JP2010095650A - 研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜等の研磨後の膜厚均一性向上を容易に行うことができる、研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】 酸化セリウム粒子、分散剤、水溶性高分子、水及びポリオキシアルキレンエーテル化合物を含む研磨剤組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 酸化セリウム粒子、分散剤、水溶性高分子、水及びポリオキシアルキレンエーテル化合物を含む研磨剤組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体素子製造技術である、基板表面の平坦化工程、特に、層間絶縁膜、BPSG(ボロン、リンをドープした二酸化珪素膜)膜の平坦化工程、シャロートレンチ分離の形成工程等において使用される、研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法に関する。
現在のULSI(超LSI)半導体素子製造工程では、高密度・微細化のための加工技術が研究開発されている。その一つであるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子の製造工程において、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ素子分離形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等を行う際に、必須の技術となってきている。
従来、半導体素子の製造工程において、プラズマ−CVD(化学気相成長)、低圧−CVD等の方法で、酸化珪素絶縁膜等の無機絶縁膜層が形成される。この無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤組成物として、フュームドシリカ系の研磨剤組成物が、一般的に検討されている。
フュームドシリカ系の研磨剤組成物は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。
しかしながら、フュームドシリカ系の研磨剤組成物は、研磨速度が低いという技術課題がある。
フュームドシリカ系の研磨剤組成物は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。
しかしながら、フュームドシリカ系の研磨剤組成物は、研磨速度が低いという技術課題がある。
また、LSIのデザインルール0.25μm以降の世代では、集積回路内の素子分離に、シャロートレンチ分離が用いられている。シャロートレンチ分離では、基板上に成膜した余分な酸化珪素膜を除くためにCMPが使用され、必要以上の研磨を行わないように、酸化珪素膜の下に、研磨速度の遅いストッパ膜が形成される。
ストッパ膜には、窒化珪素等が使用され、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいことが望ましいが、従来のコロイダルシリカ系の研磨剤組成物は、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が、3程度と小さく、シャロートレンチ分離用としては、実用に耐える特性を有していなかった。
ストッパ膜には、窒化珪素等が使用され、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいことが望ましいが、従来のコロイダルシリカ系の研磨剤組成物は、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が、3程度と小さく、シャロートレンチ分離用としては、実用に耐える特性を有していなかった。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面研磨剤として、酸化セリウム研磨剤組成物が用いられている。酸化セリウム粒子は、シリカ粒子やアルミナ粒子に比べて硬度が低く、従って、研磨表面に傷が入りにくいことから、仕上げ鏡面研磨に有用である。また、シリカ研磨剤組成物に比べ、研磨速度が速い利点がある。
近年、高純度酸化セリウム砥粒を用いた、半導体用CMP研磨剤組成物が使用されている。例えば、その技術は、特許文献1に開示されている。
また、酸化セリウム研磨剤組成物の研磨速度を制御し、グローバルな平坦性を向上させるために添加剤を加えることも知られているおり、例えば、この技術は、特許文献2に開示されている。
特開平10−106994号公報
特開平8−22970号公報
近年、高純度酸化セリウム砥粒を用いた、半導体用CMP研磨剤組成物が使用されている。例えば、その技術は、特許文献1に開示されている。
また、酸化セリウム研磨剤組成物の研磨速度を制御し、グローバルな平坦性を向上させるために添加剤を加えることも知られているおり、例えば、この技術は、特許文献2に開示されている。
しかしながら、上記のような酸化セリウムを用いた研磨剤組成物は、研磨条件によっては研磨速度の面内ばらつきがあり、研磨後の膜厚均一性が悪くなるという問題がある。特に、基板縁部(ウエハエッジ部)の研磨速度が速く、研磨過剰になることが多い。
これまでの技術では、基板縁(ウエハエッジ)から5mm迄の、膜厚均一性を要求されてきたが、近年ウエハに作りこむLSIの歩留り向上のため、ウエハエッジから3mm迄の膜厚均一性を要求されている。
これまでの技術では、基板縁(ウエハエッジ)から5mm迄の、膜厚均一性を要求されてきたが、近年ウエハに作りこむLSIの歩留り向上のため、ウエハエッジから3mm迄の膜厚均一性を要求されている。
本発明は、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜等の研磨後の膜厚均一性向上を容易に行うことができる、研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法を提供するものである。
本発明は、以下のものに関する。
(1)酸化セリウム粒子、分散剤、水溶性高分子、水及びポリオキシアルキレンエーテル化合物を含む研磨剤組成物。
(2)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、下記一般式(1)で表される研磨剤組成物。
(1)酸化セリウム粒子、分散剤、水溶性高分子、水及びポリオキシアルキレンエーテル化合物を含む研磨剤組成物。
(2)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、下記一般式(1)で表される研磨剤組成物。
(3)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンエーテル硬化ヒマシ油である研磨剤組成物。
(4)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラオレエートである研磨剤組成物。
(5)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンアルキルアミンである研磨剤組成物。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、研磨剤100質量部に対して、0.0001質量部以上、1質量部以下である研磨剤組成物。
