JP5303046B2 - 良好な醸造香を有する低糖質発酵飲料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、香味が優れかつ糖質が低減された発酵飲料とその製造方法に関し、詳しくは糖質低減のために発酵度をあげ、かつ希釈しても十分な風味であるように発酵過程において酢酸エチルに代表される醸造香の発生を高めたビールテイスト発酵飲料の製造方法に関する。
健康志向が高まる中、ビールや発泡酒等醸造酒といった嗜好性アルコール飲料にも低カロリーや低糖質といった機能を付加した商品へのニーズが高まっている。酒類中のカロリーは主としてアルコールと糖質に由来しており、酒類の飲用時のボディ感や風味に大きく寄与しているため、これらアルコールや糖質を低減させた場合はどうしてもそのボディ感や風味が損なわれてしまうという問題点があった。糖質を低減させるためには、1)発酵工程で残糖が少なくなるような高発酵となる原料を使用する、2)発酵工程を制御し高発酵とする、3)最終的な調整の段階で希釈或いは除去により減じる方法などがある。しかしながら、いずれも味の厚み、飲みごたえ、風味、ボディ感に欠けてしまう。その中で呈味について特開2003-47453号には、麦芽を原料とする低カロリー醸造酒について、甘味料をもちいた呈味の改善方法が開示されている。この方法によれば、風味、呈味、ボディ感等の主に呈味の改善がなされ、ビールテイストが実現できるが、香りが乏しくなることがあった。
また、醸造香について、発酵中酵母によって生成される高級アルコールやエステルなどの醸造香が挙げられるがその中でも酢酸イソアミルはバナナ様のフレーバーでフルーティーさを付与する醸造香であり、ビールや発泡酒に限らず、清酒、ワインなどでも嗜好性を高める物質としてこの成分を高める技術が注目されている。
たとえば、特開平11-235176 号では、酢酸イソアミル高生産酵母を用いて酢酸エステル産生量を改変した酒類の製造方法が開示されている。また、特開平6-30756 号には発酵温度を低下させるといった特殊な条件で発酵させることによるエステル香の高いビールの製造方法が開示されている。
他方、発酵液中のアミノ酸組成によっても酢酸イソアミルの制御が可能である。特にロイシンが発酵液中に豊富に存在すると、酵母によって取り込まれ資化される途中段階で、酢酸イソアミルの前駆体が豊富に生成されることにより、酢酸イソアミルの生成量が増加することが確認されている(非特許文献1)。
しかしながら、発酵飲料、特にビールテイスト発酵飲料及びその発酵液の製造方法において、中でも、麦芽など麦の使用量が少ない発酵液や高発酵用糖化液を使用する発酵液などの、麦由来のアミノ酸含有量の少ない場合において、発酵飲料に香味を付与する方法については充分な検討がなされていないのが現状である。また、低糖質及び/又は低カロリービールテイスト発酵飲料を実現するために、発酵液に含まれる糖分を発酵液の最終的な調整の段階で希釈或いは除去した場合でも豊富な香味及び呈味を実現する、低糖質及び/又は低カロリービールテイスト発酵飲料の製造方法が求められている。
特開平11-235176 特開平6-30756 号 特開2003-47453号
Journal of American Society of Brewing Chemists 59(4):157-162 (2001)
本発明は糖質を可能な限り低減しつつもビール様の香味を豊富に含む嗜好性の高い発酵飲料、特に低糖質及び/又は低カロリービールテイスト発酵飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、低糖質及び/又は低カロリービールテイスト発酵飲料を含む低糖質発酵飲料を製造する場合のように、糖質低減のために麦芽など麦由来の成分の使用比率を低くする場合において、生じた発酵液が酢酸イソアミルを豊富に含み、希釈した後でも十分な量の酢酸イソアミルを含む嗜好性の高い発酵液が得られるなら、低糖質発酵飲料、特に低糖質ビールテイスト飲料の製造原料として使用可能であることを見出した。
