JP2005155682A - 伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP2005155682A
JP2005155682A JP2003391271A JP2003391271A JP2005155682A JP 2005155682 A JP2005155682 A JP 2005155682A JP 2003391271 A JP2003391271 A JP 2003391271A JP 2003391271 A JP2003391271 A JP 2003391271A JP 2005155682 A JP2005155682 A JP 2005155682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
canvas
belt
transmission belt
rubber
tension band
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003391271A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Okuno
茂樹 奥野
Kimichika Ono
公睦 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2003391271A priority Critical patent/JP2005155682A/ja
Priority to US10/980,155 priority patent/US20050113200A1/en
Priority to DE102004055893A priority patent/DE102004055893A1/de
Publication of JP2005155682A publication Critical patent/JP2005155682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/28Driving-belts with a contact surface of special shape, e.g. toothed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性、耐寒性、耐摩耗性、耐粘着摩耗性、静寂性に優れるベルト用帆布、及びそれを用いた伝動ベルトを提供する。
【解決手段】伝動ベルト10の摩擦力作用部位に設けられる帆布14を、未架橋のエチレン-α-オレフィンエラストマーに、不飽和カルボン酸金属塩が分散した水素化ニトリルゴムと、架橋剤としての有機過酸化物とが混合されたゴム組成物が溶剤に溶解してゴム処理液に浸漬処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、伝動ベルト帆布用処理液、該処理液で処理した伝動ベルト用帆布、並びに該帆布を有する伝動ベルトに関する。
自動車用エンジンのオーバヘッドカム、燃料噴射ポンプ、ウォータポンプ、オイルポンプ等を駆動する歯付ベルトは、エンジンの高出力化、雰囲気温度の上昇等、その使用環境が年々厳しくなってきている。自動車用のみならず、射出成形機等の一般産業用に使用される歯付ベルトも近年は高負荷での伝動能力が要求されている。ベルトへの負荷が大きくなると、歯部にかかるせん断応力が大きくなるため、歯ゴムのクラックやセパレーションを生じ易くなり、歯欠け寿命が短くなる問題がある。
これに対し、ベルト歯部の耐久性を向上させる手段として、ベルト歯部の剛性を向上させれば良いということが分かっている。ベルト歯部の剛性を向上させる為には歯部を構成するゴムの弾性率を上げることが必要になってくる。このため、高弾性率、耐熱性、高強度、耐摩耗性等の特性を兼ね備えた伝動ベルト用ゴム組成物として、水素化ニトリルゴムを不飽和カルボン酸金属塩で補強したゴム組成物が多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
歯欠け寿命は、歯ゴム組成物の高弾性率化のほかに歯表面に設けられる歯布の低摩擦係数化や耐摩耗性の改良によっても長くなることが確認されている。具体的には歯布の素材として高強力のナイロン66やアラミド繊維を用いたり、歯布にフッ素樹脂粉末やグラファイト、二硫化モリブデン、セラミック粉末、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン等の減摩材を含浸させることが知られている(特許文献2参照)。
これらの減摩材の添加により、歯欠けに対する耐久性は向上するが、減摩材と共に歯布に含浸される接着剤(イソシアネート系、エポキシ系、レゾルシン-ホルマリン-ラテックス系、溶剤糊ゴム系)と減摩材の界面接着性が乏しい為、減摩材がベルト走行中に歯布表面から脱落し易く、減摩材の効果が持続しない問題がある。
更に、前述の不飽和カルボン酸金属塩補強水素化ニトリルゴムを溶剤に溶解させた糊ゴムと上記減摩材とを併用した場合、低温下では、糊ゴムの脆化により、帆布クラックを誘発させる問題がある。
これらの問題に対して、ニトリルゴムとEPDM(エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー)とのブレンドゴムを帆布に含浸させた後、表面に分子量10万〜300万のポリエチレンのような樹脂フィルムを装着することが知られている(特許文献3参照)。
また、張力帯本体がゴム組成物で形成されたエンドレスの張力帯と、その張力帯の長手方向に間隔をおいて並ぶように各々が張力帯に噛合して係止した複数のブロックとを備え、それらの複数のブロックのプーリへの摩擦により動力を伝達する高負荷伝動用Vベルトが知られている。この高負荷伝動用Vベルトでは、動力伝達の際、ブロックの前後方向への揺動により張力帯上下面に摩擦力が作用するため、張力帯上下面にそれぞれ上側及び下側帆布が設けられており、それによって張力帯の摩耗及びそれに起因するブロックのガタツキによるブロックの破損を抑止している。そして、上側及び下側帆布には、張力帯成形前に、未架橋ゴム組成物を有機溶剤に溶解させたゴム処理液に浸漬して乾燥させる処理が施される。
一方、高負荷伝動用Vベルトは温度を含め非常に厳しい条件下で使用されるため、張力帯本体を形成するゴム組成物としてメタクリル酸亜鉛が混合された有機過酸化物架橋系のH−NBR組成物が使用されている。そして、このような張力帯本体の高性能化に併せ、ゴム処理液への浸漬処理により上側及び下側帆布に付着するゴム成分を耐熱性の高いものとすべく、有機過酸化物架橋系の未架橋H−NBR組成物を有機溶剤に溶解させたゴム処理液を使用することが考えられる。
更に、高負荷伝動用Vベルトの帆布の耐摩耗性の改善及び、帆布弾性率の上昇によるブロックの固定度を改善する為、メタクリル酸亜鉛が混合された有機過酸化物架橋系のH−NBR組成物を有機溶剤に溶解してゴム処理液とし、これを帆布へ含浸させることが知られている(特許文献4参照)。
また、高負荷伝動用Vベルトの帆布の耐摩耗性を改良するとともに、帆布のブロック攻撃性を低下させてブロックの固定度の維持することをねらいとして、上記ゴム処理液用のゴム組成物として、分子量100万以上のポリエチレン粉末を含む有機過酸化物架橋系のH−NBRをメタクリル酸亜鉛やアクリル酸亜鉛に代表される不飽和カルボン酸金属塩で補強したものを用い、帆布最外層にコーティング層を形成させることも知られている(特許文献5参照)。
特開平5−156086号公報 特開平7−151190号公報 特開2003−222195号公報 特開2003−166597号公報 特開2003−12818号公報
上述の如く、帆布にニトリルゴムとEPDMとのブレンドゴムを含浸させた後、表面に樹脂フィルムを装着すると、帆布の耐寒クラック性や、樹脂フィルムとゴムとの間の静的接着性は改良されるが、最外層のフィルム層の弾性率がゴム層より高いことから、ベルトの屈曲やプーリからのせん断力のような動的な刺激により、フィルム層とゴム層との界面に応力が集中してクラックを発生し易く、該クラックが当該界面を伝って成長することにより、ゴム層とフィルム層のセパレーションが発生するという問題がある。更に、当然、上記のような樹脂フィルムを用いるとベルトの材料コストが高くなるという問題もある。
また、上記高負荷伝動用Vベルトの帆布処理液は、そのベースゴムがH−NBRであるので、低温下での耐クラック性に劣り、帆布に含浸させたゴム層から低温下でクラックが発生し、帆布の破断を誘発する問題がある。
すなわち、本発明の課題は、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性、耐粘着摩耗性、静寂性に優れるベルト用帆布を得ること、並びにその帆布を用いた伝動ベルトを提供することである。
本発明は、伝動ベルトの摩擦力作用部位に設けられる帆布を処理する伝動ベルト帆布用処理液であって、
未架橋のエチレン-α-オレフィンエラストマーに不飽和カルボン酸金属塩と架橋剤としての有機過酸化物とが混合されたゴム組成物が溶剤に溶解していることを特徴とする。
上記処理液によれば、伝動ベルトの帆布に付着するゴムが耐熱性、耐寒性の高い有機過酸化物架橋系のエチレン-α-オレフィンエラストマー組成物よりなるから、当該ゴム組成物の架橋後は、帆布自体の耐熱性、耐寒性が高められることに加え、不飽和カルボン酸金属塩により帆布に付着するゴムの強度、弾性率が高められ、ベルト用帆布の耐摩耗性が向上する。
上記エチレン-α-オレフィンエラストマーとしては、エチレン-プロピレンコポリマー(EPM)、EPDM、又はエチレン-オクテンコポリマー好ましい。
