JP2010028086A - Cmp研磨剤、このcmp研磨剤を用いた研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャロートレンチ分離絶縁膜、プリメタル絶縁膜、層間絶縁膜等を平坦化するCMP技術において、絶縁膜を高速かつ低研磨傷で研磨できるCMP研磨剤、このCMP研磨剤を用いて被研磨膜を研磨する研磨方法を提供する。
【解決手段】水、酸化セリウム粒子及び添加剤を含有するCMP研磨剤であって、前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で正のゼータ電位を有するCMP研磨剤、及び該CMP研磨剤を用いた研磨方法である。
【選択図】図2
【解決手段】水、酸化セリウム粒子及び添加剤を含有するCMP研磨剤であって、前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で正のゼータ電位を有するCMP研磨剤、及び該CMP研磨剤を用いた研磨方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体素子製造技術である、基板表面の平坦化工程、特に、シャロートレンチ分離絶縁膜、プリメタル絶縁膜、層間絶縁膜等の平坦化工程において使用されるCMP研磨剤、このCMP研磨剤を用いて被研磨膜を研磨する基板の研磨方法に関する。
近年の半導体素子製造工程では、高密度化・微細化のための加工技術の重要性がますます増している。その一つであるCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子の製造工程において、シャロートレンチ分離の形成、プリメタル絶縁膜や層間絶縁膜の平坦化、プラグ及び埋め込み金属配線の形成に必須の技術となっている。
従来、半導体素子の製造工程において、CVD(ケミカル・ベーパー・デポジション:化学気相成長)法や回転塗布法等の方法で形成される酸化ケイ素膜等の絶縁膜を平坦化するために、フュームドシリカ系のCMP研磨剤が一般的に検討されている。
フュームドシリカ等を含むシリカ系CMP研磨剤は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。しかしながら、この様なシリカ系CMP研磨剤は、研磨速度が低いという技術課題がある。
一方、フォトマスクやレンズなどのガラス表面CMP研磨剤として、酸化セリウム系CMP研磨剤が用いられている。酸化セリウム系CMP研磨剤はシリカ系のCMP研磨剤やアルミナ系CMP研磨剤に比べて研磨速度が速い利点がある。近年、高純度酸化セリウム砥粒を用いた半導体用CMP研磨剤が使用されている。例えば、その技術は特許文献1に開示されている。
また、酸化セリウム系CMP研磨剤の研磨速度を制御し、グローバルな平坦性を向上させるために添加剤を加えることが知られている。例えば、この技術は特許文献2に開示されている。
近年、半導体素子製造工程はさらに微細化が進行しており、研磨時に発生する研磨傷が問題となってきた。この問題に対し、前記のような酸化セリウムを用いたCMP研磨剤の、酸化セリウム粒子の平均粒径を小さくする試みがなされているが、平均粒径を小さくすると機械的作用が低下するため、研磨速度が低下してしまう問題がある。
本発明は、シャロートレンチ分離絶縁膜、プリメタル絶縁膜、層間絶縁膜等を平坦化するCMP技術において、被研磨膜を高速かつ低研磨傷で研磨できるCMP研磨剤、このCMP研磨剤を用いて被研磨膜を研磨する研磨方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、酸化セリウム粒子、及び添加剤を含むCMP研磨剤であり、前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、前記酸化セリウム粒子はCMP研磨剤中で正のゼータ電位を有するCMP研磨剤を提供することを特徴としている。ここで、カチオン性単量体とは、水中において正電荷となりうる原子を持つ単量体をいう。
酸化セリウム粒子のゼータ電位が正であることにより、負に帯電した被研磨面との静電的相互作用を増大させ、高速で研磨することが可能になる。さらに、カチオン性単量体を含む原料組成物を重合して得られる重合体は、被研磨面の凹部に吸着することで、被研磨面の凸部への酸化セリウム粒子が作用することを促進させ、凸部の研磨速度を増大させるとともに均一に研磨することが可能になると推定される。
具体的には、本発明は次の事項に関する。
(1)水、酸化セリウム粒子及び添加剤を含有するCMP研磨剤であって、
前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、
前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で正のゼータ電位を有することを特徴とするCMP研磨剤。
(1)水、酸化セリウム粒子及び添加剤を含有するCMP研磨剤であって、
前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、
前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で正のゼータ電位を有することを特徴とするCMP研磨剤。
(2)前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で+10mV〜+70mVのゼータ電位を有する前記(1)に記載のCMP研磨剤。
(3)前記酸化セリウム粒子の平均粒径が、1nm以上400nm以下である前記(1)又は(2)に記載のCMP研磨剤。
(4)前記重合体の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.001重量部以上0.1重量部以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のCMP研磨剤。
(5)pHが3.0以上7.0以下である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のCMP研磨剤。
(6)前記酸化セリウム粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.05〜5重量部である前記(1)〜(5)のいずれかに記載のCMP研磨剤。
(7)前記重合体が、ビニルアミン、ビニルピリジン、アリルアミン、及び下記一般式(I)〜(IV)の群から選ばれる少なくとも1種類の単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体である前記(1)〜(6)のいずれかに記載のCMP研磨剤。
(一般式(I)〜(IV)中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Xは2価の有機基を表す。)
(一般式(I)〜(IV)中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Xは2価の有機基を表す。)
(8)前記重合体が、ビニルアミン、ビニルピリジン、アリルアミン、及び前記一般式(I)〜(IV)の群から選ばれる少なくとも1種類の単量体成分と、下記一般式(V)〜(IX)の群から選ばれる少なくとも1種類の単量体成分とを含む原料組成物を重合して得られる重合体である前記(7)に記載のCMP研磨剤。
(一般式(V)〜(IX)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、xは0以上の整数である)
