JP5271543B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

電動機定数に基づいて制御する誘導電動機の制御装置に関する。
誘導電動機は、固定子巻線が発生する回転磁界と回転子巻線に流れる誘導電流との相互作用により回転トルクを発生する。固定子巻線と回転子巻線とは、電動機等価回路で表現され、1次側抵抗,2次側抵抗及び漏れインダクタンスの各電動機定数が、誘導電動機の電圧電流特性を決定する。
特許文献1〜3に記載の電動機の制御方法は、制御装置に設定された電動機定数を用いて、回転速度指令ωr*に実速度が追従するように、インバータ出力電流,電圧を制御している。このような制御方式では、電動機等価回路の1次抵抗等の実際値と、制御に用いられる電動機定数とが一致していれば、良好な制御特性を得ることができる。特許文献4の技術には、この電動機定数を同定し、この同定結果に基づいて制御演算定数を制御装置に設定している技術が開示されている。この定数同定方法によれば、d軸電流の指令値とd軸電流の偏差に応じて1次抵抗と漏れインダクタンスを同定している。この方法では、1次抵抗は周波数指令値及びq軸電流の少なくとも一方が所定値以下の場合の特定運転条件で同定され、漏れインダクタンスは周波数指令値、及びq軸電流が共に所定値以上の場合の特定運転条件で同定される。
特開平6−105580号公報 特開平6−284771号公報 特開平8−317698号公報 特開平9−191699号公報
しかしながら、実際の電動機定数は電動機の温度により変動する。この電動機定数の変動により、制御装置に設定された電動機定数と実際の電動機定数に誤差が生じると、制御性能が劣化したり、不安定になったりすることがある。また、特許文献4に記載の方法は、すべての電動機定数が順次同定できて初めて個々の電動機定数の同定が完了するため、同定に時間がかかるという問題点がある。また、電動機定数を測定するための運転条件が欠落すると各電動機定数を同定できず、この結果、運転条件によっては精度が不足することになる。なお、制御装置はd軸電流の基本波成分の変動に基づいて同定を行っているため、インバータのデッドタイムや素子のオン電圧降下による誤差が混入した場合に、定数変動分との分離ができないため同定精度が劣化する。
そこで、本発明はこのような問題のない、電動機定数実際値の変動による制御性能の劣化を防止することができる誘導電動機の制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の誘導電動機の制御装置は、d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、前記同定演算された電動機同定定数に基づいて、前記誘導電動機を制御する制御定数を設定することを特徴とする。
本発明によれば、電動機定数実際値の変動による制御性能の劣化を防止することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態である誘導電動機の制御装置について図1,図2及び図3を用いて説明する。
図1の構成図において、誘導電動機の制御装置300には、三相の誘導電動機30が接続されており、電流検出器14が誘導電動機30の電流Iを検出している。この電流検出器14は、U相,V相,W相の内、何れか2相の電流を検出している。なお、三相電流の和はゼロであるから他の一相の電流は一意に定められる。
誘導電動機の制御装置300は、励磁電流指令発生器17が生成するd軸電流指令値Id*と、速度指令発生器18が生成する速度指令値ωr*を目標に、インバータ(INV)10を用いて誘導電動機30を駆動するものである。なお、インバータ10の機能は、パワースイッチング素子によって実現されるが、以下で述べる各機能は、CPU(Central Proccesing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されたコンピュータと、ROM,RAM等に格納されたプログラムとによって実現される。
また、誘導電動機30は、固定子巻線に発生した回転磁界と、回転子にすべりが生じたときに回転子巻線に流れる誘導電流との相互作用により回転トルクが発生する。また、誘導電動機30は、励磁軸(磁束軸)であるd軸のd軸電圧指令Vd*と、d軸に電気的に直交する方向のq軸電圧指令Vq*に応じて座標変換器12が3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を生成し、PWM(Pulse Width Moduration)変換器11がPWM制御によりインバータ10の出力電圧を3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に従い制御する。
d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*は、速度制御器19において回転速度推定値ωr^及び速度指令値ωr*に基づいて演算されたq軸電流指令値Iq*と、d軸電流指令値Id*と、d軸電流制御器20の出力である電圧変動分ΔVdと、q軸電流制御器21の出力である電圧変動分ΔVqとを含めた複数の信号に基づいて生成される。ここで、電圧変動分ΔVdは、周期的に変化する信号である周期信号ΔId**とId*とが加算されたd軸電流基準信号と、d軸電動機電流Idとの偏差に基づいて生成され、電圧変動分ΔVqはIq*とq軸電動機電流Iqとの偏差に基づいて生成される。これにより、Id=Id*,Iq=Iq*となるように制御される。
また、座標変換器15は、電動機電流Iに基づきd軸電動機電流Idとq軸電動機電流Iqを演算し、速度推定器22は、q軸電圧変動分ΔVq,角周波数指令値ω1*,Iq*及びIqとに基づいて、誘導電動機30の角速度を推定し、角速度推定値ωr^を出力する。すべり速度推定器23は、Id*とIq*とに基づいて、電動機のすべり速度推定値ωs^を演算し、周波数演算器24は、ωr^とすべり速度推定値ωs^とを入力し、ω1*=ωr^+ωs^を演算し、角周波数指令値ω1*を出力する。なお、このω1*は、積分器16によって角度指令値θ*に変換され、座標変換器12,15に入力される。
