以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの正面図である。遊技台Aはパチンコ機であって、その正面に正面扉10を備える。正面扉10は遊技台Aの内枠(図1において不図示)に対して開閉可能であり、内枠は正面扉10を支持する。正面扉10の略中央には円形の窓部11を形成している。窓部11には透明の部材(ガラス板或いはプラスチック板)を儲け、窓部11を介して正面扉10の背後の遊技領域21が見えるように構成している。
遊技領域21は遊技盤20の正面に形成している。遊技領域21には釘22を複数立設しており、釘22は遊技領域21の正面側に突出している。遊技領域21には、また、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、複数の入賞口27、及び、大入賞口28を設けている。本実施形態の場合、普図始動入賞口26はゲート式の入賞口であり、遊技球(パチンコ球)の入球後も遊技領域21を流下する。一方、特図始動入賞口24及び25、大入賞口28、入賞口27はいずれも、遊技球の入球後に遊技領域21からこれを排出する形式の入賞口である。これらの各入賞口にはいずれも遊技球の入球を検出するセンサ(不図示)を設けている。
特図始動入賞口25は、いわゆる電動チューリップ式の可変入賞口であり、入賞口に設けた可動の開閉部材の開閉により、遊技球の入球が規制される規制状態と、規制状態よりも遊技球が入球し易い開放状態と、の間で状態が変化する。特図始動入賞口25が開放状態にある場合には、特図始動入賞口25の開閉部材が遊技球が拾い易くなるため、規制状態よりも遊技球が入球し易くなる。一方、規制状態にある場合には、開閉部材に邪魔をされて遊技球が入球しにくくなる。
大入賞口28も可変入賞口である。大入賞口28には、これを開閉する可動の開閉部材28aを設けている。開閉部材28aは閉鎖位置と、遊技領域21の正面側へ回動した開放位置との間で回動可能である。図1は開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を示している。開閉部材28aが閉鎖位置にある場合は大入賞口28が閉鎖されて遊技球は入球不能となり、開閉部材28aが開放位置にある場合は遊技球が大入賞口28に入球可能となる。以下、開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を大入賞口28が閉鎖と、開閉部材28aが開放位置にある場合を大入賞口28が開放ともいう。
遊技領域21には、また、アウト口29を設けている。アウト口29は遊技領域21の最下部に位置しており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球は、このアウト口29に入球し、これにより遊技領域21から排除する。
遊技領域21の中央右側には、普通図柄表示装置30(以下、普図表示装置ともいう。)、特別図柄表示装置32(以下、特図表示装置ともいう)を設けている。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。また、普図表示装置30の近傍には普図抽選保留記憶数表示装置31を、特図表示装置32の近傍には特図抽選保留記憶数表示装置33を、それぞれ設けている。普図抽選保留記憶数表示装置31は当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置33は大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置31、特図抽選保留記憶数表示装置33をいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
特図表示装置32の近傍には、報知ランプ34を設けている。報知ランプ34は、後述する確変状態にあることを報知するランプであり、確変状態にある場合に点灯し、その他の場合は消灯する。
遊技台Aの下部には、上皿構成部材40と、下皿構成部材41と、を設けており、上皿構成部材40の左上部には払出口42を設けている。上皿構成部材40は払出口43から払い出される遊技球が流れ込む上皿(不図示)を構成する。上皿には遊技球を一定量貯留することができる。下皿構成部材41は不図示のレバーを操作することにより上皿から流れてくる遊技球を一定量貯留する下皿(不図示)を構成する。
発射ハンドル43は遊技者の球発射操作を受け付けるためのハンドルである。遊技台Aは、遊技球発射装置44と、上皿が貯留している遊技球を一球ずつ、遊技球発射装置44の発射位置に供給する球送り装置(図1において不図示)と、を内蔵している。遊技球発射装置44は発射ハンドル43に対する遊技者の操作量に応じた強さで、上述した球送り装置により上皿42から発射位置に供給された遊技球を、その弾発動作により発射する。遊技球は遊技領域21に設けた内レール23aと、外レール23bと、の間の通路を通って遊技領域21の上方へ飛び込むことになる。
遊技領域21の略中央には液晶表示装置(LCD)50を設けている。LCD50は各種の情報を表示する画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置を採用するが他の画像表示装置であってもよい。LCD50の表示画面は方形をなし、遊技台Aの正面側を向いている。
<制御回路の構成>
次に遊技台Aの制御回路の構成について説明する。図2は主制御基板100及びこれに関連する構成のブロック図である。図3は副制御基板200及びこれに関連する構成のブロック図である。これらの制御回路は遊技盤20の背面側に設けることができる。
<主制御基板>
図2を参照して、主制御基板100は主制御回路110を搭載する。主制御回路110は遊技の進行を制御するCPU110aと、CPU110aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM110bと、一時的なデータを記憶するRAM110cと、CPU110aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O110dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM110b、RAM110cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM110cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
主制御回路110は、また、カウンタタイマ110eを備える。カウンタタイマ110eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU110aは割り込み信号を受信すると予め定めた割り込み処理を実行する。
主制御基板100は水晶発振器111、カウンタ回路112を搭載する。水晶発振器111はCPU110aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。カウンタ回路112は水晶発振器111が発生するクロック信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントし、大当たり抽選用の乱数を生成する。なお、本実施形態ではカウンタ回路112が水晶発振器111が発生するクロック信号をカウントする構成としたが、別の水晶発振器を設け、これが定期的に出力する信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントする構成としてもよい。
センサ回路113aは各種センサ114aからの信号を処理してI/O110dに出力する。CPU110aはI/O110dの入力ポートから各種センサ114aの検出結果を取得することができる。各種センサ114aは、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27、大入賞口28にそれぞれ設けた遊技球の入球を検出するセンサ、電源回路120の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
駆動回路113b及び113cはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図表示装置32、普図表示装置30、の表示制御を行なう。駆動回路113dはI/O110dが出力する制御信号に基づき各種ソレノイド115を駆動制御する。各種ソレノイド115は特図始動入賞口25を開閉するソレノイド、大入賞口28の開閉部材28aを開閉するソレノイドを含む。駆動回路113e及び113fはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図抽選保留記憶数表示装置33、普図抽選保留記憶数表示装置31の表示制御を行なう。駆動回路113gはI/O110dが出力する制御信号に基づき報知ランプ34の表示制御を行なう。CPU110aはI/O110dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。
CPU110aはI/O110dを介して副制御基板200へ制御コマンドを出力する。また、CPU110aは情報出力回路115を介して情報入力回路116へ制御信号を出力する。情報入力回路116は、例えば、遊技台A毎にこれを設置する島に配した表示器の駆動回路である。
CPU110aはI/O110dを介して払出装置制御基板126へ制御信号を出力する。払出装置制御基板126はCPU110aからの制御信号に基づき、払出装置127を制御して、遊技球の払出処理を行なう。払出センサ125は払出装置127が払出した遊技球を検出するセンサであり、払い出す遊技球の数量をカウントする。
払出装置制御基板126は発射装置制御基板123へ遊技球の発射を許可する信号を出力する。発射装置制御基板123は発射ハンドル43に対する操作量を検出するハンドルセンサ121からの信号に応じて、遊技球発射装置44を構成する発射モータ122を駆動する。また、上皿構成部材40が構成する上皿から遊技球発射装置44へ遊技球を導く球送り装置124を制御する。
<副制御基板>
