JP2007250235A - 同軸ケーブル用中空コア体,同コア体の製造方法,同コア体を用いる同軸ケーブル - Google Patents

同軸ケーブル用中空コア体,同コア体の製造方法,同コア体を用いる同軸ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】誘電率の低減化。
【解決手段】同軸ケーブル用中空コア体10は、内部導体12と、絶縁被覆層14とを備えている。絶縁被覆層14は、内端側が内部導体12の外周面に当接し、外方に向けて放射状に延びる6本のリブ部14aと、リブ部14aの外端側を連結する環状部14bとから構成されている。内部導体12,環状部14bとリブ部14aとで囲まれた6個の中空部16を有している、環状部14bの真円度は、98%以上になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、同軸ケーブル用中空コア体,同コア体の製造方法,同コア体を用いる同軸ケーブルに関し、特に、誘電率の低減が可能になる同軸ケーブル用中空コア体およびその製造方法及び同軸ケーブルに関するものである。
ITの進展に伴い、同軸ケーブルにおいても高性能化(低損失化)、軽薄短小化(ケーブルサイズダウン)が求められ、そのため絶縁体の低誘電率化が求められている。絶縁体の低誘電率化には、エアロコア(リブ構造中空コア)を使用することで達成されるが、以下の欠点があった。
(1).リブが開放構造のため、横まきシールド,編組線シールドを施して同軸ケーブルとした場合、はんだ付けによりコネクター取付をすると、はんだが中空部に進入して、特性インピーダンスが変動する場合があった。
(2).エアロコア(ストレートリブ構造)のコア体を複数本並べる構造の同軸ケーブルに応用する場合、リブ同士が噛み合って、上手くケーブル化することができない。
(3).エアロコア(ストレートリブ、ラセンリブ構造共に)では、リブ体が開放構造のため、横まきシールド,編組線シールドを施した時、シールドの外形状が多角形になり、所定の性能が得られない、また、外形状が安定しない場合があった。
このような欠点は、外形状が真円状で内部に複数の中空室を持つ断面が、レンコン構造状の絶縁体とすることで解決できる。このようなレンコン構造(絶縁体被覆)コア体とこれを製造する方法は、特許文献1に提案されている。しかしながら、特許文献1に開示されているコア体およびその製造方法には、以下に説明する技術的な課題があった。
特開2003−249129号公報
特許文献1に開示されているレンコンコ構造の中空コア体は、細径ではあるが、中空率が20〜30%であって、誘電率の低減化が十分に達成されていなかった。また、特許文献1には、製造方法として、分割された多孔ダイスを用いて絶縁被覆を行う方法と、リブ構造で1回目の被覆を行い、その後に環状に2段被覆する方法とが提案されているが、これらの製造方法には、それぞれ以下に説明する課題があった。
前者の製造方法では、分割された各部を接着するため、分割孔を相互に隣接させる必要があり、このため、ドラフト率を大きく取れないし、形状安定性に劣り、分割部で割れる可能性があり、また、相互のずれなどのため、外形状が真円になり難いという課題があった。
後者の製造方法では、工程が複雑になり、環状被覆とリブ構造部(十字部)を接着するため、環状被覆自体に引き締める力が必要になり、環状被覆の厚みが薄いと多角形状になる。真円性を確保するためには、厚みを厚くする必要があるが、厚くすると中空率が低下するという課題があった。
そこで、本発明者らは、このような課題が解決できる中空コア体およびその製造方法を開発して、特願2006−11262で既に提案している。ところが、その後の検討によると、この出願にかかる発明にも以下の点に改善の余地があった。
すなわち、上記出願にかかる中空コア体は、内部導体の外周を二層の環状部で被覆する構造であったが、高周波特性の向上を図る場合、内部導体付近の誘電体は、できるだけ少ない方が望ましく、内部導体付近の中空率(空隙率)が高くなれば、同じ中空率(空隙率)の場合、更に良好な高周波特性を得ることができる。
