JP5309275B1 - 摩擦伝動ベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

摩擦伝動ベルト(B)は、ゴム組成物で形成されたベルト本体(10)がプーリに巻き掛けられて動力を伝達する。ベルト本体(10)におけるプーリ接触側表面には、熱可塑性樹脂膜(16)が付着していると共に、摩擦係数低減粉体(17)が分散して付着している。

Description

本発明は、摩擦伝動ベルト及びその製造方法に関する。
Vリブドベルト等の摩擦伝動ベルトでは、プーリとの接触時に発生する騒音の低減が求められている。
この騒音低減の課題に対し、特許文献1には、Vリブ表面がフッ素粒子を含む熱可塑性樹脂フィルムで被覆されたVリブドベルトが開示されている。特許文献2には、Vリブ表面が編物で被覆され、その表面に、フッ素含有ポリマーを含むポリウレタンによる騒音抑制減摩コーティングが施されたVリブドベルトが開示されている。
特表2009−533606号公報 特表2009−526954号公報
本発明は、ゴム組成物で形成されたベルト本体がプーリに巻き掛けられて動力を伝達する摩擦伝動ベルトであって、前記ベルト本体におけるプーリ接触側表面には、熱可塑性樹脂膜が付着していると共に、摩擦係数低減粉体が分散して付着している。
本発明は、ゴム組成物で形成されたベルト本体がプーリに巻き掛けられて動力を伝達する摩擦伝動ベルトであって、ベルト成形型におけるプーリ接触側部分を形成するための成型面に、予め熱可塑性樹脂粉体及び摩擦係数低減粉体を吹き付けて粉体層を形成し、そこにベルト形成用の未架橋ゴム組成物を圧接させて前記熱可塑性樹脂粉体が溶融し且つ前記摩擦係数低減粉体が溶融しない成型温度で架橋させることにより製造されたものである。
本発明は、ベルト成形型におけるプーリ接触側部分を形成するための成型面に、予め熱可塑性樹脂粉体及び摩擦係数低減粉体を吹き付けて粉体層を形成し、そこにベルト形成用の未架橋ゴム組成物を圧接させて前記熱可塑性樹脂粉体が溶融し且つ前記摩擦係数低減粉体が溶融しない成型温度で架橋させる摩擦伝動ベルトの製造方法である。
実施形態1に係るVリブドベルトの斜視図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの要部の断面図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの変形例の要部の断面図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの要部の断面拡大図である。 実施形態1に係るVリブドベルトを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置のプーリレイアウトを示す図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの製造に用いるベルト成形型の縦断面図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの製造に用いるベルト成形型の一部分の拡大縦断面図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの製造において、外型に粉体を吹き付ける工程を示す説明図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの製造において、内型に未架橋ゴムシート及び撚り糸をセットする工程を示す説明図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの製造において、内型を外型の中に位置付ける工程を示す説明図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの製造において、ベルトスラブを成型する工程を示す説明図である。 実施形態2に係るVリブドベルトの要部の断面図である。 実施形態2に係るVリブドベルトの変形例の要部の断面図である。 実施形態2に係るVリブドベルトの要部の断面拡大図である。 実施形態2に係るVリブドベルトの製造において、内型に未架橋ゴムシート等をセットする工程を示す説明図である。 実施形態1に係るVリブドベルトの別の変形例の要部の断面拡大図である。 実施形態2に係るVリブドベルトの別の変形例の要部の断面拡大図である。 ベルト走行時音試験用のベルト試験走行機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1及び2は、実施形態1に係るVリブドベルトB(摩擦伝動ベルト)を示す。本実施形態1に係るVリブドベルトBは、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動ベルト伝動装置等に用いられるものである。実施形態1に係るVリブドベルトBは、例えば、ベルト周長700〜3000mm、ベルト幅10〜36mm、及びベルト厚さ4.0〜5.0mmである。
実施形態1に係るVリブドベルトBは、ベルト内周側の圧縮ゴム層11と中間の接着ゴム層12とベルト外周側の背面ゴム層13との三重層に構成されたVリブドベルト本体10を備えており、接着ゴム層12には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。
圧縮ゴム層11には、複数のVリブ15がベルト内周側に垂下するように設けられている。複数のVリブ15は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略逆三角形の突条に形成されていると共に、ベルト幅方向に並設されている。各Vリブ15は、例えば、リブ高さが2.0〜3.0mm、基端間の幅が1.0〜3.6mmである。また、リブ数は、例えば、3〜6個である(図1では、リブ数が6)。圧縮ゴム層11は、ゴム成分に種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム成分は、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー(EPDMなど)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
配合剤としては、カーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等が挙げられる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラックが挙げられる。補強剤としてはシリカも挙げられる。補強剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。補強材は、耐摩耗性及び耐屈曲性のバランスが良好となるという観点から、ゴム成分100質量部に対する配合量が30〜80質量部であることが好ましい。
加硫促進剤としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛(亜鉛華)などの金属酸化物、金属炭酸塩、ステアリン酸などの脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加硫促進剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