したがって本発明は、下記1)および2)の工程を含み、それ自体で発酵飲料または醸造酒として使用可能であり、または希釈して低糖質発酵飲料または低糖質醸造酒を製造する原料として使用することも可能な酢酸イソアミルを豊富に含む発酵液を製造する方法である:
1) 下記成分を水と混合して発酵原液を調製する工程:
a)糖化液を含む糖源、
b)発酵により下記(2) で規定する量の酢酸イソアミルを生じさせるのに十分なロイシンまたはロイシン残基を含むアミノ酸源、及び
c)所望によりホップおよび/または酵母エキス、
および
2) 上記発酵原液を醸造用酵母により発酵させるが、その際、(A) 発酵物上清中の不揮発性物質(真正エキスと呼ぶ)の量が 4.0 重量%未満、好ましくは 2.5 重量%未満に減少し、及び(B) 発酵物上清中の酢酸イソアミルが2.0ppm を超え且つ10.0ppm未満になるまで、発酵を行って発酵液を得、所望であれば酵母の除去を行う工程。
低糖質発酵飲料
本発明は低糖質の発酵飲料の製造を目的とする。低糖質とは、発酵飲料中の糖質濃度が、固形分換算で0.8重量%、特に0.5重量%未満であることを意味する。低糖質であることが好ましい発酵飲料には、清酒、ワイン、ビール、発泡酒、雑種、ビールテイスト発酵飲料などが含まれる。特に発泡酒、ビールテイスト発酵飲料が好ましく、特にビールテイスト発酵飲料が好ましい。
ビールテイスト発酵飲料とは、炭素源、窒素源、ホップ類などを原料とし、酵母で発酵させた飲料であって、ビールのような風味を有するものをいう。通常は麦芽および大麦、米、とうもろこしなどの穀物類を糖化して得た糖液や、糖類そのものから得た糖液などに、酵母を添加し発酵させる工程を経るが、窒素源としては、麦芽以外の植物由来のタンパク質もしくはその加水分解物を利用する場合もある。ビールテイスト発酵飲料としては、例えば、 ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、低アルコール発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の麦芽発酵飲料)などが挙げられる。
発酵原液
発酵原液には、酵母のアルコール発酵によって醸造酒を含む発酵飲料を製造するために必要な、アミノ酸、糖、ミネラル、その他の種々の成分を含む。本発明においては、発酵原液のアミノ酸源および糖源に以下に説明する工夫がある。
a)糖源
低糖質の醸造酒を含む発酵飲料を製造するためには、発酵原液の炭素源としては、麦芽等の穀物原料の代わりに、糖化工程を経ないでも酵母が資化可能な原料である糖化液を主要な糖源として用いる。糖化液は、糖化デンプンあるいは糖シロップとも呼ばれる。糖化液の発酵原液中での量は、固形分換算で5 〜 20 重量%である。糖化液は通常溶液のまま提供されるが、乾燥品を用いた場合にも発酵原液中に含まれたときの状態は本明細書の定義の糖化液である。特に糖質を低減させたい場合は、酵母が資化しやすい単糖類、二糖類、三糖類の組成がより大きい糖化液を用いることで発酵度を高めることができる。そのような比率の糖化液は例えば昭和産業社からMR750の商品名で市販されている。
低糖質発酵飲料の製造においては、炭素源のほぼ全てを糖化液とすることが特に好ましく、炭素源の80重量%以上を糖化液とするのがより好ましいが、発酵原液中の炭素源の少なくとも50重量%以上とし、残りの炭素源は麦芽、麦芽以外の麦、米、とうもろこしといった穀物原料を用いてもよい。その場合、穀物原料の糖化のために麦芽を使用する代わりに、他の植物、もしくは動物、微生物由来の酵素を使用して炭素源の糖化を十分に行ってもよい。
b)アミノ酸源