また、内部導体を被覆する一層目の環状部は、できるだけ厚みが薄い方が望ましいが、厚みを薄くし過ぎると、コネクターへの取り付けのため、端末の絶縁層を機械加工により剥ぎ取る際の作業性が悪くなるので、一層目の環状部の厚みを薄くするには、限界があった。このため、上記出願にかかるコア体は、中空の効果を充分活かしているとは言えなかった。
さらに、内部導体が撚り線の場合、内部導体の表面の凹凸が影響して、一層目の環状部が薄くなると、特に端末加工性が悪化するという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、上記のような欠点の無い、中空の効果を充分に得ることができ、しかも、端末加工性が良く、内部導体周りの空隙部が大きい同軸ケーブル用中空コア体,同コア体の製造方法,同コア体を用いる同軸ケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、内部導体と、内端側が前記内部導体の外周面に当接し、外方に向けて放射状に延びる3本以上のリブ部と、前記リブ部の外端側を連結する環状部とからなる絶縁被覆層とを備え、前記内部導体,環状部とリブ部とで囲まれた複数の中空部を有する同軸ケーブル用中空コア体であって、前記環状部の真円度を98%以上とした。
このように構成した同軸ケーブル用中空コア体では、内部導体の外周を包囲する環状部がないので、高周波特性の向上を図ることができるとともに、端末の絶縁層を機械加工により剥ぎ取る際の作業性の悪化を回避することができる。
上記構成の同軸ケーブル用中空コア体は、前記環状部の外径が5.0mm以下で、前記中空部の中空率を40%以上とすることができる。
前記絶縁被覆層は、フッ素樹脂、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(APO)、SPS(シンジオタクティックPS)、ポリメチルペンテン、ポリエチレンナフタレート(PEN)のいずれかから選択される樹脂により一体形成することができる。
前記内部導体は、軟銅線,銀メッキ軟銅線,銀メッキ合金線,錫メッキ軟銅線のいずれか1つ、あるいはこれらを任意に組み合わせて撚り合せた撚り線とすることができる。
また本発明は、内部導体と、前記内部導体の外周に設けられた絶縁被覆層とを有する同軸ケーブル用コア体の製造方法において、前記内部導体の挿通用中心孔と、前記中心孔の外周に内端側が隣接設置され、外方に向けて放射状に延びる3本以上の直線状孔と、前記直線状孔の外端間を連結する環状孔とを有するダイスを用い、前記中心孔内に前記内部導体を挿通させながら、前記環状孔および直線状孔から溶融した樹脂を概略垂直下方に押出して、内端側が前記内部導体の外周面に当接し、外方に向けて放射状に延びる3本以上のリブ部と、前記リブ部の外端側を連結する環状部と、前記内部導体および環状部とリブ部とで囲まれた複数の中空部とを備えた前記絶縁被覆層を形成する製造方法であって、前記中空部内に内圧調整用エアを導入するようにした。
上記同軸ケーブル用中空コア体の製造方法においては、前記絶縁被覆層は、除冷しながら引き落とされ、その際の面積引き落とし倍率を4〜300倍とすることができる。
前記内圧調整用エアは、所定の加圧状態で導入することができる。
前記ダイスは、前記内部導体の挿通用の孔より前記内圧調整用エアを導入することができる。本発明の場合、コア体は、内環状部(一層被覆)が無いのでそれぞれの中空部に対するエアー導入用の貫通孔は不要となる。内部導体導入孔(貫通孔)から空気を導入すればよい。
上記コア体を用い、金属線の横巻きシールド、金属線の編組線シールド、金属蒸着テープ巻き、金属メッキ、銅パイプのいずれかから選択されるシールドを施して同軸ケーブルとすることができる。
本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア体によれば、端末加工性が良く、内部導体周りの空隙部が大きく、中空の効果を充分に得ることができる、。また、本発明の製造方法によれば、このような特性のコア体を容易に得ることができる。さらにこのような中空コア体を用いた同軸ケーブルでは、誘電率の低減化を十分に図ることができる。
以下に、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1は、本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア体の一実施例を示している。同図に示した同軸ケーブル用中空コア体10は、内部導体12と絶縁被覆層14とを備えている。
