JP2011036129A - 高アルコール度のビールテイスト発酵飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 炭素源、窒素源、水および所望によりホップを少なくとも含む原料を用いたビールテイスト発酵飲料であって、更に、甘味料、酸味料、カラメル色素、酵母エキスのいずれか一種又は複数種を原料とすることを特徴とするアルコール度7〜10%のビールテイスト発酵飲料である。
【選択図】 なし
Description
そのなかでも、ビール、発泡酒、或いは第三ジャンルを含めた新ジャンルのビールテイスト発酵飲料において、豪快な飲み応えを求めた高アルコール度を有するビールテイスト発酵飲料が登場しつつある。
このアルコール臭さ、いわゆるアルコリックは、キリッとしたクリアな飲み応え、すなわち、飲み易さの指標となるスッキリとした喉越しの爽快感を失うものである。
1.炭素源、窒素源、水および所望によりホップを少なくとも含む原料を用いたビールテイスト発酵飲料であって、更に、甘味料、酸味料、カラメル色素、酵母エキスのいずれか一種又は複数種を原料とすることを特徴とするアルコール度7〜10%のビールテイスト発酵飲料、
2.炭素源として、麦芽の使用比率が50重量%以下である炭素源を用いることを特徴とする上記1に記載のビールテイスト発酵飲料、
3.炭素源として、糖化デンプン及び/又は糖シロップを使用することを特徴とする上記1又は2に記載のビールテイスト発酵飲料、
4.窒素源として、麦又は麦以外の穀類由来のタンパク質分解物を用いることを特徴とする上記1に記載のビールテイスト発酵飲料、
5.麦以外の穀類由来のタンパク質分解物が、大豆、エンドウ豆又はとうもろこし由来のタンパク質分解物である上記4に記載のビールテイスト発酵飲料、
6.アルコール度が8%である上記1〜5のいずれかに記載のビールテイスト発酵飲料、
7.穀類由来のタンパク質分解物が大豆由来のタンパク質分解物であり、酵母エキス及び/又はカラメル色素を必須の原料とすることを特徴とする上記4に記載のビールテイスト発酵飲料、
8.穀類由来のタンパク質分解物がエンドウ豆由来のタンパク質分解物であり、カラメル色素を必須の原料とすることを特徴とする上記4に記載のビールテイスト発酵飲料、
9.穀類由来のタンパク質分解物がとうもろこし由来のタンパク質分解物であり、酵母エキス及びカラメル色素を必須の原料とすることを特徴とする上記4に記載のビールテイスト発酵飲料、
10.麦芽及び麦類を使用しないことを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載のビールテイスト発酵飲料、
11.甘味料、酸味料、カラメル色素、酵母エキスのいずれか一種又は複数種を原料とすることを特徴とするアルコール度7〜10%のビールテイスト発酵飲料におけるアルコリック感の低減方法、
である。
本発明のビールテイスト飲料のアルコール度は、7〜10%が好ましい。中でも8%が好適である。アルコール度を7〜10%とする方法については、発酵工程でこの範囲となるように設計することができる。あるいは、発酵工程の後で水や醸造用アルコールを添加してアルコール分を調整してもよい。
一方、麦芽使用比率の低いビールテイスト飲料、なかでも、麦芽及び麦類を使用しない非麦のビールテイスト発酵飲料においては、高アルコール度とした場合のアルコール分由来の飲みにくさという課題は顕著となる傾向がある。
したがって、本発明の技術は、麦芽使用比率の低い飲料、たとえば、50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは、麦や麦芽を使用しないビールテイスト飲料に好適に用いることができる。
また、炭素源として、糖化工程を経ないでも酵母が資化可能な原料である糖化デンプン、糖シロップなどを用いることもでき、本発明にあっては、特に炭素源としてこのような糖化デンプン、糖シロップを用いるのが好ましい。
かかる窒素源として、本発明にあっては、大豆、エンドウ豆又はトウモロコシ由来のタンパク質分解物を挙げることができる。
タンパク質分解物とは、植物タンパク質加水分解物の一種であり、例えばトウモロコシを例に挙げると、トウモロコシを分画精製して得られるタンパク質画分を酸、アルカリ又はタンパク質分解酵素で加水分解し、分解物を中和、脱色脱臭、精製、濃縮などの工程を経て得られる粉末又はペースト状の原料である。
