JP5263640B2 - 駆動装置または画像形成装置 - Google Patents
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Description
直径が大きく、重量が重い回転慣性体を用いることで慣性モーメントJを大きくすることができる。しかし、直径が大きい回転慣性体は、大きな設置スペースを必要とする。また、重量が重い回転慣性体は、慣性回転体の回転軸を支持する支持機構の剛性高める必要があり、支持機構が高価になる。また、回転慣性体の奥に配置してある部品のメンテナンスをする際、直径が大きい回転慣性体が邪魔になり、作業効率が悪くなってしまうという不具合がある。
図10は、特許文献1に記載の駆動装置を示す図である。
図に示すように、画像形成装置のフレーム102には、感光体1を駆動するための駆動モータ(駆動源)105が固定されている。駆動モータ105の回転軸には、小歯車106が固定されており、この小歯車106が大歯車107に噛み合わせられている。大歯車107は、小歯車108と共に、フレーム102,103に回転自在に支持された回転軸110に固定されている。そして、小歯車108は、大歯車109に噛み合わせられている。大歯車109は、画像形成装置のフレーム102,103に回転自在に支持された回転軸111(入力軸)に固定されており、回転軸111の端部には、軸継手112が固定されている。
一方、感光体1の回転中心となる回転軸1aの端部には、軸継手113が固定されており、この軸継手113が軸継手112に取り付けられている。また、回転軸111には、第1のプーリ118が固定されている。
特許文献2に記載の駆動装置は、感光体1の角速度よりも、フライホイール120の角速度の方を大きくするための変速(増速)機構130を、回転軸111(入力軸)に取り付けた大径摩擦車128と、ホイール軸119(出力軸)に取り付けられ、大径摩擦車128に接触して大径摩擦車128と連動して回転する小径摩擦車129とで構成したものである。
そこで、変速機構をギヤなどの歯と歯とが噛み合うような伝達部材で構成することも考えられる。しかし、この場合、バックラッシュの存在、歯形精度により、噛み合い振動が発生する。従って、フライホイールで回転安定化させようとしているにもかかわらず、その目的を十分に達成できず、阻害することすら考えられる。
さらに、特許文献1、2の変速機構は、ホイール軸119を回転軸111の同軸上から外れた位置に設ける必要があり、駆動装置が回転軸の径方向に大きくなるという問題もあった。
また、請求項2の発明は、駆動源と、回転体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転体駆動伝達機構と、前記回転体の速度変動を抑制するための回転慣性体と、前記回転慣性体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構とを備え、前記回転体駆動伝達機構および前記回転慣性体駆動伝達機構の少なくとも一方に回転速度を変速する遊星摩擦車機構を設けて、前記回転慣性体を前記回転体の角速度を越える角速度で回転させる駆動装置において、前記回転慣性体と前記回転体駆動伝達機構と前記回転慣性体駆動伝達機構とを前記回転体の回転軸と同軸上に設け、前記遊星摩擦車機構を、回転慣性体駆動伝達機構に設け、前記回転慣性体と同軸上かつ、前記回転体駆動伝達機構と前記回転慣性体駆動伝達機構との間に前記駆動源の出力ギヤと噛み合い、駆動力を入力する駆動伝達ギヤを配置し、前記駆動源の回転速度を前記駆動伝達ギヤのみで減速する1段減速機構であって、前記回転慣性体の外径を前記駆動伝達部材の外径よりも小さくして、前記駆動源と前記回転慣性体とを前記回転軸の法線方向に並べて配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、駆動源と、回転体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転体駆動伝達機構と、前記回転体の速度変動を抑制するための回転慣性体と、前記回転慣性体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構とを備え、前記回転体駆動伝達機構および前記回転慣性体駆動伝達機構の少なくとも一方に回転速度を変速する遊星摩擦車機構を設けて、前記回転慣性体を前記回転体の角速度を越える角速度で回