JP2001049223A - 硬化型粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シート - Google Patents

硬化型粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シート

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JP2001049223A
JP2001049223A JP11225407A JP22540799A JP2001049223A JP 2001049223 A JP2001049223 A JP 2001049223A JP 11225407 A JP11225407 A JP 11225407A JP 22540799 A JP22540799 A JP 22540799A JP 2001049223 A JP2001049223 A JP 2001049223A
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curable adhesive
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adhesive
pressure
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JP11225407A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光を照射された後でも十分な接着可能時間を
有し、且つ、硬化後は高温高湿下においても加水分解を
受け難く、従って耐久性や信頼性に優れる接着力を発現
する硬化型粘接着剤組成物、及び、その硬化型粘接着剤
組成物を用いた硬化型粘接着シートを提供する。 【解決手段】 ポリエステル系ポリマー100重量部に
対し、カチオン重合性化合物10〜200重量部、カル
ボジイミド化合物0.1〜20重量部及び光カチオン重
合開始剤が添加されて成ることを特徴とする硬化型粘接
着剤組成物、及び、支持体の少なくとも片面に上記硬化
型粘接着剤組成物が積層されて成ることを特徴とする硬
化型粘接着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化型粘接着剤組
成物及びそれを用いた硬化型粘接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】硬化型粘接着シート(含む硬化型粘接着
テープ)は、通常の粘着テープのように常温で貼り合わ
せが出来て、接着後に何らかの方法で硬化(後硬化)さ
せることにより接着剤化し、優れた接着性能を発現する
接着材料である。この硬化型粘接着シートは、通常の液
状接着剤のように接着前に被着体に塗布する必要がな
く、又、貼り直しが出来るので位置決めが容易である等
の利点を有しており、作業性や使い勝手に優れる。
【0003】このような硬化型粘接着シート用の硬化型
粘接着剤組成物として、例えば、特開平9−27910
3号公報では、「ポリエステル系ポリマーのような高分
子量ポリマー、エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤
から成る光硬化型の硬化型粘接着シート」が開示されて
いる。この硬化型粘接着シートの場合、光を照射する
と、光カチオン重合開始剤が分解してエポキシ樹脂のカ
チオン重合を誘発し、エポキシ樹脂を硬化させることに
より粘接着シートが接着剤化する。
【0004】しかし、ポリエステル系ポリマーを主成分
とする硬化型粘接着剤組成物の場合、ポリエステル系ポ
リマーは極性が高いので、例えばポリエチレンテレフタ
レート(PET)やポリ塩化ビニル(PVC)、アクリ
ロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)
等の高極性のプラスチック材料に対する接着性に優れる
という利点を有するものの、反面、高温高湿下ではエス
テル結合が加水分解され易いため、接着力の耐久性や信
頼性が不十分であるという問題点がある。
【0005】また、一般的に、光カチオン重合反応を利
用する硬化型粘接着剤組成物に光を照射した後に被着体
を貼り合わせ、暗反応で後硬化させる接着方法の場合、
被着体が不透明な材料であっても加熱を要することなく
接着できるという利点を有するものの、反面、光を照射
された後の組成物は粘着性(タック)の保持時間に限度
があるため、接着可能時間が制約されるという作業性面
の問題点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、光を照射された後でも十分な接着可能時
