JP7346696B1 - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビールテイスト飲料について飲んだときに感じる喉への引っ掛かり感を高めることができる新規な技術を提供する。【解決手段】トランス-2-ノネナールと、ヘキサナールとを含有し、前記トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであるビールテイスト飲料。【選択図】 なし

Description

本発明はビールテイスト飲料に関する。
昨今、消費者の多様化した好みに応じて様々なビールテイスト飲料が開発、提供されてきている(例えば特許文献1、2)。特に香味の点でも、従来のビールテイスト飲料の香味と異なる、新規な味感や風味をもったビールテイスト飲料が求められている。
特開2014-217347号公報 特開2014-155483号公報
本発明は、ビールテイスト飲料について飲んだときに感じる喉への引っ掛かり感を高めることができる新規な技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、飲んだときに感じる喉への引っ掛かり感が高められたビールテイスト飲料を構成することを着想した。
ここで、喉への引っ掛かり感とは、飲んだときに喉において引っ掛かりを感じる飲用感を意味し、例えば硬水を飲んだときなどに感じるような、重たい感覚(飲んだ後にも感覚が喉に残っている)に類似した感覚をいう。
本発明者は、鋭意研究の結果、ビールテイスト飲料において、トランス-2-ノネナールとヘキサナールとを所定の含有量で含有させることにより、喉への引っ掛かり感を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
トランス-2-ノネナールと、
ヘキサナールとを含有し、
前記トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであるビールテイスト飲料。
[2]
前記トランス-2-ノネナールの含有量に対する前記ヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)が5以上である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
前記トランス-2-ノネナールの含有量に対する前記ヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)が10000以下である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
その含有量が1~100ppbであるシトロネロールをさらに含有する、[1]から[3]のいずれか一つに記載のビールテイスト飲料。
[5]
アルコール濃度が6体積%以下である、[1]から[4]のいずれか一つに記載のビールテイスト飲料。
[6]
発酵飲料である、[1]から[5]のいずれか一つに記載のビールテイスト飲料。
[7]
非発酵飲料である、[1]から[5]のいずれか一つに記載のビールテイスト飲料。
[8]
麦芽使用比率が50w/v%未満である、[1]から[7]のいずれか一つに記載のビールテイスト飲料。
[9]
原料として麦芽を含有しない、[8]に記載のビールテイスト飲料。
[10]
糖質含有量が1.5g/100ml以下である、[1]から[9]のいずれか一つに記載のビールテイスト飲料。
[11]
トランス-2-ノネナールと、ヘキサナールとを含有するビールテイスト飲料の喉への引っ掛かり感の向上剤。
感改善剤。
[12]
ビールテイスト飲料の製造方法であって、
当該ビールテイスト飲料の製造工程においてトランス-2-ノネナールとヘキサナールとを、ビールテイスト飲料における前記トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであるように含有させることを含む、前記製造方法。
[13]
ビールテイスト飲料の喉への引っ掛かり感を高める方法であって、
当該ビールテイスト飲料の製造工程においてトランス-2-ノネナールとヘキサナールとを、ビールテイスト飲料における前記トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであるように含有させることを含む、前記方法。
本発明によれば、ビールテイスト飲料について飲んだときに感じる喉への引っ掛かり感を高めることができる新規な技術を提供することができる。
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、ビールテイスト飲料に関する。本実施形態のビールテイスト飲料は、トランス-2-ノネナールと、ヘキサナールとを含有し、トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、ヘキサナールの含有量が40~1000ppbである。
本明細書において、ビールテイスト飲料とは、炭酸ガスによる発泡性を有し、ビールと同様又は同類の香味を有するアルコール飲料およびノンアルコール飲料を意味する。なお、ビールテイスト飲料に該当するか否かは、酒税法上の分類、使用原料やその使用量にとらわれるものではない。
本実施形態のビールテイスト飲料は、例えばエタノールなどのアルコールを含有するアルコール飲料であってもよい。また、アルコール濃度が1体積%未満である所謂酒税法上の非酒類とすることもできる(本明細書においては、アルコール濃度が1体積%以下である場合について、以下、ノンアルコールとも称する)。