内部導体12には、強度、導電性に優れる銅又は銅合金の細線、または、これらにより高い導電性の金属をメッキした単線が用いられているが、撚り線であってもよい。絶縁被覆層14は、内端側が内部導体12の外周に当接し、外方に向けて放射状に延びる6本のリブ部14aと、各リブ部14aの外端間を連結する環状部14bとを備えている。
本実施例の場合には、6本のリブ部14aを周方向に沿って、等角度間隔で配置することにより、内部導体12と環状部14bおよびリブ部14aとで外周を囲まれて、かつ、長手方向に連続した6個の中空部16が、内部導体12を中心にして、周方向に均等配置されており、リブ部14aにより中空部16を小空間に区画している。
なお、この中空部16は、6個に限ることはなく、3以上であればよく、その外端部が、絶縁被覆層14の外周縁、すなわち、環状部14bの外縁に到達しないように形成する。
上記構成の中空コア体10は、絶縁被覆層14の環状部14bの外周に、外部導体層と、必要に応じてその保護層とを設けることで同軸ケーブルとして使用される。この場合、外部導体層は、金属メッキにより形成することができる。
この場合には、絶縁被覆層14の活性化処理として、ウエットブラストによるエッチング、フルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体)による親水化処理をした後、塩化第一錫の塩酸酸性液でセンシタイジングし、さらに塩化パラジウムの塩酸酸性液でアクチュベーションを行った後、無電解メッキを行う。
なお、同軸ケーブルとして使用する際には、1本の中空コア体10を用いる場合と、複数本の中空コア体10を用いる場合のいずれにも対応することができる。
本実施例の場合、絶縁被覆層14の環状部14bの外径は、5.0mm以下で、リブ部14aの本数が3本以上であって、中空部16の割合が40%以上で、環状部14bの真円度が98%以上となるように構成することができる。
一般的に絶縁外径5mm程度以下の高い可撓性を有した同軸ケーブル用コア体は、発泡タイプの絶縁層が用いられる。同軸ケーブルが比較的細径の場合は発泡度を極端に大きく出来ない事から、40%以上の中空率を確保すれば、発泡タイプの同軸ケーブルに比べ誘電率の低減が可能になる。
本発明の中空絶縁構造は、40%以上の中空率が確保できるが、構造の真円性、機械的特性(側圧、曲げ特性及びケーブルの端末加工時)等を確保するためリブ数を3本以上とすることが望ましい。またこのリブ本数については、中空率40%以上を確保するためとダイス先端部の機械加工精度の点から、10本を越えないことが望ましい。
ここで、中空部16の割合である空隙率は、中空コア体10の断面積において、絶縁部全体に占める中空部16の割合であって、本実施例の場合には、6個の中空部16の断面積の総和が、絶縁部(絶縁被覆層14の全断面積+中空部16の全断面積)の40%以上になるように設定している。
また、真円度は、環状部14bの外径の大きさにおいて、最長径をa、最短径をb、平均外径をc(c=(a+b)/2)とした場合、
真円度(%)=(1−(a−b)/c)×100
で求められる値であり、どれだけ真円に近いかを現わす指標となる。
さらに、後述する具体例で測定している偏芯率は、環状部14bの外径の中心点と内部導体12の中心点との距離をa、外径の半径をbとした場合
偏芯率(%)=(a/b)×100
で求められる値であり、内部導体12と環状部14bとの同心状態を現わす指標となる。
また、面積引き落とし倍率は、
(ダイの外径)/(中空コア体の外環状部の径) …式1
で求められる値であり、好ましい範囲としては4〜300倍で、さらに好ましくは4〜150倍であり、この範囲を超えると生産安定性という点で好ましくない。
なお、図1に示した環状部14bとリブ部14aとからなる絶縁被覆層14は、図1に示した断面形状でそのまま押出すこともできるし、また、内部導体12の周囲を一定のピッチで回転するように形成することもできる。
前記絶縁被覆層14は、フッ素樹脂、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(APO)、SPS(シンジオタクティックPS)、ポリメチルペンテン、ポリエチレンナフタレート(PEN)のいずれかから選択される樹脂により一体形成することができる。
