JP5291831B2 - 前方視認装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の前方側を間接的に視認する前方視認装置に関する。
本願は、2010年03月10日に、日本に出願された特願2010−053751号、2010年05月18日に、日本に出願された特願2010−114195号、2010年04月23日に、日本に出願された特願2010−100065号、2010年04月23日に、日本に出願された特願2010−100066号、及び2010年10月19日に、日本に出願された特願2010−234582号に基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
前方視認装置として、撮像手段を車両の前部に設置し、同撮像手段で撮影した像を車室内のモニターに映すものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
この種の前方視認装置は、車両前方の所望の領域を良好に視認することができるものの撮像手段やモニターのコストが高く、より廉価な構造の案出が望まれている。
また、撮像手段やモニターを用いない前方視認装置としては、車両前部に反射鏡を配置したものが案出されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3に記載の前方視認装置は、車両の前方左右を映す一対の反射鏡がフロントバンパの上方に突出させて設けられている。この前方視認装置の場合、車両の外部の反射鏡に映る像を車室内の乗員が直接視認する構造であるため、乗員が視認する像が左右逆転した像となって乗員に違和感を与え易いうえ、反射鏡に汚れや破損を生じやすい。
この点が改善された前方視認装置としては、車両の前方を直接映す第1の反射鏡と、第1の反射鏡の反射像を乗員に向けて映す第2の反射鏡を車室内に設置したものも案出されている(特許文献4,5参照)。
特許文献4,5に記載の前方視認装置は、車両の前方を映す第1の反射鏡が車室内の天井部のルームミラーの付根部分に配置され、第2の反射鏡が車室内のダッシュボード上に配置されている。この前方視認装置では、第1の反射鏡と第2の反射鏡による二重反射によって視認像の左右の逆転を無くすことができて視認性がよくなるうえ、反射鏡がいずれも車室内に配置されることから汚れや破損の問題も解消される。
日本国特開2001−315575号公報 日本国特開2001−253295号公報 日本国特開2002−211318号公報 日本国実願昭63−64544号公報 日本国特開2005−88790号公報
しかし、特許文献4,5に記載の前方視認装置においては、第1の反射鏡が天井部に配置されているため、車両の前方を映す第1の反射鏡を車両前方に配置するのに大きな制約を受ける。
第1の反射鏡を車両のより前方に配置するには、第1の反射鏡を第2の反射鏡とともにダッシュボードの上部に設置することも考えられるが、この場合には、第1の反射鏡と第2の反射鏡は上下方向に高さを変える必要があるため、一方の反射鏡が乗員の視界を妨げる結果となってしまう。
また、前記前方視認装置では、第1の反射鏡が車室内の天井部近くに配置され、そこから車両前方の下方に向けて配置されているため、ボンネット下方の死角を確認することは可能であったが、自車両の進行方向に対して側方の死角を確認するのには十分ではなかった。
また、車両前方左右の視認範囲を広げるために、車両上下方向に対する第1の反射鏡の傾斜姿勢を起こすと、対向車のヘッドライトや太陽光などの外光が映り込み、他車両等に対する視認性が低下するというという課題がある。
また、第2の反射鏡に映った鏡像からは、自車両の進行方向に対して左右方向に位置する他車両の接近感(相対位置など)が認識し難いという課題がある。
そこで、この発明に係る態様は、製品コストの高騰を招くことなく視認性の向上を図ることのできる前方視認装置を提供することを目的とする。
また、この発明に係る態様は、外光に起因する視認性低下を抑制することができる前方視認装置を提供することを目的とする。
また、この発明に係る態様は、自車両の進行方向に対して側方に位置する物体(例えば他車両)の近接度合いを認識し易い前方視認装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る一態様は、車両の前方側の所望範囲を乗員に視認させる前方視認装置であって、上記所望範囲を映す第1の反射鏡と、上記第1の反射鏡に映る反射像を上記乗員に向けて映す第2の反射鏡と、を備え、上記第1の反射鏡が車室内のダッシュボード上に配置されるとともに、上記第2の反射鏡が上記ダッシュボードの下方に配置され、上記第1の反射鏡及び前記第2の反射鏡を結ぶ領域と、上記第2の反射鏡及び前記乗員のアイポイントを結ぶ領域とのそれぞれに第1の透光部と第2の透光部が設けられている。
これにより、車両の前方の像はダッシュボード上の第1の反射鏡に映され、その反射像が第1の透光部を通してダッシュボードの下方の第2の反射鏡に映される。この第2の反射鏡に映った反射像は第2の透光部を通して乗員によって視認される。
(2)(1)に記載の態様において、上記ダッシュボードには車室内側に隆起する隆起部が設けられ、この隆起部の車両後方側の面に上記第2の透光部が形成されてもよい。
(3)(1)に記載の態様において、上記ダッシュボードには車室内側に隆起する隆起部が設けられ、この隆起部の、前記車両の前方側の面に上記第1の反射鏡が設けられてもよい。
(4)(1)に記載の態様において、上記ダッシュボードには車室内側に隆起する隆起部が設けられ、この隆起部の、前記車両の前方側に上記第1の透光部が設けられてもよい。
(5)(1)に記載の態様において、上記第1の透光部と第2の透光部の少なくともいずれか一方は、上記ダッシュボードに設けられた開口であってもよい。
(6)(1)に記載の態様において、上記開口は、光を透過する透過板によって閉塞されてもよい。
(7)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡は、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凸となる凸曲率曲面に形成されているあってもよい。
(8)(1)に記載の態様において、上記第2の反射鏡は、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凹となる凹曲率曲面に形成されているあってもよい。
(9)(1)に記載の態様において、上記第2の反射鏡は、上記車両のシートに着座した上記乗員の正面に配置されてもよい。
(10)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡及び上記第2の反射鏡は、上記ダッシュボードのうち、上記車両の車幅中心に配置されてもよい。
(11)(1)に記載の態様において、上記第2の反射鏡は、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凹となる凹曲率曲面に形成されるとともに、鏡面が運転席側に向くように傾けて配置されてもよい。
(12)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向端部側が車幅方向中央側よりも前部下方に向かって傾斜して形成されてもよい。
これにより、車両の前方の像はダッシュボード上の第1の反射鏡に映され、その反射像が第1の透光部を通してダッシュボードの下方の第2の反射鏡に映される。この第2の反射鏡に映った反射像は第2の透光部を通して乗員によって視認される。
このとき、凸曲率曲面に形成される第1の反射鏡の反射面には車両前部側方の広範囲が映されるようになる。第1の反射鏡の反射面は、前方に凸となる凸曲率曲面に形成されていることから、第2の反射鏡には、車幅方向両端部が下方に下がるように第1の反射鏡自体の像が映る。一方、第1の反射鏡の反射面は、車幅方向端部側が中央側よりも前部下方に傾斜していることから、第2の反射鏡に映る第1の反射鏡の反射面には、車幅方向端部側で中央側よりも下方にオフセットした車両前方の像が映されることになる。したがって、第2の反射鏡には、車幅方向両端部が下方に下がった第1の反射鏡自体の像が映し出されるものの、第1の反射鏡の反射面には車幅方向端部側が中央側よりも下方にオフセットした車両前方の像が映されることから、第2の反射鏡を通して見える前方の像の端部側の歪みが抑制されることになる。
(13)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向中央から端部に向けて、前部下方に向かう傾斜角度が徐々に大きくなるように形成されてもよい。
(14)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向端部側の凸曲率半径が車幅方向中央側の凸曲率半径よりも大きくなるように形成されてもよい。
これにより、車両の前方の像はダッシュボード上の第1の反射鏡に映され、その反射像が第1の透光部を通してダッシュボードの下方の第2の反射鏡に映される。この第2の反射鏡に映った反射像は第2の透光部を通して乗員によって視認される。
このとき、凸曲率曲面に形成される第1の反射鏡の反射面には車両前部側方の広範囲が映されるようになる。第1の反射鏡の反射面は、前方に凸となる凸曲率曲面に形成されていることから、第2の反射鏡には、車幅方向の端部ほど縮小されて第1の反射鏡自体の像が映る。一方、第1の反射鏡の反射面は、車幅方向端部側の凸曲率半径が車幅方向中央側の凸曲率半径よりも大きく形成されていることから、車幅方向端部側に映る車両前方の像は、中央側に映る車両前方の像に対して相対的に拡大されることになる。したがって、第2の反射鏡の反射面には、第1の反射鏡の反射面が車幅方向の端部ほど縮小されて映し出されるものの、第1の反射鏡の反射面には、車幅方向端部側が中央側に対して相対的に拡大された車両前方の像が映されることから、第2の反射鏡を通して見える前方の像の中央側と端部側のサイズの差異が矯正されることになる。
(15)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されてもよい。
(16)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡の反射面は、上下方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されてもよい。
(17)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡または上記第2の反射鏡のどちらか一方の鏡面の左右方向の中央部には、光の透過を抑制する透過抑制部が設けられてもよい。
(18)(1)に記載の態様において、上記透過抑制部は、上記第1の反射鏡に設けられてもよい。
(19)(1)に記載の態様において、上記第1の反射鏡の鏡面の左右方向の端部の少なくとも一方には、該鏡面の車両上下方向における上端と下端を結んだ線の中央より上方の位置に、光の透過を抑制する第2の透過抑制部が設けられてもよい。
(20)(1)に記載の態様において、上記第2の透過抑制部は、グラデーションフィルムまたは偏光フィルタで構成されてもよい。
(21)(1)に記載の態様において、上記透過抑制部は、グラデーションフィルムまたは偏光フィルタで構成されてもよい。
(22)(1)に記載の態様において、運転者が視認する上記第2の反射鏡に映し出された鏡像における上記反射像の路面側に、位置認識表示手段により表示された位置認識指標が配置されてもよい。
(23)(1)に記載の態様において、上記位置認識表示手段は、上記車両のフロントウィンドシールドガラスの下縁に沿って帯状に印刷された黒色印刷部に設けられており、表示される上記位置認識指標は車両の垂直方向に直線状をなしてもよい。
(24)(1)に記載の態様において、上記位置認識表示手段は、上記黒色印刷部に形成されたスリット状の切り込みによって構成されてもよい。
(25)(1)に記載の態様において、上記位置認識表示手段は、上記ダッシュボードの上面であってフロントウィンドシールドガラスに対向する面に、車両の進行方向に沿って直線状に形成された棒状指標で構成されてもよい。
(26)(1)に記載の態様において、上記位置認識表示手段は、上記ダッシュボードの上面に開口するデフロスタに設けられており、上記第1の反射鏡を中心として放射状に形成された上記デフロスタの吹出口の桟によって上記棒状指標が構成されてもよい。
(27)(1)に記載の態様において、運転者が視認する上記第2の反射鏡に映し出された鏡像には近接度合い確認手段が設けられ、上記近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の位置確認手段からなり、上記左右方向に向かうにしたがって上記位置確認手段の間隔が狭くしてもよい。
(28)(1)に記載の態様において、運転者が視認する上記第2の反射鏡に映し出された鏡像には近接度合い確認手段が設けられ、上記近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の位置確認手段からなり、上記左右方向に向かうにしたがって上記位置確認手段の左右方向の幅が狭くしてもよい。
(29)(1)に記載の態様において、上記車両のフロントウィンドシールドガラスには、その周縁に沿って帯状の黒色印刷部が設けられ、上記位置確認手段は、上記フロントウィンドシールドガラスの下縁に沿う上記黒色印刷部に設けられた指標の像で構成されてもよい。
(30)(1)に記載の態様において、上記指標は、上記黒色印刷部に形成されたスリット状の切り込みによって構成されてもよい。
(31)(1)に記載の態様において、上記位置確認手段は、上記ダッシュボードの上面であって上記車両のフロントウィンドシールドガラスに対向する面に上記車両の進行方向に沿って直線状に形成された棒状指標の像として構成されてもよい
(32)(1)に記載の態様において、上記ダッシュボードの上面に開口するデフロスタの吹出口の桟によって構成されており、上記桟は上記第1の反射鏡を中心として放射状に形成されてもよい。
上記(1)の態様によれば、ダッシュボード上の第1の反射鏡に映された車両前方の像をダッシュボードの下方の第2の反射鏡で反射させて乗員に視認させるため、第1の反射鏡や第2の反射鏡を、乗員視界を狭めない充分に低い位置に設置することができる。したがって、この発明によれば、高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を得ることができる。
また、上記態様においては、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡がダッシュボートの下方に配置されることから、第1の反射鏡をダッシュボード上の充分に低い位置に設置することができる。このため、ウィンドシールドガラスの前方傾斜の大きいデザインの車両においてもフロントピラーによる視界の妨げを受けない車室内の前方側位置に第1の反射鏡を配置することができる。したがって、車両の前方左右の視認性をより向上させることができる。
上記(2)の場合は、ダッシュボードから車室内側に隆起して目に付きやすい隆起部に第2の透光部が形成されていることから、乗員による視認を良好にすることができる。さらに、第2の透光部が、乗員に対してほぼ正対する隆起部の車両後方側の面に形成されているため、第2の透光部の面積を最小限に抑えつつ、第2の反射鏡の見える視認範囲を充分に確保することができる。
上記(3)の場合は、隆起部の車両前方側の面に第1の反射鏡が設けられていることから、第1の反射鏡が直接乗員の目に入ることがなく、乗員の前方視認性が良好になるとともに、外観の見栄えも良好になる。
上記(4)の場合は、隆起部の車両前方側に第1の透光部が設けられていることから、第1の透光部が直接乗員の目に触れることがなく、外観の見栄えが良好になる。
上記(5)の場合は、第1の透光部と第2の透光部の少なくともいずれか一方は、ダッシュボートに設けられた開口であるため、透光部を容易に形成することができる。
上記(6)の場合は、開口が透過板によって閉塞されるため、開口への埃や水蒸気等の進入を抑制することができる。
上記(7)の場合は、車両の前方を映す第1の反射鏡が凸面鏡であることから、車両前方の視認領域を拡大することができる。
上記(8)の場合は、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡が凹面鏡であることから、より広範囲の反射像を乗員に視認させることができる。
上記(9)の場合は、第2の反射鏡がシートに着座した乗員の正面に配置されることから、乗員に視認される像の歪みをより少なくすることができる。
また、運転者の体格差によってアイポイントが前後に移動しても、第2の反射鏡の向きを変えずに像の歪みをより少なくすることができる。
上記(10)の場合は、第1の反射鏡と第2の反射鏡がダッシュボードのうちの車両の車幅中心に配置されることから、車両の左右のフロントピラーとの間に充分な距離をおくことができる。このため、左右のフロントピラーに沿ってウィンドシールドガラス上に雪が溜まった場合にも、第1の反射鏡の前方や左右が雪によって覆われることがなく、常に視認領域を広く確保することができる。
上記(11)の場合は、第2の反射鏡が凹面鏡であるとともに、鏡面が運転席側を向くように傾けて配置されることから、第2の反射鏡を車幅中心に配置しても像の歪みをより少なくすることができる。
上記(12)の場合は、ダッシュボード上の第1の反射鏡に映された車両前方の像をダッシュボードの下方の第2の反射鏡で反射させて乗員に視認させるため、第1の反射鏡や第2の反射鏡を、乗員視界を狭めない充分に低い位置に設置することができる。したがって、この場合は、高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を得ることができる。
また、この場合は、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡がダッシュボートの下方に配置されることから、第1の反射鏡をダッシュボード上の充分に低い位置に設置することができる。このため、ウィンドシールドガラスの前方傾斜の大きいデザインの車両においてもフロントピラーによる視界の妨げを受けない車室内の前方側位置に第1の反射鏡を配置することができる。したがって、車両の前方左右の視認性をより向上させることができる。
さらに、この場合は、第1の反射鏡の反射面が、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凸となる凸曲率曲面に形成されているため、第1の反射鏡の反射面に車両の前部側方の広範囲を映すことができ、しかも、第1の反射鏡の反射面の車幅方向端部側が車幅方向中央側よりも前部下方に向かって傾斜していることから、第2の反射鏡に映る第1の反射鏡自体の像の車幅方向端部側で下方に下がる分を、第1の反射鏡の反射面の車幅方向端部側に、車両前方の下方にオフセットした像を映すことで相殺し、乗員に見える車幅方向端部側の像の歪みを少なくして乗員に与える違和感をより少なくすることができる。
上記(13)の場合は、第1の反射鏡の反射面が、車幅方向中央から端部に向けて、前部下方に向かう傾斜角度が徐々に大きくなるように形成されていることから、乗員に見える車幅方向端部側の像の歪みを緩やかに矯正して、視認性をより向上させることができる。
上記(14)の場合は、第1の反射鏡の反射面が、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凸となる凸曲率曲面に形成されているため、第1の反射鏡の反射面に車両前部側方の広範囲を映すことができ、しかも、第1の反射鏡の反射面の車幅方向端部側の凸曲率半径が車幅方向中央側の凸曲率半径よりも大きくなっていることから、第2の反射鏡に映る第1の反射鏡自体の像の車幅方向端部側が縮小される分を、第1の反射鏡の車幅方向端部側に映る像を中央側に映る像に対して相対的に拡大して映すことで相殺し、乗員に見える車幅方向中央側と端部側の像のサイズの差異を少なくして乗員に与える違和感をより少なくすることができる。
上記(15)の場合は、第1の反射鏡の反射面が、車幅方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されていることから、乗員に見える車幅方向中央側の像と車幅方向端部側の像の幅方向のサイズの差異を緩やかに矯正して、視認性をより向上させることができる。