間を有し、且つ、硬化後は高温高湿下においても加水分
解を受け難く、従って耐久性や信頼性に優れる接着力を
発現する硬化型粘接着剤組成物、及び、その粘接着剤組
成物を用いた硬化型粘接着シートを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よる硬化型粘接着剤組成物は、ポリエステル系ポリマー
100重量部に対し、カチオン重合性化合物10〜20
0重量部、カルボジイミド化合物0.1〜20重量部及
び光カチオン重合開始剤が添加されて成ることを特徴と
する。
【0008】また、請求項2に記載の発明による硬化型
粘接着シートは、支持体の少なくとも片面に上記請求項
1に記載の硬化型粘接着剤組成物が積層されて成ること
を特徴とする。
【0009】以下、本明細書中において「硬化型粘接着
剤組成物」、「硬化型粘接着シート」をそれぞれ単に
「粘接着剤組成物」、「粘接着シート」と略記する。
【0010】本発明で用いられるポリエステル系ポリマ
ーとは、一般的にジオールとジカルボン酸との縮合重合
によって生成するポリマーの総称であり、ジオールとジ
カルボン酸との種類や組合せを変えることにより種々の
特性を有するポリマーが得られる。
【0011】ポリエステル系ポリマーの具体例として
は、例えば、東洋紡績社製の商品名「バイロン」シリー
ズや「バイロナール」シリーズ、ユニチカ社製の商品名
「エリーテル」シリーズ、大日本インキ化学工業社製の
商品名「スピノドール」シリーズ、武田薬品工業社製の
商品名「タケラック」シリーズ、クラレ社製の商品名
「クラボール」シリーズ等が挙げられる。上記ポリエス
テル系ポリマーは、単独で用いられても良いし、2種類
以上が併用されても良い。
【0012】ポリエステル系ポリマーは、分子内にエス
テル基を有し分子末端に水酸基やカルボキシル基を有す
るので極性が高く、例えばPETやPVC、ABS、P
EN、ポリカーボネート、金属等の高極性材料に対する
接着性に優れる。
【0013】上記ポリエステル系ポリマーのガラス転移
温度(Tg)は、接着温度によっても選択の幅があり、
特に限定されるものではないが、一般的には100℃以
下が好ましく、より好ましくは50℃以下である。ポリ
エステル系ポリマーのガラス転移温度が100℃を超え
ると、ポリエステル系ポリマーが硬質化して、粘接着剤
組成物の粘着性が低下したり、高温で接着する必要が生
じて作業性が低下することがある。
【0014】本発明で用いられるカチオン重合性化合物
とは、カチオン重合により高分子量化して粘接着剤組成
物を硬化させ得る化合物であり、例えば、分子内にエポ
キシ基、脂環式エポキシ基、ビニルエーテル基、水酸
基、エチレンイミン基、エピスルフィド基等を有するカ
チオン重合性の化合物が挙げられる。上記カチオン重合
性化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0015】上記カチオン重合性化合物のうち、カチオ
ン重合性に優れるエポキシ基や脂環式エポキシ基を有す
るエポキシ系化合物あるいはビニルエーテル基を有する
ビニルエーテル系化合物が好適に用いられ、なかでも硬
化物の弾性率が高いためより優れた接着力や耐熱性を発
揮し得るエポキシ系化合物が特に好適に用いられる。
【0016】上記エポキシ系化合物は、例えば油化シェ
ルエポキシ社、旭電化工業社、ダイセル化学工業社等か
らエポキシ樹脂として市販されており、また、上記ビニ
ルエーテル系化合物は、例えば商品名「ラピキュア」シ
リーズとしてISP社から市販されている。
【0017】これらのカチオン重合性化合物は、後述す
る光カチオン重合開始剤によりカチオン重合し、高度な
架橋構造を構築するので、粘接着剤組成物の硬化物の弾
性率を高め、接着力や耐熱性を著しく向上させる機能を
発揮する。
【0018】上記カチオン重合性化合物は、特に限定さ
れるものではないが、数平均分子量が5000以下の常
温で液状であるものが好ましく、より好ましくは数平均
分子量が3000以下のものである。カチオン重合性化
合物の数平均分子量が5000を超えると、前記ポリエ
ステル系ポリマーとの相溶性が低下して粘接着剤組成物
が相分離を起こしたり、被着体表面への濡れ性が低下し
て密着性や接着力が低下することがある。
【0019】本発明においては、前記ポリエステル系ポ
リマー100重量部に対し、上記カチオン重合性化合物
10〜200重量部が添加されていることが必要であ
る。ポリエステル系ポリマー100重量部に対するカチ
オン重合性化合物の添加量が10重量部未満であると、
硬化物の凝集力が十分に向上しないため、接着力や耐熱
性が不十分となり、逆に200重量部を超えると、硬化
物の弾性率が高くなり過ぎて、耐衝撃性が低下したり、
低温時に脆くなる。
