上記課題を解決するために、本発明のパチンコ遊技機は、遊技領域に配置された始動入賞装置への入賞に基づいて抽選処理を実行する抽選手段と、抽選手段による抽選結果が当たりであったとき、遊技者にとって有利なラウンド処理を複数回に設定されたラウンド数の範囲内で繰り返す大当たり遊技を実行可能な遊技制御手段と、ラウンド処理において開放可能とされる第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置と、を備え、遊技制御手段は、複数回に設定されたラウンド処理のうち特定ラウンド処理においては、第1可変入賞装置を開放して閉鎖した後、第2可変入賞装置を開放することを特徴とする。なお、「特定ラウンド処理」は、複数回に設定されたラウンド処理の全部であってもよいし、その一部であってもよい。
本発明のパチンコ遊技機では、複数回に設定されたラウンドのうち特定ラウンドにおいて、遊技制御手段により、第1可変入賞装置が開放されて閉鎖された後、第2可変入賞装置が開放される。したがって、1回のラウンドの途中で開放される可変入賞装置が切り換えられるので、遊技者に新しい遊技性を提供することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本発明の実施に際して、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置への入賞をそれぞれ検出する第1検出手段及び第2検出手段と、ラウンド処理毎に第1検出手段及び第2検出手段が検出した入賞数の合計入賞数を計数する計数手段と、を備え、遊技制御手段は、特定ラウンド処理においては、第1可変入賞装置を開放し、開放してから第1時間が経過するか計数手段による計数値が第1設定値に達したとき、第1可変入賞装置を閉鎖し、その後第2可変入賞装置を開放し、開放してから第2時間が経過するか計数手段による計数値が第2設定値に達したとき、第2可変入賞装置を閉鎖して特定ラウンド処理を終了するものであるとよい。
特定ラウンドにおいて、第1可変入賞装置を開放して閉鎖した後、第2可変入賞装置を開放することとした場合、その特定ラウンドでの入賞可能個数が過剰に増えるおそれがあるが、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置への合計入賞数が第2設定値(例えば、1ラウンドでの最大入賞可能個数)に達したときにその特定ラウンドが終了されるようにすることで、特定ラウンドでの入賞可能個数を所定数以下に抑えることができる。
この場合、遊技制御手段は、特定ラウンド処理においては、第1可変入賞装置を閉鎖した後、計数手段による計数値が第2設定値に達していなければ第2可変入賞装置を開放し、第2設定値に達していれば第2可変入賞装置を開放することなく特定ラウンド処理を終了するものであるとよい。
これによれば、第1可変入賞装置に遊技球を入賞させ過ぎると第2可変入賞装置が開放しなくなるので、やはり特定ラウンドでの入賞可能個数を所定数以下に抑えることができる。
また、第2時間は、第1時間に比べて短く設定されており、遊技制御手段は、特定ラウンド処理においては、第2検出手段により第2可変入賞装置への入賞が検出されなければ、特定ラウンド処理の終了時に大当たり遊技を終了するものであるとよい。
これによれば、短時間しか開放しない第2可変入賞装置に入賞させることができなければ、大当たり遊技が終了(所謂パンク)する。このため、可変入賞装置が切り換えられるタイミングを把握して遊技しないと以降のラウンドを実施できないという新しい遊技性を提供することができるので、遊技者の興趣をより一層向上させるとともに、従来にない技術介入要素を加えることができ、遊技者に従来にない緊張感を与えることができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態につき図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機の正面模式図である。パチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明の前面ガラス扉2と、台枠の内側に配置されて前面ガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3には、ハンドル装置4を含んで構成される発射装置114(図2参照)より発射された玉BL(以下、単に玉という)が流下する略円形状に囲まれた遊技領域3aが形成されている。遊技領域3aには、玉の流下方向を変化させる釘N(一部のみ図示)が植設されており、遊技盤3の前方下部に設けられた玉供給皿5から供給された玉が、発射装置114によって遊技領域3aに向けて発射され、釘Nに弾かれながら遊技領域3aを落下するようになっている。なお、前面ガラス扉2には、スピーカ111、装飾ランプ類112などが設けられている。
なお、図1において玉の流下方向を上下方向(鉛直方向)、遊技盤3の盤面に沿う態様で上下方向と直交する方向(水平方向)を左右方向、遊技盤3の盤面に直交する方向(水平方向)を前後方向とし、盤面の前側(遊技者側)が前方側であり、盤面の後側(奥側)が後方側である。
遊技領域3aの中央付近には、中央役物装置10が配置されている。中央役物装置10は、枠状の筐体11の奥側にて所定条件の成立に基づいて実行される抽選処理の結果を特別図柄により表示して遊技者に報知するための液晶表示装置12(特図表示部)を備えている。筐体11の下枠には、複数(例えば4つ)のLEDからなる特図用保留表示部13が横一列状に配置されている。