上記不飽和カルボン酸金属塩は、カルボキシル基を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合した物であり、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸やマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸やマレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチルが挙げられる。また、金属としては不飽和カルボン酸と塩を形成するものであれば構わないが、通常はベリリウム、マグネシウム、カルシウム,ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、水銀、アンチモンなどを使用することができる。中でも、ゴムの補強としてはジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛が好適に使用される。
エチレン-α-オレフィンエラストマーは上記不飽和カルボン酸金属塩で直接補強されていても良いが、不飽和カルボン酸金属塩の分散を良くしたり、帆布の強度、耐油性を改良する為に不飽和カルボン酸金属塩が細かく分散された水素化ニトリルゴムを用いることができる。すなわち、伝動ベルト帆布用処理液は、未架橋のエチレン-α-オレフィンエラストマーに、不飽和カルボン酸金属塩が細かく分散した水素化ニトリルゴムと、架橋剤としての有機過酸化物とが混合されたゴム組成物が溶剤に溶解してなるものであることが好ましい。
不飽和カルボン酸金属塩が細かく分散された水素化ニトリルゴムとして市販されているものには例えば、日本ゼオン社製のゼオフォルテZSC(商品名)やバイエル社製のTherban ART(商品名)などがある。
更に分子量100万以上のポリエチレン粉末をゴム組成物に含有させると、潤滑性の付与によりベルト用帆布の摩擦係数が低く抑えられると共に、エチレン-α-オレフィンエラストマーが有機過酸化物により架橋される際にポリエチレン粉末が共架橋されて架橋ゴムと化学的に一体となるので、ポリエチレンが脱落しにくくなり、ベルト用帆布の耐摩耗性が著しく高められ、また、ベルト走行時の騒音の低減が図られ、さらに、不飽和カルボン酸金属塩とポリエチレン粉末とにより、帆布表面に摩擦による粘着摩耗を生ずることが抑制される。
ここで、分子量100万以上のポリエチレン粉末は、超高分子量のポリエチレンであり、分子量2〜30万の一般的な高密度ポリエチレンに比べて、高分子であるが故に耐摩耗性、潤滑性、耐衝撃性が極めて優れるものである。また、必要に応じて、フッ素樹脂粉末やグラファイト、二硫化モリブデン、セラミック粉末、ガラスビーズ、カーボンファイバー、有機繊維等の減摩材を併用して帆布に含浸させることができる。
上記有機過酸化物は、特に限定されるものではなく、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ケタールパーオキサイドを挙げることができる。更に、必要に応じて、硫黄、メタクリル酸の高級エステル類を代表とする多官能モノマー、1,2−ポリブタジエンやトリアリルイソシアネレートやジオキシム等の一般的な共架橋剤を用いることもできる。
上記溶剤は、ゴム組成物を溶解可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えばトルエンやメチルエチルケトン(以下「MEK」という)等を挙げることができる。
上記帆布は、特に限定されるものではなく、ナイロン繊維、アラミド繊維等の織布、編物等が用いられる。
また、従来、伝動ベルト用帆布は上記のようなゴム処理液による処理の前にベルト本体と帆布との接着性を確保する為、エポキシ樹脂系、イソシアネート系、又はレゾルシンとホルマリンの縮合物等の樹脂系接着剤で処理されるのが通常であった。しかし、このような樹脂系接着剤は耐屈曲疲労性が十分でなく、接着剤から発生したクラックにより、歯布に局部的な応力集中が発生し、歯布の切断を誘発することを本発明者は発見した。
すなわち、上述の如き樹脂系接着剤を用いず、本発明に係る帆布用処理液による処理のみを帆布に施して、当該処理液を帆布を構成する繊維に直に付着させると、帆布の耐屈曲性が向上し、しかも、当該処理液を用いることによって、樹脂系接着剤を用いなくても、帆布とベルト本体ゴムとの接着性が十分に確保できることがわかった。
上記本発明に係る処理液で処理されたベルト用帆布は、特に限定することなく、ベルト長手方向に所定ピッチで歯が設けられプーリとの噛合により動力を伝達する歯付ベルト、ベルトの断面形状が台形であり背面に帆布が設けられている摩擦伝動用のVベルト、ベルト内面側にベルト長さ方向に延びる断面V字状のリブが複数列設けられ背面に帆布が設けられている摩擦伝動用のVリブドベルト、内面側又は背面側に帆布が設けられている摩擦伝動用のローエッジVベルト、内面側又は背面側に帆布が設けられている摩擦伝動用の平ベルト、上述の張力帯にブロックを組み付けた高負荷伝動用Vベルトなど種々の伝動ベルトに用いることができる。
すなわち、上記歯付ベルトの歯が設けられている側に設けられる帆布(歯布)又は反対側(背面側)に設けられる背面帆布、VベルトやVリブドベルトの背面帆布、ローエッジVベルトの背面帆布、平ベルトの内面側又は背面側の帆布、或いは高負荷伝動用Vベルトの張力帯の上側帆布又は下側帆布に本発明に係る伝動ベルト用帆布を用いることができる。
例えば、歯付ベルトは、その歯とプーリとの噛合により動力を伝達するものであることから、歯布に非常に高い摩擦力が作用するが、本発明に係るベルト用帆布の採用により、顕著な摩耗抑制効果及び騒音低減効果を得ることができ、それによって、優れた耐歯欠け性及びベルト走行時の静寂性が得られる。
また、歯付ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、或いはローエッジVベルトの背面側がプーリに巻き掛けられる場合、それら伝動ベルトの背面帆布に本発明に係るベルト用帆布を採用することにより、顕著な摩耗抑制効果及び騒音低減効果を得ることができ、ベルト走行時の静寂性が得られる。
また、上述の高負荷伝動用Vベルトの張力帯の上側帆布及び下側帆布には、ブロックの前後方向への揺動により摩擦力が作用するが、本発明に係るベルト用帆布の採用により、該帆布自体の耐熱性、耐寒性が高められることに加え、その帆布のゴムに含まれる不飽和カルボン酸金属塩により強度、弾性率が高められ、耐摩耗性が向上する。
更に、分子量100万以上のポリエチレン粉末を添加した伝動ベルト帆布用処理液を用いると、上記上側帆布や下側帆布に潤滑性を付与することができ、これにより、これら帆布の摩擦係数が低く抑えられると共に、エチレン-α-オレフィンエラストマーが有機過酸化物により架橋される際にポリエチレン粉末が共架橋されて両者が化学的に一体となるので、ポリエチレンの脱落が防止され、これら帆布の耐摩耗性が著しく高められ、ブロックのガタツキに起因するブロックの破損や騒音の発生が抑止されることとなる。
以上のような各種伝動ベルトのベルト本体の帆布が設けられるゴム部を形成するゴム組成物は、特に限定されるものではなく、例えばEPDM組成物、クロロプレンゴム(CR)組成物、硫黄架橋系のH−NBR組成物、有機過酸化物架橋系のH−NBR組成物等を挙げることができる。
以上のように、本発明によれば、ベルト用帆布自体の耐熱性、耐寒性及び耐屈曲疲労性、並びに該帆布とベルト本体との接着性を高めることができることに加え、ベルト用帆布の耐粘着摩耗性及び耐摩耗性を著しく高めることができ、また、ベルト走行時の騒音の低減を図ることができる。
また、上記高負荷伝動用Vベルトの場合は、上側帆布や下側帆布の耐熱性、耐寒性及び耐屈曲疲労性、並びに該帆布とベルト本体との接着性を高めることができることに加え、これら帆布の耐摩耗性を著しく高めることができ、ブロックのガタツキに起因するブロックの破損や騒音の発生を抑止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<歯付ベルトの構成>
図1は本発明の実施形態1に係る歯付ベルト10を示す。
歯付ベルト10は、ベルト内周面にベルト長さ方向に所定ピッチで設けられたベルト歯11,11,…と、ベルト外周面側のベルト背面部12とによりベルト本体が構成されている。また、ベルト歯11,11,…とベルト背面部12との間には、ベルト本体と一体となって抗張体として一対の心線13,13が略ベルト長さ方向に延び且つベルト幅方向にピッチを形成して二重螺旋状に設けられている。そして、ベルト歯11側のベルト内周面は、その表面が被覆されるようにベルト用帆布14が貼付されている。この歯付ベルト10は、ベルト歯11,11,…のプーリへの噛合により動力を伝達するものである。
ベルト歯11及びベルト背面部12は、架橋剤としての有機過酸化物であるジクミルパーオキサイド等や補強材としてのカーボンブラック等の充填材が混合され且つジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーが添加されて強化された未架橋EPDM組成物を加熱加圧成形して有機過酸化物架橋されたEPDMゴム成分により一体となって形成されている。この有機過酸化物架橋系のEPDM組成物は、耐熱性、耐寒性が極めて優れることに加え、高弾性率であることから、ベルト歯11,11,…の弾性率が極めて高いものとなる。
心線13は、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(以下「RFL」という)被膜でコートされたガラス繊維束を下撚りした子縄を複数本集めて下撚り方向と逆方向に上撚りしたガラスコード表面にゴム糊によるコーティング処理が施されたもので形成されている。そして、この心線13は、その表層のゴム糊がガラス繊維をコートしたRFL被膜に密着すると共に加熱加圧成形時にベルト本体のゴム組成物と相互拡散することによりベルト本体に一体に接着する。なお、一対の心線13,13のうちの一方は、下撚りがS撚りで且つ上撚りがZ撚りであり、他方は、上撚りがS撚りで且つ下撚りがZ撚りである。