添加の時期は、発酵前の原料中に存在するように添加すればどの段階で行っても良い。
このような甘味料としては、具体的には、アセスルファムK、スクラロース等を挙げることができる。
アセスルファムKは、酢酸を原料とした人工甘味料であって。砂糖の200倍の甘さがあり、スッキリとキレのある甘みを特徴とする甘味料である。
また、スクラロースは、砂糖をもとに開発された甘味料であって、砂糖の約600倍の甘味度を持ち合わせる高甘味度甘味料である。
添加量が少ないと、アルコリックの改善が不十分であり、また多すぎると飲料としての香味のバランスが悪くなる。
添加の時期は特に限定されないが、設計の濃度を達成するためには、発酵工程の終了後に添加することが望ましい。
このような酸味料としては、具体的には、酢酸、乳酸、クエン酸、リン酸等を挙げることができ、その添加量は良好な香味を付与することができ、発酵工程に悪影響を及ぼさない範囲であれば特に限定されない。
好ましくは、製品中に対して、0.001〜0.5重量%程度である。
添加量が少ないと、アルコリックの改善が不十分であり、また多すぎると飲料としての香味のバランスが悪くなる。
添加の時期は特に限定されないが、設計の濃度を達成するためには、発酵工程の終了後に添加することが望ましい。
その添加量は良好発酵を確保する限りにおいて、特に限定されない。ただし、窒素源または発酵助剤の目的を合わせて期待する場合には、やや多めに使用する。一方、アルコリックの改善目的に、発酵後に添加する場合には比較的少量添加することが望ましい。添加量は、好ましくは、酵母発酵工程の仕込み液(発酵原液)中に対して、0.01〜2重量%程度、あるいは、発酵工程の後で添加する場合には、製品中に対して、0.001〜1重量%程度である。
その添加量は良好ビール用の色調を確保する限りにおいて、特に限定されるものではなく、好ましくは、酵母発酵工程の仕込み液(発酵原液)中に対して、0.01〜0.5重量%程度である。
この場合のアルコール含量は、アルコール度7〜10%のビールテイスト発酵飲料として提供されるものである。
なお、本発明のビールテイスト発酵飲料にあっては、通常の香料等、他の添加剤を添加しても良い。
醸造用アルコール及び炭酸水を用いて、それぞれアルコール度が5%、6%、7%、8%および10%であるアルコール飲料を調製し、そこに下記表1に記載の添加量の添加物成分を加えたアルコール飲料を調製した。
調製したアルコール飲料について、味覚官能試験を実施した。
なお、コントロールとしては、それぞれのアルコール含有量のアルコール含有炭酸水を用い、比較例としてホップ抽出物を添加したそれぞれのアルコール含有量のアルコール飲料をおいた。
専門パネリスト6名による味覚官能試験を行った。
評価項目は、
(1)喉越しの刺激感、および、
(2)アルコリック(アルコール臭さ)、
とした。
専門パネリスト6名により評点法で行い、平均点を算出し、その結果をあわせて表中に示した。
なお、評点は、以下のとおりとした。
「とても強く感じる」=4点;「強く感じる」=3点;「感じる」=2点;「感じない又は弱く感じる」=1点
(2)アルコリック(アルコール臭さ)
「感じない」=4点;「弱く感じる」=3点;「感じる」=2点;「強く感じる」=1点
得られた平均点について、表中に以下の表示で示した。
×:1以上〜2未満
△:2以上〜3未満
○:3以上〜4未満
仕込み水、糖シロップ(加藤化学社製)及びとうもろこしタンパク質分解物を用い、硫酸アンモニウムによりそれぞれアルコール度が5%、6%、7%、8%および10%のビールテイスト発酵飲料を調製し、そこに下記表1に記載の添加量の添加物成分を加えたビールテイスト発酵アルコール飲料を調製した。
調製したアルコール飲料について、実施例1と同様の味覚官能試験を実施した。
その結果を、下記表2に示した。
仕込み水85kgに対して、糖シロップ(加藤化学社製)を15kg、とうもろこしタンパク質分解物200g(0.2重量%)、酵母エキス200g(0.2重量%)、水溶性植物繊維及びカラメル色素100gを加え、これを50分間煮沸した後、静置して浮遊物を除き、発酵原液を得た。発酵原液に酵母(Weihenstephan-34株)を、生菌数10×106sells/mLになるよう添加し、温度20℃で8日間発酵を行った。炭素源の資化終了後、濾過により酵母を取り除き、濾液に、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、酸味料(クエン酸)、クエン酸カリウム、苦味料、香料を添加して溶解させ、本発明のアルコール度8%のビールテイスト発酵飲料を得た。
