JP2006036963A - Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 - Google Patents

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Masato Fukazawa
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Yasushi Kurata
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Koji Haga
浩二 芳賀
Toshiaki Akutsu
利明 阿久津
Kazuhiro Enomoto
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Abstract

【課題】層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP技術において、研磨を効率的、高速に、研磨傷なく、かつ研磨プロセス管理も容易に、行うことができるCMP研磨剤および基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】酸化セリウム粒子、分散剤、ポリ(メタ)アクリル酸および水を含有し、前記酸化セリウム粒子の平均粒径が1nm以上400nm以下であり、pHが4.5以上6.0以下であるCMP研磨剤であって、好ましくは、該研磨剤100重量部当たり、前記酸化セリウム粒子の含有量が0.1重量部以上5重量部以下、特に前記ポリ(メタ)アクリル酸がポリアクリル酸の場合、含有量が0.01重量部以上2重量部以下、ポリアクリル酸の重量平均分子量が500以上30,000以下の範囲である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子製造技術である、基板表面の平坦化工程、特に、層間絶縁膜、BPSG(ボロン、リンをドープした二酸化珪素膜)膜の平坦化工程、シャロートレンチ分離の形成工程等において使用されるCMP研磨剤及びこのCMP研磨剤を使用した基板の研磨方法に関する。
現在のULSI半導体素子製造工程では、高密度・微細化のための加工技術が研究開発されている。その一つであるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子の製造工程において、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ素子分離形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等を行う際に必須の技術となってきている。
従来、半導体素子の製造工程において、プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤としてフュームドシリカ系の研磨剤が一般的に検討されている。フュームドシリカ系の研磨剤は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。しかしながら、この様な研磨剤は、研磨速度が低いという技術課題がある。
また、デザインルール0.25μm以降の世代では、集積回路内の素子分離にシャロートレンチ分離が用いられている。シャロートレンチ分離では、基板上に成膜した余分の酸化珪素膜を除くためにCMPが使用され、研磨を停止させるために、酸化珪素膜の下に研磨速度の遅いストッパ膜が形成される。ストッパ膜には窒化珪素などが使用され、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいことが望ましい。従来のコロイダルシリカ系の研磨剤は、上記の酸化珪素膜とストッパ膜の研磨速度比が3程度と小さく、シャロートレンチ分離用としては実用に耐える特性を有していなかった。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面研磨剤として、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって、研磨表面に傷が入りにくいことから、仕上げ鏡面研磨に有用である。また、シリカ研磨剤に比べ、研磨速度が速い利点がある。近年、高純度酸化セリウム砥粒を用いた半導体用CMP研磨剤が使用されている。例えば、その技術は特許文献1に開示されている。
また、酸化セリウム研磨液の研磨速度を制御し、グローバルな平坦性を向上させるために添加剤を加えることが知られている。例えば、この技術は特許文献2に開示されている。
特開平10−106994号公報 特開平8−22970号公報
しかしながら、上記のような酸化セリウムを用いた研磨剤は、研磨プロセスの管理と高速研磨との両立が容易でないという問題がある。本発明は、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP 技術において、酸化珪素膜等の研磨を研磨傷なく、高速に、かつプロセス管理も容易に、行うことができる研磨剤および研磨方法を提供するものである。
本発明は、(1)酸化セリウム粒子、分散剤、ポリ(メタ)アクリル酸及び水を含有し、前記酸化セリウム粒子の平均粒径が1nm以上400nm以下であり、pHが4.5以上6.0以下であるCMP研磨剤に関する。
本発明は、(2)酸化セリウム粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下である前記(1)に記載のCMP研磨剤。
本発明は、(3)ポリ(メタ)アクリル酸がポリアクリル酸であり、その含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.01重量部以上2重量部以下である前記(1)または(2)に記載のCMP研磨剤に関する。
本発明は、(4)ポリ(メタ)アクリル酸がポリアクリル酸であり、その重量平均分子量が、500以上30,000以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のCMP研磨剤に関する。
