JP5259529B2 - 同軸ケーブル用中空コア体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、同軸ケーブル用中空コア体の製造方法に関する。詳しくは、高中空率でありながら、長手方向の電気特性が安定した同軸ケーブル用中空コア体を製造するための技術に関する。
IT(Information Technology)の進展に伴い、より細径で、伝送速度が速く、低損失な同軸ケーブルが求められている。そこで、従来、内部導体の周囲に設けられた絶縁体部分(絶縁被覆体)に空気を導入することにより、誘電損失の低減及び特性の安定性向上を図った同軸ケーブルが提案されている。このような空気を導入した絶縁被覆体を形成する方法としては、例えば、発泡タイプの樹脂(PE,PFA,PTFEなど)を使用する方法がある。
一方、従来の同軸ケーブルでは、中空コア体の中空部の潰れや変形などを防止するために、表面にスキン層(充実層)を形成することが行われているが、その場合、充実であるため中空コア体全体としての発泡度を高くすることができないという問題点がある。
これに対して、本出願人は、内部導体の周囲に、内環状部と、この内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、リブ部の外端に連結又は接触する外環状部とで構成され、長手方向に連続する複数の空隙部を備える絶縁被覆体を設けた同軸ケーブル用中空コア体を提案している(例えば、特許文献1参照。)この特許文献1に記載の製造方法では、面積引き落とし倍率を4〜300倍として押出成形して、外環状部の外径が5.0mm以下、絶縁部に占める中空部の面積割合(中空率)が40%以上、外環状部の真円度が96.0%以上の中空コア体を製造している。
特開2007−335393号公報
しかしながら、前述した従来の技術には、以下に示す問題点がある。即ち、従来の製造方法では、生産性を向上するために内部導体の線速を上げると、ダイス内における樹脂の吐出圧力が高くなってしまうという問題点がある。一方、ダイス内の吐出圧力を低下させるには面積引き落とし倍率を大きくすればよいが、そうすると、長手方向において中空率や電気的特性にばらつきが生じやすくなるため、特性が均一な中空コア体を安定して生産することが難しくなる。
そこで、本発明は、生産性を向上させても、生産安定性が損なわれない同軸ケーブル用中空コア体の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明に係る中空コア体の製造方法は、内部導体と、該内部導体を被覆する内環状部、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部、及び各リブ部の外端を連結する外環状部で構成され、前記内環状部と、前記外環状部と、前記リブ部とにより囲まれた複数の空隙部を有する絶縁被覆体と、を備え、前記絶縁被覆体の外径が0.5mmを超え5mm以下であり、かつ長手方向に垂直な断面における前記空隙部の割合が40%以上である中空コア体を製造する方法であって、ダイスを使用して、前記内部導体の線速を20m/分以上、面積引き落とし倍率を300倍よりも大きくかつ2000倍以下にして押出成形を行い、前記内部導体の周囲に熱可塑性樹脂からなる絶縁被覆体を形成する工程と、形成された絶縁被覆体を、前記ダイスの直後に配置された風冷筒及び/又は水冷却槽により、強制的に冷却する工程と、を有し、前記風冷筒による強制冷却は、雰囲気温度を室温近傍とした筒内に前記絶縁被覆体を導入し、前記筒内に強制的にエアーを送風することにより行い、前記水冷却槽による強制冷却は、前記絶縁被覆体を前記水冷却槽内の冷水に浸漬することにより行う。
本発明においては、押出成形後に強制冷却を行っているため、押出成形時における内部導体の線速を20m/分以上、面積引き落とし倍率を300倍超にしても、形成される絶縁被覆体の形状が安定する。これにより、長手方向における電気的特性のばらつきが抑制される。
この製造方法では、外環状部の真円度が96.0%以上の中空コア体を製造することができる。
また、得られた中空コア体の最大外径と最小外径を測定し、最大外径と最小外径の差が最小となるように、前記風冷筒及び/又は前記水冷却槽により強制的に冷却する条件を制御してもよい。
更に、前記ダイスには、例えば、内部導体を挿通させるための中心孔と、該中心孔を囲むようにその外縁に隣接して形成された内環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、各直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、形成された絶縁被覆体の空隙部に内圧調整用エアーを導入するエアー導入孔と、を備えるものを使用することができる。
本発明によれば、押出成形後に強制冷却を行っているため、生産性を向上させても、特性が均一な同軸ケーブル用中空コア体を安定して製造することができる。