【0020】本発明で用いられるカルボジイミド化合物
とは、分子中にカルボジイミド基(−N=C=N−)を
有する化合物であり、例えば、中央ケミカル社製の商品
名「フォルテゾール」シリーズ等が挙げられる。上記カ
ルボジイミド化合物は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。
【0021】一般的に、ポリエステル系ポリマー中に含
有されるエステル結合は加水分解され易く、さらに加水
分解に伴って発生するカルボキシル基(−COOH)の
自己触媒作用により加水分解が加速される。
【0022】本発明で用いられるカルボジイミド化合物
は、ポリエステル系ポリマーの加水分解によって発生す
るカルボキシル基と反応してカルボキシル基を捕捉する
ので、カルボキシル基の自己触媒作用による加水分解の
加速を効果的に抑制することが出来る。
【0023】また、カルボジイミド化合物中に含有され
る窒素原子が後述する光カチオン重合開始剤の分解によ
って発生する活性カチオンを捕捉し、カチオン重合反応
速度が効果的に抑制されるので、光照射された後の粘接
着剤組成物が粘着性を消失するまでの時間は長くなり、
接着可能時間が効果的に延長される。従って、貼り合わ
せ作業の時間的制約は少なくなり、作業性が向上する。
【0024】上記窒素原子による活性カチオンの捕捉は
可逆的であるので、カチオン重合反応速度のみが抑制さ
れ、粘接着剤組成物の硬化後の架橋率は変化せず、従っ
て硬化後の接着力や耐熱性、耐衝撃性等の諸物性が損な
われることはない。
【0025】本発明においては、前記ポリエステル系ポ
リマー100重量部に対し、上記カルボジイミド化合物
0.1〜20重量部が添加されていることが必要であ
る。ポリエステル系ポリマー100重量部に対するカル
ボジイミド化合物の添加量が0.1重量部未満である
と、カルボジイミド化合物を添加することによる上記効
果を十分に得られないことがあり、逆に20重量部を超
えると、カチオン重合反応速度が遅くなり過ぎて、粘接
着剤組成物の硬化時間が長くなり過ぎることがある。
【0026】本発明で用いられる光カチオン重合開始剤
とは、光を照射することにより活性化され、光カチオン
重合開始物質を発生して、比較的低エネルギーで前記カ
チオン重合性化合物を光カチオン重合させ得るものであ
れば良く、例えば、イオン性光酸発生型の光カチオン重
合開始剤であっても良いし、非イオン性光酸発生型の光
カチオン重合開始剤であっても良い。
【0027】イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始
剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハ
ロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類
や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノ
ール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げら
れる。
【0028】上記イオン性光酸発生型の光カチオン重合
開始剤の具体例としては、例えば、旭電化工業社製の商
品名「オプトマーSP−150」や「オプトマーSP−
170」、ゼネラルエレクトロニクス社製の商品名「U
VE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1
012」等の市販品が挙げられる。
【0029】また、非イオン性光酸発生型の光カチオン
重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステ
ル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスル
ホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシ
イミドスルホナート等が挙げられる。
【0030】上記光カチオン重合開始剤は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。2種
類以上の光カチオン重合開始剤を併用する場合、有効活
性波長の異なる2種類以上の光カチオン重合開始剤を用
いて、多段階硬化をさせても良い。また、例えばベンゾ
フェノンや9,10−アントラキノン等の光増感剤の1
種もしくは2種以上が併用されても良い。
【0031】上記光カチオン重合開始剤の添加量は、特
に限定されるものではなく、前記カチオン重合性化合物
の反応性や分子量あるいは粘接着剤組成物に付与したい
粘弾性等に応じて適宜設定されれば良い。
【0032】また、本発明においては、光重合開始剤と
