JP5314329B2 - 研磨液 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において用いられる研磨液に関し、詳細には、半導体デバイスの配線工程での平坦化において主としてバリア金属材料からなるバリア層と層間絶縁膜との研磨に好適に用いられる研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)に代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の技術が用いられてきている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去や絶縁膜上の余分なバリア層の除去を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
各配線層を形成するためには、まず、メッキ法などで盛付けられた余分な配線材を除去する金属膜のCMP(以下、金属膜CMPと呼ぶ)を1段若しくは多段に亘って行う。次に、これによって表面に露出したバリア金属材料(バリアメタル)を除去するCMP(以下、バリアメタルCMPと呼ぶ)を行うことが一般的になされている。しかしながら、金属膜CMPによって、配線部が過研磨されてしまういわゆるディッシングや、更にエロージョンを引き起こしてしまうことが問題となっている。
このディッシングを軽減するため、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。即ち、バリアメタルCMPでは、金属配線材に比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が相対的に小さい場合は、配線部が早く研磨され、ディッシングやその結果としてのエロージョンが発生してしまう。これを防止するためにも、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度は適度に大きい方が望ましい。また、上述したディッシングなどは金属膜CMPで発生している場合が多く、バリアメタルCMPにおいてバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度を金属配線材の研磨速度より高めることにより、金属膜CMPで生じたディッシングを低減させることが可能となる。なお、このような高研磨速度は、バリアメタルCMPのスループットを上げるというメリットにも繋がる。
CMPに用いる金属用研磨液は、一般には砥粒(例えば、アルミナ、シリカ、酸化セリウム、ジルコニア)と酸化剤(例えば、過酸化水素、過硫酸、次亜塩素酸、硝酸)とが含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が皿上にたわむ現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨された上、複数の配線金属面が皿上にたわむ現象(エロージョン)などが発生することがある。
このような固体砥粒を含有する研磨液については、以下のような種々の検討がなされている。
例えば、研磨傷をほとんど発生させずに高速研磨することを目的としたCMP研磨剤及び研磨方法(例えば、特許文献1参照)、CMPにおける洗浄性を向上させた研磨組成物及び研磨方法(例えば、特許文献2参照)、及び、研磨砥粒の凝集防止を図った研磨用組成物(例えば、特許文献3参照)などがそれぞれ提案されている。
特開2003−17446号公報 特開2003−142435号公報 特開2000−84832号公報
しかしながら、本発明者らが上記研磨液について検討を行ったところ、バリア層を研磨する際の各種被研磨膜に対する高速研磨速度、各々の研磨速度の独立的な制御、及び、研磨砥粒の凝集防止という点では必ずしも満足できるものではなかった。さらには、これらの研磨液は、保存の際に沈殿物などが表れる場合があり、保存安定性という点においても問題があることを見出した。即ち、これら諸要求性能を十分に満足する研磨液は未だ見出されていないのが現状であり、研磨液のさらなる改良が必要とされていた。
そこで、本発明は、バリア金属材料からなるバリア層を研磨するバリアCMPに用いられる固体砥粒を用いた研磨液であって、バリア層などの各種被研磨膜に対する優れた研磨速度が得られ、且つ、各種被研磨対象膜に対して研磨速度を各々独立的に制御でき、さらに研磨砥粒の凝集が抑制され、保存安定性に優れる研磨液を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題に対し鋭意検討した結果、下記研磨液を用いることによって上記問題を解決できることを見出して目的を達成するに至った。
<1> 半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、砥粒、酸化剤、防食剤、酸、界面活性剤、及び包接化合物を含み、pHが5未満であることを特徴とする研磨液であって、
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、研磨液。
<2> 前記包接化合物が、シクロデキストリンであることを特徴とする<1>に記載の研磨液。
<3> 前記酸が、カルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする<1>または<2>に記載の研磨液。
<4> 前記酸が、2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の研磨液。
<5> 前記有機酸が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする<3>又は<4>に記載の研磨液。

(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。なお、RとRとは互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
<6> 更にジ4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の研磨液。
<7> 前記ジ4級アンモニウム塩が、下記一般式(2)で表されるアンモニウム塩であることを特徴とする<6>に記載の研磨液。

(一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。R〜Rのうち2つが互いに結合して環を形成してもよい。Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表す。Xは、陰イオンを表す。)
> 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンであることを特徴とする<2>〜<>のいずれかに記載の研磨液。
> 砥粒、防食剤、酸、及びジ4級アンモニウム塩を含有する溶液Aと、界面活性剤及び包接化合物を含有する溶液Bとを、混合して得られることを特徴とする<6>〜<>のいずれかに記載の研磨液。
<10> 前記酸化剤が、過酸化水素である、<1>〜<9>のいずれかに記載の研磨液。
