JP5278467B2 - リチウム二次電池の充電装置及び充電方法 - Google Patents

リチウム二次電池の充電装置及び充電方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池の充電装置及び充電方法に関する。
ノート型パソコン、携帯電話などの携帯型電子機器の急速な市場拡大に伴い、これらに用いるための、エネルギー密度が大きく、充放電サイクル特性に優れた小型大容量二次電池への要求が高まっている。この要求に応えるためにリチウムイオンを荷電担体として用い、その荷電担体による電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が開発されている。
ところで、リチウム電池は、その電池容量が徐々に低下していく問題があり、サイクル特性として評価されている。その電池容量低下の原因の1つとしては、充放電の繰り返しや保存によって、可逆的に脱離吸蔵されるべきリチウムが、炭素負極との副反応により消費され不活性化することがある。
従来技術では、特許文献1として、正極活物質にLiFePO4、負極に炭素材料、非水電解液にLiPF6及びLiBOB(リチウムビス(オキサラト)ボレート)をそれぞれ含むリチウム二次電池について、サイクル特性を向上する方法が開示されている。特許文献1では、初期の充放電サイクル(1サイクル〜5サイクル目)までに充電電位を4.3V以上に上げることで非水電解液に含有されるLiBOBに由来するBOBアニオンを酸化分解させ、生成したBOBアニオンの分解生成物を正極活物質に被覆することでサイクル特性に優れたリチウム二次電池を実現している。
また、特許文献2では、一般式:xLiMO2・(1−x)LiNO3(ここで、xは、0<x<1を満たす数であり、Mは、平均酸化状態が3+である1つ以上の遷移金属であり、Nは、平均酸化状態が4+である1つ以上の遷移金属である。)で表されるリチウムイオン電池用正極材料において、酸化処理が施されていることを特徴とするリチウムイオン電池用正極材料が開示されている。
特開2009−252489号公報 特開2008−270201号公報 特開2008−167642号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示の発明では、サイクル特性に優れた電池が提供できたとしても、いったん低下した電池容量を回復することは出来なかった。
本発明者らは上記実情に鑑み、鋭意検討を行った結果、充放電方法を改善することにより低下した電池容量を回復する方法に関する知見を得た。
本発明は上記知見に基づいて低下した電池容量を改善できるリチウム二次電池の充電装置及び充電方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るリチウム二次電池の充電装置は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質を備える正負極と、電解質とを備えるリチウム二次電池を充電する装置であって、
前記リチウム二次電池は、前記リチウム二次電池の公称電圧超、前記電解質の分解電位未満の酸化電位をもち、前記正極で酸化可能な被酸化剤を前記電解質又は前記正極中に含有し、
前記リチウム二次電池の使用に伴う複数回の充放電サイクルのうちの一部で前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う電池回復手段を有することを特徴とする。
充電を行う対象であるリチウム二次電池に対して被酸化剤(そのリチウム二次電池の公称電圧超、電解質の分解電位未満の酸化電位をもち、正極で酸化可能に含有されている)を含有させ、その被酸化剤が酸化分解されうる電位にまで充電電位を上げる手段をもっている。
従来のリチウム二次電池の充電では正極からリチウムを放出し、負極にリチウムが挿入されるため、正負極内のリチウム総量は変化しない。しかし、被酸化剤が含有された場合は、充電時に被酸化剤が酸化されることにより、正極でのリチウム脱挿入等の可逆的な酸化還元反応をすることなく負極にリチウムを挿入することができる。その結果、活性なリチウムが増加し、電池容量が増加する。
ここで、充電電位を上げて被酸化剤を酸化分解する頻度を本願発明のように制限していることで電池の構成要素に与える悪影響が抑制できる。
上記課題を解決する請求項2に係るリチウム二次電池の充電装置の特徴は、請求項1において、前記リチウム二次電池の電池容量を測定する電池容量測定手段を持ち、
前記電池回復手段は、測定した電池容量が本電池の初期電池容量を基準として一定の割合にまで低下したときに前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行うことにある。
酸化電位以上の電位での充電を電池容量の低下に応じて電池回復手段にて行うことで、必要にして充分な頻度に近い頻度で電池容量の回復を行うことが出来る。
上記課題を解決する請求項3に係るリチウム二次電池の充電装置の特徴は、請求項1において、前記リチウム二次電池の電池容量を測定する電池容量測定手段を持ち、