架橋剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物が挙げられる。架橋剤として、硫黄を用いたものでもよく、また、有機過酸化物を用いたものでもよく、さらには、それらの両方を併用したものでもよい。架橋剤は、硫黄の場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が0.5〜4.0質量部であることが好ましく、有機過酸化物の場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
老化防止剤としては、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系、亜リン酸エステル系のものが挙げられる。老化防止剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0〜8質量部である。
軟化剤としては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系軟化剤、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系軟化剤が挙げられる。軟化剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。石油系軟化剤以外の軟化剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば2〜30質量部である。
なお、配合剤として、スメクタイト族、バーミュライト族、カオリン族等の層状珪酸塩が含まれていてもよい。
圧縮ゴム層11は、単一種のゴム組成物で構成されていてもよく、また、複数種のゴム組成物が積層されて構成されていてもよい。例えば、圧縮ゴム層11は、図3に示すように、摩擦係数低減材が配合されたプーリ接触側表面層11aとその内側に積層された内部ゴム層11bとを有していてもよい。摩擦係数低減材としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維などの短繊維や超高分子量ポリエチレン樹脂等が挙げられる。また、内部ゴム層11bには短繊維や摩擦係数低減材が配合されていないことが好ましい。
圧縮ゴム層11のプーリ接触側表面であるVリブ15表面には、熱可塑性樹脂膜16が分散して付着している。熱可塑性樹脂膜16は、図4に示すように、Vリブ15表面に物理的に密着して設けられている。熱可塑性樹脂膜16は、Vリブ15表面に露出し且つその一部乃至全部がVリブ15に埋まって複合化していることが好ましい。熱可塑性樹脂膜16の厚さは0.1〜200μmであることが好ましく、1.0〜100μmであることがより好ましい。熱可塑性樹脂膜16の厚さは、Vリブ15の断面画像を画像処理することにより平均値として測定することができる。熱可塑性樹脂膜16によるVリブ15表面の被覆割合は10〜90%であることが好ましく、50〜90%であることがより好ましい。この被覆割合は、Vリブ15の表面画像を画像処理することにより測定することができる。
熱可塑性樹脂膜16を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)やポリプロピレン樹脂(PP)などのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリルブタジェンスチレン樹脂(ABS)等が挙げられる。これらのうちポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂が好ましく、耐熱性の観点からはポリプロピレン樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種が混合されて構成されていてもよい。熱可塑性樹脂膜16を形成する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのような結晶性樹脂であってもよく、また、ポリスチレン樹脂などのような非結晶性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂膜16を形成する熱可塑性樹脂の融点は、成型加工性と耐熱性とのバランスの観点から100〜170℃であることが好ましく、130〜160℃であることがより好ましい。
Vリブ15表面には、摩擦係数低減粉体17が分散して付着している。摩擦係数低減粉体17は、図4に示すように、Vリブ15表面に物理的に複合化して一体に設けられている。摩擦係数低減粉体17は、Vリブ15表面に露出し且つその一部乃至全部がVリブ15に埋まって複合化していることが好ましい。摩擦係数低減粉体17は、Vリブ15表層に埋設されていてもよい。また、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16表面にも物理的に複合化して一体に設けられていることが好ましい。この場合も、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16表面に露出し且つその一部乃至全部が熱可塑性樹脂膜16に埋まって複合化していることが好ましい。さらに、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16内に埋設されていることが好ましい。摩擦係数低減粉体17の粒径は0.1〜150μmであることが好ましく、0.5〜60μmであることがより好ましい。ここで、粒径とは、ふるい分け法によって測定した試験用ふるいの目開きで表したもの、沈降法によるストークス相当径で表したもの、及び光散乱法による球相当径、並びに電気抵抗試験方法による球相当値で表したもののいずれかである。摩擦係数低減粉体17のVリブ15表面における占有面積率は10〜80%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましい。この付着密度は、Vリブ15の表面画像を画像処理することにより測定することができる。
摩擦係数低減粉体17を形成する材料としては、例えば、フッ素樹脂、層状珪酸塩、タルク、炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。これらのうちVリブ15表面の摩擦係数を低減する観点から、フッ素樹脂が好ましい。摩擦係数低減粉体17は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種が混合されて構成されていてもよい。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体樹脂(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド樹脂(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体樹脂(ECTFE)等が挙げられる。これらのうちポリテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。具体的には、例えば、株式会社セイシン企業社製のPTFEパウダー TFWシリーズ(TFW−500、TFW−1000、TFW−2000、TFW−3000、TFW−3000F)が挙げられる。