(一般式(V)〜(IX)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、xは0以上の整数である)
(9)被研磨膜を有する基板を研磨する研磨方法であって、
前記基板の被研磨膜と研磨布の間に、前記(1)〜(8)のいずれかに記載のCMP研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜を前記研磨布で研磨する研磨方法。
前記基板の被研磨膜と研磨布の間に、前記(1)〜(8)のいずれかに記載のCMP研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜を前記研磨布で研磨する研磨方法。
(10)前記被研磨面は、負に帯電した被研磨面である前記(9)に記載の研磨方法。
(11)前記被研磨面が酸化ケイ素膜を有する被研磨面である前記(9)又は(10)に記載の研磨方法。
(12)前記被研磨面は、凹凸を有してなる前記(9)〜(11)のいずれかに記載の研磨方法。
(13)シャロートレンチ分離絶縁膜、プリメタル絶縁膜、又は層間絶縁膜を平坦化するものである、前記(9)〜(12)のいずれかに記載の研磨方法。
本発明によれば、被研磨膜を高速かつ均一に、低研磨傷で研磨することができるCMP研磨剤、このCMP研磨剤を用いて被研磨膜を研磨する研磨方法を提供することができる。また、シャロートレンチ分離絶縁膜、プリメタル絶縁膜、又は層間絶縁膜等を平坦化する研磨方法において、特に好適に使用できるCMP研磨剤を提供することができる。
本発明の一態様としては、水、酸化セリウム粒子及び添加剤を含有するCMP研磨剤であって、前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で正のゼータ電位を有することを特徴とするCMP研磨剤である。
以下、本発明のCMP研磨剤について、詳細に説明する。
以下、本発明のCMP研磨剤について、詳細に説明する。
<CMP研磨剤>
[酸化セリウム粒子]
本発明のCMP研磨剤は、研磨粒子(砥粒)として酸化セリウム粒子を含有する。使用する酸化セリウム粒子としては、特に制限はなく、一般に市場において入手可能なものを使用することができ、例えば、Nanophase Technologies製NanoTek(製品名)、Ferro Corporationより販売されている酸化セリウム粒子、Advanced Nano Productsより販売されている酸化セリウム粒子、Rhodiaより販売されている酸化セリウム粒子、日立マクセル製NanoPOP(製品名)等を挙げることができる。
[酸化セリウム粒子]
本発明のCMP研磨剤は、研磨粒子(砥粒)として酸化セリウム粒子を含有する。使用する酸化セリウム粒子としては、特に制限はなく、一般に市場において入手可能なものを使用することができ、例えば、Nanophase Technologies製NanoTek(製品名)、Ferro Corporationより販売されている酸化セリウム粒子、Advanced Nano Productsより販売されている酸化セリウム粒子、Rhodiaより販売されている酸化セリウム粒子、日立マクセル製NanoPOP(製品名)等を挙げることができる。
本発明に使用する酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中の平均粒径が1〜400nmであることが好ましい。また、良好な研磨速度が得られやすい点で2nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。また、研磨傷の発生を抑制しやすくなる点で300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることがさらに好ましい。また、後述するように、CMP研磨剤が、砥粒を含むスラリーと、添加液との2液以上に分けて保存・供給される場合は、砥粒を含むスラリーの状態で、前記の平均粒径を有していることが好ましい。
なお、本発明において、CMP研磨剤中の酸化セリウム粒子の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布計で測定したD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)をいう。具体的には、CMP研磨剤を100μL程度量り取り、砥粒濃度が0.005%前後(後述するLA−920の測定時透過率(H)が60〜70%になる濃度)になるようにイオン交換水で希釈する。そしてその希釈液をレーザ回折式粒度分布計(株)堀場製作所社製、商品名:LA−920の試料槽に投入し、D50として表示される値を読み取ることにより、CMP研磨剤中の酸化セリウム粒子の平均粒径を測ることができる。
本発明のCMP研磨剤において、酸化セリウム粒子の濃度は、研磨速度の低下及び砥粒の凝集を抑制できる点でCMP研磨剤100重量部に対して0.05重量部〜5重量部の範囲が好ましく、0.1重量部〜2重量部の範囲がより好ましい。0.05重量部以上であれば充分な研磨速度が得られる傾向があり、5重量部以下であれば砥粒が凝集するのを防ぐことが容易になる傾向がある。
本発明のCMP研磨剤に使用する酸化セリウム粒子は、粒界に囲まれた2個以上の結晶子から構成され、結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を含むことが好ましい。結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、研磨時の応力により結晶粒界を境に破壊され、新生面を生成しながら研磨をするので、高速研磨が可能になる。このような技術は例えば再公表特許WO99/31195号パンフレットなどに記載されている。なお、後述するカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体は、このような結晶粒界を有する酸化セリウムと併用したときに、特に優れた効果を有する。
前記の結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、最小単位の粒子(結晶子)の径(以下結晶子径という)が大きく結晶ひずみが少ないほど、すなわち結晶性が良いほど高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。この観点から、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、前記結晶子径が1nm以上300nm以下の範囲であることが好ましい。前記結晶子径は、酸化セリウムが粒界に囲まれた2個以上の結晶子からなる場合にはその結晶子の径であり、そうではない場合は酸化セリウム粒子の最小径(一次粒径)をいう。結晶子径は、酸化セリウム粒子を電子顕微鏡で直接観察することにより測定することができ、例えば、電子顕微鏡写真から任意に20個程度の結晶子を抽出し、いずれの結晶子も1nm以上300nm以下の範囲であることが好ましい。
また、半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、CMP研磨剤中のアルカリ金属及びハロゲン類の含有率は酸化セリウム粒子中10ppm以下に抑えることが好ましい。
また、前記酸化セリウムは、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得ることができる。酸化セリウム粉末を作製する方法としては、焼成又は過酸化水素等による酸化法が使用できる。焼成温度は350℃以上、900℃以下が好ましい。前記の方法により製造された酸化セリウム粒子は凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。
