JP5829614B2 - 摩擦伝動ベルト - Google Patents

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Description

本発明は摩擦伝動ベルトに関する。
プーリ接触表面に多数の小孔が形成されたVリブドベルトが知られている。
例えば、特許文献1には、滑剤として超高分子量ポリエチレンを含有した気泡率5〜20%の多孔性ゴム組成物で摩擦伝動面が構成された摩擦伝動ベルトが開示されている。
特許文献2には、表面処理が施されていない短繊維を配合したゴム組成物で摩擦伝動面を構成した摩擦伝動ベルトであって、表面に、短繊維の脱落による空孔及び/又は短繊維とゴムとの間隙が存在するものが開示されている。
特許文献3には、ベルト本体の少なくともプーリ接触部分がエラストマー組成物で形成された摩擦伝動ベルトであって、プーリ接触表面に中空粒子による多数のセル状小孔が形成されたものが開示されている。
特許文献4には、ベルト本体の内周側に設けられた圧縮ゴム層がプーリに接触するように巻き掛けられて動力を伝達する摩擦伝動ベルトであって、圧縮ゴム層が、中空粒子による平均孔径5〜120μmの複数の小孔が形成されて気泡率が5〜40%となったものが開示されている。
特開2007−255635号公報 特開2006−064015号公報 再表2008/007647号公報 再表2009/101799号公報
本発明は、ベルト本体の少なくともプーリ接触部分がゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトであって、上記ベルト本体のプーリ接触部分の表面には、多数の小孔が形成されていると共に平均高さが4〜40μmの多数の小突起が形成されており、該小突起は、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物に配合された中実粒子が表面露出して構成されている。
実施形態に係るVリブドベルトの斜視図である。 実施形態に係るVリブドベルトによる作用効果の説明図である。 ベルト成形型の縦断面図である。 ベルト成形型の一部分の拡大縦断面図である。 積層体を形成する工程を示す説明図である。 積層体を外型にセットする工程を示す説明図である。 外型を内型の外側に設ける工程を示す説明図である。 ベルトスラブを成型する工程を示す説明図である。 実施形態に係る自動車の補機駆動ベルト伝動装置のプーリレイアウトを示す図である。 実施形態に係るVリブドベルトの変形例の斜視図である。 実施形態に係るVリブドベルトの別の変形例の斜視図である。 被水時異音評価用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 耐熱耐久性評価用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 小突起の平均高さと被水時異音との関係を示すグラフである。 小突起の平均高さと耐熱耐久性との関係を示すグラフである。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は実施形態に係るVリブドベルトB(摩擦伝動ベルト)を示す。実施形態に係るVリブドベルトBは、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動ベルト伝動装置等に用いられるものである。実施形態に係るVリブドベルトBは、例えば、ベルト長さが700〜3000mm、ベルト幅が10〜36mm、及びベルト厚さが4.0〜5.0mmである。
実施形態に係るVリブドベルトBは、ベルト内周側の圧縮ゴム層11と中間の接着ゴム層12とベルト外周側の背面ゴム層13との三重層に構成されたVリブドベルト本体10を備えており、そのVリブドベルト本体10の接着ゴム層12には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。
圧縮ゴム層11は、プーリ接触部分を構成する複数のVリブ15がベルト内周側に垂下するように設けられている。複数のVリブ15は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略逆三角形の突条に形成されていると共にベルト幅方向に並設されている。各Vリブ15は、例えば、リブ高さが2.0〜3.0mm、及びリブ基端間の幅が1.0〜3.6mmである。また、リブ数は例えば3〜6個である(図1ではリブ数が6)。
圧縮ゴム層11は、ゴム成分に架橋剤を含む種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されて架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されている。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム成分は、例えば、エチレン・プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン・オクテンコポリマー、エチレン・ブテンコポリマーなどのエチレン−α−オレフィンエラストマー;クロロプレンゴム(CR);クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM);水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちエチレン−α−オレフィンエラストマーであることが好ましい。ゴム成分は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