(7)被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、請求項1乃至6の何れかに記載の研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布の間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして研磨する、基板の研磨方法。
(8)項(1)乃至(6)の何れかにおいて、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布の間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして研磨する基板の研磨方法により研磨した後、被研磨膜の残膜厚を測定し、研磨した膜厚を研磨時間で割った研磨速度(単位:nm/min)が、この研磨速度の面内ばらつきの指標である1σ%(基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、標準偏差(σ)とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)が、5%以下、及び/又は、基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、基板縁から1〜2mmの研磨速度の平均との比が、2以下である研磨剤組成物。
(4)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラオレエートである研磨剤組成物。
(5)項(1)において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンアルキルアミンである研磨剤組成物。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、研磨剤100質量部に対して、0.0001質量部以上、1質量部以下である研磨剤組成物。
(7)被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、請求項1乃至6の何れかに記載の研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布の間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして研磨する、基板の研磨方法。
(8)項(1)乃至(6)の何れかにおいて、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布の間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして研磨する基板の研磨方法により研磨した後、被研磨膜の残膜厚を測定し、研磨した膜厚を研磨時間で割った研磨速度(単位:nm/min)が、この研磨速度の面内ばらつきの指標である1σ%(基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、標準偏差(σ)とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)が、5%以下、及び/又は、基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、基板縁から1〜2mmの研磨速度の平均との比が、2以下である研磨剤組成物。
本発明によれば、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜等を、平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜等の研磨後の膜厚均一性向上を容易に行うことができる、研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法を、提供することができる。
(酸化セリウム粒子)
一般に、酸化セリウムは、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得られる。TEOS(テトラエトキシシラン)−CVD法等で形成される酸化珪素膜の研磨に使用する酸化セリウム研磨剤組成物は、粒子の結晶子径が大きく、且つ結晶歪みが少ない程、即ち、結晶性が良い程、高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。
そこで、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、その製造方法を限定するものではないが、酸化セリウム結晶子径は、5〜300nmであることが好ましい。また、半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は、酸化セリウム粒子中、10ppm以下に抑えることが好ましい。
一般に、酸化セリウムは、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得られる。TEOS(テトラエトキシシラン)−CVD法等で形成される酸化珪素膜の研磨に使用する酸化セリウム研磨剤組成物は、粒子の結晶子径が大きく、且つ結晶歪みが少ない程、即ち、結晶性が良い程、高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。
そこで、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、その製造方法を限定するものではないが、酸化セリウム結晶子径は、5〜300nmであることが好ましい。また、半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は、酸化セリウム粒子中、10ppm以下に抑えることが好ましい。
酸化セリウム粉末を作製する方法としては、焼成又は過酸化水素等による酸化法が使用できる。焼成温度は、350〜900℃が好ましい。
上記の方法により製造された酸化セリウム粒子は、凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、ジェットミル等による乾式粉砕や、遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルによる乾式粉砕は、例えば、化学工学論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。
酸化セリウム粒子を、主な分散媒である水中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。上記の各方法により分散された酸化セリウムを、更に微粒子化する方法としては、酸化セリウム分散液を、長時間静置させて大粒子を沈降させ、上澄みをポンプで汲み取ることによる、沈降分級法が用いられる。また他に、分散媒中の酸化セリウム粒子同士を、高圧力で衝突させる高圧ホモジナイザを使用する方法も用いられる。
作製された研磨剤組成物中の、酸化セリウム粒子の平均粒径は、1〜500nmであることが好ましい。より好ましくは、1〜400nmであり、更に好ましくは、1〜300nmである。酸化セリウム粒子の平均粒径が、1nm未満であると研磨速度が低くなる傾向があり、500nmを超えると研磨する膜に傷が付き易くなる傾向がある。
尚、ここで述べる酸化セリウム粒子の平均粒径とは、レーザ回折式粒度分布計で測定した、D50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)を言う。