図3を参照して、副制御基板200は副制御回路210を搭載する。副制御回路210は演出内容を制御するCPU210aと、CPU210aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM210bと、一時的なデータを記憶するRAM210cと、CPU210aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O210dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM210b、RAM210cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM210cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
副制御回路210は、また、カウンタタイマ210eを備える。カウンタタイマ210eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU210aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。副制御基板200は水晶発振器211を搭載する。水晶発振器211はCPU210aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。
音源IC212は、遊技台Aに設けたスピーカ215が出力する音のデータを記憶し、I/O210dが出力する制御信号に基づき、スピーカ215が出力する音を制御する。駆動回路213はI/O210dが出力する制御信号に基づき、遊技台Aに設けた装飾用のLED216の駆動制御を行なう。。センサ回路214は、各種センサ219からの信号を処理してI/O210dに出力する。各種センサ219は、電源回路220の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。LCD制御基板221は、I/O210dが出力する制御信号に基づきLCD50の表示制御を行なう。
<遊技の概要>
遊技者が発射ハンドル43を操作すると、遊技球発射装置44が遊技球を遊技領域21の上方へ発射する。遊技球は、その後、遊技領域21に立設した複数の釘22と衝突を繰り返しながら遊技領域21の下方に流れ落ちる。遊技領域21の上方から下方へ遊技球が流れ落ちる過程で、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27又は大入賞口28に遊技球が入球することで入賞となり、遊技者に対して特典が与えられる。
遊技者に対する特典として、特図始動入賞口24及び25、入賞口27に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば3個の遊技球を払出口42から払い出す。大入賞口28に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば15個の遊技球を払い出す。普図始動入賞口26に入球した場合は遊技球を払出してもよいが、本実施形態では払い出しはない。
次に、本実施形態では、遊技状態として、通常状態、大当たり状態、特定状態を遊技結果に応じて設定する。特定状態は、第1特定状態と第2特定状態との2種類があり、第1特定状態は時短状態、第2特定状態は時短状態と確変状態である。したがって、第2特定状態は第1特定状態よりも遊技者にとって有利である。
<大当たり>
遊技台Aは特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として大当たりの抽選を行なう。抽選の結果は特図表示装置32が表示する。特図表示装置32は所定時間の間、図柄(特別図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた特別図柄を停止表示する。図4(a)は特図表示装置32が停止表示する特別図柄の例を示す図である。特別図柄は2種類あり、そのうちの1種類が大当たりの成立を示す図柄であり、もう1種類が外れを示す図柄である。
本実施形態では大当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(大当たりの判定)することにより行なう。大当たりの当選確率は各抽選毎に例えば1/350である。本実施形態の場合、大当たりの判定は、特別図柄の変動中には行なわない。特別図柄の変動表示中に特図始動入賞口24又は25への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、特別図柄の停止表示後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、特図始動入賞口24又は25に入球があった場合、その入球に対応する大当たりの抽選は行なわない。なお、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」といい、特図抽選保留記憶数表示装置33によりその数を表示する。
大当たりの抽選の結果はLCD50にも表示する。LCD50は、特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として、図柄(装飾図柄)の組み合わせ(ここでは3図柄の組み合わせ)を構成する各装飾図柄の変動表示を開始した後、各装飾図柄を停止表示して大当たりの抽選結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD50は、特図表示装置32の特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の変動表示を開始し、終了する。図4(b)はLCD50が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す。装飾図柄は8種類ある。また、大当たりの成立を示す装飾図柄の組合せは8種類あり、そのうちの4種類が特別大当たりの成立を示す組み合わせである。特別大当たりの成立を示す装飾図柄の組合せは、は大当たり状態の終了後、確変状態となることを示す。
遊技台Aは、大当たりの抽選結果が大当たりであることを条件とし、大当たり図柄を特図表示装置32に表示(及び装飾図柄の組合せをLCD50に表示)した場合、大当たり状態を開始し、予め定めた条件が成立するまで、大当たり状態を設定する。大当たり状態を設定している間、大入賞口28の開閉部材28aが所定回数(例えば15回)開放し、大入賞口28に遊技球が入球可能となる。1回の開放は大入賞口28に一定数の遊技球の入球(例えば9個)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。開閉部材28aが開放状態にあることをラウンドという。大入賞口28が上記の所定回数開放すると、つまり、ラウンド数が所定回数に達すると大当たり状態を終了する。
なお、大当たり状態の開始は、例えば、以下の場合に開始するようにすることもできる。
・大当たり図柄を特図表示装置32に表示(及び装飾図柄の組合せをLCD50に表示)した後、遊技領域21の特定のゲートに遊技球が入球した場合、
・大当たり図柄を特図表示装置32に表示(及び装飾図柄の組合せをLCD50に表示)した後、遊技領域21の特定の入賞口に遊技球が入球した場合、
・大当たり図柄を特図表示装置32に表示(及び装飾図柄の組合せをLCD50に表示)した後、遊技領域21内の特定の領域を遊技球が通過した場合、
である。
<当たり>
遊技台Aは普図始動入賞口26に遊技球が入球したことを条件として当たりの抽選を行なう。抽選の結果は普図表示装置30が表示する。普図表示装置30は所定時間の間、図柄(普通図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた普通図柄を停止表示する。図4(c)は普図表示装置30が停止表示する普通図柄の例を示す図である。普通図柄は2種類あり、そのうちの1種類が当たりの成立を示す図柄であり、もう1種類が外れを示す図柄である。
本実施形態では当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(当たりの判定)することにより行なう。本実施形態の場合、当たりの判定は、普通図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口26への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、普通図柄の停止表示後に当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口26に入球があった場合、その入球に対応する当たりの抽選は行なわない。なお、当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、普図抽選保留記憶数表示装置31がその数を表示する。
遊技台Aは、当たりの抽選結果が当たりであることを条件として、特図始動入賞口25を一定時間(例えば0.3秒)開放させる。よって、当たりが成立すると特図始動入賞口25に遊技球が入球し易くなる。
<特定状態>
遊技台Aは大当たり状態が終了したことを開始条件として、特定状態を開始する。本実施形態の場合、大当たり状態の終了直後に特定状態を開始するが、所定の期間の経過後に開始してもよい。所定の期間は時間を基準としてもよいし、大当たりの抽選回数を基準としてもよい。特定状態を設定している間、遊技者には特典をが与えられ、遊技者に有利な状態となる。本実施形態では、上記の通り、特定状態は、第1特定状態と第2特定状態との2種類があり、第1特定状態は時短状態、第2特定状態は時短状態と確変状態である。
<時短状態>
本実施形態では、時短状態を設定している間、特図表示装置32の変動表示時間を短縮する。変動表示時間を短縮することで、単位時間当たりの大当たりの抽選回数が増えることになり、単位時間当たりの大当たり回数が増加するから、基本的には遊技者に有利になる。無論、釘22の状態に左右されることは言うまでもない。
時短状態では、普図表示装置30の変動表示時間も短縮してもよい。また、通常状態よりも当たりの当選確率を高くすることができる。更に、特図始動入賞口25の開放時間を通常よりも長くすることができる。これらにより、遊技者に更に有利になる。
<確変状態>
本実施形態では、確変状態を設定している間、大当たりの当選確率をアップし、大当たりが成立し易くする。本実施形態では、確変状態を設定するか否かは、大当たりの抽選に当選した場合に行う抽選により決定する。確変状態の抽選に当選した場合を、特別大当たりと呼び、当選しなかった場合を通常大当たりと呼ぶ。