<11> <1>〜<10>のいずれかに記載の研磨液を研磨パッドに供給し、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ、該研磨パッドと該被研磨体を相対運動させて該被研磨面を研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
本発明によれば、バリア金属材料からなるバリア層を研磨するバリアCMPに用いられる固体砥粒を用いた研磨液であって、バリア層に対する優れた研磨速度が得られ、且つ、各種被研磨対象膜に対して研磨速度を各々独立的に制御でき、さらに研磨砥粒の凝集が抑制され、保存安定性に優れる研磨液を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明に係る研磨液は、半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられ、砥粒、防食剤、酸、界面活性剤、包接化合物を含み、pHが5未満である研磨液であって、更に必要に応じて、任意の成分を含んでいてもよい。
本発明の研磨液が含有する各成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。
<砥粒>
本発明の研磨液は、砥粒を含有する。砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタン、マンガン、ジルコニアやダイヤモンドなど業界で一般に使用されているものを用いる事ができる。これらの中でもシリカ、アルミナ、セリアが好ましく用いられ、中でもシリカがスクラッチ低減の点で好ましく用いる事ができる。シリカの中では、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカなど目的に応じて使用可能であるが、スクラッチ低減の点では、コロイダルシリカをより好ましく用いる事ができる。
コロイダルシリカとしては、粒子内部にアルカリ金属などの不純物を含有しない、アルコキシシランの加水分解により得たコロイダルシリカであることが好ましい。一方、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去する方法で製造したコロイダルシリカも用いることができるものの、この場合、粒子の内部に残留するアルカリ金属が徐々に溶出し、研磨性能に影響を及ぼす懸念がある。このような観点からは、アルコキシシランの加水分解により得られたものが原料としてはより好ましいが、目的に応じて適宜選択可能である。
砥粒の粒径は、砥粒の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には5〜200nm程度であるが、スクラッチ低減の観点からは、10〜180nmの範囲であることが好ましい。
本発明の研磨液中の砥粒の含有量(濃度)は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、好ましくは0.05質量%以上30質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上25質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以上25質量%以下である。即ち、砥粒の含有量は、充分な研磨速度でバリア層を研磨する点で0.05質量%以上が好ましく、保存安定性、スクラッチの点で30質量%以下が好ましい。
本発明の研磨液には、異種砥粒を、本発明の効果を損なわない限りにおいて併用することができる。その場合、全砥粒のうち、コロイダルシリカの含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である事が好ましい。含有される砥粒の全てがコロイダルシリカであってもよい。
本発明の研磨液に対し、併用しうる砥粒としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等が好適に挙げられる。これら併用砥粒のサイズは、コロイダルシリカと同等か、0.5倍〜2倍以下であることが好ましい。
<防食剤>
本発明の研磨液は、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する防食剤(腐食抑制剤ともいう)を含有する。本発明に用いることができる防食剤としては、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物が選択され、具体的には、複素環化合物を挙げることができる。
ここで、「複素環化合物」とは、ヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、及び水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味する。
ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、最も好ましくは窒素原子、及び硫黄原子である。
まず、母核となる複素環について述べる。
本発明で用いうる複素環化合物の複素環の環員数は特に限定されず、単環化合物であっても縮合環を有する多環化合物であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは3〜8であり、さらに好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5及び6である。また、縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは2又は3である。
これらの複素環として、具体的には以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
例えば、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
次に、複素環が有しうる置換基について述べる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよいことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
複素環化合物が有しうる置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシル基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、ここで、「活性メチン基」とは、2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味する。「電子求引性基」とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。また、2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また、「塩」とはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これらの中でも、複素環化合物における好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基が挙げられる。
