JP2004204098A - 研磨液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に凹凸を有する被研磨基板を効率的かつ高レベルに平坦化することのできる研磨液組成物、この研磨液組成物を用いて凹凸を有する被研磨基板を平坦化する研磨方法、被研磨基板の平坦化方法、並びにこれらを用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】水系媒体中にシリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物、該研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法、前記研磨液組成物を用いる被研磨基板の平坦化方法、並びに前記研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】水系媒体中にシリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物、該研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法、前記研磨液組成物を用いる被研磨基板の平坦化方法、並びに前記研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は研磨液組成物、該研磨液組成物を用いる研磨方法、被研磨基板の平坦化方法、並びに半導体装置の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は特に薄膜を形成した表面に凹凸を有する半導体基板を平坦化する際に有用な研磨液組成物、及びこの研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する研磨方法、この研磨液組成物を用いる半導体基板の平坦化方法、並びにこれらを用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の超々大規模集積回路では、トランジスタおよび他の半導体素子を縮小して実装密度を高める傾向にある。このため、種々の微細加工技術が開発されている。その技術の一つに化学的機械的研磨(Chemical Mechnical Polishing、略してCMP)技術がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、例えば埋め込み素子分離、相関絶縁膜の平坦化、埋め込み金属配線形成、プラグ形成、埋め込みキャパシタ形成等を行う上で大変重要な技術である。中でも、種々の金属、絶縁膜等を積層する際に行う、被研磨表面の凹凸部の段差を低減させる平坦化は、半導体装置の微細化、高密度化の点から重要な工程であり、速やかに平坦化を実現させることが求められている。
【0003】
上記製造工程で用いられるCMP用研磨液として、水に研磨粒子を分散させたものが広く知られている。研磨粒子として、シリカが安価で高純度なことから多用されているが、研磨速度が、被研磨表面の凹部と凸部のパターンに大きく依存し、パターン密度差あるいはサイズ差の大小によって凸部の研磨速度が大きく異なり、また凹部の研磨も進行してしまうため、ウエハ面内全体での高いレベルの平坦化を実現することができないという問題がある。
【0004】
特許文献1、特許文献2にセリア粒子(酸化セリウム)、分散剤及び各種添加剤からなる研磨剤が開示されており、かかる研磨剤によれば、被研磨膜に存在する凹凸の凸部が選択的に研磨され、さらに凹部の研磨が抑制されることからパターン依存性の少ないグローバルな平坦化が達成可能であることが開示されている。しかし、セリア粒子は、研磨液中での分散安定性が低く、凝集しやすいためスクラッチが発生しやすく、かつ研磨性能も安定しないという問題があり、種々改良が行われているが、未だ満足できるものは得られていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−7061号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2001−57350号公報(請求項1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面に凹凸を有する被研磨基板を効率的かつ高レベルに平坦化することのできる研磨液組成物、この研磨液組成物を用いて凹凸を有する被研磨基板を平坦化する研磨方法、被研磨基板の平坦化方法、並びにこれらを用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 水系媒体中にシリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法、
〔3〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いる被研磨基板の平坦化方法、並びに
〔4〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記シリカ粒子としては、コロイダルシリカ粒子、フュームドシリカ粒子、表面修飾したシリカ粒子等が挙げられる。
【0009】
さらにこれらの中でも、コロイダルシリカ粒子が好ましい。コロイダルシリカ粒子は、形状が比較的球形に近く、一次粒子の状態で長期間安定に分散でき、凝集粒子を形成し難いため、被研磨表面に対してスクラッチを低減できる。
【0010】
フュームドシリカ粒子は、四塩化珪素等の揮発性珪素化合物を原料とし、酸水素バーナーによる1000℃以上の高温下で気相加水分解する方法で得ることができる。コロイダルシリカ粒子は、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させシリカ粒子を成長させる水ガラス法、またはテトラエトキシシラン等を原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒含有水中で縮合反応させシリカ粒子を成長させるアルコキシシラン法で得ることができる。これらのシリカ粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0011】
コロイダルシリカ粒子の平均粒子径は、研磨速度の観点、また、沈降・分離を防止する観点から、5〜500nmが好ましく、10〜300nmがより好ましく、20〜200nmが更に好ましい。なおコロイダルシリカ粒子の平均粒子径は、BET法で測定した比表面積を用いて、算出した一次粒子の平均粒子径である。なお、BET法より求める粒子径(nm)は、2720/比表面積{比表面積(m2 /g)}の式により算出される。
【0012】
さらに、コロイダルシリカ粒子は、平坦化特性の観点から、平均粒子径が2〜50nmである研磨粒子群(A)と、平均粒子径が52〜200nmである研磨粒子群(B)とを混合して用いることが好ましく、AとBの重量比(A/B)が0.5/1〜4.5/1であることが好ましい。さらに平坦化特性の観点から、研磨粒子群(A)として混合される研磨粒子のうち平均粒子径が最小である研磨粒子(Dmin )と、研磨粒子群(B)として混合される研磨粒子のうち平均粒子径が最大である研磨粒子(Dmax )との平均粒子径比(Dmax /Dmin )は3を超えることが好ましい。
【0013】
ヒュームドシリカ粒子の平均粒子径は、研磨速度の観点、また、沈降・分離を防止する観点から、20〜2000nmが好ましく、30〜1000nmがより好ましく、40〜800nmが更に好ましく、50〜400nmが特に好ましい。なおヒュームドシリカの平均粒子径は、ヒュームドシリカが二次凝集しているため、光散乱法又は光回折法で測定される二次粒子の平均粒子径である。
【0014】
研磨液組成物中のシリカ粒子の量は、下限は研磨速度の観点、上限は分散安定性やコストの観点から、1〜50重量%が好ましく、3〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%が更に好ましい。
【0015】
本発明において、重合体粒子としては、熱可塑性樹脂からなる粒子及び熱硬化性樹脂からなる粒子が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。該樹脂としては、研磨速度および平坦化特性の観点から、熱可塑性樹脂からなる粒子が好ましく、中でもポリスチレン樹脂又は(メタ)アクリル樹脂からなる粒子が好ましい。
【0016】
ポリスチレン樹脂としては、ポリスチレン及びスチレン系共重合体等が挙げられる。スチレン系共重合体は、スチレンと各種エチレン性不飽和単量体からなる共重合体であり、共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸等のスルホン酸系単量体、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ビニルピリジン等のアミノ系単量体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩系単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のノニオン系単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋性単量体等が挙げられる。
【0017】
(メタ)アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル系共重合体等が挙げられる。アクリル系共重合体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体の1種以上と各種エチレン性不飽和単量体からなる共重合体であり、共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、スチレン系共重合体の場合と同様の単量体が挙げられる。
【0018】
なかでも、重合体粒子がポリスチレン樹脂又は(メタ)アクリル樹脂からなる場合、重合体粒子を架橋して用いることが可能である。架橋は前記共重合可能な架橋性単量体を適宜共重合することにより行うことができる。この架橋の程度は、架橋度により表され、上限は研磨速度の観点から、下限は被研磨面の面内均一性向上の観点から、0.5〜50が好ましく、1〜30がより好ましい。ここで架橋度とは、重合体あたりの共重合可能な架橋性単量体の仕込み重量%である。
【0019】
重合体粒子を構成する樹脂は、研磨速度向上効果の点で、そのガラス転移温度が200℃以下のものが好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度200℃以下の樹脂としては、ポリエチレン(-120℃)、ポリプロピレン(-10 ℃)、ポリスチレン(100 ℃)、ポリメチルアクリレート(3 ℃)、ポリメチルメタクリレート(115 ℃:シンジオタクチック、45℃:イソタクチック)、ポリブチルメタクリレート(21℃)、ポリ塩化ビニル(87℃)、ポリクロロプレン(-50 ℃)、ポリビニルアセテート(28℃)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、ガラス転移温度の値は「高分子と複合材料の力学的性質」(株)化学同人のP316〜318 に記載された値である。
