JP5280364B2 - フッ素化カタランチン誘導体、それらの製造、およびビンカ二量体アルカロイド前駆体としてそれらの利用 - Google Patents

フッ素化カタランチン誘導体、それらの製造、およびビンカ二量体アルカロイド前駆体としてそれらの利用 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、カタランチン(catharanthine)のフッ素化誘導体、それらの製造、およびフッ素化二量体ビンカアルカロイド、特にビンフルニンの前駆体としてのそれらの使用に関する。
ビンフルニン1は、Pierre Fabre研究所により開発された広域スペクトル抗癌剤である。この分子は、乳および肺癌の治療における標準薬である、ビノレルビン5(Navelbine)のフッ素化アナログである。ビンフルニンの構造は、ビノレルビンのものと非常に類似しており、それとはC20でgem-二フッ素化された基の存在と二重結合C3′‐C4′の非存在のみで異なる。ビンフルニン1(Javlor)は近年見出された最も活性なフッ素化化合物である。現在、それは乳、膀胱、および肺癌の治療で臨床試験の第三相にあり、ビンカアルカロイドのファミリーに由来する最も有望な分子として今日、歓迎されている。
ビンフルニンは、日日草の葉から直接抽出される二つのサブユニット カタランチン2およびビンドリン3のカップリングにより得られる、3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4前駆体から製造されてもよい(経路1)。一方、ビンフルニンはビノレルビンの直接フッ素化によっても製造されてもよい。
Figure 0005280364
次いで、3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4は、環縮小によりビノレルビン5へ、または“北側”フラグメントの側鎖で2フッ素原子の導入、次いで環縮小によりビンフルニン1へ変換される(経路2)。このフッ素化操作は塩素化溶媒の存在下において、超酸媒体(HF‐SbF)中で行う。これらの反応条件は特にドラスティックであり、二量体アルカロイド4の部分的分解、ひいては変換の総化学収率の低下を生じる。C20′のgem-二フッ素化は、C3′‐C4′二重結合の随伴的還元と共に進行する。4′において形成された立体中心は絶対配置(R)を有する。ビンフルニンはビノレルビン5(Navelbine)のフッ素化においても製造される。その合成は3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4の環縮小により行われる。
Figure 0005280364
3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4は高付加の生成物である。フッ素化段階はそのためこの貴重な中間体の著しい量の棄損を引き起こす。この状況は危機的であり、日日草の葉の大きな需要増加を時に生じる。幾つかの戦略がビンフルニン1の開発を続けるために研究されている。
超酸混合物中で3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンのフッ素化がカタランチンに由来するその“北側”フラグメントのみを修飾するという観察に基づき、本発明の範囲内に属する、フッ素原子をカタランチン2の骨格へ直接導入することからなる解決法が提起されていた。このアプローチは幾つかの利点を有している:それは3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4より低付加価値の生成物へ合成に際して上流でフッ素を導入する。ビンフルニンの合成は次いでビンドリン3とのバイオミメティックカップリングを経てアクセスされる。事実、20′,20′‐ジフルオロカタランチン6が、ビンドリン3とカップリングされて、3′,4′‐アンヒドロ‐20′,20′‐ジフルオロビンブラスチン7を生じる。後者は最後に専門家に周知の工程により、環縮小反応に続いて不飽和C3′‐C4′二重結合の還元により、ビンフルニン1へ変換される(経路3)。
Figure 0005280364
このアプローチは、従来の超酸条件下においてはアクセスしえない、他のオリジナル二フッ素化誘導体、(3′,4′‐アンヒドロ‐20′,20′‐ジフルオロビンブラスチン7、20′,20′‐ジフルオロビノレルビン8)へもアクセスしうる。これらの分子はすべて更に興味深く、ビンカアルカロイドの領域4′および20′がそれらの抗腫瘍活性と強く関連していることが構造活性相関の研究から示されたからである。しかも、フッ素化カタランチンの合成中間体(および誘導体)のカップリングは、ビンカの二量体アルカロイドの他のオリジナルフッ素化誘導体を同様に生じる。
したがって、本発明は下記一般式Iで表されるカタランチンのフッ素化誘導体に関する:
Figure 0005280364
上記式中:
‐点線は、置換‐Xが存在しない場合に二重結合であり、他方‐Xが下記群の置換:
・H
・OR
・NR′R″
・SR、または
・ハロゲンの原子(R、R′、およびR″は、互いに独立して、水素の原子またはC‐Cの直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す)を表す場合には単結合である可能性を表し、
‐基RおよびRの少なくとも一方がフッ素の原子を表す条件において、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、フッ素の原子、またはメチル化基を表し、および
‐n=1または2。
本発明は、同様に、ビンカのフッ素化二量体アルカロイドの製造に有用な合成中間体としての、特にビンドリンまたはビンドリンの誘導体とのカップリング反応における反応パートナーとして、これらフッ素化誘導体の利用に関する。特に、ビンフルニンは、ビンドリンと、20,20‐ジフルオロカタランチンとをカップリングさせて20′,20′‐ジフルオロ‐3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンを得、次いで環縮小反応に続いてC3′‐C4′位において環内二重結合の還元反応へ付すことにより得られる。
カタランチン2へのフッ素原子の導入は、カタランチンの側鎖の酸化およびフッ素化を経由して考えられる。
Figure 0005280364
本発明のフッ素化カタランチン誘導体の製造は、このようにカタランチンの側鎖の酸化工程を伴い、これは下記一般式IIで表されるカタランチンの酸化誘導体へ至る条件下において行われる:
Figure 0005280364
上記式中:
‐n=1または2、
‐Xは、C=OまたはC=S基を表し、
‐Yは、COR、SOR、またはCOR基を表し、Rはアリール基またはC‐Cの直鎖状もしくは分岐状アルキル基を表し、および
‐Zは、CH‐OHまたはC=O基を表す。
したがって、本発明は下記一般式IIで表されるカタランチンの酸化誘導体にも関する:
Figure 0005280364
上記式中:
‐n=1または2、
‐Xは、C=OまたはC=S基を表し、
‐Yは、COR、SOR、またはCOR基を表し、Rはアリール基またはC‐Cの直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、および
‐Zは、CH‐OHまたはC=O基を表す。
式IIにおけるカタランチンの好ましい酸化誘導体は:
‐n=2、
‐Xが、C=O基を表し、
‐Yが、COR基を表し、RはC‐Cの直鎖状または分岐状アルキル基を表し、および
‐Zが、CH‐OHまたはC=O基を表す
誘導体である。
本発明は、ビンカのフッ素化二量体ビンカアルカロイド、特にビンフルニンの製造に有用な合成中間体として、これら酸化誘導体の使用に関する。この製造は、カタランチンの酸化誘導体のフッ素化に続いて二窒素原子の脱保護を伴い、本発明のカタランチンのフッ素化誘導体へ至る。製造は更に該フッ素化誘導体とビンドリンまたはビンドリンの誘導体とのカップリング反応を伴う。特に、n=2、X=C=O、Y=COR(Rは上記の通り)、およびZ=C=Oである上記カタランチンの酸化誘導体のフッ素化および二窒素原子の脱保護により得られた20,20‐ジフルオロカタランチンとビンドリンをカップリングさせて、20′,20′‐ジフルオロ‐3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンを得、次いで環縮小反応に続いてC3′‐C4′位で環内二重結合の還元反応へ付すことにより、ビンフルニンが得られる。