本発明は、(5)被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する基板の研磨方法に関するものである。
本発明により、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜等を平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜等の研磨を研磨傷なく、高速に、かつプロセス管理も容易に、行うことができる研磨剤および研磨方法を提供することができる。
一般に酸化セリウムは、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得られる。TEOS−CVD法等で形成される酸化珪素膜の研磨に使用する酸化セリウム研磨剤は、粒子の結晶子径が大きく、かつ結晶ひずみが少ないほど、すなわち結晶性が良いほど高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこで、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、その製造方法を限定するものではないが、酸化セリウム結晶子径は1nm以上300nm以下であることが好ましい。また、半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は酸化セリウム粒子中10ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明において、酸化セリウム粉末を作製する方法として焼成または過酸化水素等による酸化法が使用できる。焼成温度は350℃以上900℃以下が好ましい。
上記の方法により製造された酸化セリウム粒子は凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法として、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば化学工業論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。
このような酸化セリウム粒子を主な分散媒である水中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他にホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。
上記の方法により分散された酸化セリウムをさらに微粒子化する方法として、酸化セリウム分散液を長時間静置させて大粒子を沈降させ、上澄みをポンプで汲み取ることによる沈降分級法が用いられる。他に、分散媒中の酸化セリウム粒子同士を高圧力で衝突させる高圧ホモジナイザを使用する方法も使用される。
こうして作製された、CMP研磨剤中の酸化セリウム粒子の平均粒径は、1〜400nmであることが必要である。好ましくは1〜300nmであり、さらに好ましくは1〜200nmである。酸化セリウム粒子の平均粒径が1nm未満であると研磨速度が低くなりすぎ、400nmを超えると研磨する膜に傷がつきやすくなるからである。本発明で、酸化セリウム粒子の平均粒径とは、レーザ回折式粒度分布計で測定したD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)をいう。
本発明におけるCMP研磨剤は、例えば、上記の特徴を有する酸化セリウム粒子と分散剤と水を配合して粒子を分散させ、さらにポリ(メタ)アクリル酸を添加することによって得られる。酸化セリウム粒子の濃度は研磨剤100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.2重量部以上2重量部以下である。濃度が低すぎると研磨速度が低くなり、高すぎると凝集する傾向があるためである。
分散剤として、例えば、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤等が挙げられ、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤が好ましい。例えば、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリル酸アミドとアクリル酸アンモニウムとの共重合体等が挙げられる。
また、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤の少なくとも1種類と、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤から選ばれた少なくとも1種類とを含む2種類以上の分散剤を併用してもよい。
半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、分散剤中のナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属及びハロゲン、イオウの含有率は10ppm以下に抑えることが好ましい。
水溶性陰イオン性分散剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型高分子分散剤等が挙げられる。水溶性非イオン性分散剤としては例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。水溶性陽イオン性分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられ、水溶性両性分散剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
