JPWO2020157891A1 - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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    • C12G3/06Preparation of other alcoholic beverages by mixing, e.g. for preparation of liqueurs with flavouring ingredients

Abstract

3−メルカプトヘキサン−1−オール(3MH)を含有するビールテイスト飲料であって、α酸の含有量に対する3MHの含有量の質量比(3MH(ppt)/α酸(ppm))が180以上である、ビールテイスト飲料。本発明によれば、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減された、風味の良いビールテイスト飲料を提供できる。

Description

本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにホップ処理物及びその製造方法に関する。
近年の消費者の嗜好の多様化にともなって、様々な香味特徴をもつビールテイスト飲料の開発が望まれている。ビールテイスト飲料の原料として使用されるホップは、香り付けに有用であることが知られている。例えば、特許文献1には、青臭さが低減したホップ香気を付与するために、ホップ又はホップ加工品を、過熱蒸気の存在下で加熱処理して得られた高温加熱処理ホップを、ビールテイスト飲料を製造する過程で得られる中間液に添加することなどが開示されている。
特開2017−46670号公報
しかしながら、特許文献1では、揮発性の高い香気成分が揮散してしまい、効率的にホップ香気を付与することは難しいものであった。また、ホップ香気を向上させるために、ホップを多量に使用すると、ホップに由来する質の悪い苦味が付与されてしまうことがあった。
本発明の課題は、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減されたビールテイスト飲料、及びその製造方法を提供することである。また、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減されたホップ処理物、及びその製造方法を提供することである。
本発明は、下記の[1]〜[4]に関する。
[1]3−メルカプトヘキサン−1−オール(3MH)を含有するビールテイスト飲料であって、α酸の含有量に対する3MHの含有量の質量比(3MH(ppt)/α酸(ppm))が180以上である、ビールテイスト飲料。
[2][1]記載のビールテイスト飲料の製造方法であって、ホップ含有水を130〜160℃、0.27〜0.62MPaの条件下で高温高圧処理して得られたホップ処理物を、ビールテイスト飲料の製造にかかるいずれかの工程において添加する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[3]ホップ含有水を130〜160℃、0.27〜0.62MPaの条件下で高温高圧処理する工程を含む、ホップ処理物の製造方法。
[4][3]記載の製造方法により得られる、ホップ処理物。
本発明によれば、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減されたビールテイスト飲料、及びその製造方法を提供することができる。また、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減されたホップ処理物、及びその製造方法を提供することができる。
本発明の発明者らが、上記課題について鋭意検討した結果、ビールテイスト飲料におけるα酸の含有量に対する3−メルカプトヘキサン−1−オール(3MH)の含有量の質量比を一定以上とすることで、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減されたビールテイスト飲料が得られることがわかった。
本発明のビールテイスト飲料は、3−メルカプトヘキサン−1−オール(3MH)を含有する。3MHは、グレープフルーツ様の香りをもつ成分であり、一般的なビール中にも0〜50ppt程度の量が含まれている。本発明のビールテイスト飲料における3MHの含有量は、芳醇なグレープフルーツ様の香りを付与する観点から、好ましくは50ppt以上であり、より好ましくは75ppt以上であり、さらに好ましくは100ppt以上であり、さらに好ましくは125ppt以上であり、さらに好ましくは150ppt以上であり、さらに好ましくは175ppt以上であり、さらに好ましくは200ppt以上であり、また、香りのバランスの観点から、好ましくは1200ppt以下であり、より好ましくは1000ppt以下であり、さらに好ましくは800ppt以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
α酸は、ホップに含まれる苦味成分であるが、ホップ由来の嫌な苦みの一因であると考えられる。本発明のビールテイスト飲料におけるα酸の含有量は、下記3MHの含有量との質量比を満足する限りにおいて特に限定されるものではないが、ホップ由来の嫌な苦みを低減する観点から、好ましくは1.0ppm以下であり、より好ましくは0.8ppm以下であり、さらに好ましくは0.5ppm以下であり、さらに好ましくは0ppmである。
本発明のビールテイスト飲料において、α酸の含有量に対する3MHの含有量の質量比(3MH(ppt)/α酸(ppm))は、芳醇なグレープフルーツ様の香りを付与し、かつホップ由来の嫌な苦みを低減する観点から、180以上であり、好ましくは210以上であり、より好ましくは240以上であり、さらに好ましくは270以上であり、さらに好ましくは300以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、15000以下、12000以下、10000以下、8000以下などとすることができ、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料は、さらにイソα酸を含有することができる。イソα酸の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜50ppmである。