配合剤としては、カーボンブラックなどの補強材、軟化剤、加工助剤、加硫助剤、架橋剤、加硫促進剤、ゴム配合用樹脂等が挙げられる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。補強材としてはシリカも挙げられる。補強材は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。補強材の配合量は、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性のバランスが良好となるという観点から、ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であることが好ましい。
軟化剤としては、例えば、石油系軟化剤;パラフィンワックスなどの鉱物油系軟化剤;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系軟化剤等が挙げられる。軟化剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して例えば2〜30質量部である。
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸等が挙げられる。加工助剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加工助剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜5質量部である。
加硫助剤としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛(亜鉛華)などの金属酸化物等が挙げられる。加硫助剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加硫助剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して例えば1〜10質量部である。
架橋剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物が挙げられる。架橋剤は、硫黄が単独で使用されていてもよく、また、有機過酸化物が単独で使用されていてもよく、さらには、それらの両方が併用されていてもよい。架橋剤の配合量は、硫黄の場合、ゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜4.0質量部であり、有機過酸化物の場合、ゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜8質量部である。
ゴム配合用樹脂としては、例えば、フェノール樹脂等が挙げられる。ゴム配合用樹脂は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。ゴム配合用樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対して例えば0〜20質量部である。
加硫促進剤としては、金属酸化物、金属炭酸塩、脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜8質量部である。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物には短繊維が配合されていないことが好ましい。但し、短繊維が配合された構成を排除するものではなく、短繊維が配合された構成の場合には、短繊維はベルト幅方向に配向するように設けられていることが好ましい。また、短繊維のうち表面に露出したものは、その表面から突出していることが好ましい。そのような短繊維としては、例えば、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、綿等が挙げられる。短繊維は、例えば、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液(RFL水溶液)等に浸漬された後に加熱される接着処理が施されたものであってもよい。短繊維の長さは例えば0.2〜3.0mmである。短繊維の配合量は、ゴム成分100質量部に対して例えば3〜30質量部である。
圧縮ゴム層11のVリブ15の表面には多数の小孔16が形成されている。小孔16の平均孔径は70〜120μmであることが好ましく、100〜120μmであることがより好ましい。小孔16の平均孔径は、表面画像で測定される50〜100個の数平均として求めることができる。
小孔16は、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物に配合された中空粒子の一部分が切除されたものによって構成されていてもよい。中空粒子としては、例えば、内部に溶剤が封入された熱膨張性の中空粒子が挙げられる。中空粒子の粒径は15〜50μmであることが好ましく、25〜35μmであることがより好ましい。中空粒子は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。中空粒子の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
また、小孔16は、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物に配合された発泡剤により発泡形成された中空部分の一部分が切除されたものによって構成されていてもよい。発泡剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。発泡剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましい。