【0020】
重合体粒子は、乳化重合、沈殿重合又は懸濁重合によりエチレン性不飽和単量体から直接粒子を得る方法、重合体を乳化分散する方法、又は塊状の樹脂を粉砕する方法により得ることができ、さらにこのようにして得られた重合体粒子は、必要に応じて分級して用いることができる。なかでも本発明で有用な粒子径の重合体粒子を容易に得ることができる点で、乳化重合が好ましい。
【0021】
重合体粒子の平均粒子径は、研磨速度の向上および平坦化特性の観点、また、沈降・分離を防止する観点から、10〜1000nmが好ましく、20〜800nmがより好ましく、20〜500nmがさらに好ましい。なお平均粒子径は、光散乱法又は光回折法で測定することができる。
【0022】
また、重合体粒子の平均粒子径Dp(nm)は、研磨速度の観点から、シリカ粒子の平均粒子径Di(nm)に対して、Dp≦Di+50nmを満たすことが好ましい。ただし、Dp、Diは、重合体粒子、シリカ粒子の平均粒子径をそれぞれnm単位で表した値である。
【0023】
研磨液組成物中の重合体粒子の量は、研磨速度の向上および平坦化特性の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜15重量%がより好ましく、0.3〜10重量%が更に好ましい。
【0024】
本発明において、カチオン性化合物とは、分子内に陽イオン基又はアミノ基を有する化合物をいう。これらカチオン性化合物のなかでも、平坦化特性の観点から、アミン化合物、四級アンモニウム塩化合物、ベタイン化合物及びアミノ酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。さらに、経時変化に対する安定性の観点から、四級アンモニウム塩化合物が好ましい。
【0025】
カチオン性化合物の分子量は、水溶性の観点から30〜10000が好ましく、30〜1000がより好ましく、30〜500がさらに好ましく、40〜200が最も好ましい。カチオン性化合物の1分子中に含まれるアミノ基及び/又は四級アンモニウム基数は、配合性の観点から1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。カチオン性化合物の1分子中に含まれる炭素原子と窒素原子の比(C/N比)は、配合性の観点から、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
【0026】
アミン化合物としては、モノアミン、多価アミン、OH基を含有するアミン、エーテル基を含有するアミン、窒素原子を含有する複素環化合物が挙げられる。
【0027】
モノアミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜20のものが好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。具体的には、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、バレリルアミン、イソバレリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アリルアミン等の一級アミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン等の二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミンが挙げられる。
【0028】
多価アミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜30のものが好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15がさらに好ましく、2〜10が特に好ましい。具体的には、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノ)メタン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−プロパンジアミン、N,N,2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラメチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、スペルミジン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレントリアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等の分子内にアミノ基を3個以上有する多価アミンが挙げられる。
【0029】
また、OH基を含有するアミン、エーテル基を含有するアミンとしては、水溶性の観点から、炭素数1〜30のものが好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15がさらに好ましく、2〜10が特に好ましい。具体的には、モノエタノールアミン、1−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N,N−ジエチルヒドロキシアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−エチルアミノエタノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−(イソプロピルアミノ)エタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−{2−(ジメチルアミノ)エトキシ}エタノール、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール等のOH基含有アミン、2−メトキシエチルアミン、2−アミノ−1−メトキシプロパン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン等のエーテル基含有アミンが挙げられる。
【0030】
他のアミンとしては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の高分子アミンが挙げられる。
【0031】
また、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、ピラジン、ピロール、トリエチレンジアミン、モルホリン、2−アミノピリジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の窒素原子を含有する複素環化合物等も挙げられる。
【0032】
四級アンモニウム塩化合物としては、水溶性の観点から、炭素数4〜20のものが好ましく、より好ましくは4〜15、さらに好ましくは4〜7である。ただしこの炭素数には対アニオン分子中に含まれる炭素は含まれない。四級アンモニウム塩化合物としては、下記式(I)、(II)で表される化合物が好ましい。
【0033】
【化1】
【0034】
[式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は独立して炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基、X- は一価の陰イオンを示す。]
【0035】
式(I)において、R1 、R2 、R3 及びR4 は、炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基であり、水溶性の観点から、脂肪族アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。また、X- は一価の陰イオンであり、OH- 、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、NO3 - 、HSO4 - 、CH3 SO3 - 、H2 PO4 - 、HCOO- 、CH3 COO- 、CH3 CH(OH)COO- 、C2 H5 COO- 等が挙げられるが、半導体基板の研磨に用いる場合、OH- 、CH3 COO- 、HCOO- が好ましい。式(I)で表される四級アンモニウム塩化合物の具体的な例としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、エチルトリメチルアンモニウム塩、プロピルトリメチルアンモニウム塩、ブチルトリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−ヒドロキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、フェニルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等が挙げられる。また、これらの塩の例としては、ハイドロオキサイド、クロライド、ブロマイド、アセテート又はホルメートとの塩が挙げられる。
【0036】
【化2】
【0037】
[式中、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 及びR10は独立して炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基、X- は一価の陰イオン、nは1〜12の整数を示す。]
【0038】
式(II)において、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 及びR10は、炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基であり、水溶性の観点から、脂肪族アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。また、X- は一価の陰イオンであり、OH- 、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、NO3 - 、HSO4 - 、CH3 SO3 - 、H2 PO4 - 、HCOO- 、CH3 COO- 、CH3 CH(OH)COO- 、C2 H5 COO- 等が挙げられるが、半導体基板の研磨に用いる場合、OH- 、CH3COO- 、HCOO- が好ましく、nは1〜12の整数であり、配合性の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。式(II)で表される四級アンモニウム塩系化合物の具体的な例としては、N,N’−テトラメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)、N,N’−ペンタメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)等が挙げられる。また、これらの塩の例としては、ハイドロオキサイド、クロライド、ブロマイド、アセテート又はホルメートとの塩が挙げられる。
【0039】