層状珪酸塩としては、スメクタイト族、バーミュライト族、カオリン族が挙げられる。スメクタイト族としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。バーミュライト族としては、例えば、3八面体型バーミュライト、2八面体型バーミュライト等が挙げられる。カオリン族としては、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、リザーダイト、アメサイト、クリソタイル等が挙げられる。これらのうちスメクタイト族のモンモリロナイトが好ましい。
実施形態1に係るVリブドベルトBによれば、上記のようにプーリ接触側表面であるVリブ15表面に、熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17が分散して付着しているので、プーリ間で生じるミスアライメントが大きい場合、多量の水がかかる場合、或いは回転変動が非常に大きい場合等の非常に厳しい使用条件においても長期にわたって有効に騒音を抑制することができる。また、熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17による摩擦係数の低減効果もあるので、プーリとの接触による摩耗も抑えることができ、さらに、摩擦係数低減粉体17による凹凸により被水時のハイドロプレーニングを防止(水切り)して被水によるスリップを防止することができる。加えて、熱可塑性樹脂膜16による耐クラック性の向上も期待することができる。
耐摩耗性を高める観点からは、Vリブ15表面に多数の短繊維18が設けられていてもよい。短繊維18は、基端部が圧縮ゴム層11に埋まり、熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17の間から先端部が突出していることが好ましい。
短繊維18としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維が挙げられる。短繊維18は、長繊維を長さ方向に沿って所定長に切断して製造される。短繊維18は、例えば、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液(以下「RFL水溶液」という。)等に浸漬した後に加熱する接着処理が施されたものであってもよい。短繊維18は、例えば、長さが0.2〜5.0mm、繊維径が10〜50μmである。
接着ゴム層12は、断面横長矩形の帯状に構成されており、厚さが例えば1.0〜2.5mmである。背面ゴム層13も、断面横長矩形の帯状に構成されており、厚さが例えば0.4〜0.8mmである。背面ゴム層13の表面は、ベルト背面が接触する平プーリとの間で生じる音を抑制する観点から、織布の布目が転写された形態に形成されていることが好ましい。接着ゴム層12及び背面ゴム層13は、ゴム成分に種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。背面ゴム層13は、ベルト背面が接触する平プーリとの接触で粘着が生じるのを抑制する観点から、接着ゴム層12よりもやや硬めのゴム組成物で形成されていることが好ましい。なお、圧縮ゴム層11と接着ゴム層12とでVリブドベルト本体10を構成し、背面ゴム層13の代わりに、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等で構成された補強布が設けられた構成であってもよい。
接着ゴム層12及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー(EPDMなど)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。接着ゴム層12及び背面ゴム層13のゴム成分は圧縮ゴム層11のゴム成分と同一であることが好ましい。
配合剤としては、圧縮ゴム層11と同様、例えば、カーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等が挙げられる。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13は、別配合のゴム組成物で形成されていてもよく、また、同じ配合のゴム組成物で形成されていてもよい。
心線14は、ポリエステル繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸で構成されている。心線14は、Vリブドベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。
図5は、実施形態1に係るVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置20のプーリレイアウトを示す。この補機駆動ベルト伝動装置20は、VリブドベルトBが4つのリブプーリ及び2つの平プーリの6つのプーリに巻き掛けられて動力を伝達するサーペンタインドライブ方式のものである。
この補機駆動ベルト伝動装置20は、最上位置のパワーステアリングプーリ21、そのパワーステアリングプーリ21のやや右斜め下方に配置されたACジェネレータプーリ22、パワーステアリングプーリ21の左斜め下方で且つACジェネレータプーリ22の左斜め上方に配置された平プーリのテンショナプーリ23と、ACジェネレータプーリ22の左斜め下方で且つテンショナプーリ23の直下方に配置された平プーリのウォーターポンププーリ24と、テンショナプーリ23及びウォーターポンププーリ24の左斜め下方に配置されたクランクシャフトプーリ25と、ウォーターポンププーリ24及びクランクシャフトプーリ25の左斜め下方に配置されたエアコンプーリ26とを備えている。これらのうち、平プーリであるテンショナプーリ23及びウォーターポンププーリ24以外は全てリブプーリである。これらのリブプーリ及び平プーリは、例えば、金属のプレス加工品や鋳物、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂成形品で構成されており、また、プーリ径がφ50〜150mmである。
この補機駆動ベルト伝動装置20では、VリブドベルトBは、Vリブ15側が接触するようにパワーステアリングプーリ21に巻き掛けられ、次いで、ベルト背面が接触するようにテンショナプーリ23に巻き掛けられた後、Vリブ15側が接触するようにクランクシャフトプーリ25及びエアコンプーリ26に順に巻き掛けられ、さらに、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ24に巻き掛けられ、そして、Vリブ15側が接触するようにACジェネレータプーリ22に巻き掛けられ、最後にパワーステアリングプーリ21へと戻るように設けられている。
