JP5319218B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に形成された感光層とから構成されている。有機電子写真感光体を構成する感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを光導電性物質とし、これら材料を結着する樹脂として結着樹脂を使用する。
感光層の層構成は夫々の機能を電荷発生層と電荷輸送層に機能分離した積層構成や、単一層にこれら材料を溶解や分散させた単層の層構成がある。電子写真感光体の大半は積層感光体の構成を採用し、この場合、電荷輸送層が表面層となることが多く、表面層を高耐久化するために、更に保護層を設ける場合もある。電子写真感光体(以下、場合により単に「感光体」という)の表面層は、各種部材や用紙に接触する層であるために、接触に対する機械的強度あるいは表面層を構成する材料の化学的安定性のような種々の機能が要求される。これらの要求に対し、表面層を構成する材料の改良といった観点から多くの提案がなされている。
上記提案の中に、感光体表面を凹凸処理することによる感光体表面の機能性向上の提案がなされている。例えば、特許文献1では、フィルム形状研磨材を感光体表面と摺擦させる表面処理により、表面に溝を形成する感光体の製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、サンドブラスト処理することにより、表面に凹形状部を作成する提案がなされている。
特許文献1及び特許文献2は、感光体表面形成後、感光体表面に対し加工を行う製造方法であるが、他の方法として、感光体の表面層の形成工程において感光体の表面に凹凸形状が作成された感光体が開示されている(特許文献3)。
特許文献3のように感光体表面に凹凸形状が形成された感光体が提案されている一方、特許文献4では、感光体表面に液滴痕跡を形成しない製造方法が開示されている。特許文献4中の記載では、感光層塗布時に溶剤の気化熱により表面が結露し、その際に生じた結露の痕跡が、感光体表面の細孔として残り、画像上の黒点やトナーフィルミングの要因であると指摘している。
特許文献5にも、特許文献4と同様の結露による白化を防止する感光体の製造方法が示されている。
特公平07−097218号公報 特開平02−150850号公報 特開昭52−092133号公報 特開2000−010303号公報 特開2001−175008号公報
特許文献1及び特許文献2では、感光体表面に凹凸形状を形成する処理を行うことによる感光体表面の機能性向上が図られている。しかしながら、これらの手法は、一度電子写真感光体を作成した後、表面を加工するといった工程が必要となるため、生産性という点から製造方法として十分とは言えない。更に、これらの表面処理方法では、均一性の高い表面を得るための処理方法とはいえず、加工領域が数μm程度の範囲になると微小領域での均一性が得られず、機能性向上という点で改善が望まれている。
特許文献3では、感光体の表面層の形成工程において感光体の表面に凹凸形状が作成され、生産性の点では優れているといえるが、この製造方法で作成される凹凸形状は、緩やかな波形状の表面であることが示されている。特許文献3では、クリーニング性や耐摩耗性の向上が図れていることが記載されているが、波形状が数μm程度の範囲になると微小領域での均一性が得られず、機能性向上という点で改善が望まれている。
特許文献4及び特許文献5では、感光層塗布時に溶剤の気化熱により表面が結露し、その際に生じた結露の痕跡が、感光体表面の細孔として残らない製造方法を示し、感光層表面に凹凸形状が形成されていないことの利点が記載されている。しかしながら、特許文献3では、表面に凹凸形状を形成された感光体の機能性に関して記載されており、必ずしも表面に凹凸形状が形成されていることが利点を有さないわけではないことが示唆されている。従って、適切な凹凸形成がなされることにより、感光体としての不具合を生じることなく、機能性を付与できる電子写真感光体の製造方法の開発が望まれている。
本発明の課題は、感光体の表面に各々独立した凹形状部が形成された表面層を作成する際に、高い生産性を有し、かつ均一性の高い凹形状部を感光体表面に作成できる電子写真感光体の製造方法を提供することである。
本発明は、円筒状をした支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、結着樹脂及び、下記一般式(11)で示される化合物を溶剤に溶解させて表面層用塗布液を作製する工程と、前記支持体に前記表面層用塗布液を塗布する塗布工程と、前記表面層用塗布液を塗布した前記支持体を加熱乾燥する乾燥工程により、表面層の表面に独立した凹形状部が形成された表面層を形成することを特徴とする。

(R乃至Rメチル基であり、Y及びYは下記一般式(12)で示される基であり、nは1〜300の整数である。)
(R8及びR9は置換基を有してもよい一価の炭化水素基、R7はアルキレン基、Qはポリスチレン系残基であり、xは0又は1、yは0又は1である。)
本発明によれば、感光体の表面に各々独立した凹形状部が形成された表面層を作成する際に、高い生産性を有し、かつ均一性の高い凹形状部を感光体表面に作成できる電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体製造方法は、上述のとおり、円筒状をした支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
(1)結着樹脂及び、下記一般式(11)を有する化合物を溶剤に溶解させて表面層用塗布液を作製する工程
(2)支持体の表面に表面層用塗布液を塗布する塗布工程、
(3)表面層用塗布液を塗布した支持体を加熱乾燥する乾燥工程
の(1)〜(3)の順番で示された工程により表面に各々独立した凹形状部が形成された表面層を作成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
(式中、R乃至Rメチル基である。また、Y及びYは下記一般式(12)で示される基であり、nは1〜300の整数である。)
(式中、R8及びR9は置換基を有してもよい一価の炭化水素基、R7はアルキレン基、Qはポリスチレン系残基であり、xは0又は1、yは0又は1である。)
本発明における表面層とは、感光層が単層型感光層である場合には感光層を示す。また、感光層が、円筒状支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層である場合には電荷輸送層を示す。また、感光層が、円筒状支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層である場合には電荷発生層を示す。