本発明のビールテイスト飲料は、さらに4−メルカプト−4−メチルペンタン−2−オン(4MMP)を含有することができる。4MMPは、カシス様の香りをもつ成分であり、一般的なビール中にも0〜5ppt程度の量が含まれている。本発明のビールテイスト飲料における4MMPの含有量は、カシス様の香りを付与する観点から、好ましくは4ppt以上であり、より好ましくは8ppt以上であり、さらに好ましくは12ppt以上であり、さらに好ましくは16ppt以上であり、さらに好ましくは20ppt以上であり、さらに好ましくは24ppt以上であり、さらに好ましくは28ppt以上であり、また、香りのバランスの観点から、好ましくは700ppt以下であり、より好ましくは500ppt以下であり、さらに好ましくは300ppt以下であり、さらに好ましくは250ppt以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料において、α酸の含有量に対する4MMPの含有量の質量比(4MMP(ppt)/α酸(ppm))は、カシス様の香りを付与し、かつホップ由来の嫌な苦みを低減する観点から、好ましくは4以上であり、より好ましくは12以上であり、さらに好ましくは20以上であり、さらに好ましくは28以上であり、さらに好ましくは36以上であり、さらに好ましくは44以上であり、さらに好ましくは52以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、7000以下、5000以下、3500以下、2500以下などとすることができ、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料の製造方法は、特に限定されるものではないが、ビールテイスト飲料の製造にかかるいずれかの工程においてホップ処理物を添加する製造方法が挙げられる。3MHや4MMPは、その大部分がペプチドやアミノ酸と結合した前駆体の状態でホップ中に存在しており、発酵中に酵母によって代謝され、遊離チオールへと変換されるが、ビールテイスト飲料の製造における変換効率は、通常、数パーセント程度と低い。本態様の製造方法で用いられるホップ処理物においては、130℃以上の水相中でホップを高温高圧処理することにより、チオール前駆体からの変換を促進して3MHや4MMPを顕著に増加できると共に、α酸の異性化を促進するため嫌な苦味が少ない。従って、本発明のビールテイスト飲料の製造方法として、このようなホップ処理物をビールテイスト飲料に添加する態様が好適に例示される。
本態様の製造方法で用いられるホップ処理物は、ホップおよび水を含むホップ含有水を、好ましくは130〜160℃、0.27〜0.62MPa、より好ましくは135〜150℃、0.31〜0.48MPaの条件下で高温高圧処理をして得ることができる。処理時間は、好ましくは10分以上であり、より好ましくは15分以上であり、さらに好ましくは20分以上であり、上限値は特に限定されるものではないが、90分以下、75分以下、60分以下などとすることができ、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。また、ホップ処理物の調製に用いるホップとしては、3MHを得る観点から、3MH前駆体成分を含む、アマリロ、アポロ、カスケード、ザーツ、シトラ、シムコー、シュトリッセルシュパルト、チヌーク、トラディション、ナゲット、ネルソンソーヴィン、ハラタウブラン、ペルレなどの品種を用いることができる。ホップ処理物において、さらに4MMPを含有させる場合には、4MMP前駆体成分を含む、シトラなどの品種を用いればよい。
本態様の製造方法で用いられるホップ処理物における3MHの含有量は、芳醇なグレープフルーツ様の香りを付与する観点から、好ましくは250ppt以上であり、より好ましくは300ppt以上であり、さらに好ましくは500ppt以上であり、また、香りのバランスの観点から、好ましくは10000ppt以下であり、より好ましくは7500ppt以下であり、さらに好ましくは5000ppt以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本態様の製造方法で用いられるホップ処理物におけるα酸の含有量は、ホップ由来の嫌な苦みを低減する観点から、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは60ppm以下であり、さらに好ましくは40ppm以下であり、さらに好ましくは0ppmである。
本態様の製造方法で用いられるホップ処理物におけるα酸の含有量に対する3MHの含有量の質量比(3MH(ppt)/α酸(ppm))は、芳醇なグレープフルーツ様の香りを付与し、かつホップ由来の嫌な苦みを低減する観点から、5以上であり、好ましくは7.5以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは25以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、200以下、150以下、125以下などとすることができ、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本態様の製造方法で用いられるホップ処理物における4MMPの含有量は、カシス様の香りを付与する観点から、好ましくは500ppt以上であり、より好ましくは1000ppt以上であり、さらに好ましくは5000ppt以上であり、また、香りのバランスの観点から、好ましくは10000ppt以下であり、より好ましくは9000ppt以下であり、さらに好ましくは8000ppt以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本発明の製造方法において、ビールテイスト飲料は、アルコールを含有するビールテイスト飲料であっても、ノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。