して、上記光カチオン重合開始剤と共に、例えば光ラジ
カル重合開始剤や光アニオン重合開始剤のような他の光
重合開始剤の1種もしくは2種以上が併用されても良
い。この場合、必ずしも、光ラジカル重合開始剤や光ア
ニオン重合開始剤を活性化する光の波長は、光カチオン
重合開始剤を活性化する光の波長と同等である必要はな
い。
【0033】上記光カチオン重合開始剤を活性化するた
めの光としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、
X線、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられるが、な
かでも安全性が高くコスト的にも有利な紫外線以上の波
長の光が好適に用いられ、特に好適に用いられるのは取
扱いが容易で簡便であり且つエネルギー量も高い波長2
00〜400nmの紫外線である。
【0034】上記紫外線を発生する光源としては、例え
ば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、ケミカルランプ、キセノンランプ等が挙げられる。
【0035】光カチオン重合開始剤は、上記光を照射さ
れることにより活性カチオンを発生し、前記カチオン重
合性化合物をカチオン重合反応により硬化させる。カチ
オン重合反応は、ラジカル重合反応に見られるような酸
素による重合阻害がなく、一旦発生した活性カチオンは
光遮断後も連鎖的に重合反応を継続させるので、カチオ
ン重合反応速度を制御することにより、光照射後も粘着
性を保持し得る半硬化状態の粘接着剤組成物もしくは粘
接着シートとすることも出来る。
【0036】この場合、粘着性が保持されている間に被
着体に貼り合わせることが可能であり、貼り合わされた
半硬化状態の粘接着剤組成物もしくは粘接着シートは経
時的に重合硬化が進行し、最終的には接着剤のような強
固な接着力や耐熱性を発現する。従って、光を透過しな
い不透明な材料の接着も可能であり、また、加熱を必要
とせず常温で重合反応が進行するため、耐熱性の弱い材
料の接着も可能である。
【0037】本発明の粘接着剤組成物には、本発明の課
題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、必須成分であ
るポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化合物、カ
ルボジイミド化合物及び光カチオン重合開始剤以外に、
粘着性付与剤、充填剤、増量剤、揺変剤、軟化剤、可塑
剤、安定剤、酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、
帯電防止剤、着色剤、有機溶剤等の各種添加剤の1種も
しくは2種以上が添加されていても良い。
【0038】本発明の粘接着剤組成物の製造方法は、特
別なものではなく、ホモディスパー、ホモミキサー、万
能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本
ロール等の混合機を用いて、常温または加温下で、必須
成分であるポリエステル系ポリマー、カチオン重合性化
合物、カルボジイミド化合物及び光カチオン重合開始剤
の各所定量と、必要に応じて添加する上記各種添加剤の
1種もしくは2種以上の各所定量とを、均一に混合する
ことにより、所望の粘接着剤組成物を得ることが出来
る。
【0039】本発明の粘接着剤組成物は、そのままの形
態で被着体の片面もしくは両面に塗工し、被着体の貼り
合わせ前もしくは貼り合わせ後に光を照射して、光カチ
オン重合させ、硬化せしめても良いが、被着体に対する
影響を少なくし、より良好な取扱い作業性や簡便性を得
るためには、予め支持体の少なくとも片面に粘接着剤組
成物を積層してシート状に加工した粘接着シートの形態
で使用することが好ましい。尚、ここで言う支持体と
は、例えばセロハンやクラフト紙のような通常の粘着テ
ープの基材として一般的に用いられている支持体のみな
らず、通常セパレーターとして用いられている離型フィ
ルムや離型紙等も包含する。
【0040】本発明の粘接着シートは、片面粘接着シー
トであっても良いし、両面粘接着シートであっても良
く、また、サポート型の粘接着シートであっても良い
し、ノンサポート型の粘接着シートであっても良い。粘
接着剤組成物を支持体の非離型面に塗工すればサポート
型の粘接着シートとなり、粘接着剤組成物を支持体の離
型面に塗工すればノンサポート型の粘接着シートとな
る。
【0041】上記粘接着シートの製造方法は、特別なも
のではなく、例えば、シート状の支持体面に、ロールコ
ート法、グラビアコート法、キャスティングコート法、
カレンダーコート法、押出コート法等の各種塗工方法で