さらに好ましくは、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)が挙げられる。
また、上記した置換基の2つが共同して環(芳香族又は非芳香族の炭化水素環、又は複素芳香環)を形成してもよく、さらに組み合わされて多環縮合環を形成してもよい。その例として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環などが挙げられる。
複素環化合物の具体例としては、これらに限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
例えば、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾール−5−コハク酸、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、4−カルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジカルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール−4−酢酸、4−カルボキシ−5−カルボキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−カルボキシ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジカルボキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−酢酸、1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。中でも、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールから選ばれることがより好ましい。
これらの防食剤は、単独で使用する事も、2種以上併用して使用する事も可能である。
本発明の研磨液における複素環化合物の含有量としては、総量として、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液)1L中、0.0001〜1.5molの範囲が好ましく、より好ましくは0.0005〜1.0molの範囲、更に好ましくは0.0005〜0.8molの範囲である。上記範囲内であれば、研磨速度がより優れ、かつスクラッチもより抑制される。
<酸>
本発明の研磨液は、酸を含有する。酸としては、無機酸あるいは、有機酸を目的に応じ使用する事が可能であり、これらの併用も可能である。本発明においては、カルボキシル基を有する有機酸を好ましく用いる事ができる。カルボキシル基を有する有機酸としては、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、α―アラニン)などが挙げられる。なかでも、研磨速度向上の観点から、下記一般式(1)で表される化合物を選択することが好ましい。
なお、分子内に存在するカルボキシル基は、1〜4個であることが好ましく、安価に使用できる観点からは、1〜2個であることがより好ましい。
(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。なお、RとRとは互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
一般式(1)中、Rは一価の炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。例えば、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基などが好ましい。
一般式(1)中、Rは2価の炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン基、シクロアルキレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基など)、アルキレンオキシ基などが好ましい。
及びRで表される炭化水素基又は酸素含有炭化水素基は、置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、などが挙げられ、置換基としてカルボキシル基を有する場合、この化合物は複数のカルボキシル基を有することになる。
とRは互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。形成される環状構造は特に限定されない。該環状構造は、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよく、環式炭化水素が好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸などが挙げられる。中でも、被研磨面を高速で研磨する観点から、2,5−フランジカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、フェノキシ酢酸が好ましい。
また、カルボキシル基を有する化合物の好ましい態様の一つとして、分子内に少なくとも2つのカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。なお、分子内に存在するカルボキシル基は、さらに2〜4個であることが好ましく、安価に使用できる観点からは、2個であることがより好ましい。例えば、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、ポリアクリル酸などが挙げられる。
本発明の研磨液において、酸(好ましくは、一般式(1)で表される化合物)の含有量は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。即ち、十分な研磨速度を達成する点で、0.01質量%以上が好ましく、過剰なディッシングを発生させない点から、10質量%以下が好ましい。
<界面活性剤>