用語“アリール”はここでは、場合によりヘテロ原子、特に酸素または窒素を含んでなる、5〜7炭素原子の環式芳香族基、例えばフェニルまたはピリジニル基に関する。
このように、例として、20,20‐ジフルオロカタランチンは次のように合成される。
側鎖の活性化は、更なる官能基化(functionalisation)前における、環外位置への環内二重結合の異性化により達成される。2から10への異性化反応は、パラジウム炭の存在中、部分水素圧下において行われる。インドール環が次いでメチルカルバメート11の形態により、および三級窒素がアミド12の形態により保護される。
Figure 0005280364
12の二重結合は次いでOsOで二ヒドロキシル化され、得られたジオール13が環状サルフェート14の形態で2回活性化される。アリル系アルコール15がテトラブチルアンモニウムフルオリドの作用、次いで硫酸との処理により得られる。アルコール官能基は次いでMnOにより酸化され、得られたエノン16がDeoxofluor(ビス(2‐メトキシエチル)アミノスルフィドトリフルオリド)の作用により二フッ素化される。インドールの保護基(カルバメート)はメタノール中、炭酸カリウムの作用により除去される。17のアミド基は最後に還元されて、20,20‐ジフルオロカタランチン6へ至る。後者は天然源のカタランチンの場合と同様にビンドリンとカップリングされて、3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンのフッ素化アナログ(7)を生じ、これが環縮小後にビノレルビンのフッ素化アナログ(8)へ至る。最後に、北側フラグメントの二重結合の選択的還元により、ビンフルニン1の形成に至る。
別の合成ルートによると、アリル系アルコール15は、メチルカルバメートによるカタランチン2のインドール環の初期保護(化合物26)と、アミド27の形態で三級窒素の保護によっても得られる。後者は次いでSeOによりアリル系アルコール15へ直接酸化される(経路6)。
Figure 0005280364
20,20‐ジフルオロカタランチン6へ至る合成中間体は、20,20‐ジフルオロカタランチンへは至らないが、構造アナログである、官能基配置により開発しうる。これらのアナログは天然源のカタランチンの場合と同様にビンドリンとカップリングされて、対応フッ素化二量体アルカロイドを生じる。
したがって、中間体13から出発すると、二級アルコール官能基の酸化によりケトン18へ至る。DAST(ジエチルアミノスルフィドトリフルオリド)によるケトアルコール18のフッ素化でジフルオロ‐アルコール19を得る。後者は脱保護の通常段階後(→20)にビンドリンとカップリングされて、これも顕著な抗癌性を有するアルカロイドであるビンブラスチンの二フッ素化アナログ21を形成する(経路7)。
Figure 0005280364
更に、カタランチン骨格への単一フッ素原子の導入が中間体15から可能である(経路8)。後者がDASTで処理された場合、側鎖の一フッ素化生成物(22)が形成される。既に前記されているように、この生成物はモノフルオロアナログ3′,4′‐アンヒドロ‐20′‐フルオロビンブラスチン24および20′‐フルオロビノレルビン25へ至り、これが二重結合の還元の追加段階によりビンフルニンの一フッ素化アナログへ至る。
Figure 0005280364
最後に、イソカタランチン10もビンカのフッ素化二量体アルカロイド、特にビンフルニンの製造において合成中間体として用いられる。この製造は、該イソカタランチンと、ビンドリンまたはビンドリンの誘導体とのカップリング反応を伴う。
このように、ビンドリン3と、イソカタランチンとをカップリングさせて、4′,20′‐アンヒドロビンブラスチン28へ至ることにより、ビンフルニン1が得られる。この中間体は次いで3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4のフッ素化に関して記載された条件を用いて二フッ素化される(J.-C.Jacquesy et al.,Journal of Fluorine Chemistry,2002,114,139)。得られた生成物(4′R)‐4′‐デオキシ‐20′,20′‐ジフルオロビンブラスチン30は、3′,4′‐アンヒドロビンブラスチン4のフッ素化により形成される生成物と同一である。環縮小による30からビンフルニン1への変換は、文献において記載されている(J.-C.Jacquesy et al.,Journal of Fluorine Chemistry,2002,114,139)(経路9)。
一方、ビンフルニン1は、4′,20′‐アンヒドロビンブラスチン28の環縮小により29へ至り、次いで上記と同様の方法に従いgem-二フッ素化によっても得られる。
Figure 0005280364
本発明は、ビンフルニンの古典的合成に代わる戦略を提供し、より効率的で、ひいてはより経済的な工程の使用を可能にするようである。加えて、ビンドリン3とのカップリング反応において、本発明によるカタランチンのフッ素化中間体、例えば20‐フルオロカタランチン23および20,20‐ジフルオロ‐3‐ヒドロ‐4‐ヒドロキシカタランチン20の利用は、潜在的抗癌活性を有する新規二量体アルカロイドの製造を可能にする。ビノレルビンおよびビンフルニンの他の具体的構造アナログもこの方法で容易にアクセスされる。
上記すべての製造法および反応経路が、n=2の一般式(I)で表されるカタランチンのフッ素化誘導体の製造の場合について詳述されてきた。n=1の一般式(I)で表されるすべての対応誘導体は、専門家に周知の技術により、特にAndriamialisoa,R.Z.,Langlois,N.,Langlois,Y.,Potier P.,Tetrahedron,1980,36,3053-3060において記載されているものにより、二量体の北側カタランチン由来部分の環縮小の工程により容易に得られる。
本発明は、カタランチンのフッ素化誘導体、特に20,20‐ジフルオロカタランチンへ至る主要段階の実例として以下で述べられた製造例により、更に詳細にここで記載される。
イソカタランチン(10)
Figure 0005280364
MeOH(150mL)中、水素において既に活性化されたパラジウム(質量10%)炭(5.7g,5.4mmol,0.2当量)の懸濁液にMeOH(100mL)中、(+)‐カタランチン2(9.0g,26.8mmol,1当量)の溶液へ加える。反応混合液を減圧下で水素(0.3bar)中に置き、次いで環境温度で減圧下攪拌しながら単離および放置する。出発物質が消失するまで(約2h)、反応をH NMRにより追跡する。反応混合液を次いでセライト545で濾過し、次いでMeOHで再結晶化させ、半透明結晶の形態で化合物10(6.5g,19.3mmol,72%)を得る。
化学式:C2124 M=336g.mol−1
Rf=0.35(ヘキサン/AcOEt 3/7)
F=78℃‐81℃
H NMR(CDCl):8.08(sl,1H,NH);7.53(d,J=7.3Hz,1H,H‐11);7.26(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.22‐7.10(m,2H,H‐12およびH‐13);5.48‐5.32(m,1H,H‐20);4.05(s,1H,H‐5);3.73(s,3H,COCH);3.62‐3.46(m,1H,H‐7);3.44‐3.24(m,2H,H‐7およびH‐8);3.18‐3.10(m,1H,H‐19);3.08‐2.92(m,2H,H‐19およびH‐8);2.88‐2.74(m,1H,H‐1);2.44‐2.26(m,2H,H‐3);2.20‐2.08(m,1H,H‐2);1.90‐1.78(m,1H,H‐1);1.62(d,J=6.7Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):175.2;137.7;135.9;129.5;122.6;120.1;119.4;119.0;111.2;111.1;64.2;56.1;53.8;53.3;51.1;38.0;30.3;27.9;22.0;13.4.