<遊技状態の推移>
図5は、遊技台Aにおける遊技状態の推移を示す図である。遊技を通常状態から開始した場合を例にとって順次説明する。通常状態において、通常大当たりが成立すると、大当たり状態を開始する。大当たり状態が終了すると、モード選択、時間回数抽選を行って、第1特定状態を開始する。
モードは複数種類あり、本実施形態ではモード1〜モード5まで5種類ある。各モードには、第1特定状態における時短状態の内容を規定する内容規定情報を1対1で対応づけている。したがって、モードの選択とは内容規定情報の選択である。本実施形態の場合、モードの選択は、予め定めた再選択条件が成立した場合に行う。再選択条件は、ここでは、通常大当たりの成立、特に、通常状態で通常大当たりが成立した場合である。本実施形態では、モードの選択自体は、大当たり状態の終了時に行うが、通常状態で通常大当たりが成立した後、大当たり状態の開始前等、再選択条件が成立した後であって、第1特定状態を開始させる前であれば任意のタイミングでモードの選択を行うことができる。
本実施形態の場合、内容規定情報は、第1特定状態の期間を規定する。期間は時間を基準としてもよいが、本実施形態の場合、大当たりの抽選回数を基準とし、時短回数と呼ぶ。例えば、時短回数が10回の場合、大当たりの抽選を10回行うと第1特定状態を終了させる。
図6は、各モードの推移関係を示す図である。本実施形態では、現在選択しているモードに基づいて次のモードを選択する。同図の矢印は、移行可能なモードを示している。例えば、モード1を現在選択している場合、モード2乃至4のいずれかを選択する。モード5は、現在選択しているモードがモード4でなければ選択しない。また、現在選択しているモードがモード5の場合、モードの移行先はモード1かモード4である。なお、現在選択しているモードと同じモードを次のモードとして選択する場合もある。
本実施形態では、モード1を選択した場合、時短回数は0回である。したがって、モード1を選択した場合は第1特定状態を開始せず、通常状態に戻る。モード2では0回〜20回の中から抽選で時短回数を設定する。モード3では20回〜50回の中から抽選で時短回数を設定する。モード4では0回〜50回の中から抽選で時短回数を設定する。モード5では100回の時短回数を設定する。
したがって、モード1が遊技者にとって最も不利であり、モード5が最も有利である。モード4は設定可能な時短回数の範囲では、モード3よりも不利な場合を含むが、モード5に移行できる可能性がある点でモード3よりも遊技者にとって有利である。したがって、モードの優劣は、モード1→モード2→モード3→モード4→モード5の順に遊技者に有利となる。
図5に戻り、第1特定状態は、時短回数の消化、大当たりの成立、により終了する。時短回数の消化により第1特定状態を終了させた場合は通常状態に戻る。通常大当たりの成立により第1特定状態を終了させた場合は、大当たり状態の終了後、再び、第1特定状態を開始するが、この場合はモード選択を行わず、時短回数は前回設定した時短回数、つまり、前回の第1特定状態について設定した時短回数を再度設定する。このため、第1特定状態設定中に通常大当たりが成立すると、前回と同条件の時短回数となり、前回の第1特定状態と比べて次回の第1特定状態が遊技者に不利にならないという利点がある。特別大当たりの成立により第1特定状態を終了させた場合は大当たり状態を経て第2特定状態を開始することになる。
次に、図5において、通常状態において、特別大当たりが成立すると、大当たり状態を開始する。大当たり状態が終了すると、第2特定状態を開始する。第2特定状態は大当たりの成立により終了する。つまり、大当たりが成立するまで継続する。通常大当たりの成立により第2特定状態を終了させた場合は、大当たり状態の終了後、第1特定状態を開始するが、この場合は、特定のモードを選択し、時短回数抽選を行う。本実施形態の場合、特定のモードとして、遊技者に最も有利なモード5を選択する。したがって、時短回数は100回となる。このようにすることで、特別大当たりが一旦成立すると、遊技者にとってはモード選択上、有利となる。特別大当たりの成立により第2特定状態を終了させた場合は、大当たり状態の終了後、再び第2特定状態を開始する。したがって、遊技者に有利な状態が継続する。
<モードに関する他の例>
移行可能なモード間の関係は、図6の例に限られず、種々の関係を設定できる。例えば、本実施形態では、モード5へはモード4からのみ移行するが、他のモードからモード5へ移行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技者に最も有利なモード5から移行可能な別のモードとして、モード1及びモード4を設定しているが、これに限られない。例えば、遊技者に最も有利なモード5から別のモードに移行する場合は、モード5に移行する前のモードとしてもよい。本実施形態で言えば、例えば、モード4→モード5と移行した場合、モード5→モード4と移行する。こうすることで、遊技者に有利な状態を継続させることができる。この場合、所定の条件を満たした場合のみ、モード5に移行する前のモードとしてもよい。所定の条件としては、例えば、モード5を選択した第1特定状態中に通常大当たりとなった場合である。
本実施形態では、各モードの内容規定情報が第1特定状態の内容を規定するようにしているが、遊技者に有利な他の有利状態の内容を規定するようにしてもよい。そのような有利状態としては、例えば、大当たり状態を挙げることができる。
また、本実施形態では、内容規定情報は時短回数を規定するようにしたが、他の内容を規定するようにしてもよい。例えば、内容規定情報が大当たり状態の内容を規定するようにした場合、大入賞口28の開閉部材28aの開放回数、大入賞口28の1回の開放における技球の入球数が挙げられる。
また、本実施形態では、大当たり状態の発生を抽選により決定する形式のパチンコ機を例示するが、遊技者に有利な有利状態の内容を内容規定情報の選択により決定していく上記の方式は、いわゆるヒコーキ台、羽根物と呼ばれる形式のパチンコ機にも適用可能である。
<遊技の進行の制御処理>
次に、主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例について図7乃至図13を参照して説明する。図7(a)はCPU110aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図7(b)はカウンタタイマ110eからの割り込み信号を契機としてCPU110aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU110aはS1で初期処理を行なう。ここではRAM110cが記憶しているデータの破損チェック、電源断時にRAM110cに退避したCPU110aのレジスタの記憶内容の復帰処理等を行なう。
S2では乱数カウンタの初期値を更新する処理を行ない、その後、電源断となるまでS2の処理を繰り返す。乱数カウンタはRAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタであり、その種類として「確変抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用サブ乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「モード抽選用乱数カウンタ」、「時短回数抽選用乱数カウンタ」がある。これらのカウンタは一定の数値範囲で循環的に数値をカウントし、乱数の生成に使用する。初期値とはカウントが一巡したときに、次にカウントを開始する時の値を意味する。例えば、0〜127の数値範囲で数値をカウントする場合であって、初期値が50であった場合、次のカウントは50、51...127、0...49となる。
「確変抽選用乱数カウンタ」は、大当たりが成立した場合に、通常大当たりとするか特別大当たりとするかを抽選で選択するための乱数をを生成するために使用する。「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用サブ乱数カウンタ」は、特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「当たり抽選用乱数カウンタ」は、当たりの判定を行うための乱数を生成するために使用する。本実施形態の場合、図4(c)に示したように、普図表示装置30が表示する普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類であるため、この判定結果により、普図表示装置30が表示する普通図柄の種類も定まる。「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
なお、以下、CPU110aの処理に関わるソフトウエアカウンタは、カウント値をRAM110cの一部の記憶領域に記憶し、更新するものとし、フラグは、ON、OFF値をRAM110cの一部の記憶領域に記憶し、更新するものとする。
<タイマ割り込み処理>
S11ではI/O110dの入力ポートから各種センサ114aの検出結果を取得する。S12では乱数カウンタを更新する。乱数カウンタとは上述した、「確変抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」であり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には、S2で更新した初期値にカウント値を更新する。
S13では始動入賞判定処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口24及び25又は普図始動入賞口26への遊技球の入球の有無に関連する処理を行なう。詳細は後述する。S14では特図関連処理を行なう。ここでは、主として大当たりの判定や大当たり状態設定中の処理を行う。詳細は後述する。S15では普図関連処理を行なう。ここでは、主として当たりの判定に関連する処理を行う。詳細は後述する。
S16ではS13乃至S15での処理結果に応じて副制御基板200へ制御コマンドを送信する。S17ではS13乃至S15での処理結果に応じてI/O110dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。S18ではカウンタ更新処理を行なう。