本発明で用いられる界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤の何れでも構わないが、陰イオン界面活性剤(中でも、酸型)、又は陽イオン界面活性剤が好ましく用いられる。界面活性剤の種類、量を調整することで、研磨速度を向上させることや、絶縁層層の研磨速度を制御することができる。なお、塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩及びカリウム塩が好ましく、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸又はその塩、スルホン酸又はその塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられる。カルボン酸又はその塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸又はその塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、アシル化ペプチドなどが挙げられる。スルホン酸又はその塩として、アルキルスルホン酸又はその塩、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンスルホン酸又はそれらの塩、ナフタレンスルホン酸又はその塩、スルホコハク酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸又はその塩、N−アシルスルホン酸又はその塩などが挙げられる。硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸又はその塩、アルキルエーテル硫酸又はその塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸又はそれらの塩、アルキルアミド硫酸又はその塩などが挙げられる。リン酸エステル塩として、アルキルリン酸又はその塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸又はその塩を挙げることができ、中でもスルホン酸又はスルホン酸塩が好ましく用いられる。
更に、本発明で用いられる界面活性剤の好適態様として、絶縁層の研磨速度を向上させる観点から、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。また、絶縁層の研磨速度を抑制させる観点からアルキル基及び/又はアリール基を有する界面活性剤であることが好ましく、下記一般式(3)で表される界面活性剤であることがより好ましい。
(一般式(3)中、Rは炭化水素基を表す。Yは、陽イオンを表す。)
は、炭化水素基を表し、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数6〜20)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アルキルアリール基(好ましくは、アルキル部分は炭素数6〜20)などが好ましく挙げられる。これらの基は、更にアルキル基等の置換基を有していてもよい。
は、陽イオンを表す。好ましくは、水素イオン、アルカリ金属イオン、または第4級アンモニウムイオン、オキソニウムイオンやアンモニウムイオンなどの多原子イオン、
銀イオンや銅(I)イオンのような単原子金属イオン、ジアンミン銀イオンやビオレオなどの錯イオンなどが挙げられる。なかでも、水素イオン、アルカリ金属イオン、または第4級アンモニウムイオン、オキソニウムイオンやアンモニウムイオンなどの多原子イオンが好ましい。
一般式(3)で表される界面活性剤の具体例としては、例えば、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、テトラデシルナフタレンスルホン酸等の界面活性剤が挙げられる。
陽イオン界面活性剤の好適態様として、下記一般式(4)で表される界面活性剤が挙げられる。
(一般式(4)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。但し、R〜Rが、全て同じ炭化水素であることはない。Zは、陰イオンを表す。)
〜Rは、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。具体的には、アルキル基、アリール基(例えば、フェニル基)などが挙げられ、中でも、炭素数1〜20の直鎖及び分鎖アルキル基が好ましく挙げられる。
なお、R〜Rのうち2つが互いに結合し、ピリジン構造、ピロリジン構造、ピペリジン構造、ピロール構造などの環状構造を形成してもよい。
は、陰イオンを表す。具体的には、水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、硝酸イオン、硫酸イオン、燐酸イオン、炭化水素イオン、亜硝酸イオン、スルホン酸イオン、酢酸イオン、燐酸二水素イオン、炭酸イオン、チオ硫酸イオン、酸化物イオン、硫化物イオン、過酸化物イオン、燐酸一水素イオン、過マンガン酸イオン、次亜塩素酸イオン、テトラクロロ銅(II)酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどが挙げられる。
一般式(4)で表される界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、パルチミルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、ドデシルピリジニウム、デシルピリジニウム、オクチルピリジニウム等の化合物が挙げられる。
本発明における界面活性剤としては、上記一般式(3)、又は(4)で表される界面活性剤以外を用いてもよい。例えば、一般式(3)で表される界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられる。
より具体的には、カルボン酸塩としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;
硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;
リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を好ましく用いることができる。
陽イオン界面活性剤としては、一般式(4)表される界面活性剤の他、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドなどを挙げることができる。
非イオン界面活性剤としては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型などが挙げられる。エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキル及びアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル等が挙げられる。エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル等が挙げられる。含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。
その他に、本発明に用いうる界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は1種のみでもよいし、2種以上を使用してもよく、異なる種類の活性剤を併用することもできる。
本発明の研磨液中における界面活性剤の含有量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液において、1×10−6質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは1×10−6質量%〜3質量%、更に好ましくは1×10−6質量%〜2.5質量%である。上記範囲内であれば、研磨速度がより優れ、かつスクラッチもより抑制される。
<包接化合物>
