤の1種もしくは2種以上の各
所定量とを、均一に混合することにより、所望の粘接着
剤組成物を得ることが出来る。
【0044】こうして得られた粘接着剤組成物は、可及
的速やかに塗工されることが好ましい。時間が経過する
と、粘接着剤組成物中の水酸基とイソシアネート基との
反応が進行し、粘度上昇や反応生成物の析出が生じるこ
とがある。
【0045】本発明の粘接着剤組成物は、そのままの形
態で被着体の片面もしくは両面に塗工し、被着体の貼り
合わせ前もしくは貼り合わせ後に光を照射して、光カチ
オン重合させ、硬化せしめても良いが、被着体に対する
影響を少なくし、より良好な取扱い作業性や簡便性を得
るためには、予め支持体の少なくとも片面に粘接着剤組
成物を積層してシート状に加工した粘接着シートの形態
で使用することが好ましい。尚、ここで言う支持体と
は、例えばセロハンやクラフト紙のような通常の粘着テ
ープの基材として一般的に用いられている支持体のみな
らず、通常セパレーターとして用いられている離型フィ
ルムや離型紙等も包含する。
【0046】本発明の粘接着シートは、片面粘接着シー
トであっても良いし、両面粘接着シートであっても良
く、又、サポート型の粘接着シートであっても良いし、
ノンサポート型の粘接着シートであっても良い。粘接着
剤組成物を支持体の非離型面に塗工すればサポート型の
粘接着シートとなり、粘接着剤組成物を支持体の離型面
に塗工すればノンサポート型の粘接着シートとなる。
【0047】上記粘接着シートの製造方法は、特別なも
のではなく、例えば、シート状の支持体面に、ロールコ
ート法、グラビアコート法、キャスティングコート法、
カレンダーコート法、押出コート法等の各種塗工方法で
粘接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥工程や冷却
工程を経て粘接着シートを得る直接塗工方式や、離型フ
ィルムもしくは離型紙の離型面に上記各種塗工方法で粘
接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥工程や冷却工
程を経た後、支持体面にラミネートして粘接着シートを
得る転写方式により、所望の粘接着シートを得ることが
出来る。
【0048】上記支持体としては、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムのようなプラスチ
ックフィルム、金属箔、紙、布、不織布等のシート状の
各種材料が挙げられ、これらを単独もしくは複合して任
意に用いることが出来る。これらの支持体には、必要に
応じて、離型処理、コロナ処理のような表面酸化処理や
プライマー塗工等の易接着処理、エンボス加工やマット
加工のような賦型処理、摩擦加工、印刷や蒸着、ラミネ
ート等の積層処理等の表面処理を施すことにより、様々
な特性を有する粘接着シートを得ることが可能となる。
例えば、シリコーン系や非シリコーン系の離型剤で離型
処理を施されたプラスチックフィルムで粘接着剤組成物
面を保護することにより、切断や打ち抜き等の形状加工
性に優れる粘接着シートを得ることが出来る。
【0049】本発明の粘接着シートの厚みは、特に限定
されるものではないが、一般的には10μm〜1mmで
あることが好ましい。粘接着シートの厚みが10μm未
満であると、接着力が不十分となることがあり、逆に1
mmを超えると、硬化に長時間を要するようになり生産
性が低下することがある。
【0050】本発明の粘接着シートを用いる接着方法は
ロールラミネート、プレス、指圧等による圧着により行
われる。本発明の粘接着剤組成物及び粘接着シートは、
常温で優れた粘着性や初期粘着力を有するので、上記圧
着方法により容易に接着することが出来る。
【0051】本発明の粘接着剤組成物及び粘接着シート
は、組成物中の水酸基とイソシアネート基との当量比
(NCO/OH)が特定の範囲となるように添加されて
いるポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と
水酸基との反応により、組成物中の低分子量成分が捕捉
されると共に、部分的に高分子量化するように成されて
いるので、低分子量成分に起因する滲み出しによる周囲
汚染や粘接着シートの品質低下、切断加工時の支障発生
等の諸問題は殆ど起こらない。
【0052】又、ポリエステル系ポリマー、カチオン重
合性化合物及びポリエーテルポリオールの各特定量と光
カチオン重合開始剤を含有して成るので、常温において
優れた粘着性や初期粘着力を有すると共に、光照射によ
る硬化後は優れた接着強度や耐衝撃性を発現する。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0054】(実施例1)
【0055】(1)硬化型粘接着剤組成物の調製 ポリエステル系ポリマー(商品名「バイロン550」、
水酸基含有量:5mgKOH/g、Tg:−15℃、東
洋紡社製)100部、カチオン重合性化合物として液状
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート
#828」、エポキシ当量:190g−resin/m
ol、油化シェルエポキシ社製)30部、NCO/OH
(当量比)が0.6となる量のポリイソシアネート化合
物(商品名「タケネートD110N」、ヘキサメチレン
ジイソシアネート系、イソシアネート基含有量:11.