カウンタ更新処理では時間を計時する各種ソフトウエアカウンタのカウント値の更新等を行なう。時間を計時するカウンタの種類には、「特図変動時間カウンタ」、「普図変動時間カウンタ」、「可変入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放待ちカウンタ」等がある。
「特図変動時間カウンタ」は特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を計時するカウンタである。「普図変動時間カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を計時するカウンタである。「可変入賞口開放時間カウンタ」は特図始動入賞口25の開放時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放時間カウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に位置させた状態の時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放待ちカウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に移動させるまでの待ち時間を計時するカウンタである。待ち時間はLCD50等による演出を行うための時間を確保するために設定される。S18のカウンタ更新処理の詳細は後述する。
S19ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータのうち、電源断を検出する上記のセンサの検出結果を取得し、電源断か否かを判定する。該当する場合にはS20へ進み、該当しない場合は一単位のタイマ割り込み処理を終了する。S20では電源断時の処理を行なう。ここでは例えばCPU110aのレジスタの記憶内容をRAM110cに退避する処理等を行ない、処理が終了する。
<始動入賞判定処理>
次に、図8を参照してS13の始動入賞判定処理について説明する。図8は始動入賞判定処理のフローチャートである。S31ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、特図始動入賞口24及び25に対する入球を検出したか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合はS36へ進む。
S32では特図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS33へ進み、該当しない場合はS36へ進む。なお、特図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S33では特図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。S34ではカウンタ回路112から大当たり判定用の乱数を取得する。S35では、S34で取得した大当たり判定用の乱数、「確変抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の特図乱数記憶領域に特図抽選保留乱数として記憶する。
S36ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、普図始動入賞口26に対する入球が検出されたか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。
S37では普図抽選保留記憶数が規定数(例えば2)未満か否かを判定する。該当する場合はS38へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。なお、普図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S38では普図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。S30では、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の普図乱数記憶領域に普図抽選保留乱数として記憶する。その後、一単位の始動入賞判定処理を終了する。
<特図関連処理>
次に、図9乃至図11を参照してS14の特図関連処理について説明する。図9乃至図11は特図関連処理のフローチャートである。S41〜S50の処理は、主として大当たり状態を設定している場合の処理である。S41では遊技状態として大当たり状態を設定中か否かを判定する。大当たり状態か否かは「大当たり状態フラグ」を参照して判定し、ONの場合は大当たり状態と、OFFの場合は大当たり状態ではないと判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合はS51へ進む。
S42では大入賞口28を開放中か否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合はS49へ進む。大入賞口28が開放中か否かは「大入賞口開放中フラグ」がONかOFFかで判定する。S43では大入賞口入賞数管理処理を行なう。ここでは大入賞口28への遊技球の入球数をカウントする処理を行なう。S44では大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。該当する場合はS45へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S44では、S43の処理の結果、大入賞口28への遊技球の入球数が一定値に達した場合、又は、大入賞口28の開放時間が一定時間に達した場合(「大入賞口開放時間カウンタ」のカウント値が0の場合)に、閉鎖条件成立と判定する。
S45では大入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、大入賞口28を閉鎖すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放中フラグ」をOFFにする。S46ではラウンド管理処理を行なう。ここでは大入賞口28の開放回数をカウントする処理、及び、開放回数が所定回数に達したか否かを判定する処理等を行なう。また、大入賞口28の開放回数が所定回数に達していない場合には、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S47ではS46の処理結果に応じて大当たり状態を終了するか否かを判定する。大入賞口28の開放回数が所定回数に達した場合に大当たり状態を終了する。該当する場合はS48へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S48では大当たり状態終了処理を行う。詳細は後述する。
S49では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS50へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S50では大入賞口開放処理を行なう。ここでは、大入賞口28を開放すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放時間カウンタ」に初期値をセットし、大入賞口開放中フラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。
S51〜S73の処理は、主に、特図の変動、大当たりの抽選に関する処理である。S51では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS57へ進む。S52では特図表示装置32に特別図柄を停止表示するための表示データをI/O110dにセットする。S57では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
S53では、「大当たりフラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS54へ進み、該当しない場合はS61へ進む。S54では大当たりフラグをOFFにする。S55では「特定状態フラグ」をOFFにする。「特定状態フラグ」は特定状態であることを示すフラグであり、S55では、現在の「特定状態フラグ」がONかOFFか否かに関わらず、一律にOFFとする。S56では大当たり状態設定処理を行う。ここでは、「大当たり状態フラグ」をONとし、また、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する等、大当たり状態に関する各種設定を行う。
S61では特図抽選保留乱数をRAM110cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S62では、特図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の特図抽選保留乱数を取得し、特図乱数記憶領域から消去する。また、特図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。
S63では大当たりの判定を行う。大当たりの判定は、S62で取得した特図抽選保留乱数の大当たり判定用の乱数と、ROM110bに記憶した大当たり抽選データとに基づき行なう。そして、大当たり判定用の乱数が大当たり抽選データで示された数値の範囲に含まれる場合に大当たり成立と判定する。
図14(a)は大当たり抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、大当たり判定用の乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。本実施形態では、大当たり抽選データの確率状態を、遊技状態が確変状態か否かで区別しており、確変状態の場合は確変時の抽選データを、確変状態以外の場合は通常時の抽選データを選択する。確変状態の場合の方が大当たりの当選確率を高く設定している。確変状態か否かは「確変フラグ」がONかOFFかで判定する。
また、本実施形態では、大当たり抽選データを特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合と、特図始動入賞口(可変入賞口)25に遊技球が入球して成立した場合とでも区別している。