以下にそれぞれの場合におけるホップ処理物を添加する態様の製造方法を例示するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明にかかるビールテイスト飲料の一態様として、アルコールを含有するビールテイスト飲料が挙げられるが、ホップ処理物をビールテイスト飲料の製造工程中に添加する以外は、一般的なビールテイスト飲料と同様にして製造できる。また、このときのアルコールとはエタノールを指し、エタノール含量としては容量比で1%〜10%が好ましいが、特に限定されるものではない。さらに、該ビールテイスト飲料に含まれるアルコール分の由来としては、醗酵、非醗酵に限定されるものではない。以下に、一般的なビールテイスト飲料の製造工程を示す。一般的なビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり、以下のように製造することができる。
麦芽を原料として使用して製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から貯酒終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてホップ処理物の添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、揮発抑制の観点から、煮沸終了以降の工程において添加することが好ましい。
麦芽を原料として使用せずに製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。この糖化液の代替として、麦芽以外の原料を用いたエキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から貯酒終了前のどの段階で混合してもよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてホップ処理物の添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、揮発抑制の観点から、煮沸終了以降の工程において添加することが好ましい。
非醗酵かつアルコールを含有するビールテイスト飲料は、麦芽を使用する、しないに限らず、原料用アルコールなどを加えることにより最終製品のアルコール分を調整したものでもよい。原料用アルコールの添加は、糖化工程から充填工程までのどの工程で行ってもよい。前記各工程においてホップ処理物の添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、揮発抑制の観点から、煮沸終了以降の工程において添加することが好ましい。
本発明にかかるビールテイスト飲料の一態様として、ノンアルコールビールテイスト飲料が挙げられるが、ホップ処理物をビールテイスト飲料の製造工程中に添加する以外は、一般的なノンアルコールビールテイスト飲料と同様にして製造できる。以下に、一般的な非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料の製造工程を下記に示す。酵母による発酵工程を有さないことにより、ノンアルコールビール等のノンアルコールビールテイスト飲料を容易に製造することができる。一般的な非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり以下のように製造することができる。
麦芽を原料として使用して製造されるノンアルコールビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から貯酒終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてホップ処理物の添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、揮発抑制の観点から、煮沸終了直前において添加することが好ましい。
麦芽を原料として使用しないノンアルコールビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。煮沸後の液糖溶液に対して、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてホップ処理物の添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、揮発抑制の観点から、煮沸終了直前において添加することが好ましい。
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。このうち、「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、アルコール度数が1%未満のビールテイスト飲料であり、好ましくは、アルコールを実質的に含まない。ここで、アルコールを実質的に含まない態様の飲料は、検出できない程度の極微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、ノンアルコールビールテイスト飲料に包含される。本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。なお、ここでの「アルコール度数(アルコール含有量)」はエタノールの含有量を意味し、脂肪族アルコールは含まれない。
本発明にかかるビールテイスト飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール度が1.0%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。