粉砕方法として、ジェットミルなどによる乾式粉砕や遊星ビーズミルなどによる湿式粉砕が好ましい。ジェットミルは、例えば、化学工業論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。
また、酸化セリウム粉末を作製する方法として、水熱合成法を用いることもできる。例えば、水酸化セリウムなどの前駆体を、水中、100℃以上に加熱する方法が挙げられる。
このような酸化セリウム粒子を主な分散媒である水中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他にホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。分散方法、粒径制御方法については、例えば、分散技術大全集(情報機構、2005年7月)に記述されている方法を用いることができる。
本発明のCMP研磨剤は、高い研磨速度を得るために、CMP研磨剤中の酸化セリウム粒子のゼータ電位が正である必要がある。また、ゼータ電位としては、値が大きければ良好な分散性と、高い研磨速度を得ることができる。このような観点で、前記酸化セリウム粒子のゼータ電位は+10mV以上であることが好ましい。上限は特に制限はないが、一般的に+70mV以下である。ゼータ電位測定には、例えばマルバーン社製、商品名ゼータサイザー3000HSを使用でき、例えば、CMP研磨剤をゼータサイザー3000HSの推奨される散乱光量となるように水で希釈して測定することができる。
酸化セリウム粒子をCMP研磨剤中において正の電荷に帯電させるための方法としては、例えば、CMP研磨剤のpHを8以下にする方法を挙げることができる。また、酸化セリウムの粒子のゼータ電位を上げる方法としては、例えば、CMP研磨剤のpHを7以下にする、両性界面活性剤を添加する、カチオン性界面活性剤を添加する等の方法を挙げることができる。
本発明のCMP研磨剤のpHとしては、CMP研磨剤の保存安定性を維持し、良好な研磨速度を有するために、3.0以上7.0以下の範囲にあることが好ましい。
pHを調整する場合は、酸成分又はアンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ成分の添加によって調整可能である。また、pHを安定化させるため、緩衝液を添加してもよい。このような緩衝液としては、例えば、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液などが挙げられる。
本発明のCMP研磨剤のpHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製の Model pH81)で測定することができる。具体的には例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH4.01)と中性りん酸塩pH緩衝液(pH6.86)を標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極をCMP研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液とCMP研磨剤の液温は共に25℃として測定する。
[添加剤]
本発明のCMP研磨剤は、添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であることをその特徴とする。ここで、カチオン性単量体とは、水中、特にpHが1〜7の水中において正電荷となりうる原子を持つ単量体をいう。
本発明のCMP研磨剤は、添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であることをその特徴とする。ここで、カチオン性単量体とは、水中、特にpHが1〜7の水中において正電荷となりうる原子を持つ単量体をいう。
前記カチオン性単量体成分としては、窒素原子を含む単量体成分が好ましく、具体的には例えば、ビニルアミン、ビニルピリジン、アリルアミン、下記一般式(I)〜(IV)から選ばれる少なくとも1種類の単量体成分であることが好ましい。中でも、下記一般式(I)〜(IV)の群から選ばれる少なくとも1種類の単量体成分が好ましい。
前記一般式(I)〜(IV)において、R1〜R5で表される一価の有機基としては、特に制限はないが、具体的には、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基等を挙げることができ、それらの基が置換基を有していてもよい。
前記R1〜R5は、入手性や水への溶解性の観点から、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記R1〜R5は、入手性や水への溶解性の観点から、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記一般式(I)〜(IV)において、Xで表される二価の有機基としては、特に制限はないが、具体的には例えば、炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基等を挙げることができ、これらの基が置換基を有していてもよい。中でも、入手性や水への溶解性の観点から、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。
本発明で用いるカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して重合体を得る方法としては、種々の当業者公知の合成法を利用できる。例えば、前記カチオン性単量体成分の炭素−炭素2重結合部分をラジカル重合させる方法等が利用できる。
また、本発明において、添加剤としてカチオン性単量体のみを重合させた重合体(ホモポリマ)を用いてもよく、カチオン性単量体以外の単量体成分との共重合体(コポリマ)であってもよい。
共重合体を使用する場合、前記カチオン性単量体と併用する単量体成分としては、水溶性であれば特に制限はないが、ノニオン性単量体成分やアニオン性単量体成分を用いることができ、CMP研磨剤の保存安定性の観点から、ノニオン性単量体成分が好ましい。
前記アニオン性単量体成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
前記ノニオン性単量体成分としては、例えば、ビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルメチルエーテル、ビニルメチルオキサゾリジノン、ビニルホルマール、ビニルアセタール、ビニルイソブチルエーテル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、下記一般式(V)〜(IX)で表される化合物等を挙げることができ、中でも、高研磨速度である点で、下記一般式(V)〜(IX)で表される化合物が好ましい。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記一般式(V)〜(IX)において、R1〜R3で表される一価の有機基としては、特に制限はないが、具体的には、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基等を挙げることができ、それらの基が置換基を有していてもよい。