上記(16)の場合は、第1の反射鏡の反射面が、上下方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されていることから、乗員に見える車幅方向中央側の像と車幅方向端部側の像の高さ方向のサイズの差異を緩やかに強制して、視認性をより向上させることができる。
上記(17)の場合は、ダッシュボード上の第1の反射鏡に映された車両前方の像をダッシュボードの下方の第2の反射鏡で反射させて乗員に視認させるため、第1の反射鏡や第2の反射鏡を、乗員視界を狭めない充分に低い位置に設置することができる。したがって、高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を得ることができる。
また、この場合は、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡がダッシュボートの下方に配置されることから、第1の反射鏡をダッシュボード上の充分に低い位置に設置することができる。その結果、車両の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード上の第1の反射鏡とダッシュボード下の第2の反射鏡との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡の反射像を第2の反射鏡に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラスの前方傾斜の大きいデザインの車両においても、フロントピラーによる視界の妨げを受けない車室内の前方側位置に第1の反射鏡を配置することができるので、車両の前方左右の視認性をより向上させることができる。
しかも、この場合は、第1の反射鏡または第2の反射鏡のどちらか一方の鏡面の左右方向の中央部に透過抑制部が設けられているので、対向車のヘッドライト等の外光が第1の反射鏡の鏡面の中央部に入射しても、あるいは、前記外光の第1の反射鏡での反射光が第2の反射鏡の鏡面の中央部に入射しても、これら入射光および該入射光の反射光は透過抑制部によって透過が抑制されるので、前記外光の映り込みに起因する視認性低下を抑制することができる。
上記(18)の場合は、透過抑制部が第1の反射鏡に設けられていることにより、透過抑制部を第2の反射鏡に設ける場合に比較して、光の透過を抑制する効果が得られるアイポイントの許容領域を広げることができる。
上記(19)の場合は、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の端部の少なくとも一方の中央より上方に第2の透過抑制部が設けられているので、第1の反射鏡の前記端部に外光(例えば太陽光等)が入射しても、その入射光および該入射光の反射光は第2の透過抑制部によって透過が抑制されるので、前記外光の映り込みに起因する視認性低下を抑制することができる。
上記(20)の場合は、グラデーションフィルムまたは偏光フィルタを第1の反射鏡の端部に取り付けるだけで第2の透過抑制部を設けることができ、作業性が向上する。
上記(21)の場合は、グラデーションフィルムまたは偏光フィルタを第1の反射鏡の中央部または第2の反射鏡の中央部に取り付けるだけで透過抑制部を設けることができ、作業性が向上する。
上記(22)の場合は、ダッシュボード上の第1の反射鏡に映された車両前方の像をダッシュボードの下方の第2の反射鏡で反射させて乗員に視認させるため、第1の反射鏡や第2の反射鏡を、乗員視界を狭めない充分に低い位置に設置することができる。したがって、高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を得ることができる。
また、この場合は、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡がダッシュボートの下方に配置されることから、第1の反射鏡をダッシュボード上の充分に低い位置に設置することができる。その結果、車両の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード上の第1の反射鏡とダッシュボード下の第2の反射鏡との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡の反射像を第2の反射鏡に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラスの前方傾斜の大きいデザインの車両においても、フロントピラーによる視界の妨げを受けない車室内の前方側位置に第1の反射鏡を配置することができるので、車両の前方左右の視認性をより向上させることができる。
しかも、この場合は、第2の反射鏡に映し出された鏡像における前記反射像の路面側に位置認識指標が配置されているので、前記反射像に映し出された物体(例えば他車両)の自車両との相対位置を認識することができ、該物体の近接状態を適確に認識することができる。特に、位置認識指標が前記反射像の路面側に配置されているので、物体の高さに関わらず確実に該物体の位置を認識することができる。
上記(23)の場合は、位置認識指標の長さを短くすることができ、また、乗員の体格差のばらつきによっても位置認識指標の位置がずれないので、認識し易い。
上記(24)の場合は、フロントウィンドシールドガラスに黒色印刷部を印刷する際に位置認識表示手段を形成することができ、位置認識表示手段を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
上記(25)の場合は、ダッシュボート上に形成された棒状指標がフロントウィンドシールドガラスに映り込み、これが車両の進行方向に対して左右方向に位置する物体(例えば他車両)とともに第1の反射鏡に映るので、乗員には、第2の反射鏡に映し出された鏡像において棒状指標による位置認識指標と前記物体の像とが重なって見え、該物体の位置がより認識し易くなり、近接状態を適確に認識することができる。
上記(26)の場合は、デフロスタの吹出口の桟によって棒状指標を構成するので、位置認識表示手段を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
上記(27)の場合は、ダッシュボード上の第1の反射鏡に映された車両前方の像をダッシュボードの下方の第2の反射鏡で反射させて乗員に視認させるため、第1の反射鏡や第2の反射鏡を、乗員視界を狭めない充分に低い位置に設置することができる。したがって、高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を得ることができる。
また、この場合は、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡がダッシュボートの下方に配置されることから、第1の反射鏡をダッシュボード上の充分に低い位置に設置することができる。その結果、車両の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード上の第1の反射鏡とダッシュボード下の第2の反射鏡との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡の反射像を第2の反射鏡に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラスの前方傾斜の大きいデザインの車両においても、フロントピラーによる視界の妨げを受けない車室内の前方側位置に第1の反射鏡を配置することができるので、車両の前方左右の視認性をより向上させることができる。
しかも、この場合は、第2の反射鏡に映し出された鏡像に近接度合い確認手段が設けられており、この近接度合い確認手段を構成する直線状の位置確認手段が左右方向に向かうにしたがって間隔(位置確認手段の左右方向の幅)が狭くなっているので、自車両の前方左右方向から接近してくる物体(例えば他車両)が第2の反射鏡の鏡像に映り込んだときに、前記物体の接近度合いを認識し易くなる。
上記(28)の場合は、ダッシュボード上の第1の反射鏡に映された車両前方の像をダッシュボードの下方の第2の反射鏡で反射させて乗員に視認させるため、第1の反射鏡や第2の反射鏡を、乗員視界を狭めない充分に低い位置に設置することができる。したがって、高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を得ることができる。
また、この場合は、第1の反射鏡の反射像を映す第2の反射鏡がダッシュボートの下方に配置されることから、第1の反射鏡をダッシュボード上の充分に低い位置に設置することができる。その結果、車両の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード上の第1の反射鏡とダッシュボード下の第2の反射鏡との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡の反射像を第2の反射鏡に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラスの前方傾斜の大きいデザインの車両においても、フロントピラーによる視界の妨げを受けない車室内の前方側位置に第1の反射鏡を配置することができるので、車両の前方左右の視認性をより向上させることができる。
しかも、この構成においては、第2の反射鏡に映し出された鏡像に近接度合い確認手段が設けられており、この近接度合い確認手段を構成する直線状の位置確認手段が左右方向に向かうにしたがって位置確認手段の左右方向の幅が狭くなっているので、自車両の前方左右方向から接近してくる物体(例えば他車両)が第2の反射鏡の鏡像に映り込んだときに、前記物体の接近度合いを認識し易くなる。また、自車両から遠い物体の像は第2の反射鏡の鏡像において左右方向の端部に位置し像の大きさが小さくなるが、位置確認手段が左右方向に向かうにしたがって幅が狭くなっているので、鏡像の左右方向端部においても像の幅に対する位置確認手段の幅の割合が大きくならず、像に対する視認性が向上する。
上記(29)の場合は、位置確認手段の長さを短くすることができ、また、乗員の体格差のばらつきによっても位置確認手段の位置がずれないので、認識し易い。
上記(30)の場合は、フロントウィンドシールドガラスに黒色印刷部を印刷する際に指標を形成することができ、指標を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
上記(31)の場合は、ダッシュボート上に形成された棒状指標がフロントウィンドシールドガラスに映り込み、これが車両の進行方向に対して左右方向に位置する物体とともに第1の反射鏡に映るので、乗員には、第2の反射鏡に映し出された鏡像において棒状指標による位置確認手段と前記物体の像とが重なって見え、該物体の近接度合いをより認識し易くなる。
上記(32)の場合は、デフロスタの吹出口の桟によって棒状指標を構成するので、棒状指標を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
この発明の第1実施形態の前方視認装置を採用した車両の模式的な平面図である。 この発明の第1実施形態の前方視認装置を採用した車両の車室内の斜視図である。 この発明の第1実施形態の前方視認装置の概略構成を示す断面図である。 この発明の第1実施形態の前方視認装置を採用した車両の通常時における前方視界とそのときの乗員姿勢を示す図である。 この発明の第1実施形態の前方視認装置を採用した車両の伸び上がり視認時における前方視界とそのときの乗員姿勢を示す図および前方視認装置に映る像を示す図である。 この発明の他の実施形態の前方視認装置を採用した車両の模式的な平面図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置を採用した車両の通常時における前方視界とそのときの乗員姿勢を示す図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置を採用した車両の伸び上がり視認時における前方視界とそのときの乗員姿勢を示す図である。 前方視認装置を用いたときの視界を示す鳥瞰図である。 前方視認装置に映る像を示す図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置の第1の反射鏡を示す斜視図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置の第1の反射鏡を各部の断面形状とともに示した斜視図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置の図10のC−C断面に沿う断面図である。 比較例の前方視認装置の像の見え方を示す模式的な断面図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置の像の見え方を示す模式的な断面図である。 比較例の前方視認装置に映る像を示す図である。 この発明の第2実施形態の前方視認装置に映る像を示す図である。 前方視認装置により視認可能な側方領域を示す平面図である。 この発明の第3実施形態の実施例1の前方視認装置における第1の反射鏡の斜視図である。 前記実施例1の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 前記実施例1に対する比較例における図16に対応する図である。 第1の反射鏡における左右方向の中央と端部での車両前後方向の位置差を説明する図である。 この発明の第3実施形態の実施例2の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第3実施形態の実施例3の前方視認装置における第2の反射鏡の斜視図である。 この発明の第3実施形態の実施例4の前方視認装置における第1の反射鏡の斜視図である。 前記実施例4の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 前記実施例4に対する比較例における図22に対応する図である。 この発明の第3実施形態の実施例5の前方視認装置における第1の反射鏡の斜視図および縦断面図である。 第2の反射鏡における第1の反射鏡の像の上下方向位置の相違を説明する図であり、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の中央部と端部で車両上下方向に対する傾斜角度を同一にした場合である。 第2の反射鏡における第1の反射鏡の像の上下方向位置の相違を説明する図であり、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の端部を中央部よりも前傾させた場合を示す図である。 第2の反射鏡に映る第1の反射鏡の端部の像を比較して示す図であり、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の中央部と端部で車両上下方向に対する傾斜角度を同一にした場合である。 第2の反射鏡に映る第1の反射鏡の端部の像を比較して示す図であり、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の端部を中央部よりも前傾させた場合を示す図である。 この発明の第3実施形態の実施例6の前方視認装置における第1の反射鏡の斜視図および縦断面図である。 第2の反射鏡に映る第1の反射鏡の端部の像を比較して示す図であり、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の中央部の曲率と端部の曲率を同一にした場合を示す図である。 第2の反射鏡に映る第1の反射鏡の端部の像を比較して示す図であり、第1の反射鏡の鏡面の左右方向の端部の曲率を中央部の曲率よりも小さくした場合を示す図である。 この発明の第4実施形態の前記実施例1の前方視認装置における位置認識表示手段を示す図である。 前記実施例1の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第4実施形態の実施例2の前方視認装置における位置認識表示手段を示す図である。 前記実施例2の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第4実施形態の実施例3の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第4実施形態の実施例4の前方視認装置を備えた車両のデフロスタの吹出口周辺を運転席側から見た斜視図である。 前記デフロスタの吹出口の平面図である。 前記実施例4の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第5実施形態の前記実施例1の前方視認装置における位置確認手段の基となる指標を示す図である。 前記実施例1の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第5実施形態の実施例2の前方視認装置における位置確認手段の基となる指標を示す図である。 前記実施例2の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第5実施形態の実施例3の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。 この発明の第5実施形態の実施例4の前方視認装置を備えた車両のデフロスタの吹出口周辺を運転席側から見た斜視図である。 前記デフロスタの吹出口の平面図である。 前記実施例4の前方視認装置において乗員が第2の透光部を介して視認する鏡像を示す図である。
<<第1実施形態>>
以下、この発明に係る第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この実施形態の前方視認装置10を採用した車両1の模式図であり、図2〜図4Bは、前方視認装置10の具体的な構成を示す図である。なお、図中矢印FRは、車両の前方を指し、矢印UPは、車両上方を指すものとする。
前方視認装置10は、車室内の運転席の前方側に配置され、運転席のシートに着座した乗員mが前方に視線を向けたまま車両1の前部下方と左右を視認し得るようになっている。
図2,図3において、11は、車両1の前席前方に前方傾斜(前部下方に向かって傾斜)して設けられたウィンドシールドガラスであり、12は、運転席に対向する前面側にスピードメータやタコメータ等の計器類が配置されるダッシュボード、13は、運転席の前方に配置されたステアリングホイールである。
ダッシュボード12は、計器類が配置され前席に着座した乗員mに対向する前部壁14と、その前部壁14の上端部からウィンドシールドガラス11の下縁に向かって略水平に延出する上部壁15とを備えている。上部壁15の運転席の正面位置(ステアリングホイール13の正面前方位置)には隆起部16が設けられている。この隆起部16は車体前後方向に沿う略半円筒状に形成されている。また、上部壁15のうちの隆起部16の車両前方側には、第1の開口17が設けられている。
隆起部16の前部は、上面視が前方に凸の略U字形状を成すように切り欠かれ、その湾曲した切欠端に第1の反射鏡18が取り付けられている。第1の反射鏡18は、車幅方向に略U字状に湾曲した凸面鏡によって構成され、その鏡面が車両の前部下方に向くように隆起部16の前部面に設置されている。この第1の反射鏡18は、ウィンドシールドガラス11を通して車両の前部下方と左右の広い範囲が映るように設定されている。なお、ダッシュボード12上の第1の開口17は、第1の反射鏡18の前方側に第1の反射鏡18と略同幅に形成されている。
また、ダッシュボード12の上部壁15の下方には、第1の反射鏡18に映る反射像を乗員m側に向けて映す第2の反射鏡19が設置されている。第2の反射鏡19は平面鏡によって構成され、第1の開口17の前端部側の下方に、鏡面が車両後方側に向くように配置されている。この実施形態の場合、第2の反射鏡19はブラケット20を介してダッシュボード12の裏面に取り付けられている。