また、感光層上に保護層を有する場合には、本発明の表面層は、保護層であることを示す。
本発明における(1)で示された結着樹脂及び、下記一般式(11)を有する化合物を溶剤に溶解させて表面層用塗布液を作成する工程について説明する。
(式中、R乃至Rメチル基である。また、Y及びYは下記一般式(12)で示される基であり、nは1〜300の整数である。)
(式中、R8及びR9は置換基を有してもよい一価の炭化水素基である。またR7はアルキレン基であり、Qはポリスチレン系残基であり、xは0又は1であり、yは0又は1である。)
本発明の製造方法は、凹形状部を安定的に形成し、均一性の高い凹形状部を感光体表面に作成することを特徴としている。均一性の高い凹形状部を安定的に作成するためには、感光体の表面層を(1)で示された表面層塗布液を用いて作成することが重要である。
感光体の表面層を(1)で示された表面層塗布液を用いて作成すると均一かつ安定的に凹形状が形成する理由は明らかではないが、以下のように推測される。即ち、化合物(11)はポリシロキサンユニットの末端にポリスチレンユニットを有する構造となっている。低エネルギー成分のポリシロキサンユニットと樹脂親和性の高いポリスチレンユニットが膜乾燥初期にミセルを形成する。そのミセル体付近にわずかの溶剤が残留溶剤として取り込まれて残る。その取り込まれたわずかな残留溶剤が更に継続して行われる乾燥工程によって除去されることによって凹形状が感光体表面に形成されると考えられる。
本発明者らは種々の材料の中から鋭意検討した結果、一般式(11)に示す化合物を含む塗布液を塗布、乾燥する工程を経ることによって均一かつ安定的に凹形状を作成できることを見出した。
次に一般式(11)に示す化合物について更に説明する。
一般式(11)中、R乃至R はメチル基である。
一般式(11)中のポリシロキサンユニットの繰り返し単位を示すnには特に制限は無いが、好ましくは10〜300で更に好ましくは30〜250である。上記の範囲においては、より均一でより一様な凹形状が形成できる。
また、一般式(11)中のY及びYにあたる一般式(12)において、R8及びR9は置換又は無置換の一価の炭化水素基を示す。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、ビニル基、アリール基等のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等の一価の炭化水素基が挙げられる。均一かつ安定的に凹形状を作成するには無置換の一価の炭化水素基の方がより好ましい。好ましい無置換の一価の炭化水素基としてはメチル基、フェニル基が挙げられ、特に好ましくはメチル基である。
また、R7はアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、好ましくは、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基である。
また、Qはスチレンモノマーの重合体を含有する基であり、具体的には、下記式(13)で表される繰り返し単位を少なくとも2個有し、末端をアニオン重合開始剤に由来する基で封鎖するポリスチレン系残基であることが好ましい。R10は水素原子又はメチル基である。また、末端のアニオン重合開始剤に由来する基としては、例えば、n−ブチル基、エチル基、n−アミル基、トリフェニルメチル基等の置換又は無置換のアルキル基が考えられる。更には、イソプロポキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;−NH、−NHC等のアミノ基;あるいは水酸基も挙げられる。好ましくはアルキル基であり、特に好ましくはブチル基である。
また、繰り返し構造単位zの個数は2以上の整数であれば特に制限は無いが、好ましくは10〜300、更に好ましくは35〜250である。上記の範囲においては、より均一でより一様な凹形状が形成できる。
また、本発明の均一性の高い凹形状部を安定的に作成する製造方法には、塗布液中に結着樹脂を含有していることが必要である。本発明の結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂が挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂あるいはジアリルフタレート樹脂が好ましい。更には、ポリカーボネート樹脂あるいはポリアリレート樹脂であることが好ましい。これらは単独、混合又は共重合体として1種又は2種以上用いることができる。結着樹脂の表面層用塗布液中の含有量は、表面層用塗布液中の全溶剤質量に対し5質量%以上20質量%以下であることが、表面層用塗布液に適度な粘度を与え、安定的に凹形状部の形成が行われるため好ましい。上記、結着樹脂を表面層用塗布液中に含有していることにより、(2)で示された塗布工程及び(3)で示された乾燥工程の工程で形成される凹形状部を安定的に表面に形成することができる。
更に本発明は、表面層用塗布液を作製する工程において、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメント計算により求めた双極子モーメントが1.0以下である芳香族有機溶剤を用いるとより好ましい。
更に、この芳香族有機溶剤の含有量が表面層用塗布液中の全溶剤質量に対し50質量%以上80質量%以下であるとより好ましい。
更に、この芳香族有機溶剤が、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼンあるいはクロロベンゼンのいずれかより選択される溶剤であるとより好ましい。
双極子モーメントは分子内の分極の程度を表す。分極が小さく樹脂親和性の高い芳香族溶剤を用いることで、より安定的にミセル体を形成でき、均一かつ安定的に凹形状を形成できると推測している。
本発明における半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメント計算とは、PM3パラメータを使った半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算を意味する。分子軌道法では、シュレディンガー方程式で用いる波動関数を、原子軌道の線形結合で表される分子軌道からなるスレーター型行列式あるいはガウス型行列式で近似し、その波動関数を構成する分子軌道を場の近似を用いて求める。その結果、全エネルギー、波動関数及び波動関数の期待値として種々の物理量を計算できる。