ベタイン化合物としては、水溶性の観点から炭素数4〜20のものが好ましく、4〜15がより好ましく、4〜7がさらに好ましい。具体的には、トリメチルグリシン等の酢酸ベタイン、トリメチルアミノプロピオン酸ベタイン等のβ−N−アルキルアミノプロピオン酸、2−メチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリンカルボン酸、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピルトリメチルベタイン等のスルホベタイン等が挙げられる。
【0040】
アミノ酸化合物としては、水溶性の観点から炭素数1〜20のものが好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、1〜6が特に好ましい。具体的には、グリシン、アラニン、セリン、トリプトファン、グルタミン、リシン、アルギニン等のα−アミノ酸、β−アラニン等のβ−アミノ酸、γ−アミノ酪酸等のγ−アミノ酸が挙げられる。
【0041】
これらの中で、さらに好ましくは、水溶性の観点、平坦化特性の観点から、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、テトラメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−ヒドロキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N’−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)、アルギニン等である。
【0042】
研磨液組成物中のカチオン性化合物の量は、平坦化特性の観点から、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。また、研磨速度の観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下が更に好ましい。両者の観点から、0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜15重量%がより好ましく、0.1〜10重量%以上がさらに好ましい。
【0043】
本発明において、水系媒体としては、水、及びアルコール等の水と混じり合う溶媒との混合媒体物を使用することができるが、イオン交換水等の水を用いることが好ましい。研磨液組成物中の水系媒体の含有量は、研磨速度向上の観点及び沈降・分離を防止する観点から、40〜98.85重量%が好ましく、60〜95重量%がより好ましい。
【0044】
本発明の研磨液組成物は、シリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を水系媒体に配合することにより調製することができる。なかでも、配合時のシリカ粒子及び重合体粒子の分散安定性の点から、シリカ粒子を含む水分散体と重合体粒子を含む水分散体とカチオン性化合物を溶解した水溶液とを攪拌混合する方法が好ましい。
【0045】
シリカ粒子を含む水分散体は、例えば、以下の方法によって調製することができる。粉末状のシリカ粒子を、必要に応じてさらに粉砕し、水系媒体中に配合し、超音波、攪拌、混練等の機械力により強制的に分散する方法。水系媒体中でシリカ粒子を成長させる方法。中でも、水系媒体中でシリカ粒子を成長させる方法は、得られるシリカ粒子が一次粒子の状態で安定に分散しており、さらに粒径の制御も容易であり好ましい。
【0046】
重合体粒子を含む水分散体は、例えば、以下の方法によって調製することができる。水系媒体を用いて単量体を重合させ、あるいは必要に応じて他の単量体と共重合させ、生成する重合体粒子とそれを含む水系媒体を、そのまま得る方法。有機溶媒を用いて単量体を重合させ、あるいは必要に応じて他の単量体と共重合させ、生成する重合体粒子とそれを含む有機溶媒を、蒸留等によりそのまま水系媒体に溶媒置換し、水分散体を得る方法。水系媒体あるいは有機溶媒を用いて重合し、得られた重合体を乾燥及び粉砕等を行った後、得られる粉末を水系媒体に再分散させ、水分散体を得る方法。中でも、水系媒体を用いて単量体を重合させ、あるいは必要に応じて他の単量体と共重合させ、生成する重合体粒子とそれを含む水系媒体を混合したものをそのまま水分散体として用いる方法が、簡便であり、得られる重合体粒子の平均粒子径の制御も容易であり好ましい。
【0047】
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度の観点から、7〜13が好ましく、8〜12がより好ましく、9〜12がさらに好ましい。
【0048】
研磨液組成物を上記のpHに調整するためにpH調整剤を用いることができる。pH調整剤としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水溶性有機アミン、四級アンモニウムハイドロオキサイド等の塩基性物質、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸及び、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等の酸性物質が挙げられる。
【0049】
本発明の研磨液組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、分散安定化剤、防腐剤等が挙げられる。
【0050】
分散安定化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、あるいは、ポリアクリル酸又はその塩、アクリル酸共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体(プルロニック類)等の高分子分散剤等が挙げられる。
【0051】
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、次亜塩素酸塩等が挙げられる。
【0052】
本発明の研磨液組成物は、被研磨表面に凹凸のパターンを持たない被研磨物を研磨する場合、研磨荷重が低い領域では、研磨速度が低く抑えられ、研磨荷重が高い領域では高い研磨速度を発現するため、その研磨速度は研磨荷重に大きく依存し、屈曲点(研磨荷重と研磨速度の関係をプロットした場合に、ある研磨荷重を境に、研磨速度が増大し、グラフの傾きが変化する点)を有する研磨特性を示す。一方、通常のシリカ系研磨液では、屈曲点を有さず研磨速度は、研磨荷重にほぼ比例した研磨特性となる(図1参照)。
【0053】
本発明の研磨液組成物が、このような研磨特性を示す理由は明確ではないが、シリカ粒子、重合体粒子およびカチオン性化合物が共存することにより、以下のようなメカニズムが起こっているためと考えられる。すなわち、研磨液組成物が研磨中に強い剪断力を受けると、重合体粒子がシリカ粒子を巻き込みながら凝集し、研磨力の高い凝集複合体粒子が生成するため、重合体粒子を含まないシリカ粒子のみ研磨液に対して、研磨速度が大きく向上する。一方、カチオン性化合物は、pH7以上の研磨液組成物中では、シリカ粒子表面および被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、シリカ粒子と被研磨表面の作用を阻害し、研磨速度を低下させる。しかし高荷重では強い物理力が働くため、カチオン性化合物の吸着被膜が破断し、研磨速度が増大する。結果、このような研磨特性を示すと推定される。この研磨液組成物で、表面に凹凸を有する被研磨物を研磨する場合、研磨荷重を屈曲点付近に設定することで、シリカ粒子のみの研磨液に比べ、凸部は高い研磨速度で、凹部は抑制された低い研磨速度で研磨されることになるため、凸部のみが選択的に研磨され効率的に平坦化が進行する。さらに平坦化が完了したパターン部は屈曲点付近の低い研磨速度となるため、研磨がほとんど進行しなくなりパターン依存性の少ない高度な平坦化を実現できる。
【0054】
本発明の研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法としては、特に制限はなく、一般的な方法を用いることができる。中でも好ましくは、被研磨基板に代表される研磨される被研磨物を保持する治具と研磨布を備える研磨装置が用いられる。研磨布としては、有機高分子系の発泡体、無発泡体、不織布状の研磨布等を張り付けた研磨盤に、上記被研磨物を保持する治具を押しつけ、あるいは、研磨布を張り付けた研磨盤に、上記被研磨物を挟み込み、本発明の研磨液組成物を被研磨物表面に供給し、一定の圧力を加えながら研磨盤や被研磨物を動かすことにより被研磨物表面を研磨する方法が挙げられる。
【0055】
本発明の対象である被研磨基板に代表される被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂などが挙げられる。特に、ガラスやTEOS膜等の二酸化ケイ素を有する基板を研磨する際に本発明の研磨液組成物を用いた場合、効率的に基板の平坦化が実現できる。
【0056】
これらの被研磨物の形状には特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に適しており、特に凹凸を有する半導体基板を平坦化する目的で行う研磨に好適である。特に50nm〜2000nmの凹凸段差を有する半導体基板を平坦化する目的で行う研磨に好適である。凹凸段差はプロファイル測定装置(例えばKLA−Tencor社製、商品名:HRP−100)により求めることができる。従って、本発明の研磨液組成物は、半導体基板等の被研磨基板の平坦化方法に好適に用いることができる。
【0057】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有するものである。その例としては、凹凸のある半導体基板の上方に薄膜を形成する工程と、該薄膜を研磨する研磨工程とを備え、上記研磨工程において水系媒体中に、シリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物を該薄膜表面に供給して、凹凸のある該薄膜表面をCMPにより平坦化することからなるものが挙げられ、このような工程として、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等があるが、特に埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜平坦化工程に適しており、メモリーIC、ロジックIC、あるいはシステムLSI等の製造に好適に用いられる。
【0058】
【実施例】
以下の実施例中の「重量%」は、重合体粒子の水分散体全量又は研磨液組成物全量に対してである。「部」は、重量部を示す。
【0059】
合成例1(重合体粒子(a)の合成)
スチレン27部、55%ジビニルベンゼン3部、脂肪酸カリウム(花王(株)製、KSソープ)1.5部、イオン交換水68.5部を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換し、65℃に昇温した。フラスコに0.06部の過硫酸カリウムを投入し、3時間重合し、重合体粒子の水分散液を得た。光散乱法(大塚電子(株)製、商品名:レーザーゼータ電位計 ELS8000)にて測定した平均粒子径は71nmであった。
【0060】
合成例2(重合体粒子( b) の合成)