ベルト用帆布14は、ベルト長さ方向に伸縮性を有するように加工されたアラミド織布に、分子量100万以上のポリエチレン粉末と架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物が混合され且つジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーが添加されて強化された未架橋EPDM組成物をトルエン等の有機溶剤に溶解させたゴム処理液への浸漬及び乾燥処理と、ベルト本体側表面への有機過酸化物架橋系の未架橋EPDM組成物の糊ゴムのコーティング処理とが施されたもので形成されている。このゴム処理液への浸漬及び乾燥処理によりアラミド織布を構成する繊維表面に形成されるゴム層の厚さは数十〜数百μmである。そして、このベルト用帆布14は、ゴム処理液により付着したゴム成分が加熱加圧成形時に有機過酸化物により架橋され、その分子量100万以上のポリエチレン粉末が混合され有機過酸化物架橋されたEPDMゴム成分が織布表面から織布内部の全体に付着したものとなり、また、ゴム糊のコーティングにより付着したゴム成分が加熱加圧成形時に有機過酸化物により架橋されると共に、ベルト本体のゴム組成物と相互拡散することによりベルト本体に一体に接着する。
<歯付ベルトの製造方法>
次に、歯付ベルト10の製造方法について説明する。
−シート状未架橋EPDM組成物準備工程−
バンバリーミキサー等のゴム練り加工機に原料ゴムである未架橋EPDMにジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマー又は、ジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーで補強されたH-NBRを添加して素練りする。次いで、これに架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物や補強材としてのカーボンブラック等の充填剤を投入して混練りする。そして、練り上がった未架橋EPDM組成物をカレンダロールによりシート状に加工する。
−心線準備工程−
ガラス繊維束をRFL溶液に浸漬して乾燥し、それを所定方向に下撚りした子縄を作製する。このとき、S撚りの下撚りをするものと、Z撚りの下撚りをするものとを作製する。次いで、子縄を複数本集めて下撚り方向と逆方向に上撚りしたガラスコードを作製する。すなわち、下撚りがS撚りもののにはZ撚りの上撚りを施し、下撚りがZ撚りもののにはS撚りの上撚りを施す。そして、上撚りしたガラスコードを糊ゴムに浸漬・乾燥して表面に糊ゴム層を形成させて心線13とする。
−ベルト用帆布準備工程−
シート状未架橋EPDM組成物準備工程と同様にして、原料ゴムである未架橋EPDMにジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマー又は、ジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーで補強されたH-NBRを添加して素練りをした後、分子量100万以上のポリエチレン粉末と架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物とを混合し、混練により作成した未架橋EPDM組成物を作成する。これをトルエン等の有機溶剤に溶解させることによりゴム処理液を調製する。また、同様に、有機過酸化物架橋系の未架橋EPDM組成物の糊ゴムを混練により作成し、これをトルエン等の有機溶剤に溶解させることによりゴム糊を調製する。
次いで、そのゴム処理液を処理浴に移し、それにベルト用帆布14となる一方向に伸縮性を有するアラミド織布を浸漬してアラミド織布にゴム処理液を含浸させ、しかる後に、処理浴からそのアラミド織布を引き上げて乾燥させる。必要に応じて、ゴム成分の付着を容易にするために、ベルト用帆布14には事前にエポキシ樹脂溶液への浸漬及び乾燥させる処理やRFL溶液への浸漬及び乾燥させる処理を施しておく。
続いて、アラミド織布の一方の面にゴム糊による層が形成されるようにナイフコーターやロールコーターによりゴム糊をコートして乾燥させる。そして、ゴム糊をコートした側が外側となり且つ伸縮性を有する方向が周方向になるようにアラミド織布を筒状に加工してベルト用帆布14とする。
−材料セット工程−
金型軸方向に延びるベルト歯形状の溝が周方向に等ピッチで設けられた円筒金型を筒状に形成したベルト用帆布14で被覆する。次いで、その上から上撚りがS撚り及びZ撚りの一対の心線13を等ピッチで二重螺旋状に巻き付ける。続いて、その上からシート状に加工した未架橋EPDM組成物を所定回数巻き付ける。
以上のようにして、円筒金型周面上には、金型側から順にベルト用帆布14、心線13及び未架橋EPDM組成物が層をなしてセットされた状態となる。
−加熱加圧成形工程−
加熱加圧装置の中に材料をセットした円筒金型を入れ、装置内を所定の温度及び圧力に設定して所定時間その状態を保持する。このとき、未架橋EPDM組成物の架橋が進行すると共に、未架橋EPDM組成物が流動して円筒金型に設けられた溝にベルト用帆布14を押圧するように圧入され、ベルト歯11,11,…を有するベルト本体が形成される。また、心線13表面のゴム糊とベルト本体とが相互拡散することにより、心線13がベルト本体に一体に接着すると共に、ベルト用帆布14のベルト本体側にコートされたゴム糊とベルト本体とが相互拡散することにより、ベルト用帆布14がベルト本体に一体に接着する。以上のようにして円筒金型表面に円筒状のスラブが成形される。
−幅カット工程−
加熱加圧装置から取り出した円筒金型から、その周面上に形成された円筒状のスラブを脱型し、これを所定幅に輪切りにすることにより歯付ベルト10を得る。
<作用・効果>
上記の構成の歯付ベルト10では、ベルト用帆布14に付着するゴム成分が耐熱性、耐寒性の高い有機過酸化物架橋系のエチレン-α-オレフィンエラストマー組成物であることからベルト用帆布14自体の耐熱性、耐寒性が高められることに加え、そのゴム成分に含まれることとなる不飽和カルボン酸金属塩により当該ゴムの強度、弾性率が高められ、ベルト用帆布14の耐摩耗性が向上する。
また、エチレン-α-オレフィンエラストマーを上記不飽和カルボン酸金属塩で直接補強する代わりに、エチレン-α-オレフィンエラストマーに、不飽和カルボン酸金属塩が細かく分散された水素化ニトリルゴムを混合することによって、強度、耐油性が更に改良される。更に分子量100万以上のポリエチレン粉末をゴム組成物に含有させると、潤滑性の付与によりベルト用帆布の摩擦係数が低く抑えられると共に、エチレン-α-オレフィンエラストマーが有機過酸化物により架橋される際にポリエチレン粉末が共架橋されて化学的に一体となるので、ポリエチレンの脱落が防止され、ベルト用帆布14の耐摩耗性が著しく高められ、また、歯付ベルト10が走行する時の騒音の低減が可能となる。
さらに、不飽和カルボン酸金属塩及びポリエチレン粉末の作用で摩擦過程で帆布表面に発生する粘着摩耗を防止することが可能となった。また、ベルト本体及びベルト用帆布14に付着するゴム成分全てが有機過酸化物架橋系のEPDM組成物により形成されているので、ベルト全体として耐熱性、耐寒性が極めて優れるものとなる。
(実施形態2)
<高負荷伝動用Vベルトの構成>
図2は本発明の実施形態2に係る高負荷伝動用Vベルト20を示す。
この高負荷伝動用Vベルト20は、左右1対のエンドレスの張力帯30,30と、この張力帯30,30にベルト長手方向に連続して係止した多数のブロック40,40,…とから構成されている。
各張力帯30は、保形ゴム層31と、その内部に略長さ方向に延び且つ幅方向にピッチを形成して螺旋状に設けられた心線32と、上下表面を被覆するように設けられた上側及び下側帆布35,36とが一体となって構成されている。また、各張力帯30の上面には各ブロック40に対応して張力帯幅方向に延びる溝状の上側凹部33,33,…が 及び下面には上側凹部33,33,…に対応して張力帯幅方向に延びる下側凹部34,34,…がそれぞれ一定ピッチの形成されている。
保形ゴム層31は、架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物や補強材としてのシリカ及びアラミド繊維、6,6ナイロン繊維等の有機短繊維が全体に混合され且つジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーが添加されて強化された未架橋EPDM組成物を加熱加圧成形して有機過酸化物架橋されたEPDM組成物により形成されており、耐熱性、耐寒性に優れかつ永久変形し難い硬質ゴムとされている。この保形ゴム層31の硬質ゴムには、JIS−C硬度計で測定したときに75°以上のゴム硬度のものが用いられる。
心線32は、高強度高弾性率のアラミド繊維の撚り糸や組紐等にRFL溶液及びゴム糊への浸漬及び乾燥処理が施されたもので形成されている。そして、この心線32は、その表層のゴム糊がRFLに密着すると共に加熱加圧による張力帯成形時に保形ゴム層31と相互拡散することにより保形ゴム層31に一体に接着する。
上側及び下側帆布35,36は、いずれも張力帯長さ方向に伸縮性を有するように加工されたアラミド織布である。この織布は未架橋EPDMとジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマー又は、ジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーで補強されたH-NBRと、更に分子量100万以上のポリエチレン粉末と架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物とを混合し混練した未架橋EPDM組成物をMEK等の有機溶剤に溶解させたゴム処理液への浸漬及び乾燥処理が施されたものである。このゴム処理液への浸漬及び乾燥処理によりアラミド織布を構成する繊維表面に形成されるゴム層の厚さは数十〜数百μmである。そして、この上側及び下側帆布35,36は、それぞれゴム処理液により付着したゴム成分が加熱加圧による張力帯成形時に有機過酸化物架橋され、その分子量100万以上のポリエチレン粉末が混合され有機過酸化物架橋されたEPDM組成物が織布表面から織布内部の全体に付着したものとなると共に、保形ゴム層31と相互拡散することにより保形ゴム層31に一体に接着する。