本発明の研磨液は、研磨速度向上、保存安定性の観点で、包接化合物を含有する。本明細書において、包接化合物とは、分子内部や分子集合体の内部に空洞を有し、他のイオン、原子または分子などを識別し、それらを種々の相互作用によって空洞内に取り込む化合物と定義される。
このような包接化合物としては、例えば、シクロデキストリン類、シクロファン類、中性ポリリガンド、環状ポリアニオン、環状ポリカチオン、環状ペプチド等が挙げられる。本発明のおいては、保存安定性がより向上する点で、シクロデキストリン類が好ましく用いられる。
シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースがグルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。グルコースが5個以上結合したものが知られており、一般的なものはグルコースが6〜8個結合したものである。それぞれ6個結合しているものがα−シクロデキストリン、7個結合しているものがβ−シクロデキストリン、8個結合しているものがγ−シクロデキストリンと呼ばれる。このうち比較的安価に入手可能なβ−シクロデキストリンがより好ましい。
包接化合物は、研磨液に入っていれさえすればよいが、保存安定性の観点から、界面活性剤の添加前に研磨液に添加されていることが好ましい。或いは、界面活性剤と包接化合物を混合した溶液を別に調製し、砥粒など他の成分が含まれている研磨液に添加してもよい。また、界面活性剤と包接化合物を混合した溶液とその他の成分の溶液とを別々に調製し、研磨直前に任意の比率で混合する事で、研磨速度を自在に変える事も可能である。
本発明の研磨液中の包接化合物の含有量は、保存安定性と研磨速度の観点から、1×10−7質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは、1×10−7質量%〜15質量%、更に好ましくは1×10−7質量%〜10質量%が好ましい。
また包接化合物の量は、界面活性剤との兼ね合いで決める事も可能で、界面活性剤1molあたり、0.01mol〜50mol、好ましくは0.01〜40mol、更に好ましくは0.01〜30molの範囲で使用量を決める事もできる。
<ジ4級アンモニウム塩>
本発明の研磨液は、ジ4級アンモニウム塩(以下、単に、「特定カチオン塩」と称する場合がある。)を含有してもよい。
本発明におけるジ4級アンモニウム塩は、化学構造中に2つの4級窒素を含む構造であれば、特に限定されない。中でも、十分な研磨速度の向上を達成する観点から、下記一般式(2)で表されるアンモニウム塩であることが好ましい。
(一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。R〜Rのうち2つが互いに結合して環を形成してもよい。Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表す。Xは、陰イオンを表す。)
〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
アルケニル基としては、炭素数2〜10が好ましく、具体的には、エチニル基、プロピル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、具体的には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシル基が好ましい。アリール基としては、具体的には、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でも、フェニル基が好ましい。アラルキル基としては、具体的には、ベンジル基が挙げられる。
上記各基は、更に置換基を有していてもよい。導入しうる置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記一般式(1)におけるAは、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせた基を表す。なお、Aで表される連結基は、上記の有機連結基の他に、その鎖中に、−S−、−S(=O)−、−O−、−C(=O)−を含んでいてもよい。
アルキレン基としては、炭素数1〜10が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられる。中でも、エチレン基、ペンチレン基が好ましい。アルケニレン基としては、具体的には、エチニレンル基、プロピニレン基等が挙げられ、中でも、プロピニレン基が好ましい。シクロアルキレン基としては、具体的には、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシレン基が好ましい。アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられ、中でも、フェニレン基が好ましい。
上記の各連結基は更に置換基を有していてもよい。導入しうる置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
は、陰イオンを表す。具体的には、水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、硝酸イオン、硫酸イオン、燐酸イオン、炭化水素イオン、亜硝酸イオン、スルホン酸イオン、酢酸イオン、燐酸二水素イオン、炭酸イオン、チオ硫酸イオン、酸化物イオン、硫化物イオン、過酸化物イオン、燐酸一水素イオン、過マンガン酸イオン、次亜塩素酸イオン、テトラクロロ銅(II)酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどが挙げられる。
以下、本発明におけるジ4級アンモニウム塩中のジ4級アンモニウムカチオン部分(特定カチオン)の具体例(ジ4級カチオンA−1〜A−32)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のようなジ4級アンモニウムカチオン(特定カチオン)の中でも、スラリー中の分散安定性の点から、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A12、A14、A15、A18、A19、A23、A24、A29、A30、A31、A32が好ましい。なお、これらジ4級アンモニウムカチオンのカウンターアニオン(陰イオン)としては、上記のように水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、燐酸イオン、炭化水素イオン、亜硝酸イオン、スルホン酸イオン、酢酸イオン、燐酸二水素イオン、炭酸イオン、チオ硫酸イオン、酸化物イオン、硫化物イオン、過酸化物イオン、燐酸一水素イオン、過マンガン酸イオン、次亜塩素酸イオン、テトラクロロ銅(II)酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどの陰イオンが挙げられる。
本発明におけるジ4級アンモニウム塩(特定カチオン塩)は、例えば、アンモニアや各種アミンなどが求核剤としてはたらく置換反応により合成することができる。また、一般販売試薬としての購入も可能である。
