JP2023051260A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Mariko Toda
隆子 乾
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俊治 藤岡
Toshiharu Fujioka
佳奈 松岡
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Abstract

【課題】本発明は、キレに優れるビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料にキレを付与する方法を提供することに関する。【解決手段】カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)が6.0以上である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料にキレを付与する方法に関する。
近年の消費者の嗜好の多様化にともなって、様々な香味特徴をもつビールテイスト飲料の開発が望まれている。
ビールテイスト飲料は、特有の苦味や香りをもち、飲みやすさや爽快感、止渇感などを特徴とする飲料である。これらの香味特徴の中でも特に「キレ」はビールに望まれる香味特徴の一つであり、これまで、麦芽やホップを主とする原料や、醗酵に用いる酵母の種類、醗酵条件などの製造方法を変えることで、「キレ」を付与する方法が検討されてきた。(特許文献1)
特開2018-11587号公報
しかし、従来のキレを付与する技術では、甘味、苦味、香りなどといったビールの基本となる香味設計に影響が及んでしまう場合があり、さらなる改良が望まれる。
本発明は、キレに優れるビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料にキレを付与する方法を提供することに関する。
本発明は、下記[1]~[3]に関する。
[1]カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)が6.0以上である、ビールテイスト飲料。
[2]カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)を6.0以上とする工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[3]カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)を6.0以上とする、ビールテイスト飲料にキレを付与する方法。
本発明によれば、キレに優れるビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料にキレを付与する方法を提供することができる。
本発明の発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、麦汁に由来する熱反応生成物であるフルフラール(furfural)によってキレを付与できることを新たに見出した。一般に、熱反応生成物は濃色麦芽に多く含まれるため、ビールテイスト飲料のカラーが高くなるにつれてフルフラール量も多くなる傾向にある。一方、本発明の発明者らは、ビールテイスト飲料のカラーに対してフルフラール量を特定値以上とすることで、キレに優れるビールテイスト飲料が得られることを新たに見出した。本明細書における「キレ」とは、甘味や甘い香りが少なく後に残らず、のどの奥に軽さを感じる爽快感、刺激感があることを指す。
本発明のビールテイスト飲料におけるカラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)は、キレの観点から、6.0以上、好ましくは6.5以上、より好ましくは7.0以上、更に好ましくは8.0以上である。また、焦げ感を抑制する観点から、好ましくは600以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは45以下、更に好ましくは40以下、更に好ましくは30以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において、カラーは、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.8 色度 8.8.2 吸光度法(IM)」に記載された方法により測定されるEBCカラーを指す。また、フルフラールの含有量は、後述の実施例に記載の方法で測定する。
カラーに対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)は、フルフラールの添加やフルフラールを含む原料・香料等の添加によって調整することができる。また、原料の保管条件や煮沸処理条件などの製造条件によってもフルフラールの含有量を調整することができる。例えば、原料を熟成保管することでフルフラールの含有量を増やすことができる。また、カラーについても、使用する麦芽や煮沸処理条件などの製造条件によって調整することができる。
本発明のビールテイスト飲料としては、中等色から淡色のビールテイスト飲料が挙げられる。この場合におけるカラーは、75EBC以下、好ましくは50EBC以下、より好ましくは25EBC以下、更に好ましくは20EBC以下である。また、好ましくは1EBC以上、より好ましくは2EBC以上、更に好ましくは5EBC以上であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料におけるフルフラールの含有量は、キレの観点から、好ましくは70質量ppb以上、より好ましくは80質量ppb以上、より好ましくは100質量ppb以上、更に好ましくは110質量ppb以上、更に好ましくは150質量ppb以上であり、また、焦げ感を抑制する観点から、好ましくは2000質量ppb以下、より好ましくは1000質量ppb以下、更に好ましくは400質量ppb以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本明細書において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味の炭酸飲料を全て包含し、アルコールを含有するビールテイスト飲料(ビールテイストアルコール飲料)及びノンアルコールビールテイスト飲料が挙げられる。本明細書において「ビールテイストアルコール飲料」とは、アルコール度数が1v/v%以上のビールテイスト飲料であり、例えば、1.5v/v%以上、2v/v%以上、2.5v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、また、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7.5v/v%以下、7v/v%以下、6.5v/v%以下のビールテイスト飲料が挙げられる。