JP5297726B2 - 同軸ケーブル中空コア体の製造方法、同軸ケーブル中空コア体、並びに同軸ケーブル - Google Patents

同軸ケーブル中空コア体の製造方法、同軸ケーブル中空コア体、並びに同軸ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、同軸ケーブル中空コア体の製造方法、同軸ケーブル中空コア体並びに同軸ケーブルに関する。詳しくは、高中空率でありながら、長手方向の電気特性が安定した同軸ケーブル用中空コア体に関する技術である。
ITの進展に伴い、同軸ケーブルにおいても高性能化(低損失化、高速伝送化)、高密度化(ケーブルサイズダウン)等が求められ、そのため絶縁体の低誘電率化とその安定性向上が求められている。絶縁体の低誘電率化には絶縁被覆樹脂に空気を導入することが有効であり、例えば発泡タイプの樹脂(PE,PFA,PTFE等)が用いられている。
そして、中空コア体の中空部の潰れや変形等を防止するために、表面にスキン層(充実層)を形成することが行われているが、充実であるため同軸ケーブル中空コア体全体としての発泡度を高くすることができない。
特に、同軸ケーブル中空コア体のコア外径が0.5mm以下といった極細径とする場合には、気泡形成による斑の影響が大きくなる。また、スキン層が絶縁体全体の面積に占める割合も大きくなり、高発泡(中空率)でありながら長手方向の電気特性が安定している同軸ケーブル中空コア体を製造することは困難であった。
これに関して、出願人は外環状部の外径が5.0mm以下であって、絶縁部に占める中空部の面積割合が40%以上であり、外環状部の真円度が96.0%以上である同軸ケーブル用中空コア体に関する技術を提供している(特許文献1参照)。
特開2007−335393号公報。
しかし、同軸ケーブル用中空コア体を製造する際には以下の問題を抱えていた。
例えば、外環状部の厚みが薄い場合であると、ダイスを押出された溶融樹脂の熱容量が小さいために、急速に冷却されてしまい、引き落とし(ドラフト)の制御が難しくなる。そのため、外形状が大きいままで冷却されてしまい、内環状部と内部導体との間に空間が生じ均一に被覆できなかったりしていた。あるいは、真円でなければならない外周の被覆層の断面が潰れて多角形状になったりしていた。この問題は、特に極細径の同軸ケーブル用中空コア体を製造する際に特に顕著であった。
そこで、本発明は、高中空率でありながら長手方向の電気特性が安定した極細同軸ケーブル用中空コア体の製造方法を提供することを主な目的とする。
まず、本発明は、内部導体と、
該内部導体を被覆する内環状部と、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、
該リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環状部と、からなる絶縁被覆体と、
を備え、前記内環状部と前記外環状部と前記リブ部とにより囲まれた複数の中空部を有し、絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上である同軸ケーブル用中空コア体の製造方法に関するものであり、
少なくとも、
(1)前記絶縁被覆体を形成しうるダイスを用い、溶融樹脂を前記ダイスから押出して、前記内部導体の外周に前記絶縁被覆体を形成する工程、
(2)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を150℃以上〜[前記樹脂の融点+10]℃未満で加熱する工程、及び
(3)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を、室温近傍で冷する工程
をこの順で行うとともに、得られた中空コア体の最大外径と最小外径を測定し、最大外径と最小外径の差が最小となるように、前記(2)工程における加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか一つを制御する同軸ケーブル用中空コア体の製造方法を提供する。
引き落とした樹脂を加熱し、室温近傍で冷する。これによって、真円性の高い同軸ケーブル用中空コア体とすることができる。そして、中空コア体の外径を測定し、これに基づいて(2)工程の加熱条件を制御することで、より高い精度で中空コア体の真円性を制御することができる。
なお、本発明に係る同軸ケーブル用中空コア体の製造方法において、(2)工程は、加熱筒によって行うことが望ましい。
本発明に係る同軸ケーブル用中空コア体の製造方法において、面積引き落とし倍率は、300〜4000倍とすることが望ましい。
加えて、本発明において、前記ダイスは、前記内部導体の挿通用中心孔と、前記挿通用中心孔の外周に隣接配置される内環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、該直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔とで囲まれた部分に前記中空部形成用の内圧調整用エアを導入するための貫通孔を設けるのが望ましい。
続いて、本発明は、内部導体と、
該内部導体を被覆する内環状部と、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、該リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環状部と、からなる絶縁被覆体と、
を備え、前記内環状部と前記外環状部と前記リブ部とで囲まれた複数の中空部を有する同軸ケーブル用中空コア体であって、