本発明においては、酵母発酵で資化されるアミノ酸源として、発酵により酢酸イソアミルを豊富に生じさせるのに十分な量のロイシンまたはロイシン残基を含むものを用いる。好ましいアミノ酸源は、穀物のタンパク分解物である。とうもろこしタンパク分解物が特に好ましい。
通常、低糖質ビールテイスト発酵飲料の原料に、麦以外の穀物を用いると、穀物由来の独特の臭いが強くなり、ビール様の好ましい風味が損われる。しかしながら、本発明者らは、穀物のタンパク分解物は麦以外のものでも穀物由来の独特の臭いを生じること無しに、ビールテイスト発酵飲料の原料として用い得ることを見出した。また、各種穀物のタンパク分解物について、アミノ酸組成や香味への影響などを詳細に検討した結果、とうもろこしタンパク分解物が分枝アミノ酸の1つであるロイシンを麦芽などに比べ豊富に含むこと、および、これを発酵液のアミノ酸源として添加し酵母発酵した場合、飲料中の酢酸イソアミル含量は非常に高くなること、さらには、麦芽を全くまたは少量しか原料に使用しなくても発酵飲料にビール様の風味を与えうることを見出した。
とうもろこしタンパク分解物は、とうもろこしを分画精製して得られたタンパク質画分を酸、アルカリまたは酵素で加水分解し、分解物を中和、脱色脱臭、精製、濃縮などの工程を得て得られる粉末またはペースト状の原料である。とうもろこしタンパク分解物は市販されているもの、例えば大日本明治製糖社製のエンザップCPなどを用いてもよい。
穀物のタンパク分解物、例えばとうもろこしタンパク分解物は、発酵原液(酵母発酵工程の仕込み液)中に対して、固形分換算で0.1〜0.5重量%含有させると、香味面で豊富な醸造香を醸し出すことができる。含有量がこの範囲外では、醗酵不良を起こし醗酵が不十分に進まない、あるいは高級アルコールなどの香気成分過剰・不足となり、より好ましくは0.2〜0.4重量%であると香味において十分且つ豊富な醸造香を得ることができる。
c)その他の成分
ホップについては本発明の低糖質発酵飲料が、ビールテイスト発酵飲料である場合の製造に使用する。ホップはビール等の製造に使用する通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを香味に応じて適宜選択使用する。さらに、イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップなどのホップ加工品を用いることもできる。
一方、本発明において、主な炭素源として糖化液を用いて、ビール様の風味づけのためにホップ、カラメル等の色素を添加する一般的なビールテイスト発酵飲料を目指す場合には、とうもろこしタンパク分解物を主な窒素源とすると、酵母発酵が充分に進まない場合がある。そのような場合、酵母増殖発酵助剤を用いることができる。酵母増殖発酵助剤は、一般に知られているもの、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて適量使用すればよい。中でも酵母エキスが好適に用いられる。酵母エキスは窒素源として作用する。その使用量は、酵母が旺盛に発酵する範囲であれば特に限定されないが、香味上、とうもろこしタンパク分解物と酵母エキスの重量比が、4 :6 〜8 :2 の範囲であることが望ましい。酵母増殖発酵促進助剤の使用に際しては、遊離アミノ態窒素濃度(FAN値)も考慮する必要があろう。FAN値とは、遊離のα−アミノ酸の総量に該当する量である。発酵原液のFAN 値はとうもろこしタンパク分解物や酵母エキスなど、窒素源となる原料の添加量によって調整することができるが5 〜22mg/100ml、好ましくは10〜20mg/100ml程度とすることが、酵母発酵を行う上で望ましい。
本発明の方法で製造されるビールテイスト発酵飲料は、酢酸イソアミルを豊富に含むので、酵母エキス等の酵母増殖発酵促進助剤を添加しても、原料独特の臭いを少なくできるのである。酵母増殖発酵促進剤を使用する場合は、これをアルコール発酵前の原料に添加しても良く、またはアルコール発酵中に添加してもよい。