場の近似により分子軌道を求める際、計算時間のかかる積分計算を種々の実験値を使ったパラメータを用い、近似することにより計算時間を短縮するのが半経験的分子軌道法である。本発明における計算では、半経験的パラメータとしてPM3パラメータセットを用い、半経験的分子軌道計算プログラムMOPACを用いて計算した。上記、PM3パラメータを使った半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により、芳香族有機溶剤の双極子モーメントを算出した。
<半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメント計算>
ワークステーションINDIGO2(シリコングラフィックス社製)を計算機として使用し、化学計算統合ソフトウェアであるCerius2を双極子モーメント計算に用いた。
計算対象となる溶剤を、Cerius2内にあるSkecher機能で分子構造を作成し、その分子構造に対しDREDING2.21プログラムを使用し力場計算を行い、CHARGE機能により電荷計算を行った。その後、Minimizer計算により、分子力場計算で構造を適正化した。得られた構造をMOPAC93プログラムに対し、PM3パラメータ、Geometry Optimization、Dipoleを指定し、PM3パラメータセットを用い構造適正化と双極子モーメント計算を行った。
以下、本明細書中で使用する「双極子モーメント」は、上記した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメント計算により求めた双極子モーメントを意味する。
本発明における双極子モーメントが1.0以下である芳香族有機溶剤の具体的な例と、双極子モーメント及び大気圧下における沸点の値を表1に示す。(表1中の溶剤Aは、本発明における双極子モーメントが1.0以下である芳香族有機溶剤を示す。双極子モーメントは、対象溶剤の半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメント計算により求めた双極子モーメントを示す。沸点は、対象溶剤の大気圧下における沸点を示す。各溶剤の沸点は、新版溶剤ハンドブック(株)オーム社1994年6月10日発行より抜粋した。)
表1中の溶剤Aで示される溶剤であれば、いずれも本発明の製造方法に適応できるが、中でも、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン又はクロロベンゼンであることが好ましい。これらの芳香族有機溶剤は単独で含有することも、2種以上混合して含有することができる。
次いで、本発明における(2)で示された塗工工程後、円筒状支持体を乾燥する乾燥工程について説明する。
本発明の円筒状支持体を乾燥する乾燥工程により、感光体表面に凹形状部を形成できる。均一性の高い凹形状部を形成するためには、速やかな乾燥であることが重要であるため、加熱乾燥が行われることが好ましい。
本発明の円筒状支持体を乾燥する乾燥工程の乾燥方法は、例えば、加熱乾燥、送風乾燥真空乾燥が挙げられ、これらの可能方法を組み合わせた方法を用いることができる。特に、生産性の観点から加熱乾燥及び加熱送風乾燥であることが好ましい。また、円筒状支持体表面を速やかに乾燥するため、乾燥炉、乾燥機あるいは乾燥室内は、乾燥工程前に事前に所望の温度に設定されていることが好ましい。乾燥工程における乾燥温度は、100℃以上150℃以下であることが好ましい。乾燥する乾燥工程時間は、20分以上120分以下であることが好ましく、更には40分以上100分以下であることが好ましい。
上記、製造方法により作成された感光体の表面には、各々独立した凹形状部が形成される。各々独立した凹形状部とは、複数の凹形状部において、個々の凹形状部が、他の凹形状部と明確に区分されている状態を示す。本発明における製造方法は、一般式(11)で示される化合物及び結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる表面層用塗布液を用いて凹形状部を形成するため、個々の凹形状部を他の凹形状部と明確に区分することができる。
また、本発明の製造方法により作成された電子写真感光体表面に形成された凹形状部の個々の形は、均一性の高い凹形状部となっている。
本発明における製造方法により作成された電子写真感光体の表面にある凹形状部は、個々の凹形状部の長軸径(凹形状部の表面開孔部中で最も長い距離)が、0.1μm以上40μm以下の凹形状部が作成できる。均一性の高い凹形状部を形成するためには、凹形状部の長軸径が、0.5μm以上20μm以下となる製造条件であることが好ましい。
また、本発明における製造方法により作成された電子写真感光体の表面にある凹形状部は、個々の凹形状部の深さ(凹形状部の表面開孔部と底部との最も長い距離)が、0.1μm以上40μm以下の凹形状部が作成できる。均一性の高い凹形状部を形成するためには、凹形状部の深さが、0.5μm以上20μm以下となる製造条件であることが好ましい。
上記、本発明における製造方法で作成された電子写真感光体の表面にある凹形状部の長軸径深さあるいは単位面積あたりの凹形状部の個数は、本発明における製造方法で示した範囲内で製造条件の調整を行うことにより制御可能である。凹形状部の長軸径あるいは深さは、例えば、本発明記載の表面層塗布液中の溶剤種、溶剤含有量、乾燥温度により制御可能である。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
図1の(A)乃至(E)に示すように、本発明の電子写真感光体は、円筒状支持体101上に中間層103、感光層104をこの順に有する電子写真感光体である(図1の(A)参照)。
必要に応じて、円筒状支持体101と中間層103の間に導電性粒子を樹脂中に分散して体積抵抗を小さくした導電層102を設け、該導電層102の膜厚を厚くする。これにより、導電性の円筒状支持体101や非導電性の円筒状支持体101(例えば樹脂性の円筒状支持体)の表面の欠陥を被覆する層とすることも可能である。(図1の(B)参照)