本実施形態の特徴構成である定数同定器1は、周期信号ΔId**を生成し、この周期信号ΔId**と、出力信号ΔVdとに基づいて、誘導電動機30の電動機定数の変化分を同定する。この電動機定数は、誘導電動機30を等価回路で表現したときの1次抵抗値r1と、1次換算2次抵抗値r2′、及び漏れインダクタンスLσを含んでいる。さらに、定数同定器1は、同定した電動機同定定数に基づいて電圧補償値ΔVd**を出力する。また、定数同定器1によって同定された、電動機定数の変化分Δ(r1+r2′),Δr1,Δr2′、及びΔLσは電圧指令演算器13,速度推定器22、及び、すべり速度推定器23に適宜入力され、電動機定数が再設定(補正)される。
次に、各機能について詳細に説明する。
電圧指令演算器13は、d軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*及び電圧変動分ΔVd,ΔVqが入力され、出力電圧指令値Vd*,Vq*を(1)式,(2)式にしたがって演算する。
Vd*=r1*・Id*−ω1*・Lσ*・Iq*+ΔVd (1)
Vq*=r1*・Iq*+ω1*・Lσ*・Id*+ω1*・(M*/L2*
・φ2d*+ΔVq (2)
ここで、r1*,Lσ*,M*,L2*、φ2d*は、それぞれ誘導電動機30の1次抵抗設定値,漏れインダクタンス設定値,相互インダクタンス設定値,2次インダクタンス設定値,d軸2次磁束指令値である。
一方、誘導電動機30に関して一般的に、(3),(4),(5),(6)式の関係が成立する。アスタリスク(*)がないものは電動機定数の実際値である。r2は2次抵抗であり、(7)式のr2′は1次換算2次抵抗であり、φ2qはq軸2次磁束であり、ωsはすべり速度であり、(8)式のT2は電動機2次時定数であり、sは微分演算子である。また、L2は2次インダクタンスであり、Mは相互インダクタンスであり、Lσは漏れインダクタンスである。
Vd=(r1+Lσ・s)・Id−ω1・Lσ・Iq
+s・(M/L2)・φ2d−ω1・(M/L2)・φ2q (3)
Vq=ω1・Lσ・Id+(r1+Lσ・s)・Iq
+ω1・(M/L2)・φ2d+s・(M/L2)・φ2q (4)
φ2d=(M・Id+ωs・T2・φ2q)/(1+T2・s) (5)
φ2q=(M・Iq−ωs・T2・φ2d)/(1+T2・s) (6)
r2′=(M/L2)2・r2 (7)
T2=L2/r2 (8)
さらに、2次磁束の方向がd軸と平行となるように、q軸2次磁束φ2qを
φ2q=0 (9)
とすると、(5)式から定常状態(s=0)では、d軸2次磁束φ2dは(10)式となる。
φ2d=M・Id (10)
また、(6),(10)式からすべり速度の推定値ωs^は(11)式で表される。
ωs^=M・Iq/(T2・φ2d)=Iq*/(T2・Id*) (11)
すべり速度推定器23は、(11)式に基づいて、誘導電動機30のすべり速度推定値ωs^を出力する。
速度推定器22は、Iq,Iq*及びq軸電圧変動ΔVqに基づいて、誘導電動機30の角速度推定値ωr^を(12)式に従い演算する。
ωr^=1/(1+T1・s)・(L2*/M*)(1/φ2d*)(r1*・Iq*
+ω1*・(M*/L2*)・φ2d*+ΔVq−(r1*+r2′*
+Lσ*・s)・Iq) (12)
ただし、T1は推定応答を決める制御定数である。
誘導電動機30のd軸電動機電圧Vd及びq軸電動機電圧Vqは、(3),(4),(5)及び(6)式より、(13),(14)式で表すことができる。
Vd=(r1+r2′+Lσ・s)・Id−ω1・Lσ・Iq
−(r2′/M)・φ2d−ωr・(M/L2)・φ2q (13)
Vq=ω1・Lσ・Id+(r1+r2′+Lσ・s)・Iq
+ωr・(M/L2)・φ2d−(r2′/M)・φ2q (14)
Id*=Id,Iq*=Iqとすれば、(基準の)電圧指令値を示す(1),(2)式は、電動機電圧を示す(13),(14)式に一致することになり、電動機定数の変動によるd軸電圧変動分ΔVd及びq軸電圧変動分ΔVqは、d軸電流制御器20及びq軸電流制御器21により、d軸電流指令Id*とd軸電流Idの偏差及びq軸電流指令Iq*とq軸電流Iqの偏差に応じて補償される。以上が電流制御器付き速度センサレスベクトル制御の基本動作である。
次に、定数同定器1の動作原理を説明する。
電動機定数同定時は、d軸電流指令値Id*に周期電流変化分指令Idh*を加算するので、d軸電流制御器20の出力である電圧変動分ΔVdは基本波電圧変動分ΔVdbと周期電圧変動分ΔVdh(=ΔVd**)の和となる。後述するようにΔVdを積算すれば前記ΔVdbは電動機定数同定に無関係となる。それゆえ、定数同定に関係する部分だけを考慮すると、電圧指令演算器13の出力Vd*は(15)式で示される。
Vd*=ΔVdh+r1*・Idh*+r2′*・Idh*+Lσ*・s・Idh*
(15)
一方、d軸電動機電圧VdのIdhに関係する成分は(13)式より、(16)式で表すことができる。
Vd=(r1+r2′+Lσ・s)・Idh (16)

Idh*=Idhとすれば、(15),(16)式から、d軸電流制御器20の出力の周期電圧変動分ΔVdhは(17)式で表される。
ΔVdh=Δ(r1+r2′)・Idh+ΔLσ・s・Idh (17)
ただし、
Δ(r1+r2′)=(r1+r2′)−(r1*+r2′*) (18)
ΔLσ=Lσ−Lσ* (19)
すなわち、(r1+r2′)及びLσの基準値からの変動Δ(r1+r2′),ΔLσがあると、d軸電流制御器20には、基準値からの変動に応じて変動分ΔVdhが発生する。(17)式より、ΔVdhにはΔ(r1+r2′)とΔLσが含まれる。本実施形態は、ΔVdからΔ(r1+r2′)とΔLσとをそれぞれ独立に同定するものである。