スチレン30部、脂肪酸カリウム(花王(株)製、KSソープ)1.5部、イオン交換水68.5部を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換し、65℃に昇温した。フラスコに0.06部の過硫酸カリウムを投入し、3時間重合し、重合体粒子の水分散液を得た。光散乱法(大塚電子(株)製、商品名:レーザーゼータ電位計 ELS8000)にて測定した平均粒子径は80nmであった。
【0061】
合成例3(重合体粒子(c)の合成)
スチレン27部、55%ジビニルベンゼン3部、スルホコハク酸型界面活性剤(花王(株)製、ラテムルS−180)1.5部、イオン交換水68.5部を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換し、65℃に昇温した。フラスコに0.06部の過硫酸カリウムを投入し、3時間重合し、重合体粒子の水分散液を得た。光散乱法(大塚電子(株)製、商品名:レーザーゼータ電位計 ELS8000)にて測定した平均粒子径は81nmであった。
【0062】
実施例1
N-ヒドロキシプロピル-N,N,N- トリメチルアンモニウムホルメート(花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.430)2.3部にイオン交換水51部を加え攪拌溶解する。攪拌下、さらに合成例1において得られた重合体粒子(a)の水分散液6.7部(重合体粒子は2部)とコロイダルシリカの水分散液(デュポン製、商品名:Syton OX-K50、有効分50%、平均粒子径40nm)40部を加え、研磨液組成物を得た。必要に応じて、研磨液組成物のpHは、10.5〜11.5となるよう水酸化カリウム水溶液で調整した。
【0063】
このようにして調製した研磨液組成物を用い、以下の条件で研磨試験を行い、評価した。
【0064】
<研磨条件>
研磨試験機:ラップマスターSFT製、商品名:LP−541(プラテン径540mm)
研磨パッド:ロデール・ニッタ製、商品名:IC−1000/Sub400
プラテン回転数:60rpm
キャリア回転数:58rpm
研磨液供給量:200(g/min)
研磨荷重:200〜500(g/cm 2 )
【0065】
<研磨速度測定/評価方法>
1.ブランケットウエハ
被研磨材として8インチ(200mm)シリコン基板上に2μm のPE−TEOSを成膜したもの(ブランケットウエハ)を用いて、上記設定条件で2分間研磨し、研磨前後の残存膜厚差から研磨速度(nm/min)を求めた。なお残存膜厚の測定は光干渉式膜厚計(大日本スクリーン製造(株)製、商品名:VM−1000)を用いた。研磨荷重と研磨速度の関係をプロットし、研磨特性を評価した。
【0066】
2.パターンウエハ
平坦化特性を評価するために、被研磨材としてCMP特性評価用市販ウエハ(パターンウエハ、商品名:SKW7−2、SKWアソシエーテス社(SKW Associates,Inc.) 製:凹凸段差8000Å( 800nm) のパターンを形成した8インチシリコンウエハ上に厚さ2000nmのPE−TEOSを製膜した構造)を用いて、TEOS膜の凹凸段差が研磨により平坦化される過程を測定し評価を行った。具体的には、上記設定条件で研磨1分毎にウエハ上のD10,D50,D90 パターン(D10 :凸部幅10μm /凹部幅90μm のLine&Spaceパターン、D50 :凸部幅50μm /凹部幅50μm のLine&Spaceパターン、D90 :凸部幅90μm /凹部幅10μm のLine&Spaceパターン)の凸部と凹部の残存膜厚(測定は上記に同じ)を測定し、図2に示す凸部、凹部の基準面1からの高さに相当する(凸部残存膜厚2+初期段差3)及び凹部残存膜厚4の値を研磨時間に対してプロットし、平坦化特性及びパターン依存性を評価した。
【0067】
<ブランケットウエハの研磨結果>
実施例1の研磨液組成物を用いて行ったブランケットウエハの研磨において、研磨荷重と研磨速度関係を図3に示す。図3には比較のために、重合体粒子とカチオン性化合物を配合していない比較例1の研磨液組成物で行った結果を併記した。図3より、低荷重(200g/cm2 ) の研磨速度が抑制され、高荷重(500g/cm 2 )で高い研磨速度が発現しており、研磨荷重−研磨速度の関係に屈曲点が得られた。
【0068】
<パターンウエハの研磨結果>
実施例1の研磨液組成物を用い、設定研磨荷重300g/cm2で行ったパターンウエハの研磨において、研磨時間ごとの凹部凸部の基準面からの高さ、すなわち研磨の進行の経時変化を図12に示す。重合体粒子とカチオン性化合物を配合していない比較例1の研磨液組成物の研磨結果(図20)と比較すると、▲1▼研磨時間1分から2分の研磨初期に凸部の高さ(膜厚)がより速く減少し、▲2▼凸部研磨が進行し、凹部との高さの差(段差)がほとんどなくなった時点で、凸部凹部とも研磨の進行が低下し、パターン間(D10,D50,D90)の高さの差が小さく抑えられることがわかる。このように、実施例1の研磨液組成物は、初期の凸部研磨速度が高いため平坦化の効率が高く、さらに、平坦化進行後は、凸部凹部の研磨の進行が低下するため、凹凸パターンに依存しにくく高度な平坦化が達成可能であることがわかる。
【0069】
実施例2〜8、比較例1〜3
表1に示すシリカ粒子、表2に示すカチオン性化合物及び重合体粒子を、表3に示す配合量に従い、実施例1と同様にして混合することにより研磨液組成物を調製した。得られた研磨液組成物を用いて、実施例1と同様に、ブランケットウエハおよびパターンウエハを研磨し評価した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
<ブランケットウエハの研磨結果>
表3の各実施例の研磨液組成物を用いて行ったブランケットウエハの研磨において、研磨荷重と研磨速度関係を図4〜11に示す。図4〜図9、図11には比較のために、比較例1の研磨液組成物で行った結果を、図10には比較例3の研磨液組成物で行った結果を併記した。各研磨液組成物とも、低荷重の研磨速度が抑制され、高荷重で高い研磨速度が発現しており、研磨荷重と研磨速度の関係に屈曲点が得られた。一方、シリカ粒子と重合体粒子からなる比較例2の研磨液組成物では、屈曲点は得られなかった。
【0074】
<パターンウエハの研磨結果>
表3の実施例2〜8、比較例1〜3の各研磨液組成物を用い、表3の設定研磨荷重で行ったパターンウエハの研磨において、凹部凸部の基準面からの高さ、すなわち研磨の進行の経時変化を図13〜22に示す。重合粒子とカチオン性化合物を配合していない比較例1または3の研磨液組成物の研磨結果(図20、22)と比較すると、実施例2〜8の研磨液組成物の研磨結果は、▲1▼研磨時間1分から2分の研磨初期に凸部の高さがより速く減少し、▲2▼凸部研磨が進行し、凹部との高さの差(段差)がほとんどなくなった時点で、凸部凹部とも研磨の進行が低下し、パターン間の高さの差が小さく抑えられており、実施例1と同様、初期の凸部研磨速度が高いため平坦化の効率が高く、さらに、平坦化進行後は、凸部凹部の研磨の進行が低下するため凹凸パターンに依存性されにくく高度な平坦化が達成可能であることがわかる。一方、シリカ粒子と重合体粒子からなる比較例2の研磨液組成物では、凸部の高さは速く減少するが、凹部凸部の高さの差(段差)がなくなった後も、研磨が進行するためパターンによって基準面からの高さが大きく異なっており、パターンに依存した段差が発生することがわかる。
【0075】
【発明の効果】
本発明の研磨液組成物は、凹凸のある被研磨面に対して効率的かつ高度に平坦化を実現可能なものであり、該研磨液組成物を用いることにより、及びこの研磨液組成物を用いる研磨方法並びにこれらを用いた半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の研磨液組成物と通常のシリカ系研磨液とを用いて凹凸パターンを持たない被研磨物を研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図2】図2は、実施例で行われたパターンウエハの研磨結果の評価を行う際に測定するパターンウエハの各部位を示す概略図である。
【図3】図3は、実施例1及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図4】図4は、実施例2及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図5】図5は、実施例3及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図6】図6は、実施例4及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図7】図7は、実施例5及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図8】図8は、実施例6及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図9】図9は、実施例7及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図10】図10は、実施例8及び比較例3で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である
【図11】図11は、比較例1及び比較例2で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図12】図12は、実施例1で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図13】図13は、実施例2で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図14】図14は、実施例3で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図15】図15は、実施例4で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図16】図16は、実施例5で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図17】図17は、実施例6で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図18】図18は、実施例7で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図19】図19は、実施例8で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図20】図20は、比較例1で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図21】図21は、比較例2で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図22】図22は、比較例3で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基準面
2 凸部残存膜厚
3 初期段差
4 凹部残存膜厚
5 TEOS膜
6 シリコン基板
【発明の属する技術分野】
