JPH0630756A - エステル香の高いビールとその製造法 - Google Patents
エステル香の高いビールとその製造法Info
- Publication number
- JPH0630756A JPH0630756A JP4210752A JP21075292A JPH0630756A JP H0630756 A JPH0630756 A JP H0630756A JP 4210752 A JP4210752 A JP 4210752A JP 21075292 A JP21075292 A JP 21075292A JP H0630756 A JPH0630756 A JP H0630756A
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- JP
- Japan
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- beer
- fermentation
- acetate
- wort
- high ester
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- Pending
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- Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エステル含量が高く華やかな香りのビールを
製造するための新しい醸造方法と該ビールの提供。 【構成】 発酵液のエキス含量の低下速度が2%/Da
y以上になったときに、発酵温度を低下させて、酢酸エ
チル30ppm以上、酢酸イソアミル3.0ppm以上
および酢酸β−フェネチル0.4ppm以上を含有する
エステル香の高いビールを得ること。
製造するための新しい醸造方法と該ビールの提供。 【構成】 発酵液のエキス含量の低下速度が2%/Da
y以上になったときに、発酵温度を低下させて、酢酸エ
チル30ppm以上、酢酸イソアミル3.0ppm以上
および酢酸β−フェネチル0.4ppm以上を含有する
エステル香の高いビールを得ること。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エステル香の高いビー
ルとその製造法に関する。
ルとその製造法に関する。
【0002】
【従来技術】ビール醸造において、発酵の際に生成する
エステルは、ビールの嗜好性、品質などに重要な影響を
与えるものである。そのエステルには、酢酸エチル、酢
酸イソアミル、カプロン酸エチルなどがあり、果実様あ
るいは花様の芳香を放ち、これらの含有量が発酵の段階
で高くなると香り豊かな飲料が得られる。しかしなが
ら、発酵の際に効果的にエステルを生成する発酵制御方
法については報告が少なく、例えば、特開昭63−25
4975号に麦汁に複数回補糖しながら発酵し発酵後熟
成段階初期に再度酵母を添加してアルデヒドやダイアセ
チル等に基因するいやな臭いを除き、エステルや高級ア
ルコール含量を高めた調理用ビールの製法等の開示があ
るにとどまる。一方、特開平3−112479号、特開
昭62−6669号、特開平2−13368号などのよ
うに発酵制御方法以外のエステル類の含量を高める方法
として、発酵に用いられる酵母自体に変異を起こさせた
特殊な酵母を利用する方法がある。しかし、これらの技
術はいずれもイソアミルアルコールやβ−フェネチルア
ルコールよりなる高級アルコールと酢酸イソアミルや酢
酸β−フェネチルよりなるエステルの併用に注目した技
術であり、酢酸エチルの共存による技術は存在していな
かった。
エステルは、ビールの嗜好性、品質などに重要な影響を
与えるものである。そのエステルには、酢酸エチル、酢
酸イソアミル、カプロン酸エチルなどがあり、果実様あ
るいは花様の芳香を放ち、これらの含有量が発酵の段階
で高くなると香り豊かな飲料が得られる。しかしなが
ら、発酵の際に効果的にエステルを生成する発酵制御方
法については報告が少なく、例えば、特開昭63−25
4975号に麦汁に複数回補糖しながら発酵し発酵後熟
成段階初期に再度酵母を添加してアルデヒドやダイアセ
チル等に基因するいやな臭いを除き、エステルや高級ア
ルコール含量を高めた調理用ビールの製法等の開示があ
るにとどまる。一方、特開平3−112479号、特開
昭62−6669号、特開平2−13368号などのよ
うに発酵制御方法以外のエステル類の含量を高める方法
として、発酵に用いられる酵母自体に変異を起こさせた
特殊な酵母を利用する方法がある。しかし、これらの技
術はいずれもイソアミルアルコールやβ−フェネチルア
ルコールよりなる高級アルコールと酢酸イソアミルや酢
酸β−フェネチルよりなるエステルの併用に注目した技
術であり、酢酸エチルの共存による技術は存在していな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、前述の現
状に鑑み、エステル量を制御することのできるビールの
新しい醸造方法を確立するとともに、高いエステル含量
の華やかな香りのビールを提供することを目的とした。
状に鑑み、エステル量を制御することのできるビールの
新しい醸造方法を確立するとともに、高いエステル含量
の華やかな香りのビールを提供することを目的とした。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者は、複雑な発酵
方法を使用することなく、香気成分の多い華やかな香り
のビールを製造する新しい方法を開発するため鋭意研究
を重ねた結果、極めて有効な方法を発見したものであ
る。すなわち、本発明の第一は、酢酸エチル30ppm
以上、酢酸イソアミル3.0ppm以上、および酢酸β