得られたビールテイスト発酵飲料は、高アルコール含有ビールテイスト発酵飲料でありながら、喉越しの刺激感があり、アルコリック(アルコール臭さ)のない飲み易さ、すなわち、スッキリとした喉越しの爽快感を有するものであった。
仕込み水85kgに対して、四糖類以上の糖組成が7%の糖シロップ(加藤化学社製)を15kg、とうもろこしタンパク質分解物200g(0.2重量%)、酵母エキス200g(0.2重量%)、とうもろこしの繊維画分を高温高圧処理したコーン殻皮加工品0.01重量%、及びカラメル色素200gを加え、これを60分間煮沸した後、静置して浮遊物を除き、発酵原液を得た。発酵原液に酵母(Weihenstephan-34株)を、生菌数10×106sells/mLになるよう添加し、温度20℃で8日間発酵を行った。炭素源の資化終了後、濾過により酵母を取り除き、発酵液に対して2倍容量の脱気水にて希釈し、さらに醸造用アルコール、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、酸味料(クエン酸)、クエン酸カリウム、苦味料、香料を添加して溶解させ、炭酸ガスを加え、本発明のアルコール度8%のビールテイスト発酵飲料を得た。
得られたビールテイスト発酵飲料は、高アルコール含有ビールテイスト発酵飲料でありながら、喉越しの刺激感があり、アルコリック(アルコール臭さ)のない飲み易さ、すなわち、スッキリとした喉越しの爽快感を有するものであった。
Claims (11)
- 炭素源、窒素源、水および所望によりホップを少なくとも含む原料を用いたビールテイスト発酵飲料であって、更に、甘味料、酸味料、カラメル色素、酵母エキスのいずれか一種又は複数種を原料とすることを特徴とするアルコール度7〜10%のビールテイスト発酵飲料。
- 炭素源として、麦芽の使用比率が50重量%以下である炭素源を用いることを特徴とする請求項1に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 炭素源として、糖化デンプン及び/又は糖シロップを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 窒素源として、麦又は麦以外の穀類由来のタンパク質分解物を用いることを特徴とする請求項1に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 麦以外の穀類由来のタンパク質分解物が、大豆、エンドウ豆又はとうもろこし由来のタンパク質分解物である請求項4に記載のビールテイスト発酵飲料。
- アルコール度が8%である請求項1〜5のいずれかに記載のビールテイスト発酵飲料。
- 穀類由来のタンパク質分解物が大豆由来のタンパク質分解物であり、酵母エキス及び/又はカラメル色素を必須の原料とすることを特徴とする請求項4に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 穀類由来のタンパク質分解物がエンドウ豆由来のタンパク質分解物であり、カラメル色素を必須の原料とすることを特徴とする請求項4に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 穀類由来のタンパク質分解物がとうもろこし由来のタンパク質分解物であり、酵母エキス及びカラメル色素を必須の原料とすることを特徴とする請求項4に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 麦芽及び麦類を使用しないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のビールテイスト発酵飲料。
- 甘味料、酸味料、カラメル色素、酵母エキスのいずれか一種又は複数種を原料とすることを特徴とするアルコール度7〜10%のビールテイスト発酵飲料におけるアルコリック感の低減方法。
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