本発明は研磨液組成物、該研磨液組成物を用いる研磨方法、被研磨基板の平坦化方法、並びに半導体装置の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は特に薄膜を形成した表面に凹凸を有する半導体基板を平坦化する際に有用な研磨液組成物、及びこの研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する研磨方法、この研磨液組成物を用いる半導体基板の平坦化方法、並びにこれらを用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の超々大規模集積回路では、トランジスタおよび他の半導体素子を縮小して実装密度を高める傾向にある。このため、種々の微細加工技術が開発されている。その技術の一つに化学的機械的研磨(Chemical Mechnical Polishing、略してCMP)技術がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、例えば埋め込み素子分離、相関絶縁膜の平坦化、埋め込み金属配線形成、プラグ形成、埋め込みキャパシタ形成等を行う上で大変重要な技術である。中でも、種々の金属、絶縁膜等を積層する際に行う、被研磨表面の凹凸部の段差を低減させる平坦化は、半導体装置の微細化、高密度化の点から重要な工程であり、速やかに平坦化を実現させることが求められている。
【0003】
上記製造工程で用いられるCMP用研磨液として、水に研磨粒子を分散させたものが広く知られている。研磨粒子として、シリカが安価で高純度なことから多用されているが、研磨速度が、被研磨表面の凹部と凸部のパターンに大きく依存し、パターン密度差あるいはサイズ差の大小によって凸部の研磨速度が大きく異なり、また凹部の研磨も進行してしまうため、ウエハ面内全体での高いレベルの平坦化を実現することができないという問題がある。
【0004】
特許文献1、特許文献2にセリア粒子(酸化セリウム)、分散剤及び各種添加剤からなる研磨剤が開示されており、かかる研磨剤によれば、被研磨膜に存在する凹凸の凸部が選択的に研磨され、さらに凹部の研磨が抑制されることからパターン依存性の少ないグローバルな平坦化が達成可能であることが開示されている。しかし、セリア粒子は、研磨液中での分散安定性が低く、凝集しやすいためスクラッチが発生しやすく、かつ研磨性能も安定しないという問題があり、種々改良が行われているが、未だ満足できるものは得られていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−7061号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2001−57350号公報(請求項1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面に凹凸を有する被研磨基板を効率的かつ高レベルに平坦化することのできる研磨液組成物、この研磨液組成物を用いて凹凸を有する被研磨基板を平坦化する研磨方法、被研磨基板の平坦化方法、並びにこれらを用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 水系媒体中にシリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法、
〔3〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いる被研磨基板の平坦化方法、並びに
〔4〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記シリカ粒子としては、コロイダルシリカ粒子、フュームドシリカ粒子、表面修飾したシリカ粒子等が挙げられる。
【0009】
さらにこれらの中でも、コロイダルシリカ粒子が好ましい。コロイダルシリカ粒子は、形状が比較的球形に近く、一次粒子の状態で長期間安定に分散でき、凝集粒子を形成し難いため、被研磨表面に対してスクラッチを低減できる。
【0010】
フュームドシリカ粒子は、四塩化珪素等の揮発性珪素化合物を原料とし、酸水素バーナーによる1000℃以上の高温下で気相加水分解する方法で得ることができる。コロイダルシリカ粒子は、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させシリカ粒子を成長させる水ガラス法、またはテトラエトキシシラン等を原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒含有水中で縮合反応させシリカ粒子を成長させるアルコキシシラン法で得ることができる。これらのシリカ粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0011】
コロイダルシリカ粒子の平均粒子径は、研磨速度の観点、また、沈降・分離を防止する観点から、5〜500nmが好ましく、10〜300nmがより好ましく、20〜200nmが更に好ましい。なおコロイダルシリカ粒子の平均粒子径は、BET法で測定した比表面積を用いて、算出した一次粒子の平均粒子径である。なお、BET法より求める粒子径(nm)は、2720/比表面積{比表面積(m2 /g)}の式により算出される。
【0012】
さらに、コロイダルシリカ粒子は、平坦化特性の観点から、平均粒子径が2〜50nmである研磨粒子群(A)と、平均粒子径が52〜200nmである研磨粒子群(B)とを混合して用いることが好ましく、AとBの重量比(A/B)が0.5/1〜4.5/1であることが好ましい。さらに平坦化特性の観点から、研磨粒子群(A)として混合される研磨粒子のうち平均粒子径が最小である研磨粒子(Dmin )と、研磨粒子群(B)として混合される研磨粒子のうち平均粒子径が最大である研磨粒子(Dmax )との平均粒子径比(Dmax /Dmin )は3を超えることが好ましい。
【0013】
ヒュームドシリカ粒子の平均粒子径は、研磨速度の観点、また、沈降・分離を防止する観点から、20〜2000nmが好ましく、30〜1000nmがより好ましく、40〜800nmが更に好ましく、50〜400nmが特に好ましい。なおヒュームドシリカの平均粒子径は、ヒュームドシリカが二次凝集しているため、光散乱法又は光回折法で測定される二次粒子の平均粒子径である。
【0014】
研磨液組成物中のシリカ粒子の量は、下限は研磨速度の観点、上限は分散安定性やコストの観点から、1〜50重量%が好ましく、3〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%が更に好ましい。
【0015】
本発明において、重合体粒子としては、熱可塑性樹脂からなる粒子及び熱硬化性樹脂からなる粒子が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。該樹脂としては、研磨速度および平坦化特性の観点から、熱可塑性樹脂からなる粒子が好ましく、中でもポリスチレン樹脂又は(メタ)アクリル樹脂からなる粒子が好ましい。
【0016】
ポリスチレン樹脂としては、ポリスチレン及びスチレン系共重合体等が挙げられる。スチレン系共重合体は、スチレンと各種エチレン性不飽和単量体からなる共重合体であり、共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸等のスルホン酸系単量体、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ビニルピリジン等のアミノ系単量体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩系単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のノニオン系単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋性単量体等が挙げられる。
【0017】
(メタ)アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル系共重合体等が挙げられる。アクリル系共重合体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体の1種以上と各種エチレン性不飽和単量体からなる共重合体であり、共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、スチレン系共重合体の場合と同様の単量体が挙げられる。
【0018】
なかでも、重合体粒子がポリスチレン樹脂又は(メタ)アクリル樹脂からなる場合、重合体粒子を架橋して用いることが可能である。架橋は前記共重合可能な架橋性単量体を適宜共重合することにより行うことができる。この架橋の程度は、架橋度により表され、上限は研磨速度の観点から、下限は被研磨面の面内均一性向上の観点から、0.5〜50が好ましく、1〜30がより好ましい。ここで架橋度とは、重合体あたりの共重合可能な架橋性単量体の仕込み重量%である。
【0019】
重合体粒子を構成する樹脂は、研磨速度向上効果の点で、そのガラス転移温度が200℃以下のものが好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度200℃以下の樹脂としては、ポリエチレン(-120℃)、ポリプロピレン(-10 ℃)、ポリスチレン(100 ℃)、ポリメチルアクリレート(3 ℃)、ポリメチルメタクリレート(115 ℃:シンジオタクチック、45℃:イソタクチック)、ポリブチルメタクリレート(21℃)、ポリ塩化ビニル(87℃)、ポリクロロプレン(-50 ℃)、ポリビニルアセテート(28℃)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、ガラス転移温度の値は「高分子と複合材料の力学的性質」(株)化学同人のP316〜318 に記載された値である。
【0020】
重合体粒子は、乳化重合、沈殿重合又は懸濁重合によりエチレン性不飽和単量体から直接粒子を得る方法、重合体を乳化分散する方法、又は塊状の樹脂を粉砕する方法により得ることができ、さらにこのようにして得られた重合体粒子は、必要に応じて分級して用いることができる。なかでも本発明で有用な粒子径の重合体粒子を容易に得ることができる点で、乳化重合が好ましい。
【0021】
重合体粒子の平均粒子径は、研磨速度の向上および平坦化特性の観点、また、沈降・分離を防止する観点から、10〜1000nmが好ましく、20〜800nmがより好ましく、20〜500nmがさらに好ましい。なお平均粒子径は、光散乱法又は光回折法で測定することができる。
【0022】
また、重合体粒子の平均粒子径Dp(nm)は、研磨速度の観点から、シリカ粒子の平均粒子径Di(nm)に対して、Dp≦Di+50nmを満たすことが好ましい。ただし、Dp、Diは、重合体粒子、シリカ粒子の平均粒子径をそれぞれnm単位で表した値である。
【0023】
研磨液組成物中の重合体粒子の量は、研磨速度の向上および平坦化特性の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜15重量%がより好ましく、0.3〜10重量%が更に好ましい。