前記R1〜R3は、入手性や水への溶解性の観点から、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記R1〜R3は、入手性や水への溶解性の観点から、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記一般式(V)〜(IX)において、xは0以上の整数であり特に制限はないが、研磨速度の観点から0〜100であることが好ましく、0〜10がより好ましく、1が最も好ましい。
研磨速度と、CMP研磨剤の配管への付着を抑制する観点から、本発明に係る添加剤としては、カチオン性重合体成分として前記一般式(I)〜(IV)の群から選ばれる少なくとも1種類以上の単量体成分と、ノニオン性重合体成分として前記一般式(V)〜(IX)の群から選ばれる少なくとも1種類以上の単量体成分とを、共重合させた重合体が最も好ましい。
共重合体を使用する場合の重合体比としては、研磨速度を向上させる観点から、前記一般式(I)〜(IV)で表される単量体の合計が、モノマー比で0.1〜50mol%であることが好ましく、0.1〜20mol%であることがより好ましく、0.5〜10mol%であることが特に好ましい。
前記カチオン性単量体成分を含む重合体の含有量としては、研磨速度の向上効果が得られやすい点で、CMP研磨剤100重量部に対して0.001重量部以上が好ましく、0.001重量部以上、0.1重量部以下がより好ましい。
前記重合体の絶対分子量としては、水に溶解できる範囲であれば特に制限はない。具体的には、研磨速度の均一性を得やすい点で、絶対分子量は100以上が好ましく、300以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。また、粘度が上昇しすぎて取り扱い性が低下するのを防ぐことができる点で、100万未満が好ましく、30万未満がより好ましい。
前記重合体の絶対分子量は、静的光散乱法を用いて測定することができる。具体的には例えば、マルバーン社製、商品名ゼータサイザーナノを使用し、濃度の異なる試料の散乱光量を測定し、Debyeプロットを行って求めることができる。また、この際、屈折率の濃度増分(dn/dC)は、示差屈折計(大塚電子製商品名DRM−3000)を用いて測定することができる。なお、いずれも測定は水を溶媒とし、25℃で行う。
さらに具体的には、例えば、重合体の濃度が0.01mg/mL〜5mg/mLとなるように水に溶解し、0.2μmのフィルタでろ過し、濃度の異なる試料溶液を4つ以上調製する。温度は25℃に調整する。次に、標準物質として、ろ過したトルエンを1cm角の石英セルに1mL程度入れ、ゼータサイザーナノの試料室にセットし、散乱光量を測定する。次いで、同様の方法で水を測定し、溶媒の散乱光量を測定する。次いで順次試料溶液を測定し、試料溶液の散乱光量を測定する。
一方、前記示差屈折計の試料注入部に水5mL注入し、5分程度放置してからゼロ点調整をし、1分間測定を行う。次いで、前記試料溶液を3mL注入し、5分程度放置してから測定を行う。濃度に対して屈折率をプロットし、dn/dCとして表示される値を読み取る。
一連の測定後、ゼータサイザーナノのソフトウェアで、dn/dCに前記測定で得られた値、Shape Correction ModelにSmall Moleculeを選び、Debyeプロットを行い、Molecular Weightとして表示される値を読み取り、絶対分子量とする。
(その他の添加剤)
本発明のCMP研磨剤は、酸化セリウム粒子の分散性、研磨特性、保存安定性を調整する目的で、前記カチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体の他に、さらに他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、従来公知のものを、前記カチオン性単量体成分を含む重合体の効果を損なわない範囲で含むことができる。具体的には例えば、pH安定化剤としてカルボン酸類やアミノ酸類、研磨特性調整の効果を得るための界面活性剤、等を挙げることができる。
本発明のCMP研磨剤は、酸化セリウム粒子の分散性、研磨特性、保存安定性を調整する目的で、前記カチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体の他に、さらに他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、従来公知のものを、前記カチオン性単量体成分を含む重合体の効果を損なわない範囲で含むことができる。具体的には例えば、pH安定化剤としてカルボン酸類やアミノ酸類、研磨特性調整の効果を得るための界面活性剤、等を挙げることができる。
(pH安定化剤)
前記カルボン酸類としては、水への溶解性を有していれば特に制限はないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
前記カルボン酸類としては、水への溶解性を有していれば特に制限はないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
前記アミノ酸類としては、水への溶解性を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシンが挙げられ、中でもアラニン、β−アラニン、トリプトファン等が研磨速度の点で好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤としては、水への溶解性を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等が挙げられ、分散性、研磨速度の観点から両性界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、水への溶解性を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等が挙げられ、分散性、研磨速度の観点から両性界面活性剤が好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、β−アラニンベタイン、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、中でもベタイン、β−アラニンベタイン等が分散性の点で好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型高分子分散剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
これらのその他の添加剤の総添加量は、CMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上、10重量部以下の範囲が好ましい。添加量が多すぎると砥粒が沈降しやすくなる傾向がある。
(水溶性高分子)
また、本発明のCMP研磨剤は、研磨特性を調整する目的で、水溶性高分子を含んでいてもよい。水溶性高分子としては、水への溶解性を有していれば特に制限はなく、具体的には例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ、ポリエチレングリコールなどが挙げられ、中でもポリエチレングリコール等が研磨特性の点で好ましい。
また、本発明のCMP研磨剤は、研磨特性を調整する目的で、水溶性高分子を含んでいてもよい。水溶性高分子としては、水への溶解性を有していれば特に制限はなく、具体的には例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ、ポリエチレングリコールなどが挙げられ、中でもポリエチレングリコール等が研磨特性の点で好ましい。