一方、隆起部16の車両後方側の面は、運転席に着座した乗員mの顔に正対するように上方側に傾斜しており、その面のほぼ中央には横長の略楕円形状の第2の開口21が形成されている。この第2の開口21は、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域に配置され、乗員mが上部壁15の下方の第2の反射鏡19を視認し得るようになっている。また、第1の開口17は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域に配置されている。したがって、第1の反射鏡18に映った車両の前方の反射像は、第2の反射鏡19と第2の開口21を通して乗員mによって視認することができる。
なお、第2の開口21は、図4Aに示すように、通常運転時の乗員姿勢ではステアリングホイール13によって隠れ、図4Bに示すように、運転席に着座した乗員mが伸び上がって前方を覗き込むときにステアリングホイール13の上部から見える高さであることが望ましい。
また、隆起部16の前方側の第1の開口17と、隆起部16の後面側の第2の開口21には、それぞれ透明樹脂等から成る透過板22,23が取り付けられている。
この実施形態においては、第1の開口17と透過板22によって第1の透過部が構成され、第2の開口21と透過板23によって第2の透過部が構成されている。
以上の構成においては、運転席に着座した乗員mが車両前方を視認したまま、ダッシュボード12上の第2の開口21を覗き込むと、第1の反射鏡18に映った車両前方側の反射像が第2の反射鏡19を介して見える。
このとき、第1の反射鏡18は中央から幅方向左右に湾曲する凸面鏡によって構成されているため、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える反射像は、図4Bに示すように、車両1の前部下方と左右方向の広い範囲を映し込んだものとなる。そして、この乗員mに見える像は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で2回反射したものであるため、左右が逆転することがなく、乗員mに違和感なく周囲の状況を認識させることができる。
以上のように、この前方視認装置10は、車両1の前部下方と左右を映す第1の反射鏡18がダッシュボード12上の隆起部16の前面に設置されるとともに、第1の反射鏡18に映った像を乗員m側に反射させる第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置され、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域と、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域にそれぞれ第1の開口17と第2の開口21が設けられているため、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19が乗員mの前方視界を妨げることのない充分に低い位置に配置されることになる。このため、撮像手段やモニター等の高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を確保することができる。
特に、この前方視認装置10においては、第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置される関係で、車両1の前方と左右を直接映す第1の反射鏡18をダッシュボード12上の充分に低い部位に設置できるため、ウィンドシールドガラス11の前方傾斜の大きい車両においても、第1の反射鏡18を車室内の前端部近くに配置することができる。このため、車両1の前部左右を映し出す場合に、車両1のフロントピラーFPが反射視界を妨げることがなく、左右方向の視認性を良好にすることができる。
また、この前方視認装置10では、ダッシュボード12の上部壁15に隆起部16が設けられ、隆起部16の車両後方側の面に第2の開口21が配置されているため、乗員mが伸び上がって前方を視認しているときに第2の開口21が目に付き易くなる。このため、乗員による視認が良好になる。
さらに、この前方視認装置10の場合、第2の開口21が、乗員mの顔と正対する隆起部16の車両後方側の面に形成されているため、第2の開口21の面積を最小限に抑えたまま、第2の反射鏡19の見える視認範囲を充分に確保することができる。
また、この実施形態の前方視認装置10は、第1の反射鏡18が乗員mにとって死角となる隆起部16の車両前方側の面に配置されているため、運転中に第1の反射鏡18が直接乗員mの目に触れることがない。このため、反射光等によって乗員mの視界が乱されるを防止することができるとともに、外観の見栄えも良好にすることができる。
さらに、この前方視認装置10の場合、ダッシュボード12上の第1の開口17についても、乗員mの死角となる隆起部16の前方側に配置されているため、外観の見栄えを良好にするうえで有利となっている。
また、この実施形態の前方視認装置10においては、ダッシュボード12上の第1の開口17と第2の開口21がそれぞれ透光板22,23によって閉塞されているため、ダッシュボード12の内側への埃や水蒸気等の侵入を防止することができる。なお、透光板22,23は、第1の開口17と第2の開口21のいずれか一方のみ取り付けても効果を得ることができる。
なお、上記の実施形態においては、第1の反射鏡18を凸面鏡によって構成したが、第1の反射鏡18は平面鏡であっても良い。
また、第1の反射鏡18の反射像を映す第2の反射鏡19は凹面鏡によって構成するようにしても良い。この場合、第1の反射鏡18で反射した光を凹面鏡によって広範囲に取得し、より広範囲の反射像を乗員mに視認させることができる。また、このとき第2の反射鏡19は運転席のシートに着座した乗員mの正面に配置することが望ましい。こうすることにより、乗員mに視認される像の歪みを少なくすることができる。特に、運転者の体格差によってアイポイントが前後に移動しても、第2の反射鏡19の向きを変えずに像の歪みをより少なくすることができる。
さらに、上記の実施形態においては、前方視認装置10をダッシュボード12上の運転席の前方に配置したが、図5に示すように、前方視認装置10の第1の反射鏡18や第2の反射鏡19、第1の開口17、第2の開口21等をダッシュボード12上の車幅中心に配置するようにしても良い。
この場合、第1の反射鏡18が左右のフロントピラーFPから充分に離間した位置に配置されるため、降雪時にフラントピラーFPに沿うように雪がウィンドシールドガラス11上に溜まった場合にあっても、その雪が前方視認装置10の視界を遮ることがなくなる。
また、多くの車両では、ダッシュボード12の前端部やウィンドシールドガラス11の下縁は車幅中央側が最も前方に凸になるように湾曲して形成されている。この種の車両において、第1の反射鏡18を車幅中央に配置するようにした場合には、降雪時に、雪の堆積による視界の妨げをより少なくすることができるとともに、第1の反射鏡18がより前方に配置されることから、通常時においてもフロントピラーFPの映り込みをより少なくすることができる。
さらに、図5に示すように、前方視認装置10の第1の反射鏡18や第2の反射鏡19、第1の開口17、第2の開口21等をダッシュボード12上の車幅中心に配置する場合には、第2の反射鏡19を凹面鏡によって構成し、その鏡面を運転席側に向けて傾けることが望ましい。
この場合には、第1の反射鏡18で反射した光を凹面鏡によって広範囲に取得し、より広範囲の反射像を乗員mに視認させることができるとともに、乗員mに見える像の歪みをより少なくすることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、ダッシュボード12に第1の開口17と第2の開口21を形成し、これらによって第1の透光部と第2の透光部を構成したが、ダッシュボード12上に透明樹脂等によって光の透過が可能な部分を設け、それによって第1の透光部と第2の透光部を構成するようにしても良い。
<<第2実施形態>>
以下、この発明に係る第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この実施形態の前方視認装置10を採用した車両1の模式図であり、図2〜図6Bは、前方視認装置10の具体的な構成を示す図である。なお、図中矢印FRは、車両の前方を指し、矢印UPは、車両上方を指すものとする。
前方視認装置10は、車室内の運転席の前方側に配置され、運転席のシートに着座した乗員mが前方に視線を向けたまま車両1の前部下方と左右を視認し得るようになっている。
図2,図3において、11は、車両1の前席前方に前方傾斜(前部下方に向かって傾斜)して設けられたウィンドシールドガラスであり、12は、運転席に対向する前面側にスピードメータやタコメータ等の計器類が配置されるダッシュボード、13は、運転席の前方に配置されたステアリングホイールである。
ダッシュボード12は、計器類が配置され前席に着座した乗員mに対向する前部壁14と、その前部壁14の上端部からウィンドシールドガラス11の下縁に向かって略水平に延出する上部壁15とを備えている。上部壁15の運転席の正面位置(ステアリングホイール13の正面前方位置)には隆起部16が設けられている。この隆起部16は車体前後方向に沿う略半円筒状に形成されている。また、上部壁15のうちの隆起部16の車両前方側には、第1の開口17が設けられている。
隆起部16の前部は、上面視が前方に凸の略U字形状を成すように切り欠かれ、その湾曲した切欠端に第1の反射鏡18が取り付けられている。第1の反射鏡18は、車幅方向に略U字状に湾曲した凸面鏡によって構成され、その鏡面が車両の前部下方に向くように隆起部16の前部面に設置されている。この第1の反射鏡18は、ウィンドシールドガラス11を通して車両の前部下方と左右の広い範囲が映るように設定されている。なお、ダッシュボード12上の第1の開口17は、第1の反射鏡18の前方側に第1の反射鏡18と略同幅に形成されている。
また、ダッシュボード12の上部壁15の下方には、第1の反射鏡18に映る反射像を乗員m側に向けて映す第2の反射鏡19が設置されている。第2の反射鏡19は平面鏡によって構成され、第1の開口17の前端部側の下方に、鏡面が車両後方側に向くように配置されている。この実施形態の場合、第2の反射鏡19はブラケット20を介してダッシュボード12の裏面に取り付けられている。
一方、隆起部16の車両後方側の面は、運転席に着座した乗員mの顔に正対するように上方側に傾斜しており、その面のほぼ中央には横長の略楕円形状の第2の開口21が形成されている。この第2の開口21は、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域に配置され、乗員mが上部壁15の下方の第2の反射鏡19を視認し得るようになっている。また、第1の開口17は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域に配置されている。したがって、第1の反射鏡18に映った車両の前方の反射像は、第2の反射鏡19と第2の開口21を通して乗員mによって視認することができる。
なお、第2の開口21は、図6Aに示すように、通常運転時の乗員姿勢ではステアリングホイール13によって隠れ、図6Bに示すように、運転席に着座した乗員mが伸び上がって前方を覗き込むときにステアリングホイール13の上部から見える高さであることが望ましい。
また、隆起部16の前方側の第1の開口17と、隆起部16の後面側の第2の開口21には、それぞれ透明樹脂等から成る透過板22,23が取り付けられている。
この実施形態においては、第1の開口17と透過板22によって第1の透光部が構成され、第2の開口21と透過板23によって第2の透光部が構成されている。
この前方視認装置10を採用した車両1では、運転席に着座した乗員mが車両前方を視認したまま、ダッシュボード12上の第2の開口21を覗き込むと、第1の反射鏡18に映った車両前方側の反射像が第2の反射鏡19を介して見える。
図7は、車両1が交差点に差し掛かったときに前方視認装置10を通して乗員mから見ることのできる前方範囲(ドットのない部分)を示す図であり、図8は、前方視認装置10によって実際に見える像(第2の反射鏡19を通して見える像)を示す図である。なお、図7,図8中100は、交差点で右方向から進んでくる他の車両であり、図8中18Aは、第2の反射鏡19に映った第1の反射鏡18自体の像である。
第1の反射鏡18は中央から車幅方向左右に湾曲する凸面鏡によって構成されているため、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える反射像は、車両1の前部下方と左右方向の広い範囲を映し込んだものとなる。そして、この乗員mに見える像は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で2回反射したものであるため、左右が逆転することがなく、乗員mに違和感なく周囲の状況を認識させることができる。
ここで、第1の反射鏡18について、さらに詳細に説明する。
図9は、第1の反射鏡18を右側後部下方側から見た斜視図であり、図10は、第1の反射鏡18を正面前部上方側から見た斜視図を第1の反射鏡18の各部の断面と併せて記載した図、図11は、図10のC−C断面に沿う断面図である。
第1の反射鏡18は、車両前方側に向く反射面18aの車幅方向に沿う断面が、図11に示すように車両前方側に凸となる凸曲率曲面に形成されている。なお、この実施形態の場合、反射面18aの凸曲率曲面は、図10に示すように上下方向に沿う断面も車両前方側に凸となっている。ただし、反射面18aの凸曲率曲面の曲率半径は一定ではなく、後に詳述するように車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に変化している。
第1の反射鏡18の反射面18aは、前述のように全体が前部下方に向けて傾斜しているが、前部下方に向けた傾斜角度は車幅方向の全域で一定ではなく、図10に示すように、車幅方向中央から端部に向けて、前部下方に向かう傾斜角度が徐々に大きくなるように設定されている。具体的には、第1反射鏡18の反射面18aは、高さ方向の中央位置を固定した状態で、図9中の矢印で示すように車幅方向端部が最も前傾するように全体に捩れを加えられている。なお、図中18aCは、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向中央領域を示し、18aEは、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部領域を示すものとする。
また、第1の反射鏡18の反射面18aは、図11に示すように、車幅方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成され、かつ、上下方向に沿う断面の凸曲率半径も、図10に示すように、車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されている。
この前方視認装置10は、車両1の前部下方と左右を映す第1の反射鏡18がダッシュボード12上の隆起部16の前面に設置されるとともに、第1の反射鏡18に映った像を乗員m側に反射させる第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置され、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域と、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域にそれぞれ第1の開口17と第2の開口21が設けられているため、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19が乗員mの前方視界を妨げることのない充分に低い位置に配置されることになる。このため、撮像手段やモニター等の高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を確保することができる。
また、この前方視認装置10においては、第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置される関係で、車両1の前方と左右を直接映す第1の反射鏡18をダッシュボード12上の充分に低い部位に設置できるため、ウィンドシールドガラス11の前方傾斜の大きい車両においても、第1の反射鏡18を車室内の前端部近くに配置することができる。このため、車両1の前部左右を映し出す場合に、車両1のフロントピラーFP(図6A、図6B参照)が反射視界を妨げることがなく、左右方向の視認性を良好にすることができる。
また、この前方視認装置10においては、前述のように第1の反射鏡18の反射面18aが、車両前方側に凸となる凸曲率曲面(凸面鏡)によって構成されているために、第1の反射鏡18に車幅方向左右の広い範囲を映すことができるが、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部側が車幅方向中央側よりも前部下方に向かって傾斜していることから、第2の反射鏡19に二重反射して映る車幅方向端部側の像の歪みを矯正することができる。
この像の歪を矯正することのできる原理について説明する。
第1の反射鏡18の反射面18aは、図12Aに示すように、第2の反射鏡19に対して車幅方向中央領域18aCが最も近接し、車幅方向端部領域18aEに向かうにつれて離間距離が増大している。このため、図8に示すように、第2の反射鏡19に映る第1の反射鏡18自体の像18Aは車幅方向端部側が下方に下がった湾曲形状となる。このため、第1の反射鏡18の反射面18aの前部下方に向かう傾斜角度が一定である場合には、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向中央領域18aCを反射して第2の反射鏡19に映り込んだ対象物Bの高さ位置Xと、車幅方向端部領域18aEを反射して第2の反射鏡19に映り込んだ対象物Bの高さ位置Yとが相違するため、第2の反射鏡19に映る第1の反射鏡18自体の像18Aの湾曲とともに第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で二回反射して映る車両前部の像が端部に向かうにつれて大きく歪んでしまう(図13Aの比較例参照)。
これに対し、この前方視認装置10においては、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部側が前部下方に向かって傾斜しているため、図12Bに示すように、車幅方向端部領域18aEでの車両前方の映り込みエリアA2が、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部側が前部下方に向かって傾斜していない場合の比較例の車幅方向端部領域18aEでの車両前方の映り込みエリアA1に比較して下方に変化し、同一高さにある対象物Bであれば、車幅方向端部側ほど反射面18aの上部側に映り込むようになる。したがって、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で二回反射して映る車両前部の像の端部の歪みは、これによって矯正されることになる(図13B参照)。
また、この前方視認装置10の場合、第1の反射鏡18の反射面18aの前部下方に向かう傾斜角度が、車幅方向中央から端部に向けて徐々に大きくなっているため、乗員m側に映る車幅方向端部側の像の歪みを緩やかに矯正して、乗員mに与える違和感を少なくし、視認性をより向上させることができる。
さらに、この前方視認装置10においては、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部側の凸曲率半径が車幅方向中央側の凸曲率半径よりも大きくなっているため、第2の反射鏡19上で第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向中央領域18aCに映る車両前方の像と、車幅方向端部領域18aEに移る車両側部前方の像のサイズ的な相違を小さくすることができる。
即ち、第1の反射鏡18の反射面18aと第2の反射鏡19との離間距離が車幅方向端部に向かうにつれて増大するため、第2の反射鏡19に映る第1の反射鏡18自体の像18Aは車幅方向端部に向かうにつれて小さくなる。しかし、この前方視認装置10では、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部側の凸曲率半径が車幅方向中央側の凸曲率半径よりも大きくなっていることから、第2の反射鏡19に映る第1の反射鏡18自体の像が端部側に向かって縮小される分を、第1の反射鏡18の反射面18aの車幅方向端部側に映る像を中央側に映る像に対して相対的に拡大して映すことで相殺することができる。したがって、図13Bに示すように、第2の反射鏡19を通して映る車幅方向中央側と端部側の像のサイズ的な差異を小さくして、乗員mに与える違和感を少なくし、視認性をさらに向上させることができる。