前記絶縁被覆体は、同軸ケーブル用中空コア体の最大外径と最小外径の差が最小となるように加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか一つを制御して、前記絶縁被覆体を形成する樹脂を加熱することで得られたものであり、
絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上であり、
長手方向における水中キャパシタンスの変動率が3.1%以下であることを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体を提供する。
高中空率でありながら長手方向の電気特性が安定した同軸ケーブル用中空コア体とすることができる。
この「水中キャパシタンスの変動率」とは、同軸ケーブル用中空コア体5mにおける水中キャパシタンスの最大値と最小値の差を平均値で割ったものをいう。
そして、この同軸ケーブル用中空コア体の単数本又は複数本の外周に、少なくとも外部導体層を設けた同軸ケーブルを提供する。そして、この同軸ケーブルについて、長手方向における特性インピーダンスの変動率が3.0%以下とすることができる。
この「特性インピーダンスの変動率」とは、同軸ケーブル長さ5mにおけるインピーダンスの最大値と最小値の差を平均値で割ったものをいう。
本発明によれば、高中空率でありながら長手方向の電気特性が安定した同軸ケーブル用中空コア体を製造し得ることができる。
以下、本発明について説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明に係わる代表例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。なお、以下に使用する図面では、説明の便宜上、装置の構成等については簡素化して示している。まず、本発明の中空コア体について説明し、続いて製造方法について説明する。
図1は、本発明により得られうる中空コア体の一例を示す断面図である。この図1中の符号10は、同軸ケーブル中空コア体(以下、単に「中空コア体」という場合がある。)を示している。この同軸ケーブル中空コア体10は、内部導体12と絶縁被覆体14とを備えている。
内部導体12は、強度、導電性に優れる銅又は銅合金の細線、又は高導電性の金属をメッキした単線等を用いることができるが、撚り線であってもよい。
絶縁被覆体14は、熱可塑性樹脂で形成され、内部導体12の外周を被覆する内環状部14aと、この内環状部14aの外周から外方に向けて放射状に延設された6本のリブ部14bと、各リブ部14bの外端間を連結する外環状部14cとを備えている。
この同軸ケーブル中空コア体10は、6本のリブ14bを周方向に沿って、略等角度間隔で配置することにより、内環状部14aとリブ部14bと外環状部14cで外周を囲まれて、かつ長手方向に連続した6の中空部16が、内部導体12を中心にして、周方向に略均等に配置され、リブ部14bによって中空部16を小空間に区画している。
絶縁被覆体14に用いる材料は限定されず、例えば、PFA等のフッ素樹脂、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(APO)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を用いることができる。そして、絶縁被覆体14はこれらの樹脂により一体成形することができる。
中空コア体10は、絶縁被覆体14を形成する樹脂をダイス20から押出した後に加熱し、室温近傍で冷することで、外環状部14cの外径が0.5mm以下であり、絶縁部に占める中空部16の面積割合が40%以上で、かつ外環状部の真円度が96.0%以上とすることができる。更に、中空コア体10のキャパシタンスを水中にて連続的に測定した際の変動率(これを「水中キャパシタンス変動率」という場合がある)は、3.1%以下であるのが好適である。この水中キャパシタンス変動率は、中空コア体10の長手方向5mにおける最大値と最小値の差を平均値で割った変動率である。本発明によれば、長手方向に安定したキャパシタンスを有する中空コア体10とすることができる。
本発明の中空絶縁構造は極細でありながら40%以上の中空率が確保できるが、構造の真円性や機械的特性(側圧、曲げ特性及びケーブルの端末加工時)等を確保するためリブ数を5本以上とすることが望ましい。このリブ本数については、中空率40%以上を確保するためとダイス先端部の機械加工精度の点から10本を越えないことが望ましい。
中空部16の割合である中空率は、中空コア体10の断面積において、絶縁部全体に占める中空部16の割合であって、例えば、図1の中空コア体10の場合であれば、6個の中空部16の断面積の総和が、絶縁部(絶縁被覆体14の全断面積+中空部16の全断面積)の40%以上となるように設定している。
また、真円度は、外環状部14cの外径の大きさで、最長径をa、最短径をb、平均外径をc(c=(a+b)/2)とした場合、下記数式(1)で示される値であり、どれだけ中空コア体10が真円に近いかを現す指標となる。
面積引き落とし倍率は、下記数式(2)で示される値であり、好ましい範囲としては300〜4000倍であることが望ましい。更に好ましくは、下限値は800倍以上であることが望ましく、上限値は2000倍以下であることが望ましい。かかる面積引き落とし倍率とすることで、生産安定性を更に向上することができるため好適である。
この中空コア体10は、絶縁被覆体14の外環状部14cの外周に、外部導体層と、必要に応じてその保護層とを設けることで同軸ケーブルとして用いることができる。この場合、外部導体層は金属メッキ等により形成することができる。