そして、大当たり判定用の乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に大当たりと判定する。例えば、大当たり判定用の乱数が10001であり、確率状態が通常時で、かつ、特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合は大当たりと判定する。
S64ではS63の大当たりの判定の結果、大当たり成立と判定した場合はS65へ進み、そうでない場合はS71へ進む。S65では「大当たりフラグ」をONにする。S66では、確変の判定を行う。確変当選の場合はS79へ進み、外れの場合はS68へ進む。
確変の判定は、最古の特図抽選保留乱数の「確変抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した確変抽選データとに基づき行なう。図14(b)は確変抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「確変抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜255の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「確変抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に確変当選と判定する。例えば、乱数が11の場合、確変当選である。乱数が10の場合、確変外れである。
S79では「確変フラグ」をONにしてS71へ進む。S68では、「確変フラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS69へ進み、該当しない場合はS80へ進む。S69では「確変フラグ」をOFFにする。S70では、「特定モード選択フラグ」をONにする。「特定モード選択フラグ」は、図5を参照して説明した、第2特定状態中に通常大当たりとなった場合、大当たり状態終了後に特定モードを選択することを示すフラグである。
S80では、「特定状態フラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS81へ進み、該当しない場合はS71へ進む。S81では、「前回時短回数フラグ」をONにする。「前回時短回数フラグ」は、図5を参照して説明した、第1特定状態中に通常大当たりとなった場合、大当たり状態終了後に、前回の第1特定状態で設定した時短回数を再設定することを示すフラグである。
S71ではタイマ番号抽選を行う。タイマ番号は特別図柄(及び装飾図柄)の変動時間を規定する。タイマ番号抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶したタイマ番号決定テーブルとに基づき行なう。図15(a)はタイマ番号決定テーブルの例を示す図である。タイマ番号抽選は、「大当たりフラグ」がONの場合とOFFの場合とで区別する。
同図の例の場合、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応するタイマ番号を選択する。例えば、「大当たりフラグ」がONで、乱数が1の場合、タイマ番号2(変動時間10秒)を選択する。
「大当たりフラグ」がOFFで、乱数が0〜61235の場合(大当たり抽選が外れの大半の場合)、時短状態か否かにより区別した別テーブルによりタイマ番号抽選を行う。図15(b)及び(c)は別テーブルの例を示しており、図15(b)が時短状態でない場合、図15(c)が時短状態の場合である。同図の例の場合、特図抽選保留乱数の保留個数により更に区分けし、「特図変動時間抽選用サブ乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。
そして、「特図変動時間抽選用サブ乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応するタイマ番号を選択する。例えば、時短状態中で、保留個数が0の場合であって、乱数が1の場合、タイマ番号11(変動時間5秒)を選択する。時短状態中は特別図柄(及び装飾図柄)の変動時間が短くなるように変動時間を設定すべく、図15(b)及び(c)では、図15(c)の方が、より短い変動時間が選択される確率を高くしている。これにより、時短状態中は、特別図柄(及び装飾図柄)の変動時間が、平均的又は統計的に短くなる。
図10に戻り、S72ではS71で選択したタイマ番号に規定されている変動時間に応じて「特図変動時間カウンタ」の初期値を設定する。S73では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
S74〜S78の処理は、主として第1特定状態を時短回数の消化により終了させる処理である。S74では、「特定状態フラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS75へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S75では確変フラグがONか否かを判定する。この判定は第1特定状態と第2特定状態との判定である。該当する場合はS76へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。
S76では、時短回数の消化をカウントするソフトウエアカウンタである「時短回数カウンタ」を更新する。ここでは「時短回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S77では「時短回数カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS78へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理が終了する。S78では「特定状態フラグ」をOFFにする。その後、一単位の特図関連処理が終了する。
図11は、S48の大当たり状態終了処理を示すフローチャートである。S91では「大当たり状態フラグ」をOFFにする。S92では「確変フラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS99へ進み、該当しない場合はS93へ進む。S93では、「前回時短回数フラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS100へ進み、該当しない場合は、S94へ進む。S94では、「特定モード選択フラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS102へ進み、該当しない場合はS95へ進む。
S95ではモード選択処理を行う。ここでは、現在選択しているモードに基づいて、次のモードを選択する。本実施形態では「モード抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数により抽選で次のモードを選択する。図16(a)はモード選択の抽選データを示すモード移行テーブルである。同図の例の場合、「モード抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜255の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。
そして、「モード抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が、「移行元モード」のうち、現在選択しているモードについて、各「移行先モード」の乱数の範囲に含まれる場合に、その「移行先モード」を選択する。例えば、現在のモードがモード1で、乱数が128の場合、次のモードとしてモード2を選択する。また、例えば、現在のモードがモード1で、乱数が0の場合、次のモードとして同じモード1を選択する。同図の例では、現在のモードがモード1〜3の場合は、次のモードとしてモード5を選択する場合はない。現在のモードがモード5の場合は、次のモードとしてモード2及びモード3を選択する場合はない。なお、本実施形態の場合、このようにモードの選択自体は大当たり状態の終了時に行うが、上記の通り、通常状態で通常大当たりが成立した後、大当たり状態の開始前等、再選択条件が成立(大当たりの成立)した後であって、第1特定状態を開始させる前であれば任意のタイミングでモードの選択を行うことができる。
図11に戻り、S96では現在選択しているモードに応じて時短回数を設定する。図16(b)は、時短回数を決定する時短回数決定テーブルである。各モード1〜5毎に、内容規定情報(期間規定情報)を規定している。本実施形態では、現在選択しているモードについて、「時短回数抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数により複数種類の時短回数の中からいずれかを選択する。内容規定情報は、各時短回数を選択する抽選データを構成している。同図の例の場合、「時短回数抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。
例えば、現在選択しているモードがモード1の場合、乱数がいずれの場合でも時短回数は0である(第1特定状態は設定しない)。モード5の場合、乱数がいずれの場合でも時短回数は1000である。モード2〜モード4では、乱数に応じて異なる時短回数を設定することになる。時短回数を選択すると、その時短回数を「時短回数カウンタ」の初期値にセットする。
図11に戻り、S97では、S96で設定した時短回数が0より大きいか否かを判定する。該当する場合はS98へ進み、該当しない場合は一単位の大当たり状態終了処理を終了する。S98ではRAM110cの一部の記憶領域に記憶する「前回時短回数」を、S96で設定した時短回数で更新する。S99では、「特定状態フラグ」をONにする。
S100では、「前回時短回数フラグ」をOFFにする。S101では「前回時短回数」としてRAM110cに記憶している時短回数を、「時短回数カウンタ」の初期値にセットする。
S102では、「特定モード選択フラグ」をOFFにする。S103では、特定のモード(本実施形態ではモード5)を選択し、S96へ進む。この場合、S96では時短回数として100回を設定することになる。