また、この前方視認装置10の場合、第1の反射鏡18の反射面18aが、車幅方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されているため、乗員mに見える車幅方向中央側の像と車幅方向端部側の像の幅方向のサイズの差異が緩やかに矯正され、視認性を高めるうえで有利となっている。
さらに、この前方視認装置10では、第1の反射鏡18の反射面18aが、上下方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されているため、乗員に見える車幅方向中央側の像と車幅方向端部側の像の高さ方向のサイズの相違も緩やかに強制され、視認性を高めるうえで有利となっている。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
<<第3実施形態>>
以下、この発明に係る第3実施形態における前方視認装置の実施例を、図面を参照して説明する。
<実施例1>
初めに、この発明に係る前方視認装置の実施例1を図1から図18の図面を参照して説明する。
図1は、実施例1の前方視認装置10を採用した車両1の模式図であり、図2から図6Bは、前方視認装置10の具体的な構成を示す図である。なお、図中矢印FRは、車両1の前方を指し、矢印UPは、車両1の上方を指すものとする。
前方視認装置10は、車室内の運転席の前方側に配置され、運転席のシートに着座した乗員mが前方に視線を向けたまま車両1の前部下方と左右を視認し得るようになっている。
図2,図3において、符号11は、車両1の前席前方に前方傾斜(前部下方に向かって傾斜)して設けられたフロントウィンドシールドガラスであり、符号12は、運転席に対向する前面側にスピードメータやタコメータ等の計器類が配置されるダッシュボード、符号13は、運転席の前方に配置されたステアリングホイールである。
ダッシュボード12は、計器類が配置され前席に着座した乗員mに対向する前部壁14と、その前部壁14の上端部からフロントウィンドシールドガラス11の下縁に向かって略水平に延出する上部壁15とを備えている。上部壁15の運転席の正面位置(ステアリングホイール13の正面前方位置)には隆起部16が設けられている。この隆起部16は車体前後方向に沿う略半円筒状に形成されている。また、上部壁15のうちの隆起部16の車両前方側には、第1の開口17が設けられている。
隆起部16の前部は、平面視が前方に凸の略U字形状を成すように切り欠かれ、その湾曲した切欠端に第1の反射鏡18が取り付けられている。第1の反射鏡18は、車両前方に突出し車幅方向に略U字状に湾曲し、車両前方に向かって凸の凸面鏡によって構成され、その鏡面が車両1の前部下方に向くように隆起部16の前部面に設置されている。この第1の反射鏡18は、フロントウィンドシールドガラス11を通して車両1の前部下方と左右の広い範囲が映るように設定されている。実施例1の前方視認装置10により視認可能な側方領域を図14に示す。なお、ダッシュボード12上の第1の開口17は、第1の反射鏡18の前方側に第1の反射鏡18と略同幅に形成されている。
図15に示すように、この第1の反射鏡18の鏡面の左右方向の中央部118aには、光の透過を抑制するグラデーションフィルム(透過抑制部、第1の透過抑制部)50が取り付けられている。なお、第1の反射鏡18及び後述する第2の反射鏡19の鏡面の左右方向とは、図15において矢印y方向であり、車両の左右方向(換言すると車幅方向)に一致する。グラデーションフィルム50は、第1の反射鏡18の左右方向の中央において光の透過率が最も低く、この中央から左右方向に遠ざかるにしたがって光の透過率が徐々に高くなるように構成されている。
また、ダッシュボード12の上部壁15の下方には、第1の反射鏡18に映る反射像を乗員m側に向けて映す第2の反射鏡19が設置されている。第2の反射鏡19は平面鏡によって構成され、第1の開口17の前端部側の下方に、鏡面が車両1の後方側に向くように配置されている。この実施例1の場合、第2の反射鏡19はブラケット20を介してダッシュボード12の裏面に取り付けられている。
一方、隆起部16の車両後方側の面は、運転席に着座した乗員mの顔に正対するように上方側に傾斜しており、その面のほぼ中央には横長の略楕円形状の第2の開口21が形成されている。この第2の開口21は、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域に配置され、乗員mが上部壁15の下方の第2の反射鏡19を視認し得るようになっている。また、第1の開口17は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域に配置されている。したがって、第1の反射鏡18に映った車両1の前方の反射像は、第2の反射鏡19と第2の開口21を通して乗員mによって視認することができる。
なお、第2の開口21は、図6Aに示すように、通常運転時の乗員姿勢ではステアリングホイール13によって隠れ、図6Bに示すように、運転席に着座した乗員mが伸び上がって前方を覗き込むときにステアリングホイール13の上部から見える高さであることが望ましい。
また、隆起部16の前方側の第1の開口17と、隆起部16の後面側の第2の開口21には、それぞれ透明樹脂等から成る透過板22,23が取り付けられている。
この実施例1においては、第1の開口17と透過板22によって第1の透過部が構成され、第2の開口21と透過板23によって第2の透過部が構成されている。
このように構成された実施例1の前方視認装置10においては、運転席に着座した乗員mが車両前方を視認したまま、ダッシュボード12上の第2の開口21を覗き込むと、第1の反射鏡18に映った車両前方側の反射像が第2の反射鏡19を介して見える。
このとき、第1の反射鏡18は、車両前方に突出し車幅方向に略U字状に湾曲し、車両前方に向かって凸の凸面鏡によって構成されているため、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える反射像は、図16に示すように、車両1の前部下方と左右方向(車幅方向)の広い範囲を映し込んだものとなる。
また、第1の反射鏡18は、車両前方に突出し車幅方向に略U字状に湾曲しているので、図18に示すように、第1の反射鏡18の左右方向(図18において矢印y方向)の中央部118aと左右方向の両端部118bでは、車両前後方向に位置差があり、この位置差と第2の反射鏡19および乗員mのアイポイントEとの相対位置関係に起因して、第1の反射鏡18の中央部118aは第2の反射鏡19において車両上下方向の上側(換言すると、第2の反射鏡19における上側)に映り、第1の反射鏡18の両端部118bは第2の反射鏡19において車両上下方向の下側(換言すると、第2の反射鏡19における下側)に映る。
そのため、図16に示すように、第2の反射鏡19に映る第1の反射鏡18の反射像70は上側に凸に湾曲した形状となる。
そして、この乗員mに見える像は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で2回反射したものであるため、左右が逆転することがなく、乗員mに違和感なく周囲の状況を認識させることができる。
また、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像70は、車両1の左右方向の広い範囲を映し込んだものとなるので、例えば、図14に示すように、見通しの悪い交差点において自車両1の右方から他車両100が接近している場合に、第1の反射鏡18の反射像70には図16に示すように他車両100の像100’も映り込み、乗員mから直接には見えない他車両100を認識することができる。
ところで、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像70には、自車両1の前方の路面の像も映り込むため、例えば夜間に自車両1のヘッドライトによって照射された路面の光が反射像70の中央に映る場合がある。また、昼間に自車両1のボンネットで反射した太陽の光や、夜間に対向車のヘッドライトの光や、雨天の夜間に自車両1のボンネットに付着した水滴で反射した光が、第1の反射鏡18の中央部118aで反射して第2の反射鏡19の中央部に入射し、さらに第2の反射鏡19で反射して、乗員mのアイポイントEに向かう場合がある。このような場合に、この前方視認装置10では、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aにグラデーションフィルム50が取り付けられているので、路面の光や対向車のヘッドライトの光や自車両のボンネット上で反射した光等の外光が、第1の反射鏡18の中央部118aに入射しても、この入射光および該入射光の反射光はグラデーションフィルム50によって透過が抑制されるので、乗員mが煩わしく感じることがなく、視認性が向上する。
図17は、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aにグラデーションフィルム50を設けない比較例おいて、乗員mが第2の開口21を介して視認する第2の反射鏡19の鏡像を示している。このようにグラデーションフィルム50を設けない場合には、例えば路面等からの光が第1の反射鏡18の反射像70の中央に映り込むため、乗員mには煩わしく感じられ、視認性が低下する。
なお、第1の反射鏡18の反射像70の中央部をカットすることによっても、第1の反射鏡18の中央部118aに入射する光に起因する視認性低下を阻止することができるが、このように反射像70の中央部をカットすると、反射像70の左右方向の像が分断され、つながりがなくなってしまい、不自然で乗員mが直感的に理解しにくくなる。実施例1の前方視認装置10では、第1の反射鏡18の中央部118aにグラデーションフィルム50を設けることで、反射像70の左右方向の連続性を確保しつつ、昼間、夜間を通しての使い勝手が向上する。
この前方視認装置10は、車両1の前部下方と左右を映す第1の反射鏡18がダッシュボード12上の隆起部16の前面に設置されるとともに、第1の反射鏡18に映った像を乗員m側に反射させる第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置され、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域と、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域にそれぞれ第1の開口17と第2の開口21が設けられているため、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19が乗員mの前方視界を妨げることのない充分に低い位置に配置されることになる。このため、撮像手段やモニター等の高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を確保することができる。
特に、この前方視認装置10においては、第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置される関係で、車両1の前方と左右を直接映す第1の反射鏡18をダッシュボード12上の充分に低い部位に設置できる。その結果、車両1の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18とダッシュボード12下の第2の反射鏡19との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡18の反射像を第2の反射鏡19に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラス11の前方傾斜の大きい車両においても、第1の反射鏡18を車室内の前端部近くに配置することができるので、車両1の前部左右を映し出す場合に、車両1のフロントピラーFPが反射視界を妨げることがなく、左右方向の視認性を良好にすることができる。
また、この前方視認装置10では、ダッシュボード12の上部壁15に隆起部16が設けられ、隆起部16の車両後方側の面に第2の開口21が配置されているため、乗員mが伸び上がって前方を視認しているときに第2の開口21が目に付き易くなる。このため、乗員による視認が良好になる。
さらに、この前方視認装置10の場合、第2の開口21が、乗員mの顔と正対する隆起部16の車両後方側の面に形成されているため、第2の開口21の面積を最小限に抑えたまま、第2の反射鏡19の見える視認範囲を充分に確保することができる。
また、この実施例1の前方視認装置10は、第1の反射鏡18が乗員mにとって死角となる隆起部16の車両前方側の面に配置されているため、運転中に第1の反射鏡18が直接乗員mの目に触れることがない。このため、反射光等によって乗員mの視界が乱されるを防止することができるとともに、外観の見栄えも良好にすることができる。
さらに、この前方視認装置10の場合、ダッシュボード12上の第1の開口17についても、乗員mの死角となる隆起部16の前方側に配置されているため、外観の見栄えを良好にするうえで有利となっている。
また、この実施例1の前方視認装置10においては、ダッシュボード12上の第1の開口17と第2の開口21がそれぞれ透光板22,23によって閉塞されているため、ダッシュボード12の内側への埃や水蒸気等の侵入を防止することができる。なお、透光板22,23は、第1の開口17と第2の開口21のいずれか一方のみ取り付けても効果を得ることができる。
<実施例2>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例2を図19の図面を参照して説明する。
実施例2の前方視認装置10が実施例1のものと相違する点は、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに取り付ける透過抑制部の構成にあり、その他の構成は実施例1と同じである。以下、相違点についてだけ説明する。
前述した実施例1の前方視認装置10では、透過抑制部がグラデーションフィルム50により構成されているが、実施例2の前方視認装置10では、グラデーションフィルム50に代えて偏光フィルタにより透過抑制部が構成されている。すなわち、実施例2では、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに偏光フィルタが取り付けられている。
図19は、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに偏光フィルタを取り付けた場合に、乗員mが第2の開口21を介して視認する第2の反射鏡19の鏡像を示しており、図中、符号51が偏光フィルタを設けた部分の像を示している。
このように、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに偏光フィルタを取り付けた場合には、第1の反射鏡18の中央部118aにおける乱反射を抑制することができるので、グラデーションフィルム50を設けた場合と同様に、第1の反射鏡18の中央部118aに入射する光に起因する視認性低下を抑制することができ、視認性が向上する。
<実施例3>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例3を図20の図面を参照して説明する。
実施例3の前方視認装置10が実施例1および実施例2のものと相違する点は、透過抑制部の設置位置にあり、その他の構成は実施例1と同じである。以下、相違点についてだけ説明する。
前述した実施例1の前方視認装置10では、透過抑制部としてのグラデーションフィルム50が第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに取り付けられているが、実施例3の前方視認装置10では、第1の反射鏡18にはグラデーションフィルム50が取り付けられておらず、図20に示すように、第2の反射鏡19の鏡面の左右方向の中央部119aにグラデーションフィルム50が取り付けられている。なお、第2の反射鏡19の鏡面の左右方向とは図20において矢印y方向であり、車両の左右方向(換言すると車幅方向)に一致する。
このように、第2の反射鏡19の鏡面の中央部119aにグラデーションフィルム50を取り付けた場合には、路面の光や対向車のヘッドライトの光や自車両のボンネット上で反射した光等の外光が、第1の反射鏡18の中央部118aで反射し、その反射光が第2の反射鏡19の中央部119aに入射しても、この入射光および該入射光の反射光はグラデーションフィルム50によって透過が抑制されるので、乗員mが煩わしく感じることがなく、視認性が向上する。
また、第2の反射鏡19の鏡面の中央部119aに、グラデーションフィルム50に代えて偏光フィルタを取り付けても、第2の反射鏡19の中央部119aにおける乱反射を抑制することができるので、第1の反射鏡18の中央部118aに入射する光に起因する視認性低下を抑制することができ、視認性が向上する。
ここで、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに透過抑制部が設けられている場合と、第2の反射鏡19の鏡面の中央部119aに透過抑制部が設けられている場合とを比較する。
運転者mのアイポイントEが車両左右方向にずれたときに、アイポイントEのずれに対して第2の反射鏡19に映る第1の反射鏡18の中央部118aの像の車両左右方向のずれ量が大きいため、第2の反射鏡19の鏡面の中央部119aに透過抑制部を設けた場合には、運転者mのアイポイントEのずれによって第1の反射鏡18の中央部118aの像が第2の反射鏡19に設けた透過抑制部から外れてしまう可能性があり、その結果、光の透過を抑制する効果(以下、透過抑制効果)が得られるアイポイント領域が狭まってしまう。よって、第2の反射鏡19の鏡面の中央部119aに透過抑制部を設ける場合には、前記アイポイント領域を狭めないようにするために、左右方向に幅広く透過抑制部を設けなくてはならなくなる。
これに対して第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに透過抑制部を設けた場合には、透過抑制効果を得られるアイポイント領域が極めて広く、運転者mのアイポイントEが少々ずれても影響を殆ど受けない。したがって、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに透過抑制部を設ける場合には、透過抑制部の左右方向の幅を広げなくても、透過抑制効果を得られるアイポイント領域を十分大きく確保することができる。したがって、第1の反射鏡18の鏡面の中央部118aに透過抑制部を設ける方が、第2の反射鏡19の鏡面の中央部119aに透過抑制部を設けるよりも有利であり、使い勝手もよい。
<実施例4>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例4を図21から図23の図面を参照して説明する。
前述したように、この発明の前方視認装置10では、第1の反射鏡18を、車両前方に突出し車幅方向に略U字状に湾曲させ、車両前方に向かって凸の凸面鏡によって構成することにより、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える反射像では、図16に示すように、車両1の前部下方と左右方向(車幅方向)の広い範囲を映し込んだものとなり、乗員mはこの反射像の中の像100’を視認することで、左右方向から自車両に接近してくる車両100を認識することができる。このときに像100’の識別(すなわち、車両か否か)を容易にするために、第1の反射鏡18の鏡像の上部には空が映り込むように、第1の反射鏡18の寸法、設置角度等が設定されている。
しかしながら、このように第1の反射鏡18の鏡像に空が映り込むように設定すると、太陽が低い位置にある朝夕の時間帯には、図23に示すように、第1の反射鏡18の鏡像の端部の上方に太陽が映り込み、煩わしく感じる場合がある。