これら水溶性高分子の重量平均分子量としては、研磨特性の調整効果を得やすくなる点で、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。また、分子量が大きすぎると粘度が高くなり、取扱いにくくなる傾向があるため、500万以下が好ましく、20万以下がより好ましい。
また、これらの配合量は、酸化セリウム粒子の凝集を抑えつつ研磨特性の調整効果を得ることができる点で、CMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上、5重量部以下の範囲が好ましい。
(保存形態)
本発明のCMP研磨剤は、少なくとも酸化セリウム粒子と水を含む酸化セリウムスラリと、少なくとも添加剤と水を含む添加液とを分けた二液式のCMP研磨剤として保存しても、酸化セリウム粒子、添加剤、水を含んだ一液式CMP研磨剤として保存してもよい。
本発明のCMP研磨剤は、少なくとも酸化セリウム粒子と水を含む酸化セリウムスラリと、少なくとも添加剤と水を含む添加液とを分けた二液式のCMP研磨剤として保存しても、酸化セリウム粒子、添加剤、水を含んだ一液式CMP研磨剤として保存してもよい。
また、いずれの場合においても、水の含有量を減じた濃縮酸化セリウムスラリ、濃縮添加液、濃縮CMP研磨剤として保存し、研磨時に水で希釈して用いてもよい。
酸化セリウムスラリと添加液とを分けた二液式CMP研磨剤として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えることにより研磨速度の調整が可能となる。
酸化セリウムスラリと添加液とを分けた二液式CMP研磨剤として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えることにより研磨速度の調整が可能となる。
二液式CMP研磨剤で研磨する場合、研磨定盤上への研磨剤CMP研磨剤の供給方法としては、特に制限はないが、例えば、(1)酸化セリウムスラリと添加液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流、混合させて供給する方法、(2)濃縮酸化セリウムスラリ、濃縮添加液、水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法、(3)あらかじめ酸化セリウムスラリ、添加液を混合しておき供給する方法、(4)あらかじめ濃縮酸化セリウムスラリ、濃縮添加液、水を混合しておき供給する方法等挙げることができる。
酸化セリウム粒子、添加剤、水を含んだ一液式CMP研磨剤の場合、研磨定盤上へのCMP研磨剤の供給方法としては、例えば、(1)CMP研磨剤を直接送液して供給する方法、(2)濃縮CMP研磨剤、水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法、(3)あらかじめ濃縮CMP研磨剤、水を混合しておき供給する方法などを用いることができる。
<研磨方法>
本発明の研磨方法は、表面に被研磨膜を有する基板を研磨する方法であり、被研磨膜表面と研磨布の間に、これまで説明してきたCMP研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜を前記研磨布で研磨する研磨方法である。より具体的には、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、既述の本発明のCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する。本発明の研磨方法は、本発明のCMP研磨剤を用いるため、被研磨膜を高速かつ低研磨傷で研磨することができる。
本発明の研磨方法は、表面に被研磨膜を有する基板を研磨する方法であり、被研磨膜表面と研磨布の間に、これまで説明してきたCMP研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜を前記研磨布で研磨する研磨方法である。より具体的には、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、既述の本発明のCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する。本発明の研磨方法は、本発明のCMP研磨剤を用いるため、被研磨膜を高速かつ低研磨傷で研磨することができる。
基板として、半導体素子製造に係る基板、例えばシャロートレンチ分離パターン、ゲートパターン、配線パターン等が形成された半導体基板上に絶縁膜が形成された基板が挙げられる。そして、被研磨膜は、これらのパターンの上に形成された絶縁膜、例えば酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜等が挙げられる。
本発明のCMP研磨剤及びこれを用いた研磨方法は、前記被研磨膜が酸化ケイ素膜を含む場合に特に好適である。さらに、窒化ケイ素膜をストッパ膜として、この上に設けられた酸化ケイ素膜を研磨し、窒化ケイ素膜が露出した段階で研磨を終了する方法に特に好適に使用することができる。このような半導体基板上に形成された酸化ケイ素膜や窒化ケイ素膜を前記CMP研磨剤で研磨することによって、酸化ケイ素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
(研磨工程)
ここで、本発明の研磨方法の一態様であるSTI工程について、図1を参照しながら具体的に説明する。図1は、半導体のSTI構造を形成する際における研磨工程の断面概略図を示す。図1(a)は研磨前の、図1(b)は第一の研磨工程後の、図1(c)は第二の研磨工程後の状態を表している。同図に示すように、STI工程では、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差4を解消するため、表面から突出している余分な部分を除去する目的でCMPを使用する。この際、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜2(ストッパ膜)が形成されることが好ましい。
ここで、本発明の研磨方法の一態様であるSTI工程について、図1を参照しながら具体的に説明する。図1は、半導体のSTI構造を形成する際における研磨工程の断面概略図を示す。図1(a)は研磨前の、図1(b)は第一の研磨工程後の、図1(c)は第二の研磨工程後の状態を表している。同図に示すように、STI工程では、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差4を解消するため、表面から突出している余分な部分を除去する目的でCMPを使用する。この際、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜2(ストッパ膜)が形成されることが好ましい。
本発明のCMP研磨剤を使用する研磨方法において、研磨する装置としては、被研磨膜を有する基板を保持可能なホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。基板ホルダーと研磨定盤には、それぞれに回転数が変更可能なモータ等が取り付けてある。例えば、株式会社荏原製作所製研磨装置:型番EPO−111が使用できる。