前記電池回復手段は、測定した電池容量が以前に前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行った直後の電池容量を基準として一定の割合にまで低下したときに前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行うことにある。
酸化電位以上の電位での充電を電池容量の低下に応じて電池回復手段にて行うことで、必要にして充分な頻度に近い頻度で電池容量の回復を行うことが出来る。ここで、電池容量の低下を判断する基準として、以前に被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行った直後の電池容量を採用することで、電池寿命の末期などにおいて電池容量が大幅に低下しているときに必要以上に高い頻度で電池容量の回復を行うことを防止することで、電池容量の回復を電池性能に悪影響を与えることなく適正に行うことができ、電池の性能を長期間保つことができる。なお、「以前に被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行った直後の電池容量」とは直前に電池容量の回復を行った場合の電池容量の他、2回前、3回前に電池容量の回復を行った後の電池容量を採用することも出来る。
上記課題を解決する請求項4に係るリチウム二次電池の充電装置の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、前記電池回復手段は、少なくとも所定の回数毎に前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行うことにある。
電池容量に関わらず、少なくとも所定の回数毎に電池容量の回復を行う構成を採用することで、電池容量を測定することなく適正な頻度で電池容量の回復を行うことができる。
上記課題を解決する請求項5に係るリチウム二次電池の充電装置の特徴は、請求項1〜4の何れか1項において、前記電池回復手段は、所定の確率で前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行うことにある。
電池容量に関わらず、少なくとも所定の確率で電池容量の回復を行う構成を採用することで、電池容量を測定することなく適正な頻度で電池容量の回復を行うことができる。
上記課題を解決する請求項6に係るリチウム二次電池の充電装置の特徴は、請求項1〜5の何れか1項において、前記被酸化剤は、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、Li21212、ボリルリチウム、テトラメチルホウ素のLi塩、テトラエチルホウ素のLi塩、テトラプロピルホウ素のLi塩、テトラブチルホウ素のLi塩、トリメチルエチルホウ素のLi塩、トリメチルベンジルホウ素のLi塩、トリメチルフェニルホウ素のLi塩、トリエチルメチルホウ素のLi塩、トリエチルベンジルホウ素のLi塩、トリエチルフェニルホウ素のLi塩、トリブチルメンジルホウ素のLi塩、トリブチルフェニルホウ素のLi塩、テトラフェニルホウ素のLi塩、ベンジルトリフェニルホウ素のLi塩、メチルトリフェニルホウ素のLi塩、ブチルトリフェニルホウ素のLi塩、テトラメチルホウ素のLi塩、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、ベンゾキノン、ベンゾトリアゾール、ナフトキノン、フルオレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン、LiClO4、LiAlCl4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiSbF6、LiB10C10、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiCl、LBr、LiI、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、(2,4−ペンタンジオナト)リチウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドリチウム、酢酸リチウム、アセト酢酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、炭酸リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、2−ヒドロキシ酪酸リチウム、蟻酸リチウム、ヘキサメチルジシラザンリチウム、2−ヒドロキシプロピオン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、フタロシアニン二リチウム、サリチル酸リチウム、tert−ブチルリチウム、LiNH2SO3、Li4SiO4、Li3PO4、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2AlO2、Li4ZrO4、Li4GeO4、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2O−Nb25、Li2O−B23−LiCl、及びLi2S−P25からなる群より選択される1又は2以上の化合物であることにある。