この場合、絶縁被覆体14の活性化処理として、ウエットブラストによるエッチング、フルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体)による親水化処理をした後、塩化第一錫の塩酸酸性液でセンシタイジングし、更に塩化パラジウムの塩酸酸性液でアクチュベーションを行った後、無電解メッキを行うこと等ができる。
外部導体層としては、横巻き線シールド、金属層を両面又は片面に備えた金属プラスチックテープの横巻き又は縦添え、この金属プラスチックテープを含む横巻き線シールド、横巻きシールドの中に錫を含浸させた導体層、中空コア体10の表面を処理して直接形成させた金属メッキ層等を組み合わせることができる。
また、同軸ケーブルとして使用する際には、1本の中空コア体10を用いる場合に限定されず、複数本の中空コア体10を用いてもよく、いずれの場合にも対応することができる。
そして、中空コア体10を用いた同軸ケーブルは、長手方向における特性インピーダンスの変動率を3.0%以下とすることができる。この特性インピーダンス変動率は、同軸ケーブル長さ5mにおける最大値と最小値の差を平均値で割ったものである。中空コア体10は高中空率でありながら電気特性が安定しているため、これから得られる同軸ケーブルは長手方向に安定した特性インピーダンスとすることができる。なお、同軸ケーブルの特性インピーダンスは50Ωでもよいし75Ωでもよく、用途等に応じて適宜に選択することができる。
上記構成の中空コア体10は以下の製造方法によって得ることができる。図2は、本発明に係る製造方法の説明に供する概念図である。符号Sは、本発明に係る同軸ケーブル用中空コア体の製造装置(以下、「製造装置」という場合がある。)を示している。この製造装置Sは、押出し機にダイス20を備えており、このダイス20にはターンシーブ40を介して、内部導体12が導入される。ダイス20の後流側には、加熱筒(ドラフトゾーン)42と、冷用の空冷部44と、水冷却槽45と、が設置されている。更に、その下方には、水受用水槽47が設けられている。空冷部44と水冷却槽45との間には、ダイス20から導出され、加熱筒42を通過することにより冷された中空コア体の温度を測定する非接触温度計48が設けられている。
ダイス20、加熱筒42、空冷部44、水冷却槽45は、この順に配列されて、架台50に固定されているレール52上を移動(図2の矢印参照)可能であり、任意の位置に固定することができるように支持されている。そして、水冷却槽45で冷却された中空コア体10は、水受用水槽47内に設けられたシーブ54で方向転換されて、後続のネルソンローラー56に導かれた後に、巻き取り機(図示せず)に送られる。ネルソンローラー56から導出された中空コア体10は、揺動式外径測定器58により、その外径を測定するものである。
ダイス20は、絶縁被覆体14を形成しうるものであれば特に限定されないが、例えば図3〜5に示すダイスを用いることができる。図3は、本発明に係る製造方法に用いるダイス20の一例を示す概念図である。図4は、図3のA部拡大図である。図5は、図3の先端側からみたダイス20の平面図である。
ダイス20は、断面が概略凸状に形成され、円盤状のフランジ22と、先端凸部24とを備えている。これらの図に示した先端凸部24には、軸芯にパイプ26を挿入嵌着することにより、内部導体12の挿通用中心孔24aが設けられている(図5参照)。
中心孔24の外周には、内環状孔24bが隣接配置されると共に、内環状孔24bの外周から略等角度間隔で外方に向けて放射状に延びる6本の直線状孔24cが設けられている。更に、6本の直線状孔24cの外端間には、これらを連結する外環状孔24dが設けられている。
このダイス20を用い、中心孔24a内に内部導体12を挿通させながら、内環状孔24bと直線状孔24cと外環状孔24dから溶融樹脂を押出した後、溶融樹脂を冷却固化させると、図1に示す断面形状の中空コア体10を得ることができる。内部導体12を回転、非回転、あるいはSZ回転させつつ、クロスヘッドダイ中に挿通して、内部導体12の外周に溶融樹脂を押出被覆することで絶縁被覆体14を形成できる。
この場合、内部導体12を被覆する内環状部14aは、内環状孔24bから押出された樹脂で形成され、内環状部14aから放射状に延びる6本のリブ部14bは、直線状孔24cから押出され樹脂で形成され、リブ部14bの外端を連結する外環状部14cは、外環状24dから押出された樹脂で形成される。本発明では、内環状部14aとリブ部14bと外環状部14cとで囲まれた複数の中空部16内に内圧調整用エアを導入しながら、ダイス20から溶融樹脂を押出しするのが好適である。
内圧調整用エアは、内環状孔24bと直線状孔24cと外環状孔24dとで囲まれた部分にそれぞれ1個ずつ配置されている。内部導体12を中心孔24内に挿通して、これを所定速度で引き取る際に、これに伴って外部のエアが、貫通孔24eの後端側(図3においては左端に相当する)から、前方に向かう空気流に伴って、中空部16内に導入されて、それぞれの中空部16の内圧を均一化することができる。
この内圧調整用エアは、内部導体12の引き取りに伴って自然発生する空気流で中空部16内に導入してもよいが、より好適には、所定圧力に加圧した内圧調整用エアを中空部16内に積極的に導入することが望ましい。
加熱筒24(ドラフトゾーン)は、ダイス20から引き出された絶縁被覆体14を形成する樹脂を加熱する。加熱温度は、樹脂の種類や中空コア体の外径等に応じて適宜設定することができ、例えば(その樹脂融点+10℃)未満〜(常温+50℃)以上で加熱することができる。かかる温度の加熱筒24に樹脂を通過させることで、細径であっても優れた真円性を有する中空コア体10とすることができる。ダイス20から押出された溶融樹脂の熱容量が小さくても、この加熱筒42に通過させることで、溶融樹脂の急速な冷却を防止できる。なお、樹脂融点の測定は、ASTM D4591によって測定することができる。そして、加熱筒42の構造や加熱方法は限定されないが、好適には、高周波加熱や遠赤外線加熱によることが望ましい。