【0024】
本発明において、カチオン性化合物とは、分子内に陽イオン基又はアミノ基を有する化合物をいう。これらカチオン性化合物のなかでも、平坦化特性の観点から、アミン化合物、四級アンモニウム塩化合物、ベタイン化合物及びアミノ酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。さらに、経時変化に対する安定性の観点から、四級アンモニウム塩化合物が好ましい。
【0025】
カチオン性化合物の分子量は、水溶性の観点から30〜10000が好ましく、30〜1000がより好ましく、30〜500がさらに好ましく、40〜200が最も好ましい。カチオン性化合物の1分子中に含まれるアミノ基及び/又は四級アンモニウム基数は、配合性の観点から1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。カチオン性化合物の1分子中に含まれる炭素原子と窒素原子の比(C/N比)は、配合性の観点から、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
【0026】
アミン化合物としては、モノアミン、多価アミン、OH基を含有するアミン、エーテル基を含有するアミン、窒素原子を含有する複素環化合物が挙げられる。
【0027】
モノアミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜20のものが好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。具体的には、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、バレリルアミン、イソバレリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アリルアミン等の一級アミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン等の二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミンが挙げられる。
【0028】
多価アミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜30のものが好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15がさらに好ましく、2〜10が特に好ましい。具体的には、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノ)メタン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−プロパンジアミン、N,N,2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラメチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、スペルミジン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレントリアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等の分子内にアミノ基を3個以上有する多価アミンが挙げられる。
【0029】
また、OH基を含有するアミン、エーテル基を含有するアミンとしては、水溶性の観点から、炭素数1〜30のものが好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15がさらに好ましく、2〜10が特に好ましい。具体的には、モノエタノールアミン、1−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N,N−ジエチルヒドロキシアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−エチルアミノエタノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−(イソプロピルアミノ)エタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−{2−(ジメチルアミノ)エトキシ}エタノール、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール等のOH基含有アミン、2−メトキシエチルアミン、2−アミノ−1−メトキシプロパン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン等のエーテル基含有アミンが挙げられる。
【0030】
他のアミンとしては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の高分子アミンが挙げられる。
【0031】
また、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、ピラジン、ピロール、トリエチレンジアミン、モルホリン、2−アミノピリジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の窒素原子を含有する複素環化合物等も挙げられる。
【0032】
四級アンモニウム塩化合物としては、水溶性の観点から、炭素数4〜20のものが好ましく、より好ましくは4〜15、さらに好ましくは4〜7である。ただしこの炭素数には対アニオン分子中に含まれる炭素は含まれない。四級アンモニウム塩化合物としては、下記式(I)、(II)で表される化合物が好ましい。
【0033】
【化1】
【0034】
[式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は独立して炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基、X- は一価の陰イオンを示す。]
【0035】
式(I)において、R1 、R2 、R3 及びR4 は、炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基であり、水溶性の観点から、脂肪族アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。また、X- は一価の陰イオンであり、OH- 、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、NO3 - 、HSO4 - 、CH3 SO3 - 、H2 PO4 - 、HCOO- 、CH3 COO- 、CH3 CH(OH)COO- 、C2 H5 COO- 等が挙げられるが、半導体基板の研磨に用いる場合、OH- 、CH3 COO- 、HCOO- が好ましい。式(I)で表される四級アンモニウム塩化合物の具体的な例としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、エチルトリメチルアンモニウム塩、プロピルトリメチルアンモニウム塩、ブチルトリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−ヒドロキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、フェニルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等が挙げられる。また、これらの塩の例としては、ハイドロオキサイド、クロライド、ブロマイド、アセテート又はホルメートとの塩が挙げられる。
【0036】
【化2】
【0037】
[式中、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 及びR10は独立して炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基、X- は一価の陰イオン、nは1〜12の整数を示す。]
【0038】
式(II)において、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 及びR10は、炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜3のアルカノール基であり、水溶性の観点から、脂肪族アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。また、X- は一価の陰イオンであり、OH- 、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、NO3 - 、HSO4 - 、CH3 SO3 - 、H2 PO4 - 、HCOO- 、CH3 COO- 、CH3 CH(OH)COO- 、C2 H5 COO- 等が挙げられるが、半導体基板の研磨に用いる場合、OH- 、CH3COO- 、HCOO- が好ましく、nは1〜12の整数であり、配合性の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。式(II)で表される四級アンモニウム塩系化合物の具体的な例としては、N,N’−テトラメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)、N,N’−ペンタメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)等が挙げられる。また、これらの塩の例としては、ハイドロオキサイド、クロライド、ブロマイド、アセテート又はホルメートとの塩が挙げられる。
【0039】
ベタイン化合物としては、水溶性の観点から炭素数4〜20のものが好ましく、4〜15がより好ましく、4〜7がさらに好ましい。具体的には、トリメチルグリシン等の酢酸ベタイン、トリメチルアミノプロピオン酸ベタイン等のβ−N−アルキルアミノプロピオン酸、2−メチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリンカルボン酸、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピルトリメチルベタイン等のスルホベタイン等が挙げられる。
【0040】
アミノ酸化合物としては、水溶性の観点から炭素数1〜20のものが好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、1〜6が特に好ましい。具体的には、グリシン、アラニン、セリン、トリプトファン、グルタミン、リシン、アルギニン等のα−アミノ酸、β−アラニン等のβ−アミノ酸、γ−アミノ酪酸等のγ−アミノ酸が挙げられる。
【0041】
これらの中で、さらに好ましくは、水溶性の観点、平坦化特性の観点から、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、テトラメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−ヒドロキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N’−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム塩)、アルギニン等である。