一般的なリチウム二次電池における電解質などの構成要素の酸化分解電位よりも低い電位で且つ一般的な使用電位よりも高い電位に酸化分解電位をもつ化合物を、これらの化合物の中から選択することは容易である。そして、これらの化合物が酸化分解されることにより電池の容量が回復する。特にリチウム塩になっている化合物は通常の電池反応に寄与する可能性があり望ましい。なお、ここで挙げた化合物は現在主流になっているリチウム二次電池の構成要素が耐えられる電位では酸化しない化合物も含まれているが、将来的に電池材料の改良により更に高い電位で電池を使用できるようになった場合に分解する化合物である。
上記課題を解決する請求項7に係るリチウム二次電池の充電方法の特徴は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質を備える正負極と、電解質とを備えるリチウム二次電池を充電する方法であって、
前記リチウム二次電池は、前記リチウム二次電池の公称電圧超、前記電解質の分解電位未満の酸化電位をもち、前記正極で酸化可能に含有される被酸化剤を含有し、
前記リチウム二次電池の使用に伴う複数回の充放電サイクルのうち1回又は2回以上の頻度で前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う電池容量回復ステップを有することにある。
請求項1に係るリチウム二次電池の充電装置と同様に、リチウム二次電池の公称電圧超、電解質の分解電位未満の酸化電位をもち、正極で酸化可能に含有される被酸化剤が酸化されうる電位にまで充電電位を上げることで、被酸化剤が酸化されることにより、正極でのリチウム脱挿入等の可逆的な酸化還元反応をすることなく負極に電解質中のリチウムを挿入でき、電池容量を復活することが出来る。
ここで、充電電位を上げる頻度を本願発明のように制限していることで電池の構成要素に与える悪影響を抑制することが出来る。
実施例で用いたコイン型電池の概略断面図である。 実施例で用いた充電装置のブロック図である。 実施例で用いた充電装置の制御方法を示したフローチャートである。 リチウム塩Bの有無によるサイクル特性に及ぼす電池容量回復工程の効果を示したグラフである。
本発明のリチウム二次電池の充電装置及び充電方法について実施形態に基づき以下詳細に説明を行う。
(リチウム二次電池の充電装置及び充電方法が適用できるリチウム二次電池)
本実施形態のリチウム二次電池の充電装置及び充電方法が適用できるリチウム二次電池は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質を備える正負極と、電解質と、その他必要に応じて選択される構成要素とを備える。その他必要に応じて選択される構成要素としては正負極間に介装されるセパレータ、電極、ケースなどが挙げられる。
本実施形態のリチウム二次電池は更に被酸化剤を含有する。被酸化剤は電解質又は正極に配設する。配設する状態としては液状、固体状などの形態が採用でき、電解質内や正極内に溶解乃至は分散した状態を採用できる。
被酸化剤は被酸化剤自身が反応して電池容量の再生を行う化合物であるため、被酸化剤を添加する量を多くすれば電池容量の再生の程度は大きくなる。また、被酸化剤が電解質導電率を低下させる場合や、被酸化剤の反応性生物が抵抗となる場合は、被酸化剤の添加量を少なくすれば初期における電池容量や出力の低減を最小限にすることが出来る。従って、被酸化剤の添加量は、電池容量の再生の効果と初期の電池容量や出力とのバランスを考慮して必要な性能が得られるように決定される。例えば電解質中に被酸化剤を添加する場合には電解質全体を基準として0.05mol/L〜1.0mol/L程度の添加量とすることが出来る。
被酸化剤は適用対象のリチウム二次電池の公称電圧超、電解質の分解電位未満の酸化電位をもつ。例えば、被酸化剤の酸化電位として通常使用での上限電圧よりも0.1V以上高い化合物を選択することで通常の電池の使用時には被酸化剤の分解は進行せず必要なときに被酸化剤を分解させて電池の再生を図ることができる。ここで、酸化電位はサイクリックボルタンメトリーにより材料に印加する電圧を変化させたときの電流を測定することで測定された値である。
被酸化剤としてはリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロオキサラトボレート(LiFOB)、Li21212、ボリルリチウム、テトラメチルホウ素のLi塩、テトラエチルホウ素のLi塩、テトラプロピルホウ素のLi塩、テトラブチルホウ素のLi塩、トリメチルエチルホウ素のLi塩、トリメチルベンジルホウ素のLi塩、トリメチルフェニルホウ素のLi塩、トリエチルメチルホウ素のLi塩、トリエチルベンジルホウ素のLi塩、トリエチルフェニルホウ素のLi塩、トリブチルメンジルホウ素のLi塩、トリブチルフェニルホウ素のLi塩、テトラフェニルホウ素のLi塩、ベンジルトリフェニルホウ素のLi塩、メチルトリフェニルホウ素のLi塩、ブチルトリフェニルホウ素のLi塩、テトラメチルホウ素のLi塩、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、ベンゾキノン、ベンゾトリアゾール、ナフトキノン、フルオレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン、LiClO4、LiAlCl4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiSbF6、LiB1010、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiCl、LBr、LiI、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、(2,4−ペンタンジオナト)リチウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドリチウム、酢酸リチウム、アセト酢酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、炭酸リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、2−ヒドロキシ酪酸リチウム、蟻酸リチウム、ヘキサメチルジシラザンリチウム、2−ヒドロキシプロピオン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、フタロシアニン二リチウム、サリチル酸リチウム、tert−ブチルリチウム、LiNH2SO3、Li4SiO4、Li3PO4、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2AlO2、Li4ZrO4、Li4GeO4、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2O−Nb25、Li2O−B23−LiCl、及びLi2S−P25からなる群より選択される1又は2以上の化合物を採用できる。これらの化合物はそれぞれに酸化電位を有する。実際に採用される被酸化剤は、適用されるリチウム二次電池の公称電位及び二次電池を構成する構成要素の酸化分解電位に応じて適正に選択される。
なお、これらの化合物のうちの幾つかは現在実用化されているリチウム二次電池における構成要素が耐えられる電位の範囲では酸化分解しないものも含まれているが将来的に構成要素が耐えられる電位が高くなった場合に採用することが出来る。また、幾つかの化合物は一般的なリチウム二次電池において支持塩として用いられるものも含まれるが、電池回復手段が行う高い電位での充電により分解される限度において被酸化剤に分類されうる。
これらの化合物のうち、リチウム塩を選択すると電池反応への寄与が期待できるため好ましい。また、被酸化剤としてリチウム元素を含む化合物を採用することで酸化分解による酸化生成物として活性なリチウムが生成されて電池容量を復活する効果も期待できる。
正極活物質としては特に限定しないが、リチウム含有遷移金属酸化物が例示できる。リチウム含有遷移金属酸化物は、Li+を脱挿入できる材料であり、層状構造又はスピネル構造のリチウム−金属複合酸化物が例示できる。具体的にはLi1-ZNiO2、Li1-ZMnO2、Li1-ZMn24、Li1-ZCoO2、Li1-ZCoxMnyNi(1-x-y)2などや、Li1-ZβPO4(βがFeであるLiFePO4など)などがあり、それらのうちの1種以上含むことができる。この例示におけるZは0以上1未満、x及びyは0以上1以下の数を示す。各々にLi、Mg、Al、又はCo、Ti、Nb、Cr等の遷移金属を添加または置換した材料等であってもよい。また、これらのリチウム−金属複合酸化物を単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。また、導電性高分子材料やラジカルを有する材料などを混在させることもできる。
負極活物質としてはグラファイトや非晶質炭素などの炭素材料が例示できる。これらの活物質は電池反応の進行に伴い、リチウム(イオン)の挿入・脱離が進行する。電池使用に伴い充放電を繰り返したときに、挿入されたリチウムの一部は脱離せず失活する。本発明の充電装置は失活したリチウムを新たに供給したりすることで、失活したリチウムを補い低下した電池容量を復活できる。
電解質は特に限定しないが、添加できる被酸化剤の種類に影響を与えることが多い。すなわち、電解質を構成する材料は正負極を構成する材料よりも酸化分解電位が低いことが多いため、電解質の適正な選択により幅広い被酸化剤を含有させることが出来る。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、及びジエチルカーボネート(DEC)は酸化分解電位が4.3V以上と高く電解質の溶媒として採用することでリチウム二次電池の安定性が高まるばかりか被酸化剤の選択の範囲も広がることになる。
これらの溶媒の他にも、リチウム二次電池の電解液に通常用いられる有機溶媒が採用できる。例えば、上述のカーボネート以外のカーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等及びそれらの混合溶媒が採用できる。特にフッ素基やシアノ基のような電子吸引性を有する置換基を有する溶媒を用いることにより、酸化分解電位を高くすることができる。これらの溶媒に支持塩を溶解させることで電解質として作用させることが出来る。