空冷部44は、絶縁被覆体14を形成する樹脂を、室温近傍で空冷により冷する。加熱筒42の後に空冷部44を設けることで、絶縁被覆体14を形成する樹脂が一気に冷却固化するのを防止できる。空冷部44の温度は、室温近傍であればよいが、より具体的には15℃〜40℃であることが望ましく、更に好ましくは、25℃〜35℃とすることが望ましい。なお、空冷部44の長さ(空冷ゾーン)を調節することで、溶融樹脂を目的の温度とすることができる。
本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア体の製造方法において、絶縁被覆体14を形成する樹脂を徐冷する手段は本実施形態に限定されず、例えば、風冷や空冷等によって徐冷してもよい。極細径の中空コア体10は熱容量が小さいので、空冷や風冷によって、絶縁被覆体14を形成する樹脂の温度を室温付近にまで下げることが可能である。
例えば、風冷によって冷を行う場合には、風冷部として、従来公知の風冷筒等を用いることができる。風冷筒にはブロアー付き熱風発生器等を設け、所定温度の熱風を積極的に発生させてもよい。風冷部を用いる場合も、空冷部44同様に、風冷部内の雰囲気温度を室温近傍とすることが望ましい。更には、空冷部と風冷部とを併用してもよい。
水冷却槽45は、空冷部44を通過した溶融樹脂を水冷する。これにより、絶縁被覆体14を形成する樹脂を完全に固化させることができる。水冷却槽45は、本発明において必ずしも必須ではないが、空冷部44(や風冷部)に加えて備えることが望ましい。極細径な中空コア体10であれば、前述の空冷や風冷によって絶縁被覆体14を形成する樹脂の温度を室温付近にまで下げることができるが、水冷を行うことによって製造速度が高速であっても真円性が高い中空コア体10を得ることができる。特に、引き出し速度が30m/分以上であっても、真円性の高い中空コア体10を好適に得ることができる。
また、得られた中空コア体10の最大外径と最小外径を測定し、最大外径と最小外径の差が最小となるように、加熱筒42や空冷部44等の夫々の条件を制御することが望ましい。
この最大外径と最小外径の測定は、揺動式外径測定器58によって測定できる。揺動式外径測定器58は、連続あるいは間欠的に中空コア体10の外径測定が可能であり、測定器自身を180°往復揺動回転させつつ測定し、オンライン上で中空コア体10の全周方向で外径の測定が可能である。なお、本発明では測定器の種類は限定されず、適宜好適な測定器、測定方法によって測定することができる。
加熱筒42については、その加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか一つを制御することができる。加熱筒42内の雰囲気温度や筒の長さ(ゾーン長)等を調節することで可能となる。更には、加熱筒42の加熱のタイミングを制御することもできる。例えば、製造装置Sであれば、レール52上を適宜に移動させることができるので、これによってダイス20から引き出された溶融樹脂をどのタイミングで加熱するかを制御することができる。温度が低かったり加熱筒が短すぎると、中空部外環が膨らみ花びら状になりやすく、温度が高すぎたり加熱筒が長すぎると、中空部外環が凹みリブ部を頂点とした多角形状に潰れてしまいやすい。これらの条件は、内部導線12の引き出し速度や、非接触温度計48によって測定された温度や、中空ア体10の大きさや形状等を考慮して決定することができる。
空冷部44については、その雰囲気温度や空冷部の長さ(ゾーン長)等を調節することで、空冷条件(空冷温度や空冷時間)を制御することができる。更に、空冷部44の空冷のタイミングを制御することが望ましく、例えば、製造装置Sであれば、レール52上を適宜に移動させることで制御することができる。
また、加熱筒42や空冷部44等について、製造開始時は、揺動式外径測定器58の測定結果に基づいて最適な配置位置(配置間隔)を検出すべく、架台50上を移動させ、最適な配置位置が決まった後は夫々の最適な配置位置(配置間隔)に固定させることもできる。
本発明によれば、中空コア体10を一体成形することができる。例えば、従来では、分割された多孔ダイスを用いて絶縁被覆を行う方法や、リブ構造で1回目の被覆を行い、環状に2段被覆する方法等が行なわれている。しかし、前者の方法では、分割された各部を接着するために、分割孔を相互に隣接する必要があり、このためドラフト率を大きくとれず、分割部で割れる可能性もあり、形状安定性に問題が生じていた。後者の方法では、環状被覆とリブ構造部(十字部)を接着するため、環状被覆自体に引き締める力が必要となり、環状被覆の厚みが薄いと多角形状に崩れてしまう。そのため真円性を確保するためには厚みを厚くする必要があるので、中空率が低下してしまっていた。これに対して、本発明では、細径でありながら、高中空率であり真円性に優れた中空コア体10を一体で成形することができる。
本発明によれば、細径でありながら、高中空率で真円度に優れた中空コア体とすることができる。これにより、低誘電率であり、かつ長手方向の電気特性が均一な中空コア体とすることができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>(加熱筒で好適な形状を得られる例)
図2に示す製造装置を用いて、中空コア体10の製造を行った。