本発明におけるジ4級アンモニウム塩(特定カチオン塩)の含有量は、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)に対して、0.0001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.001質量%以上3質量%以下が更に好ましい。即ち、研磨速度を十分に向上させる観点で、0.0001質量%以上が好ましく、十分なスラリーの安定性の観点で、5質量%以下が好ましい。
<酸化剤>
本発明の研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられ、中でも、過酸化水素が好ましく用いられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
酸化剤の含有量は、バリアCMP初期のディッシング量によって調整できる。バリアCMP初期のディッシング量が大きい場合、即ち、バリアCMPにおいて配線材をあまり研磨したくない場合には酸化剤を少ない含有量にすることが望ましい。ディッシング量が十分に小さく、配線材を高速で研磨したい場合は、酸化剤の添加量を多くすることが望ましい。このように、バリアCMP初期のディッシング状況によって酸化剤の含有量を変化させることが望ましいため、研磨に使用する際の研磨液の1L中に、0.001mol〜3molとすることが好ましく、0.005mol〜2molとすることが特に好ましい。
本発明の研磨剤は、上記成分の他に以下に示す成分も必要に応じ添加する事が可能である。
<pH調整剤>
本発明の研磨液は、pH5未満であることを要し、pH2.0〜4.5の範囲であることが好ましい。研磨液のpHをこの範囲に制御することで、バリア層及び層間絶縁膜の研磨速度調整がより顕著に行うことが可能にある。
pHを上記好ましい範囲に調整するために、アルカリ/酸又は緩衝剤が用いられる。本発明の研磨液は、pHがこの範囲において優れた効果を発揮する。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の含有量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜2.0molとすることが好ましく、0.003mol〜1molとすることがより好ましい。
<キレート剤>
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
キレート剤の含有量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜0.1molが好ましい。
本発明の研磨液は、その製造方法については特に制限されない。例えば、砥粒、酸化剤、防食剤、酸、界面活性剤、包接化合物、その他添加剤、水とを混合ミキサーなどの攪拌機を用いて十分に混合することによって製造することができる。また、設定pHに予め調整しておいてから混合する方法、あるいは混合後に設定pHに調整する方法を用いることができる。さらに、上記化合物を含む濃縮液を製造して、使用時に希釈して所定の濃度へと調整する方法を用いることもできる。
また、製造方法の好ましい態様の一つとして、砥粒、防食剤、酸、ジ4級アンモニウム塩を含有する溶液(A)と、界面活性剤、包接化合物を含有する溶液(B)とを別々に調整し、任意の比率で混合して、研磨液を製造することもできる。
本発明の研磨液は、一般に、半導体集積回路用基板の上に積層している銅金属および/または銅合金などからなる配線と層間絶縁膜との間に存在する、銅などの金属の拡散を防ぐためのバリア金属材料からなるバリア層と層間絶縁膜の化学的機械的研磨への使用に適する。なお、通常、半導体デバイス製造工程において、バリア層で覆われた低誘電率の層間絶縁膜上に金属メッキ処理により金属配線膜を設けた後、上記金属膜を金属用研磨液にて研磨する化学的機械的研磨工程の次にバリア層及び層間絶縁膜は研磨され、この際に本発明における研磨液が用いられることが好ましい。このとき、配線金属研磨後、バリア層研磨を行う前に洗浄などの工程を入れることが好ましい。
<バリア金属材料>
本発明の研磨液の研磨対象であるバリア層を構成する材料としては、一般に低抵抗のメタル材料がよく、特に、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でも、Ta、TaNが特に好ましい。
<層間絶縁膜>
本発明の研磨液の研磨対象である層間絶縁膜としては、TEOS(テトラエトキシシラン)等の通常用いられる層間絶縁膜の他、例えば、比誘電率が3.5〜2.0程度の低誘電率の材料(例えば、有機ポリマー系、SiOC系、SiOF系、等が挙げられ、通常、Low−k膜と略称される)を含む層間絶縁膜が挙げられる。
具体的には、低誘電率の層間絶縁膜の形成に用いる材料として、SiOC系ではHSG−R7(日立化成工業)、BLACKDIAMOND(Applied Materials,Inc)などがある。
<配線金属原材料>
本発明においては、研磨対象である被研磨体は、例えば、LSI等の半導体デバイスに適用されるような、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を有することが好ましい。特にこの配線の原材料としては、銅合金が好ましい。更に、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。
なお、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
<配線の太さ>
本発明においては、研磨対象である被研磨体が、例えば、DRAMデバイス系に適用される場合、ハーフピッチで0.15μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下である。
一方、被研磨体が、例えば、MPUデバイス系に適用される場合、0.12μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。
このような配線を有する被研磨体に対して、上述の本発明における研磨液は特に優れた効果を発揮する。
<研磨方法>
本発明の研磨液は、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合などがあるが、これらに限定されない。本発明の研磨液を用いた研磨方法にはいずれの場合の研磨液も適用可能である。この研磨方法(化学的機械的研磨方法)は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、被研磨面と研磨パッドを相対運動させる方法である。
研磨に用いられる装置としては、被研磨面を有する被研磨体(例えば、導電性材料膜が形成されたウエハ等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は被研磨体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する被研磨体の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体の面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには、研磨液をポンプ等で連続的に供給する。