一方で、喉への引っ掛かり感をより強く感じ易くなる観点から、アルコール濃度6体積%以下が好ましい。
トランス-2-ノネナールは、18829-56-6とのCAS番号が付与されている不飽和アルデヒドの一種である。
また、ヘキサナールは66-25-1とのCAS番号が付与されている鎖状脂肪族アルデヒドの一種である。
トランス-2-ノネナールの含有量に対するヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)は、おいしさの観点から、5以上が好ましい。
また、トランス-2-ノネナールの含有量に対するヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)は、おいしさの観点から、10000以下が好ましい。
また、コク感の好ましさおよびおいしさの観点から、その含有量が1~100ppbであるシトロネロールをさらに含有することが好ましい。シトロネロールは106-22-9とのCAS番号が付与されている環状モノテルペノイドの一種である。
以下の説明においては、ビールテイスト飲料の一例として、発酵ビールテイスト飲料を例に挙げて説明する。
当該発酵ビールテイスト飲料について、トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、ヘキサナールの含有量が40~1000ppbとなるように含有される以外は特に限定されず、例えばこれらの点を除いて常法により製造された発酵ビールテイスト飲料とすることができる。
発酵ビールテイスト飲料のアルコール濃度は限定されず、1.0体積%以上のアルコール飲料であってもよく、1.0体積%未満のノンアルコール飲料であってもよい。具体的には、ビール、発泡酒、ノンアルコールビール等が挙げられる。
発酵ビールテイスト飲料の製造工程の一例を以下に示す。
一般的な発酵ビールテイスト飲料は、仕込(発酵原料液調製)、発酵、貯酒、濾過の工程で製造することができる。
まず、仕込工程として、穀物原料および糖質原料からなる群から選択される1種以上の原料(発酵原料)から発酵原料液を調製する。穀物原料としては、例えば、大麦や小麦、これらの麦芽等の麦類、米、トウモロコシ、大豆等の豆類、イモ類等が挙げられ、これらはシロップ、エキス、粉砕物等の形態であってもよい。また、糖質原料としては、液糖などの糖類が挙げられる。
具体的には、まず、穀物原料と糖質原料の少なくともいずれかと原料水とを含む混合物を調製して加温し、穀物原料等の澱粉質を糖化させる。当該混合物には、穀物原料等と水以外の副原料を加えてもよい。当該副原料としては、例えば、食物繊維、酵母エキス、甘味料、果汁、苦味料、着色料、香草、香料等が挙げられる。また、必要に応じて、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ等の糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤を添加することができる。
糖化処理は、穀物原料等由来の酵素や、別途添加した酵素を利用して行う。糖化処理時の温度や時間は、用いた穀物原料等の種類、発酵原料全体に占める穀物原料の割合、添加した酵素の種類や混合物の量、目的とする発酵ビールテイスト飲料の品質等を考慮して、適宜調整される。例えば、糖化処理は、穀物原料等を含む混合物を35~70℃で20~90分間保持する等、常法により行うことができる。
糖化処理後に得られた糖液に煮沸することにより、煮汁(糖液の煮沸物)を調製する。糖液は、煮沸処理前に濾過し、得られた濾液を煮沸処理することが好ましい。また、この糖液の濾液の替わりに、麦芽エキスに温水を加えたものを用い、これを煮沸してもよい。煮沸方法及びその条件は、適宜決定することができる。
煮沸処理前または煮沸処理中にホップを添加することにより、ビールテイスト飲料にホップ香と苦味を付与することができる。本明細書でいうところのホップには、乾燥ホップ、凍結ホップ、凍結乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる概念である。
また、煮沸処理前または煮沸処理中に香草等を適宜添加することにより、所望の香味を有する発酵ビールテイスト飲料を製造するようにしてもよい。香草等の添加量、添加態様(例えば数回に分けて添加するなど)および煮沸条件は、適宜決定することができる。
仕込工程後、発酵工程前に、調製された煮汁から、沈殿により生じたタンパク質等の粕を除去することが好ましい。粕の除去は、いずれの固液分離処理で行ってもよいが、一般的にはワールプールと呼ばれる槽を用いて沈殿物を除去する。この際の煮汁の温度は、15℃以上であればよく、一般的には50~90℃程度で行われる。粕を除去した後の煮汁(濾液)は、熱交換器により適切な発酵温度まで冷却する。この粕を除去した後の煮汁が、発酵原料液となる。
次いで、発酵工程として、冷却した発酵原料液に酵母を接種して、発酵を行う。冷却した発酵原料液は、そのまま発酵工程に供してもよく、所望のエキス濃度に調整した後に発酵工程に供してもよい。発酵に用いる酵母は特に限定されるものではなく、通常、酒類の製造に用いられる酵母の中から適宜選択して用いることができる。上面発酵酵母であってもよく、下面発酵酵母であってもよいが、大型醸造設備への適用が容易であることから、下面発酵酵母であることが好ましい。