そこで、実施例4の前方視認装置10では、第1の反射鏡18の鏡面の左右方向(図21において矢印y方向)の中央部118aにグラデーションフィルム50等により透過抑制部を設けるだけでなく、第1の反射鏡18の鏡面の左右方向の少なくとも一方の端部に、第1の反射鏡18の車両上下方向における上端と下端を結んだ線の中央より上方の位置にも、光の透過を抑制する透過抑制部(以下、第2の透過抑制部という)を設ける。その他の構成は実施例1と同じである。
例えば、図21に示すように、第1の反射鏡18の鏡面の左右の端部118bの左右方向所定領域に、光の透過を抑制するグラデーションフィルム(第2の透過抑制部)52を取り付ける。グラデーションフィルム52は、第1の反射鏡18の左右端において光の透過率が最も低く、左右端から左右方向の中央に接近するにしたがって光の透過率が徐々に高くなるように構成されている。ここで、グラデーションフィルム52は、朝日や夕日の波長である550〜770μm(黄、橙、赤の色)をカットすることができる青色フィルタが特に有効である。
このように第1の反射鏡18の鏡面の左右の端部118bにもグラデーションフィルム52を取り付けると、図22に示すように、朝夕の時間帯に第1の反射鏡18の鏡像の端部に太陽が映り込む場合にも、この太陽光はグラデーションフィルム52によって透過が抑制されるので、乗員mが煩わしく感じることがなく、第1の反射鏡18の端部118bに映る像に対する視認性が向上する。
なお、図21では、第1の反射鏡18の鏡面の左右両方の端部118bにグラデーションフィルム52を設けたが、左右いずれか一方の端部にだけグラデーションフィルム52を設けてもよい。また、図21では、第1の反射鏡18の鏡面の端部118bにおいて、グラデーションフィルム52を第1の反射鏡18の車両上下方向の全高に亘って設けているが、少なくとも第1の反射鏡18の車両上下方向における上端と下端を結んだ線の中央より上方の領域に設けられていれば、朝夕の太陽光の煩わしさを低減するという効果を得ることができる。
<実施例5>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例5を図24から図26Bの図面を参照して説明する。
前述したように、この発明の前方視認装置10では、第1の反射鏡18が、平面視において車両前方に突出し車幅方向に略U字状に湾曲しているので、図18に示すように、第1の反射鏡の左右方向の中央部118aと左右方向の両端部118bでは、車両前後方向に位置差がある。また、前述した実施例1から実施例4の前方視認装置10では、第1の反射鏡18の車両上下方向に対する傾斜角度を、その左右方向の全長に亘って同一としている。
そのため、第1の反射鏡18の中央部118aと両端部118bの車両前後方向の位置差と、第2の反射鏡19および乗員mのアイポイントEとの相対位置関係に起因して、第1の反射鏡18の中央部118aは第2の反射鏡19において車両上下方向の上側(換言すると、第2の反射鏡19における上側)に映り、第1の反射鏡18の両端部118bは第2の反射鏡19において車両上下方向の下側(換言すると、第2の反射鏡19における下側)に映る。
また、例えば、乗員mがこの前方視認装置10を介して、図14に示すように自車両1の走行路に対して直交し左右に真っ直ぐに延びる道路上を走行する他車両100を視認する場合、図25Aに示すように、自車両1の前方に存在する視認可能な対象物(他車両100)からの光線は、第1の反射鏡18における中央部118aで反射し、第2の反射鏡19の中央部における上下方向の上部で反射して乗員mの目に入射するが、自車両1の左右方向の遠くに存在する視認可能な対象物(他車両100)からの光線は、第1の反射鏡18における左右いずれかの端部118bで反射し、第2の反射鏡19の中央部における上下方向の下部で反射して乗員mの目に入射する。
その結果、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像70では、図26Aに示すように、他車両100が走行する道路において左右方向の中央部分の像が上方に位置し、前記道路の左右方向の端部の像が下方に位置して、該道路の像が上方に凸に湾曲し、その曲率半径が小さなものとなる。つまり、前記道路は左右方向に真っ直ぐな道路であるにもかかわらず、第2の反射鏡19を介して乗員mに見える鏡像では湾曲した歪んだものとなるので、乗員mにとって視覚的に違和感がある。また、第1の反射鏡18の反射像70において、前記道路の左右方向の端部の像が下方に位置するということは、反射像70の左右端部では空が映り込む面積が大きくなり、そこに太陽が映り込む可能性が大きくなることとなる。
そこで、実施例5の前方視認装置10では、第1の反射鏡18の鏡面の車両上下方向に対する傾斜角度を、その左右方向全長に亘って同一にせず、図24に示すように、左右方向(図24において矢印y方向)の中央部118aの前記傾斜角度よりも両端部118bの前記傾斜角度を大きくする。なお、前記傾斜角度を変化させる場合に、急激に変化させず、徐々に変化させるのが像の連続性を保つ上で好ましい。その他の構成は実施例1の前方視認装置10と同じであるので、説明を省略する。
このように構成すると、図25Bに示すように、自車両1の左右方向の遠くに存在する視認可能な対象物(他車両100)からの光線は、第1の反射鏡18における左右いずれかの端部118bにおいて上下方向の上方で反射し、その反射光が第2の反射鏡19の端部における上下方向の上部あるいは中央付近で反射して乗員mの目に入射する。すなわち、第2の反射鏡19において、第1の反射鏡18の中央部118aで反射した反射光が入射する上下方向位置と、第1の反射鏡18の端部118bで反射した反射光が入射する上下方向位置との差が縮まる(X2<X1)。
その結果、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像70では、図26Bに示すように、他車両100が走行する道路において左右方向の中央部分の像と左右方向の端部の像の上下方向の位置差が少なくなり、反射像70上における道路の像が水平に近いものとなる。これにより、乗員mが受ける視覚的な違和感を低減することができる。また、反射像70において、前記道路の左右方向の端部の像が上方に位置するので、反射像70の左右端部において空が映り込む面積を小さくすることができ、したがって太陽が映り込み難くすることができる。
なお、図24では、第1の反射鏡18の鏡面の車両上下方向に対する傾斜角度を、第1の反射鏡18の左右両方の端部118bにおいて、中央部118aよりも大きくしているが、左右いずれか一方の端部の前記傾斜角度だけを中央部118aより大きくしてもよい。
<実施例6>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例6を図27〜図28Bの図面を参照して説明する。
前述した各実施例における前方視認装置10では、第1の反射鏡18の凸面鏡としての曲率、すなわち第1の反射鏡18を上下方向に切断したときの鏡面の切断線の曲率を、第1の反射鏡18の左右方向の全長に亘って一定としている。
このように構成した場合には、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像70では、自車両1の前方近くに存在する対象物(他車両100)の像が大きく映るため、乗員が煩わしく感じることがあり、一方、左右方向の遠くに存在する対象物(他車両100)の像は図28Aに示すように小さく映るため、遠くの他車両100に対する視認性が若干低下する。
そこで、実施例6の前方視認装置10では、第1の反射鏡18を上下方向に切断したときの鏡面の切断線の曲率を、第1の反射鏡18の左右方向全長に亘って同一にせず、図27に示すように、左右方向(図27において矢印y方向)の中央部118aの鏡面の曲率を大きくし、両端部118bの鏡面の曲率を小さくする。なお、前記曲率を変化させる場合に、急激に変化させず、徐々に変化させるのが像の連続性を保つ上で好ましい。その他の構成は実施例1の前方視認装置10と同じであるので、説明を省略する。
このように構成すると、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像70では、自車両1の前方近くに存在する対象物(他車両100)の像が過大にならないようにすることができるので、乗員が反射像70を見たときに煩わしく感じるのを低減することができ、一方、左右方向の遠くに存在する対象物(他車両100)の像100’は、図28Bに示すように大きくすることができ、遠くから自車両1に接近してくる対象物(他車両100)に対する視認性が向上する。
なお、図27では、第1の反射鏡18の鏡面の曲率を、第1の反射鏡18の左右両方の端部118bにおいて、中央部118aよりも小さくしているが、左右いずれか一方の端部の曲率だけを中央部118aより大きくしてもよい。
なお、この発明は前述した実施例のみに限られるものではない。
例えば、前述した実施例4から実施例6を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施例1から実施例5においては、第1の反射鏡18を凸面鏡によって構成したが、実施例1から実施例5における第1の反射鏡18は平面鏡であってもよい。
また、第1の反射鏡18の反射像を映す第2の反射鏡19は凹面鏡によって構成するようにしてもよい。このようにすると、凹面鏡によって、より大きな反射像を乗員mに視認させることができる。また、このとき第2の反射鏡19は運転席のシートに着座した乗員mの正面に配置することが望ましい。こうすることにより、乗員mに視認される像の歪みを少なくすることができる。特に、運転者の体格差によってアイポイントが前後に移動しても、第2の反射鏡19の向きを変えずに像の歪みをより少なくすることができる。
さらに、上述した各実施例においては、前方視認装置10をダッシュボード12上の運転席の前方に配置したが、前方視認装置10の第1の反射鏡18や第2の反射鏡19、第1の開口17、第2の開口21等をダッシュボード12上の車幅中心に配置するようにしてもよい。この場合には、第2の反射鏡19を凹面鏡によって構成し、その鏡面を運転席側に向けて傾けることが望ましい。このようにすると、凹面鏡によって、より大きな反射像を乗員mに視認させることができる。
また、上述した各実施例においては、ダッシュボード12に第1の開口17と第2の開口21を形成し、これらによって第1の透光部と第2の透光部を構成したが、ダッシュボード12上に透明樹脂等によって光の透過が可能な部分を設け、それによって第1の透光部と第2の透光部を構成するようにしてもよい。
<<第4実施形態>>
以下、この発明に係る第4実施形態における前方視認装置の実施例を、図面を参照して説明する。
<実施例1>
初めに、この発明に係る前方視認装置の実施例1を図1から図30の図面を参照して説明する。
図1は、実施例1の前方視認装置10を採用した車両1の模式図であり、図2から図6Bは、前方視認装置10の具体的な構成を示す図である。なお、図中矢印FRは、車両1の前方を指し、矢印UPは、車両1の上方を指すものとする。
前方視認装置10は、車室内の運転席の前方側に配置され、運転席のシートに着座した乗員mが前方に視線を向けたまま車両1の前部下方と左右を視認し得るようになっている。
図2,図3において、符号11は、車両1の前席前方に前方傾斜(前部下方に向かって傾斜)して設けられたフロントウィンドシールドガラスであり、符号12は、運転席に対向する前面側にスピードメータやタコメータ等の計器類が配置されるダッシュボード、符号13は、運転席の前方に配置されたステアリングホイールである。
ダッシュボード12は、計器類が配置され前席に着座した乗員mに対向する前部壁14と、その前部壁14の上端部からフロントウィンドシールドガラス11の下縁に向かって略水平に延出する上部壁15とを備えている。上部壁15の運転席の正面位置(ステアリングホイール13の正面前方位置)には隆起部16が設けられている。この隆起部16は車体前後方向に沿う略半円筒状に形成されている。また、上部壁15のうちの隆起部16の車両前方側には、第1の開口17が設けられている。
隆起部16の前部は、平面視が前方に凸の略U字形状を成すように切り欠かれ、その湾曲した切欠端に第1の反射鏡18が取り付けられている。第1の反射鏡18は、車幅方向に略U字状に湾曲した凸面鏡によって構成され、その鏡面が車両1の前部下方に向くように隆起部16の前部面に設置されている。この第1の反射鏡18は、フロントウィンドシールドガラス11を通して車両1の前部下方と左右の広い範囲が映るように設定されている。実施例1の前方視認装置10により視認可能な側方領域を図14に示す。なお、ダッシュボード12上の第1の開口17は、第1の反射鏡18の前方側に第1の反射鏡18と略同幅に形成されている。
また、ダッシュボード12の上部壁15の下方には、第1の反射鏡18に映る反射像を乗員m側に向けて映す第2の反射鏡19が設置されている。第2の反射鏡19は平面鏡によって構成され、第1の開口17の前端部側の下方に、鏡面が車両1の後方側に向くように配置されている。この実施例1の場合、第2の反射鏡19はブラケット20を介してダッシュボード12の裏面に取り付けられている。
一方、隆起部16の車両後方側の面は、運転席に着座した乗員mの顔に正対するように上方側に傾斜しており、その面のほぼ中央には横長の略楕円形状の第2の開口21が形成されている。この第2の開口21は、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域に配置され、乗員mが上部壁15の下方の第2の反射鏡19を視認し得るようになっている。また、第1の開口17は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域に配置されている。したがって、第1の反射鏡18に映った車両1の前方の反射像は、第2の反射鏡19と第2の開口21を通して乗員mによって視認することができる。
また、運転席に着座した乗員mが第2の反射鏡19と第2の開口21を通して第1の反射鏡18の反射像を見たときに、この反射像にフロントウィンドシールドガラス11の下部とダッシュボート12の前端部が映り込むように、第1の反射鏡18の寸法、形状、設置角度や第2の反射鏡19の寸法、設置角度等が設定されている。
なお、第2の開口21は、図6Aに示すように、通常運転時の乗員姿勢ではステアリングホイール13によって隠れ、図6Bに示すように、運転席に着座した乗員mが伸び上がって前方を覗き込むときにステアリングホイール13の上部から見える高さであることが望ましい。
また、隆起部16の前方側の第1の開口17と、隆起部16の後面側の第2の開口21には、それぞれ透明樹脂等から成る透過板22,23が取り付けられている。
この実施例1においては、第1の開口17と透過板22によって第1の透過部が構成され、第2の開口21と透過板23によって第2の透過部が構成されている。
さらに、この実施例1では、図29に示すように、フロントウィンドシールドガラス11の周縁に印刷された帯状の黒色印刷部30のうちフロントウィンドシールドガラス11の下縁に沿って形成された部分に、上下方向に延びる棒状の指標31が複数設けられている。実施例1における指標31は黒色印刷部30の上に重畳して印刷するなどして形成されており、黒色印刷部30の黒色に対して容易に識別可能な色(例えば白色)に着色されている。
これら指標31のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する指標31aだけは上端が尖っており、この指標31aを中心にして左右に同数配置されている。隣り合う2つの指標31間の距離L1は、中央の指標31aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での指標31間の距離L1と実際の距離とが対応するように設定されている。また、指標31自身の左右方向(車幅方向)の幅W1も中央の指標31aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
この実施例においては、黒色印刷部30に設けられた指標31によって位置認識表示手段が構成されている。
このように構成された実施例1の前方視認装置10においては、運転席に着座した乗員mが車両前方を視認したまま、ダッシュボード12上の第2の開口21を覗き込むと、第1の反射鏡18に映った車両前方側の反射像が第2の反射鏡19を介して見える。
このとき、第1の反射鏡18は中央から幅方向左右に湾曲する凸面鏡によって構成されているため、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える反射像は、図30に示すように、車両1の前部下方と左右方向の広い範囲を映し込んだものとなる。そして、この乗員mに見える像は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で2回反射したものであるため、左右が逆転することがなく、乗員mに違和感なく周囲の状況を認識させることができる。
また、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像は、車両1の左右方向の広い範囲を映し込んだものとなるので、例えば、図14に示すように、見通しの悪い交差点において自車両1の右方から他車両100が接近している場合に、第1の反射鏡18の反射像には図30に示すように他車両100の像100’も映り込み、乗員mから直接には見えない他車両100を認識することができる。
しかも、前記反射像には、フロントウィンドシールドガラス11の下部も映り込むので、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側に、フロントウィンドシールドガラス11の黒色印刷部30に設けた指標31が、車両1の垂直方向に直線状に映る。そして、この指標31の像31’が他車両100の自車両1からの相対位置を認識し易くする位置認識指標となる(以下、像31’を位置認識指標31’と記す)。その結果、他車両100の相対位置を認識することができ、他車両100の近接状態を認識することができる。
また、位置認識指標31’が前記反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に他車両100の相対位置を認識することができる。
さらに、指標31を黒色印刷部30の上に設けているので、位置認識指標31’の長さを短くすることができ、また、乗員の体格差のばらつきによっても位置認識指標31’の位置がずれないので、認識し易い。
特に、実施例1では、隣り合う2つの指標31間の距離L1が、中央の指標31aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、指標31自身の左右方向(車幅方向)の幅W1が中央の指標31aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置認識指標31’も同様となり、位置認識指標31’によって、他車両100に対する遠近感が認識し易く、該他車両100の近接状態を適確に認識することができる。
この前方視認装置10は、車両1の前部下方と左右を映す第1の反射鏡18がダッシュボード12上の隆起部16の前面に設置されるとともに、第1の反射鏡18に映った像を乗員m側に反射させる第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置され、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域と、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域にそれぞれ第1の開口17と第2の開口21が設けられているため、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19が乗員mの前方視界を妨げることのない充分に低い位置に配置されることになる。このため、撮像手段やモニター等の高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を確保することができる。