転させる駆動装置において、前記遊星摩擦車機構は、前記回転軸と同軸上に設けられた太陽摩擦車と、同心円上に等間隔で配置された遊星軸を備えるキャリアと、前記遊星軸にそれぞれ回転自在に固定され、少なくとも自転する複数の遊星摩擦車と、筒状部を備えた内接リングとを有し、前記遊星摩擦車を前記太陽摩擦車と前記内接リングの内周面とで圧接する構成であって、前記太陽摩擦車、前記キャリア、前記内接リングのうちのひとつを固定して駆動力の伝達を行うものであって、前記内接リングが、少なくと前記遊星摩擦車を密閉状態に覆う構成とし、前記駆動源の出力ギヤと噛み合い、前記駆動源の駆動力を入力する駆動伝達ギヤを設け、前記駆動源の回転速度を前記駆動伝達ギヤのみで減速する1段減速機構であって、前記回転慣性体の外径を前記駆動伝達部材の外径よりも小さくして、前記駆動源と前記回転慣性体とを前記回転軸の法線方向に並べて配置したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の駆動装置において、前記駆動伝達部材を樹脂で形成し、前記凹部内周面を金属部材で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1または4に記載の駆動装置において、前記駆動伝達部材は、前記駆動源の出力ギヤと噛み合う駆動伝達ギヤであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の駆動装置において、前記駆動源の回転速度を前記駆動伝達ギヤのみで減速する1段減速機構であって、前記回転慣性体の外径を前記駆動伝達部材の外径よりも小さくして、前記駆動源と前記回転慣性体とを前記回転軸の法線方向に並べて配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項2の駆動装置において、前記遊星摩擦車機構は、前記回転軸と同軸上に設けられた太陽摩擦車と、同心円上に等間隔で配置された遊星軸を備えるキャリアと、前記遊星軸にそれぞれ回転自在に固定され、少なくとも自転する複数の遊星摩擦車と、筒状部を備えた内接リングとを有し、前記遊星摩擦車を前記太陽摩擦車と前記内接リングの内周面とで圧接する構成であって、前記太陽摩擦車、前記キャリア、前記内接リングのうちのひとつを固定して駆動力の伝達を行うものであって、前記内接リングが、少なくとも前記遊星摩擦車を密閉状態に覆うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかひとつに記載の駆動装置において、前記回転体は、当該駆動装置を備えた画像形成装置に対して着脱可能であって、駆動伝達部材と前記回転慣性体と変速機構とを前記画像形成装置本体側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、回転体を備えた画像形成装置において、前記回転体を回転駆動させる駆動装置として、請求項1乃至8いずれかひとつに記載の駆動装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、前記回転体が像担持体であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記像担持体の周囲にそれぞれ色の異なるトナー収納した複数の現像装置を配置し、前記像担持体が一回転する間に前記像担持体上にカラー画像が形成されることを特徴とするものである。
また、変速機構として、遊星摩擦車機構を用いて、摩擦力により駆動力を伝達する。よって、歯と歯とが噛み合うような歯車機構により駆動力を伝達するもののように噛み合い振動が発生することがない。また、遊星摩擦車機構は、太陽摩擦車の円周方向均等に配置された複数の遊星摩擦車を太陽摩擦車と内接リングの内周面とで圧接する構成である。このため、摩擦力により駆動力を伝達する方式であっても、特許文献1や2記載の変速機構のように、変速機構によって入力軸や出力軸を撓ませることがない。その結果、変速機構に起因する回転体の振動を抑制することができる。さらに、遊星摩擦車機構を用いることで、入力軸と出力軸とを同軸上にすることができるので、回転軸上に回転慣性体を設けることが可能となる。そして、回転慣性体を回転軸と同軸上に設けることで、特許文献1、2に比べて回転軸の径方向に駆動装置を小型化することができる。