さらに、貯酒工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させた後、濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより、酵母及び当該温度域で不溶なタンパク質等を除去して、発酵ビールテイスト飲料を得ることができる。当該濾過処理は、酵母を濾過除去可能な手法であればよく、例えば、珪藻土濾過、平均孔径が0.4~0.6μm程度のフィルターによるフィルター濾過等が挙げられる。また、所望のアルコール濃度とするために、濾過前又は濾過後に適量の加水を行って希釈してもよい。なお、本実施形態に係わる発酵ビールテイスト飲料においては当該濾過工程を省略する場合もある。
その他、酵母による発酵工程以降の工程において、例えばアルコール含有蒸留液と混和することにより、酒税法におけるリキュール類に相当する発酵ビールテイスト飲料を製造することもできる。アルコール含有蒸留液の添加は、アルコール濃度の調整のための加水前であってもよく、加水後であってもよい。添加するアルコール含有蒸留液は、より好ましい麦感を有する発酵ビールテイスト飲料を製造し得ることから、麦スピリッツが好ましい。
得られた発酵ビールテイスト飲料は、通常、充填工程によりびん、缶、樽などの容器に容器詰めされる。
本実施形態のビールテイスト飲料においてトランス-2-ノネナールおよびヘキサナールを含み、トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、ヘキサナールの含有量が40~1000ppbである状態とするための処理については特に限定されず、例えば製造工程のいずれかの段階でトランス-2-ノネナールおよびヘキサナールが添加又は生成されればよい。例えば、得られた発酵ビールテイスト飲料へのトランス-2-ノネナールおよびヘキサナールの添加が例示できる。
具体的には、例えば、得られた発酵ビールテイスト飲料を容器に充填する前にトランス-2-ノネナール:0.05~10ppb、ヘキサナール:40~1000ppbとなるようにトランス-2-ノネナールおよびヘキサナールを添加するなどすればよい。
同様に、含有されてもよいシトロネロールについてもその含有量が1~100ppbとなるようにするための処理についても特に限定されない。例えば、得られた発酵ビールテイスト飲料を容器に充填する前にシトロネロール:1~100ppbとなるよう添加をすればよい。
トランス-2-ノネナール、ヘキサナール、含有されてもよいシトロネロールは、化合物単独で添加されてもよいほか、組成物の態様で飲料中に添加されるようにしてもよく、特に限定されない。
なお、飲料中におけるトランス-2-ノネナール、ヘキサナール、含有されてもよいシトロネロールの含有量は、使用される原材料などから算出することができるほか、例えば以下の方法により得ることができる。
トランス-2-ノネナールの含有量については、前処理法として、Twister(Gerstel社製)を用いた誘導体化を行い、GC/MSにて検出することによって、飲料中のトランス-2-ノネナールを定量できる。
具体的には、まず、バイアル瓶に、試料6gを量りとり、ヘキサン洗浄水54g加え、希釈する。そこへ内部標準(安定同位体 トランス-2-ノネナール、200ng/ml溶液)を30μl及び1%PFBHA(ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩)を180μl加えたのち、コンディショニング済みのTwister(Gerstel社製、20mm、膜厚0.5mm)を入れて、500rpmで60分間撹拌する。Twisterを取り出し、ヘキサン洗浄水で洗浄した後、GC/MSへ導入して測定する。GC/MS条件は、以下の通りである。
ガスクロマトグラフ:6890(Agilent Technologies社製)
検出器:MSD5977B(Agilent Technologies社製)
カラム:DB-23キャピラリカラム(長さ:30m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)
注入口:250°C
注入モード:スプリットレスインジェクションモード
キャリアガス:ヘリウム(1ml/分)
カラム温度設定:40°C(3分間保持)-10°C/分―250°C(3分間保持)
イオン化条件:70eV
測定モード:シングルイオン-モニタリング(SIM)モード
定量:香気成分のピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較にて実施
また、ヘキサノールの含有量については、Analytica Chimica Acta(2009),648(2),146-に記載のGC/MSを用いた方法により測定できる。
また、シトロネロールの含有量については、攪拌枝吸着抽出法(SBSE法:Stir Bar Sorptive Extraction)を用いて測定できる。詳細には、測定対象であるサンプルに、内部標準としてβダマスコンを0.1ppbになるように添加した後に5倍希釈し、希釈サンプル20mLを30mL容バイアルに採取する。47μLのPDMS(ポリジメチルシロキサン)でコーティングした攪拌枝(長さ=20mm;Twister(商品名);Gerstel社製,Germany)を当該バイアルに入れ、蓋を締め、40℃で2時間攪拌し、攪拌枝に各香気成分を吸着させる。次いで、攪拌枝をバイアルから取り出し、水滴を完全に除去後、加熱脱着ユニット(Thermal desorption unit(TDU);Gerstel社製)とプログラマブル温度-蒸発インレット(Programmable temperature-vaporization inlet;CIS4;Gerstel社製)を装備したGC-MSに挿入する。GC-MS条件は、以下の通りである。