<普図関連処理>
次に、図12を参照してS15の普図関連処理について説明する。図12は普図関連処理のフローチャートである。S111では特図始動入賞口(可変入賞口)25が開放状態か否かを判定する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合はS114へ進む。特図始動入賞口25が開放状態か否かは、「可変入賞口フラグ」がONかOFFかで判定する。
S112では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS113へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S113では可変入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口25を規制状態とすべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「可変入賞口フラグ」をOFFにする。
S114では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS115へ進み、該当しない場合はS120へ進む。S120では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットし、その後、一単位の普図関連処理を終了する。
S115では「当たりフラグ」がONか否かを判定する。該当する場合はS116へ進み、該当しない場合はS121へ進む。S116では「当たりフラグ」をOFFにする。S117では「可変入賞口開放時間カウンタ」に初期値を設定する。S118では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。S119では可変入賞口開放処理を行う。ここでは、I/O110dの出力ポートに特図始動入賞口25を開放状態に変化させるデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをONにする。
S121では普図抽選保留乱数をRAM110cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS122へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S122では普図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の普図抽選保留乱数を取得し、普図乱数記憶領域から消去する。また、普図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。
S123では当たりの判定を行う。当たりの判定は、最古の普図抽選保留乱数の「当たり抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した当たり抽選データとに基づき行なう。抽選の方式は大当たり抽選の場合と同様である。S124ではS123の当たりの判定の結果、当たりと判定した場合はS125へ進み、そうでない場合はS126へ進む。S125では「当たりフラグ」をONにする。
S126では「普図変動時間カウンタ」に初期値を設定する。また、当たりの判定結果及び普図変動時間を示す情報をI/O110dにセットする。S97では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。以上により一単位の普図関連処理を終了する。
<カウンタ更新処理>
次に、図13を参照してS18のカウンタ更新処理について説明する。図13はカウンタ更新処理のフローチャートである。S131では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS135へ進み、該当しない場合はS132へ進む。
S132では「特図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S133では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS134へ進み、該当しない場合はS135へ進む。S134では副制御基板200へ図柄停止コマンドを送信する。副制御基板200はこのコマンドを受けてLCD50が表示する装飾図柄の変動を停止する。
S135では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS137へ進み、該当しない場合はS136へ進む。S136では「普図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S137では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS139へ進み、該当しない場合はS138へ進む。S168では「可変入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。
S139では「大入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS111へ進み、該当しない場合はS110へ進む。S110では「大入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。S111では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合は一単位のカウンタ更新処理を終了し、該当しない場合はS112へ進む。S112では「大入賞口開放待ちカウンタ」を一つ減算する。以上により一単位のカウンタ更新処理を終了する。
<演出の制御処理>
次に、副制御回路210のCPU210aが実行する処理の例について図17を参照して説明する。図17(a)はCPU210aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図17(b)はカウンタタイマ210eからの割り込み信号を契機としてCPU210aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。なお、
<メイン処理>
電源の投入により、CPU210aはS201で初期処理を行なう。ここではCPU210aのレジスタの初期設定等、副制御回路210全体の各種初期設定を行う。S202では主制御基板100からの制御コマンドに応じた処理を実行する。詳細は後述する。S203ではS202の処理結果に応じてI/O210dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。その後、S202へ戻り、電源断まで同様の処理を繰り返す。なお、以下、CPU210aの処理に関わるソフトウエアカウンタは、カウント値をRAM210cの一部の記憶領域に記憶し、更新するものとする。
<タイマ割り込み処理>
S211ではソフトウエアカウンタである乱数カウンタを更新する。乱数カウンタには、「変動番号抽選用乱数カウンタ」、「図柄抽選用乱数カウンタ」、「ステージ移行抽選用乱数カウンタ」、「予告演出抽選用乱数カウンタ」があり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には初期値(例えば0)からカウントする。
S212では主制御基板100から制御コマンドを受信したか否かを判定する。該当する場合はS213へ進み、該当しない場合はS214へ進む。S213では受信した制御コマンドをRAM210cに保存する。S214では、演出データの更新処理を行なう。ここでは、現在選択されている演出の種類及びS202の処理結果に応じてLCD50の表示内容等を更新する処理を行なう。S215では、LCD50等の制御信号をI/O50dから出力する。以上により一単位のタイマ割り込み処理が終了する。
<コマンド処理>
図18はS202のコマンド処理の例を示すフローチャートである。S221ではRAM210cにおける制御コマンドの記憶領域を参照して、未処理の主制御基板100からの制御コマンドの有無を判定する。未処理の制御コマンドがある場合は最古の制御コマンドを取得してS222へ進み、ない場合は一単位のコマンド処理を終了する。
S222では制御コマンドがタイマ番号を示すコマンドか否かを判定する。該当する場合はS223へ進み、該当しない場合はS224へ進む。S223では制御コマンドに示されたタイマ番号に応じて装飾図柄の変動態様の選択、演出ステージの移行、予告演出の選択等に関する処理を行う。詳細は後述する。
S224では制御コマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。該当する場合はS225へ進み、該当しない場合はS226へ進む。S225ではLCD50の装飾図柄の変動表示を停止(全装飾図柄の停止)するよう設定し、上述したS203でそのコマンドをLCD制御基板221へ出力することになる。S226では、その他の処理を行なう。ここではその他の種類の制御コマンドに応じた処理を行なう。以上により一単位のコマンド処理が終了する。
<装飾図柄の変動態様の選択>
装飾図柄の変動態様の選択では、「変動番号抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM210bに記憶した変動番号選択テーブルと、に基づいて変動番号を決定し、更に、「図柄抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM210bに記憶した組合せ決定テーブルとにより、変動停止時の装飾図柄の組合せを決定する。
本実施形態の場合、変動番号選択テーブルは「大当たりフラグ」がONの場合とOFFの場合とで区別している。図19(a)は「大当たりフラグ」がOFFの場合の変動番号選択テーブルであり、図19(b)は「大当たりフラグ」がONの場合の変動番号選択テーブルである。同図の例の場合、「変動番号抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。
図19(a)に示すように、「大当たりフラグ」がOFFの場合は、タイマ4以外のタイマ番号の場合は、対応する変動番号を1つずつ割り当てている。タイマ番号が4の場合、例えば、乱数が0の場合は変動4を選択し、乱数が96の場合は変動5を選択する。