【0042】
研磨液組成物中のカチオン性化合物の量は、平坦化特性の観点から、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。また、研磨速度の観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下が更に好ましい。両者の観点から、0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜15重量%がより好ましく、0.1〜10重量%以上がさらに好ましい。
【0043】
本発明において、水系媒体としては、水、及びアルコール等の水と混じり合う溶媒との混合媒体物を使用することができるが、イオン交換水等の水を用いることが好ましい。研磨液組成物中の水系媒体の含有量は、研磨速度向上の観点及び沈降・分離を防止する観点から、40〜98.85重量%が好ましく、60〜95重量%がより好ましい。
【0044】
本発明の研磨液組成物は、シリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を水系媒体に配合することにより調製することができる。なかでも、配合時のシリカ粒子及び重合体粒子の分散安定性の点から、シリカ粒子を含む水分散体と重合体粒子を含む水分散体とカチオン性化合物を溶解した水溶液とを攪拌混合する方法が好ましい。
【0045】
シリカ粒子を含む水分散体は、例えば、以下の方法によって調製することができる。粉末状のシリカ粒子を、必要に応じてさらに粉砕し、水系媒体中に配合し、超音波、攪拌、混練等の機械力により強制的に分散する方法。水系媒体中でシリカ粒子を成長させる方法。中でも、水系媒体中でシリカ粒子を成長させる方法は、得られるシリカ粒子が一次粒子の状態で安定に分散しており、さらに粒径の制御も容易であり好ましい。
【0046】
重合体粒子を含む水分散体は、例えば、以下の方法によって調製することができる。水系媒体を用いて単量体を重合させ、あるいは必要に応じて他の単量体と共重合させ、生成する重合体粒子とそれを含む水系媒体を、そのまま得る方法。有機溶媒を用いて単量体を重合させ、あるいは必要に応じて他の単量体と共重合させ、生成する重合体粒子とそれを含む有機溶媒を、蒸留等によりそのまま水系媒体に溶媒置換し、水分散体を得る方法。水系媒体あるいは有機溶媒を用いて重合し、得られた重合体を乾燥及び粉砕等を行った後、得られる粉末を水系媒体に再分散させ、水分散体を得る方法。中でも、水系媒体を用いて単量体を重合させ、あるいは必要に応じて他の単量体と共重合させ、生成する重合体粒子とそれを含む水系媒体を混合したものをそのまま水分散体として用いる方法が、簡便であり、得られる重合体粒子の平均粒子径の制御も容易であり好ましい。
【0047】
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度の観点から、7〜13が好ましく、8〜12がより好ましく、9〜12がさらに好ましい。
【0048】
研磨液組成物を上記のpHに調整するためにpH調整剤を用いることができる。pH調整剤としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水溶性有機アミン、四級アンモニウムハイドロオキサイド等の塩基性物質、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸及び、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等の酸性物質が挙げられる。
【0049】
本発明の研磨液組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、分散安定化剤、防腐剤等が挙げられる。
【0050】
分散安定化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、あるいは、ポリアクリル酸又はその塩、アクリル酸共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体(プルロニック類)等の高分子分散剤等が挙げられる。
【0051】
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、次亜塩素酸塩等が挙げられる。
【0052】
本発明の研磨液組成物は、被研磨表面に凹凸のパターンを持たない被研磨物を研磨する場合、研磨荷重が低い領域では、研磨速度が低く抑えられ、研磨荷重が高い領域では高い研磨速度を発現するため、その研磨速度は研磨荷重に大きく依存し、屈曲点(研磨荷重と研磨速度の関係をプロットした場合に、ある研磨荷重を境に、研磨速度が増大し、グラフの傾きが変化する点)を有する研磨特性を示す。一方、通常のシリカ系研磨液では、屈曲点を有さず研磨速度は、研磨荷重にほぼ比例した研磨特性となる(図1参照)。
【0053】
本発明の研磨液組成物が、このような研磨特性を示す理由は明確ではないが、シリカ粒子、重合体粒子およびカチオン性化合物が共存することにより、以下のようなメカニズムが起こっているためと考えられる。すなわち、研磨液組成物が研磨中に強い剪断力を受けると、重合体粒子がシリカ粒子を巻き込みながら凝集し、研磨力の高い凝集複合体粒子が生成するため、重合体粒子を含まないシリカ粒子のみ研磨液に対して、研磨速度が大きく向上する。一方、カチオン性化合物は、pH7以上の研磨液組成物中では、シリカ粒子表面および被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、シリカ粒子と被研磨表面の作用を阻害し、研磨速度を低下させる。しかし高荷重では強い物理力が働くため、カチオン性化合物の吸着被膜が破断し、研磨速度が増大する。結果、このような研磨特性を示すと推定される。この研磨液組成物で、表面に凹凸を有する被研磨物を研磨する場合、研磨荷重を屈曲点付近に設定することで、シリカ粒子のみの研磨液に比べ、凸部は高い研磨速度で、凹部は抑制された低い研磨速度で研磨されることになるため、凸部のみが選択的に研磨され効率的に平坦化が進行する。さらに平坦化が完了したパターン部は屈曲点付近の低い研磨速度となるため、研磨がほとんど進行しなくなりパターン依存性の少ない高度な平坦化を実現できる。
【0054】
本発明の研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法としては、特に制限はなく、一般的な方法を用いることができる。中でも好ましくは、被研磨基板に代表される研磨される被研磨物を保持する治具と研磨布を備える研磨装置が用いられる。研磨布としては、有機高分子系の発泡体、無発泡体、不織布状の研磨布等を張り付けた研磨盤に、上記被研磨物を保持する治具を押しつけ、あるいは、研磨布を張り付けた研磨盤に、上記被研磨物を挟み込み、本発明の研磨液組成物を被研磨物表面に供給し、一定の圧力を加えながら研磨盤や被研磨物を動かすことにより被研磨物表面を研磨する方法が挙げられる。
【0055】
本発明の対象である被研磨基板に代表される被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂などが挙げられる。特に、ガラスやTEOS膜等の二酸化ケイ素を有する基板を研磨する際に本発明の研磨液組成物を用いた場合、効率的に基板の平坦化が実現できる。
【0056】
これらの被研磨物の形状には特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に適しており、特に凹凸を有する半導体基板を平坦化する目的で行う研磨に好適である。特に50nm〜2000nmの凹凸段差を有する半導体基板を平坦化する目的で行う研磨に好適である。凹凸段差はプロファイル測定装置(例えばKLA−Tencor社製、商品名:HRP−100)により求めることができる。従って、本発明の研磨液組成物は、半導体基板等の被研磨基板の平坦化方法に好適に用いることができる。
【0057】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有するものである。その例としては、凹凸のある半導体基板の上方に薄膜を形成する工程と、該薄膜を研磨する研磨工程とを備え、上記研磨工程において水系媒体中に、シリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物を該薄膜表面に供給して、凹凸のある該薄膜表面をCMPにより平坦化することからなるものが挙げられ、このような工程として、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等があるが、特に埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜平坦化工程に適しており、メモリーIC、ロジックIC、あるいはシステムLSI等の製造に好適に用いられる。
【0058】
【実施例】
以下の実施例中の「重量%」は、重合体粒子の水分散体全量又は研磨液組成物全量に対してである。「部」は、重量部を示す。
【0059】
合成例1(重合体粒子(a)の合成)
スチレン27部、55%ジビニルベンゼン3部、脂肪酸カリウム(花王(株)製、KSソープ)1.5部、イオン交換水68.5部を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換し、65℃に昇温した。フラスコに0.06部の過硫酸カリウムを投入し、3時間重合し、重合体粒子の水分散液を得た。光散乱法(大塚電子(株)製、商品名:レーザーゼータ電位計 ELS8000)にて測定した平均粒子径は71nmであった。
【0060】
合成例2(重合体粒子( b) の合成)
スチレン30部、脂肪酸カリウム(花王(株)製、KSソープ)1.5部、イオン交換水68.5部を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換し、65℃に昇温した。フラスコに0.06部の過硫酸カリウムを投入し、3時間重合し、重合体粒子の水分散液を得た。光散乱法(大塚電子(株)製、商品名:レーザーゼータ電位計 ELS8000)にて測定した平均粒子径は80nmであった。
【0061】
合成例3(重合体粒子(c)の合成)
スチレン27部、55%ジビニルベンゼン3部、スルホコハク酸型界面活性剤(花王(株)製、ラテムルS−180)1.5部、イオン交換水68.5部を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換し、65℃に昇温した。フラスコに0.06部の過硫酸カリウムを投入し、3時間重合し、重合体粒子の水分散液を得た。光散乱法(大塚電子(株)製、商品名:レーザーゼータ電位計 ELS8000)にて測定した平均粒子径は81nmであった。
【0062】
実施例1
N-ヒドロキシプロピル-N,N,N- トリメチルアンモニウムホルメート(花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.430)2.3部にイオン交換水51部を加え攪拌溶解する。攪拌下、さらに合成例1において得られた重合体粒子(a)の水分散液6.7部(重合体粒子は2部)とコロイダルシリカの水分散液(デュポン製、商品名:Syton OX-K50、有効分50%、平均粒子径40nm)40部を加え、研磨液組成物を得た。必要に応じて、研磨液組成物のpHは、10.5〜11.5となるよう水酸化カリウム水溶液で調整した。