装置:ガスクロマトグラフ装置6890(Agilent Technologies社製)
検出器:MSD5973N四重極マススペクトル(Agilent Technologies社製)
カラム:DB-WAX capillary column(長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)
注入口:250℃ パルス化スプリットレスインジェクションモード(pulsed splitless injection mode)
注入量:1μL
キャリアガス:ヘリウム(1mL/分)
カラム温度設定:40℃(5分間保持)-(3℃/分)-240℃(20分間)
質量-電荷比(mass-to-charge ratio):30~350(m/z)イオン化条件:70eV、シングルイオン-モニタリングモード(single ion
-monitoring(SIM) mode)
定量方法:各香気成分のピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較によって行う。
以上、本実施形態によれば、ビールテイスト飲料について喉への引っ掛かり感を高めることができる新規な技術を提供することができる。
なお、本発明はこの態様に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、ビールテイスト飲料として発酵ビールテイスト飲料を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のビールテイスト飲料は、非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
非発酵ビールテイスト飲料とは、発酵を経ずに製造されるビールテイスト飲料を意味する。非発酵ビールテイスト飲料は、例えば、麦芽エキスなどの穀物エキス、酸味料、甘味料等の原料を混合し、得られた調合液に炭酸ガスを導入することにより製造される。
非発酵ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。
非発酵ビールテイスト飲料として、具体的には、発泡酒、ローアルコール発泡性飲料、ノンアルコールビール等のビールテイスト飲料が挙げられる。その他、発酵工程を経ずに製造された飲料を、アルコール含有蒸留液及び炭酸ガスと混和して得られたリキュール類であってもよい。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、スピリッツ等の一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。
非発酵ビールテイスト飲料についてもトランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、ヘキサナールの含有量が40~1000ppbとなるようにするための処理については特に限定されず、製造工程のいずれかの段階でトランス-2-ノネナール、ヘキサナールが添加されるなどすればよい。同様に含有されてもよいシトロネロール(含有量1~100ppb)についても、製造工程のいずれかの段階で添加されるなどすればよい。例えば、得られた非発酵ビールテイスト飲料を容器に充填する前にトランス-2-ノネナール、γ-ヘキサラクトン、含有されてもよいシトロネロールを非発酵ビールテイスト飲料に混合するなどすればよい。
また、本発明に係わるビールテイスト飲料においては、穀類、とりわけ麦芽や大麦などの麦類を原料とすることができるほか、麦芽等を原料としないものであってもよい。
麦芽を使用する場合、その使用比率は、喉への引っ掛かり感をより強く感じ易くなる観点から、50質量%以下であることが好ましく、麦芽を原料として使用していないことがより好ましい。麦芽使用比率とは、水を除く全原料に対する麦芽の割合(w/v%)である。麦芽使用比率は平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算し、得ることができる。
また、本発明に係わるビールテイスト飲料においては、糖質含有量が1.5g/100ml以下であってもよい。本明細書における糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除することにより算定される。タンパク質、脂質、灰分、水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定する。
ビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば公知の方法によって調整することができ、具体的には、製造工程における酵素(特に多糖分解酵素)の添加量、原料の種類及び使用量等を調整することによって所望の糖質含有量とすることができる。
また、本実施形態に係る飲料はビールテイスト飲料でありホップ香を有するが、原料としてホップを含有する態様だけでなく、ホップ香料を原料として含むビールテイスト飲料であってもよい。ホップ香料とは、例えば、ホップに含まれている香味成分であるリナロール、フムレンエポキシド、シトロネロール、エステル類等を主要成分として含有し、添加によりホップ香を付与できる香料をいう。ホップ香料としては、例えば、市販されている各種ホップ香料を適宜使用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[試験1]