図19(b)に示すように、「大当たりフラグ」がONの場合は、「確変フラグ」がONかOFFかで区別している。例えば、タイマ番号がタイマ2の場合、「確変フラグ」がOFFで乱数が0の場合は変動6を選択し、「確変フラグ」がONで乱数が0の場合は変動8を選択する。
「装飾図柄変動態様」は、変動停止に至る装飾図柄の変動表示形態の種類を示す。本実施形態では、各装飾図柄を停止表示する過程において、全ての装飾図柄を停止表示する前に、停止表示された装飾図柄により特定の組み合わせとなった場合をリーチ状態と呼ぶ。本実施形態では、上記の通り、3つの装飾図柄の組合せを表示するようにしており、停止表示された2つの装飾図柄が共通した組合せの場合はリーチ状態である。
図23乃至図27は、LCD50が表示する装飾図柄の変動表示例を示す。本実施形態では、3つの装飾図柄を左→右→中の順に停止表示する。図23(a)は「リーチなし」の変動表示形態を示す。「リーチなし」の場合は常に外れである。図23(b)は、「ノーマルリーチ」で外れの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となっているが、四段目の最終表示では装飾図柄の組合せが外れとなっている。
図24(a)は「ロングリーチ」で外れの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となっており、四段目でもリーチ状態が継続している。「ノーマルリーチ」よりも変動時間が長い変動表示形態である。
図24(b)は「ノーマル逆転リーチ」で大当たりの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となり、四段目で一旦外れの装飾図柄の組合せを表示しているが、五段目の最終表示では装飾図柄の組合せが大当たりとなっている。四段目のように一旦装飾図柄の組合せを表示することを仮停止と呼び、その装飾図柄の組合せを仮停止図柄の組合せと呼ぶ。
図25(a)は「ノーマル再変動リーチ」で大当たりの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となり、四段目で一旦外れの装飾図柄の組合せを仮停止しているが、五段目の最終表示では各装飾図柄を再変動して停止し、装飾図柄の組合せが大当たりとなっている。
図25(b)は「ダブルラインリーチ」で外れの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となり、四段目で2種類の装飾図柄の組合せのリーチ状態となる。図26(a)は「トリプルラインリーチ」で外れの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となり、四段目で3種類の装飾図柄の組合せのリーチ状態となる。
図26(b)は「特別マルチラインリーチ」で大当たりの変動表示形態を示す。上から三段目の表示でリーチ状態となり、四段目で8種類の装飾図柄の組合せのリーチ状態となる。
図27(a)は「全回転リーチ」で大当たりの変動表示形態を示す。一つ目の装飾図柄の停止表示時に大当たりの装飾図柄の組合せを表示し(二段目)、複数種類の大当たりの装飾図柄の組合せを順次表示して最終表示する。図27(b)は「特別全回転リーチ」で大当たりの変動表示態様を示す。「全回転リーチ」と同様であるが、順次表示する装飾図柄の組合せが特別大当たりの組合せである。
次に、図20及び図21は、変動停止時の装飾図柄の組合せを決定するための、装飾図柄の組合せ決定テーブルの例を示す図である。本実施形態の場合、組合せ決定テーブルは、変動番号で区分けしており、仮停止図柄の組合せと、停止図柄(最終停止図柄)の組合せとを規定する。同図の例の場合、「図柄抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。例えば、変動1の変動番号を選択した場合であって、乱数が0の場合、装飾図柄の仮停止はなく、停止図柄の組合せが「装飾1」−「装飾7」−「装飾8」となる。また、例えば、変動6の変動番号を選択した場合であって、乱数が0の場合、仮停止図柄の組合せが「装飾2」−「装飾1」−「装飾2」で、停止図柄の組合せが「装飾2」−「装飾2」−「装飾2」となる。
<演出ステージの移行>
本実施形態では、演出形態を複数種類設定し、各演出形態を演出ステージと呼ぶ。各演出ステージは、LCD50に表示する背景画像が異なる。演出ステージは、1〜3の3種類ある。図28(a)乃至(c)は、LCD50が表示する各演出ステージ1〜3に対応した背景画像の例を示す図である。図28(a)は海をモチーフとした背景画像である。図28(b)は山をモチーフとした背景画像である。図28(c)は空をモチーフとした背景画像である。
演出ステージは、制御コマンドとしてタイマ番号を受信した場合であって所定の条件が成立した場合にS223の処理で移行する。図22(a)は演出ステージを移行するか否かを定めるステージ移行判定テーブルの例を示す図であり、ROM210bに記憶する。演出ステージを移行するか否かは、「大当たりフラグ」のON、OFF、タイマ番号、現在のモード及び「ステージ移行抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数に基づき決定する。
同図の例では、「ステージ移行抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、例えば、「大当たりフラグ」がOFF、タイマ番号がタイマ1、現在のモードがモード1の場合、乱数が0の場合は演出ステージを移行する。また、例えば、「大当たりフラグ」がOFF、タイマ番号がタイマ1、現在のモードがモード3の場合、乱数の関わらずに演出ステージを移行しない。
同図に示すように、「大当たりフラグ」がONの場合は、演出ステージを移行する確率が高くなっている。したがって、演出ステージの移行、つまり、LCD50が表示する背景画像の変化は、モードの移行を示唆する演出となる。
図22(b)は、演出ステージの移行を決定した場合に、移行先の演出ステージを決定するための移行先ステージ決定テーブルの例を示す図であり、ROM210bに記憶する。本実施形態では、現在の演出ステージ(移行元ステージ)に基づいて次の演出ステージ(移行先ステージ)を決定する。移行先の演出ステージは、「ステージ移行抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数により決定する。例えば、移行元ステージが演出ステージ1の場合、乱数が0の場合は演出ステージ2に、乱数が77の場合は演出ステージ3に移行する。
<予告演出の選択>
本実施形態では、装飾図柄の変動開始時の所定の場合に、大当たりの成立を示唆する予告演出を行う。予告演出は、所定の画像をLCD50に表示させることにより行う。図28(d)は、LCD50が表示する予告演出の画像の例を示す図である。同図の例では、紙飛行機が右から左へ飛行した状態を模した画像を表示している。
予告演出を行うか否かは、制御コマンドとしてタイマ番号を受信した場合であって所定の条件が成立した場合にS223の処理で決定する。図22(c)は予告演出を行うか否かを定める予告演出決定テーブルの例を示す図であり、ROM210bに記憶する。予告演出を行うか否かは、「大当たりフラグ」のON、OFF、タイマ番号、現在のモード及び「予告演出抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数に基づき決定する。
同図の例では、「予告演出抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、例えば、「大当たりフラグ」がOFF、タイマ番号がタイマ1、現在のモードがモード1の場合、乱数が0の場合は予告演出を実行する。
同図に示すように、「大当たりフラグ」がONの場合は、予告演出を行う確率が高くなっている。したがって、予告演出は、大当たりの成立を示唆する演出となる。また、「大当たりフラグ」がONの場合でモード間で見ると、モード5の場合、予告演出を行う確率が高くなっている。したがって、予告演出は、現在のモードがモード5であることを遊技者に予想させる演出にもなる。
<遊技台Aの特徴>
以下、上述した遊技台Aの特徴を列挙する。括弧内の符号は遊技台Aの各構成の説明に使用した符号に対応する。
1.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(S63、110a)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の変動表示を開始した後、図柄を停止表示して前記抽選手段(S63、110a)の抽選結果に応じた図柄を表示する図柄表示手段(32、50)と、予め定めた開始条件が成立した場合に、遊技者に有利な有利状態を開始させる有利状態設定手段(S99、110a))と、予め定めた再選択条件が成立した場合に、前記有利状態の内容を規定する複数種類の内容規定情報の中から、前回選択した前記内容規定情報に基づいて前記内容規定情報を選択する選択手段(S95、110a)と、前記選択手段(S95、110a)が選択した前記内容規定情報に基づいて前記有利状態の内容を設定する内容設定手段(S96、110a)と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、以前の有利状態の内容に関連して今回の有利状態の内容を選択するので、有利状態の内容の変化に関連性をもたせることができる。このため、遊技者にとっては、有利状態が終了して不利な状態が継続した場合であっても、次に有利状態が始まった場合のその内容を推測する楽しみができ、遊技者が期待感を持って遊技を長時間継続できるようなゲーム性を実現できる。また、有利状態の内容の変化に関連性をもたせることで、例えば特に有利な状態を連続的に生起させたり、比較的不利な状態を連続させたりと、出球の波に強弱をつけることが可能になったり、また、特に有利な状態に続いては比較的不利な状態を発生させ、逆に比較的不利な有利な状態に続いては特に有利な状態を発生させるなど出玉の波を平均化させるなど確率の偏りのみに左右されるのではなく、ある程度出玉のコントロールをできるようになり、遊技者が楽しく遊技できる遊技台の開発が可能になる。