IR(フィルム):3368,2916,2855,1714,1461,1264,740cm−1
MS(ESI TOF):337〔M+H〕(100).
〔α〕 20=+35(c=2.3;CHCl
‐カルボメトキシイソカタランチン(11)
Figure 0005280364
0℃において、THF(10mL)中水素化カリウム(0.72g,6.3mmol,1.5当量)の懸濁液にTHF(20mL)中、10(1.35g,4mmol,1当量)の溶液を滴下する。攪拌下0℃において30分間後、クロロギ酸メチル(0.5mL,6.3mmol,1.5当量)を滴下する。攪拌下、0℃において1h後、反応媒体を環境温度に戻し、攪拌を18h維持する。飽和KCOの水溶液(10mL)を加える。水相をCHCl(3×20mL)で抽出し、有機相を集め、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH97/3)により精製し、白色固体物の形態で11(1.3g,3.3mmol,82%)を得る。
化学式:C2326 M=394g.mol−1
Rf=0.4(CHCl/MeOH94/6)
F=62℃‐64℃
H NMR(CDCl):8.08(d,J=7.9Hz,1H,H‐11);7.48(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.38‐7.16(m,2H,H‐12およびH‐13);5.32‐5.18(m,1H,H‐20);4.06(s,1H,H‐5);3.86(s,3H,COCH);3.68(m,1H,H‐7);3.54(s,3H,COCH);3.40‐3.12(m,2H,H‐7およびH‐8);2.99(m,1H,H‐19);2.86(m,1H,H‐19);2.80‐2.65(m,2H,H‐8およびH‐1);2.44(d,J=16Hz,1H,H‐3);2.30(d,J=16Hz,1H,H‐3);2.06(m,1H,H‐2);1.76(d,J=14Hz,1H,H‐1);1.56(d,J=6.7Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):173.4;151.8;138.1;135.8;129.5;124.6;122.7;119.7;118.2;115.5;60.6;57.9;54.1;53.0;52.0;37.5;29.7;27.9;21.8;12.6.
MS(ESI TOF):395〔M+H〕(100).
HRMS(TOF MS ES+):
2327の計算値 395.1971
実測値 395.1956
〔α〕 20=+48(c=1.0;CHCl
‐カルボメトキシ‐19‐オキソイソカタランチン(12)
Figure 0005280364
NaCO(675mg,6.4mmol,9.3当量)の水溶液5mLに、THF(10mL)中、11(270mg,0.69mmol,1当量)の溶液を加える。THF(12mL)中、ヨウ素(800mg,3.2mmol,4.6当量)の溶液を0℃において滴下する。反応混合液を次いで環境温度に戻し、18時間攪拌する。次いでNaで飽和された水溶液(15mL)を加え、反応混合液を攪拌下において30分間放置する。水相を次いでCHCl(3×20mL)で抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 98/2)により精製し、白色固体物の形態により12(230mg,0.56mmol,82%)を得る。
化学式:C2324 M=408g.mol−1
Rf=0.4(CHCl/MeOH 94/6)
F=94℃‐96℃
H NMR(CDCl):8.04‐7.97(m,1H,H‐11);7.52‐7.43(m,1H,H‐14);7.36‐7.21(m,2H,H‐12およびH‐13);5.53‐5.41(m,1H,H‐20);4.66(s,1H,H‐5);4.32‐4.17(m,1H,H‐7);3.93(s,3H,COCH);3.60(s,3H,COCH);3.28‐3.15(m,3H,H‐7およびH‐8);2.97(dd,J=14HzおよびJ=1.8Hz,1H,H‐1);2.84‐2.76(m,1H,H‐2);2.56‐2.48(m,2H,H‐3);2.00‐1.89(m,1H,H‐1);1.59(d,J=6.7Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):174.6;172.0;151.6;136.4;135.1;132.5;129.2;124.9;122.8;120.9;118.1;117.0;115.6;61.5;60.1;58.7;53.2;52.1;40.3;38.9;37.2;28.5;21.2;20.8;13.9;13.1.
MS(ESI TOF):409〔M+H〕(100);817〔2M+H〕(34).
〔α〕 20=+255(c=0.4;CHCl
(4R,20R)‐N‐カルボメトキシ‐3‐ヒドロ‐4,20‐ジヒドロキシ‐19‐オキソカタランチン(13)
Figure 0005280364
0℃において、アセトン/水混合液(8/1)(27mL)中、12(1.26g,3.08mmol,1当量)の溶液に、t‐BuOH中OsOの溶液(2.5%,1.9mL,0.154mmol,0.05当量)、次いで15分間後に少しずつNMO(0.72g,6.2mmol,2当量)を加える。0℃において15分間後、反応混合液を攪拌下環境温度において18h放置する。Naの飽和水溶液(15mL)および水(15mL)を加えることにより反応を止め、攪拌下において20分間放置する。反応混合液をCHCl(4×30mL)により抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 97/3)により精製し、白色固体物の形態で13(1.16g,2.61mmol,85%)を得る。
化学式:C2326 M=442g.mol−1
Rf=0.5(CHCl/MeOH 9/1)
F=102℃‐104℃
H NMR(CDCl):7.98(d,J=7.9Hz,1H,H‐11);7.44(d,J=7.9Hz,1H,H‐14);7.35‐7.20(m,2H,H‐12およびH‐13);4.77(s,1H,H‐5);4.30‐4.18(m,1H,H‐7);4.05‐3.93(m,1H,H‐20);3.92(s,3H,COCH);3.63(s,3H,COCH);3.34‐3.08(m,3H,H‐7およびH‐8);2.88(dd,J=14.0Hz,J=1.8Hz,1H,H‐1);2.65‐2.60(m,1H,H‐2);2.02‐1.74(m,3H,H‐1およびH‐3);1.16(d,J=6.1Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):174.1;172.5;151.7;135.3;129.0;125.1;123.0;118.2;117.2;115.6;69.8;59.2;55.9;53.4;53.3;52.9;42.1;38.5;37.5;36.7;21.1;17.8.
IR(KBr錠):3402,2954,1741,1657,1458,760cm−1
MS(ESI TOF):443〔M+H〕(11);465〔M+Na〕(100);907〔2M+Na〕(36).