尚、ここで述べる酸化セリウム粒子の平均粒径とは、レーザ回折式粒度分布計で測定した、D50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)を言う。
本発明における研磨剤組成物は、例えば、酸化セリウム粒子と、分散剤と、水とを配合して粒子を分散させ、更に水溶性高分子とポリオキシアルキレンエーテル化合物を添加することによって得られる。
酸化セリウム粒子の濃度は、研磨剤組成物100質量部当たり、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。より好ましくは、0.2〜2質量部であり、更に好ましくは、0.5〜1.5質量部である。酸化セリウムの濃度は、0.1質量部未満であると研磨速度が低くなる傾向があり、10質量部を超えると凝集する傾向がある。
酸化セリウム粒子の濃度は、研磨剤組成物100質量部当たり、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。より好ましくは、0.2〜2質量部であり、更に好ましくは、0.5〜1.5質量部である。酸化セリウムの濃度は、0.1質量部未満であると研磨速度が低くなる傾向があり、10質量部を超えると凝集する傾向がある。
(分散剤)
本発明に用いる分散剤として、例えば、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤等が挙げられる。また、共重合成分として、アクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤が好ましい。このようなものの例としては、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリル酸アミドとアクリル酸アンモニウムの共重合体等が挙げられる。
更に、分散剤は、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤の少なくとも1種類と、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤から選ばれた少なくとも1種類とを含む、2種類以上の分散剤を併用してもよい。
本発明の研磨剤組成物は、半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、分散剤中のナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属、ハロゲン及びイオウの含有率は、10ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明に用いる分散剤として、例えば、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤等が挙げられる。また、共重合成分として、アクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤が好ましい。このようなものの例としては、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリル酸アミドとアクリル酸アンモニウムの共重合体等が挙げられる。
更に、分散剤は、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤の少なくとも1種類と、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤から選ばれた少なくとも1種類とを含む、2種類以上の分散剤を併用してもよい。
本発明の研磨剤組成物は、半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、分散剤中のナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属、ハロゲン及びイオウの含有率は、10ppm以下に抑えることが好ましい。
水溶性陰イオン性分散剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型高分子分散剤等が、挙げられる。
水溶性非イオン性分散剤としては、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が、挙げられる。
水溶性陽イオン性分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が、挙げられる。
水溶性両性分散剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が、挙げられる。
これら分散剤添加量は、スラリ状である研磨剤組成物中の、粒子の分散性及び沈降防止、更に研磨傷と分散剤添加量との関係から、酸化セリウム粒子100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲が好ましい。
分散剤の重量平均分子量は、100〜50000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。分散剤の重量平均分子量が、100未満の場合は、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度が得られにくく、分散剤の分子量が、50000を超える場合は、粘度が高くなり、研磨剤組成物の保存安定性が、低下する場合がある。
分散剤の重量平均分子量は、100〜50000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。分散剤の重量平均分子量が、100未満の場合は、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度が得られにくく、分散剤の分子量が、50000を超える場合は、粘度が高くなり、研磨剤組成物の保存安定性が、低下する場合がある。
(ポリオキシアルキレンエーテル化合物)
本発明に用いるポリオキシアルキレンエーテル化合物は、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート、ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン等が挙げられ、これらは単独でも、2種類以上を併用することもできる。
ポリオキシアルキレンエーテル化合物の添加量は、研磨剤組成物100質量部に対して、0.0001〜1質量部であることが好ましい。
本発明に用いるポリオキシアルキレンエーテル化合物は、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート、ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン等が挙げられ、これらは単独でも、2種類以上を併用することもできる。
ポリオキシアルキレンエーテル化合物の添加量は、研磨剤組成物100質量部に対して、0.0001〜1質量部であることが好ましい。
(水溶性高分子)
本発明に用いる水溶性高分子としては、特に制限はなく、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が、挙げられる。
これら水溶性高分子の重量平均分子量は、500以上が好ましい。
また、水溶性高分子の配合量は、研磨剤組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明に用いる水溶性高分子としては、特に制限はなく、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が、挙げられる。