これらの分散剤添加量は、スラリ中の粒子の分散性及び沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係から酸化セリウム粒子100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下の範囲が好ましい。分散剤の分子量は、100〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。分散剤の分子量が100未満の場合は、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度が得られにくく、分散剤の分子量が50,000を超えた場合は、粘度が高くなり、CMP研磨剤の保存安定性が低下する場合があるからである。
本発明におけるCMP研磨剤はポリ(メタ)アクリル酸を含有することで、平坦化特性を向上することができる。また、主な被研磨膜である酸化珪素膜より、ストッパ膜である窒化珪素膜の研磨速度を抑制する効果を有するため、プロセス管理が容易となる。本発明で使用されるポリ(メタ)アクリル酸の合成方法に制限はなく、例えばポリアクリル酸の場合、重量平均分子量が500以上30,000以下のものが好ましい。より好ましくは重量平均分子量1,000以上20,000以下であり、特に好ましくは、2,000以上10,000以下である。該分子量が低すぎると平坦化効果が不足となる場合があり、該分子量が高すぎると研磨速度が低下する場合があるためである。
ポリ(メタ)アクリル酸含有量は、例えばポリアクリル酸の場合、CMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上2重量部以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.1重量部以上1重量部以下である。含有量が少なすぎると高平坦化特性が得られにくく、多すぎると酸化セリウム粒子の分散安定性が低下する傾向がある。
また、本発明の研磨剤は他の水溶性高分子を併用してもよい。他の水溶性高分子としては、特に制限はなく、例えばアルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が挙げられる。これら水溶性高分子の重量平均分子量は500以上が好ましい。また、これらの配合量はCMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下の範囲が好ましい。
本発明におけるCMP研磨剤は所定の範囲内の所望のpHに調整して研磨に供される。pH調整剤に制限はないが、半導体研磨に使用される場合にはアルカリ金属類よりも、アンモニア水、酸成分が好適に使用される。pH調整は予めアンモニアで部分的に中和された前記ポリ(メタ)アクリル酸のアンモニウム塩を使用することで行うことができる。CMP研磨剤のpHは4.5以上、pH6.0以下の必要があり、pH4.8以上、pH5.6以下が好ましい。pHが低すぎると研磨速度が低下し、高すぎると平坦性が低下するからである。
本発明においてCMP研磨剤のpHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製の Model PH81)で測定した。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極をCMP研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定した。
本発明の研磨剤は、酸化セリウム粒子、分散剤、及び水からなる酸化セリウムスラリと、ポリ(メタ)アクリル酸及び水を含みアンモニア等でpH調整された添加液とを分けた二液式CMP研磨剤として保存しても、また酸化セリウム粒子、分散剤、水、及びポリ(メタ)アクリル酸を含んだ研磨剤として保存しても安定した特性が得られる。酸化セリウムスラリと添加液とを分けた二液式研磨剤として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えられることにより平坦化特性と研磨速度の調整が可能となる。二液式研磨剤で研磨する場合、添加液は、酸化セリウムスラリと別々の配管で送液し、これらの配管を合流させて供給配管出口の直前で混合して研磨定盤上に供給する方法か、研磨直前に酸化セリウムスラリと混合する方法がとられる。
本発明の研磨方法は、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、上記本発明のCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨することを特徴とする。
基板として、半導体素子製造に係る基板、例えば回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に無機絶縁層が形成された基板が挙げられる。そして、被研磨膜は、前記無機絶縁層、例えば酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層及び酸化珪素膜層等が挙げられる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層を上記CMP研磨剤で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。また、シャロートレンチ分離にも使用できる。シャロートレンチ分離に使用するためには、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比、酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度が10以上であることが好ましい。この比が10未満では、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の差が小さく、シャロートレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止しにくくなるためである。この比が10以上の場合は窒化珪素膜の研磨速度がさらに小さくなって研磨の停止が容易になり、シャロートレンチ分離により好適である。また、シャロートレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが好ましい。