一方、各ブロック40は、ベルト幅方向左右側部に各張力帯30を側方から着脱可能に嵌装するための切欠き状の嵌合溝41,41を有するとともに、この嵌合溝41を除いた左右側面にプーリ溝面と当接する当接部42,42を有している。そして、この各ブロック40の嵌合溝41,41にそれぞれ張力帯30,30を嵌合させることで、ブロック40,40,…が張力帯30,30にベルト長手方向に連続的に噛合して係止している。
各ブロック40における各嵌合溝41の上壁面には、張力帯30の上面の各上側凹部33に噛合する凸条からなる上側凸部43が、また嵌合溝41の下壁面には、張力帯30の下面の各下側凹部34に噛合する凸条からなる下側凸部44が、それぞれ互いに平行に配置されて形成されている。そして、この各ブロック40の上側及び下側凸部43,44をそれぞれ張力帯30の上側及び下側凹部33,34に噛合させることで、ブロック40,40,…が張力帯30,30にベルト長手方向に係止している。
上記各ブロック40は、アラミド短繊維やミルドカーボンファイバ等が混合された硬質の熱硬化性フェノール樹脂材料から形成されているが図3及び図4に示すように、その内部にはブロック40の厚さ方向の略中央に位置するように軽量アルミニウム合金等からなる高強度、高弾性率の補強部材45が埋設されている。この補強部材45は、例えば上側及び下側凸部43,44(張力帯30との噛合部)や左右側面の当接部42,42(プーリ溝面との接触部)では硬質樹脂中に埋め込まれてブロック40表面に顕れないが(つまり、これらの部分は硬質樹脂からなっている)、その他の部分ではブロック40の表面に露出していてもよい。
補強部材45は、ベルト幅方向(左右方向)に延びる上側及び下側ビーム45a,45bと、これら両ビーム45a,45bの左右中央部同士を上下に接続するセンターピラー45cとからなっていて、略H字状に形成されている。
さらに、予め、張力帯30の上側及び下側凹部33,34間の厚さ(嵌合部厚み)t2、つまり図5に示す上側凹部33の底面(詳しくは上側帆布35の上表面)と上側凹部33に対応する下側凹部34の底面(同下側帆布36の下表面)との間の距離が、ブロック40の嵌合溝隙間t1、つまり図4に示す各ブロック40の上側凸部43下端と下側凸部44上端との間の距離よりも例えば0.03〜0.15mm程度だけ若干大きく(t2>t1)設定されている。このため、張力帯30への各ブロック40の組付時に張力帯30がブロック40により厚さ方向に圧縮されて組み付けられ、このことで締め代t2−t1(ブロック40に対する張力帯30の初期圧入代)が設けられている。
また、図3に示すように、Vベルト20の左右両側のプーリ接触面において、ベルト幅方向外側の張力帯側面30aが、各ブロック40の樹脂からなる当接部42,42の面よりも若干(例えば0.03〜0.15mm)突出している。そして、このことにより、各張力帯側面30aと各ブロック40の左右側面である当接部42との双方がプーリ溝面に接触するように、張力帯30についての出代Δdが設けられている。
この出代Δdは、Vベルト20が組み立てられたときにブロック40の側面の当接部42から張力帯側面30aを意図的にはみ出させるように設けたもので、張力帯30のピッチ幅(心線32を通る平面上での幅)を、ブロック40の噛合部である嵌合溝41の挿入ピッチ幅(嵌合溝41に嵌合された張力帯30の心線32の位置での溝深さ)に対して調整することで自由に変えられる。各張力帯30は各ブロック40の嵌合溝41に対し圧入して挿入され、この圧入を完全にするためには、Vベルト20が実際の使用時にプーリから受ける力以上の力で張力帯30を圧入する必要がある。この出代Δdは、組立後にVベルト20の左右側面をコントレーサ(輪郭形状測定器)で走査すれば容易に測定することができる。
そして、各張力帯側面30aが各ブロック40の側面の当接部42よりも突出して出代Δdが形成されているので、この張力帯側面30aがブロック40の側面の当接部42と共にプーリ溝面と接触してプーリからの側圧をブロック40と張力帯30とが分担して受けることとなり、各ブロック40がプーリ溝に突入する際の衝撃が張力帯30の側部30aにより緩和される。
<高負荷伝動用Vベルトの製造方法>
次に、高負荷伝動用Vベルト20の製造方法について説明する。
−シート状未架橋EPDM組成物準備工程−
バンバリーミキサー等のゴム練り加工機に原料ゴムである未架橋EPDMにジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマー又は、ジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーで補強されたH-NBRを添加して素練りする。次いで、これに架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物や補強材としてのシリカや有機短繊維等の充填剤を投入して混練りする。そして、練り上がった未架橋EPDM組成物をカレンダロールによりシート状に加工する。
−心線準備工程−
アラミド繊維の撚り糸又は組紐をRFL溶液に浸漬した後に乾燥させる。なお、RFL溶液による接着処理の前に撚り糸又は組紐をエポキシ溶液やイソシアネート溶液に浸漬した後に乾燥させる処理を行うようにしてもよい。次いで、全体にRFLが付着した撚り糸又は組紐を糊ゴムに浸積した後に乾燥させて心線32とする。
−上側及び下側帆布準備工程−
シート状未架橋EPDM組成物準備工程と同様にして、原料ゴムである未架橋EPDMにジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマー又は、ジメタクリル酸亜鉛やジアクリル酸亜鉛などの金属塩モノマーで補強されたH-NBRを添加して素練りをした後、分子量100万以上のポリエチレン粉末と架橋剤としてのジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物とを混合し、混練により作成した未架橋EPDM組成物を作成する。これをトルエン等の有機溶剤に溶解させることによりゴム処理液を調製する。
次いで、そのゴム処理液を処理浴に移し、それに上側及び下側帆布35,36となる一方向に伸縮性を有する各アラミド織布を浸漬してゴム処理液を含浸させ、しかる後に、処理浴からそのアラミド織布を引き上げて乾燥させる。必要に応じて、ゴム成分の付着を容易にするために、上側及び下側帆布35,36には事前にエポキシ樹脂溶液への浸漬及び乾燥させる処理やRFL溶液への浸漬及び乾燥させる処理を施しておく。そして、ゴム糊をコートした側が外側となり且つ伸縮性を有する方向が周方向になるように各アラミド織布を筒状に加工して上側及び下側帆布35,36とする。
−張力帯成形工程−
張力帯30の下側凹部形状の金型軸方向に延びる溝が周方向に等ピッチで設けられた円筒金型を筒状に形成した下側帆布36で被覆し、その上にシート状に加工した未架橋EPDM組成物を所定層設ける。
次いで、加熱加圧装置の中に円筒金型を入れ、未架橋EPDM組成物の架橋が半分程度進行するように、装置内を所定の温度及び圧力に設定して所定時間その状態を保持する。このとき、未架橋EPDM組成物の架橋が半分程度進行して保形ゴム層31の下側半分の形状が成形されると共に、未架橋EPDM組成物が流動して円筒金型に設けられた溝に下側帆布36を押圧するように圧入され、下側凹部34,34,…が形成される。
続いて、加熱加圧装置の中から円筒金型を取り出し、半架橋したEPDM組成物の上から心線32を等ピッチで螺旋状に巻き付け、その上に再びシート状に加工した未架橋EPDM組成物を所定層設け、その上から筒状に形成した上側帆布35を被せる。
次いで、張力帯30の上側凹部形状の軸方向に延びる突条が周方向に等ピッチで設けられたスリーブを最外層に被せる。
そして、加熱加圧装置の中に材料をセットした円筒金型を入れ、装置内を所定の温度及び圧力に設定して所定時間その状態を保持する。このとき、半架橋及び未架橋EPDM組成物の架橋が進行すると共に、未架橋EPDM組成物が流動してスリーブに設けられた溝に上側帆布35を押圧するように圧入され、上側凹部33,33,…が形成され、保形ゴム層31が構成される。また、心線32表面のゴム糊と保形ゴム層31とが相互拡散することにより、心線32が保形ゴム層31に一体に接着すると共に、上側及び下側帆布36に付着したゴム成分と保形ゴム層31とが相互拡散することにより、上側及び下側帆布35,36が保形ゴム層31に一体に接着する。以上のようにして、円筒金型表面に円筒状のスラブが成形される。
最後に、加熱加圧装置から円筒金型を取り出し、その周面上に形成された円筒状のスラブを脱型し、これを所定幅の帯状に輪切りし、それを面取り加工等を行うことにより張力帯30を成形する。
−ブロック成形工程−
ブロック成形金型に設けられたのキャビティ内にアルミ製の補強部材45をセットし、そこに熱硬化性フェノール樹脂を射出することにより、補強部材45が樹脂内のインサートされたブロック40を成形する。そして、成形したブロック40に、必要に応じて各種の成形加工を行い、その強度を高める。
−組立工程−
一方の張力帯30の同じ位置にある上側及び下側凹部33,34にブロック40の上側及び下側凸部44をそれぞれ対応させ、上側凹部33に上側凸部43が及び下側凹部34に下側凸部44がそれぞれ嵌め入れられるように、ブロック40の一方の嵌合溝41に張力帯30を挿入し、ブロック40を張力帯30に係止させる。この操作を張力帯30の全周について行う。次いで、他方の張力帯30をブロック40の他方の嵌合溝41に挿入することにより、高負荷伝動用Vベルト20を得る。
<作用・効果>
上記の高負荷伝動用Vベルト20によれば、上側帆布及び下側帆布35,36に付着するゴム成分が耐熱性、耐寒性の高い有機過酸化物架橋系のエチレン-α-オレフィンエラストマー組成物であることから上側帆布及び下側帆布35,36自体の耐熱性、耐寒性が高められることに加え、そのゴム成分に含まれることとなる不飽和カルボン酸金属塩により組成物の強度、弾性率が高められ、ベルト用帆布の耐摩耗性が向上する。更に、エチレン-α-オレフィンエラストマーを上記不飽和カルボン酸金属塩で直接補強する代わりに、不飽和カルボン酸金属塩が細かく分散された水素化ニトリルゴムで補強することにより、強度、耐油性を改良することができる。