本発明の実施形態に係る製造方法よって得られる中空コア体の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る製造方法で使用する装置の構成例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る製造方法で使用する鞘芯ダイスの形状を示す断面図である。 図3に示すA部の拡大断面図である。 図2に示すダイス20における各孔の配置を示す断面図である。 図2に示す風冷筒44の構成例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
先ず、本発明の実施形態に係る製造方法によって得られる同軸ケーブル用中空コア体(以下、単に「中空コア体」ともいう。)について説明する。図1は本実施形態により得られる中空コア体の一例を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態により製造される中空コア体10は、内部導線12とその周囲を被覆する絶縁被覆体14とを備えている。
内部導体12は、1本の導線で構成されているものだけでなく、複数の導線で構成されているものや、撚線構造のものでもよい。また、内部導体12を構成する導線には、例えば強度及び導電性に優れる銅線、銅合金線又はこれらの表面を銀などでめっきしためっき線などを使用することができるが、これらに限定されるものではなく、各種導線から適宜選択して使用することができる。
絶縁被覆体14は、内部導体12を覆う内環状部14aと、内環状体14aから放射状に延びる複数のリブ部14bと、各リブ部14bの外端を連結する外環状部14cとで構成されている。この絶縁被覆体14では、内環状部14aと外環状部14cとが略同軸状に形成され、リブ部14bはこれらの周方向に沿って略など間隔に配置されている。そして、内環状部14a、外環状部14c及び各リブ部14bによって区画される空間は、それぞれ空隙部16となっており、各空隙部16は中空コア体10の長手方向(軸方向)に連続して形成されている。
本実施形態により製造される中空コア体10は、外環状部14cの外径が0.5mmを超え5mm以下であり、かつ絶縁被覆体14の中空率が40%以上になっている。ここでいう中空率は、長手方向に垂直な断面における中空部16が占める割合であり、例えば、図1に示す中空コア体10の場合は、6個の中空部16の断面積の総和が、絶縁被覆部14(内環状部14a,リブ部14b,外環状部14c)の全断面積と中空部16の全断面積との和の40%以上となるように設定している。
また、中空コア体10は、外環状部14cの真円度が96.0%以上であることが望ましい。ここでいう真円度は、どれだけ真円に近いかを表す値であり、下記数式(1)により求めることができる。なお、下記数式(1)において、aは外環状部2cの外径の最大値(最長径)であり、bは外環状部2cの外径の最小値(最短径)である。また、cは外環状部2cの外径の中心値であり、c=(a+b)/2で表される。
Figure 0005259529
このような絶縁被覆体14は、熱可塑性樹脂により一体成形することができる。その材質としては、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(Fluorinated-Ethylene-Propylene;フッ化エチレンプロピレンテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、及びPTFE(PolyTetraFluoroEthylene;ポリ四フッ化エチレン)などのフッ素系樹脂、PE(Polyethylene;ポリエチレン)及びPP(PolyPropylene;ポリプロピレン)などのオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン、s−PS(シンジオタクチックポリスチレン)、ポリメチルペンテン、PEN(Polyethylene naphthalate;ポリエチレンナフタレート)などが挙げられる。
なお、図1に示す中空コア体10では、リブ部14bを6箇所設け、6個の空隙部16を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、空隙部16の数(リブ部14bの数)は3以上であればよく、必要とされる中空率及び機械的特性などに応じて、適宜設定することができる。このような中空絶縁構造を適用した場合、極細でありながら40%以上の中空率を確保することができるが、真円度や機械的特性(側圧、曲げ特性及びケーブルの末端加工時)などを確保するためには、リブ部14bの数を5本以上とすることが望ましい。また、中空率40%以上を確保すると共に、押出成形に使用するダイスの先端部の機械加工精度の観点から、リブ部14bの数は10本を超えないことが望ましい。
本実施形態の製造方法により得られる中空コア体10は、絶縁被覆体14の外環状部14cの周囲に、外部導体層と、必要に応じてその保護層とを設けることで同軸ケーブルとして用いることができる。この外部導体層は、例えば金属めっきなどにより形成することができる。具体的には、絶縁被覆体14の活性化処理として、ウエットブラストによるエッチング、フルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体)による親水化処理をした後、塩化第一錫の塩酸酸性液でセンシタイジングし、更に塩化パラジウムの塩酸酸性液でアクチべーションを行った後、無電解めっきを行うことなどにより形成することができる。