更に、本発明においては、必要に応じて、色素や泡形成剤、香料、食品添加物などを添加することができる。色素についてはビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などをビール様の色彩を呈する量添加する。ビール様の泡を形成させるため、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、牛血清アルブミン等のタンパク質系物質などを適宜使用する。ビール様の風味付けのためにビール風味を有する香料を適量使用することができる。ビール様の呈味付けのために酸味料、甘味料、苦味料などの食品添加物を適宜使用することができる。例えば、特開2003-47453に開示されている低カロリー甘味料またはノンカロリー甘味料を3.0〜5.0重量ppm含有させると、ビールテ
イスト発酵飲料の風味、呈味、ボディー感を向上させることができる。
発酵工程
上記の成分を含む発酵原液から低糖質発酵飲料を製造する場合、糖源およびアミノ酸源に、場合によりホップ類を加えて混合し、混合液を煮沸し、固液分離した清澄な発酵原液に酵母を添加し酵母発酵を行う。なお、固液分離は発酵後に行ってもよい。
発酵は目的とする発酵飲料の製造に応じて選択した酵母を、アルコール発酵に適した条件で用いて行ってよいが、(A) 発酵物上清中の不揮発性物質(真正エキスと呼ぶ)の量が 4.0 重量%未満、好ましくは 2.5 重量%未満に減少し、及び(B) 発酵物上清中の酢酸イソアミルが1.0ppm を超え且つ10.0ppm未満になるまで、発酵を行うことが必要である。
不揮発性物質(真正エキスと呼ぶ)には主として原料の炭素源由来の糖質、窒素化合物(主としてたんぱく質の分解生成物)、ミネラル等が含まれ、真正エキスが上記の量未満になることは、本発明で製造する発酵飲料を低糖質にするために必須の要件である。
酢酸イソアミルが上記の範囲であることは、発酵により得られた発酵液を希釈して製造した低糖質の発酵飲料に十分な芳香を与えるために必須の要件である。酢酸イソアミルが上記範囲より少ないと希釈して製造した醸造酒の芳香が不足するが、酢酸イソアミルが上記範囲より多いと明らかに果実様となり、味も甘くしつこく感じられドリンカビリティーが失われるので避けるべきである。
発酵に用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して自由に選択できる。例えば、低カロリーのビール、発泡酒、ビールテイスト発酵飲料の場合、Weihenstephan 所有のNo.34 株を用いることができる。
希釈
発酵工程で得られる発酵液は、そのまま芳醇な醸造しとして使用できるが、さらなる糖質低減のために、希釈したときにも十分且つ豊富な醸造香を醸し出し、香味においても良好な低糖質発酵飲料、たとえば低糖質ビールテイスト発酵飲料を製造することができる。希釈は水により行うが、このとき低糖質発酵飲料に不足する呈味物質を補うため、酸味料、甘味料、苦味料、アルコールを一緒に添加してもよく、あるいは呈味物質の補足は、希釈操作後に別途行うこともできる。
希釈の目安としては、希釈後の発酵液中の成分真正エキス(A)、酢酸イソアミル(B)の含有量が、(A )<0.8重量%、(B )0.5ppm〜5.0ppmとなるよう希釈する。こうして、本発明の低糖質発酵飲料の製造方法によって、希釈したときにも十分且つ豊富な醸造香を醸し出し、香味においても良好な低糖質ビールテイスト発酵飲料を製造することができる。
したがって、本発明は、糖質低減のために発酵工程で酵母に資化される糖組成を多くもつ糖シロップととうもろこしタンパク分解物を原料の一部に用いることを特徴とする発酵飲料の製造方法、より詳細には、炭素源、窒素源、水、所望によりホップを含む原料からなる発酵原液をアルコール発酵させて発酵飲料を製造する方法において、糖質低減のために希釈されつつも原料にとうもろこしタンパク分解物を含めることにより、香味の優れた発酵飲料を製造する方法である。