粘接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥工程や冷却
工程を経て粘接着シートを得る直接塗工方式や、離型フ
ィルムもしくは離型紙の離型面に上記各種塗工方法で粘
接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥工程や冷却工
程を経た後、支持体面にラミネートして粘接着シートを
得る転写方式により、所望の粘接着シートを得ることが
できる。
【0042】上記支持体としては、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムのようなプラスチ
ックフィルム、金属箔、紙、布、不織布等のシート状の
各種材料が挙げられ、これらを単独もしくは複合して任
意に用いることが出来る。これらの支持体には、必要に
応じて、離型処理、コロナ処理のような表面酸化処理や
プライマー塗工等の易接着処理、エンボス加工やマット
加工のような賦型処理、摩擦加工、印刷や蒸着、ラミネ
ート等の積層処理等の表面処理を施すことにより、様々
な特性を有する粘接着シートを得ることが可能となる。
例えば、シリコーン系や非シリコーン系の離型剤で離型
処理を施されたプラスチックフィルムで粘接着剤組成物
面を保護することにより、切断や打ち抜き等の形状加工
性に優れる粘接着シートを得ることが出来る。
【0043】本発明の粘接着シートの厚みは、特に限定
されるものではないが、一般的には10μm〜1mmで
あることが好ましい。粘接着シートの厚みが10μm未
満であると、接着力が不十分となることがあり、逆に1
mmを超えると、硬化に長時間を要するようになり生産
性が低下することがある。
【0044】本発明の粘接着シートを用いる接着方法は
ロールラミネート、プレス、指圧等による圧着により行
われる。本発明の粘接着剤組成物及び粘接着シートは、
常温で優れた粘着性や初期粘着力を有するので、上記圧
着方法により容易に接着することが出来る。
【0045】本発明の粘接着剤組成物及び粘接着シート
は、特定量のポリエステル系ポリマーに対して添加され
ている特定量のカルボジイミド化合物がポリエステル系
ポリマーの加水分解時に発生するカルボキシル基と反応
してこれを捕捉するので、カルボキシル基の自己触媒作
用による加水分解の加速を効果的に抑制することが可能
であり、従って硬化後は耐久性や信頼性に優れる接着力
を発現し得る。
【0046】また、上記カルボジイミド化合物中の窒素
原子が光カチオン重合開始剤の分解時に発生する活性カ
チオンを捕捉し、カチオン重合反応速度が効果的に抑制
されるので、光照射された後もかなりの時間粘着性を保
持する。従って、貼り合わせ作業の時間的制約が少なく
なり、作業性に優れる。
【0047】さらに、ポリエステル系ポリマー、カチオ
ン重合性化合物及びカルボジイミド化合物の各特定量と
光カチオン重合開始剤とを含有して成るので、常温にお
いて優れた粘着性や初期粘着力を有すると共に、被着体
の貼り合わせ前もしくは貼り合わせ後に光を照射するこ
とにより、加熱を要することなく硬化し、硬化後は耐久
性や信頼性に優れる接着力や優れた耐熱性、耐衝撃性等
を発現する。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0049】(実施例1) (1)粘接着剤組成物の調製 ポリエステル系ポリマー(商品名「エリーテルUE32
20」、ユニチカ社製)100部、カチオン重合性化合
物としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名
「エピコート#828」、油化シェルエポキシ社製)2
0部、カルボジイミド化合物(商品名「フォルテゾール
HR」、中央ケミカル社製)5部及び光カチオン重合開
始剤として芳香族スルホニウム塩(商品名「オプトマー
SP170」、旭電化工業社製)1部を同量のメチルエ
チルケトン(MEK)に溶解し、均一に攪拌混合して粘
接着剤組成物を調製した。
【0050】(2)粘接着シートの作製 ロールコーターを用いて、片面にコロナ処理が施された
厚み75μmのPETフィルム(支持体)のコロナ処理
面に上記で得られた粘接着剤組成物を乾燥後の塗工厚み
が50μmとなるように塗工し、乾燥して、粘接着シー
トを作製した。
【0051】(3)評価 得られた粘接着シートの性能(耐加水分解性、接着
可能時間)を以下の方法で評価した。その結果は表1に
示した。尚、評価は23℃−65%RHの雰囲気下で行
った。
【0052】耐加水分解性:粘接着シートの粘接着剤
組成物面にメタルハライドランプを用いて波長300〜
400nmの紫外線を含む光を2mJ/cm2 の光照射
強度で照射し、1分後に厚み2mmの塩ビ板をゴムロー