また、外部導体層としては、横巻き線シールド、金属層を両面又は片面に備えた金属プラスチックテープの横巻き又は縦添え、この金属プラスチックテープを含む横巻き線シールド、横巻き線シールドの中に錫を含浸させた導体層、中空コア体10の表面を処理して直接形成させた金属めっき層などを組み合わせることもできる。
更に、同軸ケーブルとして使用する際には、1本の中空コア体10を用いる場合に限定されず、複数本の中空コア体10を用いてもよく、本実施形態の製造方法は、いずれの場合にも適用することができる。
次に、前述した中空コア体10の製造方法、即ち、本実施形態に係る同軸ケーブル用中空コア体の製造方法について説明する。図2は本実施形態の製造方法において使用する装置(以下、「製造装置」ともいう。)の構成例を示す図である。図2に示すように、製造装置Sには、ダイス20を備えた押出成形機と、形成された絶縁被覆体14を冷却するための風冷筒44及び水冷却槽45とがこの順に配設されている。また、水冷却槽45の下方には、水受用水槽47が設けられている。
そして、中空コア体10を製造する場合は、先ず、押出成形により、内部導体12の周囲に、熱可塑性樹脂からなる絶縁被覆体14を形成する。具体的には、ターンシーブ40を介して、内部導体12を線速20m/分以上で押出成形機のダイス20内に導入する。そして、面積引き落とし倍率を300倍よりも大きくかつ2000倍以下にして押出成形を行い、内部導体12の周囲に、内環状部14a、リブ部14b及び外環状部14cからなる絶縁被覆体14を形成する。
本実施形態の製造方法で使用するダイス20は、絶縁被覆体14を形成しうるものであれば特に限定されないが、例えば、貫通孔を備える丸ダイスと鞘芯ダイスとを組み合わせることにより構成することができる。図3は本実施形態の製造方法で使用する鞘芯ダイスの形状を示す断面図であり、図4は図3に示すA部の拡大断面図である。また、図5は図2に示すダイス20における各孔の配置を示す断面図である。
図5に示すように、ここで使用するダイス20には、中心孔24aと、この中心孔24aを囲むようにその外縁に隣接して形成された内環状孔24bと、内環状孔24bの外周から放射状に延びる直線状孔24cと、直線状孔24cの外端間を連結する外環状孔24dとが設けられている。このダイス20は、例えば、丸ダイス20bに設けられた貫通孔内に、図3及び図4に示す形状の鞘芯ダイス20aを嵌入することにより構成することができる。
鞘芯ダイス20aは、円盤状のフランジ22と先端凸部24とからなり、その軸芯にはパイプ26が挿入嵌着されている。そして、このパイプ26により、内部導体12を挿通させるための中心孔24aが形成されている。また、中心孔24aの周囲には、パイプ26の外側面に隣接して内環状孔24bが形成されており、この内環状孔24bの外周から外方に向けて放射状に延びる3以上の直線状孔24cが、略等角度間隔に設けられている。更に、鞘芯ダイス20aの先端凸部24の外面と、丸ダイス20bの貫通孔の側面との間には、隙間が設けられており、この隙間が直線状孔24cの外端間を連結する外環状孔24dとなる。
このダイス20を使用して中空コア体を形成する場合は、中心孔24aに内部導体12を回転、非回転又はSZ回転させつつ挿通し、内環状孔24b、直線状孔24c及び外環状孔24dから溶融樹脂を押出せばよい。これにより、内環状孔24bから押出された樹脂によって内部導体12の周囲に内環状部14aが形成され、各直線状孔24cから押出された樹脂によって内環状部14aから放射状に延びる3以上のリブ部14bが形成され、外環状孔24dから押出された樹脂によってリブ部14bの外端を連結する外環状部14cが形成される。
その際、内環状孔24b、直線状孔24c及び外環状孔24dで囲まれる部分、即ち、空隙部16を形成する部分に、それぞれ内圧調整用エアーを導入するためのエアー導入孔24eを設け、このエアー導入用孔24eから内圧調整用エアーを導入しながら、押出成形することが好ましい。これにより、各中空部16の内圧が均一化されるため、真円度が高く、形状安定性に優れた中空コア体が得られる。なお、この内圧調整用エアーには、内部導体12の引き取りに伴って自然発生する空気流を利用してもよいが、所定圧力に加圧した内圧調整用エアーを積極的に導入することが望ましい。
また、押出成形後の絶縁被覆体はダイス20を出てから冷却固化するまでに細くなるが、本実施形態の中空コア体の製造方法では、その割合を示す面積引き落とし倍率を、300倍よりも大きくかつ2000倍以下に設定している。ここでいう面積引き落とし倍率とは、下記数式(2)で示される値である。なお、下記数式(2)における「ダイの外径」とは、図5に示す外環状孔24dの最外周径であり、「中空コア体の外環状部の外径」とは、得られた中空コア体10の外径である。
Figure 0005259529
面積引き落とし倍率が300倍以下の場合、内部導体12の線速を20m/分以上にすると、溶融樹脂の吐出圧力が高くなり、安定して成形することができなくなる。また、面積引き落とし倍率が2000倍を超えると、内部導体12の引取速度、即ち、中空コア体10の生産速度に、溶融樹脂の変形能力が追従できなくなり、樹脂が途切れ、連続的な生産ができなくなる。この面積引き落とし倍率の下限値は、800倍以上であることが望ましい。これにより、生産安定性をより向上させることができる。