さらに、小孔16は、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム加工工程において、未架橋ゴム組成物内に超臨界流体又は亜臨界流体を含浸させた後、その超臨界流体又は亜臨界流体を気体に相変化させることで発泡形成された中空部分の一部分が切除されたものによって構成されていてもよい。
圧縮ゴム層11のVリブ15の表面には多数の小突起17が形成されている。小突起17の平均高さは4〜40μmであり、10〜30μmであることが好ましく、15〜20μmであることがより好ましい。小突起17の平均高さは、表面画像で測定される50〜70個の数平均として求めることができる。小突起17の平均外径は50〜120μmであることが好ましく、100〜120μmであることがより好ましい。小突起17の平均外径は、表面画像で測定される50〜100個の数平均として求めることができる。
小突起17は、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物に配合された中実粒子の一部分が表面露出したものによって構成されていてもよい。中実粒子としては、例えば、超高分子量ポリエチレン粒子(例えば、重量平均分子量100万以上)、ナイロン樹脂粒子などの樹脂粒子、メラミン、アラミド等が挙げられる。圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム成分がエチレン−α−オレフィンエラストマーの場合、ゴム成分との馴染みがよいため分散性に優れ、そのため中実粒子を配合することによる強度低下を抑制でき、加えて、Vリブ15の表面の低摩擦係数化による騒音抑制効果を得ることができるとの観点から、中実粒子は超高分子量ポリエチレン粒子であることが好ましい。中実粒子の粒径は25〜180μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。中実粒子は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。中実粒子の配合量は、ゴム成分100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。
接着ゴム層12は、断面横長矩形の帯状に構成されており、厚さが例えば1.0〜2.5mmである。背面ゴム層13も、断面横長矩形の帯状に構成されており、厚さが例えば0.4〜0.8mmである。背面ゴム層13の表面は、ベルト背面が接触する平プーリとの間で生じる音を抑制する観点から、織布の布目が転写された形態に形成されていることが好ましい。
接着ゴム層12及び背面ゴム層13のそれぞれは、ゴム成分に架橋剤を含む種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されて架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されていることが好ましい。背面ゴム層13は、ベルト背面が接触する平プーリとの接触で粘着が生じるのを抑制する観点から、接着ゴム層12よりもやや硬めのゴム組成物で形成されていることが好ましい。
接着ゴム層12及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。接着ゴム層12及び背面ゴム層13のゴム成分は圧縮ゴム層11のゴム成分と同一であることが好ましい。
配合剤としては、圧縮ゴム層11と同様、例えば、カーボンブラックなどの補強材、軟化剤、加工助剤、加硫助剤、架橋剤、加硫促進剤、ゴム配合用樹脂、老化防止剤等が挙げられる。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13は、別配合のゴム組成物で形成されていてもよく、また、同じ配合のゴム組成物で形成されていてもよい。
心線14は、ポリエステル繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸で構成されている。心線14は、Vリブドベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬された後に加熱される接着処理及び/又はゴム糊に浸漬された後に乾燥される接着処理が施されている。
ところで、自動車の走行中における静音性に対するニーズから、エンジンルーム内で使用されるVリブドベルトに対しては、被水時にベルト走行した際にスリップ異音が発生するのを抑制することが求められている。また、被水時のベルト走行においては、併せて動力伝達能力が低下するのを抑制することも求められている。
これらの被水時にベルト走行した際のスリップ異音の発生及び動力伝達能力の低下の抑制の要求に対し、以上の構成の実施形態に係るVリブドベルトBによれば、Vリブドベルト本体10における圧縮ゴム層11のVリブ15の表面に多数の小孔16が形成されていると共に平均高さが4〜40μmの多数の小突起17が形成されているので、図2に示すように、小孔16に水Wが流れ込むと共に、小突起17により生じたプーリPとの間の間隙に水Wの流路が構成されることとなり、それらによって効率的な排水がなされ、結果として、スリップ異音の発生を抑制することができると共に、動力伝達能力の低下を抑制することができる。十分な水Wの流路を確保する観点からは、圧縮ゴム層11のVリブ15の表面において、小孔16と小突起17とは隣接して配設されていることが好ましい。また、小孔16と小突起17との最大凹凸差は45μm以上であることが好ましい。この小孔16と小突起17との最大凹凸差は、レーザー顕微鏡を用いてベルト表面を例えば400倍で拡大観察し、そして、小孔16の深さ及びそれに隣接する小突起17の高さをそれぞれ測定して加算し、そのデータの50〜70個の平均値として求めることができる。