図1は、本実施形態に係るプリンタ全体の概略構成図である。画像形成装置の本体中央部には作像部があり、この作像部に像担持体としての感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1の周辺には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(Bk)の各色のトナー像を形成するための帯電装置2と現像装置4とが、上方から反時計回りに4組が配置されている。また、装置の左方には感光体ドラム1にレーザー光Lを照射する露光装置5が設けられており、各帯電装置2と各現像装置4の間の露光部に各色の潜像形成用のレーザー光Lを照射している。すなわち、イエロー(Y)用の帯電装置2Y、露光部3Y、現像装置4Y、マゼンタ(M)用の帯電装置2M、露光部3M、現像装置4M、シアン(C)用の帯電装置2C、露光部3C、現像装置4C、黒(Bk)用の帯電装置2Bk、露光部3Bk、現像装置4Bkが順に配置されている。また、これらの下流の感光体ドラム1の周辺には、転写ベルト装置9と、クリーニング装置14とが設けられている。なお、本実施形態の作像部は、感光体1と、帯電装置2、現像装置4及びクリーニング装置14とを一体とした、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとなっている。プロセスカートリッジとしての構成は本実施形態のような構成に限るものではなく、また、作像部をプロセスカートリッジ化しなくても構わない。
原稿画像は本装置とは別体の画像読み取り装置(図示なし)の撮像素子により読み取られた画像或いはコンピュータで編集された画像を、Y,M,C及びBkの各色別の画像信号として一旦メモリに記憶し格納される。画像記録のスタートにより感光体駆動モータ(図示なし)の始動により感光体ドラム1を反時計方向へと回転し、同時にY用帯電装置2Yの帯電作用により電位の付与が開始される。感光体ドラム1は電位を付与されたあと、露光装置5より照射されるレーザー光LYにより第1の色信号即ちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号に基づく露光が開始されドラムの回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する潜像を形成する。Y用の潜像は現像装置4Yの現像ローラ30にて、感光体ドラム1との対向部に搬送されてきたトナーにより非接触現像され、感光体ドラム1上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
駆動装置60は、駆動源たる駆動モータ62、感光体ドラム1の速度変動を抑制するための回転慣性体たるフライホイール61、回転体たる感光体ドラム1およびフライホイール61に駆動源の駆動力を伝達するための駆動伝達部材たる駆動ギヤ63、フライホイール61が感光体ドラム1の角速度を越える角速度で回転するようフライホイール61の回転速度を増速する変速機構たる遊星摩擦車機構70、等を備えている。
駆動モータ62は、支持板64に固定されている。駆動モータ62の出力ギヤ62aには、駆動ギヤ63が噛み合っており、駆動ギヤ63は、感光体ドラム1の回転軸1aと同軸上に設けられた出力軸67に固定されており、駆動ギヤ63のピッチ円直径は、感光体ドラム1の直径よりも大きくなっている。また、駆動モータ62が回転すると、その回転駆動力が出力ギヤ62aから駆動ギヤ63に一段減速で伝達されて感光体ドラム1が回転駆動するようになっている。一段減速とすることで、部品点数を少なくし低コストにすることができる。また、ギヤを2つにして噛み合い誤差や偏心による伝達誤差の要因を少なくすることができ、感光体の速度変動の要因を少なくすることができる。特に、駆動ギヤ63のモジュールm(歯数/ギヤの直径)を、感光体ドラム1の直径をDd、駆動ギヤピッチ円直径Dgとしたとき、m<(Dg/2πDd)の関係にすることが好ましい。これにより、ギヤの噛み合いによる速度変動によって感光体ドラム表面に形成するトナー像に与えるバンディング(噛み合い周期のピッチむら)が視認しにくい高周波領域にすることができる。
感光体ドラム1は、面板69と回転軸1aと従動側カップリング66aとともに装置本体から着脱可能に構成されている。感光体ドラム1が装置本体に装着された状態のとき、駆動側カップリング66bと従動側カップリング66aとが回転方向に係合している。これにより、出力軸67の回転がカップリング装置66を介して回転軸1aに伝えられ、感光体ドラム1が回転駆動する。