−フェネチル0.4ppm以上を含有することを特徴と
するエステル香の高いビールに関する。本発明の第二
は、麦汁に酵母を添加して発酵を行うビール醸造におい
て、発酵液のエキス含量の低下速度が2%/Day以上
になったときに、発酵温度を低下させることを特徴とす
るエステル香の高いビールの製造法に関する。前記発酵
温度の低下は1〜3℃の範囲内であることが好ましい。
本発明は、通常のビール醸造のどの形態においても有効
である。しかし、このうち特に上面発酵酵母を用いたビ
ール醸造に有効である。発酵液のエキスは、おもに発酵
液中のマルトトリオース、マルトース、グルコース等の
糖成分を指し、発酵液のエキス含量を測定する方法とし
ては、通常利用されている密度計による測定が利用でき
る。
方法を使用することなく、香気成分の多い華やかな香り
のビールを製造する新しい方法を開発するため鋭意研究
を重ねた結果、極めて有効な方法を発見したものであ
る。すなわち、本発明の第一は、酢酸エチル30ppm
以上、酢酸イソアミル3.0ppm以上、および酢酸β
−フェネチル0.4ppm以上を含有することを特徴と
するエステル香の高いビールに関する。本発明の第二
は、麦汁に酵母を添加して発酵を行うビール醸造におい
て、発酵液のエキス含量の低下速度が2%/Day以上
になったときに、発酵温度を低下させることを特徴とす
るエステル香の高いビールの製造法に関する。前記発酵
温度の低下は1〜3℃の範囲内であることが好ましい。
本発明は、通常のビール醸造のどの形態においても有効
である。しかし、このうち特に上面発酵酵母を用いたビ
ール醸造に有効である。発酵液のエキスは、おもに発酵
液中のマルトトリオース、マルトース、グルコース等の
糖成分を指し、発酵液のエキス含量を測定する方法とし
ては、通常利用されている密度計による測定が利用でき
る。
【0005】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例によって説明す
る。 実施例1 麦汁中のエキス分(原麦汁エキス)を12%に調整した
麦汁にビール酵母(Sacarromyces cer
evisiae)(上面発酵酵母)を10×106ce
lls/mlの割合で添加し、17℃で発酵させた。そ
の後、密度計により発酵液中のエキス成分の濃度(外観
エキス)を測定し、6%になった時点で温度を1℃下
げ、その後3日間そのままの条件で発酵を継続し、本発
明のビールを得た。
る。 実施例1 麦汁中のエキス分(原麦汁エキス)を12%に調整した
麦汁にビール酵母(Sacarromyces cer
evisiae)(上面発酵酵母)を10×106ce
lls/mlの割合で添加し、17℃で発酵させた。そ
の後、密度計により発酵液中のエキス成分の濃度(外観
エキス)を測定し、6%になった時点で温度を1℃下
げ、その後3日間そのままの条件で発酵を継続し、本発
明のビールを得た。
【0006】実施例2 原麦汁エキスを12%に調整した麦汁に、ビール酵母
(Sacarromyces cerevisiae)
を10×106cells/mlの割合で添加し、17
℃で発酵させた。その後、密度計により発酵液中の外観
エキスを測定し、6%になった時点で温度を3℃下げ、
3日間14℃で発酵を継続し、本発明のビールを得た。
(Sacarromyces cerevisiae)
を10×106cells/mlの割合で添加し、17
℃で発酵させた。その後、密度計により発酵液中の外観
エキスを測定し、6%になった時点で温度を3℃下げ、
3日間14℃で発酵を継続し、本発明のビールを得た。
【0007】比較例1 実施例1と同様に調整した麦汁に、実施例1と同じビー
ル酵母を同じ割合で添加し、その後、17℃で発酵し、
通常の発酵法によるビールを得た。 比較例2 実施例1と同様に調整した麦汁に、実施例1と同じビー
ル酵母を同じ割合で添加の後、15℃で発酵して、通常
の発酵法によるビールを得た。
ル酵母を同じ割合で添加し、その後、17℃で発酵し、
通常の発酵法によるビールを得た。 比較例2 実施例1と同様に調整した麦汁に、実施例1と同じビー
ル酵母を同じ割合で添加の後、15℃で発酵して、通常
の発酵法によるビールを得た。
【0008】実施例と比較例とのエステル含量の比較 実施例と比較例とで得られたビール中のエステル含量と
して酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸β−フェネチル
を測定し、比較した結果を表1に示す。エステル含量は
ガスクロマトグラフィー法により測定した。
して酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸β−フェネチル
を測定し、比較した結果を表1に示す。エステル含量は
ガスクロマトグラフィー法により測定した。
【表1】
【0009】
【効果】本発明の製造法によれば、簡単な方法により従
来のビールに比べて1.5〜2倍のエステル成分すなわ
ち、酢酸エチル30ppm以上、酢酸イソアミル3.0
ppm以上、酢酸β−フェネチル0.4ppm以上を含
有する華やかな香りのビールを得ることができた。
来のビールに比べて1.5〜2倍のエステル成分すなわ
ち、酢酸エチル30ppm以上、酢酸イソアミル3.0
ppm以上、酢酸β−フェネチル0.4ppm以上を含
有する華やかな香りのビールを得ることができた。
Claims (4)
- 【請求項1】 酢酸エチル30ppm以上、酢酸イソア
ミル3.0ppm以上および酢酸β−フェネチル0.4
ppm以上を含有することを特徴とするエステル香の高
いビール。 - 【請求項2】 前記ビールが上面発酵ビールである請求
項1記載のエステル香の高いビール。 - 【請求項3】 麦汁に酵母を添加して発酵を行うビール