研磨終了後の被研磨体は、流水中でよく洗浄された後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
本発明において、上記1.の方法のように、濃縮液を希釈する際には、下記に示す水溶液を用いることができる。水溶液は、予め、酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分と、を合計した成分が、研磨する際に使用する研磨液(使用液)の成分となるようにする。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
更に、濃縮液を水又は水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
また、別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
例えば、砥粒、酸化剤、防食剤、酸、任意に加えられるジ4級アンモニウム塩を構成成分(A)とし、界面活性剤、包接化合物を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
上記のような例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、又は、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸(例えば、有機酸)を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして被研磨面に供給してもよい。
本発明において、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、50〜800ml/minであることがより好ましい。なお、研磨している間、研磨パッドには、本発明の金属用研磨液をポンプなどで連続的に供給するのが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
<研磨パッド>
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
<ウエハ>
本発明における研磨液でCMPを行う対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
<研磨装置>
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300 (荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
上述したように、本発明の研磨液では、バリア層などの各種被研磨膜に対する優れた研磨速度、各種被研磨対象膜に対する研磨速度の制御、さらには、研磨砥粒の凝集が抑制された長期の保存安定性が実現される。本発明の構成成分のなかでも包接化合物を用いることで、研磨砥粒の凝集が抑制されて保存安定性が向上し、かつ研磨傷(スクラッチ)の発生が抑制される。この理由は明確ではないが、包接化合物が任意成分であるジ4級アンモニウムカチオン化合物、又は、アニオン界面活性剤などの界面活性剤のいずれかを取り込むことで、スクラッチの原因と予想される固体砥粒の凝集を抑制するためと考えている。
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記に示す組成の研磨液を調製し、研磨実験を行った。
<組成(1)>
・砥粒:コロイダルシリカ(扶桑化学工業社製PL−3) 300g/L
(二次粒子径:65nm、シリカ濃度20質量%)
・防食剤:ベンゾトリアゾール(BTA) 2.0g/L
・酸:ジグリコール酸 1g/L
・界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸 0.01g/L
・包接化合物:β−シクロデキストリン 0.5g/L
・ジ4級アンモニウム塩:ジ4級カチオンA1(陰イオン:硝酸イオン) 2.0g/L
・酸化剤:過酸化水素水(過酸化水素濃度30質量%) 35mL
・純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硝酸で調整) 3.5
<評価方法>
研磨装置として荏原製作所社製装置「F−REX 300」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、下記に示す各ウエハ膜を研磨した。
・テーブル回転数:90rpm
・ヘッド回転数:85rpm
・研磨圧力:14.0kPa
・研磨パッド:IC1400−XY−k Groove(ロデール社製)
・研磨液供給速度:300ml/min
<研磨速度評価:研磨対象物>
後述する研磨速度評価用の研磨対象物として、Si基板上に、Ta膜、TEOS膜、SiOC膜を成膜した12インチウエハを使用した。
<スクラッチ評価:研磨対象物>
研磨対象物として、フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程により、TEOS(テトラエトキシシラン)基板をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成し、更に、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成した。続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した12inchウエハを使用した。
<研磨速度>
研磨速度は、CMP前後におけるTa膜(バリア層)、TEOS膜、SiOC膜(絶縁膜)の膜厚をそれぞれ測定し、以下の式から換算することで求めた。
研磨速度(Å/分)=(研磨前の膜の厚さ−研磨後の膜の厚さ)/研磨時間
得られた結果を表1に示す。
<スクラッチ評価>
上記スクラッチ評価用の研磨対象物を、上記ウエハにてTEOSまで研磨(TEOS膜を50nm研磨)した後、研磨面を純水洗浄して乾燥した。乾燥した研磨面を光学顕微鏡にて観察し、下記の評価基準に基づいてスクラッチの評価を行った。なお、○及び△は、実用上問題の無いレベルと判断する。
−評価基準−
○:問題となるスクラッチは観測されず
△:ウエハ面内に問題となるスクラッチを1〜2個観測
×:ウエハ面内に問題となるスクラッチを多数観測
〔実施例2〜4、参考例5〜6、実施例7〜14、参考例15〜16、実施例17〜32、及び比較例1〜3〕
実施例1における組成(1)を、下記表1に記載の組成に変更して調製した研磨液を用い、実施例1と同様の研磨条件で、研磨実験を行った。結果を表1に示す。なお、表1で使用したジ4級アンモニウム塩(ジ4級カチオンA−1〜A−32)の陰イオンは、硝酸イオンである。また、表1で使用した過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は30質量%(wt%)である。
上記表1に記載されたジ4級カチオン欄の番号は、上述したジ4級アンモニウム塩中のジ4級アンモニウムカチオン部分の具体例A−1〜A−32と対応している。