中央役物装置10の下方には、開閉する一対の回動翼片21a,21aを有する始動入賞装置21(始動入賞口、電チュー)が配置されている。始動入賞装置21は、回動翼片21a,21aが開放されているときは玉が入賞しやすいが、回動翼片21a,21aが閉鎖しているときは玉が入賞しにくい。始動入賞装置21の下方には、第1大入賞装置22が設けられている。また、中央役物装置10の上方には、第2大入賞装置23が設けられている。第1大入賞装置22及び第2大入賞装置23は、始動入賞装置21への入賞に基づいて実行される大当たり抽選において大当たりしたとき複数回に設定されたラウンド数に応じて適宜開放可能とされている。第1大入賞装置22が本発明の第1可変入賞装置に相当し、第2大入賞装置23が本発明の第2可変入賞装置に相当する。
中央役物装置10の左方には、玉が通過したとき始動入賞装置21の回動翼片21a,21aを所定時間及び所定回数だけ開放するための当たり抽選が行われる通過ゲート24が配置されている。通過ゲート24の左斜め下方には、1又は複数(例えば1つ)のLEDにより普通図柄(普図)を表示する普図表示部25と、複数(例えば4つ)のLEDからなる普図保留表示部26とが上下に配設されている。なお、第1大入賞装置22の下方の遊技領域3aの最下位置には、玉を回収するための玉排出口27が設けられている。
次に、図2を用いて、パチンコ遊技機1の制御ブロックについて説明する。パチンコ遊技機1の主制御部100には主回路101(本発明の抽選手段、遊技制御手段、計数手段に相当)が搭載され、副制御回路102及び払出制御回路103が接続されている。
主回路101は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)101a、プログラム格納用の読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)101b、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)101c、及び入出力インターフェースであるI/O (Input/Output)101dを備えており、これらはバス(図示せず)を介して相互に接続されている。なお、その他の各回路も、個別にCPU(制御回路)やメモリを備えているが、図2では省略してある。各回路には、電源回路104にて生成された所定電圧の電力が主回路101を介して供給されている。
副制御回路102は、主回路101から入力されるコマンドに応じてアンプ/スピーカ111(図1参照)に音声を出力させるとともに、装飾ランプ類112の点灯/消灯を制御する。また、副制御回路102は、表示制御回路105にコマンドを出力する。表示制御回路105は、副制御回路102から入力されたコマンドに応じて液晶表示装置12を制御し、特図の変動表示や停止表示を実行させる。
払出制御回路103は、主回路101より入力される賞球払出信号に応じて払出装置113を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が玉供給皿5に払い出される。発射制御回路106は、遊技者がハンドル装置4を操作することに応じて、ハンドル装置4に対応して設けられた発射装置114を作動させ、玉供給皿5に準備された玉を遊技領域3aに向けて発射する。ハンドル装置4の操作量に応じて、玉の打ち出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
主回路101には、始動入賞装置21に付設された始動入賞検出器121、第1大入賞装置22に付設された第1大入賞検出器122、第2大入賞装置23に付設された第2大入賞検出器123、及び通過ゲート24に付設されたゲート通過検出器124からの玉検出信号がそれぞれ入力される。第1大入賞検出器122及び第2大入賞検出器123が、それぞれ本発明の第1検出手段及び第2検出手段に相当する。
また、主回路101は、始動入賞装置21の回動翼片21a,21aを開閉する電チューソレノイド131、第1大入賞装置22を開閉する第1大入賞ソレノイド132、第2大入賞装置23を開閉する第2大入賞ソレノイド133、特図保留表示部13のLED、普図表示部25のLED、普図保留表示部26のLEDをそれぞれ駆動制御する。
次に、図1を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技性)について概要を説明しておく。
玉が通過ゲート24を通過すると、ゲート通過検出器124による玉の検出に応じて、主回路101は、普図の保留が3個以下であれば、普図用乱数カウンタから現在の値を抽出し、その値を普図保留としてRAM101cの普図保留領域に記憶する。新たな普図の変動を開始可能なとき(普図の変動中でなく、始動入賞装置21の電チューが動作中でないとき)、普図保留が記憶されていれば、最古の普図保留を読み出して当たり判定を行う。通常状態であれば、通常用普図判定テーブル(普図当選確率:1/100)、時短状態や確変状態であれば時短用普図判定テーブル(普図当選確率:99/100)の当たり値と比較する。この当たり判定の結果に基づいて、普図の変動(普図表示部25のLED点滅)を開始する。
普図の判定結果が当たりの場合、変動時間(通常状態であれば30秒、時短状態や確変状態であれば1秒)経過時に普図表示部25のLEDを点灯し、電チューソレノイド131を励磁して電チューを開放する。所定時間(通常状態であれば0.2秒、時短状態や確変状態であれば1.5秒を3回)経過後、電チューを閉鎖する。なお、普図の判定結果がハズレの場合は、変動時間経過時に普図表示部25のLEDを消灯する。
