JPWO2010137700A1 - 電線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

導体を被覆する絶縁体に対して安定的に空隙部が形成された伝送効率の良い電線を経済的に製造することができる電線の製造方法を提供する。円錐台形状の内周面32を有するダイス31と円錐台形状の外周面42を有するポイント41との隙間からなる環状の押出流路51,52へ樹脂Rを押し出すことにより、ポイント41の中心に形成された挿通孔44から引き出される中心導体12の周囲に樹脂Rからなる絶縁体13が被覆された電線11を製造する。押出方向に沿って押出流路51,52内に延在する3本以上の筒体45をポイント41の外周面42に周方向へ等間隔に設けておき、樹脂Rを押出流路51,52へ押し出すことにより、筒体45から流入する空気によって樹脂Rに長手方向へ連続する複数の空隙部14を周方向へ間隔をあけて形成する。

Description

本発明は、導体の外周が樹脂からなる絶縁体によって被覆された電線の製造方法に関する。
電線の使用周波数帯域は、数GHz帯域まで拡大しており、電線の絶縁体部分の誘電率の小さいものが求められている。誘電率を低減させるため、絶縁体に中空部を形成する技術としては、縦軸の周りに対称的に配置された複数の同じ開口を含むダイスであって、それらの開口の各々の横断面はほぼT字形を呈し、そのTの各横棒は縦軸の周りに曲り、すべて同じ円筒に属し、各縦棒の延長線は縦軸において互いに交わるダイスを用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、この装置を用いることにより、成形された絶縁性材料が導体の上に重ね合わされる前に引き伸ばされる場合には、この材料はダイスの出口で、Tの横棒を互いに接触させるように張る圧力を受け、これによって導体の周囲に複数の小胞を有するシースが形成される。
また、内部導体の挿通用中心孔と、中心孔の外周に隣接設置される内環状孔と、内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、直線状孔の外端間を連結する外環状孔とを有するダイスを用い、中心孔内に内部導体を挿通させながら、各孔から溶融した樹脂を概略垂直下方に押出して、内部導体を被覆する内環状部と、内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、リブ部の外端を連結する外環状部と、内,外環状部とリブ部とで囲まれた複数の中空部とを備えた絶縁被覆層を形成する製造方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
日本国特許公開:特開平10−116527号公報 日本国特許公開:特開2008−243720号公報
特許文献1の製法では、絶縁性材料同士がTの横棒の端面で重なり合うことで小胞が形成されるものであるので、絶縁性材料の粘度等の条件が変動すると、端面の重なり合いに不具合が生じ、安定した小胞からなる空隙部が形成されないおそれがある。
特許文献2の製法では、内部導体の挿通用中心孔の外周に隣接設置される内環状孔、内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔、及び直線状孔の外端間を連結する外環状孔を有する極めて複雑な構造のダイスが必要である。そして、このようなダイスを精度良く形成するのは極めて困難であり、また、成形される空隙部も不安定となり大きさにばらつきが生じてしまう。
また、上記特許文献1,2の製法では、絶縁体の外径や空隙部の大きさなどが異なる電線の製造毎に、複雑形状のダイスが必要となる。このようなダイスが製造できたとしても、その加工費は高くコストが嵩む。
本発明の目的は、導体を被覆する絶縁体に対して長さ方向に空隙部が安定して形成された伝送効率の良い電線を経済的に製造することができる電線の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明の電線の製造方法は、円錐台部に円筒が継がれた形状の内周面を有するダイスと円錐台部に円筒が継がれた形状の外周面を有するポイントとの隙間からなる環状の押出流路へ樹脂を押し出して引き落とし、前記ポイントの中心に形成された挿通孔から引き出される導体の周囲に前記樹脂を被覆する電線の製造方法であって、