内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線(外径0.025mmの錫メッキ錫合金線を7本で撚ったもの、以下同様)を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス20中を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂(「AP201SH」ダイキン工業社製、誘電率2.1、樹脂融点約310℃)を被覆した。ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度250℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾーン)を設けた。面積引き落とし倍率は1936倍とし、外径0.19mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体10をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.011mm、リブ部の厚みが0.012mm、内環状部の厚みが0.014mmであった。これらの測定結果から求めた中空部16の中空率は48%で、真円度98.3%と、真円に近いコアを得ることができた。
[キャパシタンスの評価]
この中空コア体のキャパシタンスを水中オンラインで連続的に測定した。ケーブルキャパシタンスモニター(検出部CP−05−10と中継器CPM−011と表示部CPM−401)と校正キャパシターとリターンロス演算ソフトCPM−PC(いずれもタキカワエンジニアリング製:電極長100mm、アベレージング100回)」を用いて測定したところ、79.4±0.8pF/m(5m間)であった。この水中キャパシタンスの変動率は、1.6÷79.4×100=2.02(%)となった。
[同軸ケーブルの評価]
中空コア体10に0.03mm×15本の横巻きシールドを施し、更に厚さ0.05mmのジャケット被覆を行い、φ0.35mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケーブルをTDR(Time Domain Refrectometry)測定装置(アジレントテクノロジー製:8610
0C−TDRモード)を用いてインピーダンス測定を行ったところ、50.2±0.5Ω(試験体長さ5m)と長手方向に安定したインピーダンス特性であった。この特性インピーダンスの変動率は、1÷50.2×100=1.99%)となった。なお、以下の実施例、比較例について、特に断りがない限り実施例1と同様の条件で評価を行った。
<比較例1>(加熱筒なし、空冷のみで好適な形状が得られない例)
内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス20中を35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、加熱筒42は設けずに、長さ800mm、温度30℃の空冷ゾーンを設けた。
[形状の評価]
外径0.40mmの中空コア体を得、面積引き落とし倍率は437倍であった。
得られた中空コア体をカットして寸法を測定したところ、内環状部と内部導体の間に大きな空隙ができていた。そして、外環状部の真円性も劣る結果となった。内部導体と内環状部が密着すると0.19mmとなる設計であったが、密着する前に絶縁被覆樹脂が固化したためと思われる。
<実施例2>(加熱筒で好適な形状が得られる例)
図2に示す製造装置を用いて、中空コア体10の製造を行った。
内部導体として、7/0.025mm錫メッキ錫合金線(外径0.025mmの錫メッキ錫合金線を7本で撚ったもの、以下同様)を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス20中を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂(「AP201SH」ダイキン工業社製、誘電率2.1、樹脂融点約310℃)を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度150℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾーン)を設けた。
面積引き落とし倍率は1936倍とし、外径0.18mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体10をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.011mm、リブ部の厚みが0.012mm、内環状部の厚みが0.014mmであった。
これらの測定結果ら求めた中空部16の中空率は48%、真円度98.3%であった。
[キャパシタンスの評価]
この中空コア体のキャパシタンス水中オンラインで連続的に測定した。実施例1と同様の方法で測定したところ、82.0±0.3pF/m(5m間)であった。この水中キャパシタンスの変動率は、0.6÷82.0×100=0.7(%)であった。
[同軸ケーブルの評価]
中空コア体10に0.03mm×15本の横巻きシールドを施し、更に厚さ0.05mmのジャケット被覆を行い、φ0.35mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケーブルをTDR測定装置を用いてインピーダンス測定を行ったところ、50.2±0.2Ω(5m試験体間)と長手方向に安定したインピーダンス特性であった。このインピーダンスの変動率は、0.4÷50.2×100=0.8(%)であった。
<比較例2>(加熱筒の温度が高すぎる例)