始動入賞装置21に玉が入賞し、始動入賞検出器121による玉の検出に応じて、主回路101は、払出制御回路103に3個の賞球を払い出すように賞球払出信号を出力するとともに、特図の保留が3個以下であれば、特図用乱数カウンタから現在の値を抽出し、その値を特図保留としてRAM101cの特図保留領域に記憶する。新たな特図の変動を開始可能なとき(特図の変動中でなく、大当たり中でもないとき)、特図保留が記憶されていれば、最古の特図保留を読み出して大当たり判定を行う。具体的には、通常状態や時短状態であれば、通常用特図判定テーブル(特図当選確率:1/300)に設定されている当たり値と一致するか否かにより当否判定を行い、確変状態であれば確変用特図判定テーブル(特図当選確率:1/30)の当たり値と一致するか否かにより当否判定を行う。この当否判定の判定結果に基づいて、特図の変動パターンと停止図柄を決定し特図の変動を開始する。具体的には、液晶表示装置12にて3つの図柄列(例えば、3桁のアラビア数字)で変動表示を開始した後、左、右、中の順で図柄を停止する。
判定結果が確変大当たりの場合(大当たりの振分率は、例えば確変大当たり:50%、非確変大当たり:50%)、奇数のゾロ目(例えば「777」)を停止して大当たりとなり、大当たり遊技を実行する。大当たり遊技は、最大で15ラウンドに設定され、各ラウンドの最大入賞可能個数は10個とされている。1入賞に対し15個の賞球が払い出され、遊技者は多くの持ち玉を得ることができる。確変大当たりの終了後は確変状態となり、以降は確変用特図判定テーブルにて大当たりの当否判定を行う。確変状態は次回の大当たりまで継続する。
判定結果が非確変大当たりの場合、偶数のゾロ目(例えば「222」)を停止して大当たりとなり、確変大当たりの場合と同様、大当たり遊技を実行する。非確変大当たりの終了後は時短状態となり、以降は通常用特図判定テーブルにて大当たりの当否判定を行う。時短状態は、100回(ハズレの抽選結果が100回)の図柄変動が終了するか、新たな大当たりに当選するか何れか早い方が成立するまで継続し、100回の図柄変動が終了すると通常状態に戻る。確変状態と時短状態では、普図当選時に電チューの開放時間が長くなるため、遊技者は持ち玉をさほど減らすことなく、遊技を継続することができる。
次に、パチンコ遊技機1で実行される具体的処理について、図3に示すタイムチャート、及び図4〜図7に示すフローチャートに従って説明する。なお、図4〜図7のフローチャートで示されるプログラムは、主回路101のROM101bに格納されており、主回路101のCPU101aが所定のタイミングで繰り返し実行するように構成されている。
図3は、第1大入賞装置22と第2入賞装置23とが、設定された最大の開放時間だけ開放したときの両者の開放、閉鎖タイミングの関係を示すタイムチャートである。図3から明らかなように、1〜3、5〜7、9〜11、及び13〜15ラウンド(R)では、第1大入賞装置22のみが開放されるようになっている。これらの各ラウンドでは、第1大入賞装置22を開放してから10個の入賞を検出するか、開放してから30秒が経過すると、第1大入賞装置22を閉鎖してラウンド終了となる。各ラウンド(15ラウンドを除く)が終了して2秒が経過すると、次のラウンドが開始される。
4、8、12ラウンドでは、第1大入賞装置22の閉鎖後に、第2可変入賞装置23が開放可能とされている。すなわち、4ラウンドでは、第1大入賞装置22を開放してから7個の入賞を検出するか、開放してから27秒が経過すると、第1大入賞装置22を閉鎖する。第1大入賞装置22への入賞が9個以下であれば第2大入賞装置23を開放し、第1大入賞装置22との合計入賞数が10個になるか、開放してから3秒が経過すると、第2大入賞装置23を閉鎖してラウンド終了となる。
8ラウンドでは、第1大入賞装置22を開放してから8個の入賞を検出するか、開放してから28秒が経過すると、第1大入賞装置22を閉鎖する。第1大入賞装置22への入賞が9個以下であれば第2大入賞装置23を開放し、第1大入賞装置22との合計入賞数が10個になるか、開放してから2秒が経過すると、第2大入賞装置23を閉鎖してラウンド終了となる。
12ラウンドでは、第1大入賞装置22を開放してから9個の入賞を検出するか、開放してから29秒が経過すると、第1大入賞装置22を閉鎖する。第1大入賞装置22への入賞が9個以下であれば第2大入賞装置23を開放し、第1大入賞装置22との合計入賞数が10個になるか、開放してから1秒が経過すると、第2大入賞装置23を閉鎖してラウンド終了となる。
そして、4、8、12ラウンドにおいて、第2大入賞検出器123により第2大入賞装置23への入賞が検出されなければ、そのラウンドの終了時点で大当たり遊技が終了(パンク)する。4、8、12ラウンドが本発明の特定ラウンドに相当する。なお、15ラウンドが終了したときも、大当たり遊技が終了する。
図4は、大当たり処理を示すフローチャートである。この大当たり処理では、主回路101は、RAM101cの状態フラグ領域に記憶された状態フラグが「1」であるか否かを判定する(S11)。ここで、状態フラグは、遊技が通常状態であるとき「0」に設定され、大当たり状態であるとき「1」に設定され、確変状態であるとき「2」に設定され、時短状態であるとき「3」に設定されるようになっており、初期状態では「0」に設定されている。状態フラグが「1」でなければ(S11:NO)、大当たり処理を終了する。
一方、状態フラグが「1」であれば(S11:YES)、2秒間待機した後(S12)、ラウンド数に1を加算して(S13)、RAM101cに記憶されている入賞数及びVフラグを「0」にリセットする(S14)。次に、ラウンド数が4、8、12の何れかであるか否かを判定する(S15)。
最初に、現在ラウンド数が1ラウンドであり、その後15ラウンドまで大当たり遊技が継続して実行される場合について説明する。この場合は、図5に示す第1ラウンド処理を実行する(S15:NO,S16)。この第1ラウンド処理では、第1大入賞ソレノイド132を励磁することにより、第1大入賞装置(第1大入賞口)22を開放する(S31)。このとき、図示を省略するタイマをリセットして計時を開始させる。