支持塩としては特に限定しないが、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSCN、LiClO4、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、NaI、これらの誘導体等の塩化合物が例示できる。これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiN(FSO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiCF3SO3の誘導体、LiN(CF3SO22の誘導体及びLiC(CF3SO23の誘導体からなる群から選ばれる1種以上の塩を用いることが、電気特性の観点からは好ましい。
また、前述の電解質に加えるか又は代えて、通常リチウム二次電池の電解液に用いられるイオン液体を採用することもできる。イオン液体のカチオン成分としては、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムや、ジメチルエチルメトキシアンモニウムカチオン等が挙げられ、アニオン成分としは、BF4-、N(SO2CF32-等が挙げられる。
(リチウム二次電池の充電装置)
本実施形態の充電装置は、リチウム二次電池に対して充電を行う装置である。充電のみならず放電についても制御するものであっても良い。より詳しくは、本充電装置は、リチウム二次電池に対して複数の充放電サイクルのうちの少なくとも充電に関与する装置であり、電池回復手段を有する。電池回復手段は本充電装置が行う複数の充電(リチウム二次電池の使用に伴うもの)のうちの一部において被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う手段である。すなわち、本充電装置は通常の充電を行う充電手段とそれよりも高い電位で充電を行う電池回復手段とを有する。通常の充電手段が行う充電よりも高い電位とは上限としてリチウム二次電池の構成要素が分解する電位未満で選択する。例えば、電解質としてEC、PC、DMC、EMC、及び/又はDECからなる有機溶媒に支持塩を溶解させた電解液を採用する場合、これらの有機溶媒の酸化分解電位は4.3V以上であるため、電池回復手段が行う充電の電位は4.3V以下にすることが望ましい。具体的には、公称電圧が3.6V程度である電池においては電池回復手段が行う充電の電位は3.7V(公称電圧+0.1V)、3.8V(公称電圧+0.2V)、3.9V(公称電圧+0.3V)、4.0V(公称電圧+0.4V)、4.1V(公称電圧+0.5V)、4.2V(公称電圧+0.6V)、4.3V(公称電圧+0.7V)程度を採用することが出来る。
池回復手段が充電を行う時間としては特に限定しないが、1〜10時間程度が望ましい。充電時間が長すぎると必要以上の酸化分解が進行してしまい、被酸化剤を浪費する。充電時間が短すぎると酸化分解が十分に起こらず、電池容量回復量が小さい。また、充電は連続して充電する場合、断続的に充電する場合のいずれでもよい。
池回復手段が高い電位で充電を行う目的は被酸化剤に高い電位を印加して被酸化剤を分解してリチウムを補充することである。従って、僅かな時間の積み重ねであっても電池回復手段を動作させることで電池容量の回復効果が期待できる。
なお、電池回復手段を一回動作させた後における電池容量の回復の程度は特に限定しないが、電池回復手段動作直前の電池容量を基準として5%以上20%以下にすることが望ましい。回復の程度は定電圧充電時の電流値の積算量を増減することで容易に制御が可能である。
池回復手段が動作する頻度は複数の充電サイクルのうちの一部であり、好ましくは過半以上で通常の充電手段により充電を行う。電池回復手段の動作は以下のように制御することが出来る。
・電池容量を基準とする場合
本充電装置として、電池容量を測定する電池容量測定手段を有し、その電池容量測定手段により電池容量を測定した際に、測定した電池容量が初期の電池容量を基準として一定の割合以下にまで低下したときに電池回復手段を動作させる場合がある。電池容量を直接測定し、電池容量の低下に応じて電池回復手段を動作させることで必要充分な頻度で電池容量の回復を行うことができる。ここで「一定の割合」とは特に限定しないが、初期の電池容量を基準として0.6倍〜0.99倍程度、好ましくは0.95倍の値を採用することができる。
池回復手段により電池容量を回復する程度としては初期の電池容量に至る程度を上限とすることが望ましい。例えば、一定の割合として0.95倍を採用した場合に初期の電池容量にまで回復する程度で電池回復手段を作動させることが望ましい。
また、初期の電池容量にまで回復させる代わりに初期の電池容量よりも僅かに低い電池容量にまで回復する程度で作動させることもできる。電池回復手段の作動は電池容量測定手段により電池容量を測定しながら目的の電池容量に到達するまで行うほか、電池容量の測定は行わずに目的の電池容量に到達するものと推測される時間だけ動作させることも出来る。所定の時間で作動させることで制御が簡単になる上、電池容量が望む程度にまで回復しない場合に必要以上に長い時間、高い電位に電池を曝すことが防止できるため望ましい。電池回復手段が動作する時間から電池容量が回復する程度は推測できるため適正な作動時間を設定することができる。
電池容量測定手段としては特に限定しない。例えば端子電圧から測定する手段、充放電電流の積分値から測定する手段、その他適正な手段により測定する手段などを単独で又は組み合わせて採用できる。