特に、この前方視認装置10においては、第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置される関係で、車両1の前方と左右を直接映す第1の反射鏡18をダッシュボード12上の充分に低い部位に設置できる。その結果、車両1の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18とダッシュボード12下の第2の反射鏡19との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡18の反射像を第2の反射鏡19に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラス11の前方傾斜の大きい車両においても、第1の反射鏡18を車室内の前端部近くに配置することができるので、車両1の前部左右を映し出す場合に、車両1のフロントピラーFPが反射視界を妨げることがなく、左右方向の視認性を良好にすることができる。
また、この前方視認装置10では、ダッシュボード12の上部壁15に隆起部16が設けられ、隆起部16の車両後方側の面に第2の開口21が配置されているため、乗員mが伸び上がって前方を視認しているときに第2の開口21が目に付き易くなる。このため、乗員による視認が良好になる。
さらに、この前方視認装置10の場合、第2の開口21が、乗員mの顔と正対する隆起部16の車両後方側の面に形成されているため、第2の開口21の面積を最小限に抑えたまま、第2の反射鏡19の見える視認範囲を充分に確保することができる。
また、この実施例1の前方視認装置10は、第1の反射鏡18が乗員mにとって死角となる隆起部16の車両前方側の面に配置されているため、運転中に第1の反射鏡18が直接乗員mの目に触れることがない。このため、反射光等によって乗員mの視界が乱されるを防止することができるとともに、外観の見栄えも良好にすることができる。
さらに、この前方視認装置10の場合、ダッシュボード12上の第1の開口17についても、乗員mの死角となる隆起部16の前方側に配置されているため、外観の見栄えを良好にするうえで有利となっている。
また、この実施例1の前方視認装置10においては、ダッシュボード12上の第1の開口17と第2の開口21がそれぞれ透光板22,23によって閉塞されているため、ダッシュボード12の内側への埃や水蒸気等の侵入を防止することができる。なお、透光板22,23は、第1の開口17と第2の開口21のいずれか一方のみ取り付けても効果を得ることができる。
なお、この実施例1の前方視認装置10における位置認識表示手段では、隣り合う2つの指標31間の距離L1を、中央の指標31aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定したが、総ての指標31を等間隔に配置してもよい。また、実施例1における位置認識表示手段では、指標31の幅W1を中央の指標31aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、総ての指標31の幅W1を同じ幅寸法にしてもよい。
<実施例2>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例2を図31、図32の図面を参照して説明する。
実施例2の前方視認装置10が実施例1のものと相違する点は、位置認識表示手段だけであり、その他の構成は実施例1と同じである。以下、相違点についてだけ説明する。
実施例1では、位置認識表示手段をフロントウィンドシールドガラス11の下縁に沿って設けられた黒色印刷部30の上に重畳して指標31を形成したが、この実施例2では、図31に示すように、黒色印刷部30を形成する際に複数のスリット状の切り込み32を設けておき、この切り込み32によって位置認識表示手段を構成している。このようにすると、フロントウィンドシールドガラスに黒色印刷部30を印刷するのと同時に位置認識表示手段を形成することができ、位置認識表示手段を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
この実施例2の位置認識表示手段においては、切り込み32のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する切り込み32aだけは三角形状の孔に形成されていて、その上部に黒色印刷部30の一部が三角形状に突出している。他の切り込み32は上部を開口させた直線状に形成されている。切り込み32は、切り込み32aを中心にして左右に同数配置されている。隣り合う2つの切り込み32間の距離L2は、中央の切り込み32aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での切り込み32間の距離L2と実際の距離とが対応するように設定されている。また、切り込み32自身の左右方向(車幅方向)の幅W2も中央の切り込み32aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
この実施例2における位置認識表示手段によっても、実施例1の位置認識表示手段と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、図32に示すように、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像の路面側(すなわち、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側)に、フロントウィンドシールドガラス11の黒色印刷部30に形成した切り込み32が、車両1の垂直方向に直線状に映り、切り込み32の像32’が他車両100の自車両1からの相対位置を認識し易くする位置認識指標となる(以下、像32’を位置認識指標32’と記す)。その結果、他車両100の相対位置を認識することができ、他車両100の近接状態を認識することができる。
また、位置認識指標32’が前記反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に他車両100の相対位置を認識することができる。
さらに、黒色印刷部30に切り込み32を設けているので、位置認識指標32’の長さを短くすることができ、また、乗員の体格差のばらつきによっても位置認識指標32’の位置がずれないので、認識し易い。
また、実施例2においても、隣り合う2つの切り込み32間の距離L2が、中央の切り込み32aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、切り込み32自身の左右方向(車幅方向)の幅W2が中央の切り込み32aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段32’も同様となり、位置認識指標32’によって、他車両100に対する遠近感が認識し易く、該他車両100の近接状態を適確に認識することができる。
なお、実施例2における位置認識表示手段では、隣り合う2つの切り込み32間の距離L2を、中央の切り込み32aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定したが、総ての切り込み32を等間隔に配置してもよい。また、実施例2の位置認識表示手段では、切り込み32の幅W2を中央の切り込み32aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、総ての切り込み32の幅W2を同じ幅寸法にしてもよい。
<実施例3>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例3を図33の図面を参照して説明する。
この実施例3では、図示を省略するが、第1の開口17が、フロントウィンドシールドガラス11の下縁から車両後方側に若干離れて設けられており、第1の開口17とフロントウィンドシールドガラス11の下縁との間に、ダッシュボード12の上部壁15の一部が存在する。
この実施例3では、ダッシュボード12の上部壁15の上面であってフロントウィンドシールドガラス11に対向する面に、車両の進行方向に沿って直線状に棒状指標が設けられており、この棒状指標によって位置認識表示手段が構成されている。
前記棒状指標は、実施例1における指標31と同様に複数設けられており、棒状指標のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する棒状指標だけは三角形状に形成されていて、この三角形状の棒状指標を中心にして左右に同数配置されている。また、隣り合う2つの棒状指標間の距離は、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での棒状指標間の距離と実際の距離とが対応するように設定されている。また、棒状指標自身の左右方向(車幅方向)の幅も中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
その他の構成は実施例1の前方視認装置10と同じであるので、説明を省略する。
この実施例3における位置認識表示手段の場合には、ダッシュボート12上に形成された棒状指標がフロントウィンドシールドガラス11に映り込み、これがダッシュボート12上の棒状指標とともに第1の反射鏡18に映るので、図33に示すように、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像の路面側(すなわち、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側)には、ダッシュボート12上に形成された棒状指標の像33と、フロントウィンドシールドガラス11に映った棒状指標の像34が映る。しかも、自車両1の前方左右方向から接近する他車両100が存在するときには、この他車両100の像100’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った棒状指標の像34が重なって見えるので、他車両100の相対位置をより認識し易くなり、近接状態を適確に認識することができる。
この実施例3においては、ダッシュボート12上に形成された棒状指標の像33と、フロントウィンドシールドガラス11に映った棒状指標の像34によって位置認識指標が構成される。
また、実施例3の位置認識表示手段の場合にも、位置認識指標としての像33,34が第1の反射鏡18の反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に他車両100の相対位置を認識することができる。
また、実施例3においても、隣り合う2つの棒状指標間の距離が、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、棒状指標自身の左右方向(車幅方向)の幅が中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段としての像33,34も同様となり、位置認識指標としての像33,34によって、他車両100に対する遠近感が認識し易く、該他車両100の近接状態を適確に認識することができる。
なお、実施例3における位置認識表示手段では、隣り合う2つの棒状指標間の距離を、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定したが、総ての棒状指標を等間隔に配置してもよい。また、実施例3の位置認識表示手段では、棒状指標の幅を中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、総ての棒状指標の幅を同じ幅寸法にしてもよい。
<実施例4>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例4を図34から図36の図面を参照して説明する。
この実施例4では、第1の開口17が、フロントウィンドシールドガラス11の下縁から車両後方側に若干離れて設けられており、第1の開口17とフロントウィンドシールドガラス11の下縁との間にダッシュボード12の上部壁15の一部が存在し、ここに、図34に示すようにデフロスタの吹出口40が開口している。
デフロスタは上部壁15の開口に嵌め込まれた吹き出しフレーム(以下、フレームという)41を備え、このフレーム41に複数の吹出口40が開口している。吹出口40はフレーム41に設けられた複数の桟42によって区画されている。図35に示すように、各桟42は第1の反射鏡18を中心として放射状に形成されており、桟42のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する桟42aだけは車両後方側を尖らせた三角形状に形成されていて、他の桟42は直線的に帯状に形成されており、三角形状の桟42aを中心にして左右に同数配置されている。また、隣り合う2つの桟42間の距離L3は、中央の桟42aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での桟42間の距離L3と実際の距離とが対応するように設定されている。また、桟42自身の左右方向(車幅方向)の幅も中央の桟42aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
その他の構成は実施例1の前方視認装置10と同じであるので、説明を省略する。
この実施例4では、デフロスタのフレーム41の桟42が実施例3における棒状指標として機能し、桟42によって位置認識表示手段が構成されている。したがって、実施例4の場合には、位置認識表示手段を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
この実施例4における位置認識表示手段の場合には、ダッシュボート12上に設けられたデフロスタのフレーム41の桟42が、図34に示すようにフロントウィンドシールドガラス11に映り込み、これが実際のフレーム41の桟42とともに第1の反射鏡18に映るので、図36に示すように、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像の路面側(すなわち、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側)には、デフロスタのフレーム41の桟42の像42’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った桟の像42’’(フロントウィンドシールドガラス11に映っている、デフロスタのフレーム41の桟42の像42’の像42’’)が映る。しかも、自車両1の前方左右方向から接近する他車両100が存在するときには、この他車両100の像100’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った桟の像42’’が重なって見えるので、他車両100の相対位置をより認識し易くなり、近接状態を適確に認識することができる。
この実施例4においては、デフロスタのフレーム41の桟42の像42’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った桟の像42’’によって位置認識指標が構成される。
また、実施例4の位置認識表示手段の場合にも、位置認識指標としての像42’,42’’が第1の反射鏡18の反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に他車両100の相対位置を認識することができる。
また、実施例4においても、隣り合う2つの桟42間の距離L3が、中央の桟42aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、桟42自身の左右方向(車幅方向)の幅W3が中央の桟42aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段としての像42’,42’’も同様となり、位置認識指標としての像42’,42’’によって、他車両100に対する遠近感が認識し易く、該他車両100の近接状態を適確に認識することができる。
なお、実施例4における位置認識表示手段では、隣り合う2つの桟42間の距離L3を、中央の桟42aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定したが、総ての桟42を等間隔に配置してもよい。また、実施例4の位置認識表示手段では、桟42の幅W3を中央の桟42aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、総ての桟42の幅W3を同じ幅寸法にしてもよい。
なお、この発明は前述した実施例のみに限られるものではない。
例えば、上述した各実施例においては、第1の反射鏡18を凸面鏡によって構成したが、第1の反射鏡18は平面鏡であってもよい。
また、第1の反射鏡18の反射像を映す第2の反射鏡19は凹面鏡によって構成するようにしてもよい。このようにすると、凹面鏡によって、より大きな反射像を乗員mに視認させることができる。また、このとき第2の反射鏡19は運転席のシートに着座した乗員mの正面に配置することが望ましい。こうすることにより、乗員mに視認される像の歪みを少なくすることができる。特に、運転者の体格差によってアイポイントが前後に移動しても、第2の反射鏡19の向きを変えずに像の歪みをより少なくすることができる。
さらに、上述した各実施例においては、前方視認装置10をダッシュボード12上の運転席の前方に配置したが、前方視認装置10の第1の反射鏡18や第2の反射鏡19、第1の開口17、第2の開口21等をダッシュボード12上の車幅中心に配置するようにしてもよい。この場合には、第2の反射鏡19を凹面鏡によって構成し、その鏡面を運転席側に向けて傾けることが望ましい。このようにすると、凹面鏡によって、より大きな反射像を乗員mに視認させることができる。
また、位置認識表示手段の設置場所は前述した各実施例の場所に限るものではなく、第2の反射鏡19に映し出された鏡像において、位置認識指標が第1の反射鏡18の反射像の路面側に位置するように考慮されていれば、いずれの場所に設けても構わない。例えば、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19の間に位置認識表示手段を設置することも可能である。
<<第5実施形態>>
以下、この発明に係る第5実施形態における前方視認装置の実施例を、図面を参照して説明する。
<実施例1>
初めに、この発明に係る前方視認装置の実施例1を図1から図38の図面を参照して説明する。
図1は、実施例1の前方視認装置10を採用した車両1の模式図であり、図2から図6Bは、前方視認装置10の具体的な構成を示す図である。なお、図中矢印FRは、車両1の前方を指し、矢印UPは、車両1の上方を指すものとする。
前方視認装置10は、車室内の運転席の前方側に配置され、運転席のシートに着座した乗員mが前方に視線を向けたまま車両1の前部下方と左右を視認し得るようになっている。
図2,図3において、符号11は、車両1の前席前方に前方傾斜(前部下方に向かって傾斜)して設けられたフロントウィンドシールドガラスであり、符号12は、運転席に対向する前面側にスピードメータやタコメータ等の計器類が配置されるダッシュボード、符号13は、運転席の前方に配置されたステアリングホイールである。
ダッシュボード12は、計器類が配置され前席に着座した乗員mに対向する前部壁14と、その前部壁14の上端部からフロントウィンドシールドガラス11の下縁に向かって略水平に延出する上部壁15とを備えている。上部壁15の運転席の正面位置(ステアリングホイール13の正面前方位置)には隆起部16が設けられている。この隆起部16は車体前後方向に沿う略半円筒状に形成されている。また、上部壁15のうちの隆起部16の車両前方側には、第1の開口17が設けられている。
隆起部16の前部は、平面視が前方に凸の略U字形状を成すように切り欠かれ、その湾曲した切欠端に第1の反射鏡18が取り付けられている。第1の反射鏡18は、車幅方向に略U字状に湾曲した凸面鏡によって構成され、その鏡面が車両1の前部下方に向くように隆起部16の前部面に設置されている。この第1の反射鏡18は、フロントウィンドシールドガラス11を通して車両1の前部下方と左右の広い範囲が映るように設定されている。実施例1の前方視認装置10により視認可能な側方領域を図14に示す。なお、ダッシュボード12上の第1の開口17は、第1の反射鏡18の前方側に第1の反射鏡18と略同幅に形成されている。