(17)式から解るように、ΔVdhには、Idh≠0のときにΔ(r1+r2′)に関係する成分が含まれる。また、Idhが変化するときにΔLσに関係する成分が含まれ、Idhが一定のときにはΔLσに関係する成分は0になる。したがって、d軸電流指令に周期的に変化する電流成分として方形波状信号を重畳する場合には、ΔVdhに含まれる成分は、Idhが略一定期間においてΔ(r1+r2′)に関係する成分が支配的であり、一方、Idhの変化期間、すなわち、立ち上がり期間、あるいは立ち下がり期間においてはΔLσに関係する成分が支配的である。
そこで、方形波状信号の極性が正の期間はそのままΔVdhを、この方形波状信号の極性が負の期間は−1を乗算した−ΔVdhを、方形波状信号が略一定期間においてのみ積分すればΔ(r1+r2′)に関係する成分が積算でき、一方、同様にしてΔVdhと−ΔVdhを、方形波状信号の変化期間においてのみ積分すればΔLσに関係する成分が積算できる。
また、電動機定数はΔVdを積分することにより同定されるため、基本波電圧変動分ΔVdb(直流成分)は消去されるので、インバータ10のデッドタイムや素子のオン電圧降下による誤差が混入しない。よって、前述した精度劣化の問題が解消する。
次に、定数同定器1から出力される電圧補償値ΔVd**の演算を、(r1*+r2′*)設定値とΔ(r1+r2′)に関係する積分値の和、及びLσ*設定値とΔLσに関係する積分値の和に基づいて行い、電圧指令演算器13においてΔVd**を加算すると、ΔVdhはやがて0に収束するので、Δ(r1+r2′)に関係する積分値、及びΔLσに関係する積分値が一定値に収束することになり、結果として抵抗変動分Δ(r1+r2′)、及び、漏れインダクタンス変動分ΔLσがそれぞれ独立に同定される。ΔVdh=0への収束は、定数変動に伴う電流偏差(Δid≠Δid**)がΔVd**により補償されてΔid=Δid**となる結果によるものである。詳細を以下に説明する。
本実施形態の特徴部分である定数同定器1の詳細構成を図2に示す。図2は、d軸電流制御器20,誘導電動機30のd軸回路,電圧指令演算器13のd軸主要演算、及び定数同定器1の演算内容を説明する図である。
d軸回路にのみ着目して表すと、誘導電動機30は、入力がd軸電圧指令値Vd*であり、出力がd軸電動機電流Idである1次遅れ要素で表現されており、この一時遅れ要素は1次抵抗値r1,1次換算2次抵抗値r2′、及び漏れインダクタンスLσを含んでいる。Idは、d軸電流制御器20の入力に帰還されており、電流指令値Id*と周期信号ΔId**とを加算した電流基準信号を目標値として制御される。
(r1*)25は、1次抵抗設定値であり、(r1*+r2′*)26は1次抵抗値+1次換算2次抵抗設定値であり、(Lσ*)27は漏れインダクタンス設定値である。定数同定器1は、同定信号発生器100と、抵抗同定部110と、漏れインダクタンス同定部120と、(r1+r2′)同期信号発生器103と、Lσ同期信号発生器104とを備えている。
同定信号発生器100には、方形波発生器101と1次遅れ回路102とが含まれ、方形波発生器101は方形波信号(矩形波信号)を出力し、その方形波信号が1次遅れ回路102に入力される。1次遅れ回路102は、所定のゲインKh等を乗算して、周期信号である方形波状同定信号ΔId**を発生する。この同定信号ΔId**をd軸電流指令値Id*に加算して電流基準信号を生成する。さらに、定数同定器1は、抵抗同定部110及び漏れインダクタンス同定部120を用いて、誘導電動機30の抵抗変動分Δ(r1+r2′)及び漏れインダクタンス変動分ΔLσをそれぞれ独立に同定する。
図3(a)に方形波状同定信号ΔId**を示し、図3(b)にΔVdの波形を示し、図3(c)に(r1+r2′)同期信号を示し、図3(d)にLσ同期信号の波形を示す。図3(a)の方形波状同定信号ΔId**は、1次遅れ回路102(図2)により、立ち上がり及び立ち下がりに遅れが生じている。図3(b)のΔVd信号は過渡変化期間(遅れ時間)TLと、反転時刻までの残りの所定期間Trからなる。図3(c)に示す(r1+r2′)同期信号発生器103(図2)からの同期信号は、図3(a)の方形波状同定信号と同期しており、ΔVdの過渡変化期間TLにおいて0となり、他の期間Trにおいて方形波状同定信号が正のとき+1、負のとき−1となる信号である。
再び図2に戻り、抵抗同定部110は、d軸電流制御器20の出力である電圧変動分ΔVdと(r1+r2′)同期信号発生器103の出力とを乗算し、積分器105がこの乗算された信号を積分し、これにより、抵抗変動分Δ(r1+r2′)が同定される。
合成抵抗分離器106は、抵抗変動分Δ(r1+r2′)の同定値に基づいて、Δr1とΔr2′とに分離する。具体的には、誘導電動機定数の1次抵抗値r1と2次抵抗値r2との変動割合が同じであると仮定することにより、(20)と(21)式、または(21)と(22)式を用いて分離することができる。
Δr1=(r1*/r2*)・Δr2′ (20)
Δr2′=Δ(r1+r2′)/(r1*/r2*+1) (21)
Δr1=Δ(r1+r2′)/(r2*/r1*+1) (22)
Δr2′=(r2*/r1*)・Δr1 (23)
ここで、r1*,r2*は1次抵抗基準値、2次抵抗基準値である。
一方、漏れインダクタンス同定部120は、漏れインダクタンス変動分ΔLσの同定を行うものであり、ΔVdとLσ同期信号発生器104の出力信号とを乗算し、乗算値を積分器107において積分して漏れインダクタンス変動分ΔLσを同定する。図3(d)に示すLσ同期信号発生器104(図2)からの出力信号は、図3(a)に示す方形波発生器101(図2)が生成する方形波同定信号と同期しており、ΔVdの過渡変化期間TLにおいて方形波信号が正のとき+1、負のとき−1、ΔVdの過渡変化期間を含まない他の期間Trにおいて0となる信号である。