〔発明の効果〕
本発明により、香味の優れた低糖質発酵飲料、特に低糖質ビールテイスト発酵飲料とその製造方法が提供される。特に、主な炭素源として糖類を用いるビールテイストの発酵飲料において、主な窒素源として、ロイシンを多く含むとうもろこしタンパク分解物を用い、更に、酵母エキスなどの増殖発酵助剤を用いることで、糖質の含有量が 0.49g/100ml程度まで希釈した後も酢酸イソアミル含量の高い、香味の優れた発酵飲料が提供される。因みにこの糖濃度は、厚生労働省の栄養表示基準により、ビールテイスト発酵飲料の製品に糖質0と表示してもよいとされている。
実施例1 とうもろこしタンパク分解物の発酵飲料への影響
とうもろこしタンパク分解物を用いた発酵液の酢酸イソアミル含量に与える影響を検討した。
市販の糖シロップ(加藤化学製)を用い、10重量%糖液としたものにカラメル色素0.03%、ペレットホップ0.03%を添加し、とうもろこしタンパク分解物0.2%プラス酵母エキス0.2%
を添加した(試料A)。これらの試料を60-80分間煮沸したのち、ホップ粕を静置にて除去し、それぞれ発酵原液を得た。
一方、麦芽比率24%、副原料として同糖シロップ比率76%として常法により調整した発泡酒麦汁(試料B)を作成した。
これらの発酵原液を酵母発酵させて、発酵液を製造した(発酵液A、発酵液B)。各発酵原液に、ビール酵母Weihenstephan-34株を0.4-0.6%加え、12-15℃にて6-8日間発酵させた後、発酵終了モロミから酵母を除いた上清を40℃で保持し気液平衡に達した気相中の酢酸イソアミル量を、Analytica-EBC(EBC:Europian Brewery Convention)記載の方法に則り、ガスクロマトグラフィーにて分析した。
結果を表1に示す。
Figure 0005303046
本発明品である、とうもろこしタンパクを原料として調製した発酵液Aは、発酵液Bに比較して、液中の酢酸イソアミルの含量が高かった。
以上より、とうもろこしタンパク分解物を原料として用いると、発酵液中の酢酸イソアミル生成が非常に高いことが確認された。
ここで、栄養成分表示「糖質0g(100mlあたり)」を実現すべく、上記発酵液を希釈し、発酵飲料を作成した。栄養表示基準に基づき、糖質が0(ゼロ)と表示できる基準は飲用に供する液状の食品では糖質が100mlあたり0.5g未満であればよい。また、真正エキスは糖質、たんぱく質等を含む値であることから真正エキスで0.4w/w%となるようにそれぞれ希釈した(発酵飲料A、発酵飲料B)。なお、この発酵液は比重が高くても1.04であることから、この真正エキスでも糖質は100mlあたり0.5gを超えることはない。
実施例2 官能評価
これら発酵飲料の酢酸イソアミルおよび醸造香の官能評価の結果を表2に示す。
Figure 0005303046
本発明品である、とうもろこしタンパクを原料として調製した発酵飲料Aは糖質低減のために希釈しても十分な醸造香を有し、実際の発酵飲料製造に適用できることが示された。
実施例3 実際の製造例
仕込水85kgに対し、四糖類以上の糖組成が7%の糖シロップ(加藤化学製)を15kg、とうもろこしタンパク分解物180g(0.18重量%)、酵母エキス200g(0.2重量%)、カラメル色素200g、ペレットホップ160gを加えた。これらを60分間煮沸した後、静置してホップ粕」を除き、発酵原液を得た。この発酵原液に、ビール酵母(Weihenstephan-34株)を20×106cells/mlになるように添加し、温度13℃にて8日間発酵させた。炭素源資化終了後、ろ過により酵母を取り除き、5Lの発酵後液に対し15Lの脱気水にて4倍希釈し、得られた発酵飲料を瓶に充填した。この発酵飲料の発酵終了時(希釈前)、および瓶充填時(希釈後)での酢酸イソアミル含量をAnalytica-EBC法に則り、ガスクロマトグラフィーにて測定した。また、製品