ここで、測定した電池容量が初期の電池容量を基準として一定の割合以下にまで低下したときに電池回復手段を動作させる場合のほか、前回(又は前回よりも前の回)に電池回復手段を動作させた直後の電池容量を基準として一定の割合以下にまで低下した際に電池回復手段を動作させることも出来る。
・充電回数を基準とする場合
電池容量を考慮せずに(又は、考慮することに加えて)充電回数に応じて電池回復手段を動作させることもできる。すなわち、充電回数が所定の回数に至る毎に電池回復手段を動作させたり、充電毎に所定の確率で電池回復手段を動作させることもできる。ここで、充電回数を基準として電池回復手段を動作させる場合には充電回数が100回当たり1回〜3回程度の頻度が採用できる。ここで、充電回数とは充電と放電とが所定の深度で交互に継続する場合のほか、積算して所定の深度の充電が進行した場合でも一回の充電が行われたものとして算出する。例えば、連続、断続を問わずに充電量の積算値がSOC基準で100%になったときに一回の充電が行われたと判断する。SOCとは通常使用電圧範囲の下限電圧での電池容量を0%、上限電圧での電池容量を100%とした時の電池残存容量を示す指標である。
ここで、電池容量の低下と充電回数とを組み合わせることが好ましい。すなわち、電池容量が一定の割合以下にまで低下しており且つ充電回数が所定の回数に至っている場合にのみ電池回復手段を動作させることで、電池回復手段の動作させすぎによるリチウム二次電池への悪影響を避けながら電池回復手段の適正な動作を行うことができる。
(リチウム二次電池の充電方法)
本実施形態のリチウム二次電池の充電方法は、リチウム二次電池に対して充電を行う方法である。充電のみならず放電についても行っても良い。より詳しくは、本充電方法は、リチウム二次電池に対して複数の充放電サイクルのうちの少なくとも充電に関与する方法であり、電池容量回復工程を有する。電池容量回復工程は本充電方法が行う複数の充電(リチウム二次電池の使用に伴うもの)のうちの一部において被酸化剤の酸化電位以上の電位にて定電圧充電を行う工程である。
電池容量回復工程は前述した本実施形態の充電装置における電池回復手段が行う制御とほぼ同様の動作を行う工程であるため更なる詳しい説明は省略する。
以下、本発明のリチウム二次電池の充電装置及び充電方法について実施例に基づき詳細に説明する。
・試験電池の製造
試験電池はコイン型電池とした。本電池は組成式LiFePO4で表されるリチウム鉄複合酸化物を正極活物質として用い、グラファイトを負極活物質として用いたリチウム二次電池である。
正極は以下のように製造した。まず、上記LiFePO4を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを10質量部と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を10質量部とを混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の正極合材を得た。この正極合材を厚さ15μmのアルミニウム箔製正極集電体の両面に塗布、乾燥し、プレス工程を経て、シート状の正極を作製した。
負極は、グラファイトを98質量部と、結着材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量部ずつとを混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の負極合材を得た。この負極合材を厚さ10μmの銅箔製負極集電体の両面に塗布、乾燥し、プレス工程を経て、シート状の負極を作製した。
電解液には、ECとDMCとEMCとを体積比で3:3:4に混合した混合溶媒に表1に示すリチウム塩を溶解させたものを用いた。ここで、リチウム塩Aは通常のリチウム二次電池における支持塩に相当し、リチウム塩Bは本発明の被酸化剤に相当する化合物である。リチウム塩Bは本リチウム二次電池の通常使用での上限電圧である3.6V超4.3Vまでに酸化電位をもつ化合物であり、テトラエチルホウ素のLi塩(試験例1〜4)、テトラメチルホウ素のLi塩(試験例5〜8)、酢酸リチウム(試験例9〜12)、Li2B12F12(試験例13〜16)、LiBOB(試験例17〜20)、LiFOB(試験例21〜24)、LiFSI(試験例25〜28)を採用した。試験例29〜32はリチウム塩Bを添加しなかった。
上記で得られた正極及び負極の間にポリプロピレン製セパレータを挟み重ね合わせることで、平板形状の電極体を形成した。得られた平板形状の電極体をケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。その後、平板形状の電極体を保持したケース内に上記電解液を注入した後、ケースを密閉、封止して、試験例1〜32のリチウム二次電池を完成させた。
具体的には、図1に示すように、正極1には前記正極を用い、負極2には前記負極を用いた。電解液3は調製した前記電解液を用いた。セパレータ7は厚さ25μmのポリエチレン製の多孔質膜をそれぞれ用いてコイン型電池を製造した。正極1には正極集電体1aをもち、負極2には負極集電体2aをもつ。