次に、実施形態に係るVリブドベルトBの製造方法について説明する。
実施形態に係るVリブドベルトBの製造では、図3及び4に示すように、同心状に設けられた、各々、円筒状の内型21及び外型22からなるベルト成形型20を用いる。
このベルト成形型20では、内型21はゴム等の可撓性材料で形成されている。外型22は金属等の剛性材料で形成されている。外型22の内周面は成型面に構成されており、その外型22の内周面には、Vリブ形成溝23が軸方向に一定ピッチで設けられている。また、外型22には、水蒸気等の熱媒体や水等の冷媒体を流通させて温調する温調機構が設けられている。そして、このベルト成形型20では、内型21を内部から加圧膨張させるための加圧手段が設けられている。
実施形態に係るVリブドベルトBの製造において、まず、ゴム成分に各配合剤を配合し、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形して圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシート11’を作製する。なお、圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシート11’には、中空粒子や発泡剤等の小孔形成因子及び中実粒子等の小突起形成因子を仕込む。同様に、接着ゴム層用及び背面ゴム層用の未架橋ゴムシート12’,13’も作製する。また、心線用の撚り糸14’をRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理を行った後、ゴム糊に浸漬して加熱乾燥する接着処理を行う。
次いで、図5に示すように、表面が平滑な円筒ドラム24上にゴムスリーブ25を被せ、その上に、背面ゴム層用の未架橋ゴムシート13’、及び接着ゴム層用の未架橋ゴムシート12’を順に巻き付けて積層し、その上から心線用の撚り糸14’を円筒状の内型21に対して螺旋状に巻き付け、さらにその上から接着ゴム層用の未架橋ゴムシート12’、及び圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシート11’を順に巻き付けて積層体10’を形成する。
次いで、積層体10’を設けたゴムスリーブ25を円筒ドラム24から外し、図6に示すように、それを外型22の内周面側に内嵌め状態にセットする。
次いで、図7に示すように、内型21を外型22にセットされたゴムスリーブ25内に位置付けて密閉する。
続いて、外型22を加熱すると共に、内型21の密封された内部に高圧空気等を注入して加圧する。このとき、図8に示すように、内型21が膨張し、外型22の成型面に、積層体10’のベルト形成用の未架橋ゴムシート11’,12’,13’が圧縮され、また、それらの架橋が進行して一体化すると共に撚り糸14’と複合化し、最終的に、円筒状のベルトスラブSが成型される。このベルトスラブSの成型温度は例えば100〜180℃、成型圧力は例えば0.5〜2.0MPa、成型時間は例えば10〜60分である。
そして、内型21の内部を減圧して密閉を解き、内型21と外型22との間でゴムスリーブ25を介して成型されたベルトスラブSを取り出し、Vリブ15側の表面を研磨する。これにより、中空粒子或いは中空部分の一部分が切除されてVリブ15の表面に多数の小孔16が形成されると共に、中実粒子の周辺ゴムが研磨除去されて中実粒子の一部分が表面露出してVリブ15の表面に多数の小突起17が形成される。
最後に、ベルトスラブSを所定幅に輪切りして表裏を裏返すことによりVリブドベルトBが得られる。
次に、実施形態に係るVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置30について説明する。
図9は実施形態に係るVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置30のプーリレイアウトを示す。この補機駆動ベルト伝動装置30は、VリブドベルトBが4つのリブプーリ及び2つの平プーリの6つのプーリに巻き掛けられて動力を伝達するサーペンタインドライブ方式のものである。
この補機駆動ベルト伝動装置30は、最上位置にリブプーリのパワーステアリングプーリ31が設けられ、そのパワーステアリングプーリ31の下方にリブプーリのACジェネレータプーリ32が設けられている。また、パワーステアリングプーリ31の左下方には平プーリのテンショナプーリ33が設けられており、そのテンショナプーリ33の下方には平プーリのウォーターポンププーリ34が設けられている。さらに、テンショナプーリ33の左下方にはリブプーリのクランクシャフトプーリ35が設けられており、そのクランクシャフトプーリ35の右下方にリブプーリのエアコンプーリ36が設けられている。これらのプーリは、例えば、金属のプレス加工品や鋳物、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂成形品で構成されており、また、プーリ径がφ50〜150mmである。
そして、この補機駆動ベルト伝動装置30では、VリブドベルトBは、Vリブ15側が接触するようにパワーステアリングプーリ31に巻き掛けられ、次いで、ベルト背面が接触するようにテンショナプーリ33に巻き掛けられた後、Vリブ15側が接触するようにクランクシャフトプーリ35及びエアコンプーリ36に順に巻き掛けられ、さらに、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ34に巻き掛けられ、そして、Vリブ15側が接触するようにACジェネレータプーリ32に巻き掛けられ、最後にパワーステアリングプーリ31に戻るように設けられている。プーリ間で掛け渡されるVリブドベルトBの長さであるベルトスパン長は例えば50〜300mmである。プーリ間で生じ得るミスアライメントは0〜2°である。