HRMS(TOF MS ES+):
2326Naの計算値 465.1638
実測値 465.1631
〔α〕 20=+97(c=0.5;CHCl
(4R,20R)‐N‐カルボメトキシ‐3‐ヒドロ‐4,20‐ジヒドロキシサルフェート‐19‐オキソカタランチン(14)
Figure 0005280364
0℃において、CHCl(5mL)中、ジオール13(200mg,0.45mmol,1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.15mL,1.04mmol,2.3当量)を加え、次いで塩化チオニル(43μL,0.59mmol,1.3当量)を滴下する。0℃において30分間後、NaClで飽和された溶液(5mL)および水(5mL)を加えることにより反応を止める。水相をCHCl(3×10mL)で抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いで7.5mL CHCNおよび6.5mL HOの混合液へ直接入れ、激しく攪拌する。RuCl(5mg,0.023mmol,0.05当量)およびNaIO(242mg,1.13mmol,2.5当量)を次いで連続的に加え、1h30後にEtO(12mL)を加える。攪拌を10分間延長する。水相を3×10mL EtOで抽出し、次いで合わせた有機相を水(30mL)、NaHCOで飽和された溶液(30mL)およびNaClで飽和された溶液(30mL)により洗浄する。有機相を次いでNaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。シリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 98/2)による精製から、白色固体物の形態により14(137mg,0.27mmol,60%)を得る。
化学式:C2324S M=504g.mol−1
Rf=0.5(CHCl/MeOH 95/5)
F=140℃‐142℃
H NMR(CDCl):7.98(d,J=7.3Hz,1H,H‐11);7.44(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.37‐7.30(m,2H,H‐12およびH‐13);5.12(s,1H,H‐5);4.75(q,J=6.7Hz,1H,H‐20);4.24‐4.13(m,1H,H‐5);3.99(s,3H,CO );3.68(s,3H,CO );3.53‐3.47(m,1H,H‐7);3.35‐2.95(m,2H,H‐8);2.97(dd,J=14.0HzおよびJ=1.6Hz,1H,H‐1);2.90‐2.85(m,1H,H‐2);2.45‐2.38(m,2H,H‐3);2.02‐1.96(m,1H,H‐1);1.64(d,J=6.7Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):173.2;171.5;152.4;136.1;134.8;129.3;125.6;123.5;118.8;117.5;116.0;94.8;84.9;56.9;55.1;54.0;53.4;40.9;38.4;37.7;32.3;21.2;15.8.
IR(KBr錠):1735,1687,1459,1382,1215,904cm−1
MS(ESI TOF):505〔M+H〕(100);1009〔M+Na〕(13).
〔α〕 20=+165(c=0.3;CHCl
(20R)‐N‐カルボメトキシ‐20‐ヒドロキシ‐19‐オキソカタランチン(15)
Figure 0005280364
THF(25mL)中、サルフェート14(1.59g,3.16mmol,1当量)の溶液にNBuFの溶液(THF中、1M,6.3mL,6.3mmol,2当量)を滴下する。環境温度において18hの攪拌後、THF中、2M HSOの溶液(37mL)および3.7mL水を加える。環境温度において48hの攪拌後、NaHCOで飽和された溶液(200mL)を加える。水相をAcOEt(4×50mL)で抽出し、有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、次いで真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィーにより精製し、白色固体物の形態により15(828mg,1.95mmol,62%)を単離する。
化学式:C2324 M=424g.mol−1
Rf=0.3(CHCl/MeOH 95/5)
F=188℃‐190℃
H NMR(CDCl):7.98(d,J=7.9Hz,1H,H‐11);7.44(d,J=7.9Hz,1H,H‐14);7.35‐7.20(m,2H,H‐12およびH‐13);6.43(d,J=6.3Hz,1H,H‐3);5.24(d,J=1.7Hz,1H,H‐5);4.41‐4.33(m,1H,H‐20);4.17‐4.03(m,1H,H‐7);3.94(s,3H,COCH);3.57(s,3H,COCH);3.47‐3.17(m,4H,H‐8,H‐2およびH‐7);2.88(dd,J=14.0HzおよびJ=1.8Hz,1H,H‐1);2.02(dd,J=14.0HzおよびJ=1.8Hz,1H,H‐1);1.33(d,J=6.1Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):174.1;173.8;152.0;145.3;136.6;135.3;129.3;128.5;125.1;123.1;118.4;116.7;115.8;67.1;58.0;54.3;53.6;52.8;44.0;40.7;38.4;21.3;21.1.
IR(KBr錠):3414,2944,1743,1653,1458,1437,1327,1242,754cm−1
MS(ESI TOF):447〔M+Na〕(100);871〔2M+Na〕(64).
〔α〕 20=+181(c=0.7;CHCl
‐カルボメトキシ‐19,20‐ジオキソカタランチン(16)
Figure 0005280364
8mLのジクロロメタン中、アリル系アルコール15(100mg,0.236mmol,1当量)の溶液を0℃に冷却する。140mgの活性化二酸化マンガン(16mmol,70当量)を一度にこれへ加える。得られた黒色懸濁液を窒素雰囲気下、0℃において1h30攪拌し、次いで環境温度へ戻す。反応混合液をセライト545で濾過し、次いでジクロロメタンを用いて十分に洗浄する。濾液を減圧下で濃縮させ、白色固体物の形でエノン16(85mg,0.201mmol,85%)を得る。
化学式:C2322 M=422g.mol−1
Rf=0.4(EtOAc)
F=108℃‐110℃
H NMR(CDCl):8.01(d,J=8.5Hz,1H,H‐11);7.49(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.45(d,J=6.7Hz,1H,H‐3);7.37‐7.23(m,2H,H‐12およびH‐13);5.80(d,J=1.8Hz,1H,H‐5);4.18‐4.02(m,1H,H‐7);3.91(s,3H,COCH);3.65(m,1H,H‐2);3.49(s,3H,COCH);3.48‐3.34(m,1H,H‐8);3.32‐3.16(m,2H,H‐7およびH‐8);2.82(dd,J=12.8HzおよびJ=2.4Hz,1H,H‐1);2.35(s,3H,H‐21);2.07(dd,J=13.4HzおよびJ=3.0Hz,1H,H‐1).
13C NMR(CDCl):193.3;172.2;171.6;151.9;143.6;142.3;135.8;135.3;129.2;125.2;123.1;118.4;117.0;115.8;57.3;53.5;52.6;52.5;45.5;41.3;37.4;24.6;20.9.
IR(KBr錠):1740,1668,1252,751cm−1
MS(ESI TOF):423〔M+H〕(10);445〔M+Na〕(100);867〔2M+Na〕(32).