遊星摩擦車機構70は、太陽軸74と、3つの遊星摩擦車73a、73b、73cと、キャリア部材72と、内接リング71とで構成されている。
キャリア部材72は、出力軸67の奥側端面に同心状に固定されている。キャリア部材の太陽軸側側面には、円周方向等間隔で3箇所、側面から垂直方向に延びる遊星軸72a、72b、72cが設けられている。各遊星軸72a、72b、72cには、それぞれ遊星摩擦車73a、73b、73cが回転自在に取り付けられており、各遊星摩擦車73a、73b、73cの外周面は、太陽軸74の外周面と内接リング71の内周面と圧接している。太陽軸74、遊星摩擦車73a、73b、73c、内接リング71は、金属などの剛性の高い部材で形成されており、圧接により太陽軸74、遊星摩擦車73a、73b、73c、内接リング71が弾性変形などを起こさないようにしている。内接リング71は、円柱形状をしており、円形面71b、71cの中央に孔部軸受71e、71dがそれぞれ設けられている。そして、円形面71bの孔部に取り付けられた軸受71eには、出力軸67が貫通しており、円形面71cの孔部に取り付けた軸受71dには太陽軸74が貫通している。これにより、内接リング内部のキャリア部材72、遊星摩擦車73a、73b、73cが内接リング71により密閉状態にせしめられる。これにより、飛散したトナーなどの異物が、遊星摩擦車73と太陽軸74との間や、遊星摩擦車73と内接リング71の内周面との間に付着するのを防止することができる。よって、トナーなどの異物により、遊星摩擦車73が滑るのを抑制することができ、良好にフライホイール61に駆動力を伝達することができる。また、内接リング71は、支持板64に固定されている。
遊星摩擦車機構70は、太陽軸74、キャリア部材72、内接リング71が、それぞれ回転駆動力が入力される入力部と、遊星摩擦車73により増加された角速度を出力する出力部と、回転不能な固定部となることで、変速機構としての機能を発揮する。図3に示す遊星摩擦車機構の場合は、キャリア部材72が入力部として機能し、太陽軸74が出力部として機能し、内接リング71が固定部として機能する。
また、出力軸67の奥側端面に固定された遊星摩擦車機構70のキャリア部材72が回転する。キャリア部材72が回転すると、キャリア部材72の遊星軸72a、72b、72cに回転自在に取り付けられた3個の遊星摩擦車73a、73b、73cが、太陽軸74の軸中心を公転する。このとき、遊星摩擦車73a、73b、73cは、支持板64に固定された内接リング71の内周面と圧接しているため、内接リング71との接触面を転がりながら遊星摩擦車軸中心に自転することになる。さらに、遊星摩擦車73a、73b、73cは太陽軸74と圧接しているので、遊星摩擦車73a、73b、73cの公転による回転と、自転による回転とが伝達されて太陽軸74が回転する。これにより、回転軸67の回転速度は、遊星摩擦車機構70により増速されて、太陽軸74に出力されて、フライホール61が感光体ドラム1の角速度よりも速い角速度で回転する。このように、本実施形態においては、回転慣性体たるフライホイールに駆動モータの駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構が、遊星摩擦車機構70で構成される。
たとえば、Ds=10、Dp=20、Di=50であれば、増速比は6倍となる。
このように、フライホイール61の角速度ωを大きくすることができるので、上述した慣性エネルギーE=(Jω2)/2(ここで、Jは回転慣性体の慣性モーメント、ωは回転慣性体の角速度)を大きくすることができる。よって、半径が小さく、重量が軽いフライホイール61であっても感光体ドラム1の速度変動を抑えるのに必要な慣性エネルギーEを得ることができる。これにより、感光体ドラム1の速度変動を抑制する効果を損なうことなく、フライホイール61を小型化でき、省スペースな駆動装置を得ることができる。
Rd>Rf+Rmの関係を満たすことで、フライホイールが取り付けられる軸(太陽軸74)の長さを短くでき、軸(太陽軸74)がフライホイールの重みで撓むことが抑制されるとともに、軸方向に駆動装置を小型化することができる。
図4は、変形例1の駆動装置を示す図である。