例えば、発酵飲料としては、酵母を添加して発酵させた発酵ビールテイストアルコール飲料、スピリッツなどを含有したスピリッツ含有発酵ビールテイストアルコール飲料などが挙げられる。非発酵の場合は酵母添加をせず、醸造アルコールや蒸留酒などでアルコール添加をするのが好ましく、スピリッツなどを含有したスピリッツ含有非発酵ビールテイストアルコール飲料などが挙げられる。なお、ここでの「アルコール度数(アルコール含有量)」はエタノールの含有量を意味し、脂肪族アルコールは含まれない。また、ビールテイストアルコール飲料に含まれるアルコール分の由来としては、発酵、非発酵に限定されるものではない。また、「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、アルコール度数が1v/v%未満のビールテイスト飲料であり、アルコールを実質的に含まない飲料であってもよい。ここで、アルコールを実質的に含まない態様の飲料は、検出できない程度の極微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0v/v%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00v/v%となる飲料は、ノンアルコールビールテイスト飲料に包含される。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール度数の上限値や下限値としては、1v/v%未満の他、例えば、0.9v/v%、0.8v/v%、0.75v/v%、0.7v/v%、0.6v/v%、0.5v/v%、0.4v/v%、0.3v/v%、0.2v/v%、0.1v/v%、0.05v/v%、0.01v/v%、0.0050v/v%、0.0025v/v%などが挙げられ、これらいずれの組み合せによる範囲としてもよい。例えば、0.00v/v%以上0.5v/v%以下の飲料や、0.5v/v%以上1v/v%未満の飲料などが例示される。本明細書において、アルコール度数は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール度が1.0v/v%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。
本発明のビールテイスト飲料における麦芽使用比率は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上、さらに好ましくは49%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上としてもよい。例えば、30~100%、40~100%、45~100%、49~100%、50~100%などの態様が挙げられる。ここで「麦芽使用比率」とは、麦芽、米、トウモロコシ、コウリャン、バレイショ、デンプン、麦芽以外の麦、及び糖類など、水とホップ以外の原料中に占める麦芽の質量の比率をいう。ただし、酸味料、甘味料、苦味料、調味料、香料など、微量に添加され得る成分については上記比率の計算に含めない。本明細書において、麦芽比率は、平成30年4月1日が施行日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
本発明のビールテイスト飲料における総ポリフェノールの含有量(TPP)は、好ましくは250質量ppm以下、より好ましくは220質量ppm以下、さらに好ましくは200質量ppm以下である。さらに、好ましくは20質量ppm以上、より好ましくは60質量ppm以上、さらに好ましくは80質量ppm以上であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において総ポリフェノールの含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.19 総ポリフェノール(IM) 」に記載されている方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料における苦味価(BUs)は、好ましくは40以下、より好ましくは35以下、さらに好ましくは30以下である。さらに、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、さらに好ましくは18以上であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.15 苦味価(IM)」に記載された方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料における全窒素量(mg/100ml)は、好ましくは120以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは90以下である。さらに、好ましくは10以上、より好ましくは30以上、さらに好ましくは40以上であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において全窒素量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.9 全窒素 8.9.2 燃焼法(改良デュマ法)」に記載された方法によって測定することができる。に記載の方法により測定される。
本発明のビールテイスト飲料におけるプロリンの含有量(μmol/l)は、好ましくは5000以下、より好ましくは4500以下、さらに好ましくは4000以下である。さらに、好ましくは100以上、より好ましくは400以上、さらに好ましくは700以上であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書においてプロリンの含有量は、後述の実施例に記載の方法で測定する。
本発明のビールテイスト飲料におけるマルトールの含有量(質量ppb)は、好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、さらに好ましくは2000以下である。さらに、好ましくは50以上、より好ましくは75以上、さらに好ましくは100以上であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書においてマルトールの含有量は、フルフラールと同様に実施例に記載の方法にて測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料は、カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)を6.0以上とする工程を有する以外は、いずれも一般的なビールテイスト飲料と同様にして製造することができる。ここで、カラーに対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)の調整については上記の通りであり、フルフラールを添加して調整する態様などが例示される。フルフラールを添加する態様においては、フルフラールの添加は充填までのどの工程で行ってもよいが、微生物保証の観点から濾過工程前に添加することが好ましい。以下に、一般的なビールテイスト飲料の製造工程を示す。一般的なビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり、以下のように製造することができる。