更に、分子量100万以上のポリエチレン粉末による潤滑性の付与により上側及び下側帆布35,36の摩擦係数が低く抑えられると共に、エチレン-α-オレフィンエラストマーが有機過酸化物により架橋される際にポリエチレン粉末が共架橋されて両者が化学的に一体となるので、ポリエチレンが脱落しにくくなり、上側帆布及び下側帆布35,36の耐摩耗性が著しく高められ、ブロック40のガタツキに起因するブロック40の破損や騒音の発生が抑止されることとなる。
また、張力帯本体を構成する保形ゴム層31も有機過酸化物架橋系のEPDM組成物で形成されているので、保形ゴム層31、上側及び下側帆布35,36に付着するゴム成分のいずれもが耐熱性、耐寒性に優れるものとなることから、Vベルト20全体としても耐熱性、耐寒性に優れるものとなる。
(その他の実施形態)
上記実施形態1及び2では、ゴム処理液を形成するEPDM組成物にポリエチレン粉末が添加されたものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、添加されないものであってもよく、必要に応じて、フッ素樹脂粉末やグラファイト、二硫化モリブデン、セラミック粉末、ガラスビーズ、カーボンファイバー、有機繊維等の減摩材を添加してもよい。
また、上記実施形態1では、歯付ベルトとしたが、特にこれに限定されるものではなく、ベルト背面にベルト用帆布が設けられ背面でのプーリ駆動が可能なVベルトやVリブドベルト或いはローエッジVベルト、ベルト歯面、背面の両面にベルト用帆布が設けられた歯付ベルト、ベルトの両面又は片面に帆布が設けられる平ベルトであって、それらの帆布を上記実施形態1の帆布14と同様に構成したものであってもよい。
また、上記実施形態1では、心線13をガラス繊維で構成したが、特にこれに限定されるものではなく、アラミド繊維で構成したものであってもよい。
また、実施形態1の歯付ベルト10のベルト本体を形成するゴム組成物及び実施形態2の高負荷伝動用Vベルト20の張力帯本体をなす保形ゴム層31を形成するゴム組成物をいずれも有機過酸化物架橋系のEPDM組成物としたが、特にこれに限定されるものではなく、有機過酸化物架橋系の水素化ニトリルゴム組成物、クロロプレンゴム(CR)組成物、硫黄架橋系のH−NBR組成物であってもよい。さらに、実施形態1及び2では、その有機過酸化物架橋系のEPDM組成物にポリエチレン粉末が添加されたものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、添加されていないものであってもよく、必要に応じて、フッ素樹脂粉末やグラファイト、二硫化モリブデン、セラミック粉末、ガラスビーズ、カーボンファイバー、有機繊維等の減摩材を添加してもよい。
また、上記実施形態1及び2では、ベルト用帆布14及び上側並びに下側帆布35,36をアラミド繊維製としたが、特にこれに限定されるものではなく、ナイロン繊維製であってもよい。
(試験用帆布)
以下の各例に係る帆布を作成した。各構成は、表1にも示す。
<実施例1>
緯糸をウレタン糸にアラミド繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)を巻き付けて伸縮性を付与したカバーリング糸とし且つ経糸をナイロン撚糸とした織布に、エポキシ樹脂溶液に浸漬した後に乾燥させる処理、及びRFL溶液に浸漬した後に乾燥させる処理を施した。
一方、未加硫EPDM(JSR社製 EP24)100質量部と、カーボンブラック20質量部と、ジメタクリル酸亜鉛粉末(川口化学社製 アフターZMA)20質量部と、架橋剤としての有機過酸化物とを混練して形成された未加硫EPDM組成物をトルエンに溶解させたゴム処理液を調製した。このとき、トルエンの質量に対する未加硫EPDM組成物の質量の比である(未加硫EPDM組成物):(トルエン)を1:5とした。
上記織布に、上記ゴム処理液に浸漬して乾燥させる処理を2回繰り返して施すことにより形成された帆布を例1とした。
<実施例2>
ゴム処理液として、未加硫EPDM(JSR社製 EP24)50質量部と、カーボンブラック20質量部と、ジメタクリル酸亜鉛補強水素化NBR(日本ゼオン社製 ゼオフォルテZSC2195CX)50重量と、架橋剤としての有機過酸化物とを混練して形成された未加硫EPDM組成物をトルエンに溶解させたものを用いたことを除いては、実施例1と同一構成の帆布を実施例2とした。
<実施例3>
ゴム処理液として、未加硫EPDM(JSR社製 EP24)100質量部と、カーボンブラック20質量部と、ジメタクリル酸亜鉛粉末(川口化学社製 アフターZMA)20質量部と、超高分子量ポリエチレン粉末(三井化学社製商品名:ミペロンXM−220)30質量部と、架橋剤としての有機過酸化物とを混練して形成された未加硫EPDM組成物をトルエンに溶解させたものを用いたことを除いては、実施例1と同一構成の帆布を実施例3とした。
<実施例4>
ゴム処理液として、未加硫EPDM(JSR社製 EP24)50質量部と、カーボンブラック20質量部と、ジメタクリル酸亜鉛補強水素化NBR(日本ゼオン社製 ゼオフォルテZSC2195CX)50重量と超高分子量ポリエチレン粉末(三井化学社製商品名:ミペロンXM−220)30質量部と、架橋剤としての有機過酸化物とを混練して形成された未加硫EPDM組成物をトルエンに溶解させたものを用いたことを除いては、実施例1と同一構成の帆布を実施例4とした。
<実施例5>
ゴム処理液に浸漬する前の接着剤処理(エポキシ樹脂溶液に浸漬した後に乾燥させる処理、及びRFL溶液に浸漬した後に乾燥させる処理)を実施しなかったことを除いては実施例4と同一構成の帆布を実施例5とした。
<比較例1>
ゴム処理液として、未加硫EPDM(JSR社製 EP24)100質量部と、カーボンブラック50質量部と、超高分子量ポリエチレン粉末(三井化学社製商品名:ミペロンXM−220)30質量と、架橋剤としての硫黄とを混練して形成された未加硫EPDM組成物をトルエンに溶解させたものを用いた点を除いては、実施例1と同一構成の帆布を比較例1とした。
<比較例2>
ゴム処理液の未加硫EPDM組成物に架橋剤として、有機過酸化物を用いた点を除いては、比較例1と同一構成の帆布を比較例2とした。
<比較例3>
ゴム処理液として、未加硫H−NBR(日本ゼオン社製 ゼットポール2010)50質量部と、カーボンブラック20質量部と、ジメタクリル酸亜鉛補強水素化NBR(日本ゼオン社製 ゼオフォルテZSC2195CX)50重量と、超高分子量ポリエチレン粉末(三井化学社製商品名:ミペロンXM−220)30質量部と、架橋剤としての有機過酸化物とを混練して形成された未加硫EPDM組成物をトルエンに溶解させたものを用いたことを除いては、実施例1と同一構成の帆布を比較例3とした。
Figure 2005155682
(試験方法)
<歯付ベルトの作成>
実施例1〜5、比較例1〜3の各帆布をベルトの歯側を被覆する帆布とした8種類の歯付ベルトを上記実施形態1の方法に準じて作成した。ベルト歯及びベルト背面部により構成されるベルト本体を形成するゴム組成物としては有機過酸化物架橋系のEPDM組成物を用い、また、心線としてはRFL溶液による接着処理を施したガラスコードを用いた。また、ベルト歯のピッチを8mm及びベルト幅を10mmとした。
<高負荷伝動用Vベルトの作成>
実施例1〜5、比較例1〜3の各帆布を張力帯の上下面をそれぞれ被覆する上側及び下側帆布とした8種類の高負荷伝動用Vベルトを上記実施形態2の方法に準じて作成した。張力帯の保形ゴム層としてはアラミド短繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)とナイロン短繊維とが混合され且つジメタクリル酸亜鉛が添加されて強化された有機過酸化物架橋系のEPDM組成物を用い、また、心線としては接着処理を施したアラミド繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)の組紐を用いた。ブロックは、アルミニウム合金からなる補強部材と、カーボンファイバ及びアラミド短繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)が混合されたフェノール樹脂とを複合させて形成した。また、ベルト角度を26度、ベルトピッチ幅を25mm、ブロックピッチ(ベルト長さ方向)を3mm、ブロックの厚さを2.95mm、ベルトの長さを612mmとした。
<摩擦係数の試験>
図6に示す摩擦係数測定装置60を用いて、実施例1〜5及び比較例1〜3の各帆布を使用した各歯付ベルトのベルト歯先と一般にプーリの材料として使用される炭素鋼(S45C)との間、並びに各高負荷伝動用Vベルトの張力帯とブロックを形成する樹脂との間のそれぞれ摩擦係数を求める試験を行った。
まず、歯付ベルトの一部を切り出した試験片61をベルト歯が下を向くようにして試験片取付具62に接着固定した。次いで、試験片61のベルト歯先を炭素鋼(S45C)製の摺動板63に接触させると共に、試験片取付具62の上に分銅64を載せてベルト歯先を摺動板63に圧接させた。続いて、摺動板63を矢印の向きに移動させることによりベルト歯先に摺動板63の表面を摺動させ、試験片取付具62に繋がったロードセル65により抵抗荷重を検知した。そして、この抵抗荷重を分銅64の質量で除すことにより摩擦係数を算出した。
また、試験片61を高負荷伝動用Vベルトの張力帯から切り出して形成し、摺動板63をブロックと同様にカーボンファイバ及びアラミド繊維が混合されたフェノール樹脂板によって形成し、同様に、摩擦係数を算出した。
<歯付ベルトの走行試験>
−帆布の耐摩耗性の試験−
図7示すレイアウトのベルト走行試験機70を用いて、実施例1〜5及び比較例1〜3の各帆布を使用した各歯付ベルトBのベルト用帆布の炭素鋼(S45C)製プーリに対する耐摩耗性を評価する試験を行った。
まず、歯付ベルトBの質量を計測した。