次に、形成された絶縁被覆体14を、風冷筒44及び水冷却槽45により、強制的に冷却する。図6は図2に示す風冷筒44の構成例を示す模式図である。本実施形態の製造方法では、先ず、風冷筒44により、押出成形により形成された絶縁被覆体14を風冷する。この風冷筒44としては、例えば、図6に示すように、圧縮エアーを用いて、アクリル樹脂などからなる筒部44a内に強制的にエアーを送風し、同時に周囲の空気を巻き込み筒部44a内への送風量を増幅するノズル44bを備えた構成のものを使用することができる。
強制冷却する際に風冷筒44を使用する場合は、風冷筒44内の雰囲気温度を室温近傍とすることが望ましいが、風冷筒44にブロアー付き熱風発生器などを設け、所定温度の熱風を積極的に発生させてもよい。なお、風冷によって強制冷却を行う際、その具体的方法は本実施形態に限定されず、従来公知の風冷手段を用いることができる。
次に、冷水を貯留した水冷却槽45により、風冷筒44を通過した絶縁被覆体14を水冷する。具体的には、水冷却槽45内の冷水中に浸漬することにより、絶縁被覆体2を冷却する。これにより、絶縁被覆体14を構成する樹脂を完全に固化させることができる。なお、水冷却槽45は、架台50に設けられたレール52上に移動(図2の矢印参照)可能に配設し、任意の位置に固定することができるようになっていることが望ましい。
このように、絶縁被覆体14を形成する樹脂を強制的に冷却することにより、内部導体12の線速を上げて面積引き落とし倍率を大きくしても、中空部16の面積割合や真円度を低下させることなく、電気特性に優れた同軸ケーブル用中空コア体を得ることできる。特に、風冷と水冷を組み合わせて冷却することにより、製造速度(内部導体12の線速)が高速であっても、真円度が高い中空コア体10を得ることができる。
なお、図2に示す製造装置Sでは、強制的に冷却する方法として風冷筒44及び水冷却槽45を使用しているが、強制的に冷却する手段はこれに限定されるものではなく、風冷のみで冷却したり、水冷のみで冷却したりすることもできる。
次に、強制冷却された中空コア体10を、水受用水槽47内に設けられたシーブ54で方向転換し、後続のネルソンローラー56を介して、巻き取り機(図示せず)により巻き取る。その際、ネルソンローラー56から導出された中空コア体10の外径を測定し、その結果に基づいて強制冷却の条件を調整することが望ましい。具体的には、得られた中空コア体10の最大外径と最小外径とを測定し、それらの差が最小となるように、強制的冷却の条件を制御することが望ましい。なお、強制冷却として風冷及び水冷の両方を行っている場合は、風冷筒44及び水冷却槽45それぞれの条件を制御することが望ましい。
この最大外径と最小外径の測定は、揺動式外径測定器58によって測定することができる。揺動式外径測定器58は、連続あるいは間欠的に中空コア体10の外径測定が可能であり、測定器自身を180°往復揺動回転させつつ測定し、オンライン上で中空コア体10の全周方向で外径の測定が可能である。なお、測定器の種類は揺動式外径測定器58に限定されず、適宜好適な測定器、測定方法によって測定することができる。
また、風冷筒44を使用して冷却する際の条件は、雰囲気温度(風冷温度)や筒部44aの長さ(風冷時間)などを調節することにより制御できるが、特に、風冷筒44による風冷のタイミングを制御することが望ましい。風冷のタイミングは、例えば、製造装置Sであれば、レール52上を適宜に移動させて、風冷筒44の位置を変えることにより制御することができる。
一方、水冷却槽45による冷却条件の制御は、水冷却槽45内の水の温度(水冷温度)や水冷却槽45の長さ(水冷時間)などを調節することにより制御することができるが、特に、水冷却槽45による水冷のタイミングを制御することが望ましい。水冷のタイミングは、例えば、製造装置Sであれば、レール52上を適宜に移動させて、水冷却槽45の位置を変えることにより制御することができる。
また、風冷筒44や水冷却槽45などについて、製造開始時は、揺動式外径測定器58の測定結果に基づいて最適な配置条件(配置間隔)を検出すべく、架台50上を移動させ、最適な配置位置が決まった後は夫々の最適な配置条件(配置間隔)に固定させることもできる。
以上詳述したように、本実施形態の中空コア体の製造方法によれば、押出成形後に強制冷却を行っているため、絶縁被覆体14形成時の面積引き落とし倍率を300倍よりも大きくしても、外径が0.5mmを超え5mm以下と細径でありながら、高中空率で、かつ真円度に優れ、長手方向における電気的特性が均一な中空コア体を、安定して製造することができる。そして、本実施形態の製造方法により得られる中空コア体10は、長手方向に安定したキャパシタンスを有し、キャパシタンスを水中にて連続的に測定した際の変動率(以下、「水中キャパシタンス変動率」ともいう。)を2.1%以下にすることができる。
ここでいう「水中キャパシタンス変動率(%)」とは、下記数式(3)により求められる値であり、長さ5mにおける最大値(水中キャパシタンス最大値)と最小値(水中キャパシタンス最小値)の差を、これらの平均値(水中キャパシタンス平均値)で除し、100を乗じた値である。なお、下記数式(3)における「水中キャパシタンス平均値(pF/m)」は、下記数式(4)により求められる。