これらの発電要素をステンレス製のケース(正極ケース4と負極ケース5から構成されている)中に収納した。正極ケース4と負極ケース5とは正極端子と負極端子とを兼ねている。正極ケース4と負極ケース5との間にはポリプロピレン製のガスケット6を介装することで密閉性と正極ケース4と負極ケース5との間の絶縁性とを担保した。以上の手順により、φ19mm、厚さ3mmのコイン型電池を製作し本実施例の試験電池とした。
・充電装置
本実施例のリチウム二次電池の充電装置について図2に概略ブロック図を示す。本充電装置は直列に接続された複数のリチウム二次電池10a〜10nを充電する装置であり、電池回復手段の一部又は充電手段として作用する充電器21と、電池回復手段の余部を内部にロジックとして有する制御部22と、電流計24とを有する。電池回復手段の作用は制御部22と充電器21とが併せて発揮する。
二次電池10a〜10nから出力される電力は負荷制御装置23を介して負荷に供給される。充電器21は図示しない外部電力から供給される電力を電力線211、212、231、232を介して二次電池10a〜10nに供給する手段である。制御部22は電力線231を流れる電流を測定する電流計24からの電流信号24aと電位測定線222、22a〜22nにより測定された各二次電池の端子電圧とに基づいて二次電池10a〜10nへの充放電状態を算出し、電池のSOC及び電池容量を測定する。
測定した電池容量及びSOCに基づき制御部22は制御信号221により充電器21を制御する。充電器21は制御信号221により通常の充電手段としての作用と、それよりも高い電位で充電を行う電池回復手段としての作用とを切り替えて発揮する。
本実施例の充電装置の制御方法を図3に基づき説明する。図3に示すように、電流信号24a及び測定した電圧とから電池容量を検知する(S1)。測定した電池容量が予め設定された閾値(一定の割合に相当する)以下かどうか判断し(S2),閾値超であればS5の処理を行い、閾値以下であれば通常の設定値よりも高い電位で充電するように充電器21を制御して充電を行う(S3:電池容量回復工程)。その後、通常の電圧になるまで放電を行い電池容量を測定する(S4)。通常の電圧で充電を行うように充電器21を制御する(S5)。その後、通常の電圧になるまで放電を行う(S6)。S1に戻り、充放電を繰り返す。
この充電装置を用い、適正な閾値を設定した後、各試験例の電池に対して充放電試験を行った。その結果、表1に示す初期容量から劣化後容量に至るまで充放電を繰り返した後、表1に示すCV電圧にてCV時間充電(電池容量回復工程)を行ったことが分かった。電池容量回復工程後の電池容量を測定し、回復後の容量及び劣化後容量を基準とした回復後の容量の割合とを表1に示す。図4に、リチウム塩Bの有る電池と無い電池とについてサイクル試験を行っときの容量維持率(初期の電池容量を100%とした場合)を示した。図4では10サイクル目に電池容量回復工程を適用している。
Figure 0005278467
表1より明らかなように、リチウム塩B(被酸化剤)を添加した二次電池はCV電位の大きさにより多少の差異はあるものの電池容量回復工程後の電池容量の回復が認められた。
本リチウム二次電池の公称電圧である3.6V超4.3Vまでに酸化電位をもつ化合物であるリチウム塩Bを添加した試験例は効果を認めることができたCV電位の大きさの差はあるものの、どれも電池容量回復工程後の電池容量の回復効果が認められた。
テトラエチルホウ素のLi塩は試験例1〜4全てで電池容量回復効果を発揮し、その効果はCV電位が大きくなるにつれて大きくなった。テトラメチルホウ素のLi塩も試験例5〜8全てで電池容量回復効果を発揮し、その効果はCV電位が大きくなるにつれて大きくなった。酢酸リチウムも試験例9〜12全てで電池容量回復効果を発揮し、その効果はCV電位が大きくなるにつれて大きくなった。Li21212はCV電位3.8Vでは顕著な効果は発揮しないもののCV電位を3.8V超とした試験例14〜16では高い電池容量回復効果を発揮した。LiBOBはCV電位4.0Vまででは顕著な効果を発揮しないものの4.0V超とした試験例19及び20では高い電池容量回復効果を発揮した。LiFOB及びLiFSIはCV電位4.2V以下では顕著な効果は発揮しないものの4.2V超とした試験例24及び28では高い電池容量回復効果を発揮した。
リチウム塩Bを添加しない試験例29〜32は高いCV電位を採用しても電池容量回復効果は認められず、リチウム塩Bの存在が電池容量回復に奏していることが明らかになった。
なお、試験例13、17、18、21、22、23、25、26、及び27は検知できる電池容量回復効果は認められないが、高いCV電位での試験結果から効果が発現している可能性は捨てきれない。
10、10a〜10n…コイン型電池
1…正極 1a…正極集電体
2…負極 2a…負極集電体
3…電解質
4…正極ケース
5…負極ケース
6…ガスケット
7…セパレータ
21…充電器
22…制御部
23…付加制御装置
24…電流計

Claims (7)

  1. リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質を備える正負極と、電解質とを備えるリチウム二次電池を充電する装置であって、
    前記リチウム二次電池は、前記リチウム二次電池の公称電圧超、前記電解質の分解電位未満の酸化電位をもち、前記正極で酸化可能な被酸化剤を前記電解質もしくは前記正極中に含有し、