主回路101は、この第1ラウンド処理とは非同期のタイミングで大入賞検出処理を実行しており、図7は、その大入賞検出処理を示すフローチャートである。大入賞検出処理では、第1ラウンド処理において開放された第1大入賞装置22の第1大入賞検出器122から玉検出信号を入力すると(S71:NO,S72:YES)、主回路101はRAM101cに記憶されている入賞数(図示省略)に1を加算し(S75)、払出制御回路103に15個の賞球を払い出すように指示、すなわち賞球払出信号を出力する(S76)。この大入賞検出処理は繰り返し実行されており、第1大入賞装置22への入賞を検出する毎に入賞数を更新している。
図5の第1ラウンド処理に戻り、主回路101は入賞数を参酌し、第1大入賞装置22へ1ラウンドの最大入賞可能玉数である10個の玉が入賞するか(S32:YES)、第1大入賞装置22が開放状態となってから1ラウンドの最大開放時間である30秒が経過するか(S33:YES)の何れかが満たされると、第1大入賞ソレノイド132を非励磁とすることにより、第1大入賞装置22を閉鎖する(S34)。次に、ラウンド数が15ラウンドであるか否かを判定する(S35)。現在ラウンド数が1ラウンドであるので(S35:NO)、第1ラウンド処理を終了する。
図4の大当たり処理に戻って、第1ラウンド処理が終了すると、終了フラグが「1」であるか否かを判定する(S18)。この終了フラグは、大当たり遊技の実行を開始するとき「0」に設定されており、そのラウンドで大当たり遊技の実行を終了するとき「1」に設定される。現在終了フラグは「0」に設定されているので(S18:NO)、大当たり処理を一旦終了する。以後、2ラウンドと3ラウンドについても、上記と同様の流れで、図5の第1ラウンド処理が実行される。
4ラウンドに達すると、図6に示す第2ラウンド処理を実行する(S15:YES,S17)。この第2ラウンド処理では、先に第1大入賞ソレノイド132を励磁することにより、第1大入賞装置22を開放する(S41)。このときも、図示を省略するタイマをリセットして計時を開始させる。現在4ラウンドであるので(S42:YES)、RAM101cの入賞数を参酌し、第1大入賞装置22へ7個の玉が入賞するか(S43:YES)、第1大入賞装置22が開放状態となってから27秒が経過するか(S44:YES)の何れかが満たされると、第1大入賞ソレノイド132を非励磁とすることにより、第1大入賞装置22を閉鎖する(S50)。
1秒間待機した後(S51)、RAM101cの入賞数を参酌し、第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22への入賞数が10個以上となったか否かを判定する(S52)。すなわち、主回路101は、第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22への入賞数が9個以下であることを条件として、以降のステップS53〜S62の処理を実行して第2大入賞装置(第2大入賞口)23を開放するようになっている。
第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22への入賞数が9個以下であれば(S52:NO)、第2大入賞ソレノイド133を励磁することにより、第2大入賞装置23を開放する。このときも、上記タイマをリセットして新たに計時を開始させる。この第2ラウンド処理とも非同期のタイミングで実行されている図7の大入賞検出処理において、主回路101は、第2大入賞装置23の第2大入賞検出器123から玉検出信号を入力すると(S71:YES)、Vフラグが「0」であれば「1」に変更し(S73:YES,S74)、第1大入賞装置22への入賞を検出したときと同様、RAM101cの入賞数に1を加算して(S75)、払出制御回路103に15個の賞球を払い出すように指示する(S76)。つまり、大入賞検出処理では、何れの大入賞装置への入賞を検出したときもRAM101cの入賞数を更新しているので、この入賞数は大入賞装置へ入賞した玉の合計数を示している。また、Vフラグは第1及び第2ラウンド処理を開始する前に「0」にリセットされているので、第2大入賞装置23が開放している間に少なくとも1個の玉が入賞すれば、Vフラグは「1」に変更される。図6に戻り、主回路101は、RAM101cの入賞数を参酌し、第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22への入賞数と、第2大入賞検出器123により検出された第2大入賞装置23への入賞数との合計入賞数が10個以上となるか(S54:YES,S55:YES)、第2大入賞装置23が開放状態となってから3秒が経過するか(S56:YES)の何れかが満たされると、第2大入賞ソレノイド133を非励磁とすることにより、第2大入賞装置23を閉鎖する(S62)。第2大入賞装置23の閉鎖後、Vフラグが「0」であるか否かを判定する(S63)。ラウンドが継続する場合は、第2大入賞装置23に少なくとも1個の玉が入賞し、Vフラグが「1」に更新されているので(S63:NO)、終了フラグを「0」に維持した状態で、第2ラウンド処理を終了する。