以下、無機絶縁層が形成された半導体基板の場合を例に挙げて研磨方法を説明する。
本発明の研磨方法において、研磨する装置としては、半導体基板等の被研磨膜を有する基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能で、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。例えば、株式会社荏原製作所製研磨装置:型番EPO-111が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはCMP研磨剤がたまるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力(加工荷重)は研磨後に傷が発生しないように100kPa以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはCMP研磨剤をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常にCMP研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように被研磨膜である無機絶縁層を上記研磨剤で研磨することによって、表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面が得られる。このようにして平坦化されたシャロートレンチを形成したあと、酸化珪素絶縁膜層の上に、アルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度上記方法により酸化珪素絶縁膜を形成後、上記CMP研磨剤を用いて同様に研磨して平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数を有する半導体基板を製造することができる。
凹凸が存在する被研磨膜(酸化珪素膜)のグローバル平坦化を達成するには、凸部が選択的に研磨されることが必要である。本発明の水溶性高分子を含有する研磨剤を用いると、酸化セリウム粒子または被研磨膜の表面に保護膜を形成する。すなわち、実効研磨荷重の小さい凹部の被研磨膜は保護されるが、実効研磨荷重の大きい凸部被研磨膜は水溶性高分子による保護膜が排除されることで選択的に研磨され、パターン依存性の少ないグローバル平坦化が達成可能である。
本発明のCMP研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化珪素膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることにより得られる。場合によっては、CVD後1000℃またはそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いたSiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O2系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このように、本発明の酸化珪素膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiH2Cl2、窒素源としてアンモニア:NH3を用いる。このSiH2Cl2−NH3系酸化反応を900℃の高温で行わせることにより得られる。プラズマCVD法は、反応ガスとしては、Si源としてSiH4、窒素源としてNH3を用いたSiH4−NH3系ガスが挙げられる。基板温度は300℃〜400℃が好ましい。
本発明のCMP研磨剤及び研磨方法は、半導体基板に形成された酸化珪素膜だけでなく、各種半導体装置の製造プロセス等にも適用することができる。例えば、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
実施例
(ポリアクリル酸の合成)
脱イオン水960gを3リットルの合成用フラスコに投入し、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら90℃に昇温後、アクリル酸547gと過硫酸アンモニウム54gを脱イオン水500gに溶解させたものを2時間かけてフラスコ中に注入した。その後90℃で5時間保温後、冷却して取り出しポリアクリル酸水溶液を得た。不揮発分を測定したところ、25重量%であった。
さらに、示差屈折計(株式会社日立製作所製型番L−3300)を備えたHPLCポンプ(株式会社日立製作所製型番 L−7100)にGPCカラム (日立化成工業株式会社製型番W550)を接続し、0.3M NaClを移動相として用い、上記で得られたポリアクリル酸の分子量測定を行ったところ、その重量平均分子量は5,000(ポリエチレングリコール換算値)であった。
(酸化セリウム粒子の作製及びCMP研磨剤の調製)
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約20kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。この酸化セリウム粒子粉末15kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行なった。乾式粉砕後の酸化セリウム粉末の比表面積をBET法により測定した結果、9m2/gであった。
酸化セリウム粉末10kgと脱イオン水39.875kgを混合し、市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量8000)(40重量%)125gを添加し、攪拌しながら超音波分散を行なった。超音波周波数は、400kHzで、分散時間20分で行なった。その後、10L容器に5kgの酸化セリウム分散液を入れて静置し、沈降分級を行なった。分級時間200時間後、容器底からの高さ110mm以上の上澄みをポンプでくみ上げた。得られた上澄みの酸化セリウム分散液を、次いで固形分濃度が5重量%になるように、脱イオン水で希釈して酸化セリウムスラリを得た。酸化セリウムスラリ中の平均粒径を測定するため適当な濃度に希釈し、レーザ回折式粒度分布計Master Sizer Microplus(Malvern社製商品名)を用い、屈折率1.93、吸収0として、測定したところ、D50の値は170nmであった。また、原子吸光光度計AA−670G(株式会社島津製作所製型番)を用いて測定した不純物イオン(Na,K,Fe,Al,Zr,Cu,Si,Ti)は1ppm以下であった。