5%、武田薬品工業社製)及び光カチオン重合開始剤と
して芳香族スルホニウム塩(商品名「オプトマーSP1
70」、旭電化工業社製)2部を固形分が30%となる
ようにメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、均一に
攪拌混合して硬化型粘接着剤組成物を調製した。ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて
ポリスチレン換算法で測定した上記硬化型粘接着剤組成
物の数平均分子量(塗工前)は23000であった。
【0056】(2)硬化型粘接着シートの作製 セパレーター(支持体)として片面がシリコーン離型処
理された厚み50μmのPETフィルムを使用し、ロー
ルコーターを用いて、PETフィルムの離型処理面に上
記で得られた硬化型粘接着剤組成物を乾燥後の塗工厚み
が50μmとなるように塗工し、110℃のギアオーブ
ンで10分間乾燥して、硬化型粘接着シートを作製し
た。得られた硬化型粘接着シートをジメチルホルムアミ
ド(DMF)に溶解し、上記と同様の方法で数平均分子
量(塗工後)を測定したところ56000であった。
【0057】(3)評価 得られた硬化型粘接着シートの性能(切断加工性、
剥離接着力)を以下の方法で評価した。その結果は表1
に示した。尚、評価は23℃−65%RHの雰囲気下で
行った。
【0058】切断加工性:カッターを用いて、硬化型
粘接着シートに1cm間隔で切れ目を入れた後、一定時
間毎に10本ずつ切れ目を切り離し、5本以上が再合着
して糸引きを生じるようになる時間(分)を測定した。
この時間が長いほど切断加工性に優れていると言える。
【0059】剥離接着力:作製後23℃−65%RH
の雰囲気下に5日間放置した硬化型粘接着シートの硬化
型粘接着剤組成物面を硬質塩ビ板(厚み2mm)にゴム
ローラーを用いてラミネート圧着した。この時の条件
は、線圧2kg/cm、圧着速度2m/分であった。次
いで、離型PETフィルムを剥離して、高圧水銀灯によ
り中心波長360nmの紫外線を照射強度3J/cm2
で照射した後、1分後に表面の濡れ張力が54dyn/
cmとなるようにコロナ処理された厚み50μmのPE
Tフィルムのコロナ処理面を積層した。得られた接合体
を60℃の雰囲気下に3日間放置した後、ストログラフ
(東洋機器製作所製)を用いて、引張速度50mm/分
で180度角剥離接着力(N/cm)を測定した。
【0060】(実施例2)硬化型粘接着剤組成物の組成
を、ポリエステル系ポリマー(商品名「バイロンBx1
001」、水酸基含有量:9mgKOH/g、Tg:−
18℃、東洋紡社製)100部、「エピコート#82
8」30部、ポリエーテルポリオール(商品名「ポリエ
ーテルP1000」、水酸基含有量:110mgKOH
/モル、数平均分子量:1000、旭電化工業社製)3
0部、NCO/OH(当量比)が0.4となる量の「タ
ケネートD110N」及び「オプトマーSP170」2
部、としたこと以外は実施例1と同様にして硬化型粘接
着剤組成物を得た。
【0061】(比較例1)硬化型粘接着剤組成物中にポ
リイソシアネート化合物を添加しなかったこと以外は実
施例1と同様にして硬化型粘接着剤組成物を得た。
【0062】(比較例2)硬化型粘接着剤組成物中にポ
リイソシアネート化合物を添加しなかったこと以外は実
施例2と同様にして硬化型粘接着剤組成物を得た。
【0063】(比較例3)NCO/OH(当量比)が3
となる量の「タケネートD110N」を添加したこと以
外は実施例2と同様にして硬化型粘接着剤組成物を得
た。
【0064】実施例2及び比較例1〜3で得られた硬化
型粘接着剤組成物を用い、実施例1と同様にしてそれぞ
れの硬化型粘接着シートを得た。
【0065】実施例2及び比較例1〜3で得られた硬化
型粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シートの塗工前後の