麦芽を原料として使用して製造されるビールテイストアルコール飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、濾過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。発酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた発酵液を濾過し、得られた濾過液に必要に応じて炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。なお、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを添加してもよい。スピリッツとは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、酵母を用いて発酵させた後、更に蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては麦が好ましい。
麦芽を原料として使用せずに製造されるビールテイストアルコール飲料は、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。この糖化液の代替として、麦芽以外の原料を用いたエキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。発酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた発酵液を濾過し、得られた濾過液に必要に応じて炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。なお、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを添加してもよい。
非発酵のビールテイストアルコール飲料は、麦芽を使用する、しないに限らず、原料用アルコールなどを加えることにより最終製品のアルコール分を調整したものでもよい。原料用アルコールの添加は、糖化工程から充填工程までのどの工程で行ってもよい。なお、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを添加してもよい。
麦芽を原料として使用して製造されるノンアルコールビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、冷却し、得られた麦汁に香料、酸味料、カラメル色素などの色素、酸化防止剤、苦味料、甘味料、アミノ酸原料などを添加し、濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。
麦芽を原料として使用しないノンアルコールビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。煮沸後、冷却し、得られた麦汁に香料、酸味料、カラメル色素などの色素、酸化防止剤、苦味料、甘味料、アミノ酸原料などを添加し、濾過し、得られた液糖溶液に対して、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。
本発明の製造方法では、本発明にかかるビールテイスト飲料に、酒感を付与する観点から、脂肪族アルコールを添加してもよい。脂肪族アルコールとしては、公知のものであれば特に制限されないが、炭素数4~5の脂肪族アルコールが好ましい。本発明において、好ましい脂肪族アルコールとしては、炭素数4のものとして、2-メチル-1-プロパノール、1-ブタノール等が、炭素数5のものとして、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合せで用いることができる。炭素数4~5の脂肪族アルコールの含有量は好ましくは0.0002~0.0007質量%であり、より好ましくは0.0003~0.0006質量%である。本明細書において、脂肪族アルコールの含有量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ法を用いて測定することができる。
(酸味料)
本発明の製造方法において使用される酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明の製造方法においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明の製造方法においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
酸味料の含有量は、本発明にかかるビールテイスト飲料中、クエン酸換算で、ビールテイスト感の付与の観点から、200質量ppm以上が好ましく、550質量ppm以上がより好ましく、700質量ppm以上がさらに好ましく、また、酸味の観点から、15000質量ppm以下が好ましく、5500質量ppm以下がより好ましく、2000質量ppm以下がさらに好ましい。従って、本発明において、酸味料の含有量は、クエン酸換算で、200質量ppm~15000質量ppm、好ましくは550質量ppm~5500質量ppm、より好ましくは700質量ppm~1500質量ppmなどの好適範囲が挙げられる。なお、本明細書において、クエン酸換算量とは、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度から換算される量のことであり、例えば、乳酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は120質量ppm、リン酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は200質量ppm、リンゴ酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は125質量ppmとして換算する。
ビールテイスト飲料中の酸味料の含有量については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により分析して算出されたものを指す。
(ホップ)
本発明の製造方法では、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明にかかるビールテイスト飲料に使用されるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001~1質量%程度である。
(その他の原料)