上記構成の中空コア体10は、図2〜図4に示すダイス20を用いることで製造することができる。これらの図に示したダイス20は、断面が概略凸状に形成され、円盤状のフランジ22と、先端凸部24とを備えている。
図3は、先端凸部24の拡大図であり、図4は、図3の先端側平面図である。これらの図に示した先端凸部24には、内部導体12の挿通用中心孔24aが設けられている。この中心孔24aの外周には、内端側が隣接設置され、外方に向けて放射状に延びる6本の6本の直線状孔24bが設けられている。
さらに、6本の直線状孔24bの外端間には、これらを連結する環状孔24cが設けられている。このようなダイス24を用い、中心孔24a内に内部導体12を挿通させながら、環状孔24cおよび直線状孔24bから溶融した樹脂を概略垂直下方に押出して、溶融樹脂を冷却固化させると、図1に示した断面形状の中空コア体10が得られる。
この場合、内部導体12の外周に内端側が当接ないしは近接する放射状に延びる6本のリブ部14aは、直線状孔24bから押出され樹脂で形成され、リブ部14aの外端を連結する環状部14bは、環状孔24cから押出され樹脂で形成される。
このような製造方法において、本実施例の場合、内部導体12と環状部14bおよびリブ部14aとで囲まれた複数の中空部16内には、内圧調整用エアを導入し、除冷しながら引き落とし、面積引き落とし倍率を35倍とすることができる。この冷却エアは、図2,3に示したダイス24の貫通孔24aを介して導入される。
貫通孔24aは、本実施例の場合、内部導体12を挿通すると共に、内部導体12の外周に形成される隙間を介して、外部のエアーを導入する。内部導体12を所定速度で引き取る際には、これに伴って外部のエアが、貫通孔24aの後端側(図3においては左端に相当する)から前方に向かう空気流に伴って、中空部16内に導入される。内部導体12に密着する前には、内部導体12の外周を包囲する内環状部(一層目)が無いので、6つの中空部は繋がっており、密着後の内圧は全て均一となる。
なお、このような内圧調整用エアは、内部導体12の引き取りに伴って自然発生する空気流で中空部16内に導入することだけでなく、所定の圧力に加圧した内圧調整用エアを中空部16内に積極的に注入することも可能である。
図5および図6は、図1に示した中空コア体10を用いて同軸ケーブルとした2つの例を示している。図5は、1本の中空コア体10の外環状部14bの外周に、編組線シールドからなる外部導体層30を設けた例であり、この例では、外部導体層30の外周に保護被覆層32を被覆形成している。編組線シールドは、複数本の金属単線を相互に接触するように並列配置して、メッシュ状に編み組したものである。
図6は、1本の中空コア体10の外環状部14bの外周に、横巻き線シールドからなる外部導体層30aを設けた例であり、この例でも、外部導体層30aの外周に保護被覆層32を被覆形成している。横巻き線シールドは、複数本の金属単線を相互に接触するように並列配置して、この状態で外環状部14cの外周に密接状態で、螺旋状に巻きつけたものである。
以下本発明のより具体的な実施例について説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
具体例1
内部導体12(φ0.51mm軟銅線)をクロスヘッドダイスに導き、図2〜4に示す口部形状のダイスを2m/minの速度で下向きに通過させPFA樹脂(AP201:ダイキン製/誘電率2.1)をφ1.4mmの外径に被覆し、被覆後風冷による徐冷を行い、図1に示す断面形状の中空コア体10を得た。
得られた中空コア体10をカットして寸法を測定したところ、環状部14bの厚み0.08mm、リブ部14aの厚み0.08mm、中空率62%、真円度 99.3%、偏芯率 3%であった。
ついで、得られた中空コア体10に対し、0.1mm軟銅線×5本×16打にてシールド密度95%の編組による外部導体層を形成した後に、保護被覆層としてPFA被覆を施し、図5に断面構造であって、外径2.0mmの同軸ケーブルを得た。
このケーブルを機械加工により端末加工し、コネクターを付け、インピーダンスを測定したところ、51Ω、であった。さらにベクトルネットワークアナライザによる高周波特性を測定したところ10GHzで、伝送損失が−2.7dB/m、VSWRが1.1であった。端末加工の作業性は良好であった。