本発明にかかるビールテイスト飲料に、酒感を付与する観点から、脂肪族アルコールを添加してもよい。脂肪族アルコールとしては、公知のものであれば特に制限されないが、炭素数4〜5の脂肪族アルコールが好ましい。本発明において、好ましい脂肪族アルコールとしては、炭素数4のものとして、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール等が、炭素数5のものとして、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合せで用いることができる。炭素数4〜5の脂肪族アルコールの含有量は好ましくは0.0002〜0.0007質量%であり、より好ましくは0.0003〜0.0006質量%である。本明細書において、脂肪族アルコールの含有量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ法を用いて測定することができる。
(カロリー)
本発明にかかるビールテイスト飲料のうち、ノンアルコールビールテイスト飲料については、近年の低カロリー嗜好に合わせて、低カロリーであることが望ましい。従って、本発明にかかるビールテイスト飲料のカロリー数は、好ましくは5kcal/100mL未満、より好ましくは4kcal/100mL未満、更に好ましくは3kcal/100mL未満である。
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれるカロリー数は、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれる各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。または、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。
(糖質)
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれる糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分及び水分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除することにより算定される。この場合に、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法またはレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法またはプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法または硫酸添加灰化法で測定し、水分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧過熱乾燥法、常圧加熱乾燥法またはプラスチックフィルム法で測定する。
本発明にかかるビールテイスト飲料は、近年の低糖質嗜好に合わせて、低糖質であることが望ましい。従って、本発明にかかるビールテイスト飲料の糖質の含有量は、好ましくは0.5g/100mL未満、より好ましくは0.4g/100mL以下、更に好ましくは0.3g/100mL以下である。また、下限は特に設定されないが、通常、0.1g/100mL程度であり、例えば、0.15g/100mL以上であっても、0.2g/100mL以上であってもよい。
(酸味料)
本発明にかかるビールテイスト飲料において使用される酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
酸味料の含有量は、本発明にかかるビールテイスト飲料中、クエン酸換算で、ビールテイスト感の付与の観点から、200ppm以上が好ましく、550ppm以上がより好ましく、700ppm以上がさらに好ましく、また、酸味の観点から、15000ppm以下が好ましく、5500ppm以下がより好ましく、2000ppm以下がさらに好ましい。従って、本発明において、酸味料の含有量は、クエン酸換算で、200ppm〜15000ppm、好ましくは550ppm〜5500ppm、より好ましくは700ppm〜1500ppmなどの好適範囲が挙げられる。なお、本明細書において、クエン酸換算量とは、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度から換算される量のことであり、例えば、乳酸100ppmに相当するクエン酸換算量は120ppm、リン酸100ppmに相当するクエン酸換算量は200ppm、リンゴ酸100ppmに相当するクエン酸換算量は125ppmとして換算する。
ビールテイスト飲料中の酸味料の含有量については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により分析して算出されたものを指す。
(ホップ)
本発明にかかるビールテイスト飲料においては、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明にかかるビールテイスト飲料に使用されるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001〜1重量%程度である。
(その他の原料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、苦味料、香料、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
かくして本発明にかかるビールテイスト飲料が得られる。本発明にかかるビールテイスト飲料のpHは、飲料の風味を良好にする観点から、3.0〜5.0であり、3.5〜4.5が好ましく、さらに好ましくは3.5〜4.0である。
(容器詰飲料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1(添加官能)