押出方向に沿って前記押出流路内に延在する3本以上の筒体を前記ポイントの円錐台部の外周面に周方向へ等間隔に設けておき、前記筒体の周囲に前記樹脂を流すことにより長手方向に連続する複数の空隙部を前記樹脂に周方向へ間隔をあけて形成することを特徴とする。筒体の数は6本以上9本以下が好ましい。
また、本発明の電線の製造方法において、前記筒体に前記筒体および前記ポイントの円錐台部を貫通する連通孔が設けられ、前記連通孔を通じて前記ポイント内から空気が自然に流入しながら前記樹脂を押し出すことが好ましい。
もしくは、前記連通孔に気体を供給しながら前記樹脂を押し出すことが好ましい。
また、本発明の電線の製造方法において、引き落とし比を400以上2000以下として前記樹脂を押出被覆することが好ましい。
本発明の電線の製造方法によれば、押出方向に沿って前記押出流路内に延在する3本以上の筒体を前記ポイントの外周面に周方向へ等間隔に設けておき、樹脂を押出流路へ押し出すことにより、筒体から流入する気体によって長手方向へ連続する複数の空隙部を周方向へ間隔をあけて樹脂に形成する。これにより、導体を被覆する絶縁体に複数の空隙部が周方向へ間隔をあけて安定的に形成されて誘電率が低減された伝送効率の良い電線を経済的に製造することができる。
本発明に係る電線の製造方法によって製造される電線の実施形態例の断面図である。 本実施形態の電線の製造方法に用いるダイスとポイントの一部の断面図である。 本実施形態の電線の製造方法に用いるポイントの一部の斜視図である。 本実施形態の電線の製造方法における押出被覆工程を示すダイスとポイントの組み合わせの断面図である。 本実施形態の電線の製造方法に用いる押出機の別の形態を示す図である。
以下、本発明に係る電線の製造方法の実施形態の例について図面を参照して説明する。
まず、本実施形態の電線の製造方法によって製造される電線について説明する。
図1では同軸電線を例にして説明する。
電線11は、中心導体12を絶縁体13で覆い、絶縁体13の外周に外部導体15を配し、その外側を外被16で保護した形状で、絶縁体13は長手方向に連続する複数個の空隙部14を有している。また、中心導体12と絶縁体13との間及び中心導体12と外部導体15の間には設計上の空隙がない。
中心導体12は、銀メッキまたは錫メッキされた軟銅線または銅合金線からなる単線または撚り線で形成される。撚り線の場合は、例えば、素線導体径が0.025mmのものを7本撚った外径0.075mm(AWG#42相当)のものや、素線導体径が0.127mmのものを7本撚った外径0.38mm(AWG#28相当)としたものが用いられる。
また、外部導体15は、中心導体12に用いた素線導体と同程度の太さの銀メッキまたは錫メッキされた軟銅線または銅合金線を、絶縁体13の外周に横巻きまたは編組構造で配して形成される。さらに、シールド機能を向上させるために、金属箔テープを併設する構造としてもよい。外被16は、フッ素樹脂やポリオレフィン系樹脂や塩化ビニル等の樹脂材を押出成形するか、または、ポリエステルテープなどの樹脂テープを巻き付けて形成される。
絶縁体13は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、あるいはフッ素樹脂等の熱可塑性樹脂を用いて、押出し成形で形成される。なお、フッ素樹脂材としては、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、等が用いられる。また、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)も使用可能である。
絶縁体13の外径D1は、中心導体12の導体径をD2としたとき、D2×(2.2〜3.0)程度とするのが望ましい。例えば、上記の中心導体12の導体径が0.38mm(AWG#28)の場合は、絶縁体13の外径を0.84mm〜1.1mmとする。中心導体12の導体径がAWG#42よりも細い線では、用途により絶縁体13の静電容量を低容量とする必要があるが、その場合は、絶縁体13の外径D1をD2×(2.2〜3.6)とするのが望ましい。例えば、中心導体12の導体径が0.075mmの場合は、絶縁体13の外径を0.17mm〜0.27mmとする。なお、本発明においては、絶縁体13の外径が、1.1mm以下で形成される電線を対象としている。