ラーを用いて線圧2kg/cm、速度1m/分の条件で
ラミネート圧着した後、60℃の雰囲気下に1日間放置
して測定用試験片を作製した。尚、上記光照射強度はト
プコン社製の商品名「UVR−T35」にて測定した積
算光量の読み取り数値である。
【0053】次いで、得られた測定用試験片を85℃−
95%RHの雰囲気下に7日間曝露した後、23℃−6
5%RH下に取り出して、ストログラフ(東洋機器製作
所製)を用い、引張速度50mm/分で180度角剥離
接着力(N/cm)を測定した。尚、85℃−95%R
Hの雰囲気下に曝露前の測定用試験片についても同様に
して180度角剥離接着力を測定した。
【0054】接着可能時間:光照射後ラミネート圧着
するまでの時間を10分、100分、3時間、6時間及
び12時間の5条件としたこと以外はの場合と同様に
して測定用試験片を作製した。次いで、得られた測定用
試験片の180度角剥離接着力(N/cm)を測定し
た。
【0055】(実施例2)粘接着剤組成物の組成を、ポ
リエステル系ポリマー(商品名「バイロン300」、東
洋紡績社製)100部、「エピコート#828」120
部、カルボジイミド化合物「フォルテゾールHR」1
部、光カチオン重合開始剤「オプトマーSP170」1
部及び同量のMEKとしたこと以外は実施例1と同様に
して粘接着剤組成物及び粘接着シートを得た。
【0056】(比較例1)粘接着剤組成物中にカルボジ
イミド化合物「フォルテゾールHR」を添加しなかった
こと以外は実施例1と同様にして粘接着剤組成物及び粘
接着シートを得た。
【0057】(比較例2)粘接着剤組成物中にカルボジ
イミド化合物「フォルテゾールHR」を添加しなかった
こと以外は実施例2と同様にして粘接着剤組成物及び粘
接着シートを得た。
【0058】実施例2、及び、比較例1及び2で得られ
た粘接着シートの性能(耐加水分解性、接着可能時
間)を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果
は表1に示した。但し、実施例2及び比較例2の粘接着
シートについては測定用試験片作製時の光照射強度を
1.5mJ/cm2 とした。
【0059】
【表1】
【0060】表1から明らかなように、本発明による実
施例1及び2の粘接着シートは、85℃−95%RHの
雰囲気下に7日間曝露した後も剥離接着力の低下が全く
認められず、優れた耐加水分解性を発現した。また、光
照射後12時間を経た後でも粘着性を保持しており、十
分に接着可能であった。
【0061】これに対し、粘接着剤組成物中にカルボジ
イミド化合物を添加しなかった比較例1及び2の粘接着
シートは、85℃−95%RHの雰囲気下に7日間曝露
した後の剥離接着力の低下が著しく、耐加水分解性が悪
かった。また、光照射後の接着可能時間も短かった。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による硬化型
粘接着剤組成物及び硬化型粘接着シートは、光照射によ
る硬化後は高温高湿下においても優れた耐加水分解性を
有し、従って耐久性や信頼性に優れる接着力を発現する
ので、例えば電気・電子部品の接着や構造接着、車両部
品の接着等の高信頼性が要求される用途むけの粘接着剤
もしくは粘接着シートとして好適に用いられる。また、
光照射された後でも長時間粘着性を保持しているので、
接着可能時間が十分に長く、作業性にも優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA15 AA17 AB07 CA02 CA06 CA08 CB01 CB02 CC02 CC03 DB03 EA05 4J040 EC001 EC002 ED031 ED032 FA061 FA062 HB06 HB07 HB44 HC14 HC16 HC17 HC22 HD13 HD18 HD19 HD24 HD43 JA02 JA09 JB08 JB09 KA13 KA17 LA01 LA05 LA06 LA07 LA08 MA02 MA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系ポリマー100重量部に
    対し、カチオン重合性化合物10〜200重量部、カル
    ボジイミド化合物0.1〜20重量部及び光カチオン重
    合開始剤が添加されて成ることを特徴とする硬化型粘接
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】 支持体の少なくとも片面に請求項1に記
    載の硬化型粘接着剤組成物が積層されて成ることを特徴
    とする硬化型粘接着シート。
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