再び図2に戻り、電圧補償値ΔVd**の演算は、電動機定数のうち、(r1+r2′)に対しては、(r1*+r2′*)設定値26と同定された抵抗変動分Δ(r1+r2′)を加算した値に、同定信号ΔId**を乗算することにより行う。一方、漏れインダクタンスLσに対しては、Lσ*設定値27と同定された漏れインダクタンス変動分ΔLσを加算した値に、ΔId**の微分値に相当する、微分器108からの出力を乗算することにより行う。
次に、電圧補償値ΔVd**の演算を、(r1*+r2′*)設定値とΔ(r1+r2′)に関係する積分値(積分器105の出力)の和、及びLσ*設定値とΔLσに関係する積分値(積分器107の出力)の和に基づいて行い、電圧指令演算器13において加算すると、結果としてΔVdhは0に収束するので、Δ(r1+r2′)に関係する積分値、及びΔLσに関係する積分値が一定値に収束することになり、抵抗変動分Δ(r1+r2′)、及び、漏れインダクタンス変動分ΔLσがそれぞれ独立に同定される。また、合成抵抗分離器106によって分離されたΔr1,Δr2′、及び、積分器107の出力である漏れインダクタンス変動分ΔLσが電動機同定定数として算出され、これらの値が設定値r1*,2′*,Lσ*に加算され、制御装置300の制御定数として設定される。言い換えれば、電動機同定定数に基づいて、制御装置300の制御定数が設定される。
以上説明したように本実施形態によれば、同定された電動機同定定数である抵抗変動分Δr1,Δr2′、及び漏れインダクタンス変動分ΔLσと基準値とが加算されて、制御装置300の制御定数が設定されるので、電動機定数の設定誤差や運転中における変動による、速度及びトルクの制御性能の劣化を防止することができる。
(第2実施形態)
前記した第1実施形態では方形波発生器101を用いてd軸電流指令値に方形波状信号(矩形波状信号)を加算したが、正弦波信号を加算することもできる。
第2実施形態の定数同定器について図4及び図5を用いて説明する。図4において、同定信号発生器200は、正弦波発生器201により構成されており、また(r1+r2′)同期信号発生器203、Lσ同期信号発生器204が図2の第1実施形態と異なり、他は図2と同一であるので同一の番号を付し説明を省略する。先ず動作原理を説明する。
(17)式のIdhを振幅がIds、角周波数ωの正弦波Ids・sinωtとすると、(17)式は(24)式に変形される。
ΔVds=Δ(r1+r2′)・Ids・sinωt
+ΔLσ・ω・Ids・cosωt (24)
この(24)式をtについて0からπ/ωまで積分すると(25)式となる。
Figure 0005271543
一方、(24)式をtについてπ/(2ω)から3π/(2ω)まで積分すると(26)式となる。
Figure 0005271543
したがって、d軸電流指令値に周期的に変化する電流成分として正弦波を重畳する場合には、nを整数とすると、t=nπ/ωからt=(n+1)π/ωの期間の積分によりΔ(r1+r2′)に関係する成分が演算でき、t=(n+1/2)π/ωからt=(n+3/2)π/ωまでの期間の積分によりΔLσに関係する値が演算できる。次に、電圧補償値ΔVd**の演算を、(r1*+r2′*)設定値26と前記Δ(r1+r2′)に関係する積分値の和、及びLσ*設定値27とΔLσに関係する積分値の和に基づいて行い、電圧指令演算器13において加算すると、ΔVdsは0に収束するので、Δ(r1+r2′)に関係する積分値及びΔLσに関係する積分値が一定値に収束することになり、この結果、抵抗変動分Δ(r1+r2′)及び漏れインダクタンス変動分ΔLσがそれぞれ独立に同定できる。以上が動作原理である。次に、図4,図5を用いて実施例を説明する。
図4の定数同定器1において、同定信号発生器200は正弦波発生器201から構成され、正弦波信号を所定の振幅で出力して同定信号ΔId**を発生させる。該同定信号ΔId**をd軸電流指令値Id*に加算して、電流基準信号とする。この電流基準信号に対するd軸電流の偏差に基づき、d軸電流制御器20の出力である電圧変動分ΔVdを、定数同定器1に入力することで誘導電動機30の抵抗変動分Δ(r1+r2′)、及び漏れインダクタンス変動分ΔLσをそれぞれ独立に同定する。
図5(a)に正弦波同定信号を示し、図5(b)にΔVdの波形を示し、図5(c)に(r1+r2′)同期信号を示し、図5(d)にLσ同期信号を示す。抵抗変動分Δ(r1+r2′)の同定は、抵抗同定部110(図4)において、d軸電流制御器20の出力である電圧変動分ΔVdと(r1+r2′)同期信号発生器203(図4)の出力とを乗算し、積分器105でこの乗算された信号を積分して同定することができる。図5(c)に示すように、(r1+r2′)同期信号発生器203(図4)の出力信号は、正弦波信号と同期しており、t=nπ/ωからt=(n+1)π/ωまでの期間において正弦波信号が正のとき+1、負のとき−1となる信号である。
一方、漏れインダクタンス変動分ΔLσの同定は、漏れインダクタンス同定部120において、ΔVdとLσ同期信号発生器204の出力を乗算し、乗算値を積分器107において積分して同定することができる。図5(d)に示すように、Lσ同期信号発生器204の出力信号は、正弦波信号に対してπ/2だけ位相が進んでおり、t=(n+1/2)π/ωからt=(n+3/2)π/ωまでの期間において正弦波信号の傾きが正のとき+1、負のとき−1となる信号である。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)第1実施形態では、方形波状信号を重畳し、第2実施形態では正弦波信号を重畳したが、三角波も、周期信号であるので、この三角波を重畳することができる。なお、図6に三角波同定信号、ΔVd,(r1+r2′)同期信号とLσ同期信号の動作波形の一例を示す。
(2)前記各実施形態においては、速度指令値ωr*を目標とする速度制御を行ったが、トルク制御を行う形態も本発明に含まれる。
(3)前記各実施形態では、1次抵抗値と1次換算2次抵抗値との和の変動分Δ(r1+r2′)を同定したが、このことは1次抵抗値の変動分Δr1と1次換算2次抵抗値の変動分Δr2′との和(Δr1+Δr2′)を同定することに同じである。