なお、上記実施形態では、摩擦伝動ベルトとしてVリブドベルトBを示したが、特にこれに限定されるものではなく、ローエッジタイプのVベルト等であってもよい。
また、上記実施形態では、圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13によりVリブドベルト本体10が構成されたものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、圧縮ゴム層11及び接着ゴム層12によりVリブドベルト本体10が構成され、背面ゴム層13の代わりに、図10に示すように、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等で構成された補強布18が設けられたものであってもよい。
また、上記実施形態では、圧縮ゴム層11が小径形成因子及び小突起形成因子を含むゴム組成物の単一層で形成された構成したが、特にこれに限定されるものではなく、少なくともVリブドベルト本体10における圧縮ゴム層11のVリブ15の表面に多数の小孔16及び多数の小突起17が形成されていればよいので、図11に示すように、圧縮ゴム層11がプーリ接触表面全体に沿うように層状に形成された表面ゴム層11aとその表面ゴム層11aよりもベルト内部側に設けられた内部ゴム層11bとを有し、前者が小径形成因子及び小突起形成因子を含むゴム組成物で形成される一方、後者がそれらを含まないゴム組成物で形成された構成であってもよい。
また、上記実施形態では、ベルト伝動装置として自動車の補機駆動ベルト伝動装置30を示したが、特にこれに限定されるものではなく、一般産業用等のベルト伝動装置であってもよい。
(試験評価用ベルト)
以下の実施例1〜7及び比較例1〜2のVリブドベルトを作製した。それぞれの構成は表1にも示す。
<実施例1>
エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)(Dupont Dow Elastomers社製 商品名:ノーデルIP 4640)をゴム成分とし、このゴム成分100質量部に対して、補強材としてのカーボンブラックHAF(東海カーボン社製 商品名:シースト3)75質量部、軟化剤(日本サン石油社製 商品名:サンパー2280)5質量部、加工助剤としてのステアリン酸(日油社製 商品名:ビーズステアリン酸 椿)1質量部、加硫助剤としての酸化亜鉛(堺化学工業社製 商品名:亜鉛華1号)5質量部、架橋剤としての硫黄(細井化学社製 商品名:オイルサルファ)2.3質量部、ゴム配合用樹脂(住友ベークライト社製 商品名:スミライトレジンPR13355)5質量部、加硫促進剤(大内新興化学株式会社製 商品名:EP−150)4質量部、並びに熱膨張性の中空粒子A(積水化学工業社製 商品名:アドバンセルEHM303、粒径29μm)3質量部、及び中実粒子Aとしての超高分子量ポリエチレン樹脂粒子(三井化学社製 商品名:ハイゼックスミリオン240S、平均粒径120μm、重量平均分子量200万)20質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を用いて圧縮ゴム層を形成したVリブドベルトを作製し、これを実施例1とした。
なお、接着ゴム層及び背面ゴム層を他のEPDMのゴム組成物で形成し、心線をポリエチレンナフタレート繊維(PEN)製の撚り糸で構成した。また、ベルト長さを2280mm、ベルト幅を25mm、及びベルト厚さを4.3mmとし、そして、リブ数を6個とした。
<実施例2>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子Aの代わりに中実粒子Bとしての超高分子量ポリエチレン樹脂粒子(平泉洋行社製 商品名:インヘンスUH−1080、平均粒径180μm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例2とした。
<実施例3>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子Aの代わりに中実粒子Cとしての超高分子量ポリエチレン樹脂粒子(平泉洋行社製 商品名:インヘンスUH−1700、平均粒径35μm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例3とした。
<実施例4>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子Aの代わりに中実粒子Dとしてのナイロン樹脂粒子(ユニチカ社製 商品名:A1020LP)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例4とした。
<実施例5>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子Aの代わりに中実粒子Eとしてのメラミン樹脂パウダー(新東工業社製 商品名:PP80−100、粒径106〜180μm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例5とした。
<実施例6>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中空粒子Aの代わりに熱膨張性の中空粒子B(積水化学工業社製 商品名:アドバンセルEHM302、粒径21μm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例6とした。