また、ダッシュボード12の上部壁15の下方には、第1の反射鏡18に映る反射像を乗員m側に向けて映す第2の反射鏡19が設置されている。第2の反射鏡19は平面鏡によって構成され、第1の開口17の前端部側の下方に、鏡面が車両1の後方側に向くように配置されている。この実施例1の場合、第2の反射鏡19はブラケット20を介してダッシュボード12の裏面に取り付けられている。
一方、隆起部16の車両後方側の面は、運転席に着座した乗員mの顔に正対するように上方側に傾斜しており、その面のほぼ中央には横長の略楕円形状の第2の開口21が形成されている。この第2の開口21は、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域に配置され、乗員mが上部壁15の下方の第2の反射鏡19を視認し得るようになっている。また、第1の開口17は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域に配置されている。したがって、第1の反射鏡18に映った車両1の前方の反射像は、第2の反射鏡19と第2の開口21を通して乗員mによって視認することができる。
また、運転席に着座した乗員mが第2の反射鏡19と第2の開口21を通して第1の反射鏡18の反射像を見たときに、この反射像にフロントウィンドシールドガラス11の下部とダッシュボート12の前端部が映り込むように、第1の反射鏡18の寸法、形状、設置角度や第2の反射鏡19の寸法、設置角度等が設定されている。
なお、第2の開口21は、図6Aに示すように、通常運転時の乗員姿勢ではステアリングホイール13によって隠れ、図6Bに示すように、運転席に着座した乗員mが伸び上がって前方を覗き込むときにステアリングホイール13の上部から見える高さであることが望ましい。
また、隆起部16の前方側の第1の開口17と、隆起部16の後面側の第2の開口21には、それぞれ透明樹脂等から成る透過板22,23が取り付けられている。
この実施例1においては、第1の開口17と透過板22によって第1の透過部が構成され、第2の開口21と透過板23によって第2の透過部が構成されている。
さらに、この実施例1では、図37に示すように、フロントウィンドシールドガラス11の周縁に印刷された帯状の黒色印刷部130のうちフロントウィンドシールドガラス11の下縁に沿って形成された部分に、上下方向に延びる棒状の指標131が複数設けられている。実施例1における指標131は黒色印刷部130の上に重畳して印刷するなどして形成されており、黒色印刷部130の黒色に対して容易に識別可能な色(例えば白色)に着色されている。
これら指標131のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する指標131aだけは上端が尖っており、この指標131aを中心にして左右に同数配置されている。隣り合う2つの指標131間の距離L11は、中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での指標131間の距離L11と実際の距離とが対応するように設定されている。また、指標131自身の左右方向(車幅方向)の幅W11も中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
このように構成された実施例1の前方視認装置10においては、運転席に着座した乗員mが車両前方を視認したまま、ダッシュボード12上の第2の開口21を覗き込むと、第1の反射鏡18に映った車両前方側の反射像が第2の反射鏡19を介して見える。
このとき、第1の反射鏡18は中央から幅方向左右に湾曲する凸面鏡によって構成されているため、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える反射像は、図38に示すように、車両1の前部下方と左右方向の広い範囲を映し込んだものとなる。そして、この乗員mに見える像は、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19で2回反射したものであるため、左右が逆転することがなく、乗員mに違和感なく周囲の状況を認識させることができる。
また、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像は、車両1の左右方向の広い範囲を映し込んだものとなるので、例えば、図14に示すように、見通しの悪い交差点において自車両1の右方から他車両100が接近している場合に、第1の反射鏡18の反射像には図38に示すように他車両100の像100’も映り込み、乗員mから直接には見えない他車両100を認識することができる。
しかも、前記反射像には、フロントウィンドシールドガラス11の下部も映り込むので、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側に、フロントウィンドシールドガラス11の黒色印刷部130に設けた指標131が、車両1の垂直方向に直線状に映る。そして、この指標131の像131’が他車両100の自車両1に対する接近度合いを認識し易くする位置確認手段となる(以下、像131’を位置確認手段131’と記す)。実施例1では、この位置確認手段131’によって近接度合い確認手段が構成されている。つまり、近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の像131’で構成された位置確認手段からなる。
この実施例1では、隣り合う2つの指標131間の距離L11が、中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、指標131自身の左右方向(車幅方向)の幅W11が中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に小さくなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段131’も同様となり、位置確認手段131’によって、他車両100の近接度合いがより認識し易くなり、近接度合いを適確に認識することができる。
特に、自車両1から遠い他車両100の像100’は第2の反射鏡19の鏡像において左右方向の端部に位置して像の大きさが小さくなるが、位置確認手段131’の幅W11が中央から左右方向に向かうにしたがって狭くなっているので、前記鏡像の左右方向端部においても他車両100の像100’の幅に対する位置確認手段131’の幅W11の割合が大きくならない。したがって、位置確認手段131’の幅W11を総て同一幅とする場合に比較して、他車両100の近接度合いが認識し易い。
また、位置確認手段131’が第1の反射鏡18の反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に近接度合いを認識することができる。
さらに、指標131を黒色印刷部130の上に設けているので、位置確認手段131’の長さを短くすることができ、また、乗員の体格差のばらつきによっても位置確認手段131’の位置がずれないので、認識し易い。
この前方視認装置10は、車両1の前部下方と左右を映す第1の反射鏡18がダッシュボード12上の隆起部16の前面に設置されるとともに、第1の反射鏡18に映った像を乗員m側に反射させる第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置され、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18と第2の反射鏡19を結ぶ領域と、第2の反射鏡19と乗員mのアイポイントEを結ぶ領域にそれぞれ第1の開口17と第2の開口21が設けられているため、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19が乗員mの前方視界を妨げることのない充分に低い位置に配置されることになる。このため、撮像手段やモニター等の高価な部品を用いない簡単な構造でありながら、高い視認性を確保することができる。
特に、この前方視認装置10においては、第2の反射鏡19がダッシュボード12の下方に配置される関係で、車両1の前方と左右を直接映す第1の反射鏡18をダッシュボード12上の充分に低い部位に設置できる。その結果、車両1の進行方向に対して側方の死角を映し易くすることができる。しかも、ダッシュボード12上の第1の反射鏡18とダッシュボード12下の第2の反射鏡19との間隔を比較的に小さくすることができるので、第1の反射鏡18の反射像を第2の反射鏡19に大きく映すことができ、高い視認性を得ることができる。特に、フロントウィンドシールドガラス11の前方傾斜の大きい車両においても、第1の反射鏡18を車室内の前端部近くに配置することができるので、車両1の前部左右を映し出す場合に、車両1のフロントピラーFPが反射視界を妨げることがなく、左右方向の視認性を良好にすることができる。
また、この前方視認装置10では、ダッシュボード12の上部壁15に隆起部16が設けられ、隆起部16の車両後方側の面に第2の開口21が配置されているため、乗員mが伸び上がって前方を視認しているときに第2の開口21が目に付き易くなる。このため、乗員による視認が良好になる。
さらに、この前方視認装置10の場合、第2の開口21が、乗員mの顔と正対する隆起部16の車両後方側の面に形成されているため、第2の開口21の面積を最小限に抑えたまま、第2の反射鏡19の見える視認範囲を充分に確保することができる。
また、この実施例1の前方視認装置10は、第1の反射鏡18が乗員mにとって死角となる隆起部16の車両前方側の面に配置されているため、運転中に第1の反射鏡18が直接乗員mの目に触れることがない。このため、反射光等によって乗員mの視界が乱されるを防止することができるとともに、外観の見栄えも良好にすることができる。
さらに、この前方視認装置10の場合、ダッシュボード12上の第1の開口17についても、乗員mの死角となる隆起部16の前方側に配置されているため、外観の見栄えを良好にするうえで有利となっている。
また、この実施例1の前方視認装置10においては、ダッシュボード12上の第1の開口17と第2の開口21がそれぞれ透光板22,23によって閉塞されているため、ダッシュボード12の内側への埃や水蒸気等の侵入を防止することができる。なお、透光板22,23は、第1の開口17と第2の開口21のいずれか一方のみ取り付けても効果を得ることができる。
なお、この実施例1の前方視認装置10における近接度合い確認手段では、隣り合う2つの指標131間の距離L11を中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにするとともに、指標131の幅W11を中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、いずれか一方だけを採用して構成してもよい。
すなわち、指標131の幅W11は総て同一幅として、隣り合う2つの指標131間の距離L11だけを、中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。あるいは、総ての指標131を等間隔に配置して、指標131の幅W11だけを、中央の指標131aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。このようにしても、他車両100の近接度合いを容易に認識することができる。
<実施例2>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例2を図39、図40の図面を参照して説明する。
実施例2の前方視認装置10が実施例1のものと相違する点は、近接度合い確認手段において位置確認手段の基となる指標だけであり、その他の構成は実施例1と同じである。
以下、相違点についてだけ説明する。
実施例1では、フロントウィンドシールドガラス11の下縁に沿って設けられた黒色印刷部130の上に重畳して指標131を形成したが、この実施例2では、図39に示すように、黒色印刷部130を形成する際に複数のスリット状の切り込み132を設けておき、この切り込み132によって指標を構成している。このようにすると、フロントウィンドシールドガラスに黒色印刷部130を印刷するのと同時に指標を形成することができ、指標を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
この実施例2においては、切り込み132のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する切り込み132aだけは三角形状の孔に形成されていて、その上部に黒色印刷部130の一部が三角形状に突出している。他の切り込み132は上部を開口させた直線状に形成されている。切り込み132は、切り込み132aを中心にして左右に同数配置されている。隣り合う2つの切り込み132間の距離L12は、中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での切り込み132間の距離L12と実際の距離とが対応するように設定されている。また、切り込み132自身の左右方向(車幅方向)の幅W12も中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
この実施例2においては、図40に示すように、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像の路面側(すなわち、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側)に、フロントウィンドシールドガラス11の黒色印刷部130に形成した切り込み132が、車両1の垂直方向に直線状に映り、切り込み132の像132’が他車両100の自車両1に対する接近度合いを認識し易くする位置確認手段となる(以下、像132’を位置確認手段132’と記す)。実施例2では、この位置確認手段132’によって近接度合い確認手段が構成されている。つまり、近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の像132’で構成された位置確認手段からなる。
この実施例2の近接度合い確認手段によっても、実施例1の近接度合い確認手段と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、実施例2では、隣り合う2つの切り込み132間の距離L12が、中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、切り込み132自身の左右方向(車幅方向)の幅W12が中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段132’も同様となり、位置確認手段132’によって、他車両100の近接度合いがより認識し易くなり、近接度合いを適確に認識することができる。
特に、自車両1から遠い他車両100の像100’は第2の反射鏡19の鏡像において左右方向の端部に位置して像の大きさが小さくなるが、位置確認手段132’の幅W12が中央から左右方向に向かうにしたがって狭くなっているので、前記鏡像の左右方向端部においても他車両100の像100’の幅に対する位置確認手段132’の幅W12の割合が大きくならない。したがって、位置確認手段132’の幅W12を総て同一幅とする場合に比較して、他車両100の近接度合いが認識し易い。
また、位置確認手段132’が第1の反射鏡18の反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に近接度合いを認識することができる。
さらに、黒色印刷部130に切り込み132を設けているので、位置確認手段132’の長さを短くすることができ、また、乗員の体格差のばらつきによっても位置確認手段132’の位置がずれないので、認識し易い。
なお、この実施例2の前方視認装置10における近接度合い確認手段では、隣り合う2つの切り込み132間の距離L12を中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにするとともに、切り込み132の幅W12を中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、いずれか一方だけを採用して構成してもよい。
すなわち、切り込み132の幅W12は総て同一幅として、隣り合う2つの切り込み132間の距離L12だけを、中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。あるいは、総ての切り込み132を等間隔に配置して、切り込み132の幅W12だけを、中央の切り込み132aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。このようにしても、他車両100の近接度合いを容易に認識することができる。
<実施例3>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例3を図41の図面を参照して説明する。
この実施例3では、図示を省略するが、第1の開口17が、フロントウィンドシールドガラス11の下縁から車両後方側に若干離れて設けられており、第1の開口17とフロントウィンドシールドガラス11の下縁との間に、ダッシュボード12の上部壁15の一部が存在する。
この実施例3では、ダッシュボード12の上部壁15の上面であってフロントウィンドシールドガラス11に対向する面に、車両の進行方向に沿って直線状に棒状指標が設けられている。
前記棒状指標は、実施例1における指標131と同様に複数設けられており、棒状指標のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する棒状指標だけは三角形状に形成されていて、この三角形状の棒状指標を中心にして左右に同数配置されている。また、隣り合う2つの棒状指標間の距離は、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での棒状指標間の距離と実際の距離とが対応するように設定されている。また、棒状指標自身の左右方向(車幅方向)の幅も中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
その他の構成は実施例1の前方視認装置10と同じであるので、説明を省略する。
この実施例3においては、ダッシュボート12上に形成された棒状指標がフロントウィンドシールドガラス11に映り込み、これがダッシュボート12上の棒状指標とともに第1の反射鏡18に映るので、図41に示すように、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像の路面側(すなわち、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側)には、ダッシュボート12上に形成された棒状指標の像133と、フロントウィンドシールドガラス11に映った棒状指標の像134が映る。
この実施例3においては、ダッシュボート12上に形成された棒状指標の像133と、フロントウィンドシールドガラス11に映った棒状指標の像134は、他車両100の自車両1に対する接近度合いを認識し易くする位置確認手段となり、実施例3では、この位置確認手段によって近接度合い確認手段が構成されている。つまり、近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の像133,134で構成された位置確認手段からなる。
この実施例3の近接度合い確認手段によっても、実施例1の近接度合い確認手段と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、実施例3では、隣り合う2つの棒状指標間の距離が、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、棒状指標自身の左右方向(車幅方向)の幅が中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段としての像133,134も同様となり、位置確認手段としての像133,134によって、他車両100の近接度合いがより認識し易くなり、近接度合いを適確に認識することができる。