HRMS(TOF MS ES+):
2322Naの計算値 445.1376
実測値 445.1357
〔α〕 20=+183(c=1.8;CHCl
20,20‐ジフルオロ‐19‐オキソカタランチン(17)
フッ素化:N‐カルボメトキシ‐20,20‐ジフルオロ‐19‐オキソカタランチン
Figure 0005280364
エノン16(300mg,0.71mmol,1当量)をDeoxofluor(3mL,16.4mmol,23当量)の溶液へ入れる。3滴のエタノールを次いで加え、反応混合液を攪拌下80℃において24h放置する。0.6mLのDeoxofluor(3.3mmol,5当量)および2滴のエタノールを次いで加え、攪拌をこの温度において、更に48h続ける(出発物質が消失するまで、反応をH NMRで追跡する)。反応媒体を200mLのジクロロメタンで希釈し、KCOで飽和された水溶液100mLを次いで加える。混合液を攪拌下環境温度で15分間放置し、次いで水相を3×50mLのジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカゲルで2回の濾過(CHCl/MeOH98/2およびC12/AcOEt6/4)により精製し、残渣を次の段階へ入れる。
化学式:C2322 M=444g.mol−1
Rf=0.3(ヘキサン/AcOEt 40/60)
H NMR(CDCl):8.01‐7.99(m,1H,H‐11);7.53‐7.47(m,1H,H‐14);7.38‐7.28(m,2H,H‐12およびH‐13);6.87‐6.77(m,1H,H‐3);5.36(d,J=1.8Hz,1H,H‐5);4.20‐4.03(m,1H,H‐7);3.93(s,3H,COCH);3.61‐3.54(m,1H,H‐2);3.57(s,3H,COCH);3.45‐3.20(m,3H,H‐8およびH‐7);2.93‐2.83(m,1H,H‐1);2.09‐1.98(m,1H,H‐1);1.81(dd,J=18Hz,J=18Hz,3H,H‐21).
インドール:20,20‐ジフルオロ‐19‐オキソカタランチン(17)の脱保護
Figure 0005280364
100mLのメタノール中、上記保護20,20‐ジフルオロカタランチンの溶液に2gの炭酸カリウム(14.5mmol)を一度に加え、懸濁液を環境温度において18h攪拌する。50mLの水を次いで現在透明の反応媒体へ加え、混合液を3×50mLジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧下において濃縮する。得られた残渣をシクロヘキサン/酢酸エチル混合液7/3中で沈殿させ、白色固体物の形態で17(118mg,0.307mmol,2工程で43%)を得る。
化学式:C2120 M=386g.mol−1
Rf=0.3(CHCl/MeOH 95/5)
H NMR(CDCl):7.95(s,1H,NH);7.52(d,J=Hz,1H,H‐11);7.26(d,J=Hz,1H,H‐14);7.16‐7.11(m,2H,H‐12およびH‐13);6.83(m,1H,H‐3);5.55(d,J=1Hz,1H,H‐5);4.24(m,1H,H‐7);3.67(s,3H,COCH);3.58(m,1H,H‐2);3.36‐3.24(m,3H,H‐8およびH‐7);2.82(dd,J=13Hz,J=2Hz,1H,H‐1);2.27(dd,J=13Hz,J=2Hz,1H,H‐1);1.82(dd,J=18Hz,J=18Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):172.8;171.6;139.5(t,J=30Hz);135.8;135.2(t,J=9Hz);133.8;127.7;122.4;119.7;119.1(t,J=233Hz);118.4;110.6;108.8;56.3;53.6;53.0;44.0;42.8;35.6;;22.4(t,J=28z);20.7.
〔α〕 20=+155(c=0.4;CHCl
20,20‐ジフルオロカタランチン(6)
Figure 0005280364
50mLのテトラヒドロフラン中、17(140mg,0.36mmol,1当量)の溶液に360mgの水素化ホウ素ナトリウム(9.5mmol,26.5当量)を一度に加える。得られた懸濁液を0℃に冷却し、攪拌および窒素雰囲気下に置く。1.9mL(14.6mmol,40.5当量)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を滴下し、次いで反応混合液を環境温度に戻し、3h攪拌する。溶媒を真空下において蒸発させ、30mLのメタノールと入れ替え、それに6mLの水および4.5mLの10%塩酸溶液を加える。全体を環境温度において15h攪拌する。メタノールを蒸発させ、20mLのジクロロメタンと入れ替える。媒体を炭酸水素ナトリウムで飽和された水溶液40mLの添加により中和し、次いで3×20mLのジクロロメタンにより抽出する。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧下において濃縮する。シリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 98/2)による残渣の精製から、白色固体物の形態で74mg(0.2mmol,55%)の6を得る。
化学式:C2122 M=372g.mol−1
Rf=0.5(CHCl/MeOH 95/5)
H NMR(CDCl):7.68(s,1H,NH);7.53(d,J=7.5Hz,1H,H‐11);7.27(d,J=7.5Hz,1H,H‐14);7.20(td,J=7.5Hz,J=1.5Hz,1H,H‐13);7.14(td,J=7.5Hz,J=1.5Hz,1H,H‐12);6.61(m,1H,H‐3);4.64(d,J=2Hz,1H,H‐5);3.72(s,3H,COCH);3.63(ddd,J=14Hz,J=10Hz,J=5Hz,1H,H‐7);3.43(ddd,J=14Hz,J=5Hz,J=5Hz,1H,H‐7);3.32(ddd,J=17Hz,J=10Hz,J=5Hz,1H,H‐8);3.01(ddd,J=17Hz,J=5Hz,J=5Hz,1H,H‐8);2.88(m,3H,H‐2およびH‐19);2.81(dd,J=13Hz,J=2Hz,1H,H‐1);1.84(dd,J=18Hz,J=18Hz,3H,H‐21);1.81(d,J=13Hz,1H,H‐1).
13C NMR(CDCl):173.4;143.3(t,J=28Hz);136.1;135.3;132.1(t,J=9Hz);128.8;122.1;119.7(t,J=232Hz);119.4;118.3;110.6;110.4;57.0;55.3;52.7;52.3;47.0;37.0;30.8;22.6(t,J=28z);21.6.
SM(ESI TOF):353〔M−HF+H〕(6);373〔M+H〕(100).
〔α〕 20=+43(c=0.4;CHCl
(4R)‐N‐カルボメトキシ‐3‐ヒドロ‐4‐ヒドロキシ‐19,20‐ジオキソカタランチン(18)
Figure 0005280364
−65℃に維持されたCHCl(25mL)中、塩化オキサリル(0.56mL,6.47mmol,2.2当量)の溶液にCHCl(0.850mL)中、DMSO(1.15mL,16.2mmol,5.5当量)の溶液を滴下する。混合液を20分間攪拌し、次いでCHCl(25mL)中、ジオール13(1.3g,2.94mmol,1当量)の溶液を滴下しながら、温度を−60℃〜−65℃に調節する。45分間の攪拌後、トリエチルアミン(3.7mL,26.5mmol,9.0当量)を加え、次いで混合液の温度を45分間かけて環境温度に戻す。水(20mL)および塩水(10mL)を加え、次いで反応混合液をCHCl(3×50mL)により抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH97/3)により精製し、白色固体物の形でケト‐アルコール18(647mg,1.47mmol,50%)および13(520mg,1.17mmol,40%)を得る。
化学式:C2324 M=440g.mol−1
F=123℃‐125℃
Rf=0.2(AcOEt)
H NMR(CDCl):7.97(d,J=8.5Hz,1H,H‐11);7.44(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.35‐7.20(m,2H,H‐12およびH‐13);5.16(sl,1H,OH);5.04(s,1H,H‐5);4.23‐4.04(m,1H,H‐7);3.91(s,3H,COCH);3.48(s,3H,COCH);3.41‐3.35(m,2H,H‐7およびH‐8);3.35‐3.11(m,1H,H‐8);2.85(dd,J=14.0HzおよびJ=1.8Hz,1H,H‐1);2.79‐2.71(m,1H,H‐2);2.59(d,J=14.0Hz,1H,H‐3);2.25(s,3H,H‐21);2.26‐2.15(m,1H,H‐3);1.91‐1.79(m,1H,H‐1).