Figure 0005259529
Figure 0005259529
また、本実施形態の製造方法により得られる中空コア体10は、高中空率でありながら電気特性が安定しているため、この中空コア体10を使用することにより、長手方向におけるインピーダンス特性が安定した同軸ケーブルが得られる。具体的には、本実施形態の製造方法により製造した中空コア体10を用いた同軸ケーブルは、長手方向における特性インピーダンスの変動率を2.0%以下に抑えることができる。
なお、ここでいう特性インピーダンス変動率(%)は、同軸ケーブル長さ5mにおける最大値(特性インピーダンス最大値)と最小値(特性インピーダンス最小値)との差を、これらの平均値(=(最大値+最小値)/2)で除し、100を乗じた値である。また、同軸ケーブルの特性インピーダンスの値は特に限定されるものではなく、50Ωでもよいし75Ωでもよく、用途などに応じて適宜に選択することができる。
更に、本実施形態の製造方法は、中空コア体10を一体形成することが可能である。従来は、分割された多孔ダイスを用いて絶縁被覆を行う方法や、リブ構造で1回目の被覆を行い、環状に2段被覆する方法などが行われていた。しかしながら、前者の方法では、分割された各部を接着するため、分割孔を相互に隣接する必要があり、ドラフト率を大きくとれず、分割部で割れる可能性もあり、形状安定性に問題があった。
一方、後者の方法は、環状被覆とリブ構造部(十字部)とを接着するため、環状被覆自体に引き締める力が必要となり、環状被覆の厚みが薄いと多角形状に崩れてしまうという問題があった。このため、後者の方法では、所定の真円度を確保するためには各部の厚さを厚くしなければならず、高中空率のコア体を製造することは困難であった。これに対して、本実施形態の製造方法では、細径でありながら、高中空率で、かつ真円度が高い中空コア体10を、一体成形することができるため、従来の製造方法に比べて、生産性に優れている。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。先ず、本発明の第1実施例として、内部導体14の線速及び強制冷却条件を変えて以下に示す実施例1〜6及び比較例1〜5の中空コア体を作製し、その長手方向における電気的特性(水中キャパシタンスの変動率)を評価した。
<実施例1>
内部導体には、直径が0.065mmの導線を7本使用した錫めっき錫合金撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、50m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし率は351倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.51mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mであり、その変動率は2%で、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.03mm、リブ部の厚さが0.03mm、内環状部の厚さが0.03mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は52%であり、真円度は98.3%と、真円に近い中空コア体を得ることができた。
<比較例1>
内部導体には、直径が0.065mmの導線を7本使用した錫めっき錫合金撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、18m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は351倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.51mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mであり、その変動率は5%以上と、長手方向における電気的特性の安定性に問題があった。
更に、比較例1の中空コア体は、形状が不安定であり、生産安定性にも劣っていた。このため、この中空コア体について、平均寸法の測定は行わなかった。
<比較例2>
内部導体には、直径が0.065mmの導線を7本使用した錫めっき錫合金撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口径部状のダイス中を、20m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は100倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.51mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mであり、その変動率が2%と、長手方向における電気的特性は安定していたが、ダイス中の鞘芯部分の吐出圧力が、強度限界を超えたため、これ以上の製造を中止した。このため、比較例2の中空コア体については、平均寸法の測定は行わなかった。
<実施例2>