また、上記表1中において略記された化合物の詳細を下記に示す。
防食剤
BTA:1,2,3−ベンゾトリアゾール
DBTA:5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール
DCEBTA:1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール
HEABTA:1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
HMBTA:1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール
上記表1に記載されたコロイダルシリカの一次粒径について下記に示す。なお、本発明のコロイダルシリカは全て扶桑化学工業社製である。なお、表1中の「20wt%」は、以下の各製品(PL−3、PL−3L,PL−3H、PL−2、PL−2L)中におけるコロイダルシリカ濃度を示す。
PL−3:一次粒径 35nm、会合度2
PL−3L:一次粒径 35nm 球状
PL−3H:一次粒径 35nm 会合度3
PL−2:一次粒径 25nm 会合度2
PL−2L:一次粒径 25nm 球状
表1によれば、実施例1〜4、参考例5〜6、実施例7〜14、参考例15〜16、実施例17〜32の研磨液を用いた場合は、比較例1〜3と比較して、各種被研磨膜に対して良好な研磨速度を示し、また、スクラッチ性能にも優れることが分かった。
一方、比較例2の研磨液はスクラッチ性能には比較的問題は小さいものの、SiOCの研磨速度は劣っていた。また、比較例1、3の研磨液は、Ta及びTEOSの研磨速度が低く、また、スクラッチ性能にも問題があることが分かった。包接化合物と界面活性剤を併用しない場合、SiOC研磨速度のみは比較的良好であるが、スクラッチ性能に劣ることが分かった。この原因としては、後述する保存時に発生する凝集、沈殿物に起因しているものと推測される。
以上のことから、本発明の研磨液は、Ta研磨速度に加え、TEOS、SiOC研磨速度にも優れ、更には、スクラッチ性能にも優れることが分かった。
〔実施例33〜35〕
実施例1において、ドデシルベンゼンスルホン酸とβ−シクロデキストリンを除いた研磨液A(pH 3.5に調整)と、ドデシルベンゼンスルホン酸の含有量が0.1g/Lでβ−シクロデキストリンの含有量が5g/Lで、溶媒が純水である溶液B1000mL(pH3.5に調整)を準備した。下記表2に示すとおり、AとBを任意の比率で混合することにより、SiOCの研磨速度を自在に制御できる事が分かった。
<保存安定性比較>
(実施例36〜39、参考例40〜41、実施例42〜49、参考例50〜51、実施例52〜67(実施例1〜4、参考例5〜6、実施例7〜14、参考例15〜16、実施例17〜32)、比較例4〜6(比較例1〜3))
前述の実施例1〜4、参考例5〜6、実施例7〜14、参考例15〜16、実施例17〜32、比較例1〜3の研磨液を用いて、以下の手順で保存安定性の評価を行った。調製した研磨液を試験管に入れ、25℃、湿度60%の環境下で放置し、調製直後、1日後、7日後、30日後、90日後の凝集、沈殿物の有無を目視で判断した。
評価において○は、研磨液の凝集、沈殿物が確認できなかったもの、△は、凝集、沈殿が確認できたが、攪拌で元の状態に戻る程度のもの、×は、攪拌しても元の状態に戻らない凝集、沈殿物ができているものとし、3段階の評価を行った。下記表3に評価した結果を示す。
表3に示す通り、本発明の研磨液は、長期に渡り、凝集、沈殿物の発生も無く、保存安定性に優れている事が分かった。また、実施例1〜4、実施例7〜14、実施例17〜32の本発明の研磨液は各膜種の研磨速度も変化無く、スクラッチの発生も見られなかった。これに対し、比較例の研磨液は、攪拌しても元の状態に戻らない凝集、沈殿物の発生があり、研磨速度の低下、スクラッチの上昇が確認された。以上のことからも本発明の研磨液が、研磨速度、スクラッチ、保存安定性の点で優れている事が分かった。

Claims (11)

  1. 半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、砥粒、酸化剤、防食剤、酸、界面活性剤、及び包接化合物を含み、pHが5未満であることを特徴とする研磨液であって、
    前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、研磨液。
  2. 前記包接化合物が、シクロデキストリンであることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記酸が、カルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨液。
  4. 前記酸が、2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 前記有機酸が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項3又は4に記載の研磨液。

    (一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。なお、RとRとは互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
  6. 更にジ4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨液。
  7. 前記ジ4級アンモニウム塩が、下記一般式(2)で表されるアンモニウム塩であることを特徴とする請求項6に記載の研磨液。

    (一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。R〜Rのうち2つが互いに結合して環を形成してもよい。Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表す。Xは、陰イオンを表す。)
  8. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンであることを特徴とする請求項2〜のいずれか1項に記載の研磨液。
  9. 砥粒、防食剤、酸、及びジ4級アンモニウム塩を含有する溶液Aと、界面活性剤及び包接化合物を含有する溶液Bとを、混合して得られることを特徴とする請求項6〜のいずれか1項に記載の研磨液。
  10. 前記酸化剤が、過酸化水素である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の研磨液。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の研磨液を研磨パッドに供給し、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ、該研磨パッドと該被研磨体を相対運動させて該被研磨面を研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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