研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限がない。また、研磨布には、研磨時にCMP研磨剤がたまるような溝加工を施すことが、本発明のCMP研磨剤の特性を活かす点で好ましい。
研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200min−1以下が好ましく、基板にかける圧力(加工荷重)は研磨傷が発生しないように100kPa以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはCMP研磨剤をポンプなどで連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常にCMP研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄して基板に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には純水以外に希フッ酸やアンモニア水を併用してもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを併用してもよい。また洗浄後はスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本発明のCMP研磨剤が使用される絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、準常圧CVD法、プラズマCVD法等に代表されるCVD法や、回転する基板に液体原料を塗布する回転塗布法等が挙げられる。
低圧CVD法による酸化ケイ素膜は、例えば、モノシラン(SiH4)と酸素(O2)を熱反応させることにより得られる。低圧CVD法による窒化ケイ素膜は、例えば、ジクロルシラン(SiH2Cl2)とアンモニア(NH3)を熱反応させることにより得られる。
準常圧CVD法による酸化ケイ素膜は、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)とオゾン(O3)を熱反応させることにより得られる。
プラズマCVD法による酸化ケイ素膜は、例えば、モノシランと二酸化窒素(N2O)をプラズマ反応させることにより得られる。その他の例として、テトラエトキシシランと酸素をプラズマ反応させても同様に酸化ケイ素膜が得られる。
プラズマCVD法による酸化ケイ素膜は、例えば、モノシランと二酸化窒素(N2O)をプラズマ反応させることにより得られる。その他の例として、テトラエトキシシランと酸素をプラズマ反応させても同様に酸化ケイ素膜が得られる。
プラズマCVD法による窒化ケイ素膜は、例えばモノシラン、アンモニア及び窒素(N2)をプラズマ反応させることにより得られる。
回転塗布法による酸化ケイ素膜は、例えば無機ポリシラザンや無機シロキサン等を含む液体原料を基板上に塗布し、炉体等で熱硬化反応させることにより得られる。
回転塗布法による酸化ケイ素膜は、例えば無機ポリシラザンや無機シロキサン等を含む液体原料を基板上に塗布し、炉体等で熱硬化反応させることにより得られる。
以上のような方法で得られた酸化ケイ素膜や窒素ケイ素膜などの絶縁膜の膜質を安定化させるために、必要に応じて200〜1000℃の温度で熱処理をしてもよい。
また、以上のような方法で得られた酸化ケイ素膜には、埋込み性を高めるために微量のホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)等が含まれていてもよい。
また、以上のような方法で得られた酸化ケイ素膜には、埋込み性を高めるために微量のホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)等が含まれていてもよい。
本発明のCMP研磨剤及び研磨方法は、酸化ケイ素膜や窒素ケイ素膜のような絶縁膜以外の膜にも適用できる。例えば、Hf系、Ti系、Ta系酸化物等の高誘電率膜、シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、有機半導体等の半導体膜、GeSbTeなどの相変化膜、ITOなどの無機導電膜、ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂膜等が挙げられる。
また、本発明のCMP研磨剤及び研磨方法は、膜状の材料だけでなく、ガラス、シリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、サファイヤ、プラスチック等の各種基板材料にも適用できる。
さらに、本発明のCMP研磨剤及び研磨方法は、半導体素子の製造だけでなく、TFT、有機EL等の画像表示装置、フォトマスク、レンズ、プリズム、光ファイバー、単結晶シンチレータ等の光学部品、光スイッチング素子、光導波路等の光学素子、固体レーザ、青色レーザLED等の発光素子、磁気ディスク、磁気ヘッド等の磁気記憶装置の製造に用いることができる。
(添加剤の合成1)
丸底フラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(株式会社興人製DMAPAA)1.0g、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(株式会社興人製HEAA)14.0g、及び水281gを入れ、窒素ガスを導入した。80℃に加熱し、攪拌しながら2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩696mg、水4gからなる水溶液を加えた。80℃で2時間加熱攪拌後、室温(25℃)まで冷却して濃度5重量%の重合体(以下、添加剤Xという)溶液を得た。静的光散乱法を用いて分子量(絶対分子量)を測定したところ、13,000であった。
丸底フラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(株式会社興人製DMAPAA)1.0g、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(株式会社興人製HEAA)14.0g、及び水281gを入れ、窒素ガスを導入した。80℃に加熱し、攪拌しながら2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩696mg、水4gからなる水溶液を加えた。80℃で2時間加熱攪拌後、室温(25℃)まで冷却して濃度5重量%の重合体(以下、添加剤Xという)溶液を得た。静的光散乱法を用いて分子量(絶対分子量)を測定したところ、13,000であった。
(酸化セリウムの合成)
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間、空気中で焼成し黄白色の粉末を20kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末の二次粒子径はSEM(走査型電子顕微鏡)で観測したところ30〜100μmであった。
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間、空気中で焼成し黄白色の粉末を20kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末の二次粒子径はSEM(走査型電子顕微鏡)で観測したところ30〜100μmであった。