(4)前記各実施形態では、1次抵抗値と1次換算2次抵抗値との和の変動分Δ(r1+r2′)と漏れインダクタンスの変動分ΔLσを同定したが、(r1*+r2′*)設定値26とLσ*設定値27を0に設定したした場合、あるいは、設定値26,27を削除した場合は、(r1+r2′)とLσの値を同定することができる。
(第3実施形態)
前記した第1実施形態では抵抗変動分Δ(r1+r2′)、及び、漏れインダクタンス変動分ΔLσを同定したが、それに追加して、相互インダクタンス変動分ΔM′を同定することもできる。
第3実施形態の誘導電動機の制御装置について図2,図7,図8及び図9を用いて説明する。図7において、定数同定器401,速度推定器402,電圧指令演算器403はΔM′を追加したことのみが図1の第1実施形態と異なり、他は図1と同一であるので同一の番号を付し説明を省略する。先ず制御装置を説明する。
定数同定器401は、周期信号ΔId**を生成し、この周期信号ΔId**と、出力信号ΔVdとに基づいて、誘導電動機30の電動機定数の変化分を同定する。この電動機定数は、誘導電動機30を等価回路で表現したときの1次抵抗値r1と、1次換算2次抵抗値r2′または相互インダクタンスM、及び漏れインダクタンスLσを含んでいる。さらに、定数同定器401は、同定した電動機同定定数に基づいて電圧補償値ΔVd**を出力する。また、定数同定器401によって同定された、電動機定数の変化分Δ(r1+r2′),Δr1,Δr2′,ΔLσ、及びΔMは電圧指令演算器403,速度推定器402、及び、すべり速度推定器23に適宜入力され、電動機定数が再設定(補正)される。
また、誘導電動機30のd軸電動機電圧Vdは、(3),(5)式より、(27)式で表すことができ、かつ(27)と(13)式は等価である。
Vd=(r1+M′/(1+T2・s)・s+Lσ・s)・Id
−ω1・Lσ・Iq−ω1・(M/L2)・φ2q (27)
ただし、
M′=(M/L2)・M (28)
すなわち、図8の第3実施形態の誘導電動機30のd軸回路は、M′を含む項で記述することができ、かつr2′を含む項で記述される図2の第1実施形態の誘導電動機30のd軸回路とは等価であることが解る。
したがって、第1実施形態の定数同定器1に相互インダクタンス変動分ΔM′の同定を追加して、第3実施形態とすることが可能である。
定数同定器401の動作原理を説明する。相互インダクタンス変動分ΔM′の同定を第1実施形態に追加したこと以外は、第1実施形態と同一であるので同一部分の説明を省略する。
電動機定数同定時は、d軸電流指令値Id*に周期電流変化分指令Idh*を加算するが、定数同定に関係する部分だけを考慮すると、電圧指令演算器403の出力Vd*は(29)式で示される。
Vd*=ΔVdh+r1*・Idh*+M′*/(1+T2・s)・s・Idh*
+Lσ*・s・Idh* (29)
一方、d軸電動機電圧VdのIdhに関係する成分は(27)式より、(30)式で表すことができる。
Vd=(r1+M′/(1+T2・s)・s+Lσ・s)・Idh (30)
Idh*=Idhとすれば、(29),(30)式から、d軸電流制御器20の出力の周期電圧変動分ΔVdhは(31)式で表される。
ΔVdh=Δr1・Idh+ΔM′/(1+T2・s)・s・Idh
+ΔLσ・s・Idh (31)
ただし、
Δr1=r1−r1* (32)
ΔLσ=Lσ−Lσ* (33)
ΔM′=M′−M′* (34)
さらに、先に第1実施形態の通りΔ(r1+r2′)、Δr1,Δr2′、及びΔLσが同定されており、電動機定数が再設定(補正)されているとすると、Δr1とΔLσは
Δr1=0 (35)
ΔLσ=0 (36)
となり、(31)式は(37)式となる。
ΔVdh=ΔM′/(1+T2・s)・s・Idh (37)
すなわち、M′の基準値からの変動ΔM′、があると、d軸電流制御器20には、基準値からの変動に応じて変動分ΔVdhが発生する。(37)式より、ΔVdhにはΔM′が含まれる。本実施形態は、先にΔ(r1+r2′),Δr1,Δr2′、及びΔLσが同定し、電動機定数が再設定(補正)した後に、ΔVdhからΔM′を同定するものである。
(37)式から解るように、ΔVdhには、Idhが変化するときにΔM′に関係する成分が含まれ、Idhが一定のときにはΔM′に関係する成分は0になる。したがって、d軸電流指令に周期的に変化する電流成分として方形波状信号を重畳する場合には、ΔVdhに含まれる成分は、Idhの変化期間、すなわち、立ち上がり期間、あるいは立ち下がり期間においてはΔM′に関係する成分が支配的である。
そこで、方形波状信号の極性が正の期間はそのままΔVdhを、この方形波状信号の極性が負の期間は−1を乗算した−ΔVdhを、方形波状信号の変化期間においてのみ積分すればΔM′に関係する成分が積算できる。
次に、定数同定器401から出力される電圧補償値ΔVd**の演算を、M′*設定値とΔM′に関係する積分値の和に基づいて行い、電圧指令演算器13においてΔVd**を加算すると、ΔVdhはやがて0に収束するので、ΔM′に関係する積分値が一定値に収束することになり、結果として相互インダクタンス変動分ΔM′が同定される。ΔVdh=0への収束は、定数変動に伴う電流偏差(Δid≠Δid**)がΔVd**により補償されてΔid=Δid**となる結果によるものである。詳細を以下に説明する。
第3実施形態の定数同定器401の詳細構成を図8に示す。図8は、d軸電流制御器20,誘導電動機30のd軸回路,電圧指令演算403のd軸主要演算、及び定数同定器401の演算内容を説明する図である。
d軸回路にのみ着目して表すと、誘導電動機30は、入力がd軸電圧指令値Vd*であり、出力がd軸電動機電流Idである1次遅れ要素で表現されており、この一時遅れ要素は1次抵抗値r1,相互インダクタンスM′、及び漏れインダクタンスLσを含んでいる。Idは、d軸電流制御器20の入力に帰還されており、電流指令値Id*と周期信号ΔId**とを加算した電流基準信号を目標値として制御される。