これら水溶性高分子の重量平均分子量は、500以上が好ましい。
また、水溶性高分子の配合量は、研磨剤組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明の研磨剤は、酸化セリウム粒子、分散剤及び水を有した酸化セリウムスラリと、水溶性高分子、ポリオキシアルキレンエーテル化合物及び水を含む添加液とに分けた、二液式研磨剤組成物として保存しても、また、予め水溶性高分子が含まれた、酸化セリウムスラリとして保存しても、安定した特性が得られる。
酸化セリウムスラリと添加液とを分けた二液式研磨剤組成物として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えられることにより、平坦化特性と研磨速度の調整が可能となる。
二液式研磨剤組成物で研磨する場合、添加液は、酸化セリウムスラリを送液する配管とは別の配管で送液し、これらの配管を合流させて、供給配管出口の直前で混合して研磨定盤上に供給する方法か、研磨直前に酸化セリウムスラリと混合する方法がとられる。
酸化セリウムスラリと添加液とを分けた二液式研磨剤組成物として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えられることにより、平坦化特性と研磨速度の調整が可能となる。
二液式研磨剤組成物で研磨する場合、添加液は、酸化セリウムスラリを送液する配管とは別の配管で送液し、これらの配管を合流させて、供給配管出口の直前で混合して研磨定盤上に供給する方法か、研磨直前に酸化セリウムスラリと混合する方法がとられる。
本発明における研磨剤組成物は、所望のpHに調整して研磨に供される。pH調整剤に制限はないが、半導体研磨に使用される場合には、アルカリ金属類よりも、アンモニア水、酸成分が好適に使用される。pH調整は、予めアンモニアで部分的に中和された水溶性高分子のアンモニウム塩を使用することができる。
研磨剤組成物のpHは、4.5〜6.0が好ましく、pH4.8〜5.6が、より好ましい。pHは、4.5未満であると、徐々に研磨速度が低下する傾向があり、6.0を超えると、徐々に平坦性が低下する傾向がある。
上記pHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製、商品名:Model PH81)で測定できる。
pHの測定は、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液:pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨剤組成物に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
研磨剤組成物のpHは、4.5〜6.0が好ましく、pH4.8〜5.6が、より好ましい。pHは、4.5未満であると、徐々に研磨速度が低下する傾向があり、6.0を超えると、徐々に平坦性が低下する傾向がある。
上記pHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製、商品名:Model PH81)で測定できる。
pHの測定は、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液:pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨剤組成物に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
(研磨方法)
本発明の研磨方法は、被研磨膜を形成した基板を、研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、上記本発明の研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する。
本発明の研磨方法は、被研磨膜を形成した基板を、研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、上記本発明の研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する。
基板としては、半導体素子製造に係る基板、例えば、回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に無機絶縁層が形成された基板が、挙げられる。
被研磨膜は、無機絶縁層、例えば、酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層及び酸化珪素膜層等が、挙げられる。
このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層を、本発明の研磨剤組成物で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
被研磨膜は、無機絶縁層、例えば、酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層及び酸化珪素膜層等が、挙げられる。
このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層を、本発明の研磨剤組成物で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
また、本発明の研磨剤組成物は、シャロートレンチ分離にも使用できる。
シャロートレンチ分離に使用するためには、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比、即ち、「酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度」が、10以上であることが好ましい。この比が、10未満では、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の差が小さく、シャロートレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止しにくくなる。この比が、10以上の場合は、窒化珪素膜の研磨速度が、更に小さくなって研磨の停止が容易になり、シャロートレンチ分離に、より好適である。また、シャロートレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが好ましい。
シャロートレンチ分離に使用するためには、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比、即ち、「酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度」が、10以上であることが好ましい。この比が、10未満では、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の差が小さく、シャロートレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止しにくくなる。この比が、10以上の場合は、窒化珪素膜の研磨速度が、更に小さくなって研磨の停止が容易になり、シャロートレンチ分離に、より好適である。また、シャロートレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが好ましい。
以下、無機絶縁層が形成された半導体基板の場合を例に挙げて、研磨方法を説明する。