しかも、自車両1の前方左右方向から接近する他車両100が存在するときには、この他車両100の像100’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った棒状指標の像134が重なって見えるので、他車両100の自車両1に対する接近度合いをより認識し易くなる。
特に、自車両1から遠い他車両100の像100’は第2の反射鏡19の鏡像において左右方向の端部に位置して像の大きさが小さくなるが、位置確認手段としての像133,134の幅が中央から左右方向に向かうにしたがって狭くなっているので、前記鏡像の左右方向端部においても他車両100の像100’の幅に対する位置確認手段としての像133,134の幅の割合が大きくならない。したがって、位置確認手段としての像133,134の幅W12を総て同一幅とする場合に比較して、像に対する視認性が向上するとともに、他車両100の近接度合いが認識し易い。
また、実施例3の近接度合い確認手段の場合にも、位置確認手段としての像133,134が第1の反射鏡18の反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に他車両100の近接度合いを認識することができる。
なお、実施例3の前方視認装置10における近接度合い確認手段では、隣り合う2つの棒状指標間の距離を中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにするとともに、棒状指標の幅を中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、いずれか一方だけを採用して構成してもよい。
すなわち、棒状指標の幅は総て同一幅として、隣り合う2つの棒状指標間の距離だけを、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。あるいは、総ての棒状指標を等間隔に配置して、棒状指標の幅だけを、中央の棒状指標から左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。このようにしても、他車両100の近接度合いを容易に認識することができる。
<実施例4>
次に、この発明に係る前方視認装置10の実施例4を図42から図44の図面を参照して説明する。
この実施例4では、第1の開口17が、フロントウィンドシールドガラス11の下縁から車両後方側に若干離れて設けられており、第1の開口17とフロントウィンドシールドガラス11の下縁との間にダッシュボード12の上部壁15の一部が存在し、ここに、図42に示すようにデフロスタの吹出口140が開口している。
デフロスタは上部壁15の開口に嵌め込まれた吹き出しフレーム(以下、フレームという)141を備え、このフレーム141に複数の吹出口140が開口している。吹出口140はフレーム141に設けられた複数の桟142によって区画されている。図43に示すように、各桟142は第1の反射鏡18を中心として放射状に形成されており、桟142のうち運転席に着座した乗員mの真正面に位置する桟142aだけは車両後方側を尖らせた三角形状に形成されていて、他の桟142は直線的に帯状に形成されており、三角形状の桟142aを中心にして左右に同数配置されている。また、隣り合う2つの桟142間の距離L13は、中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、第2の反射鏡19の鏡像上での桟142間の距離L13と実際の距離とが対応するように設定されている。また、桟142自身の左右方向(車幅方向)の幅も中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されている。
その他の構成は実施例1の前方視認装置10と同じであるので、説明を省略する。
この実施例4では、デフロスタのフレーム141の桟142が実施例3における棒状指標として機能する。したがって、実施例4の場合には、棒状指標を形成するためだけの単独の製造工程が不要となる。
この実施例4においては、ダッシュボート12上に設けられたデフロスタのフレーム141の桟142が、図42に示すようにフロントウィンドシールドガラス11に映り込み、これが実際のフレーム141の桟142とともに第1の反射鏡18に映るので、図44に示すように、第2の反射鏡19で反射して乗員mに見える第1の反射鏡18の反射像の路面側(すなわち、第2の反射鏡19の鏡像における第1の反射鏡18の反射像の路面側)には、デフロスタのフレーム141の桟142の像142’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った桟の像142’’( フロントウィンドシールドガラス11に映っている、デフロスタのフレーム141の桟142の像142’の像142’’)が映る。
この実施例4においては、デフロスタのフレーム141の桟142の像142’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った桟の像142’’は、他車両100の自車両1に対する接近度合いを認識し易くする位置確認手段となり、実施例4では、この位置確認手段によって近接度合い確認手段が構成されている。つまり、近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の像142’で構成された位置確認手段からなる。
この実施例4の近接度合い確認手段によっても、実施例1の近接度合い確認手段と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、実施例4では、隣り合う2つの桟142間の距離L13が、中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されており、且つ、桟142自身の左右方向(車幅方向)の幅W13が中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるように設定されているので、第2の反射鏡19の鏡像に映り込んだ位置確認手段としての像142’,142’’も同様となり、位置確認手段としての像142’,142’’によって、他車両100の近接度合いがより認識し易くなり、近接度合いを適確に認識することができる。
しかも、自車両1の前方左右方向から接近する他車両100が存在するときには、この他車両100の像100’と、フロントウィンドシールドガラス11に映った桟の像142’’が重なって見えるので、他車両100の自車両1に対する接近度合いをより認識し易くなる。
特に、自車両1から遠い他車両100の像100’は第2の反射鏡19の鏡像において左右方向の端部に位置して像の大きさが小さくなるが、位置確認手段としての像142’,142’’の幅が中央から左右方向に向かうにしたがって狭くなっているので、前記鏡像の左右方向端部においても他車両100の像100’の幅に対する位置確認手段としての像142’,142’’の幅の割合が大きくならない。したがって、位置確認手段としての像142’,142’’の幅W13を総て同一幅とする場合に比較して、像に対する視認性が向上するとともに、他車両100の近接度合いが認識し易い。
また、実施例4の近接度合い確認手段の場合にも、位置確認手段としての像142’,142’’が第1の反射鏡18の反射像の路面側に配置されているので、他車両100の車高に関わらず確実に他車両100の近接度合いを認識することができる。
なお、実施例4の前方視認装置10における近接度合い確認手段では、隣り合う2つの桟142間の距離L13を中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにするとともに、桟142の幅W13を中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くしたが、いずれか一方だけを採用して構成してもよい。
すなわち、桟142の幅W13は総て同一幅として、隣り合う2つの桟142間の距離L13だけを、中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。あるいは、総ての桟142を等間隔に配置して、桟142の幅W13だけを、中央の桟142aから左右方向に遠ざかるにしたがって徐々に狭くなるようにしてもよい。このようにしても、他車両100の近接度合いを容易に認識することができる。
なお、この発明は前述した実施例のみに限られるものではない。
例えば、上述した各実施例においては、第1の反射鏡18を凸面鏡によって構成したが、第1の反射鏡18は平面鏡であってもよい。
また、第1の反射鏡18の反射像を映す第2の反射鏡19は凹面鏡によって構成するようにしてもよい。このようにすると、凹面鏡によって、より大きな反射像を乗員mに視認させることができる。また、このとき第2の反射鏡19は運転席のシートに着座した乗員mの正面に配置することが望ましい。こうすることにより、乗員mに視認される像の歪みを少なくすることができる。特に、運転者の体格差によってアイポイントが前後に移動しても、第2の反射鏡19の向きを変えずに像の歪みをより少なくすることができる。
さらに、上述した各実施例においては、前方視認装置10をダッシュボード12上の運転席の前方に配置したが、前方視認装置10の第1の反射鏡18や第2の反射鏡19、第1の開口17、第2の開口21等をダッシュボード12上の車幅中心に配置するようにしてもよい。この場合には、第2の反射鏡19を凹面鏡によって構成し、その鏡面を運転席側に向けて傾けることが望ましい。このようにすると、凹面鏡によって、より大きな反射像を乗員mに視認させることができる。
また、位置確認手段の基となる指標の設置場所は前述した各実施例の場所に限るものではなく、第2の反射鏡19に映し出された鏡像において、位置確認手段が第1の反射鏡18の反射像の路面側に位置するように考慮されていれば、いずれの場所に設けても構わない。例えば、第1の反射鏡18と第2の反射鏡19の間に位置確認手段の基となる指標を設置することも可能である。
この発明に係る実施形態によれば、製品コストの高騰を招くことなく視認性の向上を図ることのできる前方視認装置を提供できる。
また、この発明に係る実施形態によれば、外光に起因する視認性低下を抑制することができる前方視認装置を提供できる。
また、この発明に係る実施形態によれば、自車両の進行方向に対して側方に位置する物体(例えば他車両)の近接度合いを認識し易い前方視認装置を提供できる。
1 車両
10 前方視認装置
11 フロントウィンドシールドガラス
12 ダッシュボード
16 隆起部
17 第1の開口(第1の透光部)
18 第1の反射鏡
19 第2の反射鏡
21 第2の開口(第2の透光部)
22,23 透過板
30 黒色印刷部
31 指標(位置認識表示手段)
31’ 像(位置認識指標)
32 切り込み(位置認識表示手段)
32’ 像(位置認識指標)
33,34 像(位置認識指標)
40 デフロスタの吹出口
42 桟(棒状指標、位置認識表示手段)
42’,42’’ 像(位置認識指標)
50 グラデーションフィルム(透過抑制部)
52 グラデーションフィルム(第2の透過抑制部)
130 黒色印刷部
131 指標
131’ 像(位置確認手段、近接度合い確認手段)
132 切り込み(指標)
132’ 像(位置確認手段、近接度合い確認手段)
133,134 像(位置確認手段、近接度合い確認手段)
140 デフロスタの吹出口
142 桟(棒状指標)
142’,142’’ 像(位置確認手段、近接度合い確認手段)

Claims (32)

  1. 車両の前方側の所望範囲を乗員に視認させる前方視認装置であって、
    前記所望範囲を映す第1の反射鏡と、
    前記第1の反射鏡に映る反射像を前記乗員に向けて映す第2の反射鏡と、
    を備え、
    前記第1の反射鏡が車室内のダッシュボード上に配置されるとともに、前記第2の反射鏡が前記ダッシュボードの下方に配置され、
    前記第1の反射鏡及び前記第2の反射鏡を結ぶ領域と、前記第2の反射鏡及び前記乗員のアイポイントを結ぶ領域とのそれぞれに第1の透光部と第2の透光部が設けられている
    ことを特徴とする前方視認装置。
  2. 前記ダッシュボードには車室内側に隆起する隆起部が設けられ、
    この隆起部の車両後方側の面に前記第2の透光部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  3. 前記ダッシュボードには車室内側に隆起する隆起部が設けられ、
    この隆起部の、前記車両の前方側の面に前記第1の反射鏡が設けられている
    ことを特徴とする請求項1前方視認装置。
  4. 前記ダッシュボードには車室内側に隆起する隆起部が設けられ、
    この隆起部の、前記車両の前方側に前記第1の透光部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  5. 前記第1の透光部と第2の透光部の少なくともいずれか一方は、前記ダッシュボードに設けられた開口であることを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  6. 前記開口は、光を透過する透過板によって閉塞されていることを特徴とする請求項5に記載の前方視認装置。
  7. 前記第1の反射鏡は、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凸となる凸曲率曲面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  8. 前記第2の反射鏡は、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凹となる凹曲率曲面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  9. 前記第2の反射鏡は、前記車両のシートに着座した前記乗員の正面に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の前方視認装置。
  10. 前記第1の反射鏡及び前記第2の反射鏡は、前記ダッシュボードのうち、前記車両の車幅中心に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  11. 前記第2の反射鏡は、少なくとも車幅方向に沿う断面が車両前方側に凹となる凹曲率曲面に形成されるとともに、鏡面が運転席側に向くように傾けて配置されていることを特徴とする請求項10に記載の前方視認装置。
  12. 前記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向端部側が車幅方向中央側よりも前部下方に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の前方視認装置。
  13. 前記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向中央から端部に向けて、前部下方に向かう傾斜角度が徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の前方視認装置。
  14. 前記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向端部側の凸曲率半径が車幅方向中央側の凸曲率半径よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の前方視認装置。
  15. 前記第1の反射鏡の反射面は、車幅方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項14に記載の前方視認装置。
  16. 前記第1の反射鏡の反射面は、上下方向に沿う断面の凸曲率半径が車幅方向中央側から端部側に向かって徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の前方視認装置。
  17. 前記1の反射鏡または前記第2の反射鏡のどちらか一方の鏡面の左右方向の中央部には、光の透過を抑制する第1の透過抑制部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  18. 前記第1の透過抑制部は、前記第1の反射鏡に設けられていることを特徴とする請求項17に記載の前方視認装置。
  19. 前記第1の反射鏡の鏡面の左右方向の端部の少なくとも一方には、該鏡面の車両上下方向における上端と下端を結んだ線の中央より上方の位置に、光の透過を抑制する第2の透過抑制部が設けられていることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の前方視認装置。
  20. 前記第2の透過抑制部は、グラデーションフィルムまたは偏光フィルタで構成されていることを特徴とする請求項19に記載の前方視認装置。
  21. 前記透過抑制部は、グラデーションフィルムまたは偏光フィルタで構成されていることを特徴とする請求項17に記載の前方視認装置。
  22. 運転者が視認する前記第2の反射鏡に映し出された鏡像における前記反射像の路面側に、位置認識表示手段により表示された位置認識指標が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  23. 前記位置認識表示手段は、前記車両のフロントウィンドシールドガラスの下縁に沿って帯状に印刷された黒色印刷部に設けられており、
    表示される前記位置認識指標は車両の垂直方向に直線状をなす
    ことを特徴とする請求項22に記載の前方視認装置。
  24. 前記位置認識表示手段は、前記黒色印刷部に形成されたスリット状の切り込みによって構成されていることを特徴とする請求項23に記載の前方視認装置。
  25. 前記位置認識表示手段は、前記ダッシュボードの上面であってフロントウィンドシールドガラスに対向する面に、車両の進行方向に沿って直線状に形成された棒状指標で構成されていることを特徴とする請求項22に記載の前方視認装置。
  26. 前記位置認識表示手段は、前記ダッシュボードの上面に開口するデフロスタに設けられており、前記第1の反射鏡を中心として放射状に形成された前記デフロスタの吹出口の桟によって前記棒状指標が構成されていることを特徴とする請求項25に記載の前方視認装置。
  27. 運転者が視認する前記第2の反射鏡に映し出された鏡像には近接度合い確認手段が設けられ、
    前記近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の位置確認手段からなり、前記左右方向に向かうにしたがって前記位置確認手段の間隔が狭くなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  28. 運転者が視認する前記第2の反射鏡に映し出された鏡像には近接度合い確認手段が設けられ、
    前記近接度合い確認手段は、車両の垂直方向に沿って設けられ車両の進行方向に対する左右方向に複数配置された直線状の位置確認手段からなり、前記左右方向に向かうにしたがって前記位置確認手段の左右方向の幅が狭くなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の前方視認装置。
  29. 前記車両のフロントウィンドシールドガラスには、その周縁に沿って帯状の黒色印刷部が設けられ、
    前記位置確認手段は、前記フロントウィンドシールドガラスの下縁に沿う前記黒色印刷部に設けられた指標の像で構成されている
    ことを特徴とする請求項27または請求項28に記載の前方視認装置。
  30. 前記指標は、前記黒色印刷部に形成されたスリット状の切り込みによって構成されていることを特徴とする請求項29に記載の前方視認装置。
  31. 前記位置確認手段は、前記ダッシュボードの上面であって前記車両のフロントウィンドシールドガラスに対向する面に前記車両の進行方向に沿って直線状に形成された棒状指標の像として構成されていることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の前方視認装置。
  32. 前記棒状指標は、前記ダッシュボードの上面に開口するデフロスタの吹出口の桟によって構成されており、前記桟は前記第1の反射鏡を中心として放射状に形成されていることを特徴とする請求項31に記載の前方視認装置。
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