の真正エキスをBCOJ法により測定した。
結果を表3に示す。
Figure 0005303046
糖質を下げるために4倍希釈したにも拘わらず生成した酢酸イソアミルは希釈後でも1.2ppmと、通常市販ビール並の値となり本発明が実際の発酵飲料製造に適用できることが示
された。

Claims (12)

  1. (1) 下記成分を水と混合して発酵原液を調製する工程:
    a)糖化液を含む糖源、
    b)発酵により下記(2)で規定する量の酢酸イソアミルを生じさせるのに十分なロイシンまたはロイシン残基を含む穀類のタンパク質、
    c)ホップ、及び
    d)酵母エキス、
    及び
    (2) 上記発酵原液をビール酵母により発酵させるが、その際、(A)発酵物上清中の不揮発性物質(真正エキスと呼ぶ)の量が4.0重量%未満に減少し、及び(B)発酵物上清中の酢酸イソアミルが2.0ppm を超え且つ10.0ppm未満になるまで、発酵を行って発酵液を得たのちに、酵母の除去を行う工程、
    (3) 得られた発酵液を水で希釈する工程、
    を含んでなる方法により製造される、糖質が0.8重量%以下、酢酸イソアミル量が 0.5ppm以上、およびアルコール濃度が 1%以上8%以下であることを特徴とする低糖質発酵飲料。
  2. 前記糖質が0.5重量%以下ある、請求項1記載の低糖質発酵飲料。
  3. ロイシンまたはロイシン残基を含む穀類のタンパク質がとうもろこしタンパク質であり、固形分換算で発酵原液中に0.1〜0.5重量%用いられる、請求項または記載の低糖質発酵飲料。
  4. とうもろこしのタンパク質は、酵素分解または加水分解されたものである、請求項記載の低糖質発酵飲料。
  5. 糖化液は、3糖類、2糖類及び単糖類の合計が全糖分の 80%以上を占める糖化液である、請求項のいずれか1項記載の低糖質発酵飲料。
  6. 固形分換算で、発酵原液中の糖化液は、5〜20重量%である、請求項のいずれか1項記載の低糖質発酵飲料。
  7. 発酵液を8 倍以下に希釈する、請求項のいずれか1項記載の低糖質発酵飲料。
  8. 製造された低糖質発酵飲料に、さらにアルコールを添加して、低糖質発酵飲料のアルコール濃度を 1%以上 8%以下にする工程を含む、請求項のいずれか1項記載の低糖質発酵飲料。
  9. 低糖質ビールテイスト発酵飲料である、請求項1〜のいずれか1項記載の低糖質発酵飲料。
  10. 低カロリー且つ低糖質ビールテイスト発酵飲料であってアルコール濃度が 6.3%以下である、請求項1〜のいずれかに記載の低糖質発酵飲料。
  11. 低カロリー甘味料またはノンカロリー甘味料を 3.0〜5.0重量ppm含有する、低カロリー且つ低糖質ビールテイスト発酵飲料である、請求項1〜10のいずれかに記載の低糖質発酵飲料。
  12. (1) 下記成分を水と混合して発酵原液を調製する工程:
    a)糖化液を含む糖源、
    b)発酵により下記(2)で規定する量の酢酸イソアミルを生じさせるのに十分なロイシンまたはロイシン残基を含む穀類のタンパク質、
    c)ホップ、及び
    d)酵母エキス、
    及び
    (2) 上記発酵原液をビール酵母により発酵させるが、その際、(A)発酵物上清中の不揮発性物質(真正エキスと呼ぶ)の量が4.0重量%未満に減少し、及び(B)発酵物上清中の酢酸イソアミルが2.0ppm を超え且つ10.0ppm未満になるまで、発酵を行って発酵液を得たのちに、酵母の除去を行う工程、
    (3) 得られた発酵液を水で希釈する工程、
    を含んでなる、糖質が0.8重量%以下、酢酸イソアミル量が 0.5ppm以上、およびアルコール濃度が 1%以上8%以下であることを特徴とする低糖質発酵飲料の製造方法。
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