本発明の研磨方法において、研磨する装置としては、半導体基板等の被研磨膜を有する基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能で、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤とを有する、一般的な研磨装置が使用できる。研磨装置としては、例えば、株式会社荏原製作所製研磨装置:EPO−111(商品名)等が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限がない。
また、研磨布には、研磨剤組成物が溜まるような、溝加工を施すことが好ましい。
研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さないように、200回転/分以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨後に傷が発生しないように、100kPa以下が好ましい。
研磨している間、研磨布には、研磨剤組成物を、ポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が、常に研磨剤組成物で覆われていることが好ましい。
本発明の研磨方法において、研磨する装置としては、半導体基板等の被研磨膜を有する基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能で、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤とを有する、一般的な研磨装置が使用できる。研磨装置としては、例えば、株式会社荏原製作所製研磨装置:EPO−111(商品名)等が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限がない。
また、研磨布には、研磨剤組成物が溜まるような、溝加工を施すことが好ましい。
研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さないように、200回転/分以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨後に傷が発生しないように、100kPa以下が好ましい。
研磨している間、研磨布には、研磨剤組成物を、ポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が、常に研磨剤組成物で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落として、乾燥させることが好ましい。
このように被研磨膜である無機絶縁層を、研磨剤組成物で研磨することによって、表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面が得られる。半導体基板は、このようにして平坦化されたシャロートレンチを形成したあと、酸化珪素絶縁膜層の上に、アルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度、上記方法により酸化珪素絶縁膜を形成し、研磨剤組成物を用いて、前述したのと同様に研磨して、平滑な面とする。
この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数を有する半導体基板を製造することができる。
このように被研磨膜である無機絶縁層を、研磨剤組成物で研磨することによって、表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面が得られる。半導体基板は、このようにして平坦化されたシャロートレンチを形成したあと、酸化珪素絶縁膜層の上に、アルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度、上記方法により酸化珪素絶縁膜を形成し、研磨剤組成物を用いて、前述したのと同様に研磨して、平滑な面とする。
この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数を有する半導体基板を製造することができる。
本発明では、ポリオキシアルキレンエーテル化合物を添加することで、被研磨膜(酸化珪素膜)の、研磨後の膜厚均一性を向上させることができる。これにより、基板(ウエハ)端部の、被研磨膜の研磨過剰の発生を抑えることができる。
本発明では、上記のような基板の研磨方法により研磨した後、被研磨膜の残膜厚を測定し、研磨した膜厚を研磨時間で割った研磨速度(単位:nm/min)が、この研磨速度の面内ばらつきの指標である1σ%(基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、標準偏差(σ)とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)が、5%以下、及び/又は、基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、基板縁から1〜2mmの研磨速度の平均との比が、2以下であると好ましい。
本発明では、上記のような基板の研磨方法により研磨した後、被研磨膜の残膜厚を測定し、研磨した膜厚を研磨時間で割った研磨速度(単位:nm/min)が、この研磨速度の面内ばらつきの指標である1σ%(基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、標準偏差(σ)とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)が、5%以下、及び/又は、基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、基板縁から1〜2mmの研磨速度の平均との比が、2以下であると好ましい。
本発明の研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化珪素膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸化反応を、400℃以下の低温で行わせることにより得られる。場合によっては、CVD法の後、1000℃又はそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るために、リン:Pをドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が、低温でできる利点を有する。プラズマCVD法に用いるプラズマの発生方法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いたSiH4−N2O系ガスと、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が、挙げられる。
基板温度は、250〜400℃、反応圧力は、67〜400Paの範囲が好ましい。
本発明における酸化珪素膜には、リン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。
同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiH2Cl2、窒素源としてアンモニア:NH3を用いる。このSiH2Cl2−NH3系酸化反応を、900℃の高温で行わせることにより得られる。