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層104であっても(図1の(A)参照)、電荷発生物質を含有する電荷発生層1041と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層1042とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。単層型感光層の場合は、本発明の最表面層は感光層104である。また、積層型感光層には、円筒状支持体101側から電荷発生層1041、電荷輸送層1042の順に積層した順層型感光層(図1の(C)参照)と、円筒状支持体101側から電荷輸送層1042、電荷発生層1041の順に積層した逆層型感光層(図1の(D)参照)がある。電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。積層型感光体の中でも順層型感光層の場合には、本発明の最表面層は電荷輸送層であり、逆層型感光層の場合には、本発明の最表面層は電荷発生層である。
また、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)上に、保護層105を設けてもよい(図1の(E)参照)。保護層105を有する場合には、本発明の最表面層は、保護層105である。
円筒状支持体101としては、導電性を有するもの(導電性円筒状支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスのような金属製の円筒状支持体を用いることができる。アルミニウム又はアルミニウム合金の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解及び研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式又は乾式ホーニング処理したものも用いることができる。
また、アルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製円筒状支持体を用いることができる。更には、樹脂製円筒状支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン又はポリスチレン樹脂)を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子又は銀粒子のような導電性粒子を樹脂や紙に含浸した円筒状支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。
導電性円筒状支持体の体積抵抗率は、支持体の表面が導電性を付与するために設けられた層である場合、その層の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であることが好ましく、特には1×10Ω・cm以下であることがより好ましい。
導電性円筒状支持体の上には、導電性円筒状支持体表面の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これは導電性粉体を適当な結着樹脂に分散させた塗布液を塗工することにより形成される層である。
このような導電性粉体としては、以下のようなものが挙げられる。カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉;導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体。
また、同時に用いられる結着樹脂としては、以下の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂樹脂が挙げられる。ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂である。また、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾールでもよい。更には、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂も使用できる。
導電層は、上記導電性粉体と結着樹脂を、溶剤に分散し、又は溶解し、これを塗布することにより形成することができる。使用できる溶剤はテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル系溶剤;メタノールのようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤;メチルベンゼンのような芳香族炭化水素溶剤である。また、導電層の平均膜厚は5μm以上40μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下が適当である。
導電性円筒状支持体又は導電層の上にはバリア機能を有する中間層が設けられる。
中間層は、硬化性樹脂を塗布後硬化させて樹脂層を形成する、あるいは、結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電層上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
中間層の結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼインのような水溶性樹脂である。又は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリグルタミン酸エステル樹脂でもよい。電気的バリア性を効果的に発現させるため、また、塗工性、密着性、耐溶剤性及び抵抗のような観点から、中間層の結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性ポリアミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性又は非結晶性の共重合ナイロンが好ましい。中間層の平均膜厚は0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
また、中間層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、中間層中に、半導電性粒子を分散させる、あるいは、電子輸送物質(アクセプターのような電子受容性物質)を含有させてもよい。