(M′*)406は相互インダクタンス設定値である。定数同定器401は、同定信号発生器100と、抵抗同定部110と、漏れインダクタンス同定部120と、相互インダクタンス同定部407と、(r1+r2′)同期信号発生器103と、Lσ同期信号発生器104と、M同期信号発生器404とを備えている。
まず先に、定数同定器401で同定された電動機同定定数である抵抗変動分Δr1,Δr2′、及び漏れインダクタンス変動分ΔLσと基準値とが加算されて、制御装置300の制御定数が設定される。
その後に、定数同定器401は、相互インダクタンス同定部407を用いて、誘導電動機30の相互インダクタンス変動分ΔM′を同定する。
図9(b)にΔVdの波形を示し、図9(e)にM同期信号の波形を示す。図9(b)のΔVd信号は過渡変化期間(遅れ時間)TMと、反転時刻までの残りの所定期間Trからなる。図9(e)に示すM同期信号発生器404(図8)からの出力信号は、図9(a)に示す方形波発生器101(図8)が生成する方形波同定信号と同期しており、ΔVdの過渡変化期間TMにおいて方形波信号が正のとき+1、負のとき−1、ΔVdの過渡変化期間を含まない他の期間Trにおいて0となる信号である。
再び図8に戻り、電圧補償値ΔVd**の演算は、相互インダクタンスM′に対しては、M′*設定値406と同定された相互インダクタンス変動分ΔM′を加算した値に、ΔId**の微分値に相当する、微分器108からの出力を乗算することにより行う。
次に、電圧補償値ΔVd**の演算を、M′*設定値とΔM′に関係する積分値(積分器405の出力)の和に基づいて行い、電圧指令演算器403において加算すると、結果としてΔVdhは0に収束するので、ΔM′に関係する積分値が一定値に収束することになり、相互インダクタンス変動分ΔM′が同定される。また、積分器405の出力である相互インダクタンス変動分ΔM′が電動機同定定数として算出され、これらの値が設定値M*に加算され、制御装置300の制御定数として設定される。言い換えれば、電動機同定定数に基づいて、制御装置300の制御定数が設定される。
以上説明したように本実施形態によれば、同定された電動機同定定数である抵抗変動分Δr1,Δr2′、漏れインダクタンス変動分ΔLσ、及び相互インダクタンス変動分ΔM′と基準値とが加算されて、制御装置300の制御定数が設定されるので、電動機定数の設定誤差や運転中における変動による、速度及びトルクの制御性能の劣化を防止することができる。
(第4実施形態)
前記した第3実施形態では方形波発生器101を用いてd軸電流指令値に方形波状信号(矩形波状信号)を加算したが、正弦波信号を加算することもできる。
第4実施形態の定数同定器について図10及び図11を用いて説明する。図10において、同定信号発生器200は、正弦波発生器201により構成されており、また(r1+r2′)同期信号発生器203,Lσ同期信号発生器204が図8の第3実施形態と異なり、他は図8と同一であるので同一の番号を付し説明を省略する。先ず動作原理を説明する。
(37)式のIdhを振幅がIds、角周波数ωの正弦波Ids・sinωtとすると、(37)式は(38)式に変形される。
ΔVds=ΔM′/(1+T2・s)・ω・Ids・cosωt (38)
この(38)式をtについてπ/(2ω)から3π/(2ω)まで積分すると(39)式となる。
Figure 0005271543
したがって、d軸電流指令値に周期的に変化する電流成分として正弦波を重畳する場合には、nを整数とすると、t=(n+1/2)π/ωからt=(n+3/2)π/ωまでの期間の積分によりΔM′に関係する値が演算できる。次に、電圧補償値ΔVd**の演算を、M′*設定値406とΔM′に関係する積分値の和に基づいて行い、電圧指令演算器403において加算すると、ΔVdsは0に収束するので、ΔM′に関係する積分値が一定値に収束することになり、この結果、相互インダクタンス変動分ΔM′が同定できる。以上が動作原理である。次に、図10,図11を用いて実施例を説明する。
図10の定数同定器401において、同定信号発生器200は正弦波発生器201から構成され、正弦波信号を所定の振幅で出力して同定信号ΔId**を発生させる。該同定信号ΔId**をd軸電流指令値Id*に加算して、電流基準信号とする。この電流基準信号に対するd軸電流の偏差に基づき、d軸電流制御器20の出力である電圧変動分ΔVdを、定数同定器401に入力することで誘導電動機30の相互インダクタンス変動分ΔM′を同定する。
図11(a)に正弦波同定信号を示し、図11(b)にΔVdの波形を示し、図11(e)にM同期信号を示す。相互インダクタンス変動分ΔM′の同定は、相互インダクタンス同定部407において、ΔVdとM同期信号発生器408の出力を乗算し、乗算値を積分器405において積分して同定することができる。図11(e)に示すように、M同期信号発生器408の出力信号は、正弦波信号に対してπ/2だけ位相が進んでおり、t=(n+1/2)π/ωからt=(n+3/2)π/ωまでの期間において正弦波信号の傾きが正のとき+1、負のとき−1となる信号である。
(変形例2)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)第3実施形態では、方形波状信号を重畳し、第4実施形態では正弦波信号を重畳したが、三角波も、周期信号であるので、この三角波を重畳することができる。なお、図12に三角波同定信号,ΔVd,M同期信号の動作波形の一例を示す。
(2)前記各実施形態においては、速度指令値ωr*を目標とする速度制御を行ったが、トルク制御を行う形態も本発明に含まれる。
(3)前記各実施形態では、相互インダクタンスの変動分ΔM′を同定したが、M′*設定値406を0に設定したした場合、あるいは、設定値406を削除した場合は、M′の値を同定することができる。