【0063】
このようにして調製した研磨液組成物を用い、以下の条件で研磨試験を行い、評価した。
【0064】
<研磨条件>
研磨試験機:ラップマスターSFT製、商品名:LP−541(プラテン径540mm)
研磨パッド:ロデール・ニッタ製、商品名:IC−1000/Sub400
プラテン回転数:60rpm
キャリア回転数:58rpm
研磨液供給量:200(g/min)
研磨荷重:200〜500(g/cm 2 )
【0065】
<研磨速度測定/評価方法>
1.ブランケットウエハ
被研磨材として8インチ(200mm)シリコン基板上に2μm のPE−TEOSを成膜したもの(ブランケットウエハ)を用いて、上記設定条件で2分間研磨し、研磨前後の残存膜厚差から研磨速度(nm/min)を求めた。なお残存膜厚の測定は光干渉式膜厚計(大日本スクリーン製造(株)製、商品名:VM−1000)を用いた。研磨荷重と研磨速度の関係をプロットし、研磨特性を評価した。
【0066】
2.パターンウエハ
平坦化特性を評価するために、被研磨材としてCMP特性評価用市販ウエハ(パターンウエハ、商品名:SKW7−2、SKWアソシエーテス社(SKW Associates,Inc.) 製:凹凸段差8000Å( 800nm) のパターンを形成した8インチシリコンウエハ上に厚さ2000nmのPE−TEOSを製膜した構造)を用いて、TEOS膜の凹凸段差が研磨により平坦化される過程を測定し評価を行った。具体的には、上記設定条件で研磨1分毎にウエハ上のD10,D50,D90 パターン(D10 :凸部幅10μm /凹部幅90μm のLine&Spaceパターン、D50 :凸部幅50μm /凹部幅50μm のLine&Spaceパターン、D90 :凸部幅90μm /凹部幅10μm のLine&Spaceパターン)の凸部と凹部の残存膜厚(測定は上記に同じ)を測定し、図2に示す凸部、凹部の基準面1からの高さに相当する(凸部残存膜厚2+初期段差3)及び凹部残存膜厚4の値を研磨時間に対してプロットし、平坦化特性及びパターン依存性を評価した。
【0067】
<ブランケットウエハの研磨結果>
実施例1の研磨液組成物を用いて行ったブランケットウエハの研磨において、研磨荷重と研磨速度関係を図3に示す。図3には比較のために、重合体粒子とカチオン性化合物を配合していない比較例1の研磨液組成物で行った結果を併記した。図3より、低荷重(200g/cm2 ) の研磨速度が抑制され、高荷重(500g/cm 2 )で高い研磨速度が発現しており、研磨荷重−研磨速度の関係に屈曲点が得られた。
【0068】
<パターンウエハの研磨結果>
実施例1の研磨液組成物を用い、設定研磨荷重300g/cm2で行ったパターンウエハの研磨において、研磨時間ごとの凹部凸部の基準面からの高さ、すなわち研磨の進行の経時変化を図12に示す。重合体粒子とカチオン性化合物を配合していない比較例1の研磨液組成物の研磨結果(図20)と比較すると、▲1▼研磨時間1分から2分の研磨初期に凸部の高さ(膜厚)がより速く減少し、▲2▼凸部研磨が進行し、凹部との高さの差(段差)がほとんどなくなった時点で、凸部凹部とも研磨の進行が低下し、パターン間(D10,D50,D90)の高さの差が小さく抑えられることがわかる。このように、実施例1の研磨液組成物は、初期の凸部研磨速度が高いため平坦化の効率が高く、さらに、平坦化進行後は、凸部凹部の研磨の進行が低下するため、凹凸パターンに依存しにくく高度な平坦化が達成可能であることがわかる。
【0069】
実施例2〜8、比較例1〜3
表1に示すシリカ粒子、表2に示すカチオン性化合物及び重合体粒子を、表3に示す配合量に従い、実施例1と同様にして混合することにより研磨液組成物を調製した。得られた研磨液組成物を用いて、実施例1と同様に、ブランケットウエハおよびパターンウエハを研磨し評価した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
<ブランケットウエハの研磨結果>
表3の各実施例の研磨液組成物を用いて行ったブランケットウエハの研磨において、研磨荷重と研磨速度関係を図4〜11に示す。図4〜図9、図11には比較のために、比較例1の研磨液組成物で行った結果を、図10には比較例3の研磨液組成物で行った結果を併記した。各研磨液組成物とも、低荷重の研磨速度が抑制され、高荷重で高い研磨速度が発現しており、研磨荷重と研磨速度の関係に屈曲点が得られた。一方、シリカ粒子と重合体粒子からなる比較例2の研磨液組成物では、屈曲点は得られなかった。
【0074】
<パターンウエハの研磨結果>
表3の実施例2〜8、比較例1〜3の各研磨液組成物を用い、表3の設定研磨荷重で行ったパターンウエハの研磨において、凹部凸部の基準面からの高さ、すなわち研磨の進行の経時変化を図13〜22に示す。重合粒子とカチオン性化合物を配合していない比較例1または3の研磨液組成物の研磨結果(図20、22)と比較すると、実施例2〜8の研磨液組成物の研磨結果は、▲1▼研磨時間1分から2分の研磨初期に凸部の高さがより速く減少し、▲2▼凸部研磨が進行し、凹部との高さの差(段差)がほとんどなくなった時点で、凸部凹部とも研磨の進行が低下し、パターン間の高さの差が小さく抑えられており、実施例1と同様、初期の凸部研磨速度が高いため平坦化の効率が高く、さらに、平坦化進行後は、凸部凹部の研磨の進行が低下するため凹凸パターンに依存性されにくく高度な平坦化が達成可能であることがわかる。一方、シリカ粒子と重合体粒子からなる比較例2の研磨液組成物では、凸部の高さは速く減少するが、凹部凸部の高さの差(段差)がなくなった後も、研磨が進行するためパターンによって基準面からの高さが大きく異なっており、パターンに依存した段差が発生することがわかる。
【0075】
【発明の効果】
本発明の研磨液組成物は、凹凸のある被研磨面に対して効率的かつ高度に平坦化を実現可能なものであり、該研磨液組成物を用いることにより、及びこの研磨液組成物を用いる研磨方法並びにこれらを用いた半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の研磨液組成物と通常のシリカ系研磨液とを用いて凹凸パターンを持たない被研磨物を研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図2】図2は、実施例で行われたパターンウエハの研磨結果の評価を行う際に測定するパターンウエハの各部位を示す概略図である。
【図3】図3は、実施例1及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図4】図4は、実施例2及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図5】図5は、実施例3及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図6】図6は、実施例4及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図7】図7は、実施例5及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図8】図8は、実施例6及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図9】図9は、実施例7及び比較例1で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図10】図10は、実施例8及び比較例3で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である
【図11】図11は、比較例1及び比較例2で得られた研磨液組成物を用いてブランケットウエハを研磨した場合の研磨荷重に対する研磨速度の変化を示す概略図である。
【図12】図12は、実施例1で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図13】図13は、実施例2で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図14】図14は、実施例3で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図15】図15は、実施例4で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図16】図16は、実施例5で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図17】図17は、実施例6で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図18】図18は、実施例7で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図19】図19は、実施例8で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図20】図20は、比較例1で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図21】図21は、比較例2で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【図22】図22は、比較例3で得られた研磨液組成物を用いてパターンウエハを研磨した場合の研磨時間に対する基準面からの高さの変化を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基準面
2 凸部残存膜厚
3 初期段差
4 凹部残存膜厚
5 TEOS膜
6 シリコン基板
Claims (7)
- 水系媒体中にシリカ粒子、重合体粒子及びカチオン性化合物を含有する研磨液組成物。
- シリカ粒子がコロイダルシリカ粒子である、請求項1記載の研磨液組成物。
- カチオン性化合物が、アミン化合物、四級アンモニウム塩化合物、ベタイン化合物及びアミノ酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項1又は2記載の研磨液組成物。
- 重合体粒子がガラス転移温度が200℃以下の熱可塑性樹脂からなる粒子を含有する請求項1〜3いずれか記載の研磨液組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の研磨液組成物を用いる被研磨基板の研磨方法。
- 請求項1〜4のいずれか記載の研磨液組成物を用いる被研磨基板の平坦化方法。
- 請求項1〜4のいずれか記載の研磨液組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法。
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-
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