実施形態1に係るVリブドベルトBによれば、上記のようにプーリ接触側表面であるVリブ15表面に、熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17が分散して付着しているので、例えば、プーリ間で掛け渡されるVリブドベルトBの長さであるベルトスパン長が40〜100mmと短く、そのためにプーリ間で生じるミスアライメントが0.5〜1.0°(さらに厳しくは1.0〜2.0°)と大きい場合、自動車のエンジンルームのように、多量の水がかかる虞のある場合、或いは回転変動幅が30〜50%(さらに厳しくは50〜80%)と非常に大きい場合等の非常に厳しい使用条件においても長期にわたって有効に騒音を抑制することができる。また、熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17による摩擦係数の低減効果もあるので、プーリとの接触による摩耗も抑えることができ、さらに、摩擦係数低減粉体17による凹凸により被水時のハイドロプレーニングを防止(水切り)して被水によるスリップを防止することができる。加えて、熱可塑性樹脂膜16による耐クラック性の向上も期待することができる。
次に、実施形態1に係るVリブドベルトBの製造方法の一例について図6〜11に基づいて説明する。
実施形態1に係るVリブドベルトBの製造では、図6及び7に示すように、同心状に設けられた、各々、円筒状の内型31(ゴムスリーブ)及び外型32からなるベルト成形型30を用いる。
このベルト成形型30では、内型31は、ゴム等の可撓性材料で形成されている。内型31の外周面は成型面に構成されており、その内型31の外周面には、織布の布目形成模様等が設けられている。外型32は、金属等の剛性材料で形成されている。外型32の内周面は成型面に構成されており、その外型32の内周面には、Vリブ形成溝33が軸方向に一定ピッチで設けられている。また、外型32には、水蒸気等の熱媒体や水等の冷媒体を流通させて温調する温調機構が設けられている。そして、このベルト成形型30では、内型31を内部から加圧膨張させるための加圧手段が設けられている。
実施形態1に係るVリブドベルトBの製造において、まず、ゴム成分に各配合物を配合し、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形して圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’(ベルト形成用の未架橋ゴム組成物)を作製する。同様に、接着ゴム層12用及び背面ゴム層13用の未架橋ゴムシート12’,13’も作製する。また、心線14となる撚り糸14’をRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理を行った後、撚り糸14’をゴム糊に浸漬して加熱乾燥する接着処理を行う。
次いで、図8に示すように、外型32の内周面のプーリ接触側部分を形成するための成型面に熱可塑性樹脂膜16を形成するための熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’を吹き付ける。このとき、外型32の成型面には粉体層Pが形成される。なお、熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’の吹き付けは、一般の粉体塗装装置を用いて行うことができる。
ここで、熱可塑性樹脂粉体16’としては、具体的には、例えば、株式会社セイシン企業社製のオレフィンパウダー(PPW−5パウダー(ポリプロピレン樹脂粉体)、SK−PE−20Lパウダー(低密度ポリエチレン樹脂粉体))が挙げられる。熱可塑性樹脂粉体16’は、例えば、フッ素樹脂粉体を熱可塑性樹脂で被覆した複合粉体を含んでいてもよい。かかる複合粉体としては、具体的には、例えば、株式会社セイシン企業社製の複合パウダーが挙げられる。熱可塑性樹脂粉体16’の粒径は、摩擦係数低減粉体17の粒径と同一又は摩擦係数低減粉体17の粒径よりも小さいことが好ましい。熱可塑性樹脂粉体16’の粒径は1.0〜100μmであることが好ましく、5.0〜50μmであることがより好ましい。なお、粒径とは、摩擦係数低減粉体17の場合と同様、ふるい分け法によって測定した試験用ふるいの目開きで表したもの、沈降法によるストークス相当径で表したもの、及び光散乱法による球相当径、並びに電気抵抗試験方法による球相当値で表したもののいずれかである。
この熱可塑性樹脂粉体16’の吹き付け及び摩擦係数低減粉体17’の吹き付けは同時に行うことが好ましい。この場合、熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’のそれぞれを別々の装置を用いて吹き付けてもよく、また、熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’の混合粉体を単一の装置を用いて吹き付けてもよい。なお、熱可塑性樹脂粉体16’の吹き付け及び摩擦係数低減粉体17’の吹き付けは、先に熱可塑性樹脂粉体16’の吹き付けを行った後に摩擦係数低減粉体17’の吹き付けを行ってもよく、また、先に摩擦係数低減粉体17’の吹き付けを行った後に熱可塑性樹脂粉体16’の吹き付けを行ってもよい。
粉体層Pを形成するときの単位面積当たりの熱可塑性樹脂粉体16’の吹付質量は5〜50g/mとすることが好ましく、10〜30g/mとすることがより好ましい。単位面積当たりの摩擦係数低減粉体17’の吹付質量は30〜200g/mとすることが好ましく、50〜150g/mとすることがより好ましい。単位面積当たりの熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’の吹付質量は、熱可塑性樹脂粉体16’よりも摩擦係数低減粉体17’の方が多いことが好ましい。具体的には、単位面積当たりの熱可塑性樹脂粉体16’の吹付質量に対する摩擦係数低減粉体17’の吹付質量(摩擦係数低減粉体17’の吹付質量/熱可塑性樹脂粉体16’の吹付質量)は100/80〜100/5とすることが好ましく、100/50〜100/10とすることがより好ましい。粉体層Pを形成するときには、外型32への付着性を高める観点から、吹き付ける熱可塑性樹脂粉体16’及び/又は摩擦係数低減粉体17’を例えば10〜100kVの電圧をかけて帯電させることが好ましい。粉体層Pの厚さは0.1〜200μmとすることが好ましく、1.0〜100μmとすることがより好ましい。
一方、図9に示すように、内型31の外周面の成型面には、背面ゴム層13用の未架橋ゴムシート13’、及び接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’を順に巻き付けて積層し、その上から心線14用の撚り糸14’を円筒状の内型31に対して螺旋状に巻き付け、さらにその上から接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’及び圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’を順に巻き付けて積層する。なお、図3に示すような構成のVリブドベルトBを製造する場合には、圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’として、プーリ接触側表面層11a用と内部ゴム層11b用とで異なるゴム組成物を用いてもよい。