この寸法の電線11は、携帯電話やノート型パソコンで、アンテナ配線やLCDとCPUを結ぶ配線に使用されることやセンサと機器とを結ぶ多心電線として使用されることが多く、これらの端末装置の小型化、薄型化により、同軸電線の細径化が要求される。同軸電線は、所定のインピーダンス(50Ω、75Ωまたは80Ω〜90Ω)とする必要があり、それを実現する限りにおいてできるだけ細径とする。そのためには、中心導体12と外部導体15との間の絶縁体13の誘電率を小さくすることが必要である。本実施形態では、絶縁体13に空隙部14を設け、全部の空隙部14を合わせた全体の空隙率(=(空隙部14の断面積の和)/{(絶縁体13の断面積)+(空隙部14の断面積の和)})を43%以上とすることにより、上記の範囲の寸法において細径化を実現する。
電線11は、細径で絶縁体13の厚さが薄いので、電線11に加えられる外圧や曲げに対して耐えられなくなることがある。したがって、本実施形態が対象とする細い電線11では、絶縁体13内に設けられる空隙部14の1個当たりの大きさが問題となる。これは、それよりも大径の電線にはない課題である。
中心導体12の径に対する絶縁体13の径の比が2.4〜2.7倍である場合には、空隙部14を7〜9個配して、一つの空隙部14の空隙率を6.8%以下とすることが好ましい。特に、空隙部14が8個で、絶縁体13の空隙率が43%〜54%であることが好ましい。
中心導体12の径に対する絶縁体13の径の比が3.2〜4.0倍である場合は、空隙部14が6個で、一つの空隙部14の空隙率を9.0〜10%とすることが好ましい。
本実施形態では、1個当たりの空隙率を上記の大きさとすることで、この寸法の電線で十分な耐久性を実現する。空隙部14は、断面円形状(真円、楕円)で形成され、中心導体12の周りに均等に配される。空隙部14を、例えば真円で形成し、その内径をD3とすると、1つの空隙部14の絶縁体13に対する割合は、次式で表される。
{(D3/2)×π}/{(D1/2)×π−(D2/2)×π}
中心導体12の径に対する絶縁体13の径の比が4倍よりも大きい場合には、さらに空隙部14の数を少なくして3個以上とすることができる。
次に、上記電線の製造方法について説明する。
図2及び図3に示すように、電線11の製造に用いる押出機30は、ダイス31とポイント41とを備えている。
ダイス31は、内周面が円錐台形状の円錐台部32を有しており、その中心に円筒状の押出孔33が形成されている。押出孔33の径は長さ方向に一定である。ダイス31の内周面は円錐台に円筒を継いだ形状である。
ポイント41は、外周面が円錐台形状の円錐台部42を有しており、その先端には、円筒部43が形成されている。また、このポイント41には、その中心に挿通孔44が形成されており、この挿通孔44に、中心導体12が挿通されて前方へ向かって引き出される。
これらダイス31及びポイント41は、その円錐台部32と円錐台部42とが所定の環状の隙間を形成するように配設されている。そして、ダイス31の円錐台部32とポイント41の円錐台部42との隙間及びダイス31の押出孔33とポイント41の円筒部43との隙間が、互いに連通する押出流路51,52とされている。そして、押出流路51に、絶縁体13を形成する溶融樹脂Rが後方側から導入され、押出流路52へ送り込まれて押出孔33から押し出される。
また、ポイント41の円筒部43には、同心円上に、円筒形状の複数の筒体45が周方向へ等間隔に配設されており、樹脂Rの押出方向に沿って延在され、円筒部43とともにダイス31の押出穴32に挿通されている。筒体45の先端は円筒部43の先端と同じ面上またはその近傍にある。押出流路51,52内に筒体45が存在し、その部分には溶融した樹脂Rが流れない。
これら筒体45は、連通孔46を有しており、この連通孔46は、円筒部42を貫通してポイント41の内面に開口されている。ポイント41の内面は閉じた空間とはなっておらず押出機30の外に通じている。
上記の押出機30を用いて中心導体12に絶縁体13を被覆させる場合、図4に示すように、中心導体12をポイント41の挿通孔44に挿通させる。
そして、中心導体12を押出機30から引き出しながら、押出流路51へ、その後方側から溶融樹脂Rを押し出す。樹脂Rは、押出流路51,52を通って押出孔33から押し出され、引き伸ばされてその径が徐々に小さくなって、押出孔33の出口から一定の距離離れた箇所で中心導体12の上に乗って中心導体12を被覆する。つまり、引き落としによって、中心導体12の外周に樹脂Rが絶縁体13として被覆される。このとき、引き落とし比は、400以上2000以下とする。
ここで、この引き落とし比は、ダイス31の押出孔33の内径をDd、ポイント41の円筒部43の外径をDpとすると、絶縁体13の仕上がり外径D1及び中心導体12の径D2との関係から、次式で表わされる。