図に示すように、この変形例1の駆動装置は、フライホイール61および遊星摩擦車機構70をプリンタ本体の手前側に設けたものである。この変形例1では、遊星摩擦車機構70の内接リング71を面板69に固定されている。回転軸1aの手前側端部には、第1カップリング80aが取り付けられており、入力軸81の奥側端部には、第2カップリング80bが取り付けられており、第1カップリング80aと第2カップリング80bとは、回転方向に係合している。入力軸81は、面板69に回転自在に支持されており、入力軸81の手前側端部には、キャリア72が固定されている。
この変形例1は、駆動モータ62の駆動力が、駆動出力ギヤ62aから駆動ギヤ63に伝達され、出力軸67が回転して、カップリング機構66を介して回転軸1aが回転して感光体ドラムが回転する。また、回転軸1aが回転すると、カップリング機構80を介して入力軸81が回転する。そして、遊星摩擦車機構70で速度が増速され、太陽軸74に出力され、太陽軸74に固定されたフライホイール61が、感光体ドラム1の角速度よりも速い角速度で回転する。すなわち、変形例1においては、回転慣性体たるフライホイールに駆動モータの駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構が、カップリング機構80と、入力軸81と、遊星摩擦車機構70とで構成される。
この変形例1の駆動装置は、装置奥側にフライホイールを配置するよりも、装置奥側のスペースをより有効に利用することができる。また、感光体ドラム1の交換時に遊星摩擦車機構70とフライホイール61を外す場合は、カップリング80で分離することができる。
図5は、変形例2の駆動装置である。
この変形例2の駆動装置は、駆動ギヤ63の回転中心を中心にして円形の凹部63aが設けられ、駆動ギヤ63の凹部63aの回転中心には、第2の凹部63bが設けられており、この第2の凹部63bに太陽軸74の手前側端部が軸受によって回転自在に取り付けられている。また、太陽軸74は、支持板64軸受を介して回転自在に支持されており、その奥側端部に、フライホイール61が固定されている。支持板64には、太陽軸74の軸中心を中心にして同心円上に太陽軸の回転方向等間隔で3箇所、支持板64から垂直に延びる遊星軸72a、72b(図示せず)、72cが設けられている。この遊星軸72a、72b、72cにそれぞれ遊星摩擦車73a、73b(図示せず)73cが回転自在に取り付けられており、各遊星摩擦車73a〜cは、太陽軸74の外周面と駆動ギヤ63の凹部の内周面とに圧接している。
すなわち、変形例2の駆動装置における、遊星摩擦車機構は、駆動ギヤ63の凹部63aと、太陽軸74と、遊星摩擦車73a〜73cと、遊星軸72a〜72cとで構成されている。
また、この変形例2の駆動装置においては、駆動ギヤ63の装置手前側(感光体側)の面には、出力部63cが駆動ギヤの回転中心と同心状に設けられており、出力部63cの先端には、凹型のメス型カップリング66bが設けられている。メス型カップリング66bの円柱状の凹部の内周面に複数の歯車を有する内歯車が形成されている。感光体ドラムの回転軸1aにはオス型カップリング66aが設けられており、メス型カップリング66bの内歯車と噛み合うギヤを有している。なお、感光体ドラムの回転軸1aに取り付けられるカップリングをメス型として、駆動ギヤの出力部のカップリングをオス型としてもよい。駆動ギヤ63は、軸受によって奥側側板65に回転自在に支持されている。
そこで、駆動ギヤ63を樹脂とした場合、図6に示すように、凹部63aの内周面に金属リング63dを嵌合させる。あるいは、射出成形される駆動ギヤ63に金属リング63dをインサート成形する。凹部63aの内周面に金属リング63dを設けることで、凹部63aの内周面が、遊星摩擦車との圧接により弾性性変形するのを防止し、太陽軸74への駆動伝達をスムーズに行うことができる。また、駆動ギヤ63を樹脂で形成することで、出力ギヤ62aと駆動ギヤ63との間の噛み合い伝達部における振動を減衰させることができ、感光体ドラム1の速度変動を抑制することができる。
図7は、変形例3の駆動装置である。
この変形例3の駆動装置は、駆動ギヤ63の太陽軸74の軸中心を中心にして同心円上に駆動ギヤの回転方向等間隔で3箇所、駆動ギヤ63の奥側側面から垂直に延びる遊星軸72a、72b(図示せず)、72cが設けられている。太陽軸74は、駆動ギヤの回転中心に固定された軸受と支持板64の軸受の2点で回転自在に支持され、奥側端部にはフライホイール61が固定されている。内接リング71は、支持板64に固定されている。