Vリブ15表面に短繊維18を露出させる場合には、最外周の圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’の外周面にトルエン等の有機溶剤或いは接着剤を塗布した後、その上に短繊維18を吹き付けて短繊維18の層18’を設ける。短繊維18の層18’の厚さは10〜300μmとすることが好ましく、50〜200μmとすることがより好ましい。
次いで、図10に示すように、内型31を外型32の中に位置付けて密閉する。このとき、内型31の内部が密封状態となる。
続いて、外型32を、熱可塑性樹脂粉体16’が溶融し且つ摩擦係数低減粉体17’が溶融しない成型温度に加熱すると共に、内型31の密封された内部に高圧空気等を注入して加圧する。このとき、図11に示すように、内型31が膨張し、外型32の成型面に、ベルト形成用の未架橋ゴムシート11’,12’,13’が圧接し、また、それらの架橋が進行して一体化すると共に撚り糸14’と複合化し、最終的に、円筒状のベルトスラブが成型される。また、予め外型32の成型面に熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’を吹き付けて設けた粉体層Pは、熱可塑性樹脂粉体16’が溶融して複数個が合一して熱可塑性樹脂膜16を形成してベルトスラブの外周面に分散して付着し、また、摩擦係数低減粉体17がベルトスラブの外周面に分散して付着する。さらに、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16の表面に付着すると共に、その内部に埋設される。ベルトスラブの成型温度は例えば100〜180℃、成型圧力は例えば0.5〜2.0MPa、成型時間は例えば10〜60分である。
そして、内型31の内部を減圧して密閉を解き、内型31と外型32との間で成型されたベルトスラブを取り出し、それを所定幅に輪切りして表裏を裏返すことにより、VリブドベルトBが得られる。
(実施形態2)
図12及び13は実施形態2に係るVリブドベルトB(摩擦伝動ベルト)を示す。図12は圧縮ゴム層11が単一層で構成された態様、及び図13は圧縮ゴム層11がプーリ接触側表面層11aとその内側の内部ゴム層11bとの二層で構成された態様をそれぞれ示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。実施形態2に係るVリブドベルトBもまた、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動ベルト伝動装置等に用いられるものである。
実施形態2に係るVリブドベルトBでは、Vリブドベルト本体10における圧縮ゴム層11のプーリ接触側表面であるVリブ15表面が布19で被覆されており、その布19上に熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17が分散して付着している。
布19は、例えば、織布、編物、不織布等で構成されている。布19はシームレスの筒状に形成されていることが好ましい。布19は、Vリブ15形状に沿うように成型されるため、その成型加工性の観点から伸縮性を有することが好ましい。かかる観点から、布19は、平編、ゴム編、パール編等の編物であることが好ましい。布19は、Vリブドベルト本体10或いは熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17との接着のための処理が施されていていることが好ましい。かかる接着処理としては、RFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理が好ましい。その他の接着処理としては、例えば、シランカップリング剤溶液に浸漬した後に乾燥させる処理、エポキシ溶液やイソシアネート溶液に浸漬した後に加熱する処理、ゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理、或いは、これらの組合せが挙げられる。接着処理された布19は、接着剤により布目が埋まっていることが好ましい。布19の厚さは例えば0.1〜1.0mmである。
布19を形成する繊維材料としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、PBO繊維などの合成繊維、木綿や麻などの天然繊維等が挙げられる。
熱可塑性樹脂膜16は、Vリブ15表面の布19に対して融着していることが好ましく、図14に示すように、布19表面の凹凸に対応して布19を構成する糸間に入り込み、また、布19を構成する糸のVリブ15表面側のフィラメント間に含浸して融着していることがより好ましい。摩擦係数低減粉体17は、図14に示すように、Vリブ15表面の布19上に露出し且つその一部乃至全部が布19或いはその布目を埋めるゴム層に埋まって複合化していることが好ましい。摩擦係数低減粉体17は、布19の布目を埋めるゴム層に埋設されていてもよい。また、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16表面に物理的に複合化して一体に設けられていることが好ましい。この場合、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16表面に露出し且つその一部乃至全部が熱可塑性樹脂膜16に埋まって複合化していることが好ましい。さらに、摩擦係数低減粉体17は、熱可塑性樹脂膜16内に埋設されていることが好ましい。
次に、実施形態2に係るVリブドベルトBの製造方法の一例について説明する。
実施形態2に係るVリブドベルトBの製造では、図15に示すように、内型31の外周面の成型面に、背面ゴム層13用の未架橋ゴムシート13’、及び接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’を順に巻き付けて積層し、その上から心線14用の撚り糸14’を円筒状の内型31に対して螺旋状に巻き付け、その上から接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’及び圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’を順に巻き付けて積層し、さらにその上に布材19’を被せればよい。この場合、成型加工時には、Vリブ15表面が布19で被覆され、その上に熱可塑性樹脂膜16及び摩擦係数低減粉体17が付着した構成が得られる。
その他の構成、製造方法、作用効果については実施形態1と同一である。
(その他の実施形態)
上記実施形態1及び2では、外型32の成型面に熱可塑性樹脂粉体16’及び摩擦係数低減粉体17’を吹き付けて粉体層Pを形成したが、特にこれに限定されるものではなく、内型31の外周面の成型面に設けた積層体の外周面に熱可塑性樹脂粉体16’及び/又は摩擦係数低減粉体17’を吹き付けて粉体層Pを形成してもよい。
上記実施形態1及び2では、熱可塑性樹脂膜16がVリブ15表面に分散して付着した構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、図16に示す実施形態1の変形例及び図17に示す実施形態2の変形例のように、熱可塑性樹脂膜16がVリブ15表面を被覆するようにVリブ15表面に付着した構成であってもよい。なお、これらの構成は、外型32の内周面の成型面に吹き付ける熱可塑性樹脂粉体16’の量を多くすることにより得ることができる。