(Dd−Dp)/(D1−D2
このとき、絶縁体13を形成する樹脂Rは、筒体を取り巻く流れとなって空隙部14が形成される。ポイント41から押出方向に沿って延在する複数の筒体45の連通孔46はポイント外部の大気に通じていて連通孔46から空隙部14に空気が引き込まれる。これにより、絶縁体13には、長手方向に連続する複数の空隙部14が周方向へ間隔をあけて形成される。
次に、絶縁体13の外周に、導電性金属の複数本の細径線材を編組あるいは横巻きして外部導体15を設ける。金属箔を絶縁体13に巻き付けて、または縦添えして外部導体としてもよい。あるいは2枚の金属箔で絶縁体を挟んでラミネートして外部導体としてもよい。
その後、外部導体15の外周に、外被16となる樹脂を押出被覆してあるいは絶縁テープを巻き付けて外被16を形成し、電線11とする。
このようにして製造された電線11によれば、絶縁体13に形成された空隙部14を7〜9個(本実施形態では8個)として1つの空隙部14の空隙率を6.8%以下とすることにより、全部の空隙部14を合わせた空隙率を43%以上としても、外圧や曲げに対して潰れにくく、安定した伝送特性を確保することができる。空隙部14が6個の場合は、1つの空隙部14の空隙率を9.0〜10%とすることにより、全部の空隙部14を合わせた空隙率を54%以上として、外圧や曲げに対して潰れにくく、安定した伝送特性を確保することができる。
そして、このようにして製造した電線11は、電線11の状態で使用され、あるいは複数本束ねたり並列にしたりしてテープ状とした多心電線として使用される。
以上説明したように、本実施形態の電線の製造方法では、押出方向に沿って押出流路51,52内に延在する3本以上(本実施形態では8本)の筒体45をポイント41の外周面42に周方向へ等間隔に設けておき、樹脂Rを押出流路51,52へ押し出すことにより、筒体45の周囲に樹脂Rの流れをつくって筒体45より下流の部分に長手方向へ連続する空隙部14を形成する。空隙部14は筒体45のある場所に応じて、絶縁体13の長さ方向に垂直な断面において、周方向にほぼ均等な間隔をあけて形成される。絶縁体に複数の空隙部14が形成されるので絶縁体13の誘電率が低減される。
こうして絶縁体13の誘電率が低減された電線11を容易に製造することができる。
本発明は、円錐台形状の内周面32を有する一般的なダイス31と、外周面42から複数の筒体45を延在させただけの単純構造のポイント41とからなる押出機30を用いる。空隙部を形成するために押出孔を複雑な形状に形成したダイスを用いる場合と比較して、本発明のポイント41は精度よく加工することができるので、成形される空隙部が安定した大きさであってばらつきが生じない。また加工が容易であるので設備費を抑えることができる。つまり、絶縁体13に空隙部14が形成された低容量の電線11を経済的に製造することができる。
また、ダイス31とポイント41との組み合わせを変更することにより、空隙部14の数や大きさあるいは各種の径の電線11を容易に製造することができる。
これにより、絶縁体13における空隙部14の比率や絶縁体13の厚さを希望のものとすることができる。
また、樹脂Rを中心導体12に押出被覆する際の引き落とし比を400以上2000以下と相当に大きな引き落とし比にすることにより、絶縁体13の外径が1.1mm以下である細径の電線において、中心導体12の外周に、空隙部14を有する絶縁体13を良好に被覆することができる。
なお、筒体45は円筒に限らず、断面楕円形や角形でも良い。この場合、形成される空隙部の断面は楕円形になる。
また、上記実施形態では、中心導体12への樹脂Rの押出被覆時に、ポイント41の筒体45の連通孔46を通じてポイント41内から空気が自然に流入して空隙部14が潰れずに形成されるようにしたが、連通孔46に空気などの気体を供給しながら樹脂Rを押し出しても良い。空隙部14へ気体を送り込んで空隙部14の形状を維持して樹脂Rを引き落として絶縁体13を形成することができる。空隙部14の圧力を過度に陽圧とすると、かえって絶縁体13が変形してねらった形状からずれてしまうので、空隙部14内の気圧が外部に比べて1ないし100Pa大きくなるようにする。
図5に、空隙部14へ気体を送り込んで加圧する場合の押出機の構成を示す。
この押出機30aは、ポイント41の後端に加圧用ノズル55が接続されている。加圧用ノズル55には、気体供給管56が接続されている。この気体供給管56から加圧用ノズル55を介して加圧された気体(空気など)をポイント14内に送り、ポイント14内を周囲の気圧(大気圧)に対して1〜100Pa陽圧とする。