<実施例7>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中空粒子Aの代わりに熱膨張性の中空粒子C(積水化学工業社製 商品名:アドバンセルEHM204、粒径40μm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例7とした。
<実施例8>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中空粒子Aの代わりに熱膨張性の中空粒子D(積水化学工業社製 商品名:アドバンセルEM501、粒径27μm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例8とした。
<実施例9>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中空粒子Aの代わりに化学発泡剤(永和化成工業社製 商品名:ネオセルボンN#1000M)をゴム成分100質量部に対して6質量部配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例9とした。
<比較例1>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子を配合していないことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例1とした。
<比較例2>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子Aの代わりに中実粒子Fとしての超高分子量ポリエチレン樹脂粒子(三井化学社製 商品名:ミペロンXM220、平均粒径30μm、重量平均分子量200万)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例2とした。
<比較例3>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子Aの代わりにナイロン短繊維(旭化成社製 商品名:レオナ66、繊維長1mm)を配合したことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例3とした。
<比較例4>
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に中実粒子を配合していないことを除いて実施例8と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例4とした。
Figure 0005829614
(試験評価方法)
<小孔の平均孔径>
実施例1〜9及び比較例1〜4のそれぞれについて、リブ先端表面及びリブ側面表面のそれぞれを光学顕微鏡観察し、それぞれの表面の50〜70個の小孔の開口径を測定して、その平均値を平均孔径とした。
<小突起の平均高さ>
実施例1〜9及び比較例2〜3のそれぞれについて、リブ先端表面及びリブ側面表面のそれぞれをキーエンス社製のレーザーマイクロスコープVK−9510を用いて400倍に拡大して観察し、それぞれの表面の50〜70個の小突起の高さを測定して、その平均値を平均高さとした。なお、比較例3の小突起は短繊維によるものである。
<最大凹凸差>
実施例1〜9及び比較例1〜4のそれぞれについて、レーザー顕微鏡(キーエンス社製)を用いてベルト表面を400倍で拡大観察し、そして、小孔の深さ及び隣接する小突起の高さをそれぞれ測定して加算し、そのデータを50〜70個集めて平均したものを最大凹凸差とした。
<被水時異音評価>
図12は被水時異音評価用ベルト走行試験機20のプーリレイアウトを示す。
被水時異音評価用ベルト走行試験機40は、プーリ径が140mmのリブプーリである駆動プーリ41を備え、その駆動プーリ41の右方にプーリ径が75mmのリブプーリである第1従動プーリ42が設けられ、また、第1従動プーリ42の上方で駆動プーリ41の右斜め上方にプーリ径が50mmのリブプーリである第2従動プーリ43が設けられ、さらに、駆動プーリ41と第2従動プーリ43との中間にプーリ径が75mmの平プーリであるアイドラプーリ44が設けられている。そして、この被水時異音評価用ベルト走行試験機40は、VリブドベルトBのVリブ側がリブプーリである駆動プーリ41、第1及び第2従動プーリ42,43に接触すると共に、背面側が平プーリであるアイドラプーリ44に接触して巻き掛けられるように構成されている。
実施例1〜9及び比較例1〜4のそれぞれについて、上記被水時異音評価用ベルト走行試験機40にセットし、1リブ当たり49Nのベルト張力が負荷されるようにプーリ位置決めを行い、第2従動プーリ43にそれが取り付けられたオルタネータに60Aの電流が流れるように抵抗を与え、常温下、駆動プーリ41を800rpmの回転数で回転させると共に、VリブドベルトBの駆動プーリ41への進入部においてVリブドベルトBのVリブ側に毎分1000mlの割合で水を滴下した。そして、ベルト走行時の異音発生状況を、大、小、微小、及び無の四段階で評価した。
<耐熱耐久性評価>
図13は耐熱耐久性評価用ベルト走行試験機50のプーリレイアウトを示す。
耐熱耐久性評価用ベルト走行試験機50は、各々、プーリ径が120mmのリブプーリである大径従動プーリ51及び駆動プーリ52が上下に間隔をおいて設けられ、また、それらの上下方向中間にプーリ径が70mmの平プーリであるアイドラプーリ53が設けられ、さらに、アイドラプーリ53の右方にプーリ径が55mmのリブプーリである小径従動プーリ54が設けられている。そして、この耐熱耐久性評価用ベルト走行試験機50は、VリブドベルトBのVリブ側がリブプーリである大径従動プーリ51、駆動プーリ52、及び小径従動プーリ54に接触すると共に、背面側が平プーリであるアイドラプーリ53に接触して巻き掛けられるように構成されている。なお、アイドラプーリ53及び小径従動プーリ54のそれぞれはVリブドベルトBの巻き掛け角度が90°となるように位置付けられている。