本発明の第1実施形態による誘導電動機の制御装置の構成図である。 本発明の第1の実施形態の定数同定器の構成図である。 本発明の第1実施形態における方形波同定信号,同期信号の波形を示す図である。 本発明の第2実施形態の定数同定器の構成図である。 本発明の第2実施形態における正弦波同定信号,同期信号の波形を示す図である。 本発明の変形例における三角波同定信号,同期信号の波形を示す図である。 本発明の第3実施形態による誘導電動機の制御装置の構成図である。 本発明の第3の実施形態の定数同定器の構成図である。 本発明の第3実施形態における方形波同定信号,同期信号の波形を示す図である。 本発明の第4実施形態の定数同定器の構成図である。 本発明の第4実施形態における正弦波同定信号,同期信号の波形を示す図である。 本発明の変形例2における三角波同定信号,同期信号の波形を示す図である。
符号の説明
1 定数同定器
10 インバータ
11 PWM発生器
12 座標変換器
13 電圧指令演算器
14 電流検出器
15 座標変換器
16,105,107,405 積分器
17 励磁電流指令発生器
18 速度指令発生器
19 速度制御器
20 d軸電流制御器
21 q軸電流制御器
22,402 速度推定器
23 すべり速度推定器
24 周波数演算器
25 1次抵抗設定値
26 1次抵抗+1次換算2次抵抗設定値
27 漏れインダクタンス設定値
30 誘導電動機
100,200 同定信号発生器
101 方形波発生器
102 1次遅れ回路
103,203 r1+r2′同期信号発生器
104,204 Lσ同期信号発生器
106 合成抵抗分離器
108 微分器
110 抵抗同定部
120 漏れインダクタンス同定部
201 正弦波発生器
300 制御装置
401 定数同定器
403 電圧指令演算器
404,408 M同期信号発生器
406 相互インダクタンス設定値
407 相互インダクタンス同定部

Claims (13)

  1. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、方形波状信号であり、
    前記誘導電動機の1次抵抗値をr1とし、1次換算2次抵抗値をr2′としたとき、
    前記定数同定手段は、
    前記方形波状信号の略一定振幅期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記電動機定数に含まれる前記1次抵抗値r1及び前記1次換算2次抵抗値r2′の合成値の変動分Δ(r1+r2′)を前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、方形波状信号であり、
    前記定数同定手段は、前記方形波状信号の過渡変化期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスの変動分を前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御
    装置。
  3. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、角周波数ωの正弦波信号、あるいは三角波信号であり、
    前記定数同定手段は、nを整数としたとき、前記正弦波信号、あるいは前記三角波信号をnπ/ωから(n+1)π/ωまでの期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の1次抵抗と1次換算2次抵抗との合成抵抗の変動分を同定演算し、または(n+1/2)π/ωから(n+3/2)π/ωまでの期間において、前記偏差に応じた値、あるいは前記d軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスの変動分を前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  4. 前記誘導電動機の1次抵抗値をr1とし、1次換算2次抵抗値をr2′とし、変動前の1次抵抗基準値をr1*とし、2次抵抗基準値をr2*としたとき、
    1次抵抗変動分Δr1及び1次換算2次抵抗変動分Δr2′は、
    前記合成値の変動分Δ(r1+r2′)から前記基準値r1*,r2*を用いて分離演算されることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機の制御装置。
  5. 変動前の基準値である1次抵抗設定値r1*に前記1次抵抗変動分Δr1を加算し、または変動前の基準値である1次換算2次抵抗設定値r2′*に前記1次換算2次抵抗変動分Δr2′を加算して前記電動機定数を求めることを特徴とする請求項4に記載の誘導電動機の制御装置。
  6. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、方形波状信号であり、
    前記誘導電動機の1次抵抗値をr1とし、1次換算2次抵抗値をr2′としたとき、
    前記定数同定手段は、
    前記方形波状信号の略一定振幅期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記電動機定数に含まれる前記1次抵抗値r1及び前記1次換算2次抵抗値r2′の合成値(r1+r2′)を前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  7. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、方形波状信号であり、
    前記定数同定手段は、
    前記方形波状信号の過渡変化期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスを前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  8. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、角周波数ωの正弦波信号、あるいは三角波信号であり、