中間層の上には感光層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、以下のものが挙げられる。モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾのようなアゾ顔料;金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンのようなフタロシアニン顔料;インジゴ、チオインジゴのようなインジゴ顔料;ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドのようなペリレン顔料である。又は、アンスラキノン、ピレンキノンのような多環キノン顔料;スクワリリウム色素、ピリリウム塩及びチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素でもよい。更には、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンのような無機物質;キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素でもよい。これら電荷発生材料は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニンは、高感度であるため、好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂である。又は、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂でもよい。特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独、混合又は共重合体として1種又は2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、10:1〜1:10(質量比)の範囲が好ましく、特には3:1〜1:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤又は可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターのような電子受容性物質)を含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物又はトリアリルメタン化合物が挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲内で本発明の表面層用塗布液に他のシロキサン変性樹脂を共に用いても良い。
感光層が単層型感光層、かつ表面層である場合、単層型感光層は、上記電荷発生物質、上記電荷輸送物質、本発明に記載の結着樹脂及び一般式(11)で示される化合物を溶解させて表面層用塗布液を作製。この表面層用塗布液の塗布、乾燥と本発明の製造工程を経ることにより本発明の効果を有する感光体を製造することができる。
感光層が積層型感光層、かつ電荷輸送層が表面層である場合、上記電荷輸送物質、本発明に記載の結着樹脂及び一般式(11)で示される化合物を溶解させて表面層用塗布液を作製。この表面層用塗布液の塗布、乾燥と本発明の製造工程を経ることにより本発明の効果を有する感光体を製造することができる。
電荷輸送層の平均膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤又は可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した本発明における結着樹脂を本発明における溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液(表面層形成用塗布液)を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
保護層の平均膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、特には1μm以上5μm以下であることが好ましい。
[製造例]
以下に、本発明で使用される代表的な化合物の製造例を詳細に記載する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]化合物X1の製造
フラスコに、平均式(a1)で示されるオルガノポリシロキサン3.9g、5質量%−塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液、平均式(b1)で示されるポリスチレン系化合物12g、トルエン15.9gを添加。徐々に加熱し、80℃で5時間反応させた。なお、5質量%−塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液は、反応原料の合計質量に対して、白金金属が質量単位で20ppmとなる量を添加した。
次に、1−ヘキセン8.4gを加え、更に80℃で1時間反応を続けた。その後、110℃で1.3kPaまで減圧して、有機溶媒や低沸点成分を除去することにより白色固体状物を得た。この白色固体状物を29Si−核磁気共鳴分析(以下、29Si−NMR)、13C−核磁気共鳴分析(以下、13C−NMR)、フーリエ積分赤外線分光分析(以下、FT−IR)及びゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィー(以下、GPC)により分析。その結果、下記一般式X1で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例2]化合物X2の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a2)で表される化合物に変更した以外は製造例1と同様の方法で行った結果、下記一般式X2で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例3]化合物X3の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a3)で表される化合物に変更した以外は製造例1と同様の方法で行った結果、下記一般式X3で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例4]化合物X4の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a3)で表される化合物に変更し、(b1)で表される化合物を(b2)で表される化合物に変更した以外は製造例1と同様の方法で行った。