醸造において、発酵液のエキス含量の低下速度が2%/
Day以上になったときに、発酵温度を低下させること
を特徴とするエステル香の高いビールの製造法。 - 【請求項4】 発酵温度を1〜3℃の範囲内で低下させ
ることを特徴とする請求項3に記載のエステル香の高い
ビールの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210752A JPH0630756A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | エステル香の高いビールとその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210752A JPH0630756A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | エステル香の高いビールとその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0630756A true JPH0630756A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16594542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4210752A Pending JPH0630756A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | エステル香の高いビールとその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0630756A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012105673A (ja) * | 2012-02-29 | 2012-06-07 | Suntory Holdings Ltd | 良好な醸造香を有する低糖質発酵飲料の製造方法 |
BE1020273A5 (nl) * | 2012-09-19 | 2013-07-02 | Duvel Moortgat Nv | Werkwijze voor het behouden van de smaaksensorische kwaliteit in bier. |
JP2016524471A (ja) * | 2013-06-18 | 2016-08-18 | アンハイザー−ブッシュ インベブ ソシエテ アノニムAnheuser−Busch InBev SA | 発酵飲料を調製する方法およびこのようにして製造される飲料 |
JP2019201613A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | サッポロビール株式会社 | ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法 |
JP2020099288A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | アサヒビール株式会社 | アルコールテイスト飲料 |
JPWO2019198144A1 (ja) * | 2018-04-10 | 2021-02-25 | サントリーホールディングス株式会社 | ビールテイスト飲料及びその製造方法 |
CN114989917A (zh) * | 2022-07-20 | 2022-09-02 | 劲牌有限公司 | 一种高酸高酯清香型小曲酒酿造工艺 |
-
1992
- 1992-07-15 JP JP4210752A patent/JPH0630756A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012105673A (ja) * | 2012-02-29 | 2012-06-07 | Suntory Holdings Ltd | 良好な醸造香を有する低糖質発酵飲料の製造方法 |
BE1020273A5 (nl) * | 2012-09-19 | 2013-07-02 | Duvel Moortgat Nv | Werkwijze voor het behouden van de smaaksensorische kwaliteit in bier. |
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JP2022060410A (ja) * | 2018-04-10 | 2022-04-14 | サントリーホールディングス株式会社 | ビールテイスト飲料及びその製造方法 |
JP2019201613A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | サッポロビール株式会社 | ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法 |
JP2020099288A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | アサヒビール株式会社 | アルコールテイスト飲料 |
CN114989917A (zh) * | 2022-07-20 | 2022-09-02 | 劲牌有限公司 | 一种高酸高酯清香型小曲酒酿造工艺 |
CN114989917B (zh) * | 2022-07-20 | 2023-11-17 | 劲牌有限公司 | 一种高酸高酯清香型小曲酒酿造工艺 |
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