プラズマCVD法は、反応ガスとしては、Si源としてSiH4、窒素源としてNH3を用いたSiH4−NH3系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
基板温度は、250〜400℃、反応圧力は、67〜400Paの範囲が好ましい。
本発明における酸化珪素膜には、リン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。
同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiH2Cl2、窒素源としてアンモニア:NH3を用いる。このSiH2Cl2−NH3系酸化反応を、900℃の高温で行わせることにより得られる。
プラズマCVD法は、反応ガスとしては、Si源としてSiH4、窒素源としてNH3を用いたSiH4−NH3系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
本発明の研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法は、半導体基板に形成された酸化珪素膜だけでなく、各種半導体装置の製造プロセス等にも適用することができる。例えば、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO(Indium−Tin−Oxide)等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
酸化セリウム粉末:200.0gと、脱イオン水:795.0gを混合し、市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):5gを添加し、攪拌しながら超音波分散を行なった。超音波周波数は、400kHzで、分散時間20分で行なった。
その後、1リットル容器に、1kgの酸化セリウム分散液を入れて静置し、沈降分級を行なった。
分級時間15時間後、容器底からの高さ10mm以上の上澄みをポンプでくみ上げた。得られた上澄みの酸化セリウム分散液を、固形分濃度が、5質量%になるように、脱イオン水で希釈して、酸化セリウムスラリを得た。
酸化セリウムスラリ中の平均粒径を測定するため、適当な濃度に希釈し、レーザ回折式粒度分布計:Master Sizer Microplus(Malvern株式会社製、商品名)を用い、屈折率:1.93、吸収:0として、測定したところ、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
<実施例1>
酸化セリウム粉末:200.0gと、脱イオン水:795.0gを混合し、市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):5gを添加し、攪拌しながら超音波分散を行なった。超音波周波数は、400kHzで、分散時間20分で行なった。
その後、1リットル容器に、1kgの酸化セリウム分散液を入れて静置し、沈降分級を行なった。
分級時間15時間後、容器底からの高さ10mm以上の上澄みをポンプでくみ上げた。得られた上澄みの酸化セリウム分散液を、固形分濃度が、5質量%になるように、脱イオン水で希釈して、酸化セリウムスラリを得た。
酸化セリウムスラリ中の平均粒径を測定するため、適当な濃度に希釈し、レーザ回折式粒度分布計:Master Sizer Microplus(Malvern株式会社製、商品名)を用い、屈折率:1.93、吸収:0として、測定したところ、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gとポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加して酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤のpHは、5.0であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径を、レーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加して酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤のpHは、5.0であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径を、レーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(絶縁膜層の研磨)
研磨試験ウエハとして、P−TEOS(テトラエトキシシラン)によるSiO2膜形成ウエハ(直径200mm)を用いた(SiO2膜厚1000nm)。
研磨装置(株式会社荏原製作所製研磨装置、商品名:EPO−111)の、基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、上記研磨試験ウエハをセットし、上記研磨装置の直径:600mmの研磨定盤に、多孔質ウレタン樹脂製の研磨布(溝形状=パーフォレートタイプ:Rohm and Haas社製、商品名:IC1000)を貼り付けた。更に、上記ホルダーを、被研磨膜である絶縁膜(酸化珪素被膜)面を下にして載せ、加工荷重を、34.3kPa(350gf/cm2)に設定した。
定盤上に、上記で調製した研磨剤組成物を、200ミリリットル/分の速度で滴下しながら、定盤とウエハとをそれぞれ、50回転/分で作動させて60秒間試験ウエハを研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。
その後、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス・ジャパン株式会社製、商品名:Nanospec AFT−5100)を用いて残膜厚を測定し、研磨速度(RR:研磨した膜厚を、研磨した時間で割った値で、単位は、nm/分)を求めた。研磨速度(RR)は、直径方向に5mm間隔で測定し、ウエハエッジは、中心から95mm、97mm、98mm、99mm(それぞれウエハエッジ内側の5、3、2、1mm)の部分を測定した。
ウエハ中心から97mm迄の研磨速度(RR)の測定値の平均と、1σ%(ウエハ中心からウエハエッジの内側3mm迄の研磨速度(RR)の平均と、標準偏差とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)を求めた。1σ%は、小さい方が平坦性がよいと判定した。
また、ウエハ中心から97mm迄の研磨速度(RR)の平均で、ウエハ中心から98〜99mmの研磨速度(RR)の平均を割った数値を、研磨速度(RR)の比として、平坦性の指標とした。RRの比は小さいほうが平坦性がよいと判定した。
下記表1に、得られた各測定結果を示す。
研磨試験ウエハとして、P−TEOS(テトラエトキシシラン)によるSiO2膜形成ウエハ(直径200mm)を用いた(SiO2膜厚1000nm)。
研磨装置(株式会社荏原製作所製研磨装置、商品名:EPO−111)の、基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、上記研磨試験ウエハをセットし、上記研磨装置の直径:600mmの研磨定盤に、多孔質ウレタン樹脂製の研磨布(溝形状=パーフォレートタイプ:Rohm and Haas社製、商品名:IC1000)を貼り付けた。更に、上記ホルダーを、被研磨膜である絶縁膜(酸化珪素被膜)面を下にして載せ、加工荷重を、34.3kPa(350gf/cm2)に設定した。