その結果、下記一般式X4で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例5]化合物X5の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a4)で表される化合物に変更し、(b1)で表される化合物を(b3)で表される化合物に変更し以外は製造例1と同様の方法で行った。その結果、下記一般式X5で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例6]化合物X6の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a5)で表される化合物に変更し、(b1)で表される化合物を(b4)で表される化合物に変更し以外は製造例1と同様の方法で行った。その結果、下記一般式X6で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例7]化合物X7の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a6)で表される化合物に変更し、(b1)で表される化合物を(b5)で表される化合物に変更し以外は製造例1と同様の方法で行った。その結果、下記一般式X7で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
[製造例8]化合物X8の製造
製造例1において(a1)で表される化合物を(a7)で表される化合物に変更し、(b1)で表される化合物を(b6)で表される化合物に変更し以外は製造例1と同様の方法で行った。その結果、下記一般式X8で示される化合物を主成分とする化合物であることが判明した。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。なお、以下の実施例1及び実施例2で作製した電子写真感光体は参考用として作製したものである。
(実施例1)
23℃、60%の環境下で熱間押し出しすることにより得られた、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製)を導電性円筒状支持体とした。
導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)6.6部を用意。これに結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)5.5部及び溶剤としてのメトキシプロパノール5.9部を添加。更にこれらを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調製した。
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.5部、レベリング剤のシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.001部を添加。これらを攪拌し、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、導電性円筒状支持体上に浸漬コーティングし、温度140℃で30分間乾燥、熱硬化して、導電性円筒状支持体上端から130mmの位置の平均膜厚が15μmの導電層を形成した。
更に、導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学産業(株)製)4部及び共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)2部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解。これによって得られた中間層用塗布液を浸漬コーティングし、温度100℃で10分間乾燥して、円筒状支持体上端から130mm位置の平均膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部を用意。これに、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部及びシクロヘキサノン250部を添加。これらを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、温度100℃で10分間乾燥して、円筒状支持体上端から130mm位置の平均膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CTM−1)で示される構造を有する電荷輸送物質10部を用意。
これに結着樹脂として下記式(P−1)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)[粘度平均分子量(Mv)40,000]10部、製造例1で作製したX1を0.6部を添加。
更に、これらをテトラヒドロフラン(双極子モーメント1.7D)100部の溶媒に溶解し、電荷輸送物質を含有する表面層用塗布液を調合した。
以上のように調製した表面層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、円筒状支持体上に表面層用塗布液を塗布する工程を行った。
その後、予め装置内が120℃に加熱されていた送風乾燥機内に、円筒状支持体を入れ、乾燥工程を60分間行った。
このようにして、膜厚15μmの電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作成した。
なお、粘度平均分子量(Mv)の測定方法は以下のとおりである。
まず、試料0.5gをメチレンクロライド100mlに溶解し、改良Ubbelohde型粘度計を用いて、25℃における比粘度を測定した。次に、この比粘度から極限粘度を求め、Mark−Houwinkの粘度式により、粘度平均分子量(Mv)を算出した。粘度平均分子量(Mv)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン換算値とした。
作成した電子写真感光体について、感光体表面の凹形状部の測定*1及び凹形状部の均一性*2の評価を行った。結果を表2に示す。また、下記評価法で測定した感光体表面の画像写真を図2及び図3に示す。
<1:感光体表面の凹形状部の測定>
作成された電子写真感光体の表面を、超深度形状測定顕微鏡VK−9500((株)キーエンス社製)を用いて観察した。測定対象の電子写真感光体を円筒状支持体が固定できるよう加工された置き台に設置し、電子写真感光体の上端から140mm離れた位置の表面観察を行った。その際、対物レンズ倍率50倍とし、感光体表面の100μm四方を視野観察とし、凹形状部の測定を行った。