上記実施形態1及び2では、摩擦伝動ベルトとしてVリブドベルトBを示したが、特にこれに限定されるものではなく、ローエッジタイプのVベルト等であってもよい。
また、上記実施形態1及び2では、ベルト伝動装置として自動車の補機駆動ベルト伝動装置20を示したが、特にこれに限定されるものではなく、一般産業用等のベルト伝動装置であってもよい。
(Vリブドベルト)
<実施例1>
EPDM組成物の圧縮ゴム層用、接着ゴム層用、及び背面ゴム層用それぞれの未架橋ゴムシート、並びに心線用の撚り糸を準備した。
具体的には、圧縮ゴム層のプーリ接触側表面層用の未架橋ゴムシートは、EPDM(ダウケミカル社製 商品名:Nordel IP4640、エチレン含量55質量%、プロピレン含量40質量%、エチリデンノルボルネン(ENB)5.0質量%、ムーニー粘度40ML1+4(125℃))を原料ゴムとして、この原料ゴム100質量部に対し、カーボンブラック(昭和キャボット社製 商品名:ショウワブラックIP200カーボン)50質量部、パラフィンオイル(日本サン化学社製 商品名:サンフレックス2280)8質量部、加硫剤(細井化学社製 商品名:オイル硫黄)1.6質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:EP−150(加硫促進剤DM(ジベンゾチアジスルフィド)とTT(テトラメチルチウラムスルフィド)とEZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)との混合物))2.8質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:MSA(N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド))1.2質量部、加硫助剤(花王社製 ステアリン酸)1質量部、加硫助剤(堺化学社製 酸化亜鉛)5質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:224(TMDQ:2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))2質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:MB(2-メルカプトベンツイミダゾール))1質量部、及び超高分子量ポリエチレン(三井化学社製 商品名:ハイゼックスミリオン240S)40質量部を配合したものをバンバリーミキサーで混練後、カレンダロールで圧延したもので構成した。
圧縮ゴム層の内部ゴム層用の未架橋ゴムシートは、EPDM(ダウケミカル社製 商品名:Nordel IP4640)を原料ゴムとして、この原料ゴム100質量部に対し、カーボンブラック(昭和キャボット社製 商品名:ショウワブラックIP200カーボン)70質量部、パラフィンオイル(日本サン化学社製 商品名:サンフレックス2280)8質量部、加硫剤(細井化学社製 商品名:オイル硫黄)1.6質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:EP−150)2.8質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:MSA)1.2質量部、加硫助剤(花王社製 ステアリン酸)1質量部、加硫助剤(堺化学社製 酸化亜鉛)5質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:224)2質量部、及び老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:MB)1質量部を配合したものをバンバリーミキサーで混練後、カレンダロールで圧延したもので構成した。
接着ゴム層用の未架橋ゴムシートは、EPDM(ダウケミカル社製、商品名:Nordel IP4640)を原料ゴムとして、この原料ゴム100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製 商品名:HAFカーボン)50質量部、シリカ(トクヤマ社製 商品名:トクシールGu)20質量部、パラフィンオイル(日本サン化学社製 商品名:サンフレックス2280)20質量部、加硫剤(細井化学社製 商品名:オイル硫黄)3質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:EP−150)2.5質量部、加硫助剤(花王社製 ステアリン酸)1質量部、加硫助剤(堺化学社製 酸化亜鉛)5質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:224)2質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:MB)1質量部、粘着付与剤(日本ゼオン社製 商品名:石油樹脂クイントンA−100)5質量部、及び短繊維(綿粉)2質量部を配合したものをバンバリーミキサーで混練後、カレンダロールで圧延したもので構成した。
背面ゴム層用の未架橋ゴムシートは、EPDM(ダウケミカル社製 商品名:Nordel IP4640)を原料ゴムとして、この原料ゴム100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製 商品名:HAFカーボン)60質量部、パラフィンオイル(日本サン化学社製 商品名:サンフレックス2280)8質量部、加硫剤(細井化学社製 商品名:オイル硫黄)1.6質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:EP−150)2.8質量部、加硫促進剤(大内新興化学社製 商品名:MSA)1.2質量部、加硫助剤(花王社製 ステアリン酸)1質量部、加硫助剤(堺化学社製 酸化亜鉛)5質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:224)2質量部、老化防止剤(大内新興化学社製 商品名:MB)1質量部、及び短繊維(旭化成社製 商品名:ナイロン66、タイプT−5)13質量部を配合したものをバンバリーミキサーで混練後、カレンダロールで圧延したもので構成した。
心線用の撚り糸は、帝人社製のポリエステル繊維の1100dtex/2×3(上撚り数9.5T/10cm(Z)、下撚り数2.19T/10cm)構成のものとした。この撚り糸には、固形分濃度20質量%であるイソシアネートのトルエン溶液に浸漬した後に240℃で40秒間加熱乾燥させる処理、RFL水溶液に浸漬した後に200℃で80秒間加熱乾燥させる処理、及び接着ゴム層用ゴム組成物をトルエンに溶解させたゴム糊に浸漬した後に60℃で40秒間加熱乾燥させる処理を順に施した。