α酸(SIGMA-ALDRICH社製)、3MH(東京化成工業株式会社製)を表1に示す濃度となるように自社で試作したアンホップドビール(原料としてホップを使用していないビール)に添加し、よく混合し炭酸ガス圧を調整して、実施例1〜7、比較例1〜3のビールテイスト飲料を調製した。
<官能評価>
得られた混合物の香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」、「香りのバランス」及び「総合評価」について各項目5点満点で評価した。点数の基準は以下の通りである。「とても感じる又はとても良い」を5点、「感じる又は良い」を4点、「やや感じる又は普通」を3点、「ほとんど感じない又はやや悪い」を2点、「感じない又は悪い」を1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて下記基準に従って評価を行なった。結果を表1に示す。
1点以上〜2点未満:×
2点以上〜3点未満:△
3点以上〜4点未満:○
4点以上〜5点以下:◎
Figure 2020157891
表1から明らかなように、比較例1〜3との対比より、実施例1〜7のビールテイスト飲料は、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」の両面で優れていたことが分かる。実施例7は、3MH由来の香りがかなり強く付与されていたことから、実施例1〜6のビールテイスト飲料に比べると「香りのバランス」の面で好ましくない評価となり、総合評価としても劣る結果となったが、製品としては許容できる範囲であった。
試験例2(ビール醸造)
<ビールの製造>
通常の方法で得られた、ろ過麦汁100Lを煮沸釜にて98℃まで加熱後、密閉容器内で表2に示した条件で処理したホップ処理物(品種:Amarillo、産地:アメリカ)を表2に記載の添加濃度となるように原料液に添加した。1分攪拌後、ワールプールレストをとり、急冷し、冷麦汁を調製した。その後、酵母を添加し発酵させ、ろ過後、炭酸ガス圧を調整し、実施例8〜10のビールテイスト飲料を調製した。また、ホップ処理物の添加に代えて無処理のホップの添加とした以外は実施例8〜10と同様にして比較例4のビールテイスト飲料を調製した。なお、密閉容器とは5L容量の金属製耐圧容器であり、処理中は栓が完全に出来るものを用いた。いずれも、密閉容器における処理前のホップ含有水体積は、密閉容器全体積中の50〜90体積%となる量(空隙部分の空間体積50〜10体積%)を充填した。また、表2中の「ホップ処理物」の分析値は原料液に添加した後の値であり、ホップ処理物中の各成分の含有量は、括弧内に併記した値に換算することができる。
<α酸量の測定>
EBC(European Brewery Convention)が発行している分析法の規定「Analytica−EBC」のMethod 7.7に記載されている方法に従って定量し、比較例1の含有量を1として換算量を算出した。
<3MH量の測定>
Journal of Chromatography A. 2016 Oct 14, 1468, p154-163.に記載の方法に従って行った。
<官能評価>
得られたビールの香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」、「香りのバランス」及び「総合評価」について、5点満点で評価した。「とても感じる又はとても良い」を5点、「感じる又は良い」を4点、「やや感じる又は普通」を3点、「ほとんど感じない又はやや悪い」を2点、「感じない又は悪い」を1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて下記基準に従って評価を行なった。結果を表2に示す。
1点以上〜2点未満:×
2点以上〜3点未満:△
3点以上〜4点未満:○
4点以上〜5点以下:◎
Figure 2020157891
表2から明らかなように、実施例8〜10のビールテイスト飲料は、「苦味の質」や「グレープフルーツ香の強さ」の面で優れており、総合評価としても高いスコアとなった。特に実施例9、10ではその傾向が顕著であり、135℃以上で処理することで苦味の質とグレープフルーツ香の強さを向上できることが示された。一方、無処理のホップを添加した水準である比較例4は、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」の面で劣っており、好ましくない評価となった。
試験例3(ホップ処理物)
ホップ原料(品種:Citra、産地:アメリカ)を95℃の温水に添加し、1分間攪拌した後に30分間静置して調製例1のホップ処理物を得た。また、ホップ原料(品種:Citra、産地:アメリカ)を表3に示す濃度となるよう水と混合し、得られた混合物を、密閉容器を用いて、表3に示す条件で処理を行ない調製例2〜8のホップ処理物を得た。得られた調製例2〜8のホップ処理物は、表3に示す温度となるまで氷冷した後、調製例1と同等のホップ添加濃度となるように95℃の温水に添加し、1分間攪拌した後に30分間静置した。その後、各成分の含有量を下記測定方法に従って測定した。結果を表3に示す。なお、密閉容器とは150ml容量の金属製耐圧容器であり、処理中は栓が完全に出来るものを用いた。いずれも、密閉容器における処理前のホップ含有水体積は、密閉容器全体積中の50〜90体積%となる量(空隙部分の空間体積50〜10体積%)を充填した。また、表3中の「ホップ処理物」の分析値は温水に添加した後の値を記載したものであり、ホップ処理物中の各成分の含有量は、括弧内に併記した値に換算することができる。
Figure 2020157891
表3より、調製例2、3、4、7、8の対比から、処理温度を高くすることによって3MH量が増加し、かつα酸量が低下することが明らかである。また、調製例4〜6の対比より、処理時間を長くすることでも、3MH量が増加し、処理物中のα酸量を顕著に減少させることができることが明らかである。本発明のビールテイスト飲料の調製に用いるホップ抽出物としては、調製例2〜8のいずれも使用することができるが、特に調製例6〜8のホップ抽出物を使用することが好ましい。