13C NMR(CDCl):204.5;174.3;173.0;151.9;137.1;135.0;129.3;125.1;123.1;118.4;116.6;115.8;57.6;54.9;53.5;52.7;42.1;38.9;38.6;34.9;24.7;21.2.
IR(KBr錠):3270,2953,1732,1652,1461,759,747cm−1
MS(ESI TOF):441〔M+H〕(100).
HRMS(TOF MS ES+):
2324Naの計算値 463.1481
実測値 463.1472
〔α〕 20=+121(c=0.4;CHCl
(4R)‐N‐カルボメトキシ‐20,20‐ジフルオロ‐3‐ヒドロ‐4‐ヒドロキシ‐19‐オキソカタランチン(19)
Figure 0005280364
−78℃において、CHCl(1mL)中、ケト‐アルコール18(44mg,0.1mmol,1当量)の溶液にDAST(67μL,0.5mmol,5当量)を加える。反応混合液を次いで攪拌下環境温度において18h放置する。次いで、10%のNaHCOの水溶液(5mL)を0℃において滴下し、混合液を攪拌下環境温度において15分間放置し、次いで水相をCHCl(3×10mL)により抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/AcOEt6/4)により精製し、19(26mg,0.056mmol,56%)を得る。
化学式:C2224 M=462g.mol−1
Rf=0.3(EtOAc)
H NMR(CDCl):7.98(d,J=8.5Hz,1H,H‐11);7.49(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.36‐7.26(m,2H,H‐12およびH‐13);5.74(s,1H,H‐5);4.21‐4.05(m,1H,H‐7);3.97(s,3H,COCH);3.66(s,3H,COCH);3.30‐3.15(m,4H,H‐8,H‐7およびH‐1);2.73(m,1H,H‐2);2.62‐2.52(m,1H,H‐1);2.15‐2.05(m,1H,H‐3);1.83(d,J=14Hz,1H,H‐1);1.66(dd,J=19Hz,J=19Hz,3H,H‐21).
MS(ESI TOF):485〔M+Na〕(100).
‐カルボメトキシ‐20‐フルオロ‐19‐オキソカタランチン(22)
Figure 0005280364
CHCl(0.1mL)中、DAST(8μL,0.06mmol,1.2当量)の溶液にCHCl(0.7mL)中アリル系アルコール15(20mg,0.05mmol,1当量)を加える。反応混合液を次いで攪拌下環境温度において15分間放置する。次いで、KCOの飽和水溶液(2mL)を0℃において滴下し、混合液を攪拌下環境温度において15分間放置し、次いで水相をCHCl(3×2mL)で抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでプレパラティブシリカプレート(溶離液:CHCl/MeOH98/2)により精製し、二種のエピマーAおよびBの形態で22(10mg,0.023mmol,49%)を得る。
化学式:C2323FN M=426g.mol−1
Rf=0.4(CHCl/MeOH95/5)
H NMR(CDCl):8.02(d,J=7.9Hz,1H,H‐11);7.49(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.35‐7.20(m,2H,H‐12およびH‐13);6.53‐6.48(m,1H,H‐3);5.26(d,J=1.8Hz,1H A,H‐5);5.22(d,J=1.8Hz,1H B,H‐5);4.98(dq,J=47.6HzおよびJ=6.1Hz,1H,H‐20);4.20‐4.04(m,1H,H‐7);3.93(s,3H,COCH);3.59(s,3H,COCH);3.53‐3.48(m,1H,H‐7);3.43‐3.19(m,3H,H‐8およびH‐2);2.89‐2.77(m,1H,H‐1);1.90(d,J=13.4Hz,1H,H‐1);1.51(dd,J=23.8Hz,J=6.7Hz,1H A,H‐21);1.46(dd,J=23.8Hz,J=6.7Hz,1H B,H‐21).
13C NMR(CDCl):173.5;171.8;171.6;151.9;142.1;141.9;136.5;136.4;135.3;130.0;129.3;125.1;123.1;118.3;116.8;115.8;87.7(d,J=161Hz);87.6(d,J=161Hz);57.9;57.7;55.2;54.7;53.4;53.3;52.6;44.3;41.1;40.9;40.6;38.7;37.4;29.6;21.5;21.1;19.1(d,J=23Hz);18.4(d,J=23Hz).
MS(ESI TOF):465〔M+K〕(100),891〔2M+K〕(33).
‐カルボメトキシカタランチン(26)
Figure 0005280364
THF(6mL)中、(+)‐カタランチン2(1.0g,3.0mmol,1当量)の溶液を0℃においてTHF(5mL)中、水素化カリウム(510mg,4.5mmol,1.5当量)の懸濁液に滴下する。攪拌下0℃において1h後、クロロギ酸メチル(0.35mL,4.5mmol,1.5当量)を滴下する。攪拌下0℃において30分間後、飽和KCOの水溶液(10mL)を加える。水相をCHCl(3×10mL)により抽出し、有機相を集め、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH97/3)で精製し、白色固体物の形態で26(280mg,2.1mmol,70%)を得る。
化学式:C2326 M=394g.mol−1
H NMR(CDCl):8.10(d,J=7.3Hz,1H,H‐11);7.49(d,J=7.3Hz,1H,H‐14);7.33‐7.24(m,2H,H‐12およびH‐13);5.99(m,1H,H‐3);4.21(s,1H,H‐5);3.87(s,3H,COCH);3.65(m,1H,H‐7);3.54(s,3H,COCH);3.23(m,1H,H‐8);3.03‐2.85(m,3H,H‐7およびH‐19);2.47(m,2H,H‐2およびH‐8);2.48(d,J=8.5Hz,1H,H‐1);2.24(m,1H,H‐20);1.91(m,1H,H‐20);1.71(d,J=10.3Hz,1H,H‐1);1.08(d,J=7.3Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):172.9;151.7;147.3;138.6;135.9;129.5;124.5;123.3;122.7;119.6;118.2;115.4;58.5;55.9;55.8;52.9;52.7;52.0;38.2;31.5;26.7;21.9;10.3.
‐カルボメトキシ‐9‐オキソカタランチン(27)
Figure 0005280364
NaCO(2.07g,19.5mmol,9.3当量)の水溶液15mLにTHF(30mL)中、26(820mg,2.1mmol,1当量)の溶液を加える。THF(40mL)中、ヨウ素(2.46g,9.7mmol,4.6当量)の溶液を0℃において滴下する。反応混合液を次いで環境温度に戻し、18時間攪拌する。次いでNaで飽和された水溶液(30mL)を加え、反応混合液を攪拌下で30分間放置する。水相を次いでCHCl(3×30mL)で抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 98/2)により精製し、白色固体物の形態により27(787mg,1.93mmol,92%)を得る。
化学式:C2324 M=408g.mol−1
H NMR(CDCl):8.06‐7.98(m,1H,H‐11);7.53‐7.44(m,1H,H‐14);7.36‐7.22(m,2H,H‐12およびH‐13);6.23‐6.17(m,1H,H‐3);4.84(d,J=1.8Hz,1H,H‐5);4.19‐4.03(m,1H,H‐7);3.92(s,3H,COCH);3.60(s,3H,COCH);3.47‐3.37(m,1H,H‐2);3.36‐3.15(m,3H,H‐8およびH‐7);2.83‐2.73(m,1H,H‐1);2.24‐1.89(m,3H,H‐20およびH‐1);1.08(t,J=7.3Hz,3H,H‐21).