なお、RFL水溶液は、水に、レゾルシン、ホルマリン(37質量%)、及び水酸化ナトリウムを加えて攪拌し、その後に水を追加して攪拌しながら5時間熟成させることにより(レゾルシン(R)のモル)/(ホルマリン(F)のモル)=0.5のRF水溶液を調製し、このRF水溶液に、固形分濃度が40質量%であるクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックス(L)を、(RFの固形分質量)/(Lの固形分質量)=0.25となるように加え、さらに固形分濃度が20質量%となるように水を追加して攪拌しながら12時間熟成させることにより調製した。
そして、表面が平滑な円筒ドラム上にゴムスリーブを被せ、その上に背面ゴム層用の未架橋ゴムシート、及び接着ゴム層用の未架橋ゴムシートを順に巻き付けた後、その上に接着処理を施した撚り糸を螺旋状に巻き付け、その上にさらに接着ゴム層用の未架橋ゴムシート、圧縮ゴム層のプーリ接触側表面層用の未架橋ゴムシート、及び圧縮ゴム層の内部ゴム層用の未架橋ゴムシートを順に巻き付けてゴムスリーブ上に積層体を形成し、その積層体の外周面にトルエンを塗布した後、ナイロン短繊維(ローディア社製 商品名:ローディアSD、繊維長0.6mm)を吹き付けて短繊維の層を設けた。
一方、外型の内周面に、100kVで帯電させたポリプロピレン樹脂(PP)粉体(セイシン企業社製 商品名:PPW−5パウダー、粒径5μm)及びポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)粉体(喜多村社製 商品名:KTL−10N、粒径10μm)を、前者/後者=100/43の割合で混合した混合粉体を吹き付けて粉体層を設け、そこに上記積層体を内嵌めするようにセットすると共に、外型を内型に被せて密閉した。
次いで、外型を加熱すると共に内型の密封された内部を加圧することによりベルトスラブを加硫成型した。成型温度は170℃、成型圧力は1.0MPa、成型時間は30分とした。
このベルトスラブから製造したVリブドベルトを実施例1とした。実施例1のVリブドベルトでは、Vリブ表面にPP膜及びPTFE粉体が分散して付着していた。PP膜は、Vリブ表面に露出し且つその一部乃至全部がVリブに埋まって複合化していた。PTFE粉体も、Vリブ表面に露出し且つその一部乃至全部がVリブに埋まって複合化していた。また、PTFE粉体は、PP膜にも付着し、PP膜表面に露出し且つその一部乃至全部がPP膜に埋まって複合化していた。さらに、PTFE粉体はPP膜内に埋設されていた。
実施例1のVリブドベルトは、ベルト周長が1115mm、ベルト厚さが4.3mm、及びVリブ高さが2.0mmであり、リブ数が6個(ベルト幅21.36mm)であった。
<比較例1-1>
外型の内周面にPTFE粉体のみを吹き付けて粉体層を設けたことを除いて、実施例1と同一の方法により製造したVリブドベルトを比較例1-1とした。比較例1-1のVリブドベルトでは、Vリブ表面にPTFE粉体が分散して付着していた。PTFE粉体は、Vリブ表面に露出し且つその一部乃至全部がVリブに埋まって複合化していた。
<比較例1-2>
外型の内周面にPP粉体のみを吹き付けて粉体層を設けたことを除いて、実施例1と同一の方法により製造したVリブドベルトを比較例1-2とした。比較例1-2のVリブドベルトでは、Vリブ表面にPP膜が分散して付着していた。PP膜は、Vリブ表面に露出し且つその一部乃至全部がVリブに埋まって複合化していた。
<実施例2>
実施例1と同一の圧縮ゴム層用、接着ゴム層用、及び背面ゴム層用それぞれの未架橋ゴムシート、並びに心線用の撚り糸を準備した。また、Vリブ表面を被覆するための布材を準備した。
布材は、ナイロン6繊維の平編の編物(構成:R22/78−52)とした。この布材には、RFL水溶液に浸漬した後に150℃で2分間加熱乾燥させる処理を施した。
なお、RFL水溶液は、水に、レゾルシン、ホルマリン(37質量%)、及び水酸化ナトリウムを加えて攪拌し、その後に水を追加して攪拌しながら2時間熟成させることにより(レゾルシン(R)のモル)/(ホルマリン(F)のモル)=1/0.6のRF水溶液を調製し、このRF水溶液に、固形分濃度が40.5質量%であるビニルピリジン(Vp)・SBRラテックス(L)(日本ゼオン社製 商品名:NIPOL2518FS)を、(RFの固形分質量)/(Lの固形分質量)=1/6となるように加え、さらに固形分濃度が9質量%となるように水を追加して攪拌しながら12時間熟成させることにより調製した。
そして、表面が平滑な円筒ドラム上にゴムスリーブを被せ、その上に背面ゴム層用の未架橋ゴムシート、及び接着ゴム層用の未架橋ゴムシートを順に巻き付けた後、その上に接着処理を施した撚り糸を螺旋状に巻き付け、その上にさらに接着ゴム層用の未架橋ゴムシート、圧縮ゴム層のプーリ接触側表面層用の未架橋ゴムシート、及び圧縮ゴム層の内部ゴム層用の未架橋ゴムシートを順に巻き付けてゴムスリーブ上に積層体を形成し、その積層体の外周面に布材を巻き付けた。
一方、外型の内周面に、100kVで帯電させたポリエチレン樹脂(PE)粉体(三井化学社製 商品名:ミペロン、粒径10μm)及びPTFE粉体(喜多村社製 商品名:KTL−10N、粒径10μm)を、前者/後者=100/43の割合で混合した混合粉体を吹き付けて粉体層を設け、そこに上記積層体を内嵌めするようにセットすると共に、外型を内型に被せて密閉した。
次いで、外型を加熱すると共に内型の密封された内部を加圧することによりベルトスラブを加硫成型した。成型温度は170℃、成型圧力は1.0MPa、成型時間は30分とした。
このベルトスラブから製造したVリブドベルトを実施例2とした。実施例2のVリブドベルトでは、Vリブ表面が編物で被覆され、その編物の上にPE膜及びPTFE粉体が分散して付着していた。PE膜は、Vリブ表面の編物に対し、編物を構成する繊維に絡むように融着していた。PTFE粉体は、Vリブ表面の布上に露出し且つその一部乃至全部が布に埋まって複合化していた。また、PTFE粉体は、PE膜にも付着し、PE膜表面に露出し且つその一部乃至全部がPE膜に埋まって複合化していた。さらに、PTFE粉体はPE膜内に埋設されていた。
実施例2のVリブドベルトは、ベルト周長が1115mm、ベルト厚さが4.3mm、及びVリブ高さが2.0mmであり、リブ数が6個(ベルト幅21.36mm)であった。
<比較例2-1>
外型の内周面への粉体の吹き付けを行わなかったことを除いて、実施例2と同一の方法により製造したVリブドベルトを比較例2-1とした。比較例2-1のVリブドベルトでは、Vリブ表面が編物で被覆されていた。
<比較例2-2>
外型の内周面にPE粉体のみを吹き付けて粉体層を設けたことを除いて、実施例2と同一の方法により製造したVリブドベルトを比較例2-2とした。比較例2-2のVリブドベルトでは、Vリブ表面が編物で被覆され、その上にPE膜が分散して付着していた。
<比較例2-3>
外型の内周面にPTFE粉体のみを吹き付けて粉体層を設けたことを除いて、実施例2と同一の方法により製造したVリブドベルトを比較例2-3とした。比較例2-3のVリブドベルトでは、Vリブ表面が編物で被覆され、その上にPTFE粉体が分散して付着していた。
(試験評価方法)
図18は、ベルト走行時音試験用のベルト試験走行機40のプーリレイアウトを示す。