すなわち、変形例3の駆動装置における遊星摩擦車機構70は、太陽軸74と、遊星摩擦車73a〜73cと、駆動ギヤ63に配設された遊星軸72a〜72cと、内接リング71とで構成されている。
この変形例3における遊星摩擦車機構70の増速比は、図2の構成と同じである。すなわち、増速比=(πDi/πDs)+1=(Di/Ds)+1となる。たとえば、Ds=10、Dp=20、Di=50であれば、増速比は6倍となる。
図8は、変形例4の駆動装置である。
この変形例4の駆動装置は、変形例3同様、駆動ギヤ63の太陽軸74の軸中心を中心にして同心円上に駆動ギヤ63の回転方向等間隔で3箇所、駆動ギヤ63の奥側側面から垂直に延びる遊星軸72a、72b(図示せず)、72cが設けられている。太陽軸74の奥側端部は、ブラケット81に固定されており、手前側端部は、駆動ギヤ63の回転中心に固定された軸受に支持されている。内接リング71には、フライホイール61が固定されており、内接リング71およびフライホイール61は、太陽軸74に固定された軸受により回転自在に支持されている。この変形例4の駆動装置における遊星摩擦車機構70は、変形例3同様、太陽軸74と、遊星摩擦車73a〜73cと、駆動ギヤ63に配設された遊星軸72a〜72cと、内接リング71とで構成されている。
この変形例4における遊星摩擦車機構の増速比は、増速比=(πDs/πDi)+1=(Ds/Di)+1となる。たとえば、Ds=10、Dp=20、Di=50であれば、増速比は1.2倍となる。
また、遊星摩擦車機構70を用いて、摩擦力により駆動力を伝達することで、回転軸1aなどが撓むことがなく、噛み合い振動なども発生することがない。その結果、角速度増速伝達機構に起因する感光体ドラムの振動を抑制することができる。さらに、遊星摩擦車機構70を用いることで、入力軸と出力軸とを同軸上にすることができるので、回転軸上にフライホイール61を設けることが可能となる。そして、フライホイールを回転軸と同軸上に設けることで、回転軸法線方向に駆動装置を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
2 帯電装置
4 現像装置
5 露光装置
9 転写ベルト装置
11 感光体ドラム
12 転写ローラ
13 転写ベルト
14 クリーニング装置
15 クリーニングブレード
18 定着装置
60 駆動装置
61 フライホイール
62 駆動モータ
63 駆動ギヤ
70 遊星摩擦車機構
72 キャリア
72a、72b、72c 遊星軸
73a、73b、73c 遊星摩擦車
74 太陽軸
Claims (11)
- 駆動源と、
回転体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転体駆動伝達機構と、
前記回転体の速度変動を抑制するための回転慣性体と、
前記回転慣性体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構とを備え、
前記回転体駆動伝達機構および前記回転慣性体駆動伝達機構の少なくとも一方に回転速度を変速する遊星摩擦車機構を設けて、前記回転慣性体を前記回転体の角速度を越える角速度で回転させる駆動装置において、
前記回転慣性体と前記回転体駆動伝達機構と前記回転慣性体駆動伝達機構とを前記回転体の回転軸と同軸上に設け、
前記遊星摩擦車機構を、回転慣性体駆動伝達機構に設け、
前記回転慣性体と同軸上かつ、前記回転体駆動伝達機構と前記回転慣性体駆動伝達機構との間に前記駆動源の駆動力を入力する駆動伝達部材を配置し、
前記遊星摩擦車機構は、
前記回転軸と同軸上に設けられた太陽摩擦車と、
同心円上に等間隔で配置された遊星軸を備えるキャリアと、
前記遊星軸にそれぞれ回転自在に固定され、自転する複数の遊星摩擦車と、
前記駆動伝達部材の回転中心に設けられた凹部とを有し、
前記遊星摩擦車を前記太陽摩擦車と前記凹部の内周面とで圧接する構成としたことを特徴とする駆動装置。 - 駆動源と、
回転体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転体駆動伝達機構と、
前記回転体の速度変動を抑制するための回転慣性体と、
前記回転慣性体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構とを備え、
前記回転体駆動伝達機構および前記回転慣性体駆動伝達機構の少なくとも一方に回転速度を変速する遊星摩擦車機構を設けて、前記回転慣性体を前記回転体の角速度を越える角速度で回転させる駆動装置において、