    前記定数同定手段は、nを整数としたとき、前記正弦波信号、あるいは前記三角波信号をnπ/ωから(n+1)π/ωまでの期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の1次抵抗と1次換算2次抵抗との合成抵抗を同定演算し、または(n+1/2)π/ωから(n+3/2)π/ωまでの期間において、前記偏差に応じた値、あるいは前記d軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスを前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  9. 前記誘導電動機の1次抵抗値をr1とし、1次換算2次抵抗値をr2′とし、変動前の1次抵抗基準値をr1*とし、2次抵抗基準値をr2*としたとき、
    1次抵抗r1及び1次換算2次抵抗r2′は、
    前記合成値(r1+r2′)から前記基準値r1*,r2*を用いて分離演算されることを特徴とする請求項6に記載の誘導電動機の制御装置。
  10. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、方形波状信号であり、
    前記定数同定手段は、前記方形波状信号の過渡変化期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスの変動分を前記電動機定数として同定演算し、
    前記同定演算された電動機同定定数に基づいて、前記誘導電動機を制御するための制御定数を設定した後に、
    前記定数同定手段は、前記方形波状信号の過渡変化期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記誘導電動機の相互インダクタンスの変動分を前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  11. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、角周波数ωの正弦波信号、あるいは三角波信号であり、
    前記定数同定手段は、nを整数としたとき、前記正弦波信号、あるいは前記三角波信号を(n+1/2)π/ωから(n+3/2)π/ωまでの期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスの変動分を同定演算し、
    前記同定演算された電動機同定定数に基づいて、前記誘導電動機を制御するための制御定数を設定した後に、
    前記定数同定手段は、nを整数としたとき、前記正弦波信号、あるいは前記三角波信号を(n+1/2)π/ωから(n+3/2)π/ωまでの期間において、前記偏差に応じた値、あるいは前記d軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の相互インダクタンスの変動分を前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  12. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、方形波状信号であり、
    前記定数同定手段は、前記方形波状信号の過渡変化期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスを前記電動機定数として同定演算し、
    前記同定演算された電動機同定定数に基づいて、前記誘導電動機を制御するための制御定数を設定した後に、
    前記定数同定手段は、前記方形波状信号の過渡変化期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を積分することにより、前記誘導電動機の相互インダクタンスを前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  13. d軸電流基準指令値と周期的に変化する周期信号の値に基づいてd軸電流基準信号を生成する回路と、
    制御対象の誘導電動機に流れるd軸電動機電流と、前記d軸電流基準信号とが一致するように、前記d軸電動機電流を制御するd軸電流制御器と、
    前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に基づいて、前記誘導電動機の電動機定数を同定演算し、前記誘導電動機に印加される電圧を、前記同定演算された電動機定数に基づいて演算される補償電圧を用いて制御する定数同定手段と、を備え、
    前記周期信号は、角周波数ωの正弦波信号、あるいは三角波信号であり、
    前記定数同定手段は、nを整数としたとき、前記正弦波信号、あるいは前記三角波信号を(n+1/2)π/ωから(n+3/2)π/ωまでの期間において、前記d軸電動機電流と前記d軸電流基準信号との偏差に応じた値、あるいは前記d軸電流制御器の出力であるd軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の漏れインダクタンスを同定演算し、
    前記同定演算された電動機同定定数に基づいて、前記誘導電動機を制御するための制御定数を設定した後に、
    前記定数同定手段は、nを整数としたとき、前記正弦波信号、あるいは前記三角波信号を(n+1/2)π/ωから(n+3/2)π/ωまでの期間において、前記偏差に応じた値、あるいは前記d軸電圧変動分を、前記周期信号が正のとき同符号、負のとき異符号にして積分することにより、前記誘導電動機の相互インダクタンスを前記電動機定数として同定演算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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