内部導体には、直径が0.065mmの導線を7本使用した錫めっき錫合金撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を150m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際、面積引き落とし倍率は517倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を70mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.51mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mであり、その変動率は2%で、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.03mm、リブ部の厚さが0.03mm、内環状部の厚さが0.03mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は51%で、真円度は98.3%と、真円に近い中空コア体を得ることができた。
<実施例3>
内部導体には、直径が0.51mmの錫めっき錫合金線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、55m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は316倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が1.41mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mmであり、その変動率は2%で、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.084mm、リブ部の厚さが0.084mm、内環状部の厚さが0.084mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は51%で、真円度は98.3%と、真円に近い中空コア体を得ることができた。
<比較例3>
内部導体には、直径が0.51mmの錫めっき錫合金線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、8.2m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は45.2倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が1.41mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mであり、その変動率は2%と、長手方向における電気的特性は安定していたが、ダイス中の鞘芯部分の吐出圧力が、強度限界を超えたため、これ以上の製造を中止した。このため、比較例3の中空コア体については、平均寸法の測定は行わなかった。
<実施例4>
内部導体には、直径が0.065mmの導線を7本使用した錫めっき錫合金撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、300m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は1009倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を90mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.50mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.7pF/mであり、その変動率は2%と、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.03mm、リブ部の厚さが0.03mm、内環状部の厚さが0.03mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は51%で、真円度は98.0%と、真円に近い中空コア体を得ることができた。
<実施例5>
内部導体には、直径が0.065mmの導線を7本使用した錫めっき錫合金撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、600m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は1950倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を120mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.51mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が78.6pF/mであり、その変動率は2%と、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.03mm、リブ部の厚さが0.03mm、内環状部の厚さが0.03mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は51%で、真円度が97.8%と、真円に近い中空コア体を得ることができた。