具体例2
内部導体12(7本/φ0.1mm銀メッキ軟銅より線)をクロスヘッドダイスに導き図2〜4に示す口部のダイスを6m/minの速度で下向きに通過させPFA樹脂(AP201:ダイキン製/誘電率2.1)をφ0.7mmの外径に被覆し、被覆後風冷による徐冷を行い、図1に示した断面形状の中空コア体10を得た。
得られた中空コア体10をカットし寸法を測定したところ、環状部14bの厚み0.04mm、リブ部14aの厚み0.04mm、中空率62%、真円度99.1、偏芯率 3%であった。
ついで、得られた中空コア体10に対し、0.05mm軟銅線×5本×16打にてシールド密度95%の編組による外部導体層を形成した後に保護被覆層としてPFA被覆を施し、図5に示す断面構造に類似した構造を備えた外径1.4mmの同軸ケーブルを得た。
このケーブルを機械加工により端末加工し、コネクターを付け、インピーダンスを測定したところ、51Ω、であった。さらにベクトルネットワークアナライザによる高周波特性を測定したところ10GHzで、伝送損失が−6.0dB/m、VSWRが1.1であった。端末加工の作業性は良好であった。
比較例1
内部導体として、φ0.51mm軟銅線を、クロスヘッドダイスに導き所定形状の口部のダイスを、2m/minの速度で下向きに通過させPFA樹脂(AP201:ダイキン製/誘電率2.1)をφ1.4mmの外径に被覆し、被覆後風冷による徐冷を行い、中空コア体を得た。
この場合の中空コア体は、内部導体の外周を包囲する内環状部と、内環状部の外周から放射状に伸びる6本のリブ部と、各リブ部の外周端を連結する外環状部とからなる絶縁被覆層を備えた構造のものである。
得られた中空コア体をカットして寸法を測定したところ、内環状部の厚みが0.07mm、リブ部の厚みが0.06mm、外環状部の厚みが0.06mmであった。これらの値から求めた中空部の中空率58%、真円度99.3%、偏芯率3%であった。
ついで、得られた中空コア体に対し、0.1mm軟銅線×5本×16打にてシールド密度95%の編組による外部導体層を形成した後に保護被覆層としてPFA被覆を施し外径2.0mmの同軸ケーブルを得た。このケーブルを機械加工により端末加工し、コネクターを付け、インピーダンスを測定したところ、51Ω、であった。さらにベクトルネットワークアナライザによる高周波特性を測定したところ10GHzで、伝送損失が−2.8dB/m、VSWRが1.1と実施例1より伝送損失が若干劣る結果となった。尚、機械加工による端末加工時に絶縁被覆の剥ぎ取り不良が発生する場合があった。
比較例2
内部導体(7本/φ0.1mm銀メッキ軟銅より線)をクロスヘッドダイスに導き、所定形状のダイスを6m/minの速度で下向きに通過させPFA樹脂(AP201:ダイキン製/誘電率2.1)をφ0.73mmの外径に被覆し、被覆後風冷による徐冷を行い、中空コア体を得た。
この場合の中空コア体は、内部導体の外周を包囲する内環状部と、内環状部の外周から放射状に伸びる6本のリブ部と、各リブ部の外周端を連結する外環状部とからなる絶縁被覆層を備えた構造のものである。
得られた中空コア体をカットし寸法を測定したところ、外環状部の厚み0.03mm、リブ部の厚み0.03mm、内円環部の厚み0.03mm、中空率61%、真円度99.1% 、偏芯率 3%であった。
ついで、得られた中空コア体に対し、0.05mm軟銅線×5本×16打にてシールド密度95%の編組による外部導体層を形成した後に保護被覆層としてPFA被覆を施し外径1.4mmの同軸ケーブルを得た。このケーブルを機械加工により端末加工し、コネクターを付け、インピーダンスを測定したところ、51Ω、であった。さらにベクトルネットワークアナライザによる高周波特性を測定したところ10GHzで、伝送損失が−6.1dB/m、VSWRが1.1であった。尚、機械加工による端末加工時に絶縁被覆の剥ぎ取り不良が発生する場合があった。
本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア体、同コア体の製造方法、同コア体を用いる同軸ケーブルによれば、中空構造の利点を効果的に利用することができるので、同軸ケーブルを用いるIT関連の分野に有効に活用することができる。