測定視野内に観察された凹形状部を解析プログラムを用いて解析を行った。測定視野内にある凹形状部の表面部分(開孔部)の長軸径を測定し、その平均値を算出した。(表2中の長軸径は、このようにして算出された平均長軸径を示す。)また、測定視野内にある凹形状部の最深部と開孔面との距離を測定し、その平均値を算出した。(表2中の深さは、このようにして算出された凹形状部の最深部と開孔面との距離の平均値を示す。)
<2:凹形状部の均一性の評価方法>
感光体表面の凹形状部の測定と同様の方法で、感光体表面の100μm四方を視野観察とし、測定を行った。測定視野内に観察された凹形状部を解析プログラムを用いて解析を行った。測定視野内にある凹形状部の表面部分(開孔部)の長軸径を測定し、その平均値(平均長軸径)を算出した。測定視野内にある凹形状部のうち、前述の平均長軸径に対し、0.8倍以上の長軸径あるいは1.2倍以下の長軸径を有する凹形状部の個数を計測した。凹形状部の均一性は、100μm四方あたりの全凹形状部の個数に対し、100μm四方あたりの平均長軸径に対し、0.8倍以上の長軸径あるいは1.2倍以下の長軸径を有する凹形状部の個数の割合より求めた。(表2中の均一性は、(100μm四方あたりの平均長軸径に対し0.8倍以上の長軸径あるいは1.2倍以下の長軸径を有する凹形状部の個数)/(100μm四方あたりの全凹形状部の個数)を示す。)
また、作成した電子写真感光体について以下のような方法で画像評価を行った。
<出力画像のスジ状画像不良部の評価>
画像形成プロセスの開始指示が入力された後、画像形成プロセスに移行する前に、電子写真感光体を駆動させるシーケンスが作動しないように改造したヒューレットパッカード社製カラーレーザージェット 3700改造機(毎分16枚機)を使用。初期、2000枚印刷後、5000枚印刷後にベタ黒を10枚出力後、装置を5分間停止させ、次にハーフトーン(1ドット桂馬パターン。図4参照)を1枚出力。このハーフトーン画像に発生したスジ状画像不良を、目視確認により、以下の基準に従って評価した。
ランクA:スジ状画像不良は見当たらない
ランクB:スジ状画像不良がうっすらと見える
ランクC:スジ状画像不良が見られる
ランクD:スジ状画像不良がはっきりと見られる
なおこの評価においてランクB以上が実用上弊害とならないレベルである。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例2で作製したX2に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例3で作製したX3に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例4で作製したX4に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1における表面層用塗布液において用いたポリカーボネート樹脂を下記式(P−2)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(粘度平均分子量(Mv):42000)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
なお、上記ポリアリレート樹脂中のテレフタル酸構造とイソフタル酸構造とのモル比(テレフタル酸構造:イソフタル酸構造)は50:50である。
(実施例6)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例5で作製したX5に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例6で作製したX6に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例7で作製したX7に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を製造例8で作製したX8に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランをクロロベンゼン(双極子モーメント0.74D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランをトルエン(双極子モーメント0.3D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランを1,2−ジメチルベンゼン(双極子モーメント0.46D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランを1,3−ジメチルベンゼン(双極子モーメント0.24D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランを1,4−ジメチルベンゼン(双極子モーメント0.07D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランをエチルチルベンゼン(双極子モーメント0.33D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例16)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフランを1,3,5−トリメチルベンゼン(双極子モーメント0.12D)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例17)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフラン100部をクロロベンゼン40部、ジメトキシメタン(双極子モーメント2.42D)60部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例18)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフラン100部をクロロベンゼン50部、ジメトキシメタン50部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例19)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフラン100部をクロロベンゼン65部、ジメトキシメタン35部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例20)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフラン100部をクロロベンゼン80部、ジメトキシメタン20部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(実施例21)