5〜7ラウンドにおいては、1ラウンドと同様、大当たり処理のステップS11〜S16、及び第1ラウンド処理を実行する。8ラウンドは、大当たり処理のステップS11〜S15,S17、及び第2ラウンド処理を実行する。この場合、第2ラウンド処理においては、ステップS43,S44,S55,S56の処理に代えて、ステップS46,S47,S58,S59の処理を実行するようになる(S42:NO,S45:YES,S54:NO,S57:YES)。具体的には、第1大入賞装置22へ8個の玉が入賞するか(S46:YES)、第1大入賞装置22が開放状態となってから28秒が経過するか(S47:YES)の何れかが満たされると、第1大入賞ソレノイド132を非励磁とすることにより、第1大入賞装置22を閉鎖する(S50)。また、第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22への入賞数と、第2大入賞検出器123により検出された第2大入賞装置23への入賞数との合計入賞数が、10個以上になるか(S54:NO,S57:YES,S58:YES)、第2大入賞装置23が開放状態となってから2秒が経過するか(S59:YES)の何れかが満たされると、第2大入賞ソレノイド133を非励磁とすることにより、第2大入賞装置23を閉鎖する(S62)。
9〜11ラウンドにおいては、1ラウンドと同様、大当たり処理のステップS11〜S16、及び第1ラウンド処理を実行する。12ラウンドは、大当たり処理のステップS11〜S15,S17の処理を実行する。この場合、第2ラウンド処理においては、8ラウンドの処理に代えて、ステップS48,S49,S60,S61の処理を実行する(S42:NO,S45:NO,S54:NO,S57:NO)。具体的には、第1大入賞装置22へ9個の玉が入賞するか(S48:YES)、第1大入賞装置22が開放状態となってから29秒が経過するか(S49:YES)の何れかが満たされると、第1大入賞ソレノイド132を非励磁とすることにより、第1大入賞装置22を閉鎖する(S50)。また、第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22への入賞数と、第2大入賞検出器123により検出された第2大入賞装置23への入賞数との合計入賞数が、10個以上になるか(S54:NO,S57:NO,S60:YES)、第2大入賞装置23が開放状態となってから1秒が経過するか(S61:YES)の何れかが満たされると、第2大入賞ソレノイド133を非励磁とすることにより、第2大入賞装置23を閉鎖する(S62)。
13〜15ラウンドにおいては、1ラウンドと同様、大当たり処理のステップS11〜S16を実行する。そして、第1ラウンド処理において、ラウンド数が15ラウンドに達したとき(S35:YES)、終了フラグを「1」に変更する(S36)。これを受けて、大当たり処理では、終了フラグを「0」にリセットし(S18:YES,S19)、ラウンド数を「0」にリセットする(S20)。その後、確変大当たりであれば(S63:NO)、状態フラグを「2」(確変状態)に変更し(S22)、非確変大当たりであれば(S63:YES)、状態フラグを「3」(時短状態)に変更して(S23)、時短回数に100をセットする(S24)。
次に、4、8、12の何れかのラウンドにおいて、第2大入賞装置23に入賞しなかった場合について説明する。この場合は、大入賞検出処理において、第2大入賞装置23への入賞球が第2大入賞検出器123により検出されなければ(S71:NO,S72:NO)、第2大入賞装置23が閉鎖するまでVフラグは「1」に変更されることなく「0」のまま維持される。
これにより、第2ラウンド処理において、主回路101は、第2大入賞装置23を閉鎖した後(S62)、Vフラグが「0」であると判定して(S63:YES)、終了フラグを「1」に変更する(S64)。これにより、大当たり処理においては、ラウンド数が15ラウンドに達した場合と同様(S18:YES)、ステップS19以降の処理を実行する。
次に、4、8、12の何れかのラウンドにおいて、第1大入賞装置22への入賞球が10個に達した場合について説明する。この場合は、第2ラウンド処理において、第2大入賞装置23が開放されない(S52:YES)。このため、4、8、12の何れかのラウンドにおいて、第2大入賞装置23に入賞しなかった場合と同様、大入賞検出処理において、第2大入賞装置23への入賞球が第2大入賞検出器123により検出されないので(S71:NO,S72:NO)、Vフラグが「0」に維持される。これにより、第2ラウンド処理において、終了フラグを「1」に変更し(S63:YES,S64)、大当たり処理において、ステップS19以降の処理を実行した後、大当たり処理を終了する。
以上の説明からも明らかなように、この第1実施形態では、4、8、12ラウンド(特定ラウンド)において、主回路101(遊技制御手段)により、第1大入賞装置22が開放されてから27秒(4ラウンド)、28秒(8ラウンド)、29秒(12ラウンド)(第1時間)が経過するか、第1大入賞検出器122により検出される入賞数が7個(4ラウンド)、8個(8ラウンド)、9個(12ラウンド)(第1設定値)に達したとき第1大入賞装置22が閉鎖され、その後第2大入賞装置23が開放されてから3秒(4ラウンド)、2秒(8ラウンド)、1秒(12ラウンド)(第2時間)が経過するか、第1大入賞検出器122及び第2大入賞検出器123により検出される入賞数の合計入賞数が10個(第2設定値)に達したとき第2大入賞装置23が閉鎖されて4、8、12ラウンドがそれぞれ終了される。
これにより、1回のラウンドの途中で開放される大入賞装置22,23が切り換えられるので、遊技者に新しい遊技性を提供することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。また、4、8、12ラウンドにおいて、第1大入賞装置22及び第2大入賞装置23の合計入賞数が10個に達したときに4、8、12ラウンドが終了されるので、それら各ラウンドでの入賞可能個数を、1ラウンドで入賞させ得る最大入賞数(10個)以下に抑えることができる。