この酸化セリウム粒子粉末15kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。乾式粉砕後の酸化セリウム粉末の比表面積をBET法により測定した結果、9m2/gであった。また、得られた酸化セリウム粒子粉末をSEMで観察したところ、粒界に囲まれた複数の結晶子の集合体であり、ランダムに選択した20個の結晶子のサイズは50〜100nmの範囲にあった。下記の実施例及び比較例には、この酸化セリウム粉末を用いた。
[実施例1]
脱イオン水448g、ベタイン2.5g、1N硝酸20μL、前記酸化セリウム50gを混合し、攪拌しながら超音波分散を行なった。その後、1μmのフィルタを用いてろ過し、次いで、固形分濃度が2重量%になるように、脱イオン水で希釈して濃縮酸化セリウムスラリを得た。
前記「添加剤の合成1」で得た濃度5重量%の添加剤X溶液4.8g、5重量%酢酸150μL、水595gを混合して添加剤溶液を調製した。これに前記濃縮酸化セリウムスラリ200gを混合し、酸化セリウム濃度0.5重量%、添加剤X濃度0.03重量%のCMP研磨剤Aを得た。CMP研磨剤AのpHは5.1であった。
脱イオン水448g、ベタイン2.5g、1N硝酸20μL、前記酸化セリウム50gを混合し、攪拌しながら超音波分散を行なった。その後、1μmのフィルタを用いてろ過し、次いで、固形分濃度が2重量%になるように、脱イオン水で希釈して濃縮酸化セリウムスラリを得た。
前記「添加剤の合成1」で得た濃度5重量%の添加剤X溶液4.8g、5重量%酢酸150μL、水595gを混合して添加剤溶液を調製した。これに前記濃縮酸化セリウムスラリ200gを混合し、酸化セリウム濃度0.5重量%、添加剤X濃度0.03重量%のCMP研磨剤Aを得た。CMP研磨剤AのpHは5.1であった。
CMP研磨剤A中の酸化セリウム粒子の平均粒径を測定するため、0.005重量%程度の濃度に希釈し、レーザ回折式粒度分布計(株)堀場製作所社製、商品名:LA−920を用い、屈折率1.93、透過度68%として測定したところ、D50の値は208nmであった。
CMP研磨剤A中の粒子のゼータ電位を測定するため、適当な濃度に水で希釈した後、ゼータ電位測定装置(マルバーン社製、商品名ゼータサイザー3000HS)を用いて測定したところ、+31mVであった。
[実施例2]
添加剤Xの濃度が0.06重量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、CMP研磨剤Bを調製し、pH、平均粒径、及びゼータ電位をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
添加剤Xの濃度が0.06重量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、CMP研磨剤Bを調製し、pH、平均粒径、及びゼータ電位をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で調製した濃縮酸化セリウムスラリ200g及び水600gを混合し、前記添加剤Xを含まないCMP研磨剤Cを調製し、pH、平均粒径、及びゼータ電位をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
実施例1で調製した濃縮酸化セリウムスラリ200g及び水600gを混合し、前記添加剤Xを含まないCMP研磨剤Cを調製し、pH、平均粒径、及びゼータ電位をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例2]
酸化セリウム粒子1kg、市販のポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23g及び脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を行った。その後、1μmのフィルタでろ過をし、さらに脱イオン水を加えて酸化セリウム5重量%の濃縮酸化セリウムスラリを得た。次いで、前記の濃縮酸化セリウムスラリ100g、ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)5g、水900gを混合し、pHが5になるまで1N硝酸を加え、CMP研磨剤D(酸化セリウム0.5重量%、ポリアクリル酸アンモニウム塩0.2重量%)を調製した。また、pH、平均粒径、及びゼータ電位をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
酸化セリウム粒子1kg、市販のポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23g及び脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を行った。その後、1μmのフィルタでろ過をし、さらに脱イオン水を加えて酸化セリウム5重量%の濃縮酸化セリウムスラリを得た。次いで、前記の濃縮酸化セリウムスラリ100g、ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)5g、水900gを混合し、pHが5になるまで1N硝酸を加え、CMP研磨剤D(酸化セリウム0.5重量%、ポリアクリル酸アンモニウム塩0.2重量%)を調製した。また、pH、平均粒径、及びゼータ電位をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
(評価用サンプル)
研磨特性の評価には、市販のCMP特性評価用ウエハ(SEMATECH 864、直径200mm)を用いた。図2は、評価用ウエハの積層構造を模式的に示す断面図であり、図3は、評価用ウエハの上面図であり、図4は、図3に示す評価用ウエハの1領域の部分拡大図である。この評価用ウエハは、図2に示すように、シリコン基板3上へCVD法により厚み150nmの窒化ケイ素(SiN)膜2を成膜、その後深さ470nm(320nm+150nm)の溝を形成し、さらにHDP−CVD(高密度プラズマ化学気相成長法)により厚み610nmの酸化ケイ素(SiO2)膜1を形成することで作製されている。
また、前記溝、SiO2は次のようなパターンとなっている。すなわち、図3に示すように、ウエハ面内が61個の領域(20mm×20mm)に分割されており、各領域は、さらに25個の小領域(4mm×4mm)に分割されている(図4)。各小領域は、2箇所を除き線条の凹凸パターンが形成されている。図4における0〜100%の数値は、それぞれ、小領域を平面視したときに見える凸部の総面積が、小領域中に占める割合(凸部面密度)を示している。0%は全てが凹部、100%は全てが凸部からなり、線条パターンは形成されていない。また、図4におけるL、Sの値は、Lが凸部の線幅、Sが凹部の線幅を示している。また、図3において、C、M、Eと表記した領域(以下、それぞれ、Center、Middle、Edgeという)は、後述するように、膜厚の測定を行った領域である。
研磨特性の評価には、市販のCMP特性評価用ウエハ(SEMATECH 864、直径200mm)を用いた。図2は、評価用ウエハの積層構造を模式的に示す断面図であり、図3は、評価用ウエハの上面図であり、図4は、図3に示す評価用ウエハの1領域の部分拡大図である。この評価用ウエハは、図2に示すように、シリコン基板3上へCVD法により厚み150nmの窒化ケイ素(SiN)膜2を成膜、その後深さ470nm(320nm+150nm)の溝を形成し、さらにHDP−CVD(高密度プラズマ化学気相成長法)により厚み610nmの酸化ケイ素(SiO2)膜1を形成することで作製されている。