次いで、プーリ周縁に21箇所のプーリ溝が設けられた駆動プーリ71と、プーリ周縁に42箇所のプーリ溝が設けられた従動プーリ72と、ベルト背面を押圧するためのプーリ周縁がフラットなアイドラープーリ73とからなるベルト走行試験機70に歯付ベルトBを巻き掛け、従動プーリ72に後方向きに荷重をかけてベルトに216Nの張力が負荷されるようにした。
そうして、歯付ベルトBに負荷される張力が550Nとなるようにして300時間走行させた。次いで、走行後の歯付ベルトBの質量を計測した。そして、走行前後の歯ベルトBの質量差を摩耗量として算出した。
更に走行後の歯付ベルトBの歯表面が粘着性を示すかどうかを官能評価した。走行前の状態より粘着性が小さくなったか、大きくなったか、変化がないかの3段階評価とした。
−耐ベルト歯欠け性の試験−
耐摩耗性を評価する試験と同条件により、実施例1〜5及び比較例1〜3の各帆布を使用した各歯付ベルトを走行させ、ベルト歯の欠損が発生するまでの走行時間をベルト歯耐久寿命として評価する試験を行った。
−低温下での帆布割れ評価−
耐摩耗性の評価と同様のレイアウトで雰囲気温度温度を−35℃とし、1分間走行した後に30分間冷却することを1サイクルとし、500サイクル後に帆布表面にクラックが発生しているかどうかを確認した。
−ベルト走行時の騒音試験−
図8に示すレイアウトのベルト走行試験機80を用いて、実施例1〜5及び比較例1〜3の各帆布を使用した各歯付ベルトBのベルト走行時の騒音を評価する試験を行った。
まず、プーリ周縁に24箇所のプーリ溝が設けられた駆動プーリ81と、プーリ周縁に24箇所のプーリ溝が設けられた従動プーリ81とからなるベルト走行試験機80に歯付ベルトBを巻き掛け、従動プーリ82に後方向きに荷重をかけて歯付ベルトBに一定の張力が負荷されるようにした。
次いで、駆動プーリ81の回転数を300〜5000rpmの範囲で変量して歯付ベルトBを走行させ、駆動プーリ81の上方300mmの位置に配置された集音マイク83により騒音の最大値を測定した。
<高負荷伝動用Vベルトの走行試験>
−ベルト耐久性試験−
図9に示すレイアウトのベルト走行試験機90を用いて、実施例1〜5及び比較例1〜3の各帆布を張力帯の上側及び下側帆布に使用した各高負荷伝動用VベルトBのブロックが破損するまでの走行時間をブロック耐久寿命として評価する試験を行った。
まず、駆動軸に設けたピッチ円直径が154mmの駆動プーリ101と従動軸に設けたピッチ円直径が65mmの従動プーリ102とにVベルトBを巻き掛け、従動プーリ92に後方向きに1764Nの荷重を負荷した。そして、駆動プーリ91を5000rpmで回転させることによりVベルトBを走行させ(ベルト速度40.3m/秒)、ブロックの破損が発生するまでの走行時間を計測した。
−ベルト走行前後の締め代の変化及びベルト走行時の騒音の試験−
図10に示すレイアウトのベルト走行試験機を用いて、実施例1〜5及び比較例1〜3の各帆布を張力帯の上側及び下側帆布に使用した各高負荷伝動用VベルトBの帆布のベルト走行前後の締め代の変化及びベルト走行時の騒音を評価する試験を行った。
まず、ブロックの嵌合溝の隙間及び張力帯の上側凹部と下側凹部との間の厚さを測定し、それらの差を初期締め代として算出した。次いで、駆動軸に設けたピッチ円直径が65mmの駆動プーリ101と、従動軸に設けたピッチ円直径が130mmの従動プーリ102とにVベルトBを巻き掛け、従動プーリ102に後方向きに3430Nの荷重を負荷した。駆動プーリと従動プーリとの軸間距離は143mmに設定した。
そして、駆動プーリ101を2600rpmで回転させることによりVベルトBを200時間走行させ、駆動プーリ101と従動プーリ102との間の位置に配置した集音マイク103により集音した騒音の最大値を測定した。また、走行後に締め代を再度算出すると共に、張力帯に生成したクラックの数を数えた。
−低温下での帆布割れ評価−
ベルト耐久性評価と同等のレイアウトで雰囲気温度温度を−35℃とし、1分間走行した後に30分間冷却することを1サイクルとし、500サイクル後に帆布表面にクラックが発生しているかどうかを確認した。
(試験結果)
試験結果を表2に示す。
Figure 2005155682
比較例1は、表1に示すように耐摩耗性、低摩擦係数化をねらった超高分子量ポリエチレンが混合されたEPDM組成物のゴム処理液を使用しているが、架橋系が硫黄であるので、EPDMの耐熱性が充分でなく、歯付ベルトでは帆布の摩耗が非常に大きくなっている。これは、硫黄加硫である為、超高分子量ポリエチレンとベースゴムであるEPDMとの接着性が悪く、超高分子量ポリエチレンが走行中に帆布から離脱することも大きな原因である。結果として歯付ベルトの歯耐久時間が短くなっている。
同様に高負荷伝動用Vベルトでも走行後の張力帯の嵌合部厚みが大きく減少しているのも、表面の帆布の著しい摩耗によると考えられる。結果として、走行後の締め代の減少が大きく、ブロックの固定度が低下することで、張力帯にかかる応力が大きくなり、張力帯にクラックを誘発しているばかりでなく、ベルトの騒音も大きくなり、ブロックの耐久寿命も短くなる。
比較例2では、有機過酸化物で架橋されているので、EPDM組成物の耐熱性は良好であり、又、超高分子量ポリエチレンとEPDMの界面は有機過酸化物の作用で強固に加硫接着されている為、超高分子量ポリエチレンは離脱することはないが、ジメタクリル酸亜鉛で補強されていない為、耐摩耗性は充分なレベルとなっていない。
又、比較例1と2では、ジメタクリル酸亜鉛での補強がない為、歯付ベルトにて帆布の摩耗後、表面の粘着性が増しており、騒音が大きくなっている。
比較例3では水素化ニトリルゴムが有機過酸化物架橋のもと、ジメタクリル酸亜鉛で強固に補強されており、超高分子量ポリエチレンによる耐摩耗性向上と低摩擦係数化の効果も相俟って、帆布の耐摩耗性は非常に優れ、歯付ベルトの歯耐久性、走行時の騒音、高負荷伝動用Vベルトの締め代維持、ブロック固定度の維持、騒音低減、張力帯の耐クラック性、ブロックの耐久寿命において、すばらしい結果を得ることができている。しかし、唯一、ベースゴムにH−NBRを用いている為、低温下での帆布の耐クラック性が劣っている。
これに対して、実施例1のように、EPDMをジメタクリル酸亜鉛で補強し、しかも、有機過酸化物で架橋することにより、帆布の処理液を構成するEPDM組成物の耐熱性、耐寒性、耐摩耗性が改良される。結果として、歯付ベルトでの帆布の耐摩耗性、耐粘着性、歯の耐久時間が著しく改良されている。同様の効果が高負荷伝動用Vベルトでも、帆布の耐熱性、耐摩耗性改良により、締め代の維持、ブロック固定度の維持、騒音の低減、耐クラック性の向上、ブロックの耐久性向上という形で現れている。
ジメタクリル酸亜鉛で直接EPDMを補強する代わりに、実施例2のように、ジメタクリル酸亜鉛で補強されたH−NBRをEPDMと混合して、有機過酸化物で架橋すると、EPDM組成物の耐摩耗性は更に向上し、実施例1よりも良好な結果が得られている。
実施例3、4のように、超高分子量ポリエチレンを添加し、有機過酸化物で架橋すると、帆布の炭素鋼、樹脂に対する摩擦係数が極端に小さくなり、又、有機過酸化物により、超高分子量ポリエチレンとEPDMの界面が強固に加硫接着されて、超高分子量ポリエチレンが帆布から離脱しない。結果として、実施例2よりも更に、帆布の耐摩耗性は改良されて、全ての項目で良好な結果が得られている。
更に、実施例5のように、エポキシ樹脂やRFLによる帆布の前処理がなされていないと、実施例4に比べて、帆布の耐屈曲性が改良され、歯付ベルトの歯の耐久時間が向上することがわかる。高負荷伝動用Vベルトでは、この効果は明確には現れていないが、技術的に考えて、帆布の耐屈曲性の向上は張力帯の耐クラック性の向上につながることは明確であるので、長時間走行させると効果が現れてくると考えられる。
以上のように、帆布用のゴム処理液に用いられるゴム組成物のベースゴムをEPDMにすることにより、帆布の低温下での耐クラック性が向上し、更に、ジメタクリル酸亜鉛やジメタクリル酸亜鉛で補強されたH−NBRを混合し、有機過酸化物で架橋したゴム組成物を用いることにより、帆布の耐熱性、耐摩耗性、耐粘着摩耗性が向上し、更に、超高分子量ポリエチレン粉末を添加することにより、耐摩耗性の向上、摩擦係数の低減がもたらされ、伝動ベルトの耐久性及び静寂性が著しく改善される。
更に、帆布を樹脂系の接着剤で前処理しないようにすると、帆布の耐屈曲性が改良されることがわかった。
上記、ジメタクリル酸亜鉛の代わりに、ジアクリル酸亜鉛またはジアクリル酸亜鉛補強H−NBRを使用しても同様の効果が得られた。
本発明の効果は、帆布が摩擦面を形成するベルトであれば、適応されることは明らかである。従って、ベルト背面にベルト用帆布が設けられ背面でのプーリ駆動が可能なVベルト、Vリブドベルト及びローエッジVベルト、ベルト歯側表面又は歯面、背面の両面にベルト用帆布が設けられた歯付ベルト、ベルトの両面又は片面に帆布が設けられる平ベルト等にも本発明は適用することができる。
本発明の実施形態1に係る歯付ベルトの斜視図である。 本発明の実施形態2に係る高負荷伝動用Vベルトの斜視図である。 図2のII−II線拡大断面図である。 実施形態2に係るブロックの拡大側面図である。 実施形態2に係る張力帯の拡大側面図である。 摩擦係数測定装置の構成図である。 歯付ベルトの耐久試験用のベルト走行試験機のレイアウト図である。 歯付ベルトの騒音試験用のベルト走行試験機のレイアウト図である。 高負荷伝動用Vベルトの耐久試験用のベルト走行試験機のレイアウト図である。 高負荷伝動用Vベルトの騒音試験用のベルト走行試験機のレイアウト図である。
符号の説明
10 歯付ベルト
11 ベルト歯
12 ベルト背面部
13 心線
14 ベルト用帆布
20 高負荷伝動用Vベルト
30 張力帯
31 保形ゴム層
32 心線
33 上側凹部
34 下側凹部
35 上側帆布
36 下側帆布
40 ブロック
41 嵌合溝
42 当接部
43 上側凸部
44 下側凸部
45 補強部材
45a 上側ビーム
45b 下側ビーム
45c センターピラー
60 摩擦係数測定装置
61 試験片
62 試験片取付具
63 摺動板
64 分銅
65 ロードセル
70,80,90,100 ベルト走行試験機
71,81,91,101 駆動プーリ