13C NMR(CDCl):174.5;171.9;151.8;144.1;136.8;135.3;129.3;125.6;125.0;123.0;118.2;116.8;115.7;59.0;57.7;53.4;52.4;44.1;41.0;37.8;26.5;21.1;11.0.
IR(フィルム):2996,2959,2881,1739,1681,1461,143cm−1
MS(IC):409〔M+H〕(100).
〔α〕 20=+141(c=1.9;CHCl
(20R)‐N‐カルボメトキシ‐20‐ヒドロキシ‐19‐オキソカタランチン(15)を得るために保護カタランチン(27)のアリル位酸化
Figure 0005280364
25mLの圧力チューブ中で、50mgの保護カタランチン27(0.123mmol,1当量)を1.5mLの95%エタノールに溶解する。2.5mLの95%エタノール中、51mgの二酸化セレン(0.459mmol,3.7当量)の溶液を加える。チューブをテフロンコルク(ジョイント装備)で密封し、磁気攪拌下120℃(油浴の温度)において置く。24時間後、40mg(0.36mmol,2.9当量)のSeOを(固体形で)一度に加える。この操作を4日間にわたり24時間毎に繰返す(毎添加前、安全にコルクを抜くために、チューブを環境温度に戻す)。5日間の反応後、出発物質が完全に消費される。反応混合液を環境温度に戻し、EtOで希釈する。それを20mLの塩水により洗浄する。水相をEtO(3×20mL)により抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(CHCl/MeOH98/2、次いで95/5)により精製し、アリル系アルコール15で表される35mg(0.083mmol,67%)の白色固体物を得るが、そのスペクトル特性はイソカタランチンを用いるプロトコールで得られたアリル系アルコールのものと一致する。
20,20‐ジフルオロカタランチン(6)、脱保護後の(4R)‐N‐カルボメトキシ‐20,20‐ジフルオロ‐3‐ヒドロ‐4‐ヒドロキシ‐19‐オキソカタランチン(19)および脱保護のN‐カルボメトキシ‐20‐フルオロ‐19‐オキソカタランチン(22)は、先行技術においてそれ自体周知の手法で、ビンドリンとカップリングされ、次いで環縮小反応および必要ならば環内二重結合C3′‐C4′の還元に付されて、ビンフルニン(1)、20′,20′‐ジフルオロビンブラスチン(21)および20′‐フルオロビノレルビン(25)を各々生じ、次いでこれらは二重結合の還元の追加工程に付して一フッ素化ビンフルニンアナログへ至る。
4′,20′‐アンヒドロビンブラスチン(28)
Figure 0005280364
60mLのグリシン緩衝液および100mLの0.1M塩酸水溶液の混合液に1g(2.98mmol,1当量)のイソカタランチン10を一度に加える。完全溶解後、1.36g(1当量)のビンドリン、次いで2.43g(5当量)のFeClを加える。窒素雰囲気下に置かれた反応混合液を環境温度において15h攪拌する。反応を15mLの28%NH水溶液中172mg(1.5当量)のNaBHの溶液の滴下により止める。環境温度において10分間の攪拌後、30mLのCHClおよび30mLのロッシェル塩の溶液を加え、混合液を激しく4h攪拌する。それを次いでCHCl(4×80mL)により抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において濃縮する。粗生成物を次いでシリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 95/5)により精製し、28(1.18g,1.49mmol,50%)を得る。
化学式:C4656 M=792g.mol−1
H NMR(CDCl):9.82(sl,1H);7.99(sl,1H);7.45(d,J=7.6Hz,1H);7.20‐7.05(m,3H);6.52(s,1H);6.10(s,1H);5.85(dd,J=4および10Hz,1H);5.57(q,J=6.4Hz,1H);5.43(s,1H);5.28(d,J=12Hz,1H);3.81(s,3H);3.78(s,3H);3.76(s,1H);3.61(s,3H);3.60‐3.08(m,10H);2.91‐2.79(m,2H);2.72(s,3H);2.65(s,1H);2.45‐2.31(m,3H);2.16‐2.05(m,5H);1.84‐1.71(m,2H);1.67(d,J=6.4Hz,3H);1.35‐1.29(m,1H);1.24‐1.18(m,1H);0.78(t,J=7.6Hz,3H).
13C NMR(CDCl):8.3;12.8;21.1;24.6;30.7;31.8;33.3;34.7;38.2;42.6;44.6;47.5;50.0;50.2;52.2;52.4;53.2;55.2;55.8;56.9;59.9;65.2;76.4;79.7;83.2;94.0;110.5;116.8;118.2;119.0;119.8;120.6;122.5;122.7;123.3;124.6;129.0;129.9;130.0;133.1;135.1;152.8;158.0;170.9;171.6;174.6.
MS(ESI‐TOF):793〔M+H〕(100).
ノル‐7′‐4′,20′‐アンヒドロビンブラスチン(29)
Figure 0005280364
0℃において、3mLのCHCl中30μL(1当量)のトリフルオロ酢酸の溶液を3mLの無水CHClで希釈された296mg(0.374mmol,2当量)の4′,20′‐アンヒドロビンブラスチン28の溶液に滴下する。10分間の攪拌後、混合液を−78℃において冷却し、3mLのCHCl中、67mg(1当量)のNBS溶液を滴下する。−78℃において20分間後、冷浴を取除き、15分間後に15mLの10%KCO水溶液を加える。混合液をCHCl(3×15mL)により抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において濃縮する。粗生成物を40mLのTHF/水1/1混合液に溶解し、182mg(2.5当量)のテトラフルオロホウ酸銀を一度に加える。混合液を環境温度に戻し、30mLの10%NaCO水溶液を加える。混合液をEtO(2×30mL)、次いでCHCl(2×30mL)で抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において濃縮する。シリカでクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH 93/7)による精製から、ベージュ色固体物の形で29(58mg,0.075mmol,20%)を得る。
化学式:C4554 M=778g.mol−1
H NMR(CDCl):9.81(s,1H);8.40(s,1H);7.81(d,J=8Hz,1H);7.18‐7.09(m,3H);6.28(s,1H);6.09(s,1H);5.84(dd,J=4および10.4Hz,1H);5.74(q,J=6.4Hz,1H);5.38(s,1H);5.26(d,J=10.8Hz,1H);4.55‐4.45(m,2H);3.86(d,J=13.6Hz,1H);3.82(s,3H);3.77(s,3H);3.71(s,1H);3.68(s,3H);3.50‐3.21(m,5H);2.81‐2.71(m,6H);2.63‐2.45(m,4H);2.12‐2.05(m,4H);1.83(m,12H);1.77(d,J=6.4Hz,3H);1.91(m,1H);1.41(m,1H);1.23(m,1H);0.69(t,J=7.6Hz,3H).