前記回転慣性体と前記回転体駆動伝達機構と前記回転慣性体駆動伝達機構とを前記回転体の回転軸と同軸上に設け、
前記遊星摩擦車機構を、回転慣性体駆動伝達機構に設け、
前記回転慣性体と同軸上かつ、前記回転体駆動伝達機構と前記回転慣性体駆動伝達機構との間に前記駆動源の出力ギヤと噛み合い、駆動力を入力する駆動伝達ギヤを配置し、
前記駆動源の回転速度を前記駆動伝達ギヤのみで減速する1段減速機構であって、前記回転慣性体の外径を前記駆動伝達部材の外径よりも小さくして、前記駆動源と前記回転慣性体とを前記回転軸の法線方向に並べて配置したことを特徴とする駆動装置。 - 駆動源と、
回転体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転体駆動伝達機構と、
前記回転体の速度変動を抑制するための回転慣性体と、
前記回転慣性体に前記駆動源の駆動力を伝達する回転慣性体駆動伝達機構とを備え、
前記回転体駆動伝達機構および前記回転慣性体駆動伝達機構の少なくとも一方に回転速度を変速する遊星摩擦車機構を設けて、前記回転慣性体を前記回転体の角速度を越える角速度で回転させる駆動装置において、
前記遊星摩擦車機構は、
前記回転軸と同軸上に設けられた太陽摩擦車と、
同心円上に等間隔で配置された遊星軸を備えるキャリアと、
前記遊星軸にそれぞれ回転自在に固定され、少なくとも自転する複数の遊星摩擦車と、
筒状部を備えた内接リングとを有し、
前記遊星摩擦車を前記太陽摩擦車と前記内接リングの内周面とで圧接する構成であって、前記太陽摩擦車、前記キャリア、前記内接リングのうちのひとつを固定して駆動力の伝達を行うものであって、
前記内接リングが、少なくと前記遊星摩擦車を密閉状態に覆う構成とし、
前記駆動源の出力ギヤと噛み合い、前記駆動源の駆動力を入力する駆動伝達ギヤを設け、
前記駆動源の回転速度を前記駆動伝達ギヤのみで減速する1段減速機構であって、前記回転慣性体の外径を前記駆動伝達部材の外径よりも小さくして、前記駆動源と前記回転慣性体とを前記回転軸の法線方向に並べて配置したことを特徴とする駆動装置。 - 請求項1の駆動装置において、
前記駆動伝達部材を樹脂で形成し、前記凹部内周面を金属部材で構成したことを特徴とする駆動装置。 - 請求項1または4に記載の駆動装置において、
前記駆動伝達部材は、前記駆動源の出力ギヤと噛み合う駆動伝達ギヤであることを特徴とする駆動装置。 - 請求項5に記載の駆動装置において、
前記駆動源の回転速度を前記駆動伝達ギヤのみで減速する1段減速機構であって、前記回転慣性体の外径を前記駆動伝達部材の外径よりも小さくして、前記駆動源と前記回転慣性体とを前記回転軸の法線方向に並べて配置したことを特徴とする駆動装置。 - 請求項2の駆動装置において、
前記遊星摩擦車機構は、
前記回転軸と同軸上に設けられた太陽摩擦車と、
同心円上に等間隔で配置された遊星軸を備えるキャリアと、
前記遊星軸にそれぞれ回転自在に固定され、少なくとも自転する複数の遊星摩擦車と、
筒状部を備えた内接リングとを有し、
前記遊星摩擦車を前記太陽摩擦車と前記内接リングの内周面とで圧接する構成であって、前記太陽摩擦車、前記キャリア、前記内接リングのうちのひとつを固定して駆動力の伝達を行うものであって、
前記内接リングが、少なくとも前記遊星摩擦車を密閉状態に覆うことを特徴とする駆動装置。 - 請求項1乃至7いずれかひとつに記載の駆動装置において、
前記回転体は、当該駆動装置を備えた画像形成装置に対して着脱可能であって、駆動伝達部材と前記回転慣性体と変速機構とを前記画像形成装置本体側に設けたことを特徴とする駆動装置。 - 回転体を備えた画像形成装置において、
前記回転体を回転駆動させる駆動装置として、請求項1乃至8いずれかひとつに記載の駆動装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9の画像形成装置において、
前記回転体が像担持体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10の画像形成装置において、
前記像担持体の周囲にそれぞれ色の異なるトナー収納した複数の現像装置を配置し、前記像担持体が一回転する間に前記像担持体上にカラー画像が形成されることを特徴とする画像形成装置。
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