2.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(S63、110a)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の変動表示を開始した後、図柄を停止表示して前記抽選手段(S63、110a)の抽選結果に応じた図柄を表示する図柄表示手段(32、50)と、前記図柄表示手段(32、50)が、前記大当たりの成立を示す前記図柄を表示したことを条件として、大当たり状態を開始させる大当たり状態設定手段(S56、110a)と、予め定めた開始条件が成立した場合に、遊技者に有利な特定状態を開始させる特定状態設定手段(S99、110a)と、予め定めた再選択条件が成立した場合に、前記特定状態の内容を規定する複数種類の内容規定情報の中から、前回選択した前記内容規定情報に基づいて前記内容規定情報を選択する選択手段(S95、110a)と、前記選択手段(S95、110a)が選択した前記内容規定情報に基づいて前記特定状態の内容を設定する内容設定手段(S96、110a)と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、以前の特定状態の内容に関連して今回の特定状態の内容を選択するので、特定状態の内容の変化に関連性をもたせることができる。このため、遊技者にとっては、特定状態が終了して不利な状態が継続した場合であっても、次に特定状態が始まった場合のその内容を推測する楽しみができ、遊技者が期待感を持って遊技を長時間継続できるようなゲーム性を実現できる。また、特定状態の内容の変化に関連性をもたせることで、例えば特に有利な状態を連続的に生起させたり、比較的不利な状態を連続させたりと、出球の波に強弱をつけることが可能になったり、また、特に有利な状態に続いては比較的不利な状態を発生させ、逆に比較的不利な有利な状態に続いては特に有利な状態を発生させるなど出玉の波を平均化させるなど確率の偏りのみに左右されるのではなく、ある程度出玉のコントロールをできるようになり、遊技者が楽しく遊技できる遊技台の開発が可能になる。
3.上記2の遊技台Aは、前記内容規定情報は、前記特定状態の期間を規定し、前記内容設定手段(S96、110a)は、前記特定状態の期間を設定することを特徴とする。
この構成によれば、特定状態の期間の変化に関連性を持たせることができるので、遊技者は、次に特定状態が始まった場合のその期間を推測する楽しみができ、長期間となると予想した遊技者は遊技を続行し、短期間となると予想した遊技者は遊技を止める等、遊技の止め時を判断する楽しみもできる。また、特定状態中における出玉率(遊技価値として付与される球数を発射した球数で割った値)が1以下になるように、各確率を設定することでたとえ長い期間が設定されたとしても、遊技者の射幸心をそれ程刺激せずに、ただ損をしにくいといった程度の有利さを遊技者に与えることができ非常に好適である。
4.上記3の遊技台Aは、前記特定状態の継続中に、前記図柄表示手段(32、50)が前記大当たりの成立を示す前記図柄を表示した場合、前記特定状態設定手段(S99、110a)は前記特定状態を終了させ(S55)、前記内容設定手段(S96、110a)は、次回の前記特定状態の期間として、終了した前記特定状態について設定した前記期間を設定すること(S81、S101)を特徴とする。
この構成によれば、例えば、前回の特定状態と比べて次回の特定状態が遊技者に不利にならないという利点があり、遊技者に遊技を続行する意欲を生じさせることができる。また、このようにすることで、特定状態の期間が不利な方向に変動することがなく、遊技者に安心感を与えられたり、目まぐるしく特定状態の期間が変化することによる分かりにくさを解消し、効果的な遊技状態の変化を実現できる。
5.上記2乃至4のいずれかの遊技台Aは、前記再選択条件が、前記抽選手段(S63、110a)による大当たりの抽選結果が大当たりであることを特徴とする。
この構成によれば、大当たりの成立毎に内容規定情報を選択することにより、例えば、遊技者に内容規定情報の選択タイミングが分かり易くなり、また、遊技者にとって不利な状態が続いている場合に、大当たりという有利な状態の他に、有利な内容規定情報に切り替わるという期待感を遊技者に与えられ、大当たりの成立の喜びを倍増できる。なお、再選択条件は、この他に一定の期間(時間、大当たりの抽選回数)が挙げられる。この場合、遊技者にとって不利な状態が続いている場合であっても、いつかは事態が好転するという期待感を遊技者に与えられる。
6.上記3の遊技台Aは、前記再選択条件が、前記抽選手段(S63、110a)による大当たりの抽選結果が大当たりであり、前記特定状態が、第1の特定状態と、前記第1の特定状態よりも遊技者に有利な第2の特定状態と、を含み、前記特定状態設定手段(S99、110a)は、前記開始条件が成立した場合に、前記第1の特定状態又は前記第2の特定状態のいずれかを開始させ、前記内容規定情報は、前記第1の特定状態の期間を規定し、前記内容設定手段(S96、110a)は、前記第1の特定状態の期間を設定し、前記特定状態設定手段(S99、110a)は、前記抽選手段(S63、110a)による大当たりの抽選結果が大当たりの場合に前記第2の特定状態を終了させ(S55))、前記選択手段(S95、110a)は、前記第2の特定状態の後の最初の前記特定状態が前記第1の特定状態の場合、特定の前記内容規定情報を選択すること(S70、S103)を特徴とする。
この構成によれば、第2の特定状態が大当たりの成立まで継続するので、例えば、遊技者には、第2の特定状態になることを目標に遊技をさせられる場合があり、単調にゲームを繰り返すのではなく、ある程度の目的意識を遊技者に持たせらることができる。また、第2の特定状態の終了後には、特定の内容規定情報を選択するので、例えば、おまけが付くという期待感を遊技者に与えられ、また、遊技性を無駄に複雑にすることを回避しながら、適度に多彩な遊技性を実現できる。
7.上記6の遊技台Aは、前記特定の内容規定情報が、前記複数種類の内容規定情報のうち、遊技者に最も有利な前記内容規定情報であることを特徴とする。
この構成によれば、例えば、第2の特定状態が一旦始まると、遊技者にとっては、有利な内容規定情報の選択が継続するので、遊技者の遊技意欲を向上できる。また、遊技者に有利な期間が継続するので、遊技性を無駄に複雑にすることを回避して、適度に多彩な遊技性を実現できる。
8.上記6又は7の遊技台Aは、前記選択手段(S95、110a)は、前記特定の内容規定情報を選択した後、前記第1の特定状態の終了後に前記再選択条件が成立した場合は、前記特定の内容規定情報を選択する直前に選択した前記内容規定情報を選択することを特徴とする。
この構成によれば、例えば、有利な状態の終了後に最も不利な遊技状態に移行しやすくして遊技者に遊技の止め時と捉えられる危険を減少することができ、また、有利な状態に移行する直前の条件で遊技が再開されることになるので、再度有利な状態に移行するかもしれないという期待感を遊技者に与えることができ、遊技意欲を向上することができる。
9.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(S63、110a)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の変動表示を開始した後、図柄を停止表示して前記抽選手段(S63、110a)の抽選結果に応じた図柄を表示する図柄表示手段(32、50)と、予め定めた開始条件が成立した場合に、前記図柄表示手段(32、50)による前記変動表示の変動時間が短くなるように当該変動時間を設定する時短状態を開始させる時短状態設定手段(S99、110a)と、予め定めた再選択条件が成立した場合に、前記時短状態の期間を規定する複数種類の期間規定情報の中から、前回選択した前記期間規定情報に基づいて前記期間規定情報を選択する選択手段(S95、110a)と、前記選択手段(S95、110a)が選択した前記期間規定情報に基づいて、次回の前記時短状態の期間を設定する期間設定手段(S96、110a)と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、以前の時短状態の期間に関連して今回の時短状態の期間を選択するので、時短状態の期間の変化に関連性をもたせることができる。このため、遊技者にとっては、時短状態が終了して不利な状態が継続した場合であっても、次に時短状態が始まった場合のその期間を推測する楽しみができ、遊技者が期待感を持って遊技を長時間継続できるようなゲーム性を実現できる。また、時短状態の期間の変化に関連性をもたせることで、例えば特に有利な状態を連続的に生起させたり、比較的不利な状態を連続させたりと、出球の波に強弱をつけることが可能になったり、また、特に有利な状態に続いては比較的不利な状態を発生させ、逆に比較的不利な有利な状態に続いては特に有利な状態を発生させるなど出玉の波を平均化させるなど確率の偏りのみに左右されるのではなく、ある程度出玉のコントロールをできるようになり、遊技者が楽しく遊技できる遊技台の開発が可能になる。
10.上記9の遊技台Aは、前記時短状態設定手段(S99、110a)が、前記期間設定手段(S96、110a)が設定した前記期間の経過により前記時短状態を終了させた場合(S78)、前記選択手段(S95、110a)は、前回選択した前記期間規定情報に基づいて前記期間規定情報を選択し(S95)、前記期間設定手段(S96、110a)は、前記選択手段(S95、110a)が選択した前記期間規定情報に基づいて次回の前記時短状態の期間を設定し(S96)、前記時短状態設定手段(S99、110a)が、前記期間設定手段(S96、110a)が設定した前記期間の経過以外の所定の条件の成立により前記時短状態を終了させた場合(S78)、前記期間設定手段(S96、110a)は、次回の前記時短状態の期間として、終了した前記時短状態について設定した前記期間を設定すること(S81、S101)を特徴とする。
この構成によれば、設定した期間の経過以外の条件で時短状態が終了した場合には、次の時短状態について同じ期間を設定することで、例えば、前回の特定状態と比べて次回の特定状態が遊技者に不利にならないという利点があり、遊技者に遊技を続行する意欲を生じさせることができる。また、このようにすることで、特定状態の期間が不利な方向に変動することがなく、遊技者に安心感を与えられたり、目まぐるしく特定状態の期間が変化することによる分かりにくさを解消し、効果的な遊技状態の変化を実現できる。