13C NMR(CDCl):8.1;13.0;21.0;30.0;30.6;32.4;33.5;38.1;42.6;44.5;45.4;47.5;49.7;50.2;52.1;52.7;53.2;55.0;55.7;59.8;65.0;76.3;79.6;83.0;93.9;110.4;118.9;119.8;120.6;122.2;122.9;123.3;124.8;128.4;129.7;133.5;134.5;152.9;157.9;170.8;171.5;174.0.
MS(ESI‐TOF):779〔M+H〕(100).

Claims (29)

  1. 下記一般式Iで表されるフッ素化カタランチン誘導体:
    Figure 0005280364
    〔上記式中:
    ‐点線は、置換‐Xが存在しない場合に二重結合であり、他方‐Xが下記群の置換:
    ・H、または
    ・O
    (Rは、水素原子またはC‐Cの直鎖状もしくは分岐状アルキル基を表す)を表す場合には単結合である可能性を表し、
    基RおよびRの少なくとも一方がフッ素の原子を表す条件により、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、フッ素の原子、またはメチル基を表し、および
    ‐n=2〕。
  2. 点線付の線が二重結合となり、Rがメチル基を表し、R、Rが各々フッ素の原子を表し、n=2である、請求項1の式に記載の20,20‐ジフルオロカタランチン。
  3. 点線付の線が二重結合となり、R、R、およびRが、各々、水素、フッ素、およびメチル基を表し、n=2である、請求項1の式に記載の20‐フルオロカタランチン。
  4. 点線に結合が存在せず、‐Xが基‐OHを表し、Rがメチル基であり、R、Rが各々フッ素の原子を表し、n=2である、請求項1の式に記載の20,20‐ジフルオロ‐4‐ヒドロキシカタランチン。
  5. ビンカのフッ素化二量体アルカロイドの製造に有用な合成中間体としての、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカタランチンのフッ素化誘導体の使用。
  6. ビンカのフッ素化二量体アルカロイドがビンフルニンである、請求項5に記載の使用。
  7. 二量体アルカロイドの製造が、ビンドリンまたはビンドリンの誘導体とのカップリング反応を伴うことを特徴とする、請求項5または6に記載の使用。
  8. ビンフルニンが、ビンドリンを20,20‐ジフルオロカタランチンとカップリングさせて、20′,20′‐ジフルオロ‐3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンへ至ることにより製造されることを特徴とする、請求項に記載の使用。
  9. 前記カップリングから得られる20′,20′‐ジフルオロ‐3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンが、環縮小反応、次いでC3′‐C4′位において環内二重結合の還元反応へ付されることを特徴とする、請求項に記載の使用。
  10. フッ素化反応前にカタランチンの側鎖の酸化を伴うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカタランチンのフッ素化誘導体の製造方法。
  11. 前記酸化が、接触水素化により環外位置への環内二重結合の異性化による側鎖の活性化の工程により先行されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記環外二重結合が、二窒素原子の保護後に、二ヒドロキシル化反応へ付され、ジオールの形成に至ることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 得られたジオールが環状サルフェートの形態で活性化され、アリル系アルコールへ変換され、次いで対応エノンで酸化され、これが二フッ素化反応、次いでインドールの脱保護およびアミド基の還元に付されて、20,20‐ジフルオロカタランチンへ至ることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. カタランチンの二窒素原子の保護、次いでフッ素化反応前にアルコールまたはケトンでカタランチンの側鎖のアリル位酸化を伴うことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  15. 前記酸化工程が、下記一般式IIで表される酸化カタランチン誘導体の形成へ至る条件下において行われる:
    Figure 0005280364
    (上記式中:
    ‐n=2
    ‐Xは、C=O基を表し、
    ‐Yは、CO R基を表し、Rはアリール基またはC‐Cの直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、および
    ‐ZはCH‐OHまたはC=O基を表す)、請求項10に記載の方法。
  16. 下記一般式IIで表される酸化カタランチン誘導体:
    Figure 0005280364
    (上記式中:
    ‐n=2
    ‐Xは、C=O基を表し、
    ‐Yは、CO R基を表し、Rはアリール基またはC‐Cの直鎖状もしくは分岐状アルキル基を表し、および
    ‐Zは、CH‐OHまたはC=O基を表す)。
  17. ‐n=2、
    ‐XがC=O基を表し、
    ‐YがCOR基を表し、RがC‐Cの直鎖状または分岐状アルキル基を表し、‐ZがCH‐OHまたはC=O基を表す、
    請求項16に記載の式IIの酸化カタランチン誘導体。
  18. ビンカのフッ素化二量体アルカロイドの製造に有用な合成中間体としての、請求項16および17のいずれか一項に記載のカタランチンの酸化誘導体の使用。
  19. ビンカのフッ素化二量体アルカロイドがビンフルニンである、請求項18に記載の使用。
  20. 前記二量体アルカロイドの製造が、カタランチンの酸化誘導体のフッ素化反応、次いで二窒素原子の脱保護を伴い、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカタランチンのフッ素化誘導体へ至ることを特徴とする、請求項18または19に記載の使用。
  21. 前記二量体アルカロイドの製造が、フッ素化および脱保護の反応から得られるカタランチンの前記フッ素化誘導体と、ビンドリンまたはビンドリンの誘導体とのカップリング反応を更に伴うことを特徴とする、請求項20に記載の使用。
  22. ビンフルニンが、Z=C=Oである請求項17に記載のカタランチンの酸化誘導体のフッ素化および二窒素原子の脱保護により得られる20,20‐ジフルオロカタランチンとビンドリンをカップリングさせて、20′,20′‐ジフルオロ‐3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンへ至ることにより製造されることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項に記載の使用。
  23. 前記カップリングから得られる20′,20′‐ジフルオロ‐3′,4′‐アンヒドロビンブラスチンが、環縮小反応、次いでC3′‐C4′位において環内二重結合の還元反応へ付されることを特徴とする、請求項22に記載の使用。
  24. 下記式(10)で表されるイソカタランチン:
    Figure 0005280364
  25. ビンカのフッ素化二量体アルカロイドの製造に有用な合成中間体としての、請求項24に記載のイソカタランチンの使用。
  26. ビンカのフッ素化二量体アルカロイドがビンフルニンである、請求項25に記載の使用。
  27. 前記二量体アルカロイドの製造が、ビンドリンまたはビンドリンの誘導体とのカップリング反応を伴うことを特徴とする、請求項25または26に記載の使用。
  28. ビンフルニンが、ビンドリンをイソカタランチンとカップリングさせて、4′,20′‐アンヒドロビンブラスチンへ至ることにより製造されることを特徴とする、請求項25〜27のいずれか一項に記載の使用。
  29. 前記カップリングから得られる4′,20′‐アンヒドロビンブラスチンが環縮小反応、次いでgem-二フッ素化反応へ付され、これら二工程の順序が可逆的であることを特徴とする、請求項28に記載の使用。
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