72,82,92,102 従動プーリ
73 アイドラープーリ
83,103 集音マイク
B 歯付ベルト,高負荷伝動用Vベルト
t1 ブロックの嵌合溝隙間
t2 張力帯の上下凹部間の嵌合部厚み
t2−t1 締め代
Δd 出代

Claims (9)

  1. 伝動ベルトの摩擦力作用部位に設けられる帆布を処理する処理液であって、
    未架橋のエチレン-α-オレフィンエラストマーに不飽和カルボン酸金属塩と架橋剤としての有機過酸化物とが混合されたゴム組成物が溶剤に溶解していることを特徴とする伝動ベルト帆布用処理液。
  2. 伝動ベルトの摩擦力作用部位に設けられる帆布を処理する処理液であって、
    未架橋のエチレン-α-オレフィンエラストマーに不飽和カルボン酸金属塩が分散した水素化ニトリルゴムと架橋剤としての有機過酸化物とが混合されたゴム組成物が溶剤に溶解していることを特徴とする伝動ベルト帆布用処理液。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記不飽和カルボン酸金属塩は、ジメタクリル酸亜鉛及びジアクリル酸亜鉛のうち少なくとも一方であることを特徴とする伝動ベルト帆布用処理液。
  4. 請求項1〜3のいずれか一において、
    分子量100万以上のポリエチレン粉末を含むことを特徴とする伝動ベルト帆布用処理液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の伝動ベルト帆布用処理液への浸漬処理が施されてなることを特徴とする伝動ベルト用帆布。
  6. 請求項1〜4のいずれか一に記載の伝動ベルト帆布用処理液が帆布を構成する繊維に直に付着していることを特徴とする伝動ベルト用帆布。
  7. ベルト本体のゴム組成物によって形成された摩擦力作用部位に帆布が設けられており、
    上記帆布は、請求項5又は請求項6に記載されている伝動ベルト用帆布によって形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  8. ベルト長手方向に所定ピッチで歯が設けられプーリとの噛合により動力を伝達する歯付ベルトであって、
    上記歯付ベルト本体の上記歯が設けられた側又はその反対側の面がゴム組成物によって形成され、該面に帆布が設けられており、
    上記帆布は、請求項5又は請求項6に記載の伝動ベルト用帆布によって形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  9. 張力帯本体がゴム組成物で形成され且つ上下面にそれぞれ上側帆布及び下側帆布が設けられたエンドレスの張力帯と、該張力帯の長手方向に間隔をおいて並ぶように各々が該張力帯に噛合して係止した複数のブロックとを備え、該複数のブロックとプーリとの摩擦により動力を伝達するように構成された高負荷伝動用Vベルトであって、
    上記上側帆布及び下側帆布のうち少なくとも一方は、請求項5又は請求項6に記載の伝動ベルト用帆布によって形成されていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
JP2003391271A 2003-11-20 2003-11-20 伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト Pending JP2005155682A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391271A JP2005155682A (ja) 2003-11-20 2003-11-20 伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト
US10/980,155 US20050113200A1 (en) 2003-11-20 2004-11-04 Power transmission belt, toothed belt and high duty power transmission V belt
DE102004055893A DE102004055893A1 (de) 2003-11-20 2004-11-19 Kraftübertragungsriemen, Zahnriemen und Hochleistungs-Kraftübertragungs-V-Riemen

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391271A JP2005155682A (ja) 2003-11-20 2003-11-20 伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005155682A true JP2005155682A (ja) 2005-06-16

Family

ID=34587478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003391271A Pending JP2005155682A (ja) 2003-11-20 2003-11-20 伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20050113200A1 (ja)
JP (1) JP2005155682A (ja)
DE (1) DE102004055893A1 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007198189A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd スクロール圧縮機
JP2008280528A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Bridgestone Corp 液封入防振ゴム用ゴム組成物
JP2010535267A (ja) * 2007-07-30 2010-11-18 ビーアールピー マニュファクチャリング カンパニー カプセル材料および関連するデバイス
JP2011057376A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Bridgestone Corp コンベアベルト
WO2013140783A1 (ja) * 2012-03-19 2013-09-26 バンドー化学株式会社 高負荷伝動用vベルト
JP2014189578A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Nissin Kogyo Co Ltd 炭素繊維複合材料及びその製造方法
KR20180104636A (ko) * 2016-01-22 2018-09-21 반도 카가쿠 가부시키가이샤 마찰 전동 벨트 및 그 제조방법
WO2022075368A1 (ja) * 2020-10-08 2022-04-14 住友化学株式会社 ゴム組成物、及び成形体

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7909720B2 (en) * 2004-12-31 2011-03-22 Veyance Technologies, Inc. Fabric adhesion improvement for EPDM based low cost timing belt
DE102005053588A1 (de) * 2005-11-10 2007-05-16 Arntz Beteiligungs Gmbh & Co Riemen, der eine polymere Mischung, enthaltend ein Ethylen-alpha-Olefin-Elastomer, aufweist
JP2009041608A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Bando Chem Ind Ltd 高負荷伝動用vベルト
US9347520B2 (en) * 2011-12-01 2016-05-24 Gates Corporation Flat belt clamping system and method
WO2013088718A1 (ja) * 2011-12-14 2013-06-20 バンドー化学株式会社 摩擦伝動ベルト及びその製造方法
DE112013001542T5 (de) * 2012-03-19 2015-03-05 Bando Chemical Industries, Ltd. Keilriemen für hohe Lastübertragung
US9724568B2 (en) * 2013-09-03 2017-08-08 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
NL1040586C2 (en) * 2014-01-02 2015-07-06 Bosch Gmbh Robert An endless tension member for a drive belt, drive belt equipped therewith and manufacturing method for it.
SG10201909092SA (en) 2015-03-31 2019-11-28 Fisher & Paykel Healthcare Ltd A user interface and system for supplying gases to an airway
DE112017001725T5 (de) 2016-03-29 2018-12-20 Bando Chemical Industries, Ltd. Zahnriemen
CN114569856A (zh) 2016-08-11 2022-06-03 费雪派克医疗保健有限公司 可塌缩导管、患者接口和头戴具连接器
CN110546085B (zh) * 2017-02-03 2022-04-01 斯巴德尼克设备有限公司 皮带连接机构