また、前記溝、SiO2は次のようなパターンとなっている。すなわち、図3に示すように、ウエハ面内が61個の領域(20mm×20mm)に分割されており、各領域は、さらに25個の小領域(4mm×4mm)に分割されている(図4)。各小領域は、2箇所を除き線条の凹凸パターンが形成されている。図4における0〜100%の数値は、それぞれ、小領域を平面視したときに見える凸部の総面積が、小領域中に占める割合(凸部面密度)を示している。0%は全てが凹部、100%は全てが凸部からなり、線条パターンは形成されていない。また、図4におけるL、Sの値は、Lが凸部の線幅、Sが凹部の線幅を示している。また、図3において、C、M、Eと表記した領域(以下、それぞれ、Center、Middle、Edgeという)は、後述するように、膜厚の測定を行った領域である。
(研磨実験)
研磨装置(株式会社荏原製作所製 型番EPO−111)の基板ホルダーに前記評価用ウエハを固定し、一方で直径600mmの研磨定盤に多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドIC−1000(ロデール社製型番、溝形状:パーフォレート)を貼り付けた。研磨パッド上に絶縁膜面がパッドと接するように基板ホルダーを押し付け、加工荷重を30kPaに設定した。研磨パッド上に前記で調製したCMP研磨剤を200mL/分の速度で滴下しながら、定盤と基板ホルダーとをそれぞれ50rpmで作動させて評価用ウエハを40秒間研磨した。研磨後の評価用ウエハを純水でよく洗浄後、乾燥した。その後、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス社製商品名Nanospec AFT−5100)を用いて、Center、Middle、Edgeそれぞれの、L=500μm、S=500μmパターン(以下、500/500と呼ぶ)、L=100μm、S=100μmパターン(以下、100/100と呼ぶ)、L=25μm、S=25μmパターン(以下、25/25と呼ぶ)、それぞれの凸部と凹部のSiO2残膜厚を測定した。(凸部のSiO2膜の減少量)/(研磨時間)より1分あたりの凸部研磨速度を求め、Center、Middle、Edgeで平均をとり、500/500、100/100、25/25それぞれの平均凸部研磨速度を求めた。さらに、(500/500、100/100、25/25の平均凸部研磨速度の標準偏差)/(500/500、100/100、25/25の平均凸部研磨速度の平均値)より、凸部研磨速度ばらつきを求めた。
また、直径200mmのシリコン(Si)基板上に膜厚1000nmの酸化ケイ素(SiO2)を全面に形成し、同様の方法で40秒間研磨した。研磨後のウエハを純水、フッ酸、アンモニア水でよく洗浄した後、乾燥し、走査型電子顕微鏡式欠陥検査装置で研磨傷数をカウントした。
前記実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示す。
研磨装置(株式会社荏原製作所製 型番EPO−111)の基板ホルダーに前記評価用ウエハを固定し、一方で直径600mmの研磨定盤に多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドIC−1000(ロデール社製型番、溝形状:パーフォレート)を貼り付けた。研磨パッド上に絶縁膜面がパッドと接するように基板ホルダーを押し付け、加工荷重を30kPaに設定した。研磨パッド上に前記で調製したCMP研磨剤を200mL/分の速度で滴下しながら、定盤と基板ホルダーとをそれぞれ50rpmで作動させて評価用ウエハを40秒間研磨した。研磨後の評価用ウエハを純水でよく洗浄後、乾燥した。その後、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス社製商品名Nanospec AFT−5100)を用いて、Center、Middle、Edgeそれぞれの、L=500μm、S=500μmパターン(以下、500/500と呼ぶ)、L=100μm、S=100μmパターン(以下、100/100と呼ぶ)、L=25μm、S=25μmパターン(以下、25/25と呼ぶ)、それぞれの凸部と凹部のSiO2残膜厚を測定した。(凸部のSiO2膜の減少量)/(研磨時間)より1分あたりの凸部研磨速度を求め、Center、Middle、Edgeで平均をとり、500/500、100/100、25/25それぞれの平均凸部研磨速度を求めた。さらに、(500/500、100/100、25/25の平均凸部研磨速度の標準偏差)/(500/500、100/100、25/25の平均凸部研磨速度の平均値)より、凸部研磨速度ばらつきを求めた。
また、直径200mmのシリコン(Si)基板上に膜厚1000nmの酸化ケイ素(SiO2)を全面に形成し、同様の方法で40秒間研磨した。研磨後のウエハを純水、フッ酸、アンモニア水でよく洗浄した後、乾燥し、走査型電子顕微鏡式欠陥検査装置で研磨傷数をカウントした。
前記実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示す。
表1に示されるように、本発明に従う実施例1及び2のCMP研磨剤は、比較例1及び2と比較して高速かつ均一に研磨でき、研磨傷の低減をもたらすことが明らかである。
1 絶縁膜(SiO2)
2 窒化ケイ素(SiN)膜
3 シリコン基板
4 段差
2 窒化ケイ素(SiN)膜
3 シリコン基板
4 段差
Claims (13)
- 水、酸化セリウム粒子及び添加剤を含有するCMP研磨剤であって、
前記添加剤のうち少なくとも1成分がカチオン性単量体成分を含む原料組成物を重合して得られる重合体であり、
前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で正のゼータ電位を有することを特徴とするCMP研磨剤。 - 前記酸化セリウム粒子は、CMP研磨剤中で+10mV〜+70mVのゼータ電位を有する請求項1に記載のCMP研磨剤。
- 前記酸化セリウム粒子の平均粒径が、1nm以上400nm以下である請求項1又は2に記載のCMP研磨剤。
- 前記重合体の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.001重量部以上0.1重量部以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のCMP研磨剤。
- pHが3.0以上7.0以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のCMP研磨剤。
- 前記酸化セリウム粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.05〜5重量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載のCMP研磨剤。
- 被研磨膜を有する基板を研磨する研磨方法であって、
前記基板の被研磨膜と研磨布の間に、請求項1〜8のいずれか1項に記載のCMP研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜を前記研磨布で研磨する研磨方法。 - 前記被研磨面は、負に帯電した被研磨面である請求項9に記載の研磨方法。
- 前記被研磨面が酸化ケイ素膜を有する被研磨面である請求項9又は10に記載の研磨方法。
- 前記被研磨面は、凹凸を有してなる請求項9〜11のいずれか1項に記載の研磨方法。
- シャロートレンチ分離絶縁膜、プリメタル絶縁膜、又は層間絶縁膜を平坦化するものである、請求項9〜12のいずれか1項に記載の研磨方法。
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