本発明の製造方法では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、苦味料、香料、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、保存料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、乳清などの動物タンパク質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
かくして本発明にかかるビールテイスト飲料が得られる。本発明にかかるビールテイスト飲料のうち、ノンアルコールビールテイスト飲料のpHは、飲料の風味を良好にする観点から、好ましくは3.0~5.0、より好ましくは3.5~4.5、さらに好ましくは3.5~4.0である。また、ビールテイストアルコール飲料のpHは、飲料の風味を良好にする観点から、好ましくは3.0~5.0、より好ましくは3.5~4.5、さらに好ましくは4.0~4.5である。
(容器詰飲料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
本発明は、カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)を6.0以上とする、ビールテイスト飲料にキレを付与する方法についても提供するものである。本発明のキレ付与方法における各成分等の詳細については上記で説明したとおりである。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
ビールテイスト飲料中のフルフラールおよびマルトールは、以下の手順で測定した。
(1)試料へ終濃度50質量ppbとなるように内部標準物質としてBorneolを添加し、さらにジクロロメタンを添加して室温で振とうし、香気成分を抽出した。
(2)ジクロロメタンを回収し、無水硫酸ナトリウムを適量添加して脱水した。
(3)エバポレーターにて50倍濃縮した濃縮液を以下に示すGC-MS条件にて定量した。
GC-MS定量条件;
使用機器: 7890B GC ×5977A MSD (Agilent Technologies )
カラム: VF-WAXms(60m length 0.25mm i.d.; film thickness, 0.5μm)
検出法: SIM(EIモード)
定量イオン:Borneol:95
フルフラール:96
マルトール:126
ビールテイスト飲料のカラー、総ポリフェノール、苦味価、全窒素は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法に基づいて測定した。
ビールテイスト飲料中のプロリンは、以下の手順で測定した。
(1)試料を遠心処理し、沈殿物を除き0.02NのHCLで2倍希釈する。
(2)希釈後のサンプルを関東化学(株)製のHLC-DISK13水系(0.2μm)フィルターでろ過する。
(3)日立L-8800形高速アミノ酸分析計(株式会社 日立ハイテクフィールディング製)で分析する。なお、使用するガードカラムはガードカラムセットP/N855-5268(株式会社 日立ハイテクフィールディング製)、分離カラムは標準アミノ酸分析カラムP/N855-3506(株式会社 日立ハイテクフィールディング製)を使用する。
[実施例1]
ビール市販品1(麦芽使用比率100%、アルコール度数5.5v/v%)をベースとして、フルフラールを表1に記載の試料濃度となるように添加し、試作品A~Iのビールテイスト飲料を得た。
得られたビールテイスト飲料を4℃程度まで冷却し、専門パネリスト5名により、「キレ」及び「焦げ感」について下記基準によって0.5点刻みで評価し、平均点を算出した。なお、各項目の評価前に、予め、それぞれの評価が「2」「4」となるサンプルを用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。結果を表に1示す。
(評価基準)
1:感じない。
2:あまり感じない。
3:感じる。
4:明確に感じる。
5:強く感じる。
Figure 2023051260000001
表1の結果から、カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)が6.0以上の試作品A~Iは、いずれもキレに優れることが分かる。また、試作品A~Gでは、焦げ感が強くなりすぎず、より好ましいものであった。
[実施例2]
ビール市販品2(麦芽使用比率100%、アルコール度数6.0v/v%)およびビール市販品3(麦芽使用比率49%、アルコール度数5.0v/v%)をベースとして、フルフラールを表2に記載の試料濃度となるように添加し、試作品JおよびKのビールテイスト飲料を得た。
実施例1と同様に、専門パネリスト5名により、「キレ」及び「焦げ感」について評価を実施した。実施例1の試作品A~Jおよび実施例2で得られたビールテイスト飲料のカラー、総ポリフェノール、苦味価、全窒素、プロリン、マルトールの結果およびカラーに対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)および官能評価結果を表2に示す。
Figure 2023051260000002
表2の結果から、カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)が6.0以上の試作品J、Kにおいてキレに優れており、ビール市販品1に代えてビール市販品2、3を用いて調製した場合においても同様に効果を奏することが分かる。
本発明によれば、キレに優れる新たなテイストのビールテイスト飲料を提供できる。

Claims (7)

  1. カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)が6.0以上である、ビールテイスト飲料。
  2. 前記カラーが75EBC以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 前記フルフラールの含有量が70質量ppb以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
  4. アルコール度数が0.5~10.0v/v%である、請求項1~3いずれかに記載のビールテイスト飲料。
  5. 麦芽使用比率が30%以上である、請求項1~4いずれかに記載のビールテイスト飲料。
  6. カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)を6.0以上とする工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
  7. カラー(EBC)に対するフルフラールの含有量(質量ppb)の比率(フルフラール/カラー)を6.0以上とする、ビールテイスト飲料にキレを付与する方法。
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