試験例4(添加官能)
α酸(SIGMA-ALDRICH社製)、3MH(東京化成工業株式会社製)、4MMP(ALFA AESAR社製)を表4に示す濃度となるように自社で試作したアンホップドビール(原料としてホップを使用していないビール)に添加し、よく混合し炭酸ガス圧を調整して、実施例11〜18のビールテイスト飲料を調製した。
<官能評価>
得られた混合物の香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」、「カシス香の強さ」、「香りのバランス」、及び「総合評価」について各項目5点満点で評価した。点数の基準は以下の通りである。「とても感じる又はとても良い」を5点、「感じる又は良い」を4点、「やや感じる又は普通」を3点、「ほとんど感じない又はやや悪い」を2点、「感じない又は悪い」を1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて下記基準に従って評価を行なった。結果を表4に示す。
1点以上〜2点未満:×
2点以上〜3点未満:△
3点以上〜4点未満:○
4点以上〜5点以下:◎
Figure 2020157891
表4から明らかなように、4MMPを含む実施例12〜18のビールテイスト飲料は、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」、「カシス香の強さ」に優れていたことが分かる。実施例18は、4MMP由来の香りがかなり強く付与されていたことから、実施例12〜17のビールテイスト飲料に比べると「香りのバランス」の面で好ましくない評価となり、総合評価としても劣る結果となったが、製品としては許容できる範囲であった。
試験例5(ビール醸造)
<ビールの製造>
通常の方法で得られた、ろ過麦汁100Lを煮沸釜にて98℃まで加熱後、密閉容器内で表5に示した条件で処理したホップ処理物(品種:Amarillo、産地:アメリカ)を表5に記載の添加濃度となるように原料液に添加した。1分攪拌後、ワールプールレストをとり、急冷し、冷麦汁を調製した。その後、酵母を添加し発酵させ、ろ過後、炭酸ガス圧を調整し、実施例19のビールテイスト飲料を調製した。また、ホップ品種をAmarilloに代えてCitraとした以外は、実施例19と同様にして実施例20のビールテイスト飲料を調製した。
なお、密閉容器とは5L容量の金属製耐圧容器であり、処理中は栓が完全に出来るものを用いた。いずれも、密閉容器における処理前のホップ含有水体積は、密閉容器全体積中の50〜90体積%となる量(空隙部分の空間体積50〜10体積%)を充填した。
<4MMP量の測定>
Anal Chim Acta. 2014 Apr 22, 821, p48-53. に記載の方法に従って行った。
<官能評価>
得られたビールの香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「苦味の質」、「グレープフルーツ香の強さ」、「カシス香の強さ」、「香りのバランス」、及び「総合評価」について、5点満点で評価した。「とても感じる又はとても良い」を5点、「感じる又は良い」を4点、「やや感じる又は普通」を3点、「ほとんど感じない又はやや悪い」を2点、「感じない又は悪い」を1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて下記基準に従って評価を行なった。結果を表5に示す。
1点以上〜2点未満:×
2点以上〜3点未満:△
3点以上〜4点未満:○
4点以上〜5点以下:◎
Figure 2020157891
表5から明らかなように、実施例20では4MMPを付与することでカシス様の香りが付与され、実施例19よりもさらに香りのバランスが向上しており、総合評価としても高いスコアとなった。
本発明によれば、芳醇なグレープフルーツ様の香りが付与され、かつホップ由来の嫌な苦みが低減された、風味の良いビールテイスト飲料を提供できる。

Claims (10)

  1. 3−メルカプトヘキサン−1−オール(3MH)を含有するビールテイスト飲料であって、α酸の含有量に対する3MHの含有量の質量比(3MH(ppt)/α酸(ppm))が180以上である、ビールテイスト飲料。
  2. 3MHの含有量が50〜1200pptである、請求項1記載のビールテイスト飲料。
  3. α酸の含有量が1.0ppm以下である、請求項1又は2記載のビールテイスト飲料。
  4. さらに4−メルカプト−4−メチルペンタン−2−オン(4MMP)を含有する、請求項1〜3いずれか記載のビールテイスト飲料。
  5. α酸の含有量に対する4MMPの含有量の質量比(4MMP(ppt)/α酸(ppm))が10以上である、請求項4記載のビールテイスト飲料。
  6. 4MMPの含有量が4〜700pptである、請求項4又は5記載のビールテイスト飲料。
  7. 請求項1〜6いずれか記載のビールテイスト飲料の製造方法であって、ホップ含有水を130〜160℃、0.27〜0.62MPaの条件下で高温高圧処理して得られたホップ処理物を、ビールテイスト飲料の製造にかかるいずれかの工程において添加する、ビールテイスト飲料の製造方法。
  8. 前記ホップ処理物の調製に用いるホップが、アマリロ、アポロ、カスケード、ザーツ、シトラ、シムコー、シュトリッセルシュパルト、チヌーク、トラディション、ナゲット、ネルソンソーヴィン、ハラタウブラン、及びぺルレからなる群より選択される1種以上の品種を含む、請求項7記載の製造方法。
  9. ホップ含有水を130〜160℃、0.27〜0.62MPaの条件下で高温高圧処理する工程を含む、ホップ処理物の製造方法。
  10. 請求項9記載の製造方法により得られる、ホップ処理物。
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