内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス20中を35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度320℃の加熱筒42と、長さ500mm、30℃の空冷ゾーンを設けた。
面積引き落とし倍率は1936倍とし、外径0.19mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.012mm、リブ部の厚みが0.012mm、内環状部の厚みが0.015mmであった。これらの値から求めた中空部16の中空率は44%で、真円度は94%であった。しかし、中空コア体の断面形状は、リブ部を頂点とした略6角形状となってしまった。
<比較例3>(加熱筒の温度が低く、加熱時間が長い例)
内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線を、350℃のクロスヘッドダイスに導きダイス20中を35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ800mm、温度100℃の加熱筒を設けた。
面積引き落とし倍率は777倍とし、外径0.30mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.015mm、リブ部の厚みが0.015mm、内環状部の厚みが0.017mmであった。これらの値から求めた中空部16の中空率は44%で、真円度は90%で略楕円であった。また、中空コア体の断面形状は、内環状部と内部導体の間に大きな空間ができていた。
<実施例3>(7/0.03mmの内部導線を用いた例)
内部導体として7/0.03mm錫メッキ錫合金線を、350℃のクロスヘッドダイに導き、ダイス20中を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度250℃の加熱筒42と、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44を設けた。
面積引き落とし倍率は1213倍とし、外径0.24mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体10をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.016mm、リブ部の厚みが0.016mm、内環状部の厚みが0.018mmであった。
これらの測定結果から求めた中空部16の中空率は46%で、真円度98.3%と、真円に近い中空コア体10を得ることができた。
[キャパシタンスの評価]
この中空コア体のキャパシタンスを水中オンラインで連続的に測定した。実施例1と同等の方法で測定したところ、80.3±0.3pF/m(5m間)であった。この水中キャパシタンスの変動率は、0.6÷80.3×100=0.7(%)となった。
[同軸ケーブルの作製]
この中空コア体10を用いて同軸ケーブルを作成した。得られた絶縁被覆導体に対して、ウエットブラストによるエッチング処理と、フルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体)による親水化処理と、塩化第一錫の塩酸酸性液によるアクチュベーティングと、無電解銅メッキと、電解銅メッキとを施し、厚さ5μmの外部導体層を形成した。更に、保護被覆層として0.05mmの厚さでPFA被覆を施し、外径0.34mmの極細同軸ケーブルを得ることができた。この同軸ケーブルを実施例1と同様の方法に基づいて、インピーダンス測定を行ったところ、50.9±0.2Ω(5m試験体間)と長手方向に安定したインピーダンス特性であった。この特性インピーダンスの変動率は、0.4÷50.9×100=0.8(%)となった。
<比較例4>(実施例3において加熱筒(ドラフトゾーン)をなくした例)
内部導体として7/0.03mm錫メッキ錫合金線を、350℃のクロスヘッドダイに導き、ダイス20中を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、加熱筒は設けずに、長さ800mm、温度30℃の空冷ゾーンを設けた。外径0.41mmの中空コア体を得、面積引き落とし倍率は、415倍であった。
[形状の評価]
得られた中空コア体をカットして寸法を測定したところ、内部導体と内環状部の間に大きな空隙ができていた。
<比較例5>(外径0.19mmであり、PTFE横巻き絶縁層である例)
内部導体である7/0.025mm錫メッキ錫合金に、厚さ0.06mmのPTFE多孔質テープ(空孔率:50%)を横巻きし、外径0.19mmの絶縁コアを得た。得られたコア体のキャパシタンスを測定したところ、82.2±2.0pF/m(5m間)であった。このキャパシタンスの変動値は、4.0/82.2×100=4.87%であった。
[同軸ケーブルの評価]
中空コア体に0.03mm×15本の横巻きシードを施し、更に厚さ0.05mmのジャケット被覆を行いφ0.36mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケーブルをTDR(Time Domain Refrectometry)測定装置にてインピーダンス測定を行なったところ、50.5Ω±1.25Ωであり、長手方向でインピーダンス特性がばらついていた。この特性インピーダンス変動率は、2.5÷50.5×100=4.95%であった。
<実施例4>(外径0.49mmの中空コア体の例)