また、この第1実施形態では、主回路101により、第1大入賞装置22が閉鎖された後、第1大入賞検出器122により検出される入賞数が10個に達していなければ第2大入賞装置23が開放され、10個に達していれば第2大入賞装置23が開放されることなく4、8、12ラウンドが終了される。
これにより、第1大入賞装置22に遊技球を入賞させ過ぎると第2大入賞装置23が開放しなくなってしまい、大当たりが終了(パンク)してしまうという更に新しい遊技性を提供することができるので、遊技者は第1大入賞装置22への入賞数を把握しながら慎重に玉を打たなければならない、という緊張感を味わいながら遊技することができ、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。なお、12ラウンドでは入賞数が9個に達するまで第1大入賞装置22が開放されているので、9個目が入賞するときに10個目が同時に入賞しないよう警戒しながら遊技する必要があり、遊技者の緊張感は更に向上される。
また、第2時間として設定された3秒(4ラウンド)、2秒(8ラウンド)、1秒(12ラウンド)は、第1時間として設定された例えば27秒(4ラウンド)、28秒(8ラウンド)、29秒(12ラウンド)に比べて短く設定されており、主回路101により、第2大入賞検出器123により第2大入賞装置23への入賞が検出されなければ、4、8、12ラウンドの終了と同時に大当たり遊技が終了される。
これにより、短時間しか開放しない第2大入賞装置23に入賞させることができなければ、大当たり遊技が終了(パンク)してしまう。したがって、大入賞装置22,23が切り換えられるタイミングを把握して遊技しないと以降のラウンドを実施できないので、従来にない技術介入要素を加えることができ、遊技者に従来にない緊張感を与えることができる。特に4、8、12ラウンドの順に第2大入賞装置23の開放時間は短くなるので、第2大入賞装置23へ入賞させることに対する緊張感も、4、8、12ラウンドの順に高まることになる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態では、第1大入賞装置22に入賞口を1つだけ設けるように構成したが、これに代えて、例えば図8(a),8(b)に示すように、第1大入賞装置22’を構成する筐体31に2つの入賞口31a,31bを設けるようにしてもよい。
入賞口31a,31bは、筐体31の後壁の左右にそれぞれ配置されている。筐体31内には、筐体31の開口部を開閉する蓋32の開状態で筐体31内に進入した玉を、入賞口31a及び入賞口31bの何れか一方へ振り分けるシーソー部材33が設けられている。筐体31の後壁には、軸34が前後方向に延び出すように植設されており、シーソー部材33が軸34の軸線回りに揺動可能に軸支されている。シーソー部材33の入賞口31b側には、Vソレノイド135のプランジャ136が連結されている。
そして、Vソレノイド135の励磁状態では、遊技盤3の正面から見てシーソー部材33の左端部が入賞口31aの下縁近傍に位置し、シーソー部材33の右端部が入賞口31bの略中央を横切るようにシーソー部材33が傾動されるが、Vソレノイド135の非励磁状態では、シーソー部材33の左端部が入賞口31aの略中央を横切るように、シーソー部材33の右端部が入賞口31bの下縁近傍に位置するようにシーソー部材33が傾動される。
すなわち、大当たり遊技の実行が開始されると、各ラウンドの実行当初にてVソレノイド135が励磁されるようになっており、第1大入賞装置22’が開放されると、入った玉が入賞口31aへ入賞しやすいよう、シーソー部材33の左端部が右端部よりも低くなるように傾動される。入賞口31aへ入賞すると、Vソレノイド135が非励磁とされ、入った玉が入賞口31bへ入賞しやすいよう、シーソー部材33の右端部が左端部よりも低くなるように傾動される。したがって、入賞口31aへの入賞が検出された後は、入賞口31aへは極めて入賞しづらくなる(まず入賞しない)。入賞口31aが本発明のV入賞口に相当し、入賞口31bが本発明のその他入賞口に相当する。また、シーソー部材33、Vソレノイド135等が本発明の振分手段に相当する。なお、入賞口31bへの入賞は、上記第1実施形態と同様、第1大入賞検出器122により検出される。また、第2大入賞装置23には、上記第1実施形態と同様、1つの入賞口23aのみが設けられており(図1参照)、この入賞口23aがV入賞口とされている。つまり、第2大入賞装置23の入賞口23aに入った玉は全てV入賞口に入賞したことになる。
さらに、主回路101には、図2にて破線で示すように、入賞口31aに入賞した玉を検出して玉検出信号を出力する第1V入賞検出器125及び前記Vソレノイド135が接続されており、主回路101によってVソレノイド135が駆動制御されるようになっている。そして、主回路101のROM101bには、図4〜図7に示したプログラムに代えて、例えば図10〜図13に示すプログラムが格納されており、主回路101のCPU101aがこれらのプログラムを所定のタイミングで繰り返し実行するように構成されている。
図9は、第1大入賞装置22’と第2入賞装置23とが、設定された最大の開放時間だけ開放したときの両者の開放、閉鎖タイミングの関係を示すタイムチャートである。各ラウンドの最大入賞可能個数は、上記第1実施形態と同様、全てのラウンドで10個に設定されている。各ラウンド(15ラウンドは除く)においては、第1大入賞装置22’の入賞口31a又は第2大入賞装置23の入賞口23aへの入賞が次ラウンドへの継続条件となっている。1〜4、6〜9、11〜15ラウンドでは、第1大入賞装置22’のみが開放されるようになっており、これらの各ラウンドでは、第1大入賞装置22’を開放してから10個の入賞を検出するか、開放してから30秒が経過すると、第1大入賞装置22’を閉鎖してラフンド終了となる。これらの各ラウンド(15ラウンドを除く)では、第1大入賞装置22’への入賞があれば、1つはV入賞口としての入賞口23aへ入賞することになるため、ラウンドが終了して2秒が経過すると、次のラウンドが開始される。