本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア体の一実施例を示す断面図である。 本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア体の製造方法に用いるダイスの説明図である。 図2のA部拡大図である。 図3の先端側から見た平面図である。 図1に示した中空コア体を用いた同軸ケーブルの一例を示す断面図である。 図1に示した中空コア体を用いた同軸ケーブルの他の例を示す断面図である。
符号の説明
10 同軸ケーブル用中空コア体
12 内部導体
14 絶縁被覆層
14a リブ部
14b 環状部
16 中空部
20 ダイス

Claims (9)

  1. 内部導体と、内端側が前記内部導体の外周面に当接し、外方に向けて放射状に延びる3本以上のリブ部と、前記リブ部の外端側を連結する環状部とからなる絶縁被覆層とを備え、前記内部導体,環状部とリブ部とで囲まれた複数の中空部を有する同軸ケーブル用中空コア体であって、
    前記環状部の真円度を98%以上としたことを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体。
  2. 前記環状部の外径が5.0mm以下で、前記中空部の中空率を40%以上としたことを特徴とする請求項1記載の同軸ケーブル用中空コア体。
  3. 前記絶縁被覆層は、フッ素樹脂、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(APO)、SPS(シンジオタクティックPS)、ポリメチルペンテン、ポリエチレンナフタレート(PEN)のいずれかから選択される樹脂により一体形成することを特徴とする請求項1または2記載の同軸ケーブル用中空コア体。
  4. 前記内部導体は、軟銅線,銀メッキ軟銅線,銀メッキ合金線,錫メッキ軟銅線のいずれか1つ、あるいはこれらを任意に組み合わせて撚り合せた撚り線としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の同軸ケーブル用中空コア体。
  5. 内部導体と、前記内部導体の外周に設けられた絶縁被覆層とを有する同軸ケーブル用コア体の製造方法において、
    前記内部導体の挿通用中心孔と、前記中心孔の外周に内端側が隣接設置され、外方に向けて放射状に延びる3本以上の直線状孔と、前記直線状孔の外端間を連結する環状孔とを有するダイスを用い、
    前記中心孔内に前記内部導体を挿通させながら、前記環状孔および直線状孔から溶融した樹脂を概略垂直下方に押出して、内端側が前記内部導体の外周面に当接し、外方に向けて放射状に延びる3本以上のリブ部と、前記リブ部の外端側を連結する環状部と、前記内部導体および環状部とリブ部とで囲まれた複数の中空部とを備えた前記絶縁被覆層を形成する製造方法であって、
    前記中空部内に内圧調整用エアを導入することを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  6. 請求項5記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法において、前記絶縁被覆層は、除冷しながら引き落とされ、その際の面積引き落とし倍率を4〜300倍とすることを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  7. 前記内圧調整用エアは、所定の加圧状態で導入することを特徴とする請求項5または6記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  8. 前記ダイスは、前記内部導体の挿通用の孔より前記内圧調整用エアを導入することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
  9. 上記コア体を用い、金属線の横巻きシールド、金属線の編組線シールド、金属蒸着テープ巻き、金属メッキ、銅パイプのいずれかから選択されるシールドを施したことを特徴とする同軸ケーブル。
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