WO2018199043A1 (ja) * 2017-04-24 2018-11-01 三ツ星ベルト株式会社 歯付きベルト
CN108222889A (zh) * 2018-02-02 2018-06-29 山东创新石油技术有限公司 无减速机数控立式抽油机
CN111656047B (zh) * 2018-10-17 2021-10-19 阪东化学株式会社 齿形带

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10281231A (ja) * 1997-03-31 1998-10-23 Mitsuboshi Belting Ltd 高負荷伝動ベルト
JP2002103467A (ja) * 2000-09-29 2002-04-09 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト及び歯付ベルトの製造方法
JP2003012818A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Bando Chem Ind Ltd ベルト用帆布及びそれを用いた伝動ベルト並びに高負荷伝動用vベルト
JP2003240056A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Mitsuboshi Belting Ltd 動力伝動ベルト
JP2003314619A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Bando Chem Ind Ltd 高負荷伝動ベルト用ゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた高負荷伝動ベルト
JP2003314622A (ja) * 2002-04-17 2003-11-06 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルトとその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2942635B2 (ja) * 1990-12-07 1999-08-30 出光石油化学株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
US5610217A (en) * 1994-10-31 1997-03-11 The Gates Corporation Ethylene-alpha-olefin belting
DE10064947A1 (de) * 1999-12-15 2001-07-19 Mitsuboshi Belting Ltd Verfahren zum Verbinden einer Ethylen-alpha-Olefin-Kautschukmischung mit einer Faser sowie ein Antriebsriemen, der mittels dieses Verfahrens hergestellt wird
DE60204373T2 (de) * 2001-03-16 2006-05-04 The Goodyear Tire & Rubber Co., Akron Triebriemen mit geschnittenen Kohlenstofffasern
US7056250B2 (en) * 2003-04-14 2006-06-06 The Goodyear Tire & Rubber Company Power transmission belt containing short high molecular weight polyacrylonitrile fiber

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10281231A (ja) * 1997-03-31 1998-10-23 Mitsuboshi Belting Ltd 高負荷伝動ベルト
JP2002103467A (ja) * 2000-09-29 2002-04-09 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト及び歯付ベルトの製造方法
JP2003012818A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Bando Chem Ind Ltd ベルト用帆布及びそれを用いた伝動ベルト並びに高負荷伝動用vベルト
JP2003240056A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Mitsuboshi Belting Ltd 動力伝動ベルト
JP2003314622A (ja) * 2002-04-17 2003-11-06 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルトとその製造方法
JP2003314619A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Bando Chem Ind Ltd 高負荷伝動ベルト用ゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた高負荷伝動ベルト

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007198189A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd スクロール圧縮機
JP2008280528A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Bridgestone Corp 液封入防振ゴム用ゴム組成物
JP2010535267A (ja) * 2007-07-30 2010-11-18 ビーアールピー マニュファクチャリング カンパニー カプセル材料および関連するデバイス
JP2011057376A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Bridgestone Corp コンベアベルト
WO2013140783A1 (ja) * 2012-03-19 2013-09-26 バンドー化学株式会社 高負荷伝動用vベルト
JP2014189578A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Nissin Kogyo Co Ltd 炭素繊維複合材料及びその製造方法
KR20180104636A (ko) * 2016-01-22 2018-09-21 반도 카가쿠 가부시키가이샤 마찰 전동 벨트 및 그 제조방법
KR102515424B1 (ko) * 2016-01-22 2023-03-29 반도 카가쿠 가부시키가이샤 마찰 전동 벨트 및 그 제조방법
WO2022075368A1 (ja) * 2020-10-08 2022-04-14 住友化学株式会社 ゴム組成物、及び成形体

Also Published As

Publication number Publication date
US20050113200A1 (en) 2005-05-26
DE102004055893A1 (de) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005155682A (ja) 伝動ベルト帆布用処理液、伝動ベルト用帆布及び伝動ベルト
JP3496830B2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
CN101070895B (zh) 带有布层的齿状动力传送带
CN1277878C (zh) 橡胶组合物和使用该橡胶组合物的动力传送带
CN1218135C (zh) 在其表面上具有织物材料的动力传动带
RU2521449C2 (ru) Зубчатый ремень и применение зубчатого ремня в масле
WO2010047051A1 (ja) 摩擦伝動ベルト
JPWO2011045984A1 (ja) 歯付きベルト
JP2006144988A (ja) Vリブドベルト及びそれを用いた自動車の補機駆動用ベルト伝動装置
JP6795466B2 (ja) 伝動ベルト及びその製造方法
US20220282769A1 (en) V-ribbed belt
WO2009040640A2 (en) Toothed belt comprising a resistant layer and resistant layer thereof
JP6739657B2 (ja) 摩擦伝動ベルト
US6361462B1 (en) V-ribbed power transmission belt
JP2006153249A (ja) 歯付ベルト駆動装置
JP5215274B2 (ja) 歯付きベルト
EP3604855B1 (en) Method for producing a friction transmission belt
JP6807212B2 (ja) Vリブドベルト及び動力伝達機構
CN111656047B (zh) 齿形带
US20100304909A1 (en) Resistant layer for a toothed belt and toothed belt thereof
JP2014167312A (ja) 伝動ベルト
JP6158465B1 (ja) 歯付ベルト及びその製造方法
JP2006124484A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルト
JP2004108576A (ja) 歯付ベルト
JP2010151209A (ja) 伝動ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101116