このベルト走行試験機40は、左下位置にプーリ径が80mmのリブプーリである駆動プーリ41が設けられ、その右側方にプーリ径が130mmのフェノール樹脂製のリブプーリである第1従動プーリ42が設けられ、また、それらの間にプーリ径が80mmである平プーリである第2従動プーリ43が設けられ、さらに、その上方にプーリ径が60mmのリブプーリである第3従動プーリ44が設けられている。そして、このベルト走行試験機40は、VリブドベルトBのVリブ側がリブプーリである駆動プーリ41、第1従動プーリ42、及び第3従動プーリ44に接触すると共に背面側が平プーリである第2従動プーリ43に接触して巻き掛けられるように構成されている。なお、第3従動プーリ44は、VリブドベルトBにベルト張力を負荷できるように上下方向に可動に構成されている。また、第1従動プーリ42と第2従動プーリ43との間には3°のミスアライメントが設けられている。
実施例1及び比較例1-1〜1-2、並びに実施例2及び比較例2-1〜2-3のそれぞれについて、上記ベルト走行試験機40にセットし、ベルト張力が負荷されるように第3従動プーリ44に上方に380Nのデッドウェイトを負荷し、雰囲気温度5℃の下、駆動プーリ42を750rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。そして、特定の異音が発生するまでのベルト走行時間を測定し、それを音発生走行時間とした。なお、試験は最長200時間で打ち切った。
(試験評価結果)
<実施例1及び比較例1-1〜1-2>
音発生走行時間は、実施例1が200時間打ち切り、つまり、異音発生無し、並びに比較例1-1が20時間、及び比較例1-2が1時間であった。
実施例1では、200時間のベルト走行後においてもPP膜及びPTFE粉体は存在していた。一方、音発生時において、比較例1では、ベルト走行開始から20時間後において、PTFE粉体はほとんど脱落して存在せず、また、比較例2では、ベルト走行開始から1時後に異音が発生し、20時間までベルト走行を継続したが、その時でもPP膜は脱落することなく存在していた。
<実施例2及び比較例2-1〜2-3>
また、音発生走行時間は、実施例2が200時間打ち切り、つまり、異音発生無し、並びに比較例2-1及び比較例2-2が0時間、つまり、走行開始直後に異音発生、及び比較例2-3が150時間であった。
実施例2では、200時間のベルト走行後においても編物に融着したPE膜に多数のPTFE粉体が付着して存在していた。一方、比較例2-3では、150時間のベルト走行後の音発生時において、PTFE粉体のほとんどが脱落して存在していなかった。
本発明は摩擦伝動ベルト及びその製造方法について有用である。
B Vリブドベルト(摩擦伝動ベルト)
P 粉体層
10 Vリブドベルト本体
11 圧縮ゴム層
16 熱可塑性樹脂膜
16’熱可塑性樹脂粉体
17,17’ 摩擦係数低減粉体
19 布
30 ベルト成形型

Claims (16)

  1. ゴム組成物で形成されたベルト本体がプーリに巻き掛けられて動力を伝達する摩擦伝動ベルトであって、
    前記ベルト本体におけるプーリ接触側表面には、熱可塑性樹脂膜が付着していると共に、摩擦係数低減粉体が分散して付着している摩擦伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記熱可塑性樹脂膜が前記ベルト本体におけるプーリ接触側表面に分散して付着している摩擦伝動ベルト。
  3. 請求項1又は2に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ベルト本体におけるプーリ接触側表面が布で被覆されており、前記布上に前記熱可塑性樹脂膜及び前記摩擦係数低減粉体が付着している摩擦伝動ベルト。
  4. 請求項3に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記熱可塑性樹脂膜が前記布に融着している摩擦伝動ベルト。
  5. 請求項3又は4に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記布が編物である摩擦伝動ベルト。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記熱可塑性樹脂膜の表面にも摩擦係数低減粉体が付着している摩擦伝動ベルト。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記熱可塑性樹脂膜の内部に摩擦係数低減粉体が埋設されている摩擦伝動ベルト。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記熱可塑性樹脂膜がポリオレフィン樹脂で形成されている摩擦伝動ベルト。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記摩擦係数低減粉体がフッ素樹脂で形成されている摩擦伝動ベルト。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ベルト本体がVリブドベルト本体である摩擦伝動ベルト。
  11. ゴム組成物で形成されたベルト本体がプーリに巻き掛けられて動力を伝達する摩擦伝動ベルトであって、
    ベルト成形型におけるプーリ接触側部分を形成するための成型面に、予め熱可塑性樹脂粉体及び摩擦係数低減粉体を吹き付けて粉体層を形成し、そこにベルト形成用の未架橋ゴム組成物を圧接させて前記熱可塑性樹脂粉体が溶融し且つ前記摩擦係数低減粉体が溶融しない成型温度で架橋させることにより製造された摩擦伝動ベルト。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
    ベルト成形型におけるプーリ接触側部分を形成するための成型面に、予め熱可塑性樹脂粉体及び摩擦係数低減粉体を吹き付けて粉体層を形成し、そこにベルト形成用の未架橋ゴム組成物を圧接させて前記熱可塑性樹脂粉体が溶融し且つ前記摩擦係数低減粉体が溶融しない成型温度で架橋させる摩擦伝動ベルトの製造方法。
  13. 請求項12に記載された摩擦伝動ベルトの製造方法において、
    前記ベルト成形型の成型面への熱可塑性樹脂粉体の吹き付け及び摩擦係数低減粉体の吹き付けを同時に行う摩擦伝動ベルトの製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載された摩擦伝動ベルトの製造方法において、
    前記熱可塑性樹脂粉体の粒径が、前記摩擦係数低減粉体の粒径と同一又は前記摩擦係数低減粉体の粒径よりも小さい摩擦伝動ベルトの製造方法。
  15. 請求項12乃至14のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトの製造方法において、
    前記ベルト成形型の成型面への単位面積当たりの前記熱可塑性樹脂粉体の吹付質量よりも前記摩擦係数低減粉体の吹付質量の方が多い摩擦伝動ベルトの製造方法。
  16. 請求項15に記載された摩擦伝動ベルトの製造方法において、
    前記ベルト成形型の成型面への単位面積当たりの前記熱可塑性樹脂粉体の吹付質量に対する前記摩擦係数低減粉体の吹付質量を100/80〜100/5とする摩擦伝動ベルトの製造方法。
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