5ラウンドと10ラウンドでは、先に第2大入賞装置23を開放し、開放してから1秒が経過すると、第2大入賞装置23を閉鎖する。その後、第1大入賞装置22’を開放するが、この時点ではシーソー部材33の右端部が左端部よりも低くなるように傾いた姿勢に保持されており、入賞口31aへは入賞しづらくなっている。第1大入賞装置22’を開放してから、第2大入賞装置23との合計入賞数が10個になるか、開放してから29秒が経過すると、第1大入賞装置22’を閉鎖してラウンド終了となる。このラウンドでは、第1大入賞装置22’の入賞口31aへ入賞させることが難しいため、先に開放される第2大入賞装置23の入賞口23aへ少なくとも1玉は入賞させないと、次ラウンド(6ラウンド、11ラウンド)への継続条件を満たすことができず、このラウンド終了をもって大当たり遊技が終了(パンク)する。第2大入賞装置23の入賞口23aへ入賞させることができれば、このラウンドが終了して2秒が経過すると、次のラウンド(6ラウンド、11ラウンド)が開始される。なお、15ラウンドが終了したときも、大当たり遊技が終了する。
以降の第2実施形態に係る図10〜図13のプログラムの説明では、上記した第1実施形態に係る図4〜図7のプログラムと実質的に異なる点を主に説明し、同様の点については適宜説明を省略する。
図10は、大当たり処理を示すフローチャートである。この大当たり処理は、ステップS115の処理において、ラウンド数が5又は10であるか否かを判定する点で、図4のステップS15の処理と異なっている。その他の処理内容は同じである。
ラウンド数が1〜4、6〜9、11〜15ラウンドのときは(S115:NO)、主回路101は、図11に示す第1ラウンド処理を実行する。この第1ラウンド処理では、まずVソレノイド135をオンし(励磁)(S131)、第1大入賞ソレノイド132を励磁することにより、第1大入賞装置22’を開放する(S132)。このとき、図示を省略するタイマをリセットして新たに計時を開始させる。
次に、Vフラグが「1」であるか否かを判定し(S133)、Vフラグが「1」であれば(S133:YES)、Vソレノイド135をオフする(非励磁)(S134:YES,S135)。Vフラグが「0」であれば(S133:NO)、Vソレノイド135をオン状態に維持する。ここで、Vフラグは、図13に示す大入賞検出処理において、第1V入賞検出器125により入賞口31aへの入賞が検出されたときは「1」に変更されるが(S171:NO,S172:YES,S174:YES,S175)、第1V入賞検出器125により入賞口31aへの入賞が検出されなかったときは「0」に維持される(S171:NO,S172:NO)。したがって、入賞口31aへ玉が1個でも入賞すれば、Vフラグが「1」に変更され、Vフラグが「1」に変更された後は第1ラウンド処理の実行中にVソレノイド135がオフされるため(S133〜S135)、以降は入賞口31bへのみ玉が入賞するようになる。
図11の第1ラウンド処理に戻って、第1大入賞装置22’へ1ラウンドの最大入賞可能玉数である10個の玉が入賞するか(S136:YES)、第1大入賞装置22’が開放状態となってから1ラウンドの最大開放時間である30秒が経過するか(S137:YES)の何れかが満たされると、第1大入賞ソレノイド132を非励磁とすることにより、第1大入賞装置22’を閉鎖する(S138)。次に、ラウンド数が15ラウンドであるか否かを判定する(S139)。15ラウンドであれば(S139:YES)、終了フラグを「1」に変更して第1ラウンド処理を終了するが(S141)、1〜4、6〜9、11〜14ラウンドの何れかのときは(S139:NO)、Vフラグが「1」であれば終了フラグを「0」に維持した状態で第1ラウンド処理を終了し、Vフラグが「0」であれば終了フラグを「1」に変更して第1ラウンド処理を終了する。したがって、15ラウンドが終了した場合や、Vフラグが「0」の状態で第1ラウンド処理が終了した場合は、大当たり処理にてステップS118〜S124を実行した後、大当たり遊技が終了する。
ラウンド数が5又は10ラウンドのときは(S115:YES)、主回路101は、図12に示す第2ラウンド処理を実行する(S117)。この第2ラウンド処理では、まずVソレノイド135をオンし(励磁)(S151)、第2大入賞ソレノイド133を励磁することにより、第2大入賞装置23を開放する(S152)。このときも、図示を省略するタイマをリセットして新たに計時を開始させる。第2大入賞装置23の入賞口23aへ10個の玉が入賞するか(S153:YES)、第2大入賞装置23が開放状態となってから1秒が経過するか(S154:YES)の何れかが満たされると、第2大入賞ソレノイド133を非励磁とすることにより、第2大入賞装置23を閉鎖する(S155)。
1秒間待機した後(S156)、第2大入賞検出器123により検出された入賞口23aへの入賞数が10個以上となったか否かを判定する(S157)。すなわち、主回路101は、第2大入賞検出器123により検出された入賞口23aへの入賞数が9個以下であることを条件として、以降のステップS158〜S162の処理を実行して第1大入賞装置22’を開放するようになっている。