ビールテイスト飲料(麦芽比率70%の発酵飲料、アルコール度数5%、糖質3.0g/ml、20℃におけるガス圧:2.3kg/cm)をベース液1(サンプル1-0)とした。
ベース液1に対して、トランス-2-ノネナールとヘキサナール、シトロネロールを添加し、表1~4に示す実施例、比較例のビールテイスト飲料を調製した。
作成した各ビールテイスト飲料につき、「喉への引っ掛かり感の強さ」、「コク感の好ましさ」、「おいしさ」を5段階で評価した。
「コク感」とは、飲料を口に含んだときに感じる味の厚み、深み、ボディ感を表す味感を意味する。
具体的には、「喉への引っ掛かり感の強さ」は最も強い場合を5点、最も弱い場合を1点、「コク感の好ましさ」は最も好ましい場合を5点、最も好ましくない場合を1点、「おいしさ」はビールテイスト飲料としてのおいしさの評価が最も高い場合を5点、最も低い場合を1点とした。
無添加品であるサンプル1-0(比較例、コントロール)に対し「喉への引っ掛かり感の強さ」について評価が高い場合に喉への引っ掛かり感の向上が認められるとした。
官能評価は、ビール類専門パネル3名が実施例、比較例の各ビールテイスト飲料を試飲し、各項目について3名の合意で採点した。
なおベース液1として使用した市販のビールテイスト飲料は、トランス-2-ノネナールを0.08ppb、ヘキサナールを38ppb、シトロネロールを2.26ppb含有していた。
結果を表1から4に示す。
トランス-2-ノネナールと、ヘキサナールとを含有し、トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、ヘキサナールの含有量が40~1000ppbである実施例のビールテイスト飲料は、比較例のビールテイスト飲料と比較して喉への引っ掛かり感が向上していた。
[試験2]
ビールテイスト飲料(麦芽不使用の非発酵飲料、アルコール度数:0%、糖質0g/ml、20℃におけるガス圧:2.3kg/cm)をベース液2(サンプル5-1)とした。
ベース液2に対して、トランス-2-ノネナールとヘキサナールを添加し、表5に示すサンプルを準備して試験1と同様に官能評価試験を実施した。
なおベース液2として使用したビールテイスト飲料は、トランス-2-ノネナール、ヘキサナール、シトロネロールいずれも非含有であった。
結果を表5に示す。
アルコール度数:0%、麦芽不使用の非発酵飲料であるビールテイスト飲料の場合も、トランス-2-ノネナールと、ヘキサナールとを含有し、トランス-2-ノネナールの含有量が0.05~10ppbであり、ヘキサナールの含有量が40~1000ppbである実施例のビールテイスト飲料は、喉への引っ掛かり感が向上していた。

Claims (10)

  1. トランス-2-ノネナールと、
    ヘキサナールとを含有し、
    前記トランス-2-ノネナールの含有量が~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであり、
    前記トランス-2-ノネナールの含有量に対する前記ヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)が5以上10000以下である、ビールテイスト飲料。
  2. その含有量が1~100ppbであるシトロネロールをさらに含有する、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. アルコール濃度が6体積%以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  4. 発酵飲料である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  5. 非発酵飲料である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  6. 麦芽使用比率が50w/v%未満である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  7. 原料として麦芽を含有しない、請求項6に記載のビールテイスト飲料。
  8. 糖質含有量が1.5g/100ml以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  9. ビールテイスト飲料の製造方法であって、
    当該ビールテイスト飲料の製造工程においてトランス-2-ノネナールとヘキサナールとを、ビールテイスト飲料における前記トランス-2-ノネナールの含有量が~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであり、前記トランス-2-ノネナールの含有量に対する前記ヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)が5以上10000以下であるように含有させることを含む、前記製造方法。
  10. ビールテイスト飲料の喉への引っ掛かり感を高める方法であって、
    当該ビールテイスト飲料の製造工程においてトランス-2-ノネナールとヘキサナールとを、ビールテイスト飲料における前記トランス-2-ノネナールの含有量が~10ppbであり、前記ヘキサナールの含有量が40~1000ppbであり、前記トランス-2-ノネナールの含有量に対する前記ヘキサナール含有量の比率(ヘキサナール含有量/トランス-2-ノネナール含有量)が5以上10000以下であるように含有させることを含む、前記方法。
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