内部導体として7/0.065mm錫メッキ銅線を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス20中を、30m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度210℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾーン)を設けた。面積引き落とし倍率は300倍とし、外径0.49mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体10をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.033mm、リブ部の厚みが0.033mm、内環状部の厚みが0.029mmであった。これらの測定結果から求めた中空部16の中空率は46%で、真円度98.6%と、真円に近いコアを得ることができた。
[キャパシタンスの評価]
この中空コア体のキャパシタンスを水中オンラインで測定したところ、82.0±0.7pF/m(5m間)であった。この水中キャパシタンスの変動率は、1.4÷82.0×100=1.7(%)となった。
[同軸ケーブルの評価]
この中空コア体に0.05mm×15本の横巻きシードを施し、更に厚さ0.10mmのジャケット被覆を行いφ0.79mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケーブルをTDR測定装置を用いてインピーダンス測定を行なったところ、50.0Ω±0.45Ω(5m試験体間)と長手方向に安定したインピーダンス特性であった。この特性インピーダンスの変動率は、0.9÷50.0×100=1.8(%)となった。
<比較例6>(外径0.49mmであり、発泡タイプの同軸ケーブルの例)
内部導体として7/0.065mm錫メッキ銅線を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、ガス発泡度59%のPFA樹脂の被覆を行い、0.49mmのコア体を得た。
[キャパシタンスの評価]
この中空コア体のキャパシタンスを水中オンラインで測定したところ、82.0±1.4pF/m(5m間)であった。この水中キャパシタンスの変動率は、2.8÷82.0×100=3.4(%)となった。
[同軸ケーブルの評価]
この中空コア体に0.05mm×15本の横巻きシードを施し、更に厚さ0.1mmのジャケット被覆を行い外径0.79mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケーブルをTDR測定装置を用いてインピーダンス測定を行なったところ、50.0Ω±0.85Ωとインピーダンス特性がばらついていた。この特性インピーダンス変動率は、1.7÷50.0×100=3.4%であった。
<実施例5>(外径0.49mmの同軸ケーブルの例で冷却温度により形状を修正)
内部導体として7/0.065mm錫メッキ銅線を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス20中を、40m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度170℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾーン)を設けた。面積引き落とし倍率は300倍とし、最大径0.485mm、最小径0.475mmであり、真円率は97.9%と安定したコアを得た。
<比較例7>
冷却ゾーン温度を210℃にしたこと以外は実施例5と同一条件で中空コア体を得たところ、最大径0.490mm、最小径0.470mmであり真円率は95.8%となり、6角状の形状になっていた。
<実施例6> 引き落とし倍率4000倍
内部導体として7/0.018mm錫メッキ錫合金線を、350℃のクロスヘッドダイに導き、ダイス20中を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆した。
ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度250℃の加熱筒42と、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44を設けた。
面積引き落とし倍率は3723倍とし、外径0.137mmの中空コア体を得た。
[形状の評価]
得られた中空コア体10をカットして寸法を測定したところ、外環状部の厚みが0.01mm、リブ部の厚みが0.009mm、内環状部の厚みが0.009mmであった。
これらの測定結果から求めた中空部16の中空率は45%で、真円度98.3%と、真円に近い中空コア体10を得ることができた。
[キャパシタンスの評価]
この中空コア体のキャパシタンスを水中オンラインで連続的に測定した。実施例1と同等の方法で測定したところ、83.3±1.0pF/m(5m間)であった。
この水中キャパシタンスの変動率は、2.0÷83.3×100=2.4(%)となった。
[同軸ケーブルの作製]
この中空コア体10を用いて同軸ケーブルを作成した。得られた絶縁被覆導体に対して、ウエットブラストによるエッチング処理と、フルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体)による親水化処理と、塩化第一錫の塩酸酸性液によるアクチュベーティングと、無電解銅メッキと、電解銅メッキとを施し、厚さ5μmの外部導体層を形成した。更に、保護被覆層として0.05mmの厚さでPFA被覆を施し、外径0.247mmの極細同軸ケーブルを得ることができた。この同軸ケーブルを実施
例1と同様の方法に基づいて、インピーダンス測定を行ったところ、49.7±0.7Ω(5m試験体間)と長手方向に安定したインピーダンス特性であった。この特