上記ポリアクリル酸水溶液(25重量%)36gと脱イオン水2364gを混合し、アンモニア水(25重量%)にてpH4.8に調整した。さらに上記の酸化セリウムスラリ(固形分:5重量%)600gを添加して酸化セリウム系CMP研磨剤(固形分:1.0重量%)を作製した。その研磨剤pHは5.0であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、D50の値は170nmであった。
(絶縁膜層の研磨)
図1に本発明の実施例に使用した評価用ウエハの概略図を示す。すなわち、図1の(a)の平面図及び(b)の縦断面図に示すように、φ200mmのシリコン(Si)基板1上に100nmの窒化珪素(SiN)膜2を成膜し、さらにトレンチ3を形成した。次いで、図1の(c)に縦断面図で示すように、そのトレンチ3を酸化珪素(SiO)の絶縁膜4で埋め込んだ狭素子分離(STI)絶縁膜CMP評価用試験ウエハを作製した。
絶縁膜4の初期膜厚は凸部で580nm、凹部で610nmであった。またトレンチ3の深さは、460nmであった。また、100μm角の窒化珪素膜の部分と隣の部分との間隔は59μmとした。
研磨装置(株式会社荏原製作所製 型番EPO−111)の、保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記試験ウエハをセットし、一方、φ600mmの研磨定盤に多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドIC−1000(ロデール社製型番、溝形状:パーフォレート)を貼り付けた。該パッド上に絶縁膜4面を下にして前記ホルダーを載せ、さらに加工荷重30kPaに設定した。定盤上に上記で調整したCMP研磨剤を200mL/分の速度で滴下しながら、定盤とウエハとをそれぞれ50rpmで作動させてSTI絶縁膜CMP評価用試験ウエハを研磨した。研磨装置とRS−232Cシリアルポートを備えたパーソナルコンピュータとを接続し、研磨定盤トルク電流値をモニタすることで、研磨の終点検出を行った。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。その後、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス社製商品名Nanospec AFT−5100)を用いて、凹部の絶縁膜4の残膜厚、凸部の絶縁膜の残膜厚、あるいはSiN膜2の残膜厚を測定した。さらに段差計Dektak V200−Si(Veeco社製商品名)を用いて、研磨後の凸部と凹部の残段差を測定した。
評価用試験ウエハを研磨した結果、研磨終点は140秒であった。凸部は絶縁膜を削りきり、SiN膜が露出し、SiN膜残膜厚は80nmであった。さらに、残段差は3nmであった。さらに30秒間過剰研磨をした場合の残段差は10〜14nmであり、高平坦化が達成されていることがわかった。
また、光学顕微鏡を用いて研磨後の絶縁膜表面を観察したところ、明確な研磨傷は観察されなかった。
比較例
(酸化セリウム研磨剤の調製)
実施例に記載の酸化セリウムスラリ(固形分:5重量%)600gと脱イオン水2400gを混合し、酸化セリウム研磨剤(固形分:1.0重量%)を作製した。その研磨剤pHは8.5であった。
(絶縁膜層の研磨)
上記で作製した酸化セリウム研磨剤を用いた以外は実施例と同様に狭素子分離(STI)絶縁膜CMP評価用試験ウエハの研磨を行った。その結果、凸部SiN膜が露出するのに360秒を要し、研磨速度が低速であった。SiN膜残膜厚は70nmであった。一方、残段差は90nmであり、平坦化が十分達成されていないことがわかった。
本発明の実施例における狭素子分離(STI)絶縁膜用CMP試験ウエハ評価部の概略図であり、(a)はトレンチ形成後の平面図、(b)は(a)のAA´面による縦断面図、(c)は絶縁層埋め込み後の縦断面図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 窒化珪素(SiN)膜
3 トレンチ
4 絶縁膜(SiO

Claims (5)

  1. 酸化セリウム粒子、分散剤、ポリ(メタ)アクリル酸および水を含有し、前記酸化セリウム粒子の平均粒径が1nm以上400nm以下であり、pHが4.5以上6.0以下であるCMP研磨剤。
  2. 前記酸化セリウム粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下である請求項1に記載のCMP研磨剤。
  3. 前記ポリ(メタ)アクリル酸がポリアクリル酸であり、その含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して0.01重量部以上2重量部以下である請求項1又は2に記載のCMP研磨剤。
  4. 前記ポリ(メタ)アクリル酸がポリアクリル酸であり、その重量平均分子量が、500以上30,000以下である請求項1〜3のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  5. 被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、請求項1〜4のいずれかに記載のCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する基板の研磨方法。
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