第2大入賞検出器123により検出された入賞口23aへの入賞数が9個以下であれば(S57:NO)、Vソレノイド135をオフし(非励磁)(S158)、第1大入賞ソレノイド132を励磁することにより、第1大入賞装置22’を開放する(S159)。Vソレノイド135のオフにより、第1大入賞装置22’においては、入賞口31bへ入賞しやすくなるよう、シーソー部材33が傾動される。したがって、以後、第1大入賞装置22’に入る玉は全て入賞口31bへ入賞して第1大入賞検出器122により入賞数が計数されることになる。なお、第1大入賞装置22’を開放するのとほぼ同時に、上記タイマをリセットして新たに計時を開始させる。
そして、第1大入賞検出器122により検出された第1大入賞装置22’への入賞数と、第2大入賞検出器123により検出された第2大入賞装置23への入賞数との合計入賞数が、10個以上になるか(S160:YES)、第1大入賞装置22’が開放状態となってから29秒が経過するか(S161:YES)の何れかが満たされると、第1大入賞ソレノイド132を非励磁とすることにより、第1大入賞装置22’を閉鎖する(S162)。
第1大入賞装置22’を閉鎖した後、Vフラグが「0」であるか否かを判定する(S163)。Vフラグは、図13に示す大入賞検出処理において、第2大入賞検出器123により入賞口23aへの入賞が検出されたときは「1」に変更されるが(S171:YES,S174:YES,S175)、第2大入賞検出器123により入賞口23aへの入賞が検出されなかったときは、第1V入賞検出器125により入賞口31aへの入賞が検出された場合に限って「1」に変更される(S171:NO,S172:YES)。しかし、第2ラウンド処理のステップS158により第1大入賞装置22’が開放される前にVソレノイド135がオフされるため、第1大入賞装置22’の入賞口31aへ玉が入賞する可能性はほとんどない(S172:NO)。このため、第2大入賞検出器123により入賞口23aへの入賞が検出されなければ、Vフラグは「0」に維持され(S171:NO,S172:NO)、第1大入賞検出器122により検出される入賞口31bへの入賞数の増加に伴って合計入賞数が増加していくことになる(S173:YES,S176)。
したがって、第2大入賞検出器123により入賞口23aへの入賞が検出されれば、終了フラグを「0」に維持した状態で、第2ラウンド処理を終了するが(S163:NO)、第2大入賞検出器123により入賞口23aへの入賞が検出されなければ、終了フラグを「1」に変更して第2ラウンド処理を終了する(S163:YES,S164)。
この第2実施形態では、1〜4、6〜9、11〜15ラウンド(第1ラウンド)において主回路101(遊技制御手段)は、第1大入賞装置22’(第1可変入賞装置)を開放し、開放してから30秒が経過するか入賞数が10個(第2設定値)に達したとき、第1大入賞装置22’を閉鎖してそのラウンドを終了する(S132,S136,S137,S138)。また、5又は10ラウンド(第2ラウンド)において主回路101は、第2大入賞装置23(第2可変入賞装置)を開放し、開放してから非常に短い1秒(第2時間)が経過すると第2大入賞装置23を閉鎖し、その後第1大入賞装置22’を開放し、開放してから29秒(第1時間)が経過するか合計入賞数が10個に達したとき、第1大入賞装置22’を閉鎖してそのラウンドを終了する(S152〜S155,S157,S159〜S162)。そして、シーソー部材33及びVソレノイド135等(振分手段)は、主回路101が前記第1ラウンド中は、第1大入賞装置22’が開放されてから第1V入賞検出器125(V検出手段)が入賞を検出するまでは第1大入賞装置22’内に進入した遊技球を入賞口31a(V入賞口)へ振り分けるとともに、第1V入賞検出器125が入賞を検出した後は、進入した遊技球を入賞口31b(その他入賞口)へ振り分けるように作動し(S131,S133〜S135,S172,S174,S175)、前記第2ラウンド中は、第1大入賞装置22’が開放されてから第1大入賞装置22’内に進入した遊技球を入賞口31bへ振り分けるように作動する(S151,S158,S172,S174,S175)。そして、主回路101は、前記第2ラウンド中に第2大入賞検出器123(第2検出手段)及び第1V入賞検出器125により入賞が検出されなければ、その第2ラウンドの終了時に大当たり遊技を終了する(S163,S164,S118)。
これにより、第2ラウンドでの入賞可能個数を所定数以下に抑えることができ、しかも第2大入賞装置23に遊技球を入賞させないと以降のラウンドを実施できないという従来にない技術介入要素を付加することができるので、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
なお、上記第1及び第2実施形態において、第2大入賞装置23を開放するラウンド数は適宜設定変更可能である。例えば、全てのラウンドにおいて第2大入賞装置23を開放する機会を設け、第2大入賞装置23に入賞させることが次のラウンドの開始条件となるように設定することができる。
また、各大入賞装置22,23,22’の開放時間や入賞可能個数も適宜設定変更可能である。例えば、第1実施形態では、第2大入賞装置23が3回開放し、開放時間が徐々に短くなるように設定したが、開放時間を全て同じ長さに設定してもよい。また、第2実施形態では、第2大入賞装置23が2回開放し、開放時間を全て同じ長さに設定したが、開放時間が異なるように設定してもよい。
また、上記第1及び第2実施形態に記載した大当たり以外に、例えば第1大入賞装置22,22’のみを15回開放する大当たりを設け、抽選結果に応じて選択された大当たりを実施するようにしてもよい。さらに、各ラウンドにおいて、第1大入賞装置22,22’を短い時間(例えば1秒間)開放しては閉鎖する処理を繰り返して、設定された時間の中で複数回開閉するようにしてもよい。
また、各大入賞装置22,23,22’の形状、入賞口の配置などは適宜設定変更可能である。