<実施例6>
内部導体として直径が1.9mmの軟銅線を使用し、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、20m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし率は301倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が4.86mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が85.1pF/mであり、その変動率が2%と、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.30mm、リブ部の厚さが0.30mm、内環状部の厚さが0.30mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は49%であり、真円度は98.8%と、真円に近い中空コア体を得ることができた。
<比較例4>
内部導体として直径が1.9mmの軟銅線を使用し、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口径部状のダイス中を、20m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は150倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を50mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が4.86mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が85.0pF/mであり、その変動率が2%と、長手方向における電気的特性は安定していたが、ダイス中の鞘芯部分の吐出圧力が、強度限界を超えたため、これ以上の製造を中止した。このため、比較例4の中空コア体については、平均寸法の測定は行わなかった。
<比較例5>
内部導体には、直径が0.51mmの錫めっき錫合金線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口部形状のダイス中を、55m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲に、PFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は316倍であった。
その後、絶縁被覆体の強制冷却を行わずに、垂直下方に引き取り、外径が1.35mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が88.4pF/mであり、その変動率は5%以上であった。更に、強制冷却を行なわなかったため、絶縁被覆体の外環状部の形状が六角形状となり、リブ部は一部曲がって形成されていた。このため、比較例5の中空コア体については、平均寸法の測定は行わなかった。
以上の結果を下記表1,2にまとめて示す。
Figure 0005259529
Figure 0005259529
上記表1に示すように、本発明の製造方法により作製した実施例1〜6の中空コア体は、外環状部の外径が0.5mmを超え5mm以下、絶縁被覆体における中空部の面積割合(中空率)が40%以上であり、長手方向における水中キャパシタンスの変動率も2.1%以下と安定した電気特性を有していた。更に、実施例1〜6では、ダイス中の鞘芯部分の吐出圧力が強度限界を超えることもなく、中空コア体を安定して製造することができた。
これに対して、上記表2に示すように、比較例1〜5では、中空コア体の形状不良やダイス内での吐出圧力上昇等の問題が生じ、前述した実施例1〜6のように、高中空率でありながら長手方向における電気特性が安定した中空コア体や真円度の高い中空コア体を製造することはできなかった。
以上の結果から、本発明の中空コア体の製造方法によれば、押出成形時における内部導体の線速を20m/分以上、面積引き落とし倍率を300倍超にしても、高中空率でありながら長手方向における電気特性が安定した中空コア体を、高効率かつ安定的に製造できることが確認された。
次に、本発明の第2実施例として、強制冷却条件(タイミング)を変えて、以下に示す実施例7〜9の中空コア体を作製し、その形状及び電気的特性を評価した。
<実施例7>
内部導体には、直径が0.127mmの導線を7本使用した銀めっき軟銅撚り線を使用した。そして、この内部導体を、350℃のクロスヘッドダイスに導き、図5に示す口径部状のダイス中を、40m/分の速度で下向きに通過させて、その周囲にPFA樹脂(420HPJ:三井デュポンフロロケミカル社製/比誘電率2.1)からなる絶縁被覆体を形成した。その際の面積引き落とし倍率は301倍であった。