定盤上に、上記で調製した研磨剤組成物を、200ミリリットル/分の速度で滴下しながら、定盤とウエハとをそれぞれ、50回転/分で作動させて60秒間試験ウエハを研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。
その後、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス・ジャパン株式会社製、商品名:Nanospec AFT−5100)を用いて残膜厚を測定し、研磨速度(RR:研磨した膜厚を、研磨した時間で割った値で、単位は、nm/分)を求めた。研磨速度(RR)は、直径方向に5mm間隔で測定し、ウエハエッジは、中心から95mm、97mm、98mm、99mm(それぞれウエハエッジ内側の5、3、2、1mm)の部分を測定した。
ウエハ中心から97mm迄の研磨速度(RR)の測定値の平均と、1σ%(ウエハ中心からウエハエッジの内側3mm迄の研磨速度(RR)の平均と、標準偏差とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)を求めた。1σ%は、小さい方が平坦性がよいと判定した。
また、ウエハ中心から97mm迄の研磨速度(RR)の平均で、ウエハ中心から98〜99mmの研磨速度(RR)の平均を割った数値を、研磨速度(RR)の比として、平坦性の指標とした。RRの比は小さいほうが平坦性がよいと判定した。
下記表1に、得られた各測定結果を示す。
<実施例2>
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.5であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.5であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(絶縁膜層の研磨)
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
<実施例3>
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.5であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.5であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(絶縁膜層の研磨)
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
<実施例4>
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.5であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン:0.3g、脱イオン水:2677gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.5であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(絶縁膜層の研磨)
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
下記表1に示すように、実施例1〜4で調製した各研磨剤組成物を用いて、評価用ウエハを研磨した結果、研磨速度(RR)の1σ%は、5%以下であり、研磨速度(RR)の比は、2以下であった。
<比較例>
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、脱イオン水:2377gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.0であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(研磨剤の作製)
市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量:8000)(40質量%):23gと、脱イオン水:2377gを混合し、アンモニア水(25質量%)にて、pH4.8に調整した。
更に、調整した酸化セリウムスラリ(固形分:5質量%):300gを添加し、酸化セリウム系研磨剤組成物(固形分:0.5質量%)を作製した。この研磨剤組成物のpHは、5.0であった。また、研磨剤中の粒子の平均粒径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して、実施例1と同様に測定した結果、D50(体積分布のメジアン径、累積中央値)の値は、200nmであった。
(絶縁膜層の研磨)
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
下記表1に示すように、1σ%は、6.1%で、研磨速度(RR)の比は2.2であった。
上記で作製した研磨剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価用試験ウエハの研磨を行い、下記表1に示す結果を得た。
下記表1に示すように、1σ%は、6.1%で、研磨速度(RR)の比は2.2であった。
Claims (8)
- 酸化セリウム粒子、分散剤、水溶性高分子、水及びポリオキシアルキレンエーテル化合物を含む研磨剤組成物。
- 請求項1において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンエーテル硬化ヒマシ油である研磨剤組成物。
- 請求項1において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラオレエートである研磨剤組成物。
- 請求項1において、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、ポリオキシアルキレンアルキルアミンである研磨剤組成物。
- 請求項1乃至5の何れかにおいて、ポリオキシアルキレンエーテル化合物が、研磨剤100質量部に対して、0.0001質量部以上、1質量部以下である研磨剤組成物。
- 被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、請求項1乃至6の何れかに記載の研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布の間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして研磨する、基板の研磨方法。
- 請求項1乃至6の何れかにおいて、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧し、研磨剤組成物を、被研磨膜と研磨布の間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして研磨する基板の研磨方法により研磨した後、被研磨膜の残膜厚を測定し、研磨した膜厚を研磨時間で割った研磨速度(単位:nm/min)が、この研磨速度の面内ばらつきの指標である1σ%(基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、標準偏差(σ)とを計算し、平均で標準偏差を割った数値に、100を乗じた値)が、5%以下、及び/又は、基板中心から基板縁の内側3mm迄の研磨速度の平均と、基板縁から1〜2mmの研磨速度の平均との比が、2以下である研磨剤組成物。
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