下記に示す各条件で、図1に示したような構造の電線を製造し、絶縁体の外径変動及び静電容量を調べた。
(実施例1)
内部導体:径0.025mmの銀メッキ銀銅合金(銀含有率0.6%)を7本撚り合わせた撚り線(AWG42に相当)
絶縁体:PFA、外径0.25mm(厚さ0.087mm)
引き落とし率:1310
ポイント内の加圧(大気圧との差):4Pa
絶縁体の静電容量:60.5pF
絶縁体の外径変動:±0.006mmの変動
(実施例2)
ポイント内を加圧しない以外は実施例1と同様
絶縁体の静電容量:61.2pF
絶縁体の外径変動:±0.026mmの変動
実施例1と2とを比較して、加圧することで絶縁体の外径が安定し、かつ絶縁体の静電容量が低下する効果が確認された。空隙部がわずかに膨れることで絶縁体内の空間が増し、静電容量が低下したものと考えられる。また、樹脂を引き落とす時に空隙部がわずかに陽圧となることで樹脂の引き落とし形状が安定して絶縁体の外径が長手方向に安定するものと考えられる。
(実施例3)
内部導体:径0.079mmの銀メッキ軟銅線を7本撚り合わせた撚り線(AWG32に相当)
絶縁体:PFA、外径0.61mm(厚さ0.185mm)
引き落とし率:460
ポイント内の加圧(大気圧との差):75Pa
絶縁体の静電容量:79.0pF
絶縁体の外径変動:±0.014mmの変動
(実施例4)
ポイント内を加圧しない以外は実施例3と同様
絶縁体の静電容量:84.0pF
絶縁体の外径変動:±0.014mmの変動
実施例3と実施例4とを比較して、加圧することで静電容量が低下する効果が確認された。絶縁体の外径変動は加圧してもしなくてもほぼ同程度であった。実施例3および実施例4は実施例1および実施例2よりも電線の径が太く、大気圧との差圧を大きくした。この場合、絶縁体の外径変動を同程度として静電容量を小さくする効果が大きいことが確認された。
また、ポイント41に形成した筒体45の本数は、8本に限定されることはないが、3本以上であれば良く、7〜9本が好ましい。
なお、上記実施形態では、中心導体12、絶縁体13、外部導体15及び外被16が同軸に順次積層された構造を有する同軸電線からなる電線11を例示して説明したが、導体の周囲を絶縁体で覆った電線であれば同軸電線に限定されない。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2009年5月29日出願の日本特許出願(特願2009−130088)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
11:電線、12:中心導体(導体)、13:絶縁体、14:空隙部、31:ダイス、32:内周面、41:ポイント、42:外周面、44:挿通孔、45:筒体、51,52:押出流路、R:樹脂

Claims (4)

  1. 円錐台部に円筒が継がれた形状の内周面を有するダイスと円錐台部に円筒が継がれた形状の外周面を有するポイントとの隙間からなる環状の押出流路へ樹脂を押し出して引き落とし、前記ポイントの中心に形成された挿通孔から引き出される導体の周囲に前記樹脂を被覆する電線の製造方法であって、
    押出方向に沿って前記押出流路内に延在する3本以上の筒体を前記ポイントの円錐台部の外周面に周方向へ等間隔に設けておき、前記筒体の周囲に前記樹脂を流すことにより長手方向に連続する複数の空隙部を前記樹脂に周方向へ間隔をあけて形成することを特徴とする電線の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電線の製造方法であって、
    前記筒体に前記筒体および前記ポイントの円錐台部を貫通する連通孔が設けられ、前記連通孔を通じて前記ポイント内から空気が自然に流入しながら前記樹脂を押し出すことを特徴とする電線の製造方法。
  3. 請求項1に記載の電線の製造方法であって、
    前記筒体に前記筒体および前記ポイントの円錐台部を貫通する連通孔が設けられ、前記連通孔に気体を供給しながら前記樹脂を押し出すことを特徴とする電線の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電線の製造方法であって、
    引き落とし比を400以上2000以下として前記樹脂を押出被覆することを特徴とする電線の製造方法。
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