JP7051509B2 - 発酵麦芽飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の課題は、桜を想起させる香味を有する発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供する点にある。
[1]2ppm以上の酢酸イソアミルと、100ppb以上のクマリンとを含有する、発酵麦芽飲料。
[2]上面発酵により得られた飲料である、[1]に記載の発酵麦芽飲料。
[3]小麦麦芽由来成分を含む飲料である、[1]又は[2]に記載の発酵麦芽飲料。
[4]酢酸イソアミル濃度が2ppm以上になるように、麦芽を含む植物原料の水溶液を調製し、発酵させる工程と、前記水溶液中のクマリン濃度を、100ppb以上になるように調整する工程と、を備える、発酵麦芽飲料の製造方法。
[5]前記発酵させる工程が、上面発酵を行う工程を含んでいる、[4]に記載の製造方法。
[6]前記麦芽が、小麦麦芽を含む、[4]又は[5]に記載の製造方法。
本実施態様に係る発酵麦芽飲料は、2ppm以上の酢酸イソアミルと、100ppb以上のクマリンとを含有する。
クマリンは、桜の花や葉などに含まれる香気成分である。しかしながら、単に発酵麦芽飲料にクマリンを含有させるだけでは、シナモン様の香気が強調され、桜を想起させる香味を付与することができない。一方、酢酸イソアミルは、バナナ様の果実感を与える香気成分として知られている。ここで、特定濃度のクマリンを特定濃度の酢酸イソアミルと組み合わせることにより、単にクマリンを含有させるだけでは得られない、桜を想起させる香味が付与される。
本発明において、「発酵麦芽飲料」とは、麦芽を含む植物原料から得られた飲料であって、発酵工程を経て得られた飲料をいう。
本実施態様に係る発酵麦芽飲料は、上述のように、酢酸イソアミルを2ppm以上含む。酢酸イソアミルの含有量は、好ましくは2.5ppm以上15ppm以下、より好ましくは3ppm以上10ppm以下、更に好ましくは4ppm以上7ppm以下である。
酢酸イソアミルは、原料である植物原料由来のものであってもよいし、植物原料とは別に添加されたものであってもよいし、発酵により生成されたものであってもよい。
発酵麦芽飲料中の酢酸イソアミルの濃度は、例えば、ビール分析の国際基準とされているEBC(European Brewery Convention)のAnalytica-EBC標準法に準じて、GCを用いて測定することができる。
本実施態様に係る発酵麦芽飲料は、上述のように、クマリンを100ppb以上含有する。クマリンの含有量は、好ましくは200ppb以上1400ppb以下、より好ましくは340ppb以上700ppb以下である。
クマリンの含有量は、例えば、合成されたクマリンを含む添加剤、又は、クマリンを含む天然物の抽出物を添加剤として添加することにより、調整することができる。このましくは、クマリンを含む天然物の抽出物を添加することにより、クマリンの含有量が調整される。クマリンを含む天然物の抽出物としては、例えば、桜葉の抽出物等が好ましく挙げられる。
本発明に係る発酵麦芽飲料には、必要に応じて、食物繊維、pH調整剤、苦味料、酸味料、甘味料、香料等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤の含有量については、これらの添加剤について、慣用されている量を採用すればよい。
続いて、本実施態様に係る発酵麦芽飲料の製造方法の一例について説明する。
発酵後、クマリンを含む添加剤が、所定濃度(100ppb以上)となるように発酵液に添加される。更に、発酵後、必要に応じて発酵液を熟成させる。その後、発酵液を濾過し、目的の発酵麦芽飲料が得られる。
なお、クマリンを含む添加剤の添加タイミングは、必ずしも発酵後である必要はなく、任意の段階とすることができる。
酢酸イソアミル濃度が異なる3種類の市販の発酵麦芽飲料A1、B1及びC1を準備した。各飲料の詳細は、以下のとおりである。
同様に、発酵麦芽飲料B1に、クマリンを含む添加剤を添加し、それぞれクマリン濃度が340ppb及び700ppbである発酵麦芽飲料B2及びB3を調製した。
更に、発酵麦芽飲料C1に、クマリンを含む添加剤を添加し、それぞれクマリン濃度が340ppb及び700ppbである発酵麦芽飲料C2及びC3を調製した。
表1に、発酵麦芽飲料A1乃至C3における酢酸イソアミル濃度及びクマリン濃度を示す。
得られた発酵飲料A1乃至C3について、よく訓練されたパネリスト5名による官能評価を行った。評価項目は、(1)桜感(桜を想起させる香味)、(2)果実感(バナナ感)、及び(3)シナモン感とした。評価基準は、下記のとおりとした。
5:大変強い
4:強い
3:ある程度強い
2:やや弱い
1:弱い
5:大変強い
4:強い
3:ある程度強い
2:やや弱い
1:弱い
5:大変強い
4:強い
3:ある程度強い
2:やや弱い
1:弱い
すなわち、2ppm以上の酢酸イソアミルを含有する発酵麦芽飲料において、クマリンを100ppb以上含有させることにより、桜感を付与できることが理解される。
Claims (6)
- 2ppm以上の酢酸イソアミルと、100ppb以上のクマリンとを含有し、
麦芽使用比率が25%以上である、発酵麦芽飲料(ただし、桜の花を原料として使用するものを除く)。 - 上面発酵により得られた飲料である、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
- 小麦麦芽由来成分を含む飲料である、請求項1又は2に記載の発酵麦芽飲料。
- 酢酸イソアミル濃度が2ppm以上になるように、麦芽を含む植物原料(桜の花を含むものを除く)の水溶液を調製し、発酵させる工程と、
前記水溶液中のクマリン濃度を、100ppb以上になるように調整する工程と、
を備える、
発酵麦芽飲料の製造方法であって、
前記発酵麦芽飲料の麦芽使用比率が25%以上である、製造方法。 - 前記発酵させる工程が、上面発酵を行う工程を含んでいる、請求項4に記載の製造方法。
- 前記麦芽が、小麦麦芽を含む、請求項4又は5に記載の製造方法。
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いせいの毎日, 2017.03.29 [検索日 2021.11.12], インターネット:<URL: http://iseisaketen.blog.fc2.com/blog-entry-3068.html?sp> |
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役立ちドットネット, 2015.04.01 [検索日 2021.11.12], インターネット:<URL: https://yakutachi.net/archives/2343> |
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