実施例1〜9及び比較例1〜4のそれぞれについて、上記耐熱耐久性評価用ベルト走行試験機50にセットし、大径従動プーリ51に11.8kWの回転負荷を与え、ベルト張力が負荷されるように小径従動プーリ54に側方に834Nのセットウェイトを負荷し、雰囲気温度120℃の下、駆動プーリ52を4900rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。そして、VリブドベルトBの圧縮ゴム層にクラックが発生し、それが心線に達するまでの走行時間を測定した。
(試験評価結果)
表2は試験評価結果を示す。また、図14は小突起の平均高さと被水時異音との関係、及び図15は小突起の平均高さと耐熱耐久性との関係をそれぞれ示す。
Figure 0005829614
小孔の平均孔径は、実施例1が97μm、実施例2が94μm、実施例3が93μm、実施例4が97μm、実施例5が96μm、実施例6が67μm、実施例7が118、実施例8が53μm、及び実施例9が104μm、並びに比較例1が94μm、比較例2が99μm、比較例3が94μm、及び比較例4が55μmであった。
小突起の平均高さは、実施例1が19.4μm、実施例2が39.4μm、実施例3が4.1μm、実施例4が18.5μm、実施例5が22.8μm、実施例6が20.4μm、実施例7が21.6μm、実施例8が17.9μm、及び実施例9が20.4μm、並びに比較例2が2.7μm、及び比較例3が42.0μm(短繊維)であった。
最大凹凸差は、実施例1が71μm、実施例2が84μm、実施例3が49μm、実施例4が62μm、実施例5が69μm、実施例6が56μm、実施例7が82μm、実施例8が44μm、及び実施例9が65μm、並びに比較例1が43μm、比較例2が46μm、比較例3が86μm、及び比較例4が26μmであった。なお、比較例1及び4は最大小孔深さである。
被水時異音は、実施例1が無、実施例2が無、実施例3が小、実施例4が微小、実施例5が小、実施例6が微小、実施例7が無、実施例8が中、及び実施例9が小、並びに比較例1が大、比較例2が大、比較例3が無、及び比較例4が大であった。
耐熱耐久性は、実施例1が421時間、実施例2が401時間、実施例3が425時間、実施例4が386時間、実施例5が367時間、実施例6が423時間、実施例7が390時間、実施例8が436時間、及び実施例9が431時間、並びに比較例1が445時間、比較例2が438時間、実施例3が221時間、及び比較例4が504時間であった。
本発明は摩擦伝動ベルトについて有用である。
B Vリブドベルト(摩擦伝動ベルト)
10 Vリブドベルト本体
15 Vリブ(プーリ接触部分)
16 小孔
17 小突起

Claims (11)

  1. ベルト本体の少なくともプーリ接触部分がゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトであって、
    上記ベルト本体のプーリ接触部分の表面には、多数の小孔が形成されていると共に平均高さが4〜40μmの多数の小突起が形成されており、
    上記小突起は、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物に配合された中実粒子が表面露出して構成されている摩擦伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記小孔は、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物に配合された中空粒子の一部が切除されて構成されている摩擦伝動ベルト。
  3. 請求項1に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記小孔は、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物に配合された発泡剤により発泡形成された中空部分の一部分が切除されて構成されている摩擦伝動ベルト。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記小孔の平均孔径が70〜120μmである摩擦伝動ベルト。
  5. 請求項に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記中実粒子が樹脂粒子で構成されている摩擦伝動ベルト。
  6. 請求項に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記中実粒子が超高分子量ポリエチレン樹脂粒子で構成されている摩擦伝動ベルト。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記小孔と上記小突起との最大凹凸差が45μm以上である摩擦伝動ベルト。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物のゴム成分がエチレン−α−オレフィンエラストマーである摩擦伝動ベルト。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物には短繊維が配合されていない摩擦伝動ベルト。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記ベルト本体がVリブドベルト本体である摩擦伝動ベルト。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトが複数のプーリに巻き掛けられたベルト伝動装置。
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