数平均分子量を実施例1の場合と同様にして測定した。
但し、比較例3で得られた硬化型粘接着シートは一部ゲ
ル化していたので、0.45μmのフィルターにより濾
過した濾液について測定した。その結果は表1に示し
た。
【0066】又、実施例2及び比較例1〜3で得られた
硬化型粘接着シートの性能(切断加工性、剥離接着
力)を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果
は表1に示した。
【0067】
【表1】
【0068】表1から明らかなように、本発明による実
施例1及び2の硬化型粘接着シートは、切断加工性及び
剥離接着力のいずれもが優れていた。これに対し、硬化
型粘接着剤組成物中にポリイソシアネート化合物を添加
しなかった比較例1及び2の硬化型粘接着シートは、切
断加工性が悪かった。又、硬化型粘接着剤組成物中のN
CO/OH(当量比)が1を超えていた比較例3の硬化
型粘接着シートは、PETフィルムに対する接着力が弱
く、PETフィルム面から界面剥離した。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による硬化型
粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シートは、硬化前は常
温において優れた粘着性や初期粘着力を有し、且つ、光
照射による硬化後は優れた接着強度や耐衝撃性を発現す
るので、粘着テープのような優れた取扱い作業性や簡便
性と接着剤のような優れた接着特性とを兼備するもので
あり、各種工業用途に好適に用いられる。
【0070】又、硬化型粘接着剤組成物中の低分子量成
分が予めカットされているので、低分子量成分に起因す
る滲み出しによる周囲汚染や硬化型粘接着シートの品質
低下、切断加工時の支障等の問題が殆ど起こらず、対環
境面や取扱い作業性の面でも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA08 AA14 AA15 AA17 AB04 CA02 CB02 CC02 DB03 EA05 4J034 BA03 BA07 BA08 DA01 DA08 DB03 DB07 DF01 DG00 DK05 HA01 HA07 HC03 JA21 KA01 KB02 KC13 KC16 KC18 KD11 KD15 KD21 KD24 KE02 LA23 LA33 QA01 RA08 4J040 EC001 EC002 EC261 EC262 ED031 ED032 EF111 EF112 EF132 EH011 EH012 EJ011 EJ012 FA061 FA062 JA09 JB08 JB09 KA13 KA16 LA02 LA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系ポリマー100重量部に
    対し、カチオン重合性化合物5〜150重量部、ポリエ
    ーテルポリオール0〜50重量部、ポリイソシアネート
    化合物及び光カチオン重合開始剤が添加されて成り、且
    つ、上記ポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化合
    物及びポリエーテルポリオール中の合計水酸基(OH)
    とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(N
    CO)との当量比(NCO/OH)が0.3〜1である
    ことを特徴とする硬化型粘接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 支持体の少なくとも片面に請求項1に記
    載の硬化型粘接着剤組成物が積層されて成ることを特徴
    とする硬化型粘接着シート。
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