性インピーダンスの変動率は、1.4÷49.7×100=2.8(%)となった。
以上より、本発明に係る製造方法によれば、本発明に係る中空コア体の如き、高中空率でありながら長手方向における電気特性が安定した中空コア体を製造できることが示された。また、中空コア体としては、外環状部の外径が0.5mm以下であって、絶縁部に占める中空部の面積割合が40%以上、外環状部の真円度が96.0%以上とすることができた。更に、長手方向における水中キャパシタンスの変動率が3.1%以下という安定した電気特性も有することが示された(実施例1〜6参照)。そして、かかる中空コア体から製造された同軸ケーブルは、長手方向における特性インピーダンスの変動率が3.0%以下と安定していることが示された(実施例1〜6参照)。
一方、比較例1〜6では、本発明に係る中空コア体の如き、高中空率でありながら長手方向における電気特性が安定した中空コア体を製造することはできなかった。
本発明に係る中空コア体の一実施形態例を示す断面図である。 本発明に係る製造方法の一例の説明に供する概念図である。 本発明に係る製造方法に用いるダイスの一例を示す概念図である。 図3のA部拡大図である。 図3の先端側からみたダイスの平面図である。
符号の説明
10 同軸ケーブル用中空コア体
12 内部導体
14 絶縁被覆体
14a 内環状部
14b リブ部
14c 外環状部
16 中空部
20 ダイス
42 加熱部
44 風冷部
45 水冷却槽
S 製造装置

Claims (7)

  1. 内部導体と、
    該内部導体を被覆する内環状部と、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、該リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環状部と、からなる絶縁被覆体と、
    を備え、前記内環状部と前記外環状部と前記リブ部とにより囲まれた複数の中空部を有し、絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上である同軸ケーブル用中空コア体の製造方法であって、
    少なくとも
    (1)前記絶縁被覆体を形成しうるダイスを用い、溶融樹脂を前記ダイスから押出して、前記内部導体の外周に前記絶縁被覆体を形成する工程、
    (2)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を150℃以上〜[前記樹脂の融点+10]℃未満で加熱する工程、及び
    (3)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を、室温近傍で冷する工程
    をこの順で行うとともに、
    得られた中空コア体の最大外径と最小外径を測定し、最大外径と最小外径の差が最小となるように、前記(2)工程における加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  2. 前記(2)工程は、加熱筒によって行われることを特徴とする請求項1記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  3. 面積引き落とし倍率を、300〜4000倍とすることを特徴とする請求項1又は2記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  4. 前記ダイスは、前記内部導体の挿通用中心孔と、前記挿通用中心孔の外周に隣接配置される内環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、該直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔とで囲まれた部分に前記中空部形成用の内圧調整用エアを導入するための貫通孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  5. 内部導体と、
    該内部導体を被覆する内環状部と、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、前記リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環状部と、からなる絶縁被覆体と、
    を備え、前記内環状部と前記外環状部と前記リブ部とで囲まれた複数の中空部を有する同軸ケーブル用中空コア体であって、
    前記絶縁被覆体は、同軸ケーブル用中空コア体の最大外径と最小外径の差が最小となるように加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか一つを制御して、前記絶縁被覆体を形成する樹脂を加熱することで得られたものであり、
    絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上であり、
    長手方向における水中キャパシタンスの変動率が3.1%以下であることを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体。
  6. 請求項記載の同軸ケーブル用中空コア体の単数本又は複数本の外周に、少なくとも外部導体層が設けられたことを特徴とする同軸ケーブル。
  7. 長手方向における特性インピーダンスの変動率が3.0%以下であることを特徴とする請求項記載の同軸ケーブル。
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