実施例3における表面層用塗布液において用いたテトラヒドロフラン100部をクロロベンゼン90部、ジメトキシメタン10部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1表面層用塗布液において用いたX1添加しなかった以外は実施例1と同様に行った。感光体表面に凹形状は確認できなかった。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1をシリコーンオイル(商品名:KF96、信越シリコーン(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に行った。感光体表面に凹形状は確認できなかった。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1をシリコーン化合物(商品名:GS101、東亜合成(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に行った。感光体表面に凹形状は確認できなかった。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1における表面層用塗布液において用いたX1を下記一般式で表される化合物に変更した以外は実施例1と同様に行った。感光体表面に凹形状は確認できなかった。結果を表2に示す。
本発明に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す。 実施例2で作成された感光体の表面のSEMによる凹形状部の画像を示す写真である。 実施例10で作成された感光体の表面のSEMによる凹形状部の画像を示す写真である。 ハーフトーン画像を形成するための1ドット桂馬パターン。
符号の説明
101 円筒状支持体
102 導電層
103 中間層
104 感光層
1041 電荷発生層
1042 電荷輸送層
105 保護層

Claims (9)

  1. 円筒状をした支持体上に、円筒状支持体側から電荷発生層および表面層としての電荷輸送層から構成される感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
    結着樹脂及び、下記一般式(11)で示される化合物を溶剤に溶解させて表面層用塗布液を作製する工程と、
    前記支持体上に前記表面層用塗布液を塗布する塗布工程と、
    前記表面層用塗布液を塗布した前記支持体を加熱乾燥する乾燥工程と、
    により、表面層の表面に独立した凹形状部が形成された表面層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    (R乃至Rメチル基であり、Y及びYは下記一般式(12)で示される基であり、nは1〜300の整数である。)
    (R8及びR9は置換基を有してもよい一価の炭化水素基、R7はアルキレン基、Qはポリスチレン系残基であり、xは0又は1、yは0又は1である。)
  2. 円筒状をした支持体上に感光層及び該感光層上に表面層としての保護層を有する電子写真感光体の製造方法において、
    結着樹脂及び、下記一般式(11)で示される化合物を溶剤に溶解させて表面層用塗布液を作製する工程と、
    前記支持体上に前記表面層用塗布液を塗布する塗布工程と、
    前記表面層用塗布液を塗布した前記支持体を加熱乾燥する乾燥工程と、
    により、表面層の表面に独立した凹形状部が形成された表面層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    (R 乃至R はメチル基であり、Y 及びY は下記一般式(12)で示される基であり、nは1〜300の整数である。)
    (R 8 及びR 9 は置換基を有してもよい一価の炭化水素基、R 7 はアルキレン基、Qはポリスチレン系残基であり、xは0又は1、yは0又は1である。)
  3. 前記一般式(11)で示される化合物は、繰り返し数を表すnが30〜250であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記一般式(12)で示される基は、ポリスチレン系残基であるQの繰り返し単位の個数が35〜250であり、Qの繰り返し単位が下記式(13)で示される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
    (R10は水素原子又はメチル基である。)
  5. 前記結着樹脂が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂である請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記溶剤が、テトラヒドロフラン、トルエン、エチルベンゼン、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン及びクロロベンゼンからなる群より選択される少なくとも1つである請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記表面層用塗布液を作製する工程は、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメント計算により求めた双極子モーメントが1.0以下である芳香族有機溶剤を用いることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記芳香族有機溶剤の含有量が表面層用塗布液中の全溶剤質量に対し50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 前記芳香族有機溶剤は、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン及びクロロベンゼンからなる群より選択される少なくとも1つであることを、特徴とする請求項又はに記載の電子写真感光体の製造方法。
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