引き続き、ダイス直下に設けた水冷却槽により、ダイスと水冷却槽間を25mmとして、押出成形した絶縁被覆体を垂直下方に引き取り冷却し、外径が0.950mmの中空コア体を得た。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が79.7pF/mであり、その変動率は2%と、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.05mm、リブ部の厚さが0.05mm、内環状部の厚さが0.05mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は55%であり、真円度は95.9%であった。
<実施例8>
次に、ダイスと水冷却槽間を60mmとし、それ以外は前述した実施例7と同じにして、外径が0.951mmの中空コア体を作製した。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が83.0pF/mであり、その変動率は2%と、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.05mm、リブ部の厚さが0.05mm、内環状部の厚さが0.05mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は55%であり、真円度は98.8%であった。
<実施例9>
次に、ダイスと水冷却槽間を100mmとし、それ以外は前述した実施例7と同じにして、外径が0.953mmの中空コア体を作製した。この中空コア体は、水中キャパシタンス(平均値)が84.0pF/mであり、その変動率が2%と、長手方向における電気的特性が安定していた。
また、得られた中空コア体をカットして平均寸法を測定したところ、外環状部の厚さが0.05mm、リブ部の厚さが0.05mm、内環状部の厚さが0.05mmであった。そして、これらの値から求めた中空率は55%であり、真円度は95.1%であった。
以上の結果を、下記表3にまとめて示す。
Figure 0005259529
上記表3に示すように、押出成形後に強制冷却を行った実施例7〜9の中空コア体はいずれも水中キャパシタンスの変動率が2%であり、長手方向における電気的特性が安定していた。更に、ダイス−水冷却槽間距離を60mmとした実施例8の中空コア体は、ダイス−水冷却槽間距離が25mmの実施例7、ダイス−水冷却槽間距離が100mmの実施例8に比べて、真円度が高かった。これにより、強制冷却条件を最適な範囲に制御することで、真円度が96.0%以上の中空コア体を安定して製造できることが確認された。
10 同軸ケーブル用中空コア体
12 内部導体
14 絶縁被覆体
14a 内環状部
14b リブ部
14c 外環状部
16 中空部
20 ダイス
20a 鞘芯ダイス
20b 丸ダイス
44 風冷筒
44a 筒部
44b ノズル
45 水冷却槽
S 製造装置

Claims (4)

  1. 内部導体と、該内部導体を被覆する内環状部、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部、及び各リブ部の外端を連結する外環状部で構成され、前記内環状部と、前記外環状部と、前記リブ部とにより囲まれた複数の空隙部を有する絶縁被覆体と、を備え、前記絶縁被覆体の外径が0.5mmを超え5mm以下であり、かつ長手方向に垂直な断面における前記空隙部の割合が40%以上である中空コア体を製造する方法であって、
    ダイスを使用して、前記内部導体の線速を20m/分以上、面積引き落とし倍率を300倍よりも大きくかつ2000倍以下にして押出成形を行い、前記内部導体の周囲に熱可塑性樹脂からなる絶縁被覆体を形成する工程と、
    形成された絶縁被覆体を、前記ダイスの直後に配置された風冷筒及び/又は水冷却槽により、強制的に冷却する工程と、を有し、
    前記風冷筒による強制冷却は、雰囲気温度を室温近傍とした筒内に前記絶縁被覆体を導入し、前記筒内に強制的にエアーを送風することにより行い、
    前記水冷却槽による強制冷却は、前記絶縁被覆体を前記水冷却槽内の冷水に浸漬することにより行う
    軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  2. 外環状部の真円度が96.0%以上の中空コア体を製造することを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  3. 得られた中空コア体の最大外径と最小外径を測定し、最大外径と最小外径の差が最小となるように、前記風冷筒及び/又は前記水冷却槽により強制的に冷却する条件を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  4. 前記ダイスは、内部導体を挿通させるための中心孔と、該中心孔を囲むようにその外縁に隣接して形成された内環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、各直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、形成された絶縁被覆体の空隙部に内圧調整用エアーを導入するエアー導入孔と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
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