    前記リチウム二次電池の使用に伴う複数回の充放電サイクルのうちの一部で前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う電池回復手段を有することを特徴とするリチウム二次電池の充電装置。
  2. 前記リチウム二次電池の電池容量を測定する電池容量測定手段を持ち、
    前記電池回復手段は、測定した電池容量が本電池の初期電池容量を基準として一定の割合にまで低下したときに前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う請求項1に記載のリチウム二次電池の充電装置。
  3. 前記リチウム二次電池の電池容量を測定する電池容量測定手段を持ち、
    前記電池回復手段は、測定した電池容量が以前に前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行った直後の電池容量を基準として一定の割合にまで低下したときに前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う請求項1に記載のリチウム二次電池の充電装置。
  4. 前記電池回復手段は、少なくとも所定の回数毎に前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う請求項1〜3の何れかに記載のリチウム二次電池の充電装置。
  5. 前記電池回復手段は、所定の確率で前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う請求項1〜4の何れかに記載のリチウム二次電池の充電装置。
  6. 前記被酸化剤は、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、Li2B12F12、ボリルリチウム、テトラメチルホウ素のLi塩、テトラエチルホウ素のLi塩、テトラプロピルホウ素のLi塩、テトラブチルホウ素のLi塩、トリメチルエチルホウ素のLi塩、トリメチルベンジルホウ素のLi塩、トリメチルフェニルホウ素のLi塩、トリエチルメチルホウ素のLi塩、トリエチルベンジルホウ素のLi塩、トリエチルフェニルホウ素のLi塩、トリブチルメンジルホウ素のLi塩、トリブチルフェニルホウ素のLi塩、テトラフェニルホウ素のLi塩、ベンジルトリフェニルホウ素のLi塩、メチルトリフェニルホウ素のLi塩、ブチルトリフェニルホウ素のLi塩、テトラメチルホウ素のLi塩、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、ベンゾキノン、ベンゾトリアゾール、ナフトキノン、フルオレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン、LiClO4、LiAlCl4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiSbF6、LiB10C10、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiCl、LBr、LiI、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、(2,4-ペンタンジオナト)リチウム、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン-1,3-ジスルホンイミドリチウム、酢酸リチウム、アセト酢酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、炭酸リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、2-ヒドロキシ酪酸リチウム、蟻酸リチウム、ヘキサメチルジシラザンリチウム、2-ヒドロキシプロピオン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、フタロシアニン二リチウム、サリチル酸リチウム、tert-ブチルリチウム、LiNH2SO3、Li4SiO4、Li3PO4、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2AlO2、Li4ZrO4、Li4GeO4、Li2S-SiS2-Li4SiO4、Li2O-Nb2O5、Li2O-B2O3-LiCl、及びLi2S-P2S5からなる群より選択される1又は2以上の化合物である請求項1〜5の何れかに記載のリチウム二次電池の充電装置。
  7. リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質を備える正負極と、電解質とを備えるリチウム二次電池を充電する方法であって、
    前記リチウム二次電池は、前記リチウム二次電池の公称電圧超、前記電解質の分解電位未満の酸化電位をもち、前記正極で酸化可能に含有される被酸化剤を含有し、
    前記リチウム二次電池の使用に伴う複数回の充放電サイクルのうち1回又は2回以上の頻度で前記被酸化剤の酸化電位以上の電位にて充電を行う電池容量回復ステップを有することを特徴とするリチウム二次電池の充電方法。
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